1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十八日(木曜日)
午前十時四十四分開議
出席委員
委員長 吉川 久衛君
理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
理事 細谷 治嘉君 理事 山口 鶴男君
青木 正久君 岡崎 英城君
亀山 孝一君 木野 晴夫君
辻 寛一君 永山 忠則君
野呂 恭一君 藤田 義光君
山口シヅエ君 井岡 大治君
太田 一夫君 河上 民雄君
三木 喜夫君 山本弥之助君
門司 亮君 小濱 新次君
林 百郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
警察庁保安局長 今竹 義一君
大蔵省主計局次
長 相沢 英之君
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省財政局長 細郷 道一君
委員外の出席者
警察庁警備局公
安第一課長 勝田 俊男君
大蔵省主計局主
計官 秋吉 良雄君
厚生省環境衛生
局公害部環境整
備課長 石丸 隆治君
自治省行政局公
務員部長 鎌田 要人君
専 門 員 越村安太郎君
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四月十七日
委員小濱新次君辞任につき、その補欠として松
本忠助君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員太田一夫君及び松本忠助君辞任につき、そ
の補欠として赤路友藏君及び小濱新次君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員赤路友藏君辞任につき、その補欠として太
田一夫君が議長の指名で委員に選任された。
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四月十六日
地方公務員の定年制法制化反対に関する請願
(赤路友藏君紹介)(第三八九八号)
同外六件(井岡大治君紹介)(第三八九九号)
同(伊賀定盛君紹介)(第三九〇〇号)
同(池田禎治君紹介)(第三九〇一号)
同外一件(石川次夫君紹介)(第三九〇二号)
同外二件(石田宥全君紹介)(第三九〇三号)
同(石橋政嗣君紹介)(第三九〇四号)
同外三件(枝村要作君紹介)(第三九〇五号)
同外二件(大出俊君紹介)(第三九〇六号)
同(大橋敏雄君紹介)(第三九〇七号)
同外三件(折小野良一君紹介)(第三九〇八号)
同(加藤万吉君紹介)(第三九〇九号)
同(勝澤芳雄君紹介)(第三九一〇号)
同外一件(角屋堅次郎君紹介)(第三九一一号)
同(神近市子君紹介)(第三九一二号)
同(川崎寛治君紹介)(第三九一三号)
同(川村継義君紹介)(第三九一四号)
同(河上民雄君紹介)(第三九一五号)
同(河野正君紹介)(第三九一六号)
同外三件(木原津輿志君紹介)(第三九一七号)
同(北山愛郎君紹介)(第三九一八号)
同(久保三郎君紹介)(第三九一九号)
同外二件(神門至馬夫君紹介)(第三九二〇号)
同(佐々木更三君紹介)(第三九二一号)
同(田原春次君紹介)(第三九二二号)
同(田邊誠君紹介)(第三九二三号)
同(多賀谷真稔君紹介)(第三九二四号)
同(堂森芳夫君紹介)(第三九二五号)
同(中井德次郎君紹介)(第三九二六号)
同外二件(中澤茂一君紹介)(第三九二七号)
同外三件(中村重光君紹介)(第三九二八号)
同(中村時雄君紹介)(第三九二九号)
同外二件(楢崎弥之助君紹介)(第三九三〇号)
同(成田知巳君紹介)(第三九三一号)
同外二件(野間千代三君紹介)(第三九三二号)
同外二件(原茂君紹介)(第三九三三号)
同外二件(平等文成君紹介)(第三九三四号)
同外二件(細谷治嘉君紹介)(第三九三五号)
同(堀昌雄君紹介)(第三九三六号)
同(松前重義君紹介)(第三九三七号)
同外一件(松本七郎君紹介)(第三九三八号)
同(三木喜夫君紹介)(第三九三九号)
同外一件(村山喜一君紹介)(第三九四〇号)
同外二件(八木昇君紹介)(第三九四一号)
同(矢尾喜三郎君紹介)(第三九四二号)
同(山口鶴男君紹介)(第三九四三号)
同外二件(山田耻目君紹介)(第三九四四号)
同(山中吾郎君紹介)(第三九四五号)
同(山本弥之助君紹介)(第三九四六号)
同(米内山義一郎君紹介)(第三九四七号)
同(西宮弘君紹介)(第三九四八号)
同(金丸德重君紹介)(第三九四九号)
同(千葉佳男君紹介)(第三九五〇号)
同(井手以誠君紹介)(第四〇六五号)
同外一件(加藤勘十君紹介)(第四〇六六号)
同(田邊誠君紹介)(第四〇六七号)
同(山崎始男君紹介)(第四〇六八号)
地方税に青色申告事業専従者の完全給与制適用
に関する請願(穗積七郎君紹介)(第三九八四
号)
地方公務員の定年制実現に関する請願(世耕政
隆君紹介)(第四〇五〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第五一号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/0
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001・吉川久衛
○吉川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三木喜夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/1
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002・三木喜夫
○三木(喜)委員 交付税法の一部改正の本質的な問題につきましてお伺いしてまいったわけでありますが、先日も、その根幹をなす地方財政と国の財政の見方が、大蔵省と自治省の間で食い違っておったようにも思いますしいたしますので、その点についてきょうは詳しくお伺いしたいと思います。しかし、きょうはその一環として、厚生省から来ていただいておるわけです。環境整備課長さんは他の委員会にも行かれるようになっておりますので、最初にそういう関係で清掃問題からお伺いいたしたいと思います。
内閣提出の予定法案の要旨を読んでみますと、今回清掃施設整備緊急措置法案というものを出されまして、そして最近社労でこの問題を審議するようになっておるように聞きますが、この問題点は「し尿処理施設及びごみ処理施設の緊急かつ計画的な整備を促進するため、昭和四十二年度を初年度とするし尿処理五箇年計画及びごみ処理施設整備五箇年計画を策定するとともに、その実施のため、政府及び地方公共団体は、必要な措置を講ずることとするものである。」こういうぐあいに書いてあるわけであります。まことにけっこうな考え方でありますけれども、さてその中身と、現在実施されておる実施の傾向と、さらにこれについての予算をつぶさに検討してみますと、必ずしも所期の目的のとおりにはならないのではないかという心配を持つわけであります。幸い先日、わが党の山本弥之助委員がこの問題に触れられ、細谷理事が財政的な問題についても質問されております。その行く先についてややはっきりしてまいったわけでありますけれども、この清掃施設整備緊急措置法案を出す位置づけを一きょうは厚生省のほうもお急ぎでありますので、最初にお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/2
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003・石丸隆治
○石丸説明員 今回提出をしております緊急措置法案の内容でございますが、この法律に基づきまして、昭和四十二年度から四十六年度に至ります五カ年の間に整備すべきごみ処理施設、し尿処理施設の総事業量を定めておるわけでございまして、これが完成いたしますと、現在わが国の全国民の九〇%をいわゆる特別清掃地域内の人口に含めるようにいたしまして、この地域内のし尿及びごみの処理につきまして、特別の場合を除きまして、一般住民から出る通常の汚物の処理につきましては、市町村の責任によりましてこれを処理してまいろうといたしておるわけでございまして、この計画が完成いたしますと、し尿におきましては、特別清掃地域内の住民の一〇〇%のし尿を衛生的に処理し得るよう整備いたすわけでございます。さらに、ごみにつきましては、可燃物と申しましてごみの中には燃えるものと燃えないものとがあるわけでございますが、燃焼処理し得るごみにつきましては、その七五%を焼却処理するような設備を完成する予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/3
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004・三木喜夫
○三木(喜)委員 いまお答えいただきましたことは、この間の質問の中で御答弁いただいております。結局清掃施設のうちで終末処理場の総事業量を定める。そして九〇%特別清掃地域の住民がその中にある、こういうようにしていきたい。し尿については一〇〇%衛生処理をし、そしてごみについては七五%焼却処理をしていきたい。これは一つのねらいでありますけれども、私の申し上げるのは位置づけです。私は、私の考えから申し上げたいと思うのですが、要するに近代国家になっていくという一つのあらわれは、ごみの量によって出てくると思います。文明、文化の程度というものはこういうところにも一つの形をあらわしてくることと、それから日本の工業化あるいは都市化をしていく中においては、都市集中化が起こってくる。その中で当然果たすべき問題は、清掃地域の保健衛生、こういう観点に立ってこの清掃施設整備緊急措置法というものを考えていかなければならぬのじゃないか、こういうように思うわけです。そして、この責任体制を一体どう考えるかというのがやはり重要な問題じゃないかと思うのです。この予算と、それからごみの処理を急ぐという考え方の中からは、責任体制、いうところの倫理的な考え方というものは出てこないと思うのです。倫理基準、そういうところに責任体制を置くということになると、私はこの法律案というものを一つの位置づけをやらなければいかぬじゃないかと思うのです。それが下請だとかなんとかいう問題でいま論議になっておるわけなんでありまして、この点を位置づけとしてぜひ私は聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/4
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005・石丸隆治
○石丸説明員 この清掃事業につきましては、清掃事業全体の位置づけと申し上げましょうか、清掃事業の中におきます市町村、都道府県あるいは国の責任の限界、範囲というようなものは、これはすでに御案内のように別の清掃法で定めておるわけでございまして、今回提出しております緊急措置法案は、その清掃法を実施してまいります上に最終的に処理を行なう施設を整備していこう、こういう法律でございます。したがいまして、清掃法の中に、清掃事業のそれぞれの責任の区分が明確にされておるわけでございまして、清掃事業は、一応清掃法第六条によりまして特別清掃地域内から排せつされる通常のごみにつきましては、市町村の責任においてこれを収集、運搬、処理しなければならない、こういうふうに定めてあるわけであります。ただ、これに対しまして国、都道府県知事は技術的な援助及び財政的な援助につとめる、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/5
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006・三木喜夫
○三木(喜)委員 収集、運搬、処理の計画樹立、これが都道府県の責任において考えられる。それから苦情処理の相談、そして処理場は市町村が維持管理していく。これは業者に委託してはならぬ。こういうことが一つのけじめになっておるようでありますが、先般全国の担当課長会議を開かれて、そして維持管理基準を徹底するようにお話しになった、こういうように聞いておるわけでありますが、維持管理基準をどのように徹底さすようにお話しになったか、その点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/6
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007・石丸隆治
○石丸説明員 この清掃法に基づきまして処理場の維持管理の基準が定めてあるわけであります。その中に、市町村の設置する処理場については市町村がみずからこれを維持管理しなければならない、こういう規定があるわけでございます。最近、これはまだそういうふうになったわけではございませんけれども、その処理場の一部の業務を民間に委託するというような計画があるやにわれわれも聞いたわけでございまして、したがいまして、そういうようなことになりますと、特に清掃事業のうち処理場の運営が不適切な場合には、これが公害の発生源にもなり得るわけでございますので、そういうことのないようにやはり維持管理について十分な市町村の責任をとる体制をとるよう指示いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/7
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008・三木喜夫
○三木(喜)委員 はしなくもいまお話しになりましたが、一部業者に負担させて、その結果処理のしかたがあいまいなことになる、それでは困るという意味のお話でしたが、そういうことに対する全国の各市町村の責任者の反応はどうでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/8
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009・石丸隆治
○石丸説明員 先日開きましたのは各都道府県の担当課長会議でございまして、この清掃事業の実施主体は市町村でございますので、まだ市町村からの直接の反応というものはわれわれのところにまいっておりませんが、各府県におきましては、先日の指示に従いまして十分管下市町村を指導していることと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/9
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010・三木喜夫
○三木(喜)委員 そういう抽象的な言い方でなくて、この間あなたが徹底をされたのでしょう。そうすると、来ておられる方についてもいろいろな反応があったと思う。ただ黙って聞いておるだけではなしに、この点はどうか、この点はどうかということが、市町村ではこの問題が一番困っておる問題ですから、その反応です。いま徹底をされて、そして地方がどういうかっこうに出てくるかでなくて、その会議場にどんな反応があったかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/10
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011・石丸隆治
○石丸説明員 先ほど申し上げましたように、先日集まりましたのは各都道府県の担当課長でございました関係上、直接みずからその事業をやっていなかったわけでございますが、ある県におきまして、先ほど申し上げましたように、一部市町村でそういう動きがある、そういう府県におきましては、やはりこれは根本的に考え直して十分指導していく、こういうふうな反応を示しておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/11
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012・三木喜夫
○三木(喜)委員 根本的に考え直すということは、一体どんなことですか。そこをひとつはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/12
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013・石丸隆治
○石丸説明員 清掃事業のうち、やはり大きな部門といたしましては、収集運搬と終末処理と二つの部門があると思うのでございまして、それがやはり地方の実態といたしまして、収集処理と終末処理というものが混同されて考えておられた、そういうふうな感じを受けたわけでございまして、やはりあくまで終末処理というものは、ただ単に清掃で最終的に処理するというだけの問題でなく、それが他に公害の発生源にもなり得るというようなことで、これはやはり別個に考えるべきである、こういうふうな反応がございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/13
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014・三木喜夫
○三木(喜)委員 まどろっこしい話をなさらぬで、もう少し端的にあなたの考えを言ってください。その話の都合によっては自治省のほうに私また御見解を聞きたいと思っておるのですから。単刀直入に言ってみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/14
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015・石丸隆治
○石丸説明員 その一つの事例につきましては、すでに県のほうがその市に対しまして委託計画を立てているけれども、それを取りやめるよう指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/15
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016・三木喜夫
○三木(喜)委員 わかりました。委託ということは、あなたのお考えでは、往々にしてそういう罪悪――と言うと悪いですけれども、欠点がある、こういう考えから指導なさった。また、県の責任者はそういう受け取り方をしたということですね。
私は基本的な考えといたしまして、国は国民からいろいろな政治的なあるいは行政的な仕事をやるために国家公務員が責任を負うておると思うのです。地方は地方公務員が直接いろんなことに対するところの責任を負っておると思うのです。これが行政のあり方ではないかと思いますし、公務員のやる住民への奉仕ではないかと・こう考えておるわけであります。しかしながら、国自体が最近いろんな事業団だとか公団だとかをつくって、そのほうに責任をまかしてしまう。それだけ行政所掌分野が広くなって仕事が多くなったということもありますけれども、しかしそういう傾向が出てきた。地方もそういうような傾向が出てきておるのではないかと思うわけであります。これは私は嘆かわしい傾向ではないかと思っております。
いまのお話では、いわゆる清掃事業というものは直営方式でなければならぬということに若干触れられたような気がするわけであります。そして私たちは、これが無料でなければならぬ、こういう基本線を持っておるのですけれども、もう一つ原因として考えられるものがあると思うのです。先ほどから申しております中央が委託的なことをどんどんやる行政の一つのあらわれとして、地方もそれにならっているということと、もう一つ私は原因があると思うのです。その原因は一体何であろうか。どういうぐあいに思っておられますか。委託することをあなたはあまりいいことでないと考えられますが、そのあまりいいことでない委託の原因は一体どこにあるとお考えになるか、これを厚生省として御判断をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/16
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017・石丸隆治
○石丸説明員 清掃事業の根本の目的と申すものは、やはり住民に対するサービスの向上だと思うわけでございまして、いろんな方策をとる上におきまして、どういう方法をとれば住民に対するサービスが最良であるかということで判断をしていくべきものだと思うわけでございます。先ほどちょっと申し上げたわけでございますが、清掃事業のうちこの収集、運搬の部分と最終処理の部分とを、われわれといたしましてはやはり分離して考えておるわけでございまして、この最終処理の部門につきましては、やはり公害上のいろいろな問題点等もありますので、これはやはりそういう面から住民に対処するためには、直営でやったほうが、技術的にも、また機能上からも公害発生の原因を断てる、こういうふうに考えて、特に処理場につきましては強くうたっているわけでございます。ただ収集、運搬の部門につきましては、これは前に清掃法を改正いたしました当時のいきさつ等から考えまして、基本的にはやはり市町村がみずからの職員をもってやるのが理想的な姿、こういうふうに考えておりますが、やはり改正前からいろいろな許可業者等も存在しておりましたし、また急に最近人口の都市集中化が起こっておりまして、市町村の体制がその増大する人口に追っつけないというような事態が起きまして、何らかの方法でそういった汚物の処理をしなければならないというような事態になってまいりまして、ここに市町村の体制が整うまでの間の一つの方法といたしまして、委託というような問題が起きてくるというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/17
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018・三木喜夫
○三木(喜)委員 端的に言って、私は、これに対するところの予算、財政の配慮が足らぬのではないかと思う。そこから原因してきておると思います。われわれは文明をつくり出さなければなりませんし、その文明、文化を享受しなければならぬ。それが政治の持っておる一方の責任であります。しかしながら、そこから出てくるところの老廃物、それから出てくるところのマイナスの面についても、ほっておいてはだめなんですよ。一方には金をかける、文化、科学技術、教育、こういうものに金をかけてどんどん文化を発達させていっても、それから出てくるものを現在のままで置いておいてよいはずはありません。これにも同じようにどんどんふやしていかなければならぬと思うのです。ここに私は、今度厚生省が出されました五カ年計画の法律案が位置づけられるのじゃないかと思います。そう考えてまいりますと、金の面で、この間うちからの論議を私は読んでみまして、どうも合点がいかぬ。これは細谷さんが質問されております。厚生省と自治省の見解が違っておるようにも思うのです。これはあなた急がれるから、出られてからあとで一ぺん申し上げたいと思いますが、大原則についてひとつ自治省にお伺いしたいと思う。
いま厚生省からのああいうお話が出ておりますし、私たちもそう思うのです。しかしながら、最近自治省から地方財政の硬直化を理由にして、地方自治体の住民福祉に関する主要な事務、事業であるところの清掃、病院、社会福祉、学校給食等、現業関係職場を下請、民営化する方向の指導がなされつつあるということであります。このことは住民の税外負担を増加さし、さらに労働者に対しては首切りや、賃下げや、労働強化をもたらすものであるからして、これはけしからぬということが自治労から提起されておるわけであります。私は、これは率直に言って、この主張が正しいと思うわけなんです。しかしながら、自治省においては、いま厚生省が言われたようなことと今度反対の指導をなさっておるように思うのです。その点について担当者の御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/18
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019・細郷道一
○細郷政府委員 私のほうでは、いろいろな行政の中で、民間に委託をするようなものも考える必要があるのじゃないかという一般的な考え方のもとに、そういうことを省令といいますか、通達に書いておるのでございます。私どもは、それぞれの関係の法律に相反するようなことはもちろんやるべきことではない、しかしながら、法律のたてまえをくずさずにやれるものについては、弾力的に地方団体もそのやり方を考えていいのではないだろうか、こういう基本的な立場に立っておるわけでございます。したがいまして、これによりまして、個々の市町村に、これでなければいかぬと強制をするような考えは毛頭持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/19
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020・三木喜夫
○三木(喜)委員 これは、大蔵省がおいでになっておりますが、やはり地方財政のやりくりの苦しさということをどのように合理化していきたいかという苦心のあらわれが、いまの答弁になったと思います。しかしながら、弾力的な運営で、法律に違反せぬ範囲でやっていきたい、なかなかぎりぎりのことを考えておられるようでありますが、いまの病院の給食の下請にいたしましても、あるいは、そのほかのここにあげておる問題ですね、清掃にしても、学校給食にしても、これは各委員会でいま問題にしておるわけであります。病院特会法でもこれは問題になって、おそらく参議院でも問題になるだろうと思うのです。いま参議院へ病院特別会計法はいっておりますが、ここでも問題にする。地方行政でも、これは私は、非常に問題だと思っておるわけなんです。いわゆる職安法違反ですね。四十四条の違反。局長はそれを言われたのだろうと私は思うのです。そういうことがやっぱり表面化してきつつあるわけなんです。そのときに、一方では、直営化が望ましいと言っておるが、一方では、そういう指導を自治省の次官通達でやっておる。なるべくそういうようにせい、これではわれわれは、文明を享受しながら、今度は文明に悩まされることになるわけです。これに対する処理を大局的な見地に立って、私は、やっぱり考えてもらわなければいかぬのじゃないか。財政をちびるという考え方ではなくして考えていただきたいと思います。いまなかなか微妙な御発言をなさったんですが、こういう指導はひとつやめてもらいたいと思う。そういう法律に触れるようなことのないように、弾力的なやり方をするという微妙な言い方をしなければならないような苦しい答弁をせぬと、こんなことはやめられたらやめたらいいのじゃないか。大蔵省見えておりますが、大蔵省に、しっかり文明に対するところのあと処理をせい、これは国の姿勢じゃないかと迫られたら私はいいのじゃないかと思う。あなたの腹の中で、あなたの考えの中で、ことばの言い回しとして処理されるのではなくて、私はやってもらいたい、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/20
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021・細郷道一
○細郷政府委員 基本的には、住民サービスのための行政の分野というのは、ますます広がっていくわけでございます。広がってまいりますものを、全部が全部、必ず直接にやらなければならないのかといいますと、私は、そう型どおりに考える必要はないのじゃないのか。行政を密にする、しかし、それもやり方はくふうをしてもいいのじゃないか、また、それによって次の行政サービスに手を出すこともできるというふうな関係にあるのではないだろうか、まずこういうふうに一般的に思っておるわけでございます。したがいまして、いまの清掃の問題にいたしましても、関係の当局では、それは直営は望ましい、こういうことでございまして、そういう指導の方針に立っておられるのだろうと思います。しかし、さりとて、委託はいけないのだということではないわけでございまして、清掃法を見れば、委託の場合もちゃんと書いてあるわけでございます。したがいまして、私は、それは方式にはいろいろあると思います。現に許可業者もまだあるわけでございます。それもなるべくやめたいとは言っておるわけでございます。しかし、許可業者によりますものよりは委託のほうがまだいいだろう、こういうふうに私は実は考えておるわけであります。したがいまして、先ほど申し上げましたような自治体にあっては、その実情に応じて、それが住民サービスを低下させることなく能率的にできるというのであれば、そういう幅は与えていいだろう、こういうふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/21
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022・三木喜夫
○三木(喜)委員 いや、私の申し上げておることは、いま局長が言われたことに私は間違いがあるとは申し上げません。しかしながら、新しい清掃施設整備緊急措置法が出ようとしておる。そうして厚生省はこれについて、改正の精神はいわゆる直営強化の方針である、こういうように言っておる。私もそうなければならぬと考える。厚生省も省令、通達などでそういう指導をしてきていると考えるわけであります。しかしながら、昨年十二月二十七日の自治省の事務次官通達などで、請負や民営化を地方自治体に示唆しておる。これはいかぬじゃないか。正しい方向があるのに、やむを得ぬということならあなたのお説は正しいですよ。なぜ昨年の十二月二十七日こういうような示唆を次官通達でなさったか。おそらく現代文明国家と逆行する姿をやれということを示唆したことと一緒ですよ。こういう委員会にそういうきたないことを申し上げて恐縮ですけれども、もっと糞尿譚的な話をいたしますと、請負や下請――直営でないというたてまえから、池の中へほうり込んでしもうて、表面からはきれいな水でわからない。火事があって、消防士が中へ飛び込んでみた。そうすると、からだじゅう、糞尿譚ではありませんけれども、黄金色になって飛び上がってきた、こういうような話があったり、海へ捨てたり、先がたから厚生省はそれをずっと言っておられる。文明逆行的な示唆を自治省がなされるとは私は思わぬわけであります。それはどうかと言うわけです。こんなことがやめられますかということです。望ましい方向に指導していただくのが、文明国家、文化国家のあるべき姿じゃありませんか。そこを私は言っておるのです。先がたから、位置づけるのをそこに位置づけてもらいたいということを言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/22
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023・細郷道一
○細郷政府委員 私も、別に大きな方向には異論がないわけであります。それは先生のおっしゃるとおりだろうと思うのです。ただ、それだからといって、文明国家にするために、方法を一定に固定する必要はないんじゃないだろうか、そこを申し上げておるわけでございます。どちらかといいますと、いままで自治体というものは、比較的、固定的に右へならえ式に考え方が片寄っておったということは、私は一般論として言えるだろうと思うのです。そういう意味合いにおいて、いろいろなくふうをしなさい、こういう立場を申しておるのでございまして、これによって文明を切り下げるというようなことは毛頭思っていないわけでございます。したがいまして、先ほどもお話が出ておりましたように、処理をいたすにいたしましても、終末処理というようなものは、私は、それはとても向かないだろう。しかし、収集については、これは考えられる余地が十分あるんじゃないだろうか、こう思うわけであります。現に、いま市町村では、これは直営でやろうとしても、なかなか人が得にくいといったような現実問題もあるわけでございます。大きな都市や中ぐらいな都市、小さな都市によっていろいろ事情が違うと思います。違うと思いまするけれども、大きな都市であれば、人口も多いためにいろいろな人も得られるでありましょうが、中小の都市になってきますとなかなかそれもむずかしい。それでもなおかつ直営をやることによって、一体それで住民サービスがあがるのだろうか。直営で人が足りないために、三回行くべきところが二回になり一回になる、そういった場合だって考えられるわけでございます。私はそういう意味で、幅広くいろいろな都市の実情に応じて考えていいんじゃないか、こういう考え方に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/23
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024・三木喜夫
○三木(喜)委員 そこで局長さん、結論するところ、やはりこれに対する予算ですよ。一方ふくれ上がる文化、文明というものに対して、また化けもののように大きくなっていくところの一方のマイナスの面、し尿だとかごみだとかいう問題、あるいはばい煙だとか汚水だとか、こういう問題、これはやはりそれに対処して大きくしていかにゃいけないので、直営にすれば人が少なくなる、これでサービスができなくなる、右へならえ式のものが悪いので、何でも右へならえ式ではいけません、こういうことをあなたの口から聞こうとは私は思わなかった。あなたはおとといのお話ではなかなか民主的な地方財政・行政のことを考えておられるいい局長さんだと私は思って信頼してものを言いかけたところが、右へならえ式はぐあい悪いのでこういう考え方をやるんだ、こういうお考えですね。現実に私らのほうでは、局長さんというのは、あなたはそんなことはないと思っておったけれども、雲の上の人になられ過ぎるのじゃないかと思うのです。こんなことを官僚の方に言うとしかられるかもしれませんけれども、一部世間ではこんなうわさがささやかれておるのですよ。局長とか次官というのは人生コースの予備校だ、ここを卒業してから公社、公団へ行って、ここから本校になるんだというようなことを言っておる人さえおるわけなんで、あなたはそんなことないでしょうけれども、雲の上へ上がって住民の上にあぐらをかいておるというような思想や考え方からそういうことをおっしゃるのだと思いますけれども、直営でも下請でも、いろいろ末端へいくと問題が起こっておるわけです。問題は、直営なら文句言いたいけれども下請だから文句言えない。私らのうちでも、みんなたばこ持って走るんですよ、し尿くんでもらったら。へたなことをやりますと、ごみをとりに来ても、下請のときにはバーンとそこらへほったくられるのです。ポリエチレンの入れものがこわれてしまうわけです。そんなことを一ぺん下情を見ていただきたいと思うのです。いまのお話は、下情を見ていただかない、そして地方公務員なり、あるいは国家公務員が住民、国民に奉仕をするという考え方の中からの発想ではないと私は思うのですよ。下請だとか、そういうようなことは、そういう責任がないのですよ。それだから私はぐあい悪いなということを先がたから言っておるわけなんであります。三回行くところが二回になる、二回のところが一回になる、こうおっしゃいますが、それは要するに金の問題じゃないですか。あるいは定員の問題じゃありませんか。やり方の問題ではありませんか。そういうことを指導していただかなければいけないのに、そうなるから、十二月二十七日に請負、民営でやるほうがよろしいというような、そういう次官通達を出されたということは、私は言語道断だと思うのですよ。およそ文明に逆行するような方法を、ふん尿の問題について、ごみの問題についてそういうマイナスの方向をとられるということは、私は承知ならぬ。いい局長さんで、私は意見が合うなと思っておととい聞いておったのですけれども、その点はどうも承知なりません。あなたが雲の上にあり過ぎると言いませんけれども、いまの御答弁はいかにもことばの遊戯だけに終わっているような感じで、言いのがれに終始されたような感じがしてしかたがない。ひとつその点改めてくださいよ。そういう通達はひとつ撤回してくださいよ、あなたが出されたのじゃありませんけれども。大臣ここにおられるのですが、どうですか、そういう通達を出しておられるのをいいと思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/24
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025・赤澤正道
○赤澤国務大臣 おそらく画一的にやろうという考え方で通達は出したものじゃないと思いますが、きたない話になりますけれども、大体し尿処理あるいはじんかいなどの終末処理は、こういうものの処理が全体を通じてわりあいにスムーズにやられておるところと事故を起こしておるところとがある。おっしゃるのを聞いていると、役人がやればいいようなふうにも聞こえぬこともありませんが、しかし、こういうことはやはり自由に競争させて、そうしてサービスのいいものを採用してやらせる。それがまた事故を起こしたら別に変えるといったようなフリーな考え方があってもいいのじゃないか。必ず役人をして肥くみをさせなければならぬことはないと思う。サービスを十分やるのなら、住民の利益のために委託といいますか、請負でやらせる、私は一向差しつかえないと思います。これを画一的にどっちかにきめるということは必ずしも正しくない、その地場地場によって私は違うと思うのです。ですから、こういうことはやはり多少ゆとりを持って考えていただくことは、決して文明に逆行するものでないというふうに、私としては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/25
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026・三木喜夫
○三木(喜)委員 私は通達の問題を言っておるんですよ。あなたの人生観なり政治観なりがありますから、それはそれでいいですけれども、ただ私は、大臣のいま言われた中で、役人に肥くみさすことはならぬじゃないか、役人が肥くみして悪いのですか。ソ連では、くつみがきでも新聞売りでも、みな役人ですよ。国家公務員ですよ。そういう考え方が、やはりくつみがきの中から一国の政治の中心になる人が出てきておるじゃないですか。農民の中からも出てきておりますしね。赤澤さんも鳥取から出てこられた。あなたもやはり地方の人でしょうが。私はくつみがきや肥くみと何ら変わらぬと見ておるのですけれども、役人にそんなことをさす必要ないじゃないかというような言い方は、大臣、これからの世の中ではおかしいですよ。それはあなたの人生観だからいいとしても、私は通達のことを言っておるんですよ。こういう通達は、そんなことを示唆する必要はないじゃないですか、いろいろバラエティがあっていいのじゃないかとあなたがおっしゃるのなら、そんな通達を出す必要はないじゃないですか、こう言っておるんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/26
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027・赤澤正道
○赤澤国務大臣 ちょっと聞き違いがあるようですが、私は役人に肥をくまして悪いとは決して言っておるわけじゃないのでして、それは職業に貴賎があろうはずはないわけですよ。しかし、御案内のとおりに、役人がやる行政が必ずしもいいという判断はないわけでして、ものによっては民営でやったほうが実績もあがるものも確かにあるわけですよ。だから私は、こういったものは役人がやったほうがいいのだという判断を必ずしも下す必要はない。一方、こういった性質のものはみんな民営でやらせるとか委託経営でやらせるということも間違いだと思うが、地域によっては、いろいろ行政の簡素化、合理化などがやかましく言われておるときですから、そういうことを考えても差しつかえないということは、私はあってもいいという考えです。通達の内容というものをつまびらかにしておりませんけれども、そういうことで自治省が行政の何と申しますか、画一的な指導はしておるはずではないと思います。それはその通達の内容を見ないと何とも言えませんけれども、これはそんな強いものではない、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/27
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028・吉川久衛
○吉川委員長 細谷君の関連質問を許します。細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/28
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029・細谷治嘉
○細谷委員 いまの下請の問題について、強制はしてない、画一的じゃない、こう書っておりますけれども、強制をしておる証拠というのは多々あるわけです。それは後ほど私の質問の際に、いろいろな面から質問したいと思うので、関連質問でありますから、一点だけ質問したいと思います。
下請にすることによって、公務員がどしどしと首を切られておるわけですね。たとえば清掃事業というものを下請にすると、そこに働いておる人たちは首を切られる。病院等を下請にしますと、そこに働いておる給食調理員等は大量に首を切られておる。これを守る法律的なものが一体ありますか。単純労務者について法律的にどういうふうに守っているのですか、これをひとつお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/29
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030・細郷道一
○細郷政府委員 ちょっと御質問の趣旨がよくわかりかねますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/30
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031・細谷治嘉
○細谷委員 公務員部長来ておるだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/31
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032・鎌田要人
○鎌田説明員 お尋ねの場合、いわゆる廃職に伴います分限処分ということに相なるわけでございますから、これに対する救済の道はない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/32
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033・細谷治嘉
○細谷委員 定数をしゃにむに減らす、それは分限だ、こういうことですから何ら救済の道はないわけですね。大体どうなのですか、単純労務者というのは地公企労法の適用を受けておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/33
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034・鎌田要人
○鎌田説明員 適用はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/34
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035・細谷治嘉
○細谷委員 地公企労法の適用を受けておるわけです。ところが企業職員のような保護はされておらぬでしょう。適用を受けますけれども、しり抜けですわな。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/35
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036・鎌田要人
○鎌田説明員 しり抜けという御趣旨がちょっとわからないのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/36
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037・細谷治嘉
○細谷委員 地方企労法の附則四項、「地方公務員法第五十七条に規定する単純な労務に雇用される一般職に属する地方公務員であって、第三条第二項の職員以外のものに係る労働関係その他身分取扱については、」云々とこう書いてあるわけです。自治法九十六条一項十一号で、議会の議決すべき事項で、企業職員はこれは排除されているわけだ。そうでしょう。これは一方的で、不服も何もものを言えないわけだ。不公平じゃないですか。どこへ持っていけばいいのですか。自治法九十六条一項十一号で、「普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起、和解、斡旋、調停及び仲裁に関すること。」、これが議決事件ですね。議会がそんなものを受け付けないといったらもう何も救済の道はない。あなた方のものは、これはひとつ人事委員会ではなくて地方労働委員会にでも申し込みなさい、不服申し立てをなさいといったのでは、九十六条で一方的に、執行部に同調した議会がありますと、これは全く閉ざされてしまっているわけだ。附則四項では、別に法律ができるまではということになっているのだけれども、法律をつくろうとするあなた方の意思はないようだね、いままでできていないのですから。そうして一方では、どんどん下請というのは強行されてきておる。強行されて現に首切りがどしどし行なわれておる。地方労働委員会にものを申そうとすると、九十六条一項十一号で議会はだめだということでシャットアウトしてしまうのです。企業職員の人たちには、いいことにはこれが排除されておるわけだ。公営企業法の四十条の第二項でこれは排除されておる、九十六条第一項第十一号の規定は。単純労務者はそれがないわけですよ。かわいそうじゃないですか。大臣も言っているように、大臣のことばではそういう意味じゃなかったと思うのですが、肥くみとそうでないホワイトカラーというのは大体人間が違って、とうといのはホワイトカラーだという気持ちも大臣のことばの中から受け取れるような答弁があったのです。一番しいたげられた人は救済の道はなしに首をどんどん切られる、分限でございます、ものを申せない。地方労働委員会に不服申し立てをしますと、いやだめだ、九十六条で議会の議決事件ですからそれはだめです。議会が一方的に執行部となれ合いでやります。なれ合といわぬでも、現にそうなっているのだ。どうにもならないのですよ。救済の道はないのです。これはどうしてくれるのですか。
大臣、こういう姿で現に企業に働いておる企業職員と単純労務者というのは、それだけの差が法律上起こっておるのですよ。きわめて不合理じゃないですか。しかもそこをねらって合理化という名において、下請という名において、人間が集まらないから下請させるのです、機械的ではありませんと言いますけれども、現実にはかなり強い指導をもって、そして財政上の裏づけ――言ってみましょう。なけなしの二十億の再建債も、何割を北九州市に許可したのですか。再建債、借りかえ債は去年二十億円ですよ。首切りのために北九州市に大部分はやったじゃないですか。そんなことをやっている自治省のもとで、法律的には保護されておらぬで、どういうことになりますか。大臣、どうしてくれるのですか。この問題についてはもっと言いたいことがありますが、この一点だけを関連で御質問申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/37
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038・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もともと国民が主権者であることは言うまでもないですし、地域の公務員というものは住民が使用者であって、これは雇われ人ですね。しかし働く人たちの立場を守るためには、もちろん憲法を中心にしていろいろな法制がつくられてありますが、地方行政面において住民が、これはいかにも不健全であるという判断を持った場合には、やはりそれ相当の措置を議会が中心になって行なうということはやむを得ぬことであろうと私は考えます。ですからあながち再建債を、二十億のうちの大部分北九州市にやったということの是非につきましては、北九州市当局の行政運営のあり方、また過去いろいろなことが蓄積して住民自体が困り切っておったという事実も考えなければならぬと思います。こういうところで働く人たちの基本的な権利を守ることは、これは当然しなければならぬことであるということを前提として、私は北九州市の行政の実態というものから考えて、ある程度のこういった手荒い措置はやむを得なかった、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/38
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039・細谷治嘉
○細谷委員 私の質問に対する答弁になってないのですよ。法制上の取り扱いが不公平じゃないか、これをどうしてくれるのだと言っているのです。
そこまできましたからちょっと申し上げますが、財政局長、去年借りかえ債は二十億円でしたね。北九州市に何億許可しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/39
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040・細郷道一
○細郷政府委員 ちょっと正確な数字は忘れましたが、十二、三億だったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/40
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041・細谷治嘉
○細谷委員 二十億の中で十二億近くやったのですね。ほかのほうでは一億になったところはないですよ。しかも北九州市は十億ぐらい要求しておったのでしょう。満額認めているでしょう。この借りかえ債の運用についてはいろいろ問題がありますけれども、私はいまは関連でありますので申し上げません。こういうやり方々見ていっても、それは大臣、北九州市はやらなければいけなかったのだということで完全にバックアップしているじゃないですか。しかも北九州市の助役というのは、あなたの旧部下が行っているのですよ。言い分どおりのものを認めているでしょう。そしてあげくの果ては、法の不平等のもとに置かれている単純労務者というのは、分限条例でございます、ものを申してはいかぬ、こういう形で首を切られていっておる。ものを申すわけにいかぬのだ、こう言っておりますが、鎌田さん来ていますから、分限条例で首を切られても不服申し立てをしてストライキをかまえたということで、これは全くもう抵抗する手段がないということですらも、裁判所でこの間、ある市の不服申し立てが勝訴しているんだ。勝っているんだ。そういう例もあるのですよ。私はその辺は申し上げませんけれども、企業職員については九十六条の十一号を排除しているのに、単純労務者については法律ができるまではといって、どうしてそういう救済がなされないかということは、まさしくこれは法の不平等だと私は思う。そこをねらって激しい首切りが行なわれておる、こういうことなんですよ。これはどうしてくれますか。やはり法のもとには平等にしてやるべきでしょう。これは大臣ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/41
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042・鎌田要人
○鎌田説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、技術的な問題でございますので私からかわってお答えさせていただきたいと思いますが、企業職員あるいは単純労務職員あるいは一般の職員、いずれもこの分限の規定の適用があることは同様でございまして、この廃官廃庁によりまして減員をしなければならないという場合におきまする取り扱いは同じでございます。問題は、そういう形で分類処分というものがとられておるわけでございますので、それに対する取り扱いに上下があるということには相ならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/42
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043・細谷治嘉
○細谷委員 相ならぬと言ったって、九十六条の十一号で、議会がそうだということになっちゃえばもう全然どうにもならないのですよ、これは。企業職員はそれは排除されているんですよ、四十条の二項で。直してもらわなければいかぬですよ。大臣、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/43
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044・赤澤正道
○赤澤国務大臣 先ほどからくどく申し上げますように、地方行政機構というものは何もそこに働く人のためにあるわけじゃないのです。また、政府のためにあるわけでもない。これはあくまでも地域住民のためにあるわけでございます。ですから、議会議会と軽くおっしゃいますけれども、地域社会で選挙されて構成されたる議会がやはりその必要を認めて、そしてその北九州市から再建計画を出された場合に、それを検討いたしまして、合理的であったらそれに優先的に再建債を許可することは当然であると思います。私はやはり地域住民本意にものは考えていくべきものであって、しかしながら、やはり労働者を守るための一つの法律はありますから、そういうものを無視しないで、やはりその範囲内でやるということは私は決して間違ったことではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/44
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045・細谷治嘉
○細谷委員 私の答弁になっていないのですよ。私はその問題はあとにおいて質問をしましょうと言っているわけだ。法の扱いが不平等じゃないか。九十六条の十一号を企業職員については排除しているのならば、単純労務者についても、別途法律ができるまではということになって、その法律もできていないのですから、きちっとした平等な取り扱いのできるようにしてやらなければいかぬじゃないか。私は議会を否定しているわけじゃありません、議会は民意の代表でありますから。しかし、だからといって、企業職員については九十六条の十一号というのを排除しているわけなんですから、単純労務者についてもやはり同じようなそういう排除の規定を設けてやるべきじゃないか。そしてやはり身分を守る。不服があったら、議会の一方的な措置じゃなくて、不服は、ものを申せる、こういう道だけはあけてやっておくべきじゃないか、こういうことを申し上げているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/45
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046・鎌田要人
○鎌田説明員 私の大臣に対する補足が足りませんで、的確なるお答えができないで失礼いたしました。いま細谷委員の御指摘になりました地方公営企業法第四十条第二項の規定でこの自治法の規定を適用排除いたしましたのは、これは一昨年でございましたが、一昨年の地方公営企業法の改正の際に、いわゆる公営企業におきまする経済性と申しますか、というものを確立する、こういう考え方からいたしまして、企業の管理者のいわゆる執行権と申しますか、というものを強化する制度の一環としてこれを設けたわけでございます。公営企業にかかわりまするこういう問題というものについて一々議会の議決を経るということでありますと、迅速な経済行為を必要としなければならないという実態に即応しないものでありますから、そういう改正を行なったわけでございまして、いま御指摘になっておられまするような形での不利益、不平等、こういうことは毛頭ない、むしろ議会が当事者であることによって慎重なる取り扱いができるということこそあれ、そういう不平等ということを意識して行なった改正では毛頭これはございませんので、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/46
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047・細谷治嘉
○細谷委員 あなたのやつは、企業管理者が速戦即決ができるように、そういう意味で法改正をやったのは私も承知しているわけだ。しかし現実にたとえば北九州市の場合、企業職員のほうが地方労働委員会に不服申し立てをした、単純労務者のほうが地方労働委員会に不服申し立てをした。ところが議会のほうは九十六条十一号で、だめだとなったわけだ。そうなってまいりますと、単純労務者のほうはだめなんです。企業職員は排除されておりますから、地方労働委員会で問題が取り上げられるということになるわけです。ですからあなたの立法の際の意図はどうあろうとも、現実にはそういう問題が起こってきているということは、立法のあなたのほうの善意はわかりますけれども、現実にそういう問題が起こって、たいへんな問題になっているということだけは、これはもういなめない事実なんですから、これはひとつ大臣何とかしてもらわなければ、これはおさまりませんよ。
まあ関連でありますからそれだけ申し上げておいて――私は、どうしてもこれはきちんとしなければ、立法のスタートがどうあろうと何であろうと、現実にそうなっているのですから、どうしてもこれはやっていただかなければおさまりませんよということだけは申し上げて、関連質問を終わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/47
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048・三木喜夫
○三木(喜)委員 いま大臣は、自治省としてそういう下請、そういうものに依存せよというような通達は出したことはない、そういうことを示唆したことはないし、ありそうなはずがないというお話でした。私はそれはけっこうだと思うのです。そんなことはあってはいかぬと思うのです。しかしあなたは見ておられぬのですから、もし事実としてそういうことをやっておったら、これはたいへんなことですね。大臣のお考えと全然違うわけです。私たちは十二月の二十七日、そういう示唆をしたということで重視しておるわけです。なぜこんなことを言うかといいますと、いま大臣も言われましたように、公務員は公僕であるという、この公僕の精神を申し述べられました。私たちもそう思うのです。しかしながらいま細谷さんが言いましたように、簡素化するとか合理化するとかというような名のもとに首切りが行なわれておるところが問題なんであります。
それともう一つ、文明病の一つのあらわれとしては、これを処理すべきところでないところへ放置されては困るということなんですね。不合理な、それこそ不合理な処理のしかたがあれば困る、こういう二つの問題点をいま提起しているわけです。大臣も御存じのように石油産業がどんどんこう発展してまいりますと、その廃油の処理を下請に出しておるわけです。その下請に出したところの廃油の下請業者は、それを太平洋の向こうに捨てないわけであります。ほんの近くに捨てる。私らのところでいうと、瀬戸内海に捨てる。そうすると海水浴に行ってべったりこういう黒いピッチがつくわけですね。そういうことが現実に行なわれているのです。大企業がそういうことをやる、国もそういう下請化を考える、地方も考えるということになれば、またまた公僕の精神を説いておるその住民に対して迷惑がかかってくる、こういうことになるのですよ。その問題点は、そういう点が私は問題だから先がたから申しておるので、ゆめゆめこういう指導はしていただいては困ると思いますので、これからこういうことはやめていただきたい。このことを先がたから言っておるわけなんであります。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/48
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049・赤澤正道
○赤澤国務大臣 通達の内容はつまびらかにしませんけれども、強制的な内容はあるはずがないということを申し上げたわけでございます。単純労務者の分限上の問題はともかくとしまして、いま公務員部長が述べましたが、大体きたない話ですから恐縮ですけれども、やはりこういう扱う対象によっては、必ずしも公務員であることが適切かどうか疑問であるのがたくさんあると思うのです。それは、公務員のやることは非常に非能率であってサービスが悪いとよく言われておる。し尿あるいはじんかいを扱う際に、公務員は必ずサービスがよくて能率的であるという保証もないわけでございます。しかし、いまおっしゃるようないろいろな弊害が出ます場合には、私は別途取り締まりを強化して、結果的には住民に迷惑のかかるようなことは絶対にさせられませんから、そういう例があるなら、とにかく別に取り締まる方法はあると思うのです。
ただ先ほどの通達の問題ですけれども、やはり一方、行政の簡素化、合理化ということも住民の強い要望でもありますので、やはり扱う事業の内容によっては、それが民営でやったほうが適切であろうと思われるもの、むしろ競争の状態に置いたほうがこのサービス面でもあるいは能率面でもいいと考えられるものについては、私はこれを民間に委託するということは一向不合理ではない、これこそ画一的にやはり公務員でやらせるといったような方針はとるべきではないというふうに考えておる。そういう意味での指導であると私は考えております。決してし尿あるいはじんかいの終末処理に至るまで全部民間にやらせるという通達はしておらぬというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/49
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050・三木喜夫
○三木(喜)委員 初めからの話の発展状況をひとつ聞いておっていただかなければ困ると思うのです。厚生省は、やはり直営化ということは責任を持つところの原則である、住民奉仕の原点である、そして無料ということがやはり大事だ、そういうことを言っておるわけです。そういう発想からするならば、次々と下請にやらせていくということは無責任化の一つの方法になるということを言うわけです。それも認められた上で――話の発展段階として私は言っておるわけです。それはあなた方の考えはおありになるでしょう。それはそれとして聞きます。それを聞かぬというわけじゃない。ただそういうような、役所といたしまして昨年十二月二十七日、自治省の事務次官通達で、請負、民営化、こういうことを示唆するはずがない、そんなことをやっておらぬと思う、見てないということだから、やっておったらどうするのですか、それはそういうぐあいにたたみかけてはおらぬのであります。やっておってはどうなるのですかということは当然言えるわけでしょう。そういう意味合いから聞いておるのに、またあなたは話をほかのほうに持っていって、いやこう思う、ああ思う、そんなことをやっておるはずがない、言うておるはずがない、そんな通達を出しておるはずがない、こういうことをおっしゃっておるわけです。二十七日に出しておるのです。それは時代逆行じゃないかということを言っておるのです。それを時代逆行じゃない、そういう答弁ばかりされておるわけなんです。現に出しておると言っておるわけです。こんなことを出してもらっては困るじゃないですか、困らぬ、それは正しいのだ、こうおっしゃるなら、そう言っていただいたらいい。そんなことは出しておるはずがない、こうおっしゃるならば、それなら出しておったら困るじゃないか、今後出してもらってはいかぬじゃないか、こういう話の論理になっておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/50
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051・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私の言っておることは間違っておらぬと思いますが、おそらくは厚生省でも終末処理はおっしゃるとおりに、終末は海にほうったり、それがまた住民のからだにきたないものがついたり、こういうことは許せませんから、おそらく終末処理施設の維持管理等については、これは画一的なことを厚生省として考えておるかもしれませんけれども、たとえばし尿でも、各戸からくみ取る作業だとか、終末処理場まで運ぶとか、そういったことになりますと、これをどうしても公務員にやらしたほうがいいということは私は考えられぬ。それは民間に委託した場合が結果がいいと考える地域もあるわけでございまするから。ただ、そういうことをひっくるめて画一的にそういう指導が通達で行なわれておるはずはないと考えるのでして、それぞれの地域団体の、地方団体のお考えで、自分の地域はこうしたほうがこの自治体の総体の行財政面からプラスであるという御判断があった場合にはおやりになったって一向差しつかえないという判断に立っておるわけでございまして、文章がどういうふうになっておるか、さらに読み返してみなければわかりませんけれども、間違った通達や指導はしておらぬはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/51
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052・三木喜夫
○三木(喜)委員 それは間違っておるということを私は言うておるのですがね。もう少し前に私読んだんですが、大臣お聞きいただいたと思うのです。「政府・自治省より、地方財政の硬直化を理由に、定年制をはじめとして地方自治体の住民福祉に関する主要な事務・事業である清掃、病院、社会福祉、学校給食等現業関係職場を下請・民営化する方向の指導がされつつあります。」こういうのです。このことは、受益者負担ということで税外負担の増加をもたらし、そして「首切り、賃下げ、労働強化をもたらす」こういう陳情書が自治労の委員長からあなたのところへも行っておるだろうと思うのです。自治労がこれを言ったからこれはけしからぬ、こんなことは理屈に合わぬ、こうあなた方は頭からけなされますか。私はこの発想は正しいと思うのです。現に大企業でもみな下請化して、賃金を引き下げる、社外工、臨時工、下請、こういう一連の方式をとっておることは問題が起こっておるわけなのです。一方では首切りをやっておって、そうして臨時工だとか社外工だとか下請という段階に持っていくわけなんですね。そうすると安くつく。地方行政を安上がり方式を考えていいかということを私は言いたいのです。そういう意味合いで申し上げた。こういう陳情書が行っておるでしょう。大臣一つ一つ見られませんか。紙くず籍にじきほうり込まれますか。ひとつ見ておいてくださいよ、切なる願いがこれに書いてあるのですから。何だい、自治労なんかの言うことくらいと、こう思われては私は困ると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/52
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053・赤澤正道
○赤澤国務大臣 いろいろな陳情も受けておりますし、そういう陳情書の扱いはそれぞれ役所には担当がありますもので、そういうところへ回しましてよく検討して、そしてこれはやはり国民の一部の陳情ですから、しかるべき処理をするようにということは言ってあります。しかし私は、先ほどからたいへん三木さん同じことをくどく御質問いただいておりまするけれども、実際はやはり地域住民がこの問題について地域ごとにどう判断しておるか。やはり公務員でやったほうがいいという判断であれば、そこはおやりになっても自治省は一向とがめだてはいたしません。ただ住民のほうで、公務員のし尿、じんかいの処理はとてもだめなんだ、むしろ民間にやらしてくれという御意向であれば、そういう選択の自由と申しますか、そこはそれぞれの地方団体にまかしてしかるべきものである、どっちが間違いであるということは私は決して言っておるわけではございませんので、住民の便利のために住民が希望される方向をとっていったらそれでいいのじゃないか。そういった意味で、自治労のそういったものをいただいておりまするけれども、最終はやはり自治労の判断より住民というもののこういうことに対する評価の問題ですね、こういったことを重視したいというのが私どもの立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/53
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054・三木喜夫
○三木(喜)委員 重要なことをおっしゃいました。私もなるほどくどう言っております。しかしながらあなたは、そういう地方公務員がやると能率が悪い、これは望ましくない、下請のほうがいいという住民の選択にまかすということなのですが、そうするとあなたは、そういう通達を認められるということになれば、住民は直営方式で責任を持ってやってもらえることを望んでない、こういう解釈に立たれるのですか。厚生省も、そういう一般の要望がある、こういうように判断されておるのですか、その辺明らかにしてください。そういう言い方はおかしいですよ。ほんとうに公務員というものは公僕でしょう。公僕が責任を持つのがあたりまえじゃないですか。それが望ましくない、どうも能率があがらぬ、こういうような意見がどこかにあるのですか。大臣えらい自信を持っておられるようですが、どこかにそういうことがあるのですか。ひとつそれを聞かしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/54
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055・赤澤正道
○赤澤国務大臣 具体的な例を申しませんけれども、いわゆる公務員のやるこういった事務にいたしましても、作業等にしても、非能率であるということは一般にいわれておるわけでございまして――それだって公務員でやるとおっしゃるところは、おやりになって一向差しつかえないわけでございます。私が申しますのは、地方公務員にやらせるのもあってよかろう、しかしまた、民間に委託する道があってもよかろう、その選択の自由はやはり地方団体が持つべきものであるということを申し上げておるわけでございます。何も公務員がやったら必ず能率が落ちるというわけではない。能率をあげて住民へのサービスが十分行なわれるということなら、その地域は公務員でおやりになって一向差しつかえない、ただこの通達につきましては、もう一ぺんなお詳細私検討してみまして、間違っているところがあると判断いたします場合にはしかるべき処理をしたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/55
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056・三木喜夫
○三木(喜)委員 厚生省どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/56
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057・石丸隆治
○石丸説明員 根本的なものはただいま赤澤自治大臣のおっしゃったことと私全く同じでございますが、具体的な例といたしまして、やはり飲食店等の食品を取り扱う業種におきまして、客の立て込んでいる時期に収集に来られると困るとか、そういった面で、そういう特殊な業態等におきましては、やはり画一的な、そういったものでなく、特に希望するところの時間とか、そういったときに来てくれるような業者を希望しておるというような例につきましては私存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/57
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058・三木喜夫
○三木(喜)委員 それではその次に、結局こういう問題が起こってくる根源はやはり安上がりの方法を考える、簡素化よりもむしろ安上がりを考えるところに原因があるのじゃないかと思うのです。したがって、先日来のこの質疑の中で二つの問題が提起されておるわけであります。一つは、交付税の単位費用の基準を四十三年度は厚生省は百十名といっておりますけれども、自治省では九十一名をあげておられる。人数の上でも違ってきておる。それから予算の面でも食い違いができてきておるわけであります。こういうことを考えますと、ここに問題があるのではないかと思うのです。この間細谷氏の質問に対しまして、五カ年計画でこれをやるといたしますならば千三百三十億円、し尿処理に六百四十億円、ごみに六百九十億円、そのうち補助が百八十億円、その他が千百五十億円。そうすると、自治省側といたしますと、国の補助は百八十億円、厚生省はこれを二百七十八億五千七百万円と、こうしております。ここに経費の面におきましても見積もりが違っておるわけなんです。この点について、なぜこういう違いがあるかということを細谷氏から聞かれておるわけなんです。ここにも私は問題があるのじゃないかと思います。その点厚生省ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/58
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059・石丸隆治
○石丸説明員 先日申し上げましたのは、これは先日も御説明申し上げましたように、何らきまった数字ではないわけでございまして、今回のこの五カ年計画によりまして最終的にきまっておりますのは総事業費千三百三十億という数字だけでございまして、その内訳等につきまして、これは確定している数字ではございませんで、これはただ単にわれわれのほうで一応こういうふうな計画でやればこうなるということで試算をした数字を申し上げたわけでございます。その点は先日もお断わり申し上げておいたわけでございます。今回の法案によりますと、五カ年間に整備すべき総事業量を定めるわけでございまして、これらの財源配分等につきましては、各年度におきまして、予算折衝の段階で勝負いたしていくことになるわけでございまして、われわれといたしましては、やはりそういったわれわれの考えておるような計画が実行できるよう努力してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/59
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060・三木喜夫
○三木(喜)委員 ちょっとおかしいと思うのですね。政府の提出法案の中を見ますと、昭和四十二年を初年度とするし尿処理五カ年計画及びごみ処理施設整備五カ年計画を作成すると書いてある。四十二年からもう始まっておるんじゃないですか。それをいまごろ試算というのはおかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/60
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061・石丸隆治
○石丸説明員 これはあくまで総事業費を閣議了解を得ておるわけでございまして、その総額が千三百三十億ということでございます。各年度別のそういった予算額あるいは国庫負担の割合、こういったことは各単年度ごとに予算折衝においてこれを勝負していくわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/61
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062・三木喜夫
○三木(喜)委員 実際始まっておるのですからね。これが通ってから閣議で勝負するというのはおかしいと思いますね。きょうまでだいぶ日がたっておりますが、それに自治省の示しておる予算と厚生省の示しておる予算とが食い違っておる。これからこれは詰めるのだ、こういうことでいいのですか。自治省どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/62
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063・細郷道一
○細郷政府委員 この前もたしか御議論があったと思いますが、私のほうで御提出申し上げました資料は、その「注」にもございますように、国費、地方費の割合は、四十三年度の割合で一応の推計をしてある。まだ中身はきまっていないわけでございます。いま厚生省からお話のありましたように、これから厚生省のほうでもこの中身をきめられる、そうして政府全体としてきめる、こういうことになるわけでございますから、あくまで私のほうで出しました数字は参考でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/63
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064・三木喜夫
○三木(喜)委員 きまっていないということだと、これは架空のものですか。これはいまからきめるのですか。もう国の予算はきまってしまっておるじゃないですか。どこからこの金を出してくるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/64
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065・細郷道一
○細郷政府委員 五カ年計画全体のものでございますので、もしそういうことでございますれば、むしろ全体の負担割合はきまっていないと申し上げたほうが正しいだろうと思います。しかし、せっかく資料としてごらんをいただきますのに、大まかな見当という意味で、本年度の分はきまっておりますものですから、それによって全体を推計をいたした、こういう注つきで提出いたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/65
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066・三木喜夫
○三木(喜)委員 だから本年度が食い違っておるじゃないですか、百八十億と二百七十八億……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/66
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067・細郷道一
○細郷政府委員 五カ年間全体はきまっておりまして、本年度はその一部なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/67
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068・三木喜夫
○三木(喜)委員 それなら、これは四十二年度と四十三年度とはもう大体きまってしまっておるわけですね。それは何ぼになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/68
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069・細郷道一
○細郷政府委員 四十三年度は、清掃だけで見ますと、国費で三十億、地方費で百三十五億、四十二年度は、清掃で見ますと、国費で二十七億、地方費で百二十七億、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/69
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070・三木喜夫
○三木(喜)委員 国費の補助だけで見ていただきたいと思うのですが、全体で百八十億と二百七十八億の違いが出てきておるわけなんですが、四十二年と四十三年とで、合計幾らになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/70
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071・細郷道一
○細郷政府委員 補助事業の国費だけで見ますと、四十三年度は三十億、それから四十二年度は二十七億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/71
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072・三木喜夫
○三木(喜)委員 そういうように、すでに四十二年から発足しておるものが、千三百三十億ということはさまっておっても、はたして国がどれだけ補助するかという見通しに狂いがあるということは、私は大きな問題があると思うのです。そういう点をひとつはっきりしていただかなかったら、こういう法律案は、社労でおそらくもめておると思いますが、これは日の目を見ないと思うのですよ。こういうずさんなことをやって、両者が食い違っておるようなことでは私は困ると思います。勝負するということはどんなことかわかりませんけれども、どういうことで一体いままで勝負するというお話をしておられたのですか。どういうことをやられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/72
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073・石丸隆治
○石丸説明員 ちょっとことばが悪かったわけでございますが、予算折衝の段階におきましてわれわれのほうの計画を説明して、それと査定との関係になるわけでございまして、やはりわれわれといたしましては、できるだけ地方負担の少なくて済むような方向で努力してまいっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/73
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074・三木喜夫
○三木(喜)委員 地方負担を多くするということはだんだん地方財政が苦しくなってくるので、そういう配慮は私はけっこうだと思います。そういう点で自治省とよく話をして、それこそ詰めてもらいたいと思います。
次に、大蔵省からわざわざおいでいただいておりますので、問題を本筋に戻したいと思います。逆に一番しりからやりましたからこういうことになりましたが、それではどうぞ厚生省の方帰ってください。
この速記録を見ますと、大蔵省は先日、公債に対する依存率で、地方財政が苦しいのか、それとも地方財政が好転したのか、国家財政が苦しいのかどうか、そういう基準といいますか、判定をなさった。そうでしたね。そこで、私は、先日申し上げましたが、一体この依存率とかいうようなものをずっと縦断的に各年ごとに見ていって、そうして結論を出したのか、それとも四十一年度とか四十二年度とかいう横断的にものを見たのか、こういうことを申し上げたら、いやそれは総合的に検討しておるのだ、こういう話だったわけであります。そこで、私もちょっと検討をし、これに対するところの問題点を出してみたのですが――それで、大蔵省としては秋吉主計官だけですか。局長見えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/74
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075・吉川久衛
○吉川委員長 いま参議院の……。休憩に入ったらこちらに参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/75
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076・三木喜夫
○三木(喜)委員 そうすると、秋吉さん、おつとめをいただきたいと思います。
まず、あなたの先日のお話はこういうことだったと思うのです。公債に対する依存の度合いですけれども、「国の財政と比較したならば、比較的に余裕があるんじゃないかというふうに私は考えています。」「現象的な数字を申し上げますと、まず、公債に対する依存率でございますが、国の場合は、過去におきましては、ここ一、二年一五%程度の依存率でございましたことは御案内のとおりでございまして、今回体質の改善ということでやっと一〇・九%の依存率になっているわけでございます。これに対しまして、地方財政の地方債に対する依存率は七%、四・八%、四十三年度四・二%ということに相なっておるわけでございます。」この依存率を一つあげられましたね。しかしこの依存率というものは、歳入に対するところの地方債の比率を見ると、なるほど四十二年度計画では、地方は四・八%、国は一六・二%、国債を減額してからは一四・七%になっております。それから国の建設事業の財源は、地方は五分の一程度で、二分の一以上一般財源でまかなっておる。しかし国は財源三分の二が国債である、こういうことになっておるわけですが、なるほど国は四十一年度から国債に依存したため、単年度ではそのようになっております。だから四十一年、四十二年は、あなたがおっしゃるように、地方と比べると依存率が高いわけです。しかしながら、地方は従前から地方債を財源としてずっとやってきたわけでありますから、最近だけで、単年度だけで比較してこれを見るというのはおかしいんじゃないか。言いかえますと、最近におけるところの単年度だけで公債依存度のみをもって比較することはできない、私はこのように思うわけであります。その点あなたのこの間の根拠は、私そのときに指摘したとおり、やはり横断的な考え方であると思うのです。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/76
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077・秋吉良雄
○秋吉説明員 現時点における御指摘は、私そのとおり答弁したわけでございますが、過去における経緯等から見ても、いまの地方財政のいわゆる集大成的な累積という面でも私御答弁申し上げたかと思います。つまり、最初赤字黒字の議論、収支決算から見た場合の最近の傾向はどうであるかということでも御説明いたしました。ダブるかもしれませんけれども、四十一年度の決算によれば、つまり累積黒字で積み立て金はおそらく七百数十億だったと思います。そのほかに積み立て金で千二百億程度の数字がある。これはいずれも累積でございます。したがって、過去の積み立て金あるいは実質収支等の累積といたしまして、約二千億近いいわば余裕資金的なものがあるということを申し上げたわけでございます。それに対しまして、それに相応する国の形はではどうであるかということでございますが、これも的確なる対応ということについては議論はあろうかと思いますが、国庫剰余金というのがございます。これはやはり過去の集積でございます。これが四十一年度で申しますと五百十七億でございましたか、という数字になるということを申し上げたわけでございます。これは歳入に対する割合はどうかと申しますと、地方で申しますと約二千億で三・八%という数字になる。ところが国の場合ですとおそらく一・二%ぐらいじゃないかと思います。そういう数字になります。したがって、これは単なる一時点の数字ではございません。過去の累積の数字がそうなるということになろうかと思います。
それからもう一つでございますが、そうした収支決算については、これは地方債つまり借金によってまかなっておるからおかしいじゃないかという議論があろうかと思います。それでは地方債の現債高についていえばどうであろうかということにつきましても御説明を申し上げたかと思いますが、地方債の現債高については、これは御承知のように過去において地方は相当出しております。国は四十一年度から建設国債の発行に踏み切りまして、自来相当高額の国債発行をいたしておりまして、野党の先生方から、非常におかしいじゃないか、もっと圧縮しろということを絶えず予算委員会等においておしかりを受けておる点でございます。そういった過去の経緯の集大成をいたしましたいわゆる現債高について見ましても、国のほうがもうすでに多くなっておるということがいえるわけでございまして、それが歳入に対する割合はどうかというと、四十一年度末で申しますと、あるいは私の説明が間違っておったならば自治省のほうから御訂正をいただきますが、地方の場合は約三割程度じゃないかと思います。国の場合も四十一年度では約三割でございます。ところが、四十二年度では国債発行が相当大幅でございますから、これが相当ふえます。これも私の私見ではございますけれども、おそらく四割前後の数字になるのではないか、これはまあ確定的な数字ではございませんからお断わりしておきます。それから、さらにまた四十三年度においては、これは相当国債を圧縮したと私どもは思っております。野党の先生方から御批判を受けておりますが、これは六千四百億でございます。それに対しまして地方の場合は二千三百億でございます。そういたしますと、ますます格差がついてまいりまして、おそらくこれは、私の推定では、歳入規模に対して五割近いくらいにいくのじゃないか、そういう感じがしないわけでもないわけでございます。そういったぐあいに、申しましたように、いわゆる四十三年の国の予算と四十三年の財政計画ベースの債務依存率だけを申し上げたのではなしに、過去の累積的なことを申し上げても、そうなるのだということを申し上げたつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/77
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078・三木喜夫
○三木(喜)委員 そこで私は、この「地方財政の状況」を見たのですが、これを見てまいりますと、あなたのような観点から見られるとそういうことが言えるかもしれぬと思うのですけれども、地方財政はやはり一般財源と国庫支出と地方債、その依存度というものを私は見る必要があると思うのです。これを見てまいりますと、パーセントでいきますと、三十六年度では一般財源いわゆる三税ベースでは五三・九%、四十一年度になりますとこれが五一・二%に下がっておるわけです。これに載っておりますがだんだんカーブを描いております。それに対して国庫支出金と地方債を合計いたしますと、三十六年度の依存度は二七・七%であったけれども、四十一年度には三二・三%になってきておる。こういう見方も私はしなければいかぬのではないかと思う。決して一般財源はふえていないだけではなく、地方財政といたしましては、国庫支出金とか地方債に依存している度合いがやはり高くなってきている。これを見なければならぬのではないかと私は思うわけです。それから実質収支、積み立て金の合計した剰余金、四十一年度決算では千八百億円前後地方ではある。それが国では五百三十九億円、そのうち三百五十二億円は地方交付税交付金として出すものですから実質三百五十二億円、歳出に対する割合は〇・八%しかない、こういうことが言えると思うのです。しかしながら、これも累年比較してみなければならないのではないかと思うのですが、ここ十年間をずっと見てまいりますと、初年度で、地方の場合ですが、最近の四十一年度では歳出決算と実質収支とを見ますと、歳出決算は五兆何がし、それから実質収支としましては七百五十七億円、その比率は一・五になっております。国の場合はこれが一・二になっている。この辺では減っておりますけれども、前年度四十年度になりますと地方は一・一、なるほど国の一般会計は〇・二、ずっといろいろ起伏がありますけれども、多いときは国は一八・八、地方のほうは多いときでも三・四ということで、十年間の平均は地方一・九、国は八・八、現在はなるほど一・五と一・二ですけれども、ずっと縦に歳出決算に対する実質の収支そのものとを比較してみますとそういう状況を示しているわけであります。
そういうように、あなたが言われた点をいろいろ検討してまいりますと、次に債務の残高が問題になると思うのです。地方債の残高の歳入に対する比率をあなたのほうでは示しておられるようですけれども、四十一年度、四十二年度は地方は三〇%をやや上回っておる。国は四十年度末は一八・七%、残高が七千六十八億、四十二年度末になりますとそれが四〇%になる。残高が二兆一千九百億でかなり大きな指数を示しております。こういうところを見ていきますと、国は国債に依存したのは四十一年度、四十二年度が大体主体でありますから、大きいのはあたりまえなのです。しかしながら、債務残高の比重というものは、一般財源に対する比率で比較しなければならないのではないかと私は思うのです。
なぜかと言いますと、将来一般財源で償還すべきものであるということと、国庫支出金、地方債を含めた歳入総額で見ても私は意味がないと思うのです。また、債務負担行為についても、これはやはり見ていかなければならないのではないか、こういうように思うわけであります。そういう意味合いで、地方と国を比較してみますと、一般財源が地方では四十一年度は二兆六千五百十六億円、地方債の現在高が一兆六千九百十一億円、債務負担行為額が四千五百三億円、そして地方債現在高と債務負担行為額とを寄せたものを一般財源で割ってみますと八〇・八%というのが四十一年度の様子であります。そうすると、ずいぶん一般財源に対するところの地方の借金というものは大きいと私は思うのです。債務負担行為だけを見ましても一七%、六三・八%に一七%を寄せますと八〇・八%という、借金に依存しておる地方の度合いは四十一年度は大きいですよ。国の場合は、同じような考え方でこの比率をとってみますと、四十一年度は五一%、四十二年度で六六%ですよ。図で示さずに口で言うからまどろっこしいと思いますけれども、端的に言って借金に依存しておる。地方の状況は四十一年度では債務負担行為まで入れると八〇・八%が借金依存の地方財政です。国の場合は五一・八%、本年で六六・八%という数が私のほうで検討しますと出るのです。そうすると、地方財政は何ら好転していないのです。まだおかしいところがあればあなたのほうからひとつ反論していただいてけっこうですが、私はこういう発想で、あなたのほうでは四百五十億返せとか、あるいは二九・五%に交付率を下げいとかいうことを言われると、地方は困るわけなんで、本年は自治大臣、御三家等が活躍なさって一応おさまったものの、またまた来年度同じことが復活してくるんじゃないか。この間からのあなたの主張を聞いておると、地方はいいんだ、いいんだということを言われておるが、私はいいとは思わぬ。結局、借金依存度は地方のほうがひどいんじゃないかと私は思うのですよ。
これであなたの反論をひとつ聞いて、それから自治大臣に、来年もまたこういうことが蒸し返されるのかどうか、大蔵省は蒸し返すつもりでおるのかどうか、聞かしてもらいたいと思うのです。それでなかったら、御三家にまたまた御苦労さんになりますから、ひとつよろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/78
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079・秋吉良雄
○秋吉説明員 御指摘のような数字はあろうかと思います。一般財源といたしましては四十三年度は地方税並びに地方交付税についてはいまだかつてない増収になっています。地方交付税については二千億のオーダーをこえた増額になっています。それから地方税においては四千億のオーダーをこえております。これはいずれも過去にない数字であります。したがいまして、そういったことが影響いたしまして、四十一二年度の地方財政計画によりますと、これは一般財源の歳入に対する比率でございますが、譲与税、地方税、地方交付税の歳入に対する割合でございます。これは一般財源比率といっておりますが、これが六二・七%でございます。過去において一番多かったのが六二・八%でございます。この六二・七%でございますが、これに交通安全対策特別交付金の百一億、それから特別事業債償還交付金の九十億円をかりに加えますと六二・九%になります。そういうようなことで過去の最高水準に近い数字になっております。これは一例でございます。
それから、先ほどおっしゃいましたように、公債の現債高、地方債の現債高を歳入に対する比率だけでものごとを判断するのはおかしいのではないか、こういう御議論は傾聴に値する御議論だと思っております。これは一般財源に対する比率も考慮すべきではないかと思いますが、その面は大いに考えるべきだと思います。ところが、これも考えてみますと、国の場合の四十三年度予算ベースで申しますと、これはいま申し上げましたように、国の場合は、おそらくこれは財政法二十八条による付属参考資料によりますと、国債の額は約三兆ということになっております。そうしますと、これは国の一般財源に対する比率からいきまして六割をこえております。四十四年度になりますとどの程度--おそらく六千四百億が減るかもしれませんが、相当のものになると思います。
それからもう一つ、国庫債務負担行為のお話がございました。地方の国庫債務負担行為は、いま四千五百億というお話でございましたが、これは四十一年度末の地方財政白書からとった数字だと思いますが、この中には損失補償、債務補償の金額が入っております。これは千億ぐらいと思います。それを引いてみますと、おそらく三千五百億というような数字になると思います。ところが、国の場合はどうかというと、これは四十一年度末で比較いたしますと、債務補償等を入れますとこれは二兆二千億という数字になります。ところが債務補償を除いて比較するのがやはり妥当でありますから、債務補償を引いて計算をいたしますと、国の債務は約五千億を上回るというのが四十一年度末の数字であります。これは国債以外の数字でございます。したがって、むろん御指摘になりましたような国庫債務負担行為等の債務額は、この地方の三千五百億ベース、国は四十一年度は当時五千億をこえております。国のほうが多いという数字になっております。したがって、その債務負担、その依存率から議論いたしますと、先生の御議論もあろうかと思いますが、またいろいろ私どもの数字も出ておるということを御指摘いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/79
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080・三木喜夫
○三木(喜)委員 大臣にお聞きする前に私申し上げたいのですが、あなたのほうで交通安全対策費が入っておる、こうおっしゃいますね。入っておったって、こんなものは入れ足しですよ。国の補助金が入っておっても、地方はみな入れ足しはできないのですよ。そこで先日財政局長が言われたことを判定の資料にしなければいかぬと私は思うのですが、やはり事務量や仕事の量を一ぺん検討してみなければならぬと思うのです。その意味合いで大臣にも財政局長にもきょうは――あなたはしつこいと大臣から言われたが、何でこんなに清掃事業に地方は苦労しておるか。大臣は、首切りをやるために清掃のこの問題を考えておるのだということはさすが言われなかった。そんなことを言うとたいへんですからね。しかしながら、首切りの事態まで起こって、請負に出す、民間業者にやらすという、こういう苦しみはどこから出てきておるかというと、やはり事業量が大きくなっておるのですよ。事業量が大きくなって、それに対するところの財源が得られないところにあると私は思うので、きょうはその問題として清掃事業を取り上げたつもりなんです。しかしながら、自治省に対しては、何やくどくど言うたといってしかられたのですけれども、そういう意味合いではなかったのです。ずいぶんと苦労して、結果的には労働者がだんだん首切りの対象になってしわ寄せされておるじゃないか、こういうことを言ったわけであります。
それから、このあとちょっと触れたいと思いますけれども、川崎のあの競輪の問題です。地方財政は、爆弾を抱いたところのギャンブルさえ後生大事に握りたいのですよ。こういう状態をやはり大蔵省は見てもらわなければ困るじゃないかと思うのです。いいじゃないか、いいじゃないかと言っておるのに、地方では焼き討ちをかけられ、爆弾を背中に負うて、ギャンブルの財源にしがみつかなければならぬというくらい苦しいのですよ。こういう意味合いで、大臣、本年は非常に努力されました。私は、あなたに金鵄勲章をあげていいと思うのですが、地方行政の一人として、その点では実によく活躍なさった。私は感謝を込めておるわけなんでありますけれども、しかし、それが毎年毎年同じ政府の中で、こっちは多いと言い、こっちは少いと言いして、毎年同じことをやるようなことだったら、そんな繁雑さにお互い耐えかねますよ。だからこれを大臣としてはどういうようにやろうとしておるのか。多い多いと言っても――私は財政局長の観点はいいと思うのです。多い多いというが、事務量や仕事の量も、こういうふうにあなたは言うと思うのですが、私はそのとおりだと思う。自信がありますか。また来年同じことをやりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/80
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081・赤澤正道
○赤澤国務大臣 また清掃のことにもちょっとお触れになりましたので、私気になりますから通達を見ましたところ、きわめて弾力性のあることを書いておる。これは三木先生十分御承知の上に御発言になっているのでしょうけれども、去年の暮れに出しました通達は、やはり民間への委託を考慮する、考えてみなさいということは、何も強制したということにもなりませんし、去年の十一月に財政面で出しておる通達にも、必ずしも地方団体が直接実施する必要のない事務、事業、たとえばし尿、じんあいの集中処理などは、各団体の実情に応じ、地方団体の十分な管理監督のもとにその民間委託または云々と書いておりますので、私はやはりそういったことは、地方団体に選択の自由を与えた上で、考えてやりなさいという程度の通達であると思っております。
それはそれといたしまして、いま最も大事な財政硬直化の議論――私の省の財政局長と大蔵省の主計官との間の議論を聞いておって、私もちょっと奇異な感じを持っておったわけでございますが、やはり税金は、政策的な意味も多分にありますけれども、国民の所得の再配分ということが重要な要素でもあるし、ですからこれは、何も大蔵省がもうけた金でもつくった金でもないわけでして、税金を払うのは地域住民であり国民である。法人だって分解してみれば同じことだと思うのです。ですから、それぞれ行政需要を勘案いたしまして、また一方、地方公共団体といったって国とはイコールでございますから、やはり税の配分というのは国に重点をかけるか、地方団体に重点をかけるかということは議論のあるところでございます。しかし、国がやるものを地方団体がかわってやったって一向差しつかえないのでございますが、やはり地域住民の福祉のためにやらなければならぬ差し迫った案件が非常にたくさんある、無限に近いぐらいあるわけでございます。私どもは、将来とも、交付税率云々なんかで議論になります際には、私どもの基本的な考え方は、やはり税の再配分をいたします際には、そういう考え方のもとに自主的に大幅に行政の部分を地方公共団体にこなさせるべきであるという考え方を持っている。しかし一方、国の景気の調節だとか、この前も申しました国防だとか、いろいろ大きな国全体でやらなければならぬこともあるから、その面で残しておかなければならぬことがあることは承知の上ですけれども、将来交付税率を改めるようなことがあるときには、地方自治団体の立場も尊重するという前提のもとに議論さるべきである、かように私は考えております。ことしの例の四百五十億は、先般の出世払いの四八二というあれから発想しておるようにちょっととられておりますけれども、あれとは質が違うということをるる申し述べて今日に及んでおります。幾ら大臣が言ったって結果は同じことだという議論に終止しておるわけでありますけれども、しかしこれは、やはりやむを得ないといったようなことではなくて、私たちは、国が今日直面しております諸事情を勘案いたしまして、次年度以降に少しばかり繰り延べたという考え方に立っておりますし、また、そのほか懸案になっております特別事業債の処理とか超過負担とか、道路目的財源を与えるとか、いろいろ党部会で御検討があって、しかも附帯条件的なものまで書かれておることを前向きで解決するべく努力いたしました結果、今日ああいう結果が生まれたわけでございます。
将来にあたりましては、三木さん御指摘のとおり、私たちも地方自治体を守っていかなければならぬ、これはやはり国と地方団体との関係もありますけれども、政治の正しい姿であるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/81
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082・細郷道一
○細郷政府委員 私も、いま大臣が申し上げたとおりの気持ちで来年もがんばりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/82
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083・三木喜夫
○三木(喜)委員 大蔵省からだいぶ反論があったので、私も自治省の立場でものを言うたつもりだけれども、いやそうじゃないのだ、財政はやはりいいのだという反論があったわけですが、これに対して御異議ありませんかという点が一つ。
それから大蔵省に、交付税というのは恩恵ではないという考え方に私たち立っておるわけなんです。税金だと思うのです。税の配分だと思うのです。自治省はその観点に立っておりますけれども、あなた方は、また来年、二九・五%といわずとも、三一とか三〇とかいうことをまた考えついてきて、自治省をゆする、地方をゆする、ゆすると言うと何かゆすり、かたりのように聞こえますから、ゆるがす、または動かす、こういうような気持ちはやはり依然として捨てかねておりますか。もうことしできっぱりしましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/83
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084・相沢英之
○相沢政府委員 交付税の制度そのものにつきましては、これは私ども大蔵省の者も、また自治省の方々も、別に制度に対する考え方自体については差異がないと私は思います。ただ、その交付税の率をどういうふうに考えるかという点につきましては、これは現行の地方交付税法の第六条の三の第二項にございますとおりに、その変更をいたします場合は、引き続きその財源不足額の合算額と交付税の総額が著しく異なった場合ということでございますので、そういうような事態に来年度なるかどうかという問題だろうと思います。この点につきましては、これはまだことしの予算がいま始まったばかりでございます。来年度の経済情勢がどうなるか、また国、地方の税収がどうなるか、そういった点につきましては、すべてこれまだ予断を許さない状況でございますし、こういう地方交付税法の六条の三の二項が該当するような事態になるかどうか、これは自治省も私どもも現在の段階では何とも申し上げられないというのが正直なところじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/84
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085・三木喜夫
○三木(喜)委員 そういう御答弁が私あろうかと思っておりました。しかしながら、地方交付税とかこれの操作というものは、交付税法のたてまえの上に立ってはおりますけれども、世界各国と比較してみまして、一番やはり中央集権の拠点になっておるわけです。そこに問題点が私はあると思うのです。そうして、地方で、そういう交付税法の六条にいわれておるようなことは、やはり地方を守るというたてまえの上で、そういうところが私はあろうと思うのです。そういうことは実際に起こってみなければわからないということでありますけれども、本年少なくとも了とされておるかどうか。二九・五%というものを出しておいて、事実は三二%であるのに、本年了としないものは、やはり来年も了とできないという、こういうものは残るわけなんですね。来年どういう事態が起こるかわからない、そんなことを私はとやかく言っておるわけではありません。それは法律に定められておるとおりでいかなければならぬと思うのです。割り切れぬような感じで本年どうやら過ごされておるのではないかというふうな心配を私は持ちますから、ことしはすらっと、あれでけっこうでしたと思っておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/85
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086・相沢英之
○相沢政府委員 地方交付税制度に対する考え方になるかと思いますけれども、私は、おっしゃるとおり、交付税の制度というものは、国からの、地方に対する一般財源を税収にリンクさせることによりまして、地方に毎年度、言うなれば議論をしないで済む税収、一般財源を与えていくという形にあるかと思います。これは、結局、平衡交付金の制度のころは、毎年度、地方財政計画の収支をめぐりまして、これは私も存じておりますが、自治省と大蔵省の間で、毎年度、言うなれば血みどろの論争をいたしまして、その額の多寡をめぐって議論を戦わしたわけでございます。そういうように、毎年度地方財政計画の策定をめぐって、国から出す財源を議論するというようなことを避けて、三税の税収に対する一定率を地方団体に交付する、その地方団体に対する一般財源は地方税収と交付税でまかなっていく、そういうような考え方でこの交付税制度はできたものですから、毎年度、言うなれば、その交付税が財政計画に照らして足るとか足らないとかいうことを論議するのは本来のたてまえではないと私も存じております。そこに六条の三の引き続き著しくというようなことが税率の変更の前提になっているゆえんだろうと思います。したがいまして、私どもも毎年度これをどうこうしようという考え方を持っておったわけでもございませんし、またおるわけではございません。ただ、事実問題といたしまして、この交付税の率は、制度発足以来、ほとんど毎年度のように実は引き上げるという方向で変えられております。こういった点にも、振り返ってみますと問題があろうかという気がいたしますが、いずれにしましても制度のたてまえがそうでございますから、単に毎年度の財政計画をつくって、それが余るとか余らぬとかいうことからしてその率の改定を私どもとして主張するつもりはないのでございますが、国、地方の財源事情、財政事情が総体的に見ましてどういうようなことになるかということ、第六条の三の第二項が発動するような事態になるかどうかということの判断に基づいてその率の改定は行なわれるべきものだというふうに承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/86
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087・三木喜夫
○三木(喜)委員 複雑な経緯を経て、今日やっと地方交付税は落ちつくところに落ちついたわけでありますけれども、ただ大臣、先がたあなたに非常に御努力いただいて、私、その努力は多とするのですけれども、やはり奇妙な結果が残っておるわけなんですね。これが気になる。うちの各委員の質問に対しては、そんなややこしいことはしておりません、実にすっきりしておるじゃないですかとあなたは答弁しておりますけれども、ややこしいじゃないですか。四百五十億を百五十億ずつ三年間返してもらうのでしょう。そうすると、どんなイメージが残るかというと、地方財政は悪い悪いと私たちは思っておるし、もっとやってもらいたいことはたくさんある。清掃にしても、ギャンブルもやめてもらいたいし、そういう願いも持っておるのに、それが満たされないのですね。にもかかわらず、一方では四百五十億交付税の中から貸しておきましょうと、簡単に言えば国に貸したのですよ。金がないのに貸したのですよ。いままで私たちは、るる地方財政は苦しいということを言っていたのですが、それを貸したのですね。それをまた返してもらうというような方法は、これはやはり地方財政がいいということをイメージとして植えつける結果になるんじゃないですか。それならそれで、四百五十億払わないぞ、いや二九・五%にしないぞとがんばってくれておるならいいのですけれども、操作がややこしい。貸して払ってもらい、また片一方では、借ってきてやったりしておるわけなんですね。これは世間の人は奇妙な結果である、こう言うとるですよ。これは悪例を残さぬですか。大蔵省は、同じ内輪ですから、そういうことは思わないでしょうけれども、しかし、やはりしてやったりと、こう思っておるかもしれませんよ。来年度にいい足がかりができた、確かに地方財政は悪い悪い言うとるけれども、事実自治省のやったことは、地方財政が好転したことを暗に認めておるじゃないかという根拠になりませんか。それを心配するのです。大臣は確信を持ってこれをやっておられるし、奇妙な結果ではないということを各委員に対してるる説明しておられるけれども、私らはどうしてもそれが残る。その点ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/87
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088・赤澤正道
○赤澤国務大臣 地方財政は、たびたび申しますとおりに、国の財政政策とは直接の関係はないわけでございますが、関係はないとは言い条、それとは全然無関係とも言えない。どういう意味かと申しますと、それはたびたび申し上げたけれども、去年の秋以来、例のポンドの切り下げに始まって、ドル防衛だとか内外非常にきびしい情勢が迫ってまいっておりまするので、国が苦慮いたしますことは、国民全体が苦しい立場になることをいかにして防ぐかということにもう心魂を傾けて、いろいろな財政政策を検討しておると私たちは考えておる。それですから、そういう立場に追いやられておる日本全体のことも地方住民も一応考えなければならぬ。国が抑制型の予算を組んでおります。ですから、自治省の場合も、地方公共団体の場合も、やらなければならぬものにはうんと重点化して、そしてできるだけ国が立っております立場というものも考えてやろうじゃないか。これはことし限りの特例であるということをたびたび申し上げました。ですから、いま三木先生いろいろ御指摘のように、地方団体としては、住民のためにぜひやらなければならぬ案件はたくさん蓄積されてありまするけれども、これをことし少し調子を見るということで次年度へ繰り越すぐらいな配慮は持っていただかなければならぬ、こういう判断のもとに私どもはただいま申したような措置をとったわけでございまするので、地方財政が好転したからいい心持ちで国に貸したなどということは夢々思っておりません。ただ、そういう誤解が今回の措置で起こったことは、私どもの不手ぎわと申しますか、PR不足と申しますか、この点は御理解ある諸先生方の御協力をいただいて、地方団体は決して好転したわけではないけれども、しかし、とにかく国自体がこういう立場に追いやられている現在だから、やはりお互いに立場、立場を考えてやろうやという意味でございまするので、そこのところはひとつよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/88
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089・三木喜夫
○三木(喜)委員 赤澤自治大臣が来年の予算編成時に大臣をしておられたらそういう話もまたできると思うのです。しかし、もしかわるというようなことが起こりますと、これは責任に当たった人がいないのですからまた一からやり直さなければならぬ。そうすると、財政局長やあるいは交付税関係の方は、大蔵省との間の折衝に困られるわけでありますね。そこでそういう心配をするわけなんです。要らぬ心配かもしれません。また、あなたには御三家もついておればわれわれのような外様大名もおりますから、文句を言うところは言いますから、筋の通らぬことはしてもらいたくはありません。そこはまたあとに細谷さんという権威者がおりますから、問題の残っておるところはやっていただいて、きょうはもう時間がありませんので次に移ります。
警察庁長官おいでいただいておりますから、ひとつ川崎競輪の問題でお聞きしたいのです。
この間公明党の小濱さんがこの問題を取り上げておられました。私、なぜこの川崎の競輪の問題を取り上げるかといいますと、いまるる申し上げましたように、地方財政は苦しい中にこうした爆弾を抱いた公営競技でもやはり持っていなければならぬ、こういう考えに立っておるように思うのです。大臣出られましたけれども、大臣はこの間たいへんなことをおっしゃった。このことはまずいけれども、庶民のささやかな楽しみ、こういうふうに言っておられたように思うのです。そういうとらえ方は、私は多少違いますけれども、そういう観点で、地方財政が苦しいという立場からひとつこれを申し上げてみたいと思うのです。
それから、もう一つは、いま農林で競馬法の問題、これは本年で一応三カ年が終わった、その帰趨がどうなるかということを私も見ておるわけであります。それと対比しながらこれも考えていかなければならぬじゃないか、こう思っておるわけです。
そこで、各新聞を一応私見てみました。これは毎日、日経、朝日、神奈川新聞、産経、東京と、これだけずっと見てみますと、やはり新聞は問題点を端的にとらえておると思うのです。各紙の論調を一通り見てみますと、全体的にこういうことばが使われております。「狂ったファン投票所に放火」「人気選手が最下位」「川崎競輪で四千人騒ぐ」「千人が投石、放火」「ファン暴徒化」「川崎競輪で焼打ち」「四千人が暴徒化」こういうセンセーショナルなことばが使ってあるわけであります。その下に「警官ら二十八人けが」「百四人検挙、九十七人取り調べ」「従業員等二十五人重軽傷」「レースが不明朗」「八百長」「人気選手の暴走怒り」こういうことばが出ておるわけです。一つ一つこれを読みません、象徴的なところだけを取り上げたわけですが、ここからどのような結論が出てくるか。新聞として結論を出しておるのは警備問題が出てきております。ここにも警察行政が云々されております。また「健全娯楽とはいうけれども」という題で、実情を訴える市民は紙くずだとか交通混乱に苦しんでおるということが書いてある。川崎市はこれに対して、益金の適正配分という問題について、自治省、通産省と財源の問題でいま話し中だ、こういうことを言っておるわけです。通産省は来ておりませんけれども、自治省もこれに関係があるのですから、この辺聞かせていただきたい。
それから財源均てん化に川崎市は反対だ、こういうことを新聞は出しておるわけです。この前もお聞きしましたけれども、警察としてまだ全体的に検討してないということだったので、この結果これについてどうお考えになるか。おいでになっているから警察庁からお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/89
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090・今竹義一
○今竹政府委員 御承知のとおり、競輪等に関連しまして、しばしば御指摘のような事案が発生いたしております。四十二年中にも競輪で三件、競馬で七件、競艇で六件など、合わせまして十七件ばかりそういう事案が発生いたしております。
問題を競輪にしぼって御説明申し上げますと、競輪の健全な運営につきましては、通産省の所管でございますが、自転車競技法でございますか、これのもとに競輪施行者及び自転車競技会が場内の秩序維持の責任を持ってこれに当たる、こういうたてまえになっておるのであります。したがいまして、警察としましては、そういう競輪施行者等の自主警備をまず第一にやっていただきます。ただ、いま申し上げたような紛議がしばしば発生いたしますので、これに対処するための警備体制を整える、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/90
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091・三木喜夫
○三木(喜)委員 警察庁のほうとして困られるのじゃないか、私は率直に言ってそう思うのですね。警官を七百人動員されたのでしょう。健全なる娯楽であるべきもの、自治大臣の言う庶民のささやかな楽しみ、こういうものであるのに、火をつけて投票所を燃やし、事務所を燃やして、あるときには中へ飛び込んでお金を持って走ったり暴徒化する。それで私は最初に言ったわけですが、「四千人が暴徒化」とか、いろいろなセンセーショナルなことばでつづってあるわけです。それを、いまのお話では、これを下請化するような言い方をされておりましたが、自主規制というか、自主防衛というか、自衛的な立場で競輪のほうでやってもらったらいいのにと、こういう苦しい言い方をいまされておりましたが、それならたいへんなことですよ。私は自主的には防衛できないと思うのです。警察官が行っておられてもこんなになったのでしょう。最初、何やら二十名ほどおられたそうです。最初から七百名も行っておられたのではないのですけれども、私はいまたいへんな言い方を聞いたわけです。そういうように警備はお互いで守りなさいという考え方に立っておられるのですか。実際困っておられる一つの表現かとも私は思うのですけれども、ひとつ率直に言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/91
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092・今竹義一
○今竹政府委員 場内の秩序維持と申しましてもいろいろのことがございまして、そのすべてについて警察がこれに当たるということは、警察も交通の問題あるいはパトロールの問題、その他いろいろと仕事がございますので、これにのみそれほど多くの警察力をさくことはできないのが率直にいって現状でございます。
そこで、そういう競輪等の場内の秩序維持につきましては、自転車競技法に基づきまして、競輪施行者である――今度の川崎の場合でありますと川崎市でございます。あるいは競輪の実施に当たっておる自転車競技会が場内の秩序維持の責任に当たる、こういうことになっておりまして、私どもとしましてもそういう主催者でできる場内秩序の維持については主催者の側でやってもらう。ただ、今度のような暴力行為でありますとか、あるいは放火、こういうことでございますと、警察がこれに当たるのは当然のことでございまして、今度の場合も、大レースでございましたので、百二十何人かの警察官を事前に出して警備措置に当たっておったのでありますが、事案発生によりましてさらに六百人ばかりを動員いたしまして事案に対処した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/92
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093・三木喜夫
○三木(喜)委員 損害は一体どのくらいでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/93
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094・今竹義一
○今竹政府委員 第一投票所という建物の火災、これは千二百二十平方メートル、それから第一払戻所に行く連絡廊下及び払戻所の天井の類焼、それから投石等によりますガラス二百八十二枚の破損等、大体見積もり額で二千六百万円。なお、二十二人の警察官、消防職員その他警備員の職員等も含んでおりますが、負傷者を出しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/94
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095・三木喜夫
○三木(喜)委員 二千万円以上の損害があったということになると――死んだ人はありませんけれども、けがした人、いろいろ傷の手当てなんかした人を入れますと相当な損害ですね。これだけの損害をこうむっておるということは私は重大な問題だと思うのです。いま御答弁があったように、自主的な規制をすることは競輪場それ自体の主催者側のやるべきところはわかりますし、それから警察がやるべき仕事はわかります、御答弁をいただかなくとも。それでいて、なぜそれなら騒ぎがおさめられなかったか。これはあなた方の仕事でしょう。それから、なぜ放火がとめられなかったか、ここに問題が残ってきますよ。これは自主規制はできないでしょう。警察でやっていただかなかったら、暴徒になっておるのですから、これは暴徒と書いてありますから、私は見たわけじゃありませんけれどもね。その点が私は問題だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/95
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096・今竹義一
○今竹政府委員 競輪、競馬等の観客、こういう問題につきましての大体のいままでの状況を見てまいりますと、主催者側の競技運営における不手ぎわ等に基因するようなこともございますし、また当日の、大レースであるとか、あるいは天候の問題とか、いろいろなことによりまして、平穏に行なわれておったものが、ちょっとしたきっかけで実はこういうことになるというのが大多数の場合であります。そこで、警察としまして、さきにも申し上げましたように、いろいろなことがございますので、競輪、競馬に多数の警察官を押えておくわけにもまいりませんので、通常の事態に対処し得る最小限必要な要員を置いておきまして、事態の雲行きが悪いというような状況になりますと、なるべくすみやかに警備力を集中して初期にこれを押えるというようなことによりまして、いま申しましたように、昨年中に十七件以下で押え得たもの、私どもかように考えております。今度の川崎競輪場につきましても、できるだけ早急に警察力で押えて対処いたしたのでございますが、あのような結果になったことは遺憾にたえないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/96
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097・三木喜夫
○三木(喜)委員 私は起こったことをとがめてものを言っておるつもりではありません。こういうものにやはり警察力をさかなければならぬというところに、私は現在のギャンブルに対する問題点があるのじゃないかということを言うわけなんです。十七件で押えられたことがいいとか悪いとか、そういうことじゃなくて、十七件起こったことそれ自体が悲しむべきことだと思う。庶民のささやかなる楽しみなら、こんなことが起こるはずがないけれども、ささやかじゃないのですよ。一つの賭博ですよ。賭博をやっておるから、非常に気が荒立っておるわけです。ですから、八百長なんかというとこういう暴徒化してくるのではないかと思うのです。そういう原因は確かにあるわけなんですからね。そういうところに警察のほうの力をさかれることにあなた方は迷惑されておるかどうかということで聞いておったわけです。それは御答弁はけっこうでございます。
そこで、これは新聞を見ますと、川崎市はこれに対して、益金の適正配分の問題について、自治省、通産省と話し合っておる、こういうことを新聞に書いてありますが、一体何を相談なさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/97
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098・細郷道一
○細郷政府委員 この事件を契機での話し合いは聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/98
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099・三木喜夫
○三木(喜)委員 そうすると、この事件を契機にせずにどういうことを皆さんが協議しておられるか。新聞にはそう書いてあるから聞いておるわけなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/99
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100・細郷道一
○細郷政府委員 先般私のほうで公営競技の収益について均てん化をしたいということで準備を進めたことがございます。その際通産省といろいる話し合いをいたしました。そのことはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/100
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101・三木喜夫
○三木(喜)委員 いや、どういうことで話をせられたかということを聞いておるのです。均てん化ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/101
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102・細郷道一
○細郷政府委員 均てん化についてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/102
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103・三木喜夫
○三木(喜)委員 通産省はそれに対してどういような反応ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/103
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104・細郷道一
○細郷政府委員 均てん化の方向は賛成である、しかし、いろいろ施行者の意向もあるので、その辺の意向も確かめた上で最終的な判断をしたい、こういうふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/104
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105・三木喜夫
○三木(喜)委員 私もきょうは書類を持ってきておりませんけれども、三十二年の四月二十三日、衆議院の商工委員会で競輪の問題を取り上げておりますね。そして附帯決議をつけておりますし、それから三十二年五月十九日に参議院商工委員会でもこの問題を取り上げて、健全化と漸減方式をはっきり打ち出しておるわけなのであります。それから公営競技調査会の答申も昭和三十六年の三月十五日から十回ほどやって七月二十五日に答申が出されておるわけです。結局、全廃すると影響は甚大であるが、かわり財源を求め、関係者の失業対策をとり、その他の方策を与えなければならぬ、こういうことを言っておるわけなので、テラ銭をどう分けるかということを自治省は通産省と御相談なさったようでありますけれども、三十六年の公営競技調査会の答申はそういう方向を志向してないわけです。やはり漸減方式をとっていって、かわり財源、失業者の問題その他の方策も考えいということを明確に答申しておるのですね。その点で御協議はなさらなかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/105
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106・細郷道一
○細郷政府委員 いまお話のございました公営競技調査会の答申の結論は、要約すれば、いろいろ問題はある、やめるについても声があるけれども、それについても議論がある、そこで漸次合理化をすることによってなお存続もやむを得ない、こういうのが御答申の骨子であったと思います。その御答申をいただきましたことの中に、幾つかいろいろ競技の施行その他についてもございますし、新たに施設をふやさないといったようなこともあったと思いますが、さらに収益につきましては、ある団体に非常に収益が片寄るものについては、国、地方が協力をして、それをみんなに均てん――ということばは使ってございませんが、協力してみんなに普及といいますか、広く均てん化ができるようなことを考えろというようなことも趣旨としてうたわれておったものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/106
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107・三木喜夫
○三木(喜)委員 私は問題の焦点に触れたいと思って急いでおるわけなのですけれども、競輪の団体から発行しておる書物によると、昭和四十二年までに二千四百九十億円地方自治体に財政寄与をしておる、こういうことなんです。そこで、これらの仕事が、国のあるいは地方の公営企業の補助金等を入れてみますと六千億の事業に当たっておる。こういうギャンブルを一つの素材にして地方が依存しておるというこのことがやはり問題じゃないかと思うのです。競輪実施自治体が二百十二で、その二百十二の自治体の人口は約五千万人あるということです。そうすると、日本の人口の半分がこの競輪のテラ銭に依存しておるということになるわけなんですね。これは非常に不健全な税体制といいますか、税に見合う体制ではないかと思うのです。こういうことが均てん化という、そういう側面からだけ御検討になるということは、私はちょっと問題じゃないかと思うのですね。こういう点、もう少し前向きに、いま大蔵省も先がたから、地方財政はいい、いいというようなことを言っておられるのですから、何とかそういうところの財源を見つけてやっていく必要があるのじゃないか。ただし、先がたも言いましたように、これが民営に移行したり、あるいはまた従業員の失業問題を生んでは困りますから、その点は考えなければいかぬと思うのですね。そういう点でひとつ話を進めていただくのが本筋じゃないかと思うのです。財政局長かだれか知りませんけれども、地方行政の議員のところに、農林水産でいま検討している競馬法の問題を非常に気にしておられるというようなことを聞いたのですけれども、何かその次元をもう少し前へ進めて考えていただくのがいいんじゃないか、こう思うのです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/107
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108・細郷道一
○細郷政府委員 もちろん、根本的にどうするかという考え方がひとつあろうと思います。それにつきましては、いろいろ議論も分かれるわけでありますが、いま私どもがとっております態度は、そこにおあげになりました公営競技調査会の答申の線に、基本的に沿ってものを処理してまいりたい。したがいまして、その中の一つでございます均てん化の問題、これはいま私が詳しく申し上げるまでもなく、非常に一部の団体に収入が片寄っている。ということは、やることを認める以上は、私はそのこと自身はあまり妥当なことではないだろう、こう考えまして、その点につきましての均てん化というものを考えていく、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/108
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109・三木喜夫
○三木(喜)委員 警備には非常に御苦労がかかる問題ですし、だんだんそういう傾向が出てきておるのではないかと私は思ったりします。そういう点で考えるべきものが多いと思いますが、競馬のほうの問題は、いまいろいろ論議を詰めておるようでありますから、それが本ぎまりになってからこの問題をわれわれも取り上げて、行政の責任者と相ともに前向きで今後検討していきたいと思いますが、きょうは一つの事象を取り上げての質問でございますから、このくらいに押えておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/109
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110・吉川久衛
○吉川委員長 本会議散会後に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
午後一時二十三分休憩
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午後三時二十二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/110
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111・吉川久衛
○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。林百郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/111
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112・林百郎
○林委員 最初に、地方自治の問題について、財政の問題あるいはそのほか最近の一、二の事例について地方自治権の確立、地方自治に対する自治大臣の姿勢というようなことをお聞きしてみたいと思います。
最初に財政問題についてですけれども、大臣は本委員会で地方財政問題について「国の内外を取り巻く経済状態が非常に悪くて、政府も御案内のような政策をとったわけでございまするので、地方財政のほうだけ知らぬ顔というわけにまいらぬ面もありまして、」云々と、こういうようなことを言って、要するに、中央の財政事情によって地方財政も御案内のような措置をしなければならないというような意味を述べているわけです。中央の財政が非常に抑制された予算とか、こういうことばを使われているわけですが、それによって地方財政をどうしたというのですか。あなたのやられたことをここで説明していただきたい。――もう少し補足しますか、私の質問を。
本年度の地方財政の諸問題について、あなたに各同僚委員が質問をしたわけですね。場合によっては旧覚書の問題も出てくるわけです。そのとき、地方財政が好転したとかしないとか、そういうことが問題になっているわけです。その答弁として、一貫してあなたが言われていることは、中央の財政がこういう状態で、中央の本年度予算がこうだから、地方財政もそれに横を向いているわけにはいかないということを言っているわけですね。横を向いているわけにいかないのでどうしたかというところがはっきり出ないわけですよ。結局、あなたの言わんとするところは、いま問題になっている交付税法の一部改正法律の中にいろいろ含まれていること、あるいはそのほかのことをやったんだというようなことを言おうとしているのかどうか。その辺を、中央の本年度予算の状態がこうだから地方財政もそれに協力せざるを得ないので御案内のような措置をしたのだ。御案内というようなということばが出てきているが、あなたはどうしたつもりですかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/112
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113・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もちろん地方行政を担当しておるわけでございますから、地方団体が健全に育ちますためにいろんな施策、勧告をしたり助言をしたり、また、財政配分等につきましてもいろんな施策を行なってまいっておりますが、今回のいろんな質疑を通じて感じますことは、やはり質問の第一が、例の四百五十億円を国に貸しつけたではないか、こうおっしゃる。貸し付けるからには、地方の財政がそれだけ好転していい気になっているから貸したんじゃないか、こうおっしゃるのを、私、いろいろそうではありません、ということを説明してきたわけでございます。そのときに、じゃ、なぜ国のこういう抑制型予算にくみしたかということについてのお尋ねであろうかと思うのですが、やはり地方財政法にもありますとおりに、「財政の健全な運営に努め、いやしくも用の政策に反し、」またはこういう「施策を行ってはならない。」ということがありもいたします。しかし、何といっても国の財政と地方の財政とは直接に関係があるわけではありませんが、にもかかわらず、関係なしともしないという、まことに奇妙な答弁をせざるを得なかった。と申しますことは、もちろん地方財政の内容を健全化すること、それから、とにかく無限に近い行政需要もあるわけでございまするから、やはりそこへ国の財源というものを大幅に――地方の独立税源だけではそういう行政需要をまかなうことができませんので、やはり税の配分を通じて地方団体をまかなうためのいろんな経費を獲得していくということに意を用いてまいっております。それは当然のことであろう。ただ、内外を取り巻く経済情勢が実に悪化をしておりまする現状、これは何人も否定することはできない。国もたいへん苦慮しておりまするので、やはりこういう緊縮予算――緊縮と申すことが適切であるかどうかわかりませんけれども、抑制型の予算を組まざるを得なかった。地方財政の面でも、そういった意味では国に協力するということが、即地域住民のためにも決して不幸をもたらすものではないという考え方からこういう措置もした、ということをるる申し上げた。
そのほかに、地方財政の健全化のためにやったことは実にたくさんあります。どれを取り上げても、私どもはそういった考え方で処理をしてまいっておるつもりでございます。住民税につきましても、ああいう措置をいたしました。まあ、とにかく多少でも減税になったと考えておりまするけれども、反論があるようでございます。また、長い間、ここしばらく特別事業債の処理をどうするか、また超過負担をどう解消するとか、あるいは市町村にも道路目的財源を与えなければならぬとか、いろいろなそういった懸案がありましたものを、かなり片づけたといったような考えも持っておるわけでございまして、地方団体が財政的に豊かになったからとか、そういったことを考えておるわけでは決してございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/113
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114・林百郎
○林委員 私も、地方財政が地方住民の負担の関係において好転しているなどとは夢にも思っておりませんし、そういう点については、いささかも地方住民の負担が軽くなったという意味での好転などというのは考えておりません。
そこで、そうすると四百五十億の交付税を減額したということは、これは結局、国の抑制型予算に協力して地方財政も一つの抑制の方途をとった、こういう意味になるのですか、そういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/114
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115・赤澤正道
○赤澤国務大臣 意味はいかようにも取りようがあると思いまするけれども、先ほど申し上げましたように、内外の情勢がいかにもきびしい。そこで、国が抑制型の予算を組みましたゆえんのものは、言うまでもなく、内需を抑制して、そして国民全体に緊縮ムードと申しますか、そういう点をかもし出されなければいかぬという面もあるし、また四十三年度の地方財政全般を見渡しましても、まあいろいろな悪材料が必ずしもあるとも考えられない。ただ、下期のほうについては多少の不安を持っておりますけれども、明年度になってすぐ地方財政が何か手詰まりを起こすような、そういったこともちょっといま予見しがたいわけですし、また、その他地方財政健全化のことですけれども、ここでもたびたび問題になりましたが、四百五十億円も交付税をことしは減らしておいて、何で二百五十億円の繰り上げ償還したものを、やっかいな手続までしてそういうものを借り入れるのかといったようなお話がございましたが、これもやはりいつかは大掃除をしなければならぬ、こういう災害債の古いものなどはいつかは整理せにやならぬ、それをこの機会にやってしまおうという気になったというまででございまして、何も特に地方団体の財政が困るようなことにはならぬという判断を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/115
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116・林百郎
○林委員 本来、四百五十億交付税として地方へ交付されて、それだけの財源を持つことができるのが、借り上げという形かどうか知りませんけれども、地方の財政から吸い上げるということは、それだけ地方財政を圧迫するというか、あるいは抑制するとか、そういう意味になることは間違いないじゃないですか。それをあなたは、そういうように地方財政に抑制型の作用をこれは及ぼすけれども、しかし本年度の地方財政のあり方から見れば、その程度の協力はせざるを得ないのだということだと、これは必ずしも地方財政に歓迎される措置ではない、これはやむを得ない措置だ、できたら地方財政にやるべきものだけれども、本年度は地方財政の組み方もあるので、それに協力するのだ、こういう意味にとっていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/116
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117・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そうおとりになっても差しつかえないと思います。それは同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、やはり国の行なう財政措置によって地方団体が非常に手詰まりを来たすようなことがありましてはたいへんですから、全般をよくにらみ合わせて、たとえば国がそういう状態であるなら、やはりこの地方財政の面でも、同じ資金でも重点的に使用してもらうとか、いろいろやり方があると思いますので、そういった方面をいろいろ手を加えましても、私、特にそのために今年度は地方財政が行き詰まるというふうなことになるとは考えておらぬ。それは全部検討いたしまして、そういう結論のもとにやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/117
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118・林百郎
○林委員 これは、そうすると、大臣は、関係があるようなないようなことを言われておるのですが、この四十年十二月四日に、当時大蔵大臣の福田赳夫君と自治大臣の永山忠則君のかわした覚書ですね、これとは全然関係はないのですか。こういうものもあって、本年度こういう措置をとったのですか、それとも、これとは無縁だと言っていいのですか。何かあなた関係があるような、ないような答弁で、そこがはっきりしないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/118
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119・赤澤正道
○赤澤国務大臣 経過的に議論は出ておりますけれども、この問題を処理いたします際には、こういうことでやったわけではないのでございまして、これは全然ないと考えていただいてけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/119
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120・林百郎
○林委員 そうしますと、この四十年の十二月四日の覚書というのは、今度のこの四百五十億の借り上げ措置によって全然解消されたのじゃなくて、これはまたこれで生きているということなんですか、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/120
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121・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そういうことではありません。それはなかったものとするということで、検討の対象にはなっておらないわけでございます。例の四百八十二億のことであろうと思いますが、検討の対象になっていない。別の角度からこの四百五十億というものが計算されているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/121
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122・林百郎
○林委員 そうすると、この四百八十二億ですか、四十年十二月四日のこれは、将来再びこれが対象になって問題にされることもない、こういう意味にとっておいていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/122
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123・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/123
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124・林百郎
○林委員 こういう覚書は、どうしてこういうものを大蔵大臣と自治大臣がかわさなければいけないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/124
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125・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私もあのときの状態をよく知りませんでしたけれども、たいへん遺憾であったと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/125
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126・林百郎
○林委員 ところが、今度は、また新覚書がかわされているわけですね。これは今度はあなたと大蔵大臣。どうして地方財政の問題について大蔵大臣と自治大臣がこういう契約書というか覚書をかわさなければならないのか。今度取りかわされた覚書の内容はどういう内容とあなた記憶しているか、ちょっとこれは正式に記録にとどめておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/126
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127・赤澤正道
○赤澤国務大臣 例の出世払いの証文というのは私はよくないと思いまして、そういう約束が裏であったということ、しかも、国会というものを無視した形で行なわれておったということはたいへん残念でございます。そのことを強調いたしまして、なるほどこれは間違っておった、じゃ、これはないものとしようということで、いまいろいろお尋ねいただきましたけれども、これは将来とも尾を引くということは全然ございません。なかったものと考えていただきたい。今度新しくいろいろな約束をいたしましたけれども、ここに項目がありますが、これは約束といいましても、とにかくこういうものを法律化しようといったような意味のことでして、あとに尾を引くようなことは何一つ約束をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/127
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128・林百郎
○林委員 人のやったことはまずいが、おれのやったほうはいいんだという意味にとれるわけです。こういう、大臣と大臣があらかじめ法律をつくる前提としての覚書をつくるという、こういう方式自体を私はいま問題にしているわけですね。御承知のように憲法の九十二条には「地方公共團體の組織及び運営に關する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」といって、この地方自治権の確立ということは憲法で規定されているわけですね。そうして、あと関係の条項を調べてみますと、地方財政法の一条にも「地方公共団体の財政の運営、国の財政と地方財政との関係等に関する基本原則」は、地方財政法によるんだ、これによって、これを基準とし「地方自治の発達に資することを目的とする。」これは私があなたに言うまでもなく、あなたは十分御承知だと思います。それから第二条には、地方財政運営の基本として「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」二十六条には、地方交付税の減額の問題で、地方交付税の額を減額し、またはすでに交付した地方交付税の額の一部の返還を命ずる場合は「地方公共団体が法令の規定に違背して著しく多額の経費を支出し、又は確保すべき収入の徴収等を怠った場合においては、国は、当該地方公共団体に対して交付すべき地方交付税の額を減額し、又は既に交付した地方交付税の額の一部の返還を命ずることができる。」これは法律でもちゃんと規定してあるわけですね。そういうのを、大蔵大臣とあなたが覚書を
つくっては、いや今度は出世したら払ってもらいますよ、いや今度はそうではなくて借りた形にしようやということをきめてしまうということは、これは明らかに地方自治権に対する重大な侵害じゃないでしょうか。こういうことを何でおやりになるのか、そのあなたの心境のほどを聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/128
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129・赤澤正道
○赤澤国務大臣 前の出世払いのあの証文と申しますか、覚書も、私たちのほうでは、出世払いと
いうことは、民間ではまあまあ払わぬでも済む徳義上の問題ですから、出世払いの証文というものはもらったものと解釈していいということまで私はこの委員会で質問に答えた記憶があるわけでございます。しかし、やはりそういう覚書がありますと、次年度またはその次の年度あたりにこういうものが出てきますとやっかいだから、それをなくしてしまう、さっぱりした気持ちになるという、単にそれだけのことでございまして、ただいま覚書がたいへん問題になっておりますが、この内容をごらんいただけばわかりまするとおりに、この四百五十億円は、先ほどのような理由で減額はいたしますけれども、ただ減らすということだけでは将来に対しての不安もありますので、これは次年度以降へ繰り越しという意味で、百五十億ずつまたあとで交付税をふやしてもらうということを法律に書くということをここできめた。法律ができるまでの申し合わせと申しますか、そういうことをやっただけでございます。
それから二百五十億円の繰り上げ償還につきましても、同じようなことを法制的にきちっときめましょう、ただ備考に、いまの出世払いの覚書というものはなきものと了解する、これはあたりまえのことだと私は思っている。それから、その次に、長年問題になっておりました超過負担の解消をはかる、これははっきり大蔵省が言ったからには、ひとつ証文というのはおかしいけれども、明確にしておこうじゃないかということでございます。これは将来に向かっての一つの約束でございますので、書いたもので明記しておいた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/129
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130・林百郎
○林委員 言うまでもなく、憲法では国務大臣は連帯の責任を負いますので、国務大臣がそれぞれ行政的には別個の責任を負うにしても、内閣としては連帯の責任を負う。その内閣の大蔵大臣と自治大臣が覚書をかわして、こうしましょうといって、しかも、その立法するかどうかについては国会がきめるべきものであるし、また地方自治の運営、地方財政の運営の問題については法律できめなければならないということが憲法から地方財政法で規定されておるのに、そういうものをすでに拘束するようなことを、国会やあるいは国民に対して連帯の責任を負うべき大臣同士が、あらかじめこういう契約をしなければ信用ができないという、そんなにあなた方の内閣というのはお互い信用できないのですか。大臣同士が覚書をかわしておかなければどう変わるかわからないから、この際大蔵大臣の言ったことを書いて判をとっておこうじゃないか、こういう佐藤内閣ですか。どうもそこらがわからない。こんなものをやることは地方自治権に対する非常な侵害であるし、国会の立法権に対して、こうやってあらかじめワクをはめてしまうのですからね。そして一方、地方自治体としては地方自治体で、大蔵大臣と自治大臣がこういう約束をしてしまえば、ああそういうものですか、本年度は四百五十億吸い上げられるのですか、何で三年になるのですか、なぜそれが五年にならないのですか、十年にならないのですか、三年で返すようになったのですかとか、それは長いよりは短いほどいいでしょうけれども、しかし、どうしてそういうことになるのか。
それから、今度の改正の中にも、特別事業債の償還が、本年度はとりあえず九十億の措置をしたけれども、あとは政令で定めるという形にしたわけですが、こういう点について、こういう大臣同士の覚書で、あるいは政令とか法律できめられていることが、そういうものによってだんだん狭められていくような措置をどうしておとりになるのか。これはやはり地方自治権に対する侵害、国会の審議権に対する侵害、それから地方自治体の財政的な期待権に対する侵害になるのじゃないでしょうか、そうお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/130
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131・赤澤正道
○赤澤国務大臣 純粋に言えば、全く御指摘のとおりだと思います。しかし現実には、予算折衝の段階ではいろいろな議論が入り乱れるわけでございまして、自治省には自治省の議論のしかたもあれば、また大蔵当局は大蔵当局の議論をするわけでございまして、私ども不安に感じますことは、やはりその長い折衝の過程を通じて、そういう議論が混淆することはやり切れぬ、筋だけは通すということで今度は割り切って、問題をあとに残さぬという決意でやったわけでございます。これは、政府が予算を組むのに臨む基本的な態度の一つを申し合わせしたというくらいなことにお着岸を願いたい。ただ、そんな申し合わせを文書にまでしなければとても安心できないのかとおっしゃれば、そういうことは言えないこともありませんけれども、実際問題として、こういう際には正確を期するというか、それぞれ混乱した議論を収束させる意味でも必要であった、私はかように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/131
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132・林百郎
○林委員 閣内でいろいろの議論があって、各省大臣の立場からそれを整理なさるのは内閣の権能として当然でしょうけれども、しかし、対国会あるいは国民に対しては連帯の責任を負うべき大田同士が覚書をつくって、そしてその大臣同士の覚書が、将来国会の立法化の基礎はそこから出てくるとか、あるいは地方財政の組み方がそこから出てくるとか、あるいは当然地方自治体としては交付税としてもらえる期待を持っておった四百五十億が、両大臣の覚書によって吸い上げられていくとか、そういった非常な拘束力を持つような覚書をあらかじめつくって、そして地方財政を縛り国会の審議権を縛るということは、やはり正しくないのじゃないか。部内の操作は部内の操作として部内でとどめておくべきものであって、対外的にこういう覚書が発表されて、それが大きな拘束力を持つようなことは正しくないじゃないか、こういうように思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/132
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133・赤澤正道
○赤澤国務大臣 それは御指摘のとおりだと思います。こういう申し合わせというか、覚書みたいなものを文書にしてかわさなければならぬということはおかしなことだと思いまするけれども、しかし私は、そういう文書があったって、それが何か国会を拘束するといったものでなかったら差しつかえないじゃないか。やはり予算折衝します過程で、一つの態度をきめるための申し合わせという意味でやったわけでございますから、覚書の内容――覚書ということばもこれは不適切かと思いますが、ひとつのメモですね、それがごらんのとおりに、こういうことを法律できめようじゃないかということで、一応意見が一致をしたから書きとめておいたというだけでございまして、それによって生まれた法律というものは皆さんの前にみな提案してあるわけで、だから法律によって御判断いただいたらけっこうであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/133
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134・林百郎
○林委員 覚書をあなたはそういうように非常に軽く評価しようという答弁をなさっておりますけれども、しかし、今度の四百五十億の問題も、言うまでもなく、前の出世払いというような旧覚書があったからこそ、あれが足がかりになって交付税の率を引き下げるというような交渉があり、そしてそういう過程の中から、地方財政法の二十六条によれば、当然地方自治体に交付されるべき地方交付税の額を減額する場合は、一定の条件の場合以外は減額してはならないという規定があるのに、実質的に本年度は四百五十億減額されたことは間違いない。これはあなたから言わせれば、いや、一応国が三年間かかってまた戻すのだから減額じゃないと言われるかもしれませんけれども、今年は減額されたことは間違いない。そういう単に両大臣の間のメモ程度ではなくて、実際それが地方財政に決定的に大きな影響を及ぼしているからこそ、そういうことはすべきでない。それは私は、赤澤自治大臣の地方自治に対する姿勢自体が、ほんとうに地方自治を守るという立場に立つかどうかというあなたの政治姿勢の根本に触れていると思うから、私はこういう質問をしているわけですけれども、これはそういう軽いものでないのじゃないでしょうか。本年度の四百五十億というような問題が起きたのは、これはいろいろと因果関係を断ち切ろうとしているけれども、やはり旧覚書があって、それが足場になってこういういろいろの折衝の結果ここへ落ちついた、これが事実じゃないでしょうか。そういう意味で、私は、こういうことはすべきでない。あなたはあくまで地方自治の自治権を守るという立場に立って、こういう地方財政をあらかじめ縛るような、地方自治体の行政のあり方をあらかじめ縛るようなことを、覚書というような形でやるべきでないというように私は考えますので、もう一度その点、あなたの地方自治権を守るという姿勢がどういう姿勢かということに関連して答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/134
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135・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私は、地方自治を守るという、そういう姿勢は絶対にくずしておらないつもりでございます。ただ、前に四百八十二億円のやりとりについて覚書などがあって、それを足場にして大蔵省が何か横車を押しているというような印象が外に出ましたけれども、それはさすがに大蔵省もこれはまずいということで、いまメモにごらんのとおりに、なきものと了解するという――これはないものというように考えていただかないと議論が進まない。これがあるから痛められて、とうとう四百五十億円巻き上げられたじゃないかという見解を持っていただくと困るわけです。私も自治大臣であると同時に国務大臣ですから、国政全般のことについてもいろいろ意を用いなければならぬことは当然でございますので、あえて自発的にということばは用いませんけれども、やはり国の政策に即応するということも、表裏一体をなす地方財政としては考えていかなければならぬことでございますので、こういう措置を今回いたした。それによって地方財政が大きく曲げられるということもありませんし、その点は十分検討いたしてこの措置をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/135
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136・林百郎
○林委員 あなたのような言い方もあるかもしれませんが、私のほうからの言い方をすると、四百五十億を吸い上げたからこそ、それなら四十年十二月四日の両大臣の覚書はないものにしようということになったとも考えられるので、だから、前の覚書は新覚書でなきものと了解するということにはなったけれども、やはり旧覚書が足場になって、本年度の異例な、かつてないような地方の財政から中央財政が金を借りるという――借りるということはそのまま形式的には当てはまらないかもしれないけれども、実質的には借りるというような異例な措置までとられておるということは、やはり旧覚書がものを言っている。そういう異例な措置をとったからこそ、それでは四十年十二月四日の覚書はここで帳消しにしようということになっているように思われる。そこで、そういう立場からも関連して、私はひとつ重大な問題を聞いておきたいのです。
御承知のとおり、日本の国の首都の東京都の知事が、これは都知事の権限においていわゆる朝鮮大学校を各種学校として認可した。これは、都知事は憲法を基準として判断をした、こう言っている。それから自分に与えられた行政の範囲内でこの措置をしたと、こう言っているわけです。自治体としては日本の国の首都、名実ともに一番大きな自治体の首長がこういうことをやる。その基準は憲法だと言っている。これに対して、決定した以上は、当然その立場は自治大臣としては尊重すべきだと思いますが、これについてのあなたの見解を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/136
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137・赤澤正道
○赤澤国務大臣 都知事も、自分に与えられた権限を行使したことでございますから、これはこれとして認めていかなければならぬと思います。しかし、この外国人の学校を認可したことがいいか悪いかということは文教委員会で議論されておりますが、その議論をここへ持ってきていただくことはたいへん困りますので、そちらのほうでひとつ御議論をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/137
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138・林百郎
○林委員 そうすると、都知事が行政的な範囲でそういうことをきめられた以上、朝鮮大学校がどういう性格であるとか、そういうことについては文教委員会のほうで審議されているので、大臣としては、都知事が決定したことについては、都知事の決定したものとしてそれを認められる、都知事としてなさったその行政処分については、あなたとしては、自治大臣としてあれこれ干渉、介入する気持ちはない、こう聞いておいていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/138
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139・赤澤正道
○赤澤国務大臣 これは、まあ都知事が権限内のことをやったわけでございまして、こういった権限を都知事に与えるのがいいかどうかということは、これはまた別の議論だろうと思います。現に権限内のことをやったのですから……。ただ、地方行政自体には直接の関係はありませんけれども、やった措置は、そのまま自治省といたしましてはこれは認めるよりしかたがないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/139
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140・林百郎
○林委員 私もあなたも、この内容については、これはまたそれぞれの委員会もあるでしょうし……。ただ私は、東京都知事としてこういう行政措置をしたことに対して、自治大臣としては、自治大臣としての権限で自治法に基づいてあれこれこの行政措置に対して介入したり干渉したり、そういうことはいまは考えておらない、こういうように答弁として受け取っていいですね。内容の問題にはお互いに触れません。内容の問題については当該委員会で触れるべきでありましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/140
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141・赤澤正道
○赤澤国務大臣 内容の問題につきましては、御承知のとおり政府としても党としても議論のあるところです。しかし、それとこれとは別問題でありまして、地方行政の面から考えました場合に、都知事の権限内のことをやったことでございますから、別にこれは異存はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/141
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142・林百郎
○林委員 わかりました。あなたは公安の最高の責任にある方ですから、この問題については十分都民の期待に沿うような処置をとってもらいたい、こういうように思いまして、私は、この問題はこれでけっこうです。
そこで、大臣は四時まで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/142
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143・吉川久衛
○吉川委員長 無理して少し延ばしてもらうようにいたしましたから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/143
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144・林百郎
○林委員 それでは大臣に大まかに聞いておきたいと思います。
本年の財政計画の中で超過負担の解消を三年間で何とかしたいという自治大臣のお話があるわけです。この問題についてお聞きしたいのですが、これは本年度たしか三百二、三十億だと思いますけれども、これで三年間で今日の超過負担を全部解消し、また新たに超過負担は生じないというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/144
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145・赤澤正道
○赤澤国務大臣 生じないというつもりでございますが、一つのルールが確立いたしましたので、まだ解決のついていない事業もたくさんございますから、それも拾い出して今年じゅうにはぜひ解決をいたしたい、これは大蔵省と固い約束もいたしております。今後とも、やはりこういうことが起こってくれば何にもなりませんから、そういうことはないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/145
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146・林百郎
○林委員 そうすると、今後超過負担は出ない、四十三年度はもちろん、四十四年、四十五年、したがって新しく発生する超過負担という問題はないから、いまある超過負担を三年間で解消すれば、それで超過負担の問題は全部解決できるのだ、こういう御見解ですか。こまかなことは大臣でなくて、またあとで聞くつもりですけれども、どうもそういうようにはいきそうもないので、そこのところ大臣に聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/146
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147・赤澤正道
○赤澤国務大臣 過去のものがいろいろ議論になっておりますけれども、長らく解決がつかなかったものをいろいろ関係各省で当たってみました結果、なるほど、調べてみると、超過負担だ、超過負担だと一言に言うけれども、分析してみると、ほんとうの超過負担のものもあるし、またこれは当然地方の単独事業と見るべきだというものもありますし、混淆しておったわけでございます。こういったことをいろいろ精査いたしまして、ルールみたいなものがほぼ確立いたしましたので、将来に向かってこういうことはおかさないということで、三年以内に解消する、こういうめどをつけておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/147
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148・林百郎
○林委員 そのルールみたようなものが確立されて、将来は絶対こういうことはしないということになったので、そこで本年度のこういう措置と、本年度、再来年度このような措置をとれば解消されるのだ、そのルールみたようなもの――これはあなたのことばですが、確立されたということはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/148
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149・赤澤正道
○赤澤国務大臣 いま、こういう超過負担なんということが出てきましたのは、数量差だとかあるいは単価差だとか、いろいろな地方団体で、事実はこうなんだというのに、財政当局のほうではなかなかそれを理解してもらえなかった、しかし、今度は現状を分析して、そういうことは結果的には地方の負担になるからやめようということで、この解消措置をとったわけでございますから、ルールということばはおかしいのですけれども、そういう分析の方法もはっきりしたわけでございますので、このやり方に従って将来とも再び超過負担を起こすようなことはないようにしなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/149
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150・林百郎
○林委員 そうすると、ちょっと一例を公営住宅に対する超過負担の額と超過負担率にとってみますと、これは四十二年度の大蔵、地方、予算、いずれの委員会にも提出された資料ですけれども、建設費が九十億、そのうちの超過負担率が一三%、用地費が八十三億。この解消のために――実は単価の引き上げはもう建築費が一二%、用地費が一〇%上がっておる。したがって、この超過負担の二二%をかりに解消したとしても、もうそのとき単価が一〇%あるいは一二%とずっと上がっておりますので、実質的な解消は一、二%にしかならない。だから、全体の金額はそうなっていても、この計算単価では、実際仕事をするときにはもう建築費、用地費が上がってしまっているので、今年度のようなこういう措置では、実質的な超過負担の解消率というものは非常にわずかなものだという数字が出てきておるわけです。
それから、東京都の場合の一種中層耐火の例を見ますと、建築費の超過負担率が、四十一年度の決算で一八・八%、四十二年度は一九・八%、用地費の超過負担率は、四十一年度の決算だと一八三%、四十二年度では一一四%。したがって、建築費、用地費の平均にしますと、四十一年度決算では超過負担率五九%、四十二年度は四〇%。それで、東京都だけでも、超過負担の総額は、四十一年度で九十一億、四十二年度決算額では百四億という数字が出てきているわけですけれども、そういう超過負担を解消するという措置をとったときにはもう建築費、用地費がぐっと上がっていて、実質的な超過負担の解消に効果を及ぼす絶対額や率というものは非常に低いようになっておるので、これはまた新しい超過負担が発生するのであって、それが根本的に解決された上で--四十三年度で計算された現在の超過負担さえ解消すればもう超過負担は全然なくなるというようなことは言えないと思うのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/150
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151・細郷道一
○細郷政府委員 数字のことですから私から申し上げます。
公営住宅につきましては、建設費の問題と用地費の問題がございます。建設費につきましては、四十一年の実績について調査をいたしまして、いろいろなケースがございました。従来の補助単価でやっているところもございましたし、そうでないところもございました。そこで、関係省の間において、この額はこういうふうにしよう、たとえば公営住宅の一種中耐についていえば、実績は平米当たり二万五千三百五十六円でございましたのを二万四千九百四十三円、これにしようということで考えをきめたわけでございます。ただ、その額に近づけるには、四十二年度においてはその差額のおおむね三分の一を解消する、そのときは四十三年度のベースで解消していく、四十四年度にまた物価が上がってまいりますれば、その時点においてその部分を直していく、こういう考え方でございます。したがいまして、私どもも、超過負担につきましては、率をもって超過負担の割合を出す、こういう考え方に立っております。
なお、公営住宅の用地費につきましても超過負担がございます。場所によって非常に違いがございますが、この点につきましては、公営住宅のあり方自体をどういうふうに考えるかということで、建設当局においていま検討中でございますので、それとも並行してその問題の処理に当たりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/151
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152・林百郎
○林委員 そうすると、大臣、こまかい数字はいいですけれども、大体本年度地方財政計画を組むにあたっての超過負担の総額は幾らになるとお考えになって、そうして本年度三百二十億の解消措置をとられて、これを三年間で解消されるんだと言うんですけれども、本年、再来年にはどういう措置をとられるのか。この三年間で解消されるという計画の大筋をちょっと説明していただきたい。こまかいことはまた財政局長に聞きますけれども、要するに、本年度三百二十億の解消措置をとった、今後三年間で解消するんだと言うんですが、幾らのものがあって、本年度とりあえず三百二十億の解消措置をとって、あとどうなさるのか、大臣の所見をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/152
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153・赤澤正道
○赤澤国務大臣 三年間でその差を解消するということでございまして、その間の物の値上がりとかベースアップなどを見てやるということにしてあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/153
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154・林百郎
○林委員 そうすると、本年度大体幾らあると見ているのか、それはわかるでしょう。大臣、大筋――数字がわからなければ財政局長でもいいんだが、そうすると、値上がりをいろいろ見て解消すると言うけれども、本年度三百二十億の解消措置をとった、来年、再来年の数字はいまここでは出ない、こう聞いておいていいわけですな。それじゃ、本年度の解消措置で、大体あなた方がつかんでいる総額はどのくらいを見ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/154
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155・細郷道一
○細郷政府委員 本年度については、まだ個別に調べてはございません。しかし、いままでのあれから見まして千億円程度あるものと考えておりすす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/155
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156・林百郎
○林委員 そうすると、個別につかんでおらない、つかみで今年度は三百二十億の措置をとって、三年間で解消すると言うんですけれども、――これは赤澤自治大臣がそうおっしゃっている。これは将来政府はどのように義務づけていくような措置をとられるのですか、あなたのお考え。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/156
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157・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そこでまた覚書が出てくるわけですが、申し合わせと申しますか――大体請負なんかやる場合にも、物の上り目にやりますと、契約したときから施工を終わったときに計算してみると、必ず損している。逆に、物の下がり目に受けたものは必ず思わぬもうけがあって、つまりその期間内に物の価格の変動があるわけです。そういうことがあるわけですね。だから、厳密に言えば、おっしゃるとおりに一年の間でもやはり物価の変動というものはありますから、そういう点を見込んであるかということになると、なかなかこの計算はむずかしいと思います。われわれは俗に、超過負担の解消をしてもらわなければならぬものはまだ一千億ある、一千億あると声を大にして言ってはおるが、綿密に精査してみますと、その内容というものは漸次わかってくるわけでございます。いままで予算を計上いたします積算の基礎になる単価であるとか・あるいは歩掛かりだとか、あるいは数量、こういったものの見方にも差があれば、この事業量全体に大きな狂いがくる。それをもとにして補助金などを算出いたしまして迷惑するのは――迷惑は、一部はやはり施行する責任を持つ地方団体にかかってくるわけでございますので、そういう基本的なものを検討して、将来そういうことをなくそうという努力を今回いたして実ったわけでございます。ですから、ここまでの努力はひとつ認めていただいて、将来はそういった意味で地方団体にかかってくる迷惑というものを除いていく、こういうことでございますので、こまかく言えばいろいろ御不満の点もあるかもしれませんけれども、まあ、これで御了承の上、地方団体のほうでもこれはまともに受け取ってやっていただきたい、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/157
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158・林百郎
○林委員 不満だとか不満でないとか、そういう道義的な評価の問題でなくて、あなたが、三年間で解消される、その端緒をことしとったんだ、三百二十億のその措置をとられたと言うから、もう少し科学的な数字をお聞きして一これはやはり審議の責任がありますから、だから、今日幾らと見ておるか、それから四十四年度、四十五年度の超過負担はどういう数字が考えられるか、それを三年にわたってどういう数字で解消するんだということをお聞きしないと、あなたがこの措置をひとつ了解願いたいといっても、ちっとも科学的な裏づけ、数字的な裏づけがないわけですから、そこを私は厳密に聞いておるわけです。財政局長、説明できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/158
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159・細郷道一
○細郷政府委員 すでにお配りした資料で大体は御存じだろうと思います。たとえば保健所の職員にいたしますと、医師の場合で実際に調べましたら三等級十九号ということでございました。これは四十二年においてでございます。その際の現実の補助基準は三等九号でございます。そして三等十九号というものになりました中身をよく精査をいたしてみますと、団体によりましてベースの高いところもあります。国家公務員ベースよりも高いところがございましたので、そういうものを直しますと三等十六号にすべきであるということで、三等十六号にするまでの間、現在の三等九号から三等十六号までの間を三年間で引き上げていこう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/159
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160・林百郎
○林委員 そういうこまかい数字はいいとして、本年度大体一千億近くの超過負担がトータルとして考えられる。四十四年度、四十五年度にはその数はそのまま固定してくるのか、あるいはそれはどういう変動があるのか、そういう変動があった場合、四十四年度にはどういう財政的な措置をとるか、そういう大きなことを聞いているのです。あなたがいま説明されたようなことはさておいて、そういう見通しを聞いておるわけなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/160
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161・細郷道一
○細郷政府委員 大体千億ぐらいあるだろうと思いますが、その千億につきましても、いろいろ費目ごとにそれぞれ見てみなければならない。費目ごとに見てまいりまして、その中身を調べていって、要措置分がどれだけであるか、それに対して順次措置をとっていく、こういう考え方に立っておるわけでございます。それで、四十二年度につきましては、六つの種類のものについて調べました結果、その中にはいま申し上げましたように、たとえば給与費について言えばベースの差がある、あるいは建築物については材質の差がある、こういったようなことがございましたので、そういう部分はそれぞれの団体の負担においてやってもらおうということでそれをどけまして、措置を要する分について国並びに財政計画面におきまして措置をいたしてまいりたい、こういうことでございます。
したがいまして、本年度三百二十億、そのうち昨年調べました六つの種類につきましては二百三十七億になっております。明年度はまた明年度の事業の分量によって変わってまいるわけでございます。その明年度やろうとします事業の分量に応じて、そして、いま申し上げました調べた結果の目標に合わせるように改定をしていく。したがいまして、明年度何百億できるということは、厳格な意味ではいま実は予想がつかない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/161
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162・林百郎
○林委員 そうすると、本年度三百二十億組んだのは、三年間に解消するということと関係ないのですか、あるのですか。あるとするならば、三百二十億という数字はどういう根拠で出てきたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/162
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163・細郷道一
○細郷政府委員 本年度の三百二十億につきましては、たとえばいまの六つの事業につきまして、特にその中で保健所なら保健所、こういう給与費につきましては、先ほど申し上げました調査の結果、是正すべき該当号俸三等十六号と現実の三等九号との間を三年間で解消するといたしまして、三分の一分を二とし直した、こういうことでございます。したがいまして、去年調べましたものにつきましては、三年間でそれぞれの年の事業分量、あるいは今後ベースアップもあろうと思います。そういったベースアップも見込んだ上で、三分の一ずつの単価の差を見込んで直していこう、こういうふうにやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/163
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164・林百郎
○林委員 その問題については、いずれこまかく御質問したいと思います。
もう一つ、本年度地方財政で問題になりますのは、例の国立療養所の特別会計移管に伴う地方財政の負担増の問題があるわけですけれども、大きな措置としては、いままで地方自治体が負担していた、たとえば結核の強制入所者の二割負担、いままで二割治療費を免除していたのが打ち切りになるという措置がとられれば、これも地方財政の負担にかかってくるわけですけれども、これについては地方自治体の財政措置としてはどういう措置がとられておるか。大筋は大臣から答弁を求めて、あとは財政局長からお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/164
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165・細郷道一
○細郷政府委員 公費の負担部分について二割の割引をやめるわけでございます。それに伴います事業費の増が十億でございます。そのうち地方負担に当たります分は二億でございます。二億につきましては財政計画の中で措置をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/165
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166・林百郎
○林委員 これは計算の問題になると思いますが、私のほうでは約八億から十二億ぐらいの地方自治体の負担増になるのじゃないかという数字が出ておりますけれども、だいぶあなたのほうと違います。財政的な措置をとっているというのは、どういう財政措置をとっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/166
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167・細郷道一
○細郷政府委員 実は先般もそういうお話をほかの方から伺いまして、関係省とよく調査をいたしましたが、数字としては先ほど申し上げたものに間違いはございません。十億と二億でございます。ただ、その過程におきまして、国民健康保険も含めて割引が切られるとすると十数億になるという数字が出たようでございます。国民健康保険については従来どおり割引をいたしますので、その分だけは額が小さくなったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/167
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168・林百郎
○林委員 そうすると、この財政負担は財政需要額に見込むのか、あるいは各地方自治体では、このことを含んでの予算は組んでないので、どういう措置をとらせるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/168
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169・細郷道一
○細郷政府委員 その分につきましては、それぞれ国費の負担部分がございまして、その分が本年度の従来からの国費分に上乗せになっております。地方負担分につきましては、従来からの分に、その新たに上乗せになった部分の地方負担を加えたものを基準財政需要額に算入いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/169
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170・林百郎
○林委員 大臣にもう一つだけ聞いて退席していただきたいのですが、四百五十億の減額を三年間でまたもとへ戻してやるというのですが、この四百五十億という数字が出たのと、これを三年間でまたもとへ戻すというのは、一体どういう根拠から出ておるのですか。四百五十億という数字と、それから三年間でそれを戻してやるという根拠ですね、これは四百八十二億ですか、旧覚書とだいぶ似た数字がここにあるわけですね。あなたは関係ないないと言うが、どういう根拠でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/170
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171・赤澤正道
○赤澤国務大臣 これを考えます際には、何も四百五十億でなくて、地方財政とにらみ合わして、まあ四百億で半分ずつにしようかとか、いろいろ考えたわけですけれども、結果、四百五十億で百五十億ずつ三年繰り延べるということにしただけでございまして、別に深い根拠があるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/171
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172・林百郎
○林委員 別に深い根拠はなくて、地方財政から四百五十億吸い上げるというのじゃ、ちょっと地方自治体のほうは納得できないと思うわけですね。これこれこういうわけで、どうしてもことしは四百五十億の交付税額を減額せざるを得ないという説明がなければ、地方自治体は了解できないと思いますがね。
それからもう一つの、特別事業債の今後の償還、五十六年までの償還計画を政令にするという。これはどういう根拠から償還額を政令で定めるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/172
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173・細郷道一
○細郷政府委員 四十三年度につきましては法律に九十億と明示をしてございますが、四十四年度以降五十六年度までは政令で基準を書きまして予算に計上してまいりたい、かように考えております。
政令にいたしましたことは、一つにはこの交付金を計算する基礎は、元利償還額のうち前年度の交付団体にかかる分を償還交付金として計算をいたすわけでございます。交付団体分というものが年々動いてまいりますので、その考え方を政令に書くことによって基準を示して額を定めたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/173
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174・林百郎
○林委員 では大臣にこの点だけ聞いて私の質問を終わります。
いまの問題を聞きましても、何でそれを政令にしなければならないのだろうか。こまかい基準にしても、地方財政の運用の基本は法律で定めるべしということが規定されてありますし、憲法にもそういうことが規定してあるわけです。そういうのが政令でつかみ金で処理されるというようなことは、やはり地方自治に対する自治権の保障というのは、やはり法律で的確にきめなければならない、そういうことが覚書というような形、あるいは政令というような形、あるいは金額についても別にこれという深い関係はないという形で、一つ一つ地方自治の自治権がくずされていくということを私は指摘せざるを得ないわけなんです。ことに赤澤自治大臣のときになってから、財政問題をはじめとして、だいぶそういうことが目につくわけですね。そういうことについてのあなたの基本的な見解をお尋ねしまして、時間だそうですからあなたに対する質問はこれで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/174
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175・赤澤正道
○赤澤国務大臣 元金がきまっておるわけでございまして、ですからそれの将来にわたっての扱いというものにつきましては、基準をきめるくらいのことで、もちろん中身はいろいろ財政事情を検討いたした上でございまするけれども、そう自治権の根本に触れて何か姿勢云々といわれることではないと思うのです。さっきの四百五十億円にいたしましても、何となく四百五十億円ときめたわけではありませんで、やはりそれは四十三年度の地方財政の状況等も展望いたしまして、いろいろなことを検討いたしました結果、まず四百五十億円くらい減額してもそう地方団体のほうで困らぬということは、ずいぶん検討した結果でございまして、それも単に繰り延べをしたということでございますが、それを三年間で――必ず三年でなくちゃならぬという理論的な根拠と申しますものは別にないわけでございます。まあ常識的にいって、繰り延べの形で百五十億ずつ三年間でやれば、それでもう地方財政の面では何も困ることはないという判断でやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/175
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176・林百郎
○林委員 それではついでにもう一つだけいまのに関連して……。
これもいま地方財政で非常に重要な負担になっているのですけれども、地方公営企業の借り入れ金の支払いの問題なんですけれども、本年度の料金収入に対する企業債の元利償還額の比率を見ますと、水道事業が料金中の四一・一%が企業債元利償還額の償還比率になっているわけです。工業用水道に至っては九四・八%、地下鉄に至っては九七・六%、公共下水道に至っては一一三・三%、料金をオーバーしているわけですね。こういう料金に対して非常に大きな比率が企業債元利償還額の比率になっているわけですけれども、これに対して大臣は一体どういう改善の措置を考えられておるのか。ことに工業用水道だとか、地下鉄だとか、公共下水道であるとか、こういういわゆる大きな資本家が営利のために利用するような面は料金が非常に安くて、元利償還額が料金に比べて非常に高い。だからこちらのほうが非常に優遇されて、そしてまた一方、一般の水道は、四一・一%は非常に高い率でありますけれども、ことに工業用水道、地下鉄、公共下水道のようなものが非常に高い率になって、いま地方自治体の大きな負担になっておる。どれでも、厳格に調べればほとんど再建団体に指定しなければならないような事態にみんなおちいっておるわけです。これをどうするお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/176
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177・赤澤正道
○赤澤国務大臣 公営企業のことでございますから、大なり小なり地域住民の利益に大きな関係のあることでございますから、借り入れたものの期限をできるだけ延ばしてあげるとか、あるいは金利等につきましても軽くしてあげるとか、そういう措置はそれぞれ個々の企業に当たってやっておるわけでございます。しかし、借金をしたものは必ず利益のうちから返さなければならぬという性質のものではありません。ただそこに大きな無理があるということはよくないことでありますけれども、そういった点も勘案して、その財政力からして返し得る範囲内でやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/177
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178・林百郎
○林委員 そういう措置ではもう間に合わないので、これはやはり公営企業としての公共性を尊重されて、そしてこれは国の財政支出によって見てやるとか、あるいは低利の金に借りかえるような措置をしてやるとか、早急にそういう措置をしてやらないと、水道あるいはそのほかの公共施設の負担が地域住民にますます大きくかかってくる、こういうことにならないですか。そういうことをもっと積極的に、公共性の立場を尊重して、一般財政のほうから見てやる措置をするとか、低利の金の借りかえに積極的な措置をしてやるとか、こういう措置をとる必要がもるのではないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/178
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179・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そういうことにはいろいろ措置しておるつもりでございます、十分か不十分かということは別にいたしまして。やはり公営企業であれ一つの企業には間違いないのですから、私は企業努力というものを要請いたしたい。ということは、自分のことを言っては恐縮ですけれども、私は地方のガス事業を経営しておる。ところが、その隣の町ではまた公営のガスをやっておる。私どもの経営の内容から見ますと、もっともっとこういうものを合理的にやったらいいと思うのに、しかも公営ガスのほうでは、御案内の企業債など借りて、私どもよりはるかに有利な条件でやっておる。しかも実績はあまりあがっていない。こういったことは、やはり企業か経営するものは十分深刻に考えてみるべきものである。これは第一に要請しなければならぬ。かといって、努力しても、とにかく資本費の重圧その他でどうしても迷惑が住民にかかってきます場合には、やはりこれは公営企業の性質にかんがみまして、いろいろ国のほうでも手を加えていかなければならぬと考えます。ですから、こういう借りかえ債その他、そういった面で経営上よほど支障が来ておる向きに対しましては、それぞれ順次手当てはしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/179
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180・林百郎
○林委員 それでは大臣御退席いただいてよろしゅうございます。
警察の予算について。昭和四十三年度予算の概要を警察庁からもらったのですけれども、これをお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/180
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181・勝田俊男
○勝田説明員 持ってこなかったのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/181
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182・林百郎
○林委員 昭和四十三年度予算の概要の中の二ページ、三ページに昭和四十三年度主要事項別予算額があるのですけれども、この総金額三百四十二億というのは、警察法三十七条一項八号、これと見ていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/182
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183・勝田俊男
○勝田説明員 その金額は、警察庁自体の予算、それから三十七条一項の予算、それから府県に対する補助金、それぞれ含んでいるというふうに了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/183
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184・林百郎
○林委員 そうすると、三百四十二億のうち、都道府県警察費補助に必要な経費が約六十九億ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/184
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185・勝田俊男
○勝田説明員 私のほうはちょっと資料を持ってきておりませんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/185
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186・林百郎
○林委員 それじゃ都道府県警察費補助に必要な経費六十九億、これ以外のもののうちの警察庁自体の予算というとどのくらいですか、年間予算。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/186
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187・吉川久衛
○吉川委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/187
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188・吉川久衛
○吉川委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/188
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189・林百郎
○林委員 それじゃ公安関係のことについてお尋ねいたしますが、こういうことがあったのです。長野県に諏訪という警察があるわけですけれども、そこに白川という公安刑事がおって、昨年の五月か六月ごろある職場の労働者I君の郷里の中学校時代の同級生の片岡芳江の兄であるといって、白川公安刑事が片岡と名のって一という労働者の勤務先へたずねてきた。I君は自分の中学の同級生の片岡芳江さんのにいさんの片岡さんだということでなつかしく思って、一緒に諏訪市の喫茶店へ行って、お茶を飲んで世間話をした。それからバーへ行って一緒に飲んで午後九時三十分から十時ごろ諏訪市で別れた。これが昨年の五月か六月で、同年の八月、また白川という公安刑事がI君の勤務先に電話をかけて、この前行った中学の同級生の片岡芳江さんの兄である片岡という刑事は転勤した。転勤するについてあなたにあげてくれといわれてシーツを預かっているので、これをとりに来てほしいという連絡があった。そこでI君は諏訪市内の高島という喫茶店へ行って、そこで白川という刑事が頼まれたといって持ってきたシーツを受け取った。そのI君は夕食後であったけれども、白川という公安刑事は夕食前であるということで、誘われるまま市内のすし屋へ行って世間話をした。そのとき白川という公安刑事は、I君と同じ上田が郷里であるとのことで、これからつき合ってほしい、たまには一緒に飲もうと話しかけてきた。そのときI君は黙っていた。それで、そのときは白川という公安刑事は自分は公安刑事だということを言わなかった。その後たびたび勤務先へ白川という公安刑事から電話があって、一カ月に一回くらい会っていた。会う場所は喫茶店や白川のうちへ行っていた。そのころ公安刑事ということを言わなかった。ところが、昨年の十二月ごろ、その白川という公安刑事からの電話で、その自宅へ行ったところが、白川の奥さんもいて、労働者のI君は夕食後であったので、夕食はごちそうにならずお茶を飲んで世間話をした。話の中で、いまの組合の執行委員長、委員、役員、組合の傾向、それからI君がどういう党へ入っているかということ、この内容を聞いた。そういうことを聞かれたので答えた部分と答えない部分があった。ところが、ことしの一月末ごろ、その白川という公安刑事から勤務先へ電話があって、新年会をやりたいから自宅へ来てほしいと言われた。I君は夕方その白川公安刑事の自宅へ行った。酒とごちそうを出してきたが、I君は自分の車で来たので一滴も飲まずに世間話をして帰った。ところが、ことしの二月二十七日、やはり勤務先に会いたいから来てほしいという電話があった。そこでI君は当日おそ番であったが、友人の結婚式があるから同僚に交代してもらい、結婚式のあと行くという約束をした。白川という公安刑事は、結婚式場がどこであるかということを聞いて、諏訪市内の信濃という割烹料理店である旨を明らかにすると、そこならよく知っているというので、友だちの結婚式場へ行っていたI君に白川という公安刑事は信濃という料亭で会おうと言った。ところが、あとになって、その場所は少し都合が悪いから、市内のシエン荘という喫茶店を指定してそこで会ってもらいたいという電話がきた。結婚式終了後、I君は約束によってシエン荘というところに行った。同荘の中に入ろうとして戸口に差しかかったところ、白川公安刑事から声をかけられ、I君は中に入って話したらいいじゃないかと言ったところが、白川公安刑事は、中に知っている者がいて入るとまずいということだった。しかし、知っている人がいるからという理由で中に入らないというのはおかしい、I君が中に入ろうと言ったところが、白川公安刑事はI君の服をつかんで、違うところに行こうといってひっぱり出した。そのとき入口の戸に二人のからだが数回当たった様子で、戸ががちゃがちゃと激しく鳴ったため、シェン荘という喫茶店の女店員と推測される人が戸をあけて顔を出した。そこで白川公安刑事はあわててI君をひっぱって、旅館へ今度行くこととして近くの円山荘という旅館へ案内した。旅館の玄関で旅館の者が迎えたが、白川公安刑事は迎えに出た者を無視して、かってに二階へI君を促しながら上がっていった。二階の入った部屋はトイレ、バスつきであって、室は隣に一室あるのみで離れ座敷のようなところであった。室に入ったら、すでに茶と茶菓子の用意がしてあって、二人は茶を飲みながらI君の参加した結婚式のことなどを少々の時間、三、四分話しているうちに、酒と料理が運ばれてきた。I君は酒はあまり飲めないのと、結婚式で飲んでいるので酒は飲まないと言った。そこで白川公安刑事は一人で酒を飲みながらぽつぽつ話した。そのうちに、実は君に頼みがある、講師資格試験について聞きたいのだが、君は同試験を受けただろう――これは共産党のやっている試験か何かのことだと思うのですけれども、と聞いた。これについては答えられないし、また、そんなことをあなたに言う必要はないと断わった。すると白川公安刑事は意外そうな顔をして、突然おこり出して、おれとつき合っていて、おれの質問に答えないのはけしからぬとたたみかけてきた。I君は態度を変えずにいた。すると、ポリとつき合ってスパイしていることをみんなに言いふらしてやる、会社にいられないようにしてやる、ここは朝鮮やベトナムと違う、こういう乱暴なことばを吐いて、さらにI君の服をつかんで答えるように強く促した。その間が約五分ぐらいである。大きな声でどなり合ったので、当然旅館の者も知っていると推測される。I君は立って帰るべく階段のところへ来たところ、落ちるなよと白川公安刑事は言って、うしろから玄関までついてきた。I君はそのまま表通りに出て歩いた。踏切のところに来て、あとからだれかが尾行してくるのに気がついたので駅へ向かった。駅の広場まできてI君は尾行してきた者の顔を見るために近づいたところ、逃げてしまった。I君は尾行者がトイレに入ったすきにタクシーに乗って自分の車が置いてある並木通りに行って、自分の車を運転して自宅に帰った。こういう事実があるわけなんですけれども、一体公安刑事というものはあるんですか。これは事実を先にあなた方にお話しして、そして私どものほうで聞きたいのですけれども、こういうものはあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/189
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190・勝田俊男
○勝田説明員 各県にそれぞれ公安課または警備課がございまして、各署に公安係がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/190
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191・林百郎
○林委員 それはどういう仕事をしているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/191
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192・勝田俊男
○勝田説明員 公安警察の仕事でございますけれども、公安の任に当たるということでございまして、それに必要な情報の収集あるいは犯罪の検挙等に当たるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/192
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193・林百郎
○林委員 職場の労働者と接触してどういう事実を調べるのですか。たとえば、私は前にこのことをあなたに話して、至急大体でもいいから調べておいてくれと言ったのですけれども、このI君という人ですね、これにどういう嫌疑があったんですか。聞いていることの内容は、共産党での試験を、何か講師の試験、先生になる試験、そういう試験を受けたかどうかということを聞いているんですが、それが何か犯罪事実と関係があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/193
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194・勝田俊男
○勝田説明員 Iさんと公安係の刑事の関係でございますけれども、同郷というようなことから昨年四月ごろから親しくつき合っていたわけでございますが、そして、その間お互いに――お互いにといいますか、行き来したというようなこともありまして、参考になることも聞かしていただいておったということでございます。こういった観点からIさんに情報の提供を求めたということになろうかと思います。
われわれといたしましては、個々の犯罪の容疑のある事実についての情報をとることはもちろんございますけれども、将来の問題につきましても、いろいろと実態を知っておきたいという観点から情報を求めたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/194
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195・林百郎
○林委員 将来のことというのは、どういうことを聞きたいのですか。将来のどういうことを聞きたかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/195
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196・勝田俊男
○勝田説明員 具体的にどういう中身のことを聞きましたか、正確には報告を受けておりませんけれども、日本共産党の講師試験というお話でございましたけれども、この問題につきましてどうこうという問題じゃございませんので、日本共産党のいままでの交換の文書あるいは党の幹部のおっしゃっていることから見まして、一つの革命方式になりますか、平和的な方式、非平和的な方式といった形からすれば、非平和的な方式を捨て切っていない。平和革命唯一論をむしろ廃棄されているというようなことでありますので、治安を維持するわれわれといたしましては、日本共産党の動向について関心を持たざるを得ないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/196
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197・林百郎
○林委員 あなた、共産党の国会議員が選挙されて国会へ来ているわけですよ。それで、うちの党の綱領のどこに、そんな暴力革命をやるんだなんということがあるんですか。私はその綱領について示してみてください。それはあなた、たいへんなことですよ。綱領のどこに、それでは革命のことについて暴力を必ずやるんだというようなことが書いてあるんですか。また、そういうことを理由にして、あなた方は公然と、共産党なら公安刑事がこういうことをやってもいいと言うのですか。それならそれでかまいませんよ。われわれはそれに対して適切な措置を講じますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/197
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198・勝田俊男
○勝田説明員 綱領にあると申し上げたわけではございませんで、党の幹部の発言になり党の交換文書に、そういう非平和的な方式を払拭していないということを明確にされておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/198
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199・林百郎
○林委員 党の性格というのは党の綱領で規定されておるわけですから、綱領ではっきり示されないのに、あなた方がかってにそういうことをきめて、共産党だけには何をやってもいいということは許されないことじゃないですか。われわれは国民から支持されて選挙されて公然と国会に来て、こうやっていままで審議に参加しておる。それが共産党だけは別だということで、警察がどんなことをしてもいいということは許されると思いますか。もう一度あなた、責任ある答弁をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/199
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200・勝田俊男
○勝田説明員 どういうことをやってもいいということを申し上げておるわけではもちろんございませんでして、われわれといたしましては、その動向に関心を持って、もちろん憲法に従い、警察法に従って、われわれの職務を執行いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/200
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201・林百郎
○林委員 では動向について関心があるなら、共産党以外のところにもやっておるのですか。そういうことを社会党や自民党や民社党、公明党全部やっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/201
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202・勝田俊男
○勝田説明員 共産党につきましては、先ほど申し上げました理由によりまして、われわれ関心を持っておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/202
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203・林百郎
○林委員 そうすると、共産党だけにやっておるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/203
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204・勝田俊男
○勝田説明員 もちろん現在のような破壊活動をやっておるところの三派全学連の動向等につきましても、われわれは十分なる関心を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/204
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205・林百郎
○林委員 いや、政党ですよ。政党に対してそういうことをやっておるかということを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/205
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206・勝田俊男
○勝田説明員 政党につきましては、もちろん結社の自由もあるわけでございまして、われわれ政党自体に干渉するという気持ちはもちろんないわけでありまして、ただ、その動向について関心を持っておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/206
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207・林百郎
○林委員 どういうことを言っておるのかよくわからないのですが、とにかく綱領には共産党が暴力革命をやるなんてことは書いてない。それはあなたもはっきり言っておる。政党の性格というものは綱領が基本的にきめるわけですから、共産党に対してそういうことをやるということは、明らかに民主主義に反することじゃないですか。あなたが警察の最高責任者でないから、この問題については、私は責任ある者から徹底的に聞きますけれども、それでは聞きますが、こういう公安刑事がバス、トイレつきの旅館に労働者を連れていって酒を飲ませ、ごちそうを食べさせる、こういう費用はどこから出るのですか。どこに組んでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/207
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208・勝田俊男
○勝田説明員 情報をとります場合、任意的に、また自発的に、治安関係 われわれ公安を維持するについての御協力をいただくということをやっておるわけでございます。そういった面からいたしまして、話し合う場合に、路頭で話し合うわけにもいかないということで、喫茶店で話し合いをする、あるいはめしどきであれ食事をともにしながら話し合うというような場合、社会通念上普通の額であれば捜査費から出すということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/208
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209・林百郎
○林委員 普通、警察が捜査するときに、一々喫茶店に行ってお茶を飲ませたり、旅館へ行ってごちそうを食べさせたり、酒を飲ましたりして捜査するということは聞いたことないですよ。こういう公安関係だけは、そういうことが自由にできるのですか。先ほども、国の予算がどんなにきびしい状態になっているかということをあなたも聞いているはずですよ。共産党をスパイするためには、そういうぜいたくが何でもできるということになるじゃないですか。
それじゃお聞きしますが、一体、そういう予算は総額年にどのくらい組んであるのですか。そういう公安関係の予算。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/209
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210・勝田俊男
○勝田説明員 本年度の予算につきましては、そういった予算は主として活動費でございますけれども、国の予算といたしましては、刑事関係の捜査費あるいは麻薬取り締まりその他の費用、それと公安関係の費用、全部一本で組んでいただきまして、それぞれの状況においてそれを支出するということになっております。大体五十億余りが入っているというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/210
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211・林百郎
○林委員 そうすると、公安関係で五十億と聞いておいていいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/211
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212・勝田俊男
○勝田説明員 ただいま申し上げましたように、刑事関係についても経費がございます。それから保安関係についても経費がございます。そういったことを全部含めて五十億、それを一本でつけていただいておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/212
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213・林百郎
○林委員 すると、本年度は公安関係で幾らになるのですか。五十二億のうちの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/213
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214・勝田俊男
○勝田説明員 公安関係で幾らというつけ方はいたされていないわけでございまして、それぞれの状況を見ましてそれを使うという形になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/214
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215・林百郎
○林委員 そんなばかなことないじゃないですか。公安関係で幾ら、あるいは麻薬関係で幾らと、そういう内訳がなくて、つかみで五十億何に使ってもいいという予算の使い方はおかしいじゃないですか。そうすると、前年度、昭和四十二年度では実績はどうなんですか。公安関係で幾ら金を使っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/215
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216・勝田俊男
○勝田説明員 詳細には承知いたしておりませんが、現在、私の記憶しておるところでは、約三十億というふうに記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/216
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217・林百郎
○林委員 そうしますと、これは予算関係で私の持っておる警察関係の予算――組まれた予算の概要がないのじゃ質問になりませんので、この問題を含めて警察の予算関係について別な機会をひとつ与えてくれませんか。きょうはあまりおそくなっても何ですから。また聞きたいと思うのです。
それじゃ、警察関係はこれで一応――いろいろお聞きしたいのですけれども、あなたのほうが準備していないから……。
大蔵関係で最後に一、二点お聞きしておきますが、この覚書というのは、大蔵関係からいうと、どうしてこういう覚書をつくる必要があるのですか。それは大臣に聞かなければ、あんたでは何ですから、またこれもあとで大臣に聞いてもいいですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/217
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218・秋吉良雄
○秋吉説明員 先ほど何回も御質問がございまして、また何回かにわたる自治大臣の御答弁もございましたが、まさしく自治大臣の御答弁と同じような考え方になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/218
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219・林百郎
○林委員 何だか政治的でわからないのですよ。そうすると、四百五十億ということしのこの交付税改正の中に出てくる数字ですね、これはあなたが見ると、どういう根拠から出てきた数字だと思うのですか。それを三年間に、漸次借り上げた金を解消するというのは、どういう根拠でどういう数字から出てくるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/219
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220・秋吉良雄
○秋吉説明員 これは、先ほど自治大臣から御答弁ございましたように、国と地方のいろいろの財政事情を勘案し、また先ほど自治大臣から御答弁がございましたように、地方財政上の執行についてどの程度支障があるか、そういったようないろいろのことを総合勘案いたしまして、自治大臣、大蔵大臣の間で十分相談をいたしました結果出た数字でございます。
それから、今後三年間ということでございますが、これはやはり私どもから見ました場合に、地方財政は何ぶん、将来にわたって健全な形で運営するのが至当であるということで、単なる繰り越しと違いまして、やはり将来にわたる権衡ということも考えまして、三年間というのが妥当じゃないかということも考え、また、国の今後における財政負担、財政需要ということも総合勘案いたしました結果、三年ということで、両大臣の間で意見の一致を見たわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/220
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221・林百郎
○林委員 やはり四百五十億というのは、自治省の言うことを聞いても、大蔵省の言うことを聞いても、ちっともわからないのです。いろいろ事情があって折衝された結果、煮詰めてこういう数字が出たと言うけれども、いろいろの事情を煮詰めた経過と、何で四百五十億という数字が出たかということをわれわれ聞かなければ評価のしようがないのです。われわれは、四百五十億の数字が合理的であるとかないとか、多いとか少ないとか、あるいは、そういう措置が至当でないとか――わがほうは、根本的にこれには賛意を表せないけれども、それにしても、何らかの根拠を大蔵省としても、また自治省としても、国会で説明する責任があるのじゃないですか。あなた方の説明は聞いてもちっともわからない。何で四百五十億という数字が、どういう数字とどういう数字とを交渉によって煮詰めて、そうして、どうしてこういう数字が出たか、そうして、それが三年間ということになったかという合理的な説明が全然聞かれないのです、それはどういうことでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/221
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222・秋吉良雄
○秋吉説明員 たびたび繰り返すようでございますが、国、地方、いろいろの財政事情を総合勘案いたしまして、四百五十億という数字が出たのでございまして、まさしく一プラス一が二というような、そういった複雑な計算をいたしまして、四百五十億というのが、算出した結果出たというわけではございません。総合勘案いたしました結果、算定されて、両大臣がきめた数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/222
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223・林百郎
○林委員 よく言えば政治的な答弁です。悪く言えば、数字の権威者である大蔵省が、そんなことを国会へ来て説明をして、そうして国会議員をたぶらかそうといっても、それは納得できないですよ。ほんとうにそれはたぶらかしているのと同じですよ。国の予算がこうで、本年度地方財政の関係がこうで、それから割り出してこういう数字が出た、あるいは思い切って旧覚書の四百八十何億という数字があって、それで交付税率の三二%を二・五%下げるというような話も経過にあって、結局いろいろ話し合いの結果のこれは政治的な数字です。それならそれで、われわれもまた評価のしようがありますけれども、もっともらしい理屈でありながら、らっとも合理的な説明のない、こんな数字なんというものは、これは国会議員をたぶらかしているものだと思います、いまの秋吉さんの説明は。
この点は、私はきょうは時間がありませんので、いずれ後に突き詰めた質問をしたいと思いますけれども、最後に、覚書の拘束力ですね。旧もあるし、新もありますけれども、旧のほうは、今度はもうこれでないものと確認をした。この覚書の拘束力というものをあなた方はどう考えるのか、これは両大臣のメモ程度のものでいいんですね。国会に別にたいして影響力を及ぼすものでもないし、地方自治体に影響を及ぼすものでもないし、両大臣がメモ程度でかわしたもの、こう言っておいていいのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/223
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224・秋吉良雄
○秋吉説明員 覚書はあくまでも行政部内の間について行政上の拘束力があるということでございまして、これを実施の段階に移す場合には、あるいは予算措置もございましょう。また法律措置もございましょう。そういった予算措置並びに法律措置を講ずるものにつきましては、もちろんこれは国会を拘束するものではなしに、先ほど自治大臣から申し上げましたように、いろいろの角度から国会の御審議を願うというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/224
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225・林百郎
○林委員 そうすると、地方の自治体ですね、これも行政的に拘束するとお考えですか。要するに自治大臣と大蔵大臣が、二人の間の道義的な覚書ですから、拘束力があっても、これを直ちに地方自治体に行政的な拘束力を及ぼすということになりますと、そうすると一体、自治大臣はいつそんなことを総体的に、自治権のある自治体からまかされたかということになりますから、それは当然そういうものはない。また国会に対しても、もちろん拘束力はこれはないと思うのです。そういうように解釈しておいていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/225
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226・秋吉良雄
○秋吉説明員 御指摘のとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/226
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227・林百郎
○林委員 私の質問は、これで終わりますけれども、しかし将来の措置として、秋吉さん、あなたも大蔵省の幹部ですから、どこまで成長するか知らぬですけれども、しかし、こういうことは、われわれ国会議員の身になってみると、どういうことかわからぬですよ。債権者と債務者が契約するというのはわかるけれども、同じ連帯責任を持つ国務大臣同士が契約をして覚書をかわすという、そんなふていさいな話はないですよ。ていさい、ふていさいばかりでなしに、これは国会に対して大きな圧力を加えるし、地方自治体に対しても大きな圧力を加えるし、それから自治権に対する重大な侵害になる。こういうことは将来絶対にやるべきでない、私はこう思います。あなたも大蔵省の将来の幹部として、私の言うことを拳々胸におさめておいていただきたいと思います。
それでは私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/227
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228・吉川久衛
○吉川委員長 次回は、明十九日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02219680418/228
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