1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十九日(金曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 吉川 久衛君
理事 大石 八治君 理事 奧野 誠亮君
理事 塩川正十郎君 理事 細谷 治嘉君
理事 山口 鶴男君
青木 正久君 亀山 孝一君
辻 寛一君 中尾 栄一君
永山 忠則君 野呂 恭一君
藤田 義光君 山口シヅエ君
太田 一夫君 河上 民雄君
三木 喜夫君 門司 亮君
小濱 新次君 谷口善太郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
大蔵省主計局次
長 相沢 英之君
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省財政局長 細郷 道一君
消防庁長官 佐久間 彊君
委員外の出席者
自治省財政局財
政課長 首藤 堯君
自治省財政局交
付税課長 横手 正君
専 門 員 越村安太郎君
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四月十九日
委員林百郎君辞任につき、その補欠として谷口
善太郎君が議長の指名で委員に選任された。
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四月十八日
地方公務員の定年制法制化反対に関する請願
(阿部助哉君紹介)(第四一三三号)
同(広瀬秀吉君紹介)(第四一三四号)
同(穗積七郎君紹介)(第四一三五号)
同(山口鶴男君紹介)(第四一三六号)
同(安宅常彦君紹介)(第四一七七号)
同(赤路友藏君紹介)(第四一七八号)
同外一件(淡谷悠藏君紹介)(第四一七九号)
同(井岡大治君紹介)(第四一八〇号)
同(井手以誠君紹介)(第四一八一号)
同(石田宥全君紹介)(第四一八二号)
同(石野久男君紹介)(第四一八三号)
同(石橋政嗣君紹介)(第四一八四号)
同(板川正吾君紹介)(第四一八五号)
同(稻村隆一君紹介)(第四一八六号)
同(江田三郎君紹介)(第四一八七号)
同(小川三男君紹介)(第四一八八号)
同外一件(大出俊君紹介)(第四一八九号)
同(大柴滋夫君紹介)(第四一九〇号)
同(大原亨君紹介)(第四一九一号)
同(岡田利春君紹介)(第四一九二号)
同(岡田春夫君紹介)(第四一九三号)
同(岡本隆一君紹介)(第四一九四号)
同(加藤勘十君紹介)(第四一九五号)
同(加藤清二君紹介)(第四一九六号)
同(加藤万吉君紹介)(第四一九七号)
同(勝澤芳雄君紹介)(第四一九八号)
同(勝間田清一君紹介)(第四一九九号)
同(角屋堅次郎君紹介)(第四二〇〇号)
同(金丸徳重君紹介)(第四二〇一号)
同(神近市子君紹介)(第四二〇二号)
同(川上貫一君紹介)(第四二〇三号)
同(川崎寛治君紹介)(第四二〇四号)
同(川村継義君紹介)(第四二〇五号)
同(河上民雄君紹介)(第四二〇六号)
同(河野正君紹介)(第四二〇七号)
同(久保三郎君紹介)(第四二〇八号)
同(久保田鶴松君紹介)(第四二〇九号)
同(阪上安太郎君紹介)(第四二一〇号)
同(田代文久君紹介)(第四二一一号)
同(中澤茂一君紹介)(第四二一二号)
同(野間千代三君紹介)(第四二一三号)
同(平林剛君紹介)(第四二一四号)
同(安井吉典君紹介)(第四二一五号)
同(山本政弘君紹介)(第四二一六号)
同(井手以誠君紹介)(第四二六七号)
同(石田宥全君紹介)(第四二六八号)
同(石橋政嗣君紹介)(第四二六九号)
同(板川正吾君紹介)(第四二七〇号)
同(枝村要作君紹介)(第四二七一号)
同(大出俊君紹介)(第四二七二号)
同(大柴滋夫君紹介)(第四二七三号)
同(岡本隆一君紹介)(第四二七四号)
同(神近市子君紹介)(第四二七五号)
同外一件(川村継義君紹介)(第四二七六号)
同(木原津與志君紹介)(第四二七七号)
同(小松幹君紹介)(第四二七八号)
同(神門至馬夫君紹介)(第四二七九号)
同(河野密君紹介)(第四二八〇号)
同(佐野進君紹介)(第四二八一号)
同(島上善五郎君紹介)(第四二八二号)
同(高田富之君紹介)(第四二八三号)
同(中澤茂一君紹介)(第四二八四号)
同(中村重光君紹介)(第四二八五号)
同(楢崎弥之助君紹介)(第四二八六号)
同外三件(中村時雄君紹介)(第四二八七号)
同(原茂君紹介)(第四二八八号)
同(平岡忠次郎君紹介)(第四二八九号)
同(帆足計君紹介)(第四二九〇号)
同(八木昇君紹介)(第四二九一号)
同(山田耻目君紹介)(第四二九二号)
同(依田圭五君紹介)(第四二九三号)
特別区の区長公選に関する請願外一件(島上善
五郎君紹介)(第四一七六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第五一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/0
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001・吉川久衛
○吉川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/1
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002・細谷治嘉
○細谷委員 最初にお尋ねいたしておきたいのでありますけれども、この前私が関連質問をした際に、大臣いらっしゃらなかったと思うのです。私は、今度の国税三税に見合う交付税という形で計上されておるものは、世界経済のいまの動向、国内経済の動向から見ますと、どうも昭和四十年度のような大きなへっこみが国税三税に起こってくるのではないか、したがってまた、交付税にへっこみが起こるのではないか、こういう心配をいたしております。そうなってまいりますと、かりに補正なし予算とこう呼んでおるわけでありますけれども、私は補正というのは必至だろうと思います。いずれにいたしましても、今年の暮れか、来年度の当初予算編成の際に、またぞろ四十年度のようなやみ覚書という事態のような大きなへっこみが起こってくるんではないか、こう思うのですけれども、大臣なり大蔵省はどうごらんになっているか、お尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/2
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003・赤澤正道
○赤澤国務大臣 国際的にも、国内的にも、経済というものは始終変動を重ねておりますので、どういう事態が起こるか、それは確かにわかりません。絶対に起こらぬということは言えないわけでございまするけれども、私どもいろいろ長期の展望ではありませんが、大体四十三年度の国の内外の情勢その他推移をいろいろ検討いたしまして、まず大きな変動はないという考え方に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/3
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004・細谷治嘉
○細谷委員 昭和四十年度の当初のときもそういうことでありましたが、六月の事態で、大きなへっこみが起こるということがすでに明らかになってまいったわけですね。現に昭和四十二年度の税収見込み額というのも、予算計上額を法人税等は割るのではないか、こういうことが言われておるわけですね。約二百億円程度へっこむのじゃないか。こういうことが新聞で報道されておるわけです。そうなってまいりますと、引き締め効果というのが出てくる四十三年度の税収、特に景気の動向を受けます法人税、酒税等にかなり大きなへっこみが起こる。それが交付税のへっこみ、こういうことになるのではないか。大臣はそういうことにならない、こう言っているわけですけれども、ならない、ならないと言っておった四十年度にたいへん大きなへっこみがあって、五百十八億ですか、決算の結果四面八十二億となったわけですけれども、そういう事態が起こったわけですね。二、三年前のことです。殷鑑遠からずですよ。そういうことでありますから私は心配をしておるのです。大臣なり大蔵省のほうで、そんなことは絶対ないのだ、こういうことであれば、私はもう安心して次の質問に移っていきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/4
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005・赤澤正道
○赤澤国務大臣 先ほど申しましたように、経済の大幅な変動が絶対ないとは言い切れないと思います。しかし、むしろ大きな変動があって補正でも組むというようなことになれば、補正は増にきまったわけではございませんので、かえって補正減などになれば厄介なことになる。私どもは平常に推移する考えでこの計画を立てておるわけでございますが、しかし、多少そういった懸念がありましても、それは次年度以降の精算になるわけでございまして、私どもは計画どおりに地方財政は今年度は運びたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/5
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006・相沢英之
○相沢政府委員 四十二年度の税収の見込みでございますが、交付税の算定の基礎になりますところの三税に関しましては、いま先生おっしゃいましたように、多少減収が出るのではないかというような話もございましたけれども、目下主計局の見込みでは、大体予算に予定したとおりの収入になるのではないかというふうに見ております。その点は別に御懸念なさらないでもよいのではないか、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/6
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007・細谷治嘉
○細谷委員 いま相沢次長から、四十二年度は大体三税はへっこまない。おたくのほうの二月の租税収入の状況というのは、所得税は伸びておるけれども、法人税において二月末で〇・八%前年比へっこんでいるんですね。酒税において四・九%へっこんでおるんですね。そこで大蔵当局では、年度を通じて百億ないし二百億程度、所得税は伸びておるけれどもへっこむのではないか、こう言われておりましたので、私は、四十二年度はいまおっしゃったように、おおむね百億か二百億へっこむというのがへっこまない、こういうことでありますからけっこうなことでありますけれども、しかし、引き締めがその効果があらわれてくる四十三年度は目一ぱい組んだ、こういう税収見込みでありますから、私は非常に懸念をいたしておるのです。それについての次長の言及はありませんでしたが、だいじょうぶですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/7
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008・相沢英之
○相沢政府委員 税収の見込みはもちろん、先ほど自治大臣から答弁ございましたとおりに、今後における国際、国内の経済情勢いかんにかかわることでございますので、絶対に予算に予定したとおりの収入に達しないことはないとは申し上げられないかもしれませんけれども、現在までのわれわれの見通しでは、四十三年度の税収は、今後の経済情勢等に大きな変動がなければ、大体このとおりにいくのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/8
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009・細谷治嘉
○細谷委員 この間も私は関連の際にちょっと申し上げたのですけれども、現実に政府提案の法律というのは、酒税において一カ月間施行がおくれたわけで、おおよそ四十億円程度の減収は確定したわけです。これを予算をどうのこうの、あるいは国税三税の基礎がぐらついたのだからいま直せ、こういうふうに私は申し上げているわけじゃありませんけれども、法律的にもすでに穴があいておる。しかも景気の動向を見ますと税収がへっこむ可能性が強いのでありますから、私は、四十年度のような事態が起こりますと、いろいろと問題が起こりますから心配いたしておるわけです。相沢次長の話では大体四十三年度もへっこまないのだ、こういうおことばのようでありますが、もしへっこんだ場合どうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/9
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010・相沢英之
○相沢政府委員 私どもはただいま申し上げたとおりに、税収がへっこむことを考えておりませんけれども、万一そのようなことになりましたらば、これは先ほど自治大臣答弁ございましたとおりに、交付税法の規定に従いまして次年度以降において精算をするということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/10
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011・細谷治嘉
○細谷委員 次年度以降において精算するという、具体的にもう少し御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/11
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012・相沢英之
○相沢政府委員 これは地方交付税法の規定がございますが、地方交付税法の第六条の二項の規定によりまして、もし減収が出ました場合には、「当該前年度以前の年度において交付すべきであった額をこえて交付した額を当該合算額から減額」するというふうになっております。したがいまして四十三年度の三税の減収に伴う交付税の減額分は四十四年度以降、通例でございますと四十三年度の決算が確定いたしましたあとですから、四十五年度の予算におきましてその相当額を減額するということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/12
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013・細谷治嘉
○細谷委員 そこで問題が出てきたわけですね。おっしゃるように増額補正なしでいったとかりにしますと、一年置いた翌年ですから、四十五年になります。そこで決算が三角で出てくるわけですね。ところで、赤澤自治大臣は、四十三年度の地方財政計画に基づいて財政運営するということでありますから、穴があかないつもりで財政運営してしまうわけですね。明らかにそこに交付税上の赤字が出る、地方財政計画全体としての赤字が出てくるわけですね。これはどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/13
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014・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そのことを先ほどから申しておるつもりですけれども、今年度は計画どおりにやるわけでございまして、そういう御指摘のような事情が起こりました場合には、決算を見てその時点で処理をすることになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/14
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015・細谷治嘉
○細谷委員 決算を見てといいましても、決算を見たときはもう四十三年度を過ぎてしまっておるわけですね。現実には四十三年度そのとおり運営されていっているわけですから、たいへんな赤字が地方財政に残るわけですね。これは四十五年度にはたいへんな赤字が、交付税が減ってくるのですね。その場合に、そういう形できた場合には、翌々年度できた場合にはどうなんでしょうか。これはやはり財政上の著しい変化ということに相当しないのですか。六条の三、これはどうなんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/15
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016・赤澤正道
○赤澤国務大臣 将来のことについて予想の議論でございますから、これは議論していけば切りのないことである。私どもは今年度は御指摘のような事態が起こらぬという考え方でやっておるわけでございまして、しかし、それが多少狂いました場合でも、私は次年度以降における地方財政に大きな狂いはないという見通しを持っておるわけでございます。しかし、予想外のことが起こりました場合は別ですけれども、いまそのことばかりを——予想外のことか必ず起こるということで議論をいたしましても、どうも何ともお答えのしようがないわけでございまして、こういう際の扱いは、何も初めてでありませんので、いろいろ例もあってもおりまするし、やはり私どもといたしましては、地方財政が手詰まりにならぬような措置は八方考えて善処しなければならぬ、こういう決意は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/16
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017・細谷治嘉
○細谷委員 大臣は非常に安心しておりますけれども、私はすでに数年前、四十年度にそういう事態がありまして、それが今度まで尾を引いておるわけです。今度まで尾を引くのではなくて昭和五十六年まで尾を引くわけです。そういうことでありますから、私は心配して申し上げておるわけですね。補正なし予算でずっといった場合に、四十五年に大きな穴があくわけですけれども、かりに補正でもして税収を減らしてきた場合には、今年度もまともにくるのですね。それで大臣、これは予算にぴしゃっと計上して、補正しなければ三税の三二%分というのは特別会計に入ってくるのですから、そのまま配られる、配っておるわけでしょう、そうですね。それは大蔵省そのとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/17
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018・相沢英之
○相沢政府委員 補正予算を組みまして三税の見積もり額を変えない以上、それは当然予算額に基づきまして計上している交付税は交付されることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/18
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019・細谷治嘉
○細谷委員 いろいろこの問題について申し上げたいのですけれども、この程度にします。
そこで、これに関連して大臣、交付税四百五十億減らしましたね、結果は減らしました。いろいろの言い分は、あとでつじつまを合わしておるわけです。私は経過をちょっと確認しておきたいのですけれども、自治省と正式に話し合っておらぬと秋吉主計官は言っておるのですけれども、来年度の国の財政がたいへん硬直化する、このままいくと西ドイツのような例になる、その主たる原因は、おおよそ二千四百億程度を占める地方交付税の伸びにあるのだ、財政硬直化の最大の犯人は地方交付税にある、こういうPRが昨年の九月くらいに行なわれた。ところが、残念ながら世論でたたかれた。そこで大蔵省は、まあ戦術を転換したといいますか、それではひとつ国と地方との間で五百億円程度を限って貸し借りができるようなことにしようではないか、こういう主張になったように新聞等では書かれております。とどのつまりは、予算編成上の技術上の問題があって、大蔵原案というのは四百五十億円はもう自治省の了解があろうとなかろうと、原案が発表された、その上で大蔵大臣と自治大臣の折衝になって、この覚書が結ばれることになった、こういう経過だと思うのですが、そのとおり理解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/19
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020・赤澤正道
○赤澤国務大臣 まあいろいろな憶測で当時新聞等にも記事が書かれておりました。それから、当時PRというかどうか知らぬけれども、そういった説がどこかの一部にあるということもちらっと耳にいたしました。しかし、交渉の段階で、正式にそういうことが議題になったわけでもございませんし、そういったうわさに対しましては、たとえば貸し借りの道を開くなどということは、交付税制度の根底に触れる問題でございまするので、もしそういうことが一言でも交渉があったら、これは一言のもとに拒否するといういろいろの理論の組み立てもしまして、手ぐすね引いておりましたけれども、そういう話は結局はなかったわけでございます。しかし四百五十億引きましたゆえんのものは、この間うちから何べんも申し上げたとおりでございまして、やはり内外の経済情勢のこと、国自体が抑制型の予算と申しますか、内需の刺激をつとめて避けることが、国全体にとって、また国民の安定した経済生活を営む上において必要だという、そういう政策は私どももやはり自治大臣ではなくて国務大臣としてでもよく承知もしておりまするので、私どもは、そういう国の考え方に反対をしないという立場で、協力するという態度をきめたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/20
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021・細谷治嘉
○細谷委員 大蔵省は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/21
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022・相沢英之
○相沢政府委員 ただいま自治大臣からお話しのございましたようなことでございまして、四荷五十億円につきまして、大蔵原案をつくる際に、これは無理やりに織り込んでその後に覚書をつくったというような経緯ではございません。これは大蔵原案を発表いたす前に、自治省と十分に協議いたしまして、結論を出した上で大蔵原案に盛り込んだわけでございます。まあ短期的な調整の制度を設けるということも議論の途中では出ましたけれども、これは交付税制度の本旨からして問題があると思うので、具体的な折衝には議題には上がらなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/22
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023・細谷治嘉
○細谷委員 一月六日前後のことだと思うのですけれども、何べんか両大臣が会って決裂をしましたね。そのころ、大蔵大臣が最終折衝に臨む財源というのは四、五百億円だと言われておる。その四、五百億円というのは交付税から借りるという名前で減額した四百五十億円というのが充ててあったんじゃないですか。私どもが新聞等で仄聞しておりますと、予算の編成の段階で一つの焦点になって、最終的には福田幹事長が仲に入って、この問題から片づけなければ予算がなかなか混乱するぞということになったんでしょう。そうして両大臣の話し合いから大臣段階の予算の編成作業がスタートしたのでしょう。そうじゃないのですか。ですから、言ってみると、大蔵省はしゃにむに、話合いがつかぬうちに大蔵原案の中で四百五十億円もぎ取った、こういうことじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/23
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024・相沢英之
○相沢政府委員 そういう乱暴なことは実際にはできないのでございまして、私どもが例の出世払いの四百八十二億円を来年度返してもらいたいというようなことを自治省に申し上げておりましたのは、これはもう十二月の初めごろでございました。その後ずっとこの問題をめぐりまして折衝がございました。来年度の予算の編成の上では、ただいま自治大臣から答弁がございましたように、大蔵省といたしましてはぜひ四、五百億円程度四十三年度の交付税から減額をしてほしいということで折衝をしておったわけでございまして、もちろん私どもとしましては、来年度の予算にその程度の交付税を減額してほかに充てるということがなければ、予算の編成は実際できないというような財源規模にございましたものですから、ぜひそういう線で実現したいといことで自治省と折衝をしていたことは事実でございますけれども、予算の大蔵原案に織り込んでしまったから、是が非でもそれをやらなければ何ともならぬ、こういうようなことで交渉が行なわれたわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/24
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025・細谷治嘉
○細谷委員 この辺は、いまの段階では、ことばというのはなかなかそうずばり言えぬけれども、真相は私が申し上げたような事情で進んだと思っているわけです。
そこで、ひとつ結論をお聞きしたいのでありますが、世間では、この間遠藤湘吉という東大の教授もここへ参考人として来ましたけれども、その人の意見などもそうでありますが、世間ではこの四百五十億円というのは、国税三税の三二%だという交付税の税率の変動への、いわゆる国の財政の都合によっていつでも変えられるような、そういう方向への条件づくり、言ってみますと、三二%という根底というのがかなりぐらついてきたのだという意見と、もう一つは、交付税自体は地方の固有の財源というか、そういう国と地方との税配分に基づいたものではなくて、国からの恩恵的な交付金である、こういう思想が非常に強く今回この四百五十億円の措置によってあらわれたのだ、あとでまた複雑なことが行なわれましたけれども、そういうふうに見られておるわけでありますが、大臣はどういうふうに見ていらっしゃるのですか。いやそんなことじゃないんだ、三二%というのは、それはもう国と地方との税財源の配分として基本的に三二%という交付税は地方のものとして確立しておるのだ、ですから法律に書いてある事態以外では、国の財政需要がどうだこうだというそんな理由では変えられないものなんだ、こういう見解はゆらいでおらないのだ、こういうふうなお考えなのかどうか。あるいは大蔵省のほうでは、これで大体大阪城の外堀は埋めることができました、こういうふうに御理解になっておるのかどうなのか、これをひとつお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/25
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026・赤澤正道
○赤澤国務大臣 御指摘のとおりでありまして、御指摘のとおりと申しますことは、何も三二%という根底をゆるがすものではない。もしもそういう含みが背後にあるとすれば、われわれとしては一歩も引けないというので、もし切り出されたらという準備をしておったことは、先ほど申し上げたとおりでございます。そういうこともありませんでしたが、結局私どもは、将来にわたっても三二%がくずされるなんということは全然考えてもおりませんし、また、そうあってはならない、やはりこれは今年限りのほんの特例であるということをくれぐれもだめを押して、そしてこの措置に踏み切った次第でございます。その点はひとつ御安心をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/26
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027・相沢英之
○相沢政府委員 交付税率の三二%というたてまえにこの四百五十億円の減額が触れるのではないかという御質問でございましたが、その点は私どもはそのようには考えておりません。四百五十億円減額しまして、来年以降三カ年間に百五十億円ずつ交付税に追加する、平たく言いますと、四百五十億円借りて三年の年賦で償還するということになりますけれども、その考え方は、すなわち三二%という交付税の率がございますものですから、減額しっ放しにしない。後にその分を補てんしまして、結局四十三年度ももちろん三二%の交付税の額を出したということになるわけでございます。したがいまして、今回の措置が交付税の三二%という率を下げるとか、あるいは交付税制度の本質をゆがめるとかいうような意図に出るものではないと私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/27
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028・細谷治嘉
○細谷委員 私が心配しているのは、形は実質的にはそのとおりです。しかし地方交付税法第六条の三の二項に「著しく」とありますね。昭和三十年ごろは大臣、あなたのところの部下の書いた本に、著しくというのは、金額の上でどのくらいかというとおおよそ百億だ、こういわれているのですよ。昭和三十年ごろは百億ですから、いまは物価が上がりましたから、それにしても四百五十億円ということになると著しくということですね。そうすると、実質的にはそれは「著しく」に相当する。こういう理屈も成り立つのではないですか。交付税の四百五十億円は要らなかったのだ、それほど金持ちになったのだ、だから交付税率は下げるわけにいかないのだけれども、四百五十億円は著しくという百億円の四倍半です。それを貸したわけですから、交付税四百五十億円分は下げてもいいじゃないか。著しい金持ちになったのだ、こういうことに理屈がつけかねないとも思うのです。おたくのほうの部下の響いた本に「著しく」というのは百億だというめどが書いてありますから、どうなのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/28
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029・赤澤正道
○赤澤国務大臣 その年度、年度百億とか二百億とかでなくて、やはり継続的に引き続いて大きな変化がある場合というふうに私たちは考えておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、例の出世払いのやみ証文のことが議題になりました。ここで答弁もいたしましたけれども、民間では出世払いというものは結局払わぬでもいいと同じことで、そうじゃないかという議論までしたことがあったわけでございまして、今回の四百五十億の減額に踏み切ります際にも、御指摘のようないろいろ紆余曲折はありましたけれども、しかしながら、将来を見越しましてやっぱり三二%の線は少なくとも守る。それにきずがつくということであったら——政府自体のことですから、それは固守してまいったわけでございます。同じことのお答えばかり重ねますけれども、私どもは真剣にそういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/29
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030・細谷治嘉
○細谷委員 そこで大臣にお尋ねしたいのですけれども、四百五十億円は、大臣先ほどから交付税率に触れるものじゃないのだ——いろいろな言いわけはありますけれども、いろいろないきさつ、納得しませんけれども、次長も交付税率をいじる意思はない、こういうことを確認いただいたようでありますから、次に進みますが、二百五十億円借りるわけですね。そして今度の法律案では、二十七年から三十七年までの公共災害債を償還するわけですね。千円対千円ですね。このことは予算委員会で阪上委員からも質問がありましたが、一般財源であるべき交付税を二百五十億円ひもをつけるということになりますね。これはちょっと問題点があろうと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/30
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031・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私は決してひもつけたとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/31
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032・細谷治嘉
○細谷委員 考えておらないと言ったって、結果はそうなるでしょう。二十七年から三十七年までの政府資金による公共災害債というものを千円について千円、単位費用として認めたわけですからね。もらったものはそっくりそのままもう政府に返さなければいかぬわけですね。運用部に返さなければいかぬわけですから。二百五十億円ですか、これはひもつきですよ。どういうことばであろうと、これは実態はひもつきでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/32
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033・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私はそういうふうに理解しないのです。つまり地方財政の内容を健全化するという意味で、こげつきということばは当たりませんけれども、古い災害債は非常に不均衡な形で残存しておるわけでございますので、いつかはこれを引き揚げて、そして新しい行政需要の面に投じていかなければならぬという考え方を持っておったわけでございまして、そのことをやったということは、ひもつきになったということとは私はどうもちょっと受け取りがたいわけでございます。私はそういうふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/33
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034・細谷治嘉
○細谷委員 それは大臣ことばのあやです。あなたの発想法はいいですよ。将来にわたっての地方財政の負担というのを——ことしは私は地方財政が好転したと思っておりません。ことしは国のほうが公共事業等の公共投資を押えましたから、それの負担というのが減ってまいりましたので、したがって、よく言われます地方財政計画の構成が例年よりもちょっとよくなった。起債の占める率も、公共事業をやればだんだん上がってくるわけですから。そういうことにすぎないのであって、長期的な視野から見ると、一向構造的には改善されておらない、こういうことになるわけでありますけれども、大臣の発想のように、できるだけ将来にわたっての負担を軽減する努力というのは、これはいなめないことでありますからけっこうであります。ただ、二十七年から三十七年までの公共災害債というものをつかまえて、それの繰り上げ償還、そして千円につき千円、こういう形でまいりますと、これはどう見ようとひもつきですよ。二百三十九億円というのが交付団体分と見積もられておるわけですね。十四億円が不交付団体だ、こういうふうに見積もられておるわけですね。これはひもつきですよ。実態はひもつきです。ことばはいま大臣がおっしゃったように逃げておりますけれども、ひもつきですよ。これは交付税のあり方の本質になるわけでありますから、たいへん重要な問題であります。予算委員会でも阪上委員が質問したと思うんですよ。どうなんですか大臣、ことばだけきれいごと言ってもだめですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/34
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035・細郷道一
○細郷政府委員 ひもつきということばをどういうふうに見るかという問題ですが、私は、地方財政を健全化させるのに、地方団体それぞれが健全化の努力をするのは当然なことである、しかし地方団体全体として健全化をするということも考えていいのではなかろうか。その場合に、やはり地方財政計画にその全体的な健全化の方向を示す、そして、それぞれの団体が他の団体の立場も考えて、それぞれ良識的に行動をしてもらう、こういうことは私あっていいと思うのでございます。ひもつきだ、ひもつきでないという議論はあるいはあるかもしれませんけれども、それぞれの団体が好きなことをやればいいということではない。それだけが問題ではなくて、特にこういった問題につきましては、災害債という資産の蓄積でない、むしろうしろ向きの資産のために使われた起債であり、かつ毎年度交付税でこれを見ていく性質のものでございますので、それを繰り上げることによって団体の間のバランスがとれるし、それがその分だけまた将来利子負担が軽減されるし、そうして新しい仕事にそれだけのものが向けられる、こういう地方全体としての健全化のために、私は地方団体が相互に協力するということは当然のことであろう、こういうふうに思うわけでございまして、いろいろひもつきの実態論、議論があるものと思うのでございますが、私はそういうものはそれぞれの団体の行き方であろう、こういうふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/35
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036・細谷治嘉
○細谷委員 そういうことを言ったって、それぞれの団体の行き方であろうと言ったって、千円について千円の単位費用を認めれば、これははっきり完全なひもつきですよ。ひもつきということばは私が解明しなくたっておわかりでしょう。交付税というのはそもそも一般財源です。そうでしょう。二百五十億円ばかりはもう使途がきまって交付されるということですよ。そこには問題があるのですが、この種のことは交付税の本質に——先ほどの三二%で申し上げたのですが、本質に触れる問題でありますから、阪上委員の質問に対しても、二度とやりませんと大臣答弁しておるのでありますが、ここでもひとつもうこんなことは、そういう誤解を抱くような、本質に触れるようなことはやりませんということを確約できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/36
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037・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私は、悪いことやったと考えておりませんので、二度と今後いたしませんなどと言った記憶はないわけです。大体、いま財政局長が言いましたとおりに、私は地方団体の現債高というものをいつでも気にしておりますが、御案内のとおりに四兆円もあるわけでございまして、中には一般会計債がちょうど一兆八千億、その他が一兆七千億、債務負担行為四千五百億という相当大きな借金をしょいながらやっておる。ですから、私は財政が多少でも好転したなどということは決して考えておらぬということにいつか説明に使ったことがありますが、その中に、災害債についても二千五百億もあるわけでございます。それを洗ってみますと、やはり繰り上げ償還をして新しい行政需要に回したほうがいいと考えられるものもあるわけでございますので、地方財政の内容を健全化するという意味でこの措置をとったわけでございまして、財政の内容を健全化する、借金というものはできるだけ減らしていくという方向は、私は間違っておるとは思いませんので、毎年いたしますなどということは決して申しませんけれども、やはり最後の総ざらいというものはときどきやることが賢明である、私はこういう考え方に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/37
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038・細谷治嘉
○細谷委員 きょうはそのときの速記を持っておりませんけれども、私は現実に聞いておって、阪上委員の質問の最後の段階で、大臣そういう——私が言ったことばと同様でありませんけれども、そういう意味のことを申されたという記憶ははっきり持っております。ですからこれはやはり使途をきめるということは問題があるわけですから、私は今後この種のことはおやりにならないようにしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
そこで、相沢さんにお尋ねしたいのですが、特別事業債の問題です。特別事業債が千二百億円発行されたときに、当時の福田大蔵大臣が、交付税でやるべきものをやらない部分とそうでない部分とありますが、この千二百億円全部について地方団体に迷惑のかからないように国において善処いたしますという答弁をいたしたわけですよ。覚えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/38
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039・相沢英之
○相沢政府委員 特別事業債の元利償還について地方団体に迷惑をかけないようにしたい、配慮したいという答弁は、大臣されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/39
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040・細谷治嘉
○細谷委員 これは私が本会議で質問した。私は、千二百億の中に交付税で措置すべきものを特別事業債で措置する部分とそうでない部分と二つあるのだから、少なくとも交付税でやるべきものを特別事業債でやったものについては、これは絶対国が責任を持つべきじゃないかという質問を申し上げた。きわめて誠実な私の質問に対して大蔵大臣が、あなたの言う分ばかりじゃなくて、千二百億円全部について地方団体に迷惑のかからないように善処いたします、こういう答弁を本会議でなさったのですよ。それを確認できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/40
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041・相沢英之
○相沢政府委員 特別事業債の元利償還の問題については、私もずっと速記録も読みました。確かにおっしゃるようなことを当時の福田大臣答弁いたしております。しかしながら、その元利償還について地方に迷惑をかけないようにするというのは、地方財政計画においてその元利償還費を見込み、これは当然のことでございますけれども、地方交付税の配分においてそのことを考えるというのが当時の福田大蔵大臣の考え方でございまして、その点は私も十分確かめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/41
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042・細谷治嘉
○細谷委員 そこで、私はそういうたいへんありがたい答弁をいただいたと思っていましたら、四十一年、四十二年は利子の支払いについては千二百億円全額を対象にしないで、言ってみれば九百十四億というものを対象にいたしまして、そして交付団体分という形になってきたわけですね。たいへんな後退、二段後退しているわけですよ。これは私はどうも大蔵大臣の国会における答弁が実現されておらない、たいへんな後退をしているとこう申し上げる以外にないと思うのですが、どうですか細郷さん、あなたよく知っているでしょう。たいへんな後退だと思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/42
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043・細郷道一
○細郷政府委員 千二百億のうち九百十九億が交付税を減額して配当したものでございます。したがいまして、九百十九億分はもし交付税が伸びておったならばこういう充て方はしなかったという金でございますので、その分につきまして交付税につけ加えて、配分のほうで償還交付金ということを考えたわけでございます。さらに、これはたいへん技術的になって恐縮でございますが、交付税にもし計算をいたしておりますれば、需要がそれだけふくらんで、そして交付、不交付というふうに分けまして交付団体に行くわけでございますので、現実の金としましては交付団体の分だけを計算することによってその趣旨を全うする、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/43
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044・細谷治嘉
○細谷委員 ですから私は、交付税でやるべきものをやらない部分だけは、これはぜひとも完全にやらなければいかぬぞと言っておったら、大蔵大臣はもっとうまいことを言ったものですから、ひそかに期待しておったら、何かたいへんへっこみ、へっこみ、二段へっこんじゃったわけだ。そこで、これは相沢さん、私はたいへん不満に思うのですが、あなたのほうは、大蔵大臣の本会議における答弁とは若干後退しているということをお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/44
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045・相沢英之
○相沢政府委員 当時答弁されました福田大蔵大臣にその間の事情を私何べんも確かめたわけでございます。大臣は、あれは要するに地方財政計画に元利償還費を組んで——これは当然のことでございますけれども、地方交付税の配分上において考える、つまり基準財政需要額にその元利償還費を織り込むということなのであって、別にそのための財源を別途一般会計から出すとかどうとかいうことを考えていたわけじゃないのだ、だから何も特別事業債の一部じゃなくて全部を組んだらいいじゃないかということを言ったのだということでございます。その点は、大蔵大臣でございますから、質問された方よりも以上に気前よく別途金を出すという趣旨の答弁をよもやしたのじゃないだろうと私どもも考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/45
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046・細谷治嘉
○細谷委員 よもやということになるとこれは問題なんだ。私にはいろいろ言い分があるわけだ。本会議の答弁から、この法案が委員会に来たときにまたいろいろ詰めたのです。大蔵大臣にもこの席へ来ていただいた。最終的に附帯決議として詰めた。渡海さんもこの問題について質問された。それから、去年のときも、あなたも来てずいぶん渋ったですよ。言わんとするところは、いや、そういうことになっておりますけれども、迷惑をかけないという答弁は確かにいたしましたけれども、地方財政次第でございます、地方財政がよければ、何もそんな元利の問題は交付税を通じてやる必要もないのだ、こういうことをあなたはしきりにおっしゃっておった。最後にはまた、去年のいまの大蔵大臣が来てここで一言言ってケリがついたといういきさつがあって、歴史はいろいろあるのですけれども、その歴史を経るごとに、波はありますけれども、全部だんだん後退して今度の事態になったと私は理解せざるを得ないと思う。政務次官、スポットで四十一年度にああいう措置をされて、現実に四十一年度ベースにおいて交付税としてもらうべき交付団体は、五十六年度まではずいぶん変わってくるわけですから、四十一年度において九百十四億円というのをもらった交付団体は、これは元利償還というのは五十六年まで続くわけですから、それをつかまえて、年々の交付税の中でなく——あとで質問しますけれども、交付税でなく、それをつかまえて、その団体に元利をやってやるというのがほんとうの意味において迷惑をかけないということじゃないかと思うのですが、政務次官、そうお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/46
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047・細郷道一
○細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、交付税が四十一年度において順調に伸びておれば、交付税の需要の測定で処理ができたものでございます。したがいまして、交付、不交付を通じて需要の測定によって処理ができたわけでございます。しかし、それができないために特別事業債を出したわけでございますから、今回も需要をそれだけ回復をさせて、かっこの償還費の需要を見込むことによって処理をしよう、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/47
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048・細谷治嘉
○細谷委員 毎年毎年この種の事業債が発行されたわけじゃないんですから、四十一年度では、ほんとうにもらうべきであった九百十四億円というのがもらえなかったわけなんです。その分だけ特別事業債でそれぞれの団体がもらったわけです。それで、それぞれの団体というものを単位にして、その団体が五十六年までに払うべき元利というものを見てやるというのがほんとうの意味において迷惑がかからない、こういうことであって、それを五十六年まで毎年毎年交付税を通じてということになりますと、これはおかしいですよ。迷惑がかかってくるわけです。中にはちょっと得するのもおるかもしれません。そのときは不交付団体で、今度は交付団体になったところは恩恵にあずかってくるということでありますから、ちょっとおかしいのじゃないかと私は思うのですよ。政務次官、私の言うのがほんとうでしょう。毎年毎年事業債を発行しているんなら別ですが、これはスポットだけなんですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/48
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049・細田吉藏
○細田政府委員 迷惑をかけないということに対する考え方でございまして、ですから細谷先生のおっしゃるような考え方ももちろんあると思います。あるいはそれがより親切だということがあるかもしれませんが、私どもがいまやっておることも、迷惑をかけないということで考えてやっておることでございます。こういう考え方もある、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/49
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050・細谷治嘉
○細谷委員 こういう考えもあるというのは、これがほんとうに地方団体にとっては迷惑な話です。当時は完全に交付税でもらっておった財源を特別事業債を押しつけられて、その元利を五十六年まで払っていかなければならぬ、こういうことですね。これは問題があると思うのです。
そこで、大臣来ましたから、あなたの覚書の中の第一項に、いわゆる四百五十億円の問題については「法律をもって定める。」こう書いてある。三項に、「特別事業債の元利補給に関する制度を法制的に確立する。」とある。
〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕
法律をもって定めるというのと、法制的に確立するというのと、どこが違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/50
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051・細郷道一
○細郷政府委員 法律をもって定めるというのは、文字どおり法律をもって定めたわけでございます。法制的に確立するということは、やはり予算によるだけでなく、法制的にその基礎をきめておこう、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/51
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052・細谷治嘉
○細谷委員 あなた、そんなのは詭弁と申さなければならぬですよ。大臣、二月の何日ですか、都道府県会館か何かで岡山県知事とお会いになったでしょう。岡山県知事とお会いして、大臣は非常にものをはっきり申しておりますね。雑誌に出ているのですよ。読んでみましょうか。「特別事業債の元利償還については、禍根を残してはいかぬから、きちっと制度として償還交付金という形でこれは年度割りにして返すという法律をつくってしまうつもりです。そうしておけば異議はないわけですから。」そうしたら岡山の知事が「ありがとうございました。」こう答えているのですよ。これは雑誌にあまねく出ているのですよ。いまの財政局長の答弁と大臣が岡山県知事に答えたのとは違うでしょう。これは後顧の憂いなく法律でびしゃっとやっちゃうというのですから、食い違いがありますよ。大臣ちょっと答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/52
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053・赤澤正道
○赤澤国務大臣 確かに座談会をやった記憶がありまして、だいぶ調子のいいことを言った記憶があるわけでございますが、根本はやはり、覚書を同じ政府の中で文書にまでして取りかわす必要があるのかといって、きのうだいぶやられたわけなんですけれども、あの覚書をつくりましたときは、やっぱりものの考え方が、将来ああいったことは別に考えていなかったとか言われちゃ困りますので、そういう表現をとったわけでございまして、とにかく将来ともこのことの議論の根が断ち切れるという意味でぴしゃっとやりたいという一心でそれをつくったわけでございます。ただ、法律にすること、それからまた、ちょっと幅を広げたような表現を片一方はとっておりまするけれども、やっぱり法律、政令その他交えて技術上の問題でございまして、実際は事務当局と協議いたしましてその覚書をつくったわけでございますけれども、腹のうちは、何でも再びこんなことでいざこざがないようにしたいということでやったことでございまするので、これはひとつ御了承をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/53
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054・細谷治嘉
○細谷委員 大臣も、はからずもちょっと景気のいいことを言い過ぎたというのですが、もう一ぺん読みます。「特別事業債の元利償還については、禍根を残してはいかぬから、きちっと制度として償還交付金という形でこれは年度割りにして返すという法律をつくってしまうつもりです。」たいへん明確なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/54
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055・細郷道一
○細郷政府委員 座談会でございますから、私はその記事を読んでおりませんのでよく知りませんが、大臣としては、やはりはっきりきめておきたい、こういうお気持ちを強く表現されたのだろうと思います。今回御提案申し上げております中でも、附則におきましてそれを出すんだということをはっきり定め、何年度までどういうやり方でやるんだということを定め、そしてその計算の基準を政令で定める、こういうことでございますので、厳格に言えば法律、政令をもって、こう言うところでございますけれども、普通こういうことできめておりますれば、法律をもってきめている、しろうとにはわかりやすいことばではなかろうか、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/55
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056・細谷治嘉
○細谷委員 あなたに私は冒頭質問したら、一項の法律をもって定めるというのと、三項の特別事業債については法制的に確立するということについては、ちょっと意味が違うんだとあなたは言っておったんだ。ところが、そういうことであるのだと、大臣は景気のいいことばで言っちゃったと言っているけれども、はっきり「法律をつくってしまうつもりです。」こういうことを言っている。私はこの覚書を見たとき、「法制的に確立する。」とあるから、ははあ、なるほどずいぶん用心深いことばで表現しているなと読んだ。ところが、大臣が岡山県知事に、知事会の代表ですが、ああいうことばを言ったものですから、なるほど法律をもって定めると言っているが、法制的に確立するというのは法律的に確立する、こういうことでごまかしがないな、あるいは、ごまかしというのは少しことばが何ですが、あとで心配がないような形でぴしゃっとするな、きちっとするな、こう思っておったわけですよ。ところがさにあらず、たいへん不満です。これは大臣、景気のいい話ばかり話しても困るのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/56
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057・細郷道一
○細郷政府委員 普通、法律をつくりますときに、御承知のように政令に委任をする部分があるのが一般的でございます。特に今回の場合も計算のしかたを委任をしておるのでございまして、地方団体に対しまする交付金が出ること、それから、それの配分のしかた等につきまして、あるいは年度等につきましては、すべて法律できめておりますので、これをもって足りる、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/57
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058・細谷治嘉
○細谷委員 これ以上ここで議論したくないのですけれども、私は、大臣の法律でぴしゃっと定めるというのは、こんな交付税の附則ではなくて、やはり独立の法律、名称はどうなるにしても、たとえば特別事業債交付金についての法律というような形でぴしゃっと書いて、そして、それの配り方は交付税の方式によるんだ、こういう形でならけっこうですよ。そうなっていないわけですね。附則に何条か入っただけです。これは私は大臣の考えとはたいへん違ったあり方だろうと思う。
そこで私は、どうしてそんなことを言うかといいますと、政令で定める基準による予算で定める額と、こういっているんですね。そうすると、特別会計のほう、いま大蔵のほうに出ておるものだと「予算で定めるところにより」と出ているわけです。交付税法のほうはどう書いているかといいますと「政令で定める基準に従い予算で定める額」と、こういうようにうたい方が違っておるわけです。きのうも林委員から、政令で定める基準というようなあいまいなことじゃならぬじゃないか、こう言っておりましたが、政令で定める基準でやった場合に、五十六年までにこの元利償還の総額は幾らになるお見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/58
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059・細郷道一
○細郷政府委員 政令の中におきまして、その前年度におきます交付団体分をそれぞれ定めて計算をするようにきめたいと思っております。したがいましで、五十六年度までの間に交付団体は多少の変動があろうと思いますので、実績をいまからはっきり申し上げることはできませんけれども、四十二年度の交付、不交付ということで分けてまいりますと、先般資料を御提出申し上げましたように、全部で、最初から終わりまでで千二百五億、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/59
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060・細谷治嘉
○細谷委員 「地方財政」という雑誌の二月号にあなたのところの人が書いておる数字は、総額千百億円余と書いてあるわけだ。あなたは千二百五億と言ったが、どっちがほんとうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/60
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061・細郷道一
○細郷政府委員 四十三年度以降でいきますと千百三十六億余でございますので、あるいはそのことを書いたのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/61
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062・細谷治嘉
○細谷委員 読んでみましょうか。「根本的な解決をみるに至った。この制度によれば、国は、昭和五十六年度まで、総額千百億円余の交付団体分の元利償還費所要額を、」云々と書いてあるわけです。これは四十三年度以降の金額をさしているんだということですか。千百三十六億だ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/62
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063・細郷道一
○細郷政府委員 先ほど申し上げました千二百五億のうち四十一、四十二年度を除いて、四十三年度以降は千百三十六億五千六百万でございますので、たぶんそれを言ったんじゃなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/63
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064・細谷治嘉
○細谷委員 ちょっとぼくは聞こえなかったが、四十三年度以降の分というわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/64
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065・細郷道一
○細郷政府委員 四十三年度以降ですと千百三十六億ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/65
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066・細谷治嘉
○細谷委員 ちょっとこれを書いた首藤さんいらっしゃいますが、そのおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/66
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067・首藤堯
○首藤説明員 そのとおりでございます。四十三年度以降の分を一応推計して書きました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/67
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068・細谷治嘉
○細谷委員 いままでの分でなくて、これからのものだということですね。わかりました。
ところで、私が非常に問題にして言ったのは、五十六年までですよ。大臣も五十六年までは大臣をやっていないでしょう。あなたも財政局長ではないはずですよ。われわれだって議員であるかどうかもわからぬ、生きておるかどうかもわからぬ。そういうことでありますから、大臣は法律できちっと定めなければならぬと、こういうふうに私は言っているのだと思います。現に表まで書いて、何年度には幾ら返します、何年度には幾ら返しますと、ぴしゃっと法律で書いた数字すらもがたがたにくずれ去ったことは御承知でしょう。財政局長、御承知でしょう。特別会計の法律に書いた百五十億と三百億の償還の計画というものはめちゃくちゃになっているのですよ。法律で書いた金額すらもめちゃくちゃに運用されている段階において、政令で定める基準でという形で、いまのところは千百億円程度見込まれます、それは四十二年度ベースでございます、こう言われたってぴんとこぬですよ。ですから、これはやはりはっきりしていただかぬといかぬ。せっかく後退に後退を続けてここに落ちついたわけなんだから、きちんとしていただかぬといかぬと思うのですよ。相沢さん、ずいぶんおかしいですね。きちんと確立していない、ふらふらしているでしょう。これは幽霊みたいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/68
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069・相沢英之
○相沢政府委員 特別事業債の元利償還交付金の額につきましては、これは特別事業債の範囲ははっきりとわかっております。それから交付団体に対してやる分もわかっております。したがいまして、この点は別に自治省と私どもとの間で、金額の算定方式等につきまして全然異論があるわけではございません。したがいまして、別に今後におきまして交付するところの交付金の額を、「政令で定める基準に従い予算で定める額」と、そういう表現にいたしましても、その額をどうこうするという考え方は毛頭ないのでございます。ただ、今後の交付、不交付団体の数がどうなるか、したがいまして交付すべき金額がどうなるかという点について、いまからびしゃっと金額を書くということは不適当なのではなかろうかということで、そういう表現に譲っているわけでございますから、御懸念のようなことは決してないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/69
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070・細谷治嘉
○細谷委員 それでは御懸念のようなことはないということでありますが、政令で定める基準ということでございますその政令というのは、一体どういう基準なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/70
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071・細郷道一
○細郷政府委員 まだ案でございますが、一つには、毎年度の償還交付金の額は書くわけでございます。それは年度ごとの元利償還額総体をまず書きまして、それからそれに乗ずべき率といたしまして、その当該年度の前年度の交付団体にかかる率をかけるのだということを書く、こういう考え方でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/71
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072・細谷治嘉
○細谷委員 いまお聞きしたのは、その政令の内容というのは、各年度の交付額というのは当該年度の元利償還額の総額かける前年度の基準財政需要額に算入された特別事業債の償還額の総額分の交付団体にかかる額と、こういうことですな。ちょっと四十三年度のものを計算してみてください。どうなりますか、九十億円はイコールどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/72
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073・細郷道一
○細郷政府委員 その計算でまいりますと、四十三年度は総額百十三億六千八百万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/73
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074・細谷治嘉
○細谷委員 交付、不交付団体の合計ということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/74
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075・細郷道一
○細郷政府委員 はい、そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/75
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076・細谷治嘉
○細谷委員 いわゆる百十三億六千八百万かける……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/76
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077・横手正
○横手説明員 四十三年度に例をとりまして御説明申し上げますと、四十三年度の交付、不交付込みの元利償還額の合計が百十三億六千八百万になります。前年度の交付、不交付の比率ということになりますと、四十二年度の交付、不交付の額が六十四億一千五百万で、そのうち交付団体分が五十二億三千六百万になりますので、六十四億一千五百万分の五十二億三千六百万、この比率をかけまして、四十三年度の交付団体分の額が約九十億という計算になってまいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/77
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078・細谷治嘉
○細谷委員 今年度のものは大体九十億になりますが、ことしはぴしゃっと合うようになっているが、いまのような数式でうまくいくかどうか、私はたいへんおそれるわけです。
そこで大臣、ここまできまったわけですから、すべて四十三年度のこのベースで理論償還費ということを出したわけでありますから、後退に後退を続けてきたわけです。もう四十三年度のがきまったこの段階で、元利償還が四十二年度は九十億だ、四十四年度は幾らだという一覧表をつくることが——これは独立の法律かあるいは附則でもけっこうでありますけれども、そうしておくことがいいと私は思うのですよ。そうでないと、前年度、前年度というのですから、五十六年になりますと五十五年のものが出てくるわけですから、これはてんでどうなるかわからぬ。しかも交付、不交付などということについては、おおよそ基準財政需要額をゴムのように伸び縮みさせておるのですから、基準財政需要額というのは、持っている金、食われる金の量によって単位費用も適当に伸ばし縮みしている。したがって、基準財政需要も伸び縮みしているわけですから、その年になってみなければわからぬというわけです。これではめども立たないですよ。大臣は、地方債の場合に、将来にわたって長期に安定するような方途を講じたという一点張りでお答えしましたが、将来計画を立てるために、五十六年度はきまったけれどもスポット、スポットではきまらない、その年にならないときまらない、こういうことではいかぬのであって、せっかくここまできて締めくくりをつけたのでありますから、この四十二年度のベースで理論償還費をわずらわされているのですから、そのとおり法律にぴしゃっと数字をお書き込みになったほうが、自治省と大蔵省の間に紛争も起こしませんし、地方団体は将来計画上好ましいのではないか、また財政局も交付税の計算にたいへんやりいいのじゃないか、こう私は思うのでございますが、ひとつ両省の意見を聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/78
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079・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もともと大蔵大臣の地方団体には御迷惑をかけないという速記録をたよりにして始まったことですから、不安を感じまして、これはぴしっと法律できめたに越したことはないと思って、汗をかいていろいろと議論したわけでございます。それがいま実にこまかいことについての御指摘になってしまいまして、たいへん信用がないみたいになってしまったわけですが、しかし、御指摘のような簡単な表にするということも一つの方法であることはわかります。もちろん検討の対象でございますが、もともと四十一年度において特別に発行を許可された地方債の額ははっきりしておるわけでございます。それを年次的にそういうことで償還交付金を交付することも法律にはっきりしておるわけでございまして、九百十四億の元金がきまっておる以上、年度ごとの償還金は客観的にきまってくるわけでございますので、何もそうこまかく一覧表までつくっておかなければならぬということもない、かように私どもは判断いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/79
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080・細谷治嘉
○細谷委員 法律でも当てにならぬ。いわんや政令の定める基準なんていうのは信用が置けない。残念ながら、去年の暮れ以来そういうふうな訓練を大臣からされていますからね。相沢さん、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/80
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081・相沢英之
○相沢政府委員 いま自治大臣から御答弁ございましたと同じ意見でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/81
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082・細谷治嘉
○細谷委員 細郷さん、交付、不交付というのはあなたのほうの今度の交付税の全体計画案で見ても、これはもうあなたの市は交付団体ですよというような形にしたようなものだ。一例をあげましょう。市町村の四十三年度の普通交付税の全体計画というのを見てみますと、市町村の不交付団体というのは基準財政需要額の増加額が五百四十一億円ですよ。基準財政収入額等の増加額は四百六十五億円ですよ。全体をとってみますと、これは収入額より需要額が上回っておりますから、市町村の不交付団体は交付団体に転落じゃないですか。あなたのほうは、しきりに今度は交付について市町村に重点を置いてやったと言うけれども、これは四十二年度の区分によってやったにしても、スタートがこうなっておるのです。四十二年度の区分によって交付と不交付を分けて、それによって需要額をきめて、適当に単位費用をきめて、あと補正係数をかけて、そうして交付団体、不交付団体に若干の動揺があるということですから、ほんとうの意味における地方団体の財政需要に対応するような交付税になっておらぬのですよ。府県の場合は、不交付団体というのは、需要額が七百十八億円の増でありまして収入額の増が九百九十一億でありますから、収入額が上回っておるからこれはいいでしょう。市町村の場合は収入額が下回っておるんですよ。考えてやらなければいかぬですよ。こんな形でスタートして、全体計画というのができて、そうして世界に誇る巧緻な精細な交付税誇とっておりますが、これはスタートでも問題があるんですよ。こんな形で出てくるものに、政令で定める基準で特別事業債がきめられるということになりますから、交付税そのものにも今日根本的に不安がある。表面上は枝ぶりはいい、葉っぱもよく出ておるようでありますけれども、幹のしんのほうは虫が食いかけておる。市町村の財政実態に即応したような交付税制度になっておらぬ、こういうことがこの一例からもいえるじゃありませんか。例はたくさんありますけれども、この一例からでもいえるじゃないですか。言ってみれば、市町村は、不交付団体は全部交付団体に転落してしまっているのだ。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/82
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083・細郷道一
○細郷政府委員 この四十三年度の市町村の不交付の需要増は五百四十一億、基準財政収入額の増は四百六十五億といま見込んでおるわけでございます。いま、お話ですと、この額が少ないから不交付から交付になる団体が多いんじゃないか、こういう御指摘だろうと思います。あるいは多少多くなるかもしれないと思います。ただこれはグロスの数字でございますから、不交付団体の超過額が小さくなるという場合もあり得ますので、この数字のとおりに団体の数が動くとは私ども考えておりません。
そこで、政令で定めますのは、こういういろいろ各費目ごとに積み上げてできました交付税の計算においての交付団体をとるわけでございまして、政令ではそれをとるということを書くだけでございますので、いわば政令によって左右されるものではなくして、むしろ交付税全体の客観的にできます需要額、収入額、その対比において問題はきまる、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/83
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084・細谷治嘉
○細谷委員 私はいまはしょる意味において二つ指摘したわけだ。グロスの話ですが、こういうあなよのグロスの計画によって、都道府県には千百九億円の普通交付税が参ります。市町村には九百五十一億円の交付税の増がございます。しかし、そういうグロスの内容を見てみますと、市町村の不交付団体といわれているのは、基準財政収入額よりも需要額が上回っておるじゃないか。こういうことになりますと、グロスのスタートに問題があるではないか。こういう県と市町村との配分が前提となって単位費用等がきめられる、こういうことになるわけですから、交付税制度自体にも今日根本的な問題が出てきているじゃないか。
もう一つは、特別事業債がそういうことによって五十六年まで計算されるとなりますと、千百三十六億これからもらえるという、いまのベースではそうなるわけですけれども、これも五十六年までなって計算してみなければわからぬということになるんじゃないか、こういうふうに私は申し上げているわけです。大臣ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/84
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085・細郷道一
○細郷政府委員 交付税の需要の算定については、私どももいろいろ問題のあることを意識しております。これはこれとして検討していかなければならないと思います。
それから、この特別償還金の千百三十六億につきましては、いまは実際のところだれも実は厳格な意味では計算ができないという形になっております。今後の交付税の計算によります交付、不交付によりますわけでございますから、場合によりますれば、千百三十六億よりふえるということも考えられますし、減ることもあろうか、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/85
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086・細谷治嘉
○細谷委員 減ることもある、ふえることもありますというと、ますます福田大臣が答えた、特別事業債をもらった地方団体には迷惑をかけませんという大原則に反してくるんじゃないですか。反してくるというよりも、それからだんだん離れていくんじゃないですか。そうなりますね。だれもがわからぬ。だれもがわからぬから、政令で定める基準で予算で定める額、こうなったんだというのですから、たいへんなことじゃないですか。あなたもわかっていないというんだからな。そんなばかなことはないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/86
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087・細郷道一
○細郷政府委員 計算の問題でございますので、考え方がきまっておりますれば、客観的にはきまっている、こういうことであろうと思います。その考え方は、先ほど来申し上げているようなことでございます。前年の交付団体率をかける、その数字が幾らになるかということはきまらない、それはそのつどきまっていく、こういうことでございまして、こういう方式を確立することによって、私はやはり迷惑をかけないということばの趣旨には合っていると思います。それが十分であるのか十分でないのかは、先ほど来いろいろ御議論になった点は残ると思いますけれども、本件に関しましては、そういうふうに処理してよろしいものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/87
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088・細谷治嘉
○細谷委員 これも議論してみると果てしないのです。従来のいきさつからいきますと、ますます不得要領になっておるわけなんで、これ以上ここでは申し上げませんけれども、やはり問題点であるということだけをあげて、ちょっと留保しておきます。
それから、ちょっとお尋ねしますが、ベースアップの財源についても委員会から出たのでありますけれども、お尋ねいたしたいことは、人事院勧告は、これに拘束されないわけですね。そうでしょう。国家公務員のことですから拘束されませんね。人事院勧告が出てきた、物価も相当上がっているわけですから、七百五十億円というものを組んでおりますけれども、おさまらなくなった場合の地方財政計画なり交付税はどうなるのでございましょうか。仮定の問題にはお答えできないということじゃないと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/88
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089・赤澤正道
○赤澤国務大臣 仮定の問題でございますから、七百五十億がどれだけふえるか、足りなくなるか、そこのところはちょっと予見しがたいのですが、たてまえとしては、やはり人事院の勧告というものは十分尊重するたてまえになっておりますし、地方公務員の場合は国家公務員に準ずるという考え方で処理するわけでございます。しかし、実際勧告がありまして、政府が態度をきめますときには、やはり地方公務員の立場も考えて、私たちはそれに即応した案をその時点で立てなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/89
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090・細谷治嘉
○細谷委員 事態に即応するように案を立てるということは、必要があれば財政計画の変更なり交付税等の特例措置も講ずる、こういう意味に解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/90
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091・赤澤正道
○赤澤国務大臣 そういうことも全部まだわからぬわけでございまして、仮定でも、災害も給与も同じことですが、経済情勢あるいは災害などはたいへんな激変が絶対ないとは言えぬわけですけれども、私どもは年度問を通じて大体どの程度の変化があるだろうということは、いろいろな資料から一つの推測もいたしておりまするので、まずまずだいじょうぶであるということでやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/91
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092・細谷治嘉
○細谷委員 まずまずだいじょうぶだけれども、勧告は拘束されないわけで、それに準じて地方公務員の措置が行なわれるわけでありますから、場合によっては、自治省はもう当初に七百五十億円見ているんだから、地方財政計画の変更も、あるいは交付税なり何らかのことも考えない、こんなことではないということですね。必要があれば具体的な措置、対策を講ずる、こういうことに理解してよろしいわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/92
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093・赤澤正道
○赤澤国務大臣 その時点になりませんと、いまからどういう変化が起こった場合はどうするということは、あらかじめ申し上げる段階ではございませんので、その程度の答弁でお許しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/93
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094・細谷治嘉
○細谷委員 ところで、今度の財政計画では、国のほうに合わせまして定昇は二・九%に押えたわけですね。そうでしょう。人員削減も国に合わせたわけでしょう。大体国のほうは去年から二・九になっているんだ。しかし自治省の言い分は、地方財政計画というのは年度途中で変更できないのでそうしたんだ。いままで一年間おくらせたんだけれども、今度は大体それでいいんだ。それに退職金関係の計画に少しパーセントをふやしたから、有無相通ずることで何とかやっていけるだろう、こういうことなんですが、そんなことでよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/94
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095・細郷道一
○細郷政府委員 昇給率あるいは退職手事率、いずれも実績を見て直したものでございまして、国家公務員ベースで全部の団体がやればこれでいけるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/95
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096・細谷治嘉
○細谷委員 国家公務員ベースでいけばいけると言うけれども、給与関係というのは、財政局長、御存じでしょう、大体国の一・五倍くらいかかるというのが常識になっているわけです、財政上も。ですから私は、機械的にすべてを国に右へならえして二・九に定昇率をしたということも問題があろうかと思うのですが、大臣のマクロな形の答弁をさっきいただきましたが、相沢さん、ちょっとあなたに聞いておきたいのですが、あなたのほうも自治省も同じように、地方財政硬直化の原因は人件費だ、こう言っているのですが、そういうふうに見ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/96
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097・相沢英之
○相沢政府委員 地方財政の硬直化の原因のもちろんすべてではありませんが、その一つの大きな要因であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/97
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098・細谷治嘉
○細谷委員 自治省はどう見ているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/98
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099・細郷道一
○細郷政府委員 この間うちからしばしば申し上げておりますように、財政構造あるいはその背景にあります行政関係、いろいろな点で硬直化要因があるわけでございますが、人件費についてもやはりその一つであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/99
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100・細谷治嘉
○細谷委員 ところが、地方財政計画をその一年度で見るんじゃなくて、地方財政計画なりあるいは地方財政の決算の状況等を見ますると、人件費というのは、十年くらい前と比べますと、おおよそ五、六%構成比率が減ってきているのですよ。これはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/100
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101・細郷道一
○細郷政府委員 私いま数字は持っておりませんが、この数年を見ましても、一時落ちてまた少し上がっているという姿であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/101
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102・細谷治嘉
○細谷委員 一時落ちて上がったのではなくて、五、六%構成比率が減ってきていることをお認めになるかということを言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/102
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103・細郷道一
○細郷政府委員 財政規模に占めます構成比率は、おっしゃるとおり少し下がっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/103
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104・細谷治嘉
○細谷委員 そうしますと、何が上がっておりますか。一番顕著な上がりは、公共事業を中心としたものがおよそ一割くらい上がっているのですよ。これもお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/104
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105・細郷道一
○細郷政府委員 投資的事業の増が出ておりますことは認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/105
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106・細谷治嘉
○細谷委員 端的に言いますと、人件費の五、六%の構成比率の減、国庫補助の伸びというのが大体三%か四%くらい、加えておよそ一〇%くらいの公共事業の伸びにそういうものが投資されておる。ことばをかえて言いますと、地方財政の硬直化の原因あるいは地方財政の姿勢というのは、公共事業重点ということで、いまや人件費の硬直化という問題よりも大きな負担というのはそこにきている、こういうふうに地方財政計画の推移を見ていると言わなければならぬと思うのでありますが、これはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/106
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107・細郷道一
○細郷政府委員 おっしゃる点も一つの原因であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/107
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108・細谷治嘉
○細谷委員 おっしゃる点も一つなんて——決定的な流れはそういうことになっておる。これは客観的に数字で言うとあなた認めざるを得ないでしょう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/108
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109・細郷道一
○細郷政府委員 投資的経費の財政計画に占めます構成比率は、たとえば昭和三十四年で言いますれば二八・一%でございます。四十三年では三五・七%、その間消長はございますが、上がっておることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/109
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110・細谷治嘉
○細谷委員 大体そういう形をながめてみますと、私は、相沢さん、そういう意味であなたのほうは、地方財政はいまや出世して国家財政が没落したと言いますけれども、その辺の議論はきょうは申し上げませんけれども、今日地方財政は国のフィスカルポリシーというか国の政策にどんどん順応させられて、いまやその構成は私がいま指摘したようなかっこうになっておるということをお認めになると思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/110
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111・相沢英之
○相沢政府委員 歳出における経費の構成比率を見ますと、おっしゃるようなことが言えると思いますが、ただ、そのふえておりますところの投資的な経費につきましても、これは国の補助負担を伴う事業だけではございません。単独事業についてももちろんこれに含まれているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/111
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112・細谷治嘉
○細谷委員 これは私はあまり議論をしようとは思わないのです。大体そういう地方財政計画の推移をたどってきておる。こういうことからいって、原因は人件費だとか、こういうことはあまりおっしゃらぬがいいだろうし、また自治省自体も、地方財政が動けなくなったのは人件費の重圧なんだ、こういうことはおっしゃらぬで、あまりにも国の政策に唯々諾々と追随してきたところに、その根本的原因があると申さなければならぬと私は思うのです。大臣、私の考えは間違っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/112
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113・赤澤正道
○赤澤国務大臣 たびたび申しますとおりに、国のフィスカルポリシーと地方財政とは、私は無縁のものであると思っておりますが、しかし、国と地方公共団体というのはうらはらの関係にございますから、何も地方財政が国に従属するという、そういう表現は私は必ずしも当たっているとは思いませんけれども、これまた無縁のものではないわけでございますので、たびたび申し上げますように、国の政策にやはり地方団体も即応していくという姿勢が望ましいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/113
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114・細谷治嘉
○細谷委員 この程度にして、私は少し地方債の問題を、あまり議論がされておりませんから言うのでありますが、地方債の今度の計画におけるウエートというのはちょっと落ちておりますけれども、私は、地方債計画の構成自体ということもいろいろな議論があると思うのです。昨年くらいから自治省はしきりに、いまや地方債は量の問題じゃなくて質の向上と、こう言っているのですが、あまり質の向上はないんじゃないですか。ことしはどういうことになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/114
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115・細郷道一
○細郷政府委員 ことしは全体として、公募資金の伸びよりも政府資金の伸びをふやしております。そのほか地方債の中におきまして、御承知のように下水道事業につきましては、公庫資金を貸し出します場合の償還年限の延伸をはかり、それからまた水道事業につきましては七分債に引き下げの措置をとり、さらに高い料金の水道についての借りかえにつきましては七分にするというような措置をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/115
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116・細谷治嘉
○細谷委員 今度の地方債計画で資金コストはどうなっているのですか。たとえば一般会計債なんというのは減っているのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/116
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117・細郷道一
○細郷政府委員 総合した資金コストは、わずかでありますが下がっておると思いますが、いま数字を取り寄せてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/117
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118・細谷治嘉
○細谷委員 一般会計債の資金コストは上がっちゃっているじゃないですか。そうでしょう。一般会計債の資金コストは上がったでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/118
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119・細郷道一
○細郷政府委員 一般会計債につきましては、今回一般財源に振りかえた部分がございますので、その意味では一般会計債の従来式の計算をいたしますと多少上がっております。ただ、その下がりました部分につきましては、交付税の財政需要措置で一般財源で見る、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/119
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120・細谷治嘉
○細谷委員 そんなことじゃどうにもならぬのであって、やはり地方団体の財政というのは一般会計が主力なんだな。ほかのほうの資金コストは若干下がったことは認めます。認めますけれども、一般会計債だけの資金コストを上げて、いやそれはもう一般財源のほうで穴埋めしているんだということではどうにもならぬな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/120
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121・細郷道一
○細郷政府委員 起債の額そのものを下げておるわけでございまして、当然のことではございますが、一般財源の伸びがいいときには起債をそれだけ抑制をしていくということは考えられていいことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/121
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122・細谷治嘉
○細谷委員 その辺に今日の自治省の地方債計画のたいへん大きな基本的な姿勢、問題点があるのではないか、こう私は指摘せざるを得ないと思うのですよ。一体今日、政府資金の比率というのは過去と比べてどういうふうになっているんですか。質の改善だ、質の改善だと言っておりますけれども、向上のあとがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/122
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123・細郷道一
○細郷政府委員 地方債の政府資金の割合はまだ十分に伸びておりません。横ばいというところでございまして、なお努力しなければならぬだろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/123
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124・細谷治嘉
○細谷委員 相沢さん、地方債の質は、質の改善、質の改善と言われていますけれども、三十五、六年ぐらいと比べますとずいぶん低下しているんですよ。そうじゃないですか。これはお認めになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/124
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125・相沢英之
○相沢政府委員 実は財投の関係は理財局の所掌でございますので、詳しいことは存じませんけれども、地方債計画におきまして政府資金の率を高めるという主張は、従来からも自治省から出ております。四十三年度におきましても、そういう御要望を入れまして政府資金の割合も高めております。四十三年度におきまして政府資金のウエートは五九・三%、これは四十二年度の五八・五あるいは四十一年度の五七・六%よりも若干ではございますがその割合を引き上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/125
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126・細谷治嘉
○細谷委員 三十五年ごろは幾らだったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/126
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127・相沢英之
○相沢政府委員 三十五年度におきまして七七・三%であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/127
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128・細谷治嘉
○細谷委員 三十五年では七七%、四十三年では五九%、これは質の改善どころではないじゃないですか。ものすごい質の後退ですわ。質の改善ではなくて悪化だ。
さらにお尋ねしますが、六分五厘以下の利子の比率はどうなっていますか。——時間が足りませんからねえ。大体、質の改善なんて言っているんなら、前の年あたりと比べて〇・何々%上がったぐらいで胸を張っておっては困るわけだ。三十五年度からといったって、六分五厘以下の比率はものすごく下がっていますよ。この構成比は話にならぬように下がっているんです。質の改善なんてもう言わぬでいただきたいね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/128
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129・細郷道一
○細郷政府委員 先ほどお答えを保留しておきました地方債計画全体の資金コストですが、四十二年度は六分九厘一毛六糸でございましたが、今回は六分八厘九毛七糸、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/129
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130・細谷治嘉
○細谷委員 私はそれを聞いてないのだ。去年と比べて全体としてわずかに資金コストが下がっておる。それはあなたがおっしゃった数字どおりだ。私が聞いているのは、今度の六分五厘以下の利子というのは、一体どのくらいのパーセントになっておるのかを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/130
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131・細郷道一
○細郷政府委員 地方債計画の中で政府資金の占めます割合は、今回は五九・三%でございます。これは昨年よりはわずかですが、上がっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/131
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132・細谷治嘉
○細谷委員 そこで大臣、大蔵省、だんだん質の下がった地方債を与えて——まだワク外債とかいろいろありますよ。それでさっきも私質問したのですけれども、二百五十億円の低利の政府資金だけを繰り上げ償還させておいて、質の向上、質の向上と言っているかと思うと——地方債の資金コストというのは六・九一六%が六・八九七%とわずか下がりました、質の改善が進みましたと言っておりますが、三十五年くらいと比べますと、政府資金は七八%あったのがいまや五九%だ、大体二〇%も下がっておる。六分五厘以下の利子はどのくらい占めておるかと聞きますと、ちょっとこれも数字が出てこない。こういうことで、安い政府資金の既往債は繰り上げ償還させるわ、そしてこういう形で資金コストは、全体の大きな流れからいくと、推移は後退をしておるということで、質の改善なんて自治省も言うことはできないでしょう。大蔵省もまたどうしてこんな資金しか与えないのですか。そんなことを言って、地方財政が出世したなんということで財政当局としての力で押し切るなんてことはけしからぬよ。大臣、そんな政府資金の比較的安い二百五十億円じゃなくて、返すのなら利子の高いものを返すようにしたらどうですか、ひもつきだ、ひもつきだと私は申し上げたのですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/132
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133・細郷道一
○細郷政府委員 二百五十億を公共災害で繰り上げをいたしましたのは、一つには、先ほどお答えいたしましたように、災害復旧債でございますので、いわばその質としては、前向きでない、うしろ向きの施設のための借金である。それからいま一つは、将来の地方財政を全体としてそれだけ健全化の要因を高めるという意味におきまして、年年交付税で見ております公共災害債の償還を今回繰り上げる、こういうような考え方から選んだものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/133
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134・細谷治嘉
○細谷委員 的確な答弁が得られないわけです。大臣、私が申し上げたとおり、地方債の質の向上ということは、自治省もここ数年来叫びに叫んでおりますけれども、残念ながら前進どころか後退を続けるというのは、先ほどの三十五年と比べただけでももうはっきりしているわけですよ。少なくとも地方債については、量の問題よりも質の向上こそ今日重要ではないか、こう私は思うのですが、この点については最大限の努力をひとつしていただかなければならぬと思います。これについて大臣の決意のほどと、大蔵省のこの問題についての考え方を、この際ひとつ述べていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/134
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135・赤澤正道
○赤澤国務大臣 細谷さんのその分析にはたいへん敬意を表しながら、いま聞いておりました。自治省の財政当局も、役所へ帰れば十分分析した資料を持っておると思いますが、たまたまここへ持ち合わせておらなかったから答弁に少し手間がかかったのじゃないかと思いますけれども、御指摘のとおりでございまして、やはりそういった点には十分配意をいたしまして、地方団体の少しでも喜ぶことを私たちはするためにこうして毎日努力しておりまするので、御趣旨は十分尊重して検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/135
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136・相沢英之
○相沢政府委員 地方債において占めますところの政府資金の比率がはなはだ少ないではないかというおしかりがございましたが、先ほど申し上げましたとおり、この両三年は毎年政府資金の割合を高めているわけでございます。それでも地方債全体といたしまして、三十五、六年ごろに対して現在非常に政府資金の割合が低いではないかというおしかりがございましたが、これは財政投融資計画の全体を見てみましてもおわかりいただけると思いますが、やはり郵貯、厚生年金等の政府資金の伸びが、どっちかというと停滞いたしておりまして、財政投融資計画における原資の中で、公募債、借り入れ金等の比率が上がっております。これは財政、金融の一体化と申しますか、民間の資金をできるだけそういう投融資計画に取り込むという、これは一つは政府資金が伸びないということとの関連があるかと思いますが、そういうような考え方に基づきまして、政保債の増額というような形で、投融資計画において占める公募債、借り入れ金のウエートが増加しておるわけでございます。このことはやはり地方債計画の中においても言えるわけでございまして、地方債の中において占める公募債、そのうち特に銀行その他の金融機関からの借り入れによるところの資金が、三十五年当時と比べますと、相当ふえております。しかも、その対象は公営企業でございます。そういった点で公営企業の借り入れ金の金利負担ということが問題になり、公営企業の再建問題との関連において非常にやかましくなっているわけでございます。私どもも、そういう点につきましては自治省と十分協議いたしまして、先ほど財政局長から答弁もございましたように、あるいは金利の引き下げ、低利借りかえ、あるいは償還期限の延伸等、まだまだ不十分というおしかりはあろうかと存じますけれども、そういうような金利負担の軽減という方向で努力しておりますし、今後もそういった方向で十分相談して努力していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/136
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137・細谷治嘉
○細谷委員 いまの前段のことばを受け取りますと、私もものを言わなければならぬ点が出てきたと思うのです。いずれにいたしましても、あなたのほうは国と地方の財政は、車の両輪だと言っているわけだ。その車の両輪だと言っておる地方団体に、政府資金というのは重点的に投入すべきですよ。それを数年前よりもかえって後退させて、そしてやかましく自治省等で質の向上等を言いだしたら、ほんの〇・〇〇その次のところに有効数字が出るようなパーセントの資金コストの改善くらいで事は済むものじゃないと私は思うのです。この点については、ひとつ自治省もむろんでありますけれども、大蔵省、両輪とおっしゃるのなら、やはりそれにこたえるべきだと私は思うのです。
委員長、時間が一時前になってしまいましたので、私はこの問題についてのほかに、地方公営企業の問題なり、あるいは過疎、過密の問題なり、消防の問題なり、幾つかまだどうしても明らかにしておかなければならぬ点があるわけでありますけれども、その点は保留して、一点だけ聞いておきたいことがあるのです。
今度借りかえ債というのがありますが、二十億円なんですね。この借りかえ債二十億円は、水道の利子の高いところ、資本費の高いところ、こういうところに割り当てるということです。借りかえ債の認可の問題については、どうも若干問題があることを指摘したいのであります。どうですか、その借りかえ債というのは、ことしは幾ら要求したのですか。借りかえ債の条件、資金コストも問題がありますけれども、大蔵省に幾ら要求したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/137
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138・細郷道一
○細郷政府委員 百五十億です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/138
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139・細谷治嘉
○細谷委員 次長、百五十億借りかえ債を要望したのだそうですが、どうして二十億に切ったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/139
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140・相沢英之
○相沢政府委員 これも理財局から答弁いたすのがしかるべきかと存じますが、借りかえ債につきましては、従来大蔵省といたしましてはきわめて消極的でございます。というのは、何と申しますか、そういううしろ向きの融資の性格を持つ、つまりそれによって新しく事業なり何なりが行なわれるという、それに対する貸し出しではなくて、既往の債務をただ肩がわりする、そういう種類の融資というのは、あまり好ましくないという考え方があるわけであります。そういったことで、当初自治省の御要求に対しまして全面的に理財局としてはお断わりするということで、話がなかなか進行しなかったわけでございますが、しかしながら、公営企業の実態を考えまして、やはりまあ漸進的ではあるが、その漸進的にもせよ、低利の借りかえを実施することがその再建に役立つではないかということで、そのところは、つまり方針といたしまして相当思い切って認めたというような経緯があるように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/140
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141・細谷治嘉
○細谷委員 百五十億を要求して昨年と同額の二十億円、理由はうしろ向きだから。何か建設に投資するのならば金はつけるけれども、企業の借りかえなんというのはうしろ向きだ。なるほどね。今度の地方債計画で、特別地方債なんというのは押えましたね。民生関係のやつは押えましたね。病院の特別会計問題ではもつれておりますね。それが大蔵省の姿勢ですか。病人になったらなおさなければいかぬでしょう。企業の再建もやらなければならぬでしょう。それがうしろ向きなんですか。何でもかんでも投資することだけが前向きであって、一度病気になった人をなおすのは、これがうしろ向きなんですか。たいへんな問題があります。そんな姿勢では、とても了解できない。
それから、もう一つこれと関連しまして。公営企業金融公庫の出資なんというのは、他の金融機関と比べますと、これは焼け石に水じゃないですか。ことしは幾らですか。二億か何か増加したのですか。例を申しますと、ことしはたしか二億増加いたしましたから、三十二億か三億でしょう。ところが、片や国民金融公庫の二百億、住宅金融公庫は九百七十一億、農林漁業金融公庫は千六百八十二億、中小企業金融公庫でも二百四十九億、こういうことを見ますと、大蔵の姿勢というのは、地方団体のやることはみなうしろ向きなんだ、公営企業金融公庫なんて要らぬのだ、こういう考えに立っているとしか思われない。私は、公営企業金融公庫にはもっと大幅な出資をして、そうしていま病気にかかっている企業もなおしてやらなければならぬ。もっと地方公共団体の金融機関として充実してやるべきだと私は思っているのですけれども、これについてひとつ大臣と大蔵の意見だけ聞いて、あとの問題は留保して終わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/141
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142・細郷道一
○細郷政府委員 私も、借りかえ債については、いままであまり力が入っておりませんでした。今年はいろいろな公営企業の実態等を見ておりますと、もう少しこれに力を入れていいのではないだろうかという考えのもとに、当初百五十億ということで要求したわけであります。結果は水道も入れて四十億ということでございまして、私はまだ十分だとは思っておりません。公営企業の実態を見ながら、将来もこういう問題についてひとつ取っ組んでまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/142
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143・赤澤正道
○赤澤国務大臣 その問題は、私たちも、議員でなくて、事業をやります際に非常に痛感することでございまして、A銀行で融資を受けておって、なかなか事業がうまくいかぬ。事業を回復して利益をあげますためには、新しい計画を組む。そうすると、新しい計画に対してまた融資を頼んでも、なかなか出してくれない。そこで今度はB銀行へ融資を頼みに行く。新しい前向きの分には金を貸すけれども、旧債を埋める分はお断わりだ。これが普通通例になっている。そのために、せっかく立ち直るはずの企業が立ち直らぬ場合がよくあることを、私たちは地方で日常ずいぶん苦い経験を見てきておるわけでございます。こういうことは、やはり公営企業だって私は同じことだと思う。いま御指摘になりますことは、やはり事業を経営するものにとってみれば痛切に感じることでもございますから、いまうしろ向き、前向きということがあったけれども、これはやはり企業経営へ融資するものの姿勢の問題としては、私はやはりいまの単にうしろ向きだからだめだという考え方は捨てて、もっと根本から立ち直るような方向で資金のめんどうを見るのが当然だと思いますし、そういう方向で検討していきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/143
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144・吉川久衛
○吉川委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後一時休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02319680419/144
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