1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月七日(火曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 古川 久衛君
理事 大石 八治君 理事 奧野 誠亮君
理事 塩川正十郎君 理事 古屋 亨君
理事 細谷 治嘉君 理事 山口 鶴男君
理事 折小野良一君
青木 正久君 岡崎 英城君
亀山 孝一君 辻 寛一君
中尾 栄一君 永山 忠則君
藤田 義光君 山口シヅエ君
井岡 大治君 太田 一夫君
山本弥之助君 依田 圭五君
門司 亮君 小濱 新次君
谷口善太郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省行政局長 長野 士郎君
消防庁次長 山本 弘君
委員外の出席者
参議院議員 船田 譲君
人事院事務総局
職員局職員課長 菅原 馨君
自治省行政局公
務員部長 鎌田 要人君
専 門 員 越村安太郎君
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四月二十四日
委員木野晴夫君辞任につき、その補欠として長
谷川四郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
委員三木喜夫君辞任につき、その補欠として松
本七郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員松本七郎君辞任につき、その補欠として三
木喜夫君が議長の指名で委員に選任された。
五月六日
委員三木喜夫君辞任につき、その補欠として木
原津與志君が議長の指名で委員に選任された。
―――――――――――――
四月二十四日
消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案
(内閣提出第八四号)(参議院送付)
同月二十六日
地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六七号)
同月二十三日
地方公務員の定年制法制化反対に関する請願
(安宅常彦君紹介)(第四三二〇号)
同外一件(井手以誠君紹介)(第四三二一号)
同(伊賀定盛君紹介)(第四三二二号)
同外二件(石田宥全君紹介)(第四三二三号)
同外三件(石橋政嗣君紹介)(第四三二四号)
同外二件(枝村要作君紹介)(第四三二五号)
同(勝澤芳雄君紹介)(第四三二六号)
同(金丸徳重君紹介)(第四三二七号)
同外三件(神門至馬夫君紹介)(第四三二八号)
同(武部文君紹介)(第四三二九号)
同(中嶋英夫君紹介)(第四三三〇号)
同(中村重光君紹介)(第四三三一号)
同(楢崎弥之助君紹介)(第四三三二号)
同(西宮弘君紹介)(第四三三三号)
同(畑和君紹介)(第四三三四号)
同外一件(原茂君紹介)(第四三三五号)
同(平林剛君紹介)(第四三三六号)
同(三木喜夫君紹介)(第四三三七号)
同(武藤山治君紹介)(第四三三八号)
同外三件(八木昇君紹介)(第四三三九号)
同外二件(山田耻君紹介)(第四三四〇号)
同(依田圭五君紹介)(第四三四一号)
同(阿部助哉君紹介)(第四三六四号)
同(大柴滋夫君紹介)(第四三六五号)
同(勝澤芳雄君紹介)(第四三六六号)
同(神近市子君紹介)(第四三六七号)
同(川村継義君紹介)(第四三六八号)
同(後藤俊男君紹介)(第四三六九号)
同(高田富之君紹介)(第四三七〇号)
同(武部文君紹介)(第四三七一号)
同(只松祐治君紹介)(第四三七二号)
同(楯兼次郎君紹介)(第四三七三号)
同(中嶋英夫君紹介)(第四三七四号)
同(楢崎弥之助君紹介)(第四三七五号)
同(西宮弘君紹介)(第四三七六号)
同(野間千代三君紹介)(第四三七七号)
同(長谷川正三君紹介)(第四三七八号)
同(原茂君紹介)(第四三七九号)
同(細谷治嘉君紹介)(第四三八〇号)
同(村山喜一君紹介)(第四三八一号)
同(森義視君紹介)(第四三八二号)
同(八木昇君紹介)(第四三八三号)
同(米内山義一郎君紹介)(第四三八四号)
同(井上普方君紹介)(第四四八三号)
同(江田三郎君紹介)(第四四八四号)
同(大原亨君紹介)(第四四八五号)
同(角屋堅次郎君紹介)(第四四八六号)
同(金丸徳重君紹介)(第四四八七号)
同(久保三郎君紹介)(第四四八八号)
同(佐野憲治君紹介)(第四四八九号)
同(佐野進君紹介)(第四四九〇号)
同(阪上安太郎君紹介)(第四四九一号)
同(西宮弘君紹介)(第四四九二号)
同(野口忠夫君紹介)(第四四九三号)
同(長谷川正三君紹介)(第四四九四号)
同(平林剛君紹介)(第四四九五号)
同(三木喜夫君紹介)(第四四九六号)
同(森義視君紹介)(第四四九七号)
同(八木昇君紹介)(第四四九八号)
山岳遭難救助活動費の国庫負担に関する請願
(小沢貞孝君紹介)(第四四七七号)
同(下平正一君紹介)(第四四七八号)
同(中澤茂一君紹介)(第四四七九号)
同(林百郎君紹介)(第四四八〇号)
同(原茂君紹介)(第四四八一号)
同(平等文成君紹介)(第四四八二号)
同月二十四日
地方公務員の定年制法制化反対に関する請願外
一件(井手以誠君紹介)(第四五四〇号)
同外一件(石川次夫君紹介)(第四五四一号)
同外一件(石田宥全君紹介)(第四五四二号)
同外一件(枝村要作君紹介)(第四五四三号)
同外一件(神近市子君紹介)(第四五四四号)
同外一件(兒玉末男君紹介)(第四五四五号)
同(神門至馬夫君紹介)(第四五四六号)
同(佐々栄三郎君紹介)(第四五四七号)
同(中村時雄君紹介)(第四五四八号)
同外一件(八木昇君紹介)(第四五四九号)
同外六件(阿部助哉君紹介)(第四五九九号)
同外二件(伊賀定盛君紹介)(第四六〇〇号)
同外一件(猪俣浩三君紹介)(第四六〇一号)
同(江田三郎君紹介)(第四六〇二号)
同外四件(大原亨君紹介)(第四六〇三号)
同(川崎寛治君紹介)(第四六〇四号)
同外三件(河野正君紹介)(第四六〇五号)
同外三件(後藤俊男君紹介)(第四六〇六号)
同(神門至馬夫君紹介)(第四六〇七号)
同外十一件(佐野憲治君紹介)(第四六〇八号)
同(斉藤正男君紹介)(第四六〇九号)
同(阪上安太郎君紹介)(第四六一〇号)
同外一件(只松祐治君紹介)(第四六一一号)
同外十件(内藤良平君紹介)(第四六一二号)
同外四件(楢崎弥之助君紹介)(第四六一三号)
同(野口忠夫君紹介)(第四六一四号)
同外一件(畑和君紹介)(第四六一五号)
同外二件(平等文成君紹介)(第四六一六号)
同(福岡義登君紹介)(第四六一七号)
同外七件(古川喜一君紹介)(第四六一八号)
同外三件(堀昌雄君紹介)(第四六一九号)
同外二件(松本七郎君紹介)(第四六二〇号)
同外五件(三木喜夫君紹介)(第四六二一号)
同外一件(三宅正一君紹介)(第四六二二号)
同外一件(村山喜一君紹介)(第四六二三号)
同(安井吉典君紹介)(第四六二四号)
同外四件(山口鶴男君紹介)(第四六二五号)
同(山中吾郎君紹介)(第四六二六号)
同外一件(米内山義一郎君紹介)(第四六二七号)
山岳遭難救助活動費の国庫負担に関する請願
(井出一太郎君紹介)(第四五五〇号)
同(小川平二君紹介)(第四五五一号)
同(吉川久衛君紹介)(第四五五二号)
同(小坂善太郎君紹介)(第四五五三号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第四五五四号)
同月三十日
地方公務員の定年制反対等に関する請願外八件
(岡本隆一君紹介)(第四九一〇号)
地方公務員の定年制法制化反対に関する請願外
七件(井手以誠君紹介)(第四九一一号)
同外三件(井上普方君紹介)(第四九一二号)
同(石川次夫君紹介)(第四九一三号)
同外五件(石田宥全君紹介)(第四九一四号)
同外一件(江田三郎君紹介)(第四九一五号)
同外三件(枝村要作君紹介)(第四九一六号)
同外一件(大原亨君紹介)(第四九一七号)
同外一件(角屋堅次郎君紹介)(第四九一八号)
同(金丸徳重君紹介)(第四九一九号)
同(神近市子君紹介)(第四九二〇号)
同外四件(川崎寛治君紹介)(第四九二一号)
同外二件(河上民雄君紹介)(第四九二二号)
同外一件(河野正君紹介)(第四九二三号)
同外五件(工藤良平君紹介)(第四九二四号)
同外二件(小林信一君紹介)(第四九二五号)
同外六件(兒玉末男君紹介)(第四九二六号)
同外二件(後藤俊男君紹介)(第四九二七号)
同(神門至馬夫君紹介)(第四九二八号)
同外一件(佐野憲治君紹介)(第四九二九号)
同外一件(斉藤正男君紹介)(第四九三〇号)
同外一件(阪上安太郎君紹介)(第四九三一号)
同外四件(田中武夫君紹介)(第四九三二号)
同外五件(多賀谷真稔君紹介)(第四九三三号)
同(中井徳次郎君紹介)(第四九三四号)
同外一件(野口忠夫君紹介)(第四九三五号)
同外四件(浜田光人君紹介)(第四九三六号)
同(平等文成君紹介)(第四九三七号)
同(福岡義登君紹介)(第四九三八号)
同外四件(細谷治嘉君紹介)(第四九三九号)
同外一件(堀昌雄君紹介)(第四九四〇号)
同外二件(松本七郎君紹介)(第四九四一号)
同(三木喜夫君紹介)(第四九四二号)
同外一件(八木昇君紹介)(第四九四三号)
同外三件(矢尾喜三郎君紹介)(第四九四四号)
同外一件(安井吉典君紹介)(第四九四五号)
同(山口鶴男君紹介)(第四九四六号)
同外一件(山中吾郎君紹介)(第四九四七号)
五月二日
山岳遭難救助活動費の国庫負担に関する請願
(増田甲子七君紹介)(第四九七六号)
地方公務員の定年制法制化反対に関する請願外
一件(赤路友藏君紹介)(第四九八二号)
同外一件(池田禎治君紹介)(第四九八三号)
同外一件(大橋敏雄君紹介)(第四九八四号)
同(折小野良一君紹介)(第四九八五号)
同外一件(神田大作君紹介)(第四九八六号)
同(神門至馬夫君紹介)(第四九八七号)
同(佐々木良作君紹介)(第四九八八号)
同外二件(中村時雄君紹介)(第四九八九号)
同(吉田之久君紹介)(第四九九〇号)
同(神門至馬夫君紹介)(第五〇〇〇号)
同(唐橋東君紹介)(第五〇八一号)
同(神門至馬夫君紹介)(第五〇八二号)
同外一件(後藤俊男君紹介)(第五〇八三号)
同(大原亨君紹介)(第五一一六号)
同(角屋堅次郎君紹介)(第五一一七号)
同(神田大作君紹介)(第五一一八号)
同外一件(神門至馬夫君紹介)(第五一一九号)
同(斉藤正男君紹介)(第五一二〇号)
同(阪上安太郎君紹介)(第五一二一号)
同(田畑金光君紹介)(第五一二二号)
同(野口忠夫君紹介)(第五一二三号)
同(林百郎君紹介)(第五一二四号)
同(堀昌雄君紹介)(第五一二五号)
同(門司亮君紹介)(第五一二六号)
同(安井吉典君紹介)(第五一二七号)
同(山下榮二君紹介)(第五一二八号)
同(山中吾郎君紹介)(第五一二九号)
地方公務員の定年制反対等に関する請願(塚本
三郎君紹介)(第四九九一号)
社会保険等行政事務及び職員の地方自治体移管
に関する請願(永末英一君紹介)(第五一一五号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
四月二十五日
町村行政の合理化に関する陳情書
(第二一九号)
公営競技収益金の均てん化反対に関する陳情書
(第二二〇号)
道路交通規制に関する陳情書
(第二二一号)
地方公務員等共済組合の制度改善に関する陳情
書
(第二二二号)
地方交付税制度改善に関する陳情書
(第二二三号)
指定寄付金等の解消に関する陳情書
(第二二四号)
農耕用トラクターに対する軽自動車税免除に関
する陳情書
(第二二五号)
地方事務官制度廃止に関する陳情書外三件
(第二二六号)
同(第三一〇号)
地方公共団体の超過負担解消に関する陳情書外
三件(第二二
七号)
同外五件(第
三〇七号)
統合校舎に対する起債増額に関する陳情書
(第二二八号)
地方公務員の定年制法制化反対に関する陳情書
(第三
〇五号)
地方財政の確立強化に関する陳情書
(第三〇六号)
地方公営企業の健全化に関する陳情書
(第三〇八号)
地方公務員の医療保険掛金軽減に関する陳情書
(第三〇九号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
昭和四十二年度における地方公務員等共済組合
法の規定による年金の額の改定等に関する法律
等の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案
(内閣提出第五八号)(参議院送付)
消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案
(内閣提出第八四号)(参議院送付)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/0
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001・吉川久衛
○吉川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案、参議院から送付されました内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案、同じく消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案、以上三案を議題とし、政府から順次提案理由の説明を聴取いたします。赤津自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/1
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002・赤澤正道
○赤澤国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由とその概要を御説明申し上げます。
政府は、恩給の年額を増額するため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願っておりますが、これに伴い地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずる必要があります。このほか、退職年金条例等の適用を受けた組合員の退職年金の受給資格の特例につき所要の改善措置を講ずる等の必要があります。これがこの法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
第一は、昭和四十二年度において実施いたしました地方公務員等共済組合法の規定による退職年金等の年額の引き上げ、すなわち、いわゆる二万円ベースの給料により算定した額の三二%増額の措置につきまして、今回その率を改め、四四%とすることといたしたのであります。なお、地方公務員等共済組合法の施行日前の期間を基礎として算出する部分につきましては、七十歳以上の者は五四・二%から六二%へ、六十五歳以上七十歳未満の者並びに六十五歳未満の妻、子及び孫は四四%から五四・二%へ、それぞれ増額した額に引き上げることとしております。
増加恩給の額が引き上げられることに伴い、地方公務員等共済組合法の規定による公務上の廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。
第三は、地方公務員共済組合の組合会の議員並びに地方公務員共済組合及び同連合会の役員の任期を二年から三年に延長することとしております。
第四は、地方公務員等共済組合法の施行の日の前日である昭和三十七年十一月三十日に退職年金条例の適用を受けていた地方公務員共済組合の組合員が退職した場合において、当該退職年金条例の適用を受けた在職年数に通算されない旧軍人の加算年その他の恩給法上の在職期間及び他の退職年金条例上の在職期間があるときは、これらの在職年数を含めて組合員期間が二十年未満であっても、国家公務員共済組合の取り扱いに準じ、退職年金の受給資格が得られるよう所要の措置を講ずることとしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
地方公務員の公務上の災害にかかる障害補償につきましては、地方公務員災害補償法別表に定める身体障害の程度に応じて補償がなされるのであります。最近において労働基準法及び労働者災害補償保険法による障害補償にかかる障害等級表が改正され、民間労働者が業務上の災害により精神又は神経系統の機能に障害を残し、服することのできる労務が相当な程度に制限されることとなる場合には、障害等級表の第九級の障害補償がなされることとされました。右に伴い、地方公務員についても、それとの均衡をはかるため、地方公務員災害補償法別表につき同様の改正を行なおうとするものであります。
以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
最近における社会経済の発達と科学技術の進歩に伴い、高層建築物、地下街等が急増する傾向にありますが、これらにかかる火災は特殊な態様を有し、一たび発生すると多大の損害をもたらすことが予想されるのであります。また、プロパンガス、石油類等の危険物品が近年ますます国民生活の中に浸透し、これらに起因する火災が多発しつつあるのであります。政府としてはこのような特殊な火災に対処する防災体制を整備するため、関係法令の改正についてかねてから種々検討してまいったのでありますが、その一環としてここに消防法及び消防組織法の一部について所要の改正を行なうことにいたしました。これがこの法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一は、高層建築物、地下街等における防火管理の徹底に関するものであります。管理についての権原が分かれている高層建築物、地下街等における一体的な防火管理を確保するため、当該権原を有する者が相互間において防火管理上必要な事項についてあらかじめ協議して定めておかなければならないこととするほか、高層建築物、地下街等において使用するどん帳、カーテン等は、防炎性能を有するものでなければならないことといたしております。なお、これらの措置と関連して、防火管理者の業務に、「避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理」を加えることといたしております。
第二は、消防機関の防災体制の整備に関するものであります。その一は、ガス、危険物等の漏洩、流出等の事故により危険が急迫している場合には、消防長または消防署長は火災警戒区域を設定し、火気の使用禁止、退去命令または出入の禁止制限の措置をとることができることとし、また、火災の現場において、消防職員または消防団員は、関係者に対し消火及び人命救助の活動に必要な情報の提供を求めることができることとしております。なお、消防本部を置かない市町村における予防査察を強化するため、常勤の消防団員に立ち入り検査権を与えることといたしております。その二は、消防機関の能力の向上をはかるため、消防署長の資格を政令で定めることとし、また、消防学校の教育訓練については消防庁が定める基準の確保につとめるべきこと等を定めております。
以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/2
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003・吉川久衛
○吉川委員長 以上で三案に対する提案理由の説明は終わりました。
なお、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案は、参議院の修正を経た議案でありますので、その修正の趣旨について説明を求めます。参議院議員船田譲君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/3
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004・船田譲
○船田参議院議員 ただいま議題となっております消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案のうち、参議院における修正部分について、修正の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
消防組織法に対する政府改正案は、市町村の消防機関に関する現行規定のうち、消防職員及び消防団員の訓練機関について当該規定を削除いたすこととしておりますが、市町村消防をたてまえとする現在の消防制度のもとにおきましては、市町村は訓練機関を設置することができる旨を規定しておくことが必要であると考えるのであります。
このような趣旨によりまして、修正案は、消防組織法第二十六条の改正規定を修正し、市及び町村は、消防職員及び消防団員の訓練を行なうために訓練機関を設置することができる旨を規定し、これに伴い、同法第四条の四の改正規定についても消防大学校は、市町村の訓練機関に対し必要な技術的援助を行なうよう修正いたしたのであります。
以上が、参議院における修正の趣旨及びその内容であります。
何とぞ御賛同を賜わるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/4
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005・吉川久衛
○吉川委員長 以上で修正の趣旨説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/5
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006・吉川久衛
○吉川委員長 次に、昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/6
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007・山口鶴男
○山口(鶴)委員 まず、大臣がおられますから、大臣の都合もあるでしょうから大臣にお尋ねいたします。
今回恩給法の改正がございまして、いわゆる満州から日本に参りました人たちに対して、恩給の期間通算をするという修正がなされました。地方公務員等共済組合につきましても、当然この措置は恩給法の改正に準じて行なわれるべきものと思いますが、大臣の御所見をまず承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/7
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008・赤澤正道
○赤澤国務大臣 当然そうなるというふうに考えており、しなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/8
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009・山口鶴男
○山口(鶴)委員 大臣の明快な答弁をいただきましたから、その点は了承いたします。
現在地方公務員等共済組合法の審議が行なわれておりますから、いまの大臣の御意見はわかりました。当然その御意見を反映して、今国会においてこの問題は処理すべきだと思いますが、そういう方向に委員会が行った場合は、自治省としても当然御異存はないと思いますが、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/9
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010・赤澤正道
○赤澤国務大臣 これは、政府全体としては、御案内のとおりに、いろいろ異論はあったわけでございまするけれども、一応御案内のとおりにその筋がきまりましたので、自治省としては、特に自治省の立場から異論を申し述べる筋合いではございませんので、ただいま申しましたように運びたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/10
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011・山口鶴男
○山口(鶴)委員 了解しました。
それでは事務的な問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
まず、今回の改正の趣旨は、本年の十月以降、恩給法の改正に伴いまして、地方公務員に対して同様の措置を行なうというのが主たる内容のようでありますが、これによりまして、恩給ベースの改定に伴いまして、当然地方公務員等共済組合のベースも変わるわけでありますが、今度は一体何円ベースになるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/11
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012・長野士郎
○長野政府委員 二万八千八百円ベースということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/12
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013・山口鶴男
○山口(鶴)委員 昨年も共済組合法の改正を行ないましたが、その際は何円ベースから何円ベースになったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/13
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014・長野士郎
○長野政府委員 二万四千円ベースから二万六千四百円ベースになったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/14
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015・山口鶴男
○山口(鶴)委員 当時、きわめて若干だったと思いますが、これに該当する方が地方公務員等共済組合の組合員の方にもございました。その改正に伴いますいわゆる退職年金の増額は、昨年の場合幾らぐらいだったわけでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/15
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016・長野士郎
○長野政府委員 昨年の場合を実はいま手元に資料を持っておりませんので後ほど御説明申し上げますが、今回の場合について申し上げますと、四十三年度におきまして、年金額の改定によりまして増加する費用は六千三百万円でございます。平年度に直しますと一億五千万円程度になります。また、いまちょっと御説明が不十分でございましたが、共済組合法の施行日前に給付事由の発生したものについての額がそういうことでございます。それから、施行日後に給付事由の発生したものについて、年金額の改定によりまして増額すべき費用は、四十三年度において二億百万円、平年度におきまして四億八千三百万円程度でございます。施行日前の一億五千万円といまの四億八千三百万円を合計いたしまして、平年度の増加額は六億三千三百万円程度に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/16
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017・山口鶴男
○山口(鶴)委員 それでは以前のほうはあとでお知らせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/17
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018・長野士郎
○長野政府委員 昨年の分について申し上げますと、四十二年度におきまして、いわゆる施行日前の増額に伴いますものが一億九百万円、それから施行日後の増額にかかわりますものが五千二百万円でございまして、四十二年度におきましては合計して一億六千群万円でございます。これを平年度に直しますと、いわゆる施行日前のものが二億六千二百万円、施行日後のものが一億二千五百万円でございます。平年度に直しますと、合計いたしまして三億八千七百万円ばかりに昨年は相なったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/18
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019・山口鶴男
○山口(鶴)委員 この昨年の三億八千万円のうち、当然追加費用で本来理論的に見なければならぬ額は幾らだったわけですか。共済組合の会計にその責めを帰すべきではなくて、追加費用でもって措置すべきものは昨年は幾らだったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/19
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020・長野士郎
○長野政府委員 三億八千七百万円が平年度の所要額でございますので、一二億八千五百八十万円ばかりが追加費用と相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/20
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021・山口鶴男
○山口(鶴)委員 昨年は追加費用で見るべきものに対して追加費用で見なかったということが当委員会でも問題になったと思うのですが、今年の場合、当然追加費用で見なければならぬものについては一体どのような財源措置がしてございますか、それをまずお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/21
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022・鎌田要人
○鎌田説明員 昨年の追加費用に要します所要財源につきましては、四十二年度の地方財政計画におきまして二百九十五億円を共済組合に関する経費の財源措置の中に織り込んでございます。また、今年度の分につきましては同じく三百七十四億円の中に織り込んでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/22
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023・山口鶴男
○山口(鶴)委員 共済組合等の引き上げに伴う増として地方財政計画に組み込んでおる額がありますね。これを見ますと、地方公務員共済組合負担金については、昨年度すでに改定された長期給付財源率の平年度化に伴い二十九億円の増を見込み、また、各共済組合の前年度における共済年金の給付状況に基づき精算を必要とする追加費用について所要の改定を行ない、これに要する額約三十億円を計上することにした。こうなっておりますから、昭和四十二年度の追加費用で見るべきものについては昭和四十三年度の地方財政計画で見ておるが、昭和四十三年度、今回法律改正に伴いまして、十月以降増額される面についての追加費用については、昭和四十三年度の地方財政計画には組んでいない、かようになるのではないですか。いまの公務員部長の答弁はちょっとおかしいのじゃないかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/23
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024・鎌田要人
○鎌田説明員 ちょっとあわてておりまして、おっしゃるとおりでございます。精算方式でございますので、四十三年度の三百七十四億円の中に四十二年度の精算分が入っておる、こういうことでございます。つつしんで訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/24
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025・山口鶴男
○山口(鶴)委員 そういう点はきちっとしてもらわぬと困ると思うのです。当然追加費用で見るべきものはきちっと見ていただく。もしこれがいいかげんでございますと、いわゆる財源率計算によって計算をいたしましたこの共済組合のいわば積み立て金の中から本来負担すべきでない費用まで負担されるということになれば、そうでなくても長期給付の掛け金が非常に高いということで組合員の間から非常な不満があるわけです。でありますから、その点についてきちっとした財源措置をやっていただかなければ、よけい組合員の人たちの不満は増すばかりだ、かように私は思うのです。したがいまして昨年度の改定に伴います追加費用については、昭和四十三年度の地財計画でもって措置をしたということでございますから、その点は了解いたしますが、本年度の改定分につきましても、当然完全にこれを明年度の地財計画で組んで、いわば共済組合の積み立て金に対して不当なしわ寄せを来たすということのないように、これは強く要望いたしておきたいと思います。
そこで、次にお尋ねをいたしたいと思いますが、前々から共済組合の積み立て金の運用につきましては、組合員の方々の間から強い要望があったと思うのであります。この点、昨年の地方行政委員会でも論議をせられまして、自治省としてもこの改善方について相当努力をしたと私ども聞いておるわけでありますが、長期積み立て金の資産運用についてどのような改善をせられましたか。特に昨年の十二月一日以降ですか、長期給付の掛け金が非常に上がりました。これとの関連におきましてどのような運用に関する改善をせられましたか。この点をお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/25
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026・鎌田要人
○鎌田説明員 御指摘のとおりでございまして、現在御案内のとおり長期経理資産の構成割合一号、二号、三号あるわけでございます。一号は預貯金、債券等にかかるものでございますし、二号は不動産の取得、三号は組合員に対する貸し付け、こういうことでございまして、この施行規程で定めております割合は一号が百分の五十五以上、二号が百分の二十以内、三号が百分の二十五以内、こういうことに相なっておるわけでございますが、特にこの住宅貸し付け資金を拡充してまいりたい、いわゆる持ち家政策の一環ということでございまして、そういうことに力を置いてまいりたいということで、かねがねからこの三号資産の限度額を百分の四十五まで自治大臣の承認をもちまして引き上げておったわけでございますが、これをさらに百分の五十に拡大をする、こういうことを行なったのでございます。
〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕
それから、職員の住宅対策ということに私ども一番重点を置いて考えてまいりたいと思っておるわけでございまして、二号の不動産の取得の中に、地方公共団体がいわゆる共済の資金というものを原資といたしまして不動産投資を行なう、住宅投資を行なうわけでございますが、このワクの拡大もあわせてはかるということにいたしまして、二号と三号の資産の構成割合、現在百分の五十でございますが、これを百分の五十五まで引き上げる、こういうことを考えておるわけでございます。かたがた三号資産の貸し付け資金につきましては、たとえば地方職員共済の場合でございますと、従来の貸し付けの利率が六分でございましたのを五分七厘六毛に引き下げる、こういう措置を講じましたり、それから償還年限の延長をはかるなどの措置を講ずることによりまして万全の措置を講じている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/26
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027・山口鶴男
○山口(鶴)委員 運用につきましては、特に住宅貸し付け等の面を中心といたしまして三号資産の運用のワクを拡大し、また利率を六分から五分七厘六毛に引き下げる等、相当改善された面については私ども賛意を表するわけであります。
そこで、さらにこの際お尋ねをいたしたいのは、前々から遺族の範囲を拡大していただきたいということ、それから遺族年金受給規定の所得制限を改善していただきたいということ、こういうことがあったと思うわけであります。遺族の範囲の拡大につきましては、この法律の二条の一項の三号にその規定がございまして、法律改正にまたなければならないと思うのでございますが、遺族年金受給規定の所得制限については、法律改正をまたずして改正できると思うわけでありますが、これについてはどのように改善をされましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/27
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028・鎌田要人
○鎌田説明員 前段の遺族の範囲の問題についてでございますが、現行規定は御案内のとおり、主としてその生計を依存しておる、こういうことになっておるわけでございまして、この範囲を拡大するということにつきましては法律問題に相なるわけでございます。この点につきましては、ひとり地方公務員の共済組合だけでございませんで、国なりあるいは公共企業体の共済組合、こういったところとも関連する問題がございますので、現在関係各省間で検討中でございますが、まだ成案を得ておらない段階にございます。
それから、この扶養親族の所得制限の問題でございますが、これにつきましては、運用方針をもちましてとりあえず十万八千円の所得制限を十一万七千円に引き上げたわけでございますが、これの再引き上げということにつきましてやはり関係各省間の共同歩調ということがございますので、現在なお検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/28
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029・山口鶴男
○山口(鶴)委員 そうしますと、十一万七千円にすでに引き上げたわけですね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/29
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030・鎌田要人
○鎌田説明員 昨年の十二月に十一万七千円に引き上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/30
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031・山口鶴男
○山口(鶴)委員 その根拠は、一体どういう数字でこのような低額になっているのですか。年間十一万七千円といえば月に直しまして一万円足らずということになると思うのですが、そういったもので所得制限があるのではあまりにつれないと申しますか、せっかく公務員部ができたにかかわらず、公務員部ができた価値がないではないか、こう思うのですが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/31
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032・鎌田要人
○鎌田説明員 ちょっと根拠の資料をいま取り調べておりますので、暫時時間の御猶予をいただきたいと思いますが、この十万八千円から十一万七千円に引き上げましたのは、公務員部発足後の去年の十二月ということでございますので、その点をひとつ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/32
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033・山口鶴男
○山口(鶴)委員 その程度の引き上げなら、何も部がなくても上がったのではないかと思います。その程度の引き上げ方では部ができた値打ちがない、かように言っておるわけでありまして、ひとつ聞き違いのないようにお願いをいたしたいと思います。根拠についてはあとでまたお知らせをいただきましょう。
次に移ってお尋ねをしたいのですが、問題はこの二条に規定されました遺族の範囲の問題です。最近の状況を見ますと、地方公務員、都道府県の職員あるいは市町村の職員あるいは教職員といわず、共かせぎというのが私は現実の問題として非常にふえているのじゃないかと思いますね。御主人が県庁の職員であり、奥さんが学校の先生である、あるいは御主人が高等学校の先生で奥さんが県庁の職員であるというような方が現実に相当多いと思うのですね。
〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕
ところが、このような方は、現実に全く掛け捨てになるのじゃないですか。そうでしょう。この二条によりまして、遺族は「死亡の当時主としてその収入により生計を維持していたもの」ということになるわけでありますから、結局、御主人が年金をもらっておったが死亡された、奥さんは学校の先生をしておったということになれば、これはその際、扶養者御主人の死亡のときの被扶養者ではなかったわけでありますから、奥さんにとりましては遺族年金の対象に全くならないということになるわけであって、共かせぎの場合は、この遺族の範囲が非常にきついために現実的に非常に損をする、掛け捨てと同じような結果を来たす、かように考えるわけでありますが、その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/33
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034・鎌田要人
○鎌田説明員 この遺族の問題でございますが、ただいまの配偶者の場合でございますと、死亡当時のだんなさんの給料と奥さんの給料を比較いたしまして、奥さんの給料のほうがだんなさんの給料よりも低い場合は、その配偶者は遺族に該当する、こういうことはあるわけでございます。ただそうでない場合には、御指摘のような事例が生ずる、こういうことになるわけでございますが、これは非常に議論のあるところであろうと思いますけれども、この退職年金制度の本来の趣旨と申しますのが、遺族の生活の安定ということにございます以上、いまのような所得制限の線の引き方の問題はございますけれども、ある程度やむを得ない面もあるのかなという感じがするわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/34
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035・山口鶴男
○山口(鶴)委員 共かせぎの方はこれからますますふえるだろうと私は思います。ところが、そうしますと、いまのような事例がそのまま法律で規定されて存在するということになりますと、私は財源率計算にも当然そういうことを考慮しなければならぬのじゃないかという感じがいたします。こういった共かせぎの場合に対して、共かせぎの割合がどのくらいあり、いま公務員部長がお答えになったようなケースがどのくらいあるかということは、財源率計算には入っていないのじゃないですか。入っていないとすれば、私は、掛け金計算にあたって考慮していない、想定のもとにこの掛け金をきめるということになると問題だと思いますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/35
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036・鎌田要人
○鎌田説明員 遺族の数は把握いたしておるわけでありますが、ただいま御指摘になりました、たとえば共かせぎの場合の給与が、だんなさんのほうが多いもの、こういったものの資料までは実はつかんでおらないわけでございまして、この点は将来の問題といたしまして、早急に資料の整備をいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/36
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037・山口鶴男
○山口(鶴)委員 私は、財源率計算がただいまのような点を考慮しないでなされているとすれば、当然法律を財源率計算の根拠に合わせるべきじゃないか、かように思うのですが、そういうお気持ちはありませんか。そうでなければこれはおかしいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/37
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038・鎌田要人
○鎌田説明員 ただいま申し上げましたように、いわゆる遺族の数、これに対応するものには財源率の計算はなっておるわけでございますが、この夫婦共かせぎの場合の、だんなさんのほうの給与よりも奥さんのほうの給与が多い、こういった数字まではつかんでおらないということでございますので、それがはたして財源率にどういうはね返りになるのか、これはいまの資料をもう少し集めましたところで見当をつけなければならないというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/38
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039・山口鶴男
○山口(鶴)委員 この点は、やはり私は現在の共済組合の一つの欠陥ではないか、かように存じます。
〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕
せっかく低い給与の中から月々相当額の掛け金をかけておりまして、現実に掛け捨てに近い状態になる。しかも財源率計算ではそういったものは考慮していないということになれば、当然改めるべきだ、特にこの遺族の範囲を規定いたしました二条三項については早急に検討すべきである、かように思います。次官、どうでしょうか。こういった矛盾点は私は漸次改善をすべきだと思うのですが、日ごろからたいへん前向きの御答弁をされておられます政務次官の御答弁をひとつお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/39
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040・細田吉藏
○細田政府委員 おっしゃる限りではたいへんごもっともな御意見なんで、掛け金の計算にそういうことを入れるべきだということでしょうが、なかなかむずかしい問題を含んでいると思います。と申しますことは、もともと、先ほども公務員部長がお答えいたしましたように、遺族の方々の生活のめんどうを見るといいましょうか、そういう趣旨がこの扶助料といいますか遺族に対するものでございますが、極端に言いますと、対象の遺族の非常に多い方は——極端に言えば遺族のない方もあるわけでございますし、遺族のある方もある。ある程度その意味での不公平というようなものは起こり得ると思います。
ただ、おっしゃるように、共かせぎが非常にふえてきておる。そういうものについては、実態をもう少しつかまえまして検討していかなければならぬ問題だと思います。しかし、もともとこうした社会保険制度でございますから、いろいろな角度から検討しなければならぬ点がまだほかにもあるのじゃなかろうかというふうに思うわけでございまして、私どもはやはり実態をつかんで実情に合うようにしていく、こういう方向でいかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/40
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041・山口鶴男
○山口(鶴)委員 やはり実態に合わせて制度自体を改善をしていくということは今後とも必要ではないか、かように存じます。小委員会等もございますから、またそこで検討するとして、一応この議論はここでおいておきたいと思います。
〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕
短期給付について若干お尋ねをいたしたいと思うのですが、前々から当委員会におきまして、短期給付の掛け金率が非常に高いものがある、しばしば問題になるわけでありますが、青森県のごときは掛け金率が千分の五十五というような異常に高い掛け金率になっている。この上限について何らかの改善措置をすべきではないのかということは、当委員会でしばしば問題になった点であります。根本的な改善の方法としては、短期給付についても国庫負担を百分の二十導入すべきであるということはしばしば主張されました。また委員会の附帯決議等におきましても、そういう趣旨の附帯決議がなされた経過もございます。どうでしょうか、この千分の五十五というような異常に高い短期給付の掛け金率——五十五といわぬでも千分の五十というようなところはほかにもございますし、四十をこえている地域もだいぶあるわけです。こういったものについて何らかの改善をなされるおつもりはあるのか、改善するとすればどのような具体的な方法でこれを改善しようとしておるのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/41
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042・鎌田要人
○鎌田説明員 短期給付の掛け金率の高いものがあるのは御指摘のとおりでございます。この点につきましては、おそらく従来ともいろいろの議論があったのであろうと思うわけでございますが、特に市町村共済の場合でございますと、市町村の中で、たとえば都でございますとか、大都市でございますとか、あるいは中都市と申しますか、こういったところがそれぞれの共済、あるいは都市の場合でございますと都市共済といったもので抜けておるかっこうになっておるわけでございます。これは、たとえば府県の場合の地方職員共済のように、おそらく全国一本ということになりますと短期給付の掛け金率というものもおのずから妥当な線にまいるのではないか。基本的にはこういう組織の問題があると思います。ただ、基本的な組織の問題があるわけでございますが、これは沿革的な理由等もございましてなかなか一朝一夕にはいかない。こういうことになりますと、解決の方法といたしましては、ずばり端的に申しまして、二、三年前私どもが打ち出しましたいわゆる調整交付金的な考え方をとるか、あるいは公費負担の道を開くかということになるのだろうと思います。ただ、お答えが前後いたしますけれども、この掛け金率の高いところというものを個々のケースについて見てみますと、いろんな事情がございます。たとえばかなり受診率が高い、あるいは一件当たりの金額も高いといった、いわば歳出面の要因もあるようでございます。
そこで、そういったいろいろな要素を勘案いたしまして、私どもの考えといたしましては、各共済でいわば調整交付金の原資的なものを掛け金で出してもらって、それをプールいたしまして、一定の掛け金率をこえるものについて配分をする、こういうことを打ち出したわけでございますけれども、反対がございましてすんなりいかない。こういうことで、その後も私ども引き続いて検討をいたしておるわけでございます。公費負担の問題もひっくるめて検討をいたしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/42
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043・山口鶴男
○山口(鶴)委員 どうも昨年の御答弁と全く前進をしていないので残念に思うのですがね。しかも自治省のほうは折半負担を各地方団体に強要していますね。とりあえず、そういった異常に高い掛け金率を改善するためには、折半負担ではなしに、公費負担のほうを多くさしておくということによってこの掛け金率を下げるということは、現実可能な案ではないですか。ところが、自治省のほうは、片方の改善措置、公費負担のほうもいかぬし、あるいはある程度調整をしていくということも全く前進しない。しかも、一方においては折半負担を強要して、組合員の短期給付の掛け金率を下げるどころか、上げるようなことをやっておるのじゃないですか。これじゃ私は全くさかさまではないかという感じがするのです。とりあえず、異常に高い地域については、折半負担でなしに公費負担をふやして、そして組合員の負担を軽減するくらいのことをやったっていいのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/43
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044・鎌田要人
○鎌田説明員 私どもが短期給付につきまして労使折半ということを強く主張いたしておりますのは、これはたとえば三十七年八月の社会保障制度審議会の意見でございますが、この意見におきまして「社会保障制度の総合調整に関する基本方策についての答申および社会保障制度の推進に関する勧告」これでございますが、この中におきまして、事業主の負担する部分が過度に多いことは問題であって、労使折半の原則を貫くべきであり、事業主の超過分は付加的な給付の財源として役立てればよい、こういう勧告もございました。そういう労使折半ということを強く主張をいたしておるわけでございます。そういった中で現在の掛け金率が高くなっておる実情というものを、現在の段階におきましては、青森県はじめ四、五県の限られた団体でございますので、この実情をさらに的確に把握いたしまして、万やむを得ないというものにつきましてどういう方策を考えるかということを煮詰めたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/44
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045・山口鶴男
○山口(鶴)委員 公務員部長がいま社会保障制度審議会の答申を根拠にしてお答えになりましたが、私は、自治省あるいは公務員部長が総理府の社会保障制度審議会の答申をたてにとることは非常に筋違いじゃないかという感じがするのですが、そうでしょう。多くを言わなくてもわかると思うのですが、昭和四十三年三月一日の総理府社会保障制度審議会の答申には、自治省のお気にさわることが書いてあったのじゃないですか。にもかかわらず、ここでは対象になっておりませんから私は議論はしませんが、定年制についてああいうような法律改正を出しているじゃないですか。社会保障制度審議会の答申を無視しているのはまさに自治省だといわなければなりません。自治省が、短期給付の問題についてだけ社会保障制度審議会の答申をたてにとってこうでございますと言うのは、たいへん筋違いだということを私はこの際はっきり申し上げておきたいと思うのです。そうじゃないですか。とすればそういった社会保障制度審議会の答申云々なんてことは言わずに、現実に組合員の掛け金の負担が非常に高いものについては、もちろん国庫負担を導入することが一番でありますけれども、それがまだ実現をしない過程におきましては、自治省として可能な方法について最大限努力するということが必要じゃないかということを、私は指摘をいたしておきたいと思います。
そこで、さらにお尋ねをしたいと思うのですが、今度国民健康保険については、昭和四十三年一月から家族について七割給付になりましたね。ところが、この共済組合の短期給付につきましては、本人は十割給付でありますが、家族については依然として五割負担ではないですか。しかも短期給付の掛け金については異常に高い。だれが考えてもこれは筋が通らぬと思うのです。この家族給付の改善については一体どうなんですか。また、そういう改善をするためにも、私は国庫負担をすみやかに導入することが必要じゃないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/45
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046・鎌田要人
○鎌田説明員 家族療養費の負担の軽減ということにつきましては、付加給付の拡大という線で措置するように指導いたしておるところでございます。また、現に付加給付なりあるいは互助会のいわば継ぎ足しの給付と申しますか、といったような形で現実に大多数の地方団体におきましては、七割程度でございますか、差し引き二割程度の継ぎ足しをやっておるというのが実情でございます。
それからなお、立った機会に恐縮でございますが、先ほどの十一万七千円の根拠の規定の答弁がおくれておりましたが、これは御案内のとおり、地方公務員等共済組合法施行令第三条の規定によりまして、一般職給与法に規定する扶養親族の認定の例に準じて自治大臣が定めるということになっておりまして、このいわゆる一般職給与法におきまして扶養親族の認定の基準にいたしております線をにらみながらこの十一万七千円というものを定めている、こういうことでございますので、えらいおそくなりましたけれども、追加して答弁させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/46
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047・山口鶴男
○山口(鶴)委員 たった九千円しか上がっていないのでしょう。この制度ができた結果がこの九千円だったというのでは、いかにもみすぼらしいじゃないか。十万八千円から十一万七千円では九千円の差ですから、このようなことではたいへん不備だということを申しておきたいと思います。一割に足らぬわけです。九千円ではわずか九%程度じゃないかと思いますが……(「基礎が悪いのにパーセントなんて議論できないじゃないか、話にならぬような金額の九%だ、それでは議論にならぬ」と呼ぶ者あり)この点につきましてはまた議論があると思いますから、そういう意見が委員会全体の大勢であるということをよく公務員部も御承知をいただきたいと思います。
とにかく、この短期給付については問題が非常にあり過ぎると思います。付加給付でもってやっているというお話でありますが、それでは付加給付で現実に七割やっているところは全体の地方公務員等共済組合のうちの割合としては一体どのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/47
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048・鎌田要人
○鎌田説明員 例を市町村共済の場合で申し上げますと、四十一年四月現在で付加給付を実施しておらない組合が七ございます。四十三年の四月現在におきましては二団体が未実施という状況でございまして、あとは実施をいたしている、こういう状況にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/48
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049・山口鶴男
○山口(鶴)委員 公立学校共済その他全部含めてどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/49
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050・鎌田要人
○鎌田説明員 公立学校の場合、公立共済の場合でございますと、家族療養費につきましては四割の付加給付を行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/50
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051・山口鶴男
○山口(鶴)委員 相当付加給付でもって改善をしているということならば、そういった現実にもう制度を合わせていってもいいのではないですか。付加給付というようなものではなしに、いわば医療保険制度の最低の水準といわれる国保ですら七割給付ということになっておれば、当然法律の制度としてこの家族についても七割給付ということをきちっと書く時代になっているのではないかというふうに思います。この点、現実にそういった法律の制度を合わせていくということについては一体いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/51
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052・鎌田要人
○鎌田説明員 おっしゃるとおりの意見もあると思います。片方におきまして、たとえば先般来自民党の社会保障制度審議会でございますかあたりで論議されております、厚生省あたりが出しております医療費の抜本改正案におきましては、本人、家族を通じて七割、こういう線もあるようでございます。いずれにいたしましても、医療費あるいは医療給付、こういったものの抜本改正というものが現在論議の日程に上がっているときでございますので、そういった推移も見きわめながら、これは地方共済のみの問題ではないわけでございますので、なお引き続いて私どもも考えをまとめていかなければならないだろう、こういうふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/52
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053・山口鶴男
○山口(鶴)委員 医療制度の抜本改正につきましては、これは非常に大きな問題がございまして、ここで議論をするのは避けたいと思いますが、そういう議論が片方にあるから、現実はこうであるのにちゅうちょしているというのも、私としてはまた芸のない話ではないかと思います。現実にすでに七割給付がほとんどの共済において行なわれておるとするならば、当然、現実にその法律に適合していく、また医療制度の抜本改正についても、これは全般を通じて議論することでありますから、それはそれとして議論を進めるべきであって、地方共済の、実態として改めるべきものは改める、こういう対処のしかたがしかるべきじゃないかというふうに思います。次官、お話し中のようですが、その点どうですか。これも先ほどの話と同じく、家族の医療給付七割、現実はすでにそうなっているのが大部分ですね。とすれば、これも法律において合わせるべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/53
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054・細田吉藏
○細田政府委員 医療保険の抜本改正の問題は、実はそう長くほったらかしておけない問題です。どういう結論が出ましょうとも、これは早急に解決していかなければならない問題であろうと思います。したがいまして、いま公務員部長が申しましたように、その問題との関連も十分考えなければいかぬということだと思いますが、家族に対する給付につきましてだけを切り離して考えますれば、お説のとおりだというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/54
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055・山口鶴男
○山口(鶴)委員 お説のとおりだということは、そういう改善をするつもりだ、かように受け取ってよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/55
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056・細田吉藏
○細田政府委員 つもりだというところまではまいらないのですが、七割にすべきだというふうには思っておりますが、ただ私が前段に申し上げましたように、医療保険の抜本改正という機会がございます。その際、全般としてにらみ合わせて、その一環として考えらるべきである、こういうふうに申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/56
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057・山口鶴男
○山口(鶴)委員 どうも最初の御答弁よりだいぶ後退いたしまして、残念に思います。かりに医療制度の抜本改正——伝えられるものには私ども賛成しがたいのでありますが、しかし、少なくとも最低を七割にしていくということは、現在のこの家族医療給付五割ということから見れば、二割前進なのでありますから、本人のことは別として、とにかく七割という方向にいっているということならば、現在その水準までいっていないものを七割にするということは何ら差しつかえない、かように思うのです。さらにお尋ねすると、また答弁が後退すると困りますから、これはこれでやめておきましょう。また小委員会で議論したいと思います。
大蔵省の方がおらぬので、たいへんぐあいが悪いのですが、人事院の方が見えておりますからお尋ねしたいと思います。
昭和三十三年十月一日以来今日まで掛け金の算定の基礎となる給料月額の最高限度が十一万円に押えられております。すでに十年間十一万円の頭打ちというものが続いておるわけであります。そこでお尋ねをいたしたいと思うのですが、なぜこういった制度がこの十年間も続いておるのか。その間当然私は対象になります高級官僚と申しますか、そういう方々は、常識から言えばこれは不満であるはずだと思うのです。ところが、そういう制度が十年間も続いたということの裏には、私はそのような不満を解決するほかの道が残されていたのではないかという感じを持つわけであります。人事院は毎年国会に年次報告を出しておられるわけでありますが、昭和四十二年の営利企業への就職の承認に関する年次報告書、これを拝見いたしますと、非常に多くの方が営利企業への就職を届け出まして承認をされているようでありまして、合計百二十三件に及んでおります。
そこで、お尋ねしたいと思うのですが、この承認を受けておられます方々のうち、給料月額十一万円をこえる方が、この百二十三件のうちおよそどのくらいの割合でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/57
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058・菅原馨
○菅原説明員 百二十三件承認しておりますが、課長補佐以下が大体その額以下となるかと思いますが、十三人課長補佐以下で承認したものがございます。課長補佐の場合に、私どもで審査いたしておりますのは役員になる場合に限られてございます。したがいまして、残りの百十名がそれ以上の額になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/58
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059・山口鶴男
○山口(鶴)委員 それから、この営利企業への就職の承認を要するものは、つとめておりました職が、営利企業へ就職しようとする場合の当該の企業と非常に関係が深いものに限られるわけです。でありますから、この十一万円以上の高級官僚の方で他の営利企業へ就職されます方々というものは、これよりもはるかに多いのではないかと思いますが、そういった件数については、人事院としては把握しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/59
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060・菅原馨
○菅原説明員 在職中関係のありました国の機関となっておりますものについては、課長以上につきましては原則として人事院で審査をいたしておりますけれども、課長補佐以下の方で営利企業に一般職員として就職いたします場合には、各省庁に権限が委任してございますので、その関係で各省庁で承認した分の数は一応把握してございますが、四十二年で申し上げますと二百六十五件になってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/60
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061・山口鶴男
○山口(鶴)委員 それでは人事院が、承認を求められたものに対してノーと言った件数は、昭和四十二年の場合一体何件ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/61
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062・菅原馨
○菅原説明員 昭和四十二年一年間に受理した件数は、いまお話がございましたとおりに百二十二件ございまして、前年度から繰り越されましたものが三件ございます。百二十五件のうち四十二年に承認いたしましたのが百二十三件、二件だけ正式に承認をしておりません。しかし、実際には、法律にもございますとおりに、当該承認申請は、所轄庁の申し出によりますので、一応各省庁におきまして審査してこちらに持ってまいりますが、その段階におきまして、疑問のケースにつきましては私ども協議してございますが、その段階で不承認にいたしましたのが二十四件ばかりございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/62
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063・山口鶴男
○山口(鶴)委員 一般社会の批判として、人事院のそういった承認の基準が甘過ぎるのではないかという批判があることは、人事院自体も御存じかと思います。現に昭和四十二年では百二十五件のうち百二十三件を承認し、ノーと言ったのが二件しかない。しかもそれ以外に、人事院まで持ってこないで、当該官庁限りで営利企業へ移った方が二百六十五件もあるということになりますと、この二百六十五件の中にも問題があるのじゃないかという素朴な国民の疑問があると存じます。ともあれ、合計いたしますと、昭和四十二年、三百八十八件官庁から営利企業のほうへ転職をなされたということだと思います。その大部分が課長補佐以上といいますか、十一万円以上の方々が相当の部分を占める。ですから私は、そういうところに、何か官庁と営利企業との間に癒着があるんじゃないか、いわば高級官僚の方を受け入れるような、これは中小企業じゃ無理でしょうから、大きな企業だと思いますが、そういう企業と官庁との間にくされ縁があるのじゃないか、あえて言うならば、黒い霧があるのじゃないかというような批判が国民の間にあると思うのですね。といたしますと、そういった国民の疑惑を晴らすためには、さらに人事院がこれらの承認にあたって厳格な審査をやっていただくということが私は改善の一つだろうと思います。同時に、これに対して、いわばこの十一万円頭打ちというもので、勤務年数等も考えれば、退職年金として支給されるのが三分の一ですから、せいぜい四万円足らずということになるわけです。現在の物価高の中では、こういう退職年金で老後の生活を保障するというわけには私はまいらぬと思います。ですから、一つにはこの十一万円の頭打ちというものを取っ払っていくといいますか、もう少し天井を上げると申しますか、ということも、私はいま申し上げたような国民の疑惑を晴らすための一つの方策ではないかという感じがいたすわけであります。こういう点について、人事院の感想はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/63
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064・菅原馨
○菅原説明員 ただいま先生から、くされ縁があるというようなお話でございますが、私どものほうの審査の方針といたしましては、在職中に少なくとも具体的な職務関係があるというものにつきましては承認をしないということで進めてございますが、それにつきましてもいろいろ御批判もいただいておりますので、今後さらに厳重に審査を続けてまいりたいと思います。
なお、あとの問題でございますが、この点につきましては主管が違いますので、意見は差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/64
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065・山口鶴男
○山口(鶴)委員 どうも大蔵省の方がお見えになっておらないので、聞くのに困るのですが、政務次官にお尋ねしましょう。
そういった営利会社のほうへ転職される方が、年間に三百数十名にものぼっている。あわせて、いわゆる狭義の公社公団、それから広い意味での公社公団がございますね、そういうものに天下りすると申しますか、そういう方々の数は相当多くにのぼっているということも事実です。私の調査によりますと、狭義の公社公団ですね、国有鉄道、専売公社、電電公社のいわゆる三公社と、それから住宅公団をはじめとする十四の公団常勤役員の数が百七十六名であります。このうち、ずばり公務員から直接ストレートにこの常勤役員に就職をいたしました方の数が現在八十二名、この方の中には、国家公務員退職後その他に就職いたしましてから、この公団の常勤役員になった方は除いております。ですから、かつて公務員であった人の数ということになれば、もっとこれは高い率になることは明らかであります。どうですか、私は政治家としての政務次官にお尋ねをしたいと思うのですが、営利会社のほうにこのように多数いわば天下りする、そういう大きな道が開けている。それからまた、狭義の公社公団について、ストレートに国家公務員から常勤役員になった方が、公団の常勤役員のうちの半分を占めている。広義の公社公団の方を含めればもっと大きな数にのぼると思います。こういったようなことがどんどん行なわれるということは、私は決して好ましいことではないと思うのです。しかし、そうだからといって、公務員の人たちだって生活をしなければならぬわけですね。ですから、やはりそういうことを考えてまいりました場合に、何かこの十一万円の頭打ちというものが、営利企業あるいは公社公団への天下りをどんどん奨励している、そういう一つの根拠といいますか、理屈といいますか、そういうものになっているというような感じを私は持つのでありますが、次官としてそういう状態に対してどのような御感想を持ち、また、この十一万円の頭打ちというものについて、これが十年間も据え置かれたというものについて、当然これを改善すべきでないかということについても、次官としてのお考え方をひとつお示しをいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/65
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066・細田吉藏
○細田政府委員 役人も、いまお話しになりましたように、生活をしていかなければなりませんし、役所をやめるころには、子供が学校に行くとか、嫁入りをするとか、いろいろございますから、やはり生きる道がなければならぬことは申し上げるまでもない、御指摘のとおりでございます。民間の会社へいわゆる天下りをするという問題につきましては、先ほど人事院から答弁がありましたが、これはもう審査を、いままでも厳重にやっておられると思うのでありますが、これは厳重にやるべきことであると思います。ただ、関係のないところへ入られるのまで、何かおかしいのじゃないかという御議論に対しましては、私はいろいろ実際の状況も知っておりますので、個人的な関係で入るとか、いろいろなことがございますから、それは実はあまり問題ないのじゃないか、かように思います。公社公団につきましては、これは私は行き過ぎがあってはいけない。現在がどうであるかということについては、いろいろ議論があると思います。何かたらい回しみたいなことがあったりなんかということは、私は非常にいかぬと思います。ただ、公社公団の性格からいたしまして、公務員である経験を大いに生かし得るという場面も、私はいい面もあると思うのであります。ですからこれは、全然そういうところへ入っちゃいかぬとかなんとかいうことは必ずしも当たらないのじゃないか、かように思っております。
なお、上限の十一万というもので押えるということが長く続いておりますが、実はこの点は、昔は恩給なり年金なりでゆうゆう自適してやれるというような事態が、安定しておりました時代にはあったことはもう御承知のとおりでございまして、でき得べくんば、長い間国家公務員あるいは地方公務員としておつとめになった方々はそうであることが望ましいと思います。そういう状況には実は日本の現在の状況はほど遠いかっこうになっておりまして、恩給、年金をいただいても、何か仕事をしないと、出費多端のおりでやっていけないという事例がもうざらでございまして、むしろそれが通常の状況になっております。こういう事態でございますから、この十一万というものにつきましても、長い間固定をいたしておりますから、これはもう考えなければならぬ時期に来ておると思いますが、他面これは、実は少々上げましても、やはりいまの三分の一といったようなことでございますので、上げることは私、必要だと思っておりますが、それだけで全部いまおっしゃった問題が解決できるかどうかということには、若干の疑問を持ちます。問題は、むしろそれよりも低いところにあるのじゃないか。最低保障というようなものについて考えることのほうがむしろより重要で、先決問題ではなかろうかという感じを、私率直に申しまして持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/66
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067・山口鶴男
○山口(鶴)委員 次官の御所見は、おおむね私もそのとおりだと思います。ですから、私は一つだけが特効薬だとは思いません。営利企業にずばり関係ある役職の方が天下りするということは、これはたいへんいかぬことでありますから、これについては人事院にきちっと規制をしていただく。また、公社公団につきましても、聞くところによれば、各省庁でもワクを持っておるようですね。運輸省の場合には何公団の何、自治省なんかワクがたいへん少ないように聞いておりますが、とにかく運輸省などはたいへん多い。大蔵省が一番多いでしょうが、大蔵、通産、運輸というようなところはたいへんたくさんワクを持っている。たらい回しがあってはよろしくないといいますが、現に各省庁がこのワクを持っておるということは、もうその省庁の中でたらい回しをやっておると同じじゃないですか。こういうことが現に行なわれている。そういったことはやはり規制をしていくことが必要だと思います。同時に、この十一万のことも問題であり、さらに、次官が言われました、むしろ低い所得の公務員の人たちの退職年金改善のことも必要だ、たいへんいい御意見だと思います。
そこで、私はお尋ねしたいと思うのですが、前前から、それを改善するためにこの長期給付、いわゆる退職年金についてはスライド制を実現をすべきであるということがしばしば当委員会でも議論になったところであります。今回、恩給法改定に伴います是正でもって、この恩給ベースが二万六千円ベースになった。しかし現実の公務員の給与はいま四万六千五百五十円程度のベースになっているわけですね。四万六千五百五十円に対して、今回年金が改定されたというものの、二万六千円ベース、これではいかにも隔たりがあり過ぎるじゃないですか。外国等を見ますと、ヨーロッパ各国では物価にスライドをするか、あるいは公務員の給与改定にスライドをするか、あるいはその両者を折半するかという形で、年金のスライド制というのは現に実現をされているわけですね。しかも最近、恩給審議会の答申を見ましても、当然スライド制を実現すべきであるという答申も出ておることは承知をしておると思います。といたしますと、まず政務次官の御答弁にありますような一番たいへんな下級公務員——と言っては恐縮でありますが、一般の苦労しておられる公務員の人たち、しかも給与ベースと恩給ベースが非常に違っているという現実、こういうことがあります以上、このスライド制の実現は、政務次官のいまの御答弁からすれば、一日も早くこれは実現すべきだと思うのです。昨年の当委員会でもこの点は附帯決議をつけまして、二、三年のうちに専門的な機関でスライド制については検討するということになっておると思います。そのスライド制の実現に対する政務次官としてのお考え方をお尋ねしたいのが一つと、それから事務当局にお尋ねしたいのは、このスライド制の具体的な作業は一体どこまで進んでおるのか、このことをひとつ明確にお答えをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/67
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068・細田吉藏
○細田政府委員 御承知のように、昭和四十一年度の恩給法改正、あるいは地方公務員等共済組合法も同様でございまして、七十四条の二、恩給法は二条の二でございますか、調整規定が国会を通過いたしまして法律になったわけでございます。これは通称スライド制といわれておりますが、調整規定でございます。これにつきまして、内閣の恩給審議会で二年間にまたがって御審議をいただいておったわけでございまして、この三月二十五日に、御案内のように会長の新居さんから総理に対して答申がございました。
私どもといたしましては、私は当時、恩給審議会ができるころに総理府にいたものでございますが、いま少し明確な線を打ち出していただけるものというふうに考えておりましたけれども、今度の答申によりますと、いろいろな御議論の結果、五%以上消費者物価が値上がりした場合には、直ちに調整をしなければならぬ。あわせて、国家公務員の給与の水準と恩給との格差が著しく懸隔しているような場合には、それをある程度解消することにより調整することが望ましい。国民の消費水準の問題は、現職公務員の給与に大体入っておるものと考えてよろしいだろう。大体こういう趣旨の御答申をいただいたように承知をいたしております。したがいまして、今後この答申に対しまして政府がどのように対処してまいるか、こういうことが必要になってまいっておる段階でございますが、何と申しましても三月二十五日に答申をいただいたばかりでございまして、その後恩給法の改正でございますとか、国家公務員あるいは地方公務員あるいは三公社五現業等の共済組合法、そういうもので関係者がみんな今国会でそれぞれの法案を提出をいたしておりまして、まだ実はこれに対しましてどういうふうに政府としてこれをやっていくかということについて、はっきりきまっておらないというようなわけでございますが、しかし、いつまでもほうっておくわけにまいりませんと思います。この答申を受けまして、われわれとしましては、この答申の線に沿い——また法律ができましたり、附帯決議が両院関係各委員会でございます。そういう点ももちろん十分尊重いたしまして態度を決定いたさなければならぬ、かような段階に相なっておると思います。諸外国の立法例等も私どもよく承知をいたしております。日本の実情も考えなければいけませんので、これらの点をすべて勘案をいたしまして、できるだけすみやかにこの法律の精神、地方公務員等共済組合法については七十四条の二の精神が実際に具体的に裏づけができるようにいたしてまいらなければならぬ、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/68
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069・鎌田要人
○鎌田説明員 スライド制の問題につきまして、現在事務段階でどういう状況にあるかということを簡単に御説明申し上げます。
実は関係各省の給与関係の行政に携わっておりまする局長をメンバーといたしまして、公的年金制度調整連絡会議というものを持っておるわけでございます。これは総理府の審議室長の司会の本とに、定例的にと申しますか、持っておるわけでございます。
そこで現在論議の段階にございますのは、結局公的年金制度全般を通じまして、このいわゆる政策スライドの規定があるわけでございます。そこでまず第一に議論になりますのは、厚生年金といったものと公務員のいわゆる年金というものとの間に、公務の特殊性というものを反映した特殊性というものが認められなければならないかどうかといった議論が一つあるわけでございます。と申しますのは、全体を通ずるスライディングスケールというものを何に求めるかという問題が一つあるわけでございます。実は私ども自治省の事務的な意見といたしましては、やはり公務員の特殊性というものから公務員の年金制度の特殊性というものが主張できるのではないか、そういったものを前提にしていわゆるスライディングスケールの選び方というものは考えられていいのではないかという議論をいたしておるわけでございます。
ちょうどその段階におきまして、御案内のとおり恩給審議会の意見が一つ答申の形で出ておるわけでございます。これは、消費者物価というものを基本のスケールに置きながら、しかもさらにより進んでまいりますと、かつて公務員であった人たちだから、公務員給与の改定というものもひとつ見なさい。しかし今度は、その公務員給与の改定幅というものが、いわゆる正確な表現で申しますと、国民の生活水準の伸びを上回るような場合には、今度は生活水準で調整をしなさいということでございまして、しかく明確なこれだというものさしはない。先ほど御指摘になりましたように、たとえば英米でございますと消費者物価指数というものを一応のスケールに使っておる。独仏型でございますと公務員給与というものをスケールに使っておる。やはり二つのタイプがあるわけでございますので、現在そのいずれをとるかという議論の段階にある、こういうことでございまして、できるだけ早く議論を煮詰めて成案を得たいということで、関係各省一生懸命勉強いたしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/69
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070・山口鶴男
○山口(鶴)委員 きょうの新聞を拝見いたしましたら、昭和四十二年度のわが国の国民総生産、国民一人当たり所得等の統計を経済企画庁が発表したのが出ております。消費水準がたしか昭和四十二年度は一二%程度上がったように出ておりましたが、次官が言われたように、物価にスライドするということではやはり生活実態にはあっていかない。国民総生産なり国民所得なり伸びているわけですからね。物価の上昇だけしか国民総生産なり国民所得が伸びていないのでは、これは全く国として進歩がないわけであります。そうしますと、ある程度公務員給与の伸び率というものに合わせることのほうが妥当ではないかという趣旨のお話がありましたが、私はそうだと思います。そういう意味では、今回の恩給審議会の答申につきましては、次官も言われましたが、どうももの足りない点を感ずるわけであります。そういう点から考えますならば、当然少なくとも公務員の給与水準をスライドのものさしにしていくということのほうが妥当ではないかという感じがいたすわけでありますが、それはさておきまして、その点がいま事務レベルでも論議の対象になっているということですが、一応成案を得るのは現在の見通しではいつごろでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/70
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071・鎌田要人
○鎌田説明員 いつということにつきましては、これはいま申しましたように、実は各省の議論を結局いまぶっつけ合っている段階でございますので、明確な時期というものはちょっと申し上げかねると思います。できるだけ早い機会、こういうことでお答えせざるを得ないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/71
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072・山口鶴男
○山口(鶴)委員 当分の間というので二十年も続いたという、自治省は不名誉な歴史を持っておるわけですからね。この問題も、そういった当分の間では困るのであって、少なくとも大蔵委員会等で附帯決議をされました三年でしたか程度の間には、きちっとめどをつけるということは最低限必要だ。恩給審議会ですら、こういったスライドについての答申を出している現在において、そのあとを追っかけておるというようなことではたいへんおかしな話であって、できれば三年といわず、少なくとも一両年のうちにめどをつけるということで積極的に進めていただきたい、これを一応強く要請いたしておきます。
そこで、また戻ってお尋ねをしたいのですが、高級公務員のみならず、たとえば東京都の知事あるいは大阪府の知事、そういう地方公共団体の特別職の公務員の方々も同じくこの十一万円が対象になっている。それから地方議会の議員の方についても同様ですね。私はこの地方公共団体の特別職なり議員の報酬を不当に高くしていくということは非常に問題があると思います。ただ、地方財政計画の積算の基礎でも、都道府県の知事あるいは市の市長、あるいは都道府県議会の議員というものについては、一応の目安をつけていると思うのですね、これは一体幾らになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/72
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073・鎌田要人
○鎌田説明員 ちょっと手元に正確な資料を持っておりませんが、地方議会の議員の場合が十一万円であったかと記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/73
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074・山口鶴男
○山口(鶴)委員 地方議会というのは都道府県……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/74
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075・鎌田要人
○鎌田説明員 都道府県でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/75
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076・山口鶴男
○山口(鶴)委員 知事については相当高いわけでしょう。これよりは高い算定基礎になっておるでしょう。財政局いないようですが、この程度のことは公務員部長もわかっているのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/76
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077・鎌田要人
○鎌田説明員 まことに不勉強で申しわけございませんが、ちょっと財政を離れておりまして正確でございませんけれども、知事の場合二十五万円ではなかったかと記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/77
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078・山口鶴男
○山口(鶴)委員 一応自治省としても、知事の場合はその程度の給与が妥当だとしているわけですね。私ども国会議員の場合は、退職時のいわば報酬でそのまま年金の算定がされる。知事あるいは都道府県会の議員、やはり同じ政治家としてそれぞれ苦労しておられるわけだ。しかも交付税の算定基礎において、いま不明確な答弁でありましたが、ある程度の一応の基準というものを自治省も妥当として認めておるということになりますと、これらの方が最高月額十一万というので押えられているということは——そういう方の中にもそれはいろいろ事情はございましょうけれども、しかし私は、先ほどの国家公務員の場合、公社公団あるいは営利企業への天下り、そういう広い道があいておる、だから十一万頭打ちというものに不満はないかもしれない。しかし、こういう方々にも同じ制度の頭打ちが右へならえされておるということは、やはり問題じゃないかという感じがするのです。
大臣どうでしょうか。ちょうどおいでになりましたが、高級公務員の方々は退職年金の算定の月額が十一万、十年間これが据え置きですね。営利企業あるいは公社公団等へ盛大に天下りになる、それに対する議論はいろいろあります。しかし、それはさておきまして、こういうものにいま言った地方公共団体の知事なりあるいは議員なりが右へならえされているということは、やはり問題があるのじゃないかという感じがするのです。当委員会でもしばしばこの問題は議論をされました。この十一万頭打ちという問題、それ以前に、大臣がいない間に議論したのですが、一般公務員の方々に対して年金を改善していく、当面スライド制を一日も早く実現をするということは、これは緊急の急務でありますけれども、同時に、いま私が問題を提起いたしましたような頭打ちの問題についても、十年間これが国家公務員の最高限度に右へならえされて続いておるという現状は、これはやはり問題があるのじゃないかという気がいたしますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。もしあれなら事務当局のほうで先に答弁していただいてけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/78
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079・長野士郎
○長野政府委員 御指摘のように、共済制度におきますところの給付の基礎となる給料月額の最高限度は十一万円ということに多年なっておりまして、たとえば国の場合におきましても最高裁判所の長官は五十五万円、あるいは法制局の長官は三十二万円、各省事務次官は二十四万円というふうに、実際の給与ははるかにそれを上回っておることは御指摘のとおりでございます。
そこで、先ほど政務次官もお答えになりましたが、やはりこの最高限というものについても検討しなければならぬ時期に私どもはきておるように思っております。しかし、同時に、最高限を上げるということになりますと、またこの最低保障額という問題も相関連して考えざるを得ない、こういうことになります。また、地方共済の場合だけを考えるわけにいきませんので、これはいま申し上げた国家公務員共済の場合も、そういう五十五万円というような高い俸給を取っておられる方についても、十一万円頭打ちということをやっておるようなことがございまして、相関連をいたすわけであります。さらにまた、厚生年金その他の保障額というものについても関係をいたすわけでございますが、そういうことで、こういう限度額とか最低保障額の問題は、地方共済だけで考えるということはなかなかできませんところに非常にむずかしい問題が実はあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても再検討すべき時期にきておることは御承知のとおりでございまして、私どもも鋭意その打開について努力しておるわけでございますが、現在のところまだ実を結んでいない、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/79
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080・山口鶴男
○山口(鶴)委員 検討しているが実を結んでいないという、山吹みたいな話ですが、地方議員の場合は、大臣も御案内だろうと思うのですが、公費というものは出ないで、議員の人たちのいわば掛け金でもって運用されていますね。といたしますと、国家公務員の場合は、もう繰り返しませんが、公社公団、営利企業等へ天下りする広い道が開かれている。しかもこれらの方々の場合は公費負担もある。しかし都道府県の知事あるいは議員等について自治省もある程度妥当な額というものを地方財政計画で見ているわけですね。しかもこの退職年金の場合は、みずからの掛け金で運用しているということになれば、当然私は、国家公務員の最高限度も考えなければならぬかもしれませんが、それ以上にいま言った地方議員の人たちのこの問題については、切り離してもやはり改善するということを考えてもよろしいのではないかという気がいたします。これに対する御所見を伺いたいのが一つと、同時に、いま行政局長も言われましたが、一般の公務員の人たちの最低保障をもっと引き上げることは、これは何よりも緊急務だと私は思います。スライド制について恩給審議会も答申を出しましたし、事務当局においても、このスライド制については、国会の附帯決議等の意思を尊重して鋭意検討しているようですが、これに対して一日も早く改善のめどをつけていく。さらに、大臣がいない間に議論したのでありますが、この所得制限が十万八千円から十一万七千円にたった九千円しか上がっていない、年金を受ける方の所得制限ですね。この所得制限等についても当然これは改善をすべきである、そういった一番最低の基準を引き上げていくということについても、これはより、そう力を注ぐべきだと思うわけです。こういったことについて大臣としての御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/80
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081・赤澤正道
○赤澤国務大臣 都道府県知事、市町村長あるいはそれぞれの各級議員の報酬の問題が、先年以上に世間の非難をあびましたのはお手盛りでやっているところに問題がありましたので、これは審議会の議を経てやるようにという一応チェックする道は開いたけれども、なかなかそれが所期の効果を出していないのはたいへん残念でございます。しかし、いまの地方公務員などのただいま御指摘になっている問題、これもそれだけ切り離して特にというわけにはなかなかいかぬ事情があることは御案内のとおりでございまして、これは同じ国家公務員にいたしましても、その他同じような公社公団にいたしましても、やはり同じような歩調をとっていく必要がありまするので、そういったことが再検討の時期に来ておる、と申しますよりは、これは前向きで種々検討を加えて、実情に合うような形に改めていくべきものであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/81
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082・吉川久衛
○吉川委員長 山口委員の質疑に対する人事院職員課長の答弁中、数字について確認の発言をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。菅原職員課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/82
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083・菅原馨
○菅原説明員 はなはだ恐縮でございますが、先ほどの十一万円の制限額のお話でございますが、年金の制限額ということで御質問いただきましたのか、給与額で御質問いただきましたのか、私ども給与額で可能性を申し上げまして、課長以上が該当すると申し上げましたが、年金の制限額で言いますとほとんど四、五人の程度しかないと思いますので、この点釈明さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/83
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084・山口鶴男
○山口(鶴)委員 それは給料月額十一万円という趣旨です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/84
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085・菅原馨
○菅原説明員 そこまでもいかない方が多いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/85
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086・山口鶴男
○山口(鶴)委員 そうしますと、この百二十三件、昭和四十二年承認をいたしましたもののうち、給料月額十一万円をこえる人たちについての割合は、じゃどの程度の割合だということなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/86
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087・菅原馨
○菅原説明員 個々の給与別の金額は出ておりませんので、いますぐ御報告申し上げる数字は持ち合わせてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/87
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088・山口鶴男
○山口(鶴)委員 いいです、それは。
大臣、いまお答えいただいたんですが、私どもも地方議会あるいは地方の自治体の首長で最近やや目に余る引き上げのあった地域については、これは私も遺憾に思います。ただ、自治省として基準財政需要額の中で見ております知事の標準報酬というのが約十一万、都道府県の議会の議員が十一万というお話でしたが、これも漸次上がっていく、来年はまた若干ふえるかもわかりませんが。そういたしました場合に、ある程度こういった地方公共団体の特別職なり議員について自治省として妥当と見ている数字というものがあるはずですね。しかもその数字が、かりに十五万なら十五万になる、ところがその退職年金のほうは十一万頭打ちというものがそのまま右へならえで適用になる、しかも地方議員の方々の退職年金というものは、これは公費負担というものはなくて、いわばみずからの掛け金でもって運用をしているという場合に、当然これについての改善の方法というものは私は考えてよろしいのではないかという趣旨です。私の記憶では、都道府県会議員の標準報酬が十一万よりはもっと高かったのではないかという記憶がございますけれども、それはあとで明確にしましよう。それはさておいて、その点に対する大臣の御所見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/88
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089・赤澤正道
○赤澤国務大臣 方向としては御指摘のとおりであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/89
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090・山口鶴男
○山口(鶴)委員 いいでしょう。これでやめましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/90
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091・吉川久衛
○吉川委員長 細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/91
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092・細谷治嘉
○細谷委員 少し目が回っておりますけれども、まあ協力します。
鎌田君、さっきの議員の十一万円というのはそうですけれども、知事は二十七万円だ。あなたの答弁は間違いだ。ですから訂正なさったほうがいいんじゃないかな。
そこで、いろいろと出てまいったわけでありますけれども、大臣にひとつお尋ねしたいことは、この共済法に限らず、いろいろな問題について法律案を通す際に附帯決議というものがつけられるわけであります。議決をされますと、大臣は、その附帯決議を尊重して善処いたします、こういう答弁を必ずいたすわけです。ところが、善処なり努力をされる確率というのはほんとうに微々たるものだ、こう申さなければならぬと思うのであります。先ほど山口委員の質問を通じても明らかになってまいったように、ここ数年間この共済問題についてもいろいろな重要な点が附帯決議として議決されたのでありますけれども、いままでの質疑応答を見ておりますと、半歩も前進しておらない、こういう状況なんであります。これについて大臣はどうお思いなんですか。附帯決議というのはただ法案を通す道具として承りおくという態度なんですか。もっと言いますと、附帯決議をつけるにあたっては、時としては理事懇談会等で、具体的に数字的なものまで含めてある程度詰めが行なわれて、それが附帯決議という文章になっている場合がある。それをすらも完全に無視をされておるという例がございます。これでいいかどうか、こう私は思うのでありますが、冒頭にひとつ承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/92
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093・赤澤正道
○赤澤国務大臣 それでよかろうはずはございませんので、もちろん附帯決議は十分尊重するという立場で進めておるわけでございます。たとえば地方税法を先般御可決になったものなんか一〇〇%ちゃんと附帯決議を尊重してやっておりますもので、たいていの法律にみなそれぞれ議決になるときには決議がついておるようでございますが、(「共済の附帯決議はだめじゃないか」と呼ぶ者あり)この共済関係の法律の附帯決議は、昨年の七月四日の附帯決議がここにありまして五項目あがっておりますが、なかなか当委員会だけで御決議いただきましても、やはり扱います自治省といたしましては、これは五項目とも全部どうも自治省だけで扱いかねる御決議の内容でございまして、これはもちろん当局といたしましては、前向きで関係各省とははかっておるわけでございますけれども、一〇〇%御決議のとおりにはちょっと運びかねるかもしれません。しかし、税制などは、当委員会では参議院と違ってもう金額にまで及んで御決議がございましたが、これなどは完全に自治省だけで処理し得るものはやっておることは細谷先生はお認めいただけると思いますが、この附帯決議はなかなか完全に御希望のとおりにいたしますからということはちょっと私申し上げかねます。しかし、御方針はよくわかっておる、この条件についての議決でございますので、今後この問題につきましては、早期に解決をはかる努力をいたすつもりでございます。決して附帯決議を粗末にする意思はございませんから、その点はひとつ御了承をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/93
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094・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、私は、附帯決議は何もやってないじゃないかとは言ってないですよ。附帯決議でやられたことが実現したのは微々たるものではないか。確かに五十五国会でやりました——大臣、自慢してそうおっしゃっているのでしょうが、住民税の課税最低限の引き上げ、こういうものは注文どおりやったじゃないか、こういうことでありましょうけれども、この税のときだって附帯決議はそれだけではないのですよ。たしか二点か三点あった。
それから、共済問題については、これはもういろいろなことが去年ばかりでなくて行なわれておりますけれども、ほとんど実現してないのですよ。これでは、大臣は自治大臣であると同時に国務大臣ですが、どうもことばだけでこの法案の質疑に対する答弁をしておる、そして、法案が済んでしまったら、もうあとはどうとなれ、山となれ、こういう結果になっておるのではないか、こう私は思うのであります。これではまことに情けない話でありまして、私どもは、自治大臣であり、国務大臣である赤澤さんに期待するところ大きいわけですから、そこであらためてこの問題についてお伺いしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/94
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095・赤澤正道
○赤澤国務大臣 ただいま、この手元に五項目あるわけでございますが、附帯決議は、そのつど御決議をいただいておる自治大臣がかわっております。かわっておりますけれども、附帯決議は附帯決議として生きているわけでございますので、私が前大臣のあとを引き継ぎましても、やはりこれは尊重はしなければならぬ。当然のことと考えておりますけれども、ただいま申し上げましたとおりに、なかなか国費を多く要する項目ばかりでございますので、自治省だけでは容易に片づかない事柄です。
また、国務大臣としてとおっしゃいましたけれども、言うまでもなく、機会あるごとにこの附帯決議の実現をはかる努力はいたしたいと考えておりますので、重ねて申しますけれども、御決議を決して粗末には考えておりません。わずかずつしか進まぬとおしかりでございますが、今後はもう少し大幅に進めるようにさらに努力を重ねたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/95
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096・細谷治嘉
○細谷委員 努力はなさっておるかと思いますけれども、残念ながら結果としてはどうもことばだけに終わっている、こう申しても過言でない状況でありますから、ひとつ附帯決議等ある場合には、それの早急な、完全な実現のために最善の努力をここでお約束していただきたいと思うのであります。
そこで、私はお尋ねしたいのでありますけれども、昨年の十一月三十日に、市町村共済の掛け金率が五年目ごとの再計算によりまして引き上げられました。その際にかなりもつれがあったのであります。その際に、あなたの部下である行政局長なり公務員部長が組合側とこの問題解決のために話し合ったと承っておるのであります。その話し合った内容はどういうものであったのか、どういう点がどういう形で話し合われたのか、それをひとつ大臣からお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/96
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097・赤澤正道
○赤澤国務大臣 その衝に当たりました事務当局からお答えしたほうが早わかりでございますので、そういうふうにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/97
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098・細谷治嘉
○細谷委員 私が特に大臣に名ざしで申し上げたのは、どうも共済等この種のことについては附帯決議を尊重するとおっしゃっておりますけれども、大臣のこの問題についての関心が薄い。あるいは附帯決議の内容そのものについて御理解がないのじゃないか。これは現実に証明されておることじゃないかと私は思うのですよ。ですから私は、たとえば地方税とかあるいは交付税率とかなんとかという問題になってまいりますと、大臣は必死で——私どもはあまり賛成ではありませんけれども、ああいうやみ覚書を表に出した、そういう努力をされたことは認めますが、この辺のことになりますとよくおわかりにならないで、どうもそばから書いた紙切れを読んで、尊重し努力します、こういうふうに棒読みをやっているのじゃないか。私はこれが証明されたのじゃないかと思うのですよ。それではいけないのですよ、大臣。これはたいへん重要な問題なんです。ですからひとつ、しっかりと腹の中へおさめ、頭の中へおさめていただいて努力しませんと、いま私が冒頭に聞いて、そしてお約束願ったことも、これもまた来年のいまごろになりますと何にも実がいってない、こういうことになるのじゃないかと思うのです。大臣は、クロールアセトフェノンについてはたいへんな勉強をしたと自慢をしておりますけれども、大切な共済問題についてあまり勉強なさってない。理解もされておらない。
そこで、大臣はあまり御存じないようですからそれだけ言って、ひとつ行政局長からその答弁をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/98
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099・赤澤正道
○赤澤国務大臣 おしかりをこうむったわけですが、ほんとうを申し上げるとそのとおりでございまして、不勉強な部分もあるわけでございます。しかし、最終は私が全責任を負いますから、具体的なそういう現場の話し合い等については、ひとつ事情は事務当局からお聞き取り願いまして、そのあとでまたお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/99
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100・長野士郎
○長野政府委員 昨年の十一月の終わりごろに、長期給付の掛け金率引き上げに伴いましていろいろ関係の方々とお話し合いをいたした点につきましてのお話でございます。これにつきましては、いま組谷先生からお話がございました。これは附帯決議というようなものではございませんので、今後双方において検討を加えていこうということで話し合ったものでございますが、そういう項目について一応取りまとめておりますものについてお話し申し上げます。
第一点は、資金の運用についての問題でございます。資金の運用のワクを一つは三号資産といわれておりますものを百分の五十程度に、二号資産につきましても若干拡大をして、利率を引き下げるように努力して、できれば来年度より実施したい。そして府県市町村につきましては貸し付け利率につきまして六分を五分七厘六毛程度に、都市につきましては六分四厘八毛を六分程度に、こういうことでございます。
資金運用の第二点は、指定都市や都市共済に対する不動産取得投資、これは御案内のように住宅とか分譲宅地造成などの事業でございます。並びに一般、災害貸し付けというものを新たに認めていく、こういうことでございます。
それから、その次には臨時職員期間の年金期間の通算制度につきましての問題であります。これは国公共済に準じて採用六カ月後から通算するように法律改正をする、こういうことを検討していこう。
それから第三番目は、市町村共済などの短期の掛け金率が政府管掌の健康保険等に比して一局い部分というものを共済小委員会において検討していただきまして、この改善の検討をされることについて自治省事務当局としても御協力をいたします。
それから第四番目は、先ほどもお話がありました遺族の範囲の拡大について検討してできるだけ早く結論を出したい、こういうことでございます
第五番目は、職員厚生費の増額につきましての問題でございまして、交付税の基準につきましても増額を検討する。それから、昨年の十月二十日閣議決定になりますところの公務員住宅の建設促進というような方針に対応して地方公務員の住宅の建設についての促進方について努力をしたい。
第六番目は、退職年金条例の給料年額の算定につきましての引き上げ制限、これは退職時の一年前の俸給の一号俸アップという引き上げ制限が昨年行なわれたわけでありますが、これの緩和については共済小委員会において検討されることについて——これは昨年改正をしたはかりでごさいますけれども、事務当局としてもその検討されるということについてはあえて反対はいたさない。
おおむねこういう項目であったように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/100
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101・細谷治嘉
○細谷委員 もう一点落ちておるのじゃないですか。共済長期掛け金率の問題は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/101
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102・長野士郎
○長野政府委員 私どもが検討いたしました項目はいま申し上げた点だと思います。
それから長期給付の掛け金率等につきましては、話はいろいろ出ておったと思いますけれども、双方で具体的にそういう話を進めるということに協力をしようというようなことにまでは至らなかったように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/102
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103・細谷治嘉
○細谷委員 七項目ありまして、いま六項目だけ説明があったのですけれども、七項目は共済長期掛け金率について「昭和四十四年十月の国家公務員の再計算改訂期までさらに強力に国庫補助率の引き上げに努力し、この時期に合わせて再改定を検討する。」こういうのがあったではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/103
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104・鎌田要人
○鎌田説明員 そういう要望がございました。ただ、これはいま局長から読み上げました問題とは切り離して要望がございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/104
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105・細谷治嘉
○細谷委員 お尋ねいたしますが、この「共済制度改善について」の自治省と自治労との話し合いの中であります共済小委員会というのは何をさすのですか。反対しないというのは何をさすのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/105
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106・鎌田要人
○鎌田説明員 いま読み上げましたのは、実はちょっとくどい話になるかもしれませんが、去年の十二月一日からの長期掛け金率の改定をめぐりまして、私と自治労の安養寺書記長との間の会談の記録のメモでございます。
これはその当時私どもが話をいたしておりましたのは、退職年金条例の算定の基礎になる給料年額のとり方につきまして、昨年政府提案をもちまして法律改正を行なったことは御案内のとおりでございます。その改正の直後から、えらい改正をしてくれたということで、自治労あたりから非常な不満が一部に出てまいりまして、これを何とかしてくれ、こういう話が私どものところに再々あったわけであります。
私どもといたしましては、この恩給制度のたてまえ、恩給条例、こういったものなり、あるいは府県の一般の職員とのバランスということを考えまして、特定の団体だけが退職のときに二号も三号も四号も、ひどいのは七号も上げる、こういうことは不合理ではないかということで、この政府提案をもちまして国会で御議決いただいたところでございます。そうでございますから、この点について政府提案でさらに改正をしろ、去年の七月に成立いたしました法律を半年もたたないうちに改正をしろ、これは政府といたしましては絶対にできないことでございます。ただ、これは国会の立法の範囲の問題でございますので、当地方行政委員会にございますところの共済小委員会でこの問題を取り上げて御検討をいただくということにつきましては——そこからは私ども当事者間の話し合いでございますので、はなはだ耳ざわりな表現に相なっておると思いますけれども、政府当局といたしましては、私どものこの考えを十分申し上げて、その上でこの小委員会の御判断、御決定に、非常に荒っぽい言い方をしますと、おまかせいたしたい、こういう苦衷をそこに述べたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/106
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107・細谷治嘉
○細谷委員 そうしますと、この共済小委員会というのは、衆議院の地方行政委員会内に設けられておる共済小委員会をさす、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/107
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108・鎌田要人
○鎌田説明員 そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/108
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109・細谷治嘉
○細谷委員 そういたしますと「共済小委員会において検討し改善することに協力する。」「共済小委員会において検討されることについては反対しない。」こういうことでありますから、自治省としては——大臣、こういうメモがお互いに交換されたわけですね。言ってみますと、衆議院の地方行政委員会の共済小委員会というのはこの協議に拘束を受けるということはないのです。しかし、自治省は少なくとも拘束を受けているわけですね。ですから自治省としては、こういうメモを、いわゆる約束というのが実現するために努力をする、そういう問題は取り上げた場合には自治省は反対ですとこういうことは言いません、こういうことなんですが、大垣、私が冒頭お聞きして、この問題を、何かよくわからないというのだが、そういういきさつがあるわけです。これについては大臣としては責任を持たなければいかぬと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/109
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110・赤澤正道
○赤澤国務大臣 国会でおきめ願うことはもちろん尊重をいたします。しかしながら、政府としてもまた政府の判断もあるわけでございます。この経過を背景にいたしまして、またいまのお話も承ったわけですが、やはり最終は、ここに文書で表現されておりますことも、こういった問題について共済小委員会で検討なさることについては、別に反対もしないということを言っておるわけでございまして、このことをそのまままるのみにするという表現になっているはずもございませんし、そうでないというふうに理解するわけでございますが、結局無視はいたしません。言うまでもなく国会でおきめになることでございます。小委員会でおきめになりましたら、それを十分尊重するという立場には立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/110
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111・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、そんなばかなことはないのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/111
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112・赤澤正道
○赤澤国務大臣 これは事務当局が組合と折衝されておることが中心になっているわけでございますので、私もこのことのいきさつは十分承知しておらなかったことはさっきおわびもいたしましたが、なかなか全部にわたっては頭に入りにくいわけでもございますから、ここらの議論は、事務当局の立場もあると思いますので、事務当局は政府の一翼でありますけれども、よくそのほうからも話をお聞き取り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/112
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113・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、私は事務当局にお聞きするのはいいのです。また、大臣はすべてのことを知り尽くせなんということを私は要求しているわけではないのです。問題は自治省の姿勢にかかっているわけですね。この内容について共済小委員会において検討されることについて反対しないということは、これはおもしろい、日本語ではこんな文章はおかしいですよ。大臣、こんな文章については戸惑うでしょう。それはどういうことかといいますと、この問題については双方話し合ったわけですね。退職年金条例、言ってみますと、さっきも話がありましたけれども、これは旧条例に基づくものです。いわゆる一年前の給料に対して一号俸加算されたものとするというわけですから、いままで旧条例で保障されておった既得権というものが剥奪されたわけですね。ところが、昨年の四十二年度の共済のものについて恩給法改正の際の法律の中でこれが恩給法に基づいて右へならえしたわけです。ですから既得権がかなり剥奪された事態が起こったわけですね。ところが、そういう法律ができてきたものですから、一年後に自治省が、去年出したのをまた改めてくれといって出すということは、朝令暮改のそしりを受けるのじゃないですか。しかし、実態はわかる、そういう既得権を剥奪したという実態はまことにお気の毒だ、何とかしたいけれども、自分のほうからは、一年前のことだからなかなか言い出しにくい。ですから、共済小委員会でこういう問題が取り上げられたならば、実質的にはそういう問題ができることに協力します、そういう文章でこれは反対しないということが出ているわけです。そういうことなんですよ。もう一つ、「改善することに協力する。」ということは、これはやはりそういうことが改善をされるように努力するということを約束したということなんです。いずれのものも、自治省としては努力をするという内容を持っているわけです。ことばは「反対しない。」と書いてある、あるいは「協力する。」と書いてありますけれどもいずれも自治省としては努力をする、国会でそういうことができるように努力するということは、話し合いの中で約束された、こういう理解が常識なんです。そういうふうな姿勢でなければならぬと思うのですが、先ほどのことばはわかりませんから、もう一度お答え願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/113
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114・鎌田要人
○鎌田説明員 差し出がましいようでございますが、先ほどからくどく申し上げておりますように、覚え書きという形もわざわざとらないで、これは両方合意の上で、私と安養寺自治労書記長との会談の記録であるということをわざわざ断わってあるはずでございます。それがまず第一点でございます。
それから、第二点といたしまして、この「検討されることについては反対しない。」というのは、これは先ほど申し上げたことの繰り返しになるわけでございますけれども、自治労のほうとしては、昨年度の改正をもとに戻してほしい、あるいは緩和してほしい、こういう強い御要望がございました。私どもといたしましては、私どもの考えに従って政府提案で国会で御審議を得た法律でございますので、これについて、この考え方を変えるということは毛頭できないということを終始申し上げておるわけでございます。そこで共済小委員会でそれを検討されることくらいには反対しないでもいいじゃありませんか、こういうことでございます。私どものほうでそれに協力するとか努力するということは毛頭申しておりません。この点は誤解のないように、くどいようでございますが、私から特に強く申し上げさしていただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/114
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115・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、これも御存じかどうか知りませんけれども、共済の長期の掛け金率の引き上げというのは、いろいろな経過を経まして、当初は四月一日から実施するということが半年延ばされて、去年の十二月一日から実施になったわけです。十一月の段階におきましては、この地方行政委員会でも取り上げられたことですけれども、かなり深刻な事態であったわけです。いまはもう過去のことですから、そんなことは忘れてしまったと言うかもしれませんが、かなり深刻な事態でありまして、特に市町村共済では、これはかなりたいへんな問題です。へたをしますと、裁判問題にまで発展しようという空気もあったほどなのであります。そういう事態において、最終的には鎌田公務員部長と自治労の安養寺書記長とが話し合った、こういう記録というのが基礎になりまして、十一月三十日午後四時くらいから、市町村共済等の機関の会議が開かれまして、この掛け金率の引き上げに応ずるという大詰めの結論が出たといういきさつがあるわけです。ですから、いまはもう冷えてしまったのだ——そういういきさつからいきますと、これはかなり深刻な、重要な記録なんです。覚え書きという形でない、あるといっても、共済制度改善についての双方の代表者の協議記録としてこれは当時の事態を解決した記録なんです。これは七項目盛ってありましたけれども、六項目となりました。この六項目が当時の紛争を解決した記録なんです。ですから、これは私は非常に重要な意義を持っていると思うのです。大臣はよく御存じないようでありますが、自治省としてはたいへんな責任があるわけです。ですから、ここで大臣の所信のほどをお尋ねしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/115
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116・赤澤正道
○赤澤国務大臣 当初からの御質問ですが、この附帯決議は、なかなか自治省だけで片づかない問題であることは先刻御承知のとおりでございます。国の財政支出が前提になるわけですし、やはり国家公務員を扱いかねているのもそこに問題があるからだと思います。地方公務員の場合は、やはりそれにならうという立場でございますので、自治省のほうでまずこの問題を先走って、あとで国家公務員のほうがついてこい、そういうわけにもなかなかまいりません。しかし、この問題は、やはりあわせて解決しなければならぬことであるという認識はもちろん持っております。
ただいまの自治労との交渉の経過でございますが、実は私、問題は知っております。知っておりますけれども、最終がどういう詰めになったかということは、十分聞いたり研究していなかったということは私どもの落ち度でありますから、それは認めはいたしますけれども、ここで共済小委員会において検討されることについては反対しないというのは、実にこれはむずかしいことでありまして、共済小委員会において検討された結果を尊重しますということではないので、やはり検討されることについては反対しないことに努力するということになろうかと思うわけでございます。それはやはり私はだいぶ意味が違うと思います。
こんな詰まらぬことを申し上げても始まりません。しかし、ただいまの質疑応答を通じまして当時の空気がややわかりかかってきたところでございますので、御趣旨はよくわかりますから、あとでまた当時の関係者などの話もよく聞きまして、こういった問題についての態度をきめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/116
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117・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、いま反対しないことに努力するという、ずいぶん日本語としてちょっと書いてみないとわからぬようなことです。これは反対しない、自治省としてはそういう朝令暮改というか、ことし積極的に政府案として法改正などをすることはしない、こういうところから出た文章でありまして、精神的にはそういうことが実現するように努力をするという内容なんであります。
そこで大臣、ことし二月くらいから今日まで全国の都道府県単位で市町村共済等のそれぞれの機関が会議を開きまして、当面共済問題について非常に重要だという二点にしぼって、各都道府県から、いずれも大臣のところに陳情書あるいは陳情が届いていると思うのであります。なぞめいてたいへん恐縮でありますけれども、この六つのうちの二つでありますが、どれとどれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/117
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118・赤澤正道
○赤澤国務大臣 なぞではなしに、そのものずばりで尋ねていただいたほうがわかりが早いと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/118
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119・細谷治嘉
○細谷委員 事務当局は知っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/119
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120・長野士郎
○長野政府委員 私の記憶も少しはっきりしませんが、いまいろいろ御議論のありました「検討されることについては反対しない。」という例の項目と、もう一つは、最初お話のございました長期給付の掛け金率の問題、こういうものでなかったろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/120
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121・細谷治嘉
○細谷委員 五十点なんだな。大臣、これはほんとうにそれだけの重要な経過をたどってきたこの文書について、七つというのを——七つなかったと言ったんですよ。だから私は、この七つを減して六つだと、こういうことをいま申し上げているわけですが、その六つのうち、確かに、いま言った退職年金条例のいわゆる旧令ですね、給料年額の算定についての引き上げ制限の緩和について、いわゆる既得権の剥奪だ、こういうことが全国の市町村共済の——県のあれですから連合会ですか、そして全国の市町村共済等から文書で、これはもう各委員全員のところにも来ていると思うのです私は、端的に言って、いろいろ問題があるのによくこの二点に市町村共済はしぼったな、文字どおりやっぱり重点だな、こういうふうに思ったのであります。ところが、残念なことに、行政局長は御存じないので、五十点なんですよ。鎌田さん、もう一つどれですか、当ててみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/121
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122・鎌田要人
○鎌田説明員 私はその文書を見ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/122
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123・細谷治嘉
○細谷委員 言ってみますと——その文書が来てないというのはおかしいと思うのです。たくさん来ているのです。これは私どもの各都道府県から全部来ているのですから……。言ってみますと、短期給付の掛け金率が一定の限界をこした場合には、いわゆる政管健保等に比して高い部分については、ひとつ地方自治体で持っていただいて、折半負担の原則はある限界までであって、それをこえた部分についてはひとつ地方公共団体で公費負担してほしい。その分については、国のほうで何らかの形で穴埋めしてほしいと、これは先ほど山口質問にあったことであります。もう一つは、いまの退職年金条例の給料年額の算定についての問題、いわゆる旧令による既得権の剥奪、この二点にしぼって、この春以来、各県の市町村共済は、いろいろ問題はありますけれども、この二点にしぼってやったわけです。それがたまたま、いずれも共済小委員会において改善することに協力するとか、共済小委員会で検討されることについて反対しない、こういうふうに出ている二点なんですね。これには、この文書にいろいろありますけれども、そこで長野さん、この六点のうち、政令で解決できるものがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/123
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124・長野士郎
○長野政府委員 この資金運用につきましては、現在、大体こういう方法において実施をいたしております。そのほかには、法律なり何なりの制度改正を必要とするわけでございます。私どもいろいろ検討しておるものもございますが、臨時職員の年金期間の通算について法律改正が必要かどうかということは、なお検討をしなければならぬと思うのでありますが、いずれにしても、実態の問題を、どういう認定基準を考えていく必要があるかということでいま実態調査その他検討を進めておる段階でございますが、そういう結論を得ました場合に、法律改正なり政令改正なりの問題が出てくるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/124
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125・細谷治嘉
○細谷委員 いまの答弁もたいへん不満なんですよね。去年の十一月末の話し合われた六項目、そうして資金の運用については、これは法律事項じゃないということでありますが、その他の五点は、法律事項か、あるいは政令で処理できるものなのか、この辺の区別すらもまだできておらぬ。しかも、いま法律は、関連のこの共済の法律には、きょうから審議に入っておるわけですよ。与党のほうからは、きょうじゅうに質問を終わってくれという矢のような催促なんですよ。そういう段階において、政府当局がこの問題について、政令でやるのか法律でやるのかの区別さえもついておらぬ、こういうことになりますと、これはたいへんなことですよ。そんなばかなことないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/125
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126・長野士郎
○長野政府委員 先ほど申し上げましたことにふえんして申し上げますが、お話しのように、一の資金運用につきましては、運用でほとんど実現をして、実施をいたしておると思っております。二以下については、いずれにいたしましても、制度改正の問題でございまして、私どもこの当時の考え方としては、いずれも法律を必要とするというふうに考えておったわけでございます。ただ、ずっと検討いたしておりまして、三以下は、これはどうしても法律改正が必要である。二については、政令で規定するということが不可能ではないというふうな大体の考え方を持っております。しかし、これにつきましても、一応の認定の基準とか実態というものを把握するということで、現在検討を続けておる、こういうことを申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/126
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127・細谷治嘉
○細谷委員 いまの答弁からいくと、また一つ問題が出てきたわけです。私は、きょうはからだのぐあいが悪くて、心臓がどきどきしておるものだから目が回りそうで、あまりものを言いたくないわけだけれども、二以下ということは、二というのは臨時職員期間の年金期間の通算制度、これは政令でいけるかもしれぬ。しかしまだ結論が出てない。三以下といいますと、四は「遺族の範囲の拡大について、速かに結論を出す。」こういうことなんだね。遺族の範囲の拡大という問題については、去年の四十二年度における地方公務員共済等の改定等に関する法律案、去年の恩給法の改正に伴う際に、これもずいぶん議論になったわけです。そして藤枝自治大臣が、この問題については政令で対処できますから、十万八千円ですか、先ほどもちょっと質問があったわけでありますが、政令で対処できますから政令で処理いたしますと、こういうことも言っておった。しかし、範囲の拡大という問題になりますと、これは法律の事項があるかもしれませんが、その一部は政令で処理すると去年約束されておった。その政令で処理したのが、胸を広げて、ある程度額を改定しましたと言うけれども、当時の議論の空気の一片すらも、空気の一かけらすらもくんで処理しておらぬようですね。ですから、言ってみますと、あなた方、朝令暮改であっては困るし、また、朝令暮改でありたくないと努力していることはわかりますけれども、答弁自体が朝令暮改の感じがありますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/127
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128・鎌田要人
○鎌田説明員 遺族の問題につきましては、いまの遺族の範囲の問題と、それから、主として云々という問題と、それから、先ほど来御議論がございました所得の認定基準と、結局この二つの問題があるわけでございます。遺族の範囲におきまして主としてというのにひっかかる問題は、これは当然法律事項、それから十一万七千円という所得の認定基準の問題は、これは運用方針の改正の問題でございますので、その点を一緒に御答弁申し上げましたのでいまのようなことになったのかと存じますが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/128
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129・細谷治嘉
○細谷委員 そういう意味では、私は所得の金額の問題については、実は去年解決したものと思っておったところが、山口委員の質問を通じては、解決したようなかっこうをとっておりますけれども、実質的には解決してない、こういうことです。そこで、そのほかの問題になりますと、遺族の範囲の拡大ということになりますと、これは法律事項が出てくるわけです。もう一つ、二の政令か法令かということですが、これは長野さん、国家公務員よりも過酷な条件をつけているでしょう。あなたのほうは、都合のいいときは恩給法に右へならえさして既得権を剥奪しておいて、臨時職員の期間の通算については、国家公務員より過酷な条件でいまやっているでしょうが。そうでしょう。国家公務員に右へならえすることなら政令でいいはずです。ですから私は、そういう政令というあなたの考えがあるのじゃないかと思っておったのですけれども、どうもそれもはっきりしてない。どういう内容の改正をしようと思っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/129
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130・長野士郎
○長野政府委員 二点の臨時職員の年金期間の通算制度につきましては、お話しのとおり国家公務員よりもやや条件が違っておりますが、その条件の違っております理由は、従来、地方公共団体の場合におきますところの臨時職員になりかわったり、いろいろな実態が国よりたいへん複雑でございます。したがいまして、その時期なり何なりについてのはっきりとした基準というものがなかなかきめられないということがありまして、そういう臨時職員期間に、たしか厚生年金の適用を受けた者についてはひとつこういう中へなるべく広げていくということで考えたようであります。ただ、その場合にも、採用後十二カ月の期間というものははずすというかっこうで、多少の食い違いがある。そこでそれをさらに広げるということに相なりますと、もう少しはっきりした、認定基準と先ほどから申しておりますが、そういう基準というものを実態を把握しました上で明確にしながら、実質上国と同じそういう制度に乗せるような準備が必要だと思っております。したがって、実質的には国に準ずることに私どもいたしたいと思いますが、実態関係がやや複雑でございますので、実質が国に準ずるような形で整理いたしますためのいわゆる基準というものをもう少し検討をいたしたい、こういう段階でいま作業を進めておるようなところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/130
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131・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、あまりことばは適切じゃありませんけれども、恩給法ができたから恩給法に右へならえという形で、旧条例に基づく既得権、たとえば市なら市につとめておった人がやめるときは一号俸アップする。この人は十年以上つとめたからさらに一号俸アップしてやろう。二十年つとめたからもう一号俸アップしてやろう。三十年、一生ささげたのですからもう一号俸アップしてやろう、こういうことがやはり行なわれているわけですよ。はなはだしい場合になりますと、六号とか七号という例もあるようですが、少なくとも一生をささげてやめた人が、恩給法があるからといって、過去にはそういう形で条例で処理されてきたものを、やあ過去一年前に一号俸加えただけですよという形で法律で押えちゃったわけです。旧条例関係の人はたいへんな被害が起こっているわけです。そういうことを強行しながら、片や国家公務員よりもきびしい条件で、国家公務員の臨時職員の通算よりも——国家公務員は足切りはたしか半年です。地方公務員は足切りは一年だというのです。一年むだです。期間においても差別があるでしょう。それから、二十二日以上常勤の態様であるということ。しかも、当時の金で五千六百円以上の収入でなければならぬとかなんとかいう過酷な条件をつけておるのですよ。そういうことでありますから、やはり国家公務員に準ずる、国家公務員にならっているならば、少なくとも右へならえしてからものを申したほうがいいんじゃないですか。右へならえしてからこの既得権については問題があるからということで処理すべきでありますけれども、その辺の処理は早々とやってしまって、既得権の侵害ということで問題になりますと、反対しないという形になって、国家公務員と違った待遇については、これは法令か政令かまだ態度がきまらぬということは、これはやはり困るわけですよ。私は、この点に関する限りは、この二の問題は政令でいいんじゃないかと思う。大臣、どうお思いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/131
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132・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私は、最初からおわびしておきましたけれども、役人をやったこともないし、実は給与関係、特に共済関係あたりは少し不勉強でございまして、体験がないわけですから、組谷さんのいろいろな御希望にぴったりしかねておるのかもしれません。しかし、元来共済というものは社会保険の一種ですから、掛け金がどう使われようが、そういうことはとやかく言う筋合いのものではないけれども、むずかしいというのは、公費に食い込む分があるから、そうしますと、公費というものは大なり小なり国民の血税に関係がある。しかも公務員という立場なものですから、いろいろなそういうことが根っこにありますから、いろいろ答弁にも窮屈があるのではないかというように思うわけです。しかし、やはりこういうことはほうっておいていいとは考えませんし、ただいま御指摘の問題につきましても、国家公務員に準ずるということは私は当然のことでもあると思います。しかし、いま内部では地方団体の場合でも、地方公務員の場合でも、そのまま国家公務員に準じられるものもあるし、また、それぞれ実態を調べてみますと、にわかに右へならえできがたいものもあるし、実態を調べてみるとなかなかむずかしいようです。私が理解しかねる面もありますので、先ほど申し上げましたように、このことにつきましてはさらに勉強いたしまして、そうして御期待に沿うという努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/132
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133・細谷治嘉
○細谷委員 大臣のことばの中で一つ私は心配することがある。実態、実態とおっしゃいますが、一例をあげて参考にしたいと思うのです。司書教諭というのが学校教育法で置かれることになっているわけですね。これも残念ながらあなたのほうの官吏の附則八条みたいなものだ。自治法施行後今日まで、「当分の間」と書いてありながら、二十二年五月一日から今日まで二十何年間そのままになっているのですよ。そういう国費職員の身分と同じように、学校に司書教諭を置かなければならぬ、こういうふうに法律でうたっておきながら、ただし当分の間は置かないでもよろしいとただし書きが書いてある。その当分の間というのはいまも連綿として続いておるのですよ。そういうことでありますから、これはどうにもなりませんものですから、司書教諭がないものですから、たとえば学校では、市町村でやむを得ずPTAもひとつ協力してくれぬか、市のほうもひとつ少しの金は出しましょう、あるいは最初PTAのほうが負担をして、そして逐次市町村の自己財源でやっていって、今日ではもうほとんど全部そういう人が正規の職員になってきているわけですね。ところが、昭和三十四、五年ごろでしょう、そういうものは交付税で計算したから、PTAの会費をそんなところへ使っちゃいかぬ、こういうことで交付税に算入された、こういうふうにおっしゃって自治省から通達が来た。通達が来たといったって、現実にはわずかの金が、交付税の中でもらったかもらわないかわからないような形で来て、現実には司書教諭がおりませんから、助手という形で人が図書館なら図書館におるわけですね。そういう形ですよ。そういうのは、言ってみれば、雇用関係というのは最初はあるいはPTA雇用という形だった。その次には半分PTA雇用という形であった。半分は市町村の職員。片足は市町村、片足はPTA、そうしてそれが正規職員になってきた、こういうふうになった場合には、これはどこから境にするかということ、任用の時期というような形式を追ってばかりでは相済まぬと私は思うのです。法律自体が今日までごまかしてきているのですから、当分の間といいながら二十何年間もほったらかしておるのですから、実態、実態ということであなたのほうがあまりおっしゃいますと、これはまた、たとえば政令を改正されても意味をなさないと思う。そういう例をあげますとたくさん——一時間くらいしゃべってもいいのですけれども、大臣にはひとつ後ほど勉強していただくことにして、私もからだが悪いからもうしゃべりたくないから、この程度にします。
そういうことがありますから、そういう実態、経過、こういうものを加味して、国家公務員に右へならえ、半年の足切り、国家公務員にはそれ以外の条件はないわけですから、これはひとつ政令でやりますと、ここではっきり言ってくだされば、六つのうちの問題は五つになるわけです。その六つは公務員部長との話ですが、私ども国会議員としての立場は、まだものを申したいほかの点がありますから、それはまた後ほど申し上げますけれども、六つのうち一つ減るわけです。私は政令でいいと思うのですが、それをはっきりここで答えていただけませんか。——それでは、いますぐできないのなら、私の質問をこれで保留しておきますから、次に質問をやる際に、冒頭にお答えいただけばいいと思います。時間も迫っておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/133
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134・吉川久衛
○吉川委員長 午後三時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
午後一時三十五分休憩
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午後三時五十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/134
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135・吉川久衛
○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/135
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136・細田吉藏
○細田政府委員 けさほどの御質問のございました臨時職員の取り扱いについて申し上げたいと思います。
臨時職員の取り扱いにつきましては、地方公共団体における雇用の実態が必ずしも明確でありませんので、現在のような取り扱いをしておるのでございますが、実態をよく調査をいたしまして、実情に即した取り扱いをするよう検討の上政令の改正をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/136
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137・細谷治嘉
○細谷委員 実態に即応するように政令の改正をするということでその点は了解いたしますが、原則的な点についての御発言がないわけです。私が午前中申し上げておりましたのは、現状は国家公務員と差別的になっておるではないか、少なくともこれはやはり国家公務員に右へならいさすべきである、同時に、地方公務員はいろいろな経過から複雑な実態を持っておりますから、その実態は、私が一例を申し上げた経過というのをよくのみ込んだ上で即応した措置をしなければいかぬのだ、こういう二点に私はなると思うのですが、後段のほうだけの答弁でありますから、その点ひとつ補っていただきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/137
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138・細田吉藏
○細田政府委員 臨時職員の取り扱いにつきまして、国家公務員と地方公務員との差別があるということは、ただすらっと考えますとおかしなことである。しかし、実態は国家公務員の臨時職員と地方公共団体の臨時職員との間に、ただいまの御質疑の中にもございましたように、いろいろな場合がございますために、必ずしも同一でないということが今日に至っておる理由であろうと私は思います。全然同じものであるならば、これが同じ扱いでないこと自体が実にけしからぬ、おかしなことであります。やはりいろいろな形態の臨時職員がございますために、今日こうした矛盾点といいましょうか、そういうことが起こっておる、かように考えるわけでございます。それらの点につきまして十分実情を調査をいたしまして、実情に即した取り扱いをするように検討を加えて政令で直したい、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/138
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139・細谷治嘉
○細谷委員 それではこの問題は、いずれ小委員会で検討されることになるかと思いますが、具体的な内容につきましては、小委員会で審査する際にその内容を教えていただきたい、こう思っております。
そこで、六つのうちの一つは法律でなくて政令でやるということでございますので、もう一つ私はお尋ねしておきたいのであります。
「遺族の範囲の拡大について、速かに結論を出す。」というときについて、午前中御質問したのですが、二つ問題点があるわけですね。一つは、遺族の法律的な範囲という問題、これは現実に即応しないんじゃないか。私はこれは法律事項だと思うのであります。主たる生計の問題という形で十万何がしかという金額なんですね。十万八千円か幾らかだと思うのですが、これは少なきに失するではないか。少なくとも今日の貨幣価値からいって、やはり一人であっても月一万五千円なり二万円くらいなければ生活できないのじゃないか、こういうことが理事会なり理事懇談会の中で議論されまして、その辺は、当時は藤枝大臣でありましたけれども、政令にゆだねますので、政令できめられることであるから、実情に即したようにきめる。その際に、私は、大体一人二万円となると年二十四万円、盆暮れ等をその中に考慮した上でも二十四万円、現実に少なくとも二十万円以上くらいにはすべきではないか、こういうことを申し上げたわけです。この点は政令で処理できるのだということでありますが、その範囲の法律的なものは別として、その主たる生計をやる区切りである金額の問題については、どういう形で政令でおやりになるのか。この前そうおっしゃっておるのですが、おやりになるとすれば、どういう程度で改定をするつもりなのか、これもあわせてお聞きしておきたいと思うのです。というのは、私は、期日もあまりないことでありますから、小委員会に落とされた際にもやはり問題点をしぼっておいたほうがよろしいんじゃないか、こう思いまして御質問申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/139
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140・鎌田要人
○鎌田説明員 所得の認定基準の問題でございますが、これは午前中も御説明申し上げましたように、給与法上の扶養親族の認定基準の例によって自治大臣が定めるということになっておるわけでございます。したがいまして、この基準につきましては、給与法におきます認定基準、これは具体的に申しますと、満十八歳の独身男子である高校卒試験採用の国家公務員、具体的には八等級二号俸でございますが、これの東京都における標準生計費の二分の一の額というものによることにしておるわけでございます。この基準によりまして、国家公務員の共済組合におきましても、扶養親族の範囲というものをこの所得認定基準を用いておるわけでございます。したがいまして、この認定基準の問題といたしましては十一万七千円、高いか低いかという議論はあろうと思うわけでございますが、そういう給与法上のものさしがございますので、また国家公務員の認定基準という面もございますので、私どもといたしましては、大蔵省その他の関係省庁とも連絡を密にいたしまして、引き続き検討をさしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/140
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141・細谷治嘉
○細谷委員 ちょうど大臣が見えましたのですが、大臣、私の承知しておるのでこういう実例があるわけです。
母親一人、むすこ一人、そのむすこは学校の先生だったわけです。おかあさんのほうは、なくなった御主人の年金か何かがあったのでしょう。よく知りませんけれども、それが一年間で十万何がしかをこしておったわけです。そういうことでありますので、むすこが交通事故で死んだわけですが、ところがその所得がわずかの関係で主たる生計の範疇からはみ出すわけですね。私は詳しくは知りませんけれども、現金ではなくて貸し家か何かの家をおそらく持っていたのでしょう。だから掛け捨てなんですね。ところが、おばあさんとまではいかぬが、中おばあさん、おばあさんの入口くらいかもしれませんが、その人は十万何千円かの所得があって、むすこがおりますから生活ができたわけですが、そのむすこが交通事故で死んで一時金もこないのです。掛け捨てですよ。こういう一例からいっても、いま検討するという公務員部長からの答弁をいただいたのですけれども、非常に現実に即していないわけですね。これはやはり地方公務員共済だけの問題ではないのだということでありますけれども、進んでこれは積極的に直すべきだと私は思うのです。ただ政令で処理するということだけでは問題が片づきません。大臣いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/141
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142・赤澤正道
○赤澤国務大臣 それはたぐいまれな極端な例であろうと思われますが、あり得ることだと思います。そういうこともまじえまして検討の対象にいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/142
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143・細谷治嘉
○細谷委員 これもひとつ、小委員会で検討の際に自治省の具体的な考え方をお示しいただきたいと思います。
そうしますと、次に、「交付税基準について、職員厚生費の増額を検討する。」こういうことになっておるわけですが、これはどういうことになっておるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/143
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144・鎌田要人
○鎌田説明員 従来、職員一人当たり千円でございましたが、これを四十三年度から交付税の単位費用の計算上、千三百円に増額をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/144
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145・細谷治嘉
○細谷委員 千円が千三百円でございまして、これは予算で行なわれたわけで法律事項ではないわけです。三割上がったわけです。ところで、この問題につきましては、かつて臨時行政調査会のこの問題についての方針が打ち出されておりますね。これはどういう水準でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/145
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146・鎌田要人
○鎌田説明員 臨時行政調査会の答申におきましては、「国家公務員の福利厚生面は一般に貧弱である。」云々ということになっておりまして、これは国家公務員の「法定外福利費は職員一人あたりわずかに年額九百円に過ぎず、」云々。そこで「少なくとも十倍程度に増加して予算に計上するとともに、人件費その他をこの面に流用する不明朗と不均衡を改むべきである。」こういうことを言っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/146
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147・細谷治嘉
○細谷委員 臨時行政調査会は、福利厚生費九百円というときに十倍ということでありますから、少なくとも九千円程度にすべきだ、こういうことになっておるわけですね。民間のほうではどのぐらい厚生費を使っておりますか。数字はおわかりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/147
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148・鎌田要人
○鎌田説明員 日経連が昨年十二月に調査したところによりますと、従業員一人当たり月額四千三百十六円というものが入っております。ただこれを簡単に千三百円と比較をするということは無理だ、と思いますのは、この中にはたとえば通勤費の支給分が入っておりましたり、あるいは食費の補助が入っておりましたり、あるいは住居費の補助が入っておりましたり、こういうものが入っております。これを比較するということになりますと、地方公務員の場合でございますと、通勤手当でございますとか、あるいは先ほど来申し上げておりますところの共済の不動産投資なり、あるいは住宅貸し付けなりで行なっておりますもの、その他の職員住宅等に地方団体が支出いたしております経費、こういったものも比較をしないと全き比較はできないであろう、こういう注釈をつけなければならぬだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/148
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149・細谷治嘉
○細谷委員 四千三百円ということにしますと、十二倍いたしますと年間およそ四万五千円ですよね。内容のことについて触れられましたが、その内容はひとつ小委員会の検討の際に日経連が発表した内訳等の資料をいただきたいと思うのでありますけれども、それにいたしましても、大体福利厚生費というのは、職員が良好な条件の中において勤務できるような条件を整える、こういうのが国家公務員についての法律上の規定ですね。地方公務員については、四十二条でありますけれども、四十二条というのはいまのところは全く宣言規定みたいになっているわけですね。ところが、臨時行政調査会は、三十九年ですか答申しているわけですね。それは、十倍だ、民間は、とにかく福利厚生というものは現在の千三百円の大体四十倍程度だということでありますね。きわめて不十分だということです。ですから、千円が千三百円ということは自慢にならないのであって、あなたのほうは去年から五割増しの要求をなさっておったのですが、去年はゼロに切られて、ことしようやく千三百円になったわけです。これも何も補助として出るのではなくて、交付税計算の中に算入するわけですから、コップの中のあらしみたいなものですよ。絶対量がふえたわけでも何でもないわけですね。そういうことでありますので、どうですか、大臣、臨時行政調査会の答申というのは十倍程度にすべきだ、こういうことを答申をいたしておるわけです。それと比べますと、まあ十分の一にしかすぎないのが今日の状況です。一ぺんにとは申しませんけれども、年次計画を追うてやはり臨時行政調査会の答申にアプローチするということは、私は当然な政府の責務であろうと思うのでありますが、大臣のこの問題についてのお考えをひとつお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/149
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150・赤澤正道
○赤澤国務大臣 御指摘のとおりでございまして、これまた十分検討の対象にしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/150
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151・細谷治嘉
○細谷委員 少したよりない答弁で、どうもあすになったら忘れてしまうのじゃないかというような口の動きでありますけれども、まあ、ひとつ大臣、これからこの種の問題は一生懸命やるという最初からの御答弁ですから……。
そういたしますと、先ほど長野局長から六点言われましたが、最終的に集約いたしますと、一の問題については山口委員にお答えになったわけでありますが、この資金運用の現状、これはひとつ参考までに小委員会への資料として御提出をいただきたい。
それから、二の臨時職員の期間の通算につきましては、政令で処理する、その立場というのは国家公務員に準じてやっていく、こういうことが明らかになったわけでありますが、その態様が複雑だということでありますので、具体的なお考えを小委員会の席上等ではっきりしていただきたい、こう思っております。
遺族の範囲につきましては、範囲の拡大の問題についても検討すると同時に、金額等のラインの引き方も非現実的だということはお認めになったようでありますから、この辺についても小委員会で、自治省で検討した結果をお示しいただきたい、こう思っております。
五の職員厚生費については、きわめて不十分でありますから、先ほど民間についての資料をお願いいたしたわけでありますが、ひとつどういうふうにしていくかというような臨時行政調査会の答申にアプローチする年次計画なり、あるいは基本的な態度、そういうものをひとつ小委員会にお示しいただきたい、こう思っております。
そういうことになりますと、六項目あるのが法律事項としてしぼられた点は、文字どおり各県の市町村共済があげて二点にしぼって陳情をしておりますこの退職年金条例の給料年額の算定についての問題と、それからこの短期の問題についての市町村共済の上限の処理の問題、こういうことになったわけでありまして、大体言ってみますと、こういう問題を、共済小委員会という、しかも衆議院の共済小委員会という名前を出したことについて、いささか差し出がましい字句が入ったと私は思うのでありますけれども、そういう形で共済小委員会の検討にゆだねる、こういうことでありますから、自治省当局も、誠意を持ってこの問題については対処していただきたい、こう思うので、この関連する問題についての大臣の最終態度をひとつお示しいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/151
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152・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もちろん誠意を持ってこの問題については十分検討しなければならぬと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/152
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153・細谷治嘉
○細谷委員 それでは、この問題については終わりまして、あと一、二点質問いたしたいと思います。
山口委員から質問もあったのですが、いま都道府県の議員は十一万円の頭打ちですね。これは法律で一般の公務員が十一万円で頭打ちをしておりますから、それを受けまして、自治大臣が承認をいたさないものですから、十一万円という形に定款がきめられておるわけです。これは三十六年ごろの話です。一般公務員は三十三年でありますから、それよりもあとでありますけれども、当時は、府県会議員は六万五千円くらいの平均の歳費だったようですが、今日は十四万三千円になっておるというのであります。そうなってまいりますと、何か要望は十五万円ということでありますけれども、私は、十五万円自体が、当時のスタートのときから比べますと、合理性がないのではないか、こういうような気もいたします。しかも、これは公的負担というのがないいまの年金なのであります。各人が負担するわけです。そういうことになりますと、これは一般公務員もむろんでありますが、知事については二十七万円という財政需要を認めながら、依然として十一万円、それも三十三年ごろで、いまから十年前のことです。十年前というのは一昔ということでありますけれども、今日の経済の動きというのは、十年間が昔の百年くらいに相当するような動きになっているのです。それすらも、しかも附帯決議に出たものを、いまだに他との関係がありますからという形でほとんど取り組んでおらない。長野さん自体がちょっと自分のことに関係があるからということで消極的かもしれませんけれども、それはよろしくないことであります。三十三年のときに合理性を持っていたものが、今日も合理性を持っているはずはないわけなんですから。歳費も六万三千円から七万円くらいの平均だったのが、今日は倍になっている。ですから、言ってみれば、合理性というのは、ずばり言えば、二十一、二万円というのが合理性ということになるでしょう、当時合理性があったという前提に立てば。それをしも今日全くほうってあるということは、無責任もほどがあるのじゃないか。少しことばが激しいのでありますけれども、そういう感じがいたします。ですから大臣、これは改むべきじゃないかと思います。掛け金もむろんふえてくるわけです、十一万円で頭打ちしておりますから。知事が二十七万円の給料をもらっておっても、十一万円でしか掛け金はせぬわけです。支払うほうも、それがベースになってくるわけですから、これはもう改むべきじゃないかと思います。大臣、それはあなたの周辺にいる局長もそうなんですよ。別に高級官僚を支持するわけではありませんが。先ほどの質問に対しては、それよりも最低限のほうをやるほうがいいという政務次官のおことばです。その政務次官のおことばはなるほどもっともであって、そこ々ちょっとはぐらかした答弁だと私は思っているが、これもしなければなりません。これも一種の最低限です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/153
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154・赤澤正道
○赤澤国務大臣 やはり他に影響するところが非常に大きいわけでして、だから、一つのちゅうちょを感じているようでございます。しかし、全体から考えて、御指摘のような時期がきていると思います。ですから、この問題につきましても、積極的に前向きで取り組まなければならぬと考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/154
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155・細谷治嘉
○細谷委員 積極的に取り組むという大臣の誠意は私は了解いたします。ただ、この問題は自治省だけで解決できない。国家公務員にもある、公共企業体にもある、恩給にもあるのだ、こういうようなことで、せっかく大臣が誠意ある答弁をしましても、焦点がぼけてしまう。逃げ場は幾らもある。やってみたけれども、ほかに影響があったからうまくいかなかったという形で逃げ場がたくさんある。そのためこの問題が、何べん決議してもでき得なかった。それは大臣が冒頭お答えされたとおりです。それでは困るのです。おそらく大臣は、国務大臣として全体の景色をながめながら、自分の責任であるこの問題については改定をしますという責任ある御答弁だと受け取るわけですが、そういうふうに受け取ってよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/155
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156・赤澤正道
○赤澤国務大臣 前にも申しましたとおり、他へ波及するのが非常に大きいわけでございますので、ちゅうちょしておったということをいま申し上げたわけですけれども、全体としてやはり改定の時期にきていると私は考えるわけでございますので、積極的にと申しましたことは、いま国務大臣としてというふうな御指摘もありましたけれども、そういった意味合いで深刻に受け取っているわけでございます。その点御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/156
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157・細谷治嘉
○細谷委員 今度政府から提案された法律の中には、いままで通算されておらないものについても特例としての通算制が認められるようになったわけですが、それはどういう内容なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/157
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158・鎌田要人
○鎌田説明員 恩給公務員と地方公務員あるいは地方公務員相互の通算関係で申しますと、現行の地方公務員の共済制度のたてまえにおきましては、恩給公務員と教職員以外の市の一般職員、この間の通算の規定、それから県と市との在職期間の通算の規定、それから市と市の職員の通算の規定、こういうものが施行日に引き続かないものにつきましては通算が行なわれておらなかったわけであります。昨年の一月から、文官恩給につきまして、軍人恩給の加算年の資格期間に通算するという制度改正が行なわれたわけでございます。地方公務員の場合でございますと、ただいま申し上げましたような教員以外の市の職員というものにつきましては、通算が行なわれておらなかったものでございますから、単に軍人恩給の加算年だけではございませんで、県と市、それから異なれる市と市、こういったものとの通算の規定もあわせてこの際整備しよう、こういうのが今度の改正案をお出しした理由であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/158
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159・細谷治嘉
○細谷委員 県と市の間の通算もしていくとか、A市とB市との間の通算もしていくとか、あるいはいままで日満日だった、あるいは日満だった、こういう場合には通算されておったけれども、満日というのはいかなかったという政府案が今度の国会で修正された、こういういきさつからいきまして、年金制度自体も、基本的性格から、この問題は私は賛成しております。いいことだと思う。それが、年金のそもそもの社会保障へのアプローチなんだ、こう思いますから、それでけっこうだと思うんです。
そこで、私がお尋ねいたしたいことは、前からも問題になっておったのですけれども、たとえば市町村会議員をやって府県会議員になった、府県会議員から市町村会議員になった、こういう場合の通算というものは、これもやはり考えてやるべきじゃないでしょうか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/159
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160・鎌田要人
○鎌田説明員 この点につきましては、四十一年でございましたか、附帯決議をいただいて、検討いたしたわけでございます。ただ、この際問題になりますのは、市町村の議員、それから府県の議員の報酬のレベルというものがまことに区々でございます。それから、かりに通算するという場合、大多数の場合は、市町村の議員が府県の議員になられるという場合が圧倒的に多くて、府県の議員が市町村の議員になられるという例はあまりない。こういうことになるものでありますから、前段、市町村の給与の水準がはなはだ区々であるということのとらえ方の問題、それから後段、いわば市町村から府県への一方交通という形になって、その財政負担というものが府県に結局集まってしまうわけでございますので、この負担をどうするか、こういうことから、いまだに結論を出しかねておる、こういう状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/160
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161・細谷治嘉
○細谷委員 今度の法律の二条の二項ですか、通算制の拡大特例の原資は一体どこから持ってくるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/161
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162・鎌田要人
○鎌田説明員 全額追加費用で地方団体の財政負担になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/162
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163・細谷治嘉
○細谷委員 どのくらいの金額になる予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/163
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164・鎌田要人
○鎌田説明員 どの程度の金額になるか、実は計算のはじきようがまだないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/164
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165・細谷治嘉
○細谷委員 そういう答弁では困るわけです。通算制を持ち込んでおきながら、何人ぐらいで、どのくらい金がかかるのかまだわからないという形で、それで法律を出されても困るわけですよ。それよりも、むしろ公費全額負担だというのでしょう。たとえば市町村会議員から県会議員になった場合、いまは残念ながら共済は市と県と町村との三本立てですから、原資を植えかえていけばいい。その人の持ち分を植えかえて、納め方が少ない分については、いまは十二年ですが、その人が四年間しか掛け金をやっていない場合は、掛け金が少ない場合はちゃんと差っ引いているわけですよね。一〇〇%もらっていないのですよ。そういう計算ができる。ところが、市町村会議員から府県会議員に行った場合のそういう計算は複雑でできないのだ。数はそんなに多いものじゃないですよ。いまのようなものについては、できないのに法律は出したということになりますと、ちょっと私は理解に苦しむのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/165
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166・鎌田要人
○鎌田説明員 精密な計算の根拠がないという趣旨で申し上げたのでありまして、概算五千万円程度に相なるかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/166
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167・細谷治嘉
○細谷委員 何人で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/167
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168・鎌田要人
○鎌田説明員 五百人であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/168
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169・細谷治嘉
○細谷委員 そこで、公費負担、全体で五百人ということでありますけれども、この辺は、社会保障というのは後退は許さないというのが鉄則でありますだけに、やはり着実に前進させるというのが大体こういう制度のたてまえであろうと思う。そういう点でこういう制度はけっこうですよ。五百人程度、五千万円程度の公費負担だ、こういうことであります。ここまで公費負担するならば、大臣もおっしゃったように、いろいろ問題があるかもしれませんが、それは個々の波の問題であって、大きな波じゃないわけですよ。やはり、地方自治を育成するために努力した議員というのは、府県会であろうと、市町村会であろうと、これは価値は変わらないわけです。いずれも貴重なものですよ。そういう人たちに、制度があるのに、市町村会で八年だ、そして府県へ行ったら八年だ、通算十六年になったけれども年金はないのだ——数年前に、八年くらいの一時金というのがありましたが、それは二%上げての話で、百分率で二%上げて、そういう一時金をやることになったわけですね。そういう点からいきますと、十一万円は全部頭打ちだ。国会議員は頭打ちがない。国会議員は十二年か十年だ。そして、この間法律を改正した際に、納めた分の一時金をやる、こういう制度になってきているとしますと、やはり国会自体もお手盛りだと言われることになるわけですね。そういうことでありますから、それは減額されるのはあたりまえなんです。いまのやつは、恩給のようにまるまるもらうわけじゃなくて、共済制度でありまして、自分が金を出して、公費との大体半分半分でそういう年金制度がつくられておるわけですが、議員の場合はないわけですよ。全部自己負担なんです。自分たちのかけ金で成り立っているわけですね。そういうことからいって、大臣、どうでしょうか、ここまで来ましたら、その地方議員の通算制、これはこの委員会で四十年の五十一国会か五十二国会かのとき非常に議論されたことなんです。どうでしょうか、この辺はやはりおやりになるのが筋じゃないでしょうか。これもひとつ承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/169
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170・赤澤正道
○赤澤国務大臣 通算した結果が、結局国費であれ、県費であれ、公費に食い込むということに問題点がある。結局そういうことで掛け金の範囲内で処理される分ならとにかく問題はないはずだと思うのです。それで、この市町村会議員が都道府県会議員にかわった場合につきまして通算するということについて議長会が反対しておるようですけれども、ということは、結果的に県費に食い込むということはまずいということではないかと私は思うわけなんですね。ですから、それはお考えは私は間違いではないと思っております。思っておりまするけれども、やはり先ほど社会保障というものは後退しないのが鉄則であるといったようなことばをお使いになりました。私はやっぱりこういうものにもそういうものがあるとするならば、限界というものを考えざるを得ないから、今日こういうことがまだ未解決で残っておるというふうに私は考えるわけなんです。しかし、たびたび申し上げますとおりに、ぼつぼつこういった問題も再検討の時期に入っておると考えておりますので、こういうものもあわせていろいろな計算をやり直してみる必要があるのではないか、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/170
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171・細谷治嘉
○細谷委員 たいへん歯切れの悪いお答えでまことに遺憾ですけれども、この辺は私はこの問題を今国会でついでにやっちゃえなんて、こういうことを言っているわけじゃありません。長い間苦労した一般公務員が、A市につとめておってそれからB市に来た、こういうような形で切れておるのをつないでやる、これはたいへんけっこうなことであります。そういう制度はやはりステディーに拡張をしていくべきものである。そういう場合に、私は地方議員も国会議員も一まとめにして通算しちゃえということを言っておるわけじゃありません。少なくともその地方議員に——多くの場合、市町村会から府県会、こういう形、あるいは区会議員から都会議員、こういう例が多いわけでありますから、この辺の通算というのは考えてやるべきじゃないか、こう思っております。私の言うのには何も経済的な負担が起こらないように、電子計算機も要らぬですよ。その人が市会議員として、あるいは区会議員として八年間とすると、その間は歳費が少ない。したがって掛け金が少ないわけですから、そして都会議員になって年金がつくとすると、それに応じて年金を減らしてやればいいわけです。法施行前から府県会議員であった人に対しては一〇〇%やっているんじゃないから、みんな掛け金の少ない人は減らされているのですから。そういうことで一度計算すればずっとやっていけるわけですから、事務的にたいしたことはないわけです。ですから各共済間で原資を移しさえすれば掛け金は上げなくてよい。ところが、掛け金を千分の二ばかり引き上げてどうのこうのということになると、やる意思は全くない、こう言わざるを得ない。掛け金はそういう理由では上げないで、払うほうの年金をそういうふうにしてやったほうがいいんじゃないか、こういうことを申し上げておるんですが、ひとつ十分御検討願いたいと思います。
時間が来ましたので、最後に、長期と短期についての国庫負担の問題について私は御質問したいのです。長期につきましては、公費負担が一五%になっておるんですが、数年前からこれを二〇%にするということで自治省も努力をなさったようでありますけれども、一向にらちがあいておらぬ。こういうことなんですね。どうでしょうか、私は、まあ長期、短期とも公費負担というのはあるわけですが、この公費負担でやるとすれば、その穴は国庫負担で、国庫で何らか埋めなければならぬわけでありますが、いまは長期の場合は一五%が交付税で計入されておるわけですね。これを二〇%にするか。交付税のワク内操作というのは他に影響を及ぼすんですから、五%はひとつ新しく国庫負担というのを導入する。あるいは短期給付というのはいまは国庫負担がないわけですね。そうかといって、この種の問題について国庫負担はどれにもないかというと、そうでもないわけですね。厚生年金についてもそうでしょう。農業年金についてもそうでしょう。一六%あるわけですね。厚生年金は二〇%あるでしょう。そういうことでありますから、私は国庫負担というのは長期、短期——健康保険ですね、これはもう考えてやる段階にきているのじゃないかと思う。私はずばり言うならば、もう交付税計算の一五%は公費負担として、その程度にして、五%はひとつ国庫負担にそのまましなさい、交付税のワクじゃなくて。同時に、短期のほうも二〇%要求していますけれども、一ぺんにいけませんから、最初のときは五%、二年目は一〇%、三年目は一五%、その次が二〇%ということで、年次を追うてやっていけばよろしいのじゃないかと私は思うのです。この辺の長期、短期についての公費負担と国庫負担の問題について、私はまあ例示の形で質問したのでありますが、大臣、どうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/171
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172・長野士郎
○長野政府委員 お話しのとおり、この長期給付につきましては公費負担は国家公務員の共済組合とか地方公務員の共済組合においては一五%の負担になっておりまして、そして厚生年金では公的負担部分が百分の二十になっております。これは常に附帯決議等におきましてもそういうものの引き上げについていろいろ御議論がございますことは、もうよく承知しておりますが、ただ、いきさつから見て、また、実質から考えますと、この厚生年金におけるところの国庫負担率の引き上げの割合と、それから共済におきますところの一五%という問題とは、結局給付内容というものが厚生年金と共済において非常に違うわけでございます。厚生年金の場合は、御案内のように勤務しておりますところの全期間の平均標準報酬というものをまとめます。それから、こちらのほうは、退職前の三年間の平均給与というものを基準にしている。あるいはまた、年金の支給の開始の年齢が、厚生年金は六十歳で共済組合は五十五歳となっているというようなことで、いろいろまあむずかしい算出の根拠があるようでございますが、そういうもので計算をいたしますと、厚年におけるところの二〇%というものは、同じようなものと引き画して、共済の長期給付に要する費用に引き当てて見ますと、大体一分の十二から百分の十四くらいのところにいくというのが、一応そういう保険数理関係の人たちの考え方でございます。したがって、そういうことで結局均衡がとれているんだ。農林共済につきましても、十六になりましたのも、やはり農林共済自身の実態の内容におきまして、従来は退職前五年平均の標準給与というもので考えておりましたものを、退職前三年平均に改めるということで、負担軽減という意味で一五%から一六%に引き上げた。それによって実質的な内容が大体共済に近づいてきたというようなことが言われておるようでございます。そういうことでございますので、この長期給付についての国庫負担率というものは、形式的に見ますと厚生年金は二〇%であり、共済関係はすべて一五%ということでございますが、これを二〇%に引き上げるということになります場合には、やはりすっかり全体の考え方なりすべての関連というものを無視して考えていけというわけにはなかなかまいらぬ。どうしても全体の調節をとりながら、公的年金についての公的負担割合というものを考えていかざるを得ないということに相なります。
また、短期給付につきましては、要するに、折半負担というものが原則になっておりまして、折半負担であるということをどういうふうにして考えるか、こういうことになりますと、いろいろ議論がございます。現に地方団体の短期給付については、非常に苦しんでおるところがあるじゃないかという御議論もございます。私どもは、短期給付調整資金というものを短期給付について考えてみたいと思っておりましたが、なかなかこれは全部の賛成が得られない、そういうこともあるわけでございます。結局、いろんな要因がございますけれども、また同時に、医療給付を中心にしておりますので、その医療制度といいますか、医療保険関係といいますか、そういうものの抜本改革というものとの関連におきまして、そういう際に何か国費導入なり何なりというものの一つのめどがつけられるのかつけられないのか。どうもだんだん検討しておりますと、そういうところで一つの転換なり切りかえなり考え方が変わっていくというときがないと、いろいろ御要望がございますけれども、そこまでなかなかいかぬのじゃないか。そういうときに、この折半負担なり何なりという考え方に新しいものが加わっていくというようなことになるのではないかということ、まあ実は非常に悲観的なことを申し上げるようで恐縮でございますけれども、ざっくばらんに申しましてそういう状況でございます。
なお、そういう意味で、何も検討を怠っているとかそういう意味ではございませんが、以上のような状況でございまして、先ほどから私どもも、なおなおこの問題についてまつ正面から取り組んでおるわけでございますが、いままでの状況では非常にむずかしいいろいろな問題がある。しかしながら、なおなおそういう意味で検討を加えさせていただきますために、多少の時間をかしていただきたい、こう申し上げるほかないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/172
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173・細谷治嘉
○細谷委員 多少の時間はかしてきたわけだ。いままだ多少の時間をかしてくれというのですかね。あなたがそう言うだろうということを私はもう承知している。厚生年金二〇%というけれども、共済から見ると、実質的には一三%くらいにしか当たらないんだ。交付税であなたのところは一五%を見てやっておるじゃないか。だから、厚生年金二〇、二〇というけれども、それよりもっといいんだ、こういうような論理でしょう。それは大蔵あたりから、主計官があなたに言うんならわかるけれども、あなたがここで答弁するのは、これは三、四年前のときならいいけれども、もうその答弁はいまは通らないですよ。私どものほうから出しております法律は、長期、短期いずれも二〇%にしなさい。しかし、長期については、その二〇%というのは、現在一五%だから、五%上げなさい。それはもう交付税計算ではいかぬ、国庫負担だということをぴしゃり言っているわけじゃないのです。いずれにしても二割にしなさい。
もう一つは、短期についても二割である。それを私が、いまあなたがおっしゃったような現状がありますから、たとえば政管健保の場合は二百五十億ですか、定額負担ですけれども、これを定率負担にしてくれというのが前々からの非常な叫びでありますが、これは一年後に抜本改正ということが行なわれるはずでありますから、それはその段階でいいでしょう。しかし、それが抜本改正が行なわれた後に何とか考えようということじゃなくて、私は、だからその私どもの出した法律とは違って、少しおこられるかもしらぬけれども、飛躍して、ことしは五%、来年は一〇%、その次は一五、その次は二〇といって、その間にはよもやまの景色をながめていけば均衡はとれるのじゃないか。いずれにしても、政管健保にはいま定額で負担をやっているけれどもこの問題については一つもないわけです。指定市は健康保険でやっているでしょう。いまの共済よりも健康保険のほうがいいという声が組合員には多いんですよ。そういうこと等を考えていけば、一部のものについては国庫負担の制度があるわけですから、この短期の問題にも国庫負担の制度を導入したらいかがか。その率については、一気に二割なんていうことになりますとアンバランスが起こりますから、全然ないところでございますから、五%ぐらいまずやってみて、そうして、それからバランスをとりながら、全体の抜本対策も行なわれるはずでありますから、よもの景色をながめて、バランスをとっていけばいいんじゃないか、こう思って言っているわけだ。言ってみると、私どものほうから出している法律より少しはみ出したものの言い方をしているわけです。非常に現実に妥協し過ぎたものを言っているわけですが、大臣、これについてひとつ誠意ある答弁を期待して、私のきょうの質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/173
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174・赤澤正道
○赤澤国務大臣 なかなかむずかしい問題でございます。たびたび申し上げますように、掛け金の範囲内でまかなえるものなら問題はないわけですけれども、しかし、やはり掛け金率を上げるということになれば、すぐ問題もあることでございますので、いかに公務員という立場であれ、国費、県費など公費を食う場合には、よほどそこはよく考えなければならぬことは言うまでもないところでございます。しかし、もうどんどん生活水準、内容その他経済も激しく動いておりますので、ぼつぼつこういった問題もあわせて再検討する時期がきておるということを先ほどから出し上げておるわけでございますが、御期待に沿えるようなことになるかならぬかわかりませんけれども、まあよもの景色をながめるとおっしゃったけれども、とまっておってながめる景色も、少し歩みながらながめる景色も、よもの景色には変わりないわけでございますので、よく御趣旨を体しまして、積極的な態度で検討したい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/174
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175・細谷治嘉
○細谷委員 とまってながめるということを私は言っているのじゃないのです。進みながらながめていっていいじゃないかということでありますから、進みながらながめながらやっていこう、こう答えていただかぬと、これはアプローチになりませんわ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/175
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176・赤澤正道
○赤澤国務大臣 少しずつ進みながらということですが、とまっておってもよもの景色はながめられるということを申しましたのは、どうも適切な引例ではないかもわかりませんけれども、しかし、たびたび繰り返して申し上げるようですが、そういう時期にもきておりまするので、真剣に取り組みたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/176
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177・細谷治嘉
○細谷委員 いいです。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/177
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178・吉川久衛
○吉川委員長 おはかりいたします。
本法律案につきましては、地方公務員等の共済制度に関する小委員会においてその審査を行なうことといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/178
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179・吉川久衛
○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、明後九日木曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時五十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X02519680507/179
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