1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十三年四月十七日(水曜日)
午前十時十八分開議
出席委員
委員長 古川 丈吉君
理事 齋藤 憲三君 理事 志賀健次郎君
理事 田澤 吉郎君 理事 坪川 信三君
理事 早稻田柳右エ門君 理事 金丸 徳重君
理事 山花 秀雄君 理事 小沢 貞孝君
小渕 恵三君 加藤 六月君
金丸 信君 佐藤 孝行君
根本龍太郎君 羽田武嗣郎君
水野 清君 安宅 常彦君
武部 文君 森本 靖君
中野 明君 田代 文久君
古内 広雄君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 小林 武治君
出席政府委員
郵政大臣官房長 溝呂木 繁君
郵政大臣官房電
気通信監理官 柏木 輝彦君
郵政大臣官房電
気通信監理官 浦川 親直君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 米澤 滋君
日本電信電話公
社副総裁 秋草 篤二君
日本電信電話公
社総務理事 大泉 周蔵君
日本電信電話公
社理事
(施設局長) 北原 安定君
日本電信電話公
社理事
(計画局長) 井上 俊雄君
日本電信電話公
社理事
(経理局長) 中山 公平君
日本電信電話公
社営業局長 武田 輝雄君
専 門 員 水田 誠君
—————————————
四月十七日
委員石橋政嗣君、江田三郎君及び栗林三郎君辞
任につき、その補欠として森本靖君、武部文君
及び安宅常彦君が議長の指名で委員に選任され
た。
同日
委員安宅常彦君及び武部文君辞任につき、その
補欠として栗林三郎君及び江田三郎君が議長の
指名で委員に選任された。
—————————————
四月十六日
簡易郵便局の受託範囲拡大等に関する請願(田
村元君紹介)(第四〇五七号)
同外二件(細田吉藏君紹介)(第四〇八六号)
同外四件(小山長規君紹介)(第四一二七号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三八号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/0
-
001・古川丈吉
○古川委員長 これより会議を開きます。
公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。武部君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/1
-
002・武部文
○武部委員 私は、きょうは基本料の問題と加入区域の問題について、若干質問をいたしたいと思います。
最初に、基本料と設備料との関係についてでありますが、三十六年の国会の議事録を見ますと、当時、政府は、この設備料というものは新規に架設をする費用である、基本料は維持費である、使用料はサービスへの対価であるということをはっきりと明言をしておられるのでありますが、今日もこの考え方には変わりはございませんか。その点をひとつ最初にお伺いしたい。設備料は新規に架設をする費用、基本料は維持費、使用料はサービスへの対価である、こういう点を三十六年の国会で答弁をされておりますが、そのようにいまでも理解をしてよろしいか、この点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/2
-
003・武田輝雄
○武田説明員 いま御質問の、設備料は新規に架設する場合の費用の一部に充てるものということは、変わりはございません。なお、基本料は維持費でございますが、基本料とその他の通話料、市外通話料等を含めまして、サービスを提供いたします対価というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/3
-
004・武部文
○武部委員 いまの基本料の説明、もう一度やってください。ちょっとわかりませんでしたから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/4
-
005・武田輝雄
○武田説明員 維持費の経費が基本料の金額にぴったり一致しているという意味では、正確にはそういうふうに申せませんが、大体大筋の概念としては、いまお話しのありましたように理解していただいてけっこうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/5
-
006・武部文
○武部委員 そうすると、なぜ加入数がふえた場合に基本料が上がるのか、この点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/6
-
007・武田輝雄
○武田説明員 御承知のように、現在加入者番号は四数字を使用いたしております。したがいまして、物理的には一万入るわけでございます。実際には一万入りませんが、物理的には一万の加入者を収容することができるということになります。
そこで、加入者が一万以上になりますれば、新たなる局を起こさざるを得ないということになります。したがいまして、局番一数字を付加いたしまして五数字の番号にしなければならない、さらに大きくなれば、六数字の番号にしなければならない、さらに加入者がふえれば、東京、大阪のように七数字の番号にしなければならない。そういうふうに、局番を含めて数字が多くなってまいりますと、それだけ設備の数といいますか、セレクターのステージの数がふえてまいりまして、機械の面で経費が増加いたします。また、そういうふうに局がふえてまいりますと、局と局とを結びます中継線の組み合わせが、いわゆる組み合わせ理論で非常にたくさん要るということになって、その面でも経費がふえてまいります。それから、加入者が多くなれば、それだけ通話範囲がふえるということで、電話の効用もふえてまいります。
また、一般的に申し上げまして、加入者の少ない局よりは加入者の多い局のほうが、加入区域も広くて線路も長いというようなことで、加入者がふえますと、効用があがりますほかに、いま申し上げましたように、機械設備並びに中継線等の諸経費がふえてまいりますので、諸外国でも同様でございますが、わが国におきましても、加入数がふえれば基本料を高くする、こういうシステムをとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/7
-
008・武部文
○武部委員 いまの御答弁でわかりましたが、そうすると、加入数がふえるということは、効用があがるということでありますね。そういういまの答弁でありますね。
そうなってくると、資料でいただきました「設備料について」という五ページの(ハ)の設備料についての性格、内容という項を調べてみますと、いまおっしゃったのと同じような効用が著しく高まっておるという文章がここで書かれておるのであります。設備料についてもこれは効用が高まっておる、したがって、その面からいっても上げなければならぬ、こういう理由がここに記載されておるわけでありますが、いまの基本料の問題についても、同じように効用ということを言われる。したがって、性格が非常にあいまいだと私は思うのですが、その点についてはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/8
-
009・武田輝雄
○武田説明員 基本料につきまして、私はいま効用ということを申しましたが、主として中継線、機械設備等の組み合わせによります経費の増を主として考えておるわけでございます。
なお、設備料につきましては、全体として三十六万円の総設備費が要る、また、加入者の線路だけでも六万円も要るわけでございますので、いまお願いいたしております程度の額は、その一部にしか相当しない額でございますから、電話架設の緊要性にかんがみまして、設備料を、現在提案いたしておりますように上げていただきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/9
-
010・武部文
○武部委員 装置料が設備料に変わったのは昭和三十六年でございますか、その前からこの問題がいろいろ論議をされて、昭和三十四、五年ごろから装置料から設備料に変わるという、いろいろ具体的な資料が出ておったのを私ども承知できるわけでありますが、三十四年の自由民主党の電信電話拡充特別委員会というのがありまして、それの資料を見ますと、単独または構内電話の新設の場合に、当時の一級から三級、一個四万三千万かかっておったものが、設備料の新設によって一万一千円少なくて、三万二千円で済む、同じように、七級から十二級では、五千円ないし八千円、単独または構内電話の新設については安くなるのだ、こういう資料を私は見ておるのであります。装置料から設備料になった場合、少なくともその当時はそのように下がるのだという資料が出ておったにもかかわらず、いまになって一万円を三万円に上げるということは、非常に理解に苦しむのですが、これについて、ひとつ見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/10
-
011・武田輝雄
○武田説明員 三十五年に拡充法の制定をお願いいたしたわけでございますが、そのときには、いま御指摘のようなことを申し上げました。三十五年に、当時の負担法を改正いたしまして拡充法にいたしましたのは、当時、電話の需要がきわめて旺盛でございまして、それに対して何とか対処してまいらなければならないということで、さしあたり、入ってまいります債券の額、東京が最高六万円でございましたが、これを最高十五万円にさせていただいたわけでございます。その債券の額をふやすことによって、さしあたりの建設資金の調達に資そうという考えで債券額を上げたわけでございます。と同時に、債券額をずいぶん上げました反面、加入者の御負担ということも考えまして、当時の負担金、これは級局によってきまっておりましたが、負担金を廃止いたしまして、同時に、装置料というふうに呼んでおりました公衆法上の架設の際にいただく金を設備料という名前に改めたわけでございます。そして、そのときに、債券の市場価値ということを勘案いたしまして、加入者負担ということを計算いたしますと、いま御指摘のようなことになるという説明をいたしたわけでございます。
しかしながら、今回は電電公社の経営自体も非常に悪化いたしてまいっております。その悪化いたしてまいっております一つの原因は、債務負担が逐年増加する、あるいは債務の増加によって利子負担が逐年増加しているようなこともございますので、今回は拡充資金の確保を目的といたしたわけでございますけれども、現金でいただきたいという考えのもとに、新規に架設される方々には若干負担は上がることになりますが、しかし、いま申し上げましたように、建設に相当の金を要しますことと、また、電話の効用もふえている、あるいは国民所得もふえているというようなことで、この際、実質負担額を上げさしていただいても社会的に容認されるのじゃないかというようなことで現金の分を上げさしていただく、こういうふうにお願いをいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/11
-
012・武部文
○武部委員 先ほど私が申し上げた三十四年の自民党の電信電話拡充特別委員会の資料というのは、電電公社から出したものでありますね。したがって、当時は、装置料というものを設備料に変えるという場合にも、むしろ公衆の皆さんには負担が少なくて電話がつくんだぞという意味で、宣伝を非常に強くされておった。それは議事録を見れば一目りょう然わかるのであります。ところが、いまになってそれが三倍にはね上がるということはたいへん理解に苦しむのですが、いろいろいま理由をお述べになっておるわけですけれども、これには私どもいろいろ反論はあります。反論はありますが、一応の見解として、一応承っておきたい。
そこで、三十六年以降現在まで十四級——十四級は当時はございませんが、このランク、六段階のランクが十四段階に変わった、基本料の段階ですね。級局別基本料、これが当時は最高が一千円、十二級ありましたけれども、六級以下は同じことですから、大体ランクにいたしますと六つになっておりますね。それで今度は十四級になった。それで三十六年以降、このランクの上昇で、たとえば何千から何千までは何級何百円、こういうふうにきまっておりますが、これが自然的に、電話の加入がふえることによって一級ずつ上に上がりますから、公社の増収は、この基本料が上がったことによって、ランクが上昇したことによって、大体いままでにどのくらいあったと推定をしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/12
-
013・武田輝雄
○武田説明員 いま御指摘のように、加入者がふえる、あるいは自動改式される、あるいは合併が行なわれるといったようなことで級局の改定が行なわれました局数を申し上げますと、四十一年度で八百二十八局、四十二年度で、推定が若干入っておりますが、大体七百四十七局ございます。しかしながら、一加入者当たりの基本料の収入単金というものはむしろ減りぎみでございます。大体八百円前後で若干減りぎみでございます。したがいまして、いま御指摘のございましたように、上がりましたときにつきましては確かに増収になっておりますが、しかしながら、また新たに自動化され、度数制が採用された場合などは、安い基本料が適用されるといったようなことでございまして、一加入者当たりの平均基本料というものはほとんど変化がない、若干下がりぎみであるというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/13
-
014・武部文
○武部委員 金額については、ほとんど推定できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/14
-
015・中山公平
○中山説明員 現在、御質問の三十五年度以降でございましたでしょうか、これにつきましては、手元に資料を持ち合わせておりませんけれども、大体におきまして、先ほど営業局長から級局改定の数を申し上げましたけれども、こういうもので一年に、東京都のような大きなところを除きますと、六億円から七億円程度のこれによる収入の増があったものと推定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/15
-
016・武部文
○武部委員 そうすると、一年に、東京のような大きなところを除いても六億円から七億円とすると、三十六、三十七、三十八年、三十九年で四、五十億円の増収はあったというふうに見ていいわけですね。三十六年当時、東京の台数は大体六十七万台、大阪で二十数万台加入という数字が出ておったようであります。
そこで私は、この十四段階の基本料の問題について少し意見を伺いたいのでありますが、現在の級局別基本料によりますと、たとえば六級に例をとりますと、八百から二千加入があったものは五百円の基本料である、二千をこえたら、百円上がって六百円になる。したがって、八百から二千でありますから、その間には千二百の差がある。したがって、かりに八百の局があった、それが千二百に上がった場合には百円上がるわけでありますね。千二百で百円の基本料が上がる。ところが、上のほうになってくると、二級ですと、百万台上がって初めて百円上がる、こういうことになりますね。下のほうでは、千二百ほど加入がふえれば百円ぽんと上がる。東京なら東京では百万台ふえなければ百円上がらない、こういう非常に矛盾があるように私は思うのです。
この点については、効用がどう違うのか、こういう点については、公社としてどうお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/16
-
017・武田輝雄
○武田説明員 確かに、いま御指摘のような矛盾があるかと思います。しかしながら、現在、電話の資本費用と申しますか、運営費を全然除きまして、利子と減価償却費だけを計算いたしますと、それだけで月二千六百円の経費が要るということになるわけでございます。もちろん、先ほども申し上げましたように、局の大小によりまして経費に若干の差はございますけれども、しかしながらそれほど大きな差はないわけでございます。そこで、いま申しましたように、運営費を除いて利子と減価償却費だけでも二千六百円要る、こういうことでございます。
そこで、現在の料金体系が持っております一つの非常に不合理な点というものは、基本料の水準が非常に低いということが一つと、もう一つは、特に一級局とかといったような、級局の加入者数の少ない局の基本料と大局との間に差があり過ぎるということだと思います。これは確かに、下のほうの級局は加入数が非常に少なくて上がることになっておりますが、これは昔、非常に加入者数の少なかった時代の一つの産物だと思いますので、いま御指摘のような点の矛盾は確かにございますが、これは、そういう意味で近代化をしていって、基本料金全体の水準を引き上げるとともに、大きな局と小局との格差を是正していくということが、やはり基本料体系の改正として必要でないか、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/17
-
018・武部文
○武部委員 大臣もこの問題についていろいろ述べておられるようでありまして、この級局別の段階のとり方を縮小する方向がいいじゃないかという発言があるようであります。いまの答弁を聞きますと、水準を引き上げて格差を是正したいというような意向も、公社のほうにあるようであります。で、確かに、この級局別の基本料を見ますと、非常に矛盾があるように思います。したがって、黙っておっても、電話がふえればふえるだけこれはもうランクが一つずつ上がって、ふところに入ってくるという仕組みになっておる。したがって、前の段階では大体六段階、それが十四段階になっておる、大臣もおっしゃっておるようでありますが、これをもう少し合理的なものにすべきだという意見が非常に強いのですが、大臣の見解をひとつこの際伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/18
-
019・小林武治
○小林国務大臣 お話しのように、毎々私は、かような多数の級局の必要はない。ただ、こういうことを考えなければなりません。いわゆる基本料は、概括的に申して維持費だ、こういうことになると、維持費というものは、投下資本に対する利子と償却、こういうものになっておって、これは大局と小局とあまり違わないじゃないか。したがって、これをいじる場合には、かえって加入者数の少ないほうのが基本料をかさ上げしなければならぬ、こういう矛盾といいますか、私はそれがほんとうだと思いますが、しかし、そういうことになると、現状に多くの変更が加わる、しかも、その加入者の少ない局の基本料がかえって上がる、こういうふうな現象が出てくるようになるのでありますが、このことは、やはり現状というものもある程度考えなければならぬ、急にこれを上げてどうこうと……。それから、要するに、電話の資本投下の効率というものが、小局と大局は非常に違うのです。大局は、市外通話もすれば度数料もたくさん入ってくるが、小局は使用が少ないということになると、資本の効率がうんと低い。こういうふうなことからいたしましても、むしろ、いまの小局の基本料は安過ぎはせぬか、こういうことが出てきはせぬかと思うのでありまして、要するに、現状との妥協という点でこれらを考慮しなければならぬ。
いずれにしましても、こんな複雑な級別はひとつ廃止するほうがよいし、また、いまお話しのように、わずか加入数がふえるとすぐに級が上がる、こういう問題が出てくるのでありますが、これは私はやはり不合理だと思う。前は、電話は年に五十万とか七十万とか、いまでは電話は百五十万もつくのに、こういうふうに小さく分けて、ちょっと加入数がふえると、すぐに級局が上がるなんということはよろしくない、そういう点においても直すべきではないかと思う。ただ、このまま理論的にやると、小局がかえって基本料が高くなる心配がありはせぬか、そういうふうな現状との妥協も考えなければなりませんが、要するに、ちょっと加入数がふえると、すぐ上のランクに自動的に上がるなんというようなことはあまり合理的でない、こういうように私は考えております。だから、この級別はひとつ整理をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/19
-
020・武部文
○武部委員 大臣の見解はわかりましたが、そこで、前々から問題になっている東京の基本料のことについて、ちょっと触れてみたいと思う。
このことについては、先般の予算の分科会で、公明党の中野委員のほうからもいろいろ質問があったことを議事録で承知をいたしました。で、東京の二十三区のこの値上げについて、大臣としては、省議で至急結論を出したい、協議をしたいという意味の答弁をこの予算分科会でおやりになっておる。これから先もこうした事例がどんどん出てくると思うのでありますが、特にいま公共料金の値上げ等をめぐっていろいろ問題が起きているやさきに、こうしたことが自動的にどんどん上がっていくということについて特例をつくる考えはないかというような見解についても、先ほど申し上げるように、省議で至急検討して結論を出したいというような見解を述べておられるようでありますが、その際に、大臣としては、自分たちが省議でそういうことをいろいろ論議をして結論を出しても、要は、電電公社に納得してもらわなければならぬということも、この議事録を見ると述べておられるわけであります。したがって、あとで申し上げたいと思いますが、これから名古屋の例も出てくるわけであります。そういうふうに、たいへん大きなところでこうした基本料の値上げが起こってくるわけでありますが、当面、この問題について経済企画庁あたりでもいろいろ意見が出ておるようでありますが、ひとつこの際、もう一回大臣の御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/20
-
021・小林武治
○小林国務大臣 いま私が申し上げたように、加入者数のうんとたくさんあるところは、かえって電話の使用効率というのは非常にいいわけであります。したがいまして、先ほどの、百万ふえて百円しかふえないのに、小さいところはわずかですぐに百円ふえる、こういうことがありますが、そういうところも考えられておるのだと思います。要するに、市外通話料あるいは度数料等でもって非常にたくさんの収入があるということは、資本の効率がうんと高い、したがって基本料はそう高くなくてもよかろう、こういうふうな点からこれが出発しておると思うのであります。
そういう意味からいきますれば、上のほうは資本効率が非常に高いということになると、そう上げぬでもいいじゃないか、たとえば十二級で打ち切ってもいいじゃないか、こういうふうな問題もあり得るわけであります。十二級以上のものはみな十二級にしてしまったらいいじゃないか、こういうふうな考え方も、特例としてはあるのでありまして、検討をいたして、私もそういう趣旨が実現できれば非常によいと思って相談をしておるのでありますが、電電公社では、そのことの非常な困難性を幾つかあげられまして、そういう特例を出すということは非常に困る、こういうことで、いまその話が進んでおりません。
その困る理由を、ひとつ電電公社からこの際説明をしてもらって、御参考にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/21
-
022・武部文
○武部委員 じゃ、電電公社のほうからひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/22
-
023・武田輝雄
○武田説明員 現在、公衆電気通信法の四十四条によりまして、一級から十四級局までの加入者数がきめられておりまして、この数に達しましたならば、公社は、電話取り扱い局の種類を区別して、これを公示しなければならないということになっております。したがいまして、公社としては、法律上、当然そういうふうにせざるを得ない義務を負っておるわけでございますが、私ども、基本料につきまして考えておりますことは、先ほども申し上げましたように、三十六万円もかかる、そして資本費用だけで、すなわち利子と減価償却費だけでも月二千六百円かかるわけでございます。ところで、東京の料金は、現在事務用が千百円、住宅用が七百七十円でございます。これが十三級局に上がりましても、料金は、事務用につきまして百円、住宅用につきまして七十円上がるだけでございます。そうしますと、上がりましても、なお資本費用の半分にも満たない、住宅用に至りましては、三分の一にも満たないという額でございます。
もう一つ、電電公社は、電話を架設いたします場合に加入者債券を引き受けていただいておるわけでございますが、東京につきましては、この加入者債券の額が十五万円でございまして、これに年七分二厘利息を払っておるわけでございます。十五万円の七分二厘ということになりますと、月々九百円の利子をお払いしておる、公社は、九百円の利子をお払いして七百七十円、上がりましても八百四十円の基本料をいただいておる、こういった、全く公社としては持ち出しみたいな形になっておる基本料でございます。したがいまして、われわれといたしましては、あくまでもこの基本料水準を引き上げるということが、将来にわたりまして、電話サービスを維持していく一番大きなポイントになるというふうに思います。
そういう点から申し上げまして、どうしてもこの際、法律どおり上げさせていただく、のみならず、先ほども申し上げましたように、四十一年度、四十二年度でも八百局程度の局が、すでに長年のそういうしきたりに従ってやってきておるわけでございますので、そういう点を勘案いたしまして、われわれは東京につきましても、現在の法律にきめられているとおり、そして、過去において多くの局にやってまいりましたとおりのことをこの際やらしていただきたい、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/23
-
024・武部文
○武部委員 いまの基本料金では、むしろ持ち出しになるというような数字を並べて御説明になりましたが、私、ちょっとその点理解ができないのでありますけれども、それはそれとして、法律どおりやらしてもらいたいというような御説明でございますね。
そこで、私どものほうとしては、こういうことが将来予測されるだろうということで、このことがきまった三十六年のころの国会で、そういう点について私どもの党の委員からいろいろ質問をし、将来のあり方について、将来の加入数について見解を述べ、電電公社の答弁があるのです。その議事録を見ますと——これは三十六年五月二十三日の逓信委員会の議事録であります。大泉さんおられますが、あのときのやりとりを見ますと、わが党の森本委員が、いまの東京の電話の加入数から将来の電話の発展の様子を予測をして、おそらく東京では将来加入者の数が問題になるだろう、したがって、ある一定の加入数まできた場合にはそこでストップするという、そういう料金体系を考えてもいいではないかという質問をこの当時したわけです。そのときの横田副総裁の答弁を見ますと、そういう問題については、確かに、検討する時期はくると思う、したがって、将来検討したいという、はっきりとした答弁があるわけです。今日、私どもが指摘をするように、あの当時の加入数からいまの加入数を見ると、とても想像のできないような発展ぶりになっておる。したがって、当時、このような事態を予測をして、私どものほうからそういう質問をし、横田副総裁からも検討をするという答弁があったわけですが、このことについて、何か今日までの間に御検討なさったことがあるかどうか。私どもは、東京の二十三区の問題が大々的に報道されて、国民の中でも、ああ、これはたいへんなことだ、こういうことがあったのかということをお感じになった加入者の人が非常に多いと思う。それだからこそ問題になって、特例がどうだというようなことまで出てきておるのですから、このことについて、ひとつ公社のほうの御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/24
-
025・大泉周蔵
○大泉説明員 当時のことを思い出してみますと、確かに、基本料問題につきましてはいろいろ御議論があったことを覚えております。昭和三十六年の公衆法できまったときにこの級局が変わったと思うのでございますが、そのときに三百万以上というランクができましたのは、電信電話調査会の御議論の中で、東京は、すぐではございませんが、三百万になることが将来予想されるのではないか、それ以上になったときにこのままでいいのかという御議論がありまして、三百万以上というのと二百万以上というのが加わったように覚えておるのでございます。ただ、その当時予想しましたよりも架設の需要が非常に多うございまして、架設の速度が早まったということは、確かにあろうかと思います。
なお、当時の答弁の中身につきまして申し上げますと、実は、イギリスあたりでは全国一律の基本料にしておるのでございます。それは、そのかわり市内も時分制にしておるというのがあったのでございまして、そういうことが将来の問題として課題になろうということで、答弁したように思うのでございますが、現在のところ、いまの電話の状態では、市内に時分制を入れることは非常な金がかかる、事実上不可能でございまして、将来の技術の発展、設備の増強の際に、将来の問題として研究するほかないと思うのでございます。
基本料という問題につきましては、確かにいろいろ問題はございますが、日本の基本料は諸外国に比べて安い、特に、歴史的過程において、小さい局を特にまけようというような考え方のもとに、幾つもの段階を次第次第に増された傾向がございまして、いまの状態では、確かに、お話しのようにややこまか過ぎるというお感じがあるかもしれませんが、この問題は、そのような歴史的な過程でできたものでございまして、公社といたしましても、この前御答弁申し上げた問題は、将来の問題としてさらに検討していきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/25
-
026・武部文
○武部委員 この問題は、大臣の答弁もございましたので、これ以上のことは言いませんが、東京の二十三区の問題について、公衆電気通信法の第四十四条で、加入数によって公示をするということになっておるわけであります。先般も問題になったように、あなたのほうでは、推定をして、公示を一ぺんお出しになって、これは公衆電気通信法の四十四条の精神からいっておかしいというので、もう一ぺん取り消しをして、そして、確定をしてから公示をする、こういうことをおやりになったわけでありますね。したがって、これからいろいろ次々とこうしたことが起きると思うのでありますが、四十四条の精神によると、やはり確定をして、きちんときまって、それから公示をする、これが公社としてのたてまえだ、こういうふうに理解してよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/26
-
027・武田輝雄
○武田説明員 公衆電気通信法の四十四条には、公社は「数により、電話取扱局の種類を区別し、これを公示しなければならない。」となっております。なお、これを受けました営業規則におきましては、級局を決定したときは局前に掲示するとともに、関係加入者に通知するというふうになっております。
そこで、公社といたしましては、数をきめてしまってから、これを加入者の方々に御通知をし、あるいは局前に掲示するということでは、きわめて不親切だというふうに考えます。したがいまして、事前に局前に掲示し、また、事前に加入者にも予告を申し上げるというのが、やはり加入者の方々に対する公社のサービスとしてとるべき道であるというふうに考えたわけです。したがいまして、将来とも、予告をしていくというふうな態度をとってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/27
-
028・森本靖
○森本委員 関連。
ちょっと、総裁に私は注意をしておきたいと思いますが、公社には総務理事、理事という制度があると思います。それは何のために理事、総務理事というものを置いておるかといいますと、これは郵政省でいえば、大体局長、政府委員に匹敵するという形になっておると思います。たとえば運輸委員会あたりでも、答弁をするのはほとんど理事以上です。大体理事以上が省側の政府委員に匹敵するものであります。
この公衆電気通信法の質疑応答を聞いておりますと、営業局長の武田君がほとんど答弁をしている。これは理事でも何でもない。本来ならば、答弁は、理事以上、総務理事が責任を持って答弁をすべきなんだ。(「理事にしたらいい」と呼ぶ者あり)将来、理事になれば別ですよ。しかし、現在は理事でも何でもない、普通の局長だ。それがために総務理事、理事というものを置いているわけです。その上に副総裁、総裁というものがあるわけですから、答弁は、すべからく理事、総務理事以上が責任を持って答弁するのが国会におけるたてまえですよ。ほんとうのごく細部にわたって、それは局長でなければわからないということがあれば、それは局長が答弁するのが当然ですけれども、何のために理事、総務理事を置いているのか。国鉄は、ほとんど理事、総務理事が責任を持って答弁するという体制になっている。郵政省の政府委員に匹敵するものは、電電公社では理事あるいは総務理事以上なんです。機構のあり方からして、こういうときに責任を持って答弁せぬような理事、総務理事は要らぬですよ、はっきり言いますと。
総裁、その機構を明確にしておいてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/28
-
029・米澤滋
○米澤説明員 ただいまの御意見、十分参考にいたしまして、検討いたしたいと思います。
ただ、いままで——ちょっと弁解がましくなりますが、数年前から、国会の答弁はわりあい専門的なことが多いので、まず局長が答弁して、というようなことを、たしか、私が総裁になるちょっと前からやっておったようでございます。なお、この問題は検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/29
-
030・森本靖
○森本委員 その時分は、局長が大体理事を兼ねておったのですよ、営業局長が吉沢君の時分は。だからそういう点が残っているわけですよ。当時の営業局長の吉沢君は理事であったわけです。総裁、副総裁、総務理事、理事というものがある以上は、国会において責任を持って答弁するのは、やっぱり理事以上というのが普通ですよ。それで、理事がどうしてもわからぬから答弁がしにくいという場合に、局長が出てくるということがあって、本来なら、理事以上だということを、ひとつ体制を確立してもらいたい。いままで大体、局長で理事であったのが多かった。ところが、いまはそうじゃない。そういう点を十分考えて、この国会における答弁は、総裁のほうとしてもよく考えてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/30
-
031・武部文
○武部委員 いまの御答弁を聞いておりますと、結局、親切心で予告をしておくのだ、こういうことでありますが、これは、法文上には何か根拠がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/31
-
032・武田輝雄
○武田説明員 法文上はございませんけれども、公衆法の四十四条では「公示しなければならない。」というふうになっておりまして、時期の問題については触れておらないわけでございます。われわれ公社といたしましては、従来から、ある月にその数に達しましたならば、その翌月から新たなる料金を適用するというふうにいたしております。したがいまして、公衆法上は、いつ公示をしなければならないということが書かれてございませんから、前月に公示をしてしかるべきだというふうに考えております。
ただ、営業規則では、級局を決定したときは、となっておりまして、過去であるがごとく、決定してしまったあとで加入者に通知し、あるいは局前に掲示をしなければならないように、営業規則上はそういうふうにも読めるわけでございますけれども、法律上は、いつということはないと思います。しかしながら、営業規則がそうなっておりますので、予告があり、級局が決定いたしました後は、法律でいう公示というふうに公社として解釈をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/32
-
033・武部文
○武部委員 結局、根拠はあまりないというふうに伺いました。ただ、ぽんと上げちゃまずいので、親切心で予告をしておいて、大体上がってから、加入数がきまってから、確定をしてから公示をする、こういうふうに、公社のほうでも、東京二十三区の問題は一応出して引っ込めて、また確定をしてからするということになっておるようでありますから、それはそれといたしまして、今後推定される、昭和四十三年度中に基本料のランクが上がるところ、特に、いま伝わっておるのでは、名古屋、大阪という大都会の数がいろいろ取りざたをされておるわけでありますが、この見通し、及びランクが上がることによって、公社には一体どのくらいの収入がふえるのか、これをちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/33
-
034・中山公平
○中山説明員 収入の増加予定のほうから御説明申し上げますが、東京におきまして十九億三千万円、それ以外のところにおきまして約八億円、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/34
-
035・武部文
○武部委員 その八億円は、当然公社の予算の中に入っておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/35
-
036・中山公平
○中山説明員 個別に積算はいたしておりませんが、単金の中にマクロにこれが入っておりまして、その額が約八億円、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/36
-
037・武部文
○武部委員 名古屋、大阪をちょっと言ってくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/37
-
038・中山公平
○中山説明員 名古屋につきましては、級局改定の時期がまだはっきりと明確にはなっておりませんけれども、大体十二月ごろには加入数に達し、一月から実施ができるものとして、約一億八百万円程度の収入の増加を見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/38
-
039・武部文
○武部委員 大阪はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/39
-
040・中山公平
○中山説明員 大阪につきましては、四十三年度予定はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/40
-
041・武部文
○武部委員 基本料の問題は大体わかりましたので、次に、加入区域の問題について伺いたい。
行政区と加入区域とが一致しない区域は、全国で大体何カ所ぐらいございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/41
-
042・井上俊雄
○井上説明員 四十二年度末の、これは想定でございますけれども、全国の市町村の中で二つ以上の独立した加入区域を持つ市町村が約千二百、このように計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/42
-
043・武部文
○武部委員 そういたしますと、今後の統合拡大計画というのがあるはずですが、それは大体どの程度考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/43
-
044・井上俊雄
○井上説明員 この千二百余りの市町村の中に、つまり、独立の加入区域で電話局が現在三千六百局余りございます。この中で手動局が約二千九百局ございます。四次計画の大綱の中では、この半数程度を四十七年度末までに自動化をいたしまして加入区域の統合拡大をはかりたい、こういう計画を現在持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/44
-
045・武部文
○武部委員 そうすると、今後の統合拡大計画というのは、自動化をする、そういう地域だけが統合計画の中に入っておる、こういうことに理解してよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/45
-
046・井上俊雄
○井上説明員 原則としてそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/46
-
047・武部文
○武部委員 原則としてといいますが、例外というのはほとんどないと思うのです、いままでの例を見ても。ですから、ほとんど原則とおっしゃるけれども、自動化されたものしかこの対象になっていないと理解していいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/47
-
048・井上俊雄
○井上説明員 従来、比較的距離の近い、大体六キロ程度以内の局相互間で、両方とも手動の場合で、かつ、その地域が連関性のある場合は、一部手動方式のまま加入区域の統合をしておるのが実情であります。非常に少のうございますけれども、しかし、四次計画の中では、原則としては、もう手動方式のまま合併、いわゆる従局合併というものは、結局は将来自動化をして、サービスの改善あるいは経営の合理化をはからなくてはならないものですから、その自動化のために非常に隘路にもなりますし、かつは自動方式のまま合併するといたしますと、中の局内設備とか、そういうものの関係で大幅の増築等を必要とする向きも出てまいりますので、原則としては、自動化を前提として合併をする、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/48
-
049・武部文
○武部委員 このことは、いま全国的にも具体的な例が非常にたくさんあがって問題になっておるのでありまして、私は、特に東京都周辺の具体的な例を一つ二つあげて、ちょっと聞いてみたいと思います。
東京の付近の船橋市あるいは小平市、そういうところから統合についてのいろいろな要望なり意見書というものが電電公社に出ておると思うのですが、御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/49
-
050・井上俊雄
○井上説明員 存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/50
-
051・武部文
○武部委員 たとえば船橋市の例をとりますと、船橋市には五つの電話局があるわけですが、全部同じ市内でありながら、隣の習志野から船橋にかける場合も市川にかける場合も、すべて市外通話になっておる。こういうことから、船橋の市会では決議を行なって、四十二年三月、これは議決になって、行政区域全域を船橋局管轄とされたいという議会の決議に基づいて、電電公社にそのようなことが出ておる。さらに、先般、これはさる新聞が取り上げましたが、小平、特にこの小平市の実情を調べてみますと、小平市のちょうど市内の中心を十文字に加入区域の境界線が通っておる。小平、小金井、国文寺、田無の四局が入り込んでおって、その中で特に単位料金の区域の問題があって、小平市の中でも田無の局の加入者だけが、同じ小平市の他の区域にかける場合には五十秒で七円取られておる、ほかのは一分で七円、こういうふうに非常に矛盾がある。こういう点について、小平市でも同様に、四十二年六月、市議会の決定で決議がなされて、電電公社に区域の統合について要望が出ておる。
いま私が申し上げたような具体的な非常に矛盾をしておるこういうことについて、これを統合する意思がおありでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/51
-
052・井上俊雄
○井上説明員 ただいま御指摘の点、確かに、地域の方々に非常に矛盾を感じさせておるというところで、何とか、行政区域と加入区域との乖離の問題を、すっきりとスマートにしたい、そういうことは、ずっと公社としても変わらないところなんでございます。特に、大都市周辺に著しくその例が見られるのでありますが、公社といたしましても、それらの点を一つ一つ実はつぶさに検討してまいってきております。
まず第一の点といたしましては、確かに、小平市あるいは国文寺市あるいは小金井市あるいは船橋市、そういったようなところの行政区域の中に、電話の料金の面から見ますと非常に矛盾を感じられる面が多いのでございますが、これにつきましては、確かにその行政を管轄する、あるいは行政をリードする方々のほうからは強い御要望をいただいておるのでございますが、具体的に、その地域の住民の方々の全部それを希望しておるかということになりますと、往々にして必ずしもそうでない場合が多いのでございます。
たとえば、三多摩の例で申しますと、三多摩には三十二市町村ございまして、そのうち十五が、現在行政区域と交換市内区域とが一致しておりますが、残りの十七につきましては、これが複数の加入区域を擁している行政区域になっております。そのうちの少なくとも六つか七つは、どう考えても、通話効用の面、あるいはその生活環境の面等から、わざわざその行政区域の中を一つの整理された市内料金区域にすることが、かえってその新しく整理される方々の市民感情として意に満たないということが明らかに予想されるわけでございます。それ以外佳まあ大体半分以上の方々は、あるいは希望されるかもしれませんけれども、そういうようなことを一々つぶさに検討しておりまして、公社といたしましては、さらに四次計画の中で具体的な前進をはかりたい、こういうふうに考えております。
やや抽象的で恐縮でございますが、まあこういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/52
-
053・武部文
○武部委員 そういうことは当然これはあり得るはずなんですよ。これは、たとえば四つのうちの一つは反対だとか、あんまりそういうことについては積極的でない、これはあり得ると思うのですよ。しかし、少なくとも、その当該の市議会が決議をしておるんですから、あなたのほうのいまの言い分を聞いておると、ちょっとへ理屈になるのですよ。これはやらぬための理屈になるのですよ。ですから、そうではなしに、大多数が、そのことによって非常に不便を感じておる。いま言うように、同じ市町村でありながら、隣へかける場合に、五十秒で七円があると思えば、一分で七円があったりするのです。
たとえば東京はそうです。二十三区は、都心から十五キロ以内ですから、直径三十キロまでは七円です。そうすると、ほかの区域では局から局まで六キロでしょう。これだって大きな矛盾があるのですよ。東京だけは大体三十キロ以内は七円で、地方へ行けば、六キロか七キロまでが七円だ。こういう点は、皆さんがしょっちゅうお話しになっておる効用の面からいっても、そういう点から見て非常に大きな矛盾があると私は思う。少なくとも、当該の議会が決議をして非常に大きな問題になって、不便を感じておるからこの点について是正してくれ、こういう非常に強い意見があるわけですから、その中の一部の人間がそれについて非常に消極的だからといって、そういう拡大統合の計画を逡巡するというものについては私は当たらぬ、こういうように思うのです。そこでこれは非常に不公平ですから、将来は当然統一する必要があると思うんです。
したがって、そういうことにつていのいま御答弁がございましたが、積極的にひとつやってもらわなければならぬ。いま私が申し上げたように、これは広さの面からいってもそうですし、非常に矛盾があるわけです。
そこで、このことについて、同じように三十六年ごろの国会の議事録等を見ておりますと、やはりこのことが問題になっておったのです。それでまた引用いたしますが、これは三十六年五月十八日の逓信委員会で私どもの党の松前委員の質問に答えて、当時の大橋総裁がこう答えておるのです。三十六年ごろの自動化の状況からいってこういう答弁が出てきたこともうなずけないことはないのです。自動化が普及しておらぬので、過渡的に一時はしんぼうしてもらいたい、今後自動化を進めて、適当な時期に広域化をしたい、また、グループ料金制についても、グループ料金制でしか不均衡を是正することはできぬということをはっきり言っているのです。イギリスでは、たしかグループ料金制を採用しておると思いますが、そういう点について、すでにいまから七年前、国会で時の大橋総裁は、そういうグループ料金制を採用していくしか、こうした不合理、不均衡というものは是正できぬのだということ、と同時に、当時の自動電話の数からいって、いまはできぬけれども、将来この自動電話がどんどん進めば、当然そういうことは考えなければならぬ、こういう国会での正式な答弁がありましたが、今日、当時から比べたら、先ほども申し上げるようにたいへんな数にのぼっておる。このことについて、グループ料金制について皆さんのほうで御検討なさっておるのか、これをひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/53
-
054・米澤滋
○米澤説明員 ただいま加入区域の統合、特に同一市町村内の加入区域の統合につきまして、最初に御質問がございました。
確かに、いままで四ロキの範囲においてこれを統合し、さらに、それを第三次五カ年計画の内におきましては六キロの範囲において統合するというふうにやってまいりました。第四次五カ年計画の中では、前にこの席でもお答えいたしましたが、第四次五カ年計画の大綱というものの中に四つの柱がございまして、その柱の一つに、同一市町村内の加入区域を統合していく、その範囲は六キロよりもっと広げていくということ、ただし、それは自動化を前提といたしませんと、これは実際問題としてできないというふうに私ども考えております。したがいまして、この第四次五カ年計画の中でも、先ほど計画局長がお話しいたしましたが、結局、五カ年間で約二千七百億円というものを、自動化も含めまして統合の経費として一応予定しておる次第であります。したがって、たとえば本年度の予算におきましては、前々から問題になっております北九州等は予算の中に計上してございますし、先般、国会で議決していただきました四十二年度予算の中で、北九州それから名古屋というようなところは四十三年度中に実施いたすようにしております。その他のところにつきましては、これを毎年予算の中で処理していきたいというふうに考えております。いまどの順位にやるかということは、特に問題になりました政令都市をまず最初に取り上げていく、その他のものは四十四年度以降におきまして、逐次重要性によって処理していきたいと思います。
それから、グループ料金制につきましては、確かに、当時イギリスがグループ料金制をやりまして、われわれといたしまして、イギリスの状態というものを参考に検討した時期がございます。しかし、現在の日本の状態を考えますと、いきなりグループ料金制にいくのは、今日の時点では困難であるというふうに考えておりまして、確かに、自動即時化しなければグループ料金制ができないという、グループ料金制の必要条件ではございますけれども、いわゆる十分条件をなしておるわけではないのでありまして、イギリスのように、日本と違って、何といいますか、あまり山がなくて、まとまった、大体円形といいますか、そういうような形と、日本のように非常に長くて、しかも非常に山が多いというようなところ、それからまた、市外線の集中局のネットワークの問題、いろいろ考えますと、将来にわたりましては、この問題は十分検討する余地があるのでありますが、この第四次五カ年計画の中では、グループ料金制をとるということは困難ではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/54
-
055・武部文
○武部委員 いろいろお聞きしておりますと、これから先、第四次五カ年計画によって千四百地域の拡大総合をはかっていく、こういう計画のようでございます。これはお述べになったように、原則として自動化だ、したがって、自動電話化されるところの統合ということは考えられますけれども、私がさっき述べた船橋市なり小平市なりという現在まで起きておる矛盾というものは、この第四次五カ年計画の中には入っていない、そのように理解せざるを得ないと思います。その点について、少なくとも千四百の中で自動電話化されるところについては、それは当然そうしなければならぬのですから、それはよくわかりますよ。しかし、現実にいま起きておる、先ほどから私が具体的な例をあげて言うそういう矛盾の局を一体どの程度、どういう計画で統合拡大をしていくというお考えなのか、それをひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/55
-
056・井上俊雄
○井上説明員 既設自動局相互間は、むしろ優先的に申しますか、それ以外に実施をする計画にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/56
-
057・武部文
○武部委員 そういたしますと、いま言った船橋なり小平市なりというようなものについては、第四次五カ年計画の千四百の中に加わっていないわけですね。ですから、そういうものは、別な面で優先的に取り上げて拡大統合をしていく、そういう計画だというふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/57
-
058・井上俊雄
○井上説明員 入ってないということではございませんので、たとえば、ただいま総裁からお話のございました二千七百億円の中には、既設自動局相互間の中継線の工事費も積算いたしております。したがいまして、既設自動局相互間は、千四百の新しく手動を自動にして統合するもの以外にそれを行ないます。こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/58
-
059・武部文
○武部委員 これは大事なことなので、えらくしつこいようですが、そうすると、千四百カ所というのは、手動を自動にしていくという、そういう区域の拡大統合だというふうに理解できますね。それから、二千七百億円というのは、もちろんその金額は千四百の中も関係する金額でしょうが、その二千七百億円の中で、既設の自動電話局の中で、そうした矛盾のあるものについては優先的に統合拡大をしていくというふうに理解できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/59
-
060・井上俊雄
○井上説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/60
-
061・武部文
○武部委員 そうすると、その見通しですね。大体何カ所くらい——二千七百億円というのは、これは金額がはっきり出ておるわけでありますから、その中で千四百カ所というものの金額もおそらく出てくる。そうなってくると、一体どのくらい既設の自動電話になっておる局の拡大統合ができるというふうに理解できましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/61
-
062・井上俊雄
○井上説明員 約七百億円くらいを計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/62
-
063・武部文
○武部委員 これは七百億円といいますと、何カ所くらいになりますか私ども想像できませんが、これはあらためて——関東近県だけ見てもたくさんあります。全国には非常にたくさんある。ことに北九州あたりは非常に問題になっているわけですから、その点で見ると、この七百億円でどの程度既設の自動電話局の拡大統合ができるかということについては、非常に心もとない気もいたします。
しかし、これはあらためてまたの機会に譲るといたしまして、最後に、この設備料の問題が提案をされましたときの提案理由の説明等をいろいろ聞いておりますと、電電公社は、今日まで十四年間料金は全然上げていないという説明が何回かされておりました。ところが、きょう私が申し上げるように、料金というものの形で上がっていないにしても、基本料の自動的な引き上げというものは、基本料のランクが上がるたびに一年間に七、八億円、特に東京に至っては一カ月一億円程度の増収になっているわけですね。これから名古屋、大阪、そういうものが相次いで基本料金が上がっていく、確かに、七円が十円になるという、いわゆる料金の値上げの形というものはあらわれていないけれども、基本料の値上げ、自動的な引き上げという形で、自動的に公社には増収になるようなシステムになっておる、こういう点を私は指摘をいたしたいのであります。
さらに、加入区域の不公平の問題、二十三区のああいう区域での七円、あるいは、地方の小都市においては非常に区域の小さいところで同様の料金。効用の面も言われるけれども、こういう点も私は非常に矛盾のあるように思うのであります。したがって、本年度は料金改定を見送られた、しかし、来年は料金の値上げを考えておるというような総裁の答弁もございました。
私は、いま電電公社なり郵政省が当面解決すべきことは、こうした基本料金の自動的引き上げ——ランクの引き上げによって自動的に料金が上がるというそういうシステム、確かに十四段階についても矛盾がある。あるいは、先ほどの加入区域の統合問題にしても、わずか七百億円程度ではほとんどこれは効果があがらない。こうした矛盾をむしろ当面は解決すべきであって、料金問題等については、上げてないということを非常に主張されるけれども、私は非常に大きな矛盾を感ずるわけでありますが、ひとつ、最後に大臣の見解を承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/63
-
064・小林武治
○小林国務大臣 お話しのようなことがあるのでございます。長く上げなかったということが、必ずしも自慢とは私は思いません。それなら、そんなに前から高い、いまでも間に合うような料金を取っておったというような逆説も出てくるのでありますからして、そのことがどうということはないと私は思います。
それから私は、値上げでなくて、値上がりだと言うのですが、値上がりが、いまのようにやはり毎年行なわれてきておる、こういうことでありまして、私は前にも申しましたが、電電公社の収入は料金だけではありませんで、普通の維持費なら、これは料金でやるがよかろうが、新規の投資というものは、必ずしも料金にたよらない。今回の設備料もあり、加入者の債券もあり、財政投融資もあり、また縁故債、借り入れ金等、いろいろの方法がありますから、こういうものも総合して、一体幾ら全体で金はかかるか、その金の割り振りを適当にする、そうして料金そのものも、これは単純料金でありませんで、三つにも分かれておる。なぜ分かれておるかといったら、できるだけ加入者に公平に負担してもらおう、こういうことがもとで、市外通話料、あるいは度数料、基本料、こういうふうに分かれておりますから、全体を考えてやるべき問題でありますので、これは相当に複雑な問題で、単純に、金が少し足りないから料金値上げだ、こういうふうなことにはなりません。ことしも損益の差額から六十何億円も資本勘定、建設費に入れておる。そんな入れ方は少し多過ぎるじゃないか、こういう議論もむろんあるわけであります。そういうものは他の方法で調達したらよかろう、こういういろいろの問題を総合して考えなければなりませんから、単純に、来年はまた赤字ですぐどうこうと、こういう問題にはなりません。すべて、この国会のあとで、いろいろの問題をひとつ考えていかなければならぬ、こういうことでありまして、公社のほうは値上げを強く主張されておりますが、政府は、そうですかという単純な御返事を申し上げておるわけではありません。十分にひとつ検討してまいる、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/64
-
065・武部文
○武部委員 以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/65
-
066・古川丈吉
○古川委員長 安宅常彦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/66
-
067・安宅常彦
○安宅委員 ただいま武部委員からの質問に対しての大臣の最終的な答弁を聞いておりましたら、料金をどうするかということを、将来の問題に触れて、いろいろな点から検討しなければならないから、すぐ赤字になってどうのこうのという単純な答えはできない、こういうことを言っておりましたが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/67
-
068・小林武治
○小林国務大臣 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/68
-
069・安宅常彦
○安宅委員 あなたは電電公社の監督官庁の一番の親分であります。しかも、国務大臣として、国の郵政に対する、あるいは電信電話に関するすべての問題を、あなたが全責任を負って、平たいことばでいえば経営していく、こういう立場の人でありますが、あなたが承認した電電公社の五カ年計画等をずっと見ますと、たとえば、昭和四十七年になった場合には、申し込めば必ず電話が引けるという状態になる、こういう計画のもとにいま運営が行なわれているわけであります。ただいまのような状態で、経済成長率なり、それから、言うなれば、何か金持ちの人々が電話を持つべきで、貧乏人は要らないのだというような昔とは違って、いまや生活必需品です。そういう段階に移りつつあるわけです。移っていると思います。需要が非常に多くなってまいりました。こういう状態の中で、あなたはその計画が遂行できると思っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/69
-
070・小林武治
○小林国務大臣 電話は、電話だけ独立しておるのではありませんで、日本の社会の発展とかあるいは経済開発、これらの横との権衡というものは必要でございます。一応電電公社では、次の五カ年計画では九百三十万個でありますか、こういうものを予定されておる。そして、最初は、希望があればみんなつける、こういうふうなことを言うたことがありますが、現在では、横の資金計画その他から見ても、経済社会発展計画の全体からいいましても、電話の架設ということは、それほどの、必要がないとは申しませんが、他との権衡上そこまではいかない。したがって、次の計画の最終年度では大体三世帯に一つぐらいのところに落ちつけよう、こういうふうなことを公社は申しておりますが、私も、その計画を、大体その程度でよろしいだろう、したがって、それを実現するために各種の資金計画というものを持っていく、こういうふうに考えておりまして、いま、たとえば二百二十万積滞がある、しかし、最後の年度においてもまだ百何万かの積滞が残る、こういうことでありますが、大体そういう計画程度でひとつ進めていったらどうかというふうに私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/70
-
071・安宅常彦
○安宅委員 そうしますと、申し込めば必ず引ける電話にはならないということですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/71
-
072・小林武治
○小林国務大臣 計画上、そういうことに変えたようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/72
-
073・安宅常彦
○安宅委員 変えた理由ですね。変えたようでありますと、あなた、他人のような話をするけれども、あなたが変えたのですよ、これは。電電公社というのは、そういう計画を出して、あなたがそれを承認する立場、それを監督する立場ですよ。だから、申し込んだらすぐ引ける電話だ、ああそうか、それはいいな、大臣、ぽんと判を押す、だめだ、大臣、できないや、三戸に一個だ、ああそうか、ぽん——こういう大臣だったら、三年生の子供でも大臣をやれる。変えたようでありますなんて、そんな答弁はありませんよ。変えた理由について言っていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/73
-
074・小林武治
○小林国務大臣 これは一応の目安でございまして、もともと政府の継続事業ではありませんし、計画も、一応の目標、こういうことでございますから、そう正確に、これがそうだ、第四次五カ年計画がこういうことで確定的で、たとえば閣議決定をしておる、政府できめておる、こういう性質のものではありません。これは一応の目安をきめておるのでありまして、その目安を、私どもも、その程度でよかろう、こういうふうに思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/74
-
075・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、電電公社の計画というものは一応の目安で、しくじってもいいし、うまくいってもいいし、どうでもいいというようなものですか、そのとおりですか。そんなに軽いものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/75
-
076・米澤滋
○米澤説明員 公社といたしましては、経営委員会で計画をきめまして、これは二次計画あるいは三次計画等においても同じような手続を踏んでおります。ただいま大臣が言われましたのは、大臣としてこれは大体了承されておるのでありますが、いわゆる閣議決定というような手続はとっていないというふうに言われたのであります。公社の二次計画、三次計画にいたしましても、そういう手続はとっておりません。しかし、われわれといたしまして、現実にそれを遂行してまいりまして——ただ四次計画で違いますのは、私たちが四次五カ年計画の大綱というふうに言っておるのも、二次、三次はいわゆる料金修正という問題がなかったのです。ところが、四次五カ年計画というものを遂行する場合には、公社といたしましても、どうしても料金修正を政府にお願いしなければならない、その点が非常に違っておる点であります。大臣も、工程の中身については大体よろしいと言っておられますし、一方、政府が経済審議会に諮問いたしまして、閣議了解事項となっておる経済社会発展計画というものがありますが、その経済社会発展計画と公社の第四次五カ年計画との間には一年ズレがあります。昭和四十二年から四十六年の五カ年計画が経済社会発展計画であります。電電公社の第四次五カ年計画では四十三年から四十七年でありますから、その一年のズレ、そのズレを経済成長率から見てどの程度のものにするかという問題はちょっとまだきまっていないわけであります。それを一応いまの八二%という経済成長率で考えて、量的に事務的に計算いたしますと、私は、公社の第四次五カ年計画の大綱の三兆五千億円と経済社会発展計画との差は大体一〇%以内で、それほど大きな違いはないというふうに理解いたしております。
それからもう一つは、申し込んだらすぐつくという話が先ほどございましたが、公社といたしまして、電話事業をやる限りは、確かに、これは当然といいますか、いわゆる目標としては決して間違っていないというふうに思います。しかし、申し込んですぐつくというためには、ある程度設備に余裕がなければならない。たとえば、現在まだ農村とか、あるいは漁村方面、あるいは山岳地帯というようなところには共電式の局が一ぱい残っておりまして、そういう局につきましては、すでに局舎が一ぱいで台もふやせないという局があるわけでありまして、いわゆる自動化の速度というものが、この申し込んだらすぐつくという問題に、経済の面を厳密に掘り下げてまいりますと出てまいります。大部分の都市、たとえば、現に東京でも中央十一局は、いまや申し込んですぐつくということになっております。大阪でもすぐつく局があるように思っておりますが、これが結局、いま考えております三世帯に一つ、いわゆる九百三十万個の加入電話をこの第四次五カ年計画の大綱の中で予定しておりますけれども、おそらくその場合には、大きな都市では大体申し込んだらすぐつく状態になるというように考えております。しかし、そういう改式等の問題がありますので、やはり全国的なマクロでいいますと、積滞は百二十万くらいになるのではないかと推定をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/76
-
077・安宅常彦
○安宅委員 農村、山岳地帯はなんというお話ですが、都市でも急激に住宅がふえたり、急激な発展をしておる状態です。そういうところは、山岳地帯ばかりじゃないんですよ。とんでもない。えらいにぎやかなところがつかないのです。まあ、それは総裁いいですが、そういう詳しいきちっとした計画は、ある程度の見通しだというと、政府の
一つの経済見通し、経済企画庁あたりで立てているものと一年間のズレがあり、その計画は一〇%以下くらいしか差がないじゃないか、こういういまのきちっとした答弁なんですが、これは一応の目安であって、どうでもいいんだというふうな意味にとれる発言が大臣からありましたが、そうすると、政府のあらゆるものは、物価の値上げの話なんかしょっちゅういたしまして、ことしは四・八%しか上がらないとか、いろんなことを言われますが、あれも一応の目安のわけですか。あれは大臣、どうなんですか。あまり責任を負わぬでもいいんですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/77
-
078・小林武治
○小林国務大臣 これは、いまお話ししましたように、大きく見て、日本全体の各種の発展計画の中の一つの部分にすぎない、その部分との調和を見てやる、こういうことでありますから、目安にするか、あるいは具体的の計画にするか、これはいろいろ考え方がございます。しかし、いまのはそういう一応の目標を立てて、その目標の年度割りをひとつ毎年実現していく、こういうことを考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/78
-
079・安宅常彦
○安宅委員 そうしますと、何か、閣議の決定がないから、大臣、責任ないみたいな話でしたが、閣議の決定がなくたってあったって、郵政大臣は監督官庁の長なんですからね、電電公社で立てた計画というものはあなたが責任を負わなければならないというその立場は明確なんでしょう。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/79
-
080・小林武治
○小林国務大臣 電電公社の立てた計画を私どもがもっともだと思えば、その実現をわれわれが努力する、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/80
-
081・安宅常彦
○安宅委員 この問題については、いま第四次五カ年計画ですか、これも当然立てられて、あなたはそれを了としておるはずだと思って私は質問しておる。電電公社の計画が妥当ならばそれを毎年実現していくという話ですが、あなたは、これは妥当でないという考え方ですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/81
-
082・小林武治
○小林国務大臣 初めから私は、妥当だからしてこの程度のものでよかろう、こういうことを申しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/82
-
083・安宅常彦
○安宅委員 あなたはいま、妥当ならばと言ったんじゃないですか。議事録を調べてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/83
-
084・小林武治
○小林国務大臣 妥当ならば、と言ったというのでしたら、それじゃ、妥当だと思って実現に努力する、こういうことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/84
-
085・安宅常彦
○安宅委員 それでは、あなたは責任を負わなければならないということだけははっきり言えるんじゃないか、こういう質問なんですよ、私は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/85
-
086・小林武治
○小林国務大臣 そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/86
-
087・安宅常彦
○安宅委員 それで聞きますが、そうしますと、ただいま総裁の答弁によると、自動化の必要があり、ただいま言うような目標に進むだけでも、それから料金の修正がいままでなかった——これは電電公社はうまいことばを発明したと思うんですよ。料金修正——料金値上げとは、末端の社員も言わない。これは料金値上げですね。うまいことを言った。総裁、なかなか頭がいい。修正でも値上げでも、それは値上げですよ。なかなか言わない。まあ修正でも値上げでも、どっちでもいいのですが、値上げです。これは下げようなんて、あなた方は思っていないのですから。ところが大臣は、いろんな情勢などを考えなければならないので、すぐ赤字になってどうのこうのという単純な答弁はできないと言いましたが、初めは、申し込めばすぐ引けるという目標を立ててやったんだが、最終年度で百二十万個くらいの積滞は残るだろう、しかし、都市は大体申し込めばすぐつける、こういうような状態になるのではないか、その場合の理由として、自動化の問題と料金修正の話を総裁がいたしました。総裁がそういうことを考えておるんですから、大臣にもその意は通じておると思うのですが、単純な答弁はできないなんというようなことをいまの段階で発言をしておるということは、これはたいへん矛盾があるような気がいたしますが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/87
-
088・小林武治
○小林国務大臣 矛盾があると思います。電電公社がきめたことが、すぐ政府の意見になるわけじゃありませんから、電電公社の話もよく聞いて、政府としてまた検討する、こういうことでございますから、それでよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/88
-
089・安宅常彦
○安宅委員 これははっきりしているのですがね。政府がそのとおりやらないということになりますと、どういうことになるかというと、一つは、料金の値上げを近い将来にやらなければ電電公社の計画は達成できない、こういう結論になる。一つは、政府がそれをのめないということになりますと、立てた目標、あなたが了承した目標——さっきのはたいへんけっこうだと思っておるという話でしたが、その目標は達成できない。どちらか二者択一、どちらかを選ばなければならないということになると思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/89
-
090・小林武治
○小林国務大臣 私はよく説明しておりますが、電電公社は単に料金収入だけでやっておるのじゃありません。電話を架設するためには、きょう、いま御審議願っておる設備料の問題もありますし、加入者債券の問題もある、あるいは借り入れ金の問題もあれば財政投融資の問題もある、縁故債の問題もある。あらゆる資金計画を動員して、公社の目的とする仕事をすればよいのでありまして、料金一つにたよる必要はない。したがって、政府としては——財政投融資は政府が考えることで、電電公社が考えることじゃありません。そういうふうないろいろの資金の調達計画を彼此勘案してきめるからして、すぐに料金値上げに結果するものじゃない、こういうことを私は申しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/90
-
091・安宅常彦
○安宅委員 あなた、他人のような話はいけませんよ。
それじゃ具体的に言いますが、この五カ年計画というものは、資金調達計画も入っております。外部資金からどれくらい入るか、内部資金はどれくらいか——設備料なんかは外部資金に入っているようだが、とにかく、そういうものも全部含めてこの計画を立てているのですよ。しろうとじゃあるまいし、私にそんなごまかしみたいな答弁をしては困る。そういう計画があって、第四次五カ年計画、それからいままでの第三次五カ年計画が立てられているのですよ。
それでは、政府も財投の金をいまの五、六倍くらい出すような勇気があなたにあるのですか。そんなことできますか。実際いまの自民党政府の中で。そんなできないことを私に言ったり——あるいは、債券をべらぼうに上げることもできますか。あるいは、縁故債をいまの数倍か何かに上げることができますか。できないことを、料金だけにたよってできないじゃないかという、そういうしろうとに対する答弁みたいなことを言って、あなたごまかそうたってだめですよ。あまりなめないでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/91
-
092・小林武治
○小林国務大臣 私は一つもごまかしておりません。これは全体計画できめていく、資金計画は毎年きめていく、一応の予算はつくっておいても、それがそのまま実行される——これは継続予算じゃありません。毎年いろいろなことを考えてやっていくのであります。私はごまかしを申しておるつもりはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/92
-
093・安宅常彦
○安宅委員 それではあなた、経営の見通しとして、監督官庁の長として、このままの状態でいって、財投もいまの状態の比率でのぼせていく、あるいは料金もそのまま据え置く、こういうことで、この計画は達成できないと総裁が言う、あなたは達成できるかもしれないと言う、あるいは、これは何も継続事業じゃないからという理由で、あなたは一生懸命逃げを打とうとしておりますが、この五カ年計画というものを、単年度ごとにずっと割ってみてもいいですよ。そうした場合に、政府がいまの状態と変わった手を打つという予想なりあるいはあなたの意欲なり、そういうものがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/93
-
094・小林武治
○小林国務大臣 料金を上げる必要が将来にわたってないなんということは、私は申しておるわけじゃありません。全体としてこれから検討します、こういうことを言っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/94
-
095・安宅常彦
○安宅委員 こういう計画は、みんな全体的にきまっているのですよ。何も各個ばらばらなものじゃないですよ。ですから、料金も上げなければならないかもしれないし、あるいは財投をもっとふやさなければならないかもしらぬし、あるいは公債制度を考えなければならないかもしらぬし、そういうことで、現在そういう話になってくれば、また話は別になってくる。どうですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/95
-
096・小林武治
○小林国務大臣 いまおっしゃるようなことを私は申しておるのでありますが、それをもし誤解されておるなら、あなたのおっしゃるようなことを私は申しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/96
-
097・安宅常彦
○安宅委員 そういうことならば、このままでいった経営というものは、この計画による経営というものは、このたび設備料を上げて、収入増になるのは平年度で年間三百億ぐらいですか。そうすると、これはだれでも、局外者で見ている人はいいですよ。そこはもう少し何とかならぬかなという人はいいですよ。あなたは大臣なんですからね。そのままで何年かもつぐらいの将来の見通しなりを持たないで、よく大臣がつとまりますね。そんなごまかし答弁をしないでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/97
-
098・小林武治
○小林国務大臣 それはごまかしごまかしと言うけれども、私はごまかしなんか言ったつもりはありません。将来のことは、みな各単年度になる、そのときこれだけの仕事をするから、これだけ資金が要る、この資金をどういうふうにあんばいするかということは、毎年きめていく問題で、一応いま目安を立てておっても、それはあくまで目安でありまして、きめることは、毎年具体的にきめていくのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/98
-
099・安宅常彦
○安宅委員 見通しが立たなければ計画は立たないじゃないですか。そんなインチキなことは言わないでください。無礼じゃないですか。——大臣ですよ。総裁なんかいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/99
-
100・米澤滋
○米澤説明員 お答えいたします。
ただいま第四次五カ年計画の大綱の中で私が申し上げましたのは、公社の経営委員会を通しました大綱の中でいろいろな見通しを明らかにしておるのであります。ただ、これを実際問題としてどういう形でやるかという点につきましては、これはまた、政府はおそらく政府としての立場がおありになるのでありまして、私どもといたしましては、政府にいろいろお願いするという立場になるわけでございます。
それで、ただ問題は、長期計画というものは、展望といいますか、そういう見通しをいろいろ含んでおるわけでありまして、結局、具体的な数字というものは、毎年の予算において明らかにされてくるというふうなわけであります。いわゆる継続費がそのまま成立するというわけではございません。
したがって、見通しにつきましては、先ほど申し上げましたように、公社としては四つの柱をつくっております。その四つの柱、目標というものは、一つは、経済の効率化ということ、それから第二は、地域開発と格差の是正、それから第三が、生活の向上と近代化、大体三世帯に一つ電話をつけるということを予定いたしております。第四が、同一市町村内の通話区域の統合拡大による地域社会の発展、この四つの柱、目標を達成するということで四次計画がなっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/100
-
101・安宅常彦
○安宅委員 それじゃ今度は正式に総裁に聞きます。大臣に聞いておっても、大臣はこれは困ったことだと思っておるのでしょう。それはいいですよ。
そうしますと、大体ことしのような予算規模、そして需要と供給のバランス、それからいろいろなことを見渡してみて、このままいったら、料金値上げをかりにしないとすれば、どういう形に変えていかなければこの目標は達成できないか、こういうことになると思うのですよ。だから、変えなくとも目標が達成できるというなら、それでもいいです。そういうことについて、総裁の見通しをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/101
-
102・小林武治
○小林国務大臣 さっきから申し上げておるように……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/102
-
103・安宅常彦
○安宅委員 今度は総裁に聞いておるんだ。何も大臣が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/103
-
104・米澤滋
○米澤説明員 問題は、いわゆる電信電話事業を経営しております電電公社といたしまして、独立採算制を維持して、健全な経営を持続する、これが一つの基本方針であります。それに対しまして、現在の料金修正を行なわないでこの計画をやりますと、四十七年度末におきます借金が約三兆七千億になる。ですから、結局料金修正というものがどうしても必要になってくる、一言で言えばこういうことになるわけでございます。
数字につきましては、計画局長からお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/104
-
105・井上俊雄
○井上説明員 お尋ねは、主として資金調達の収支の問題だと思うのであります。
四次計画の大綱を作成いたしました時点におきまして、かりに現行料金ベースで、四次計画の規模でありまする三兆五千二百十億というものを四十七年度までにやるといたしました場合に、五カ年間の収支から見まして資金調達はどういうふうになるか、こういうことでございます。
それで、この資金調達の基本といたしまして、まず収入、支出の計算がもとになりますけれども、収入につきましては、四十一年度の決算を基本といたしまして、それに対しまして、たとえば加入電話で申しますと、住宅電話のものと事務用電話の構成比率が変わるとかいった問題、そういったようなもので、年度別にマクロに見積もりまして、四十七年度までの収入を見積もる、支出につきましても、それに必要な諸経費を見積もって立てる。それから一方、建設規模といたしましては、先ほどの四目標のもとに三兆五千二百十億円の建設費というものを計上する、そうなりますと、その不足資金を全部借り入れ金でまかなってやる、そういうことにいたしますと、四十七年度末までに長期固定負債が、すべて合わせまして約三兆七千億円になる、こういうことに相なります。これは、かりにそういう試算をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/105
-
106・安宅常彦
○安宅委員 大臣は、料金値上げせざるを得ないんだということを国会で答弁したらたいへんだと思って言わないのかもしれませんが、いまあなたは、何とかこの場を切り抜ければいいんだそうでありますから、たいへんけっこうな大臣でありますが、しかし、あなたはそういう責任を持っておる大臣だ、こういうふうにきちっと考えてもらわなければいけません。
それで、あなたは、何だかわからないけれども、単年度単年度でやるんだという話でありましたが、私らは、これはたいへん勇気のあることを言ったのだなと、ある側面ではそう思います。大体、電電公社がことしの予算というものをこういうふうにしてやっていきたいというあなたに対する要請があった場合に、いままでは、例としていいか悪いかは別として、そのまま、大体のところ大幅に修正ということなしに大蔵省にやって、あと大蔵省から削られるとか、何かいろいろごちゃごちゃやる。最終段階で閣議でもいろいろ問題にして、あなたが最終決断を下す、こういうのが大体いままでやってきた例ですが、このたびは、そこにいかない段階であなたが、料金の値上げというものはこの際やらぬでもいい、設備料だけ上げればいいじゃないか、こういう決断をいたしました。これは絶対料金を上げるべきでない。そういうことについて公衆電気通信法の精神からいって、国民にあまねく文化の恩恵に浴せしめる、こういう立場から言うならば、本来こういうものが企業性を持つ、独立採算、こういう形でいくのさえも相当問題にしているわが党としては、大臣としては、ある部分削ったのだからたいへんいい大臣のように一側面言えるでしょう。しかし、現在の資本主義の形態の中であなた方がやっているんですから、そういう立場で言うならば、設備料を上げただけでだいじょうぶだ、三戸に一つの電話をつける目標をあなたは了承した上で、設備料だけ上げればそこは足りるんではないかという決断をし、そういう電電公社の要請を、まあ平たく言えばけった、こういうのには、そういう将来の電信電話の増設、あるいは国民の要求にこたえて電話をたくさん架設するとか、ただいままで質問が続けられたと思いますが、同一市町村内の加入区域を何とかしなければならないとか、いろいろな国民の要求というものを見た上で、これで経営ができると責任者、いわゆる社長が決断をしたと同じです。八百屋のおやじでも、大根を一本五十円に売ろうか、五十円で売らなければ当店はつぶれるかもしれないと思ったけれども、えい、この際投げ売りしてやれ、十円くらいで売ってやれ、こういうことを、ただでたらめに——八百屋のおやじがでたらめだとは言いませんけれども、あなたがそういうでたらめなことをやったと思いません。一つの目標があり、一つの信念があり、一つの将来の電電公社の経営に対して、これでやっていける、こういうきちっとした政治家としての、あるいは監督官庁の長としての見通しがあったからそういう指図を私はしたと思いますが、この見通しについてあなたから答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/106
-
107・小林武治
○小林国務大臣 ことしの予算はことしの予算、私は、ことしは設備料だけの値上げで公社のまかないは十分できる、こういうことでこういう決定をしたのであります。来年のことを決定したわけじゃありません。来年は、また全体の計画の中で来年の年度割りをこういうふうにしたい、これの資金割りをどうするか、こういうことの際に検討すべき問題であって、私は、将来を押えて設備料だけにした、こういうわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/107
-
108・安宅常彦
○安宅委員 それじゃ、五カ年あとには三兆七千億の借金ができますという数字を、計画の中には、こういう場合にはこうなりますということもあなたに説明があったと思います。
ですから、そうすると、来年はどうなりますか。郵政大臣で留任なさったなどというのは、先例はほとんどといってもいいほどないのでありますが、来年も再来年もあなたは郵政大臣にとどまるかもしれませんね。これはどうなさるつもりです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/108
-
109・小林武治
○小林国務大臣 来年また……。(「来年のことを言えば鬼が笑うか。」と呼ぶ者あり)私が、自分の地位についてはわかりませんよ。どなただってわかりませんよ。とにかく私どもは、来年はいまの全体の計画の中でまた単年度割り公社は出す、それの仕事のできるように政府は心配をする、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/109
-
110・安宅常彦
○安宅委員 見通しを言ってください、と言っているんです。私は、小学校の先生と子供の質疑応答をやっておるんじゃありませんよ。何言っているんですか、あなた。そういうことを、もしあなたが大臣だったら、来年はまた来年で心配するそうですか、その心配の内容を聞きたいんですよ。珍しい大臣がおるもんだと思うのです。どんな場合でも、一つの経済成長率などを見たりいろいろなことを考えて、大蔵大臣にしてもだれにしても、国会の答弁というものは——単年度は単年度、これは現在の予算制度というものは単年度制でありますから、そんなことは百も承知。だけれども、こういう五カ年計画なりそういうものをつくった場合には、その五カ年に割った、あるいは将来の見通しをつけた、そういう政治を行なわなければ、ことしはことしの風が吹いて、来年の話をすれば鬼が笑うみたいな答弁をされて、ああそうでございますかと、私ども引っ込めますか。何か、あなたにお伺いを立てているんじゃありませんよ。大臣が偉くて、こっちは偉くなくて、小さくなって、おそるおそる聞いているんじゃありませんから、きちっとした答弁をしてください。こんな珍しい大臣初めてだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/110
-
111・小林武治
○小林国務大臣 これは、来年はまた公社からお出しになるし、それを政府でもって相談する、そういうこと以外にないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/111
-
112・安宅常彦
○安宅委員 それでは五カ年計画なんか立てなければいいじゃないか。何を言ってるんだ。答弁になっていない。だめだよ、そんな答弁じゃ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/112
-
113・小林武治
○小林国務大臣 これは、私が冒頭申し上げたように、政府の立てたものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/113
-
114・安宅常彦
○安宅委員 そんなことでは質問することはできませんよ。五カ年計画はみなインチキということじゃないか。こんなことで上げられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/114
-
115・森本靖
○森本委員 議事進行。
いまの大臣の答弁は、それは安宅委員の言っておるように、それは国の予算は単年度予算であることはわかり切ったことであります。しかし、設備料を、一万円を三万円に上げるという法律を審議しているわけだ。そういたしますと、われわれとしては当然、来年はどうなるか、再来年はどうなるかという見通しがあってこそ、これが賛成、反対ということになるわけです。その内容を、来年は来年のことだからいまの限りではないということでは、これは審議できませんよ、いかに協力しようといたしましても。やはりここでこういうものを提案する以上は、来年はどういうふうにやっていく、再来年はどういうふうにやっていくという見通しがあってしかるべきだ。それが狂うかもわかりません。それは、そのときの経済情勢、世界情勢あるいは国内情勢によって狂うかもわかりません。わからぬにいたしましても、一応の見通しというものは、来年度くらいの見通しは持たなければならぬ。それを、来年のことは来年のことで話し合いをする、いまそんなことを言うことはできぬということでは、これは答弁になりませんよ。また事実、そういうことではこれは審議できませんよ。これは予算委員会だって同じですよ。これは委員長、ひとつ善処を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/115
-
116・安宅常彦
○安宅委員 意思統一をしてくださいよ。私はすわったままでいるから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/116
-
117・古川丈吉
○古川委員長 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/117
-
118・古川丈吉
○古川委員長 速記を始めてもらいます。
暫時休憩いたします。
午後零時十二分休憩
————◇—————
午後零時十六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/118
-
119・古川丈吉
○古川委員長 これより再開いたします。
質疑を続行いたします。
小林郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/119
-
120・小林武治
○小林国務大臣 安宅委員から先ほど来いろいろ御質問がありますが、私の答弁の趣旨は、電電公社の計画に沿うてそれが実現できるように、政府はいろいろの方法を講じて努力します、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/120
-
121・安宅常彦
○安宅委員 いろいろというのは……。もっとけんかを吹っかける気ならけんかを吹っかけてもいいけれども、私はそんなばかなことをしたくないから、ほんとうの話をお互いにやってもらいたいと思うのですよ。料金値上げも考えなければならない時期がくるかもしれませんし、財投をもっとふやさなければならないかもしれません、料金をそのままにしておけば。そういうことになるでしょう、こう言えばいい。ただし、その次には、財投をふやすことができるのですか、こう言われると困ると思って、予断と偏見をもって、あなたは一生懸命モグラが土の中へもぐるみたいな答弁をしているから進まないのです。いろいろとなどということで、はあそうですかというふうに私が引き下がるはずがないではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/121
-
122・小林武治
○小林国務大臣 いろいろということは、私は繰り返し申し上げまして、電電公社の計画を遂行するには、資金調達の方法としていろいろある。料金の問題もあるし、財投の問題もあるし、借り入れ金の問題もある、こういうことを言うたのでありまして、料金の問題も含まれておるというのは当然であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/122
-
123・安宅常彦
○安宅委員 ですから私は何回も言っている。その五カ年計画の内容というものを、あなたはつぶさに電電公社から聞いているわけです。それは、四十七年末には申し込めばすぐ引ける電話という話だったが、そうはいかぬようだ、三戸に一台くらいの電話、こういうことになるようだ。その計画をあなたは知っているのですよ。その計画の資金の調達というものは、大臣としていろいろあるのはわかりますよ。いろいろあるのは、それはきまっている。考えられるのは、財投だとか、公債をどうするとか、縁故債をどうするとか、あるいは設備をどうするとか、これで足らぬ場合には、現在の情勢の中では、電話料金を上げなければならないとか、いろいろあるというのは、そういうものだと思います。あなた方は、電話料金をいま上げないでもよろしい、一応設備料だけにした。料金と言いたくないから、料金でないとがんばったそうですね、初めのうちは。ですから、いまの政府の言い方、これは物価がどんどん上がっている、公共料金はめちゃくちゃに上がるではないかという国民の批判にこたえるべく、ことしのところは、参議院の選挙があるからかどうかわからないが、料金は値上げしないつもりだ。来年はどうだと聞かれると、さあ困った、わからない、いろいろあります、こういうことで何とかごまかしていこう、こういう魂胆がありありと見えるのですね。でなかったら、どういう方法でやるかと言ったら、いろいろあります、だけでは困る。料金の値上げによって年間一千二、三百億ですか、収入増になる、その補てんは財投で全部まかなう、こういう答弁でもできるのだったら、それなら私は、ああそうですか、ということになります。それくらいのことは、電話公債を上げたり、そういうことでやれるという見通しを大臣が持たない限り、今度の設備料の値上げも、ただ当面糊塗するだけの、科学的な根拠のない値上げだということにならざるを得ないわけですね。そうすると私どもは、ああそうですか、賛成だなどとは言えない。
これはいま法律を論議しているのですよ。大臣、あなたが値上げをしたいという提案をしているのですよ。そのことについて、資金の調達面はいろいろあるが、何だかわからない、どれにしようか、それはあなたには、いまのところ答えられない。これではこの審議ができるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/123
-
124・小林武治
○小林国務大臣 私は先ほども、ことしはこれでやれるということを言うたので、来年がやれる、こういうことを申し上げたのではありません。来年は、いま言われるように、またしかられるかもしれないが、いろいろなことを考えなければならぬ、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/124
-
125・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、その五カ年計画というものは、資金の調達の大体の内容も、電電公社では案としては持っていますね。総裁、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/125
-
126・米澤滋
○米澤説明員 電電公社といたしましては、案として持っております。数字があれなら説明させますけれども、案として持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/126
-
127・安宅常彦
○安宅委員 それは大臣には詳しく説明しておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/127
-
128・米澤滋
○米澤説明員 詳しくと申しますと、その詳しさについては問題がありますが、全体の投資規模、それから借金の問題、そういうことを話しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/128
-
129・安宅常彦
○安宅委員 五カ年計画を年度ごとに割った、経済成長率からいって大体この辺だ、一つの予想した数字、これは説明してないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/129
-
130・米澤滋
○米澤説明員 大臣には、まずこの第四次五カ年計画の柱になる四つの事項を説明してあります。その中で、経済の効率化につきましては、たとえばデータ通信等についてはどうだという、データ通信の内容等、第二の地域開発と地域の格差の是正につきましては、いろいろ地方の自動改式なりそういう問題を考えております。第三の生活の向上と近代化は、三世帯に一つの電話をつける、これが一つの対象になっております。全体として加入電話九百三十万個をつけるという数字を、先ほど大臣も言われました。それから第四の同一市町村内の通話区域の統合拡大による地域社会の発展、これは自動改式を同時に行なう、これは二千七百億円の経費が要るということを話してあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/130
-
131・安宅常彦
○安宅委員 この内容は、大臣もいま聞いたでしょう。ですから、そういう計画があるのですよ。計画を進める——何にたとえましょうか、たとえば、東京からあんたのところの静岡まで歩いて行ったら何日かかる、第一日目がとりあえず品川まで、あとはあしたはどうしようかな、わかんない、これでは計画は立たぬですよ。だから、そういう日程に割って、不景気になるときもあるでしょう、景気のいいときもあるでしょう。若干の差はありますが、それらの計画を遂行するために資金量がどれぐらい要るのか、それを調達するためにはどうしたらいいのかということを考えた上でことしは、たとえばこういう科学的な根拠がありますから、ことしはこれでやっていきます。それで備設料は三万円に値上げするにとどめます、こういうふうに、きちっとできないと、何か、目の子勘定みたいなことで国会に提案されたという印象をわれわれは受けているわけだす。そう思いませんか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/131
-
132・小林武治
○小林国務大臣 そういう印象をお受けになることはやむを得ませんが、しかし、冒頭に申しましたように、いまの計画は電電会社の計画で、私どもは、工程の際もこの程度はよろしかろう、こういうことを言っておるので、それを実現するためにいろいろな方法があるのでございまして、電電公社は、この計画の中には、料金値上げによって何千億得る、こういうことまで書いてありますが、われわれ了承しておりません。私どもは、こういう工程はぜひやりたい、やる方法については、また政府が特に公社と相談してやる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/132
-
133・安宅常彦
○安宅委員 私が言わんとするのはこういうことなんです。やる方法についてはいろいろある。これは認可料金の問題もあるでしょう。しかし、あんたが国会にわざわざこんな法律を出さない方法だってあるのですよ。いろいろ郵政大臣の権限の中で調整できる部面もあるのです。そういうものを考慮して、そして、ことしは、とりあえずこうなるからだいじょうぶだ、やれるから設備料だけ値上げにとどめてください、こういうことを理路整然と、きちっと言わなければ、法律の審議はできないじゃありませんか、こう言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/133
-
134・小林武治
○小林国務大臣 そういうことを言ったつもりでありますが、もしそういうふうにおとりいただけなければ、そういうことでございます。
設備料は将来にわたって継続されるものでありますし、全体の収入計画の一部になると、ことしは料金値上げはせぬでもこれでやれる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/134
-
135・安宅常彦
○安宅委員 それでは、もっと別な角度から聞きますが、電話料金の、設備料以外の値上げの申請があなたにあったものを承認しなかった理由について、答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/135
-
136・小林武治
○小林国務大臣 電電公社の計画が、値上げせぬでもできると私は思ったから承認しなかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/136
-
137・安宅常彦
○安宅委員 これは計画を遂行できないかもしれませんね。あんたと同じような態度を政府が五年間ずっととったら、そうなりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/137
-
138・小林武治
○小林国務大臣 繰り返して申しますが、私は、ことしはそれでやれる、来年のことを言うておるのじゃありません。政府もまた、今後計画実行については、先ほどから言うように、いろいろなことを考えなければなりませから、お話しのようなことも入ってくるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/138
-
139・安宅常彦
○安宅委員 私が言うように、この計画を承認しないというのなら別ですよ。承認をして、よかろうとあんたが言いました、と言った。その限りにおいては、この計画を実現するためには、いろいろな方法といったって、四つ、五つしかない。資金の調達方法はそのうちのどれを将来重点に考えなければこの計画は達成できない、資金の調達ができないのですから。電電公社は、ことしと同じように基本料だけでやれる、こういう考え方だそうですから、そうしますというと、このままの推移でいけば、郵政大臣、特に頭がいいから別なことを考えているかもしらぬけれども、私どもの頭では、この五カ年計画は放棄せざるを得ない、どちらかを選ぶほかないのではないか、こう聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/139
-
140・小林武治
○小林国務大臣 一番大事なことは工程、これだけのことをやりたいということがもとで、資金は付随してくる問題であります。資金が先じゃありません。したがって、ことしこれだけの仕事をおやりになる、こういうことなら、これだけの仕事は設備料値上げでできる、こういうことでお願いしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/140
-
141・安宅常彦
○安宅委員 だから五カ年計画というものを認めておるでしょうと、私は言っておる。認めないなら、ことしの分だけを認めたのですか。あとは認めていないのですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/141
-
142・小林武治
○小林国務大臣 どうも私の説明がへたで、たいへん申しわけありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/142
-
143・安宅常彦
○安宅委員 へたじゃない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/143
-
144・小林武治
○小林国務大臣 九百三十万個おつくりになりたいと言うから、それはけっこうでしょう、こういうことです。最終の目標はきまっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/144
-
145・安宅常彦
○安宅委員 最終だけではありません。年度ごとの原案も知っておるはずです。そういうことをあんたが独断的にあっさりきめて、そして、何か、参議院の選挙にでも勝ってやろうと思っておるのかどうかわかりませんが、それならば、どうも科学的でないような気がしますね。あんたは昔は非常に頭がよかったかもしれませんけれども、最近の近代的な行政の立場からいうならば、どうもぴんとこない点があるのじゃないですか。ときどき蛮勇を発揮されて、科学的でないところがうんとある。
たとえば、この間、石丸という大阪郵政局長がやめられました。あんたによって首になりました。何か非常に重大なことでもなければ、郵政局長が突如としてやめるということはないのですが、重大な失態があったのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/145
-
146・小林武治
○小林国務大臣 これはもう御承知のように、人事のことでありまして、どういう理由、ああいう理由ということは、ここで説明できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/146
-
147・安宅常彦
○安宅委員 それは何も人事だからという意味で言うのじゃないのですが、これはあたりまえにやってきた人間だったら、途中で大阪郵政局長限りでぽんとやめるということはない。よほどあんたは蛮勇を発揮されたか何かの理由で、ときどき非科学的なことを——基本料金だけで間に合うと言ってみたり、大事なことは、わからぬと言ってみたり、そうかと思うと、石丸大阪郵政局長を途中でぽんと首を切ったりする。何か、陽気のかげんかもしれないが、少しおかし過ぎると私は思うのです。何か重大な失態でもあったのですか。内容は言えないでしょうが、あったのなら、あったと言ってください。なかったら、首を切られる理由はないね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/147
-
148・小林武治
○小林国務大臣 陽気のかげんでどうだ、これは御想像にまかせますが、私はあなたのおっしゃるとおり、わりあい頭が粗雑でありまして、科学的でない。非常に御迷惑かもしれませんが、これはひとつ、やむを得ないこととお考え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/148
-
149・安宅常彦
○安宅委員 たとえば、そういうことをあなたがやる。これは人事院が承認をしたのだ。ということは、石丸さんは、その後、富山だか何かの民放に就職なさいましたね。聞くところによれば、何かあなたがそこへやるようにたいへんお世話申し上げたといううわさがあるが、これはほんとうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/149
-
150・小林武治
○小林国務大臣 あまりそうお世話したこともありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/150
-
151・安宅常彦
○安宅委員 これは人事院規則によって、人事院の承認を必要とすると思いますが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/151
-
152・溝呂木繁
○溝呂木政府委員 ただいまの件は、当然人事院の承認を必要といたします。で、人事院の承認をこれはとりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/152
-
153・安宅常彦
○安宅委員 いつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/153
-
154・溝呂木繁
○溝呂木政府委員 日にちははっきり覚えておりませんが、一週間か四、五日前と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/154
-
155・安宅常彦
○安宅委員 人事院の承認を求める前に、承認をしない前に、もうすでに実質的な仕事をなさっておったのと違いますか。もう本ぎまりになっておったんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/155
-
156・溝呂木繁
○溝呂木政府委員 大阪郵政局長から本省の調査官を命じておりまして、そして、その間に承認をとりまして、役所のほうをやめて、そして承認を得た会社のほうに行った、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/156
-
157・安宅常彦
○安宅委員 これはいま非常に天下りというかな、あなたが知っている範囲で、これは初め郵政省は専務という話をしたんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/157
-
158・溝呂木繁
○溝呂木政府委員 今回石丸氏が出ていきますときには、いろいろ人事院規則との関係を検討いたしました。しかし、石丸氏は、過去において電波行政に全然関係しておりませんし、いろいろそういったいままでの人事院の承認の基準等を十分検討をいたしまして、そして人事院の承認を得たわけでありまして、専務とか常務とかいったような問題ではなしに、とにかく、そこへ重役として入るということで承認を得たわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/158
-
159・安宅常彦
○安宅委員 その重役の給与は、あなたはどのくらいだか知っておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/159
-
160・溝呂木繁
○溝呂木政府委員 金額は知っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/160
-
161・安宅常彦
○安宅委員 何かの理由で途中でやめる。これは、重大な欠陥なり、そういうものがなければやめる人ではない。私どもは、あなた方郵政部内のうわさを聞いております。各郵政局長は戦々恐々としております。その次に郵政局長になるような予定の人も、これはたいへんなことだと思っております。こういうことについて、何らかの理由がなければ、これを処分したりやめさせたりすることは——これは、公務員というものは、そんなに大根かゴボウが切られるように首を切られるものじゃないと思っておりますがね。それにもかかわらずやめさせられたということは、重要なことだと思う。健康上の理由だとか何かだったら別ですけれども、私どもの調査では、そうではありません。こういうことを平気で郵政省の人事の面で行なわれるということになりますと、この内容をちょっと聞いておかないと、これは将来非常に重大なことだと思いますから、やめた理由は、どういう理由なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/161
-
162・溝呂木繁
○溝呂木政府委員 先ほど大臣から御答弁いただきましたように、人事の内容については、この席では申し上げることはできませんので、御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/162
-
163・安宅常彦
○安宅委員 それはほんとうにできませんかね。国会から質問を受けてもできませんか。たとえば、何か重大な犯罪を犯したとか、そういう内容について問題があるならば、申し上げられませんということはあり得るとしても、本人が希望してやめたんだとか、あるいはいろいろな理由があると思いますが、そういうことも、何も質問には答えられない、そういうことになっていますか、国会で。そういう人事の問題ではどうなんですか。あなたの見解を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/163
-
164・小林武治
○小林国務大臣 私は、そういうことについての説明は差し控えたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/164
-
165・安宅常彦
○安宅委員 本人の希望でやめたんなら、本人の希望でやめましたと、あっさり言えるはずであります。それが言えないということになると、何かあったということになりますね。何かあったんでしょう。何かあったから、途中でポンといったんでしょう。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/165
-
166・小林武治
○小林国務大臣 これは、御想像にまかせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/166
-
167・安宅常彦
○安宅委員 国会というところは、そういうところでないですよ。御想像にまかせる、はいわかりました、などというのが国会じゃないですよ、大臣。何か発表できないような理由があるのかないのか、これだけ聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/167
-
168・小林武治
○小林国務大臣 それは全然理由がなかったとは申せませんが、そういうことはここで説明できない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/168
-
169・安宅常彦
○安宅委員 だから、本人の希望でやめたんじゃなくて、内容は発表できないと言うんですからね、これは重要だと私どもは思うんですよ。
きょうは時間がないから、私は、その内容について暴露したり何かはいたしませんけれども、こういうことを、大臣、たとえば、先ほど言ったように、基本料金を一万円を三万円くらいに上げておいたら何とかなるだろう、この人をやめさせておいたら何とかうまくいくだろうなどという、そういう行政は困りますよ、ということを言うために例をとっただけの話であります。私はきょうはこれ以上追及いたしません。ただし、あとは気をつけてください。
それで、たとえば二百四十億から三百億程度の設備料の値上げについては、私どもこう考えてみますと、大臣の権限でそういうことを考慮したとするならば、国会に法律を出さなくともやれる権限の範囲内のものはたくさありますね。
たとえば、一つの例をとれば、専用料などはそうであります。これを私ども見ますと、使っておるところは、新聞社とか銀行とか商社とか、それから国の機関とか、こういうものがおもであります。特に市外専用料などというのは、連合軍や防衛庁などというものは、前は安かったものであります。それを高くいたしまして、警察、消防や新聞通信と区別して、一般のいわゆる専用料金に高くしておるようですね。そういうこともあなたはできる。専用料金そのものを高くすることもあなたにはできる。あるいはまた、市内専用料というものがあります。市内専用の場合には非常に、たとえば電話取り扱い局相互間の回線二百メートルごとに八十円、一キロ線を引いた距離ですね、月額四百円です。たいへん経済効率の高いそういう商社や銀行やタクシー会社や証券会社や、そういうところが使っておる電話にしては、私は、専門にその電話をほしいままに使うことができるのでありますから、これはべらぼうに安いと思っておりますよ。こういう点なども検討したのかどうか、大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/169
-
170・小林武治
○小林国務大臣 いまのお話、ごもっともなお話で、私は検討をお願いいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/170
-
171・安宅常彦
○安宅委員 電気通信監理官、検討を大臣から命ぜられて、どういう結論が出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/171
-
172・柏木輝彦
○柏木(輝)政府委員 ただいま御指摘になりました専用料の問題でございますが、これはただいまの公衆電気通信法から申しましても、少し制度的に時代おくれになっているという面もございます。それからまた、いま市内専用につきまして、料金が妥当じゃないというお話もございましたが、専用料全体として考えてみますと、これはいろいろな問題がございます。その点を総合的に現在検討をしております。
専用料の問題は、特に通信技術の進歩、発展という面が一番密接にこのコストという面に結びついていくものでございます。そういう観点から、中には、この際調整をして、妥当な姿に戻すという意味で多少高くなるという点もあるかもしれませんが、全体的には、これは安くなるべきものであるという考え方を持っております。これは日本だけの問題でございません。いま世界的にそういうふうに動いているものでございますので、これは全体的な立場から、しかも、制度の問題といたしましても、総合的に検討しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/172
-
173・安宅常彦
○安宅委員 あなたの考え方は、主客転倒しているのですよ。商社や放送局、新聞社や、あるいはそういうのは、案外公共的な仕事をしているものだという概念が皆さんは非常に強いのです。なるほど放送局も安いほうがいいのですよ。テレビなんか、せっかく石丸さんが行った会社だって、専用料は安いほうが経営がうまくいくでしょう。だけれども、日本の電話料金の体系というのは、総じて、おしなべて言えることは、専用料は安いほうに世界的にきておる、こう言います。これは一部の大資本が使っておるものです。こういうものは高くていいのです。一般の電話料というのは、安くしなければならないものです。大臣はそこを見抜かれたのかもしれません。最終的に敬意を表しておきますが、大臣、たった一年でも電話料金を押えたという自負心があるかもしれません。ただ、あとで八方破れにならないように御注意申し上げて、先ほど質問したのですが、上げろと言っているのじゃありませんよ。そういう電話料金の体系そのものが、電気通信監理官の言うには、専用料は総じて安い方向に向かっている——そんなことはありませんよ。そんなこと、考える必要はないのです。一般の電話を使う人は、できる限り安くしなければなりません。そうして、こういう特殊な、大もうけをしている連中の専用に供しておるものは、少しくらい引き上げたっていいじゃありませんか。そういう立場をあなた方がとらなければならないのです。大臣、そう思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/173
-
174・米澤滋
○米澤説明員 お答えいたします。
専用料につきましては、たとえば距離によりまして、あるいはまた、バンドの問題とか、いろいろあると思います。周波数、バンドの問題、それからまた、最近はデータ通信等が出てまいりますと、一企業内におけるデータ通信に伴ういわゆる専用線問題とか、いろいろ種類がありまして、ものによっては若干上げなければならぬものも出てまいりましょうし、それからまた、ワイド・バンドということにおいて、これは原価主義ということから考えて、下げなきゃならぬ、いろいろあるのでありまして、一がいに上げるとか下げるとかいうわけにはいかないと思います。したがいまして、その業種により、あるいはまた周波数のバンドにより、あるいはまたデータ通信になってまいりますと、そこに何ビットのフリーケンシーが通るかという、そういう状態によりましてこれを検討していきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/174
-
175・安宅常彦
○安宅委員 いまやめるつもりになっておるのに、総裁、そういうことを言うと、私も少しは言わなければならなくなります。
たとえば、あなたのほうの部内でもいろいろ検討していますよ。私は知っております。これは電電公社出身ですから、知らないなんてなかなか言いえないものですから、いろいろアンテナを張っています。もっと大きなものを言おうかと思ったが、大臣の顔色見たらかわいそうで言えなくなったのです。専用料なんて小さな話になりましたが、これは金額はこまかいかもしらぬが、電電公社の料金体系、そういうものが、いまあなた方は、石が浮かんで木の葉が沈むようなそういうやり方をしているという例として取り上げて、大衆のほうは安くして、大きなもうけをしておる連中からは高く取ったっていいじゃないかという、そういう意味を説明するために例にとっただけです。
それで言いますが、たとえば警察、消防や新聞通信などの現在の市外専用料を、一般並み、政府機関や駐留軍や、そういうものが使っている料金に引き上げただけで約七十億から八十億の収入増になるはずであります。私どもの計算によればそうなります。それから、安くなるものも高くしなければならないものも、いろいろありますと総裁は言いますが、たとえば市内専用料なんというものは高くしてもいいと考えておる部類じゃないのですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/175
-
176・米澤滋
○米澤説明員 市内のようなものは、上げてもいいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/176
-
177・安宅常彦
○安宅委員 そういうものを上げると、大体百五、六十億ぱんと出てくるのです。減価償却のしかたから、資材の購入のあり方から、時間があれば私は全部言いますよ。そういうものをきちっと計算すれば——本来ならば、その料金体系というものをいまのものさしから変えてもらいたいという考え方、つまり、大衆の料金を上げるなという考え方——電信なんか、年間に大体五百億円近く、あるいは五百億こしているのですが、いま大体そういう赤字になっておる。そういうものは、本来ならば、その分の赤字は一般会計から補てんすべきであるという法律案まで、私ども社会党は年来何回も出しましたが、そういう立場をとっていけば、いまの設備料なんというものも上げなくて済むのです。ことに、今日の小林大臣のように、来年のことはまずさておくとして、ことしのことを考えればいいじゃないかというような大臣ならば、すぐそれに思いつくはずであります。そして、それならば、設備料も上げなくてもけっこうです、こういう結論にほんとうはなるはずであります。五カ年計画そのものはいいなと思ったけれどもいま承認してないというお立場でがんばるのですから、そういうことくらいは——単年度のことを言うくらいだったら、そういうきちっとした科学的な説明をしなければなりません。それができるような大臣でなければなりません、こういうことを私どもは主張しようとしておるものです。私の考え方に間違いがあるでしょうか。総裁、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/177
-
178・米澤滋
○米澤説明員 前にこの席でお答えいたしたのでありますが、私たちは、料金制につきましては、いわゆる原価主義というものをある程度明快にしていきたい、ただ、しかし、いろいろ事情がありますので、いきなり原価主義にやるわけにはいきませんので、電電公社におきましても、たとえば電報の赤字等につきましては、これを一般会計から補てんするというような議論もあるわけなんでありますが、一応、現在におきましては公社全体の経営の中で処理しておる、そういうわけでありまして、料金体系合理化という問題は、大臣もかつてこの席でお答えになっておりますが、公社といたしましても、この法案を認めていただいたような時点以後におきまして、来年の概算要求をまとめる前に、料金体系の合理化という問題を検討いたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/178
-
179・安宅常彦
○安宅委員 最後になりますが、総裁も、市内専用なんか上げたほうがいいと思う、あるいは監理官も、そういうものもあると、はっきり言っていますね。ですから、そういうこともきちっとした上で、それでどうにもやっていけませんから設備料上げてください、国会で承認してください、御賛成を願います、こういう提案だったら、あるいは私は賛成したかもわからぬ。何だかわからない、大根五十円を十円上げるみたいなそういう答弁で、そうして、何とかひとつ通していただきたいと言われても、これは通すわけにはまいらない。顔洗って出直してこい、こういうことになるわけであります。
私の質問は、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/179
-
180・古川丈吉
○古川委員長 古内広雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/180
-
181・古内広雄
○古内委員 私は、公衆電気通信の一部を改正する法律案で若干の御質問を申し上げたいのですけれども、この問題は、従来たびたび取り扱われておりますので、私が伺うことで、あるいはもうすでに十分取り扱われた問題もあるかもしれません。そういう重複したところは、ごく簡単に、項目だけ言っていただけばいいわけでございまして、簡明にお答え願いたいと思うのです。
私として第一に伺いたいことは、いま問題になっておりました設備料の改定の理由なのでございますが、これに関して、サービスの改善をするために必要だということが言われておりましたが、いままで私聞いておりましたところ、第一次五カ年計画以来、どのような具体的なサービス改善の実績があったかということをまとめてお答え願っていないような気がいたしますので、もしそうであれば、ごく簡単でよろしゅうございますから、ひとつ、それを具体的数字をもってお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/181
-
182・米澤滋
○米澤説明員 お答え申し上げます。
まず、市内電話サービスにつきましては、いわゆるマグネット、磁石式の局を自動に大幅に改良が行なわれまして、昭和二十八年当時、自動の割合は四四%でありましたが、今日では八九%になりました。それから、市内電話の話中率が非常に減りまして、かけた場合に、これが非常によくかかるようになりました。それから、加入区域につきましては、従来同一市町村内の四キロのところを完了いたしましたし、六キロのところもほとんどこれを完成いたしております。それからまた、電話の絶対数がふえましたので、いわゆる電話のかかる範囲がふえた、いわゆる効用が増加しております。
それから、市外通話につきましては、当時ほとんど待時、待ち合わせであったのでありますが、それがほとんど即時化されました。しかもそれが、手動即時でありました時期を過ぎまして、ダイヤルでつながるようになりました。県庁所在地等の間というものは完全にダイヤルでつながるようになりました。
そのようにいたしまして、昭和二十八年ごろは、日本の電話というものは非常に旧式なものでありましたけれども、現在は世界の最高水準になりまして、外国との通信というものも、ヨーロッパ諸国あるいはアメリカと完全につながるというところまでいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/182
-
183・古内広雄
○古内委員 次にお伺いしたいのは、先ほども問題になっておりましたけれども、ことしは料金を上げないでいく、しかし、来年からは、公社としてはひとつ料金を上げたいというようなお話があったと思うのでございますけれども、そこで、私なりに感じておることは、昭和二十八年以来、十五年も料金を上げないでずっときたわけなのが、なぜ突然いま料金を上げなくてはならないのか。十五年も料金を上げないでやってこられたというところの内容ですね。どうしてそういうことが可能であったかということも伺いたいし、どうせなら、十五年やってきたのだから、今後も上げないでやっていってもらいたいというような気持ちもあるわけで、それを、どうしてもいま上げてほしいというか、来年からはそういうことを考えたいとおっしゃっているようなことは、公社なりにどう考えておるか、その二点について、簡明にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/183
-
184・米澤滋
○米澤説明員 最初の御質問にお答えいたしますと、昭和二十八年以来料金改正をしないで過ごしました最大の理由は、いわゆる技術の進歩を取り入れることができたことだと思います。特にエレクトロニクス関係の進歩というものが、世界的にもありましたが、これを長期計画の中に取り入れて、それを具体的な建設の中、あるいはまた生産性の向上というものの中に実現することができた、これが大きなものであります。
一つの例をあげますと、第二次あるいは第三次五カ年計画をやったのですが、その中で、新技術の導入、開発によりまして約四千億円の創設費を節減いたしました。
それからまた、物的生産性につきまして、昭和二十八年から四十一年までの公社の一人の職員が幾つの電話を持つかという数字をあげますと、十五個でありましたものが五十一個となりました。すなわち、物的生産性が約三・五倍になったわけであります。
それからまた、損益勘定の中で人件費の占める割合というものは、そういう自動化が進みました結果、昭和二十八年当時が四〇%でありましたものが、減少いたしまして、約三〇%になった。結局、人件費が占める割合が減って、しかし、資本費用、そういうものがふえてきた、こういうことになると考えます。しかし、こういうふうな努力をいたしまして、電報につきましては、いわゆる中継機械化をしてやったのでありますけれども、電報事業につきましては赤字が約四百五十億円くらい単年度赤字になっております。これは人件費が全体の中で七七%を占めておるということでありまして、結局、公社といたしましては、経営の中にそういう電報の赤字というものをすでにしょい込んでおる状態であります。
ところで、そういうふうにして進んでまいりましたが、電話が、いわゆる生活必需品としてだんだん家庭なりあるいは農村に普及してまいる過程におきましては、電電公社が発足いたしましたときは百四十万しか電話がなかったのでありますが、現在約一千万になりました。したがって、いま事業は大体月五千円で成り立っておる次第でありますけれども、最近のように電話が普及してまいりますと、一加入電話の月収入が千五百円とか二千円というような、そういう非常に利用度の悪い電話が出てくる。しかし、公社といたしましては、独占的なサービスをしておるわけでありますので、いわゆるもうからないところには電話をつけないというわけにはいきません。やはり普及するということが、公社の使命でありますので。したがって、今後そういう収入の少ない電話が総体的にふえてくる、そういうことが一つあるだろう。それから電報の問題、これ等がございまして、実はそういう悩みをすでにかかえておったのであります。
ところで、実は昭和四十三年度から四十七年度に至ります第四次五カ年計画の大綱をきめました際に、四本柱がございます。それは経済の効率化、地域開発の格差の是正、生活の向上、近代化、同一市町村内の通話区域の拡大による地域社会の発展、この四つの目標を達成いたします上に、四次五カ年計画の大綱を経営委員会できめました際に、先ほど申し上げましたようないわゆる収入の構造変化、電報の赤字等を含めまして、やはりどうしても料金修正、それから設備料の一万円を三万円にするということをお願いしなければならないということで、四十三年度の概算要求を郵政大臣に出す際にそれを要請いたしました。
しかし、いろいろ予算編成の過程等を通じまして、特に、本年は景気の抑制等のことがありまして、従来建設資金がいろいろ伸びておりましたのが、四十三年度は四十二年度に比べまして六・五%の伸びになります。したがって、今回設備料の改正だけが認められたのでありまして、公社といたしましては、引き続き四十四年度において料金修正をお願いしたいというふうに考えております。
この際、私たちが参考にしておりますのは、いわゆる経済社会発展計画でありますが、この経済社会発展計画の中では、受益者負担の原則と料金体系の合理化ということが強く答申に書かれておりますので、その答申を受けまして、公社といたしまして、健全な独立採算を維持して、電信電話事業を健全な経営に持っていくということが、やはり国民のため国家のために必要であるという見地に立っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/184
-
185・古内広雄
○古内委員 そこで、いま日本の電電公社がとりておられる現行の電話の料金体系が、非常に不合理な点が目立ってきた、そこで、経営の悪化にもそれが非常に影響しているということなんですけれども、しかし、私も前の経歴が外国に縁があったもので、相当外国を歩いてまいりましたけれども、先進国では、電話の事業というのはそういうマイナスの事業でなくて、採算のとれた、もうけのある事業だと私は承知しているのですが、どうしてわが国だけは料金体系がいままでそんなに不合理だったのか、どういう点が非常にいけなかったのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/185
-
186・米澤滋
○米澤説明員 ただいま外国のアメリカとかあるいは西欧諸国のお話が出ましたが、これらの国は、もうすでに相当電話が普及しておりまして、住宅電話が相当なパーセンテージを占めておるという事態における料金体系ができております。日本の場合には、先ほど申し上げましたように、昭和二十八年以来、ほとんど料金体系をいじっておりません。そのときはいわゆるマグネットの電話機、あるいはまた、市外におきましても待時通話をやるということでできておりました。しかし、その間に市内におきましては電話の数が非常に圧倒的にふえてきたということ、自動化が進んだということ、それから市外につきましてはダイヤル即時になった、これは画期的なことなんであります。
ところで、料金体系といたしましてまず一つ考えられているのは、日本は原価主義というものからかなり離れておって、過去における共電式あるいは手動の交換というものを主体にしたものをただ倍率的に進めてきたという実態がございます。それをいまの自動化ができ、あるいは自動即時化ができるように合わせるということが一つの問題であります。それからまた、市外通話あたりは、料金の全体の収入の中で半分を占めておりますが、これあたりは、確かに、原価主義から見ると、最近の技術の進歩等から考えてやはり直さなければならない。むしろ基本料等をふやすこと、それから度数料につきましては、昭和二十八年に料金改正が行なわれたときも、当時政府は、たしか、一度数五円を十円にするという案を国会に出したのでありますが、それが修正されて七円になった。しかし、七円ではそう長くもたないだろうといわれたのが、先ほど申し上げましたように、エレクトロニクスの進歩等によってそれがもってきたわけなんでありますが、そういった基本料金を上げていくという、その二つが一番大きな点でありまして、なお、時間があればこまかく申し上げますが、大体、基本的にはそういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/186
-
187・古内広雄
○古内委員 どうなんですか、公社に伺いたいのだけれども、料金を上げて多少入ってきた資金でいろいろな設備をやっていかれるというのだけれども、設備に料金からあがった収入を使うということは、適当なんですか。外国なんかの例はどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/187
-
188・武田輝雄
○武田説明員 いまの御指摘の点でございますが、電信電話事業の建設工事費の中には、既設の、たとえば磁石式局を自動式局にするとか、待時の市外通話を即時にするとか、あるいは手動即時を自動即時にするといったように、既設加入者のために投資されている部分が相当ございます。また、新規に電話をつけてまいりますと、その新規加入者と旧加入者との間に通話ができるようにするための中継線あるいは市外線等の費用も要るわけでございます。そういうわけで、全投資額のうち、何らかの意味で既設の加入者の利益に還元される部分が、大体三分の二程度というふうに考えております。
したがいまして、そういう性質の建設資金でございますから、その建設資金の一部を既設の加入者の方々から料金収入によってまかなうということは、妥当であるというふうに考えておるわけでございまして、昭和二十八年に料金値上げが行なわれたわけでございますけれども、そのときは赤字ではなかったわけですが、主として建設資金に充当するために、二割の料金値上げが行なわれたわけでございます。
なお、外国における状態でございますけれども、アメリカ、イギリス等におきましても、建設資金の約二割程度は、利益金と申しますか、収入によってまかなわれておるわけでございます。なお、アメリカなどは、申すまでもなく私企業でございまして、利潤の配当ということが行なわれておりますが、公社は公共企業体でございまして、利潤の配当がない、すべて加入者の方々に利益が還元されるという意味で、充当されてしかるべきではないかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/188
-
189・古内広雄
○古内委員 わかりました。
それで、次の問題は非常に本質的な問題で、いままでもたびたび扱われた問題だと思うのだけれども、一方においては、いま日本経済で物価を上げないようにという努力が方々でなされているときに、こういう料金の値上げということは非常に矛盾を感ずるわけです。
これは、すでにたびたびお答えあったこととは思いますけれども、私からも一応お尋ねしたいのですが、その点、一般の物価を上げないような努力が必要なときに、電話料金を建設設備資金だけであるとはいえ、上げて、一体日本の経済にどういうような影響を及ぼすのか。むろん、いいと御判断になって上げるのだろうと思うのですけれども、その点の分析をひとつしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/189
-
190・井上俊雄
○井上説明員 電信電話サービスの普及並びに改善によりまして、非常に多くの効果というものが幾多の事例で見られておると思います。
まず、自動化が進められることによりまして、手動で回して相手を選択するといった選択の手間、あるいは、待ち合わせに要する時間が、自動即時化になることによって減る手間、あるいは、人間の労務費の節約といったようなもの、さらには、たとえば生鮮食料品等の生産地と消費地との間の疎通の改善、それに伴う物価の安定ないしは商取引の活発化といったような点等々、枚挙にいとまがないのでございますが、一応数字的に大体の事例から、四次計画の大綱で整理されておりますサービスの改善、拡充をやりますと、まず、自即化に伴いまして、待ち合わせ時間が約四億六千万時間の節約ができる、あるいは、市外通話の即時化がさらに進められる、あるいは、自即化が進むということに関する手数時間の面におきましても、二千四百五十万時間が節約できる、さらに、現在公社では、お客さんのサービスの改善に非常に力を入れておりまして、たとえば、お客さんが相手を選択する場合に、お客さん自身がダイヤルのしそこないとか、いろいろな問題がございますけれども、それらを含めまして、できるだけ公社として、サービスの改善とか周知の徹底とか、いろいろなことをはかるようにいたしておりますが、いわゆる通話完了率をさらに高めるということによりまして、五カ年間で八百二十万時間の労働時間の節約ができる、さらには、産業用の集合電話を導入することによりまして、お客さんから内線電話への直通ダイヤルが可能になりますと、そのために企業体のほうで、つまり工場、事業所のほうでオペレーターの節約が約六千名もはかられるであろう、あるいは、PBXの自動化のために十二万名のオペレーターの節約ができる、あるいは、ポケットベルを、これからサービスを本格的にやろうということで進められておりますけれども、そういうことによってむだな時間がうんと減る、無線呼び出しによって早急に相手と通話ができて能率があがる、いろいろな面がたくさんございます。
これらにつきましては、接続時間単位の労務費あるいはマンアワー、経費の面あるいは労務量の面を換算して計算いたしますとそういうことでございまして、公社といたしましては、特にこれからはこういう雇用の面が非常にきびしくなるということもあり、あるいは、国民生活の向上に伴って、家庭生活の能率改善とか近代化とか、あるいは、豊かで不安のない暮らしの実現ということのために積極的に努力していこうということでございますが、大体数字的にはかれるものを計算いたしますと、こういう数字が出てまいります。具体的な事例といたしましては、非常に多くの実例がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/190
-
191・古内広雄
○古内委員 私は出身が宮城県でございまして、非常に農業的色彩の強い地元なんですけれども、それで、いわゆる農集電話を早く設置してほしいというようなことの依頼を受けて、いろいろ走り回っておるわけでございますが、今度の設備料値上げは、一体農集電話の設備料に関係があるのかどうか。私どもとしては、いまの農村の経済状態——地域格差の是正と、よくいわれておるこういう大きな命題のためには、ぜひこの際、農集電話の件は例外にしていただいて、この点は料金値上げしないでいただきたいという希望を持っておるのですけれども、その点、御検討願っているのでございますか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/191
-
192・米澤滋
○米澤説明員 設備料につきましては、農集用については、現状の設備料を変えるようにいたしておりません。
それから、料金につきましては、これは料金全体の体系の中で考えていきたいと思いますので、現在検討中でございまして、まだ公社としても結論を得ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/192
-
193・古内広雄
○古内委員 私の聞きたかったのは、その設備料です。設備料は上げないでいただけるんですね。大臣、それでよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/193
-
194・小林武治
○小林国務大臣 設備料は据え置きであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/194
-
195・古内広雄
○古内委員 最後に、一つだけ伺っておきたいのです。
これもいままでまとまった御説明がなかったと思いますので私承りたいのでありますけれども、今後の電電公社のいろんな技術革新に伴って、いろんなことを考えておられるように聞いておるのだけれども、たとえばポケットベルとかデータ通信サービス、これはどういう計画でおられるか、簡単でけっこうですからお示し願って、私の最後の質問といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/195
-
196・米澤滋
○米澤説明員 詳しくお話ししますと非常に時間がかかりますが、一番大きな新規サービスはデータ通信だと思います。これは、おそらく十年くらい先になりますと、電信電話と並ぶ一つの大きな事業になると思います。それも、いわゆる同一企業内でコンピューターを使ってやる、これはすでに地銀協あたりでやっておりますが、さらに、おそらく銀行全体がそれに入ってくるような時期もあるんじゃないか。それから、一般の加入電話から簡易計算であるとか、あるいは情報の検索であるとか情報の処理であるとか、そういうものをコンピューターとタイムシェアリングでやる、こういう問題、その次に、経済的に大きな目的を持った電子交換機ということで、これはいわゆるソフトウエアという問題におきましては、データ通信のコンピューターと親類みたいになるわけであります。ただ、電子交換機の場合には、いろいろ新しいサービスができるし、それからまた、エレクトロニクスが進歩して、今後非常に小さなものができる、いわゆる新規サービスを考えた場合には、あるいは、経営の合理化というものに対して相当大きな影響が出てくるんじゃないか、ただ、これが実際に入ってくる時期はおそらく四十六、七年からぼつぼつ入ってきて、第四次五カ年計画中はそう大量には入らないというふうに思っております。それからあと、それに関連いたしまして、宅内機器の改良というものが相当出てくるんじゃないか。これはいろいろ需要に応じまして、たとえば、いま少し試験しておりますが、ダイヤルを回すかわりに、1、2、3、4、5、6という数字があるのを手で押すようなもの、そういたしますと非常に早くなります。
あと、いろいろありますが、大きな点はその程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/196
-
197・古内広雄
○古内委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/197
-
198・古川丈吉
○古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01619680417/198
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。