1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月二十二日(月曜日)
午前十時十三分開議
出席委員
委員長 古川 丈吉君
理事 齋藤 憲三君 理事 志賀健次郎君
理事 田澤 吉郎君 理事 坪川 信三君
理事 金丸 徳重君 理事 小沢 貞孝君
小渕 恵三君 加藤 六月君
金丸 信君 上林山榮吉君
佐藤 孝行君 根本龍太郎君
羽田武嗣郎君 古井 喜實君
水野 清君 島本 虎三君
森本 靖君 松本 忠助君
田代 文久君 古内 広雄君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 小林 武治君
出席政府委員
郵政大臣官房長 溝呂木 繁君
郵政大臣官房電
気通信監理官 柏木 輝彦君
郵政大臣官房電
気通信監理官 浦川 親直君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 米澤 滋君
日本電信電話公
社副総裁 秋草 篤二君
日本電信電話公
社総務理事 行広 清美君
日本電信電話公
社総務理事 大泉 周蔵君
日本電信電話公
社総務理事
(技師長) 黒川 広二君
日本電信電話公
社理事
(施設局長) 北原 安定君
日本電信電話公
社理事
(計画局長) 井上 俊雄君
日本電信電話公
社理事
(経理局長) 中山 公平君
日本電信電話公
社営業局長 武田 輝雄君
専 門 員 水田 誠君
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四月二十二日
委員石橋政嗣君、八百板正君及び中野明君辞任
につき、その補欠として島本虎三君、安宅常彦
君及び松本忠助君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
同日
委員島本虎三君辞任につき、その補欠として石
橋政嗣君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三八号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/0
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001・古川丈吉
○古川委員長 これより会議を開きます。
公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/1
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002・森本靖
○森本委員 この公衆電気通信法の改正もだんだん大詰めになってまいりまして、いままで数人の人々が質問をいたしておりますが、私もずっとこの委員会に出ておりましたのでよく知っておりますが、なお、しかし、念のために各速記録を全部ずっと読んでみたわけでありますが、同じことを何回も繰り返し質問をいたしております。しかし、同じことを繰り返して質問いたしておりますけれども、きわめて重要な点がやはり明らかになっていない点があるわけでありますので、場合によっては重複するかもわかりませんけれども、締めくくりという意味で質問をしたいというふうに考えておりますので、あらかじめ御了承願っておきたいと思います。
その前に、これは大臣から、ここの委員会としては、全逓、全電通に関係をいたしまして、いま春闘がまつ最中でありまして、ようやく公労協にこの問題が移ってくるという形になっておるわけでありますが、労働組合側としてはストライキも用意をして春闘をやろうというふうな形になっておるようでありますけれども、できることならば、そういうストなんというものはやめて、そうして、円満にこの春闘が妥結するということが、われわれとしては一番望ましいわけであります。それがためには、労使双方が相当歩み寄って、両者がお互いに、社会的あるいはその他のいろいろの条件を考えて、そして妥結をするということが一番望ましいわけであります。
これについて、いわゆる公労協というのは、調停段階があり、仲裁段階があり、こういうことで、毎年いろいろな過程をたどって春闘が終わりを告げるわけでありますが、私の考えとしては、仲裁段階までいかずに、調停段階においてケリがつくものならケリをつけていただきたい、そのほうが、労使双方にとっても事業にとりましても、私は一番望ましいのではないかというふうに考えておるわけでありますが、大臣として、これに対するお考え方を聞いておきたい、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/2
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003・小林武治
○小林国務大臣 これは私のほうも森本委員のおっしゃるとおりにしたい、こういうことでありまして、まだ実は政府部内の意思統一というのはできておりませんが、私は、やはり去年のように、調停段階においても実質的な意思の疎通ができるように、そういうふうな気持ちを持ってやりたいと思っておりますが、まだ政府部内の意思統一はできておりません。しかし、郵政なり電電たりはさようなことを部内においても強く主張したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/3
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004・森本靖
○森本委員 いま公労協といいましても、内部においていろいろ財政事情その他において違うわけでありまして、そういう観点から、郵政大臣としては、電通あるいは郵政というものを預かっておる大臣として、調停段階としてぜひ解決をつけたいということについては、私は当然であろうというふうに考えるわけでありますので、その線において円満にこれが解決づけるように一そうの御努力を願いたい、こう思うわけでありまして、重ねて大臣の御回答を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/4
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005・小林武治
○小林国務大臣 いつも申しますが、労使関係は、相互の信頼、相互の誠意というものがなければこれが解決しない。私は、この問題については、昨年以来ほんとうに誠意を持ってこれに対処したい、こういうことでありまして、昨年は実はそういうふうな回答をしたあとに多少のストみたいなことがあったことを私は非常に残念に思ったのでありますが、お互いの誠意というもので相互に信頼をしてやっていきたい。いま私が申したような考え方は強く主張したい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/5
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006・森本靖
○森本委員 これは相互の誠意と信頼に基づいて解決をつけなければならぬということは、大臣のおっしゃるとおりであります。政府部内の意見を統一する場合においても、いま大臣がおっしゃったような線に従って、しかも、一般のいわゆる春闘相場というものが大体構成されつつあるわけでありますが、こういうものよりも下回るということがあっては、やはり労働組合側としてもなかなか従いにくいということになろうと思いますので、そういうあらゆる客観情勢というものも考えながら、これを誠意と相互信頼という形でもって、ひとつ、大臣として有終の美を飾っていただきたいというふうに考えておるわけであって、有終の美といったところで、やめるということを言っておるわけではないわけで、この春闘の有終の美を飾っていただきたい、こういう意味でありますので、初めに大臣が言われましたように、これは相互に誠意と信頼を持って解決の方向に努力していただくということをぜひひとつお願いをしておきたいと思います。
それから、電電公社の総裁におかれましても、やはり総裁としての一方の当事者でありますので、この点については、総裁からもひとつ御意見を伺っておきたい、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/6
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007・米澤滋
○米澤説明員 いま御質問がありましたので、お答えいたします。
私も、昨年のように労使関係を近代化する、正常化するという意味におきまして、調停段階において実質的に決着することが望ましいということを関係方面に意見を述べておりますし、また、私のできる範囲は十分その線で努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/7
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008・森本靖
○森本委員 それでは、本題の料金問題に入るわけでありますが、これは何回もこの委員会で設備料の定義の問題について質問があったわけですね。そして質問があったけれども、質問者と答弁者との間において意見がだいぶ違うわけなんです。
そこで、やはりこれは将来速記録に残るわけでありますので、最終的に私はこの料金体系というものにおける一つの定義というものをはっきりしておいてもらいたい、こう思うわけでありますが、いわゆる現在の料金体系というものが、まず電話を設置する場合におけるところの料金が何と何であるか、ひとつ、総務理事から御回答願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/8
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009・大泉周蔵
○大泉説明員 電話を設置する場合の料金は、設備料と加入料とであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/9
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010・森本靖
○森本委員 そういたしますと、それ以外にありますところの債券はどういう意味になりますか。要するに、私が言うのは、電話をつけるときに要る経費というものは、全部で何々なのか。それから料金、加入料、設備料、それから債券と、こうなるわけでありますが、債券がこれ以外にあるわけですね。債券はどういうふうに定義づけられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/10
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011・大泉周蔵
○大泉説明員 債券は、この拡充法ができましたときにも御説明申し上げましたとおり、電話の急速な架設のために必要とする資金を、加入する方に、義務的なものではございますが、一般利率の資金援助をしていただくという性質のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/11
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012・森本靖
○森本委員 そういたしますと、まず加入料というのは、これはどういう性格ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/12
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013・大泉周蔵
○大泉説明員 加入料と申しますのは、電話加入者となる方を登録するための手数料でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/13
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014・森本靖
○森本委員 その加入料は現在三百円ですが、いつから三百円になっておりますか。それは営業局長でもいいでしょう、こまかい問題ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/14
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015・武田輝雄
○武田説明員 加入料が三百円になりましたのは、二十三年からでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/15
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016・森本靖
○森本委員 そういたしますと、そういう手数料は、昭和二十三年から今日まで同じでけっこうですか。それは総務理事に聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/16
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017・大泉周蔵
○大泉説明員 この点につきましては、必ずしも同じというわけにはいかないと思いますが、登録のための手数としましてはそう大きな変化もないと思いますので、これはないとは保証できませんが、三百円の料金を将来全面的に修正するときには、その点考えなければならぬと思いますが、現段階では、このままでいいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/17
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018・森本靖
○森本委員 当時から物価の指数はどのくらい上がっておりますか、昭和二十三年から昭和四十三年まで。だれかわかりませんかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/18
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019・武田輝雄
○武田説明員 約三倍でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/19
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020・森本靖
○森本委員 約三倍ということになりますと、私は、これは上げろとは言わぬけれども、料金体系というものをきちんとするという意味においては、昭和二十三年にきまった加入料というもの——加入料は、電話加入原簿に登録するところの手数料ですね。それが三百円、これは何級局でも同じだ、登録するわけですから。しかし、その手数料が二十三年からですから約二十年になりますが、二十年間は同じでよろしいということになるわけですが、それなら、初めは取り過ぎですか、これは。三百円はどうもつじつまが合わぬじゃないですか。二十三年ごろに取り過ぎか、あるいはいま非常に低過ぎるか、どっちかじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/20
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021・大泉周蔵
○大泉説明員 いまのお話によりましても、確かに、現在のほうが低過ぎるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/21
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022・森本靖
○森本委員 これは額が三百円だから、二十年もほうっておいてもそう公社の予算には関係ないからほうっておいたということになろうと思いますが、やはり料金というものについては、これは理論づけというものが明らかでなければならぬと思います。そういう点では、要するに、今回は、電話を設置する場合における料金というものを改正するわけでありますから、設備料を改正するとするならば、当然この加入料もそれに匹敵するように改正するのが当然じゃないですか。料金は、今回は全部やらなかったけれども、電話を設置する場合に要る費用については、設備料を一万円から三万円にした、約三倍ですね。そうすると、加入料というものについても当然考えなければ理屈に合わぬと思うのですが、大臣、この点は、公社から話があったときにどうお考えになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/22
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023・小林武治
○小林国務大臣 これは率直に申せば、私は片手落ちといえばどうかと思いますが、当然修正してしかるべきものであったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/23
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024・森本靖
○森本委員 こういう点については、筋が通ったように今後はやっていただきたい、こう思います。そうしないと、一方の設備料というものを改正して、加入料というものを改正しないということはおかしいと思うわけであります。
それからもう一つ、この加入料が、一級局から十四級局——十四級局というのはありませんが、とにかく、それまで三百円にしておるということは、やはり登録簿に登録するという手数は同じだからと、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/24
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025・大泉周蔵
○大泉説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/25
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026・森本靖
○森本委員 それは、最下級の局から上の局に至るまで、やり方は一緒ですか。手数のかかり方は一緒ではないと思うが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/26
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027・大泉周蔵
○大泉説明員 下級の局では、委託局にお願いをしておるところもございます。委託局で受け付けるということもございますが、登録するということ自体につきましては同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/27
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028・森本靖
○森本委員 これはやはり総務理事くらいになると、事務的なことはあまり知らぬのでそういう答弁をするのだけれども、小さい局と大きい局と、やり方が違うのですよ。これはよく調べたらわかると思いますが、そこまでやると、おまえ、あまり重箱のすみをほじくるようなことをするなと言われますからやめますが、これはやはり違うわけでございまして、そういう点も十分研究してもらいたい、こう思うわけであります。
それから次に、この設備料の基本的な考え方でありますが、これは何回も各委員が質問をしておるわけでありますが、その質問に対して答えておる答え方が、どうも非常にあやふやな点があるわけであります。
そこで、この設備料というものの定義は、一体どういうことですか。加入料はわかりました。これは加入した場合に登録する費用の手数料である、これは二十年間手数はひとつも関係がない——そんなばかなことはないけれども、ここではそういう定義になったわけです。そこで、設備料というものの定義ですね。これをひとつ明らかにしておいてもらいたい。総務理事から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/28
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029・大泉周蔵
○大泉説明員 先般大臣がお答えになりましたとおり、設備料は、加入電話の新規加入の際に工事をして電話の利用ができるようにするための料金であって、新規架設工事に要する費用の一部に充当するものであります。このように、設備料は公衆電気通信役務の料金でありますが、基本料、度数料等の一般料金とはその性格を異にし、物価に及ぼす影響は少ないものと考えられまして、今回の修正をお願いしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/29
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030・森本靖
○森本委員 そういたしますと、設備料というものは、加入者が加入する場合に要るところのいわゆる線路工事の工事費の負担ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/30
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031・大泉周蔵
○大泉説明員 端的に申しますと、そういうような言い方になろうかと思いますが、工事費の一部に充てるためのものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/31
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032・森本靖
○森本委員 工事費の一部に充てるということは、これを私が繰り返して聞くのは、前に私が、昭和三十五年であったと思いますが、聞いたときと今度の答弁と違っておるわけです。いわゆる前の設備料の定義というものは、引き込み柱から宅内に引くまでの工事費である、こういう回答だったわけですね。それが今回は、電話をつけるところの全部の経費の一部分である、これは井上君だったかだれだったか、とにかく三十六万円か三十三万円か要るうちの一部分である、こういう回答に変わってきておるわけですね。だから、法律を審議する場合に、そういうように定義を変えたなら変えたんだというふうに明らかにしてもらいたいと思う。前に、この一万円にきめるときには、これは宅内の工事に要する経費である、こう言ったわけですね。そうすると、これは将来、公社の財産にはならぬわけですね。その者が電話をやめてしまえば、これは廃止されるわけですね。ところが今回は、これが電話を設備するところの総経費の分担だということになると、もう総体的に公社の負担もこの中に含まれてくる、こう解釈が変わっておるわけだ。だからこれは重大な解釈の違いになってくるわけです。その辺、総裁どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/32
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033・米澤滋
○米澤説明員 総務理事から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/33
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034・大泉周蔵
○大泉説明員 先般の、三十五年の改正のときには、私が御説明申し上げたと思うのでございますが、当時装置料が四千円ということになっておりましたのを、設備料一万円ということにお直しをいただいたのでありますが、そのときの説明は、確かに、引っ込み柱以下の宅内への引っ込み料に相当する消耗品的なものだけではなしに、引っ込み柱以下の設備も含まれております、という説明でございました。それ以来、この設備料の一万円は建設勘定の収支にしておる、つまり資産になっている、こういうことでございます。
それで、今回の設備料は、引っ込み柱以下でなしに、さらにその先まで延びたということに非常に大きな変更がある、資産になるものが含まれておるということについては、性格は同じでございます。ただ、この金額が非常に変わりました点につきましては、いわば料金政策上の変更というものがあろうかと思います。
と申しますのは、三十五年の拡充法の際には、加入の際に御負担願うべきものはなるべく少なくして、一般の料金でいただくのが正しいという考え方でございまして、いわばアメリカ的な考え方であったわけでございます。今回、公社の経営基盤の強化のために、どうしても料金の修正をお願いしなければならぬということになりましたときに、一般料金だけでこの財源を求めると、非常に上がり方が大きくなり過ぎる、やはり初期の負担もお願いしたほうがいいのではないかというようなことが考えられまして、この初期のものをもっと取ったらどうか、そこで、一般の普通の消費生活等の状況等も比べまして、大体三万円程度がいいのではないかという政策的なお考えがあったわけでございます。
そこで、私たち事務的に考えました場合に、引っ込み柱以下という考え方であったものをあまりにも大きく変更するのもどうかと考えておりましたところ、線路費が六万円程度でありますので、それ以下であるならば、その加入者だけのためにかかるものを一部御負担願うという精神におきましては、性格はそう大きく変わっていないのじゃないか、こう考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/34
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035・森本靖
○森本委員 そういうこじつけた答弁をされると論争になると思うのです。これは速記録を見たら、明らかに書いてある。これは私もそのときにおったわけですが、そのときのあなたのほうの答弁では、これは、確かに四千円が一万円になったから、そのときはその答弁でよかったわけです。これは要するに、宅内の工事に要するところの労務費、消耗的な物品費並びに加入者が専用するところの加入者の線路部分のうち他に転用する道がないところの工事費等が含まれる、こういう答弁をしておるわけです。
ところが、いままでのこの委員会における答弁では、そうではないのだ。今度は、一つの電話をつけるのには三十何万円かかかるのだ、そのうちの一部分を負担してもらうのだ、こういう答弁になっておるから、それ以後、法律の条文が改正になっていない。はっきり言うと、条文が改正になっていないのに、その法律の趣旨がそういうふうに変わってきたなら変わったと、そういうふうに明確にしておかぬと、いままでは、公社はこういう解釈だった、しかし、今度は設備料が一万円から三万円になったことによって、この設備料の解釈というものは、いま私が言ったように変わってきたんだ、こういうことならこういうことで明らかにしてもらいたい。前もそうだったけれども、今度もそうだということでは、前はそういう答弁でないわけでありますから、それはどうも納得がいかぬわけです。
だから、設備料の性格というものは、昭和三十五年に四千円から一万円になったときに、装置料が要するに一万円になったわけなんですから、装置料を設備料に変えたわけです。今回のいわゆる設備料が一万円から三万円になった点については、いままでのような設備料の考え方ではございません、総額が三十何万円かかるのだ、だからそのうちの一部分をわれわれのほうとしては負担をしていただくということになったものでございます、こういう解釈ならこういう解釈で、この国会を契機として、この設備料の解釈というものは、そういう解釈なら解釈であるというふうにはっきりしておいてもらいたいと思います。それを大泉君の言うように、前も一部若干資産も含んでおりましたというようなことを言ったって、そのときにはそういう答弁をしていないのだ。それはなぜかというと、装置料から設備料に変わったからそういう答弁になったのです。
だから、ここでひとつ区切りをつけたいと思うのです。私は、今回のこの設備料というものについての公社の考え方というものあるいは郵政省の考え方というものは、従来の設備料の考え方とは違った考え方に解釈を変えておる、そういうように、ひとつはっきり答弁をしておいてもらいたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/35
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036・大泉周蔵
○大泉説明員 ただいま非常に事務的な御説明を申し上げて申しわけございませんが、おっしゃいますとおり、いままでの設備料は消耗的部分が非常に多かったにもかかわらず、今回はまた設備費が非常に多くなりましたので、御説明がそういうように変わったと申し上げてよいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/36
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037・森本靖
○森本委員 そういたしますと、結局、設備料というものは、これについては、今回は要するに一つの電話をつけるのに三十数万円かかる、そのうちの一部分をこれによって負担をしてもらうのだ、しかしながらこれは、もう将来、この電話をやめたという人に対して絶対返さないものである、こういう定義づけになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/37
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038・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/38
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039・森本靖
○森本委員 そういたしますと、この間もこれは問題がありましたが、そういうものの架設料の二重取りになるという意見がありましたけれども、二重取りにはならぬわけでしょう。先取りにはなる。はっきり言うと、先取りになるのはけしからぬという理屈は当然出てくるわけです。三十三万円か三十六万円の先取りになるからそんなものはけしからぬじゃないか、こういう意見にはなると思います。しかし、将来二重取りになるという形にはならぬと私は解釈しておるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/39
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040・大泉周蔵
○大泉説明員 二重取りにはならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/40
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041・森本靖
○森本委員 そういたしますと、ここで問題になるのは、これを前に装置料から設備料の一万円に改正をしたときに、要するに公債、これは例の拡充のための暫定措置に関する法律、これによってその公債がきまったわけですね。
そこで、これとこの設備料とは非常に相互関連があるわけですね。これは常識ですが、この場合に、やはり公債を一万円でも二万円でも引き下げろということを大臣は言ったことはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/41
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042・小林武治
○小林国務大臣 先ほどの設備料の定義の問題でありますが、ここで私は、初めから、変わっていますと、前からはっきり申し上げております。そうでなければこの値上げは説明がつきません。したがって、やはり料ということば自身が一体適当かどうかさえ問題になると思うくらいでありまして、要するに、前と変わっています。
お話しのようなことで、したがいまして、要するに、公社ではこれをすぐに他人資本として建設勘定にぶち込んでおる、こういうことになると、いまの加入者債券ときわめて類似した、同じ性格のものになってきておる。したがって私は、公社に対しては、この二万円を上げたら、債券は二万円減せということを強く要望したことがあります。しかし、全体、資金がほしくてやるのだからそれはできない、どうしても減らせないと言うからして、私もそれで了承したということでありまして、これは普通なら減すというのがあたりまえだと思いますが、資金事情のためにそういうわけにいかない、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/42
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043・森本靖
○森本委員 確かに、大臣が率直に申されましたように、これは損益勘定に入っていないわけです。だから、資本勘定に入るとするならば、本来ならば、普通の商社であるとするならば、これを上げたら公債を下げるのが当然だ。ところが、実際には、財投その他の関係で資金が足りないからこれはそのままにしたというのが偽らざる実情だと思います。
ところが、やはりここは法律を審議するところでありますので、この電信電話拡充の暫定措置法というのは、法律のとおり暫定なんですね。私は、この委員会で、時限立法で立法を延ばすたびに、いつまで一体延ばすんだ、大体、時限立法というものを二回以上延ばすということはけしからぬじゃないかということで、何回も質問してきたことがあるわけであります。ところが、今回の公債の場合は、昭和四十八年三月三十一日までに廃止する、こういうことになっておるわけであります。これは廃止する見通しが大臣、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/43
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044・小林武治
○小林国務大臣 率直に申して、あまりないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/44
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045・森本靖
○森本委員 これはしかし、あまり無責任なことは、何ぼ率直でも大臣、ちょっと無理だと私はう。時限立法というものは、二回以上延長するということは、もうほとんど法律的にはあり得ないのであって、本来なら正規の法律にすべきなんです。本当に必要であるとするならば、暫定措置法なんというそういう法律でなしに、正規の法律に変えるべきだ。ところが、私が前に、三十五年でしたか、質問したときには、これは間違いなく廃止する方向で努力いたしますという答弁を、時の郵政大臣も電電公社総裁も——大橋総裁だったと思うんだが、いたします、というふうに答弁しているわけであります。「四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」というふうにちゃんと法律にあるわけでありますから、現在においてはその方向に努力していかなければならぬと思う。これは法治国家でありますから、その法律がある限りにおいては、その法律が廃止される方向に努力していかなければならない、こう私は思うわけでありますが、その点、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/45
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046・小林武治
○小林国務大臣 理論上、当然お話しのとおりであります。
公社が持っておる第四次五カ年計画は四十七年度で一応終わるということになっております。その際、これを恒久法にするか、廃止するか、当然考えなければなりません。こういうことは、いままで長い間続いてきまして、一般電話架設者も、それは当然のことだ、こういうふうに思い込んでおる、一種の習慣がある。そういうことで、あきらめておるというわけではありませんが、そういうものだと思っておるからして、これを恒久法にするということは必ずしも不可能ではないと思いますが、いずれにいたしましても、公社の第四次計画の終わる際は、廃止するかどうかということを、そのときほんとうにきめねばならぬと思います。理論的にはおっしゃるとおりと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/46
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047・森本靖
○森本委員 現在の法律がある限りにおいては、廃止する方向に努力すべきだと思います。そうでなかったならば、今度の国会において、この法律を正規の法律に直すような提案をすべきであって、この法律をいじるような、改正するような案件の提案をせぬ以上は、やはりこの法律を順守していく義務があるわけであります。
そういたしますと、四十八年三月三十一日までに廃止するという努力を公社は積み重ねていかなければならぬ、こういうことになるわけであります。そういうことになるとするならば、最終的には、はっきり言いますと、いまの公社の電話の拡充計画というもののテンポをゆるめるか、あるいは料金を上げるか、と同時に、電電公社自体も、もう少し事業の合理化あるいは機構の改革、そういうものをやって冗費を節約するということも当然やらなければなりません。やらなければなりませんけれども、おのずからそれには限度があろうと思います。そういたしますと、要するに、電話の拡充のテンポをゆるめるか、上げるかしていかなければ、いわゆる四十八年三月三十一日までに廃止をするということについてはできない。これは、こういう結論になることは明らかであります。だから、このいずれを選ぶかということについては、今後総合的に、大臣がおっしゃるとおり検討していかなければなりません。
しかしながら、この法律を廃止するということを前提として考えるならば、料金の値上げというものは必至である。ほとんど電話をつけないというところまで——現状維持でいくとするならば、これは電電公社は黒字になりますよ。絶対損はしません。だから、もうかっただけ電話をつけていくという方向でやるとするならば、それは料金を上げる必要はない。しかし、いまの積滞数をかなり解消していこうとするならば、これは料金を値上げしなければならぬ。そこのあたりは、電電公社というよりも、政府として、日本の経済の発展、社会の発展、そういうものと見比べて、物価政策あるいは社会発展の経済政策というものと総合して政府が考えていかなければならぬ、こうなると私は思います。
その場合は、電電公社にも私は申し上げておきたいことは、電電公社は電電公社で、とにかく電話をつけさえすればいいという考え方が頭にあるのだね。これは間違いなしに頭にある。それは総裁以下も間違いない。しかし、電電公社としても、やはり一つの企業であることについては間違いない。この料金というものがやはり物価に影響してくるということも、経済政策に大きく影響してくるということも間違いない。しかし、電電公社の関連産業というものは、中小企業も相当あるわけであります。そういうものの発展ということも考えていってやらなければならぬということもわかります。しかし、その辺の総合的な度合いというものを、いつ、どの辺においてこれをとどめるかということになりますと、これはやはり政府の経済政策の総合的な判断に立たなければならぬと私は思う。そういう点では、公社ももう少し視野の大きな点でものを考える必要があるのではないか。総裁は、総裁ですから視野をうんと広く考えておるかもしれない、副総裁もその辺かもわからぬけれども、そこから下あたりになると、はっきり言うと、もはや電話をつけること一本にしか頭がないのだね。そうでなしに、やはりこの法律がここにちゃんとあるわけでありますから、四十八年に債券を廃止するということになりますと、これはかなり大きな問題ですね。
だから、その点のいわゆる総合的にものを考えるという頭を、総務理事以上ぐらいはやはり持たなければならないのではないか。電話のことだけ頭に置いて、電電公社だけの発展を考えるということでは、日本のいわゆる国有の電信電話公社の経営者としてあまりふさわしくないのではないか。電電公社のこともむろん考えなければなりませんよ。電信電話事業の発展ということもむろん考えなければなりませんけれども、日本経済全体の視野に立って、電信電話公社はいかにあるべきかということも頭の中に置いていかなければならぬのではないか。その点、いまの小林郵政大臣みたいに、まじめな大臣が出てくると衝突することがたびたびある。今回の料金体系における衝突の原因は、はっきり言うと、そういう点にあろうと私は思います。
だから私は、これは大臣の肩を持つわけでもなく、公社の肩を持つわけでもないけれども、その辺は、今後政府との連絡調整というものを公社も十分考えていかなければならぬのではないか、こう思うわけであります。私の意のあるところは総裁も十分わかると思いますが、ひとつ、総裁としての回答を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/47
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048・米澤滋
○米澤説明員 ただいまいろいろ御意見がございましたが、今後、料金修正問題あるいは料金体系の合理化というような問題もかかえておりますので、政府、特に郵政省、郵政大臣との連絡を十分緊密にしながら進めていきたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/48
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049・森本靖
○森本委員 それから次に、電話料金の問題でありますが、電話料金の中には、いわゆる電話の使用料というものがあるわけであります。この使用料の中には、基本料と度数料とそれから市外通話料というものがあるわけでありますが、その前に、ちょっとこの拡充法の問題で、いま加入電信の債券の引き受け額は幾らですか。営業局長でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/49
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050・武田輝雄
○武田説明員 四十五万円です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/50
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051・森本靖
○森本委員 国際電電の加入電信の加入料は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/51
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052・柏木輝彦
○柏木(輝)政府委員 はっきりした金額は私記憶してございませんが、電電公社の加入料と大体均衡をとって認可をしていると思います。もちろんその債券はとっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/52
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053・森本靖
○森本委員 そうすると、電電公社の加入電信の加入料は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/53
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054・武田輝雄
○武田説明員 加入料が三百円、設備料が一万二千円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/54
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055・森本靖
○森本委員 そうすると、国際電電の加入電信も大体この程度ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/55
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056・柏木輝彦
○柏木(輝)政府委員 大体一万二千円程度——私、先ほど加入料と申しましたが、設備料でございます。その程度のものを取っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/56
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057・森本靖
○森本委員 そういたしますと、国際で東京で入って、ロンドンからニューヨークと加入電信でやれるものが一万二千三百円程度だ。国内の加入電信は一万二千三百円プラス四十五万円の債券を払わなければならぬ。これは大臣、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/57
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058・小林武治
○小林国務大臣 いまのは、私よくわかりませんけれども、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/58
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059・森本靖
○森本委員 こういうことなんです。
ちょっと大臣、聞いてもらいたいのですが、これは昭和三十五年のここの委員会で、この内容を改めろということを私が指摘してあるのです。こんな不合理な内容はない。国際電電がやっておるところの加入電信は、東京からニューヨークなりロンドンなり、それぞれに加入電信として加入する場合に一万二千三百円程度で加入できる、日本の国内の加入電信をやるのに四十五万円の債券を払わなければならぬなんて、こういう不合理はないはずじゃないか。一方は、国際電電は株式会社ですよ。しかし、これも郵政大臣がちゃんと監督をする権限を持っておる会社です。それを、国内の電電公社がやるのに四十五万円も債券を払わなければならぬ、一方は一文も債券は要らぬ、そんな不合理なやり方はないじゃないかということを私がここで追及したことがある。これはひとつ考えてみなければなりません、こういう答弁をしておるわけです。ところが、いまだに、人がものを言わなければ、いい気になってそのままになっている。こんな不合理な点はないと私は思う。これはだれが考えてもそうだと思うのですよ。大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/59
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060・小林武治
○小林国務大臣 お話を聞けば、きわめてこれは不合理でありますから、実情を調べて直させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/60
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061・森本靖
○森本委員 これは大臣の率直な答弁でけっこうであります。いろいろの理由はつけておりますけれども、これは確かに不合理ですよ。だから、この点については、ひとつ早急に調査の結果をお願いしたいと思います。
次に、電話料の件ですが、いまの電話料というものは、基本料、度数料、それから市外通話料、こういう料金体系になっておると思いますが、これは間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/61
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062・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/62
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063・森本靖
○森本委員 そこで、まず基本料でありますが、この基本料というものの定義はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/63
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064・大泉周蔵
○大泉説明員 定義と申しますか、基本料と申しますのは、度数制局の加入者がその加入者であるということのために毎月払う料金でございまして、使用度数にかかわらず支払っていただく最低の料金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/64
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065・森本靖
○森本委員 そうすると、度数制というのは定額制でない場合、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/65
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066・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/66
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067・森本靖
○森本委員 そうすると、この基本料というものが級局によって違うというのは、どういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/67
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068・大泉周蔵
○大泉説明員 この基本料もそれから定額制局のいわゆる電話使用料、これも級局によって差がございます。これは電話の利用価値に伴うものといわれておりますが、同時に、根本的には原価的にも相当影響があろうと思います。原価的にも、大きな局についてはよけいかかっているという事情もございます。しかし、いままでの説明では、電話の利用価値による差ということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/68
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069・森本靖
○森本委員 利用価値か原価か、どっちかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/69
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070・大泉周蔵
○大泉説明員 端的に申しますれば、利用価値と申し上げたほうがよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/70
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071・森本靖
○森本委員 そうすると、利用価値というのは、とにかく電話の利用範囲が広いからそれだけ基本料が高くなる、こういうことですか。これは次の料金問題のときに影響があるから、一つ一つ定義を聞いておかぬと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/71
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072・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/72
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073・森本靖
○森本委員 それから、この基本料については、住宅用というのと営業用というのと違うわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/73
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074・大泉周蔵
○大泉説明員 違っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/74
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075・森本靖
○森本委員 これはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/75
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076・大泉周蔵
○大泉説明員 これは、実は戦後料金を変えました際に、当時のアメリカ軍からの勧告によって変えたものでございまして、結局、住宅のほうの負担率の問題、あるいは、アメリカなどで事務用の電話を普及するためには住宅用が多いほうが価値がふえるから、住宅を安くしてもふやしたほうがいいというアメリカの料金体系を示唆されまして、それによって、たしか二十六年でしたかに、その事務用、住宅用という差ができたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/76
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077・森本靖
○森本委員 この事務用、住宅用のそういう経過はいいけれども、現在の解釈としては、住宅用と営業用というものを分けておるという解釈はどういうことですかと、こう聞いているわけです。歴史を聞いているわけではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/77
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078・秋草篤二
○秋草説明員 森本委員のおっしゃる基本料の問題は、近き将来、私どもが料金の修正を行なう場合の最大の課題でありまして、この問題につきましては、歴史的な背景、現在までの解釈、そういうようなものも十分検討の上、しかも、今日におきます電気通信事業の発展の過程においてたいへんな技術革新が行なわれて、また、反面におきましては、利用者層におきますところの構造の変化というものが非常な大きな変わり方をしております。したがいまして、現在までの考え方でいいかどうかということは、これは根本的に改めなければならぬという気持ちについては、大臣からも強く御指示、おしかりも受けているわけです。
これにつきましては、おさおさ怠りなく準備をしておるつもりでございますが、いずれにしましても、ただいまの狭い意味の住宅電話、業務用電話の差は、これは多分に政策上の問題、受益者負担の性格というようなものを考え、あるいは都市と農村の問題も、地域格差とかそういう点の考慮を多分に払っているというふうに存じておるのでありますが、これがこの姿でいいかどうかということは、根本的に考えていく必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/78
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079・森本靖
○森本委員 そういう姿でいいかどうかということについては、これは今後の料金体系を考えるときに確かに考えなければならぬ問題で、ここに武田君が外国へ行って帰ってきて書いた「外国の電話料金」——おまけに、この中で要らぬことを書かぬでもいいのに「日本の料金制度の問題点」というのがあって、そこで指摘しておるわけです。
確かに、副総裁が言ったとおり、この問題は料金体系をやるときの一つの大きな問題になろう、このことを考えていかなければ、安定をした料金体系というものにはならぬということも考えられるわけです。そういう点は、私は今後の課題になると思うが、とにかく、現時点における住宅用と営業用とを分けておるというその理由は、要するに何か、将来これが検討しなければならぬ、検討する課題であるということは、もうこれは明らかになっておるわけです。ただ、私はここで、将来検討する場合に、私ももう一ぺんまた一緒に論議をしたいと思うから、ここで一つ一つ料金の定義というものを一応聞いておきたい。
だから、将来検討しなければならぬということは、これは私もわかるわけでありますが、要するに、現時点におけるこれに対する解釈というものはどういう解釈であるか、この解釈を統一しておいてもらいたい、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/79
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080・大泉周蔵
○大泉説明員 実は、現時点においてはややあいまいになっておるわけですが、少なくとも、変えたとき、制定の趣旨から申しますと、これは負担力であったと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/80
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081・森本靖
○森本委員 負担力の差……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/81
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082・大泉周蔵
○大泉説明員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/82
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083・森本靖
○森本委員 負担力の差というのは、要するに、住宅用のほうの人が負担する能力が低い、こういうことですか。負担力の差でなしに、基本料の住宅用と営業用の違いというのは、使用度数が違うのじゃないですか。
要するに、住宅用と営業用は使用度数が違うということと、それからもう一つは、その受益者の利益という点からいった場合に、この間堀君だったか、そば屋の例を出しておったけれども、要するに、そういう利益還元というか、そういう点からいった場合に、住宅用のほうが少ない、営業用のほうが利潤が多い。その二つの点から考えておるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/83
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084・大泉周蔵
○大泉説明員 お話でございますが、実は、定額制局では一本なのを、度数制にするというのは、利用度数の差によって受ける利益が違うということで、度数料で差をつけるということになっておりまして、日本でも昔から、度数制局においては、事務用、住宅用の差をつけずに、度数料で受益者の利益の差が分かれておったわけでございます。ところが、戦後急速な料金引き上げがありました際に、住宅用の負担力が非常に少ないので、大幅値上げをするときに、事務用はいいけれども住宅用はこの際少し下げたらどうかということで差をつけたように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/84
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085・森本靖
○森本委員 そうすると、住宅用と営業用と違うのは負担力の差、こういうことですか。私はそうじゃないと思っているんだな。利用度の相違ということによって差をつけてある。
第一、あなたのほうは、それじゃ電話をつける順位を言ってごらんなさい。電話をつける順位というのは一から十七くらいまであるはずだが、ちょっとそれを説明してみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/85
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086・大泉周蔵
○大泉説明員 優先設置基準は第一順位から第六順位までに分かれておりまして、第一順位と申しますのは、国の機関あるいは国会議員の住宅あるいは重要産業等でございます。
第二順位は、特にふくそうしていて、全部の通話において妨げになるようなものを救うためのものでございます。ふくそう救済と言っております。
第三順位は、第四、第五順位の電話であって、長期間積滞になっておるものを救うためのものでございまして、長期積滞救済のためのものでございます。それが第三順位でございます。これは現在四順位のものが二年間、五順位のものが三年間かかっております。
第四順位は、大体一般の営業用のものでございます。
第五順位は、一般の住宅用のものでございます。
第六順位は、すでに電話を持っているもの、あまり混んでいないものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/86
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087・森本靖
○森本委員 そこで、その順位の中では、要するに営業用の順位と住宅用の順位とは違うんでしょう。その違うということの理由は、利用度数が違うからと、こういう意味でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/87
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088・大泉周蔵
○大泉説明員 これは公共的といいますか、あるいは国家的といいますか、その電話の利用価値、利用される社会的価値といいますか、そういう意義が高いというように考えられたものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/88
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089・森本靖
○森本委員 あなたのほうはていさいのいい答弁をするけれども、実際は、それは営業用のほうはもうけが多い、住宅用のほうはもうけが少ない、だから、もうけの少ないほうはなるべくあと回しだ、営業用のほうをつけたほうが、通話度数が高くなって、市外通話料の料金も入ってくる、これは明らかにこういう考え方ですよ。だから、ていさいのいい答弁はいいから、要するに、もう一回おさらいをしますが、現時点における住宅用と商業用との違いというものは、もう時間がありませんので結論を急ぎますが、そうすると、負担力でやっておる、こういう定義ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/89
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090・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/90
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091・森本靖
○森本委員 どうもこれはあとでひっかかると思うけれどもね、そんな答弁をしておくと。私は負担能力だけじゃないと思うが、まあいいです。先へ行きます。
それから、この度数料というものは、一回七円ということになっておるわけですね。それから公衆電話は一回十円ですか。——十円と七円の差はどこに行くのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/91
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092・大泉周蔵
○大泉説明員 これはこの二十八年の料金修正のときには、まず第一に、公衆電話は、硬貨の関係で区切りのいいほうがよろしいということが第一点、もう一つは、公衆電話は基本料を払ってないので、それをある程度含めてもおかしくない、そういうことで定められたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/92
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093・森本靖
○森本委員 そうすると、私が聞いておるのは、たとえばボックスの公衆電話は、これは十円がそのまま電電公社へ入ってくるのですね。それで、赤電話を持っている店屋のやつ、あれは店屋へ何ぼいっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/93
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094・大泉周蔵
○大泉説明員 ある一定度数までは二円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/94
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095・森本靖
○森本委員 幾らまで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/95
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096・大泉周蔵
○大泉説明員 全部二円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/96
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097・森本靖
○森本委員 わかりました。
そうすると、これは八円だけ電電公社へ入っている、そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/97
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098・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/98
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099・森本靖
○森本委員 構内交換電話の場合はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/99
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100・大泉周蔵
○大泉説明員 構内交換電話は、局線に発信された通話は全部七円であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/100
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101・森本靖
○森本委員 今度は、構内交換電話の構内交換にある中の分の料金はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/101
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102・大泉周蔵
○大泉説明員 これは使用料として定額になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/102
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103・森本靖
○森本委員 使用料として定額は幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/103
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104・大泉周蔵
○大泉説明員 この交換機に関する使用料のほかに、内線電話機ごとに二百円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/104
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105・森本靖
○森本委員 それは何ですか。度数料ですか、基本料ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/105
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106・大泉周蔵
○大泉説明員 これは構内交換電話の内線使用料と申しておりまして、結局、その設備並びに使用に対しまする利子、減価償却並びに保守料というものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/106
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107・森本靖
○森本委員 それから、この電話を移転する場合の料金は、これは幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/107
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108・大泉周蔵
○大泉説明員 移転の装置料は四千円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/108
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109・森本靖
○森本委員 移転の場合四千円の装置料というのは、その四千円はどういう定義になりますか。装置料ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/109
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110・大泉周蔵
○大泉説明員 これは設置場所変更に伴います工事費、消耗品代でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/110
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111・森本靖
○森本委員 消耗品代と言うけれども、どうも設備料と装置料とがちょっと妙に納得がいかぬわけですね、移転の場合の。だから、三十六万円のうちの三万円は先取りですね。今度移転の場合には、それ以外に移転する経費が要るので四千円、そうすると、実際つける実費は四千円で済む、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/111
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112・大泉周蔵
○大泉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/112
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113・森本靖
○森本委員 ここでようやく明らかになってきたわけだ。これは三万円は取り過ぎだ。だから、四千円でつけれるものが三万円取っておるわけだ。三万円というのは、当然に全電話のときの単価を取っておる。その全電話の単価というものは、電話局の設備も回線の設備も全部入っておる、こういうことになってくるわけだね。(「違うよ。」と呼ぶ者あり)だけれども、いまの答弁ではそうなってくるわけだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/113
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114・米澤滋
○米澤説明員 いま、そのように答えておりますけれども、この料金をきめました時点は、昭和二十八年の時点でございますので、私が聞いておりましても、ちょっと説明不十分なようなところがあるかと思います、たとえば先ほど出ましたいろいろな点におきまして。したがって、いまの解釈というものが、昭和二十八年に制定したときの解釈ということで森本委員が御質問されている、そういうので答えているというふうに理解しておりますから、その点間違いのないように、現在の時点とだいぶ違っておるということだけ御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/114
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115・森本靖
○森本委員 現在の時点と違っておっても、一応社会情勢その他が違っておるけれども、その考え方というものは違ってないだろう。いまの移転の場合の装置料というものは、移転のときのつける実費だ、そうでしょうが。いまの移転料というものが移転の実費だということでなければ、これは解釈がつかぬのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/115
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116・米澤滋
○米澤説明員 私が言いましたのは、考え方が同じでも、きめました時点が違ってまいりますと数字が違ってくるということを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/116
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117・森本靖
○森本委員 そうじやないですよ。これは、私が持っておる電話をAの場所からBの場所へ移転する、移転する移転料というものは四千円、こういうわけですから、その四千円というものはどういう根拠で取っておりますかと言うたら、それは要するに移転の実費です、こう言っておるわけだから、実費というのは、そこへつける費用の実費なんだ、そうでしょう。だから、実際に三万円というものは、電話局も回線もすべて入った総費用の結局一部負担してもらっておる、しかし、電話を一台だけそこへつけるということについては四千円が実費だ、こういうことになるわけだろう。そうでなかったらつじつまが合わぬだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/117
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118・大泉周蔵
○大泉説明員 二十八年当時の考え方を御説明申し上げたのですが、当時も設備料が一万円、移転のための装置料、設置場所変更の装置料が四千円でございますが、そのときには、電話をふやしますと、その加入者のためのものがどうしても要る、引っ込み線その他が要る。ところが、宅内だけの工事ですと四千円ですが、引っ込みも全部まぜると一万円だ、この人が移転されますと、何もないところで、確かに一万円かかるわけでございますが、このあとでだれか移転してきますと、これは四千円だけでつく、そうすると、初めて入った人がこちらに移転したときに四千円払って、あとで入った人は一万円だ、こうすれば公社としては取り過ぎにならない、加入者として一たん加入者たる地位をお持ちになった以上、公社の一加入者当たりの費用の一部を負担していただいておるので、あとは実費の費用だけでいいのじゃないか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/118
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119・森本靖
○森本委員 だから、私が言っておるのは、電話を一台つける実費というのは四千円で済むということじゃないですか。君もいまそう言ったじゃないか。実費でつけます、こう言っておるのです。だから、三万円というのは、すべての回線、電話局の機械を一切合わせて三十六万円という単価が出てくる。その三十六万円のうちの、要するに三万円を負担していただくのだ、こう設備料は定義したわけだよね。だけれども、そういう形でなしに、こっちのほうは、普通の会社のようにどこかの財投か何かでやるとするならば、そいつは実際に電話をつけるという実費は四千円だ、こういうことになってくるだろう。そうじゃないか、君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/119
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120・武田輝雄
○武田説明員 電話を架設いたしますほんとうの創設費というのは、全部合わせて三十六万円要るわけであります。今度の設備料は、その一部を設備料としていただく、こういう性質のものでございます。
そこで、電話を移転される場合の負担していただく金額を幾らにするかという問題でございますが、すでに、三万円を負担していただいて、あるいは設備料を負担していただいて加入者になっていただいておる、その方が移転をされる場合に、さらに設備料をいただくというのはずいぶん酷である、したがって、従来からやっておった、単に宅内関係の消耗費、すなわち、宅内関係だけの工事費を移転の際にいただく、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/120
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121・森本靖
○森本委員 それはもうわかった。あなたのほうが時間かせぎをやるから、実際困るんだ。
だから、二十八年にきまったときの解釈からいくとするならば、その当時でいけば、電話を一個つけるのには四千円で済むというわけだ。回線あるいは電話局、そういうものを一切含めれば別だよ。そういうものを一切含めれば三十六万円かかる、こういうわけだ。そうだろう。一台電話をつけるのに三十六万円かかる。その三十六万円のうちの三万円は、先にもらった設備料、これはこれで解釈が済んだわけだ。だけれども、電話を移転するには何ぽかかるかといったら、四千円だ、その四千円は、そこへ実際つける実費だ、こういうわけだから、電話をつける実費は四千円で済む、こういうことになるわけだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/121
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122・大泉周蔵
○大泉説明員 誤解があるといけませんが、消耗品費なんでございます。実費と申しますと、その線路を引っぱって、財産に残るものまで含めるのかどうか、ちょっと理解が困難なんでございますが、私たちが申し上げているのは、消耗的な、なくなってしまうのが四千円ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/122
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123・森本靖
○森本委員 それなら、消耗品費というのは、どこからどこまでが消耗品費ですか、四千円というのは。そんな消耗品費というのはないですよ。大体、消耗品費というものは、引っ込み柱からその中へ入れるやつを消耗品費というのだよ。たとえば私の家があるだろう、その前に電柱が立っているだろう、そこから実際に電話をつけるのにはその消耗品費だけあればつくわけだろう。私はわけがわからぬことを言っているわけじゃない。だけれども、それでは設備料一万円——電話が三十六万円ということで、建設資金も足らぬからこれはあえて負担してもらうということで、三十六万円のうちの三万円を負担してもらっている、こう言っているわけだろうから、そこを私は何も言っていない。しかし、実際にあなたたちが言っているように、電話をつけるときの消耗品費というものは、前の解釈からいけば、宅内の装置料だけであったら四千円で済むと、こういうことでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/123
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124・武田輝雄
○武田説明員 先ほど現行の設備料の説明としておっしゃいました現在の設備料一万円は、宅内の工事に要する労務費、消耗的備品費並びに加入者が専用する部分、すなわち他に転用できない部分の工事費が含まれておる、こういうふうに申し上げましたが、ここでいう装置料は、宅内の工事に要する労務費、消耗的物品費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/124
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125・森本靖
○森本委員 そうだろう。だから、何回も言っておるように、それはもう解釈は、設備料の三万円というのは、結局全部の電話をつける費用の総経費のうちの三万円だけを先にいただくんだ、こういうことで、もうはっきりしたわけだ。しかし、それは電話局の費用も回線の費用も全部入っておるわけだ。三十六万円のうちの三万円をとにかくいただかないと電話はつかないということに解釈したわけです。だけれども、移転する場合には四千円、その四千円の移転費というものは宅内の消耗品費、宅内の消耗品費というのは、電話をそこからのいてしまうわけだから、実際電話をつけるのには、電話局とか回線とか、そういうものをのければ四千円でつく、こういうことだろう、電話をつける費用は。そうなるんだよ、君たちの答弁を聞いておったら。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/125
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126・北原安定
○北原説明員 森本委員の御質問にお答えしたいと思いますが、四千円といいますのは、屋外の引っ込みゴム線、それから宅内の電話機を除く配線、ゴム線並びにヒューズ等であります。したがいまして、移転されて、その移転先にかりに設備があったといたしましても、設置する電話の場所が変わりますと、それらは全部不要になって、新規にやらなければならぬから四千円の経費は要る、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/126
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127・森本靖
○森本委員 だから、私が言っておるのは、要するに電話局の建物、回線だとか、そんなものの費用は一切考えずに、電話を一つつけるということになった場合には、電話機の代金は除いたら、実際につける経費というものは四千円で済む、こういうことを君たちは言っておるから、四千円で済むだろう、こう言っておるわけだよ。間違いないのだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/127
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128・北原安定
○北原説明員 おっしゃるとおりです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/128
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129・森本靖
○森本委員 ようやくそこのところがわかりました。
そこで、一応もう一つ聞いておきたいと思うのは市外通話料ですが、これは武田君もここへ書いておるのだが、距離別時間差法の採用というものは、あまり実質的に収入にはならぬのだ、こういう書き方をしておるわけです。これは距離別時間差法をやるときに確かに問題になった点なんだ。これは悪い書き方ではないと思う、公社側としては。ただしかし、この距離別時間差法というものは、やはり時間と距離とによって差をつけていく、こういういまの距離別時間差法をとっておるわけだね。そうすると、距離が長いほどある程度料金が高い、こういう制度だね、これは現実に。
そこで今度問題になるのは、たとえば今度小笠原が返ってくるんだね。小笠原が返ってきたときに、あそこの通信はどういう通信になりますか。一つ一つ例を示していかぬとあなた方はうんと言わぬから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/129
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130・米澤滋
○米澤説明員 いまのところ、短波無線を使うということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/130
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131・森本靖
○森本委員 短波無線を向こうに使うということになった場合に、その間に中継局は全然ないわけだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/131
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132・北原安定
○北原説明員 ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/132
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133・森本靖
○森本委員 そうすると、この小笠原と東京との間に距離がどの程度ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/133
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134・北原安定
○北原説明員 約千キロでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/134
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135・森本靖
○森本委員 これもやはり距離別時間差法で現在の料金では計算していかなければいかぬね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/135
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136・武田輝雄
○武田説明員 さしあたって、小笠原が復帰いたしました場合におきましては、通信を必要とするのは……。(森本委員「簡単でいいんだよ。距離別時間差法で計算するのだろう。」と呼ぶ)最初は、専用の場合は無線専用でいきたいと思いますし、それ以外の場合は、おそらく待時通話になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/136
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137・森本靖
○森本委員 待時通話になったところで、一般加入者は距離別時間差法によるところの料金になるのだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/137
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138・武田輝雄
○武田説明員 小笠原の場合は、おそらく自動式ではなくて、磁石式の交換設備が設置されることになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/138
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139・森本靖
○森本委員 自動式になったら、しかし、距離別時間差法になるのだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/139
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140・武田輝雄
○武田説明員 自動式になればそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/140
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141・米澤滋
○米澤説明員 短波無線の場合はボーダス装置が入りまして、結局人が入ってくるわけであります。したがって、自動のように、ケーブルとかあるいはマイクロウェーブのように人を入れないでつながるというわけにはまいりませんので、人が入ってまいりますから、その料金体系は距離別時間差法そのままを使うことは、私は相当むずかしいのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/141
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142・森本靖
○森本委員 それでは、この料金はどういうふうにきめるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/142
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143・米澤滋
○米澤説明員 私は、この場合にはいわゆる三分一分とかあるいは三分三分の、そういうふうなきめ方になってくるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/143
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144・森本靖
○森本委員 これはおそらく、三分一分という、三分になると思う。三分になると思っても、距離がやはり長いから、距離によって内地の距離のとり方と同じようなやり方になるのでしょう。たとえば、内地でも磁石式のところがあるね。磁石式の有線回線があるね。それと同じ距離の料金を取るでしょう。いまのところそれしかないわけだから、料金を取る方法は。あえて私は公社を責めようとしてない。料金体系の欠陥があるから、将来こういうところは直していかなければならぬということを言わんがために、これを例に言っておるわけだ。これはやはり内地の磁石式の交換、そうして有線回線をとっていく場合の料金と同じ距離の長さの料金を取らなければならぬでしょう、いまの料金体系からいくならば。国際電電じゃないの、だから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/144
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145・米澤滋
○米澤説明員 確かに、三分一分制とかあるいは三分三分制になってまいりますので、距離別時間差法がそのまま適用いたしませんけれども、やはり距離に対する料金は、原則的に、いわゆる基準としてそれに近いものになるのじゃないかというように想像しておりますが、しかし、なお、あるいは特別料金という形になるかもしれないのであります。どっちにいたしましても、距離が長いということは電力がふえますから、それに要する料金を取ることになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/145
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146・森本靖
○森本委員 それは、あなたも技術屋だけれども、有線回線をずっと引っぱっていくのと、無線回線によってやるのと、経費はおのずから変わってきますよ、総裁。
だから、私がここで言わんとするところは、要するに、いままでのように、有線回線のときのように、距離によって料金を考えていくということは、もはや宇宙通信時代になったときに、この料金体系も考え方を変えていかなければならぬのではないか。いま、いわゆる技術体系というものが、たとえばマイクロウェーブでも、同軸あるいはいままでの有線回線の裸線搬送と全然変わってきておるのです。そうなってくると、料金体系というものも、やはり新たな観点から考え直さなければならぬのじゃないか、実費方式でいくとするならば。たとえば宇宙通信をやるときに距離によって計算しておったら、料金はものすごい高いものになるぞ。だから、これから先は、いわゆる電信電話料金というものについても、ひとつ距離という観点については、その機械化によって、原価計算その他からやはり私は考え直していかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えるわけですよ。この点は大臣にひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/146
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147・小林武治
○小林国務大臣 お話しのとおりでありまして、市外通話の料金体系も変えろということを指示しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/147
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148・森本靖
○森本委員 まことに、この点は、大臣は非常に明快でありまして、そういうふうに、この次の料金体系については、技術革新の発達に従って考えていかなければならぬということは、公社も十分にひとつ検討願いたい、こう思うわけでありまして、総裁からもひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/148
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149・米澤滋
○米澤説明員 料金体系につきましては、新しい技術革新の時代に沿うようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/149
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150・森本靖
○森本委員 大体これで、今回の料金体系についてははっきりとしましたので、一応私は時間の関係上、あとの質問を省略したいと思いますが、ただ、総裁にもこの間ちょっと言ってありましたように、現在の公社の総裁、副総裁、これははっきりわかっておるわけです。それから理事、これもはっきりわかっておる、これは日本電信電話公社法にあるわけでありますから。
ところが、その中間に総務理事というのがある。その総務理事というものは、一体何をするのか、理事は一体どういうふうにするのか、それから理事がどういうふうに各平局長を統括するのか。そういうトップマネージメントといいますか、一つの機構というものができてない。大体理事は、長いことやっておった局長を優遇するという意味で理事に登用するというふうなどうも風潮がある。人によっては、大阪通信局長で理事の通信局長もおれば、理事でない通信局長もおる。その辺が、どうもこのごろ入り乱れてきておる。この辺は、総裁、副総裁あたりが十分協議して、このいわゆる総務理事、理事のあり方について、一ぺんひとつ職制の上における検討をぜひお願いしたい、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/150
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151・米澤滋
○米澤説明員 総務理事制がしかれましてから大体七年たっております。私もいろいろ検討いたしまして、現在の時点に合わせるようにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/151
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152・森本靖
○森本委員 それからあと、私は、ポケットベル、テレフォンカー、さらに今度できた電気通信研究所、それからもう一つは電話サービスの点、それからもう一つは自動課金装置ですね、これは前から問題にしておったわけでありますが、いまはもうやめたけれども、前の技師長のおった時分からですね。
要するに、いまの自動回線の場合、全然自分のところではDSA台を通らなければ課金がわからない。たとえば、われわれが高輪の宿舎で電話をかけましても、電話料が何ぼと、こうなっておりまして、一体それでだれがどこへ何ぼかけたかさっぱりわからない。私の留守中に私の部屋から、たとえばよその議員が入ってきて——そんなことを言ってはいけないけれども、ダイヤルを回してかけられたら、それっきりになってしまう。だから、これはひとつ、何かわかる方法を講じようということで、前から言っているわけです。これはあっちこっちで試験をしておるけれども、なかなか成果を得ない。しかし、これは一般の人の要望が非常に強い。DSA台を通じてやればそれはいいけれども、これはまたDSA台がなかなか出ない。それから、そういうめんどうくさいことをなかなかやれない。これは私は、将来技術革新に応じて相当やっていかなければならぬことだ、こういうふうに考えるわけでありますが、ひとつ、これは将来おやりになるつもりがあるかどうか、聞いておきたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/152
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153・黒川広二
○黒川説明員 お答えいたします。
自動料金即知計につきましては、数台試作をいたしておりますが、まだなかなか良好なものができておりませんので、最近また新しい試作をいたしておりまして、PBX用のもの及び各加入者のお宅につける装置というふうなものを試作、実験をして、森本先生のお話のように、できるだけ早く実用化したいと思って努力しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/153
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154・森本靖
○森本委員 これは前の前の技師長、その前の技師長も答弁しておったし、それから、たしか、総裁が技師長の時分にもそういう答弁をしておったと思うので、どうも時の技術革新に応じてこの技術革新があんまりいかぬので、これはぜひひとつ研究を急がしてもらいたい、こう思うわけであります。
それから最後に、いま電話のダイヤルを回して時報とか気象が出てきますね。ああいうサービスは、いま東京で何種類やっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/154
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155・武田輝雄
○武田説明員 時報並びに気象だけでございます。そのほかにニュースがございますが、これは新聞社がやっておられるので、公社がやっておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/155
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156・森本靖
○森本委員 これも武田君の著作に書いてあるんですが、ひとつ、今後こういうことをやっていったほうがいいと思うんだが、住宅電話がこれだけ普及していった場合、住宅電話で使うのは、いま言った時報とか気象とかいうものをわりかた使うわけなんであって、君のこれに書いてあるところによると、各種案内サービスを、外国においてはこれだけやっている。国際クリケット試合サービス、道路天候サービス、旅行者電話サービス、スポーツ結果サービス、公認賭博結果サービスーこれはいかぬけれども、大体これは競輪とか競馬のことだろうと思うんだが、映画演劇案内サービス、料理案内サービス、それから催しもの案内サービス、株式市場サービス、物価サービス、それから駐車場案内サービス、列車時刻案内サービス、公共的事項案内サービス、それから交通事情なんというものは非常に私はいいと思う。だから、こういう点は、せっかく君が自分で書いていて、君が研究していなければ何にもならぬので、実行するせぬは、またそのときの機械の状況、あるいはまたそのときのいろいろな事情によって変わってくると思いますけれども、私は、こういうもので国民にサービスになるものであるとすれば、やはり意欲を持って研究すべきだ、こういうふうに考えるわけであります。この中で、やってもいいものもあるし、それからやらぬでもいいものもありますが、やって喜ばれるものも相当あるわけなんです。そういう点については、電電公社も新しい時代の波に即応した考え方で研究していってもらいたい、こう思うのですが、総裁、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/156
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157・米澤滋
○米澤説明員 そのように検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/157
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158・森本靖
○森本委員 それでは、あといろいろありますけれども、時間の関係上、委員長に協力をいたしまして、この辺で終わることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/158
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159・古川丈吉
○古川委員長 金丸徳重君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/159
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160・金丸徳重
○金丸(徳)委員 問題になっておりまする設備料の値上げ案につきましては、すでに三週間にわたってこさいにわたる質疑が行なわれまして、十分検討が尽くされましたので、私のお尋ねいたす余地もないほどに論議が尽くされておるようであります。したがいまして、あとの時間の関係もあるようでありますから、ダブるような点は省略させていただきますが、ただ私は、実はこの問題について、当初からたいへん誤解をいたしておりました。
公共料金の値上げなどにつきましては、十分時間をかけて、関係方面、特に申し込みなどをしておる者に対しては納得のいくだけの説明をし、手段を尽くして取りかからなければいけないと思っておったのであります。したがって、昨年の暮れでありますか、全体の電信電話に関する料金の値上げの計画があるように承った際におきましても、設備料の値上げがその中に入っておるということを承りました際、これから申し込みをする者についてのみこれを対象とするのではないか、そうであるべきである、こう早のみ込みをしておったのであります。ところが、実際出てきました案はさにあらずして、いままで三年も五年も待っておった人にまで値上げ案の被害が及ぶということであり、びっくりいたしまして、それぞれ先輩の人などに聞いてみたのでありますが、電話の申し込みというのは、これは単なる申し込みだけであって、そうして実際の設備料などを幾らもらうのかというようなことのほんとうの契約は、公社がその申し込みを受諾したときである、その申し込みを受諾したときというのは、すぐにこれからもう工事に取りかかり、使用できる直前である、こう承った。そうであれば——理屈の上からいえば、まさにそういうことになろうかと思うのでありますが、世間一般の常識からいたしますと、これはたいへんなことになるのではないか。
ずっと、公社の設備料に関する取り扱いについてのいままでの経過、沿革などを調べてみると、設備料についての値上げというものが問題になったのは今回が初めてなんでありますね。設備料値上げは初めてだというのじゃありません。二十一年が九百円でありますが、そういうものから始まりまして、それが二十三年に装置料になって、八百円に値下げをされた。それがさらに二十三年、同年の七月になって、装置料と名を変えて千五百円に上げられた。これらはいずれも当時のインフレの一般物価の値上げに伴う程度のものであって、実質的な値上げとは思われない。そして二十八年に、先ほどもお話がありましたように、装置料となって一万円になり、その後ずっと一万円で続けられております。だから、二十八年以来、諸物価の高騰はあったといたしましても、装置料自体が値上げされ、しかも三倍に値上げされるというのは、今回が初めてのように受け取れるのであります。公共料金がこつ然として——いままで二百何十万の申し込みを受け、言ってみますならば行列さしておった。行列さしておった途中において三万円に、三倍に上げるということがいかにも非常識のように思われるものですから、まさかそういうことはあるまいと思っておったのでありますが、そういうことに相なったのであります。
そこで私は、こうしなければならなかった切実なる理由というものをまず承っておきたいと思います。いままでにも御説明がございました。しかし、その説明を聞いておりますと、全体の料金の改定計画の中において初めて問題にされるべき性質のものであって、設備料のみをこの際こういう形で取り上げなければならない切実なる事情というものが、どうしても今日までの質疑の中から私には了解できないのであります。いかがでありましょうか。これは、相手は、私を含めて、電信電話料金を含めて、公共料金などにつきましてはごく素朴な考えを持っておる一般の公衆であり、ことに農民であるのであります。この人たちにとって、これをごくわかりやすく、なるほどわかった、一万円が三倍の三万円になっても喜んで契約をいたしましょうという気持ちになれるだけの御説明をちょうだいできればありがたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/160
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161・秋草篤二
○秋草説明員 非常に根本的な考え方でございますが、確かにこの問題は、従来の装置料、設備料、それから今日三万円の内容は、何回か御質問があったような経過がございまして、この解釈はだいぶ変わってまいりまして、大臣からも——要するに三万円の資金は、公社が国民の皆さんから援助を仰ぐということに変わりがないわけでございます。
そこで、なぜ三万円いただかなければならぬかということは、もちろんこれは、料金として私どもが多分に余裕があれば、これまた一つの解決策でございます。それから外部資金としての社債あるいは政府出資、そうしたもろもろの建設財源に可能なものが見つかれば、これまたこの問題もだいぶ荷は楽になると思いますが、こういう問題につきましては、ずいぶんあらゆる角度から検討いたしました。私どもの資本の構成をごらんになっていただけますれば、政府の資本金というものはわずか百八十三億しかございません。その間、公社になってびた一文も政府の借り入れもなく、また一般の財政投融資というものも非常に少のうございます。一にかかって電電債というものを大きな柱としてやってきておる。そこで、顧みますれば、総裁が常に申しますように、いま、昨年度の末で一兆三千億になんなんとする巨大な負債をかかえるような姿になっております。
そこで、過去におきます公社発足以来の公社の財産の二兆数千億の内容をつぶさに検討しますと、加入者からいただきました料金の蓄積、内部留保というものもおおむね半分くらいになっております。これは昔の逓信省の時代に比べればまだ非常に少ないのでございます。もちろん、建設投資というものを外部資金、社債とか出資とかいうものでやることが原則であるということは重々わかっておるわけでございますが、何としても、この問題の解決策としてはなかなかいい方法がない。料金の問題につきましては、今日の物価問題から考えましてなかなか慎重にしなければならぬし、また、料金の体系その他、もろもろこまかい点もございます。
そこで、一面、この三万円に対する苦しさといいますか、負担の重さ、軽さというものをわれわれが勘案した場合に、現在これだけ電話が、十五年間の間によくなったというのは自認しておるのでございますが、通信の設備もだいぶ変わってまいりました。要するに、電話という商品の価値ですね、機能というものは、私はたいへんな変わり方だと思います。にもかかわらず、一面また、国民所得が非常に上がって、私どもの狭い範囲の勤労所得におきましても、十五年間で完全に三倍に勤労所得は上がっております。そういうことを背景として、電話の需要が現在非常に旺盛で、二百三十万の積滞をかかえておる、幾らつけても焼け石に水という状況でございます。
しかも、その需要の内容、積滞の内容を分析しますと、十年、十五年前の積滞とはだいぶ性格が違うのではないか、ことに住宅電話の積滞が非常に多い、それから農村とかあるいは独身者とか、そういう方々の電話というものが非常に需要として多くなってきております。こういう方々の利用状況は、おそらく商社とかあるいは国会議員の先生のようなものと違いまして、電話を一日一回かけるかかけないか、こういうような関係も一面見なければならぬ、こういうことを考えますと、従来の方は別として、これからつける方には三万円くらいのひとつ建設資金の援助を仰いで一体どうだろうかということが、素朴な考え方でございます。そうして、電話の特性からいいまして、一冊の電力とかなんかと違って、電話の加入者というものは、一千万の加入者が全部ネットワークに入っておる一つの加入者集団、受益者集団である、こういう点から見れば、それぞれの方々の出した出資金というものは、みな私たち自分たちの利用度の範囲において財産と見ていいのではないか、こういうような基本的な考え方をもって、三万円ぐらいはひとつ御援助してもらってもやむを得ないのではないか、こういう気持ちを持っておるところでございます。
非常にばくとした考え方でございますが、基本的にはこういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/161
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162・金丸徳重
○金丸(徳)委員 電電公社のほうで、収支もなかなかむずかしくなってきたし、一方、非常に需要がぐんぐん増す、その需要の中には、若干延ばしてもらってもいいようなものもあるように思われるので、そういう人たちをも含めて、当面苦しい建設資金の御援助を願う、これは理屈ではないといわぬばかりのお答えでありまして、まさに、あるいはそうであるかもしれません。しかし問題は、この法律をもって強制するわけなんですから、理屈ではない、ただ哀訴嘆願するということであってはならないように思います。ことに、もう一万円を持って自分の番を待っておる人たちにとっては、三万円でなければだめだといわれますと、なぜ三万円でなければだめなのかということの一応の理論づけをしてもらいませんと困る。ことに、私どもといたしましては、電電公社から哀訴嘆願があったから、理屈はわからないけれども、この法案を通したということであっては、有権者に向かって説明のしょうがありません。これこれこういうわけだから、こういう理屈によって、若干の不公平さはあるのだけれども、がまんしてもらわなければならないことになったという説明をしなければなりません。したがって私は、電電公社から、御援助願う、哀訴嘆願してこられるということだけでは了解するわけにはまいらないのであります。
先ほどから、幸いにいたしまして、加入料であるとか、あるいはこの設備料も加えて、基本料であるとかいうものをもう少し掘り下げていくべきではないかという議論が展開されました。加入料さえも安過ぎるのではないかという意見もありそうであります。なぜ設備料についてだけこの際取り上げたのか、これをわかるように御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/162
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163・小林武治
○小林国務大臣 これは、金丸委員が疑問を持たれるのは当然だと思う。申し込んでおる者が新しい料金を払わなければならぬということは、ちょっと納得いかない。私どもに対する投書も非常に多い。自分は三年前に申し込んでおるから、おれの分だけ一万円でつけろ、これは素朴な考え方として当然出てくると私は思うのでありますが、いまの法律論なんかいっても普通の人はよくわかりませんが、申し込みというものは申し込みで、受理というものとまた別だ、受理したものに一対して新料金をかけるのだ、こういうことでやっております。また一面からいえば、二百三十万も積滞があるのに、その順序によることになると、ことしは一文も収入がない、こういうことになるわけです。また、来年もほとんど収入が、一文も設備料値上げによってない、こういうことも当然結果として出てくる。これらのことからいたしまして、いま論議しておるのは、四十三年度にこの収入を得たい、こういうことでやっているから、なかなか理解はしがたいが、これしかないのだ、こういうことになっております。
それから、さっきお話がございましたように、なぜ設備料だけ上げるかということは、さっき森本委員もお話しになったように、一体、これは料なんというものであるかどうか、これが今度提案した非常に大きな理由であります。すなわち、これは他人資本で、損益勘定に入れないで、すぐ建設勘定に入ってしまう。そうすると、これは料であるのか。料ということでは説明がつかなくなる。やはり工事費の一部を負担をしてもらおうということになるから、本質的の性格は他の反復使用に対する料金とは全く違う。基本料とか市外通話料と違うので、そういうところでこれは一ぺんしかいただかない、工事の一部に充てる金で、初めからこれは建設勘定に入れるんだ、これが一番、いわゆる普通の料金とは違うので、私どもはこれを特殊料金などと言っておりますが、ごまかしがあるといえばあるのでありまして、今度これだけ出たというのは、そういう大きな意味がある。いわゆる他の料金とこれとはもう本質的に性格が違うのだ、そしてこれは、そういうふうな一つの負担金的なものだということでなければ、この問題は説明がつきません。
したがって、その三万円をなぜきめたかというと、三万円の計算の基礎は、三十六万円の一割だとか、あるいは引き込み線の六万円の半分だ。ただそういうあとからくっつけたもので、えらい率直に申せば、一つの目の子勘定、見当でやった。このくらいはいいだろう、こういうことでやっておって、これはこういう部分でありますなんて、あとから説明をつけておるにすぎませんから、要するに、この問題は他の料金とは違う性格の、特殊なものである。したがって、これだけ出たということはそういう意味があります。お話しのような疑念を持たれるのは当然でありますが、料というふうなことにこだわると、なぜほかのものと離してこれだけ出したのかというふうなことも当然出てまいります。そういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/163
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164・金丸徳重
○金丸(徳)委員 大臣から、これは理外の理もあるからという御説明でありました。理外の理というものに重点を置いて、われわれもまた現地において了解を求めなければならないのであります。
ただ、ここでひとつ、せっかく設備料が料金なりやいなやということになってまいりましたからお伺いするのでありますが、一体、一つの電話の申し込みを受けて通話が開始されるまでの手続一切の経費を計算いたしますと、どれくらいかかるのでありましょうか。先ほどから四千円だとか六千円になったとかいうお話でありますけれども、申し込みを受け付けます、帳簿に登録いたします、これを整理いたします、その順序を計算いたします、それから測量をいたします、はたして可能かどうかを計画の中で考えます、それから決定をし、工事の請負を出す、あるいは直営でもよろしい、そうして一切の設備その他を持ってきて通話が開始されるまでには、私は、どうもいまの値段でしますと、一万円やそこらでは足りないのじゃないか。かつての物価が安いとき、労賃の安いときにおいてさえも四千円もしくは六千円かかった。今日、二百何十万の積滞の中からどれを選び、どれに順序をつけ、どういうふうにするということになると、この手続だけでも相当かかるのではないか。だから、さっきから、移転料と比較して設備料はこれだけだという説明は、何か少しおかしいように思われる。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/164
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165・大泉周蔵
○大泉説明員 いまのお話、非常にごもっとものお話でございますが、私たち三万円というものを考えるときには、そのような考え方から始めたわけではないのでございますが、確かに、おっしゃいますとおり、電話を架設する際には非常な手数がかかっております。私たち、それは一般の営業費の中で拠出すべきものと考えておったわけでございますが、おっしゃいますとおり、確かに、新たに入る方のためには、事務的には相当の手数がかかっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/165
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166・金丸徳重
○金丸(徳)委員 実は、私はこのお伺いをするのには、実際に消耗品的、つまり共用部分でない、だれにでも使えるという部分は別として、実際にその人のためにのみ使える経費というものは、いまや一万円では足りなくなるであろう、こう想像した。あるいは、これから将来のことを考えますと、ここ三年、五年後のことも考えますと、二万円くらいになるのではないか、こんなふうに考えて、もしそういうことであるならば、何も哀訴嘆願する必要もなければ、取り過ぎだなどといわれ、二重取りだなどといわれる非難もなしに、いまや、共用部分の設備を持ってもらうということによって、かつての負担料的性質をも加味した、あいまいもこたるものでなしにいけるのではないか。そうであるならば、もっと言うならば、そういう意味における三万円という数字が出てくるならば、私は喜んで、現地におって、これだけかかりますからこれはやむを得ないんだという説明ができるわけです。そういう説明をむしろほしかったのであります。どうでございますか。三万円は、私は高いと思うから、過去の足取りからいって二万円くらいのものになるのではないか、こう思う。
ということは、これをきっかけとして、電電の料金の基本問題がすでに論じられており、やがてそれは日程にのぼってくるのでありましょう。ここで妙な哀訴嘆願をして、筋の通らない決定をすると、またしてもということで、肝心かなめの料金の本体論に影響してくる。電電公社というものは、どうもあいまいもこたる、わけのわからぬことで、行列しておる者に対して、途中でもって考え方が変わったから三倍よこせというような、どうもいいかげんだと言っては悪いかもしれませんが、説明のつかない基礎において料金値上げなどを持ち出してくるというふうに誤解されるきっかけをつくるから言うのであります。
ここで、もし三十六万円のうちの二万円なり三万円なりというものは、全く消耗品的に、その人のみによって使われるものがあるとするならば、私はそういうふうな説明をこの際しておいてもらったほうが、問題の取り扱い方がいいのではないか、こう思う。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/166
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167・秋草篤二
○秋草説明員 金丸委員のような解釈でいけば非常に明快であって、要するに、一言では、物価の値上がりがございますが、先ほどから申しましたように、昔の設備費という、消耗品的な物品費と、それから人件費のコスト高というものから見れば、そう三万円に上がるというものではないわけでございます。その点は、私どもは装置料から設備料、設備料から今日新しい三万円の設備料という段階におきまして、考え方を変えてきているということも率直に申し上げているわけでございまして、ただいまのような点は、先ほど施設局長が森本先生の御質問に答えて、移転の場合と、その点だけについて見れば変わりはないということからいえば、三万円もいただくという科学的根拠は全然御答弁できないわけでございます。どうかそういう点、御了解願って、資金の一端を国民の皆さんから御援助を仰ぐという考え方で大体三万円くらい一その三万円くらいというのは、施設の関係からいえばこの辺に当たるということを簡単に連想しているだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/167
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168・金丸徳重
○金丸(徳)委員 実は、私はなるべく筋を通しておいたほうがよかろうと思うものですから、実際の計算はできているだろうとぼくは思うのですよ。できてなければならぬのであって、三十六万円の内訳が局内施設についてどれだけ、伝送施設についてどれだけ、それから宅内施設についてどれだけ、宅内施設なら準備工事についてどれだけという計算は当然できていると思う。ただし、それが三万円まではいかないということでいまのようなことになるのだと思う。もしできるならば、二万円ということならばそれこそ二万円で一つの修正案でも出して、こう思ったからであります。しかし、いまとなってそういうことを言うのも、時期的に時間的にいってもいけないのであります。
もう一つ、私は、この問題につきまして、電電公社では基本の度数料や基本料ともあわせての調整検討をもあわせて案を出されたように説明を受けました。私はそれが一番いい方法だと思っておったのでありますが、それがいろいろの情勢からいって基本料金の問題については後日に残ってきたということからいたしまして、ここにたいへんいま問題になっておる二百三十万の申し込み者にとってだけ負担がかかってきたという意味において、非常に不公平感を与えております。それからして、さっき加入者団体ということばがございました。その加入者団体の中で、全体がこう上がってくるならよかったのですけれども、新しく入る者についてのみ設備料が三倍になったものですから、その人たちについてのみ非常に負担がかかってきた不公平感と負担の重さの感じが強くなる。私は、これは大臣にも申し上げるのでありますが、政治としては非常にまずいことになったんじゃないかと思うのです。ある人たちについてのみ、おれたちばかりが非常な重さを感じておる、哀訴嘆願されればやむを得ないと泣き寝入りするかもしれない。といいますのは、それ以上に電話がほしいわけであります。ほしいわけですから、つけてくれるならばこれもやむを得ないということで泣き寝入りをするかもしれないけれども、しかし内心釈然としない。おれたちのみこんな重いものをしょわされるということになろうかと思うのであります。
そこでもう一つ、さらにそういう考えであることを前提にしますというと、十月から実施しようという公社の計画が、政府の都合によって五月に繰り上げられてきたということで、一そうそこに釈然としない不公平感を持つに至っておるのが、現地における個々の申し込み者の偽らざる感情だと思うのでありますが、これはどうして五月に繰り上げなければならなかったのか。せめては、当初の計画どおり十月からということであれば、二重の負担感、二重の不公平感を申し込み者に抱かせずに済んだんじゃないかと思うのですが、こういうことについて、大臣は各方面からいろいろ配慮なさっての御決定だと思いますけれども、この点もひとつお伺いをいたしておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/168
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169・小林武治
○小林国務大臣 これは、私が端的にお答え申し上げますれば、実は、公社はいまの加入者だけの計算でいけば収支は間に合っておるのです。料金についてあまり考える必要はないのです。
なぜこれが足りなくなるかというと、新規架設するから足りなくなる。新規架設の費用が入るからして全体として足りなくなる。いまでも収支勘定からいえば六十億円も今度余っておる、こういうふうになる。そういうことからいいますれば、いまの加入者に余分に負担をかけるということでなくて、新規架設のために要るからして、その金をひとつ端的に御負担願おうということが、いまの設備料の問題でございます。
それから、公社はなぜ十月を出したかというと、ほかの料金と抱き合わせで出したから、それらの関係でもってみな十月にされたのでありますが、ほかのものはみなこの際おやめになった。そうすると、これだけになれば、ほかの料金と違って、実施が早くなっても差しつかえない。それから公社の収入を少し増す意味からでも、早くしたほうがいいという理屈はありません。設備料だけお出しになったとすれば、おそらく四月か五月にされておったと思いますが、ほかの料金と抱き合わせだからして十月となっておった。したがって、ほかの料金が落ちれば、これは実施上差しつかえないから、新規加入者に御迷惑だが、公社の仕事の上では差しつかえなかった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/169
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170・金丸徳重
○金丸(徳)委員 いま、これから増設しなければ、あるいは改良しなければ、いまの料金で間に合うというが、はたしてそういうことになるのかどうか。また、現在の加入者がそれで満足しているかどうか、私は疑いが多いのであります。
しかし、それはそれとしまして、いままでのなにからしますれば、そういうものは公債費及びその他の借り入れ金でやっておったので、新規加入者に負担してもらう分はなかった。今度からそういうことになった。それは考え方が違ったのだから、それよりほか方法がなかったんだからと言われればそうでありますが、それ以外に方法があったのではないか。さっきもお話がありましたが——いや、さっきの話は、むしろ公債を減らしたらどうかというのですが、私は、それほど困るなら、これから公債を増すということも考えなければならない。ある人々のみについて設備料を三倍にするということは、いかにも残酷物語の一部のように思われてなりません。
それからもう一つ、大臣、お忙しくてお出かけのようでありますから、大臣のほうに先にお伺いしておくのでありますが、五月にさかのぼったから、もう実施上差しつかえない、こういうお話でありましたが、それは確かに、それのみをもってすればそうであったかもしれない。しかし、現地における計画というものは、すでに十月なら十月から三万円になりそうだということで計画を進めておるように私には受け取れるのであります。したがって、もしその途中において五月からということになりますと、現地における加入者、その加入者のお相手をしておるところの局なら局の出先で働いておる職員としては、非常に困惑するわけであります。何ら差しつかえないということでは丸くて、非常に差しつかえを生じておる。こういう点については、大臣はどういうふうなお考えをあぐらしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/170
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171・小林武治
○小林国務大臣 それはもう当然そういうことでございまして、一応公社は十月で出したことは地方にもわかっておりましたから、そういう期待を.お持ちになった。しかし、公社はこの十月からの実施の中で、料金収入等でもって数百億円を別に計上されておったわけであります。だから、要するに公社が利息のつかない金をほしいということは、公債その他の借金、利息のつかないものがほしいという非常に強い御希望を持っておるだろう、したがって、料金関係がストップになったとすれば、その分が落ちるしするからして、少しでも公社の収入を確保するという意味においては、この設備料の問題を少し繰り上げるとそういう要望もある程度果たせる、こういうことでこういう配慮をしたのでありまして、十月の期待がくずれた、したがって地方には不平があるだろうということは、私ども十分それは考えたのでございますが、いまのような事情でやむなくこういうふうなきめ方をした、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/171
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172・金丸徳重
○金丸(徳)委員 現場においては、そういう混乱を起こし、非常に困惑の事情にも立ち至るであろうけれども、背に腹はかえられないからというようなお話であります。背に腹はかえられないということであれば、これもやむを得なかった。
しかし、どうでございますか、せんだってからの質疑応答の中で承っておりますと、電電公社の経理は、国鉄やあるいは民間の同様の会社などと比べると、そうつらいものではない。背に腹はかえられず、現場における非常な困惑や苦難を押し切ってまで繰り上げてやらなければならないようには思われないような御答弁もあったのでありますが、事実はどうでありましょうか。実は私は、電電公社がたいへん経営が楽だとか、あるいはうまくやっているとかということについては、若干の疑問を持っております。なるほど世間には、非常に局舎がりっぱになった、サービスがぐんぐん増しておる、そして、いまや全国各都市は自動即時で面目を一新したような状態となっておることを見て、これはなるほど電電公社は楽だ、あるいは設備がりっぱであるというふうな批評をしておるのであります。私もその点についてはそうだと思いますけれども、さらに深く考えてみますと、電電事業は、戦争中には例の臨軍費を納めさせられた。その前には一般会計の繰り入れがあったりしまして、ことばは悪いのでありまするけれども、ずいぶん大衆収奪的な目にあっておりました。その後、戦争中にはものすごい戦災を受けた。戦災の受け方も、国鉄などとは比較にならないほど根こそぎやられておって、そして今度は、終戦になっては、当然に占領軍あたりからの無理なサービス要求によって、これまたひどい目にあった。そういうつらい目を積み重ねてきた電電事業が、いまのような急激に明るい面、りっぱにやっている面を現出し得たものは、実は、加入者団体の一般的な協力もあったかもしれませんけれども、特に国からの援助があったわけでもありませず、ひたすら無理な借り入れ金をして設備を改良したということに帰せられるのじゃないか。借り入れ金の内容を見てみますと、はたしてそうでありまして、せんだっての説明によりますと、国鉄が一兆七千億とか、そういうことでありますが、電電事業は一兆三千億だ。設備の全体の計画からしますれば、あるいは営業の売り上げ全体からしますれば、これこそ比較にならないほど多くの借金をしてやっておる。そしてその借金の内容も、利息が高いのであります。私はざっと聞いただけでありますけれども、国鉄よりも約一%近い高い利子の金を払っておる。売り上げの比率からしますれば、比較にならぬほど高い多くの借金をしておって、それで、ただそれだけを見てみますと、電電事業がそんなによそからうらやまれるほどに楽な経営ができるはずはないと思っておったのであります。
この点についてどうでありますか。表はなかなかりっぱになったけれども、裏の財布の中はほんとうは苦しいのじゃないかというのが電電の実情じゃないかと思うのであります。この点は、大臣はどういうふうに御理解になられて料金問題に取っ組んでおられるか。特にこの問題の多い設備料の繰り上げ実施だとか三倍にするとかという、一見無理な問題にあえて取っ組まれたのか、その辺のところを大臣から承りたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/172
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173・小林武治
○小林国務大臣 電話が非常によくなったということは、一番の問額は、むろん従業員の努力がありますが、技術革新であります。これほど戦後技術革新の行なわれたものはない、これが生産性の向上に役立ったということは、どなたもおわかりと思うのであります。電電公社は、正直に申して、国鉄がそばにあるから言うわけではありませんが、経営はそう苦しいとは私は思っておりません。
この問題につきましても、私は経営委員等にも懇談したのであります。いますぐに赤字が出る、こういうふうな状態ではないということを私は申したのでありますが、要するに、ころばぬ先のつえということばがある、赤字の出ないうちにやってもらいたい、こういうのが経営委員も一致した御意見でありまして、一般にそうわからない。たとえば少し赤字が出る、こういうことでないのでございまして、これは要するに、新規架設に対する要望が強いからして資金が足りない、こういう問題になってくるのでありまして、比較的健全な経営であるというふうに私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/173
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174・金丸徳重
○金丸(徳)委員 いまのお話でわかりましたけれども、大臣、技術革新だからということで、それが表面的に電電の経理を楽にしておる、したがっていまは赤字でないということであります。ただ私は、いま赤字でないということは、来年、再来年急激に赤字にならないかどうかということについては、確信が持てないのじゃないかと思うのであります。といいますのは、この高度成長政策以来、非常に、技術革新という一つの指導といいますか、導きもあったかもしれませんけれども、急激に金を借りて、急激に仕事を広げてきておる。したがって、一軒の店で言いますれば、そういう急激な広げ方をすると、そこに多くの問題を来たす、電電はいまそういう問題に直面しているのじゃないか。そういう問題に直面しておるものだけに、将来のことを考えて、念には念を入れといいますか、ころばぬ先のつえということでこれをお出しになった、こういうことであります。私も、ころばぬ先のつえをつくことはたいへん大切だと思う。考え方には賛成でありますけれども、そのころばぬ先のつえを、並んでおった加入者のみに加えてくるという今度の措置が、繰り返すようでありますけれども、どうも納得できない、酷に過ぎはしないかと思うものですから、むしろ、全体としてころばぬ先のつえをみんなでついていくときまで待てないものかどうか、こういうことでありますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/174
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175・小林武治
○小林国務大臣 電電は借金を非常におそれておるんですね。私は、そう借金をおそれる必要はない、新規投資というものは、ある程度借金によって一向差しつかえない、こういうふうに言って、その点は、私は電電とは少し違うのです。そう借金をびっくりなさるな、こわがるな、こういうことを申しております。
それから、今後の経営につきましては、この予算あるいは法律等が通れば、私は、すぐ来年度以降の全体問題を考えて、そうして、前にも申しておるように、いろいろなことを考えてやらなければならぬ、こういうことでありまして、経営全般について私はとくと検討をして、次の年度以降に対する態度をきめたい、こういうふうに思って一ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/175
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176・金丸徳重
○金丸(徳)委員 借金をおそれてはいけないというお考えはわかります。ただ問題は、借金にもよりけりだと思います。電電の借金は少し高過ぎるように思われる。かつては外国から借りました。これも安い金ではなかった。それから、その後財投からも若干安い借金はできたのでありますが、それがだんだん減ってきまして、いまや、一番高いと思われるところの加入者負担の公債が大部分のようであります。これは七分二厘だそうでありますけれども、公債費用その他の経費を加えますと八分近いものになるそうで、決して安いものではない。借金はおそれない、しかし高い借金はおそれなければならない。
そこで私は、料金を値上げしなければならないような情勢に立ち至っておりまするので、その最もおそるべき高い借金について、大臣は何とか考えをめぐらせるお考えはあるか。財投方面からのみ申し上げるわけではありませんけれども、国鉄は国のほうからの無利子の借金も借り出したということを承りました。事実かどうかわかりませんけれども、そういうことであるのなら、電電がころぶ心配のあるために、ころばぬ先のつえを用意するとしまするならば、そのころばぬ先のつえの一端として、国も、このおそるべき高い借金について何らかの方法をこの際講じておかぬと困るんじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/176
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177・小林武治
○小林国務大臣 これは経営全体を考えてやるべきことでございます。あの国鉄でもことし初めて政府の利子補給をもらう、こういう事態になっております。電電公社の経営につきましても、そういうようなことも、一つの考え方としてむろん持つべきであるが、時期の問題がまたあろう、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/177
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178・金丸徳重
○金丸(徳)委員 もう時間がありませんから、私はその点についてここでいろいろ押し問答いたしておることはできません。ただ私は、この問題につきまして何らかの方法を講じたら、と思いましたのは、根本的に、いまのようなおそるべき高い利息のついておる公債について、国としてお考えを願える道がないかどうか、それからもう一つは、一万円の設備料はそのまま置いても、もしそういう金が必要であるならば、これからの契約者については、残り二万円は別の公債でも引き受けてもらって済ますことができないものか、設備建設資金を調達する意味においては、それも可能であるのではないか、その場合に、特に法律を出すことによって利子を安くするということも考えられないものではない、そうしてもいいのじゃないかということも、案としては考えてみたのであります。これらも、いまとなっては間に合わないことでありましょうけれども、実は私は、それほど何かいい手がなかろうかと思いをめぐらしましたのは、繰り返すようでありますけれども、現地において、今回の措置について非常な苦労をいたしております。現実に窓口に行って、自分の電話はいつ引けるのか、それは従来どおり一万円で間に合うのでしょうね、というような聞かれ方をされても、現段階においては答弁もできないというような状況の中において非常に苦労をいたしております。この現場の従業員の苦労というものは、われわれとしては十分くんで、何らかの方法を講じてやらなければなりません。
したがいまして、この法案審議に当たった私どもといたしましては、そういう意味におきまして、電電の苦しい状況も説明しながら、あらゆる方法を講じても、これ以外にはなかったのだということの了解の中で納得してもらうような努力をしなければならない責任を感じておるのであります。それだけに、現場の人たちの苦労に対して、電電公社はどういう考えで対処なさろうとしておりますか。私は、きのうの日曜も、二、三の友人にも会いまして言われるのは、非常に苦労しております、どうしてこれを納得してもらうのか、たいへんですと言っております。私は、戦後の電電事業、ことに、公社として独立して以来の電電公社の現場職員の皆さんが、いうところの電電精神に徹してきた、サービス精神に徹してりっぱにやってのけておることをよくこの目で見ております。この人たちが、何とかして公衆のためにサービスをしようとするその真心に対して頭が下がるものですから、できれば、こういうような無理な、強引な出し方の案を押しつけたくないのです。そして、これ以上の苦労はさせたくありませんものですから。
私は、それについての例をここに持ってきております。これはもう非常な現地の申し込み者からの文句がある。そして、その文句のうちには、こういう案を通すのは、おまえたちの責任である、こんな無理な案をわれわれは納得できないのだが、おまえたちはこれを何とかして食いとめろという要請であります。私はこれに対して、ほんとに内心そう思う。しかし、これは何としても数がものを言うのですから、ほかに方法がないとするならば一また、ことに一番おそれるのは、それではつけてやらぬぞと言われれば、これはもっと困ることですから、何とかして電話をつけてもらわなければなりませんから、あらゆる点はがまんをするだろうと思います。思いますけれども、それが釈然とした中でのがまんということであればまだしも、そうでないいろいろな不満——せっかくいままでいいサービスを提供してくれた電電公社の現場職員が、ここで一挙に何か信を問われるようなことがあってはならないのではないか、こう思うのです。
総裁は、これに対してどういうふうな配慮をなさってこられたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/178
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179・米澤滋
○米澤説明員 お答えいたします。
電電公社の仕事は、数次の合理化あるいは技術革新等取り入れまして、物的生産性の向上等をいろいろ進めてまいりましたけれども、すでに借金が一兆三千億円、それからまた、その利子負担が四十三年度だけで約一千億円あります。債務償還をやって、四十三年度四百三十億円であります。そんなふうにありますが、また本年建設をいたします対象が、大体住宅、農村方面に電話が普及してまいりますと、収入の構造変化を生じてくる。電報の赤字がすでに、合理化を進めましたけれども約四百五十億円、こういうような状態であります。
私は、この電信電話事業というものが、いま御指摘のございましたように、公社の職員に対しまして、特にサービス精神の浸透、高揚をはかるということを強く要請しておるのでありますが、しかし、経営上の問題といたしまして、健全な独立採算を維持していくということが、国民のためにも、また国家のためにも必要であるということを考えておる次第であります。したがいまして、すでに昨年の八月に経営委員会で第四次五カ年計画大綱という、将来の五年にわたります拡張計画をつくり、また、四十三年度の概算要求におきまして、郵政大臣に、設備料の一万円を三万円にすること、料金修正、この両方をお願いいたしたのであります。
私は、今回設備料の問題だけが取り上げられましたけれども、公社の経営を改善するという面におきまして、これは一歩前進したというふうに考えておるのでありまして、ただいまいろいろ御指摘がございましたが、公社の職員に対しましては、もともと、経営問題の主体は、個々の職員の問題ではなく、個々の職員の人に対しましてはよきサービスを国民に提供するということが主体なのでありまして、やはり現実の経営問題は、本社であり、総裁であるわれわれの責任であるというふうに考えておるものであります。
したがいまして、実際、この設備料の法案が認められて、いよいよ実施する場合には、個々の現場の人が十分それに対しまして答え得るような趣旨の徹底というものをはかりまして、できるだけ国民の皆さんの了解を得ながら進めるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/179
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180・金丸徳重
○金丸(徳)委員 時間が参りましたから、私はこれで終わることにいたしますが、冒頭申し上げましたように、公共料金、特に、国民の権利義務へどに関することにつきましては、相当の時間をかけ、条理を尽くし、十分納得した中においてやってもらうことが必要でありましょうし、特に間に立つところの現場職員の苦労をも、電電事業のようなサービス機関においては十分に念頭に置いて案を進めてもらいませんと、思わないところで後日に思わない支障を来たすことになりはしないか。ことに、いまのような料金全体についての検討をしなければならないような状況の中におき化しては、特にそれが念には念を入れての配慮の基礎に立っておらなければならない、こう思いますので、この点は、今後における電電及び政府の十分なる御配慮を要望いたしまして、まだこのほかにこまかくはあるが、重要な問題があるのでありますが、大臣の時間もきておるようでありますから、私はこれで終わります。善処をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/180
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181・古川丈吉
○古川委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/181
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182・古川丈吉
○古川委員長 これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、順次これを許します。田澤吉郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/182
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183・田澤吉郎
○田澤委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表するものであります。
御承知のとおり、電電公社は、その発足以来三次にわたる長期計画を遂行し、この十数年の間に加入電話八百二十万余を増設するという大きな成果をあげてまいりましたが、近時、経済の高度出長と国民生活水準の向上に伴い、電話架設や通信サービスの改善に対する国民の要望は、最近ますます熾烈の度を加えてきており、加入電話の申し込みの積滞数は、昭和四十二年度末現在において二百三十五万を数えるに至っております。
このような状況にかんがみ、公社は、加入電話九百三十万個の増設を柱とする第四次五カ年計画を新たに策定いたしまして、これを本年度から実施しようとしているのでありまして、今回の公衆電気通信法改正案は、この公社の長期計画を実施するための資金措置の一環として提出されたものであります。したがいまして、本改正案に対する是非の判断は、第一には電話大幅増設の要否にかかるのでありますが、前述のとおり、電話の加入申し込みの積滞は、今日すでに二百三十万余に達しており、これに年々新たに百七、八十万の新規申し込みが加わるという電話需要の趨勢を顧みますときに、公社の計画は、むしろ控え目に過ぎるとさえ思われるのでありまして、五カ年計画の目標である加入電話九百三十万個の増設は、何としてでも達成せられなければならないと存ずるのであります。
公社は、この長期計画を遂行するための資金調達の方法として、公募債等の拡大を期待するほか、電信電話料金の修正や、電話設備料の引き上げを希望しているのでありますが、今回の改正措置は、この希望の一端を実現させようとするもので、これによって初年度計画の完全実施が可能となるのであります。
改正案についての次の問題点は、公社の建設資金を設備料によってまかなうことの当否であります。
数年来、外部資金の調達が困難化してきつつある一方、公社の事業収支も次第に悪化の傾向を見せてきており、かかる事情のもとで長期に安定した資金を確保していくためには、公社の自己資金を拡大することが必要になってくるのでありまして、ここに料金の修正や設備料の改定が問題になるわけでありますが、今回の改正は、このうち設備料の改定だけを行なおうとするものでありまして、これによって公社の資金源は一応の強化を見ることになるのであります。公社の建設資金をいかなる形で利用者に負担させるかは、いろいろ議論のあるところでありますが、今回の政府案は、料額改定の影響を最小限にしぼりながら当面必要な資金だけを確保しようとするきわめて現実的な考えに基づいて決定せられたものでありまして、物価の抑制が強く要望されているおりから、この措置は、はなはだ賢明であったというべきであります。
次に、設備料の引き上げ幅でありますが、新設備料の三万円は、さきの電信電話調査会の答申案でもこの程度の引き上げを適当としているのでありまして、最近における国民生活の実態や電話の効用の向上等から見て、この上げ幅は、一般的に容認されるところであろうと存ずるのであります。
以上のような観点からわが党はこの改正案に賛成いたすものでありますが、この際、特に本案に関連して、政府並びに公社に一、二の要望を申し上げておきたいと存じます。
その第一は、現行料金体系の全面的再検討であります。
先日来の審査においても各党委員よりこもごも指摘がありましたとおり、現行電信電話料金体系は、最近における電気通信の発展に必ずしも適応しておらず、随所にいろいろの矛盾、不合理を生じているのでありまして、今後における電気通信事業の健全な発展を期するためには、この料金体系を真に合理的なものに改める必要があり、この点、政府並びに公社が真剣に検討されるよう望むのであります。
第二は、電話増設の促進であります。
さきに申し上げましたように、加入電話申し込みの積滞は相当期間にわたって解消の見込がなく、第四次五カ年計画の完了後においても、なお百二十万の積滞が残ると予想されているような状態でありまして、この慢性的な電話不足の解消は、根強い国民的願望ともなっているのでありますが、政府、公社ともにこの実情に目をそらさず、不断に最大の努力を払い、事業の増収等は、電話の増設のために傾斜的に投下されるよう要望する次第であります。
以上、一、二の希望を申し添えて、私の賛成討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/183
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184・古川丈吉
○古川委員長 金丸徳重君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/184
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185・金丸徳重
○金丸(徳)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表明するものであります。
以下、その理由を明らかにいたします。
まず、反対の第一点は、設備料引き上げの必要が認められないということであります。
今回の設備料の改定による本年度の増収は二百四十四億円と説明されていますが、公社はこれまで毎年相当多額の利益を出し、昭和四十二年度決算においても二百五、六十億円の収支差益が出ることを予想しているのでありまして、その額は設備料改定の増収、額を優に上回るのであります。これだけを見ましても、本年度分の建設計画を遂行するための財源は、設備料を現行のまま据え置いても何ら支障を来たさないことは明らかであり、このほか認可料金のゆがみを是正するなどの措置によっても相当の資金が得られるはずでありまして、いま直ちに設備料を三倍に引き上げねばならない理由はないと断じても差しつかえありません。
第二点は、設備料の性格のあいまいなところにあります。
公社は、かねて、設備料については、加入者が専用し他に転用する道のない線路部分、すなわち、引き込み線から宅内までの線路等、いわば消耗品的部分について加入者に負担してもらうもので、これには固定資産に相当する部分は含まれないと説明してきたのでありますが、新設備料については、電話局から宅内までの設備費とその建設費の合計額の半分に当たる額であると言い、新旧設備料の間には明らかに性格の相違があらわれてきたのであります。かような性格のあいまいな料金を加入者に課することは、何と申しましても不当でありまして、その金額の多寡にかかわらず、とうてい容認しがたいものであります。また、この設備料の改定は、実質的には、かつての負担金制度の復活にほかならないのでありまして、電話の建設資金調達に対する政府の方針に一貫性のないことをみずから証明したものと言えましょう。
第三点は、この設備料を含めて現行料金体系の不合理性であります。
本案審査の過程でわが党委員より指摘されましたとおり、現行の電信電話料金体系は、技術革新の進んだ今日の電気通信の実情とはなはだしく乖離し、このため随所に欠陥を生じ、著しく負担の均衡を失する結果となっているのでありまして、今回の改定によって設備料がきわめて性格のあいまいなものとなったのも、この不合理な料金体系のまま、必要な建設資金を無理やりに加入者に課そうとしたために生じた矛盾の一つでありまして、政府、公社は何よりもまずこの体系の合理化をはかるべきであったのであります。しかるに、当局はこれを怠り、性急に設備料の引き上げを強行しようとしておるのでありまして、これは、ただに料金負担の公平を失わせるばかりでなく、公社百年の大計をも誤らせることとなるのであります。
以上、要するに、今回の設備料の引き上げは、理論的にも実際的にも適正を欠くものと判断せざるを得ないのでありまして、わが党は、残念ながらこれに反対せざるを得ません。
この際、政府がいさぎよく本案を撤回し、今後における電信電話料金体系のあり方及び公社の第四次五カ年計画遂行のための建設資金の調達の方法等について根本から再考されるよう要望して、私の討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/185
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186・古川丈吉
○古川委員長 小沢貞孝君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/186
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187・小沢貞孝
○小沢(貞)委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案について討論をいたしたいと思います。
私は、電電公社が膨大な建設費をまかなわなければならない、それから電話一つ当たりの建設費が三十数万円に及ぶ、こういう実態の上に立つならば、応益者というか、新規需要者というものが、その一割以下の負担である三万円くらいなものを負担することは、必ずしも妥当でないとは言えないと思います。第二は、いま積滞が二百二十万に及ぶといわれておりますが、そういう新規加入の需要を抑制するという意味においても、この程度の設備料を取ることは、あるいは妥当ではないか、こういうように考えます。いま一つは、建設費を既設の加入者の電話料金だけから負担するということも、必ずしも私は妥当ではない、こういうように考えて、今度提案された一割程度のものを新規需要者に負担させようという考え方そのものについては、私は、原則的な意味においては賛意を表せざるを得ないように感ずるわけですが、実は、次のような二、三点のところに、私の意を満たさない、十分でないという点があるので、残念ながら反対をせざるを得ない、こういうように考えます。
まず第一には、設備料の引き上げが公平でないということであります。
単独については一万円から三万円、三倍であります。共同については二万円で、二倍であります。多数共同については値上げがゼロということです。値上げをしないということです。私は、もっと電電公社は経営の合理主義というか、原価主義に徹して、やはり負担すべき者から負担させる、こういうことが必要ではなかろうかと思います。建設費については、単独であろうと多数共同であろうと、そう差はないはずです。しかるに、このたびの値上げは三倍、二倍、ゼロ、こういうことは納得できないわけであります。特に、赤字の要因は、多数共同である農集等から出ておるわけです。農集等の収支率は二五〇、こういうような実態でありますから、こういうものを設備料を上げないでますます広めようとすることは、電電公社の企業をいよいよ苦境におちいらしめる、こういう結果になると思います。私は、資本主義社会においては、もっと原価主義に徹して、経営合理主義に徹する、こういう電電公社の姿勢がなければならないのではないか、こういうように考えます。したがって、この上げ方が三、二、一、三万、二万、現状、こういう不公平なことについて反対であります。これが第一点であります。
それから、私は、電電公社で出しておるところの経営指標、財務諸表は、将来起こるであろう料金の値上げのため、あるいは今回の設備料の値上げのために数字上の魔術がある、こういうように考えます。つまり、含み利益、含み資産が非常に大きいのではないか、こういうように考えるわけです。事業支出の大部分を占めるものは資本費であって、四割七分を占めております。実に膨大な額でありますが、その大部分というものは償却費であります。これは、私の質疑の中で明らかなように、昭和三十五年のときには償却対象の資産の約七%を償却したにすぎません。それが今日においては、額においては二千七百億、約七倍にはね上がりました。そうして、償却資産の約一三%を償却する、二千七百億という膨大な額を償却しておるわけであります。もしこれを、かりに昭和三十五年の七%とはいいません、九%ぐらいな償却にしたならば、二千七百億が一三%でありますから、一%、約二百億につくわけであります。だから、四%の償却を落とすことによって八百億の利益が浮くわけであります。こういうように考えるならば、私は、いま電電公社がいろいろ提示しているところの経営指標というものは、値上げをせんがための数字の魔術である、こういうように考えざるを得ません。こういう問題について、もっと電電公社はシビアーに考えて、もっと国民の負担を軽減するような基本的経営態度というものがなければならない、こういうように考えます。これが今度の設備料の値上げに反対をせざるを得ない第二の理由であります。
第三の理由は、これも私は質疑の中で申し上げましたが、この労働力不足経済時代における電電公社の経営姿勢についてであります。
七、八年前までは資本不足、労働過剰の経済でありました。しかし、最近は資本過剰、労働不足、こういう時代に大きく転換をしておるわけです。民間企業においては、国際競争等の要因があって、これらに対応する姿勢というものがきびしく経営態度の中にあらわれておるわけです。しかし、電電公社はこういう問題についてはきわめて安易であります。年々約一万人ずつの要員増をはかってまいりました。しかもこれは、昭和三十九年に行政管理庁が、電電公社の経営姿勢等について、予算ぶんどり主義じゃないか、寄生虫的経営じゃないか、こういうことばまで使って電電公社の経営姿勢について批判をしておるわけであります。
これは若干横道にそれるかもしれませんが、私は、信州のいなかで五十人ばかり使っている木材会社のおやじと一緒に汽車に乗ったら、その木材会社のおやじは、こう言うのです。最近は国際経済化の中で、材木というものは信州の山からとれません、海からとれる、そういう国際競争の時代になりました。それはわかった。その次に何を言うかというと、私のところは新しいところで材木工場を始めたので、女の子あたりに四十円のピースを一個買わせにやると、実は小沢さん、ピースが一個八十円につきますよ、こう言うわけなんです。何のことはない、労働力過剰の時代には、女の子に、ちょっとピースを買いに行ってこいといっても平気でありましたけれども、一分間何円というものにつく女の子を使いにやれば、四十円のピースが倍になります、こういうことを私に話して聞かせました。このごろの国際競争下にある経営者というものは、確かに、六万円か五万円の給料を払っていれば、経営者の負担というものは七万円か八万円になる、そういうものをよく計算してみると、一分が七円、八円という労働力につく、したがって、事務の合理化とか、いろいろな合理化というものはどういうことをしたらいいかということを真剣に検討しておるわけです。私はよく言いますけれども、五百億、四百億という会社の経営者は、一般の従業員が出勤する前に、企画部長会議だ、何とか重役会議だということをやって、一般の者が出勤したときには、直ちにすべての人が高能率を発揮できるような体制を経営者みずから考えておるわけです。私は、そういうように、民間やら、一般に国際経済化の中に入った日本経済の中において、独占である電電公社の経営姿勢というものは、この労働力不足経済に対処する姿勢というものがないのだ、こう私は考えます。私は、日本経済の成長を阻害するものがあるとすれば、それは労働力不足だと思います。英国の経済が三%しか成長しないということから、軍国の高度福祉というものが次々とついえていかなければならないという現実を考えるならば、日本を高度福祉に持っていくとするならば、経済成長というものは、どうしても均衡ある成長というものを今後持続していかなければいけない。そういうことになるならば、日本そのものの経営管理、あるいはすべての経営者、こういう人は、労働力をいかに尊重すべきか、この生産性をいかに上げるべきか、こういうことに真剣に取り組まなければならないと私は考えるわけです。昭和三十五年以来、電電公社の労働装備率、資本集約度等を見ると三倍以上となっておるけれども、付加価値生産性等は必ずしも満足な状態ではない、こういうように考えます。これは経営感覚が、まだ労働力過剰時代における経営感覚でやってきた証拠ではないか、私はこういうように考えるわけです。そういうような意味において、労働力に対する経営姿勢、そういう姿勢が明確に電電公社から示されない限り、私たちは、設備料を上げますということについて、国民に納得させることはできないわけであります。これが第三の理由であります。
第四の理由は、これも私は質疑の中で申し上げましたが、経営の合理化、近代化、こういう問題について、私は、電電公社は国民を納得させるような取り組み方をしているとは見えないわけであります。私も実は、逓信委員になって日がわずかで、電電公社の経理についてはつまびらかでありませんけれども、ほんとうに私は予算をべっ見しただけでも、これは日本全体の民間企業の経営とはだいぶ違うな、だいぶおくれているな、こういうことを感ぜざるを得ません。これもすべて質疑の中で明らかにしましたが、たとえば工作所を今日においてもまだ直営でやっておるとか、保守とか補修とか、こういうようなものについて、まだ電電公社の職員がやっている。一般民間においては、すべてこういうものは下請企業というようなところで能率的にやらせておるわけです。一般の職員がやっておるというようなことは、ちょっと常識的に考えられないわけであります。その次は、本社と通信局と通信部と末端の局と、こういうように四段階の機構というものがいいかどうかということについて私もまだつまびらかではありませんが、もうこれだけの通信交通機関の発達した今日においては、こういうもので重複している事務などを整理して、増加する需要に、そういうところから労働力を生み出していくべきではないか、こういうようなことも考えるわけであります。私は、優秀な労働力というものは、やっぱり流動化できる労働力が優秀な労働力だと思います。西欧並みの賃金を得たいとするならば、たとえば、EECなどにおいては、よその国々に流れ流れていくような労働者、私はこれが近代的な労働者だと考えるわけです。だから、そういうところから生み出された人員によって需要増をまかなうというような合理化対策について真剣に考えなければならないのではないか、こういうように考えるわけです。
実は、このあと、電話料金の改定等を電電公社は企図しておるようでありますけれども、いま申し上げたような問題について、国民を明確に納得させるような対策、こういうものがない限り、私は、次の電話料金の値上げについてもまた反対をせざるを得ない、今度こそ猛反対をせざるを得ない、こういうように考えます。
以上、四つ五つを申し上げまして、残念ながら、この設備料の値上げについて反対をいたしたいと思います。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/187
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188・古川丈吉
○古川委員長 松本忠助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/188
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189・松本忠助
○松本(忠)委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表するものであります。
御承知のとおり、この法案は、加入電話の増設に要する財源確保のため、一加入電話ごとに一万円となっている現行設備料の額を大幅に改正しようとするものであります。すなわち、単独電話及び構内交換電話の局線部分については、一加入電話ごとに三万円とし、二共同電話は二万円に、多数共同電話は一万円にしようとするものであります。
このような設備料の改悪については、諸物価の上昇しておる今日、国民大衆に大きな影響を与え、なかんずく、申し込んでもつかないいわゆる積滞者二百二十万に対し、きわめて大きな打撃を与えるものといわざるを得ません。
以下、数点にわたって、反対の理由を申し述べたいと思います。
その第一は、東京二十三区をはじめとし、各区域に予想されます公衆電気通信法第六十八条による基本料金の自動値上がりであります。この自動値上がりが、残念にも実行されようとするときに、設備料が大幅に改正されることは、全く時代に即さぬ施策と断ぜざるを得ないのであります。
第二には、減価償却費についてでありますが、公社は、技術革新を理由に、機械設備耐用年数の短縮や償却率を高め、ばく大な減価償却費を予算に計上しているのであります。すなわち、隠し財産が多いにもかかわらず、設備料を値上げしようとすることは、大きな矛盾であると思うものであります。
第三には、加入申し込みの成規の手続を踏み、電話の架設を一日千秋の思いで待っているにもかかわらず、公社の一方的な都合によって工事がおくれているということであります。そこには何の反省もなく、また、積滞者の感情も全く考慮せずに設備料が三倍になるということには、断固反対であります。
第四には、今回改正されようとする設備料の中には、公社の資産が含まれるということであります。従来の基本理念を大きくくつがえして、そこには不均衡が生じ、はなはだ納得のいかないところであります。
右、四点にわたって反対の理由を簡単に申し述べましたが、最後に、当委員会の審議を通じ感じ得ましたことは、料金改正への明確な裏づけが乏しく、むしろ押しつけがましい感を深く抱いた次第であります。
以上、公明党を代表して、反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/189
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190・古川丈吉
○古川委員長 田代文久君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/190
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191・田代文久
○田代委員 私は、日本共産党を代表して、公衆電気通信法の一部を改正する法律案について、反対の態度を表明いたします。
第一、この法案は、第四次五カ年計画の当初計画を実現しようとするもので、現在二百三十万個をこえる加入申し込みの積滞を、国民の需要に対応して、加入電話の増設を円滑に行なう必要上、設備料を三倍に引き上げるというものでありまして、受益者負担の思想に照らしても、この値上げは当然であると説明いたしております。しかるに、計画終了年度においても百数十万の新たな積滞が出ることが明らかにされており、一般国民の住宅用、零細業者の事業用等のための計画を第一計画目標にしておりません。この計画は、米軍、自衛隊、警察、大企業に優先的にその利用を保障し、加入者の負担のもとに独占企業に大利益を保障しようとするものであります。
第二に、政府並びに公社自身が説明しておりますように、他産業に比べ、公社は破格の減価償却を行ない、多くの利益をあげているにもかかわらず、日本での加入者負担は、諸外国に比べ異常に高いことであります。これをなお引き上げようとすることは、政府みずから独占企業の利益を保障するために、ますます高物価政策の音頭をとろうとするもので、断じて許されません。
第三、公社は外国にも例のない債券負担を加入者に強制する手段をとっており、その利子負担を加入者に転嫁しながら、情報革新と経済の効率化を第一目標としてうたい、膨大な建設投資を見込み、多額な経費を食い、一般加入者には縁の遠いデータ通信、集合電話など、大企業本位の三兆下千億をこえる大計画を実行しようといたしております。
公社の資材購入の発注先は、線材については、古河、住友、藤倉の三社、機材につきましては、日本電気、沖、富士通信機三社で、これら数社で全体の五〇%から六五%を独占しておりますが、建設資金は、多くこれらの独占企業にばく大な利潤を保障するものであります。そのため、技術革新の名のもとに、独占メーカーの圧力によって、むだな投資計画、八百長計画が推し進められる状況にあります。設備料の三倍引き上げ、料金二二%値上げプランというのは、独占企業に奉仕するためのものといって過言ではありません。
第四、公社は、米軍の終戦処理費支弁施設となっておる公社所有の施設から、昭和二十七年以来十数年にわたって七十四億をこえる使用料金を受け取っておらず、その紛争処理料金と称するものを収支決算書にも記入せず、国民の目をごまかしております。これは政府並びに公社の重大なる責任であり、かかる料金回収についてはほおかぶりしながら、安易に加入者料金を引き上げるようなことは許されません。
第五に、公社は、本計画の中で、自動化、機械化による人員整理計画を意図し、現に労働者の民主的な権利と活動に圧迫を加えておりますが、このような非民主的経営を内容とした値上げ政策は認容することができません。
以上の理由によりまして、本案に対する反対の意見を表明します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/191
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192・古川丈吉
○古川委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。
公衆電気通信法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/192
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193・古川丈吉
○古川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/193
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194・古川丈吉
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/194
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195・古川丈吉
○古川委員長 次回は、来たる二十六日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804816X01819680422/195
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