1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年三月十四日(木曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長代理理事 松澤 雄藏君
理事 井原 岸高君 理事 浦野 幸男君
理事 塚田 徹君 理事 大出 俊君
理事 木原 実君 理事 受田 新吉君
赤城 宗徳君 荒舩清十郎君
内海 英男君 桂木 鉄夫君
菊池 義郎君 佐藤 文生君
塩谷 一夫君 野呂 恭一君
藤尾 正行君 藤波 孝生君
淡谷 悠藏君 稻村 隆一君
武部 文君 華山 親義君
浜田 光人君 米内山義一郎君
鈴切 康雄君
出席国務大臣
法 務 大 臣 赤間 文三君
出席政府委員
総理府総務副長
官 八木 徹雄君
宮内庁次長 瓜生 順良君
委員外の出席者
専 門 員 茨木 純一君
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三月十三日
委員武部文君及び華山親義君辞任につき、その
補欠として八百板正君及び久保三郎君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員久保三郎君及び八百板正君辞任につき、そ
の補欠として華山親義君及び武部文君が議長の
指名で委員に選任された。
同月十四日
委員華山親義君辞任につき、その補欠として北
山愛郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員北山愛郎君辞任につき、その補欠として華
山親義君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十二日
行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の
一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提
出第一一号)
同月十三日
総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六八号)
同月十二日
公務員の賃金抑制及び定員削減反対等に関する
請願(稻村隆一君紹介)(第二三七九号)
同(大出俊君紹介)(第二三八〇号)
同(兒玉末男君紹介)(第二三八一号)
同外一件(斉藤正男君紹介)(第二三八二号)
同外二件(野口忠夫君紹介)(第二三八三号)
同(華山親義君紹介)(第二三八四号)
同外一件(浜田光人君紹介)(第二三八五号)
同(平岡忠次郎君紹介)(第二三八六号)
同(安井吉典君紹介)(第二三八七号)
同(小林信一君紹介)(第二四二九号)
同(佐藤觀次郎君紹介)(第二四三〇号)
同(武部文君紹介)(第二四三一号)
同(只松祐治君紹介)(第二四三二号)
同(野間千代三君紹介)(第二四三三号)
同(浜田光人君紹介)(第二四三四号)
同(山口鶴男君紹介)(第二四三五号)
同(横山利秋君紹介)(第二四三六号)
同(木原実君紹介)(第二五八五号)
国立病院等職員の定年制反対等に関する請願外
一件(兒玉末男君紹介)(第二三八八号)
国及び地方公共団体建設関係職員に現場手当支
給に関する請願(熊谷義雄君紹介)(第二三八
九号)
同(浦野幸男君紹介)(第二三九〇号)
同(池田正之輔君紹介)(第二四二七号)
同(塩川正十郎君紹介)(第二五八六号)
同(根本龍太郎君外一名紹介)(第二五八七
号)
退職公務員の恩給、共済年金等に関する請願外
十一件(秋田大助君紹介)(第二四二五号)
金鵄勲章受章者の処遇に関する請願(池田正之
輔君紹介)(第二四二六号)
元満鉄職員であった公務員等の恩給等通算に関
する請願外二件(山内広君紹介)(第二四二八
号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第四三号)
皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/0
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001・松澤雄藏
○松澤委員長代理 これより会議を開きます。
本日は、委員長が病気のため、委員長の指名により松澤雄藏、私が委員長の職務を行ないます。
法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する質疑は前回において終了いたしております。
これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。
法務省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/1
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002・松澤雄藏
○松澤委員長代理 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/2
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003・松澤雄藏
○松澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/3
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004・松澤雄藏
○松澤委員長代理 次に、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/4
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005・受田新吉
○受田委員 皇室経済法並びに施行規則に直接つながる問題をまず指摘さしてもらいましょう。
このたびの法改正で、内廷費の増額措置がされておるわけです。この内廷費というものは、もともと天皇御一家の内輪の御家庭の経費ということでありますけれども、物価の上昇等を勘案するときに、三年も四年も据え置きにして差し上げることは、国民の統合の象徴である皇室一家に対して、はなはだ失礼ではないかといままで思っておりました。毎年、公務員の給与の改善等の措置がされているときに、生活費というものが四年間も据え置かれたという理由は、どこにあるか、御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/5
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006・瓜生順良
○瓜生政府委員 この内廷費は四年間据え置きになっておりまするが、皇室におかれましては、質素を旨とするということを常におっしゃっておられまして、内廷費なんかにつきましても、節約できるところは節約してやっていこうというふうになっておりまして、いろいろこの内廷費の経理をなさっておりまする状況は、そのうちの約一割は予備費というふうにしておられるわけです。その予備費でまかなわれているのは、増額を御遠慮になっておる。なお、その他の物件費でありまするが、たとえば新調されるものもなるべくがまんできるのは新調を控えられるというようなふうなお気持ちでなさっております。その点は、あまり御不自由がかかってはいけないので、そういう点は、われわれも常に横から拝見しておりまして、御不自由のかからないようにというふうに考えておりまするが、この四年間の据え置きで、現在のところどうも一ぱいでちょっと御無理がかかっているというふうに考えられまして、この増額をされるのは適当であろうというふうにして、この法律の改正ということを提案したわけであります。これは質素を旨とされるそういうようなお気持ちがそういうふうになっておるようなことでございまして、先生のおっしゃいますお気持ちは非常にありがたく思いまするが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/6
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007・受田新吉
○受田委員 記紀——古事記、日本書紀の古典をいま引っぱり出すわけでございませんけれども、しかし、神話として語り伝えられる国民の真に人口に膾炙された物語として、仁徳天皇は民のかまどが煙立つ立つに至るまで、自分の宮殿の整備はやらない、茅屋に住みたもうたという物語が国民の中によく浸透しております。これは非常にうるわしい物語りでありますけれども、いまや煙立つ立つ経済の異常な発展の状勢の中で、大国意識を政府自身がお持ちになっているときに、四年間も——内廷費の中には当然人件費もある程度含まれておるはずでございますが、そういう人をお使いになっておられるような立場からも、一割程度の予備費というものが考えられておるとは言いながらも、ここに示されたような一挙に六千八百万円から八千四百万円に引き上げる。これは大体二割以上の引き上げでございますけれども、それをおやりになるということは、その過程における異常な問題がひそんでおると思うのです。少なくとも二年に一度ぐらいは煙立つ立つ状況になっておる今日、内廷費の節約を四年間もしいることをやめて、二年程度で切りかえをするような御措置をされるべきじゃないかと思います。非常に筋の通った質問だと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/7
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008・瓜生順良
○瓜生政府委員 御意見の点は将来十分考えていきたいと思いまするが、先ほどは、特に申し落としましたが、ちょうど最近、直接内廷費ではございませんが、宮廷費として皇居造営の関係で相当多額の皇室費が必要になっておりまして、そういうようなときでもありという御遠慮もあったと思うのでありまして、しかし人件費などにつきましては、一般の公務員のベースアップを見まして、それに準じて上げておられまして、これは据え置きになっておるわけではございません。特にいろいろお道具とか物件の関係にしても、新調されるものをがまんして新調されない。そういうふうに節約がなされておるわけであります。なお、そのほかに気にかかるのは、いろいろな御交際の関係でなさいます経費なんかも、何年かいわゆる金一封というような場合も、あまりそうお上げになっていないというような点もございました。そういうようなことでまかなっておられたわけであります。いま先生のおっしゃいますように、四年も据え置くのはどうかという点、ごもっともな点もありますので、将来われわれ側近に仕える者としては、そういう点を十分頭に入れて考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/8
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009・受田新吉
○受田委員 内廷費はつかみ勘定のようなかっこうに見られぬこともないわけでございますが、その中に、内廷費を用いて使用されている職員というものはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/9
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010・瓜生順良
○瓜生政府委員 内廷費の職員というのは二十五名の程度でございます。その主たるものを申しますと、掌典、内掌典とか、宮中の神事の仕事をしておりまするので、この神事は皇室の私事ということでございます、その職員がおります。それから生物学御研究所の御研究のお手伝いをする職員でありますとか、これも陛下の御趣味でなさっておるお仕事ということで、これは内廷費のほうでまかなわれております。そのほか、こまかい身の回りのお世話をする方の中で、特に女中的なことをやっておる人とか、そういうような人があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/10
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011・受田新吉
○受田委員 そうした職員の皆さんの給与というものはどういうかっこうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/11
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012・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは、人事院の勧告なんかに、一般の公務員の給与の基準がございます。そういうのを見て、それにあるいはその人の経歴とか、その勤務年限とか、そういうようなのを見ながらやっておられるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/12
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013・受田新吉
○受田委員 その職員の皆さんの二十名ばかりの方々の給与の総額は幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/13
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014・瓜生順良
○瓜生政府委員 その金額は約二千万くらいになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/14
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015・受田新吉
○受田委員 その職員の給与改定は毎年やっておられるか、あるいは四年に一度このたびの措置で改定されるのか、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/15
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016・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは毎年公務員と同じようにやられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/16
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017・受田新吉
○受田委員 そうしますと、六千八百万円のうちで三分の一近いものは給与費である。その給与費は毎年上がっておる。しかるに内廷費の総額は四年に一度しか上がらないということになると、残された三分の二のワク内操作で非常に窮屈になるということを御判断になりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/17
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018・瓜生順良
○瓜生政府委員 そういう点もございまするが、この前四年前に六千八百万円になりましたときの計算の基礎の人件費というのが千四百五十万ぐらいになっておった。現在はやはりベースアップで上げていきますから、それより上になってきておるわけです。その差が五百万ばかりありますが、その当時の予備費としては六百二十万くらいを組んであるわけでありますが、そういうところに食い込んでいる。しかし一方物件費の関係は、物価が上がりますから、同じにしても、それだけいろいろのものを新調されるのを控えられるというような節約によってやってこられたということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/18
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019・受田新吉
○受田委員 当初は千五百万ということで、いまは二千万をこえておるということでございますが、その比率でいけば、内廷費の約四分の一が人件費ですね。しかし残された四分の三のワク内操作ということにおきましては、やはり非常に窮屈になると思うのです、四年間据え置きにしておけば。これは天皇御一家の御生活というものをささえる大切な資金でありまして、それを五百万か六百万かを毎年配慮して差し上げるということは、国民だれ一人として、多少は反対もあるでしょうが、そう問題になるようなことじゃないと思うのです。これは一応二年間に一度くらいの程度には今後は増額措置をとられるようなことにしなければならないと私は思っておるし、皇室経済会議というようなもので、そういうところへ目をつけるような良識のある人はおらぬのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/19
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020・瓜生順良
○瓜生政府委員 皇室経済会議の際にも、いま受田先生がおっしゃったと同じような御意見が出ておりました。将来については、われわれのような事務的に奉仕する者も考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/20
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021・受田新吉
○受田委員 側近におられる高級官僚の次長さんたちが、そういうところはむしろ筋を通した取り運びをされることを私は要望しておきます。
同時に、今度は内廷費に関連して宮廷費にも及びますけれども、中身の問題を取り上げてみたいと思うのですが、これは両方へ関係しますから、皇室費の総括的な意味でひとつお尋ねいたします。
報償費という目が皇室費の中にあるのであります。これは国賓をお招きするときの経費などが含まれておるわけでありますかどうか、お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/21
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022・瓜生順良
○瓜生政府委員 この報償費の中には、国際親善のために国賓を迎えられる場合あるいはまた皇族方が外国へ親善のために行かれる場合のおみやげとか、そういうような経費、そういうものも入っておりますし、それからなお行幸啓をなされます際の経費というものも、報償的なものはここに入っております。そのほか祭薬料、つまり国家に功労のあったような方のおなくなりになった場合のお供えの祭粢料などもこういうところに入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/22
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023・受田新吉
○受田委員 そこで、国賓の滞在費を含むというお話でございましたが、国賓という基準は宮内庁はどこに置いておられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/23
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024・瓜生順良
○瓜生政府委員 この国賓の基準というのは内閣のほうでおきめになっているわけでありますが、いま国賓と一言で言いましたが、国賓と正式に言われる場合は、外国の元首を迎える場合に国賓と言っておられる。それからそのほか、外国の総理とか、そういう場合には公賓という用語を使っておられます。それからなお、外国の皇帝とか国王ではないが、皇太子とか皇族が見えた場合、これも公賓ということで言われております。ですから、外国の元首とか総理級の方とか皇族の方とか、そういうような方で、国賓または公賓というふうにして接待するということのきまった方に対しての接伴の関係の経費が報償費、皇室のほうでなさいます接伴の経費が報償費の中に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/24
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025・受田新吉
○受田委員 総務副長官、これは非常に大事な点に触れますけれども、いま瓜生次長が仰せられましたような国賓、公賓特に外国の皇族の大事な方が来られたような場合はそのいずれかに含まれるのではないか。皇室の私賓の場合も私はあってもいいのではないかと思うのでございます。皇室同士として、皇室だけのお招きをする場合ですね、そういうようなものについての法的根拠はどこかにあるのかどうか、お答えを願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/25
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026・八木徹雄
○八木政府委員 慎重を要することでございますので、万全を期さなければならぬと思いますが、その国賓、公賓をきめるのは、大ざっぱにいって先ほど言ったようなことが一つ常識的にはあるのでありますけれども、しかしそのこと自体を具体員的にきめるのは閣議できめる、それによって決定をする、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/26
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027・受田新吉
○受田委員 そのつど勝負で、基準はないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/27
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028・瓜生順良
○瓜生政府委員 この点は、内閣、総理府、外務省、宮内庁、おもにこの四者でありますが、集まってつくった基準の要綱というのがありまして、原案は外務省がつくったわけですが、それによっているわけであります。
なお、先生がちょっと御疑問に思われるのは、公賓とまでいかないもので、外国の皇族が見えた場合の接伴のことを御疑問になっておられると思いますが、そういう場合はやはりございます。正式ではないけれども、旅行にちょっと来られたというような場合、それはほんとうの御微行というので、全然ノータッチでほしいという場合にはノータッチでありますけれども、そうでない場合には、外国の皇室が見えた場合には、皇室でお招きになって昼食をともにせられるとか、先方からおみやげを持ってこられたときにはこちらもおみやげを差し上げるということがあります。これも、わずかではありますが、報償費の中に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/28
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029・受田新吉
○受田委員 国賓と公賓の区別はどこにあるか、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/29
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030・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは、私がそういう会議に参加しておった関係で知っておりますから申しますと、国賓という場合はその国の代表者で外国元首をいっております。公賓はそれ以外の方で公に迎える方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/30
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031・受田新吉
○受田委員 そうすると、総理の地位にあるような人は公賓のほうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/31
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032・瓜生順良
○瓜生政府委員 公賓ということでお迎えしておるのが多いわけですが、ただ何か例外もあるそうです。外務省あたりの判断もありますけれども、国のいろいろな組織で場合によっては例外もあるように聞いておりますが、原則は公賓でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/32
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033・受田新吉
○受田委員 国家の賓客という場合に、国民全体がお迎えするという形のものが筋として通る、国賓ですからね。それをいまのような数名の方が相談して基準を設けてこれをお迎えするというのは、これははなはだ軽率である。少なくとも国賓というものの処遇をどうするかくらいのことは何らかの法的基礎を持つべきだと思うが、御所見を承りたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/33
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034・瓜生順良
○瓜生政府委員 私は会議に参加しておった関係で……。
外務省のほうがほんとうの所管事項でございましょうが、これは国賓、公賓といいましても、やはり国として公にお迎えするお客さんでありますが、日本では数年前までは国賓、公賓の区別がなかったのであります。訳をすると、国賓のほうがステートゲスト、公賓がオフィシャルゲストというふうになるのですが、外国のほうのいろいろな例が、やはり国賓というと元首だけにしている国のほうが多いわけです。それで以前の場合に、日本は元首でない方を国賓としてお迎えする、ステートゲストとしてお迎えする。ステートゲストはおかしいじゃないか、オフィシャルゲストじゃないか。そんなかた苦しくしないでほしいといわれたりした例があって、数年前に、じゃ、国際慣例に準じようというので、そういうような基準ができたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/34
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035・受田新吉
○受田委員 儀仗隊を用意して、陛下みずからがお迎えに行かれる場合はいかなる場合ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/35
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036・瓜生順良
○瓜生政府委員 それは外国の元首がお見えになった場合であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/36
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037・受田新吉
○受田委員 その元首、すなわち国賓の場合にのみ儀仗隊を用意して陛下がお迎えに行く、陛下がぐあいが悪ければ御名代が行かれる、こういうことですか、はっきりしていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/37
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038・瓜生順良
○瓜生政府委員 国賓についてはいまおっしゃったとおりですが、公賓の場合も——これは私の担当でないのでございまするが、やはり儀仗隊の分もあるように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/38
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039・受田新吉
○受田委員 これは思いつきで国家のお客さん、公賓をお迎えするという筋ではいけないと私は思うのです。何かそのつど場当たり勝負というような印象を与えないで、きちっとした規定を国会の承認を経て制定して、国民が納得する形で国のお客さんをお迎えするという筋を通すべきだと思うのですがね。総務長官代理、八木先生どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/39
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040・八木徹雄
○八木政府委員 決して場当たりで、ケース・バイ・ケースで適当にやっておるということではない。先ほど申しましたように一応常識的基準と申しますか、あるいは国際慣例的な一つの基準と申しますか、そういうものの判断の上に立って、先ほど言った閣議、あるいは宮内庁も含めて協議をするというシステムになっておりますが、おのずと線は出ているわけでございます。決して場当たりではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/40
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041・受田新吉
○受田委員 おのずとの線をひとつお示し願いたい。その線は国民の納得する形で認められていなければならない。行政機関の一部が参画したような形で、国民は知らないかっこうでこれが施行されているという、そのことに私は疑義があるわけなんです。大体の国際基準などでどうだろうという、たまに私は場当たりが出ると思う、場当たりができますよ。公賓か国賓か、あるいは単なる賓客か、お互いの家庭にも順序があるように、あると思うのです。それはやはり国の行事として考える場合には、法律を基礎にすべきだと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/41
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042・八木徹雄
○八木政府委員 先ほど次長から申しましたように、国賓の場合は他国の元首である。そして公賓の場合は、たとえば日本でいったら総理大臣というような人が来る場合だということですが、ただ言われるのは、特別に日本と関係の深かった前総理大臣が来たときにどうなるかといったときが場当たりだという御批判を受けるのではなかろうかと思いますが、原則として国賓は元首である、それから公賓はおおむねその国を代表する人の場合というのが一つの基準であるかのごとく聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/42
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043・受田新吉
○受田委員 いわゆる元首あるいは総理の特使と称する人物がまれに来るわけです。これはどういう扱いをしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/43
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044・瓜生順良
○瓜生政府委員 これも宮内庁の所管じゃなくて外務省のほうの関係でございますが、皇室の関係で相談を受けたりして知っている範囲でいいますと、その特使の方の資格によっては、やはり国賓なり公賓になる場合があるかと思います。たとえば、日本から皇太子殿下が天皇陛下の御名代として親善訪問なさっておられます。その場合、相手国では国賓の扱いをしている国が多いようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/44
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045・受田新吉
○受田委員 この問題は、簡単に見えて実は国家の公的儀式として考えるべき問題でございますから、すかっとした規定を設けて国会の承認を得るような形のものにすべきである。きょうは国務大臣がおられないので責任ある答弁ができないと言われれば、これは次の機会に国務大臣に質問を保留させていただきます。
さらに、皇室費の目の中に不動産購入費というのが七億五千五百万円出ておるのですが、これは下田御用邸を用意されていることを承っておるのですけれども、つまびらかに御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/45
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046・瓜生順良
○瓜生政府委員 この不動産購入費は下田の須崎地区に新しい御用邸の用地を購入する予算として計上されておるわけでございますが、この下田の新しい御用邸を考えなくてはいけないというふうになりました理由を申しますと、現在御静養のためにお出かけになる御用邸は、那須の御用邸、それから葉山の御用邸、沼津の御用邸の三カ所でございますが、そのうちの沼津の御用邸のほうは海の状況、環境等が悪くなりまして、以前は海水浴なんかなさったのでございますが、特にあそこのすぐ横に狩野川が流れ込んでおりまして、狩野川の沿線がずっと開けてきますと、そこから出てまいります川の水もきたなくなってまいりまして、そういう影響を受ける。なお、沼津の御用邸の地先のところの浜であったところがだんだん侵食されて、地先には浜がなくなって、防波堤でかろうじて食いとめるというような状況に変わってきている。そういうような点であまり適当でないので、最近あまりお使いになっていない。それから葉山の御用邸につきましても、あの付近は非常に開けまして、皆さんが海水浴とかキャンプとか、いろいろ出かけられる。多いときには数万の人があの付近に集まりまして、静かに御静養になるには環境がだんだん悪くなりつつあるので、ずっと長くお使いになれるかというところにちょっと疑問の点もある。現在はもちろん引き続きお使いになっておりますけれども、それにかわる何か新しい御用邸を考えておかなければいけないということで、数年前からいろいろ調査しまして、特に伊豆の海岸がいいんじゃないかというので、伊豆の海岸数カ所についていろいろ調査をやってまいりました。その結果下田町の須崎地区のもと三井別邸のあったあと、そこが最も適当ということに考えられました。で、三井別邸のあとだけですと、その地面が比較的低いところであります。そこで両側ずっとこういう岡がありますから、その両側、周辺の高くてずっと傾斜している岡のところまでを御用邸にしませんと、そこへホテルができたりして見おろされてしまっても、これは静かな環境でなくなりますから、そういうところをずっと含めましてこの用地を買収しようということで、それでその予算として——三井別邸のあとというものはおわかりやすくするために坪で言いますと、六万五千坪ぐらいになると思います。
〔松澤委員長代理退席、浦野委員長代理着席〕
そのほか、その他の個人の持っておられるところ、そういうようなところを含め、なお約六万坪くらい須崎地区の区が持っておる財産があります。そういうところも含めて十三万数千坪をこの予算で買いまして、それで御用邸をつくろうというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/46
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047・受田新吉
○受田委員 私、いまお話の中に出ました葉山御用邸の前をちょいちょい通るのですけれども、大正天皇がおなくなりになられた当時、戦前の状態等を思い起こすときに、あまりにも雑然として、これが御用邸であるかと思われるような荒れ果てた入り口の印象——中はどうかまだ拝見しておらぬわけですが、いま葉山も周辺が海水浴等で騒々しくなってあまり使用価値がないような印象を与える御発言もあったわけです。葉山はやがてこれを開放される御意図があるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/47
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048・瓜生順良
○瓜生政府委員 葉山についてはまだ引き続き御使用になると思います。特に、葉山の周囲が非常に雑然としてきますのは夏分であります。冬はそれほどでありません。現在、天皇陛下としては葉山の御用邸を御利用になる場合には冬のほうが相当多うございます。ちょうどきょう現在もおいでになっております。海上にお出になって生物の採集なんかをなされることを御趣味になさっております。それで葉山の御用邸は時期によっては非常にどうかという点は出ますけれども、その時期以外のときですと御利用になるには価値があるわけでございます。特に生物の採集なんかをなさるときには、そういう御趣味をお持ちですから、あそこは近いうちに廃止ということは考えられませんが、沼津の御用邸のほうは、この下田のほうに新しい御用邸のことが見通しがはっきりしますれば、適当なときに皇室用財産からはずすという方針でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/48
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049・受田新吉
○受田委員 最近は政治家の中にも別荘を三つも四つも持ってわが世の春をうとうておられる方々も多い世の中でありますから、あえて皇室に対して御用邸を少なくせよという意味を私申し上げているのじゃない。しかし、あまり御使用にならぬような御用邸は、沼津は、近く下田がきまれば廃止するということでございますが、この葉山にいたしましても、陛下が生物の御研究をされるようなときにはお使いになり、そして陛下のおいでになる建物は一つはいつも確保しておくが、残った部分は、ある程度開放する。たとえば、皇居の東地区を開放されたように、陛下が御使用になるとき以外、あるいは陛下が御使用になっても、その
一部は国民に開放する、そして陛下も御一緒に御静養なされる。国民とともにあられる陛下というお立場では非常にいいと思うのでございますが、葉山などはそういう形で、陛下の御使用に支障のない限度において国民がこれをありがたく使用さしていただく部分をつくるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/49
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050・瓜生順良
○瓜生政府委員 現在のところは、御用邸の建物のところはやはり相当御使用になります日数も多いわけでありまして、そこをいまおっしゃるように開放というようなことは考えておりませんが、しかし現在でも一般の方が利用されるのは海岸であります。海岸に砂浜がありますが、そこにはたくさん海水浴に来ておられますし、それからキャンプもやっておられる人もあるというような状況で、海を楽しまれる方には御用邸があるためにその前ではいけないとかいうようなふうの状況にはまずなっていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/50
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051・受田新吉
○受田委員 いや、もっと進んで開放をされるということを私は提案したわけです。つまり、御用邸の内部におきましてもある程度、新宿御苑を開放されたようなことで、たまには一般国民が利用できるような機会をつくってあげる、こういうようなところまで進んだ利用を一般市民にも一部、時期的あるいは部分的に与える。こういうことはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/51
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052・瓜生順良
○瓜生政府委員 下田のほうの御用邸が完成しまして、それの御使用の状況によりまして、そういう場合に葉山についてもう一度少し考えを練ってみるという点はあるかと思いますが、いずれにしても下田の御用邸ができ上がって、それの御使用状況を見ないといけないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/52
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053・受田新吉
○受田委員 お疲れになられた陛下御一家が御用邸を御使用になって、そこで元気を回復していただくということは、私非常に賛成なのです。賛成なんですが、もう一つ、下田御用邸につきましては、大出委員から具体的な御質問があるようでございますから、私これを差し控えますけれども、この新しい御用邸ができることについてはまたいろいろな関連した問題が派生してくるわけで、国民とともにある陛下御一家の御用邸であるということならば、国民とともにある形でこれが設置せられ、またこれが利用されなければならぬと思います。皆さんの宮内庁としてのいろいろな構想も途中で伺うことができなかったのでございますけれども、こうした問題は国民自身がやはり、沼津が荒廃しておるこの段階では、どこか一つ何か考えてあけていいという気持ちは——これはチェンジする意味で当然国民自身の協力を得ることができると私は思っておるのですが、こういうことをひとつ堂々と御相談をしていただきまして、私たち理解あるもとに御協力をして差し上げたいと思っておることを、よく含んでいただきたい。これについては、いろいろと派生する問題は大出委員からお尋ねがあるようでございますから、私は遠慮いたします。
もう一つ、外国旅費という目があるのですけれども、これについて七百万円の予算計上がされております。常陸宮の御旅行等もこの中に含まれておるとも聞いておるのですけれども、七百万円の使途を明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/53
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054・瓜生順良
○瓜生政府委員 この外国旅費の中には、いまおっしゃいましたように常陸宮様がこの六月、ハワイヘお出かけになりますその旅費が入っております。そのほか、三笠宮寛仁親王がこの四月初旬から英国へ留学に行かれます。その場合に必要な旅費というものもこの中へ含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/54
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055・受田新吉
○受田委員 私は、ハワイで移住百年祭が行なわれるにあたりまして、六月十五日からのこの記念すべき行事に常陸宮に御苦労願うということは非常にいいことだと思いますけれども、ハワイというところは人口五十万、アメリカのすでに一州を構成して五十番目の州になっている。人口五十万のうちで十七万、三分の一は日系人である。純然たる日本だけの国籍の人もその中には大量におるわけです。カラカウア皇帝以来の因縁から考えても、あそこは大体日本がちょうだいすべきところであったはずです。したがって、日本的趣味、日本的な伝統というようなものが十分生かされたところで、その住民の三分の一が日系人で占めておるというようなとき、移住百年という記念すべきポイントを持つ年、こういう明治百年、移住百年という、このハワイにとって非常に喜びの年にあたって、天皇陛下御自身に御苦労願うべきであったと思うのです。これは、ハワイへ陛下御自身が御苦労願ってもだれ一人として、少数の人を除いては大半の国民が共鳴するわけだと私は判断する。陛下が海外に御旅行されるとするならばハワイヘおいでになることは、これはかっこうの機会であったと思うのですが、どうですか。いまからでもおそくない。常陸宮と御一緒に行かれて、両陛下が御うるわしく親子の情のこまやかな、後世に語りぐさになるような形で、ひとついまからハワイへ行っていただく。あそこで開拓者十七万の日系人がどれだけ喜び、また日米親善に、ジョンソン大統領といえどもハワイに対する陛下の御旅行ということに対しては喜ぶことだと思います。そして世界の国々でもうなずいてくれることと思う。陛下の海外旅行にはいろいろと周囲の情勢等考えねばならぬ場合があると思いますが、このたびは絶好の機会であって、なかなかこういう機会はめぐってこないと思うのです。これは瓜生先生、いまからでも間に合うわけだし、ここにつどうたくさんの日本人が今度一緒に行くわけでございますが、このハワイ移住百年記念にぜひ陛下に御苦労願う。国事委任法ができたこの機会に、日本でただ一人外国旅行の自由にできない、ほんとうにお気の毒な立場にある陛下に、伸び伸びとハワイで日系人とともに移住百年を喜ぶ絶好の機会をお与えになられる側近としての御留意があるかないか。留意がないというならないでいいです。あるならある、どちらかを答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/55
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056・瓜生順良
○瓜生政府委員 ハワイの移住百年の記念大会が六月にありますというので、ハワイのほうから日本の皇族の方においでいただきたいというふうに言ってまいりましたので、先方も皇族の方にというふうに申しておられるのでありまして、常陸宮様にお願いしょうということになりましたわけで、いまのところ天皇陛下においでいただくということは考えておりませんし、先方もそれを期待いたしておりませんから、これを変更する、さらに天皇陛下をお加えするということは無理だと思いますので、考えないことにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/56
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057・受田新吉
○受田委員 ハワイで、皇族でけっこう、陛下は御苦労願わなくともよいというような要請があったということですが、これはちょっと間違っておると思うのですがね。これは御遠慮されておるのです。私は事情をよく知っている。陛下御自身が御苦労いただくならば喜んでお迎えするという世論をハワイでつくって差し上げましょうか。これは私いまからでも手を打てると思うのです。率直に申し上げまして、私の山口県からあそこへ、明治の初めに、明治十八年ごろからの官約移民が大量に出て、約一万人が瀬戸内海の小さな大島という島だけから行っておる。その人たちの声を先般私は聞いてきたが、陛下御自身に御苦労願えれば何より喜びだということを言っております。それは現地人に一つの気がねがあるわけで、私はいまからハワイの世論を変更させる自身があるのです。変更させてそういう世論になったらお引き受けになるかどうか、それを伺っておけばすぐ変更手続をします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/57
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058・瓜生順良
○瓜生政府委員 このハワイのほうの関係のは、常陸宮がお出かけになるということで、現地でもそのつもりでいろいろ具体的な計画なんかも相当前から出しておられまして、それでいろいろ進行をしているわけであります。そういうことでありまするから、変更はわれわれとしては言うべきでないように思います。特に天皇陛下がお出かけの場合でありますと、これはざっくばらんに申しますと、相当前からやはり用意をし準備をしていかないと、そこに無理ができる場合もございますので、今度の機会は御無理だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/58
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059・受田新吉
○受田委員 法律ができてもそれが実行できないような形が何年も続いているというのは、私非常にさびしく思うのです。こういう機会にこそむしろ政府から、あるいは宮内庁から陛下御自身がおじゃましたいと思うが差しつかえないかと言うくらいの、こちらから進んで意思を表明されるくらいのほうが私はよかったと思うのです。(荒舩委員「それはそうだ」と呼ぶ)荒舩さんのおっしゃるとおりなのです。それは私は陛下に御苦労願う一番いいチャンス、千載一遇のチャンス、文字どおり一番いいチャンスだと思っているわけです。法律はできたけれども、ついに陛下は国事を委任して海外に御旅行する機会がなかったという悲劇の王さまという形になられないように、何らかの御配慮を要望しておきますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/59
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060・瓜生順良
○瓜生政府委員 陛下の海外旅行のことにつきましては、適当な機会があればというので前向きでは頭を使っているわけでございまして、おいでにならないほうがいいと常に考えておるわけではございませんのですけれども、しかしほんとうにこれはという機会がまだないわけであります。ハワイの場合、先生はよかったのじゃないかとおっしゃいますが、これもいろいろまたその反対の意見もあり得るわけであります。そういう問題につきましては今後もいまのおっしゃったような趣旨を忘れないで考えていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/60
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061・受田新吉
○受田委員 私もう五、六分で失礼させてもらいますが、最後に二つほど、ちょっと掘り下げた具体的な問題を申し上げてお答え願いたいと思います。
私いつかも指摘したのですけれども、宮内庁の中に特殊な用語を用いるお役人さんがおられるわけです。これはどうも私気にかかるのですけれども、職務の特殊性からやむを得ないとおっしゃる。たとえば侍従とか女官という、これはもう一般に聞きなれたことばとして一応よろしいということにしましょう。しかし内舎人と書いて「うとねり」と言う。これは舎人親王という奈良時代の文学者もおられましたけれども、内舎人などということばはだれに聞いてもわからぬです。それから殿部ということばがある。これは人体の構造の一部にも似通うたようなことばがあってまぎらわしいことも、国民の中に非常にひがんだ見方をして、殿部というと人体の一部ぐらいに思う人があるかもしれません。殿部ということばなどは、殿守でもいいし、もっといい、任務をはっきりする何かあるはずなのです。たとえば主膳とかいうのは何かそれに関係したのがあるだろうというふうに見られますけれども、こういう厨房の食事を担当することばなどというものも、何かもっと具体的に、国民がああ皇居の中にはこういう仕事をされる方があるかなということばに切りかえられる必要はないのでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/61
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062・瓜生順良
○瓜生政府委員 いまおっしゃるように、普通のところであまり使ってないようなことばのついている職種の人もあるわけであります。これについては何か適当な名前に変えるかという問題も色々検討したこともございます。しかし、やはり皇室がずっと以前から使っておられる平安のころからの名称のようでありまして、それを言いますと、ああこういう仕事だということがすぐわかるが、ほかの名前になると非常に長たらしく言わないと何かわからないとか、ほかの似たような仕事のそれをつけますと何か別な内容のようにもとれるし、この職名については外へ対するものではなしに、宮内庁内部のそういう仕事の職名だからというのでなかなか改めかねております。しかし、そういう人もいわゆる官名というのは総理府事務官、総理府技官ということで、そうむずかしくはないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/62
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063・受田新吉
○受田委員 お互いの家庭にも、昔の名称を用いる、人間関係でも個人的な昔の名前を使うのと公に使うのと別にしておる人もあるわけです。しかし公に使うというものは国民にわかりやすい名称にして、皇居の中では従来の名称を用いてもいいというような、そういう措置もできますね。おわかりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/63
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064・瓜生順良
○瓜生政府委員 そういう措置もあるいはできるかと思いますが、名称の上では総理府事務官、総理府技官ということになっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/64
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065・受田新吉
○受田委員 そういう宮内庁事務官は総理府事務官である。しかしながら、その役目はこうした名称を用いてやっておられるわけです。官のほうは事務官で、職のほうはこの職名になっておる。この職のほうの改定を私は申し上げておる。官のほうではないんですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/65
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066・瓜生順良
○瓜生政府委員 これについては、非常にいい名称があれば変えることにやぶさかではないのでありますが、実際問題として端的に表現するのはなかなかむずかしい。平安朝からずっと使っておられるのでありますから。たとえば待従といっても、このことばを長く使っておりますからわかられているように、宮内庁の中ではそのほうがわかりやすいというようなことできているわけであります。しかし、これはいまわれわれがこれをあくまでも固執するということじゃございませんので、何かいい案があればと思います。たとえて言いますと、東宮職あたりですと、新しくできましたところでは幾らか変えまして、先生も御存じと思いますが、女嬬というような名前があります。これもおかしいというようなこともあったと思いますが、東宮職のほうの関係ではそういう仕事をしている人が女子事務官といったり——これは女子がつきます。そういうふうに、これは職名ですけれども、官名になりますと同じで総理府事務官でございますから、そういうふうに変えたりしておりますから、機会あるときに考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/66
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067・受田新吉
○受田委員 なお、これはちょっと変わった角度からお尋ねするんですが、そこにでかいビルができました。霞が関ビルと世間で称している。世間で称するだけでそういう名称になっているかどうかと思うのですが、皇居の中が高いところからのぞかれるようなビルができている。皇居の中を見られるという気がねが宮内庁にもおありじゃないかと思うのです。気がねがあるかどうかお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/67
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068・瓜生順良
○瓜生政府委員 現在のままですと、霞が関ビルの上のほうからですと、陛下のお住まいになっている吹上御所の一部分が見えます。それで、宮内庁のほうとして、ちょうどその方面に大きな木を植えまして目隠しをしようというので、その方面に木を、合計で七本でありますが、皇居の中のほかの土地にあるのをそこに移しまして、現在ちょうどこの植えかえをやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/68
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069・受田新吉
○受田委員 そのほうへ今度木を植えた。今度こちらのほうに高いのができると、四方へみんなやるわけですね。高山彦九郎が荒れた皇居を嘆いて非常に忠勤を誓った故事もあるわけですが、これは霞が関ビルに対処して木を植える。また、こちらのほうにできればこちらに植える、こういうことになってくると思うのですが、それはそれとして、霞が関ビルの一番頂上に陛下のいわゆる御座所といいますか、御座所が設けられるというようなことを漏れ承っておられるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/69
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070・瓜生順良
○瓜生政府委員 ある新聞がそういうことを書かれたわけでありまするが、それはやはり、霞が関ビルのほうの関係の方が見えました際に、御座所を設けるなんてことは別に考えていないんで、要するに特別応接室というようなものがあるわけなんです。あれはもとの華族だった人で霞会というのをつくっておられます。そのほうの要するに応接間なんですね。それでもしも陛下がおいでになればその一番いい応接間でお休みになりましょうけれども、陛下の御座所というものではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/70
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071・受田新吉
○受田委員 頂上に御座所という名称を用いてないし、またそういう表示もないと判断をされますね。もしそういうことがありますならば、これは一商事会社が陛下のお名前を使って、おれのところには御座所かあるのだという宣伝の道具に使われる、いまわしいことになるわけです。断じてかかることはあるべきでないし、もし御座所などを設けてあるなら——御座所ということになると、これは一般のわれわれが行っても御座所と書いていただけませんから、やっぱり陛下だということになる。ここの院内にも御座所と書いてある。だから御座所と言えば陛下のおいでになるところともう判断ができるわけです。そういう名称がもし使われるならば、断固これに抗議を申し込んで、一商事会社の宣伝の道具に陛下を使ってはならぬということをはっきりされるかどうか。これは宮内庁だけでなく総理府として——総理府は一番間近なところに雲にそびゆる霞が関ビルがある、よけい印象が濃厚であると思いまするので、総務長官にかわって八木副長官と瓜生先生双方より御座所論議を解決していただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/71
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072・瓜生順良
○瓜生政府委員 このビルのほうの社長が私のところへ見えました際に、新聞でああいうふうに間違って伝わっている、そういうことは絶対御座所なんて名前をつける気はないということを言っておりました。そういうことはまたつけるべきでないことも十分承知をしておりました。そういうことは起きないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/72
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073・受田新吉
○受田委員 起きないならば、これでおきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/73
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074・浦野幸男
○浦野委員長代理 大出俊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/74
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075・大出俊
○大出委員 どうも私も旧帝国軍人の将校育ちなんですけれども、どうも戦後労働運動ばかりやっていましたからあまりことばのほうは丁寧じゃなくて、受田さん流の質問はできませんで、少しことばが乱暴になりますが、不敬罪はないようでありますからごかんべんいただきたいと思います。
ところで受田さんからおそらく質問がなされたと思いますが、内廷費の定額六千八百万円を八千四百万円に改める、皇族費算出の基礎となる定額六百二十万円を七百二十万円に改定することについて、簡単に確かめておきたいのですが、内廷費つまり生活費だと思うのでありますけれども、三十九年から四年据え置きになっている。皇族費のほうは四十年四月でございますから三年の経過ということになる。それから算出の基礎がここにありますけれども、今回の計算に限らず、旧来ずっとこういう方式でやってきたというふうに理解をしてよろしいのですか。それから前回は何年くらいで改定をされたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/75
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076・瓜生順良
○瓜生政府委員 この改定のやり方は最近はずっとこういうふうにしております。しかし、ずっと前にそうでない場合もございます。
それから最近の場合、内廷費の関係ですと、この前に改定されたのが四十年。その前が三十九年、その間は一年でございます。その前が三十八年、これも一年。その前が三十六年、この間は二年。その前が三十三年ですからこれは三年。その前が二十八年で五年。ですから一年で上がっているときもありますが、二年の場合、三年の場合、四年の場合、五年のような場合もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/76
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077・大出俊
○大出委員 したがっていま質問をしたのですが、必ずしもこれ、何か基準があってやっているように見えないわけであります。これは一体どうしてこういうふうに、今回は四年、あるいは一年の場合もあるが、こういう違いが出てくるわけですか。何かそこに理由がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/77
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078・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは内廷費のやりくりの御都合なんかを拝見しながら、御無理がかかってきているというときにお願いするということが基本でありますが、なお概して、特に総理大臣の俸給なんかが変わっているようなときに上がっているというような場合も多い。必ずしもそれは一致しておりませんけれども、総理のほうも遠慮せられるということもときによってはあったりしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/78
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079・大出俊
○大出委員 これは何かやはり基準を設けませんと、あなた方が見ておられて、どうもだいぶ手詰まりのようであるからとか、ああ楽なようだからという、いいころかげんなことでは困ると思うのです。やはり憲法に規定されている天皇の地位もあるわけでありますから、そういう意味では、やはりそれらしい一つの目安、基準というものがなければならないのじゃないかと思うのです。一方皇室経済会議なんというものもありまして、総理から、議院の議長から、あるいは大蔵大臣その他も入って討議される場所もあるわけでありますから、何か場当たり的にまあこの辺でということでなくて、どうすべきかということで検討したことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/79
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080・瓜生順良
○瓜生政府委員 特別にこうなったらこういうふうにという基準を設けたことはございませんが、今度の場合四年、ちょっと年限がたっておる、上がる率も二割近くになっているという点がありますが、これは先ほどもちょっと申しましたのですが、陛下あたりのお気持ちの上におきましても、宮殿の造営あるいはその他皇居の整備で特別の経費もかかっているから、内廷費なんかも質素を旨としてそう簡単にふやさないほうがいいんじゃないかというお気持ちも察せられて、つい延びたという点もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/80
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081・大出俊
○大出委員 仁徳天皇の民のかまどに煙が立つという筋合いのものじゃないので、いまの世の中というものは。だから、やはりいまの話は理屈にならぬと思うのです。答弁にならぬと思うのです。これはやはり総理なり、大蔵大臣なり、議長なり、会計検査院院長なんかが入って討議をする場所があるのですから、将来に向かってどうすべきかということを相談をする、その目安、基準ということを考えておくということにしなければいかぬのじゃないかという気がするわけです。世間をはばかるなんということを考える必要は毛頭ない世の中でございますから、いまのような遠慮めいたようなものの言い方は不必要だと思います。この間、私はあなたに聞いてみたところが、内廷職員二十六人おいでになるわけでありますが、宮中三殿、生物学研究所、その他理髪師の方もおれば、神官の方、賢所、皇霊殿あるいは神殿の関係の方もおいでになる。いろいろ関係の方がおいでになる。私も公務員賃金には詳しいほうの一人でして、この間ちょっと概算を聞いてみて、これはどうも安過ぎるんじゃないかという気がしたわけですが、そうしたら、長年おつとめになった方で、おやめになってからしかるべきところにおつとめになっている方もある、だからそう高くなくてもという意味のお話もありましたが、かといって、どういうところにおつとめになった方が、どういう気持ちで宮廷職員という立場におなりになっておったにしても、その方々がこういう気持ちだから、したがってベースはこれでいいなどという筋合いのものじゃない。何歳におなりになろうと、どういう地位からそちらにおいでになろうと、少なくともここで働いている限りは労働者なんですから、正当な賃金は正当に払うべき筋合いであります。本人が要るとか要らないと言う筋合いではない、こういうことになると私は思う。したがって、そういうふうなことも含めて、やはり上げるべきものは上げる。上げる理由がなければ上げないということでいい筋合いだと思うわけでありまして、どうもいまの世の中になってもなおかつ雲の上にいるような気持ちでおられては迷惑だという気がするわけです。ですから、ぜひひとつそういう点は将来に向かってはっきりさせて、要求すべきものはどんどん皇室経済会議等に申し出ていただいて、必要なつど国会にかけていただくということにしていただきたいと思います。どうも一般国民感情その他を考えて遠慮がちに見えるところがございますから、そういうことのないようにしていただきたいと思うわけであります。
それからもう一つ、常陸宮さまの例を引きますと、六百二十万円、妃殿下が二分の一、子供さんで成年の方が十分の三、未成年の方が十分の一、こういうことになっているわけでありますが、この二分の一、十分の三、十分の一という理由、根拠はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/81
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082・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは皇族費の算定の場合に、最初基本を考える際に、これくらいの経費がいいでしょうというのを一応出しまして、殿下、妃殿下お二人の場合、そのうち三分の二の部分は定額の殿下のほうというので出して、二分の一は妃殿下のほうというふうに分けたわけでございます。それが基礎になってだんだん進んでまいりましたが、最初の法律では、お子さんの場合はその定額の十分の一とあったわけですが、しかしながら、お子さんでも成年に達せられますと、やはり公的な場面にも、差しつかえない限り出られますから、経費もかかりますというので、これは三年前に十分の一を十分の三に直していただいたというようなことで、実情を見ながらそういうふうになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/82
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083・大出俊
○大出委員 どうもここらもきわめて合理性を欠いているという感じがするのでありまして、何か、こんなことだからこのくらいでいいのではないかというような感じに受け取れる。特にこうだという根拠があるようでもない。これはそういう意味で受田さんもいろいろ質問をされておったようですから、御用邸の問題を少し詳しく承りたいので、この点であまり時間をかける気はないのでありますが、先ほど私、ある新聞記者の方と話しておったのですが、口に出た話の中に、現在の皇居なるところを、いつまでもあそこにいていただかなければならぬ筋合いかどうかということをその方が私に議論をしておりましたが、これは英国流に、住んでおられるところと、日本でいえば国事行為的なことをおやりになるところと一緒である必要は毛頭ない。陛下が宮城を事務所にされるならば、住んでいるところは別であって、そこから出勤してこられても一つも悪くない。英国はそうなんですから、そこまで考えていただいてもいいわけでありまして、そのほうがむしろ——いまだにいにしえの慣行が残っておって、もっと自由であってしかるべき筋合いのものがそうでないとすれば、これは新しい憲法なんでありますから、そういう意味で変えても一つも悪くないという気がするわけであります。先ほど受田さんがちょっと言っておられましたように、町の中もどんどん変わってきているわけでありますから、いつまでもあそこにいなければならぬ筋合いかどうかという問題もある。どういうふうな生活をすべきかということもある。つまり、現代の時代に即しての新しい御生活のあり方を考えていく必要もあるというふうに私どもは実は考えるわけでありますが、そこらのことについてお考えになったことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/83
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084・瓜生順良
○瓜生政府委員 その問題につきましては、昭和三十四年、もう九年前になりますが、皇居造営審議会というのが設けられて、国会の方とか報道関係の方、それから都市問題、建築問題の専門家二十五名の方が審議会でいろいろ審議されました際に、先生おっしゃったようなことも検討されておりました。皇居は公の行事を行なわれるところにして、どこか近くからお通いになるということも考えられないかということですが、それじゃどこということで、図面の上でも考えていろいろ検討しても、結局どうも適当なところがない。従前どおり皇居の中で、しかしお住まいのところと公の行事をされるところがくっついているのは、お宅へお帰りになってからも気持ちが休まらない。前の、焼けました明治宮殿ですと、宮殿のすぐ奥が奥宮殿といいまして、陛下のお住まいでもありましたが、それは感心しないというので、やはり皇居の中ではありますが、吹上御苑の中へお住まいをおつくりしたほうがいいだろう。そこからですと——ちょうどその当時、もとの防空施設の中がお住まいになっておりましたが、それじゃだめだ。そこの前の庭のあたりなんかにおつくりして、そこからお通いになる。歩かれますと十分間くらいであります。お天気のいいときにはそこから歩いてお通いになるということになっております。これもいろいろ検討したけれども、結局そういうことに落ちついたわけであります。ただ都心の空気がきたないという関係もありますが、その新しくできました吹上御所につきましては空気の浄化施設もつけられまして、空気のきたない点はないようにする、そういうことで結論が出たわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/84
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085・大出俊
○大出委員 私は、もう少し近代的な方向へ検討し考えてもいい時代が来ているのではないかという気がするのでありますが、ここで議論をいたしましてもいたし方ありませんから、その辺はそのくらいにいたしまして、今度はまことに隠密裏に進んだというふうに考えられる下田の新御用邸問題について承りたいのでありますが、これと関連をいたしまして新宮殿の問題、私はあそこに建てるべきでなくて、どこかほかに見つけるべきであったという感じがするのでありますが、これが完成直前である。それから例の成田の三里塚の問題とからみます御料牧場の問題、どこかほかにお移しになるそうでありますが、また内廷費の問題、ずいぶんいろいろ続いてきておるという感じがするのであります。そして新御用邸、こういうわけであります。
そこで、これは一体いつごろ、どういうところで、どういう考え方でこの問題が持ち上がったのか。私もかつて一ぺん宮内庁に電話を入れたのでありますが、なかなかつき合いづらい役所と見えまして、長官おいでになりますかと言うと、御前でございます。次長はと言うと、御前でございます。そこらじゅう御前、御前で、さっぱり要領を得ない。さっぱりわけがわからないのですね。その下の方は知らないと言う。ところが突然どうも予算面で新御用邸建設の予算がぽんと組まれて、大蔵省もこれを認めたわけであります。したがって、全くわけがわからぬわけでありますけれども、どこで、どういうことで、これが出てきたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/85
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086・瓜生順良
○瓜生政府委員 この経緯は、先ほど受田先生の御質問に答えたわけでありまするが、いま陛下が御静養においでになる御用邸として那須と葉山と沼津と三カ所あるわけですけれども、沼津の御用邸は、海の状況などはおつくりになったころからどんどん悪くなってまいりまして、最近はお使いになりにくい。以前は海水浴なんか御用邸のすぐ先でできたのですけれども、いまは海の水がよごれただけでなくて、砂浜がだんだん波に侵食されて、あまり最近はお使いにならぬ。それから葉山のほうは、あの付近は非常に皆さんがたくさんおいでになって、特に夏ですと非常にたくさんの方がおいでになる。落ちついて御静養になるのにどうかなあという状況がだんだん出てきております。冬あたりはそれほどではありませんが、ですから葉山の御用邸は、いますぐに使うのに非常に不適当というまではいえませんが、将来を考えると、これはやはり考えなければならぬ時期が来るということも考えられるし、できればいまやはりもう少し別のところへ御用邸を考えたほうがどうか、数年前からそういう話が出ておりまして、伊豆の海岸の方面がいいのじゃないか。東京からあまり遠くてもいけないし、できれば温泉も引けるところがいいというような考えもございましたし、しかも海岸でということで、そうなりますと伊豆の海岸あたりにどこかないだろうかということで、数年前からいろいろ調査をいたしたわけであります。その結果、下田の町の須崎地区の旧三井別邸のあったあと、並びにその周辺の土地が最も適当と考えられるという結論に達して、この準備をまず進めたわけであります。
このことについて非常に穏密裏にという点は、おっしゃったようにございましたと思いますが、これはやはり土地の買収という問題になりますし、そこに何かできそうだということになりますと、関係の土地会社の人たちとかいろいろな人がまたいろいろ活動されて、やりにくくなるような場合があったりしますので、ほんとうにきまるまでは、なるべくそう広く知られないようにというようなことで進んでまいりました。閣議できまりましたのが、一月十二日の閣議で本ぎまりになったわけであります。それを受けて一月十五日に、静岡の知事さんがいろいろあっせんしてやろうということで、知事が地元の人と会われていろいろ話をされ、その際、原則的には賛成するというようなことだったと聞いております。それから県の商工部長がいろいろ実際現地の人と折衝に当たっております。ただし、県の商工部長にはその前、去年の秋ごろから可能性についていろいろ当たっていただきました。いよいよ予算できまるにしても、可能性がないところにきめてもしようがないですから、可能性の点で去年の秋ぐらいから県の商工部長からいろいろ調べてもらったというようなことはあるわけであります。そういう経緯できまったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/86
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087・大出俊
○大出委員 長い答弁要りませんが、閣議に持ち出すといっても、閣議があらためて検討するわけじゃないのですから。宮内庁で相談されて、大蔵省折衝をやって、おおむね見当をつけて閣議へ出したのでしょう。
そこで、私が承りたいのは、いつどこでどういう方たちがどういうことでおきめになったかということを聞いたわけです。去年の秋ごろだそうですが、白戸さんという商工部長が財産区の問題で区長に会いに行った。地元の方との会合の場所も私調べて知っております。白戸さんという商工部長は元宮内庁におったそうですが、そのほかのことについてもいろいろあるのでございますが——そうすると、だいぶ前にこの話はなければならない。したがって、それは一体いつどこでどういう理由でおきめになったかということを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/87
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088・瓜生順良
○瓜生政府委員 これはもう一昨年の十二月になると思います。
〔浦野委員長代理退席、松澤委員長代理着席〕
一昨年の十二月に、住友信託の方から、この三井別邸について、三井の御当主の三井高進氏がその前の年になくなられて、相続税を取られる関係で売りたいということで自分のほうにも話があった、ところがだいぶ前に宮内庁もあそこを御用邸の候補地にどうだろうという話をされたということを聞いておる、どういうことでしょう、宮内庁がお買いになるなら私のほうは買わなくても別にいいという話があった。しかし宮内庁も、お金といいましても予算がなくては買えるものではないというようなことを申しましたら、住友信託のほうでは、場合によれば、先方もお金を急いでおられるから、自分のところで買って、宮内庁が予算がついて買われる場合には適正な価格でお売りいたしましょう、もし宮内庁で買われない場合は、住友の総合福祉センターにするとかあるいは場合によれば他に転売してもいいからというようなことがありまして、そのころから、これはまだ確定でありませんでしたけれども、話がだんだん進んでいったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/88
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089・大出俊
○大出委員 これは三井家が三年に二回も相続税を払うというような騒ぎになって、この三井別邸を売るということになった。ところでこれは調べてみると、当時三井不動産のほうからも話が出ていたわけですね。ところがこのときの価格評価の問題があるわけですね。
ここで一つ私承りたいのは、七億五千万円がことしの予算でついておりますけれども、大体坪当たりはどのくらいになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/89
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090・瓜生順良
○瓜生政府委員 全体の坪でいきますと十三万数千坪、まだはっきりきまらないのですが、それをかけますと約五千何百万円になりますか、これはしかし場所によっていろいろ違います。場所によっては高いところもあるし、安いところもある。その価格を出すについては、民間の精通者の意見を聞いて、その上でその金額を出して、大蔵省のほうへ要求をいたしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/90
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091・大出俊
○大出委員 この三井別邸のあとというのは何坪あるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/91
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092・瓜生順良
○瓜生政府委員 概算で六万五千坪であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/92
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093・大出俊
○大出委員 六万五千坪、ここにはそう書いてありませんが、いま六万五千坪とおっしゃるので、あとから申し上げますが、地元の財産区その他の関係がありますね須崎の町の。この財産区並びにここには共同使用の共同財産の土地もありますね。この区長さんの森さんの話は坪当たり一万円ということを言っていますね、御本人が言っておる。ところでこの三井のほうはだいぶ安いというふうにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/93
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094・瓜生順良
○瓜生政府委員 区のほうでもいろいろ折衝していますが、必ずしも坪一万円ということではないようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/94
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095・大出俊
○大出委員 幾らくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/95
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096・瓜生順良
○瓜生政府委員 これはいま折衝されておりますから、高いところはそのくらいの値段だし、もっと下げられるようです。折衝というか下打ち合わせを県のほうでやっていただいているようですが、もう少し下がると思います。結局この購入の坪数については十三万数千坪と申しましたけれども、その購入の坪当たりの金額によっては、場合によっては、ここは買わぬようにするということが起き得ることもありますし、ここをやめてほかにするというようなこともまだあり得るので、そういうことで確定しておりませんが、まあ場所によって値段は違うということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/96
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097・大出俊
○大出委員 これは住友信託に渡る前に三井不動産のほうからも話があって、評価額二億と値段がついていますね。それを住友が旧三井別邸あとというのを二億五千万で買ったわけです。言うならば宮内庁と住友との間に親しい方々があって、相互に相談をされて、ある意味では予算がつくまでの一時立てかえとも受け取れるような買い方の感じもいたします。そうしますと、坪当たり——私いまここにある数字とちょっと違いますので、目の子ではじけませんけれども、大体七万坪という概略計算をいたしますと、ここには旧三井別邸あとというのは約七万坪、こういうことになっておるわけですが、区有林のほうは六万坪、こういうことなんですよ。約七万坪で計算いたしますと坪当たりたしか三千四、五百円じゃないかと思うのです、住友が買っている金は。皆さんのほうは、これはならして五千円と坪当たり予算を組むのだということになりますと、別邸のあとと財産区との土地柄からいくと私は別邸あとのほうが高いのじゃないかという気がする。私は実は選挙区が隣ですからしょっちゅう歩くのでよくわかるのです。したがいまして、皆さんがほしいという土地の中に、私の知り合いの土地が千坪近くありますから、話は詳しく聞いておりますけれども、そうすると、一つ間違うと住友信託がたいへんどうも事と次第によってはいい買いものになっていたということになりかねない気がするのであります。成田空港も宅地で補償一万円ですね。そういうことになりますと、どうも数字が合わない、この七億五千万の組み方から見ても。この七億五千万というのはこれはこれで終わるのじゃなくて、幾らになるかわからぬという数字で、とりあえず組んでいる、これもずいぶんいいかげんなきめ方だと思うのです。七億五千万でこれは終わるのですか、あとどれくらいふえるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/97
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098・瓜生順良
○瓜生政府委員 これはこれ以上ふえないつもりでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/98
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099・大出俊
○大出委員 だけれども、大蔵省がとりあえず組んだので、あと幾らになるかわからぬと言っているのですよ、そういう話になっているのじゃないですか。きょう大蔵省呼ぼうと思ってうっかりしましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/99
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100・瓜生順良
○瓜生政府委員 そういう話にはなっておりません。現在旧三井別邸のところとそれから区有財産のほうも、それからなおそのほかに個人の持っておられるところというのも、いろいろ買収の下交渉をやってもらっておりまするが、この金額で必要なところが購入できるという見通しを立てております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/100
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101・大出俊
○大出委員 この金額で購入できる、七億五千万で購入できる、十三万数千坪ですね。そうすると、大体見通しが立っている限りは、この六万坪の区有財産区ですね、ここらあたりは幾らくらいの見通しなんですか。あなたいま見通しがお立ちになっていると言うのですから、その見通しのほどをお話しいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/101
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102・瓜生順良
○瓜生政府委員 金額ははっきりはまだきまっておりませんから申し上げかねますが、高い場合にはその部分を幾らか削るというようなことで、ある程度ずっと煮詰まってきておりまするから、先ほど先生おっしゃったように一万を境にして、それくらいですか、もっとずっと低くなると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/102
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103・大出俊
○大出委員 しかし次長、いまあなたはこれよりふえないということをはっきり——七億五千万組んでおるわけですね。そうですから、ふえないとおっしゃる限りは、見通しが立っておるという限りは、おおむね見当がついていなければ立っていることにならぬので、どのくらいの見当なんですか。いまこれは区長さんの森さんは一万円とこう言っているのですから、一万円というのはだいぶ低くなってきたこうおっしゃるのですから、そうなるとどのくらい低くなっているのですか。予算ですから、これは審議する場所はほかにないですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/103
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104・瓜生順良
○瓜生政府委員 これはいま県のほうが区のほうと下交渉しておられます。その関係の情報を聞いている程度であります。しかしこういう土地の売買というのは、なかなかこれを言いますといけないようなことで、情報は情報としてまだ言わないでほしいと言われておりますから。しかしまあ区の評議会あたりの人にはいろいろ話がいっておられますので、そういう方からおっしゃるのはいいのですが、私から言っては信義に反するようなことになりますので、ちょっと遠慮さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/104
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105・大出俊
○大出委員 これは個人所有の土地もありますから、そうでしょう。高いところがら、さっきの霞が関ビルの話じゃないけれども見えちゃ困るからそこは買うのだということですから、そうすると、国道沿いには全くの私有地もあります。そういうところもありますから、そういうところは不当に安くはありません。これは個人所有ですから、国有財産でもなければ区有でもないのです。私権ですから、私の権利ですから。そうなると、そういうところも考えてもらわなければ困るのです。そこで、このワク内でやっていけるのだということになると、足りなくなったら、これは十三万数千坪を減らすとでもお考えになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/105
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106・瓜生順良
○瓜生政府委員 足りない場合にある程度この部分は減らすというようなこともある程度含みはあります。しかしこの全部を——御承知と思いまするが、たとえば個人有のところがございますが、そういうところの買収の関係は住友不動産がいまやっておりますので、まだ予算がついておりませんからわれわれとしてはすることができないわけです。住友不動産が交渉しておりますが、その土地の状況によってはその値段が一万円ちょうどというところもあるし、ちょっとこすところもあるようであります、聞いた情報によりますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/106
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107・大出俊
○大出委員 これは御用邸用地というのは、買ってしまえば国有財産と理解をすべきものでしょうな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/107
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108・瓜生順良
○瓜生政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/108
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109・大出俊
○大出委員 だということになると、どうも私が理解に苦しむのは、住友信託があらかじめ宮内庁と話しあって、先に買っておいたということなんですよ。三井別邸を三井不動産が二億といったら住友信託が二億五千万といって買っちゃったわけです。あるいは住友信託が二億五千万といわなければ三井本家の三井不動産が買うのですから、そうでしょう、二億で成立していたかもしれない。そこで、例の三井不動産の役員の話がここに載っておりますが、三井系の会社が旧三井家に冷たいのじゃないかと世上言われるのだけれども、実はそういう気持ちはないのですと、江戸英雄という社長さんが言っていますね。とにかく三井不動産も乗り出して買いたいということで七万坪の土地を評価をして二億円、これが昨年の夏だった。大体区有林のほうは坪一万円、こういうことだったわけです。そうすると区有林一万円とそれから三井別邸の二億円という評価との間に非常に差があり過ぎたと思うのです。そこに住友信託が乗り込んできて二億五千万円で買いに入ったというのです。私どもとしても、いい値段で売れるのは三井御本家のためにありがたいことだからと思って手を引いた、そうしてみたところが、住友さんは重役陣の一人に宮内庁と非常に親しい人がいて宮内庁の依頼で最初から御用邸用地として買収されたんです、だからまあ予算がつくまでのあるいは一時立てかえということになるのでしょうか、こういうことなんですね。ここらがどうも私は釈然としないのです。国有財産、しかも御用邸であるということ。いかに大きな住友信託といえども民間の一会社ですね、そこと宮内庁のほうで話ができた。三井御本家の土地を三井不動産が買おうというので、二億円という評価が成り立っていた。区有林との関係の値段の開きというものが少し問題になってきた。そこに買いに入って、二億五千万円で買ってしまった。あとになってみたら、宮内庁と住友信託のほうで話がついていた。予算がついたら国有財産になる。この二億五千万円というのは一体幾らで国が買うというのか知りません。またどのくらいで買うという話が出てきているのかわかりませんが、私は、少なくとも新憲法のもとにおける天皇の新しい御用邸をつくろうということにあたりまして、こういうふうな一つの民間会社が先に買っておいてというふうなこと、どうも釈然としない。ともかく気持ちがよくないですね。私はさっき申し上げたように、地元に土地を持っておる、皆さんが買う予定になっておるところに私の知り合いがあるものだから、その人に話を聞いてみたのだけれども、白戸さんという静岡県の商工部長。いろいろ手を打たれて、地元の相当な、いわば町の有力者かが、とにかく、御用邸の土地になるのだそうだから安く売ってくれという意味の話などが、どうもとんでもないところから出てくるということは、新聞記者の方やあるいは週刊誌の記者の言をかりるまでもなく、非常にどうも不明朗な気がしてならぬのであります。しかも何か法律でというのでなくて予算がついたらそれでいいわけでしょう。あとはやっていけるわけですね。ほかに法律事項はないでしょう、御用邸というのは。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/109
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110・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは予算がつきますれば買えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/110
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111・大出俊
○大出委員 そうすると、予算委員会は御存じのとおりああいう性格の委員会で、長年の慣行で国会をやってきておりますから、予算委員会という場所で、一般質問だの総括質問で下田の御用邸問題なんて言ったって、大上段に振りかぶって予算審議をするなんというぐあいにはいかないですよ。これは予算委員会のほうを聞いてみても、どこでもこの問題は論議をしてない。そうすると大蔵折衝の過程、閣議決定の過程できまってきたものがそのまま予算に計上されて通っていく。ほかに何ら規制する措置がないのでありますから、そのままでできるものはできていくということになる。そうするとこれはどこかでやはりつまびらかにしておきませんと、私がいま申し上げたような住友信託、三井不動産の価格の開き、区有林、区有財産との相違などというものが出てまいりますから。地元の諸君はみんな知っておる。そうなると、そのままで解明をするところをしないですらっと通すわけにはいかない、こういうふうに実は私は考えておる。したがって、いま私が申し上げたようなことになっていたということ、しかもそのことが国会の機関である担当委員会は、宮内庁ですから総理府、そうなると私ども内閣委員会というものが担当委員会です。したがって、全く私どもはつんぼさじきで何もわからないということになっているところで、すでに、ある意味では国の代替行為みたいなことを住友信託銀行がやっておって、その銀行のほうから、御用邸の土地になるのだからおたくの地所も売ってくれなどという話が、いつの間にか皆さん方が頼んでやられておるなどということ、しかもそれが、予算がきまらないときからこういうばかなことが許される筋合いかどうかということを明確に御解明いただきたい、国の立場で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/111
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112・瓜生順良
○瓜生政府委員 住友信託、その別の住友不動産がそれを買うというようなことをやっておりますが、その場合にちょうど御用邸問題を、先ほども申し上げましたようにいろいろ調査をしておって、全体の海岸から見たところではあそこが一番よさそうだということ。しかしながら予算でつかなければもちろん買えないわけだしというような情報を住友が知って、住友はもし予算がつくならばそれを適正価格で売ってもよいし、予算がつかなければ自分のところでも活用できるからというようなことで買い進んだのでありまして、したがってわれわれのほうでは、それは御用邸の用地になるというようなことは言ってもらっては困る、きまっていないことなのだからということは念を押しておったつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/112
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113・大出俊
○大出委員 そうなるとこうなりますね、瓜生さん。宮内庁は御用邸用地にするつもりであった、しかし予算がきまってないから住友信託に、ここは御用邸用地にするのだ、しかし予算がきまってないからそう言ってもらっては困る、こういう話をあなたがしたということになると、あなた自身は、予算がきまってないうちに住友信託に、御用邸用地にするのだからおまえ買ってくれ、そのかわりこれは表に出しては困る、こう言って口どめをしたということになる。だから、そのことについて信託銀行のほうは一生懸命そのことをほのめかして、私有地まで手をつけて買っておこうとされた。あなたが口どめをしたから、口どめがきいているからそのものずばりは言ってないけれども、どうやら御用邸ができるのだそうだという話が伝わってきたわけです、私のところへ。そうでしょう、去年のことですから予算も何もきまってはいませんよ。そういうことが、事御用邸用地という、買えば国有財産になるという性格のところにあるべき姿かどうかという点。しかも相手は三井の御当主なのだから、しかも大体三井不動産が二億円という評価を出している。そこへ住友信託のほうから——買い進むというようなことばをあなたいまおっしゃったけれども、買い進もうとすれば値が高くなるのはあたりまえ。三井不動産が二億円と言っているのを買おうとすれば五千万円よけいつけなければ買えないのはあたりまえ。そうなると、二億円で三井不動産が買っておるとすればこれは二億円の原価。あなたのほうから住友に、買いたまえ、御用邸用地にするのだからと言ったら五千万円高くなった。そういうことで予算もきまってないのに住友が代替で買っておいた。しかもあなたがいまことばで答弁をされたように、表へ出してくれては困るが御用邸用地ということになる。そういうものの言い方で銀行を動かしてやっておったということ。つまりこれはきわめて筋が通らぬ、不愉快千万だと思っているのです。そうなると、これはやはりちゃんと大臣に出てもらって、どういうことでそういうことになっておったのかという点を解明していただかぬと、そう簡単にそうですかとは言えませんよ、これは国の予算ですから、国民の税金ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/113
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114・瓜生順良
○瓜生政府委員 誤解もおありかと思うのですが、御用邸の用地に必ずなるからただ寝かせればいいのだと言ったのじゃないので、予算がつけば万一はそういうことも考えたい、したがって無理があればもうその点は御用邸にならないということも含んでほしいということも言っております。したがって必ずなるからというような、そんな表現にはなっていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/114
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115・大出俊
○大出委員 私もあげ足とっているわけじゃないですよ。世の中のことおのおのそういう下相談もある、そういうことでしょう。それがわからぬわけじゃないのだけれども、どうも気に食わないのです。三井不動産が片方にあって、片方に住友信託があって、ここに五千万円値の開きが出てきて、しかもここでひとつ問題になっているのは、今度区有林との問題も出てくる。ここにも明確に書いてありますが、区有林は当時坪一万円という相場だ。そうなってくると私は、何と言われてもこれは釈然としない。だから私はさっき、だれの責任で一体いつ、どこで、だれたちが集まって、どうしてこれをきめたのだということを質問したのですが、あなたは閣議の話しかしない。あなたのほうはあそこに御用邸をというふうに考えたというのですけれども、そうしたら住友もほしいと言った。そうじゃない、話は逆なのだ。むしろこれは予算がきまってないのだから買っておいてくれということをあるいはあなたが言ったのかもしれない、ここにそう書いてある。これはだれが言ったかというと、三井不動産の江戸英雄社長がそういうふうに言っている。そうすると、事御用邸に関する問題として、これであそこにつくろうと言ってみてもこれからいろいろな問題が起こる。なぜかというと、これは地元にすれば一銭でも高いほうがいいに違いない。しかも今度ここに網を入れられなくなってしまうから、その補償はどうしてくれるのだと言う人がいる。そうかと思うと、あそこは船のない漁師の方が海草その他をもぐってとっている。この零細漁民の漁業権は一体どうしてくれるのだという問題も出てくる。かと思うと、今度は沼津のほうにしてみれば、海水が汚染しているからというようなことを言うが、ちっとも汚染していない。魚類の加工工場等から一時臭気を放つ魚汁が流れたこともあるが、これはそれの措置ができあがって、そういうことは一切もうない、こういう言い方を漁業組合の責任者の方はしております。そうだとすると、どうもこれはますますもってわからぬ点だらけなんであります。ともかく第一の問題は、これは総理府という立場で、このことについて私どもに納得できる解明をしていただきたいというのが一つ。
それからもう一つ、予算がつかない先に下相談があった。つまり買っておくという形だけでこれは代替行為ということになるが、それは許されるのかどうかということ。それから夏に二億五千万円で買ったものを一体坪当たり幾らで国は買おうというふうに考えていられるのか。それから区有林のほうは明確に差があるからということがこのときに問題になっているのですから、あなたは先ほど発表されたら困るということを言われているけれども、予算である限りはやはり明らかにすべきものはしてほしい。どういうことになっているのか、そこらのところを総理府という形の大臣がいるのですから、責任ある立場でこれは明確にしてもらわぬと、そう簡単にうんとは言えませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/115
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116・瓜生順良
○瓜生政府委員 週刊新潮の記事をごらんになって読んでいらっしゃるようでございますが、その週刊新潮に三井不動産が買おうとしたということも載っておりますが、それを見て、私も三井不動産が買おうとしたこともあったのかなということを初めて知ったわけでありまして、最初は知らなかったわけであります。
それからこの土地をどういう値段で買うかという問題でありますが、これは適正な評価を鑑定士にやってもらって、その評価によって買うというのが国有財産を買う場合の原則でありますから、あらためて正当な評価をやってもらって、その上で買い上げるということにしたいと思います。
なお、漁業権のような問題につきましては、その週刊誌に載っているよりは、現在いろいろ話を聞いてみますと、皆さんのお話は違うようでありまして、この漁業権は特に制限はしないでいくということになっております。
それから地所内にある施設等について、利用しておられる方が不便のないようによその土地につくって、それに伴ういろいろな施設もつくる、そして御不便を与えないようにするというような話も進めておるわけでありまして、そういうような事情でございますので、そう無理はないのじゃないかと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/116
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117・大出俊
○大出委員 下田の東から二、三キロの須崎の国道沿いに三反二畝の土地がございまして、これは三井の別荘地でして、千坪ちょっと欠けるわけでありますが、ここを持っている方から、いろいろ私にこれはどういうことになるんだろうかという話が昨年ありました。それで私が実はあそこを調べ始めたわけでありますが、そうしたら、週刊新潮の記者の方が私のところに聞きに来られた。こういう話を先生内閣委員会だから御存じでしょう、知っている、そうですかというわけですね。それで、宮内庁にこれを聞いてみたけれども、ほとんど知った人がいない。だれもいない。言わないのか、知った人がいないのか、どうもほんとうに知った人はいないようだというところから始まりまして、やはりものを書く以上は、その方もほうぼう当たっておられるが、私も静岡県の商工部長の白戸さんに電話をかけて話しております。ですから、私は一つの問題に基づいてずっと調べてみた。私は、その記事だけをたよりにして言っているのではないのですよ。ちゃんと私自身が直接聞いているのです。だから、私はそういうどうも不明朗なやり方というのは感心をしないと思っているのです。どうもはっきりしない点ばかりあります。これはもともと三井の別荘地なんです。そうでしょう。だから三井不動産がつくるのはあたりまえでしょう。なかったどころの騒ぎじゃない。そういう点でどうもいまの問題については釈然といたしません。したがって、次に総務長官がおいでになったときに、もう一ぺんこの点はお尋ねすることを留保いたします。いつどこで、何がどうなってこうなったのかということの解明をいただきたい、こう思います。よろしゅございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/117
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118・八木徹雄
○八木政府委員 いま大出先生がおっしゃった総務長官に解明をしたいという問題点は、私のほうからもよく長官に伝えまして、次回にその御質問に答えられるようにしてまいりたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/118
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119・大出俊
○大出委員 なぜ私がこういうことを言うかというと、これはもう皆さんも御承知のとおり、狼煙崎の御用邸事件というのが数年前にあって、これは大野伴睦先生御在世の時代でありますが、御用邸ができるのだという話を私も聞いたことがあります。私は、あの辺は私の磯釣りの釣り場でありまして、よく知っております。ところが、たいへんな騒ぎが数年前にあった。安く払い下げを受けたり、売ったりしたことがいろいろあった。ところが大野先生もおなくなりになった。それで煙のごとく、狼煙どころではなく、まさに煙のごとく消えてなくなりまして、いまはある民間の有力な会社の土地になっている、こういう実例もあります。
それからもう一つ、あなたは移転だという解釈ができるという言い方をされている。つまり下田のほうにつくるのだけれども、沼津はお返しするという意味のことを言われている。これは要らなくなれば、国有財産ですから、あたりまえのことですけれどもそこのところがはっきりしているのかどうか。どうもはっきりしない。したがって沼津は一体どういうことになるのかということが一点。この沼津で問題になると思うのは、あそこは三島方式などといって、かつてはあそこに大企業誘致をやろう、コンビナートをつくろうというときに大騒ぎが起こった。四日市ぜんそくという問題がありましたが、これは都市問題講座の「公害」という書物の中に詳細が書いてありますが、これは市がやったというよりも、もう住民の方々がまとまってやったのでありますが、とうとうこのコンビナート計画はつぶれたわけです。ところが、これはへたをすると、もしこれをやめるのだとすると、あと地がまた大きな問題になるので、ぎゃあぎゃあ大騒ぎになって、いま市民の大きな関心事であるわけです。ところが市長さんのほうは、市に払い下げてくれ、もともといにしえは市から献上した土地だからと言う。だから、これはあとかなり問題がある。成田空港の問題だって、御料牧場の問題がある。これは両側に人家があって、そこでいろいろ賛否の争いが繰り広げられておるということでありますが、このまたあと地をめぐって大騒ぎが起こっても迷惑しごくでございますから、これらの問題もお考えになっていただいて、皆さんのほうからこのあと地を含めて、また財産区の問題共同所有地の土地の問題あるいは私有地の問題等を含めて——国会がこの予算を認めるにしても、認めた結果として起こってくる争い、そこに妙な争いを起こされては、所管の委員会として一体何をやったのかということになる。だから、そこらの先行きの見通しに立って、一体予算はこれでいいのかどうかということ。地元のを含めての皆さんの計画は私は知らぬわけだから、どういうふうにやるかということをあなたは出しておらぬのだから、そうだとすると、それらの問題を含めて安心がいくように、委員会で論議して通すにしても、あとでどうも委員会は何をやったのかということでは困るので、そこらの点についてどういう成り行き、どういう結着がつくものやらという点等についても、やはり納得のいく、安心のいくようにしていただきたい。その意味でこの御用邸計画なるものがあると思うのです。あるいは土地買収計画などというものがあると思うのです。そこらの資料を次の内閣委員会までにお出しをいただきたい。それから現状説明に足る、先ほどあなたはめどがついているとおっしゃっているんだから、ならばどういうふうについたかという点についての資料をいただきたい。総理府その他の御検討の結果だろうと思いますから、そこらをひとつつまびらかにさせていただいて、その上でということでこの問題はしていただきたいと私は思うのです。と申しますのは、あまり論議する場所がないわけであります。したがって、あとで反対だなんていって、地元で大騒ぎにでもなりますと、これは総理府、宮内庁はじめ陛下にも御迷惑をかけることになると思いますから、そういう点についてつまびらかにしていただきたい、実はこう思っているわけですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/119
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120・瓜生順良
○瓜生政府委員 もう少しおわかりやすいように、ある程度の資料を出すということはいたしてよろしいと思います。ただいろんな、下交渉している関係との関連のことは、これはやはり御遠慮願いたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/120
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121・大出俊
○大出委員 だから、あなたのほうがぐあいが悪いなら出さなければいいでしょう。そのときに質問しますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/121
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122・瓜生順良
○瓜生政府委員 いまおっしゃるように、差しつかえの点は控えさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/122
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123・大出俊
○大出委員 それから、この七億五千万で土地その他めどがついたとおっしゃるから、それはそれでいいでしょうが、これから先はどういうものをどうお建てになるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/123
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124・瓜生順良
○瓜生政府委員 この御用邸の建物につきましては、これは四十三年度の予算には出ていないわけでありまして、四十三年度は、土地を買うだけで、それからあと、早ければ四十四、四十五と二年ぐらいにわたって御用邸の建物をつくりたい。つくる場所は大体、ちょっとがけ地になっておるところ、がけの中腹のようなところを削ってつくろうというふうに一応の構想をしてありますが、しかしながら買ってからじゃないと、ボーリングしたりいろいろすることはできません。ですから、はっきりした計画が立ってから後に建てるということで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/124
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125・大出俊
○大出委員 それにしても、大体どのくらいの規模のものというようなぐらいの計画もないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/125
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126・瓜生順良
○瓜生政府委員 これは事務的な計画にすぎませんけれども、いままでの他の御用邸もございますが、その御用邸にはこのくらいのものは必要だろうというような、一応の事務的な構想はあります。しかし、これは固まったものとは申しかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/126
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127・大出俊
○大出委員 そうしますと、とにかくいまは土地だけ買っておく、こういうことなんですね、表へ出てきているのは。それ以上のものはないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/127
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128・瓜生順良
○瓜生政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/128
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129・大出俊
○大出委員 そうすると、いま取りざたされておる沼津はやめるとか、葉山はどうするということは、どこまでほんとうの話なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/129
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130・瓜生順良
○瓜生政府委員 この沼津のほうの御用邸の廃止は、これはいろいろ相談しておりますが、下田の御用邸の完成を待たなくても考えられていいのじゃないか、最近あまり御利用になりませんから。それから葉山のほうは、これはやはり最近も相当御利用になっておりますから、いまこれを廃止ということは申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/130
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131・大出俊
○大出委員 そうすると、大蔵折衝の土地代金を予算に組むにあたって、沼津の点は決着がついた話じゃないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/131
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132・瓜生順良
○瓜生政府委員 沼津をどうするということの直接の関連はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/132
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133・大出俊
○大出委員 大蔵省の言う、一応七億五千万ということにしてあるのです、先行きどうなるかわかりませんがと言っておるのですけれども、そこのところはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/133
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134・瓜生順良
○瓜生政府委員 その点は、ちょっと違うと思います。この範囲内でやるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/134
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135・大出俊
○大出委員 じゃ、大蔵省の方にでも次に来ていただきまして、どういうことで組んだかということを聞けば明らかになることですから、それはかまいませんが、ところで最終的に、土地の買収を完了する、それまでの間のやり方というのは、先ほどちょっと御答弁にありました住友信託にまかせてやる、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/135
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136・瓜生順良
○瓜生政府委員 この旧三井別邸のあとのところから住友不動産が買っておりますが、そのほかその上のほうの個人有地のところも、住友不動産が現在買っております。それから予算のきまるまでは住友不動産がやるかと思います。それから区有財産のほうは、それは下交渉にすぎません。予算がつきますと、この区有財産の部分は、区のほうから買うことになります。それから住友不動産が買っておる部分については、住友不動産から買うということになります。なお、予算がついたあとに、場合によって、これはわかりませんけれども、国が直接この部分を買い足すということもあるかもしれませんが、いずれにしても予算がつかないとできないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/136
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137・大出俊
○大出委員 そうしますと、そこいらは予算が通過したあとで相談をされるということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/137
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138・瓜生順良
○瓜生政府委員 それはその予算が通った後に正式にそういう契約をするということであります。相談は進めておるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/138
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139・大出俊
○大出委員 これは財産区ですから、県の認可が当然要りますね。議会あるいは県の認可が要りますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/139
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140・瓜生順良
○瓜生政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/140
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141・大出俊
○大出委員 それは両方とも——区有林のほうも、こちらのほうも、どちらも応諾を得ておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/141
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142・瓜生順良
○瓜生政府委員 県のほうから聞いた話では了承がついておるようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/142
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143・大出俊
○大出委員 そうしますと、そのほうは個人所有地でも何でもないわけですから、これはきまりさえすれば公にできる筋合いで、話し合いがついておるのだとすれば、これは明らかになるものだと思う。評価額、つまり払い下げの方式はきまっておるのですから、そう考えられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/143
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144・瓜生順良
○瓜生政府委員 現在県のほうで下交渉をやってもらっていますが、金額が最終的には話がついていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/144
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145・大出俊
○大出委員 それでは、あとは総務長官がおいでになったときに一言申し上げます。
私は、冒頭に申し上げましたように、この種のことは、内廷費にしても、あるいは皇族費にしましても、皇室関係の諸経費を含めて、やはり確かに土地買収なんというものは、いろいろな思惑や何かがからむことはわかります。わかりますけれども、どこかで、陰のほうでものが進んでおるというような形になりますと、事皇室に関することだけに、世の中は、取り方は二通りになりますから、だからそこのところをやはり配慮をされて、言うべきことは言ってもらわなければ困る、出すべきものは出す必要がある。やはりその辺は、あまり陰に引っ込んでものをやるという形にしてほしくないのです。そこらのところを、ひとつ、これは私の意見でございますけれども、将来に対して御配慮を願いたい、こういうふうに考えたわけです。それだけ申し上げまして、次の機会に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/145
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146・松澤雄藏
○松澤委員長代理 次回は、来たる十九日午前十時より理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804889X00619680314/146
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