1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月二十四日(水曜日)
午後一時開会
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委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
向井 長年君 片山 武夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 伊藤 五郎君
理 事
山本茂一郎君
岡田 宗司君
黒柳 明君
委 員
井川 伊平君
植木 光教君
内田 芳郎君
大谷 贇雄君
田中 茂穂君
平泉 渉君
安井 謙君
川村 清一君
森元 治郎君
片山 武夫君
春日 正一君
国務大臣
国 務 大 臣 田中 龍夫君
政府委員
総理府特別地域
連絡局長 山野 幸吉君
電気通信監理官 浦川 親直君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
常任委員会専門
員 瓜生 復男君
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本日の会議に付した案件
○沖繩島、宮古島及び石垣島相互の間における極
超短波回線による電気通信に必要な電気通信設
備の譲与に関する法律案(内閣提出)
○沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる
日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/0
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001・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) ただいまから沖繩及び北方問題等に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたします。
本日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として片山武夫君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/1
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002・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) それでは、沖繩島、宮古島及び石垣島相互の問における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
別に御発言もなければ、質疑は尽きたるものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/2
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003・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/3
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004・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
沖繩島、宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/4
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005・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/5
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006・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/6
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007・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 次に、沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案を議題といたします。
この際、本法案に対する衆議院における修正点について政府から説明を聴取いたします。田中総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/7
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008・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案につきまして衆議院におきまして修正議決せられましたが、その修正点は附則の「この法律は、昭和四十三年四月一日から施行する」とあるを「この法律は、公布の日から施行する」と改めるものでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/8
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009・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 本案に対して、質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/9
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010・岡田宗司
○岡田宗司君 これはこの問題と直接関係はないのですけれども、本日、沖繩のアメリカ軍基地で働いている労働者の組合——いわゆる全軍労が年次休暇闘争をやっておる。組合員並びに非組合員合わせまして約三万がそれに参加をしておる。これは沖繩においてこういうことが起こりましたのは初めてのことで、それに先立って問題になっておりました布令一一六号の一部改正といいますか、それが行なわれていわゆる団交権が与えられたわけですけれども、こういうようなことが起こったいきさつについて、山野特連局長は最近沖繩からお帰りになったので、それらの事情についてよく御存じだと思うので、まず、それについての御報告を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/10
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011・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) ただいま御質問のございました、今回高等弁務官がこの全軍労に対しまして団体交渉権を与えた布令の改正を発表いたしましたその経緯並びに内容につきましてお答え申し上げたいと思います。
御案内のように、布令一一六号そのものにつきましては、過去一年間にわたって、米側において検討がなされてきておりまして、遠からず新総合布令が公布されまして、一一六号にかわる沖繩の全軍労の地位をきめる労働布令が出されることに聞いておったわけであります。ところが、御指摘のように、この賃金引き上げまあ、春闘でございますか——をめぐりまして、現地のゼネストの計画が発表され、それ以来、あわただしく関係者の間でこれに対処する対処のしかたについて慎重に協議が行なわれてきたようでございます。もちろん、この米国民政府とワシントンとの間にもいろいろ話し合いが行なわれたように聞いておりますが、布令一一六号にかわる新労働布令の公布につきましては、まだ実はワシントンでも四軍の間で関係の国防省なり国務省なりの問で話し合いがまとまっていない、確定的になっていない。そういうままで今度の事態を迎えたわけでありまして、したがいまして、二十二日の午後一時半に発表されましたこの新しい、労働者に対する措置は、いま御指摘のございましたように、四軍を含めまして、米側では在琉米軍合同委員会というのをつくりまして、高等弁務官が、賃金あるいは附加給付、勤務条件その他の労働条件について話し合う権限をその委員長に与えまして、それで、一方、全軍労にもその委員会に参加させて、そして団体交渉をやって、そういう労働諸条件についての交渉の揚を設ける。そういうことが含まれておりまして、そのために、布令一一六号の第五条に組合活動の規定がございますが、それから第七条には代表とか選挙の規定がございますが、それぞれの規定がその部分に関して改正されて、そういう新制度ができたわけでございます。ところが、そういう新制度ができたわけでございますが。ところが、そういう新制度ができましたが、その発表が、私がいました二十二日の午後一時半に発表されまして、それから、翌二十三日の、きのうのたしか二時から新しい制度に基づく全軍労と米側との団体交渉が約四時間にわたって行なわれたわけでございます。それから、ゆうべの夜中には、副主席、米側のカーペンターとの会談とか、あるいは副主席と全軍労との話し合いも持たれたようでございます。しかしながら、結果は、話し合いがまとまりませんで、ついに全軍労はストに突入した。こういうのが経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/11
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012・岡田宗司
○岡田宗司君 この問題は、いま御報告のありましたように、布令第一二八号の一部手直しが行なわれた、そうして、別個に団体交渉が行なわれるまあ一つの組織ができた。こういうことで、あくまでも暫定措置である。こう見られるわけです。したがって、全軍労なりあるいは沖繩の労働団体なり政党なりが要求をしておるところの、布令第一一六号をやめて琉球立法院における労働立法ということでやっていこうということではないわけですね。あくまでもアメリカ側では布令第一一六号は維持しつつその一部を手直しをしたにとどまる。こういうふうに解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/12
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013・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 米側としましては、この布令一一六号を総合的に検討して新しい新労働布令を出そうという考え方は変えてはいないと思います。ただ、さしあたって、いま申しましたような、賃上げ要求とストライキとの関係に対処して関係のそういう労働条件の改定をめぐる団体交渉の場をつくるということに米側の話し合いがまとまりまして、したがいまして、いま施行されております一一六号の関係部分だけをさしあたり改定したと、こういうぐあいに御承知いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/13
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014・岡田宗司
○岡田宗司君 この交渉が決裂したという原因については、全軍労側の賃金値上げの要求と軍側の出した回答との間の開きが非常に大きい。片方が三十二ドル値上げの要求をしているのに対して七、八ドルの回答があったのでもの別れになったということだけではなくて、もう一つ、軍の側において、四軍からそれぞれ人が出ておるようだが、その人たちがこういう労働問題についてなれておらないというようなことも、軍側のほうで交渉を延ばし、さらにその交渉がうまくいかなかった原因の一つになっておるのじゃないかと聞いておるのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/14
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015・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) その点に関しましては、私は、現地におりましたときにはまだ新しい事態はわからなかったわけですが、要は、この新しい制度があまりにも近接して、二十四日にもう一日しか問がないという時点で突如として発表された。なかなか組合側の末端までの周知徹底と申しますか、そういう時間的余裕がない時点で突然出されたというような組合側の意向であったようでございます。しかし根本は、いま御指摘になりましたように、組合側の要求は、第一回のきのうの要求は三十二ドルベース・アップしてもらいたい、それから技能職の者と事務職との賃金格差を直してもらいたい、それから最後に、この賃金決定の大体めどをいつに置くか、いつきめてもらうか、労働者側は二十三日中にとにかくきめてください、この三条件を出したわけです。それに対しまして軍側は、いま御指摘もありましたように、初めてできた委員会でございまして、四軍の代表あるいは高等弁務官の任命した新しい議長、そういう方々もなかなかふなれな面もあったと思います。しかし、回答としましては、三十二ドルの大幅な賃上げはとてもできない、せいぜい二十三日に回答をしなさいということであれば七ドルか八ドルぐらいしか上げる回答はできない、七、八ドルの範囲内でしか回答はできないということを回答いたしましたことに対しまして、労働者側の要求との間に非常に大きい開きがあった。したがって、昨夜の会合におきましても、これはもうストに突入せざるを得ぬのじゃないかということになったと聞いております。制度が初めてできましたから、ただいま御指摘になりましたような事情もあったかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/15
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016・岡田宗司
○岡田宗司君 これは、組合側ではストという名前を避けて休暇闘争と言っておるけれども、実体はストライキですね。そこで問題になってくるのですが、布令一一六号というのは、ストライキ等に対して、あるいはまた一般の労働組合運動に対して、特にまあストライキに対して非常に重い罰則があるのですね。この罰則はまだ布令一一六号から撤廃されておらないのですね。そういたしますと、軍側はこの布令一一六号に基づいて、ストライキをやっておる全軍労側を相当重く処罰することができるわけです。参加者をどんどん首切ることもできるわけです。こういうことが起こってくるとすれば、これは単に、雇用者であるアメリカの軍隊とそれから雇われているほうの軍労働者との問題だけにとどまらず、大きな社会問題となり、政治問題となってくるだろうと思うのです。一体この一二八号に盛られておる、労働組合運動あるいはそれに参加しておるものの活動、それからストライキ等に対する罰則、これは懲役まで含んでおりますが、それらについて概要をひとつ御説明願って、それで、こういうようなことが起こることに対してどうこれは長官などはお考えになっておるか、ひとつそのお考えを示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/16
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017・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 罰則、これはいろいろ違反の態様によっても違っておりますが、五万円以下の罰金または二カ年以下の懲役、もしくはこれを併科する、これは第一種の被用者がストをやった場合でございます。これが一番重い規定でございます。ただ、今度のこのストに関連しまして、この二年以下の懲役または五万円以下の罰金という、こういう規定の適用をめぐりましては、私ども承知している範囲内におきましては、米側においてもその適用については十分慎重を期されるであろう、直接こういう規定の適用問題でなくて、あるいは行政上のいろいろな措置は当然あろうかと思いますが、少なくともここに規定する罰則の適用に当たっては米側は慎重な検討と配慮を加えて運用されるものと私どもは信じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/17
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018・岡田宗司
○岡田宗司君 しかし、団体交渉ということを認めたということは、いままでのアメリカの軍労働者に許されておった労働運動の形を変えていくことにもなるのです。また、軍側としても、その労働運動がいままでよりももっと権限を持ったというか、その権利の広がったものとして扱わなければならないことだろうと思います。ずいぶん、いままでの布令二六号に基づきますと、労働組合というものを実際認めておるとは思えないほど過酷なんです。それはもちろん基地の内部において集会を持つこととかなんとかはとめているし、しかも、その軍の基地外の道路上であっても、それが軍用道路と名のつくところであれば、そこにおける普通の労働組合活動の行為でさえこれは罰せられるというようなことであるわけです。全く労働者の権利というものは無視をされておる。しかも、それにそむく者は非常に重い罰則を加えられる。また、理由も示さずして馘首されるというのがいままでの状態だったのです。で、こういう布令がそのままあれば、これは今日の状況において、あなたが期待しておるように、アメリカはそれを適用しないであろうと言ったって、それが将来も適用されないという保障はないわけですね。向こうが、この布令が生きておる限り、これを適用しようと思えばいつでも適用できるのだという態勢にある。伝家の宝刀はいつでも抜けるぞ、こういう状況だと思うんです。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/18
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019・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) まあ、今回の措置、新しい制度ができましても、スト、罷業権についてはこれは禁止されておるわけでございますから、したがいまして、布令一一六号からいきますと、いま読み上げましたような罰則がかかることになるわけでございます。ただ、私どもは、先ほど申し上げましたように、新しい総合布令の内容、これらの内容はつまびらかにしておりませんが、そういう布令も遠からず適用できるわけでございます。もちろん、その過程には日本政府の意向もできるだけ反映させていきたい。まあ、場合によれば諮問委員会にも意見を聞いてもらいたい。いろんな点から向こうと折衝をいたしておりますから、したがいまして、そういう中において均衡のとれた新しい制度ができることを期待するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/19
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020・岡田宗司
○岡田宗司君 田中総務長官にお伺いしますがね、いま布令一一六号がそのまま残っておる、そしていつでも罰則は適用できる、つまり伝家の宝刀はいつでも抜ける状態にあるということは、これは軍労働者にとって、また沖繩の全労働者にとって、また沖繩の住民にとって非常に不安を引き起こすだろうと思うんです。こういうことは、私どもは全く好まないことであるし、まあ率直に言えば、アメリカの沖繩に対する植民地支配の一形態だ。こう言わなければならぬと思うんです。まあ、あなた方はそういうことばを使うことはおきらいでしょうけれども、しかし、実際にはそうだと思うんです。口で民主主義を唱え、労働運動の健全な発展をはかると言いながらそういうことをやっているということは——これは私どもとしてはそう見ざるを得ないわけです。したがって、われわれはこういう布令一一六号は当然撤廃さるべきであるということを要求するわけです。政府として、もしこういうようなことで、たとえばそういう前時代的な植民地支配的な布令が振り回されて、それでまたどんどんと過酷な、たとえば馘首だとかあるいはまた懲役だとか、そういうことが行なわれるということが予想されるような場合に、また、そういうことが現に起こるというような場合に、政府としてはこれに対していままでのように、施政権は全部アメリカにあるのだからこの問題について日本政府としてはただ見ておるよりしかたがありませんという態度をおとりになるのか、あるいは、こういうことは日米関係にも響いてくることだし、また、本土・沖繩の一体化という上にも悪影響を与えるということで、政府として何らかの措置をおとりになるつもりがあるのかどうか、その点ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/20
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021・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおり、私が沖繩に参りましたときも、一一六号の問題は先方に申しておりますし、先般高等弁務官が日本に参った際にも総理が申しておりますことは、先般この席上におきまして申し上げたとおりでございます。その当時総合布令なる新しいものが出るということでございましたが、まだこの前お答えいたしましたときにおきましては、われわれのほうには全然わかっておりませんでした。たまたま二十二日になりまして新しい措置が発表になりまして、それで団体交渉が認められるようになりました。そうして今日の推移となっているわけでございます。で、これに対しまする罰則の問題等につきまして、右の新政策によりまする交渉権が認められ、争議権は認められておりませんが、要するに、今日の段階は、そういうふうなことは客観的に非常に変化が来ているわけでございます。将来出ます総合布令の全貌もまだはっきりいたしておりませんし、いまの段階におきましては、どういうふうなことになるか、ちょっと当分は静観しておらなければならないんじゃないかと考えます。しかしながら、いまの労働基本権の問題等につきましては、われわれ日本側といたしましては、従来同様、今後もやはりわれわれの要望は主張いたす考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/21
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022・岡田宗司
○岡田宗司君 この問題は、今度できた日米琉諮問委員会の問題とすべき問題だと私は思うのです。おそらく日米琉諮問委員会もこれを取り上げる権限を持っていると思うのですが、日米琉諮問委員会はこの問題を取り上げる権限があるかないか、その点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/22
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023・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) これは前々から日米琉諮問委員会に対しまするわれわれの考え方に基づくのでありますが、権限のあるなしにかかわらず、日本側の意向というものは日本代表の口を通しまして主張すべきものである、また主張いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/23
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024・岡田宗司
○岡田宗司君 では、この問題については至急問題にする必要があると思うのです。これが終わってしまってから、そうしてアメリカ側が何かこの問題に対して一一六号における罰則の適用を始めてからでは私はおそいと思うのです。今日こういう事態が起こっておるときに、やはり日米琉諮問委員会は直ちに開かれて、そうしてそこでこの問題についての検討が行なわれ、場合によっては勧告が行なわれなければならないと思うのです。どうでしょう。そうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/24
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025・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) この新総合布令は、前回お答え申し上げましたかと思いますが、まあ、まだ流動的でございまして、意見が具体的に固まっていないわけでございます。したがいまして、現時点に生じました個々の現在の事例を諮問委員会の議題にするというのでなくて、私どもは、恒久的な沖繩の軍労務者の地位を定める新しい総合布令というものについてぜひ諮問委員会の議題にしたいという意見は、すでに申し述べておるわけでございます。したがいまして、時々刻々生起する具体的な事例を議題にするという考えは、いまのところ持っておりません。ただ私どもは、先ほど申し上げましたが、現在の一一六号の罰則の適用その他、この運用をめぐりまして、やはり米側が慎重な配慮を加えるものと信頼しているわけでございまして、したがいまして、そういう意味も含めまして、総合布令の問題としてひとつ議題にしてもらいたいという希望を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/25
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026・岡田宗司
○岡田宗司君 そうしますと、この問題について政府側としては直ちに諮問委員会にこの問題を持ち出すつもりはない。しかし、この問題について軍側が態度を硬化させて、たとえば罰則を適用するとかいろいろな事態が起こるかもしれないこの際に、日本側としては、ただアメリカ側の善意といいますか、あるいはまたアメリカ側の配慮を期待しておる、そんなことをしないという配慮を期待しているというだけでは、これは私は沖繩の住民諸君が日本政府に対して信頼感も持ち得ないし、また、何だという気持ちになろうかと思うのですよ。こういうような事態については、もし諮問委員会に持ち出し得ないとしても、何らかの方法で日本政府としての意思表示はアメリカ側に対してさるべきだと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/26
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027・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) ただいま御指摘のありました点につきましては、適当な時期に日本政府の意向も何らかの形で反映するようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/27
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028・岡田宗司
○岡田宗司君 適当な時期とはいかなる時期ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/28
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029・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) まだ具体の事情が生じておりませんので、まあ適当な時期と、こう申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/29
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030・岡田宗司
○岡田宗司君 生じてしまってからではおそいのですね。向こう側だって、布令二六号における罰則を適用してから、日本側からこうしてくれと言って申し込まれても、これなかなか撤回しにくい問題がある。それが起こる前に申し入れてこそ、初めてある種の効果は生まれると思うのですがね。そういうことを私聞いているわけなんで、そういう事態が起こってから適当な措置をとるというのでは、これは話にならぬじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/30
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031・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 御指摘になります御趣旨もわかりますけれども、しかし、現に存在する布令の違反行為が行なわれていまして、それで、それに対する布令の罰則も現在存在するわけでございます。そうして、しかもそういう規定にひっかかる行為が現になされておるわけです。この時点でその罰則の適用の問題を日本政府がいまの時点でとやかく言うのは少し時期ではない、やはり適当な時期にひとつ適当な意見を反映させたい、こういうぐあいにお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/31
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032・岡田宗司
○岡田宗司君 それは行政官としての意見なんです。それはあなたの言うとおりそうかもしれない。しかし、日本政府としてこの問題を取り上げる場合には政治的な問題として取り上げ得るのです。それが及ぼす影響というものは相当日米間にも響いてくるとするならば、これは政治問題として話し合うことはできるのじゃないですか。私はこれはたまたま総務長官にお伺いしたいのだが、これはあなたの権限じゃないかもしれない。しかしながら、こういう問題が起こると、これはやはり日米間の一つの政治的な問題として抗議をするとか、あるいは警告を発するとかいうような問題でなくて、こういう問題が処理を誤るというと、あとこういうふうになる、そうなると困るから、こういうことは何とか避けてもらえないものだろうか、あるいはそのほうが両者のためになるのではないかという話し合いだってできるはずだ。どうですか。田中長官、これはあなたの権限にあることじゃないかもしれないけれども、外務大臣等を通じて、あるいはジョンソン大使と話し合えることじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/32
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033・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) お話しでございますが、悪いほうに悪いほうに解釈なさいませんで、どうかこれひとつ話が妥結するようにわれわれも期待いたしておるわけでございますから、ひとつ私のほうにおまかせをいただきまして善処をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/33
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034・岡田宗司
○岡田宗司君 悪いほうに悪いほうに解釈していると言うけれども、とにかく布令二六号の罰則というものがあり、いま特連局長の言われたように、現実の問題としてはこの布令一一六号にそむく行為をしておるわけですから、そういうものが適用される場合があるということは、これは想定することは決して無理なことじゃないと思う。私は悪いほうに解釈してそういうことを申し上げているのじゃない。
それから第二に、こういう問題については、やはりおそらく軍側でも、アメリカ側でも相当政治的な問題であるということは考えているだろうと思うのです。単に行政的に布令に従って解決できる問題を越えた問題だというふうに考えているだろうと思うのです。そうすれば、私は何らかの話し合いをする余地があると思うのですが、また、そういう場合にはしなければならぬのじゃないですか。どうでしょう。それでこそ私は外交というものが生きてくると思うのですよ。あなたは外務当局でないから、あなたにそれをやれと言うのではないけれども、こういう問題は日米間の外交ルートを通じてやはり問題にすべきじゃないですか、こう考えますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/34
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035・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 外務大臣とは立場は違いますけれども、しかし、沖繩の問題につきましては、重大な私どもの職務事項でございますので、まあ妥結の方向に参いりますことをほんとうに念願いたしておりますが、事態は進行中でございますので、ひとつおまかせをいただきまして善処いたしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/35
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036・岡田宗司
○岡田宗司君 おまかせしたいのだけれども、あまりたよりないのでまかせられないからここで問題にしているのですよ。どうもおまかせしたいのですけれども、あまりまかせられそうもありませんね。
それはそれとして、この問題が日米琉諮問委員会の議題たり得るということはもう私は明らかだと思います。ただ問題は、議題として取り上げるについても、三者代表の合意がなければならぬわけでしょう。アメリカ側の代表がこれを取り上げるという意思表示はすでにされたのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/36
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037・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 私どもの代表を通じまして、この新しい総合布令については諮問委員会の議題にいたしたいという意見は申し述べております。しかし、これはまだ三者で合意したということにはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/37
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038・岡田宗司
○岡田宗司君 たとえばこれが委員会の正式議題として取り上げられないとしても、この諮問委員は、これは諮問委員として公式ではなくても、非公式でも、たとえば高等弁務官と会って話をするというぐらいの、権限とは言えないでしょうけれども、それぐらいの資格は持っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/38
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039・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) この問題につきましては、諮問委員会の議題にかりにならないというような場合がありましても、適当なルートを通じまして事前に日本政府の意向が反映できるように極力私どもは努力いたしたいと思いますし、いま御指摘になりましたように高瀬代表が、諮問委員の代表というような資格でなくて随時高等弁務官と諸般の問題について意見交換をされることは、これはもう常時あるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/39
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040・岡田宗司
○岡田宗司君 諮問委員会が設置されてから今日までそれほど時間がたっておりませんが、たとえば高瀬委員が高等弁務官と会ってそしていろいろと日本側の意向を伝えたとか、そういう事例はすでにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/40
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041・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) ちょっとすみませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/41
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042・岡田宗司
○岡田宗司君 高瀬委員がまだ任命されてから間もないわけです。そう時間がたっていないけれども、いまあなたも高瀬委員は随時高等弁務官と会って話し合いをすることはできると、こう言われた。いままでにそういう事例があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/42
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043・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) これはもういろいろな問題につきましてそういう事例はあると思います。それは具体的にいま申し上げるわけにいきませんけれども、随時お会いになってお話し合いなさる機会はあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/43
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044・岡田宗司
○岡田宗司君 高等弁務官がやはり非公式に高瀬委員なりあるいは琉球政府側の委員なりを呼んで話をする、そういう場合もありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/44
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045・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) まあ、高瀬代表は諮問委員会の一員として、一体化の諸施策について諮問委員会として勧告を、あるいは助言を作成する過程におきまして、いろいろ協議なさる権限があるわけでございまして、まあ正式の外交的機能を、直接高等弁務官に会って交渉なさるような外交的権限が与えられているわけではないわけでございます。そういう面から言いましたら、たとえば南通事務所の所長は、今度協議の権能が与えられました。これは一つの外交的機能でございます。それから、あるいはそのほかにも外交ルートを通じての接触の方法もあるわけでございまして、したがいまして、私のいま申し上げましたのは、そうあまり四角ばった権限の上での話ではないわけでございまして、事実上、高瀬代表が非公式にいろいろお会いになって具体的な問題についての意見も交換になる。それからまた、その結果はある程度の影響力を持っておるということを事実上の問題として申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/45
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046・岡田宗司
○岡田宗司君 私も別に権限の問題について話をしているわけじゃないんで、もしそういうことができる、また南連事務所長も高等弁務官と会ってそういう話ができるというならば、今度の問題に関して日本政府はこういう関心を持っているということぐらいは、どちらかのルートを通じて伝えられるのじゃないですか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/46
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047・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 先ほど来申し上げますように、これはこの新労働布令そのものの問題につきましては、現在までもいろいろ日本政府側の意向というのは直接、間接に伝わっておると思いますし、それからまた、現在進行しておる事態の問題につきましても、常時意見の交換なり情報の交換はあるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/47
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048・岡田宗司
○岡田宗司君 まあ、意見の交換なり情報の交梅があるならば、これは日本政府としても南通事務所長なり、あるいは高瀬委員なりに、国会でこういう問題が提起されておる、日本政府としてもこう考えておるから、側面的かあるいは非公式かそれは別として、すみやかに政府として何か手を打つ、でき得ることじゃないかと思うのですが、やはり静観ですか。これは田中さんにお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/48
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049・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) まあ、善処と申し上げました内容でございますが、いまのいわゆる機構的な権限としての公式命令というようなものではなく、内面指導とか、あるいはまた書信形式とか、いろいろの連絡方法はあるわけでございますから、それは権限事項外の問題について総理府から公文による指令を発するというようなことでなく、ひとつ善処方をおまかせいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/49
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050・岡田宗司
○岡田宗司君 まあ、善処ということばは、これはいろいろ解釈するのですけれども、いま使われたのは、正式とかあるいは非公式とかではないけれども、この問題については政府としても関心を持ち、すみやかに南連事務所長なり高瀬委員なりに通じると、それが善処であると解釈してよろしゅございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/50
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051・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 私も事務官ではございません。政治家でございますから、善処という政治的なことばで御判断いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/51
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052・岡田宗司
○岡田宗司君 じゃ、まあこの問題についてはこの程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/52
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053・春日正一
○春日正一君 この前の委員会で質問した渡航の問題ですね、私と田代衆議院議員に対してきのう総理府のほうから不許可になったという通知が来たのですけれども、それで、その間の事情、そこに至るまでの事情をひとつ説明していただきたいのですけれどもね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/53
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054・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) この申請のございました渡航の問題につきましては、私どもは、この前総務長官も御答弁になりましたように、この渡航のすみやかに、許可になるように極力向こうと接触したわけでございます。しかし、たしか先生のは、十九日ごろだと記憶しますが、どうも不許可だというような意向がわかったものですから、さらにその後よくそれる慎重に検討してもらいたいというようなことも申し上げて、いろいろ向こうでも検討されました結果、二十二日付で、これは不許可でございますということで通知が参ったわけでございます。で、私どもとしては、その理由等につきましては、前々から、向こう側としては言ってもらえませんので、したがいまして、その詳細については申し上げかねますが、向こうとしては許可するわけにいかないと、こういう返答でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/54
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055・春日正一
○春日正一君 それで、いろいろ向こうに連絡したと言うのですけれども、もう少しそこのところを具体的に言ってほしいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/55
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056・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 十九日から二十二日の問、日数が若干ございますが、その問におきまして、参議院議長から提出のあった国会議員の渡航であるから、ひとつ慎重に配慮してもらいたい、そういう趣旨の検討方をお願いしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/56
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057・春日正一
○春日正一君 この理由は、向こうは、好ましくないということを正面は書いてきている。しかし、その好ましくない理由というものは言わないわけですね。しかし、政府としてはわかっているのですか、大体どういうことかということは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/57
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058・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) この入域の許可の根限はアメリカ政府が持っておるわけでございますから、アメリカ側が持っておるわけでございますから、まあ、いかなる判断でそういう結論に達したかは私どもは想像できないわけでございます。また、御指摘のように、私どもの立場からその理由をどういうぐあいに思うかということは、私は御答弁申し上げるのを差し控えたいと思います。私どものほうもわかりません。私どもとしては、ぜひ入域させてもらいたいと、こういう趣旨でこの折衝をいたしましたので、それに対して理由を付することなく回答がございましたので、それ以上のコメントは私はできない、また、いたすことは適当ではないと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/58
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059・春日正一
○春日正一君 政府として、どういうわけだということを聞くことはできないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/59
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060・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) これはもう過去にも幾つも事例がございます。幾ら理由を付してもらいたいということを要請いたしましても、向こうは理由は絶対に付さないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/60
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061・春日正一
○春日正一君 それで、この問題は、まあアメリカへわれわれが行こうというなら、それは向こうで好ましくないからと言って断わるということも一理屈にはなると思いますよ。しかし、それでもいまは大体交流というようなことは原則的には自由という立場になっているし、まして同じ民族国の中で往来することの自由、あるいは自分の国に帰ることの自由というものは、これは国際的に公認された原則になっている。沖繩の場合には事情が違うのですね。沖繩は日本の国だということははっきり向こうも認めておるし、あそこに日本の国民が住んでおるということも認めておる。その上で施政権はサンフランシスコ条約の三条に基づいて持っておるということでしょう、日本の国なんだから、この日本の国の中で日本人が往来するということを拒む何の理由もないわけですわ。そういうことは明らかに不当なことです。とすれば、これは日本の政府として当然これは不当だと。特にいま復帰の問題をめぐって日本と一体化ということが進められているということになれば、当然これは不当だ、だから、そういう渡航その他の自由は全面的に認めてもらわなければ困るというような態度をやはりとってもらわにゃならんわけだし、そういう立場でアメリカに対して折衝するということが必要なんだけれども、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/61
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062・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 私どもは、先ほど来申し上げますように、もういかなる事例におきましても、ひとつぜひこの渡航を促進してもらいたい、こういうことを、そういう姿勢で向こうに接触しております。それからまた、全体の問題としましても、本土と沖繩の渡航の自由化がはかられることが私どもの目標、念願でございますから、そういう趣旨で渡航の簡素化なりあるいは渡航の敏速化、あるいは一般的に入域の拒否等がないことを望んでいるわけであります。そうしてまた、沖繩は、いま御指摘になりましたように、日本の領土の一部だし、日本人同士の交流になるわけでありますから、そういう特殊な地位にあることは向こうは百も承知であろうと思います。ただ、全面的にその施政権が向こうにありまして、その施政権の発動としての入域許可権というものがアメリカ側にありますので、したがいまして、その権限に基づいて、残念ながら拒否される事例が出てくることは、これはまあ私どものほうとしてはいかんともなしがたい。しかし、それがきわめて好ましくないということはこれはもちろんのことでございますが、権限といたしましては米側の権限でございますので、私どもは、そういう事例のあることに対しまして、それを全部拒否をやめてもらいたい、こういうことを言っても、何しろ向こうに権限のあることでございますのでやむを得ないと、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/62
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063・春日正一
○春日正一君 だから、その施政権を返してもらうという談判をいまもやっておるし、これからもやっていくという時期でしょう。そうしたら、返してもらうのだから、当然最もいま必要な渡航の自由というような問題については、それは早く、また完全に返してもらうように具体的な内容としてそれが実現できるように相当強い態度でやっていかなくちゃならんだろうと思うのですよ。そういう立場から見て、とにかく一般的にだれでも行かなければならぬ、行けるようにしなければならぬ問題であるけれども、特に私どもの場合、議員として国民から選挙されてここに代表として出て来ているのです。そうして、それが公務でいろいろ国の政治に必要なために向こうの実情を視察に行くのだということは、衆参両院の議長が、議運の意見も聞いて確認して、こういう立場で行くのだということをつけてあの手続はしてあるわけですね。それをだめだということになれば、これはやはり日本の国会の権威というものを踏みにじるような行為です。これはやはり相当大きな侮辱だろうと思いますよ。国会の手続を経て公務という手続をしたものを、理由も示さずに不許可にするというようなことは、これは日本の国会なり権威に対する非常な侮辱だろうと思いますよ。それから同時に、政府自身も、総理も言われておるし、この間も長官も言われた、いまあなたも言っているように、政府としてもそういう無差別にやはり渡航をさせるということを望んでいるのだし、特に国会議員が行けないというようなことはこれは重大だから、やはり何とかしたいものだという意向を持っているということならば、日本政府の意向もこれは踏みにじったということになってくる。ということになれば、相当これは強い立場で交渉する、申し入れをするというようなことは、これはやる必要があるのだし、当然そういう事例に即してそういうものをやるべきだ、そういうことがなければ、沖繩の祖国復帰というような問題も、一体化というような問題も、国民の望むとおりにはなっていかぬだろうと思うのですけれども、そこら辺の覚悟のほどはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/63
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064・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 私どもも、従来もそうでございましたが、今後もひとつ渡航拒否のないように強い態度で向こうと折衝してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/64
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065・春日正一
○春日正一君 もう一つお伺いしておきますが、理由なんだ。理由は言わぬことになっているということなんですね。それでも私この前拒否されたとき大使館へ行ってあそこの一等参事官ですかに抗議したときにですね、理由は言わぬと言う。そのあとでね、まあ、スパイをされる心配があるというようなことをちょっと言った。私は、日本共産党の国会議員が何で大っぴらにスパイをしますと言うて申請手続をして行くものか、実際行ってスパイというような現実に犯罪行為があれば、そのことをとらえて問題にしたらいいことだし、まして日本の国会がそれを許可して渡したものを、そういうことをしたら国会の体面を傷つけることになるのだから、そういう措置は日本の国会自身においてもやるだろう。だから、そういうべらぼうな理由があるならひとつあげろと言ったら、それ以上は言わなかったですけれども、やはり何かスパイをされやせぬかとか、破壊活動されやせぬかというようなそういうものがあるんじゃないか。そういうものをかりに心配してみたところで、拒否する理由にならぬと思うのですよ。実際にそういうことがあったとすればだけれども、何もないのだから。そうすると、理由を言わぬということは、やはり正当な理由がないということですね。正当な理由があるならですね、これこれだからと言われればこっちだって口きけなくなるのだから、そうすると、正当な理由は何もない、突き詰めていけば、まさかスパイというようなことでもというような形で、ちょっとそんなことをにおわせる。こういうことを黙ってほうっておいていいのか。しかも、日本の国会自体の審議の問題としてもですね、まあほかの党の方々はみんな許可を取って行って見て来ておられる。だから審議に実情を踏まえていろいろ発言できる。しかし、われわれのほうは行って見て来てやはりここで発言するということが国民に対する義務でもあるし、国会議員としての責任でもある。それを果たせないように妨害しているのですわ、何の理由もなしに。だから、こういうものについて私どもは絶対承服しないから、また何回でも渡航申請出します。
そこで長官にお伺いしたいのですけれども、まあ不許可になってきたこの事態に対してですね、やはりいま私の言ったような点も踏まえて、アメリカに対して再度考慮してくれとか、そのいうような申し入れをしてもらえるものかどうか、そういう気持ちがあるかどうか、そこのところをひとつ聞かしていただきたいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/65
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066・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 私のほうの役所の監理渡航課におきましては、もう先生が言われまするようなことをほんとうに誠心誠意一生懸命に努力をし続けておるわけでございます。それにもかかわらずそういうふうな結果に相なっておりますので、まことに遺憾でございますが、さようなためにも、どうか一日も早く施政権が返ってきますように、一生懸命にこうやって御一緒に努力いたしておる次第でございます。まあ、施政権が返ってきますれば、さような御心配は一切なくなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/66
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067・春日正一
○春日正一君 あのね、いま特連局長からも聞きまして、これは特連局で事務的にそういうことをやっているということで片のつく問題じゃないと思うのです。だから、私は長官にもお聞きするし、機会があれば総理にも言っているわけです。私の言っているのは、特連局で努力したけれどもこういう結果になった、もっと高い政治的な段階で長官が大使に会って、具体的にこういうことなんだ、だからこの問題は許可してほしいというような申し入れをされるとか、あるいは外務大臣のほうに話して、外交機関のルートを通じてそれをおやりになるとか、もっと高い次元でやってほしい、それをおやりになるのかどうか、やってもらえるかどうか、そこを聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/67
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068・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 先般も申し上げましたように、出入国管理業務というものはその国家業務の中の非常に重大なことでございまして、施政権が存在いたしまする以上、この問題はそういうふうなあるいは政治的な折衝、外交的な折衝ではなかなかできがたい根本問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/68
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069・春日正一
○春日正一君 そうすると、結局まあ、そういうことだからできないと政府はあきらめておいでになるということですか、むずかしい問題だから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/69
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070・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 私どもとしましては、沖繩と本土の渡航が一般的に自由になっていく方向に向かいまして全力をあげていきたい、かように努力いたします。ただ、具体的に個々の問題の事例をとらえまして、これはどうだ、これはどうだということは、私どもはやりません。しかし、私どもとしては、どの事例にかかわらず、全部ひとつ自由になるようにぜひ至急渡航許可を与えてもらいたい、こういう方向で努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/70
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071・春日正一
○春日正一君 それはおかしい。さっき岡田委員の質問のときには、いまの全軍労の、具体的には事例が発生しないから申し入れをしないというようなことを言われた。この場合には、まさに具体的な事例が、しかも国会に関係する事例が発生しているんだ。だから、あなたのあの論理からいけば、このチャンスをとらえて厳重な申し入れをし、そこから口を開いていくということをやるべきではないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/71
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072・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) どうかひとつアメリカから愛される共産党になっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/72
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073・春日正一
○春日正一君 アメリカから愛される愛されないという問題は、これはその党の性格の問題であって、日本にも共産党を支持する人がおるし、共産党議員を送り出してきておる。アメリカが、きらいだから入れない好きなものは入れるということなら、渡航自由の原則に反するということを言っている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/73
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074・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) この問題は施政権に随伴いたしました問題で、いまの、だれを入れるだれを入れないという問題が、私どもほんとうにお互いが日本人同士一生懸命に努力をいたすさなかにおきましても、なお達せられない非常に残念な事態でございます。かようなことで、私どもは何とか、監理渡航業務の私の役所におきましては、一党一派といったようなことは、超党派で実際考えておりますし、それからまた、この正月からのいろいろな行事につきましても、監理渡航課のほうは一生懸命にアメリカのほうの入国許可を取れますようにあらゆる便宜をはかっておりますし、努力いたしております。しかしながら、そういう状態におきましてもなおおりないというこの現実にあたりまして、私どもにさよう仰せられましても、また私どもは、あるいは外交交渉あるいは政治折衝の面におきましても、これは決してやぶさかでございませんけれども、現実にお入りになれないで不許可になったということは非常に残念でございますが、しかし、どうもそうおっしゃいましても、私どものほうでどうにもならない。これが施政権の問題でございますから、だから、一日も早く私どもは一体化を実現して、そうして施政権の返還できますように、ひとつ一緒に御協力をいただきたい。これは私のほうからお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/74
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075・春日正一
○春日正一君 私、最後に希望ですが、やはりもっと日本の主権を取り戻すことなんだし、事は国民の権利に関する問題ですからね、政府としてもっと強い態度で筋を通す。道理のあることなんだから、やはり強い態度でアメリカに対して折衝もするし、個々の具体的なケースを通じてもその道を開いていくというような努力は当然すべきだが、だからそういう態度でやってほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/75
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076・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) それは十分いたしておりまするし、今後もいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/76
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077・岡田宗司
○岡田宗司君 過日、私は井岡衆議院議員の入団の問題について御質問しました。いままた春日委員から、これは「好ましからざる人物」ということで沖繩へ入ることを拒否された。そのいずれも国会議員です。これは私この問も申し上げたように、国会議員に対する侮辱であると同時に、国会に対する侮辱である。日本に対する侮辱だと思うのです。で、まあ、国と国との場合ですね、たとえばアメリカと日本との場合、日本とそれからイギリスとか、フランスとか、あるいはその他の国という場合ですと、これはまあそういうことについてどちらもあまり抗議したりなんかしないようですけれども、沖繩の場合はちょっと違うんじゃないですか。まず第一に潜在主権があるということもありましょう。施政権は向こうにあっても、いまや本土、沖繩の一体化が進められているというときなんですね。そしてその一体化を進めるために、ここに諮問委員会等も置かれたと、こういうことになっている。そうすると、こういう問題も諮問委員会で取り上げてしかるべき問題じゃないかと思うのですがね。あるいはまた、多少その外交的権限を持つようになった南通事務所長等がこの問題についてもう少し向こうと話し合えるんじゃないか、あるいは日米協議委員会なんかでも話し合える問題じゃないかと思うのですが、施政権が向こうにあるから向こう様が全部この問題については権限を持ち、そうしてこちら側は何も言えないということじゃないんじゃないかと思うのです。これは国と国との間なら別問題ですよ。しかし、沖繩という特殊的地位にあり、アメリカ側も一体化ということを認めた以上は、こういう問題は公式に何かの機関を通じて取り上げてしかるべき問題じゃないかと思うのですがね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/77
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078・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 実は渡航に関しましては、この渡航手続の改善等について米民政府の公安局長と私どもとの問に、一カ月おきに渡航会議を開いておりまして、もちろん、一般的な渡航の自由化の問題も非常に重要な問題として取り上げておりますが、そのほかの渡航の簡素化なり、日数の短縮なり、そういう問題についても要請しております。それから、そういう場を通じましていろいろ折衝いたしまして、実は従来はなかなか渡航の許可をするとも不許可にするともわからないまでペンディングに過ぎた事案が非常に多かったわけです。それでは私どものほうも困るから、ノーならノー、イエスならイエス、早く態度をきめるべきではないかというようなことも話し合いまして、その結果が今度はノーならノーとはっきり言って来るように相なったわけでございますが、まあ、いずれにしましても、そういう案件について態度が明確になってきたことも、この渡航会議の一つの私は結果だろうと思うのです。今後とも私どもは、この問題は諮問委員会の問題といいますより、そういう渡航会議とか、あるいは日米協議委員会とか、そういうような場を通じましてこの問題のひとつ善処方については従来も行なってきましたが、今後ともひとつ努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/78
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079・岡田宗司
○岡田宗司君 いま渡航会議は大体技術的な問題で、あまり根本問題に触れ得ないと思う。いまのお話しだと、日米協議委員会では話し得るようなことを言っておられた。私は沖繩に入国の問題は、権限はやはり沖繩の高等弁務官の手にあると思う。つまり、民政府の手にある。だから、これはあれじゃないですか、日米琉諮問委員会で問題に取り上げていい問題じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/79
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080・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 先ほど長官もおっしゃいましたけれども、やはりこの出入国の許可の権限は施政権の一つの大きなファクターでございますから、したがいまして、その問題をストレートに諮問委員会で取り上げるというのは適当でないと、私どもはさように承知しております。そこで取り上げなくても、ほかのルートで折衝の道が残されておりますから、諮問委員会の議題としては私どもは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/80
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081・岡田宗司
○岡田宗司君 今後いつ返ってくるかわからないけれども、いわゆる一体化ということがだんだん進んでいけば、渡航の自由という問題もさらに進んでいく見込みがあるのかないのか、同じようなことが繰り返されるのか、それとも、それが進んでいくにつれて、日本政府としてももっと渡航の自由を拡大していくということに努力されるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/81
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082・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) この渡航のいろいろ許可がおりない事例でございますが、確かに昨年の実績はまだはっきりつかんでおりませんが、大体総件数で十万ぐらいの件数があるわけでございますが、それから見ますと、従来の比率から見ましても、非常に少なくなっています。で、私どもは、渡航の許可のおりないというような事例のないように、ひとつできるだけの努力を払ってまいりますし、また、向こう側としてもいろいろ明らかにされてはおりませんけれども、そういうあまりかたくなな態度でこれに対処してきていない、やはり年々弾力的な態度になっていると私は考えておりますので、今後漸進的に改善れていくものと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/82
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083・岡田宗司
○岡田宗司君 特に国会議員というものは公的な地位にあるものですね。これに対しての取り扱いということは、向こうでももっと考えていいのじゃないかと思うのですがね、それらの点についてもう少し努力してもらいたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/83
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084・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 今後十分に努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/84
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085・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 本案に対する本日の質疑は一応この程度といたします。なお、次回の委員会は四月二十六日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十分散会
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086・春日正一
○春日正一君 私、最後に希望ですが、やはりもっと日本の主権を取り戻すことなんだし、事は国民の権利に関する問題ですからね、政府としてもっと強い態度で筋を通す。道理のあることなんだから、やはり強い態度でアメリカに対して折衝もするし、個々の具体的なケースを通じてもその道を開いていくというような努力は当然すべきだが、だからそういう態度でやってほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/86
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087・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) それは十分いたしておりまするし、今後もいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/87
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088・岡田宗司
○岡田宗司君 過日、私は井岡衆議院議員の入団の問題について御質問しました。いままた春日委員から、これは「好ましからざる人物」ということで沖繩へ入ることを拒否された。そのいずれも国会議員です。これは私この問も申し上げたように、国会議員に対する侮辱であると同時に、国会に対する侮辱である。日本に対する侮辱だと思うのです。で、まあ、国と国との場合ですね、たとえばアメリカと日本との場合、日本とそれからイギリスとか、フランスとか、あるいはその他の国という場合ですと、これはまあそういうことについてどちらもあまり抗議したりなんかしないようですけれども、沖繩の場合はちょっと違うんじゃないですか。まず第一に潜在主権があるということもありましょう。施政権は向こうにあっても、いまや本土、沖繩の一体化が進められているというときなんですね。そしてその一体化を進めるために、ここに諮問委員会等も置かれたと、こういうことになっている。そうすると、こういう問題も諮問委員会で取り上げてしかるべき問題じゃないかと思うのですがね。あるいはまた、多少その外交的権限を持つようになった南通事務所長等がこの問題についてもう少し向こうと話し合えるんじゃないか、あるいは日米協議委員会なんかでも話し合える問題じゃないかと思うのですが、施政権が向こうにあるから向こう様が全部この問題については権限を持ち、そうしてこちら側は何も言えないということじゃないんじゃないかと思うのです。これは国と国との間なら別問題ですよ。しかし、沖繩という特殊的地位にあり、アメリカ側も一体化ということを認めた以上は、こういう問題は公式に何かの機関を通じて取り上げてしかるべき問題じゃないかと思うのですがね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/88
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089・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 実は渡航に関しましては、この渡航手続の改善等について米民政府の公安局長と私どもとの問に、一カ月おきに渡航会議を開いておりまして、もちろん、一般的な渡航の自由化の問題も非常に重要な問題として取り上げておりますが、そのほかの渡航の簡素化なり、日数の短縮なり、そういう問題についても要請しております。それから、そういう場を通じましていろいろ折衝いたしまして、実は従来はなかなか渡航の許可をするとも不許可にするともわからないまでペンディングに過ぎた事案が非常に多かったわけです。それでは私どものほうも困るから、ノーならノー、イエスならイエス、早く態度をきめるべきではないかというようなことも話し合いまして、その結果が今度はノーならノーとはっきり言って来るように相なったわけでございますが、まあ、いずれにしましても、そういう案件について態度が明確になってきたことも、この渡航会議の一つの私は結果だろうと思うのです。今後とも私どもは、この問題は諮問委員会の問題といいますより、そういう渡航会議とか、あるいは日米協議委員会とか、そういうような場を通じましてこの問題のひとつ善処方については従来も行なってきましたが、今後ともひとつ努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/89
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090・岡田宗司
○岡田宗司君 いま渡航会議は大体技術的な問題で、あまり根本問題に触れ得ないと思う。いまのお話しだと、日米協議委員会では話し得るようなことを言っておられた。私は沖繩に入国の問題は、権限はやはり沖繩の高等弁務官の手にあると思う。つまり、民政府の手にある。だから、これはあれじゃないですか、日米琉諮問委員会で問題に取り上げていい問題じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/90
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091・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 先ほど長官もおっしゃいましたけれども、やはりこの出入国の許可の権限は施政権の一つの大きなファクターでございますから、したがいまして、その問題をストレートに諮問委員会で取り上げるというのは適当でないと、私どもはさように承知しております。そこで取り上げなくても、ほかのルートで折衝の道が残されておりますから、諮問委員会の議題としては私どもは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/91
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092・岡田宗司
○岡田宗司君 今後いつ返ってくるかわからないけれども、いわゆる一体化ということがだんだん進んでいけば、渡航の自由という問題もさらに進んでいく見込みがあるのかないのか、同じようなことが繰り返されるのか、それとも、それが進んでいくにつれて、日本政府としてももっと渡航の自由を拡大していくということに努力されるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/92
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093・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) この渡航のいろいろ許可がおりない事例でございますが、確かに昨年の実績はまだはっきりつかんでおりませんが、大体総件数で十万ぐらいの件数があるわけでございますが、それから見ますと、従来の比率から見ましても、非常に少なくなっています。で、私どもは、渡航の許可のおりないというような事例のないように、ひとつできるだけの努力を払ってまいりますし、また、向こう側としてもいろいろ明らかにされてはおりませんけれども、そういうあまりかたくなな態度でこれに対処してきていない、やはり年々弾力的な態度になっていると私は考えておりますので、今後漸進的に改善れていくものと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/93
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094・岡田宗司
○岡田宗司君 特に国会議員というものは公的な地位にあるものですね。これに対しての取り扱いということは、向こうでももっと考えていいのじゃないかと思うのですがね、それらの点についてもう少し努力してもらいたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/94
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095・山野幸吉
○政府委員(山野幸吉君) 今後十分に努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/95
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096・伊藤五郎
○委員長(伊藤五郎君) 本案に対する本日の質疑は一応この程度といたします。なお、次回の委員会は四月二十六日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105813904X00919680424/96
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