1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月二十一日(火曜日)
午前十時三十五分開会
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委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
土屋 義彦君 竹中 恒夫君
五月十八日
辞任 補欠選任
竹中 恒夫君 土屋 義彦君
五月二十日
辞任 補欠選任
小柳 勇君 瀬谷 英行君
六月二十一日
辞任 補欠選任
矢追 秀彦君 浅井 亨君
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出席者は左のとおり。
委員長 金丸 冨夫君
理 事
高橋 衛君
土屋 義彦君
宮崎 正雄君
阿部 竹松君
委 員
上原 正吉君
近藤英一郎君
柳田桃太郎君
大矢 正君
近藤 信一君
瀬谷 英行君
竹田 現照君
矢追 秀彦君
国務大臣
通商産業大臣 椎名悦三郎君
政府委員
北海道開発政務
次官 川野 三暁君
北海道開発庁総
務監理官 馬場 豊彦君
通商産業政務次
官 熊谷太三郎君
通商産業省企業
局長 熊谷 典文君
通商産業省化学
工業局長 吉光 久君
通商産業省鉱山
局長 両角 良彦君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
説明員
東京通商産業局
長 鈴木 正美君
建設省河川局次
長 多治見高雄君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○北海道地下資源開発株式会社法を廃止する法律
案(内閣送付、予備審査)
○砂利採取法案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/0
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001・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日、小柳勇君が辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/1
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002・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 次に、ついておはかりいたします。理事の補欠互選に
委員の異動に伴ない、理事一名の欠員が生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。
互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/2
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003・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、理事に土屋義彦君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/3
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004・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 次に、衆議院送付の割賦販売法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/4
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005・竹田現照
○竹田現照君 一つだけちょっとお伺いしておきますが、この提案のいわゆる草案に、前払式割賦販売保証基金協会というものが当初考えられておったはずなんですけれども、これがなくなった、そのはずされた原因は一体どこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/5
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006・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘のように案をつくります過程におきまして、協会をつくりまして、それに供託するということにしたらという検討を行ないました。と申しますのは、供託金額は相当大きくなりますので、そういう協会に供託して、しかも消費者に優先弁済権を確保できるということになりますと、消費者保護と業者の資金繰りというものが調整できるのではなかろうかということで考えたわけでございますが、結論においては現段階においては無理だということになったわけであります。その理由といたしましては、これをやりますためには、割賦販売をやっております各業種が入ってこなければいけません。そうしませんとメリットが非常に少ない。ところが、現在割賦をやっております業種というのが非常に多岐にわたりまして、しかも経営状況もみな違いますので、一律になかなか共同歩調で入れない。そうなりますと、業種単独でやるという形になりますが、そうなりますと、危険負担といいますか、消費者保護のために相当多額の金を積まなければならぬ。そうすると、むしろ供託のほうがはっきりしていいのじゃないかということになりまして、取りやめたわけでございますが、今後業界がそういう足並みがそろってくるという段階になりますれば、さらにわれわれとしては検討を消費者保護のためにしていきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/6
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007・竹田現照
○竹田現照君 この草案の中で問題だった、近藤委員からも質問があったと思いますが、五〇%、それからいまの保証基金協会、それから期限、これは去年国会に提案をされなかった業界側の反対の三つの骨格だったのですね。これが全部業界側の意見をいれて今回の改正案として提案されたとすれば、割賦販売法を改正をして消費者保護ということのたてまえで考えられたことが、言ってみれば全部骨抜きになった、草案から見ますと。それじゃ何も割賦販売法は業界の言いなりになったということに私は意地悪く解釈すればそう思うのですけれども、草案といまのとを対比すると、そう思わざるを得ない。何のためにいまあらためて割賦販売法の改正案を出したか、私には理解できない。それから業界の反対した三つの問題を全部通産省がまるのみにして出すに至ったそもそもの理由、それをもう一ぺん私にわかりやすく説明してほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/7
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008・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 業界自体が消費者保護につきまして非常にうしろ向きだということではございません。業界も消費者保護、特に消費者が安心して買えるという体制をとらなければいかぬということは熱心に考えているわけでございます。昨年の案の過程におきまして、われわれとしてはできるだけ消費者保護の観点から積み立て率をたくさんしよう。御承知のように、商品取引所におきましては、昨年の改正におきまして五〇%の積み立てを行なったわけでございます。それに準じて五〇%程度はできないかという問題が一つあったわけでございます。この点につきましては、その後いろいろ検討したわけでございますが、御承知のように、現在前受け金は六百億といたしております。それの半分といいますと三百億という大きな金になります。過去にさかのぼって積み立てさすわけでございますので、非常に資金繰りを圧迫する。特に先般も問題になりましたように、割賦販売金融というものがまだ軌道に乗っておりません。そういう観点と、それからもう一つは、われわれも実態を調べましたところ、約半分は割賦金融制度が整っておりませんので、やはりメーカーに対する代金の前受け金を流用せざるを得ない。それが五〇%でございます。そのほか、経費が約一五%程度かかるわけでございます。そうしますと、三分の二程度はどうしても経費的に要るということになりまして、三分の一としたわけでございます。ただ、昨年問題にいたしましたのは、それにしてももう少し、先ほど御指摘がございましたように、積み立ての期間をできるだけ早くしたらどうかということが一つの問題点になりました。今回の改正におきましては、従来は三年たったらその三分の一を完全に積み立てるという案になっておりましたが、今回はそれを一年つぼめまして二年にいたしたわけでございます。それと同時に、昨年の案では、既存業者は三カ年間許可を受けなくても許可を受けたものとみなすというような規定になっておりましたが、今回の改正案ではそれを一年にいたしたわけでございます。一年間は既存業者も許可を受けたものとみなすが、その間に完全にしてもらいたいということにしたわけでございます。
それともう一つ、昨年の案と非常に違います点は、その後いろいろ検討いたしました結果、やはりそういう金銭的な問題以外に、契約の締結等においていろいろトラブルがあるということでございますので、それをはっきり許可条件の中に入れる、こういうことにいたしたわけでございます。それと同時に、許可の申請のときには、どういう品物を割賦販売やるかということを明記さすというようにしたわけでございまして、昨年よりわれわれとしては相当手直しをした、かように考えまして御審議をお願いしているような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/8
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009・竹田現照
○竹田現照君 手直しをしたというのは、業界の言うとおりに手直ししたと、そういうことではないかということを私聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/9
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010・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) そういうように手直しいたします過程におきましても、業界から、特に最近の金融情勢は御承知のように昨年と違って悪くなっております、したがって、その間の事情を十分逆に考慮してもらいたいというお話もございましたが、消費者保護の観点からいえば、昨年の案より前進しなければならぬというので、業界にるる話しまして御協力を仰いでここまでの案にして提出した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/10
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011・竹田現照
○竹田現照君 それで、五〇%を三〇%にした経過についても、いまお話がありましたが、いろいろと業界が金がかかる理由をたくさん並べておりますね、集金に金がかかるとか、資金繰りがどうだとか、あるいはつくるのに金が要るとか。それで、たとえば集金に金がかかるというようなものに、どれどれ金がかかるというようなことをチェックするということは実際上可能なんですか。集金にどれだけ手数がかかっているというようなことを通産省としてはチェックが可能なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/11
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012・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 今後できるだけ集金費用とかあるいは販売手数料を安くしていく努力は業界にしていただかなくちゃならぬと思いますが、先ほど申し上げましたのは、実情を調査しました結果、集金費が大体九%、それから販売手数料が六%、合わせまして一五%、それは実情でございます。しかし、できるだけこれを安くするように努力しなければいかぬと思います。それがためには、金融制度の確立というのが私は非常に大事な問題ではないだろうか、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/12
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013・阿部竹松
○阿部竹松君 当局の書類を見せていただくと、いま局長の答弁の中にもございましたが、そういうふうにして五百八十億、六百億近い金額が動いているわけですね、そうしますと、これ、しろうとの常識論ですが、大体幾つかの糖類がありますけれども、ほとんどがミシンなどではないかと思うのですが、大体何が何%ということを、小さい数字はよろしゅうございますから、大ざっぱな各種日別に数字がわかっておればお示しをいただきたいわけですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/13
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014・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 大勢を申し上げますと、ミシン、手編機、家庭電機といいますのは、業者が兼業いたしておりますので、この比率はダブって出るわけでございますが、大体ミシン、手編機、家庭電機を合わせまして約半分になっております。そのほかベッドが一五%、それから家具が一二・三%、それから楽器が一三%、その他こまかいもの、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/14
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015・阿部竹松
○阿部竹松君 相当数の部分を占めているミシンに限定してお尋ねしますがね、これは例になるかどうかわかりませんけれども、いま竹田委員と局長さんの答弁の中で、三〇%、五〇%の論が出ましたがね、長者番付にミシン会社の社長さんが二番、三番に載っておりますね、そのくらい収益がある。いまのような論争が、一つのミシン会社を例にとって申し上げるのはどうかと思いますが、どうも得心いかぬわけです。この先払いの割賦をやると消費者が損し、あと金払いの月賦販売でいくと商社が損する。月賦販売の場合は、消費者が買っておっておらなくなったり、完全納金せぬ場合もあるでしょうし、この割賦前金払いでいくと業者がつぶれると一般消費者が損するから、これを規制しようとするところにこの法案の目的があるわけでしょう。ですからもう少し商社のほうの経理状態から見て、中身はわかりませんが、もう少し規制したほうがよかったではないかということが第一点と、あわせてお尋ねしたいことは、いままでミシン会社の例をとっても、リッカーミシンからシンガー、ジューキ、蛇の目、数限りないミシン会社があるのですが、大体迷惑を受けた例があるかなしや。あった場合はどのくらい数字にあらわれておるか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/15
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016・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 先生御承知のように、ミシンの業者といいますのは中小企業と大手とございます。それで六十社ばかりございますが、約五十社がやはり中小企業、大体これ輸出専門でございます。おっしゃるように大手の業績というのは、総売り上げ利益率、税引きでございますが、四%強でございまして、そう悪いとはいえないのでございます。ただ、この供託率につきましては、やはり個々の業者によって率を変えるというわけにはいかないわけであります。非常に技術的にむずかしゅうございます。したがって、一律にならざるを得ない。中小企業の関係もあり、ほかの業界の関係もあるので、そういう形にしたわけであります。ただ、われわれといたしましては、今後やはり前払い式という方式が、はたしていいかどうか、むしろあと払い式のものにだんだん変わっていくんじゃないか。むしろそういう指導をすべきじゃなかろうか。現実にも前払い式で契約はとっておりますが、途中の段階であと払い式に金のつく限りにおいては変えていくと、こういうような趨勢にだんだんなっているのが実情でございます。そういうことで、今後あと払いというのが経済の実態になってこようと思いますので、そういうことを指導してみたいと考えておるわけでございます。
それから第二点の、御指摘のミシンについて、倒産、非常に迷惑をかけたことがあるかという御質問だろうと思いますが、御承知のように現在まで倒産の事例は十三件でございます。その金額は九億に達しておりますが、ミシンは幸いにして現在まで出ておりません。むしろ手編み機等が倒産の事例が出ております。ただ、契約のやり方につきまして、いろいろ消費者からの苦情は、ミシンも相当多く出ております。こういう面は、やはり先ほど申し上げましたように相当改善していかなければならない、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/16
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017・阿部竹松
○阿部竹松君 まあ消費者が安心して金を先払いして品物を手に入れる方式に、一つの安心を与える規制を加えたことですから、一〇〇%効率を上げられるかどうか別として、この法律は、まあ私ども社会党も賛成なんですが、その改正点の、まあ三本の柱のうちの一つですね、これは前回相当時間をかけてお尋ねになった近藤先生の質問にもあったかと思いますが、この監督とかの事務的方法、なかなかこれは困難でないかと思う。これはもう京浜地区とか京阪神地区とか中京地区、いま局長から御説明あったように、ミシンの業者だけでも相当数ですから、手編み機もありましょうし、電気製品もありましょうし、そうすると、これは一体どこでだれが手足になって監督するか、こういうことなんですが、まあ大臣がやるということになっておるのですが、最終段階は。しかし、大臣はなかなかこれは、法のたてまえ上そのようにお示しになっておると思うのですが、大臣はなかなかできないそれで、具体的にどこでだれがどういう方法でやるかということをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/17
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018・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘のように末端の取引の問題でございますので、やはり末端でいろんな苦情が出ておるということでございますが、私たちが考えておりますのは、まずいまのいろいろなトラブルが出てきます原因というのが、大数的に見ますと、非常に業者が自分の能力以上の商売をあせってしようというところに、これは勧誘員の問題、いろいろな問題で過当勧誘の問題が出ております。したがって、今度の許可制におきましては、そこの辺を業務計画とか資金計画をつくっていただいて、少しまじめに反省して考えてもらいたいということを考えております。
それからもう一つは、契約の基準もはっきりつくって、それに従っていただく、こういうことを考えているわけでございますが、御質問の、そういうようにして、なお末端でやはりトラブルが起こった場合に、それをどういうようにして吸い上げ、どういうようにして解決するかという点でございますが、この問題も中央だけではとてもできません。やはり末端の機構を利用するということでございます。そういう意味で、われわれといたしましては、県、市、そういう方面に、これは割賦販売の問題ではなくて、全般的な消費者行政の問題だろうと思いますが、苦情処理的なものをやはり確立したい、こういうように考えております。それと同時に、われわれとしてはモニター制度も少し拡充いたしまして、モニターによってその苦情をできるだけ把握していく、こういう措置をとりたい、かように考えておる次第でございます。そういうことによって迅速に処理してまいりたいと思いますが、それと同時に、やはり商売上の問題でございますので、業界の体制といいますか、それを処理する体制ができないと意味ないと思います。最近ミシン業界とか手編み機業界、大きな業界に呼びかけまして、問題があった場合は業界自体で自粛もし、お互いにそれを直していく体制をつくってもらいたいということをお話し申し上げまして、業界自体も、自分たちの今後の姿勢の問題も関連するので、ぜひ考えてみたい、こういうことになっておりますので、なかなか御指摘のように一気にはいかない問題でございますがわれわれは、じみではございますが、着実に努力続けてまいりたい、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/18
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019・阿部竹松
○阿部竹松君 局長のお答弁を伺っておりますと、全くごりっぱで、安心して先払いして物を購入できるがごとき印象を与えるのです。ところが、これは熊谷局長に私皮肉を言うのではないのですが、いままで大企業の粉飾決算やら中小企業が倒産して検察庁等で特捜部が手入れをして問題になって、おかしいということが判明したのは数限りなくあるのですがね、あなたのところのまあ本省でも地方の通産局でも、この会社はあやしいということを見つけたのは一つもないでしょう。まあ今度は登録制から許可制になって、今度許可してもらう場合に、会社の経理状態その他を一切明らかにして、あなたのほうでおやりになったとしても、書類審査ぐらいしか、いまの機能ではできないのではないかというように判断されるわけですよ。ですから、資料を見ると、全くうまくいくようなんですが、これを完全にやるとすると、あなたのほうでとにかく職員の優秀な方々を膨大に雇い入れて、そうして半分警官の立ち入り検査するがごとき、あるいは経済保安官ぐらいつくってやらなければ……。あなたの答弁はりっぱであるし、消費者を守ってやるというのですから賛成ですが、法律が通っても、一たん立法府から離れて行政府にいって法が施行されるときには、そういうわけにいかぬのではないですか。あまり局長きれいな答弁をしておくと、かえってあとで困りはせぬかという私は老婆心を持っているのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/19
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020・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘の、通産省が不良業者といいますか、あぶない業者についてどういうように把握しているかという点も、お話がございますが、実は前払い式につきましては、これはまあ完全とは言えませんが、ある程度、この業者の実情はちょっとあぶないなということはわかるわけであります。といいますのは、苦情を大体集計してみますと、ある社に相当集中しておるというような傾向も出てまいります。そういうことで、そういうのをすべての業種、企業をまんべんなくやるわけにはまいりませんので、重点的にはわれわれは立ち入り検査を行なっております。悪いところにつきましては、むしろ改善していただくような指導を強力にやっているつもりでございます。とは言いながら、非常に数の多い問題でございますので、完ぺきとは言えないと思います。人数にも制約が御指摘のようにございます。われわれとしては、いまある人数をできるだけむしろ活用したい、消費者行政の面に活用したい。それがためには、やはり通産局等の仕事の運営もだんだんこういうような方向に持っていきたい、こういうように考えておる次第でございます。決して楽観もしておるわけではありませんし、安心もしているわけではございません。そういう努力を続けて、できるだけ弊害を少なくしてまいりたいというつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/20
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021・阿部竹松
○阿部竹松君 ミシンの例のみあげて恐縮なんですが、たとえば、大阪、兵庫等の町工場的なミシン工場、販売店がありますね。そこで一台のミシンが製品にされて、十二ドルないし十六ドルです、アメリカへ行きまして、これが十倍、百二十ドルから百三十ドルになるのです。これはあなたのほうが私より詳しいでしょう。しかし、アメリカへ行って十倍になる金額は、全部商社がもうけるというようには考えておりません、船賃もかかるでしょうし。そういうような出血受注をやってアメリカに販売し、ドルをかせぐ。そこまでけっこうなんだが、その部分を国内の消費者に買ってもらって、自転車操業をやっている。一々大きいミシン会社は調べるにいいでしょう、しかし、そういうようなのが点々としてあるわけですから、そういうところがあなたのほうのおつくりになる法から漏れるのではないかというようなことは、御心配ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/21
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022・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 先生の御質問は、むしろミシン行政全体の問題かと思います。私も数字的にはいまの百倍に、あるいは十倍になるというようなことは聞いておりませんが、確かに出る価額と向こうで売られる価額と相当の差はあると思います。しかし、それはむしろ国内の業者が不当にもうけておるということでは私はないと思います。ただ、御承知のようにアセンブル事業あるいは下請事業といいますものは、往々にいたしまして弱小なところが不当に圧迫せられるという点は、これは警戒しなければならぬと思います。そういう意味でわれわれのほうといたしましても、これはミシンといわず自動車産業もそうでございますが、やはりそういう重要な下請部門を育成し、それをだんだん強くしていく、大企業に対抗して強くするということは、やはり今後の通産行政のポイントとして考えていかなければならない、こういう気持ちで現在努力している最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/22
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023・阿部竹松
○阿部竹松君 次にお尋ねすることは、登録制から許可制に切りかえたこの問題ですね。これは近藤委員もお尋ねになったと思いますが、もしお尋ねになっておれば、あとで速記録で承知させていただきます。この種の法案ばかりでなくて、あらゆる問題で登録制が許可制になったりするために、改正ということで法案を審議することがございます。いろいろな例があるわけですが、登録制から許可制になった場合に、いままで登録制にしておった会社あるいは業者は、自動的に許可制になったものとみなす、新しくこれから新規に割賦販売をやろうとする者は、役所の許可をいただかなければならない、こういうことになるのか、あるいはまた二カ年以上割賦販売をやっておりましたものは、すでに既得権があるのであるから、力もあるのであるから、これはもう無条件許可になる、こういうふうなようなことになるのか、全部今まで登録しておったものも、これからやろうとするものも、ラインを一律に並べてスタートさせるものか、その間の手続操作等についてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/23
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024・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) いまから初めて事業を始められる方は、この法律が施行になりました段階におきましては、やはり登録制でなくて許可——当然でございますが、許可を受けなければできない。こういうことになるわけでございます。それから、既存の業者の、いままで登録を受けておりました業者につきましては、一カ年間は許可を受けたものとみなすわけでございますが、一カ年たった場合は、あらためて許可を受けていただかなければいかぬ。こういうことでございます。その一カ年間に業務の内容を改善していただく。こういう措置が必要になってくるわけであります。
なお、許可制に移行しますのは、そういうように一カ年後でございますが、その間におきましても、たとえば、契約の約款基準を守っていないとかあるいは非常にその経理内容が悪化しているというような場合は、改善命令を出すことにいたしております。そういう意味で、既存の方も相当やはり一カ年の間に勉強を、結論といたしましては、していただかなきゃならぬ。こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/24
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025・阿部竹松
○阿部竹松君 最後に一点だけお尋ねしておきますが、いまの局長の答弁の中にございました一年間云々、登録から許可制、こういうものの取り扱いの窓口は一体どこでやるのか、通産省がやりますということになるでしょうけれども、それは事務はどこでやるのかということが第一点と、あわせて、もしもこの三分の一に相当する額を積み立てておかなかった場合には、直ちに取り消し命令が出るものかどうか、あるいはその他政令、省令等つくると思いますが、それはいつできるものか、その三点を最後にお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/25
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026・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 現在御承知のように既存業者は二百十社余りございますが、その許可事務は、通産省の企業局でやりたいと思っております。
それから、供託金を積み立てない場合はどうなるかということでございますが、当然最終的には許可の取り消しという問題につながってまいろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/26
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027・阿部竹松
○阿部竹松君 大阪の場合は大阪の通産局でやりますとか、あるいは九州の場合は福岡通産局でやりますとか、どこ監視監督——本省でやることになっておるが、どこで一体全国の監視監督をやるのですか、どこへ届けて許可をもらうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/27
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028・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 許可の事務は中央で一括してやりたいと思います。自後の監督は実態把握がございますので、これは通産局にやらしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/28
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029・阿部竹松
○阿部竹松君 中央の本省まで来なければだめだということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/29
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030・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/30
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031・阿部竹松
○阿部竹松君 九州でやろうとしても……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/31
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032・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) それから省政令の関係は、この法律によりますと公布の日から三カ月以内に施行するということになっておりますので、現在準備を進めております。この法律ができましたら、できるだけ早く省政令をつくりまして施行いたしたい。かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/32
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033・阿部竹松
○阿部竹松君 これが最後という発言にあわせて尋ねて、また発言するのは恐縮ですがね、たとえば札幌とかあるいは長崎、鹿児島あたりで業務をやろうとするのに、中央に本社がある大きな会社は別ですよ、しかし小さくとも割賦販売をやっておるところがあるわけですから、そうすると、全部熊谷局長のおる通商産業省に来なければならぬなどということは、これは考慮願いたいですね。出発当初は別として、少なくとも九州の分については九州で手続をし監視監督を受けるんだと、北海道は札幌でやるんだというようなことをやっていただくように希望しておきます。しかし今の御答弁では、局長あまり確信持って御答弁したようでもないから、そこまで固まっておるかどうかわかりませんけれども、そのくらいはやはり通商産業省としては配慮していただきたいという要望を申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/33
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034・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 私のことばが少なくて申しわけございませんでしたが、許可を判定し許可証を出す事務は中央でやる。もちろん全国に業者は散らばっておるわけでございますが、許可をする場合に、その実態把握なり、あるいはいろいろな資料が必要だという場合は、もちろん通産局まで来ていただければいいようにいたします。それで通産局から中央にその事情を申達する、わざわざ中央まで業者の方においで願うというようなこと、そういう行政はやらないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/34
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035・阿部竹松
○阿部竹松君 さいぜんの御答弁は、ことばが足らぬのでなくして全然御答弁が違うようですが、それと同時に、三〇%の積み立てということは大問題ですね。あなたのほうで監督をして三〇%積み立てさせるのだと。そうすると、三〇%の金が、もし倒産によってないというときも通商産業省が責任を負うと、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/35
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036・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/36
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037・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 他に御発言ございませんか。——他に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/37
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038・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/38
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039・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。
割賦販売法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/39
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040・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本案の議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/40
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041・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/41
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042・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 次に、北海道地下資源開発株式会社法を廃止する法律案を議題といたします。
本案につきましては、先般提案理由の説明をすでに聴取いたしておりますので、政府委員から補足説明を聴取いたします。川野政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/42
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043・川野三暁
○政府委員(川野三暁君) ただいま議題となりました北海道地下資源開発株式会社法を廃止する法律案につきまして、その提案の理由を補足して御説明申し上げます。
北海道は、石炭、金属等の地下資源に恵まれているにもかかわらず、これらが山間僻地に賦存しておりますため、未探査のものが多くございますが、同社の設立当時は、北海道においては、いまだ十分な探鉱活動が行なわれておらず、また、民間の試錐事業も企業の数が少ない上に、経営規模も小さく、技術、設備ともに未熟な状態でありましたので、これら北海道の地下資源の開発を促進するため、国策として、昭和三十三年八月に同社が設立されました。
その後、政府による補助金政策の充実、事業団による探鉱融資制度の創設等の助成策が積極的に実施されたことと、民間それ自体の企業努力とが相まって、民間における探鉱活動が漸次活発になってきましたのに対し、同社の事業は、国策的事業たる自主探鉱が全事業最中わずか一%に満たない状態で、また経営も不振でありまして、必ずしも所期の効果をあげることができなかったのであります。
このような事情に加え、政府の方針として特殊法人の整理再編成が打ち出されたため、同社を民間企業に改組することとし、同会社法を廃止することとしたものであります。
なお、民間改組に際しましては、これを円滑に行なうために、従業員に対する退職金の支払い、再就職のあっせん等につき、できる限りの努力をいたす所存でございます。
次に、この法律案の内容でありますが、同法律案は本則で北海道地下資源開発株式会社法を廃止することを規定し、附則で、関連して必要となる若干の経過措置並びに北海道開発庁の同社に対する監督の権限規定を削ること及び同社に対する租税特別措置を廃止することを内容とする関連法律の一部改正を規定しております。
以上がこの法律案の提案理由の補足説明でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/43
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044・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) ただいま説明を聴取いたしました本案の自後の審査は、これを次回に譲りたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/44
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045・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 次に、衆議院送付の砂利採取法案を議題といたします。
本案につきましては、先般趣旨説明をすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入りたいと存じます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/45
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046・瀬谷英行
○瀬谷英行君 砂利採取法の改正ということになるのですが、この砂利採取法というのは、「砂利採取業の健全な発達に資するとともに、砂利の採取と河川の保全等との調整を図り、」と、こういうふうになっております。主として対象は、この場合は河川が多いと思うのでありますが、すでに河川の砂利というものは相当取り尽くされているのではないかというふうに考えられます。現に東京近郊の河川では、砂利がもう枯渇をして、そのためにだんだん陸砂利から山砂利に移っていっているという傾向があるわけです。一体、河川砂利の場合は、今日まだどのくらいの砂利資源としての寿命があるものか、それから、これから先行き河川砂利に対する保全といったようなことについては、この砂利採取法によって完ぺきを期せられるというふうに考えられるのか、まず建設省の河川局関係の意見を聞いてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/46
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047・多治見高雄
○説明員(多治見高雄君) お答えいたします。
お話しがございましたように、最近砂利需要が非常に増大いたしまして、それに対しまして河川砂利は一応現在の賦存量に限定がございますので、今後増大する需要に対処いたしまして、従来のまま放置いたします場合には、相当河川の治水上の問題が生じますので、従来のまま放置しておきます場合には、災害その他危険が予想されますので、建設省といたしましては昭和四十一年に河川砂利基本対策要綱という要綱を策定いたしまして、これを各都道府県、地方建設局等、河川を管理する機関に通達いたしまして、その要綱にのっとりまして河川砂利の採取を規制をいたしておる状況でございます。
そこで、現状の河川をそのままにいたしまして治水等の観点から支障のない範囲で砂利の採取を行なうということで、一応の試算をいたしますと、河川に賦存する砂利の敷量は大体六億トン前後ではないかというふうに考えられておりますが、現在の採取量、それから需要量等から考えまして、そう遠くない将来に河川砂利資源は枯渇するのではないかというふうにわれわれとしては考えておる次第でございます。ただ、お話しの中にございましたように、川につきましては、今後その砂利採取に伴いますいろいろな施設あるいは河川管理の対策を講じました場合には、なおこれ以上採取は可能ではないかというふうに考えられますので、われわれといたしましては、基本対策の中におきましても、現在の河川において、現在取っている砂利のほかに、なお未利用に残されたままの砂利があるのではないか、あるいは新しい河川管理施設をつくれば、新しい砂利を取れる可能性が出てくるのじゃないかという点にも着目いたしまして、こういった施策を今後施していけばどれくらい河川砂利がさらに増量して取れるのではないかという点を現在検討をいたしておる段階でございます。その具体的な方策といたしましては、それぞれの川につきまして、砂利採取の基本計画を河川管理者をしてつくらしめて、その基本計画に従って今度は採取いたすということで、組織的に現在実施に移している段階でございます。したがいまして、現在の状況で採取できる可能量より、今後その諸般の施策が進みました場合には、さらにある程度の増量が可能ではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/47
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048・瀬谷英行
○瀬谷英行君 要するに、遠からず将来枯渇をするという見通しがいまあるということなんですが、そうなると、将来の砂利資源というのは河川砂利に対してはある程度見切りをつけなければならないというふうに聞き取れるわけなんでありますが、将来の砂利資源をどの程度にその必要性を見積もり、主としてどういうところに砂利資源を求めていくかという需給計画といったようなものがあってしかるべきだろうと思うのでありますけれども、この砂利資源の今後の需給計画なり見通しなり等について、これは通産省からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/48
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049・吉光久
○政府委員(吉光久君) 昭和四十二年度におきましての骨材全体としての需要は四億五千万トン程度に達しておるわけでございますが、これを供給面で見ました場合に、砂利が約三億四千万、砕石——石を砕くほうでございますが——岩石砕石が約一億、その他の人工骨材なり高炉バラス等というふうなことで構成されておるわけでございます。今後の見通しといたしましては、当省で産業構造審議会の骨材小委員会の資料をもとにいたしまして推定いたしたところによりますると、昭和四十六年度におきましては、骨材の総需要は約五億八千万に達するものと見られております。この供給面で見ました場合には、これは河川砂利、山砂利を含めまして、砂利はおおむね現在程度で横ばいに推移するのではないであろうか、あと不足分につきまして、砕石、人工骨材、この伸びが見込まれるという状況でございます。で、従前の天然砂利の骨材の供給の中に占めておりましたウエート、約八割強であったわけでございますけれども、昭和四十六年になりますと、砕石が五〇%に近いところまで伸びてまいる、こういう需給の見通しとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/49
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050・瀬谷英行
○瀬谷英行君 まあ一言で言うならば、川砂利のほうはだんだんなくなってきた。そうかといって、砂利の必要性というものはどんどんふえる一方だから砕石、人工骨材、こういった方向に比重が傾いてきたということになるわけですね。将来その傾向は河川砂利と人工骨材なり砕石との比重というものはずっと変わってくるという見通しを立てているわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/50
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051・吉光久
○政府委員(吉光久君) お話しのとおりでありまして、骨材につきましては、やはり何と申しましてもいまの天然砂利資源というものにもやはり一定の限度がありますので、結局、総合的に骨材供給対策をつくらざるを得ない、こういう状況でございます。なお、天然資源に依存いたしております量が非常に多いわけでございますので、したがいまして、河川砂利等につきましても、さらに新規に供給できるかどうか、そういう点についての新規開発と申しますか、そういう点についての調査も建設省のほうでおやりになっておりますし、と同時に、天然砂利の大宗は河川砂利でございまして、陸砂利、山砂利ということになりますと、やはりいろいろなそれにまつわる問題、あるいは賦存している地域等によりまして、供給量におのずと限度があるというふうなことで考えざるを得ないというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、いまお話がございましたように砕石のウエートというものがだんだんとふえてまいる、こういうふうに推移してまいるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/51
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052・瀬谷英行
○瀬谷英行君 建設省の場合は河川の保全ということがやはり重要な問題になっている。河川の保全ということと、それから砂利の採取という問題と、やはり調整をはからなければならぬことだろうと思うけれども、河川の保全という点からするならば、これは相当規制をしていかなければならぬだろうという気がするわけです。その規制というのは、やはり建設省でもって計画をして規制措置を講ずるようにやっているのか、これは通産省のなわ張りのほうになっているのか、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/52
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053・多治見高雄
○説明員(多治見高雄君) 河川処理につきましては、ただいまお話しございましたように、われわれといたしましては、やはり治水ということを第一義的に考えておりまして、河川管理をまず第一義的に考えて、その条件の許す範囲で砂利の採取をしていただくという現在のたてまえで考えておりますが、したがいまして、ただいま提案になっております法案におきましても、河川砂利の採取につきましては、河川管理者がその採取について認可をいたすというたてまえになっておりますので、河川管理者といたしましては、やはり河川管理を第一義と考えて、その許す範囲で砂利の採取を許すということになろうかと思います。ただ、その許可数量その他につきましては、通産省のほうで全体的な需給計画その他を規定いたしておりますので、できるだけこれに即応して河川管理上許す範囲でこれに協力するというのがたてまえだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/53
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054・瀬谷英行
○瀬谷英行君 砂利採取法というのが、まあ砂利業者に対して相当な規制を強化をすることに今回はなってくると思うのですよ。実際問題として砂利業者がいままでは河川砂利を取っておったけれども、河川砂利がだんだん足りなくなってきたら陸から山のほうへ入っていく、こういうふうになった場合に、適用の方式が変わっていくというようなことは、まことにこれはぐあいが悪いのじゃないかという気がするのです。同じ業者が、いままでは砂利採取法の適用を受けておったが、今度は砕石法だ。いままでよりも山の中へ入っていくに従って規制がゆるくなっていくということは片手落ちだというふうな気がするわけでありますが、砂利採取法と砕石法とが、同じようなテンポでもって改められなければならないのじゃないかという気がするのですが、この点は一体通産省としてはどういう考え方で砂利採取法の規制を行ない、採石法のほうは手をつけなかったのか、この点をお伺いしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/54
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055・吉光久
○政府委員(吉光久君) お話しございましたように、河川砂利が、河川としての一つの保全の関係から、採取がだんだん制限されておりますに伴いまして、砂利の形態におきましても山砂利、丘砂利、旧河川敷であったようなところに、現に行なっています砂利の採掘のように、砂利の採取場所がいろいろ動くわけであります。同時に、他の面で、お話しございましたいわゆる岩石採石と申しますか、いわゆる俗称丘砂利、山砂利と言っている面もあるわけでございますけれども、そういう面での採石への転換というものもだんだんと進みつつあるわけでございますが、いまの砂利につきましては、これは山砂利、丘砂利であれ、新しい砂利採取法によりましても災害の防止をはかってまいりたい、こういうことで砂利採取法案を提案いたしたわけでございます。もう一方の、いわゆる岩石採石につきましては、現在採石法という法律によって取り締まりを受けておるわけですが、現在の採石法は昭和三十八年に改正を見ておりまして、従前の取り締まり体制は、現行の砂利採取法と同じように事後届け出制であり、あるいは監督命令等につきましても非常に狭い範囲の監督命令しかなかったわけでございますけれども、現行の採石法におきましても、実は現在の砂利採取法と違いまして、少し公害対策の面で一歩進んだ面が盛られておるわけでございまして、これはまず届け出にいたしましても、事前届け出制という方式をとっております。それから事前に届け出ました場合に、その計画の中に公害防止のために、これはある特定の措置をとることが必要であるというふうに認めました場合には、公害防止の方法につきまして、事前に通産局長の認可を得なければならないという規定が入っておるわけでございまして、この公害防止の方法の認可という制度の運用によりまして、実はこちら新しい砂利採取法で言う採取計画の認可というのと同じような取り締まりができる体制になっております。同時に、もう一つは事業停止命令、これも現在の砂利採取法にはないわけでございます。採石法のほうには悪質なものにつきましては事業停止命令も出せるというふうな制度までできておるわけでございまして、したがいまして、今回砂利採取法の改正と採石法とのバランス問題につきましても、御指摘ございましたように、いろいろと審議いたしたわけでございますけれども、この際、当面一番大きな災害を全国各地で起こしております関係の砂利採取法につきまして、抜本的な改正を加えまして、当面の問題としましては、採石法につきましては先ほど申し上げました制度を強力に運用してまいるということでこれに対処したらどうであろうかということで、今回は砂利採取法の抜本的改正のみを御提案申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/55
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056・瀬谷英行
○瀬谷英行君 砂利採取法の改正だってちょっと私はおそきに過ぎたという気がするんですよ。すでにこの砂利採取法を——これでも十分だとは思わないのでありますけれども、もっと早く改正をして河川砂利等の乱掘が問題にならないうちに手を打つべきだったのじゃないか、こういう気がしますね。もはや河川砂利のほうが枯渇をしてしまった、あと残りの寿命が幾らでもない、そういうときになってから砂利採取法の改正をするということは、涼しくなってからかやのつくろいをしているようなものだ。蚊が出なくなってからかやのつくろいをしておるというふうな感じがするわけです。いままでなぜほうって置いたか、こういう疑問があるわけですが、用がなくなってから改正をするというやり方を、採石法においてもまた行かうのではないかという心配があったから私はあえて聞いたわけです。いままで砂利採取法の改正を行なおうという考え方があったけれども、何かの事情でもってまあ逡巡せざるを得ないという事情があったのかどうか、これもこの機会に聞いておきたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/56
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057・吉光久
○政府委員(吉光久君) 砂利採取法の改正につきまして、おそきに失したという点につきましても、私ども最善の努力をいたしたわけでございますけれども、現実に御提案申し上げますには相当の時間がかかります点につきましては、非常に私ども自身努力が足りなかったところだと反省いたしておるわけでございます。ただ、この砂利採取法の提案がおくれましたのに特別の大きな実態的な理由というふうなものがあったわけではないわけでございまして、ただ現行の砂利採取法におきましては、先ほどお読み上げいただきましたように、第一条の目的の一番最初が、「砂利採取業の健全な発達に資する」というふうなこと、あるいはまた「砂利の採取と河川の保全等との調整を図る」というふうなことが現行法の目的になっておるわけでございますけれども、したがいまして、それに対応いたしまして、砂利の採掘につきまして、それぞれの法令によりまして許可を要する土地については、この砂利採取法の監督命令は及ばないというふうになっておるわけでございます。今回改正を決意いたしましたのは、あくまでも災害防止の観点から砂利の採取について規制を加えてまいる、こういうたてまえで検討いたしました関係上、その範囲の及ぶところが非常に広くなりました。非常に広くなりまして、結局他の法令との関係の法秩序の調整をどのようにやってまいるかという点、それからさらに実態的にも災害防止の観点から、根本的に内容を見直すというふうなことをやりました関係上、実態の判断と申しますか、そういう点につきましても相当の時間を要したという状況でございまして、提案がおくれましたことにつきましては、まことに私ども努力の足りなかったという点を反省いたしておりますけれども、以上のような実態でおくれてまいったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/57
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058・瀬谷英行
○瀬谷英行君 それでは今度採石法の問題でありますけれども、「この法律は、採石権の制度を創設し、岩石の採取の事業の健全な発達を図ることによって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と、こういうふうになっております。目的そのものが、岩石の採取の事業の健全な発達をはかるという、要するに業者保護が一番最初に出ているわけです。砂利採取法にあるように、まだ砂利採取法の場合には、砂利の採取と河川の保全等の調整をはかるというのが中にはさまっておりますけれども、この採石法についてはこういう、何といいますか、公益の維持というようなことが目的の中には入っておりません。もちろん、「よって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と、こういうところが一つの公益の保護ということになるのだという解釈なんでしょうけれども、根本が業者保護という観点に立っておって、この砂利の採掘に伴うもろもろの問題をどう解決をするかということについては、通商産業局長の判断にゆだねられているという形になっておりますけれども、しかもその窓口は都道府県知事になっておるわけです。市町村でいろいろ問題が起きてきて、それは都道府県知事を通じて通産局長のところまでいかない限りわからないようになっておるわけです。通商産業局自身がそういう山砂利を取るような地域々々に人間を配置をするというだけの余力は私はないだろうと思う。となれば、通商産業局長の判断にゆだねられるというだけで、この採石に伴うもろもろの問題を解決をするということはきわめて不十分になってくるんじゃないか、いま運用の強化によって云々というお話がありましたけれども、運用が十分に行なわれない場合には、かなりいろんな問題を巻き起こすという点を心配しなきゃならぬと思うのですが、現実にそれらの点について、一体今後運用の面で万全を期し得られないものかどうか、法の改正というものを必要としないというふうにお考えになっているのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/58
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059・両角良彦
○政府委員(両角良彦君) 採石法の目的の趣旨でございまするが、ただいま御指摘をいただきましたような面に関連いたしまして、先ほど化学工業局長からお答え申しましたように、公益の保護に関する規定が昭和三十八年の法律改正によりまして、特に強化をされてまいった経緯にもかんがみまして、採石関係の「事業の健全な発達」というその「健全」な意味は、やはり業者の保護という面だけでなくて、公益との調和をはかった意味での健全な発達、これを促進することが採石法の目的であるというふうに私どもとしては解釈をいたしておる次第でございます。また、その実際の運用にあたりまして、通産局長が実際の監督面の立場に立っておるわけでございまするが、現実に採石におきまする各種の公害問題につきまして、市町村において起こっておる事実がわからないのではないかという点につきましては、これは現在までの採石法の施行の状況にかんがみましても、また今後の事態を予測いたしましても、当該通産局長は十分その管内の採石場の実情について実態を把握いたしまして、市町村内における事態につきましても、事実の把握に遺憾なきを期することが可能であり、また、期すべきものと考えております。したがいまして、法規定上は都道府県知事に対しまする市町村長の要求という形式が与えられておりますので、これをもちまして運用上万全を期してまいることが可能であり、また、期すべきものと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/59
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060・瀬谷英行
○瀬谷英行君 しばしば各地で問題になっております山砂利の採取に伴う公害ですが、京都でも相当大きな問題になっておる。京都の新聞なんかには大々的に出ておったようでありますが、埼玉県の飯能の場合も、まあ山がはげ山になって、そしてその砂利の採掘が行なわれている。ここに地元の人たちから持ってきてもらった最近の写真があるわけでありますが、わずか五十ミリかそこらの雨でもってたちどころにこういうふうにくずれてしまっておるわけですね、これから先、しょっちゅう雨が降る場合、五十ミリ程度であるとは限らぬわけです。上何百ミリという雨が降るといったようなことが起きた場合に、はたしてこういうような山はだがこの程度のくずれ方で済むかどうかわからぬわけです。そういった面を考えると、地元の人たちの不安というものはなかなか除去できないと思うのです。しかも間に入っておる県が、砂利の業者に対して十分に従来きびしい態度をとってきておれば、市町村のその県の指導に対する信頼というものも厚いであろうと思うのでありますが、それがそうでなくて、きわめて砂利に弱いといったようなことになってくると、市町村は安心していられないということになるのじゃないかと思うのです。だからこういう山砂利の採掘に伴う公害というのは、これから先どんどんふえてくる。先ほどもお話があったように、川砂利から山砂利のほうに変わってきておるわけでしょう。そうすると、これからどんどん山砂利の採取ということが多くなってくる。多くなってきて手がつけられなくなっていくから、またまた今度は採石法を強化するというようなことになったのでは間に合わないだろうと思うのです。それを考えるならば、当然その事前に採石法についても検討を加えてすみやかに先を見て改正をするという用意がなければいかぬのじゃないかと思うのでありますけれども、先ほど大臣がおられたけれども、まだ衆議院のほうから戻って見えてないようでありますが、そういう点についての政府としての考え方はどうなのか。次官にひとつこの機会にお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/60
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061・熊谷太三郎
○政府委員(熊谷太三郎君) だんだんお話がありまして、河川の砂利がだんだん枯渇してまいりまして、丘砂利、山砂利に及んでいく。さらに採石に及んでいく、それについていろいろな公害問題も非常に大きくなってくるというようなことで、採石に関する法令の改正を検討する必要があるのじゃないかというようなお話だと思います。まあこれにつきまして、現行の法令を十分に強力に運用していけば、そういう面の公害も防げるという考えを一応は持ってはおりますけれども、しかし、なかなか実際的にはそういう半面もあるような場合もございますので、この問題につきましては、政府といたしましては十分ひとつ検討したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/61
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062・瀬谷英行
○瀬谷英行君 この写真は、通産局のほうで一応現地を見て、これくらいにしておけばだいじょうぶだろうという、太鼓判までいかないけれども判こを押した結果が、わずか五十ミリの雨でもってこういうふうにくずれてきているという現状なんでありますから、これはひとつごらんになっていただきたいと思います。そっちに回していただきたいと思います。災害というのは、私はやはり甘く見ちゃいかぬと思うのです。災害を甘く見ろというと、あとで取り返しのつかないことになる。だからこの採石法についても、このままの条立であるというと、現実にいろいろな問題が起きているわけでありますから、その現実に起きている問題は、現地の人たちにしてみれば歯がゆい限りなんです、実際には。その歯がゆい限りであるという例は幾つもあげることができるわけです。たとえば京都でもそうだったんですけれども、一日にダンプカーが、操業するというと、五千台も六千台も通る。そうすると危険でもあるし、騒音も激しいし、道路もこわされる。こういう問題が出てくるわけですね。そういう問題に対して、じゃ通産省としてはどうするか、通産省自身その問題に対して顔をそむけるということは、私はできないだろうと思う。道路がどんなにこわされようとも、交通が困難になろうとも、それらの問題は通産省の関知したところではないということになるのか。あるいはそういう問題に対しては、これは建設省の仕事になってきてしまうのか。その点は一体どうなっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/62
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063・吉光久
○政府委員(吉光久君) 砂利の輸送に関する問題でございますけれども、現在輸送自身を取り締まっている法令といたしましては、先生御承知のとおり道路交通法でございますとか、あるいは道路の損壊という面から道路法にも規定がございますし、あるいは新しい、先般成立しましたいわゆるダンプ規制というふうなもので、いわゆるダンプについての輸送あるいはそれが道路を損傷いたしました場合における責任と申しますか、あるいはそれに対する規制というふうなこと、あるいはその道路に対する交通制限と申しますか、いろいろな形で規制を受けておりますけれども、ただ、何ぶんにももとが砂利山であるというふうなことでございますので、今回の法案におきましては、輸送規制自身に直接は触れておらないわけでございますけれども、申請書の中に、付近の道路網に通じますところの輸送手段というものについて、添付書類として申請書類を出させることにいたしておるわけでございまして、同時にもう一つ、砂利公害の問題でいわゆる水漏れ運転というようなものがあるわけでございますけれども、この水漏れ運転の問題につきましては、山元へ水切り装置を設けさせる、これを今度の公害防止の、災害防止関係の認可系統の手段に関するそういうものを具体的に盛り込みたいと思っているわけでございます。
〔委員長退席、理事宮崎正雄君着席〕
したがいまして、水切り装置を設けさせまして、そこで水切りをした砂利を運搬してもらうという点、それから第二は、付近に通ずる道路等につきまして、たとえば農道しかないというふうな場合につきましては、そこらの道路に関する施設ができない限り、採取計画の認可はいたさないということ、あるいはまた、同時に集中的な大量輸送というものが、交通についての公害を起こすというふうな事態と判定されました場合には、一日の採取量につきまして条件を付するというふうな手段をも併用いたしまして、同時にまた、この輸送公害に関する問題は、砂利採取業者だけを監督すると申しますよりか、むしろ広く砂利の運搬業者というふうなものも含めて監督する必要がございますので、採取計画についての認可申請がございました場合には、関係市町村はもとより公安委員会、あるいはこれは輸送の関係でございますので、公安委員会のほうの時間制限というふうな問題もございましょうから、公安委員会その他広く関係行政機関の御意見を伺った上で、採取計画についての最終判断をする、こういう仕組みをとりまして、少なくとも砂利の採取によりまして交通公害、この採取法の角度から押えられるだけのものは押えてみたい、こういう形で立案申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/63
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064・瀬谷英行
○瀬谷英行君 実際問題として、いま農道の話も出ましたけれども、埼玉県の江南村なんかでも村道というものが切られてしまっているわけです。全然大きな穴があいてしまって、そこへ水がたまって道がなくなっちゃっているわけですね。こういう問題が起きているわけですよ。現実に熊谷周辺にもそういうところが何カ所かあります。私も見てまいりました。最近雨が降るたんびにどんどんどんどんくずれていって、いままで道路のところまできてなかったものが、道路が半分ぐらい削られてしまった、きわめて危険な状態にある、こういうような事例を幾つか見てきております。書類の上では、こういう規制もやります、ああいう規制もやります、この法の運用でやっていますと、こう言ったって、現実には埼玉県でも東京でも神奈川県でも京都でも、砂利の乱掘に伴う公害というものはきわめて大きいわけです。これが社会問題になっているわけです。だからこれは、法網をくぐって乱掘をする業者にも問題があるといってしまえばそれまでなんですけれども、単にこういう場合に業者の自覚を促す程度じゃこれに間に合わない。現実にこういうふうに起こっている問題に対して、一体どうやって解決するのか。大きな穴を掘りっぱなしにして、そのまま逃げてしまうなんという業者がざらにあるわけですね。そういう業者はけっこうまた別のところへ行って何か仕事をやっているわけです。一体こういういま起きている数々の、それこそ全国各地でもって起きているんじゃないかと思われるこれらの問題に対して、今日、取り締まりの上でこれで十分だと言い切れるものかどうか、かなり私は疑問があると思います。その点は政府として考えなきゃならぬ問題だと思うんですよ、これは。法律は確かにある。この法律によってやっていけば、本来ならばいま起きている砂利公害は起きないはずなんですよ。いま局長が答弁されたように、運営によってやっていけます、局長の答弁に関する限りは、砂利の乱掘に伴う公害というものは日本国じゅうどこにも、一つもないはずなんですよ、そうでしょう。現実にはそうじゃないでしょう。現実とあなたの答弁との食い違いは、一体どこにあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/64
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065・吉光久
○政府委員(吉光久君) 先ほどお話し申し上げましたように、現行の砂利採取法につきまして監督権の範囲が非常に狭くできております。したがいまして、現行の砂利採取法を運用いたします限りにおきましては、いま御指摘ございましたような取り締まりの手が及ばないという面が多々出てまいっておるわけでございます。したがいまして、現在私どもでやっておりますのは、現行法そのものでは手の及ばないところにつきまして、いわゆる行政指導と申しますか、砂利業者等に対する行政指導という形で問題を具体的に処理いたしておるわけでございますけれども、しかし行政指導でやります場合に、どうしてもそこにおのずと限度が出てまいりますことは、いま御指摘のあったとおりでございます。したがいまして、今回の砂利採取法におきましては、現に起こっているような砂利災害を前提にいたしまして、そういうものを事前に起こさないような手段を講じたいということで、現行法を根本的に改めるということにいたしたわけでありまして、先ほど私御説明申し上げましたのは、実は現行法の御説明ではなくて、新しく現在提案いたしております砂利採取法につきましての考え方について御説明申し上げたわけでございまして、したがいまして、現に起こっておりますような事態につきましては、私どもの希望といたしましては、この砂利採取法案の成立を待ちまして、この砂利採取法の手段によりまして根本的にいま御指摘を受けた災害の防止をはかってまいりたいと私ども考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/65
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066・瀬谷英行
○瀬谷英行君 そうすると、今回提案をされた砂利採取法の改正ということが実現をすれば、いままでのようなことはなくなるのだというふうに聞き取れるわけです。ほんとうにそうならけっこうなことなんですけれども、まだまだ私は採取法の対象を河川のほうに重点を置かれておるという点から考えると、今後予想される山砂利の問題については、相当にこれは問題があるというふうに判断をするのは当然ではないか、こういう気がいたします。そういう点を考えるならば、採石法等についても政府として考える義務があるのじゃないか。衆議院の附帯決議でも採石法について触れられておりましたけれども衆議院の附帯決議等も尊重をするならば、採石法についてもこれは当然考えなければならぬだろう、こう思われます。その点、政府としてのお考えを再度具体的にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/66
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067・熊谷太三郎
○政府委員(熊谷太三郎君) 先ほどお答えいたしましたように、慎重にひとつ早急に政府として検討したいということを申し上げたわけでありますが、具体的にとおっしゃいますと、いまここで直ちに具体的にこうする、ああするということは申し上げかねますが、ひとつ慎重にかつ早急に検討したいということだけは、ここで申し上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/67
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068・瀬谷英行
○瀬谷英行君 砂利採取法の改正によって、いままであったような砂利の乱掘に伴う公害は防止できるのだという御答弁があったのですから、それならばこの砂利採取法の改正でもって手の届かない採石法の分野等について、もし問題が起きるということであれば、この採石法の分野についても、つまり山砂利の範囲になってくるわけですが、そういう分野について直ちに法の不備は補う、あるいは法の強化をする、こういう考え方があるものだというふうに理解をしなきゃならぬのでありますけれども、そのような理解をしてよろしいのかどうかということです。
〔理事宮崎正雄君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/68
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069・熊谷太三郎
○政府委員(熊谷太三郎君) そのとおりにお考え
いただいてけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/69
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070・瀬谷英行
○瀬谷英行君 そういたしますと、これはもう飯能の例だけではなくて、各地で現に起こっている問題あるいは起こりそうな問題、これらの点については、現地の状況というものを正確に把握した上で、行政指導で及ばない点は法の改正によって措置するのだ、このように解釈をされるわけです。行政指導の面といっても、いま公明党の矢追さんに京都の新聞も見せてもらいましたけれども、一面のトップ記事になっているわけですね。山砂利の採取に伴う公害が埼玉県だってやはり地方版の大きな記事になっております。東京都にしても神奈川県にしても似たり寄ったりの問題があると思うのです。だから、こういう問題は現に起こっている、あるいは起こりそうな問題については、この機会に、政府として責任を持って解決をするのだ——いかなる方法を講ずるかは別であります。これは通産省の行政指導なのか、あるいは建設省の分野にわたるのか、それはいろいろあるでありましょうけれども、何らかの方法をもってすみやかに解決をするのだという決意を、この機会に私は伺っておきたいと思うのですが、その点はどうでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/70
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071・熊谷太三郎
○政府委員(熊谷太三郎君) ただいまのお話しでございますが、政府といたしましては、お話しのとおり責任を持ってそういうあと始末を考えたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/71
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072・土屋義彦
○土屋義彦君 先ほどの御質問に関連いたしまして二、三お伺いしたいと思います。
現在埼玉県におきましては昭和四十二年九月一日から施行しておりまする内陸砂利採取事業対策要綱、砂利採取に伴う農地転用事務処理要領、山林又は原野における砂利採取基準指導要領に従って地下資源の利用と公益保持との調整につとめ、行政指導によって道路がこわされた場合など、業者に修理することを約束させるようでありますが、一向に聞きいれてくれないのは偽らざるところの現状でございます。農地法に違反いたしましても三年以下の懲役、十万円以下の罰金という軽い罰則のために、刑罰を承知の上でやっておる業者が多いとのことであります。今回の改正によって無謀な砂利採取業者に対する罰則はどういうことになるのか、この点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/72
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073・吉光久
○政府委員(吉光久君) 今回の砂利採取法におきましては、まず第一に砂利を採取いたします場合に、砂利採取業者につきまして登録制を施行いたしておりますと同時に、登録を受けた砂利採取業者も採取計画につきまして認可を受けました上で採取にかかるという条項がございます。と同時に、またいろいろの監督、命令規定があるわけでございますが、これらの無登録業者あるいは無認可業者あるいは監督、命令に違反した事業者というふうなものに対しまする罰則は一年以下の懲役または十万円以下の罰金あるいはまたこれらの併科ということになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/73
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074・土屋義彦
○土屋義彦君 罰則が非常に軽いような気がいたしますが、その点につきまして再度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/74
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075・吉光久
○政府委員(吉光久君) 罰則を強化いたします点につきましては、私どもこの法案を提案いたす前に非常に慎重に、何らかの形で強化できないかということで、法務省の刑事局とも数回にわたりましてそこらの事情をも含めてお話し申し上げたわけでございます。法務省のほうでは、こういうふうな罰則につきまして、全体として現在検討を行なっておられるようでありますけれども、現行法の砂利採取法のこういう行為に非常に類似した行為に対する罰則と申しますか、たとえば河川法におきましても、あるいは先ほどの採石法におきましても、あるいは最近できました宅地造成等規制法あるいはがけくずれ等を取り締まる法律がございますが、そういうふうな法律におきましても、みなこれと同じような罰則になっております関係上、何と申しますか、刑の横の公平といいますか、そういう観点から、この際はこのとおりでこういう結論になったわけでございまして、したがいまして、将来、全体の法律体系の問題といたしまして法務省で検討が進められておるようでございますので、それらと見合いの上でさらにこの罰則強化の問題につきましては考えさせていただきたい、このように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/75
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076・土屋義彦
○土屋義彦君 三月十四日の参議院の建設委員会におきまして、瀬谷委員から砂利の乱掘による公害問題につきまして御質問があり、それに対しまする答弁の中で、坂野建設省河川局長は、一級河川の区域内の砂利採取は河川法で取り締まるが、都道府県が管理する二級河川や河川敷内の民有地などの砂利採取は都道府県、市町村と十分連絡をとり違反採取できないよう監視の目を光らす考えであると答弁しております。また通産省の竹村窯業建材課長は、農地を転用して丘砂利を掘る業者には転用許可条件をきびしくして、掘ったあとは完全に埋め戻すよう指導すると答弁しておりますが、その後どのような行政指導がなされておりますか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/76
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077・多治見高雄
○説明員(多治見高雄君) 河川砂利の採掘の点についてお答え申し上げますと、建設委員会で河川局長から御答弁申し上げましたように、最近の砂利の需給状況その他から、極端な場合は砂利の盗掘といったような問題が非常に頻発してまいりましたので、われわれといたしましては、先ほど御説明申し上げました河川砂利基本対策要綱、この策定以来特に河川砂利の採取については監視を厳重にいたしたいということで、河川法に河川監理員という制度がございますが、これの充実をはかってその活動をできるだけ機動的にやるということで行政指導をしている状況でございます。それで建設委員会の答弁の中にございましたように、一級河川につきましては建設大臣が直接管理しておりまして、これは建設省の職員が河川監理員になりましてその監督の任に当たっております。二級河川につきましては、都道府県知事が管理をいたしておりますので、二級河川につきましては都道府県の職員が河川監理員ということでこの監視に当たっている次第でございます。それに関連いたしまして、御提案申し上げている法案が成立いたしました場合は、同様に一級河川につきましては大臣、二級河川につきましては都道府県知事がそれぞれ河川管理者でございますので、現在と同様それぞれの河川についてそれぞれの職員が監視に当たるというたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/77
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078・吉光久
○政府委員(吉光久君) 農地との関係についての一御質問につきましてお答え申し上げます。
実は昨年農林省の農地局のほうと、昨年の七月十五日でございますけれども、お話しいたしまして、砂利採取業者が行ないまするところの砂利採取についての農地転用許可についての基準というものにつきまして、両省間で意見の一致を見まして、その意見一致いたしましたところで、農林省のほうでは地方の農業委員会のほうにその通達をお出しになったわけでございますが、その骨格は、いまお話がございましたような埋め戻しが確実にできるようなものでないと砂利の採取についての農地転用の許可はしないというふうなこと、あるいはまた周辺に幼稚園とか小学校等、人がたくさん集まるような、そういう場所の周辺では砂利の採取についての農地転用は認めないというふうなこと、その他具体的ないろいろの条項について農林省のほうでも積極的に御研究いただきまして、その旨がすでに都道府県の農地系統の部局、あるいは農業委員会等に指示されておるわけでございます。ただ今回の法案の中に考えましたのは、そういう問題につきましては、やはり採取計画の認可の段階にあたりまして関係農地部局その他と十分に協議申し上げて採取計画の認可は扱ってまいるというようなことにいたしたわけでございまして、現在のような農林省と私どものほうで意見の一致を見ております問題につきましては、採取計画の認可制度の運用の問題として考慮してまいりたい、このように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/78
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079・土屋義彦
○土屋義彦君 それから業者が倒産したような場合に、掘ったあとを埋め戻しができないといったような場合には、どこが責任をとることになりますか。その点につきましてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/79
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080・吉光久
○政府委員(吉光久君) 現在の農地法との関連における運用におきましては、そういう埋め戻しについて、すでに土砂等の入手先が確保されておる、あるいはまた確実にそれが埋め戻しができるということの担保条件がある等が運用の基準になっておるわけでございます。したがいまして、事前にそういう点につきましてチェックいたしました上で、要するに、特に埋め戻しが必要であるというふうな面につきましては、転用の許可に際しましてそこらを担保してまいりたいと、こういう方針で現在やっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/80
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081・土屋義彦
○土屋義彦君 先ほど瀬谷委員から県の行政指導が非常になまぬるいといったようなお話がございましたが、県の係官の話によりますと、通産当局からもしばしば視察には来てくれるが、ただ見に来てくれるだけで何の指導もしてくれない、県としては被害者と業者の間の板ばさみになって非常に困っておるのだと言って嘆いておりますが、県に対する通産当局の御指導はどのような御指導がなされておりますか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/81
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082・吉光久
○政府委員(吉光久君) 現行砂利採取法におきまして、実はこの具体的な処理権限が通産局長に与えられておるわけでございます。したがいまして、通産局長が直接業者に対していろいろの勧告あるいは指導等いたしておるわけでございますが、具体的な内容につきましては、それぞれいろいろな問題がございますので、一応それぞれの現場現場に応じまして公害対策の協議会というものを設けておりまして、その協議会の中に県の方も入っていただいておるというふうな状況でございまして、その協議会できめられました事項について、それぞれ監督官庁で命令を発動する、こういうたてまえをとっておるわけでございます。ただ、今回御提案申し上げました砂利採取法案におきましては、通産局長を第一線にしないで、災害防止等の認可計画につきましては都道府県知事または河川管理者、これを認可権者にいたしておるわけでございます。したがいまして、従来のように都道府県と通産局との間の連絡パイプについて御非難を受けるような事態は、今後はなくなってまいる、このように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/82
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083・土屋義彦
○土屋義彦君 埼玉県の熊谷のもと飛行学校のあとの開拓地に起きている問題でございますが、本年の二月ごろから二業者が入り込んでまいりまして採取の許可もとらず、また農地法にも違反して採掘し、道路はこわされ、また民家の土台近くまで掘られて、身の危険にさらされている、こういう事実が起こっております。そこで関係地域の皆さん方が市当局並びに県に対しまして実情を訴えたけれども、さっぱり取り上げてくれないので、先般簡易裁判所に業者の立ち入り禁止仮処分を申請し、十四日に民家に近い部分だけが仮処分が執行されたとのことであります。さらに熊谷警察署にも告発手続をとったやに聞いておりますが、この点につきまして何か聞いておりますかどうか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/83
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084・吉光久
○政府委員(吉光久君) 私どもまだ報告を受けていないわけでございますけれども、いまのお話をお伺いいたしますと、農地の無断転用と申しますか、農地法違反というような問題のようでございますが、ただいま農林省のほうからはお見えになっておりませんので、詳細お答え申し上げることができないわけでございますが、現在の農地法の運用基準で農林省とお約束している線では、そういうものについてはどんどん取り締まってまいるというようなことでお約束いただいておりますので、したがいまして、すぐに、さっそく調査いたしますけれども、こういうことの絶滅を期したい。したがいましてこの砂利業者等につきましても——砂利業者に対しては、実は無許可ではなくて、砂利採取許可につきましては、現行法は、掘ったあと、届け出をすればよろしい。こういうことになっております。したがいまして、無届けで現に掘っているというふうな悪質な業者であります場合には、現行の砂利採取法違反者として告発の手続をとる、というふうなことも考えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/84
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085・土屋義彦
○土屋義彦君 書類を申請してから三カ月から五カ月かかるので、業者は商売にならないということで、県では便宜上内示をして業者の利益をはかっているということも聞いております。その点の指導はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/85
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086・吉光久
○政府委員(吉光久君) おそらくその書類は農地法上の申請手続の書類ではないかと思うわけでございますが、現在の砂利採取法におきましては、そういう許可という制度はないわけでございまして——新しいものにはございますけれども——現行の砂利採取法には許可制というものはとられておらないわけでございますので、おそらく農地法のほうの関係の許可手続ではないかと、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/86
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087・土屋義彦
○土屋義彦君 先ほど申し上げましたとおり、いままでの通産当局のこの種の業者に対する規制が非常に甘かったような気もいたします。また、先ほど来局長さんから率直に御答弁ございまして、私も了解いたしましたが、もちろん通産省といたしますれば取り締まるばかりでなく、業者の保護ということも必要でございますけれども、今回出された砂利採取法だけで十分効果をあげるだけの御自信がありますかどうか、その点につきまして政務次官にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/87
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088・熊谷太三郎
○政府委員(熊谷太三郎君) その点につきましては、先ほど瀬谷委員にもお答えしたとおりでございますが、幸いに現在の提案しております法案が御採決いただければ、これによりましてそういう公害問題の防止につきまして万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/88
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089・土屋義彦
○土屋義彦君 もう一点。交通難の緩和対策の一環といたしまして骨材の流通センターですか、これを設置するやに聞いておりますが、その点につきましてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/89
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090・吉光久
○政府委員(吉光久君) お話がございましたように、交通公害を排除いたしますと同時に、骨材に占めますところの輸送費のウエートが相当大きな地位を占めておる。大体コストの中の六〇%くらいは輸送費でございます。そういう関係をあわせ考えまして、実は現在運輸省、建設省、通産省、三省共同で、具体的にいま一番問題になっております東京周辺、それから名古屋周辺、大阪周辺、とりあえずこの三カ地点につきまして骨材の積極的な開発と同時に、それを需要地に結ぶ結び方の問題、これは場合によりましたら船舶輸送というふうな問題もございます。船舶輸送に伴いましては専用埠頭という問題もございます。あるいはまた従来ダンプにのみ依存しておりましたものにつきまして、状況によりましたならば鉄道輸送によるというほうが便利であるし、同時に危害も少ないというような事実もあるわけでございますので、具体的に地点地点で、そういうふうな問題について輸送手段をどうしたらいいかということを含めまして検討を加えておるわけでございます。同時にまた、その問題とからみまして、やはりだんだんと輸送距離が長距離化してまいりますと、適当な場所に、要するに砂利の大きな集積場と申しますか、そういうふうなものを設けることもやはり流通対策の一環として重要ではないかということで、そういう点を含めまして現在具体的なプロジェクトを練りつつある状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/90
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091・瀬谷英行
○瀬谷英行君 ちょっと私のほうから提案したいことがあるのですがね。この問題についてはやはり現地を見てもらうというのが一番いいのじゃないかと思うのです。きょう、地元の人からもらった写真等も持ってきましたけれども、写真を見る程度で、あと、机の上でああじゃない、こうじゃないということを言ってみても、なかなか始まらないと思うのです。それでしかも、いまも答弁がありましたけれども、通産省だとか建設省だとか農林省だとか運輸省だとか、みんなからんでおるのでしょう。そうすると、一体どこが中心になってこの砂利採掘に伴う公害の問題を解決をしたらいいのか、その持っていく場所が今度わからない。建設委員会で論議をしたり、商工委員会で論議をしたり。しかし問題は深刻なんです。いかに砂利採取法の改正によって何とかうまくなるだろうといってみたところで、小手先細工だけでは私は問題は解決しないという気がします。ですから、できれば、今度の国会の会期中はなかなか困難があると思うのです、あと幾日もないから困難があると思いますけれども、やはり委員会として問題になっているような個所については、現地に行って視察をするということをやってもらったらいいのじゃないか、こういう気がいたします。たとえば京都の何町といいましたか、ちょっと忘れましたが——京都の城陽町とか、それから静岡でも問題がありますし、埼玉でもたくさん問題があります。東京都でも問題がある。もうこういうようなところを現実に見て、そうしてその原因は何か。どうしたらいいか。今度の砂利の規制は現行法で間に合うのか、間に合わないのか。欠陥はどこだ、抜け道はどこだ。こういうようなことを私は研究してみる必要がある。その意味では、まあ時期とか方法というものは一任したいと思いますけれども、現地の視察というものを委員会としてやってほしいということを私は提案したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/91
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092・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) ただいまの瀬谷君の御提案に対しては、過去の委員会におきましても、砂利採取、採石に関連して熱心な長時間にわたっての議論がなされております。また、過去において阿部委員からも実情について詳細に説明もあったわけでありますが、委員会も何ぶんにも終末期に入っておりまするので、この二十四日−五日までは、この法案の採決までにこれを実行するということはちょっと困難であると思いますが、その後に、この実際の監督その他について各省の間に御説明があったことをわれわれが聞きましても、実際その窓口は一体どこにしぼればいいのかというようなこと、また実際の監督、あるいは救済等についてどうするのが一番いいのかというような問題は残るように思います。したがいまして、通産局においてこれによく善処するという先ほどの答弁はよくわかりますが、委員会として、この点については一つの問題として取り上げても差しつかえないと思いますので、後刻理事打ち合わせ会におきまして協議をいたしまして決定をし、その上で後日の委員会にはかり、委員会の今後の法案の進捗に差しつかえない方法で考えていきたいと、かように考えております。それでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/92
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093・阿部竹松
○阿部竹松君 土屋委員のお尋ねに対して、尋ねた中身は、この法案で完全に守れるかということが中心で最後にお尋ねになったと思いますが、熊谷政務次官は、万全にしてだいじょうぶでございますというように答弁したとお聞きしておりましたが、実際この法案で、これはとても守ることもどうすることもできませんよね。ということは、これはやはり日本の国全体のアンバランスの経済のひずみ、こういうことがやはりこの問題にもあらわれてきておるのではないかと思います。ということは、関東、特に東京を中心にして、大きなビルが一つ建つことによって、その近辺の地域から建材をどんどんどんどん採取してくるわけです。ですから、関西において、大阪でも京都でもビルが一つ建つごとにその付近の砂利なり採石を激しくやられるものですから、中身が違っても同じような問題が次から次と出てくるわけです。ですから、相当しっかりした法律をつくって規制してやり、地方の自治体もしっかりしなければ——ただ三割自治だと言って中央政府が権限を持っているからということで、自分たちのところに火の粉がかかってきたのを払わぬで、そうして中央がけしからぬといって最後は中央に持ってくるがごときではだめである。したがいまして、この法律も、熊谷政務次官におことばを返すようになりますが、これでとても万全を期せられるものではないというふうに私は判断するわけです。
そこで、法案の中身に入る前に、二、三点まずお伺いいたしますが、いままでの瀬谷君、土屋君の質問に対して、農地法とか、法律ばかり吉光局長は振り回して、まるで裁判所に行ったようなわけで、あなたは、法律は守ってもらわなければならぬけれども、行政官ですからね、行政指導の面でもこれはお尋ねしなければならぬわけです。
そこで、第一番目にお尋ねしたいことは、まあ瀬谷君もおっしゃっておったし、土屋君もおっしゃっておったが、埼玉で起きておる問題ですね、これは法律は法律としてあなたのほうで、あるいは両角局長さんのほうで御努力願えれば、幾らか、法律云々でなくても、地域の人に満足してもらえる点があるのではないかというようなことでお話し合いをしましたが、ここにたまたま東京通産局からもおいで願っておりますので、たとえば農地、農業委員会にかけぬで、そこにへどろを落としたり、あるいは狭い道路を複線あるいは待避線もつくらぬでトラックを通したり、こういうことをやっておったのは、これは法律があろうがなかろうが、直せるわけですね。道路より砂利を洗ったへどろが高かったりして、こんなのは法律がなくても、皆さん方のほうでがっちりと指示を出し、熊谷であるか飯能であるか、どこかわかりませんが、そこの自治体の首長がしっかりしておれば、国会で論争にならぬと思うのですが、まあ東京通産局が御存じだと思いますが、その後どうなったか、ひとつお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/93
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094・鈴木正美
○説明員(鈴木正美君) 阿部先生のお尋ねの件でございますが、おっしゃるとおりの面もあるわけでございまして、法律上の権限に基づきませんで、行政的な措置でございますが、例の会社に対しましては、一応勧告ということで、たとえば道路のところは、最近、へいもなかったのでございますが、たとえば子供が入り込む危険性もあるというようなことで、へいもつくれとか、あるいは廃土の捨て場所にございます廃土の流出の危険を防ぐために、これはまあおそらく一種の堰堤みたいなものが必要かと思いますが、そういうような何らかの措置をしろとか、あるいはこれは県の問題になろうかと思いますが、河川敷の埋め戻しの問題、こういうものについてはひとつ県の河川課の指導をよく聞いてやれというようなことを勧告としてやったようなこともございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/94
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095・阿部竹松
○阿部竹松君 県の河川課は、どこからどこまでの範囲の仕事をなさっているかわかりませんけれどもね、一例として申し上げました飯能の国分ですか、そこの砂利採取場は河川じゃ全然ないわけです。ですから、埼玉県の場合は、何課か、私は埼玉県人でないからわかりませんけれども、そうしますと、あの問題のようなことは、この法律が通れば一切解消するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/95
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096・吉光久
○政府委員(吉光久君) いまの入間川に関連いたします国分産業の関係は、これは実は砂利でございまして、入間川沼岸の山砂利、要するに岩石採石のほうではなくて山砂利を採取しているわけでございます。したがいまして、この新しい砂利採取法の適用対象として、当然に監督規制を受けるということになるわけでございます。ただ現在、砂利採取法の成立を待つまでもなく、やはり先ほどお話がございましたように、行政指導の面で相当のことを東京通産局長やってもらっておるわけでございますけれども、ただ最後のきめ手がございませんので、最後のきめ手と申しますか、やらなかった場合にどうというふうな意味でのきめ手がございませんので、新砂利採取法ができますと、特に現行砂利採取法には入っておりません河川汚濁の問題、要するに砂利の洗浄に伴う汚濁問題等につきまして、法律的な根拠を持った上で業者に対して命令ができるという状況でございますし、また、それを聞かない場合、あるいはまた危害がございます場合には、一時営業を停止させるという制度もあるわけでございますので、したがいまして、現在の砂利採取法の運用によるよりは、新砂利採取法によりまして取り締まるほうがより厳格な規制ができる、このように判断いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/96
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097・阿部竹松
○阿部竹松君 現地の市長さんが、そのような業者に了解を与え、農業委員会がまた農業委員会で農地を転用されても黙っておる、こういうような自治体ですから、いかに皆さんがてこ入れしても容易なことでなかろうと思うのですが、この業者も、私の調べたのは間違っておるかもしれませんけれども、日本全国で六千七百あるのですね。そのうち資本金五千万円をこえる企業はたった十二で、九九・九%は中小企業で、このうち五〇%は従業員二十名以下というような業者なんで、それで資本金百万円以下の零細業者です。日本中の砂利業者全部を集めても、熊谷政務次官の、前に社長やっておられた熊谷組よりもまだ小さいわけなんです。これが全国におるのですから、法律をつくってもなかなか簡単に指導するというわけにいかぬでしょうけれども、たとえば採石法といま審議している砂利法と、両方あるわけですね。これをなぜ一本にできぬものでしょうかね、私どもの仲間は、勉強不足だとおっしゃられるかもしれませんけれども、通産省に大体石のほうがあるのはおかしいのではないか、石のほうは建設省だろう、こういうのが一般常識論です。しかし、各部局で仕事をなさることは歴史の沿革がありますから、その点は了とするにしても、砂利と採石と一つにして、そうして取り締まってこそ完全にできると思うのですよね。採石のほうでも仕切りがある、砂利のほうでも仕切りがあるというようなことでは、これは完全に目的を果たすことができないのじゃないんですか、そういうやはり機構の不備があるというように私は判断いたしますが、法律つくって魂入れずで、なかなか法律つくっても運用の妙を得なければ何もならぬわけですから、そういう点について、両局長さんどちらでもけっこうですから、通産省としては大臣、次官が最高の責任者でありますけれども、通常のお仕事は、両局長のほうが中心になってやっておられるわけですから、こういうことは答弁しにくいかもしれませんけれども、毎日お仕事なさっておって矛盾を感じませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/97
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098・熊谷太三郎
○政府委員(熊谷太三郎君) 私にということではございませんが、私のお答えが不備でございましたらまた補充いたします。
この法案が成立しても砂利採取の公害については万全を期し得ないと思うというお話しでございますが、私どもといたしましては、万全を期するつもりで進んでいきたい、しかし、将来におきましてなおいろいろ不備な点ができれば、もちろんいろいろの検討を加えなければならぬということは言うまでもない考えております。
それからいま先生のお話しの砂利採取法と採石の関係が別々になっているのはおかしいではないかというようなお話しでございますが、お話しのように、従来の経緯その他いろいろな関係もございまして、砂利の問題と採石の問題とは二つに分かれて管理されているわけでありますが、これらにつきましては、将来、これも近い将来に十分ひとつ一元化等について考慮したいというのが政府の考え方でございますから、その点のお答えを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/98
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099・阿部竹松
○阿部竹松君 二つに分かれておっておかしいではないかということは申しません。この種のことをやっていくために、よりいい方法は採石のほうと砂利のほうと一緒になって、がっちりスクラムを組んでおやりになってはどうですか、局長さんが両方に分かれているのですから、一人の局長さんのところに置いたほうがいいのではないか、佐藤さんにおこられれば、六百億も持っている石炭局は簡単につぶせるし、自分のところはあれしてなかなかできないのです。これはあまり言うと皮肉になりますから、これ以上言いませんけれども、それくらいの、政務次官二つ一緒にしてやるくらいでないと、採石でやるか砂利でやるか、四角ででこぼこしておれば採石のほう——十センチの以上は採石のほうで、あと川の底にあったり、昔は川であっていまは陸地になったけれども、それは砂利であるというようなことは、先日いろいろとお聞きしましたが、そうしますと埼玉県の、瀬谷君の触れられた飯能の採石現場ですね、一インチか二インチしか出ておりませんね、あれはどっちにかかるのですか、これは吉光局長のほうか両角局長のほうか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/99
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100・吉光久
○政府委員(吉光久君) 先ほど御質問ございました飯能の問題で、大宮生コンのほうは採石法の関係でございます。それから国分産業のほうは山砂利をとっているわけでございまして、これは砂利採取法の監督を受ける、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/100
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101・阿部竹松
○阿部竹松君 どういうわけで局長、大宮生コンのほうが採石法にかかるか。こういう大きい石が出てきていて、どんとハッパをかけて粉砕するかクラッシャーにかけて粉砕するならわかりますよ。出てくるときにすでに小さいじゃありませんか、あなたの輩下が何人か見に行きましたよ。大きい石を取って粉砕して、そしてコンクリートあるいは建築物、こういうところで使う、道路に使う、こういうことであれば、ぼくは了解しますよ。しかし生まれながらにしてこのくらい、一インチか二インチしかないし、あなたのほうは三インチまでわしの領分だと、こう言っている。おかしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/101
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102・吉光久
○政府委員(吉光久君) 砂利採取法の適用の対象になっております砂利、これは定義があるわけでございますけれども、その砂利という通常の概念でございますけれども、いわゆる玉石、あるいはそれを粉砕し、あるいは粉砕しないままで一定の寸法以下のもの、これを砂利というふうに言っておるわけでございます。したがいまして、先ほどお話しいたしました大宮生コンが現在掘っておりますところの小さな破礫と申しますか、風化した石のようでございますけれども、いわゆる砂利という定義の中に入らないものであるというふうに伺っておるわけでございます。それから現在大宮生コンで掘さくいたしておりますのは、もともとその地盤にございます岩石砕石を目的といたしまして、その準備行為と申しますか、表土をはいでおるというふうな状況であると承っておりましたので、私、一括して砕石法の適用対象というふうに申し上げたわけでございますが、あれが、あの表土だけでおしまいになるような作業でございますと、砕石法の適用対象になるかどうかという点についても疑問があろうかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/102
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103・阿部竹松
○阿部竹松君 そうすると、最後までやってみなけりゃ砕石法の適用になるか、砂利法の適用になるか、単なる物を掘ったということになるかわからぬということになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/103
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104・吉光久
○政府委員(吉光久君) ちょっと説明が不十分でございました。あらためて説明さしていただきます。
要するに、岩石砕石をやる意図をもちまして、そこに砕石場その他の設備をつくる、そして行動するということになれば、これは当然砕石法の適用対象でございます。現在の大宮生コンの場合におきましては、砕石場を設けて岩石砕石をやるということを主たる目的として現実の行動がとられておるというふうに承っておりますので、砕石法の適用対象にそのままなっておる、このように判断いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/104
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105・阿部竹松
○阿部竹松君 それは吉光局長の個人的見解と、個人的あれですよ。砂利と砕石との判断じゃないか。砂利のこと北海道へ行くとバラスというのですけれども、道路でも建築物でも硬度が幾らで、そして何ミリ、その砂利を、あるいはバラスを幾ら入れてコンクリを幾ら入れて、砂を幾ら入れてこの建築は幾らかと、こうなるのですよ。ですから大きな石を粉砕したのだったらよく理解できるけれども、はじめから終始一貫小さいものしか出ないのをなぜ砕石法だと、こういうのか。そういうのはおのずと明確になってくるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/105
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106・吉光久
○政府委員(吉光久君) 砂利の定義につきましては、実は定義自身に積極的にうたってないわけでございますが、現行砂利採取法の例をそのまま持ってまいったわけでございますけれども、一応現在通念的に砂利というふうにいわれておりますものにつきましては、いわゆる砂、砂利、玉石、こういうふうな三分類があるようでございますが、砂につきましては直径が〇・〇一ミリから五ミリ程度のものまで、それから砂利につきましては直径五ミリから八十ミリ程度まで、それから先ほど申し上げました玉石につきましては、直径が八十ミリから三百ミリまでのものを玉石という、というふうに普通使われているわけでございます。この玉石を砕きまして、さらに砂利用の、径が五ミリ程度のものにまで砕きましたもの、これは実は砂利というふうに言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/106
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107・阿部竹松
○阿部竹松君 ですからいまの局長の答弁のあった三百ミリどころか、二百ミリもない、そうすると、あなたの定義が違うのじゃございませんか、こう申し上げておるのです。そこで、定義について論争をしておっても進みません。
次にお尋ねしますが、現在二億六千万トンぐらい必要とすると思うのですが、そうしますと、年々ふえていきまして、量が減るということはないわけですから、そうしますと、砂利の価格、コストというものは、もう半額以上は輸送料ですね、一キロでもあるいは五百メートルでも近くから業者は運ぼうとするわけですよ。さいぜん申し上げましたとおり、六千も七千も業者があるわけですから、そうすると、いま申し上げましたとおり、少しでも短い地域から運ぼうというふうに努力するに違いない、そうしますと、無理が都会を中心として起きますね。神奈川県を通っている相模鉄道などというのは、人間を運ぶためにできた鉄道ではなくて、砂利を取るためにできた鉄道ですが、いま砂利よりも人間が多く乗っているわけですが、そういうふうなことで、どんどん発展してきました。これはその辺、いま埼玉県では飯能、あるいは熊谷だといっておりますが、全国的に問題が起きてくるのですね、そういうふうな懸念はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/107
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108・吉光久
○政府委員(吉光久君) お話しのとおりでございまして、骨材のコスト関係に占めます輸送費というものは、非常に大きなもので、大体六〇%程度は輸送費でございます。したがいまして、いまお話しのような事態が生ずるおそれは多分にある、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/108
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109・阿部竹松
○阿部竹松君 国で資金を出しておやりになったらどうですか。ということは、こういう規制する法律をつくるときは、中小企業その他に、皆さん方のことばで言うと、高度化、近代化、合理化と、こうおっしゃるが、業者もこれは規制されることによって、相当シビアな指導を受けるわけですね。しかし、金がない、金がなければ、やはり法律はあるのだが、むちゃくちゃやるだろうと思われるわけです。したがって、規制するのはけっこうだ、大いに業者などびしびしやっていただきたいが、その反面、やはり何らかの方法で政府がてこ入れしてやらなければ、法律つくったところで、これは局長なかなか花が咲いて実がなるということにはならぬのじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/109
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110・吉光久
○政府委員(吉光久君) 御指摘いただきましたように、砂利採取業というのは、非常に中小企業、特に零細企業の多い業界でございます。したがいまして、これで監督を強化することだけによってこの災害防止の目的が完全に達成される、こういうふうなことになり得ない面もあるわけでございますが、したがいまして、実はこの法律で、宣言的な規定ではございますけれども、第四十一条に、国あるいは関係行政機関は、砂利採取業者の採取による災害防止のために、あるいは砂利採取業の健全な発達をはかるために必要な助言なり、あるいは指導というふうなものに積極的につとめなければならないというふうに書いてあるわけでございますけれども、この内容に従いまして、実はまず第一に必要な問題といたしまして、先ほどお話しの中にございましたように、まず第一にそういう零細業者等につきましての組織化問題を、現在の実情に合った形で進めてまいりたい。それから第二に、そういうふうな形で災害防止の施設を設置いたします場合には、これを近代化資金助成法の適用対象の中に積極的にとり入れるようにしてまいりたい。現在までのところにおきましては、破砕機でございますとか、そういうふうな生産設備のほうにつきましては、資金助成の適用があるわけでございますけれども、この防止施設につきまして、現在までのところまだ適用を受けておりません。したがいまして、これは公害防止事業団あるいはその他の融資制度に待つ以外にないわけでございますけれども、いまの資金助成法の適用対象につきましては、こういう公害防止のための施設という意味で、少なくとも今年度中には適用対象になるように積極的に努力してもらいたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/110
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111・阿部竹松
○阿部竹松君 だいぶ時刻も経過しましたから、本日はこれで一応質問はやめさしていただきますが、局長の答弁は一応了解しますが、これは私個人ですが、私個人としては、なかなか局長御答弁のように、この法律ができることによって万全たる処置が講ぜられるとは判断できないわけです。決して局長を疑うわけではありませんけれども、そのように考えますので、休憩時に委員長からおはかり願って、各党の了承もいただきまして、自今どうするかというような点について、決議文にするかどうするかについて、委員長からおはかりをいただきたい。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/111
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112・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) ただいまの御提案については、理事会でもって相談いたしまして処置をすることにしたいと思います。
他に御発言はございませんか。——他に御発言もなければ、本案の質疑は、本日のところこの程度にいたしたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/112
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113・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 先ほど委員の変更がございました。矢追秀彦君が辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/113
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114・金丸冨夫
○委員長(金丸冨夫君) 速記を始めて、本日はこれをもって散会いたします。
午後零時五十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814461X02019680521/114
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