1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年三月二十二日(金曜日)
午前十時十二分開会
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委員の異動
三月十四日
辞任 補欠選任
伊藤 五郎君 森田 タマ君
田中茂穂君 上原 正吉君
三月十五日
辞任 補欠選任
森田 タマ君 伊藤 五郎君
上原 正吉君 田中茂穂君
三月十九日
辞任 補欠選任
瓜生 清君 向井 長年君
三月二十一日
辞任 補欠選任
向井 長年君 瓜生 清君
三月二十二日
辞任 補欠選任
青木 一男君 八田 一朗君
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出席者は左のとおり。
委員長 青柳 秀夫君
理 事
小林 章君
竹中 恒夫君
柴谷 要君
中尾 辰義君
委 員
伊藤 五郎君
大竹平八郎君
大谷 贇雄君
徳永 正利君
八田 一朗君
林屋亀次郎君
藤田 正明君
瓜生 清君
須藤 五郎君
政府委員
大蔵政務次官 二木 謙吾君
大蔵省銀行局長 澄田 智君
大蔵省国際金融
局長 柏木 雄介君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
参考人
日本開発銀行総
裁 石原 周夫君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/0
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001・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。本日、青木一男君が委員を辞任され、八田一朗君がその補欠に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/1
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002・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 参考人の件についておはかりいたします。日本開発銀行法の一部を改正する法律案の審査のため、本案審査中、日本開発銀行総裁石原周夫君を本委員会の参考人とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/2
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003・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/3
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004・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 日本開発銀行法の一部を改正する法律案、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/4
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005・中尾辰義
○中尾辰義君 今度の開銀法の改正は、借り入れ金、債券発行限度を自己資本の五倍とする、貸し付けの限度を自己資本の六倍とする、こういう改正法律案でありますけれども、この開銀法で借り入れ、貸し付け等についての限度はいつどういう趣旨で設けられ、どういう経緯をたどって現在までに至ったのか、その点についてひとつ説明してほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/5
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006・澄田智
○政府委員(澄田智君) お答え申し上げます。
開銀は二十六年に発足いたしました。発足当時は、開銀の資金は、これは旧見返り資金特別会計を引き継いで発足いたしましたような関係で、開銀自体が借り入れをしたり、あるいは債券を発行するということはできない形になっております。したがって、このような規定はなかったわけでございます。二十七年になりまして、開銀法改正によりまして、新たに借り入れと、それから債務保証、そういう規定が加わりまして、その際に、借り入れと債務保証の合計額が自己資本の金額と同額とするというような、そういう規定が設けられました。これが今回改正の規定の一番当初に設けられた発足の姿でございます。
その後、三十三年の四月の改正によって現在の規定のような形になりましたのでございますが、そのときに借り入れの限度を自己資本の二倍ということに、それから、開銀の貸し付けのほうでございますが、貸し付けと、それから保証の限度を自己資本の三倍と、そういう形にいたしました。さらに三十五年に外貨債券の発行という問題が起こりまして、外貨債券の発行を行なうことになりまして、そのおりに、外貨債券も借り入れとあわせて限度を考える、こういう趣旨の改正が行なわれました。さらに三十八年の三月に借り入れと債券発行の限度を自己資本の三倍、それから、貸し付けと債券保証の限度を自己資本の四倍というふうに改正され、さらに四十一年の三月の改正で、借り入れと債務発行を自己資本の四倍に、貸し付けと債務保証の限度を自己資本の五倍に改正するということになりまして現在に至っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/6
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007・中尾辰義
○中尾辰義君 いまの説明をお伺いしますと、毎年毎年業務量の増大によって借り入れ金あるいは債券発行限度がだんだんふえていく、そして、また、貸し付けのほうもそれに見合って倍率がふえている、こういうことですが、業務量の増大に対処するには政府の出資を増加するというやり方が本筋じゃないか、こういうふうに思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/7
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008・澄田智
○政府委員(澄田智君) 開銀の経営の基盤を強化するというような意味におきまして、最もそういう趣旨から基盤強化に役立つというのは、あるいは資本金の増額、御指摘のとおりであろうかと思います。しかし、現在の財政事情等から、開銀に対して新たな政府出資をこの際行なうというのは困難な状況にありますので、こういう事情を考えまして借り入れの限度の倍率を引き上げる、こういうことにしたわけでございますが、今回改正いたしました場合におきましても、自己資本の一に対して、開銀の借り入れ及び債券発行というものが五という比率でございますが、こういう比率は、これは民間の金融機関、あるいは政府金融機関、そういったもの全部を通じて見ましても、比率としてはきわめてまだ低いわけでございます。そういう意味においてはきわめて堅実と申すことができるわけでありまして、資本金の増加のほうがより一そう堅実であるということは申せるかもしれませんが、今回の引き上げによって開銀の財務の健全性が害されるというようなことは決してない次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/8
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009・中尾辰義
○中尾辰義君 私が申し上げたいことは、毎年毎年借り入れ限度、また、貸し付けの限度もふやしていく、これは毎年こういう法案が出ているので、そのつど倍率を上げているのですが、これでは限度設定の意義というものが減殺されるんじゃないか、こういうふうに考えてお伺いしているわけであります。
それから、いま説明を聞きましたけれども、開銀における借り入れ金の自己資本に対する比率、これが適正な比率というのがあるのかどうか、また、一体どの程度の比率が最も健全であるのか、その辺のところをひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/9
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010・澄田智
○政府委員(澄田智君) 金融機関の自己資本の比率がどのくらいであることが望ましいかということは、これは民間の金融機関につきましてもいろいろ議論があるところでありまして、このくらいの比率というような、客観的な、あるいは絶対的な基準というものがなかなかないわけでございます。これを諸外国の制度等を通じて見ましても、資本金の比率についてはいろいろな制度があります。そういう意味で、どの程度ということは、金融機関の性格とか、あるいは業務の対象の性格というようなものもあわせて考えなければならない、こういう問題だろうと思います。現在、金融制度調査会等で、これは主として民間金融機関のあり方について検討いたしているところでありますが、そういう場合でも、自己資本比率をどうするかというようなことは当然一つの検討事項ということになっております。概して申し上げますと、現在民間金融機関の場合の自己資本比率というのは、目標といたしましては一〇%というようなところまで持っていくというような目標を持っておりますが、現実には五%から一〇%の間、金融機関によっていろいろの差がございますが、大体その辺でございます。今回は、引き上げによりまして、開発銀行の場合ですと一対五というような関係になるわけでございますから、民間の金融機関の場合の目標とされております自己資本比率の一〇%よりはなお高いわけでございまして、今後、民間及び政府金融機関を通じて、自己資本比率のあり方というふうなものを検討していかなければならない。今回改正をお願い申し上げております改正は、そういうような一般的な検討ということに至るまでの措置というふうなことでとりあえずお願いをいたしておる、そういう面もあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/10
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011・中尾辰義
○中尾辰義君 それでは、次にお伺いしたいのは、貸し付け対象によりまして開銀のほうは利子がみな違っているんですね。ですから、どういう業種にどういう特別金利を適用しているのか、その辺のところを詳細に、金利別、業種別に説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/11
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012・澄田智
○政府委員(澄田智君) 申し上げます。
開発銀行の基準金利は、これは中小金融の政府金融機関、中小公庫とか国民公庫等の基準金利と同じでございまして、八分二厘ということになっております。この基準金利のほかに、開銀の融資対象によりまして、特別に政策的目的に応じまして特利というものを設けておりまして、基準金利より安い金利で貸し出すものがあるわけでございますが、その中で、電力、それから外航船、石炭、電子工業、石油、硫安、それに本年度から新たに国産の技術振興という項目を設けまして、そのための融資、それから経済援助資金の貸し付け、これが六分五厘、かようになっております。それから、私鉄につきまして、一部でございますが、過密地帯の立体交差、それから踏切の保安等、そういった特定工事につきまして七分という金利を設けております。それから、流通対策といたしまして、流通センター、これも四十三年度から——先ほど国産技術振興で本年度と申し上げましたのは四十三年度の誤りでございますので、訂正いたします。流通センター、これも四十三年度から過密地域における流通センターのトラックターミナル事業、こういうものに限定いたしまして七分という金利を設けております。それから、特定機械、電子計算機、それから産業公害、それから天然ガス、離島航路、こういったものは七分五厘、そういうような金利がございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/12
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013・中尾辰義
○中尾辰義君 最初のほうの金利がちょっと抜けておったのですが、電力、海運、地方開発、石炭、硫安、これずっと説明してください、金利を。それと貸し付けの残高はどのくらいになっているのか。それと、全体の融資額の何パーセントをその業種が占めているのか。それから、もう一つ、かような特利をいつから適用されているのか、その点もあわせてひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/13
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014・澄田智
○政府委員(澄田智君) 私がただいま申し上げましたのは特利の全部で、それ以外は基準金利ということで八分二厘でございます。したがいまして、ただいま御指摘の地域開発というのは、これは基準金利で、八分二厘ということになるわけでございます。先ほど私が列挙して申し上げました以外は八分二厘、こういう次第でございます。
それから、その次に御質問のございました、いつから特利を適用しているかと、そういう御質問でございますが、まず、一般の基準金利でございますが、これは当初は一割、一〇%でございました。それが九%に引き下げられ、さらにたびたび引き下げをしまして八分二厘、かようになっております。それから、特利のほうでございますが、電力の六分五厘というのは、これは二十九年から六分五厘でございます。それから、外航船——海運でございますが、これも二十九年から六分五厘、そういうことになっております。それから、ちょっと順序が前後いたしますが、離島航路、これは七分五厘でございますが、これが二十七年からございます。それから特定機械、これは四十年から七分五厘、こういうことになっております。それから電子工業でございますが、これは三十二年から六分五厘、それから産業公害、これが四十年から七分五厘、それから石油精製でございますが、これは四十一年から六分五厘、それから電子計算機、これは四十二年から七分五厘、それから、先ほど申し上げました私鉄の特定の工事、これが四十二年からでございます。それから石炭でございますが、これが六分五厘になりましたのは三十年からでございます。それから硫安が三十四年から六分五厘、それ以外は、先ほど申し上げましたように、四十三年度から予定しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/14
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015・中尾辰義
○中尾辰義君 こういう特利を適用した理由につきまして、一つ一つ聞けばそれなりの事情があるだろうと思いますが、ちょっと時間の関係で聞けませんけれども、こういった特利をいつまでも固定的に既得権のごとく考えているところがあるように思われますし、将来当然これは改善をしていかなければならない問題であります。ところが、現状は一ぺんこういう安い金利をばもらったら、もうそれでいつまでもがんばっておる。そういうことで問題になっておるようですが、現在まあ特利を改めてもいいようなものはどういう業種がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/15
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016・澄田智
○政府委員(澄田智君) 開発銀行の特利は、これは政策目的によりまして、その目的を達成するために、特に要請の強いそういうものに限定して認めている、こういう趣旨のものであることは当然でございます。したがって、その政策目的が達成されてきた、状況が変わってきたというようなものについては随時検討をして、そして特利を廃止するなり、あるいは特利を引き上げるなりという措置がとられるのは、これまた目的からいっても当然のことと思うのであります。しかも、先ほど御説明申し上げましたように、基準金利自体がかつては非常に高かった、一割というような高い金利でございましたが、逐次これは一般の金利水準も下がってきたということもございますし、それに即応いたしまして、さらにそれより進んで開銀の基準金利自体を下げてきて八分二厘というところまで下がってきておるわけでございます。したがいまして、その特利との差も縮まるというような面もございますし、特利は、そういう場合に逐次基準金利に吸収していく、政策目的を達成したものについては吸収していくというようなことが当然考えられるものがあってしかるべきであります。いま御質問の、どんなものが考えられるかというような点でございますが、まだ検討中でございまして、今後検討していくというようなものといたしましては、さしあたり重電機の延べ払いとか、あるいは電子工業とか、あるいは石油業に対する貸し付け、こういったものにつきましては現行六分五厘でございますが、今後検討していきたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/16
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017・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 銀行局長の御答弁で大体尽きているわけでございますが、従来も、特利の運用につきましては、先ほど銀行局長が答えられましたように、政策目的が遂行せられたかどうかという観点から検討いたしておるわけでございまして、たとえて申しますると、電力融資というのは、御承知のように、水力あるいは火力というものの充実につきまして、これを中心に六分五厘というものをやってまいったわけでございます。ところが、御承知のように、非常に電力会社のほうの体力もついてまいった関係もございまして、三十九年から石炭火力だけに限定をいたしまして、一般の水力、火力は対象外にした。現在は、先ほどお話がございましたように、重電機の延べ払いでございますとか、あるいは原子力発電の開発でございますとか、最近において非常に政策目的が重視をせられるというものに限定をせられる、それが一点。
それから、もう一つは、重電機の延べ払いのお話があったわけでございまするが、これもどの程度の規模の発電機から対象にいたすかということにつきまして、四十三年度からはいままでの二十五万キロワットという最低を四十万キロというふうに上げまして、非常に大規模のものに限定をいたした。従来もそういう趣旨であったのでございますが、国産技術がだんだん進んでまいりまして、そのために何らか政策的に振興いたすのは四十万キロワット以上のものにいたそう、こういうことになったわけでございます。先ほどこれも銀行局長から御説明がありましたように、硫安の六分五厘というものがございますが、これも御記憶であるかと思いまするが、三十九年でありましたか四十年でありましたか、硫安の輸出赤字という問題がございまして、これは閣議決定をもちまして百六億を限定いたしまして、ガス源の転換でございますとか、あるいは多角経営ということに限ってやろうということでございまして、これは四十二年度でもって終了する。したがって、硫安の六分五厘ということに関します限り、この四十二年度でもって終了する。そのときどきの政策目的の重点の変動に伴いまして、従来もそういうようなやり方をしておったということをつけ加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/17
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018・中尾辰義
○中尾辰義君 それじゃ、ただいま検討中の重電機、電子工業、こういうものは、いまの段階ではどういうふうに金利を持っていくのか。大体まあ見当がついているでしょう、どうですか、この点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/18
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019・澄田智
○政府委員(澄田智君) 先ほど私が申し上げましたが、こういうものについて検討中と申し上げましたが、開発銀行の金利は、これは開発銀行法におきましても開発銀行の総裁がきめられるものであるわけでございます。したがいまして、開発銀行当局のほうで検討しているというような段階であるわけでございますので、総裁からお答えを願ったほうがよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/19
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020・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 先ほど銀行局長からお話がございましたように、幾つかの特利項目につきまして検討をしようじゃないかということに相なっております。ただ、しかしながら、私どものほうはいわゆる政策融資をやっておるものでありまするから、政策当局でありまする、たとえば通産省というようなものとの相談もいたして、はたして政策目的というものに照らしていかがであろうかという検討をいたさなければならぬわけであります。したがいまして、現在はこういうものを検討しようじゃないかという話し合いを大蔵、通産、あるいは私どもの間で始めておりますので、まだどういうようなところに持っていくかということにつきましては、目下のところはまだ申し上げるところまでに至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/20
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021・中尾辰義
○中尾辰義君 いずれにいたしましても、業績がよくなったのにいつまでも特利にがんばっておる、そういうことはよくないと思います。それから、これからだんだんまた新しい業種も出てくるでしょうし、そういうものに対しては当然これは援助してやらなければならぬ。ですから、その点については、別にここで私はきめつけませんけれども、検討していただきたいと思います。
次は、アジ銀に関連いたしましてまず最初にお伺いしたいのは、わが国の海外経済協力に対する政府の基本的態度、これについて二、三関連しておりますからお伺いしたいと思います。
一番目に、わが国の海外援助総額はいままで幾らになっておるのか、この点について、これを年次別の総額、それから事項別、それから援助国別に見た総額、わかっておりましたらひとつ数字を出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/21
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022・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 昭和三十六年の援助総額は三億八千百万ドル、三十七年が二億八千六百万ドル、三十八年が二億六千七百万ドル、三十九年が二億九千百万ドル、四十年が四億八千五百万ドル、四十一年が五億三千八百万ドル、四十二年が六億七千百万ドルの見込みでございます。四十一年度までの数字は、これはいわゆるDACベース、国際的に一応きめられました基準によりまして援助総額を算定しておりますのでございますが、四十一年までの数字は一応確定した数字でございます。四十二年の数字はまだ若干移動の見込みでございますが、大体いま申し上げました六億七千百万ドルで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/22
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023・中尾辰義
○中尾辰義君 円に換算して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/23
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024・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 六億七千百万ドル、これを円に換算いたしますと、これに三百六十円掛けますけれども、至急計算しまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/24
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025・中尾辰義
○中尾辰義君 国民所得との関係があるから、円に直してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/25
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026・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 四十二年の分が六億七千百万ドルでありますので、概算二千四百億円かと思います。そして内訳につきましては、贈与、賠償とか技術協力とか、その他の形における無償の経済協力というものがあります。それから長期信用供与、これは政府間の借款でありますが、バイラテラルに締結いたします協定等に基づきまして供与する信用、それから民間投資、これは直接投資もあります。それから国際機関に対する政府出資、拠出、この中には世界銀行、第二世銀といわれる国際機関、それから本日御審議をお願いいたしておりますアジア開銀に対する出資等がございます。そのほかに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/26
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027・中尾辰義
○中尾辰義君 あなたの説明を聞くとわからぬ。私が最初お伺いをしているのは、対外援助の総額を年次別に説明してくれ、これが一つ。事項別に説明をしてくれ、それと援助国別に説明してくれとはっきり言っているでしょう。聞いているのがわかるように説明せぬと、どうもうやむやでさっぱりわからぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/27
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028・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) ただいま申し上げました贈与、長期信用供与、民間投資、国際機関、これの年次別数字はこれから申し上げたいと思いますが、それから国別の数字につきましては、二国間の政府間協定に基づくものにつきましては若干長い表となりますので、何でしたら資料として差し上げますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/28
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029・中尾辰義
○中尾辰義君 あとで資料としてもらいますけれども、読んでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/29
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030・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 民間投資等につきましては、これは国別というか、民間でやっておりますことでありますのと、どの国にどういうふうに出ておるかということを大体発表いたしておりませんで、おもな国の名前は申し上げたいと存じますが、具体的にどの国に幾らいっているかということは、若干ほかの国との関係がございますので、差し控えさせていただきたいと思います。
それでは、年次別の贈与等の数字を読みますと、昭和三十六年の贈与、要するに無償経済協力の総額は六千七百万ドル、三十七年が七千四百万ドル、三十八年が七千六百万ドル、三十九年が六千八百万ドル、四十年が八千二百万ドル、四十一年が一億四百万ドル、四十二年が——ちょっと四十二年の数字は後ほど申し上げます。
それから、長期信用供与は、三十六年が一億九千五百万ドル、三十七年が一億三千百万ドル、三十八年が九千九百万ドル、三十九年が一億二千七百万ドル、四十年が二億二千七百万ドル、四十一年が二億七千二百万ドル、四十二年の数字は後ほど申し上げます。
それから、民間投資は、三十六年が九千三百万ドル、三十七年が六千九百万ドル、三十八年が七千六百万ドル、三十九年が三千九百万ドル、四十年が八千七百万ドル、四十一年が九千六百万ドル、四十二年は後ほど申し上げます。それから、国際機関に対する政府出資、拠出は、三十六年が千百万ドル、三十七年が七百万ドル、三十八年が千二百万ドル、三十九年が九百万ドル、四十年が千七百万ドル、四十一年が五千万ドル、以上でございます。
それから、国別内訳につきましては、先ほど申し上げましたように、二国間の政府間の信用供与につきましては資料として差し上げたいと存じます。
それから、四十二年の数字は、贈与が一億三千七百万ドル、それから国際機関の出資が三千三百万ドル、それから二国間の長期信用供与が約三億八千百万ドル、それから民間投資が一億九百万ドル、ごたごたした数字になりますので、何でしたらこれを表にいたしまして委員会に差し上げたいと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/30
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031・中尾辰義
○中尾辰義君 それでは、あとでまた資料でお願いします。
それで、もう一つ海外経済協力の総額は、現在およそ七%くらいと記憶しておりますが、三十七年くらい、一九六二年くらいからずっと年次別にどういうふうに国民所得に対する比率が変わってきておるか、わかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/31
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032・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 昭和三十六年におきまする経済協力の対国民所得比は〇・八九%、三十七年が〇・六〇、三十八年が〇・四九、三十九年が〇・四〇、四十年が〇・六一、四十一年が〇・六七、四十二年につきましては、経済協力の数字そのものが若干動きますほか、国民所得の数字が出ますのにまだあと半年以上かかりますので、全くの概算でございますけれども、大体〇・七一程度かと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/32
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033・中尾辰義
○中尾辰義君 それで、そういった援助資金はどのような財政ルートを通じて支出をされるのか。たとえば一般会計、特別会計、財投、輸銀といったようなものですね、これもわかりませんか。これも、できれば年次別に、これは概略でいいんですが、またあとついでに出してもらってけっこうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/33
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034・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 私どものほうでずっと表にしたものを持っておりませんけれども、資金の源泉としましては、一般会計、それから輸出入銀行、経済協力基金、これが大体財政資金のソースでございますが、そのほかに民間資金がある。財政資金のうちの一般会計は賠償とかあるいは無償経済協力の関係の金が計上されますほか、技術協力、それから国際機関に対する政府出資、拠出というものが入っております。それから直接借款は大部分が輸出入銀行の金でございまして、これは財投で出ております。一部は経済協力基金から出ております。それから民間の延べ払い輸出、五年超の延べ払い輸出、あるいは直接投資、これは民間資金でございますが、民間資金で十分まかなえない場合は主として輸出入銀行から財政資金を補充しておる、こういう形になっております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/34
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035・中尾辰義
○中尾辰義君 これはあなたに聞くのはどうかと思いますけれども、わが国は国民所得の一%をめどにして今後経済協力を行なう、これは国連貿易開発会議で決議されたわけですね。それで、いま国連貿易開発会議が開かれておりますけれども、こういった南北問題の解消ということは今後ますますきびしくなるだろうと思いますね。ところが、国民所得の〇・八%ないし一%はと、こういうふうに申しましても、国民所得自体が毎年毎年ふえていく、財政のほうは、御承知のとおり、非常に窮屈であるし、硬直化の傾向があるし、そういうことで、この両方の要請というものをどういうふうにして調整をしていくのか、この点は大蔵大臣でないとわからぬかもしれませんが、ついでにあなたの御意見を聞いておきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/35
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036・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 第一回の国連貿易開発会議で、いわゆる先進国は国民所得の一%を、後進国、経済発展途上国に対する援助のために使うことにしようという決議がございます。このことは、決議の性質としましては、各国を拘束するような協定のようなものではございません。いわばそういう努力目標を示すものでございまして、日本もこの決議に賛成をいたしております。努力目標といたしまして国民所得の一%を経済発展途上国に対する経済援助に使おう。しかし、いつまでにこれを達成しなければならぬということもきまっておりませんが、日本といたしましては、日本の国情は、先進国とは言え、なお一人当たりの国民所得はまだまだかなり低い。これはアメリカ、あるいはヨーロッパの先進国に比べるとかなり低い水準にある。したがって、国内的にはいろいろの財政需要があり、経済協力に回し得る財政資金というものはおのずから限度があるというような関係から、日本としましては国民所得一%というものを目標にして、年々ふやすようには努力いたしますけれども、なかなか達成することはむずかしいんじゃないかというふうに思っております。特に日本の経済成長は非常に早いと、これは世界の先進国の中でも、おそらく一番早いテンポで進んでおります。これは実質成長率で九%でございますが、名目成長率でいきますと十数%の成長率になりますので、この一%目標というのは、実質ではなくて、名目に対する一%でございますので、日本としてこの一%目標を達成するということは非常にむずかしいと思います。しかし、そのむずかしい中でも、国連貿易開発会議におけるそういう目標もありますし、日本の今後の世界における立場も考えまして、できるだけ努力したいと思いますけれども、達成自体は相当むずかしい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/36
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037・中尾辰義
○中尾辰義君 では、もう一点。これもどうかと思いますけれども、例の経済協力行政の一元化という問題、昨年あたりからずいぶん論議をされて、非常に各省かってばらばらに交渉するとか、あるいはいま申されたような輸銀、経済協力基金と、窓口も違っておりますし、効率的にするためには一元化したらいいじゃないか、こういう議論がありましたが、その後これはどうなったのか、また、大蔵省の意向はどうなのか、この辺のところをひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/37
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038・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 経済協力の機構の問題につきましては、これは日本としてもいろいろ問題がございますが、世界各国ともやはり問題がございます。と申しますのは、一方では南北問題というか、対外的な関係で窓口を統一するというか、問題の焦点をしぼる意味から一元化する必要がありますが、一方では財政と非常に密接な関係がある問題であります。また、一方では国際収支とか国際金融関係とも非常に関係が深い問題でございまして、各国とも、この行政機構のあり方につきましていろいろ苦心されております。国によりましては経済協力庁とか経済協力省というものをつくっているところもございますし、ところが、そういうふうに経済協力省、経済協力庁をつくってみましたところで、結局屋上屋にならぬとも限らない、これは外国の例においてもそういうのを見られるわけでございます。まあ日本におきまして行政機構をどういうふうに持っていくべきか、それは私がここで申し上げるのもいかがかと存じますけれども、まあ私どもは、そういう機構のあるべき姿という問題もございますけれども、当面の問題一つ一つを片づける上におきまして、各省密接に協力しながら処理していくということがぜひ必要と思いまして、これにつきましては、私どもは微力ながら努力をいたしておる次第でございます。まあ経済協力のあり方という問題は、機構の問題もさることながら、先ほど申し上げましたように、全体の制約が非常に大きい。これはことに財政面の制約が大きいということがいろいろな場合において問題になっておる。私どものほうの問題としては、たとえば国際収支の関係、今日のように国際収支が非常にむずかしいというか、私どもとして、できるだけ早い機会に国際収支の均衡回復を達成したいというときに、一方でこの経済協力の形における資本輸出をどの程度するかというのも一つ問題でございますので、その辺のバランスをどうするかというのが、結局政府部内における思想統一というか、意見の調整をどうするかという問題で、これは最終的には最高レベルにおける調整の問題かと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/38
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039・中尾辰義
○中尾辰義君 それじゃ法案について質問いたします。
まず、最初に、このアジア開銀の現状と今回の改正の背景について。このアジ銀は、創立総会において資本金や加盟国の面で変更があったとか、こういうふうに聞いておりますが、その後どうなったのか、それが一点。
二点は、業務を開始されてからすでに一年以上になるわけですが、その間どのような活動をなされてきたのか。
三番目に、すでに融資が決定したのは、タイの開銀に対して五百万ドルの一件のみだと、こういうように聞いておるわけです。しかし、そのほかにも申請が十数件あったやに聞いております。その間の事情ですね、一件しかきまらなかった事情、なぜほかの申請中のものはおくれておるのか、その三点についてひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/39
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040・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) アジア開銀協定ができてから変更があったかという点でございますが、この点につきましてはスイスがその後加盟を申請いたしまして、そしてちょっとはっきり覚えていませんが、一昨年のアジア開銀の創立総会のときにスイスの加盟が決議されまして、それを受けましてスイスが国内手続を経まして、ごく最近加盟したか、あるいは近々加盟する段階かと存じますが、それ以外に、目下のところ、アジア開銀の組織そのものには変更ございませんが、ただ——失礼しました、スイスはもうすでに批准手続を終わりまして加盟いたしております。
アジア開銀の業務がどういうふうになっているかという点でございますが、これは一昨年の十二月に開所式をしまして開所してから、それから総裁が就任して、まず職員の補充をする、それから内部手続をきめる、いろいろ組織を固めていく、それからオフィスを設営するというような、そういう内部を固めるのに非常に時間がかかりました。何ぶんにも新しい機関でございますので、アジア開銀の総裁としても、まず関係国の意向を十分把握する必要があるということから、加盟国を全部歴訪していろいろの注文を聞くというか、関係国の意向をただしたわけでございます。そういうわけで、大体昨年の夏ごろには職員もそろい、いよいよ貸し付けをどういうふうにやるかということになりまして、それには貸し付け規程を整備するとか、経理手続をきめるとか、いろいろなことをやりまして、それでようやく第一回の融資がきまりましたのが本年の一月です。先ほど中尾委員から御指摘ありましたように、タイの公社に対する借款がきまったわけでございます。ですから、業務の状況としましては、一年ぐらいかかって融資が始まったということでございますが、私どもから見まして、これは特におくれているという感じは持っておりません。これは何ぶんにも国際機関でございます。国際機関の職員を、加盟各国、あるいは加盟してない国からもいろいろ人を集めてくるということは、実は容易なことじゃない。特に上のほうのプロフェッショナルな人を集めるというのはたいへんでございまして、現在六十人近くのいわゆるプロフェッショナルがおりますが、これは日本人が十人あまり、その他各国から出ておりますが、こういうものを個人面接をして選ぶということだけでもたいへんでございまして、むしろよく早く集めたと思う次第でございます。世界銀行でも、設立してからいわゆる融資を始めるまでに一年以上かかっておる次第でございます。それから、アフリカ開発銀行に至りましては、すでにできてから四、五年もたっておるのに、いまだに業務を始めていないという状況でございまして、私どもは業務開始がおそかったとは全然思っておりません。むしろ業務は非常に順調に進んでいる。第一回の総会が四月の四日から六日までマニラで開かれますが、その際に、アジア開銀の過去一年間の業務報告があると思いますが、私ども報告書の草案というか、それを見ておりますけれども、非常によく仕事をやっておるという感じを持っております。
それから、いまお尋ねのありましたタイへの借款はできたけれども、ほかのものへの借款がまだできていないのはどうかという点でありますが、これは私ども具体的にどうしてどの借款がおくれておるかということは承知いたしておりません。日本から代表理事が出て、理事会の席でいろいろ意見を述べておると思いますが、近々いろいろな借款が成立するものと思っております。しかし、何ぶんにもアジア開発銀行というものは、これは最初からの設立趣旨が、その関係国以下、域内国だけの金を集めてつくる銀行ではなくて、域内の国のほかに、域外の国の金を集めてつくる銀行である。それから、もう一つは、出資とか、そういう形の金だけではなくて、民間資本市場における金をなるべく多く調達してくる。具体的に言えば、アジア開発銀行債を世界の資本市場へ出して金を集めてくるというのがやはりねらいでございます。そうすると、そういうふうに海外の資本市場で金を集めようというのであれば、アジア開銀の運営そのものが国際的に高く評価されるような堅実な運営が必要だということで、そこで非常にアジア開銀当局としては意を用いていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/40
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041・中尾辰義
○中尾辰義君 時間の関係がありますから、要領よく要点だけひとつ述べてください。
あとまだほかに申請中のものがあるでしょう。そういうものはどういう内容を持っておるのか、これも要点だけでいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/41
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042・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) これは、実は大体東南アジアの域内の小国というと語弊がございますけれども、ほとんどすべての国から借款申し込みがございます。で、中でも農業開発、かんがい排水とかいうような、農業生産増強のための借款要請もたくさん来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/42
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043・中尾辰義
○中尾辰義君 今度のわが国の一億ドルの拠出は、東南アジアの農業開発の重要性にかんがみた措置でありますから、関連して、東南アジアの食糧事情はどうなっているのか、この辺のところをひとつ概略説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/43
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044・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 東南アジアの諸国の食糧につきまして、まず、主要食糧は米でございますが、最近この数年来、米の生産は伸び悩みを示しております。これは国によってはいろいろ洪水があるとか干ばつがあるとか、そういう条件の変化がございますが、全般として生産がどうも伸び悩んでおる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/44
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045・中尾辰義
○中尾辰義君 それじゃ最後に、今度の特別基金に対する拠出はわが国が一億ドルですね。それからアメリカが二億ドルを約束をしておるわけですが、そのほかに拠出をする国があるのか、あればどこなのか、それが一つ。
それから、どのくらいの拠出を考えておるのか、これが二点。また、拠出をする際、どのような条件がつけられておるのか。
それから、特別基金国の緩和された融資条件とはどのくらいの金利であるのか、償還期間はどうなっておるとか、その辺のところを明確にひとつ答弁してもらいたい。それで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/45
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046・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 日本以外でどういう国が拠出をするであろうか。これはわれわれとしては、すべての加盟国、それから加盟していない国からでも拠出をお願いしたいところでありますが、いまのところ、やや具体的に話が進んでおりますのは、いまお話がありましたアメリカと、それ以外にはカナダ、オランダ、デンマーク等であります。それで、金額は、アメリカは二億ドルの拠出を予定して、これはいまアメリカ議会で審議中であります。カナダのほうはまだ金額がきまっていないようでありますが、できればカナダの出資額と同額のものを出そうか。オランダのほうは、これは目下のところまだはっきりはきまっておりませんが、大体日本の拠出を予定いたしております二千万ドルに対応する一年分ぐらいは今回やろうか。それからデンマークはかなり前向きでありますが、まだ金額を明示いたしておりません。
それから、条件でございますが、どういう融資条件にするか、これはまだアジア開発銀行として検討をしている段階でございますが、少なくも、現在アジア開発銀行が、出資金というか、資本金で貸しておる条件に比べるとかなりソフトなものを考えております。いわゆる農業開発というか、そういうふうな公共部門に対する融資というものについては普通のコマーシャルベースの条件でいかないということから、かなりソフトなものを考えておりますが、そうかといって、第二世銀がやっておるような期間五十年、一%というような、非常にいま何というか、低利のものを考えておるわけじゃない、その中間ぐらいのことを考えるかと存じます。DACでいろいろ検討をしているソフト条件というのは二十五年、三分という線がございますが、そういうDACベースのソフトローンよりもう少しきついものになるのかどうかという、その辺がこれからの研究課題で、これはまあ日本なりアメリカなりが拠出をして、そこで具体的に借款をしようという段階できめられるものかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/46
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047・中尾辰義
○中尾辰義君 日本の拠出の一億ドル、これはどのような条件がついておりますか。どこどこの国に貸してくれとか、どこどこの国には貸さないでくれとか、あるいは利子はどのくらいで、償還期間はどのくらいだとか、そういう条件がついておるだろうと思いますが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/47
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048・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 日本の拠出いたしますのは、さしあたり四十三年度で二千万ドルでございます。一億ドルということは、これは政府として大体一億ドルを考えておるということでございまして、まあここで最終的にきめる問題ではございませんが、条件といたしましては、四十三年度の拠出予定の二千万ドルにつきましては、主として東南アジア諸国における農業開発のために充当したい。主として東南アジアと申しますのは、まあそれ以外を絶対に排除するという意味でございませんけれども、主として東南アジア地域にしぼってほしい。それから、プロジェクトは農業開発に限定するということでございます。これは私どものアジアにおける農業の問題が非常に当面緊急の問題だと存じますので、限りある資金を有効に使うのには、まず農業にしぼるのが先だということで、農業開発だけに限定いたしております。
それから、条件につきましては、先ほど申し上げましたように、アジア開発銀行でこれからきめる問題でございますが、私どもとしては、もちろんアジア開銀がいまやっているハードローンではなくて、ソフトローンになろうかと存じます。しかし、第二世銀がやっているような五十年、年一分というような金でなくて、もう少しハードローンに近いようなものになるのじゃないかと思っております。これはいずれアジア開発銀行の理事会というか、当局がきめることでございまして、私どものほうの意見は、私どものほうを代表する理事を通じて述べようかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/48
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049・中尾辰義
○中尾辰義君 東南アジアならばどこでもいいのですか。それとも、この国は困るというような条件はついていないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/49
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050・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 東南アジア一般というか、別に国をあげて特定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/50
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051・須藤五郎
○須藤五郎君 私は開発銀行のことから先にいたしたいと思いますが、三月十二日の当委員会で経済援助資金特別会計法を廃止する法案が審議されましたときに、武器生産等に融資すべしと規定した経済援助資金の運用に関する政令はどうなるのかと質問いたしましたときに、これに対しまして、この政令が廃止されると、したがって、産投会計はこの政令に拘束されないと、こういうふうに大蔵省当局は答えておるわけですね。ところが、三月八日の衆議院の大蔵委員会で澄田銀行局長は、防衛産業に対する融資自体は開発銀行の目的の中に含まれる、こういうふうに答弁していらっしゃるわけですね。そうして防衛生産なるがゆえに、特別の融資はなくなるが、防衛産業を経営している企業が融資先になる場合もあり得ると、こういうふうに答えていらっしゃるわけです。まあこの答え自体の中にも非常に矛盾した面があるように私は思うのですが、そこで、第一問として、この防衛産業に対する融資は開銀の目的の中に含まれると、こうおっしゃいますが、なぜ目的に含まれておるのか、その明確な根拠をひとつ示していただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/51
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052・澄田智
○政府委員(澄田智君) お答え申し上げます。
私が、防衛産業に対する融資も開発銀行の融資の対象の中に含まれるということを申し上げましたのは、これはまあ法律論というような意味で申し上げましたわけでございまして、従来から、その経済援助資金特別会計がございましたときに、開発銀行を通じまして防衛産業に対する融資をいたしておりましたときも、いまお示しのその政令はあるわけでございますが、しかし、開発銀行がどうして融資ができるかというと、やはりそれは開発銀行法の目的の中にあるから融資はできる、こういうことになるわけでございます。したがって、従来からも開発銀行法の対象の中には含まれていた、まあかように申さざるを得ないかと存ずるわけであります。で、それは法律的にどういう根拠かという御質問でございますが、それは開発銀行の一般の目的でございます「経済の再建及び産業の開発」という意味の広義の産業の開発、あるいは経済の再建という中に、やはり防衛産業の産業自体、そしてそれの技術というようなものも含まれる、かように解釈いたしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/52
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053・須藤五郎
○須藤五郎君 まあおそらくそういうふうに答えられるだろうとは私は予想はしておりましたけれども、しかし、この開発銀行の目的ですね、これは私は、あなたの解釈は拡大解釈であって、正しい解釈じゃないと思うんですよ。「経済の再建及び産業の開発」ということであって、特に防衛産業といますか、武器の生産とか、そういうことはこの開発銀行の目的には私は合致していない、少なくも、開発銀行をつくったときにはそういう目的を含めてやってないと思うんですよ、私はね。だから、あなたのいまの答弁は、この第一条ですね、一条の目的の私は拡大解釈であって、そういうふうに解釈していくならば、開発銀行はどんなことでもやれる、こういうことになってくると思うんですよ。開発銀行創設の目的は、私は決してそういうところになかったと思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/53
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054・澄田智
○政府委員(澄田智君) 結局その開発銀行の目的であります「経済の再建及び産業の開発」ということばの意味、そしてそれの範囲というのをどういうふうに解釈すべきかというような、そういう問題かと存じますが、これは、「経済の再建」にしても、「再建」というのは、現在はさらに経済の発展というようなことになると思いますが、あるいは「産業の開発」にいたしましても、それは結果として日本の経済の生産力を高め、産業の国際競争力、あるいは生産性を高める、そういうようなことに寄与するようなもの、こういうことになると思いますけれども、そういう意味において、防衛産業というものも、その内容には、そういう意味の日本経済の再建、あるいは産業の開発に寄与するというような、生産ないし技術というようなものが含まれて、そういうふうなことで、すべてではもちろんございませんが、その内容によりましてそういうふうなものが考えられる、こういうふうなことではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/54
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055・須藤五郎
○須藤五郎君 それでは従来もそういうふうに使われていたとおっしゃいますが、それじゃ従来、兵器産業ですね、防衛産業という名前の兵器産業にどういう方向にどれだけの融資をしておったか、ひとつここで明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/55
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056・澄田智
○政府委員(澄田智君) 現在、開発銀行の経済援助資金の貸し付けの残高といたしましては、これは申し上げておりますとおり、五億二千二百万ということになっておりますが、その内容は、航空機関係、それから武器開発関係、それから通信機材、それからオートメーションの機器等となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/56
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057・須藤五郎
○須藤五郎君 それは開発銀行として貸したのじゃなく、経済援助資金特別会計の中から貸しておったのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/57
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058・澄田智
○政府委員(澄田智君) これは開発銀行の融資でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/58
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059・須藤五郎
○須藤五郎君 これまで開発銀行としてそういう武器生産にずっと融資しておったということなんですか。ここに総裁いらっしゃいますが、総裁、開発銀行の性格というものが、私たち少し考え方が違うわけなんですね。開発銀行というのはそうじゃなしに、経済、産業の発展といいますけれども、やはりこれは私たちは、電源開発とか船の建造とか、そういう方面に融資されているとばかり実は私は従来信じておったわけですが、ところが、いまの答弁では、従来も兵器産業に投資しておったということになりますと、私は、開発銀行のそもそもの性格ですね、それが非常に違ってきているように思うのですね。最近の政府当局の答弁によると、従来もやっておったんだということなんですが、そうなんですか、どうです、そこをはっきりさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/59
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060・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 先ほど銀行局長からお答え申し上げましたが、須藤委員の御指摘されました、今回廃止されます政令の中におきまして、第一条に「経済援助資金は、日本開発銀行法第十八条第一項第一号に規定する開発資金のうち左に掲げる設備に係るものの貸付に必要な資金に供するため」と書いてございまして、この政令というのは二十九年の政令でございますけれども、そのときから開発銀行法の、先ほど銀行局長が読み上げられた「経済の再建及び産業の開発」というところに該当するという前提でこれは置いているのだということを御承知置き願いたいと思います。その「産業の開発」、「経済の再建」というものに防衛産業が入るかどうかという問題でございますが、これは防衛産業というものも産業の一部でございまして、それに対しまする融資は、当然産業の開発ということで、開発銀行法の十八条に入るというふうに考えております。したがいまして、政令第一条もそういう趣旨で、十八条にかかる開発資金ということで書いてございまして、それの内容をこういうふうにきめているというのがこの政令のたてまえでございます。ただ、先ほど銀行局長がお答え申し上げましたように、現在の残高ベースは五億二千二百万という金でございますから、当行融資額はすでに一兆二千七、八百万ということになりますが、残高から申しますときわめて小さなものでございます。ただ、これは現在残高でございまして、全体としては六十億ほどの融資をしておりますけれども、これは順次償還されまして、現在はそういった額でございます。で、私どものほうの融資の割合から申しますと、一兆何がしに対する五億という割合の残高でございます。そういうふうに御承知置き願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/60
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061・須藤五郎
○須藤五郎君 私たちは、従来、開発銀行法に反対しているのです。その反対の根拠は、開発銀行の融資先が非常に巨大な産業が中心であって、中小企業は目標にしていないという点で、いわゆる日本の独占企業に対する融資銀行ということで私たちは反対してきたのです。ところが、いまお話をお聞きしますと、私たちは、兵器産業自体、日本の自衛隊自体が憲法違反だと思っておりますが、それに付随したところの兵器産業——防衛産業という名前の兵器産業、しかも、これがいま国際的な戦争にまで、ベトナム戦争に要する武器すらも、日本のいわゆる防衛産業という産業の中で生産される、そういう憲法違反の目的で開発銀行の金が使われるということになれば、もっと私たちは開発銀行の性格がはっきりしてくると同時に、開発銀行に対する態度が一そう私たちは明確になってくるんですね。こうなってくると、一体、開発銀行の金は何に使われるかわからないということになってくるわけなんです。それで、私は、前の総裁に、開発銀行の融資先を明らかにしてもらいたい、どういう産業に、どれだけの金額かを明らかにしてほしいということを要求したわけです。そうすると、そのときに総裁は、それは融資先の会社の営業の秘密にも属するから、ここでは発表できないという答弁で、いくら追及しても発表されなかったわけなんです。ところが、たまたまその後、共和製糖事件が起こりまして汚職事件が起こって、そうして参議院の決算委員会ですか、そこで追及されて、そうしてやむを得ず発表せざるを得なくなったわけなんです。私たちは、ああいう不祥事件が起こらないためにも、国民の金を融資する先であるから、この国会に明らかにしなさい、何で国会議員に秘密にしなきゃならぬのか、そういうことをしておるからこういう事件が起こってくるのではないか、こう思うのですね。しかも、いまのように、兵器産業にどんどん融資されて、そうしてほかのほんとうの産業、いわゆる金が足りなくて困っているような中小業者に対する融資は中小企業金融公庫あたりで、ごくわずかのもので食いとめられてしまっておる。そうして、こういう大量の資金がそういうものにつぎ込まれていくということになると、これは問題だと思うのですね。
そこで、私は、総裁にもう一ぺん提案しますが、どうか開発銀行の融資先を明らかにしてほしい、金額を明らかにしてほしい。特に兵器産業に関する融資先を明らかにしてほしいと思うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/61
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062・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 開発銀行の融資の内容につきましては、先ほど須藤委員からお話しがございましたように、四大重点産業というもの、これは電力、鉄鋼、海運、それから石炭というものでありまするが、かつてはこの四基幹産業に対しまして八割、九割というような当行の融資の割合であったことはございます。しかし、これらの基幹産業がだんだん成長いたすに伴いまして、その融資の割合はだんだん減ってまいりまして、たとえば電力について申しますると、四十二年度は百六十二億、先ほど申し上げましたように、対象を非常にしぼったわけでありますが、百六十二億という融資の予定でございまするけれども、電力会社からの回収は百六十五億でございます。したがいまして、四十二年度におきましては、差引、少々でございますが、回収超過というような状況になっております。したがいまして、四大重点産業に対する割合もだいぶ低下をしてまいりまして、最近の残高で申しますると、大体六割内外というところに落ちてまいりました。それではどういうところに出してきたかということになりますると、これは、たとえば産業の高度化ということで、特定機械の関係でございますとか、あるいは先ほどお話のありました電子工業の関係でありますとか、あるいは三十四年から地域開発ということで始めまして、私どもといたしましては、北陸、中国、四国、九州という四地域に対する、いわゆる地域開発に貸し付けをいたしております。それが最近におきましては、先ほど銀行局長からお話がございました技術開発ということが資本自由化のきめ手であるということもございまして、四十三年度からは技術開発という新しい柱を立てていきたい。ここ二、三年非常に明らかな傾向は、大都市再開発、過密地帯の問題を解決するという問題がございまして、大都市再開発というものが相当な金額の割合を占めておる。それが先ほど申し上げましたような電力、海運、石炭、鉄鋼というもののウエートが減りました反面をなしておるわけでございます。
それで、その融資先の問題でございまするけれども、これにつきましては、従来からいろいろなケースで当大蔵委員会でも御承知のとおりでございまするが、各個の融資につきましては融資先の関係がございまして、これは各個にこういうところに幾ら金を貸しておるということは、財政資金ではございまするけれども、金を借りておりますほうから見ますると、これは一体自分のところはどういうところに債務があるかということが明らかになるわけでございますから、私どもといたしましては、どういうようなことにどういうような目的でどういうような金額を貸しておるかということにつきましては、これはどこまでも御説明申し上げるつもりでございます。ただ、各個の会社に対してどういう残高になっておる、どういうような貸し付けであるというようなことにつきましては申し上げることを差し控えさしていただきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/62
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063・須藤五郎
○須藤五郎君 おそらくまあそういうふうにしてあなたはがんばられるだろうと思うのですがね。この前も、この融資先を明示してもらいたいということは理事会に移したわけですよ。それで、資料として出すかどうかということは理事会で検討してもらうことにしてそのときは終わりました。ところが、それが未だにまだ出てこないような状態ですが、私は委員長に重ねてこの資料を提供してもらうようにしたいのです。
それから、衆議院で、あなた、これは澄田政府委員の答弁ですが、「ただ、現在の開発銀行の融資目的の中で、特定の産業が防衛産業に当たる業種も営んでいるというような場合もあります」と言いますが、この「特定産業」というのはどこを指していらっしゃるのか、それをまずあなたに伺っておきたい。
それから、総裁、私の考えでは、いまおっしゃったように、これまで融資しておった先が、石炭産業など融資がだんだん減ってきたと、そうすると金が余ってくるだろうと思うのですね。その金は今後兵器産業、いわゆる防衛産業の方向に大量にずっと融資されていくのじゃないかと思うのです。それで、今日ここで答えられるならば、その融資の産業の性格でもいいですよ。これまで兵器産業、それにどれだけの融資がされておったか、今日はそれがどういうふうに増加しておるかというような状態ですね、それをちょっとまず答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/63
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064・澄田智
○政府委員(澄田智君) いまお示しになりました衆議院の大蔵委員会において、私が、特定の産業の中には、防衛産業、あるいは兵器産業を営んでおる産業もあると、こういうふうなふうに申し上げましたのは、特定の産業ということばは、特定の企業、あるいは特定の会社と、こういうような意味で申し上げたことでございまして、特定のある会社がほかの事業も営んでおりますが、一部、防衛、あるいは兵器というものに該当するような製品もつくっておると、こういうような場合もあるというようなことで、そういう会社に開銀の融資が行なわれるという場合もあると、こういうことを申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/64
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065・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 当行の経済援助資金特別会計から融資を受けまして、いわゆる兵器産業と申しまするか、初期の時代には必ずしも兵器産業ばかりではございません。政令にも、よくごらんになりますとございますように、電子工業などに貸しておりますが、それを含めてでございますが、六十三億三千七百万円の融資をいたしました。それが先ほど申し上げましたように、今日の残高は五億二千二百万でございます。したがって、五十八億ほどの金が返ってきております。この金は、返りましたつど、経済援助資金特別会計のほうに返還をいたしております。したがいまして、私どものほうは、いまこの残高の五億二千二百万に見合いまする経済援助資金特別会計からの借り入れ金がございます。これは今度産投会計に返済いたすことにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/65
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066・須藤五郎
○須藤五郎君 私が言うのは、澄田さん、あなたがここでさしておる特定産業とはどこをさしておるのかということを私は尋ねたいわけですよね。
それから、総裁にお尋ねしたのは、いわゆる兵器産業に対する投資とほかのその金額ですね、どこの会社に幾らということはあなたいまおっしゃらぬと言ったから、それはもう委員長にまかせることにして、それで、あなたが答えられる範囲で、兵器産業には幾ら投資をしておるのか。それで、従来と比較して兵器産業と認められるそれに投資がどれだけ増加してきているのかということを私はお尋ねしたいわけなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/66
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067・澄田智
○政府委員(澄田智君) 特定産業とあの場合に申しましたのは、抽象的に例として申し上げたわけでございまして、特定の会社が、一般の製品のほかに、防衛にも使われるもの、あるいは兵器にも使われるものといったようなものもつくっている場合があると、こういうことを言ったわけであります。まあ別にどこをどうという意味で全然申しておりません。たとえば航空機を製造しておるところが、一般の民間の航空機のほかに、防衛に用いられる航空機をつくっている場合もあろうと、こういうことを申したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/67
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068・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 先ほど申し上げましたように、経済援助資金特別会計から借り入れをいたしまして貸し付けをいたしました額は六十三億三千七百万円でございます。このうち、航空機の関係が四十六億一千四百万円、武器、火薬の関係が八億七千五百万円、通信機材が四億七千三百万円、電子関係、オートメーションの関係三億七千五百万円、合計が六十三億三千七百万円でございます。これが融資累計額でございます。これに対しまして、非常にふえておると申しまするけれども、六十三億融資いたしまして、今日は五十八億回収いたしまして、残高は五億しかないということを先ほど申し上げたのですが、この残高の五億二千二百万円を申しますると、航空機が二億二千九百万円、武器、火薬が一億二千五百万円、オートメーション、電子関係が七千八百万円などで合計五億二千二百万円、こういう数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/68
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069・須藤五郎
○須藤五郎君 澄田さん、あなたのほうには特殊産業という会社の名前はあるはずなんですよ、こういうところにやっているということは。しかし、あなたはそれを言わぬわけです。ぼくらは知っているわけですね。あなたたちの言っている特殊産業がどこだということはぼくら自身知っているわけです。ですから、特に隠す必要はないと思うのですが、まああなたの口から言いずらいとおっしゃるならば、私はもうこれ以上追及はしないです。追及しても言わなけりゃ時間をとるだけで意味がないから、ぼくはこの問題はこれでおきますが、そんなこと一々隠す必要はないと思うのですよ。すなおにお答えになったほうがよくはないかと思うのですがね。
それから、政府は三次防で兵器の国産化を目ざすと、こういうふうに言っているわけなんですが、兵器生産に対しまして開銀はどういう方針を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/69
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070・石原周夫
○参考人(石原周夫君) これは私からお答えをいたすべき問題ではないと思いまするけれども、私どものほうが融資をいたしまするまでにどういう手順でやってきたかということを申し上げて、あるいは須藤委員のお尋ねのことに多少関係あるかもしれませんので。経済援助資金特別会計というものは、毎年予算で金額をきめられますると、それに基づきまして融資の運用基本方針をきめられるわけでございます。ことしはどういうことに融資をする、たとえば航空機の関係である、あるいは武器の関係である、あるいは電子工業の関係である、こういうようなことをきめられるわけであります。したがいまして、その融資の運用基本方針ということを閣議で決定せられました方針が政府側から私どものほうに伝わってまいりまするから、その要求に基づきまして私どもは融資をいたすと、こういうことになっております。したがいまして、三次防云々というお話でございましたけれども、私どものほうの立場からお答えを申し上げますれば、それをどういうふうに四十三年度においては政府でお取り扱いになるかということによって、私どものほうがまた政府のおきめになるところに従って運用をいたすと、こういうことにいたしております。
なお、申し上げておきますが、これは経済援助資金特別会計ばかりではございませんで、毎年資金運用部から巨額の金を借り入れておるわけでありまするが、この全体の貸し付けにつきましても、これまた政府で運用基本方針というものをおきめになって私どものほうに年度の初めにお示ししていただくということになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/70
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071・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、総裁、開銀は、従来どおり、これからもこの兵器の国産化の線に沿ってそういうほうにどんどん融資をしていくという方針だというふうに理解していいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/71
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072・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 四十三年度にどういうような運用基本方針をおきめになるか、政府の問題でございまするから、したがって、私はここでお答えをいたす問題ではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/72
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073・須藤五郎
○須藤五郎君 しかし、そういう要求があれば、その要求に応じて開銀は融資をしていくということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/73
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074・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 先ほど来申し上げておりますように、日本開発銀行の融資につきましては、運営基本方針というものを政府でおきめになり、閣議決定をして私どもにお示しをいただくというのが毎年の例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/74
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075・須藤五郎
○須藤五郎君 政府は核エネルギーの平和利用という方針を立てておると思うのですね。まあそういうふうに言っていらっしゃるが、いままで開銀が電力面で原子力発電に融資をしてきたということは、これは明らかになっている点ですね。この原子力発電に対する開銀融資について、これもやはり今後どんどんと従来の方針に従ってやっていこうという方針でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/75
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076・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 先ほど申し上げましたように、私どものほうの銀行といたしましては、電力に対しまする貸し付け対象をしぼりまして、先ほども申し上げましたように、四十二年度のごときは、実は回収のほうが多いという状況にございます。しかし、今後におきまして、何と申しましても原子力発電というものは伸びるべきものでありまするし、非常に技術的にもまだ手さぐりというとやや極端でございますが、いろいろまだ初期の段階にあることでございまして、私どものほうは、原子力発電の国産化をせられまする分につきまして、ある融資割合をもって融資をいたす、こういうたてまえにいたしておりますので、今後も、原子力発電が進みますと、その分の融資のほうはふえてまいります。
ついでに申し上げておきますが、先ほども申し上げましたように、石炭火力というものを数年前取り上げて、うちは一般の火力融資、水力融資はやめたのでありますが、石炭火力だけにつきましては、石炭対策の一環といたしまして融資もしたのでございますが、これも御承知のとおり、電源開発としまして、最近におきましては自分でやっていらっしゃるわけでございますから、私どもの融資はこのほうは減ってまいります。したがって、原子力発電がふえるというわけにもまいらぬわけでありますが、一応現在までの貸し付け額は、去年の十二月末の残高で百五十七億原子力発電関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/76
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077・須藤五郎
○須藤五郎君 原子力発電以外に対する融資につきまして政府はどういうふうに考えていらっしゃいますか。というのは、原子力艦、それから原子力船ですね、こういうものにも融資をするんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/77
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078・澄田智
○政府委員(澄田智君) 現在、原子力船については、御承知のように、事業団を設けまして、そこで原子力船の開発及び建造をいたしておりますが、それ以外にその原子力船に対する融資というような問題は、まだ私どものほうには全然具体的な問題になっておりません。産業官庁としての通産省が検討するべき問題でもあると思いますが、現在の段階には具体的な問題は何らございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/78
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079・須藤五郎
○須藤五郎君 原子力船並びに原子力艦というふうに私は質問したわけですが、原子力艦の問題はいまはまだ問題になっていないと思うのですが、将来原子力艦というような問題が出てきたときには、それに対する融資は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/79
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080・二木謙吾
○政府委員(二木謙吾君) お答え申し上げますが、それはまだそういうことは考えておりません。またそういう事態がきたときには、さらにこれは検討したいと思っております。いまはそういうことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/80
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081・須藤五郎
○須藤五郎君 いや、私は何でこんな質問をするかといいますと、要するに開銀の貸し出しの目的が事業の発展ということになっているわけですが、それが広義に解釈され、拡大解釈されて兵器産業にもずっとそれがいくという、いわゆる防衛産業というような、これも産業じゃないかというようなことでずっといくと、そうなってくると、将来、原子力艦の問題が出たときもこれはやはり防衛産業だということで原子力艦にも使われていくのじゃないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/81
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082・二木謙吾
○政府委員(二木謙吾君) いまお話があったとおりに、残高五億でもございますし、そういうことは全く考えておりませんから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/82
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083・須藤五郎
○須藤五郎君 開銀が新しく四十三年度に行なおうとしておりますところの国産技術振興のための融資、それから流通センターに対する融資、これに対する融資は具体的には一体どういうふうになっているのか、どういうものか、説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/83
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084・石原周夫
○参考人(石原周夫君) 技術開発、技術振興ということにつきましては、実は開発銀行として四十三年度に初めてやる問題ではございません。これはだいぶ前から国産技術の振興ということに対しまする融資をやってまいりました。ただ、これはそのときどきの標準利率であります——一割の時代はなかったと思うのでありますが、九分であるとか八分七厘であるとか、現在でありますと八分二厘という融資をいたしてまいっております。
それと、もう一つは、重機械の国産化ということでございまして、これは大型機械で、これは相当輸入によっておったものが多いわけでありますが、これを国産化いたしますときに、国産化をできるだけしてもらいたいという意味におきまして開銀融資をして、これは七分五厘という融資をやっております。この両者を今度一緒にいたしまして、国産技術の振興ということが、これからの資本自由化、新しい開放経済におきます最も大きな問題でございますので、これを合わせまして、先ほど来申し上げておりますように、六分五厘という特利を適用いたしまして、従来よりもそういうような、ある程度リスクのあります仕事にやりいいような融資条件をやってまいりたいと、こういうことであります。従来も、全部で百二十億ほどの残高を持っているかと存じますが、本年度、四十三年度におきまして用意いたしておりまする金が——失礼いたしました、百五十五億の融資をいたしまして、残高は百二十億くらいであったと思いますが、四十三年度に運用いたします金が九十億円であります。したがって、金額もふやし、融資条件も、利子を下げましてそういうような技術振興に役立つようにいたしたいと、こういうふうに考えているわけであります。
流通センターのほうは、御承知のように、流通機構の整備充実と申しますか、非常にこれは過密都市の問題でありますし、また、物価対策の問題でございます。そういうような意味からこれをとり上げましたのは一昨年であったかと思いますが、一番中心にやっておりますることは、東京、大阪というような大都市におきまして、都市の中心にありまする流通機構、これを市外の大きな道路に沿いました所に移す。大阪でありますと、あれは河内でございますか、東大阪市といいましたか、そこに東大阪流通センターというものがございます。東京でありますと、板橋と京浜二区という、あれは埋め立て地域でございまして、そこにおのおの流通センターというものができまして、そこにトラックターミナルでありますとか、倉庫地帯でありますとか、卸のセンターでありますとか、そういうようなものができるわけであります。これは流通業務市街地の整備に関する法律が先国会で通りまして、これは特別な法律に基づきまする、たとえば収用権でありますとか、そういうものができるたてまえになっております。こういうようなものに対して融資をいたします。これは流通センターというのでありますが、流通機構全体といたしましては、最近卸センターでありますとか、ボランタリーチェーンでありますとか、そういうような流通機構の合理化ということが問題になっておりますので、これに対しましても一昨年から始めまして融資をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/84
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085・須藤五郎
○須藤五郎君 開銀はこれで終わります。
先ほどの中尾君の質問に対しまして、まだ貸し出しが一件だけだという答えだったと思うのですね。ところが、今度また特別拠出をするという問題が出てきたわけですね。そう貸し出しもないのに、何でこの基金をふやしていく必要が起こってきたのか、ちょっと説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/85
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086・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) これはこの法案の趣旨説明のときに御説明したかと存じますが、アジア開発銀行の一般資金が不足するので、その不足資金を補充するために今回特別基金をつくるのではなくて、特別基金は、特別の目的のためにアジア開銀法の協定がございますが、一般の資金ではやり得ないと思われるような、たとえば先ほど申し上げましたソフトローンをするための資金をつくるために拠出する、したがって、一般資金のほうの貸し出しがまだ十分でないというか、一件しかやっていない。だから金を出すのではなくて、一般資金でやっておりまするようなコマーシャルではありませんが、金利七分程度の融資をやっている業務と並行しまして、もう少し条件のゆるいものの業務活動を始めようというのが趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/86
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087・須藤五郎
○須藤五郎君 今度の開銀の特別基金二千万ドルでしたね、七十二億円。これによる業務というのですが、具体的にどういう業務をする考えでおるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/87
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088・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 私どもといたしましては、アジア開発銀行に七十二億円を明年度の予算できまりまして拠出いたしますれば、それを主として東南アジア諸国における農業開発のための融資に使ってほしい。その融資の条件とは、従来やっておるようなものよりはゆるいような条件でやることをお願いしておる、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/88
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089・須藤五郎
○須藤五郎君 これは中尾委員も先ほど質問しましたが、日本が拠出するこれに特別基金の使い方に対して条件をつけておるかどうかという質問に対しまして、先ほどもあなたは東南アジアの農業開発だというふうに答えられましたが、しかし、まだほかに条件がついているのじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/89
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090・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 具体的な条件というか、もう一つ、これは衆議院の段階でもお尋ねがございましたが、これは拠出といっても、やりっぱなしのものなのかどうか。つまり拠出は贈与なのかというお尋ねでございましたが、私どもの考えといたしましてはこれはあくまでも信託基金でございまして、したがって、万一アジア開発銀行が清算するということがあれば、その場合には特別基金の清算もあり、その場合には日本の拠出した分で残っておる金は返してもらう、さように考えております。その辺のことは、これからアジア開発銀行とこの拠出に関する取りきめをするときに具体的に取りきめたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/90
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091・須藤五郎
○須藤五郎君 その条件に、この金は日本の製品を買う金に充てろとか、それから日本の役務の関係ですね、こういう条件をやはりつけていらっしゃるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/91
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092・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 七十二億円の拠出、四十三年度の分につきましては、私どもは日本の物資、役務に限定したいと存じます。一般的に申しまして、どの程度の条件をつけるかは、それは今後予算審議の過程におきまして毎年きめる問題だと存じます。四十三年度の七十二億円につきましては、これは主として東南アジアにおける農業開発のために限定し、かつ、日本の物資、役務に限定したいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/92
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093・須藤五郎
○須藤五郎君 ぼくが指摘する前にそれを何で答えないんですか。そういうことを隠す必要はないでしょうが、はっきり言えば。だからこっちが指摘しなければならない。ぼくらはちゃんと知っているわけだからね。だから、知っていることでも、はっきり答弁をとっておかないと問題にならないから質問しているんです。それを隠していること自体がおかしいですよ。中尾君に何でさっき答弁しなかったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/93
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094・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 全く私が悪うございまして、最初から言えばよかったんですが、衆議院の委員会でもお答えしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/94
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095・須藤五郎
○須藤五郎君 中尾君に答えなさい。何で中尾君に答えないのかとぼくは聞いておるわけです。
それじゃ最後の質問になりますが、この一般会計からの拠出金ですね、必ず返済されるのかどうか。どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/95
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096・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) これはいわゆる貸し付けでございませんで、信託基金ですから、出資に近い性質のものかと存じます。したがいまして、アジア開発銀行で日本からこの金を受け取りまして、それを融資に使って、まあ融資が順調にまいりますれば、結局元本というか、基金そのものは結局欠陥も生ぜずに残りますから、万一清算のときにはそっくり返ってくる、そういう性質のものかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/96
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097・須藤五郎
○須藤五郎君 これは利子は幾らですか。それから、返済の期限はどういうふうになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/97
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098・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) この拠出は貸し付けとは違いまして、利息は取りません。また、期間もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/98
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099・須藤五郎
○須藤五郎君 利息は取らない、期間はつけない、これでは捨て金じゃないですか、やることじゃないでしょう。実際にはそうじゃないですか。これは捨て金ですよ。何ですか。日本人の金を集めておいて、そしてその金を日本人の国民生活に使わないで、何でこんなばかげた金をやる必要があるのですか。捨て金ですよ。利子は要りません、期限は切りませんという金ならだれだって借りますよ。それではもらう金と一緒じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/99
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100・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) いま申し上げましたように、性格としては出資に近い金かと存じます。出資と同様に期限もない、利息もとらない。しかし、その元本というか、出資金そのものは清算の場合には必ず返還してもらう、そういうような性質のものかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/100
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101・須藤五郎
○須藤五郎君 こんな質問繰り返しても意味ないじゃないですか。そういうこと自体が捨て金の性格ですよ。だって期限がないのだから、期限がくるはずがないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/101
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102・柏木雄介
○政府委員(柏木雄介君) 日本が拠出いたします金はアジア開発銀行のほうにおきまして回転資金に融資している。融資しては回収する、融資しては回収するというものでございまして、アジア開発銀行において、これを発展途上国の経済発展のために有用に使うものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X00719680322/102
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103・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 二法案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時五分散会
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