1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月十四日(火曜日)
午前十時十六分開会
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委員の異動
五月十四日
辞任 補欠選任
塩見 俊二君 久保 勘一君
二宮 文造君 辻 武寿君
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出席者は左のとおり。
委員長 青柳 秀夫君
理 事
植木 光教君
小林 章君
柴谷 要君
委 員
青木 一男君
伊藤 五郎君
大竹平八郎君
大谷 贇雄君
久保 勘一君
西郷吉之助君
田中 茂穂君
徳永 正利君
藤田 正明君
田中寿美子君
戸田 菊雄君
野上 元君
野溝 勝君
辻 武寿君
瓜生 清君
須藤 五郎君
国務大臣
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
政府委員
大蔵省銀行局長 澄田 智君
中小企業庁次長 沖田 守君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
説明員
大蔵省国際金融
局次長 奥村 輝之君
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本日の会議に付した案件
○中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行
法、信用金庫法等の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○金融機関の合併及び転換に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
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001・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案、金融機関の合併及び転換に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/1
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002・須藤五郎
○須藤五郎君 まず、最初、大臣に一点お聞きしておきたいと思いますのは、金融機関の合併、統合が最近問題になって今度この法案が出てきたわけですが、一体、統合が何で必要になったかという基本的な点をひとつ大臣に伺っておきたいと思います。大蔵大臣はきょうは時間に制約がありますので、ひとつお互いに質問も答弁も簡明にいくようにお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/2
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003・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) いわゆる金融の効率化というためには、やはり適正な競争原理を取り込むことがいいということになりますというと、したがって、そこで、この効率化のために合併というようなこともあり得ると考えられますので、今度その道を開いておるということでございます。実際問題として、やはり適正な競争というものが行なわれるときには、金融機関の合併というようなものは効率化のために私はあり得る、また、必要だと思われるものは合併さしたほうがいいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/3
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004・須藤五郎
○須藤五郎君 金融の効率化のために統合、合併が望ましいことだという意味のお答えだと思うんですが、一体、金融の効率化というのはどういうことなのか、これを一般の人が聞いてわかるようにひとつ説明しておいていただきたいんですよ。私たちは演説会に行きまして、金融効率化のために銀行が合併するといったって、一般の聞いている人はわからないんですよ。だから、私たちはもっとかみくだいて話をしなくちゃならないんですが、そういう点をもう少しどういう点がねらいなのか、お答えを願いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/4
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005・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) いわゆる産業の効率化ということが必要であるといわれておりますが、この状態に対応する金融機関のあり方であって、特に金融を必要とする産業、また、そこに金を流すことが最も効果を発揮するというような企業に対し、良質の資金が流れていくことが可能になることが金融の効率化だというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/5
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006・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、いまの話を聞きますと、金融をしたその相手方がそれを利用して、非常に産業の発展とか、そういうものに大きく役立てるところ、そこへ金融することが金融の効率化だ、こういうふうに理解して、いわゆる個別銀行の業績を改善するためのものではなくて、金融機関の合理化、これがいわゆる低金利を産業に還元する、そこで成績をあげさせる、これが金融の効率化だ、こういうふうに考えていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/6
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007・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) そのとおりです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/7
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008・須藤五郎
○須藤五郎君 そのとおりですね。そうすると、それでは低金利を必要とする企業というのは一体どこかということになるわけなんですが、そこは一体どこなんですか。低金利を必要としておるところは、いまの大臣の話を聞いていると、非常に大産業という問題が一つでておると思うんですが、低金利を必要とするところは一体どこかということをもう一ぺん大臣お答えを願いたい。ちょっとしばらくの間、大臣にお答えをいただきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/8
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009・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 産業全般が低金利を必要とすることでございますが、特に必要なのは、やはり設備資金のような長期資金は低金利であることが望ましい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/9
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010・須藤五郎
○須藤五郎君 まあ大臣の答弁を総合すると、やはり低金利の金を必要としているところは大企業、独占企業という面が非常に必要としておるというふうに私は受け取ったわけです。それでは農業や中小企業はこの金融の効率化を必要とする中には入らないのかどうなのか。農業や中小企業は単なる資金源にすぎなくて、この効率化の中に入らないのかどうかということが問題になってくると思いますが、大臣、そういう点はどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/10
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011・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 農業のような生産性のわりあいに低い企業の基盤を整備するというような資金は特に低利を必要とするというふうに考えますし、それから、さっき大企業と言われましたが、国際競争力という点から見まして、大企業の設備資金というようなものも低利を必要としますが、それよりも、いわゆる国際自由化に対処できる経済の体質をつくろうとする以上は、やはり中小企業の近代化、合理化ということが必要で、そうでないというと国際自由化に対処する国内経済体質ができないということで、特に最近は中小企業の合理化ということが必要に迫られているという事情でございますので、この部門にやはり低利の資金が非常に必要になっているということは言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/11
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012・須藤五郎
○須藤五郎君 いま大臣のことばの中にも、農業など、要するに、あまり成績のあがらない産業という話でしたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/12
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013・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 成績があがらないんじゃなくて、生産性の低い……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/13
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014・須藤五郎
○須藤五郎君 効率化は、やはりそこへ低金利の金をつぎ込んで成績をあげさせるんだというような話でしたね。そうすると、やっぱり農業とか中小企業とかいうふうなものは、あなたたちのお考えになっている功率化のワク外にはずれておることであって、やはりほんとうはそこにないんだ。中小企業に融資することは金融の効率化の精神に反するんじゃないか、そういうふうに大臣の答弁を聞いてて受け取れるんですが、大体この効率化の中に、あなたたちが実際中小企業を入れるのか、入れるというふうに考えていらっしゃるのか、そういうあまり役に立たぬもの、成績のあがらぬものはこの効率化のワク外だ、こういうふうに考えていらっしゃるのか、そこをどういうふうにしていこうとおっしゃるのか、聞いておきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/14
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015・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) これは効率化が中小企業の金融について特に必要であるということから、この専門金融機関をつくって中小企業金融に定着させようというのが私どものねらいでございますので、これをワク外に置くとか何とかということではなくて、この機関をこの金融に定着させようというのでございますから、目的はきわめてはっきりしておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/15
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016・須藤五郎
○須藤五郎君 中小企業は安い資金をほしがっているのです。高い資金なんかではとても中小企業はやっていけない、大体安い資金がほしいわけです。それから、その分量においても、従来のようなちょっぴりではいけない、もっと安い、そうして大量のあふれるような十分な資金がほしい、また、政府もそういうことを言っていらっしゃると思うのです、そういうふうなことを。しかし、従来やっていることは、政府の言っていらっしゃることと何だか反対のような感じがするのですが、どうでしょうか。ほんとうにあふれるような安い資金を中小企業に準備していらっしゃるのでしょうかどうでしょうか、そこを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/16
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017・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 中小企業向けの金融機関というものの合理化が十分でございませんでしたので、したがって、資金コストが非常に高いということでございます。それを補完するために、政府の中に特別の政府関係の金融機関があって、資金運用部の資金を活用してこれをみるというようないろいろな措置をとっておりましたが、しかし、やはり中小企業金融機関自身がほんとうに中小企業金融を効率的にやれるのでなければなりませんので、いわゆる金融の効率化という点から中小企業金融機関を今度のように法律で規制して、これを定着させる、そうしてこれを適正な競争をさせるということによってこのコストを下げていくという努力を今後したいというわけでございまして、従来はこれが十分でなかったというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/17
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018・須藤五郎
○須藤五郎君 それでは、従来十分でなかったから、これから十分に安いコストの資金を中小企業に提供しよう、こうおっしゃるわけですね、大臣のお考えは。
それでは、大臣、今度相互銀行で八〇%は中小企業に使う、こういうワクをはめられましたね。しかし、二〇%はこれは自由だといってワクがはずれているわけですね。その八〇%はめて、二〇%だけワクをはずすということは、いま大臣の言っていらっしゃいました安いコストの資金を中小企業向けに豊富に提供するのだという精神とは少し矛盾してくると思うのです。私たちの考えは、むしろ相互銀行というものは全部中小企業向けというワクをはめて、従来とも、相互銀行にしろ金融公庫にしろ、利子が普通銀行より高いのでしょう。だから普通銀行のほうに二〇%なら二〇%、もっとたくさんのワクを、相互銀行にワクをはめるのじゃなしに、逆に普通銀行にワクをはめたらどうかという意見も成り立ちますが、そこらはどういうふうに考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/18
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019・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、中小企業というのには一つの定義がございますが、この定義からはずれたからすぐにこれは融資対象にならないというふうに機械的に扱うことのほうが弊害がありまして、中小企業はどんどん成長しておりますから、中小企業が、たとえば使用人の数がふえたり、あるいは資本金がちょっとふえたからといって、これは普通銀行の分野だといって対象から省くという措置は現実的ではありません。いままで世話をしてきて、一番内容を知っている中小企業が育ったときに、そういうものへの金融というようなものの一定のワクであって、これはいいことだというふうに考えております。
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020・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 委員の異動について御報告いたします。本日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として辻武寿君が選任されました。
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021・須藤五郎
○須藤五郎君 それは成長していく中小企業はけっこうですよ。しかし、成長しない中小企業というものも依然として残っておるわけですね。だから、成長していく中小企業にずっと重点が移っていくと、あとに取り残された成長し得ない中小企業というものは取り残されてしまって、ますます金融困難というような状態が起こってくると違うんですか、どうですか。そんな感じがするんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/21
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022・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) それですから、いろいろ対象限度額というようなことを各機関ごとにきめてあるわけですが、これが全部実際においてはダブってくる。相互銀行のみている範囲も、これを信用組合がみてもいいんですし、また、同時に、信用金庫が担当してもいいんでして、他の機関が全部ダブってくる。中小企業金融に定着できるということになりましたら、成長しない中小企業でもいずれかの金融を受けられるということになるので、それは少しも私は差しつかえないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/22
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023・須藤五郎
○須藤五郎君 まあどうしても私たちの考えと違いますね。やっぱし成長していく、成長した中小企業は普通銀行から金を借りることが十分できるような条件ができてくるんですよ。しかし、成長し得ない中小企業は、普通銀行からなかなか金が貸してもらえないという条件があるわけです。だから、中小企業というワクを一〇〇%はめるなり、それを二〇%ワクをはずすというならば、普通銀行にも二〇%なりそれにかなうようなワクをはめておくべきじゃないか。普通銀行は二〇%は中小企業に融資しなさいというワクをはめておかないと、どうも中小企業があぶなっかしい状態に置かれるんじゃないかと、そういう感じがするんですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/23
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024・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 中小企業への金融は、この中小企業専門の機関だけじゃなくて、普通銀行でも、もうすでに地方銀行の資金の半分以上、五五%は中小企業向けになっておりますし、私は、いま相互銀行は全額中小企業へ貸さなきゃならぬという必要はなくて、この中小企業の中にはずいぶん小さい中小企業がございますし、したがって、中小企業の上のほうで、いま言ったこの成長していく中小企業の中で、もう下請をたくさん持っておるところもございますし、関連企業としてそこら辺の金融を確保してやることも、やはり中小企業金融、間接的に中小企業金融でございますので、そういう点で厳密にぴっしりこの法律上、定義からそれているところへは金を貸してはならぬのだという、そういう窮屈な必要はないだろうと思います、相互銀行の場合は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/24
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025・須藤五郎
○須藤五郎君 問題はちょっと別の問題になりますがね、大臣、資本の自由化の進行と今度の金融機関の合併、統合との関連はどういうことになりますか。これも大臣のお答えでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/25
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026・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 資本の自由化を昨年から実施しておりますが、国内の直接投資というものによる影響というようなものはまだ出てまいりませんが、将来やはり自由化の影響というものは、これは当然日本の企業に出てまいります。また、それよりも、むしろ特恵関税の問題とか、あるいはそういうものを中心にして日本の中小企業の合理化が急がれるというような事態が、私はそちらのほうが早くきて、その影響のほうが早く強まってくるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/26
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027・須藤五郎
○須藤五郎君 銀行局長、世界各国の金利をちょっと聞いておきたいんですが、一体、日本の金利は安いのか高いのかということの参考にしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/27
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028・澄田智
○政府委員(澄田智君) 一般的に申し上げまして、短期の金利につきましては日本の金利も国際的な水準にきわめて近づいて、時には、海外の金利が上がるというようなときには、むしろ日本の金利は低目であるというような感じすら持つことがございますが、長期金利の面では、まだある程度日本の金利のほうが割り高である、かような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/28
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029・須藤五郎
○須藤五郎君 いや、具体的にぼくは知っておきたいために、イギリスはどのくらいですか、金利。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/29
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030・澄田智
○政府委員(澄田智君) いわゆる代表的な金利でありますプライムレートで申しますと、現在イギリスは八%でございます。この場合、日本の場合イギリスより低くて、日本では六・二%から六・七五%というようなことでございます。ちなみに、公定歩合は日本は現在六・二一%でございますが、イギリスは七・五%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/30
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031・須藤五郎
○須藤五郎君 アメリカは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/31
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032・澄田智
○政府委員(澄田智君) アメリカのプライムレートは六・五%でございます。公定歩合は五・五%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/32
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033・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、いまのお答えですと、アメリカと日本とを比べた場合、アメリカの金利のほうが高いんですか、日本より。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/33
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034・澄田智
○政府委員(澄田智君) 現在ちょっとプライムレートがアメリカより高くなっておりますが、アメリカは日本のプライムレートとほぼ同じ水準と申し上げたほうがよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/34
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035・須藤五郎
○須藤五郎君 同じ水準ですか、日本の金利が。私は、従来アメリカなんかと比べても日本の金利のほうが高いということを聞いておったんですがね。で、やっぱり資本の自由化が起こってくると、金利はやはり世界的水準に保たないと、日本の金利がばかに高いといえば向こうからたくさん資本が入ってくるという関係になるだろうと思うんですね。で、今日、わが国の産業界におけるおもな企業ですね、それに対する外資の占めるパーセント、それをちょっと伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/35
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036・奥村輝之
○説明員(奥村輝之君) 御指摘の、おもな企業というのは一体どういう企業なのか、なかなか区切りがむずかしゅうございます。しかし、まあかりに私どものほうで有価証券報告書、これは大蔵省の証券局でございますが、とっておりますものを見てまいりますと、この中で資本金が五百億円以上の会社というものが、その中で過去から外資の借り入れを行なっておった会社、外資との関係のあった会社、これが十三社あるわけでございます。で、この十三社について見ますと、経営傘下の資本は入っておりませんので、借り入れ金、あるいは外債という形で外資を入れたわけでございます。で、一番新しい時点でこれらの借り入れ金、外貨債の残高が千六百八十五億円ございます。こういう会社の総資本金でございますが、これは資本金に借り入れ金、あるいは準備金等を足しましたものが六兆二千八百四十六億円ございます。したがって、この会社だけ見ますと、いまの外資の占める率というのが三%ぐらいになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/36
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037・須藤五郎
○須藤五郎君 企業というとむずかしくなりますけれども、要するに、石油産業にどのぐらい入っておるかとか、それから、電気にどのぐらい入っておるかとか、鉄鋼関係にどれだけ、また、繊維にどれだけのパーセントの外資が入っておるか、そういう点をちょっとお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/37
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038・奥村輝之
○説明員(奥村輝之君) これは非常に小さな会社から大きな会社まで含まれると思うのでございますが、私どもいま持っております資料では、その資本の形、出資の形でどういうふうな状況で合弁会社等が設立せられるか、どういう形で外資が入っているかという数字を持っておりますが、これは一番大きいのは機械製造業、これは過去全体のこの経営傘下の株式の昭和二十五年から四十三年の一月末まででございますが、累計で三百十件こういう会社が設立せられたわけでございます。合弁会社になったわけでございます。その中で機械製造工業というのは二八%、八十八件を占めております。次に、化学工業は七十四件、金属工業が二十五件、ガラス、土石、こういうのが七件で二%、食品製造が七件で二%、紡織業が七件で二%、ゴム、皮革製造が一%、そのほか貿易、商事関係では五十六件で一八%、サービス業が十八件で六%、こういうふうな構成になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/38
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039・須藤五郎
○須藤五郎君 聞くところによりますと、石油化学などには相当パーセントの外資が入っている、五〇%以上も入っているところもあるというようなことを聞くんですが、大体五〇%以上外資の入っている会社というのはどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/39
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040・奥村輝之
○説明員(奥村輝之君) いま具体的にその会社の名前を申し上げかねるのでございますけれども、石油精製関係については、これは御指摘のように、五〇%、あるいは五〇%以上の会社が多いわけであります。これは石油資源を外国にたよるということ、あるいは歴史的な関係等によってそうなったものであると思いますが、一方では、アラビア石油などについては、これは全然五〇%までは外資が入っていないわけでありますが、それに対してシェル石油とかモービル石油というのは一〇〇%の外資を入れておる。これはもともと外資系の会社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/40
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041・須藤五郎
○須藤五郎君 きょうはもう少し資本の自由化についていろいろ質問をしたいし、いろいろしたいと思いますが、それをやっていると時間がなくなりますので、これはあらためまして次の機会にひとつ論議することにいたしましょう。
非常にしろうとっぽい質問になりますが、金融統合というものと独占禁止法とは全然関係がないものなのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/41
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042・澄田智
○政府委員(澄田智君) 株式会社である相互銀行等の場合は、これは当然にその合併という場合には、独占禁止法の規定に従いまして届け出を要する、こういうことになるわけであります。ただ、信用金庫や信用協同組合は、これは組織が会員組織または協同組合組織ということになっておりまして、独占禁止法の適用除外となっておるわけでございます。今回御審議を願っております合併及び転換に関する法律案の二十二条で、銀行と合併をするこの場合の銀行は普通銀行と相互銀行両方含むわけでありますが、その銀行と合併する場合の金庫あるいは信用協同組合、これについては会社とみなして独占禁止法の規定の適用を受ける、かようなことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/42
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043・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、銀行との統合も独占禁止法とは関係があると、こういう解釈ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/43
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044・澄田智
○政府委員(澄田智君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/44
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045・須藤五郎
○須藤五郎君 産業の統合が最近非常に大きくなってきて、この間代表的に八幡と富士と合併して、世界第二位か第三位の鉄鋼メーカーができたということですが、これは単にそれだけじゃなしに、今後どんどんと大企業の方向に統合が進んでいくと思うのですが、この企業の統合と金融機関の統合とは並行して進んでいくというようにお考えでしょうか。どういうふうに大臣は構想を持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/45
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046・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、必ずしも企業の大型化に金融機関が即応していくとは思いません。しかし、やはり将来金融機関の統合というような情勢は、今後企業の情勢に対応して、ある程度そういうものが出てくるのじゃないかと思いますが、必ずしもそれと即応してそういう情勢になるというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/46
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047・須藤五郎
○須藤五郎君 まあ大臣も、企業の合同と同時に、金融の合同も進んでいくのだという御意見だと思うのですが、そうすると、独占禁止法との関係はあるとおっしゃいますけれども、そういうふうに金融機関はどんどんと大きくなっていって、かりに三井、住友、三菱というような大銀行ががさっと合同すると、金融界にも非常な問題が起こってくると思いますが、それと同時に、金融先自体がやはり問題になってきて、ますます中小企業などというものは、この金融の統合と合併によりまして、金融のワク外におっぽり出されてしまって、銀行は大きくなるし、大企業がますます大きくなるとなれば、やっぱり大銀行は大産業を目標として、中小企業というのはおっぽり出されてしまうという、そういう結果がくるように私は考えるのですが、どうなんですか、そういう関係は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/47
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048・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) たとえば昭和三十五年の日本の貯蓄残高十三兆というものが、もうわずか四十三年のことしは四十八兆というふうに、国民の貯蓄というものはどんどん進んできますし、したがって、金融機関の資金量というのもこれは年々大きくなってくるものですから、それとこの企業との関係において、私は、先に行けば行くほど中小企業金融が狭まっていくというふうに簡単には考えられないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/48
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049・須藤五郎
○須藤五郎君 すると、中小企業金融というものは、そう潤沢に、自由豊かな金融というふうにはなっていかないという見解なんですね。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/49
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050・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) いや、そうじゃなくて、資金量というのはやはりどんどん年々大きくなるのですから、いまおっしゃられるように、一、二の金融機関が合併するというようなことによって中小企業の資金の幅が狭まっていく、窮屈になると、そう簡単には考えられない。相当中小企業の資金も将来はどんどん潤沢になっていくというふうに考える。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/50
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051・須藤五郎
○須藤五郎君 最近企業の合同というものがどんどん進んでいくと、それに並行して金融の合同も進んでいく。その面から考えますと、やはり金融機関が合同をしなくちゃならぬということは、産業の合同が進行してどんどん大産業になる、その要望にこたえるために、やはり金融機関も合同しなくちゃならぬという情勢になって合同が進んでいる。こういう面から考えると、その合同に取り残された中小企業というものは非常に不安定な状態に置かれるんじゃないか、金融の面から。そういう結果になるんじゃないですか。産業が合同して大きくなれば、それに対応して金融も合同していくんだということになれば、やはり合同した金融機関はそちらの方向にずっと集中していく。そうすると、取り残された日陰者は金融の面から取り残されるという結果がくるんじゃないかと、こういうふうに私は考えるのですが、そういうものがないという保証がどういうところで立つのか、どういう政策をとっていかれるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/51
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052・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) かりに企業の大型化が行なわれて合同したからといって、合同するということは、いまある企業が二つとか三つが合併することで、その金融量というものから見ましても、現にそれぞれが金融しておるこの企業が合併するのですから、それによって今度は合併したために三倍の資金が要るとかいうようなものじゃなくて、むしろ合併することによって資金の効率化が行なわれるかもしれませんし、合併ということがすぐに中小企業の金融にそういうふうに響いていくというようなことは、そう簡単には考えなくてもいいのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/52
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053・須藤五郎
○須藤五郎君 いま合理化の話がちょっと大臣から出ましたが、合理化については、今度のこの二法案に対しまして、全銀連はじめ、銀行関係の労働組合は非常に反対をしておるんですよ。何で反対するかといったら、やはり企業が合併すれば、必ず合理化の名前によって配置転換が起こったり、それから、労働強化がもちろん起こるし、それから、首切りが起こる、そういう面が必ず起こってくるから私たちはこれには賛成することはできないという訴えが方々からきておるんですよ。現に企業が合併すれば、必ず首切りがあったり配置転換があるのですが、今度の銀行の合併といいますか、統合、これによってそういうことは起こらないのですか。やっぱり起こるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/53
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054・澄田智
○政府委員(澄田智君) 合併の場合の従業員の処遇については、もちろんそれぞれの金融機関が合併にあたって自主的に取りきめることでございますが、今回の法律によりまして大蔵大臣が認可する、こういうような場合においては、合併の契約書等の必要な書類等について十分に内容を検査する、こういうことになっております。合併によって従業員の処遇が不当な不利益を受けるというようなことのないようにその点は指導し、監督をしてまいりたい、かように考えております。
それから、現在の金融機関の合併という場合においては、これは求人難の現状からいって、当然に金融機関としては合併によってそれに対処しようというような点もありますので、合併によって首切りが行なわれるとか、そういうような例は過去の合併にも金融機関の場合にはございませんし、むしろ合併によって金融機関の経営内容が向上する、こういうような場合には、職員もそれによって一そう職場としての将来性も高まる、こういうようなことで、理解を持って臨んでおるというのが通常の例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/54
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055・須藤五郎
○須藤五郎君 現在この合併によって問題はもうすでに起こっておるのですね。というのは、合併というのは、合併されるものと合併するものとあるのですね。だから、各銀行において、合併されたらたいへんだと、首切りやいろいろなものがされて自分たちが不利になる、だから合併する立場に立てというので、いまそこの労働者は非常な労働強化が押しつけられているのですよ。要するに、ノルマが強化されて、それでどんどん金を集めてこい、そうしてわれわれは合併する立場に立とうじゃないかということで、現にそれがやられております。それから、要するに、合併すれば増資という形になりますね、資本金は多くなる。そうすれば配当金がたくさん要るということになって、それをまかなうためにいろいろの労働者に対するしわ寄せがくる、こういうことがいわれているのですが、これは事実なんです。労働者の体験で私たちに訴えてきておることでありまして、あなたのほうはそんな心配はないのだ、業績がよくなって、もっとよくなるのだというふうな、そういう簡単な答えでは労働者の不安というものは一掃することができない。それじゃ労働者はどういうことで、どういう立場に立って労働者の生活を保障し、権利を守ることができるのですか。政府でできるのですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/55
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056・澄田智
○政府委員(澄田智君) ごく最近の合併の例、銀行の場合と東京の信用金庫の合併の例がごく最近、三月及び四月にございましたが、たとえば信用金庫の合併の場合でありましても、給与ベースが違います二つの信用金庫が合併した場合に、上位の信用金庫の給与ベースに完全に同じ基準で引き上げられまして、一律にむしろ賃金ベースが引き上げられていく。そうして自発的に退職した者は数名ございますが、それは全く個人の自由意思で退職いたしました。そのほかの者は全部従来の役職等をそのまま新しい体系に組み入れられまして引き継がれておりまして、そういう意味では、きわめて職員の立場から見ましても望ましい形で合併が行なわれていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/56
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057・須藤五郎
○須藤五郎君 政府はそういうことを言っていて、労働者の権利はそういう政府答弁で守れるかどうかというと、そう簡単にいかぬいろいろの問題が起こるだろうと思うのですね。この金融二法には二つの目的が掲げられておる。一つは、中小企業金融の円滑化という点ですね。もう一つは、金融の効率化、いままで私が質問してきた点ですが、政府は、中小企業の豊富低廉な資金がほしいという要望にこたえて、中小企業金融の円滑化をはかるためにこの二法案を出したのか、それとも、中小企業金融機関の整理、再編成のためにこの法案を出したのか、私の質問は少し戻るようでありますが、そのいずれであるか、こういうことを聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/57
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058・澄田智
○政府委員(澄田智君) 金融制度調査会の答申に基づきまして今回の法案を御審議願うわけでございますが、この答申にありますように、金融の効率化ということをはかるために、同時に、中小企業金融の円滑化というねらいを果たそうと、こういう考え方でございまして、従来、中小企業金融に法律上義務づけられておりません相互銀行に、はっきり中小企業金融を行なう機関として義務づけ、これを定着する。そのほか業務範囲をはっきりさせ、そして中小企業金融に対して十分要望にこたえて行ない得るように体質の強化をはかる、こういう点で中小企業の円滑化の目的に十分効果があるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/58
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059・須藤五郎
○須藤五郎君 相互銀行、信用金庫は貸し出し資金の単位が非常に大口化してきたと、こういうふうにいわれているんですが、どのようになっておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/59
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060・澄田智
○政府委員(澄田智君) 相互銀行は、現在一件当たり貸し出しでは三百二十三万、これは四十二年九月でございますが、そういう状況でございます。それから、信用金庫においては二百二万と、こういう統計になっております。こういう一件当たりの融資の金額等はそれぞれ若干ずつふえてきておりますが、他方、百万円以下の小口の融資について見ましても、その割合も増加をいたしてきております。したがいまして、一がいに大口化しているとは申し上げられないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/60
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061・須藤五郎
○須藤五郎君 大蔵省にお尋ねしますが、先ほどからずっと話の中で、中小零細企業にも良質な資金を潤沢に提供するためにこれがやられたと、こういうことを言っていらっしゃるんですが、それじゃどの程度の良質な資金が必ず潤沢に供給されるという保証はどこにあるのか、あるならそれをこの際、示してほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/61
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062・澄田智
○政府委員(澄田智君) 現在までの中小企業専門金融機関の貸し出しの条件等を見ますると、かつては一割近い非常に高いものでありましたのが、現在においては非常に下がってきております。すでにかなり普通銀行に近いところまで下がってきておりますが、今後この法律の実施によりまして、中小企業専門金融機関が適正な競争を通じ、そうして適正な規模でその体質を強化し、資金コストを引き下げるということによって、さらに一そう貸し出しの金利を引き下げることができるように、そういうふうに金融機関の効率化というものがはかられていく、そういうねらいでもってこの法律の御審議を願うわけでありますが、今後この法律の実施によりまして十分そういうふうなねらいが果たされるように、中小企業金融機関の指導監督等に十分意を用いたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/62
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063・須藤五郎
○須藤五郎君 いま審議されている法案は、相互銀行、金融公庫なんかの問題でありますが、銀行という名のつく金融機関のほかに、大体金融機関というものはどの程度あるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/63
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064・澄田智
○政府委員(澄田智君) 金融機関ということばの定義にもよりますが、通常金融機関といわれますものは銀行、銀行の中に相互銀行も含めまして、銀行、それに、ここにございます信用金庫、あるいは信用協同組合というものがございますが、そのほかに労働金庫等もございます。さらに農林漁業金融機関といたしまして農林中金、それから農業協同組合、それから、その連合会であります信用農業協同組合連合会、漁業系統、水産加工系統にも同様なものがございます。また、広い意味で用います場合には、生命保険会社、損害保険会社等も含まれるわけでございます。以上のほかに、もちろん政府系金融機関、それから日本銀行といったようなものがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/64
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065・須藤五郎
○須藤五郎君 私は、最近、日本信用販売株式会社、俗に言う日信販という会社の問題について一つの訴えを受けたのですが、銀行局長にもそのことは私はかねがね耳に入れておいたはずですが、この日信販は一体金融機関なのか、何なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/65
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066・澄田智
○政府委員(澄田智君) 日本信販株式会社は、これは割賦販売法によりまして、割賦購入のあっせん業者というわけでございますが、なお、同社は貸し金業者の届け出をいたしておりますので、貸し金業者としての一面も持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/66
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067・須藤五郎
○須藤五郎君 金を貸す以上、金利をとるのでしょう。金利をとらない金貸しというものはないと思うのですね。貸し金業というならば、これはやはり金融業じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/67
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068・澄田智
○政府委員(澄田智君) 先ほど金融機関の中に私がその貸し金業をあげませんでしたのは、金融機関というのは、通常、資金を他から受け入れて、そうして他に貸すという、そういう資金の媒介をするものを金融機関、かように定義をするわけでございますが、いわゆる貸し金業として「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」によって貸し金業者として都道府県知事に届け出をしているという、こういう貸し金業者は、預金等の手段でもって金を集めるということはできませんで、自己資金を融通すると、こういう貸すほうの面を営む、これが貸し金業者ということになっております。日本信販株式会社は、その貸し金業としての届け出はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/68
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069・須藤五郎
○須藤五郎君 届け出をいているとかしていないとかいうことをぼくは聞いているのじゃないですよ。日信販が実際に金を貸しているわけですね。金利を取って金を貸しているんですよ。そういうのは金融業なんでしょう。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/69
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070・澄田智
○政府委員(澄田智君) いわゆる町の金融業者というようなときの金融業という用語の使い方には貸し金業がよく入れて使われておりますが、金利を取って金を貸すというものであっても、預金等を集めてそれを他に貸すと、こういう金融の、この資金の媒介をする場合がいわゆる金融機関でありまして、そういう貸し金業はそういう意味の金融機関の中には通常入れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/70
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071・須藤五郎
○須藤五郎君 それでは、日信販の営業内容を述べてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/71
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072・澄田智
○政府委員(澄田智君) 日信販の営業は、これは信用販売、あるいは月賦販売、そういったことを中心といたしまして、その会員にカードを発行いたしまして、会員がそのカードで加盟店から購入をいたしますと、その場合には現金を払わないで、会員はそのカードによって購入ができるわけでありますが、そういたしますと、その売った加盟店は日信販にその代金の請求をいたします。日信販はこれを立てかえまして、そしてその会員のほうからはその代金を月賦で取り立てる、こういう形のが通常の日信販の営業のやり方のようでございます。そのほか、信用の保証であるとか、あるいは住宅関係、不動産関係の業務のあっせん、コンサルタントというような関係の業務等もいたしておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/72
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073・須藤五郎
○須藤五郎君 私が調べたところによりますと、手数料というものを、取っているんですよ。それで、金利とか貸し金とか、そういうことばは絶対使っていないんですよ、日信販は。そこがぼくは逃げ道だと思っているんです。しかし、私の調べたところによりますと、日信販は手数料としまして、要するに一回払いですかね、その場合にはお客さんから何%か取り、それから、売った店ですね、そのほうからも手数料を何%か取っているんですよ。それをあなたのほうで調べてあるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/73
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074・澄田智
○政府委員(澄田智君) 実は、御指摘もございましたので、ある程度当たってみたのでございますが、その貸し金業としての日信販の営業は、これは都道府県知事への届け出で、それから、割賦販売業としては、これは通産省の所管と、こういうことでありますので、私ども的確な内容については承知をしていないところが多いわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/74
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075・須藤五郎
○須藤五郎君 通産省の方いたんじゃないですか。それはわからないですか、通産省。ちょっと答えてください。手数料という名前でどのくらいの手数料を取っているのか、ちょっと知らせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/75
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076・沖田守
○政府委員(沖田守君) 手数料といたしまして日信販がいま取っておりますものは、たとえば十カ月の月賦で日信販加盟店から消費者である会員が買いものをいたしますような場合、消費者は六%、十カ月の場合に、消費者からも加盟店からも六%ずつの手数料を取っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/76
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077・須藤五郎
○須藤五郎君 三回払いは、お客さんから一%、店から五%、それから、六回払いが、お客さんから四%、店から五%、それから、十回払いは六%ということになっておる。それで、この手数料というけれども、結局これは立てかえた金の金利というものがこの中に含まれておるわけですね。品物の場合はともかくもそういうふうな言いのがれができるけれども、金のあっせんをしているわけですね、金の。金を借りた私のある友人が言うのには、金を借りると、ある銀行から、日信販がまん中へ入って、そうして六分なら六分の利子で銀行から金を借り出してきて、そうしてこちらへ金を貸すと、そうすると銀行と同じ利子を取って本人に金を貸すということがいわれているのです。そこはどういうふうにあなたのほうは調べておりますか。それは銀行局長の関係と違うのか。金を貸す場合は、どういうふうな条件で金を貸しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/77
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078・澄田智
○政府委員(澄田智君) その金を貸すという場合がどうもよくわからないのでございますが、信用保証というような仕事はいたしております。これは日信販がその取引先の消費者を保証することによりまして、そうして金融機関の窓口から融資が受けられるように保証すると、この場合の保証料を取っておるわけでございまして、この保証料としては三銭程度の保証料を取っておるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/78
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079・須藤五郎
○須藤五郎君 保証料三銭。そうすると、それは日歩でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/79
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080・澄田智
○政府委員(澄田智君) ええ、日歩です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/80
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081・須藤五郎
○須藤五郎君 日歩三銭でしょう。そうすると、借りた人は、かりに日信販が銀行から借りたとすると、日歩二銭五厘なら二銭五厘としましょうか、そうすると、その上にもう三銭払わなければならぬ。日歩二銭五厘という利子を払わないと、日信販から仲立ちしてもらって金を借り出すことができないのですよ。これはあなた、非常な暴利じゃないですか。高利な金を日信販がまん中に入って、困った人に金を貸すということになっているのじゃないですか。これはこれだけの面を見たら非常な悪質なやり方と違いますか。そういうことをあなたたち見のがして、何ら監督しようとしないのですか。借りた人が私に訴えてきているわけですよ。日信販から金借りたらたいへんな利子を取られた、こういうことです。そういうことを銀行局として知らぬ顔して済みますか。金融も金融、悪質な金融じゃないですか、この面見たら。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/81
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082・澄田智
○政府委員(澄田智君) これは信用の保証でございまして、日信販が全部これを保証すると、銀行のほう、金融機関のほうは一切調査とか危険負担とかいうことなしで、それは日信販の信用保証で行なうと、こういう形のものでありますので、信用保証料というふうな形で取っておるもので、そういう意味で、いわゆる金利というものと違っておりますし、そういう形を利用して、そしてその金融を受けるということが必要な場合に利用される、こういうものであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/82
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083・須藤五郎
○須藤五郎君 日信販は、この入会するときには入会金を取るのですよ。それから、調査料というものを取っているのですよ。それから、あっせん料というものも取るのですよ。いま言ったのはあっせん料ですよ、三銭というのは。日歩三銭といったら、年にしたら何割になるのですか、たいへんな高利でしょう。こういうことを日信販がやるということをあなたたち承知して、それでほったらかしているのですか、どうですか。銀行監督不行き届きですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/83
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084・澄田智
○政府委員(澄田智君) われわれの監督している機関でございませんが、お話がございましたので、あわてて調べてみたらこういうことでございましたというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/84
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085・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、日信販に対しては、一体どこが指導し、監督してやっているのですか。大蔵省は全然関係ないのですか。それはどうなんですか、はっきりしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/85
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086・澄田智
○政府委員(澄田智君) 先ほど申しましたように、貸し金業の届け出をいたしておりますが、貸し金業の届け出は都道府県知事でございます。日信販の主たる業務でございます割賦販売は、これは通産大臣の所管でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/86
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087・須藤五郎
○須藤五郎君 それは監督しておらぬ、指導しておらぬから、おれたちに責任がないといって済ますことはできませんよ。町に日信販株式会社という看板を掲げたこういう悪どい金融業者があるということは、やはりあなたたち頭の中に入れて、そしてよくこれを指導監督していく責任があると思うのですよ。銀行から借りた金の倍の利子を取られるのですよ。銀行から二分、今度三分ですよ。日歩三銭といったら、一年にしたら一割以上じゃないですか。そんな高利をむさぼっているのですよ。日信販は入会金を取り、あっせん料、調査費を取って、なおかつこういうことだ。だから日信販はどんどん太っていくじゃないですか。日信販の構成メンバーをよく知っております。どういう連中が幹部でやっておるかということはよく知っております。しかし、そういうことはこの席上で言う必要がないから言わないでおくのですが、そういうことがあるのですよ。だから銀行局はこういうことをうんと監督して、ちゃんと指導しなさい。じゃどこが監督指導するのですか。どこか監督指導するところがなかったら、これは野方図じゃないですか。野放しですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/87
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088・野溝勝
○野溝勝君 議事進行に関して。私は二つばかりちょっとお伺いをしておきたいのですが、それは第一は、いま須藤君が質問しておりました日信販の問題ですが、どうもこのことはもっとはっきりしておかなければいかぬと思うのです。それで、いまどうという結論は、私は回答を得ようとはしません。しかし、私が問題にしているのは、金融機関が、大体国の金融施策というものに一体化していかなければならぬわけです。ところが、おかしいのだが、信用組合と信販連というのは都知事への届け出になっておる。地方長官の権限が多いのだね。それでボスどもが介在をいたして、いまのような高金利といいましょうか、高利を取っておるような業者があるのですよ。これは信販ばかりじゃない。地方の信用組合の中にもそういうのがあります。ですから、この際、私は、金融の効率化とか、あるいは金融の合理化とか円滑化とかいっておるこの際、こういう点に大蔵省が、やはり検討といいましょうか、これに対する結論を出しておかないということはいかぬと思うのです。ですから、これを機会に、こういう方面に対して大蔵省の金融行政全体に対する一貫性を持っていただきたい。人民は知事の権限だか大蔵大臣の権限だか、そういうことをよく知らないですよ。そうして、一つには、金融行政などはそういうまばらなものではないと思うのです。その点は当局におきまして、これはひとつお考え願いたい。
第二の点は、今回の銀行といいますか、相互銀行並びに信用金庫等に関する二法案の問題ですが、このねらいは私はいいと思うのです。金融制度調査会からの答申に基づくものだと思うのですが、これは前々から、本委員会におきましても絶えず私は力説してきておったところでございます。しかし、方針がよくても、その内容がどうも私はちょっと理解しかねる。たとえば金融の効率の問題にしても中小企業の円滑化の問題にしても、実際は前の相互銀行法、あるいは信用金庫法等にもちゃんと明記してあるわけですね、第一条に。国民の、何といいましょうか、「金融の円滑を図り、」とか「国民大衆の」と規定してあるわけです。だから、それで意を尽くしておるのだが、じゃ、どうしてもっと効率化をはかり、あるいは円滑化をはかるとかいうことになると、大衆の要求し、期待しておることに沿った方向に改めなければいかぬ。それがいわゆる中小企業の諸君はどういうことを願っておるかというと、政府資金を借りたい、これが第一ですね。長期資金を借りたい、これが第二点。政府資金、長期資金を借りたい、こういう考えを持っているにかかわらず、本法案におきましてはそういうことが明記されておらない。それは中小企業金融の円滑化ということとはあまりにも遠いのでございます。そういう点、さらにいま申しました効率化の問題については、合併等に対するいろいろの問題を考えられる、こういう点ですが、その場合、問題は効率化と従業員との関係の問題、こういう点が毛頭明確にされておりません。先ほどの銀行局長の答弁を聞くと、なるほど合併の際の資料の提出等については十分銀行局で監督するし、そういうことのないように、不安のないようにするということを言われましたが、ただ、私は、それだけでは従業員は不安であると思います。そういう点に対し明確なる表明なり、あるいは今後の方針なり規定されておらなければならぬと私は思います。私は大体そういうようなことを痛感をしておるのでございますが、議事進行ですから、あまり長く言っておると議事進行でなくなってまいりますから、あとは柴谷理事が待っておりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/88
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089・須藤五郎
○須藤五郎君 ぼくはもう一問。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/89
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090・野溝勝
○野溝勝君 君の質問時間は終わったじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/90
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091・須藤五郎
○須藤五郎君 じゃもう一問にします。これは、実際の中小企業の方からの訴えですが、保証人がない、担保もない人が金を借りようとした場合には、保証協会の保証があれば金を借すということになっておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/91
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092・野溝勝
○野溝勝君 ぼくは答弁を聞かないが、どうしたのだ。答弁を聞かないうちに君は……。ぼくの答弁を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/92
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093・須藤五郎
○須藤五郎君 答弁要るのか。議事進行だから、答弁要らないと思ったんだ。それじゃ、野溝先生に答弁してください。それから質問します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/93
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094・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) いま野溝さんのお話しでしたが、これは長い間もう問題になっておったことですが、大蔵省としては貸し金業の監督はできないというのが結論でございまして、と申しますのは、もう全国七万以上の数を持っておって、これは、いまでさえ金融機関の監督に相当苦心しておるときに、自由職業の貸し金業を大蔵省が監督するということは、事実上これは不可能でございまして、都道府県の監督になっている。いまでさえ、大蔵省指定とかいう札をかけて貸し金業をやって、一般の信用を得ていろいろなことをするものもあるくらいでして、これは大蔵省がいよいよ監督をするということになりましたら、それによって起こる弊害というものも非常に大きいというふうに考えますので、貸し金業だけは私ども監督はできないというふうに思っております。したがって、これは長い間そういうことは論議されておりましたが、いま須藤さんのお話でも、貸し金業の一つである、金融機関ではございませんので、私どもの監督外です。監督は別個の機関がもっと強力にやるべきだというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/94
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095・澄田智
○政府委員(澄田智君) 野溝先生のその他の点でございますが、信用組合に対します点は、これは今回の金融制度調査会の答申でも同様の御指摘がございました。今回の法律を契機に、より一そう都道府県に対する連絡を緊密にいたしまして、金融行政として、地方自治のたてまえで都道府県が信用組合に対する行政を監督をいたしておりますが、それに対して十分金融行政の見地から連絡をすべきものであるので、その間に矛盾のないよう留意したいと思います。
それから、今回の法律の施行にあたりましては、特に法律にも、たとえば合併、転換の認可に際しましてもいろいろ条件をあげておりますし、また、必要ならば大蔵大臣が条件を付することもできることになっておりますので、いまの御指摘のような点に対して、今後運用の場合に十分留意をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/95
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096・野溝勝
○野溝勝君 御指摘のような点というのはどういうことか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/96
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097・澄田智
○政府委員(澄田智君) 私がいま申し上げましたのは、労働条件の点とか、そういったことでございます。その他の御指摘の、たとえば長期の資金の点につきましては、これは今回の法律によりまして金融機関の体質が強化されるというようなことで、低利で安定した資金が供給できるように、そういうふうな形に金融機関の体制がなっていくことを目的といたしておるわけでございますので、その点についても、逐次長期資金というようなものの円滑な供給ということもはかられていくようになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/97
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098・須藤五郎
○須藤五郎君 混乱をしまして、速記の方にも迷惑をかけたと思うのですが、保証人も担保もない人には、保証協会の保証があれば金を貸し出すということになっておるというのですが、実際にはそういうふうにいかぬという訴えを私は中小企業の方から聞いたんです。国民金融公庫の通達には、無担保、無保証、いわゆる保証協会の保証があれば無担保、無保証で金を貸してもいいということになっておるのですよ。ところが、そういうことでも中小企業にはなかなか金を貸してくれないという訴えがたくさんきておるわけです。どちらが正しいのか。この保証協会の保証さえ持っていったら無担保、無保証で金を貸し出すべきものなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/98
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099・澄田智
○政府委員(澄田智君) 現在、無担保、あるいは保証人なしという場合であっても、小口のものにつきまして信用保証協会でこれを保証する、こういう道がございます。これは大いに活用されております。この保証付きの場合については、これは民間の金融機関においては、当然信用保証協会の保証があるわけでございますから、こういう場合にこれに対して率先貸し出しを行なう、こういう形で融資は行なわれております。ただ、国民金融公庫等の政府金融機関の場合におきましては、これは政策目的で政府資金によって政府金融機関の融資が行なわれておりますので、保証につきましても、他方、中小企業信用保険公庫を通じて政府の資金を使ってこれの保証を行なっておりますので、二つの機構がダブるような形になっておりますので、国民金融公庫等についてはこの保証の形をとらず、直接国民金融公庫が貸し出す、かようなやり方を主としてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/99
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100・須藤五郎
○須藤五郎君 だから、その証明書を持っていって国民金融公庫が金を貸し出さぬということは間違いなんでしょう。貸し付けるべきものなんです。ところが、貸し出さないという例がたくさんあるから訴えがきておるのです。だから、国民金融公庫は、こういう保証協会の保証さえあれば金を貸し出せということをはっきり政府から指示をしなければいかぬと思うのですね。今度の法案は中小企業界は非常な不安をもって見ておるわけです。こういうことではだんだんとわれわれに対する金融がむずかしくなって、大企業に対する金融に集中してくるのだ、われわれはいずれ破産をしなければならぬのだ、こういう非常に暗い見方をしておるわけです。だから、みんな中小企業の人たちはこの法案に反対なんです。あなたたちは、中小企業に有利な資金を回すためにこれをやったのだといっておるが、そういうふうに受け取っておる人は一人もいない、みんな反対の受け取り方をしておるのです。だからこういうこと一つさえちゃんとできない。
最後に一言いいますよ。だから私たちは、こういう国民金融公庫の資金をもっとふやして、それから金利を引き下げて、そうしてこういう人たちに有利な資金が回るようにすべきだ、これが私の意見です。こういうことを私は申し上げて、時間が過ぎまして、柴谷さんには非常に迷惑をかけておりますので、これで私の質問は一応打ち切ります。まだこの問題は残っております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/100
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101・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 委員の異動について御報告いたします。
本日、塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として久保勘一君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/101
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102・柴谷要
○柴谷要君 私は、きょうは時間が制約されておるので、ごく簡単に二問だけお聞きしたいと思います。わが党委員が相当長時間にわたって質疑をされました。もうお尋ねすることはほとんどないのですけれども、ひとつポイントになる点だけをお尋ねしておきたいと思うのです。
合併と転換の見通しの重要なポイントは、第六条の第二項以下の問題だと思う。これは基準ですね。それから合併、転換が、一号としては、「金融の効率化に資するものであること。」、それから、二号として「当該地域の中小企業金融に支障を生じないこと。」、三号、「金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないこと。」、それから四号として、「合併又は転換後に行なおうとする業務を的確に遂行する見込みが確実であること。」、以上の点について「審査しなければならない。」といっておりますが、いずれもきわめて抽象的な規定で、これでは合併、転換が行政当局の意のままになるような感じがするわけなんです。ここが一番のポイントだと思うのですが、この認可基準について政令またはそれ以下の段階において具体的なものにしていくのかどうか、その辺のところをひとつ明らかにしてもらいたいと思う。そうでないというと、どうもこの基準が少し明確でないという感じがするものですから、これをひとつお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/102
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103・澄田智
○政府委員(澄田智君) これらの基準は最も重要な点を列挙いたしたものでありまして、そうして個々の案件につきましては相当いろいろ千差万別な場合が出てくると思うのですが、いまおあげになりました四つの基準について、それぞれの基準にわたって、具体的に十分その基準の目的に適応するかどうかということを十分審査する、こういうことで実施いたしたいと、かように考えております。
さらに、具体的な内容を政令等で示すかどうかという点につきましてでありますが、事柄が一定の数字等によって、あるいは数量、金額等によって表示することがなかなかむずかしい問題でございますので、特にそういった規定を設けるというよりは、実施にあたりまして各基準について個々のケースで具体的に徹底して審査をする、十分その趣旨に合うように審査をする、こういうことで的確な判断を下す、かような運用にいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/103
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104・柴谷要
○柴谷要君 合併が行なわれるときには、問題の一つに、必ず従業員の整理というような問題が起きるわけですね。これが処遇の問題がたいへんな問題になるわけです。この問題は本法律案では直接関係はないようになっているけれども、当局としては十分に配慮していかなければならない一番の問題だと思うのです。最近の、たとえばこれは上野の庶民信用金庫のようなものを例にあげていえば、これはやはり合併というような問題で従業員を犠牲にしているわけですね。こういうようなことがあっては私はならぬと思うのです。そういう合併、転換であってはならぬと思うのです。この点はどういうふうな指導をしようとしておられるか、この点を明確にひとつお答を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/104
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105・澄田智
○政府委員(澄田智君) 合併の場合の従業員の処遇ですが、これはそれぞれの合併する金融機関が、合併にあたって自主的に取りきめるところでございますが、ただいま御指摘のような点につきましては、行政庁としても、合併によって従業員の処遇上不当な不利益が生ずる、そういうことのないように十分内面指導もいたしますし、それから、合併に基づいて合併契約書等の必要な書類を提出させますが、そういう書類においても十分そういう点を検討いたしまして審査にあたりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/105
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106・戸田菊雄
○戸田菊雄君 関連。いま局長は答弁をなされたのですが、やはり抽象的だと思うのですね。それから、附帯決議案の中にも十分、人員整理、労働条件の引き下げ、差別待遇等を行なわないよう特断の配慮をするとあるのですが、この前の私の質問に対しても大蔵大臣もそういうことの答弁をなされておる。そこで、やはりどうしても、いま柴谷先生がおっしゃられましたように、経常収支規制とか統一基準規制、そういったものによって、結果的には人件費の削減というところにいくと思うのです。そうしますと、どうしても従業員の、何といいますか、待遇上の問題とか労働条件、こういうものに関係してくると思うのです。いまの答弁だけでは、附帯決議その他からいっても、どうも安心できないという面があります。そこで、具体的に私は提案するのですが、こういうことについて適切に答えを願いたいと思うのですが、たとえば合併、転換、こういう認可に際しましては、必ず事前に関係労働組合——二つある場合は全部でけっこうですが、そういう組合の一応意見を聴取をして同意を得るような、そういう体制というものが好ましいと思うのですね。もし経営者側がそういう認可というものに対してそういうものを守らない、違反事実がある、こういう場合についてはそういう認可を取り消していく、こういうことをひとつ具体的に、方向として、指導内容として大蔵省で持っておれば一定の歯どめにはなっていくという気がしますが、その辺が一つです。
それから、もう一つは、経常収支規制、これが法律的には何ら明確な根拠はないと思うのですね。それから、もう一つは、これは全部画一なんですね、それぞれ金融機関のアンバランスというのがあるのだろうと思うのです。だから、それに見合った条件に応じて一つの収支規制というものを持っていくのが私は一番妥当なやり方ではないか。そうでないと、私がこの前質問したような一定の画一基準、収支率規制ということでいきますと、やはり以下のものは当然無理をして、両三年間どうのこうのとありますけれども、非常に無理を来たす、勢い、結局合併その他にいかざるを得ない、こういうものが出てくると思います。だから、この点についてもう少し再検討の余地があるのじゃないか、こういうように一つは考えるのです。
もう一つは、統一経理基準の問題ですが、これも大部分の金融機関としては無理な適用だと、私はいまのところは考えるのです。これをもう少し緩和措置ということをやることが大事だ、基本的にはわれわれはこういったものは廃止すべきだと考えますけれども、そういう問題について、ひとつ明確に局長ないし大臣の答弁を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/106
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107・澄田智
○政府委員(澄田智君) 第一点の、合併、転換に際しての労働関係の問題でございますが、従来から、金融機関の監督について、労使間の関係については、これは金融機関の自主的な内部の問題にまかせているというたてまえを貫いてきておりますので、合併、転換に際しまして事前に云々というようなことは、これはあくまでやはりそれぞれの金融機関において自主的に、必要に応じては組合側とも十分協議の上、合併についての基本的な態度を取りきめる、こういうことであると思います。ただ、先ほど申しましたように、合併にあたって、十分大蔵省といたしましても、従業員の待遇等が不当に不利益におちいることがないように、その内容、実態を十分金融機関には内面指導いたしますし、それから、認可に際しての必要な書類の検討の中には、合併契約書等でそういった関係も当然触れてまいりますので、そういう点も十分慎重に審査をして遺憾のないようにいたしたい、かように考えております。
それから、第二点の経常収支の問題でございますが、これはこの前もちょっと申し上げましたが、統一経理基準に実施されておることでございますし、現在の経常収支率の規制ということはいろいろな見地からもう一度検討をするべき問題があると思いますので、十分いまの御指摘のようなことも入れて、今後経常収支率の取り扱い、それにかわるべきものの考え方等を検討してまいりたいと、かように存じます。
それから、三点目の統一経理基準でございますが、これは鋭意統一経理基準に適合するようなことで、各金融機関、いまこれは普通銀行だけやっておりますが、努力をいたしております。そして三年間の経過期間を設けて、その間に計画的にこれを実施していくということによってこれを指導しておりますので、決して無理にこれをやることでなしに、その間に努力目標を立てまして、三年内に実施すると、こういうことでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/107
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108・植木光教
○植木光教君 いろいろお聞きしたいことがありますけれども、一まとめにしてお聞きいたしますから、簡明にお答えをいただきたいと思います。
今度の改正によって、会員一人当たり、これは信用金庫の場合ですが、最低出資額が、指定都市の場合一万円、その他は五千円と、こういうことになるわけでありますが、地域がふくそうをしておって、五千円の会員のほうが有利であるということで、一万円会員の者が五千円会員のほうにかわっていくという場合が考えられるわけですが、その際に起こる混乱をどういうふうに規制していかれるおつもりなのかということがまず第一点。
それから、これは信用金庫法ですけれども、政令や省令にまかされているものがだいぶあるわけですね、ここで卒業生金融の場合、一定期間に限って引き続き信用金庫から融資を受けさせるというふうに答申にも書いてありますけれども、これを一体どれくらいの期間をお考えになっているかということが一つ。
それから、小口員外貸し出しが、これは答申では三十万円以下になっておりますけれども、員外の貸し出し、これは最近自動車ローンなんかが始まって、三十万円ではちょっと少ないんじゃないかというようなことが考えられるわけですが、これをどういうふうにせられるかということ。それから、大きな改正として、総代の選任規定の改正ということがあるわけですが、総代選任方法について異議申し立ての道を開くと、これは確かに金庫の運営の健全化、民主化には非常にいいことだと思います。しかし、同時に、これのきめ方によっては経営が不安定になるということも考えられます。これをどういうふうにお考えになるか。それから、相互銀行法なんでありますけれども、第二十条の二に「銀行との関係」ということで、答申にはない相互銀行も銀行に含むという規定があるわけですが、これはどういう考え方でこういうものが出てきたのかということです。
それから、最後に大蔵大臣にお聞きしたいのですが、今度はこれは中小金融制度についての改正でありますけれども、いま引き続いて他の銀行法、日銀法などの改正にも取り組まれていると思いますけれども、一体いつ法案を提出せられるお考えであるかということについてお聞きします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/108
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109・澄田智
○政府委員(澄田智君) 御質問の順にお答え申し上げます。
第一点の、一万円、五千円の出資の問題でございますが、そういう場合に御指摘のような場合も考えられますので、これは定款で記載することになっておりますので、定款は大蔵大臣の認可事項でございますが、そういう場合に非常に不均衡になるようなことのないように配慮いたしたいと思います。
それから、第二点でございますが、卒業生金融でございますが、これはいわゆる卒業生となる、すなわち、資格がなくなる前三年間金庫と取引があった場合には、卒業後これは五年間に融資関係がなくなる、残高もなくなる、こういうようなことで、しかし、五年間は取引を認める、こういうことにいたしたいと考えております。
それから、三点目の小口員外貸し出しでございますが、御意見のようなこともございますが、これは答申のときに三十万ということになっておりますので、今回としては三十万ということでまいりたい。なお、今後また実情に応じて検討いたしたい、かように考えております。
それから、四番目のいわゆる総代選任方法でございますが、これにつきましては、これは会員の五分の一以上の異議申し立てがあった場合に、あらためてこの場合は投票に付しまして、そうして二分の一以上の信任が得られれば総代になり得る、こういう考え方があるわけでございますが、なお、そのほか、あるいは会員の異議申し立てを三分の一以上の異議申し立てということにして、二段階でなく、一段階というような意見も一部にございます。これは業界ともよく検討をいたして今後きめたいと、かように考えております。
それから、最後の、相互銀行について、いわゆる銀行とみなすという規定を置いたわけでございますが、これは従来からも相互銀行は一般的に銀行として扱われている場合が大部分でございますので、他の法令において銀行という場合に相互銀行というものを含むということを今回はっきりいたしまして、そうしてひとしく株式会社組織でございますし、銀行といった場合に、特別に定めがない場合は銀行として取り扱う。これは従来そういうふうに大体なっておりましたのを、この際、法律上はっきりさせたということで、そういう意味で、答申にはございませんでしたが、従来の取り扱いを確認した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/109
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110・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 中小企業専門金融機関以外の金融機関のあり方ということにつきましては、昨年の十二月からこの問題に金融制度調査会が取り組むことになって、現在検討中でございますが、なかなか大きい問題でございますので、当時この諮問に取り組みますときには、二年間という大体期限をもって出発しておりますので、あとやはりこの検討は一年半ぐらいどうしてもかかるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/110
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111・柴谷要
○柴谷要君 最後に、理事会で決定したのが十二時ということでございますからやめますけれども、私が最後に申し上げたいと思ったことは、ただいま同僚議員の戸田先生から御発言がありましたように、やはり合併、転換によって生ずる問題の大きな問題は、何といっても人の問題、これをやはり十分関係者で協議して、犠牲者を一人も出さないような方法でやってもらいたい。これは皆さん一致した見解ですから、ですから、そういう点をひとつ肝に銘じて十分な指導をしてもらうということで、私は相当質問事項もありますけれども、最も重要な点だけ一点だけ強く要望して、私・の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/111
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112・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 二法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/112
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113・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/113
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114・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。
まず、中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/114
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115・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/115
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116・植木光教
○植木光教君 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党、民主社会党、以上四党の共同提案として、ただいま可決せられました中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案に対し、次の附帯決議案を提出いたします。
附帯決議案を朗読いたします。
中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
(一) 中小企業金融制度の整備改善に伴い、これらの金融機関が本来の中小企業金融に徹して、借入れ側中小企業の必要とする低利にして豊富な資金を供給するようさらに指導すべきである。これとあわせて、信用保証の拡充、政府関係公庫資金枠の拡大、利子の引下げその他融資条件の改善等を通じて、中小企業者に対しより有効にして確実な効果をあげるよう必要な措置を行なうべきである。
(二) 中小企業金融専門機関の指導と育成にあたって、次の事項につき充分配慮すべきである。
イ、競争原理の導入を急ぐ余り、規模の小さい専門機関の営業分野が不当に侵されないよう配慮すること。
ロ、代理業務の範囲の拡大をはかり経営の安定に資すること。
(三) 預金者保護の措置を講ずべきである。
右決議する。
何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/116
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117・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) ただいまの植木君提出の本法案に対する附帯決議案の採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/117
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118・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 全会一致と認めます。よって、植木君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、水田大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/118
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119・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議になりました中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重し、善処してまいりたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/119
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120・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 次に、金融機関の合併及び転換に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/120
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121・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/121
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122・植木光教
○植木光教君 私は、自由民主党、公明党、民主社会党、以上三党の共同提案として、ただいま可決せられました金融機関の合併及び転換に関する法律案に対し、次の附帯決議案を提出いたします。
附帯決議案を朗読いたします。
金融機関の合併及び転換に関する法律案に対する附帯決議(案)
本法の推進にあたり、特に人員整理、労働条件の引下げ、差別待遇等を行なうことのないように、労使間において自主的に決定せしめるとともに合併及び転換に際して、中小金融機関に専ら依存していた中小零細企業者が、不利益をこうむる結果を招来しないよう特に配慮すべきである。
右決議する。
何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/122
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123・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) ただいまの植木君提出の本案に対する附帯決議案の採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/123
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124・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 多数と認めます。よって、植木君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、水田大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/124
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125・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議になりました金融機関の合併及び転換に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重し、善処してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/125
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126・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) なお、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/126
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127・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、う決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02419680514/127
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