1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月十六日(木曜日)
午前十時二十八分開会
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委員の異動
五月十四日
辞任 補欠選任
小林 章君 岡村文四郎君
五月十五日
辞任 補欠選任
久保 勘一君 塩見 俊二君
岡村文四郎君 小林 章君
辻 武寿君 二宮 文造君
中尾 辰義君 和泉 覚君
五月十六日
辞任 補欠選任
和泉 覚君 中尾 辰義君
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出席者は左のとおり。
委員長 青柳 秀夫君
理 事
植木 光教君
小林 章君
柴谷 要君
中尾 辰義君
委 員
青木 一男君
伊藤 五郎君
大竹平八郎君
大谷 贇雄君
西郷吉之助君
田中 茂穂君
徳永 正利君
林屋亀次郎君
藤田 正明君
木村禧八郎君
田中寿美子君
瓜生 清君
須藤 五郎君
衆議院議員
発 議 者 横山 利秋君
国務大臣
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
政府委員
大蔵政務次官 二木 謙吾君
大蔵省主計局次
長 相沢 英之君
林野庁長官 片山 正英君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
参考人
森林開発公団理
事長 吉村 清英君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○参考人の出席要求に関する件
○国税審判法案(衆議院送付、予備審査)
○国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/0
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001・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。去る五月十四日、小林章君が委員を辞任され、その補欠として岡村文四郎君が選任され、次いで、昨日、岡村文四郎君、久保勘一君、辻武寿君、中尾辰義君が委員を辞任され、その補欠として小林章君、塩見俊二君、二宮文造君、和泉覚君がそれぞれ選任され、本日、和泉覚君が委員を辞任され、その補欠として中尾辰義君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/1
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002・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。
現在、本委員会の理事に欠員がございますので、その補欠を選任いたしたいと思います。選任の方法は、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/2
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003・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に小林章君、中尾辰義君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/3
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004・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 次に、参考人に関する件についておはかりいたします。
国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案の審査のため、森林開発公団理事長吉村清英君を、本案審査中、本委員会の参考人とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/4
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005・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/5
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006・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 国税審判法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。横山衆議院議員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/6
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007・横山利秋
○衆議院議員(横山利秋君) ただいま議題となりました国税審判法案につきまして、提案理由並びにその概要について御説明申し上げます。
先ず第一は、本法の必要性であります。今日の税に対する納税者の希望、不満、不平はきわめて多いものがあります。しかし、戦後の混乱期と違い、税務行政が、より合理的に、より公平に行なわれることが必要であるにかかわらず、納税者の苦情処理機構は十分な改善がされていない現状であります。現在、国税通則法等により協議団制度が設けられているのでありますが、これは国税局長がみずから決定した事項を、部下である協議団の意見に基づいて、みずからの手で修正するという理論的矛盾をおかしているといわなければなりません。また、国民は租税法定の原則に基づき、通達には拘束されないにもかかわらず、協議団の審査は事実上通達に基づいてなされております。この際、審査は公平な第三者でなされることが必要であります。税法以外には、公正取引委員会、労働委員会をはじめ、準司法的機関があって、紛争処理機能は整備されており、他方、外国の例を見ましても、米国においては租税裁判所を含め、納税者の苦情処理機構が整備されております。したがって、この際、協議団制度を廃止し、国税庁から独立した国税審判庁制度を創設し、納税者の不服を公正に処理しようとするものであります。
第二に、この法律の目的といたしましては、国税のうち、関税、とん税、特別とん税以外の税に関する行政庁の違法または不当な処分、その他公権力の行使に当たる行為に対する不服については独立の国税審判庁が審判を行ない、納税者の権利利益の救済をはかり、行政の適正な執行をはかることであります。
第三に、その機構として、内閣総理大臣のもとに国税審判庁を置き、地方には十一の地方国税審判庁を置くこととし、さらに地方支部を設けております。また、審判庁には、審判官、調査官、事務官を置き、審判事務に当らしめることにいたしております。
第四に、審判の手続につきましては、納税者は処分があった日から、原則として一カ月以内に審判の請求をすることとし、請求は、事案が国税庁に関する問題であるときは中央審判庁へ行ない、他は地方審判庁へ行なうこととしております。なお、審判請求人は代理人を置くことができることとしております。
第五に、審判庁の行為といたしましては、一、利害関係者を手続に参加させることができる。二、国税の全部または一部の徴収または滞納処分の続行を停止することができる、また、差し押えをしないことまたは差し押えを解除することを命ずることができる。三、審判は期日、場所を定め関係者に通知し、審判長が指揮して行なう。四、必要あれば数個の審判の併合または分離をして審判することができる。五、審判庁は出頭、鑑定、物件提出、立ち入り検査等の権限を持つ。
以上であります。
第六に、審判庁の裁決といたしましては、一、請求が理由あれば処分の全部または一部を取り消す。二、公共の福祉に適合しない場合は請求を棄却するが、裁決で処分が違法または不当であることを宣言しなければならない。三、裁決効力は裁決の送達によって生ずる関係行政庁を拘束する。四、裁決や処分については行政不服審査法による申し立てができないと規定しております。
その他、罰則の規定及び関係法律の改正規定を設けております。また、この法律による協議団廃止に伴う人員削減は約四百五十人であり、審判庁設置に伴う人員は約千人でありまして、所要の定員改正を行なっております。なお、所要経費は、当面、右の人員の差の年間所要給与額を若干上回る額と、他の若干の所要経費との合計額であります。
以上が本法案の要旨であり、全文五十条にわたっております。今日、税務行政に関し、納税者の不満はきわめて広汎多岐であって、民主的かつ合理的な苦情処理機構を整備することは各方面の強い要望となっておりますことにかんがみ、何とぞ慎重審議の上すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/7
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008・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 本法案に対する質疑は、これを後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/8
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009・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、本案に対する衆議院における修正点について、便宜、政府側から説明を聴取いたします。二木政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/9
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010・二木謙吾
○政府委員(二木謙吾君) 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案につきましては、国会に提出いたしました政府原案では、その付則で「昭和四十三年四月一日から施行する。」となっておりましたが、去る五月七日の衆議院大蔵委員会での採決に際しまして、すでにその時期を経過いたしておりましたので、金子一平委員ほか二十四名からの提案により、「公布の日から施行する。」旨の修正案が提出され、提案どおりに修正可決されたことを御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/10
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011・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 本法案に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/11
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012・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それでは、参考人がみえていますので、この際、大臣が来るまで、参考人の森林開発公団理事長の吉村さんに質問いたします。
森林開発公団が四十三年度の資金計画で、特にいままで国有林野事業特別会計の利益を一般会計に繰り入れて、それから一般会計から出資を得て事業をやっていたのを、今度は国有林野事業特別会計のほうから森林開発公団のほうに直接出資をするという形に変更する、切りかえるということがこの法案の改正の趣旨になっているわけですよ。そこで、なぜいままではそうでなくて、四十三年度からそういう直接出資を必要とするようになったのか、これは森林開発公団の立場からその必要性について一応説明を承りたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/12
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013・吉村清英
○参考人(吉村清英君) お答えを申し上げますが、私どもといたしましては、事業の資金のいただき方と申しますか、使用の方法と申しますか、これはどこまでも御承知のような水源林の造成事業といった非常に重要な仕事をいたしております関係から、安定をして確実にちょうだいをいたすということがまず第一に重要なことだと思います。従来までそういうことに沿っておらなかったということではないのでございますが、今回の御措置によりまして国有林野事業特別会計から直接私のほうにちょうだいをいたしますということになりまして、優先的にこの事業に御出資を願える、こういうことでございますので、私どもといたしましては、従来以上に、何と申しますか、事業が計画どおり安定してやっていけるというような点で、私ども喜んでおるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/13
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014・木村禧八郎
○木村禧八郎君 いままで一般会計に国有林野事業特別会計から入れて、それから森林開発公団に出資をした、そういう形で何ら支障がなかったわけでしょう、いままでは。何かそこに重大な支障があって、それで、たとえば政府のほうの一般会計の財政硬直化等、いろいろ問題が出てきたわけですが、いままでのようなやり方だと、国有林野事業特別会計から一般会計に入れて、それから森林開発公団のほうに出資することになると、いまお話の安定、確実性に不安が出てくる、そこで、一般会計というクッションを置かないで、直接出資してもらいたいというんですか。いままでさえ支障なかったのに、どうして四十三年度からこういう形にしなきゃならないか、この点がわれわれよくわからぬのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/14
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015・吉村清英
○参考人(吉村清英君) その点になりますと、私どもと申しますか、公団側だけの事情ではちょっとはかりかねるかと思っております。政府御当局のほうの御事情が多分にあってそういう今回のような御処置になったではないかというように私ども考えておるわけでございます。私どもの考えておりますことは先ほど申し上げたようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/15
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016・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますと、森林開発公団の側としましてはいずれでもいいんですね。いままでどおりでもいい、直接出資じゃなくても、安定、確実であればいいということなんですね。そうなんだしょう、そちらの側としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/16
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017・吉村清英
○参考人(吉村清英君) 私どもは、政府の政策に沿いまして水源林の造成事業の実行を担当しておる関係でございまして、事業が確実に安定をして遂行をされていくということがまず第一の私どもとしての眼目であることは先生の御指摘のとおりでございます。これも、しかし、政府御当局年々御検討をいただきながら御出資を願って、この計画に沿って実行させていただいておりますことと私どもも伺っております。また、私どものほうも国有林野の事情等も伺いながら実行させていただいております。やはり今回の改正をいただいたほうが、より安定した計画的に確実な仕事ができるというように私ども考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/17
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018・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そこですよ、そこを伺いたいんですよ。どうして今回のようにしたら従来よりは安定、確実なのかというんですよ。従来のとおりじゃなぜいけないんですか、その積極的な理由がわからぬのです。いままでずっと一般会計をクッションに置いて、それから出資しておったのを直通にするということのほうがなぜ、安定、確実なのか、それがわからぬのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/18
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019・吉村清英
○参考人(吉村清英君) 私が少し政府側のことに差し出るようで、まことにどうも申し上げにくいのでございますが、この公団に対する出資金でございますね、これは従来は国有林野事業特別会計の剰余金の半分でございます特別積み立て金引き立て資金、こういうものの中から民有林の林業の振興のために支出をしておるわけでございまして、その中には、必ずしも公団だけでなくて、その他の資金としても使われておるものがかなりあるわけでございます。そういうような資金に優先をして直接使わしていただくと、こういうことになりますのが、この法律の改正なわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/19
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020・木村禧八郎
○木村禧八郎君 どうもその点が積極性がわからないんです。
では、政府のほうに聞きます。大蔵大臣に伺いますが、いままで参考人として見えられた森林開発公団理事長の吉村さんに、森林開発公団側として、これまでの四十二年度までは国有林野事業の利益金を一般会計に繰り入れて、そうして一般会計から森林開発公団ですか、そっちのほうに出資した、そういう形になっていたのですね。今度の改正で一般会計のクッションというのを置かないで、そこで直接国有林野事業の特別会計のほうから森林開発公団に出資すると、そういう形に切りかえるわけなんです。なぜ四十三年度からそういうふうにしなければならないか。四十二年度まではそうじゃなかったのです。その積極的な理由ですよ。それで、いま伺いましたら、森林開発公団としては、その理由を、水源林の造成事業ですか、あるいは林道とか、主として林道ですね、林道の開設とか改良とか復旧、管理ですね、そういうものが主たる事業であると、こういうんです。そういう事業などの安定的に確実に行なわれるような資金計画を欲しているのだと、こういうようなお話なんです。それについてはいままでは支障がなかったんでしょう。なぜ四十三年度から直通にするのか、その積極的な理由がわからぬものですからいま伺ったんですが、しかし、吉村さんの御答弁じゃどうもわからぬです。私のほうの側としては、まあ御当局のほうのお考えもあろうからというようなことだったのですが、大蔵省としてはどういうわけでこの直通に切りかえるのですか、積極的な理由をお伺いしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/20
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021・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 従来、森林開発公団に対して行なっておりました出資を、今回、国有林野事業特別会計から、一般会計を経由することなく、直接に出資するように改正をしておるわけでございますが、その理由は大体三つございます。一つは、現在、森林開発公団の行なっておりますところの水源林造成事業は、これは保安林整備計画の一環として、急速かつ計画的に水源涵養林を造成しようというものでありますから、その所要財源は継続的、安定的に供給する必要があるわけであります。しかし、その所要財源は、従来、一般会計からの出資でまかなわれており、かつ、その財源は、実質的には国有林野事業特別会計の引き当て資金から一般会計への繰り入れによってまかなわれておったわけでございます。しかし、この引き当て資金が今度どういうふうになるかという点につきましては、これは国有林野事業の収支の今後の見通しからいたしましても、必ずしも従来のような大幅な増加を期待するということも困難でございます。また、国有林野事業特別会計の引き当て資金から一般会計への繰り入れば、これは林政協力等のために繰り入れられるわけでございますけれども、しかし、ひもつきではありません。したがいまして、その繰り入れた資金を財源といたしまして、必ず一般会計から森林開発公団への出資になるかどうかということは、少なくとも、制度上の保証はないわけでございます。以上のような関係からいたしまして、森林開発公団に安定的に水源林造成の資金を確保するためには、国有林野事業特別会計の引き当て資金から直接に、かつ、優先的に公団に出資をするということが妥当ではないかというふうに判断されることでございます。これが改正の理由の第一点であります。
それから、もう一つは、実質上、国有林野事業特別会計の資金が森林開発公団に従来もいわば出資されておったわけでありますけれども、これは一般会計を経由いたしておりまして、形式的には、一般会計の森林開発公団への出資と、国有林野事業特別会計の引き当て資金から一般会計への繰り入れとは何ら関係がないことになっております。したがいまして、その森林開発公団への出資に関しては、国有林野事業特別会計は、いわば何らの権利も持っていないわけでございますが、直接この特別会計から公団へ出資することになりますと、その権利、いわゆる出資権が特別会計の資産として留保されることになりますので、これによって国有林野事業特別会計の内部留保を厚くすることができるという効果がございます。これが理由の第二点でございます。
それから、もう一つは、これは森林開発公団への出資は、制度上は、従来、ただいま申し上げましたとおり、引き当て資金の一般会計への繰り入れと何らの関係がないことになっておりますが、実質上はすべて引き当て資金を財源として行なわれておったわけでございます。いわば引き当て資金から一般会計への繰り入れ、一般会計から森林開発公団への出資という迂回した経路をとっておったわけでありますが、それを省略いたしまして、直接森林開発公団に対して出資したほうが経理手続の簡素化にもなる。まあ以上の大体三点からいたしまして今回の改正を提案申し上げている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/21
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022・木村禧八郎
○木村禧八郎君 どうも積極的な理由にはならぬようですね。いま御説明がありましたように、国有林野の利益金を一般会計に入れて、それから森林開発公団のほうに出資をするという場合に、これは直接ひもつきじゃありませんからね、関係がないと言えば関係はないと思いますよ。それはもうそのとおりであって、しかし、一般会計では、国有森野からの利益の繰り入れ以外に、一般会計予算は、御承知のように、公債も財源でありますし、それから、その他租税も財源にしているわけですね。ですから、その森林開発公団の事業、特に非常に林道の開設、改良とか、非常に重要な事業でございますから、それを継続的、安定的に、また、確実に行なうためにはその資金の確保が非常に重要なんであって、その場合には、国有林野からの利益の一般会計への繰り入れがあろうがなかろうが、国としては一般会計から資金を供給するのが、これが一番安定的だと思うのですよ。それで、さっきもお話がありましたが、国有林野のほうの経理は、これはいまのお話ですと、従来のように十分に利益があがるかどうかわからぬ、こういうのですね。それならばなおさらであって、国有林野の一般会計に繰り入れの資金と森林開発公団への出資とは、いままで実質的にはこれまでもやっていたわけですね、実質的にはやっていた。それを今度は直通にするのですが、国有林野のほうの利益が不安定である、今後多くを期待できなくなるとなれば、なおさら直通でないほうがいいのであって、むしろ不足分は一般会計から出せばいいんですよ。直通になってもそれがなお不安定だ、これを見ると。なお足りないところは資金運用部資金で借り入れをやるわけですね。四十三年度は国有林野のほうから三十三億出資してもらって、そうして財投によって十七億借り入れをやる。五十億で事業をやるということになるわけですね。こういう資金計画になっているのですけれども、しかし、われわれから考えると、最も安定的に資金を確保するには一般会計から繰り入れるのが一番確実じゃないですか、そうでしょう。直通にすれば、かえって林野事業の特別会計というものの収益というものはこれ以上に期待ができないといわれるならば、なおさらそれは一般会計からこの資金を供給したほうが一番安定的じゃないですか。なぜそれを不安定のほうにわざわざ切りかえるのか、これがわれわれ納得できない疑問の第一点ですよ。
それから、直通にすると国有林野事業のほうに資産が留保できる、こういうお話なんです。しかし、それが実質的にどれだけのメリットがあるんですかね。いままではそういうメリットはなかった、今度は直通にすることによってそういうメリットが生じてくる、そのメリットとは一体どういう実益があるのか、これもようわからぬのですね。どういう実益があるのか、その二点です。
それから、最後の第三番目の理由は何でしたかね、もう一度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/22
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023・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 従来の迂回した方法——国有林野事業特別会計の引き当て資金から一般会計に繰り入れる、一般会計から森林開発公団に出資するという、そういう迂回した方法をやめて、経理手続の簡素化に資する、こういうことを申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/23
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024・木村禧八郎
○木村禧八郎君 簡素化ですが、それは簡素化もけっこうなんですよ。しかし、そんなら、もっと言わせてもらえば、公団なんてなぜつくるのか。最初から公団なんかつくらないで、政府が一般会計から直接やっていたらいいじゃないですか、いままで。これは森林開発公団というものは三十一年から始まっているのでしょう。それ以前は公団方式じゃないんですよ。公団等ができますと、これはまああれですね、特別会計から公団ということになると、やはり国民の権利に対する国会の監督、審査というものが非常に困難になってくるのですよ。それだから、むやみに特別会計や公団をつくるべきではないというのが基本的なわれわれの原則なんでありますが、それだからといって、何でもかんでも特別会計はいかぬ、公団はいかぬとか、そんなむちゃなことを言っているわけではありませんけれども、しかし、原則からいったならば、私は、国会の、すなわち、国民の監視が十分に行き届くような形での予算の組み方が必要じゃないかと思うのですがね。そういう点からいいまして私は納得いかないのですよ。せっかくいま三点についての今回の改正案の積極的理由を言われましたが、どうも私はそれについて納得できないのですが。もう一度、私がいま反論しましたから、それについて、また批判の批判ですから、反論をまたしていただきたいのですがね。納得すればいいのですから、何もこの法案をからだを張って流してしまえとか、そんなことじゃないのでありますが、納得しなければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/24
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025・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 確かにいま先生のおっしゃいましたような御意見はあろうかと存じます。最初の、一般会計から森林開発公団に出資をすればいいので、何も今回の改正のようにしたからといって森林開発公団に対する財源を安定化することにならないのではないかと、こういう御意見があったわけでございます。それは一般会計から森林開発公団に対して出資の形で十分な資金が供給できれば、それは別に問題ないわけでございますが、しかし、他面、この国有林野事業特別会計は、年々売り払う材木の価格の変動その他によりまして異同がございますけれども、相当額の収益をあげてそれが引き当て資金となり、そして、その引き当て資金は制度上一般会計の財源に繰り入れられるということになっておるわけなんです。その繰り入れられました資金をどう使うかということにつきましては、現在、国有林野事業特別会計法のこれは十三条の第二項に規定がございますが、「林業の振興のために必要な経費その他の経費の財源に充てる」ということになっております。そうして、その場合に限り、そういう財源に充てるものとして一般会計に繰り入れる場合に限り、予算の定めるところにより、この引き当て資金は使用することができることになっております。ですから、この引き当て資金は、一般会計に繰り入れる場合に限り、使用できることになってはおりますけれども、その目的は林業の振興のため以外にも充てられるということになっております。したがいまして、その入れられた金がはたして森林開発公団に対する出資の財源に充てられるかどうかということは、先ほど申し上げましたとおり、制度上の保証はないわけであります。したがいまして、この引き当て資金から直接かつ優先的にと申しますのは、今回の改正案によりまして、この特別積み立て金引き当て資金から森林開発公団への出資をいたしまして、残りがあった場合に従来どおり一般会計に繰り入れることができることになっておりますので、いわばこの森林開発公団への出資は最優先ということになっております。したがいまして、その引き当て資金から直接森林開発公団へ出資することにすれば、従来のように一般会計を経由している場合においては、はたして森林開発公団に対する出資財源になるかどうかわからない。そういう意味におきまして、その量におきましても不安定な面があるわけでありますが、それが直接かつ優先的に引き当て資金から公団に出資することが可能となれば、とにかくその引き当て資金がなくなってしまえば、これは話は別でございますけれども、ある限りは森林開発公団の需要に即して優先的に出せるのではないか。もちろんなくなってしまえばこれは問題がございます。そのなくなった場合にはどういうことになるかと申しますと、これは先ほど申し上げましたとおり、森林開発公団の行なっておりますところの水源林造成事業は、これは継続して行なっていかなければならないわけなんで、その財源をどうするかということになれば、これはやはりまた一般会計から出すことになる。また、その道を閉ざしているわけではございません。で、そういうことでございますから、まあそれで、改正することによって大いにその森林開発公団に対する資金源を手厚くすることにならぬじゃないかという御批判があるとすればそういった点があるかと思いますが、しかしながら、改正する前に比べれば、それは森林開発公団に対する資金を手厚く優先的に確保するということになるのじゃないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
それから、今回資金運用部資金の借り入れの道を開いたという点につきましては、これは現在の公団法上も借り入れ金が可能となっておりますが、実際には借り入れたことはなかったのを、今回新しく資金運用部資金を借り入れられることができるようにしたわけです。その趣旨は、従来出資でまかなっていたものが財源が足りないので借り入れ金に切りかえたということではなくて、公団の行ないますところの水源林造成事業というものを、これを拡充したい。しかし、また、その事業が、一般の造林資金とは違いますけれども、ある程度の収益性を持っておるということからして、従来のように、出資のみならず、借り入れ金を行なっても十分可能である。そういうところがらしまして、今回資金運用部からの借り入れ資金として十七億を計上し、引き当て資金からの出資三十三億、合わせて五十億、前年に対しまして相当大幅な事業の拡充をすることを予定しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/25
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026・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうすると、十七億借り入れる場合は、ただで借り入れるわけじゃないでしょう。これは金利がつくわけでしょう。それはどのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/26
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027・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) これは他の資金運用部から公庫、公団に対する貸し付けと同様に、六分五厘の金利がつきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/27
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028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ですから、そういう借り入れをやらない場合には、それだけの利息分はそれは事業拡張に向けられるわけですよね。一般会計が出資する形ならこれは利息がないわけですからね、そうでしょう。利息のつかない一般会計からの出資、いままではそれでやっていたわけですね。そうすると、今度は借り入れをやると、それだけ金利分の負担が出てくるわけでしょう。そうすると、それが効率的になるというのはおかしいと思うんですよ。だから、私は、どうも今度のこのねらいは、直通することによって借り入れをやって、ちょうど本来ならば一般会計から十七億くらい出さなければならぬものを、いまの森林開発公団の事業としては林道の開設、改良、復旧、それから管理をもっと積極的に行なわなければならないのだから、もっと資金が要るんです。それを一般会計から出すのを、財政硬直化の段階に入ったものだから、ちょうど国立療養所を特別会計に移したと同じように、そこで借り入れの道を開いて、それで一般会計のほうの繰り入れの負担を軽くしようと、どうもそういうねらいがあるのではないかという気がするのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/28
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029・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 森林開発公団の行ないますところの水源林造成事業は、一般の造林事業と若干収益性の面では異なることは事実でございますが、しかし、これ大体まあ二・五%ぐらいの金利は払い得る。性質上二・五%ぐらいの金利負担にはたえられるということになっております。この点につきましては、あるいは公団側から別途御説明があったほうがよいかとも存じますけれども、私ども大体そういうふうに承知しております。したがいまして、公団に対する資金を供給いたします場合に、必ずしも利子のつかない出資のみによる必要はない、相当程度の借り入れ金を行なうことも可能であるし、また、事業の遂行に支障はない。もちろん全部従来どおり出資でまかなうことにすれば、それはさらによいということは言えるかと存じますけれども、他面、水源林造成事業を拡充するという要請もあり、かたがた出資の財源にも限度があるということになれば、やはり運用部資金を導入して、公団としても採算の可能な限り事業の拡充をはかるというのがいいのではないかというふうに私ども考えましてこういう措置を行なったわけであります。したがいまして、その事業の量といたしましても、前年の四十三億七千七百万円に対しまして、五十億五千五百万円と、相当な拡充をしているわけでありますが、これも借り入れ金を導入したということの一つの効果でございまして、単に事業の規模を据え置きにして、出資を削って借り入れ金に振りかえるという措置をしておりましたならば御批判のようなこともあろうかと存じますけれども、事業の量をかように拡充しているということで借り入れ金を行なう意味があろうかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/29
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030・木村禧八郎
○木村禧八郎君 どうもその点が、六分五厘の資金運用部資金を使って二分五厘程度の収益性があるというのでしょう。そうすると四分というものは差し引き金利負担で、それは政府の出資という、今度はまあ国有林野事業のほうから直接出資があるのですから、そっちのほうの資金の中からその金利の分は負担するわけですね。それだけだから資金運用部のほうへ持っていかれるということになるのであって、そこのところは経理の面で、私は、そんなら政府のほうが十七億を出資すればそういう金利負担がつかなくていいわけなんです。そこのところはなぜわざわざ金利のつくそういう借り入れをするのか、結局せんじ詰めれば一般会計のほうの都合だということになる、そうでしょう。一般会計のほうでは財政硬直化だからそれだけの資金供給ができないということでそういうことにしていると思います。それと、もう一つさっきの答弁でわからなかったのは、現行法だと、林業の振興その他の財源に充てるものとして一般会計に繰り入れる場合に限り使用できる、国有林野事業特別会計法の第十三条二項のお話があったのです。そうしたらこれを改正したらどうなんですか。林業の振興その他というから、「その他」があるからというお話でしたね。ですから、それがそのまま森林公団のほうに出資としていく保証がない。これを「林業の振興に充てるものとして」としたらどうなんですか。そうなれば同じことじゃないですか。「その他」というのがあるから、そういう御説明でしょう。そうしたら、「その他」をとれば、直接何も今回のような直通方式にしなくてもいいのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/30
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031・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 現在の規定の林業の振興その他というところを、「その他」を削りましても、林業の振興のために必要な経費の範囲ということになりますが、その範囲もかなり広いわけであります。したがいまして、森林開発公団への出資以外、従来もこれは林業関係のみにこの引き当て資金は一般会計の繰り入れに使用されておりますけれども、その森林開発公団への出資以外に、あるいは農林漁業金融公庫への出資でございますとか、林業信用基金への出資とか、それから、これは四十三年度も行なっておりますけれども、国有林の臨時治山事業その他に対する財源に充当するというようなことがあります。したがいまして、林業の振興のために必要な経費に充てるということに改正するだけでは、やはりこの森林開発公団への出資財源を確保するということにはならないだろうと思いますし、今度はまた森林開発公団への出資の財源に充てるためというふうに狭く限定してしまえば、それこそ一般会計へ繰り入れるという規定を置く趣旨はなくなるのじゃないか、かように考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/31
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032・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはそのとおりだと思うのです。ですから、「その他」を削っても、もっと根本的にさかのぼれば、別に国有林野事業特別会計から繰り入れがあろうがなかろうが、国としては、それは林道の開発、あるいは管理等に資金を供給しなければならぬわけです。たまたま国有林野事業特別会計のほうから利益があるから、それをこれまで見合いに出していたということなんであって、基本的にはそういう繰り入ればあろうがなかろうが、やはり水源林の造成事業はやらなければならぬものです。それならば一般会計で資金を確保することが一番安定的だと思うのです。もしそれが非常に重要であれば、ほかの経費よりも優先的に振り向けるべきであって、ですから、さっきから優先的優先的といいますけれども、これは一般会計から優先的に供給するのが一番いいのだと私は思うんです。特に直通になりますと、何といったって、やはり国会のわれわれの審議とか監視、そういうものが目が届かなくなるというのは、これまでの経験からいって明らかなんです。なるべく一般会計を通したほうが、国会としては、国民としては監視がしやすいというたてまえからいくと、何もこういうことをしなくたっていいのではないか。それから、直通になると、これもひとつ伺いたいのですが、国有林野事業の今後の収益関係ですが、一時非常にもうかったんですね、木材の値段が非常に上がって。ところが、四十年ごろ赤字になって、四十年七月ごろからまた木材の値段が上がって、最近では収益状況は好転しているといわれているんですが、今後の見通しですね、さっきお話を伺いますと、あまり安定的でないというお話ですが、そうなると、それでは直通というようなことはおかしいのじゃないかということになるのです。最も安定、確実に事業を遂行しなければならぬというのに、そこのところはどうも矛盾するようなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/32
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033・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 森林開発公団に対する出資は、国有林野事業特別会計の引き当て資金からやらずに、一般会計から出したほうが安定的でもあるし、かつ、資金量を確保できるからいいじゃないかという御意見がございました。それは一般会計から出す余裕がございますればそれにこしたことはないと私も存じます。しかしながら、国有林野事業特別会計で相当額の利益金が出て、それが積み立て金引き当て資金としてございます。そのあります資金をどう使うかということになりますと、やはりそれは一般会計にただ繰り入れてしまうということではなくて、林政協力と申しますか、林業振興のためにこれを使うというほうが、国有林野事業特別会計の立場からいきましても、納得のいくことではないか、無縁なものに使うよりも、林業振興のために使ったほうが、それだけの収益をあげておりますところの事業といたしましても納得がいくのじゃないか。そうしますと、やはり林業振興のために使う、その中でも、特に現在重要であるとされておるところの水源林の造成、これに優先的に使うということにするほうが適当ではないかというのがこういう改正を考えた気持ちでございます。別に引き当て資金のワク内に森林開発公団に対する出資を封じ込めようという気持ちは私どもは持っていないわけでございます。国有林野事業特別会計といたしましても、森林開発公団に対して直接出資をすることになりますと、先ほども申し上げましたが、出資権を持つわけでございます。出資権を持ってどういう具体的な利点があるかという御質問、先ほどちょっと私は答弁を漏らしましたが、この点につきましては、確かに相手方は水源林の造成でございますから、二十年、三十年なかなか大きな収益というものは期待できません。したがいまして、国有林野事業の持つ出資権が配当なり何なりの形でもって具体的に還元されるというのはなかなか遠い将来の問題だろうと思いますが、しかしながら、そこに権利として持っておりますれば、そういう将来配当するという可能性もございますし、また、森林開発公団が、かりに事業を閉鎖するということになりますれば、当然残余財産の分配を受けるという可能性もあるわけでございます。したがって、確かに具現はいたしませんけれども、将来これは何らかの意味で国有林野事業特別会計に寄与し得るという意味において、そこに国有林野事業特別会計の内部留保を厚くするという効果はあるのではないかというふうに考えております。
それから、国会が十分監視できないではないかという御意見がございましたが、この引き当て資金から森林開発公団へ出資いたします場合も、これは一度国有林野事業特別会計の歳入に受け入れましてこの出資金は歳出に立つわけでございますから、つまり国有林野事業特別会計の予算書上にはっきり計上されるわけでございますから、そういった点は従来と変わりはないのではないかというふうに存じております。
それから、なお、国有林野事業特別会計の将来の収支見込みからして、引き当て資金が今後どうなるか、不安定な面があるというふうに申し上げましたが、この点は、これは今後の伐木量等の作業量のおおむねの推計はつきますが、林木の代価がどのようになるかという点につきましては、なかなか的確な見通しを立てることは困難であると存じますが、一応長期収支見通しというものを試算しております。これによりますれば、特別積み立て金引き当て資金は、四十三年度末におきまして百三十億ということになっておりますが、今後大体年度末におきまして、八、九十億という程度で四十七年度くらいまでは推移するのではないかというふうに考えております。若干減少傾向になることは事実でございますが、大体その程度の残高は、まあ現在程度の森林開発公団への出資を行なうといたしましても、維持できるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/33
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034・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この経理に対する国民の監視とか、それから、それに対する審議が行き届かなくなるといったのは、一般会計のスクリーンを通るとそれがしやすいということです。ですから、御承知のように、極端にいえば単一予算主義が一番いいのであって、その例外として、単一予算のほかに特別会計、あるいは継続費とか、そういうものはもともと例外なんです、ほんとうは。そういう意味でぼくは言っているので、一般会計のスクリーンを通ったほうが一般に監視しやすいのですね、そういうことを言っているんです。特に特別会計なんというのは、なかなか口では言っても、ちゃんと国会に予算案が出るのだから、あなた方が十分それを見て審議されればいいんじゃないかと言われますが、しかし、どうしても特別会計とか、あるいは公団、公社、そういうことになってくると国の監視がどうしても十分に行き届かない弊害があるというのが定説なんで、そういうところがら言ったのであって、われわれは公団方式等には反対しているわけです。それはそれとして、今度改正の附則の五条の三、これによりますと「当分の間」となっているんですよ、当分の間、森林開発公団の水源林造成事業の財源に充てるため、同公団へ直接出資するための財源として優先的に使用することとし、その使用の妨げとならない場合に限り、一般会計に繰り入れることができる。そうすると、国有林野の利益は、直通分と一般会計繰り入れ分と二つできるわけですね。そういうと、四十三年度は一般会計繰り入れ分約二十一億、そうすると、これが使用の妨げとならない分ですね、もしこのうちから十七億使ったら、これは借り入れしなくて済むのでしょう、そうでしょう。そうすると、この使用の妨げとならない場合というのはどういうことなのか、そのことが一つ。もしこのうち二十一億一般会計に入れるなら、一般会計に入れるかわりに、これを森林開発公団のほうに回したら、何も資金運用部資金の金利のつく金を使わなくてもいいということが一つと、それから、「当分の間」というのはいつまでをさすのか、この二点がよくわからないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/34
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035・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) ここに「当分の間」というふうに規定いたしましたのは、これは実は四十年の三月に中央森林審議会から、国有林野事業の果たすべき役割りと経営のあり方に関する答申というものが出されておりますが、この答申には、国有林野事業特別会計の組織、機構、その他特別会計の業務運営の根本に関する重要事項につきまして数多くの改正意見を含んでおります。これは目下政府において鋭意検討中でございますけれども、まだ結論を得るに至っておりません。しかしながら、その結論を得て根本的な改正を行なわれるということに相なりますれば、今回考えておりますような国有林野事業特別会計の引き当て資金から森林開発公団に対する出資を行なうというようなことがはたしてできるかどうか、それはなかなかわからないと思います。したがいまして、そういった意味におきまして、当分の間こういうふうにやりたいという意味でこの字句を用いているわけでございます。それから、この附則の第五条の三の第二号の「資金は、前号に定めるところによるほか、同号に定める使用を妨げない範囲内において、」云々ということの、「同号に定める使用を妨げない範囲内」という意味でございますが、これは私が先ほど申し上げました森林開発公団に対する出資を優先的に行なうという考え方を表示しておるものでありまして、まず森林開発公団に出資をすると、その出資のために使用することを妨げない範囲で、つまり残りがあれば、かつ、もちろん必要がなければ別でございますけれども、林業振興のために必要な経費その他の経費の財源に充てるものとして一般会計に繰り入れると、こういうことでこういう表現を用いているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/35
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036・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ですから、森林開発公団としては五十億四十三年度資金が要るわけですよ。そうでしょう。ですから、もし国有林野のほうの利益のうち、優先的に森林開発公団のほうに振り向けるといって、余ったならば、それは一般会計に入れていいというんですけれども、五十億要るんだから、優先的に五十億振り向けたらいいじゃないですか、あるんですから。三十三億のほかに二十一億あるんでしょう、五十四億あるわけです。優先的にそれを五十億振り向けないから、三十三億しか振り向けないから、足りない分十七億は資金運用部資金の金利のつく金を借りるということになるわけです。ですから、この趣旨に合わないわけですよ。それと、「当分の間」というのは、何というか、国有林野事業の今後のあり方についての何か答申があるといいますが、その答申によれば、今回のような形で国有林野のほうの利益を森林開発公団のほうに振り向けることができるかできないかわからなくなるというお話だったんですよ。その答申の趣旨にも沿わないということにもなるわけですね。そこで、一応「当分の間」としてあるというふうに思うのですよ。どうもその辺が何だか奥歯に物がはさまったような御答弁なんですね。ぼくら実際事情がわからないで質問していくと、何だかもやもやしたようなものを感じるのですがね。何かこれはいろいろな経過があったんですか、ざっくばらんに言ってくださいよ。何だか奥歯に物がはさまったような、実はこうこうこうだったんですと、何かはっきり言っていただきませんと、何だかもやもやしているんじゃ奥に何かあるのかと思うものですからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/36
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037・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 私は、別に隠しだてして申し上げているわけではないのでございまして、率直に申し上げているのでございますが、私どもは、私が申し上げました以外に、別に特別な意図はございませんで、先ほど、公団の出資が優先的で、それがもし金が余ればほかにこれ回すというようなたてまえだというなら、五十億そっくり国有林野事業特別会計の引き当て資金から出したらいいじゃないかという御意見でございましたが、もちろん余裕がございますればそういうことも考えられると思いますが、しかし、一般会計の財源事情も御案内のとおりのことでございまして、やはり国有林野事業特別会計の引き当て資金も一つの財源といたしまして、国有林臨時資産その他のものに充当したいという気持ちもありますし、他面、先ほど申し上げましたとおり、森林開発公団自体の経理面からしましても、利子のつく金を借りてもやれる、財投の資金を利用してもやれるということであれば、そう何も全部無利子の金をやらぬでもいいじゃないか。一般会計の金は、それこそほかに幾らでも用途があるわけでございますから、で、そういうことからしてこういうふうに十七億は借り入れによるということにしたわけでございます。
それから、「当分の間」ということにつきまして私申し上げましたことで多少誤解を招いた点もあるかと存じますので申し上げますと、この国有林野事業の役割りと経営のあり方に関する答申におきましては、たとえば国有林野事業の組織、機構に関しましては、今後、国有林野事業を運営すべき組織形態として、独立の人格を持った公共企業形態が妥当であると考えるというような点もあるわけであります。そういたしますと、この国有林野事業特別会計が、もしかりにそういうふうになったといたしますと、こういう公共企業形態となった国有林野事業からこういう他の公団に対しまして出資を行なうということがはたして妥当なのかどうかというような点が問題なのじゃなかろうか。いずれにしましても、国有林野事業特別会計としての制度の根本的な検討が要請されております段階では、今度のような改正も、今後継続するものとして御提出申し上げるのもいかがかという気持ちからして「当分の間」という表現を用いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/37
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038・木村禧八郎
○木村禧八郎君 いまの非常に重要なことをぼくは知らなかったものですから伺ったんですが、じゃ国有林野のその形態を公社化するというんですか、それは大蔵大臣、いまその点はどういうふうに検討されているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/38
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039・片山正英
○政府委員(片山正英君) お答え申し上げます。
国有林野事業につきまして四十年の答申をいただいたわけでございますが、その要点といたしましては四つばかりあるわけです。一つは組織、機構です。もう一つは財務、もう一つは労務の問題、それから、もう一つは各種事業の合理化の問題、この四つに関するものが答申をいただいております概要でございます。それで、合理化問題につきましては、現在の機構の中で進めていっておるわけでございます。また、労務につきましても、雇用安定の方向でこれまた進めておるわけでございますが、組織、機構が、先ほど大蔵省からもちょっとお話がありましたように、公共企業体というような形での示唆が入っております。その理由とするところは、いわゆる国有林野事業を、いま林野庁の中で行政と経営とが混在した形でやっているんじゃないだろうか。そういうものはすっきりした形でやることが国有林野事業の運営上好ましいのじゃないか。その一例としてそういう公社関係を考えてみたらどうか、こういうのが答申の趣旨でございます。したがいまして、そういう財務と機構との相関連するこれは重大な問題でございますので、軽々にわれわれも判断ができませんので、慎重にいま検討をしている段階でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/39
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040・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大蔵大臣、いま答申の要点を伺ったのですが、それで、大蔵省はどういうふうに御検討になっているんですか。いまそれは一つの理屈もありますが、大蔵省としては、公社案ですね、いまの組織については、将来このままでいいとお考えになっているのか、公社案でいくのか、「当分の間」とされたのはやはり含みがあるのですね。必ずしもこのままでずっといくという考えでもないし、あるいは答申にあるような公社案を考える必要があるんじゃないかとも受け取れるんですが、ぼくは「当分の間」というのはそういう非常に深い含みがあるとは知らなかった。いま伺って初めてあの答申に基づいて、今後、国有林野の役割り、任務というものについて、ことに組織上そんな大きい問題があるとはぼくは知らなかったわけですよ。これについて大蔵大臣の答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/40
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041・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) これは非常にむずかしい問題でございまして、そういう答申案に示唆があったといたしましても、一方、行政改革のほうのいろいろな委員会では、そういう機構は今後つくらない、そうしてできるだけ整理統合しようというような方向でいっておりますので、この問題は簡単にきまるというふうには考えておりません。したがって、しばらくそういう変化はないと思ってはおりますが、こういう問題が提示されておるということをも考えまして、この今度の措置が永久的な措置だというふうには言わなかったというだけでございますが、実際問題としてはそういう方向はなかなかむずかしい。答申のような方向へいくのは簡単ではないと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/41
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042・木村禧八郎
○木村禧八郎君 もうあまり多く質問しませんが、大蔵大臣、さっきぼくは質問したんですが、今度この改正案によりまして、使用の妨げとならない場合に限って一般会計への繰り入れができる、こういう改正になるわけですが、ところで、四十三年度は二十一億一般会計へやはり利益を繰り入れするんですよ。そうすると余裕があるわけなんです、それだけ、二十一億。余裕があるならば、なぜこの二十一億を森林開発公団のほうに出資しないで、それで三十三億だけしか出資しない、だから森林開発公団が足りないものですから十七億を借金するわけですよ。そこがどうもおかしいですね。利益があれば優先的に森林開発公団のほうに出資する、その目的をもって改正するんです、今度。だから、それだけ金があるなら、優先的になぜそれを森林開発公団に向けないか。それで森林開発公団になぜ十七億借金をさせるのかということなんです。だんだん承っていくと、その真意は、一般会計のほうに振り向ければ、一般会計で使う使途がたくさんありますからというお話でしょう。結局、一般会計の財政硬直化のしわ寄せを、いま言ったような形で——従来のやり方だったら五十一億いくわけですよ。従来の形だったら五十一億ぼくはいくはずだと思うのです。そうじゃないですか。従来のやり方だったら五十一億森林開発公団にいくところを三十一億しかやらないで、あとは借金しろ、二十一億は一般会計でいただきになる、それで財政硬直化の打開の足しにする、そういうことになりますね。そういうことじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/42
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043・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) これは事業経営の常識の問題でございまして、これはどこでも、たとえば民間の企業におきましても、資本金と借り入れ金の関係がどうあったら一応ペイするところになるかということは、どこの企業でも計算してやっていることでございまして、必要資金が全部資本によらなければならぬという経営をやっているところはございません。したがって、国における機関でありましても、もしこの森林公団が全く融資をすることの不可能な性格のものでございましたらともかく、そうでなくて、やはり融資のできる性格のものでございましたら、この融資による利子の負担がどのくらいか、それと対応した出資のあり方がどうあればこれは採算点を無視しないで事業経営をやっていけるかという問題でございまして、そういう点から見ましたら、必要な資金を全部出資に求めるということではなくて、今後、出資のあり方と、そうして今度は融資をそこに加えることによって事業量を増していくという考慮を当然にすべきものであろうと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/43
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044・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうなると、やっぱり金利がつく分だけコストが高くなるというのは当然なんです。ですから、参考人の吉村さんに伺いますが、いままでのやり方だったら、五十億分出資して、改正しなきゃそういうふうに五十億森林開発公団にくるのであって、今度の改正によって十七億借り入れになるということになるんでしょう。そうじゃないですか。その点を伺いたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/44
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045・吉村清英
○参考人(吉村清英君) お尋ねは、当然五十億くべきところを三十三億と十七億に分けたんじゃないか、こういうお尋ねかと思うのでございますが、私どもといたしましては、先ほど大蔵大臣のお話にもございましたように、なるべく早く急速に、何と申しますか、この水源林の造成を計画的にやらなくちゃならない。これは私どもがやっておりますところは、現在、森林がなくて粗悪林地でありますとか、あるいは無立木地でありますとか、そういった普通の民間の力ではなかなかやりにくいようなところをやっておるわけでございますが、そういうところは一刻も早く計画的に完成をしなくちゃいかぬ。そういうような意味合いからも、私ども、利息の負担のできる範囲で、何と申しますか、全額が御出資を願えないのなら、そういった範囲内ででも事業量をふやして早急に完成をしたいという気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/45
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046・木村禧八郎
○木村禧八郎君 なんか質問の要点を御理解になっていないようですが、いままで、現行どおりでいけば、国有林野のほうの利益は、森林開発公団に振り向けられるべき利益は五十一億あるのですよ。二十一億を一般会計に入れるのですから、それがそのまま森林開発公団に行けば十七億の借金をしなくても済むのじゃないか、こういうことなんですよ。従来のやり方ならばそうなるのじゃないですか、こう言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/46
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047・吉村清英
○参考人(吉村清英君) そうでございますね。五十一億というものが私のほうへいただける予定の予算の金でしたらそれはそういうことになるのでございますが、そこのところは、それは多いほどけっこうでございますが、それを私のほうで当然くべき金だということはちょっと申し上げかねるところでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/47
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048・木村禧八郎
○木村禧八郎君 いいですか、資金計画が五十億になっているでしょう。それで三十三億林野のほうから利益がきて、十七億借金することになっている。ところが、この改正によってそうなるんですよ、改正しなければ、従来のやり方だったら。あなた公団の立場に立てば、そうですと答弁したほうが得なんじゃないですか。おかしいな、どうも。この改正案の趣旨によればそうなっておるのですよ。ところが、そうでなくて、二十一億がこれが一般会計へ入れられるのは、政府が財政硬直化で、そこで一般会計の財源不足を補うために、これを改正することによって二十一億を浮かして政府のほうにいただいて、あと足りない分は十七億借金をさせる、こういうことが実際なんじゃないかというのですよ。事実はそうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/48
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049・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) その森林開発公団が財政投融資を今度の改正によりまして初めて受け入れることができるようになったのだとしますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/49
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050・木村禧八郎
○木村禧八郎君 いや、初めて今度は借りるのでしょう。制度的にいっておるのじゃないですよ。借りるのは初めてでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/50
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051・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 借りるのはもちろん初めてでございます。しかしながら、制度としては、これは発足当初から借り入れできることになっておったのでございます。まあ借り入れ金を導入することにしましたのは、別にその出資金を、言うならばちびりまして、その肩がわりに借金をさせようということじゃなくて、先ほども申し上げましたが、水源林の造成事業を拡充したいという要請もこれあり、かたがた、その出資の財源事情がこれは窮屈になっておるということからしまして、森林開発公団の採算上可能な限度は借り入れ金でやったほうがいいんじゃないかということでそうしたわけです。六分五厘の金を借りましても、平均二分五厘程度まで収益のある事業ということで考えますと、大体二対一、出資二について借り入れ一ということであれば、これは十分採算はとれるわけでございます。ですから、そのことも一つのめどに置きまして、三十三億対十七億という出資と借り入れ金の割合を考えたわけでございます。したがいまして、もし借り入れ金をしなければ五十一億が出資に回ったのだろうという御意見がございましたが、しかし、かりに借り入れ金ができなくても、五十一億はとても回せるような事情にはなかったと私ども存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/51
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052・木村禧八郎
○木村禧八郎君 過去の例ですと、四十一年が、森林開発公団への国有林野の利益の出資が三十八億、その他の一般会計繰り入れが六億、四十二年が、森林開発公団出資金四十三億、その他八億、今度は直通になって三十三億森林開発公団出資、その他が二十一億なんです。六億、八億、二十一億、激増するのですよ、そういうことになるのですよ。ですから、結果からいってそういうことになって、政府がそんなちびるわけじゃないといったのですけれども、そういうちびるわけになったのです、結果として。その結果がどういうことになるかというと、それは事業の拡張その他という理屈もありますが、十七億の借金をさせるということになるのでしょう、そうでしょう。ですから、それはまあいいでしょう。それで、いろいろまたそうでもない、ああでもないといっても、そうだとはなかなかちょっと言われることが都合が悪いでしょうから、財政硬直化のしわ寄せの一つである、そうでございますというわけにいかないでしょう。私のほうで理解しておきます。
最後に、一つ伺います。この施行期日を修正になりましたね、この新年度の会計はいつから始まるのですか。四十三年度の森林開発公団の新会計年度というのは、いつからですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/52
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053・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 四月一日でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/53
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054・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますと、この法律が通らなければ四十三年度の予算は実行できないわけですね、森林開発公団については。そうでしょう、この法律が通らなければ。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/54
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055・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 出資はできません。しかし、借り入れまたは前年度からの繰り越し資金を使ってやる事業は可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/55
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056・木村禧八郎
○木村禧八郎君 四十三年度の事業は四十三年度予算に基づいてやるのでしょう。しかし、予算が、かりに通っても、この法律が通らなければできないのじゃないですか。ちょうど前の国立療養所の特別会計みたいなことと同じケースになりませんか。支障なければ何もきょう通す必要はない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/56
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057・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 森林開発公団自体の事業計画、資金計画というものは、予算として国会に提出するのでございませんから、その点は国立病院等とは違うと思います。しかし、出資ができませんと、森林開発公団の予定していた事業が、ことにこれは造林の経費でございますから、いまちょうど要るわけでございます。ですから、そういった意味におきまして、出資がないと予定どおりの事業ができないということには当然なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/57
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058・木村禧八郎
○木村禧八郎君 その場合、当然この法律が通るという前提で予算も組み、そしてこの法律を出しているのですが、これまでの大蔵省の法案の出し方は、やはり経過措置というものを一応考えて出すべきじゃないかと思うのです。もしこれが通らなかったらどうなるのです。いまこれどころじゃない法案があるのですよ、たいへん重大なものが。教育三法の問題ももめているでしょう、海外経済協力基金の問題もあります。それから、地方自治体の定年制の問題もある、いろいろ重要法案があります。重要法案が山積してまいりまして、この法案が通らない場合もあり得るのですよ。ちょうど国立療養所の特別会計も、予算は通ったけれども、法案はなかなか通らなかったが、あれは財政法違反をやったのです。会計法の違反をやったのです、そうでしょう。これははっきりと厚生大臣は借金して賃金を支払ったですよ。で、あの場合に経過措置があればそういうふうに無理をしなくてもよかったし、いっそ修正予算でも出せばよかったと思うのですが、こういう法案を出す場合には、やっぱり今後大蔵省は法案の出し方を考える必要があると思うです。そうしないと審議が十分にできない場合があるのです。もう間に合わないから、とにかく早く通してくれ、早く通してくれというのでしょう。われわれは、やっぱり審議を尽くすということがわれわれの任務なんでありますから、そこで何でもかんでもわれわれは反対で葬るというのじゃなくて、やっぱりある程度の審議をしないと国会として国民に対し相すまぬわけです。議員として義務がある。その場合経過措置があるとそんなにあせってやらぬでもいいが、経過措置がないと、衆議院でぎりぎりに通ってくると、これで余裕がないからお粗末な審議をする、あるいはこっちで十分に審議しようとすると、自民党さんのほうで強行採決をせざるを得ない。これは自民党さんのほうでもやはり考えてもらう必要があると思う、この点については。法案の出し方について、ある程度の経過措置というものをやっぱり考えながら出しませんと、その点は非常に審議に支障を生ずるのでありますから、その点、大蔵大臣、ことに大蔵関係の法案は、法律案と予算の関係、そういうそごが今後もあり得ると思うのですよ。その点について今後は十分考慮される必要があるのじゃないでしょうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/58
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059・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 予算の裏づけ立法の通過と予算の通過が並行することが一番望ましいことであろうと思います。したがって、法案提出も、大体予算の提出と時期を同じにすべきでございまして、できるだけ早くいたしておりますが、まあ今度の教育三法のうちの一つは、非常におくれて予算を提出しましたので、審議のおくれるということは、これはやむを得ないことであろうと思いますが、そのほかは国会にはできるだけ早く提出しておるものでございますので、これはおくれるだろう、これは早まるだろうということをこちらから考えていろいろな経過措置を法案一つ一つに準備するということもどうかと思いまして、予算の提出時期と各裏づけの立法の提出時期とこれを同じに国会に出して、並行して審議されることをお願いするというのがまあ常道であろうと考えまして、法案について一つ一つの経過措置を一々準備するということのほうが私は邪道じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/59
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060・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そう言われますと、今度の国立療養所の場合なんかは脅迫ですよ、大蔵省はわれわれに対して脅迫ですよ。これが通らなかったら給料が払えないからたいへんですと言う。そんなことは私はけしからぬと思うのですよ。ちゃんと経過措置を用意しておけばよかった。これは倉石発言にも責任があるのですね。倉石君にもありますけれども、しかし、こういうことは今後ないとは言えないわけですよ。ことに国立療養所の場合なんかは、あれがもし予算が通らなかったら、措置しなかったら、ああいうところは普通の病院と違うでしょう、結核とか心身の障害とか、そういう非常に一日もほうっておけないそういう病人を対象にする療養所でしょう。ですから、そういう場合に、ぼくはやはりそういうちゃんとした措置を考え出してくるのがあたりまえであって、あとで通らなかったら国会の責任のようになって、脅迫ですよ。われわれ反対して通らなかったら社会党の責任だなんて言う。そうすると、こっちが十分審議も尽くさないうちにやむを得ず通してしまうということに、心ならずもそういうことになるのですよ。大蔵大臣、今度はそういう苦い経験をされたのですから、こういう点については反省される必要があるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/60
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061・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 三月末に出したり四月に法案を出すというときには、いろいろ暫定措置、経過措置を考えるということもあるかもしれませんが、いまおっしゃられるものは二月に出した法案でございますので、私どもも、四月半ばを越してから、国会を脅迫するというか、そういうような事態が起ころうということは、最初は考えておりませんでしたので、早目に出す、法律を早く出すことが何としても必要だと思いますので、今後この点十分努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/61
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062・柴谷要
○柴谷要君 いまの答弁で了承しましたが、前の答弁ではまずいのです。というのは、私は理事をやってきまして、非常に苦心した。ですから、政府がもう少し法案提出に配慮を加えてくれれば、十分に両院で審議して、スムーズにいかなくても、かなりいくと思ったのです。ですから、この点は大臣にいま御答弁いただいたので、とやかくお聞きしませんが、少し政府としても御検討いただく必要がある、こう私も思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/62
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063・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 池田内閣のときでございましたが、予算編成のときに、法案ができていないものを予算に計上することをやめる、もう法案ができておって、そうして国会に出す準備がすっかり終わっている経費でなければ予算に計上してはならぬということをやったことがございますが、なかなかこれがむずかしくて、予算のほうが先にできて、あとから法案を準備するということもしばしばございましたので、これはできるだけもう今後の予算編成方針においても私はそれを考えて、もう準備ができないで国会に出せぬような経費は翌年回しにする、その年の予算は見合わせるというくらいきついことをやらぬといまのような御要望に沿えなくなるのじゃないかと思いますので、今後十分気をつけたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/63
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064・柴谷要
○柴谷要君 私、少しの時間質問して終わりたいと思いますから、採決の用意を願いたいと思います。
先ほど先輩木村先生からお尋ねがあった問題でございますけれども、特別会計から森林開発公団へ直接出資できるようにしようとするのが本改正案の趣旨であると思います。一体、そういう改正ですが、現在の方式でなぜいけないのか、現行では所要財源確保が困難であるのか、改正の積極的理由がどうも明確でないように思うのです。このことは、直接出資方式にしなければならない会計法上の支障があるのかないのか、それらの点についてひとつ説明をまずお願いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/64
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065・相沢英之
○政府委員(相沢英之君) 現在やっておりますところの国有林野事業特別会計の特別積み立て金引き当て資金を財源としまして一般会計への繰り入れを行ない、その一般会計から森林開発公団に対して出資するという方式が特にどうしてもぐあいが悪い、したがって、今回の改正をするということではございません。これは先ほども申し上げましたが、結局引き当て資金というものの今後を考えますと、国有林野事業特別会計の収支の状況からいたしまして、必ずしもいままでのような増加が期待できない。反面、森林開発公団の行なっておりますところの水源林造成事業というものは、今後ますます急速かつ計画的に行なっていかなければならない。そういった点からしまして、この引き当て資金から一般会計に繰り入れるという際に、まず森林開発公団に対して出資をいわば先取りすることにすれば優先的かつ安定的に森林開発公団に対する出資財源を確保できるのではないか、かように考えましたことが、その改正の理由の最たるものでございまして、これにあわせまして、先ほども申し上げましたが、引き当て資金から一般会計へ財源を繰り入れて、一般会計から出資するのでは国有林野事業特別会計が森林開発公団に対して何らの権利も持てないが、直接出資することにするならば、特会の資産として出資権を留保することができ、国有林野事業特別会計の内部留保を厚くすることができる。それから、かたがた、一般会計を経由して資金を出資するよりも、今回の改正案によるほうが経理手続の簡素化にもなるという理由からでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/65
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066・柴谷要
○柴谷要君 次は、本会計の基本的な運営方針ですけれども、国有林の経営は、非常に変わりやすい国内の木材価格に大きく左右されると思うのですが、林産物の供給に対して一体どのような方針をもって行なっているのか。それから、年間伐採量は保安林指定の増加等によって昨年ごろから若干減少してきているが、現在積極的に推進している人工林野もこれが生産力化するに至っていないので、年間伐採量の増加は今後当分の間期待できない状態にあると私どもは考えているわけです。一体この点をどうお考えになっておられますか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/66
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067・片山正英
○政府委員(片山正英君) 国有林野事業特別会計の基本的な運営方針いかんというのが最初の御質問と承りました。御承知のように、国有林野事業は、林業基本法の四条に一つの方向づけがございます。御承知のように、国土保全等、公共的使命を達成しながら、かつ、木材の生産を持続的に拡大していく、その中で奥地林の開発、あるいは地元産業の振興、あるいは地元住民の福祉の向上をはかるというのがたてまえでございます。そこで特別会計というものを現在行なっているわけでございます。その要点といたしましては、やはり企業的な運営をはかりながら、先ほど申しました目的を達成していくという態度で進んでおるわけでございます。
そこで、先生の第二問は、木材の生産関係はどうなのか、造林関係はどうなのかという御質問のように承ったわけでございます。生産関係につきましては、全国森林計画というものを樹立いたしまして、これは大臣がおきめいただくわけでございますが、樹立いたしまして、それに基づきまして、国有林のその経営計画を樹立するわけであります。その際に、先ほど御指摘のありましたように、国有林は、ここ数年、増伐を重ねてまいってきたわけでございます。木材需要その他に対処するためにやってきておるわけでございますが、一応の限界にまいってきていることは事実でございます。したがいまして、今後五カ年ぐらいの間は横ばいないし若干の減少を来たさざるを得ないだろう、しかし、その後におきましては漸増してまいるという計画をやっておるわけでございます。それから、造林の問題でございますが、これは御承知のように、まだ天然林の比較的生産性の低い林が相当ございます。それを人工林に切りかえていくということで、これは従来と比較しますと大幅な拡大をいたしておるわけでございます。そういうことによりまして国有林の生産を当初の目的どおりの態勢に持っていって役目を果していきたいというような基本的な態度で運営をやっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/67
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068・柴谷要
○柴谷要君 四十一年四月の閣議決定によると、林産物の需給計画は昭和五十年度に一億立方メートルですね。ところが、四十二年度末すでに八千四百万立方メートルに達しているわけです。前年度に比べて六百万立方メートルもふえている。ところが、四十五年度にすでに一億立方メートルをこえてしまうような需給の状態になってきている。この政府の昭和五十年度に一億立方メートルという考え方は非常に甘い考え方であると、こう思うのですが、需給計画改定の意向があるかどうか、これをちょっと林野庁長官にお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/68
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069・片山正英
○政府委員(片山正英君) 御指摘のとおり、林業基本法に基づきまして、昭和四十一年の四月一日に木材の長期見通しというのを閣議決定したわけでございます。その内容といたしますのは、昭和九十年まで、したがいまして、今後五十カ年後、それまでのいわゆる大きな需給の長い見通しを立てたのでございます。しかしながら、いま先生御指摘のとおり、最近一、二年においてわれわれの見通しました短期の数字は確かに変わってきております。その理由とするところは、われわれ、当初、国民の総生産というのを、これは中期経済計画でございますが、それに基づきまして八・一%というものを一応想定いたしておったわけでございますが、その後、経済成長が非常に伸びまして、名目では四十年から四十一年にかけまして一五・二%、四十一年から四十二年にかけましては一六・四%、これは名目ではございますが、非常に上昇が多かったわけでございます。したがいまして、需要が非常に伸びた結果になったわけでございます。それに対しまして生産が必ずしも計画どおりいってないということから、需給のバランスが当初の見通しと変わったわけでございますが、そのような情勢は非常に高度の成長とわれわれは思っております。したがいまして、これが今後ともそのような成長でずっと続くということが考えられるかどうか。これは相当疑問だと思います。したがいまして、五十カ年の先のものをこの段階でどうするということは、非常にまだ相当検討を要すべき問題だというふうに考えますので、今後慎重に検討してまいりたいと思います。ただ、短期的な問題につきましてはすみやかに検討をいたしまして、一つの新しい樹立をいたしたいと、かように思っておりまする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/69
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070・柴谷要
○柴谷要君 森林開発公団の性格は、三十六年の改正によって水源林造成事業が加えられた。そのことによって大きく変わったと思うのですが、国あるいは県で行なっていた時代と比較して、公団の特色は一体どこにあるのか、この特色をひとつ御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/70
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071・片山正英
○政府委員(片山正英君) 公団の造林は、御承知のように、官行造林から移行したのが公団の造林でございます。官行造林は、御承知のように、大正九年、市町村有林を対象にいたしまして、その基本財産を造成するという目的で始まったわけでございます。したがって、その団地も非常にまとまった団地を対象にして実施をしておったわけでございますが、昭和三十四年かと思いますが、におきまして、水源林造成もあわせて官行造林がやるということになりましたが、実際問題といたしましては、なかなか水源林造成というのは非常に場所が零細でございます。それから、分散いたしております。そういうような形で国がみずからやるというのは、なかなか実行が非常にしにくくなったということから、かつ、また、国有林林野事業は、増伐、あるいは造林も非常に推進するということで、伐採量については約一五%、造林量につきましては約三〇%の増加を来たしておる。そういう仕事を進めておるというようなこともございまして、これを公団に移したわけでございます。公団に移しました結果、いわゆる地元のほんとうの造林の技術を持っておる人、それから土地所有者、それから公団という意味で、いわゆる分収造林特別措置法に基づきます三者契約、あるいは二者契約、そういうことの中で推進しておるわけでございます。おかげさまで、そういうような形から造林は非常に順調な推移をたどりまして、ほかの造林と比較をしますと、はるかに計画的な推進がはかられて、かつ、また、地元の人たちから非常に喜ばれておる制度と思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/71
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072・柴谷要
○柴谷要君 最後の質問ですけれども、二つあるのだけれども、簡潔でいいですから、簡潔にお答え願いたい。
最後に、公団の事業内容について伺いたいのですが、公団全体の事業計画は、必ずしも計画どおりいっていないと思うのです。本年度の事業計画は一体どうなっているのか、それから、また、昨年来の財政の繰り延べ等の影響はどうなっているのか、この点をひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/72
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073・片山正英
○政府委員(片山正英君) 本年度におきまする公団の事業計画の内容の要点でございます造林事業につきましては、新植二万三千ヘクタール、その経費が五十億でございます。それから、林道事業につきましては十一路線を実施いたします。いわゆる特定森林地域開発林道と申しますが、十一路線をいたしまして、その経費が十八億円くらいでございます。そのほか、公団林道といたしまして、前に熊野・剣山地域の三十路線を実施したわけでございますが、それの維持管理の事業、これを本年度の事業として予定をいたしておる次第でございます。
なお、また、公団の本年度のいままでの資金、あるいは運用ということでございますが、これは四十三年度の当初の資金は、前年度におきます事業繰り越しなどに伴いまして、繰り越しが約四億四千百万円、それから、利子収入が四百万円でございますので、四億四千五百万円、これによって四月実施いたしておるわけでございますが、四月実施しました金額は三億四千四百万円ということに相なっております。したがいまして、その差額は一億百万円ということでございますので、今後お認めをいただきながらこの事業を円滑に実施してまいりたい、かように思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/73
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074・柴谷要
○柴谷要君 最後に、いまの説明でわかったのですが、四月の、たとえば労務費等の支払いに三億四千四百万円ですか、お使いになった。この中から支払いをしてきたから差しつかえなかった。ところが、今度の法律が通らないというと五月の二十日の支払いができない、こういうふうに解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/74
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075・片山正英
○政府委員(片山正英君) そのような実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/75
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076・柴谷要
○柴谷要君 それでは、質疑は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/76
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077・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/77
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078・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/78
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079・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。
国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/79
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080・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/80
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081・青柳秀夫
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814629X02519680516/81
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