1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年三月十四日(木曜日)
午前十一時二十六分開会
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委員の異動
三月十四日
辞任 補欠選任
森田 タマ君 伊藤 五郎君
出席者は左のとおり。
委員長 津島 文治君
理 事
船田 譲君
吉武 恵市君
鈴木 壽君
原田 立君
委 員
伊藤 五郎君
小柳 牧衞君
林田 正治君
八木 一郎君
松澤 兼人君
辻 武寿君
国務大臣
自治大臣 赤澤 正道君
政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
自治大臣官房長 宮澤 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣送付、
予備審査)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○地方行政の改革に関する調査
(昭和四十三年度地方財政計画に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/0
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001・津島文治
○委員長(津島文治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、森田タマ君が辞任され、伊藤五郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/1
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002・津島文治
○委員長(津島文治君) 地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
提案理由の説明を願います。赤澤自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/2
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003・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。
地方税につきましては、地方財政の状況を考慮しつつ、極力負担の軽減合理化をはかってまいったのでありますが、なお個人の住民税等については、負担の現状にかんがみ、その軽減につとめる必要があると存じます。他面、地方財政の基盤をつちかい、その健全化を進めていくためには、地方独立税源の一そうの充実をはからなければならないと考えられるのでありますが、特に、最近における地方道整備の緊急性にかんがみ、この際、地方道路財源を充実することがぜひとも必要であると考えられます。
このような実情を考慮いたしまして、明年度の地方税制の改正にあたりましては、いわゆる課税最低限の引き上げによる住民税の減税、事業専従者控除額の引き上げによる中小事業者の住民税及び事業税の減税等を中心として、可及的に地方税負担の軽減合理化をはかるとともに、他面、地方公共団体、特に市町村に道路目的財源を付与する丸め、自動車取得税を創設することとし、所要の改正を行なうこととしたのであります。
次に、以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
第一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。
個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、夫婦子三人の給与所得者の課税最低限を十万円程度引き上げることを目途として、昨年の所得税法の改正に伴う給与所得控除の引き上げのほか、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げることといたしました。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、一万円ずつ引き上げることとし、特に重度障害者に対する障害者控除の額については、三万円引き上げることといたしたのであります。なお、中小事業者の負担の軽減をはかるため、専従者控除の限度額を青色申告者については五万円、白色申告者については三万円引き上げることといたしました。
このほか、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得二十八万円まで拡大することとしております。
第二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、中小事業者の負担の軽減をはかるため、専従者控除の限度額を、青色申告者については五万円、白色申告者については三万円引き上げることといたしました。
第三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、事業協同組合等が公害防止事業団から産業公害を防止するための共同建物の譲渡を受けた場合における不動産取得税について、課税標準の特例を設ける等、負担の軽減合理化をはかることとするほか、農地等を生前贈与により取得する場合における不動産取得税の納期限の延長の適用期限を五年間延長するとともに、課税価格が基礎控除額以下であることにより贈与税が課されない者についても、同様の措置を講ずることといたしました。
第四は、たばこ消費税についてであります。たばこ消費税につきましては、別途たばこの小売り定価の改定が予定されていることに伴い、たばこの売り渡し本数が減少することが予想されますので、売り渡し本数の減少に伴う減収が生ずることのないよう、課税標準の算定に用いる売り渡し本数について補正を行なうことといたしました。
第五は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、電気事業者が都市計画区域内において新設した特定の配電用地中電線路につき、課税標準の特例を設ける等の措置を講ずることとするほか、一の納税義務者が所有する固定資産に対する固定資産税の課税標準額が当該市町村の固定資産税の課税標準総額の三分の二をこえる場合において、当該市町村が百分の一・七をこえる税率で固定資産税を課するときは、その旨を自治大臣に届け出なければならないこととし、この場合、自治大臣は当該市町村の税率について指示することができるものといたしました。
第六は、軽自動車税についてであります。軽自動車税につきましては、原動機付自転車及び特定の小型特殊自動車に対する月割り課税の制度を廃止し、税務行政の簡素化をはかることといたしました。
第七は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、ガスに対する電気ガス税の免税点を八百円に引き上げて負担の軽減をはかるほか、無水フタル酸等四品目及び三年間の非課税期間が満了する二酸化マンガン等四品目にかかる電気に対する電気ガス税を非課税とすることといたしました。
第八は、自動車取得税の創設についてであります。自動車取得税は道路に関する費用に充てるため、道府県の目的税として、次の要領により創設することといたしました。
まず、自動車取得税は、自動車の取得に対し、自動車の主たる定置場所在の道府県において、その取得者に課するものといたしましたが、所有権留保付売買が行なわれた場合には、買い主に課するものとしております。
次に、自動車取得税の課税標準は、自動車の取得価額によることとしておりますが、無償でされた自動車の取得、交換による自動車の取得等、特別の事情がある場合につきましては、通常の取引価額によるものといたしております。
また、自動車取得税の税率は百分の三、免税点は十万円とし、その徴収方法は申告納付の方法によるものといたしました。
なお、道府県は市町村に対し、自動車取得税額に政令で定める率を乗じて得た額の十分の七相当額を交付するものとし、特に指定市を包括する府県は、このほか、自動車取得税額に政令で定める率を乗じて得た額の十分の三相当額に、指定市内に存する国道、府県道の延長及び面積の指定府県内の国道、府県道の延長及び面積に対する割合を乗じて得た額を、指定市に交付することといたしております。
第九は、国民健康保険税についてであります。国民健康保険税につきましては、本年一月から全市町村につきまして被保険者の一部負担金の割合が三割となったことに伴い、国民健康保険税の標準課税総額の割合を改めることといたしました。
第十は、税制の簡素化についてであります。税制の簡素化につきましては、国税においてとられる措置とも対応して、地方税の課税標準額及び延滞金、各種加算金等の確定金額についての端数計算の単位を引き上げるとともに、分割法人の修正申告等に基づく住民税及び事業税の納付額が少額のときは、次の納付期限までその徴収を猶予することといたしました。
以上のほか、所得税法の改正に伴う関係規定の整備等、所要の規定の整備を行なっております。
以上の改正により、昭和四十三年度の増減収額は、個人の住民税におきまして七百七億円、個人の事業税におきまして二十八億円、電気ガス税その他におきまして七億円、合計七百四十二億円の減収が見込まれますが、一方、自動車取得税の創設により三百八十九億円、国税の改正に伴い四億円の増収が見込まれますので、差し引き三百四十九億円の減収となります。
以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。
次に、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由と内容の要旨を御説明申し上げます。
昭和四十三年度の地方交付税については、地方団体の行政経費の増加に対処するため、地方交付税の単位費用を改定するとともに、新たに特別事業債償還費を設ける等、基準財政需要額の算定方法を改め、あわせて昭和四十三年度から昭和四十六年度までの各年度の地方交付税の総額の特例を設けるほか、昭和四十三年度から昭和五十六年度までの各年度について特別事業債償還交付金を交付する等の必要があるのであります。以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
その一は、地方交付税の算定方法の改正であります。
道路整備計画等各種の長期計画の進展による公共事業費等の増加分、生活保護基準の引き上げ等に伴い増加する社会保障関係経費、給与改定の平年度化等により増加する給与関係経費、その他制度改正等によるものを基準財政需要額に算入するため、関係費目の単位費用の改定をはかるほか、新たに、道府県分及び市町村分の基準財政需要額に特別事業債償還費を加え、従来の人口急減補正を拡充して、人口、学校数等が急激に減少した地方団体にかかる補正の特例を設ける等、算定方法の合理化をはかるとともに、算定の全般を通じて、過密地域及び後進地域における所要財源に対する適切な配慮を加えてまいりたい所存であります。
その二は、地方交付税の総額の特例であります。
昭和四十三年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額から四百五十億円を控除した額に、別途交付税及び譲与税配付金特別会計に借り入れる二百五十億円を加算した額とすることとし、これに伴って、昭和四十四年度から昭和四十六年度までの各年度分の地方交付税の総額を、現行の法定額にそれぞれ百五十億円を加えた額から昭和四十三年度において交付税及び譲与税配付金特別会計に借り入れた借り入れ金の償還所要相当額を減額した額とすることといたしております。
その三は、特別事業債償還交付金の交付に関することであります。
特別事業債償還交付金は、特別事業債の償還にかかる経費を基準財政需要額に算入することに伴い、昭和四十三年度から昭和五十六年度までの各年度に限り、普通交付税の配分方法に準じて交付することとし、その総額は、昭和四十二年度分にあっては九十億円、昭和四十四年度以降の各年度分にあっては当該年度分にかかる特別事業債の償還額のうち普通交付税の交付を受ける地方団体にかかる分として政令で定める基準に従い予算で定めることとといたしております。
以上のほか、地方団体が昭和四十四年度以降における地方債を昭和四十三年度に繰り上げて償還する場合における必要経費を基準財政需要額に算入するため、災害復旧費の測定単位及び単位費用について特例を設け、その他関係法律に所要の改正を加えることといたしております。
以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、あわせて、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/3
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004・津島文治
○委員長(津島文治君) 両案に対する質疑は、後日に譲りたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/4
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005・津島文治
○委員長(津島文治君) 次に、地方行政の改革に関する調査といたしまして、昭和四十三年度地方財政計画に関する件を議題といたします。
概要の説明を願います。赤澤自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/5
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006・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) このたび、昭和四十三年度の地方財政計画を策定いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
昭和四十三年度におきましては、内外のきびしい経済情勢及び国、地方を通ずる財政環境にかんがみ、地方財政においても、国と同一の基調により行政経費使用の重点化に徹し、節度ある行財政運営を行なう必要があります。
地方財政については、かねてからその構造を改善し、地方行政水準を向上させるため諸般の措置を講じてまいったところでありますが、明年度の地方財政につきましては、住民負担の軽減合理化をはかりつつ地方行政水準の向上を促進し、将来にわたる財政の健全性を確保するため所要の措置を講ずることといたしたのであります。
昭和四十三年度の地方財政計画策定の方針及びその特徴について申し上げますと、第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減を行なうことであります。これらの減税総額は七百四十二億円となるのでありますが、地方税の総額は、前年度に比して四千六十二億円増の二兆三千二百六十八億円となる見込みであります。
第二は、財源の適正かつ効率的な配分につとめ、地方経費使用の重点化を徹底することであります。そのため、道路目的税として自動車取得税を創設し、道路交通安全施設の設置の財源として交通安全対策特別交付金百二億円を交付するほか、社会経済情勢の進展に対応する財政需要の変化に即応するため、いわゆる過密地域、後進地域にかかる事業等に要する地方債を重点的に増額するとともに、地方交付税配分の合理化を推進することとしております。明年度の地方交付税の総額は、前年度に比し二千百九十二億円増の一兆一千百十三億円となっております。
第三は、財政運営の効率化を進めるとともに、財政秩序を確立し、地方財政の健全化を促進することであります。その方策として、行政機構の改善と定員管理の合理化をはかるとともに、既定経費を節減し、また、昭和四十三年度に限り、地方交付税の繰り入れ額を法定額から四百五十億円減額して翌年度以降に繰り越すとともに、交付税及び譲与税配付金特別会計において二百五十億円を借り入れ、地方交付税に加算するほか、二百五十億円の地方債について繰り上げ償還を行ない、一定の特別事業債にかかる元利償還金の財源として特別事業債償還交付金九十億円を交付することとしております。なお、いわゆる超過負担の問題につきましては、国庫補助負担金の改善等の措置を講じ、解決をはかってまいる所存であります。
第四は、地方公営企業の経営の健全化をはかることであります。このためには、一般会計との負担区分に基づく一般会計からの繰り出しに必要な財源を確保するなどの措置を講じております。
以上の方針のもとに、昭和四十三年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、五兆六千五十一億円となり、その前年度に対する増加は、八千三百三十七億円、一七・五%となるのであります。
以上が、昭和四十三年度の地方財政計画の概要であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X00519680314/6
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007・津島文治
○委員長(津島文治君) 本件に対する質疑は、後日に譲りたいと存じます。
次回は三月十九日午前十時三十分開会の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十四分散会
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