1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月二十五日(木曜日)
午前十一時二分開会
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委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
土屋 義彦君 八木 一郎君
菅野 儀作君 岸田 幸雄君
森部 隆輔君 柴田 栄君
四月二十五日
辞任 補欠選任
辻 武寿君 田代富士男君
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出席者は左のとおり。
委員長 津島 文治君
理 事
船田 譲君
吉武 恵市君
鈴木 壽君
委 員
柴田 栄君
高橋文五郎君
林田 正治君
林田悠紀夫君
八木 一郎君
松澤 兼人君
国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省財政局長 細郷 道一君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
(昭和四十三年度地方財政計画に関する件)
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001・津島文治
○委員長(津島文治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
地方交付税法の一部を改正する法律案、昭和四十三年度地方財政計画に関する件を一括議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/1
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002・鈴木壽
○鈴木壽君 地方交付税法の改正部分あるいは地方財政計画の具体的な内容のことについては、あとでいろいろお尋ねをしたいと思いますが、まず最初に、この交付税法の改正あるいは地方財政計画の策定ということに一番大事な基本的な問題としてあります四十三年度の地方財政対策と申しますか、地方財政の措置、これが基本的な問題だと思いますので、大臣に若干お尋ねをしたいと思うのであります。今度の四十三年度の地方交付税の改正あるいはまた地方財政計画の策定という、こういう問題は、ちょっといままでとは違った形でなされておりますし、いわば地方財政の根本、地方交付税法の根本に触れる問題が多々あるのではないか、こういうふうに思うわけでございますので、そういう観点から、以下若干大臣にお尋ねをしたいのであります。
まず最初に、四十三年度の地方財政対策として、一つの何といいますか、大きなレールみたいなものが敷かれておりますそのことですが、ことしの一月の予算編成の段階で、一月の六日に大蔵、自治両大臣の覚え書きというのがあるようでありますが、この覚え書きの内容と、覚え書きを取りかわすに至るまでの経緯をひとつお知らせをいただきたい、こういうふうに思います。われわれ、外で新聞やその他いろいろなもので、たとえば国の財政の硬直化の問題、それと地方交付税の扱いの問題、こういうのがいろいろ報じられて、そのつど大きな関心を持って見ておったわけなのでありますが、最終的には両大臣の覚え書きということでケリがついたようでございますので、この覚え書きというのは非常に大きな意味を持っておるものだと、こういうように思いますので、ひとつ先ほど申しましたように、覚え書きの内容と、それから、それに至るまでの経緯がいろいろあるようでありますので、その経緯を詳細にお知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/2
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003・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 私は、昭和四十三年度の財政計画を立てます前提として、最近根本的に解決しなければならぬ懸案がたくさんあることを承知いたしておりまして、これをどういうふうに解決するかということについては、非常に苦慮しておったわけでございますが、御案内のとおりに、たまたま、四十一年度の交付税落ち込み分に対してとられた措置としての、いわゆる出世払いと言われておる例の四百八十二億円、これがどういう扱いになるかということが中心課題になったわけでございます。それが、直接大蔵省からこれを返せとかいったような話は具体的には一回もありませんでしたけれども、四囲から伝わってくるいろいろな情報から、何か国の財政が苦しいから、ぜひこの際、あのときに地方財政が多少でも中身がよくなったら返すのだという約束もあるので、あれを返してほしいというようなことがちらほら耳に入るものですから、これはとんでもない考え間違いであるということで、省内でも、もしそういうことの要求があったら、それに対処する態度等についていろいろ検討をしておったわけでございます。ただいま申し上げましたように、正式に四百八十二億円をこの際返してくれという話はございませんでした。しかし、国の財政そのものが、内外を取り巻く経済情勢が非常に深刻化してまいりました影響を受けまして、抑制型の予算を組まざるを得ぬ立場に追い込まれておりますし、何らか地方財政面にも協力を求めるような形があらわれてくるだろうということは一応頭にあったわけでございますけれども、例の四百八十二億円にからませて、先年出世払いの証文と俗に言っておる、そういうものにこだわっているんだったら、これは全然受けるわけにはいかぬという態度で臨んだわけでございますが、ただいま申しましたように、国自体が非常に窮境に立っております際に、地方財政が全然それを見て見ぬふりをしておるということが、国民全体にとって、はたしてしあわせかどうかということは、やはり政治家として、国務大臣として検討を要する問題でございますので、われわれのほうとしても、一応国の財政には何がしかの協力をするという態度をきめるに至ったわけでございます。しかし、ただ、われわれのほうといたしまして、国に協力する立場で四百五十億円を交付税額から減額することにいたしました場合、どういう現象が起こるか。そのために地方団体が困るようなことがありましては、地方行財政に責任を持つ者といたしましては容認できませんので、十分内容を検討いたしました結果、まあ地方財政を引き締めて、そうして予算を効率的に重点的に駆使いたします場合においては、多少そういった国に協力する、あるいは同一歩調をとるというようなことにいたしましても、さしてそこに大きなマイナスは起こらぬであろうという判断をし、また、四百五十億円を減額したというだけでは多少気になる面もありまするので、御案内のとおりに、旧年の災害債、しかも、資金運用部資金から出ております債務というものを一応繰り上げ償還をすることにして、それも無理のないという形で二百五十億円を一応繰り上げ償還いたしました。それを財源として新しい行政需要を満たすということをいたしました。なお、そのほかに、前大蔵大臣のときに、やはり地方財政が、国の財政も非常に窮境に立ちました際に、これはこの影響を地方財政が受けましたときに、例の一千二百億円の特別事業債を発行した、これが速記録に、地方財政には御迷惑はかけませんという速記録があるわけでございまして、これが最終どういう形でケリがつくかということにつきましては、やはりそういう速記録だけをたよるというわけにはまいりませんので、これもちゃんと法律あるいは政令に書いてきちっとしておけば、将来この問題を再び取り上げて議論をする日はないわけでございまするので、これにつきましても、いろいろ考えまして、御案内のとおりな措置をとって総額をきめまして、それを法律に入れて、そうして年次的に元利を償還する、交付税に加えて中でこれを返していくということにしたわけでございます。
それから、いま一つは、これまた長年懸案でありました超過負担、超過負担を解消する、つまり、国と地方との財政秩序というものをこの際きちっと確立する、地方団体には迷惑をかけないということで、これは関係各省いろいろいままで進めておりまして、昭和四十一年度、四十二年度もしかるべき措置はいたしましたけれども、その実態を、六種類だけ金額の多いものを選び出しまして、去年、四十二年精査いたしましたころ、大体結果がわかりましたので、これは向こう三カ年にわたって解消するということ、それで、なおあと残っておりまするものも、われわれの胸算用では一千億円もあるんじゃないかと考えられまするものも、これもこの際明確に約束を取りつけておこうといったようなことを内容といたしまして、全部をはっきり、法律にするものはいたしました。それからメモにありますものは、ただいまの超過負担も今後三年間において解消をはかるということに、大蔵大臣との間にはっきりした確約をいたしました。まあ、同じ政府の中でございまするから、文書にして取りかわすなどということはおかしなことでございまするけれども、しかし、従前、こういう議論が紛淆した例もございまするので、明確にしておくという意味でこういう文書の交換をいたしました。大体、そういうことが内容になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/3
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004・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、今回の覚え書きで、奨来にわたっての約束や何かもはっきりさしておるようでありますが、一体、その覚え書きはどの程度の——約束とかなんとかということでありますけれども、拘束力といいますか、どの程度これはあるもあかですね。何か私この中で一つ心配なのは、内容的にもいろいろ問題があると思いますが、覚え書きとして心配なのは、昭和四十年度の際の先ほどお話がございました出世払いということのこのときも、当時の大蔵大臣、いまの自民党の幹事長の福田さんですね、それから自治大臣の永山さんとの間に覚え書きが取りかわされておる。これは両大臣のそれこそ将来にわたってのかたい約束、それをはっきりさせるということでございましょうが、ところが、こういう覚え書きが今度のあなたと大蔵大臣の覚え書きによって、もうなきものと了解するというようなことになってくるんですね。さきの四十年のときに取りかわされたこの覚え書きの内容も、少しこうはっきりしない内容でありますけれども、ともかく二人の大臣が、責任のある両大臣が取りかわしたその覚え書きがあとになると、また代がかわると、認めないとか、ないものとするとかというようなことになる。というようなことから、あなたの今回とられました大蔵大臣との間の覚え書き、これもまた代がかわると、なきものと了解なんということになりはしないかという私心配があるわけなんですが、そこら辺どういうものでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/4
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005・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) この貸し借り論がこの国会中も起こりまして、その答弁に全く応接のいとまもないくらいだったわけでございます。俗に言う貸し借りではないときめつけられれば、それは考えよう次第ですけれども、もともとは、その四百八十二億円を返してくれと大蔵省は言ったじゃないか、そんなものを返すやつがあるか、ここに貸し借りが一つある。さらに、先ほど説明をいたしませんでしたけれども、四百五十億円を減額した、しかし、その裏には百五十億円ずつ返してもらおうじゃないか、これも貸し借りだと言えばそうじゃないかとおっしゃるのだけれども、私たちは考え方が根っこから違っておりまして、やはり国に協力することはするけれども、やはりこういうきわめて特殊な措置をいたしますのは今年限りということであって、しかし、単に協力しっぱなしではまずいから、次年度以降にこれは繰り延べるのだという考え方でありまして、決して貸したということではないわけであります。ただ、こういった点についていろいろな議論が出てくるのは、大蔵省側から出てくると私ども考えておるわけなんです。こういう際に、思想統一を大蔵省の内部でもしておいてもらいませんと、予算期になると、あのときはこういうことだったじゃないかと恩きせがましく言われることは、はなはだ迷惑いたしますし、ですから、法律できちっときめらるべく、この際法律化してしまう。ただ、超過負担について向こう三カ年間に解消するなどということは、法律にはなっておりませんけれども、こういったことについてもやっぱり思想統一をしておくことが一番望ましいと考えますので、それがこういう覚え書きになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/5
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006・鈴木壽
○鈴木壽君 いや、大臣ね、私心配だというのは、さっきも申しましたように、大蔵、自治両大臣の覚え書き、これが二年か三年たったあとで、あれはなかったものだとかというようなことが、大臣がかわったり何かした場合にもう出てきているのですから、それで一体、覚え書きというものは、どういう効力というか、拘束性があるものかどうか。同じ政府の中で二人の大臣の間にやられた、形はいろいろあるでしょうが、いずれも覚え書きという形でやった。それがあとにそんなものはもうなくしてしまうということを簡単にやられるところを見ると、はて、こういう覚え書きというものをまたしてもやったんですが、あとでもうこの覚え書きというのは、こんなものは私は知らぬぞというふうに、これから一、二年たったあとに、あなたと大蔵大臣がもしかわったような場合に、あとの大臣の間でまたやられるんじゃないだろうかという心配がちょっとあるものだから、こういうものは一体どうなのかという気がするわけですね、その点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/6
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007・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) これは前のメモとは全然違うと思うのです。前のは、法律づらから考えた場合には、裏にそういうメモがあるなどということはあろうはずがないのでありまして、そういうことは、私、就任いたしました際には、いわゆる出世払いとは何なんだ、うんと地方財政が好転したときには返しましょうということは、世間の通例では、結局返さぬでもいいということだと思うという腹がまえをしておったわけなんでして、しかし、いやしくも法律で明確にきめておきながら裏でそういう約束があるということは、これは国会で予算を審議する上において、そういうことがあると承知されたら、審議なさる皆さんだって、そういうものをまともに受け取られるはずがないと思う。今度はそうでなくして、みんな法律にはっきりしたわけです。そういうやみのものが入るものは何一つありません。ただ、ここ三カ年間に超過負担を解消するなどということは、すぐ法律というわけにはまいらぬ事情もございますので、これはかたい約束をした、その他のことは全部法律にいたしまして、今度は裏で返すとか貸すということは全然ありませんので、前のとはかなり意味が違うと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/7
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008・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ皮肉なような言い方をしますと、法律だって、さっきも言ったように、代がかわり、あんなことになって、法律だって変えてくれというようなこともあり得るのですね。そういう提案をしてくる場合だってあり得ると思うのですね。まあ、しかし、そこまでは申し上げません。ですから、基本的に、こういう問題の処理の際に、政府部内で担当大臣二人、まあ担当と言っちゃなんだが、大蔵と自治両大臣の間にしばしば覚え書きというようなものがかわされなければならぬ、こういうことは私は少しおかしいのじゃないかと思うのですね。地方財政あるいは国の財政、こういうことについてもっとはっきりした見通しを持ってやっていけば——変な貸したとか借りたとか、協力したとかしないとか、こういうことは、しかも、いま言ったように、覚え書きまでとらなければならぬというようなことは、これはおかしなことだと思う。みんな、ある点において煮詰めた話というものがひっくり返されたらどうか、今度これがうまく利用されたらどうかというような心配があるものだから、まず、こういうような覚え書きをせざるを得ないのだろうと思うのですが、何かそこらあたりに政府部内で基本的にはっきりしたものを持たないところに、こういう問題が起こってくるのじゃないだろうかと思うのですが、そういう点、素直に言って、いかにもふらふらしたかまえだと、こういうふうに私は思わざるを得ないわけですが、しかし、その点は私の意見ですから、まあ、よろしゅうございます。
特に、あなたは、国の財政が苦しいときであるから、地方財政のほうでいわば国に協力をする、こういうことで四百五十億円を出した、しかし、それはただ出したのではなくてあとでと、こういうのでありますけれども、いずれ協力をするということなんですが、これはまあ無理無理協力をさせられたかっこうですね。協力という名で四百五十億円というものは取られたかっこうですね、率直に言って。そこで、私は、地方財政というものを一体どう考えているのか、ここの場合で言えば、大蔵大臣なり政府、あなたを除いた政府が、変な話だけれども、どう考えているかということについて、私はどうも不審なんですがね。四百五十億円でも五百億円でもよこせというと出せるというような、そういう地方財政の状態にあるという見方、これじゃないかと思うのですね。もっと端的に言うと、国は苦しい、ところが地方財政はいいじゃないか、余裕があるじゃないか、こういうので、今回のいわゆる協力をして、四百五十億円を交付税の総額から減額をしたということになると思うのですが、あなたはこの話をしている間に、覚え書きに至るまでのこういうのについて、いま私が言ったような考え方が大蔵省あたりにあるのだということをお認めになりませんでしたか。その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/8
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009・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 鈴木先生はもう百も千も御承知の上での御発言じゃないかと思うのですが、私、自治大臣であると同時に国務大臣であるわけでございまして、今回の国の経済が直面しております危機というものは、私はもう世界じゅうそうだと思うが、非常に深刻であるという見方をしておりまして、予算委員会では、るる大蔵大臣も説明しておったようでございまするけれども、まあ去年の秋、ポンドの切り下げがありまして、対円一千八円でありましたものが六百八十四円まで下がってしまったということ、しかも、それにはイギリスも思い切った抑制型の予算を組んで国民に耐乏生活を願うんだと言っておりましたのにもかかわらず、国民にまだ十分その趣旨が徹底しておりませんのか、予想した結果が出ませんために、またさらに再切り下げをしなければならぬ情勢に追い込まれておる。アメリカもやはりそのあおりを食いまして、引き続いて三回にもわたって公定歩合の金利の引き上げをやる、こういう始末でございまして、ドル防衛に狂奔したので、SDRの制度もまだ各国で検討しておりますけれども、フランスはこれに思わしく乗ってこないし、これに踏み切ったものの、これが実行に移されるのはおそらく来年の夏以降じゃないかと思う。この危機をどうして切り抜けるかという——やはり地方財政は地方財政だから関係はないんだという単純な刷り切り方は私は危険だと思う。しかしながら、やはり私は、国の全体の財政と地方財政というものは直接の関係はないということを言い続けてきておるわけでございまして、国のフィスカルポリシーの影響なんぞは何も地方財政は負う必要はない、しかし、とは言いながら、やはり内需の抑制だとか、そのために超均衡予算を組むとかいう国の姿勢というものは、やはりそれを受けて地方財政のほうでも配慮していくということが、国民全体の、ということは、地域住民全体の将来の生活を守るということにもつながりますので、あえて国が総合予算の態度に踏み切ったからと言って、地方は地方でかってにやるのだということは、私は必ずしも正しくないという考え方に立ってこういう措置をとった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/9
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010・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの大臣のお話を聞いていますと、むしろ、大臣のほうから積極的に苦しい国の財政の現状、そういうものに協力をする、こちらの側から協力する、こういうことで今回の措置がとられたというふうに聞こえるのですが、そのとおりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/10
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011・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) まあ予算編成の過程におきまして大蔵省からしいられたとか、貸したものを返せとか言われたとか、いろいろな情報が伝わっておりまするけれども、私どもはまあ自発的とまでは申しませんけれども、やはり国のそういう直面しております当面の危機を乗り切る、こういう非常事態でございまするので、やはり地方財政といたしましても何がしかの協力の姿勢を示した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/11
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012・鈴木壽
○鈴木壽君 私の、国の財政と地方財政が無関係であるとか、かりに国がフィスカルポリシーというような場合に、地方財政も、全然知らぬぞ、おれはおれだ、こういうことでいいとは考えておりません。これはいろいろな面で関係がございますし、国でできる、かりに景気調整のためのいろいろな財政的な措置というものをそのままには地方団体には受け入れられないにしても、地方団体としても、これは国全体の経済なり国民生活というものを考えていった場合には、何かのやはり措置をとるべきだと思うし、そういう意味で私は、無関係だとか、国はどうあっても地方は地方だというようなことは、大臣がおっしゃるように、考えてはおりません。ただ、いまお話を聞いておりますと、そういうことを私がお聞きしたいのは、最終的には協力というかっこうはかっこうで、これはやむを得ないと思いますが——やむを得ないと言っちゃ悪いけれども、そういう場合もあり得ると思いますけれども、それは地方財政というものの、それに一体どう響くかということを一応考えておかなければいけないと思うのですよ。その場合に、国の財政の立場から地方財政のほうにいろいろな要望がある。それは大臣さっきも言ったように、大蔵省としては、地方財政がそういう協力できるゆとりがあるのだ、あるいは著しく地方財政は好転をしておるのだからというようなことで、言ってみれば協力の限度を越えたような要望を出してきておると思ったのですね。ところが、私、そう言うのかと思ったら、あなたは、こちらのほうで積極的に、まあいわば協力していったのだ、こう言うのですから、その場合の協力ということを、そういう形でなさったのかどうか。その場合に、ひとつ地方財政の現況というもの、あるいは将来というものをどう考えて、この程度のものは協力するのだ、こういうふうに言えるのか、そこら辺、私ちょっと引っかかるものがあるのですがね、どうですか。もっと端的に言えば、国では五百億ぐらいの金をどうしても必要なんだ、国の予算をやるためにね。で、一時は交付税の率の引き下げなんかも考えたらしいのですね、あなた方に正式に言ったかどうかは、それは別として。それから、たまたま前に貸してあるというふうに大蔵省では思っておる、いわゆる出世払いのことも持ち出しておるのです。正式に大臣にまで言ったかどうか、これはわかりませんよ。考え方としてはそういうことを言っておる。しかし、そういうことを一応不可能だと思ったのか、何かの形で金を出せということと、いま一つは、交付税そのものが多いのだという考え方ですね。大蔵省にしてみればそうじゃないかと思うのです。これは機会があれば大蔵省から聞いてもらいたいと思っているのですが、大臣から、何かそういう考え方でやっておるのじゃないだろうかと、私はこう見ておったのです。そうしたら、いまの——繰り返して申し上げますように、いや、こちらのほうで積極的に——積極的ということばは使いませんか、国のそういう財政の現況からこちらのほうで協力をしたのだ、こういうことなんでございますからね。そこら辺、ちょっと私わかりませんが、はっきりとあなたのほうで大蔵省から何とかかんとか言われなくても、こちらのほうで協力をしたのだ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/12
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013・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) たびたび申し上げて恐縮ですけれども、決して大蔵省から強制されたわけでもありませんが、同じ内閣にありましてこの財政を論議するわけでございますので、われわれといたしましては、まあ四十三年度に限ってのきわめて異例な特例な措置であるという判断のもとに、国の財政に協力をした、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/13
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014・鈴木壽
○鈴木壽君 四百五十億円をいわば貸したかっこうですが、あとで三年にわたって百五十億円ずつ交付税に加えてやるということでございますから、まあ、いわば貸したということでございましょうが、一方、災害復旧のためのいわゆる災害債ですね、これの繰り上げ償還をしようというので、これは別にまたその資金は二百五十億円借りておるという、こういうことね、この二つを考えてみますと、四百五十億を貸す、そうしてまた、繰り上げ償還のためとは言いながら二百五十億円を資金運用部資金から借りてくる、これも来年度から、四十四年度から三年で返していくということですね。一体、なぜそんな、いわば貸したり借りたりというような、こういうことが行なわれるのかですね。名前はいろいろあるでしょう。協力したとかあるいは何とかと言って、いろいろな名前はあるでしょうけれども、事実上は四百五十億円を貸しておる。ところが、逆にまた、こういうことのために必要だというので二百五十億円の再借り入れをする。どうもここら辺つじつまが合わないんじゃないですかね。そこら辺どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/14
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015・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) その四百五十億円と二百五十億円の考え方というものは、私たちは別々に考えておるわけでございまして、政府資金による古い災害債、これも御案内のとおりに、各団体非常に不均衡な姿で、残っておるわけですが、これを一応整理をして、そして新しい行政需要に振り向けるということは、私はいつかはやらなきゃならぬという観点に立って、つまり、これは地方財政の内容を多少でも健全化していくという方向で考えておったわけでございます。たまたま、こういう四百五十億円を減額するなどという措置をいたすことになりましたので、あわせて地方財政の健全化のために、一番古いこの災害債を繰り上げ償還してもらって、それをまた生かして使うということを考えたわけでございまして、これは四百五十億円減額したからしかたがなしにということでなくて、これはこれでまた別の意味があるということでお考えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/15
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016・鈴木壽
○鈴木壽君 いや、それは切り離して考える、あるいはまた、一緒にして考える——大臣は切り離して考えているんだと、こういうことでしょう。しかし、全体の交付税としてのあれの中で切り離せったって切り離せない問題なんですよね。現にそういうことのために必要だと、しかも、これはあとでもう少し具体的にお聞きしたいと思っておったんですが、災害復旧事業費のためのその起債のやつは、これは元利償還をやっていますよ、交付税で。一〇〇%じゃございませんけれども、たしか一〇〇%に近いだけの——千円について九百五十円ですか、たしか元利償還をやっているはずなんですね。それが繰り上げ償還をする必要性があると言えば、私も、長期にわたっての地方財政のそういう立場から繰り上げ償還をすることがいいんだということは言えると思うんですよ。そのやることはかまいません、それは賛成しましょう。しかし、やるためのその金をできればこれは、いまの交付税の中で、いま言ったように、毎年毎年償還計画に従っての元利補てんみたいなことをやってますから、交付税のワクの中でこれは操作できる——やるべきだと思うんです。ところが、たまたま、やりたくとも西百五十億円も取られてしまったからやれないということでしょう、交付税のワクの中では。したがって、借り入れをせざるを得ない。もし四百五十億円という金のそれがなかったら、ことしはやる気になればこれはやれたんだ。だから、あなた方別に考えるといったって、それは別に考えることは自由でしょうけれども、そういうふうにしいて分けて考えたんだということを言うべきものじゃないですよ、これは。私はそこを言うのです。余裕があるとかないとかということはともかくとして、四百五十億も出す。それはそれとして一つの政策的な問題としても、それはあなたのおっしゃるように、協力しなければならぬということであるかもしれませんが、しかし、それは一方において、今度自分たちの中で処理すべき災害債の繰り上げ償還というその金がなくなったというかっこうですわね。そこら辺が少しおかしいのじゃないかと思う。端的に言うならば、四百五十億円でなしに、四百五十億円からいま借り入れた二百五十億円というものの差し引きをして、二百億円だったらそれこそほんとうに協力できたのではないかと思うのですが、そこら辺、私はどうしても納得いかないが、それはそれ、これはこれ、別だと、こういうふうに言ってこれはいいものですかね、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/16
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017・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 全く同じことを繰り返して恐縮ですけれども、私ども別々に考えておるということは、何せ地方団体は御案内のとおりに、現債額だけで四兆円もかかえているわけでして、その中で二百五十億程度のものを繰り上げ償還したからと言って、それで急に現債額が大きに減るわけでもありませんし、今日急にしなくてもいいではないかという議論も成り立つかもしれませんけれども、やはり借金の上で成り立っている財政というものは多少でも整理して正しい姿に返していくという努力をするのは当然だと思いますし、それで、二百五十億もそういった意味で、これは四百五十億国に吸い上げられたものを埋めたのだという考え方に立っていただくとたいへん困るわけでありまして、ですから、二百五十億というものは別に地方財政の内容を健全化するということで、四百五十億という問題があろうがなかろうが、これはいつかやらなければならぬというふうに考えておったことでございますので、そういった意味で、ひとつ別々に考えていただきたいと、こういうことを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/17
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018・鈴木壽
○鈴木壽君 あれね、大臣、これはお互いにわかったようなわからないような話で、これは私はほんとうにまじめに考えているつもりですけれども一、笑いごとではないのですけれども、それは繰り上げ償還を私けしからぬとかなんとか言っているのではないのですよ、何べんも言うようにね。しかし、繰り上げ償還するために借金してこなければいけないというのはおかしいじゃないかと言うのです。しかも、一方には金を出してやって。それは借金をしているところは違うかもしれません。借金を早く返そうとして、ほかから借金をしてきて、それでいいということではおかしいのじゃないかと。私はそういうことがあってもいいが、今回は別に金をおまえのほう困っているからおれのほうで少し協力しますよと言って金を出している。そういう中でですよ、よそから今度また新たに借りてきて、これは繰り上げ償還のためにそんなにたいしたことではないけれどもやったほうがいいと思うからやったと、こういうのではおかしいのじゃないですか。ところが、自分で、自前で、ほんとうに自前でですよ、交付税のワクの中で操作をして二百五十億繰り上げ償還やったというのなら、私はそれはそれなりにけっこうだと、こういうことを私はさっきから申しているのですがね。借金返すために借金をしなければならぬと。一体、何のためのそれなんですか。だから、多少年度的に、これから何年か、これはかなり長く続くのがありますがね、三十七年までの借り入れですから、これから、三十七年から十五年なり十八年あるでしょうから、これはかなり続くものがあるわけです。そういうものを早くやってしまうということについては、私は何とかかんとか言うつもりはありませんが、とにかく借金でやるということ、どうしてもそれをいまの交付税のワクの中なり地方財政のワクの中でまかない切れないというときだったら、そういう手もあるかもしれない。これはよく言う借りかえ債みたいなかっこうであると思うのですね。しかし、一方には、まあ余裕はない、あるというわけではないでしょう。余裕があるという考え方ではないでしょうが、ともかく協力できる四百五十億円というものを出している。そこが私はおかしいじゃないかというのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/18
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019・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 同じことを申してたいへん恐縮ですが、その四百五十億円と、二百五十億円繰り上げ償還したということと、またすぐ二百五十億円を新しい行政需要に振り向けるということは全然別々でございまして、私たちの、発想ということばを使ってはおかしいかもしれませんけれども、根っこの考え方がそれぞれ違うものが、期せずして金額が同じであったというふうにお考えおき、願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/19
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020・鈴木壽
○鈴木壽君 それはあまりにあんた、こじつけたことを言って、二百五十億円の繰り上げ償還によって、一体どれだけのあれですか、これは将来にわたって、さっきも言ったように、長い期間にわたって交付税の中で措置していって解消させる計画がいまできているんでしょう。年々やってきているのです。それを四十三年度、四十四年度、考えてごらんなさい、ごくわずかの金で済むのです。その金で、何といいますか、地方行政の水準を引き上げるとか、行政をもっと効果的にやるとか言ったって、これは知れたものです。将来にわたって考えた場合にね、これから十年も何年もやって、少しであってもこういうかっこうでやっていくということは、地方財政全体から言って、長期的に見た場合にまずいということは言えるけれども、それをいまやったからと言って、いまにわかに年度年度、それではたいしたプラスにもなっていませんよ。そうでしょう。二百五十億円のやつの、大臣、あんた、こまかいところまで見ているかどうかわかりませんけれども、それの償還の年次表出してごらんなさい。四十三年度でどのくらいだか、四十四年度従来どおりのやつでやってごらんなさい。それを交付税でどういうふうに措置されているか、見なさいよ。たいしたことじゃない。それをもって地方の行政水準が、いま繰り上げ償還すれば上がるとか下がるとかいう問題じゃない。しかし、さっきも言ったように、私は、長期的な地方財政の立場からして、繰り上げ償還ということも必要だと。だから、何べんも言うように、それを私は否定しているのじゃない。しかし、その場合に、一方に四百五十億円の金を出しておいて、それをやるから二百五十億円借りてくると、いかにも私は筋の通らない話だと思うのですがね。そうして今度はあれでしょう、四十四年度、四十五年度、四十六年度、八十五億、八十五億、八十億と返していかなければならないでしょう。何もあんたが言うような、全然別で、これはこれ、これはこれ、こっちのほうはこういう効果があるのだという、そういうふうにね、あまり合理化しないほうがいいですよ、これは。どの程度のもあか、ひとつこれはいますぐできないかもしれませんが、二百五十億円の災害債の償還の各団体にわたっての詳細なやつ、出してもらいましょうか、そんなことおっしゃるなら。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/20
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021・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 資料は提出いたさせますが、この古い災害債を繰り上げ償還する意味につきまして、先ほどもちょっと申しました、まあ地方財政全体を健全化するということもですけれども、やはり非常に団体ごとに不均衡でございまして、たとえば不交付団体だけ申し上げましても、総額約二十九億円、その中で愛知県が十六億円も使っておる、こういう状態。これはもう交付不交付団体を通じて同じような現象を呈しておるわけでございます。ですから、これを一応できるものなら一部でも整理しておいて、そうして新しい行政需要に振り向けていくということ、私は決して間違っておるとは考えませんので、整理は整理。また、四十三年度の地方財政の状況を見て、二百五十億くらいのものはさらに借りて新しい仕事をしたい、こういう考え方に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/21
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022・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、何べんも言うように、私は何も繰り上げ償還そのものがけしからぬとかなんとか、そんなことを言っているのじゃないですよ。しかし、繰り上げ償還をするためによそから借りてくるということも、これはあり得ると思うのです。それも、私はそういう場合も否定しません。そういう必要性がある場合があると思います。それで若干プラスになる点があると思いますから。特に今回のやつは利子をつけないそうですから、返すのに若干条件もいいし。そういうことがあって、それはそれで頭からけしからぬことをやったということじゃないですよ。ところが、一方に協力とかなんとかと言って出していってやるというところに、どうも変なやり方じゃないかということなんです。じゃ国のほうで五百億出せとか四百五十億出せと言った場合に、おれのほうは二百五十億円、こういうようなことをぜひやらなければならないし、二百億しかできないと。あと足りないところは政府自体で、それこそ資金運用部資金でも流用したらいいじゃないか。何かそこら辺、もやもやしている。だから、私思うのは、四百五十億というのは、これはまるまる、あなたの協力ということばじゃなしに、無理無理取られてしまったということじゃないかというふうに思うのです。私あなたに同情して実は言っているのだ。そこの最後の同情のところは取り消しますが。どうもわからぬよ、かえって複雑にしてやっている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/22
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023・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 鈴木先生は自分の考え方にたいへん固執していらっしゃる。私は私で、私の考え方を固執しておるわけでございます。たまたま、不交付団体分のことは、金額も少ないし、わかりやすいと思って申し上げたわけでございますが、何も不交付団体分二十九億円をまるまる償還させるということでなくて、約その半分ぐらいを返させることになる。二十九億円の半分は愛知県がもうすでに半分以上占めておるということをちょっと申し上げた。今度は繰り上げ償還すればそれだけ払わなくてもいい、利子も払わなくてもいいわけでございますし、これが今度新しい行政需要に振り向けるために借り入れる分は利子なし、国が利子を持ってくれる、こういうことになっておりますから、その分を計算してみると、ずいぶん得となるという腹づもりもあるわけでございます。いろいろなことを部内で計算いたしましてやったわけですので、われわれがやった措置というのも、ぜひそういう考え方もあるかということで御了承いただきたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/23
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024・鈴木壽
○鈴木壽君 こまいところまで議論が、たとえば不交付団体がどうだとか、愛知県がどうだとかいうところまでいきますと、私はそういうことを初めから言うつもりはなかったのですがね。それによって、いまの繰り上げ償還によっていわば助かるところがある。それで、あなた例をあげたと思うのですが、これは従来とても、交付税で措置していますから、不交付団体の場合は、実態的には、計算の中にころがってしまっていますから、実態的にはききめがないかもしれぬけれども、交付税の中で措置されておるのですから、これは計算上はちゃんとできているのですよ、ほっておいても。それから今回やる場合に、そういう不交付団体の分は交付税の算定でやっていくのですが、別にこれは災害債の繰り上げ償還分でございますぞと言って金をやるのですか、そうじゃないでしょう。やはり一つの計算のルールによってやられているのでしょうから、だから、そういうことになると、これはまた問題は違ってくるのです。大臣、あなた、おかしいことを言うのですね。
それからもう一つは、おまえの考えはおまえの考え、いいですけれども、それは意見の違うことはあっていい。しかし、私の言うのは、繰り返して言うように、繰り上げ償還がいけないとか、すべきじゃないということを私は毛頭言っていないのですよ。ただ、その間に、繰り上げのやつをよそからまた新たに金を借りてきてやる、一方では金を別に出してやる、国のほうへね。こういう操作の中で行なうことはおかしいじゃないかということなんです。端的に言えば。まあ、しかし、それはおまえの考えはおまえの考えだ、おれの考えはおれの考えだ、おれの考えをおまえひとつ了承せいということになれば、それはそれで言いませんけれども、私の言うのはそういうことなんで、そういう変な貸したとか借りたというようなことがこのたびの四十三年度の地方財政対策の中で行なわれたということは、私はどうもすっきりしないものがあるという、こういうことを言いたかったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/24
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025・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 鈴木先生のおっしゃることは実はよくわかっているわけでございまして、しかし、私の言うこともひとつ御理解いただきたいということを言っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/25
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026・鈴木壽
○鈴木壽君 いまのような経済の状況であれば、これはつけたりですから、まあいいわけですが、急いで繰り上げ償還なんてやらなくとも、いつまでもおって、また諸利息もつくけれども、やったほうが地方財政にとっては、有利とは言えないけれども、そんなに不利になるのじゃないのじゃないか。昔借りた一億円が、十五年後二十年後返すときにはもう、ということもあるのですよ、これはほんとうを言えばね。だから借りてもいいということじゃないのですけれども。だから、これはもう全然のつけたりで、正式にこれに対しての答弁とかなんとかということじゃありませんが。だから、考え方にはいろいろありますが、いずれにしても、私は、とにかく、これ以上この問題については、いつまでたってもこれは平行線みたいなかっこうですからやめますけれども、もう一度念のために言っておきます。繰り上げ償還の措置が私はけしからぬとかなんとかいうことじゃなしに、一方において、協力のためと言って四百五十億円も出すという中で、今度借金をして二百五十億円の新たな借金を、短期に返すし、利息もつかないかもしれないけれども、別にそういうかっこうで処理をするべきものじゃなかったのじゃないか。この交付税のワク内なり、そういう中でやるならやって、あと税の負担を軽くしてやるとか、さっき大臣の言った事情も団体によってはあるでしょうから、そういうことをするという、こういうことにすべきじゃなかったかと思うのですけれどもね、それだけです。まあ、それについては一応やめておきます。
大臣にこの際、まあ、いまのことはお願いしておきますが、総理も大蔵大臣も、特に大蔵大臣ですが、地方財政は非常に好転をしておると、こう言っていますね。そういう見方のところから、さっきからいろいろお聞きをしておる交付税の引き下げの問題やら、あるいは出世払いの問題やら、さらにまた、今回の四百五十億円を協力さした、大蔵省から言えば協力さしたことになるでしょうが、いずれ、そういうことが出てきておると思うのですがね。何とかして交付税のワクを縮めたいと、こういうことがもうあるようでありますけれども、どうです大臣、そういうことについて、どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/26
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027・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 好転説というものがよくあります。ただ、最近は多少決算の状態もよくなっておることは数字が示しておりますが、それがほんとうの好転であるかどうかということに非常に疑問がありますし、私どもは決して好転したものではないと考えております。ことに二、三年前からの例のあの特例措置の関係もありますし、もともと、先ほど申しました現債額だって四兆円からのものをかかえてやっておるわけでありますから、多少行政指導によって決算面で一応わずかの黒字を出したからと言って、内容が非常によくなったということはとうてい考えられない。もしそういうことで好転したというのなら、みなそれぞれ赤字を出すことに、わざと出すわけじゃなくったって赤字を出して、それぞれ財政的にマイナスになることだったら反対だというようなことになるかしれません。私は、多少数字的に決算面がよくなったということは決して好転を意味するものではないということを、好転説を主張なさる方々には、くまなく言っておるような状態でございますので、決して私はそういったうぬぼれは持っておらぬつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/27
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028・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣ひとついまのようにお考えでしたら、私要望を申し上げたいことがある。大蔵省なり総理は、財政が好転したということを言っておるし、ほんとうに好転したのかしないのか、大臣がおっしゃったように、好転じゃないのだと、決算の帳じりだけ見て好転とかなんとかいうことは誤りだということを、ひとつ十分話し合って納得させていただけませんか。たとえば、ことしの三月十三日の参議院の本会議でわが党の林さんが質問された中で、それに対する答弁ですが、大蔵大臣は、「国の財政に比べて非常に好転しているということは確かだ」と。「四十一年度地方においては、累積で七百五十億円の黒字と、千二百億円以上の積み立て金を残すというようなことになりました。また、地方財政全体で、黒字の財政の団体が九〇%をこすというようなことで、これも過去最高の水準となっております。」、そして四十二年度も順調にやっているからということで、「非常に地方財政は健全化されてきていると思います。」と、こうはっきり言っておる。総理も、その前に林さんが好転はしてないぞと、こう質問の中で述べたことに対して、「地方財政が好転しておらない、こういう御指摘でございますが、この点では、私どもとやや見方を異にしております。」と、大蔵大臣の言を裏書きするようなことを総理も言っておりますが、問題は、ここに毎年繰り返される地方財政対策、地方財政に対する措置、こういう、それをむずかしくしているのが、一方には地方財政好転説を唱え、非賞に地方財政は健全化されておるという大蔵省。あなた方は、いやそうじゃないのだ、こう言っているところに、毎年のごたごた、そして最後には覚え書きとかなんとかいうことをせざるを得なくなっておる。こういう基本的な問題があると思うのです。同じ政府部内で、一方は、担当の自治省は、いやそうじゃないのだ、若干の黒字が決算の面で出たにしても、それはほんとうの黒字じゃないのだ、こういうことを言っているけれども、国全体のさいふの預かり主である大蔵大臣のほうから言えば、いやおまえのほうは非常にいいのじゃないか、こういうことは、これはおかしい師だ。好転しているという、それも決算の数字や、そういうものから来ているのです。好転しておらぬというのも、決算等にあらわれたこういう数字からあなた方言っている。この数字の見方について反対、両極端のようなこういう見方をするという、これはどうもおかしいと思うのですが、どうです。この点について十分その決算の数字をもとにして話し合われたらどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/28
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029・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 前々大臣も、そのころの大臣も、ここで、にやにやして聞いておられますけれども、これは好転好転と言ったって、とにかく、しろうとが考えてもわかるつくり上げた単年度の黒字であることは、先ほどから御説明申し上げております。これはしろうとわかりで申すと失礼かもしれませんけれども、結局、四十年度は、例の四百八十二億円は、当然三税の動きで減額さるべきものを交付税を減額しなかったということ、また、減収補てんの地方債を別に三百八十五億円計上した。また、地方交付税会計で借り入れを三百億円行なったということなどを加えますと、黒字になったにすぎない。これは四十一年度です。四十二年度の場合は、いまの千二百億円のあの特別事業債、臨時地方特例交付金の四百十四億などが、結局、決算してみると帳じりがわずかばかり黒になったというだけのことであって、これをもって地方財政が非常に内容がよくなって黒字だと考える人はよほどどうかしておる、幾らことばを尽くしてみても、中には理解のできぬきわめて単純動物もおると見えまして、なかなかのみ込んでもらえないわけであります。やはり地方の税収を見ましたって、一般財源、ほとんど大部分とまでは申しませんけれども、非常に大きな額が義務的経費に使われておりますし、国庫支出金、地方債に依存する度合いはますます強くなってきておる。まあ地方の行政水準がまだまだおくれておる。いまの単独事業だって、平均とってみましても、たった全体の額の一〇%足らず、前後ぐらいのことでやっておる。こういう地方の財政を見まして、これは非常に好転しているという声が一体どこを押せば出てくるのか。ただ決算の黒字というものはつくられた黒字と申しても過言ではない。このことは、そのころの大臣がここにいらっしゃるので、御答弁に立ったらいよいよはっきりすると思うのですけれども、私どもはそういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/29
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030・鈴木壽
○鈴木壽君 ですから大臣、毎年のようにここ二、三年、四十年度あたりは別でしたが、去年、ことし好転した好転したというので、地方交付税の問題なり、いろいろ論議されておるわけですね。だから、あなたがおっしゃるように、これは帳じりの上では黒字になっているけれども、こうこうこういうようなことでいわゆる好転じゃないのだということ、こういうことを政府部内の、少なくとも財政担当の大蔵大臣なり総理にはっきりのみ込ませておくことが必要じゃないかということです、私は。あなた、その努力をしなければいけないのじゃないかという、あなた、ここでいまおっしゃったようなことを、私はそれはそれなりに正しいと思うのですよ。黒字ったって一方にばく大な起債を背負って、いままでずっと長いことですけれども、特別事業債だけを問題にするのじゃない、ずっと長いことだけれども借金をして、それが収入と見て、そうして、それでやっておって黒字が決算上出たということだけでしょう。借金をしている。借金は赤字に見ないで収入だというふうに帳面づらにはなりますから、そういうことで出ている黒字を、あなたもおっしゃるように、それを好転だとかなんとかいうのはおかしいのだから、そういうことをよく大蔵大臣にも総理にものみ込ましたらいいのじゃないの。でないと、毎年こういうことが起こりますよ。来年になったら必ずまた出てきますわ。四十四年度の予算編成期になると、また交付税がどうだの、いいとか悪いとか、地方財政がいいとか悪いとか、必ず論が出てくる。そういうことから今度いろいろなからくりをやって、私に言わせればからくりだ。いろいろな貸したとか借りたとか、からくりをやって、交付税本来のそのものまでも変なかっこうにしてしまった。そういうことを御努力なさいませんかということです、私がお聞きしているのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/30
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031・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) そういう発言をされる方も、腹の中じゃちゃんと知っておると思います。まあ、しかし、よほど苦しいと見えて、苦しまぎれにかってなことを言っておるとしか私には受け取れないのでございますけれども、事実はそうでございまするので、このことはよく関係各省庁にも徹底して、御理解を願わなければならぬと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/31
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032・鈴木壽
○鈴木壽君 大蔵省は最近いろいろ地方団体の財政関係まで何だかんだ口を出して、やはり起債がどうだ、借り入れがどうだというこまかいことまでやっていますがね。ひとつこの際、大蔵省と正式にこういう問題について検討の場を持って、少なくとも食い違ったような地方財政に対する見方、こういうものをやっぱりなくする必要があるのじゃないかと思うのですが、何かの機会にお話しするということでなしに、そういうようなことでもひとつやったらどうですか、必要ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/32
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033・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 地方行政の委員会で質疑応答を繰り返しますと、いかにも一皆さん地方財政をよく御運解いただいておる、いろいろ小言を食っても、あたたかい気持ちが背後に感じられるわけでたいへんありがたい。これがひとつほかの委員会にいきますと、また、ちょっと雲行きも違ってくるわけでございまして、この間も大蔵省の担当主計官と財政局長との間にあわや一発という場面もできかかったんですが、まあまあということになったわけでございますが、それはいま御指摘のように、やはり何と申しましても、大蔵当局によく理解してもらわなきゃぐあいが悪いわけでございまするので、将来こういった点を相互によく立場をのみ込むという必要があると思いまするので、御指摘のような機会をつくって、今後とも緊密な連携をして、そして誤解を起こさないようなことはしていかなきゃならぬと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/33
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034・鈴木壽
○鈴木壽君 さっきの冒頭お尋ねした覚え書きの問題ですがね。四百五十億円の問題は今度の交付税法の改正の中に、いわゆる法律事項としてやっておりますし、地方債の繰り上げ償還のために借りた二百五十億円、こういうのについても心配ないようにできておるのであります。それから特別事業債の元利補給の問題につきましても、制度的に一つのものがつくられておりますから、内容については私かなり文句がありますけれども、まあ、ともかく自治大臣もちょっと触れておりました大蔵大臣の福田さんと自治大臣永山さんとの覚え書きは、これはないものと、はっきりケリがついた、こういうことでございますね。
それからもう一つは、超過負担の解消について、これはあとで具体的にお聞きしたいと思っていますが、大臣のおる間にちょっとお聞きしたいのは、これは別段法律的にどうというようなことをいまなされておりませんし、また、今回超過負担の解消ということで行なわれておりますものは、地方団体で数々ある超過負担の中の一部の問題のように思うんですが、将来一体どうしていくかというようなことについて、もっと突っ込んだ、ここに書かれなかったけれども、何か話でもあるんですか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/34
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035・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 多年の懸案でございまして、昭和四十一年、二年と何がしか整理しておりまするけれども、昭和四十二年に精査いたしました結果、大体どういうところに間違いがひそんでおるかということがはっきりいたしました。その精査いたしましたものは、一番金額の大きいもの六種類についてでございましたが、これは分析してみますと、数量差、単価差あるいは対象差などがありまして、そういうことではっきりいたしましたことは、一部国が負担すべきものもあるし、地方団体が持たなきゃならぬものもある。たまたま計算してみますと、大体それが半々ぐらいだったということに落ちついたわけでございますが、その他のまだ解消を要するものがざっとわれわれの勘定では一千億円ぐらいある。これをどう扱うかということですが、これはまた大蔵大臣と確約いたしまして、その他残りのも一のにつきましては、昭和四十三年度に精査をするということをいたしました。あわせて昭和四十三年、今後三年間に問題になっておりますものを全部解消するという約束をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/35
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036・鈴木壽
○鈴木壽君 今後精査すべきものもあるようでありますが、そういうものを含めて四十三年度から三年で解消するような措置を講ずると、こういうことでございますか。現在大蔵省両方で調査したのが幾つか、六項目かあるのでありますし、それ以外でも、財政措置としては若干解消をしておるようでありますが、残ったと言っちゃ悪いけれども、その六つの点についてやったほかに、これから精査する必要のあるものがあるわけですね。それを今度四十三年度では、これはもちろんできませんが、四十四、四十五までの間に、四十三年を含めた三年間でやると、こういうことなんですか、今回調査の結果明らかになったのも三年間でやるというのですか、そこら辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/36
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037・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま約一千億円と申しましたのは、今度措置したものを除いてというわけではありませんので、全体として大体一千億円くらいという荒っぽいつかみ方をしておるわけでございます。そういう関係一切がっさい含めまして、大体向こう三カ年でこれを解消する、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/37
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038・津島文治
○委員長(津島文治君) 午前中の審査はこの程度にいたし、午後二時まで休憩いたします。
午後零時二十七分休憩
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午後二時十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/38
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039・津島文治
○委員長(津島文治君) 地方行政委員会を再開いたします。
委員の異動についてお知らせいたします。
本日、辻武寿君が辞任され、田代富士男君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/39
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040・津島文治
○委員長(津島文治君) 地方交付税法の一部を改正する法律案、昭和四十三年度地方財政計画に関する件を一括議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/40
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041・鈴木壽
○鈴木壽君 四十三年度の交付税総額の中から四百五十億円をいわば国のそれに貸してやるというかっこうでそれを控除しておりますが、この四百五十億円につきましては、四十四年度、四十五年度、四十六年度、この三カ年にわたって四百五十億のこの三分の一ずつ、百五十億円ずつをそれぞれ当該年度における交付税の総額に加えて交付するというかっこうをとるわけですね、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/41
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042・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/42
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043・鈴木壽
○鈴木壽君 それから別に交付税及び譲与税配付金特別会計で、資金運用部資金から借り入れる二百五十億円につきましては、四十四年度から三カ年にわたって返していく、したがって、四十四年度ではその三分の一に近い八十五億、それから四十五年度も八十五億、四十六年度には八十億、こういう形で返していくわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/43
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044・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/44
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045・鈴木壽
○鈴木壽君 この場合に、国に貸したという形でその四百五十億円も、それから資金運用部から借りてくる二百五十億円も、いずれも利息については何ら考えておらない、利息のないままという形でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/45
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046・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 四百五十億円につきましては、繰り延べという考えで利息の問題はございません。二百五十億円の借り入れについては、特別会計で利息を負担しなければなりませんが、その利子負担は国庫においてするということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/46
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047・鈴木壽
○鈴木壽君 その利子負担を国庫においてするということについて、何かはっきりした取り扱いをしておりますか。それとも、これからしようとするのですか、どうです、その点は。ただ話し合いだけでなしに何か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/47
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048・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 交付税及び譲与税配付金特別会計法に明記されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/48
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049・鈴木壽
○鈴木壽君 災害復旧事業債についてですが、現在この関係でこの二百五十億円を繰り上げはしないということでなしに、現時点で現債高といいますか、現在高、これはどの程度になっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/49
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050・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 災害復旧債は四十一年度末で二千三百四十七億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/50
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051・鈴木壽
○鈴木壽君 昭和四十一年度末ですね、四十一年度末で二千三百四十七億円、そのうち今回繰り上げ償還をするのは、三十七年度までに発行された公共災害債であって、しかも、それは資金運用部資金の資金にかかるものだ、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/51
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052・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/52
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053・鈴木壽
○鈴木壽君 その場合に、三十七年度までに発行されたもののうち、運用部資金に関係するものがおよそ二百五十億円である、こうなっていますが、不交付団体分については半額を見て、それが交付団体分と合わせて二百五十三億円になる、こういうようなふうにもお聞きしますが、その点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/53
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054・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 二十七年から三十七年までの既発債についてでございますが、交付団体分で二百三十八億五千九百万円、不交付団体分については二十九億二千百万円でございます。不交付団体分はそれを大体半分と見ることによって約二百五十億くらい、こういう計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/54
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055・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、不交付団体分は二十九億二千百万円あるうち、大体半分十四億六千百万円くらいですね、今回繰り上げ償還をするというと、やはり同じように不交付団体においては約十五億円近いものが残りますね、ということになると思いますが、その点そういうふうに考えていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/55
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056・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 交付団体分につきましては、いま申し上げました額全額を繰り上げ償還をしてもらいます。不交付団体分は自己財源でやるというふうなことも考慮いたしまして、半分の約十四億六千万円を繰り上げ償還をする。したがいまして、合計しますと、約二百五十三億円くらいになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/56
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057・鈴木壽
○鈴木壽君 その点はわかりました。それで、結論として、その不交付団体にはなお償還されないものが十四億六千万円くらいあるんだ、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/57
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058・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/58
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059・鈴木壽
○鈴木壽君 これはこういう償還の場合に、交付税の算定の中で見るといった場合には、不交付団体の場合は、それは計算上は確かに見てもらえても、実際のことになりますと、そのために財源措置をしてくれたということは、まず常識上ならないわけですがね。そこで、純然たる持ち出しみたいなかっこうになるわけでございますが、そういうことを考慮して半分程度を繰り上げ償還にする、こういうことだと思います。そこで、残った分の十四億六千万円というのは、そうしますと依然として残って、将来残ったものについては、やはり災害債の元利償還費を交付税で算定していく、それをかぶって計算上は見てもらえるというかっこうは残ると思いますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/59
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060・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 実は普通交付税の算定上の決定期が八月でございますので、一応は二百六十九億、不交付団体分も全部繰り上げ償還してもらうという考えで作業を進めたいと思っております。ただ、決定の際の状況によりまして、不交付団体につきまして、その財政事情に非常にきつい影響がありといたしますれば、場合によっては、ことしやる分は半分にしよう、したがいまして、もし今回の場合、全額を交付税の需要額に見ますれば、将来は交付税の償還費として需要を見ることはいたさないつもりでございます。少なくともダブらないようにはしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/60
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061・鈴木壽
○鈴木壽君 最終決定はしておらないという話でございますが、八月の算定のそれまでの間にということでございますが、事実上いまの繰り上げ償還をするために、不交付団体については、その起債額の大体二分の一ということで、二百五十億円の借り入れをするでしょうし、その計算でやっていると思うんですね。ですから、それがいいとか悪いとかいうことでなしに、そうなった場合には、そうしますと、残った分についてあと全然考えないのか考えるのかということなんです。いまの交付税で公共災害債について見ていく、元利補給のああいうものをやはり残していこう、この分にも残しておいて当然交付税の計算では見てやらなくちゃいけないんじゃないか、こう思ったものですから、そこ、どうでしょうかとお聞きしたんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/61
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062・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 今回財政需要額で全額見れば、将来財政需要額で見ることはいたしません。二度と見ることはいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/62
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063・鈴木壽
○鈴木壽君 それじゃ今回全額見る。見て実際はしかし半分だけ返させる、こういうことですか。どうです、そこら辺。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/63
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064・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 実はそういう場合は考えておるのでございまして、一応はたてまえといては全額を見て、全額を返させるという考え方で作業は進めてまいろうと思っておりますが、八月決定の状況等も見ましたときに、その需要には見るけれども、現実には半分程度の返還でもよろしいというふうな実際上の指導をしようか、こういう考えでございます。したがいまして、もちろん当該団体が全額を返してしまえば、それはもう問題はないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/64
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065・鈴木壽
○鈴木壽君 それは問題はない。こまかいようなことだけれども、そうすると、公共災害債の、これが現在のところ、三十七年分までについて総額として二百六十七億八千万円だと、そのうち、交付団体分二百三十八億六千万円ぐらい、不交付団体分二十九億二千万円のうち、その半分ぐらい、こう見て、合わせて二百五十三億円ぐらいだと、こういうのですから、私は、残る不交付団体分の半分ですね、これは現実に繰り上げ償還しないんですから、そのまま借金として残っている。残るものについては、現在までとられてきたように、一〇〇%じゃないんですけれども、交付税で、千円について災害債の場合は九百五十円の元利補給をやっていますね、これは当然かぶって適用されていくものだ、こうまず思っておったんですが、そうじゃなしに、とにかく全部、不交付団体の二十九億も全部一たん交付税では返す措置をする、実際はしかし不交付団体の場合には、全額と言っても無理があるかもしれぬから、半分程度にということになるかもしれないと、こういうことなんですか、そこら辺ちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/65
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066・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/66
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067・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、あれですね、二十九億全部について繰り上げをするようなかっこうでまずやってしまいますから、現実に半分しか繰り上げ償還をしなかった場合、残った半分に対して今後は二度というか、今後もう元利補給を交付税で見てやるということは要らなくなるわけですね、そこですよ、そこ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/67
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068・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 今後はいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/68
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069・鈴木壽
○鈴木壽君 なるほどわかりました。結局、そうしますと、あれですね、不交付団体では、一度計算上は見てもらって、しかし、返さなきゃいけないのがまだ残っている、そういう分についても、まず先に手当てをしてもらっているんだということですね、償還についての元利補給という形では。先に手当てをしてもらっているんだと、こういうかっこうになりますわな。そうだとすればよろしゅうございます、その点は。ちょっとそこら辺ややこしく考えたものですから。
それで、次に、特別事業債の償還のことでございますが、特別事業債、四十一年度で千二百億円発行したのでありますが、実際にいわゆる特別事業債というワクで発行したのはきちっと千二百億円ですか。多少違って、多いとか少ないとかいう、そういう点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/69
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070・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 千二百億、いわゆる特別事業債として出しましたが、そのうち、当時九百億円は、御承知のように、交付税を減らした分の穴埋めということでございまして、あとの三百億は、普通の公共起債、具体的には公営住宅災害復旧債、義務教育債、それらの充当率を引き上げることによって消化をいたしたわけでございます。今回この対象にいたしておりますものは、その九百億円に当たる部分でございます。九百億円につきましては、現実に当てはめた後精査いたしましたところが、九百十三億七千九百十万円、こういうことになりましたので、その分について、それぞれの元利償還金見合いの分を交付すると、こういうことでございます。なお、千二百億円自体が、精算の結果何ぼになったかということは、いま実はちょっと手元に持っておりませんが、多少異同があろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/70
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071・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ、この千二百億円のうち、いまのお話のように、いわゆる一般財源の振りかえ分といいますか、そういうふうに言われておるのが、九百十三億七千九百十万円、こういうお話でございましたが、今度の元利償還を見てやろうというのは、この九百十三億七千九百万円に対してでございますね、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/71
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072・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 九百十三億の元金の特別事業債に対して、その交付団体分にかかるものについて償還交付金を計算すると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/72
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073・鈴木壽
○鈴木壽君 私、これは去年の交付税の改正の法案審議の際にも申し上げた記憶がありますが、この千二百億円の特別事業債の扱いについては、当時、大蔵大臣、自治大臣、お二人とも、本会議あるいは予算委員会その他の委員会の席上で、地方団体には決して迷惑をかけない、千二百億円まるまるを国が措置をするのだということをはっきり言っておりますのですがね。これは記録にちゃんと残っているのですね。特に大蔵大臣は、当時——これはあとでもう少し詳しくお聞きしたいと思いますが、当時、交付税の一般財源で措置するものについては六百億円程度だと、こういう話がありましてね。議員の中には、少なくともその六百億円については国が完全にあとで元利補給をしなきゃならぬということを質問の中で述べておるのですが、それに対して、大蔵大臣の福田さんは、いや六百億円どころじゃない、千二百億全部なんだと、こうはっきり答えていますね。ですから、私どもは、千二百億円、何かの形で、そのままいわゆる地方団体に迷惑をかけないというような形で元利の補てんというものを措置されるべきであったと思っておったのですが、いま聞きますと、千二百億円のうち九百十四億、そのうちの交付団体分に対して、今度の償還のための交付金を交付するようにするのだと、こういうことになると、だいぶこれは話が違ってきたわけなんですね。このことは、すでにさっきも言ったように、去年の時点で見えておったのですが、そのときも、おかしいのじゃないかということを申し上げたのだが、当初の、いわば大臣が本会議場あるいは委員会等においてはっきり言明したこと、はっきり答弁したことと違っておることについて、私ども大きな不満を持つわけなんでありますが、これはどういうことでこういうようになってきたのでしょうか、そこら辺、これはむしろ大臣がおればお聞きしたいと思いましたけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/73
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074・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 私もその間の事情は実はつまびらかにしておりません。ただ、いろいろあとから聞いてみますと、当時大蔵大臣は、将来こういった交付金というようなものは出さないで、全部地方交付税のワク内で財政需要に織り込むことによってこれを処置すればいいということをばく然と頭の中に持っておられたようでございます。したがいまして、交付税の需要でめんどうを見るということで迷惑をかけないというようなことを言われたのではなかろうかと私は推測をするのでございます。現実には、交付税を切り下げました部分、それの自然増分を加えたこの九百十三億に今回こういう措置をとるということになりましたので、あるいは当時の大蔵大臣のお考え方よりは、地方財政にとっては進んだ措置になったのではないだろうか、私はこういうように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/74
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075・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ、あなた大蔵大臣の胸の中をそんたくしたようなお話でございますが、少なくとも、ああいう答弁から私ども受け取っておったことは、交付税の中で措置すればいいんだということでなしに、地方団体に迷惑をかけないということは、交付税の中で措置することは、何か国がやるというようなことでなくして、その中で措置されれば、当然地方団体が迷惑をこうむるのですよ。実際はそのことのために、交付税がかりに九百億でも千億でも食われるということになる。そういうことでなしに、交付税の算定にただぶち込むのでなくして、別途国が迷惑をかけないようにやるんだと、こういうことにみな受け取っているわけですよ。いま福田さんは大臣でないから、ここに来てどうのこうのと言わせるわけにはいきませんけれども、みなそういうような期待を持っていたわけですね。もう国は地方団体には迷惑はかけません、これは自治大臣もそれを受けて、永山さん、えらくハッスルして、そういうことを言っている。それが今回のやつは、もし局長が、いま大臣の腹を推測して言ったようなことからすれば、プラスの金がつぎ込まれておるのだから、これはそれよりはよいでしょうけれども、当時の言明なり約束というものからしますと、これは著しく後退したごまかしのことになってきてしまっていると思うのです。あなた方は具体的に、去年の四十二年度では五十三億の元利補てんみたいなことをやりましたね。ことしほどぴちっとこういうふうな年次を追ってということじゃなかったけれども、とにかく、その分だということで五十三億円をやった。そうして、ことしはとにかくこういう形になった、こういうことをなさる過程でもとへ戻った。私の言ったようなそういうことが大蔵省との間に論議がなかったわけなんですか。あなた方のほうもまた出さなかったわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/75
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076・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 一つには、大蔵大臣がたいへん意気込みをお示しになったのではなかろうかと思う点もございますことと、いま一つは、実際に千二百億円の充当の事業の中身を見てまいりますと、先ほど申し上げましたように、そのうちの九百億円相当分は明らかに交付税の落ち込みを受けたということでございますけれども、あとの三百億円につきましては、災害復旧債あるいは住宅建設事業あるいは義務教育施設整備事業、こういうことでそれぞれ充当率を引き上げるという形になりましたものですから、だんだん話を詰めてまいりますと、当時交付税がもし伸びておったらば、国がめんどうを見るべきものはどの程度かということになりますと、やはり九百億円というところに落ちつくのではなかろうか、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/76
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077・鈴木壽
○鈴木壽君 どうも、だから、さっきから私は大臣に対して、たとえば覚え書きの問題でも、大蔵大臣と自治大臣の間にいろいろな話し合いなり、あるいは大臣の委員会における答弁なりというのはどうも信をおけない。話がみんな変わってくる。あなたはその当時の事情もよくわからなかったしということで、たぶんこういうことではなかったかという推測の上に立って考えておるようだし、また、この実情は千二百億円の特別事業債の何といいますか、使い道といいますか、そういうものの実態からして、まあまあ、そういうあなたの立場からは、それはそれでいいと思うのですが、どうもしかし、おかしいですよね。おそらく政務次官、これはあなたが政務次官になられる前のことで、大臣がどうのこうのと言っておるけれども、あなたはあれですか、あの問題をいろいろこれは衆議院でも参議院でも、このあとの手当てをどうするかということについての質問が出ておりまして、それに対して大蔵大臣並びに自治大臣が、一切地方団体には迷惑をかけないようにします、しかも、六百億円ということじゃなしに、千二百億円全部と、こういうようなことで逃げようとしておった。そういう事柄の受け取り方からしてどうでしょうか。こういうかっこうになるということは、これは当然出すということでしょうか、それとも、何かお考えございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/77
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078・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 他院のことを申し上げてはなんですが、実は衆議院の地方行政委員会でも同様な御趣旨の質問がございまして、大臣もお答え申し上げましたし、また、私もお答えをいたしたのでございます。たいへん通俗的なことばで、迷惑をかけない、こういう御答弁があったことはおっしゃるとおりでございます。そこで、迷惑をかけないというならば、まるまる見るべきではないか、こういう御説は、私ども、ことばそのものを解釈いたしますると、それがほんとうではなかったかと、かように思うわけでございますが、いろいろ大蔵と折衝をいたしまして、こういういまお出ししておるような形で落ちつける、これは迷惑をかけないということの、これでもやはり筋が通るのじゃないかということで、こういう形にしたわけでございます。あんまり前の両大臣の発言から見ますと、率直に言いまして、私どもは必ずしも満足はいたさなかったわけでございますが、こういう状況になったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/78
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079・鈴木壽
○鈴木壽君 きょう実は、私、会議録持ってきていませんから、証拠はこれだと言ってお示しするわけにいきませんが、あなた方もごらんになっていると思いますが、当時の大蔵大臣の福田さんは、六百億円どころか千二百億円まるまる見るのだと、こうはっきり言っております、本会議で。その見方がこういうかっこうで見るというのでは、まるまるどころか、どうもこれは私ども納得いきかねる点があるのです。いまになって政務次官でも、あるいは局長でも、それは大蔵大臣そう言ったからそのとおりやるべきで、これはどうも不満だなんて、あるいは言えないかもしれませんけれども、確かにそういうことを言っておりますし、そういう限りでは、こんなかっこうにやって、これはあとでまた取り上げたいと思いますが、こういうことをやること自体の中にもいろいろ問題があると思うのですね。ですから、私は大いに不満だし、一体、大臣の言明とか約束とか覚え書きといったようなものをどの程度信用していいものかどうかわかるものじゃないというような気がしますのですが、まあ、この点はこれぐらいにしましょう。
もう一つ、四十一年当時、この千二百億円の中で、さっきもちょっと触れましたけれども、交付税の一般財源に振りかわる分はおよそ六百億円だということで私どもに説明しておった記憶私ありますが、その点が今度は九百億円だというのですが、そこら辺どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/79
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080・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 四十年度のベース、すなわち、四十一年度の前の年になりますが、四十年度のベースで五百八十九億円の需要に当たる分を四十一年度に落としたわけでございます。したがいまして、四十一年度では九百億円相当額と、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/80
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081・鈴木壽
○鈴木壽君 なるほどね。四十年度ベースのそれで計算して五百八十九億円、約六百億円と言われておった。それを四十一年度に引き直したような形で計算をしますと九百億円になるのだと、こういうことですね。これは計算のしかたはいろいろあるし、ちょっとそこら辺こまかいことになるとわかりませんが、その点はまずいいとして、それから九百十四億円が正しいのか——正しいのかと言ったらいいのか、はっきりこの額としていいのか。一つには、去年あたりまでは九百十九億円というふうな計算も出たことがありますね、自治省自体で。そこら辺どうです。どっちが正しいか、と言っては妙な聞き方をするようですけれども、何かそのつどそのつどによって若干違うというようなこと、何か落ちつかない気持ちなんですがね。昨年の地方財政計画の中に五十三億のそれを突っ込むことでいろいろやった。そのときの計算では、特別事業債の元利償還の年次表というのを見ますと、九百十九億円になっておりますね。まあ、わずか五億円ぐらいの違いですけれども、ことしになると、それより少なくなってくる。総額そのものが少なくなってくるというのは、ちょっとこれはおかしいような感じがするのですが、そこら辺どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/81
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082・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 実はそのときそのときの数字はそれぞれ正しいのでございまして、四十一年度に九百億円相当分で起債を割ったわけでございますが、配当いたしました予定額総額は九百十九億円でございまして、しかし、各地方団体が事業に充てたりいたしますと、いろいろ端数が出てきたりすると、端数を切ったりいたします。ワクで配りまして個々の事業に配当いたしますと、起債でございますから、端数は切ってまるくいたします。それから団体ごとに割った場合に、非常に少額の起債はこれを排除いたします。そういうようなことで、最後に確定した数字が九百十三億何がしでございます。昨年はまだ配当をしたばかりでございまして、昨年の予算の当時は九百十九億円の数字しか実は持っていなかったものですから、九百十九億円をもとにした計算をした、こういうことであります。最後の確定数字は今回御提示申し上げておる数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/82
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083・鈴木壽
○鈴木壽君 それではあれですね、間違いなく、今回の九百十三億七千九百万円という、これが最終的に結論として正しいものだ、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/83
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084・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/84
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085・鈴木壽
○鈴木壽君 四十二年度では九百十四億という、これをもとにして去年は九百十九億のつもりで聞いておったけれども、ことしはそうでなしに、九百十四億ということにして、四十二年度では交付団体分、不交付団体分、これは両方あるわけでありますけれども、交付団体分の五十三億円の手当てをしたという一応かっこうになっていますね。引き続いて四十三年度、ことしはそういうことで九十億円を手当てをする、こういうかっこうになっていくと思います。来年度からまた、来年度四十四年度からまたいろいろ数字が変わっていくだろうと思いますが、いずれそういうかっこうになってくるのですね。そこで、こういうものの元利補給を全面的に見ていくというような場合に、九百十四億、交付団体、不交付団体にかかわらず全部に対して見るのかと思ったら、これまた、いま言ったように、交付団体分についてだけ別途その金を継ぎ足して見るということになってきているのですね。ですから、実際は国のいわゆる措置という点になりますと、九百十四億円に対する措置でなくて、これはどういうことになりますか、交付団体分七百五十億円ぐらいになりますか、その分に対してだけ実際上、国として出しているにすぎないということになりますね。そういうことになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/85
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086・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そういう見方もできるわけでございますが、ただ、私どもが交付税の需要に織り込みますことによって処理をしますのは、もし交付税が四十一年度においてあれほど落ち込んでいなかったといたしますれば、そのまま需要額がもう少し大きく計算され、九百億落とさずに計算され、その場合にやはり不交付団体には交付税というものはいかなかったと、こういうことになるわけでございますので、その姿を埋める一つの方法としては、今回のような交付税の需要額に、交付、不交付を通じて算入することによって措置できるものと、こう考えたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/86
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087・鈴木壽
○鈴木壽君 これは一般的に、交付税の一般財源で見るべきところを、そのかわりとしてこういう事業債というかっこうにしたというのですから、ほんとうを言えば、これは不交付団体というものはあれですね、発行しなくても——理屈からすればそういうことですよね、これは。しかし、現実には、不交付団体も合わせてどのくらいになりますか、百六十四億円ばかりのそれをしょっているのですけれども、理屈から言えばそういうことですね。この引き当ての分を起債に見る、したがって、あとからそれを元利補給をするということからすればね。で問題は、そういうことにかかわらず、とにかく現実の問題として、いわば特別の事業債ということでやっているのですから、その事業債の元利補給をそのまま何かの形で——何かの形というか、そのままのいわば交付税とかなんとか、こういうかっこうでなしに見てやるのがほんとうだと思うのですよね、これは。ところが、そうなるとたくさんの金がかかる。まあ、できるだけ金も出したくないのでしょうし、そうすると、こういう計算にのせてやれば交付団体分だけを見てやればいいんじゃないだろうか。こういういわば——これはあなた方という意味じゃない、大蔵省あたりのこれはずるいやり方ですよね。自分たちがもうけるやり方なんですよね。ほんとうに元利を補給するとすれば、これは何年かかるか、それはともかくとして、そのままの形で補給してやるのがたてまえですね、こういうものの処理の方法からしますとね。こういうふうになってきますと、交付税でやってきますと、いかにも国で措置をしたようなかっこうをとりながら、実際は不交付団体分については、自分たちの仲間の共同の金である交付税を食っていることになるわけですね。計算上そういうことになる。これは地方団体に迷惑をかけないと言うが、こういうところもおかしなかっこうになってきていますね。何とか九百億円なら九百億円、それを交付税算定によらない完全な元利補給という形で完全に手当てをするということができなかったものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/87
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088・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) まあ、おっしゃるように、交付、不交付を問わず元利補給をするということも確かに一つの方法であろうと思います。私どももそういうことを主張したこともございます。ただ、いろいろ掘り下げて考えてみますと、四十一年度に交付税がもし伸びておったらこういう措置はないし、ない場合には、不交付団体には、交付税も、ふえておった交付税も流れていかない、そういうことを考えますと、あながち、その方法だけに固執をしなくても、これでも二つの方法ではないだろうか、こういうふうに実は考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/88
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089・鈴木壽
○鈴木壽君 あとで何とかこう理屈をつけるようなかっこうでおかしいと思うのですよ。こうなっては、繰り返して申し上げるようで恐縮ですが、不交付団体分には何ら——この場合全部のあれですよ、たとえば四十三年度において、交付団体分、不交付団体分幾らになりますか。全部についてその金を出して、今度の九十億円でなしに、もっと不交付団体分のやつを見て、それを入れて交付税でやるというのであれば、国が実際に見てくれたということになるけれども、不交付団体の分はただ交付税の計算のそれにのせただけで、タコが自分の足を食ってどうというような話がありますが、それと同じわけですわね。それで元利補給してもらったというようなことになっているのですよ。どう考えてもこれはおかしいので、ごまかしであって、こういう方法もあると言われればそれまで。こういう方法をとったのですから、しかし、これは方法はどうも、国が九百億円について全部見るというそれからすると、国がだいぶもうけたやり方になるのですね。そうじゃありませんか。あなた方それまでも、いやそうじゃないのだと、こう言えるのですか。これも合理的なやり方なんだと言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/89
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090・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおり、全団体に元利補給ということから見れば、確かに私ども少し損をしたという感じがございます。しかし、いろいろ先ほど来申し上げておりますような当時のいきさつからこう積み上げてまいりますと、これも一つの方法ではないかということでこれに判断をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/90
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091・鈴木壽
○鈴木壽君 これだってあれでしょう、大蔵省のほうで金を出す場合に、交付団体、不交付団体合わせると、この四十三年度の元利償還のその総額ではいけないのだと、交付団体分だけ見てやろう、こういうことから来たのじゃないんですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/91
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092・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 折衝の過程ではいろいろな議論をいたしまして話し合った結果、こういうことで実は手を打ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/92
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093・鈴木壽
○鈴木壽君 四十一年度の利子については、これは何らの措置がされておりませんね。これは何らの措置というのは、財政計画の中にこういうものは見込んであるようでございますけれども、実際に去年あるいは今回出た五十三億、九十億、こういうような形での国からの分は何ら措置されなかったと思うんですが、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/93
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094・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおり、措置してございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/94
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095・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、特別事業債の元利償還額のこういうものからいくと、四十一年度は何ら措置されない。四十二年度以降は交付団体分についてはやっている、こういうかっこうになってくるわけですね。まあ至るところにどうも渋い国の——大蔵省が、そういうやつがこれは出ていると思うんですが、どうも少しおかしいんですよね。ことしあたり合わせて四十一年度分のせめてこの利子分ですね。交付団体分で十六億四千三百万円、だいぶ大きい金ですよ。それから不交付団体分五億二千六百万円、せめてこのぐらい出せなかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/95
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096・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 四十一年度の利子分については、おっしゃるとおり、何らの措置もいたしておりません。何ぶんにも、四十一年度はこの特別事業債はどう割り振っていくかというようなことで実は追われておったわけでございますが、現実には、ここで一応理論計算をして数字を出しておりますが、おそらく各団体の年度末ぎりぎり、ものによっては翌年にわたっているものもあろうと思います。現実の利払いというものはほとんど四十一年度には生じていないということも言えると思います。それやこれやございまして、実は四十一年度までには手が及ばなかったというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/96
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097・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣がおればよかったんですが、政務次官、ことしはこういう数字で、まあ、いまさら予算も通ってしまったし、九十億円で足りない、不交付団体の分も見ろと、こう言ってもできませんが、来年度以降についてどうです。これからもう一度大蔵省と折衝し直して、ほんとうの意味でのこの特別事業債の一般財源をふやしていく分の九百十四億については完全に見てやるんだ、こういうことで来年度から新たにやっていくというようなことについて、どうですか、そういう御意思はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/97
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098・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 先ほど私申し上げたようなことでございまして、われわれとしては、これは必ずしも満足とは考えておりませんが、理屈をいろいろつけてやろうということで政府としてはやったわけでございます。たいへん困難ではあろうと思いますが、国会の中でも、この点につきましては、いろいろ御議論がこれまで出ておる問題でございますし、本日も出ておりますので、こういう点につきまして大蔵省といろいろ話し合ってみたい、かように思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/98
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099・鈴木壽
○鈴木壽君 ぜひそうしていただきたいと思うのだが、さてまた考えてみると、午前中大臣との間にやり取りしました例の大蔵大臣との覚え書きの中で、一応ああいう取りきめをして具体的にこうなったのだと、こういう元利償還計画といいますか、こういったものをきちっときめてしまって、あとは動かぬものだということになっているのじゃないかとも心配するのですが、どうです、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/99
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100・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) おっしゃるとおりでございまして、制度として一応確立しておるわけでございますけれども、話をもう一ぺんもとに戻す、こういうことになることだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/100
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101・鈴木壽
○鈴木壽君 これは私こうしつこく申し上げているのですけれども、ほんとうに私はまじめな気持ちで、こういう場合の扱いというものをやはり筋を通す、あるいは当初約束したものは約束したようにはっきりやるべきことが正しいのだと、そういうたてまえに立って、こうしたやり方が、どうも当局の言明なり、われわれに対する答弁の中なりで言ったことと、だいぶ違うのですから、それではいけないのじゃないか、そういうことの筋を通すというような意味で私お聞きしているのです。あなた方を何かとっちめるとか、そういうような気持ちでなしに、その場合にあなた方しっかりしてもらわなければ困るということで、そういう気持ちを持って質問しているのです。これはひとつ、いろいろな問題を扱う場合に、よく交付税で、そこへ持ってきて交付税の算定の中でいろいろ処理するということがあるのですよ。そのこと自体には問題があるが、そうした場合に、えてしてこれは損をするのは地方団体であり、地方財政全体にとってのマイナスというかっこうに響く、ですから、そういう面で将来ともこういうものの扱いというものについては十分考えてもらわなければならぬと思うし、そういう面で弱くなってもらっちゃ困ると思います。まあまあここら辺でという、それは何もけんかすることが目的じゃございませんが、それこそ、けんかをしてまでもやはり筋を通すところは通してもらいたい、そのための努力をしていただきたいのだ、こういう気持ちでおりますから、ひとつ政務次官にもよく御理解をいただいて努力をしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/101
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102・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) おっしゃるような気持ちで、われわれ叱咤激励を受けておるものと思っておるわけでありまして、私どもただこの場が済めばどうこうというふうには考えておりません。筋を通すべきものは絶対に通さなければならぬ、かように存じておるのであります。私は、自治省の予算はことし初めて関係したわけですが、いろいろな問題がございまして、そういうもの全般について、大蔵との間にいろいろな折衝があるわけでございます。とかく、そういう際に、何といいましょうか、安易な妥協があったりなんかしてはいけないというふうに考えておりますので、今後十分気をつけたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/102
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103・鈴木壽
○鈴木壽君 いろいろなものを交付税の中でやりくりをする、それを押しつけてくる、大蔵省は。このままずるずる——こういった交付税そのものについても一体どう考えるべきかという基本的な問題になってくると思うんですよね。金があるとかないとかいうこと、それはともかくとして、交付税というものは一体どう見るのか、交付税で見れば安上がりでいいかもしれませんけれども、どうも交付税の扱いそのものに私は大きな問題を残すことになると思うので、この点は皆さんも十分お考えになっていらっしゃると思いますけれども、そういう立場もあわせて、今後こうした取り扱いをする場合の一つのぎりぎりの線だけはひとつはっきり守っていただきたい、こういうふうに思いますので、この点については、あと次官からの御答弁は要りませんけれども、要望として強く申し上げておきたいと思います。全体としての、私特にことしの交付税の改正、交付税の総額の問題、貸したとか借りたとかいう問題、それから、こういうものの扱い、交付税というものは一体これはどういうふうに考えていくべきものであるのか、どうなるのか、そういうことについて私心配します、率直に言って。地方団体の当然の一つの共有の財源であるこの交付税を、あれだこれだと言って何かに利用されておりますね。当然国が別に手当てすべきものについても、いま言ったように、交付税でやらせる、やらなきゃならぬ、こういうことになってくると、額はあるいはたいしたことでなくとも、交付税そのものに、私は本質に響く問題だと思うんです。しかも、一方には、そういうことをしておって国がめんどう見てやったじゃないかというような、いばったようなかっこうで、まことにこれはおかしなことになると思うので、くどいようでありますけれども、ひとつ十分交付税をほんとうの姿に守っていくというような意味からも、今後の皆さんの確固たる決意と、それに裏づけられた御努力をひとつお願いしたいと思います。
次に、交付税の改正の具体的な問題として、給与費のことについてお尋ねをしたいと思います。財政計画の中に給与費について予想される給与改定に、そのために必要な程度の額を留保した形になっておるのですがね。たしか一般行政費の中の単独分の中に八百五十億円を入れてある。そのうちの七百五十億円は給与改定のために、国がちょうど五百億円を予備費の中にプールして中に入れておくと同じようなかっこうで、その中に入れてあると、こういうことなんですけれども、交付税のほうの給与費の算定でそれをどう扱っておられるのか、それをひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/103
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104・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 昨年の給与改定の際の再算定をいたしましたときの単位費用差額分を、今回もそれぞれの費目についてのせております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/104
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105・鈴木壽
○鈴木壽君 昨年の給与改定をしまして、もちろん、交付税の基準財政需要のそっちのほうも改めたわけなんですがね。そういう形で四十三年度、いわゆる平年度化した形で計算をしてあるのか、さらに、そのさっき言った七百五十億円留保してあるそういうものを含めた、何%かアップした形で、それぞれの給与の単価等をアップした形で計算をしてあるのかどうか、どういうことですかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/105
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106・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 本年度の新しい単位費用を一回出し、その単位費用に昨年給与改定の際に措置をした単位費用の追加分、上のせ分を本年度の単位費用にのせておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/106
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107・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、四十二年度分の、改定前のそれと、いまの四十二年度に改定されて四十三年度分になっての計算、それの上にその差というものを上のせしたということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/107
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108・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/108
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109・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、昨年の給与改定、年度半ばに行なわれましたけれども、昨年行なったその給与改定の率、国家公務員に準じた率でやったわけですが、それぞれ若干の違いが、たとえば教員とか、一般の人とか、若干違いがあるのですが、そういう若干の違いはともかくとし、そういう率をそのまま今度は四十二年度の改定された水準に積み上げた形で四十三年度分として計算をしてあると、結局は、四十二年度でベースアップした分と同じものを四十三年度のベース改定のそれのものとして同様の率で見てある、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/109
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110・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) ある費目について、たとえば去年二十円再算定の際に単位費用を引き上げてあるといたしますと、ことしも本年の単位費用を計算しまして、それに二十円をプラスしたものをつけて新しい単位費用としておる、こういうやり方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/110
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111・鈴木壽
○鈴木壽君 単位費用の段階で、ただ去年プラスした二十円なら二十円というものをことしのやつ、四十三年度のやつ、四十二年度のやつのいわゆる平年度化したやつの上に二十円のっけていったというかっこうですか。それとも、もっとそれ以前の計算で改定する際に率をいろいろかけ合わしていくわけですかね、そういう作業はどういうふうになるのか。ただ、最後のところで、つかみで単位費用を去年上げた分だけことし上にのせていくと、こういうかっこうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/111
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112・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 考え方は、ことしの単位費用を、本来の単位費用を出しまして、追加需要分として単位費用をさらに上のせしたわけでございます。その上のせした分は、昨年給与改定の際に上のせした分と同じものをのせておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/112
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113・鈴木壽
○鈴木壽君 そういうかっこうで七百五十億全部あれですか、配分できるようになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/113
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114・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/114
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115・鈴木壽
○鈴木壽君 ところが、まあ、これからのことですが、かりにあれですね、今度の人事院勧告で去年のそれと違ったような、違う率の引き上げ率なり、そういう違う場合の勧告も予想しなければならぬと思うのですが、そうした場合に、も一度計算し直すというかっこうをとりますね。いかがですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/115
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116・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 人事院勧告が出まして、政府がそれを国家公務員についてどうとるかという際には、それがきまります際には、地方公務員についても国家公務員に準じて行なえるものとしての財源措置をしなければならないことになっております。その際の財源措置がどういう形になるかは、いまちょっと将来のことでございますので申し上げかねるわけですが、私どもとしては、やはりその際はそのときの適切な措置をとっていきたい、こう思っております。その措置によって交付税をどういうふうにやるのかというようなことは具体的にきまってくると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/116
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117・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ国もことしは五百億程度のものを予備費の中に入れておく。国の場合には、ただ、金としてそういうふうに用意しておくだけで用意してと言ったらいいか、いずれ、まあ、そういうふうにしてやるだけで、予算の中にそういうふうに計上するだけで済むのですが、地方公務員の場合のやつは、一度交付税のそれをくぐらなければいけないと、計算をね。こういうことで地方に対して必要な経費を見ていくというたてまえ論に立っているんですが、去年の上がった分をことしのそれに上のせしていくという、地方団体は、しかし、そういうような計算のことをよくわかってもらわないと、別に区別して金を交付できるものでもないし、使い方についてどうのこうのということも言えないわけだけれども、ことしの給与改定の分をそういう形を含めて配分されると、しかし、そういうことをよく承知しておらないと、まあ金の使い方というか、財政運営の面でいろいろ心配されるものがあると思うのですが、そこら辺よくあなたのほうで十分交付税の配分がこうなると、計算はこうなんだというようなことを周知徹底するようなことをしなきゃいけないと思いますが、何か考えておられますか、そういうこと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/117
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118・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおりでございますので、そういうやり方をして当初算定で算入をするので、少なくともその額は留保をしておくようにという通達をしたり、あるいは会議等で指示したりいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/118
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119・鈴木壽
○鈴木壽君 その七百五十億円というのは、国が五百億円の予備費の中にそういうものを含ませておるということ、まあ、それから来た額じゃないかと思うのですが、いままでの給与改定に伴う国の、国家公務員の場合の必要額、それと地方公務員の場合の必要額、大体まあ国家公務員のそれの一・五倍くらいだというふうな経験的な積み重ねの中からそういうのが出てきていますね。そういうことでございますか。何かまた七百五十億円という根拠は別におありなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/119
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120・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) まあ大体昨年の追加需要額として必要とした程度のものを財源として確保しよう、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/120
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121・鈴木壽
○鈴木壽君 昨年のやつは、追加の形でやったのはどのくらいでした、交付税として基準財政需要額で見たやつは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/121
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122・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 七百五十億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/122
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123・鈴木壽
○鈴木壽君 もし七百五十億をいま言ったようなことで留保した形で見ておると、人事院勧告及びそれの政府における取り扱い、まあ、それがどういうふうになっていくか、これはいまからかってなことは言えないと思いますが、かりにことしの春闘あたりのああいうものからして、去年より下回るというようなことはちょっと考えられないと思うのですがね。去年より上がる勧告が出てくるじゃないかというふうな、これは全くの私の個人的な観測ですけれども、そういうものが出てこなければならぬじゃないだろうかということの個人的な考え方、そうした場合に、七百五十億の留保だけでは足りないという事態が出てくると思いますね。そういうことのために何かいま考えておられる手だてというのはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/123
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124・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) まあ足らない場合にどういう方法をとったらいいのかということは、まだ具体的には考えておりません。おそらくそういった場合には、従来いろいろとられました措置等も考えまして、そうして適切な方法を選びたいと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/124
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125・鈴木壽
○鈴木壽君 国のほうではいわゆる補正をそのためには組まないというようなことを言っておりますね、補正予算を。そうすると、そういう場合に、いまの態度としては、どういう事態が出てくるかわかりませんが、こちらのほうも交付税でどう見る、あるいは七百五十億で足りるとか足りないとかという問題。実際もうこれだけしかないんだということ。こういうことを、いま言ったように、国が補正予算を組まないという立場でやっておるのか。それとも、さっきそのときになってというようなことでございましたが、そのときによっては交付税の算定も変えなければならぬだろうし、また、場合によってはどこかからの財源手当ても必要になってくるだろうと、こういうふうにお考えになっておられますか。その点、いまの時点でどういうふりにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/125
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126・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 補正を組まないという方針のように私も承っておりますが、そうでありますれば、補正を組まない範囲でどういうことができるのか、あるいは、どうしてもできなくてあえて補正をお願いしなければいけないのか、その辺のこともその時点でないと具体的にはちょっと申し上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/126
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127・鈴木壽
○鈴木壽君 それから今度の交付税の改正の一つの柱として、過密地域及び後進地域の特性に応じた財政需要の算定の適正化ということがあげられておるようでありますが、ひとつ過密地域に対し、あるいは後進地域に対して、あまりこまかいことまで要りませんけれども、どういう点でどういうふうにいままでより多く見ておるとか、あるいは、こういうふうなことで財政需要の算定をやっておると、こういうのをちょっと知らせてもらえませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/127
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128・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 過密対策としましては、人口急増補正の強化、それから都市的な経費の態容補正の合理化、そのほか、都市対策費の充実と申しますのは、具体的には、たとえば清掃費を充実するとか、あるいは小中学校の事業費補正の新設をするとか、保育所、幼稚園費を充実するとか、そういったようなことでございます。そういった方法によりまして全体として二百十二億の交付税の財源措置を考えております。
後進地域につきましては、交付税におきましては、道路橋梁費の増額、それから小中学校の単位費用の増額、あるいは学校統合の際の数値急減補正の新設、それから農業行政費の充実、それに人口急減補正を緩和する、いままでよりも逆に申しますれば充実するということでございましょう。そういうようなことによって約二百億交付税の面で需要増を見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/128
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129・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの御説明いただいた過密対策、過疎対策の交付税の増というのは、四十三年度で過密対策のほうで二百十二億円、それから過疎対策の後進地域に関するところではおよそ二百億円と、こういうお話でございましたが、これは四十二年度に比べてこれだけ四十三年度において増額されると、こういうことでございますか、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/129
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130・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 対前年に対する増加分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/130
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131・鈴木壽
○鈴木壽君 これはいま、過密対策とかあるいは過疎対策、やかましい問題になってきておりますし、事実、私どもいろいろ聞くところによると、特に人口の集中するいわゆる過密地帯におけるいろいろな問題が、全部市町村財政にひっかぶらなければいけないというような形で出てきておるわけですね。ですから、できるだけ交付税においてもそういう面での新たなといいますか、あるいは急激にふえてくる財政需要、そういうものに対応してやっていけるだけの市町村の財政というものを考えていかなければならないのじゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、基本的な考え方としては、自治省もそういう考え方でやっておられるだろうと思いますが、その点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/131
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132・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 基本的には、おっしゃるとおりだろうと考えております。特に後進地域につきましては、やはり一番関係の市町村が要望しておりますものが道路橋梁費であり、あるいは小中学校費であり、あるいは農業行政費である、こういったようなところから、今回の措置もそういう点に重点を置いたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/132
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133・鈴木壽
○鈴木壽君 過疎対策としていまのお話の道路橋梁費の充実、これは額としても毎年だんだんふやしていくというような傾向になってきておると思いますが、その他、学校の問題ですね。こういうことについても、過疎なるがゆえのこれは何といいまか、かりに人口が減った、学校が、どうも児童生徒のそういう使用もだんだん減ってくる、さればといって学校をやめるわけにもいかぬ、いろいろこれは問題があって、むしろ、過疎なるがゆえに、かえって想像以上の財政需要を必要とする、こういうふうな事態があると思いますが、これはひとり自治省のあなた方の財政当局ということだけじゃありませんが、そういう点について、たとえば学校問題、教育問題であったら、文部省にこれは当然関係ありますね。こういうところと十分な話し合いをして、できるだけひとつ手おくれにならないような対策を立てて実施できるようにしてもらいたいと思いますが、その点、どういうふうにお考えになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/133
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134・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおりだろうと思うのでございまして、やはり関係の官庁でも、そういう問題に強く力を入れていただくことが一番効果的だろうと思います。しかしながら、なかなか話し合いをいたしましても、名案が出てまいりません。そういったようなこともございますし、名案があっても実行がしにくいといったようなこともございますので、現実の問題としましては、私ども、この交付税の需要によりましてできる限り毎年改善をはかっていくという方法をとっておるのでございまして、いまお話のございましたような、たとえば学校にいたしましても、従来は学校を統合いたしますれば、すぐ普通交付税の算定から落ちるということでございましたのを、今回は統合いたしまして学校数が減りましても、何年間かはそれを漸減するような措置をとっていくというようなことをいたしておりますし、また、スクールバス等につきましては、特別交付税でこれをめんどう見るといったようなことで、いろいろ手を打っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/134
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135・鈴木壽
○鈴木壽君 いま申しましたことをお答えいただいたことは、いわば後進地域の過疎に関しての問題ですが、学校等の問題、あるいは、その他消防施設、清掃等環境整備の問題、過疎地帯にはまた過疎地帯として、過密地帯にはもう非常な大きなそういう問題での悩みがあるわけなんですね。特に最近、この東京周辺、大都市のほう、それから大都市以外の町村、とにかく周辺の町村からの声は、人口がたくさん集まってきて学校の施設がもう追いつかなくなって、新しいものを建てなければならぬ、学校を建てるには用地の取得をしなければならぬけれども、とてもじゃないが手が出ない。新しく学校を、ちゃんとした用地を獲得してやらなければならぬということなんだけれども、しかし、それができないままに、既存の学校の校地の一隅にプレハブでかりの校舎をつくってやっているのだが、さて問題の用地はいつになるやらどうもわからぬと、こういうことで悲鳴に似た声を聞くわけなんですね。で、お話を聞いてみれば、これはまあ、たいへんなことだと思うんですが、こうして過密対策、過疎対策、交付税の面でもいろいろ心配されておるんでありますけれども、しかし、これだけでも何ともかんともできないと思うんですがね。ところで、総合的にいまいろいろな手を打たなければならぬと思いますが、自治省として、そういう地方団体がもうそれこそしりに火がつくような、そういうところまで来ておる。こういうものに対してどう考えて、対策を立てることについてのそういうことをやっておられるのか、ひとつあったらお聞かせ願いたいと思うんです。私申し上げるのは、交付税でこういうふうにやってもらっても、交付税だけでもいけませんし、あるいは他のいろいろな補助金の問題があったり、あるいは起債の問題があったり、いろいろこうあると思うんですよね。そういうものを全般的に踏まえながら、そういう市町村に対してどう財政のそれを保たせるようにやっていくかというお考えなのか、何かそういうことについてお考えがあったらお聞きしたい、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/135
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136・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 学校につきましては、関係省におきましても、いろいろと補助金の充実について検討をしておるように聞いております。われわれといたしましては、基本的にはやはり税源をどういうふうにして充実したらいいかということを考えなければならないと思いますが、現実の問題といたしまして、非常に人口のふえていくような市町村の学校施設等につきましては、やはり交付税以外には、さしあたって起債を十分起こすことによりまして、その急速なる需要にこたえていくということであろうと考えております。なお、市町村当局におきましても、たとえば大きな団地ができるといったような場合には、あらかじめよく団地の建設事業者と相談をして、そうして、その団地内の公共施設については、ある程度の負担をしてもらうというようなことも、市町村当局自身が考えるべきことじゃなかろうか、こう思っております。現在、御承知のように、住宅公団あるいは住宅金融公庫の融資を受けております大団地、千戸以上の大団地というようなことでございますと、それぞれ関係者の間で協定をしたところによりまして、事業者が立てかえ施工をして、あとで関係市町村に年次計画によって引き渡すというようなことをいたしております。この点につきましては、私どもも建設省と、その措置をもっと民間の建設事業者にも広げるべきではなかろうかということで、いまいろいろ折衝いたしております。なかなかむずかしい問題のようでございますが、建設省も熱意を示してくれております。それから、そういったような措置が法律的にできていないにもかかわらず、市町村では現実に市の取りきめと申しますか、市自体の方針として、入ってくる住宅建設業者に対しては、そういう条件を付することによって、いろいろ公共施設の面で協力をするというような方針をとっておる市もあるように聞いております。いろいろな面で協力し、努力をしてまいらないと解決ができない問題ではなかろうか、こう思いますが、私どももいま申し上げたような線でいろいろ努力をしてまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/136
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137・鈴木壽
○鈴木壽君 いま、学校の問題ですね、たとえば起債の面等においてもいろいろ考えていかなければならぬ、こういうお話でございましたが、特にそういう過密地帯の自治体に対するいわゆる過密対策としての性格を持った起債というものを四十三年度の財政計画の中に予定しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/137
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138・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 一般単独事業債の中で、ちょっといま数字は忘れましたが、数十億のもの——過密対策あるいはそういった特殊の事情にあるところの起債百億のものは用意をしております。それからいまひとつは、先行用地取得債として百三十億ほど用意いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/138
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139・鈴木壽
○鈴木壽君 用地先行取得のためのこれというんですが、こういうものの中には小中学校の校舎、特に義務制関係が主体になると思いますが、そういう校舎の建設のための用地取得というようなものに対しても起債を許可するような、そういうワクがあるんですか、どうですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/139
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140・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 義務教育施設の起債の中で、二十億政府資金による用地費起債というものを用意しております。しかし、なかなか現実には、それだけではとても足らないと思いますので、ある程度執行の過程において起債のワクを弾力的に運用してまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/140
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141・鈴木壽
○鈴木壽君 これは私これから申し上げるのは、あなた方の領分ということではないんですが、かりに起債というものが何かの形でやってもらえるとしても、地価そのものがもうべらぼうに高くて手が出ない、こういうのもあるんですが、それでも地方債でまかなうということでやることはできるかもしれませんが、それは結局、元利償還していかなければならないのだから、それの地価に見合うための特別に多い負担というものはたえられないのだ、こういうことで、さっきも言ったように、建てるべき校舎も建てないで、どこかの学校の校地の一部にプレハブでやっておるとかいうような例があるようでありますけれども、この学校の地価の問題、校地としての必要な土地という問題について、何か特別に地価をあなた方の力で安くせいという意味じゃないけれども、何とかこれは手を打たなければいけないと思うんですが、政務次官どうです、政策的な問題になってくるわけなんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/141
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142・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 大都市周辺の人口急増地帯に当面する義務教育の施設が非常に不足いたしまして、特に土地の問題につきましては、補助金の制度がありませんし、非常に苦心をしておられるところをたくさん私どもも伺っておるわけでございます。こういう点につきましては、何といいましょうか、手が届かないような高額になっておるような地帯で、そういう人口がふえつつあるわけでございまして、やはりこの辺で、これは主として文部省が直接当たらなければならぬと思いますが、何らかの特別の措置をとらなければならない事態にまで来ているのではなかろうか、かように考えておるのであります。われわれのほうで起債を認めて云々と言いましても、おのずから限界がある、場所によりましては、もうそういうところに来ておる、かように考えておるわけでございまして、政府全体としてこの問題は取り組まなければならぬ、かように思っておりますが、地価対策自体につきましては、いろいろこれは建設省が中心になってやっておりますが、なかなかきめ手がないということで、いろいろな案等も政府の中で議論をいたしておるところでございます。もちろん、これも確立しなければなりませんけれども、いま地価全般の問題の解決を待って云々というわけにまいらないときに実は来ておる、かように私ども存じております。十分この点は政府も関係の各省の間で討議をいたし、そうして実行いたさなければならぬ、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/142
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143・鈴木壽
○鈴木壽君 いま学校のことを中心にやっていますが、特にこういうことのために、過密地帯で学校の新設あるいは増築あるいは用地の取得、こういうことで、まあ地価問題はさることながら、いまどうというわけにもいきませんでしょうし、やるとすれば起債にたよるしかないと思うので、起債でまあ資金調達ということでしょうが、こういう、何と言ったらいいか、その町村自体の自然の発展というよりは、どこか別の何か動きですね、日本経済、産業全体の動き、こういうものの中で、たまたま集中的にそういうところにあらわれてくる一つの現象ですわな、それをその町村だけにかぶせておいていいかどうかという問題を私は一つ考えなきゃならぬと思うんですが、では責任はどことか、どこでどうするというようなことはなかなかむずかしいことになるわけですが、とりあえず、たとえば、そういうことのためにやった地方債、この発行条件なんかについても、利率の面なり償還期限の面なり、そういうことで考える、あるいはまた、場合によっては利子補給を国でやるとか、何かそういうことでもとりあえず考えてやらないと、町村ではたまったものじゃないと思うんですね。特に最近の新聞にこういう問題がいろいろ取り上げられておるのであります。東京圏七十四市町村が合同で近く国会に陳情、学校建築に助成拡大をということで、かなり大きなスペースをとって取り扱っている新聞もあります。それから、これは同じ新聞で日にちがちょっと違いますけれども、いまの学校教育問題を含めて、生活環境の整備費でも背負い切れないとか、東京都下の多摩町ですか、こういうのもかなり大きく取り上げていられて、いろいろな数字も入って苦しい実態が述べられておるのでありますが、こういうものに載る一、二のものだけでなしに、東京の周辺あるいは大阪、大都市の周辺の市町村には、多少大なり小なりの差はあっても、ひとしくこういう苦しみを持っておる市町村がざらにあると思うんですね。さっきも言ったように、地方財政をどうするかと言われても、たとえば交付税率の傾斜配分をするとか、過密対策をやるとか言っても、これは限度があるので、もっと、そういうものとともに、いまの交付税率とか何かそいうものとともに、別に国としてこれをどうするかということをこれは考えなきゃいけないんじゃないであろうかと思いますね。これは早急にひとつ政務次官、関係各省なんかに呼びかけられて、これの対策というものを樹立できるようにひとつ御努力を願いたいものだと思うんですが、いかがなものでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/143
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144・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) おっしゃるとおり、この問題はもう焦眉の問題になっておりますわけでございまして、私どものほうといたしましても、これは関係各省がいろいろやって考えてくれてはおると思いますけれども、しかし、何といいましても、地方行政、地方財政の問題でございますので、私どものほうで早急に調査等もいたしたいと思いまするし、また、その実情を関係各省に訴えまして、いろんな方法を総合的に講じなきゃならぬことだと思います。また、私どもの省の中だけでも、大きくいえば、税の問題等についても再検討しなきゃならぬような問題もあろうかと思います。いまお話のございましたような点につきましては、私ども、なるべく早い時期にこれらの対策を各省と話し合いたい、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/144
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145・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの学校建築等の問題について、いま私、例に引いた新聞の記事、こういうものにこたえたかっこうかどうかわかりませんが、文部省がこれから調査をやって、長期の整備計画を立てるんだと、来月からその実態調査なんだと、こういう記事も見えますんですが、いまこれから、来月から実態調査とは何ごとぞと言いたいんですが、いずれにしても、こういうことがあるんですが、これではちょっと手ぬるいと思うんですよ。もう一つは、基本的に一体、地方財政のあり方、したがって、税制がどうあるべきであるかというような問題にもう取っ組んでおったんでは、これは簡単に結論の出る問題でもなし、私は少し、それよりもいまのこういう実態に対していろんな要望がありますが、それを政府としてどういうふうに受け取め、どう自分たちのものとして対策を立てていくかという、まずひとつ、とりあえず当面のこういう問題についてやってもらいたいと思うんですが、政務次官、あなたの各省との間の話し合いというものは、その中にひとつ——もちろん長期的な立場に立って、町村財政あるいは地方税というものをどうするか、その他のいろいろな金をどうするか、これは基本的な問題として当然やらなければいけませんが、それだけでは、いましりに火がついたような、こういった状態の救済にもなりませんし、対策にもなりませんわな。拙速と育っては悪いけれども、当面のまず、この事態をどう処置するか、これをひとつ考えてもらうためのいろいろな御検討をお願いしたい、こういう私の気持ちなんでございますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/145
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146・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) おっしゃるとおりでございまして、恒久的な対策というようなことをやっておりますと、これはまあだいぶ時間がかかる、こういうことでございますから、当面火のついたような事態をどうやっていくか。まあ当面ということになると、おのずから方法には限度があると思いますけれども、いまおっしゃったような方向で、当面の対策と、そして、やや恒久的といいましょうか、やや長期的な対策とあわせてやってまいらなければならぬと、かように存じておる次第でございます。したがいまして、お説のように、当面何をすべきか。まあ御要望も地元等からいろいろあるわけでございますから、そういうものに対しまして、政府としての態度をきめるというようなふうに持ってまいりたいと、かように存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/146
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147・鈴木壽
○鈴木壽君 文部省あたりはいろいろ考えておるにしても、金の出どころは別なものだから、もっともだとは言いながらも、自分のところで出す金があるわけでもなし、これは大蔵省とか、あちこちね——というようなことで、これはなかなか関係している重大な省であるにもかかわらず、どうも見ておると、積極的でないのですけれどもね。これから長期整備計画をつくりましょうなんて言ったって——これは文部省の人に来てもらって言うべきことかもしれませんが、そういうことですから、やはり地方自治体のことだ、地方財政のことだということで、ひとつ自治省が中心になってね、次官、いろいろ話をし、検討をし、やってもらいたいと、私はこう思いますのですがね。まあ改めてひとついかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/147
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148・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 自治省が中心になりまして、この問題の推進をはかりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/148
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149・鈴木壽
○鈴木壽君 関連してひとつ財政局長にお尋ねをしたいのですが、これも新聞記事だけで、私はそれだけをもとにしてやるのですから、前提はそういうことだということを御了解いただきたいと思いますが、学校建築などで、地方自治体では債務負担行為が非常に大きくなっているから自粛を呼びかけるという記事が、日本経済新聞のせんだっての四月の八日の紙面に載っております。これは地方団体でも、いわゆる債務負担行為あるいは予算外義務負担とかなんとかというかっこうでやったり、いろいろやれるのですし、やっているのですが、最近、この記事によれば、学校建築などで目立ってこれがふえてきた、健全な財政運営が心配されることから、自治省では近く自粛を呼びかけるのだと、こういうことなんですが、いわゆる過密地帯における校舎建築あるいは用地の取得、そういうことからいって、起債のワクも不十分だし、簡単に資金の調達ができないということで、こういう形で仕事を進めてきた結果がこういうふうになってきており、それに対する、自治省としてほうっておけないぞということだろうと思うのですが、この点についてどうでしょうか。こういうような事実なり、あるいは、それに対する自治省の態度としての、自粛の呼びかけなんてものについて、何かこれはあったのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/149
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150・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 実は私もその新聞を見てびっくりしまして、関係の課に聞いてみたのですが、実は何もないのでございます。したがいまして、それに対して自治省が何か措置をするとか、あるいは通達を出すとかというようなことは具体的に考えてはおりません。ただ、一般論としまして、最近、債務負担行為がわりにふえてまいりました。これもいろいろ実情を聞いてみますと、財源がなかったり、起債が十分でなかったために、無理して債務負担行為で切り抜けたといったようなものもあろうと思います。また、債務負担行為は非常に便利なものでございますから、やや乱用しているのではないかと思われるものもあるわけでございますので、私のほうも債務負担行為のやはり本来の扱い方というものについては、何らかの機会には注意を喚起したい、こう思っております。確かに地方債のワクを拡大するなり、あるいは、まあ、いまワク外でも相当出しておるわけでございますから、そういうものによって相当程度処理できるのがあるのではないかという気もいたします。したがいまして、特にそれについて、その資料にありましたような措置をというようなことを考えているわけでございませんけれども、一般論としては、注意を喚起したほうがいいかなという気持ちは持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/150
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151・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ、これひとつあれですね、もし、何といいますか、ルーズなやり方があるとすれば、もちろん、これはそれをそのままほうっておくというわけにはいかないと思いますし、便利なものが、それをやったために、かえってあとで今度はとんでもない口にあう、こういうことにもなりかねない問題ですから、あくまでもこれはルーズなものに対しては注意を喚起したり何かをしなければいけませんが、と言って、これの一つの指導といいますか、対策としてやっぱり考えられますことは、いまお話にもありましたように、まあ起債等で、地方債で見てやれるもの、また、見てやらなければならぬもの、こういうものについて、やっぱり自治省としても、もっと積極的に目をかけてやっていただかないと、いま持っていったってしようがないしというので、こういうかっこうで処理していってしまう、これは単に学校だけの問題じゃないと思いますけれどもね。そういうことになると思うので、まあ、よくあれですね、国会で債務負担行為の問題で、いろいろ予算との関係あるいは財政支出の問題、いろいろと問題になるけれども、そういう大きな問題は起こさないにしても、やはりこれに対する対策というものは考えておかなければいけないのではなかろうかと思うのです。たまたま、せんだって、こういう記事を見たもんですから、はてな、これはどうなのかというふうに思っていまお聞きしたのですが、いまのところは、別にどうした指示をするとか通達をするとかというようなことではないわけですね。将来気をつけて見ていきたいと、こういうことでございますね。
大臣お見えになる前に、政務次官にも要望めいたことで申し上げて御意見を聞いておりますが、いろいろ過密化に伴って学校その他生活環境施設の整備、こういうことで四苦八苦というのが、これが周辺の町村の、特に団地ができるとか住宅地がどんどん開発されていくとかということで、学校の新設、増設、拡張、こういうものが焦眉の急になって、それに追われててんてこ舞いだというのがいまの状態であるようです。こういうことに対して交付税のほうで、過密過疎対策でいろいろ心配はしておりますけれども、これだけでも限度があることであって、とうていいま起こっているそういう問題の解決には全然役に立たないという意味ではありませんけれども、なかなかここに持ってきてこれだけではできないので、もっと全般的に対策を立てる必要がある、こう思いまして、ひとつ自治省が中心になって関係の文部省なり建設省も一あるでしょうし、し尿処理施設なんというと、厚生省関係にもなるでしょうが、そういう関係各省と十分な連絡をとり、話し合いをしながら、ひとつ自治省の責任でそういうものの対策を早急にまず立てるように努力してもらいたい、こういう要望をしておったところでございましたが、大臣、いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/151
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152・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 自治省としては、もちろん、現に地方公共団体の内部で起こっているいろいろな過密過疎などによって生ずる新しい事態等につきましては、よく調査もしておるわけでございまして、もっと前向きで根本的な解決をはからなければならぬとは考えますが、なかなかこれは自治省だけでやれぬ問題が多い。やはり都市計画だとか、あるいは土地利用計画などが先行しておりますと、こういうことも起こってまいりますまいけれども、いずれも行政が後手後手と踏んでいくことになっていることは、たいへん遺憾だと思っております。ただいま御指摘の学校用地のことですけれども、まあ、わずか二十億起債のワクを引き当てておりますけれども、とてもそういうことで足ろうはずはありませんので、そのつど、地方団体の御要求がもっともと思う個所については、交付公債だとか、あるいはワク外債などを許可することによって、まあどうにかびぼう策はとっておりますけれども、こういうことではなかなか根本的な解決はむずかしいと思う。ただ、人口移動の速度というものがあまりにも早過ぎて、諸事追っついていけぬというのが実情じゃないかと思う。御不便はかけておりますけれども、あまり都市の再開発が調子よく行き過ぎると、いよいよもって過密がさらに過密を加速度的に増していくということになる。しかしながら、そうかと言って、実情がそういう形態であるのをほうってもおけませんので、われわれといたしましても苦慮しながら、前向きに各省に率先してこういった問題を解決するという努力はいたさなければならぬとも考えておりますし、また、いたしつつある次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/152
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153・鈴木壽
○鈴木壽君 ですから、端的にお願いといいますか、御要望を申し上げて御努力願いたいというのは、自治省が中心になって、単に学校の問題だけでなしに、その他いろいろありますから、そういう問題の関係のある省と一緒になって、一体どうするかと、もちろん、それぞれの分野で所管のところで手を打たなければならないところもありましょうし、そういうものはそういうものとして、とにかく政府全体としての対策ということをまず当面しなければならぬというものがいろいろあると思うのですよね。いつまでもこれは場所がないからと言ってプレハブの校舎に子供を入れておくわけにいかぬでしょう。もうそろそろ冬なんか近くなってくると、これはたいへんな問題になってくる。まことに粗末なものでしのいでいるところがあるそうですね。だから、そういう問題もありますから、できるだけ早くそういうことに対する対策というものをとって、できるだけの援助を市町村に対して与える、こういうことが国の責任においてやられるべきであると思いますから、それを自治省が中心になって、ひとつ早急にできるような手だてを考えてやっていただきたいと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/153
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154・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) さらに一そうの努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/154
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155・津島文治
○委員長(津島文治君) ちょっと速記とめて。
〔午後四時三十二分速記中止〕
〔午後四時五十分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/155
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156・津島文治
○委員長(津島文治君) 速記を起こして。
両案件に対する本日の審査はこの程度にいたします。
次回は参議院公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01319680425/156
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