1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十八日(木曜日)
午前十時四十七分開会
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委員の異動
四月十七日
辞任 補欠選任
赤間 文三君 小柳 牧衞君
四月十八日
辞任 補欠選任
柴田 栄君 北畠 教真君
二木 謙吾君 内田 芳郎君
鬼木 勝利君 原田 立君
出席者は左のとおり。
委員長 井川 伊平君
理 事
石原幹市郎君
八田 一朗君
伊藤 顕道君
山崎 昇君
委 員
内田 芳郎君
北畠 教真君
熊谷太三郎君
菅野 儀作君
山本茂一郎君
片山 武夫君
国務大臣
国 務 大 臣 田中 龍夫君
政府委員
人事院総裁 佐藤 達夫君
人事院事務総局
管理局長 茨木 弘君
人事院事務総局
給与局長 尾崎 朝夷君
人事院事務総局
職員局長 島 四男雄君
総理府人事局長 栗山 廉平君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
労働省安全衛生
局長 大野雄二郎君
事務局側
常任委員会専門
員 相原 桂次君
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本日の会議に付した案件
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・井川伊平
○委員長(井川伊平君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る十七日、赤間文三君が辞任され、その補欠として小柳牧衛君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/1
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002・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。関係当局からの御出席は、佐藤人事院総裁、尾崎給与局長、島職員局長、栗山人事局長、以上の方々でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/2
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003・山崎昇
○山崎昇君 一昨日の委員会に引き続いて国家公務員災害補償法の改正案について二、三お聞きしたいのですが、その前に、いまたいへん問題になっておる国立療養所の俸給支払いについて、昨日の官報で人事院規則が変えられたわけなんですが、これについて二、三まずお聞きしたいと思うのです。そこで人事院総裁にお聞きをしますが、この人事院規則を変えられた理由についてまずお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/3
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004・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) お尋ねの人事院規則は、十六日の晩に私どもの手を離れたのでございますが、その理由を要点だけ申し上げたいと思います。
これはいまさら申し上げるまでもありませんけれども、国立の療養所関係の法律、特別会計法、療養所を病院の特別会計の中に入れるという特別会計法案と、もう一つ、それと相対応しての予算との関係、特別会計の予算の関係からくる一つの矛盾が今日発生したと、大きな原因はそこでございます。この法律と予算との問に食い違いが生ずるなんということは、私も長年法制関係の仕事をやってきておりますけれども、ほんとうにこれはよくよくの場合、二つか三つぐらいしかないことで、ことに私どものお預りしております公務員の給与に関連してそういうことが起こったということは、私はもう前代見聞のこれはたいへんなことだろうと思います。決してこれは軽々しい問題ではないと思います。結局、まあ言いたいことを言わしていただければ、その被害が人事院にまで及んだということになるわけであります。
そこで今月の十七日が、人事院規則によって厚生省関係の職員の方々に四月分の給与をお支払いする日であるということがきまっているわけです。そこで、経験を申し上げるようなことになりますけれども、だんだん法案のほうの情勢があぶなくなってきて、一体十七日に支払いができるかどうかという危険性が濃厚になってきた。私どもは、やはり公務員諸君のお立場を常に考え、その利益を保護していかなきゃならぬ責任を持っておりますから、百方手を尽くして、万一食い違いが起こったような場合に、一体手当てをする方法としてどういう方法があるかということで、大蔵当局——厚生当局はもちろんでありますが、大体大蔵当局との間に接触を重ねて、私自身も、これは内閣法制局にもひとつあれしなきゃいけまいというわけで、私自身、法制局の、長官は閣議でいきませんでしたが、次長に会いまして、ぜひ何とかしてもらわないと困るということを申し入れたわけです。それで、そういう努力を重ねながら十六日のとうとう晩までに至ったと。われわれとしても軽挙妄動するわけにいきませんから、事態をとことんまで突き詰めた上で態度をきめたわけです。
要するに結論は、いまの予算と法律との食い違いが生じたということは、もう当時の事態においては厳然たる、明白なる、これはもう客観的な法律的な事実なんで、そういう法律的な事実がそこに発生し、しかも他にしかるべき手当ての方法が当時としては考えられないという以上は、これをほうっておきますと、十七日の支給日にお金が出せなくなる。そして、結局それはずらせて他の日になる。ところが、国家公務員法——一般職の職員の給与法ですか、とにかく給与の支払いについては非常に厳重な態度で臨んでいるわけですね。払うべきものを払わなかった、あるいは、払うべき日に払うべき法令に違反して支払いを拒んだものというようなことは、たしか三年間の懲役とかなんとかの厳罰をもって臨んでおる。そういう罰則の働き得る事態が発生するわけでございます。その罰則も、内閣の閣員諸公が処罰される、これも公務員法にありますけれども、そういう罰則ならまあ——まあ、これはちょっと語弊がありますから言わぬことにしておきますけれども、この罰則の対象になるのは、給与の支払いの当局者——現場にいる、がこういう処罰を受けることになる。これを放てきして、そういう人がまさか現実に処罰されるとはそれは思いませんけれども、罰せられ得る状態というものを放置できるかどうかということを考えますと、ここはやっぱり人事院の責任というものがそこへ出てくるわけです。何となれば、十七日に支払うということはわれわれがきめたんですから。そこで、そういう関係をも考慮した上で、現実はもうやむを得ざる事態であるということで、厚生大臣のほうから承認を求めてこられれば、そこで判定して他の日にちにすることもやむを得ないだろう、そういうことに尽きるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/4
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005・山崎昇
○山崎昇君 いま総裁から、たいへん心配をされ、苦心をされていろんなことをやられたということについては、私は了解してもいいと思う。ただ、あなたの説明をいま聞いていると、公務員の立場に立っていろいろやられたということですが、この規則の改正で、一体公務員が何の実益がありますか。何の実益がこの改正によってもたらされますか。一つもないではないですか。実益をもたらしたのは、俸給の支払いをやれなかった厚生大臣だけが実益あって、公務員は何にもないじゃないですか、これは。そういうことをあなた方が、ただ法律的な技術ということだけでやることについては許されない。総裁がそれだけ言うなら、一体給与を受けるべき公務員はどういう実益があったのか、証明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/5
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006・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) ですから公務員のことをも考えてということは、先ほど前段に申し上げました、百方手を尽くして、とにかく現金がその日に手に渡るような方法ということで、百方努力したということがそれにつながるわけであります。先ほどは申し落としましたけれども、この規則の決定と同時に、大蔵大臣、厚生大臣にあてて、われのほうから勧告という——この間の話のようなそういう形は実はとりませんでしたが、ほとんど勧告と近い内容の相当強い要望を述べまして、とにかく公務員のために何とでも取りはからっていただきたいということを大蔵、厚生両大臣、別々に出しておるわけです。そっちのほうが最初に申し述べました、またいま御指摘の点に触れるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/6
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007・山崎昇
○山崎昇君 ほんとうは大蔵大臣と厚生大臣をここへ来てもらって、私はいろいろ追及しなければなりませんが、私が官報を見たのはゆうべですから、そういう時間的余裕がないから、勢い苦心をされておる人事院総裁を追及するかっこうになっているのですが、私もそれは本意ではない、ほんとうは。しかし、あなたが何と強弁しようとも、この問題が発生しかけたときに、大蔵省は、これは金がないのだから支払っちゃいけませんということをわざわざくぎを刺されているのです、厚生大臣に。だからあなたは幾ら苦心されたからといっても、政府部内では何にもやられていない。大体法律案が十六日に通りそうもないからたいへんだということを、あわてて実情をあなたのほうに泣き込んだ。そこで、あなたのほうは、いま答弁ありましたように、厚生大臣を処罰することはどうもやっぱりぐあいが悪い。だから人事院規則を変えて何とかそれを救ったらどうだろう、こういうことにしかすぎないじゃないですか。
そしてもう一つ重大なのは、人事院総裁は、こういうことをきめたのは人事院だから私のほうの責任もありますと、こう言う。この規則の改正によって責任のがれやっているのはあなたと厚生大臣だけであって、何にも職員については実益がない。実益のないことをあなた方は、さもさも公務員の立場を考えたような言い回しで言うことは、私はどうしても了解できない。特にこの問題はよく具体的に私は聞きますけれども、それじゃ十七日に職員が給与がもらえぬために、どこかから金を借りて何かやった場合はどうなりますか。それに対する利子とか、そういうものについて、人事院、保証できますか、保証できますか、厚生大臣は、そういうことについても。私は香川県だったか、二、三電話が参りまして、いろいろなことをやっておることも聞いております。互助会から所長が金を借りてやってみたり、あるいはその他のところから、もし金が必要ならば貸して上げますからお借りくださいというようなことを言っているということも聞いている。しかし、それはあくまでも便法にすぎないのであって、本人の責任みたいになっておるのですから、私はこの人事院規則の改正というのは、どうしてもあなた方の責任のがれにすぎない、これは幾ら読んで見ても。
さらに総裁に聞きたいのは、この規則の改正案の内容を見るというと、「厚生省所管の国立療養所(らい療養所を除く。)に勤務する職員の昭和四十三年四月の俸給を特別の事情により第一条の三に規定する俸給の支給定日に支給することができないときは、当該職員の同月の俸給の支給定日は、同条の規定にかかわらず、厚生大臣が人事院の承認を得て定める日とする。」、こうなっていますね。そうすると人事院規則というものは、特定の事件について特定なきめ方をするということになったら、私はたいへんだと思う。人事院指令なら、行政執行上の具体的な事件についてあなた方が判断を下すという、それなら私はまだわかると思う。しかし、少なくとも人事院規則というのは、一般原則なり、一般的な問題についてはかり得る、災害その他に備えての例外規定その他を設けるならば、私は規則の重要性というのもわかるけれども、特に問題になるのは、中身で言えば三点ある。厚生省所管の中で、国立療養所の分、そして四十三年の四月の俸給、そして厚生大臣の定める日、一体規則の権威どこにありますか。あまりにも私は政府と言いますか、人事院と言いますか、この規則の制定権なり改廃権というものの乱用じゃないですか、これは。そしてこんなものをやったところで、予算がないんですから、何の職員に実益もない。不利益をこうむっているのは職員だけである。それに対する保障的なことは大蔵省は何も考えておらない。厚生省も考えていない。いわんや人事院は心配をしているというだけで、何も具体的には考えていない。何とかこれで切り抜けられるなんて思ったら大間違いです。もう一回人事院総裁の見解を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/7
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008・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いまのお尋ねの中のおことばに、ほっておくと厚生大臣が処罰されるから規則を出したんだというおことばがありましたけれども、私が申し上げた趣旨はそうではないんで、厚生大臣が処罰されるならともあれと、まあはっきりとは言いませんが、ともあれ、現実に処罰の対象になるのは現場、現場の給与の支払いの管理者ですよと、そういうこともありますから、そういうよけいなことを先に申し上げたものですから、それがそういうようなおことばになって出てきたものと思います。厚生大臣が処罰されるために出した規則ならたいへんなことです。ですから、そういうことをあらかじめはっきりさしておきたいと思います。
それから職員の利益の問題は、それはもうおっしゃるとおりなんです。もうこれは法律的な措置の面だけでございますからして、これによってお金がわいてくるものでも何でもない、それはおっしゃるとおりだと思います。したがって、これに並行してお金をぜひ出していただきたい、何とか手当てをしていただきたいということを事前事後にわたって大いに努力をいたしましたということでありまして、なおお金の点は、先ほどおことばにありましたように、大蔵大臣なり厚生大臣、そっちのほうからあるいは直接お聞き取りいただく以外にない。私どもは横から努力いたしましたということを申し上げるにとどまり得るわけです。
それから最後に具体的な問題、これはまあまことに法律的に精緻な御議論だと思います。一般的の問題として規則は処理すべきで、具体的なことを押えるのは筋違いじゃないかということでございます。これはテクニックの問題としてはまさにそういう御批判もあり得ると思いますけれども、私どもは、これは御承知のように法律の場合でも附則とか経過規定の場合には、実に具体的なものを、会社の名前まであげて、これこれについては従前の例によるとかという例がございますように、人事院規則の場合には、これはむしろ法律よりも下級なものであって、いまおことばにありました指令にむしろ近いような面も持っておりますから、これを見れば、まあ一応わかるようにということから、他の例としても相当具体的な形であげておるものもございますから、その点はまあお許し願えるんじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/8
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009・山崎昇
○山崎昇君 人事院規則が法律を改正するものでないことは私もわかります。しかし、少なくとも人事院規則というのは、国家行政組織法上の効力から言えば、私は政令、省令に匹敵するものだと思うわけです、これは。そうでなければ人事院の独任制でこれだけ独立的な存在価値というものはなくなると思うんです。それだけ私は権威のある規則なんですね、これは。そして事実上これは支払う側も拘束されますけれども、支払われるほうも拘束を受けるわけですね、その規則によって。ですから私は先ほど来、この規則の権威ということから言って、軽々しく特定の事件について、そして便法上どうにもこうにもならないから、こういう規則を変えたのが実情じゃないですか。ほかにやりようがないからしかたない、あなた方は、人事院規則の十五条にこんな追加条文をつけてやっていると私は思うんです。もしもそれなら、四月の俸給が何日か知りませんけれども、払われたら、この十五条は事実上意味がないんです、これは。あなた方が苦心してつくったこの十五条は、その日からこれは自然消滅みたいな条文ですね。そういうものを私は規則でやられるということについて、まず第一に法技術上から納得できない。ですから、もっと言えば、指令等でやる場合ならわかるんですが、そういうことはできない関係にあるから、これ以上は言いません。私は人事院規則の権威から言って十五条の改正は疑問がある、こういうことをまず指摘しておきたいと思います。
そして私は、少し極端な言い方ですけれども、受ける側の公務員は何の利益もない。そんな何ぼあなたのほうで言っても、この規則を変えたことによって職員は何の利益もない。ただこれは俸給の遅配を合理化したにすぎないじゃないですか、この規定は。これは厚生大臣だけが処分されるのか、末端の人も処分されるのか知りませんが、そういう処分だけは何とか免れたい、こういうことだけにしかすぎない。だからもっと言えば、遅配の合理化であって、口ぎたない言い方をすれば、警察の署長さんとどろぼうと合意でどろぼうをやっているようなものです、これは。もっと言えば国家権力の乱用だと思う。しかし、そこまで言えば言い過ぎになるかもしれませんよ。しかし私は、職員の気持ちからいったらそれくらい言っても言い過ぎではないと思う。こんなことが人事院規則でたびたび変えられて、そしてその大臣が適当にきめる日に俸給が払われるようになったら、何のために人事院規則の一条の三があり、国家公務員法の十八条があり、給与法の第九条があるのか。法律は事実上これによって形骸化されるのじゃないですか。そういうことを人事院が規則の改正だなんということで簡単にやることに私は承服できないんです、これは。あなたがどんなに苦心されておる、あるいは一生懸命やられておることは、私は別な意味で評価します。しかし、法律的に言ったら、あなたのやっておることは、これはどうしても承服できない。何の実益もないし、ただ国家権力のやり方を合理化しただけにすぎない。そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/9
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010・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 趣旨は先ほど申し上げたとおりでありますけれども、最初に私どもが実は被害者だと申し上げたのは、二つの点において被害者である。いまのわれわれのおあずかりしておる公務員諸君に支払い期日に給与が行き渡らないという点において、われわれとしては百方努力をしましたけれども、まず昨日の十七日の日は過ぎてしまったということが一つであろうと思うのです。それからいま盛んに御追及をいただいておるような規則を出さざるを得ないことになったということは、一つのあるいは被害者であろうと言ってよろしいと思うのです。しかし、それはなぜそうなったかという理由も、最初に申し上げましたように、これは単なる事実上の問題じゃなしに、国会で御審議いただいておる特別会計法案というものと、すでにそれに関係する特別会計法の予算がもう成立してしまったということは厳然たる事実です。これはもう法的に争うべからざる事実であります。それをわれわれとしてはそのままほっておいていいものかどうかということになりますと、たまたま十七日に支払うということを規則できめておる。これは法律できめてあれば、ぜひ支払ってくださいということを宣明すればいいわけです。われわれのおあずかりしている規則の面でも大きなしわ寄せを受けて、ほっておいたら処罰を受ける状態にある。これをほっておいたら責任問題です。したがって、われわれはこの種の措置をとらざるを得ない。それによってお金がわいてくるものでないことは十分わかっておる。そういうことはたびたびあってしかるべきことではない。そこで、先ほどおことばにありましたように、こういうことを個別に一々書くことはどうか。たとえば離れ島で船がおくれた場合に給与を支払えないこともあるだろう。いろいろなそういう類似の場合もあるだろう。そういうことに処置すべく、特別にこういう事情があるときは、何か一本人事院規則に入れておけば、これは非常に便利だろうと思う。あるいは法制の形としては、それのほうが見たところかっこういいと思う。それはまたお話のとおりいろいろなまた乱用のおそれが出てきやせぬかということで、ぎりぎりにこれをはっきり書き出す、描き出すというほうが、あらゆる面において効果があるのじゃないかという意味においてやったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/10
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011・山崎昇
○山崎昇君 人事院総裁の私は苦心は苦心で、何べんも申し上げますが理解をします。しかし、いまあなたの答弁の中に、ほっておけば処罰をされるような状態になっておるから、そういうものは人事院は黙って見ておられません。それなら、なぜそれくらいきつい規則をつくっているんでしょう。ですから、私はほんとうは厚生大臣、大蔵大臣をここへ呼んで政治責任なり、それから給与の支払いについての責任を追及しなければならないと思うのですが、そういう時間がないから、主としてあなたに法律的なことで聞いているわけです。
それじゃ人事院総裁にもっと具体的に聞きますが、この規則を改廃をして、そして大蔵省なり厚生大臣は、これに基づいていま現実的にどういう努力をなされて——あなたのほうで掌握されている限りでけっこうです。そうして被害を受けている公務員は、どういうふうに救済されようとしているのか。これはあなたに聞くべきことではないかもしれないけれども、あなたの承知している限りでお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/11
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012・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) まさに私にお尋ねいただくよりも、そのほうの責任当局にお尋ねいただくのが適切だと思いますけれども、私どもは、先ほど申しましたような観点から、終始怠らないという立場から、たとえば厚生省において、これは新聞にもちょっと出ていますけれども、共済のほうの手当を何とかできないものかということで四苦八苦しておられるというような情勢はつかんでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/12
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013・山崎昇
○山崎昇君 いや、それは私もけさ新聞で見ています。しかし、少なくともあなたが規則を改廃をして、そうして聞くところによれば、かなりきつく厚生大臣なり大蔵大臣にあなたは申し入れたというのだから、それならば厚生省としてはもっと具体的に、たとえばいま金を借りる措置にしようが、何にしようが、十七日の晩まで間に合わないなら間に合わないけれども、十八日じゅうには何とかなるんだとか、それくらいのあなたは情勢の把握があってしかるべきじゃないのですか。ただ、新聞報道されているようなこの程度のことなら、私は聞かぬだってわかっている。ですから、もう少し具体的に、これはもう給与を受けるほうは真剣なんです。そういう気持ちを、あなたがほんとうに公務員を守る立場の総裁なら、もう少しそういう具体的なことについて掌握をして、しかし言えぬことがあるならけっこうですけれども、もう少し具体的に説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/13
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014・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 私は新聞に出る前から知っておったのでありまして、たまたまいまのタイミングが新聞に出たあとになりましたから、古いことを申し上げたようなことになって、迫力がはなはだなくなってしまったわけでございますけれども、いま申し上げましたように、四苦八苦やっておって、あしたくらいは何とか現実のお金——俸給としてはこれはむずかしいでしょう、出ないでしょうけれども、共済その他のほうから、あしたじゅうには何とかという可能性が目にだんだん浮かんできているというようなことを情報として知っております。それ以上はやはり大蔵大臣なり厚生大臣に単刀直入にお聞き願ったほうがいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/14
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015・山崎昇
○山崎昇君 重ねてお聞きしますが、いま地方ではたいへん困って、所長さんみずから自分でどこかから金を都合してきたり、さまざまなことをやっているようですね。そこで、これはあなたの見解として私は聞いておきたいのですが、職員が互助会から金を借りる、あるいは共済から金を借りる、そういうことで、国家のこういう不手ぎわを職員が全部背負い込んで、そうして不利益をこうむるわけですね。その場合に、不利益をこうむった分について職員から要求があった場合に、人事院としてはどういう措置を厚生大臣なり大蔵大臣にやらせようとするのか、あるいは人事院としては、どういう補償的なことを考えておられるのか、あなたの見解を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/15
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016・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) ただいまの段階において申し上げ得ることは、不利益にならないように四方八方手を尽くして善処していただきたいという形で強く申し入れているという段階でございまして、いまお話のような具体的な問題になりますと、またこれはその処置のついたあとで考えてみませんと、ここで責任ある御答弁はできないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/16
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017・山崎昇
○山崎昇君 ですから、私もまだ借りて補償してくれという要請も何も受けたわけじゃないんですよ。しかし、事態としては想定できるわけですね、これは。ですから、その場合に、それでは人事院としては、あなたが責任を持って利子補給させるとか云々とかできないでしょうが、少なくとも、こういうことによって損害を受けた公務員の損害補償については、人事院としては、それは受けた公務員の責任にならないようにするということだけはあなた約束できますか。それだけのことは厚生大臣なり大蔵大臣にさせるということだけは、あなた約束できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/17
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018・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これは正直に言って、ここではっきりお約束申し上げる筋合いにないと思うのですけれども、人事院でそういう方面に出していい予算を、あるいは金を持っておれば、それは自腹を切ってでもやりますという大きなたんかを切れるわけですけれども、これは遺憾ながらそれはできないということになれば、やはり大蔵、厚生、関係大臣に強く要請するほかにないわけです、相手仕事でございますから、われわれのほうとしては、極力強く要請をする、その努力を重ねているし、重ねますということまでしかはっきりここでは申し上げられないと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/18
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019・山崎昇
○山崎昇君 だいぶ時間もたちましたから、そろそろ集約していきたいのですが、いずれにしても、いままでのあなたの答弁をずうっと総括してみると、やはりこれはどうにもこうにもならなくなって、人事院も被害を受けた立場だけれども、厚生大臣やその他、国家の責任者を助けてやったと、それにしかすぎないと思うんです。そうして最後にお聞きしたいのは、この十五条の最後にありますように、「厚生大臣が人事院の承認を得て定める日」と、こうありますね。そうすると、厚生大臣はいつになるかわからないのですね。いつになるかわからない。そういうことも人事院は、これ認めるのですか。月給払う日を厚生大臣がいつになるかわからない。人事院もわからない。ただ、厚生大臣がいついつにしますよ、したいと思いますといえば、人事院は承認をするのですか。そうすると私はお聞きしたいのは、人事院の承認の基準というのは一体何ですか。ある程度基準がなければ、あなたのほうでこれ承認をするといったって、無手勝つでやるわけにいかないと思う。ですから最後の項にある「厚生大臣が人事院の承認を得て定める日とする。」、この内容はどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/19
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020・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 支出が可能であるに至ったにもかかわらず、期日をきめないという場面と、数日間は支出はやはり不可能であるという場面とあるわけです。可能であるにかかわらず支出しないと、そんなばかなことはこれはおそらくないと思いますけれども、それがはたして可能になったかならないか、やはり依然として不可能であるかどうかということが、われわれの認定の一番基準になると思います。大体この規則を出します前に、先ほど申しましたとことんの十六日の午後十二時近くになるまで出す可能性がないということは認めておりますけれども、それから先のことは、今度は厚生大臣が当局者でありますから、これはそのほうの責任であらゆる努力をしてもらわなければなりません。早く国会を通すということもあるいはあるかもしれませんし、別の立法を出すということもあり得るのですから、その努力をしていただくことはもちろん含んでおりますけれども、そうして出るようになったら、さっそく定日をきめてもらう、そういうことが基準になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/20
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021・山崎昇
○山崎昇君 そろそろ私本題のほうにもう入らなければいけませんから、これ一点でやめますが、いずれにしても、人事院総裁に政治的な点にまで介入してどうのこうのということまで私ども聞けませんし、また、お答えはできないと思いますが、ですから、いずれはこれは厚生大臣なり大蔵大臣に私は責任追及しなければならないと思いますから、その点ははずしますが、ただ、いずれにしても人事院は、あなたの説明された、公務員の立場だとか、あるいは公務員に不利益を与えないためにだとか、いろいろなことを言われたけれども、この規則の改正は、何にもそれによって効力があらわれてない。何にもならない改正であったということですね、結論からいえば。ただ、先ほど来言っておるように、支払い側の責任の回避をやはり法律的にそれを認めてやる。いわば、犯罪とまで言いませんけれども、罪を犯した者の罪を合理化するために人事院規則を変えてやった。あなたのほうは片棒をかついだ。被害者であったかもしれないけれども、私どものほうからいえば、片棒をかついだ結果になっておる。そして現実的には——それは私の見解ですよ。現実的には、公務員はこれ何にも実益ないわけですから、以後こういう便法といえどもこんなやり方のないように、私は給与の支払いについて人事院はもっときっとした態度をとってもらいたい。そして場合によっては、処分するならしなさい、罰則があるのだから。俸給の支払いについてこれほどきつい罰則がついているのです。ですから私は、あなたを幾ら責めても、これ以上のことにはなりませんけれども、やはり給与をおくらさせられておる職員の立場からいえば、どうしても私はこの人事院規則は納得できないのです。最後はきついことばになりましたけれども、真剣にひとつ今後考えて、再びこういうことのないように人事院としては考えてもらいたいし、それからあすぐらいまでには何とかなるだろうというあなたのお話でありますけれども、とにかく極端に言えば、一時間でも早くこういう事態を解決されるように、再度ひとつ厚生大臣なり大蔵大臣に努力をされるように、あなたのほうからきつく言ってもらいたい。そういうことを要望して私のこの質問を終わります。それについてあなたから何か決意表明でもあれば伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/21
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022・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) とにかく政治的にどうこうということばがちらちらと見えますけれども、そういう要素は全然入っていないことは、私の御説明で十分わかると思いますし、けさの新聞あたりには、朝鮮大学校の問題に関連して、行政に適してという表現がありますが、そのことばを借りるならば、法律に適してやったことであって、われわれとしては、われわれの責任をここで法律的に果したという以外の何ものでもないということをはっきり申し上げさせていただきたいと思います。今後の問題については、やはりこういう不幸な事態は、法律と予算とが食い違うとかいうようなことは、これはほんとうに歴史的にまれな例なんですから、こういうことが決して起こらないようにくれぐれもお祈りする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/22
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023・山崎昇
○山崎昇君 それじゃこの問題はこれで終わりたいと思います。
それで、国家公務員の災害補償法のこの前から多少残っているあと二、三点、私のほうからお聞きをしたいと思います。
政府から出された資料を見ておるのですが、たいへん件数も多いようですし、それから意外に国家公務員の公務災害が多いというふうに私ども感ぜられるわけです。そこで、まずお聞きをしたいのは、事故発生をしてからそれの補償がきまるまで、これは個々のケースによって私はかなり違うと思うのですが、おおよそ平均したらどれくらいの期間を要しておるか、お聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/23
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024・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 現実に公務災害が起こりまして、それに対する補償の給付は、各実施機関である省庁が行なうわけでございますが、おおむね二週間程度で補償を行なっているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/24
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025・山崎昇
○山崎昇君 私どもが聞いているのとはかなり違うわけです。もちろんいま申し上げたように、公務災害の内容にもよりましょうし、それから発生した場所にもよるでしょうし、いろんな私は個々の違いがあると思うけれども、私ども聞いているのでは、そんなに早く公務災害が決定されて本人が救済されているとは聞いていないのです。少なくとも、まあ事件によりますが、ちょっと大きい事件ともなれば一、二年かかっておるというふうに聞いておるわけです。ですから、いま職員局長から二週間程度という話ですが、これは少し私は調子のよ過ぎた答弁ではないかと思うのですが、もう一ぺん確認の意味で聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/25
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026・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 一口に災害と申しましても、いわゆる外傷性の災害とか、あるいは疾病の問題がございます。おおむね負傷したような場合にはわりあいに判断が簡単でございますが、疾病のような場合になりますと、はたしてその執務からくる疲労、そういうものが原因して病気になったのか、あるいはその方の身体的な条件といいますか、そういう素因があってなったのか、その辺の判断がいろいろやはり専門的な医者に待たなければ簡単には結論が出ない。したがって、そういうようなケースにつきましては、往々にしてただいま御指摘のような非常におくれる場合もあるのではないか。私の申しましたのは、主として負傷によるものは、非常に簡単に、明らかに公務であると認定できるものについては、非常に早く実施しているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/26
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027・山崎昇
○山崎昇君 そうすると一番日数のかかったのはどれくらいですか。これは極端なことを言うようですけれども、このあとに聞きたいことと関連するのでお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/27
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028・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 各省におきまして非常に判断がむずかしい場合には、人事院の協議を得るということになっております。そういう私どものほうに参っております案件についてかなり古いものもございます。たとえば一年以上たっている場合もたまにはございます。したがって、災害が発生してからその実際に給付を行なうまでの正確な日というものはちょっと申しかねますが、一、二年おくれる場合もまれにはあると、こう申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/28
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029・山崎昇
○山崎昇君 いまのお答えに関連して私がお聞きしたいと思うのは、かりに事故が発生して、そうして一、二年かかるとしますね、そうすると発生前三カ月の平均給与で補償額は決定されるわけですね。この問に公務員の給与が上がったり、世の中がどんどん変わっていくわけなんですが、規定によると、平均給与の百分の二十が上がらなければ改定されないのですね。そうすると事実上こういう規定はあるけれども、一、二年もかかって災害補償が決定される場合には何の意味もなさない。さらに本人は災害補償の決定を受けたときには、それによって満足な生活ができない、こういう事態が私はかなり発生しておると思うのです。そういうことについて、平均給与の二〇%アップの問題と関連をして、これはスライドの問題ともちろん関連してくるのですが、あなた方の見解を聞きたいのです、どうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/29
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030・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) その問題は、先般も申し上げたかと思いますが、確かにそういう問題はございます。ございますが、これは法律の規定にもございますように、その平均給与額が著しく公正を欠くというような場合には、その額についてある程度修正するということも法的には可能である。したがって、労災保険法のように二〇%の増減によって改定するという規定はございませんが、実際問題としてはそのようなスライドは行ない得ますし、また、ある程度そういう場合は現実問題としても、十分その損失が起こらないようにわれわれとしては配慮していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/30
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031・山崎昇
○山崎昇君 重ねて確認しておきますが、事故発生から災害補償の決定までかなりの期間があるような場合には、本人に不利益にならないように、平均給与その他の問題について処置いたしておる、こういうふうに確認しておきますが、いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/31
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032・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/32
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033・山崎昇
○山崎昇君 それでは次に移りたいと思うのですが、災害補償法の二十二条の第一項の第五号に、福祉施設として「その他必要と認める施設」というのがあるのですね。この問の委員会であなたから、休業援護制度というのはこの二十二条の五号によって何か設けられているということですが、そこでお聞きしたい第一点は、二十二条による施設という定義は、こういう基金制度も施設になるのかどうか、私は違うのではないかと思うのですが、施設の見解についてまずお聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/33
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034・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 確かに二十二条の福祉施設ということばからくる語感といいますか、何か物的な設備、建物、そういうものを通常施設と、したがっていま言ったような援護金制度というようなものは、あるいはこれに入らないではないかという御質問はごもっともだと思うのでございますが、私どもとしては、福祉施設というのは、あくまでも補償の効果をより全からしめるために国がサービスとして行なう支援的な給付と申しますか、そういうことから、なるべくこれを広く解しまして、この施設というものは施策並びに設備というふうに解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/34
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035・山崎昇
○山崎昇君 そこで、広く解釈されると言うんですから、それは一応了として、休業援護金制度というのは、どういう内容で、そしてどういう運営の方法がとられておるのか、概略でけっこうでありますが、御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/35
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036・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) まずこの常勤職員が在職中でございますと、病気休暇、または休職によって、給与の全額が払われるわけでございますので、問題がないんでございますが、退職後に休業補償という規定がございまして、百分の六十の率で支給されると、ところがわれわれとしましては、百分の六十というのは共済なり、そういう他の制度を見ましても、やや低いんではないかという趣旨から、常勤職員につきましては、さらにそれについて百分の二十の——平均給与額でございますが、百分の二十の上積みをする。それから常勤的な非常勤につきましては百分の十、上積みして、休業補償にプラスして、その生活を十分めんどうを見る、こういう趣旨でつくられたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/36
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037・山崎昇
○山崎昇君 そうすると、休業援護金制度というのは、これはどういう性格のものですか、私よくわからない。たとえば公庫なんですか、金融機関なんですかね、性格としてはですよ。これは国が出資をしているんですか、全額。だれが金を出して、だれが管理をして、どうなっているのか、私どもわからないもんだから、そういう内容について、こまかに要りません、概要だけひとつ知らしてほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/37
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038・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 公務災害の給付の金は、公務災害補償費という項から出るわけでございます。しかしてこの福祉施設もそれに合わせて計上してございます。したがって、各省庁の予算の中で、公務災害費の中から支給されるものでございます。別にただいま御指摘のような金庫であるとか、そういう性格のものではございません。あくまでも予算に組まれている項から支出されるものである、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/38
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039・山崎昇
○山崎昇君 そうすると、私はこの援護金制度というのはおかしい制度だと思うのですね。予算に休業関係予算として組みながら、そこから何か各省大臣がこういう基金に金を出す、そうでしょう。ですから、そうすれば、私はおとといもあなたに言ったように、なぜ本俸そのもので考えなきゃならぬようなものがあるのに、そしてその予算があるのに、別な基金なんていうところへ金を出して、そしてそこから、あなたは百分の二十と言うけれども、これを見るというと六十分の二十ですね、金を出す。そして私はこれは人事関係法規集覧の抜粋でありますけれども、中身を見ると、ややこましい手続をとらなきゃならない。災害を受けた者はまたこっちへいろんな手続をとらなきゃならない。あなたのほうが自動的に災害補償法を発動したものについて、そこから通知をいったら、援護基金のほうからその人に金がくるなんて仕組みにはなっていない。申請をしなきゃならぬですね、この内容を見るというと。どうしてそんなことが必要なんですか。何かあなた、麗々しく事務総長の名前で通達が出ていますけれども、どうして予算に組んでいる休業補償そのものできちっとした補償ができないで、そんなわけのわからないようなところから、金が余ったか余したか知らないけれども、そういうところへ金を回して、別なこういうものをつくって、そしてあたかも合わせて災害補償をしているのだというような言い方は、私は納得できないのですよ。こういう援護基金制度というのは必要ですか、これ。あなたに聞きますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/39
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040・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御質問の中に、私が先ほど平均給与額の百分の二十、それはここに六十分の二十と書いてあるではないかということでございますが、これは休業補償の日額の六十分の二十でございますので、この休業補償の日額というのが平均給与額の百分の六十ということになりますので、したがって、この額というものは平均給与額の百分の二十になる、こういう意味で申し上げたわけです。
それはさておきまして、確かに制度論としては、いまお話のようなこともあるいは考えられると思いますが、やはりこういう制度というのは、他の諸制度との均衡というものを考えなければなりませんので、この種の休業補償、または労災を見ましても、すべてこれは百分の六十になっております。したがって、そういった他の均衡においては、まさに一応均衡がとれているのでございますが、先ほど申しましたように、特に国としてそこまでサービスをするのが適当ではなかろうか、こういう趣旨でこれをつくったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/40
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041・山崎昇
○山崎昇君 そうすると局長の答弁では、福祉施設にならないじゃないですか。本来ならあなた方のものの考えの中には、災害補償法に基づいて国家がきちっと補償しなければならないのだけれども、ただ、まあほかのほうとの均衡があってぐあいが悪いから、別にわけのわからぬものをつくって、そこからそっと金を出して合わせれば災害補償になるという、少しいやな言い方ですけれども、そうとも受け取れる。ですから私は、そして先ほどの御説明によると、ちゃんと予算の中にある。その予算の中からわざわざこういうものをつくる。これが私は事務的にもっと自動的にいくならまだ理解をしてもいいと思うのだが、そうでない。これを見るというとかなりいろんなことを申請しなければならないのですね。だから二重にも三重にも公務傷害を受けた者が足かせ手かせ、あるいは事務的に手続上複雑なことをやられている。そしてもらうまでにはかなり日にちがたっている。これでは福祉施設なんということになりませんよ。ですから、これはここでいますぐあなたになくせと言ったって、これはどうにもなりませんが、一昨日の委員会の質問と関連して、こういうややこましい制度はやめて、国家が満度にやはり休業補償なら休業補償、その他の補償を、責任を持って補償するという態勢に直してもらいたい、こう思うのです。これは要望もかなり含んだ質問になりますが、それについての見解をお聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/41
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042・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 前回からのお話は一々ごもっともと思ってきょうも承っているわけです。いま局長がお答えしましたように、そういうお気持ちを体しながら、遺憾ながら援護金制度という形でこれは出ている。もう一息はっきりさせぬかというお話なんで、終局的の目標としてわれわれがねらっているところと共通なんであります。したがいまして、いまの御趣旨の方向において、実はわれわれとしては、これはワンステップと考えるべきであろう、こういう気持ちで臨んでおりますし、そういう方向でなお検討していきたいという気持ちでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/42
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043・山崎昇
○山崎昇君 それから、関連して援護金制度の内容を見ますと、非常勤も一部含まれるのですね。ところが、これはほんとうは非常勤制度ですね、任用上の問題で別にお聞きしなければなりませんが、ちょっと関連してお聞きをしたいのは、実際上は私の承知している限りでは、十二カ月の採用者がほとんどないと思うのですね。ほとんどない、非常勤というので。一部ありますが、ほとんどない。もっと具体的に言えば、四月の二日に採用を発令して三月三十一日に首切るわけです。そして一日置いてまた四月の二日に採用して、三月三十一日に首切っておる。それで一年未満だからというので。退職金は払っておりますが、そういう形にして、事実上ここに書いてあるような引き続いて十二カ月以上雇用されないような任用上の仕組みをとっておる。だから援護金制度で、事実上十二カ月以上こえたものについてはこういうことをやりますよと書いても、絵にかいたもちなんですね、これは。これは別な機会にまた非常勤制度の問題について私は詳しくやりたいと思いますが、関連していまお聞きしておきますが、実際にはこういう規定をつくったって何にも運用されないのですよ。ごく少数の人の適用者はおるかもしれません。だからそういう意味から言うと、この非常勤の問題については、これについてももう少し私は考えてもらいたい。少なくとも人事院規則でいっておる六カ月なり、あるいはその他のところまで基準を下げなければ、事実上あなた方が幾ら援護したいと思っても援護できないですよ。そういう点について、私はいますぐの問題ではありませんが、ぜひこれお考えおきいただきたい。この点は総裁どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/43
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044・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これもごもっともな御意見だと思いますが、いまあらかじめ予測されましたように、非常勤問題そのものをじっくり検討して追及していただいてからの問題だろうと実は思います。たとえば非常勤の方が、そう実際上長くなって、常勤と同じような実態を備えることになれば、むしろ常勤化、職員化することが筋なんでして、そういう基本的な実情に触れてのこれは問題だと思いますが、あとの御議論をひとつ楽しみにしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/44
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045・山崎昇
○山崎昇君 たいへん総裁から前向きの答弁ですから、この問題はいずれ機会を見て非常勤問題は私はやりたいと思うんですが、次に質問を変えてみたいと思います。
災害補償の附則の第六条の第一項を見ますというと、これは先般の改正で入った規定だと思うのですが、法施行の日から五年以内に公務災害受けたものについては、半分ぐらいは一時金で出します、それで残った分は年金でやりますと、こうある。私はその当時の審議に参加しておりませんから、なぜ五年ということをきめたのかもわかりませんし、それから、どうして五年でなければならぬのかという理由もわからないし、もしもほんとうにあなたのほうの解説にあるように、入っている公宅からも出なければならぬ、あるいはその他一時的なかなりな金がかかるであろう、そういう配慮で附則の第六条の第一項ができたとするならば、これは将来にわたってもこういう措置をとらなければならないものと私は思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/45
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046・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 将来にわたってもというお話がございましたけれども、私どもこれ考えましたのは、やはり職員の方がなくなって、遺族の方がとたんに生計に苦しむと、やはり相当の出費がいろいろあると思いますが、年金にいたしますと、たとえば遺族の方の家族構成が、配偶者と子供二人ということになりますと、平均給与額の百分の四十でございます。そういうことになりますと、その年金で当座の出費をまかなうということは、実際問題としてむずかしいのじゃないかという親心でこれを実は設けたわけでございます。そうかといって、これをもっと長くいたしますと、一時によけいに使ってしまうということもございますので、その辺はおおむねこの程度が妥当ではなかろうかと、こんなようなことでこの制度を設けたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/46
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047・山崎昇
○山崎昇君 私の聞いているのは、「この法律の施行の日から五年以内に職員が公務上死亡した場合における当該死亡に関し、」でしょう。ですから私はせっかくあなたのほうに親心があって、遺族がたいへんだろうというならば、五年という時限立法みたいなことは必要ないじゃないですか。当然五年以後の人にもこういうことがあっていいのではないですかという趣旨で聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/47
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048・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) まさにこの規定は暫定的に五年ということになっておりますが、私ども決して五年でこの制度も将来は見ないのだということではないので、しばらくこの規定を設けて、実際の運用を見ながら将来にわたっても検討していきたい、したがって当然五年たった暁にこれをどうするかということは、その時点で再検討して、将来にこの措置をさらに延ばすかどうかということは、いろいろな角度から検討してみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/48
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049・山崎昇
○山崎昇君 そうすると、繰り返しの意味でもう一ぺん聞きますが、一応時限的にこの規定は運用したい、しかしそのほかにいろいろ検討されて、できるならば、結果がよければこれははずして将来ともやっていくのだ、そういう意味の考え方だというふうに理解しておきたいのですが、いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/49
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050・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/50
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051・山崎昇
○山崎昇君 それから重ねてお聞きをしたいのは、一時金の出し方ですが、見ますというと、何か四百日分ぐらいになっていますね。そこで四百日分というのは、これはまたいろいろな法律との関係があっておきめになったのだろうと思うのですが、私なりにこれを解釈してみますと、ほぼ旧恩給法の一時恩給を想定されているのではないだろうかと思うわけです。それはなぜかというと、一時恩給を受給して再就職すれば、三年未満の場合には返さなければいけませんね。しかし三年たったあとで再就職した場合には、この一時恩給は返さぬでいいということに恩給法上はなっている。ですから私は昔の恩給法の何か一時恩給を想定されて、四百日を直せば三年ぐらいだと、こう言われるのですが、そういう意味で四百日ときめられたのかどうかわかりませんが、そういうことなのかどうかということ、それからもしも四百日ということが三年程度ということになれば、四百日と三年という意味とどういうふうにつながるのか、お聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/51
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052・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 先ほど申しましたように、奥さんと子供二人が遺族としてある場合を考えますと、百分の四十ということを申し上げたわけですが、そうしますと日数に直しますと大体平均給与額の百四十六日分でございますので、おおむね三年、このように申し上げたわけでございます。ところで、そのおおむね三年といいますが、実際問題としてこの年金が始まるときには、詳細に計算いたしまして、それでそういう場合の端数はすべてその中に入れて、損得ないように計算をいたしますので、おおむねというのはこの四百日がおおむね三年という意味で申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/52
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053・山崎昇
○山崎昇君 そこで私は、これも要望みたいになりますが、普通の遺族年金と違って、公務災害の場合ですから、いま局長の御説明のあった百分の四十を平均給与で直せば、大体そういうことになるというお話ですが、これをもう少し私はやはり上げる必要があるのじゃないかと考えるのです。そういう点で今後検討していただけるのかどうか。あるいはまた、あなた方自身もこの四百日分では多少低いのではないかというお考えがあれば、この機会に聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/53
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054・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) もちろんこれについてはいろいろ四百日が妥当か、もっとこれの日数をふやすのがいいのではないかという御議論があるのは当然だと思いますが、かりにこれをもっとふやしまして、四年分とか五年分とかまとめて差し上げるということになりますと、その間はもちろん年金は出ないわけでございますので、一時によけいつかってしまうという懸念もございますので、その辺はこの制度が実際に使われておるか、なお検討いたしまして、その点を考えてみたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/54
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055・山崎昇
○山崎昇君 それでは最後に、総理府の人事局長にお聞きしたいのですが、公的年金制度連絡協議会というのがございますね。これは総理府が責任になってやっておるのじゃないかと思うのですが、これがいまどういう現状にあるのか。それからなおこの連絡協議会では、現在どんな点が議論されておるのか、わかっている範囲でけっこうでありますけれども、お知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/55
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056・栗山廉平
○政府委員(栗山廉平君) 山崎先生のいまの公的年金制度連絡協議会でございますが、確かに総理府で主宰いたしております。しかし人事局ではございませんで、官房の審議室というところでやっております。私もごくほんとうの荒っぽい点でございますが、詳しいことはまだ存じておりませんけれども、聞いております点では、最近議題として盛んに検討しておりますことは、各公的の年金制度を通じましていわゆるスライド制、この問題をどういうふうに関連を持たせて研究していくかということを目下熱心に検討しておられる最中であるというふうに伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/56
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057・山崎昇
○山崎昇君 そうするとあれですか、いま主として議論されておるのはスライド制だけですか。そのほかに、別な機会にまたお聞きしたいと思いますが、この災害補償法にいう障害年金と共済組合の廃疾年金との関係なんかも、いろいろ矛盾点あるように私思いますので、これはいずれまた別に聞きたいと思っておりますが、そういう点なんかについては議論されておるのか、されてないのか。その他にもいろいろ私ども聞いているのですが、これはうわさの程度でありますから、わかっている範囲でもう少しお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/57
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058・栗山廉平
○政府委員(栗山廉平君) 先ほど申し上げましたように、実は詳しいことは私承知いたしておりませんが、ただいまの議題は、先ほど申し上げたとおりのスライド制をやっておるということでございまして、もちろん議題といたしましてはそれに限るわけではございませんので、そのほかのこともあるいはやっておられるかもしれませんですが、ちょっと私その点はいまのところ存じておりません。なお問題としましては、そのほかにもあるいは逐次取り上げていくのではないかというように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/58
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059・山崎昇
○山崎昇君 それでは、もうかなりな時間きましたから、これでやめたいと思いますが、いずれにしても、この災害補償法関係の内容はかなりいろいろな点を含んでおるし、それから人事院でもいろいろ調査研究をされておると思うのですが、再度繰り返しますが、国家公務員法の百八条による調査研究なんかもどうやられているかわかりませんが、一度もまだ人事院から聞いたことがないわけです。したがって、早急に人事院ではそういう点についても調査研究をしてもらいたいし、また、特に公務災害ですから、たとえばそこの主人公がけがをすれば、そこのうちの生活は破綻に瀕するわけですね。そういう意味で私は、ほかのものと違って、この公務災害の場合には国家が完全に補償するという制度ができ上がらなければならないと思うのです。そういう意味でたくさんの不備がある。あとで伊藤委員のほうからもまた追及あると思うのですが、私は主として原則的な点をお聞きをして質問を終わりたいのですが、いずれにしても、公務員の災害補償についてはもっともっと私は制度的に、また運用上もあたたかい措置が必要ではないだろうか、こう思いますので、法律上の不備あるいは規則上の不備等があれば、ひとつ人事院でも積極的に検討されて直していただきたい、こういうことを最後に要望して私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/59
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060・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 午前はこの程度とし、午後一時より再開いたします。
それでは休憩いたします。
午前十一時五十五分休憩
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午後一時十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/60
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061・井川伊平
○委員長(井川伊平君) これより内閣委員会を再開いたします。
午前に引き続き、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/61
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062・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私は、この法案について提案権を持つ総理府総務長官、そうして実際に運用しておる人事院総裁を中心にして二、三お伺いしたいと思います。すでに山崎委員が質問しておりますので、なるべく重複を避けて質問申し上げたいと思います。
まず、順序としてお伺いしたいのは、今回の改正は、労働基準法施行規則ですでに改正された点について、それにならって改正しようとするものでありますけれども、このような規定が労働基準法施行規則などに設けられたその経緯と理由についてまずお伺いしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/62
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063・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) まず、この労働省令の改正でもってこのような障害等級の区分の変更が行なわれたわけでございますが、その背景となります事情というのは、特に最近の自動車事故の増加及びこれに伴ういわゆるむち打ち症と、そういう事情が背景となっております。特にその契機となりましたのは、三十八年十一月における三池炭鉱の爆発事故による一酸化炭素中毒症の発生と、それが特に契機となったと思います。社会的な背景、事情といたしましては、それのみならず、最近の自動車事故の増加というものも加味されて、労働省におきまして昭和四十二年十月二十四日に省令をもって等級区分の取り扱いを改めたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/63
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064・伊藤顕道
○伊藤顕道君 国家公務員の災害補償については、労働基準法などによる災害補償と均衡をはかることになっておるわけですが、今回の改正もこれとの均衡をはかるべく改正を行なう旨が、前回総務長官から提案理由を述べられた際にその意味があったわけです。労働基準法施行規則の改正はたしか昨年十月に行なわれた。しかも、その一年前から適用になっておる。そこでお伺いしたいのは、人事院の通告は、労働基準法施行規則の改正の時期よりはるかにおくれて本年一月末になって出されておると、こういうふうにそのつどおくれておるわけですが、このおくれておる理由は一体どこにあるのか、こういうことをこの機会にお伺いしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/64
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065・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 事実はおっしゃるとおりの事実でございます。もしも私どものこの災害補償法も、この種のことは労働基準法並みに人事院規則に委任していただいておるということであれば、おそらく間髪を入れずに合わせた改正ができたと思いますけれども、これはまた人事院規則できめずに、なぜ直接法律でおきめになるような形にしたか、これはやっぱりまたそれはそれで理由があると思います。要するに現行法はそのまま立法によって措置されるというたてまえをとってきておるわけでありますが、そうなりますというと、やっぱり国会の御審議を仰がにゃならぬという関係から、必ずしもこの間髪を入れずに基準法の施行規則と合わせて御措置をいただくということも、これはまあ技術問題としてできないわけでございます。したがって、でき得る限り最近の、最直近の機会を選んでお願いしたということに尽きるのでありますが、もう一つ、この実態の問題でございますけれども、今回の関係の事柄に該当する現実の事例というものは、もちろん公務員関係でもあり得ることはあり得るのであります。実際上はまだいままでのところ非常にケースが少ないということと、もう一つは、御承知のように、この表に備考の規定がありまして、相当現実に即した運用もできるようになっておりますものですから、おととしのときはだいぶんおくれたということでおしかりを受けましたですけれども、今度の場合は、そうおしかりを受けるべき筋合いではなかろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/65
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066・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先ほども申し上げたように、先般の提案理由の中で、労働基準法などによる災害補償との均衡をはかることがその旨明確に説明されておるわけです。それでこのようにおくれたら、内容は見合うものであっても、その時期がおくれたら、すべて結局これも見合うものでなくなってくるわけですね。そういう点が大きな一つの問題点になるんじゃないですか。労働基準法の、今回の一年半以上適用がおくれたことはいま指摘したわけですが、いま総裁がちょっと述べられましたが、三十九年十二月に労災保険審議会の答申を得て労災保険法の改正がなされたわけですが、人事院の意見の申し出がそれから約一年おくれて、四十一年二月にようやく提出されておるわけですね。先ほど、国家公務員の災害補償法が保険法の改正に対応するものである以上、対応しなければならない。そういうものである以上、いわゆる補償法の改正も保険法の改正と同時に施行すべきものではないか、こういう考えが当然出てくると思う、この点について重ねてお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/66
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067・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 御趣旨は全くおっしゃるとおりであります。したがいまして、今回のような場合を考えれば、この関係の事柄は、もう法律を直接おきめいただかなくて、人事院規則にまかしておいていただければ、即座に歩調を合わして措置がとれるわけであろうというような気がいたしますけれども、これはそれ自体、またその点問題がありますから別といたしまして、要するに法律改正の形をとるということになりますというと、可能な直近の機会として今日に及んだと申し上げざるを得ないのであります。
それから実態問題は、先に申し上げたようにございます。実態問題として、困ることはございませんということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/67
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068・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、いわゆる障害等級の認定の基準についてですが、これは外傷の場合はまた別ですが、内部疾患の場合は、公務によるかいなかという認定はきわめて困難でなかろうかと思うのですね。特に精神とか神経系統の障害に関する各等級の認定基準というものは問題であろうと思うのですが、この場合の認定基準はどうなっておるかということを、この際お伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/68
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069・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これはお察しのとおり、私どもの最も苦労するところでございます。したがいまして、またその認定についても、勢い時間がかかるわけでありますが、要するに基本の原則としては、公務との相当因果関係にあるという認定がつけば、それは公務上として措置をする、きわめて簡単明瞭でございますけれども、われわれが扱っておる例を見ましても、いろいろなケースがそれぞれのまた特色を持っておりまして、何かいまお話のようにコンピューターにすぐかかるような条件というものを並べて考えられないものかという気持ちは当然われわれにあるわけなんですけれども、実際に個々のケースを扱ってみますというと、やっぱりその事態その事態、周囲の環境ということもありますし、本人の身体、精神上の素質ということもございますものですから、それとかみ合わして判断しなければならぬということで、現在のところやはりケースバイケースの、しかも先例を十分勘案しつつ、ケースバイケースで適正に認定をすべく努力をしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/69
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070・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この障害補償については七級までが年金、それ以下が一時金ということになっておるわけですが、今回設けられることになる九級ですね、九級に該当する障害と既設の七級の障害との間には、どの程度の差異があるのかということをこの際伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/70
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071・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 一級から七級までは年金でございます。ただいま御質問のありましたとおりでございます。ところで、この九級が一時金として払われるわけでございますが、その日数は平均給与額の三百五十日分ということになろうと思います。年金のほうは、七級の場合には、平均給与額の百日分が毎年払われるわけでございますが、この一時金の支給の場合は三百五十日分が一時に払われる、そのような違いがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/71
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072・伊藤顕道
○伊藤顕道君 公務災害の認定については、現在実施機関でそれぞれ行なっておることだと思いますが、その認定について、実施機関によって異なる事態が起こることはないであろうかという疑問が出てくるわけです。この点はどうか。それと、人事院はその基準についてどのように定めておるのかという点、それとさらには認定については人事院において統一的に行なう必要があるのではなかろうか、各省庁の実施機関によって不公平のないように、そういうことも考えられるわけであります。こういうような問題についてあわせてお答えいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/72
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073・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 各実施機関の問におきます認定基準がまちまちになってはならないことは、御指摘のとおりでございます。私どもそのような観点から、まず一応基準といたしましては、国家公務員災害補償法の取り扱いについてという総長通達でもって、その認定基準を示しまして、その認定基準に従って各省庁が一応公務障害の認定をしておるわけでございますが、実際問題として非常に判断に苦しむという場合には人事院に一応協議してきめることになっております。ところで、年金の場合はすべていま人事院の協議を経るということになっておりますので、少なくとも年金部分についての不統一ということはない、このように考えております。さらに私どもでは、必要に応じて、各省に設けられております災害補償を担当する方々にお集まりいただきまして、そういう実施上の問題点をいろいろ御指摘し、またそのような不統一のないように十分指導しておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/73
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074・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この各実施機関の行なった認定に対しで不服ある場合は、その救済方法の一つとして、人事院に審査の申し立てができることになっておるわけです。規定はまあそうなっておるのですが、ここで伺いたいのは、この異議の申し立て、いわゆる審査の申し立てが過去においてどの程度にあったかということをこの機会にお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/74
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075・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) この補償法が制定されましたのは昭和二十六年七月一日でございます。この制定以来ことしの三月三十一日末現在までにおきまして、この公務災害の審査の申し立ての総件数は、全部で百六十七件ございます。そうしてその百六十七件のうち、判定が下されました件数が百二十八件でございます。なお本人が取り下げました件数が二十七件、現在未処理となっております件数が十二件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/75
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076・伊藤顕道
○伊藤顕道君 実施機関で公務と認定されないために審査の申し立てを行なって、人事院がこれを公務と判定した事例はどの程度あるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/76
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077・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) ただいまの判定がすでに下されました件数百二十八件のうち、公務上という認定を下した件数は四十五件でございます。これは判定件数の約三五%に相当いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/77
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078・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ここ二年ないし三年の問の精神、神経系統障害について補償を受けた者は、各等級別にどの程度あるのかという点、また最近におけるこの種の障害の発生状況はどうかということ、また精神、神経系統の障害については、具体的にどのような疾病が問題になるのか、この三点についてあわせて御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/78
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079・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 最近三年間における精神または神経系統の障害による状況を申し上げますと、まず昭和三十九年度から申し上げますと、三級と認定されましたのはゼロでございます。それから七級が精神障害が二件、神経系統が三件、合わせて五件でございます。それから十二級と認定されました件数が、これは神経系統の障害でございますが、十七件ございます。それから十四級と認定されました件数が、これも神経系統に限るわけでございますが、五十一件ございます。四十一年度について申しますと、三級として認定を受けました精神障害が一件ございます。それから七級は精神障害が一件、神経系統が二件、それから十二級が神経系統十七件、十四級同じく神経系統四十三件、これが四十年度でございます。四十一年度について申しますと、三級はゼロ、七級もそれぞれゼロ、十二級が神経系統二十二件、十四級は神経系統五十九件ございます。このような状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/79
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080・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この精神あるいは神経系統障害の件数は、他の障害に比して非常に多いのではなかろうかと考えられるわけですが、この点はどうなのか、また、ここでの障害が多く発生しておる要因は一体那辺にあるのかという点、また、どのような職種に多く発生しておるか、また、新たに設けられる九級に該当するものは、過去どの程度発生しておるか、この四点についてあわせてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/80
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081・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) この種の障害による件数が他の障害に基づく件数に比較してどうか、こういう御質問でございますが、詳しい統計はとっておりませんが、もちろんけがによる障害が一番多いわけであります。どういう職種が多いかといいますと、やはりこの種の障害というのは、頭をぶつけたとかいうことによる障害がどうしても多いと思いますので、外傷からくるこのような障害、したがって外傷の多い職種にこういう障害が多いということは一応言えると思います。そうしますと、われわれの統計では、職種は別といたしまして、省庁について申しますと、北海道開発庁とか建設省とか、そういうところの省庁にたぶん多いんではなかろうかというふうに推定されますが、詳しい統計はそこのところとっておりません。
なお、従来九級に相当するような障害があったんではないか、これはもちろんそういうことは十分推定されるのでございますが、それについても私どものほうでは、いままでは資料が手元にございませんので、正確なことは何とも申しかねます。
もう一点ちょっと御質問、四点ございましたんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/81
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082・伊藤顕道
○伊藤顕道君 大体その程度でいいです。
次に、精神、神経系統障害について、九級が新設されることによって、いわゆる言うところのむち打ち症などについても、従来より厚い補償が行なわれる場合が出てくるのではなかろうかと考えられるわけですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。また、最近の交通事情を考えた場合、交通災害が非常に多くなってきておるようです。現在、緊急用務のために早朝とか日曜祭日に勤務を命ぜられた場合には、その出勤途上における事故は公務と認定されておろうかと思うんですが、また、最近の交通事情を考え、あるいは公用で通勤されるものについては、その往復途上で発生した事故については公務と認定されるものとなっておるわけですが、こういうことをあわせ考えると、公務認定の基準については、現在のようなものはもうきわめて不合理であって、その基準を拡大する必要があるのではなかろうか、こう考えられるわけです。原則として通勤途上における災害は、いま申し上げた以外公務でないわけですね。早朝、日曜、祭日、そういう緊急出勤を命ぜられた場合以外は。そうだとすると、人事院は公務員の利益を守る立場に置かれておるわけですから、公務員の利益を守るという観点からすれば、いまお伺いをした基準を拡大する必要もあるのではないかということが当然出てくると思いますが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/82
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083・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) ただいま御質問の通勤途上の災害が前々からいろいろ問題がございます。現にその種の事例も相当起きておるというのが実情でございまして、これをどこまで公務上と見るかということは、いろいろ議論のあるところでございます。従来、私どもといたしましては、先生よく御承知のように、この通勤途上の事故のの場合に、どういう場合に公務上に扱うかという点について、三点ほど基準を示しておりますが、あえて申し上げますと、第一番目が、職員にのみ利用されておる交通機関によって通勤する場合において、所属官署の責めに帰すべき理由によりその往復途上において事故が発生した場合、第二番目に、業務管理上の必要により、特定の交通機関によって通勤することを所属官署から強制されている場合に、その往復途上において事故が発生した場合、第三番目に、突発事故、その他これに類する緊急用務のために直ちに勤務することを命ぜられた場合に、その出勤途上において事故が発生した場合と、この三つを一応基準として考えておるわけでございます。
最近におけるいろいろの事情も勘案いたしまして、私どもでは、先月、昭和四十三年三月十二日に、事務総長通達でもって、さらにその基準を明確にしたいということで、たとえば、いま申しました認定基準のほかに、深夜であるとか、早朝に特に出勤を命ぜられた途上における災害、あるいは日曜等において特に出勤を命ぜられた場合等についても、これを通勤途上の役所に来る途中で事故にあったという場合には、これを公務上とするように通達できめた次第でございます。将来これはおいおいその範囲を広げていくべきではないかという御意見が、ただいまの御質問の中にございましたが、欧米の例を見ましても、確かにそういった趨勢もあるやに感ぜられるわけでございまするが、これも、いまお話にございましたような交通事情その他の社会事情によって、おいおいその辺の解釈、考え方というものは、われわれとしても弾力的に考えるべきではなかろうか、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/83
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084・伊藤顕道
○伊藤顕道君 まあ職員局長の立場で、この場でこの認定基準を拡大いたしましょうとか、そういう意味の答弁は当然できません。
そこで重ねて今度は総裁にお伺いいたしますが、認定の基準を拡大することをこの場でひとつ約束してもらいたいと言ってもちょっと困ると思います。そこで十分この点については、以上私がお伺いし、また局長からの御答弁のあったような実情があるわけですから、しかも、今後交通災害はますます激増してこようかと常識的には考えられるわけですね。そこで当然交通災害というものが重視されなければならぬ時代に入っておると思うのです。しかも、緊急用務のために出勤を命ぜられたということになると、日曜、祭日か、あるいは早朝か夜分おそく、通常の出勤時刻にはみんな出ておるわけですからね、緊急の出勤命令はないわけですね、同じ出勤するわけですね、そういう命令がなくとも常時出動しておるわけですから。そういう点では区別はないと思うのです。特に公用車で通勤する者については、その往復の途上で発生した事故は補償の対象になる、公務になるわけですね。ここのところもずいぶん不公平だと思うんですね。公用車で通勤されるというのは主として上級者であろうと思うのです。そういうことで、この辺にも上厚下薄というにおいがふんぷんとするわけですね。給与についてはいつも上厚下薄になっておるわけですから、こういう交通災害についても上厚下薄の差別待遇ではなかろうか、これは当然そういう意見が出てこようかと思うのですが、こういうことをあわせ考えて、総裁はひとつ今後十分前向きの姿勢でこの点に真剣に取り組んで、検討を重ねてもらいたいと思うのですが、それに対する総裁のお考えをお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/84
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085・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的なお気持ちは全く私ども同感でございます。したがいまして、いま局長から御説明申しましたように、ごく最近も通達を改めまして、あまり大いばりでここで申し上げるつもりはございませんけれども、現実に着着と前進をしておるという気持ちを持っておるわけです。
で、公用車の話も、私自身が公用車のごやっかいになっていますから、別に上厚下薄の弁明を申し上げるわけではございませんけれども、最近は御承知のように営林署関係と申しますか——多くの役所で通勤バス的なものを出しておりますし、それから営林署関係では、やはり作業場所までマイクロバスで運ぶというようなことがございまして、公用車問題もそう軽々しく上厚下薄と言い切れない面を持っております。私個人の考え方としては、やはりそういうみんなが一緒に通勤の便宜を得るような、そういう通勤バスのようなものが普及すればいいというような気持ちさえ持っておるわけでございますからして、要するに、基本的な考え方は全く御同感であります。その方向でさらにまた今後も検討を続けてまいりたい、こういう気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/85
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086・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、最近における公務災害の発生状況、特に死亡者とか重傷の数、発生の傾向でけっこうです。傾向は一体どうかということ、それと、特に災害の発生率の高い機関はどの機関であるか、このような機関ではどのような対策を講じておられるのか、この三点についてお答えいただきたいと思います。
なお、この機会ですから、資料の提出をお願いしておきたいと思う。これは今後の勉強に備えたいためにお願いするので、いまここに出せといってもたいへん無理ですから、あとでけっこうです。最近五カ年問の年次別、災害別の発生数をひとつ御提出いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/86
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087・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 最近の災害発生状況の具体的な問題を少しお話し申し上げたいと思いますが、これは具体的に災害が起こった場合に、公務上になる場合とならぬ場合があるわけでございますが、まず、公務災害補償の件数で申しますと、年間、たとえば四十一年度について申しますと、一万四千七百四十九件公務災害補償を受けております。ここのところ数年間、おおむね一万五千件内外の被災者の数になっておりますが、これは同一人で療養補償あるいは休業補償を受ける場合もございますので、この件数が直ちに災害発生の傾向、内容を示すものとは限りませんので、災害発生のほうの面から見てみますと、これは五現業を除く一般職公務員の災害発生状況でございますが、昭和四十一年度において死亡者が十八人、それから休業が一日以上の被災者が千六百十八人、これは四十一年度でございます。
四十年度について申しますと、死亡者が三十五人、休業一日以上の被災者が千五百十人、このようになっております。この発生原因の四十一年度について内容を見てみますると、自動車事故によるものが三百五十五人、物品の取り扱い、運搬中に事故を起こした者が二百八十二名、それから墜落等が百六十二名、転倒、つまずき等が百四十五名、物が倒れてきたためにはがしたというような場合は百十八人、おおむねこういうような数字が出ております。
それから省庁別死傷者を、多い順に並べていきますと、建設省が四百七十一名、法務省が二百六十九名、運輸省が百八十七名、北海道開発庁が百五十三名、文部省が百三十七人でございます。
ところで、このような事故に対して人事院としてはどういう措置ないし対策を講じているかという御質問もありましたので、あわせてお答えいたしますと、もちろん災害が起こってから、それに対する補償を十分するということは必要なことですが、それと同時に、そのような災害が起こらないような防止措置ということが非常に大事と思いますので、私どもではその見地から、十分健康管理なり安全管理について気を配っているわけでございます。たとえば安全管理の基準につきまして、人事院規則を制定いたしまして、その基準を各省庁に実施していただいております。それから、そのような安全管理を適正に行なうためには、そのような知識をやはり持っていただかなければならないということで、各省庁の担当官に対する研修もそのつど行なっております。それから災害が非常に多い役所については。どういう原因でそういう事故があるのかという調査も必要でございますので、たびたび調査をし、かつ、その適切な指導も行なっております。さらに毎年一回、国家公務員の安全週間を設けまして、安全に関する知識の普及をはかるというような諸施策によりまして、私どもでは事故防止につとめている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/87
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088・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に特別健康診断を各省庁で実施しているようですが、その特別健康診断の実施について点検や指導の必要があろうかと思いますが、この点は実際的にどうなっているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/88
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089・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 毎年約三十ぐらいの省庁につきまして、特別定検の調査指導を行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/89
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090・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ただいまお伺いした点については、数が多いので、全部手が回らぬので、大体いま言われた程度を、毎年その見当でやっていると、そういう意味に解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/90
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091・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 毎年一回網羅的に全省庁について行なえばよろしいのでございますが、ただいたお話のございましたように、実際問題としてなかなかそこまで手が回りかねるという点もございます。調査いたしますとしても、やはり予算の問題も伴いますので、人員、予算上の制約があることは、これはそのとおりでございますが、できるだけ可能な範囲において、そのような調査指導を行なっているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/91
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092・伊藤顕道
○伊藤顕道君 やはりこういう健康診断などについては、各省庁で的確に、これが確実に実施せられるよう、そうしてその結果は非常に貴重な資料として出てこようかと思うのです。それは実際運用の面に当たっている人事院として、そういう点検するとか、指導を徹底することによって、そういう面の成果は一段と上がってこようかと思います。いま人手不足あるいは予算に制約を受けてということは、まことに残念なことですが、今後ひとつそういう面にも極力、一ぺんに全部やるというわけにもいかぬでしょうが、これは大事な面だと思うのです。これが基盤になって実態がここから出てくると思う。まず実態を知らにゃいかぬわけですから、そういう意味で、今後人手の面について、結局は予算の制約によって左右されるかと思うのですが、こういう面にも前向きにひとつ努力すべきだと思うのですが、総裁どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/92
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093・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 御同感で、うなずきながら伺っておったわけですが、災害が発生してしまったあとで年金やら何やらというお金のことを考えますと、それをむしろ予防するほうにお金を回せば、これはおそらく少額の金で十分生きた成果をあげるだろうというようなことを私ども思っております。したがいまして、今後またそういうような財源の面での処置についても大いに努力をしてまいりたいと思いますが、今後ひとついろいろな意味で御支援をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/93
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094・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、指定医というものがあるのですが、現在の指定医について人事院としてはどういうふうに考えておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/94
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095・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御質問は指定医療機関のことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/95
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096・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/96
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097・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) それではそれについてお答えいたします。
この指定医療機関につきましては、人事院または実施機関において定めるということになっておりまして、実際問題としましては、各省庁におきましてそれぞれ適当な指定医療機関を設けてやっております。私どもではそこまで指導して、この医療機関を指定しなさいという指導はしておらないと申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/97
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098・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、腱鞘炎、あるいは頸肩腕症候群、こういうむずかしい名の病気がありますが、こういう病気になった場合に、人事院としてはその対策としてどういうことをされておるか。また、現在はこうだが将来はこういうふうに改正したいと思っているとか、そういう一連のお考えについて伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/98
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099・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 腱鞘炎等につきましては、御要望がずっとあります。それは結局、職業病に指定してほしいというのが御要望の焦点であるように思っておりますが、現実の運用の面では、それらの疾病について、それが公務上の原因によるものであるという認定がつきますれば、私どものほうとしては公務上として補償の認定をしているわけであります。ただ、これを一括して一般的な基準として職業病として指定するについては、これはまだちょっと研究さしていただきませんと、いまにわかにというわけにいきませんが、御承知のように、あの営林署でよくチェーンソーの関係で白ろう病の問題がありまして、これも職業病とするというお話が前からありました。これもいま申しましたように、個別的にはわれわれ公務上と認定いたしますれば、それでやっておったわけですが、いろいろ研究あるいは現実の調査も固まりまして、これはせんだって職業病として指定したことは御承知のとおりでございまして、今度の腱鞘炎等についても、そういうようなデータが固まりますと、またその方向へ動くことと存じます。ただし、現実問題として、公務上でありさえすれば認定しておる、その点だけは申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/99
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100・伊藤顕道
○伊藤顕道君 公災と認定するにあたって、公務起因性とか、あるいは仕事との問で相当因果関係があるのではないかと考えられるわけです。そういう場合に因果関係がないとは考えられないという場合などの、どちらにも考えられるようなむずかしい認定の場合があろうかと思うんですね。そういう場合はこれを有利なほうに解釈して認定すべきではないかという意見をあちこちで聞くわけです。この点については人事院としてはどう考えておるのか、そこをはっきりしなければだめなのかどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/100
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101・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもが大っぴらに有利に扱いますというようなことは、これまたちょっと厳正公平を看板にしておりますたてまえからみまして、一がいには申し上げられません。厳正公平に判断をするについて、そういういまお示しのような点を頭に持ちながら臨んでおる、有利な証拠をできるだけ発見してあげよう、具体的に言えばそういう心がまえでやっておるわけでありまして、ことにいまお話がありましたように、内部疾患的な関係のことは非常に認定が困難であります。御承知のように、ここに出ております私どもの厚生課長は代々お医者さんの専門家出の人にきてもらっております。そのほかにも専門のお医者さんを委員にお頼みして、そういう点の判定について意見を承っておるわけでありますが、根本の心がまえはそういう心がまえで臨んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/101
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102・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまお伺いしたことにさらに関連してお伺いするわけですが、公務外の認定の場合ですね、その理由とか、内容は不明ということになっておろうかと思うんですが、こういう制度になっておるんですが、これはいまお伺いしたことと関連を持つわけですが、これは何か人事院としてはお考えがないのかどうか。改善するような意図があるのかないのかという意味で現在どうなのかということですね。それと労働者は公務災害の認定に対しては、一たん公務外の認定ということになると具体的に対抗できないわけですね。これでは、公務員の利益を守るのにいま少し親切な方法はなかろうかという考えで聞いたんです。また、そういう要求を最近あちこちから聞いておるわけです。この一連の問題についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/102
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103・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 公務上の認定の場合、外の認定の場合も同様でございますが、すでにごらんいただいたと思いますが、私どもの判定書というものが実に意を尽くして、事こまかにその判定の理由を述べておるわけであります。また、その判定に至りますまでには、たとえばどんな山奥の現場でありましょうとも、職員がその現地に行きまして、諸般の実情を調査した上でこれに臨んでおりますし、また、先ほど触れましたように、専門のお医者さんの委員の方々の意見も十分徴して判定しておるわけでございますから、そういう点では抜かりのない手がたい調査をした上での結論でございます。しかし、これについてさらに御不満ということがあるならば、これは訴訟の道、裁判所に出訴する道もございますが、その方法はあるわけでございますけれども、私どもとしては私どもの判定は絶対に正しいという確固たる自信のできるまで、とことんまで追及し、その上で判定を下しておるというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/103
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104・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、スライドの問題について、一、二お伺いしておきたいと思うのですが、四十一年の改正の際に、年金の補償の額について、いわゆるスライド制が設けられたと思うのです。その運用については種々問題もあったと思いますが、今回、恩給審議会の答申があったわけです。恩給審議会としても恩給のスライド規定の運用について答申した際、本法のスライド規定の運用に当たって、その恩給審議会の答申と同じように行なう考えなのか、そうではなくて、人事院はそのスライド規定の運用については独自の検討を加えてきておるのか、こういうことをこの際お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/104
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105・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほどちょっと御説明の中に出たと思いますけれども、共済関係その他それに関連する部面にわたって総理府の公的年金の協議会がありまして、これがスライド関係を中心にして研究をされておるわけです。これには人事院も加わっているわけです。一緒になって御研究を申し上げておる。もちろんわれわれはわれわれとして研究しておりますが、表向きの場面ではそういう場所で研究いたしておるわけであります。恩給審議会の関係の答申も、これはどういう形で実現することになりますかどうか、そういうようなこともわれわれとしてはやはり十分考慮しつつ臨まなければならないという慎重なかまえでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/105
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106・伊藤顕道
○伊藤顕道君 労災保険法では平均賃金の二〇%を基準とした具体的なスライド規定があるわけですが、そこで、この規定と恩給審議会の答申とでは相当の開きがあるわけです。本法の規定の運用に当たっては、本法の性格とか目的などからみて、この両者をどのように関連させようとお考えになっておるか、その点についてもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/106
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107・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 御指摘の点は、確かに考え方としては、問題点としてやはり十分のみ込んで当たらなければいけない問題だと思います。恩給審議会の場面における一応の結論についてもまたいろいろ考え方はあると思います。それが絶対的にこちらのほうに導入されてしかるべきものであるかどうかということについては、あわせて十分研究をした上でないと最終的な判断はできないことではないかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/107
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108・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、遺族の範囲について一点だけお伺いしておきたいと思いますが、同法は保険法に比較して若干広くなっておるようですが、その点について人事院は将来どのように扱っていくお考えなのか、また、改正しようとお考えになっておるのか、こういう問題についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/108
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109・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これは遺族の範囲は、国家公務員法の九十五条で一応きまっておりまして、われわれはそれを受けておるわけでございます。これはいまのように労災関係からいうと、ちょっと幅広くなっておるわけであります。それを狭めようというような気持ちは全然持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/109
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110・伊藤顕道
○伊藤顕道君 遺族の一時金の額は、当分の間、現行の一時金の範囲内で人事院で定めることになっておると、こういうことですが、人事院はこれをどのようにきめる方針なのか、また当分の間とは大体どの辺までを指しておるのか、何か考えがあろうかと思うのですね、当分の間と言っても、こちらは雲をつかむようで見当がつかない。見当はどうなのか、こういうことをあわせてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/110
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111・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) この遺族補償の一時金は人事院規則一六−〇、五十一条の中で詳細に規定しております。そこで、四百日を最低といたしまして最高千日分ということでございまするが、ただいま御指摘のように、この制度が暫定措置ではないかということでございますが、確かに暫定措置ではございまするが、われわれとしても少しでも職員に有利なようにということで今後前向きに検討していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/111
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112・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この法案について提案権をお持ちの総理府総務長官がお見えになったので、いままで人事院にお伺いしておったわけですけれども、提案権のある総理府に一度も質問をまだしてないのは非常に失礼にあたりますので、この際簡単なことを、先ほど人事院総裁にもお伺いした問題ですが、総理府としてのお考えをこの際お伺いをしておきたいと思うのです。それは最近、交通事情が御存じのように非常に憂うべき事態になりつつあることは、これはもう説明を要しない問題だと思うのですね。そこで、公務員の通勤の問題が出てくるわけですが、これは普通、原則として通勤の途上における交通災害は何ら公務の対象にはならぬわけですね。しかしながら、緊急の用件で朝早くとか、あるいは日曜、祭日など緊急通勤、出勤を命ぜられた場合には、これはもし途中で災害があれば公務になるわけです。また、公用車で通勤する者がもし不幸にして交通災害にあわれれば、この場合も公務の対象となるわけですが、こういうことについて先ほども人事院総裁に要望を含めてお伺いしたわけですが、何とか公務認定の基準を拡大する方向で検討すべきではないか、また検討してもらいたい、こういう意味の要望をかねての質問を申し上げたわけです。そこでお伺いするわけですが、総理府としても、目下の交通事情を十分お考えになっておると思うですが、ここで総務長官にひとつ公務認定の基準を拡大する約束をしてもらいたい、こういうことではないわけです。この場でそういう無理な質問をするのではなくして、人事院がこの問題については実際の運用の面に当たっておるので、人事院と十分緊密な連携のもとに、こういう問題と真剣に取り組んでもらいたいと思うわけです。そういう要望をかねて、その点についてお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/112
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113・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 交通問題は、同時に私のほうの役所におきましても、特に交通安全対策の主管をいたしております関係から、最近の交通禍という問題につきましては十分いろいろ存じておる次第でございますが、ただいまお申し出のような案件につきまして、人事院ともよく相談をいたし、また、人事院の御要望にも従いまして、私どものほうとして善処いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/113
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114・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで、人事院ともよく相談してということですが、もちろんよく御相談してお願いしたいと思うのですが、常時において、こういうような問題について、これは人事院総裁にもお伺いしたいのですが、人事院としても総理府と緊密な関係のある官庁ですから、その問題に関する限り、そこで常時緊密な連係が実際にとられておるのかどうか。ただ国会の質問があったときだけやる程度なのか、そう言ったら、そんなことはございませんとお答えになるでしょうが、大体ふだんこういう問題について当然人事院と総理府とは緊密な連絡をとらなければいかぬわけですね。こういう点はうまく緊密な連絡がとられておるのかどうか、実情をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/114
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115・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 何から何まで緊密というと、これまたいろいろ語弊が出てまいりますから、そういうわけじゃございませんけれども、いま御指摘のようなこういう種類の問題につきましては実際うまく連係をとってやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/115
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116・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで総務長官、また時間の関係があるそうですからこの際お伺いしておきたいと思うのですが、労働災害とか、こういう問題については、関係閣僚協議会とか、そういう意味の横の連係をとるための、そういう対策を関係官庁で進めるためのものが必要ではなかろうかと思うのですが、聞くところによると、そういう災害対策の関係の閣僚懇談会、名前は何というか知りませんが、要するにそういう関係機関そういうものはいまのところないようです。ただ産業災害対策推進連絡会、こういうのが現在あるのですね。そこで、このものについては産業災害ですから産業災害対策の一環として、これはもちろん事務次官レベルか、そういうところでやっておると思うのですが、このところで災害対策について実際運用してきているのかどうか、この実情、近状を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/116
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117・田中龍夫
○国務大臣(田中龍夫君) 産業災害だけではなく、交通安全対策につきましても、同様の閣僚協議会がございます。いまのこのむち打ち症でございますとか、その他いろいろの交通禍の問題、非常に広範多岐にわたっておりますが、横の十分連係をとって、対策の問題につきましても協議をいたしてる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/117
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118・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/118
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119・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/119
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120・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、労働災害を中心に労働省当局に二、三お伺いしたいと思いますが、業務災害に対する年金による補償については、他の社会保険の制度との関係を考慮して、従来から引き続いて検討を行なっておるように伺っておるわけですが、そこで、その検討の結果についてその概要を承っておきたいと思います。それと、検討の対象となる問題はどのような点であるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/120
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121・村上茂利
○政府委員(村上茂利君) 労災保険につきましては、昭和四十年に大改正を行ないまして、遺族補償の年金化、障害補償の大幅な年金化、これを内容とする抜本的な改正をいたしたわけでございます。その際に幾つかの問題がございまして、たとえば、厚生年金などとの年金の調整の問題等がございました。これは法律の附則で検討すべきことが定められておるわけでございます。労働省としましては、労災保険審議会という労災保険を専管する審議会がございまするので、その審議会で引き続き問題点の検討をしていただくことにいたしておりますが、本年に至りまして審議会も委員の改選がございましたが、改選後の総会におきまして小委員会を設置いたし、新しく委員も選任いたしました。今後引き続いて問題の検討を行なうということになっております。その内容はまだ確定はいたしておりませんが、四十年の法律改正以来の問題のほか、たとえば通勤途上の災害を労災保険で見るかいなかという点について、外国の法制などとも比較し、国内における諸制度との関連等を調べまして検討を要するとか、いろいろ重要な問題があるわけでございまして、今後活発に審議会を中心に検討が進められるというように期待いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/121
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122・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この障害補償について、長期の疾病の場合、補償給付として年金が支給されることになっておるようですが、これはどのような場合に支給されるのかという点が一点、それとその補償については、この点どうなっているのか、その要点だけをお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/122
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123・村上茂利
○政府委員(村上茂利君) 長期の補償といたしましては、労働者が業務上の負傷、疾病にかかりまして、従来ですと二年たってなおなおらない場合には、労働基準法上の打ち切り補償の支払いをいたしまして、使用者はその責めを免れるという制度でございましたが、三十五年の改正のときに、新しく長期傷病者補償給付という制度を設けまして、三年たってもなおらないという人々に対しましては、なおるまで療養補償を継続するという制度をとったわけでございます。しかし、それは中間段階的な改正でございましたが、昭和四十年の改正におきましては、他の給付の年金化に伴いまして、従来の長期傷病者補償という制度を長期傷病補償給付に改めまして、三年たってもなおらない場合には、従来同様の療養を継続して、療養補償費は労災保険で全額支給する。しかし、三年の時点までは休業補償という形で支払っておりましたが、三年たった後に長期傷病補償の支給を決定いたしますと、従来の休業補償という措置は年金に切りかえまして、定額制でこれを支給するということにいたしたわけでございます。しこうして、これは期限がございませんので、なおるまで療養を行ない、一方においては休業補償に相当する年金を受けるということになりますが、その途中で死亡いたしますれば遺族年金がもらえる。また、負傷のために障害が存するという場合には、長期傷病補償から、障害補償に切りかえるといったような形で処置をしてまいることに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/123
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124・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、保険法においては、この保険施設について具体的にどのようなことをしておられるのか、ごく概要でけっこうです。保険施設ですね。いろいろあるわけですが、具体的にはどのようなことをしておられるのかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/124
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125・村上茂利
○政府委員(村上茂利君) 労災保険法に基づきまして、保険施設として行なっておりますものは、種類にして八項目ほどございますが、第一は経過後の処置でございます。第二は義肢その他の補装具の支給であります。これは医療補償と違いまして、一たん治癒いたしましたあとに義手、義足を支給する。第三は休養または療養施設であります。休養と申しますのは、治癒したあとにさらに温泉療養を続けるほうが、治癒後の、予後の何といいますか、処置として適当であるという観点から、休養施設を設けたい。あるいは温泉保養券を発行するという措置をいたしております。休養または療養施設と申しますのは、各地に労災病院を経営いたしております。それが療養施設というのに該当いたします。それから第四の施設といたしましては、リハビリテーション施設を設置、経営いたしておりますが、全国三十四の労災病院がすべて理学療法的なリハビリテーション施設がございますが、そのほかに特定の労災病院がその他のリハビリテーションの専門の施設を設けておりますが、そのほか別に治療と一応切り離しまして、治療後のリハビリテーションという点に重点を置きました作業所という施設を新しく設置いたしまして、現在、長野県、それから千葉、福井等に建設中でございます。第五の施設といたしましては、それからの保険施設を利用する際に、患者であった人々が旅費が必要だといったような場合には旅費の支給をいたす。それからまた第六の施設といたしましては、たとえば風水害が起こりまして、労災の適用施設が、つまり工場、事業場が水害のために汚染されるという場合に、流行病などが発生いたしませんように、救急医薬品を配付するとか、そういう措置を講じております。それが第六でございます。それから第七の施設といたしましては、たとえばけい肺患者等につきましては長期の療養を継続いたしておりますし、かつての、つまりけい肺と認定されました時点における賃金がかなり低いといったような問題もありまして、療養する場合に、栄養補給的な措置が必要ではないかという問題が生じてまいっておりましたが、そういった問題に対処するために労災援護金の設置。第八といたしましては、脊髄損傷患者などが、治癒はいたしましたが、さて社会復帰をする際に、住宅の改善をいたしたい、あるいはは特殊な自動車を購入したいという場合には、社会復帰貸し付け金という制度を考えております。それからこれは広い意味の保険施設でございますが、労働災害防止のための必要な経費を労災保険施設として補助金として出しております。そのような幾つかの施設を保険施設として運用いたしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/125
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126・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、労働災害についての問題についてお伺いしたいのは、政府とか、あるいは経営者側が、従来どうも労働災害の原因を一方的に労働者の責任だというふうに押しつけているような傾向があったわけです。だがしかし、最近、労働災害が激増してきておるという、こういうおりから、労働者の責任にだけこれを一方的に押しつけることは不当ではないかという問題が当然出て来ようかと思うのですね。そこでお伺いするわけですが、労働省としてはこの問題についてどういうふうに考えておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/126
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127・大野雄二郎
○政府委員(大野雄二郎君) お答えいたします。
労働災害の現状は、大体日曜日を除きまして、一日に二十人がなくなられ、その約六十倍くらいの方が八日以上の負傷をされておる。また一日以上の方は、さらにそれの倍になるということで、決して少なくはございません。しかしながら、全体の傾向といたしましては、ここ十年間を見ますと、率といたしましては半減いたしております。絶対数といたしましては、三十六年以降減少いたしております。で、この災害の原因につきましてはいろいろございます。で、私どもの行政の一番基本になっておる筋は、申すまでもなく労働基準法、これに基づきますところの多くの安全衛生の規則でございます。この規則は、もちろん労働者の責任ということも書いてございますが、実際上使用者の責任を一義的に追及しておりまして、労働省といたしましては、法律上は追及は可能でありましても、現在までのところ法的に労働者の責任を追及いたした事例はございません。これは刑事的な刑罰の関係の問題でございます。
また、民事的な責任ということに相なりますれば、労災保険法におきましては、使用者の無過失賠償責任ということを基本といたしておりまして、労働者の責任は追及されておりません。ただ、これは所管外になりますが、業務上過失ということになりまして、検察当局からそういった責任が追及される場合はございます。で、私どもといたしましては、災害についてはいろいろの原因がございます。一番目立つところは、機械設備等の欠陥に基づくもの、あるいは労働者に対する安全教育の不徹底、こういうこともあげられます。また、確かに個々の災害を見ますと、労働者の不注意というものが介在することは、これは争えないことでございます。ただ、その不注意というものをもっと科学的に掘り下げて、その不注意が何によって来たるかということを明らかにする、それが災害を除く原因で、手だてを発見する道でございますので、特に本年度からはこの不注意というものを、ただ不注意という中に埋没させないで、科学的に原因を追及し、その予防対策を講じていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/127
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128・伊藤顕道
○伊藤顕道君 例の三井三池の事故が発生したおりに、私どもとしては、これは高度経済成長政策とか、相次ぐ合理化政策、こういうところに根本原因があるということを指摘して、これを追及してまいったわけであります。合理化、合理化で、保安上の施設とか設備に手抜かりがあったということはいなめない事実であったかと思うのです。そういう点で合理化、合理化に隠れてしまって、どうも保安施設に手抜かりがあった、そういうことで相次ぐ災害が起きてきておる、こういう問題が繰り返されたのですけれども、現在、労働省として、その問題についてどのようにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/128
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129・大野雄二郎
○政府委員(大野雄二郎君) ただいま御質問の三井三池、すなわち鉱山に関する保安の問題は通産省の所管いたすところでございます。私どもとしては、これに対する勧告権を持っております。で、私どもは私どもなりに検討いたしまして、もちろん鉱山保安の自主的な側面は私どもより通産省のほうがよく御承知のところであります。私どものほうは、全体の話を伺いまして、やはり保安の責任者という者がみずから危険な坑内に入って、みずからの目でその現場をよく見ていく、これが不断にそういう活動が行なわれなければ保安は全きを期し得ないという見地から、さようなことを中心といたしまして通産当局に勧告いたしました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/129
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130・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先ほど局長からの御答弁の中で、労働者の不注意が確かに災害の要因になっている、その不注意は不注意としてでなく、十分この点を深く掘り下げて検討する必要がある、こういう意味の御答弁があったわけですが、そのことに関連してお伺いいたしますが、いわゆる日本の労働者は、いまもヨーロッパ並みの賃金をということで、事ほどさように低賃金である、労働条件も非常に悪い、労働過重、低賃金ということで、多くの労働者はいわゆる残業をやって、それによるプラスによって生活をささえておると、こういう労働者も相当あるわけです。この辺に、あなたの指摘されたいわゆる労働者の不注意というのは、こういう点に、労働者のいわゆる過重労働、疲労、こういうところが、あなたの言われた労働者の不注意というところに結びつくのではなかろうか。ただ単なる不注意でなく、過重労働、過労、こういうことと深い関連が当然にあろうかと思うのですが、この点はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/130
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131・大野雄二郎
○政府委員(大野雄二郎君) 御指摘のような点は確かに問題になろうと存じます。三井三池のこの問の災害、それから大分県で起こりました石灰石の採取場における事故、あるいはその他鉱山関係を見てまいりますと、特にそれが目立っておりまして、終業まぎわにというか、あるいは超過勤務中に起こった災害が、去年の秋に関する限り、かなり目立っております。しかしながら、一般の工場におきましては、これは全数的な調査をやったことはございませんが、始業が八時といたしますと、九時くらいがピークになっておる。五時とか、あるいは超過勤務の時間に起こったということは、これは超過勤務の質との関係からもう少し詳しく調べなければなりませんが、そういった傾向は現在のところ必ずしもはっきりしていないのでございます。したがいまして、疲労と不注意ということが、これは非常に密接な関係を持っておるということは、一般論として否定しがたいところでございますが、実証的なデータは私どもは現在のところ持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/131
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132・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先ほども御指摘申し上げたように、日本の労働者は、ヨーロッパ並みの賃金を目標にいま春闘の戦いを進めておるわけです。全国一律の最賃制の確立とか、あるいはまた労働時間の短縮、労働基本権の確立、こういうような目標のもとに真剣に取り組んでおるわけですが、こういう問題が基本的に解決されない限り、いわゆる労働者の地位は向上せぬ、これが労働災害と非常に緊密な問題を持っておるということは言えると思うのです。こういう点について総合的な対策を労働省を中心に起こす必要があろうと思うのですが、このような一連の問題について、労働省としての見解を承っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/132
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133・大野雄二郎
○政府委員(大野雄二郎君) 賃金と労働災害との関係というものは、国際的にやってみれば、マクロにおいて比較できるわけです。その意味におきまして、賃金と災害の率等を比較いたしてみますと、賃金が高いと災害が少ないという関係は出ません。それは現在私どもの持っております国際統計で見ますと、そういう関係は成り立たないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/133
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134・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ただ、低賃金ということが災害と結びつかぬと言われるけれども、先ほど指摘したように、労働条件が悪くて賃金が低い、つい残業をやる。神経をすり減らして労働に従事すれば、それが災害の原因にならぬということは、だれが言えるのですか。そういう保証をだれがするかという大きな問題に関連があるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/134
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135・大野雄二郎
○政府委員(大野雄二郎君) 私の申し上げたのは、賃金水準、国としての賃金水準のことを申し上げたのでございます。その賃金体系が不合理であるために残業になる、残業になって、過労になって、したがって、災害を生じやすいというようなことは、これは交通関係等におきましてはすでに指摘されているところでございまして、その面におきましては私は十分の関連性はあろうかと思います。先ほど申し上げましたのは、お断わりいたしましたように、賃金水準のマクロの問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/135
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136・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこでなおお伺いいたしますが、労働災害対策のために、私どもの立場からすれば、関係閣僚会議などを設けて、これを横の連係を緊密にして、お互いになわ張り根性など出さぬで、緊密な連係のもとに対策の推進をはかる必要があるのではなかろうか。いま総理府に産業災害対策推進連絡会議、これはさっき総務長官にお尋ねしたわけですが、こういうものが現在ありますけれども、これは事務レベルの会議で、あまりそういう面では期待できないと思うのですが、そういう考えがあるのかないのか、また、それに近いような横の連係はどうとっておるか、こういう一連の問題についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/136
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137・大野雄二郎
○政府委員(大野雄二郎君) 中央におきましては、先生御指摘のような会議があります。これを受けまして、地方にもさような会議を持ちまして連絡を保っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/137
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138・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/138
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139・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 速記をつけて。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/139
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140・井川伊平
○委員長(井川伊平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
鬼木勝利君、柴田栄君、二木謙吾君が辞任され、その補欠として原田立君、内田芳郎君、北畠教真君がそれぞれ選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/140
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141・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めます。
それでは、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/141
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142・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 総員挙手と認めます。
よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/142
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143・井川伊平
○委員長(井川伊平君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814889X01219680418/143
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