1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月十四日(火曜日)
午前十時四十八分開会
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委員の異動
五月九日
辞任 補欠選任
矢山 有作君 亀田 得治君
五月十日
辞任 補欠選任
亀田 得治君 矢山 有作君
浅井 亨君 山田 徹一君
五月十一日
辞任 補欠選任
山田 徹一君 浅井 亨君
五月十四日
辞任 補欠選任
小林 篤一君 内藤誉三郎君
岡村文四郎君 小林 章君
野地 浩之君 沢田 一精君
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出席者は左のとおり。
委員長 和田 鶴一君
理 事
高橋雄之助君
任田 新治君
川村 清一君
中村 波男君
宮崎 正義君
委 員
青田源太郎君
小林 章君
櫻井 志郎君
沢田 一精君
田村 賢作君
内藤誉三郎君
温水 三郎君
堀本 宜実君
山崎 斉君
武内 五郎君
達田 龍彦君
鶴園 哲夫君
村田 秀三君
衆議院議員
農林水産委員長
代理理事 坂村 吉正君
発 議 者 坂村 吉正君
国務大臣
農 林 大 臣 西村 直己君
政府委員
農林省畜産局長 岡田 覚夫君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
説明員
農林省畜産局参
事官 立川 基君
自治大臣官房参
事官 皆川 迪夫君
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本日の会議に付した案件
○畜産物の価格安定等に関する法律案(衆議院提
出)
○競馬法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/0
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001・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提案理由の説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長代理理事坂村吉正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/1
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002・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) ただいま議題となりました畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
畜産物の価格安定等に関する法律は、昭和三十六年に制定せられて以来、畜産物の価格安定に多大の貢献をいたしてまいったのであります。
畜産物の価格安定等に関する法律の内容は多岐にわたるのでありますが、指定食肉に関する部分について申し上げますと、原則として自由な市場取引を前提としつつ、畜産振興事業団の売買操作を通じ、中央卸売市場における売買が政府の定める安定価格の範囲内で安定することを目的とするものであります。
本法施行以来の運用上の経緯を見ますと、政府は審議会の答申を受けて、それぞれの消費地における指定食肉の安定価格である安定基準価格と安定上位価格とを決定するにあたり、現在の食肉流通価格が自由取引の上に需給関係、商慣習等から生ずる市場間の地域間格差を生じつつ形成されている事実に立脚し、それぞれの中央卸売市場の指定食肉の安定価格を定めて、毎年度告示いたしております。
ところで、現在の指定食肉の主要産地が、遠隔地に所在し、それぞれの消費地の中央卸売市場まで相当の距離差があるため、当然市場ごとの価格の上に格差を生じておりますので、自由取引を前提とする場合においては、実際上の価格差はやむを得ないものでありますが、指定食肉の取引において、政府の買い入れ価格である安定基準価格が、市場間格差を定めていることを理由として、自由な市場取引において生産地における取引価格の上に、生産者に対し悪影響を及ぼしている事実が見られるのであります。
すなわち、このような事態は、将来食肉生産地の健全な発展の上にも好ましいことでないばかりでなく、社会的にも地域間格差は各種の問題を提起しているおり、なるべく格差を解消することが望ましいと考えられるのであります。
以上のような事情を考慮いたしますと、指定食肉安定基準価格が政府の買い入れる安定支持価格であることの意味から、毎年告示する価格は全国の主要な消費地の中央卸売市場についてのみ定め、中央卸売市場ごとのいわゆる市場間格差告示は、これを行なわないこととし、その他の市場における買い入れ価格は、その買い入れのつど、政府が全国の主要な消費地の中央卸売市場の安定基準価格を勘案して定めることにしようとするものであります。
衆議院農林水産委員会におきましては、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の各党間の協議がととのいましたのでこの法律案を提出する次第であります。
何とぞ慎重審議の上、御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/2
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003・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 本案についての質疑は後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/3
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004・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対し質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/4
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005・中村波男
○中村波男君 最初に自治省にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、四十年三月三十日の第四十八国会の本委員会におきまして、わが党の渡辺勘吉氏が競馬法の一部改正の提案に対します質問の中でお尋ねしたのに対しまして、政府委員である柴田護氏が答えておる議事録がここにあるわけでありますが、それによりますと「私が最初に申し上げましたように、その間の見通しが甘かったために、かような事態を招いたのでありまして、その点は財政当局者としては非常に深く責任を感じているわけでございます。したがいまして、幸いにこの措置が講ぜられました暁におきましては、期限の終期までに、計画的に責任を持って新法に移行できるように財政的な措置の万端を講じてまいるつもりでございます。」——今日の自治省の事務次官をしていらっしゃる柴田さんがこのように答えておられるのであります。そこでわれわれが仄聞するところによりますと、自治省としても延長をなされない場合には当該市町村の財政上に急激な減収を来たしますので、何とか延ばしてもらいたいというような要求といいますか、強い希望があったというふうにも聞いておるのでありますが、それはそれといたしまして、自治省としてこの法案に対します考え方をまずお伺いをしてみたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/5
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006・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) ただいま御指摘のように、前回の再延長をします際に、自治省としても事後の処置について十分に指導してまいる措置をしてまいりたいという趣旨で答弁をいたしたわけでございます。この関係法令の地方団体に対する示達等にあたりましては、事務次官名をもちまして、期限の再延長されました趣旨、国会における論議の次第、したがってその間に地方団体として措置しなければならない心がまえ、態度というようなものについて十分に通知をすると同時に、また都道府県を通じまして詳細にその趣旨を説明をしたわけであります。そして、地方団体の自主的な財政運用の態度というものに期待をすると同時に、それだけではこれは無理でございますので、自治省としてもこういった団体、これは主として大都市の周辺に多いわけでございます、非常に財政需要もふえておる、こういう実態もございますので、毎年交付税、あるいは起債等の措置にあたりまして、こういった団体の財政上の財源の充実かはかられるように、計画的に逐次——計画的というと多少語弊があるかもしれませんが、できるだけの措置をしてまいったわけでございます。
ただ御承知のように、非常に昭和四十年というのは国の経済の停滞によりまして国税も非常に落ち込んでまいった、地方税も近代まれに伸びなやんだ年でございまして、途中かような措置を仰がなければ乗り切れなかった、こういう事態で、また、四十一年はやや回復の徴候を来たしたとはいいましても、同じように非常に困窮した時期であったわけでございます。そういう特殊な経済事情も災いいたしまして、あるいは一面において国の財源措置も不十分であったという気もいたすのであります。また、地方団体としても若干予定どおり考えが通らなかった、こういう点がございまして、確かに当初御指摘いただきましたような国会の審議の過程からしますと、まことに私たちとしては申しわけないところがございますけれども、そういう特別な経済上の変動等もありまして思うようにまいらなかったというような点も御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/6
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007・中村波男
○中村波男君 私がいまさら指摘するまでもなく、競馬法の一条二項の一号に「著しく災害を受けた市町村」、二号には「その区域内に地方競馬場が存在する市町村」、このようにはっきりと指定市町村というのをきめまして、その上で、いわゆる区域内に地方競馬が存在する市町村は別といたしまして、著しく災害を受けた市町村、そのための指定が自治省と農林省と合議の結果行なわれていると思うわけでございます。したがって、この運用は地方公共団体が財政的に急迫し、苦しいからどこでも競馬がやれるということにはなっておらないというふうに思うわけであります。そこで、三年前に延長いたしましたときには、まだ不十分だというふうな考え方が私は相当あったのではないか、三年間延長することによって、計画的に競馬収入から市町村財政というものが抜け出し、当てにしなくてもいいような市町村財政を確立する、こういう猶予期間であったというふうにも考えるのであります。したがって、いまここでお尋ねいたしたいのは、この第一条第二項第一号の趣旨にのっとりまして、指定を受けることはこの法案が出なくとも競馬法でできるのでありますから、そういう市町村がいままで指定をされました中でどのくらい残っているか、そういうものがあるならば明らかにしてもらいたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/7
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008・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 附則によりましてやっておる市町村が九十五あるわけでございます。そのうち十一団体を、災害の条項に該当する、こういうことで今回指定をいたしております。それ以外の点につきましては、現在のところ該当しないのじゃないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/8
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009・中村波男
○中村波男君 いま申されましたように、九十五あるわけでありますが、しかし、すでに競馬法が改正されまして六年の年月が経過をしておるのでありまして、したがって、第一条二項第一号に該当する市町村はいまの御答弁によりますと十一ある。そうだといたしますと、その他の競馬法の指定を受けておらない市町村の財政は、しからばこれらの町村に比べてよろしいのかどうか。そういう何といいますか、とり合いと申しますか、つり合いと申しますか、そういう点からこの問題をどうお考えになっておるか、あわせてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/9
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010・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 他の競馬を施行していない団体との均衡の問題でございますが、この点につきましては、実は私たちも、当然施行していない団体でも非常に財政的に窮乏しておるところはあるわけでございますが、その間の均衡をどういうふうにはかろうかという点でいろいろ苦慮いたしたわけでございます。ただ現実の問題としては、従来から競馬の収益を得ましてこれによって特別な事業を計画的にやってきておったというところと、従来から競馬をやっていなかったために、やりたいのであるけれども、そういう計画を立てていない、そのために中途で計画を変えなければならぬと、こういうことにならない市町村の間には現実の問題としては若干の差があるわけでございます。基本的にはなるべく全部の市町村が財政の状況に応じて平等な取り扱いをするようにいたしたいという気持ちは持っておるわけでございますけれども、現実の問題として非常に困っておるのが、競馬法で現在やってきて急にやめなければならぬ、急にというのは何でございますけれども、この際やめなければならぬというところにあるわけでございまして、まあそちらのほうに対する措置をすると同時に、逐次一般的な市町村の財源問題について手当てをしていきたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/10
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011・中村波男
○中村波男君 次は提案者にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、過日の本委員会における提案説明によりますと、「地方競馬の制度改正以来すでに六年を経過し、経過措置として十分な期間であったわけでありますが、その実情について考慮いたしますと、競馬を施行してきましたこれら市町村の財政事情は、その多くは大都市あるいは大都市周辺都市または地方中心都市に位置しており、人口の急増等に伴う公共投資等の財政需要はきわめて旺盛で、多額の財源を必要としており、しかも、これら財源のうちに占める地方競馬の収益の割合は毎年度かなりの比率を占めてきているような状況にあったのであります。したがいまして、いま直ちにこれらの市町村から地方競馬の開催による収入を全く断つことは、これら市町村の財政に衝撃を与え、各種施策の遂行に支障を来たすことも予想されるのであります」、こういう説明がなされておるのでありますが、いま私が自治省にお尋ねをいたしましたように、どこまでもこの指定というものは法一条二項一号に該当するところに指定がなされるべきであり、またそれにはその目的に沿う理由があるわけでありますから、ただ単に、三年間のいわゆる猶予期間を設けてまたここに延長するということは、三年間の延長というのは何ら意味がなかったということになるわけであるわけでありますが、この点についてどういうふうにお考えになって提案をされておりますのか、重ねてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/11
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012・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) 御質問のとおりの提案の趣旨で実は提案したのでございますが、延長というおことばでございますけれども、実は延長ということではなくて、もう原則に返したわけでございます。原則に返しまして、第一条の趣旨にのっとって競馬法は原則で運用するのだ、こういうことに返しまして、しかし、いままでどちらかと申し上げますと、政府のほうで三年前に延長して、そのときに、その当時の審議の経過をごらんになればおわかりでございますけれども、財政上の措置をいろいろ講じてもう絶対に延長しません、こういうことをはっきり提案者も、あの当時は議員提案でございますが、三年前は議員提案でやったのでございますが、提案者もそういう考え方で提案していました。それからまた政府のほうもそれに応じて、絶対に延長しません、その間に何とかいろいろ措置を講じてまいります、こういうことを言っておるようでございますが、非常に残念でございますけれども、結果を見ますと、ことしの三月三十一日に競馬法のその特例の期限が切れておるのに、いままで指定を受けていた市町村で今度開催権を失う市町村については、そういう予期したような財政上の措置が講じられておりませんし、現実にはその財政収入をあてにしていろいろのことを計画しているというのが実態でございます。でございますので、率直に申し上げまして、私どもは政府の怠慢のしりぬぐいをしなければならぬ。これはいろいろの市町村の実情を考えれば、何とかしてこのしりぬぐいをしてあげなければいけないのじゃないか。こういうことを考えて、政治的に考えまして、そうして法律は原則に返すけれども、競馬収入の、財政収入の激減緩和をはかってやるために、原則に戻して、県とそれから競馬場の所在市町村と、それだけが競馬開催をすること、そういう原則に戻して、県の開催した競馬の収益を、それをいままでやっておりまして今度開催権を失った市町村に対しては、急激にこれをゼロにしてしまうのも非常に影響が大きいので、これを原案としては三年間で漸減方式で配分をさせていく、こういうことを実は考えて提案したわけでございます。で、いろいろ審議の過程で民主社会党のほうから三年間は少し長いから二年間で漸減方式で考えたらどうかと、こういう提案がございまして、そういう修正をいたしまして、二年間で漸減方式で財政を援助していってやると、こういう趣旨の考え方で実は提案したわけでございます。これは競馬のいままでの特例を延長と、こういう考え方をしていたわけでございます。そういう点をひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/12
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013・中村波男
○中村波男君 もちろん私のことばに間違いがあったかと思いますが、延長されたのではないことは十分承知しておりますが、政府の怠慢は、まあもちろん糾弾をしなければなりませんし、責めなければなりませんが、あえて私に言わしてもらうならば、政府与党として自民党の坂村さんから政府を攻撃される言辞があったわけでございますが、その前に私は与党としてひとつ責任を感じていただきたいと思いますのは、そういう自治省の怠慢についていままでにやはり与党として、また国会として十分監視をし、警告をし、こういう事態を招かないようなことをまず考えなければいけなかったのではないかと、こう思うわけです。
そこで、四十八国会の審議経過を少し調べてみますと、中村時雄委員が衆議院において質問いたしましたのに対して、提案者であります谷垣議員から答弁がなされておるのでありますが、その答弁は「きわめて適切な御質問を受けまして、提案者といたしましては、中村委員のおっしゃいましたごとく、三年後におきましては、今日のことを繰り返さないだけの努力をさせて、三年以上これを延ばすようなことは絶対ない、かようにいたしたいと思います。」と、こういうふうにはっきり言明をしておられますし、また附帯決議も同様趣旨の決議がなされておるのであります。したがって、私が特にここで提案者にお聞きをしておきたいと思いますのは、こういうことを繰り返すということはやはり私は国会の威信を傷つけることではないかと思うわけです。天に向かってつばをはくと同じことをわれわれ議員が繰り返すことにはならないのかということであります。
そういう点からいいまして、さらにこの機会に提案者としての御決意をお聞きしておきたいと思いますのは、この経過措置、さらにあとから東京都における特別区の取り扱いについていま少し具体的にお尋ねをしたいと思っておりまますが、民社党から修正が出まして、二年の経過措置ということになっておりますが、この二年の経過措置の内容であります。何年を基準にしてどのような二カ年に経過措置をとられようとしておるのか、あるいはよほどこの機会に今後の問題というのをはっきりしておきませんと、今回の当該市町村が猛烈に議員立法なりあるいは政府提案として延長を望まれてきましたのも財政的な問題でありまして、特に、もうすでに予算に組んで議会の承認を得ておるから、競馬が行なわれなくなり、財政措置がとられなくなるならば、当該公共団体の財政上に大きな欠陥ができるばかりでなく、何ともならなくなるから、何とかしてくれということであったと思うわけであります。少なくともこの二カ年の経過措置というものは、再び三たび続けないという、こういう前提をはっきりしておきませんと、また二年たったあとにこういう問題が起きてくる。これはいまの国の地方公共団体に対する財政的な問題の根本的解決をはからない限りは、一体、自主財源で地方公共団体が地方自治の本旨にのっとるような行財政を運営するということはできないのでありますから、そういう情勢からいいましても、与党としてひとつこの問題ははっきりとした態度を表明してもらいたいし、そういう立場で対処していただかなければならないのではないかということを考えますがゆえに、いま申し上げましたような点について、具体的に御答弁をいただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/13
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014・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) おっしゃるとおりでございます。先ほど、最初に与党としての責任もあるじゃないか、こういうお話もございましたけれども、私は、提案者はあの当時は与党でございますが、国会でこれはきめたものでございますから、与党としてももちろん責任があると思いますけれども、また国会の決議に対してそれが実際問題として期限切れになってそういう実体が存在しなかった、行なわれていなかった、こういうことは非常に残念ですし、こういうことが再び繰り返すことがあってはいかぬ、こういうことには私は同感でございます。
そこで今度は、いままでのやつは前の三年もそれからその前の三年も実は十からゼロになる、そういうことでございましたので、私は相当無理があったのじゃないか、こういうぐあいに考えるのでございますが、今度はそういう経過も考えまして、とにかく、原則は原則に戻すのだ、根本は。自治省の指示でやるのだ、そのかわり、いままでのやっていたところについては、急に十からゼロになるのもこれはたいへんだろうから、県のほうから一応政令に委任をいたしまして、政令で基準をきめて、そこで県のほうからいままでの開催の市町村に対しては適正な収益金の配分をやってやれ、こういうような内容にしたわけであります。その内容についていままでのように十からゼロにするのじゃなくて、第一年度——四十三年度は内容としては四十二年度の実績の一〇〇%、それから四十四年度はその半分、こういうことで漸減方式でやってまいりますれば二年済んだあとも、穏やかにこれは通常の状態に移行できるのじゃないか、こういうことを考えて、そういう内容で実は政令に委任をしておるわけでございまして、その内容についても、政府も農林省も自治省も了承いたしております。ですから、そういう点で政令は運用されるというふうに期待いたしております。そうして、もちろん、今後絶対にこの延長ということは、いままでと事態が違いますから、内容が違いますから、そういうことは絶対にない、こういうことが言えると思っておりまするし、またそのことを私ども確信をいたしまして、そうして衆議院のほうでも議決をいたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/14
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015・中村波男
○中村波男君 いまの御答弁に続きまして、事務的な問題について農林省にお伺いをしてみたいと思うのでありますが、いまの御答弁によりますと、四十二年度を基準にして四十三年度は一〇〇%、四十四年度は五〇%、こういうことでありますが、この一〇〇%、五〇%を補てんいたしますために、具体的には指定競馬が予想以上に売り上げが上がったような場合には、指定回数というのを消化した場合には、もうあとは取り消すのか。それからもし予想どおり補てんができない場合にはどうするのかという問題が具体的に事務的な問題として出てくると思うのでありますが、それはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/15
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016・立川基
○説明員(立川基君) いまの点でございますけれども、先ほど提案者から御説明がございましたように、今度の立法の趣旨から考えまして、国会におきます皆さんの御議論を中心にしまして最終的にきめたいと思っておりますが、一応現在の段階で考えております点は、一応政令におきまして、都道府県が今回の廃止市町村に対しまする交付金額の最高限度額を定めたいと思っております。その最高限度額は、先ほど提案者からお話がございましたように、頭に置いておりますのは、四十二年度におきまして当該廃止市町村が実際に得ました収益のことを頭に置いておるわけでございますけれども、御案内のように、まだ四十二年度の実績は出ておりませんので、通常の場合に当該市町村が上げると考えられます収益というのを最高限度額にいたしまして、あとは二カ年にわたりまして、大体先ほどお話がございましたように、四十三年度は一〇〇%、四十四年度は五〇%ということで、四十四年度で打ち切りというふうに考えておるわけでございます。
そこでいま御指摘の点でございますが、実際の運営といたしましては、最近の競馬の売得金額は、御案内のように、年々かなりの増額をしてきておりますので、そういう状況とにらみ合わせまして、廃止市町村の中で今回の特別の措置をけたいというものが都道府県に申請いたし、相互に協議いたしまして、その限度額の範囲内でどの程度の開催回数にするかという協議をやりまして、それを農林省に上げてまいりまして、それで開催回数なり、あるいは時期なり、場所なりを定めたいと思いますので、御指摘のありましたような、ことに限度額を超過するということは法令上一応ないと考えますし、また実際にそれに達しないという場合もほとんど起こらないのではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/16
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017・中村波男
○中村波男君 次に、東京の特別区の特別の規定を設けた理由についてお伺いを申し上げたいのでありますが、特別区の全域を一つの市とみなすような規定を置きますことは、地方自治法の自治区という考え方に照らしまして私は不適当ではないかというふうに思うわけでありますが、この点について、今回これを認めました理由を明らかにしていただきたいと、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/17
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018・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) 東京都の特別区を一つの市町村に——競馬開催に関する限りは一つの市町村にみなそうと、こういうことが実は提案の法律案の中にあるわけでございますが、これは御承知のように、東京都の特別区というのは、ほかのところと非常に事情が違いまして、いままでの競馬の開催につきましてもほんとうに完全に一本になってこれは実際はやっておるわけでございます。で、その競馬場のあるのは品川区でございますけれども、これで品川区だけを競馬法の指定市町村とみなすことは実態にどうも合わないのじゃないか。いろいろ実情を聞いてみましても、これはやっぱり二十三区を一つの競馬場の所在市町村というふうにみなしてやらせるのが実際実情に合うのじゃないかと、こういうことで実はいろいろ考えましたけれども、そういう法案を実は考えた次第でございまます。で、地方自治法では特別区は一つの市町村とみなす、こういうこともありますが、これは必ずしも普通の市町村とはやはり実態が幾らか違うのではないかというふうなところもございますし、そういうようなことをいろいろ考えまして、東京都については二十三区ひとつ一体にして、競馬場の所在町村というふうにみなしてあげるのが実情に沿うだろう、こういうことで実は考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/18
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019・中村波男
○中村波男君 自治省は、その問題についてどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/19
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020・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 特別区に御承知のように、多くの点において市と同様の取り扱いをいたしておりますけれども、性格的にはやはり市とは違うわけでございまして、特に特別区相互間におきましては、財政調整という制度がございまして、相互に財源の過不足を都を通じて行なう、こういう制度をとっておるわけであります。またそのほかたとえば消防は一体でやるとかいろいろな特異性に基づきまして、特例措置を若干設けておられるわけでございます。したがってこの競馬の開催につきましても、それが一般の市と実態的に同じような形になりましても、私たちは法律的には一向差しつかえないし、むしろそのほうが実態にも合うのではないかというふうに考えて改正点に賛成をいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/20
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021・中村波男
○中村波男君 この法案によって特別措置を行ないますと、具体的にはいままでは一部事務組合をつくりまして、競馬を開催し、運営をしておられたように承知をしておるのですが、今度は区ごとに競馬を行なうということを許すということになるのではないかというふうに思うのでありますが、この私の理解が間違っておるならば御指摘をいただきたいと思いますが、そうだといたしますと、区ごとに申請をし、区ごとに競馬を開催してもよろしい、こういうことにならないかと思うのであります。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/21
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022・立川基
○説明員(立川基君) ただいまの質問でございますけれども、確かに制度上は区ごとにできるわけでございますので、指定といたしましては、区ごとに指定するわけでございますけれども、その運営につきましては、やはり事務組合をつくりまして運営していくように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/22
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023・中村波男
○中村波男君 私、さらに聞きたいのは、運営は事務組合をつくってやっていくようだということではなしに、農林省としてはあるいは行政指導としてはどういうふうにやらせたほうが適当であるというふうに考えて指導されたかということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/23
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024・立川基
○説明員(立川基君) 御承知のように、従来からもそういう考え方で各市町村を指導しております。ただいまの場合、東京都の場合におきまして、私ことばが足りませんであるいは誤解を生じたかと思いますけれども、行政庁といたしましては事務組合をつくりましてやることが適当かというふうに考えておりますので、そういう方向で指導したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/24
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025・中村波男
○中村波男君 それで一つの懸念を持つのでありますが、今度はっきりと区ごとに開催権を認めたのでありますから、一部事務組合をつくるかつくらないかは相談の結果でありまして、まとまらなければ区ごとに申請をし、区ごとに開催をする、そういうことになりますと、これはいろいろな面で今後に大きな支障も出まするし、またこの法案によると、当分の間ということになっておりますが、これを廃止するようなときにはさらに一そう複雑さとむずかしさと混乱を生じますので、これは従来どおり許すとするならば、いままでのような方式、形式でやらせるべきではないかというふうに考えるのでありますが、この点ひとつはっきりとした行政指導という立場で意思統一を願っておきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/25
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026・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) 提案者としてもいまの問題について一言申し上げておきたいと思うのですが、こういう特例をつくりましたのは、いままでのようにやっていた実態を認めて、これを実情に合わせるようにひとつやってあげよう、こういう政治的なあたたかい配慮でこれはやったつもりでございますので、なるべくそういうことでこれはやっぱり政府にもやってもらうように私のほうでも強く要望をしておく次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/26
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027・立川基
○説明員(立川基君) ただいまの点でございますけれども、従来の指定といたしましては、各区それぞれ指定をいたしておりまして、この指定された区が事務組合をつくりましてやっておるわけでございまして、今回の特例の措置によりましても、同様に指定は先ほどのように各区、特別区ごとにいたしますけれども、運用としては従来どおりやってまいりたい。そのことが行政庁としても適当だというふうに考えておりますし、当事者としてもそういう御意向のように聞いておりますので、今後も従来と同じ方針でやりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/27
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028・中村波男
○中村波男君 提案者にこの機会にお尋ねをしておきたいと思いますのは、そもそもこの法案をお出しになった理由としては、市町村の財政に衝撃を与えないためということが大きな理由だと思うわけであります。そうだとするならば、東京都も他の市町村と同じような財源補てんというような同一な取り扱いをすればよかったのであって、東京都のみ特別な措置を許し、さらに「当分の間」という表現になっておりまするけれども、「当分の間」とは具体的に何年くらいを指向しておられるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思うわけであります。市町村と、東京都の区を分けた理由が、財政その他になければならぬと思うのでありますが、その点をひとつはっきりしていただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/28
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029・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) お答えいたします。
東京都の特別区の問題を特別に扱いましたのは、ほかの市町村と非常に事情が違う、特別な事情にあるからということで、これは財源緩和のための措置と必ずしもぴったり同じような、そういう性格のものじゃないわけでございます。たとえば品川区が競馬場を持っておる。だけれどもいままでの運用は、もう品川区だけでなくて、二十三区が一本になってこれはやっておる、そういう実態、二十三区全体がこれはやっておるわけでございます。そこで、それを品川区だけがその競馬場の所在市町村というふうにきめてかかってしまうことは、東京都の実情からいって非常にこれは無理があるのではないかということを考えまして、東京都の二十三区を所在市町村というふうに考えていこう、こういう気持ちで実は特別な計らいでやったわけでございますので、そこら辺はほかの市町村の財政上の激変緩和のためにまず原則に戻して、それでことしは一〇〇%、来年は五〇%というふうなそういう措置とはちょっといくらかニュアンスがあると思うのでございます。で、その「当分の間」というのは当分の間でございまして、これを何年だといってきめても、なかなかこれは非常にむずかしいと思うのでございます。
でございまするので、今後まあいろいろ政府のほうでは検討していただいて、それじゃ品川区だけを所在市町村にして、ほかの区は切り離して別個な扱いにしてもいいかというような問題がございますので、そこをどういうぐあいに調整をいたしますか、その点は十分ひとつ政府でも検討していただきまして、それを待って「当分の間」というのは解除していったらどうだろうかというふうに実は考えておるわけでございます。ですから、これを「当分の間」を何年だというのは、いまの段階では具体的に何年ぐらいというふうに頭にないわけでございます、提案の際におきましては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/29
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030・中村波男
○中村波男君 残念ながらただいまの説明では、東京都の特別区に特別措置を行なった理由というのは、私には理解できないわけであります。考えていただきたいと思いますのは、最前から何度も申し上げましたように、競馬法第一条二項二号によって東京都の各区も申請をし、指定を受けておると思うわけであります。したがって、そういう論法でいくならば各県にも同じことがいえるのでありまして、指定を受けておる市町村が全部競馬場を持っておるわけではないのであって、したがって、府県の市町村と同じ理由によって申請をされ、許可をされておるのでありますから、したがって東京都だけ特別に財政的に考慮を払わなければならないというような理由なり、その他の理由があるならば別といたしまして、ほかと同じように財政補てんをするという立場に立つならば、二カ年の暫定措置をもって充て、競馬法本来の競馬のあり方に戻すということが私は必要ではないかというふうに思うわけであります。申し上げますまでもなく競馬法による指定をしておりますのは、地方財政の一般的な経費をまかなうためではないのでありまして、そういう点から考えて、いまの御説明では理解できないのでありますが、それ以上の説明はないわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/30
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031・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) 非常にまあ歯切れの悪い答弁かもしれませんが、二年とか三年とかいうようなことで、はたして東京都の品川区だけを指定市町村にして、あとはもう一般の別扱いができるかどうかというところは、やっぱりこれは相当実情を見たり、それから政府でも指導をしていろいろ考えていってもらわなければいかぬと思うのであります。そういうようなことで、東京都の問題については二年とか三年とかいうふうなそういう考え方はしませんで、できるだけ政府で東京都二十三区を全部指定しなくてもいいような状態を早くつくってもらいたい、こういうことを私どもは期待いたしまして、そうしてまあ「当分の間」と、こういう文字を使ったわけでございますので、その点はひとつ御理解をいただきまして、東京都のいろいろな実情等も考えていただいて御理解をいただければ非常にありがたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/31
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032・中村波男
○中村波男君 まあこれ以上提案者にお尋ねをいたしましても、それ以上の御答弁はいただけないかと思いますので、自治省にお尋ねいたしますが、法案には「当分の間」という、こういう用語が使われておりますが、他の市町村は二カ年の暫定措置をもっていわゆる競馬はやれなくなるわけであります。東京都だけは特別の自治省から見て理由がありまして、したがって「当分の間」とは何年を指すか知りませんが、こういう姿を残しておくことが望ましいという考え方があるのかどうか、地方自治法本来のあり方からいえば、私は同じような考え方、同じような立場で対処されなければならないと思うわけであります。したがって、東京都が競馬を続けて開催をいたしますのをできるだけ早く競馬法本来の姿に戻しますためには、やめさせる措置が自治省としても当然考えられなければなりませんし、そのためにただ一片のきょうここで御答弁をいただくのではなしに、いままでのあやまちを繰り返すのではなしに、根本的にひとつ対策を立てて、東京都の区の財政の問題についても対処を願わなければならないと思いますが、それらの点に対する御見解を伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/32
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033・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 東京都の特殊性につきましては、先ほども申し上げましたように、ある部分の仕事については特別区の存する区域が全体の一つの市と同じような扱いをして事務を処理さしている面があるわけでございます。また、財源調整も相互間でいたす、こういうようなたてまえにしておりますので、競馬の事務につきましても、従来の例からいたしましてこれを一つの市と同じような実際上の取り扱いになるようにして私どもは別に差しつかえがないのじゃないかというふうに存じております。ただ、ただいまお話しにございましたように、競馬法本来の趣旨にもとっていつまでもこういった財源に地方団体が依存しないように、特に特別区については単純な二年間の激減緩和の措置でとどまらないということであればこれもまたはっきりさせるように、こういう御提案でございますが、私たちも、最近における大都市の、あるいは大都市近郊の財政需要というものが非常に膨大なものになっておりまして、かなりの税収はある団体でございますけれども、仕事のほうが追いつかない、こういう状況でございます。国会でもたびたび御指摘をいただきまして、そういった大都市の財源についてもっと考えろ、こういう御勉励をいただいておるわけでございます。私たちもその必要があると思っております。ただ実際の問題としましては、財源の、特に税源の配分ということになりますと非常にむずかしい問題が方々に出てまいりまして一気にはまいりませんけれども、そういう考え方のもとに都市財政というものについて善処をいたしていきたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/33
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034・中村波男
○中村波男君 皆川参事官の御答弁によりますと、財政が苦しいから苦しいからということを言われますが、だから、私が申し上げますまでもなく、競馬法では収益の使途というのは、畜産の振興、社会福祉の増進、教育文化の発展、災害の復旧を行うために必要な経費の財源に充てるようつとめることと定めておりますが、三十七年の競馬法の改正の際にはさらに、「これを主として畜産振興のための経費に充当するよう指導すること。」という衆議院農林水産委員会の附帯決議がついておるわけであります。したがって、地方自治体の財源を補てんするために競馬を行なわせるのだという、こういう考え方については私は再検討を願う必要があるのではないか。したがって、われわれがこの法案に反対をいたしますのも、基本的にはギャンブルというのは一日も早くやめるべきだ、なくするべきだ、しかし、そうはいいましても急激にやめるということは地方財政に大きな変動を与えますから、必要悪として最小限度これを行なうことについて認めざるを得ない立場にわれわれは置かれておるわけであります。したがって、競馬法を実施するについては、とにかく地方財政が窮迫し、また財政需要が増大するから、それを補てんするために競馬法の収入を充てていくんだという考え方を抜け切っていただいて、その点は別な問題として指導し、対策を立てる体制を確立していただかなければいけないのではないか、こういう立場でさらに御見解を伺っておきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/34
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035・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 私がただいま御答弁申し上げましたのは、競馬その他公営競技の収入に依存しないで一般財源でやっていけるように税財政の面について一そうさらに努力をしたい、こういう趣旨で申し上げましたのでございまして、いまのお話の点と考え方の違いはないだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/35
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036・中村波男
○中村波男君 提案者の坂村さんからは、「当分の間」というのは当分の間だという御答弁がありましたが、私たちがここで確認しておきたいのは、法律用語で「当分の間」というのは半永久的な意味を持っておるようにも思うわけであります。そういう考え方なのか。普通解釈する「当分の間」とは五、六年を考えておるとか、あるいは七、八年を考えておるとかということか、三年か四年を考えておるということなのか、ひとつその点をはっきりしていただきたいし、それを受けて立つ自治省、農林省はこれをどう考え、どう対処していくのか。国会がおきめになることだから国会の意向に従ってわれわれはやらざるを得ぬということもわかりまするけれども、この問題は私たちとしても特別に扱ったこと自体が基本的に反対でありますし、また、これを長く存続することについては競馬法本来の目的を大きくゆがめていくことでもありますし、また、東京都の区と市町村との均衡を大きく失する結果にもなりますので、でき得るならばこの機会に具体的にその内容を確認した上でわれわれの態度も最終的にきめたい、こういうように思うわけでありますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/36
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037・坂村吉正
○衆議院議員(坂村吉正君) 「当分の間」は当分の間でございますが、具体的に法律上おっしゃるように「当分の間」と使っている場合は、これはもうずるずる半永久的なような場合もございます。しかし、これは、先ほどからいろいろ政府のほうでもお答えがありますように、私どもも、地方財政の補てんのために競馬をやるという考え方でいつまでもずるずるやるべきじゃない、こういう考え方ははっきりいたしております。でございまして、たとえば何年くらい大体見たらいいのかというようなことは、いまの段階ではどうも具体的に見当がつかぬものですから、それでとりあえず「当分の間」として、できるだけ早い機会にこういうようなことがなくても済むように、そういうふうな状態にひとつ持っていこうじゃないか、こういうつもりで当分の間という字を使っておるわけでございますので、これは何年ぐらいを頭に描いているのか、こういうことを言われましてもちょっとお答えがむずかしいのでございますが、まあできるだけ早い機会にこういう事態をひとつ解消していくようにしたい、こういう気持ちを「当分の間」という字にあらわしたつもりでございますので、その意を受けて政府のほうでもひとつ努力をしてもらいたい、こういうことを政府には強く要望をしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/37
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038・立川基
○説明員(立川基君) ただいま提案者から御説明がありましたように、事業でございますけれども、先ほどから先生が御指摘なさいますように、競馬法の本来の考え方といたしましては第一条の原則によるべきものであって、その例外としてこの措置がとられたのであるということで、先ほど提案者の御説明のように、「当分の間」ということの明文がおかれておるわけでございます。そういう趣旨からいたしますと、先ほどからいろいろ御説明がありました、特別にそういう措置をとる必要がない事態に立ち至ったときには当然本来の原則に立ち返るということは当然のことでございますけれども、いかなる事態、あるいは具体的にそういう時点に到達いたしたかにつきましては、先ほど先生からも御指摘ございましたように、この法律ができました経過その他を考えまして、ことに本日のいろいろ御議論もございますから、こういう御議論も十分勘案いたしまして今後検討してまいりたいというふうに考えておりますけれども、あくまで本則とそうでないものとの区分けについては先生がおっしゃるとおりだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/38
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039・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/39
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040・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/40
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041・宮崎正義
○宮崎正義君 先ほど来私の伺おうと思ったことは全部中村委員のほうからも基本的なことは伺っているようでありますが、そこで二十五条の「この法律の施行に必要な限度内において、」ということなんですが、この「限度内において、」の法の解釈をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/41
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042・立川基
○説明員(立川基君) 第二十五条の「この法律の施行に必要な限度内において、」という趣旨でございますね、この趣旨は、農林大臣が地方競馬の施行について公正を確保していきますに必要な限度内においてという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/42
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043・宮崎正義
○宮崎正義君 二十条とのあれはないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/43
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044・立川基
○説明員(立川基君) 公正な地方競馬の施行を確保するということの中には、二十条の関係も当然入ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/44
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045・宮崎正義
○宮崎正義君 そこで、この法律を、先ほどから論じられておりますように、少なくとも廃止すべきであるという線は、これは変わらないと思います。そうなりますと、職員及び事実上の競馬が始まっているときの臨時要員、それらに対してどのくらいの人が今日携わっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/45
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046・立川基
○説明員(立川基君) ただいまちょっと手元に資料を用意しておりませんのでたいへん恐縮でございますけれども、臨時雇いでない、常時従事しております職員は大体七百名程度というふうに考えております。兼職を含めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/46
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047・宮崎正義
○宮崎正義君 これは人のこれからの生活の問題になってくる関係上、俗に、私はよくわかりませんけれども、呼び込みとかというような職業等の人たちがどのくらいいるのか、またその臨時に開催をするとそういう人たちがどのくらいいるのか、廃止になったときにさっそく——廃止になる前からこういう問題は切実な対策としての行き方、それらをはっきりしておかなきゃならないと思うのですが、この法律の継続、廃止、それに伴ってからの問題は同時にこれも考えていかなきゃならぬ、このように思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/47
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048・立川基
○説明員(立川基君) 先生が御指摘になりましたように、地方競馬に従事している職員が、先ほど申し上げました兼職を含めました七百人以外に、臨時に、先ほど御指摘のありました呼び込みその他の従業員もおるわけでございます。そういう点も勘案せられまして、ここに提案せられましたような措置がとられたものであろうと思うわけでございます。しかし、これも先ほどからお話ございますように、経過期間の二カ年を過ぎますと廃止になるわけでございますけれども、都道府県の開催いたします競馬の回教につきましては、これらの、いまの廃止市町村が臨時の経過期間を過ぎまして後も県全体としての開催回数というものは減るわけではございませんので、そういう職員のほかの場における就職なり、あるいはあっせんなりにつきましても十分意を用いまして、これらの職員に非常に不安のないように、まだ二カ年ございますわけでございますから、そういう準備は十分に留意してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/48
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049・宮崎正義
○宮崎正義君 私が申し上げるまでもなく、二十三条の三における「都道府県は、その行なう競馬の収益をもって、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。」というふうに、先ほども中村委員からもお話がありましたけれども、どれほど今日まで多くの社会問題が——当然やってはならないということをやりながら、その反面では、教育文化の発展とかという、逆な面を振興していこうと、こういう行き方というものは、これは私が申し上げるまでもないことでありますが、したがいまして、先ほど来のお話を通じまして、これはすみやかに廃止の方向に持っていくべきじゃないかということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/49
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050・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) それでは川村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/50
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051・川村清一
○川村清一君 私は角度を変えまして地方競馬でなくて中央競馬の問題につきまして少しの時間、質問をいたしたいと思います。
そこでまずお尋ねいたしますことは、中央競馬会から国庫に対しての納付金が、昭和四十年度、四十一年度、四十二年度、さらに四十三年度に対する予算の見込み、これはどの程度であるのか、ちょっと数字をお知らせいただきたいと思います。なおこれに関連いたしまして、馬券の売り上げ高は幾らであるか、それから、なお競馬に動員されましたファンの数は幾らであるのか、これをひとつわかりましたらお知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/51
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052・立川基
○説明員(立川基君) ただいま御指摘のございました中央競馬会における状況についてお答えを申し上げます。
昭和四十一年度におきます開催回数は三十六回でございまして、その入場人員が五百三十七万八千人でございます。それからそれによりますところの発売金額が千二百十八億八千万円でございます。それが発売金額でございまして、売得金額が千二百十八億でございます。それから国庫納付金が百四十八億九千万円でございます。それから四十二年度におきます数字が、開催回数が同様に三十六回でございまして、入場いたしました人員が六百十万九千人でございます。それから発売金額が千五百二十八億六千万円でございまして、売得金額が千五百二十七億五千万円でございます。それから四十二年の納付金が百八十六億五千万円でございます。四十三年は、これは予算の数字でございますが、売得金額が千七百九十六億でございまして、国庫納付金は、これは第二納付金はまだはっきりわかっておりませんので、第一納付金だけでございますけれども、百七十九億円ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/52
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053・川村清一
○川村清一君 国庫納付金はちょっと数字違いませんか。予算書に出ておるのとちょっと違いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/53
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054・立川基
○説明員(立川基君) ただいま私の申し上げましたのは、中央競馬会の経理が暦年でやっておりますので暦年で申し上げましたので、予算の数字は、たぶん年度の数字になると思いますが、若干違いがあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/54
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055・川村清一
○川村清一君 私どもは国会議員ですから、国会に提出されております大蔵省、農林省の予算でもっていろいろ検討している。けさほど検討いたしましたら、日本競馬会からの納付金は、四十二年度では百六十億二千六百八十四万三千円、四十三年度では百六十五億六千五百八十一万四千円、こういう数字になりますよ。ただいま参事官のお答えになっている数字と予算書とは食い違っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/55
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056・立川基
○説明員(立川基君) たいへん恐縮でございますが、ただいま手元に予算書を持ってまいっておりませんので、後ほど調べまして御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/56
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057・川村清一
○川村清一君 いずれにいたしましても、ただいま中村委員が地方競馬についていろいろ議論をされまして、結局地方財政が赤字になっておるということで、競馬法の改正によって、赤字になる自治体の財政を負担するということで、競馬法の改正ということになっておるわけでございますが、日本の国の財政、昭和四十三年度の一般会計は実に五兆八千億に及ぶ大予算でございますが、その予算の中に中央競馬会から百六十五億六千五百八十一万四千円という納付金が入っておるわけです。四十二年度におきましては百六十億二千六百八十四万三千円というばく大な納付金が入っておるわけであります。参事官の説明とは若干食い違いましたけれども、いずれにいたしましても、ばく大な納付金であることには相違ございません。そのようにばく大な納付金があるということは、要すれば最近の競馬ブームというものが生んだ結果でございまして、御承知のように、最近は相撲がそろそろ下火になり、プロ野球がだんだん下火になり、スポーツではサッカーそうして競馬、これが大ブームを巻き起こしておりまして、動員される観客ファンの数というものはばく大なものなのでございます。それがこのように国庫納付金をふやしておるわけでありますが、そこで私がお伺いいたしたいことは、この四十三年度予算の百六十五億あるいは四十二年度の百六十億というばく大な納付金が一体何に使われておるのか、どういう面に使われておるのか、これは農林省というか、国の財政の中に入ってしまったのですから、そういう質問をすることが無理な話なんでございますけれども、またそれじゃ逆な立場からお聞きいたしますが、農林省の六千五百四十億というばく大なこの予算の中に占める畜産振興に関する予算、畜産関係の予算は総額幾らあるかお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/57
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058・立川基
○説明員(立川基君) 先ほど先生が御指摘になりましたような百六十数億に当たります国庫納付金は、法律の規定によって国庫に納付されておりますが、その使途につきましては先生お話のような伝貧その他いろいろな研究とか、その他畜産振興に使われておるわけでありまして、
〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
ことしの四十三年度におきまして、畜産関係の振興に必要な経費は二百五十億九千五百十一万円ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/58
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059・川村清一
○川村清一君 その二百五十億という予算は農林省の畜産関係予算の全額でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/59
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060・立川基
○説明員(立川基君) 二百五十億九千五百十一万円というのは全額でございます。これには農地局に計上いたしております草地改良分も含めてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/60
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061・川村清一
○川村清一君 それでお尋ねしますが、競馬益金だけで百六十五億というようなばく大な納付金があって、そうして畜産全体の予算で二百五十何億何がしといったようなこういう予算と比較して私は納得できませんが、参事官として、畜産局の責任者として、率直にひとつ御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/61
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062・立川基
○説明員(立川基君) 御指摘のように、競馬を開催することによりまして得ました利益が、先ほど先生がおっしゃいましたように、かなりの多額になっておるので、畜産の経費そのものももう少しふえてよろしいんじゃないかと、こういう御趣旨ではないかと思うわけでございます。まあ、この点はわれわれとしてしたい事業がいろいろございますけれども、国全体としての財政の個々の問題その他もございますので、一応われわれは本年度の予算といたしましてはこの程度が適当ではないかということで、先般予算を提出して御承認を得た次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/62
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063・川村清一
○川村清一君 この競馬法という法律に、これは目的がないんですが、一体競馬法——競馬の目的は何なんですか。たいていの法律は大小にかかわらず目的が書かれている。ところが、この競馬法に関する限りは目的がないんですよ。何を目的にこの競馬法という法律が存在しているのかとんとわからないわけであります。だからして、一体競馬というものを国は奨励するのかしないのか。競馬というものに対する国のいわゆる基本的な姿勢というものがとんとわからない。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/63
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064・立川基
○説明員(立川基君) この法律そのものには、ずっと以前にできました法律でございますので、目的という新しい一つの条項を設けて目的は書いてないのでございますけれども、御案内のように、競馬につきましてはかねてから非常な古い経過を持っておるものでございまして、当初は、戦時中におきましては、日本の馬の改良増殖ということを目的にしながら、さらに一般的な大衆の娯楽ということもあわせて考えておったわけでございますけれども、戦後の今日におきましては、大衆の娯楽といたしまして刑法の特別の例外を設けておるわけでございます。と同時に、あわせまして畜産の振興ということも同じこの法律を施行いたします場合の目的でございまして、それからあがります益金につきまして、先ほどお話がございますように、畜産の振興その他に、社会福祉なり何なりに使うということを法律上明定されるのもその理由かと思うわけでございます。
ただ、いろいろと御議論のございますように、非常に何といいますか、偶然の上にかけをするわけでございますから、これが過度に行なわれることによりましていろいろな弊害を伴うこともまた事実でございます。このことから勘案いたしまして、先般来公営競技に対しまする調査会を内閣でも設けまして、どういうふうにやっていくかということを御論議願ったわけでございますけれども、この調査会におきましても、現段階におきましてはやはり競馬なりその他のそういう競技——競技と申しますか、そういうものをやることはやむを得ない。ただし、現在以上にそれが拡大されて行なわれるということは慎むべきだというような方針並びにその他のいろいろな改正の要点が指示されましたので、われわれといたしましては、現在の状況としては、競馬は現行のまま施行するけれども、それが現在以上に過大になって、一般の射幸心を過度にそそるということのないように、したがって、その施行につきましては厳正かつ公平にやれるような形で厳重に留意しながら、われわれの目的といたしますところの大衆娯楽の健全化と、それから畜産の振興とあわして考えたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/64
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065・川村清一
○川村清一君 ただいまのお話にもございましたように、いわゆる昔は、軍国時代の日本において、しかも軍馬というものがその軍事目的を達成する上においてやはり重要な意味を持っておったという時代におきましては、軍馬を育成するという意味において、馬の生産、馬質改良、こういうものにずいぶん力を入れられておった。
〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
さらには農耕馬、いわゆる馬を使役に使ったという時代においても、この馬の生産というものは、日本の農業振興の上においてやはり重大な意義を持っておった。ですから、この馬のいわゆる品種改良それから生産というものが、日本の産業開発の上においてあるいは軍事の上において重大な位置づけを持っておったので、国もやはりずいぶん力を入れてやってきたわけであります。しかし現在は、馬というものに対するいま私が申し上げたようなものは薄れてきたことは申すまでもないわけであります。そこで、現在の馬の育成というものは、競馬馬の育成というものに重点が指向されてきたわけであります。
そこで、競馬はどうかということになるわけでありますが、私自身も、競馬を全然頭から否定するという、そういう思想は持っていないわけであります。特に中央競馬と地方競馬がありまして、地方競馬にはいろいろ問題が存在するわけでありますが、中央競馬は開催する回数も少ないですし、そしてまれある意味において私は健全な娯楽であると、そういう意味も持っておるという立場で、私はこれはある程度認めておるわけであります。そこでこの競馬法というものが存在して、政府も競馬をやらせておる以上は、やはりいろいろな意味から、もう少し競馬そのものを私は検討する必要があるのじゃないかと思うわけであります。それと関連して畜産の振興というものともっと深く関係づけて検討する必要があるのではないか。
そこで法律の問題になりますが、この競馬法の第二十三条の三には、明らかに地方競馬につきましては、「都道府県は、その行なう競馬の収益をもって、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。」と。で、収益の使途というものが明確に法文の上に規定されておるわけであります。ところが中央競馬には何らないのであります。それで、ただ、競馬をやることができるというだけで、そして競馬をやらせて、その結果、年間百六十何億、昭和四十三年度予算には百七十億近くのばく大な競馬の納付金というものが国庫に納められるしかけになっている。
それではその金を何に使うのかということになると、畜産の振興に充てております。幾ら充てておるのか。そこで私は農林省の畜産全体の予算は幾らかということを言った。わずか二百十何億でしょう。そのうち競馬で入ってくる金が百七十億近くある。これじゃ話になりません。それじゃあごまかしですよ。もう政府ば競馬を非常に当てにしてますよ、財源的に。競馬にテラ銭をかせがせて、競馬からテラ銭を巻き上げて、それで重要な農業政策をやってるんですよ。当然国民の税金で、一般会計でやらなければならないたくさんの畜産振興の事業があるはずですよ。国民はそれを要望している。本委員会においても畜産問題について大きな議論が展開されておるではありませんか。ところが、その大多数の予算が、これはまあこっちからこう言ったというものではないですけれども、金を金額的にいうならば競馬からあがってきたテラ銭そのまま、それにちょっと色をつけたくらいしか畜産の面に使っておらないと言ってもこれは過言でないと思う。これは誤まりですよ、どうですか。
そこで私はもう一点お聞きしたい。これだけ競馬が盛んになっておる、国もこれによっておかげをこうむっておるとするならば、現在の畜産の柱は何といっても、これは乳、肉、卵、いわゆる牛乳と、それから牛肉、豚肉、その肉とそれから卵です。ですからこれに重点が指向されて畜産の振興に予算が使われることは当然です。だけれども、これだけお金をあげておる、いわゆる競走馬のいわゆる馬産育成、この馬を生産する方面に幾らか還元されてもいいでしょう。幾らか還元されていますか、どうですか。されておりましたら、これは明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/65
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066・立川基
○説明員(立川基君) ただいま先生からいろいろ御指摘があったわけでございます。
第一点で、要するにいまの競馬というものにつきまして、ただ単に利益金だけでなくてもっと畜産と密接な関係を持たすべきではないかという点でございます。まさしく御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましても競馬をやることによりまして、軽種馬そのものの生産の改善ということもございますけれども、その馬の飼養技術なり何なりがかなり高度なものでございますから、この高度な技術なり、あるいは登録制度その他によります成果を畜産一般にも応用してまいるといいますか、直接間接にその技術的な恩恵を受けさせて関連を持たせてやるということは必要なことだと考えております。
それから第二点でございますけれども、国庫納付金が法律の規定によって納付されましたあとどういう目的にどう使われるかという問題、ことに畜産につきましてもっと大幅に、この財源だけでなくて、予算を獲得して使用すべきではないかという点でございますけれども、日本中央競馬会法によりまして納付された金につきましては、畜産の補助のために、馬の伝染性貧血症の点検施設、その他畜産振興のため並びに民間の社会福祉事業のために使わなければならないという規定があることは御案内のとおりでございます。先生の御指摘は、その目的は当然だけれども、もっと予算的措置を十分とるべきではないかということでございまして、われわれとしても十分今後考えていかなければならない問題だろうというふうに考えております。
そうしてこれだけの財源を生みます競馬について、あるいは軽種馬の生産について現在どの程度に国として措置をとっておるかということでございますけれども、現在地方競馬会のほうから補助いたしておりますのは中央団体、地域団体を含めまして最近の額で言いますと若干ずつふえておりまして、三十九年に二千万円程度でございましたが、四十二年には約九千万円とふえておるわけでございます。なお、中央競馬会につきましては毎年約三千万円程度を改良増殖のために支出しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/66
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067・川村清一
○川村清一君 参事官、さようなことをおっしゃいますけれども、実は昨年の暮れに私ども参議院の農林水産委員会は横浜の動物検疫所を調査に行ってまいったわけであります。外国から輸入される動物がそこに入れられて、そうして一定期間いろいろ検疫を受けるわけです。あの施設を参事官、ごらんになられましたか。私どもは驚いたのですよ、これが国の施設かと。いいですか、いま、馬なり牛なりがかりに船でアメリカから輸入されてくる、そうして横浜の動検に揚げられる、あるいは種馬がイギリスから飛行機で送られてきて羽田に揚げられる、そうして横浜の検疫所に持ってこられる。それを消毒するのですよ。そうすると、運んできた車を消毒するのに、どういうしかけでやっておるか。手押しポンプで消毒しているのですよ。薬品をかけている、消毒薬を。一方、川崎の民間の全購連の飼料工場——えさ工場を見に行きましたが、いいですか、これはトラックが入ってきますと、水のこのくらいにたまったところをすっとトラックが通るのです。そのトラックが通っただけで車は消毒されてしまうのです。これは民間の施設なんですよ。いいですか、国の動検の施設はいまだに手押しポンプで消毒薬をかけて消毒しているのですよ。そうして競馬会から競馬の益金を百六十億も百七十億も、いわゆるテラ銭を国庫は巻き上げている、と言っては言い過ぎですが納付させて、そうしてゃっています。いまあなたは、こういうことをやっていますとおっしゃったが、何をやっているのですか。衛生施設をやっている……。何をゃっているのですか。参事官、一体、ごらんになられましたか、あの施設を。
それから、こういう動物を隔離するあの廐舎の建物をごらんになられましたか。あれは一体、何年前に建った建物ですか。おそらくはあれは昭和ではないでしょう、大正でもない、明治じゃございませんか。そんな施設を使ってそうしてやっております。よくもぬけぬけと私にそういう答弁ができますね。私は、大蔵大臣がここにいないのがまことに残念です。だからして、去年私が問題にしたようなああいう流産馬の問題が起きたのですよ。幸い、ことしは産地でああいう問題が起きなくて安心しましたが、せめてああいう馬の産地に対しても、こういう馬の病気が起きないように衛生施設を設けるとか、それから零細な産馬業者がアメリカやフランスあるいはイギリスから種馬を輸人するときも国がこれに補助をしてやる、そうしてやはり優秀なそういう馬が育成され、りっぱなレースができるような、そういう措置をされてもいいじゃないですか。そういう点いつか私は機会をみて、その問題一つにしぼって質問をしたいと思っております。
私は、確かにギャンブルに廃止しなければならない。そこで地方競馬の問題について中村委員から質問もありましたが、私は北海道ですから——北海道の日高、日本一の馬の産地から私は出ているのです。サラブレッドの日本一の産地が私の町なんですから——。羽田から高速道路でやってきますと、大井の競馬場で毎日競馬をやっております。ああいうのはやめていただきたいと私は思うのです。昼日中、いい若い者が働きもしないで、そうして馬券買って競馬ばかりやっておる。おまけに場外馬券なんというのはあんなものは全部やめさせるべきですよ。しかし、中央競馬のようないわゆる大レース、ダービーだとか菊花賞、桜花賞という、こういう大レースはやはり私はそう悪いものだとは思わないです。やはり考えようによっては健全な娯楽だと思うのです。ですからもう少しその点はよく検討されて、毎日毎日若い者が働きもせぬで、馬券買って競馬にうつつを抜かしたり、そして競輪をやったり、オートレースをやったり、パチンコばかりやっておる、こういうものはやはりやめさせなければならぬし、特に場外馬券なんというものはもうほんとうに一日も早くやめさせるべきであろうと私は思うのです。こういう私は意見を持っております。そこでもっとこういう——これだけの金をやはり国庫あげているわけですから、いまの産馬産業に当たっておるこういう生産者に対しては何らかの形で還元をしてやる、こういう気持ちを持っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。しかしいずれこの問題にしぼってもっともっと深くやりたいと思いますので、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/67
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068・立川基
○説明員(立川基君) 最初に御指摘を受けました動検の施設について、実は私も行ったことがございます。先般当委員会において視察していただきましたときに、私のほうの畜政課長を随行させまして、その報告も承っております。確かに御指摘のありますように、あの施設はきわめて古いものでございまして、設備その他におきましてもただいま御指摘のあったようなとおりに不十分なものであると思います。今後これの改善につきましては、財政当局その他ともいろいろ御相談いたしますけれども、できるだけわれわれといたしましても充実してまいりたいというふうに考えております。
それから第二番目の競馬の平日における開催の問題でございますけれども、御案内のように、われわれといたしましても、原則としまして祝日、土、日曜ということの開催日、それ以外のときには開催しないということの原則を立てておるわけでございますけれども、ほかの種類の競技との競合の問題その他の場合におきまして、例外的にこれを認めておるというような例はございます。しかし考え方といたしまして、本来の原則になるべく立ち返るのが本筋でございますので、今後も事情の許す限りできるだけそういう形をやりたいというふうに考えております。
それから場外馬券売場の問題でございますけれども、これについてはいろいろ御議論がございまして、先生のようなお考えもございますし、あるいはなるべく忙しい人について競馬の楽しみを分けるためには、ある程度場外馬券の発売を認めたらどうか、こういう御意見もあるわけでございます。ただ場外馬券の発売場所を場外に設けました場合におきましても、非常にその地域について群衆が密集するとかその他がございまして、いろいろと周囲の方に迷惑をかけるというような問題もございますので、これらの問題については十分検討してまいらなければならないというふうに考えております。
以上の点につきまして総合的に、先ほど、ことに競馬からある程度の収益があがるので、それを畜産振興のためにできるだけ予算的にもその他にもいろいろ大いに今後努力を要するという御指摘でございますので、同じように御趣旨につきましてできるだけ努力をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/68
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069・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 三十五年でしたかね、競馬はじめ競輪その他のギャンブルが問題になりまして、公営競技調査会というのができまして、そして三十六年に答申があったわけです。ちょうど私そのときに内閣委員会におりまして、この調査会の設置の法律を審議しまして、そのあとまた答申が出ましたときに、公営競技の問題について内閣委員会で論議したことがあるのです。ちょうどそういうギャンブルが一つのやはり大きな問題になったときだと思うのですが、いままたギャンブルが大きな問題になっておるときだろうと思うのです。それで政府としてこのギャンブルについて一体どうするのかという点についての考え方を聞きたいというふうに私は思っておったわけなんです。だから特に競馬がどうだとかいう問題ではないわけです。ですが、ひとつきょうは短い時間でありますし、そういう時間がないのだと思うのですが、——こういうふうにたいへんな大きなブームですね。三十四、五年ごろも非常に大きな問題だったのですが、この三、四年来非常なブームに乗ってたいへんな金額になっているわけですね。ですからどうするのかというのを聞きたいわけなんです。
そこで、この議員立法ができます経緯ですね。どうも新聞等の報道で私どもが見ておったのでは、自治省のほうでは昨年から盛んに地方財政法の一部改正を行なって運営しようということだったのだが、それが立ち消えになりまして、かわって議員立法という形で出てきたわけですね。ですからこの法案の議員立法という、議員の提出という形で出てきた経緯が私としましては、はなはだ了解に苦しむわけなんですよ。中村委員も質問されたと思うんですが、ちょうど三年前、四十年の三月に、三年たっていよいよ打ち切らなければならないときに議員立法で出たんですね。議員立法でまた三年延長する。四十年このときも議員立法なんですね。そのときの議員立法を出された方々の答弁、非常に明確なんですよ。三年たちましたら絶対やめるんですと、もうはっきりしているんですよ。当時の議員立法を提出された発案者の方々ですね。それと自治省の答弁も非常に明確なんですよね。三年たったらやめるんです、絶対にやめるんだ、こういう話なんですよね。それがまたこういうような形で出てくるわけですから、ですからこれは何といっても議員立法を出された方々も私は反省あってしかるべきだと思うんですよ自分自身を否定するようなものですよ。三年前出して、これからやらぬのだということを言ってまた出すわけですから、これは私は理解に苦しむ。自治省だってそれは同じだと思うんですよ。形を変えて出てきたにすぎないんだから、こういうところは全然納得できないし、おかしい、何ともならないと思うんです。ですが、そういっていてもしようがないですけれども——総理府見えていますか。総理府の所管になるだろうと思うんですが、公営競技は。——見えていませんね。総理府見えていないということであれば、呼ばなかったのが悪いんですけれどもね。それじゃ、総理府がいないとどうなるかわからないですが、それじゃこういうことを伺いましょう。
この地方競馬を見ますとね。この競馬をやっているところの市町村の財政の歳入総額ですね。歳入総額に対して競馬の収益金の占めている割合が出ていますね。これを見ますと、四〇%以上あるいは三〇%以上、つまり歳入総額の三〇%以上を競馬の益金によってまかなっているというのが相当ありますですね。それが続いているわけですね。これは一体どういうことなんでしょうかというのが一つ。
それからもう一つは、この競馬で指定町村になったところで四分の一ぐらいの市町村はやめていますね。四年も五年も前、七年も八年も前にやめたところもあります、やっていないところが。指定を受けた市町村は百九十三、その中でやめてやっていない市町村が五十四。ですから大体四分の一以上の市町村というのはやっていないわけですね。と思うと、いま申し上げたように、歳入の四割程度を競馬の益金によって漫然と何かたよっているような印象を受けるような、そういう市町村の財政状態も見られる。そういう差はどういうところからくるのか。政府としては、自治省としてはどういう考え方を持っておられるのか、はっきりしてもらいたいと思うんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/69
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070・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 先ほど中村委員の御質問に対してもお答えをしたのでございますが、自治省としましては、この前再延長をした際の国会の審議の過程というものを考えまして、またその審議がなくても、本質的に地方団体がいつまでも競馬収益に依存するという形は好ましくないということで、地方団体としては三年間の期限があるわけでございますから、その間に計画的に移行できるようにひとつ財政計画を立ててもらうように、まあいろいろ指導をしてまいったわけでございます。同時に、一面一般的にいいますと、競馬をしておるような市町村は、都市なりあるいは都市周辺に多いわけです。そういうところの財政需要というものが、近来の社会変動によりまして非常にふえておりますので、そういうところに対する財源措置を交付税あるいは起債等において充実をしていくと、こういう両面からこの態勢をとってまいったわけでございます。ところがちょうど四十年、四十一年、景気の停滞期に入りまして、なかなかそういうことをすることが実際上むずかしくなった。あるいは、まあ別の観点からすれば、開催回数を徐々に減らしていくというようなこともあるいは考えられたかもしれませんが、何ぶんにも地方財政が好況から一転して非常な停滞期に入ったために、そういう経過的な措置をとることが非常に困難であったというような事情がございまして、必ずしも十分な措置がとれなかったことを遺憾に思っておるわけでございます。確かに御指摘のように団体の自主性にまかせておりますので、目的の仕事を果たしたためにやめた市町村もあります。また、多額の収入を得て、これに財政の大半を依存しておるというような点もございまして、その点につきましては、今後はこういうことがなくなるわけでございますけれども、われわれも一段とそういう財政運営を改めるように、これは競馬のみならず、ほかの公営競技につきましても指導してまいるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/70
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071・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 先ほどの町村、具体的にどういう町村なのかはっきりわからないのですが、町村財政の歳入総額に対して四、五〇%の率を占めているところがありますですね。一つや二つじゃありませんですよ。ですからそういうのはどういうことなんですかね。さっき大都市の周辺だとおっしゃったのですが、そうでもないじゃないですか。地方競馬ですよ。いま問題にしているのは地方競馬ですからね。ですから大都市の周辺だけじゃないんじゃないですか。ある程度都会の近くでなければ競馬というものは意味をなさない。人が集まらないでしょうからね。山の中でやったのでは人が集まらないでしょうから、都会の近くだろうと思いますが、どう見てもこんなめちゃくちゃなテラ銭によっているというようなことは、私は理解に苦しむのですね。自主性にまかせているのなら、今後も自主性にまかされたらどうでしょうか。そうじゃないでしょう。今後ある程度統制するわけでしょう、府県がやるわけですから。六年間、こういう状態に置いておいたというのは、私は理解に苦しむのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/71
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072・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) いま先生お尋ねの点は、基準財政需要額に対して四〇%、五〇%という数字であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/72
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073・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いやそうじゃないのだ。基準財政需要額に対しては二〇〇%もあるのですよ。二〇〇%とか一五〇%とか……。そうじゃないのですか。私が言っているのは歳入総額に対して言っているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/73
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074・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 歳入総額についても多いところは相当程度あることは事実でございますが、ただそういうところの財政規模というものが数千万円というふうな小さな規模でございますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/74
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075・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 そんないいかげんなことを言っていいのですか。だめですよ、そんなこと言ったって……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/75
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076・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) 全部がそういうわけでもございませんけれども、そういうところが比較的あるわけでございまして、それについては必ずしも金額が多くなくて、非常に高くなるという事例があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/76
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077・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 だめだ、きょうはやめましょうよ。大都会の周辺とか言って数千万円とか、そんなばかなことがあるか。しかも一、二じゃありませんよ。私が言うのは財政基準のあれに対して四〇%、五〇%じゃなくて、財政基準に対して言ったら、一〇〇%、二〇〇%のところは幾らでもあるじゃないですか。いいかげんな話だな。これはもう審議するわけにいかない。やめてもらう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/77
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078・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/78
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079・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/79
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080・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) ただいまの点は、基準財政需要額に対して私のほうで資料をとっておりましたのでそのように申し上げましたけれども、確かにお尋ねのように、財政規模に対して四〇%をこえたものもございますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/80
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081・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 その基準財政需要額に対して一〇〇%をこしているところが幾らありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/81
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082・皆川迪夫
○説明員(皆川迪夫君) たとえば埼玉県の北川辺村、これが基準財政需要額の一四〇%余りになっております。それからこれは火災で指定をされましたので例外でございますが、伊豆の大島、これが一四九%、それから岐阜県の穂積町、これが一一二%等でございます。それから四〇%以上のを見ますと、岐阜県の白川村、これが六〇%、それから同じく愛知県の豊明町が五八%、それから飛島村が七三%、それから十四山村が六六%というような状況でございます。そのほかは五〇%あるいは四〇%をこえているのはちょっと見たところ見当たらないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/82
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083・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 全体として私の手元にあるのは昭和四十年が一番新しいんですが、市町村の財政に占めている、つまり指定市町村の財政に占めている競馬収益の割合というのは歳入総額に対しまして一・八%ぐらいなんですね。これは三十五年ごろから漸次増加をしていますけれども、一・八%ぐらいですね。ところが、いま問題になりました、先ほどから問題にしていまように、そうではなくて、一・何%というようなものじゃなくて、まあ一〇%をこすとか二〇%をこすというやつですね、歳入総額に対してですね。そういうところがまあ相当あるということですね。これはたいへんな違いなんです。平均が一%なんだけれども、その中で二〇%。三〇%。五〇%というような市町村があるということ、しかもそれが続いている、ずっと。その年だけじゃなくて……。その理由を聞きたいわけなんです。だからもっとこまかいことをやらないとだめなんです。時間が足りないからとても……。ぼくは出た経緯がどうしてもわからないんですよ。そこからずっと聞いていかないと、なぜこういう議員立法で出さなきゃならないのかということがわからないのですよ。ですから、もな少し地方自治体とギャンブルとの関係を——これは競馬だけじゃなくて競輪の問題、それから競輪も大きいですが、何しろ三百億近いですから競馬よりもはるかに大きくなっているのですから、あるいはオートとかあるいはモーターボート、こういう問題も含めて地方財政とギャンブルとの関係ですね、もう少しはっきりさして、その中でいまの競馬のこういうようなやり方がいいか悪いか、私はやっぱり三十六年の答申の線に沿って処理すべきだという考え方を持っておるわけです。ですから、もう少し時間があるといいんですが、委員長これはどうしますかな。理事さんの間の話できめていいですよ。ぼくのほうは理事同士で話をして、それで、そうでなくてきょうはこれでやめましょうということならやめていいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/83
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084・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/84
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085・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記を起こして。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/85
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086・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 委員の異動について報告いたします。
本日、小林篤一君、岡村文四郎君及び野知浩之君が委員を辞任され、その補欠として内藤誉三郎君、小林章君及び沢田一精君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/86
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087・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 別に御発言もなけば質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/87
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088・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでごさいますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/88
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089・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
競馬法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/89
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090・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
中村君から発言を求められておりますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/90
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091・中村波男
○中村波男君 ただいま可決されました競馬法の一部を改正する法律案について、自由民主党、日本社会党、公明党三党共同による附帯決議案を提出いたしますので、御賛同をお願いいたします。
案文を朗読いたします。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/91
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092・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) おはかりいたします。
中村君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/92
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093・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/93
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094・西村直己
○国務大臣(西村直己君) ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨につきましては、政府といたしましては十分に尊重いたしまして御期待に沿いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/94
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095・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/95
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096・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/96
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097・和田鶴一
○委員長(和田鶴一君) 速記を起こして。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105815007X01419680514/97
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