1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十四年四月四日(金曜日)
午後二時四十分開議
出席委員
委員長 鹿野 彦吉君
理事 大石 八治君 理事 塩川正十郎君
理事 古屋 亨君 理事 細田 吉藏君
理事 保岡 武久君 理事 山口 鶴男君
理事 折小野良一君
青木 正久君 赤澤 正道君
奧野 誠亮君 桂木 鉄夫君
亀山 孝一君 斎藤 寿夫君
永山 忠則君 太田 一夫君
依田 圭五君 小濱 新次君
林 百郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 野田 武夫君
出席政府委員
自治政務次官 砂田 重民君
自治省財政局長 細郷 道一君
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四月四日
委員吉川久衛君、村上勇君及び大野潔君辞任に
つき、その補欠として渡海元三郎君、稻村左近
四郎君及び樋上新一君が議長の指名で委員に選
任された。
同日
委員稻村左近四郎君及び渡海元三郎君辞任につ
き、その補欠として村上勇君及び吉川久衛君が
議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六〇号)
地方財政に関する件(昭和四十四年度地方財政
計画)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/0
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001・鹿野彦吉
○鹿野委員長 これより会議を開きます。
地方財政に関する件について調査を進めます。
昭和四十四年度の地方財政計画について政府から説明を求めます。野田自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/1
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002・野田武夫
○野田国務大臣 このたび昭和四十四年度の地方財政計画を策定いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
昭和四十四年度におきましては、最近の経済情勢の推移に即応して、地方財政においても国と同一の基調により、行政経費の重点化と効率化を推進し、節度ある行財政運営を行なう必要があります。
地方財政については、かねてからその健全化と地方行政水準の向上をはかるため、各般の措置を講じてきたのでありますが、昭和四十四年度においては、以上のような基本的な考え方のもとに、住民負担の軽減合理化を行なうとともに、財政の健全性を確保しつつ、地方行政水準の一そうの向上をはかり、あわせて地方公営企業の経営基盤を強化するため、所要の措置を講ずることといたしたのであります。
昭和四十四年度の地方財政計画の策定方針及びその特徴について申し上げますと、第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税等についてその軽減合理化をはかることであります。これらの減税の総額は八百七十億円となるのでありますが、地方税の総額は前年度に比して四千七百三十億円増の二兆七千九百九十八億円となる見込みであります。
第二は、最近における社会経済情勢の進展に対処し、それぞれの地域の特性に応じて、街づくり及び地域づくりの事業を計画的に実施することであります。
そして、その重点は、一、地方道、下水道及び清掃施設の整備を促進すること、二、土地開発基金の設置などにより公共用地の先行取得を推進すること、三、人口急増地域における公共施設の整備をはかること、四、交通安全対策を推進すること、及び、五、過疎地域における生活環境施設等を整備すること、などに置いております。そのため、これらの事業にかかる地方債を重点的に増額するとともに、地方交付税の配分の合理化を一そう推進することといたしております。
第三は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。そのため、一、公営企業会計と一般会計との負担区分を一そう合理化するほか、二、地方公営企業に対する貸し付け資金の増額をはかるとともに、公営企業金融公庫の機能を強化することといたしております。
第四は、財政運営の効率化を進めるとともに、財政秩序を確立し、地方財政の健全化を推進することであります。そのため、一、行政機構の簡素化と定員管理の合理化をはかり、既定経費を節減すること、二、昭和四十四年度の地方交付税の総額について、地方財源の確保に配慮しつつ所要の措置を講ずること、三、一般補助事業及び直轄事業について地方債への依存度を引き下げること、四、国庫補助負担事業にかかる超過負担を前年度に引き続いて解消すること、といたしております。
なお、地方公務員の給与改定など年度途中における事情の変化に対処するため、あらかじめ財源を留保することといたしております。
以上の方針のもとに、昭和四十四年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は六兆六千三百九十七億円となり、その前年度に対する増加は一兆三百四十六億円、一八・五%となるのであります。
以上が昭和四十四年度の地方財政計画の概要であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/2
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003・鹿野彦吉
○鹿野委員長 次に、補足説明を求めます。細郷財政局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/3
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004・細郷道一
○細郷政府委員 地方財政計画の説明という資料によりまして補足説明をさせていただきます。
一ページは策定の方針でございまして、ただいま大臣が御説明申し上げたことが書いてございます。
それから三ページに地方財政計画の概要として歳入があがっております。全体といたしましては六兆六千三百九十七億円、前年度対比一兆三百四十六億円の増でございます。その比率は一八・五%でございます。
科目別におもなものを見てまいりますと、地方税が昨年に対し減税後で四千七百三十億。それから地方交付税が六百九十億の当初予算の減額と四十三年度補正計上額のうちの六百八十四億の繰り越し等を合わせまして二千七百七十九億円、二五%の増。国庫支出金が千九百四十六億円の増。そのうち公共事業費関係の分が八百八十四億の増となっております。なお、地方債は五百五十八億の増、二三・九%となっておりますが、これはそれぞれあとで中身を御説明申し上げます。
それから四ページに歳出の表があがっております。一番上の給与関係経費では二千九百三億円の増。そのうちの給与費としては二千八百八十一億円の増。内容といたしましては、増員分と合理化分と差し引き約一万人の増、それから、そのほか昨年の給与改定の平年度化分、それに本年度の追加需要の見込みとしての給与費約六百億円が給与費の中に入っております。
それから一般行政経費では、国の負担を伴わないもの六百七十二億の増でございます。この中には土地開発基金の需要並びに年度内の追加財政需要見込みとして、給与の問題でありますとか、災害の問題でありますとかを含めて五百億円、それが計上されております。
それから投資的経費として、公共事業費は歳入に見合って歳出があがっております。投資的経費の四番に一般事業費というのがございますが、従来単独事業と呼ばれているものでございますが、そのうち一般事業費と五番の特別事業費というふうに特に区分をいたしました。一般事業費で一千億の増、二五・九%、特別事業費で千八百二十一億、五一・六%の増となっております。その中で特に長期計画事業費、これは道路でありますとか、治水でありますとか、港湾でありますとかいう五カ年計画のほうの長期計画によるものが計上されております。そのほか過密過疎対策事業費というものも去年に比べて五百二十四億円の増となっております。公営企業繰出金は収益、資本合わせまして四百六十二億の増。そういったものを合わせまして歳出の合計は歳入の合計と同じく六兆六千三百九十七億円、こういうことでございます。
五ページは歳入歳出の構成比を昨年と比べたものでございます。
それから六ページ、七ページはすでに御審議を賜わりました地方税の改正等を含めた収入見込額でございます。
九ページは地方交付税の算定の基礎でございます。四十四年度の国税三税は四兆三千二百五十六億五千三百万円、それの三二%分、それに四十三年度特例措置分のことし加算すべき百五十億、それから当初予算で減額してございます六百九十億、それから精算分が三十一億三千万円、それに過去の借入金がございますので、借入金と返還金の差で百二十五億円を今度返す。それらを加えまして合計(E)欄の一兆三千二百八億三千九百万円。それに前年度四十三年度からの繰越分六百八十四億一千二百万円を加えまして、全体で一兆三千八百九十二億五千百万円、こういうことでございます。
それから一〇ページは国庫支出金の内訳でございます。
一一ページは地方債計画のうち一般会計分に計上されております地方債計画、それをごらんいただきますと、公営住宅建設事業は今回用地費の補助が融資に切りかわりました、その分が入っております。充当率は従来どおり八五%。それから義務教育施設整備事業は昨年より百十六億ふえております。これは用地費あるいは単独事業分をふやしたものが大きな部分を占めております。その他一般単独事業、この中で過密その他の特別事業をまかなうようにいたしております。辺地対策事業が十七億円ふえて六十二億。公共用地先行取得事業は七十億ふえて二百億、こういうことでございます。
それから次は地方債計画全体でございます。
それから一四ページに先ほど見ていただきました歳出のうちで去年と対比して増減のおもな事由を並べてございます。すでに御説明した分もございますが、給与費のところでは警察官及び高校教員等人員増に基づく増、それから給与改善措置に必要な経費の増、定員合理化による減、そういったようなものがそれぞれ計上されております。人員の関係はそのあとに表がございますので、そのとき見ていただきます。
一般行政経費では、国庫補助負担金を伴わないものとして、(イ)のほうに追加財政需要として三百五十億減という形で出てまいります。昨年は八百五十億でございましたが、今回は五百億。なお、先ほど申し上げましたように給与改善に必要な経費は五百九十七億、今度は上のほうに分けて入っております。
それから投資的経費は、それぞれそこに費目があがっておりますような増減状況を示しております。
右のほうの欄のまん中辺の特別事業費、先ほど長期計画事業費等がここに入っておると申し上げましたが、その内訳が、治山治水あるいは道路、港湾、清掃、その他、こういうふうにそれぞれあがっております。過密過疎対策事業費としては、人口急増対策、過疎対策、交通安全対策等で、それぞれそこに増加額があがっております。
あとは公営企業繰出金等でございます。
一五ページはその内訳の説明でございます。
一六ページの第九表には職員数の増減状況があがっております。四十三年度計画人員に対して四十四年度の増加人員は、右のほうの下から三段目、一万八千六百五十三人、その内訳が、学校教員、警察官、一般職、消防、高校と、順次出ております。定員合理化のほうは八千六百三十五人、大体去年と同じ程度でございます。
一七ページの第十表は、いわゆる普通補助負担金を伴う経費の内訳でございます。
一九ページに公債費がございます。公債費につきましては、昨年は、繰り上げ償還といったようなことがございましたが、今年はそれはございませんが、四十四年度の償還額は二千五百五十四億円ということで、その内訳等がその下にあがっております。
二〇ページ以下は投資的経費のそれぞれの説明でございます。先ほど申し上げたようなことが出ております。二一、二二ページはそれぞれの表になっております。
二四ページの第十六表は長期計画事業費の去年とことしの額の対比。十七表は過密過疎等対策事業費の去年との対比。
それから十八表、十九表は公営企業への繰り出し、大体そういった計数の内訳になっております。
なお、超過負担の解消につきましては、昨年に引き続き実施をいたします。本年度調査分も入れて三百十二億、住宅の用地費解消によりますものを入れますと四百十七億、この資料は別途すぐ御提出いたします。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/4
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005・鹿野彦吉
○鹿野委員長 以上で昭和四十四年度地方財政計画の説明は終わりました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/5
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006・鹿野彦吉
○鹿野委員長 次に、内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。野田自治大臣。
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地方交付税法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/6
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007・野田武夫
○野田国務大臣 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由と内容の要旨を御説明申し上げます。
昭和四十四年度の地方交付税については、地方団体の行政経費の増加に対処するため地方交付税の単位費用を改定し、基準財政需要額に算入すべき行政経費について経常経費と投資的経費との区分を明らかにする等地方交付税の算定方法を合理化するとともに、地方財源の確保に配慮しつつ昭和四十四年度分の地方交付税の総額の特例を設ける等の必要があるのであります。
以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
まず、地方交付税の算定方法の改正であります。
普通交付税の算定に用いる基準財政需要額の内容について経常経費と投資的経費の区分を明確化し、特に投資的経費については、動態的な財政需要の算定を強化する等基準財政需要額の算定方法の合理化をはかるほか、市町村道、下水道等各種公共施設の計画的な整備及び公共用地の確保の促進のために要する経費その他給与改定の平年度化、各種の制度改正等に伴い増加する財政需要を基準財政需要額に算入するため、関係費目の単位費用の改定等を行なうとともに、地方行政の全般的状況並びに過密地域及び後進地域における行政の特性に即応した財源措置の充実をはかってまいりたい所存であります。
次に、地方交付税の総額の特例であります。
昭和四十四年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額から六百九十億円を減額するとともに、昭和四十三年度の補正予算により増加する同年度分の地方交付税のうち普通交付税の調整額の復活に要する額をこえる額を繰り越して加算することができることとし、これに伴い、六百九十億円は後年度において加算することとしております。
以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
地方交付税法の一部を改正する法律案
地方交付税法の一部を改正する法律
地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の第十二条第一項の表を次のように改める。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/7
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008・鹿野彦吉
○鹿野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
次回は来たる八日火曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時二分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106104720X01819690404/8
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