1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十六年十二月十日(金曜日)
午前十時四十四分開議
出席委員
委員長 鴨田 宗一君
理事 浦野 幸男君 理事 小宮山重四郎君
理事 進藤 一馬君 理事 橋口 隆君
理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君
理事 岡本 富夫君 理事 吉田 泰造君
稲村 利幸君 北澤 直吉君
左藤 恵君 始関 伊平君
羽田野忠文君 八田 貞義君
前田 正男君 増岡 博之君
松永 光君 石川 次夫君
加藤 清二君 松尾 信人君
出席政府委員
通商産業政務次
官 稻村佐近四郎君
通商産業省貿易
振興局長 外山 弘君
委員外の出席者
経済企画庁調整
局参事官 井上 幸夫君
外務省経済協力
局外務参事官 鹿取 泰衛君
大蔵大臣官房審
議官 植松 守雄君
大蔵大臣官房審
議官 吉田冨士雄君
大蔵省主税局税
制第一課長 高橋 元君
大蔵省銀行局特
別金融課長 北田 榮作君
農林省農林経済
局国際部長 吉岡 裕君
通商産業省通商
局次長 中村 俊夫君
日本輸出入銀行
副総裁 前川 春雄君
商工委員会調査
室長 藤沼 六郎君
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十二月九日
中小企業対策に関する陳情書外十二件
(第一六八号)
離島振興法の延長に関する陳情書外一件
(第一六九号)
日米政府間繊維協定に伴う対策に関する陳情書
(第一七〇号)
中小企業振興に関する陳情書外一件
(第二四
三号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
輸出保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一一号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/0
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001・鴨田宗一
○鴨田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、輸出保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。岡本富夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/1
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002・岡本富夫
○岡本委員 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、先日の委員会に引き続いて質問をいたします。
保険の収支の問題点について少しただしておきたいと思うのですけれども、四十五年度の責任額、これを見ますと、四十五年の三月で六兆四千三百八十億ですか、それに対して支払い準備額が二百二十七億。その比率が〇・三五%でありますが、はたしてこれだけの大きな引き受け額に対して準備率が妥当なのかどうか。三十七年あるいは三十八年ごろでは約一%の支払い準備率になっておるのですが、大体これで妥当なのかどうか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/2
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003・外山弘
○外山政府委員 四十五年度の状況はただいま御指摘のような数字をたどっておりまして、現在の支払い準備率は御指摘のように〇・三五でございます。また御指摘のように、ちょうど十年前は一%をちょっとこえたところに準備率があったわけでございます。国際的に見ましても、たとえばイギリスあたりの支払い準備率を見ますと二・九、かなり高いところにあるわけでございますし、わが国の輸出保険特別会計につきましても、十年前まではかなり高い数字であったわけでございます。しかしながら、その後いろいろな保険事故も発生いたしましたし、保険支払い金も増加したわけでございます。しかし一時の状態から見ますと、現在ようやくその〇・三五のところまで回復してまいったというのが実情でございます。今後の保険契約の増加あるいは多様な国際経済の流れの中で、どういうふうな事故が発生するかという見通し、そういう点を考えますと、機会を見てやはり準備率の増加ということを考えていかなければならない、適当な時期に資本金の増額といったことも考えたいと考えますが、当面どの程度が妥当であるかということになりますと、なかなか一義的な数字を申し上げるのはむずかしいかと思います。しかし先ほども御指摘がございましたような、ちょうど順調にいっておりました時点で、その後いろいろ事故が起こったその前の時点で、ある時期が一%をちょっとこえていた。私といたしましては、当面やはり一%ぐらいまでのところにはすみやかにいくようなかっこうが検討さるべきではないだろうか、こういうふうに考えますし、当面の適正な準備率として、その辺を目標に今後考えてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/3
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004・岡本富夫
○岡本委員 それでは、四十六年あるいはまた来年の収支の見通しはどういうようにつけておるのか、もう一点は、この準備率の回復のために保険契約をしないということになりますと、これは輸出保険法の趣旨に沿わないようになるわけですが、その点の見通し、考え方をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/4
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005・外山弘
○外山政府委員 四十六年度におきましては、引き受け限度額を一兆八千億と考えております。これに対しまして現在の申し込み保険金額は八千三十二億、四四・六%となっておりまして、今後のプラント輸出等の成約見通しというふうなことを考えますと、このおきめいただきました限度額の中でまかなえるのではないだろうか、こう考えているわけでございます。かりに、先生が御指摘のようなこの準備率の低さとかを考えて保険引き受けが消極的になるというふうなことは、私どもとしては絶対に考えたくない。少なくとも、ここ数年の経緯を見ますと、一時の保険事故での支払いで赤字が増大したことがございましたが、その後ここ二、三年の経緯を見ますと、順次回復しております。したがいまして、健全さをそれだけ取り戻しつつあるわけでございますので、いま御指摘のような引き受けの消極化というふうな点は、ことさらにそういう結果を来たすというふうなことはない。またそういうことはしたくない、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/5
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006・岡本富夫
○岡本委員 心配なのは、保険のセレクトですね。要するにあぶなくないもの、少しでも危険なものは全部やめていく、そういうことになりますれば、これはまた当保険法の精神にもとるのではないか。したがって、そういうことをしなくて、やはり保険従来の使命というものを果たしつつこの準備率を高めていくということが、はたして可能なのかどうか。まあこれは資本金を増額すればそういうことはできるわけですけれども、それ以外にそういうような可能な方法があるのかどうか、こういう点ひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/6
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007・外山弘
○外山政府委員 やはり当面のことを考えますと、準備率も少しずつ健全になってまいりましたという時点で将来の展望を考えました場合に先ほどのようなことを申し上げたわけでございまして、やはり時期としては適当な時期を選ばなければならない、こう考えます。しかし一方、そうしたことの前提なしにも、やはり保険運営の健全化の中で、先生が御指摘のような保険引き受けの弾力化と申しますか積極化と申しますか、そういった点で実情に合った引き受けが可能となるように、私どもとしては懸命な努力をしているわけでございます。そういう努力の中で、たとえばむだな、防ぐことのできる保険事故は防がなければならない。たとえば、信用調査の機能を充実するということもその一助に役立つと思います。それから、従来の経験に照らしまして、どういう場合が最も問題であり、またどういう場合はそれほど心配する必要はないというふうなことも、やはりいろいろ実情に照らしまして私どもの知識もふえてくるわけでございます。いま御指摘のようなことの方向に沿いまして健全な運営をしつつ、しかも準備率の上で問題のないような運営、これを目途といたしまして諸般の措置を充実してまいりたい、こう考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/7
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008・岡本富夫
○岡本委員 特にその点について要望しておきますことは、保険をあまりセレクトしてあぶなくないものばっかりやるというように——あぶなくないというのはおかしいですが、あぶないのはあまりできないわけですけれども、そして保険事業を縮小するというようなことでは相ならない、その点はひとつよく注意をしてやっていただきたいことを要望しておきます。
次に、輸出保険の中で、輸出代金保険ですね。この限度額が四十五年には一兆四千億ですか、それに対して一兆三千八百十二億、ほとんど使っておるのですけれども、四十六年、本年ですね、それから四十七年。四十六年は一兆八千億になっておりますが、大体このくらいの引き受け限度額でよいのかどうか、それから四十七年は大体見通しはどうなんだろうか、この点についてお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/8
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009・外山弘
○外山政府委員 四十六年度につきましては、先ほど申し上げましたとおり一兆八千億の引き受け限度額を設定いたしまして、現在のところ十月までの申し込み額が八千三十二億でございますから、四四・六%でございます。たぶんこの限度額の範囲内でおさまるものと考えているわけでございます。
また四十七年度の引き受け限度額につきましては、現在御提案申し上げておるのは二兆五千億でございます。これは、わが国の輸出の中心として今後プラント輸出が伸長するということを一応勘案いたしまして、予想保険金額を一兆五千六百億円というふうに見込んでおります。これに若干の余裕を見込みまして設定した額でございまして、四十七年度もこれで支障はないのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。
なお、バイヤーズクレジットのほうにつきましては、これはサプライヤーズクレジットの一部がこれにかわっていくものというふうに考えるわけでございますが、一応四十七年度の保険金額につきましては、千九百四十億円というふうな推定をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/9
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010・岡本富夫
○岡本委員 先ほどにちょっと戻るわけですけれども、支払い準備率を高めるためには、やはり資本金の拡充も必要であろうと思うのですけれども、これはいつごろを目途としておりますか。この前は、四十二年に一応資本金を拡充しておりますね。次はいつごろを目途としてやろうとする考え方であるのか、この点もひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/10
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011・外山弘
○外山政府委員 資本金の増額につきましては、御指摘のように、四十二年度に当時の急激な保険事故支払いがございまして、急遽増加をお願いしたわけでございます。当面のところは、先ほど申し上げましたようなことで資本金の増額を考えていないわけでございますが、少なくとも四十七年度についてはその必要はないというふうに判断いたしております。四十八年度以降は、私ども四十七年度の運営等もよく見きわめまして、必要であるかどうかということは慎重に考えたいと思いますけれども、いまの時点でいつごろそういう事態になるのだろうかということは、今後の経緯を見ないとなかなか見通しがむずかしゅうございます。しかしながら、適当な時期にそういうことも考えなければならないというふうには考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/11
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012・岡本富夫
○岡本委員 この保険が、民間の保険ですと、収支というものが非常にはっきりしないと経営が成り立たないというので慎重にやるだろうし、また一面相当サービスもしなければならぬ。ところが国のほうですと、もしも事故が起きたときには資本金をふやしたらいいのだ、親方日の丸的ですね。やはりその点も勘案して、そういうことがないように熱心にやってもらわなければならぬ、こういうふうに私は要望しておいて、そこで、今度こうして拡充するについて、そのためには相当信用調査というものが必要であろうと思うのです。現在は、調査によると、ジェトロとかあるいは大使館とか、そういうようなところを勘案してやっておるような状態でございますけれども、もう少し信用調査というものが強力にならなければならないのではないかということも考えられるのですけれども、それについての今後の方針についてお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/12
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013・外山弘
○外山政府委員 保険の運営につきましては、御指摘のように、信用調査ということはたいへん重要なことでございます。ことに、今回のような改正をするということ、それから、今後の対象がますます大型化する、あるいは数もふえてくるというふうなことを考えますと、ますます重要性は加わるわけでございます。通産省におきましても、従来からその点は非常に努力してまいっておるわけでございまして、現在も、約六万五千の海外のバイヤーにつきまして信用調査を行ないまして信用状態の格づけを行ない、運営に役立てているわけでございますが、今後、先ほど来のような状態から見まして、ますます従来の信用調査をさらに充実したいということで、現在予算要求もしているわけでございます。そうしまして、そういった信用調査の内容の充実あるいは対象の拡大というふうなことで、ますます信用調査の範囲を広げたいし、また内容の充実にもつとめたい。現在、所要の予算措置といたしまして、現在の一億二千六百万に、さらに九百九十万のプラスを要求いたしまして、約一億七千万の予算で、さらに信用調査の充実を期したいということで予算要求をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/13
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014・岡本富夫
○岡本委員 そこで、次は、国際投資保険機構、こういうふうな声が起こってきておるように伺っておるのですけれども、現在、この国際投資保険機構についてどういう討議がされておるか、それからもう一つは、それに対するわが国の態度ですね、政府の態度はどういう方針でいくのか、これについてひとつ明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/14
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015・外山弘
○外山政府委員 国際投資保険機構の設立案というのが、御承知かと存じますが、一九六〇年の国際商業会議所の提案ということに端を発しまして、六一年の東京会議で採択されました。それとともに、世銀に検討が委託されております。世界銀行は、六四年に第一次案、さらに一九六八年に第二次案を作成し、これをもとに目下各国において検討中でございます。さらに最近は、世銀が、この第二次案をもっと現実的に修正したいというふうなことで、各国にアプローチを続けているのが現状でございます。
世銀の第二次案におきまして、私どもが討議した過程におきましては、その内容につきましては、第一に、その保険業務につきましては、収用、通貨交換性、内乱その他の非常危険を担保することを目的とする、第二に、損失の分担については、投資の保証国が二五%負担する、残りの七五%をほかの全保証国が負担するというふうなこと、それから第三に、出資については、各投資国の設立時の出資を百万ドルとして初度運営費に充てる、第四に、機構の発効については、五カ国以上の先進国及び十カ国以上の発展途上国の参加を条件としている、こういうふうな内容でございました。その後、先ほど申しましたような修正案としまして、全保証国の負担というものを投資国の負担よりも若干緩和するというふうなことで、修正案を含めてさらに検討が進められているというのが現状でございます。
私どもの立場としましては、関係各省でいろいろ検討しているところでございます。しかし、現在、発展途上国あるいは先進国等の動向も必ずしも十分ではございません。あるいは世界銀行の案そのものにそのまま加わることが日本の国の立場から見てどういうプラスがあり、どういうマイナスがあるかというふうなことも、経済的な面あるいはもっと国際的な面、いろいろな面から考えまして問題点を検討しなければならぬ。そんなことで、現在関係各省で検討しているところでございます。あわせて、各国がどのような態度を示すであろうかということも重要なことでございますが、現在のところ先進国の多く、あるいは発展途上国につきましても、必ずしもこれに進んで入ろうというふうな空気はまだ見受けられませんが、各国とも検討をしておるところではないか、こういうふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/15
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016・岡本富夫
○岡本委員 まだ検討段階であるというお話ですが、一つは、保険料というものを考えますと、調査によると、外国は日本よりは高いですね。そうしますと国際投資保険機構に対して再保険ということになりますから、保険料がわが国よりも高いことになれば、これは保険をかけることができなくなるし、そのために特別会計が赤字になるわけですから、その点も考えていかなければならぬでしょうけれども、しかしまた反面、大きな事故があったときには政府から出資しなくて済むという非常な便宜もあるわけなんですが、その点もひとつよく踏まえて、いま検討中だという話ですから、この点についてはこのくらいにとどめておきますけれども、保険料さえ許せば、私は、入ってもいいんではないかということも考えておるんですね。
それからもう一つここでお聞きしておきたいことは、今度バイヤーズクレジットを保険をするというようになってきておりますけれども、考え方によると、今度のドル・ショックを見ますと、いま固定相場になっていないわけですから、これもまあことし一ぱい、あるいは来年の一月一ぱいくらいで平価調整ができるんじゃないかということで話がありますけれども、率直に言って為替保険ですね、要するにこの平価の変動、こういうときに対するところの為替保険をつくる考えはないか、これを一応ただしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/16
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017・外山弘
○外山政府委員 現在の輸出保険法の中で、為替のリスク保険と申しますか、御指摘のような為替リスクに対応する保険を入れる考えはないかというふうな御質問と考えたいと思いますが、これは、わが国の輸出取引というものがほとんど決済通貨が限られておりまして、御承知のように九九・何%中まではドル建てであるというふうなこともございます。したがいまして、危険の分散という点で申しますと非常に現在の保険制度にはなじまないというふうな点がございます。で、現在のように、一応単年度ではございませんが独立採算制ということを基本に考えました場合に、保険料を非常に上げるとかあるいは資本金の増額を一挙にするとかいうふうなことを前提としない限り、なかなかそういった為替リスク保険を、この保険制度の中で、このまま入れるということはなかなかむずかしいのではないだろうか。あるいはもう一つ、これはまた検討しなければいけませんが、為替のリスクの場合に差損と差益と両方が発生するわけでございます。差損の分だけ保険をするという以上は、差益する人からはよけいもらうというふうなことも必要かと思います。そういった点も考えませんと、斉合性がないというふうなことも考えられるわけでございまして、この辺なかなかまたむずかしい問題を含んでいるかと思います。そんなことから見まして、私どもといたしましては、現在の保険法の体系の中でこれを取り上げるということはなかなかむずかしいのではないだろうか、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/17
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018・岡本富夫
○岡本委員 こういう変動相場制のときには、こういった保険があると非常に輸出はしやすいということが考えられるわけですが、いまあなたのお答えでは、そうするともうけたほうはそれだけ渡すか、こうなるわけですから、これは一応再検討をしておいていただきたいと思います。
そこで、もとへ戻りまして、過去の重要な事故があったとき、たとえば四十二年、どういう大きな事故があったのか、それに対してまたどのくらい支払いをしたのか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/18
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019・外山弘
○外山政府委員 過去における主要事故でございますが、最近、四十年以降の点で申しますと、まず昭和四十年に起こりましたインドネシアの国立銀行の外貨送金遅延というのがございます。これは四十五年度までにわたりまして、保険金の支払いといたしましては二百四十九億円となっています。それから第二に大きなものとしましては、アラブ連合中央銀行の外貨送金遅延と申しますのが昭和四十二年度に起こっております。それから三年間の間に六十八億円の支払いをしております。その次にガーナの外貨送金不能という件がございました。これは四十一年度でございますが、四十五年度までに十九億円の支払いをしております。それからペルーの公的債務の外貨送金遅延というのが四十三年度にございました。これは二年間にわたりまして二十一億円の支払いをしているわけでございます。こうした事故は、おもなものだけをあげたわけでございますが、輸出保険制度の創設以来昭和四十五年度末までの平均事故率と申しますのは〇・三七%となっております。この平均事故率と申しますのは、制度創設以来の支払い保険金の累計を、支払いました保険金額の累計で除したものでございます。そういった数字になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/19
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020・岡本富夫
○岡本委員 これはもう少し私も調査しなければいかぬのですけれども、その後、インドネシア国立銀行、あるいはまたアラブ連合中央銀行、あるいはガーナの問題、あるいはペルーの問題、こういう保険金を支払ったわけですが、そのもとの当然こちらへ戻してもらうべき金はどんどん入ってきておるのかどうか、相当延滞をしておるのではないか、こういうように考えられるのですが、その点についていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/20
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021・外山弘
○外山政府委員 いま申し上げました四国のうち、アラブ連合につきましては若干おくれておりますが、他の三国につきましては、その当時立てられました返済計画が大体履行されているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/21
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022・岡本富夫
○岡本委員 アラブ連合のほうはなかなか入ってこないというのですが、見通しはどんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/22
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023・外山弘
○外山政府委員 現在、現地の大使館を通じまして先方の政府といろいろ相談をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/23
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024・岡本富夫
○岡本委員 やはりこの保険の健全な運営のためには、そういった問題を解決していけるように努力していただきたい、これを要求しておきます。
次に、今度インドとパキスタンの戦乱が起こっておりますが、こういった問題を踏まえて、今後事故が起こる、保険金を支払いしなければならぬ、こういうように予定されているものにはどういうものがあるか、その予想をひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/24
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025・外山弘
○外山政府委員 今後の見通しを長期的に見ます場合には、最近のような流動的な国際政治経済情勢でございますので、なかなかむずかしゅうございます。しかし、すでに保険事故事由として認定しまして、これにより損失を担保するということが確定しておるものが、まず東パキスタンにおきまする内乱、これが本年の三月でございました。それから米国における港湾ストライキ、これは西部地区でございますが、四十六年七月、それから東部地区につきましては十月ということで指定をしております。あるいはアメリカの輸入課徴金の賦課、これは本年の八月であります。あるいは対米繊維輸出規制、これは本年の十月でございます。さらに、ただいま御指摘のインド、パキスタン両国間の紛争、これがついこの十二月でございます。こういったようなものがすでに保険事故事由として認定されておりますから、今後相当額の保険の支払いが必要になることが予想されるわけでございますが、ただいまのところ、すぐにそれがどの程度支払いになってくるかということはつかめません。しかし最近の動きを見ておりますと、たとえば、アメリカの輸入課徴金の問題あるいは港湾ストライキの問題等につきまする保険事故事由の申請というのは、ほとんどいまのところ限られたものしかないというふうな実情でございまして、今後どのような事故になりますか予断を許しませんけれども、目下のところはまだ大きな数字には全然達していないというふうなのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/25
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026・岡本富夫
○岡本委員 それでもうすでに保険金の支払いの請求が来ておるものはあるのですか。大体いまあなたが五点の話をされたわけですが、予想は、大体どのくらいのものであるかというような予想は立てているのですか。まだそこまでいってないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/26
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027・外山弘
○外山政府委員 保険に付保しておる契約はたくさんあるわけでございますが、先ほども申しましたように、それがどの程度請求になってくるかということになるわけでございます。したがいまして、なかなか判断がむずかしゅうございますが、現在までのところ、保険金の支払いとなっているものはほとんどございません。それから、保険請求申し込みといいますか、あるいは請求することになるかもしれませんよという式の意思表示はかなりございますが、それが現実に幾らの事故請求になってくるかということはなかなかまだつかめません。しかし、予想はむずかしいのでございますが、現在の申しました件数の全部を一応考えましても百億くらいのものが多年度にわたって出てくるのではないか、そうしますと、各年度に分けますと、さらにそれが少なくなるというふうなことになるかと存じますが、それも非常に予想しにくい数字でございます。その点はお含み置き願いたいと存じます。
〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/27
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028・岡本富夫
○岡本委員 大体やはり予想というものを立てておきませんと、そんなつもりはなかったということになったのじゃいかぬと思うのです。大体百億にしましても、支払い準備額が二百二十七億、この準備額を見ますと半分いってしまうわけですね。やはり大体のところは予想というのをこしらえて、そしてやっておかないと、この保険の健全なる経営がむずかしいのではないか、こういうふうにも考えられるわけですから、その点大体の予想額をいまから出しておく必要があるのではないかということを、これは要望しておきます。
それで、次は輸出保険の改正の出てきた背景というものは、そのうちの一つは、やはり今度政府が発表いたしておりますところの八項目の推進にあろうと私は思うのです。そこで、この八項目につきまして、この八項目は最初は何といいますか、円の切り上げを防ごう、あるいは課徴金をやめさせよう、大体そういった円の切り上げがないような、これを防ぐための一つの施策として政府がまとめたように私は思うのです。そこで、この間通産大臣は、いずれにしても八項目はやっていくのだ、こういうお話でございましたけれども、そこで、この八項目の中で、閣僚懇談会の本年の九月三日に、輸入の自由化の促進について九月末に残存する四十品目の輸入制限についてもさらに自由化を進めるものとする、こういう一項目があるのですが、これについて通産当局、それから農林省あるいは大蔵省、その後どういうように進めておるのかこれをひとつ明らかにしていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/28
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029・中村俊夫
○中村説明員 輸入の自由化につきましては、過去三年来特に大幅な自由化を進めてまいっておるわけでございますが、本年に入りましても、六月に二十品目、九月に二十品目と自由化をいたしまして、現在残っております品目数は四十品目になっております。なお、先生御指摘の閣僚懇談会におきましても、さらに一そうの自由化を進めるという方針がとられまして、各省間で鋭意検討を進めてまいりました。現在のところ通産省関係で申しますと、重軽油、硫黄、この二品目についてさらに自由化を四月一日から行ないたい。また電子計算機の周辺部分の大部分のものにつきまして、同じく四月から自由化を進めてまいりたいということで、これにつきましては先般の日米経済閣僚会議でも田中大臣からすでにアメリカ側にも伝えてあるところでございます。
なお農林物資につきましては、後ほど農林省のほうからお話があるかと思いますが、農林関係につきましても、日米閣僚懇談会ではトマトピューレを含む数品目ということで、ごく最近四品目につきましてほぼ内定を見たやに聞いております。具体的な品目につきましては農林省のほうからお答えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/29
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030・吉岡裕
○吉岡説明員 自由化の全体の経緯等はただいま通商局の次長から御説明があったとおりでございますが、農林省関係につきましては、この十月一日に枝肉を含めまして豚肉等十四品目の自由化を行ないまして、現在二十八品目の残存があるわけでございますが、さらにこの中から四品目程度を自由化するという予定にしておりまして、先ほどお話のございましたトマトピューレ、ペーストのほかに、現在のところ精製糖、ハム、ベーコン、それから配合飼料といったような品目を来年の四月に自由化をするということを目途にいたしまして、必要な予算、関税措置等について検討を進めておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/30
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031・岡本富夫
○岡本委員 通産省のほうでは、重油、軽油、硫黄、電算機、これを四月を目途として自由化を進める、そうしますと、あと残存するものはなくなるのかどうか、これについてひとつお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/31
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032・中村俊夫
○中村説明員 御説明が若干舌足らずでございましたけれども、先ほど申し上げました二品目を自由化いたしますと、通産関係では残っておりますのは十二でございますので、残りは十品目になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/32
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033・岡本富夫
○岡本委員 その十品目は何と何と何と残るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/33
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034・中村俊夫
○中村説明員 通産関係の残ります十品目につきましては、まず石炭がございます。それから皮関係の品目が関税税番では四つに分かれておりますので、四品目に計上されます。それから機械関係で先ほどの電子計算機でございますが、これがIC等含めまして税番では五つになっております。先ほど申し上げましたようにこの五つの中でそれぞれに周辺機器というのが含まれておりますので、これにつきましては部分的に自由化を大幅にいたします。しかし、それぞれに本体が入っておりますので、税番としては完全に落ちないわけでございます。したがって実質的にはほとんど半分以上自由化ということでございますけれども、税番として整理いたしますと五つ全部残るという形になります。したがって、まとめて申し上げますと、電子計算機関係で五品目、皮関係で四品目、石炭が一品目、合計十品目ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/34
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035・岡本富夫
○岡本委員 どうもそこのところがはっきりしないんですよ。同じ品目の中で自由化するといいながら——同じ品目というとおかしいけれども、種類が若干違うのでしょうけれども、番号では残るわけですね。そうすると、非常にその点がややこしくて、これは対外的にはたしてそれで認められるのかどうか、この辺がちょっと心配なところがあるんですがね。なかなか通産省頭いいから——私も別に全部自由化してしまえ、つぶれてもいいという考えはないんですが、それではたして対外的に納得が得られるものかどうかというのは非常に疑問なんですね。それはそれでいいでしょう。
〔進藤委員長代理退席、橋口委員長代理着席〕
それで、次の農林省のほうについて、二十八品目、残りは何と何と何とになるのか。これだけ品目を自由化しましたと言いながらまだ残っておるでは、対外的に見ますと日本人はごまかしているのではないかという面もいわれるわけですがね。そこで、農林省にお聞きしたいんですが、相当農業団体の内圧やらいろいろなものがあるらしいのですけれども、消費者の立場になると、安いものを入れていただくことができるということは非常にこれまたありがたいことなんですが、その点について、あと何と何と何が残る、これもひとつ明らかにしていただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/35
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036・吉岡裕
○吉岡政府委員 ただいまの残存二十八品目でございますが、大きく区分けいたしますと、乳製品関係、これにはミルククリームとか、無糖練乳とか、プロセスチーズとか、そういったた三税目が乳製品ございます。それから肉及び肉の加工品ということで三税目ございます。今度この中でハム、ベーコンは自由化をいたしたいということでいま検討しておるということは先ほど申し上げたとおりでございます。それから米、麦の関係で、それの一時加工品というもので三税目ございまして、これは米の粉とか小麦の粉でございますとか、それぞれのミールでありますとか、そういったものでございます。それが三税目ございます。それから果実とその加工品ということで、これには御承知のオレンジでありますとか、果汁でありますとか、その他のものがございまして、これが約五税目ございますが、この中では今回特に自由化を考えておるものはございません。それから野菜その他の加工品ということで二税目、トマトの加工品の関係がございます。この中で、先ほど申し上げましたトマトピューレ、ペーストというものの自由化をいま検討しておるということでございます。それから砂糖、でん粉の関連ということで三税目ございまして、これには精製糖とか、ブドウ糖とか、でん粉などが含まれております。この中の精製糖についていま自由化を検討しておるということでございます。それから畑作物の関係で雑豆、落花生、コンニャクイモといったようなものがございまして、これが三税目残存輸入制限品目となっております。このほか水産物が四税目ございまして、この中にはいろいろ沿岸漁業との関係の深いニシン・タラ、ブリといったような近海魚類、それからホタテ貝、イカ、貝柱といったような貝類——磯ものと申しますが、そのほかノリ、コンブといったようなものがございまして、これが四税目になっておるわけでございます。その他、いろいろなものを配合をしたような食料品ないしは飼料ということで二税目ございまして、この中には配合飼料があるわけでございますが、配合飼料については先ほど申し上げましたように自由化を検討いたしておるということで、合計二十八の税目、その中で四税目の自由化を検討いたしておる、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/36
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037・岡本富夫
○岡本委員 そうすると、農林省のほうではほとんどできないということですね。だいぶ圧力があるらしいのですけれども、そうなると結局は八項目の推進は架空の空論になる、こういうことになるのですね。相当痛しかゆしということになるわけですけれども、消費者の立場から見れば、安いものが入ってきたらいいと思うのですね。これはきょう外務省が来ていないのだけれども、はたしてそんなことでこの八項目を履行したということを対外的に宣明できるのかどうかというのが非常に心配なんですね。これは大臣でないと答弁できないと思いますから、大臣が出てきたときにこれをはっきり聞きたいと思っております。——外務省来ていましたか。外務省は、まだこういう農林物資が相当残っている、それから通産物資も残っておるのですけれども、こういうことで説得ができるのかどうか。ひとつ確信について外務省のほうからお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/37
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038・鹿取泰衛
○鹿取説明員 私外務省から来ておりますけれども、きょうの御質問が経済協力の問題だということで出席しております。いま先生の御指摘の問題点は経済局の問題でございますので、私からお答えすることはちょっと差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/38
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039・岡本富夫
○岡本委員 この問題は、外務大臣あるいは通産大臣に、出席されたときに聞くことにいたします。
次に、生活関連物資について関税の引き下げを実施するというふうに出ておりますが、これについて大蔵省の関税局のほうから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/39
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040・植松守雄
○植松説明員 いまお尋ねの生活関連物資の関税引き下げでございますが、これは八項目の中で相当の重要性を持ったものとしてうたわれておるわけでございます。われわれ関係各省と協議をいたしまして、おおむね三十品目、おそらくそれをこえることになるだろうと思いますが、その品目につきまして、大体合意に達しておるという現状でございます。
で、関税の引き下げという問題は、物価問題にも相当の寄与をいたしますし、ことしの関税改正におきましても、たとえばカラーフィルムであるとか、その他各種の家電製品等について、あるいはバナナ等について、いわゆる生活関連物資として関税引き下げを行なったわけでございます。確かにその中で相当の価格引き下げの効果があったものもございます。そして今回もそれに引き続きまして、三十品目以上のものを実施をしたいというように思っております。その内容につきましては、まだこれから関税審議会にはかるわけでございますけれども、やはり日本の産業の国際競争力という問題とのかね合いの問題でございますから、家電製品とか、あるいは自動車とか、あるいは大蔵省関係の物資で申しますとウイスキーとかビールとかいうもの、それから農林省の関係でございますと各種の食用油の原料であるとか、こんなようなものについて実施をしたいと思って、最後の詰めを急いでおるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/40
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041・岡本富夫
○岡本委員 いつごろその関税の引き下げを実施することができるのか、これをひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/41
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042・植松守雄
○植松説明員 関税審議会の審議は、実質的には来週中には終わるような日程でやりたいと思っております。もちろん実施の時期は、これは国会の御審議を仰がなければなりませんから、来年の四月からということになろうかと思います。ものによっては若干の例外があるかもしれませんが、大体そんなことで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/42
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043・岡本富夫
○岡本委員 関税局からせっかく来ていただいたのですから、ちょっと方向が違うのですけれども、中国大陸の関税格差残存品目ですね。これがまだ——これは何品目関税格差があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/43
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044・植松守雄
○植松説明員 現在三十九品目ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/44
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045・岡本富夫
○岡本委員 この三十九品目の関税格差については、どう考えておるのか。あるいはなくするようにするのか、これをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/45
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046・植松守雄
○植松説明員 極力解消したいと思っております。で、三十九品目の中には、たとえば生糸といいますように、非常に現在市況が悪くて、むしろ関税を上げなければならないというような要望もあるようなものもございますので、この辺はむずかしいと思います。しかし可能な限り解消いたしたいということで、今度の国会に政府としての結論を出して御審議をお願いしようと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/46
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047・岡本富夫
○岡本委員 あなた、いま生糸の関税を上げなければならぬと言われたが、その場合は韓国あたりの関税も引き上げることになるわけですか。そのときに、中国と韓国、この関税に格差があるわけですよ、これも大体一律にする、格差がないようにするという考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/47
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048・植松守雄
○植松説明員 いま生糸の問題につきまして、私は関税を引き上げると申し上げたのじゃございません。そういう要望が一部にあると申し上げただけでありまして、現在の韓国に譲許いたしておりますところの関税率というものは、これはガットでバインドいたしておりますから、これは国内措置だけで上げることはもちろんできないわけでございます。そこで、いまのところ関税を上げるということはもちろん考えておりません。しかしそれに加えて、確かにいまおっしゃいますように、生糸については格差がございます。ございますけれども、中国産品の輸入が激増いたしております。そういう状況におきまして、現在以上に関税を下げるということ自体が国内的に非常にむずかしい状況にあるということを申し上げたわけでございます。これはしかし例外の中の例外でございまして、三十九品目おそらく御納得いただけるような結果を今度の国会にはお出しすることができるのではないかと思っております。極力この解消をしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/48
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049・岡本富夫
○岡本委員 これは私はやはり国連の中国復帰、中華人民共和国ですか、大陸の中国の復帰から考えて、やはりどうしてもいまの佐藤さんでは、敵視政策ではないでしょうけれども、なかなか日中国交回復が進まないという面も何とかここでカバーしなければならぬ。そして世界の趨勢としてやっていかなければならぬわけですから、あなたがいまおっしゃったように極力とかそういうあれではなくして、あなたに言ってもぐあいが悪いかもわからぬけれども、やはり経済のほうからでも一致をさせていく、格差をつくらないということが私は大事ではないかと思うのです。極力とかそういうあいまいなことばでなくして、検討するにあたっては格差のないようにする、こういうようにひとつはっきりしておいたほうがいいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/49
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050・植松守雄
○植松説明員 いままだ最終結論が出ておりませんし、関税審議会も、先ほど申しましたように、来週中にはその辺の審議も終わるかと思います。その段階においてははっきりしたことを申し上げられるわけでございますが、いま事務当局として、具体的に何品目にするというところまでは申し上げられないのは残念でございます。
ただし、いま三十九品目というと相当の数でございます。もっともこれはすでに四百二十二品目格差解消をいたしておりまして、あとむずかしいものばかり三十九残っておるわけでございますが、さらに今回は積極的に切り込みまして、ほんとうにハードコアと申しますか、国内産業の立場からどうしてもそれはむずかしいというものだけが若干残るという程度でやりたいと思います。それ以上のことは、いま幾らにするという数だけは申し上げられませんが、そんな気持ちでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/50
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051・岡本富夫
○岡本委員 これは関税率をきちっと一緒にしたからといって、ぼくは差しつかえないと思うのですよ。やはり気持ちの上からいっても、あるいはまた今後の中国大陸との国交回復の問題からいっても、どうしてもやはりこの関税格差というものをなくしてしまうということが一番大事な問題であろうと私は思うのです。ですから、ひとつあなたのほうに要望しておきます。いま全部答えるわけにいかないだろうと思いますから、そういう方向で検討をしていただきたい。これは要望しておきます。
輸銀の副総裁見えていますね。あなたにお聞きしたいことは、バンクローンの要請がいままであったかどうか、これをちょっとお聞きしておきたいのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/51
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052・前川春雄
○前川説明員 輸出入銀行の前川でございます。
バンクローンにつきましては、すでに輸出入銀行といたしましては、IADBと申しますか米州開発銀行、それからメキシコ開発金融公社、それから中米経済統合銀行、そういう金融機関に対しましてバンクローンの供与をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/52
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053・岡本富夫
○岡本委員 これは要請が出てこないとあなたのほうもわからないのですが、いま輸出保険法の一部を改正する法律案の審議をしてるわけですが、今後も相当そういう要請があるように考えられますが、その点についてひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/53
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054・前川春雄
○前川説明員 今後も中南米諸国あるいは東南アジア諸国の金融機関に対しましては、バンクローンを供与してほしいという要望がございますので、供与することになろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/54
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055・岡本富夫
○岡本委員 そこで、もう一つお伺いしておきたいことは、輸銀のほうでは、対中国あるいはまた対北鮮、まあいまは韓国の問題でもたもたしておりますけれども、そういう使用の、たとえばプラント輸出というようなものがある場合、輸銀のほうで、申し込みがあればこれは引き受けることができるわけですね。この点についてひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/55
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056・前川春雄
○前川説明員 輸出入銀行法のたてまえから由しますると、輸銀といたしましては信用を供与することができます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/56
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057・岡本富夫
○岡本委員 その点だけはっきり聞いておけばよかったのです。
八項目の中にもあるのですけれども、対外投資の自由化、これがうたってあるのですけれども、その後の、これは四十六年度の現在の実績はどういうぐあいになっておるのか。これは通産省とそれから大蔵省にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/57
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058・外山弘
○外山政府委員 海外直接投資につきましては、従来は主務大臣である大蔵大臣が関係各省と協議をいたしまして個別許可をしてまいりましたが、御承知のように、四十四年十月以来逐次自動認可の範囲をふやしてまいりまして、日本銀行限りで自動認可するという方向を進めてまいりまして、本年の七月には全部制限を撤廃いたしまして、自動認可限度額といったものを撤廃いたしまして、原則としてすべて自由化をしているわけでございます。
最近の実績を四半期別に見てみますと、本年の一−三月期では一億六千三百万ドル、それから四−六月期では一億三千万ドル、七−九月期では二億四百万ドルと、七−九月は自由化後の時期でございますが、前期比五七%増、あるいは前年の同期に比べましても五六%増という数字を示しております。しかし、自由化したから直ちにこれがふえたのかどうか、その辺は今後の動向を見ないと必ずしも明確ではございません。特に最近のような情勢変化の中で投資が当面どのような影響を受けるか、その点もございますので、にわかに数字のいまの状態の判断はむずかしゅうございますけれども、一般的な傾向としてはやはり今後増加の傾向をたどっていくであろう、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/58
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059・岡本富夫
○岡本委員 次に、この八項目の中で外貨貸し、これをうたっておりますけれども、これについては現在どういうような要求が出ておって、そして何か周囲の問題点について検討するというように出ておりますけれども、どれくらいの要求が来ておるのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/59
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060・外山弘
○外山政府委員 外貨貸し制度につきましては、通産省といたしましては、その蓄積した外貨を有効に活用する、その際に海外資源開発の円滑な推進をはかりたいというふうなことで関係省と協議を進めてまいっておるわけでございますが、いろいろな問題点もございまして、現在いまだ検討中の段階でございます。今後さらに問題点を詰めまして、この制度につきましての実現につきまして十分協議をしてまいりたいと思いますが、いろいろな問題点もございますので、なかなかむずかしいというふうな予想もつくわけでございます。
そういった段階で、現在外貨貸し制度が検討中のものでございますので、これについてどの程度の要請があるかというふうな量的な把握はまだできませんが、ただ一般の海外資源開発あるいは投融資というふうな関係者からは、こういった為替変動下の見通しが今後も予想される段階で、外貨貸し制度については強い要望があることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/60
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061・岡本富夫
○岡本委員 時間がありませんので、飛ばして、海外協力についてこの前松尾さんがお伺いしておりますけれども、この八項目を実施する、こういうことになってから外貨がどれくらい減ったかどうか、実績があったのかどうか、これをひとつ大蔵省のほうから総体的にまとめてお返事をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/61
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062・吉田冨士雄
○吉田説明員 大蔵省の国際金融局の吉田審議官でございます。
御承知のとおり、八項目におきまして、対外経済協力の関係では大きく言いまして二点ございまして、一つは、できるだけ政府の借款のウエートを大きくするように、DACの平均レベルにやるようにというのが第一点でございますし、第二点といたしましては、条件につきましてもできるだけソフトなものを出すということになっております。
現在、いろいろな統計については、大体年単位あるいは年度単位で集計するためにまだ整っておりませんが、全体の趨勢といたしましては、最近は比較的低利のソフトのローンをできるだけ出すようにしておりますし、また金額にいたしましても、できるだけ財政等の許すようにいたしておりまして、たとえば、最近やりましたのでは、マレーシアに対するローンにつきましても、条件としましては従来よりもかなり下がって、金額につきましては大体従来の倍ということでやっておりますので、これからもそういう問題がだんだん出てまいると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/62
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063・岡本富夫
○岡本委員 経企庁、来ておりますね。
GNPの一%というような、まさに佐藤総理がここで非常に強調しておったのですけれども、はたしてそういうことが可能なのかどうか、そういう見通しについて、これは少しばく然としておりますけれども、それができなかったら結局だましたことになりますしね、パリで約束しておるわけですから。この点についてひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/63
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064・井上幸夫
○井上説明員 現在のわが国の海外経済協力の資金量は、たしかGNPの〇・九三ぐらいの水準にきておるかと思います。一%という目標に対してあと一息というところでございまして、努力次第では達成できる数字であろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/64
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065・岡本富夫
○岡本委員 民間ベースでなくて、政府ベースではどうなんですか。その点をやかましく言っておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/65
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066・井上幸夫
○井上説明員 御指摘のように、いわゆる政府開発援助の経済協力全体に占める割合は、わが国の水準はいわゆるDAC水準に比べてかなり下回っていることは事実でございます。これに対しまして、すでに先ほど御援用になっております八項目の中でも、いわゆるODAの比率を上げることにつとめるという了解になっておりまして、今後、私ども関係者といたしましては鋭意努力する所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/66
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067・松尾信人
○松尾(信)委員 関連。いまお答えがありましたけれども、この一%というGNPに対する海外経済協力、その政府の分と民間の分の分け方でありますけれども、いまお話しのとおり、政府借款、政府関係の分はDACの平均よりも低い。でありますから、民間のほうは海外投資等でこれは黙っていてもどんどん伸びていくだろう、もう一%なんかでなくて大いにこれは伸びていくわけでありますから、むしろ問題は、いかにして政府の分を伸ばしていくか、その比率をどのくらいに持っていったらいいのか、そしてそれを三カ年なり五カ年の計画で毎年このように持っていくんだというようなものがないと、DACの平均から下がっておるのですから、それが民間のほうはぐんぐん伸びていきますけれども、政府のほうはそれに足並みがそろわない。むしろ、逆にいまのようなギャップというものが、今後ともにさらに民間、政府を比べてみると開いていくんじゃないか、こういう点をはっきりいま岡本議員が聞いているわけでありますから、ひとつ政府のほうの明快な、そのような政府分をどのようにやっていくんだ、一%に対する考え方はこのようにやっていくんだというようなものがないと、これはお答えにならぬのじゃないか、こう思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/67
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068・井上幸夫
○井上説明員 GNPの一%という目標は政府、民間を含めたものでございまして、ただいまの問題になっておりますのは、その中でいわゆる政府分の比率がDAC水準に比べて低いということであろうかと思います。御指摘のとおりでございまして、民間経済援助は経済援助で自然に伸びていく体質を持っていると思いますし、問題は政府援助の比率をどうやって高めていくか、どういうふうな体制が必要であろうかということであろうかと思います。いままでDAC水準に比べてわが国の水準が低うございましたのは、これは歴史的な事情もございましょうし、国内の資源配分との関係もあったことは事実でございます。私どもはできるだけこの比率を上げていく努力をしたいというふうに考えておりますけれども、事財政問題ともからむものでございまして、具体的にどこまでいけばいいか、それがいつまでに達成できればいいかということはちょっと数字でお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/68
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069・松尾信人
○松尾(信)委員 いま数字をお出しなさい、こういうことでございません。ただ考え方は、一%といえばもう来年は必ずこすと思うのです。ことしの集計をなされましたら、これは一%をこすのじゃないか、七一年ですね。ですから、一%に達したからいいという問題じゃないのだ。むしろ民間投資のほうが進んでいくということは、ほんとうの意味の海外経済協力じゃないと私は思うのです。日本の資源のために当然出ていくべきものでありまして、これは海外経済協力じゃない。何がほんとうの海外経済協力であるかといえば、政府の無償を中心とした、そして長期にひものつかない低利な、そういうものをどのように一%に近づけていくかというのが問題だと思うのです。これはあなたにこれ以上申しても無理でありますから、外務省、経済企画庁また通産省が、局長が一週間に一回ずつ集まってやっておるようでありますから、そういうところでひとつ具体的にきちっと出されまして、そうして外務大臣も言っているのですし、大蔵大臣もそのような気はあるわけでありますから、ひとつほんとうの事務当局の最高のところで固めて、これを国策として推進するというような面で通産省と企画庁、両方から考えをよく聞いておきたいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/69
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070・外山弘
○外山政府委員 先ほど来の御質問で問題点は非常にはっきりしているわけでございまして、私どももよく現在の問題点がわかっているわけでございます。先ほども経済企画庁のほうからも話がございましたような国内的な財政上の問題もあると思います。したがいまして、関係者が一応集まっている会議、先般の委員会のときにもそういう意味のお答えがございましたけれども、私どもも今後妥当な限り、先ほどの問題点を解明できるように、できるだけの努力をしてまいりたい、こう考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/70
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071・松尾信人
○松尾(信)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/71
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072・岡本富夫
○岡本委員 これは、経済企画庁の井上さんですか、なかなかむずかしい問題だと思うのですよ。私、前に佐藤総理に当委員会で念を押したのですけれども、大体一ぺんにはできないと思うのです。だから大体毎年こうふやしていく、そしてどの辺へ近づけていけるというような見通しのようなものをやはりつくって、対外発表はこれはむずかしいと思います、これはするわけにはいきませんけれども、そういうような一つの段階を踏みながら、来年にはこうするのだという一つの目標をあなたのほうでつくって各省に示さないと、これはできませんよ。それをひとつあなたに言っておきたいのですけれども、その点についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/72
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073・井上幸夫
○井上説明員 GNPの一%というのは一つの目標でございまして、ほぼこれに達してまいりましたので、今後はその政府援助の内容といいますか、質の問題が大きな問題であろうということは、これは政府部内各省の認識が一致している点であろうかと思います。ただその年次割り、計画をもって、どうやってODAの水準を上げていくかというような具体的な話になってまいりますと、これは相手国サイドの事情もございましょうし、わが国だけの一方的なスケジュールだけで事が運ぶものではございませんので、その辺につきましては御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/73
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074・岡本富夫
○岡本委員 これは、相手国相手国といいますけれども、大体こちらでそういったスケジュールを組んでおかぬとそこまで到達しないわけです。ですから外国のほうから日本を見ると、ほんとうに八項目、はたしてこれが信用できるのかどうかというようないろいろな懸念がされるわけですね。対外的のものについては、私ども、やはりある程度信頼できるものをつくっていかなければならぬということを考えるわけで、これ以上あなたとこのものを論議してもしかたがありませんからこれでおきますけれども、やはり一定のそういったスケジュールというものをつくるところに持っていかないといけないということを言っておきます。
そこで、次に政府借款につきましてちょっとここで解明しておきたいのですけれども、台湾政府に対するところの政府借款、これについてその後どうなっておるのか、取りやめたのか、あるいはまたその後の交渉経過、これをひとつお聞かせ願いたい。これは外務省、それから大蔵省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/74
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075・鹿取泰衛
○鹿取説明員 これまでも台湾に対する借款は、台湾地域住民の民生安定と、それから経済安定に寄与する良好なプロジェクトを検討した上で供与してまいったわけでございます。で、今後もこの方針に基づきまして新規借款を供与するかどうかについては、中国をめぐるいろいろな国際情勢の推移を見きわめながら慎重に検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/75
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076・岡本富夫
○岡本委員 これは、やはり中国の国連加盟というものを踏まえて、打ち切るべきだと私は思うのですね。ただ、今後の推移を考えて検討していくというのはうまい話で、どっちになるかわからぬというような、これもやはりあなたではお答えしにくいと思いますから、大臣に答弁をしていただきますので、残しておきます。(「次官に聞け」と呼ぶ者あり)では、政務次官にぜひ聞いておくようにということだから、ひとつはっきり答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/76
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077・稻村佐近四郎
○稻村(佐)政府委員 参事官が答えたとおり、今後いろいろな国際情勢の推移を見きわめつつ、慎重に対処してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/77
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078・岡本富夫
○岡本委員 約束の時間が参りましたので、最後に一点だけ聞いておきたいのですが、これは輸出振興税ですが、この改廃についてどういうように考えておるのか。やはり私は、輸出振興の上からいえばどうしても必要だと思うのですが、その反面、この八項目のあれによると、改めたり廃止したりするということになっておりますが、この検討はどういうようになっておるのか、ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/78
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079・外山弘
○外山政府委員 輸出振興税制につきましては、本年の春の国会で御審議を願いまして、必要な手直しを行なった上、三年間の延長をお認め願ったわけでございます。しかし、その後の内外の経済情勢の変化の中で、ただいまのように八項目の中でそのあり方について検討をするということになったことは御指摘のとおりでございます。その後いろいろ関係省並びに関係業界の人たちとも御相談しているところでございますが、現在の国際通貨経済情勢といったようなものが非常に流動的である。で、輸出の関連業者も、ただいまも御指摘のように、先行きについて深刻な不安感も持っておるというふうな状況でございますので、輸出税制の取り扱いにつきましては、これらの情勢に十分注意しながら慎重に対処してまいりたいということで、現在関係省とも寄り寄り協議をしているところでございます。確かにこれを一挙に全部なくすということには問題もございますし、それからこれを今後どういうふうに続けていくかということについても問題がございましょうし、その辺をどのようにかみ合わせながらどんな修正を行なっていくか。それから振興税制と申しましてもいろいろ中身がございます。したがいまして、その辺も含めまして私どもとしては検討してまいりたいと思いますし、税務当局のほうもそれなりの検討をしておられるわけでございます。いずれにしても、そういったことで今後の情勢を見ながら結論を出したい、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/79
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080・岡本富夫
○岡本委員 これももう一つさっぱりわからぬわけですけれども、大蔵省のほうに要求し答弁いただきたいのですが、中小企業の分だけは、これはやはり輸出振興税は優遇できるようにしなければならぬ、こういうように考えておるのですけれども、大蔵省の考え方をひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/80
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081・高橋元
○高橋説明員 輸出振興税制につきましては、ただいま通産省から御答弁がありましたように、最近の国際経済情勢ということにかんがみまして、輸出に直結するような税制上の優遇措置というものを講じていくことは適当でないのではないかという考え方を持っておりまして、四十七年度の税制改正のことでございますので、目下税制調査会で具体的な方向等を御審議いただいておるところでございます。
その中で、ただいま御質問の中小企業に対する配慮ということをどういうふうに進めてまいるかでございますけれども、私ども、目下具体的な案につきまして関係の省庁とも相談をいたし、税制調査会におはかりをするというところでございまして、具体的にどういうことという具体案はこの場で申し上げられないわけでございますけれども、激変をできるだけ緩和するようにという気持ちはございますけれども、一方で輸出に直結した税制上の優遇措置というものが好ましくないと申しますか、適当でないという事情もございまして、企業の体質の改善とか、それから蓄積の強化ということを通じて、将来に向かって中小企業の国際競争力の強化をはかっていただくということのほうが適当ではないかというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/81
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082・岡本富夫
○岡本委員 中小企業の体質の強化あるいは資本の蓄積、こういいますけれども、なかなかそうはうまくいかないのですよ、あなた。問題点をほかの局あるいはまたほかの省に責任を転嫁せずに、やはりひとつこの点については再度検討をしていただくように私要望しておきます。
最後に、銀行局の北田さん来ていますね。あなたには、ちょっとこの問題とはずれるのですけれども、せっかく来ていただいたんだから要望しておきます。
中小企業の年末金融について、保証協会の保証のついた分については、各銀行が金利を大企業並みに下げるようにあなたから特別にひとつ通達をしてもらいたいと思うのです。当委員会で私何べんもこの問題については質問もし、話をしているわけですけれども、まだそうではないですね。私一週間ほど前にそういう事例を、これは信用金庫でしたけれども、これもやはりこの保証協会の保証を取りつけながら金利は依然として高い、こういう事例があるわけですからね。ひとつその点をはっきりしてもらいたい。
それからもう一つは、三機関が中小企業に対して融資をるすときには保証協会の保証が必要でない、保証協会のほうはもっぱら一般市中銀行と、こういうようにしてもらいたいと思うのです。この点二つを要望しますが、あなたの御意見を承って終わりたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/82
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083・北田榮作
○北田説明員 ただいまお話のございました政府関係中小企業三機関からの融資について保証協会の保証を必要でないようにしろ、こういうようなお話でございますが、御承知のように、保証協会は中小企業者の資金の円滑化をはかるために保証いたしまして、これを中小企業信用保険公庫が保険をするということになっておるわけでございます。まあこれは中小企業者に対する資金の円滑化をはかるための保証保険でございまして、必ずしも民間だけに限るということではございませんが、三機関、ことに国民公庫、中小公庫につきましては政府資金を中心にしておりますところから、できるだけそういった保証をしないでもいいということで運用するように指導いたしておるところでございます。現在国民金融公庫におきましても、たとえば三百万円以下のものについては、物的担保なしでも、保証人だけでもいいというようなことにいたしておりまして、担保の点については非常に緩和した取り扱いをいたしておるわけでございます。ただ、借り受け者の実情等に応じまして、どうしても保証人もないとか、借り受け者のほうの御要望によって、保証協会の保証つきである程度融資をせざるを得ないというような場合もあることはやむを得ないかと思います。
現在、国民公庫の融資で信用保証協会の保証つきになっておりますのは大体一%程度でございまして、まあほとんどないと言ってもいい状況であろうかと思います。
それから、中小企業金融公庫におきましては、これは直貸しにつきましてはこれもまた安易に信用保証のものを利用するということは適当でございませんので、極力押えておるという運用をやっておりますが、ただ代理貸しにつきましては、これは民間金融機関が自己の責任を持つ保証部分がございますので、こういった点についてある程度信用保証協会のものを利用するというようなことはやむを得ないことであろうか、このように考えております。いずれにいたしましても、できるだけそういったものが民間金融機関の融資の保証に充てられるというようなことが望ましいという方向で指導いたしておるわけでございます。
それから、第一番目の問題につきましては、これは実はちょっと所管が違いまして、私のほうでございませんので的確な御答弁はできかねるかと思いますが、中小企業金融機関が信用保証協会の保証つきのものを融資いたします場合には、もちろんその危険度において危険が少ないということでございますので、金利をある程度有利にするようにというようなことは現在いたしているはずでございますし、そういったような方向で運営が行なわれておるものと思っております。
なお、御指摘の点につきましては、担当のところに十分御要望の趣旨を伝えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/83
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084・岡本富夫
○岡本委員 第一点のほうの全体の総額の一・三%あるいは一・五%ぐらい——あなたは一%ぐらいだと言ったけれども、一・五%ぐらいになっておるはずです。そういうわけで、特にその内容を調べますと、一番必要で体質の弱いそういうところに対してしわ寄せして、そして保証協会の保証を、もう窓口に行ったら、保証協会の保証をとれますかと、運営にあたって簡単に交渉しておるわけですね。だから、三機関はやはり、保証協会の保証がなくても調査をするのですからね、保証協会のほうと二重調査になるのですね。この調査されるほうはまた非常に警察に取り調べられるような——そういう方針になっているところもあるのですね。また、そういうきびしい言い方をしているところもあるのです。そんなことはないと言うなら私たくさん事例を持ってきますけれども、ですからもっと親切にしてあげるのが一つと、それからもう一つは、頭から保証協会の保証をつけられますか、というようなことのないようにしてもらいたいと思うのです。そうでなかったならば、総額において千五百億の年末の予算を取っても、結局末端へ行くと貸すほうと保証するほうとダブっておるわけですね。ですから結局はごまかしと、こうなるわけです。ですから私は、保証協会の保証のつくものは、やはり一般市中銀行からの分は保証をする、保証協会の分で使う、それからこの三機関については、これは調査をするのですから保証協会の保証をつけなくてもよろしい、こういうようなはっきりした縦書きをしていただいたほうがいいのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。もう一ぺんその点について、検討するなりあるいは実情を調査してそういうようにするというように、ひとつはっきり答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/84
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085・北田榮作
○北田説明員 ただいま申しましたように、国民金融公庫、中小企業金融公庫の直接貸し付けにつきましては、できるだけその内容を審査いたしまして、必要なものには融資をするということで対処しているわけでございますから、少なくとも公庫のほうから、保証をとってこいとか、そういったような要求はしないというようなことでもちろん臨んでおりますし、指導をいたしておるところでございますが、保証以外に全然保証人もなく、何らのそういった担保的な措置がないという借り受け者に対して、無保証では貸せないからあなたはだめですよと言って断わるということもいかがかと思われます。したがいまして、そういったところは実際上の運用をできるだけ適正にやることは当然でございますが、三機関からの貸し付けについては保証づきのものは絶対になくするというようなことはちょっと無理かと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/85
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086・岡本富夫
○岡本委員 もうやめようと思っておるのに……。保証人もないという場合はまた考える必要があると思うのですが、しかし保証人がなかったらまず保証協会は保証しないですよ。これはそこらあたり実情をもう少し研究してもらいたいですね。確かに保証人もない、担保もないという場合なら考えることも必要でしょうけれども、保証人はとって、そして保証協会の保証をとって、保証協会に行くと今度はもう一人保証人をと、こうなるような状態なのです。ですから、この実情はあまり知っていらっしゃらないのじゃないかと思うのです。もしもあなたのおっしゃっているように、保証人もない、担保もない、だから保証協会が保証をつけるという場合であれば、保証協会は保証しないのですよ。要するに保証協会が保証するときには保証人をつけるわけですからね。その点、もう一ぺん実情を調査をして、そして次の委員会ではっきり答えていただきたいと思うのです。
それから、これはあなたの課ではないということですが、保証協会の保証のついた分に対しては金利を大企業並みにせよというように、局長に来ていただければ一番いいのですが、局長きょうはお見えになっていないから、あなたのほうから伝えていただいて、そして善処をしていただくように再度要請してきょうは終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/86
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087・橋口隆
○橋口委員長代理 次回は、来たる十四日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106704461X01219711210/87
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