1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十六年十二月二十五日(土曜日)
午後十一時十一分開会
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委員氏名
沖繩及び北方問題に関する特別委員
委員長 長谷川 仁君
理 事 鬼丸 勝之君
理 事 楠 正俊君
理 事 剱木 亨弘君
理 事 丸茂 重貞君
理 事 松井 誠君
理 事 森中 守義君
理 事 矢追 秀彦君
理 事 高山 恒雄君
理 事 岩間 正男君
稲嶺 一郎君
今泉 正二君
長田 裕二君
梶木 又三君
片山 正英君
亀井 善彰君
古賀雷四郎君
柴立 芳文君
鈴木 省吾君
園田 清充君
竹内 藤男君
西村 尚治君
初村瀧一郎君
宮崎 正雄君
山内 一郎君
若林 正武君
占部 秀男君
大橋 和孝君
川村 清一君
田中寿美子君
田中 一君
宮之原貞光君
村田 秀三君
森 勝治君
上林繁次郎君
原田 立君
藤原 房雄君
栗林 卓司君
加藤 進君
喜屋武眞榮君
大蔵委員
委員長 前田佳都男君
理 事 柴田 栄君
理 事 嶋崎 均君
理 事 成瀬 幡治君
理 事 多田 省吾君
理 事 栗林 卓司君
青木 一男君
伊藤 五郎君
大竹平八郎君
河本嘉久蔵君
栗原 祐幸君
棚辺 四郎君
津島 文治君
西田 信一君
桧垣徳太郎君
藤田 正明君
小谷 守君
竹田 四郎君
戸叶 武君
戸田 菊雄君
松永 忠二君
吉田忠三郎君
鈴木 一弘君
渡辺 武君
野末 和彦君
社会労働委員
委員長 中村 英男君
理 事 鹿島 俊雄君
理 事 高田 浩運君
理 事 大橋 和孝君
理 事 小平 芳平君
石本 茂君
上田 稔君
上原 正吉君
川野辺 静君
玉置 和郎君
徳永 正利君
中山 太郎君
橋本 繁蔵君
山下 春江君
須原 昭二君
杉山善太郎君
田中寿美子君
和田 静夫君
柏原 ヤス君
高山 恒雄君
星野 力君
商工委員
委員長 大森 久司君
理 事 川上 為治君
理 事 剱木 亨弘君
理 事 竹田 現照君
理 事 藤井 恒男君
赤間 文三君
植木 光教君
小笠 公韶君
久次米健太郎君
中村 禎二君
矢野 登君
山本敬三郎君
渡辺一太郎君
阿具根 登君
小野 明君
大矢 正君
林 虎雄君
中尾 辰義君
原田 立君
柴田利右エ門君
須藤 五郎君
運輸委員
委員長 木村 睦男君
理 事 鬼丸 勝之君
理 事 佐田 一郎君
理 事 山崎 竜男君
理 事 森中 守義君
稲嶺 一郎君
岩本 政一君
江藤 智君
岡本 悟君
菅野 儀作君
橘 直治君
平島 敏夫君
伊部 真君
小柳 勇君
瀬谷 英行君
藤田 進君
田代富士男君
三木 忠雄君
田渕 哲也君
山田 勇君
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出席者は左のとおり。
沖繩及び北方問題に関する特別委員会
委員長 長谷川 仁君
理 事
鬼丸 勝之君
楠 正俊君
剱木 亨弘君
丸茂 重貞君
松井 誠君
森中 守義君
矢追 秀彦君
高山 恒雄君
岩間 正男君
委 員
稲嶺 一郎君
今泉 正二君
長田 裕二君
梶木 又三君
片山 正英君
亀井 善彰君
古賀雷四郎君
柴立 芳文君
鈴木 省吾君
園田 清充君
竹内 藤男君
西村 尚治君
初村瀧一郎君
宮崎 正雄君
山内 一郎君
若林 正武君
占部 秀男君
大橋 和孝君
川村 清一君
田中寿美子君
田中 一君
宮之原貞光君
村田 秀三君
森 勝治君
上林繁次郎君
原田 立君
藤原 房雄君
栗林 卓司君
加藤 進君
喜屋武眞榮君
大蔵委員会
委員長 前田佳都男君
理 事
柴田 栄君
嶋崎 均君
成瀬 幡治君
委 員
青木 一男君
伊藤 五郎君
大竹平八郎君
鈴木 一弘君
社会労働委員会
委員長 中村 英男君
理 事
鹿島 俊雄君
高田 浩運君
委 員
石本 茂君
上田 稔君
玉置 和郎君
徳永 正利君
山下 春江君
須原 昭二君
商工委員会
委員長 大森 久司君
委 員
藤井 恒男君
運輸委員会
委員長 木村 睦男君
理 事
山崎 竜男君
委 員
岩本 政一君
江藤 智君
橘 直治君
平島 敏夫君
小柳 勇君
瀬谷 英行君
田代富士男君
田渕 哲也君
国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
外 務 大 臣 福田 赳夫君
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
厚 生 大 臣 斎藤 昇君
国 務 大 臣 江崎 真澄君
国 務 大 臣 山中 貞則君
政府委員
内閣法制局長官 高辻 正巳君
内閣法制局沖繩
法制参事官 系 光家君
内閣法制局第二
部長 林 信一君
内閣法制局第三
部長 茂串 俊君
内閣法制局第四
部長 角田礼次郎君
総理府総務副長
官 砂田 重民君
防衛庁参事官 鶴崎 敏君
防衛庁防衛局長 久保 卓也君
防衛庁衛生局長 鈴木 一男君
防衛施設庁長官 島田 豊君
防衛施設庁総務
部調停官 銅崎 富司君
沖繩・北方対策
庁長官 岡部 秀一君
沖繩・北方対策
庁総務部長 岡田 純夫君
沖繩・北方対策
庁調整部長 田辺 博通君
外務省アメリカ
局長 吉野 文六君
外務省条約局長 井川 克一君
大蔵大臣官房審
議官 前田多良夫君
大蔵省主計局次
長 平井 廸郎君
大蔵省理財局次
長 小幡 琢也君
厚生省環境衛生
局長 浦田 純一君
厚生省医務局長 松尾 正雄君
厚生省薬務局長 武藤き一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
常任委員会専門
員 中原 武夫君
常任委員会専門
員 菊地 拓君
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
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本日の会議に付した案件
○沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○沖繩の復帰に伴う関係法令の改廃に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○沖繩振興開発特別措置法案(内閣提出、衆議院
送付)
○沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員法第十三条第五項および地方自治法
第百五十六条第六項の規定に基づき、人事院の
地方の事務所設置に関し承認を求めるの件(内
閣提出、衆議院送付)
○沖繩平和開発基本法案(衆議院送付、予備審
査)
○沖繩における雇用の促進に関する特別措置法案
(衆議院送付、予備審査)
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〔沖繩及び北方問題に関する特別委員長長谷川仁君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/0
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001・長谷川仁
○委員長(長谷川仁君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会、大蔵委員会、社会労働委員会、商工委員会、運輸委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案、沖繩の復帰に伴う関係法令の改廃に関する法律案、沖繩振興開発特別措置法案、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律案、国家公務員法第十三条第五項および地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、人事院の地方の事務所設置に関し承認を求めるの件、沖繩平和開発基本法案、沖繩における雇用の促進に関する特別措置法案
以上の各案件を一括して議題とし、これより質疑を行ないます。
質疑のある方は順次御発言を願います。須原昭二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/1
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002・須原昭二
○須原昭二君 お許しをいただきまして、私は、沖繩の水と麻薬の問題についてお尋ねをいたしておきたいと存じます。
まず、水の問題です。琉球水道公社の財産の問題についてお尋ねをいたすわけでありますが、協定第七条で公社の財産を買い取ることになっておりますが、それは三億二千万ドルの中に含まれているかどうか、まず、その点をお尋ねをいたします。
時間の関係もございますから、答弁はイエスかノー、きわめて簡略に御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/2
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003・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 買い取りという話がありましたが、買い取りじゃないんです。私どもは、承継と称しておりますから、その点を申し添えますが、三億二千万ドルの対象となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/3
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004・須原昭二
○須原昭二君 公社の財産は、過去をずっとたどってまいりますと、一般資金あるいはまたガリオア資金の見返りでつくられたものであって、あるいはまた沖繩における営業を行なって、現在のような資産になったと私たちは解釈をいたしておるわけでありますが、そういうことにいたしますと、当然これは純然たる米国の所有に属するものではなくて、沖繩県民に属するものではないか、かように私どもは考えるわけです。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/4
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005・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) いろいろ議論はありますが、とにかくアメリカ政府の資産であるということには間違いはないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/5
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006・須原昭二
○須原昭二君 そういたしますと、この琉球水道公社が今度日本へ返ってくる、その資産の評価はどのくらいに評価されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/6
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007・小幡琢也
○政府委員(小幡琢也君) 琉球水道公社の財産の評価額でございますが、資産と負債差し引きまして、正味四千七百三十万ドルでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/7
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008・須原昭二
○須原昭二君 いま買い取る、買い取らない、こういう表現の問題について外務大臣から異論がございましたけれども、いずれにしても三億二千万ドルという金を支払う中に入っていることは事実なんです。したがって、評価については、いまお話がございましたが、やはり国民の税金で支払うものでありますから、一銭一厘たりといえども、これはむだにしてはならないと、かように思います。時間の関係がございますから、次のほうへまいりますが、この点はやはり明確にしておいていただきたい、かように存じます。
次に、琉球水道公社の施設の用地の面積についてお尋ねをいたしておきたいと思います。私の手元にあります資料によりますと、国有地が二千七百六十四万平米、市町村所有地が三百四十二万平米、私有地が九十四万平米、軍用地——布令二十号で接収したものでありますが、四十六万平米、その他公社所有地が十三万平米、計三千二百五十九万平米となっておりますが、確認ですが、このとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/8
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009・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/9
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010・須原昭二
○須原昭二君 そういたしますと、この四十六万平米の軍用地はいつ返還をされるのか。地上にある施設だけは返すけれども、その下にある土地はいつまでも返らないというようなことでは、非常に不都合なことになると思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/10
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011・島田豊
○政府委員(島田豊君) 軍用地でございまして、それが水道公社の財産になる場合におきましては、復帰の日にその土地も返るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/11
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012・須原昭二
○須原昭二君 この中で、四十六万平米のうち全部返るというふうに解釈していいですか。あとで困りますよ、そんなことを言うと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/12
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013・島田豊
○政府委員(島田豊君) 軍用地として残るものは、もちろん、これは引き続き提供ということになりますが、水道公社の専用の地域となるものは、これは返還になる、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/13
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014・須原昭二
○須原昭二君 公社の敷地が全部返るとはなっておらないのですよ、あとでこれは私のほうから指摘をいたしますけれども。
そこで、時間の関係上どんどん進めていきますが、軍用地内にある水道施設、これはたとえばダムでいいますと、四つのうち三つ——瑞慶山ダム、ハンセンダム、平山ダム、この三つが基地内にあります。浄水場につきましては、タイベース浄水場があります。ポンプ場におきましては十九のうち六カ所、すなわち北谷、MCAF、普天間、NAB、漢那、ハンセン、この増圧もしくはポンプ場が六カ所あります。群井戸は三ヵ所のうち全部−キンザー・ヘイグ、嘉手納、天願、この三つは全部軍用地の中にあります。タンクにいたしましては八カ所ありますけれども、読谷タンク、プラザ第一、第二、この三つがあるわけです。これだけ多くのものが基地内にあるわけでありますが、基地内は、午前中にも討論がありましたけれども、わが主権が及ばないのでありまして、どのようにして完全な管理がなされるのか、この点をまずお尋ねをいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/14
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015・島田豊
○政府委員(島田豊君) 水道関係の施設として返るものもありますし、返らないものもございますが、その管理につきましては、ところによりましては、米軍と水道公社との共同使用という形もあるだろうと思いますし、あるいはそれ以外に提供の際の使用条件の中にそれを織り込むということもあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/15
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016・須原昭二
○須原昭二君 そこで、この基地内に立ち入る問題については、きょうの午前中でしたか、わが党の田中委員からも質問がありました。この点については、今後立ち入り調査ができる、こういうことを防衛庁長官もおっしゃいましたし、かつまた総理も十分そうなる確信を持っておる、こういう御答弁がございました。しかし、これは調査であって、一定期間の段階です。水の問題は、二十四時間常に稼働いたしているものであって、いつどこで事故が起きるかわかりません。したがって、いつどこでも二十四時間入れるようなやはり権利がわれわれは必要だと思うわけですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/16
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017・島田豊
○政府委員(島田豊君) 水道公社の施設に出入する場合には、それぞれそれは当然出入できるような関係を米側と水道公社との間で締結をする、かようになると思います。共同使用の形であるとか、あるいは提供の際の使用条件という形でその問題は解決されると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/17
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018・須原昭二
○須原昭二君 非常に歯切れの悪い御答弁でありまして、これはいついかなる場所へでも自由に入れるような、そういう覚え書きあるいは念書、そうしたものは取りかわしてあるのかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/18
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019・島田豊
○政府委員(島田豊君) その問題は、これからの日米間の協議の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/19
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020・須原昭二
○須原昭二君 これからの問題であって、将来形であって過去完了形ではないですね。まだいまのところでは、全然事前に話し合われていないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/20
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021・島田豊
○政府委員(島田豊君) まだ、そこまでは詰めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/21
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022・須原昭二
○須原昭二君 水道施設というものはばらばらにあるんですよ。しかも、それが一元化されている。たとえば貯水場、ろ過場、あるいは浄水場、ポンプ、タンク、これらが一つの管を通して一元化されている。一つだけ、この施設だけが基地の中にあって、ほかは全部外にあるかもわかりません。こういう複雑なものを一元的に管理をすることができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/22
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023・島田豊
○政府委員(島田豊君) 水道公社の専用の施設で施設区域外でありますれば、それはもちろん米軍の関与するところではございません。
そこへ入りますときの通路の、通行の問題でございますけれども、これは先ほど申しますように、やはり共同使用の形をとるか、あるいは提供の使用条件といたしますが、その辺については十分今後——原則的にはその線でいいと思いますけれども、具体的な問題としては、今後十分日米間で詰める、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/23
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024・須原昭二
○須原昭二君 すべてが今後ですから、この点はいつまで論議をしても話にならないと思います。ですから、その点は早急に明確にすべきだと思います。これは総理に特にお願いしておきたいと思います。
そこで、公社の設立の歴史をずっと見てまいりますと、米軍が占領して、やはり米軍が必要である水の資源を開発をし、そして、軍の施設に供給をする上水道として施設をつくったんですね。それから後、余ったというと語弊がございますが、この大量に出てきた水を今度は住民の皆さんに供給するために、布令八号で琉球水道公社が設立をされております。したがって、現在では、軍のいわゆる全島統合上水道として運営されて、その下に琉球水道公社と軍の使用する水道と二つに分かれているわけです。今度、復帰後は、沖繩の上水道の施設運営は全部琉球水道公社がすべて統轄するものであると言われておりますが、そう理解してもよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/24
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025・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 沖繩の県民に供給するものは全部県の統轄下に入ります。
それから、米軍自身、米軍専用のものは、そのまま米軍に残ります。これは県有にもなりません。水道公社にも統轄されません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/25
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026・須原昭二
○須原昭二君 いま厚生大臣は、県民の使う水道は全部琉球水道公社に統轄をされるとおっしゃいますけれども、そうではないんです。後ほど申し上げましょう。
そこで、この全島統合上水道に属するものの中で、返還されないものが三つあります。一つは、桑江浄水場、那覇空軍基地タンク、ホワイトビーチのタンク、この三つは返還をされていないのであります。いつ、どのような形でこれが返還をされるのか、また返還を要求されたことがあるのかどうか、その事実経過についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/26
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027・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) 私は、事実だけを申し上げます。お話のように、全部沖繩県が広域水道として管理いたします。その中で桑江浄水場の、言われたようなポンプ二カ所、こういう米軍が吸い上げて米軍のみが使うというものが一、二カ所残りますが、それ以外は、米軍に供給する水も含めて、全部沖繩の県営水道公社が所轄するということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/27
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028・須原昭二
○須原昭二君 そこで、やはり山中長官と厚生大臣のニュアンスが違うんですよ。これは後ほど申し上げますが、山中さんのほうが正しいんです。この点だけを指摘をしておきましょう。
ただ、そこで桑江だとか、那覇空軍基地タンクだとか、ホワイトビーチのタンクだとか、こういうものが実は基地の中にあって、返還されてない。しかしながら、水道事業というものは水源地の確保から貯水池、攪拌池、沈澱池、ろ過池、浄水池、そしてポンプあるいはまたタンク、こうしてずっと送水管はつながっているわけです。一つだけ中へ入っておって、どういうふうに管理をされるのか、私は疑問に思うわけです。端的に一つの例を申し上げると、そのタンクが中へ一つだけ入っていて、立ち入りが自由にできない。これから話し合うのだとおっしゃいますけれども、こういう点を考えますと、タンクからのメーターの確認はどうやって確認をするのか。米軍はそのタンクからかってに水を使ってもらいのか、使いほうだいなのか、こういう点を私は指摘をしておきたいと思うのです。どうですか、山中さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/28
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029・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) 私の承知いたしております範囲では、大体、いまホワイトビーチ等もあげられましたけれども、それはいわゆる広域水道供給の公社のパイプにつながっていない。ただし、桑江の浄水場の場合に一部つながっている点がありますが、そこは、メーターが明確にできると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/29
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030・須原昭二
○須原昭二君 その点は、また後ほどお尋ねをいたしたいと思います。全島統合上水道に今度は属さないものですが、属さないものの系統の中で摩文仁系統、知念、ボローポイント、屋嘉レストセンター、奥間レストセンター、恩納サイト、キャンプ・ハーディ、八重岳通信所の八系統、この八系統は、従来どおり米軍が管理運営をするということになっておるけれども、それは正しいか、確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/30
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031・小幡琢也
○政府委員(小幡琢也君) 御指摘の系統は、これは水道公社に属しておりません。これは米軍が独立で専用している施設でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/31
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032・須原昭二
○須原昭二君 私の考えておるのと一緒でありますから、その問題についてさらにお尋ねをいたしておきたいと思うんです。
米軍が自由に管理運営することになると、この系統から給水を受けている当該県民が現実にあるんです。そこがいま厚生大臣の答弁と違うところなんです。現に、この系統にあるところの周辺の県民は水を受けておるんです。そういうことになりますと、当該県民は、この給水の条件、水量あるいは価格、あるいはこの水そのものの水質の問題、こういう問題がどう解決されていくのか、当該県民としてはきわめて不利と不安を感ずるわけでありますが、その点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/32
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033・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) 現在、軍のほうの水道から給水を受けておる住民の方は確かにあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/33
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034・須原昭二
○須原昭二君 あるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/34
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035・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) はい、あります。これにつきましては、復帰後は当然水道法の適用を受けるわけでございますので、水道法に適合した水を給水するようにいたすべきでございます。したがいまして、それらにつきましては、配管その他いろいろな工事を今後必要とするところが出てくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/35
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036・須原昭二
○須原昭二君 そのように、現実に軍の系統から県民が給水を受けている。そういう点を厚生大臣が認識がないというのはおかしい。
そこで、水が不足した場合に、これは軍の施設ですから、軍が優先するのはあたりまえのことなんです。もし、この夏のような水飢饉が出たような段階になると、軍事優先でやはり断水のおそれありといわれる。その点はどうですか。さらにまた、いま、水道法が適用されると、こう言っておられますが、べきだという表現ですが、なさなければならないんですよ。この点は明確にしてください、厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/36
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037・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) いま申しましたそのようなものはわずかでございますが、しかしながら、その理由は、補償その他といったようなことで、特別の理由によるものでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、復帰後は水道法の適用ということを考え、これに必要な施設というものは早急に整備する考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/37
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038・須原昭二
○須原昭二君 厚生大臣、指名をしておってもなかなかお立ちになりません。だいぶくたびれられておるのかもしれません。
この水量だとか価格というものは軍がきめるのか、それとも、これは当該住民と話し合いできめられるのか、この点を明確にしてもらいたいと思います。——時間がないから早く。委員長、請求してください、早く。時間がないんだよ。何をやっているんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/38
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039・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) 先ほどもお答えいたしましたように、いろいろと特殊な事情による契約でございまして、その実態に即しまして処理していくべき問題だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/39
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040・須原昭二
○須原昭二君 きわめて不十分な答弁ですが、これは当該住民にとってきわめて重大な問題です。水というものは一日も欠かすことができない要素のある重大な問題ですから、こういうのらりくらりとした不明確な答弁では、われわれは了承できません。厚生大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/40
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041・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 当該住民にとって不利不便のないように協定を結びたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/41
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042・須原昭二
○須原昭二君 住民の利益になるように、ひとつ御考慮を願いたいと思います。
時間がない関係で、さらに進めてまいりますが、今度は水の供給の問題について、全島統合上水道のパンフレットを見ますると、七〇年一年間における水の供給の実態は、ここに年次報告として出ております。これによりますとですね、全島統合上水道の生産水量は、上水百四十三億ガロン、原水十一億ガロン、計百五十四億ガロンを生産をしております。そして、公社への水の供給は百億ガロンと実はきめてある。百億ガロンの内訳は上水八十九億ガロン、原水十億ガロン、この原水十億ガロンというのは、那覇市営の泊浄水場に送られておるわけですから、この点を計算に入れても、実に五十四億ガロンというものが米軍に給水をされていることになっているわけです。この比率を見ますると、民間が三分の二、軍が三分の一という配水を受けるという歩率になっているわけですが、これは琉球の米軍と琉球の水道公社との間で運営協定に基づいて締結をされていると聞いておりますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/42
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043・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/43
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044・須原昭二
○須原昭二君 そういたしますと、この数字を見ただけでも膨大な、県民の皆さんの水と軍が使う水というものは、水量において軍優先の原則がまざまざとこの数字に出てきておるわけですが、復帰後どうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/44
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045・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 復帰直後は、そのままだと存じます。今後、米軍が減じてまいりますれば、それに応じましてまた協定をし直してまいろうと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/45
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046・須原昭二
○須原昭二君 この復帰後直ちには改良できないけれども、漸次軍優先をなくしていくという話でありますが、ことしの夏ですね、八十年来の干ばつだと言われておりますけれども、沖繩の県民は、十二時間の給水、三十六時間の断水、半日給水して一日半水なしの生活を余儀なくされておるわけです。水がなくて遠くまでもらい水をしておるわけです。にもかかわらず、米軍のほうは、あるいはまた米軍の家族たちは、満々とプールに水を満たしたり、広々とした芝生に水を打ったり、車を洗うのに浴びるように水を流しておる実態をわれわれは見ております。こういう軍優先、基地中心の水道行政をまざまざとわれわれは見せつけられたんですが、この事実を見て、総理はどうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/46
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047・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも、ただいまのような事態が起きておる、軍優先と、こういう状態が一日も一早く解消されない限り、沖繩の県民の不平、不満、不幸、そういうものは解消しないと思います。そのためにも早く祖国に復帰すること、これを実現することだ、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/47
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048・須原昭二
○須原昭二君 総理がいま御答弁になったんですが、軍優先は自後も続くんですよ。あとで申し上げましょう。この軍優先の配水のおそれがあるということについて、現地の人々は非常に不信を持っておるわけです。非常に不安を持っておるんです。これを取り除く保証を政府は与えなきゃいけないんです。この点はどうなっておるんですか。この点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/48
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049・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 復帰後は沖繩県の水道になるわけでございまするから、したがいまして、軍優先ということは、これは沖繩県としてもさような取り扱いはしないと存じまするし、また、しないで済むように、施設庁等の交渉も願いまして、平等に水の配給ができるようにいたしたいと、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/49
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050・須原昭二
○須原昭二君 軍優先にしないようにこれから努力をする、すべてが将来です。しかし、将来、われわれが期待できない要素があるわけです。それは合意議事録の第六条を見ていただきたいと思うんです。「琉球諸島及び大東諸島における合衆国軍隊は、日本国本土における合衆国軍隊が一九六〇年一月十九日に署名された日本国」云々とずっと書いてですね、「地位に関する協定の関係規定に従って現在享受している条件と同じような条件でのみ、公益事業及び公共の役務を利用する権利を与えられる。」と明記されているんです。現状の優位な情勢を皆さんは認めておるんですよ。さらにまた、地位協定第七条を見ますると、「合衆国軍隊は、」云々と書いてですね、「当該時に適用されている条件よりも不利でない条件で、日本国政府が有し、管理し、又は規制するすべての公益事業及び公共の役務を利用することができ、並びにその利用における優先権を享有するものとする。」と、こう明記されている。そうすれば、将来将来と言っていますけれども、将来じゃないんだよ。もう契約しているじゃないか。この事実をどうお考えになりますか。そのときばったりの答弁しちゃだめじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/50
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051・井川克一
○政府委員(井川克一君) 返還協定の第六条に関しまする合意議事録をちょっと読みます。「琉球諸島及び大東諸島における合衆国軍隊は、」、これが主語でございますが、その次に、「日本国本土における合衆国軍隊が」、つまり「日本国本土における合衆国軍隊が」となっておりまして、それから長いところは地位協定の正式の名前が書いてあるわけです。「日本国本土における合衆国軍隊が」地位協定の「関係規定に従って現在享受している」、つまり本土においてアメリカ軍が地位協定の規定に従って現在——「現在」というのは本土において現在でございます——享受している条件と同じ条件でのみ享受できると、こういうふうに書いてあります。そして第七条にまいります。地位協定の第七条は、「合衆国軍隊は、」——長く書いてございますが、日本国政府の各省各庁に適用されているものよりも不利でない状態、条件で、またその利用における優先権を享受するということになっております。現在、本土におきましては、御存じのとおり、県その他の市町村と契約を結んでおりまして、その条件はいわゆる一般並みでございまして、また、本土におきましては、一般官庁の特別の優先権というものはないわけでございます。したがいまして、この六条の合意議事録によりまして全く本土並みとなり、そして本土並みの地位協定の七条はいわゆる一般並みと、こうなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/51
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052・須原昭二
○須原昭二君 時間がございませんから、この問題を論争しておりますと全部パーになっちゃうんですよ。しかし、いまの答弁では何が何だかさっぱりわからない。総理わかりますか、あれで。よくわからぬはずですよ。——わからないはずです、わからない。この問題は、やはり時間の関係から保留いたします。保留いたしましょう。
続いて水道料金に入ります。水道の料金、全島統合上水道が公社におろす料金は十二円二十三銭、公社が市町村におろす料金は一トン二十円八十八銭、そして、軍関係におろす料金は一トン十二円二十銭、ここに八円六十八銭という差があります。市町村には高く売り、軍には安い、ここにもまた軍の優先という、きわめて不当な利便を供する実態があるわけです。この点をどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/52
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053・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) 現在は、先生が御指摘のとおりの料金でございます。これは復帰後、沖繩県が市町村を通じて米軍と新たに契約する場合に、その内容をどのようにきめるかということでございまして、できるだけその辺のところは差別がないように、全く公平に扱われるような内容の契約を結ぶように指導をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/53
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054・須原昭二
○須原昭二君 事実高いことはお認めになっておりますが、将来、それがないように考えていきたいという前向きの答弁で了承いたしますけれども、ただ、私が指摘しておきたいことは、この公社の金が高等弁務官資金として、選挙の際に特定の候補者の選挙のために使われておるということが現地には非常に流布されておるわけです。さらにまた、ことしの九月ですか、ことしの十一月から水道料金を八・四%上げると言っておりますけれども、これは地元の猛烈な反対によってそのままとなっております。今後、値上げされるのか、値上げされないのか、値上げしなければならない情勢にあるのか、この点をまずお尋ねいたしたいと同時に、さらに布令八号によりますと、水道料金の決定は理事会できめることになっておるが、理事会には、この八・四%上げることも何らはかられていない。公社と市町村の水道組合が結んでおる分水協定では、料金の改定率の算出根拠を市町村水道組合に通告をし、実施に移すためには同意を必要とすることになっております。しかし、同意はおろか、通告もしていないんです。軍政下にあるから、軍の言うとおりに料金がきめられてきた経過があるわけです、ここに。そういたしますと、この際料金の算定根拠が明らかでないのでありますから、復帰の際には算定根拠を全部明らかにして、水道料金を正しく再検討すべきだと思いますけれども、その点はどうですか、厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/54
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055・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) お説のとおりだと存じます。しかしながら、少なくとも、現在の水道料金よりも上げないでやっていくという方針で、いま琉球政府もやっておりまするし、われわれのほうも、さように指導をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/55
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056・須原昭二
○須原昭二君 上げないように努力をしていくという御答弁を信じたいと思います。
水道公社から琉球市町村におろしておる価格は二十円八十八銭、さらに、水道を市町村から住民に売る価格は、今度は一トン三十七円八十銭もしくは六十六円二十銭です。平均五十七円二十銭です。きわめて高いんですよ。本土では、東京は十四円だったと思います。私たちの名古屋におきましては十六円か十七円だと思います。沖繩と同じような、水資源の乏しい地形にある長崎県ですら四十八円か四十九円です。本土の類似県としてあげるならば、島根、鳥取。これはたしか四十円前後だったと思います。本土並みと考えるならば、当然五十七円二十銭は私は高過ぎると思うんですが、その点はどうですか。感じでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/56
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057・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) 確かに、本土におきます料金は、東京都その他大都市におきましては比較的低料金でございますが、新しく開発されました市町村におきましては、かなりの高料金のところもございます。沖繩の水道の実態については、さらに詳しく検討しなくちゃなりませんけれども、五十七円が必ずしも不当に高いということは言えないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/57
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058・須原昭二
○須原昭二君 一番日本で高いのじゃないんですか。高くないという表現は通らないと思うんですよ。おかしいじゃありませんか、日本で一番高いんですよ。その答弁では私たちは了承できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/58
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059・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) 先生のおっしゃいました五十七円は、平均とかおっしゃっておりましたが、那覇市におきましては四十六円八十銭ということでございまして、確かに本土に比べれば多少割り高でございますが、本土におきましても、かなり新しい水道では高料金のところもございますので、一がいに比較はできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/59
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060・須原昭二
○須原昭二君 一がいにじゃないんですよ、那覇市というところは。一番安いところをあなたは言っているんだ。一番高いところは六十六円二十銭だと私は指摘して、平均が五十七円二十銭になっているということです。これだけ高くなってきているゆえんのものは、いわゆる高等弁務官資金を選挙に横流ししたり、軍は十九円で押えて安くしておく、それで非常な損失をしますから、その点を住民に負担さしている、そういう事実ではありませんか。その点をどうお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/60
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061・浦田純一
○政府委員(浦田純一君) 本土におきまする料金の一例を申し上げます。全国平均では十トン当たり三百十五円でございますが、ところによりまして、かなりばらつきがございまして、たとえば長崎市におきましては四百九十円、あるいは高い料金といたしましては、広島県の因島市におきましては八百十円、秋田県男鹿市におきましては七百四十円というようなことでございまして、それに比べまして沖繩は——全国平均におきましては三百十五円でございますが、沖繩は五百三十三円でございますので、高いということは言えますが、沖繩は一つの、まあいわば本土で申しますれば県あるいはそういった地方でございますので、全国平均と直ちに比較するということはできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/61
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062・須原昭二
○須原昭二君 要領を得ないところは小さいことばで逃げてはいけませんよ。もっと自信を持って答弁しなさい、日本政府の高官は。これは事実なんですよ。高い、非常に高いんですよ。これは軍の費用を補てんをしておるんですよ、県民が。この事実を私たちはいま指摘をして、何としても軍に対して値上げを要求するか、あるいはまた、住民の皆さんの高いものを国が援助をして、財政的補てんをしてこれを下げるか、こういう方途を考えなければならないと思うんですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/62
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063・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 復帰後の水道料金につきましては、よく原価計算をいたしまして、そして公社、県が、特にいまおっしゃったように、その金を不当に使う、余剰を出すとか、そういうようなことのないように厳重に監督をいたしたいと存じます。なお、これからできます水道につきましては、国の補助を本土よりも引き上げまして、そして水道料金ができるだけ上がらないようにつとめたいと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/63
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064・須原昭二
○須原昭二君 これは本土より引き上げるのはあたりまえのことなんですよ、補助率をね。これを格段に補助することがあたたかく迎えることになるんですよ。そういう点を忘れて、そういう表現だけで逃げてはいけませんよ。
こういう水道の問題をいまお話をしてまいりましたけれども、沖繩の水道行政の実態を見ますると、きわめて多くの問題点を持っておるわけです。したがって、この水道行政について、水質検査の問題も申し上げたいんですが、時間がきてしまっておりますが、水質検査は、琉球水道公社がやっているものは特例としてただ黙認をしていく、そういう規定になっているわけです。水道の水質基準についても、省令どおりやっていないんですよ。こういうおそるべき水を彼らは飲んでいるんです。安くてよい水質の水を十分に県民に供給するために、民間優先にこの際しなくてはならない。とにもかくにも、沖繩の県民の水を確保することについて、この際、総理の基本的な姿勢を明示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/64
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065・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 沖繩は、とにかく水資源に乏しいと——乏しいわけではありません。これはもう台風常襲地帯といっていますから、とにかく、ダムが適正に配置されれば、水は十分にあるところでございます。ことしのような特別の干ばつの年なら別ですけれども、本来水のあるべきところです。ただ、そのつかまえ方が十分でないと非常に困る。また伏流水等も相当あるようでございますから、それらの点も勘案し、島々等にもお互いに融通し合うような、そういう道も考えて、とにかく水の問題については、県民に苦労をかけないようにいたしたいものだと、かように私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/65
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066・須原昭二
○須原昭二君 ひとつほんとうに積極的に前向きで対処していただきたい。重ねて要望しておきます。
時間がきて、わが党の理事さんからも、五十七分ごろにやめよという通告がありますから、これに協力をいたしますけれども、麻薬の問題については一言も触れられないわけです。この点はひとつ保留をさしていただきたいと思います。
そこで、ただ一点だけ申し上げておきます。もう麻薬の問題については、これはたいへんなことですよ。私も薬剤師でありますから、この薬の問題については非常に関心を持っております。ことしの一月から十一月の二十五日までに警察当局で接収をした、那覇空港で接収をした大麻六十二キログラム、ヘロイン一キログラム、LSD——これは精神病の患者に幻覚剤として米国で生産をしているものですが、こういうものがたくさん接収をされております。これは見つかったものだけです。潜在的に沖繩にひそんでおるところのこの麻薬というものはおびただしい数字だと言わなければなりません。そうして、麻薬を使っておる人たちは五千名といわれております。本土全体でも六千名なんです。このまま日本に復帰をする、本土に復帰をすることになりますと、往来が自由になります。この間も、アメリカの空軍機は、御案内のとおり、あの嘉手納から飛び上って岩国に着いています。羽の下から麻薬があらわれ出ている事実が新聞に報道されていることは、御案内のとおりです。こういう麻薬が沖繩にきわめて多いという原因はどこにあるのか。これは言うまでもなく、戦争と、そして基地の存在そのものである、こう言わなければなりません。いま、本土の沖繩化ということばがよく使われておりますが、まさしくこの麻薬の面からいって、私は、本土が麻薬化される、そういう危険があると思うのですが、この点についてどう考えられているか。これで時間が来たようでありますが、これを最後にして、御答弁を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/66
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067・長谷川仁
○委員長(長谷川仁君) 答弁は簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/67
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068・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 沖繩の麻薬の問題は、おっしゃるとおり、まことに重大な問題だと存じます。復帰いたしますれば、沖繩に九州の麻薬取締官事務所の支所を置きまして、そして所員を増員し、警察と協力いたしまして麻薬取り締まりに万全を期してまいりたい、これは強く考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/68
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069・須原昭二
○須原昭二君 いまの答弁は非常にだめなんですよ。予算要求ですら事業費が千百どれだけでしたか——したがって、きわめて事業費の予算要求も少ないわけです。十カ月に百万円くらいの事業費なんです。そんなことではできないのです。
この点は保留をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/69
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070・長谷川仁
○委員長(長谷川仁君) 本日の質疑はこの程度にいたします。
次回は、明日午前九時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後十一時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106713896X00119711225/70
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