1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十六年十一月二日(火曜日)
午後一時六分開会
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委員の異動
十月三十日
辞任 補欠選任
野々山一三君 成瀬 幡治君
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出席者は左のとおり。
委員長 前田佳都男君
理 事
嶋崎 均君
吉田忠三郎君
多田 省吾君
栗林 卓司君
委 員
伊藤 五郎君
河本嘉久蔵君
西田 信一君
桧垣徳太郎君
竹田 四郎君
戸叶 武君
戸田 菊雄君
野末 和彦君
国務大臣
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
政府委員
大蔵政務次官 船田 譲君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○租税及び金融等に関する調査
(当面の財政及び金融等に関する件)
○派遣委員の報告に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/0
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001・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
十月三十日、野々山一三君が委員を辞任され、その補欠として成瀬幡治君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/1
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002・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 次に、理事の辞任についておはかりいたします。
吉田忠三郎君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/2
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003・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
ただいまの理事の辞任に伴う補欠選任を行ないたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/3
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004・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に成瀬幡治君を指名いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/4
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005・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
当面の財政及び金融問題等について水田大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/5
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006・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 現下の国際通貨情勢並びに今後の財政金融政策につきましては、先般の財政演説において明らかにしたところでありますが、本委員会において関係法律案の御審議をお願いするにあたり、重ねて所信の一端を申し述べ、御参考に供したいと存じます。
去る八月に米国がドル防衛のために輸入課徴金の賦課、ドルの金への交換の一時停止の措置を講じて以来、主要国は何らかの形で変動為替相場制への移行を余儀なくされ、世界経済は貿易や通貨の問題をめぐって現在大きく動揺しております。
このような国際経済情勢にかんがみ、私は、九月以降、二度にわたる十カ国蔵相会議や国際通貨基金の総会など、各種の国際会議に出席し、各国通貨当局の首脳と隔意のない会談を通じて、真剣な協議を重ねてまいりました。各国とも現状を打開するためには、平価調整を含む総合的な措置が必要であり、また、何らかの形で国際通貨制度を改革しなければならないという点で、共通の認識が深まりつつあります。しかし、現段階におきましては、具体的な平価調整の内容、時期等については、依然確たる見通しは立ちがたい状況にあります。
政府といたしましては、これまで主要国に対して現在の国際通貨問題の解決のために、公平な負担を分かち合うことを主張してまいりましたが、今後、各国が多角的平価調整に応じる場合には、わが国も進んでそれに参加するという立場をとり、長期にわたる国益と国際協調との調和をはかりつつ、事態の早期解決に全力を尽くす所存であります。
これと同時に、国際的に台頭しつつある保護貿易主義、地域主義を抑制し、自由な貿易体制を維持発展させていくためには、わが国自身としても経済の国際化を一段と推進する必要があります。先般、総合的対外経済政策を決定し、逐次その実施をはかってきたところでありますが、今後ともこの基本線に沿って、貿易・資本の自由化、関税の引き下げ、経済協力の拡充などを推進してまいる所存であります。
次に、国内の経済動向に目を転じますと、昨年の秋以降、景気は急速に下降局面に入り、本年に入ってからもしばらくは沈滞の様相を呈しておりましたが、これまでとられてきた金融緩和措置、財政投融資の追加などの景気対策の効果の浸透とともに、六、七月にかけて、景気は回復のきざしを見せておりました。しかしながら、これから立ち上がろうとしたやさきに、国際通貨情勢の動揺に直面し、輸出環境の悪化、設備投資意欲の減退等、実体経済面に大きな影響を受け、このまま放置すれば、景気の回復はかなりおくれることが懸念されております。
このような情勢に対処して、景気のすみやかな回復をはかるとともに、社会資本の整備を促進し、国民生活の向上に資するため、さきに、本国会に提出いたしました本年度の補正予算におきまして、治山治水、道路、港湾、住宅、下水道、産業基盤整備等一般公共事業を中心に、公共投資々事業費の規模で約五千億円追加するほか、所得秤の減税を特に繰り上げて年内減税に踏み切ることといたしました。減税の規模は千六百五十億円々予定し、その内容といたしましては、今後における所得税制の基本的方向を踏まえつつ、減税の効果ができるだけ幅広く及ぶように配意し、本年度当初の改正に引き続いて基礎控除等の人的控除の引き上げをはかるとともに、あわせて累進税率の緩和を行なうことといたしております。これと同時に、市中消化に十分配意しつつ、公債政策の活用をはかることとし、七千九百億円の国債の追加発行を行なうこととしております。
また、補正予算に関連して、財政投融資を二千六十四億円追加することとしております。なお、地方財政の現状にかんがみ、公共投資の追加等に伴う地方公共団体の負担や地方交付税交付金の減額、地方税の減収の補てん等につきましても、適切な措置を講ずることとし、地方財政対策に遺憾のないよう配慮しております。
さらに金融面におきましては、昨年十月以来、公定歩合は四回にわたり合計して一%の引き下げが行なわれ、これに伴い市中金利も次第に低下してまいりました。本年九月からは、一連の長期金利引き下げも実施され、金融緩和基調は、国際収支の大幅黒字を背景に、実体経済に浸透してきておりますが、この傾向は一そう促進されるものと思われます。また、今後、経済の国際化が進展するに伴い、内外資金の流出入は一そう増大することが予想されますが、金融政策面におきましては、金融調節手段の一そうの整備につとめていく所存であります。
また、最近の金融環境の変化や国債発行の増額等の事態に対応し、公社債の円滑な発行、流通のため、金利機能が十分発揮できるような資本市場の整備育成をはかる方向で、一そうの努力をしてまいりたいと考えております。
なお、米国の輸入課徴金の賦課及び円の為替変動幅の制限の暫定的停止等により、大きな影響をこうむることが懸念されている輸出関連中小企業に対しましては、金融、財政、税制を通じてきめこまかい措置を講ずると同時に、中小企業製品の輸出成約の円滑化のために、外貨預託を活用するなど、その経営の安定のために、格段の配慮を行なっております。
以上、最近の内外経済情勢並びに当面の財政金融政策について申し述べました。
なお、本国会において御審議を願うこととしております大蔵省関係の法律案は、所得税の減税に関する「所得税法の一部を改正する法律案」、国際経済上の調整措置の実施等に伴う中小企業に対する税制上の特例措置を講ずるための「租税特別措置法の一部を改正する法律案」及び北海道を中心とする冷害等による水陸稲の減収に伴い、農業共済再保険金の支払財源の不足を補てんするための「農業共済再保険特別会計における農作物共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案」の三件であります。
何とぞよろしく御審議のほどをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/6
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007・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 本件に対する質疑は、これを後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/7
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008・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
先般、本委員会が行ないました租税及び金融等に関する実情調査のための委員派遣については、口頭報告を省略し、委員長の手元に提出されております派遣報告書を、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/8
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009・前田佳都男
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714629X00219711102/9
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