1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十六年十二月十四日(火曜日)
午前十時四十一分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 柳田桃太郎君
理 事
町村 金五君
安田 隆明君
上田 哲君
水口 宏三君
委 員
黒住 忠行君
源田 実君
世耕 政隆君
土屋 義彦君
長屋 茂君
細川 護煕君
山本茂一郎君
足鹿 覺君
山崎 昇君
沢田 実君
峯山 昭範君
中村 利次君
岩間 正男君
国務大臣
国 務 大 臣 江崎 真澄君
国 務 大 臣 山中 貞則君
政府委員
人事院総裁 佐藤 達夫君
人事院事務総局
給与局長 尾崎 朝夷君
人事院事務総局
職員局長 島 四男雄君
総理府総務副長
官 砂田 重民君
総理府人事局長 宮崎 清文君
防衛政務次官 野呂 恭一君
防衛庁参事官 鶴崎 敏君
防衛庁人事教育
局長 江藤 淳雄君
防衛庁衛生局長 鈴木 一男君
防衛庁経理局長 田代 一正君
防衛施設庁施設
部長 薄田 浩君
労働省労政局長 石黒 拓爾君
事務局側
常任委員会専門
員 相原 桂次君
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本日の会議に付した案件
○一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩復帰
のための準備委員会への日本国政府代表に関す
る臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、及び、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題といたします。
御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/1
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002・山崎昇
○山崎昇君 どうも委員会の審議時間が、沖繩問題と関連して、あまりないようです。それから防衛庁関係については、防衛庁の長官がまだ出席ありませんから、委員長にお願いをしておきますが、防衛庁関係については質問を保留をさせてもらって、とりあえず人事院並びに総務長官にお尋ねをしておきたいと思います。
まずお聞きしたいのは、この委員会でも何回か質問をしながら、政府並びに人事院の見解を問いただしてきたんですが、先般の衆議院の内閣委員会でも附帯決議がついたようでありますが、基本的に四月実施について、この委員会でやはり政府並びに人事院の見解を聞いておきたいと、こう思うんです。この問題は、もちろん、理論的な分野もありますし、現実的な分野もありますし、今日までの経過の問題もありますし、いろいろな観点からもちろん考えなきゃならない問題だと思うが、端的に言って、もう四月実施に踏み切る私は時代にきているのではないかと、こう思います。そこで、いま提案されております法律案では、依然として五月勧告であり、政府は完全実施というたてまえ上、五月になっているわけなんですが、そろそろ来年以降等については、人事院は四月実施勧告に踏み切らざるを得ないだろうし、また総務長官は、それを受けて四月実施をやらなきゃならぬだろうと、こう思うんですが、四月実施について、総裁並びに長官の考えをまず聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/2
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003・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これは私から一応お答え申しますが、先般予算委員会でもたしかお尋ねがあったと思いますが、私どもの気分としては、四月実施の考え方も、一応の筋は認められるという立場できておるわけでございます。しかしまたここで、人事院の立場としては、十一年、過去十一回、五月一日ということを、ずっと、これは正しいことと考えての上でのことでありますけれども、それを重ねてきましたことから申しまして、そういう責任上、軽々しくこれを四月にするということもいたしかねるという立場がありまして、片や理屈はなきにしもあらずという立場で、まあ平易なことばで言えば、前向きに検討してまいったわけであります。先般の衆議院内閣委員会の附帯決議なども一つのわれわれの検討についての大きなうしろだてになると考えて、今後ますます熱心に検討を続けてまいりたいという気持ちでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/3
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004・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) すでに衆議院内閣委員会において附帯決議が付せられて、それに対して、実施時期も含めて勧告を尊重するという答弁をいたしております。したがって、それでよろしいんですが、質疑応答ということになりますと、これはことしは法人税で三千億も落ち込むようなことはありましたけれども、幸いにして完全実施を貫くことができました。私は、これは政府の、人事院勧告を尊重していかなることがあっても実施するという、公務員に対するいわゆる政府としての姿勢であろうと思っておるわけであります。
しかし、来年度の予算編成を間近にしておりまして、財源事情等を一国務大臣として見るときに、来年の財政事情というものは、きわめて、ちょっといままで例のないほどむずかしい年になりそうである、予算編成等のそういう感触があります。したがって、財源対策で勧告をいじるというようなことはしないということは、これははっきりしておるわけでありますけれども、ここで来年は四月実施ということを、いま担当大臣から言えといわれますと、これは私もどうも責任を持ちかねるということになりますので、この場で私が責任を持つということは言えませんが、ただいまも総裁が、慎重に検討して、内閣委員会の附帯決議等も踏まえてうしろだてとしながら検討していくと言われますから、少なくとも勧告されたものについては尊重していくということにおいて姿勢は変わりはないということにとどめておきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/4
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005・山崎昇
○山崎昇君 それはそうだと思うんです。来年のことをここですぐきちんと答弁できないことは、私は承知をしております。しかし、これは承知はいたしておりますけれども、そういう時期に私どもは到達しているという判断があるものだから重ねてお聞きをしているのであって、いま人事院総裁から、通常的ですが、前向きということばがありました。私どもの判断としては、来年は人事院も踏み切らざるを得ないであろう、受けて総務長官もそれを実施をするであろう、こう私自身の判断としてこれは申し上げて、この問題は打ち切っておきたいと思うわけです。
次にお聞きをしたいのは、少し具体的な問題になりますが、ことしの勧告並びに法律案で初任給が一号アップになった。したがって在職者を調整をしなければ、去年、おととし入った人はかなり損をするといいますか、不均衡が生じてきます。そういう意味で、人事院の内部にも初任給の一号アップに伴う在職者調整が行なわれるというふうに私ども聞いておりますが、一体どういう方法で、いつの時期にやられるのか、その対象者はどの程度になるのか、この機会にひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/5
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006・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 詳細なことは給与局長からお答えさせますが、実は、いま御指摘の点は、われわれとしては自慢の目玉商品なんでございまして、それに目をおつけいただいたことを非常にうれしく思います。しかし、その在職者調整のほうは、あるやはり限界というものがございますので、これは局長のほうからお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/6
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007・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 本年の勧告におきまして、大学卒の初任給と高校卒の初任給との間におきまして、従来の民間の傾向から、いろいろ検討してまいったわけでございますが、やはり六年差というものを五年差に短縮するのが実情からいって適当であろうということで、一年、間を詰めたわけでございますが、その関係で、まあ初任給の改正でございますから、原則として従来の者に対する関係はないわけでございますけれども、逆転関係を生ずるという関係もございますので、去年採用された者につきましては九カ月短縮、その前に採用されましたものは六カ月短縮、その前に採用されたものは三カ月短縮ということで、三年間につきましては詰めた形の短縮をするということをいたしておりまして、その関係は法律の中におきまして、切りかえ表という形で短縮関係を含めてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/7
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008・山崎昇
○山崎昇君 切りかえ表の中で短縮と、こう言うけれども、そうすると五月一日に全員、たとえば去年採用者は九カ月縮める、一昨年の採用者は六カ月縮める、一昨々年の採用者は三カ月縮める、こういう方向をとるのですか。それとも、たとえば公務員の昇給期というのは一月、四月、七月、そして十月ですかになりますね。そういう昇給該当月に期間短縮するというのか、その辺のことがどうも明確でありません。
それから、これをやることによってどれくらいの人員が一体対象になるのか、あるいは等級にすれば一昨年のものはおそらくまだ六等級までいくまいと思う。おそらく八等級段階ぐらいじゃないかと思うのだが、一部七等級にも及ぶのかどうか、そういう対象についても御説明願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/8
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009・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 法律案の三十二ページに附則別表とございまして、行政職俸給表の八等級につきまして、現在旧号俸が七号俸の者につきまして九カ月たちましたら上の号俸に上げる、それから六号俸の者につきましては六カ月たちますと上の号俸に上げる、現在五号俸の者につきましては三ヵ月たちますれば上の号俸に上げるという形で、現在の五号俸、六号俸、七号俸の者につきましてそれぞれ短縮措置を講ずるという形で、先ほど申しました趣旨を詰めるという形でいたしたいというふうに考えております。
対象人員は約四万人と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/9
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010・山崎昇
○山崎昇君 そこで、あわせて私がお聞きをしておきたいのは、たとえば従来から問題になっている放射線技師だとかあるいは臨床検査技師だとか、資格が変わって、あるいは二年制の学校が三年制になって、初任給があなたのほうで上げられた。したがってこういうものについても、こういう機会にある程度調整をしなければ、ただ一般的な初任給を上げたものだけは調整をするけれども、そうでない資格変更というものはまるきり押えられるというのでは私は片手落ちだと思う。したがって、今度の処置の中に当然こういう資格変更に伴って初任給の上がったものについても在職者調整が行なわれるべきじゃないかと思うのだが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/10
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011・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) おっしゃるとおりでございまして、昨年診療エックス線技師が、これは短大二年卒でございますが、資格が高まりまして、診療放射線技師ということで、高等学校卒業から三年、短大三卒ということで、一年高まったわけでございます。その関係で初任給を実質的に一号高めるという関係がございましたのですけれども、これも今回計画いたしておりますものと全く同じ趣旨でございまして、一号アップをいたしましたので、その逆転関係を調整するために、その前年の分につきましては九カ月短縮、その前年のものは六カ月短縮、その前年のものは三カ月短縮という形で調整をこれはいたしてございます。さらに本年、衛生検査技師の関係も、同じように短大三卒の関係が出てまいりますので、これは近く改正をいたしまして、同じような措置を講じたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/11
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012・山崎昇
○山崎昇君 確認しておきますが、資格変更等に伴う初任給改正が行なわれたわけですから、放射線技師並びに臨床検査技師等含めて処置をとります、こういうことになりますね。これだけは確認しておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/12
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013・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 初任給の引き上げに伴います従来の逆転関係につきましての序列を一応修正するという関係は従前から必要最小限度ということでやっておりまして、昨年の放射線技師関係も、今回の学歴差短縮も、すべて同じ方式で調整をするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/13
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014・山崎昇
○山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、扶養手当と児童手当の関係についてお聞きをしてきたいと思います。
今度の勧告を見ますと、来年一月一日から児童手当法が一部施行になって、該当者が出てきます。そこで、その者については扶養手当を支給しないことになっておりますが、そこでお聞きしたい第一点は、従来自治体でずいぶん児童手当というものが支給になっていますね。少し古い資料ですけれども、去年の七月一日でいうならば、この児童手当を実施をしている自治体というのが約二百八十九と実は厚生省の資料にあります。一番私ども身近におるのは東京都なんかそうでありますが、昭和四十四年の十二月から実施をされておる。やはり自治体の場合にはこれは併給しているのですね。どうして人事院だけが併給ができないのか。これはもうすでに法案として出されている問題ではありますけれども、私は第一にこの点をお聞きしておきたい。自治体では、児童手当の性格と扶養手当の性格とは違うために従来から併給しておるわけです。そういう点もありまして、たいへん人事院の取り扱いはおかしいではないか、あるいは冷たいではないか、いろいろな批判がいま起きているのはそこら辺にあると思うのですが、なぜ自治体でやれるものが人事院ではやれないのか、その辺のことを明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/14
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015・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの立場として自治体に追随すべき立場にはありませんけれども、しかし現におやりになっていることは、承知し得る限りにおいてはやはり念頭におかなければならない、これは当然のことだと思います。ただ、私どもが今回併給を避けましたのは、これは私どものやはり確信と申しますか信念から出たことでございまして、決して間違ってはおらないと思います。つまり、この扶養手当そのものは実は給与理論から言うと邪道だということもかつて批判が相当強くあったくらいであります。社会保障的な面を給与のほうでしょい込んでいるのは筋違いだというような批判もあったわけであります。しかしながら、われわれとしてはやっぱり生活防衛という意味で、これは必要性が依然としてあるという立場で、一時はこの扶養手当を凍結したような時代もございましたけれども、最近ではまたこれを復活して、民間に合わせてできるだけの措置をとってきておるわけであります。そういう観点から申しますというと、児童手当というものは、やはり目下の純然たる社会保障制度の一環でありますが、生活扶助的な面においては、われわれの扶養手当と共通の面が相当大きくあるのではないかということが一つであります。もう一つは、児童手当ができますについて厚生省に児童手当関係の懇談会がつくられまして、その懇談会の厚生大臣に対する報告の中で、これは公務員の給与費にまで言及されたのははなはだどうかと思うのですが、言うていることは言うているんですから、われわれとしてはこれを目に入れざるを得ないのですけれども、公務員の扶養手当と児童手当とは併給しない、というようなことを言っているわけです。これにとらわれるわけではありませんけれども、そういう調査機関がそういう意見を述べているということも事実としてはあるわけです。
で、われわれの態度から言うと、要するに扶養手当にするか本俸にするかというようなことは、これは配分の問題でございまして、多くの職員の方々に対してできるだけ効率的な配分をしたいという考え方が常にあるわけですから、そういう面から申しますというと、すでに児童手当の三千円をおもらいになっている方にさらに追っかけて四百円差し上げるということがいいのか、三千円をおもらいになっている方はもうがまんしていただいて、それでがまんしていただいてその分を、四百円を、独身者もおりますし、たくさんのいろんな種類の公務員諸君がおるわけですから、それらの人に共通にして均てんしていただいたほうが配分としては適切ではないかという点からこれを見ますと、やはり後者のほうが正しいであろうということで、今回の勧告となり法案となっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/15
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016・山崎昇
○山崎昇君 均てん論はあとで、私は別な角度であなたの意見を聞きますがね。これはつじつまが合わなくなってきますよ。これはあとで聞きますがね。
実は、いまあなたから答弁のありました厚生大臣の私的な諮問機関である懇談会の答申には、なるほど併給はしないようにと書いてある。しかし法律上の正式の児童手当審議会では何にも触れてない。だから私は、そこでまず疑問を持つんです。本来なら正式に法律上に置かれた機関の意見が尊重されてしかるべきなんだが、そういうものには何にも聞かないで、しかるべき機関の諮問委員会の意見だからといってすぐさまそれに飛びつくというやり方は少しおかしい、まず第一に。
それから扶養手当制度は、何回もここでお尋ねしたように、賃金理論からいえば邪道でありますが、しかしあなた方は、これらもひっくるめて給与でございます——本来なら、本俸では正規の勤務時間に対する報酬としてはふさわしいものになっておらないから、やむを得ずいろんな手当をくっつけて総称して給与でございますとあなた方は言っておる。もしそうだとすれば、たとえ四百円であっても、当然それらが入って給与になっているものをもぎ取るということになると、あなた方の給与に対する見解が変わってこなきゃならぬと思うんですよ。そういうことをさておいて、単に児童手当が出るから併給してはまかりなりません、そういうやり方でこれを取ることは私はおかしいと思う。そしてさらに、二年も三年も前から、約三百近い自治体では併給されて今日までやってきておる。それが国の段階になると、自治体でやっておるものが全部だめになっちゃう。逆に言うならば後退をしてしまう、そういうやり方は私はとるべきものじゃないのじゃないだろうか。むしろ自治体のやっていることをもう少し国の段階で前進させるような政策をとるなら私はもっと理解をしていいと思う。しかし、いま法案が出て、これは修正できないような段階ですから、私はあえていま批判みたいなことしか言っておりませんが、少なくともこういう点がやっぱりあるということをあなた方は理解をして、来年以降においては、残された扶養手当を、何らかの対策を講じませんと私はならぬのではないだろうか。そういう意味で、これこそ前向きに、残された扶養手当をどうかこれは検討してもらって、こういうことのないように、不利益にならぬように、公務員の既得権なんというものが軽々しく剥奪されないようにしてもらいたいと思うんですが、どうですか。その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/16
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017・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) よくわかりました。今度の勧告の際にはこれは民間調査を相当やりまして、ついでに、お宅では児童手当との関係はどうしますかということをみんな一軒一軒聞いて歩いたわけですが、児童手当なんという制度があるんですかというような調子で、さっぱりこっちのためになるようなお答えは得られなかった。そこで私どもは、先ほど申しましたような独自の見解から、確信をもってこういう措置をとったわけです。来年また、どうせ民間調査をやりますし、それからそういう点、民間の扱い方がわかってくるだろうと思います。かたがた扶養手当全体の問題としては、まだわれわれとしては今後も検討すべき点を残していると思いますから、そういう意味で、御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/17
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018・山崎昇
○山崎昇君 とても時間がないからやりとりできませんが、少なくともこの点は配慮してもらいたい。そしてこの扶養手当に関する限りは公務員のほうが先行しまして、民間のほうがあなたにいま追随しているわけです。だから民間追随ではないんですね、これだけは。どうもこの点、私はすっきりしない点を持っている。しかしいずれにしても、来年以降の問題点として指摘をしておきますから、十分これはひとつ配慮をしてもらいたい、こう思います。
それから、その次にあなたにお聞きをしておきたいのは、特別給の割り増しなんですが、どうも私は、この特別調整額の性格が変えられてきている。あなた方が立法をするときに述べられた趣旨と最近における説明とは違う。人事院月報のこの十月号を見ると、あなた方から答弁がなされておって、特別調整額というのは民間の役付手当と同じなんでございますという答弁なんです。いつからこの特別調整額が役付手当になったのですか。どこでこういうふうに解釈が変わったのか、性格が変わったのか、明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/18
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019・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これはかねて山崎委員の御指摘、御追及を受けていたところだったと記憶します。すなわち裏から言えば、特別調整額というのは超過勤務手当のなりかわりではないかというお考えが一つの背景になっておったと思いますけれども、私どもはそのつどお答えしておったと思いますが、要するに管理監督の地位にある者という、仕事の特殊性からこれをとらえた特別の調整額である、しかし一面において、そういう人たちに超過勤務手当を支給する必要があるかどうかということになりますというと、そもそも管理監督の地位にある人は時間計測になじまないような仕事をしておられるという面もありますし、かたがた超過勤務手当の支給がなくなった、そういう意味では、超過勤務手当とやはり実質的な関連は持っておりますけれども、表向きの考え方としては、やはり管理監督の地位にある人に対する職務の性質からくる手当であるというふうに申し上げてきたつもりでおります。したがいまして、そういう考え方から申しますというと、民間と比べます場合に、民間では役付手当という形でいろんな給与の面に出てくる、ことに賞与等についての基礎になっておるという角度からわがほうの立場を見れば、役付手当に相当するものは特別調整額だ、大体それに相当するものと見てよろしかろうという推移になってきているわけでございます。人事院月報を御指摘で、非常にこれを御愛読いただいたことをうれしく存じますけれども、人事院月報はそういう意味で書いたものでございますし、これは正しいと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/19
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020・山崎昇
○山崎昇君 総裁、それは詭弁だよ。ここで、この前もずいぶんやりましたけれどもね。昭和二十七年の十二月の衆議院のこの特別調整額をつくるときの委員会では、これは超過勤務手当でございますと言うしかないんですよ。そして職階給と特別調整額の性格についてもずいぶん論ぜられておる。そのときにもあなた方は、特別調整額というものは超勤手当の肩がわりでございます、だから、これはその他一切の給与の基礎にはいたしませんと、繰り返し繰り返しあなた方は答弁しているじゃないですか。どこに役付手当に匹敵するなんということがありますか。だから私は、こういう手当をつくるときにはそうでないような顔してつくっておって、いつの間にか違った性格になっている。そしてだんだんだんだん対策がむずかしくなってくると、解釈を変えたり性格を変えたりして、あなた方はこういうものを基礎にして支給するようにしてくる。これは私から言うならばきわめて遺憾なやり方ですよ。しかし、きょうもこれは時間がないから、ほんとに私は残念に思っておるんです。この点は、いまの人事院総裁の答弁は残念ながら私は受け取るわけにはいかない。したがって、この人事院月報は内容を——お読みいただいてありがとうございましたなんという変な礼をあなたは述べているが、そんな意味で私は見ているんじゃない。詳細に見ていますよ。一体、人事院というものは何を考えてどうしようとするのか、そういう意味でこの十月号の解釈というのはあなた方が一方的に変質をした解釈だということだけ申し上げておきます。
そこで、先ほどあなたは均てん論を出された。そこで、関連してあなたに私は申し上げておきたいんだが、今日まで昭和三十五年から人事院の勧告を見ますというと、期末手当はいずれも端数を切り捨てている、私が間違いなければ。読んでみます、時間がありませんから。昭和三十六年は〇・〇八カ月分、三十七年は〇・〇二、三十八年は〇・〇四、三十九年は〇・〇六、四十年は〇・○三、四十一年は勧告がない、四十二年は〇・〇一、四十三年は勧告がない、四十四年は〇・〇八、四十五年は〇・〇九、さらにことしは〇・〇七カ月分、これを算術計算しますと、全部足すとこの十年間に〇・四八カ月分というものが切り捨てられている。そこで、もしもあなたがほんとうに民間賃金と同一にするということならば、この〇・四八を期末手当として支給するならば、全職員についていまから〇・四八分多くしなければならぬね。これを削っておいて、そしてこういう解釈のもとに、特定の人間だけは民間と調整をして二割増しなんぞというやり方は、下級職員を犠牲にしておいて上級職員だけ割り増しをするというやり方だ。あなたがほんとうに均てん論をとるならば、なぜあなたはこれを切り捨てたんですか。少なくともこれは私は〇・一をすぐ切り上げるとは言わないが、全部これを足したら少なくとも〇・五ぐらいは足さなきゃならぬ、そうすると、全職員について期末手当はもっとふえていなければならないのですね。そういう理論からいくならば、二割増しなんということはやらぬで済む。なぜ上級職員だけこんなことをしなければならぬのか。こういうところに私は人事院の態度があると思うんですよ。だから私は、絶えず人事院というのは全体の職員の利益をはかるならば、こまかなことですけれども、こういうことも慎重に配慮をして均てん論というものを展開してもらいたいと思う。この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/20
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021・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) まず最初に御了解いただいておきたいのは、この特別給についての階層別の支給方法、これをよく給与局の連中は傾斜配分などと申しますけれども、これはとんでもないことであって、配分とは何事だということで、しょっちゅう忠告をしているわけなんです。これは配分ではないわけです。この分は、下のほうの人のを取って上の人に回したということではなくて、これは大蔵省に泣いていただいて、ということばに尽きるわけですけれども、別途これはプラスアルファで出ておるので、決してほかの方に御迷惑はかけておらない傾斜であるということをひとつ御了承いただいて、そして民間と比べた結果、資料にも出ておりますように、係員クラスがたとえば三・五カ月分ということであれば、部長クラスは七・何カ月、六・何カ月というような非常に格差を持っておる。したがいまして私どもがいままで給与、本俸だけについて官民比較をしてまいったというのが、中以上の人々に対してはたいへん気の毒なことをしてきた、すなわち給与全体、年間の給与総額を民間と比べた場合には非常にへこんでおるということは、どうしてもこれは完全に民間並みということはできませんけれども、ある程度はやはり色をつけなければこれは全体の均衡はとれないということから出た措置でございます。
それからもう一つのこの切り捨ての問題は、これはもう不幸にして毎年おしかりを受け、御追及を受けてまいっておるわけであります。ことに近年は、〇・〇八とか、〇・〇九とか、ことしは〇・〇七ということで、どうもぐあいの悪い数字が非常に出て、われわれも給与の結果の計算をいたします場合には、またまずいことになったというようなことで、顔をしかめておるわけであります。これはしかし大義名分から申しますというと、民間の賞与は御承知のようにその年その年の企業努力がそのまま実って、あるときはふえあるときは減るという性格のものである。片やわがほうは、この法律の中に一応何カ月分としてうたい込んでいただくわけでありますから、ある程度これは安定性を持つものと見なければならない。したがって、上がり下がりにそのつど〇・〇何%というものを追随していくべきものかどうかという問題もあるわけでございまして、したがいまして従来これは切り捨ててがまんしていただいてきたということになるわけであります。そういう点に基本的な考え方があることだけは御了承をいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/21
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022・山崎昇
○山崎昇君 毎年毎年の分で言えばあなたの言うとおりですよ。しかし、少なくとも十年間たてばこれだけの損害を与えておることも事実だ。だから私が言うならば、たとえばことしの勧告で何年間分の損害についてあなた方が救済をする。全体の職員についてかりに〇・四八やってごらんなさいよ。何も特別調整額をもらう者だけに限定をして、一部分の人間だけに割り増しをせぬで済むんです。だから、私はあなたの姿勢にあるというんですよ。特別の者だけ調整をするということをやらないで、全体についてどうやってレベルをあげるかということについて、もっと人事院は真剣にやらなければならないと思う。そういう意味で言っているんですよ。だからほんとうの均てん論をあなたがとるならば、こういう問題について、何年に一ぺんかぐらいしかできないかもしれない。それにしても公務員全体のバランスを考えてやるべきものであって、特別の者だけ抜き出してきて処置をするというやり方に私は反対をしておる。そういう意味で、来年勧告があるかどうかわかりませんけれども、少なくともあなたにこういう事実だけ指摘しておきますから、そういう特別のやり方をせぬで、一般職員の公務員でも下級職員でももっと全体的に民間の給与なら給与に近づけるような努力をすべきである。このことだけあなたに繰り返しきょうは述べておきたいと思うのです。
その次にお聞きをしておきたいのは寒冷地給です。これも昭和四十三年に法改正があって以来、まるきり三年間放置をされている。そこで内容はたくさんありますけれども、きょうは時間がありませんから多く言いません。特に委員会では、そのたびごとに附帯決議をつけたり、あなた方にも意見を述べておる。あの四十三年の法改正の際に、寒冷地手当については一部定額制度をとりました。これは当然改めるべきだということを何回か言っているんですけれども、今日まで実は勧告もまだ出されてない。そこでこの寒冷地手当について、まあ石炭手当も入りますが、一体人事院はいまどういう作業をやっておるか。いつごろまでにこの勧告という考えを出されるか、まずそれをお聞きをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/22
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023・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 寒冷地手当につきましては、いま御指摘のとおり四十三年の附帯決議もございまして、その後における寒冷増高費についていろいろと検討してまいっております。たとえば石炭価格が上がっているとか、いろいろ若干の変動がございますけれども、一方におきましてベースアップもございまして、支給額そのものも相当上がっておるという関係がございます。また民間の支給額などもいろいろ調査をしておるのでございますけれども、まあ民間に比べてもそう遜色はないという状況もございまして、これもまあ根本的にいろいろ改めるということについては、現在なお研究を要するというつもりでございますけれども、まあ地域区分の問題などにつきましていろいろ指摘をされておりますので、現在その関係者につきまして真剣にいろいろ検討しているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/23
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024・山崎昇
○山崎昇君 いや、検討はいいけれどもね、今月の十一日には全逓に対する仲裁裁定が出ているんですね。これを見ても、たとえば寒冷地給ならばその基礎数字の八万三千円というのが出ている。あるいは石炭手当についても運搬賃を入れて七百円アップの裁定が出ている。一つの基準というものが仲裁裁定で出ている。私はこの人事院勧告と仲裁裁定というのは大体似たような推移をしてきているということは、この前も私はこの委員会で申し上げたとおりだ。そうするとこういうものが私は一つのめどになってくるであろうと、こう思うのです。
もう一つは、この四十三年に実は百分の四十に相当する分というものを、当時の五等級十六号が一定の基礎数字になっている。その推移をずうっと調べてみますと、昭和四十四年には、当時きめた六万五千八百円という数字は七万九百円だった。四十五年には七万六千九百円だ。ことしの場合は九万六千円ぐらいになる勧告でね、もしあの附帯決議なら、この委員会で議論されるように、この基礎数字を変えてきたとするならば、いま当然二万六千八百円という数字は、一万二千円くらい上積みされていなければならないですね。しかしそうはなっていない。したがって、これまた寒冷地帯に住む公務員から言うならばきわめて押えられたかっこうになっている。そこで、検討もいいですけれども、こういうやはり事実に基づいてあなた方は早急に結論を出してもらいたい。
さらに私は石灰寒冷地給と関連をして絶えず疑問を持っておりますのは、調整手当の関係がある。何ならば、寒冷地給というのは八月なら八月にまとめて払うから膨大な金額をもらうようになる。しかし調整手当は毎月に割って払うから、寒冷地手当よりもっと多額のものを支給しているにかかわらずさほどもらっているような感覚になっていないですね。言うならば、東京の場合八%の調整手当を出せば年間九六%、特別調整額をもらう者についてはそれの二割五分増しもらうわけですから、一番もらうものは。これについては足切りがないのです、定額制がない。だから給与が上がれば上がっただけ全部もらえる。なぜ寒冷地給だけはこの足切りをしなければならぬのか、こういうことだって私は給与体系全般から見て問題が存すると思う。だから少なくともあなた方はあれだけ反対をしたにかかわらず定額制をとったんだから、その定額制については積極的に改めていかなければ、いま言うようなバランスというものはとれなくなってくる。寒冷地帯に住む公務員労働者というものは何にも恩典がなくなってしまう。そういう点を私は少なくとも人事院はもっと積極的に配慮してもらいたいと思う。級地の是正もそうである。あるいは九月一日以降に本州から北海道等に転勤した者もまるきり当たらない。これもまた不合理ですね、実際はまるまる冬を過ごさなければならぬわけですから。多少やっているようですけれども……。だからそういう点等ももう少し人事院は生活の実態に即してやってもらいたい、こう思う。そこで、何かいま級別是正も含めて検討されているようですが、ひとつ早めてもらって、できるならば、今月一ぱいかおそくても来月ぐらいにはそれらを含めての勧告が出せるように私は作業をしてもらいたいと思うんですが、どうですか。そしてその勧告が出されたら、総務長官にひとつお願いをしておきたいんだが、即座にこれを実施に移すようにやってもらいたいと思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/24
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025・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 寒冷地手当の性格論のお話がちょっとございましたけれども、調整手当とはやはりちょっと違う手当でございますから、寒冷増高関係の生活への圧迫という点で、どちらかといえば生活給的な性格のものということで、先般の四十三年の改正も、従来非常に職務給的に支給されておりました寒令地手当を、生活給的なその本旨に沿って改めるということで改めたわけでございます。で、いま御指摘のように、仲裁裁定の関係も最近つい二、三日前に出たようでございますが、まあ三公社五現業のほうの仲裁裁定関係は、本質的に言えばこちらのほうの関係をよく見てやられるというたてまえになっていると思うんでございますけれども、まあ私のほうもそれは一応よく検討をいたしたいというふうに思いますが、一方におきまして、やはり民間における手当の支給動向というものと比べてあまり違ってくるというのもいかがかという点もございますので、いま従来いろいろその関係について検討してまいっておりますけれども、仲裁裁定の関係が最近出ましたので、そういう関係もよく検討し、さっき申し上げましたように現在真剣に検討しております地域区分の関係といったようなことについてよく結論を急ぐようにいろいろ研究を進めたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/25
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026・山崎昇
○山崎昇君 だから、検討しているというんだが、結論を急ぎたいというんだが、私はいつでも聞くんだが、おおよそのめどがなければならぬと思うんです。ただ検討します、検討しますと、三年たっているんだからね。ですから、私はそのときになってまた言ったのに何だなんということは言いませんが、少なくともある程度、今月一ぱいぐらいをめどにしますとか、——できない場合もあるかもしれませんよ。あるいは一月中ぐらいには何とかめどをつけますとか、そういうある程度のことがなければそれはとても結論がなかなか出ないと思う。
そこで総裁にお聞きしますが、どうですか、そういうめどについて一応あなたの腹づもりでもいいわ、お聞きをしておきたい。あわせて総務長官、それが出た場合には早急にひとつ実施をしてもらいたいと思うんですが、総務長官の所信も聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/26
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027・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 何でも洗いざらい正直に申し上げますけれども、私自身はことしじゅうぐらいにやろうじゃないかいということを、この春ですよ、春にハッパかけたことは確かにあるんですがね。それはなかなか聞いてみるといろいろまたむずかしい問題がある。ことに級地区分がからまりますとむずかしい問題があるということも了承しておりますので、その意気込みで検討してくれということを私からもハッパかけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/27
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028・山崎昇
○山崎昇君 それだけど、いつごろをめどに——大体あなた、総裁としてのめどがなきゃならぬじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/28
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029・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) この寒冷増高費関係のことは、先ほど非常に消極的なことを申しておりますけれども、これはなかなかぱっとした数字が出ませんので、あまり御期待はいただけないと思いますけれども、その他に関連してはいろいろ宿題をかかえておりますし、これは急いでやりたい、急がれているということを申しますと、またいろいろな意味で触発するような面もございまして、私どももそれをお引き受けするだけのいまのところめどは立っておりません。これは正直に申しましてそうでございます。しかし、御催促をしょっちゅう受けておる立場から申しまして、あまり、ずるずるべったりにもいかぬ、したがって急ごうじゃないかという気持ちでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/29
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030・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) これは人事院から答弁がありましたように、民間との対比の問題はこれは人事院のやはり一番前提をなす条件の一つとして検討されるでありましょう。また他方に、いまの仲裁裁定の問題と関連をしてそういう御意見が出るのも客観的に見て無理はないという気もします。今日までの実績を見ますと、最近は大体勧告があればそれを実施しておりますが、法律事項あるいはまた政令事項等でいずれにしても予算を伴いますので、これらについては、もしかりにそのような客観的に見て人事院の勧告されたものが出ますならば、それについては財源当局との折衝をしなければならない。その実施に努力いたしますということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/30
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031・山崎昇
○山崎昇君 そこで総裁ね、先ほどあなたは、十二月一ぱいぐらいには何とかせいとハッパをかけておった。それが延びているわけですね。そこで私のほうから言えば、ぜひそれは守ってもらいたいというふうに、逆にハッパかけておきたい。それから、どんなに延びてもやはり一月早々ぐらいにはやってもらいたいという強いあなたに対する希望を述べて、この問題を終わっておきたいと思うんです。
それで最後に、委員長から時間せかれましたから、もう一点だけ、これは総務長官に主としてお願いをしておきたいと思うんですが、この一般職については、いろいろ問題かかえながらも五月にさかのぼって給与改定が行なわれようといましているわけです。そこで私はいま一つ心配がありますのは、この定員外にいる人ね、たとえば臨時的任用の人、非常勤の人、さまざまですけれども、すでにやめた者をどうせいとは私は言いませんが、しかし、少なくともいま在勤中の者とか、こういう方々についても当然、一般給与が上がったに従って多少やはり賃金改定をすべきではないか、あるいは扶養手当等が変われば、それの二十五分の一か三十分の一かしりませんけれども、日給の中にやはり上がった分として織り込むべきではないだろうか。そういう趣旨で言うならば、この定員外の職員についてもひとつ一般職同様に賃金の日給と言いますか、そういうものを変えてもらいたいと思うんですが、これはもう人事院から離れて総務長官の決断にかかると思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/31
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032・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) これはまあそうでもないんです、人事院規則にありますから。やはりそちらのほうを優先してもらわなければならないと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/32
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033・山崎昇
○山崎昇君 どうですか、総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/33
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034・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) やっぱり火元は私のほうに違いございません。御承知のように法律上は、一般の公務員に準じてというようなことに給与の基準が定められております。私どもは常に現実を見守りながら、各省の当局者には必要な考慮を求めてやってきております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/34
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035・山崎昇
○山崎昇君 そこで総務長官に。人事院規則を私承知しているのですよ。しかし実際は、事業費だとかそういうもので組まれるために、翌年度回しになっているのですね。実際はこれはもう実施の段階ですから、私は、総務長官に各省にひとつ連絡をとってもらって、やめた者は私は申し上げませんが、少なくともいま勤務している者等については、早急に一般職同様にひとつ切りかえて、ある程度日給等増額をしてやってもらいたい、こう思うのですが、最後にあなたの決意だけ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/35
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036・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) 非常勤にもまたいろいろ形態がありますから、林野職員等でいま一番問題になって私も頭を悩ましているのですけれども、したがって、形態がいろいろありますので、それらの問題については私のところの人事局で、人事院とも連絡をとりながら具体的な検討をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/36
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037・沢田実
○沢田実君 長官十二時で部屋を出られるそうでございますので、あと三十分しかございませんが、その時間で私と民社党の中村委員と二人質問しろということでございますので時間がございませんが、長官に二点だけ私質問をしておきたいと思います。
一点は、この前人事院の勧告がありましたとき、この委員会でいろいろ議論がございました。人事院も相当急いで勧告をし、しかもまあ五月実施をする、総理府としてもこの勧告を実施をしたい、こういうお話がもうすでに何カ月か前にあったわけでございますが、実際問題は年末にならなければ支給になりません。ことしはこうして臨時国会がございましたので年末に間に合うということになるわけですが、臨時国会がございませんと、年度末になってしまう、来年の三月になるおそれもあるわけです。そういうわけで、せっかく五月実施だといって八月ごろ勧告がございましても、実際問題としては翌年の、三月にならないと支給にならないというような現状に対して、総務長官は、大蔵省といろいろ交渉したけれども非常に困難な問題がある、しかし法律を改正してでも、勧告があればすぐ支給ができるようにしたい、こういうような答弁があったと私記憶をしておりますが、そういうようなお考えについて、次の通常国会で法律を改正してでも、来年度は勧告があればすぐ支給するようにしたいというようなお考えをお持ちなのかどうか、長官のお考えをまず承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/37
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038・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) 私がたしか申し上げましたのは、大体勧告を受けたらすぐ仮払いみたいな形式が予算上とれないだろうかということを答弁をしたつもりでおります。そこで法改正までやると私たしか言っていないと思うのですが、現在の財政法その他の定めからいって、やはり法律の通らない以前に勧告があり、——私になりましてから閣議決定は直ちに次の週に閣議決定をするようにいたしておりますけれども、それでもやはり国会の審議を待って法律が確定をされませんと支給ができないというたてまえになっております。これは非常に困難な壁であります。そこで私としては今国会の冒頭に、軽く見てはいませんが、できれば衆参両院一日ぐらいずつの委員会審議で冒頭にお通し願えれば相当早く支給できると思って、相当な大車輪でこれは提出をしたのでありますけれども、しかし、あと審議をどうするか、国会の問題でございましたので、私の意思に反して、たいへん皆さま方のところに回ってまいりましたのはおそくなっておる。したがって公務員の諸君にも実際上年末ぎりぎりになって支払われるような形になることは私自身も好ましいと思っているところではありません。したがって今後も、何らかの手段が講じられるものかどうか、これについてはやはり研究を進めていかなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/38
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039・沢田実
○沢田実君 私の記憶に間違いがなければ、前段は確かに長官そうおっしゃいました。現行法の中で何とか仮払い等の方法があるんじゃなかろうかと一生懸命研究をした、それは非常に困難である。それで私が、法改正してでもそういうふうにする御意思はありませんかと申し上げましたら、そういうふうにしたいと思うという答弁があったはずでございますので、これは会議録を見るとわかりますが、それでいま第一問を申し上げたわけですが、そういうことを発言した記憶がないということであれば、会議録を見た上でまた質問を申し上げたいと思います。
それで第二点は、いわゆる国家公務員の給与決定をする際に、地方公務員との比較についてはどんなふうにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/39
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040・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) その点は、地方公務員法のたてまえから申しますというと、国家公務員のほうをまず考えて参考にするということでありまして、私どもの勧告のほうがモデルになるという法のたてまえになっております。したがいまして、筋論としては、私どものほうは、地方公務員の給与を調べてどうということはいたしません。ただしこれは、われわれの勧告が結局その関係においては地方の公務員のほうにはね返る関連を持っておるものですから、そのはね返りの関連において、念頭に置きつつ作業はいたしまするが、筋としては、それにとらわれるという立場は全然とっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/40
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041・沢田実
○沢田実君 人事院総裁はあとでまたよろしいと思いますので、総務長官が時間がありませんので、そのことに対する総務長官のお考えをお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/41
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042・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) これは自治大臣の答弁になることかと思いますが、国のほうは、たとえばそれに対する配慮として、ことしは地方財政も、主税の収入の落ち込みによってやはり三二%の額が当初予想より減りましたし、そのきわめて困難な財政の中で国家公務員に対する勧告の内容と同じものを地方に実施しようとすれば非常に財源が足りませんので、そこで財源措置をすることについて自治・大蔵間の合意を見たということで、政府全体としては、地方公務員は支払いができないような状態に置いて知らぬ顔をするという姿勢はとっていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/42
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043・沢田実
○沢田実君 質問を簡単にいたしましたのでちょっと長官、私の申し上げたいことがおわかりにならないようですが、財政上の問題ではなしに、国家公務員の給与水準をきめる場合に、地方公務員の給与水準との比較というものをお考えになっていらっしゃるのかどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/43
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044・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) これは勧告そのものも地方公務員に触れないことはいま人事院総裁が言われたとおりでありますが、しかし、それを比較してやるということが、実際上は具体的に何かたとえば地方自治体の地方公務員に何か貢献するかというようなことになりますと、大体、場所によって著しく差がありますけれども、地方公務員のほうが国家公務員よりも高い給料をもらっているところもありますし、また場合によっては、末端のほうで国家公務員ほどにはとてもいかない給与のままでがまんしている公務員もいるというようなことでありますので、それを私どものほうで勘案してやるということはなかなか——どういう御質問かよく意味がまだわからないのですが、私の立場からは、給与担当大臣でありましてもそれは国家公務員というものに対する立場でございますので、そこまでの比較というものはやっておりませんし、また必要がないんじゃないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/44
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045・沢田実
○沢田実君 それでは具体的に申し上げますと、これはちょっと古い資料ですけれども、地方公務員の給与水準をいわゆる国家公務員の水準と比べますと、四十三年四月一日現在で都道府県は八・一%、六大市は二四%、市は七・九%国より高くなっているという統計を私ども見ているわけですが、要するに国家公務員よりも地方公務員のほうが高い。県よりもまた六大市のほうがうんと高いわけです。あるいは、地方によっては県より市の職員のほうが高い場合があります。要するに国家公務員が一番安いということです。地方公務員と比べて国家公務員のほうが安いわけですが、法律をつくるときは、地方公務員は国家公務員の給与に準じて条例をつくりなさいということだけで、実際はこっちが高いのですよ、地方公務員のほうが。地方公務員よりも国家公務員が低いことを御存じの上でこのことをおやりになっているのですかということを聞いているのです、私は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/45
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046・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) それは私が先ほど答弁いたしましたように、高い県もあり高い市もあり、そしてまた低い市町村というのはこれはまた非常にたくさんあるわけであります。でありますから、それを勘案するといってもそれはきわめてむずかしいことであって、人事院に要求するのもこれは困難なことであろうと考えます。やはりこれは自治大臣の地方行財政、定員、賃金水準等の問題に関する一連の問題としての論議になるのではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/46
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047・沢田実
○沢田実君 東京都は高いとか、ほかの県が安いとかという、国家公務員との上下がこうあるといういまの長官の答弁ですが、私申し上げておるのは、全体として六大都市は二四・〇%高いというんです。都道府県は平均して八・一%国家公務員より高い、市は七・九%国より高いと、こういう統計が出ておりますので、そういう統計をごらんの上で、国家公務員はこれだけ安くともしょうがないんだ、こういう御認識で現在の人事院の勧告を実施しようとしていらっしゃるのか。これについては自治大臣とおっしゃるけれども、自治省のほうとしてはいろんなアンバランスのあるのを均衡をとっていこうとする努力、これは必要だと思いますけれども、実際の給与水準が国家公務員より地方公務員のほうが高いんですから、そういう点について私は国家公務員のほうを上げなければ、地方公務員それなら上げるなというわけにいかないと思うんですが、そういう点を御考慮になっていらっしゃるのですかというふうに申し上げたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/47
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048・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) 国家公務員より高いところだけをいま言われるわけですけれども、そのやっぱり統計の中には、町村は国家公務員の一〇〇に対して八九・四というのが出ていると思うんです。これはやはり地方公務員だと私は思います。そういう意味において、それを地方公務員が全部高いんで、国家公務員は地方公務員よりか冷遇されているから、人事院勧告を受けてそれを実施する場合には、それを念頭に置いて、さらに幾ばくかの上積みをしろというような御議論かもしれませんが、これは普遍的になっておりませんので、やはりきわめて困難なことになるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/48
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049・沢田実
○沢田実君 長官のほうの資料がないからここで議論してもなかなか合いませんけれども、確かに町村については一〇・六%低いということが言えます、この統計でも。これは町村ですから。山の中の村まで入って、その中の平均がどうこうなんていうのは標準にならぬ、そんなことは。そんなことはあたりまえだ、低いのは。ですから低い町村については財政上の事情もありますから、これは何とか方法を考える。これは自治省のほうですから、ここでは問題にしない、ぼくは。ここでは、国家公務員の給与を論ずる場合に、地方公務員の水準のほうが高いと、六大都市においては二四%も高いという統計が出ておりますので、そういう点について何か考慮がなければこれは問題じゃないかと。いままで人事院でも民間給与の水準についての比較はおっしゃっておりますが、いわゆる地方公務員とのアンバランスについてはいままでに私は説明を聞いておりませんので、あとから人事院総裁に聞きますけれども、時間がありませんから、あと三分しかありませんから、長官としてはどういうお考えか。ただ、いまのお話では、それはいろいろあるんだから、国家公務員は国家公務員でかってにきめる、あとは向こうのかってだというようなお考えでは、国家公務員のほうがある程度水準が高いんならともかく、低いんですから、国家公務員に準じてやりなさいという、準ずる基本のほうが低いんですよ。準ずるということの意味も私お聞きしたいんですけれども、国家公務員のほうが水準が低いんです。あと具体的に看護婦さんはどうだ、保母はどうだというような具体的な問題になりますと、あるいは国の病院、県立病院、市立病院になりますと、市立病院が一番高くなっております。そういうような実情というものを御存じの上でこれをおやりになっているんですか。知っている上でおやりになっているんならけっこうですから、言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/49
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050・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) これは知事さんよりか俸給の高い市長さんもおり、いろいろと地域によってずいぶん違うわけです。ですから、それは私はもちろん知っておりますけれども、知っておるからといってですね、そのことを、勧告を受けて実施する場合に何らかその勧告に対して操作する材料にするかと言われますと、やはりそれは材料にならないだろうということを申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/50
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051・沢田実
○沢田実君 知事より給料の高い云々とおっしゃいますけれども、それは議員の給与なんか、これは別ですよ。それは財政できまるのですから。国家公務員の給与水準と地方公務員の給与水準をそんなふうに、市町村の高い低いがあるからやむを得ないのだというような総務長官の認識ではちょっと納得いきません。先に質問の要旨を申し上げておきませんでしたので、資料についても準備もないと思います。その中の具体的な詳細についてはどうかということは私は申し上げません。そういう問題もあるので、そういう点を考慮した上で国家公務員の給与というものは今後検討していくと、こういうような前向きな答弁になりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/51
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052・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) それはちょっと、なりませんね。そのお気持ちはわかるのですよ。しかしながら、現在国家公務員の給与を定めます際の仕組みですね、そのものが問題があるということであれば、これは人事院ひっくるめて考えなければなりますまい。しかしながら、いまの人事院の中立性を保って、しかもまた非常に尊重される存在としての人事院のあり方から見て、やはり民間給与というものと比べて、いまはそういう作業というのは非常に克明にして膨大な作業でありましょうから、その苦労されたものが国家公務員に対して勧告となってあらわれた場合に、私は誠心誠意それを実行していくということがまず本来の任務であって、いま言われた、地方公務員がやはり高いほうがいいのかと言われると、高いほうがいいでしょうけれども、高くあるべきかどうかという問題はこれはやはり自治大臣の問題であり、財政の、また交付税その他の問題でもあるというふうに思いますので、公務員がそのために低く押えられて給与勧告はなされ、そうして恣意にその勧告を低く押えて実行しておるという事実があれば別ですけれども、いまのはちょっと、できることは私もしようと思いますけれども、データとしてやはり異質な感じがしてならないのですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/52
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053・沢田実
○沢田実君 長官の考え方わかりました。いわゆる人事院で、人事院としてそういうことを検討したものでなければ、いわゆる政府としては考慮する余地がないという御答弁でございますので、それ以上お聞きしません。あと、問題についてはまた人事院にいろいろお聞きしますので、考慮される場合は大いに考えていただきたい問題です。
また、大臣として、自治大臣の範囲かもしれませんけれども、そういう実態というものは十分御承知をいただいて処置いただきたいと思います。で、そういうことをあまり申し上げますと、大蔵省のほうとしては、地方のほうは高過ぎるから安くしろなんて言われたら私は発言の趣旨に反しますから、これは国家公務員のほうをもっと上げるべきだ、こういう趣旨で申し上げておりますので、時間も過ぎておりますので、その点だけ申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/53
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054・中村利次
○中村利次君 公務員給与改定の四月実施につきましては、これは大臣も人事院総裁も前向きの御答弁がございましたので、私は特に質問をいたしません。来年はその前向きの答弁を生かしていただきまして、ぜひともこの内閣委員会で、四月か五月かというようなうしろ向きの議論がないようにぜひとも期待をしたいと思います。
それから、これはいま沢田委員からも指摘されたところですけれども、ことしは五月実施、それが年末になって年末精算ができるかできないかというところにきておるわけでございまして、やっと年末精算が間に合う。これはまあ大臣の期待どおりにいきますと、十月中には上がっていなければならなかったわけでありまして、二カ月くらいは早まっていないかということになりますけれども、しかし、どう考えてみましても、これは政府にしろ、与党、野党の差別なくですよ、民間の場合にはだんだん、まあ幾らかずつこうずれ込んでおりまして、このごろは連休明けにならなけりゃ解決しないというあまり好ましくない実態になっておりますけれども、それでも六月中にはこれは精算できておるのですね。まあ国会の議決を経なければならないということもあり、あるいは人事院の調査作業、こういう特殊なものがあるにしましても、いかにもどうも芸がないというのが、これはもう何人も否定できないものですが、まず第一点はですね、この民間の給与改定の実態の把握がなければどうしても人事院としては公務員給与の改定ができないという立場をおとりになるのか。これは大臣も政策的にいって、これは民間給与の比較を見なければだめなんだという絶対的なものかどうかですね。まず、総裁と大臣にその点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/54
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055・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) まあ理想論を申しますというと、私は、公務員は公務員としての職務の関係、責任の関係、あるいは生活の条件、あるいは名誉の維持とか体面の保持とかいうことに尺度を当てまして、民間のことなど顧みずして独自の白紙上の給与法というものがあってしかるべきだと思います。昔はそれでもってやっておったのです。しかし近年におきましては、憲法も変わりまして、公務員も一般の労働者と同じという立場になりましたし、かたがた一般の賃金情勢その他の関係から申しまして、公務員だけが特権的な地位に甘んずることはできないという一般の考え方が普及しているわけです。そういうことから、われわれが一番手がたい方法としては、やはり民間水準というものをがっちりとらえて、この線までは一歩も譲りません、これまでは公務員の給与を上げてくださいという態度で臨みますことが、これは一般の国民の方々の、納税大衆を含めての国民の方々の御納得を得るゆえんだろうという気持ちで今日官民比較給与というものを堅持しておるわけであります。私どもの給与勧告の作業の際には、もちろん公務員の多数の諸君から一日に何万通という賃上げ要求の要請がまいりますけれども、片ややはり中小企業のだんなさんですとかあるいは中小企業に使用されておる組織されていない労働者の方々、もうこれからは猛烈に賃上げ反対の要請もくるわけです。そういうような環境の中で皆さんに納得していただける給与ということになりますと、やはりいままでやってまいりました手がたい水準をとらえての作業ということが当面やはり必要ではなかろうかという気持ちでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/55
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056・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) まあ一応いまの人事院総裁のお話のとおりでありますが、国家公務員法第六十四条に「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、且つ、等級又は職級ごとに明確な俸給額の幅を定めていなければならない。」こういうふうになっておりますので、法律があればもう変える意思はないのだということは、これはもうしゃくし定木の話ですけれども、いまの人事院総裁のお話にあえて異を唱えるほどの問題点ではないのではないかという気もいたします。またこれを別にいまの民間給与を全く考慮しないで定めていくのだとなると、じゃあいかなる基準を、しかも半恒久的なものとして、あまりそう毎年変わっちゃいけないわけですから、どのような条件、基準というものを設定できるのかということはきわめて困難な作業になるのではないかという気もいたしますので、まあいまのところそう格別、いろいろ個々の問題はあっても、いまのやり方というものが、もっとなるべく早く支給できればという点は私も認めますけれども、いまの人事院のやり方というものをやはり認めざるを得ないのじゃないかという気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/56
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057・中村利次
○中村利次君 これはなかなか人間なんというものは、一つのきまりができますと、それから抜け切る、踏み切るということは非常に勇断が要ることだと思うのです。たとえばことしだけのことを考えますと、確かに総裁や大臣のおっしゃることは相当合理性があると思うのですけれども、給与改定というものは毎年毎年ずっと続くのですよ。そういう中で、ことしの民間給与とことしの公務員給与という比較を、これが絶対的であるという考え方は、どうもやはりうしろ向きの考え方ではないかと思うのです。必ずしもそれが正しいという絶対的なものはないと思うのです。ずっと毎年毎年、十年、二十年将来に向かって続いていくわけでありますから、したがって人事院の考え方を十分に生かした何らかのやはり前向きの、そうして早く改定が実施できるような、そういう前向きのやり方が必ず私はあると思うのです。これは時間がありませんから、これだけでどうも時間を取ってしまうとあれですから、いずれこれはひとつ前向きの御検討をぜひともお願いしたいと思います。
それから、公務員に短期従事員の制度がございますですね、この運用について、どういう運用になっておりますか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/57
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058・島四男雄
○政府委員(島四男雄君) 短期従事は、御承知のように国家公務員法の第百八条の六の第一項に規定されております。専従制度は、いわゆる長期に職員団体業務に従事する場合の規定でございますが、実際問題として、そういう組合業務の中にはいろいろ短期間に処理しなければならない業務が一ぱいあるわけでございまして、もしそういう制度を認めないとすると、年休だけで処理しなければならないということで、登録職員団体の運営が非常に困難になるということが考えられますので、人事院規則十七の二で、こういう短期従事の規定を設けたわけでございます。実際の運用としましては、公務の適正な運営の確保、それから確保の必要性と職員団体の活動の実態を考慮した上で、特に必要不可欠と思われる範囲内で認めておるというのが実情でございます。その運用としては、登録団体の役員、または登録された職員団体の規約に基づいて設置されます議決機関、投票管理機関、諮問機関等の構成員に対して、一日または一時間を単位として、一年三十日を限度として、勤務時間中の職員団体活動を認める、こういう制度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/58
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059・中村利次
○中村利次君 これはその給与関係にも重大な関係があると思うのですけれども、短期従事あるいは在籍専従制度等、いわゆる労使関係の問題について、公務員制度審議会における労使の委員の御意見等を見ますと、これは利害相反する人たちがそのお互いの意見を言うわけでありますから、したがって、えらいどうも拡大をしたものにならざるを得ないかもしれませんけれども、相当乱暴なあれが、意見が言われているのですよ。たとえば使用者側の意見としては、職員以外の者でも役員になり得ることとなっているので、これは在籍専従制度なんというのは全廃してもいいんだという、きわめて乱暴な意見が出ているようでありますけれども、これは後ほど人事院総裁にも関連して質問したいと思いますけれども、大臣がもうお帰りだそうでありますから……。ことしの六月にILO等でも決議の採択をやっておりますですね、不利益取り扱いその他について。これはどうですか、公務員の労使関係というのは、何か在籍専従は、在籍でない者でも役員になり得るから、したがって在籍専従は要らないのだという考え方は、とにかくプロ専従を政策として公務員に押しつけているという感じになるのですよ。しかし好ましい労使関係というのは、大臣、どういう関係が好ましいのでしょう。いわゆる向こうのほうに追いやって、対決をして、在籍専従なんか認めないのだという基本的な考え方が、これが好ましいのか、やはり労使慣行というものを、お互いに努力しながら近代的な慣行をつくり上げていく、理解と信頼をできるだけ基調とする、そういうのが好ましいのか、どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/59
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060・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) これはいろいろの見方があると思いますですね。そういう意味で在籍専従というものが好ましいものであるという見方と、あるいはある意味では、そういうような形で、本来の職員団体の職務に専念すべき者が、給与関係その他によってしばられた形であることは元来好ましいものではないんだという見方もあるわけです。しかしながら、それに対する考え方としては、すでに先般の当委員会で御成立、御決定賜わりました専従の期間を三年から五年に延長するということは、政府として審議会の答申を満場一致で受けたことも当然のことでありますが、やはりそれに対する政府側の配慮というものがもう少しあっていいという気持ちでやったわけでありますから、まあいまの時点で、どちらかといえばその両論の中間というぐらいの感じでいるわけであります。したがって、いけないときめつけてもおりませんが、かといって無期限に国から月給をもらいながら国の仕事はせぬでもいいんだというようなことは制度としていかがであろうかというような議論との中間ということでありますから、まあそれは見方がいろいろあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/60
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061・中村利次
○中村利次君 月給やっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/61
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062・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) いや、いまの私の月給という言い方はちょっと悪かったのですが、その身分関係ですね、そういうもので拘束されるという見方も一応あるわけでありますから、月給という表現は悪かったので取り消しますが、そういう意味で、これはいろいろな角度からの見方があると思います。また、ILO等の場における議論等についても、あらためて企業別的なものの議論等も台頭してきたような空気等もございますし、まあこれは労働省の全般の問題でもありますが、わが国のとっている態度というものがすぐれているとも、あるいは進んでいるとも、にわかに断定しがたい段階にいまあると思いますので、いまのような、御指摘のような御意見は、確かに私も存在しているということは認めざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/62
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063・中村利次
○中村利次君 これは大いにひとつ大臣、一そう議論をしたいと思います。
これで時間がなくなりましたから、またあとで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/63
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064・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 暫時休憩をいたします。
午後零時二分休憩
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午後零時五十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/64
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065・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
江崎防衛庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。江崎防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/65
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066・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) 沖繩協定審議がおくれまして、お約束の時間よりたいへんおくれましたことをおわび申し上げたいと思います。
それから、私会期の中途でにわかに防衛庁長官に任ぜられました。実はいきなり審議の場にほうり出されまして、きのうまで夜を徹して質疑に応答するというような形でございまして、万事まだ本格的な勉強が行き届いておりません。したがいまして、特に内閣委員会の皆さま方には格別お世話になるわけでございまするが、突っ込んだ詳細の答弁などがあるいはできないことも多いかと思いまするが、この点につきましてはしばらく御猶予を賜わりたいと思います。
特に本日議題になっておりまする給与の問題等につきましては、もう赴任以来きょうがちょうど十日目ぐらいでございまするが、何せ毎日朝から晩まで沖繩協定とその付属法案の審議に奔命するというような形で、まだ実は政務次官にまかせまして、勉強もしておらないというような実情でございます。また、復帰協定や関連法案につきましては、一週間実戦の場にほうり出されたようなわけですから、これは少し、だんだん理解ができたように思いまするが、他のことについてははなはだ不行き届きもございます。今後ともいろいろ御指導を願いたいと思います。よろしくお願いをいたします。ありがとうございました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/66
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067・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、及び、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題といたします。
御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/67
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068・山崎昇
○山崎昇君 全く時間がありませんので、私のほうで参っているのですが、いま長官のあいさつがありましたように、長官も就任間もなくですから、私はきょう、本来ならこまかな点でいっぱい聞きたいと思っていましたが、省きます。
そこで、一つは、長官に私はこの際ですから考え方としてお聞きをしておきたいのは、自衛隊の増強ということに関連をして、私は何より大切なのは、自衛隊員というものがほんとうにその使命感を持っているかどうかということ、また、その自衛隊を管理するあなた方は、ほんとうにそういういろいろな政策が進められるかどうかということが重要であろうと思うんです。その点からいいますと、私は自衛隊については党としては反対はしていますが、現実にある隊員の処遇問題となれば、多少あなたにお聞きしたいと思うのですが、具体的に一つ二つ聞きます。
一つは、私がこの間予算委員会で第八師団まで視察に参りました。そのとき異口同音に言われたことは、やはり宿舎の問題がずいぶん提起をされた。聞いてみますと、たとえば営内居住者の場合には一室に七人も八人も入り、言うならば大部屋になっているわけですね。そこで、勤務が三交代等の場合にはほとんど休まれないという若い人の意見が出されました。そういう意味で言うならば、私は四十六年度の予算案を見て、ずいぶん福利厚生面なり処遇問題に力を尽くしているようでありますけれども、特に営内居住者の、言うならば曹クラスの待遇関係というものについてどうお考えになるかということが一つ。
それから、自衛隊としての級別の人員を見ますというと、たとえば一曹、二曹なんというのを見ますと、ほとんど頭打ち状態にあるようなところに給与の関係者が並んでおる。言うならば、こういうものをどう解決するかということは、ここ二、三年後に必ず頭打ちがくるのではないか、私はこう考えますというと、先般准尉制度というのをやられておるけれども、これが必ずしも万全ではないのではないかという気がします。そこで、これらについてどういうふうにお考えになるかということを聞きたいということ。
それから、あわせて、曹クラスで営外居住者がおりますが、営外居住者の住宅の問題についても、私どもいろいろ意見を出された。そこで、営外居住者の住宅の問題も含めて、自衛隊員の処遇についてあなたのひとつ見解を聞きたいということ。
それから二つ目には、きょうははしょって聞きますが、最近自衛隊の中に保護観察中の少年がたくさんおるということが、行政監察局の監査で出てきておる。言ってみますというと、隊員の資質についてもかなり問題を含んでいるのではないかと思うんだが、これらについてあなたの見解を聞きたい。
さらに、去年一年間でもかなりの脱走が出ておる。言うならば、隊員の人事管理についても、処遇の問題と関連して私は重要性を帯びているのではないかと思うんだが、この脱走の問題について新長官は一体どういうふうにお考えになるのか。
あわせて、自衛隊の管理者側にも安易さがあるのではないだろうか。というのは、自衛隊員の募集のポスターを見るというと、何かそこら辺の観光ポスターみたいなポスターを出して自衛隊員を募集している。たとえば、あなたはもうあちこち転勤して、言うなればあちこち見学ができます。自衛隊に入れば、何か自動車の免許証が黙っていてもくるような、そういうふうな宣伝が開始される。言うなれば、募集する側にもかなりな問題点を含んでいるのではないだろうか。ここに一部、最近出たあなたのほうのポスターを私持っておりますけれども、これを見ても、どうも私はそこら辺の観光宣伝ポスターのような気がしてならない。したがって、これから自衛隊員の充足というのは、質の向上の問題と関連をしてかなり重要性を帯びているのではないかと思うのだが、新長官として、これらの問題についてのきょうはひとつ見解だけ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/68
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069・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) 自衛隊員の環境整備につきましての御質問でございますが、全く御指摘のとおり、非常に不備なるものがあります。昭和二十五年警察予備隊から始まりまして、ゼロから出発したわけでありまするので、すべてが間に合わせのうちにきたというような傾向が強うございまして、ちょうど、私、前に防衛庁長官をやりましたのは十一年も前でありまするが、環境の整備ということになりますと、きわめて遅々として進まないものがあるように見受けます。そこで、お説のように今後防衛庁の予算措置、また、いわれておりまする四次防の計画の内容等におきまして、十分ひとつ環境の整備をしていきたい。これは世の中が豊かになりましたので、当然ひとつそれに歩調をあわせまして、たとえば老朽隊舎はできるだけ五十一年ごろまでには改造を終わりたいとか、あるいは二段ベッドはでき得べくんば一段ベッドで、もう少し人間らしい立場で隊内生活ができるようにするとか、いろいろ、思っておりまするところは際限がありませんが、一つでも二つでもひとつ前進をさせたいという気持ちでおります。
それから曹クラスの点についてお話しでございましたが、現在でも一曹及び二曹では扶養者のある者全員、三曹は二十七歳以上の扶養者のある者全員、これを円満な家庭生活ができるように、また、より能率的に勤務ができるようにという観点から、営外居住を許可いたしているわけであります。海上自衛隊の場合は扶養者のある陸上勤務者、これは全員であります。そこで今後は、陸上自衛隊及び航空自衛隊におきましても、家族を扶養している者を全員について営外居住ができるように、これをすみやかに実現したいということで検討をいたしているものであります。
それから隊員の綱紀の問題であります。脱走があることは、私も防衛担当のこれは議員として、しばしば党側で説明を徴したわけであります。まことに残念なことであります。これは環境の整備ということにももちろん関係がありましょうが、それよりも、これは精神的な問題でありまするので、特に今後教育訓練という面においてよほどこれは意を用いていかなければならぬ重大なことだと思います。みずから志願をしながら、失望をする者あり、あるいはその勤務に耐えず脱走する者ありというようなことは、これはいかにも残念であります。それから、そういう事態は、御指摘のように管理者側の安易感に基づくのではないか、これはまことに手きびしい御指摘でありまするが、ちょっとここにまいりまして日本の経済の伸びもスローダウンせざるを得ないという環境になったわけでありまするが、今日まではきわめて高度成長の連続でありまして、いわゆる被用者不足というようなために、自衛隊がややもすれば人員を充足することに熱意を持つあまり、十分採用時において人物の試験をしなかった、これは私確かにあると思うのです。したがって、日本はあくまで防衛に徹する軍隊という立場にありまするが、これはいよいよというときに役に立たなければ、ますますもって存在の理由はこれは失われるわけでありまするので、少数であってもやはり精鋭でなければならぬと思う。そういう点において、確かに御指摘のような不備の点があったことは私、認めざるを得ないと思います。したがって、今後隊員の募集等にあたりましては十分御指摘の点を留意いたしまして善処をいたしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/69
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070・山崎昇
○山崎昇君 もう一つでやめます。時間がありませんからもう一点だけ聞いておきます。
これは先般の委員会でも私、聞いたのですが、自衛隊員で全く自衛隊の事故で死んだ者の取り扱いですね。いま裁判が行なわれているものもある。私は北海道でありますが、北海道で死んだ者でいま裁判中のものは、先般の委員会で十二月ごろまでにこの裁判で話をつけたいというお話でありました。私は行っていろいろ聞いてみるんですがね。十九歳の男の子が長男坊で、たった一人むすこであります。わずか七十六万でその生命を終えるということになっているんですね。もしこれを裁判やりませんでしたら、七十六万で終わりなんですね。私、きょう時間ありませんからやりませんが、私は賞じゅつ資金の支給のしかたについても多少疑問を持っている。そういう意味で一体この村田義弘君という、当時十九歳で四十一年に死んでいるのですが、この裁判がその後どうなっているか、この一点だけきょうは聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/70
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071・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点、私詳しく存じませんので、直接は事務当局から説明をさせたいと思いまするが、これもいま前段で御指摘になったようなことと同じことが言えるわけでありまして、早く定年がくる。しかも一朝有事の際には命をささげなければならぬ、そういう者が隊務で倒れた場合に、どうも報われるところが少ない。この点等については十分将来改めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/71
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072・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) ただいま御指摘の事件の件につきましては、ちょっと私記憶いたしておりませんので、後刻調査の上でお答えいたしますが、とにかくこの自衛官の公務災害補償につきましては、確かに御指摘のように、まず若年である。したがって、平均給与が低いということで一時金が非常に少ないわけでございます。遺族がある場合の年金は一昨年か、引き上げられましたので、これは大体民間にも見合うものであろうと思いますが、特に自衛隊の場合におきましては、常に危険が予想される業務に従事しておるという大きな要素がある、それから若年であるということ、そういう面からしまして、この公務災害補償は一部賞じゅつ資金等で補っておりますけれども、すべてがその後訴訟になっておる、たいへん遺憾なことでございますが、この点につきましては、現在人事院並びに関係当局とも折衝いたしておりまして、何らか特別公務災害補償の考え方が持てないかどうかということについて真剣に検討いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/72
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073・峯山昭範
○峯山昭範君 本来ならば相当時間をかけて質問したいと思っておりましたけれども、非常に短い時間でありますので、端的に申し上げたいと思います。
いま長官から、先ほど同僚議員の質問に対していろいろ話がございましたが、現実に私は、その四次防等においても装備の充実という点に相当重点が置かれておりまして、まあ長官がいまおっしゃったすべてが間に合わせであって、しかも隊員の皆さんに人間らしい生活をさせるには非常にほど遠い、そういう点からいろいろな事故が起きてくるのじゃないか、私はこう思うのです。そこできょうは給与の問題でありますので、処遇等と関係をいたしまして、二、三質問をしたいと思います。
まず第一に、埼玉県の朝霞の自衛隊で、現職の自衛官が殺された事故がありました。この点についてはもう大臣も御存じだと思うのですが、この点のその後の経過について、初めにひとつ聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/73
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074・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) ああいう不祥事が起きましたことについては、いかにも遺憾に思っております。もちろんきわめて例外的な、極端な性格の者の行為でありまするが、ああいう例外が自衛隊の持っておりまする性格を毒することは非常に大きいものがあるわけでありまして、今後戒めていきたいと思っておりまするが、その後の経過は捜査が進むにつれましてだんだん明確になっておりまするので、政府委員から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/74
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075・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) 大体朝霞事件の捜査もほとんど大詰めを迎えておりまして、これまで新聞、テレビ等で報道されたようなことがまあ大体事実でございまして、それ以上の進展はもうほとんどないであろうという状況でございます。時間の関係上詳しく御説明申し上げませんが、大体この事件の概要は、日大生のグループが中心になりまして、赤衛軍というものを組織し、その行動内容ははっきりいたしませんけれども、とにかく自衛隊の中に侵入いたしまして、武器弾薬等を奪取しようという目的で朝霞の基地を選び、そこに自衛隊の制服制帽を着用して、車両で駐とん地に侵入し、そして武器弾薬を奪取する目的で、警衛隊員を刺殺したというのでございまして、その制服制帽を取得をするために、現職自衛官並びに退職自衛官、合わせて三名を利用しておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/75
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076・峯山昭範
○峯山昭範君 長官は確かにこういうふうな事故を起こす人は例外中の例外であろう、私もそう思うのです。ただし、こういうふうな事故を起こすために隊内から現職の自衛官が誘導しておったなんということは、これはちょっとおかしいと思うのです。しかもいま局長からは、現職の自衛官並びに元自衛官三名という話がありましたが、現実にはまだそのほかに現職の自衛官がタッチしておったという話もあるわけです。この点については実は具体的に話を進めていきたいと思うのですが、これは要するに、今回の事故を起こすにあたりましては、現場へ侵入した首謀者と見られる人たちが着ておった制服というのは、これは長そでの、何といいますか、半そででなく長そでであった、しかしながら、現在おもてに出ております当時の現職の自衛官あるいは元自衛官が事件の関係者に売り渡した、あるいは手引きをして渡した制服というのは半そでだ、こういうことになっております。ここら辺のことは一体どういうぐあいになっておるのか、またそこら辺のいきさつがもうちょっとわかれば教えてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/76
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077・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) 確かに侵入した場合の制服は長そでであったというふうに捜査当局から承っております。私のほうは、被服は一般に古くなれば払い下げております。それをそのまま払い下げる場合もありますし、これを細断しましてぼろとして払い下げる場合もございますが、従来必ずしもそれが一貫しておりませんで、東部方面隊は大体において現物のままで古くなったものを払い下げておる。したがいまして、そういうものが一般の工事現場等で作業服に利用されておる場合もございます。もちろん階級章を取って払い下げるわけでございます。そういう事情でございますので、これらの長そでであるからどうというわけではございませんで、そういうふうな払い下げの事情がございまして、一般の工事現場等に利用されておる、あるいはそのようなものではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/77
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078・峯山昭範
○峯山昭範君 今回事件に使われたその長そでの制服というのは、そういうぐあいに、要するに払い下げた衣服で今回の事件が起きたと、こう見ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/78
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079・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) ただいま御指摘の点は、まだ捜査当局からはっきりしたことは承っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/79
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080・峯山昭範
○峯山昭範君 それじゃ現職の自衛官が手引きをしたという、その衣服というのはどういうふうな衣服なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/80
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081・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) 私の承知しております限りにおきましては、半そでの夏の略衣であるというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/81
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082・峯山昭範
○峯山昭範君 そうすると、今回の事件を起こしたその長そでの服というのは、一体局長のその答弁ですと、払い下げた古い一これは何年着て、どのくらいになってから払い下げるのですか、これは衣服というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/82
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083・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) 大体曹士に官給されます服は五年に二着ということになっておりまして、五年たちますとおのおの払い下げになります。しかし私が先ほども申し上げましたのは、その長そでが払い下げられたものであると断定しておるわけではございませんで、あるいは内部のものを盗まれたものかもしれませんし、その点はまだ現在捜査進行中でございまして、その点確かに捜査の一つの現在残っておる問題であろうというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/83
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084・峯山昭範
○峯山昭範君 この問題は現実に現職の自衛官が、これはいま問題になっております元自衛官、当時の現自衛官と退職しておった自衛官、この二人の自衛官以外にもう一人、現実に捜査線上にも話が出てきておる。そして取り調べを現実に警察ではやっておる。ただし、前回本会議でこの問題を取り上げた関係上、警察当局としてもこの問題をあまり大きく扱いたくない、したがって任意出頭で取り調べをやっておるということを私は聞いておるわけですがね、ここら辺のことはどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/84
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085・江藤淳雄
○政府委員(江藤淳雄君) その点は私のほうは捜査当局から承っておりません。ただ言えますことは、残念ながら自衛隊の中におきましてもいろいろと盗難事件はございます。盗難事件がありました際に、この事件に関係あるなしは別としまして、いろいろ盗難事件はございますが、その盗難事件があった場合に、部内の警務官あるいは警察官に依頼して、任意捜査の形で捜査を進めることはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/85
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086・峯山昭範
○峯山昭範君 あまり時間がありませんので、いずれにしてもこういうふうに盗まれたあるいは払い下げた洋服、そういうふうなものを着て、要するに朝霞の駐とん地は、そういうものを着てそれでゆうゆうと出入りできるというところに問題があると思うんですね。この点どうですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/86
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087・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) 全く御指摘のとおりで、これはまことに思わざる不祥事だと思っております。そこで防衛庁としましては、今後こういうことの二度とありませんように、陸上自衛隊の各方面総監部、幕僚長を全員集めまして、私が赴任するちょうど二日前に当たりますが、十二月の一日に、集めて対策を検討させると同時に、十二月の一日に事務次官の通達をもって、全自衛隊の服務指導及び駐とん地等の警備の徹底ということについて遺憾なきを期そうということを、警告を発したわけであります。時間がありませんのでこれ読み上げますが、まず各幕僚長に対しましては、三自衛隊において早急に検討し措置すべきことはもうとりあえず措置せいというわけで、こういうようなことを指図したわけです。
第一は、営門出入り者の身分の確認、二番目は身分証明書の確認の措置。三、私有車両等の規制。四、巡察者の標識。五、弾薬庫のかぎの保管。それからこれに伴う警備の方法。六、制服とか制帽、階級章等の販売方法の規制。七、施設の防護強化措置。八、面会人に対する措置。こういうわけでございます。
しかしどんな通達をしましても、これが厳正に守られなければ一片の紙きれにすぎないことになりまするので、事務次官以下、十分このことを徹底して今後遺憾なきを期するようにということで、私、厳重に戒めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/87
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088・峯山昭範
○峯山昭範君 今回のこの事件は、この事件だけじゃなくて実はことしに入ってからも何件かの事件が起こっておるわけです。三月に、武山の教育隊で同僚とけんかして刺殺するというような事件がありました。また八月には、結婚問題のもつれから、愛人の父親の中学校の校長先生らしいですが、その人を殺したというような事件もあり、何件か続けて起きているわけですね。そういう点から考えてみましても、これは自衛隊の隊内の綱紀という問題は相当ゆるんでいるということがわかるわけですが、これのやはり根本の原因は、これはやはり綱紀がゆるんでいる、あるいはそういうふうないろいろな面をやれということもありましょうけれども、先ほどから問題になっておりました隊員の募集の問題もからんでいるんじゃないか。やはり隊員を募集する場合、実は具体的ないろいろな問題が出ておりますんですが、最近の志願者の不足から、先ほどちょっとお話の中に出てきましたけれども、具体的に言いますと、小金井の自動車の運転免許の試験場がありますね。ああいうところまで出てきて、青年をジープに乗せていって試験をしている。そういうのも具体的に何人か出てきました。まあそういうふうな試験のやり方あるいは募集のしかたにも問題があるんじゃないかと、こういうぐあいに思うのですが、この点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/88
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089・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) 全く同感でございますし、これはひとつ今後とも十分にこの募集方法等について検討を加えまして、有効適切にりっぱな人材が集まるように、これは口で言いましても至難なことではありますが、ぜひひとつ実現できるような方途を講じてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/89
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090・峯山昭範
○峯山昭範君 あまりきょうはしつこくやりませんけれどもですね、もう一つは、私は防衛庁長官がくるくるかわるのもこれはいかぬと思うのです。これはたとえば各部隊に行きますと、防衛庁長官の写真をでっかく飾ってあるのです。長官も御存じのとおりですがね。ことしの七月から、中曾根長官が七月の五日にやめられて増原長官、八月二日には今度は西村長官、十二月三日と、くるくるくるくる半年の間——半年になっておりませんね、四人もかわっている。やはりそういう点も、私はこれはやはり隊員の士気にものすごく影響すると思うのです。こういう点についてはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/90
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091・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) まさに御指摘のとおりでありましてですね、これはずいぶん特にユニホームなど、隊規を厳格にし、指揮命令の系統に属する者は、長官がこういう形でかわるということは全く士気に影響するような問題だと思います。そこで私、赴任いたしましたときに、まあ防衛庁長官は政治家であり、政治的な立場から出所進退を明らかにしたことである。自衛官は政治からは離れた存在であるから、まあこういうことにかかずらわないで、ぜひひとつ本務に励んでもらいたいということを特に強調したわけでありますが、全く御指摘のとおり、遺憾なことに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/91
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092・峯山昭範
○峯山昭範君 私はもう一問お伺いして終わりたいと思うのですけれども、一言だけ聞いておきたいと思うのでありますが、これはあらためて申しますけれども、青森県の津軽郡の車力村というところに自衛隊のただ一カ所のミサイル——ホークの実弾射撃場を設置するという話を新聞で見まして、聞いておるわけですが、これについてはいろいろな議論もあるようでありますが、私たちは、やはり自然公園といいますか、国定公園の中でもありますし、そういうような点から考えて、種々問題があると思っております。この点についてはこの次の委員会で正確にやりたいと思っておりますんですが、防衛庁としてはこれをどういうぐあいにしていこうとお考えなのか、この点をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/92
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093・江崎真澄
○国務大臣(江崎真澄君) これは私、赴任をいたしましてですね、新聞等にも出ておりますので、事務説明として、とりあえずこういう問題があるということで、話を聴取したわけであります。従来は、地対空の誘導弾ナイキ及びホークの年次訓練というものはわざわざアメリカまで行ってやっておった。ところが、アメリカ側の試射場を使うということが永久に許されるかどうかは別といたしましても、経費その他の関係から言いましてこれは実務的ではありませんので、何とかしてこれを国内に求めたいということで、数年前からその適地を探しておった。そのうちに探し当てましたのがいま御指摘の青森県車力村というふうに聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/93
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094・中村利次
○中村利次君 午前中にちょっと触れました短期従事につきまして、短期従事の取り扱い、運用について問題があるように思いますけれども、特に勤勉手当との関係で問題があるように思いますけれども、これは私が問題点を具体的に質問をするというよりも、人事院総裁のほうで、何か問題点について、あるいはこれをどう対処されるのか、対処されようとする御意志があるかどうか、まずお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/94
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095・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) おっしゃるとおりよく心得ております、特に最近各方面から再検討の要望がございます。要するに現在の問題のポイントは、勤勉手当の期間率の計算上ある程度ゆとりある扱いをしてほしい、すっかり短期従事の期間を引き去ってしまうという現在の形になっておりますので、これを何とかしてほしいという御要望があるわけです。私どもも、これは前々からそういういまのような制度できておりますからして、一応安定した形にはなっておりますけれども、これはまあ四月実施のときにお答えしておるとおり、まあ一理なきにしもあらずということは、これは大体当てはまるのじゃないかという気持ちを持って現在検討しております。ただ、これは労働組合法にありますように、経理上の援助とか何とかという問題にもちょっと触れるところがございますし、そのほか休暇、欠勤の扱い全体とも関連がございますのですが、もう少し広い視野で検討をさせていただきたいというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/95
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096・中村利次
○中村利次君 いまの総裁のお答えですと、前向きに検討する意思がおありというぐあいに受け取れまして、これは期待をいたします。ですから、前向きに検討される限りは、蛇足になるかもしれませんけれども、これは人事院規則の十七の二で第六条「(短期従事の許可等)」ということがありまして、これはやはり私は、この問題について問題になっておることが現在行なわれておるということについては、やはりそれなりの理由があったと思いますね。しかし、私はやはり少なくとも、これは一時間以上、年間を通じて、先ほど局長から午前中に御説明ございましたように三十日未満の必要と認めた短期従事——専従ではない、もっぱらそれに従うのではなくて、短期従事制度という、特にこれは短期従事という表現をお使いになっておると思います、そういう意味で。これは必要と認めて人事院でもこういう制度をおとりになっておる。それから、これはあらかじめ所定の手続をとって所轄庁の長の許可を求めることになっておるわけです。公務に支障がないとして所轄庁の長が許可を与える。これは、たとえば病気欠勤とか、いろいろ特別休暇の事由については(1)から(14)まで網羅されておりますけれども、病気で年次休暇以外に休んだ、これは公務専念を離れるわけでありますけれども、しかし、これはやはり所属機関の長の承認で賃金カットをされないということになっておりますね。ですから、勤勉手当のみならず、私の当然そうであるべきじゃないかと思いますのは、これは賃金カットそのものにも問題がある。なぜかならば、とにかく公務に支障がないという所轄庁の長の判断、その上に基づいたこれは許可制でありますから、したがって、これはやはり必要があってそういうものを人事院規則において認めていらっしゃる、定めていらっしゃるわけでありますからね。何か無届欠勤、いわゆる本来ならば懲罰的な意味で賃金カットをするということと同一視するというのは、まことにどうもこれは現状においては、過去はやはりそれなりの理由があってこれはこういう規則が定められていたと思いますけれども、これは月変わり星移れば、やはりそのときそのときの実情に応じた検討がなさるべきだと思いますので、先ほどの総裁の前向きのお答えが私はぜひ実現するように強く期待いたしまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/96
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097・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) ほかに御質疑はありませんか。——別に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終了したものと認めます。
これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決を行ないます。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/97
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098・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/98
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099・水口宏三
○水口宏三君 私は、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社、共産の五党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。
まず、附帯決議案を朗読いたします。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
国家公務員の給与改定については、実施時期に関する国会審議の経緯および民間における賃金改定の実情にかんがみ、人事院並びに政府は、その実施時期を四月一日とするように配慮すべきである。
右決議する。
この附帯決議の趣旨は、条文によって明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/99
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100・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 別に御発言もないようですから、水口君提出の附帯決議案の採決を行ないます。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/100
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101・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、水口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/101
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102・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、及び、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、両案全部を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/102
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103・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 多数と認めます。
よって、両案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
先ほどの決議に対し、山中総務長官及び佐藤人事院総裁から発言を求められておりますので、これを許します。山中総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/103
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104・山中貞則
○国務大臣(山中貞則君) 先ほど全会一致をもって付されました附帯決議の給与改定の実施時期については、人事院勧告にかかる事柄でありますが、政府としては、実施時期を含め、人事院勧告を尊重する所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/104
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105・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 佐藤人事院総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/105
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106・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 人事院といたしましては、ただいまの附帯決議の御趣旨を体しまして、十分検討をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/106
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107・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 三案の審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/107
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108・柳田桃太郎
○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106714889X00519711214/108
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