1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十七年九月二十二日(金曜日)
午後一時十七分開会
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委員の異動
八月二日
辞任 補欠選任
小林 武君 茜ケ久保重光君
戸田 菊雄君 占部 秀男君
八月八日
辞任 補欠選任
高橋雄之助君 林田悠紀夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 大矢 正君
理 事
矢野 登君
伊部 真君
内田 善利君
委 員
田口長治郎君
原 文兵衛君
渡辺一太郎君
茜ケ久保重光君
小平 芳平君
栗林 卓司君
加藤 進君
国務大臣
国 務 大 臣 小山 長規君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
常任委員会専門
員 菊地 拓君
説明員
経済企画庁総合
計画局長 宮崎 仁君
環境庁企画調整
局長 船後 正道君
環境庁大気保全
局長 山形 操六君
環境庁水質保全
局長 岡安 誠君
厚生省環境衛生
局食品化学課長 小島 康平君
農林省農政局長 荒勝 巖君
水産庁長官 太田 康二君
水産庁調査研究
部長 松下 友成君
通商産業大臣官
房総合エネル
ギー政策課長 荒川 英君
通商産業省公害
保安局長 青木 慎三君
通商産業省重工
業局長 山形 栄治君
通商産業省化学
工業局長 斎藤 太一君
運輸省自動車局
整備部長 景山 久君
労働省労働基準
局補償課長 山口 全君
労働省労働基準
局安全衛生部計
画課長 倉橋 義定君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○派遣委員の報告に関する件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
(公害及び環境保全対策樹立に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/0
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001・大矢正
○委員長(大矢正君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
八月二日、小林武君及び戸田菊雄君が委員を辞任され、茜ケ久保重光君及び占部秀男君がそれぞれ補欠として選任されました。
また、八月八日、高橋雄之助君が委員を辞任され、林田悠紀夫君がその補欠として選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/1
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002・大矢正
○委員長(大矢正君) 次に理事の辞任の件についておはかりいたします。
矢野登君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。
これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/2
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003・大矢正
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/3
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004・大矢正
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に菅野儀作君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/4
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005・大矢正
○委員長(大矢正君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。
先般 当委員会が行ないました委員派遣について、派遣委員から報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/5
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006・大矢正
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/6
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007・大矢正
○委員長(大矢正君) 次に、公害及び環境保全対策樹立に関する件について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/7
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008・伊部真
○伊部真君 ただいま答弁者がまだ十分そろっていないようでありますから、少し飛び飛びになりますが、質問したいと思います。
まず、八月十四日、厚生省のほうで調査会の答申に基づいて、食品の特に魚のPCBの基準というものが答申が出されて、二十四日の日にたしか通達が出されたと聞いております。
この点について質問申し上げますが、この基準の基礎になっております近海魚あるいは遠洋の魚の比率というものは三対一ということで、近海魚の場合には三PPM、遠洋魚介の場合には〇・五PPMという範囲内ならばということが一つ基準になっているわけであります。しかし、全体的な平均としてそういうふうにうまく配分をして食べるわけにはいかぬと思うのです。これは総体的に言った基準だろうと思うのでありますけれども、これはかなり低いものでないと、漁民のようにその近海の魚を特に多く食べる者、あるいは漁民でなくとも、その地域の住民はどうしてもその近海の魚を多く食べるだろうと思いますね。そうすると、この基準というものが非常にあいまいな根拠になってくるのではなかろうかというふうに思います。
それからもう一つの点は、PCBの体内の蓄積というのはやはり体力によると思いますし、あるいは子供とおとなとは違うわけでありますから、そういう点については、これも根拠としては非常に問題点があると思うのであります。
そういう点についての厚生省なりの見解をいただきたいということと、もう一つは、この基準は住民側にとって警戒心を持ち得るような状態がなければならぬと思うのです。基準が出たけれども、この地域のハマチはどうなんだろうか、イワシはどうなんだろうかということについてある程度の知識がなければ、食べる側もそうだし、あるいはこれを出荷する側についても、やはり配慮をしようと思ってもこれはむだなことになると思うのであります。非常に困難だと思うのであります。したがって全域の、魚をとれるところの地域の何メートル以内のところで、どういう魚はどの程度のPPMの状態である、汚染がどういう状態であるということを国民の前に明らかにしてもらわないと、いかに基準ができても、それは食べる側としては何にもならぬことになります。したがって、全域の種類別の、PCBあるいはその他の有害物質の状態について明らかにすべきだと思うが、その点についてどうなっているのか。あるいは調査をされておるとするならば、いつまでにそれが明らかになるのか。この点について明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/8
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009・大矢正
○委員長(大矢正君) 厚生省は当然にお答えになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/9
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010・小島康平
○説明員(小島康平君) ちょっと私、いま参りまして御質問の内容をはっきり伺っていないものですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/10
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011・松下友成
○説明員(松下友成君) ただいま先生御指摘になりました点でございますが、水産庁といたしましても、環境庁と協議いたしまして、現在PCBによります水産物の汚染の調査を実施している段階でございます。これは水産庁が分担しておりますのは二十一県五十二水域でございます。この実態調査の結果、さらに精密調査を必要とする水域、魚種を見出しまして、その結果に基づきまして所要の対策を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。現在、この調査を可及的すみやかに結論が出るよう各関係府県その他にもお願いしている段階でございますが、何ぶんにも一検体を分析いたしますのに数日を要するというような事情もございまして、いままだまとまっておらない段階でございますが、可及的すみやかにこの結果を待ちまして、所要の施策を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/11
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012・伊部真
○伊部真君 どうもPCB問題というのは、ほとんど昨年から一年間この委員会での議論の中心であるのに、いつも、検討しておるけれどもあるいは調査をしているけれども、結果がどうも不明確あるいは出てきていないということなんです。国民は、魚がどれだけ汚染されて、どれだけ食べれば、あるいはどのような警戒をすればいいのかということの、もうせっぱつまった状態にあるわけでしょう。ですから、これは調査中だけでは私は済まされぬと思うんですよ。水域の魚の状態というものなんかは、もう毎日毎日の食事のことですから、やはりめどを明らかにしてもらわなければいかぬのじゃないか。
特に私は、ことしの初めでしたか、琵琶湖の汚染状態について質問をいたしました。シジミについても、あるいは小魚についても、滋賀大学の調査の発表なり、あるいは京都大学の調査の発表でもたいへん高い数値を出しているわけですね。その具体的な数字を私もここに持っておりますが、時間がありませんから省略をいたしますけれども、たとえば新聞に出た分だけでも、シジミに九PPM以上もあるということですね。近海の魚で三PPMという基準が出されて、そして琵琶湖での検査結果ではシジミが九、あるいは小魚では一二PPMをこえているというふうなことで、明らかにその基準をこしている状態にあるのに、具体的に何もそれについての規制がないということになれば、これは基準を出しただけで、政府のほうは手を打っていないということを言われてもしようがないと思う。したがって、そういう汚染状態が明らかになっておるものについても、どのようにその食品についての住民に対する指導をしようとしておられるのか、その点をもう一度聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/12
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013・小島康平
○説明員(小島康平君) 現在水産庁のほうでいろいろ御調査をいただいておるということは、いま水産庁のほうから御説明をしたとおりでございますが、厚生省といたしましては、PCBの毎日の摂取量があるレベルをこえないようにということで基準を設定いたしましたわけでございます。
そういった面で、実はこの基準を決定いたしました食品衛生調査会におきましても、たとえば内海の魚ばかりを食べるというような特殊な地域の方たち、そういった場合には特別な考慮を払う必要があるというようなことで、そういった面の生活指導と申しますか、あるいは食事に対する指導というものは十分に行なうべきである、あるいはまた、そういったことについて住民の方々に十分わかっていただくように注意すべきであるということは、先生方の御意見でございましたわけでございまして、私どもといたしましても、この基準がきまりまして、実は都道府県の食品衛生主管課長を集めまして、このPCB問題について説明をいたしました際にも、そういったことを十分に私ども説明をいたしました。内海魚等を特別にたくさん食べるというような場合につきましては、特別な配慮をするというようなことで、各都道府県におきまして指導するようにということをお願いしている次第でございます。
ただ根本的には、先生がおっしゃられますように、やはりどういう地域の魚がどの程度よごれているかという、はっきりしたデータというものが一番必要なわけでございますが、水産庁のほうから御説明がありましたように、非常にたいへんな検査でございまして、私どものほうも都道府県の研究機関を動員して御協力申し上げているわけでございますが、なかなかに思うように進んでおりませんのはまことに申しわけなく存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/13
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014・伊部真
○伊部真君 毎日の国民の食生活の問題ですから、これは早急に漁場の、特に水域の魚別の汚染度というものを明らかにして、住民が少なくとも食生活に警戒ができたり、あるいは考慮ができるような対策がなければならぬと思います。特に抵抗度の弱い幼児というものに対しては、たいへんに私は問題だと思うのです。これでもしも被害者が発生したら、これはたいへんな私は政府の責任だと思うのですよ。したがって、この問題については、私はどんなことがあっても、どれだけの金をつぎ込んでも、やはりこういうところに金をつぎ込むという政府の姿勢がなければならぬと思います。PCB問題というのはもう一年にもなろうとしていますが、これは私は非常に遺憾だと思います。毎日の食生活に非常に大きな問題でありますから、少なくとも基準設定の場合には、その漁場の汚染状態というものについて早急に明らかにしてもらいたいと思います。
もう一つの点は、どうもやはり議論がありますように、内海の魚が四分の一、あるいは遠洋の魚が四分の三、いわゆる三対一の割合だというこの基準も、非常にあいまいなものだと思います。総体的に干ものから全部入れての消費量の割合の実績を出したのだろうと思うのでありますけれども、実績どおりはいかぬわけでありますから、したがって、もう少し親切な解明というものをつけて発表されるということが至当ではなかろうかというふうに思うわけです。
それから、これと関連するわけでありますが、いま一番問題なのは、やはり琵琶湖だとか瀬戸内海のように自然の浄化作用というものがほとんどないところですね、しかも蓄積されているところ。私は前の委員会でも言ったのでありますが、琵琶湖の湖底の汚泥の状態というのはもう明らかなんですよ。この百年の間の、湖底の十センチの汚泥は何と何とが含まれているのかということは明らかだし、その湖底の汚泥の状態によって、個々の工場から何が出ているということも明らかなんです。それは瀬戸内海でも同じことだと思うのです。しかもそれが、一たんよごされたら汚泥は、湖底のどろは決して外へ流出をすることがないわけですね。ほとんど流出をしない。そうなると、いままでのいわゆる濃度規制というものではどうにもならぬ状態であるということは、もう明らかなんです、特に瀬戸内海とか琵琶湖の場合には。
ですから、濃度規制なんというようなことはこの地域においてはもはや無意味ですから、明らかにこれ以上の汚染が負荷されるということになれば、これはもうどこかで、いつの時点か——いつの時点というよりも、もういまの時点でしっかりとした検査を行なって、そして工場がいままでの汚水の濃度よりもずっと低くするという、そういう設備なりその可能性が出ない以上は、これはもう工場の拡張をやめさすとか、新しい工場は、そのような実績を持つような業種の工場の新設は、これは禁止するとかというようなことを具体的に行なわないと、琵琶湖なり瀬戸内海というものはますます汚染されるのではないかというふうに思うわけです。したがって、従来の規制の方法だけではだめだと私は思うのでありますが、この点についての環境庁長官の見解をいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/14
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015・小山長規
○国務大臣(小山長規君) おっしゃるように、従来のようにただ単に濃度の規制をしておるだけでは、瀬戸内海のようなところでは十分でないということをわれわれ認識しまして、したがって総体の量をどうやって押えるか、総体の量を押えなければならぬわけでありますが、その総体の量を押える方法、手段などについて鋭意研究しておりますが、さらに四十八年度でもそれらの問題についての調査を進めるための予算を計上しておるわけであります。
おっしゃるように濃度規制だけではいけないのでありますし、同時にその総体の量を規制するためには、たとえば夜間薄めて流されるとか、あるいは夜の間に強い濃度のものを出すとかいうおそれもないではないのでありますので、そういうものの監視体制をも含めて十分な規制を行なっていきたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/15
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016・伊部真
○伊部真君 これは長官、琵琶湖だとか瀬戸内海のような場合は、特に琵琶湖のような場合は、汚泥検査をすれば、その工場が何をどれだけ出しているかということは大体わかるわけですよ。したがって、もう検討するというよりも、あれだけ汚染度が明らかになっているのですから、琵琶湖の南湖のほうと北湖のほうとあれだけの差があるわけですから、南湖のほうなんかはもう限界だというふうに言われているし、しかもいまおそろしいのは、南湖から北へ水が移動していって、そこも汚染されてしまうと琵琶湖全体が死んでしまうのじゃないか。魚もそうですし、シジミもそうですし、全体がもう死の湖になるだろうという状態ですから、これはやはりその工場については、あるいは琵琶湖湖畔の工場の設置の問題については規制ができるのではないか。瀬戸内海も、大きなところでは規制ができるのではないか。
総量規制が非常に困難だということは、私は総体的には言えると思いますよ。総体的にいえるが、琵琶湖だとか瀬戸内海の場合にはもう緊急だし、私は総量規制は工場ごとなら工場ごとということでやろうと思えば、やれないことはないと思うのです。ほかの一般的な問題ではなしに、琵琶湖だとか瀬戸内海というところは具体的に進めるべきではないか。こう思うわけでありますが、もう一度見解をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/16
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017・岡安誠
○説明員(岡安誠君) お話のとおり、琵琶湖とか瀬戸内海のように水の交換が悪い水域につきましては、相当きびしい規制をしなければ非常に汚染が進むわけでございます。
そこで琵琶湖につきましては、先生御承知のとおり、北湖についてはAAという環境基準をつくりましたし、南湖につきましてもAという環境基準で、将来AAに持っていくということにいたしておりまして、そういう環境基準をつくる場合におきまして、私どもはやはり琵琶湖全体を汚染をいたします汚濁の負荷量の総体を調査いたしました。その負荷量をどれだけカットすればそういう環境基準が達成できるかというような考え方から、それぞれ琵琶湖を汚染いたします工場排水、家庭下水、その他の汚水というふうに分けまして、これらの規制の方法を都道府県知事にお願いをするということにいたしておるわけでございます。
厳密な意味におきます総量規制というものは、各工場ごとに量なり濃度を同時にはかるような器械が開発されませんとできませんけれども、業種別その他に対します規制は、総量規制の考え方で現在、指導を進めているわけでございまして、琵琶湖につきましても、現在ございます滋賀県の上乗せ条例をさらに強化するように、特にあそこは下水道がまだ若干おくれるようでございますので、とりあえずは工場排水の規制を強化するという方向で指導するように、県にお願いをいたしているわけでございます。
瀬戸内海も同様でございまして、瀬戸内海につきましては、現在調査の完了を待ちまして、マスタープランをつくりまして、そのマスタープランによりまして瀬戸内海全体の環境容量というようなものもはかりまして、その容量の範囲内において汚濁負荷を許すというような考え方でもって指導したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/17
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018・伊部真
○伊部真君 特に琵琶湖の場合なんかは、汚染の原因が、家庭用水もありましょうし、工場排水もあるわけです。いずれにしても、南湖の状態というものはたいへんな状態でありますから、この点は工場の監視というものについては、工場ごとに大体のPCBあるいはカドミウムの出ておる度合いというものは掌握しているようでありますから、したがって、十分に今後も見てもらいたい。
それから、これは通産省のほうになろうかと思うのでありますけれども、前のときにも私質問しておったのでありますが、草津の日本コンデンサのPCBの流出の状態ですね、それから豊中の松下電器の問題がありました。三田池の問題があって私質問をしておったのですが、その後、あの草津の日本コンデンサによる田畑の土壌汚染について、どのような状態になっておるのか。それから先般環境庁のほうで住民の健康診断を行なって調査をしたというふうに新聞が報じておりましたが、その点については、この結果はどうなっておるのか。当時は、あの田畑に水が張ってあるときには、農民が田んぼへ入ったら足がひりひりする、あるいはふろへ入ったときにひりひりするというようなことで、皮膚に障害が起きるのではないかというようなことも心配されておりました。したがって、そのような草津の日本コンデンサによる汚染の現状について、それから、あとの始末をどうされたかという点について、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/18
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019・青木慎三
○説明員(青木慎三君) 草津の日本コンデンサのPCBの調査の状況でございますが、PCBにつきましては、PCBの取り扱い工場につきまして全般的な調査をいたしたわけでございますが、現在その調査のデータの分析中でございまして、これがそろいましたところで当省としては一般に公表したいというふうに考えております。したがいまして、その調査データにつきましては現在分析中でございますので、結果がまだ出ておりませんので、この結果が出次第御報告申し上げたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/19
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020・伊部真
○伊部真君 どうもこのPCBに関する限りは全然具体的な資料を掌握できないようでありますが、これは非常に遺憾だと思うのです。
それじゃ、PCB全部で過去において五万六千トンですか、約六万トン近く使用されて、回収率が非常に悪いということで、年間六百トンぐらいしか焼却されていないということでありますが、その状態についてでもわかりませんか。いま何ぼぐらい回収されて、焼却処理をされたのが何ぼぐらいで、焼却未済がどの程度になっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/20
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021・斎藤太一
○説明員(斎藤太一君) PCBの回収状況でございますけれども、昨年は、熱媒体に使われておりましたPCBが、入れかえがわりに容易でございますので、これを早く入れかえをさせるということで二百三十トン回収をされております。それから今年に入りまして回収は本格化してまいりまして、一月から六月までの期間に千九十トン回収されております。私どもの予想では、大体今年中に二千トンほど回収できるのじゃないかと、こういうふうに考えております。回収いたしましたPCBは、PCBメーカー二社の構内に、現在ドラムかんに入れまして厳重に管理いたしております。
それから焼却の状況でございますけれども、現在は焼却炉の能力が、鐘淵化学が公称で年間六百トン、三菱モンサントが二百トンの能力の炉がございます。それを使いまして焼却をいたしておりますが、今年中に三百七十トンの焼却の予定をいたしております。で、回収が二千トンでございますので焼却の能力が足りませんが、これは当面はドラムかんに入れて管理をいたしまして、さらに別途、炉の増設をいたしますように先般指示をいたしまして、まだ工事にはかかっておりませんが、目下その設計を急いでおるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/21
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022・伊部真
○伊部真君 私は一番大きなメーカーであります高砂工場にも行ってまいりましたが、ドラムかんでどんどん返ってくるものの始末にたいへん困っておることは事実でございます。あれはもう野ざらしです。コンクリートで囲いをしたのがありますが、あれがどんどん入ってくれば、向こうでは収容能力の点でもたいへん問題になってくると思います。したがって、能力的にはたいへん問題があるようでありますが、焼却炉を早急に増設をしなければいかぬと思います。
それから、あの高砂地域のPCBの汚染というのは非常に大きいですね。ですから、これの管理も、あのような野ざらしの状態でいいのかどうか。私が説明を受けたのでは、あれで焼却後も水でPCBは流れないと言っているわけでありますが、これはいろいろ議論があるようであります。絶対流れないと言っているところに、なぜ一体あれだけのPCBが出るのかという問題。ですから、これも十分な監視が必要だと思うのであります。
それよりも一番問題なのは、あのコンデンサの草津の汚泥の処置がどうなっているのか。それから松下電器の場合でもそうですが、八つの浄化槽へ流して汚泥をずっとためて、その汚泥をドラムかんに入れていますね。入れているが、その処置はどうしたらいいのかと言ったら、わからないんですね。大阪府の衛生試験所のほうに、どうしたらいいかお伺いを立てているが返事が来ないという状態です。こういう問題について、たとえば純粋なPCBの液そのものであれば焼却することはできるが、土壌汚染とからまったり、あるいは加工された状態ではこれは焼却のしようがないと、こう言っているわけでしょう。この問題、草津の住民でもそうだが、豊中の三田池の周囲におる住民も非常に不安ですよ。これはどういうふうに始末をされましたか。この現状をそのままほうってあるのか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/22
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023・青木慎三
○説明員(青木慎三君) 日本コンデンサの草津のあとの処理でございますが、本年三月末までにPCBの使用を中止しまして、在庫にあったPCBを鐘淵化学に返送しております。現在では、代替品と申しますか、違う方法で、鉱物油等による代替品を使って生産をしておる状態でございます。新しいPCBの流出はないものと考えられます。
ただ、工場外のため池にたまっておりますヘドロの処理につきましては、とりあえずのところ、別の水路をつくりまして工場の排水がそこへ流入しないようにいたしております。それから、ため池の水が外へ出ないように出口を遮断しまして、一応厳重な管理態勢をとっておるわけでございます。
それから、ため池そのものでございますが、これは日本コンデンサで買い取るために九月末までに契約を締結する予定でございますが、その処理工程については現在、草津の市と協議中でございます。その処理の方法は非常にむずかしいと思いますが、一応流れ出ないようにしまして、そのため池の処理については現在、市と一緒になってどういう処理をしたら一番いいかということを協議中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/23
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024・伊部真
○伊部真君 これは長官、PCBに関する限りはもう何を聞いてもこの調子ですよね。これは処置もできなければ、よごれたものの始末もできていない。囲いをして水が出ないようにすると言うけれども、それは普通の場合ならいいですよね。しかし、一たん洪水になったり水が出た場合には全部よごされるんですよ。あの豊中の三田池でもそうでしょう。草津のため池でもそうでしょう。もう一年近くもたつのに、それの処置ができないというのは私にはどうしても理解できません。
当時、半年前に私が質問したときにもいまと同じ答えです。そして汚染された濃度のきつい土壌はどうするんだと言ったら、この間の新聞で見ると、固まらそうとしてやったけれども、セメントでも凝固することができなかった、こう言うのでしょう。これは私は、ここで議論している者はいいですけれども、そのたんぼ、あるいはその池の近所におる住民にしてみたらたいへんなことだと思いますよ。
私は、これだけやかましく言われているPCB問題については、やはり政府としては、どんなに金が要ろうとも、どれだけの研究員を動員しようとも、この問題についてもっと住民が納得するような対策を講じないと、補償するとかしないとかいう問題、そんなことが先行するのじゃなくて、具体的な始末をどうするかということをはっきりしなければいかぬと思うんです。そういう意味で、このいま具体的によごれておる土の処置だとか、その始末をどうされるのか、もう一度お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/24
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025・青木慎三
○説明員(青木慎三君) この処理の方法につきましては非常にむずかしい問題でございまして、私どもも鋭意いかなる方法が一番いいのか早急に研究いたしまして、住民の不安を早く取り除けるように努力いたしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/25
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026・伊部真
○伊部真君 そういう通り一ぺんの答えだけでは、私は納得できませんがね。
時間がないので次に移りますが、次に、PCBの問題がこれだけ問題になって、その当時から代替品の問題について、かわりのものにかえるということがありましたが、かわりとして四品目ほど使われておるようでありますけれども、この問題について厚生省のほうで、多く使われているこの四品目については国立衛生試験所などに依頼して研究しよう、来年から二年がかりぐらいでということでやるということですが、毒性が確認されたときにはすぐに製造中止のきびしい処置をとるというのが方針だと、こう言われましたし、これだけPCB問題が議論されて、そして代替物を使うときには事前チェックを厳密にやるようにということは、この公害委員会の各委員からもやかましく言われたところであります。それが、来年からこの検査に入っていって、二年がかりで、もしも毒性があったときにはそこで中止をするということで、ほんとうにこれが対策として十分なのかどうか。政府としてそれは責任を持った処置なのかどうか。
PCBでも、今日もう五万六千トンから六万トン近くのものが流れている。この回収が不可能だといわれているわけでしょう。第二のPCBを二年間そのままほっておいて、そのとき気がついたからといって実際にどうなりますか。むずかしいからこれは研究しているというだけでは、答弁としては済むかわからぬけれども、私は、国民の命というものについて、ほんとうに真剣に考えておるのかどうかというふうに言わざるを得ないと思います。こういう問題について、私はいま国民の非常に大きな関心事でありますので、長官の意見なり、これの御感想をひとつお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/26
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027・小山長規
○国務大臣(小山長規君) PCBについては消費者なりあるいは地域住民が非常な不安を感じておりますことは、私どもも痛切にそのとおり受けとめております。ただ、このPCBの処理技術についてまだその方法が確定しない、この点が非常に残念なことでありまして、これらの処理技術について所管の官庁あるいは研究機関を通じ、官庁機関を動員して、いまそれを鋭意研究がされておる段階である、こういうことなのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/27
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028・伊部真
○伊部真君 それは、研究しているというだけでは、毎日毎日口に入るものですからね、私は国民に対する責任ある答弁とは思いません。特に新しい代替物、かわりのものについては事前チェックをするという約束でしたよ。それに、来年からやるというのでしょう。そんなことでいいのでしょうか。
それからもう一つは、これは当然に、危険だと思われた代替品は使わないというのが当然のことじゃないんでしょうか。私はこの間、松下電器のコンデンサー工場に行ったら、工場長ははっきり、あそこでは昔のような鉱油を使います、少し能率も悪いし容積も大きくなるが、これはしようがない、昔に戻って鉱油を使う、鉱油なら昔から使ってだいじょうぶだということなんです。やっぱり、だいじょうぶだと思われるようなものに後退をさすべきであって、かわりのものでも、危険があるのではないかというようなものを使うなら、これは何もならんじゃないですか。PCBはあぶなかったけれども次のものもあぶない、二年間研究してその結果によりましょうということだったら、もしもPCB以上の毒性が出るというようなことになったら、これはたいへんな私は責任ものだと思いますよ。したがって、そういう点についての見解をひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/28
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029・斎藤太一
○説明員(斎藤太一君) PCBの代替品の問題でございますが、用途別に申し上げてみますと、電気器具関係のいわゆるトランス、コンデンサーに従来PCBが使われておりましたけれども、これを使用禁止いたしましたので、現在は、従来PCBが出現します前に使われておりましたいわゆる鉱油、トランス油とも呼んでおりますけれども、軽油とA重油の中間の油でございますが、それが大体現在は使われておるようでございます。これはPCB以前から使われておりましたもので、石油に類似のもので、PCBのような毒性はないというふうにわれわれ考えております。
それから加熱機とか熱交換機等に使われます、いわゆる熱媒体として使われておりましたPCBにつきましては、その代替品といたしましては炭化水素油類が現在使われております。これもPCBが出現します前に使われておりましたものがほとんどでございまして、いわばPCB出現の前の、昔の状態に戻ったというふうに申し上げてもよろしいかと存じます。
それから、いわゆるノンカーボン紙でございますけれども、これは新しい商品でございまして、PCB以前に使われておったものというのはございません。そこで、PCBが禁止になりましてからは、現在はアルキルナフタリンという物質とアルキルジフェニールという物質と、二種類のものが現在このノンカーボン紙のPCB代替品として使われておりますが、これは会社側が大学等に依頼しまして行ないました毒性試験によりますと、急性毒性については非常に低毒性であるというような結果が出ております。それから微生物等による分解性もあるということでございます。慢性毒性があるかどうかにつきましては、現在同じく大学に依頼しまして、その検査を実施中でございまして、ただ慢性毒性の検査は時間がかかります関係で、来年の春ごろにその結果が出る予定でございます。ただ、アルキルナフタリンあるいはアルキルジフェニールと申しますのは塩素がついておりませんものでございまして、その物質の構造から申しまして、まず慢性毒性もないのではなかろうかというふうに私ども考えておりますので、これの生産・販売をただいま中止するといったようなことは考えておりません。
それからもう一つ、このPCBの代替品というわけではございませんけれども、PCBと同時につくられて、PCBと同じような用途に使われておりましたPCTというものがございましたが、これは非常にPCBに物質の構造が似ておりますので、その毒性のいかんはまだわかっておりませんけれども、念のためにこの六月末で会社に要請をしまして販売を中止をさせまして、現在その回収を会社のほうに急がしておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/29
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030・伊部真
○伊部真君 先ほど説明がありましたようなアルキルナフタリン等四つの品目について、これから二年間にわたっての検査を行なうというふうに発表されておるわけですね。これの全部が全部代替品ではなかろうけれども、それを含めてそこで研究するということは、どうも国民側にとっては、来年から二年間というふうな形でなければそれが出ないのだろうか、それまでに汚染されたらどうするのだろうかという心配がありますね。そういう点については、いまの技術水準では、毒性検査というものはそれだけの月日をかけなければどうにもならぬことなのか。これは費用をかければ、あるいは設備を十分かけられれば、そのことが短縮されて、もう少し、問題が出たときには打てば響くという状態にできないものだろうか。
私はその点どうも納得ができませんので、もう一ぺんお答えをいただくと同時に、前に大石長官のときにも私は要請をしておったのでありますが、毒性があるとかあるいは危険な状態であるとかいう問題について、住民側が、たとえばつくるほうの中小企業でも不安があるわけですね。自分自身でも納得ができないわけです、これが危険なのかどうかというのが。それには、相当な設備を持った研究機関へ持っていかなければなかなかできない。国立の衛生試験所でさえ二年間かかるというぐらいですからね。そうすると、これは住民の中にいわゆる公害相談所というものを設けて、そうしてそういう心配があれば中小企業は自分のところの製品を持っていって、あるいは住民がその魚が心配だと思ったら魚を持っていって、あるいは淀川の水が〇・七PPMということで心配だというならば自分のほうからその水を持っていって、そうして検査をしてもらうという設備が私は必要だと思うのです。
そういう意味で、かなり費用はかかろうとも、公害に対する住民の不安を取り除くという意味で、国が抜本的にそういう点を処置をすべきではなかろうか。何かこの間、保健所に公害の関係の任務を与えるというようなことがありましたけれども、一番問題なのは、そういう技術を集約をして一本で研究して、国民の不安にこたえるという体制がなければならない。それは国としてはたいへん大きな仕事だと思うのでありますけれども、しかし、私はどうしてもこれだけはやってもらわないと、苦情を言ってきたものだけということでは済まされぬと思います、したがって、そういう住民が手軽に相談して不安を除いていくような国の施設というものを、つくる気持ちがあるのかどうか、お答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/30
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031・斎藤太一
○説明員(斎藤太一君) 四品目の試験に非常に時間がかかって、不安を招くのじゃないかという御質問でございますが、この試験は厚生省のほうにお願いいたしましてやっていただいておりますが、PCTにつきましては、ただいま申しましたように、この六月末に生産・出荷も全部ストップをいたしましたので、毒性試験はそれの念のためと申しますか、どのような毒性の物質かが現在はっきりいたしておりませんので、慢性毒性試験をやろうということになったわけでございます。なお、外国の文献等によりますと、急性毒性につきましてはPCBの三分の一から十分の一ぐらいというようなデータもあるようでございまして、PCBより毒性は低いのじゃないかという説もございますが、そこら辺は、私ども試験をしたわけじゃございませんので判然といたしません。それで厚生省にお願いをいたしまして、毒性試験をやっていただくようにいたした次第でございます。
それから感圧紙、ノンカーボン紙に使いますアルキルナフタリン、アルキルジフェニールにつきましては、現在大学で慢性毒性試験を実施中でございまして、来春にはその結果が出てまいるかと存じます。
それから、もうあと二つの、臭化ホルムとフッ化ビフェニールというのがございますけれども、これはいずれも試験研究用にほんのわずか使われておるだけでございまして、実際に生産品の中に組み込まれて市中に出ているというものではございません。
それで、いずれにいたしましても、今後もこういったPCB類似の慢性中毒を起こすような化学物質が出てこないという保証はございませんので、お話のように、そういうものが出回りましてからあとを追っかけるのでは、非常に国民に不安を与えますし、またその弊害も出てまいりますので、事前にこういった危険のおそれのある物質を政府がチェックをいたしまして、そうしてチェックした結果、やはり慢性毒性等の発生するおそれがあるといったような化学物質につきましては販売をさせない、こういった仕組みをつくる必要があるのじゃないかと、かように考えまして、ただいま通産省の軽工業生産技術審議会という通産大臣の諮問機関がございますけれども、ここにこういった化学物質の安全対策いかんということで去る七月に諮問をいたしまして、現在その審議会におきましてこういった物質の取り締まり態勢を検討を願っておるところでございます。
化学物質の場合に、どういうものが危険と目すべきものかという、そのチェックのひとつの判断基準、それから、たとえば物質の分解性はどうかとか、体内蓄積性はどうかといった場合にも、それを試験をいたします試験方法等も現在まだ全く確立をされておりませんので、そういった試験方法等もこの審議会で検討をいたしまして、なるべく早く答申を得まして、できますれば、なるべくすみやかに化学品の安全対策としての法律による規制をいたしたいと、かように考えまして、現在、その審議会におきまして検討をお願いして準備を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/31
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032・伊部真
○伊部真君 先ほど私申し上げたような住民相談というような問題については、あとから長官からお答えをいただきたいと思うのです。
その前に、PCTのことについてもう少し具体的に説明を願いたいと思うのでありますが、これは日本でいつごろから製造されて、どの程度の製造があるのか。それから輸入があるのかどうか。これがなぜ今日までチェックされずにこのままになっておったのか。いま説明の中にもありましたし、新聞でも報道されておりまするように、その成分、構造はPCBにそっくりのものだと言われておるので、私はPCB問題が起きたときに、この問題は当然どこかでチェックされるようなものじゃなかったのかというような気がします。それがなぜ今日までそういう状態で、この新潟で問題になったとき初めてこれが警戒心を持つようになったのか、そこら辺の点をもう少しこまかく説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/32
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033・斎藤太一
○説明員(斎藤太一君) これは、PCBがポリ塩化ビフェニールと申しまして、フェニール基が二つあるものでございます。PCTは、ポリ塩化トリフェニールと申しまして、フェニール基が三つある物質でございまして、お話のようにたいへんPCBに似た分子構造を持った物質でございます。
これが生産を始められましたのは、鐘淵化学が昭和三十年から、わずかの量ではございますけれども、ずっと生産を続けてまいっておりまして、それに加えまして三菱モンサント化成が昭和四十六年から生産を始めまして、この両者の合計で四十七年六月までで二千六百二十トンの、会社の報告でございますけれども、生産高に相なっております。
それから輸入のほうは、三菱モンサント化成が自分で生産を始めます前に、昭和四十二年から輸入をいたしまして、自社の生産が始まる直前まで、昭和四十六年の初めごろまで輸入を続けまして、輸入量が百四十トンに相なっております。したがいまして、生産と輸入を合わせますと大体二千七百六十トンぐらい、日本で生産ないし輸入をされたということになっておりますが、輸入につきましては、三菱モンサントが自社生産を開始いたしましてからは輸入はございません。
で、PCBを禁止をいたします際に、なぜPCTのほうも同時にやらなかったかという御質問でございますが、まことに申しわけないのでございますけれども、会社から、こういったものを生産をしておるという報告が私どものほうに全くございませんでした関係で、こういうものがつくられ販売されておるということを、実は私ども知らなかったのでございます。
それで、ことしの六月に、これが依然としてことしに入りましてからも出荷が続けられておるということを知りまして、直ちに毒性等を聞きましたところ、会社の報告では、PCBよりも非常に毒性は低いと思われるという報告でございましたが、この分子構造がPCBに類似をしておりますので、同じような毒性を持つおそれもあると、かように考えまして、念のために行政指導でもって、七月の二十日でございますが、公文書をもちまして生産・出荷の停止を命じ、すでに出荷しました分をPCBと同様に回収をするようにと、こういう指示をいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/33
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034・伊部真
○伊部真君 これは私はけしからぬことだと思うのでありますが、こんなことがほかにも発生するとたいへんなことだと思うんです。幸いにしてこの量が少なかったのですけれども、これが大きかったらたいへんな問題だと思いますからね。したがって、やはりこういう監視体制というものが十分でないと、私はこれからの公害問題において非常に大きな問題点だと思います。
そういうことで、これはぜひひとつこれからの監視体制を強めていただくようにお願いしたいのでありますけれども、私はこの問題を見ましても、一番問題なのは政府のやっぱり姿勢だと思うんですよ。いまの公害問題の出発点というのは、どこかで火がついたらこっちのほうで受けて、その問題について国がどうするかという見解を出すんですね。これじゃだめですよ。
きのうも新幹線公害の問題で、運輸委員会でも議論があったのですけれども、住民から文句が出てきてから、初めてそこの防音壁をどうするかということを考えるでしょう。今度の問題でもそうじゃないですか。こっちのほうから進んで身体に影響するようなものがないかどうかということを監視し、それを積極的に調査をしていくという体制がなければならぬと思うんですよ。新幹線のときでもそうです。私ら思うのは、新幹線のあの沿線の中に、どこの地域は何メートルのところでは何ホンの騒音が出る、これは当然国のほうや監督官庁のほうで調べておかなければいかんでしょう。いままで全然それを発表しない。
同じように、やっぱり公害の実態的な汚染状態というものは、生産されている物質について十分な検査とデータというものを積極的にわれわれのほうがつくる、あるいは海域がよごれている、水域がよごれているということになれば、この水域においてはどれほどの状態であるのかということがデータがちゃんと握られるように、どんなことがあっても私はそういうことをやってもらわないと、これは国民の命の問題ですからね。そういう積極姿勢というものがないと、私は公害問題というのはどうしても防ぐどころか、これはもうあと追いばっかりになってしまうのではないかと思う。自然環境の保全の問題でもそうですよ。文句が出たら何とか手を打つ。そして何とか言いのがれを考えて、そしてそれを認めていくというような、あと追いばかりやったのでは私はどうにもならぬと思うんです。
したがって私は積極面では、具体的に公害問題についてPCBならPCBが起きたときには、化学物質についての積極的な検査をしていくという姿勢がなければなりませんし、それから、出てきたものでも、たまたま文句が出てきておるというだけではなしに、積極的に住民の声を聞くという意味で、住民相談所というようなものをつくって、積極的に国が受け付ける姿勢を示すべきだと思うんですよ。それが私は国民のための政治だと思うのです。その点について長官のひとつ御意見をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/34
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035・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 住民がいろいろな不安を持っておりますのに対しまして、そういう相談所をつくるということは、ほんとうに必要なことだと思うのであります。現在は有害物質に関しましては、都道府県の衛生研究所というのがありまして、そこが担当することになっておりますが、何ぶんにも人員が、要するにそういう専門家が少ないというような関係で需要に応じ切れないといううらみがあります。この人員の確保というのは非常にむずかしい問題でありますが、おっしゃるような方向に、私どもも関係各省庁を督励しましてこの人員の充実をはかっていきたい、こう考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/35
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036・伊部真
○伊部真君 それから長官もう一つ私は聞きたいのでありますが、先ほど私が申し上げたようにPCBの、いまの汚泥だとか処置なんかが全然なってないんですよ。しかも、新しいPCTというようなことでこういう不始末が出てきたわけです。これについてはどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/36
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037・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 私もしろうとでよくわかりませんが、新しいものが出てきた場合の検査体制あるいは発見体制というものは、確かに不十分なのではないかと思います。ですから、たとえばこれも私しろうとで的確であるかどうかわかりませんが、法律なら法律をつくりまして、たとえばこういったような構造の物質については、生産に入る前に届け出をするとか何とかする方法も一つの方法ではないだろうか、積極的に検査員が各工場を回っていくということも方法でありましょうし、そういう情報を集めるための何らかの手段も必要であろう、こういうふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/37
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038・伊部真
○伊部真君 先ほども申し上げている豊中の三田池、あるいは草津の問題なんか、これも研究しているというだけで、汚泥がそのままになっているんですよ。半年もたってこのままの状態ということは、私は許されることじゃないと思うのです。これはやはり地方自治体の責任において処理すべきことよりも、国自身がこの問題について積極的に援助をして、国自身でこれの始末のしかたというものを指導していかなければ、私は企業だけを責めるわけにはいかぬと思いますよ。企業はお伺いを立てて、どうしたらいいでしょうかと、間違った処置をしたら困りますからお伺いを立てますと言って出しているわけですから、それに解答を与えないでほうっておくということは、明らかにこれは、地方自治体も問題でしょうが、国自体の責任ですよ。これはどうなりますか。私は、こんなことを半年も一年もたって同じ答弁ばかり受けておるようでは、どうも住民に対して済まぬと思うのであります。長官、どうされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/38
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039・青木慎三
○説明員(青木慎三君) 先ほども御答弁申し上げましたように、非常にむずかしい問題も含んでおりますけれども、私どものほうといたしましても一番いい方法を極力早く結論を出しまして、企業並びに自治体のほうと協力しまして、適切な処理ができるようにつとめてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/39
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040・伊部真
○伊部真君 どうもPCBの問題については、全般について、特に食品公害も含めてでありますが、やはり環境庁自身、環境庁なら環境庁で統括をして、ひとつこの公害問題、PCBの大きな問題についての具体的な指導方針というものを出してもらわないと、住民は不安でかなわぬと思います。ですから、そういう意味でこの問題についてもひとつ早急に、責任を持ってこの措置をしていただきたいというふうに思います。
それから最後にもう一つ聞いておきたいのですが、いまアメリカでグルタミン酸ナトリウム、いわゆるしょうゆだとか味の素にたいへんたくさん入っているという物質について、危険度について議論があるというふうにニュースが報じておりましたけれども、その状態についてどの程度掌握されておるのか。それから厚生省としての見解はどうなのかという点について最後にお聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/40
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041・小島康平
○説明員(小島康平君) グルタミン酸ナトリウムは、先生も御存じと思いますが、天然のアミノ酸のナトリウム塩でございまして、天然の食品中に常在する成分で、もともとこれはコンブのダシから結晶として取られたものでありまして、こういうものが通常の調味料として使用される限り安全性に問題はないということは、すでに一昨年の国連のWHO、FAOの専門家委員会におきましても、各種の毒性試験データから問題はないという結論が得られておるところでございます。
しかしながら最近になりまして、このグルタミン酸ナトリウムを一時に大量、それも空腹なときに摂取いたしますと、一時的に気持ちが悪くなる、あるいは頭痛がするとか、そういった症状が出るというようなことが報告されまして、私どもとしては、それを調査いたしましたところ、酢コンブに増量剤としてこういうものを入れる、もう酢コンブの四〇%ぐらいまで加えるというような非常識なことをやっている業者が発見されましたので、こういうことは添加物の正常な使用とは言えないということでございまして、直ちに業界の指導あるいは都道府県を通じまして、そういった非常識な使用をやめるように通知をいたし指導をいたしまして、そういうことは取りやめたところでございます。
最近アメリカにおきまして問題になりましたのは、数日前に外電が入りまして、私どもとしてはその内容を調べましたところ、アメリカの国会におきましてグルタミン酸ナトリウムについての討議が行なわれました。その際ワシントン大学のオルニー氏が、グルタミン酸ナトリウムを生まれたての猿に投与いたしますと問題が生ずる、こういうような証言をなさっておるわけでございます。
このワシントン大学のオルニー氏の新生児に対するグルタミン酸の作用につきましては、以前からいろいろな報告がございまして、ネズミの生まれたての子供を使いました実験、あるいはその後、赤毛ザルを使った実験等いろいろな報告がございますが、これらにつきましては、先ほど申し上げましたWHO、FAOの専門家委員会、それからまたアメリカで昨年だったと存じますが、国立アカデミーの委員会がこれらについて非常に詳細な評価を行なっておりまして、問題はないという結論を出しております。それからオルニー氏の行ないました赤毛ザルについての実験につきましても、それと同様な実験を、アメリカの食品薬品研究所その他の機関におきまして同じような赤毛ザルあるいはビーグル犬、それからまたボランティアを用いました人体実験等を行ないまして、その結果、問題ないという結論を得ているわけでございます。
私どもとしては、食品に常在するアミノ酸でございますので、通常の少量の使用なら問題はないものと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、非常識な大量の使用というようなことは、当然添加物の使用目的からいって避けるべきだというふうに考えておりますので、そういった面での指導を強めますと同時に、私どもとしては法規をもちましてそういった面の取り締まりも行ないたいということで、現在その作業を進めております。また、外電によって報じられましたオルニー氏の報告につきましては、現在この詳細の論文を入手するということを手配中でございまして、さらに入手いたしました際は、専門家の意見を聞いて慎重に検討させていただきたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/41
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042・伊部真
○伊部真君 これで終わりますが、先ほど委員長のほうにもお願いをしておきましたが、私は、新聞に報道される内容で、特に基準なんかを設定をして通達を出した場合には、少なくともこの委員会の各委員にはその内容を配付するという配慮をひとつ願いたいと思います。これはどの場合でもそうだと思いますが、新聞だけでわれわれが規制基準を見るということのないように、説明をつけていただくようにお願いして質問を終わります。
〔委員長退席、理事伊部真君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/42
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043・大矢正
○大矢正君 私は、主として北海道の伊達に建設される火力発電所問題をめぐって若干の質疑をいたしたいと存じておりましたが、それに入ります前に、環境庁長官に一言だけお尋ねをしてみたいと思います。
これは、いずれ次回の委員会等において当然のことながら質疑がかわされるものと思うのでありますが、本日通産省が独自で調査をいたしましたコンビナート環境保全調査に関しての報告が、閣議で了承されたのか、あるいはまた通産省独自でありますから通産省が独自で発表されたのかは存じませんが、いずれにしてもニュースとしてきょう出ておるわけでございます。
私がお尋ねをいたしたいことは、これによりますと、環境基準というものをかりに守ったとしても、今日やはり人の健康の問題や環境の保全にかなりの大きな問題を残す可能性あり、というような判断が述べられているように聞いておるわけであります。長官として、とりあえず、通産省が行なったコンビナートの環境保全調査の内容についてどういう所見を持っておられるか、お伺いをいたしたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/43
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044・小山長規
○国務大臣(小山長規君) きょう閣議の席で通産大臣から、通産省がコンビナートの点検をした結果について報告がありました。いまここに持っておりませんので、正確にお伝えできるかどうかわかりませんが、八つか九つかの、いわゆる防止計画をやっております地域について大気汚染関係の調査をした。その中で基準をオーバーしているものも一、二あった、それ以外は大体よかったというような報告がありまして、そして今後はさらに環境基準をきびしくしたり、あるいは総排水を規制したりしていかなければならないという、ごく大ざっぱに申しますと、そういう報告をされたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/44
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045・大矢正
○大矢正君 私の質問の趣旨は、報告を受けたろうから、あなたは、いまの段階ではとりあえずどういう考え方であるかとお尋ねしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/45
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046・小山長規
○国務大臣(小山長規君) そこで私どものほうは、同じようにコンビナートの点検をという話が部内で出たわけであります。われわれのほうはもうすでにそういう調査はたびたびやっておりますので、われわれのほうが今後行なう調査は一つの目的を持ったものにしたい。
それは、一つは現在の環境基準ではたしていいのかどうか、もっときびしくする必要はないのかという点からの調査が一つ、もう一つは、既汚染地域につきまして賠償基金制度をつくろうとして現在準備をしておるわけでありますが、それの基礎データになるような調査をしたい、こういう考え方でいっておるわけでありまして、この問題については近々調査を始めるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/46
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047・大矢正
○大矢正君 いずれ次回の委員会等において私以外の委員の方々からも質問があろうと思いますので、この問題はこれで終わらせていただきますが、経済企画庁にお尋ねをいたしたいと思います。
電源立地に関連をするわけでありますが、ある地点に発電所を建設する際におきましては、必ず電源開発促進法に基づく電調審にはからなければならないということが前提なのかどうか、ということをまず承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/47
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048・宮崎仁
○説明員(宮崎仁君) 電源開発促進法の規定によりまして、国が電源開発に関する基本計画を定めるということになっております。この基本計画の内容といたしまして、水力、火力、原子力というようなそれぞれの種類ごとに、また地点ごとにきめていく、こういうやり方で基本計画をきめることになっておりますので、新設のものにつきましては、非常に小さなものまで一応この計画に乗せる、こういうことに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/48
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049・大矢正
○大矢正君 これは衆議院の公害特でもたいへん質疑があったところでありますが、北海道の伊達に北海道電力が重油専焼の、あるいはナフサをたくこともあり得るのかもわかりませんが、ともあれ油専焼の火力を建設すること、このことをめぐりまして地域住民の中で意見が二つに分かれ、しかもこれが北海道議会の中にまで問題が持ち込まれて、北海道におきましては最も重大な関心を現にいま呼んでおるわけであります。私は非常に遺憾なことだと思うのであります。
具体的なことは衆議院で島本委員からやられておりますから私は申し上げませんけれども、地方自治体が一つの火力発電所を建設することをめぐって混乱をきわめるということは、非常に残念なことでありまして、極力そういう問題は私は回避するように努力をすべきではないのかと、こう思うわけでありますが、どうも、いまの電源開発促進法等を見ましても、住民の意思というものが事前に聴取されるような、そういう内容がないことが、一つには大きく影響しているのではないかという感じがしてならないわけですね。電調審においてすでに決定を見ながら、なお建設に着手できないでいる発電所もかなりの数あると聞いておりますが、これも、おそらくそういうような地域の混乱に基づいて発生をしているものだと私自身思うわけでございますが、経済企画庁の立場から考えて、あなたのほうは、自分のところは電源開発促進法、それに基づく電調審というものを受け持っておるのだから、この審議会で決定をすればあとはもうそれでいいのだ、地域の住民に対するたとえば配慮とか、そういうようなものはこれは別の機関において、たとえば通産省であるとか、たとえば自治省であるとか、そういうところがやるのであって、自分のところは単に決定をすればいいのだと、こういうような判断でおられるとすると、私はこの電源立地をめぐっての地域の混乱というものの収拾ができなくなるのではないかという感じがいたしますがね。
法律の改正を含めて、電源開発促進法、昭和二十七年に制定されたこれは、水力を中心としたものであることは歴然としておるわけでありますが、この中には今日のような、たとえば公害というものを前提にしたような条文はいささかも見受けられませんし、何かこう木に竹をつぐと言いましょうか、全然異質な形でつけ加えられて一つの法律になっておるというような感じがいたしてならぬわけでありますね。今日のように、一つの電源立地をめぐりまして地方自治体が大ゆれにゆれ、それが単に市、町、村の段階だけではなくて、道という段階まで混乱をきわめるような事態というものは、これはやはり政府としても回避するために努力をしなければならぬ責任が私はあると思うのでありますが、そういう意味であなた自身、この電源開発促進法、それから立地の問題、それから地域住民との話し合いの問題、そして納得の上に電源立地をするという、そういう全体の上に立っての経済企画庁としての役割りをどのように考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/49
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050・宮崎仁
○説明員(宮崎仁君) 確かに電源開発促進法上、私どもの経済企画庁に課せられました責務は、この審議会のいわば事務当局としての役目、もちろんこの審議会の構成の中に、これは会長は総理大臣でございますが、経済企画庁長官が入っております。しかし、私ども事務当局として、関係各省の御意見を取りまとめていくということが主たる任務であるわけであります。
しかし御指摘のように、この基本計画ができたならばもうそれでいいというような、そんなものじゃございません。これは当然この法律の目的からいきましても、いわゆる電力の需給ということが円滑に行なわれるということが基本でございまして、したがいまして、この計画によって定められた地点が、現実の建設過程あるいはそこにいくまでの間においていろいろ問題が起これば、当然これは主管官庁が中心でやっていただくわけでございますが、私どもこの審議会の事務当局として一応全体の推進をやってまいります立場からも、重大な関心を持っていろいろと御議論をするということもあるわけでございます。
もともとこの法律ができたころには、確かに公害問題ということはあまりありませんでしたけれども、御承知のように水力発電をめぐって、これはもう御説明するまでもないわけでありますが、非常に関係各省入り乱れておりまして、たいへん議論があるわけでございます。そういうことを調整、審議するということがこの法律ができたときの経緯だったと思いますが、したがいまして、そういったいろいろの問題に対しての政府関係各省間の調整というようなことについて、あるいは地元の府県知事との関係というようなことについては一応の規定がございまして、この運用をじょうずにやってまいれば、そういうトラブルを少なくしていくことができると考えておりますけれども、確かに最近の事態というものは、また一段と発電所の規模も大きくなり、公害問題ということに関する一般住民の認識も全く変わってまいっておるわけでございますから、こういう事態を踏まえて、この法律そのものをもう一ぺん見直すとか、あるいは何か別途の法体系を考えるというようなことが必要かどうか、こういうこともあわせて私どもとしても検討いたしております。
いずれにいたしましても、こういった個別の問題になってまいりますと、それぞれごとにいろいろ事情もございまして、私どものように手足が地方に全くない官庁におきましては、たいへんそういう場合には困るわけでございますが、まあ関係各省もございますから、いろいろと御協力を得ながらひとつこの問題に取り組んでいきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/50
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051・大矢正
○大矢正君 私は、北海道の伊達という、非常に北海道でも珍しい気候温暖な地域に火力発電所を建設して、せっかくの環境のよいところを破壊するようなやり方については、もちろん根本から反対でありますが、だからといって、私は電力が必要ないと申し上げているわけではないのであって、問題は、やはり地域住民との間に十分な話し合いと申しましょうか、納得をし合いながら進めていくという態勢、これが必要であると思いまするし、一私企業がその私企業の意思のおもむくままに立地が進められるということに対しての問題点が、今日大きく浮かび上がってきているのだと思うわけでございます。
したがいまして電源立地という問題は、現に関西においても電力不足を来たして節電等をやっている状態もありまするし、今後重大な問題であり、通産省においても、電源立地につきましては、これは新たな観点から検討しなければならないというような話も私は先般の委員会で聞いておりますので、電源開発促進法というものとこの立地問題という問題は、表と裏のような状態に今日私はあると思います。同時に、そのことは公害にも関連をしてくるわけでありますが、でありますから、そういう全体を含めてこの電源立地のあり方について、政府みずからが十分な努力と検討をすみやかにすべきであるということを、この際強く指摘をしておきたいと存じます。
時間がどうもありませんので、この程度でやめたいと思いますが、ともあれ衆議院で具体的に、建設された場合にたとえば大気の汚染状況は結果としてどうなるのか、あるいは温排水の温度差はどうなるのか、そしてそれが魚類やあるいは根つぎ漁業に対してどういう影響を与えるのか等々、具体的に質疑が展開をされておるわけでありますが、私は衆議院のそういう質問を重複してまたここでやる気はございませんから、きょうはしないわけでございますが、ともあれ、十分な検討を政府においてもされることを心から期待をいたしたい、こう思います。
これで私の質問を終わりたいと思います。
〔理事伊部真君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/51
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052・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 私は、自動車の排気ガスに関する問題と、北海道の大雪山道路の問題について二、三質問したいと思います。北海道の問題は、委員長が北海道出身でございますが、委員長席にいらっしゃるので質問もできないと思いまして、私が質問をするわけであります。
大石長官の時代にも私が質問をいたしましたし、また自動車の排気ガスについては衆参両院の特別委員会でたびたび問題になっておりますし、また国民全般も非常に問題にしている点ではないかと思います。そういった中で、きのうの各新聞の報道によりますと、なかなか至難と言われておりました排気ガスの問題が、本田技研工業株式会社の研究によって、米国のマスキー法もパスできるようなエンジンを開発したと、こう伝えておるんです。このことは非常にたいへんなことでございまして、私どもは何かこう砂漠にオアシスを見つけたような気がするわけで、公害に悩む日本にとって、特に自動車の排気ガスが公害ということばと無縁になるということでありますと全くの朗報でありますが、そのことについて環境庁長官は、何か新聞報道以外に的確な情報をお持ちであるかどうか、お尋ねをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/52
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053・小山長規
○国務大臣(小山長規君) いまの無公害エンジンの詳細については、実は私のほうにはそういう情報はありません。おそらく通産省にはあるいはあるのかもしれませんが、承知しておりません。
ただ私のほうに関する限りは、この自動車排気ガスの規制はぜひともやりたいということで、現在進めておる最中であります。なお詳しいことが必要であれば、また申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/53
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054・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 通産省か運輸省の関係者に、詳報が入っておったらひとつ御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/54
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055・景山久
○説明員(景山久君) いまの本田技研の車でございますが、試作的にできたということでございまして、私どものほうからは研究所の所長と公害部長を参らせまして、当該試運転を見てこさせましてございます。その報告によりますと、まだ試験的なものではございますが、当日供試されましたエンジンにおきましては、いわゆるマスキー法といわれておりますもの、あるいは中央公害対策審議会の部会の答申にございます基準、これに対しまして、いわゆる一九七五年、これの基準には当該エンジンは入る、七六年の基準にはまだ窒素酸化物の関係で入らない、こういう数字であるという報告を聞いております。
私ども、いまのところ聞いておりますのはそういうことでございまして、当該会社の申すところによりますと、あと数十台を実験的に特定の人に使ってもらって、実用上不ぐあいな点がないかということをさらにかなり時間をかけましてよく調べて、そして実用に供し得るように持っていきたい、こういうふうに当該会社は申しております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/55
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056・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 本田技研工業が、そういったかなりな進歩したと思われるエンジンの開発に成功した、これは事実だと思うのです。それなら日本の、本田技研工業もかなりの自動車メーカーでありますが、ほかにトヨタ、日産等、世界的にも非常に大量生産している会社がございます。このトヨタや日産という日本の代表的な自動車工業会社は、これに対してどのような研究と試作とをやっているか、この点がわかったらひとつ御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/56
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057・景山久
○説明員(景山久君) 私どもは、出てまいります車の規制というのを実はやっておりまして、それぞれの会社の具体的な研究内容まで実は完全には把握をいたしかねる立場にございますけれども、それぞれの技術者から私どもが聞いておりますところでは、七五年の基準に合格するようにということで、いろいろの方法につきまして、本田の場合にはCVCCと申します方法でございますけれども、いろいろな方法につきまして現在、実験、研究、試作を重ねている、こういうふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/57
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058・山形栄治
○説明員(山形栄治君) 通産省の側から若干補足的に御説明申し上げます。
御存じのとおり、自動車の排気ガスは自動車業界にとりましても最大の問題でございまして、各社これみんな全力をあげておるわけでございますが、大体そういう関係の設備投資額、研究投資額といいますか、そういうものがいま四十四年の大体六倍ぐらいの水準でございます。研究員につきましては、全技術者の三分の一ぐらいが安全公害問題をいま担当して研究している段階でございます。
大まかに言いまして、先生御存じのとおり排気ガスをきれいにするためには、エンジン部門をどうするかということ、それからエンジンから出てきますところの第一段階で、リアクターの部分をどういうふうにきれいにするか、その次に排気ガスの再循環装置をどういうふうによくするか、一番最後に触媒のコンバーター、大きく言いましてこの四つの段階で排気ガスをきれいにするということを各社研究しておるわけでありますが、いま運輸省のほうからお話ございましたように、本田技研のいまの研究成果は、エンジン段階で非常に画期的な成果をあげよう、また、あげたというものでございます。
なお関連して申し上げますと、東洋工業が現在ロータリーエンジンで、やはりエンジン部分を中心に一つの研究を非常に進めておる。で、いまお話しのトヨタ、日産は、もちろん全体を通じてやっておるわけでございますが、どちらかと言うと触媒コンバーター、それから排気ガスの再循環装置、その辺に重点を置いて現在研究を進めておる。もちろん各社とも一つのところだけでやっておるわけではございませんけれども、しいて重点をあげれば、研究の重点をそういうところへ置いていま進めておるというような現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/58
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059・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 実は五十年に向けての規制ができておりますから、おそらく各社とももちろん真剣に研究はしておると思いますが、この問題が日本の公害の原点ともいうことでありますし、特に大気汚染となりますと一番人間に近いところで出てまいりますので、やはり問題が大きいわけであります。特に、東京を中心にした光化学スモッグというものの原因が、まだ完全につかめていないと言いながら、一応自動車の排気ガスがその重要な要因であるということも、これは常識になっておるわけであります。政府もこれを認め、東京都あたりもかなり真剣に研究しております。
しかし、いままでの状態では、長い間先ほど申しますように衆参両院の特別委員会でたびたび問題にされ、いろいろなことが指摘されながら、私の見るところでは、どうもこれに対する施策が遅々として進まない。政府側の答弁を聞いても何かあいまいであり、はっきりした態度が出てない。業者に対する規制も、したがって非常に緩慢というか、むしろ業者のほうから政府側が振り回されているような状態であったのではないかという疑念さえわれわれに与えている。そういうところが、今日までこれほど騒がれていながらも、自動車の排気ガスがなかなか公害をなくするという状態にまで進み得なかった原因ではないかと思うのであります。
いま本田技研で、まだ完全ではありませんけれども、かなりの公害率を薄めることのできるエンジンができたということは、とりもなおさず、やればできるのだ。いままでやらなかったわけなんです。ただ単に大量生産あるいは生産競争に終始して、人命に大きな影響を与える公害が公然と認められるような、そういった方向に進んだ。これは否定できないと思うのです。そこに私は日本の現在の自民党内閣の性格を露骨にあらわしておると思うのです。
したがいまして、基準をつくるのは環境庁だという話です。生産の規制は通産省、そうしてまた運輸省。環境庁、通産省、運輸省それぞれの立場でありますが、こういったものが、環境庁は基準をつくればそれでつくりっぱなし、運輸省、通産省またそれぞれの立場でやっておられる。こういうことがやはり問題があるのではないかと思うのです。こういった問題はいずれかにひとつ集中をして、その省なり庁が全責任を持って行政を担当していくということにならなければ、結局は、環境庁にすれば基準をつくって、その基準に従って運輸省か通産省かということになると、もうここで責任がぼやけてくるということになると思うのです。環境庁長官はこういったことを機会に、基準をつくるだけでなくて、公害の担当責任者であるという立場から、これはなかなか簡単にはいかぬと思うけれども、私は少なくともいま起こっておる自動車の公害、特に排気ガス公害をなくするという大前提のためには、行政官庁も行政組織もある程度思い切った措置をしなければ、とうてい百年河清を待つにひとしいと思います。
そこで、自動車の行政は運輸省、生産は通産省、これはこれとして、少なくとも公害ということについては環境庁が責任を持っているのじゃないですか。自動車の排気ガスという、まことに大事な人間の命にかかわるこの点についてだけは環境庁が全責任を持って最後までやるという、そういった姿勢を私はひとつ要請したいと思うのですが、小山環境庁長官は、これはいつも言うように田中内閣における重要な閣僚であります。この辺で思い切った措置をすることが私は望ましいと思うが、それに対してどのような御決意があるか。ひとつここのところをお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/59
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060・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 私どもが、いまの自動車の排気ガスについての基準をつくると先ほど申しましたが、これはすでに新聞などで御承知のように、専門委員会の中間答申が出ておりまして、間もなく審議会はこの中間報告をもとに私どものところに答申を行なうはずであります。そうしますと、それを受けまして私のほうで排気ガスの基準をつくります。その基準を運輸大臣に示しますと、運輸大臣はその基準に合致したものでなければ、あれは検査というのですか、車の使用を認めないという告示を出すわけであります。ですから、私どもが基準を出すということは、すなわちそのとおり実行されるという前提でやりますのでありまして、その点は御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/60
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061・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 いま、こういった二重三重のふくそうした自動車に関する行政について、運輸省や通産省は行政上矛盾とか不便を感ずることはありませんか。両省からひとつお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/61
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062・景山久
○説明員(景山久君) 排気ガスの規制の問題につきましては、いま環境庁のほうからもお話がございましたけれども、私どものほうはこの大気汚染防止法制定以来、非常に緊密に一緒に仕事をしてまいっておりまして、別段の不便とか不ぐあいというものを感じておることは全然ございません。また、これからも緊密にやっていく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/62
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063・山形栄治
○説明員(山形栄治君) ただいま環境庁長官からお話がございましたとおりでございますが、われわれ生産を担当する部局といたしましては、さきに中間答申が出ました専門委員会の報告が最終御決定に相なりますれば、当然にこれに従って各メーカーを指導してまいりたい。また運輸省とも緊密な御連絡をとりまして、環境庁を中心にいたしまして今後の排気ガスの規制といいますか、正常化に尽くしてまいりたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/63
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064・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 非常にむずかしいといわれた排気ガスの問題が、本田技研の今度の発表で明るいものを見たわけですね。実は先ほど指摘したように、やればできるということなんです。そこで、五十年の規制があったね、中間報告で。五十年の規制に、いま申しますように本田技研は一応めどがついた。これははっきりした。五十年を待たずにできたようですが、トヨタ、日産等の大メーカーも、これはできたものに対する検査はするけれども、研究途上の状態はわからぬということでありましたけれども、それじゃ困ると思うのですね。やはり五十年という一つのめどがあるのですから、これに何としてでも間に合わせなければならぬ。
そこで、当面のそういった大量生産を行なっているメーカーに、これは何も職権を乱用するというわけじゃありませんけれども、少なくとも国民の健康に重大な影響を持つ事柄でありますから、私はかなり強い規制と思い切った措置があってしかるべきだと思います。そこで、当局はこれは通産、運輸両省でありますが、本田技研の例もありますことですから、そういった各大メーカーに対して五十年に必ず標準規制に適合をするエンジンを一般のドライバーに渡し得るというめどがつくかどうか、いまから私はやはり何といいますか、接触していく必要があると思うのですが、そういった用意があるか。また、できるかどうか。できればやって、早く国民に、五十年になればこの自動車もこういうふうになるのだといった安心感を与える責任もあると思うのです。そういうことに対する措置はどうなのか、お聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/64
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065・山形栄治
○説明員(山形栄治君) いま先生のおっしゃいましたとおりでございまして、五十年のまだ最終数値がきまっておりませんけれども、おそらくこの線できまるのだと思います。
正直に申しまして、この数値はなかなかきびしい数値でございます。しかし自動車業界は、これは国民の最大の問題でございますので、業界の中でも公害関係の技術は一社で独占せずに、これを全部公開するという申し合わせもすでに行なっておりまして、先ほどちょっと申し上げましたように、エンジンで非常にいいものができますれば、これはまたみなそれを活用する。またリアクターでいいのができれば、これはまたみなで活用する。みんなで力を合わせてこの五十年数値の達成ということに努力をするという体制はできております。
また、われわれ通産省としましても、相当前から重要技術開発補助金とか機電法に基づく資金のあっせんとか、国産技術振興資金制度による融資等を通じまして、この辺の御協力を申し上げているわけでございまして、私どもの感じでございますと、五十年基準というのは、全員が一致結束することによりまして、非常にむずかしい課題でございますけれども実現はなし得るのではないか、こう考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/65
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066・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 各社が自分の社で基準に適合するようなエンジンを開発した場合に、他社にもそれを公開して共同の開発をする、これはまことにけっこうだと思います。ぜひやってもらいたいと思います。
ところが本田技研の発表の新聞を見ますと、最後に、同社はこのCVCCエンジンについて約二百三十件の特許申請を申請中である、こうあります。特許申請をしたから他社にこれを公開しないということはないと思うけれども、これだけの数を特許申請するということは、やはりその場合には自社の独占ということがこれはあると思う。特許は何も日本だけでなくて世界的なものでありますから、特許をとっていることが他社にこれを公開しないとは言えぬけれども、肝心なところがなかなか、いま局長がおっしゃるようにオープンになるのかどうか、やはり疑わしいと思う。
そこで、いま局長がおっしゃったように、そのアイデアは非常にけっこうだし、またそうなくちゃならぬと思うのですが、こういったことを踏まえて、なおかつ、いまあなたがおっしゃったように政府の一つの指導、接触で、いま言ったような、オープンにして各社がこれを共同開発ということになり得るかどうか、この辺はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/66
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067・山形栄治
○説明員(山形栄治君) 本田が、本件につきまして多数の特許を申請しておりますことは事実でございます。先ほど申し上げました、これを業界関係者にオープンにするという意味は、その特許を公開するという意味でございまして、この辺につきましては、本田側からわれわれのほうではっきり確認いたしておりますので、先生の御趣旨のようにこの実施ははかられるとわれわれは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/67
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068・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 環境庁長官に……。いま申しましたように、この件に関しては各社がお互いに研究をオープンにしてやりたいというが、これはなかなか実際には容易でないと思うのです。が、しかし、それをやはり政府の指導で、これは問題は各社の利潤追求よりも国民の健康をより憂慮しなければならぬわけですから、特に私は今回ちょっと中国、朝鮮、ソビエトと回ってまいりましたが、全然公害もなければ交通事故もありません。そういった点からいうと、全くすばらしい状態です。これは私は、そういった国々の政治の違いもありましょうけれども、一つの企業管理と申しますか、こうしてやればできるのですから、日本ではそれをやっていなかったからできなかった。したがって、少なくともエンジンの開発については、政府はひとつ断固たる態度でやっていかなくちゃならぬと思うのですが、閣僚として小山長官の決意のほどをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/68
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069・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 私どもがこういう基準をきめまして、そして運輸省にそれを通知するということは、これはその基準に合わない車は国内における販売を許さない、また使用させない、こういう強い姿勢でいくわけでありますので、各社ともそういうことは当然想定しているわけですから、必死になって研究開発をやっていることは間違いないと思います。また、いま通産省が申しましたように、特許の公開などを通じてお互いに相助け合って、この基準に合致する車をつくるということに専心していくこともまた間違いあるまいと思います。なお足りないところは、私どもも全力をあげてその方向に進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/69
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070・茜ケ久保重光
○茜ケ久保重光君 時間が少なくなってまいりましたので、だいぶいろいろまだありますが、この点はひとつ十二分にそういったことを踏まえながら適切な措置をお願したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/70
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071・大矢正
○委員長(大矢正君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/71
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072・大矢正
○委員長(大矢正君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/72
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073・小平芳平
○小平芳平君 最初に私は農薬による被害者について質問したいのですが、農林省おりますか——。
いままで農薬による健康被害というものは、消費地でたいへん問題にされました。野菜、くだものなどから有毒の農薬が検出されたということで、消費地でたいへん問題になったわけですが、消費地でこれだけ問題になるならば、生産地において実際この農薬を使っておられる農家の方々には、さらに大きな被害が発生しているに違いない、専門家の方はみんなそういうふうに指摘をしておられました。それで農林省、それから環境庁にはあとで長官の御意見を承りたいわけですが、初めに農林省のほうから、現在使用中の農薬は無害なのかどうか、現在使用中の農薬は健康被害がない、安全だということがいえるものかどうか、その点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/73
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074・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) 農林省で、おととしから昨年にかけまして、非常に農薬の被害の問題が大きく取り上げられまして、昨年の国会におきまして農薬取り締まりの関係の法律を改正いたしまして、いわゆる非常に明らかに残留性の強い農薬については使用の禁止をいたした次第でございます。
その結果、逐次農薬についての、先ほど御指摘がありましたように、農薬の残留性の問題は減ってきておる次第でございますが、やはり農薬であります限りにおきまして、その散布する相手が植物のこん虫であったりあるいは菌類の関係で、それをいわゆる防除というか、殺すというのが目的でございますので、残留性は非常に少ないのでありますが、一過性といいますか、多少やはり劇物といいますか、劇物的なものがありまして、使用する段階におきましては相当有毒な、人間にとってその場合におきましては有毒なものもある。したがいまして、その使い方につきましては、防除に際しましてその農薬の使い方なり、あるいはからだに直接かからないようにマスクをかけるとか、手袋をはめるとかという防除態勢をきちっとするように、注意を強化することによって使用を認めておるということでございます。
ただ、その使いました農薬については、従来のようにDDTとかBHCのように、あるいはパラチオンの系統のように、残留性が非常に強くて消費者にまで悪影響を及ぼすというようなことはほとんど今後ともないのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/74
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075・小平芳平
○小平芳平君 その今後という趣旨が、どの辺を今後と言うか。四十六年度における被害者の実数ですね、これをいまいただいたのですが、いろいろ私もこれについては疑問を持ちますが、一応四十六年度の全国の農薬事故の集計についての御答弁と御見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/75
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076・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) 私のほうで厚生省からいただきました昭和四十六年におきます農薬の事故集計表ということでございますが、全体の合計で約千件、千二十六件の事故があったというふうに報告されている次第でございます。
そのうち散布中の事故というものが、中毒性といわれているものが三百二件、それから死亡というのが三件ございまして、また誤用したというものが、全部で中毒、死亡合わせまして三十七件ほどございまして、自殺等というのがまた別途ございまして、これは相当多くありまして、死亡した者が五百七十四件、未遂が百十件というふうなことで、合計千二十六件でございますが、散布中の死亡三件というものが、われわれといたしましては少し問題にしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/76
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077・小平芳平
○小平芳平君 その統計そのものは厚生省がとっているそうですが、千人と考えていいですか、千件ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/77
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078・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) これは人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/78
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079・小平芳平
○小平芳平君 そうしますと、全国で農薬による事故が、年間千二十六人の人が事故に遭ったということ、そのうちの三分の一、三百五人の人が散布中ですね、つまり作業中にそういう事故に遭っているということ、これはきわめて大きな問題じゃありませんか。
それは自殺・他殺は別といたしましても、誤用といいましてもどこまでが誤用になっているか、その点ちょっと疑問ですが、誤用まで入れますと、あと三十七人の人が加わる。とにかく三百人をこす人が、農薬を散布しているそのために中毒を起こし、あるいは死亡をしたということ、これは一つの事業体でこんなに大きな、三百人をこすような事故が一つの企業で発生したらどういうことになりますか。たいへんなことじゃありませんか。しかも、だんだんきびしくしてきたから減る傾向にあるといいながらも、四十六年これだけの人が事故を受けているということ、これはきわめて重要な問題として取り組むべきではないかということが第一点です。
それから第二点としては、三百二人の中毒ですね、三百二人の散布中の中毒の方で、秋田県が約半数、百三十五人の人が秋田県、同じ米どころのお隣の山形県ではゼロになっている。これはおかしいじゃありませんか。その次に多いのは香川県の四十五人。お隣の徳島県はゼロになっている。栃木県は三十四人。お隣の茨城県はゼロになっている。こういう点から見ると、三百人というのは、あがってきた数字であって、その実態というものはこの何倍あるかしれないということではありませんか。それが第二点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/79
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080・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) 厚生省のほうとも打ち合わせしておるわけでございますが、この散布中の中毒の数字につきましては、ただいま御指摘になりましたように、非常に多い県とほとんどない県がございまして、この辺につきましても私たちといたしましては非常に疑問視といいますか、少しわからない点があるわけでございます。
それで、さらに厚生省の保健所の方面の意見等も聞きましたところ、この散布中の中毒というのが、正体がもう一つ明確でない。と申しますのは、散布したところ、帰ってみたらどうも気持ちが少し悪いとか、熱が出たとか、あるいはお腹をこわされたとかいうことで保健所へ見えるらしいのですが、それが散布の結果なのか、真夏の、大体農薬の散布というのは真夏、野良で働かれる関係もありまして、日射病みたいなものにかかられる方もあるというようなことで、はっきりと、どういう農薬をかけて中毒を起こしたのかということの原因等につきましても、ただ保健所へそういう報告があったという程度で、農家の方も実はその農薬の名称もあまり覚えてないというようなこともありまして、この辺につきましては今後さらに十分われわれも分析させていただきたいと思いますが、ほんとうの意味での中毒、明らかにかくかくという農薬でこういう中毒であったというふうな明確な分類がはっきりしてないというのが事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/80
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081・小平芳平
○小平芳平君 いまの御答弁では、重要な問題だと言われますけれども、私が指摘するまでもなく重要な問題なら、もっと早く農林省として取りかかっていなくちゃならないわけですよ。それは、消費地においてこの農薬関係は野菜類にしても果実類にしても安全だと言えるということは、生産地においてもこういう事故のなくなることでありませんか。生産地において、年間三百人も事故を受けながら、しかも散布中の、作業中に事故を発生しながら、消費者にだけ、あなたたちは安全ですよとどうして言えますか。そういう点で私は申し上げているわけです。そこで、そうした農村地帯における農薬事故をなくすということには、現在の被害者をどう救済するかということも大きな課題としてあると思うのですね。
私がいま指摘します方は、長野県の南佐久郡の方です。この方は油井けさ子さんというのですが、六十三才の婦人です。この油井けさ子さんは、四年前に農薬を空中散布したのですね、御本人の話によると、BHCとマラソンの混合したものを空中散布された、そのときに運悪く外に出ていたものだから、顔と手にその農薬をあびた、そのために、その方はいまだに顔面と両腕、それから手の部分は当時急性皮膚炎を生じた、それがなおったけれども、その急性皮膚炎を生じたところは色素沈着及び脱失、要するに白い斑点が大きく残っているわけです。見たところ、おばけみたいです。それで現在は内臓疾患も起こしているのですが、内臓疾患のほうは農薬との因果関係は明らかでないけれども、こうした顔面、両腕、それから両手の被害は農薬によるものであるということを、佐久総合病院の松島先生がそういう診断をなさっているのです。
こういうのは農林省はどう見ているのですか。空中散布した。それがかかって被害を受けた。ただ運が悪いで済ませるのですか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/81
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082・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) この油井さんのお話につきましては、ただいま御指摘になって初めて知ったわけで、具体的に直ちにその事情を明らかにいたさないわけでございますが、いまの御指摘のように空中散布中であったということとなりますと——そのときの農薬につきましてもあらためて事実関係をもう少し調べさしていただきたいと思いますが、空中散布となりますと、たぶんヘリコプターか何かじゃなかろうかと、そう思いますが、その原因関係を明らかにいたしますれば、被害と加害という関係で、われわれといたしましては今後そういう方向で検討させていただきたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/82
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083・小平芳平
○小平芳平君 被害と加害ですから、それじゃ法律的に、被害者と加害者がいる、加害者が被害者に補償するということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/83
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084・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) その因果関係につきましては、ここで事情を十分承知いたしていないものですから明確なことはわからないわけでございますが、一応法律論ということになりますと、当然使用してもよかった農薬を空中散布という形で使用したことによる原因ということになりますと、ただいまのような法律論としてはまた議論が出てくるのではなかろうかと、こういうふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/84
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085・小平芳平
○小平芳平君 それでは私は、こうした農薬による被害者を救済する制度が当然あるべきだと、こういうことを申し上げたいのですが、もう一人の方、この方は小須田さんという五十六歳の方ですが、やはり長野県の南佐久郡の方ですが、佐久総合病院の松島先生の診断によりますと、DDTによる全身性の急性皮膚炎を生じたあと、とにかくもう十七年になるけれどもなおらないわけです。で、それこそ両手、それから足、それから胴までですね、発しん、皮膚肥厚、厚ぼったくなる。それから「亀裂を生じ、種々治療を行なうも難治のまま現在に至る」「経過約十七年」となっている。
こうした十七年前の被害者、その後はもう農薬のちょっとそばにいって匂いをかいだだけで顔がふくれてしまうとか、そういう被害者が十七年間も農村で泣いているということ。先ほど申しました油井さんの場合も四年間。で、いまはいろんな内臓疾患を訴えているのですが、その面と農薬との因果関係が明らかでないということだけで放置されているということ。そういうことをほっておいて、ただ野菜だけが安全だ、消費者だけが安全だと、どうして言えますか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/85
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086・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) ただいま御指摘もありましたように、農林省といたしましては、残留性の強い農薬は、とことんまで今後使用を禁止するということで進めておるわけでございます。
したがいまして、ほとんど消費者の方には間違いがないようになっていくものとわれわれも十分期待しているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、農薬であります関係で、どうしてもやはり、残留性はないにしても、一過性といいますか、その瞬間にはある程度の劇物を使わなければ農薬の効果がないということで使用するわけでありますが、使用後わりあい残留性のない、早く残留性が消滅するような農薬をただいま申し上げましたように使っておりますので、使う瞬間にはある程度有毒性といいますか、劇物効果が出てまいりますので、その使う瞬間には十分散布についての指導方針なり使い方、あるいは先ほど申し上げましたように、からだの防護措置というようなことを厳重に行ないますことによりまして、そういった使用上の注意を行なうことによりまして、危険性を少しでも解除したいということで使用を認めておる次第でございまして、そういった指導なり注意の喚起ということにつきまして、今後われわれとしては特に全力をあげて事故が起きないように指導してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/86
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087・小平芳平
○小平芳平君 それは当然のことなんです。今後使用上の注意を喚起する。当然のことです、それは。いま私が指摘している点は、現に発生している被害者をどうするかということを申し上げているわけです。
その診断書をよくごらんになってください。佐久総合病院といえば、農村医学で非常にいろいろな研究をしていらっしゃることは御承知のとおりでしょう。たくさんのサルを使って、いま現在でも付属機関で研究をしていらっしゃる。そこでこういう皮膚症状は問題なく農薬による被害だと言われているにもかかわらず、ただ将来なくしますからでは、いままでの人はどうしろというのですか。あきらめろというのですか。そういうふうに現に発生している被害者をどう救済するか、そういう制度を考えたことはありませんか、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/87
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088・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) 従来まで、こういった事故の因果関係につきまして、農林省といたしまして十分な調査なり検討、そういう検討をした結果の蓄積の資料が非常に少ないので、われわれといたしましては今後ともさらに資料の収集なり、事故の態様につきましての調査を進めてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/88
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089・小平芳平
○小平芳平君 それは、新しく制度を検討しようというには、もちろんそういう被害の実態が明らかでないと制度の立てようもないでしょう。それでは、この実態調査を直ちに進めていただきたい。ただ厚生省から回ってきた集計表を見ているだけではなくて、どういう実態なのか、全国の農薬被害者の実態調査を実施していただきたいと思いますが、それはよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/89
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090・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) 先ほど申しましたように、従来から農林省といたしましては、残留性のない農薬の試験研究なり、そういったものにこの数年来追われておりまして、農薬による被害者の実態につきましては十分に掌握いたしていないのは事実でございますので、こういったことにつきましては、今後農薬による被害者の実態につきまして、厚生省とも十分御相談いたしまして、農林省としても調査を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/90
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091・小平芳平
○小平芳平君 環境庁長官に伺いますが、ちょうど厚生省では、医薬品の副作用による被害者が発生しているわけで、それは農薬も、やはりあるきき目がないことには農薬としての意味がないということを局長が先ほど来述べているわけですが、同じように厚生省の説明だと、医薬品もやはり副作用があるのが当然だ、きき目のある薬には、ちょっと用途を間違えたら副作用があるのがもう当然とされているのだ、というふうにいつも説明されるわけですけれども、厚生省のほうでは、そうした被害者の救済制度を立てますということで、四十八年度予算では調査費を要求しているんです。同じように、厚生省は食品事故による被害者の救済制度についても四十八年度、調査費を要求しているんです。それで医薬品や食品事故と農薬と全く同じケースとは言えませんけれども、とにかく現に発生している被害者をどう救済するか、環境庁のほうではいち早く公害被害者救済制度があるわけですが、そういう点ついてどのように感じられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/91
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092・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 一つの、薬などによりまして薬そのものからたとえば被害が出た、あるいは使用したことによって出た。使用者の不注意で出たという場合とはおのずから違うと思いますが、原因者がはっきりしている場合には、たとえば原因者であることを加害者が認めたような場合には、行政手段によって損害について話し合いをさせることも可能であろうと思います。ただ、相手方が原因を与えたことを否定した場合、そうしますと、どうしてもこれは裁判にならざるを得ない、そういうふうになると思うのであります。
私どもが公害による救済制度をとっておりますのは、原因と結果がはっきりしておるんだけれども、何びとがやったかわからぬというような場合がありますので、そういう人たちのために医療救済をやろうということで実はやっておるわけであります。同じ公害といわれておりましても、たとえばイタイイタイ病だとかあるいは土呂久の砒素病というものは原因者がはっきりしておりますので、その原因者が負担をするというたてまえをとっております。こういうことになるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/92
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093・小平芳平
○小平芳平君 私も同じような趣旨で申し上げておるわけです。原因者がはっきりしている。それはおそらく農薬の場合も、全く原因不明のものが流れてきているわけではないと思います。ただ、いろんな種類を使った場合に、はたしてその中のどれが主たる原因かということも起きてくるとは思います。そういう場合でも、長官が先ほど他の委員に答弁なさったように、コンビナートにおいて基金制度をつくる、そして医療について補償する制度を検討しようというふうにおっしゃっていたわけですが、そういう点について、農林省はあまりにも立ちおくれ過ぎていはしないかということです。それは何も、こうした空中散布をした、事故が起きた、それゆえ政府や県が問題なくお金を出すべきだというふうに私も言っているわけじゃないんです。ですから、そういう基金制度をつくるなり、あるいは局長の先ほどのお話で、日照りの中で働いたのが原因なのか、農薬が原因なのか、それすらはっきりと判断してくれる制度もないわけです。そういう制度を検討すべきだと思いますが、いかがですか。長官もう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/93
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094・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 農薬の場合に、いまここでお聞きしておりますと、相当たくさんの事故があったように聞いておりますから、したがって、そういったような場合にどこにまず届け出をするとか、その場合にどういう処置をとるのかというような制度は、農林省としてお考えになるべきことではなかろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/94
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095・小平芳平
○小平芳平君 農政局長いかがですか。いまの、私の説明しているような趣旨、また環境庁長官の御答弁をお聞きになって、農林省として、ただ将来なくします、残留性のものは規制しますということだけで済ませる問題かどうか。
こうして被害を訴えていらっしゃる方を、まだまだ私たちはたくさん知っているんです。ただ、とき、たまたま私が佐久総合病院へ案内した二人の人について、いまのような診断書があるだけであって、たくさんの被害者がいる。そうした被害に対する補償制度なり、あるいは医学の上の研究なり、特に内臓に対する影響、もう残留性のあるものは使わないからだいじょうぶだといわれても、過去にすでに被害を受けてしまった人をどうするかというような点、救済ということを目標にした農林省の検討が必要だと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/95
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096・荒勝巖
○説明員(荒勝巖君) 先ほど来御指摘がありますように、不幸にして農薬の使用に伴い危険、危害等を受けられた方たちの調査につきまして、私たち従来からほとんどその点につきましては掌握していないことにつきましては、まことに遺憾でございまして、先ほど申し上げましたように、今後、こういった被害を受けられた方々の実態につきまして、十分に掌握いたしたいと思っている次第でございます。
その調査の結果、被害の程度の態様等を十分掌握した上で、この対策につきまして、制度上あるいは技術上いろいろな問題がまだ今後とも出てくるのではなかろうか、こう思いますが、この辺につきましては、厚生省なり環境庁なり関係の機関とも十分協議いたしまして、これにつきましての対応策を検討させていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/96
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097・小平芳平
○小平芳平君 農薬は以上で終わります。
農林省、それからこれは水産庁も関係があるわけですが、大体、農家に対するあるいは漁民に対する取り組みが、私は非常に納得できないことが多いのです。いまの農薬問題にしてもそうですし、それから先ほど大矢委員長が質問された北海道の伊達火力発電所建設問題にしてもそうですし、それから志布志の開発、県の原案が発表になったというような点についてもそうなんですが、特に私が指摘したいことは、私たちが現地へまいりますと、若い農家の方、あるいは漁民の若い方も年とった方も含めて、そうした方々がとにかく北海道の伊達地方なら伊達地方において、あるいは鹿児島県の志布志湾において、これだけの豊富な漁場があるじゃないか、何でわざわざこれをつぶしてしまうのか、私たちは一生かけて農業を守る、漁業を守る、そうしたいのだと言っているのに、それを国の計画というものがあるからということで——全部が全部工場をやめちゃえというわけじゃありませんけれどもね、そうした農村における、漁村における、そういう漁業や農業に打ち込んでいく熱意というものをどのように把握していらっしゃるか。抽象的な質問ですけれども、お答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/97
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098・太田康二
○説明員(太田康二君) ただいま先生が御指摘になりましたように、私ども沿岸漁業を取り巻く一つのきびしい状況といたしまして、いまおっしゃいましたような臨海工業地帯の開発に伴う埋め立て、これによる漁場喪失の問題ということが大きな問題になっておるわけでございます。これは従来のわが国経済の運営の基本的な態度の問題でもあったかと思いますが、従来はどちらかと言いますと、高度成長のほうばかりに力が入りまして、どちらかと言うと住民福祉というものが、何と申しますか比較的軽んぜられてきた、その結果がこういった状況を呼んでおるというふうに思うわけでございます。
私どもといたしまして、こういった問題に対する基本的姿勢といたしまして、いま具体的におあげになりました志布志湾にいたしましても、それから伊達火力のあの辺の沿岸漁業者の方々にとりましても、確かにかなり関係漁民の数も多うございますし、漁場としてもたいへんいい漁場であるということは御指摘のとおりでございます。
具体的に申し上げますと、志布志湾の場合には、確かに県の計画が発表されたことがあったわけでございますけれども、やはり地元住民のこれに対する強い反対もあったようでございまして、現実の問題として、現在必ずしも地元の意向というものは明らかになっておりません。と申しますのは、一応私どもが承知している限りにおきましては、白紙還元というようなことになったと聞いております。
それから伊達火力の問題につきましては、御指摘のとおり火力発電の建設に伴いまして温排水が出る。これが一体どこまで拡散するか。またこれが温度の上昇によりまして、たとえばワカメとかコンブだとか、あるいは回遊魚、さらには沖におりますところの貝類等にどういう影響を及ぼすかということにつきましては、実はあの伊達町が代表になりまして、具体的に申し上げますと水産資源保護協会に委託をいたしまして調査をいたしたわけでございます。この調査の結果によりますと、もちろん一部のものには確かに影響があるという結論も出しておりますが、おおむね拡散の範囲等から見ますとそれほど大きな影響はなかろうというような結論が出まして、それを関係の漁民の方方にも御説明申し上げて、もちろん十分な納得はまだ得られていないようでございますが、そういった結論も出たというふうに聞いております。
私どもといたしまして、確かに先生の御指摘のように、たとえば埋め立てをするような場合に、当然、埋め立ての場合のたとえば土砂等を沖合いに捨てるというようなことがなくて、陸上で処理をしてもらいたい。たとえば沖合いに捨てる場合にも、十分漁民と協議して、魚礁等をこれによってなくしてしまうようなことがないような投棄の場所を指定して、そこに捨ててもらいたいとかいうような形で、できる限り漁業に対する影響を回避すると同時に、そこにできます工業等につきましては、やはり公害防止のことをやっていただきませんと、この埋め立てに伴いますところの水質の汚濁の問題が出ますし、工場が建設された暁におきましてのやはり排水等による漁場の汚染問題、こういう問題もあるわけでございますから、もしそういったことで実際に計画に従いまして工場等が建設される場合には、そういった点につきまして関係各省と十分打ち合わせて、そこらあたりの公害防止等の措置につきまして十分な措置をとってもらいたい。なおかつ当然のことではございますが、これによって被害を受けます漁民の方々に対する漁業補償というような点につきましては、当然正当な補償をしていただくというような指導を実はいまやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/98
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099・小平芳平
○小平芳平君 では、時間が終わりになりますので、最後に環境庁長官に一言お尋ねして終わりたいと思います。
やはり、このいまの伊達火力のこと、志布志のこと、そうして閣議で報告があったというコンビナート総点検のこと、これらを通じて言えることは、いまの水産庁の御答弁のように、さしたる被害はなかろうということでみんなきているんですね。大きな被害が出るぞなんて説明した企業はまずないです。さしたる被害はなかろうということで、結果、何をしたか。結果は、大気汚染については煙突を高くしただけなんです。ほとんどそうです。それから水質汚濁は、いろんな水質汚濁防止をやっているところもありますが、その多くは水をたくさん入れて薄めて流していたわけです。ですから、コンビナートにおいて汚染がはなはだしくなったというのが通産省の報告だと思いますが、当然です、それは。ただ煙突を高くしただけですもの。あるいは水をたくさん取り入れて薄めて流すだけですから、全体としての汚染が増大するのは当然のことだと思います。
私は前回の当委員会で四日市裁判の判決のあった翌日、排煙脱硫装置を義務づけるべきだということを、相当時間をかけて就任早々の小山長官に言って、長官のお考えを尋ねたわけなんですけれども、きょうの通産省の報告では排煙脱硫装置を至急義務づけるのだというようなことも入っていたようにちょっと聞いたわけですが、したがって環境庁長官としまして、今後そうした住民の健康、環境保全に一段と力を入れていただかなくちゃならない。たいした被害はなかろう、あそこの縦貫道路をつくる、たいした被害はなかろう、みんなこれできているのですから、その点についてのお考えを承って終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/99
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100・小山長規
○国務大臣(小山長規君) いまおっしゃいましたことは、私どもが四日市裁判を契機として痛切に感じておる点であります。つまり、新しいコンビナートなりをつくりますときに、環境基準をきびしくするということは当然のことでありますが、そのほか、やはり地域住民との間に非常にきびしい、もっともっと環境基準では不満足だというところもあるわけですから、そういうところではさらにきびしい防止協定をつくらせるとか、それから協定をつくらせましても守るかどうかわかりませんので、守るための第三者的な監視の制度というものをつくらなければいけませんし、それから一番いいのは自動測定装置が一番いいわけですから、これなら細工はできませんので、そういったような自動測定装置を取りつけるようなシステムを考えるとか、大気についてはできておりますが、水についてはその方法がまだ開発されておりませんけれども、これも全力をあげてそういった自動監視制度をつくりあげるとか、そういったようなこと。それから、開発を計画するときから、もうすでに事前に精密な調査をしまして、それで万全を期する。それだけで十分でありませんから、今度は計画を実行する段階でそれをさらにもう一度チェックするというふうに、念には念を入れて、公害が起こらないという、起こさせないというかたい決心でやるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/100
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101・内田善利
○内田善利君 私は一昨年、また昨年、北九州と大牟田の大気汚染について、健康にかかわる被害の救済措置法の適用をすべきじゃないかということで、いろいろな調査データをあげ、また地元の医師会が調査いたしました児童の調査、そういうものを例をあげて、既指定の、いま指定されておる四日市あるいは川崎あるいは尼崎等と比較しながら、早急に救済措置法を適用すべきじゃないか、指定地域にすべきじゃないかということで、一昨年、昨年、いろいろ質問したわけですが、回答は、資料不足であるということが中心であったように思うのです。
しかし、現にぜんそく病患者、気管支炎あるいは肺気腫、そういった方々が、他地域、対象地域よりも多数出ておる。まあ法によって、一人や二人はだめだ、相当範囲でなければだめだということなのであろうかと思うわけですが、何が資料不足であるのか。これだけ被害者が出ているのに、一体環境庁はいつこれらの患者を救おうとしているのかということで、再度、三回にわたって北九州の大気汚染被害者の問題、救済の問題、大牟田についても同様に質問したいわけですが、現在環境庁としては、この北九州の大気汚染による被害を受けた患者をどのように救済していこうと取り組んでおられるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/101
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102・船後正道
○説明員(船後正道君) 大気汚染にかかわる健康被害者救済の地域指定の問題につきましては、大気汚染が著しくて慢性呼吸器疾患の有症率が高いというような地域を選定いたしまして調査をいたしました結果、これを指定するというような方式をとっているのでございますが、北九州につきましては、たしか先生御指摘のとおり、現状はかなり問題があると考えられます。したがいまして、四十七年度におきまして、北九州の若松地域を中心といたしましてこのような基礎調査を行なうということで、現在地元の福岡県、北九州市等と相談いたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/102
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103・内田善利
○内田善利君 では若松地区だけですか。一番ひどいのは若松じゃなくて、私は八幡だと思うんですよ。あるいは戸畑だと思うんですけれども、若松地区だけ調査されるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/103
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104・船後正道
○説明員(船後正道君) どの地域にするかという点は、基礎調査の結果でございますので、ただいま先生御指摘のような地域につきましても、地元と相談の上、調査する地域の選定をどうするか、こういった具体的な話を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/104
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105・内田善利
○内田善利君 いまから調査を始めるというわけですね。これは指定のための調査ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/105
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106・船後正道
○説明員(船後正道君) 本年度予算で六地域につきましてこのような基礎調査をすることにいたしておりますので、この基礎調査の結果、従来の指定地域等との関係で指定すべきであるという結論が出ますれば、その調査の資料をもとといたしまして地域指定に入るということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/106
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107・内田善利
○内田善利君 地域指定のための六地域の調査ということですが、この六地域はどこどこでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/107
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108・船後正道
○説明員(船後正道君) 北九州のほか、たとえば名古屋でございますとか大阪地区等につきましてもやはりまだ問題の点がございますので、現在関係府県と話を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/108
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109・内田善利
○内田善利君 六地区を明確には答えられないようですけれども、東京も入っておりますね。東京も入っていると思うんですが、明確に答えられないのかどうかわかりませんが、この六地区を予算に基づいて調査して、その結果指定するということのようですが、私は、これほど被害者が出ておる、そして四日市裁判であのように救済されるようになった、一体北九州あるいは大牟田の、あるいはその他の地区にもいらっしゃると思いますが、そういった地区の被害者は一体どうなるのか。この辺やはり国の責任者として、はっきりこういう地区も早く指定したいとか、あるいはどこどこを調査して、もし被害者がおるようであればこれを救済していきたいとか、そういうことを私は言っていただきたいと思うのですけれども、長官いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/109
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110・船後正道
○説明員(船後正道君) 現行特別措置法によります地域指定につきましては、現在までの実施状況からかんがみますと、かなり問題があると考えております。したがいまして、根本的には先般長官が発表いたしましたように、汚染者負担の原則と申しますか、排出原因者からの財源拠出というものを主たる財源とするような新しい救済措置制度、こういったところで現在の指定地域をめぐる種々の問題等も根本的には解決したいということで、私どもといたしましては、現在その新しい制度の創設の準備をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/110
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111・内田善利
○内田善利君 来年の予算、概算要求してあると思いますが、来年の予算は幾らなのか、幾らかけてどういうふうにやるのか、この予算の範囲内で指定をするのか、その辺私は非常に疑問に思うのですけれども、救済が主なのか、予算が主なのか、この辺の問題もあろうかと思いますけれども、予算をどのように使って、いつごろ救済の地域指定をしていく、こういうメドをお聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/111
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112・船後正道
○説明員(船後正道君) 現在の特別措置法による給付は行政給付でございます。したがいまして、どうしても先生御指摘のように予算的な制約というものはあるわけでございます。これではやはり問題が残るわけでございます。したがいまして、損害賠償の履行を保障するというように制度の目的を変えていかなければならぬのじゃないかというような問題意識のもとに、現在新しい制度の準備を考えておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/112
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113・内田善利
○内田善利君 私は大体三百万円ぐらいの予算でこの救済措置について調査をする、そして来年の二月か三月ごろには指定をしたいということを聞いたのですけれども、これは事実ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/113
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114・船後正道
○説明員(船後正道君) 四十七年度のこの基礎調査の関係予算は、総額千六百万円程度でございます。これによりまして、先ほども申し上げましたように現在関係府県と協議中でございますので、基礎調査を済ませて、来年の二月ごろには地域指定にもっていきたいと、こういう計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/114
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115・内田善利
○内田善利君 その地域指定ですけれども、現在まで医師会が三年連続でやっているわけですが、あるいは四十歳以上の方々を対象にして県・市が調査しているわけですが、そういったデータをもとにして、あるいは県・市から要望書も出ておるはずですが、そういったものを基準にして、いままでは昨年も一昨年も資料不足ということであったのですが、その資料不足はもうないのか、もう環境庁で調査されたならばそれで指定に踏み切られるのか、その辺も聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/115
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116・船後正道
○説明員(船後正道君) 基礎調査をいたしますということは、地元でおやりになりました種々の事前準備調査等から判断いたしまして、国としても地域指定のための調査の必要性を認めたわけでございますから、基礎調査をすることイコール地域指定ということには理論的にはなりませんけれども、私どもといたしましては、この北九州地区につきましては、二月ごろ基礎調査の結果資料を整えて地域指定の運びになると、このような計画で現在作業を進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/116
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117・内田善利
○内田善利君 北九州についてはわかりましたが、大牟田については文部省も調査しているわけですね。御存じでしょうか。文部省の委託調査で児童の調査をやっているわけですが。健康調査ですね。
これに基づきますと、小学校で六校、中学校で一校やっているわけですが、小学校の場合は、三千八百五十九人が在籍人員、それに対してぜんそくよう気管支炎、あるいはぜんそくの軽症、ぜんそくの重症、合計二百十七名。中学校の場合は、在籍人員千名の中で、同じくぜんそくよう気管支炎、ぜんそく軽症、重症、合わせて十五名。このデータですと、大牟田の場合は六小学校で五・六二%なんですね。ところが、富士市の四十五年の学童調査の結果は、三校ですが、対象在籍数二千七百八十二名のうち計六十二名、結局二・二三%ですね。これだけ見ても、学童がどのようにぜんそくようの疾患におかされておるかということもわかるわけですね。あるいは環境庁に出ておると思いますけれども、データを見ますと、どの地区よりも大牟田のほうが大きい。ですから当然私はこういう被害者の状況によってこの地域指定はしていくべきではないか、このように思うわけですね。
予算面ということもありましょうけれども、何と申しましても健康被害というのが一番。たった一人でも、私はこういうことによって被害を受けた方々は救っていくべきじゃないか、このように思うわけです。大牟田についてもぜひこの中に入れていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/117
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118・船後正道
○説明員(船後正道君) 四十七年度は予算的に六地域となっておりまして、先ほど申しましたように、北九州のほか名古屋、大阪、東海あるいは東京等におきましても同様の基礎調査をしなければならないという事情がございますので、ただいま御指摘の大牟田市の問題につきましては、地元福岡県とも御相談いたしまして、現行制度が続くならば翌年度において、あるいはまた先ほど申しましたように制度そのものが新しい制度に切りかえるならばその際に、というようなことで今後検討を進めてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/118
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119・内田善利
○内田善利君 この程度でやめますが、北九州の城山地区というのは、御存じのようにいまでも月一平方キロメートル当たり五十トンないし六十トンの降下ばいじんが降っているところなんですね。北九州では大気汚染の一番ひどいところなんですが、これは御承知のとおりですが、いま工場の再配置ということが総理からも言われておりますが、私はこういった工場地区の中にあるこういう地域、こういうところは別に移動させる、もし希望があるならば移動させるべきじゃないか。そういう方向へ国としても持っていくことが健康を守る意味ではいいのじゃないか、また整備する意味からもいいのじゃないか、このように思いますが、工場再配置ということと同時に、こういった工場地区の中にある住宅街を集団移転する、こういうことは環境庁長官どのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/119
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120・小山長規
○国務大臣(小山長規君) この公害というものは、おっしゃるように地域の住民との間に起こる問題でありますから、この工場から出る排煙あるいは汚濁した水を防ぐことがまず第一、どうしてもそれが除けないというときには、あるいは地域全体として、その一つ一つの工場はともかくとして地域全体としてどうしても環境容量をオーバーするという場合には、まず第一に考えることは工場の間引き移転ということであろうと思います。地域住民にしてみますと、その人たちはそこに職場があったりいたしますから、実際集団移転となりましても、なかなか実際問題としてはむずかしい。個人個人の家庭の事情などがありますから非常にむずかしいと思いますが、そういう方法がとれる場合にはそういうことも考えてみたいと思います。工場そのものがいきますと、その従業員の家があくことによって、その周辺の人たちが公害のない場所に場合によっては移動できるというメリットもあろうかと思っております。そのいずれがいいかというふうに、なかなか断定しかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/120
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121・内田善利
○内田善利君 それでは時間の関係で次に進みますが、七月の二十二日の日に大牟田で起こったことですけれども、オルトニトロトルエン、略してONTですが、これを運んでおったタンクローリーのパイプが故障して、付近の住民の方々が、半径百五十メートルの地域にただよったために、たくさんの方々が頭痛や吐き気を訴えて精密検査を受けたという事故があるのですけれども、またこの近くの人が一人一カ月後なくなっておるわけです。
私はこの因果関係は別として、こういう物質が白昼公然と運搬されているということが問題ではないかと思いまして聞いてみたわけですけれども、それは、工場から出ているタンクローリーが十一車両あるのです。その十一車両が月に七回平均あちこちに出ておるわけですけれども、その内容はトリクロールベンゼン、ベンゾールのベンゼン核に元素が三つくっついたものですが、トリクロールベンゾールが一台、富士市の東洋インキ、アニリンが一台、和歌山の大和化学、問題のONTが一台、福山市の日本火薬に行っている。またオルトニトロクロールベンゾール二台、和歌山製靴、パラニトロクロールベンゾールが二台、川崎化成、カーバイドとかあるいは重油とかこういったものを運んでおるわけですが、このONTの場合も七回運んでおる。
こういうことですが、こういう危険物質が白昼公然と、一工場だけとらえてみてもこれだけまかり通っているということが問題じゃないかと思うのです。消防法あるいは道路運送法等によって許可されておるとは思いますが、こういう事故が起こらないようにしなければならないと思うのですけれども、この点はどのようにお考えか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/121
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122・山形操六
○説明員(山形操六君) 私どもの大気汚染防止法のほうできまっておりますのは、十七条にあります「特定物質に関する事故時の措置」というのがございます。そして物の合成や分解その他の化学的処理に伴って発生する物質で、人の健康や生活環境にかかわる被害を生ずるおそれのあるものを政令できめまして、これを発生する施設等で主として事故のあったときの問題に取り組んでおるわけでございます。
そこの特定物質には、政令で現在二十八物質をきめておりますが、ただいま先生のおっしゃった中には一応大気汚染防止法の中できめておりますものはございません。たとえば例を幾つか申しますと、アンモニアとか弗化水素、シアン化水素、ホルムアルデヒド、メタノール、硫化水素云々と、こういったものを二十八物質一応いまきめておるところでございます。
したがって、私どものほうの関係では、その発生施設に関する、事故時に大量のものが環境を汚染するということをきびしく取り締まるべく法体系ができておるわけでございまして、ただいまの運搬云々の問題は、ちょっと私どもの直接の関係ではございませんので、大気汚染防止法に関してはそういうことになっているということだけお伝え申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/122
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123・内田善利
○内田善利君 工場の責任にはなりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/123
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124・船後正道
○説明員(船後正道君) ただいま大気保全局長が御説明申し上げましたように、環境庁で所管いたしておりますこの法律は、いずれも通常の事業活動に伴って発生施設から発生してくる有害物質の取り締まりということが中心になっておるわけでございます。したがいまして、運搬途中でもって劇物とかあるいは火薬等が事故を起こしたというような問題ではなかろうと思います。先生御指摘の問題は、そういった点につきましてはそれぞれの取り締まり法規、取り締まり官庁のほうでこれを取り締まるという仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/124
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125・内田善利
○内田善利君 私は、毒物劇物取締法にある毒物劇物、あるいは消防法上の危険物質とかいろいろあると思いますけれども、そういった物質は、危険物質の場合は危険物というように掲げていますけれども、この場合に、ONTの場合には何も掲げていないわけですね。そういったものが、それでいいのかどうかという問題ですね。
このONTも人体に非常に影響があって、それは吸い込むと死亡するという毒性があるわけですね。あるいは皮膚に触れたりすると非常にあぶない。そういうTNTの前のONTですから、そういう危険物質が運ばれておるということです。アニリンにしても私はそうだと思うのです。あるいはパラニトロクロールベンゾール、これも私はたいへんな物質だと、このように思うわけですね。
そういった物質は国鉄で運ぶとか船で運ぶとか、こういうのはそれぞれ標識もしてあろうし、またいいわけですけれども、タンクローリーの場合は、こういう一工場でもこれだけ行き帰りしているわけですけれども、全国でこういったケースがあって、非常にたくさん動き回っているのじゃないかと、このように思うのですけれども、こういったことは大体どこの責任なのか、それぞれの法律に基づいて各所管庁が取り締まっておるのかどうか、その辺はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/125
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126・山形操六
○説明員(山形操六君) これは私ちょっとうろ覚えで申しわけございませんが、承知しております範囲内で申し上げますと、おそらく厚生省あるいは自治省等々の問題に入るかと思います。そして毒物劇物に関するものと、その中の、先生おっしゃった危険物質でまだそれで取り扱ってないものが、しばしば道路上で事故を起こし、中にはその際非常な発煙、発熱等があって運転手が逃げてしまったというようなケースがございまして、そのとき検討が加えられたこととしては、厚生省なり消防、自治省等のほうでこれらの問題に対する処置について具体的に検討するというふうな話を私聞いたことがあります。
そしてさらに、そういう自動車の道路上で起きた場合の措置について、中和剤等の措置をしませんと住民に非常に迷惑がかかるということでございましたが、その中和をするといっても、薬の中身を知らない人がそれをやったのでは非常に困るということから、各地におられます薬剤師の方が、急遽そのときにどういう品物であるかということを承知してもらって、その指導を消防と一緒にやるというような連絡方法等もやっていって、一般住民の人に被害を及ぼさないような措置をしようということで、いろいろ連絡協議されているというところまで承知しておりますが、残念ながらそのONT等の中身等について私承知しておりませんので、これだけお伝えしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/126
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127・内田善利
○内田善利君 こういう危険物質がたくさん白昼街頭を走り回っているということは、問題じゃないかと思うのですね。こういった点についても、やはり該当工場が責任を持って下請工場等とは契約を結んで、あやまちのないようにすべきじゃないかと、このように思うのですが、この点はいかがでしょう。新化学物質については特に注意すべきであると、このように思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/127
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128・小山長規
○国務大臣(小山長規君) おっしゃっている趣旨は、私も全く同感であります。どういうふうにこれをやればいいか、私も承知しておりませんので、各省庁と相談をさせまして、そのような際の処置のしかた、あるいは取り締まりのしかたについて検討を加えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/128
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129・内田善利
○内田善利君 ぜひひとつお願いをしたいと思います。
それから前回の委員会でもちょっと申し上げたのですが、二硫化炭素による工場における労働災害の問題ですね。この問題では、熊本県の興人八代で現在まで十四人認定されておるわけですが、私はこの二硫化炭素の問題は、興人八代だけの問題ではなくて全国的な問題ではないかと、このように想像するわけでございますけれども、この点は労働省のほうではどのように把握しておられるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/129
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130・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 先生御指摘のように、二硫化炭素につきまして、八代工場につきまして問題があったわけでございます。この問題につきましては、当八代工場に対しましては毎年立ち入り検査を実施して、その内容につきまして点検をしているところでございますが、その他の事業場につきましては、昭和四十五年におきまして総点検をいたしているわけでございます。その際におきましては、その他の工場につきまして特に問題は見られませんでした。なお、関係事業場に対しましては、二硫化炭素等の取り扱いにつきまして障害の起こらないような管理基準をつくらせまして、それに基づきまして必要な措置をとるように行政指導をしてまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/130
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131・内田善利
○内田善利君 ほかの工場は問題はなかったということでございますけれども、同じように二硫化炭素を取り扱って問題がないということは、どういうことなんですか。興人八代のほうは管理の面が悪かったのか、装置の面が悪かったのか、何か原因があろうかと思いますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/131
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132・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 二硫化炭素の取り扱いにつきましては、有機溶剤中毒予防規則という規則がございまして、これによりまして規制対象物質として所定の措置を昭和三十五年から実施しているわけでございます。したがいまして、それ以後の取り扱いにつきましては各工場とも十分やっていると思いますが、この八代工場の場合につきましては、その取り扱いが相当前の時期から取り扱っておるという関係もございまして、先生御指摘のような労災事故、労災認定患者が出たということではないかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/132
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133・内田善利
○内田善利君 一応二〇PPMが限度のように聞いておりますが、この二〇PPMという基準は、いつきめられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/133
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134・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 許容濃度は二〇PPMでございますが、きめましたのは一九六一年でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/134
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135・内田善利
○内田善利君 十一年前に二〇PPMという基準がきめられた。また、それがそのままいま基準としてきめられているわけですが、このCS2、二硫化炭素の爆発限界は何PPMから何PPMでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/135
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136・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 手元にあります資料によりますと、爆発限界はパーセンテージにおきまして一・三から四四ということでございますから、PPMにいたしますと一方三〇〇〇になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/136
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137・内田善利
○内田善利君 一万三〇〇〇PPMから四四万PPMまでですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/137
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138・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/138
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139・内田善利
○内田善利君 これは六月三日の日に爆発事故が、小さい事故ですけれども起こって、一人入院するような事故が起こったと聞いておりますけれども、これは御存じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/139
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140・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 私どもは把握しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/140
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141・内田善利
○内田善利君 これも私が聞いたことですが、従業員の方から聞いた話なんですけれども、名前もわかっておりますが、こういった事故が起こったとなると、現在ゼロから七PPMまでにしているという工場の話ですけれども、ときには一万PPMをこすことがあるんだということになるわけですけれども、こういう状態では非常にたいへんだと思うわけです。よその工場がCS2による労働災害者はゼロで、興人だけ十四名認定されておるということなんですけれども、ここの工場管理等はうまくいっているのかどうか、このように思うのですが、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/141
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142・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 興人の八代工場につきましては、先ほど申しましたように、この数年、一斉総点検をやっております。それによりまして具体的に指導しているわけでございます。四十七年の九月におきましても総点検をいたしまして、所定の警報装置の取りつけ等の指導をしているわけでございます。
今後ともわれわれといたしましては十分なる設備、完全にやるような行政指導、監督を徹底してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/142
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143・内田善利
○内田善利君 時間の関係で次に進みますが、環境庁長官にお聞きしたいのですけれども、土呂久の公害認定について八月の一日でしたか、環境庁としては公害認定の方向で方針をきめたということで、八月早々専門委員会をつくって認定条件などをきめると、このように承っておるわけですが、現地としては、県ではすでにもう公害病と認定したと同じような救済をやっている。もう待てないということでそのようにやっているわけですが、この公害病認定は一体どうなっているのか。この点お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/143
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144・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 土呂久の問題につきましては、公害病の認定をするということで進めておりますことは、この間申し上げたとおりでありますが、公害病として認定するのには、これはやはり認定の基準といいますか、健康診断の基準といいますか、認定の条件や診断の基準、検診の方法というものを一応きめてかかる必要があるだろうというので、それをいま専門委員会にはかっておるわけであります。
宮崎県がこの特別措置法に準じた措置を講じておりますが、これは私どものほうとも連絡をとっておるのでありまして、当然この認定になれば、それをさかのぼって適用することになる、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/144
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145・内田善利
○内田善利君 それと、宮崎県の松尾鉱山ですけれども、労働省のほうでは第二次検診をやったわけですね。その結果はいつごろになるのか。この点をお聞きしたいと思います。
それから福岡県の八女市ですね、ここに星野金山というのがあります。四カ所あります。それから大分県に鯛生金山、福岡県の星野金山の場合はいま久留米大学のほうで四十一名けい肺患者を認定しておるわけですが、大分県の鯛生金山のほうも非常に多い見込みなんですけれども、私も四人の方にお会いしましたが、みなこの方々は戦争中に一生懸命に金を掘れということで掘った方々なんですね。そして二十二年九月以前の関係で労災適用にならない。松尾鉱山の場合もやはり同じように苦しんでおりながら、二十二年九月以前の方々は労災法適用にならない。金山の場合もいま申し上げたように、福岡県の場合は四十一名を労災法に準じて救済する、このように言っておるようでございますが、大分県の場合はまだ聞いておりませんけれども、こういった二十二年九月以前のこうした方々を何とかして救う方法はないのか。労災法に準じた救済法はないのか。この辺はほうっておくのか。労働省としてはどのようにお考えか。これだけお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/145
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146・倉橋義定
○説明員(倉橋義定君) 先生御質問のうちの前段につきましてお答えいたしますが、松尾鉱山の第二次検診につきましては、御指摘のとおり九月の七日、八日に二十六名について実施したところでございます。その結果につきましては、現在、血液、尿中の砒素を含めまして、金属の分析、その他必要な検査を九州大学で現在実施中でございます。その結果が得られまして、総合的な判定がなされるまでに、約二月を要すると聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/146
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147・山口全
○説明員(山口全君) 労災保険法施行前の労働者に対する救済の問題でございますが、先生御指摘のとおり、労災保険の給付は労災保険法成立後、業務上災害で罹症したという者に限られておるわけでございます。戦前の従事労務者につきましては、鉱業従事労働者であれば、鉱業法によりまして鉱業権者がその補償義務を負っておるということから、基準法、労災保険法を適用して救済することは困難なことになっております。しかし、労働省としましては、現実にそういう被災者の問題が顕在化しておりますので、戦前従事した者であっても、戦後粉じん職場で従事歴があれば労災保険法の適用の余地があるわけでございまして、そういう意味合いから、個々の患者についてその職歴の調査をいたしております。
先生のいまお話のありました鉱山におきまして、星野金山のほうでは一名、それから大分所在の鯛生鉱山につきましては、現在までに十二名が戦後なお職歴がございまして労災保険法の適用をいたしております。なお、全く粉じん職歴がない場合には直接、法の適用がないことは先ほど申し上げたとおりですが、そういう場合には、当時の事業主が現存しているかどうか調査しております。現存しておれば当該事業主、ない場合で鉱業権等を承襲した事業主がある場合にはその事業主に対しまして、労災保険法と同水準の実効ある給付を行なうように行政指導を行なっているのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/147
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148・栗林卓司
○栗林卓司君 火力発電所の大気汚染の問題と、自動車の排気ガス規制に伴う資源問題の二点についてお尋ねをいたします。
まず最初に、長官に基本的な考え方ということでお伺いしたいのですが、公害ということで幾つものものがあげられておりますけれども、その冒頭に大気汚染が書いてあるように、公害はどれも排除しなければいけないのですけれども、とりわけて大気汚染を排除する必要性は高いし、それを排除していく価値も高いと思うのです。
そこでお伺いしたいのは、実際にいろんな諸対策を進めていく上では、資金もかかることも含めていろんな問題が出てくる。出てくるけれども、きれいな空気をつくるということは何ものにもかえがたい実は価値を持つもの、優先目標であると思うのですけれども、同様な御見解かどうか、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/148
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149・小山長規
○国務大臣(小山長規君) この環境を守る、公害を防止するということは、これは人間生活からいって至上命令ともいうべきものだと思います。そこで今日、四日市でああいう事例ができてきますと、やはり立地の条件あるいは規制のやり方などについて足りないところがあったのじゃないかと考えますし、また、その反省の上に立って今後公害行政をどうするかということをいま真剣に考えておるところであります。
で、じゃどうするのかといいますと、まず第一に環境基準、この環境基準というものを、人間の健康に害のないというところに基準を定めて、きびしい環境基準をつくろうということが一つであります。それを守らせるために、いろいろな排出の規制なりあるいは監視の方法をどうやってつくり上げるかということをいま検討をしておるところであります。それから水についても同じような考え方でありますが、また、健康被害者につきましては、新聞で発表しましたように、健康被害者に対する救済制度を来年の通常国会を目標にして、その法律を出したいというのでいま早急に準備を始めるということで、この間閣議でもその了解をとったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/149
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150・栗林卓司
○栗林卓司君 私がお伺いしたかったのは、そういういわば環境の設定を含めてどういう行政措置を環境庁としてとっていくかということをお伺いしたかったのではなくて、この公害問題、とりわけて大気汚染の問題に取り組む基本的な考え方として、当然これを進めてまいりますと、ある企業がつぶれるかもしれない、ある地域というのは繁栄から停滞にいくかもしれない、いろんな問題があったとしても、とにかくきれいな空気をつくるということは何ものにもかえがたい価値なんだという考え方で取り組まれますか、という質問です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/150
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151・小山長規
○国務大臣(小山長規君) いま申し上げたのは具体的に申し上げましたが、その趣旨はそういうことであります。要するに、たとえば空気をきれいにするために、非常に費用のかかる防止施設をしなければならないかもしれませんが、私どもは、その地域の住民の健康をそこなわしてはいけないというきびしい基準を出して、それを守らせ、あるいはそれを守らせるための監視機構をつくる、と申しますことは、その結果としては企業が企業の採算に合わないということもあり得るかもしれない、こういうことを申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/151
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152・栗林卓司
○栗林卓司君 もっと率直にお答えになってけっこうです。
そこで実はお伺いしたいのですけれども、総合エネルギー調査会の低硫黄化対策部会の報告書、これは四十四年のしか手元にないので、その後あるいは変わっていたらお教えいただきたいと思うのですけれども、そこの中で「目標の達成にあたっての基本的な考え方」というふうに書いてあります。ポイントだけ読み上げてみますと、最大の問題は何かというと「そのための各種手段がそれぞれかなりの費用を要するということである」、したがって「手段の選択に当っては、国民経済的に見て最も費用の少ない組合せを選ぶべきである」。これが一つの良識であることは否定はいたしません。
ただ、これと、きれいな空気を早くつくるということと、どちらを優先させるかというと、これは選択として迷う問題であります。いまたまたま読み上げました総合エネルギー調査会のこの「目標の達成にあたっての基本的な考え方」について、とりわけ四日市判決というものも踏まえながら、どういう御見解か、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/152
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153・船後正道
○説明員(船後正道君) やはり人の健康を守るということは、これは絶対的な問題でございます。したがいまして環境行政といたしましては、これはもう最低の目標である、かように考えます。そのためには当然費用がかかるわけでございますが、この費用はPPPと申しますか、排出原因者が負担すべきものであると、かように考えます。ただ負担のしかたにつきましては、もちろん、どの手段をとるかによって経済効率性が違ってくると思います。
ただいま御指摘のエネルギー調査会でございますか、その当時の考え方というものと現在の考え方とには、かなりの時間がございますので、基本的な認識は私変わっておると思いますが、ただ、目的を達するための手段としての経済効率性という点につきましては、これはわれわれ今後といえども考えていかねばならない問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/153
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154・栗林卓司
○栗林卓司君 いまの質問は、長官がお答えにならなければいけない問題だと思います。
どちらにしても、どう選択していくかという話ですから。そこで、いまお答えになったように、四十四年にこの報告書が出たときに比べて状況が変わってきたし、考え方からすると、もちろん正常な、正常なというか、筋の通った費用で対策を打たなければいけないということは当然の前提としても、幾らかかってもきれいな空気をという、これは地域住民の希望も含めて大きく変わってきつつあるし、そのために幾ら時間をかけてもいいということではなくて、一日も早くそういったものを求めていきたいんだと。
そこで、先ほどの報告書から一つ例を引いて、この点もまた変わってきたのかということをお伺いしたいのですけれども、そこの中で一つ抜き読みいたしますと、火力発電所の原油なまだきという問題があります。
この原油なまだきについてどう書いてあるかというと、「原油生だきは、技術的には問題がなく、現状では電力企業の採算上も有利で、低硫黄化対策の有効な手段と言える」。ただし、この「問題」というのは、石油精製における問題点と石油化学費用における問題点があることはいまさら申し上げるまでもありません。とにかく一日も早くきれいな空気がほしいんだという観点からいうと、この四十四年の報告書でさえ、原油なまだきは技術的に問題なく、現状では電力企業の採算上も有利である。したがって電力料金にはね返らない。結果としてきれいな空気が出るんだと言っている。これについて、なるほど石油精製とか石油化学の問題はあるんだけれども、最初お伺いしたことに照らしていけば、これもまた可及的すみやかに取り入れていくべきだという結論になると思いますがいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/154
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155・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 私どもとしては当然そうあるべきだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/155
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156・栗林卓司
○栗林卓司君 当然そうあるべきなんですけれども、これは、それでは通産省の御担当の方にお伺いするべきかもしれませんが、原油を輸入して精製する過程の中で、都合がいいものだけを取り上げるというわけにいきませんし、その意味で石油精製の構成という問題もあれば、従来重油を使っていたものが原油なまだきということになれば、重油の需給構造が変わってくる。それやこれやということで、C重油の輸入予定量の範囲内でおさめていこう、そういう行政指導がなされていると思いますが、事実ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/156
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157・荒川英
○説明員(荒川英君) おっしゃるとおりでございまして、現在エネルギー調査会の答申の趣旨に沿いまして、原油なまだきにつきましてはC重油予定輸入量のワク内ということで、本年度千七百万キロリットル、その前は千二百万キロリットル、さらにその前は動きが非常に小さな数字でございますが、結局いまお話がございましたように、確かになまでたきますと、これは精製いたします場合にはS分が重油のほうへほとんど集まってまいりますので、それを半分でたけるというメリットが、おっしゃるとおりございます。しかしながら、やはり精製パターンについて、あまりなまだきをよけい認めていきますと、重油の過剰というような問題ということにつながってまいります。そういう配慮がございます。また、低硫黄のものをなまだきするということでないと意味がございません。低硫黄の原油自体が、やはり日本の場合、中東に依存しているということで有限でございますので、そういったことを考えながら、しかしできるだけ多くしていきたいという方向で検討いたしております。
特に、最近の四日市判決の問題も出たものでございますから、これから環境庁筋で環境基準を相当程度強化されるという方向であろうと存じますので、そういったことを想定しながら、なまだきもございますが、ほかのいろんな手段をフルに活用して、非常にきびしいものにも耐えられるような供給計画をつくるということで、現在低硫黄化部会というのがエネ調にございますけれども、そこを御審議をいただいておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/157
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158・栗林卓司
○栗林卓司君 これは通産省の別な御担当の方にお伺いしたいのですが、電力各社が従来計画として原油なまだきもしくはナフサだきということで要望しておりました量が、ある意味では四日市判決を契機にしてということでしょうし、ある意味では火力発電の立地難ということを背景にして、大幅に要望量がふえてきているし、その申請が現在出ていると思いますが、これは事実でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/158
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159・荒川英
○説明員(荒川英君) おっしゃるとおりでございまして、四日市判決以降、調査を進めておりますが、非常に大きなものを今後ナフサだき等をいたしたいという希望が出てきております。
ただし、これはなまだきの場合でもナフサだきでも同様でございますが、少なくとも四、五億円台の設備投資を防爆装置その他でいたすわけでございます。金額的にはたいしたことはございませんが、工事期間等の問題がございまして、来年度あたりでございますと、この辺、そんなに大きな数字にはなっておりません。現在に比べればもちろん何倍という数字でございますが、しかし、さらにもっと長期の、数年先ということになりますと、かなり大きな数字が出ているのは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/159
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160・栗林卓司
○栗林卓司君 そうすると、お伺いしたいのは、おっしゃるように、とめてしまうわけにはいかぬですから、ある時間とめて、入れかえてナフサだきもしくは原油なまだきにということができればいいですけれども、いまでさえ電力需給は目一ぱいですから、回しながら解決していかなければならない。したがって、一年半なり二年半の余裕をどうしてもとらざるを得ないという意味で、四十七年、四十八年が急増することはないと思いますけれども、先ほどお答えになったように、とにかく多くしていきたいんだ、とにかくきれいな空気にしていかなければいかぬという観点からすれば、いろいろ石油側に問題があったとしても、話を電力に限ってみれば、火力発電が要望する量はそのまま認めていきますという立場でお臨みになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/160
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161・荒川英
○説明員(荒川英君) 従来のナフサだき、なまだきの希望量が非常に大きなものであるということは事実でございますが、このなまだきの問題にいたしましてもナフサだきでございましても、いろいろやはり関連産業との調整問題がございます。
特にナフサだきにつきまして申し上げますと、やはり精製パターンを変更していく、そしてナフサをうんと取るようなパターンにしていくという考え方もございますから、これはやはりそういうパターンの変更に伴った需要が十分ついてくるかどうかというようなこともございます。それからナフサを原料としております石油化学工業、これに対する量的なあるいは価格的な問題の影響というものがございます。
私ども、いまエネルギー調査会の低硫黄化部会でお願いしております筋は、長期問題につきましては、環境基準の強化、それもかなり相当程度の強化ということになることを頭に置きまして、ナフサにつきましても、国内のナフサというだけでなくて輸入ナフサの導入という問題もございますが、これ自体も国際的に供給可能なものには限界がございます。したがいまして、これからの努力の中心というものは、やはり排煙脱硫であるとか、あるいは重油脱硫であるとか、あるいは長期でございますと、ガス化脱硫という、かなりS分を低くできる技術の開発が現在進行中でございますが、おそらく五十年以降実用化というような見通しでございますけれども、こういうような自分で操作可能なといいますか、技術または技術を体化した設備投資ということを中心に、環境基準の強化に対応するLS化対策を進めるということのほうが中心ではないかという感触は持っておりますが、現在専門家の方に、要するに、いま考えられるあらゆる手段を動員するということで審議をお願いしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/161
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162・栗林卓司
○栗林卓司君 いまのお答えは、こう申し上げては失礼ですけれども、四十四年のLS化部会の報告書の精神に沿ったお答えでして、それが、最初環境庁長官にもお伺いしたように、変わってきたんだ。おっしゃる問題がいろいろあることは私も知っているつもりであります。ただ、あらゆる技術手段を動員してということは、昭和五十年なり五十一年にいいものをつくるためにということじゃなくて、それはもちろんやっていただかなければ困りますけれども、きょう、昭和四十七年のいま、どうするのだ。これもやっぱりあらゆる技術力を動員して同時に解決しなければいかぬ。そういうように変わってきたんだ。したがって、排煙脱硫だってやってもらわなければいけないし、重質油分解だってやってもらわなきゃいけない。
ところが、それぞれ時間がかかるわけです。いまどうするのだ。そのいまどうするのだについて答えがないから、火力発電は至るところで立地ができない。じゃ、これでどうするのだという話にまた戻ってくる。じゃ、そのときに、おっしゃるように石油精製なり石油化学をほっといていいかといったら、ほっといていいということにはとてもなりません。合理的な価格を負担していくということも含めて、何らかの対策を講じていかなければならぬという時期だと思うのです。
そうすると、とにかくいろんなことは、たとえば電力各社については排煙脱硫をやってくれということも含めて当然要請はしながらも、今日の対策としては、とにかく言ってきたものは、輸入でもなんでもかまわないからお使いなさい、全部ナフサを使ったってかまわないじゃないか。なるほど石油の需給というのは詰まっておりますし、米国自体がさまがわりをしていますから、買えば高くつくのだ。これはわかります。ただ、そういう話と、きれいな空気というのは違った次元の価値を持つはずだ。だから最初にお伺いしたのです。
その意味で、いま即答はとてもできないと思いますけれども、環境庁長官にお伺いしたいのは、こういう問題について環境庁として、別になわ張りということではなくて、どう臨んでいかれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/162
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163・小山長規
○国務大臣(小山長規君) その辺が、いま通産省が申しましたように、いまの需要の問題、それから原料の問題、非常にむずかしい問題があることは承知しております。さればといって、環境基準を一体どうするのかという問題が一つあるのでありまして、いままでの私どものとっておるやり方は、防止計画を年次的にやるということでやっておるわけでございますね。その防止計画を年次的にやっているために、健康被害が生ずるという問題が一つ出てくるわけであります。その健康被害を今度は救済しなければならぬ。そういうことでありまして、本来ならばもう直ちに一切がっさいやめてしまうというのが一番いいのでありましょうけれども、それはやはり国民の生活その他を考えれば、そうそれを一挙に乱暴なことはできないということも、御理解いただけるだろうと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/163
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164・栗林卓司
○栗林卓司君 一挙に乱暴なことはできないと、御理解はとてもできないんです。なぜならば、四十四年の報告書でさえ、原油のなまだきは技術的に問題がない、価格的にも問題がないと、こう書いてあるのですから、そうむちゃなことはできないんじゃなくて、できるんです。
ただ、それはそのほかにいろいろ波及効果を持ってまいりますし、結果として物価問題になってくる。ですから、きれいな空気を持ちたいということは、ある意味では、物価との見合いでどう選択するかという問題なんです。そこまで話がこないと煮詰まってこないとは思いますけれども、ただ、そんなむちゃなことはできないということは絶対ないということは、ぜひ御理解いただきたいと思う。
そこで、基準というお話なんですけれども、環境庁としていろいろ基準をつくるのだと言いながら、実際に苦労している地方公共団体を含めて、基準をどうつくるかじゃなくて、どうやって具体的にきれいな空気にしていくのだ、こういう戦略戦術をとっていかなければいけない。そのときに、たとえば硫黄分ということに着目しますと、家庭用暖房燃料とか中小企業から出てくる煙とかいろいろなものがあるにしたって、主たる攻撃目標は火力発電所から出てくる煙です。量が圧倒的に違う。そうすると、たとえば環境基準ができたとしても、それを結果として多くの国民により大きな負担をかけないで解決するためには、電力各社のほうをもっと低い水準にしてくれという指導に当然環境庁はなるはずです。また、そういった目で行政指導をなさっていくはずだと思うのです。
そうすると、石油精製とか石油化学でいろいろな問題があるとしても、とにかくナフサだきとか原油なまだきという問題を逃げては通れない。一方、総合エネルギー調査会のほうは、そうは言ったってこれがあるという議論になりますけれども、そういう中で、環境庁長官として仕事をしていく分野というものは、私はあるのじゃないかという意味でお伺いしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/164
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165・小山長規
○国務大臣(小山長規君) ですから、その環境基準をつくるときには、当然それが達成されるという前提でなければならぬと、こういうことですね。
いま新しい発電所をつくろうというときに問題になりますのは、現在設けられておる環境基準ではなお不安である。そういうことから地域的な防止協定、そういうものを各地域でつくっておるわけでありまして、それには排煙脱硫の装置をつけろとかということもありますし、あるいは低硫黄の重油を使用しろということもありますし、そういうことは私どもも指導しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/165
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166・栗林卓司
○栗林卓司君 重ねてお伺いするようですけれども、かりにナフサだきにした場合に、排煙の中の硫黄分というのはどのくらい減ると御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/166
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167・荒川英
○説明員(荒川英君) ナフサにいたしますと、ほとんどもうゼロ%に近いものになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/167
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168・栗林卓司
○栗林卓司君 火力発電所をつくっても一切硫黄が出ないんだということになったら、どれくらい地域住民が安心するかわからない。不安感から、持ってくるというとあの騒ぎになる。しかし、いま騒いでいるんだけれども、将来とも、じゃ電気がなくていいのかというと、いいという人は一人もいない。そうなってくると、どうしても、ナフサをたけばちっとも出ないんですという指導をすべきではないんでしょうか。
といって、全部が全部ナフサをたいて、電力料金が動かないで済むとは私は言っていませんよ。ただそのときには、輸入関税も含めていろいろの措置をとっていかなければいけないし、いままではナフサというのは燃料であるよりも石化原料ですから、それとの見合いをどうしていくのだということと、片方は重油がボトムにたまっちまうんだ、一体これ、どうしてくれるかということだって出てくる。しかし、最初に申し上げたように、ナフサをたけばここから全然出てこない。この価値に対してどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/168
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169・荒川英
○説明員(荒川英君) おっしゃるとおり、ナフサのS分は非常に低うございますので、非常にメリットがあるわけです。
しかし、くどいようでございますが、当面すぐに入ってこないというのは、現段階ではやはり設備投資の関係で、金額的なものではなくて、工事期間ということで入ってきていないわけでございますが、その先になりますと、いまのメリットがございますので、これを電力会社等で大幅にたきたいということは、希望として相当出ておるということも事実でございますが、私どもとしましては、やはりこのナフサの場合、国内でのナフサ、あるいは輸入ナフサということも考えられるわけでございますが、国内のナフサの場合ですと、精製パターン問題ということになります。輸入ナフサになりますと、一体どのくらい限度として輸入可能であるかという、見通しの問題でございます。
この辺の検討を含めまして、もう一つは、やはり絶対量としてナフサの有限性というものが、輸入ナフサということを含めましてもございます。そういたしますと、相当きびしい環境基準ということを、将来想定いたしますと、やはり自分で操作可能と申しますか、自分で左右できる排・重脱関係の設備投資だとか、それからガス化脱硫、これもS分が、ゼロまでいきませんが、ほとんどゼロに近いようなものになっております。こういったものを、研究も早め設置も早めるということでいきませんと、ナフサだき、原油だきだけではおのずからやはり限界が出るという感じがいたしております。もちろん、そういう意味でそれをやらないというわけじゃございませんが、その辺の組み合わせというのは、いろんなコストのからみ等がございまして、やはり経済全体として見まして、相当合理的なものでなくちゃいかぬという感じがいたしております。
その辺、高度の専門的な問題を含んでおりますので、エネルギー調査会の低硫黄化部会というところで現在御検討いただいておるというのが実際でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/169
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170・栗林卓司
○栗林卓司君 問題の大きさからいって、いろいろ悩んで御検討のほどはよくわかるのです。ただ、いま私がここで申し上げたのは、最初から申し上げてきたように、長期対策をどうするかということを言っているのではないのです。たとえば、重質油分解ということが成功してまいりますと、ほとんど重油は出なくなってしまう。白い油だけの精製パターンに変わってくる。そうしたら、ナフサだろうと灯油だろうと、どうぞ御随意にという態勢が石油精製にできてくる。問題はそれまでの間をどうつなぐのか。できるまで国民の皆さんがまんしてくれというのか。あるいはその間はとにかくかき集めてでも買っちまって、ナフサでたく、あるいは原油なまだきをする。重質油分解がいつまでできるかというと、これは見通しでしょうけれども、昭和五十年代には確実に近い見通しだと思います。近々数年間どうするかという話だけなんです。
この数年間について、石油精製なり石油化に対する国としての諸措置も含めた緊急対策は、いまの、とにかくこの空気じゃしようがないといっておる国民感情からすると、いくら金がかかったって、とにかく短期対策としてやってくれ、長期はもちろんおっしゃるようにやっていただかなければ困る、それはいろんな選択があるでしょうし、全技術力を結集していただきたいと思うのですけれども、当面短期について、目をつぶって申請した部分は全部判こを押してやる。それだって二年かかるじゃないか。これにたとえば重質油分解ができるのだったら、その設備投資は決して死なないわけです。そういう緊急対策がいま打てないでしょうか、ということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/170
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171・荒川英
○説明員(荒川英君) いま検討いたしております。ナフサだき等の希望量でございますが、来年度四十八年度につきましては、先ほど申しましたように現在よりは数倍の量になっておりますが、かなり大きなものですが、これが出ておるわけです。これにつきましては、やはりその全部について認める方向で、低硫黄化部会のほうでの御検討をいただくということでわれわれとしては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/171
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172・栗林卓司
○栗林卓司君 ぜひその方向でお進めをいただきたいと思いますし、それも審議会の中でお互いにひたいを集めて相談するということではなくて、国民的な関心事でもあるわけですから、少し安心さしてもらいたいと思うのです。そういう、ほんとうの意味でいまほどPRが必要な時代はないと思うのですけれども、そういうコミュニケーションのほうも気を配りながら、ぜひ御検討いただきたいと思うのです。
あわせて、これは長官にお伺いすることになるのかもしれませんけれども、石炭の対策ということで、石炭を引き取らされて燃やしているわけです。これは石炭の現状を見るとそれ自体ではわかりますけれども、じゃ、その石炭という、ある意味では石油以上に脱硫がむずかしいものを、何でこの過密地帯で燃していなければいけないか。北海道みたいに産炭地がすぐ隣にあるという場合には、これはある意味で立地の理由があるかもしれません。たとえば、アメリカのテネシーバレーの発電所は八〇%石炭でたいている。ところが中南部に行きますと、ほとんど実はガスでやっている。それぞれ差があっていいのですけれども、この過密地帯の火力発電所で石炭をたかなければしようがないくらいの石炭をなぜ引き取らせるのか。この点は、長官はいかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/172
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173・大矢正
○委員長(大矢正君) 速記をちょっととめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/173
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174・大矢正
○委員長(大矢正君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/174
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175・青木慎三
○説明員(青木慎三君) 石炭の引き取り問題につきましては、石炭の産業が産炭地に及ぼす非常に大きな社会的問題にもなっていますので、ある程度の需要量を確保しなければならぬということで、需要量の確保をせざるを得ないという事情が一方にございます。
ただ、御指摘のとおり、都会地のまん中で石炭をたくさんたくということは、きわめてむずかしい状況になりつつありますので、現に都会地の火力発電所におきます石炭の消費量は、ここ数年激減しております。その、激減しているのはやむを得ないということでございますか、極力都会地ではたかないような方向で処理をしておりますが、公害を考慮してもたけるだけの需要量ということで引き取りを要請しているわけでございますので、全体の方向としましては、市街地における火力発電における石炭の使用量というのは漸次下がってきておりますし、今後も下がることと思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/175
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176・栗林卓司
○栗林卓司君 産炭地振興という意味ではよくわかるのですけれども、いまのお話で、だんだん下がっていくといっても、ほんとうにこのかいわいでたかなくなるのは、東京電力の場合、昭和五十年までならないといかぬわけですね。一体どうしてくれるんだという気持ちにもなりますよ、それは。
だから、それぞれ御事情はわかるのだけれども、基準をつくって済んだというわけじゃないし、結果がよくならなければだめなんだというのが四日市判決の真意でしょうから、意のあるところはそれぞれ御担当で受けとめていただきたいし、長官は、長官である前に政治家であるわけですから、当然閣内の影響力も含めて、一体どうしたらいいかということはやっぱり考えていただきたい。これが国民にとっていいことずくめの話になるとは思いません。必ず物価問題になってくるわけです。
そこで、時間がありませんからまた別の機会にしてやめますけれども、そういう諸対策をした場合に物価へどういう影響があるのか、経済に対してどういう衝撃があるのかということは、まあどこがやるかわかりませんけれども、やっぱり環境庁がやるべき仕事だと思います。これは向こうのエンバイロンメンタル・クォリティ・カウンシルが出した最近の報告書ですけれども、後半の相当部分を使って何を書いているかというと、物価・経済に対するインパクトが書いてある。やっぱりそこまでしないと選択できないです。きれいな空気になるけど高くなります、けっこうですと、そうやって初めて私は国民の合意ができてくるんだと思うのです。こういう御努力も、もうそろそろどころか、前からやっていなければいけなかったのですけれども、大いにやっていただきたいし、あっちも困る、こっちも困るという話じゃ、ますますいらいらするばかりですから、大いに御努力をお願いしたいと思います。時間がないので次に移ります。はしょって問題点だけお伺いします。
これは通産省のほうに確認の意味でお伺いしたいのですが、五十年のマスキー・レベルの規制も含めて、この間、中央公害審議会の答申、中間報告も出まして、あの規制値というのは、測定モードは違いますが、実質的には引き入れるんだというふうに理解していいと思います。で、どういう方法があるのか、現在は、アメリカも含めて各社それぞれ苦しみ抜いているところだと思いますが、刻々として一九七五年、こちらで言えば五十年が近づいてくるというと、もう決断せざるを得ない。
そこで、いま非常に可能性が強いのは、白金を主体とした触媒だと、そう考えてよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/176
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177・山形栄治
○説明員(山形栄治君) 御説のとおり、触媒につきましては、白金、マンガン、クロームその他銅等各種の金属が現在研究されております。先生のいま御指摘のとおり、その中では白金が現時点では最も重視されているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/177
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178・栗林卓司
○栗林卓司君 そこで、白金が当面主力になっていくのだということになりますと、白金を至急買ってこなければいかぬ。いま、主たる白金の生産圏はどこかというとソ連と南ローデシア。両方とも、政治的にはたいへんむずかしい問題をかかえた国が主たる生産地である。そこに触媒の全量を依存しなければいかぬし、同じこととしてアメリカも殺到してくる。そうすると、これは日本の外交関係、経済関係にも影響をしてくるし、その資源対策をどうしたらいいのか、その御検討を実は始めていただきたくて質問しているのですが、これからの取り組みについてお伺いしたいし、またお願いとしては至急手をつけていただきたい。
というのは、現在、年間の生産量というのは百二十トンそこそこです。全世界の自動車が白金触媒を使うと、目見で言って五十トンぐらいよけいに必要になってくる。とすると、資源で五割ましというのはたいへんな暴騰を招くでしょうし、従来の銅にしても何にしても、国際的なシンジケートをとる危険性が多分にある。一体どうやって入っていったらいいんだということは、もう政府として相当真剣に考えなければいかぬのじゃないかということも含めて、取り組みをお伺いして質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/178
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179・山形栄治
○説明員(山形栄治君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、非常に偏在しておる希少物資でございます。なかなか、その相手国の政治的な事情もございましてむずかしい問題があろうかと思いますが、現在、もちろん白金の地金につきましては完全な輸入自由化でございまして、関税もゼロということで運用いたしております。問題は今後、開発輸入、相手国との関係の調整等が非常に大きな問題だと思いますが、これは御指摘のとおり各種の方法を講じまして進めていきたいと思います。
もう一つは、先ほどもちょっと申し上げましたように、現時点におきましては白金が最有力な触媒でございますが、マンガン、クロームその他、パラジウム等の貴金属等も含めてアメリカ及び日本国内でも検討されておりますので、白金だけに頼らなくてもいいような態勢、また白金を使いましてもそれが四散しないような、回収できるような、長持ちするような一つの使用方法の研究その他も合わせて進めていきたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/179
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180・栗林卓司
○栗林卓司君 質問を終わるつもりだったのですが、いろいろ金属の名前をおあげになったので、ついでのことで注意を喚起しておきたいのですが、触媒になりますと重金属の微粒子がいやでも飛散します。白金がどういう影響があるかということは、アメリカでどこまで調べておるかわかりませんが、先日のロスアンゼルス・タイムズの記事によりますと、白金はわからないが、ニッケルとかいまおっしゃったものは肺の深部に相当たまるらしい、ということも含めて、まあ白金は入れ歯に使いますからだいじょうぶだという常識は通らないので、あっちこっち、ある程度選択自体が非常にむずかしいのです。しかも、それぞれが希少な金属なんだということで、先手を打った対策をぜひお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/180
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181・山形栄治
○説明員(山形栄治君) いまお話しのとおり、重金属類の健康に対する影響につきましては非常に大きな問題だと思います。現在、白金につきましてどういう影響があるかということは、世界的にもまだ不明確な段階でございますけれども、当然影響があるのではなかろうかと私は思います。環境庁を中心に関係省庁と協力いたしまして、この研究及びその実体をまずつかむことを進めていきたいと、こう思います。また、先ほどもちょっと触れましたように、触媒の摩耗でこれは外に出るわけでございますので、いまの微粒子でやっておる形から、ハニーカムといいますか、ハチの巣状のような、四散しないような形態にこれを切りかえるとか、こういう使用上の研究もあわせて進めていくべきであると、ごう思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/106914205X00219720922/181
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182・大矢正
○委員長(大矢正君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後五時二十分散会
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