1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十九年三月二十七日(水曜日)
午後一時十三分開議
出席委員
委員長 勝澤 芳雄君
理事 小此木彦三郎君 理事 中村 弘海君
理事 野中 英二君 理事 井上 泉君
理事 野坂 浩賢君 理事 平田 藤吉君
奥田 敬和君 加藤 六月君
片岡 清一君 唐沢俊二郎君
左藤 恵君 佐藤 守良君
野田 毅君 太田 一夫君
久保 三郎君 沖本 泰幸君
渡辺 武三君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 徳永 正利君
国 務 大 臣
(総理府総務長
官) 小坂徳三郎君
出席政府委員
内閣総理大臣官
房交通安全対策
室長 秋山 進君
警察庁交通局長 渡部 正郎君
防衛庁参事官 大西誠一郎君
運輸大臣官房長 内村 信行君
運輸省自動車局
長 中村 大造君
運輸省航空局長 寺井 久美君
運輸省航空局技
術部長 中曽 敬君
建設省都市局参
事官 國塚 武平君
委員外の出席者
大蔵省銀行局保
険部長 安井 誠君
運輸省自動車局
業務部長 真島 健君
運輸省航空局技
術部検査課長 川井 力君
建設省道路局企
画課長 浅井新一郎君
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三月十九日
航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する
法律案(内閣提出第八二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する
法律案(内閣提出第八二号)
交通安全対策に関する件
派遣委員からの報告聴取
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/0
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001・勝澤芳雄
○勝澤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出の航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/1
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002・勝澤芳雄
○勝澤委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。徳永運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/2
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003・徳永正利
○徳永国務大臣 ただいま議題となりました航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
御承知のとおり、近年航空機の強取、爆破等民間航空の安全を阻害する犯罪行為が頻発し、その内容も次第に凶悪化する傾向にあります。民間航空機に対するこれらの犯罪行為は、乗客、乗員等の生命及び財産の安全を阻害するばかりでなく、航空業務の健全な運営にきわめて深刻な影響を及ぼし、また、民間航空の安全に対する世界の諸国民の信頼をそこなうものであります。
このような見地から、国際民間航空機関を中心として、いわゆる東京条約、ヘーグ条約及びモントリオール条約の三条約が作成され、国際的な協力体制を確立することにより、この種事犯の再発防止がはかられてきているところでございます。
このうち、モントリオール条約は、航空機の破壊行為等を国際的な犯罪と定め、これらの犯罪行為につき重い刑罰を科し得るようにすることを主たる内容とするもので、昨年一月二十六日に発効し、本年三月四日現在で、米国、英国、ソ連、カナダ、ヨルダンなど四十九カ国が加入しております。
わが国におきましても、すでに東京条約及びヘーグ条約には加入しており、さらにモントリオール条約への加入につきましても、今国会において御承認をお願いしているところでありますが、これとともに、同条約の実施に必要な国内法の整備を行なうため、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、飛行場の設備の損壊その他の方法で航空の危険を生じさせた者を二年以上の有期懲役に処することといたしております。
第二に、航行中の航空機を墜落させ、または破壊した者等を無期または三年以上の懲役に処することといたしております。
第三に、出発前の準備及び着陸後の整備を含む業務中の航空機を破壊した者等を一年以上十年以下の懲役に処することといたしております。
第四に、第一から第三までの行為の未遂について処罰規定を設けることといたしております。
第五に、第一から第四までの国外犯について処罰規定を設けることといたしております。
以上のほか、過失犯について処罰規定を設けるとともに、現在これらの行為の一部について処罰規定を置いている航空法の関連規定との調整を行なう等所要の規定の整備をはかることといたしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/3
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004・勝澤芳雄
○勝澤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/4
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005・勝澤芳雄
○勝澤委員長 次に、交通安全対策に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺武三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/5
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006・渡辺武三
○渡辺(武)委員 大臣の御都合があるようでございますから、特に運輸省に関する問題点を先に御質問したいと思います。
代々の運輸大臣に私御要望申し上げてまいったわけですが、いまの日本の経済体制の中で物資の輸送量、貨物の輸送あるいは人員の輸送等々考えてみまして、その輸送手段のうち一番多くのものを運んでおるのが自動車ということに統計上一応出てまいっております。そういたしますと、要は、それらを総括的につかさどっております運輸省の組織なり機構なりというものが、そのような経済体制にマッチしておるであろうかどうであろうか見ていきますと、いろいろ疑問点が出てまいります。
〔委員長退席、井上(泉)委員長代理着席〕
特に局長人事だけを見てみましても、人の多い少ないでそれが対応するかどうかは別問題といたしまして、まあ海運省のような形になってしまっておるのじゃないだろうか。これは前運輸大臣にも申し上げましたが、率直にお認めになりまして、今後そのような方向で組織の改編を考えていきたいのだ、橋本運輸大臣もそのようにおっしゃったと思いますが、その後私見ておるのですけれども、組織の改編等々が一向に行なわれていないようです。現大臣、どのようにお考えになっておるのか、まずお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/6
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007・徳永正利
○徳永国務大臣 お話のように、局長の頭数で言うわけではございませんけれども、確かに、船員局でございますとか船舶局、港湾局あるいは海運局、それに海上保安庁と四局一庁、大世帯を持っておるわけであります。それに比べまして、陸上部門は鉄道監督局と自動車局、二つでございます。しかしながら、そういう部門を持っておりますけれども、海上部門だけでございまして、主として建設局あるいは警察とか、その他の通産省等とも密接な連絡をとって、政府全体としてのバランスから見ますと、そう大きくくずれる、と言っては語弊がございますけれども、まあ任務の遂行に、十分連絡をとりつつ持っていけば、いまのところ十分御期待に沿えるんじゃないかと実は私は思うわけでございますが、しかしながら、そういうようなものをも含めて補うために、運輸省には、官房企画課に審議官を長とする審議室を持っているわけでございます。スタッフ十数名をかかえまして、いろいろなそういう物流の問題を中心とした総合的な調整でございますとか、あるいは整備でございますとか、連絡でございますとか、そういう面を担当しておるわけでございます。
〔井上(泉)委員長代理退席、委員長着席〕
したがいまして、御指摘の点は、確かにそういう面があると思いますけれども、私どもは、関係各省庁と連絡、調整をとりつつ、そういうような官房企画部門の審議室を中心に、できるだけのそごを来たさないような運営をはかってまいっておる次第でございます。御指摘の点は、確かに傾聴に値する御議論だと存じあげておりますけれども、いまさしあたってどうこうということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/7
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008・渡辺武三
○渡辺(武)委員 考えてもらわなければ困るわけでありまして、通産省その他等いろいろ関連する問題はあろうかと思いますが、いわば物資の輸送という面だけから見ても、それに対応する体制がほんとうにとられているだろうか、さらに、交通安全上の問題からいく安全基準の設定その他整備的な問題、これは通産省じゃありませんから、運輸省ですから、やはりその辺の分離、いま自動車局長一人だけですから、その体制はほんとうにいいであろうかという疑問が当然出てくるわけですよ、実際の輸送量から考えて。そういう実態を見るならば、当然やはり組織面にもそれらが及んで考えられていかなければいかぬ、こう思うわけです。それは各省庁協調したってできない問題で、運輸省独自の担当部門の中でもそういうことがあろうかと私は思うのです。したがって、その実態がお認めになれるならば、当然組織もそのような方向でやはり考えられるべきではないか、こう考えるわけですが、重ねてひとつ御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/8
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009・徳永正利
○徳永国務大臣 お答え申し上げます。
確かに御指摘の点は、仕事はますます複雑になってまいっておりますし、自動車部門だけを取り上げてみましても、いろいろ整備、点検その他の問題が過重になっていることは確かでございます。でございますから、局をふやすとかそういうようなこととは別に、そういう問題に対しては正面から正直に取り組んでまいらなければ、今後の物流問題に対する答えが出てこないと思います。そういう点につきましては、今後、いままでもやってきているつもりでございますが、さらに真剣に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/9
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010・渡辺武三
○渡辺(武)委員 それでは次に移りますが、運輸省は、運輸技術審議会の答申に基づいて事故の実態調査をおやりになった。これはあとで大臣に一問だけお聞きしたいと思うのですが、その実態調査の目的並びに、金沢市でおやりになったようですが、金沢を選んだ理由、これについてまずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/10
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011・中村大造
○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。
先生御指摘の事故の解析調査でございますけれども、運輸省自動車局でこのような調査をいたします目的は、いわば事故につきまして、自動車の構造面といいますか、そういうものと、いわゆる被害というものとにどういうふうな関連があるか、こういうことを綿密に調査いたしまして、これを解析いたしまして、その結果を、私ども現在強化しつつあります保安基準というものに反映させたい、こういうことでやっておるわけでございます。
それで、自動車事故解析委員会というものを設置いたしまして、四十八年度、御指摘のように、石川県金沢市を中心にいたしまして調査を進め、現在、その報告書を作成している段階でございますけれども、特に石川県金沢市を調査対象として選びました理由は、その周辺がいわゆる事故を解析いたしますのに最も適した条件、たとえば金沢市といういわば相当大きな都市の規模を備えており、かつ、高速道路というようなものも周辺にあるというふうな、事故を解析いたしますのに必要ないろいろな条件、こういうものが比較的整備といいますか、そろっておる、こういうところの一つとして金沢市その周辺を選んで調査した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/11
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012・渡辺武三
○渡辺(武)委員 大臣、お聞きのように、事故の実態調査は私はたいへんけっこうだと思うのだけれども、実態調査をやりやすいところ、こういうものを主眼に金沢市が選ばれておる、こういうことですが、私は、その選び方についてはやや疑問があるわけです。調査がやりやすいから金沢市が選ばれたということではなくて、むしろ事故が激発しているような多発地区を選んで、そうしてやるべきじゃないか。調査が困難だから、あすこは事故が多いけれどもやめておけというような、そういう姿勢ではいけないのじゃないか。むしろ多発地区から順次、それはいかに困難な実態調査であろうとも、やっていかなければいけない、こういうふうに思うわけですが、この選び方についてひとつ大臣の御見解を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/12
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013・中村大造
○中村(大)政府委員 その前にちょっとお答え申し上げます。
私、御答弁が非常に舌足らずでございましたけれども、これは調査がしやすいということで選んだわけじゃございませんので、先生ただいま御指摘の御趣旨と合うのではないか。要するに、金沢市という大都市——まあ中都市でございますか、そういう都市機能を備えておって、しかも高速道路がある、したがいまして、いわゆる自動車事故の多発しやすいそういういろいろな条件が比較的そろっておる、こういうところの一つとして、その他調査いたしますについて、調査しやすいというよりも調査の効果の出やすい、あるいは結果が出しやすいという点はございますけれども、そればかりで選んだわけじゃございませんので、先生の御趣旨にむしろ合うような趣旨で金沢市周辺を選んだ、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/13
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014・徳永正利
○徳永国務大臣 局長の答弁お聞き及びのように、平均的な数をそういうところに求めたんだろうと思いますけれども、先生の御指摘のように、多発地区をつかまえて、そうしてそれを解明していく、そういうこともまた一つの大切なことだろうと思います。今後、こういう問題につきましては、十分そういう面をも含めて考えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/14
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015・渡辺武三
○渡辺(武)委員 運輸大臣、もうけっこうですから……。
運輸省に関する御質問はまだございますが、総理府総務長官がまた時間が制約されておりますから、ひとつ先に総理府総務長官に御質問したいと思います。
御承知のように、総理府の中に交通安全の対策室等が設けられておりますが、総理府総務長官は交通対策本部の本部長、こういうことにきめられておるわけですね。そこで、本来的には、その交通安全の総合性の確保ということが当然総理府ではかられてまいらなければなりません。これは代々の総務長官にも申し上げてまいったわけですが、いまもお聞き及びの、たとえば事故調査にいたしましても、事故の実態分析、解析にいたしましても、たとえば運輸省がおやりになるのは、そのフィードバックはいわば車両の安全基準に対してフィードバックをしていきたい、こうおっしゃっておるわけです。私は、交通事故の解析、分析は、もちろん車両の安全基準にフィードバックすることも大切なんですけれども、それだけではいけないわけでございまして、当然あらゆる分野にわたってのフィードバックが必要になってまいるわけでございます。そこで、各省がそれぞれの担当の範囲内で、せっかく総合的な交通事故の実態調査、事故の分析等をおやりになるならば、あらゆるところにフィードバックのできるような体制がとられていかなければならないわけです。いわば総理府においてそういう総合性というものを考えていかなければいけない。これは当然そういうことになるわけですが、ややもすると、総理府というのは各省庁の調整機能という大切な仕事があるにもかかわらず、現実にはあまりやられていないんじゃないか。口悪く申し上げれば、貸し席業をおつとめになっておるんではないか。各省庁のそういう関係者を呼び集めて、会議を開く会議場を提供なさっておる。それでもって総合性が確保されたりというような状態ではなかろうか。たいへん悪いことばですけれども、そういう気がするわけです。これは代々私がそういう御質問を申し上げてまいりますそのつど、いやそうではなくて実際にやっていくんだ、こうおっしゃってこられましたが、予算等を見てみましても、やはり貸し席業程度の予算しか実は総理府には計上されていないわけでございまして、ほんとうに調整機能を発揮するような予算ではないと私は思うのです。そういう意味では、新しくなられました総務長官、どのような御見解でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/15
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016・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
ただいまの御指摘のように、交通安全に対する対策そのものは、非常に高度の近代社会における問題だと考えております。そうした意味において、総理府がその調整をやるということは行政的に見ても私は当然の対応策ではないかと思いますが、やはり御指摘のような面から見て、また、実際に交通事故による死者あるいは負傷者の数が今日のような状態になったり、また一方からいいますと、交通公害というものが非常に市民の生活を脅かしているというような現状は、日々の新聞にも出ておるところでございます。こうした社会現象を見るにつけましても、やはりここでもう一段ほんとうに努力をしなければいかぬ、ただ行政上の調整機能だけを付与されておって、それで済まされる問題ではなくなったという強い認識を私は持っておるわけでございまして、今度総理府総務長官を拝命いたしましたのを機会に、このようなふだんから考えておることをできるだけ総理府の仕事の中に生かして、また同時に、関連各省との関係も、従来のような連絡というようなことだけに限らずに、もっと深いつき合いをしながら、問題はこの近代文明社会そのものに対する非常に重要な政治の役割りというものを基本的に認識しながら行動してまいろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/16
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017・渡辺武三
○渡辺(武)委員 御承知のように、交通事故そのものが発生する前の予防対策、あるいは衝突したときの対策、事故が起こってしまってからの対策、このようないろいろな多面にわたっておりまして、省庁を見るだけでも、運輸省だとか厚生省だとか警察庁だとか、いろいろな省庁が関係をいたしておるわけでございまして、私ども一つ一つの問題を見ていくときに、その総合性の確保というものがいかに大切であるか。信号一つとってみましても、実はほんとうは信号は警察庁の担当であって、道路は建設省の担当である、こういうふうになっておりまして、一番適正な信号の機能を果たす道路、公道との関係において、当然そこにも有機的な結びつけがなされてこなければいかぬ。しかし、実態はそうではないようでございまして、一体どこがそこを結びつけてやるんであろうか、こう考えれば、当然総理府の中でそういうものが消化をされていかなければいけないんではないか。たとえばシートベルトの取り付け義務が運輸省の安全基準の中に定められております。ところが、実際の着用取り締まりのほうにいきますと、これまたばらばらでございまして、ようやく高速道路だけはその着用の義務づけがなされておるのですけれども、まだまだ一般には普及をしておりませんし、そうであるとすれば、本来、せっかくつくる側に対して義務を果しても、着用側のほうにそれに対応したことが行なわれていかなければ、これまたばらばらになってしまうわけでございます。これは一事例なんですけれども。そういうようなたくさんの、いわば総合性の確保をはからなければならない問題点が従来言われながらも、そのままに推移をしてきておるんではないか。いまの交通事故の実態調査一つをとってみましても、そういうことが言い得る。そういう状態でございますので、ひとつ総理府総務長官は当然そういう面に最重点を置かれて、そしていまの激変をする社会体制に対応していっていただきたい。特に私は強く要望を申し上げておきたいと思います。
そこで、長年にわたってそういうことが言われてきたのですが、なかなかうまくいきませんから、実はアメリカや西ドイツ等では、交通問題に対する総合的な一つの独立した省庁が設けられて、そういうところで総合的におやりになっておるわけですが、これについては総務長官いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/17
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018・小坂徳三郎
○小坂国務大臣 日本では、そういう総合的な役所というものがなかなかうまくいかない一つの行政組織の縦割り制というのですか、それが非常に強いので、つくりましてもなかなか効力を発揮しない。たとえば、ただいまも御指摘いただきましたように、総理府にある交通安全対策室そのものもそういう調整機能を十分付与されて生まれたはずでございますが、実際問題として、いまおっしゃったように、ベルト着用一つも具体的には進まなかったというようなことでありまして、その点はもう少し別の考え方で進んだほうがいいんじゃないかというふうに思いまして、実は就任早々でございますが、総理中心の対策審議会ですか、それと一緒に、私が主宰しております対策本部、そうしたものの会合がほとんどずっと開かれておらないわけでありまして、先ほど来私は、渡辺委員の御質問に具体的にお答えするのは、やはり現在春闘等でごちゃごちゃしておりますものですから、これが済み次第、四月中旬に対策本部の会議を開いて、各省の関連者に来てもらい、また本日渡辺委員からも御指摘いただきましたり、また市民一般からもこの問題についてはいろいろと指摘されておるものですから、そうしたものはまとめて、これをどのように行政の中に生かしていくかという問題等について十分協議をし、そして成果のあがる体制を組んでみたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/18
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019・渡辺武三
○渡辺(武)委員 総理が会長をつとめられておりますのは、中央交通安全対策会議が正式名称ですから、総務長官よく覚えておいてください。そこの会長が総理大臣であって、あなたはその委員であるわけであります。名前も正式におわかりにならぬのは、全然開かれていないということであって、組織は名目的にできているけれども、全然機能してないということなんです。
だから私は、質問の調査に来られた方に、自然現象的に交通事故が減ったと言ったら、たいへん気分を悪くしておられましたけれども、そうとしか考えようがない。実際に、形式的に交通安全対策会議の本部ができておる、あるいは総理を会長とするいろいろな会議ができておる、ところが実際には何も機能してない、こういう状態でございますから、ひとつ十分にその辺をお考え願いたい、強く要望をいたしておきたいと思います。
それでは前に戻りまして、例の事故の解析でございますが、分析、解析を行なわれましたその内容についてお尋ねをしたいと思います。答申では、「分析を自動車工学、医学、心理学等の分野から十分に検討を加えて実施」せよ、こういうふうにいっておるわけですが、こういう各分野に対して行なわれたのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/19
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020・中村大造
○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。
御指摘の点は、解析委員会の委員並びに特別委員、このメンバーの中にそういうふうな専門の方を委嘱いたしまして、それぞれの専門分野について解析調査をしていただく、こういう仕組みにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/20
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021・渡辺武三
○渡辺(武)委員 まだ解析結果がまとまっていないようでございますから、深くは御質問するわけにいきませんが、いずれにいたしましても、私は、この間交通安全委員会から視察にまいりましたが、たとえば本田技研等へ行きましても、交通事故の解析等を行なっておりますが、あの統計の中で、いろいろ数字を聞かされましたけれども、私はやや疑問を持った点が非常に多いのです。
たとえば四輪車と二輪車の衝突事故の中で、ドライバーが前方を走っておる二輪車を確認できなかったというのがたいへん多いということで、あそこではオートバイの運転者に対して、着ている着物を、原色に近いようなものをいろいろくふうして、確認がよくできるようにしておくんだ、こういうお話でございました。私はそれ以前にさかのぼって、ほんとうに確認できなかっただろうか。私自身もドライバーですから、町を走るわけですけれども、ほんとうに前を走っているオートバイが確認できなかったというようなことはあまり私自身は感じていないのです。そうだとすれば、交通環境上の問題がそれに影響をしておるんではないだろうか。あるいは夜間であったのか昼間であったのか知りませんが、ライトの光線の関係で確認できなかったのか。いろいろもう少しこまかい分析をしていかないと、簡単に、ドライバーが前方を走っているオートバイを十分確認できなかったということだけであとの対策を引き出してまいりますと、私は的確な対策というものが確立できないのではないか、こういうふうに実は考えておるわけです。そういう面から見ると、運転車の心理状態の調査、分析が、たいへんに手抜かりがあるのではないだろうか。特に刑罰が課せられますから、この事故調査というのは正確に行なわれがたい。つまり、自己が主張することがあとで刑罰に不利な面に働いては困るから、なるべく事実と違ったような、いわば刑罰をなるべく軽くするような意味での陳述が多くなってしまう。実はこういう欠陥があるわけでございます。それはしかし、あとの事故対策にはたいへんな間違いを来たしてしまうものですから、その辺、私は相当注意をして調べなければならないのではないか、こう思うわけでございます。そういう面では、実際に実態調査をおやりになるときの状態として、十分に注意をしなければいかぬ。
もう一例を申し上げますと、これは交通事故ではなくて公害のほうに関係するかもしれませんが、たとえば数年前に、牛込柳町交差点で、自動車のおしりから出る鉛公害というものがたいへんに問題になって、新聞に騒がれたことがございます。私は、当時さっそくその交差点へ出かけていって見てきたのです。ところが私が見ている限りは、それは上下一車線の非常に狭い交差点なんですね。あんな交差点で、ほんとうにそういう言われておるような鉛公害が発生するだろうか。発生するとすれば、もっと東京の各所でそういう問題が起きなければいかぬという、私はしろうとなりにそういう率直な疑問を持った。ところが、当時まだ環境庁はありませんでしたから、厚生省の公害課長をお呼びしていろいろ聞きますと、いや、どうも新聞に発表してあることは間違いなんです、こうおっしゃるのだけれども、それでは何が正しいのですかというと、はっきりおっしゃらない。ところが、実際にはあれが起点になってガソリンの無鉛化という方向が進んでいった。確かに無鉛化の方向は、いまの触媒方法をとろうとすると、大切な問題になってくるわけですが、それを除きますと、これは逆現象が起こっておりまして、鉛をなくすることによってオクタン価が下がる。オクタン価を下げないために芳香族をまぜる。ために、オキシダントの発生要因がふえてまいって光化学スモッグにつながるという副次作用が出てきておるわけでございます。したがって、その起こった現象に対する的確な正確な調査、これがいかに必要かということにつながってまいるわけでございます。その後に起こっておるいろいろな問題、たとえば石神井中学の問題にいたしましても、私はたいへん疑問に思って、そして、あれは運輸省の公害研究所ですか、所長さんに来ていただいて、自動車の排気ガスというのは空中に拡散をされるとほんとうは濃縮する性質を持っているのですか、こういう御質問をしたわけですが、そういう性格は持っていない。だとすれば、あの石神井中学の四教室だけがやられたというのはどういう説明がつくのですかと、いろいろ御質問いたしましたが、どうもそれもはっきりしない。ところが、新聞にはそういうふうに元凶だというふうに書いてある。そうなりますと、一体対策としてどうしていったらいいかということがたいへんわからなくなってくるわけですね。したがって、その調査、解析、分析というのを誤ると、その対策が間違ってしまうおそれがある。
特に東京都あたりも夜の夜中に光化学スモッグの警報が何回も出されたことがある。私は当時、光化学スモッグというのは強い太陽光線が当たって初めて発生するはずなのに、やみ夜に光化学スモッグ警報というのはどういうわけかといろいろ疑問を持って聞いたのですが、どうもだれも私を納得せしめる回答が得られなかった。そのうちに、新聞を見ておりますと、あれはどうも測定器の誤りだったということが新聞に載っております。私は、測定器の誤りなんというのはおかしい、機械は間違ったなら間違ったとおりに出てくるのであって、測定技術が非常に拙劣であったというならばわかるわけですけれども、人間の誤りを機械に責任を転嫁してしまって、そういうことをおっしゃっている。したがって、そこから出てくる問題についての対策ということが必要なわけですから、そういう意味では、事故の解析、分析ということがいかに正しい方向が必要かということが私はうかがわれると思うのです。
そういう意味で、せっかく運輸省がそういうふうにおやりになる実態調査ですから、安全基準にフィードバックするということも大切でございますけれども、もっと各面にわたるそいうこと等との調整をおとりになって、そうして各面にフィードバックのできるような体制で総合的におやりになることが必要ではないであろうか。これは運輸省に要望するのは無理かもしれませんが、特にせっかく行なわれた実態調査、これから結果をいずれまたお聞きできるかと思いますけれども、そういうふうに考えておるわけでございますので、ひとつ今後行なわれる実態調査等々については、十分ひとつ御検討をいただきたいと思うわけですが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/21
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022・中村大造
○中村(大)政府委員 この調査は四十八年度から始めたわけでございまして、今回初めてでございます。私どもといたしましては、最善の方法をということでやったわけでございますけれども、先生御指摘のように、その場所の選定あるいは調査方法等につきまして再検討すべき点はあろうかと存じます。したがいまして、今回の解析調査の結果を現在取りまとめ中でございますけれども、それを取りまとめまして、その結果もよく研究いたしまして、四十九年度以降につきましては、さらに再検討を加えまして、万全を期してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/22
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023・渡辺武三
○渡辺(武)委員 時間がありませんから急ぎますが、そのほか運輸省ではいろいろな安全基準をお設けになっておるわけですが、その規制項目の効果の追跡調査は一体おやりになっておるのかどうか。これも実は答申の中には、「自動車安全基準の項目選定に際して、規制による効果を確実に把握することが肝要であり、この面の調査、解析を、組織的に、かつ、継続して実施し得る体制を確立すべきである。」こういうふうに述べておるわけですが、これにはどういうふうに対応なさっておるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/23
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024・中村大造
○中村(大)政府委員 効果の追跡調査につきましては、正直言いましてまだ不十分ということでございますので、先ほど申し上げました今後の解析調査の方法等とあわせまして十分検討してまいりたいというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/24
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025・渡辺武三
○渡辺(武)委員 それでは警察庁の方にお伺いをしたいと思います。
警察庁は、例の交通標識を担当なさっていらっしゃると思いますが、私、実際に町を自分で運転をしてみて、まだまだわからない交通標識がたくさんある。つい先日その辺に立てられました標識でもわからないのがある。それは何かといいますと、「日曜、休日を除く」と、こう標識の中に書いてあるのです。休日とは一体何ぞやということなんです。これは警察庁独自がお考えになったことばかどうか知りませんが、国家がきめた休日というのは——祭日はありますね。休日ということばを私なりに解釈しますと、私はきょうは会社が休みだから休日だ、おれは規制を免除されるかな、こういう感覚を持ったとしますと、これは一体どうなるのですか。より混乱を起こすと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/25
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026・渡部正郎
○渡部政府委員 御質問は補助板といわれているものについてだと思いますが、補助板に「休日」と書いてございます場合の休日というのは、国民の祝日に関する法律に規定されている祝日をいうということになっておりまして、祝日が日曜日と重なる場合のいわゆる振りかえ休日も含まれるという解釈でございますが、ただ、週休二日制をやっているところで土曜日が休みであるとか、あるいはデパートの休みの日とか、いわゆるウィークデー、これはここにいわれる休日には該当しないという解釈でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/26
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027・渡辺武三
○渡辺(武)委員 一般常識として、休日ということばが、祭日もしくは国家が定める何ですか、ちょっとよくわかりませんが、そういう理解は国民もドライバー自身もしていないと思うのですよ。私もよく知りません。休日というのは一体何なのかな。自分が仕事が休みの日は休日になるのかな。特に最近は、電力事情等によって日曜日が休みでなくて、企業ごとに休日がきめられます。こういうふうに、非常に混乱を生じてしまう、こう思うわけですが、もっと適当な、むしろ祭日のほうがいいのじゃないだろうか。祭日ならば、祭日が変更されたのが延長していくわけですから、しろうとにはより理解がしやすい。だから、そういう研究すべき事柄があるのではないだろうか。
それからもう一つの問題は、解除標識ですね。これもわからぬのがあるのです。局長が長くいらっしゃった愛知県の県警本部のすぐ隣りにも、私の理解に苦しむ解除標識が実はもう長年にわたって立っておる。これはいわば交差点がありまして、双方の道路は五十キロに規制をされておる。ところが、片方のあの城南病院の前には五十キロ解除の標識がもう数年にわたって立っておる。横断歩道のすぐ前でございます。私はあそこを通るたびに、この五十キロ解除というのはどういう意味を持つのかな、横断歩道から次の道路へ渡るほんの五メートルくらいの道を解除するのかな、こういうふうに、自分自身でもよくわからない。右折車、左折車もあるわけですが、交差している道路もこれを五十キロで規制をされておりまして、右折、左折をしていきますと、十メートルか二十メートルか行くと、またその規制標識が立っておる、その間は解除されておるのかどうなのか。一体どういうことなんでしょうか、あの標識の意味は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/27
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028・渡部正郎
○渡部政府委員 具体的な場所を例としてあげての御質問でございますが、解除の標識といいますのは、たとえばある路線につきまして、交差点の前後で最高速度の指定が変わるという場合には、交差点の手前に解除の標識を立てまして、交差点を越えた場所に規制の起点になる標識を立てるようにという指導をしているのでございますけれども、御質問の場所につきましてはさっそく調査いたしまして、適当なものであるかどうかを調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/28
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029・渡辺武三
○渡辺(武)委員 速度規制は変わらないのですよ、こちらの道路もこちらの道路も。同じ五十キロ制限になっておる。私この前、警察庁から総理府に来ていられる方にお聞きをしましたところ、道路エンドには国際法上そういう解除標識を立てることになっているのだ、こういうお話を実は聞いたわけです。道路エンドに立てろということは、そこで何号線は終わりですよという意味なんです。しかし、何号線が終わりという意味にスピード制限の解除標識を立てられてしまうと、そこから引き続いておる道路も規制をされておるのですから、ドライバーとしては、その道路が、百五十五号線がそこでエンドですよということは知らないわけですから、道路は同じなんですよ、何号線であろうと、交差しておろうと。だから、そういう意味から見ると、道路エンドによって交通標識を、スピード制限その他の規制を解除するというような方向は、これはたいへんドライバーにとって惑わされてしまうし、そんなことをわざわざそこで道路エンドですよということを知らせるために規制を解除する必要があるのかどうか、これは私は交通安全上非常に大切な問題だと思うのです。もしも国際法上でそうきまっておるならば、当然日本がそういう矛盾を出して申請をして変えてもらえばいいことであって、それが絶対不変のものではありませんから、疑問をお持ちになれば当然そういう措置がとられるべきではないだろうか、こういうふうに私は思うわけですが、その辺はおわかりになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/29
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030・渡部正郎
○渡部政府委員 御質問の趣旨よくわかりました。いまお話のありましたように処理するのが適当だと思います。そうでないところにつきましては、それぞれ調査いたしまして適当な措置をとりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/30
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031・渡辺武三
○渡辺(武)委員 それからもう一つお聞きしたいのは、信号の関係ですが、各交差点で右折車等をいわば青の矢じるしによって進行を促すところ、それから全然ついていないところ、こういろいろあるわけですね。あれは何か基準があるのでしょうか。私どもは実際に自分で運転をしていきまして、たいへん右折に困難なようなところでも何もついていないところがある。そうかと思うと、たいして必要でないというようなところにわざわざ青の指示標が出る場合がある、こういうことなんですが、東京の場合は特に非常に交通混雑が多いわけですから、ほんとうは交通信号を正確に守っていきますと右折車は一台ないし、二、三台でとまってしまう。さらに渋滞がひどくなる。こういう状況があるわけですね。そこで、ほんとうに青の矢じるしによって右折をさせるということであれば、それにはもっと適正な青表示の時間なりいろいろなことが考えられると思うのですが、その交差点には毎日、あの角に交番がありまして巡査は立っておるのですが、せっかく巡査が立っておるなら、かかしのように立っておったのじゃ何にもならぬわけですから、交通の状態をよく見てもらって、十分交通信号が機能を果たしているかどうか、そういう総点検を一回全国的にやらせる必要があるのじゃないか。漫然と交差点に立っておってもらっても、これは役に立たぬわけです。私は実際自分で運転をしてみて、そういう個所が非常に多いというふうに感じておるわけです。そういう点についてはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/31
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032・渡部正郎
○渡部政府委員 信号機の処理につきましては、御指摘になりましたことは私も非常によくわかるわけでございまして、初めからあまり適当でないやり方をしているというものももちろんあるわけでございますが、ことに一度立てました信号機、その後、まわりの交通の流れその他非常に変わってくるわけでございますし、それに対応しながらその操作も変えていかなければならないわけであります。私自身各地を見ましても、相当おかしいと思うのがございます。それで、昨年来、近くの交番の警察官ということもあるわけでございますけれども、やや問題が専門的でございますので、パトカーに乗っております自動車の、交通関係の専門の部隊がございますが、その中に、そういう信号機だけではございません、標識も含めてでございますけれども、いろいろな交通規制の手段、それがおかしくなっている、あるいは実情に合わなくなっている、こういうくふうが必要であるというようなこと、そういうことを点検して回る専門の役割りを持った者を各県それぞれに配置しまして、定期的に信号機のあるようなところは回って問題を拾い上げていくということをやるようにという指導をしております。なかなか御満足いかないと思いますが、先生が御指摘になりましたこと以外にも、相当考えなければならないことがあるのじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/32
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033・渡辺武三
○渡辺(武)委員 私は、交通信号などというものは、厳守を義務づけられておるわけですから、それが交通の流れに対応していないと、やはりまごまごしておると一台か二台しか右折できないから、えいというわけで赤信号で右折をしていくという車を非常に多く見かける。そういうことはどういうことかというと、結局は交通信号なり標識なりをあまり順守する気持ちがなくなっていくことに通じてくる。また、そうしなければ通れない、こういうような状況があるわけでありますから、私はたいへん影響を及ぼしておると思うのです。だから、そういう意味では、相当重要に考えていただいてやっていただかなければ、せっかくやろとしておる交通安全が、そういうところから運転者の心理に非常に大きな影響を与えてしまう。だからドライバーは、警察につかまると、ああ運が悪かったと、悪いという意識がなくなってしまうのですよ。
警察の取り締まりも、これは非常に実際は悪いですよ。何か早く犯罪を犯さないかなという、陰に隠れて、ああ違反をした、とたんに飛び出してきて、こら待て、こういうやり方ですから、それも私は一面、国民に対して順法精神がなくなっていってしまうような助長をしているのじゃないか。ほんとうに必要な交通混雑のときの指導という面が十分にやられておりませんし、実際に取り締まりをされるときには、そういう状況を十分お考えになるべきではないか。特にいなかに行きますと、昼間は非常に交通混雑するけれども、夜間はほとんど走っていない。ところが、その夜間に限ってつかまえる運動を盛大におやりになる。これは交通反則金を取るためには能率が上がるでしょうけれども、国民感情的から見ると、交通安全運動上よろしからざる状態になってしまう。だから、ああしまった、きょうは運が悪かったわい、こういうことでは、われわれが進めんとしておる交通安全にこれは逆現象でございまして、私は、十分にその辺も考えていただかなければならないことが多いんではないだろうか、こういうふうに思うわけですので、ひとつ取り締まり規制その他等、全般を含めまして、十分な再検討をしていただくことを強く要望しておきたいと思います。
建設省に駐車場の件についてお尋ねをしたいわけですが、これは駐車場法でいろいろきまっております駐車場設置義務、これがあるわけですが、これももう毎々御質問申し上げてきまして、いろいろ御答弁をいただいておるのです。ところが、実際にそういうふうにやられているのかどうか。建築基準法では、このごろはたとえばビルをつくるためには駐車場の設置を義務づけておる。ところが、あとはほったらかしだものだから、いつの間にかその駐車場がバーになったり印刷工場に化けてしまう。そういうことをこの前御指摘を申し上げたんです。したがって、そういう追跡調査を十分にこれからやっていきます、こういうことでございました。そういう面は一体どうなっておるのか。
あるいは路上駐車等が依然としてあとを断っておりませんけれども、これ自身も、実際は駐車場の整備というのがおくれておるんではないのか。駐車場の整備がおくれることによって、交通ふくそうの量を増してしまう。必要以外なところに走っていかなければならぬ。あるいは業務で近くへ行っても駐車場がなかった、だから駐車場までまた余分に走る、こういうことが起こってまいって、よけいに交通をふくそうさせておるわけですから、そういう面で私はもう少し厳格にやはりやる必要があるんではないか。
それに関連して車庫規制という問題があるわけですが、これは指定都市等が、二十万以上でしたかちょっと人口は忘れましたが、車庫規制がされております。ところが、軽自動車はこれが免除されておるんですね。軽自動車だけはたしか免除されております。これは八大都市の市長会からも陳情書が来ておるんですよ。軽自動車が免除されておるけれども、自動車と同じように路上に放置されてしまっておって困るのです、だから何とかしていただけませんかという陳情が参っております。八大都市の市長会からも来ております。だから、軽自動車だけを免除してあるという理由は、まあ若干形が小さいからよろしかろうということなのかどうか知りませんが、路上に放置されてしまうという原因をつくっていくのは同じだと思うので、この辺はやはりもう一回再検討する必要があるのではないか、こう思いますが、その二点についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/33
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034・國塚武平
○國塚政府委員 駐車場のお尋ねでございます。
第一点は、駐車場法に基づきます付置義務駐車場を設置すべき建築物につきまして、その励行がなされておるかというお尋ねでございますが、御承知のとおりに、駐車場法二十条及び第二十条の二の規定によりまして、商業地域等におきます建築物につきましては、駐車場の設置義務を条例で定めることができることになっておりまして、建築物が建築されますときに、その法に基づく条例によって駐車場が確実に設置されているかどうかという点につきましては、建築基準法に基づきます確認をいたしておるわけでございます。したがいまして、建築基準法の規定に基づきます確認がきちっと行なわれている限り、その違反があるということはないわけでございます。私どもは確認措置によって十分措置されておると考えておりますが、一部そのような事態があるということも承知いたしておりますので、これにつきましては今後とも厳重に監督したいと考えております。
なお、駐車場の整備の問題でございますが、先生御指摘のとおりに、駐車場の整備につきましては逐年整備が進んできておりますが、なお、まだまだ不十分でございますので、駐車規制を含みます交通規制の強化と相まちまして、路外駐車場の整備は特に必要なわけでございます。したがいまして、建設省におきましては、少なくとも都市計画上の観点から、整備をすべき都市計画駐車場について特に力を入れてまいるという考え方に立ちまして、昭和四十八年度から、道路整備特別会計から、道路の付属物として整備をいたします都市計画駐車場につきまして、無利子融資の措置を開始したわけでございます。融資率一五%、償還期間十五年という条件で無利子の資金融通をいたしまして、現行の五カ年計画におきましては、事業費約百億円をもって整備を推進していくというような考え方を持っておるわけでございます。
なおまた、地方公共団体に対します建築物の新築に伴う付置義務設置条例の制定でございますとか、あるいはこれらに対します融資の措置の強化という点もあわせて進めてまいりまして、今後とも駐車場の整備に努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/34
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035・秋山進
○秋山政府委員 主管の運輸省の方がおられないので、私のほうから、現在どういうふうに取り扱っているか御報告申し上げたいと思います。
軽自動車を車庫規制法の規制の対象に入れるかどうかという問題につきましては、車庫規制法全体のいろいろな改正問題の検討事項の一つとして、現在検討いたしております。いろいろそれを取り扱う行政の組織の体制、人員の問題、それらも兼ね合わせて現在検討しているところでございます。軽自動車は現在全体の自動車の約四分の一を占めておるわけでございますから、やはりたいへん重要な問題だと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/35
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036・渡辺武三
○渡辺(武)委員 道路関係はお見えになりますか。——時間がございませんから簡単に申し上げますが、御承知のようにいまの道路、特に建設省が従来とってきた道路というのは都市に偏重をしておるわけです。これは統計上見てもわかると思います。ところが実際には、都市はいわば公共的な輸送機関というものがたいへんに発達をしておる。地方の都市に行くに従って公共輸送機関というのは非常に減少いたしておりますから、どうしてもやはり自分の交通手段であるマイカーにたよらざるを得ないという状態なんです。それもデータの上で実はあらわれておるわけでございまして、大都市では自動車の世帯普及率は二五%だけれども、地方都市に行きますと五〇%以上五五%に及んでおるわけです。それに反比例をして、道路方面は中小都市に行くに従って非常に整備状況が悪い。こういうことになってまいりまして、つまり自動車に対する依存度というのは地方都市に行くほど高くなっておる。大都市に行くほど低くなっておる。にもかかわらず、道路行政はそれに相反した形になってしまっている。こういう現象であろうと思うのです。したがって、これからの道路の整備というものは、いわば地方を重点にした道路整備というものが行なわれていかなければならない。当然のごとく、つまり交通に関する費用の負担状況を見ていきますと、これは大都市よりも地方都市に住む国民のほうがたくさん費用を負担をしておる。そういうことにならざるを得ないんです、公共輸送機関がないから。にもかかわらず実際の足は、道路は悪い、これが現状であろうかと思いますが、この辺については、第七次道路五カ年計画の中で地方道についての整備がやられていくということですけれども、当然重点的にやっていただかなければならないし、もう一つは、主要幹線道路が依然としてやはり都市を通過しておるという道路がある。これらもやはり都市通過の幹線は当然バイパスを早く計画をしていかなければいかぬのじゃないか。そういう方向にやはり転換をするといいますか、いわば国民生活をよりよくするための転換、これが必要ではないか。都市機能を増すための、都市に集中をしたような道路網の整備ということよりも、むしろそういう方向に転換がはかられていかなければいけない、こう考えるわけですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/36
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037・浅井新一郎
○浅井説明員 お答えいたします。
交通需要の実態から、地方に比べて都市のほうに従来偏重して事業が行なわれていたのじゃないかというお尋ねでございますが、確かに従来そういった傾向があったわけでございますが、ここ二、三年の予算の推移を見ますと、大体三大都市圏等では逐次そのシェアが落ちてまいっております。地方に重点的に整備が指向されているという実態が出ておりまして、これは先生御指摘のような傾向に対応して、やはり地方の道路の整備が非常に重要だということから数字的にもはっきり出ているわけでございます。今後ともそういう方向で道路整備は進めてまいりたいということで、五カ年計画におきましても、地方の道路網の整備はかなり重点的な配慮を行なう予定にいたしております。
それから、バイパスの建設につきましても、御指摘のように、都市周辺の混雑解消ということから、非常に重要な事業でございますので、これも昭和六十年目標では、大体国道の半分ぐらいの延長のものはいわゆる二次改築を重ねて終わるような事業の予定をいたしておりますので、今後とも二次改築、特に大都市、地方の中都市のバイパス事業については十分配慮してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/37
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038・渡辺武三
○渡辺(武)委員 最後に、これは全部の人に御注文をつけておきますが、私は、きょう質問をしたことは、この二、三年来の中で何回も何回も実は繰り返して質問をしておることなんです。そのときはどういう答弁をしているかも全部私は調べて持っておりますが、今日に至るも依然としてその答弁の傾向は変わっておりません。本来、われわれ議員はよく知らないですから、専門的じゃありませんから、何も迎合してもらう必要はないのです。やれないことはやれないとはっきりおっしゃっておいていただかないと、あたかも善処いたしますなんというような都合のいいことばがございまして、おっしゃることはよくわかりましてたいへんけっこうでございます、善処いたします、可及的すみやかに処置をいたします、こういうことばが非常に多いわけですが、何年たっても同じことを繰り返しておるにすぎないわけでございます。そういう面では、相当各省庁とも答弁には十分に気をつけていただきたい。
ぼくは全部、もう三年前からとっておりますが、どなたが何月幾日に何をおっしゃったか全部記録しておるのです。三年後に同じ質問をいたしましても三年前と同じような答弁しか返ってこない、こういうことでございます。これはひっくり返せば、国会の論議だけ何とかのがれてしまえばいいのだという安易な気持ち、長年にわたる積年の病癖といいますか、そういうものが積もり積もっておるのではないだろうか。それでは私は、国会審議何ら意味をなさない、こういうふうに考えますので、今後十分に御注意をしていただくようにお願いをしておきます。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/38
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039・勝澤芳雄
○勝澤委員長 どうも御苦労さまでした。
次に、野坂浩賢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/39
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040・野坂浩賢
○野坂委員 総理府の秋山さんにまず質問します。
総理府の長官なりあるいは建設大臣、運輸大臣、それぞれ当委員会に御出席をいただいて、所信表明の演説をお聞きをいたしました。その中で、それぞれ担当省が御努力をされまして、今日交通事故は漸減の傾向にある、そういうお話でありましたが、それぞれセクト的にはそのとおりだと思うのですが、総理府はそれを総括をしていらっしゃるわけですから、どういうウエートで考えられ、今後、航空あるいはレールの上を走っておる汽車や飛行機は別として、路上が一番多いというのが今日の現況でありますから、これを激減をさせるという方向の対策を各省庁とどのように具体的に相談をし、メリットあるものの対策が打ち立てられておるのか、その点について明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/40
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041・秋山進
○秋山政府委員 交通事故は幸いにしてお話のとおり減ってはおりますが、なお死傷者八十万をこえているというような重大なことでございますので、今後ともこれが対策を推進していく所存でございますけれども、各省庁の御努力についてはそれぞれ——私どもといたしましては、交通安全の基本計画、これがまず集大成されたものとして、これを基礎にして各省庁が足並みをそろえて仕事をしていくということに私どもの仕事の基本を置きまして、さらにその間に間隙のないように私ども自体の仕事もしていくということで仕事を進めているわけでございますが、個々的には、昨年におきましては、ダンプ規制の問題、大型車の安全の問題、あるいは幼児の交通安全の問題あるいは自転車の安全利用の問題、こういうものにつきまして、各省それぞれ集中的に仕事をするように調整をしてまいったわけでございますが、必ずしもこれで十分とは私ども考えておりませんし、またさらに、新しい事態に対処して今後総合交通対策というものを検討していかなければならないということで、現在のところは、中央交通安全対策会議の専門委員をそれぞれ各省から選出してもらいまして、さらに学者の先生も出てもらいまして、現在までの交通事故の分析、さらにそれぞれの施策がどれだけの効果を発揮しているのかという分析を現在実施して、その成果を踏まえて新しい計画を推進したい、こういうふうに考えて作業をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/41
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042・野坂浩賢
○野坂委員 この際に資料要求をしておきます。交通総合対策の体系ですね、それをいま進められておるといいますが、そういう進められておる現状、それから交通事故に対する分析の成果、それについていま分析中であるということでありますから、今日に至る経過と分析の内容を委員会に書類で出してほしい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/42
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043・秋山進
○秋山政府委員 現在、各省にお願いしまして、過去十年間のいろいろな数字を提出してもらいまして、これを集大成するという作業を継続中でございまして、まだ提出できるだけの資料が整っておりませんので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/43
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044・野坂浩賢
○野坂委員 いつできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/44
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045・秋山進
○秋山政府委員 できれば四月一ぱいにはある程度の目標は出したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/45
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046・野坂浩賢
○野坂委員 そのときだけで、いま渡辺さんも言ったように、とりあえず答弁が終わればよろしいということじゃなしに、そういうものを具体的に提示をできるように、そして責任を持って答弁をしていただかなければ困るのですが、大体わかりました。
それで、まず質問の順序として、運輸省の真島さん、交通事故はだんだん減る、減らさなきゃならぬということには間違いありませんが、これから自動車の数はどんどんふえてくる、こういう傾向が強まるだろうと思いますが、経済社会基本計画、これが出ておりますが、このとおりに運輸省としてはお考えになっておるのか、またこれが変更になっておるのか、ちょっと見解をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/46
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047・真島健
○真島説明員 お答えいたします。
ただいまの先生の御質問でございますが、自動車の今後の伸びの見通しといったようなこととこれは非常に関連が出てくる問題だと私どものほうでは考えております。御承知のような昨年来の油ショックその他の諸情勢がございまして、現在自動車の新規登録台数というのが相当前年同月に比べまして減っておるというような状況から、今後の自動車の普及度の伸びというものはある程度伸び悩みの状況になるんじゃないか。ただ、現在非常に激動しておる状況でございますので、もう少し今後の推移を見定めませんと、将来、たとえばもう五、六年後とかいうところを見通すには、ちょっといま的確な予想はできかねるのが本音でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/47
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048・野坂浩賢
○野坂委員 確かに激動時代であるから、おっしゃるとおりのマイカーの問題ですね。しかしその他は、この経済社会基本計画には、旅客にしても貨物にしても非常に伸びておる。特に貨物の問題にしぼって申し上げますと、全体の輸送量のうち、全体を一〇〇といたしますと、鉄道はわずかに三・一、海運は六・八、自動車というのは九〇・一と、昭和五十二年にはこうなる、こういうふうに書いてあります。だから、輸送トン数というのは八十五億トンに達する、トンキロはもちろんもっとふえますが。そういうふうに伸びてくるという状況にある、こういうふうに判断ができるわけです。
そこでお尋ねをしておきたいのは、こういう状況であるわけでありますから、また事故もふえる可能性が強い。大体自動車事故の場合、貨物と旅客の関係はどちらのほうが多いわけですか。——それでは時間がありませんから、またあとでけっこうですから、先に進みます。
それでは、交通事故をやっていらっしゃる年齢層を分析をしてみますと、五歳以下というのと、七十歳以上、それから六十五から六十九歳、こういうところが非常に多いというのが現況であります。それはやはり道路に一つの問題点があるだろう、こう思っております。この道路の中で、歩道があるかないかということが一つの判断の材料になると思うのですが、国道の場合は歩道延長は大体四〇%、県道の場合は一〇%というのが今日の現況であります。総理府としては、建設省のほうにどのようにお願いして、どこまでその歩道をふやそうと考えておるのか、ちょっとお尋ねをして、それから建設省に聞きますから、あなたのほうに先聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/48
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049・秋山進
○秋山政府委員 具体的数字につきましては、私ども建設省の第七次道路整備五カ年計画、これに基づいてこれを推進していただくこととしておりますが、そのほかに、特に市町村道等の狭い道につきましては、道路管理者によく指導していただいて、ガードレールあるいは路側帯というものをできるだけ設置していただくように御指導をお願いするようにお願いしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/49
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050・野坂浩賢
○野坂委員 よくわからぬですが、ガードレールというのは八%程度です。一〇%に満たないので、いろいろ話し合ってもらって善処してもらうということですけれども、何%を善処だとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/50
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051・秋山進
○秋山政府委員 まことに申しわけありませんが、具体的数字については私ども建設省に申し上げておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/51
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052・野坂浩賢
○野坂委員 申し上げていない。だからお役所仕事になるのではないでしょうか。できるだけやれ、お願いをします。受けるほうは、どの程度かよくわからぬし、自分の判断でやる。だから、全体でまとまって総合交通体系をやるということであれば、やはり詰めてもらって、一体となった交通安全対策というものが必要ではなかろうか、こう私は思います。そういう点については不十分である、こう言わざるを得ません。
それでは建設省にお願いをしたいのですが、どの程度までやられるか。今度新たに改良されるような場合は、ぜひ歩道をつけてもらいたいということが一つと、初めから計画をしないであとからつけますから、効率運用としては非常に悪い、こういうふうにわれわれもしばしば見受けるわけですが、それらについての見解……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/52
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053・浅井新一郎
○浅井説明員 お答えいたします。
歩道の整備につきましては、建設省では、いわゆる交通安全対策事業の中で既設の道路についてかなり重点的に歩道の整備をやっておりますが、これで申し上げますと、現在歩道設置必要の道路檐延長としましては、五万八千キロばかりの延長が必要である。これは交通の実態とか、歩行者の交通状況、そういうものを勘案しまして、大体五万七千キロ歩道の整備が必要だという目標を掲げております。
そのほか御指摘のような、これからつくる道路につきましても、歩道の設置は重要でございますので、人家の連檐しておるところ、あるいは都市周辺の歩行者の交通量の比較的多いようなところでは、新改築に際しましては、車道に必ず歩道を併設するというような形で整備を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/53
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054・野坂浩賢
○野坂委員 これから延びていくわけですが、道路をたくさんつけるような話がよけいありますが、田中さんの執念ですからやるでしょうが、五万八千キロというのは、比率にして、国、県道の場合にはざっと四〇%というふうに想定をしていいですか。その程度なければやはり交通安全対策にはなっていかない、こういうふうに考えていいのかどうか。というのは、基準がまだきまってないので、言うだけはお願いするとか、受けたほうも頼まれたからやるというようなことではなしに、国民の交通安全の立場に立ってやるならば、現在の都市政策、山村の道路、こういうものを判断をして、四〇%なければ交通安全対策というものが確立できたとはいえない、こう判断してよろしいかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/54
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055・浅井新一郎
○浅井説明員 ちょっと数字の説明が舌足らずでございましたが、五万七千キロの歩道設置必要延長と申しますのは、実は交通安全対策事業でこの交通安全事業をやる道路を指定しております。この延長が約九万キロございます。これは一応、一日の交通量が五百台とか、歩行者の数が百五十人とかいうようなことから、この指定道路九万キロのうち約五万七千キロを一応必要延長というふうに見ておるわけでございますが、この九万キロは、全体——国道と地方道を合わせての数字でございまして、御承知のように、国道、県道の総延長は全部で十五万キロばかりでございますので、その約六割ぐらいな数字になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/55
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056・野坂浩賢
○野坂委員 そういたしますと、現状としては非常に微々たるものだということになりますね。六〇%を当面目標にしておるが、現在の進行率は一七%であるということになってまいります。したがって、九万キロを具体的に進めるというためには、これからお話し合いをしていただくことになろうと思いますが、それらの対策ができた場合は、いつ完成かということを示してもらいたいと思っております。これはあとでけっこうです。
それで、時間がありませんけれども、国の施策で、いまの道路から見ますと、私たちはいなかのほうなんですが、このごろ子供たちは鉄かぶとをかぶって歩いております。自転車にも鉄かぶと。戦争中と同じかっこうをしておりますし、年寄りは全部、自動車が通りますととまって待っております。だから、道路は人間が歩くものか自動車が歩くものか、こういうことがよくわからなくなってまいりましたから、そういう点についての交通事故対策ということはもっとやっていかなければ安心して道路が歩けない。このためには私は何よりも歩道設置が必要だろうと思います。それを現在の一七%程度では、国民の交通安全対策なれりという姿にはなってこない。まず大型開発よりも地元のそういう生活環境のほうが中心だと盛んにいわれておるわけでありますから、特に、日の目を見ない交通安全対策等は、抜本的に大胆に、各省庁と連携して作業してもらいたいということを強くお願いをしておきます。
そこで、今度はドライバーの立場に立って考えてみても、非常に今日事故が出ておるし、国なりそういう政策が非常におくれておるために、事故も出ざるを得ないという状況にあります。当面、保険の問題についてお尋ねをしたいわけですが、去年、大蔵省の安井保険部長等に質問をいたしました際に、ずいぶんといろいろな御意見をちょうだいして、一応保険料を上げないで死亡の場合は一千万、傷害の場合は五十万が八十万、こういうふうになったと承知をしております。この一千万になりました経緯はよくわかりませんが、三百万から五百万になったときに、ざっと八〇%程度救えればというかっこうで審議会等も答申をし、四十七年度の場合には七七・二というのが九百万円ぐらいのところだったのですが、一千万ということになると大体八三%程度になる、しかし、よけいほどいいから一千万にしようというふうに踏み切られた。そういう点については敬意を表しておるわけですが、私は、この死亡の問題はあとにいたしまして、五百万が千万になったのだから、傷害も五十万が百万になるだろうと思っていたのです。ところがみみっちく削られた。削られたのは、八十万までを推定をすれば九一・五だ、ざっとここまでいけばほとんど救えるんじゃなかろうかということだと思うのですが、こういう状況を踏まえてきめられたのかということが一つと、いまの保険の収支状況。去年は自動車事故対策センターですか、あのときにも保険も再保険で相当金も余って出されたという経緯もありますから、これで収支は、いまの交通の事故も下降ぎみですし、これからも総理府なり建設省なりみんながそれのために一生懸命やるということですから、私は赤字は出ないと思いますが、推計をしてどの程度黒字が出ますか、ちょっと教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/56
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057・安井誠
○安井説明員 お答え申し上げます。
第一点の五十万、八十万、それから片一方の五百万、一千万につきましては、先生御指摘の数字のとおりでございまして、私どももこの委員会等の御審議を承りましてできるだけ金額を引き上げたいというふうに考えたわけでございますが、傷害の金額が全体の傷害による補償金額のうちの何割くらいカバーしたらいいのかというところの数字から見まして、死亡の一千万に比べますと傷害のほうは八十万程度かなあということにしたことは事実でございます。しかし同時に、先生御指摘の第二の点がからんでいるわけでございまして、昨年度八十万のところまで引き上げまして、昨年十月ごろの推定でございますが、四十八年の十二月から四十九年の十一月までの約一年間の自賠責保険収支の推計をしたわけでございますが、そのときに、いま申し上げました一千万円と八十万の限度引き上げ、同時にこの委員会でも御指摘がございました支払い基準を引き上げろということも含めまして検討いたしました結果、営業保険料を除きました純保険料ベースでございますと、先ほど申し上げました四十八年十二月からの一年間で九九・七%の収支見込みを立てたわけでございます。つまり、ちょうどぎりぎりのところが一千万、八十万でカバーできるというところで、かように判断したわけでございます。
今後の問題につきましては、先生の御指摘のように、最近自動車事故もこの石油事情等を反映してか下がっているようでございます。私どもも、この四十八年から四十九年にかけましての推計も、四十七年の警察事故統計をもとにいたしましてそれまでの事故の低下率を勘案してございますので、先々、一応見通しでございますが、当然また新しいデータ等に基づきまして見直してまいりたい。現在のところ推計いたしました最も新しいのは、いま申し上げました九九・七%の数字だということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/57
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058・野坂浩賢
○野坂委員 九九・七%の一般収支見込み、金額にすると大体どの程度黒になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/58
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059・安井誠
○安井説明員 非常にこまかいことを申し上げて恐縮でございますが、収入純保険料の見通しを一応四千百二十九億と置いたわけでざいます。それに対しまして、従来の支払い保険金に、先ほど申し上げました新しい一年間の損害率の見込み、それから支払い基準の引き上げということをいたしました結果、支払い保険金が四千三百六十九億となるわけでございます。四千三百六十九億でございますから、この差額が赤字になるわけでございますが、昨年四十八年十一月現在で約二千二十億黒字が出るだろう、こういう見通しを立てたものでありますから、これをこれに引き当ててまいりたいということを考えまして、この経過措置によるところの充当をした上で九九・七%という純保険料に対しますところの収支見込みが出るということでございます。しかも、この黒字も一年限りというわけにまいりませんので、将来三年にわたって償却をして保険料を上げずにカバーさせていきたい、こういうことを計算したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/59
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060・野坂浩賢
○野坂委員 お話はわかりました。時間も来ておるようですからやめなければなりませんが、せっかく全部、私としては九一・五まで見てもらった、あとの一〇%程度は任意保険その他でという考え方ではなしに、このごろは自動車の運転手等も生活ぎりぎりなんですから、自分だけの給料で生活するということもできない。一ぺん事故があれば一家自殺だという傾向が強いわけです。したがって、任意保険に入ったらいいじゃないかという議論もありましょうが、そうはなかなかいかない。これを全部八十万ということではなしに、最近事故が多いわけですから、あと八%程度救うということになれば全部終わるわけですね、百万円。百万円以上の場合は、一件ごとの平均損害額というのは百三十万です。一ぺん試算をしてみましても、そう驚くべき金額ではないということが言えると思います。この際に、死亡よりも傷害のほうがいいわけですから、できるだけ傷害で早くなおってもらったほうがいいわけですから、そのためには相当に治療費がかかる。最低、比率としても、もっとできるならば百五十万程度まで上げてもらいたいというのが、私は大体加入者の声だと思うのです。いまの計算からいたしますと、将来のことも考えて、純保険収支の場合は二百四十億程度赤になるけれども、前の分の繰り延べその他もあってというお話ですが、これについて対策センター等でもいろいろと指導するわけですから、ぜひ、百五十万ということができなければ百万にまででも早急に引き上げてもらいたい、それがやはりみんなの声じゃないか。収支計算だけではなしに、政府の施策もおくれておるわけですから、まずそういうことも踏まえて、この保険料といいますか保険金額、特に傷害の場合の保険金額を引き上げてもらうように努力をしてもらいたい、こう思うのですが、あなたの御見解を聞きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/60
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061・安井誠
○安井説明員 私どもも、この強制保険でカバーする範囲が多ければ多いほどいいというふうに考えておりますので、先生の御意見を承りまして十分努力してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/61
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062・野坂浩賢
○野坂委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/62
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063・勝澤芳雄
○勝澤委員長 次に、平田藤吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/63
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064・平田藤吉
○平田委員 航空の安全の問題について質問いたします。
三月三日のトルコ航空の事故は、犠牲者の数において史上最高だといわれております。年々事故が大型化しているけれども、これは航空機の大型化がもたらすマイナスの一面であるというふうに考えるわけです。日本においてもエアバスの名前で各社が大型機の導入を積極的に進めておりますけれども、安全上十二分な対策がとられているのか、私は非常に不安であります。
ところで、きのうのワシントンからの時事電は、トルコ航空の墜落事故は、航空機の荷物室ドアに欠陥があったというアメリカ運輸省の全米交通安全委員会の見解を伝えておりますけれども、これはDC10型機は欠陥機種であることを意味しているのではないかと思います。この点について運輸省にまずお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/64
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065・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
パリで事故を起こしましたトルコ航空機の事故原因の担当機関でございますフランス政府からは、正式な情報がまだ来ておりませんので、正確な原因というものはまだ不明でございますが、いま先生が御指摘のように、新聞情報あるいはアメリカからの情報によりますと、DC10型の貨物室ドアの機構に欠陥がある。したがいまして、アメリカの連邦航空局、われわれFAAと呼んでおりますが、FAAがそれの改善命令を出したというのは確かでございます。その点の機構については確かに欠陥があると、現在われわれも思っております。幸いにしてDC10型というのはまだ日本に入っておりません。他のエアバス747SRあるいはロッキード一〇一一、これとは機構が異なってございますので、先生の御指摘のように、DC10型には確かに問題があるということは言えるのではないかと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/65
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066・平田藤吉
○平田委員 いつでもそうなんですけれども、たくさんの犠牲者が出て初めて航空機の欠陥が公表される、こういうことはきわめて遺憾なことだというふうに思うのです。しかし、日本でもこのような経験は初めてではないわけです。モスクワ事故、このモスクワ事故について、一体何が原因だったのか。この原因はいま明らかになりつつありますけれども、当局の見解を聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/66
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067・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
モスクワ事故の原因調査にあたりましたソビエト政府の公式見解によりますと、パイロットの誤操作、すなわちグランドスポイラーを離陸時に操作したためということになっております。これはグランドスポイラーと申しまして、着陸のときにできるだけ着陸距離を短くするための装置でございまして、当然離陸時には普通さわらないものでございます。これを間違って操作したという単純な、ミスということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/67
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068・平田藤吉
○平田委員 いま操縦士の単純なミスだというように言われておりますけれども、このモスクワ事故を起こしたDC8型機は、問題がもともとあったわけですね。その問題というのはスポイラーの機構にあるわけですよ。これについてはモスクワ事故の以前からカナダの航空局が改善を勧告していたわけですね。しかし日航も運輸省も、アメリカのダグラス社や航空局が認めないということで、その改善を行なっていなかったわけです。ところが、モスクワ事故が起きて、スポイラーに欠陥があることが明らかになり、ダグラス社も改善を認めざるを得なくなってきているわけです。日航は同機種のスポイラーの回収をこの六月までに完了させようとしています。この事実は運輸省も知っているのではないかと思いますけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/68
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069・川井力
○川井説明員 お答えします。
先生御指摘のとおり、ダグラス機のグランドスポイラーの回収につきまして、アメリカの連邦航空局から改善命令が出ております。わが国も改善命令を出しました。これに基づきまして、日本航空も、先生御指摘のとおり、改造するようになっております。これの原因は、先ほど申し上げました単純ミスを防止するという意味じゃなしに、起こり得る原因をさらに除去しようとするもっと前向きな改善である、こういうふうに私たち解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/69
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070・平田藤吉
○平田委員 これは、スポイラーに原因があったということについては、欠陥があったということは事実上認められていることなんですね。つまりあなた方は前向きの姿勢で、実際に動かしてみてスポイラーを引いたら事故が起こった、だから、これを動かないようにしたほうがいいんだということで、改善命令を出しておるかもしれぬけれども、もともとこれは動かないものとされていたのですよ。だいじょうぶなものだとされていたのです。前向きな姿勢でも何でもないのですよ。事故が起こってから、改善命令が出されているというのが実態じゃないですか。そういう意味でスポイラーに欠陥があるということは認めるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/70
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071・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
事故の直接原因であるかどうかはっきりいたしませんけれども、いずれにしても改善命令が出るということは、ことばの表現は適切であるかどうかちょっとはっきりいたしませんけれども、欠陥があるからこそ改善命令が出たのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/71
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072・平田藤吉
○平田委員 ところで、モスクワ事故にしろまた今回のトルコ航空事故にしろ、大事故が発生してから初めてその機種に欠陥があることが公になる、このことは非常に重大な問題を含んでいるというふうに考えるわけです。それは、新しい機種の導入が十分な安全性の確認のないまま行なわれているのではないかという問題なんです。つまり、アメリカでちゃんとやっているからだいじょうぶなんですという立場から、そこのところを十分に検査しないで導入しているのではないか、ここのところに問題があるんではないかというふうに思うけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/72
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073・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
飛行機をつくる場合に、各国共通の耐空性基準というのがございます。この基準は、主として理論的にあるいは合理的な線とそれから経験に基づいてつくられたものでございます。この基準もいろいろな経験に基づきまして絶えず改定されております。飛行機を設計する場合にも、やはり論理的なものと経験と両方でつくり上げられております。常にベストを尽くしてつくられておるものでございますけれども、やはり人間のつくるものである以上、若干の欠陥というものが使い始めてから生ずることもあり得るものだと私は思っております。それの改善のためにいろいろな手段を講じておりますので、それが一がいに手を抜いたということには結びつかないのではないかと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/73
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074・平田藤吉
○平田委員 さっきも言いましたように、カナダで欠陥があるから改善すべきだという意見が、モスクワ事故の起こる以前にすでに出されているわけですね。そうしたらそれを直ちにやればいいのです。アメリカ側が改善すべきだという見解を出さないから日本側も出さない、こういう形になっているのです。ここのところが非常に重大な問題だというふうに思うのですよ。日本が新しい機種をアメリカから購入する場合、その機種の型式証明や耐空証明は日本側で責任を持ってなされているんだろうと思うけれども、ここの点はどうなのか。もし明確に安全性が確認されているならば、ある機種に特有の欠陥などは事前にチェックできてもいいはずだというふうに思うわけです。その点どうなっているかについてお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/74
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075・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
日本で使用いたします航空機、特に大型旅客機を購入いたします場合には、各型式の初号機につきまして耐空証明検査を行なう場合に、特に詳しく設計審査をやっております。設計審査の内容は、主として現在のところアメリカ製の航空機でありますが、アメリカ航空局、FAAのやりました型式証明検査ですが、それの資料を再チェックすることによって行なっております。必要があればさらに要求することも可能になっておりますが、現在までのところ追加要求の必要がございませんでした。さらに二号機以降は、その設計どおりの機体がつくられているということを、現地に航空機検査官を派遣いたしまして検査して、使うようにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/75
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076・平田藤吉
○平田委員 そういたしますと、日本における大型機の導入についても十分な安全の審査がなされているということだけれども、全日空の導入したトライスターや、それから日航のジャンボエアバスについても、安全上問題はないのかということについてお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/76
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077・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
日航の導入しましたジャンボSR、全日空の導入いたしましたロッキード一〇一一、これにつきましても、先ほど申し上げましたような手順で設計の審査、検査を実施いたしました。現在のところ安全上問題ないと確信いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/77
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078・平田藤吉
○平田委員 われわれの知っている範囲でも、このエアバスについては幾つかの問題があるわけですよ。
まず全日空のトライスターだが、これは三月の十日から就航していますけれども、運輸省は、運航開始前に検査をし、これに合格しなければ運航を許可できないわけだけれども、このトライスターはいまだに格納庫ができ上がっていない。予備部品が少ない。それから、沖繩での地上滞留時間が非常に短いという問題があるわけですね。これらの点についても、たとえば滞留時間の問題一つとってみましても、定員が百人以上も少ないDC8と比べてこれよりも短いのですね。こういう問題があると聞いていますけれども、航空機の整備の施設、つまり格納庫や予備部品、これが十分にそろっているのかなどということは、事前検査の対象になっているはずだけれども、格納庫ができ上がらないうちに運航を開始するというようなことがやられているわけです。これは整備上でも重大な問題ではないかというふうに思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/78
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079・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
ロッキード一〇一一の格納庫の件でございますけれども、通常格納庫を使用する必要作業と申しますのは、定時整備——通常Cチェックと呼んでおりますが、あるいは大きなトラブルがあった場合に格納庫を使用いたします。このC整備ですが、ロッキード一〇一一の場合は千時間、すなわち約三カ月に一回ぐらいの頻度でまいります。ロッキード一〇一一が日本に参りましてから、格納庫完成は六月中ごろでございますが、それまでの間C整備に入る予定がございませんので、特別に安全上支障がないと現在考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/79
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080・平田藤吉
○平田委員 部品が不足しているという問題、それから沖繩での滞留時間が短いという問題についてはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/80
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081・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
まず部品の問題でございますけれども、運航開始前の検査でわれわれ確認した範囲では、予定数量の約九九%入荷しておりました。
次に、沖繩の滞留時間の問題でございますけれども、ダイヤ上ロッキード一〇一一の滞留時間は五十分になっております。このうち安全に必要な整備作業が使う通常の時間は二十二、三分、あるいは修理のための非定例作業は通常倍とりますが、それをとりましてもまだ十分な時間がございますので、安全上は支障ないと判断しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/81
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082・平田藤吉
○平田委員 たとえば格納庫の問題にしても、あれがなければ整備できないのですよ。いま入り切らないものですから、頭だけ突っ込んで仕事をさせているようだけれども、格納庫が整わなければならないことになっているのでしょう。あなた方の基準からいったってそうなっているのですよ。ですから、格納庫がなくてもいいものなんだというのは理屈にならないですよ。
それから、滞留時間の問題にしても、事実上定員が百名も少ないところですから、いまのエアバスよりも長い時間準備をしてやっているのですよ。ぎりぎりダイヤを組んで、そして拙速な仕事をしているところに非常に危険な問題が存在するわけですよ。
それから日航の導入しているボーイング747SRについてですけれども、毎日乗っている乗員の方たちが、二階席の販売は緊急のときの脱出に不安がある、したがって認可を取り消してもらいたいというふうに言っております。こういうことが新聞などに出ておりますね。また、会社に対して公開で実験をしてもらいたい。つまり緊急時の脱出について運輸省に基準があるわけだけれども、747SRがその基準に実際に合っているのかどうか、この点についてお答え願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/82
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083・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
747SRの定員の件でございますが、客室の定員のきめ方といたしまして、脱出口の大きさと数、それから九十秒以内に胴体片側の脱出口を使いまして脱出できる人間、その二つから定員をきめております。その結果、五百名以内——以内と申し上げますのは、それぞれの客室の配置状況によって人数をきめるということになりますが、そういう形で五百名以内ということできめられております。
さらに二階席の件でございますけれども、二階席の非常脱出口というのは、あくまで下の、いわゆるメインデッキと申しますが、下のデッキへ降りましてそれから主たる脱出口から脱出するのが正規のルートでございます。右側のほうに小さなドアがございますが、これは乗員の脱出口でございまして、非常脱出口というのは胴体の両側になければならない。すなわち、片側に飛行機がひっくり返る、あるいは片側が火の海になっているとか、そういう場合を考えまして、胴体の両側になければならないとなっております。そういう見地から、二階席の上についておりますのは正規の乗客用非常脱出口ではございませんので、これは使えればさらに使えるという追加の窓口というふうに考えてけっこうだと思います。それで、私たちが聞いておりますのは、二階席からの脱出口が使いにくい、そういう意見を聞いたことがございますが、これにつきましては、通常の脱出口でございませんので、必要に応じて乗り組み員が訓練すれば十分であろう、こういうふうに判断しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/83
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084・平田藤吉
○平田委員 とにかく、乗せてもうけることしか考えてないのですよ。危険なことについて、あなただって決して安全だとは思ってないのですよ。不安を持っている。大体二階席からの脱出というのは、定められた時間からいって困難ですよ。そういう点を乗員の皆さんは心配しているのだと思うのです。
次に進みます、時間がありませんから。
エアバスの運航規程及び整備規程については運輸大臣が認可していますけれども、その整備規程に問題があるということについては、行政管理庁も指摘しているとおりです。たとえばボーイング747SRのエンジンの整備方式は——他の機種のエンジンの場合は何千時間というふうに時間をきめて整備間隔を定めているわけですね。ところが、いま申し上げた飛行機の整備方式はその時間をきめていないわけです。つまり、この整備方式は、一定の間隔で簡単な検査、たとえばボアスコープでながめる。何か、長い望遠鏡だそうですね。エンジンの中に突っ込んでながめるのだそうだけれども、こういうこと、という程度のもので、あとは故障が発生するまでオーバーホールもしないで使えるというやり方なんですね。これをオン・コンディション・メンテナンス方式というそうですけれども、この点については行政管理庁が「航空行政監察(第三次)結果に基づく勧告」というものの中でこういっているんですね。「運輸大臣の認可を受ける整備規程に規定すべき常時監視の方法(整備方式)が整備規程に定められていない。したがって、運輸省は、現行の整備規程の見直しを行ない、常時監視の方法(整備方式)が適切に定められて、常時監視が的確に行なわれることとなるよう、定期航空運送事業者等に対して指導する必要がある。」というふうにいっているわけですよ。この勧告について、運輸省は整備規程の改善をしたのかどうか、この点についてお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/84
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085・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
整備規程の改定についてでございますけれども、ただいま検討中で、今月中を目標に進めております。内容といたしましては、行政管理庁の勧告の線、この線をさらに広げまして、同じレベルのものを全部改定するようにただいま作業中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/85
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086・平田藤吉
○平田委員 こういうふうにエアバスの問題について幾つかの問題点を質問したわけですけれども、一体これで安全だと言えるのだろうかどうだろうか。結局、事前に安全性を確認し、今回のトルコ航空やモスクワ事故の惨事を事前に防ぐという姿勢が明らかではないというふうに考えるのです。これでは、アメリカで型式証明をした新機種の導入は、その安全性が、とかく万能なのだという立場に立っているとしか考えることができません。
そこで委員長にお願いしたいのですけれども、この委員会でひとつ現地調査をしていただきたいというふうに思うのです。その調査の目的は、全日空のトライスターの格納車ができているかどうか、予備部品が十分に確保されているのかどうか。また、日航のジャンボについては、二階席は安全なのかどうか。非常脱出装置はどうなっているのか。行政管理庁の勧告が整備方式の改善に取り入れられているのかどうか。そして最後の一点は、日航がモスクワ事故の原因対策として行なっているスポイラーの改修について調査をすることによって、この委員会でも確認していただく必要があるのじゃないかというふうに考えるわけです。
特に非常時の脱出について、乗客、乗員の脱出についてですけれども、これは検査、実験が一体やられたのかどうなのか、この実験が日本でやられているのかどうなのか、この点も含めて検討していただきたいと思うのですね。落としましたので、このいまの脱出実験が日本で実際にやられたのかどうかお聞かせいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/86
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087・川井力
○川井説明員 お答えいたします。
脱出実験は日本ではやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/87
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088・平田藤吉
○平田委員 いまのお話でもわかりますように、不安は——大体だいじょうぶなんだ、脱出の際二階の席を売っておいても大体だいじょうぶなんだと言っているけれども、実際には実験もしていない。そしてだいじょうぶなんだと言っている。何に基づいてだいじょうぶなんだと言っているかというと、アメリカを中心にする報告か何かでだいじょうぶなんだと言っているのだと思うのです。これじゃ実際に日本人の安全を守る仕事をやっているとはいえないと思うのですよ。そういう意味で委員長にひとつ現地調査をやっていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/88
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089・勝澤芳雄
○勝澤委員長 ただいまの平田君の提案につきましては、後刻理事会で協議することにいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/89
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090・勝澤芳雄
○勝澤委員長 この際、新幹線車両の整備状況、自動車の構造装置の安全対策及び安全運転教育実施状況等、陸上交通安全対策の実情調査のため、去る二十日、二十一日の両日、静岡県、愛知県及び三重県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を聴収いたします。中村弘海君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/90
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091・中村弘海
○中村(弘)委員 新幹線車両の整備状況、自動車の構造装置の安全対策、安全運転教育の実施状況等陸上交通安全対策の実情調査のため、議長の承認を得まして、去る三月二十日及び二十一日の二日間、静岡県、愛知県及び三重県に派遣されました派遣委員を代表いたしまして、その調査の概要を御報告申し上げます。
派遣委員は、委員長勝澤芳雄君、小此木彦三郎君、野中英二君、井上泉君、太田一夫君、紺野与次郎君、松本忠助君、渡辺武三君及び私中村弘海であります。このほか、斉藤滋与史君の現地参加を得ました。
最初に、新幹線の安全対策に関する調査について申し上げます。
新幹線は、開通以来十年を迎えようとしておりますが、幸いにしていまだに旅客の死亡事故ゼロが続いております。しかしながら、高速で大量の人員を輸送する新幹線におきまして、一たび事故が発生した場合には、その被害ははかり知れないものがあります。今回の調査は、このような観点から行なったものであります。
まず東京駅において、新幹線総合指令所を視察いたしました。新幹線は、時速二百十キロメートルという高速で運転されている上、旅客需要の増加に伴い、列車本数もきわめて多くなっております。そこで、輸送全体の統制を強力に遂行し、安全な輸送を確保するため、あらゆる指令を一堂に集めた総合指令所を設置し、指令員相互の連絡の円滑と、指令員の意志決定の迅速化をはかっております。特に、この総合指令所に設置されている到車集中制御装置、CTCは、東京−岡山間の全線の列車の運転状況の監視とポイントや信号機の遠隔制御をすることができるものであります。
次いで、浜松までの新幹線車中において、日本国有鉄道当局から、新幹線の線路保守状況について説明を聴取いたしました。新幹線開業以来二百九十六件のレール損傷が発生しておりますが、そのうちテルミット溶接部が特に多くなっており、現在その除去を計画的に推進中とのことであります。
なお新幹線乗車中に、運転席における運転状況についても、視察いたしました。
次いで、日本国有鉄道浜松工場におもむき、新幹線車両の整備状況について調査いたしました。当工場は、昭和三十七年新幹線車両修理工場に指定され、同四十五年新幹線総局の地方機関に組織がえになり、現在は主として新幹線車両の修繕及び改造を行なっているものであります。
当局の説明によりますと、新幹線車両の検修体系は、全般検査を行なってから四十八時間以内の仕業検査、三万キロ(三十日)で交番検査、三十万キロ(十二カ月以内)ごとに台車検査、九十万キロ(三十カ月)で再び全般検査ということになっており、全般検査の標準工程は、一編成十六両について十日間となっております。全般検査においては、非破壊検査コンピューターなどを導入し、綿密な検査を行なって安全性を確保しているとのことであります。
説明を聴取した後、全般検査の実施状況を視察いたしました。
次に自動車の構造装置の安全対策に関する調査について申し上げます。
道路交通事故を今後大幅に減少させていくためには、総合的かつ計画的な諸施策を強力に推進していく必要がありますが、その一環として、自動車の構造装置そのものの安全性を確保していくことが、きわめて重要であります。今回は、研究開発及び製作過程における自動車の安全対策について調査いたしました。
まず、愛知県豊田市のトヨタ自動車工業株式会社におもむきました。(資本金五百十二億円、従業員数約四万二千人、昭和四十八年中の生産台数約二百三十一万台)
最初に全般的な説明を聴取いたしました。これによると、当社は、「自動車を通して豊かな社会づくり」の方針のもとに努力しており、特に交通安全問題については、「車をつくることは安全をつくること」という姿勢のもとに全力をあげてきているとのことであります。車に対する安全対策としては、衝撃吸収バンパーESS(電子制御式横すべり防止装置)等、自主的安全対策装備の実施、ESV(実験安全車)の開発、トヨタ気体バックシステムの研究等の研究開発などを実施しております。
なお交通安全対策は、単に安全な車をつくることだけで解決されるものでないという考え方から、環境の対策及び人の対策についても各種の活動を実施しているとのことであります。
さらに排気ガス対策に関する技術開発についても説明を聴取いたしました。五十年規制については、技術的にはすでに完成し、商品としての信頼性の最終確認を急いでいるとのことであります。
説明の際、車の安全対策と交通安全行政の斉合性の確保、総合的交通安全対策の確立、組織的な交通事故調査とその解析及び自賠責保険制度の改正、排出ガス規制について、合理的、総合的見地に立った法規制、五十年規制の段階的実施、無鉛・加鉛ガソリンの供給体制の確立及び五十一年規制の延期並びに自動車関係諸税と道路財源についての配慮に関し、要望を受けました。
説明を聴取した後、技術部において研究開発の実施状況を、堤工場において車体組み立て作業、完成検査等の実施状況をそれぞれ視察いたしました。
次いで、三重県鈴鹿市の本田技研工業株式会社鈴鹿製作所におもむきました。(資本金百九十四億八千万円、従業員数約二万人、昭和四十八年中の販売台数、二輪車約百八十万台、四輪車三十七万台、鈴鹿製作所は、素材から完成品までの全工程を有する二輪車及び四輪車の大量生産工場)
最初に全般的な説明を聴取いたしました。これによると、当社は、「世界的視野に立ち」ということを社是に、「総智の結合」「考える権利——アイデアの尊重」を社風として、安全対策、公害対策、省資源エネルギー、そして国際協調という重要課題に取り組んでいるということであります。
安全と公害対策については、この二つのテーマは一つの車の中で完全に融合し、かつ、十分な効果を発揮すべきものという考え方を前提に、ESVの開発を進めているとのことであります。
なお、排出ガス対策については、エンジン一の燃焼過程そのものの改善によるCVCCエンジンシステムを開発しており、このエンジン搭載車を五十年規制の実施に先がけてすでに発売しているということであります。
説明を聴取した後、所内において車体組み立て作業、完成検査等の実施状況及び研究開発の実施状況を視察いたしました。また後刻、鈴鹿サーキット内においても各種のテストを視察しました。
なお、以上の両社とも、労務管理、地域社会との関係、工場公害の防止に特に意を用い、各種の施策を実施しているとのことであります。
最後に、安全運転教育の実施状況に関する調査について申し上げます。
本田技研工業株式会社においては、自動車メーカーの社会的責任として、安全運転の普及活動を推進する必要があるということから、昭和四十五年「ホンダ安全運転普及本部」を設置しておりますが、今回の調査は、この本部の活動について行ないました。
説明によると、同本部は、全国に一万名をこえる普及指導員を置いて、現在までに、全国の警察、電電、郵政など官公庁、その他各種企業の管理・指導員の育成及び三十万人をこえる人々に、安全運転教育活動を推進しているほか、機関紙の発行その他広報活動の実施等により、安全運転の普及活動を行なっているとのことであります。なお説明の際、普及指導員の行なう教育活動のため、河川敷等公有地の利用について配慮してほしいという要望を受けました。
説明を受けた後、鈴鹿サーキット内にある同本部の交通安全教育センターにおいて、白バイ訓練の実施状況等を視察いたしました。
なお、その後、三月二十五日、神奈川県横須賀市におもむき、日産自動車株式会社についても調査を行ないましたことをあわせ御報告いたしておきます。
以上で御報告を終わりますが、報告を終わるにあたり、今回の調査に協力していただいた関係者の方々に対し、心から感謝するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/91
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092・勝澤芳雄
○勝澤委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。
次回は、明二十八日木曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204199X00919740327/92
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