1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十九年四月二十四日(水曜日)
午前十時三十分開議
出席委員
委員長代理 理事 久野 忠治君
理事 小山 省二君 理事 笹山茂太郎君
理事 田中 榮一君 理事 大柴 滋夫君
理事 佐藤 観樹君 理事 津金 佑近君
小泉純一郎君 小島 徹三君
白浜 仁吉君 松野 頼三君
山本 幸一君 林 幸矩君
小沢 貞孝君
出席国務大臣
自 治 大 臣 町村 金五君
出席政府委員
自治省行政局選
挙部長 土屋 佳照君
委員外の出席者
議 員 佐藤 観樹君
—————————————
四月三日
公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
君外五名提出、衆法第一七号)
同月十六日
公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
第九〇号)
同月二十三日
小選挙区制反対に関する請願(岡本富夫君紹
介)(第六九八一号)
は本委員会に付託された。
—————————————
四月二十三日
衆議院議員の定数是正に関する陣情書(広島市
議会議長池永清真)(第五四四号)
選挙運動制限の緩和及び買収等悪質違反の罰則
強化等に関する陣情書(飯田市飯田上二五三四
明るく正しい選挙推進協議会長奥村与象)(第
五四五号)
は本委員会に参考送付された。
—————————————
本日の会議に付した案件
公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
第九〇号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
君外五名提出、衆法第一七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/0
-
001・久野忠治
○久野委員長代理 これより会議を開きます。
本日は、福永委員長が海外出張中でありますので、委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。
内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び佐藤観樹君外五名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/1
-
002・久野忠治
○久野委員長代理 順次趣旨の説明を求めます。町村自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/2
-
003・町村金五
○町村国務大臣 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
この改正法案は、身体に重度の障害がある選挙人について選挙権行使の手段を拡充するため、郵便による不在者投票制度を創設いたしますほか、最近における選挙の実施状況等にかんがみ、選挙公報の配布方法の特例を定めるとともに、選挙運動に従事する者等の実費弁償及び報酬の額の基準を改定しようとするものであります。
以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、身体に重度の障害がある一定の選挙人の投票につきましては、その者の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵送する方法により行なわせることができることといたしました。
第二に、選挙公報を選挙人の各世帯に配布することが困難と認められる特別の事情があるときは、その配布にかえて、市町村の選挙管理委員会は、都道府県の選挙管理委員会の承認を得て、新聞折り込みその他これに準ずる方法による配布をすることができることとし、この場合において、市町村の選挙管理委員会は、選挙人が選挙公報を容易に入手することができるような補完措置を講ずるようつとめなければならないものといたしました。
第三に、選挙運動に従事する者等の実費弁償及び報酬の額の基準を最近の実情に即するよう改めることといたしました。
第四に、郵便による不在者投票につきましては、選挙人が投票の記載等を行なう場所を投票所とみなして、投票関渉罪及びそのせん動罪の規定を適用することといたしました。
最後に、この改正のうち郵便による不在者投票制度の創設に関連するものにつきましては、制度の周知及び実施の準備のため公布の日から一年以内で政令で定める日から施行することといたしました。
以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/3
-
004・久野忠治
○久野委員長代理 次に、佐藤観樹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/4
-
005・佐藤観樹
○佐藤(観)議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案の提案の趣旨及び法案の概要を御説明申し上げます。
申すまでもなく、代議制民主主義の制度をとる国家で、国民がみずからの代表者を選ぶ権利は、侵すことのできない国民の最高の基本的権利であり、日本国憲法に規定する国民主権、国権の最高機関としての国会の構成の上からも最大限に尊重され保障されなければならないことは議論の余地のないところであります。
この立場から公職選挙法及びその運営にあたって、国民の選挙権が侵害されないよう十分な考慮が払われ、不在投票、繰り上げ投票など適切な措置がとられていることは周知のとおりであります。
しかるに、身体上の機能障害によりみずから投票所に出向くことのできない百数十万人に及ぶ在宅者に対しては、全く考慮が払われていないことはまことに遺憾であります。身体障害者の在宅投票制は、欧米先進国では当然のこととして行なわれ、また、わが国におきましてもかつて郵便による在宅投票が実施されていたのが、不正投票を生ずるおそれがあるとの理由によって廃止され、国民のこの最も重要な基本的権利が侵害されているのであります。
選挙権というような基本的な権利は、単なる投票の技術的な理由などによっては奪うことのできないものであることは明白であり、意識的に放置してきた政府はもちろん、国会としても怠慢のそしりを免れ得ないものがあると思うのであります。
そこで、これら在宅の身障者を選挙管理者が投票箱を持参して巡回し、これら選挙人の現在する場所において投票を行なうことができる制度を確立する必要があると考え、この法案を提出するものであります。
巡回投票の対象者は、身体障害者で、下肢または体幹の機能の障害が政令で定める程度以上であること。または長期的な疾病または老衰により歩行することが著しく困難であること。さらに、一時的な疾病、負傷、妊娠または出産のため、歩行することが困難である者としております。
これらの者が在宅投票をしようとする場合は政令に定めるところにより、当該自治体の選挙管理委員会に対し、身体障害者手帳、医師の証明などを提示して在宅投票規程に該当する旨を証明して、その請求を行なうこととしてあります。
巡回投票管理は、管理者、投票立ち会い人、補助員と最低三人を予定しておりますが、請求に基づく選挙人の現在する場所へ出向き、投票を行なわせることとしております。
なお、巡回投票者名簿の作成、証明書の交付は、巡回投票管理者及び巡回投票立ち会い人の選任、投票の方法など必要な事項につきましては政令で定めることといたしました。
また、この法案施行に必要な経費は、本年度約二十四億円程度と考えている次第であります。
以上、提案の趣旨と法案の概要を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同賜わりますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/5
-
006・久野忠治
○久野委員長代理 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204219X00419740424/6
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。