1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十八年十二月十四日(金曜日)
午後七時三十七分開議
出席委員
委員長 濱野 清吾君
理事 稻村左近四郎君 理事 左藤 恵君
理事 塩川正十郎君 理事 田中 六助君
理事 武藤 嘉文君 理事 板川 正吾君
理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君
天野 公義君 浦野 幸男君
越智 伊平君 越智 通雄君
小山 省二君 近藤 鉄雄君
塩崎 潤君 田中 榮一君
田中 覚君 八田 貞義君
松永 光君 宮崎 茂一君
保岡 興治君 岡田 哲児君
加藤 清政君 加藤 清二君
佐野 進君 山崎 始男君
渡辺 三郎君 木下 元二君
米原 昶君 近江巳記夫君
松尾 信人君 玉置 一徳君
宮田 早苗君
出席国務大臣
通商産業大臣 中曽根康弘君
出席政府委員
外務省中近東ア
フリカ局長 田中 秀穂君
外務省国際連合
局長 鈴木 文彦君
通商産業省産業
政策局長 小松勇五郎君
資源エネルギー
庁長官 山形 栄治君
資源エネルギー
庁公益事業部長 岩田 文武君
委員外の出席者
外務省アメリカ
局外務参事官 角谷 清君
商工委員会調査
室長 藤沼 六郎君
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本日の会議に付した案件
石油需給適正化法案(内閣提出第四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/0
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001・濱野清吾
○濱野委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、石油需給適正化法案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉置一徳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/1
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002・玉置一徳
○玉置委員 大臣がおいでになりませんので、その間、長官に御質問を申し上げたいと思います。
現在の中東諸国からわが国への原油の削減率は一体幾らで、それはここ一月から二、三ヵ月はどの程度の見込みをお立てになっておるのか。その次に、メジャー等からの輸入がございますが、輸入の実績はどの程度で、つまりどの程度というのは量じゃなしに削減率でけっこうですから、これもまた一月、二月、三月ぐらいをどのように推定されて今後の需給を計画されるのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/2
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003・山形栄治
○山形政府委員 原油の削減率でございますが、下期の削減率につきましては全体でほぼ一六%程度ということでわれわれは積算をしておったわけでございますが、その後、一月以降の見通し等を立てますに際しまして、最近のペルシャ湾の船繰りが非常に悪いわけでございます。かつ、一月以降五%の上のせという動きもございますので非常に見通しはむずかしいわけでございますが、削減率におきましてはほぼ一六%が若干上回る可能性が出ておるわけでございます。
なお、具体的に入着ベースでラウンドで申し上げますと、一月は二千七十万キロリットル程度ではないかと思うわけでございますが、二月、三月の見通しにつきましては非常にまだ推定がむずかしいわけでございますが、これがほぼ横ばいといたしますれば、一−三は六千万キロリットルになりますが、若干これを下回ることも考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/3
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004・玉置一徳
○玉置委員 下期通算の一六%ということは、最近一、二ヵ月の非常に悪くなってからは一体何%程度であって、そのことを見込んで一月、二月、三月の想定をすれば、大事をとれば、どの程度を見込んだらいいか、このことをひとつ的確に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/4
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005・山形栄治
○山形政府委員 この削減率というのは、なかなか計算がむずかしいわけでございます。と申しますのは、OAPECの削減率がそのまま日本にすぐ反映するわけではございませんで、御存じのとおり、間にメジャーズが関係しておるわけでございます。かつ、OAPECの日本に輸入します比率も、おのずから四〇%ぐらいということもございますので、その両者の要素を加味いたしまして、われわれは積み上げ方式で各メジャーのカットの通告等を前提にしまして、そのメジャーのまた日本輸入に対するウェートを加重計算いたしまして、詳細にいろいろと計算をいたしておるわけでございます。いま御指摘のとおり、十月、十一月はカット率がほとんどございませんで推移してきておりますけれでも、十二月以降カット率が高まってまいるわけでございまして、ほぼ二一、二%のカットで推移するのではないかと推定されるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/5
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006・玉置一徳
○玉置委員 まず二一、二%のカット、さらに悪くなる可能性すらある、こういうふうにつかんでいって、次に質問をしたいのですが、現在、備蓄は、ランニングストックを除きまして何日分あるか。今日の現在の需要の抑制程度、つまり一〇%抑制しようと思っていろんな指導をされておるわけですが、そういうやり方では、大体何日分ほどそのランニングストックを除いた備蓄はもつのか。それからなお、それを二〇%ほどの削減をすると何日分ほどもつか、説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/6
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007・山形栄治
○山形政府委員 九月末の備蓄は五十九日分であったわけでございますけれども、その後十一月末の備蓄の実績が出ておりまして、これが五十七日分でございます。今後、いま御指摘のとおり供給がだんだんカットされるわけでございますけれども、理論的には、この供給のカットに見合って需要もカットされれば数量は合うわけでございますけれども、経済界に対するショックの緩和等も前提にいたしまして、いまお話しのとおり十二月は一〇%のカットを行政指導で要請するというかっこうで推移しておるわけでございます。したがいまして、その需給のギャップは在庫の吐き出しで、食いつぶしでカバーしなければいかぬ、こう思うわけでございまして、われわれのほうの推定では、約五日分くらい十二月は在庫が食いつぶされるということになるのではないかと推定いたしておるわけでございます。一月以降これがどういう需要カットになるのか、供給カットがどういうふうに推移するのか、この辺は非常にむずかしい問題でございますが、ほぼ四日程度の備蓄の食いつぶしを行ないまして、これから需給をフィットさせる以外にないのじゃないかと思います。
御質問の、もし一〇%のカットで全部推移するとすればというので、若干資料が古い点もございますが、行政指導ベースの一〇%をずっと推移いたしますと、三月末で四十日程度の備蓄という計算が一応でき上がっておりますけれども、これはその後の情勢の推移もございますので、若干性格を変えておるわけでございます。
なお、ちなみに在庫の最低限度というのは三十九日分といわれておりますので、その近くになりますと経済及び社会が非常な混乱におちいるわけでございまして、その前に何らかの手を備蓄面でも打たなければいかぬと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/7
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008・玉置一徳
○玉置委員 三十九日分というのは五十九日分から引かなければいかぬわけでありますので、通常、五十九日分、五十七日分、十二月末が五十二日分としましても、三十九日分を引いた数を言わないと、五十九日分があるような錯覚を国民の皆さんはお持ちになるのじゃないか、私はこういう感じがいたします。
それと、今日までとりあえず法律もありませんでしたから、電力等の大口需要のカットを一〇%方要請されましたが、その実績はほぼどの程度と思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/8
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009・山形栄治
○山形政府委員 御指摘のとおり、十一月十六日の閣議決定をいたしました緊急対策におきまして、大企業部門が一〇%の、これはわりあいにきちっと実績をフォローするような強い行政指導をやりまして、中企業等についてはゆるやかな呼びかけをしたわけでございます。したがいまして、全体で一〇%のゆるい行政指導をやりましたときに、われわれの計算ですと、これがほぼ半分の効果であろうということを考えておるわけでございます。実績その他はまだ確認いたしておりませんが、いま御指摘の電力のほうにつきましては、その後のわれわれの事情聴取によりますと、一般的な節約効果よりもわりあいにはっきりと五%以上の効果が出ておりまして、特に三千キロワット以上の契約電力をしております大企業部門におきましては、わりあいに実施状況がよろしいというふうに聞いておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/9
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010・玉置一徳
○玉置委員 大口需要の一〇%カットの要請もしくはガソリンスタンド等の時間短縮等々によりまして、全般としては総需要の二、三%とか、どの程度の需要の抑制ができておると思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/10
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011・山形栄治
○山形政府委員 これはただいま申し上げましたように、われわれが期待いたしましたのは、一〇%の行政指導でございますと、一般消費者及び中小企業等にはPRをして呼びかけているだけでございますので、全体では五%程度ではないかと思います。
なお、一般家庭等にいろいろと呼びかけましたのが、もし全部完全に行なっていただくようなことが考えられますと、そこで大体三、四%という数字も積算上はあるわけでございますけれども、現時点におきましては、その効果はそれほど出てないのではないかと私は考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/11
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012・玉置一徳
○玉置委員 そういたしますと、九月分五十九日分、十一月分五十七日分、十二月分五十二日分ぐらいだ、それから三十九日分を引いた残りは十数日分が備蓄である、そうして現在まで要請されたぐあいでは、全般としては総需要量の五%程度の削減じゃないだろうかということになってまいりますと、お先がまっ暗とは言いませんけれども、非常に不確定な現状におきましては、いずれにしろこの法律が通りまして、そうして一月ごろからは本格的にかなり思い切った需給の調整をとらなければならないのじゃないかということになりますと、一月以降本格的な削減については、全体としてはどの程度の削減をお考えになっておるか、このことをお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/12
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013・山形栄治
○山形政府委員 今後の削減をどの程度行なうかということでございますが、これは一月の油の量がどのぐらいになるかということの相当はっきりした推定がつきませんと、オーバーキルになってもこれはまずいわけでございますので、現在、先ほどもちょっと触れましたように、一月からのカットの上のせがはたして行なわれるのかどうか、この辺が未定の要素で存在いたしております。われわれはいろんな前提を置きまして、現在鋭意推算をしておる段階でございまして、その輸入の供給量の確定を近く前提にいたしまして、備蓄の吐き出しの日数も考えながら需要のカットの比率をきめざるを得ないと思うのでございますが、現在まだ確定いたしておりません。ただ、この法律を通していただきまして、より明確な形で体制を整えて進みたいということと、もう一つは、十二月の行政指導の一〇%よりもカットは高まらざるを得ないということだけを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/13
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014・玉置一徳
○玉置委員 私はかねがね、五、六ヵ月前でしたか、三カ月ほど前でしたか、石油の需給のこうなる前にこういう法案は整備しておかなければいかぬのじゃないかということを通産大臣に二、三度にわたりまして御質疑を申し上げ、要請をしておったのであります。しかしながら、その当時は、そういうことを言うこと自体が、みんな品物を隠すんじゃないだろうかというようにおそれるからなかなか踏み切れません、こういうお答えであったと思います。しかしながら、いよいよ現実のこういう問題にぶち当たりまして、われわれもいろいろ考えて、ない知恵をしぼって現実にどうなるのだろうと思ってくふうをこらしています。しかしながら、これはすべて自由経済のもとに各社が競争原理の上に立ってきょうまでやっておるのであって、その配給ルート等々も千差万別の形でいっおるわけで、専売品が流れるような流通系路になっておりません。したがって、非常にむずかしい問題ということを痛感するわけでありますが、それにしろ、法案ができますここまでまいりましたら、便乗値上げは一切させぬぞ、標準価格は便乗値上げと違うところできめますよというき然たる態度の表明と、それからやはりエネルギー白書のように、実際問題としてはこれだけしかありませんので需給はこういうふうになっていますということを国民に広く真実を訴えてその協力を仰ぐという体制を整えない限り、いまのような、わかりませんので法律さえ通していただいたらというようなことでは、法律を通すわけにはまいらぬ、私はこう思うのです。だから少なくともこれ以上……
大臣がお見えになりましたから、大臣への質問に切りかえます。お疲れのところ、お気の毒だと思います。
いま、需給の状況から輸入の状況並びに一月、二月、三月の見通しをお伺いしながら大臣をお待ちしておったのですが、私は、かねて三、四カ月前から、石油というものについて、アメリカのニクソンの教書を見ましても、あの持てる国のアメリカですらこういう用意をしておる、早く手当てをしなければいかぬのじゃないだろうかということを申し上げておったいきさつがありまして、いま申し上げておるのは、やはり一月、二月、三月には二〇%ぐらい推定されるのに、いままで行政指導しかやれなかったわが国の政府のあれといたしまして、平均として五%程度の形で消費のカットはできましたけれども、これから一体、全体としては二〇%削減されたものが輸入されるのでありますから、備蓄もそうたいしてありませんから、やはり全体としては二〇%程度の削減だけはせざるを得ないのじゃないだろうかという意味のことを申し上げておったのですが、大臣、どうお思いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/14
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015・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 下期に対しまして当初期待していた量に比べますと、すなわち一億六千万トンを当初期待しておりました。これに対して二〇%減、すなわち一億二千八百万トン、その程度くらいしか入らないのではないか、そういう気がいたします。初めは一六%程度いけるというので、一億三千四百万トンを期待数量といたしましたが、一億二千八百万トン程度でないかと私は心配しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/15
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016・玉置一徳
○玉置委員 したがって私の考え方は、いま長官に質問しかけておったのは、ショックを急激に与えないためにある程度余裕を持った形できょうまでおいでになりましたけれども、法案が整備され、備蓄の量はだんだんと少なくなってくる、輸入の実績も、下期というよりはこの最近の一、二カ月は非常に悪くなっておるという実績からすれば、どの程度は少なくとも削減せざるを得ないのかということをもう国民に広く公表し、その協力を仰ぐ体制にぼつぼつ切りかえてもおそくはない、こういう感じがするのですが、いろいろ調整してみなければわかりませんということばもわからぬことはありませんけれども、この委員会の法律を審議しておる席上で、この程度は少なくともせざるを得ないと算術的に出てくるわけですから、おっしゃるわけにはいかぬのかどうかと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/16
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017・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 一月以降を見ますと、大ざっぱに目算をしてみまして、電力においてもあるいは石油におきましても、初め期待した量について二〇%くらいずつは平均して削減せざるを得ない、そういう事態ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/17
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018・玉置一徳
○玉置委員 私は、われわれの要求にも、また政府の法案要綱にも出ておりますように、そのうち、国鉄とか、ほんとうの民生の安定とか、いろいろ優先確保すべきものはあると思います。しかしながら、産業全般としてもあまり著しく削減をすることになりますと、すべてまた生活関連物資の不足という、したがってインフレにつながる諸問題があるわけです。したがって、不急不要のものは全部節約をするという体制を国民全部がとっていただくような形にものをもっていかなければ、この危機を乗り切ることは非常にむずかしいのじゃないだろうかという考え方を持つがためにこのことを質問申し上げておるのであります。
そこで長官にお伺いしますが、全体として二一%減で今日もきておるわけですから、二〇%以上の削減を何らかの方法でやらざるを得ないことは、これはもう既定の事実であります。しからば、用途別に一体どの程度優先順位をつけていくのか、そういうことが現に推定なり想定なりされるのか、もしくはそのことは今後の作業にまたなければならないのか。なぜこのことを申しますかというと、ある程度優先確保いたしますと、優先ということばがついそれはそのまま最後まで確保されるのだという甘い考え方になりやすいがために、私はこういうことを質問しようとしているわけです。まだそのことが準備できておらなければやむを得ませんが、このことについて長官の御答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/18
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019・山形栄治
○山形政府委員 結論から申し上げますと、今日現在、いわゆる先生のおっしゃいます優先順位表というようなものはできておりません。ただ、いまお話がございましたように、その優先というものが、非常に大幅な供給のカットがありましたときでも、最後まで供給カットが全然ないということは、私も先生のおっしゃるとおりだと思うわけでございます。この法律全体に関して申し上げますと、一般消費者、中小企業者、農林漁業者、鉄道事業、通信事業、医療事業その他公益性の強い事業というのは、十条に例示してございますが、この業種は一応公益性の高い業種だというふうに、この法律で考えを一応出しておることに相なるわけでございます。ただ、くどいようでございますが、この優先がこれ一つであり、あとが全部同等であるのか、もう少しきめこまかくこれを考えなければいかぬのか、それから、これは通産省だけの問題でございませんので、各所管大臣、所管省の御意見等も聞きまして、これは内閣全体としてバランスある、統一ある形で考えることに相なろうと思いますが、そういう過程も含めまして、現時点におきましては確定したものがあるわけではございません。いずれは何らかのかっこうでこの辺を詰めていく必要があろうかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/19
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020・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 これは法案が法律として成立しますと、おそらく予算の調整のときみたいに、各省から要望を出してもらいまして、そして施設関係はどうであるとか、あるいは身体障害者はどうであるとか、あるいは大衆交通手段はどうであるとか、そうしてその全体を集計してみまして、それによって優先順位をきめて、そして各省ごとに大体何省はどの程度、何省はどの程度、何省はどの程度、それで、何省の内部において、国全体としての優先順位をきめてありますから、それでその省の責任においてそれを調整し、指導し、配当していただく、そういうことになるのではないかと思うのです。一応やはり各省全部からその要望の数字をとって、それを査定する、しかし国としての基準はきめて実行していく。その基準をきめるについては各省が一致したところがなければできません。したがいまして、それらはおそらくいま自民党と内閣でやっております緊急対策本部、そういう会議で全閣僚参加のもとに了承した案で基準をきめる、結局そういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/20
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021・玉置一徳
○玉置委員 その場合におきましても、予算の配給と違いまして、各社、各自でそれぞれが輸入をし、自分のルートを通じて販売をしておるやつでございますので、石油の販売というのはほんとうにむずかしいと思うのです。ついみんな専売品のような考え方になるわけですが、その中で自由競争原理が行なわれておるということでございますので、これはほんとうに今後はなかなかむずかしい困難な作業をやっていただかなければならないのだということを私たちも痛切に感じます。
それと同時に、やはり消費節約の運動というものが——運動ということばは語弊があるかもしれませんが、徹底していかなければいけないんじゃないだろうか、こういうふうな感じがするのですが、長官のほうからお答えいただきたいのですが、四十八年十一月十六日に閣議決定をされました石油緊急対策要綱のうち、現在までに行なわれていてかなり実績をあげているのはどれであって、それは今後どのように行おうと思っておるのか、この例だけでもひとつおっしゃっていただきたい。決意のほどをぼくは伺ってみたいと思うのです。毎日眠いから思い切った気合いがお互いに起こらぬかもわからぬけれども、ひとつよろしく頼みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/21
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022・山形栄治
○山形政府委員 十一月十六日の閣議決定は、大きく分けまして二つになるわけでございますが、一つは、産業界に対する需要のカットでございまして、これは先ほど御答弁申し上げましたように、特に大企業部門につきましては、非常に順守状況が総じていいと思うわけでございます。中小等につきましては、若干その順守率といいますか、効果が薄いと思いますが、法律の実施等を通じまして、今後はこの辺につきましてよりはっきりしたかっこうをとっていくのがこれからの政策の方向だと私は考えます。
それからもう一つの大きなつかみ方といたしましては、いわゆる一般消費者及び会社、事業所、官庁等に対する節約キャンペーンでございますが、これにつきましては、先ほどこれもちょっと触れましたように、もしわれわれのほうでマイカーの問題とか家庭用電気関係の節約対策、それから事務所におけるエレベーター対策、それから窓ぎわの照明の消灯、相当こまかくいろいろと要望いたしたわけでございますが、これが全部期待どおりいきますと、先ほど言いましたように、大体全石油の消費量の三、四%程度ということに相なるわけでございますが、今後特に電力関係につきましては、一月以降家電、それから事務所の照明等につきましては、きめこまかい指導をより一そう強化いたして、その点からの効果の実現を期待しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/22
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023・玉置一徳
○玉置委員 そこで、法案の直接の関連をお伺いしたいのですが、二つ、三つお伺いいたします。
そのうちで、独禁法との関係でございますが、覚書の問題が問題になっておりますのは、本日までは法律もなしに行政指導でやっていただいておりますので、やむを得ないところもあるかと思います。どうしても業者サイドの主導性の価格に標準価格がきまりやすいということをおそれるがゆえに、なりやすいだろうと思われるがゆえに、皆さんからこういう質疑が集中しておるんだと思のですが、この間きまりましたプロパンガスの価格設定、との価格設定のとき、指導価格の設定のときがやはり一番そういうことは御心配要りませんという証明になる、私はこのように思いますが、この間おきめいただいたものは、たとえば十一月一日現在、十二月一日現在あるいは十二月の今日おきめになりましたとき、それは値段が十キロ当たりどのくらいであって、つまり、かけ込みの便乗値上げと思われる分を認めたわけじゃないんだ、こういう根拠に基づいてこの値段を設定したんだということが説明できるんだったら、長官もしくはその他の方でけっこうですから、お答えいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/23
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024・山形栄治
○山形政府委員 LPGにつきましては、御存じのことと思いますが、生産の約半分が国内の精製過程から出てくるものでございまして、あとの半分が製品輸入でございます。この半分の国内生産といいますのは、いわゆるOAPECの攻勢による値上げをそのままかぶっておるわけでございまして、ここのところ非常なる高値が現出しておるわけでございます。かつ、LPGの半分を占めます輸入につきましては、これもまた中東地域からの輸入が大部分でございますが、現在通告が来ておりますのが、十月現在の価格に対しまして二・八倍という非常に高値の通告が来ておりまして、これは世界的な品不足でございますので、これは輸入業者として受諾せざるを得ないという情勢に相なっておるわけでございます。
これら二つの事情から、このところLPGは非常に急騰を遂げておりまして、家庭用プロパンの具体的な価格で申し上げますと、十一月一日全国平均千十五円であったものが、十二月に入りまして約千四百円に上がってきておるわけでございます。かつ、先ほど申し上げました事情に基づいて、小売り業者といたしましては十二月一日以降なおこれをより一そう上げる予告を各家庭に行なっておったわけでございまして、その実勢は大体千六百円から二千円の間にばらついておったような現状であります。
こういう情勢を踏まえまして、われわれといたしましては、何はともあれ、これを急速に勇断を持って断ち切るということが最大の必要だと思いまして、関係業界と非常に詰めまして、消費者の声も一部聞きまして、一応業界が千五百円を強く要望しておりましたのを千三百円にこれを押えたわけでございます。この根拠につきましては、早々の間でございますので、精密なる計画等は別といたしまして、現在の大体千四、五百円の小売り価格を千三百円にやることによりまして、結局元売りから一次卸、二次卸のマージンのカット及び小売り段階におけるマージンのカットでこれが対応できるという検証はわれわれのほうでいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/24
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025・玉置一徳
○玉置委員 将来ともそういう意味で標準価格の設定につきましては便乗値上げを絶対に排除してやっていくということを大臣のほうから言明できるかどうか。と同時にもう一つ関連してお伺いしたいのは、いまもお話しのとおり、御承知のとおり原油の輸入価格がどんどん上がってきております。したがって、標準価格もまたある時期にそれに伴って上げざるを得ないような感じがいたします。そういうものはどういうように取り運んでいかれる予定か、そのこともはっきりしておかぬと、灯油はずっと一年ほどあの値段で据え置かれるのだというような感じも国民の皆さんはお持ちになるかもわかりません。原油価格が倍以上高騰しつつあるわけでありますので、どの時期にどういうように設定していくのかということもこの際明らかにしておいていただいたほうが適切じゃないか、かように思いますので、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/25
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026・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 灯油もプロパンガスも、三月まではこれでいきたい。特にプロパンガスについては最近設定したものでございますが、三月まではこれでいくというふうに業者のほうには申し渡してあるわけです。ただし、原油価格あるいは原料価格が暴騰してそれが著しいというような場合は考慮する、しかし、そうでない現在の事態で多少上がるぐらいの場合にはがまんしてくれ、そういうことで話し合っております。
灯油については、九月におきます原料価格、メーカーの価格、これが一万二千八百何円でしたか、あれを基礎にして計算しておるのでありまして、これもかなりきつい要素があると思うのです。その後、着荷のものが値上がりして、それが流通過程に入ってくる場合にはかなりきつい要素があると思います。いままでは製品の貯油がかなりございましたから、それは昔の油である、だからそれは高くする必要はない、そういうことで三百八十円ということで凍結したわけでございますけれども、それがだんだんなくなって、月日もたって新しい上がった油でどんどんやらなければならぬという事態が出てきた場合には、これは考えなくちゃならぬ事態になるかもしれません。しかし、それはまだ将来のことでありますから、ともかくわれれわは、一応この寒い時期は、この二つの重大な家庭生活用品についてはこれで守り抜いていく、そういう考えに立って通産省は指導していきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/26
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027・玉置一徳
○玉置委員 次に、この法案につきまして、この法案の必要なことは国民の皆さんもほとんど御了承いただいておるような感じがするのですが、官僚独走の歯どめをどこに持つかということも、新聞紙上を見ますと一つの要点になっておるように思います。
そこでお伺いするのですが、緊急時の認定並びにこの解除、これにつきまして、たとえば石油需給調整審議会というような各階層の人が入っていただいた審議機関を運輸大臣のもとに置きまして、それの議を経て内閣にこういうようにすることが望ましいように思いますが、どのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/27
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028・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 この法案自体がそういう緊急事態に対応しようという法案でございますから、これは内閣の責任においてやらしていただく、しかしその結果につきましては国会の御監督をいただく、そういう形でやらしていただいたほうが、われわれとしてはいいし、国民もこういうせっぱ詰まった場合の法案としては適当であるとお考えになるんではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/28
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029・玉置一徳
○玉置委員 次の問題点と重複するわけでありますが、これを時限立法とするか、あるいは恒久立法とするかという問題もひとつ考えなければいかぬ要素でありますが、石油の非常に少ないわが国といたしましては、しかも将来とも新しいエネルギーがふんだんに発見されない限り、このことは中東戦争だけの影響ではない。その事態がなくなりましても、今後無限に今日まで想定されたような石油の供給を受け得るわけではございませんので、新しいエネルギー資源を求められると同時に、一つの産業を伸ばしていくというような形にまで極言すればならざるを得ないんじゃないだろうかというようなことを考えますと、恒久立法のほうが正しいような感じがするのです。そのかわりに、こういう非常事態であるという一つの時期を宣言するというものを閣議決定だけじゃなしに、民意の反映もしくは国会の議決、どっちかに何とかたよらないといかぬような感じがするのですが、その時限立法か恒久立法かということもあわせ考えて、国会の接触の場についてはどのようにお考えになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/29
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030・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 この法案を反省してみまして、やはり国民代表である国会の厳正な監督を受けるべきである。それは授権や委任の範囲が広いわけでございますから、国民代表の皆さま方の厳正な御監督を受けることが適当であると反省した次第でございます。そういう意味においては、執行は政府にやらしていただく、しかし、その結果については国会がきびしく監督する、そういう形でやっていただいたほうがいいのではないかという気持ちがしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/30
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031・玉置一徳
○玉置委員 さらに重ねてお伺いしますが、たとえば第三段階に入りますいわゆる割り当て等の実施、そういうときにつきましても、それは国会全般と申しますか、あるいは委員会かどうか知りませんけれども、そういう了承と申しますか、それを受けられるかどうか。
もう一つは、こういう緊急時の間、随時、委員会等を通じまして国会にその模様を報告し、意見を吸収するようにされるかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/31
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032・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 この法律の施行につきましては、常時国会の監督を受けまして、御質問あるいは資料の提出、そのほか国会の監督を十分受けるということがやはり民主制度としてしかるべきであると考えます。しかし、発動の認定というものは非常に機宜を要しますことが多いと思うのでございます。そういう意味において、これは執行権を持っておる政府におまかせいただいて、発動したものについて監督は国会で厳重にしていただく、そういう形が望ましいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/32
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033・玉置一徳
○玉置委員 重ねて質問をいたしますが、とりあえず緊急の場合でありますし、いろんな問題がやってみなければわからないという不確定要素もたくさんございます。したがって、ともかく一年間これをやってみる、その実績にかんがみまして、いろんなところを直すべきものはたくさんあるんじゃないだろうかというようなことをお互いに反省し合い、意見を持ち合わせまして、もう一度法案の見直しをして、訂正すべきものは訂正し、より効果の多いような法案に直していくというお気持ちがあるかどうか、お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/33
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034・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 この法案を施行してみまして、そして、いろいろぎくしゃくした点や、われわれの思料の足りなかった点がありましたなら、それはもう国会の御意思によりまして、立法権の力によって是正し、改善するということは、われわれとしても喜んでお受けしなければならぬところであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/34
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035・玉置一徳
○玉置委員 一つは、こういう緊急時でございますので、こういう法律をつくりまして、適正な需給のバランスを保っていくのにどうするか、しかも、優先的に確保すべきものは、どのように配給していくか等々、勘案しなければならないわけであります。どうしても忘れてはいけないことは、やはり供給が減っておることは現実でございますので、総需要の抑制をある程度国民の協力を待ってやっていくということを同時に有効に作用させなければ、法律だけでは無理が生ずるのではないだろうか、私はこういう感じがいたしますが、そういう方向につきましてはどのような対策、どのような決意を持っておやりになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/35
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036・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 その点は御指導のとおりでございますから、いま四十九年度予算の編成をしておりますけれども、私たちが、これは九月ごろから主張しておりましたように、ここでも御報告申し上げましたが、予算というものは物資の需給計画を基礎にして考えられなければならぬ、マネーフローというものはコモディティーのフローに、その上に乗っかっていかなければならぬものだ、いままでは金の量を先にきめて物の量はついてくるという感じできておったけれども、それは間違いであるとわれわれ反省しましたということをここで申し上げましたが、今度はそういう反省した立場に立った基礎でいま予算編成をやろうとしているのです。大蔵大臣、経済企画庁長官と私、何回も会っておりますけれども、それは予算の基礎である石油の輸入ベースが来年どの程度になるか、上期、下期どういう情勢だろうか、これは外交的予測も含みまして非常にむずかしい仕事です。しかし、予算をつくる以上はそういう順序でやるべきである、そういう筋道を変えなければならぬ、そういう考えに立ってやっておるわけであります。その石油の輸入量を見まして、産業活動がどういうふうになるか、雇用がどういうふうになるか、そういうものが金の上に影響が出てくる。そういうような面からいまの予算の編成を基本的に考えておりまして、大体きょう話し合ったところは、来年の輸入の基礎というものはたぶん二億六千五百万トン台から七千万トン程度の間ではないか、一応そんなところを基礎にして考えたらどうかというところに落ちついたわけです。
それから経済成長はどの程度になるかということが出てきますが、二・五%程度ではないかというのが目下出た試算であります。これは、ほかのセメントや鉄鋼やその他についても、それから派生してだんだん考えられるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/36
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037・玉置一徳
○玉置委員 結局、石油の輸入が減りますと、すべての産業の操業度が電力の供給と並行しまして落ちるというわけであります。したがって、それは総需要とのバランスにおきまして、何と申しますか、非常に物資不足、したがって物が高くなる、インフレの方向に向く要素を非常にはらんでおると同時に、石油そのものが非常に足らないだけじゃなしに、価格が上がってくるわけでありますので、輸出入のバランスにおきましても相当な問題を持っておるわけであります。したがって、石油の節約は不要不急のものは徹底的にやる気持ちでないと、片一方の産業、したがって民生用の諸物資の高騰のほうへつながっていくおそれが非常にあると私は思います。
そこで、どんなことをしても、総理がいよいよ自動車に乗るのをやめた、歩くんだ、地下鉄に乗るんだというぐらいのところから始めると、ああ、そのぐらいになってきたのか——総理はきょう御病気なさったのですが、通産大臣は自転車で通っておいでになるというようなことが新聞に載ると、私は、もう一挙にこのことが国民全般にというぐらいに思うのです。したがって、たとえば、公害は公害で徹底的に防除しなければいけませんけれども、その許容される範囲内で、物は、油は、節約するだけするというような意味で、アメリカと同じように、やはり高速道路の運転の速度、あるいはマスキー法案の五十一年度のあれを若干見直すということを要請するというようなことすら、あるいはやらざるを得ないときがあるのじゃないだろうかと思いますが、通産大臣のこれに対する所見をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/37
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038・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 公害につきましては、アメリカと日本と事情が違いまして、日本は非常に稠密な人口を持ったところに非常に集中した工業力を持っておりますから、公害の被害というものはアメリカ以上に甚大なものがあるわけであります。そういう日本の特殊事情を考えまして、やはり法律できめられた基準は守っていこう、そういう考えで、私も環境庁長官も意見が一致しております。
しかし、前にも申し上げましたように、法律以上で上積みした分、地方その他でやったというものは、これはぎりぎりになってナフサや灯油を家庭に回すか、あるいは電力、工場に回すかという場合に、どうしても家庭のほうがなければ困るという場合には、地方で上積みした分、それは法律以上のかさでありますけれども、そういう分はそのときになって考えてもらおうと思っておるわけであります。しかし、法律できめられた分はこれは厳格に守っていく、そういう気持ちで私はおります。
それから、総需要を削減いたしましても、やはり全般的には不足なんでございますから、できるだけ浪費とか不要不急のものは節約願う、もし自発的節約ができない場合には強制的節約もやむを得ない、そういうふうに思うのです。
私、この間、ある友人から聞きましたら、アメリカでは、速度がハイウェー八十キロというと全部八十キロを厳守しておるそうです。ところが日本では、東名高速にこの間その人が行ってみたら百二十キロ平均だ、八十キロというのでそれでやったら、非常に危険で、とうとう自分も百十キロぐらい出した、それは身の安全のためだった、そういうことだそうでありました。日曜日のマイカー自粛にいたしましても、この情勢を見ると、どんなにお願いしても、日本人はまだあるという観念があるうちはなかなかむずかしいのだな、こういう場合には政府が悪者になっても強制的に不急とか浪費であると思う部分については強制力を行使して、困っている人のほうへそれを回してあげなければいかぬのじゃないか、そういう気持ちがいたしておりまして、この法律が通過いたしましたら、そういう点についてもわれわれは措置をしていかなければならぬのではないか。たとえばネオンサインにいたしましてもそうです。あるいはそのほかの街灯——街灯なんかでも犯罪を誘発しないように注意する必要がありますけれども、ずいぶんこうこうと町の中で照っているのもございますし、そういう面について考えていただかなければならぬじゃないかという気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/38
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039・玉置一徳
○玉置委員 さらに非常にみんな徹夜で気ばっておいでになりますので、エネルギー庁等々の人員のあれが非常に疲れ切っていると思うのです。適当な時期の間だけの人員確保等に特に御注意を払っていただくよう大臣にお願いしまして、同僚近江君が若干の関連質問をしたいということですので、時間内をお許しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/39
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040・濱野清吾
○濱野委員長 米原昶君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/40
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041・米原昶
○米原委員 非常に緊急を要する法案でありますが、同時に十分に討議しなくちゃならぬ問題が実にたくさんあります。時間は限られておりますし、できるだけ簡潔に質問いたしますから、簡潔明瞭に答弁していただきたいのです。
いま国民の多くの人のこの問題に対する考え方を聞きますと、何としても物価が一方でどんどん高騰する、同時に物不足が起こっていろんな危険な事態が発生しつつあります。そういう中で、何とか緊急の措置をとらなくちゃならぬという点では、だれしもこれは異論がないわけであります。そういうときに出ました法案であります。しかしこの法案で、はたしてそういう国民の期待に沿えるだろうか、あるいはこの法案が実施される段階でいま以上に重大な事態が発生しやしないかどうか、そういうことを前もって押えるような内容になっているだろうかどうか、こういう点でどうしても質問せざるを得ないわけであります。
私は時間を節約するためにも、実際にいま起こっている問題から質問したいと思うのです。たとえば、昨日の毎日新聞にこれは大きく出ておりますから御存じでありましょうが、灯油が全然買えなくなったという団地が東京の郊外に発生をしたという事件ですね。つまり立川の先のところでありますが、東大和市に新しくできた都の住宅供給公社の団地であります。これが昨年の暮れにできて、新しく入った人たちがいるわけです。ところが十一月までは何とかできたのですが、十二月になると、実績がない——これは去年はまだそれも要らなかったわけですから実績は確かにないわけですよ。ところが通産省のほうの指示で、大体前年度の実績どおりに出荷せよ、こういう指示があった。これを業者のほうが逆用して、あなたたちのところは実績がないんだから、一たん入れることになったが、もう十二月に入ると灯油が全然ここの新しい団地の世帯には入らなくなったという問題がある。四百世帯の人たちがこの寒さの中で灯油が入らない、これを買いに行くためには方々に出かけてさがしてこなくちゃならぬ、こういう事態が起こっているというわけですね。こういう問題は何もここに限ったことではない、方々に発生していると思うのです。そういう事態に対して、はたして今度の法案が実効ある措置がとれるだろうかということを感ずるわけですが、同時に、これはすでに起こっている事件で、毎日新聞にも大きく報道されているわけですが、通産省としてこれに対してすぐ措置をとられたかどうか。どういう措置をとって、これは灯油が手元に入るようになったかどうか、そういうことをまず最初に聞いて、そうしてそれに対して、この法案ができたらどういうことになるかという点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/41
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042・山形栄治
○山形政府委員 お答え申し上げます。
いまの具体的な案件につきましては、結論から申し上げますと、私のほうの苦情処理のところでキャッチいたしまして、直ちに石油の三系列の特約店にこれを指導いたしまして、納入確保が可能になったわけでございます。いま御指摘のとおり、現在、行政指導で種々の方策をやっておるわけでございますけれども、まあ灯油に即して申し上げましても、全国で十三万軒の小売り商でございます。末端におきましてはいろいろとトラブルが多いと思いますが、特にいま先生の御指摘のように、一応実績というものがものごとを考えますときの基準になりやすいきらいがございますので、新規のもの、新しくできた団地等につきましては、確かにそういう問題が起こっておるのが多いと思います。しかし、われわれの基本的な考え方は、実績だけでものを考えておるわけではございませんで、先般の十一月十六日の閣議で対策要綱をつくりました。現在の行政指導の根拠になっております対策要綱におきましても、過去に「石油の消費がない場合、」または「事故、設備の新増設等により石油の消費量が例年に比べ著しく変動している場合等にあっては、」そういう事情を勘案することで処理すべきであるということが通達の中に入っておるわけでございます。なお、こういうのは一片の通達でもあれでございますので、われわれといたしましては、個別に苦情処理等を通じ、また通産局等を通じましてそれぞれの個別事情を勘案して、不公平にならないように配慮をいたしておるわけでございます。
ちょっと私のほうの事情を申し上げますと、現在、苦情件数というのが資源エネルギー庁の石油部に電話で毎日参りますのが、一日平均大体百五十件でございます。それから、みずから参りまして陳情いたしますものが一日大体四十から六十件、私書箱一号に参りますのが一日三十ないし五十件、そういうような苦情処理の処理状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/42
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043・米原昶
○米原委員 いまのように長い、私の聞きもしないことを答えてもらわなくてもいいのです。初めにそれで言っておいたのです。つまり私が聞いておるのは、すぐに処置をとられたかどうか、それが効果があがったかどうか。こういう事件が起こったら今度の法律のどこを適用するのか、これなんですよ。すぐに処置をとられて、もう効果があったんですね。それは結局、今度の法律では第十条の要するにあっせんですね。ここのところをいわゆる行政指導をやられた、それが効果をあげたという問題ですね。——それならそういうことも大いにあると思うのです。これはいままで行政指導でそういうケースはだいぶあると思うのですが、これが実行できないじゃもう大問題です。ただ問題はこの十条です。この委員会でもたびたび論議されましたけれども、石油の供給のあっせんその他必要な措置をとるように指導する、これだけではたしてあらゆる場合にうまくいくだろうか。これははっきり指示して、そうして指導するというだけでなくて義務を課するようなふうにすべきじゃないか、事態はいろいろな場合が起こりますから、そういうふうに依然として感ぜざるを得ないのです。というのは、あまりにもこういう事件が多いからであります。
もう一ついまの実績の問題ですが、この実績の点については、この法案では第六条の「石油の使用の制限」というところの二項に「数量の指定は、石油供給目標、当該申出に係る者の当該石油の使用実績等を勘案して行うものとする。」とあり、ここにも「実績」ということばが入っているわけです「実績等」と書いてありますから、実績だけとは書いてない、この点ですね。とにかくこの問題には、いままでの、この一カ月ほどの経験でも実にたくさんぶつかっているわけです。多くの場合がいままでの実績に沿ってそうして何%削減、こういうことが主になっているようですね。そうしますと、いままでの自由経済の経済法則からいえば当然なことですが、業者にすれば、いままでのお得意のことをまず考えるわけです。結局いままでたくさん買ってくれているところには、同じ削減するにしても削減したくないのです。これはある意味じゃ経済法則上当然なことで、それまで無視するわけにいかない。削減ということになれば、業者は実績をどうしても考えるわけです。むしろわれわれが法律でここをはっきりしておかなくちゃならぬのは、実績だけに基づいてこれをやるといろいろな弊害が起こるということであります。おそらく一定の消費規制をやるという段階になりましても、この実績というものがずっと自由経済である以上はかかわってくると思うのですね。これはある意味じゃ法案に書かなくてもそうなる。ところが、考えなくちゃならぬそのときに、そうでない、実績のない部分を犠牲にしてしまうんじゃないか、こういう点なんです。この点は、この法案のここの部分でももっと明瞭にすべきじゃないかと私は考えるわけであります。この点についてどう思われるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/43
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044・山形栄治
○山形政府委員 これは趣旨は先生の御指摘のとおりでございまして、先ほども申し上げましたように「実績等」といいますのは、無実績者または新増設のような場合そういうものを当然に配慮することでございまして、われわれとしては、そういう無実績であるために非常に不公平にならないように配慮する、これは当然の心がまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/44
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045・米原昶
○米原委員 この委員会で、いままでもほとんどの人が発言の中で指摘しているわけですが、こういう形でいままでの実績主義にどうしてもこれは経済の法則として業者はいきやすいわけであります。だからこそ一定の規制を与えるという場合に基準をつくるということが非常に問題になるわけであります。基準はむしろ物が不足した場合に国民に公正な配分をやるということが問題なわけでありますから、まず必要なところにどういう順序でやっていくか、これはもう実績というものと関係なくこの問題はまず原則として立てなくちゃならぬ。このことが実は非常に重要じゃないか。経済が自由経済から一定のこれに対する規制をやるという段階ではこの順位をつくるということですね。これは決して軽視できない。確かにこの法案の一部にもそういう順位に準ずるようなものは書いてあります。たとえば「一般消費者」というような形で書いてあります。しかし一般消費者という概念は、たとえば法律上からいったってずいぶんいろいろな形で使われて、それが問題になって裁判にかかったような場合にも、これは明確な概念じゃないというような判決さえ下っている概念です。ですから、私たちは野党四党がつくった共同の修正骨子の中でも、この順位を明確にすべきであるという立場から、たとえば一般消費者というようなあいまいな形じゃなくて、家庭用とか、教育、医療、福祉、公共交通機関、中小企業あるいは農林漁業、言論出版に関連する事業などというふうな書き方にしているわけでありますが、これだけでもまだ不十分かもしれない。もっと明確に順序を規定することが実はうまくやっていくかぎなんです。この点についてはいままでいろいろ発言がありまして、あらためてこの点を言いましても十分な答弁がいただけないように思うので、ただここに強調しておいて、もう一つ実績の問題で重要な事態が起こっていることを話したいんです。
それは用紙の問題です。紙の問題、新聞用紙の問題です。現在やはり用紙の不足、これは一般国民の生活用のための小学校のたとえば学用品のための用紙とか、あるいは小さい雑誌なんかの用紙などというものが不足して大きな問題になっておりますが、同時に新聞用紙の不足という問題、これは石油の危機の起こるその以前から、もう九月の末の段階、十月から始まっているわけです。そうしてそこに新しくこの石油危機の問題が起こってきました。この中で通産省のほうが重油の一〇%削減という問題を提起されたので、その前からすでに問題が起こっておりましたから非常に大問題になった。私はそのときに大きな幾つかの製紙会社、王子製紙とか十条製紙その他にこの問題で交渉にも行った。そうして重役の諸氏からいろいろ状況を聞きました。ところが驚いたのは、一〇%削減と通産大臣はおっしゃったけれども、実際に私の社には一〇%削減じゃありません、一〇%削減じゃなくて、一般的に通産大臣が一〇%削減と言われた場合に、現実に起こっているのは二〇%から三〇%の削減なんです、というのは、通産大臣のほうが一〇%削減と言われたので、じゃ、いままでの九〇%だけは確保できるのかというと、全然できない、現実に石油会社に当たっていままでの石油をくれという交渉をする、通産大臣が言われたんだから、いままでの一〇%削減程度で九〇%よこすことになるかというと、よこすところは一つもないと言うんですね。二五%から三〇%の削減なんですよ。これはここに製紙連合会が出した資料があります。これは十一月末の資料ですが、たとえば十二月の予想が書いてあります。大体一〇%削減かそれ以上の削減になるかはまだつかめていないので、いろいろな場合を想定して数字を出している。たとえば通産相の言われているとおり一〇%削減と言ったら、実際にはどの社は何%削減になるかという計算が出ているのです。驚いたことには、一〇%削減と言われる場合に大部分の製紙会社が二〇%から三〇%削減になっているのです。平均して大体三〇%の削減です。たとえば王子製紙の場合は七〇・八%、十条製紙の場合は七三%、これなんかまだいいほうです。たとえば大王製紙の場合を見ると、政府のほうが一〇%削減というときに、実際にもらえる油は、いままでの四八・五%、五〇%以下です。こういう事態が起こっているのです。なぜ起こっているかと私は聞きました。ところが、一〇%削減といったって、結局、商社のほうはいままでの実績に基づいてやる、やはり製紙会社にしたって、いままでのお得意さんのところはできるだけたくさんやらざるを得ない、そのためにたとえば鉄鋼にはいく、あるいは石油化学の会社にはいく、その次になってしまうというのです。これが業界の実態じゃないかと思うのです。ここに資料があります。こういうことなんですよ。つまり、実績に基づいて削減するといいましても、実際にはこういうことになっていくという点なんです。
さらに、もっと具体的に申しますと、この製紙会社の間でも、また実績に基づいて格差があるわけですよ。というのは、たとえばこういうことなんです。重油を一〇%削減する。これもしかしいままでの実績に基づいて、その一〇%ならいいですよ。たとえばいま言いました、大王製紙が一〇%削減なのに、実際は五〇%以上の削減であるという事態がなぜ起こるかというと、これは製紙業のほうを御存じの方はすぐわかると思うのです。大王製紙は新しいマシーンが十月二十五日から稼働を始めたわけです。だから、いままでの実績では平均すると少ない。逆に、十月二十五日から重油がたくさん必要になってきたわけです。実は、紙が不足した十月段階であれだけいわれていたのに、十一月大部分の新聞がとにかく紙を削減しないで、実際には予定のページ数が出たというには、この問題がある。つまり、大王製紙のマシーンが動き出しましたから、予定したよりも新しく相当大量の紙が市場に出たということ、これが全国の新聞社の取り合いになったのも事実であります。ところが、逆にこの一〇%規制、これが実績どおりということになったために、せっかくたくさんの紙を刷る能力があって、この製紙問題が解決する一つの糸口となるこの大王製紙が一番重油を削られる、いままでの実績がない、こういう事態が起こっているわけですよ。
そうしますと、この実績に基づいて、あるいは法案では「実績等を勘案して」と書かれておりますけれども、この実績に基づいてやるやり方が実に危険だということをいろいろな話を聞きまして感ずるのです。ですから、実績じゃなくて、やはり不足のときには、まずどういうところに紙の手当てをしなければならぬか、この順位ですね。この順位を明らかにするということが、ほんとの意味での、公平な分配を確保する道だ、こう考えるわけですが、この点について大臣はいかが考えられるでありましょうか、聞きたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/45
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046・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 実績というのは、ある意味において具体的、現実的公平を確保するやむを得ざる一つ一つの基準でありますが、いまのような新設の場合あるいはニューカマーといわれる人たち、そういうような人たちの立場は守られておりませんから、当然それらは付加して考うべきものであります。紙の業界に対する割り当て油ないしは電力、いまは電力じゃないですか、そういう割り当てについては、初めかなり行き過ぎがありましたが、その後いろいろ調整が行なわれて、特に言論機関等に対する紙については考えてほしいということを私からも言いまして、その後、先生の資料のあと、少し変わったんじゃないかと思います。特に大王製紙の場合は、お示しのとおり新設工場の稼動というものが過去の実績に入っておらなかった、そういうことがありまして、その点についても私からは注意しておいたはずであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/46
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047・米原昶
○米原委員 製紙連合会や新聞協会の方もその点はある程度話しておりました。そして大臣にも申し入れした。それでやろうということもあった。それで、それがある一定の効果をあげつつあることも若干聞いてはおります。しかし事態は非常に深刻なわけです。どうしても、いままでの慣例どおりいきますと、やはり不足なんです。私たちが生活を第一にというのも、必ずしもそういう一般の家庭の直接の必需品というだけでなくて、やはり言論出版の自由ということは民主社会における基本原則、基本的人権の一部である、こういうふうに考えるわけであります。これは十月段階で中曽根大臣とこの委員会でこの問題で質問したときも、大臣も強調された点であります。やはり戦時中の統制経済、この中であの官僚統制の非常な弊害が起こって、同時にそれが言論の自由を破壊するようにもなった。このきっかけになったのが、実は用紙の統制から始まっているのだということをそのときに大臣も言っておられるのであります。それだけに事は非常に重大であります。いままでもある一定の努力はされたということは私も知っておりますが、この点は今後も特に注意してやっていただきたいということを要望いたします。よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/47
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048・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 注意してやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/48
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049・米原昶
○米原委員 それでは次に、こういう物不足、そして石油の問題がさらに大きな中心になってきた中で、国民が感じている一つの問題点でありますが、この石油が不足した中で、一つはアメリカ軍あるいは自衛隊、これが石油を乱費しているんじゃないかという気持ちは国民の中に非常に広いわけであります。今国会の冒頭の政府の所信表明と、これに対する代表質問の段階で、すでにこのことが指摘されました。その中で、たとえばわが党の瀬長議員が代表質問をやりましたが、その中でも、在日米軍とそれから自衛隊の石油の削減問題に論及したわけであります。そのときに中曽根通産大臣が答弁されております。これは全文は何もいま必要ありませんから引用しませんが、その中で、一つは自衛隊の問題であります。これについて大臣は、簡単に言いますと、こういうふうに答弁しておられます。防衛庁と自衛隊は、一般官庁並みの石油供給削減を実施している、ただ緊急用は除いている、こういう趣旨の発言であったと思う。それからアメリカ軍については、先般キッシンジャー国務長官が来日した際協力方を要請、先方も協力を回答してきた、自発的削減が実施されていると聞いている、こういう答弁がありました。この答弁は、もちろんことばの末端じゃありません、基本的な内容です。この点はいまでもそのとおりだというふうに答えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/49
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050・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 そう思います。自衛隊の問題については、一般官庁並みにやっていると申し上げて、その際、たとえば緊急と申し上げた例として、スクランブル、領空侵犯でそれに対して対抗して警戒に飛行機が飛び上がっております。及びそのための訓練、これはやっぱり搭乗員の感度を落としてはいけないわけであります。常に操縦かんを握って動いていないというと感度が鈍る、そういう第一線で領空侵犯に対抗している人間については。そういうための訓練のようなものはやむを得ないでしょう、そういう意味のことを例示で申し上げたと思います。
それから、米軍についてはいま御指摘なさいましたように私は御回答申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/50
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051・米原昶
○米原委員 それでは、この中で米軍についてまず最初にお聞きしたいのです。
外務省のほうから、この委員会の冒頭に資料請求をして資料をいただいたのです。ここにあります。これを読みますと「米軍は、」ということで、在日米軍のことを特に書いてない。われわれは在日米軍あるいは日本を基地としている第七艦隊、こういうものがどういうふうに削減をしているかを実は聞きたかった。ところが、ここに書いてあるのは在日米軍のことが書いてあるわけじゃなくて、一般的に「米軍は、」です。米軍は、アメリカの会計年度のことでありましょうが、昨年の、一九七二年の七月からことしの六月まで、この一九七三年の会計年度、これに比べて一四%削減することを決定している、こういうことが書かれているわけであります。これはただ一般的に「米軍は、」であります。そういう削減方針がきまったんだから在日米軍もこれでやっているんだろうということのようにとれますが、これははたしてそうかどうか。私が聞きたいのは在日米軍なんです。つまりある意味ではこれは当然なんです。昨年度と比べてことし米軍がそのくらい削減するのは当然なんです。というのは、昨年度の間ベトナム戦争が続いていたんですから。ベトナムからアメリカ軍が撤退したわけで、当然一四%どころかもっと実際には削減されたんじゃないか。一般的に「米軍は、」といえば一四%よりもっと削減されてしかるべきだと思う。一般的に米軍が一四%削減しているということと、これに基づいて在日米軍はほんとうに削減しているのかどうか、これは別なことであります。この点、これはどういうことなのか。ほんとうに在日米軍が削減しているのかどうかということ、これは外務省の方でないと答えられないんじゃないかと思いますが、聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/51
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052・角谷清
○角谷説明員 お答え申し上げます。
米軍の石油削減につきましては、御指摘のとおり一四%削減ということでございまして、これにはもちろん在日米軍というものも該当いたしておるわけでございます。したがいまして、在日米軍も一四%の削減は行なっておる、このように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/52
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053・米原昶
○米原委員 つまり在日米軍も一四%の削減を行なっているということをはっきり確かめられたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/53
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054・角谷清
○角谷説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/54
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055・米原昶
○米原委員 それならばその削減は、在日米軍は必ずしも日本の商社から石油を買っているばかりじゃないと思うのです。たとえば沖繩にいる米軍は、日本の商社から買わないのもあるようであります。本国のアメリカの本社と直接連絡をとってそれを送ってもらうというような形もあるようであります。ほんとうに在日の商社が一四%削減しているという事実がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/55
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056・角谷清
○角谷説明員 在日米軍が一四%削減しておるということは確認してございます。
それから、在日米軍の石油の調達につきまして御質問ございましたけれども、これは大部分は国外からみずから調達しておるというようにいっておるわけでございまして、国内の調達というものは非常に少ない部分である、このように了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/56
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057・米原昶
○米原委員 私なぜそれを聞いたかといいますと、ここに在日米軍が出しているスターズ・アンド・ストライプスがある。これを写してきたのです。これを見ますと、この問題について在日米軍の責任者の談話が載っているのです。日本の新聞の中に在日米軍に対する石油の供給を削減するというような記事が出ている。ところが、そういう削減は一つも行なわれていないと書いてあります。米軍自身が言っていますよ。そうすると、あなたたちの言われるように、アメリカの本国のほうのものが削減されているということかもしれません。少なくとも日本の商社から出している分については、これはそういう削減は行なわれていない。全然行なわれていないんだということを米軍の責任者がしゃべっている記事がちゃんと米軍の機関紙に載っているのです。この点は知っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/57
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058・角谷清
○角谷説明員 削減の分につきましては、これは日本からの調達の分というようなことではございませんで、米軍が使っておる全体の額で削減しておるわけでございます。それが一四%という数字でございまして、これはアメリカ軍といたしましては十一月の十五日でございましたか、国防省が全軍に指令を出しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/58
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059・米原昶
○米原委員 この記事でわかったんですが、確かに本国からも買っているでしょう。だが、やはり日本の商社からも買っているということですね。そしてその後の削減は全然行なわれていないとアメリカ軍自身が発表しているのです。私は、通産大臣はおそらく外務省から聞かれたので、それを聞かれたのを話されたと思うのです。だからあの本会議における答弁は、と聞いていると言われているので、それをおそらくどこかから聞かれて答弁された。おそらく外務省から聞かれたと思う。しかし、実際には削減されたということを確認する事実は、私たちいろいろ調べたが、どこにもないのです。なるほど中曽根大臣自身が先日キッシンジャー国務長官に会われたときに、直接この削減の問題について話されたということを私は大臣から聞きました。その点は間違いないし、おそらくそれが重大な問題になっているということをキッシンジャー氏自身がしゃべっておりますから、これはアメリカの新聞に出ております。在日米軍の燃料補給の問題が日本にとっては重大な問題になっているということをキッシンジャー氏自身が言っておりますから、その点はうそじゃないと思います。しかし、現実の削減はほとんど行なわれていないのじゃないか。この点非常に不満であります。
同時に、外務省から出された資料を読みました。そうすると、その削減の具体的な在日米軍の事実でなくて、一般的なことを書いてあるだけであります。そして、私たちが聞きもしなかった在日米軍に対するジェット燃料の納入単価のことがここに書いてある。これでわかったのは、ジェット燃料の単価が一リットルについて平均〇・〇三七ドル。これを計算してみました。そうすると、一ドル二百七十円という計算でやってみると、大体一キロリットルが九千九百円、こういう値段でアメリカ軍が購買しているということがわかりますね。それでわかったのでありますが、そうすると、いま国内の航空燃料の単価は、一キロ当たり一万七千円から一万八千円です。それに国内燃料のほうは、航空機燃料税が一キロ当たりについて一万四百円かかります。だとすると、米軍と比べて大体三倍の値段になっているわけであります。こういうものを日本の国内の飛行機会社は払わざるを得ない。アメリカ軍のほうはその三分の一で、貴重な燃料を実際は削減もしないで買っているということなんです。私はこの問題は非常に重要だと思うのです。これは外務省の出された資料ではっきりわかりました。もちろん燃料税が免除をされているということは地位協定で明らかでありますから、おそらくこの点では日本が売る以上は税金をかけるわけにいかないでしょう。これは地位協定できまっておりますからね。そのことはわかるのでありますが、この石油不足の事態の中で、日本の石油会社の石油がアメリカ軍に対しては三分の一の値段で売られている、これは重大な関心を持たざるを得ないですよ。こういう事態ならば、そして安保条約でも日米協力ということがうたわれているわけです。ところが、実際はアメリカのやることに日本が協力するだけで、日本が経済危機に立ち至ったときにアメリカが協力するという面はほとんど見えてない。地位協定でもはっきり第十二条の2に書いてあります。「現地で供給される合衆国軍隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務でその調達が日本国の経済に不利な影響を及ぼすおそれがある」ときは、相談し合って処置をとらなくてはならぬと地位協定でもはっきり規定されているのです。この地位協定の規定に従って一体どういう措置をとられているのかということをもっとはっきり説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/59
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060・角谷清
○角谷説明員 アメリカ側に対しましては、先ほど通産大臣からお答えがございましたとおり、たとえばキッシンジャー氏が参りましたときにも、石油の点につきましてははっきり申しておりますし、たとえば先般十一月二十一日に行なわれました第七回の安保運用協議会というものにおきましても、米側にこの問題提起を行なっておるわけでございます。これに対しまして、アメリカ側もわがほうの立場を了知したということをはっきり申しておりまして、ただいま米側におきまして独自にかねてより節減措置を講じておるということも申しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/60
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061・濱野清吾
○濱野委員長 米原君、時間が来ました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/61
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062・米原昶
○米原委員 時間がありませんから簡単に言いますが、ただ一般的にアメリカ軍が節減の方針をとっている。そしてこの節減の方針の中にも、いま言われたようなことが書いてありますし、そのことならもうはっきりしているのです。問題は、在日米軍に対して日本の商社が売っているこの部分がどれだけ節減されているか、それに対してどういう処置を政府がとっているか、これは参議院の委員会でもいろいろ問題になったようでありますが、たとえばアラブ紛争が起こった際に、西ドイツからイスラエル援助のために出る米軍に対する重油の供給を全部カットした、こういうことが報道されているわけです。イギリスもやった。どこまでどの程度やったか私はつまびらかに知りません。しかし、少なくとも米軍との関係を認める立場に立っても、これは当然の措置をもっと強硬にとるのが私は現在の事態上必要だ、こういうことを申したいと思うのです。
次には自衛隊の問題、いまいろいろ大臣が話されましたが、私たちが、やはりこの委員会で請求しまして受け取った資料を見まして実は驚いたことが一つあるのです。いま大臣が言われました緊急用ですが、自衛隊では油の緊急用備蓄は特に保有してないという報告なんです。そうしますと、大臣が言われたこととは全く違う。緊急用がないというのです。こういう報告になっております。おそらく大臣は防衛庁の方から聞かれてあの本会議でも答弁されたと思うのですが、大臣の答弁とこれと全く違う。これはどういうことでこういう騒ぎが起こってきたか、これは大臣の答弁を全く否定することになります。そうするとこれは大臣が間違えられたのか、この点をはっきりしていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/62
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063・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 私が申し上げたのは緊急発進と言ったので、緊急発進というのは一つのテクニカルタームです。つまりアラートというような警戒信号が起こった場合に、直ちに三分以内にファントムが滑走路へ出て舞い上がる、そして領空侵犯の飛行機に触接する、そういう訓練をやっているわけです。緊急発進ということで、緊急的な貯油ということを私は言っているのじゃありません。そういうものについては一〇%とか一五%とかいう削減はきかない。それはやらしておいていただかなければいけません。そういう意味のことを申し上げておるので、緊急の貯油があるかどうかは私は知っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/63
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064・濱野清吾
○濱野委員長 もう時間ですからどうですか、迷惑かけますから、他の同士にも迷惑かけますから文書でおとりください。ここで押し問答してもしかたがありませんから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/64
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065・米原昶
○米原委員 今度の機会があればということで、保留します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/65
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066・濱野清吾
○濱野委員長 文書でとったほうが正確でいいです。
松尾信人君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/66
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067・松尾信人
○松尾委員 この石油需給適正化法案の第一条は目的を定めております。それには「我が国への石油の大幅な供給不足が生ずる場合において、国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を図るため、」等々が書いてございます。このような法案というものをなぜ緊急につくらねばならないか、その点を考えあわせてみますると、この資源の少ないわが国、特に油を一〇〇%近くも輸入しておる、そして油の中で日本の経済成長を続けてきたその結果が、何かの事情が起こりまして、石油の供給が削減されますれば、現在のような大きな混乱が起こるわけであります。これは明らかなことであります。でありますから、わが国のような資源の少ない国でこの経済成長をはかるためには、その経済成長が外部からの要因でたとえ動くことはありましょうとも、切り抜けていけるのだというぐらいの産業基盤というものをかねて確立しておかなければならないということはもう明らかではないでしょうか。ですから、いままで石油の消費量というものは前年に比べて一〇%だ、一二%だというような、そのような伸び率、そして、この経済成長を土台にしてきたという考えは、きびしく反省されなければなりません。これは大臣ももうわが近江議員の質問に対しましても、深く反省している、今後はその反省を土台にして考えていく、こういうお答えでありますけれども、はっきりお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/67
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068・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 先般も申し上げましたように、今日の時点になって考えますと、一九六〇年代に非常に安い油が多量に中近東に出ましたために、これを最大に活用しようという考えに立って大型タンカーをつくり、臨海工業施設をつくり、そこで安い油を使って製鉄を行ない、安い鉄板をつくり、これで自動車をつくり、テレビをつくり、船をつくり、それを大量に輸出して日本の経済成長をやった、そういうようなことがほとんど盲目的に行なわれた感すら今日反省するとあると思うのです。それが公害となってあらわれ、今日石油問題であらわれた。そういう過去の実績を深く反省して、この間違った路線をすなおに認めて、直すところは直していかなければならぬ、そういうように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/68
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069・松尾信人
○松尾委員 そのようなお答えがなくてはなりません。でありますから、結局この油の使い過ぎで環境破壊、公害の多発、結局国民の健康、生命というものが大きな被害を受けておる。そういうところをいま反省としておっしゃったわけであります。でありますから、この法案というものは、あくまでもこれは応急対策にすぎない。基本的な恒久的な油の適正化法案というものは、いまおっしゃったそういう中から経常的に常にわが国がとっていく施策の中にあるのが恒常的な法案の土台をなすものであり、政策ですね。そうすると、この法案はあくまでもいままでのいろいろなことを反省して、そして大幅な供給削減を受けて困っておるから緊急的なものである、土台は通産省のいままでのやり方というものを反省して、その上に立って進んでいく、このように私は理解するわけでありますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/69
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070・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 そのように思います。国の国民経済の運営を見ましても、経済成長は過去において一三%あるいは一一%、しかも実質の指数において。そういうような高度成長を遂げてまいりましたが、それはやはり油が無限大に入るという原則に基づいて背伸びをしてきたと思うのです。それが公害等にもなって出ました。やはり経済成長というものはまず七、八%から一〇%の間ぐらい、それは周囲の環境やあるいは国内情勢その他を見ながらあんばいしていくことでございましょうけれども、そういう程度のラインでいくのが適正ではないか。それには資源的な面からそれが制約されてくる。それは特に油及び電気の供給量というものによって制約されるほうが健全である、そういうように反省した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/70
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071・松尾信人
○松尾委員 そういう立場から、この前、本会議におきまして正木議員の質問の中で大臣のお答えがありました。それはこの燃料多消費型の産業から省エネルギー型の産業へ構造を転換するんだ、これははっきり初めて大臣が言われたのであります。これはそのようにおっしゃってもおります。でありますから、先般の産業構造審議会の答申というものを今度は率直に受けとめられまして取り組んでいかれる決意があるかどうか、念を押しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/71
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072・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 取り組んでいく決意はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/72
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073・松尾信人
○松尾委員 取り組んでいかれる決意があるならば、ひとつ今度いよいよお考えを逐次明確にされませんと、決意表明でまた半年たっても一年たっても何にも手を染めぬと、これは食言になりますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/73
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074・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 決意がありますから、先ほど申し上げましたように、成長率というものを経済速度、安定成長率に戻すということ、その一番のポイントは電気及び石油の消費量による。いままで金ばかりにたよっているという面から転換しなくちゃならぬ。そういうところから省資源、知識集約型という方向に転換していくというモメントを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/74
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075・松尾信人
○松尾委員 しっかりお願いしたいと思います。
それで、私がその点で大臣へ申し上げたいと思いますのは、石油化学工業のことであります。この石油化学工業の発展というものはすでにもう限度を越えておる、このようにいわれております。その証拠には、すでにこの石油化学工業によりまして自然の平衡というものが破壊されております。また石油化学から生ずるプラスチック、ナイロン、ビニール、ポリエチレン等その廃棄物というものは腐りもしませんし、燃えもいたしません。また、その製品というものが家庭に非常にはんらんいたしましていろいろの害を及ぼし、過剰包装というものも誘発しておる。他方使い捨てというような風潮も起こっておるわけであります。そして結果はごみの山である。おまけにこの石油化学工業の消費の石油でありますけれども、四十三年から四十六年度の平均で産業用石油消費量の二〇・三%を使っておる。電力、ガスの使用量も二〇・七%となかなか大きいのであります。でありますから、結局そういう面から考えてもこれはこのままではいけませんし、この石油化学工業というものはどのようにしていくか。ここの製品は国民生活に非常に大切なものもたくさんありますが、いま申し上げましたように、やはり家庭にはんらんし過ぎていろいろな害を及ぼしておるものがたくさんあります。そういう意味におきましてて、この石油化学工業の製品を国民の健康、生命を守るという立場からひとつ点検されていく覚悟というものがあるかどうかということを聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/75
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076・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 石油多消費産業といいますと、やはり電力、鉄鋼、石油化学、これが三役の中に入っております。そういうような面から日本の石油化学も非常に発達しまして、そのためにまた家庭の主婦も便益を得ておるところもあるわけです。たとえば化繊の着物にしてもあるいは洗剤にしても、ともかく非常に大きな便益を得ておるところもあります。しかし、やはり極端になり過ぎますと弊害が出てまいります。そういうものが過剰包装とかあるいは上げ底とかああいう部面に出てきておりますし、またビニールの容器を捨て場に困って道路のわきに捨てていくとか、そういうような弊害も非常に出てきております。そういう面から、やはり石油化学の発展につきましてもある程度の限度を設ける必要があります。
私の見通しでは、現在やはりアラブの産油国あるいはアラブ外の産油国においても、そこから出ておる油やガスを使って石油化学をやりたい。これはもうサウジアラビアでもイランでもあるいはイラクでも至るところそうです。そういうところにジョイントベンチャーで日本もやって、そして製品も買う。そういうことによって資本協力をお互いにして、共同体みたいに一緒に商売をやってみるということがやはり政策的にも必要でありますし、日本の資源的な面から見ても適当ではないかという時代に入ってきたと思うのです。でありますから、日本の国内における石油化学工業の発展というものはある限度で頭打ちになって、そして成長の度合いはある程度鈍化する、そのかわり海外にそういう企業が逐次出ていく、そういう形になると思いますし、私はそういう方向にいくことが適切であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/76
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077・松尾信人
○松尾委員 いま石油化学工業の産油国等への立地の問題でありますけれども、それは私質問しようと思って用意しておった。大臣がもう先を越されたわけでありますけれども、やはりそのようにこれはしっかり見直していく。そうして非常に困っている国民の害になるというものは切っていくということは、ひとつ仰せのとおりやってください。
それから過剰包装の問題ですけれども、いま上げ底等とおっしゃいましたが、これはもう非常に大きな問題を起こしております。小倉駅の栗まんじゅうの例ですけれども一箱千円、これが非常に過剰包装で上げ底で、ぜいたくな箱に入れておる。箱代が百二十円か幾らかかかっているのです。それを注意しまして、その包装を改正させまして、これがずいぶん安くなった。その分だけ量を増すか値段を下げるかということであります。一つの例をとりましても、このように小倉駅の栗まんじゅうの例でも、ひとつ注意していけば物の値段が下がる、過剰包装は減る、こういうことでありますから、これは真剣にお取り上げになりまして、どのくらい日本の包装というものでいまそういうものがあるかお調べになりまして、真剣にやってもらいたいと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/77
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078・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 私のくにでもシイタケや何かやったりインゲンやその他売ってますけれども、みんな近ごろはビニールでやってスーパーなんかに送っています。ああいうものはビニールで包むというと、めくらめっぽう値が上がってしまう。昔ならラッキョウでもショウガでも、はかり売りで売って容器を持っていって買ったものです。それはネットできますから包装代が要らないから、お客さんにとってはもっといいやり方です。ところが途中でそういうものが入ってくると必ずそこへ利潤が付着してくる。お客さんのためになりません。また、物を粗末にする人間になってしまいました。こういう点はこの機会に思い切って改革しなければいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/78
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079・松尾信人
○松尾委員 次は、自動車の問題でちょっと触れておきたいのです。
御承知のとおり、排気ガスによる光化学スモッグで大きな被害を受けております。この自動車のはんらんによります交通渋滞と交通事故、これはやはり通産省としましても、少し私はいろいろ反省をしてぴしっとしてもらいたいと思いますのは、この生産というものが年間六百万台も幾らもできておる。現在すでに二千五百万台も日本に車がある。そういうところがもとであって、どんどんつくる。そしてこれは私ちょっと調べたのでありますけれども、六年以上の車を持っている人の内容を調べてみますと、日本で、十台の車の中で六年以上というのは一・二台という平均になるわけですよ。ところが外国では三台から五台くらい。ということは、要するに日本ではモデルチェンジをしまして、どんどんそれをつくって売っている、買わせる、こういうことがあるわけでして、これは一つの例示にすぎませんですけれども、そういうことがどんどん行なわれておるということです。年産で六百万台もつくっていく、それから二千五百万台か三千万台になっていくという問題がたくさんございます。でありますから、何としても通産行政の中では、いまの野放し生産ということよりも、もう少し国民の生命とか健康を守っていくという方向でお考えになる必要があるのじゃないかと思うのですけれども、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/79
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080・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 自動車の弊害はようやく顕著に出てまいりました。自動車の生産増ということが無制限に行なわれますと、日本列島がどうなるか心配するばかりであります。そういう意味において、今回の設備投資の削減におきましても、ことしじゅうは自動車を一番最初の目当てにいたしまして、相当切り飛ばしてきております。そういう意味においては、自動車の生産台数は、ことしはそれほどふえていないと思います。輸出もそれほどふえておりません。ようやく足踏みができ始めたので、やはりそういう点われわれも今後もよく注目してやっていく必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/80
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081・松尾信人
○松尾委員 では、次には電力問題でございます。
通産省の使用制限の大体の考え方ですね。これは新聞の程度では私はわかっております。いろいろ第一種カットゼロ、第二種五%、第三種一〇%、このようにいわれておりまするし、これは来年一月一日からそのような制限令をもって発動していくのだというようなお考えだと思うのでありますが、はたしてそうであるかどうか。それから具体的にはこのカット率というものをおきめになっておりますけれども、その効果というものはどのようにしてあげるのであろうかという、技術面について私はちょっと聞いておきたい。私がわからないから聞いておきたい。
〔委員長退席、稻村(佐)委員長代理着席〕
ここに電線があります。専有線であれば切れますけれども、やはりみんなが使っています。ゼロ%のところがあると思うと一〇%のところがあるというぐあいで、そういうところをどのようにしてこの効果をあげていこうとするのか。これは長官でもけっこうでありますから、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/81
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082・岩田文武
○岸田政府委員 一月以降の電力の使用抑制につきましては、目下部内でその方法について検討を進めておる過程でございます。これは油の一月の見通しいかんによってきまることでございますが、ある程度削減が進んでいきました段階では、従来のような行政指導では一定の限界になるのではないか、その場合には電気事業法による規制に移らなければならないのではないか、こういった前提のもとにいろいろ検討しております。その際、一体どうやってチェックをするのかというお尋ねでございますが、これは命令に移りますといなとを問わず、大体大口需要家につきましては、ほとんどのケースにおいて従来から毎月一日に前月分の検針を行なうというやり方をやってきております。このやり方を例外の部分をなくしていくということによって実効が期せられるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/82
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083・松尾信人
○松尾委員 そうしますと、カットの効果というものは一カ月おくれて使用実績によって見ていく、こういうことになるわけですよ。一カ月おくれます。そうすると一〇%カットのところがはたして幾らカットしているか一月わからぬ。そしてゼロカットみたいにしてどんどん使った場合には料金を払えばいいのですか。料金を払う、そのときに、ここは一〇%と思ってきめたんだけれども、そこは全然そういうことはやっていない、そのときには超過料金だとか罰金料金というものを考えておるのですか。簡単に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/83
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084・岩田文武
○岸田政府委員 仰せのとおり、月の初めに前月分のチェックをするわけでございますが、いまの行政指導の段階では特に法律的な拘束ではございませんので、この違反者に対しては氏名を公表する等々の方法が考えられるのではないかと思っております。かりに法律による規制に移行した場合には、この違反に対しては罰則が適用になるという関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/84
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085・松尾信人
○松尾委員 では次は電気用品であります。いままでは電気用品取締規則によりまして、安全の点というものに重点を置いてきたわけですね。しかし、このように電力の二〇%カットというような問題が起こっておりますると、今後安全の点と、そしてこの電力の効率的な使用かどうかという問題を見なくちゃ妙な製品がどんどんはんらんするわけでありますが、その点の考え方をどうするか。それをしっかりやっていきませんと、この家庭におけるいろいろな節電を言われましても、そういうところでとめないといかぬじゃないか、こう考えておるがいかがですか、簡単に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/85
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086・岩田文武
○岸田政府委員 仰せのとおり、これから省エネルギーが大事になってまいりますと、電気機器の効率化ということが、私どもとしても取り組むべき大きな課題だと思っております。ただ、電気用品取締法でこれを行ないますことは、法律の目的が安全ということになっておりますので無理ではないかと思いますが、これにかわるに行政指導をもって行なおうということで、家電メーカーを集めまして、こういった節電機器の開発ということで協議を重ねてもらうようにやってまいっておりますし、また、その効果も逐次あらわれてきておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/86
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087・松尾信人
○松尾委員 では、この電気用品取締法の中で、認可する認可しない、認定する、認定しないというときにやれないのですか。行政指導とかいうことではおかしいのではないですか、何かぴしっとしなければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/87
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088・岩田文武
○岸田政府委員 いま申しましたとおり、電気用品取締法では、法律の目的から無理ではないかと思っております。ただ、行政指導のほうはかなり徹底して行ないたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/88
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089・松尾信人
○松尾委員 それはどうも行政指導が全部妙な結果になる——何かぴしっとしたものを考えなさいよ。行政指導はいけません。
それから、なお、これは大臣、水力発電の問題ですが同じ電力関係でありますけれども、これは全部国内資源であります。いままで二千万キロワットが開発されております。しかし、今後開発可能なものが二千九百万キロワット残されておる、このようにはっきりお書きになっておるものがあるわけでありますけれども、これは原油の量に換算すると約一千万キロリットルであります。思い切ったこの国内資源の開発をなすべきである、こう思うのですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/89
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090・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 いまや水力も見直されるときになりました。これは天然資源であるという面と、もう一つは公害に強い、公害の害がない、そういう意味におきまして、可能な発電地点につきましては、できるだけこれを利用するように努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/90
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091・松尾信人
○松尾委員 ひとつ来年度予算等で、これは思い切った開発をしていただきたい。長崎県等にも、もう開発してもらいたいとあります。これはひとつしっかりお願いしたいと思うのであります。
それから備蓄の問題であります。これは、供給目標というものが定められていくわけでありますけれども、そのような供給目標だとか販売計画の中に、この備蓄というものがどのように組み入れられて計画を立てられるものであるかという点です。そして、先ほど長官は、この備蓄というものはだんだんそういうところで食われていくというお話でありました。何月ごろにどうなるかという同僚議員の質問もありましたのですが、これは三月にもう約四十日ぐらいの備蓄になる。現在五十七日分の備蓄が、やはり十二月にすでに五日分御計画がある。そうすると、一月、二月というふうに、また組み入れていかなくちゃなりませんでしょう、落とさない限りは。そうしますと、そのようなものは供給目標の中にも販売計画の中にもきちっと計画を立てて、備蓄というものが組み込まれていくのであるかどうか、一言でいいですからお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/91
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092・山形栄治
○山形政府委員 御説のとおり、供給計画、生産計画等の中にきちっと組み込まれていくものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/92
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093・松尾信人
○松尾委員 そうしますと、やはり何としても備蓄の目標、この九十日というものを確保しておきませんと、非常に心細いわけであります。いままでの備蓄の政策というものは業者の自主性にまかせられておると思うのです。いままでは順調にその自主性も伸びてきておりますけれども、やはりここで日本の備蓄政策というものを政府としてきちっと自己の責任のもとにおやりなさる必要があると思います。ですから、お答えも一部あったのでありますけれども、この石油開発公団をどういうふうに持っていくか、このようなことをはっきりさせまして、ひとつこの難関というものを突破した暁に、この日本の備蓄政策というものをがっちりと国の責任でやるという体制を整えられていくかどうか。これは大臣から簡単にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/93
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094・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 この法案は緊急事態における、つまり石油が大幅に不足したとき、またはおそれあるときでございますから、平常の場合における備蓄はこれは適用がないと思うのです。したがって、平常の場合における備蓄につきましては別個の政策を用意しなければならぬと思いますが、いままで政府としても、行政指導によりまして六十日分備蓄しよう、それを将来は九十日分までふやそう、約五十日分までたしか来たと思うのです。——五十九日まで来ました。そこで次の目標九十日分に向かって前進するように、これは行政指導その他によりましてやっていきたいと思います。これにはかなり石油公団とかあるいは国家が、金融その他の面においても応援するとか、あるいは石油タンク、貯蔵施設、貯蔵地点等についても協力してやらないとむずかしいと思いますので、そういう面を打開していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/94
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095・松尾信人
○松尾委員 いまお答えがありましてわかるわけでありますけれども、このような国際的な商品、特に資源関係で、油だとかまた食糧、木材等は非常に国際的に偏在しているわけですね。共産圏等にもありますけれども、これは全部相手が国家管理であります。また、その他の共産圏以外の国におきましても、相当これは国全体で考えて強力な体制をとっておりますから、そういうことを考えますと、やはりわが国としましても、個々の業者が当たる、そういうものの買い付けを個々の業者にまかしておっては私はやはり弱いであろう、思ったとおり進まぬであろうと思います。ですから、今後はやはりこういう非常に大事な資源の買い付け等というものは国ががっちりとしたものを持っていきませんと、あんまり業者の自主的な活動にまかしておるということはよくないのではないか、向こうは国ですから、こちらも相当の力を結集していきませんと負けていくのではないか、いろいろそこに手おくれが起こるのではないかと思うのですけれども、お考えはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/95
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096・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 まことに同感であります。これから資源というものは、単に経済問題だけでなくて政治問題の要素を帯びてまいりまして、こうなりますと、いわゆるGGベース、政府間ベースの仕事でないとなかなか資源問題も解決しないようになりつつあります。特に発展途上国との関係においてはそうであります。そういう意味において、石油開発公団法の改正とか、そのほか諸般の面で改革してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/96
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097・松尾信人
○松尾委員 きょうの夕刊でありますけれども、これは大臣が読まれたかどうか、すでに大臣はこういうことは御承知だったかもしれぬと思うようなことがあります。これはアメリカの大学教授、これがメジャーの非難の証言を米国の上下両院合同経済委員会の国際経済政策に関する聴聞会で行なっているわけであります。内容はもう大臣御承知と思うのでありますけれども、日本向けの油をメジャーが削ってアメリカと欧州のほうに回しているという内容でありますけれども、御承知ですか。また御承知であれば、やはり日本としても強力なるこういう姿勢というものがなくちゃいかぬ。メジャーの日本に対する削減通告等でそういうにおいがあるとしなければこういう発言も生きてきませんし、あればやはり厳然たる日本の態度が確立されなければいけない、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/97
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098・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 そういう発言をしたということは、私まだ存じません。いま先生から初めて拝聴いたしました。しかし、そういうようなことが行なわれないように、先般もキッシンジャー氏が来ましたときに、私からも、外務大臣からも、そういうことを行なわせないように、特にイランとかインドネシアとかいうような非アラブ国の油を大量にメジャーズがやはりとっておりますけれども、それらを外国へ回さないように、日本に割り当てた分は正当に日本に回すようにということも強く要請したところで、キッシンジャー氏はその点は善処する、そう言って帰って、メジャーを集めてそういう話をしてくれたと新聞でも読んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/98
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099・松尾信人
○松尾委員 そうあるべきだと思います。
これは販売計画の点でありますけれども、この販売計画というものは、特定販売業者十三社、これから計画をとるというようなことでありますけれども、備蓄も使ってまいりまするし、輸入業者もおるわけでありますから、この特定販売業者の中の販売計画の中には、そういうものをすべて網羅したものが盛り込まれなくてはできないと思うのですけれども、これは長官いかがですか。一言でいいです。そうだというならそうだ、違うなら違うとおっしゃってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/99
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100・山形栄治
○山形政府委員 御趣旨のとおり、全輸入量を明確につかむのが目的でございますので、元売りを主にいたしますが、その他の輸入業者につきましても当然に対象にする予定にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/100
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101・松尾信人
○松尾委員 全部入ってきて販売計画に乗るということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/101
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102・山形栄治
○山形政府委員 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/102
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103・松尾信人
○松尾委員 次は、使用制限の問題に入りますけれども、二〇%カット等がいまいろいろ言われております。基準とする月はいつか、何月かということでありますけれども、九月であったり十月であったり、大体使用制限をするときの基準の月はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/103
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104・山形栄治
○山形政府委員 これはものによって若干違うと思います。場合によりましたら対前年の比率を使ったほうがいいものもあるかとも思いますが、大部分はおそらく統計上で明確に実績がとれますところを基準にいたしまして、季節修正を若干いたしまして当該月の需要を想定することに相なると思います。この場合に、先ほど来出ておりましたように、実績だけでこれをやりますと、無実績者の問題がございますので、無実績者等につきましては設備の面等も勘案いたしまして、実績と設備と両方加味してやることに相なるのじゃないかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/104
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105・松尾信人
○松尾委員 前年の実績等を勘案する場合もあるというようなお話でありますけれども、たとえば電力で申し上げれば、十月以後電力会社で運転開始するもの、これは苫小牧発電所二十五万キロワット、十一月六日の運転開始であります。それから東京電力の大井火力発電所は三十五万キロワット、これは来週運転開始であります。開西電力の姫路第二火力発電所一基六十万キロワットは十月三日、すでに済んでいます。月のきめようによっては基準の定められた月に入りません。二号は、六十万キロワットは来週運転開始であります。鹿島の共同火力は三十五万キロワット、来週運転開始、このように十月以後相当の火力発電所の運転が始まるわけでありますけれども、こういうものはどうするのかということです。まずお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/105
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106・山形栄治
○山形政府委員 電力は産業のみならず電灯部門を通じまして全国民に非常に大きな影響のあるものでございます。かつ、いま先生のお話のように客体が非常に明確につかみやすいものでございますので、一般の実績というようなことでございませんで、発電の所要量を前提に詳細に明確にこれをはじき出しまして、それに対応する石油の手当てをいたす方針でいくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/106
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107・松尾信人
○松尾委員 そうだと思います。
では、新しい団地ができまして、そこへ入居した。実績は全然ない。そういうところも明確に、いま電力問題でお答えのとおりにきちっとしたお考えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/107
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108・山形栄治
○山形政府委員 基本的には全く同等でございます。ただ、一般の消費者に対するものにつきましては、産業よりはゆるやかな規制で始まると思いますので、むしろそういう新団地のようなものにつきましては、詳細にこれを事前に届け出ていただきまして、それを把握いたしまして機敏に手を打ちたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/108
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109・松尾信人
○松尾委員 そうだと思いますね。
九条の保有の関係であります。どの程度九条で保有させるかということでありますけれども、緊急的な保有はどのように考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/109
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110・山形栄治
○山形政府委員 この九条の保有の目的でございますが、これは全般的に非常に大幅に石油の供給が少なくなっている現段階及び将来を見越しまして需給を合わせるわけでございますが、しかし非常に公共性の強い緊急事態も考えられますので、一部を保有してこれの放出を大臣から指示してもらうということでございます。全般的に非常に石油の需給がきついところでございますので、おそらく私の感じでは一%未満くらいにとどまるんじゃないか。これは裏から申し上げますと、そこに大きな保有をいたしますと、一般の必要なる石油の需給がくずれることに相なりまして、むしろ非常に別途の大きな混乱が起こる可能性もございますので、その輸入量等々を勘案しながらこの保有量をきめなければいかぬわけでございますが、私の感じでは一%ないしはそのちょっと下くらいが当面のところではないかと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/110
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111・松尾信人
○松尾委員 いずれにしても、これは緊急な用途のために緊急に放出しようというのですね。そのための保有でありますから、いま一%というお答えでありますけれども、きちっとされまして、ほんとうに保有の目的が果たされるような効果をあげないと、また問題が起こります。これは念を入れておきます。
それから十条に公共性及び公益性の強い事業とありましていろいろ例示がされておりますね。鉄道事業というのは、この前長官は、これは例示にすぎないと言われたわけでありますが、それなら陸運業、海運業、外航船、内航船、日本の外国貿易の大きな原動力、その物資の輸送をしておる外航船、海運界または陸運界、こういうものをなぜ「鉄道事業」と入れながらはっきり明示しないのか。「その他」の中に入れますというお話でありますけれども、「その他」で済むかどうかという問題でありまして、これは、はっきりこの十条の中に明記すべきである、こう思いますが、これは大臣いかがですか。まず長官が答えてみて大臣からはっきりしてもらいたいと思うのです。これは納得できませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/111
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112・山形栄治
○山形政府委員 十条の「公益性の強い事業」は例示でございまして、いまの先生の御指摘のものは私は入ると思うのでございますが、その他定期路線バス、定期路線トラック事業、通信、医療のほか、上下水道事業、電気ガス事業、郵政事業、放送事業等相当公益性の強いということであると思いますので、一応例示からおのずから考えられる解釈で法律の運用をいたすのがよろしいんではないかと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/112
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113・松尾信人
○松尾委員 そういうお答えでは納得できませんね。日本の外国貿易の土台ですから。「鉄道事業」とはっきり書いておいて、より以上外国貿易——貿易立国でありませんか。例示でありますから「その他」の中で幾らでも救っていけますよというぐあいで、海運界とか陸運界の人々が納得できるかという問題です。明らかにこれは法律の中に明示していかなければできないという重大なる日本の産業なんです。これは大臣どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/113
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114・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 実施につきましては大いに考えなければならぬと思いますが、まあ例示でございますから、鉄道とか逓信というものに準じて考えれば考えられることではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/114
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115・松尾信人
○松尾委員 大臣、非常に消極的ですよ、おかしいですよ、いままでのお答えから比べていまのところは。どうせいろいろ野党の修正意見が一ぱい出ますし、そうしてなるほどもっともだというて、この法案はお直しにならなければできない点があるんですから、そのときにあわせて検討していいものをとっていきましょうとなぜおっしゃらないのですか。もう一回念を押します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/115
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116・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 御趣旨はよくわかりますが、案をお示しいただきましたら検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/116
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117・松尾信人
○松尾委員 このあっせん所の問題でありますが、これは長官はこの前、石連だとか全石連、LPガス協会、その販売機構を全国につくるそうでありまして、きょうの夕刊を見まするとすでに「十七日から石油あっせん相談」を始める、「中小企業など対象に」というような記事がありますけれども、いままでもいろいろあっせんされてきたわけであります。あっせん所というそういうものは明確におつくりになりませんでしたけれどもね。現在すでに一〇%の削減といわれておっても、現物はもう五〇%入ってこない、こういう状態であります。でありますから、どうしても業者だけの販売機構をつくっても、それだけでは不十分であるということは明確でありまするので、何かお考えがなくちゃいかぬのじゃないか。やはり使用者というものを加えていかなくちゃいかぬのじゃないか。あっせん所というそういう機構の中には、売る人だけじゃなくて、その使用者の業界の者を、代表等を入れていかなくちゃほんとに運営はできないし、また多くのあっせん漏れの苦しい人々の声が一ぱい出てくる、こう思うのですけれども、お考えはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/117
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118・山形栄治
○山形政府委員 あっせん所につきましては、従来からも行なっておったわけでございますが、本日正式にこの設置がきまりまして、発表いたしたわけでございます。十七日から業務を開始するわけでございまして、府県ごとにこれは設置いたすことに相なっております。あっせんの対象は中小企業はもちろんでございますけれども、農林漁業あるいは病院など非常に公共性の高い施設、事業等を対象にいたしておるわけでございます。非常に多岐にわたる数の多い使用者ということに相なるわけでございまして、業務を機敏にさばく上から見ましても、県と通産局が当然に監督をいたしておるわけでございまして、個々の消費者代表を入れるということは、これは非常に数の多い人間を入れて、かえって混乱のもとではないかという感じもございます。御心配のようなことがないように、県、通産局の指導のもとに、むしろ機敏にあっせんを行なう方向で運営をいたしたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/118
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119・松尾信人
○松尾委員 いまのお答えで心配が残るわけであります。また、私が言っていることが現実に起こってくると思うのです。でありますから、やはり何としても迅速なる解決、敏速なる解決、そしてきちっと物が渡るということが基本でありますので、しっかりおやりなさい。
それから、現在すでに割り当て、配給制というものが実施されているわけであります。ひどいのは、個人タクシーなんか、十時間並びまして、やっと順番が来て、そして四時間分の油しか手に入らない。これは五〇%カットであります。そして現物をもらうのに十時間かかるという、戦時中の配給、割り当て制時代よりも非常に苦しいわけであります。
これもまた私が質問しようと思うのが全部きょうの夕刊に出るわけでありますけれども、配給制ですよ。「法人二個人一の割合に」と、配給制じゃないですか。配給制ですよ。現実は割り当て、配給制。ですから、はっきり言えば、こういう個人タクシーだとか、そういう零細な人々は、いま物が入らないので困っているのですから、二〇%カットになったらどうなるかと思って、なお心配ですよ。私は、やはりきちっと現物を渡す、それには切符を出すか、通帳を渡すかと言おうと思ったところが、大体そのようにやりますと、やっときょう書いてある。これはすでに十一条じゃありませんか。ですから、幾らあっせん所をつくっても、現物が手に入らなければ何にもならぬのだ。世間でも仏つくって魂入れず、ですから、どのようにするかと聞こうと思ったら、こう出ておりますけれども、現実にどうするのですか、このような方法を。ほんとうにそういうものできちっとすぐ手に入りますか。何時間もやられたらかないません。すでにいろいろの問題が起こっていることは、大臣も御承知であります。三千人の人々が通産省に来たじゃありませんか。物が入らないからですよ。これはひとつ長官はっきりお答えになって、どういうふうにしてやっていくのだ、そしていまの苦しい状態を必ず切り抜けるようにいたしますと明確に答えてもらいたいと思うのです。大臣もひとつあとでそうだという、一言できちっとやってくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/119
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120・山形栄治
○山形政府委員 タクシーの問題につきましては、先般来LPGの入手の問題でトラブルが起こったわけでございますが、通産省といたしましては、直ちに緊急の放出を命じまして、かつ十二月分を十一万五千トンという数量の総ワクをきめたわけでございます。一番問題でございましたのは、これが乏しい中で公平に配分をいかにされるかという問題でございまして、先般来日夜運輸省と協議をし、むしろ運輸省の責任においてこれを運営していただくようになっておったわけでございますが、昨夜運輸省側で法人系と個人系が円満に話がついたわけでございまして、結局はみんなが公平に乏しいものを分け合って生計を立てるという原則のもとで解決が見られたわけでございます。今後とも、タクシーに限らずそれぞれの物資につきまして、所管省とよく相談の上で、公平の原則に基づいた配分及び運営をはかっていきたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/120
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121・松尾信人
○松尾委員 これで最後になるわけでありますが、どうも私は近江議員の質問に対する大臣のお答えに納得がいきません。それは、いろいろ公害の基準というものが国の法律によってつくられております。
〔稻村(佐)委員長代理退席、委員長着席〕
それがより以上、実際にその工場が進出する地域におきましてはいろいろの不安があり、過去の公害の実績から、これは甘いという判断のもとに、上のせ基準というものを設けてやっておるわけであります。それを、いよいよ石油事情も悪化してきた、国民が苦しい状態になった場合には、せめて上のせ基準ぐらいははずしてもいいだろうという大臣のお答えでありますけれども、いまごろそういうことをおっしゃる必要は全然ないであろう。現実にもう何割もカットされた場合には、電力会社にしても、その他の工場にしても、たく油が減っておるわけであります。むしろ電力会社に百万トンぐらい石炭を使うというような話も出ております。石炭を重油に切りかえる、原油のなまだきをかえていくということにすれば公害はふえます。ですから、私は、いま原油のなまだきをされておる電力会社には、やはりC重油をお手当てなさって、そして原油というものはいろいろの製品をおつくりなさるべきである。これは、うちの渡部議員が予算の総括質問の中でもう大臣にやっておるわけです。そういう問題が一つあります。そうすると、石炭にかえても公害がふえてまいるでありましょう。総体的に言って、大臣の予想されるような深刻な事態のときには、はたしてこの公害というものが、やはり相当たく量が減る、そういう観点から、いまおっしゃらぬでもいいことを大臣は言っているのじゃないか。やはりそれは地域にまかせて、そうしていままでの上のせ基準をどのくらい下げていくかとか、いよいよ苦しくなったからこうだというのはおまかせになって、そうしてそこの調停というものにあとで乗り出すか乗り出さないかは別にして、そういう姿勢というものが基本的になくてはいけない。それをいま先におっしゃるということはどうも納得できませんし、近江議員に対する回答からも私はそういうことを感ずるのでありますけれども、考え直して、それはやはりそのときの情勢によっていろいろのことは変わってまいりますから、使用の制限がきびしくなっていってそうなるわけでありますから、大臣のおっしゃる事態になるわけでありますから、いかがですか。これでもう答えがぴしっと出れば終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/121
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122・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 非常に思いやりのあるあたたかいことばをいただきましてありがとうございます。やはり応用問題は応用問題として、そのときになって考えていただくことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/122
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123・松尾信人
○松尾委員 それでは以上で質問を終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/123
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124・濱野清吾
○濱野委員長 この際申し上げます。
関係委員会との連合審査会は、明十五日及び明後十六日の両日、いずれも午前十時から第一委員室において開会いたします。
本日は、この程度で散会いたします。
午後十時十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107204461X00719731214/124
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