1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十九年三月二十七日(水曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 稻葉 修君
理事 坂田 道太君 理事 塩崎 潤君
理事 西岡 武夫君 理事 松永 光君
理事 森 喜朗君 理事 木島喜兵衞君
理事 小林 信一君 理事 山原健二郎君
有田 喜一君 上田 茂行君
久野 忠治君 田中 正巳君
床次 徳二君 楢橋 進君
深谷 隆司君 三塚 博君
山崎 拓君 勝澤 芳雄君
嶋崎 譲君 山口 鶴男君
栗田 翠君 有島 重武君
高橋 繁君 安里積千代君
出席政府委員
内閣法制局第二
部長 味村 治君
文部政務次官 藤波 孝生君
文部大臣官房長 井内慶次郎君
文部省大学学術
局長 木田 宏君
文部省管理局長 安嶋 彌君
委員外の出席者
会計検査院事務
総局第二局長 柴崎 敏郎君
文教委員会調査
室長 石田 幸男君
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委員の異動
三月二十六日
辞任 補欠選任
深谷 隆司君 島村 一郎君
同日
辞任 補欠選任
島村 一郎君 深谷 隆司君
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本日の会議に付した案件
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/0
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001・稻葉修
○稻葉委員長 これより会議を開きます。
国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/1
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002・有島重武
○有島委員 前回に引き続いて国立学校設置法の一部改正案についての審査を続けさせていただきます。
きょうは文部大臣お見えにならなくてたいへん残念でございますけれども、前回ほぼ大臣とお話しし合った趣旨は、国立の学校を設置していくということはたいへんけっこうなことである、私は大筋はそう考えるものでございますけれども、それがあまりにも不用意に水増し的につくられていくことは、これは問題ではないかという趣旨でございました。
それで、きょう初めに、やはりこの前の国立学校設置法の一部を改正する法案でもってたいへん問題になりました筑波大学に関連して、これもやや拙速的なことがあったのじゃないかということを、厳重に御注意申し上げたい点が一つあるわけなんです。
大体都会の中に大学が集中しておるということ、特に東京に集中してしまったということ、これに対して、広大な土地を求めて学園都市をつくり出すというその構想自体は、私どもこれは積極的に賛成したわけであります。これはもうすでに昭和四十五年の五月に学園都市構想ということについて私たち賛同してきたわけであります。ところが、この前のあの国立学校設置法の中に見られる、いままでの大学の学部の解体とか、あるいは筑波大学の管理運営の方式、こうしたものにたいへんな疑問を持って論争があったわけであります。こうしたことについては今後も見守っていかなければならないと私ども思っているわけでございます。
話がやや技術的になるのですけれども、筑波大学はこの春にも開校するということになっておる。それで、その工事は一体どうなっておるのか。教育内容、運営方式ということからちょっと次元が違いますけれども、その工事ば一体どうなっておるのか。そういった点について少しここでもって問題にしてまいりたいと思うのです。
それで、政務次官に最初に確かめておきますけれども、国立学校の建設工事の契約につきましては、これは会計法の第二十九条に基づいて行なわれておると思いますけれども、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/2
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003・安嶋彌
○安嶋政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/3
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004・有島重武
○有島委員 政務次官、そういうわけです。したがいまして、筑波大学も会計法二十九条に基づいているわけであります。そうすると、契約とは工事契約図書、二番目に見積もり書、それから仕様書、この三つが整束している、そういうことが条件になっております。それで、この仕様書については工業標準化法の第二十六条、いわゆるJIS、日本工業規格ですね、これに基づいておる。会計検査院来ていらっしゃいますね。間違いありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/4
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005・柴崎敏郎
○柴崎会計検査院説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/5
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006・有島重武
○有島委員 鉄筋の工事につきまして、鋼材の仕様が定められております。特に一番使われております丸棒というのがありますが、その丸棒の仕様書はどういうふうになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/6
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007・安嶋彌
○安嶋政府委員 工事の契約でございますが、ただいま御指摘がございましたように、建築の仕様書がその重要な部分をなすわけでございますが、仕様書には二つございまして、一つは文部省所管工事の建築工事の共通仕様書というものと、それから特記仕様書というものがあるわけでございまして、この二つに従いまして工事が進められておるわけでございます。
それからなお、使用する鋼材の規格でございますが、JISを使う場合もございますが、JIS以外の規格によりましてJISに相当する品質、強度等が保証されるものについては、それ以外のものを使用しても差しつかえない、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/7
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008・有島重武
○有島委員 やや話が専門的になりますけれども、建築工事共通仕様書、これはいただきました。それで、A種、B種とこうあるわけなのですね。それでもって、このいずれをとりましても、JIS規格そのままではなしにしても、たとえば九ミリ丸棒、これについてはA種、B種ともに、すなわちJIS規格そのままであるかあるいはJIS規格に準ずるものであるか、JIS規格に準ずるものでよろしいと、いま安嶋さんおっしゃったわけですね。で、B種と言っているようでございますね。それにしても、その直径が九ミリ棒ならばプラスマイナス〇・四、この点は間違いございませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/8
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009・安嶋彌
○安嶋政府委員 プラスマイナス〇・四の幅が許容されておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/9
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010・有島重武
○有島委員 筑波大学の場合にもこれはこのとおりのものが使われておりますね。仕様書にも一般仕様書とそれから特記仕様書というのがあると言われました。筑波大学の特記仕様書、そこにありますか。あったら政務次官に見せえおいてください。——筑波大学においても九ミリ丸棒ならばその許容量はプラスマイナス〇・四以下である、あまり細いものや、あまり規格はずれのものは許容できない、そういうことになっております。
そこで、この品質管理の専門家に聞きますと、この許容量を越えた失格のものが材料の三%もあればこれは問題だ、そういうことを言われております。筑波大学にはその許容量をこえた失格品というのは使われておりませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/10
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011・安嶋彌
○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、JIS規格に相当するかしないかという専門的な判断が必要なわけでございますが、これにつきましては、そうした鉄筋の強度等を判定する機関がございまして、そこに判定を依頼をいたしております。判定の結果は、いずれも正常ということでございましたが、試験片六十七本のうち一件だけ九ミリ棒につきまして、〇・四ミリの許容を越えて〇・六ミリというものが一本あったという報告を受けております。ただ、これは、この試験機関における検査項目自体ではございませんけれども、はかりましたところ、そうしたものが六十七試験片のうち一本あったという報告がございましたので、直ちに現場におきまして、そうした径不足のものがないかどうか検査をいたしましたけれども、現場ではそれ以外にそうしたものは見つからなかったという報告を受けております。さらに、その後あらためて試験機関に検査を依頼いたしましたけれども、その試験の結果ではそうしたものは出ていない、そういう報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/11
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012・有島重武
○有島委員 政務次官、そういった報告でございますけれども、この前の病院のときも、文部当局で集めていらっしゃる報告と現実とがやや違っておる。それで、大臣ないしは政務次官はやはり官僚ではなく政治家として、その現状をほんとうに知っていただきたい、そういった趣旨でもってこの前もいたしましたけれども、実は私のところにこの丸棒を届けてくれている人がいるのですよ。お目にかけますね。これはある県会議員さんです。その県会議員さんは、かつて県会で、公共事業でもってやはり不良鋼材が使われておるということを問題にいたしまして、それが朝、毎、読三大紙に報道されたわけですね。それでその議員さんのところに荷物が届いて、投書がそういうところに来たというのですな。これは筑波大学の現場からのものであるというわけなのです。その県会議員さんは前にそういったことをやりましたし、お仕事上も鉄屋さんなんかも前に経験したことがおありなので、一目してこれは不良品だということはわかったけれども、これが筑波のものであるかどうかということを確かめにいらっしゃったそうです。そうしたら、いまの安嶋さんのお話とはだいぶ違いまして、まずそこらじゅうに不良品があった、そのきれ端もたくさんある。そして、いま組み上がってどんどんコンクリートを詰めておるその中に不良品がたくさんあったということでもって、私のもとにこれを届けてこられたわけなんです。
私はしろうとでよくわかりませんので、これについて試験をしていただきました。これは財団法人建材試験センター理事長笹森巽、こうなっております。ここに九つその試験片がございますけれども、このうち四本が不良品だということなんです。九ミリ棒と申しますから、プラスマイナス・コンマ四ということになりますと、八・六というのが限度のわけなんですね。第一号試験片は八・二です。その次が八・六、ナンバー三が八・六、四番が八・六、ここまで許容限度一ぱい一ぱいというところですね。それから五番が八・九、これはいいのでしょう。それから六番が八・四、七番が八・三、八番が八・六、これもぎりぎり、それから九が八・五、これは財団法人の建材試験センターでございます。これをちょっと安嶋さん見てください。
しかも政務次官、この八・六というのは平均径でございまして、聞きますと、こういうことになっているらしいのです。JIS規格の丸棒というもの、これは品質やそれからそういった径なんかはすべてまずまずりっぱなものなんです。
ところが、政務次官、これをちょっと見てください。
鉄屋さんは、新日鉄や神戸製鋼なんという大きな鉄屋さんもあるけれども、そこでは大きい鉄板なんかをつくるわけですね。丸棒のようなものは、くず鉄を買ってきて、すぐに町の工場でもできる。ですから、一つの仕事の分野調整をいたしまして、JIS規格とそのものぴったりではないにしても、なるべくそういったものを使ってあげようという配慮は、これは文部省にあっても当然だと思うのですね。ところが、これは半径でもってコンマ四の差である。その中身はほとんど一ミリ径が違うということになりますね。そこで目方の上からはかりますと、同じ長さでも目方は九分の八になるわけかと思うと、そうじゃなくて、八の自乗とそれから九の自乗でもって、ほとんど八割方目方が減るわけですよ。そうしますと、そこでもって鉄屋さんのほうはもうける。建築のほうは、まずまずしろうとが見てはだれもわからないけれども、いざというときにはこれは危険校舎である、欠陥校舎になりかねない、そういうことがあるわけですね。ここでもって九本のうち四本までがということになりますと、これはまたたいへんなことでございます。検査はさせたけれども、故意にいわゆるたれ込んで、何か難くせをつけているようなことがあるのではなかろうかと私も思いましたので、人をやって、いまそこに二つサンプルがございますね、それを持っていってもらって、見てもらいました。サンプルを持っていって、こうやって見てもらいますと、しろうとでもよくわかるのですね。建材の置き場にも、それからまたそこらじゅうにきれ端が散らかっておる、そういったものにも、正しい量目はどのくらいだということはわかりませんけれども、とにかくJIS規格のこれにぴったりなもののほうが少ない、それが現状だというのです。そういう報告を私はまたじかに受けました。これは非常に重大な問題であろうと思うのです。政務次官の御所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/12
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013・藤波孝生
○藤波政府委員 筑波大学の施設につきましては、いろいろ従来からも御理解と御心配をいただいておりまして、ありがとうございます。
いま先生から御指摘をちょうだいいたしまして、初耳のことでございますので、ほんとうに驚いておるわけでございます。昨年あたりから、いろいろ建築資材の高騰などが原因で、建築業界の工事についていろいろなことがあるやにも聞いておりますけれども、文部省も、先ほど来先生の御指摘によってそのとおりでございますとお答えをいたしましたように、契約に基づいて厳格に仕事を進めることにいたしておりまして、管理局中心に十分その体制を整えておるわけでございます。故意にそんなことをいたしておりますのか、あるいはあやまって、ちょうどそういう材料が整わなくてそんなことになっておりますのか、さらによく調査をいたしまして、もし故意にそのようなことがあるといたしますれば、まことに遺憾なことでございますので、厳重に善処するようにいたしたい、このように考えておるわけでございますが、どんな建物が不良でもいいとかなんとかいうわけではありませんけれども、特に今回の筑波研究学園都市は、いろいろな意味で研究と学問の中心センターとして浮かび上がっていこうとしておるわけでございまして、そういった意味でも、つくります施設につきましてもさらに最善の配慮を行なって、日本の研究学園の中心に持っていく、こういうことにしなければいかぬとよく戒め合って、従来もその辺も十分気をつけるように進めてきておるわけでございまして、さらによく調査をいたしまして、何らかの措置を講ずるようにいたしたい、このように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/13
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014・有島重武
○有島委員 会計検査院、この事実をどのように判断いたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/14
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015・柴崎敏郎
○柴崎会計検査院説明員 仕様書に示されております内容は、当然契約の内容ということに相なりまするので、仕様書に定めました規格、これに合致しないような資材が使われているということは、とりもなおさず契約の違反ということに相なりますので、あってはならないことと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/15
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016・有島重武
○有島委員 会計法違反になるわけであります、あってはならないというのですけれども、あったらばどうなるのですか。いまあるわけなんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/16
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017・柴崎敏郎
○柴崎会計検査院説明員 仕様書に具体的に規格等が指示され、定められておるということは、それが完成されます建造物の建築工学上の観点から定められているというふうに考えられます。したがいまして、そのような資材が使われているということは、でき上がりとしての建造物についても、ただいま申しました建築工学上等のおそれもあるわけでございますので、契約上の措置といたしましては、その改造なりあるいは、補修なりという問題が当然生じてくるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/17
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018・有島重武
○有島委員 政務次官、ここでもってあまりよく御存じないのにお責めするのは、ちょっと私も気がひけるけれども、これは業者がもうけようと思ってわざとやったことであるというようなものとは全然違うと思うのです。去年の鋼材不足もありました。その中でもって、どうでもこうでもこの期日までにやれという至上命令があったのじゃないのですか。これは業者は一生懸命やっているのでしょう。それから文部当局としても、検査は先ほどなさったと言った、それはいつの時点か知りませんけれども。それぞれみんな一生懸命やっている。やっているにもかかわらず、一つの工事をまとめていくには、やはり妥当な期間というものがあるわけですよ。それを早くやれ早くやれということになりますと、どこかにしわ寄せが出ます。これはそのほんの一つの例だろうと思うのです。いま九ミリ丸棒のことを指摘されたから、それじゃ九ミリ丸棒だけはこうしましょう、そんなことを言っているんじゃないのです。これはほんの一例だ。これは文部大臣が相当ハッパをかけられた、そのしわ寄せの一つである。さらに言えば、文部大臣も実は犠牲者かもしれないのですよ。さらに総理のほうからハッパをかけられて、どうでもこうでもやれ、そうかもしれない。これは工事の問題で鋼材だからいいけれども、鋼材と人材とを並べて考えることは不謹慎かもしれないけれども、同じようなことが文部行政の中にある。そういうことをほんとうに注意していただかなければならない、そういう含みで私は言っているわけです。そこで御所見をさっき求めたわけです。あなたはさっきお答えになったけれども、さっきのお答えはまことに何か、やはり管理局長並みの、政務次官らしからぬお答えであると私は思うのですが、もう一ぺん御所見を言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/18
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019・藤波孝生
○藤波政府委員 工事の中に、そういった不良のといいますか、契約どおりでない材料を使って、そういった建築をしておるという事実があるならば、さらに調査をして善処をいたしたい、こういうふうにお答えをしたわけでございます。いま先生から、むしろそういうふうな事態が起こるのは、文部省が非常に建築工事を急いで督励をするきびしさの中でそういうことが起こったのではないかという御指摘がございましたが、国民の税金をちょうだいをして、予算を組んで、そうしてその予算を執行いたしますについて、業者と契約を結んで、しかるべき期限内に契約どおりのものを建築するというたてまえで契約をいたしておるわけでございますから、その期限内にぜひやってもらいたい、こういうふうに督励をいたしますのは、当然その任務に当たっておるものの責任であろうと思うわけでございます。そういった中で、そういった不良と申しますか、契約どおりでない材料が使われておるならば、これを調査して善処しなければいかぬ、こうお答えを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/19
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020・有島重武
○有島委員 それは氷山の一角だということを言いたいのです。たとえば医学部の問題、この前、政務次官いらしたかどうか知りませんけれども、医学部の教授を、助教授を、その他教員組織を、これだけの標準にそろえましょう、これは国民との契約ですよ。いま新しいものを建てたいと言っておられる。ところが、現在あるものが欠落しておる。欠落状態もよくわからない。そういうようなことがこの前の委員会で問題になったわけであります。これも一つの形だけとにかくつくっていけということが、あなた方はそんなつもりではないかもしれないけれども、現場には起こってくる。現場ではそのことをどうにかあまり報告しないように、何とかごまかそうとしているわけです。そのしわ寄せばどこに行くのか、それは学生さんたちのほうに行っちゃうわけです。今度の筑波学園もそうですよ。人員構成についても同じことが行なわれるのじゃないか。教科内容についてもそのような危険はないか。ないはずですと言っているのじゃつとまらないわけですよ。それから、ないかどうか調べさせてみたらば、こういった調査報告が来たから、これでいいでしょうと言っているわけにもいかないということ、それを認識してもらいたいわけです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/20
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021・藤波孝生
○藤波政府委員 教育の仕事は、特にお互いによく理解し合い、いたわり合い、励まし合って進むものでなければならぬと考えております。教育行政を通じましても、あるいは教育の現場におけるいろいろな問題の取り扱いにつきましても、そういった考え方で進められなければならぬと考えておるわけでございます。いま先生の御指摘のような一面がもしあるといたしますならば、今後の文教行政を進めていく中で、十分留意をいたしながら進めてまいりたい、このように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/21
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022・有島重武
○有島委員 法律のつくり方についても手落ちがあるのではないかと思われる節がある。たとえば筑波大学につきましては、参与会というもの、これは法律事項になっておりました。そしてまさにそのことをめぐって大論議がここでかわされたわけなんです。それは御存じでしょう。今度の場合には、参与若干名というものが、この間拝見したのでは、あれほど大問題になったその参与が法律事項からは欠落しているのではないですか。政務次官、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/22
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023・藤波孝生
○藤波政府委員 国民の期待のうちに筑波大学が出発をする、またこれからの新しい開かれた大学像というものをつくり上げていく一つのモデルといたしまして、筑波大学が出発をする、このことにつきましては、いろいろ与野党の先生方の御指導をいただきながら、その作業を進めてまいったわけでございます。その中で、新しい仕組みとして参与会というものを考えまして、開かれた大学の中に各方面の御意見をよく聞いて大学の運営に当たっていく、教育と研究の任務を全うしていく、こういう仕事を進めてまいりますために参与会の制度を取り入れて、いろいろ御意見を承わりながら進めていくことにいたしておるわけでございます。今回の問題の参与として大学に置いていく問題につきましては、やはりこれからいろいろな形がいろいろな大学で取り入れられていくということが大事でありまして、必ずしもいろいろな意見を聞く機関として参与会という一本の形だけではない。そんな画一的なものではなしに、これからの大学が教育と研究を十二分に果たしてまいりますためには、管理の面におきましても、あるいはそういった教育や研究の組織をフル回転をさせるための学内の組織にいたしましても、いろいろな多様的な制度、組織が考えられていかなければならないのではあるまいか、こんなふうに考えておるわけでございます。したがいまして、これからは単に参与会というようなことにこだわらず、いろいろな仕組みがいろいろな大学で生まれてくることがむしろ望ましい、このように考えておるわけでございまして、必ずしもそれぞれの大学に参与会というものを画一的に設けていかなければならぬ、こんなふうには考えていないわけであります。参与として御意見を承わっていくという一応考え方もあるわけですし、さらに今後大学の運営については、いろいろな仕組みを新しく大学人自身もお考えもいただき、文部省もよく研究をし、各方面の御意向も十分聞きながら、いろいろな制度をつくり上げていく、こういうふうに考えておりますので、多様的に考えておるのだということでお受け取りをいただきたい、こんなふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/23
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024・有島重武
○有島委員 政務次官、そういう論議ばこの前の国会でもってさんざっぱらやったのですよ。いまおっしゃったような御意見は、皆さん方がそのようにおっしゃるのはわれわれも十分知っておる。しかし、そうでない意見もたくさん出たのだ。そのことは全然無視して、一方的にその御意見だけを押しつけられるのかどうか、それが一つですよ。あのとき採決してしまったのだからそれでまかり通る、そういった姿勢でもって、ことばはていねいだけれども、いままでの委員会の論議なんていうものは全く無視して、それだけを押し詰めていこうという、そういう姿勢、それはいまのお答えの中にあふれておる。それが一つ問題です。
もう一つ私が聞いているのは、拙速主義みたいなもので、この法案のつくり方、法案の扱い方の中にも、そうした参与会という重大な問題についての配慮というものが欠落しておるのではないか。あるいは故意に欠落させたのではないか。そういった点について、いまこの問題を少し詰めて考えていきたいと思うのですけれども、同僚の嶋崎委員がこれに関連して御用意がおありになりますので、委員長、ここでもって嶋崎委員にかわらしていただいて、また残余のことをあと続けさせていただきたい、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/24
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025・稻葉修
○稻葉委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。嶋崎譲君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/25
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026・嶋崎譲
○嶋崎委員 この間は国立学校設置法の問題点みたいなものを出して、総論的なことになりまして、詰めて議論をする時間の余裕がございませんでした。そこで、きょうは三つの医科大学に設置される参与の問題に関連して、法律と省令の関係等々の法律論を少し詰めて議論をさせていただきたいと思います。
最初にお聞きしますけれども、三つの医科大学に設置する参与というものの制度的理念は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/26
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027・木田宏
○木田政府委員 大学の運営に関しまして、広く学外関係者の意見に耳を傾ける、こういう趣旨から考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/27
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028・嶋崎譲
○嶋崎委員 この間共産党の山原さんの質問で私たちの手元に届きました「国立医科大学の参与の設置にかかる国立学校設置法施行規則の一部改正試案」で「第〇〇条 〇〇医科大学に、大学の運営に関し学外の有識者の意見を求めるため、参与若干人を置く。」というわけで、いま局長のおっしゃいましたように、かつて筑波大学で議論をしましたように、いままでの日本の大学は、文部省のほうの考え方でいえばいわば閉鎖的な傾向というものを持っていた。ところが、今日、大学というものを運営していくにあたって、国民の世論ないしは町の有識者の意見、外からの意見を聞くという、開かれた大学へという方向に、大学の理念といいますか、法の体系の中における考え方を少し転換していく必要があるということから、学外の意見を聞くという意味で参与会というものを筑波大学の場合に限って法律で制度化したわけですね。その点はそうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/28
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029・木田宏
○木田政府委員 筑波大学創設に際しまして、その実質的な推進母体でございました東京教育大学の筑波大学の構想の中で、参与会というものを非常に重視して取り上げた、そしてそれが筑波大学の他の学群、学系の制度とともに、関係者が新たに設ける参与会、評議会、人事委員会等を筑波大学の特色ある管理の体制として考えた、そういうことから、その筑波大学の性格を御審議いただきますために、法律の中に筑波大学の組織として、評議会、参与会、人事委員会等をまとめて御審議をいただいた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/29
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030・嶋崎譲
○嶋崎委員 ですから、ここでまず一つ確認しておけることは、筑波大学においては参与会ですね。今度の三つの医科大学においては、学外の有識者の意見を聞くための参与ですね。これは開かれた大学という理念に基づいて制度化する、そういう前提に立っているということをまず確認させていただいて、次の第二の質問に入ります。
任命権者はだれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/30
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031・木田宏
○木田政府委員 国立大学に置かれる職の任命権者は文部大臣でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/31
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032・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、文部省が辞令を出すわけですね、発令をするわけですね。大学できめた学長の申し出に基づいて文部大臣が任命するという、いままでの手続と同じなわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/32
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033・木田宏
○木田政府委員 非常勤の職でございますし、教官の職というわけではございませんから、教育公務員特例法の規定が働くとは考えておりません。しかし、いま御指摘のように、大学に置かれる職でございますから、大学関係者からの意見によって文部大臣が発令するという手続になろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/33
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034・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと公務員ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/34
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035・木田宏
○木田政府委員 非常勤の国家公務員の職でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/35
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036・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、国民の税金でわずかであっても払う職ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/36
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037・木田宏
○木田政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/37
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038・嶋崎譲
○嶋崎委員 だとしますと、そこでお聞きしますが、参与というのは、大学の管理機関ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/38
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039・木田宏
○木田政府委員 必ずしもそのように管理機関として考える必要はなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/39
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040・嶋崎譲
○嶋崎委員 管理機関でないとすると何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/40
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041・木田宏
○木田政府委員 大学に置かれる必要な職、このように御理解を賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/41
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042・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、大学の管理機関でなくて、単なる大学の職なんですね。その委任規定は国立学校設置法の何条ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/42
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043・木田宏
○木田政府委員 国立学校設置法の第十条と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/43
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044・嶋崎譲
○嶋崎委員 この間筑波大学の私の質問に対して、局長はこう答えております。大学の評議会という問題をめぐって、大学の組織運営に関する規定は十三条の委任規定によると言っていますが、いまの答弁違いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/44
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045・木田宏
○木田政府委員 国立学校設置法に、先ほど申し上げました十条と十三条と両方の規定がございまして、十条には「各国立学校に置かれる職の種類は、文部省令で定める。」と書いてございますし、十三条には「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」と書いてございます。考え方によりましては、この十条のほかに十三条の関係も起こり得るかと考えておりますが、参与という職を先ほど御指摘がありました文部省令の案という形で御提示を申し上げておりますのは、十条に基づきます必要な職、こういうことで御提示申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/45
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046・嶋崎譲
○嶋崎委員 ではお聞きしますが、教育公務員特例法でいっている管理機関、そして読みかえ規定がございますね、管理機関というのは何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/46
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047・木田宏
○木田政府委員 大学の運営の中枢に携わる機関という一般的な気持ちが入っておるかと思いますが、教育公務員特例法で申します大学管理機関と申しておりますのは、読みかえ規定によって御理解願えますように、事柄によりまして学長であり、評議会であり、教授会である、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/47
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048・嶋崎譲
○嶋崎委員 私の聞いているのは、大学における管理機関の意味ですよ。具体的には教授会でしょう、評議会でしょう、協議会もでしょう。その管理機関という言葉の中身はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/48
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049・木田宏
○木田政府委員 大学の管理運営について重要な職責を持っておる機関、このように理解をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/49
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050・嶋崎譲
○嶋崎委員 重要な職責を持った機関というのは、大学の管理意思決定に参加する機関だという意味だと思います。つまり、人事の問題であれ、財政の問題であれ、そういう問題について大学でどのように管理的な意思をきめていくかということに参加する機関ではございませんか、管理機関という意味は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/50
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051・木田宏
○木田政府委員 いまの御意見のように考えても大差がなかろうかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/51
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052・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、今度の省令でいっている試案によりますと、「〇〇医科大学に、大学の運営に関し学外の有識者の意見を求めるため、参与若干人を置く。」ですね。この場合の大学の運営という意味と、大学の管理機関における管理運営という意味とは同じなんですか、違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/52
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053・木田宏
○木田政府委員 広がりとしては似たようなものではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/53
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054・嶋崎譲
○嶋崎委員 もし似たようなものであるとすると、大学の管理運営という問題に関連して、大学には管理機関というものを設けておるわけですね、法律には。参与はその管理機関ではないのですね、いままでの説明でいくと。管理機関ではないとおっしゃったですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/54
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055・木田宏
○木田政府委員 教育公務員特例法でいっております管理機関ではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/55
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056・嶋崎譲
○嶋崎委員 では、一般的な意味における大学の管理運営の管理機関というように、管理機関の意味を広げましょう。これは大学自治を前提にしていることはちょうちょうするまでもありません。大学自治を前提にした管理運営という意味の管理機関は、大学の運営に関する重要な事柄を審議する。内容的には大体意味は同じでしょうとおっしゃったから、私流に規定すれば、大学のいわば管理意思を決定する際に参与する機関ですね、それが管理機関だというふうに私は厳密にしておいたほうがいいと思います。たとえば評議会で何をきめていますか、教授会で何をきめていますか。具体的な内容は全部大学の管理運営に関する意思を総体的に決定するための機関です。ですから、そういう意味で管理運営というのは、大学の重要な機関で、一つの管理意思を決定する機関というふうに言っておきましょう、管理機関と一般的に言っておきましょう。参与というのは、ここでは「大学の運営に関し学外の有識者の意見を求める」ですね。そうしますと、管理運営に関連する管理機関。これが管理機関でないというのは、どういう理屈に基づくのですか、また法的根拠は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/56
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057・木田宏
○木田政府委員 行政組織に設けられますいろいろな職、あるいは機関をどのような表現で学問的に分類するかということは、いろいろなお考えがあろうかと思います。文部省にもいろいろな審議会あるいはその他の調査会等が置かれております。私どもは、文部省に置かれております審議会が、いま御指摘のような意味で文部省の管理機関だということは、言葉の実態からして必ずしも即さないというふうに思いますけれども、しかし学問上の見地から、それらも文部省の行政意思に何らかの参与をしておるから管理機関だ、こういう御意見ならば、それは文部省に置かれます行政組織全体が行政管理の組織である、行政運営の組織である、こういう言い方もできようかと思います。しかし、現在、いま御指摘がありましたように、教育公務員特例法に置かれるる大学管理機関、それを具体的には学長、評議会、教授会というふうに規定してございます。そのような意味における管理機関でないというふうに私はお答えをさせていただいた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/57
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058・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、管理機関でないというと、一般の組織の中の一つの職なんですね。そうすると非常勤の職員とか事務職員とか、そういう一連の職と同じ内容のものというふうに規定されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/58
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059・木田宏
○木田政府委員 そのように考えております。文部省の例で申しますならば、文部省に置かれております審議会あるいは必要な調査会等、いろいろな程度の濃淡がございましょう。文部省も意見を聞くためにいろいろなくふうをいたしますが、大学自体がその大学の運営についていろいろなくふうがあってよかろう、こういう意味で考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/59
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060・嶋崎譲
○嶋崎委員 文部省設置法で、中央教育審議会というのは法律できめておりますね。大学の重要な将来の計画やそういうものについては、中教審はちゃんと法律できめておりますね。この場合の参与というのは、大学の管理機関でもなければ、非常勤職員や学内講師や、そういうものと同じ職というふうに十条の委任規定を適用して規定しておいて、中身は何ですか。「大学の運営に関し学外の有識者の意見を求める」ですよ。非常勤職員や、それからまた大学内部の、たとえば非常勤講師とか、そういうのは、大学の管理運営的なものには、職員の仕事としてはありますよ。しかし大学の運営といわれる、大学の外の有識者の意見を聞いて、大学のあり方というようなものについての参考意見を聞くという重要な機能を果たすものは、単なる十条の委任規定に基づくような職というふうに規定できなくて、むしろ十三条じゃありませんか。十三条の委任規定に基づいて大学の組織の運営に関する細目の委任規定というふうに理解するほうが法律的にはいいのじゃないですか。十条は無理じゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/60
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061・木田宏
○木田政府委員 今度考えております参与も、一つのポジションであることは間違いがないと考えます。ですから、その意味で、非常勤の職でありましても、十条の規定による一つの職というふうに考えることは当然できるものと思っております。またその職がどのような組織運営ということになるか、その面では置かれた職の運営につきまして、あるいはそのあり方について、大学の中でそれぞれ定めていくというのが十三条の規定だと思います。十三条の規定は、学内でいろいろな委員会がつくられる、教官その他の職員をもっていろいろな運営上の組織も構想されるであろう、その動かし方の取り進め方は、十三条で大学あるいは文部省令の定めるところによってきめる、こういうふうになっておるわけでございますから、その意味では十条の設置規定、それから十三条の関係規定というものが両方に関与しておる、こう御理解願えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/61
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062・嶋崎譲
○嶋崎委員 それは一応いいでしょう。十条では職を省令に委任したのですね。だからその職の中には参与が入るでしょう、一般的なポジションという意味では。ところが、その職が大学における管理運営といわれるような問題に関係を持ってくれば、当然十三条の委任規定と関連を持ってくると、そう理解していいと思います。
そこで聞きます。十三条を開いて下さい。国立学校設置法の十三条。十三条のこの法の趣旨をどう理解しますか。「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、」この前段と、「国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」そうしますと、まず結論から聞きますが、参与は細目ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/62
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063・木田宏
○木田政府委員 そのように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/63
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064・嶋崎譲
○嶋崎委員 大学の運営に関して学外の有識者の意見を聞くポジションが、ここの省令でいっている細目ですか。いま十三条でいっているこの細目というのは、たとえばこの法律の場合ならば国立学校設置法ですね。他の法律というのは、教育公務員特例法や学校教育法ですよ。そういう法律で定めのあるもの、たとえば教授会とか大学管理機関とか、国立学校設置法でいうならば、どこどこに何々の大学を置く、どういう学部だという名称、そういう名称があって、その法律にきめられているものに関連して、その組織、運営の細目について、省令できめると書いてあるのですよ。この中には教育立法における法律主義という思想が入っておるんですよ。細目というのは、たとえばどこどこに何学部があるとしたときに、その学部の中にどういう講座があるとか、今度は学部長と学生部長との関連はどうあるべきかとか、そういう組織の細目をきめていくのが十三条の委任規定ですよ。そうしてその細目、講座の中身を省令できめるような細目と、それから大学の中にあるいろいろな組織の相互関連をきめる細目、それと同じように、今度三つの医科大学に置く参与というのは同じ細目だなんという解釈は、それは明らかに文部省のいまの局長の解釈は、十三条のほうの考え方とは違った解釈になると思います。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/64
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065・木田宏
○木田政府委員 大学の中にいろいろな運営のための組織が設けられます。ものによりましては、学内の関係者で構成するものもございましょうし、ものによりましては、学外の関係者をもって構成するというものもございます。国立学校設置法で今回も御審議をいただいておりますが、民族学博物館、それと同じような文部大臣直轄の研究所等には、評議員あるいは運営協議員というような職がございまして、これらも文部省令できめさせていただいております。そればそれぞれの研究所の運営に必要な広く関係者の意見をそこに寄せてくるという趣旨のものでございます。私は、国立学校設置法の十三条の委任規定によりまして、いろいろな職の置かれ方あるいはその運営のしかたというものがあり得るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/65
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066・嶋崎譲
○嶋崎委員 何を答えているのかわからぬじゃないですか、いまの答弁は。ばくとごまかしただけですよ。私の聞いているのは、十三条できめた学校の組織及び運営に関する細目というのは、具体的には、たとえば大学の評議会というのは、学校教育法の四条に基づいて、読みかえ規定で二十五条に、大学管理機関として読みかえ規定がありますね、人事の問題に関連して。評議会という機関ですよ。たとえば評議会というのは、法律の上で名称があるものが、それが十三条で委任規定でもって細目を規定することはできるでしょう。——何を首かしげるのですか。どこがおかしいですか、いまの議論は。どこがおかしいか反論してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/66
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067・木田宏
○木田政府委員 いまの評議会の御指定でございますけれども、一般の大学の評議会の設置根拠は、十三条の規定に基づきます文部省令でございまして、教育公務員特例法はその名称を受けたもの、特例法に名称があるから、特例法を受けて国立学校設置法の省令ができた、こういう関係ではないというふうに考えておりますので、ちょっと首をかしげさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/67
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068・嶋崎譲
○嶋崎委員 その解釈がおかしいんですよ。憲法二十三条に学問の自由というものをうたい、そのために大学自治という原理が出てきて、その大学自治の制度化として学校教育法があり、その大学自治の運営の人事の問題に関して教育公務員特例法があるわけですよ。そういう一連の、いわば法の体系の中できめられている大学の組織、運営について、法律で名称化されたものを除くほか、それに関連する細目について省令に委任したんですよ。ですから、そこで大事なことは、現在の憲法を前提としたところの日本の教育立法の体系は、法律できめられている大学の組織の名称があるか、さもなくば大学の慣行として制度的に運用されて現にあるもの、法律には明示されてないけれども、大学自治というものを前提にすれば、法律では名称はないけれども慣行としてあるもの、これは法律としていろいろ具体化しますよ。たとえば大学には重要なことを審議するために教授会を置くと書いて、助教授はそれに参加することができるというのは、慣行を前提にして法制化された一つの側面ですね。ですから現在の法の体系からすれば、法律の上に大学の管理運営について名称として残っているか——名称として残っているというのは、国会で審議してきめるということです。これは重要なことですね。昔は勅令でやった。勅令ではなくて国会でもってわれわれが審議して、教育の基本的なものは法律できめるという教育立法における法律主義という考え方に立っているから、だから法律で名称というものをはっきりさせて、その運営については大学の慣行というものを前提にし、同時にまた細目をきめていくときには、法で規定されたり慣行上ない組織、運営を省令できめるということはできないのが、今日の教育立法の体系なんですよ。情勢は動いていますよ。情勢は動いていますから、かなり柔軟に法を運用することを私は否定しません。しかし、ここで問題になることは、参与という組織が、筑波大学のときには、私に局長はこう答弁しておりますよ。四十八年六月二十八日、筑波大学法案に関連して、筑波大学にわざわざ参与という組織を設けた根拠について説明されておられるんですよ。本来ならば十三条の委任規定でやれることなんだけれども、しかし現在の大学における今日までの管理運営から見て、新しい理念に基づいた制度だから省令的なものをむしろ法律に押し上げて法律化したのだと言っているんですよ。それだけ参与会というものをわざわざ筑波のときに法律できめるというのは、法の中にその名称を入れたんですよ。その入れた根拠は、いままでの法律の体系の中になかった大学の管理運営の組織だからですよ。組織だからこそ、新しく法律できめておかなければならぬという趣旨だからこそ、委任規定じゃなくて、法律で決定したと答えたのですよ。だとすると、参与会というものと参与については、私が一番最初に質問したら、局長はこう言いましたね。確認しましたよ。開かれた大学という大学の理念に基づく一つの制度化だ、そうでしょう。だとすると、いまの憲法や学校教育法や教育公務員特例法全体の中に貫いておる大学自治のあり方が閉鎖的なんですよ、法の理念としては。それはある意味では閉鎖的です。学外の圧力からの自由というものが非常にベトーネンされておりますから、だからそういう意味で外からの意見を聞かないような性質を持っているからこそ、講座制の問題や、弊害が出てきたといって、大学改革が問題になったじゃないですか。そうでしょう。だから、いままでの憲法や学校教育法や、そういう一連の法の体系では、現実の大学が、世論とかそういうものの意見を十分にいれ得ないような意味で大学自治というものには一見閉鎖性というものがある。だからこそその理念を変えて、開かれた大学という理念に基づいたのです。そういう理念に基づく制度だから、いままでの法の体系にない名称の制度になるから法律化しなければならないんですよ。しかし、その法律化する場合でも、一般化してなかったんです、この前は。筑波大学で特殊な組織として置いたのです。それはなぜか。その根拠は、この前も討論しましたから、いまさら討論しませんけれども、これは学校教育法では教授会であり、評議会なんだ。そういういままでの大学の管理機関というものとは違った理念に基づいたものであるから、これから筑波大学において、教育大学から要請された問題について法律的にまず確認しておいて、今後これがどのように動いていくかということをテストしていく。だから筑波というのは、そういう意味で日本における今後の大学運営の一つのモデルだということを大臣も答えたし、局長も答えました。そういうモデルとして、まだ慣行化されておらない、この前参与が選ばれたばかりですから、ほんとうに大学の外の世論を聞くことになるのかどうか。これだけ財界の評判の悪いときに、財界の代表が有識者の意見だというて国民が納得するかどうか、それは別として、ともかくこの参与会というものができた。しかし、この参与会というものは、あくまで法律の上できめる場合でも一般的ではなかったのです。特殊的ですね。それだけ慎重にしながら、法律でわざわざ明記した参与会と、今度いう参与というのは、会ではない、大学のポジションではあっても、理念は同じ制度化だということを確認したじゃないですか。だったらどうして法律事項として考えないでこれを省令事項として考えるのですか。事実は省令事項として取り扱える事項ではないですよ。だって現にここに何と書いてありますか。大学の運営に関し、学外者の有識者の意見を聞くんですよ。この中身は、今度は医学部という場合には学外者の関連はどうなっているか、現実をもうちょっと具体的に議論します。聞きますからね。そうしますと、もっと問題がはっきりしてきますのは、少なくともぼくは医科大学をつくることに反対しているんじゃないんですよ。病院のないところに大学はつくらなければならぬ、国立大学というのを。それはけっこうなことだ。大学をつくるのに、法律事項でやるものを、わざわざ省令で文部省が上から指導して——まだ現に大学はできていないのですから、大学には教授会もまだないのです。設置の推進の組織があるだけですよ。学長さえはっきりしてないでしょう。そういうときに、文部省が上から持ってくる、それを省令でもって処理してしまう、上からつくるのに。重要な法律事項であるべき性質の内容のものを省令で処理することはできないとぼくは言うんですよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/68
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069・木田宏
○木田政府委員 先ほど前国会におきます筑波大学の参与会について私の答弁申し上げましたことを御指摘がございました。そのときには私もお答えをしたように思っておるところでございますが、参与会は、国立学校設置法十三条の委任規定に基づいて省令で設置することができるであろうというふうに考えております、しかし、筑波大学の今度の新たな性格を、学群、学系制度をとったこと、それから評議会の構成のしかた、あるいは人事委員会のあり方、そういうことと一つのものとして、筑波大学の性格を御理解いただくために、参与会という、大学自体が非常に重視したそのものの考え方をひとまとめにして章を起こして筑波大学の組織、管理、運営の機関として御審議をいただく、こういうふうにお答えを申し上げたと考えております。そのように御指摘がございました国立学校設置法十三条の規定に基づきまして、現在すでにいろいろな組織も設けさせていただいております。
〔委員長退席、森(喜)委員長代理着席〕
先ほど申し上げましたように、高エネルギー研究所の評議員あるいは運営協議会——評議員は学外者でございます。いずれも、高エネルギー研究所から見れば広く学外の関係者でもって研究所の運営に参画をするための職を省令で置いておるわけでございます。ですから、大学におきますそうした職としていろいろな意見の聞き方をする、何も内部の関係者だけでなくて、学外の関係者の非常勤の職を置く、これはそれぞれの考え方として運営をしてもらったらいいであろう。大学の運営についてというふうに幅広く書いてありますが、その運営のどこの部分をどういうふうにするかというのは、大学がそれぞれおきめになったらいいことではなかろうか、こういう趣旨で省令で書いておるわけでございます。でございますから、筑波のときに設けました参与会というもの、その位置づけと、今回それぞれの大学にいろいろな意見の聞き方ができるような、そういう参与という非常勤の職を置くことと、これはそう矛盾したことではなかろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/69
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070・嶋崎譲
○嶋崎委員 全然ごまかしだ。国立学校設置法の十三条の前段と後段の論理的関係はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/70
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071・木田宏
○木田政府委員 前段は、他の法律に書いてあるものは法律の定めによるということでございまするし、法律に書いてないものについて省令で書くということでございまして、別段御指摘のような奇異を感じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/71
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072・嶋崎譲
○嶋崎委員 そういう理解なんですよ、文部省の理解というのは。たいへんな間違いですよ。この前段の意味は、「この法律」というのは国立学校設置法ですよ。「他の法律」というのは、学校教育法とか、教育公務員特例法とか、そういう法律なんですよ。そこに「別段の定めのあるもの」、参与は定めのないものですよ。ここでまず前段を確認しておかなければならない。「定めのあるもの」というのは、法に少なくとも名称としてあるものです。その法に名称としてあるものというのは、何のために法で定めるかというと、大学の管理運営の組織というものは、昔みたいに勅令できめるのじゃなくて、国会で審議をして国民の意見に基づいてきめるというのが法の趣旨なんですよ。だから、前段でいっている意味は、そういう法律できめられているところの組織並びに運営の細目を省令にゆだねたんですよ。だから、参与というのは、「この法律又は他の法律に別段の定めのあるもの」じゃないんですよ。定めのないものなんだ。だからこそ筑波大学で、この省令だと無理がくるから法律でわざわざ参与会というものを名称化したのじゃないですか。この十三条の解釈を、前段と後段を全く切り離して、法律に名称のないものなら何でも省令でつくれるなんて解釈したら、今日の教育立法における省令の理念というものを正しく理解していないことになりますよ。文部省はかってに修正しているのですよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/72
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073・木田宏
○木田政府委員 十三条は「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、」と書いてございます。参与は法律に書いてございません。そして「除くほか、国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」と書いてあるのでございまして、この十三条の命令への委任は、この法律または他の法律に規定のあるものについて、その組織、運営の細目を文部省命で定めると、こう書いてあるわけではございません。でございますから、嶋崎委員のおっしゃるように、法律に名称のないものを省令で規定することは違法である、このようには考えないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/73
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074・嶋崎譲
○嶋崎委員 そこがおかしいのですよ。大学の慣行というものがあるのですよ。法律に規定はなくとも、大学の慣行として現実にあるものを大学自治の上で認めれば、これは法律に定めのないものなんですよ。そういう意味なんですよ、ここでいっている「ものを除くほか」という意味は。法律の上で書いてない、だから、それ以外の組織、運営については何でも省令できめられるなんていうような、そんなめちゃくちゃな解釈はできるはずはないですよ。つまり、大学自治というのは、法律で書かれたたとえば教授会があったって、学校教育法には評議会は規定してないでしょう。教授会というものを規定する場合でも、助教授は参加することができるという慣行を認めた規定を設けるのですよ。そういうふうにして、いまの法の体系でいっているところの法律で定めのあるもの以外に、定めのないものというのは大学の慣行なんですよ。慣行上、法律にはないけれども大学の管理運営や自治組織として必要なものというのが現実に大学にある。そういうもののいわば全体を含めての組織と運営について、細目を省令に委任したんですよ。これをいまのような解釈でごまかすのなら、まず法制局の見解を聞きますよ。法制局、いまの見解、どう思いますか。十三条をどう解釈しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/74
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075・味村治
○味村政府委員 十三条は「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、」となっております。したがいまして、国立学校設置法なり学校教育法、そういったものに規定のございます組織につきまして、その組織の細目を文部省令できめるということは当然御指摘のとおりでございますが、ではそれ以外に、国立学校設置法なり学校教育法その他の法律でもって何も触れていないものについて、組織を省令できめられるかということにつきましては、先ほど木田局長が言われましたとおり、これは純文言解釈としてでございますが、「定めのあるものを除くほか、」とございますので、そういうものもきめられるということになろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/75
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076・嶋崎譲
○嶋崎委員 それは権力解釈だ。これはあくまで細目ですよ。国立学校の組織、運営の細目なのであって、細目を省令に委任した。しかも前段は、法律に「定めのあるものを除くほか」なんです。だから、定めてあるものはもちろんこの中に含むことは言うまでもないし、その他の場合においても含むのです。しかし、その場合の理念が大事なんですよ。
つまり大学における組織というものは、大学の管理運営に関係のある組織の場合には特に大学自治というものを前提にして考えなければならぬという、その前提を抜きにしては、大学における組織及び運営の意味がはっきりしないということです。それは言うまでもないでしょう。そんなものを否定したら、もう大学自治は要らぬという議論になってしまう。だから、そういう前提に立った上で、大学に法律できめて名称があるかもしくは慣行上のものについて、その運営の細目については省令にゆだねている、これが十三条の趣旨だというのが私は法のすなおな解釈だと思います。
そういう意味でこの解釈をやっていれば、権力解釈とぼくの意見との違いが出てくるでしょう。それだけで意見が平行線だといえばそれきりになりますから、問題はもう一ぺん返りますが、参与というのは細目できめるという解釈を確認しますが、そうですね。細目ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/76
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077・木田宏
○木田政府委員 当初にも申し上げましたように、参与というのは十条の規定を受けて国立学校に置かれる職の種類でございまするし、またそのあり方をどうするかということをきめること自体は、国立学校の組織、運営の細目に関することと、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/77
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078・嶋崎譲
○嶋崎委員 もう参与は細目になっちゃったけれども、だからなくてもいいんですよ、細目のようなものなら。「大学の運営に関し学外の有識者の意見を求めるため、参与若干人を置く。」ですよ。重要な機関じゃありませんか。細目じゃなくて、これば重要な項目じゃございませんか。細目でしょうかね。法制局、この施行規則の一部改正試案、文部省の出しているこれを見てください。これの初めに「〇〇医科大学に、大学の運営に関し」——大学の運営というものは広い。しかも「学外の有識者の意見を求めるため、」ですよ。そういう大学の組織である、ポジションである参与というのは、十三条でいっているような、大学の組織、運営についての細目を省令に委任したその細目に相当する内容と判断しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/78
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079・味村治
○味村政府委員 ただいま拝見いたしましたので、現段階におけるお答えとして御理解いただきたいのでございますが、国立学校設置法の十三条は、国立学校設置法なり学校教育法に定められました学校の組織の大綱というものを踏まえまして、そして国立学校の目的なり機能なりを十分に果たすことができるように、その組織の大綱に——これは組織と申しましても、明文で規定されているだけではなくて、その明文の中に含まれております精神と申しますか、そういうものの趣旨も入っておると思いますが、(嶋崎委員「慣行もありますね」と呼ぶ)それはあとでちょっと……。そういうものを踏まえまして、大学の機能を発揮させるために必要と認められる組織の細目であろうかと、このように考えるわけでございます。
なお、慣行がどうかということを申されたわけでございますが、まあ慣行と申しますのは非常にむずかしい問題であるわけでございますが、慣行的になっておりますことが国立学校設置法なり学校教育法の趣旨に合って慣行的に運用されているということでございますと、そういった慣行が学校全般において、国立学校設置法なり学校教育法の趣旨が是認されているということをいって認められるわけでございまして、そういった意味で、慣行というのは、国立学校設置法なり学校教育法なりの趣旨を明らかにするという意味で意味があろうかと存ずるわけでございます。
ただいま拝見いたしましたこの規定が文部省令に委任されている範囲かどうかという点につきましては、結局は細目ということになるのかならないのかということが問題かと思いますが、先ほどお答え申し上げましたように、国立学校設置法の十三条が、法律に定められてあります組織を踏まえまして、その上での学校教育の機能を果たすためのものであるといたしますれば、このような規定を置くことも委任の範囲を越えるということは断定はできないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/79
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080・嶋崎譲
○嶋崎委員 ちょっと法制局、法制局……
〔発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/80
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081・森喜朗
○森(喜)委員長代理 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/81
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082・嶋崎譲
○嶋崎委員 法制局の見解を明らかにしますよ。ここにいっているのは大学の……
〔発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/82
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083・森喜朗
○森(喜)委員長代理 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/83
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084・嶋崎譲
○嶋崎委員 ここにいっているのは、省令の改正の中身に「〇〇医科大学に、大学の運営に関し」——私の聞いている内容ですよ——「学外の有識者の意見を求めるため」の組織なんですよ。ポジションなんですよ。法制局、これを前提にしてくださいよ。そういういわば内容のものが十三条でいっている国立学校の組織、運営の細目になりますかと聞いているのです。細目のような事項ですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/84
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085・味村治
○味村政府委員 「大学の運営に関し学外の有識者の意見を求めるため、参与若干人を置く。」この規定は、先ほどから御議論のございましたように、大学の意思決定をするということではないと存じます。意見を求める、ただ参考にするということで、一種の諮問機関的なものであろうかと存じます。そうなりますと、しかも「参与について必要な事項は、当該大学の定めるところによる。」となっておるわけでございますので、これは細目に入るというふうに一応は考えられるのではなかろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/85
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086・嶋崎譲
○嶋崎委員 いまのやつ、議事録正確に書いておいてください、いま言ったのは。そうしますと、法制局の考え方は、筑波大学に参与会というものを置くというふうに法律的に名称化した根拠は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/86
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087・味村治
○味村政府委員 これは先ほども御議論がございましたように、筑波大学に参与会を置くということは国立学校設置法十三条でもできるのではないかという御議論があったと承りましたが、私もそのように考えるわけでございます。しかしながら、筑波大学におきましては、新しい大学をつくる、新しい理念の大学をつくる、新しい形態の大学をつくるというところから参与会あるいは学群、学系、そういった新しい制度をつくったわけでございまして、法律論といたしましては、したがいまして、この筑波大学に参与会というものを法律で設けた、その結果、その反面解釈といたしまして、筑波大学以外の大学に法律でなくて省令でもって参与会と全く同じものを置くということは、省令の委任事項の範囲からはずされたと見るべきかどうかという問題が出てこようかと思うのでございまして、その問題が結局法律論としては最後の問題になろうかと思うわけでございます。この問題は非常にむずかしい問題でございますが、私どもとしても、ここら辺につきましては、少なくともこのように筑波大学に参与会という規定が国立学校設置法に置かれましたので、参与会と全く同じものを他の大学に置くということは国立学校設置法で行なうことが妥当ではなかろうかというようには考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/87
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088・嶋崎譲
○嶋崎委員 文部省の見解と法制局の見解、違うな。いまの国立学校設置法の第七条の三に「筑波大学に参与会を置く。」ということをきめたときの立法の論理といまの法制局の見解は違いますぞ。いいですか、問題ですよ。大問題だ、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/88
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089・味村治
○味村政府委員 私の答弁が舌足らずで申しわけないのでございますが、筑波大学につきましては、参与の選任方法、あるいは参与会とするといった組織あるいはその権限というものをはっきり明確に書いてあるわけでございます。ところが、こちらのただいま拝見いたしましたものは、それほど参与会という組織でもございませんし、参与の権限というものも当該大学にゆだねているわけでございますので、これは必ずしも筑波大学の参与会と同一に論ずることはできない、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/89
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090・嶋崎譲
○嶋崎委員 その答弁が違うのだ。いまの答弁も、かつて文部省が答えた答弁とも違うのですよ。どこが違うかといったら、筑波大学の参与会というのは、東京教育大学が大学自治という観点からそういう参与会というものが必要だという考え方に出てきた新しいタイプの管理機関なんです。そういう意味でそれをつくらなければならないけれども、いまの法律でいくと委任事項でやろうとすれば無理してできぬことはない。ないけれども、大学から出てきたこの新しい大学管理機関で、全国の国立大学では異例なので、筑波大学だけには特殊に法律で明確にするというのが理由なんですよ。だから、おっしゃるように、いま問題になっている参与は、法制局、まだ大学はないのですよ、教授会もないのですよ。教授会もなければ、準備委員会があって、大学にそもそも管理機関というものはないわけよ。大学の中で参与を置くという意見はまだあるかないかわからない。この省令の趣旨というのは、できてきたら認めるというだけの省令ですから、大学に委任しているのですよ。筑波大学のときには、ちゃんと教育大学というものを前提にした大学自治論があって、その上に立って法の名称を積極的にきめたのですよ。だから法制局は、その立法過程というものは抜きにして、でき上がった法律の一つの側面を一般化してはだめですよ。こうなったら、法制局と文部省はもう一ぺん意思統一しなければいかぬ。筑波大学における参与会の立法趣旨と名称をきめた根拠、それを意思統一する、これが一つ。
もう一つは、これは大体一致しているように見えるけれども、これも微妙なところがあるが、国立大学設置法十三条の大学の組織及び運営の細目という意味、この細目という意味を限定してお互いにもっと厳密な規定をしなさい。その上で、今度ここでいっているところの「大学の運営に関し学外の有識者の意見を」聞くのですよ。前の筑波大学の第七条の三にはこう書いている。同じようなのだ、この趣旨は。参与会は参与若干人で組織し、大学に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから学長の申し出を受けて文部大臣が任命すると。筑波大学でいっているこの七条の三の2と、いまいっている内容は同じじゃないですか。大学の運営に関し学外の有識者の意見を関くという筑波大学の参与会にいっている中身と同じもので、ただ会と称していないだけだ。理念は同じだ。局長も最初にそう言ったじゃないですか。開かれた大学という新しい理念に基づいた制度だと言ったじゃないですか。法制局、何言っているのですか、しっかりしてくださいよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/90
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091・木田宏
○木田政府委員 参与会というものを設けた経緯があることば、これは筑波大学の場合に御指摘があったとおりで、私どもも先国会以来その趣旨を御説明さしていただきました。大学が学外関係者の意見を求めるようにする、その考え方は、筑波の参与会と今回考えております参与というものも同じでございます。そうした考え方は、すでに現在のこの国立学校設置法で置かれております研究所につきましては私どもも今日取り入れてございまして、国文学研究資料館、極地研究所その他には省令でもって評議員というものを置かしていただいております。国文学研究資料館につきましては省令で「評議員二十人以内を置く。」こういたしまして、「評議員は、研究資料館の事業計画その他の管理運営に関する重要事項について、館長に助言する。」というような職として置かしていただいております。これは、その研究資料館の運営のあり方を省令で定めさしていただいておるものでございますが、こうしたあり方を考えてみたいということの趣旨、あるいは国文学研究資料館というものが法律で置かれましたその趣旨を円滑に運営いたしますために必要な細目規定だというふうに考えておる次第でございます。医科大学が設けられました場合に、その運営ということばは広うございますが、いろいろな領域についていろいろ関係者の意見を聞くことがあり得るであろう、その意味で、その意見の聞き方は大学にゆだねるといたしまして、そうした職の設置、その考え方というものは法律の規定に基づいた文部省令で明確にいたしておきたい、こう考えるものでございまして、今日の法律、省令の体系からはみ出しておるものとも考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/91
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092・嶋崎譲
○嶋崎委員 いいかげんなことを言いなさんな。附置研究所とか共同利用研究所とかにおいて外の有識者の意見を聞くという有識者の意見の中身と、ここにいうのは大学の運営に関し学外者の意見を聞くという、組織ですよ。しかも、参与という名前は筑波大学で初めて法律で名称化がされたものなんです。もとをただすと、この参与の前は理事会だったんです。ボード・オブ・トラスティーズなんですよ。
〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
教育大学のもともとあった案は、理事会だったものが参与会に変わったんですよ。ボード・オブ・トラスティーズという先進国の大学の管理運営の組織的なものが参与会という名称に変わっているんです。その参与と同じ機能、理念を持ったものがこっちの参与なんですよ。普通の研究所にいうところの学外者の意見を聞くに必要な評議員を外から選ぶという理念と、参与の立法過程で問題になった大学の組織とは理念が違うんですよ。だから、でき上がったものをいえば、省令の委任事項で片方の学外者の意見を聞くようなものがある。形式的な法律の論理としては決して違法じゃないですよ。形式論じゃなくて、ここはあくまで大事なことは、筑波大学に参与会を置いた、参与会というのが大問題になったのは、ボード・オブ・トラスティーズの精神が生きておるということなんですよ。それを参与と言った。現に私立大学の理事会を見てごらんなさいよ。理事会というものが存在していて、その理事会が学外の寄付を集め、大学の管理運営に意見を述べ、水増し入学をやり、めちゃくちゃな高い入学金を取る、そういうことをやってきた理事会というイメージがわれわれの中にあるんです。私は私立学校の問題で一ぺん真正面に議論してみなければいかぬと思っています、制度論としても。そういう、つまりボード・オブ・トラスティーズといわれた理事会が、これじゃラジカルだ——教育大学の議論はそうだったんですから。これを言ってはつぶれる。そこで参与という名前に立法過程で変えたんですよ。そういう性質の参与会なるがゆえに、いままでの大学の管理運営にあるような意味での組織とはかなり性質が違う。しかも、理念は、いままでの学校教育法でいっているような閉ざされた大学ではなくて、開かれた大学、この理念については私は批判してないんですよ。少なくとも、法の体系でいっている理念が変わるからこそ法律化しなければならなかったのですよ。制度的に名称化が必要だったんですよ。だから筑波大学にはわざわざ法律化しておいたんです。その参与会と同じ理念と組織であるとすれば、省令できめる事項じゃなくて、これは法律事項ですよ。むしろそれがすなおな今日の法の体系の解釈だと私は思う。それを細目として、法学部の中に何講座を設けるとか、事務局にはどんな職とどんな権限を置くかという省令の細目と同じように参与というものを規定するということは、法律論としては完全な暴論だ。そうでないと解釈すれば平行線になります。だけれども、これは認めるわけにはいきません。この省令は撤回してもらわなければいかぬ。そしたらいまの国立学校設置法には一つも反対する理由はないですよ。わざわざこんなむずかしい、やかましい省令を置かずに、大学の自治にゆだねなさいよ。それにゆだねておいて、いまの法律を認めて、あと、いままでの大学の慣行や筑波大学に経験があるのですから、その経験に基づいて大学内部で審議してきて、出てきた段階で考えればいいじゃないですか。法律にきめてないのですから、先の問題で考えればいいじゃないですか。それを最初から医科大学三つについてやるということば、これは明らかにこれからできる単科の医科大学についてみなこの方式でいきましょうよという文部省の指導ですよ。指導だとすれば、大学自治を前提にして出てきた慣行でもなければ、法律にきめられた名称のない、いままでの大学の管理組織でもないものなんですよ。これは細目じゃないです。これは重要な項目なんです。大学自治論ですよ。憲法論ですよ。そこまでさかのぼって議論しなければならぬ問題を、研究所の中の評議員が外から入ってきたのを省令で出したからとか、筑波大学の参与会と同じ理念と組織だが、会ではなくて、名称や権限はあとで大学できめるのだから、だから省令できめられる、そんな省令委任は、もう明らかに文部省は、上から新しい君らの大学自治の型をつくろうとしているのですよ。下から出てくるものじゃないのですよ。そういう意味で、これはどんなことがあっても、法律論としても、十三条の理念からしても、憲法、学校教育法、教特法の法の精神からしても、これは決して省令事項にやらせる問題じゃない。これは法律事項だ。そういう意味で、この省令の撤回というものをまずここで求めます。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/92
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093・木田宏
○木田政府委員 筑波の場合に、いま御指摘がございましたように、関係者は当初理事機構を考えました。管理機関としての理事会を別個に設けるということまで当初の段階で考えました。これは、現在の法体系の上では法律で書くべきものだと考えます。しかし、立案の過程の中で参与会というふうに、その機関の位置づけはかなり違ったものになりました。しかし、東京教育大学が構想いたしました筑波大学の新しい構想ということを御理解いただくために、その経過も含めて参与会というものを筑波大学の章の中に一緒に規定させていただいた。そのときに、理事機関と違っていわゆる参与会であるならば、国立学校設置法の十三条による委任によって置けないこともないであろう、しかし、その経過のある筑波大学について輪郭を明確にする意味において御審議をいただく、その意味で他の評議会、人事委員会、学群、学系と一緒に御審議をいただく、このように御説明を申し上げたと思っております。参与というのばかなり一般的な呼称でございまして、委員、顧問、参与等、非常勤の職を考えます場合に、かなり広く使われておるのでございます。評議員等もそうした同じ性格のものだというふうに考えておりまして、運営について関係者の意見を聞く非常勤の職、これを新しくこれから大学をつくってまいります場合にその用意をしておきたいということでございまして、新設の大学でございまするから、新設の大学に対して文部省がこのような用意をしてつくりたいということは、既存の大学の学問の自由とか大学の自治ということとは関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/93
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094・嶋崎譲
○嶋崎委員 また新しい問題が出てきた。どうするかな。とにかく、いま私が申し上げていましたように、あと委員会、理事会のほうで取り扱ってほしいですけれども、この議論については私はいままでるる述べましたから、そういう観点に立って、これは省令事項ではない、国立学校設置法十三条にいう細目事項ではない、大学の重要な事項であるがゆえに、これは法律事項として考えるべきである。だから、その省令の撤回を求める。一種の法律違反だという判断に立って省令の撤回を求める。——これは撤回しないと言うでしょう。
そこで、その問題は一応そこでケリをつけて、あと、委員長、各党のこの問題に対する取り扱い方についておまかせいたしますから、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/94
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095・稻葉修
○稻葉委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/95
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096・稻葉修
○稻葉委員長 速記を始めて。
午後二時に再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時三十一分休憩
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午後三時二十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/96
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097・稻葉修
○稻葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。有島重武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/97
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098・有島重武
○有島委員 ただいま嶋崎委員のほうから参与会ないしは参与の設置についての質問がございまして、政務次官、ここでもってずっと聞いていらっしゃいましたように、たいへんこれは疑義が深いと私も判断いたすものでございます。それで、これはひとつしっかり整理していただかないと、私の見解では、さっき筑波の工事も一つの欠陥工事ではないかということがございました。この法律もまた拙速といいますか、一つの欠陥があるのではないか。それは文部省ないしは与党が考えていらっしゃることが、この法律に十分に表現されていない。そうしてその意図については、また先の議論がございますけれども、それが明らかになっていないところで、あとでもってわれわれが予期しなかった結果がどんどん起こっていくというようなことは、これは非常に好ましくないことである、そう私は思うわけでございます。
それで私はこれを整理いたしまして、国立学校設置法の中の第七条の三に書いてあります「参与若干人」、それから施行規則として、資料として回されました中にある「参与若干人」、同じことばです。これが、第一番、その機能において、第二番、任命ですね、第三番、法的根拠、これらの点について同一な点は何か、それから類似の点は何か、それから異なる点は何か、この見解をはっきりしていただかなければ、この先の議論が非常にやりにくい、このように私は判断するものでございますが、政務次官、御意見……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/98
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099・藤波孝生
○藤波政府委員 嶋崎委員の御質問に対していろいろ大学局長からお答えをいたしまして、私も聞いておって、いろいろその議論を承ったわけでございます。
嶋崎先生には先生の御議論があるわけでございますけれども、文部省といたしましても、今回のこの省令で参与を設けるという措置を考えるに至りますまでに、十分いろいろな議論を積み上げてきておりまして、十分検討してまいっておるつもりでございます。学問の自由、大学の自治、先ほど来いろいろ御議論もちょうだいをいたしましたが、そういったものを守ってまいりますためにも、また教育と研究をより充実をさせてまいりますためにも、大学というものを画一的に考えるのではなくして、それぞれの大学の特殊性を発揮させて、多様な管理運営の形を考えていく、こういう気持ちから筑波大学の場合は参与会として出発をさせましたし、今回また省令で参与という制度を設けていく。いずれ他の大学でもいろいろ大学人の御意見も承りながら、さらに新しい仕組みがどんどんできてくるのではないだろうか。いずれにいたしましても、従来の大学の閉鎖的な弊害、閉鎖的な世界であるということから起こったいろいろな弊害もあったわけでありまして、そのことについては筑波大学法のときにいろいろ御質疑、御議論をちょうだいいたしたわけでございます。そういったことを中心にいたしまして、いろいろ検討いたしました結果、省令としてこれを持っていく、こういうことになったわけでありまして、いま具体的に類似の点あるいは相違いたします点等につきましては、大学局長から答えさせたいと思っておりますが、十分検討いたしまして、御審議をお願いをしておるということだけ申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/99
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100・有島重武
○有島委員 そういうことになりますと、またこれから議論が長くなると思うのですよ。
それで、このことについては、先ほど申しました同一の点と、類似の点と、異なる点、これをしっかりとまず宿題にしたいと思います。それはよろしゅうございますね。これをまず明らかに、しっかりと、資料か何かにして出していただきたい。第一番。
それからまだ山原委員からも嶋崎委員からもこれに関連しての御質問があるようでございますので、また私しばらく譲りたいと思いますけれども、先ほど言いかけました鉄棒のことです。この鉄棒はそもそも私のほうに持ち込まれてきたけれども、国立大学のところから拾ってきたらしいんですね。これは文部大臣のほうの所管だと思いますので、これはお返ししますから。これは筑波から出土したものらしいから、お返しします。
〔委員長退席、塩崎委員長代理着席〕
それで、先ほどの調査はしっかりなさるとおっしゃったと思いますけれども、調査をやって、それでもって速急に手を打つということをもう一ぺんはっきり言っておいていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/100
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101・藤波孝生
○藤波政府委員 先ほど御指摘のありました同一の点、類似の点、異なる点等につきましては、いずれ整理をいたしまして、資料として提出をさせていただきます。
先ほど御質疑のございました建築資材の問題につきましては、お答えをいたしましたように、十分調査をいたしまして、はっきりしてまいりたい。もし先生の御指摘のような点がございましたならば、さっそくに善処いたしたいと思っております。いま、文部省のものだから持って帰れとおっしゃいましたけれども、どの辺でお集めになりましたかちょっとわかりませんし、返しようもありませんので、いただきましてもちょっとぐあいが悪うございますので、御無礼をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/101
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102・有島重武
○有島委員 私も持ち込まれたもので、これは投書と一緒に来たものですから、これは文部省のほうにお返ししたいと思いますから、お受け取り願いたい。
それでは、なお関連質問がありますので、関連質問に移させていただきます。実はこの法律をしっかりした形でもって出してきていただければ、これはまだまだもう少しあとの問題でもって議論したいことがございますので、なお留保していただいて、いま関連質問に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/102
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103・嶋崎譲
○嶋崎委員 もうあまり時間はとりませんが、午前中の法制局と文部省の局長の答弁の中に、食い違っているやに——議事録かまだ手に入りませんから、私なりに食い違っているように見受けられる問題点を指摘して、それぞれ法制局並びに文部省の見解をいずれ出していただきたいということにしぼりますけれども、一つだけ、局長は、三医科大学に設置する参与は命令への委任事項十三条の細目だ、こう明言されましたね。そこでお聞きしますが、国立学校設置法の改正をやって、筑波大学の参与会というのは法律できめましたね。ところが、国立学校設置法施行規則には第二十条の十一に参与会の細目がきまっておるわけです。こっちは細目ですよ。そう思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/103
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104・木田宏
○木田政府委員 そのとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/104
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105・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、法の体系から言えば、これはかりに一般的なものではないにせよ、筑波大学に関して参与会が法律できめられて、その法律の十三条の委任の条項を受けて、ここで細目をきめているのですね。今度の国立学校設置法施行規則の一部改正試案というのは、この法律に相当する部分の参与会ではありませんよ。しかし開かれた大学の理念とそれの制度的組織化だということも午前中確認されたわけですね。それのいわば内容は、筑波大学でいっておる参与会に相当する法律条項だというのが私の主張ですね。だから、国立学校設置法施行規則の細目というのは、筑波大学の参与会とその細目に相当するものでなければならない、法の体系としては。ですから、筑波大学の場合には施行規則で細目をきめた。これが細目であって、今度は医科大学の三つの場合については、理念を内容に含んだ参与を省令できめるといっておることの中には、法の体系としては異質なものがあるというふうに私は判断せざるを得ない。これは私の考え方。これに関連して法制局が午前中私の質問に対して答えた答え方の中には、非常にあいまいなものを私は感じたのです。というのはどういう点かというと、
〔塩崎委員長代理退席、委員長着席〕
局長のほうは、筑波大学の場合は筑波大学に特殊な組織として置いた。それは筑波大学が設置される立法過程で、東京教育大学というもののいわば理事会から参与会になり、そして新しい開かれた大学の制度化として要請されたものを受けて法律化した、こういう議論ですね。ところが法制局の見解は、あのとき私はあいまいにしか——まだ議事録がありませんから、今度は前と違ったことを言っておるか、議事録を見ればわかります。だから、そのときの法制局の主張は、筑波大学は法律で特殊な大学の組織として法律化した。法の上で名称化したというそういう特殊性の問題ではなくて、各大学に今後出てくるのは、ケース・バイ・ケースであるけれども、これは筑波大学にいう参与会ではないのだから、省令できめることができるという意味で、一般的な法の体系として矛盾はしないという内容の考え方が述べられたように私は思うのです。ですから、筑波大学における参与会の立法過程と法の趣旨、それから今度省令でもって三医科大学に参与を置くという立法趣旨、法律じゃありませんから委任ではありますけれども、その趣旨のそれぞれについて、つまり筑波大学が特殊的だと言ってきた。しかしこれは、だからこそこの法律できめて、片一方で施行規則で細目をきめておるわけです。局長は片一方では、今度は医科大学のやつは細目であると言ったのです。この細目と違うわけです、明らかに。参与会できめた細目とは違う内容のものを細目といって、そして施行規則できめることができる、こう言っておるわけですね。ですから、それの論理的関係いかん、この問題についての見解をまとめていただきたい。同時に法制局も、いま言った筑波大学の場合に特殊な規定として設けた、参与会というものを特殊なものとして設けたこの法律の規定、これは立法過程で筑波大学の内部の自主的な判断に基づく要求ないしは要請に基づいて、既存の学校の法体系ではなかなか異質だから法律で名称化したわけです。ところが法制局の見解は、文部省令で今後あちこちにつくることができるという考え方を述べられたとすると、その筑波大学の特殊性と、省令で今後ケース・バイ・ケースでやっても一般化されるであろう可能性を持った、そういう省令での設置のしかたとの間の論理的関係いかん、この問題について文部省並びに法制局のそれぞれの見解というものを整理しておいていただきたい。いまここでやりますと、前の議事録と違いますと、また議論が紛糾しますから、いずれ議事録をごらんになって、整理しておいて、まとめて議論がしやすいように、混乱しないようにやっておいていただきたいと思うのです。
もう一つは、国立学校設置法十三条のここの解釈について、前段の、法律で定められているものを除くほか、大学の組織、運営に関する細目を文部省令で定めるという、この十三条の前段と後段の論理的関係、これについても、ぼくは一見同じようであってちょっと違うような印象を受けています。ですから、それぞれ法制局と文部省の見解を文書で提出していただきたい。いまここでやりますと、前の議事録と違うと、また先の議論がややこしくなりますから、この際、一応幕を引いておいて、そしてその上で議論をするように資料を提出していただきたい。委員長、その点をおはかり願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/105
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106・稻葉修
○稻葉委員長 嶋崎君、委員長からその統一資料を出すように言いましたところ、承知いたしましたから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/106
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107・嶋崎譲
○嶋崎委員 ありがとうございました。
そこで、この問題はここで打ち切りまして、私、ちょっと時間がありませんので、一つだけ資料の要求について質問させていただきます。
先日、私、筑波大学に関連して、全部筑波大学に関連しますから資料要求いたしました。そして、そちらからいただきました資料は四十九年度開設授業科目一覧表です。これはありがとうございました。ところが、私が要求している資料としては、大学設置審議会に筑波大学の議案がいつかけられたか。いつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/107
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108・木田宏
○木田政府委員 最終的に大学設置審議会の総会で筑波の案件も意見を聴取いたしましたのは今月の十九日かと思います。それまでの間、いろいろな審議の段階がございまして、それぞれに審議をしていただいてまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/108
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109・嶋崎譲
○嶋崎委員 三月十九日が筑波大学の問題の最終的な審議会にかけられた日になるのですね、それより前には幾つかあったけれども、そういうふうに理解していいですね。三月十九日ですね。そうすると、三月十九日に筑波大学の問題に関連して設置審議会に提出された資料、よその大学はみな十センチぐらいの厚さの資料がありますね、その資料を提出願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/109
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110・木田宏
○木田政府委員 三月十九日に提出した資料というようなものが個別にあるわけではございません。筑波大学につきましては、筑波大学の関係の審議を三月十九日まで進めてもらいますために必要な書類を提出していただいておりますが、この書類につきましては、たいへん恐縮でございますけれども、大学の設置認可の申請書そのものに近い、まあ国立大学としての意見を伺うための書類でございますが、これは審議会限りのことにさしていただいておりますので、先般御指定がございましたようなその事柄がわかる書類を別途つくらしていただきました。膨大な書類をそのまま審議会以外の場に御提示を申し上げるということは、特別の場合以外を除きましてはひとつ御了解を願いたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/110
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111・嶋崎譲
○嶋崎委員 特別の場合以外という特別の場合というのはどういう場合ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/111
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112・木田宏
○木田政府委員 いままででございますと、これも不幸なことでございましたけれども、審査に関係いたしまして幾つか刑事事件その他もからんだことがございました。そういう関係で捜査に協力をするというような場合には、その書類の提示を関係の担当者に見せるということがございました。しかし、一般的に申請の内容その他につきましては、申請者側の立場もございますものでございますから、公表するということは控えてございます。そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/112
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113・嶋崎譲
○嶋崎委員 国立大学を設置するときに大学設置審議会に提出される資料というのは、われわれ国会では新しい大学をつくるための資料ですね、そして文部省が許可した資料ですね。それが必要なときに議員の請求でなぜ公開できないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/113
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114・木田宏
○木田政府委員 これは国会の手続その他もございましょうから、そういういろいろな手続との関係で私どもが御提示をしなければならぬということもあろうかと思います。しかし、教官の問題、まあ国立大学でございますから、主として気になりますのは教官構成等でございますが、教官につきましては、かなり先の年次までのこともございますので、一般的には、その教官の個人の私的な立場も考えまして、どこの教官がどこの大学に行く予定であるというようなことなどはいままで審議会限りのことにして扱わしていただいております。そういう意味で、一般に教官の就任承諾書その他の関係書類ということにつきましては審議会限りのことにさしていただきたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/114
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115・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、いまの局長の答弁だと、大学設置審議会に申請書とその書類を出すときに、どの教官が将来どういう科目をやるであろうということについて、本人の了解もなしに、ないしは相手の大学の了解もなしにメンバーを出すような書類がいままで出たことありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/115
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116・木田宏
○木田政府委員 設置審査の御申請があります場合には、教官構成につきまして御本人の承諾書、これは必ずつけていただくというふうにしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/116
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117・嶋崎譲
○嶋崎委員 だとすれば、いま前に局長が言ったこと必要ないじゃないですか。つまり公にできない理由として、たとえば年次計画というようなものがあると局長言ったでしょう。年次計画があって、将来にどういう科目を担当するというようなことも長期の計画ないし三年、四年の計画になるのだから、教官がどういう科目をどうなるかについてはまだ公にできないような場合があるというのは理由になりませんね。いま言ったことと後段矛盾しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/117
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118・木田宏
○木田政府委員 設置の申請書に本人の承諾がなければ私どもとしては事実そのことの確認ができないという意味で本人の承諾書はちょうだいしてございます。しかし、御本人がそのことを承諾しておるということは、同じ職場の学内につきましてもできるだけはばかられるという関係もございますので、審査限りのことにさしていただきたいということで従来やっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/118
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119・嶋崎譲
○嶋崎委員 そうしますと、設置審議会に出すときに、私立じゃないのですよ、いま言っているのは国立大学ですよ、国立大学が新しく大学をつくるときに設置審議会に出す資料の中に、国立の某大学の某教授がどこかに移るということを本人は内諾はしている、しかし公にならないもので、その書類で認可をしたことがありますか。つまり本人は行きたいと言っていても、そこの大学の教授会は将来認めないということがあり得るわけですよ。そうしますと、認可したときにはこの教授は来ると思っていても、本人の内諾書は出たかもしれないけれども、将来は来ないということになればその計画はちゃらになるという意味で、認可の判断が狂っていたということになるじゃありませんか。ですから、国立大学で、局長はどう考えているか知りませんが、普通常識的にはみんなこうやっているのですよ。新しい大学に移るというときに、本人が内諾するときには、少なくとも関連科目の教授会、小委員会には承諾を得なければそういう内諾書はつけておりません。ですから、本人が行くというけれども将来どうなるかわからないというものを材料にして大学の設置をするなんというものに認可をするはずがないと私は判断します。そういう意味で、いまの局長の答弁おかしいんだけれども、これをぼくは議論したいとは思わないのです。私の調査では、筑波大学に対して非常にたくさんの疑義がある。よその大学の設置審議会にかかった手続とは違ういろんなルーズな手続が行なわれている。そういうことをぼくは知り過ぎているがゆえに、資料を持ち過ぎているといってもいいでしょう、それだけに、筑波大学はかなり早計に、今年の四月から発足させなければならないものだから相当無理をしているということが推測されるのです。その推測の中には、この間質問したように、いま、東京教育大学と筑波大学という二つの大学なんですから、その大学内部においてももっとスムーズに事が運べるように、他の大学から来るときにもスムーズに事が運べるようにしておかないと、皆さん方、第一級の大学だというけれども、私はC級大学だと思う。大学設置審議会で議論になったとき、C級って問題になったでしょう。みんな知っているんですから。C級になるような、そういう人材を集め、そして科目がはっきりしないようなことで通してやしないだろうかということを私は危惧するのです。ですから公にできないというならできない理由は、いま言ったような理屈じゃなくて——いま言った理屈では具体的に反論できます。内諾を出すときに、ほかの教授会とか関係の人に何も黙って内諾を出すなんて、そんなばかなことはどこでもやりません。そんなことやらないで、行くときには、将来教授会にかかりますよということをみんなちゃんと一定の話をして——国立の場合ですよ。私立の場合は一ぱいありますよ、これは引き抜きですから。しかし国立の場合そういうことばありません。そういう非常識なことをやっていないのに、それを理由に公にできないというのは私は理由にならないと思うのです。
では、具体的な資料としてつくっていただきたいのは、私にもらったのは四十九年度、ことしの四月の授業開設の一覧表です。ところがこんなものだけで設置を許可するはずはないです。筑波大学の第一学群は、四年間、皆さんがあれだけ力んで宣伝された、グレンツゲビートを広げていろんな科目を自由にとれるような第一学群のいわばカリキュラムの編成をするんだということをあれだけ強調された。だからそこに魅力を持って学生諸君は筑波大学を選んでくるでしょう。そうしたときに当然、一年から四年生までに、卒業するまでに筑波大学の第一学群にはどういう科目があって、つまりどういう単位がとれるかということについての一定の授業計画が出されてないはずはないと思います。ですから四十九年度の開設授業目録、一覧表ではなくて、第一学群なら第一学群だけ一つサンプルをとっていいでしょう、全部をやるとたいへんでしょうから。第一学群だけについて授業計画と担当科目、教官、それがどういうふうに設置審議会に提出されたのか、その資料を提出していただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/119
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120・木田宏
○木田政府委員 筑波大学の場合には、実質的に東京教育大学が発展的に筑波大学へ乗り移るという一つの特別な事情がございます。ですから、形式的には新しい大学の設置ということがございますが、東京教育大学の組織の改編という内容を実質的には含んでおる。その意味では東京教育大学が成り立っております過去の実体というものはできるだけ尊重するという考え方をとらなければならない。大学としては、その実体が移行するのであれば、大学としてのあらためての審査、いわゆる新設の場合と同じように手続を踏むということは必ずしも必要ではなかろうではないか、こういう論議がございまして、そして東京教育大学の文学部、理学部等既存学部の実体をもって構成いたします第一学群、体育学群等におきましては、すでに今日大学として存在しておるという事実を踏まえまして審査の手続をきめていただきました。ですから、カリキュラム等の授業科目は、新しい大学としてこういう授業科目を構想するというふうに出てございます。その実体は東京教育大学が今日まで持っておりました実体をそれぞれ引き継ぐものとして、その実体についての個別の審査ということは簡略化さしていただく、こういう手続を設置審議会でも御了承をいただいた次第でございます。その意味におきまして、いわゆる浜松医科大学の新設といったような場合と若干その処理あるいは審査の手続が違っておるという事情がございます。既存の大学の実体があるものにプラスして何がしかの体制を整えるということだから、大学としての設置審査はそういう意味で基盤が整っているという御判定をいただいた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/120
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121・嶋崎譲
○嶋崎委員 私の言っているのは、設置審議会に出すときに、そういう教育大学からの継続がありましょう、それにも手続が要りますよ。いま局長の言うような簡単な答弁をしていると、この資料だけでも大問題です。個々にあげていったら山ほどありますよ。それぐらい問題があるのですから、これはぼくはいまここで追及しようとは思いませんけれども、少なくとも新しい大学をつくるときには、確かに東京教育大学からの継承がありましょうけれども、筑波大学は特殊なんじゃないんですから、よその大学が、たとえば一つの学部が改組して名称を変えるというような場合でも、非常にこまかに専門、業績、そういうものを全部出すものです、常識として。一つの大学の内部に講座一つ設けるのにも相当な教授会での議論に基づいてやられているものです。ですから、教育大学のほうで確かに教育大学にスタッフがあり、講座があり、いままでの科目があり、専門家がいるということを前提にした筑波大学であっても、そこに新しい大学をつくるにあたっては、一定の、どこの大学にもあり得るような、資料が提出されて、手続が踏まれなければならぬと私は思います。あまりそれ以上やっていると、ぼくは中身をいよいよ議論せざるを得なくなってきます。だからここで申し上げたいのは、この間これをつくっていただいてたいへん御迷惑をかけましたけれども、もう一度、四十九年度だけじゃなくて、筑波大学の第一学群なら第一学群を一つのサンプルにして、どの程度のいわば四年間の科目の年次計画ないしは開講計画というものが提出されているかについて資料を提出いただきたいということはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/121
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122・木田宏
○木田政府委員 いま御要請のありましたものすべてを満たし得るかどうかわかりませんけれども、御趣旨を考えながらあらためて資料を用意いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/122
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123・嶋崎譲
○嶋崎委員 この資料で一つ問題点だけ言っておきます。こういうふうに問題があるということを頭に置いて資料をつくっておいていただきたい。
たとえば四十九年度の開設授業科目で、ここの文教委員の方々見られたらびっくりしますよ。筑波大学に今度は教育大学の助手の諸君が正規の教官として担当するようになっているわけですよ。ぼくの計算でも理学部、文学部等々含めて八つだ。助手が一つの大学の正規の科目担当の教官になるにはきちっとした手続が要るんじゃございませんか、文部教官じゃありませんがね。さて、この場合に、助手がたとえば筑波大学の一つの科目を担当するときに、その助手が所属している教授会の議を経てそれを講師として上げるというようなことをやりながら手続をとっているかどうかというと、ぼくの調査では、とっておりません。こまかに議論しませんけれども、とっておりません。いま何が問題になっているかというと、私がこの資料を要求したでしょう。そうしたら筑波大学はあわてたんですよ。文部省のほうではあたりまえのことだといって、ぼくはいただいたんです。ものすごくあわてているんですよ、いま。東京教育大学に連絡がいってますよ。学長は頭にきてかんかんになっています。知らぬのですよ、これ。だれがどうなっているのか知らぬのですよ、東京教育大学は。そして今月の二十九日の評議会にかけるかかけないかがいま問題になっていますということが私のところに連絡がありました。何か先生資料を要求したのですかとぼくのところに連絡がかかった。いや、ぼくは四十九年度の授業科目の一覧表を筑波大学ではどうなるかということを知りたかっただけですという、この資料がそれだけ問題になるということは、ここにあげてある例を一ぱいあげますけれども、よその大学から来る人で——たとえばこの資料は三月十五日につくられているんです。よそではまだ教授会にもかかっておらぬですよ。ないしは教授会に割愛願いがいったけれども議論もされてないのがこの中に教官で入っているのですよ。そういう例もあるのです。助手の諸君が今度は、助手というのは文部教官ではあっても、講義を担当するにはかなり教授会や何かの任官手続や、講義の科目について業績審査や、みんなやるのが常識です。そういう手続は踏んでない。そればかりか、とにかく東京教育大学の中の先生方がこちらに移ることについて大学での正規な二つの大学についてのルールは一つもとられてない、手続はとられてない。そんなことが行なわれているものだから、筑波大学という大学は、大学の管理運営組織は新しいかもしれぬけれども、それをささえている教官集団の行動様式は大学自治や学問の自由にふさわしくないことはございませんかということで、長い議論を筑波大学で私いたしました。それと同じことが現在行なわれている。私が危惧したことが行なわれているわけですよ。ですから私はしちくどいようですけれども、やはりA級大学として筑波大学をつくって、そして今後そういう大学を充実させていくならば、もっと国民の前にその大学の全貌を、ほんとうにいい大学ですよということが言えるような、そういう資料はちゃんとつくっておかれたほうがいいと思うのです。そういう意味で今後の検討の材料として、私は別にここで議論するために材料を要求しているのじゃありませんから、やはり筑波大学をあれだけ議論してきて、非常に私執念があります。執念がありますから、ほんとうにつくられつつある筑波大学というのが新しい理念に基づいた大学ならば、それにふさわしいような手続で新しいスタッフが集まっていい大学になればいいと思いますよ。しかし、いまのところ、ぼくの見たところでは、これはいい大学じゃありませんな、ほんとうに。教官について私は価値評価できません。しかし、行って聞いてごらんなさい。大学設置審議会で議論になったことや、それからまた教育大学の内部でいま問題になっていることや、そういう点を少し検討しておかれるほうが私はいいんじゃないかと思うのです。いずれにしても大学設置審議会にこの四十九年度の開設科目だけぐらいが提出されているはずはありませんから、年次計画的なものについて一定程度のわかる資料を提出を要求しておきまして、たいへんわき道にそれてすみませんでしたけれども、私のいまの質問終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/123
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124・木田宏
○木田政府委員 先ほども申し上げましたように、筑波大学が東京教育大学の実質的な発展という経緯をとるものでございますから、年次計画につきましても、いわゆる新しい大学の場合の年次計画とは手続について違ったものを御了解を一応は願っております。それば、東京教育大学と筑波大学とが逐次年次を追って推移していく、それはこれからの推移の過程、一応のめどはありましても、いわゆる新しい大学を四カ年予定を立ててつくるというものと違いまして、東京教育大学の移転という実質的な意味も考えながら、その運営を両大学の間でスムーズにやっていただきたいという気持ちもあるものでございますから、先ほど申し上げましたように、新規の、新設の場合の年次計画とは違ったもので全体の輪郭を御理解いただく、こういう手順にさしていただいておりますので、そうした趣旨に沿っていまお尋ねのこざいました資料、用意できますものをお届け申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/124
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125・嶋崎譲
○嶋崎委員 あまりそういう議論をされると、また質問せねばいかぬことになるのですよ。たとえば今度出たやつで言語学部門というのがありますね。あそこのスタッフが筑波で私たちが皆さんから聞いた議論に相当するような内容の部門になっていますか。一度、専門家ではないかもしれませんけれども、専門家にお聞きになってください。語学専門家が集まったから言語学のコースができるのじゃないのですよ。ですから、言われた理念と実際とは相当違うのですよ。そういうことじゃ国民に対してここで議論したことと違ってくるから、だからそれについて、追及するための資料じゃなくて、やっぱりわれわれはここで議論した以上は、それを見守っていくためにも資料がほしいという意味ですから、資料のほうをしっかり御努力して提出をお願いしたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/125
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126・稻葉修
○稻葉委員長 山原健二郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/126
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127・山原健二郎
○山原委員 国立大学設置法の問題について私は幾つかの質問があるのです。それから参与の問題につきましても幾つかありますけれども、先ほどから質問と答弁を聞いておりまして、やはりこれは文部大臣もおられたほうがいいんじゃないかという感じもいたしました。そういう点でごく簡単に二、三お聞きしておきます。
一つは法制局のほうですね。このような参与の性格、これは法制局はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/127
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128・味村治
○味村政府委員 午前中に拝見いたしました文部省の案でございますと、これは諮問的な役割を演ずる職であろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/128
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129・山原健二郎
○山原委員 そこのところもまたちょっと文部省の見解と違うのですね。文部省の話では、先ほど木田局長が必ずしも管理機構ではないという御発言でございました。そうすると、場合によっては管理機構であるということもその裏面にはあると思うのですね。それと諮問機関というこのあたり、法制局のほうでも、やはりこうした場合の参与というものの性格は一体何なのか、これらの検討をしていただきまして、できれば文書で出していただきたいと思います。
それからもう一つは、今回のような参与の置き方ですね。たとえば文部省設置法によりますところの審議会が幾つかありますけれども、それは法律によって審議会がつくられて、そして他の人選とか運営につきましては政令できめておるわけですね。今回の場合は法律になくて省令で出てきておりますから、学内機構というふうなかっこうになるわけですが、外局にこういう参与が置かれておる例が、どんなところがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/129
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130・木田宏
○木田政府委員 文部省の外局とおっしゃる意味がちょっと理解しがたい点がございますが、こうした参与に近いものとしては、文部省の学術顧問、あるいはほかの省にも顧問という職が置かれておるかと思います。顧問、参与というのが一番近いのではなかろうかと思います。さらに所轄のいろいろな機関には、先ほども国立学校の中の機関について申し上げましたけれども、評議員といった職が省令でいろいろと設けられておるものがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/130
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131・山原健二郎
○山原委員 法制局のほうへ伺いますが、こういう参与の置き方というのは他の省庁の場合ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/131
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132・味村治
○味村政府委員 他の省庁にもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/132
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133・山原健二郎
○山原委員 その法的な根拠と、それから相当たくさんありますか。たくさんなければ、またあとでどういう状態でどういう性格のものか知らしていただきたいのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/133
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134・味村治
○味村政府委員 私、その点十分に調べてございませんので、たくさんあるかどうかということ、いまにわかにお答えいたしかねるのでございますが、あるということだけ、この段階ではお答え申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/134
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135・山原健二郎
○山原委員 法律になくて省令できめた例が幾つかあるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/135
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136・味村治
○味村政府委員 申しわけありませんが、そこまで調べてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/136
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137・山原健二郎
○山原委員 いまお聞きしますと、文部省のほうにもないようですね。顧問とかあるいはいま言われた幾つか出ましたけれども、参与という形のものはないようなんですね。これはいま嶋崎委員のほうから幾つか資料の要求がありましたが、これもぜひ簡単なことですから出していただきたい。法制局のほうよろしいですか。そういう法律になくて省令によってきめた参与形態ですね。参与というものがあるのか、あるいは別の名前なのか、それはよくわかりませんが、あれば、その例とその性格をはっきりさせていただきたいと思うのです。それは今後の資料として使わせていただきたいと思います。同時に、その場合の根拠法規、これも示していただきたいと思いますが、よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/137
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138・味村治
○味村政府委員 それでは後ほど調べまして、先生のもとに御報告申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/138
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139・山原健二郎
○山原委員 筑波の場合の参与会、これは先ほどから論議がありましたように、筑波大学に対する審議の過程で文部省の絶えず強調されたことというのは、筑波大学については当該大学の意思を受けてやった、これが非常に強調された説明であったと思うのです。筑波の場合は、もちろんその根になるといいますか、東京教育大学があったわけですから、その意思行為というものは、いろいろ問題はあっても、文部省の説明は、それを受けてやったと、こういうことになっていくのですね。今度の場合は、ないところのものですから、当該大学の意思というものは反映できない状態にあるわけですね。そうしますと、先ほど嶋崎委員の質問の最後のところで、全く新しくできる大学に参与を置くことによって、その大学の運営についてのお手伝いをするという意味の御発言があったのですが、そういうことですか、この参与は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/139
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140・木田宏
○木田政府委員 今回御提案申し上げております大学につきまして、これから文部省で創設の仕事を進めようとしておるわけでございますから、つくりたいというふうに考えるのでございます。もちろん既存のものにつきましても、そういう大学側の意向があれば、それに対応してこたえるということがあり得ないわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/140
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141・山原健二郎
○山原委員 これは正確にしておきたいのですが、創設ですから、創設準備にあたって参与をつくりたいということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/141
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142・木田宏
○木田政府委員 いま御審議をいただいておりますものにつきまして、これから文部省として創設の過程でそういう形を考えておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/142
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143・山原健二郎
○山原委員 いま掲げておる「〇〇大学」とこうなっていますが、浜松医科大学、滋賀医科大学、宮崎医科大学ということになると思いますが、そうなってまいりますと、その大学はまだできておりませんし、もちろん管理機構も今日ないわけですね。だから教授会もなければ何もない。評議会もないわけですから、その創設にあたって参与か——そこでこの省令か問題になってくるわけですね。この省令は、「〇〇医科大学に、大学の運営に関し学外の有識者の意見を求めるため、参与若干人を置く。」大学の意思行為というものはまだない段階で、意見が反映されるのは、この省令によって運営に関して参与がかかわるということになってまいりますと、新しくできる大学の性格が、この参与の関与する、何かわかりませんけれども、参与の意見を取り入れたこの性格が生み出されてくるわけですね。しかも、それは文部省の省令、もっと端的に言えば、法律によらないで省令によって大学の性格が規定づけられるという事態も起こり得るわけです。だから、私はいま、木田局長のいまの御答弁非常に重要だと思ったので、二回お聞きしたわけですけれども、そうなってきますと、まさに今後創設される大学の将来、大学の性格、それまで関与できる参与ということになってまいりますと、これはまさに事は重大なわけです。だから、それすらも細目の中に値するものか。これは法制局、細目というお話がさっきから出ておりましたが、これだけの性格を持っておる参与、これが細目に値する機関といいましょうか職といいましょうか、非常勤の職とこう言っているわけですから、これが細目に値する職と法制局は受け取りますか。法制局の答弁を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/143
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144・味村治
○味村政府委員 国立学校設置法十三条によりますと、法律で国立学校の組織の大綱をきめる、その大綱を踏まえて、その大綱の範囲内において、今度は国立学校設置の目的なりその機能を果たしますために、その大綱のもとにおける細目を文部省令できめることを委任しておるというふうに考えられます。このような参与が、先ほど申し上げましたように諮問的な役割りを演ずるものでございまして、意思決定機関というふうには解釈されないわけでございまして、国立大学の機能を円滑に果たす、その機能を適切に行なうというために必要なものであり、しかも法律の定める大綱の範囲内でございますから、これは細目に該当すると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/144
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145・山原健二郎
○山原委員 新しくできる大学ですからね。新しくできる大学、その創設にあたって参与の性格を諮問機関だと、あなたはもうすでに決定されたようなことを言われているのですね。大学学術局長は、必ずしも管理機構ではない、こういう御発言であったと思うのです。そこも違うのですけれどもね。まさに、大学の創設にあたっての大学の性格づけに対して意見を述べることのできる参与ですね。こういう参与というものを、いま他に例があるかとお聞きしますと、他に例があるとおっしゃったから、あとで出てくると思いますけれども、その辺も法制局として、きょう答弁に出ておる限りではあまりお調べになってこられたような感じも受けないわけですが、そういう中で、この参与の性格づけというものをそういうふうに受け取ってよろしいのか。これはもう少し法制局のほうで検討していただきたいと思うのですよ。それから文部省の意見ともちょっと違うわけでしょう。ちょっとじゃなくて、だいぶ違うわけですね。そうでしょう。その辺はどう解釈したらよろしいのですか、私どもここで審議しておる者として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/145
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146・木田宏
○木田政府委員 この参与は、法制局の部長も御答弁申し上げましたように、性格としては諮問的なものであるというふうに私どもも思います。
先ほど嶋崎委員の際に、いろいろと、そうしたものを管理機関と考えるかというお尋ねがございました。それは講学上、大学の管理機関というものにどの範囲まで含めて考えるかというのは、これは考える方のお立場によっていろいろな分類が成り立ちましょうというふうに申し上げたのでございます。
現在の法律の中で大学管理機関という用語の使われておりますのは教育公務員特例法でございまして、教育公務員特例法で言う大学管理機関というのは、御案内のように学長、評議会、教授会というように明確に定まっておりまするから、そういう管理機関には入らないというふうに考えられるのじゃございますまいかというふうに申し上げました。しかし、これはお立場によりましては、諮問的な機関も含めて組織運営の機関である、こういう講学上の議論をなさる方もあり得ることだというふうに思いまするから、私、先ほど、お立場によっていろいろありましょう、私どもは必ずしもそう考えません、こう申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/146
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147・山原健二郎
○山原委員 諮問機関であるという性格づけはどこで書いてありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/147
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148・木田宏
○木田政府委員 意見を求めるというふうに書いてあります。意見を聞くのでございますから、大学側が意見を聞くのでありますから、そういう職というのは一般的に諮問的な職だというふうに御理解を賜わるといいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/148
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149・山原健二郎
○山原委員 それが必ずしも管理機関ではないということですが、必ずしもということばがついておりますけれどもね。運営に関して管理機関的な性格を持たないという保証は、これはどこにあるのですか、そういう歯どめは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/149
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150・木田宏
○木田政府委員 大学の意思決定がこの機関によって行なわれるわけではございませんから、そういう意味で管理機関は学長、評議会、教授会といったものが基本のものであり、一般に管理機関といわれる場合に、特に法律上、現在法令のことばとして用いております大学管理機関というものの実態から考えてみて、諮問的な機関は管理機関だ、こう言わないのが普通ではなかろうかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/150
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151・山原健二郎
○山原委員 参与はその管理機関ができる前にできるのですか、あとでできるのですか、管理機関の意に基づいて行なわれるものなんですか。そうでなくて、さっきのお話では、どうも創設の準備の中でできる、こういうことですね。その際にはまだ管理機関はできていないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/151
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152・木田宏
○木田政府委員 省令の試案にございますように、大学に参与若干人を置くわけでございますが、その参与につきましては、当該大学が必要な事項を定めるわけでございます。ですから、今回の医科大学につきましても、医科大学が発足し、学長その他の責任機関ができまして、大学として参与についての必要な事項が定められたあとにこうした参与の委嘱が行なわれる、こういう手順になるだろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/152
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153・山原健二郎
○山原委員 そうすると、創設準備には携わらないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/153
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154・木田宏
○木田政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/154
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155・山原健二郎
○山原委員 先ほど創設にあたって参与の意見も聞くというお話じゃなかったのですか。そうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/155
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156・木田宏
○木田政府委員 そのように御説明申し上げたつもりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/156
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157・山原健二郎
○山原委員 では、先ほどから言っておりました文部省の中にある顧問とかあるいは評議会とか、諮問機関と言っておったお話が出たのですが、これはもう文部省としては諮問機関と、こういうようにはっきり認識してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/157
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158・木田宏
○木田政府委員 文部省に置かれております学術顧問、これも諮問機関だと考えておりまするし、またいろいろな研究所等に置かれておりまする評議員あるいは運営協議員、これらも諮問的な職である、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/158
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159・山原健二郎
○山原委員 それで大体いまのお考えはわかりましたので、いま私が申しましたような法制局へ頼みました資料をあとで出していただきまして、それでまたその問題については論議をいたしたいと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/159
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160・稻葉修
○稻葉委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後四時二十五分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205077X01719740327/160
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