1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十九年三月二十二日(金曜日)
午前十一時四十五分開会
—————————————
委員の異動
十二月二十一日
辞任 補欠選任
古賀雷四郎君 岩本 誠一君
小野 明君 喜屋武眞榮君
十二月二十五日
辞任 補欠選任
岩本 政一君 長田 裕二君
一月十九日
辞任 補欠選任
松永 忠二君 足鹿 覺君
佐々木静子君 川村 清一君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 金井 元彦君
理 事
稲嶺 一郎君
高橋雄之助君
鈴木美枝子君
三木 忠雄君
委 員
今泉 正二君
黒住 忠行君
柴立 芳文君
星野 重次君
田 英夫君
藤原 房雄君
春日 正一君
喜屋武眞榮君
国務大臣
国 務 大 臣
(総理府総務長
官)
(沖繩開発庁長
官) 小坂徳三郎君
政府委員
沖繩開発庁総務
局長 岡田 純夫君
沖繩開発庁総務
局経理課長 和田 善一君
沖繩開発庁振興
局長 渥美 謙二君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 保君
説明員
北方対策本部審
議官 大屋敷行雄君
—————————————
本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
調査
(昭和四十九年度沖繩及び北方問題に関しての
施策及び予算に関する件)
○沖繩振興開発特別措置法の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/0
-
001・金井元彦
○委員長(金井元彦君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨年十二月二十一日、小野明君及び古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君及び岩本政一君が選任されました。
また、同月二十五日、岩本政一君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君が選任されました。
また、去る一月十九日、松永忠二君及び佐々木静子君が委員を辞任され、その補欠として足鹿覺君及び川村清一君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/1
-
002・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 次に、沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十九年度沖繩及び北方問題に関しての施策に関する件について、政府の説明を聴取いたします。小坂総理府総務長官兼沖繩開発庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/2
-
003・小坂徳三郎
○国務大臣(小坂徳三郎君) 沖繩及び北方問題について所信の一端を申し述べさせていただきます。
初めに沖繩の振興開発について申し上げます。
沖繩は、本土に復帰してから第三年目を迎えました。この間、復帰直後の混乱の時期を経て、沖繩振興開発計画の策定、それに基づく諸事業の実施など新しい県づくりへの歩みが進められております。政府としては、今後とも、沖繩振興開発計画の基本方針である沖繩の各方面にわたる本土との格差を早急に是正し、すぐれた地域特性を生かすことによって自立的発展の基礎条件の整備をはかり、平和で明るい豊かな沖繩県をつくることに最大限の努力を払ってまいります。
昨年来の石油問題に端を発して、現在わが国の経済社会が直面している情勢はまことにきびしいものがあり、このような状況の中で、社会資本の整備をはじめ沖繩の振興開発を推進することは、並みたいていのことではありません。しかし、政府としては、さきにも述べたとおり、沖繩の振興開発に支障を来たすことのないよう特段の配慮を払うこととし、明年度予算案においても、全国的には公共事業の規模が抑制される中にあって、沖繩振興開発事業費については、前年度の約一九%増にあたる約七百十八億円を計上いたしております。
この振興開発事業は、沖繩の社会生活基盤の整備をはかるためのものでありますが、明年度においては、教育の振興に資するための教育関係施設の整備、医療体制の整備をはじめとする保健衛生対策の拡充、農林漁業生産基盤の整備等農林漁業に関する施策の充実、用水問題の改善等の生活環境施設の整備など、沖繩の現状に即した県民生活安定のための施策の推進に、特に重点的な配慮を払ってまいります。
次に、当初、昭和五十年三月二日から開催する予定でありました沖繩国際海洋博覧会についてでありますが、政府は、昨年末に、海洋博の開催期日を昭和五十年七月二十日から五十一年一月十八日までとすることに決定いたしました。これも石油問題に関連するまことにやむを得ない措置でありますが、この決定にあたっては、沖繩県当局をはじめ、現地の各界各層の方々の御意見を十分考慮して行なったものであります。海洋博が、単に復帰を記念する事業にとどまらず、沖繩の振興開発をはかる上でも重要であることは、今さら申すまでもないのでありますが、加えてその有する国際的な意義、役割にかんがみ、その成功のため万全を期してまいります。このため、明年度振興開発事業費において、海洋博に関連する道路、港湾等の交通施設、上下水道等の生活環境施設等の整備のため約二百二十億円を予定しております。
これら沖繩の振興開発に必要な事業の推進にあたっては、引き続き労務、資材の需給のバランスを確保するなど、事業の円滑な実施をはかるようつとめてまいります。また、県民生活に大きな影響を及ぼす物価問題についても、沖繩の地域事情に即応した物価対策の具体化に努力してまいります。
なお、全国的に下水道の整備を促進するための補助率の引き上げが行なわれるのに伴い、沖繩の流域下水道についてもこれを引き上げる必要があるため、沖繩振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議いただくこととしております。
沖繩の振興開発を制度金融の面から促進する機関である沖繩振興開発金融公庫については、昭和四十九年度において七百八十二億円の貸し付けワクを確保いたしましたが、これは前年度に比べ、約三〇%の増加となっております。
政府としては、これら各般の施策を通じて沖繩の経済社会の発展、県民福祉の向上を目ざして格段の努力を払ってまいることを重ねて申し上げます。
次に、北方領土問題について申し上げます。
北方領土問題は今日日ソ間に存する最大の懸案であり、北方領土の復帰の実現は国民の長年の悲願であります。
御承知のように、昨年十月の日ソ首脳会談において田中総理は、北方領土問題の解決を交渉の眼目として四島の返還を強く迫られました。その結果、日ソ共同声明に明らかなように、北方領土問題が平和条約の締結によって処理されるべき、戦後の未解決の問題であることが確認され、本年中に、引き続き北方領土問題を含む平和条約締結交渉を行なうことについての合意が成立したことは、これまでの経緯から見て大きな前進であると考えます。
政府においては、今後の交渉において、日本古来の領土であり、国際法上わが国に帰属すべき北方四島は当然わが国に返還されるべきであるとの立場に立ち、かつ、北方領土返還による日ソ平和条約の締結によって初めて両国間に真に安定した友好親善の関係が築かれるとの考え方のもとに、粘り強い交渉を続けていく方針であります。
ところで、政府が外交交渉を行なうに当たって最大の力となるものは、言うまでもなく、盛り上がる国民世論の支持であります。このため、私は北方問題担当の大臣として、日ソ首悩会談を機に高まった北方領土問題に対する国民の関心と理解をさらに深め、外交交渉のささえとなる国民世論の一そうの高揚をはかるため、啓蒙宣伝に関する諸事業を拡充強化する考えであります。また、北方地域元居住者に対する援護についてもこれを積極的に推進してまいる所存であります。
ここに、沖繩及び北方問題に対する所信の一端を述べ、各位の御協力を切望する次第であります。
なお、この際一言述べさせていただきたいと思います。
今般、那覇市で起こった爆発事故はきわめて不幸なできごとであり、痛恨のきわみであります。不発弾等の問題は、県民の安全に直接かかわる問題であり、今後二度とこのような事故が起こらないよう政府としても最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/3
-
004・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 以上で小坂長官の施策についての説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/4
-
005・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 沖繩振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。小坂長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/5
-
006・小坂徳三郎
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま議題となりました沖繩振興開発特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
昭和四十九年度予算案において、下水道整備事業についての国の補助の割合を引き上げることとし、流域下水道にあっては、終末処理場について四分の三、その他の施設について三分の二とすることとして、御審議いただいているところであります。
沖繩振興開発特別措置法においては、流域下水道の設置または改築に要する費用にかかわる国の補助の割合について、従来本土一般が二分の一であるのに対し、三分の二以内とする特例を設けておりますが、今回の予算案成立後、本土一般についての国の補助の割合を引き上げることが予定されていますので、これに応じ所要の規定の整備を行ない、沖繩振興開発計画に基づく下水道整備事業についても、その引き上げられた割合によることとしようとするものであります。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/6
-
007・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 以上で趣旨説明は終わりました。本案についての質疑は後日行なうことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/7
-
008・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 次に、沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十九年度沖繩及び北方関係の予算に関する件について政府の説明を聴取いたします。岡田総務局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/8
-
009・岡田純夫
○政府委員(岡田純夫君) 昭和四十九年度沖繩開発庁予算について、その概要を御説明申し上げます。
昭和四十九年度におきましては、一昨年十二月に策定されました沖繩振興開発計画に基づき、沖繩の各面にわたる本土との格差を早急に是正するとともに、そのすぐれた地域特性を生かすことによって、自立的発展の基礎条件を整備するため、沖繩県に対する国の負担または補助の割合について本年度に引き続き特段の配慮を加えつつ、所要の財政措置を講ずることといたしております。
以下、その内容について具体的に御説明申し上げます。
第一は、沖繩振興開発計画を実施するため、その中心となる公共事業及びその他の事業に必要な経費を沖繩開発庁に一括計上し、これら事業を積極的に推進することとしております。この一括計上予算の総額は、七百十八億三千万円でありますが、これには次の経費が含まれております。すなわち、公立学校施設整備費五十七億九千四百万円、産業教育施設整備費六億一千九百万円、学校給食施設整備費八千五百万円、社会教育施設整備費七千二百万円等を内容とする沖繩教育振興事業費六十六億二千四百万円、公的医療機関等の施設整備費三億七千六百万円、医師・歯科医師派遣費九千三百万円、無医地区医師派遣費四千百万円等を内容とする沖繩保健衛生等対策諸費五億二千百万円、糖業振興費十六億五千百万円、植物防疫対策費一億八千三百万円を内容とする沖繩農業振興費十八億三千四百万円、道路整備事業費二百四十七億六千二百万円、生活環境施設整備費百五十四億百万円、港湾整備事業費六十三億五千九百万円、公営住宅建設事業費三十四億四千三百万円、工業用水道事業費三十億二千百万円、農業基盤整備事業費二十八億六千九百万円、空港整備事業費二十三億三千四百万円等を内容とする沖繩開発事業費等の公共事業関係費六百二十八億五千万円であります。
なお、この沖繩開発事業費等の中には、明、昭和五十年に開催される沖繩国際海洋博覧会関連の公共事業費が二百二十億二千三百万円含まれております。
第二は、一括計上の事業費以外の諸経費の計上であります。
この経費についてのまず第一点は、沖繩の振興開発事業を円滑に推進するため、沖繩県の公共用地等の先行取得体制の強化をはかる目的で、沖繩県に対し、昭和四十八年度から三年間で総額三十二億円にのぼる土地開発基金造成のための経費を補助することとし、昭和四十九年度はその第二年度分として十億円を交付する予算を計上していることであります。
次に、その第二点は、沖繩の産業開発を促進するとともに、沖繩県民の営む事業及び生活のために必要な資金を融通するため設けられている沖繩振興開発金融公庫に対し、その事務の円滑な運営に資するための補給金として三億六千二百万円を計上していることであります。
なお、同公庫の昭和四十九年度における貸し付け計画につきましては、財政投融資資金六百億円、貸し付け回収金等百四十三億円を原資として、貸し付け決定額で七百八十二億円、資金交付額で七百四十三億円の貸し付けを予定しております。
次に、その第三点として、沖繩における境界が不明確な土地の調査、首里城歓会門の復元整備及び砂糖価格差補給に要する経費二億三千六百万円を計上し、さらにこのほか、沖繩開発庁所掌の一般行政経費として二十七億四千九百万円を計上するとともに、沖繩振興開発に関する基本的計画の調査に必要な経費として六千万円、沖繩総合事務局が施行する振興開発事業の指導監督に必要な経費として三千九百万円を計上いたしております。
以上申し述べました沖繩開発庁計上経費の総額は、七百六十二億七千七百万円となっております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/9
-
010・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 北方対策本部の予算について、大屋敷審議官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/10
-
011・大屋敷行雄
○説明員(大屋敷行雄君) 昭和四十九年度の総理府所管の北方関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。
御承知のように、昭和四十九年度におきましては、昨年に引き続きまして北方領土問題を含む日ソ平和条約締結のための交渉が行なわれることになっており、また、日ソ首悩会談を機に高まった北方領土問題に関する国民の関心と理解を一そう深め、より力強い国民世論の高揚をはかるため、啓発広報に関する施策を一段と充実する必要があると考えます。さらに、北方地域元居住者等に対する援護につきましても、積極的にこれを推進していく必要があると考えます。このため、昭和四十九年度においては、北方関係予算として対前年度比三六%増の二億五百三十四万一千円を計上いたしております。その内訳を申し上げますと、一が、北方対策本部に必要な経費であります。すなわち、対策本部の人件費及び一般事務費であり、二千三十万八千円を計上しております。二は、北方領土問題対策に必要な経費であります。その内容は、北方地域総合実態調査、北方領土問題解説資料の作成頒布、北方問題説明会であり、以上の三項目は北方対策本部がその事業として実施するものであります。次は北方領土問題対策協会の補助に要する経費であり、以上四項目を合計いたしまして一億八千五百三万三千円を計上しております。そのうち北方領土問題対策協会に対する補助金が一億七千九百三十一万六千円で、経費の大部分を占めておりますので、これについて若干御説明申し上げます。
御承知のとおり、この協会は昭和四十四年十月に北方領土問題対策協会法に基づきまして設置された団体でありまして、北方領土問題に対する世論の啓発広報のほか、北方領土問題等に関する調査研究、北方地域旧漁業権者及び元居住者に対する長期低利の融資事業を含めた援護の業務を担当しております。
補助金の内容について申し上げますと、事務費三千四百八十九万円、事業費一億四千三百四十二万六千円、予備費百万円となっております。事業費の補助は、さきに申し上げました協会の業務に対応して、啓蒙宣伝費、調査研究費、援護費、利子補給費について行なうものであります。
まず、啓蒙宣伝関係費について申し上げます。対前年度比五一・六%増の一億二千八十四万円を計上いたしておりますが、これはパンフレット、ポスター等の部数増、新聞、週刊紙、テレビ等による啓発広報の強化、そのほか、新規としまして巡回映画による啓発事業を補助対象として加えておること、さらにまた、例年の規模による広告塔の建設、全国青年婦人の代表に対する現地研修会の対象人員の増加、関係団体の事業に対する助成の強化等によるものであります。調査研究、援護に関する経費はいずれも四十八年度予算と同額といたしております。次に利子補給費でございますが、これは協会が北方地域旧漁業権者等に対し、事業資金、生活資金の融資を行なうにあたって必要とする金融機関よりの長期借り入れ金に対して支払う利子の一部を補給するための経費でありますが、千五百五十七万円を計上いたしております。これにより四十九年度においても、本年度とほぼ同じ規模の融資事業を実施することができるものと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/11
-
012・金井元彦
○委員長(金井元彦君) 以上で予算についての説明は終わります。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107213895X00319740322/12
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。