1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十九年二月十四日(木曜日)
午前十時十一分開会
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委員の異動
一月七日
辞任 補欠選任
萩原幽香子君 中沢伊登子君
二月七日
辞任 補欠選任
斎藤 十朗君 河口 陽一君
二月八日
辞任 補欠選任
河口 陽一君 斎藤 十朗君
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出席者は左のとおり
委員長 大橋 和孝君
理 事
玉置 和郎君
須原 昭二君
小平 芳平君
委 員
上原 正吉君
川野辺 静君
斎藤 十朗君
山下 春江君
小谷 守君
矢山 有作君
中沢伊登子君
沓脱タケ子君
国務大臣
厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
労 働 大 臣 長谷川 峻君
政府委員
厚生大臣官房会
計課長 木暮 保成君
労働大臣官房長 北川 俊夫君
労働大臣官房会
計課長 水谷 剛蔵君
労働省労政局長 道正 邦彦君
労働省労働基準
局長 渡邊 健二君
労働省婦人少年
局長 高橋 展子君
労働省職業訓練
局長 久野木行美君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
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本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
(厚生行政の基本施策に関する件)
(昭和四十九年度厚生省関係予算に関する件)
(派遣委員の報告)
○労働問題に関する調査
(労働行政の基本施策に関する件)
(昭和四十九年度労働省関係予算に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/0
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001・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
社会保障制度等に関する調査並びに労働問題に関する調査を議題といたします。
まず、厚生行政の基本施策について齋藤厚生大臣から所信を聴取いたします。齋藤厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/1
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002・齋藤邦吉
○国務大臣(齋藤邦吉君) 社会労働委員会の御審議に先立ち、厚生行政について所信の一端を申し述べたいと存じます。
現在わが国経済社会は、物価騰貴、資源エネルギー問題等かつてないきびしい状況にあります。経済的にも社会的にもわが国にとって一大転機ともいえる今日の事態に対しては、単に物価上昇等への応急的な対応にとどまらず、経済社会構造の中に福祉優元の原則を確立し、社会的公正がはかられ、しかも限られた資源の中で物量の充足だけにかたよらない本来の豊かさが実現される社会をつくり上げることを基本的な政策目標とすることが必要であります。
このような福祉社会を実現するための柱である社会保障制度については、昨年、各位の御理解を得て、長い間の懸案であった医療保険及び年金の両制度について大幅な改善が実現し、名実ともに国民生活をささえる制度として、また、先進国に比肩し得る制度へと大きく前進を見ることができたのであり、今後とも引き続きその内容の充実をはかってまいる所存であります。
しかしながら、最近における急激な物価の上昇はこのような社会保障の前進にかかわらず、国民の生活の将来に不安を拡大させ、特に経済的に弱い立場にある人々の生活に深刻な影響を与えるおそれがあり、その緊急な対応が必要となっております。
また、今後の社会保障の運営充実をはかる上において、今日の事態は各種給付の実質価値の維持の問題をはじめとして、国民の福祉サービスに必要な施設整備、マンパワーの確保問題等その影響するところは大きく、まさにかつてない困難な局面であると言わなければなりません。
政府としては、このような難局を乗り切るため、物価抑制を最優先課題として取り組むとともに、福祉優先への政策転換を思い切ってはかり、社会的公正と連帯が確保される新時代を切り開ことしておるのであります。
このような転機にあたり、厚生省としても従来にも増して社会保障の充実をはじめとする国民福祉の向上に総力を傾ける所存であります。
明年度の予算編成にあたっては、このような考え方から私としても微力を尽くしたところでありますが、福祉の向上を求める国民的な支援のもとに、昭和四十九年度厚生省所管予算は、前年度に比し三七%増と大幅な伸び率となり、予算総額で二兆八千六百億円余となっております。
以下当面の主要課題について申し上げます。
第一に、社会福祉の充実であります。特に現下のきびしい経済情勢の中でその生活が脅かされている老人、身体障害者、母子、生活保護世帯等の生活の安定と福祉の向上をはかるための施策には最重点の配慮をいたしております。
まず、老後生活の柱となる年金制度については、老齢福祉年金を月額五千円から七千五百円に引き上げる等、福祉年金の大幅改善と厚生年金及び拠出制国民年金における物価スライド制による実質的価値の維持をはかることとしております。
老人のための福祉対策については、寝たきり老人に対する老人家庭奉仕員制度を拡充するとともに、一人暮らし老人のための福祉電話を設置するなど在宅福祉対策を強化してまいります。
また、心身障害者の福祉については、二級障害福祉年金の支給、特別児童扶養手当の大幅引上げをはかるほか、重複重度障害児者に対する特別福祉手当の創設等大幅な改善を行なう考えであります。
さらに、児童の健全な育成をはかるための児童手当を増額するとともに、国民の最低生活を保障するための生活保護については生活扶助基準を二〇%引き上げることとしております。
社会福祉施設の整備については、引き続き寝たきり老人、重症心身障害児者のための施設、保育所等の緊急度の高い施設に重点を置いて進めるとともに、入所者の処遇をさらに改善し、職員についても増員、給与の改善等を積極的に講じてまいります。
第二に、国民の保健医療サービスに対する需要の増大と多様化に即応した医療供給体制の整備であります。
医師、看護婦その他の医療従事者の確保は、処遇その他多角的に取り組まなければならない問題であります。明年度においては看護婦について未就業者の活用をはかるためのナースバンクを創設するとともに、医師については卒業後の臨床研修の場として教育病院の整備を行なうことといたしました。
また、救急・休日夜間及び僻地における診療体制について救急医療センターや休日夜間診療所の整備、修学資金制度の新設等によりこれらの充実をはかるほか、ガン、小児医療等の専門医療の確保について公的医療機関を中心として引き続き体系的整備を進めてまいります。
第三に、難病対策その他国民の健康の保持増進対策の推進であります。
難病対策については、従来から調査研究の充実、医療費の自己負担の解消、医療施設の整備を三本の柱として総合的な対策を進めておりますが、さらに調査及び医療の対象となる疾患を拡大するなど施策の充実につとめてまいります。
また、健康増進センターの整備を引き続き推進するほか、乳児の健康診査の回数を増やすなど、健康増進対策の推進をはかることとしております。
第四に、医療保険制度の改善であります。
昨年、健康保険法の改正が実現し、医療保険制度の改善の第一歩が踏み出されたところでありますが、明年度においては日雇い労働者健康保険について給付と負担の両面にわたって政府管掌健康保険の水準に見合ったものにしていくとともに、国民健康保険についても財政の健全化、高額療養費支給制度の実施推進等を行なってまいります。
当面緊急の課題になっていた社会保険診療報酬の改定は、二月一日から実施したところでありますが、内容的には医師等の技術料の評価等に重点を置くとともに休日夜間診療への配慮を行ない、これにより差額徴収問題を含め適正な国民医療の確保をはかることといたしております。
第五に、生活環境の整備と消費者の安全対策であります。
近年における水需要の増大や廃棄物の質的多様化等に対処し、生活環境施設の整備拡充には一そう力を注いでまいる考えであります。
また、消費者の安全確保対策については、食品・医薬品の安全性等を確保するためモニター制度及び試験研究体制の整備にさらに努力していくとともに、家庭用品の安全対策についても化学物質安全基準の設定について検討を進めるなど積極的に取り組むこととしております。
以上のほか、厚生行政の分野には、戦傷病者戦没者遺族等に対する援護対策、原子爆弾被爆者に対する施策等多くの問題があります。そのいずれをとりましても国民生活に深くかかわりのあることでありますので、それぞれ真剣に対処し、迅速かつ確実に処理していく所存であります。
各位の御指導、御鞭撻をお願いする次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/2
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003・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) 次に、労働行政の基本施策について長谷川労働大臣から所信を聴取いたします。長谷川労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/3
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004・長谷川峻
○国務大臣(長谷川峻君) 第七十二回通常国会が再開されるにあたり、当面の労働行政について、一言所信を申し述べ各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
昨年秋のアラブ産油国の石油生産制限に始まる石油危機により、石油・電力の消費規制が実施に移されるなど、当面、国民生活や国民経済に少なからぬ制約が加えられるに至っております。このような情勢を背景として、今後、労働面においても、種々問題の出てくることが懸念されております。
もとより、このような事態に直面して、政府としては文字どおり総力をあげて問題の解決に取り組んでいるところでありまして、労働省といたしましても、この際、経済の変動に伴う労働面への影響を最小限にとどめるため、事態に即応した万全の対策をとる考えであります。
また、きびしい経済情勢のもとで労働者の福祉の増進をはかることは決して容易なことではありません。しかし、そうしたきびしい条件下において福祉優先の政策を定着させていくことこそ今日の労働行政に課せられた重要な責務であると考えております。
私は、このような見地から、今後、次の五つの事項を重点対策として進めてまいる考えであります。
第一は、今後の経済・社会情勢に対応する総合的雇用対策の推進であります。
現下の経済・社会情勢の変化に伴う雇用失業情勢については、企業の対応のしかたも区々であり、的確に予測しがたい面もありますが、季節出かせぎ労働者や高年齢者、あるいは中小企業労働者など、経済変動の影響を受けやすい層の人々に十分配慮しつつ、適切かつ機動的に雇用諸対策を強化推進してまいる所存であります。
次に、失業保険制度につきましては、現行保険制度を今後の経済社会の動向に即応し得るようにするため、抜本的な改善をはかることが急務となっております。このため、現行の失業保障機能を堅持強化するとともに、質量両面にわたる完全雇用の実現を目ざす制度として、雇用に関する総合的機能を有する雇用保険制度を創設し、農林水産業を含めたすべての雇用労働者に適用する考えであり、今国会に所要の法案を提出することとしておりますのでよろしくお願いいたします。
また、労働者の能力の開発向上をはかることは、最近の諸情勢に労働者が主体的に対応していく上で非常に重要なことになっております。このため、来年度においても、公共職業訓練の整備充実、事業内職業訓練の振興をはかる等により、職業訓練の刷新強化を期する考えであります。
以上のほか、従来から進めてきました高年齢者や心身障害者、季節移動労働者、同和対策地対象域住民に関する対策についても引き続き一そう強化する方針であります。特に、高年齢者については、定年延長を一そう促進するとともに、全国主要都市に高年齢者職業相談室を新設するなどその雇用促進対策の拡充強化をはかることとしております。なお、失業対策事業につきましても、就労者の賃金を昭和四十八年度当初に比べ一九・二%引き上げ、その生活の安定をはかることといたしました。
第二は、勤労者財産形成制度の拡充をはじめとする勤労者の福祉対策の推進であります。
将来にわたる勤労者の生活の安定をはかるための勤労者財産形成政策につきましては、従来から積極的に推進してきたところでありますが、政府としては、来年度において財形貯蓄について、利子等の非課税限度額の引き上げ、住宅の取得を目的とする貯蓄に対する税額控除の引き上げ、さらには、事業主の拠出による財形基金制度の設置など制度の大幅な改善を行なうこととしております。これにつきましても、所要の法案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、いまや、社会の趨勢となった週休二日制については、労働者の福祉の向上はもとより、石油等エネルギー節減に伴う失業の発生の防止のためにも効果的であるので、このような観点から、産業、企業の実情に即しつつ、今後とも、積極的に普及につとめてまいりたいと思います。
なお、これに関連して、国の立場からも、余暇の有効活用をはかるため、「勤労者いこいの村」等の余暇関連施設を来年度もさらに増設していくこととしております。
また、勤労婦人や勤労青少年の福祉対策としては、勤労婦人や勤労青少年のための各種福祉施設を増設するほか、働く婦人のための育児休業の普及、勤労青少年の指導者養成等の施策を進めてまいりたいと思います。
第三は、働く人の安全と健康を守る対策であります。
働く人の安全と健康を守り、不幸にして災害をこうむられた場合にはその保護につとめることは福祉の基本であり、いかなる経済情勢にあっても決してないがしろにできないことは言うまでもありません。こういう観点から、まず、労災保険制度につきましては、時代の進展に即応した制度として、よくその機能を発揮し得るような給付水準の引き上げ等の制度の改善を行なうこととし、今国会に所要の法案を提出することといたしておりますので、よろしくお願いいたします。
また、労働安全衛生に関しては、従来から最近の産業社会の進展に即応した総合的な対策を講じてきたところでありますが、来年度においては、作業環境改善のための環境測定制度の法制的整備をはかるべく、現在立法の準備をしているところであります。
第四は、労使コミュニケーションの促進であります。
石油危機の影響をはじめとして、経済社会情勢がきびしくなっているおりから、労使関係者が困難な事態を十分認識し、国民経済的視野に立って問題の合理的な解決をはかることがきわめて肝要であると考えます。私といたしましては、今後とも、産業労働懇話会等の場を通じてトップレベルの関係者相互の理解を深めるとともに、産業、地域、企業等各レベルにおける労使コミュニケーションを積極的に進め、労使の話し合いの機運を一そう醸成し、もって相互理解の増進と合理的労使関係の形成に資してまいりたいと考えております。
第五は、労働外交の積極的推進についてであります。
最近の石油危機問題等を契機として、わが国と開発途上諸国との関係のあり方に新しい問題が投げかけられております。来年度は、こうした事情をも考慮しつつ、ILO、OECD等の国際機関の諸活動への積極的参加と協力、職業訓練の分野での国際協力など従来から行なってきた施策をさらに推進するほか、アジアを中心とする労働関係者の国際交流の促進、多国籍企業の労働問題についての研究・指導等の諸施策を通じ、思い切った前向きかつ積極的な労働外交を推進してまいる考えであります。
また、今国会において、業務災害の場合の給付に関するILO条約の批准の承認案件を提出することとしております。
以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信を申し述べました。各位の一そうの御鞭撻と御協力をお願いする次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/4
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005・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) 次に、昭和四十九年度厚生省関係予算につきまして、政府から説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/5
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006・木暮保成
○政府委員(木暮保成君) 昭和四十九年度の厚生省所管予算の概要につきまして御説明を申し上げます。
お手元の資料の表紙をごらんいただきたいと思いますが、来年度の厚生省の予算額は総額で二兆八千六百八十二億九千四百万円でございます。これを昭和四十八年度の当初予算額二兆九百三十億二百万円に比較いたしますと、七千七百五十二億九千二百万円の増でございます。伸び率にいたしますと一三七%でございます。この結果、国の一般会計予算に占めまする厚生省予算の比率は一六・八%、言いかえますと約六分の一になった次第でございます。
以下、内容のおもなものにつきまして御説明を申し上げたいと思いますが、二ページからごらんをいただきたいと思います。
まず、生活保護費でございますが、来年度予算といたしまして、四千四百三十億円を計上いたしております。その中で備考の欄をごらんいただきたいと思いますが、生活扶助基準の二〇%引き上げを予定いたしております。その結果、標準四人世帯で月額、一級地で申しますと、四十八年度の当初では五万五百七十五円でございましたのが、六万六百九十円に引き上げられる予定でございます。
このページの一番下をごらんいただきたいと思いますが、社会福祉施設整備費といたしまして、二百六十五億二千二百万円を計上いたしております。それは本年度の当初予算百八十六億円の四〇%増でございます。
それから、次のページをごらんいただきたいと思いますが、社会福祉施設等運営費といたしまして二千四百七十六億円を計上いたしております。この中で種々な改善をいたしておりますが、改善の内容につきましては四ページから六ページまで掲げてございますが、一例を申し上げますと、五ページをごらんいただきたいと思いますが、五ページの上から四、五行目でございますけれども、施設に入所しておられる方の処遇費を一般生活費につきまして、生活保護に合わせて二〇%引き上げを予定いたしておるわけでございます。また、児童の施設におきまする採暖費につきましては、ことしの当初予算に対しまして三倍の引き上げを行なっておる次第でございます。
次に、七ページをごらんいただきたいと思いますが、七ページの一番上でございますが、老人福祉対策費といたしまして四千八百九十九億円を計上いたしております。この中で、備考の欄をごらんいただきたいと思いますが、家庭奉仕員の人数を千四百名ふやしまして八千四百六十人にいたしますと同時に、手当額につきましては一万円引き上げまして五万五千円にすることを予定いたしております。四、五行下になりますが、新規の2という番号が打ってございますが、老人福祉電話設置費ということで来年から新規に一人暮らしの老人の方に電話を設置していきたいということを考えておりますが、初年度二千五百台分を計上いたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、八ページの中ほどから若干下になりますけれども、老齢福祉年金給付費といたしまして三千二百八十五億円を計上いたしておりますが、年金額につきまして、ことしの十月から、老齢福祉年金につきましては五千円を七千五百円に、老齢特別給付金につきましては四千円を五千五百円に引き上げる予定をいたしております。
次に、一ページ飛びまして一〇ページをごらんいただきたいと思いますが、心身障害児・者対策費といたしまして千二百八十四億円を計上いたしてございます。この中で、いろいろな施策をいたしておりますけれども、備考の一番上にございますように、国立療養所の重症心身障害児のベッドをさらに増床する等の計画をいたしております。次のページをごらんいただきたいと思いますが、備考の欄のまん中からやや上になりますが、特別児童扶養手当につきましては、いままで母子福祉年金に金額を合わせておりましたけれども、在宅者に対しまする対策の強化という観点から、これを障害福祉年金の額に合わせることにいたしまして、ことしの十月から、現在六千五百円でございますのを一万一千三百円にいたす予定にいたしております。なお、重複障害のお子さんを持っておられる場合にはさらに月額三千円の加算をするということを新しくやる予定にいたしてございます。
次に、一三ページをごらんいただきたいと思いますが、同じく心身障害児・者対策の一つといたしまして、まん中からやや下になりますけれども、十四番目の小児慢性特定疾患治療研究費でございますが、ただいま五疾患を対象にいたしておりますのを四疾患ふやしまして十二億二千四百万円を計上いたしております。
次に、一ページ飛ばしまして一五ページをごらんいただきたいと思いますが、これも備考の欄のまん中からやや下になりますけれども、身体障害者福祉モデル都市設置費でございますが、四十八年度の新規事業といたしまして六市を対象にいたしましてモデル都市を計画いたしましたが、非常に効果があがるようでございますので、来年は一挙に十七市新しくモデル都市の設置をしたいという計画をいたしております。次のページをごらんいただきたいと思いますが、まん中辺になりますが、(新)の(5)というのがございます。身体障害者用自動車改造助成費でございますが、身体障害者の方が職場復帰をされる場合に通勤に自動車を利用するということが一つあるわけでございますが、身体障害者の方の障害の程度に合わせまして自動車の運転をしやすくするような改造費を公費で見たいということで、来年度は二百台分を計上いたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、まん中から下になりますが、障害福祉年金でございますけれども、五百五億円を計上いたしております。この中で、障害福祉年金の月額七千五百円でございますのを十月から一万一千三百円にするほか、二級障害福祉年金につきましては、次のページの頭になりますが、四月から五千円でスタートをさせまして、十月から七千五百円に引き上げる、こういう予定をいたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、民間社会福祉事業育成費でございますが、五十一億一千七百万円を計上いたしております。この中で、備考の欄のまん中辺になりますが、(新)(3)というのがございます。社会福祉施設職員海外研修費でございますが、民間の社会福祉事業施設に働いておられる職員の方に海外の施設に二カ月泊まり込んで勉強していただいて、向こうの施設の経営の実態等を日本の施設経営に生かしていただくということを予定いたしておるわけでございます。
それから次のページをごらんいただきたいと思いますが、まん中からやや下になりますが、同和対策費といたしまして百四十九億六千七百万円を計上いたしております。で、対策の中心になりまする同和対策施設整備費でございますが、百四十三億二百万円を計上いたしておりますが、これは前年度当初予算の一四五%に当たるわけでございます。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、母子等福祉対策費でございますが、百七十八億九千九百万円を計上いたしております。その中で、母子福祉貸付金、寡婦福祉貸付補助金の資金の追加をいたしますほか、児童扶養手当につきましては、手当額を、現在六千五百円でございますのを十月から九千八百円に引き上げる予定をいたしております。また、このページの一番下になりますが、母子・準母子福祉年金につきましても、月額六千五百円でございますのを九千八百円にする予定をいたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、保育対策費といたしまして一千八十九億円を計上いたしてございます。備考の中ほどになりますが、新しいものといたしましては、障害児保育事業といたしまして、障害の軽いお子さんを一般のお子さんと一緒の保育所で保育するということを試験的にやってみたいということで二十カ所分を計上いたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、家庭児童育成対策費として四百八十八億円を計上いたしております。この中でいろいろなことをやっておりますけれども、備考の欄の下のほうになりますが、(4)母親クラブ活動費、現在六百クラブを補助対象にいたしておりましたのを千二百クラブにするということを考えております。
それから、次のページをごらんいただきたいと思いますが、母子保健対策費として二十五億五千二百万円を計上いたしております。その中で、備考のちょうどまん中辺になりますが、乳児の一般健康診断につきましては、昭和四十八年度から一回に限りまして一般の医療機関で健康診断を無料で受けられるような措置を講じたわけでございますが、理想的には生後三カ月と九カ月目に二回健康診断をするということが考えられますので、来年からは二回ということにいたしております。
次に、一ページ飛びまして二六ページをごらんいただきたいと思いますが、医療保険対策といたしまして千四百八十四億円を計上いたしております。この中で日雇労働者健康保険につきましては、家族給付率の引き上げ、それから高額療養費制度の新設、給付期間の延長等、法律改正をする予定でございまして、百五十八億円を計上しておる次第でございます。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、まん中辺になりますが、児童手当につきまして四百七十九億一千九百万円を計上いたしております。まず、三年間の計画でやってまいりました対象児童の年齢引き上げ、最終年次になりまして、ただいま十歳未満まででございましたのを義務教育終了前まで引き上げる予定にいたしております。それから手当額につきましては、月額三千円でございますのを四千円に引き上げる予定にいたしております。
それから、国民健康保険助成につきましては七千九百億円を計上いたしておりますが、備考の三番目にございますように、国民健康保険組合の臨時調整補助金につきましては七十億に増額いたしますとともに、市町村に対します臨時財政調整交付金を新規に三百五十億円計上いたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、年金制度の改善ということで五千九百三十一億円を計上いたしております。で、厚生年金と拠出制国民年金につきましては、それぞれ年金額のスライドをすることを予定いたしておりますほか、福祉年金につきましては、老人福祉、あるいは身体障害者の福祉のところで申し上げましたように、それぞれ年金額の引き上げを予定いたしております。
次に、若干飛びまして三一ページをごらんいただきたいと思いますが、保健所費でございますが、百三十四億五千万円を計上いたしております。で、前年度に引き続きまして特別設備整備、公害関係の設備整備を行なう予定をいたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、原爆被爆者対策といたしまして百六十億円を計上いたしております。特別手当につきまして、現在一万一千円及び五千五百円でございましたのを、それぞれ一万五千円と七千五百円に引き上げますほか、認定傷病を治癒した人にも引き続き七千五百円を支給することを新しく予定いたしております。健康管理手当につきましては、月額五千円を七千五百円に引き上げますほか、年齢制限等の緩和をいたしております。その他諸手当につきまして額の引き上げ等を行なう予定をいたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、難病その他の特定疾患対策といたしまして、二百十九億円を計上いたしております。その中で備考のほうをごらんいただきたいと思いますが、特定疾患調査研究費でございますが、従来二十疾患を対象にいたしてまいりましたのを十疾患ふやしまして三十疾患にする予定をいたしております。次のページをごらんいただきたいと思いますが、備考の一番上になりますが、特定疾患の治療費につきましては、六疾患を対象といたしてまいりましたが、四疾患をふやしまして十疾患にする予定をいたしております。
次に、一ページ飛びまして三六ページをごらんいただきたいと思いますが、結核対策費につきましては、六百四十七億円を計上いたしております。このページの下になりますが、精神衛生対策費といたしましては、六百七十一億円を計上いたしております。その中で、次のページをごらんいただきたいと思いますが、備考のまん中から下のほうになりますが、四番目の精神障害回復者社会復帰施設費、これは川崎市に補助をいたしまして試験的に一カ所やっておりましたのでございますが、成績がよろしいので来年から整備をしていくということで初年度二カ所を予定いたしております。また、デイケア施設を今後拡充していこうということで、これも来年度一カ所スタートをさせたいということで予算を計上いたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、伝染病対策費といたしましては、十八億三百万円を計上いたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、らい予防対策費といたしまして百十三億六千九百万円を計上いたしております。次のページの一番上になりますが、国立らい療養所につきましても八億八千万円を計上いたしまして、施設の改善を計画いたしておるわけでございます。
それから成人病対策費といたしまして、百十四億四千七百万円を計上いたしております。従来の施策を充実してまいりますほか、このページの下から五行目になりますが、三番目のがん研究助成金、これはがんセンターを中心にしてやっておるものでございますが、効果があがっておりますので来年は十億円に増額をいたしております。
それから次のページをごらんいただきたいと思いますが、循環器対策といたしまして二十五億九千万円を計上いたしておりますが、この中で大きなものとしましては、大阪に建設中の国立循環器センターでございますが、工事の二年目分といたしまして二十一億円を計上しております。
それから次のページをごらんいただきたいと思いますが、備考の欄の上のほうでございますが、健康増進モデルセンターにつきましては、来年度さらに五カ所を整備する予定にいたしております。
また、備考の欄のまん中になりますが、農村健診センターにつきましても、来年度さらに七カ所の整備を予定しておるわけでございます。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、救急医療対策費として九億二千六百万円を計上いたしております。新しいものとしましては、このページの一番下になりますが、休日夜間診療所を三年計画で整備をしていきたいということで、初年度七十カ所を計上いたしております。また、次のページの備考の欄の一番上になりますが、その七十カ所とすでにつくられております三十カ所の休日夜間診療所を合わせまして百カ所に運営費の助成もしていきたいという予定でございます。
それから、へき地医療対策費といたしまして七億七千万円を計上いたしておりますが、従来からやっております施策のほか、備考の欄の一番上にございますように、へき地勤務の医師につきまして修学資金を貸与することを新しく計画をいたしておるわけでございます。来年度の貸与人員は三百人を予定いたしております。貸与額は月額四万円、年間四十八万円でございます。
次に、四七ページをごらんいただきたいと思いますが、看護婦の確保対策費といたしまして百五十八億円を計上いたしております。その中で、備考の一番上になりますが、看護婦の養成所の施設整備費につきましては本年度の約倍に当たります九億四千二百万円を計上いたしておりますほか、このページの下から五、六行目になりますけれども、院内保育所に対しまする運営費の助成を新しく始めることといたしまして、来年度二百七十九カ所分を計上いたしております。それから次のページをごらんいただきたいと思いますが、上のほうの六番でございますが、未就業の看護婦さんの調査をいたしまして、それぞれ条件に応じた再就職をしていただこうということでナースバンクを新しく始める予定をいたしております。
それから次のページをごらんいただきたいと思いますが、公的病院財政対策費といたしまして三十九億円を計上いたしております。この中で、(新)の1が新しいものでございまして、自治体が設立しております不採算地区の病院に対しまして運営費の補助を新しく始めることにいたしております。百三十病院を対象として予定をいたしております。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、厚生省関係の研究費及び試験研究所費といたしまして九十六億八千二百万円を計上いたしております。その中で研究費が四十七億五千五百万円でございます。次のページをごらんいただきたいと思いますが、試験研究所費といたしましては四十九億二千六百万円でございますが、このうち国立予防衛生研究所につきましては、官庁営繕でございますので建設省予算になりますが、筑波にモンキーセンターをつくる予定をいたしておりまして、基本設計費四千四百万円を計上いたしております。
それから戦傷病者戦没者の遺族等援護費でございますが、五百七億円を計上いたしております。このページの備考の欄の下から五、六行目になりますが、障害年金、遺族年金につきまして恩給に合わせて二三・八%の引き上げを行ないますほか、次のページの備考のまん中辺になりますが、援護法の改正をいたしまして防空従事者を準軍属として処遇する等のことを考えておる次第でございます。また、備考の欄の下のほうになりますが、戦没者の遺骨収集につきましては、来年度も本年に引き続きましてここにございます九地区につきまして遺骨収集を進めていきたいという予定でございます。
次に、五四ページをごらんいただきたいと思いますが、生活環境施設整備費といたしまして四百四十一億円を計上いたしてございます。内訳は簡易水道関係がそこにございますように七十九億円でございます。
次のページに参りまして、水道水源開発関係が百八十五億円でございます。
それから廃棄物の処理施設関係が百七十六億円でございます。
次のページに参りまして、環境衛生の営業対策費といたしまして二十五億円を計上してございます。そのうちおもなものは備考の二番にございます環境衛生金融公庫の補給金でございまして二十四億円を計上いたしておりますが、この中で、そこにございますような千二百六十五億円の資金計画をいたしておるわけでございます。
それから次のページに参りまして、これも昭和四十八年度新規事業としてスタートさせました医療情報システムの開発でございますが、来年度は倍額の二億一千万円を計上してございます。
それから麻薬・覚せい剤対策といたしまして七億六千万円を計上いたしてございます。
次のページをごらんいただきたいと思いますが、血液対策費といたしまして十五億円を計上してございますが、その中で備考の欄にございますように、従来の補助のやり方を変えまして、保存血液の自己負担金を無料化するというやり方にいたしたいと予定いたしております。
それから消費者行政関係費でございますが、五億七千四百万円を計上いたしております。
食品安全衛生対策費の中では、衛生試験所の中に安全センターをつくるということを予定いたしておりまして、基本設計費の二千七百万円を計上いたしてございます。
次に、六〇ページをごらんいただきたいと思いますが、医薬品等安全対策費の中で備考の欄の(新)の(6)というのがございますけれども、医薬品の副作用につきまして全部の病院、診療所につきまして厚生省から年三回ダイレクトメールで情報の伝達をするということを予定いたしております。
以下、六一ページから厚生省所管の公庫・事業団、それから特別会計につきまして予算の規模を表にして掲げてございますが、説明は省略さしていただきたいと存じます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/6
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007・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) 次に、昭和四十九年度労働省関係予算につきまして、政府から説明を聴取いたします。水谷会計課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/7
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008・水谷剛蔵
○政府委員(水谷剛蔵君) お手元の資料につきまして、労働省関係の予算の概要につきまして御説明申し上げたいと思います。
最初の表にございますように、労働省予算の昭和四十九年度一般会計の要求額は一千九百九十三億七千六百万円でございまして、対前年比三百五億五千八百万円の増額でございます。対前年比は一八・一%の伸びになっております。
このほかに、労災事業と失業保険事業を実施いたすために労働保険特別会計が設けられておりまして、この関係で一兆一千二百八十二億四百万円が計上されております。なお、徴収勘定につきましては、それぞれ徴収勘定の歳出が労災勘定、失業勘定の歳入になるという仕組みになっておりますので、この合計額には含まれておりません。
そのほかに、石炭及び石油対策特別会計がございまして、これが百二十億九千九百万円でございます。合計いたしますと一兆三千三百九十六億七千九百万円でございまして、対前年比は一二三・七%の伸びになっております。以下その主要なものにつきまして御説明申し上げたいと思います。
最初に、勤労者財産形成政策の拡充でございますが、予算額といたしましては、一兆八千五百万円を計上いたしております。この増加額のうち、主要なものは一般会計から雇用促進事業団に対する出資金一億円でございまして、これはその運用益をもって雇用促進事業団が行なう財産形成関係業務の事務費財源に充てるというものでございます。その他につきましては基金制度の創設、あるいは減税措置、融資の拡充等がございますが、歳出予算といたしましてはいずれも事務的な経費でございます。
次のページをはぐっていただきまして、第二の人間性豊かな勤労者生活を確保するための福祉対策の展開でございますが、最初の週休二日制につきましては、週休二日制の普及促進に関する中小企業集団の自主的努力に対する助成でございますが、これは従来からございます中小企業集団、五百集団のうち百集団につきまして、特に補助金を増額いたしまして、週休二日制の普及促進を積極的にはかってまいりたいというものでございます。
次の勤労者いこいの村等の余暇施設の拡充につきましては、対前年個所数、単価とも多少増額をいたしております。次の野外趣味活動施設につきましては、前年十カ所に対しまして新規には五カ所設置いたしたいということにいたしております。
次の勤労者に対する職業上の資格取得の奨励といいますのは、予算的な中身は事務的な経費でございますが、勤労者が職業上の資格を持つことによりまして就職を有利にし、あるいは勤労意欲の向上をはかるというようなことが考えられますので、このための研究会を設けてその奨励策を研究するというような経費でございます。
次の勤労婦人と勤労青少年福祉対策の推進でございますが、働く婦人の家、勤労青少年ホームにつきましては、前年設置いたしました数よりは個所数は減らしておりますけれども、補助単価を二百万円上げまして七百五十万円にいたしております。次の勤労婦人センターにつきましても、個所数は一カ所減らしておりますが、補助単価を三百万円上げております。次の勤労青少年フレンドシップセンターの増設につきましては前年どおりでございます。
次の2、3、4、5、はいずれも事務的な経費でございますが、勤労婦人福祉対策の推進の中には、育児休業制度の普及指導等の事務費が新規のものとして入っております。
次の勤労婦人に関する日米共同研究は、昭和五十年度に実施のものでございますが、その準備的な経費が含まれております。
それから婦人の社会活動の促進及び地位向上対策の推進の中には、新規のものといたしましては男女差別にかかる苦情処理方策についての研究会の設置というようなものが含まれております。
次の勤労青少年福祉事業につきましては、優良クラブの褒賞等の経費でございます。
次の四ページに行きまして、中小企業福祉対策の推進でございますが、勤労総合福祉センターの増設につきましては、昨年、調査費がつきましたものにつきまして着工するものが五カ所、新規に調査費を計上するものが三カ所でございます。
次の勤労青少年体育施設と共同福祉施設につきましては、前年と同じ数の設置を計画いたしておりますが、単価につきましては二千万円ずつ、それぞれ増額することといたしております。
次の雇用促進住宅につきましては、前年と同額の二百二億円余を計上いたしております。
それから雇用促進融資の充実につきましては、融資ワクを一億円増額いたしておりますが、これは通年雇用設備関係につきまして前年の四億円を五億円にいたしたというものでございます。
次の定年延長奨励金につきましては、四十八年度に設置された制度の平年度化に伴うものでございます。
次、五ページに行きますが、高年齢者に対する職業相談、職業紹介等の体制の整備といたしましては、新規に高年齢者職業相談室を設置いたしたいという関係の経費が計上されております。
次の高年齢者の労働問題研究の実施は、職業研究所による研究でございますが、高年齢者の適職開発等の研究をいたしたいという関係の経費でございます。
次の自営業開業資金借り入れにかかる債務保証制度の新設は、従来、身体障害者あるいは炭鉱離職者等について設けられておりました債務保証制度を高年齢者にも拡大いたしたいというものでございます。
次の高年齢労働者職業福祉センターの建設が新規でお願いいたしてございますが、これは高年齢者に対する職業情報の提供とか、あるいは職業講習、あるいは体力増強、文化、教養に関する便宜供与を行なう福祉センターを設置いたしたいということで二カ所予定いたしております。
次の職業訓練関係につきましては、受講給付金あるいは職業講習の委託料等の単価の引き上げをはかっております。
それから高年齢者向きの訓練科目の増設につきましては、前年どおり五カ日設置いたしたいというものでございます。
次の社会復帰対策を重点とする心身障害者対策の拡充につきましては、六ページに行きますが、心身障害者職業センターの増設を、従来五カ所ございますが、新規に三カ所設置いたしたいというものでございます。
それから心身障害者福祉対策の強化では、勤労身体障害者体育施設の増設で昭和四十八年度に新規でお認めいただいたものでございますが、新たに三カ所設置いたしたいというものでございます。
それから心身障害者雇用促進団体の育成は新規でございますが、心身障害者の雇用促進協会に対しまして、中央と地方にあります雇用促進の団体に対してそれぞれ補助金を交付いたしたいという関係の経費でございます。
次の雇用奨励金につきましては、普通身障の方を八千円から九千円に、重度身障の方を一万円から一万一千円にというように単価の引き上げをはかっております。
次の心身障害者職業訓練の拡充につきましては、重度障害者を対象とする職業訓練校を一カ所新規に新設いたしたいという関係の経費が含まれております。
次の国立身体障害者職業訓練校につきましては全国に十一校ございますが、これの充実をはかってまいりたいというものでございます。
次の国立リハビリテーション職業訓練校の設置の調査関係の経費が約五百万円計上されております。
次の被災労働者の社会復帰対策の強化につきましては、自動車購入資金の貸し付け額を従来の四十万円を五十万円に引き上げる等の増額をはかっております。
次は、3の総合リハビリテーション懇談会の設置というのが、新規でございますが、これは業務上の災害による身体障害者のリハビリテーション技術の開発とリハビリテーション総合施設のあり方について調査研究をするということで、実態調査を行なう経費を含めまして一千四百万円余の経費が計上されております。
次は、改善のおくれがちな中小企業労働者への対策の強化でございますが、最初の五人未満事業に対する労働保険の全面的な適用のための体制の確立は適用徴収業務の機械処理体制の整備の経費でございます。
次の中小企業退職金共済制度の推進等につきましては、退職金共済事業団に対する補助金等が含まれておりますが、中身といたしましては、退職金共済制度は五十年度に制度の検討をいたしたいということで、昭和四十九年度といたしましては審議会の開催回数をふやす等の事務的な経費を増額いたしております。
次の中小企業の雇用対策の推進の勤労者福祉施設の拡充関係につきましては、先ほどのと重複いたしますので省略いたします。
次に、八ページの2の中小企業における雇用管理改善指導の充実は集団指導関係の事務費でございます。
それから中小企業の事業転換に伴う雇用対策の推進が新規でございますが、中小企業が事業転換を余儀なくされた場合に事業主に対しては奨励金を支給し、労働者の方には受講手当を支給するという制度で事業転換訓練の実施の奨励をはかってまいりたいというものでございます。
次の事業内職業訓練の振興につきましては、共同職業訓練について運営費、施設費についてそれぞれ単価の引き上げをはかっております。
次の2の共同職業訓練中央団体に対する助成は新規でございますが、共同職業訓練の中央団体に対しまして六百万円の補助金を計上いたしております。
次の中小企業労使関係の安定と家内労働対策、内職対策の推進につきましては、審議会の開催等の経費でございますが、従来どおり実施いたしてまいりたいというものでございます。
次の労働者の生命と健康を守るとともに、被災労働者の保護を充実するための総合対策の推進では、最初の産業医科大学の創設でございますが、七億八千九百万円でございまして、この大部分は産業医科大学の創設関係の経費でございますが、ほかに産業医学振興に要する産業医学振興関係の調査費ということで五百万円がこの中に含まれております。
それから科学的労働災害防止対策の研究開発の推進につきましては、この2の産業医学研究体制の確立が、従来ありました衛生研究所を産業医学総合研究所ということで川崎市の登戸に移転いたしまして建築中でございますが、その三年次目で一応四十九年度に移転いたしたいということに計画いたしております。
次の職場における安全と健康を確保するための対策の推進では、労働安全衛生融資につきまして十億円の増額をいたしております。
次の職場環境改善対策の推進では、新たなものといたしましては作業環境測定士の登録というような経費が含まれております。
次のページ、一〇ページに行っていただきまして、最初の労災保険制度の拡充につきましては、先ほど大臣が申し上げましたように、労災保険給付につきまして遺族補償年金の額の引き上げ、あるいは障害補償年金、一時金の改善、さらに福祉施設として特別支給金制度の創設等を計画いたしておりまして、労災保険制度の全般的な改正を計画いたしております。
次に、重複いたしますから省略いたしまして、次の重度障害者等に対する援護対策の充実は、被災労働者の方に対する長期療養者の介護料の引き上げ等の経費が含まれております。
次の健診センターの増設は一カ所東北地区に設置いたしたいというもの、その他労災病院に併設いたしております職能回復指導施設の増設等を計上いたしております。
次の充実した職業生活の実現をめざす総合的雇用対策の推進といたしましては、最初の新規学校卒業者に対する職業指導等の充実は、早期選考防止あるいは職業適正検査実施等の事務費でございます。
次は、一一ページの地域雇用対策の推進でございますが、工業再配置に対応した雇用対策の充実では、移転給付金の単価の引き上げをはかっております。
次の工業誘導地域における住宅、福祉施設の整備は調査費として三カ所計上いたしております。
次の農村地域への工業導入と離農転職の促進——離農した方の転職の促進でございますが、離農転職者に対する職業指導、職業訓練等の訓練手当の単価の引き上げ等をはかっております。農村教養文化体育施設は先ほど申し上げました体育施設の三十カ所のうちの一部でございますが、七カ所計画いたしております。
次の産業構造の変化に対応する雇用対策の推進といたしましては、最初の社会福祉部門における労働力の円滑な供給等はこれは事務的な経費でございますが、先ほど厚生省関係で申し上げましたナースバンクに対する求人情報の提供等の経費が含まれております。
次の雇用変動に対応する雇用調整対策の推進は、一二ページに入りますが、職業転換給付金の充実といたしまして、就職指導手当の単価を従来の二万五千二百三十円を三万四百五十円に二〇・六%の引き上げをはかる等、各種の給付金の充実をいたしております。
次の炭鉱、駐留軍、沖繩関係離職者対策の推進につきましては、従来どおり事業を実施してまいるわけでございますが、就職促進手当につきましては最高日額を従来の千三百十円から千五百九十円に引き上げております。それから炭鉱離職者緊急就労対策事業と、産炭地域開発就労事業につきましては、それぞれ従来どおり事業を実施してまいるわけでございますが、緊急就労対策事業につきましては、対象人員を百人減らしております。それから開発就労事業につきましては昨年どおり三千二百人でございます。それから事業費の単価につきましてはそれぞれ八百円引き上げまして、緊急就労対策事業を三千八百円から四千六百円に、それから開発就労事業につきましては六千二百円から七千円にいたしております。
次の特別の配慮を必要とする人たちへの対策の充実につきましては、最初の一は重複いたしますから省略いたしますが、次の季節移動労働者対策につきましては、季節移動労働者援護事業の充実ということで特別奨励金の増額等をいたしております。
それから季節移動労働者福祉センターにつきましては、新規に一カ所設置いたしたいというものでございます。
次の同和対策対象地域住民への雇用対策の充実につきましては、最初の(1)の雇用主研修会の実施等と、それから一枚はぐっていただきまして、3の中の最後の職業訓練受講支度金一人一万五千円というのが新規でございます。その他につきましては、単価の引き上げ等をはかって充実いたしております。
次の労働市場の整備等でございますが、これは職業紹介あるいは失業保険の事務処理につきまして、機械化を導入して合理化をはかっていく個所数をふやしてまいりたいというものでございます。
次の雇用保険制度の創設につきましては、先ほど大臣の所信表明にも申し上げたところでございますが、予算的な中身といたしましては、昭和四十九年度予算との関係では、四十九年度の十月から実施を予定いたしております日雇い失業保険に関する改正部分がこの予算の中身には含まれております。なお、失業保険の受給実人員につきましては、四十八年の実績見込み五十二万六千人に対しまして、一応五十五万一千人、——この数字は昨年の予算と同数でございますが、五十五万一千人の受給実人員で計算いたしております。
次の職業生涯を通ずる能力開発施策の推進でございますが、高卒者に対する職業訓練の推進は、従来から引き続きはかってまいりたいというものでございます。
次の地域産業の実態と需要に応じた特色ある職業訓練校への再編整備等につきましても、それぞれ科目の増設、職種転換等をはかってまいるものでございます。
最後の、三番目の職業訓練生に対する訓練手当につきましても、約一九%の引き上げをはかっております。
次は、一四ページの3の在職者訓練の拡大でございますが、人材開発センターにつきましては、新規に十カ所設置いたしたいというものでございます。
それから技能検定制度の拡充は、新規に二十職種拡充いたしております。それから卓越技能者に対する褒賞金の支給が新規でございますが、従来、たて等で褒賞いたしておったわけでございますが、一人十万円の褒賞金を支給することによって技能尊重機運の高揚をはかってまいりたいというものでございます。
次の失業対策事業の運営改善につきましては、失業対策事業につきましては、賃金単価を前年当初比一九・二%の引き上げ、事業規模につきましては、吸収人員を三千人減員いたしまして、九万九千人で計画いたしております。
特定地域開発就労事業につきましても、引き続き実施いたしてまいりたいということで単価の引き上げ等をはかっております。
次の労使コミュニケーションの推進等につきましては、産業労働懇話会の継続実施等をはかってまいりたいという関係の事務的な経費でございます。
次は、国際化時代における労働外交の積極的な展開でございますが、最初の、日本、ILO婦人労働行政アジア地域会議の開催関係の経費は、一応の予定といたしましては四十九年十一月ごろをめどに、アジア地域の二十カ国を招聘いたしまして、ILOの主宰で経費は日本持ちということでアジア地域会議を開催いたしたいということでございます。
次の労働関係者の国際交流は前年どおりでございます。
次のレーバーアタッシェの増員につきましては、現在、ソウルに設置いたしたいということで一名の増員を計画いたしております。
それから次の「国際婦人年」の行動計画への積極的な参加でございますが、これは国連の婦人の地位委員会の創設二十五周年の記念行事として五十年度が国際婦人年ということになっておりますので、その行動計画への参加をはかってまいりたいという関係の経費でございます。
次の国際会議への積極的参加等は従来どおりでございます。
それから多国籍企業労働問題についての研究、指導の推進は、海外労働問題の現地研究の実施等の事業を行なうものでございますが、日本労働協会に補助金を交付いたしまして多国籍企業の労働問題についての研究体制をはかってまいりたいというのが新規でございます。
次の実態の把握は従来どおりのものでございます。
次の一六ページでございますが、職業訓練を通じての国際協力の拡充でございますが、海外研修生の受け入れにつきましては、前年度六十人に対しまして九十人にしてまいりたいということでございます。
それから青年技能労働者の国際交流は前年どおり三十人計画いたしております。それから技能五輪は、ポルトガルで開催される予定でございますが、それに参加してまいりたいということでございます。
それから外国人技能研修生に関する実態の調査と指導援助の中には、正規のルートでなく、技能研修というような名目で短期間入国しておる方々の実態を調査いたしたいというような事務的な経費が含まれております。
次の労働情報業務の積極的推進でございますが、情報開発の推進及び情報提供機能の充実等につきましては、新規の調査としては労働者の健康状況調査、それから高齢労働者雇用実態調査、さらに労働者の福祉総合調査等を計画いたしております。
以上、簡単でございますが、労働省関係の予算の説明をさしていただきました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/8
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009・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) 次に、派遣委員の報告を聴取いたします。小谷守君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/9
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010・小谷守
○小谷守君 去る一月十七日、十八日の二日にわたって、神奈川県と愛知県の両県に視察に参りました。小平理事、川野辺委員、中沢委員、沓脱委員及び私、小谷が参加いたしました。
以下視察の概要を申し上げます。
昨年六月に本委員会で心身障害児・者対策の推進に関する決議がなされましたが、そのあとを追跡する意味を含めて、特に特徴があると思われる新しい施設の中から、神奈川県総合リハビリセンターと愛知県心身障害者コロニーを選びました。
神奈川県総合リハビリセンターは、心身障害児・者の社会復帰を促進することを主軸とする全国で初めての総合施設であり、公立民営の運営形態をとっております。
愛知県心身障害者コロニーは、収容を主体とし、心身障害の発生原因と治療の研究に重点を置いている点に特色があり、県が直営で運営を行なっている総合施設であります。
まず、神奈川県について申し上げます。神奈川県には六万一千三百二名の心身障害児・者があって、これは県総人口に対してはその一%に当たり、また、全国の心身障害児・者百七十八万一千三百名に対しては三・四%となります。
障害者対策について特色のある点を拾ってみますと、まず、発生予防対策としては、年間十二万人の出生児を対象として小児特殊病院を設置し、この運営に十五億円を投じておるほか、年間三万五千人の交通事故に対処して、交通救急センター二カ所を設置運営しております。
次に、施設対策としては、症状の比較的軽い者は民間に、重い者は公立に収容する方針で三十六施設を設置しておりますが、その収容定員は二千七百三十三人でしかありません。施設の拡充は、そこに働く職員の確保が困難なために、なかなか計画をしても思うにまかせない状況であることは、全国一般の例に漏れず難渋しております。
私どもが訪れましたリハビリテーションセンターは、この隘路を打開するために、収容を必要とするような障害者におちいるおそれがある前に手当てをして発生を防止すること、また、障害が発生したときはできるだけ早期に機能回復訓練を施して、家庭に、また社会に復帰させることをねらって設置されたものであります。
交通障害者と老人のための二つの病院、精薄児・者と身障児・者のための七つの援護施設、一つの研究施設、一つの看護要員養成施設を持っております。四十名定員の重症児収容施設は別として、病院にあっては三カ月ないし六カ月でベッドの回転をはかり、援護施設にあっては最高で二年のローテーションを目途としておりまして、症状の重症、軽症を問わず、復帰可能性のある障害児・者を入所させることにしております。そのため、ここでは職員を医師の支配下に置くことをやめて、診療各部に対応する独立の検査部、薬剤部、看護部のほかにリハビリテーション部を設けて、それぞれの職種に医師と対等のポストを与え、新しい協力治療体制をつくっていくことに意を用いております。
私どもは、重症児施設と、リハビリ関係の作業療法室、職業訓練室、日常動作訓練室、理学療法室、中途失明者のための感覚訓練室、リハビリ工学室を視察いたしましたが、すべての職員が生気にあふれて訓練、指導に取り組んでいる状況に心強さを覚えました。現在六十職種の人が七百三十一名働いておりますが、県の職員定数や給与水準に縛られないで必要な職員数を確保するために、運営に当たる社会福祉法人の事業団を別に設立しております。運営費二十五億三千万円のうち、十七億円を県予算でまかなっており、また、事業団の理事長は、副知事の兼任となっておりまして、県が非常に力を入れていることがうかがわれました。しかし、一般の福祉施設の例に漏れず、ここでも専門職種の充足には頭を悩ましておりまして、保母の養成、看護婦の養成、理学療法士、作業療法士の養成に力を注いでいく努力をしている事情の説明とともに国の助成策についての要請がありました。二月から実施された今回の保険医療費改定の中に、看護料について五〇%を上回る引き上げが行なわれ、また、作業療法についても理学療法と同じく四十点、八十点の保険点数に改善されたことは一つの促進になるかと考えますが、さらに施設職員の定数確保、ひいては勤務条件の改善に力をいたさなければならないことをあらためて感じた次第であります。
次に、愛知県について申し上げます。愛知県には七万七千六百四十名の心身障害児・者があって、そのうち、身障児・者は約六万人で、県人口千に対し一〇・九人となっております。精薄児・者は一万六千六十一人であります。これら心身障害児・者の対策として、障害者医療費の補助等に県独自の事業予算が十三億円充てられております。施設対策としては、三十四施設が設置され、その収容定員は二千二百七十名でありますが、重度の障害児・者については、四十七年に在宅の心身障害者を対象に行なった悉皆調査に基づき、収容施設四カ所が四十九年度までに設置されることが決定されており、これが整備されると、あと一カ所で入所を要する者全員の要望にこたえられるということであります。
私どもが訪れました愛知県心身障害者コロニーは、各種の障害を持った人々がその生活をそれぞれの成長に応じ発達的に営むことができるように一貫した福祉対策を実施する目的のもとに設置されたものであります。
すなわち、中央病院、精薄児・者のための四つの援護施設、一つの重症児施設、一つの職業訓練校、一つの研究所及び母子短期療育施設をあわせ持つ収容定員一千名の総合施設であります。
私どもは中央病院の新生児センター、リハビリテーション室、病院に隣接する重症児施設「こばと学園」、発達障害研究所の各研究室、「春日台職業訓練校」、精薄児施設「はるひ台学園」を視察いたしました。このコロニーの特色は、第一に完備された中央診療機関を設置していること、第二に、心身障害の発生機序を明らかにする発達障害研究所を付置していること、第三に、精薄者を対象とする職業訓練校を持っているところにあります。中央病院はコロニー内各施設の入所者の健康管理と疾病の治療を担当するほか、一般に心身の各種疾患の治療と予防を行なう専門病院として、また巡回療育等を行なう医療センターとしての三つの役割を持っております。このため入院者は、コロニーにいる者が一割で、他は外からの入院者となっております。ここでは診療の分化を避けるため、部制がとられ、総合診断部、第一から第九の臨床部など六部一課が設けられています。総合診断部のリハビリテーション室において障害児の機能回復が行なわれておりましたが、専門職員とケースワーカーなどでチームをつくり、障害児をグループ別に分けて行なうグループセラピーが実施されておりました。
次に、発達障害研究所について申し上げますと、障害児・者の根本的対策はその成立の原因を明らかにし、防止することにあるという見地に立ち、予防対策の樹立、治療と教育方法及び福祉の研究という目的を遂行するため、遺伝学、発生学、周生期学等の十部門が設けられております。特に生化学部門では発達障害における神経生化学の基礎研究が続けられ、ネズミを実験にして核黄疸の発生機序について研究が進められておりました。
次に、精薄者を対象とした「春日台職業訓練校」についてでありますが、精薄者だけを対象とする訓練校は全国にここ一つだけであります。開校されてから四年になり、現在機械科をはじめとする五つの訓練科目が行なわれ、訓練が軌道に乗りつつあります。知能指数がおおむね六〇前後の健康な者を入校資格としているのでありますが、現在は知能指数五〇以下の者が全体の三六%を占めておりました。コロニー運営費二十二億円のうち、十三億円が県の一般財源でまかなわれており、介護職員について重度棟に勤務する者は本俸の二〇%、中央病院にあっては一六%、その他の施設にあっては一二%の調整手当を支給し、国の基準を上回った介護体制を目ざしており、県が非常に力を入れていることがうかがわれました。ここでも専門職員の確保が困難な状況にあります。看護婦が七十三名欠員となっており、特に重症心身障害児施設、精薄児施設に欠員が目立っており、中央病院の一病棟もこのために閉鎖されておりました。これに対処するため、コロニー内に四十九年に開院を目ざして一学年定員四十名の看護学院の建設が進められておりました。また、理学療法士、作業療法士の確保にも頭を悩ましており、専門職になればなるほどその確保が困難になっております。国の看護婦、理学療法士、作業療法士の養成確保対策の緊急性をここでも痛感いたしました。
最後にこの種の施設は終身施設であるべきなのか、療育施設であるべきなのかという問題が提起されました。愛知県心身障害者コロニーとしては、心身障害児・者の予防のめど、在宅対策の充実をまって、入所児・者の回転、働く職員の意識等を考えると、将来は療育を専門とした療育センターとしての機能に持っていきたいとの希望が述べられておりました。
以上で報告を終わりますが、本報告に関する資料の会議掲載方を委員長においてお取り計らいをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/10
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011・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) 別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたしました。
ただいまの小谷守君の報告中に御要望がございました資料の会議録掲載につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/11
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012・大橋和孝
○委員長(大橋和孝君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214410X00419740214/12
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