1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十九年二月二十六日(火曜日)
午前十時十四分開会
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委員の異動
十二月十九日
辞任 補欠選任
西村 尚治君 安井 謙君
古賀雷四郎君 鬼丸 勝之君
高橋雄之助君 増田 盛君
高橋 邦雄君 矢野 登君
十二月二十日
辞任 補欠選任
矢野 登君 高橋 邦雄君
十二月二十五日
辞任 補欠選任
鬼丸 勝之君 小山邦太郎君
一月十九日
辞任 補欠選任
戸叶 武君 加瀬 完君
神沢 浄君 松永 忠二君
二月五日
辞任 補欠選任
鍋島 直紹君 久次米健太郎君
二月八日
辞任 補欠選任
久次米健太郎君 鍋島 直紹君
二月十四日
辞任 補欠選任
柴立 芳文君 今 春聴君
二月十六日
辞任 補欠選任
今 春聴君 柴立 芳文君
二月十九日
辞任 補欠選任
鍋島 直紹君 小枝 一雄君
村尾 重雄君 田渕 哲也君
二月二十日
辞任 補欠選任
小枝 一雄君 鍋島 直紹君
高橋 邦雄君 山本敬三郎君
柴立 芳文君 渡辺一太郎君
二月二十二日
辞任 補欠選任
渡辺一太郎君 柴立 芳文君
山本敬三郎君 高橋 邦雄君
田渕 哲也君 村尾 重雄君
二月二十六日
辞任 補欠選任
斎藤 寿夫君 高橋雄之助君
若林 正武君 棚辺 四郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 久保田藤麿君
理 事
高橋 邦雄君
原 文兵衛君
占部 秀男君
河田 賢治君
委 員
片山 正英君
小山邦太郎君
高橋雄之助君
棚辺 四郎君
秋山 長造君
加瀬 完君
松永 忠二君
国務大臣
自 治 大 臣
国 務 大 臣
(国家公安委員
会委員長) 町村 金五君
政府委員
警察庁長官官房
長 国島 文彦君
自治大臣官房長 山本 悟君
自治大臣官房会
計課長 紀埜 孝典君
自治省財政局長 松浦 功君
自治省税務局長 首藤 堯君
消防庁長官 佐々木喜久治君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 保君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方行政の改革に関する調査
(昭和四十九年度自治省及び警察庁の施策及び
予算に関する件)
○委員派遣承認要求に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/0
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001・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る十二月二十五日、鬼丸勝之君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君が選任されました。
また、一月十九日、戸叶武君及び神沢浄君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君及び松永忠二君が選任されました。
また、本日、斎藤寿夫君及び若林正武君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君及び棚辺四郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/1
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002・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 理事一名の欠員が生じておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/2
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003・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に高橋邦雄君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/3
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004・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和四十九年度自治省関係及び警察庁関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。
初めに町村国務大臣から所信を聴取いたします。町村国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/4
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005・町村金五
○国務大臣(町村金五君) 委員各位には、平素から、地方自治発展のため、また、警察行政に格別の御尽力をいただき厚くお礼を申し上げます。
この機会に、所管行政の当面する諸問題について、所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と格別の御協力を賜わりたいと存じます。
まず、地方自治行政について申し上げます。
民主主義と地方分権主義を志向する新しい地方自治制度が確立されて以来、やがて三十年を迎えんとする今日、地方自治行政も、次第にその基盤が充実してまいりました。
地方自治行政の歩みを顧みますとき、戦災復興、六・三制実施などに没頭した戦後の混迷期、昭和三十年前後の窮之に瀕した財政再建時代など、幾多の深刻な試練に直面してまいったのでありますが、関係各位の英知と努力により、また、わが国経済の著しい成長にもささえられて、それらの試練を克服し、今日の地方自治行政の進展を見るに至ったのであります。
しかしながら、「成長から福祉へ」ということばにあらわされるように、経済の急速な成長発展の反面、今日のわが国では、公害、自然環境の汚染・破壊、各種社会資本の立ちおくれ、過密過疎など、早急に解決を迫られているもろもろの課題が生じ、さらに昨今は、石油危機も重なって、異常な物価の高騰と生活物資需給関係の不均衡が、国民生活に深刻な不安をもたらすに至っているのであります。
いまや、わが国では、物価の安定と生活物資の確保をはかることにより、すみやかに国民生活の安定を実現することが内政当面の最大の課題であります。このため、総需要の抑制を基調とする財政経済の運営と、国民生活安定緊急措置法等生活関連諸法の適正な運用を通じて、全国民がひとしくその早急な実現を希求している物価の安定と物資需給の均衡をはかるとともに、その中にあっても、国民福祉の向上については、特に、その充実をはかることが強く要請されるところであります。
このような、社会経済情勢の急激な変貌は、地方自治行政をもその圏外に置くものでなく、いまや地方自治行政にとっても、重要な転換期を迎えたと言い得るのであります。
もとより、地方公共団体は、内政の中心的なにない手として、地域住民の生活に直結する行政主体であり、多様化する行政需要を的確に把握し、これに迅速かつ適切に対処することにより、住民の信託に十分こたえてまいらなければなりません。したがって、このようなきびしい情勢下において、総需要抑制の方針に沿いながらも、住民生活の安定と福祉の充実を指向し、豊かな住みよい「まちづくり」を推進していく必要があります。
これらの面については、政府としても、積極的な行財政措置を講じてまいる所存でありますが、地方公共団体においても、この際、これまでの行財政運営を見直し、従来より以上に、長期的な展望に立った計画的運営と財政支出の重点効率化に徹するとともに、社会経済の変動に伴う新たな行政需要に迅速かつ的確に対処し得る、柔軟にして機動的な行政執行態勢の確立が強く望まれるところであります。
今後とも、国、地方がともどもに力を尽くし、この転換期の試練を乗り越え、明日の豊かな地方自治を確立するため、決意を新たにし、一そう邁進しなければならないと存ずる次第であります。
以下、今後講じようとする施策の概要について申し上げます。
まず、土地対策につきましては、土地が有限であり一かつ、長きにわたって地域住民の生活の基盤となる資源であることにかんがみ、その適正にして合理的な利用をはかるため、地方公共団体における土地利用計画の策定を積極的に推進し、これに基づく計画的な土地利用と規制の強化を行なうことが必要であると考えます。あわせて、土地開発基金の増額、公共用地先行取得債等地方債の充実、公営企業金融公庫の融資ワクの拡大等、土地取得に必要な資金拡充と、地方公共団体等への土地の譲渡にかかる所得税負担の軽減をはかることにより、公有地の確保を推進してまいる所存であります。
過疎対策につきましては、地域住民が豊かで潤いのある生活を享受できるよう、今後とも、過疎地域の生活環境、産業基盤等の整備に関する総合的、かつ、計画的な施策を実施し、住民福祉の向上と地域格差の是正をはかってまいる所存であります。
社会経済情勢の変貌に伴う住民の生活圏の拡大に即応し、住民の諸要請にこたえ得る適切な行政体制を整備するとともに、都市と周辺農山漁村の連帯する快適な生活圏の形成の促進に資するため、引き続き広域市町村圏の振興整備をはかるとともに、第十三次地方制度調査会の答申の趣旨に沿って一部事務組合制度の充実を期してまいりたいと存じます。
また、大都市制度をはじめとする地方制度全般にわたる改善につきましても、さらに調査研究を続けてまいる所存でありますが、当面、第十五次地方制度調査会の答申に基づいて、東京都の特別区の区長公選制度を中心とする改正を行なうことといたしております。
これらの一部事務組合制度の充実及び特別区制度の改正、その他当面必要な諸改正を行なうため、地方自治法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたす予定であります。
なお、長年の懸案となっております地方事務官制度につきましては、現在関係省庁との間で鋭意協議を進めている段階でありますが、この協議が早期にととのうよう努力をしてまいりたいと考えております。
さらに、市町村のコミュニティの形成など、住民に密着した生活行政の充実にも引き続き格段の配慮をいたしてまいりたいと存じます。
奄美群島の振興につきましては、復帰以来、復興、振興事業を進めてまいったところでありますが、本土との間に、依然として存在している格差を是正し、豊かな地域社会の実現をはかるために、法の有効期限を延長して、新たに長期的な振興開発計画を樹立し、これに基づく事業に対して特別の助成措置を講ずるとともに、振興開発基金による融資業務の拡大をはかってまいりたいと存じます。また、小笠原諸島の復興につきましても、同様の趣旨により、法の有効期限及び復興計画の計画期間の延長をはかってまいりたいと存じます。
地方公務員行政につきましては、かねてより、公務員秩序の確立と公務の公正かつ効率的な遂行につとめてまいったところでありますが、今後とも、この方針に基づき、公務員制度の合理化とその適正な運用につとめてまいる所存であります。
昭和四十九年度の地方財政につきましては、最近の経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、地方財源の確保に配慮を加えつつ、国と同一の基調により、総需要の抑制に資するため、公共投資をはじめとする歳出を極力圧縮するとともに、財源の重点的配分と経費支出の効率化により、地域住民の生活の安定と福祉の充実をはかるための施策を推進することとし、あわせて経済情勢の推移に応じて地方財政の機動的、弾力的な運用をはかり得るよう措置を講じ、地方財政の運営に支障なきを期する所存であります。
そのため、明年度の地方財政におきましては、
(1) 住民負担の軽減合理化と地方税源の充実強化を進めるとともに、今後の財政事情の変化に対応して財政の弾力的運用をはかり得るよう所要の措置を講ずること
(2) 地方財政の状況等を考慮し、地方交付税について、昭和四十九年度の特例として、交付税特別会計における借り入れ金残高に相当する額を減額調整すること
(3) 総需要抑制の見地から地方債の発行額を極力圧縮するとともに、地方債資金における政府資金の構成比率を高める等、地方債の質的改善をはかること
(4) 総需要抑制の要請を踏まえつつ、住民生活の安定と住民福祉の充実のための施策を重点的に推進することとし、地方交付税、地方債、国庫補助負担金等の重点的配分をはかること
(5) 病院事業の経営の現状にかんがみ、不良債務解消のための新たな助成措置を講ずる等、地方公営企業の経営基盤を強化し、その健全化をはかること
(6) 財政の健全化及び財政秩序の確立をはかるため、超過負担の解消措置等を講ずることといたしております。
地方税につきましては、生活環境施設の整備をはじめとする社会資本の充実等、地方公共団体における財政需要の増高の趨勢に対処するため、地方税源、特に、都市税源の充実をはかる必要がありますとともに、他方、住民税、固定資産税を中心とする地方税負担の軽減の要望もまた、依然として強いものがあります。
明年度におきましては、このような事情にかんがみ、
(1) 住民負担の軽減合理化をはかるため、住民税の課税最低限の引き上げ、事業税の事業主控除額の引き上げ、中小法人に対する事業税の軽減税率の適用所得の範囲の拡大、小規模住宅用地等に対する固定資産税の課税標準の特例の創設、ガス税の税率の引き下げ等を行なうとともに、
(2) 地方税源、特に市町村税源の充実をはかるため、市町村民税の法人税割りの税率の引き上げ等を行なってまいりたいと存じております。さらに、
(3) 地方道路目的財源、特に市町村道路目的財源の拡充等をはかるため、自動車取得税の税率を引き上げるとともに、別途、地方道路譲与税及び自動車重量譲与税の増額の措置を講ずることといたしております。
なお、基地交付金及び調整交付金の大幅な増額も行なったところであります。
最近における火災その他の災害は、複雑多様化め様相をますます深めておりますが、特に、火災を中心として人的被害が増大しておりますことは、憂慮にたえません。このような事態に対処するためには、何よりも人命尊重を第一義として、市町村における消防体制の整備を促進しつつ、地域住民の火災予防及び防災に関する意識の高揚につとめ、文字どおり「安全なまちづくり」の推進をはからなければならないと考えます。
まず、全国的な消防及び救急体制につきましては、今後さらに常備化及び広域化を推進し、あわせて消防団の一そうの充実、育成をはかるとともに、消防施設につきまして、補助基準額の増額、人口急増地域に対する補助率の引き上げ等の助成措置の改善によって、その充実強化につとめたいと存じます。
また、大震火災、石油コンビナート火災、林野火災及び風水害等の災害に対処するため、防災無線通信網の整備、防災資機材の備蓄等、広域の防災行政を推進してまいりたいと存じます。
特に、地震対策については、基本的には、防災の立場からの都市の再開発が必要であると思われますが、とりあえず、地震発生時における初期消火体制、避難体制の整備、住民に対する予防思想の啓発等を中心とする震災対策を積極的に進めてまいりたいと存じます。
さらに、昨年の熊本市大洋デパートの火災にかんがみ、既存の建築物についてもスプリンクラー等の消防用設備の設置を義務づけるため、消防法の一部改正案を今国会に提案いたしたいと存じておりますが、この問題は、建物構造自体の防災化をはかる建築基準法改正とも深く関連しておりますので、建設大臣と十分協議し、不特定多数の者を収容する建築物については、両々相まって人命安全を確保してまいる所存であります。
なお、これらの施策とあわせて、人づくりの面において、消防職員及び消防団員の資質の向上をはかり、処遇の改善に一そうの努力を傾注してまいる所存であります。
次に、警察行政について申し上げます。
治安の確立は、わが国民主政治、国民生活の存立と発展の基盤をなすものであります。私は、激動と変化の時代といわれる七〇年代の社会情勢に的確に対応する警察運営をはかり、引き続き、この基盤の確保につとめてまいる所存であります。国民の理解と協力は、警察運営に不可欠の要件であり、このためにも、警察が一そう国民に親しまれ、信頼されるよう、警察行政の各分野にわたり、国民の立場に立って、きめこまかな対策を講じてまいる所存であります。
最近の犯罪情勢について見ますと、刑法犯の発生は逐年減少の傾向にありますが、死体を隠蔽する殺人事件、石油化学工場の爆発事故、デパートや雑居ビルの火災、列車の転覆事故など、国民に大きな不安感を与える事件事故の発生が目立っており、さらに最近の諸情勢にかんがみ、生活関連物資等をめぐって各種の犯罪が多発することが予測されるのであります。
このため、国民生活に不安を与える度合いの強い犯罪に対する捜査活動を強化し、公正な社会秩序、経済秩序の確保につとめてまいる所存であります。
また、暴力団の取り締まりについては、最近の社会経済情勢を反映して、暴力団による各種知能暴力事犯の増加が予想されますので、これら暴力団の資金獲得活動の実態を十分に掌握し、これに対し先制的取り締まりを実施していくとともに、広域暴力団に対しては、その壊滅のための取り締まりを一段と強化してまいりたいと考えております。
さらに、公害その他国民の日常生活を侵害する各種事犯の取り締まりを強化するとともに、犯罪の温床となる社会環境の浄化、少年非行防止等の諸対策を積極的に推進し、事案の未然防止につとめてまいる所存であります。
また、いわゆる石油危機によってもたらされた事態については、主務官庁による行政措置の推移を見守りながら、国民生活の安定を確保するという観点から、関係法令の適切な運用につとめ、悪質または重要な事犯に重点を指向して取り締まる方針であります。
次に、交通問題でありますが、御承知のように、昨年の交通事故は、関係機関をはじめ国民各層の方々の懸命な努力により、発生件数、死傷者数とも大幅に減少し、三年間連続して減少傾向を維持することができました。
しかしながら、死者がいまなお、一万四千人をこえており、特に、幼児や老人に多くの死傷者を見ておりますことは憂慮にたえないところであります。加えて、都市部における交通混雑や交通公害も深刻な問題となっており、情勢は、なおきびしいものがあります。
このような情勢に対処するため、警察といたしましては、関係機関と緊密な連絡のもとに、人命尊重を基本として、交通事故の抑止に焦点をしぼり、交通安全施設等整備事業五カ年計画の推進、歩行者、自転車利用者保護のための交通規制の強化、街頭における交通指導取り締まり活動の活発化、運転者教育の充実をはかるとともに国民各層に対する交通安全教育の徹底等の安全対策を進めるほか、都市交通問題については、自動車交通総量の削減、交通の流れの改善、道路利用の合理的配分などを目ざした都市総合交通規制の推進などの諸施策を講じ、現在要望されている石油の消費節減にも資することといたしております。
当面の治安情勢は、きびしい社会情勢を反映して、楽観を許さないものがあり、各種の大衆紛争やさまざまな違法事案が発生するおそれがありますが、こうした情勢に刺激され、極左、極右の両勢力が過激な行動に出ることも予想されているのであります。
警察といたしましては、国民の理解と協力のもとに、引き続き各般の警戒、警備体制を充実強化して、法と秩序を破壊する暴力的行為の取り締まりにつとめ、国民生活の安全確保に万全を期する所存であります。
以上、警察当面の二、三の問題について申し上げたのでありますが、最近の流動する社会情勢に的確に対処するためには、警察の体制の充実、整備をはかることが急務であります。
このための対策の一環として、昭和四十九年度において、交通警察官、外勤警察官、保安警察官等、計四千五百人の増員を行なうこととしたのであります。
また、警察官の資質の向上をはかるため、警察教養を充実、強化するとともに、処遇の改善についても格段の努力をしてまいる所存であります。
以上、所管行政の当面の諸問題について、所信の一端を申し上げましたが、委員各位の格別の御協力によりまして、その実をあげることができますよう、一そうの御鞭達と御指導をお願い申し上げる次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/5
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006・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 次に、昭和四十九年度自治省関係予算の概要説明を聴取いたします。山本官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/6
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007・山本悟
○政府委員(山本悟君) 昭和四十九年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、一般会計予算でありますが、歳入は三千四百万円、歳出は三兆五千七十六億七千百万円を計上しております。
歳出予算額は、前年度の予算額三兆三千百十六億七千三百万円と比較し、一千九百五十九億九千八百万円の増額となっております。
また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省三兆五千六億五千六百万円、消防庁七十億一千五百万円となっております。
以下、この歳出予算額のうち、おもな事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。
最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。
まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、三兆三千八百二十二億八千七百万円を計上いたしております。
この経費は、昭和四十九年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額に、昭和四十七年度の地方交付税に相当する金額のうち未繰り入れ額一千六百七十二億七百万円を加えた額から、昭和四十九年度の特例として一千六百七十九億六千万円を差し引いた金額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。
次に、臨時沖縄特別交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、三百二十一億円であります。
この経費は、沖縄県及び同市町村に交付する必要があると見込まれる地方交付税交付金の財源の一部の交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに必要な経費であります。
次に、広域市町村圏の振興整備の促進に必要な経費でありますが、その額は十一億二百万円であります。
この経費は、広域市町村圏の振興整備を促進するため、広域市町村圏の振興整備計画に基づく広域市町村圏振興整備事業及び今後の広域市町村行政のあり方を研究するため、広域市町村圏振興整備構想の研究に要する経費について、補助するために必要な経費であります。
次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、五億九千八百万円を計上いたしております。
この経費は、選挙が明るく正しく行なわれるよう選挙人の政治常識の向上をはかるための選挙に関する常時啓発に要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。
次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、百十七億九千二百万円を計上いたしております。
この経費は、昭和四十九年度に執行を予定される参議院議員の通常選挙の執行に必要な経費、通常選挙の開票速報に必要な経費及び通常選挙が明るく正しく行われるよう選挙人に対する啓発を推進するために必要な経費であります。
次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、四百七億七千八百万円を計上いたしております。
この経費は、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するために必要な経費であります。
次に、小災害地方債の元利補給に必要な経費でありますが、七億六千四百万円を計上いたしております。
この経費は、昭和三十九年以降昭和四十八年までに発生した公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和四十九年度分の元利償還金の一部に相当する金額を地方公共団体に交付するために必要な経費であります。
次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費につきましては、四十七億二千八百万円を計上いたしております。
これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進をはかるため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するために必要な経費であります。
次に、児童生徒急増市町村公立文教施設整備事業助成に必要な経費でありますが、五億八千六百万円を計上いたしております。
これは、昭和四十五年五月一日現在の児童生徒急増市町村において、昭和四十年度から昭和四十五年度までに公立の小学校及び中学校の校地の取得のために起こした地方債並びに昭和四十六年度においてこれらの学校の校地の取得のため地方開発公社等に対して負った債務の未償還残高相当額について起こした地方債の利子の一部に相当する額について、当該市町村に対し、助成金を交付するために必要な経費であります。
次に、地方公営企業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、五十五億一千三百万円を計上いたしております。
これは、地方公営企業の再建を促進するため、再建企業を経営する地方公共団体が起こす再建債について利子補給金を交付するために必要な経費であります。
次に、再建公営路面交通事業のバス購入費の補助に必要な経費でありますが、十四億円を計上いたしております。
これは、再建を行なう公営路面交通事業を経営する地方公共団体に対する当該事業のバス購入費の補助に必要な経費であります。
次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、十億九千八百万円を計上いたしております。
これは、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業にかかる貸し付け利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するために必要な経費であります。
なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費五億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。
次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、五十三億一千三百万円を計上いたしております。
これは、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債にかかる支払い利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するために必要な経費であります。
次に、公営病院事業助成に必要な経費として、四億六千七百万円を計上いたしております。
この経費は、昭和四十八年度末における公営病院事業の不良債務の範囲内で発行を認める公立病院特例債の利子について、地方公共団体に対し、助成金を交付するために必要な経費であり、ます。
次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費につきましては、七十一億円を計上いたしております。
これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するために必要な経費であります。
次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、二十七億円を計上いたしております。
この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するために必要な経費であります。
以上が自治本省についてであります。
次に、消防庁につきましては、消防施設等整備費補助に必要な経費五十一億三千四百万円、大震火災対策に必要な経費十億二千百万円、計六十一億五千五百万円を計上いたしております。
これは、地方公共団体が行なう消防ポンプ自動車、防火水槽等の消防施設、救急業務施設、防災資機材施設、消防防災無線通信施設及び消防吏員待機宿舎の整備に対する補助並びに耐震性防火水槽、避難誘導用テレビ電送システム、地域防災センター等、大都市における大震対策用施設の整備に対する補助、飛行艇による空中消火の実験及び防災知識の啓発宣伝に必要な経費であります。
第二に、特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。
自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は三兆七千九百九十二億七千万円となっております。
歳入は、地方交付税交付金、臨時沖縄特別交付金及び借り入れ金等利子の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。
歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借り入れ金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。
以上、昭和四十九年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。
何とぞよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/7
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008・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 次に、昭和四十九年度警察庁関係予算の概要説明を聴取いたします。国島官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/8
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009・国島文彦
○政府委員(国島文彦君) 昭和四十九年度の警察庁関係予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。
昭和四十九年度の警察庁予算の総額は七百四十八億三千九百七十五万七千円でありまして、前年度の補正後予算額六百七十七億四千六百十七万一千円に比較しまして、七十億九千三百五十八万六千円の増額となっております。
次に、その内容のおもなものにつきてまして御説明いたします。
第一は、警察庁一般行政に必要な経費二百五十一億七千五百二十二万円であります。
この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の職員俸給等の人件費、運転者管理センターその他のために設置の電子計算組織の運用に必要な電子計算機の借料と、それに付随する消耗品購入費等のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務費と都道府県警察官四千五百人増員に必要な教養経費等でございます。
第二は、警察機動力の整備に必要な経費八十三億三千六十三万五千円であります。
この経費は、ヘリコプター、警察用車両の購入、警察用舟艇の建造、警察装備品の整備及び警察通信施設の整備並びにその維持管理等の経費でございます。
第三は、警察教養に必要な経費十億八千百四十一万二千円であります。
この経費は、警察学校入校生の旅費と、警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備等でございます。
第四は、刑事警察に必要な経費四億八千八十三万円であります。
この経費は、暴力団犯罪及び一般の刑法犯の捜査、取り締まり並びに犯罪鑑識に必要な写真機、法医理化学器材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。
第五は、保安警察に必要な経費二千五十七万三千円であります。
この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、密貿易、拳銃等に関する犯罪の捜査、取り締まり等に必要な資料の印刷費、翻訳料等と、公害事犯取り締まりに必要な鑑定謝金などでございます。
第六は、交通警察に必要な経費六千八百八十九万七千円であります。
この経費は、交通安全に関する広報、交通事故白書、執務資料等の印刷費及び交通取り締まりの指導のための旅費、物件費などでございます。
第七は、警備警察に必要な経費三億四千六百四十八万三千円であります。
この経費は、警備警察運営に関する会議、指導連絡等の旅費及び備品類の整備と消耗品等の物件費などでございます。
第八は、警察活動に必要な経費八十八億一千六百三十九万円であります。
この経費の内容は、警察活動に必要な旅費及び捜査費でございます。
第九は、警察電話専用回線の維持に必要な経費十六億五千五百八十六万四千円であります。
この経費は、警察電話専用回線を維持するために日本電信電話公社に支払う、いわゆる警察電話専用料金でございます。
第十は、参議院議員通常選挙の取り締まりに必要な経費一億二千万九千円であります。
この経費は、昭和四十九年七月任期満了に伴う参議院議員通常選挙の取り締まりのための旅費及び物件費などでございます。
第十一は、科学警察研究所に必要な経費四億三千二百二十四万九千円であります。
この経費は、警察庁の付属機関として設置されています科学警察研究所職員の俸給等人件費と、鑑定、検査、研究に必要な機械、器具類の購入費、維持費その他一般事務経費でございます。
第十二は、皇宮警察本部に必要な経費二十二億二千四十四万九千円であります。
この経費は、皇宮警察本部職員の俸給等人件費のほか、行幸啓の警衛に必要な旅費その他一般事務経費でございます。
第十三は、警察施設の整備に必要な経費三十億五千七百十万一千円であります。
この経費は、直接国庫の支弁対象となっております施設の整備に必要な経費でありまして、具体的には、警察学校及び射撃場その他施設の整備費でございます。
第十四は、都道府県警察費補助に必要な経費二百三十億三千三百六十四万五千円であります。
この経費は、一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、防犯活動等都道府県警察の一般行政に必要な経費と、駐在所、派出所、警察署、待機宿舎及び交通安全施設などの整備に必要な経費に対する補助金でございまして、そのおもなものは次のとおりであります。
まず、都道府県警察一般行政費補助金は百二億三千五十六万四千円でありますが、これはヘリコプター、車両、舟艇の燃料費、修繕料等維持費十八億三千九百七十二万一千円、交通取り締まり器材、事故処理器材の整備等交通関係経費二億七千六百八十三万三千円、警察署、派出所、駐在所の電話専用料金十四億二千四百万六千円、活動経費二十七億二千四百五十五万六千円、超過勤務手当三十億三千三百四十八万七千円などであります。
次に、都道府県警察施設整備補助金は百二十八億三百八万一千円でありますが、その内訳は、警察本部、警察署、派出所、駐在所の施設整備補助金二十六億七千百七万一千円、警察官待機宿舎の整備補助金十二億一千二百一万円、交通安全施設の整備補助金八十九億二千万円でございます。
以上、昭和四十九年度の警察庁予算に計上いたしました内容につきまして、その概要を御説明申し上げました。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/9
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010・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 以上で説明聴取を終わりました。
これに対する質疑は後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/10
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011・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
奄美群島振興特別措置法及び小笠原諸島復興特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/11
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012・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 御異議ないと認めます。
つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/12
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013・久保田藤麿
○委員長(久保田藤麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十三分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107214720X00319740226/13
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