1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和五十年九月十一日)(木曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次のと
おりである。
委員長 木部 佳昭君
理事 加藤 六月君 理事 佐藤 文生君
理事 佐藤 守良君 理事 西銘 順治君
理事 増岡 博之君 理事 太田 一夫君
理事 金瀬 俊雄君 理事 三浦 久君
石井 一君 大竹 太郎君
佐藤 孝行君 關谷 勝利君
田村 元君 徳安 實藏君
中村 寅太君 丹羽喬四郎君
三原 朝雄君 宮崎 茂一君
綿貫 民輔君 石橋 政嗣君
久保 三郎君 兒玉 末男君
斉藤 正男君 坂本 恭一君
梅田 勝君 紺野与次郎君
石田幸四郎君 松本 忠助君
河村 勝君
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昭和五十年十一月十一日(火曜日)委員会におい
て、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
日本国有鉄道に関する小委員
加藤 六月君 佐藤 孝行君
佐藤 文生君 佐藤 守良君
關谷 勝利君 西銘 順治君
増岡 博之君 太田 一夫君
久保 三郎君 兒玉 末男君
梅田 勝君 松本 忠助君
河村 勝君
日本国有鉄道に関する小委員長 増岡 博之君
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昭和五十年十一月十一日(火曜日)
午前十時三十分開議
出席委員
委員長 木部 佳昭君
理事 加藤 六月君 理事 佐藤 文生君
理事 佐藤 守良君 理事 西銘 順治君
理事 増岡 博之君 理事 太田 一夫君
理事 金瀬 俊雄君 理事 三浦 久君
石井 一君 大竹 太郎君
佐藤 孝行君 關谷 勝利君
徳安 實藏君 三原 朝雄君
宮崎 茂一君 綿貫 民輔君
久保 三郎君 坂本 恭一君
梅田 勝君 紺野与次郎君
石田幸四郎君 高橋 繁君
松本 忠助君 河村 勝君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 木村 睦男君
出席政府委員
運輸省海運局長 後藤 茂也君
運輸省港湾局長 竹内 良夫君
海上保安庁長官 薗村 泰彦君
委員外の出席者
水産庁研究開発
部漁場保全課長 森川 貫君
通商産業大臣官
房参事官 蓼沼 美夫君
通商産業省立地
公害局保安課長 広海 正光君
資源エネルギー
庁石油部流通課
長 宇田川治宣君
消防庁防災課長 永井 浤輔君
運輸委員会調査
室長 鎌瀬 正己君
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委員の異動
十月十八日
辞任 補欠選任
宮崎 茂一君 中村 梅吉君
綿貫 民輔君 坂本三十次君
同日
辞任 補欠選任
坂本三十次君 綿貫 民輔君
中村 梅吉君 宮崎 茂一君
同月二十二日
辞任 補欠選任
石田幸四郎君 矢野 絢也君
同日
辞任 補欠選任
矢野 絢也君 石田幸四郎君
十一月十一日
辞任 補欠選任
石田幸四郎君 高橋 繁君
同日
辞任 補欠選任
高橋 繁君 石田幸四郎君
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九月十一日
地方陸上交通事業維持整備法案(久保三郎君外
二十八名提出、第七十五回国会衆法第七号)
中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関する
臨時措置法案(久保三郎君外二十八名提出、第
七十五回国会衆法第八号)
交通事業における公共割引の国庫負担に関する
法律案(久保三郎君外二十八名提出、第七十五
回国会衆法第九号)
中小民営交通事業金融公庫法案(久保三郎君外
二十八名提出、第七十五回国会衆法第一〇号)
同月二十日
油濁損害賠償保障法案(内閣提出第一〇号)
十月六日
奄美群島の戦時徴用小型船舶所有者に対する補
償措置に関する請願(山中貞則君紹介)(第二
三六号)
十一月四日
国鉄飯田線の近代化に関する請願(小沢貞孝君
紹介)(第一四四四号)
同(唐沢俊二郎君紹介)(第一四四五号)
同(吉川久衛君紹介)(第一四四六号)
同(小坂善太郎君紹介)(第一四四七号)
同(羽田孜君紹介)(第一四四八号)
同(倉石忠雄君紹介)(第一五二七号)
同(中澤茂一君紹介)(第一五二八号)
同(原茂君紹介)(第一五二九号)
同月六日
関門海峡通航船舶の安全確保に関する請願(吉
田法晴君紹介)(第一七一二号)
同月十日
国鉄飯田線の近代化に関する請願(下平正一君
紹介)(第一九〇一号)
は本委員会に付託された。
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十月二日
東北新幹線の建設促進に関する陳情書外二件
(第八九号)
国鉄七尾線、能登線の複線電化等促進に関する
陳情書(第九〇
号)
地方バス運行対策の強化に関する陳情書
(第九一号)
地方港湾改修事業にかかる市負担の軽減に関す
る陳情書
(第九二号)
自動車の保管場所の確保等に関する法律の改正
に関する陳情書(
第九三号)
駅前周辺における自転車駐車場設置に対する鉄
道事業者の協力等に関する陳情書
(第九四号)
気象業務の縮小及び定員削減反対等に関する陳
情書
(第九五号)
成田空港の開港促進に関する陳情書
(第九六号)
同月二十一日
離島航路の整備強化に関する陳情書
(第一四五号)
自動車損害賠償責任保険の保険金支払事務促進
等に関する陳情書
(第一八
四号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
国政調査承認要求に関する件
小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の
件
油濁損害賠償保障法案(内閣提出第一〇号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/0
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001・木部佳昭
○木部委員長 これより会議を開きます。
国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため、
一、陸運に関する事項
一、海運に関する事項
一、航空に関する事項
一、日本国有鉄道の経営に関する事項
一、港湾に関する事項
一、海上保安に関する事項
一、観光に関する事項
一、気象に関する事項について、本会期中調査を進めたいと存じますが、つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/1
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002・木部佳昭
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますので、御了承をお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/2
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003・木部佳昭
○木部委員長 この際、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。すなわち、小委員十三名から成る日本国有鉄道に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/3
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004・木部佳昭
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/4
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005・木部佳昭
○木部委員長 御異議なしと認めます。
それでは小委員に
加藤 六月君 佐藤 孝行君
佐藤 文生君 佐藤 守良君
關谷 勝利君 西銘 順治君
増岡 博之君 太田 一夫君
久保 三郎君 兒玉 末男君
梅田 勝君 松本 忠助君
河村 勝君を、小委員長に増岡博之君を指名いたします。次に、小委員及び小委員長の辞任及び補欠選任並びに小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じた場合、その人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/5
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006・木部佳昭
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/6
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007・木部佳昭
○木部委員長 油濁損害賠償保障法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。木村運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/7
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008・木村睦男
○木村国務大臣 ただいま議題となりました油濁損害賠償保障法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
わが国は、年間二億六千万トンに及ぶ石油を輸入しておる世界でも有数の石油輸入国であり、多数のタンカーがわが国の沿岸を航行しております。
これらのタンカーの安全確保につきましては、構造及び設備の改善、交通ルールの確立、航行環境の整備など各般にわたり努力しておりますが、万一タンカー事故が発生した場合には、早期に適切な防除措置を講じて油濁損害の拡大を防止しなければならないとともに、油濁損害の被害者が適切な救済を受けることができるような制度を確立することが必要であります。
わが国の現行の法制度では、民法及び商法の不法行為に関する規定が適用されるとともに、これによる船舶所有者の損害賠償責任につき、船体等の権利を被害者側に移転することにより責任を免れるいわゆる免責委付制度が認められております。
しかし、国際的には、一九六七年に英仏海峡で発生したトリー・キャニオン号事件を契機として、油濁損害の賠償責任について行為者の故意または過失の存在を前提とする不法行為責任の一般原則によることは適切でないとの反省のもとに、その賠償の万全を期するため、一九六九年に油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約が、また、一九七一年には、この条約を補足するために油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約が、それぞれ成立をいたしております。
わが国といたしましても、万一油濁事故が発生した場合にはできる限り被害者の救済を図る必要がありますので、現行の法制度を改め、他の先進海運諸国と同じく両条約の内容に沿った国内法を整備するため、油濁損害賠償保障法を制定しようとするものであります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
本法案は、両条約の内容を国内法化するため、第一に、タンカーによる油濁損害について、戦争、異常な天災地変等の例外的な免責事由に該当する場合を除き船舶所有者が無過失賠償責任を負うこととしております。
第二に、油濁損害の賠償責任について、船舶所有者は、自己に故意または過失がある場合を除き、船舶のトン数に約四万八千円を乗じた金額、量局限度約五十億円に責任を制限することができることといたしております。
第三に、責任制限を認められておる金額まで船舶所有者の賠償能力が確保されるように、二千トンを超える油を輸送するタンカーについて責任保険契約等の締結を義務づけております。
第四に、国際基金に対して、被害者は、損害額のうち船舶所有者等から十分な賠償を受けられなかった部分の補償を請求できることとし、また、タンカーによる油濁損害が生じた場合、船舶所有者等は、一般の船舶所有者の責任に比して責任限度額が倍加されることとなるので、その加重された責任額の一部の補てんを請求できることといたしております。
第五に、国際基金がこれらの補償及び補てんの事業を行う財源として、石油事業者等年間十五万トン以上の海上輸送された油を受け取った者は国際基金に拠出金を納付しなければならないこととしております。
以上のほか、船舶所有者が責任を制限する場合の手続、罰則等所要の規定を整備することとしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/8
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009・木部佳昭
○木部委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/9
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010・木部佳昭
○木部委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。太田一夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/10
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011・太田一夫
○太田委員 最初に海運局長にお尋ねをいたします。
〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
本法による漁業者あるいは海岸管理者等がその油濁の損害を受けた場合に賠償を求めることができるという、そういう具体例というものは、ジュリアナ号を例に引いてこの前御説明があったように思いますが、これは果たしてどういう場合が過去の事故の中から該当するのかという点について、一度総括的にお答えをいただきたいと思います。
特に、明原丸の問題が裁判の結果を待つような状態になっていたと思いますが、これはどうなっているか。それから、浦賀水道で起きました事故の中に栄光丸の事故があります。これは中ノ瀬航路の入り口において、他船との衝突を回避したために岩礁に乗り上げて油が流出をした。こういうような場合等本法の対象になるものであるのかどうか、これについてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/11
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012・後藤茂也
○後藤(茂)政府委員 ただいま御審議いただいております油濁損害賠償保障法案におきましては、いわゆるタンカーが積み荷を海に流しまして、その積み荷の油が汚染損害を与えたという場合の損害を補償することを取り決めたものでございます。そのことから申しまして、汚染損害の原因がタンカーにあるということでございます場合には、その損害を受けた人はすべてそのタンカーの船舶所有者に対して損害の補償請求ができるのだという考え方に立っております。先ほど具体的に例をお挙げになりました明原丸のケースについて御説明申し上げまするならば、この明原丸の流しました油と、損害補償を要求しておられる漁業組合の方々の受けた損害がどのような油によって起きたのかということについて、現在裁判所で争われているものと了解しております。
〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
したがいまして、この法律は、原因者がタンカーであるということが明らかなケースについてこの法律の考え方が働くのでございまして、原因者が不明の場合にはこれは働かないものでございます。したがいまして、栄光丸のケースのように、栄光丸の座礁によりまして若干の積み荷の油が海面に流出し、そのために油濁損害を与えたということにつきましては、もしそのことが明らかであるならば、その損害をこの法律の考え方によって請求することができる、こういうふうに理解されるものでございます。
ただいま汚染損害ということを私はただ単に申し上げましたけれども、油濁損害が広がるのを防止するための防除費用ももちろんこの損害賠償の請求の対象になるものと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/12
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013・太田一夫
○太田委員 局長、そこでこれはLPG船に焦点をしぼりますと、LPG船の場合は十三条の適用外でございますね。これは保険に入っていなくてもLPGを輸送することができるいうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/13
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014・後藤茂也
○後藤(茂)政府委員 御審議をいただいておりますこの法案では、タンカーから流れ出した油というものは揮発性のない油という観念で整理をされております。すなわち、何がしかのかっこうでタンカーから直接空気中に蒸発するとか、あるいはそれが海面に流れ出しましても、比較的早期に海面から空気中に蒸発してしまうといった性格のガス並びに揮発油のごときものにつきましては、この条約あるいは法律案の制定の契機になりましたような、いわゆる大規模な油濁損害というものと一応切り離して考えております。
したがいまして、御指摘のようなLPGはここで言うところの油濁損害の対象にはされておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/14
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015・太田一夫
○太田委員 そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、PI保険、船主相互保険の適用について、具体的には非常にむずかしいということがあるんじゃないでしょうか。
先ほどの明原丸の問題等はいまなお原因が明らかでない。おれの船の油ではないと言ってしまえばそれで通りそうな気配にもある。だから、どの油で漁業の被害が出たのか、どの油で海岸の汚染が来されたのかということを証明しなきゃならぬという大変な問題がありますが、今後本法を適用するについてメリットがあるがごとく見られるけれども、実は、被害者は裁判というケースを通らなければ適用されないというような例が多くなるのじゃないですか。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/15
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016・後藤茂也
○後藤(茂)政府委員 御指摘のとおりでございますけれども、大規模な油濁損害というものが特定のタンカーが原因となって起った限りにおきましては、この新しい法制度のもとで、被害者の救済措置というものは、時期的にも金額的にもこれまでよりも的確に、また早期に、しかもこれは何も裁判手続というものを直ちに要せずして——もちろん裁判にかかることはあり得ましょうけれども、そのように救済されるということが期待されるものだと承知しております。
もちろん、この法律の対象になっておりません原因者不明の油濁損害、あるいは揮発性のあるガスあるいは油による損害というものは、ただいま御審議いただいております法律から直ちに現在の状態が改善されることは期待できません。
ただ、LPGタンカーについて若干御説明を補足いたしますと、LPGタンカーも通常のタンカーと同様に現在は高額の保険を掛けております。この保険は、この新しい法律によりましてタンカーに適用せられますような強制保険制度というものの対象にはならないにいたしましても、現実に相当の保険を掛けておるというのは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/16
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017・太田一夫
○太田委員 局長、あなたはこの前は海運局長ではないのだから、この前の御提案者ではない。答弁が違っては困ると思うのでありますが、先国会のときには違う人が御答弁になった。今度あなたが御答弁になるわけです。私は非常にメリットがあるのだろうと当初の大臣の御説明どおりに聞いておったのでありますが、さて、具体的な問題になると、いやその油は私の船のものではないと言い切った場合においては係争が生ずる。したがって、裁判という過程を経ないと賠償されないということがしばしば起きるのじゃないかとちょっと危惧しておりますのでいま伺ったわけですが、本法はその被損害者に対してメリットがあるがごとく運用されることを望んでおきます。
〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
それから、保安庁にお尋ねをいたしますけれども、この前、いつでございましたか、当委員会におきまして、伊勢湾の入り口の師崎水道、伊良湖水道は非常に狭いから、そこにおいては大型船は行き違いをさせないという方針だということを、たしか警備救難部長ですかがおっしゃったと思うのでありますが、その方針は確定いたしましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/17
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018・薗村泰彦
○薗村政府委員 先生のお話しの件は、たしか八月ごろに運輸委員会でお話が出たと思います。師崎水道のことだと思いますが、そのときに大型船と他船との行き会い関係は生じないようにしょう、仮に今後港湾計画でLPG船が師崎水道を通るようなことになった場合に、一定のトン数以上の船舶とは行き違いをさせないようにしようということを海難防止協会で検討しておりますということを申し上げたと思います。
その件につきましてはその後検討が進んでおりまして、伊勢湾の海難防止協会の、師崎水道をLPG船が通るときの、通過する安全対策についての結論が、実は八月のときに近々出るということを申し上げたのですが、やはり関係者との調整がありまして、現在までまだ実は出ておりません。
しかし、現在申し上げられることは、ごく近々その結論が伊勢湾海難防止協会から出るということを申し上げさせていただきたいと思います。その中には、先生お話しのように、一定のトン数以上の船舶とLPG船舶とは行き違いをしないようにするという対策が含まれているように現在のところわれわれは聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/18
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019・太田一夫
○太田委員 薗村さん、そのとおりで、結論が早く出るようでなかなか出ないのでありますが、その結論が出たならば、あなたの方としては、それを実行するための具体的な措置はどのようにおとりになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/19
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020・薗村泰彦
○薗村政府委員 恐らくかなり関係者の調整も進んでおると思いますし、その内容も安全対策としてかなり整備されたものが盛られていると思いますけれども、その報告の中身、内容をよく見まして、さらにそれ以上につけ加えるものがあるかどうかを私どもは検討をしたいと思います。
ただ、LPG船が通るという計画は今後の計画であって、これもしばらく時間的な余裕があると思いますので、われわれはその内容をよく検討させていただいて、十分であるかどうかを判断させていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/20
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021・太田一夫
○太田委員 先回当委員会で太平洋沿岸をずっと空中より視察をいたしました。あるいは海上から視察をいたしました。これは本法に関連して視察したわけですね。そうすると、その中で危惧されておるように師崎水道とか伊良湖水道というところには漁船がひしめいていて、そこに大型タンカーが通るのは非常に危ないなということやら、それからもう一つは、瀬戸内海等において、これは陸上の事業所とか生活排水の結果でありましょうが、非常に汚染をされたりあるいは赤潮が発生をしたりという現実を見て、汚染防止対策とか海上の交通安全対策というものについては、やはりタンカー時代に備えて徹底的な何か対策を講じなければならぬということをお互いに痛感して帰ってきておるわけです。
そこで、いまの伊勢湾の入り口の非常に難所については協会が結論を出すだろうということもさることながら、行政当局としての運輸省が、海運局が手をこまねいているという手はないと思う。こうあるべきだと指導していかなければならないと思うし、もしその結論が出たら必ずそれを具体化する強力な措置を講ずるということは御決意でありましょうが、それを伺っておきたいと思うのです。これはなくてはならぬことだと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/21
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022・薗村泰彦
○薗村政府委員 実は、この伊勢湾の海難防止協会で、たしかこの問題を審議する特別委員会をつくってやった。その中には私どもの関係の職員も入っております。したがって、この内容はそういう意味でかなり整備されたものだと思いますし、また、それができ上がった暁には、私どもが受け持ってやるべき責任は十分果たしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/22
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023・太田一夫
○太田委員 いまの件、海上の事故防止対策の基本的な方針でございますが、海上保安庁長官が、現地において具体的な対策が講ぜられつつある、これがまとまればそれに対しては強力な措置を講じて責任を果たすとおっしゃいましたが、運輸大臣、どうですか、これに対して感想はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/23
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024・木村睦男
○木村国務大臣 海上におけるこういう油による汚濁その他いろいろ被害を生じております場合に、いま御審議をいただいております法律は、無過失、故意、過失を問わず、ひとつ賠償の責任に任ずるようにしようということ、しかも、片方におきましては、そのかわり責任の限度額をきちんとしてあるということで、一歩の前進はいたしておるわけでございますが、いまお話のありましたように、原因者がはっきりわからない。普通ですと、これは国家が賠償に立つか立たぬかという議論も出てくると思います。また、そのほか、この法律でカバーできないいろいろな問題があると思いますが、それらにつきましては、海運行政あるいは海上保安行政全般の責任を持っております運輸省としてはいろいろな面からそれらの対策は講じていかなければなりませんし、また、被害を受けた人に対する損害賠償という形もありましょうが、その他その被害から救われるためのいろいろな措置を講じていく、こういう全般的な責任を持って海上行政、保安行政は果たしていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/24
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025・太田一夫
○太田委員 海上保安庁長官、今度、石油コンビナート等災害防止法に関連して消防庁が特別防災区域七十カ所を指定したということが発表になっておりますね。その中にたとえば伊勢湾のコンビナート区域がたくさん入っているわけです。それで、巨大タンカーの行きかう海というのは、したがって衝突の危険性あり、座礁の危険性あり、油濁損害を及ぼす危険性あり、非常に多々あるわけです。ですから、あなたの方がそのような事故を未然に防止する対策において真剣であるということは大事なことだと思うのです。油濁損害早く生じなさい、そうしたらこの保険によってやりますよなんということで、早く来い来い損害なんて言っておるわけじゃないでしょう。あなたの方は、この法律を実施するについては、相当大きな決意を持って積極的に取り組んでほしいと思うのですよ。そのことを申し上げたのですから、どうぞ遺憾なきを期してください。
そこで、今度は消防庁にお尋ねをいたしますが、いまの特別防災区域七十カ所を指定されたということに関連をいたしまして、そこでは総合規制を目指すというように新聞等に発表されております。この場合の総合規制というのは何のことかというと、地域的な面というだけじゃなくて、石油基地とLPG基地との関係ですから、監督官庁の違いがあってそれがばらばら行政になっているから、そこで規制をするのに、各庁ばらばらに規制をするのじゃなくて、それは消防の立場、防災の立場から総合的に規制をする必要があるということだと思うのですが、この総合規制を目指すということは、内容は何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/25
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026・永井浤輔
○永井説明員 このたび石油コンビナート等災害防止法案を提案させていただいておりますが、ただいま御質問のありました石油と高圧ガスに関するところの総合防災措置といたしまして私ども考えておりますのは、まず、石油と高圧ガスを取り扱う一定規模以上の事業所につきまして、その新設なり変更なりに際しましては、レイアウトについて届け出をさせまして、防災上必要な指示をするというようなことを規定いたしております。
それから、また、消防法に基づきましていわゆる危険物規制を行いました場合、あるいはまた高圧ガス取締法に基づきまして重要な措置をいたしました場合には、それぞれ権限を持っております市町村長、都道府県知事が相互にその措置の通知をし合うように義務づけておりますとともに、市町村長、都道府県知事がそれぞれ防災上必要な措置の要請ができるように相互に関連づけております。
〔増岡委員長代理退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
さらに、そういった特別防災区域の防災体制といたしまして、都道府県知事を本部長といたしまして、関係の市町村長、それから消防機関の長あるいは国の出先機関の長、それから企業代表者、こういったものを本部員といたしますところの防災本部というものを設置いたしまして、こういったものが一体となってそれぞれ有機的に連携を持って防災活動を行う、こういうふうな措置をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/26
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027・太田一夫
○太田委員 あなたの方で危険物と言う場合には、石油は入るがLPGは本来は入らない。高圧ガスは入らない。高圧ガスは、高圧ガス取締法に規制されていく根拠がある。石油の方はあなたの方の消防法ですね。そこで、LPGというのは消防法で言う「危険物」ではないという気がする。
ところが、四十八年の十二月の十三日に消防審議会が何か答申していますね。なかなかりっぱな答申が出ておるでしょう。これは今度の石油コンビナート等災害防止法案をつくる場合に基礎になったんじゃありませんか。そこで、危険物施設と高圧ガス施設というのはどうしても対等に並べられておる。やはり対等に並べておるが、しかし、「危険物規制と高圧ガス規制との間の調整を早急に図る必要があることを申し添える。」という言葉がその中にかなり強く出ております。そして、「危険物施設と住民、学校、病院等との間の保安距離について、消防法令の基準を再検討する時期にあると思われる。」と言っているが、ここの場合においてはLPGというのは、高圧ガスは抜けております。しかし、その間の調整を図る必要があるというふうに審議会が言っておる言葉から、断片から想像いたしまして、あなたの方は消防法ですからともすれば石油の問題に対象を置く、それから高圧ガスということになると、これはLPGになれば通産省だ。この考え方は今度も変わっておらぬじゃありませんか。
このコンビナート災害防止法ができたところで、LPGは高圧ガス取締法によって取り締まっていく、それから石油タンク群は消防法によって取り締まっていくということになるのでしょうかね。消防の方から伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/27
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028・永井浤輔
○永井説明員 ただいま御指摘がございましたように、LPGそのものの単体規制につきましては高圧ガス取締法によって規制されます。しかしながら、先ほど申しましたように石油と高圧ガスそのものの両方を扱う事業所というのは非常に危険度が高い。こういった見地から、その両方を扱う事業所あるいはそういった地域につきましては、石油コンビナート等防災区域と指定いたしまして、消防法あるいは高圧ガスのそれぞれの調整を図った、しかも地域の関係者を含めた総合的な防災活動をしてまいりたい、こういう趣旨でございます。
〔佐藤(守)委員長代理退席委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/28
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029・太田一夫
○太田委員 言うなら、県知事とか市町村長を介して、防災計画をつくる中においてある程度総合調整を図ろうとするのですが、これは手ぬるいと思うのだ。
そこで、通産省にお尋ねしますが、これは高圧ガス取締法をおつくりになった理由から言って、LPGというのは爆発の危険があるんじゃないですか。そういう危ないものだという認識においては間違いないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/29
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030・広海正光
○広海説明員 御承知のとおり爆発の危険性がございます。したがいまして、本件のシェルのLPGの輸入基地の許可に当たりましては、愛知県の方でいろいろな非常に多くの項目にわたりまして安全基準を守らせるように努力しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/30
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031・太田一夫
○太田委員 資源エネルギー庁の宇田川課長さん、あそこは衣浦港というところの狭水道を通って入らなければならないような、入口が非常に困難な危ない港の立地条件ですが、そこに巨大なLPG基地をつくろうというのはどういう必要があって認められたんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/31
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032・宇田川治宣
○宇田川説明員 LPGにつきましては、先生御承知のとおり、国内で原油から精製される過程におきまして生産されますLPGと、国外、つまり中近東その他の地域からLPGとして輸入されるものと二つございますが、過去何年間かの経緯を見ますと、国内におきますLPガスの需要が、全体としてかなり伸びておりまして、したがいまして、最近におきましては、国内で生産されますLPGよりも直接輸入されるLPGの量の方が急速にふえていくという状況になっております。したがいまして、私どもといたしましては、安定供給を図るという観点から、国の外からLPガスを輸入する業者に対しましては確実な輸入基地を設けることによって安定供給を確保するようにという指導を常々行っているところでございます。
具体的に衣浦のシェルの輸入基地につきましては、愛知県その他地元の関係者と十分協議をいたしまして、高圧ガス取締法その他関係法規の遵守はもちろんのこと、地元関係者と十分御納得のいくような形で輸入基地が完成されることが望ましいというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても中京地区あるいは静岡県というような地域に対するLPガスの供給体制という観点からいたしましても何らかのかっこうで輸入基地が将来必要になるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/32
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033・太田一夫
○太田委員 先ほど海運局長に伺いましたらば、LP船といえども現実には船主保険に入っているから、それは保険そのものには心配ない、言うなら、有責な、責任のある事故が起きたときには賠償の能力があるということでありますが、とにかく伊良湖水道というのは天下有数な危険な水道でありますから、そこにあれもこれもと押し込んでくるという態勢や考え方というものは、それはいま通産省で安定した基地をつくりたいということで当てはまるかどうか知りませんけれども、いささか問題じゃないかと思うのです。
そこで、消防庁にもう一遍お尋ねしますが、あなたの方は、火事になればLPGであろうが石油だろうが出ていかなければいかぬわけですね。火災になったというときには飛んでいく。どういうぐあいに火災になるかというと、LPGの基地などにおる人たちにはびょうのついたくつをはかせないというぐらい火の出ることを心配しておるわけです。そういう危険なものであるならば消防の管轄権というものはもっと強くてもいいと思うのですね。防災上消防庁の発言力が強くてもいいと思うが、それに対して、わりあいに、火事になるまでは通産省の方でございます。地方の防災計画の指導の問題でございますと言っていらっしゃるのはどういうわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/33
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034・永井浤輔
○永井説明員 お答え申し上げます。
高圧ガス取締法によりましてLPGが規制されるわけでございますが、これを消防法の方へ概括したらどうかというお話も地方行政委員会でしばしば出たところでございます。しかしながら、従来、法体系の取り扱い上こういったものは高圧ガス取締法で規制をいたしてまいっておりまして、いま直ちに市町村の消防にこれを移すということになりますと、いろいろと能力的な違いもございまして非常にむずかしいか、と、かように存ずるわけでございますので、とりあえず先ほど申しましたような石油コンビナート等特別防災区域というものを設けまして、石油とそれから高圧ガスと一緒に扱っている地域の防災本部におきまして関係者のいろいろな調整の場を設けまして、そこで防災計画をつくりまして、そこで災害予防、災害応急活動の細かい取り決めをいたしまして、お互いに有機的な連携を図りながら防災活動を続けてまいりたい。したがって、そういう場を通じまして消防からもいろいろな要請をしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/34
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035・太田一夫
○太田委員 その立場はわからぬわけじゃありません。通産省の方が取り締まり法はおれの方だとおっしゃっていらっしゃるし、そちらの方で規制されておるのですから、それで仕方ありません。
では最後に伺いますが、これはどちらからお答えいただけますか、通産省ですか、消防ですか、どちらでもいいが、特別防災区域七十カ所の中において、そういう危ないものと民家との間には緩衝緑地地帯というものの設置が義務づけられておりますね。それは原則としてLPGのタンクに限定して言いますが、そのタンクから民家までの距離というのは具体的にどれぐらいの距離ということに固まっておりますか。それだけをちょっとお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/35
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036・広海正光
○広海説明員 法令上の基準によりますと、タンクから保安物件までの距離は、この場合約百五十メーターでございますが、この場合は御承知のとおり海の方に埋め立て地をつくってございまして、工場用地になるわけですが、その境界線までが約八百メーター確保されております。それで、現にいまある保安物件までの距離は千五百メーターでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/36
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037・太田一夫
○太田委員 そういう爆発の危険のあるもの、何%混入すれば、二%混入すれば爆発すると言われている危いガスがあるときに、そういうものを無害なものと見ては大変だと私は思うし、特に、地域の工場とか住宅とかいうものとの距離というものは、いまのような百五十メーターというような距離では、いざとなった場合にとてものこと間に合わない。したがいまして、いま現実には八百メーターあるということでいいのですが、八百メートルというところがさらにどういうふうに縮まってくるかわかりませんから、法的規制において、これは厳格にしてほしいと思うのです。これは要望しておきます。
時間がありませんから、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/37
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038・木部佳昭
○木部委員長 金瀬俊雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/38
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039・金瀬俊雄
○金瀬委員 与えられた時間が三十分から四十分ということでございますので、簡潔に質問をいたしますので、御答弁も明確な答弁で簡単にお願いしたい、かように考えております。
油濁防止のために海上交通の安全を確保するということが必要なことは申すまでもありませんが、そのために運輸省では開発保全航路というものを指定することになったわけでございますが、この航路指定については漁業組合あるいは漁民の賛成を得るということが必要でございますが、東京湾の開発保全航路については現在どうなっておるかということを質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/39
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040・竹内良夫
○竹内政府委員 現在、東京湾口におきまして、大変屈曲している航路に、船の方の通る航路になっておりますところに第三海堡とかいろいろな障害物もございますし、素直な航路にしたい。したがいまして、この東京湾口のところ、入り口のところをやはり開発保全航路に指定したいわけでございます。そして、その指定をした上で航行の整備を行っていきたい、こういうつもりでございます。
また、中ノ瀬航路がこの航路から分かれておりますけれども、これにつきましてもやはり指定をして整備をしていきたいという念願でございます。
現在、この航路を指定する際には政令によって定めることになっておりまして、その際に漁民とのいろいろな交渉といいますか、賛成を得なくては意味がございませんので、その漁民との交渉を現在継続している最中でございます。
これが決まりますと、農林省等の賛同を得まして開発保全航路の指定ができるわけでございます。現在努力中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/40
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041・金瀬俊雄
○金瀬委員 港湾局長に続いて質問いたしますが、いまお話がございました第三海堡を撤去するということでございますが、この計画については、港湾局では何年か前からこの計画をされて、関係漁民との交渉を行ってきたわけでございますが、神奈川県、東京都千葉県の三つの漁業組合からの同意をまだ得られない、つまり、反対をされておるということでございますが、現在の交渉の状況はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/41
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042・竹内良夫
○竹内政府委員 先生がおっしゃるとおり、この航路につきましては、昭和四十六年度から実は予算がつきまして、現在まで一年十億とか二十億の予算で実施をしていきたいというように思いまして継続しているわけでございますけれども、その漁業組合の数が、いま先生がおっしゃいましたように神奈川と東京と千葉にございまして、数えてみますと、関係する漁業組合の方々がたしか四十幾つというふうな数を数えております。
現在まで鋭意努力いたしまして、一番身近な関係がある神奈川の系統の組合の方々には、たしか九つぐらいだったと思いますけれども、この開発保全航路に指定すること自体には大体一応納得していただいた。ただ、工事にかかるときにはまたよく相談してくださいということで、神奈川県の組合の方々は一応納得をされたわけでございますけれども、東京と千葉の関係の組合の方々、これは、千葉県の知事さんといいますか、千葉県の当局を通じまして組合の方々といまお話しをしている最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/42
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043・金瀬俊雄
○金瀬委員 漁民の同意が得られない。たとえば、神奈川県は開発保全航路に指定することには大体賛成のようだが、第三海堡を撤去する場合にはこれから先話し合いをしたい、また、その他の東京、千葉県の組合はこれに反対しておるということでございますが、漁民の同意を得られない最大の原因は、漁民が運輸省のいろいろな行政に対して強い不信感を持っておるということでございますが、それを解消しなければこの問題は解決しない。また、第三海堡を撤去する問題については少しも前進しないということになるわけでございますが、いままで運輸省のとってきた態度というものが企業ペースであって、漁民の立場を少しも理解しておらないということが漁民の側の方から言われておりますが、これに対して港湾局はどう考えておるか、その点について質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/43
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044・竹内良夫
○竹内政府委員 港湾局といたしましては、漁民が海を自分の生活の場とし、海で仕事をしているという点はもちろん十分考えていかなければいけない点であると思っております。また、海というものが、一方では船の航路でございますし、東京湾のようなところにつきましては大型の船もどうしても入れなくてはいけないという面がございまして、危険と生活とが両方の面からいろいろと考えられてていかなければいけないと思っております。
過去におきまして、東京湾の工業開発という線につきましては、漁民の皆様方がいまから考えてみるとある程度残念に思っている点もやはりなきにしもあらずだというふうに私にも感じられますし、この漁民の方々の御意見といいますか、納得を十分得てからこの航路の指定をすべきではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/44
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045・金瀬俊雄
○金瀬委員 これは先ほど太田議員からも質問がございましたが、漁民が不信の念を持っている。特に、東京湾の漁民が運輸行政について大変な不満を持っている。その最大の原因は、先ほどお話がございましたような明原丸の事故でございます。この事故は四年前に発生して、いまだに解決されておりません。事件の発生が四十六年の十二月一日でございますので、もう少しで満四年になるわけですが、当時八億三千万円の損害を出したわけでございますが、その当時千葉県の関係漁民が海上保安庁あるいは海運局、港湾局等にこの事件の解決を早くするようにということを陳情したわけですが、当時から考えてみますと、四年前でございますので、漁民の燃料は三倍に上がっております。それから資材が二倍半に上がっております。そういうことを考えてみますと、当時の八億三千万という被害はいまの金に直すと相当な金額に上るわけでございますが、企業側に誠意が全く見られません。この明原丸の事故というのは、東亜燃料に油を揚げるために明原丸の使用しておるシーバースから出た油の事故であるということは明確になっておるわけでございます。ところが、東亜燃料側、いわゆる明原丸側においては裁判の引き延ばしをやりまして、いまだに解決をされておらないわけでございます。
こういう問題が重なっております。この明原丸の問題あるいはその次に続いて起こりました第十雄洋丸の事故これは去年の十一月九日でございますのでちょうどまる一年を過ぎていますが、ところが、この補償も全然されていない。これはわりあいに損害が少なくて一億八千万でございますが、いまだに一銭も払われておりません。
それから、このときには、特に富津のノリの漁場の前面に海上保安庁が燃えている船を引っ張ってきて座礁させたということで、富津の漁民の人たちに対しまして非常に不安の念を与えております。そして、運輸行政というものは漁民を犠牲にするんだというような考えを強く植えつけたのがこの第十雄洋丸を富津の前面に引っ張ってきたということでございます。その先の方に第三海堡があるわけですから、その海堡を撤去するということについては、この二つの事件が解決しなければ絶対反対だということをはっきり言っています。ですから、これは港湾局には責任のないことであって、港湾局が一生懸命に説得しても、この二つの問題が解決しなければ絶対に第三海堡を取ることは了承できないということで、いま漁民は話し合っておるわけでございますが、この第三海堡の付近というのは、漁民にとりましては湾内の最大の漁場になっています。そういうわけですから、そういうことを考えてやってもらわないと第三海堡を撤去することはなかなか困難であると考えております。
そういうことで、第十雄洋丸の事件あるいは明原丸の事件に対しまして、海運局なりあるいは海上保安庁なりはどういう対策を立てておるか、お聞きしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/45
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046・後藤茂也
○後藤(茂)政府委員 お答えいたします。
まず、明原丸の事件でございますが、ただいまもお話がございましたように、また、さきに私が御説明申し上げましたように、明原丸がその当時川崎で若干の油を流出したという事実がはっきりしておりまして、そのこと自身は一つの取り調べの対象になっておるようでございますが、そのことと木更津におきます油濁損害との因果関係ということについて、ただいま法廷で争いがあるという事情でございます。私どもといたしましても、その原因がどこにあれ、損害を受けられました漁民の方の満足がいけるような実際上の解決が一日も早からんことを望むわけでございますけれども、そういったような形で法廷で争われている事件でございます。
第二に、第十雄洋丸でございます。これは明原丸のケースと全く違いまして、その原因者あるいは過失の有無といったようなことについて争いがあるとは承知しておりません。私どもが承知しておりますところでは、海面の清掃費用とか亡くなられた方の遺族の補償費とか、あるいは船骸の撤去費用とか、そういったようなものにつきましては、船主とその負担をした人との間にすでに話がついております。
それで、ただいま御指摘の漁業補償の問題だけが残っておるように私どもは承知しておりますが、この点につきましても、船主と請求者の間で一日も早くこの案件が円満な金額で妥結するような示談が早からんことを望んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/46
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047・金瀬俊雄
○金瀬委員 たとえば明原丸の事故の際こういうことが言われているのですよ。この事故が起きたときに、海上保安庁が早く発見してすぐに漁業組合の方に通報すれば、被害を未然に相当防げたわけですよ。ところが、事故が発生して、それを知っておっても知らせなかったということを彼らはいま言っておるのですよ。これははっきり言っております。発生した時間が十二月一日ですが、被害が出たのが十二月四日です。その間海上を漂流してきたのにかかわらず海上保安庁が何ら知らせなかったということがはっきりしています。これは、ノリの被害が発生した後におきましての処置について、海上保安庁のとった態度というものが漁民の側に立った態度とは思われないということを彼らははっきり言っております。
また、第十雄洋丸のときにも、燃えているあの船を、富津の漁民が反対しておるのにかかわらず富津の漁場の前に曳航してきたわけです。私もその燃えているすぐそばでそれを見ておりました。ノリをとる時期だったのだが、全部がノリ漁場に出ることができなくて、富津の漁民はそれの見張りをしておったという現状ですが、そのときに海上保安庁に抗議に行った漁民に対して海上保安庁の人はこういうことを答弁しています。「曳航は人命尊重の観点から考えて曳航したのだ、だから漁業への影響は考えない」ということをはっきり答弁しています。そういう態度ですからね。漁民の丹精してつくったノリ漁場なんかはどんな影響を受けても構わぬ、人命尊重の立場からやったのだから仕方がないという答弁です。それでは余りに態度として冷たいのではないか。あなたの方に持っていったのは申しわけなかった、しかし、自分たちとしてはこういうことで持っていったのだから勘弁してくれとか、そういうことを言うならいいけれども、やむを得ないからやったんだという一点張りで漁民の要求をけ飛ばした。その後どうにもならなくなって、自衛隊に頼んで太平洋の方に引っ張っていって魚雷で沈めたというのがこのときの実際の状況です。
ですから、この二つの問題をとってみても、海上交通安全のためにどうしても第三海堡を撤去したいということであれば、この二つの事件の解決というのが最大の問題であると私は考えております。
この油濁法の法律によっても、こういう被害を未然に防ぐこと、あるいは被害が出た場合には早く補償を確立することということがうたわれておるわけですから、この点については、これは裁判を促進しなければならないということも事実でございますが、これは運輸省で、この裁判について最大の協力もしてもらいたいし、資料も出してもらいたいし、いろいろと作業を進めていただきたい。さように考えておりますが、これに対する大臣の考えを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/47
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048・木村睦男
○木村国務大臣 海上また海は、船の運航と、それからそこを漁場にしております漁場との両方がそこでなりわいができておるところでございますので、いろいろとそういった利害の衝突があったり、また、事故が一たび起きますといまお話しのような問題がたくさん起きることはまことに遺憾ではございますけれども、実際にはそういうことがたくさんあるわけでございます。
そこで、そういう場合の解決に当たり、事故を未然に防止し、また、起きた事故の後の始末等につきまして、運輸省といたしましては、いまあなたがお話しのように、漁民に非常に不信感を買っておるとか運輸省の言うことは一方的であるというふうなことがあっては、これはその法律のたてまえがどうであるとかいうこと以前の問題として、こういう問題を円満に解決する上からは心得ておかなければならないことであると、かように私は考えておるわけでございます。
いまのお話をお聞きいたしましても、その利害の問題で賠償を幾らにするかということになりますと、それぞれ話がつかなければ第三者機関である裁判の結果を得なければなりませんが、それはそれといたしましても、出た結論を両方が満足をして受けられるようなかっこうになる前提としては、不信感を買うとかあるいは信頼に欠けるような折衝の仕方がその前提にあってはならないと考えまして、運輸省といたしましては、こういう事件の処理に当たりますときには今後とも十分配慮していなければならないと考えておりますし、そういう指導をやりたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/48
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049・金瀬俊雄
○金瀬委員 この補償問題については大臣が真剣に対策を練って考えてくれるということでございますので、この裁判が促進されますように強く念願するものでございますが、その後起きました栄光丸事件というものがございます。これについては、実際の問題として、先ほどお話がございましたように航路を誤って座礁したわけでございますが、このために油が流れ出てくるであろうということを想定して、千葉県側の漁業組合は三日間操業を休んで、むしろをたくさん集めて、流れ出てきた場合は防御しようということで対策を練っておったわけでございます。それから、また、千葉県側では飛行機を飛ばしたり監視船を出したりいろいろしたわけでございますが、この船のもとの社長というのが現職の大臣であるということで、漁民は、少なくともいまの三木内閣の姿勢というものに対して信じることができいということをはっきり言っております。この問題についても相当被害が出ているわけでございますが、漁業組合には申しわけなかったという謝りもまだ来ていないし、一銭の補償金も出ていないというのが現状でございます。だから、この点についてもひとつ御考慮願いたいと私は考えております。
それから、先ほどお話がございました栄光丸の事故の際こういう話が出ておりました。航路に沈船があるので、その場所をよけたら座礁したということになっております。これは、いま航路にある沈船は引き揚げられたのか、あるいはそのままになっておるのか、その点について海上保安庁から御説明願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/49
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050・薗村泰彦
○薗村政府委員 航路の沈船というのは中ノ瀬航路の入り口の沈船のお話だと思いますが、遺憾ながら現状ではまだ撤去はされておりません。私どもとしては、撤去をしていただきたいということで、運輸省の中で計画は進めておるところでございます。
ただ、私どもの措置としては、沈船の調査を先ごろ行いましたら、実は沈船のところの深さが十九メートルしかないということで、それから三メートルを引きました十六メートル以上の船は中ノ瀬航路を通らないで、それよりも西側の航路を通るということで、中ノ瀬航路の通航義務を免除しておりましたが、先般精測をしましたら二十メートルあるということでございますので、それから三メートルを引きました十七メートル以上の船だけは中ノ瀬航路を通らなくてもいいということにいたしまして、中ノ瀬航路を北航するときに一方通航の航路を利用する範囲の船をできるだけふやすことに努力をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/50
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051・金瀬俊雄
○金瀬委員 沈船はたしか五杯沈んでおるということが当時言われておったわけです。だから、その五杯を片づけなければ一方交通の航路をやることができないということを言われておりました。これは一年前です。ですから、表示湾の中を一方交通にして船の安全を図るためには沈船を撤去することが必要であるということをこの前のときに答弁しておりますが、一年たって、調査しただけで沈船がまだ一つも片づけられておらないということは行政庁として少し怠慢ではないか、再び船が事故を起こした場合に沈船が原因であったということにならないように急いで撤去してもらいたい、と、さように私は強く希望しておきます。
それから、通産省の方に伺いますが、この第十雄洋丸と、それから明原丸の事故について、東亜燃料なりあるいは石油連盟その他に対して通産省として何か勧告したことがあるかどうか、事件を早く解決するようにということを指示したり指導したりしたことがあるかどうかをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/51
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052・蓼沼美夫
○蓼沼説明員 お答え申し上げます。
はなはだ申しわけないのでございますが、担当のエネルギー庁の課長が現在こちらに向かいつつありますので、しばらくお答えを留保させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/52
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053・金瀬俊雄
○金瀬委員 それでは、時間がございませんので次に進みますが、行政管理庁から「海洋汚染防止対策に関する行政監察結果に基づく勧告」というものを各省に出されておりますが、これは海運局長は読んだことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/53
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054・後藤茂也
○後藤(茂)政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたものは、いつ出されたものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/54
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055・金瀬俊雄
○金瀬委員 これは五十年の七月です。油害問題を主として海洋汚染防止対策についての勧告がだされております。これは環境庁と水産庁からいただいていろいろ説明を受けましたので環境庁と水産庁には質問をいたしませんが、これはあなたの方の海運局の一番の管轄の問題で、この法律についていろいろ書かれているけれども、これを読んだことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/55
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056・後藤茂也
○後藤(茂)政府委員 その文書が出されましたときによく拝見した記憶がございますが、ただいま、その件につきまして十分な何がしかのお答えをするような準備は、申しわけございませんがしてきておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/56
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057・金瀬俊雄
○金瀬委員 これは「周辺の海域における油汚染防止を中心として」という勧告である。こういうふうにはっきり書いてありますから、この点について大いに検討していただきたい。さように希望しておきます。
それから、時間がございませんので、最後にイペリットの問題でございますが、先ほど申し上げました富津の第三海堡付近から富津の漁場でございますが、戦争中の陸軍か海軍か、どちらかわかりませんが、捨ててあったイペリットが出てきて、漁民がこのために大変被害を受けたわけです。それで、きのうから掃海をやるということで始めたところが、きのうは風が強くてやれないということで中止しました。けさも私が県の水産部に電話しましたところ、きょうも風が強いために中止したということです。そして、これは千葉日報という県紙でございますが、これを見ますと、漁民が集まって防毒マスクをつける訓練を受けております。そして近く風がおさまったら掃海を始めるということでございますが、この毒ガス弾の掃海の費用はどこが責任を持つのが本当か、海上保安庁と水産庁の御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/57
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058・森川貫
○森川説明員 御質問の経費の点につきましては、水産庁が関係各省と協議の上大蔵省に折衝いたしまして要求いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/58
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059・薗村泰彦
○薗村政府委員 海上保安庁は掃海をいたします周辺の警戒に当たるという任務を関係各省間で与えられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/59
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060・金瀬俊雄
○金瀬委員 この問題については、漁業保全課長さんが非常に努力をしてやっていただいたということで、地元の漁民は非常に感謝しております。しかし、努力した結果が大蔵省に査定されて、イペリットを片づけるのにわずか二百八十八万円の予算であるということで、千葉県側、漁民側が要求した額とは大変違うわけでございまして、実は、きょう大蔵省に来ていただきまして、この金額の二百八十八万円で掃海できなかった場合はどうするかということを問いただすつもりでおりましたが、主計官の方から電話があって、この件については水産庁に任せる、そして、掃海が終わるまでにこれを上回るような費用が出るようであれば国で負担する、というような電話を受けたわけですが、それに対して水産庁はどういう対策を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/60
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061・森川貫
○森川説明員 御質問の掃海経費の点につきましては、現在実施しております掃海事業の計画を大幅に上回るような事能代たとえば当初想定をしておりましたイペリットの数よりも多数のイペリットが上がるというような事態が発生いたしました時点におきまして、大蔵省と改めて折衝いたしまして善処してまいりたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/61
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062・金瀬俊雄
○金瀬委員 それでは、時間がありませんのでこれで打ち切らせていただきますが、最後に伺いますが、交通安全法が通過しました際に、御存じのように附帯決議が幾つか衆議院と参議院と両方でつけられております。この附帯決議について、こういうことは実施したということが一つでもあったら御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/62
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063・薗村泰彦
○薗村政府委員 海交法制定のときの附帯決議の中身がいろいろあるようでございます。私からお答えするのが適当かどうかわかりませんけれども、現在油賠法で御審議をいただいておりますのも一つでございますし、それから、原因者不明については水産庁の手でやっていただいておるのも一つでございましょう。
わが方としては、カーフェリーの安全対策については、機会あるごとにいろいろと訓練なり救助あるいは安全対策のマニュアルなりをつくらせて指導しているという点はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/63
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064・金瀬俊雄
○金瀬委員 海上保安庁から港湾局、海運局もそうでございますが、この法案が通過するときに、幾つかの漁民対策というものがこの中に載っておるわけですよ。その漁民対策というものが行われておるということは漁民には一つも確認されておりませんし、私どもが調べてみても、附帯決議の中の漁民対策というものが実際に具体的に行われているということは考えることができません。その中に、特に、「内湾漁業の保護並びに振興に関する基本的水産政策を早急に確立すること。」ということが載っておりますが、このことについては何ら手を打たれておらないというのが現状でございますので、この点については附帯決議を尊重して、できる限り内湾の漁民の対策を練っていただきたい。さように強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/64
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065・木部佳昭
○木部委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/65
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066・木部佳昭
○木部委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
油濁損害賠償保障法案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/66
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067・木部佳昭
○木部委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/67
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068・木部佳昭
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/68
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069・木部佳昭
○木部委員長 この際、木村運輸大臣から発言を求められております。これを許します。木村運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/69
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070・木村睦男
○木村国務大臣 ただいまは、油濁損害賠償保障法案について慎重御審議の結果御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107603830X00119751111/70
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071・木部佳昭
○木部委員長 次回は、来る十九日午前十時理事会午前十持三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十七分散会
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