1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十年十一月二十日(木曜日)
午前十時三十八分開会
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委員の異動
十一月二十日
辞任 補欠選任
上田 哲君 矢田部 理君
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出席者は左のとおり。
委員長 加藤 武徳君
理 事
林 ゆう君
片岡 勝治君
委 員
岡田 広君
源田 実君
中村 太郎君
八木 一郎君
山本茂一郎君
野田 哲君
秦 豊君
藤田 進君
矢田部 理君
太田 淳夫君
峯山 昭範君
河田 賢治君
内藤 功君
国務大臣
国 務 大 臣
(総理府総務長
官) 植木 光教君
国 務 大 臣
(行政管理庁長
官) 松澤 雄藏君
政府委員
内閣官房副長官 海部 俊樹君
内閣審議官 吉野 実君
内閣法制局長官 吉國 一郎君
宮内庁次長 富田 朝彦君
行政管理庁長官
官房審議官 川島 鉄男君
行政管理庁行政
管理局長 小田村四郎君
行政管理庁行政
監察局長 鈴木 博君
防衛庁参事官 伊藤 圭一君
防衛庁長官官房
長 玉木 清司君
厚生大臣官房長 宮嶋 剛君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 杉浦 喬也君
事務局側
常任委員会専門
員 首藤 俊彦君
説明員
警察庁刑事局外
勤課長 斉藤 隆君
外務省アメリカ
局外務参事官 浅尾新一郎君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/0
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001・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告をいたします。
本日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として矢田部理君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/1
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002・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
許可、認可等の整理に関する法律案の審査のため、本日、日本住宅公団理事上野誠朗君及び川口京村君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/2
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003・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/3
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004・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それでは、許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/4
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005・野田哲
○野田哲君 今回の議題内閣の機構や機能について広範にわたる問題が議題となっておりますが、そこでまず海部官房副長官、大変忙しい中を御出席をいただいておりますので、冒頭に海部副長官に伺いたいと思うんです。
いま、三公社五現業等のスト権問題について関係閣僚協専門委員懇談会で意見を取りまとめる段階になっております。けさの朝日新聞等の報道によりますと、かなりその全貌が報道されております。私どもがこの専門懇の今日までの議論を漏れ聞くところにより、あるいはまた報道機関等の報道を見るところでは、専門懇のスト権問題に対する意見というのは、大部分を行政機構の改革、三公社の経営形態の変更ということが前提となってスト権問題をどうするかという形に結ばれていると、こういうふうに言われているわけであります。専売あるいは電電公社、日本国有鉄道、これらの三公社の経営形態を変更していくということになれば、これはそれなりのまた新たな手順、審議会等が必要になってくるんじゃないかと思うんです。
そこで伺いたいのは、この閣僚協の取り扱いとしては、経営形態の変更という形が前提となった意見書が出た場合に、この前段の経営形態の変更という問題について一体どう取り扱っていかれるのか、この点をまず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/5
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006・海部俊樹
○政府委員(海部俊樹君) 御指摘のように、専門委員懇談会の意見の集約がまだ終わっておらぬ段階でございまして、閣僚協議会は、順序といたしますと明日組合側の代表の御意見を聞いて、それからまた、専門懇の結論が出てまいりましたらその出た結論に基づいての協議をすることに相なっておりますので、まだ出ておりません専門懇の意見書に盛ってあることを前提にちょっとお答えすることができかねますので、閣僚協としては結論が出てきたらこの結論をもとにして協議することは間違いございませんけれども、どういうものが出てくるか、これはまだ決まっておりませんし、私どもも正確な答申をまだ受け取っておりませんので、きょうのこの段階では先生の具体的な御指摘に対してお答えすることができませんのでお許しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/6
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007・野田哲
○野田哲君 三木総理の側近ナンバーワンと言われている海部副長官の答えとしては、私はどうもこれは歯切れがよくないと思うんです。今日までの経過を見るときに、組合側に対する回答を出すリミットというもの、これは国会の場でも組合との接触の中でも何回もリミットという問題について明らかにされているわけであります。もうリミットは迫っているわけであります。そういう中で、その意見書の大筋というのは、もうけさの朝日新聞、まさにこれは全文そのものを発表をされているわけです。公的にはまだ副長官の手元にはこれは届いていない。これはわかるんです。わかるんだけれども、こういう大がかりな形での企業体の経営形態の変更ということが前提となっていた場合には、これに基づいて答えを出そうとすれば、当然まずその経営形態は一体どうするのかという新たな議論を始めていかなければ答えは出せないと、こういうふうに私どもは手順としては受けとめられることになるわけであります。したがって、そういう手順を踏んでいくということになれば、これは政府が答えを出すリミットというものをまた先延ばしにするという懸念が生まれてくるんですが、その点はいかがなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/7
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008・海部俊樹
○政府委員(海部俊樹君) できる限り、口頭了解事項に基づいて今秋までに結論を出そうとして鋭意努力しておる最中でございますし、閣僚協もそういう意味で組合側の意見を明日にも聞いたりするわけでありますから、この結論を出すという点については、きょうまで申し上げてきた方針、いまの作業の速度、それは変更ございません。ただ専門懇の方が、その朝日新聞に本日載っておりますものが本当に全文正確なのかどうかということも、実は私まだ本物を受け取っておりませんので何ともお答え申し上げられませんが、そういった結論が出てきた場合には、いかなる結論が出てこようとも、その結論に従って閣僚協はそれを参考として審議をすることは、これは間違いないと思いますが、どういう結論が出るかはまだ申し上げるわけにはまいりません、わかりませんので。御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/8
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009・野田哲
○野田哲君 今回の国会の補正予算の審議、予算委員会の場面で、わが党の寺田熊雄議員の質問に答えて三木総理は——まだその時点では専門懇が経営形態にどういう形で触れていくかということも全く予測できないという状態の中で、経営形態の変更に触れた形での意見書が出た場合に一体政府としてはどう扱うか、こういう質問をしたことに答えて、経営形態にはかかわりなくスト権問題についての政府としての答え、結論は出す、こういう意味のことを答えておられると思うのですが、これはそういうことを副長官としても担当の当事者として承知しておられると思うのです。この三木総理の答えと、いまの副長官の答えは若干ニュアンスが違うというか、副長官の場合にはそこまで踏み込んでおられないように思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/9
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010・海部俊樹
○政府委員(海部俊樹君) 三木総理が国会でお答えしましたことは私も承知いたしておりますし、総理が、現段階で経営形態を変えることは自分は考えておらないと、こう答えておることも承知いたしております。ただ、閣僚協でそういった内容を付した答申が出てきた場合はどうかということになりますと、もし仮にそういう答申が来た場合には、それを一応の参考資料として研究しなきゃならぬことはならぬでしょうけれども、いま総理が経営形態を変えるつもりは持っておらないと国会で答弁しておりますことは、私も全くそのとおりだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/10
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011・野田哲
○野田哲君 専門委員懇談会で、今日まで三公社五現業等の労働基本権問題を審議をしてこられたこの過程で、使用者側と労働者側の意見をそれぞれ聴取をしてこられた。そこで三公社の場合に電電、専売、国鉄等の使用者側としての意見がそれぞれ述べられているわけです。この使用者側の立場に立った三公社の意見というものは、これは現行経営形態を存続をしていく、こういう立場に立っての意見の開陳が行われているはずだ、こういうふうに思うわけです。三公社の使用者側の意見として、経営形態を変えるということを予測しての意見の開陳ではなかったと私は思うのですが、副長官としてはそれを経営形態との関連という面ではどういうふうに受けとめておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/11
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012・海部俊樹
○政府委員(海部俊樹君) 三公社の総裁の意見というものは、野田議員がおっしゃるような方向で述べられたものであると私も理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/12
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013・野田哲
○野田哲君 そういたしますと、副長官もそれぞれお忙しいようでありますから結論として確認をしておきたいと思うわけですけれども、仮定の議論になるわけですけれども、専門懇としての意見が近日中に閣僚協にあてて出される、それを踏まえて閣僚協として結論をまとめて政府側としての態度を決める、こういうことになろうかと思うのですが、その場合には、先般の予算委員会の三木総理の発言もあって、仮に専門懇の意見が経営形態の変更に触れておったとしても、そのことを理由にして政府側の結論を先延ばしをするということはあり得ない、経営形態の変更に触れられているんだから経営形態の変更の結論が出るまでは答えは出しませんよと、こういうふうな形にはならないというふうに理解をしておいてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/13
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014・海部俊樹
○政府委員(海部俊樹君) これは先生御承知のように、閣僚協はこれから大ぜいの関係閣僚が集まって協議をして結論を出されることでございますので、私がいまここで結論を断定的に拘束するようなお答えは申し上げることができませんので、それはひとつ御了承をいただきたいと思います。閣僚協でどういう結論を出すかということについては、まさにこれから、明日は組合側の御意見を聞き、それから経営側の立場に立っての関係閣僚の意見が出、それから専門懇の意見も結論が出てきますと、それを参考にし踏まえながら、そういったものをまとめて議論をされるわけでありますので、いまのところ政府は全く白い立場で閣僚協を開こうとしておるわけでございますので、その閣僚協でどうなるこうなるという結論をいまここで断定するわけにはまいりませんので、その点だけはどうぞ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/14
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015・野田哲
○野田哲君 副長官ね、私はスト権問題の可否についてここで態度を明らかにしてもらいたい、答えを明らかにしてもらいたいと、こう言っているんじゃないんです。もちろん私は一括付与ということが出れば、もうそこですぐ、どうぞ次へ行ってくださいと言うわけですけれども、そこまで私はこの場では求めていないんですよ。いままで何回も結論を出すリミットというものを、当事者にも約束をしており国会の中でも表明しておられ、世間もそういうふうに受けとめているわけですから、そういう段階で、仮に経営形態の変更に触れた形でそれを前提とした意見書が出たとしても、答えを示してくれと言っているんじゃない、タイムリミットは変えませんねと、ここを聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/15
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016・海部俊樹
○政府委員(海部俊樹君) タイムリミットの点につきましては、できるだけお約束しておる秋ごろまでに出すということですから、緊急にしなきゃならぬ問題だと思いますので、閣僚協の作業も急いでおりますし、専門委員懇談会へも早急に、結論をなるべく早くいただくようにお願いをしておる最中でありますから、リミットは守りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/16
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017・野田哲
○野田哲君 わかりました。
それでは宮内庁に伺いたいと思うんです。天皇と内閣の機能との関係についてまず伺いたいと思うんです。
天皇の行為については、憲法第七条に定める国事行為、それと、憲法第一条に定めてある日本の象徴としての地位に基づく国事行為に準じた形での公的行為、それから、天皇の個人としての私的行為、この三つに区分されるというふうに理解をしていいのかどうか、この点をまず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/17
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018・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいまお尋ねの憲法一条あるいは七条等の行為についての先生の御質問、これはきわめて法律的なことでございますので、本来ならば内閣法制局等からお答えを申し上げるのがしかるべきと存じまするが、私どもも、いまお話がありましたような三つの行為に天皇の御行動というのは分類される、かように承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/18
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019・野田哲
○野田哲君 憲法の第七条に定める国事行為については、これは憲法で明らかなように「内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」、こうなっているわけでありますが、象徴としての地位に基づいて行われる国事行為、これに準ずる行為としていま言われたいわゆる公的行為、この公的行為の場合にも当然内閣としての助言といいますか、あるいは補佐、こういう行為が付随をしているものだと、こういうふうに理解をし、当然そのことについては政府として責任を持っていると、こういうふうに理解をしていいのかどうか、これは法制局の方の見解を伺いたいと思います。——では、いまのことについて宮内庁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/19
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020・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) これも実際の処理に当たっておりまする宮内庁としての実務的な考えを申し上げたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
ただいまお尋ねのいわゆる公的行為、これにつきましては、宮内庁が総理府のいわば外局として存在をいたしております、法制的に。そういうような関係から第一義的には、宮内庁法にも定めておりますように宮内庁がそういう行為に対しての補佐と申しますか、責任を負うべきものでございます。しかしながら、いま申し上げたような法的な機構の関係がございますので、さらには総理府、さらには最終的には内閣というふうにも考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/20
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021・野田哲
○野田哲君 そこで続いて伺いたいのは、先般、天皇、皇后両陛下が十五日間のアメリカの訪問を行われました。帰国をされて十月三十一日に記者会見があったわけでありますが、今回のアメリカ訪問という行為、当然これは日米両国政府の合意に基づいて実現をしたものであるし、福田副総理が首席随員として同行されているわけでありますから、このアメリカ訪問という行為は当然国事行為に準じた最も公的行為の中でもウエートの高い行為であったと、こういうふうに理解をしていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/21
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022・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいま仰せのとおり私どもも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/22
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023・野田哲
○野田哲君 アメリカから帰られて、十月三十一日に先ほど申し上げましたように天皇、皇后両陛下が公開の記者会見をされています。このことは、私はいままでの天皇、皇后周辺の古い慣行を破った、一歩踏み出した形として、このこと自体は大変結構なことだと思うんです。思うんですが、あの会見の中で非常に重要な問題に触れられているわけであります。天皇が単にフランクにマスコミを通じて国民と対話をされたということだけではちょっと済まされないような内容が含まれているわけであります。
そこで私が伺いたいのは、あの記者会見の中で天皇の発言、アメリカの原子爆弾の投下の問題についての質問に天皇が答えておられるわけです。当然やむを得なかった、まあ当然とは言っておられない。やむを得なかった、こういうふうに言われているわけであります。これはあの行為そのもの、原爆投下という行為そのものが国際法の上からいっても大変重要な問題がある行為である。そして、現に広島、長崎で何万という非常な多数の非戦闘員も含めて死傷者を出している。現にまだ後遺症で苦しんでいる人がいる。そういう中で、犠牲者に対しての国家補償の問題も長年の国政上の大きな懸案になっているわけであります。国家補償という問題、これはやはり、あの原爆投下を国際的に是認するか否認するかという問題に帰着をしていくことになるわけであります。そういう問題について天皇があのように発言をされている。これはやはり私は、このアメリカの原爆投下という行為に対して、宮内庁なりあるいは内閣として、天皇があのような発言をされる認識を持つような助言なり補佐をしている、そこから出発したものだ、こういうふうに受けとめるわけなんですけれども、この点については宮内庁としてはどういう責任を感じておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/23
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024・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 十月三十一日にいわゆる記者会見、国内の記者の方々との記者会見がございまして、ただいまお話が出ました広島の原子爆弾投下についての質問もございまして、報道されておりますようなお答えがあったわけでございますが、陛下はああした形でのいわゆる記者会見というのは初めてと言っていいぐらいでございますし、非常にそういうことにはおなれになっておらない点もございます。したがいまして、陛下のお答えが非常に簡単でございまして意を尽くし得ない点があったかと思うのでございますが、特にその数問前のお答えの中で、陛下は、最も悲しかった思い出としまして第二次世界大戦を挙げておられ、今後このようなことが起こらないようにということを祈っている、こういうふうにもお述べになっておられます。それから、この質問に直接お答えになった部分におきましても、原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾に思っていますとお述べになっていること、また広島市民に対しては気の毒であるとお述べになっていることから、陛下のお気持ちは明らかであろうと私どもは考えております。
で、原子爆弾の投下がやむを得なかったというお答えについてでございますが、原爆投下というのは戦争の最も悲惨な面をあらわしておるものでございまして、それによって広島、長崎の両市が受けた災禍につきましては、三十年を経た今日なお心を痛めておられるのでございまして、そういう意味から、ああいう不幸な戦争というのは今後あってはならないというようなふうに申しておられ、また、原爆投下そのものについて限って申しまするならば、恐らく陛下のお気持ちとしては、当時自分にはそれをとめることもどうすることもできなくて遺憾であったという意味をお述べになっているように拝察をいたしております。したがいまして、原子爆弾の投下を正当化するというようなお気持ちでは毛頭ない、かように拝察をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/24
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025・野田哲
○野田哲君 くどいようですが、その前のくだりではね、天皇はやはりノーコメントという場面があるんですね。戦争責任のことについて触れられておることについては、そういうことは答えられないと、こういうくだりがあるんです。その次に、原爆投下の問題について、いま説明がありましたけれども、確かに遺憾に思っているという言葉もあるし気の毒であるという言葉もありますが、問題は、国際間で非常に問題になっていることについて、天皇が、あれはやむを得ないことなんだ、こういう発言があったということは、これはやはり天皇の発言が、天皇自身がどう思われようとも政治にかかわってくることになるんです。ですから、私どもが聞きたいのは、政府や宮内庁の方では平素そういう天皇が認識を持たれるような助言や補佐、国際情勢、国内情勢の報告をしているのではないか、政府や宮内庁がきちっとこういう問題についての責任を果たしていないのではないか、こういうふうに思うんです。その点を聞いているんです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/25
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026・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいま御説明申し上げましたように、陛下のお気持ちは、言葉が簡単でございましたのでいろいろなようにとられ得る表現にもあるいは相なったかとも思いまするが、御真意は、いま私が申し上げましたように、今日までこの災禍を受けた両市の方々についての心の痛みを常に覚えておられる、またその原爆投下ということを正当化する御意思は毛頭ないと、この点は十分に推察できるわけでありまして、もしそういう記者会見のいわば取り運びというようなものにつきましては、これは第一次的には宮内庁の責任でございますので、そういう点で補佐が足りないということであれば十分責任を感じる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/26
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027・野田哲
○野田哲君 まあこの問題はここで終わりまして次の問題に入りたいと思います。
天皇の行為と内閣の機能との関係について具体的に伺いますけれども、明日十一月二十一日に天皇は靖国神社に参拝される予定である、こういうふうに伺ったわけであります。漏れ聞いたわけでありますけれども、このことは事実でありますか、どうですか、これをまず明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/27
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028・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) いまお尋ねの明二十一日に、天皇陛下は靖国神社並びに千鳥ケ淵戦没者墓苑に御参拝になられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/28
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029・野田哲
○野田哲君 いまお答えになった、あした天皇が靖国神社へ参拝される、それから千鳥ケ淵ですか、ここへ参拝される、この計画といいますか、予定といいますか、これはどこで立てられたわけですか。宮内庁ですか、総理府ですか、どこですか、この計画をつくったのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/29
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030・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) そういうお参りになられるということの計画をあれいたしましたのは宮内庁でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/30
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031・野田哲
○野田哲君 宮内庁。宮内庁でこのような計画を立てて、これは総理府なり政府の方へは合議をされたわけですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/31
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032・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) この御参拝の件につきましては、昭和四十年、ちょうど戦後二十年に当たりました際に、靖国神社からお参りを願いたい、こういう要請がございまして、それにおこたえになって御参拝になっておられますが、今回も本年の春早く靖国神社から、またこの春には千鳥ケ淵墓苑に関しまして厚生省からお参りを願いたい、こういうあれがございまして、しかしその後いろいろな行事等がございまして日程がなかなか相つぎませんので、まあ日程が、何と申しますか、全日程のうちでわりと差し繰りができるというような時期がこの秋でございましたので、そうした発議を一応検討いたしまして、陛下にも御内意を伺って取り運んだわけでございます。また同時に、この点につきましては、一般的にはこれは宮内庁で処理するようにお任せをいただいておる部面が多いのでございますけれども、一応総理府、内閣にもこの点は御連絡を申し上げてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/32
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033・野田哲
○野田哲君 十一月二十一日を選んだというのは何か特別の理由があるんですか、それとも単に天皇の日常の御日程の中で都合がよかった、こういうことだけなんですか、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/33
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034・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 全くいまお仰せのとおり陛下の御日程のいろいろな勘案の結果でございまして、別に特段の意味のある日ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/34
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035・野田哲
○野田哲君 この明日の靖国、それから千鳥ケ淵、これに参拝されるということですが、この天皇の行為については、随行される方々はどういう方が随行されることになっておりますか、その点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/35
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036・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) この御参拝は、先ほど先生冒頭にお話しになられましたような行為の類型のうち、私的なお立場で御行動になる、つまり私的行為、そういう性格でございます。しかし、これは陛下がいろいろと私的に御行動になられるという場合でも、これは宮内庁法として側近事務というような責めを負っておりまするし、また陛下お一人でおいでになってというわけにもまいりませんので、したがいまして、侍従長以下関係の職員はこれにお供をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/36
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037・野田哲
○野田哲君 宮内庁の関係の職員だけですか、それ以外にはないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/37
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038・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) それ以外にということでいたしますれば、やはり陛下の御身辺の安全ということも常々考えなければなりませんので、これには皇宮警察のいわゆるボデーガードの責任者が一人ついてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/38
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039・野田哲
○野田哲君 私が聞いておるところでは、千鳥ケ淵の墓苑には環境庁の長官が随行すると、こういうふうに聞いておるんですが、これはここに公害担当の藤田委員長見えておりますけれども、そういうふうに聞いておるわけです。そうするとあれですか、政府の方では小沢環境庁長官がその行程を随行するわけですか、それとも千鳥ケ淵だけなんですか。靖国神社の方は政府の関係者はだれもいない、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/39
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040・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 靖国神社につきましては、政府の関係者は、いま申し上げた側近のあれに当たる宮内庁職員のみでございます。千鳥ケ淵墓苑につきましては、これは所管が環境庁でございます。で、環境庁からどなたがおいでになるか私どもまだ連絡を受けておりませんが、いわゆる千鳥ケ淵墓苑の管理者のお立場として、たとえば地方にお成りになった際にも、養老、福祉施設等にお成りになりますればそこの館長さんが御先導される、まあいわば案内される、そういうようなことがございますので、どなたか環境庁の方が御案内という形でそこにお出になることは十分考えられますが、まだどなたがということは全然私ども連絡をいただいておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/40
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041・野田哲
○野田哲君 そういたしますと、靖国神社の場合には政府の関係者はいない。そうすると先導されるというか、御案内をされるというのは靖国神社の神官の方がすべてを取り仕切ってやられると、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/41
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042・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 靖国神社の場合は、その管理を同時にやっておられる神官といいますか、神職の方がおやりになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/42
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043・野田哲
○野田哲君 警察庁お見えになっていますね。警察庁の方に伺いますが、今回のこの天皇の靖国、千鳥ヶ淵への参拝、当然連絡を受けておられると思うんですが、いつどこからこの連絡を受けられましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/43
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044・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) ただいまの御質問でございますが、連絡はすべて宮内庁から受けております。で、今回の問題は、正式な文書としては十九日付の文書をちょうだいいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/44
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045・野田哲
○野田哲君 十九日というのはいつの十九日ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/45
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046・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) 今月の十九日付の文書でいただいております。なお、その前段としまして、情報としてたしか先週の後半だったと思いますが、電話で御連絡はいただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/46
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047・野田哲
○野田哲君 この警察庁の方の担当でありますけれども、余り詳細聞くと、何かおたくの方もいろいろ事情があるようですが、それなりの警備体制をとられると思うんですが、この九段かいわいから千鳥ケ淵、半蔵門かいわい、この時間帯に相当大がかりな交通規制をやられますね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/47
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048・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) この警衛に関しまして、陛下の自動車列の通過に際しましての交通規制につきましては、必要最小限度にとどめまして、できるだけ一般の交通に影響を及ぼさないように配慮するように指導いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/48
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049・野田哲
○野田哲君 いや、沿道については交通規制をされるわけでしょう、ずっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/49
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050・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) 必要最小限度の交通規制は行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/50
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051・野田哲
○野田哲君 宮内庁の方で今回の場合計画をされたということですが、あなたは憲法第二十条、国及びその機関はいかなる宗教的活動も行ってはならない、こういう規定があることは承知の上でこの計画を立てられたわけですね、いかがですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/51
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052・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 宮内庁が、陛下のいわば私的行為につきましてもお世話を申し上げなければ、これは陛下個人でどうというわけにまいりませんので、そういう意味で、御参拝の連絡とか、あるいは御内意を伺って日程がどうとかというような事柄については、やはり私どもがやるべきことと存じております。しかしながら、それは陛下が、靖国神社なり千鳥ケ淵墓苑からの御要請といいますか、そういうことに応ぜられる手順につきまして私どもがお手伝いをしたと、こういうことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/52
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053・野田哲
○野田哲君 私的行為か公的行為かということは後でこれはまたやりたいと思うんです。
そこで、引き続いて宮内庁次長に伺いたいんですが、靖国神社のあり方をめぐっては、長年にわたって靖国神社を国家で護持するというか、国家で管理せよと、こういう運動が国民の間にある。それから、これに対して、そのことは信教の自由という民主主義の原則、憲法の二十条の精神に照らして反対をする運動も国民の間にはあるわけなんです。これが、賛否がだんだん年を経るに従って大きくエスカレートしておるし、国会の中でも与野党間で長年にわたって非常に大きな政治問題になっている。そのことをあなたは御承知ですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/53
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054・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) いまお話しのように、いろいろな意見、議論があることは新聞その他を通じまして承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/54
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055・野田哲
○野田哲君 あなたは、承知の上で今回のこの計画をつくったということなんですがね、引き続いてこの問題については同僚議員の方の質問が続けられますので、私の最後の締めくくりとして宮内庁の見解を伺いたいと思うんですが、一九六七年——昭和四十二年、このときに一番最初に靖国神社法というのが国会の中へ出てきたわけです。これを公表するときに、立案者を代表して村上勇衆議院議員、これは郵政大臣ですね、いまの。この方がその趣旨を述べてこう言っています。靖国神社の春秋の例大祭は、自衛隊の軍楽隊を総動員をしてにぎやかに軍楽を奏でながら、その中を天皇、総理以下がお参りをする、そういう光景を実現したいんだと、こういうふうに述べているわけなんです。この村上さんの趣旨というのが今日の靖国神社法を推進しようとする方々の代表的な意見であるし、そのねらいとするところは、天皇陛下を公的に靖国神社に参拝をさせる道を開いていきたい、これが基本になっているわけなんです。そういう趣旨の政府・与党の方で、総理大臣も何回かこの問題に触れて発言をしておられるし、与党の方は非常に熱心に進めておられるわけですけれども、これが昭和四十二年に発議がなされてから今日まで十年近くも制定をされていないというのは、やはり憲法上そこに非常に大きな問題があるということが、そうしてまた、国民の憲法二十条を守っていこうという大きな世論があることが、これが実現をしない一番の基礎になっているんです。あなたはそのことを御承知ですか、そういう経過が靖国神社をめぐってはあるということ、是非はともかく経過があるということをあなたは御承知になっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/55
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056・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 法案が国会に提出されましていろいろな推移をたどったというような深い事柄については、私承知をいたしておりませんが、先ほど申し述べましたように、いろんな御意見、御論議があるということは承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/56
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057・野田哲
○野田哲君 私は、この件に関してはもう少し総務長官がお見えになってからさらに続けていきたいと思いますので、あと関連して秦委員の方からやっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/57
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058・秦豊
○秦豊君 質問に入る前にあらかじめ委員長にお願いをしておきたいと思いますが、いま同僚野田委員からの宮内庁側に対する質問の中でも、はなはだ答弁にはっきりした裏づけがないし、あいまいだし、失礼だけれども富田さんだけではお答えになれない面がずいぶんあると思う。したがって、持ち時間は私六十分のはずですけれども、その枠内で、やはり午後——総務長官は午後一時ですか、それから法制局はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/58
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059・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 法制局は午前中は呼んでおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/59
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060・秦豊
○秦豊君 午後はそれでは吉國さんに御出席をいただきたいと思います。これをぜひ要求としてこの際に提示します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/60
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061・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 連絡します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/61
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062・秦豊
○秦豊君 ですから、恐らく富田さんに伺っても——まあ若干警察庁側に伺いたいことありますからね、午前中はしたがって、非常に簡潔にこの点に触れるだけで、すべて午後に延伸したいと思います。
で、先ほど野田委員から宮内庁側富田次長に対して事実関係の確認がなされたわけですが、ちょっとまだあいまいな点があろうかと思いますので、富田次長にその点だけは伺っておきたいと思いますのは、あなたは宮内庁の発議によって、責任においてあすの天皇、皇后両陛下の靖国神社参拝を取り決めたとおっしゃいましたが、その私の理解に間違いはないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/62
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063・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) この発議という言葉の中身でございますが、天皇陛下の靖国神社御参拝あるいは千鳥ケ淵墓苑御参拝というものの機縁になりましたのは、これは千鳥ケ淵墓苑なりあるいは靖国神社から、今春お参りをいただきたいと。こういうことが私は発議だと思います。で、そういうことのあれを、先ほども申し上げましたようにいろいろな日程その他の都合を整理をいたしたり連絡をいたしたりするような意味での行為を私どもがとったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/63
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064・秦豊
○秦豊君 それは一応あなたのお答えでよしとしましょう。そういう場合、では具体的な問題を伺いますけれども、あなた方の宮内庁側は、靖国神社側から天皇陛下、ぜひ御参拝をいただきたいという要請がありますね。で、民間の企業の場合には一つの稟議形式というのをとると思うんだけれども、まあ官庁でもそうだけれども、おたくは行政機関の一端として、そういう稟議形式、何というのか、テクニカルタームは私はよく知りませんが、そういうものをずっと上げていくわけですね、それで最終的には決裁ということになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/64
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065・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 当然そういう手順を、いろいろ決めていきます場合には関係方面、いろいろなところがございますので、いつおいでになる予定であるということを決めるには、やはり内部で補佐する者が稟議形式と申しますか、これは私的行為でございますが、そういう決裁形式をとり、そしてまた陛下の御内意も伺うと、こういうことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/65
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066・秦豊
○秦豊君 そうでなくても天皇と戦争責任であるとか、あるいは開かれた皇室はどうあるべきかなど、さまざまな論議の焦点にいま皇室は立っている。私は前国会にあえて宇佐美長官の出席を求めて三時間近く新しい皇室論というのを展開したことがあるわけだけれども、その後の歩みは、やはり外面はよいが、内面は悪いとかいう例によって例のごとき皇室のありようでしかないと思っている。しかし私は、さっき野田委員とあなたのやりとりを聞いていて非常に遺憾に思いましたのは、宮内庁の責任において決定をされたあすの靖国参拝ということが、普段は決断の遅い宮内庁にしては実に迅速である。特段の意味はないと言いながら、表敬法案のこと、靖国法案が五たび国会で廃案になった事情についてはあらかた承知をしているというあなたによってそういう決定が推進されたということは、何とも無神経で仕方がないと私は思うんです。しかし、これは宮内庁次長のあなたを幾ら責めてみたって返ってくる答えはおおよそわかっているから、午後植木さんとこの論議は交わしたいと思うけれども、事実関係の確認としてもう一つ伺っておきたい。
天皇は、かねがねさまざまな問題について相当以上に信任厚い宇佐美さんに相談をされていると私は理解しています。特にこういうシリアスな政治上の問題に火がつきかねないような靖国参拝、しかも国会開会中ということは重々もう御承知だろうと思うんだが、あえてこの時期に稟議書にサインか何か、形式は私知りませんけれども、やはり天皇の内意を伺ってとあなたが言われたのだから、天皇はその最終結論をお出しになる前に、やはり宇佐美さんあたりにかなりじっくりと相談をされた形跡がありますか、それとも、いともあっさりとよろしかろうというふうな決め方であったのですか、念のために伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/66
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067・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) これは、長官あるいは侍従長、時折陛下にお目にかかっておられますので、その間におのずからそういうような雰囲気というようなものも感じ取られたと私は推察しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/67
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068・秦豊
○秦豊君 それから、せっかくお見えですから警察庁の課長に伺っておきたいのですが、さっきあなたは同僚議員の質問に対して、交通規制はほどほどにと、なるべく一般庶民の市民生活に影響がないようにというふうな配慮で指導をしていると言いましたね。確認のために聞いておきますが、たとえば天皇の公的行為の中にはどなたも御存じの国会開会式への臨席という行為がありますね。そのときにはどんな警備状況ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/68
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069・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) 国会への御出席の際の警衛警備の問題につきましても、そのときどきの情勢によりまして、人数、体制等は一様ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/69
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070・秦豊
○秦豊君 一般的にです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/70
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071・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) 一般的に、交通規制をして、自動車列をスムーズに通過をいたすように配慮しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/71
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072・秦豊
○秦豊君 あしたは、宮内庁側の説明によると私的行為だそうです。そうすると、警備も課長が言われたように、大変簡素で目立たない、仰々しくないというのは常識的な措置だろうと思うんだけれども、しかし、あなたの答弁でもよくわからないのは、あなた方の判断の中に、天皇というのはもうあなた方にとって最高の人格である、価値である、恐らくね。そうすると、天皇の警備というのはもう最重点課題である。その場合に、あすは私的行為、きょうは公的行為というふうに、器用にあなた方が截然と分けて警備についているとは思えない。少なくとも天皇の警備については、ミニマムにこれぐらいは必要だというのはおありでしょう。その場合に、これを突き詰めていくと私的行為に対する警備と公的行為に対する警備とはぼくは非常に分明でないと思う。一般的にはどうなんですか、もっと詳しく答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/72
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073・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) 陛下のあすの行幸が、私的、公的のお話がございますが、私どもは両陛下の行幸啓ということで御通知いただいておりますし、そう認識いたしておりますので、行幸啓という前提で警衛警備を行っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/73
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074・秦豊
○秦豊君 その御答弁は非常に正直だと思うんですよ、私。あなたのいまの片言隻句をとってみましても、警備当局からすれば、富田さんがいかに強弁されましても、私的行為と公的行為の警備上の限界はもうないんですよ、ないに等しいんですよ、行幸啓という通知で対応するのだから。それはあたりまえだと思うんです。もちろんもっと純理的に言って、あすの靖国参拝、しかも両陛下そろっていらっしゃるというふうに伺っておるけれども、これは私は後ほど法制局長官とか植木総務長官と、いわゆる公的行為と私的行為論というのは存分に展開をしたいと思いますけれども、警備の点一つをとってみましても、この境界ははなはだあいまいだということを指摘しなければならないし、また富田次長に伺っておきたいんだけれども、自由民主党の中には、靖国法案がだめなら表敬法案というふうに執着を持って、非常に熱心に熱烈に推進をされているグループがいらっして、それはそれで信念的なんだろうというふうに見ているけれども、われわれとはまさに対極にある価値観だと思う。それで、藤尾私案というふうなものが本年の二月にかなり成案を得てまとめられてきて、それが今後自民党が靖国問題を処理する場合の一応のたたき台になろうとしていますが、藤尾私案なんというのは、富田次長は職掌柄御存じでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/74
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075・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 自由民主党の中での御議論あるいはそういうものについては、私どもは承知するすべもございませんし、またそれに対して御意見を申し上げるような立場にもないと思いまするので、御了承を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/75
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076・秦豊
○秦豊君 まああなたはそういう答えしかできないでしょう。念のためにここで展開をしておきますと、藤尾私案というのは、天皇または国家機関員の公式参拝、総理、各省大臣、最高裁長官等の公式参拝ということが藤尾私案の眼目になっているんですよ。これさえ達成されればあとは要らぬというぐらいここにしぼられている。ところが、すでに今年の八月には何があったか。三木総理大臣が、南平台の一市民三木武夫というふれ込みと、あるいはカムフラージュで靖国に参拝したことは、これはもう公然たる事実でしょう。残されている事実でしょう。そうしますと、今回また、あす天皇が靖国神社に参拝をされる、あなたは特段の意味がないなんてしゃあしゃあとおっしゃっているけれどもとんでもないことであって、いま少なくとも靖国法案の換骨奪胎された藤尾私案が最大の眼目とする、天皇の参拝さえ満たされればもうこれでいいんだ、これでいいんだと言っているようなこの時期に、すでにして歴代宰相のだれもが果たせなかったような市民としての参拝という形で三木さんが靖国に行く、あしたは天皇ですよ。今度は私的行為というふれ込みだ。三木さんと全く同じ発想だ。ところが表敬法案が、天皇の公式参拝を眼目としている法案が、いまや遅しと、われわれが気を緩めれば、われわれの抵抗がおろそかであれば強行突破されかねないようなこの時期にきているこのときに、あなた方によれば、私的行為の名のもとに天皇が靖国に参拝されるということは、どんな答弁、どんな強弁に接しようともわれわれは断じて認めるわけにいかない。つまりあなたに聞きたいのは、私的行為とあなた方がいかに強弁されようとも、天皇御自身が、自然人としての天皇なんてことを吉國長官あたりは言いそうだけれども、靖国に参拝すれば、実質的に表敬法案が先取りされる。これは一つの既成事実になりますよ。三木さんは現職総理です。いかに言おうとも総理、いつまでかは別として。そうすると、三木さんは行った、あすは天皇だ。一つ一つがステップになるんですよ、踏み石になるんですよ、こういう問題については。あなた方はいかに宮内庁的感覚でわれわれに接しようと思っても、それを政治的に利用しようとする勢力は手ぐすね引いて待っているじゃありませんか。だから、あなた方がいかに言われようとも、あすの参拝というのは表敬法の先取りである、大きな政治問題である、自然人裕仁氏の自然行為ではない、私的行為というような強弁は聞けない、こういう立場をわれわれは堅持したいと思う。そのことを私は意見として申し上げておきますけれども、私のこの意見に対して、あなたはまたお答えする立場にはないという答弁を用意しているかもしれないが、あえてあなたの答えを求めておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/76
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077・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいまの御意見は十分承りましたが、先ほど来申し上げておりますように、陛下は数回にわたって、すでに憲法が制定公布されまして以来、靖国神社あるいは千鳥ケ淵墓苑には御参拝になっておられます。その場合、靖国神社の場合は常に私的行為ということでお参りになっておられまして、今回特に私的行為とかなんとか言うのではございませんので、過去の御参拝はすべて私的行為という形、行為の類型によって御参拝になっておられるわけでございます。その点だけ申し上げさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/77
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078・秦豊
○秦豊君 それから富田次長ですね、私一つつけ加えたいんですが、あしたは靖国に先に行かれて千鳥ケ淵墓苑に回られると、ワンセットですね。私などはあなた方の立場にかなり冷たいまなざしを注ぐ立場ですからね、あなたは反感をお持ちかもしれないけれども、私などのわきまえからいたしますと、靖国だけに天皇が行かれるということは大変シリアスな問題になる、それこそ油に火がつく、これこそ大変な問題で宮内庁の裁量や対応策を超える、これは大変だからまあ千鳥ケ淵にもお参りをすると、こういう一種の緩衝剤としてこのことをお使いになったと私は思うし、そうでないとすれば、あなた方のわきまえの中では、宮内庁としては千鳥ヶ淵墓苑というものばどういうふうに位置づけていらっしゃるんですか、念のために伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/78
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079・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 質問のあるいは御趣旨に沿わないかもしれませんが、いわゆる戦没をされた方々、これにつきましては、陛下はいつも八月十五日の全国戦没者慰霊式典におきまして、そういう方々を追悼するというお気持ちをお述べになっておられるわけでありますが、そうした方々を現実にそれぞれお納めになっておる、そういうところに陛下のそういうお気持ちを、個人的なお立場で、私的なお立場で表現されたいと、こういうものだと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/79
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080・秦豊
○秦豊君 そうしますと、富田次長のお答えを敷衍さしていただくと、無名戦士の墓的な位置づけがなされているわけですか、千鳥ヶ淵に対して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/80
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081・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) この千鳥ケ淵墓苑の性格につきましては、かつて国会でも論議があったようでございますが、私がその論議を詳細に記憶をいたしておりませんので、これはやはり厚生省なり環境庁からその性格をお答えいただくのが適当かと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/81
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082・秦豊
○秦豊君 あとはもう事実関係の確認だけにいたしますが、すべて午後にゆだねますが、富田さんね、さっき野田委員に対して、十一月二十一日になったということは、皇室の特に天皇の日程上の問題であって特段の意味はないとおっしゃいましたのですが、しかし、それにしては戦後三十年というタイトルをあえて標榜していらっしゃるわけです。しかしそれは日本武道館における八・一五式典というもので十分に事足りているというのが世間の通念ではありませんか。なぜことさらに戦後——皆さんの用語で言えば終戦と言うそうだが、終戦三十周年というタイトルを冠せられてなおかつ宮内庁は取り上げ決定をなすったか。いかにもこじつけ然として不自然じゃありませんか。何で十一月二十一日が終戦三十周年と言わねばならないのか、いかにも私は世間的なこじつけという印象が強くて仕方がないんですがね、その辺を伺っておきましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/82
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083・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) この十一月二十一日という日取りは、いま先生もちょっと触れられましたように、全くこれは御日程をずっと整理をいたしまして、いわゆる外交団にお会いになるとかいうようないろんな日程がございますが、そういうことを整理した結果一番この辺が陛下の御日程としては余裕を持ち得るると、こういうことでそういう参拝されるという内定になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/83
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084・秦豊
○秦豊君 それでは、午前中の議事が何時まで予定されているか伺っておりませんけれども、冒頭委員長にお願いしましたように、これ以上やってもこんにゃく問答になりますから、法制局長官と、それから植木総務長官の出席を待って、午後に恐らく同僚議員からも追及があろうと思いますから、私の質問は以後靖国問題については留保したいと思います。これで一応終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/84
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085・矢田部理
○矢田部理君 関連して。
事実関係の確かめのために二、三の点を伺っておきたいと思いますが、その一つは、宮内庁として靖国神社の性格をどのように理解をしているか、また靖国神社の目的はどうなっているのか理解した上での行為かどうか、その点を第一に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/85
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086・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 靖国神社の性格は宗教法人と心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/86
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087・矢田部理
○矢田部理君 神社は宗教でないというごく一部の説があるようですが、そういう前提ではなしに、神道を中心とする宗教団体であるという理解の上に立っておられるわけですね。そのとおりでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/87
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088・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 宗教法人であるという理解の上に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/88
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089・矢田部理
○矢田部理君 二番目の質問で、目的がどうなっておるかお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/89
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090・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) これはちょっと、宗教法人靖国神社のいわゆる定款式のものをただいま手元に持っておりませんので、靖国神社がどういうふうにみずからを規定しておられるか、ちょっとここではお答えいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/90
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091・矢田部理
○矢田部理君 靖国神社の目的にきわめて重要な中身があるわけですよ。そういうことを理解した上で、知った上での決意なのかどうか、行動なのかどうかということをお聞きしておるわけです。それは知っておるんですか、知らないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/91
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092・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) いま委員の仰せられた点がちょっと私には不分明でございますのでここでお答えいたしかねますけれども、これはすでに、先ほど申し上げましたように憲法発布後六回にわたって御参拝になっておられるわけでございまして、宗教法人なるがゆえに私的な御行動ということでお参りをしておられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/92
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093・矢田部理
○矢田部理君 過去の経緯を聞いているんじゃなくて、靖国神社規則というのがあって、そこに明確に目的が出ているわけです。読んで聞かせてもいいと思いますが、そういう目的をあなたは読んだことがありますか。また、それを前提として決められたのかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/93
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094・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 靖国神社が、いわゆる内部の規定でどういうふうに決めておられるか私存じませんけれども、お参りをされるということは、そうした戦没された方々というものにいつも心を痛めておられる陛下のその純粋なお気持ちからお参りになっておられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/94
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095・矢田部理
○矢田部理君 かいつまんで申し上げますけれども、靖国神社規則の三条には、神社の目的として、「国事に殉ぜられた人々を奉斎し、神道の祭祀を行ない、その神徳をひろめ、」と書いてあるんですよ。こういう、目的としてきちっと決まったことを知りもしないで事を決めるということは私は大変問題だと思いますが、これは午後の問題に譲ります。
それからもう一点、この費用はどこから出るのかということを宮内庁、それから警察庁に対しては、先ほど十九日付で文書を受け取ったとありますが、その文書の正確な内容はどうなっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/95
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096・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) これに要する経費は、いわゆるお手元金になっておる内廷費から支出をされるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/96
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097・斉藤隆
○説明員(斉藤隆君) 十一月十九日付で「行幸啓について」という通知文書をいただいております。その内容は、天皇、皇后両陛下は、来る十一月二十一日、靖国神社及び千鳥ケ淵戦没者墓苑に行幸啓になりますという通知文書でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/97
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098・矢田部理
○矢田部理君 いまの文書でわかりましたけれども、私的行為だとは書いてないんですね、それには。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/98
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099・秦豊
○秦豊君 委員長に計らっていただきたいのですが、課長のいま朗読された文書、それから富田次長にお願いしたいのは、靖国神社側の要請を受けてずっとこう一種の稟議段階を経た文書がありますね、これの写しをやはり午後の審議に間に合うように出していただけませんか、ちょっと委員長にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/99
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100・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/100
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101・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/101
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102・野田哲
○野田哲君 いまの問題、引き続いて午後にやることにして、昼の時間に迫っておりますので、簡単な問題でやりたいと思います。
外務省の方へ伺いますが、これは全然別の問題なんです。沖繩が一番集中しているわけですけれども、沖繩以外でも散在をしているのですが、いわゆる国際児童といわれておる、アメリカ人を父親に持ち、日本の女性を母親に持って、国籍がアメリカ国籍あるいはフィリピン国籍、こういう児童が多数沖繩に在住しているわけでありますが、私も資料をもらっているんですが、外務省はその実態、把握をしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/102
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103・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) 私の方で承知しておりますのは主として沖繩関係でございますが、全体で三千人のそういうような児童がいるというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/103
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104・野田哲
○野田哲君 全体で三千人ということですが、アメリカあるいはフィリピンが多いんですが、内訳はわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/104
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105・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) その中の二〇%、六百人のうち、四百人がアメリカ国籍、それから二百人がいわゆるフィリピン国籍というふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/105
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106・野田哲
○野田哲君 いま外務省の方から説明があった沖繩在住の国際児童、この国籍の問題なんですけれども、これらの人たちが引き続いてアメリカの市民権を存続をさしていこうと、今後ずっとアメリカの市民権を持ち続けていこうとする場合には、その資格要件として、アメリカの法律によると十四歳から二十八歳までの間に二カ年間はアメリカ国内に在住をしなければならない、こういう法律があるというふうに聞いておるわけでありますけれども、これは外務省の方で具体的にそういうアメリカの国籍の問題についての法律、承知しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/106
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107・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) 米国の移住国籍法、ございまして、その中でいま先生の言われましたように、米国人と外国人との間に生まれた子供でアメリカの市民権を持っている人は、十四歳から二十八歳の間アメリカに引き続いて居住することが要件になっております、二年間。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/107
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108・野田哲
○野田哲君 フィリピンはどうなっていますか、そういうやはり同様の取り扱いがされるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/108
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109・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) フィリピンにはそういうような国籍法はないというふうに私たちは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/109
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110・野田哲
○野田哲君 そういたしますと、いま言われた六百人のこのアメリカの国籍を持ったいわゆる国際児童、これは実情を調べますと、実際問題としてはアメリカに帰国した父親との音信不通とか、あるいは沖繩からベトナム戦争に出撃をして死亡したとか、こういう形で、二年間アメリカに移住をしてアメリカ国内で生活をするということは、とうてい経済的にも社会的にもでき得ないという状態の者が大多数だ、こういうふうに言われておるわけです。そのまま沖繩に居住をしていった場合には、戦後三十年たって、沖繩が占領された期間、ちょうど三十年になっておるわけですから、もう二十八歳に到達をする年齢の人もいるのじゃないかと思うのです。これから漸次年を経るごとにこの人たちは、アメリカに移住できないという事情の場合には国籍を失っていくということになるのじゃないかと思うんです。そうなるわけですね、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/110
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111・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) ただいま御質問の六百人のうち四百名がアメリカ国籍でございますから、四百人が該当すると思います。その四百人の人たちが、仮にアメリカの国籍法で決められているように、十四歳から二十八歳までの間アメリカへ行けない、かつ二年間住めないということであれば、現在のアメリカの国籍法のもとでは国籍を失うということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/111
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112・野田哲
○野田哲君 そういたしますと、端的に聞きますけれども、これはやはり日本の国内に居住をして、そうして一定の時期が来れば国籍を失うということは、これな日本の政府にとっても大変な問題だろうと思うのです。この国籍を失った場合の扱いというのは、これは法務省の方の所管だろうと思うのだけれども、そういう実情にあることを外務省も知っておられるわけで、当然これは本土にも類例のケースがあると思うのですけれども、沖繩の場合で言えば、長期間アメリカが沖繩を占領しておった、その結果こういう状態が起こっているわけです。これはそのことを是認をしてきた日本の政府としても、やはりこの国籍の取り扱いの問題については非常に重要な責任があると思うのです。該当者は、やはり何といっても戦争なり、占領によって起こってきた犠牲者なんです。いま言われたように、このまま時日が経過をすると、非常に多数の無国籍者が日本の国内にそのまま居住をせざるを得ない、こういう事態が生まれるわけなんですから、その事態を未然に回避をしていくためにも、当然これは日米間の外交交渉によって、アメリカに移り住んで居住できる条件にある者については旅費等の措置をとるなり、あるいは帰化を希望する場合には帰化を認めていく措置をとるなり、日米間の外交交渉によって解決をしなければならない分野が非常に多いと思うのですけれども、こういう点について、外務省としては外交交渉によって解決をしていくという意思をお持ちなのかどうか、この点を伺っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/112
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113・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) この問題は、基本的には、こういう孤児の人たちがどういう状況にあるのが一番幸福であるかどうかという問題であろうと思います。そこで御本人の選択で、たとえば日本の国籍を取得したいということであれば、そういう方策がとれるのかどうかということを検討しなくちゃならないと思います。それから、第二のアメリカの移住の場合でございますが、アメリカに移住する場合、必ずしも国籍を持っていなくても、アメリカに入国ということは可能かと思いますけれども、その前提といたしまして、まず第一に、現在連絡のとれない父親を捜したいということであれば、外務省としてもできる限りそういう父親捜しということについて協力していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/113
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114・野田哲
○野田哲君 まあ、いろいろな方法があると思うんだけれども、要するに日本の政府、外務省としても、無国籍という状態にならないようにこの問題については解決をする、していかなければならないという認識に立っておられるかどうか、その点だけもう一回明確に聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/114
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115・浅尾新一郎
○説明員(浅尾新一郎君) 先ほど申し上げましたように、まず日本の国籍を取り得るかどうかという点、それから第二の方法として、あるいはアメリカへ移住することが可能かどうか、そういう認識に立って可能な範囲でかつ御本人の御希望に沿うような解決の方策を見つけていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/115
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116・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
正午休憩
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午後一時十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/116
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117・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
午前に引き続き、許可、認可等の整理に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/117
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118・野田哲
○野田哲君 午前中の天皇の行為と政府の機能、権限等の問題に関連をして、引き続いて、法制局の長官が見えておりますので、公的行為、私的行為という問題について見解を伺いたいと思うんですが、本年の五月十五日、参議院の法務委員会で三木総理の発言があります。これは法制局の長官も同席をして、隣に座っておられたわけですからよく御承知だと思うんです。このときの三木総理の発言、公的行為か私的行為かという問題について、「稻葉法務大臣が個人の資格と閣僚の資格とを使い分けができるという判断のもとにあの会合に出席をしたわけです。しかし、閣僚という地位の重さから見て、使い分けができない、」、あといろいろありますけれども、そういう発言をされて、そのことが当時の参議院としては確認をされてあの問題が収拾をされた、こういう経緯があるわけです。この発言は当然法制局長官としても承知をしておられる、こういうふうに思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/118
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119・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 私も、その当日の委員会に総理を補佐するために出席をいたしておりましたので、総理がそういう発言をいたしたことは記憶をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/119
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120・野田哲
○野田哲君 そういたしますと、ポイントは、閣僚という地位の重さから見て使い分けができない、個人の資格と閣僚の資格とは使い分けができないと、こういうことを当院法務委員会で発言をされておられるわけですが、それからちょうど三ヵ月たって八月の十五日に三木総理は個人の資格ということで靖国神社に参拝をしているわけです。この行為と、ここの五月十五日に法務委員会で行われた総理の発言とは、一体どういうふうに理解をすればいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/120
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121・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 直接法律問題ではございませんので私が的確にお答えすべき問題であるかどうかわかりませんが、お尋ねでございますので私としての考えを申し上げますが、稻葉問題のときに三木総理が閣僚の重みということを非常に強調いたしまして、閣僚の重みというものを考えれば、あのような会合に出席するということ自体が、あるいは三木内閣が憲法改正についての一つの方向を持っておるというような誤解を与えるおそれがあるということから出たものでございまして、特にあの場合におきましては、その会合において出席者の紹介をいたした。紹介をいたして、法務大臣稻葉修先生ということを指名されて、招待者としてそこで聴衆に対して礼をされたというようなこともありまして、そういうようなことからいって、閣僚という立場の使い分けと、また閣僚であっても一個の私人たる立場を持っておるので、その立場の使い分けについては十分に注意をするようにということを閣議でも総理から各大臣に対して話があったような状況でございます。
先般の三木総理が靖国神社を参拝いたしました事実につきましては、当時いろいろ議論がございまして、自民党総裁としてお参りしてはどうかというような議論もあったように聞いております。しかし、事柄が事柄でございますので、やはり私人としての立場でお参りする方が適当ではないかということを私ども申しまして、最終的には私人としての立場でお参りをしたわけでございます。それで、この場合、私人としての立場ということがどういうことで明らかにされたかと申しまするならば、その前日に官房長官から発表をいたしまして、これはあくまで私人としての立場でお参りをいたしますということで、内閣総理大臣としての資格ではなく、また自由民主党総裁という資格でもなく、あくまで個人としての資格でお参りするということを新聞にもお話しをいたしまして、またちょうどそういうような自民党総裁としてお参りをするということについて議論が起こっていたこともございましたので、新聞にも明らかに私人としてお参りするそうだということがその前日に記事として出ましたような状況でございます。その意味で、私人としてお参りしたということが、これは世上はっきりいたしたものと私どもは考えておりまして、誤解を生ずるおそれは全くなかったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/121
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122・野田哲
○野田哲君 これは吉國さんともあろう者が少し詭弁だと思うんですよ。五月十五日には、閣僚という地位の重みから見て個人の資格と閣僚の資格とを使い分けることはできない、こういうふうに言っておられる。それはあなたも補佐して、恐らくこれはあなたがメモでも書いて総理が隣でもらって読んだんだと思うんです。閣僚という地位の重さから見て個人の資格と閣僚の資格とを使い分けることができないと言う総理が、わずか三カ月の間に靖国神社へ参るという行為、これは個人でございます、総理大臣ではございません、自民党の総裁ではございません、きわめて器用に使い分けをしておるわけです。その責任はあなたに問うわけではありませんが、これは少なくとも五月十五日の発言、使い分けができないということを表明されたこの発言についてはあなたも関与されておるわけですから、この発言と八月十五日の行動とは全く矛盾をしたものじゃないかということを私は主張して、見解を伺いたいわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/122
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123・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 当時、稻葉法務大臣の自主憲法制定国民会議出席の問題について政府側から発表いたしました談話の中でも、たとえそれが個人の資格としても、閣僚の地位の重みからしてその使い分けはそもそも困難であり、閣僚の行動としては慎重を欠いたと言わざるを得ないということを言っておりまして、稻葉法務大臣がその当時出席したことについては、全く世上、特に法務省というものはあたかも憲法を所管しているように通俗的には思われておりますような関係もございまして、法務大臣が出席したということが、非常に何と申しますか、三木内閣が自主憲法制定国民会議に志向している、そっちの方を向いているというような誤解を与えたという意味で、政府の発表におきましても、個人の資格としても、閣僚の地位の重みからしてその使い分けはそもそも困難であるということを反省したわけでございますが、そういうようなことも考えまして、内閣総理大臣の靖国神社参拝については、はっきり私人の資格であるということを前もって世上に明らかにいたしまして、誤解のないような措置をした上でお参りをしたというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/123
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124・野田哲
○野田哲君 これはどうも詭弁としか思えないのですよ。稻葉法務大臣が憲法を変えようという集会へ出る行為については、閣僚という地位の重みから見て私人と閣僚との地位の使い分けはできない、こういうふうに総理が表明をされ、法務大臣にも厳重に反省を求めたということになっているわけです。そういう発言をされた三木総理自身が、総理大臣という、これはもっと重い、稻葉法務大臣よりもっと重い地位の人が靖国神社に行くことについては使い分けができるというのは、これはどういう理由なんですか、ここを聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/124
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125・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 稻葉法務大臣の自主憲法制定国民会議への出席に際しましては、何らそういうような措置を講じませんで、稻葉法務大臣がそこの招待を受けて、当日、車はいろいろ配慮したそうでございますけれども出席をいたしまして、そこで、先ほど申し上げましたように、法務大臣稻葉修先生ということで紹介をされて、会場内の聴衆に一礼をしたというようなことで、あたかも法務大臣として出席したというふうに当時の参会者が誤解をする可能性が十分に強かったということが一番の論点であろうと思います。この場合でも、もちろんいろいろ議論はございますが、閣僚であっても全く私人の立場、個人の立場として出席できるようにいろんな措置をとるということが可能であったかと思いますが、事が自主憲法制定国民会議というような、これはきわめて重大な問題でございます。憲法改正についていろいろ議論がある際に、自主憲法制定国民会議という団体の会合に出席をするということは、これはきわめて重大な影響を来すということで、その閣僚の地位の重みがその場合には非常に大きく作用したのだろうと思います。
それに対しまして今回の、今回のと申しますか、八月の三木内閣総理大臣の靖国神社参拝、これはあくまで三木武夫個人の参拝でございまして、従来とも靖国神社に内閣総理大臣が参拝する場合は私人の資格でお参りをしておるということは、これはもう戦後何回か内閣総理大臣たる地位にある人がお参りをしたという例はございますが、その場合にも必ず私人の立場でお参りをしておりますということを国会の場でも申し上げ、それから新聞等にも発表いたしておるような前例もございますので、内閣総理大臣の地位にはあるけれども、それは私人の立場でお参りするものであるということを世上明らかにして、誤解のないような措置をとった上でお参りをしたものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/125
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126・秦豊
○秦豊君 関連。
法制局長官は、私たちの立場とかなり違っていて、法律専門家として一語一語のたとえば定義づけとかカテゴリーについては厳密そのものでなければならぬ職責でしょう、あなた、そうでしょう。ところがあなたの論理の組み立て方に無理があるわけです。法律的ではない、はなはだ政治的な答弁だ、それは。法制局長官の職能を逸脱しておる。たとえばあなた、かの西尾末廣氏以来、固有名詞を出して悪いけれども、書記長個人とか個人としての西尾末廣、こういう使い分けがいかにむなしかったか、非現実であったか、これはもう戦後政治史に残っているでしょう。あなたがいま同僚議員に答えているその論理の構成、これもはなはだもって苦しい。そうして、あなたがさっきから盛んに言われていることは、関連だから一点だけにとどめますけれども、この稻葉さんには閣僚としての地位の重み。ならば比較考量の常識からして一国の宰相としての地位の重みは稻葉法務大臣をはるかに超えるものじゃありませんか、そうでしょう。それが一つ。
それから、われわれが午前中から繰り返し巻き返し、あすに追った天皇の靖国神社参拝は、自主憲法制定はおろか表敬法案などについて並み並みならぬシリアスな動きがあるときに、その反対の世論を逆なでするような無神経なやり方についてはぜひとも取りやめてもらいたい、再考慮をしてもらいたいという見地からぼくらは述べているわけです。この方がぼくは常識論だと思う。だから、稻葉さんに比べて三木さんは総理、宰相としての地位の重みは格段に重いし、また象徴天皇としては当然ですよ、あなた方はこれを私的行為という言葉を弄して逃げ切ろうとしているけれども、しかし、その私的行為という考え方と公的行為というものの境界は必ずしも分明でないということは、これまでのあなた国会答弁であるじゃないですか。たとえばあなた方法制局の解釈によると、天皇の地位というのは三分説あるとるる繰り返している、戦後の国会で。つまり、天皇は国家機関としての地位を持つ、国事行為を行う身分である、こういうのが一つあるでしょう。これはどなたも否定されない。それから、天皇は自然人という当然行為を行うけれども、それは象徴としての地位からくる行為、いわゆる公的行為がある。もう一つは純粋な私的行為に分けられる。一応あなた方の解釈はそうなっている。ところがちゃんと条件がついていて、公的行為は天皇の自然人としての行為の一部であるけれども、象徴天皇の地位からいってそのステータスや地位に反するものであってはならないということもあなた方の見解にあるわけです。そうであるとすれば、あすの靖国参拝なんということは、自然人裕仁氏の地位の重みからすると、はなはだこのことが巻き起こす政治的な効果というか、社会的な影響というか、はかり知れないものがあるというのが私どもの考え方なんですよ。だからあなたの答弁は、野田委員に対する答弁を聞いていても、しょせんは法律的な厳密さを欠くものである、はなはだもってあいまいであると言わざるを得ないが、重ねてこの点についてあなたの答弁を求めたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/126
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127・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 冒頭に、答弁を申し上げます前に申し上げましたように、事柄が非常に法律的でない問題でございますので、もっぱら法律を所管いたしております私といたしまして的確なお答えが申し上げられるかどうかということをお断りしたつもりでございますが、その意味で、政治的な答弁をしているつもりはございませんが、社会通念を踏まえての答弁、しかも事柄が法律問題ではございませんので、法律的な分析、解明をした上での答弁にならないことはやむを得ないと思います。その点はお許しをいただきたいと思います。
先ほど来私が申しておりますことは、稻葉法務大臣が自主憲法制定国民会議に出席をいたしました際に政府側が申しましたように、閣僚の地位の重みからして個人の資格と閣僚の資格の使い分けはそもそも困難である、したがって、閣僚の行動としては慎重を欠いたというのが当時の政府側の公的な見解でございます。困難ではございまするけれども、場合によっては使い分けはできる場合もあり得ると存じます。自主憲法制定国民会議の出席等についてはそのような使い分けをすることは非常に困難であると、当時内閣側では考えておったわけでございますが、靖国神社にただ表敬するということ、お参りするということそれ自体については、従来とも先例がございまして、天皇陛下も戦後何回かお参りをしておられる、また内閣総理大臣の地位にあった人も何回か私人としての立場でお参りをしているということは国会の場でも明らかにしておるような状況でございますので、内閣総理大臣が、あらかじめ私人としての立場でお参りをいたしますということを世間に発表いたしましてお参りをすることについては、差し支えはないのではないかということが八月当時の私どもの考え方でございます。
また、天皇としての行為に三種類があるといま秦委員が仰せられましたのはそのとおりで、政府側の答弁もいたしておりますが、もちろんその公的な行為と私的な行為との差別というものは、おのずからそこに公的な色彩が強くあらわれるか、あるいはそういう色彩はほとんどなくて、と申しますか、全くなくて、純然たる私的なものにとどまるかという、濃淡の差がずっと来ているようなもので截然と私的な行為と公的な行為が分かれるものではないという御指摘はそのとおりだろうと思います。何と申しましても、天皇は自然人であられると同時に、これは憲法第一条において日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴たる地位を持っておられます。したがって、自然人として行動をされましても、生物学を御研究になっておられる場合にはその象徴たる地位はほとんどそこに投影されない全くの私的の行為と考えられる。また那須の御用邸において植物の採集をなさるという場合には同じようなことになると思います。ところが、つい先般アメリカ合衆国を御訪問になったという場合には、これはもう象徴として行動されることは内外ひとしく疑いないところでございまして、こういうものは明らかに公的行為であるということになると思います。
そこで靖国神社にお参りになる行為はどうであるかということになれば、これは私人としてお参りになる。天皇もそれは信教の自由はお持ちになっておりますわけでございまして、皇居内においても一定の宗教的行為をなさることもございますが、靖国神社にお参りになる場合も、私的な行動として御参拝になるということをあらかじめ明らかにいたしておきまして、天皇の私人としての行為、したがって私的な行為であるというふうに私どもは観念をいたしておる、そういう理論構成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/127
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128・秦豊
○秦豊君 吉國長官にもう一つだけ伺いまして、総務長官も見えたからおのずから質疑の領域は広がりますけれども、一つだけ確認をしておきたいのですけれども、あなたがさっきから繰り返していらっしゃる論理——論理なのかどうか、一種のレトリックというか、そういうものは、あなた方の用語法ではどうか知りませんが、われわれはあなた方の言い方を、たとえば事実としての慣習または事実としての慣例というところにもたれかかって、本来あるべき法律上の解釈を非常にルーズにしておるというふうに私は言わざるを得ない。それはしたがって、歴代の法制局長官がしばしば憲法解釈というものを、特に第九条その他において拡大解釈した、あの轍を踏むものでしかないということをあなたに申し上げておかなければならぬと思う。恐らく、これからぼくたちが同僚議員とあなたや総務長官に、公的行為と私的行為の限界やいかにと言ったら、いま私の質問に対してはなるほど分明ではありません、定かではありません。その限りにおいては素直だけれども、あくまであなた方が逃げ込むのは、法律解釈としての厳密さよりは事実としての慣例にもたれかかろうとする。だから、それをぼくは政治的なありようだと、こう言っておるんです。そうでしょう。そうはお思いになりませんか。
それからもう一つだけ。あなたは、何かぼくの聞き違いかもしれませんが、稻葉法務大臣の場合には、閣僚としての地位の重みと、それから個人としての使い分けがどうも十分でなかった、事前の措置が。ところが、三木総理の場合には、世上の誤解を解くような措置をとったと、たしか私の聞き間違いでなかったらそう聞いたんだが、私は寡聞にして、南平台の一私人三木武夫氏が靖国に行ったということは聞いていますけれども、事前に、われわれ並びに、世間とあなたが言われたが、の誤解を解くための措置としてどんなことをおやりになったのか聞いていませんよ、寡聞にして。どういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/128
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129・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) まず第一の、天皇の公的な行為と私的な行為との差別というものについては、先ほど申し上げましたように、そこの公的な色彩の濃淡によって分ける、あるいは、濃淡と申しますか有無によって分けるということであって、画然たる一線を引くことは非常に困難であるということは秦委員のおっしゃるとおりであろうと思います。
それから第二の、三木総理が靖国神社に参拝をいたしますときに、世上の誤解を招くことのないように措置をいたしましたと申し上げましたのは、その前日であったと私は記憶をいたしておりますが、新聞に発表いたしまして、靖国神社に個人としてお参りをすると、私人としてお参りをするということでその旨が新聞にも報道をせられたということでございます。それはその当時、さっきも申し上げましたように自由民主党総裁としてお参りをするという案が一時伝えられておりまして、それについていろいろ、まあ国会内では御議論はなかったと思いますが一般的に御議論がございました。内閣に対していろんな申し入れもございましたけれども、そこの中で、あるところでは、私人としてお参りをするならともかく、総裁の資格で行くのはどうだというようなことも御議論になったように記憶をいたしておりますが、そういうこともございまして、新聞で総裁としての参拝はどうだこうだという議論があったせいもございましょうが、全くの私人としての参拝をするということを新聞に——これは官房長官が発表をいたしましたところがそのまま新聞記事として掲載をされたという事実を申したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/129
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130・矢田部理
○矢田部理君 関連。
私は稻葉法相問題のときに追及した一人でありますけれども、そのときの三木総理大臣の答弁は、公私の別はそもそも使い分けが困難だ。そもそもという言葉を使っておられたことを記憶しております。ところがあなたのいまのお話を聞きますと、事前に発表しさえすれば公私の別の区別は可能なんだ、困難じゃないのだということで、事前発表論に非常にウエートを置いておるように思われますが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/130
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131・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 先般の稻葉法務大臣の問題のような自主憲法制定国民会議に出席をするというようなときに、事前発表をすればよろしいというようなことを私言ったつもりではございません。八月の内閣総理大臣たる三木武夫氏が靖国神社に参拝をいたしましたときには、あらかじめ私人としてお参りをするのだということを発表をいたしまして、内閣総理大臣がお参りをしたというような誤解がないようにいたしたということを申したつもりでございまして、稲葉問題のときの政府の公式見解といたしましても、その使い分けが非常に困難であるということは、私もいまでも非常にむずかしいと思っております。ただ、むずかしいことであっても使い分けができるような事態というものは想定される。この八月の靖国神社参拝については、事前にそういうことを明らかにしたことによって私人としてお参りしたのだということは、一般には理解されたのじゃないかというのが私の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/131
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132・矢田部理
○矢田部理君 あなたの言っているのは、いまの説明を聞いても全く納得ができないですね。そもそも困難だと説明をしてきた政府、これは稻葉さんが改憲集会に出席したかどうかに関連して出てきたのですが、一般原則を明らかにしたはずでしょう。ところが今度は、そもそも困難なやつが事前に発表すれば使い分けが可能なんだという説明。同じ説明をいましたんじゃありませんか。これは政府の重要な態度変更ですよ。明らかに矛盾ですよ。もう一回回答していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/132
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133・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 稻葉法務大臣が自主憲法制定国民会議に出席をいたしまして、それが三木内閣があたかも自主憲法制定を志向しているのではないかというような問題から、当時いろいろ国会内部でも議論が盛んになったわけでございます。そこで、政府といたしましては、たとえそれが個人の資格としても、閣僚の地位の重みからしてその使い分けはそもそも困難であり、閣僚の行動としては慎重を欠いたと言わざるを得ないということを申し上げて、稻葉法務大臣のその会議への出席を反省をいたしまして、それで国会の各党にお話をいたしまして、いろいろ紆余曲折の末やっと決着がついたというようなことがございます。その使い分けは困難であって、その困難なのをあえていたしたために自主憲法制定国民会議の出席というものが、三木内閣の憲法に対する姿勢を疑わせるに至ったということについての閣僚の行動としての責任を国会でも問題にされたわけでございまするし、政府においてもその点を反省をいたしたわけでございます。これに対しまして、内閣総理大臣の地位にはございますが、三木武夫氏が八月に靖国神社に参拝をいたしましたときには、あらかじめ私人としてお参りをいたしますと、自由民主党総裁としてではなしに、また内閣総理大臣としてでもなしに、自由民主党の総裁でもなし内閣総理大臣でもなしということを明らかにいたしまして、私人としてお参りをする。私人としてお参りをすることは、これはまあ比叡山にお参りをいたしましても天主公教会にお参りをしても、これは私人としては自由であろうと思います。ただ、内閣総理大臣として公的な地位においてお参りをするということになりますと、これは憲法二十条の問題が起こってまいりますので、そういうむずかしい問題について誤解を生じないようにということで、あくまで私人の立場ということを従来とも政府は明らかにして、そういう問題についての解明をいたしておるというのが考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/133
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134・野田哲
○野田哲君 これは、いまの吉國長官の言葉を私なりにかいつまんで言えば、稻葉さんは世間には何にも言わずに法務大臣として紹介されたから、こういうことは使い分けできないのであれは問題になったのだ、だから、どこへ行こうと何しようと、きょうは私人だ、きょうは公人だということを世間にあらかじめ言っておけば、幾らでも使い分けできるんだ、こういうふうに新説を吉國長官は述べられたというふうに私は理解しておりますが、これはそうなってくると五月十五日までさかのぼりますよ。だからそれはそれなりに私は聞いておきますがね。
そこで、具体的に天皇の行為が公的か私的かということについて宮内庁の方に聞きたいんですけれども、天皇の日常の行動について計画を立てられる場合に、この行動、行為は公的行為であるか私的行為であるかというのを判断をして決められるのはだれが決められるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/134
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135・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) ちょっとよろしゅうございましょうか、その前に。
私が申し上げましたのは、あらかじめ私人としての行動であるとか、あるいは閣僚としての行動ではないとかいうことを言いさえずれば、すべてその使い分けが可能になるというようなことは申した覚えはございません。八月の三木総理の靖国神社参拝の場合には、その旨を明らかにすることによって私人としての行為であるということが明らかになると私どもは考えたということでございます。たとえば、どの大臣でも構いませんが、たとえば運輸大臣がこれは全く私人としての立場だということであっても運輸関係の団体の会合に出席することは、これはもうその会合に出席した人が見れば、みんな運輸業界について常日ごろ関心を持って行政の任に当たっておる運輸大臣が来てくれたと思うことは、これは当然でございましょうから、私人として出席をするということは、なかなか、これこそその閣僚の地位の重みからして使い分けは困難であろうと思いますが、これは私どもの考えでございますが、靖国神社にお参りをするということについては、内閣総理大臣の重みがそこに作用して、たとえあらかじめ私人である、私人としての資格であるということを明らかにした上であっても、誤解を生ずるというようなことにはならないというのが私どもの判断であるということを申し上げたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/135
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136・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 公的行為、私的行為につきまして、先ほど法制局長官から政府の見解について申し述べたわけでございますが、したがいまして、濃淡いろいろあるというようなお話でもございましたが、これにはいろいろ前例と申しますか、国会の開会式に御臨席になるとか、あるいは須崎においでになるとかというようないろいろな前例の中で、一応の公的、私的ということはおおむね区分けをされておるわけでございまして、それを尊重し、その行為の形態を十分考えまして、その意味では私どもとしては厳密に公的、私的の分類、判断をいたしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/136
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137・野田哲
○野田哲君 そういたしますと、前例を基礎にして公的、私的という区分けをするということですが、必ずしも天皇の行為について、日常の行幸日程等について、あるいは行かれる目的等については前例にあるものだけではないと思うのですよ。前例にないような会合、集会等に行かれることもあると思うんです。これは世間、社会情勢、経済情勢が非常に流動しておるわけですから、必ずしも前例ばかりを基準にするということにはならないと思うんです。そういう場合にも宮内庁で判断をされるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/137
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138・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 前例と申しましても、たとえば政府の機関から、こういう記念式典がある、あるいは工業所有権の九十周年を迎えるのでこういう式典をやるが臨席をいただけないかというような内容につきましては、それぞれ変わったものが出てまいるのは当然でございますが、その性格等につきましては一応の共通したものがあり、その前例がいろいろございますので、そういうものを参考にして、さらにその具体的な当面しておる問題をいろいろ判断した上で決定をする、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/138
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139・野田哲
○野田哲君 総務長官お見えになったんですが、午前中の議論は聞いておられないわけですから、かいつまんで言いますと、明日、天皇、皇后両陛下が靖国神社と千鳥ケ淵戦没者墓苑ですか、そこへ行幸啓になる、こういうことについて議論をしてきておるわけです。午前中の宮内庁の答弁の中で、このことについては総務長官にも連絡をしてある、こういうことであったわけですが、もちろん総務長官としては承知をしておられるということを確認をしていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/139
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140・植木光教
○国務大臣(植木光教君) 公的御行為あるいは私的御行為につきましては、その都度私のところに宮内庁から連絡がございます。したがいまして、明日の靖国神社及び千鳥ケ淵公園の行幸啓につきましては連絡をいただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/140
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141・野田哲
○野田哲君 総務長官は、明日の靖国神社への参拝については私的行為として行われることであり、妥当な行為だと、こういうふうに考えていますか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/141
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142・植木光教
○国務大臣(植木光教君) たしか十日くらい前であったと存じますが、宮内庁の富田次長から電話によりまして内々の連絡がございました。その際に、私はこの行為が公的な行為であるか、私的な行為であるかという確認をいたしました。宮内庁としては私的行為であるという旨のお話がございました。さらに今月の十八日に次長の来訪を受けまして、その際、十九日に正式の文書をもって行幸啓の連絡をいたしたい旨のお話がございました。その際にも、これは私的行為であるということの確認を受けたのでございます。十九日に正式の文書が宮内庁長官名をもちまして総理府総務長官にあてて参りました。これは行幸啓についての通知でございます。私的行為としてすでに終戦二十周年の際に靖国神社に御参拝になりました例もございますので、したがいまして、三十周年を記念して御参拝になるということにつきましては、同じ私的行為として妥当なものとして承知をいたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/142
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143・野田哲
○野田哲君 総務長官は私的な行為として妥当な行為として了解をしておられたとしても、あなたは宮内庁の長官や次長と違って国会へ長い間籍を持っておられるわけですから、靖国神社の存在というのが、今日これを国家管理の神社にしていこうという運動が非常に長く存在をしておる、また、それに反対をする国民運動もある、国会の中でも数度にわたってこの法案が提案をされて大きな論争になり、政治問題になっている。こういうことを承知しながら今回の行為、私的行為であれば妥当なものとして了解をされているようないまお話があったわけですけれども、あなたが私的行為としてどう考えられようとも、結果的には天皇を靖国神社をめぐる政争の渦中に引き込む、あるいは天皇を政治的に利用しようとする勢力によって、これがどうあろうともこの行為が利用されるというふうに判断はされなかったわけですか、いかがですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/143
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144・植木光教
○国務大臣(植木光教君) 先ほど来申し上げておりますように、天皇の私的行為でございます。この私的行為についての定義と申しますか、性格につきましては、先ほど法制局長官からお答えがあったのを私も聞いておりまして、同様の理解をいたしております。
そこで、靖国神社への御参拝でございますが、確かに野田委員おっしゃいますように、靖国神社法案をめぐりましていろいろな問題が今日まで続いているということは、もちろん十分承知をいたしております。しかしながら、天皇が私的行為として御自身の御意思をもって靖国神社に御参拝になるのでございますから、したがって、その御意思はやはり私的なものとして妥当なものというふうに理解してまいるというのが私の立場でございまして、いまお話がございましたような、いわゆる政争の渦中に巻き込むとか、あるいは政治的に利用をするというようなことが、この御行為をもってあっては絶対にならないというふうに考えます。しかし、いま申し上げましたように、私的な御行為として個人の御意思で御参拝になるのでございますから、私の立場といたしましては、この御通知を、あるいは連絡を妥当なものとして承ったと、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/144
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145・野田哲
○野田哲君 いま植木長官はそういうふうに言われますけれども、八月十五日に三木総理が靖国神社へ参拝した。これはいま吉國長官も私的行為だということで強弁されておりますけれども、いかに私的行為だと言っても、あの当時のやはり国民の受けとめ方というか、靖国神社の国家護持を推進しようとする団体は、あの三木総理がいかに私人だと言ったって、総理が靖国神社へ参拝してくれたということをもって靖国神社国家護持の運動は一歩前進をするというふうに団体の機関紙などで評価をしておるんですよ、評価を。恐らく明日の天皇の靖国神社参拝についても、そういう形で取り扱う団体が絶対にないとは保証できないでしょう。これは保証できない。だとするならば、あなた方がどういうふうに理解をされようとも、明らかにこれは政治的に利用されたということになるではないですか。そういう懸念は一切持っていないんですか、政府の方では。どうですか長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/145
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146・植木光教
○国務大臣(植木光教君) 三木総理が個人として靖国神社に参拝をせられますことにつきましては、ちょうど稻葉法務大臣の発言問題の後でございましたので、慎重に対処すべきであるということで、私ども政府の統一見解を発表し、それに基づいて三木武夫個人の参拝となったのでございまして、これがどのように、だれによって評価されたかということにつきましては、私は遺憾ながら承知いたしておりません。そして、いまの問題について申せますことは、先ほど申し上げましたように、天皇の私的行為としての御参拝が政争の渦中に巻き込まれる行為となったり、あるいは政治的な利用が行われるというようなことでありましたならば、これはきわめて遺憾なことでございまして、その点については天皇の御参拝になります御意思にも沿わないことになるのではないかというふうに私は考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/146
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147・秦豊
○秦豊君 植木長官のタイムリミットがあるようですから、まずあなたに集中したいと思いますが、長官は職掌柄、いわゆる一万人アンケートというのは御存じですね、靖国神社問題に関する世論調査、電通リサーチ担当。ところが、この調査自体を提起した新情報センター、あるいは日本宗教放送協会というのが、はなはだもって政府・与党に身近な存在であることも周知の事実なんです。で、世論調査などの専門家によりますと、あの靖国問題についてのアンケート自体が大変誘導的で生臭くて露骨だというのは定評として定着しているんです、評価されているんですよ、マイナス評価を。ところがそういう団体は、靖国神社の国家護持に近い、たとえば天皇が公式に靖国神社に参拝なさることについてあなたはどう思いますか、というふうな設問に対して圧倒的多数が支持したと、こういう非常にゆがんだ調査をやってそれを存分に、政治的に利用するということを、もう自民党のほとんど外郭団体に近いような団体が全国的な規模で展開をしている、こういうことは御存じですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/147
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148・植木光教
○国務大臣(植木光教君) ただいま御指摘のありましたような世論調査が行われましたことは、どこでございましたか、新聞で初めは知りまして、その後、調査が終わりました段階であったと思いますけれども、私もその調査結果について拝見をする機会を得ました。したがいまして、私も承知いたしておりますが、その内容が、質問事項が誘導的であるかどうか、あるいは結果がどうであったかということは、いま詳細に頭には残っておりませんので何とも申し上げられないということをお許しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/148
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149・秦豊
○秦豊君 それからもう一つ、本年の二月に、いわゆる自民党の藤尾私案——藤尾議員から、靖国神社法案についてはいささかあきらめざるを得ないが、表敬法案という靖国を換骨奪胎した私案が取りまとめられて、かなり自民党内の意見を聞いたということも御存じですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/149
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150・植木光教
○国務大臣(植木光教君) 藤尾内閣委員長が表敬法案を準備しておられる、あるいはその表敬法案について各種の団体、特に宗教団体等に対しまして理解を得べくいろいろ努力をしておられるということは私も伺っておったところでございます。ただ、この法案そのものにつきましては私はまだ拝見をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/150
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151・秦豊
○秦豊君 まさに私が冒頭申し上げました一万人アンケートは、この藤尾議員が非常に積極的に動かれて実現をし、援助をしたアンケートなんですよ。藤尾私案というのは、あなたは御存じないらしいけれども、それは多少うかつじゃありませんか。内容の一番大きなポイントは、天皇または国家機関員等の靖国神社に対する公式参拝を実現すると、つまり、それを言いかえれば目的にしている私案なんです、これは。ところが、すでに同僚が指摘しましたように、八月には南平台の一市民三木武夫という一国の総理、宰相が靖国に参拝をした。明日、またそれに追い打ちをかけるかのように、もっと既成事実を拡大するかのように天皇、皇后両陛下が参拝をされる。すべてこれは私的行為である、何ら法的には抵触しないと。しかし、植木総務長官にも吉國法制局長官にも富田次長にも、あなた方三人の方に申し上げたいのは、あなた方は宣言さえすればいい、独断を振り回せばいい、一つ一つこうして既成事実が積み重なっていくんですよ。もうかたずをのむというか、表敬法案でじりじりしびれを切らしている全国の遺族会の皆さんには、中間的には表敬法案だがやがて必ず国家護持に持っていくというふうな甘い言葉を流す。一つ一つが、アンケート、総理の靖国参拝、天皇の参拝、これは全部布石なんですよ。全然脈絡なく、アトランダムに、気ままに、勝手気随にやっているのじゃないんです。すべて一定のレールのもとに行われているんです。それをあなた方は追及されると、何ら法的な抵触はありません、私的行為ですと。一つ一つあなた方は事実という慣例を新しく積み重ねていくんです。非常にこれは危険な路線だ、方向だということは私ははっきり申し上げておかなければならない。
それで、吉國長官に重ねてだめ押しをいたしますが、政府の天皇の地位についての三分説によると、確かに公的行為については内閣が責任を持たねばならないし、また象徴天皇の地位からいって、その地位にふさわしいものでなければならないという歯どめが一応解釈としてはかけられている。それから最後に、公的行為については、象徴というものを規定する日本国憲法の趣旨というものからして理論的な限界があるというのが政府側のいままでの統一見解であり、事実私に対する答弁の中でも、色の濃淡とか、あるいは境界線は定かではないと、その部分についてだけはあなた素直にお認めになったから、それは私的行為についても象徴としてのありようから逸脱してはならないという解釈と理解してもよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/151
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152・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) わが国の憲法では、天皇の地位を規定をいたしまして、第一条で日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であるという、象徴としての地位を規定いたしますと同時に、天皇は、主として第七条でございますが、そのほかにも第三条、第五条、第六条等であらわれておりますように、国事行為というものを行われる国家機関としての地位を持っておられます。このことについては、一昨年の国会でもいろいろ議論がございましたけれども、およそ天皇は、憲法第四条第一項で言っておりますように国政に関する権能を有せられないわけでございますので、およそ天皇の行動があらゆる行動を通じて国政に対して影響を及ぼすようなことがあってはならないということは当然でございます。国事行為につきましては、すべて内閣の助言と承認によって、内閣が実質的に意思を決定するということによってその点は守られておりますが、いわゆる公的行為あるいは学者の準国事行為と申しますものにつきましては、そのような憲法上の規定はございませんけれども、当然、皇室に関する国家事務として補佐をいたします第一次的には宮内庁、第二次的には宮内庁を包摂をいたします総理府、内閣総理大臣の機関としての総理府、それから最終的には国政全般に対して責任を負っておりますところの内閣が天皇の公的行為についていささかも国政に影響を及ぼすようなことがあってはならないということについて十分に慎重な配慮をいたしておるということでございます。で、私的行為については、事実上国政に影響を及ぼすようなことが考えられないのではございますが、もちろん、私的な行為を通じてでも国政に影響を及ぼすようなことがあってはならないということは当然のことであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/152
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153・秦豊
○秦豊君 その答弁では全く納得しろと言う方が無理なんです、あなた。いいですか、あなた政治的な影響云々と言われますけれども、五たび廃案になった靖国法案、それをすりかえようとする表敬法案、これからまた新しい政治の争点に多分になり得る法案なんですよ。動きなんですよ。天皇の私的行為が政治に何ら影響を与えないなんということはいまあり得ないんです。あなたがどうしても私的行為だと言い張るならば、天皇の公的行為の中に、あなた方がたしか列挙された中には、たとえば認証官の任命式から始まってずらずらっと並んで、日本武道館の戦没者追悼式への出席がありますね。ではなぜ戦没者追悼式への御出席が公的行為で、あすの靖国神社参拝が私的行為というふうに明らかに境界を截然と分けられるんですか。どうしてそういう論理ができるんですか。どうなんですか、無理じゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/153
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154・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 毎年八月十五日に日本武道館において行います戦没者追悼式、これは国が主催をいたしまして、去る大戦において国のために殉じた戦没者の霊を慰めるということで追悼の式を行うわけでございますが、その追悼の式の一つのプロセスの中に天皇陛下のお言葉をいただくことになっておりまして、もちろんその場合には、天皇は公式の立場において皇后陛下とともに御臨席になって、そこでお言葉をいただくわけでございますので、もちろん、これは公的な色彩がきわめて強く、天皇の公的行為と申して私どもはよろしいと思います。これに対しまして、靖国神社に明日御参拝になります場合の姿と申しますのは、もちろん警戒等においてはその地位からいたしまして当然一般私人とは異なるところがあると思いますが、お参りをされることそれ自体は何ら一般私人と変わるところはなく、靖国神社というものが、もちろん神道の施設ではございまするけれども、そこに従来国のために命を捨てた人が祭られてあるという事実に照らしてだけ天皇はそこに表敬をされるわけでありまして、私人がお参りをするのと実質においては何ら異なるところがない。ただ、警戒等においては、その地位からいたしまして当然一般の私どもがお参りをする場合とは違ってくることは、これはやむを得ないことであろうと思います。ただ、戦没者追悼式の場合においては、国の機関が主催をして行う一つの儀式の中の一段階としてと申しますか、一つの行事として天皇陛下がお言葉をたまうということで公的な色彩がきわめて強い。それに対して、靖国神社に明日お参りになる姿は全くな私的なものであるという区別があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/154
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155・秦豊
○秦豊君 幾らあなたの答弁を繰り返し承りましても、天皇のなさる行為というのは、たとえば靖国参拝であれ日本武道館への戦没者追悼式への出席であれ、行為は全く同じ。あなた方がつけるタイトルが違うだけ、独断的なタイトルが。そういうふうにしてだんだん危険な方向へ突き進もうとしている。この認識を私は変えるわけにいかない。いかないけれども、富田次長にもこの際確認しておきたいことがあるんだが、宮内庁で石橋の間で記者会見があったのはつい先日ですね。あのときに、日本人記者団とは初めての会見であったわけなんだけれども、その中にこんな一節があった。会見の終わりに近いところで、ある記者が、陛下はどんなテレビをごらんになりますかという質問を投げたら、そこのところだけが非常に肩がほぐれていて、そして、これに答えますと影響があるからという意味のことをやや笑いを含んで答えられた。あそこのところだけが人間天皇であると私は思っているんだけれども、あのテレビ番組の視聴態度についてさえ一つ一つの影響をおもんばかりになる陛下が、たとえ私的行為であるといっても、これほど政治の渦中に巻き込まれかねない靖国参拝というふうなことについて、非常にスムーズに、ごく安直に結論をお出しになったとは思えない。むしろ非常に宮内庁側の配慮というものが、かなりこれに優先していたのではないかと私は疑うんだけれども、富田次長いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/155
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156・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 午前中にお答えしたことにも関連をいたしますが、陛下のお気持ちとして、八月十五日にもお述べになっておられるわけでございますが、今日までのいろいろな戦没された方々についていまだに心が痛むと、こういうことを繰り返し申し述べられておられるわけでございます。そのお気持ちを私的なお立場で、表敬と申しますか、参拝をされてそれをあらわしたいと、こういうお気持ちであろうかと私は考えておるわけでございまして、これは特に特段の意図があるというようなことは全くございません。また、先ほど総務長官が答えられましたように、私どもとしても陛下のそういう私的な御行為が政治的な渦中に巻き込まれる、そういうことがあってはならない、この点は厳しく考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/156
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157・秦豊
○秦豊君 あなた方はあくまでやはり公のしもべ、公僕ではなくて、すめらぎのしもべという感じがして仕方がない。しかも、あなた方のやっているそういう行為の一つ一つが、あなた方が一番大事に思っているはずの天皇というものを政治的に非常に渦中にさらす、政争の焦点に立てるということに対する感受性もない。実に恐るべきぼくは鈍感さだと思う、あえて言いたい。
それから、あなたは午前中の事実関係の中で——この問題はきょうで終わるわけではないですから聞いておきたいんだけれども、何か靖国神社側の方から宮内庁に要請があった、それは春ごろだということで、それがしかも恐るべきことに口頭であったそうですな。天皇の日程というのはそういうふうに手軽なものなんですか、いつもそうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/157
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158・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) これは春ごろ、いまお話しのように靖国神社側並びに千鳥ケ淵墓苑のお祭りを主管される厚生省側から、それぞれ時期は異なっておりますけれども、口頭で何とかおいでいただけるだろうかと、こういうお話があったわけでございます。しかし、午前中にも申し述べましたように、日程その他どうしても春の時期には差し繰りがつきませんのでそのまま今日に至ったのが実情でございます。で、常にそういうお成りになる場合正式の書面が来るかどうかという問題でございますが、いわゆる公的行為というようなことで国が主催され、あるいは政府の省が主催され、あるいは小学校創立百年記念というようなことで、それぞれの委員会が主催、関与をされるというようなときには、これは書類が参るのが通常でございますが、必ずしもすべてが書類で参っておるとは限りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/158
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159・秦豊
○秦豊君 まだ若干の時間を残しておりますし、同僚議員から関連質問の要求もありますからあと一つだけ伺いますけれども、さっき私が申し上げたことにあなたはお答えになっていないが、つまりテレビの視聴態度についてさえデリカシーを発揮される陛下が、それにしては実にラフな割り切り方ですねと。それについて、もちろんそれは陛下に聞いてくださいというふうな答えが出るかもしれないが、つまり非常に政治的な思惑が優先をして緻密な配慮を乗り越えていくという一つのケースだと私は思う。で、私たちの立場は、千鳥ケ淵の墓苑については、これは無名戦士の墓的な扱いをというわれわれの党としての考え方を持っているけれども、靖国神社の問題については、それがどのような名前の法案にすりかえられようともあくまで反対を貫くというのが私たちの立場ですから、これはもう世界観の問題だからあなたと議論しても決着のつられるはずもない。しかし最後に、私がやはり宮内庁側に、あるいは総理府総務長官に申し上げたいのは、かかる問題を慣習とか慣例とか、あるいは独断的な法解釈の中に埋没をさして、おくめんもなくまかり通らせようというふうな態度を改めてもらって、とにかくあすの参拝については再考慮をするというふうな柔軟な考え方がなぜ生まれないか。ぜひとも私は、この際、まだ時間もあることだから、宮内庁としても総理府総務長官としても、やはり再考慮をあられたいという要望を私は私の質問の最後にぜひとも申し上げておきたい。また、それについて植木長官と富田次長のお二人からお答えを受けておきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/159
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160・植木光教
○国務大臣(植木光教君) 先ほど野田委員の御質問に対しましてお答えを申し上げましたように、天皇の私的行為として明日参拝になるという通知を受けたのでございます。天皇の自発的な御意思によって御参拝をなされる純然たる私的行為であるということを、二回にわたりまして宮内庁に確認をしているという経過もございますので、したがってこれは妥当なものと考えておりますので、これを変更すべきであるという立場には私はないということを御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/160
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161・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) ただいま総務長官がお答えになりましたと同じ考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/161
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162・矢田部理
○矢田部理君 先ほどから天皇の靖国参拝は私的行為だと説明をされておりますが、どうしても納得できないわけであります。その前提として幾つかの問題点を伺いたいと思うのでありますが、天皇が公式に靖国神社を参拝すれば、まず憲法に抵触するというお考えに立つのかどうか、その点を第一点にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/162
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163・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) これは御承知のように、憲法第二十条第三項に「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」という規定がございますが、この宗教的活動は何であるかということについては学者間にもいろいろ議論があるところでございます。非常に広い説を唱える人もあれば、全く布教活動等のような限定的な解釈をする人もございまするけれども、またその中間において、宗教的な施設、神社であろうと寺院であろうと、そういうものに単に表敬をするということについてはこの宗教的活動にならないという説もございますし、また単に表敬をすることは、ならないという議論、つまり、そこで宗教的な儀式を伴って表敬をする、神道の場合でございまするならば神官が出てきておはらいをして、奏楽をして玉ぐしを奉賛する。また寺院であれば、この場合でも仏教の寺院であれば奏楽がございましょう、読経もございましょう、香をたき、あるいは線香を燃やすということもございましょう。そういうような宗教的儀式を伴わない限りは宗教的活動にならないという議論をする学者もございます。ただ、政府といたしましては、その点については、これはまさに国民感情からして割り切って考えなければならない問題でございますので、従来はあくまで私人としての立場でお参りをするということで貫いておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/163
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164・矢田部理
○矢田部理君 私が伺っているのは、時間がないから端的に答えてください。
天皇が公式行事として靖国神社を参拝すれば憲法二十条の第三項に抵触することになると考えているのか。イエスかノーかだけ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/164
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165・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 先ほど申し上げましたように、第二十条第三項に直ちに違反するというところまでは徹底して考えることはできないと思います。ただ、第二十条第三項の重大な問題になるという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/165
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166・矢田部理
○矢田部理君 したがって、私的行為と強弁をせざるを得ない状況に置かれているわけでありますが、私どもは、先ほどからの説明で、どうしても私的行為と思われない節に幾つかの理由があります。吉國長官の話によれば、事前に公にすれば、世上で明らかにすれば区別ができるんだという議論も第一におかしい。加えて、たとえば宮沢さんの憲法によっても、随行者がだれであるかも重要な問題である、宮内庁長官や侍従長あるいは政府職員がこれに随行するようなやつは私的行為とは言えないんじゃないかという問題点も出されています。さらに、費用の使い方も問題だ。私的行為であるとするならば、純粋に天皇の個人資産から支出をすべきなんです。それを公の費用で賄うということもおかしい等々の点で、どうしても私的行為だという強弁には承服しがたいわけでありますが、もう一つ私が伺いたいのは、私的行為の場合にも、重大な制約、限界が天皇の場合にはあり得るのではないか。これは先ほどから議論が出ました。一つは、象徴天皇制からくる制約でありますし、とりわけ宗教と国家との分離という先ほどの規定から見ても、そこからくる制約もあり得るだろうと思うわけでありますけれども、法制局長官にお尋ねをしたいのは、象徴天皇制という憲法上の地位から見て、非常に政治的な対立点になっている問題あるいは社会的に鋭く対立している課題等について天皇がかかわること、これはどんな場合でも避けねばならぬというふうに私どもは考えているわけです。憲私上保障されているいろんな人権がありますけれども、学問の自由だとか良心の自由だとか、そういう内心的な自由は憲法上天皇も保障されているというふうに考えて差し支えないと思いますが、表現の自由ということになってきた場合、これは一つの限界が出てくる。その限界の一つとして、天皇がまあ趣味のお話をされるとか、あるいはスポーツを見に行かれるとかということは、それ自体は問題になりませんけれども、その表現の自由の中でも、いま私が申し上げたように、重要な政治的な対立点になっているような場所に出かけていく、このことはやっぱり憲法上の制約があるというふうに考えられるわけですが、その点どうお考えになっているか。
それから、重要な政治的対立点になっていることは、先ほど同僚の議員からも明らかにされておりますし、いま問題にされようとしている表敬法案についても、天皇の靖国参拝が軸となって推進が図られているという状況から見ても、そのことはきわめて明らかでありますので、その点についての見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/166
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167・吉國一郎
○政府委員(吉國一郎君) 日本国憲法で基本的人権を保障しておりますのは、国民ということになっておりますが、この国民という中には、基本的人権の規定の性質からいたしまして天皇あるいは皇后その他の皇族も含まれておるということは多数の学説であろうと思いますが、ただ、天皇はもちろん象徴としての地位を持っておられますし、皇后は天皇の配偶であるという地位、またその他の皇族も象徴たる天皇に連なる家族であるという地位を持っておられます関係からいって、基本的人権の享有についておのずからそこに制限があることは、いま矢田部委員の言われるとおりであろうと思います。たとえば、表現の自由あるいは言論の自由についても、そこに当然、天皇に限って申し上げるならば、天皇が日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である地位を持っておられるということ、また憲法第四条の国事に関する行為のみを行って国政に関する権能を有しないという規定の趣旨からいって、天皇の表現なり言論というものについては、当然制約があることはおっしゃるとおりでございます。また、重大な政治的な論争のポイントになっているような事項について、それが是であるか非であるかということを明らかにするような行為をされるべきではないという点もそのとおりであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/167
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168・矢田部理
○矢田部理君 一般論はわかりましたけれども、靖国問題が重要な政治的論争点になっている。一部の勢力は、靖国問題を天皇の靖国神社参拝を軸にして考えておられる、そういう場所に出向いていくことが、いまの一般論から見て、当然おかしい、問題が出るというふうに思いませんか。これは総理府総務長官と宮内庁からお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/168
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169・植木光教
○国務大臣(植木光教君) ただいまの件につきましては、先ほど野田委員にお答えをいたしましたとおりでございまして、靖国神社の国家護持法案あるいはその後表敬法案というような問題が出て、これが一つの政治的問題になっているということは十分私も承知いたしております。しかしながら、今回の御行為は私的御行為でございまして、これを政争の渦中に巻き込むとか、あるいは政治的に利用するということがあっては絶対にならないという立場で、私どもはこの御行為そのものを純粋な私的なものとして見ているのでございまして、したがって、天皇の自発的な御意思というものは尊重すべきであり、また天皇御自身も、政治的な渦中に入られるというようなことは毛頭考えておられない、むしろそういうようなことはきわめて御迷惑であろうと存ずるのでございまして、したがって、先ほど来申し上げておりますように、政治的な利用があってはならないということを明確に申し上げておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/169
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170・富田朝彦
○政府委員(富田朝彦君) 先ほど来私も申し上げておりますように、多くの戦没された方々への陛下の気持ちをあらわされたいというその御意思に基づく私的な行為でございます。そういうことに関連しての諸問題につきましては、ただいま総務長官がお述べになられましたように、そういう政治の渦中に巻き込まれるということは絶対ないという配慮のもとにまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/170
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171・秦豊
○秦豊君 吉國長官も、それから富田次長にも申し上げたいし、総務長官もですけれども、私たちきょう三人の同僚議員と質問をしましたけれども、あなた方が述べられたこの二時間近い答弁は、非常に客観的でない、非常に独断的であるときめつけざるを得ない。したがって何ら説得力を持っていない。非常に法律的でない。ことごとく強弁です。無理です。したがって、わが党の割り当て時間がもうすでに来ておりますので、他の野党の皆さんに失礼だからこれでやめますけれども、たとえばあの安保における事前協議のとめどない拡大解釈とは次元が違うにしても、法制局らしいやり方はまさにこれにも適合する。私たちは、私的行為、公的行為、次々に慣例を新しく積み上げようとするあなた方のありようについては、今後とも追及をやめないことは当然にしても、たとえば答弁書、質問主意書、さまざまな形式を駆使してこの問題の解明に当たらねばならない、こういう気持ちであるということを最後に申し上げて、一応わが党の質問は終わることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/171
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172・峯山昭範
○峯山昭範君 私は、今回の許認可整理法に関連をいたしまして、この許認可の基本的な問題についてきょうは質問をしたいと思っております。きょうは、初めに防衛庁の当局の皆さんに二、三お伺いしたいと思います。
先般から、「防衛を考える会」の事務局が編集をいたしました「わが国の防衛を考える」という本が配布になっておりますが、まずこれは委員の数、何人でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/172
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173・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) 委員の方々は十一名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/173
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174・峯山昭範
○峯山昭範君 これはいつごろから会合を始められまして、いつごろ終わって何回ぐらいやりましたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/174
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175・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) 最初の会合が四月の七日でございまして、六月の二十日が最後でございました。その間六回会合を開いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/175
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176・峯山昭範
○峯山昭範君 これは、その会合は毎回同じ人でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/176
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177・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) その六回の会合を通じまして、全部十一人の方が出られたということではございません。全部の方がそろったのが一回ございました。あとは大体八人ないし九人の方々が御出席になりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/177
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178・峯山昭範
○峯山昭範君 私が言っている趣旨は、その大体十一名の方が、欠席された人はいらっしゃったけれども毎回大体ずっと出席された、中には欠席した人もいらっしゃった、そういうことですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/178
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179・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) いまおっしゃったとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/179
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180・峯山昭範
○峯山昭範君 この委員の皆さんには、これは防衛庁長官が委員になってくださいとか言って口頭で言いに行ったんですか。何か文書かなんか簡単なものがあったんですか、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/180
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181・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) 文書は用いておりませんで、大臣の命を受けまして、私と事務次官がお願いにまいりまして、御意見を拝聴させていただきたいということでお願いに参りました。それで委員の方々の日程を伺いまして、大体御都合のいい日を伺ってまいりまして御案内申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/181
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182・峯山昭範
○峯山昭範君 そうすると、伊藤参事官と官房長とおっしゃいましたか、どなたかと一緒にそれぞれの方の家を回って、それでこういう趣旨を話をされて、この「考える会」の委員になってほしいという依頼をされたわけですな。そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/182
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183・伊藤圭一
○政府委員(伊藤圭一君) いま申し上げましたのは、当時の田代事務次官と私がお願いに参りまして、大臣が皆さん方の御意見を承りたいということをお願いするように言われましたので、この防衛の問題について御意見を拝聴いたしたいというふうにお願いしてまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/183
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184・峯山昭範
○峯山昭範君 大体わかりました。ところがこの答申——これはすごくりっぱなあれができておりますが、これは防衛庁はどうされるつもりですか。りっぱな本になって出ておりますが、防衛庁当局としてはどう処理されるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/184
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185・玉木清司
○政府委員(玉木清司君) ここにいまお示しの冊子は、これは私ども催しました「防衛を考える会」につきまして、新聞その他、大変関心を寄せられる方が多うございましたので、部内では部内用として会議の記録というものを整理いたしましたけれども、外部の御関心にこたえるという意味で呼びかけましたところ、朝雲新聞社の方でこういう形でまとめて要望にこたえたいということがございまして、そういうことで印刷して公刊されたものでございます。したがいまして、相当部分は市販のものでございますし、私どもが買い上げて広報業務に使っておるという部分がございます。先生方のお手元に届けましたのは防衛庁の広報活動ということでお手元にお届けをした、そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/185
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186・峯山昭範
○峯山昭範君 いや私が言うておるのはそういう意味じゃないですよ。
それじゃ官房長、大臣が前書きに書いていらっしゃいますから、このとおり間違いないかどうかということだけ確認をしておきたいと思うんですが、全部読んでおれませんので主なところだけ読みますが、「防衛庁が国民の意見を積極的に聴く努力をしないまま、防衛政策を立案し、実行に移してきたきらいがなかったとはいえない。ちょうど、四次防以降の計画に着手する時期でもあるので、この際、良識ある国民の意見を聴いて、その意思にそう努力をすれば、防衛問題が国民に定着するようになるだろうと、「防衛を考える会」に大きな期待を寄せた。結果は、私が期待した以上だった。参加してくださった委員の方たちの終始変わらない熱心な討議には、私をはじめ防衛庁の幹部のものも深い感銘を受けただけでなく、その内容は極めて有意義だったと思う。提案されたさまざまな意見は、できるだけ今後の防衛政策に反映するつもりであるが、これをきっかけにして、わが国の防衛が国民的課題として、真剣に検討されることを期待している。」、大体こういう趣旨の大臣のあれがございますが、これは現在でも変わりないですな、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/186
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187・玉木清司
○政府委員(玉木清司君) 坂田長官着任以来こういう考え方を持っておりまして、「考える会」を主宰し終わった今日におきまして、これは刊行されるという際にみずから書きました序文でございますので、考え方はここに書いてあるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/187
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188・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは、前提はそれだけにしまして、防衛庁の官房長にまずお伺いしたい。
この「防衛を考える会」というのはどういう法律に基づいた会でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/188
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189・玉木清司
○政府委員(玉木清司君) お尋ねは、恐らく国家行政組織法との関連についてのお尋ねだと思いますが、これは先ほど伊藤参事官から申し上げましたように、坂田大臣が民間の有識者の良識のある方々から、現在防衛問題についてどのようなお考えを持っておるかを個別にそれぞれ御意見をお寄せいただきたい、それらを拝聴の上防衛庁の今後の政策に資したいという考えで始めたものでございまして、いわゆる行政組織法で規定されておりますような機関として考えたものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/189
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190・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは、行政管理当局に大臣……
ただいま大蔵委員会において強行採決をしたなんという情報が入ってきたのですが、非常に遺憾だと私は思います。これは非常に重要な問題でございますし、国民も注目いたしておりますので、本日は私は、この問題については、この問題が解決するまで保留をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/190
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191・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめてください。
〔午後二時四十一分速記中止〕
〔午後二時五十七分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/191
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192・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それでは速記を起こしてください。
暫時休憩いたします。
午後二時五十八分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107614889X00419751120/192
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