1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十二年十一月十五日(火曜日)
午前十時九分開会
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委員の異動
十一月十四日
辞任 補欠選任
穐山 篤君 村田 秀三君
矢田部 理君 松本 英一君
十一月十五日
辞任 補欠選任
藤川 一秋君 下条進一郎君
田中寿美子君 茜ケ久保重光君
松本 英一君 佐藤 三吾君
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出席者は左のとおり。
委員長 嶋崎 均君
理 事
上條 勝久君
細川 護煕君
藤田 進君
塩出 啓典君
中村 利次君
委 員
岩動 道行君
糸山英太郎君
梶木 又三君
下条進一郎君
戸塚 進也君
中西 一郎君
桧垣徳太郎君
藤井 裕久君
宮田 輝君
茜ケ久保重光君
大木 正吾君
佐藤 三吾君
村田 秀三君
鈴木 一弘君
多田 省吾君
佐藤 昭夫君
渡辺 武君
野末 陳平君
国務大臣
大 蔵 大 臣 坊 秀男君
政府委員
大蔵政務次官 斎藤 十朗君
大蔵大臣官房長 佐上 武弘君
大蔵省主計局次
長 山口 光秀君
大蔵省主税局長 大倉 眞隆君
大蔵省理財局長 田中 敬君
大蔵省銀行局長 徳田 博美君
労働省労働基準
局長 桑原 敬一君
事務局側
常任委員会専門
員 杉本 金馬君
説明員
中小企業庁計画
部金融課長 松尾 成美君
中小企業庁計画
部振興課長 深沢 亘君
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本日の会議に付した案件
○一般会計の歳出の財源に充てるための産業投資
特別会計からする繰入金に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
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001・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
委員の異動について報告をいたします。
昨日、穐山篤君、矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として村田秀三君、松本英一君が選任されました。
また、本日、藤川一秋君が委員を辞任され、その補欠として下条進一郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/1
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002・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 一般会計の歳出の財源に充てるための産業投資特別会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/2
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003・大木正吾
○大木正吾君 前回の最後の際に、私の方から関連といたしまして、景気対策等もございますので、銀行法十八条、いわば週休二日制問題について御質問いたしたいと、こういうふうに申し上げておきましたけれども、それにつきまして若干の御質問をいたしたいと、こう考えております。
最初に、大臣に伺いたいんですが、けさの新聞ですと二百四十五円を割るという状態でございまして、もちろん円高問題、景気対策の相殺ということでもありましょうし、実効はほとんど消えてしまったという感じであるし、倒産件数あるいは失業者の数もほとんど減っていないわけでございまして、一年間通じて百万人を超す失業者が続いたということは、日本の経済三十二、三年以来ほとんどないわけでございますから、そういう点に絡んで、現在、きょうこの委員会を通過するでしょう関係法案と絡んで、政府の景気対策あるいは離職者関係の問題、こういうことについて事実を少し申し上げて、大臣の御見解をちょうだいいたしたいんです。
一つは、景気対策の中にこの法案もございますけれども、金利負担の軽減ということが相当なウエートを持っていたわけでございますが、大体企業経営者の場合には、金利負担の軽減をいたします場合には、当然当該企業の収益のマイナス分に充当してしまう、こういう経過が多いと思うんです。ただ、衆参の社労の、特に衆議院の社労の中の質疑応答を拝見いたしますと、一般論的に申し上げて、労働大臣等が四百万前後の不安定雇用者、これに対して一割前後の影響と見て三十七、八万から四十万、こういうふうに申しておるんですが、実際問題これはあくまでも感触という感じなんでありますけれども、その後の状態をずっと見てましても、失業率二%、二・何%、求人倍率〇・五何%、結局変わってないわけですね。ですから、新しい予算の編成につきまして景気刺激型、こういう話もございますけれども、この辺の要するに景気対策自身が余り効果がない、あるいは円高問題、ドルの蓄積の問題等についてほとんど影響が相殺されてしまって、どういうような景気刺激政策を盛り込むか。私どもは、はっきりは存じませんけれども、新しい予算の編成段階では、少し構造的な面で日本の景気のかじの取り方について考え直す必要がある、こう考えているわけでございますけれども、その辺の実情認識と、大臣はこの委員会の冒頭には、あくまでも様子を見ると、タイムラグがあると、こういうふうにおっしゃっておったわけですけれども、その辺と、新しい予算に渡し込む場合の腹構えといいましょうか、そういったことを冒頭に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/3
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004・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) とにかくいまの現状でございますが、いろんな事情もございまして、失業者というものも減っていかないということは、一つの非常なわが国経済としては頭の痛いところであります。そういったようなことにつきまして、これはわれわれといたしましても一番これを重要視いたしまして、それをやっていくためには、これは国内の景気というものを刺激いたしまして、それで着実にひとつ回復をしていくというようなことによって仕事をふやしていく。したがって、勤労者というものも条件がよくなってくるということを期して、それで公共事業とか、あるいはいまおっしゃられました一般金利水準の引き下げということを何回かにわたってやっておるわけでございますが、それならそれがどれだけ効果を出してきておるかということになりますと、これは私は効果がないということはもうないと思うんです、もしそれをやらざりせばということを考えますれば。
これをやるということによりまして相当程度の改善が行われておると私は思いますが、今後も、これからの財政運営あるいは予算の編成というようなことにつきましては、そういったようなことを重視いたしながら、しかも、財政が非常に不健全に走っていくというようなことも、これを警戒、配意いたしながらそれをやっていかなければならないところに当面の一番むずかしい課題があるんだと思いますが、何としてでもその両者を調和のもとに改善をしていきたいと、こういうような方針でもって財政の運営をやっていきたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/4
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005・大木正吾
○大木正吾君 一般論的なお話はなるべく短くいたしますが、端的に申し上げて、福田内閣自身のわりあいに何か時期を失した景気対策、後追いという問題もございまして、今度はどうしても状況判断ははっきりしているわけですから、少し先取り的な形でもって問題の処理をしてもらいたいと思うんです。
ここに一つの、これは新聞発表と労働省の統計との関係もございますけれども、実は、せっかくの政府の景気対策あるいは金利問題の金利軽減という措置にもかかわりませず、実際には、雇用問題との関連でしぼってまいりますと、大体企業経営者、私は企業経営しましても、金利が安くなればどうももうけが減っった分の方に回したい、こういう心理に駆られますわね。
そういうことも事実でしょうけれども、実はもっと深刻な問題は、労働生産性の上昇という面に食われて、そして特にその中における労働時間の、一つのものをつくる単位につきまして労働時間の方のウエートが一二・四%も延びてしまっている、こういう数字がこれは労働省統計の中に出てきているわけですから、ですから、大臣なり総理の意見とは少し逆行してきまして、雇用の方に影響をもたらすと考えていたものが実はそうじゃなくて、企業内の労働者の時間外に食われてしまった、こういう状況が統計的にはっきりしていますね。
ですから、この辺のことについて相当しっかりした歯どめをしておきませんと、なかなかもって金利問題あるいはきょう通るこの法案につきましても、景気対策何遍やってもだめだということになってしまうんで、そういうようなことにつきましては大臣にもう一遍、内需の拡大が問題であると、もっと外国から物を買わなくちゃいけないと、内需の拡大とは何だと、すぐに公共事業とこういくんですけれども、公共事業の比重というものは、大体私がずっと経済審議会等の経験を通した中では、政府計画一七が一二に今度落ち込んで民間がぐっと伸びると、それを繰り返しまして、変わらなかったのは五〇%から五二、三%、五四、五%になっていますけれども、個人消費というものは全然変わってない。大体五〇%前後台なんですね。ですから、そのこととの関係で私たちはやっぱり雇用者の数をふやすことを考えていかないと、構造的な不況対策あるいは金利、円高問題の対処にならない、こう考えておるんですけれども、大臣の所見はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/5
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006・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) そういったような方向にいま日本の経済を持っていくということに何が一番効果があるかということは、これは政府としては非常に考えまして、そうしてその効果が、あるいは何と申しますか、民間の消費を刺激していくということには、これは減税ということが一つある。減税ということも一つの手段方法として考えられますけれども、しかし、それよりもこの公共事業をやることによりまして、この公共事業をやるのにはやっぱりいまは財政の手段でもって公共事業をやっていくということが一番効果が的確であって、そしていまの事態に適合するんではないかというようなことをいろいろ考えまして、それで今度の年初来のいろんな手だてを講じてまいったんでございますけれども、さらに、これに加うるに経済総合対策といったようなものを追加いたしまして、そしてその効果をいま期待をいたしておるところでございますが、いずれにいたしましても、年初来のその政策が相当、いまどうにか効果が徴候があらわれてまいっておるということが数字の上でもあらわれておるのでございますが、さらに、これに対しまして総合経済対策というものを追加いたしておりますので、私どもはそういったようなことでその効果が相当上がってまいりまして、政府が所期いたしておりまする六・七%の成長というものが期待をできるんだというふうに見込みをつけておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/6
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007・大木正吾
○大木正吾君 公共事業、公共事業というお話は、これは何遍も伺っているんでございますけれども、公共事業というものはある意味じゃ民間の活力が返るまでのつなぎということも、現実には、かつての高成長のときにも民間の落ち込んだときには公共事業を少しふくらましてつないだもんですよね。ですから、全然構造的なものじゃないとは私は否定いたしませんけれども、やっぱり緊急避難的な一時的なという面の方が大きいと、こう考えているのですね。問題は、そういったことの議論を立てながら、GNPということは余り私の気持ちからは言いたくないのですが、あえて政府統計で申し上げてみますと、GNP、国民総生産ですね、その中に占める比重では、何だかんだ言ったって五四、五%の個人消費が一番大きいわけでしょう。恐らく公共事業というのはどんなにふくらましても大体二二、三%が限度でしょう。そうなりますと個人消費、そして個人消費というものの中には、何も減税とかあるいは月給上げてくれという話だけじゃないんでございまして、雇用の拡大、要するにいま先進工業国全部悩んでいますけれども、雇用の拡大というものについて国民的なコンセンサスが得られるものがあるんじゃないですか。その辺労働省、労働大臣石田さんも最近の通達を拝見いたしますと、時間外労働の規制の問題とか、幾つか問題の提起をしておられます。私は、その政府の不況対策を食ってしまう企業内の利益の確保、同時に、人を雇わないでおいて時間外労働で食ってしまうという、こういったことを放置しておくことがいいか悪いか、もうちょっときめの細かい話を実は聞きたいと思って申し上げておるわけなんでありまして、そのことに絡んで後々だんだん質問いたしますけれども、個人消費の拡大に占める雇用の拡大については、大臣は前向きにお考えいただけるんでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/7
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008・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) むろん個人消費において占める役割りと申しまするか、効果と申しますか、これはやっぱり実質的の雇用を拡大していくということが非常に大事なことでありますので、そこでいま申し上げました公共事業だ、あるいは金利の引き下げだということも、それに対する一つの適合する手段ということを考えましてこれをやっておるということでございまして、雇用を私どもは現在の日本の経済の中において最も大事なファクターの一つであるということは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/8
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009・大木正吾
○大木正吾君 大臣の前向きな御発言をちょうだいして非常に当を得た御答弁と思って感謝いたしますが、そこで伺いたいのでございますけれども、実は雇用拡大という問題に関連いたしまして、大蔵省自身でも少し手をつけてと言いましょうか、考えていただきたいことがございますので、これは大臣なり銀行局長の方からでも結構でございますからお答えいただきたいのでございます。
現在の銀行法十八条、まあ文面読んでいきますときわめて簡単なものでございますけれども、この銀行法十八条をめぐりまして、最近金融制度調査会の小委員会でございますか、ここで「時期尚早」ということに新聞の見出しはなっていますが、内容的には幾つか前向き的な答申も出ているわけでございます。このことは大臣なり銀行局長御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/9
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010・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、現在銀行法十八条は週休二日制に関連する法文でございますが、これをめぐりまして金融制度調査会で何回か審議が行われているわけでございます。
その金融制度調査会の審議の内容は、一応これは部外には出さないことになっているわけでございますけれども、一応概略を申し上げますと、最初資料といたしまして金融機関の各営業日、特に土曜日等における来客の状況であるとか、あるいは各産業における週休二日制の実施状況、それから諸外国における金融機関の週休二日制の実施状況についての資料を中心に審議が行われました。それから次に、各方面からの参考人に御出席をいただきまして御意見をいただいたわけでございます。その参考人の内訳は、産業界の方が一人、中小企業代表の方が一人、それから消費者代表として、これは主婦連の副会長さんでございますが、お一人。それから労働界の方が三人ということで御意見をいろいろ承ったわけでございます。
そのような資料並びに御意見を承ったことを踏まえまして、また、各委員の問でいろいろ自由討議をしていただいたわけでございますが、その自由討議の中で出ました御意見といたしましては、いま直ちに土曜日閉店にという形によって週休二日制を実施することにつきましては、最近の経済環境であるとか、特に一般産業、中小企業における週休二日制の普及状況であるとか、あるいは土曜日の銀行店舗の利用状況等から見て、必ずしも十分な国民的なコンセンサスはまだできていないんじゃないかというような御意見がございました。それからまた、しかしながら、長期的な方向といたしましては週休二日制の導入ということは一つの方向であるので、銀行の営業日を規制している現在の銀行法十八条は、これは改正すべきである。これは、情勢によってはこれを切り離して改正することも検討してよろしいけれども、現在のような情勢では一応銀行法全体の改正の中で考えていいのではないかというような御意見があったわけでございます。ただしかし、これは委員の自由討議における御発言でございまして、金融制度調査会として一つの意見をまとめたとか、そのような段階ではございません。これは答申という形になっていずれ出てくるものと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/10
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011・大木正吾
○大木正吾君 局長にお願いしておきますけれども、きょうでなくて結構でございますから、ぜひその資料を委員の先生方に。いずれこれはつながる国会にも問題が残りますから御配慮いただきたいことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/11
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012・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 資料ということでございますが、金融制度調査会に提出いたしました週休二日制関係の資料、並びに参考人からいただきました御意見の概要についての資料を提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/12
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013・大木正吾
○大木正吾君 若干関係いたします労働省に関する質問とあわせて伺いたいんですが、私、実は前歴が、もう私が言うまでもない仕事をしておったわけでありますけれども、大分これ大臣年数が長いんですよ。四十七年の十月ということですから五年前なんですね。五年前に労働省に労働者生活ビジョン懇談会というものができまして、そのときの答申が十月の末に出ているわけでございますが、その当時は、実は昨今みたいな円の急激な高まりとか、あるいは外貨の二百億ドルを超すような状態はなかったんですけれども、こういうふうに書いています。
これはまとめですから、私が書いたものじゃなしに、労働省の方で執筆して、委員の方の意見を総合したんですが、ちょっと読みますけど、「最近の国際収支をめぐる内外の動向に照らすとき、わが国の労働条件を国際水準に引き上げていくことは、国民福祉の向上という内的要請に応ずる途であるとともに、」、この後が大事ですよ、「公正な労働条件の確保を通じて国際経済社会と調和したわが国の発展に資することにもなる」と、こう書いてあります。同時に、その答申の内容に入ってまいりますと、もう一つ注目すべきことが出てくるわけでございますけれども、末尾の方でございますが、いま銀行局長申されたとおり、金融業に関してこういう部分がございます。それは、週休二日制を実施した企業の実例調査というものとの関係をずっと羅列いたしまして、そして、「このような観点からみても、すでに世界の主要六十数カ国において土曜閉店制が定着している」——この後が大事なんだ、「金融機関においては」と、こう書いてありますね。
ですから、基準局長お見えでしょうから、最近もお話が出ました金融制度調査会の答申、これは答申といっても意見羅列とこう局長おっしゃったわけですから、そういうこととの関係で、五年前にこういうものがあったということについて大臣が御承知かどうか。同時に、労働省基準局等はこれをどういうふうに、最近の円高、景気対策と絡んで、全然雇用面に影響が出てこないという問題と絡んでどういう指導をされるのかどうなのか。基準局の指導文書もございますけれども、この際明確に、文書の出しっぱなしなのか、これは労働省ですけれども、具体的な効果としてそのことをさらに追っかけていくのかどうなのか、その辺を少し労働省の側から聞きたいし、大臣の方からは、こういったものがあったことについて御承知かどうか、伺いたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/13
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014・桑原敬一
○政府委員(桑原敬一君) 御指摘の、四十七年の十月の労働者生活ビジョン懇談会の中間報告で御指摘なされましたこと、そのとおりでございます。
私どもは、この基本的考え方はいまも変わっておりません。ただ、当時は御承知のように、高度成長の真っただ中でございまして、できるだけそういった経済成長の余慶というものを勤労者に均てんしていかなければならぬという基本的態度でございましたので、トーンとしては非常に高いものとなっております。したがって、現在の情勢下におきましては非常に景気も冷え切っておりますので、その辺の行政の進め方といたしましては十分配慮しなければならぬと思いますけれども、基本的には金融機関というものは諸外国で完全に土曜を閉店いたしておりますし、こういった金融機関が週休二日制をとることによって商業、サービスその他各種の企業が週休二日の推進ができるという基本的なやはり考え方を持っております。
ただ一方において、先ほどお話がございましたように、銀行だけの問題ではなくて、実質的に取引関係の問題あるいは国民の利便と申しますか、そういった点の影響も非常に大きい。非常に週休二日制を進めていく場合に大きな影響を持っているだけに、また、企業の各方面に影響を与える面もございますので、そういった面は私どもは十分配慮しながら進めてまいりたい。
行政的には、完全週休二日制ということはもちろん基本でございますけれども、できるだけ各企業が月一回あるいは月二回というような形で、漸進的にやはり週休二日制をこなしていくということも大事なことでございますので、この数年間はそういった漸進的な行政指導を進めてまいりまして、きわめてその普及は進んでまいっていると思いますし、特に金融機関は産業の中で最も高い比率で何らかの形で週休二日制が進められてきておる。私どもはこういった経済情勢下におきましても、基本的なそういう視点というのを失わずに行政指導を進めてまいらなければなりませんし、お話しのように、いろいろの面で輸出問題その他と絡んで日本の労働条件が諸外国から批判的な目で見られておりますので、総合的な週休二日制を含めて、私どもは労働条件の維持向上という面について、労使の御協力を得ながら進めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/14
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015・大木正吾
○大木正吾君 桑原局長、大変実は結構な通達を出していただいている、資料も手元にございますが、ただ、いまの御答弁伺ってますと少しただしておきたい点があるんです。
それは、あの当時は景気が高成長期でもってよかったと、こうおっしゃったわけです。景気のいいときには労働力というものはどうしてもこれはもう売手市場化してまいりますから、ですからそういう中における問題としてとらえたんだとおっしゃったわけですけれども、むしろ私たちが議論した経過としましては、文章も書いてございますけれども、国際競争とか、あるいは六十数カ国の金融機関がもう週休二日制定着ということとか、そういった実態を備えておりますから、やっぱり確かに生きた経済の景気の好不況ということは、一応こういうものを実行する際には総合的に見るべきでしょうけれども、私は局長なり大臣にもこれは聞きたいんですけれども、景気がいいときに時間短縮をやって景気が悪いときには少し足踏みだという考え方を桑原局長お持ちなんでございますか。景気の悪いときはストップしなくちゃいけないと、こういう考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/15
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016・桑原敬一
○政府委員(桑原敬一君) 私どもも、この雇用政策と労働時間の関係というものはきわめて重大なテーマといたしまして、私どもの行政の中で十分こなしていかなければならぬという姿勢を持っております。ただ、短期的に労働時間を短縮することは直ちに雇用量をふやすのかどうかということはいろいろ議論があるところでございまして、特にその企業の生産性の問題とか、あるいはその企業がどういう労務配置をしているのか、つまり過剰雇用をどう抱えているかという問題とか、それから労使の時間外に対する取り組み方とか、いろいろ個別企業ごとに問題あるわけでございます。特にこういうふうになってまいりますと、労働者側は残業したい、所得をふやしたい、そういった気持ちもあるわけでございまして、短期的にはなかなかむずかしい面がございます。しかし長期的には、やはりいままで私ども諸外国の例を見ますと、そういった非常に景気の悪いときを経ながら労働時間短縮も進めてこられたという実績も持っておりますので、そういったやはり先進諸国の過去の歴史等も参考にしながら、長期的な視点では労働時間と雇用量と申しますか、そういった観点でやはり私どもとして積極的に取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/16
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017・大木正吾
○大木正吾君 桑原局長、委員会だから慎重なお答えにめり込んでいるという感じなんですけれども、基準局長名で出されました中には、時間外労働を一定の枠で規制できないかとか、あるいは年次休暇を完全に消化しろとか、そういった趣旨のことがうたわれているわけでございますね。
それで、こういうことを前向きに紹介しますと、労働省はやはり実情を十分に承知の上、最近せっかく景気政策やったけれども、それが全然失業対策に結びついていないではないかということを資料などを見られてお考えの上でもって出したと、十一月の通達でございますからね、そう考えておったんですが、そうじゃなかったんですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/17
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018・桑原敬一
○政府委員(桑原敬一君) 私どもこういう雇用政策が非常に重要な段階に来ておりますので、あらゆる手を打っていかなきゃならぬというふうに考えております。したがって、景気対策が不十分だからこうするという意味ではなくて、それもあわせて総合的に私どもは、特に雇用政策は労働省の所管でもございますので積極的に取り組んでいきたい。そういう意味で、いま御指摘のように、景気が非常によくて個別の企業といたしましては労働時間をふやしながら生産をしていくというような形、あるいは年休をほとんどとってないというような形、そういうものはこういった時勢の中ではやはり改めてもらいたいという気持ちを持ってその通達を出し、また調査をしてまいりたい、ここういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/18
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019・大木正吾
○大木正吾君 いずれにいたしましても、このビジョン懇の答申とか、ごく最近の基準局長の御通達、そういったことについて、労働省が最近の景気対策と失業問題について重要な関心を持っていられると私は受けとめておりますんですね。
問題は、福田さんも総理就任のときにもまあいろんな話を、政治の一つの信条と申しておりますし、雇用問題ですね、こういった問題で銀行法を変えていくなり、あるいは週休二日制に踏み込むときには、たとえばイギリスのバンクホリデーということがございますけれでも、イギリスはわりあいに遅かったんですがね、遅かったんですけれども、やるときには必ずこれは、私たちにとっても、これは銀行局長御自身でも奥さんが御不便ということもあると思うんですよ、あると思いますけれども、しかしその不便さというものと、世界の趨勢としまして、そしてしかも日本が完全孤立状態、アメリカはもちろんけしからぬですけれども、孤立状態に近い状態のときに一定の方向を示すということはこれは大事なことなんですね。ですから、私はやっぱりその問題の柱として、世界的なことは先ほど申し上げましたわけですけれども、日本の国内でも主要企業の場合には大体、これはまあ四週が全部とは申し上げませんけれども、大体八〇%を超えた何らかの週休二日が、一回か二回かを含めていきますと八〇%を超えている。従業員総数でそういう状態と企業数で七〇%を超えている状態ですからね。
そこで銀行局長に伺いたいんですが、銀行という企業の規模はこれは千人以上のランクに入るという判断でよろしいんでしょうか。それとももっと下の方に入ると、こういうふうに見るべきなんでしょうか。どっちなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/19
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020・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 金融機関の経営規模を一般の企業と比較することは非常に事業の性質上むずかしいわけでございますが、資本金あるいは自己資本の量等からとらえますと中以上の企業が非常に多いわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/20
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021・大木正吾
○大木正吾君 銀行局長としての非常にもう優等生といいますか、ちょっと私どもとしても言葉の上ではむずかしいようなお答えが返ってまいりましたけれども、大体都市銀行あるいは地方銀行等の従業員数見ていますと、千人規模以上ということは、私たちの判断でも大多数の金融機関というものはそういう規模と考えておるわけでございまして、そういう点から考えていきますと、私は銀行の現状からしまして、先ほどもこの金融制度調査会の小委員会のときにも、実は全銀連の会長の出した文書が手元にございますが、この冒頭に、週休二日制に向かっておれたちは行くんだと、こう書いてあるわけですね。ですから、そういうこととの関係で今日の日本経済なり日本の国際環境ですね、こういうものを見たときには、私は銀行法十八条改正、そして銀行それ自身の雇用者がふえるふえないは別問題でございますけれども、関連しましてイギリスなんかでもいろんなアフターケア的な措置はしているわけでございますから、大胆に十八条改正に踏み込むというか、もっと明確にそういう法律案を政府内部で議論するというか、次の国会に出すというか、そういった積極的な構え方はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/21
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022・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 確かに、銀行の週休二日制は先生御指摘のとおり世界各国、もう七十数カ国で実施している問題でございますので、当然一つの方向と考えられるわけでございますが、先ほども申し上げましたとおり、金融機関は一国の経済、あるいは国民生活の一つの媒介、媒体となっているわけでございまして、一般の国民生活、経済生活と非常に深くかかわり合っているわけでございます。したがいまして、そういう点で銀行がいつ週休二日制に踏み切るかということにつきましては、やはり国民的なコンセンサスを得ることが必要であると、このように考えているわけでございます。
この点につきましては、先ほど申し上げました金融制度調査会の各委員の御議論の中にも、まだその点でいま直ちに踏み切ることについては時期尚早ではないかというような御意見もあったわけでございます。
しかしながら、いずれにしてもこの点につきましては現在政府間で各省庁連絡会議がございまして、そこの第五部会というところでこの銀行の週休二日制の問題を議論をしておりまして、すでに十三回会議を重ねているわけでございますが、そういう面で各方面の検討はこれからも積極的に進めていきたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/22
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023・大木正吾
○大木正吾君 そういったことを質問しながら、大臣の見解なども含めて詰めの話をひとつしてみたいと思うんですが、労使関係とか、あるいはダンピング嫌疑が鉄鋼その他にかかったことは事実なんですね。ダンピングということは、もちろん製造コストその他のことにも絡むでしょうけれども、労働問題ととらえたときに、賃金というものが安いとかいうことが主として取り上げられがちなんですけれども、労働時間とダンピング、賃金と労働時間をあわせて労働コストと考えるんですね。
ここにも一つの、労働省かどこかで出した資料でございますけれども、日本の金融機関の週休二日制の率がほとんどもうゼロに近い状態で、ヨーロッパでは八〇何%なんという数字が出てございますけれども、そういった中で、ダンピング嫌疑というものでむしろ日本の結局労使関係なりあるいは労働問題として考えたときに、労働時間の持つウェートの高さについて、これは桑原局長の方から御返事があった方がいいかもしれませんけれども、しかし、政府関係の考え方のまとまったものが欲しいわけでございますからね。ダンピングと労働条件、そしてその中に占める労働時間のウエートですね、ヨーロッパでは二十日間休暇とらなけりゃ休暇とは見ないという意見もあるわけですからね。そういう点についてどうでしょう、桑原局長なり銀行局長、お答えいただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/23
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024・桑原敬一
○政府委員(桑原敬一君) ソシアルダンピングというような言葉は戦前から使われておりますが、戦前はもっぱら賃金が比較しやすいものですから賃金に焦点を当てておりましたが、やはり低賃金、長時間労働というのがそういった非難のポイントになるのじゃないかと思います。特に、最近は御承知のように日本の賃金というのはイタリア、イギリス、フランスを抜いておりまして、アメリカ、ドイツの次の三番目ぐらいになってきておりますので、賃金自体についてはそれほどの問題提起はなかろうかと思うわけでありますが、確かに労働時間は非常にこの四十七、八年の高度成長を通じましてきわめて改善されてまいりました。いまたしか週四十二時間ぐらいに日本はなっているわけでございます。やや、先進ヨーロッパ諸国ともう一、二時間しか違わないようになってきておりますけれども、問題はやはり御指摘のような週休二日の問題、あるいは年次休暇をどう消化していくかという問題、広く言って時間問題と申しますか余暇問題と申しますか、そういう問題も含めて私どもは十分これからその改善に努めなければならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/24
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025・大木正吾
○大木正吾君 大臣に伺いたいんですけれども、これは新聞だからというふうに簡単にお考えいただきたくないんですが、これはある日本の有力紙の記事ですけれども、ワシントンポストあるいはエコノミスト、イギリスの有力な新聞ですけれども、日本国民に告ぐとか、あるいは黒字減らしで生活の向上を図れとかという、こういうふうなキャンペーンが出てますね。よく読んでみますとこれは非常に皮肉たっぷりな文章なんですよ。私もいまは国会でお話をさしていただいてますが、別ですけれども、実はこういうようなことを書かれますと、労働界におった立場からしまして非常に恥ずかしい気持ちがするんですね。
この中にありますことは、もうはっきり言ってさっき桑原さんおっしゃったソシアルダンピングというと賃金と一般論がある、これは確かですね。しかし、われわれはやっぱり日本人の働き虫とか、あるいはエコノミックアニマルとか、そういった御批判というものは日本の労使関係あるいは労働条件、そういったものに向けられているということについて大臣これは知っておいてもらわぬと困るわけですよ。まあ生産性向上に大いにがんばれって話がどっかに、本会議でも聞こえましたけれども、逆にECなりあるいはアメリカの労働組合なりあるいは経営者の方はそのことを問題にしておるわけですよ。今日では賃金水準じゃない。なぜ週休二日制というものを実行しないんですかと、なぜ銀行が三十日間から二十日間以上も休暇を持っていながら七、八日ぐらいしか休暇をとれないか、そういったことが問題だと、こういうふうにして外国のこれ皮肉たっぷりな新聞の切り抜きを持ってきて、私も恥ずかしいんですけれども、要するに、私に言わしめればもうこれは決断の段階、決断なんですよ。イギリスのバンクホリデーの実施など、これ四、五年前の実施なんですが、これもう非常に参考になりますよ。だから私は、まあ小委員会の意見の羅列、その参考資料もいただきますけれども、いずれにいたしましてもここまで来ますと政府、労働省、大蔵省なりがどういう姿勢を示すかって問題がポイントになる、こう考えているんですね。衆議院の方は小委員会つくって、まあお名前出しては失礼に当たりますが、自民党の理事の方なども実は金融関係の時間短縮の集会に顔出しをされて、米審じゃないけれども、激励ぐらいの言葉はくださっているわけですよ。
ですから、そういうふうにしてずうっとこう積み上げてきているわけですから、私はこの際には、われわれ日本人が考える以上に、外国の側から見ればこのことやったんだということ自身が、それでもって何十万の失業者を救えるかどうかという、数字はすぐ私も出てきませんけれども、やっぱり週休二日の問題がいまずうっと大企業に普及してきまして一つの壁にぶつかった、その壁は何であるか、それは銀行法十八条に絡みまして、要するに、まあどっちが先かという議論がよくございますけれども、私はやっぱり政府というものが国際批判あるいは雇用問題、失業対策を真剣に考えるのであれば、私自身はもうこの段階では銀行法十八条、これは銀行局長に伺いたいんですが、何かこの答申の新聞記事拝見しますと、銀行法全体をいじくらないとできないというニュアンスの記事もあるんですけれども、これは銀行法十八条だけでも私はどうもできそうに思うんですが、内容もわりあいに簡単なものでございますから。だから、そういうことに絡んでの銀行局長のお考え等、大臣どうですか、この辺まで来たら、少しダンピングなりあるいは構造不況対策としまして、いま時間短縮の流れが出てきた中での壁になっている十八条問題につきまして、これを修正なり改正をする、取っ払うという意味合いでの政府側の積極的な方針を出すに最も適切な私は不況対策あるいは円高対策、こう考えているんですが、その辺のことは大臣に聞きたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/25
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026・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 先ほどからるる御意見を承っておりましたが、銀行、金融機関の週休二日制ということは、これは私はお話によりますれば、私もよく承知しておりますけれども、世界の各国におけるまず一つの潮流というか趨勢というか、これは否定すべくもないと思います。だから、この点につきましては、私はこれを尊重してまいらなければなるまいと、かように考えております。
ただ、現在の事態におきまして、日本の経済の何と申しますか生態と申しますか、あり方と申しますか、それに対応いたしておりまする金融機関の、まあ金融機関とそういったような企業との取引の慣行性といいますか、そういったようなことも、これやっぱり無視していくわけにはまいるまいということを考えまして、これを総合的に考えると。
そこで、関係省庁の連絡会議だとかあるいは第五部会か何か、また、金融制度調査会といったようなもので総合的にこれ考えてもらっておるというわけでございまして、しかし大勢は、私は先ほど申し上げましたとおり、そういったような大勢になるということでございますので、だんだんとそういった方向に持っていかなければなりませんけれども、ただ、金融機関だけが先にというお話でございますけれども、ここのところが、人間の体にたとえて大変恐縮でございますけれども、体が動いておる、心臓も体とともにこれも動いておる。心臓は人間の体に血管の循環をさせておる。これは非常に大事なこと。銀行というものは、私は人間の体にたとえますならば心臓の役をしてそして血液を循環させておる。お金を体に回しておるというようなことでございますので、そこでひとつ体の動きというものと手足の動きといったようなものと消化器、頭脳、その他たくさんございますけれども、そういったようなものの動きというものがあるわけでございますので、そこらのところとよくにらみ合わしてみまして、そこに支障のないように持っていくということが非常に私は大事なことだと、かように考えます。
基本的には、おっしゃることについて私は全然反対をするとか、そういうようなつもりはございませんけれども、そこらの調和的な何と申しまするか、推移と申しますか、そういったようなことが非常に大事だと思います。そういったようなことにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、関係各省あるいは金融制度調査会だとか、その他皆さんの御検討、皆さんのお知恵を拝借いたしまして、そういう方向に持っていきたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/26
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027・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 銀行法十八条の関連についての御質問にお答えいたします。
銀行法十八条の問題は銀行制度全般に関連する問題でございますので、現在金融制度調査会では、銀行制度全体のあり方と関連して議論をしているわけでございます。しかしながら、御承知のとおり、銀行は一国の経済金融の基礎でございますから、全体の審議が終わるにはかなりまだ時間がかかると考えられるわけでございます。
そこで、それ以前に仮に銀行の週休二日制につきまして国民的なコンセンサスが得られたといたしますならば、その時点において、銀行法十八条だけを取り上げて先に御審議いただいて御答申をいただくということも十分考えられる、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/27
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028・大木正吾
○大木正吾君 大臣、人間の体にたとえられてのお話、私の方が年が若いから、それはそういう意味で承っておきますけれども、私の同じ医者の立場から判断、診断をした場合には全然これは逆でしてね。そして、いまの日本列島経済というものは、外に強い円で内に弱い円ということに代表されますように、消費者物価自身も卸売物価みたいには下がっておりませんし、同時に、円ばっかり強くて、石油業界にしてもあるいは牛肉にしましても、灯油問題その他たくさんの問題ございますけれども、余り物価問題にも消費者物価に影響が出てきていないわけですね。その中でもってこてんぱんに今度は孤立状態で、日本の労使関係、ダンピング問題の内容、そういったことが問題にされている。これはもう新聞に書いてあるわけですね。私がもし医師として日本経済を診断するならば全然これは逆なんです。そして、土曜日に団地その他でもって不便があるとかないとかという話も確かに承っておりますけれども、ここに幾つかの資料があるんですが、農協などが実行した場合に、たとえば融資業務の問題とか手形決済あるいはカードの振替とか、そういったことまでは余り影響がない、あるいはまたその対策ができる。同時に、銀行協会側の通達を拝見いたしましても、土曜日の日の店舗内外の仕事についてはぼちぼち撤収してと、こういう指導をしておるわけですよ。ですから、あなたのおっしゃっている話とは全然逆に関連業界動いているわけですよ。労使関係の中でも、ちゃんとここにありますけれども、とにかく早く実行しましょうという約束条項が出ているんですよね。人間の体の健康状態というものは、むしろ盲腸的に銀行法十八条が残っちゃっておる、こういう状態に私は見ているんです。だから、金融機関を日本の経済の心臓という見方、私もそれは賛成なんですけれども、その金融機関の健康状態を、もしも心臓強くするならば、私たちはこの際にはここまで議論が進んだんですから、やっぱり踏み切るべき時期ではないか、こう考えているんですよ。
そこで、いま大臣のお答えが少し逆行的ケースでもってお話があるからあえて申し上げますが、四十八年二月十三日の閣議決定がございます。これは要するに、週休二日について銀行法十八条改正等含めて一両年中に結論出す、こういう閣議の決定があるんですよ。これ前三木内閣当時か田中さんのときか、また三木さんの時代かと思いますけれども、そして一両年という日本語の解釈としますればまあ二年、長くても二年ですわね。そうすると、大体五十年になりますと一両年に入りますからね。
そこで、今度は衆議院の方の大蔵委員会でのいまの自民党幹事長の大平さんの答弁なんでございますけれども、山田委員の質問に対しまして、とにかく大平大臣といたしますれば、そういったことを含めてもっと積極的な回答をしているんですよ。いえば銀行法十八条改正問題を含めて早急に検討する、こういった趣旨の発言があるわけですね。ですから、私はその当時に加えていまの五十二年経済というものは、これほど国際的な非難を受けている中で、あるいは政府が内需の拡大に真剣に取り組むというならば、なぜこの経過と知恵というものを活用しないかということについて大臣にもう一遍ひとつお気持ちを、わかるんですよ、いろんなことおっしゃることわかっている、全部わかっているのです。わかっているんですけれども、問題は、政治というものは大臣なり総理なりがどういうふうにこういう問題について政策的な発展的な方向を示すかどうか、その腹が大事ですからね、そこのところもう一遍経過を踏まえてお答えいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/28
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029・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 私はかく申し上げましたことは、決してそれを必要ないとかあるいはこれを軽視するとかといったようなことを申し上げておるのではございませんけれども、日本経済全体から総合的に考えますと、これは何としてでも歩調をできるだけ整えて、そしてそういう方向に持っていきたい、こういうような気持ちを申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/29
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030・大木正吾
○大木正吾君 その歩調を整えるという話は、もう大体五年前ぐらいからのお話でございまして、実は私はずっと拝見をしていますと、週休二日制問題が四十九年、五十年ごろから少しテンポが鈍っているんですよ。ここが大臣大事なんですがね、鈍っている。そして問題は、桑原局長さっきちょっとお答えあったんですが、不況に入ったから中小企業の方とか自営業者とか団地の奥さん方の意識が少し何か変わってきたとかということでは、これはむしろ私はこういう問題解決のためには逆行すると、こういうふうに見ているんですよ。私たちはむしろこういう段階だからこそ、そして銀行休みになるから対応策もたくさん立てた中で前の日に仕事をしてしまう、あるいはその前の日に仕事をする、こういう状態にした中で、私はやっぱり銀行の中自身が要員がふえるかどうかそれは別にいたしまして、雇用の拡大という問題にやっぱり一般的にはつながっていくんじゃないかと、こう考えているんでしてね。その辺についていろんな総合的な状況判断をして云々なんていうことは、何遍もこっちも聞いているもんですからね、もう少し具体的に問題を追って答えていただかないとちょっとこれ困るので、内閣の責任としてこういった経過について十分承知のはずなんですから、この中でもって決着をつける時期をどう考えているのか、聞かしてもらいたいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/30
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031・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、かつて大平大蔵大臣が一両年中というようなこともお答え申し上げたわけでございますけれども、先ほど労働省からの御答弁にもありましたように、その後の経済情勢が非常に大きく変わってきているわけでございます。
それから、実態的なお話ということでございますが、週休二日制の一般企業における普及状況もこのところテンポが落ちておりまして、たとえば、特に小企業でございますが、使用者五ないし二十九人の小規模の企業でございますと、完全な週休二日制の普及率は一・七%程度にすぎないわけでございます。このような一般産業界の実情が一方にございます。
それから、これも先生御指摘になりました点でございますけれども、土曜日の金融機関の営業につきましては、金融機関に対しては極力そういう営業を縮小するようにいろいろ指導しているわけでございますけれども、実態面といたしましてはむしろ逆の方向に進んでおりまして、むしろ団地その他の周辺、住宅地周辺の店舗におきましては土曜日の来店の客が非常にふえているわけでございまして、ピーク時の来店でございますと普通の日の二倍ぐらいになっているわけでございます。このような実態がございますので、こういう実態を踏まえながら、なおかつ国民的なコンセンサス、つまり金融機関が土曜日休んでいいんだと、むしろその方がいいんだというふうに国民全体が考えるようなコンセンサスということを考えますと、いまの時点においては、直ちに踏み切るということについては非常に問題があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/31
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032・大木正吾
○大木正吾君 これ、通常国会まで引き続いて私の方でもなおお話しをしていきたいと思っている問題なんですけれどもね、いま局長おっしゃったこと、桑原局長おっしゃったことなどは、これは私のずっと経過的な整理からいたしますと、実は失望を禁じ得ないところなんでございまして、ただ社会的な事情としてはそれは中小企業の方も苦しい、つらいですからよくわかるのですがね、日曜の夜夕刊が来なくて不便だとか、まだ日本の場合には新聞が早朝寒い中配達されますから非常にありがたいんですがね、徳田さんもずいぶんヨーロッパなんかいたことあると思うのですけれども、向こうでは大体駅で買うわけですがね。ですから、社会的習慣としましてやっぱり踏み切る時期が必要なんですよ。
私はそういったことをあえて承知でもって申し上げていることは、政府が本当に雇用問題あるいはダンピング非難を回避する、円高非難を回避をする、そういった問題に対して真剣に取り組むのならば、この際にはそういった隘路に対して可能な限りの対策を講じながら経過を踏まえて踏み切るべき時期ではないかと。また、きょうこれからこの委員会を通過する産投会計みたいに、社会党が言ったことの後追いでもって、あの当時は状況悪かったけれども今度はやるんだと、こういったことの繰り返しをまたやることになりゃしないか、こういう心配は少し余分な言い方で申しわけないですけれども、そういうことの心配もありますし、私自身も内需拡大の決め手は公共事業を否定いたしませんけれども、個人消費が何といったって戦後の経済の中では、世界でもそうですけれども、最大のウエートを持っているし、それに響く失業対策ということが結局非常に大事な問題であって、雇用をつくっていくためにはやっぱり政府が誘導する、指導する、そういった立場に立ちますと、いま申し上げた十八条問題の関連は——私も知っているのですよ、最近少しテンポが鈍ったことは知っているのですよ。テンポが鈍っていることは、むしろこれは経済の不況ということもございますけれども、実は、金融機関あるいは銀行法、そういったもののいわば壁というものにぶつかっているんじゃないかという判断も逆にできますので、そういう点で少し経過を踏まえた政府側の努力といいましょうか、方向性というものを、ぜひ次の通常国会には出してもらいたい。大蔵大臣もう一遍これはただしますけれども、経過踏まえて約束を守って実行する、その考えには変わりありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/32
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033・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、やはり銀行の週休二日制という問題は、ある時点においては踏み切りが必要かと思います。先生御指摘のイギリスのバンクホリデーということでございますけれども、これも一般の官民ともに一九五六年に週休二日制に踏み切って、むしろ土曜日の来客が非常にふえたために、銀行の週休二日制が非常におくれたわけでございまして、約十数年おくれて銀行が週休二日制に踏み切ったわけでございますが、そのときにはかなり思い切った決断で行ったわけでございます。そういう問題はあろうかと思いますが、しかし、やはりその時点におけるその背後には銀行の週休二日制についての国民的な合意はあったわけでございまして、それと同じような意味で、日本におきましても国民的な合意が醸成されることが必要かと考えております。現在、大蔵省ではことしの九月に銀行に対する意識調査の一環として週休二日制についてのアンケート調査も行っております。その結果をいま集計中でございますけれども、そういうものを踏まえながら、今後とも国民的な合意という方向でさらに努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/33
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034・大木正吾
○大木正吾君 大臣の所見はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/34
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035・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 金融機関の週休二日制につきましてはいろんな意見もあって、そういういろんな経緯が何年間か続いてきたということは私も承知しております。結局におきましては、やっぱりそういう方向に大勢は行かなければならないものだと考えますけれども、いますぐこれを何とかするようにということにつきましては、相当これはやっぱりコンセンサスを得ていかなければならないことだと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/35
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036・大木正吾
○大木正吾君 時間がありませんからやめますけれども、私の方では納得いたしかねますので、これは当然通常国会におきます景気刺激型予算で出てくる問題と論議が重なってきますから、その際に資料をいただきながら大臣とさらに討論を進めてみたい、こう考えています。
終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/36
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037・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) この際、委員の異動について報告いたします。
本日、田中寿美子君、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として茜ケ久保重光君、佐藤三吾君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/37
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038・多田省吾
○多田省吾君 私は、主に法案についての質問をいたしますが、その前に、財政、税制に関する基本問題について大蔵大臣に二、三お尋ねしておきたいと思います。
一つは、来年度予算編成の政府の基本姿勢はどうかということでございますが、来年も経済成長は六%強を見込んでいるということが言われておりますし、また私は、内需喚起の上からどうしても所得税減税というものも考える必要があるんじゃないか、このように思います。また、この前の中期税制の答申では、一般消費税というものを根幹に据えて、何でもかでもそれを中心にして、たとえば実現可能な富裕税にしましても、あるいは法人事業税の外形標準課税の問題にしましても、答申の内容を読んでみますと、一般消費税と絡めて富裕税や法人事業税の外形標準課税を考えていくんだと、このような考えであるように思いますけれども、一般消費税なんかは総理も大蔵大臣も来年は無理だと、はっきりそういうニュアンスの御答弁をなさっているわけでございますから、私は、むしろこういった公平税制を進める意味におきましても、富裕税とか法人事業税の外形標準課税なんかはできるんじゃないか。
これは税制の問題でございますが、そのほか、予算編成に際しましては、われわれは国債は三〇%を超えない方が望ましい、これはもう当然でございますが、そういった関連につきましてどのようにお考えなのか、基本姿勢をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/38
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039・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 来年度の予算編成に当たりまして一体どういう基本方針でおるのかと、こういうお話でございますが、何回もお答え申しておりますけれども、ただいま予算の編成の事務当局におきまして、これをどうしていくかということを鋭意努力をいたしております。しかし、基本方針といたしましては、どういったような内容、どういったような骨格、どういうふうな規模を持った予算にするかというようなことにつきましては、これはいま来年度の経済見通しというものを、これを踏み台にしていかなければならないと、かように考えておりますが、ただいまのところは、来年度の経済見通しというものがまだ固まっておりませんので、そこでどういうような予算内容、性格、規模といったようなことをここでお答えを申し上げることのできる段階に到達していない。
それから、税制の問題でございますが、先般税制調査会が中期の答申をしてくれました。その答申の中で、実に広範にわたって各税について提言をしてくれておりますけれども、しかし、それを来年度は一体どういうふうにアレンジしていくか、どういうものを取り上げていこうかということにつきましては、まだ考えが固まっていないというようなのがただいまの状態でございます。近く新たなる税制調査会が開かれまして、その税制調査会が五十三年度の税制というものを検討してくれることに相なっておりますけれども、つまり、歳入における税体系をどういうふうにしていくか、あるいは予算をどういう性格、どういう規模にしていくかということにつきましては、ただいまここで両方お答え申し上げる段階には至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/39
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040・多田省吾
○多田省吾君 今度の十一日に新しい税調が発足し、二十二日に総会をやってということでございますが、端的に、大蔵大臣としてどのような内容の諮問をなさるおつもりか、また、いつごろまでにその来年の税制についての答申をお願いするのか、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/40
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041・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) いずれにいたしましても、来年度予算というのは本年の末までに予算の編成をしなければなりません。税制というものは予算の歳出のうらはらをなすものでございますので、どうしたってそれを年内につくるということになりますれば、それに間に合うように答申をいただいて、その答申について検討をするという余地がなければいけませんから、そういうふうなタイミングでもって間に合うようにこれを持っていきたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/41
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042・多田省吾
○多田省吾君 それから、一つ税調についてお伺いしておきたいんでございますが、この前の一般消費税を中心にした中期税制の答申に際しまして、有力な新聞等でも、非常に構成が官僚出身やあるいは財界代表で多く固められ庶民の代表が少ないんじゃないか、あるいは審議のあり方も非常に非公開主義がとられて密室審議が行われているのではないか、あるいは専属スタッフなんかもそろえた新しい方式を考えるべきではないかと、こういったいろいろな提言がなされたわけでございます。今回は官僚出身が二人減り、産業界代表も一人減って、十一人の新任のうち学者二人、女性一人がふえたと言われておりますが、われわれは、もっともっと次の委員構成については庶民的な構成にしてもらいたいと、こういうことを強く要望いたしますし、また、審議のあり方につきましても、私も選挙制度審議会等二期三年間審議に加わったことがございますけれども、非常に選挙制度審議会すら委員会は非公開である。もちろん会議録は後で全部公表します。しかし、税調においては非公開の上に今度は会議録すら公開していない。非常に密室審議じゃないかと言われております。これをもう少し公開、ガラス張りに変えるお気持ちはないか。あるいは専属スタッフ等も整えて、ただ大蔵省からの資料によっておおむね審議がなされるということではなしに、もっと民主的な方向を貫いた方がいいじゃないかと、こういう有力な意見がずいぶんございます。われわれも賛成でございますが、大蔵大臣はこれをどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/42
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043・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 先般新しい税制調査会のメンバーが決まったわけでございますが、それにつきまして、私どもはこれを各業界代表というようなことでなしに、税金につきまして学識経験があるそういったような方々だとか、つまり審議会や委員会の中には三者構成といったような審議会、委員会もございますけれども、税制調査会はそういったような考え方には立っていないと私は思っておるんです。そういったような立場から、だんだんと私は広いところからメンバーを選考していっておるというようなことで、今度もさような意味におきまして相当そういうような考えが強く濃くなってきておるというふうに私は考えておるのでございます。
それから、いろんなことを密室でやらずに公開したらどうかということにつきましては、できるだけ今日までも公開をしておるわけでございます。ただ問題は、最後の段階ぐらいになりますと、いろんな方が私案といったようなものを、それは全体的の試案でないかもしれませんけれども、そういったようなものが出てくるといったようなときには、これはやっぱり全体をまとめて一つの案をつくるまでは、その出される方の立場もあり、そういうようなものはときたまにはこれは公開しないというようなこともありましょうけれども、全体におきましてはできるだけ公開をしていこうというような考えでやっておるのでございますけれども、その点につきまして、いま申し上げましたとおり、そういったような意見を申されたときにこれを申し上げるということは、これはちょっとそういう人の立場もありますので、いろんな大蔵省から出したりいたします資料がございますけれども、そういったような資料等につきましては、これはもうできるだけ公開の原則を重んじてやっておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/43
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044・多田省吾
○多田省吾君 大変私は御答弁不満でございます。なるべく公開にしているとか、しようとしているとか、それは口ばかりでございまして、実際は委員会は全然非公開だし、また、会議録だって公表しませんし、個人のそういった私案なんか公表するのは当然でございますし、また、こういった国民的な課題になっている税制問題に対して、プライバシー云々はもう必要ないと私は思うんです。ですから、もっともっと私は公開性を強くするように強く要求したいと思います。
次に私は、いま政府また自民党の皆さんは持ち家制度をずいぶん拡大しようとなされているわけです。私たちは、むしろ住宅政策の観点から言えば公的な賃貸住宅をもっともっと整備する必要があると思いますが、それに関連しまして、持ち家制度を推進するわりあいには民間住宅ローン金利というもの、これは新規契約分に関しましては公定歩合の引き下げ等に準じまして十月三日から〇・二四%引き下げられまして年利七・九二%、これは新規でございます。ところが、既契約ローン、特に昭和四十七、八年、九年、相当の申し込み、もう住宅ローンは四百万以上に及んでおるわけでございますが、既契約分に関しましては今回の長期金利引き下げの枠から外されまして、相変わらず九・一八%、一・二六%の乖離があるわけでございます。もう住宅金融会社に至っては一一%以上の金利でございます。こういう低成長時代においては非常に負担が重くなって、自殺する人も大分出てます。一・二%台の金利差といいますと、仮に一千万円を二十年で均等払いするといたしまして、金利分だけでも総額百七十万円もの開きがあるわけでございます。
私は、いろいろな問題があると思いますけれども、既契約分につきましても、やはり銀行に対しまして引き下げの勧告を大蔵省はすべきである、このように思えです。その分はやはり私は内需の喚起につながり、一般消費にぐんとつながっていく、このように思うんですが、大蔵大臣はこれをどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/44
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045・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 御指摘のとおり、住宅ローンの金利というのは一般国民に対して非常に関心のあるところでございますが、既契約分の金利の引き下げにつきましては、ことしに入りまして、五十二年八月返済分で〇・三%の引き下げを行っているわけでございまして、五十年十一月借り入れのものが九%が八・七%に下がると、このような数字になっているわけでございます。
既契約分の金利の更改につきましては、現在御承知のとおり、住宅ローンの貸し出しが固定金利制をとっておりますので、原則としては引き下げは行わないたてまえになっているわけでございますけれども、今回、特に長期金利の大幅引き下げに対応いたしましてこのような引き下げを行ったわけでございまして、その点を御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/45
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046・多田省吾
○多田省吾君 ですから、おっしゃるように、去年の十二月あるいはことしの五月においては若干引き下げられましたけれども、今回九月の分につきましては、一般の長期金利がおおむね引き下げられ、また、住宅ローンに関しましても新契約分につきましては引き下げられたのに、既契約分に関しましてはそれが取り残されたということでございます。それを今回はなぜ取り残したのか、今回もやはり引き下げるべきではないかと、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/46
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047・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) ことしの八月分から既往金利を引き下げましたのは、実はことしの五月に住宅ローン金利が〇・六%という非常に大幅な引き下げを行いましたので、それに対応して特別な措置として〇・三%の引き下げを行ったわけでございますけれども、ことしの十月の引き下げは〇・二四%の引き下げでございますので、今回は既往には、もともと固定金利制をとっていることもございまして、既往にはさかのぼらなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/47
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048・多田省吾
○多田省吾君 その既契約分につきまして、乖離幅がそんなに大きくないというような理由で引き下げられなかったと聞いておりますけれども、もう一・二六%も乖離幅が大きくなればこれは大きな問題であると思います。ですから私は、やはりいままで既契約分として九・一八%もの金利を払っているたくさんの方々に対して、これは大変な負担でございますので、私は大蔵省で銀行に対して、既契約分もこの際若干でも引き下げるように勧告すべきではないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/48
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049・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 既契約分の金利の引き下げは、先ほど申し上げましたように、本来固定金利制をとっているたてまえを崩す問題でもございますので、これは一番安い金利で、現在のように非常に低い金利で貸し出しました貸し出しにつきましても、今後どのように金利が上がりましても、たてまえとしては金利は上がらないというたてまえになっておるわけでございます。そういうこともございまして、固定金利制のたてまえから、そう頻繁に下げるということは制度上非常に困難かと考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、先般は〇・六という大幅な引き下げを行ったことのバランスで既契約分を引き下げたわけでございまして、一般民間金融機関の既往金利については、これ以上の既往の金利の引き下げはかなり困難ではないかと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/49
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050・多田省吾
○多田省吾君 次に、大蔵省は資金運用部の保有国債の大量売却を検討中と聞きますが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/50
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051・田中敬
○政府委員(田中敬君) 本年度御承知のように、景気対策といたしまして財政投融資の追加を行いました際に原資を検討いたしました際、もし必要であれば国債の処分というのも原資の確保のための一つの手段であろうかということで検討をいたしておることは事実でございますが、現在郵便貯金の増加等、原資事情も本年度の追加財源にほぼ見合うものが確保できそうだという見通しでございますので、いま国債をいつどういう方向で処分するという具体的な案は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/51
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052・多田省吾
○多田省吾君 次に法案に入りまして、昭和四十八年の十月に行政管理庁の勧告等がございまして、損益計算上滞貸償却引当金の繰り入れは、従来の累積方式から昭和五十年度から洗いかえ方式の表示に切りかえたわけでございますけれども、北海道東北開発公庫は利益金を昭和五十年、五十一年と出しておりますが、その他の公庫は利益金が全然出ておらない。これは行管の勧告にも、滞貸償却引当金というものが利益金に準ずる作用をしているというような観点から勧告がなされたわけでございますが、これが会計経理の上からそういった利益金が出てこないのか、あるいは繰り入れる繰入率がまだまだ高過ぎるからこういった利益金が出てこないのか、いろいろ理由があると思いますが、どうしてこの利益金が出てこないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/52
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053・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、昭和四十八年十月に行政管理庁の勧告がございまして、これによって、一般に公正妥当と認められる企業会計原則と異なった処理が行われているのではないかという御指摘がありまして、これに基づきまして、五十年度においては貸し倒れ引当金あるいは滞貸償却引当金を洗いかえ方式に移行をしたわけでございます。この洗いかえ方式に移行旧する前におきましては、確かに御指摘のとおり、ある程度利益に応じて滞貸償却引当金の率が動くこともあったわけでございますけれども、このように制度をはっきり明確にいたしましてからは、利益の額と滞貸償却引当金の繰入率とは全く別個な観点から定めております。したがいまして、五十年以降利益金が出ませんのは、そういうような経理操作という観点からではございませんで、ただ、この五十年以降において定められた滞貸償却引当金の繰入率に繰入額が満たない、まだ限度いっぱいまで満たないために利益金が出なかったと、こういうことでございます。したがいまして、利益金が出ない形は表面的には同じでございますけれども、その経理の内容は全く異なってきているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/53
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054・多田省吾
○多田省吾君 もっとこの繰入率をぐっと低くする、いままでも数年間見ておりますと償却実績というのは非常に低いわけでございますので、もっと繰入率を低くするという考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/54
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055・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 繰入率についても行政管理庁の勧告にございまして、先生御指摘のとおり、償却実績に対して引き当てが過大ではないかという御指摘があったわけでございまして、こういう御指摘を踏まえまして繰入率について検討いたしたわけでございます。その場合に、やはり一般の公庫につきましては、御承知のとおり、一般の民間金融機関の融通を困難とする資金を融通するということが法律にうたってございますので、一般の民間金融機関よりもやはり資産内容について問題が出る可能性が多いわけでございます。そういうことで、公庫につきましては一般の民間金融機関の繰入率の二倍ということに原則を立てまして、現在それに立っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/55
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056・多田省吾
○多田省吾君 最近、産業投資特別会計の積立金というものが年々増加しているようでございますけれども、この経理会計上の積立金というものはどのように考える性質のものか。
それからもう一つは、昭和五十一年あるいは五十二年の積立金の決算は大体どのようになりますか。また、今回の法律に基づく取り崩しによって積立金の金額はどのように変化するのか、その辺をお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/56
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057・田中敬
○政府委員(田中敬君) 産投会計の積立金は、産投会計の損益計算上の利益を積み立てていくということでございまして、これが年々増加していることは御指摘のとおりでございます。この積立金の増加というものはどういう原因によるかと申しますと、一つは、たとえば開発銀行あるいは北東公庫等、産投会計から出資をしております出資先の機関におきまして損益上利益が生じた場合には国庫納付金として納付をされることになっております。この国庫納付金が産投会計における積立金というものに変わってまいります。あるいはまた、産投会計は産投会計で発行いたしました外債等の資金をもちまして融資を行っておりますが、この融資にかかわる貸付金の利息等の収入が産投会計の事務費を上回る部分というものは、やはりこれは産投会計の利益になります。こういう産投会計が受けました国庫納付金あるいは産投会計の固有の利益というものが積立金を形成するわけでございまして、御承知のように、バランス上はこれは積立金として経理いたしておりますが、その積立金というものは、それを原資といたしましてまた産投会計から出資財源として——資産としては出資という形に変わっているわけでございます。
決算の質問でございますけれども、昭和四十八年以前は別といたしまして、昭和四十八年からただいま申し上げましたような国庫納付金あるいは利殖金収入というようなものが年々ふえまして、四十八年度末では三千四十四億円でございました積立金が、四十九年に二百七十三億、五十年に八十五億、五十一年に九十六億、それから五十二年の見込みでは百十四億ふえるということで、五十一年度末には三千四百九十八億円の積立金がございましたが、五十二年度は今回の財源繰り入れの措置に基づきまして、当初見込みの百十四億円の積立金が積み立てられる予定のものが、千五十八億円御承知のように今回の法律によりまして一般会計に繰り入れることになりますので、現在の見込みでは五十二年度末の積立金は二千五百五十四億になるということを予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/57
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058・多田省吾
○多田省吾君 北海道東北開発公庫の五十二年度当初予算関連の財務計算書を見ますと、利益金が八億五千万円だけ計上されております。この公庫に生じた利益金は、公庫法二十五条二項によって利益の生じた年度の政府の歳入にしなければならないことになっております。しかし、産投特別会計の五十二年度当初予算におきましては、日本開発銀行の概算納付金額だけが計上されているだけで、この北海道東北開発公庫の分は計上されていない。その理由はなぜですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/58
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059・山口光秀
○政府委員(山口光秀君) 北東公庫の利益納付金は、ただいまお話がございましたように、その年度の利益納付金はその年度、たとえば五十二年度の北東公庫の利益納付金でございますれば五十二年度の産投会計の歳入になるというのは御指摘のとおりでございます。したがって、決算の上ではそういうことになるわけでございますが、問題は予算計上の仕方でございまして、従来からいわば一年おくれで歳入にとる、結局剰余金というかっこうで歳入に反映してくるというやり方をとっておりますので、北東公庫の場合には当該年度の歳入となっていないというのが従来の例でございます。今回は特別な措置をお願いしておりまして、百二十三億という大幅な利益納付をお願いするわけでございますので、今回は当該年度の歳入にこれを予算上も見積もったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/59
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060・多田省吾
○多田省吾君 では最後にお尋ねしますが、現在の産投特別会計の出資というものが余りにも日本輸出入銀行にのみ偏り過ぎていると思われます。十一月一日から日本輸出入銀行の貸出金利を、OECDやあるいは国際会議での国際的な金利協定もございまして、一般の金利引き下げとは逆に〇・三%引き上げているわけでございます。今度の補正予算では輸銀出資が百十億円減額されておりますけれども、これは余りに少額にとどまっている、もっと減額してもいいんじゃないかと思われますが、今回百十億円の減額にとどまった積算根拠は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/60
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061・山口光秀
○政府委員(山口光秀君) 輸銀への出資金をもっと減らすべきではないかという御指摘でございますが、輸銀の行っております政策金融の特殊性に配慮しながら、金融行政の動向を見きわめて、来年度以降の輸銀出資のあり方の問題といたしまして検討してまいりたいと思いますが、ことしについて申しますと、輸銀の収支は当初予算編成後の金利水準の変動などによりまして改善されつつございますので、出資を減額し資金運用部資金という有利子の金に振りかえましてもある程度収支上吸収できる見込みもございましたので、補正予算編成のときにおいてまだ産投特別会計から輸銀に対して出資をいたしておりませんでした百十億円について出資をしないこととする、したがって、資金運用部資金へ振りかえるという措置をとらしていただいたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/61
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062・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 本日、上程をされております法案が採決が行われる予定にもなっておりますし、再度法案に関係をする問題について幾つかお尋ねをいたしたいと思います。
まず、問題の輸開銀、北東公庫、こういう金融機関には産投からの出資とあわせて一般会計からも出資が行われていますが、そこでお尋ねをいたしますが、輸銀、開銀、北東公庫、さらには中小企業金融公庫、商工中金、それから、産投出資はありませんが一般会計からの出資が行われております国民金融公庫、これらに対する、産投と一般会計合わせての、政府出資の貸出残高に占める割合はそれぞれ幾らになっているか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/62
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063・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 申し上げます。
五十一年度末の数字でございますが、貸付金残高に対する政府出資金の比率でございますけれども、日本開発銀行が六%、輸出入銀行が二一・四%、北東公庫が三・三%、国民公庫が〇・九%、中小公庫が〇・九%、それから商工中金が一・一%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/63
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064・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 それではお尋ねをしますが、以上のそれぞれの金融機関に対するそれぞれの貸付利子、これはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/64
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065・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 貸付金の。公庫から貸し出している金のでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/65
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066・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/66
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067・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 貸付金の金利でございますが、五十二年上期につきまして申し上げますと、開発銀行が七・三一%、輸出入銀行が七・二三%、北東公庫が七・八%、国民公庫が七・八七%、それから中小企業金融公庫が七・九八%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/67
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068・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 いまの御説明の貸出金利については、いささか輸銀、開銀の関係について私の調べたところでは多目に言われておるような感じを持つわけですけれども、その点はもう少しいただいております資料と突き合わせていろいろ検討をいたしたいと思いますが、いずれにしましても、全体として言い得ることは、開銀、輸銀あるいは北東公庫、これらの、主として大企業向けに活用されておる部分、それと国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、大きくそこらの部類を対比をしました場合に、政府出資は開銀、輸銀、北東公庫、ここらが大きな比重を占め、一方金利について言えば金利が低い、こういうことになっておることはもう数字的に明らかだと思いますが、先日もわが党の渡辺議員が述べておりましたように、これらのことから見て、大企業向けに政府出資がいわば有利に運用をされておるということが明確に指摘をできると思います。
で、昨今、不況と円高のダブルパンチで中小企業がきわめて深刻な状況にあるというのは、もう当委員会でもるる論議をされてきたところの問題だと思うんですけれども、そういう点から考えてみて、こうした偏った実態を多少なりとも改善をする、このことがどうしても差し迫って必要になってきていると思うんですが、そういう意味で、輸銀、開銀等の引当金の繰入率、これを縮小をする。同時に、国金、中金、商工中金、これらの金融機関に対して政府出資をふやすなり、金利の引き下げ、貸出枠の拡大を図っていく特段の努力が政府として必要ではないかということを重ねて主張をするものでありますが、大臣のお考えどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/68
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069・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 輸銀、開銀に対する出資の問題と貸付金利の問題について御説明申し上げますが、実は輸銀、開銀の出資金は、ただいま申し上げましたように、ほかの公庫に比べまして比率が高いわけでございます。これはそれぞれの背景がございまして、輸銀につきましては、御承知のとおり、貸付資金コストを引き下げる場合に、補給金を使いますと輸出補助金というような形で海外から批判されるわけでございます。したがいまして、貸付金利の引き下げには資本金の増加をもって賄っているわけでございます。こういうことが背景にございます。
それから開発銀行でございますが、これも御承知のとおり、昭和二十八年に見返資金特別会計から千三百十億円の出資を引き継いでおります。それから、二十七年度には復興金融金庫に対する政府貸付金八百五十二億円を資本金として引き継いでいるわけでございまして、この二つが資本金として大きく残っているという歴史的な事情があるわけでございます。
それから貸付金利が、それにしても輸開銀が中小金融機関より低いのはおかしいではないかという御指摘でございますが、この点につきましては、国民公庫、中小公庫は御承知のとおり一般運転資金、一般設備資金を貸し出しているわけでございまして、普通の政策的な融資のほかに、一般に企業が必要とする資金の貸し出しを行っているわけでありますが、これに対しまして輸銀及び開銀は、それぞれ一般的な資金、一般的な設備資金、運転資金の貸し出しは行っておりませんで、特別に政策上の要請から必要な資金だけを貸し付けているわけでございます。したがいまして、金利の点につきましても、そういう特別な政策的な金利を付与された貸し出しが比率が非常に高いものでありますから、したがって、開銀、輸銀の平均金利が下がっているわけであります。したがいまして、輸銀、開銀とそれから中小金融機関の共通の貸し出しについてみますと、むしろ政府関係中小金融機関の金利の方が低いわけでございまして、たとえば構造改善等貸し付けグループでございますと、中小、国民は七%でございますが、同じ資金に対して開銀は七・二%でございます。それから安全公害防止貸し付けグループについて見ますと、中小、国民は六・五%でございますが、開銀は六・七%でございます。このように、それぞれの貸し出しの内容によって金利差が出ているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/69
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070・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 まあ現状についてのいろいろ御説明はあったわけですけれども、しかし、もう一つ別の角度から問題を指摘するならば、たとえば昭和四十七年度とそれから昭和四十八年度ですね、それと現在の五十二年計画、これと対比をしてみました場合に、いわゆる大企業向けが中心になっている開銀、輸銀等々、そこらのグループと、中小企業金融公庫なり商工中金なり、まあその他住宅公団等のそういう関係も含めまして、産投特会からの出資金の比率をとってみますと、四十八年度のいわゆる中小企業向けの関係が一八・八%、これが五十二年計画で一六%と低下をしてきておると。それから一方大企業向けが、四十八年度の累計で八一・二%から五十二年計画では八四・〇%と、こちらは出資比率が上昇をしてきておる。こういう点から見て、どう考えてみても輸銀、開銀等を初めとするこれらの金融機関が大企業向けに運用をされておるというこのことは、もうまごうべくもない事実だと思うんです。
前回の渡辺議員の質問に対して政府側の答弁として、今日の経済情勢に照らして中小企業を救済をするためのたとえば貸し出しの枠の拡大、こういった点については一層の努力をしたいという答弁をされているわけですけれども、まあ先ほど現状の説明はございましたが、五十三年度に向けて、まずさしあたりこういう点をということでの改善の具体策について、何か考えられていることはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/70
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071・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 五十三年度の問題につきましては、まだ予算編成前でございまして、いろいろまだ方針は検討中でございます。ただ、ことしの年末にかけての中小関係三機関の貸し出しにつきましては、御承知のとおり、一兆一千三百三十億円第三・四半期に策定しているわけでございまして、これは貸し出しの伸び率が二〇%でございまして、一般民間相互銀行、信用金庫の伸びの一二、三%程度を大きく上回っておるわけでございますが、これにつきましては、今後とも必要があればさらに増額等についても検討いたしたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/71
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072・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 中小企業庁にお尋ねをいたしたいと思いますが、これまた予算委員会を初め各委員会の中でのずっと一連の議論の中で、中小企業庁としては今日の経済情勢に見合った中小企業向けのひとつ対策を強化をしていきたいということを何回となく発言をされておると思うわけですけれども、来年度の概算要求で、いま申し上げておるようなそういう点にかかわって政府出資の追加を中小企業向け金融機関に行う、その概算要求を検討されておるというふうに聞いておるわけですけれども、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/72
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073・松尾成美
○説明員(松尾成美君) 政府系中小企業金融三機関の財政投融資の出資についての来年度の要求についてのお尋ねでございますが、五十三年度につきましては、まず資金コストの軽減を図って長期貸出金利の引き下げを図るという見地から、商工組合中央金庫に対して七十億円の出資を要求しております。これは今年度五十億。さらに、経営基盤の強化を図るという見地から国民公庫に対して十億円、それから中小企業金融公庫につきましてはこれも含めまして三十億円という予算要求をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/73
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074・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そこで、大蔵大臣に所信をお尋ねをいたしたいと思いますが、いま中小企業庁の方からも説明がありましたように、決して十分とは思いませんが、来年度の概算要求に向けて中小企業を救済をするための積極策をひとつ考えていこうということでの検討がやられているわけです。まあいわば産投特会の法律第一条にも経済の再建ということをうたっておりますけれども、そういう基本精神に照らして、これら中小企業向けの金融機関に対する政府出資をふやすという問題をぜひとも来年度に向けて努力をしていただきたいというふうに思うんですけれども、その点の所信はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/74
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075・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) ただいま予算とか財投とかいったようなものについては鋭意検討中でございますけれども、中小企業が日本の産業にとりまして非常に大事なものであるということは、これはもう重々感じております。そういったような関係上、でき得る限りのことは尊重してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/75
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076・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 重ねてお尋ねしますけれども、そういう改善措置を行うについての特別の困難というのはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/76
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077・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 特別の困難と申しまするよりも、来年の財政それから予算、こういうものも含めまして相当なむずかしい状況にあるということはよく御理解をいただけると思いますけれども、しかしながら、その中でも政策を厳重に選択をいたしまして、そうして大事な施策につきましては、これは何としてでも尊重してまいらなければならないと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/77
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078・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 数学を見れば明らかだと思いますけれども、いわゆる大企業向けの金融機関に対する出資総額と中小企業向けの金融機関に対する出資総額を比較をすれば明瞭だと。ですから、多少出資の比重を変える、こんなことをやれば決して不可能な問題ではないというのは明らかだと思いますし、ぜひとも、中小企業庁からもそういう概算要求に結びつけての努力方向というものが提示をされておるわけですし、ぜひこれと一体になって大蔵省としての特段の努力をお願いをしておきたいというふうに思います。
続いてお尋ねをしますが、もうすでに発表されておりますように、中小企業に対する対策として三つの金融機関の既往金利の引き下げについて十一月の一日から軽減措置がとられているわけですけれども、この措置は幾つかの前提がついておるわけで、それはもう言うまでもないと思いますが、いわゆる不況業種として指定をされておる業種、あるいは既往金利八・七%以上のものを八・六%に軽減をすると、そういう制限つきの内容であるわけですけれども、昨今の中小企業の深刻な経済情勢のもとでの実態というのはいまさらここで申し上げるまでもない。いわゆる政府が指定をしました不況業種の枠を超えて、軒並みに深刻な状況にあるということはもう事実だと思いますが、そういう点で、九月三十日の構造不況業種対策、その対策本部の決定でさえ、「その他、個別企業の実情に応じ、政府関係金融機関の既往融資について、今後とも、返済条件の緩和が行われるよう努める。」ということを対策本部の決定の中にもうたっておると思うんです。
こういう方針に照らしましても、これらの救済措置を特定業種に限定をすることなく、もっと枠を広げて中小企業全体に拡大をしていく。高金利分についてはそれを一斉に引き下げる、こういう方向がとられることが差し迫って今日必要になってきているというふうに考えるわけですけれども、この点についての見解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/78
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079・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 確かに、いま中小企業全般が非常に苦しんでいるわけでございますけれども、政府関係機関の貸し出しの既往金利についての引き下げにつきましては、これは国からの債務免除に等しい措置をとるわけでございますので、中小企業の中でも黒字の企業にまでそのような措置をとることが適当かどうかということについて非常に問題があると考えられます。したがいまして、先生御指摘のとおり、不況業種に限り、かつ、赤字企業ということを基準として実施しているわけでございますけれども、しかしながら、これも既往金利引き下げの通達と同じ通達に指示しているところでございますが、この不況業種に属さない企業につきましても、企業の実情をよく判断して、実態に応じて返済の猶予、あるいは場合によっては貸出金利の引き下げも行うように弾力的な運用をするように指示してございますので、この点についてなお十分指導してまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/79
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080・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 重ねてお尋ねをいたしますけれども、今回政府の方で考えておられる金利引き下げ措置、この措置によって実際に恩恵に浴するというか、それに適合をする件数は、予算委員会でも少し数字の説明がありましたが、その後の事態の進行状況も含めてどれくらいが推定をされるのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/80
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081・徳田博美
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘の点については、いろいろ作業も重ねているわけでございますが、何分にもこの実施が十一月一日からでございますので、いまいろいろ企業との折衝を通じてどの程度かという感触を洗っている状態でございまして、まだちょっと数字的に申し上げる段階にはまいっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/81
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082・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 中小企業庁、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/82
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083・松尾成美
○説明員(松尾成美君) 数字の点につきましては、ただいま銀行局長から御説明があったとおりでございまして、私どもも実情把握に努めておりますけれども、まだ計数をとらえるには至っております。
御参考までに申しますと、先ほど御指摘のありました不況業種の指定でございますけれども、これは九十二業種に現在なっておりますが、その全中小製造業に占めるウエートというのは大体四分の一に達しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/83
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084・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 私は、やはり意見として持ちますのは、せっかく政府が決定をなさったそういう措置によって、実際どういう事態になるのか、十一月と言いましても半ば、きょうは十五日ですし、その間の実際の進行状況、大蔵省なり通産省にしましてもそれぞれの出先機関もあるわけですし、本当に熱意を持って、事態はどういうことで進んでいるのか、そこを正確に把握をしようと思えば決して不可能なことではないだろう。やはり予算委員会以来、るるこの点は議論をされておる点であるわけですし、事態を正確につかんで、政府が決定をした措置によって本当に今日の深刻な状況が打開できるのかどうか。おまけに、円高という問題が一層現状を深刻にしているわけでありますし、そういう点加えて、一日も早く現況を正確につかんで、政府の行う措置について補強すべき点は補強するという積極的態度をぜひとってもらいたいというふうに思うわけです。
そこで、もう一遍お尋ねをいたしますけれども、いろいろな角度から申し上げましたが、本当に今日の深刻な経済状況に照らして、中小企業向けの対策をどう強化をするか、そのための三公庫についての政府出資をふやすというこの問題を、来年度予算に向けて一歩前進を図るということがぜひとも必要だと思うんですけれども、重ねて大蔵大臣のひとつ見解をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/84
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085・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 私も非常に大事なことだと思います。だがしかし、いま予算なりそういったようなものについて鋭意検討中でございます。できるだけ事態に即する予算を組んでまいりたいと思いますが、そのことだけをいま取り上げまして、これは大いにふやしていくんだということを申し上げるということは、その他の経費も同じでございますけれども、これはいま申し上げる段階にはございません。ただし気持ちの上では、大事なものについては傾斜をつけてまいりたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/85
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086・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 最後にお尋ねをいたしますが、通産省の円高対策連絡推進本部、ここが十一月四日に決めました円高緊急対策の第六項に、「円高の影響を受ける輸出関連中小企業に対し、その負担を軽減するため税額還付、納税猶予等税制上の特別措置を講ずる。」ということを打ち出されているわけでありますけれども、私どもの見解としても、さきの昭和四十六年のニクソン・ショックの時期、また、昭和四十八年の変動相場制への移行の時期、この二回にわたって特別の措置をとられてまいりました。つまり、税額還付とかあるいは納税猶予、そういう特別の措置がとられてきたわけですけれども、そこで、いよいよ来年度昭和五十三年度の税制の問題を最終的にどうするか、大詰めの時期が近づいてきているわけでありますが、ぜひ見解をただしたいと思うんですけれども、これら過去二回にわたるそういう特別の措置を行ってきたという事例もあるそのことに照らしても、今回過去三カ年にさかのぼって、これらの企業に対して税金の還付を行うという問題を検討すべきではないか。
また納税猶予については、国税通則法の第四十六条の弾力的運用、これを積極的に駆使をして、これらの苦境にあえいでいる中小企業を救済をするための特別措置を行うべきではないかということを強く主張をするものでありますが、これらの点について通産省と大蔵大臣の御意見をお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/86
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087・深沢亘
○説明員(深沢亘君) お答え申し上げます。
先生御指摘の、円高による影響を受ける中小企業に対し積極的な税制上の優遇措置を講ずべきではないかという御指摘でございます。
この積極的な税制上の特別措置といたしまして、輸出関連事業を営み、そして為替相場の急激な変動によって影響を受ける中小企業に対しまして、欠損金の繰り戻し制度による還付を既往三年間にさかのぼって行うと同時に、地方税におきましても、欠損の繰り越しにつきまして二年間延長するという特例措置としまして、そういう方針で関係当局と折衝してまいりたいというふうに考えております。なおあわせまして、現行制度上認められております猶予等の制度がございます。その点につきましても、そういう制度がそのまま行い得るように折衝してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/87
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088・大倉眞隆
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま中小企業庁からお答えございましたような御要望、私どもすでに受け取っておりまして、還付の方は申し上げるまでもなく立法措置を必要といたしますので、来年度各種の特別措置につきまして、私ども従来に引き続いて、一方ではかなりの整理をいたしたいということで、関係省庁と折衝をいたしておりますが、本件につきましては、五十三年度の税制改正全体の一環として勉強いたしまして、適当な結論が得られるように努めてまいりたいと考えております。
納税猶予は、御指摘のとおり、特別の立法を必要といたしません。現在の通則法で対処できますので、申し上げますように、これを弾力的に運用して実情に即するような措置をしてまいるということで臨んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/88
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089・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 中小企業庁の方からもそういう意見も提示をされておるということで、現在国税庁なり大蔵省の側として検討の段階だということで、まあ、できるだけ前向き方向で検討したいという御答弁をいただいているわけでありますけれども、私が申し上げておりますこれらの措置は、いわば部分的措置であって、根本的な制度上の改革を必要としない、多少なりとも今日の中小企業の危機を救うためにやろうと思えば現行制度のもとでもやれる問題でもあるわけですし、ぜひとも最低これは実施をするということで御努力をいただきたいと思うんでありますが、質問の最後に、大蔵大臣の所信をお尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/89
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090・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 先ほどからしばしば申し上げておりますとおりです。中小企業というものは日本の産業にとっては特に大事なものでございまするから、でき得る限りの対策を樹立をしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/90
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091・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/91
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092・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/92
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093・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようでございますから、これより採決に入ります。
一般会計の歳出の財源に充てるための産業投資特別会計からする繰入金に関する法律案を問題に供します。
本案に賛成の諸君は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/93
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094・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
藤田君から発言を求められておりますのでこれを許します。藤田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/94
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095・藤田進
○藤田進君 私は、ただいま可決されました一般会計の歳出の財源に充てるための産業投資特別会計からする繰入金に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ及び新自由クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
一般会計の歳出の財源に充てるための産業投資特別会計からする繰入金に関する法律案に対する附帯決議(案)
一、政府は、政府関係金融機関の貸倒引当金等の繰入れ限度については、過般の行政管理庁の勧告の趣旨に則り、その繰入れ率の引下げ等引き続き検討すべきである。
一、政府は、財政民主主義の趣旨に則り、特別な財源確保のための立法措置を講ずるような場合には、予算書の関連部分その他の資料等を提出し、国会審議に資すべきである。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/95
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096・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) ただいま藤田君から提出されました附帯決議案について、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/96
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097・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 全会一致と認めます。よって、藤田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、坊大蔵大臣から発言を求められております。この際発言を許します。坊大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/97
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098・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 政府といたしましては、ただいま御決議いただきました附帯決議につきまして、その趣旨を十分尊重いたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/98
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099・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/99
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100・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
速記をちょっととめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/100
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101・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 速記を起こして。
連合審査に関する件についてお諮りいたします。
国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に対し、連合審査の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/101
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102・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108214629X00419771115/102
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103・嶋崎均
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十一分散会
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