1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十二年十一月二十一日(月曜日)
午前十時三分開議
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○議事日程 第十一号
昭和五十二年十一月二十一日
午前十時開議
第一 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及
び4の規定の実施に関する日本国政府と国際
原子力機関との間の協定の締結について承認
を求めるの件(第八十回国会内閣提出、第八
十二回国会衆議院送付)
第二 日本原子力船開発事業団法の一部を改正
する法律案(第八十回国会内閣提出、第八十
二回国会衆議院送付)
第三 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規
制に関する法律の一部を改正する法律案(第
八十回国会内閣提出、第八十二回国会衆議院
送付)
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○本日の会議に付した案件
一、活動火山の爆発降灰等による災害対策等の
充実強化に関する決議案(村田秀三君外七名
発議)(委員会審査省略要求事件)
一、日程第一より第三まで
一、参議院の組織及び運営に関する協議会の設
置に関する件
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/0
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001・安井謙
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
村田秀三君外七名発議に係る活動火山の爆発降灰等による災害対策等の充実強化に関する決議案は、発議者要求のとおり、委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/1
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002・安井謙
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、本決議案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。村田秀三君。
〔村田秀三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/2
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003・村田秀三
○村田秀三君 ただいま議題となりました自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの共同提案に係る活動火山の爆発降灰等による災害対策等の充実強化に関する決議案について、発議者を代表して提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
活動火山の爆発降灰等による災害対策等の充実強化に関する決議案
有珠、桜島、阿蘇等活動火山の爆発及び降灰等による被害対策は、現行の法令及び財政措置によって対応してきたところであるが、最近における噴火による被害の実態にかんがみ、火山周辺地域住民の生命、身体の安全確保と生活及び産業の安定に資するため、政府は、速やかに関係法令、行財政上の措置について検討し、次の事項を実施するため、必要な関係法令の改正を前提とする行政財政上の適切な措置を講ずべきである。
一、火山活動研究観測体制の充実強化と防災体制の整備
一、緊急避難施設整備地域の拡大と施設の整備
一、降灰の排除事業の推進と助成の強化拡大
一、公共施設等の降灰防除のための施設整備とこれに対する助成
一、土石流等による災害防除のための治山治水事業の拡充強化
一、農林漁業の降灰等による被害軽減対策の強化、特に防災営農施設の拡充と指定地域の拡大
一、商工業者等の降灰被害対策資金融資等の強化
一、降灰等の住民の健康に及ぼす影響調査の実施
一、関係地方公共団体に対する財政措置の強化
右決議する。
以上であります。
次に、決議案の趣旨について申し上げます。
わが国は、自然的条件から世界でも有数の火山国であり、古来から活動火山の爆発降灰により、幾多の住民の生命と生活が脅かされ、加えて、多大な農作物等の被害がもたらされておりますことは、まことに遺憾であります。
特に、先般の有珠山の大爆発は、一万メートルに達する噴煙を噴き上げ、異常な地殻変動をいまなお続けており、また、たび重なる桜島、阿蘇山の爆発は、活発の度をさらに加えている状況にあり、いずれもかつてないおびただしい降灰のため、周辺地域の住民生活は恐怖と不安にさらされているのであります。すなわち、降灰による道路交通の混乱、屋外教育活動の支障、農林漁業の生産低下、住民の健康阻害等、被害の実情は多岐にわたっており、また、広範な地域での降灰除去事業の実施は、地方公共団体にとって過大な財政負担となっているのが現実であります。
こうした降灰被害に対する現行の施策としては、第七十一回国会で制定された活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律のもとに、避難施設、防災営農施設の整備が進められてきたところでありますが、各般の被害について、これらの施策のみではもはや対応できないことは明白であります。ために、火山活動観測体制の充実強化を初め、降灰対策事業の創設、避難施設の拡大整備、営農対策の拡大推進、住民の健康対策等について、関係法令を再整備し、行政財政の両面にわたり、多角的な対応策を確立することが不可欠と痛感するものであります。
かかる状況の中で、活動火山周辺地域における防災行政に十全を期し、地域住民の人心安定を図ることはまさに緊要であり、政府は、本決議案の趣旨を体し、各事項について所要の措置を早急に講ずるよう、強く要請するものであります。
以上が本決議案の趣旨でありますが、何とぞ議員各位の御賛成をお願い申し上げる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/3
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004・安井謙
○議長(安井謙君) これより本案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/4
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005・安井謙
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
ただいまの決議に対し、田澤国務大臣から発言を求められました。田澤国務大臣。
〔国務大臣田澤吉郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/5
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006・田澤吉郎
○国務大臣(田澤吉郎君) 本年八月の有珠山の突然の噴火を初め、桜島、阿蘇山等の活発な火山活動は、周辺の住民、産業に多くの影響を及ぼしているところであります。政府としましては、従来から、これら活動火山対策の推進に努めてきたところであります。
ただいまの院議につきましては、その御趣旨を十分尊重して、関係省庁ともども活動火山対策にできるだけ努力をしてまいる所存であります。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/6
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007・安井謙
○議長(安井謙君) 日程第一 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の締結について承認を求めるの件(第八十回国会内閣提出、第八十二回国会衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外務委員長安孫子藤吉君。
〔安孫子藤吉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/7
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008・安孫子藤吉
○安孫子藤吉君 ただいま議題となりました国際原子力機関との保障措置協定につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
この協定は、わが国が核兵器の不拡散に関する条約の締約国となったことに伴う義務として、わが国の原子力の平和利用に係るすべての核物質が核兵器その他の核爆発装置に転用されていないことを確認するため、国際原子力機関の保障措置を受諾することについて定めたものであります。
この協定において、保障措置は原則として国際原子力機関がわが国による自主査察の一部に立ち会うこと及び自主査察を観察することにより実施されることとなっているほか、国際原子力機関は、一定の条件のもとに、保障措置に関し、他の国または一群の国、すなわちユーラトムと同等の待遇をわが国に与えること、商業上、産業上の秘密を保護する措置をとること、また、合理的に保障措置を実施することとなっております。
委員会におきましては、協定上の問題のほか、核エネルギーの確保、使用済み核燃料の再処理、国際核燃料サイクル評価、核軍縮、核兵器不拡散条約体制、核ジャック防止策、原子力施設及び核廃棄物の安全性等各般の問題にわたり熱心なる質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
去る十七日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定をいたしました。
以上御報告をいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/8
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009・安井謙
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/9
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010・安井謙
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は承認することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/10
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011・安井謙
○議長(安井謙君) 日程第二 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案
日程第三 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案
(いずれも第八十回国会内閣提出、第八十二回国会衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長藤原房雄君。
〔藤原房雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/11
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012・藤原房雄
○藤原房雄君 ただいま議題となりました二法案について、科学技術振興対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案は、日本原子力船開発事業団が廃止するものとされる期限を、現行法に規定する昭和五十一年三月三十一日から昭和五十五年十一月三十日に変更しようとするものであります。
なお、この廃止するものとされる期限は、政府案では昭和六十二年三月三十一日となっていたのを、衆議院で昭和五十五年十一月三十日に修正したものであります。
次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案は、核兵器の不拡散に関する条約に基づく日本国政府と国際原子力機関との間の保障措置協定の実施に伴い、立入検査に関する規定の整備等、国際規制物資の使用に関し国内制度の整備を行おうとするものであります。
なお、衆議院において、政府案にありました再処理事業の規制に関する改正規定を削除する修正が行われております。
委員会におきましては、両案を一括して議題として、参考人の意見を聴取するとともに、原子力船「むつ」の点検、修理の進め方、安全審査体制のあり方、四者協定に対する政府の取り組み方、修理港、新定係港決定の目途、情報処理機関の役職員に秘密保持義務を課することの是非等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終わり、まず、日本原子力船開発事業団法改正案の討論に入りましたところ、日本社会党森下理事、公明党塩出理事及び日本共産党佐藤理事よりそれぞれ反対、自由民主党藤川理事、民社党三治委員及び新自由クラブ柿沢委員よりそれぞれ賛成の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の改正案を議題といたしましたところ、吉田委員より、日本社会党を代表して、同法改正規定中、秘密保持義務の規定と、これに係る罰則規定を削除することを内容とする修正案が提出されました。
修正案に対する質疑は別になく、直ちに原案及び修正案の討論に入りましたところ、日本社会党森下理事より、原案に反対、修正案に賛成、日本共産党佐藤理事より、原案に反対、修正案には保留、また、自由民主党亀井委員、公明党塩出理事、民社党三治委員及び新自由クラブ柿沢委員より、それぞれ原案に賛成、修正案に反対の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/12
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013・安井謙
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
まず、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/13
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014・安井謙
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/14
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015・安井謙
○議長(安井謙君) 次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/15
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016・安井謙
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/16
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017・安井謙
○議長(安井謙君) 議院運営委員長から、参議院の組織及び運営の改革に関する協議会の設置に関し、発言を求められております。
この際、発言を許します。議院運営委員長木村睦男君。
〔木村睦男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/17
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018・木村睦男
○木村睦男君 参議院の組織及び運営の改革に関する協議会の設置について御報告申し上げます。
参議院の組織及び運営の改革につきましては、かねてから院の内外を通じ多くの論議が交わされ、ここ数年来特にその関心が高まり、本院といたしましても種々改革の成果を上げてまいりましたが、本年七月の通常選挙後、安井議長主宰のもとに開かれました各会派代表者懇談会において、さらに積極的に改革問題に取り組むこととし、そのための公的な協議機関を設置することが合意され、その協議機関の構成等については議院運営委員会において検討することとなりました。これを受けまして検討を重ねてまいりました結果、本日の委員会におきまして、本院の組織及び運営の改革に関する諸問題を調査検討し、その改善策を議長に報告するため、議院運営委員会の委員長及び理事並びに各会派から推薦された議員をもって構成する「参議院の組織及び運営の改革に関する協議会」を設置することを全会一致をもって決定いたしました。
以上御報告いたしますとともに、本院が良識の府として真に国民の期待にこたえるためにも、各位の御協力により本協議会が所期の成果を上げることができますよう、心から願うものでございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/18
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019・安井謙
○議長(安井謙君) 本日は、これにて散会いたします。
午前十時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108215254X01119771121/19
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