1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年五月二十六日(金曜日)
午前十時四十分開議
出席委員
委員長 久保 等君
理事 相沢 英之君 理事 池田 行彦君
理事 林 義郎君 理事 島本 虎三君
理事 古寺 宏君 理事 中井 洽君
高村 坂彦君 戸沢 政方君
橋本龍太郎君 土井たか子君
坂口 力君 竹内 勝彦君
東中 光雄君
出席政府委員
環境政務次官 大鷹 淑子君
環境庁長官官房
長 金子 太郎君
環境庁自然保護
局長 出原 孝夫君
水産庁次長 恩田 幸雄君
委員外の出席者
警察庁刑事局保
安部保安課長 柳館 栄君
文化庁文化財保
護部記念物課長 横瀬 庄次君
林野庁業務部監
査課長 石田 基隆君
自治省税務局府
県税課長 矢野浩一郎君
特別委員会調査
室長 綿貫 敏行君
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本日の会議に付した案件
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する
法律案(内閣提出第五七号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/0
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001・久保等
○久保委員長 これより会議を開きます。
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古寺宏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/1
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002・古寺宏
○古寺委員 最初に、カンムリカイツブリとオオセッカ、青森県のむつ小川原の田面木沼と小川原湖、市柳沼、こういうところで繁殖が確認をされているわけでございますが、わが国におきましては、このカンムリカイツブリの繁殖地というのはここしかない、こういうふうに言われておりまして、昭和五十年からでございますか、天然記念物の指定並びに特別の保護地区にしていただきたいという要望が出ているようでございますが、環境庁はこの問題についてどのように対処してこられたか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/2
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003・出原孝夫
○出原政府委員 御指摘の問題につきましては、まだ検討を最終的に終えておりませんので結論が出ておりませんが、十分検討いたしまして答えを出したい、こういうことで検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/3
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004・古寺宏
○古寺委員 文化庁、来ておりますか。文化庁はどういうふうに対応しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/4
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005・横瀬庄次
○横瀬説明員 いまお話にございましたカンムリカイツブリとオオセッカのことでございますが、私どもの方に、地元から、国の天然記念物に指定してほしいというような要望あるいは申請がまだ出ておりません。一応私どもで事情を調べてみたわけでございますが、天然記念物に指定するためには、そこが非常に安定的に繁殖地として固定されているということやら、あるいは生息地の中でもわが国を代表するものであるというようなこと、あるいは地元の保存意欲とか、あるいは保存体制が整っている、そんなようなことを十分検討する必要があるわけでございます。私どもとしてこのカンムリカイツブリやオオセッカが繁殖地としてどのように安定的になってきているかということについてまだ十分に承知しておりませんので、こういった点について十分検討してまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/5
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006・古寺宏
○古寺委員 一九七五年以来要望書を提出しているのに、まだ詳細にその内容がわからぬ、こういうことはどういうわけなんでございますか。環境庁と文化庁両方にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/6
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007・出原孝夫
○出原政府委員 小川原湖の鳥獣保護区の問題につきましては、私どもは、主としてハクチョウについての話を聞いておりまして、カンムリカイツブリ等につきましてはまだ十分現地の意見も伺っておりませんので、これも十分承知をした上で検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/7
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008・横瀬庄次
○横瀬説明員 私どもで天然記念物を指定する際の大きな参考資料としてやっておりますことに、その県ごとの動植物地図あるいは植生図というようなものの調査をしておりますが、その中でもこのカンムリカイツブりあるいはオオセッカの繁殖地というのは、これは調査時点もいろいろあろうかと思いますが、載っておりませんし、それから、先生のお話でございますが、地元から私ども文化庁の方にそういうような要望ないしは申請は来ていないわけでございまして、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/8
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009・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、日本鳥類保護連盟というところで私の方に教えてくださった内容、これはうそでございますか。日本鳥類保護連盟、日本鳥学会、日本野鳥の会、この三団体の連名でもって環境庁に対して、昭和四十七年七月に日本で最初に十一つがいのカンムリカイツブリが繁殖していることが発見されました、これを特別保護区並びに天然記念物に指定していただきたい、それからもう一つは、秋田県の八郎潟で有名でございますが、オオセッカがやはり昭和四十七年にこの下北地方で発見されておりますので、特別地区並びに天然記念物として指定されたい、こういう要望をいたしているわけでございますが、そういう事実がないということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/9
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010・出原孝夫
○出原政府委員 御指摘の四十七年に御要望があったということにつきまして、実は私が承知をいたしておりませんので、これは早急に調べました上で善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/10
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011・古寺宏
○古寺委員 文化庁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/11
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012・横瀬庄次
○横瀬説明員 四十七年ごろに地元の野鳥研究家によってそのカンムリカイツブリの繁殖が確かめられたということは、その学会の方からも報告といいますか、聞きはしておりますけれども、天然記念物に指定してほしいというような要望については私も承知をしておりませんので、これは帰りましてよく調べてみたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/12
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013・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、この「鳥獣保護及び狩猟の適正化について」という答申が自然環境保全審議会からもなされておりますし、あるいはおたくの方の資料にも載ってございますけれども、行管庁の監察の報告も出ておるわけですが、そのいずれでも指摘されていることを環境庁も文化庁も全くやっていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
〔委員長退席、島本委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/13
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014・出原孝夫
○出原政府委員 全般的には鳥獣保護の強化につきましては私どもも各方面の御指摘なり御要望にこたえるように努力をいたしておるつもりでございますけれども、いま御指摘の事実につきましては、私、いま十分承知をいたしておりませんので、早急に調べました上で対処をさせていただきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/14
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015・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、先ほど答弁の中にございましたハクチョウについてはどういうふうにするおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/15
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016・出原孝夫
○出原政府委員 基本的には、私どもの行政の立場といたしましてはこれを鳥獣保護区に設定する問題でございます。その点につきまして現在検討しておるところでございますが、ただ、鳥獣保護区の設定に当たりましては、地元の方々の同意も得る必要がございますし、青森県におきましていろいろ御検討も願っておるところでございます。
ただ、ハクチョウは、一面におきまして、また農作物に被害を与えるという面もございますので、多数の人の御同意を得るということにつきましては、いろいろむずかしい点もございます。それらを含めまして検討いたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/16
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017・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、答申にございます「鳥獣保護の基本的理念」、この問題については環境庁はどういうふうに考えておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/17
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018・出原孝夫
○出原政府委員 私どもの行政といたしましては、第四次の鳥獣保護事業計画の推進に当たっておるところでございますが、鳥獣保護のためには、できるだけ人間と鳥獣とが共存できるような形で鳥獣の保護区を広げてまいりたいということを基本的な態度として認識をいたしております。特に、最近の昭和三十年代、四十年代の日本の経済発展に伴いまして、都市地域、あるいは都市地域以外におきましても、開発等の影響で鳥獣が住みにくい環境がいろいろできておりますので、そういう意味では、鳥の保護のためにいろいろ確保しておくということが必要だということで、この努力は続けてまいりたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/18
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019・古寺宏
○古寺委員 この答申の中の「基本的理念について」は「永く後世に伝えていくべき国民共有の財産である。」、こういうふうに述べておられるわけでございますが、そういう点については、今回のこの法改正にはどういうふうに盛り込んでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/19
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020・出原孝夫
○出原政府委員 基本的には鳥獣保護に関する部分であるというように考えます。一面におきまして、狩猟の適正化を図るということは、乱獲の防止という面からも必要なことでございます。
それから、鳥獣保護につきましては、特に今回の法案の中でお願いしておりますのは二つございます。一つは輸入鳥獣の規制でございますが、これは、国内産の鳥獣の飼い鳥と輸入鳥獣の飼い鳥との関係を明確にして、むしろ国内産の鳥獣の飼い鳥につきまして紛らわしくないように明確にしておきたいということでございます。
本来、野鳥は野に置けということでございまして、野鳥をかごの中で飼うということ自体は好ましいことではございません。ただ、わが国民の習慣もございますので、そういった意味におきまして、国民の啓発、宣伝とあわせましてその規制を行おうとしたところでございます。
第二点は、鳥獣保護区の特別保護地区におきましての規制の強化をするといったことにつきましては、特に貴重な鳥獣の保護を図るという意味におきまして今回提案をいたした次第でございますので、この辺のところがその中に入っておるわけでございます。
なお、法案に盛り込まれていない部分で、国の鳥獣保護事業計画を、今年、第四次鳥獣保護事業計画の中で見直しをしてまいりたいということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/20
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021・古寺宏
○古寺委員 今回の答申もそうでございますが、前回の答申でも指摘されておりますね。先ほど申し上げましたようなオオセッカでございますとかカンムリカイツブリでございますとか、こういう非常に貴重なものについては、これはもう保護しなければならないということを至るところで指摘してあるのですね。そういうことをいままで放置しておいたというのは、どうも私は納得ができないのでございますが、先ほどの御答弁ですと、これから調査をしてというお話でございますが、そういう貴重な国民の共有財産である、後世に伝えていかなければならないような鳥獣については一日も早く保護をしなければならぬと思うのですが、そういうことはお考えになっておられないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/21
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022・出原孝夫
○出原政府委員 たとえば、お話のございましたオオセッカにつきましては、八郎潟の特に貴重なところについては、国設鳥獣保護区にして買い上げをするといったようなことも行っておりますが、ただ、御指摘のように、私どももいままでの私どもの努力で十分だとは思っておりませんので、今後ともその推進に努めてまいりたいというように考えております。
特に、今回御提案をいたしました中で、特別保護区につきましての規制の強化というのは、絶滅に瀕している鳥あるいは非常に少なくなっている鳥につきましては、一面において世間的には非常に有名になりますので、絶滅に瀕しておるのに比例して、むしろ観光客等が立ち入って営巣等を妨げるというようなことも出てまいりますので、その辺のところを十分に御遠慮願うように政策的に可能にしておきたいというようなことで御提案を申し上げた内容でございます。
鳥獣保護区の設定につきましては、私どももさらに努力をいたしてまいりたいと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、細分化された土地の所有者の方々あるいは地元の方々との意見の調整というものが常に必要になってまいりますので、努力を続けてまいりたいというように申し上げておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/22
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023・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、逆に承りたいのですが、たとえばカンムリカイツブリにいたしましてもオオセッカにしましても、あるいはまたハクチョウにいたしましても、全然禁猟区になっていない、保護区域になっていない、そういうところで狩猟をして絶滅した場合はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/23
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024・出原孝夫
○出原政府委員 狩猟を認められております鳥の種類は決められておりますので、ハクチョウでございますとかオオセッカ等につきましては、それが狩猟のできる地域であろうと、禁猟区あるいは鳥獣保護区であろうと、狩猟をすることは認められておりませんので、その点は制度的には担保されておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/24
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025・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、カンムリカイツブリも禁猟になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/25
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026・出原孝夫
○出原政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/26
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027・古寺宏
○古寺委員 それでは、そういう地域でいろいろな開発行為が行われた場合にはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/27
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028・出原孝夫
○出原政府委員 鳥獣保護区でない限り、開発行為についての直接的な規制は不可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/28
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029・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、いまの市柳沼でございますとか、あるいは田面木沼、小川原湖、こういうところは、すべてではございませんが、開発の予定される地域の中に含まれているわけですね。青森県としては、市柳沼と田面木沼は特別保護区にしたい、こういうふうに言っているわけです。環境庁の方は、このむつ小川原の開発につきまして環境アセスメントを青森県に指示しましていろいろ検討なさっているはずでございます。こういう問題については、それじゃどういうふうに検討なさったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/29
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030・出原孝夫
○出原政府委員 むつ小川原湖の青森県のアセスメントにつきましては、全般につきまして環境庁としてはいろいろ御意見を申し上げてきたわけでございますが、自然環境につきましても同様でございまして、青森県の御計画の中で鳥獣保護区を今後設けたいという御指摘の点につきましては、私どももぜひそのようにしていただきたいということで意見を申し上げておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/30
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031・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、第二次基本計画案を環境庁でいろいろ検討なさいましたその際に、もうすでにカンムリカイツブリやオオセッカの問題が出ているわけですね。それからハクチョウの問題も出ております。そういう面については青森県とどういうような協議なり、あるいは環境庁の鳥獣保護という立場、自然保護という立場からどういう指導なり提言なりなさっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/31
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032・出原孝夫
○出原政府委員 このような開発が行われます場合に、基本的には人間の生活と鳥獣の生活とができるだけ共存するようにということでそれぞれの事業の計画を私どもとしては指導してまいっておるわけでございます。したがいまして、開発に伴って鳥獣の生息地につきましてその生息地が鳥獣に住みやすい状況でなくなるという場合には、これにかわるところを確保するということが特に必要でございます。そういう意味におきまして、御指摘の田面木沼、市柳沼等につきましては、青森県がここを鳥獣保護区に設定するように進めてまいりたいということの計画がございますので、私どもも、開発に伴って、しかし鳥獣が住みやすい環境はぜひつくっておく必要があるということで、それらの計画の推進について特に了承をし、進めてもらうようにということで話をしておるわりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/32
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033・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、たとえばカンムリカイツブリの日本で一つしかない貴重な繁殖地でございますね、そういうところを開発によって他へ移さなければいかぬというような場合に、どういうところに繁殖地を探すなり新しくつくるわけでございますか。そういうことができるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/33
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034・出原孝夫
○出原政府委員 鳥の種類によりましてそれぞれ繁殖なり生息の適地がございます。したがいまして、そのそれぞれの鳥獣がもし現在の場所がなくなった場合においても、次ここでなら大丈夫だというようなところが考えられればできるだけそこを確保しておくということが必要になってまいるわけでございます。個別の鳥に関する事柄になりますと、私どもで知識が不十分な場合には専門の方々の御意見も承ってということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/34
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035・古寺宏
○古寺委員 今後そういう地区の開発に対しては環境庁としてはどういう指導なり規制を行う予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/35
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036・出原孝夫
○出原政府委員 環境庁といたしましては、特に重要な鳥につきましては、その重要な鳥が減少を来さないように、そしてまた適切な居住地が得られるという見通しを得た上で、開発につきましても十分配慮をされた上での答えが出るということを期待をいたしておるわけでございまして、その辺のところのめどを十分立てませんことには、私どももなかなか開発については、自然保護の、あるいは鳥獣保護の立場から十分慎重に考え直してほしいということを申し上げる立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/36
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037・古寺宏
○古寺委員 文化庁にお尋ねしますが、カンムリカイツブリの場合には、市柳沼と田面木沼は青森県としては特別保護区に指定をする予定になっております。まだ、その天然記念物に指定になっておりません。それから、小川原湖には約三千羽のハクチョウが毎年飛来をしてまいるわけでございますが、これもまだ天然記念物に指定になっておりません。今後これをぜひ天然記念物に指定していただきたいという地元の要望があるわけでございますので、当然この指定をしなければならぬものと私は考えるのですが、文化庁としてはどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/37
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038・横瀬庄次
○横瀬説明員 天然記念物は、こういう鳥の生息地というような場合には、わが国でそういうものの代表的なものであるという学問的な認識といいますか、そういうものが一つ必要でございますし、先ほどちょっと触れましたように、その生息地として非常に安定しているということやら、あるいは生息地を保存するというような地元の意欲が非常にあるというようなことが審査の要件になると思います。いずれにしても、国の天然記念物を指定する際には文化財保護審議会の答申をいただきまして、その上で指定していくというようなやり方をしておりますので、これはそういった専門的な学者の方々の審査といいますか検討を経た上で決めていく問題ではございます。
いま先生からお話ございましたように、地元としてそういう要望が強いということ、それからそれぞれの生息地としては非常に特色のあるといいますか際立った現象であるということ、そういうことは大体認識されますので、いまのような点について地元の御意見も十分拝聴しながら検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/38
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039・古寺宏
○古寺委員 天然記念物に指定する場合、種の保存という立場と、それから繁殖地として適地であるという二色の考え方があるのですが、地元の要望としてはカンムリカイツブリのような貴重な水鳥の場合は、地域をいわゆる繁殖地として天然記念物に指定していただきたい、こういうふうに要望しているわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/39
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040・横瀬庄次
○横瀬説明員 お話しのとおり、天然記念物には種で指定するものと繁殖地とかあるいは渡来地とかいうふうに地域を指定するものとがございます。この場合、それはそれぞれの鳥とかけものの生息のあり方で決まってくるわけでございますが、地域で指定していくというやり方をとった方がより具体的であり、かつ管理もしやすいわけでございますので、地元の要望がそういった方向であるとすれば、その案を中心に検討されることになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/40
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041・古寺宏
○古寺委員 こういう鳥獣保護の問題につきましては、環境庁と文化庁が密接な連携をとっていろいろ協議をして鳥獣を保護していく立場で行政を進めるべきであるということを行管の方でも指摘をしておりますが、行管に指摘されてから、こういうような問題については具体的にどういうふうに環境庁と文化庁は連携を保っておやりになっておるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/41
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042・出原孝夫
○出原政府委員 文化庁と環境庁とは、御指摘のように非常に密接な業務上の関係がございます。なお、そのほか林野庁が国有林を持っておりますので、鳥獣の保護につきましては特に林野庁との関係が私どもにとっては大切でございます。したがいまして、重要な問題につきましては、環境庁の私と林野庁それから文化庁のそれぞれの関係の部長との間で協議の機会をしばしば持つようにいたしておりますし、課長レベル以下におきましては随時必要に応じまして問題を決めて協議をするという形で、三庁それぞれ現在の縦割りの行政の中で横の連絡が十分にいくように努力をしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/42
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043・古寺宏
○古寺委員 どうも先ほどのカンムリカイツブリとオオセッカの例を見ますと、そういう面がいまの御答弁とは非常に違うように私、受け取りましたので、今後そういう面につきましては十二分に連携をとられまして、基本理念にございます「永く後世に伝えていくべき国民共有の財産である」、非常に貴重な財産でございますので、こういう点につきましては今後十二分に留意をして行政を進めていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
次は、青森県の下北郡脇野沢村のカモシカの問題でございますが、年次計画で防護さくをつくっておりますが、まだ十分でないようでございますが、昭和五十三年度と五十四年度の計画はどのようになっているか承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/43
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044・横瀬庄次
○横瀬説明員 脇野沢村のカモシカの食害の問題でございますが、これは防護さくを昭和五十年度からお話のとおり国庫補助金を交付いたしまして設置してきたわけでございまして、五十四年度に、地元が要望しております約二万五千メートル、これが完了する予定になっております。現在まで、昭和五十二年までに一万五千八百七十メートルの防護さくが設置されてまいりまして、残りが約一万メートルでございます。したがいまして、本年度も当然その残りのうちの約半分、大体五千メートルでございますが、五千メートルを中心に設置を進めまして、来年度もほぼ同規模で進めて終わりにする、大体こんな予定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/44
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045・古寺宏
○古寺委員 せっかく防護さくをつくりましても、積雪が非常に多い、二メートル近いですね。それから防護さくの下の方からカモシカが出てくる、これはどういうわけでございますか。防護さくが積雪のために非常にこわれやすい、それからこわれていない部分でもカモシカが防護さくの下の方から出てくるというのですが、これはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/45
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046・横瀬庄次
○横瀬説明員 昭和五十年度からこの防護さく事業を始めたわけでございますが、当初、昭和五十年度の防護さく、これは約四千メートルでございましたが、これは当時カモシカの防護さくというものがどのようなものであったらいいのかということが十分にわかっておりませんこともありまして、シカの例と同じようなものを使ってやってみたわけでございます。ところが、いま御指摘のように、一つは積雪が非常に多いということ、それからカモシカは下からもぐってくるということもそのときにわかってきたわけでございまして、そういう反省のもとに、昭和五十一年度の事業からはそれまでのさくを相当に補強いたしまして、一メートル当たりの単価もかなり増額をいたしまして、下の方を手厚く補強をするといいますか、メッシュでやるわけですが、メッシュの目を細かくして上の方は粗くするというような、さくの仕方を改良いたしました。その結果五十一年度以降の、五十一、五十二でやっているわけでございますが、こちらの方の防護さくは非常に有効であるというようなことが地元から報告されております。もちろん完全にすべて満点であるということにはなってないかもしれませんけれども、五十一年度以降のさくのやり方をすれば効果があるというようなことになっているように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/46
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047・古寺宏
○古寺委員 このカモシカによる農産物に対する被害の補償の問題でございますが、これはかねてから検討されておるわけでございますが、文化庁としてはこの被害の補償についてはどういう対策をお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/47
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048・横瀬庄次
○横瀬説明員 現在、天然記念物に関する補償制度といたしましては文化財保護法の第八十条第五項に規定がございまして、現状変更、つまり捕獲について文化庁長官の許可が得られなかったとき、あるいは許可に条件が付せられたとき、そういう場合に、それによって損失を受けた者に対しては、国は通常生ずべき損失を補償するという規定がございます。この規定しか補償制度としてはございませんで、こういう要件に当たった場合には、これは当然補償の責に任ずるわけでございますが、それ以外の一般的な制度としては現在まだ確立されていない状況にございます。私どもとしては、まず食害を防止する対策を確立することが先決ではないかというふうに考えまして、従来から御答弁申し上げておりますように、恒久的な対策樹立のための調査ということで五十三年度までの三ヵ年計画で林野庁、環境庁とも連携しながら調査研究をしてきているわけでございまして、これがまとまって抜本的対策ということが講ぜられました場合に、その際にこの補償問題というものも当然その中で検討さるべきものだというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/48
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049・古寺宏
○古寺委員 そうしますと、その結論が出るまでに損害をこうむった分については、被害者の方から要求があればそれに応ずるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/49
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050・横瀬庄次
○横瀬説明員 先ほども申し上げましたように、文化財保護法上の規定の上に乗ってくるようなものであれば、当然それは受けるべきものだと思いますが、それ以外の制度というものが現在のところ確立しておりませんので、これは大変遅いといっておしかりを受けると思いますけれども、恒久的対策樹立の中でそういった制度についても検討していくということ以外に方法はないというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/50
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051・古寺宏
○古寺委員 いろいろ検討しているようでございますが、防護さくの問題一つとらえましても非常に後手後手なんです。実際にカモシカの生態を考えないで防護さくをつくってしまった、あるいは積雪地帯であるということを考慮に入れないで防護さくをつくるというような非常に無知な対策がいままで行われてきているわけなんでございます。現在この生態の調査を行っておるということでございますが、その調査につきましても非常に予算が少なくて思うように調査ができない、こういうふうに言われているのでございますが、この計画の予算は大体どのくらいでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/51
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052・横瀬庄次
○横瀬説明員 文化庁といたしましては環境庁、林野庁と連携、連絡をとり合いながら分担を決めまして、その抜本的対策樹立のための調査というのを、主にカモシカの生態についての研究をしております。文化庁のそうした予算は、五十三年度の予算は千二百六十九万円でございます。そのほかに非常に食害が著しくなっております青森県とかあるいは長野、岐阜といったような県につきましては、その被害が起こりました当時、大体五十年度以降でございますけれども、補助金を交付いたしまして、その地域における被害状況の調査あるいは生息状況の調査、そういうものを緊急にやっていただいております。これが五十年度から五十二年度までずっと継続してやってきておりまして、たとえば青森県の場合は合計で四百二十九万円でございます。大体そんなようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/52
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053・古寺宏
○古寺委員 実際にこの調査に当たっている方々のお話を承りますと、ほとんどが足代と申しますか旅費と申しますか、そういうもので終わってしまうというようなお話を承っておるのでございますが、そういう面については十分に配慮をして予算の計上をしているわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/53
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054・横瀬庄次
○横瀬説明員 いまの御指摘は、青森県の場合について申し上げますと、青森県は県教育委員会としては弘前大学を中心に調査を委託しているわけでございますが、弘前大学の研究者と青森県教育委員会とは十分に協議をした上でその全体の事業費を決めて、そして国の方に申請をしてきているというふうに伺っているわけでございます。したがいまして、私ども国としては、県からの申請というのは申請どおり補助金を交付しておりまして、そのもとになっております青森県段階での検討というものに非常に経費の不足があるとすれば、今後十分にその点に注意するように県等を指導してまいりまして、そしてその結果出てまいりました申請に対しては、私どもは原則としてその申請どおり認めるような態度で対処していきたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/54
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055・古寺宏
○古寺委員 それでは次は、脇野沢村の同じくニホンザルの例なんでございますが、これは環境庁の方の所管になるわけでございますが、どうも年々ニホンザルがどんどんふえまして、現在は大体どのくらいいるように把握しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/55
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056・出原孝夫
○出原政府委員 いわゆる北限のサルとして天然記念物に指定されましたのは昭和四十五年でございますが、その当時四十数頭と見られたものが最近では百頭を超しておるという状況と承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/56
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057・古寺宏
○古寺委員 環境庁としてはこのニホンザルの保護管理についてどういう対策をお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/57
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058・出原孝夫
○出原政府委員 昭和四十五年当時に四十数頭がおるということで、人工給餌、要するにえさを人が与えるということでサルを保護しようということで保護してまいりました結果が、現在百頭を超えておる。しかも百頭を超えておるものが給餌に伴って人里近くにどんどんとおりてくるということになって、逆に被害が問題になるという状況でございます。北限のサルとして生息可能な数にした上で、なおかつ被害をもたらさないような調整をすることが現在必要になってきております。そのために最近では予算的にも給餌のほか環境等の調査を行いまして、どうも給餌のために人里近くヘサルを引き寄せ過ぎたということがございますので、漸次森に帰るような形での給餌をしていって、数の調整も自然に行えるようにということでの調査と努力をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/58
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059・古寺宏
○古寺委員 いま調べましたら、昭和三十七年には十七頭だったおサルさんが昭和五十二年には一年間に二十四頭もふえまして、百二十頭を超えているんですね。どんどんふえるものですから、いまのお話ですと、自然に山に帰そうということで給餌を制限したりいろいろおやりになっているようですが、そのために民家に入っていろいろな悪さをすると申しますか、被害が出ている。
それからもう一つは、非常に急激にふえましたために、村の負担が非常に大きくなっているんですね。現在のこの補助率を見ますと、国が十分の五、県と村が十分の二・五ずつ、こういうふうになっているわけでございますが、そのほかにもいろいろな村の負担がございまして、現在、一年間に村の負担が百九十八万七千五百円になっている。ちっぽけな村でございますので、何とかしてもう少し国の補助率を引き上げて村の負担を軽減してもらいたい、こういう要望があるのですが、この点については環境庁はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/59
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060・出原孝夫
○出原政府委員 結局サルを人里近くに引き寄せ過ぎたということに問題があるかと思います。村の方でそういう御希望のあるということも承知はいたしておりますが、ただ、こういったものの補助率につきましては、これをかさ上げするということは非常に困難な事柄でございます。私どもの方も、補助額全体といたしましては、昭和五十一年に百二十七万円であったものを五十二年、五十三年には二百十八万というようにふやしておりますので、私どもなりに努力はいたしておるつもりでございますが、これ以上ということはなかなか困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/60
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061・古寺宏
○古寺委員 こういうふうに天然記念物に指定されている。これも先ほどの基本的理念から申し上げますならば国民共有の財産ということになるわけなんですが、予算上の措置ができないために村の財政が非常に影響を受ける、あるいは十分なえさを与えないために農作物を初め人間にいろいろな危害を加えるというような事態が出てきたような場合には、どういうふうに対処をするわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/61
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062・出原孝夫
○出原政府委員 個々によって実情に応じた対応をしなければならないわけでございますが、こういった場合に、私どもといたしましても現在の制度の中でできるだけのことは措置をするという意味におきまして、先ほどのように、予算額をふやして対策を早急に進めていくというようなことでございます。一つ一つにつきましてはなお及ばざるところ等もいろいろあるかと思いますが、さらに今後努力を重ねる必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/62
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063・古寺宏
○古寺委員 先ほどのカモシカにいたしましてもニホンザルにいたしましても、もちろん数がふえてきたというのも大きな原因の一つでございましょうが、そういう農作物に被害が出るという大きな原因は、やはり国有林をどんどん伐採したために自分のすみかを奪われてだんだん人里近くおりてきたんだ、こういうふうに地域の方々はおっしゃっているわけでございます。これは、ただ単にカモシカやニホンザルの問題だけではなくして、多くの鳥獣が自分たちの生息の地域であるところの森林を伐採されることによってだんだん減少したり、あるいはいろんな新しい生息地を求めてそこにいろんな現象が出てきているんではないか、こう私は考えるわけなんですが、現在、林野庁として、こういう鳥獣保護の立場に立った林野行政を進めておられるのかどうか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/63
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064・石田基隆
○石田説明員 お答え申し上げます。
先生も御案内のように、国有林におきます野生鳥獣の保護につきましては、具体的にはそれぞれの地区の地域施業計画の中にその取り扱い等細かく規定いたしまして、万全を期しておるところでございます。具体的には、自然環境保全法あるいは文化財保護法、自然公園法、さらには鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律等に基づきまして指定されます指定地域、あるいはまた施業の制限というふうなものを地域施業計画の中に組み入れまして、これに基づく施業を的確に行いますとともに、さらに国有林自体といたしましても、そのほか自然休養林であるとかあるいは保護林の指定、伐採個所の分散保護というふうなことをきめ細かに施業を行いまして配慮しておるところでございます。
なお、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づきます鳥獣保護区は、国有林野面積全体の約一割に現在相当しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/64
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065・古寺宏
○古寺委員 そういう面につきまして、今後十二分に国有林内の鳥獣保護区の設定というものを進めて保護していただきたいと同時に、やはり今後の伐採計画については環境庁あるいは文化庁とも十二分に連携をとって、鳥獣保護の基本理念に立った施業計画というものを進めていただきたいということを要望しておきます。
それから次に、民有地の買い上げの問題でございますが、毎年予算が計上されているにもかかわらず、消化率が非常に悪いんですね。先日も野鳥の会の方々と一緒にお話をしましたところが、非常にいろんな制限があって、貴重な地域を残しておきたい、保存しておきたいというので野鳥の会の会員の皆さんがお金を出し合ってそういう地域を確保している、こういうお話も承ったわけでございますが、こういう面については環境庁、どうなっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/65
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066・出原孝夫
○出原政府委員 鳥獣保護のための土地の買い上げは、現行予算措置として認められておるものがあるわけでございます。これは自然公園の特別地域の第一種特別地域でございますとか特別保護地区などとあわせまして、特殊鳥類及び渡り鳥の重要な生息地であり、かつ国設の鳥獣保護区の中の特別保護地区について交付公債をもって買い取るということが認められておるわけでございます。これは、特別保護地区を設定し具体的にその土地の所有者の権利を規制するということのために、土地所有者がそれでは困るということで買い取ってほしいというときに買い取るようなシステムでございます。現在そういう形で買い取れるようにはいたしておるわけでございます。これには国の負担のほか、都道府県も分担を願うということになっております。現在、予算的に認められておるものに対しましてはなかなか十分に買い上げの実績はございませんが、その原因は、この予算措置につきましてもいろいろ手続的なものについて、各都道府県に私どもまだ十分周知徹底が足りないところもあると考えておりますし、いよいよになりましたときも値段の折り合いがつかないということのためになかなか買い取りができないというケースもございますので、私どももこの制度はできるだけ活用はしてまいりたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/66
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067・古寺宏
○古寺委員 先ほどのカンムリカイツブリの例もございますように、環境庁の行政の怠慢から、この制度があっても進行していないというのが一つの大きな原因であろうかと私は考えます。指定されるべきものがまだ指定されていないのですから買い上げのしようがないわけです。それが一つでございますね。
それからもう一つは、特別保護地域じゃなくて一般の保護地域の中にも、特別保護地域にしなければならないような地域がたくさんあるわけです。ですから、そういう一般保護地域まで買い上げの対象にするということ。
それから、現在は交付公債というような形でこの制度が行われているのですが、やはり必要なものに応じては補助金制度というようなものを考えて、工夫をしてそういうような地域を確保して保護していく、こういう考え方、行政の進め方が必要ではないかと思うのですが、その点についてはいかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/67
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068・出原孝夫
○出原政府委員 第一点の問題につきましては、普通の鳥獣保護区から特別保護区にするということによって実際には可能になるわけでございますが、これは私どもも特に大事な鳥獣の保護のための生息地といったようなものについて考えられる予算措置でございますので、一般の鳥獣保護区の中で特に重要なものはやはり国設の鳥獣保護区にするという努力がまず行われるべきであろうと考えております。このためには、やはり現在の狭隘な国土でしかも多目的利用しておる方々が、しかも土地の所有権が細分化されておるというような状況でございますので、同意を得ることが非常に困難なことが多うございますけれども、私どもは努力を続けるべきであるというように考えておりますし、今後とも努力は進めてまいりたいというように考えております。
交付公債を補助金にかえたらどうかという御指摘、御意見等も私どもは承知はいたしておりますが、まず現行の方法で徹底を図った上で、将来の課題として検討いたしたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/68
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069・古寺宏
○古寺委員 いままでの消化率は、秋田県の八郎潟の場合一件だけでそのほかはないようでございますが、一件だけではこれは全く皆無に等しいと言っても過言でないと思いますので、どうかひとつそういう面につきましては、今後十分に検討をして進めていっていただきたいと思います。
次は、保護区、禁猟区等の標識の整備の問題でございますが、これが限られた都道府県のいわゆる入猟税と申しますか、そういう予算の枠内で行われているために非常に十分でございません。こういう面については、環境庁はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/69
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070・出原孝夫
○出原政府委員 鳥獣保護に要する費用の財源といたしましては、現在の鳥獣保護の体系が都道府県の事業を中心に行うという形になっておるわけでございます。そして、その財源として、目的税である入猟税が充てられるということになっておるわけでございます。
昭和五十二年の入猟税の改定に際しまして、鳥獣保護区等における標識は、おおむね三百メートルごとに設けることということで各都道府県に通達をいたしております。そのほか、適宜地形の複雑度に応じて、実情に即するよう設定するようにも指導をいたしておりますので、今後ともその徹底を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/70
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071・古寺宏
○古寺委員 次は、銃器による事故の問題で警察庁にお伺いいたしますが、これは年々ハンターがふえておりまして、事故が減少していないようでございますが、事故防止について警察庁としてはどういう対策なり指導を行っているのか承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/71
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072・柳館栄
○柳館説明員 お答え申し上げます。
事故につきましては、昭和五十年からちょっと減ったのでございます。それ以降、大体横ばいで進んでおるというのが実態でございます。
そこで、事故防止対策でございますけれども、まず第一点は、初心者の講習会というのが許可前にあるわけでございますが、その講習を実施する際に、事故防止を徹底的に指導するというようなことをやっておるわけでございます。
それから、このたびの法律改正によりまして、三年更新でございますけれども、更新時にまた講習を受けなければならないという制度にいたしましたので、この制度を活用いたしまして、特に事故防止ということに最重点を置いた講習を実施してまいりたいと考えております。
なお、現在いろいろな猟友会等の会合がありました際には、私どもの方からも参りまして、事故防止の協力をお願い申し上げておるというようなこともいたしておりますし、また現在狩猟講習というのが毎年行われておりますけれども、その席にも私どもの方で出席させていただきまして、事故防止を訴えておるというようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/72
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073・古寺宏
○古寺委員 この事故の調査方法とか情報の収集はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/73
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074・柳館栄
○柳館説明員 事故の調査方法でございますけれども、事故が発生いたしますと警察に届け出があるわけでございます。それに基づきまして全体を掌握してまいります。情報収集の点で警察が把握できない、軽いような場合には、警察に届け出ずに処理されているということもあろうかと思いますけれども、最近、保険制度等も発達いたしてきておりますので、比較的警察の把握率は高くなっておるはずだと私どもは考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/74
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075・古寺宏
○古寺委員 保険に入っているから事故が起きてもいいという考え方では、これはいけないと思うのです。事故はもう絶滅すべき問題ではないかと思います。
なお、銃猟禁止区域等の標識もまだ十分に完備されていないわけなんですが、そういう点について、警察はどういう指導をしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/75
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076・柳館栄
○柳館説明員 最初にちょっとお断り申し上げたいと思うのですけれども、私の申し上げた趣旨は、保険があるから事故が起こってもいいのだという趣旨ではございませんので、保険に入っている場合にはいろいろ届け出をせぬといかぬ、そうなると警察の事故の実態の把握がよくできるだろうという趣旨で申し上げたのでございます。
そこで、標識のことでございますけれども、私どもの方は県当局とも連絡をいたしまして、そういう禁猟地域の取り締まりその他につきまして積極的な協力をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/76
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077・出原孝夫
○出原政府委員 関連しまして、私どもの方からもお答えを申し上げておきます。
先ほど昭和五十二年の入猟税の改定に際しましての鳥獣保護区等における標識についての御説明を申し上げましたわけでございますが、その際の通達におきまして、銃猟禁止区域等における違反等を防止するためにも標識等の整備を図るようにということで、鳥獣保護区域と同じような方針で整備をするように指導をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/77
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078・古寺宏
○古寺委員 それから、鳥獣保護員というのがございますね。こういう方々は、調べてみますと、青森県の例では半数以上がハンターなんですね。保護をする立場にある人がどんどん狩猟をしているという、何というか、非常に矛盾した行政が環境庁によって行われているわけです。ですから、環境庁はこの鳥獣保護法というのはハンターのためにつくっているのか、本当に鳥獣を保護するためにつくっているのか、判断に苦しむわけなんですが、こういう鳥獣保護員というものの性格からして、これは当然自然保護団体なりそういうきちっとした人を適材配置をしませんと、目的の達成が全然できないのじゃないか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/78
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079・出原孝夫
○出原政府委員 鳥獣保護員の役割りにつきましては、一つは鳥獣保護についての民間の指導、啓蒙等の役割りもございますが、そのほかに国なり都道府県が行います。ハンターのいろいろな意味におきます監督なりの措置につきましても応援を願うということになっておるわけでございます。したがいまして、もっぱら鳥獣保護について御関心の深い方々と、それから狩猟に経験のある方で、ハンターに対して十分にその実情を承知の上で注意を与えることのできる人たちと、この人たちが適当に協力し合って御指導願うというのが最もいいことであると考えております。
ただ、その構成につきましては、各都道府県の実情によってまちまちであり、御指摘のように、一方に偏っているという問題もあることも承知をいたしておりますので、この点は、私どもも県を指導いたしまして是正に努める必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/79
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080・古寺宏
○古寺委員 鳥獣保護員というのと今度はまた狩猟監視員という制度があるのですね。狩猟監視員というのはどういう方かとお聞きしますと、これもハンターの中から選定をしていろいろ指導をする、こうおっしゃっているわけですね。そうすると、狩猟を監視する人もハンターでしょう、鳥獣を保護する人もハンター、これじゃ全く鳥獣保護になっていない、こう思うのですが、きちっと色分けをして区別するようにしたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/80
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081・出原孝夫
○出原政府委員 国の方の施策として都道府県にお願いしておりますのは鳥獣保護員でございます。監視員は地元の猟友会等のハンターの団体が自主的に、狩猟が適正に行われるようにさらに自主規制をするための人たちであるというように承知をいたしておりますので、国の制度としては色分けは鳥獣保護員でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/81
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082・古寺宏
○古寺委員 あなたのお話を承っていますと、たとえば保護区をつくったり天然記念物を指定する場合には地元の意見、地元の意見、こうおっしゃるのですよ。地元の地域がそういうふうないわゆる鳥類保護員のほかに狩猟監視員というものを設けなければならないのは、やはり事故を未然に防止したりいろいろなことをスムーズに運営していくためにどうしても必要でこういうものを設けているのでしょう。あなたがおっしゃるのは、いや、それは地方が勝手にやっているのです。国はそんなことは考えません、こういうふうに全く愛想も何にもない答弁をなさいますけれども、そうじゃなくて、やはり地域は必要に応じてこういう制度を設けてやっているのですから、今後そういう方向で国も検討してみますとかなんとか、うまい答弁ができないのですか、どうなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/82
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083・出原孝夫
○出原政府委員 私のお答えの申し上げ方が何か適切でなかったために先生に誤解をお与えしたのではなかろうかというように思います。
私がいま申し上げましたのは、実情といたしまして、地域で特にハンターの方々がみずからのために自主的に行っておられるのが狩猟の監視員というような名前で行われておるということでございまして、国の制度としては鳥獣保護員ということで、私どもはこの制度をさらに今後とも発展させるように努力をしなければならないし、また、そういたしたいと考えておる問題でございますので、もし私の御説明がそういうことで先生にちょっと誤解を招くようなことでございましたら、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/83
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084・古寺宏
○古寺委員 それではどっちが環境庁なのかわかりません。
次は自治省にお尋ねをいたしますが、入猟税は目的税としていろいろな狩猟の事業費として使われているようでございますが、免許税はどういうふうに使われておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/84
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085・矢野浩一郎
○矢野説明員 ただいま御質問にございましたように、入猟税は目的税でございまして、鳥獣の保護及び狩猟に関する行政の実施に関する費用に充てられる、このようになっております。狩猟免許税は、これは狩猟をする人たちに対しまして一定の免許を与えるということでございまして、そういった特別の地位を与えるということに伴う担税力に着眼をして課税をするものでございます。これは入猟税と異なりまして普通税でございますから、都道府県のその他の税収の中に含められまして一般的な都道府県の行政の費用の一部に充てられるということで、特に定められた使途というものがないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/85
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086・古寺宏
○古寺委員 私は、地方税法の改正が行われる際にはこれはやはり目的税に変えるべきだと考えるのです。と申しますのは、現在、入猟税は目的税として、目的税としての性格上いろいろな事業に使われております。その事業の中にいわゆる免許の申請とか免許の手続、そういうものに必要な費用が一切この入猟税の方から支払われておるのですよ。いろいろ講習もございます。そういう面で、先ほどから申し上げておりますような標識の問題にいたしましてもあるいは監視員の問題にいたしましても、非常に限られた予算で行われているために、日本の鳥獣保護行政というものが非常に後退しているのです。非常に進まない。こういうものを今後十分に配慮していきませんと、せっかく法律を改正いたしましても目的の達成はできないと思いますので、今後この免許税につきましては、免許に関するいろいろな予算については免許税から支出をする、こういう方向でお考えになったらどうでしょうか。もう一回御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/86
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087・矢野浩一郎
○矢野説明員 狩猟に関する行政なりあるいは鳥獣保護に関する行政が昨今非常にふえてまいっておる、そういう意味でこれに必要な特定財源、目的財源の充実を図らなければならぬという御質問の趣旨は十分わかるわけでございます。ただ、狩猟免許税につきましては、先ほど申し上げましたように、税の性格としてそういう特別の地位を与えられる者についての担税力に着眼するという税の一般的な性格から課税をしておるものでございますから、これそのものを目的税とするということについては現段階においては考えられないかと思うのでございます。
実態的に申し上げますと、現在、たとえば五十一年度でございますと、こういった鳥獣保護、狩猟に関する行政のために支出されました費用が約二十六億ほどございます。これに対しまして入猟税が約十五億ほどの収入でございまして、したがいまして、五十一年の段階をとらえてみますと、都道府県全体でございますとやはり入猟税以上の行政費用を充てておることは事実でございます。そういう観点もございまして、昭和五十二年度におきまして入猟税の税率を改めましてこれをふやしまして、もっとこういった方面の行政に関する財源の確保ができるようにしたわけでございます。今後ともこの面の財源の確保につきましては、物価の水準その他いろいろあろうかと思いますが、そういった点を考慮しながら努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/87
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088・古寺宏
○古寺委員 入猟税が増収になるように、大体倍近くなったのはごく最近でございます。その入猟税の中から自然保護に関係のある職員の給料まで全部支出しているのです。それをいままでずっと続けてきたのです。そのために鳥獣保護の行政が非常に後退しておった。ようやく入猟税がふえて、あるところまで来たのですが、それが狩猟の方にまた回っていくのですね。いまのこの免許の申請とか、そういう方向に予算が食われていくわけです。それでは同じなんですね。ですから、やはりこの免許の問題に関しては、免許税をちゃんと取っているのですから、そういう税金によって免許の方は賄うという方向でひとつ今後検討してください。
時間が大分詰まりましたが、それでは最後に、先日起こりましたイルカの問題でございますが、陸上におきましては鳥獣保護法というものがございますけれども、クジラですとかあるいはオットセイですとか、こういうようないわゆる海洋動物に関する保護法がわが国にはないわけでございまして、アメリカにおきましてはすでにそういう法律ができ上がっているわけでございます。水産庁といたしましては、主にクジラをとるとか有効利用とかいう言葉で非常に逃げておりますが、やはり二百海里時代を迎えて日本に対する世界の考え方、それは、先日の壱岐のイルカの問題でも、福田総理がアメリカにいらしたときにいろいろ問題になりましたように、日本国民というのは非常に残虐な、動物を愛護しないそういう国民であるかのような感触を持っているわけでございます。今後サケ・マス漁にいたしましても、あるいは捕鯨にいたしましても、世界のいろいろな国々へ行ってお世話になるわけですから、やはり日本の水産庁も、そういうような海洋動物を本当に日本人は愛護しているのだ、その上に立って有効利用も考えているから御協力を願いたい、こういう姿勢、えりを正した姿勢というものがまず必要ではないか、こういうふうに考えるのですが、水産庁はどう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/88
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089・恩田幸雄
○恩田政府委員 ただいま御指摘のように、本年の二月でございますか、壱岐においてイルカが捕獲されまして、それが世界各国に報道されまして反響を起こしたことは私どももよく存じておるわけでございます。ただ、私どもの立場は、あくまでも今回の壱岐のイルカにつきましては、地元の零細漁業者がイルカによりまして相当な被害を受けました、イルカによるいわゆる食害あるいはイルカによる魚群の散逸その他でございますが、そういうような被害を防止するためにやむを得ずとった自衛手段であるということと、それから、現在あの周辺におりますイルカは約三十万頭と言われておりまして、今回のいろいろな問題になった頭数程度の捕獲によりましては資源に与える影響は全くないというふうに理解しております。ただ、いろいろ国際的な反響も非常に強かったものですから、私どもは今後につきましては、漁民の生活の維持とイルカ資源の保存ということを図りつつ、食害防止について一層適切な方法がないかということを考えているのだということで諸外国に対して御説明いたした次第でございます。
私どもといたしましては、従来も水産資源保護法に基づきまして魚族資源あるいは海産哺乳類、こういうものについて必要な規制を課しております。たとえばシロナガスクジラの捕獲禁止でございますとか、それから体長の小さなものの採捕禁止、あるいは漁獲数量の制限あるいは漁船あるいは漁法等の規制、こういうものによりまして従来から資源保存に十分な努力をしてきていると考えておりまして、今後ともこういう線で、御指摘のようにさらに努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/89
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090・古寺宏
○古寺委員 いまの御答弁を承っておりますというと、食害のために殺したのであるからこれはやむを得ないのだ、こういうふうに簡単におっしゃいますが、それは確かにイルカはある限られた地域では現在も消費されているようでございますが、まだ余り国民の食品として消費はされておりません。しかし哺乳動物であるということには変わりがないのです。やはり赤ちゃんを二年間に一遍産んでおっぱいで育てる、そういう哺乳動物、われわれ人間と同じような動物であることには変わりがないわけですね。それをただ単に商業ベースだけで考えて、食害があるから殺せばいいんだ、こういう姿勢、そういう単純な考え方が世界の誤解を招くんじゃないかと私は思うのです。やはり漁法をいろいろ工夫するなり、あるいはイルカは音響に対しては非常に敏感でございますので、何かそういうような新しい方法によってイルカの撃退方法を考えるとか、あるいは日本の現在ある法律を改正して、イルカもある程度保護していくとか、そういう方向をやはり水産庁としてアメリカなり外国に示す必要があるんじゃないか、私はそういう考え方でいま申し上げたのでございますから、なぜ壱岐で殺したということをお聞きしているのじゃないのです。今後、日本の水産行政を進めていく上で、あるいは資源をこれから保護していく立場で、日本がこれからこういうイルカの問題一つにしてもどう対処していくべきか、そういう立場で私はお尋ねをしているわけでございますので、もう一度水産庁としての今後の決意を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/90
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091・恩田幸雄
○恩田政府委員 私どもといたしましても、何もイルカが食害が多いからそれを殺すということで考えているわけではございません。過去におきましても空砲による威嚇あるいは音波による撃退等をやったわけでございます。これがやはりイルカになれてしまいまして、何の効果も及ばなかったということから現地が今回の状況に及んだわけでございます。
私どもといたしましては、イルカの問題につきましても、現在、科学技術庁といろいろ御相談中でございますが、新たに研究の予算を組ましていただくように考えておりまして、その内容といたしましては、音波あるいは超音波によるイルカの制御技術に関する研究あるいはこれの漁場での有効使用のための研究、こういうものについて努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
それで、資源全般についてでございますが、えてして私どもいままでよその国から、乱獲をしているではないかというような御指摘を受けておるわけでございます。私どもといたしましては、いままでも従来のいろいろな国際会議においても、資源の保護ということに十分留意しつついろいろ議論をしてまいりましたし、また漁業者にも十分指導してまいりましたが、御指摘のような面も一部にございますので、今後さらに資源保護につきまして十分な配慮をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/91
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092・古寺宏
○古寺委員 イルカの問題にしましても、わが国の研究はまだ十分になされておりません。それから鳥獣のいろいろな生息の分布の状態にいたしましてもあるいは鳥獣の生態にいたしましても、非常にわが国の研究がおくれておるのです。すべてが委託研究なんですね。それも限られたスズメの涙ほどの予算で研究しなさいと言われても、それを委託された方も大変なんですね。ですから、やはり今後のわが国の鳥獣保護行政としては、きちっとした国立の研究機関、こういうものを持つ必要があろうかと思うのです。現在、国立公害研究所の中にはこういうような研究機関はございません。したがいまして、新たにそういうような研究部門をつくることが私は緊急の課題ではないかと思われますので、これはひとつ政務次官から大臣の方に、日本のかわいい小鳥や動物を守るためにはぜひ必要ですということを特に強調していただきたいと思いますので、政務次官から御答弁を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/92
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093・大鷹淑子
○大鷹政府委員 古寺先生の大変温かい、きめ細かい御説をずっと拝聴いたしておりまして、大変ごもっともな御指摘がたくさんございましたことを、私も同意しておりました。
また、国立研究機関、専門員を育てるということも、大変いまの日本にとって必要なことだと私も考えますけれども、定員事情等々、いろいろな困難な問題がございます。これから調査をいたしまして、大臣にも私からも申し上げまして、御指摘の点、最善を尽くすようにさせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/93
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094・古寺宏
○古寺委員 いまの御答弁は、局長が紙に書いたのをちょっとお読みになったので、少し後退した御答弁になりましたが、そういう局長の知恵をお借りしなくとも、ひとつ政務次官として大臣に強く要望していただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/94
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095・島本虎三
○島本委員長代理 この際、午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。
午後零時十二分休憩
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午後二時三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/95
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096・久保等
○久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。中井洽君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/96
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097・中井洽
○中井委員 大臣に幾つかお尋ねをしようと思ったのでありますが、大臣が参議院におられるということでございますので、政務次官に大まかな形で二、三だけ質問をさせていただきたいと思います。
今回、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案が出されたわけでありますが、現在の日本の鳥獣保護の状況というものを次官としてはどのように認識されておられるか、あるいは将来の日本における鳥獣保護というものはどういう形がいいとお考えになっておられるか、そういった点についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/97
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098・大鷹淑子
○大鷹政府委員 鳥獣保護ということでいまお尋ねがございましたが、国際的に見ましても、日本の鳥並びに動物に対する扱い方、姿勢というものは、文明国の一国として決して誇りにできるような立場にはない、まだまだいろいろとしなければならないことが山ほどあるという感じで受けとめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/98
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099・中井洽
○中井委員 過日からイルカの問題で国際的に大変問題になっておる。あるいは数年前から日本は鯨を殺し過ぎるじゃないかというようなことをいろいろと言われて、特にイギリス等、動物愛護の協会がヒステリックなまでに日本を攻撃しておる。たとえばアメリカなどが日本に鯨をとり過ぎるなとおっしゃるけれども、そもそもペリーが日本へ来たときは、捕鯨の燃料補給のために日本に開港せいと言ったのが最大の目的で、あの当時とり尽くしておったのだし、こんなところでアメリカの悪口を言うてもしようがないですが、バッファローなども全滅させてしまったのであります。他国のことを言われても、民族の違いあるいはそれぞれの性格の違いがあると私どもは思うのでありますが、どういった点で文明国として国際的レベルからおくれているとお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/99
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100・大鷹淑子
○大鷹政府委員 イルカと鯨のことは水産庁のことでございまして、環境庁直接ということはございませんけれども、私は動物福祉協会の顧問などをしておりまして、外国の愛護団体から捕鯨禁止とかイルカのこの間の殺し方についていろいろと陳情と申しますかお訴えを承ったことが何度かございます。鳥獣といってもいろいろございますので、どれ一つとっていいかわかりませんけれども、特に絶滅に瀕しているというような鳥獣に関しまして、環境庁としてはやはりもう少し積極的に手を差し伸べることをしなければいけないのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/100
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101・中井洽
○中井委員 率先して鳥獣保護のために啓蒙運動等御活躍をいただける、こういう決意だと御理解をさせていただきまして、もう一つ、別の点でお尋ねをいたします。
この法案は、一面で言えば保護するために狩猟を規制するということでもありますが、保護するのと、狩猟ということでそれを殺す、とるという形の相反する二つの法案が一緒になって出てきておると私は思うわけであります。この狩猟あるいはハンティングというスポーツについて、スポーツじゃないと言う人もおられるようでありますが、次官はどのようにお思いでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/101
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102・大鷹淑子
○大鷹政府委員 私は、小鳥も動物もこよなく愛する一人でございますので、狩猟というものは個人的には全面的にいやでございますし、拒否反応を示すのでございますけれども、大変歴史あるハンティング、スポーツとして狩猟というものが存在しておりますので、環境庁の政務次官の立場で申し上げますと、狩猟はスポーツとしての性格を持つ一面、また農林業に有害な鳥獣の発生を未然に防止する役割りも果たしているということを認めなければいけないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/102
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103・中井洽
○中井委員 私も、ハンティングということに関して、個人的に決していいものだとは思っておりませんが、現実にスポーツとして広く愛好する人口も抱えておる、あるいは逆に、先祖伝来狩猟を職業として生活しておられる方々もたくさんおられる。そういったものと鳥獣保護というのを環境庁としてはどういうふうに調整をつけながら自然保護、鳥獣保護を進めていこうとしているのか、お答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/103
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104・出原孝夫
○出原政府委員 御指摘のように、狩猟は矛盾する二つの面を持っておるわけでございます。
したがいまして、一面においてスポーツとしての性格、しかも歴史的に世界各国を通じてこういうことが行われておって、しかもそれが認められておるという前提に立つ必要があるわけでございますが、今後の狩猟の制度を考えてまいります場合に、特に近代国家におきましては、鳥獣の生息環境もいろいろな意味において悪化しておる面もあるわけでございますから、鳥獣の保護を図ることを基本的な理念といたしまして、その理念から逸脱しない範囲内で、農林業の振興であるとか狩猟の事故の防止といったようなものに十分配慮しつつ実施をすべきものであるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/104
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105・中井洽
○中井委員 ちょっとほかのあれになるかもしれませんが、狩猟を生活の中心としてやっておられる人あるいはもう副業の大部分を狩猟でやっておられる人という人口は日本全体でどのくらいおられるか、おわかりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/105
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106・出原孝夫
○出原政府委員 正確にはつかまえておりませんが、また、これはつかまえ方が非常にむずかしいのでございますが、私どもは、狩猟を生活の唯一の糧としておられるという人たちはわが国においてはもうほとんど皆無と考えてよろしかろうと思います。ただ、狩猟によって年収百万ないし二百万以上の収入があるという方の数が全国的に、ちょっといま正確に記憶いたしておりませんが、二けたあるいは三けたの初めぐらいの数の方がおられるというように承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/106
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107・中井洽
○中井委員 そういった人たちの職業の立場というのと鳥獣保護というものの調整をどのようにおつけになっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/107
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108・出原孝夫
○出原政府委員 したがいまして、私どもは、狩猟をする人たちにつきましては、基本的にはスポーツとしてお楽しみになるという方々がそれによって要するに鳥獣の保護との調和を乱さないようにということを基本の姿勢にいたしておりまして、それによって生活をなさる方というものについての配慮は比較的、個別の場合は別でございますが、政策としてはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/108
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109・中井洽
○中井委員 そうしますと、狩猟というものに関して環境庁としてはスポーツが主である、そして害鳥や害獣、そういったものの駆除あるいは生活の糧としておられる人たちは少ない、減りつつある、うんともう減ってしまっているということで副次的に調整をつけていく、こういうふうにお考えであると理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/109
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110・出原孝夫
○出原政府委員 そうお考えいただいて結構だと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/110
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111・中井洽
○中井委員 そうすると、ほかの観点からお尋ねいたします。
今度の法案の中で、猟区の設定等について前向きにやっていくんだということが出ているわけでありますが、日本全体、いま私が理解するところは、たとえば禁猟区であるとか保護区であるとか休猟区以外は大体期間を区切って猟をしてもいいというような形になっておる。これを将来、日本じゅうをまあまあ禁猟区にして、そして特定のところだけで狩猟というスポーツをやらすのだ、あるいは害鳥、害獣の出たところだけそういうスポーツ愛好家に頼んでこれを駆除していくんだ、こういう形で進まれようとしておるのか。あるいは猟区というのも、なかなか日本では狭い国土でもありますし、それほどたくさんの山林を持っておるという方が全国に散らばっておるわけじゃありません。猟区一つつくるのにもいろいろな地主がおられる。したがって、むずかしいからまあまあいまのような折衷案みたいな形で当分進めていくとお考えになっているのか、その点についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/111
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112・出原孝夫
○出原政府委員 自然環境保全審議会の鳥獣部会におきまして、今年一月に答申をいただきます際にも、狩猟の場につきましての論議が非常に長時間を要したため答申がおくれたという経緯がございます。これは、そのよって来るところを私どもといたしましてせんさくをいたしてまいりますと、確かに御指摘のように、わが国の狩猟の場の制度は、世界の先進国の中で比較をいたしますと、イタリアとわが国がいわゆる乱場、禁猟区以外のところは全国どこで狩猟をしてもいい。ただし、御案内のようにその期間でございますとか鳥の種類は限られておりますが、そういうようなことになっておるわけでございます。ただ、そのよって来るところをいろいろせんさくをいたしますと、いま御質問の中でも御指摘がございましたように、土地所有のわが国の制度が非常に細分化されておるということが一つございます。それが猟区の設定等を妨げる理由になってきたと思います。
それからもう一つは、鳥を撃つことについての権利でございますが、これが西洋の諸国では、土地を持っている人たちが非常に大きな土地を持っておった。したがって、その土地の中に来る鳥はどうもその土地の所有者がまず捕獲する権利を持っておる。その権利というものが確立した上で、その権利の移転の問題が生じて、したがって、鳥を撃つ権利というのが地域、地区によって確定していくということがございましたが、わが国の明治以降の慣行では自由に入れるという慣行がございましたので、そういう意味におきまして、西洋の諸国のような歴史的経過と違う経過をたどっておりますので、私どもの方の審議会におきましても、この問題が非常に意見の一致のしにくいところでございます。
私どもは、いわゆる先進国の一つとして、日本もできるだけ鳥獣保護に重点を置いたようなことが望ましいと考えておりますけれども、なおこれは将来相当期間にわたっていろいろな問題を、宿題を解決しなければ実現はなかなかむずかしいのであろうというようには考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/112
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113・中井洽
○中井委員 私も勉強不足でわからないのでありますが、大体、こういうハンティングあるいは狩猟の盛んな国々においては、やはりその国全体が禁猟区というのか、なっておって、猟区がきちっと限られてその中でやる、あるいは個人の持っている土地に関してはその人が狩るなり人を入れてやらす、まあ自由であるというような形になっておるのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/113
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114・出原孝夫
○出原政府委員 国によって、これまた私どもも十分な知識を持っておりませんけれども、まちまちなようでございます。それで、ヨーロッパの古い国々ではいまのようなことのようでございますし、またアメリカは別な、要するに新しく開けた国としての制度がどうもあるようでございます。私自身も十分には承知はいたしておらない事柄でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/114
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115・中井洽
○中井委員 再度のお尋ねになりますが、そうしますと、大体全国的に禁猟区あるいは保護区、休猟区というものを広げていく、そして何とかこの猟区というものを試行錯誤の中でやりながら、ハンティングというスポーツも存在をさしていこう、こういう方向で進みつつあると理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/115
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116・出原孝夫
○出原政府委員 今回の法案の中で猟区を都道府県、市町村等の公共団体以外の者も設置することができるという規定を設けることで御審議をお願いいたしておりますこと、それからまた放鳥獣のみで行い得る猟区というものを制度的に枠組みを用意しておくということでお願いをいたしておりますのは、私どもといたしましては、狩猟というものができるだけ人工増殖の可能な鳥について決められた場所で秩序ある狩猟が行われるというような習慣を、狩猟者の方々にもいろいろつくようにお考えを願いたいという趣旨を含めたものであると私どもは考えております。そういう意味におきまして、猟区なりあるいは狩猟鳥獣のみの猟区が実現していくようにということの努力をできるだけ重ねることによって狩猟者の方々の御理解も漸次得られるのではなかろうかと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/116
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117・中井洽
○中井委員 協会やら都道府県に任せずに、たとえば国全体で猟区自体を積極的につくっていこう、それ以外は大体禁猟にしていくのだといった方向とか、そういったことはお考えではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/117
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118・出原孝夫
○出原政府委員 現段階におきましては、今回の法律改正でもお願いをいたしておりますように、私どもは都道府県あるいはその他、私人でもできるという形で数を広げていくということを中心に考えておりますし、また財源的にも都道府県の財源が中心の現行制度でございますので、現在のところ国が直接猟区を経営することは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/118
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119・中井洽
○中井委員 先ほどお尋ねいたしましたように、保護の問題、ハンティングの問題を両立させていくのはなかなかむずかしいと思うのであります。それを本当に限定して両立をさせていこうと思えば、積極的に猟区等をつくって区切ってしまうという形でなければむずかしい。それを都道府県の財源になっておるのだから都道府県でやれといったって、都道府県の税金はどのくらいですか、四十二、三億しか入っていないでしょう。そんなものでやれるわけはないのでありますし、あるいはまた民間でやるといったって、鳥を放し飼い、増殖するには金がかかります。それから土地代の問題もあります。そういったことを考えるとなかなか大変であります。もしハンティングをスポーツとして認めていくのだということであるならば、環境庁の直接の仕事ではないかもしれませんが、それ以外のところの鳥獣の保護ができるのだということでぜひともひとつお考えいただきたいと思うわけでございます。
ところで、現在、御答弁いただいたように、乱場というような形で、禁猟区、保護区あるいは休猟区以外はどこでも、期間、鳥の種類を限ってやれるということであります。私どもの田舎でも、解禁になりますとずいぶんハンターの方がおられる。ときどき在所に行きますと、たんぼの持ち主あるいは山林の持ち主等が、勝手に入られて困るのだということで、これはモラルの問題ではあろうかと思うのでありますが、もしハンターが自分の土地に入って猟をやっておるといったときに、たとえば山林なら山林の持ち主が、ここでしてもらっては困るのだ、どこかほかへ行ってくれ、出ていってくれと言った場合に、法的には持ち主の言い分が正しいのか、あるいは先ほどありました、慣行として日本じゅうどこでも明治以前から猟をやっているのだというような、入会権とはまた別の問題だとは思うのでありますが、そういうのを盾にハンターが、いや、別に禁止されておらぬぞということで突っ張れるものか、そこのところの御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/119
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120・出原孝夫
○出原政府委員 その問題につきましては、実は慣例に従う部分が非常に多いわけでございますが、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の第十七条で「欄柵其ノ他ノ囲障又ハ作物アル土地ニ於テハ占有者、」「ノ承諾ヲ得ルニ非サレハ狩猟又ハ」「鳥獣ノ捕獲ヲ為スコトヲ得ス」という規定がございます。したがいまして、作物のあるところということになれば勝手には狩猟はできないわけでございますが、ただ、一般の山林の場合には御指摘のような問題がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/120
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121・中井洽
○中井委員 いつの時代の法律か知らぬけれどもえらい古めかしい文章で書いてあるわけでありますが、ひとつ山林についてもぜひ御検討をいただきたい。いま山へ入る人も大分減ってまいりましたけれども、やはり先祖伝来、治水あるいは製材ということを目標に営々として数十年かかって山の木を育てるわけであります。その木が小さい段階でハンターが入って踏み荒らす。ハンターの人たちが山林のことを知っていればいいが、知らない人がいて、植えてあっても小さかったらわからないですから踏み倒していく。こういったことのトラブルを私は往々にして聞くのであります。そういったことがハンターの道義的、質的向上とともに法的にも何らか明確な区分ができていくという方向でお考えをいただきたいと思います。
そのハンターの道義的、質的向上ということもねらいだと思いますが、今度は狩猟者の登録にいろいろとむずかしい条件がつく、あるいは一定の要件をつけて試験を受けさせ資格を与えるということであります。これはどういう基準でお考えになっているのかお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/121
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122・出原孝夫
○出原政府委員 まず試験につきましては、適性、技能及び知識ということになるわけでございますが、適性というのは主として目でございます。これは自動車の運転免許のときには両眼の矯正視力が〇・七ということでございますが、それよりより厳しいのがいいのかあるいは若干緩めていいのか、この辺のところは私どもも専門家の御意見を聞いた上で決定をいたしたい、そして各都道府県で行います場合に均一の基準で行えるようにいたしたいと考えております。
あとは技能でございますが、その前段階で、銃砲刀剣類所持等取締法の中で銃砲等についてはその扱い方についての規定もあるようでございますが、その上でなお狩猟についての若干の検査をいたしたい。
知識につきましては、特にこれは重要でございます。先ほどから御論議のありました禁猟区の問題とかいったことについて十分承知をし、かつ鳥の識別についても相当程度の知識を持ってもらうことが必要でございますので、そういったものを総合して試験を実施できるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/122
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123・中井洽
○中井委員 都道府県で試験をさせて一度通ったら三年ごとに更新させていく。しかもそれは環境庁の指導のもとに一定の試験をやっていく、こういうことであります。それはそれで大いに結構だと私は思うのでありますが、その資格の中に、暴力団の構成員である人たちを入れないというのは法的にむずかしいのかどうか知りませんが、入れてないわけであります。鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律でありますからほかの方面で規制をするということかもしれませんが、そういったお考えは初めからなかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/123
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124・出原孝夫
○出原政府委員 私どもの方の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の特に狩猟の免許につきましては、銃砲刀剣類所持等取締法と非常に密接な関連を持っておるわけでございます。銃砲刀剣類所持等取締法において、他人の生命、財産または公共の安全を害するおそれのあるような者については猟銃の所持許可の段階でチェックされるべきものであるということで、向こうの法律の中でそのような方法が講じられておりますので、それと非常に密接な関係のあるものでございますので、私どもはそこでチェックをされたものについて、今度は要するに鳥を撃つという側からの資格の有無ということを試験で判定いたしたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/124
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125・中井洽
○中井委員 しかし、たとえば試験を受けて通って、警察なら警察へ銃剣の所持願いを出して認められたら、現実に銃が買えるわけですね。だから、私、ちょっとデータを出してもらったのでありますが、去年だけで、猟銃、ライフル、散弾銃による事故、犯罪に使われた事件が百二十六件ある。そのうち、暴力団が使っているのが五十六件あるわけであります。何も暴力団がスポーツをやったらいかぬとか、そういうことは言うておりませんけれども、厳しい規制というものをしていくべきだと思うのでありますが、警察の方、来ておられると思いますが、この点について、銃刀法の関連等もあって十分規制ができているのかどうか、その点についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/125
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126・柳館栄
○柳館説明員 お答え申し上げます。
暴力団に対する銃砲の規制でございますけれども、これは、銃刀法の中に第五条というのがあるわけでございます。その一項に欠格事由がずっと並んでおります。その第六号、一番最後の号でございますけれども、その号に、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」、これは許可してはならない、こういうことになっておるわけでございます。
そこで、私ども、銃砲の許可をする際には、そのことを全部すっかり洗いまして、暴力団であるということは、ただいま申し上げました第六号の規定で読んで、それを排除するということにいたしておるわけでございまして、先生がただいま御指摘のございました、暴力団員が犯罪に使ったというものが五十六件あったというお話でございますが、その数字、いまちょっと手元にございませんけれども、おおむねそのくらいはあろうかと思います。それは、暴力団が許可された銃を使ったというものではなしに、他人からおどし取ったものあるいは借金のカタに取ったもの、それから友達から借りて使ったというようなものでございまして、暴力団に対する許可された銃を使ったというものはございません。私どもも、それが特に他人に渡ったものを借りるということが大変問題でございますので、許可に当たりましてはそういう点にも十分気をつけてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/126
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127・中井洽
○中井委員 ちょっと教えてほしいのでありますが、そうしますと、ライフル銃や散弾銃、猟銃を買おうと思えば、おたくの許可さえあればいいのか、あるいは狩猟の免状が要るのかどうか。二つ要るのか、それとも一つなのか、どっちでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/127
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128・柳館栄
○柳館説明員 猟銃の許可をする場合には、二つの理由がないといかぬということになっております。その第一点は、狩猟目的に使うということでございます。第二点は、標的射撃に使う。そのほかに、それによって生活をするというようなものもございますけれども、大きく分けまして、その二つあるわけでございます。その二つの要件を満たす者に対しては許可をするということになります。その許可をされた者が狩猟を行うか否かということは、また別な狩猟法によって判断されていくという仕掛けになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/128
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129・中井洽
○中井委員 そうしますと、狩猟の試験を受けるというのは、いまの話では暴力団であろうと過激派であろうと、これはもう規制できないし、試験さえ通れば、まあ一応は半分の資格を持つと、こういうことでございますね。違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/129
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130・柳館栄
○柳館説明員 狩猟法による試験に合格したか否かということは全然関係なく、私どもは、先ほど申し上げたような、暴力団であるということであれば、銃をそもそも許可しないということにしておりますので、狩猟法上の試験を受けたか受けないか、免許を受けているかいないかということを、参考にはいたしますけれども、一応別個の問題として判断をいたしていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/130
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131・中井洽
○中井委員 きょうは何も警察を怒るために質問しているわけじゃないのでありますが、しかし、私は、ちょっと数が多いように思う。借金のカタだとかおどかされたであるとか言いますが、私の知り合いの中だけで、たとえば友達がたまたま遊びに来て、お互い資格を持っておって、銃を交換した。そうしたら、もう一週間か二週間後に、届けがなかったというので、全部の銃を取り上げられて、資格も取り上げられたという人を私、二人知っております。一般の人に対してはそれだけ厳しく調査が行き届いておるのに、暴力団やそういったものに対しては一向届かぬというのは納得いかぬわけであります。日本は、アメリカと違いまして、世界でもこういった銃は安全だということでやっているわけであります。警察の方も十分御努力をいただいているのは私も知っておりますが、スポーツに使われる銃が犯罪に使われる、こういったことのないように御努力をいただきたいし、また、環境庁の方も、ぜひとも、そういった面もあるんだということで、試験等のときに各都道府県ひとつ十分な注意をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
銃が出たついでに、各党の方もいろいろと御質問をされておったようでありますが、銃器の取り扱い上のミスから起こる事故、こういったものが非常に多いように思われます。こういったことを少なくしていく方法、あるいは試験で銃の構造等について十分勉強さすようでありますが、一層強化するということについて何かお考えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/131
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132・出原孝夫
○出原政府委員 いま御質問の中にも御指摘がございましたように、私どもが今回試験の制度をとりたいということで法案の御審議をお願いしましたのは、そういった面の配慮からでございます。なお、行政指導上の問題といたしましては、猟友会その他に対しましては、特に事故防止についての会員の指導については、さらに徹底できるように、私ども行政の担当側からも十分指導してまいりたいと思いますし、なお、三年ごとの免許の更新の時期に当たりましては、適性の検査が中心ではございますけれども、その際におきましても、なお、危害防止の面からは十分指導が加えられるような配慮をいたしてまいりたい。これは行政指導でございますけれども、現在、例として考えますと、自動車の免許の際におきましても実行上非常に厳しく安全対策が講じられているようでありますので、その例にならって各都道府県を指導いたしてまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/132
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133・中井洽
○中井委員 ぜひともお願い申し上げます。特に、自動車の免状の話が出ましたけれども、自動車の免状なんというのは、一遍とってしまえば、あとはもう、ペーパードライバーという言葉があるように、期限さえおくれなかったらずっとやっていけるわけであります。したがいまして、銃器等もずいぶん機械の構造等がどんどん変わっていく。昔勉強してとった人も、新しい機械が出てわからないというような面もありましょう。あるいはまた、その銃を持っている家族の人たちは一向に銃の取り扱いは、当人はわかっておっても、わからない。こういう事故も多いかとも思います。そういった点に対する配慮等も十分お願いを申し上げます。
それから、今度の法案の改正の中で、都道府県の知事が猟区の中で狩猟の制限をできる、こういう改正が行われるようでありますが、これのねらい、それから目的というものはどういったものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/133
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134・出原孝夫
○出原政府委員 銃猟制限区域のことかと存じますが、これは具体的には、休猟区明けと言っておりますが、休猟区の解除地でありますとかあるいは狩猟の解禁直後に、ある地点に狩猟者が集中するというようなことがございまして、その際に非常に危険度が高くなるというようなことがございますので、そういった場所に期間を定めて銃猟制限区域を設定して、これは知事の御判断に任せたいと考えておりますが、具体的には申し込み順にするか、あるいは抽選にするのかといったような形で、その地域の中では撃てる人の数を制限いたしたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/134
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135・中井洽
○中井委員 その制限の中身について全国一定にされるのかどうか、そういった点についてお尋ねをしたいと思います。
これは先ほどのお話にもございましたけれども、たとえば私の郷里三重県なら三重県、三重県の鳥は三重県人にしか撃たせないというふうに知事が考えればそういう方法をとれる改正であると私は思うのです。それがいいのかどうか私にもまだちょっと判断がつかないわけでありますが、そういうことをまさかお考えになっていないと思うのであります。一遍にどっと押し寄せるのを制限するとか、あるいは何日間はこれだけの人数であるとか、そういった考えであろうかと思うのでありますが、全国的に統一して都道府県に条件をつけてお任せになるのか、あるいは都道府県別々に独自の判断でやらそうとお考えになっているのか、もう一度御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/135
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136・出原孝夫
○出原政府委員 これにつきましては、私どもは全国的にある程度の標準は必要であるかと考えますが、ただ、地方の実情によってかなり状況が異なることも考えられます。したがいまして、その都道府県知事の判断によりましてある程度地元に優先することを考える必要があるというものにつきましては、その幅を認めるということも考える必要があるんではなかろうかと考えております。ただ、御指摘のように、極端なことはやはり避けていただく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/136
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137・中井洽
○中井委員 それでは、これも各党の中にいろいろとお話があったと思うのであります。いわゆる撃つ方の制限だけじゃなしに、撃たれる方を守るという方でありますが、鳥獣保護区、ずいぶんあちこちたくさん指定をされてふえてきているようでありますが、こういったところを指定をしていけば現実に鳥や獣というものは目的どおり大体保護される、あるいはそこでいままで全滅に瀕しておったものがもとへ戻ってくるというような形で日本全国やられているのか。いわゆる鳥獣保護区の実というものが本当に上がっているのかどうか、その点について率直な御感想を承りたいと同時に、この保護区での民有地の買い上げ、これの進みぐあいがどんなものであるか、その点についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/137
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138・出原孝夫
○出原政府委員 鳥獣保護区の設定は、第四次鳥獣保護計画までに、昭和三十八年から比較しますと私どもは相当な実効の上がるだけの保護区の設定ができてきてはおると思います。しかし、鳥獣保護の立場からこれで十分かということになりましたら、それは私どもは十分であるとはまだ考えておりません。したがいまして、第四次鳥獣保護事業計画、特に国設の鳥獣保護区につきましては、最も重要な鳥については国が直接関与できるようにいたしたいということで、これにつきましては第四次の鳥獣保護事業計画は昭和五十六年まででございますが、現在の段階ですでに見直しを始めたいというように考えております。
それから、土地の買い上げにつきましては、国設鳥獣保護区の特別保護地区について予算措置でということでございますので、特にこの予算措置につきましては、もともと国立公園の特別保護地区なり、あるいは第一種特別地域の買い上げの予算措置の認められたのを鳥獣保護にまで適用するということで始めたものでございますので、まだ数は微々たるものでございますが、今後その適用につきましてはさらに可能になるように検討をいたしてまいりたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/138
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139・中井洽
○中井委員 鳥やけものがふえているのかということを聞かしてください。保護区にしたところで実効が上がっているのかということ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/139
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140・出原孝夫
○出原政府委員 これは実は正確な資料に基づくものは私どもも数字的に御説明を申し上げるのは非常にむずかしい、特に鳥の数を調べるのはむずかしゅうございますが、鳥獣保護区を設けますことによって、鳥がそこでわりに安心して生活できるということで、そこに寄ってくるということは、これは常識的に申し上げるよりいたし方ないことでございますが、これは私はあると考えております。その点では、鳥の住みやすい環境としての鳥獣保護区というものはその実効を持っておるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/140
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141・中井洽
○中井委員 私は一時、マツクイムシ法案の後のときにもちょっとお尋ねをしたことがあるのであります。この鳥獣保護でもそうであります。せっかく理想的な形でやる、あるいは法案をつくって何か防除していこうというときに、環境庁、予算不足か人数不足か何か知りませんが、後の科学的なフォローというものは何にもしていないわけであります。こういう保護区ができていく、それは全国やれとは言いませんが、幾つかのところで、これだけまあまあ傾向として鳥の種類がふえたとか獣の種類がふえたとかいうのをやはり調べる、それによってまた実績をプラスしていく、こういう形をぜひお考えをいただきたいと思うのであります。承りますと、そういったことだけじゃなしに、環境庁の中で鳥獣の専門官というのは非常に少ないようでありますし、あるいは各都道府県のそういった専門官の方たちも少ない。先ほどの狩猟制限区ですか、その制限区でも各都道府県で決めて、この期間この地域については何人だというのをだれが監視するんだといえば、都道府県のそういう専門の方が、まあまあ隣接助け合ってやるんだ、こういうことであります。しかし、それではとうてい私はやっていけないであろうと思うのであります。したがって、たとえば民間のバードウオッチャーなんということをやっておられる方々との連絡、あるいはそういった人たちに調査を積極的にお願いをして協力をしていただく、あるいは専門官というものを本当にふやして科学的なデータをつくっていく、そういったことが必要であろうかと思うのでありますが、その点についてどうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/141
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142・出原孝夫
○出原政府委員 今年度すでに委託をして実施にかかっていただくようにお願いをいたしておる調査がございます。これはいわゆる緑の国勢調査と言われる第二回の自然環境保全基礎調査でございますが、これにつきましては、昭和五十三年度は動物を中心に行おうということで、全国的に鳥をそれぞれの地域、メッシュごとにどういう鳥が住んでおるかということを調べる予定にいたしております。この調査は五年ごとの調査でございますので、将来とも同様な調査によって鳥の生息状況の推移というものが長期的にも判断できるというようにいたしたいというように考えておるわけでございます。
それから、専門官についての御指摘がございましたが、実は環境庁が発足いたしますときに、鳥獣保護につきましては一つの課の中の班であったのを、環境庁がこれを引き継ぐときに一課にしたわけでございます。職員が現在でも十二名ばかりでございますが、専門官は実は一名なんでございますが、十名の相当部分が専門家でございますので、これらの職員を動員してというように実施をいたしております。
なお、鳥獣保護行政の充実につきましては、私ども担当でございます。なお充実強化に努力すべきは当然であるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/142
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143・中井洽
○中井委員 なかなか一度にいかない面もあろうかと思います。あろうかと思いますが、民間諸団体の御協力等をいただくと同時に、ぜひともそういった後追い調査をやっていただきたい。各都道府県だって、たとえばカモシカの害だとかイノシシの害だとかサルの害だとか、そういったことについては、これは必要であります。十分調べるけれども、保護したことによってどれだけよくなってきたんだ、こういうことに関する調査が全体的に不足しているのではないかと私は思うわけであります。そういった観点からもぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
最後に、私はどうしてもわからないのでありますが、輸出証明制度のある国から輸出するときには証明書を添付さすのだ、これは密輸規制かということでぼくがお尋ねしたら、それもあるけれども、逆に日本にあるものと同じものを外国から持ってきた場合に、外国物だというきちっとした証明のもとに、血統というのですか、そういったことをきちっと系統立てて調べていく、このために使うのだ、こういうことでありますが、そんなめんどうくさいことせぬで、日本の税関で外国から入ってきたものだと、ぽんと押すというわけにはいかぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/143
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144・出原孝夫
○出原政府委員 外国から輸入をいたしました相合に、一つは、やはりそれが外国で適法につかまえて、そして外国でその輸出を承認したものであるということを確認しておくということが国際間の道義的な問題としても必要であろうというように考えております。その意味におきまして、従来は適法捕獲証明だけを求めておったわけでありますが、制度的に適法捕獲証明を出せる国は限られておりますので、なお広げて、輸出証明があるところでもいただくようにということにいたしたわけでございます。
それからもう一つの目的は、一番典型的な例はメジロでございますが、日本にすんでおります鳥と輸入した鳥との区別がなかなか素人にはつきがたいというものにつきまして野生鳥獣の飼養をする場合には、日本では、日本産のものについては許可を受けなければ飼えないことになっておりますが、それが外国から輸入したものであるということで野放しになっては困るということで、その輸入証明が必要である、こういうことでございます。
その制度のない国のものにつきましては日本国内で一定の証明をする必要があるということで、現在のところでは業界の団体にその証明を出すということをしてもらっておるわけでございます。その取り扱いについていろいろ問題もあるようでございますので、これは私どもの指導の不足ということで私どもも反省をいたしておりますので、今後、鳥を守る人、鳥を扱う人、それぞれの学識者を入れて、その取り扱いについて十分遺憾なきを期すように努力をしてまいりたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/144
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145・中井洽
○中井委員 ぜひともがんばって、日本じゅうどこへ行っても小鳥のさえずりが聞こえるというようないい環境になるように御努力をいただきたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/145
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146・久保等
○久保委員長 次に、東中光雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/146
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147・東中光雄
○東中委員 法案に関連して一、二点だけお伺いしたいと思います。きょうは長官に鳥獣保護の基本的観点についてね伺いしたいと思っておったのでありますが、政務次官がお見えでございますので、若干お伺いしたいと思います。
近年、鳥獣保護に対する関心が高まっていることは、審議会の答申でも述べているとおりであります。この保護対策を強化しなければならぬことは言うまでもありませんが、多くの鳥獣の生息数が減少し、一部では絶滅の危機に瀕しているものも少なくない、学問的にもこれらを保護することが非常に重要になっております。そこでお伺いしたいのは、これら鳥獣の減少の原因ですね、どのように認識されていらっしゃるかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/147
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148・大鷹淑子
○大鷹政府委員 お答え申し上げます。
野生鳥獣の生息数は、種類及び地域によりましてその増減の傾向が異なっております。全般的に申しますと、都市圏域の拡大並びに国土の開発などに伴いまして鳥獣の生息環境が急激に変化し、また狭められてきております。このため減少の傾向にあることと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/148
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149・東中光雄
○東中委員 これは審議会の答申でも、また一昨年十二月の行政管理庁の行政監察も述べているとおりでありますが、鳥獣の減少の主要な原因は、自然を無視した国土開発にあるということであります。ここへ歯どめをかけなければ、狩猟の規制を行うだけでは結局、ざるで水をすくっているのと同じようなことになってしまうと思うのです。鳥獣保護にとっては、その鳥獣類が増殖できる環境の保全ということが、そしてまた環境の復元ということが最も大切だと思うのですけれども、そういう処置について環境庁としてはどのようにされておるのか、お伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/149
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150・出原孝夫
○出原政府委員 鳥獣の生息環境が開発に伴って、特に都市周辺におきましては非常にむずかしくなっておる、鳥獣の生息になかなか適応しにくい場所がふえておるということは私どもも否定できない事実であろうと考えております。
これにつきましては、私ども鳥獣を保護する行政の立場といたしましては、鳥獣保護区の設定を今後さらに広げてまいるとか、あるいは特に都市におきましては、いわゆる誘致の鳥獣保護区と言っておりますが、野生の鳥獣が野生に近い状態で来れるように、公園その他で鳥獣に必要な実のなる木を植えるとかいったようなことでの御努力を願うということで、関係の官庁等にも十分なお願いをいたしたいというように考えておるわけでございます。なお、特に重要なものにつきましては、国設の鳥獣保護区につきましても再検討する必要があると考えておりますし、特に昭和五十二年から昭和五十六年までの五年間にわたる計画として鳥獣保護事業計画を、すでに第四次の事業計画を立てておりますけれども、これも私どもは、もう一度見直して各都道府県と協議をいたしたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/150
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151・東中光雄
○東中委員 狩猟の規制ということも、鳥獣保護あるいは危険の防止という点から見て当然必要なことでありますが、自然環境が十分保全されておれば、狩猟で大量に捕獲される一部の種類を除けば、少々の狩猟では鳥獣保護上そう問題になることはないというふうに言えると思うのであります。そういう観点に立てば、健全なスポーツとしての狩猟を発展させるためにも、いままでの乱暴な開発政策を反省していくということが非常に重要だと思うのです。そういう観点から、環境庁として厳しい規制を加えていくということが基本に据えられなければいかぬことではないかというふうに私は思うのですが、環境庁、これは政務次官にお伺いしたいと思うのですがいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/151
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152・出原孝夫
○出原政府委員 政務次官がお答えいたします前に、私から事務的なものを含めて申し上げたいと思います。
環境庁といたしましては、その持っております任務が、自然の保護、それから鳥獣の保護の立場でございます。したがいまして、人間の生活が鳥、けものと共存できるように、調和のある生活ができる、特に緑の非常に深いところで人間が鳥と親しみながら生活できるというのが、これは都市においても私どもの理想でございます。そういう意味におきまして、自然環境を保全する立場の行政官庁といたしまして、関係官庁と十分に協議をして、私どもの希望が入れられるように進めてまいるのが私どもの任務だというように私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/152
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153・東中光雄
○東中委員 次官の考えも同じことだとお伺いしておきます。どっちにしても、環境庁が調整ということでだんだん後退をして、どこにいるのかわからぬということにならぬように、しっかりとやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
今回の法案で、私設猟区制度が新設された。これは非常に目につくわけでありますけれども、これを新設された趣旨はどういうところにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/153
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154・出原孝夫
○出原政府委員 猟区につきましては、狩猟が秩序あるもので行われるということが必要でございまして、その推進のために、猟区の設定というものは重要な手法でございます。乱場と違いまして、猟区の中では特にいろいろな約束事の中で狩猟が行われるわけでございますから、非常に重要なものでございまして、かつ、その設定を推進することが望ましいわけでございますが、その設定に当たりましては、経営に必要な技能、技術でございますとか、あるいは資金の能力を持つということが必要とされますので、従前は国及び地方公共団体以外の者でこういうものをやるということはなかなかむずかしかろうということで、公共団体以外の者に道を開いておらなかったわけでございます。しかし、最近におきまして、鳥獣の繁殖あるいは放鳥等の技術が、これはまだなかなか将来いろいろな意味で開発されねばなりませんけれども、ある程度技術向上ができて、キジ等は繁殖、放鳥等も可能になってきておりますし、また国、地方公共団体以外の者でも猟区の経営を行う能力を持った者があると判断されるようになってまいりましたので、猟区制度の拡充を図っていくことが望ましいという意味で、今回の私営猟区の制度を設けるということでの御審議をお願いいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/154
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155・東中光雄
○東中委員 狩猟はスポーツとして健全に発展させていくということは私たちも必要だと思っています。したがって、今回の私設猟区の新設に必ずしも反対するものではありませんが、十分慎重に行う必要があるのじゃないか。特に、もっぱら放鳥獣せられたる狩猟鳥獣の捕獲を目的としない地域を猟区設定する場合には、形式的な審査だけじゃなくて、慎重に調査をし認可すべきである、こう思うのですが、その点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/155
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156・出原孝夫
○出原政府委員 猟区の設定につきましては、放鳥獣猟区以外のものでございましても、私どもは入猟者数とかあるいは入猟日の制限であるとか、一般猟野と比較しまして特殊な狩猟規制を行うというようなところでございますので、放鳥獣猟区ほど厳重ではございませんけれども、やはり秩序ある狩猟の確保のためには、積極的にそれを広げていくことは望ましいと考えております。
ただ、その設定に当たりまして、これは環境庁長官が認可するということになりますので、その際には、やはり猟区を設定しようとする者の技術的な能力でございますとかあるいは資金力といったようなものも十分に審査をいたしました上で、認可に当たるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/156
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157・東中光雄
○東中委員 今回の法改正で猟区を大幅に増加させるということであれば、もう一方で、保護すべでところはきちんと保護するということでなければ片手落ちになると思うのです。そういう点で言えば、行政監察も述べているように、まだまだ干がたなどの保全も不十分であるというふうに思うのですが、この点についての考え方をお伺いしたい。
また、今後、猟区をふやしていくということは、猟区を大幅にふやし、猟区以外はすべて禁猟としていくという構想を前提としての上のことかどうか、その点についてもあわせてお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/157
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158・出原孝夫
○出原政府委員 特に鳥獣の生息環境が、いろいろな意味におきましてなかなかむずかしくなっておるということを考えますと、鳥獣保護区の増加はさらに必要なことであるというように考えておりまして、今後とも私どもとしては、各種の利害関係者との調整は必要でございますが、その調整をできるだけ進めてまいるように努力をいたしたいというように考えております。
それから、猟区以外のところでは禁猟にしたらということにつきましては、私どもの方の自然環境保全審議会におきましても非常に論議の交わされたところでございます。世界の各国の状況から見ますと、わが国とイタリアといったようなものがいわゆる乱場を認められている国でございますので、そういった意味では、わが国の状況がむしろ先進国の中では異なった状況にあるということも事実でございます。ただ、歴史的な経過もございますので、私どもはこういった世界の趨勢をも踏まえまして、まず猟区で猟をする、そして秩序ある狩猟をしていただくということに狩猟の関係者ができるだけ早くなれていただくというための努力が必要であろうというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/158
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159・東中光雄
○東中委員 私設猟区が認められる、そうすると私設保護区を認めてもよいのではないかという主張が、これは自然保護団体からなされているわけです。政府の保護策が非常に弱いところからこういう議論が出てくるのじゃないか、こう思うのですが、私設保護区を設ける考えがあるかどうか、そういう点についてのお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/159
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160・出原孝夫
○出原政府委員 私設の保護区を認めたらどうかというような議論あるいは御意見を述べられる方々につきましては、特に鳥獣の保護に御熱心な方々でございまして、この人たちが私どもの行政の推進力になっておられる方々であるという意味におきましても、私どもにとっても大切な方々ではございます。ただ、私設の鳥獣保護区を設けることがいいかどうかということになりますと、こういう鳥獣保護区を設ける場合には、利害関係者の意見を開き、そして審議会に諮問した上で鳥獣保護区を設定するというようなことで、いわゆる公的な規制も伴うものでございますので、民間の人にそれを設けて運営していただくということが果たしていいものかどうかということについては問題がございますので、私どもは、いまの段階では、都道府県、国等が鳥獣保護区を設けることで目的を達していきたいと考えております。ただ、御指摘のようなものが私どもの検討すべき問題点であるということは承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/160
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161・東中光雄
○東中委員 私設保護区の議論が出てくるような状態にあるということは、結局、政府の方で保護対策が十分でないところから来ているというふうに言ってもいいのじゃないかと思いますが、十分な保護対策を進めてもらいたいということを考えるわけであります。
最後に、次官にそれについての決意なり考えなりをお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/161
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162・大鷹淑子
○大鷹政府委員 自然の保護並びに環境保全ということに努力してまいりますのが環境庁の負わされている任務でもございますし、国民共有の財産である自然保護並びに自然の鳥獣とともに人間が一緒に住んでいける環境づくりにますます努力いたしますと同時に、人間との共存共栄を図ることに最善を尽くしますことをお約束いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/162
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163・東中光雄
○東中委員 質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/163
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164・久保等
○久保委員長 次回は、来る三十日火曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108404209X01919780526/164
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