1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年三月十七日(金曜日)
午後一時三十分開議
出席委員
委員長 菅波 茂君
理事 石橋 一弥君 理事 唐沢俊二郎君
理事 藤波 孝生君 理事 渡部 恒三君
理事 木島喜兵衞君 理事 嶋崎 譲君
理事 有島 重武君
石川 要三君 玉生 孝久君
中村 靖君 水平 豊彦君
小川 仁一君 千葉千代世君
長谷川正三君 湯山 勇君
鍛冶 清君 伏屋 修治君
中野 寛成君 山原健二郎君
西岡 武夫君
出席国務大臣
文 部 大 臣 砂田 重民君
出席政府委員
文部大臣官房長 宮地 貫一君
文部省初等中等
教育局長 諸澤 正道君
文部省管理局長 三角 哲生君
委員外の出席者
大蔵省主計局主
計官 的場 順三君
文教委員会調査
室長 大中臣信令君
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三月九日
私学助成に関する請願(浅井美幸君紹介)(第
一八〇六号)
同(近江巳記夫君紹介)(第一八〇七号)
同(春田重昭君紹介)(第一八〇八号)
同外二件(太田一夫君紹介)(第一八五五号)
同(中村正雄君紹介)(第一八五六号)
同外二件(太田一夫君紹介)(第一九二二号)
同外十一件(加藤清二君紹介)(第一九二三
号)
同外四件(佐藤観樹君紹介)(第一九二四号)
同外二十八件(横山利秋君紹介)(第一九二五
号)
私学に対する国庫助成増額に関する請願(小川
仁一君紹介)(第一八〇九号)
同外六件(加藤万吉君紹介)(第一八一〇号)
同(北山愛郎君紹介)(第一八一一号)
同外二件(久保三郎君紹介)(第一八一二号)
同(草野威君紹介)(第一八一三号)
同(春田重昭君紹介)(第一八一四号)
同外一件(太田一夫君紹介)(第一八五三号)
同(草野威君紹介)(第一八五四号)
同外一件(池田克也君紹介)(第一八六八号)
同外二件(河野洋平君紹介)(第一八六九号)
同外十九件(安島友義君紹介)(第一八九七
号)
同外一件(有島重武君紹介)(第一八九八号)
同外九件(伊藤茂君紹介)(第一八九九号)
同外五件(大出俊君紹介)(第一九〇〇号)
同(太田一夫君紹介)(第一九〇一号)
同外二十三件(小林進君紹介)(第一九〇二
号)
同外二件(斎藤実君紹介)(第一九〇三号)
同(曽祢益君紹介)(第一九〇四号)
同外一件(平林剛君紹介)(第一九〇五号)
同外二件(松本忠助君紹介)(第一九〇六号)
同外二件(吉浦忠治君紹介)(第一九〇七号)
私学の助成に関する請願(瀬野栄次郎君紹介)
(第一八一五号)
同(瀬野栄次郎君紹介)(第一八五七号)
同(安島友義君紹介)(第一九〇八号)
同(伊藤茂君紹介)(第一九〇九号)
同(池端清一君紹介)(第一九一〇号)
同(岩垂寿喜男君紹介)(第一九一一号)
同(大出俊君紹介)(第一九一二号)
同(大島弘君紹介)(第一九一三号)
同(岡田利春君紹介)(第一九一四号)
同(加藤清二君紹介)(第一九一五号)
同(加藤万吉君紹介)(第一九一六号)
同(金子みつ君紹介)(第一九一七号)
同(川口大助君紹介)(第一九一八号)
私学の父母負担軽減及び危機打開に関する請願
外二件(多賀谷真稔君紹介)(第一八一六号)
同外一件(細谷治嘉君紹介)(第一八一七号)
同(大橋敏雄君紹介)(第一九一九号)
同(中西積介君紹介)(第一九二〇号)
同外一件(松本七郎君紹介)(第一九二一号)
私学の国庫助成に関する請願(竹本孫一君紹
介)(第一八一八号)
同外六件(渡部一郎君紹介)(第一八一九号)
同(渡辺朗君紹介)(第一八二〇号)
同外六件(新井彬之君紹介)(第一八四九号)
同(飯田忠雄君紹介)(第一八五〇号)
同外七件(佐々木良作君紹介)(第一八五一
号)
同外一件(斉藤正男君紹介)(第一八五二号)
同(永原稔君紹介)(第一八七一号)
同外十二件(河上民雄君紹介)(第一九二六
号)
同外二件(後藤茂君紹介)(第一九二七号)
同(渡辺芳男君紹介)(第一九二八号)
私学の国庫助成等に関する請願外六件(山田太
郎君紹介)(第一八二一号)
教育諸条件の改善に関する請願(竹入義勝君紹
介)(第一八七〇号)
学校災害に対する補償制度創設に関する請願外
二件(川本敏美君紹介)(第一九二九号)
学校図書館法の一部改正に関する請願(曽祢益
君紹介)(第一九三〇号)
大幅私学助成等に関する請願外四件(清水勇君
紹介)(第一九三一号)
同(下平正一君紹介)(第一九三二号)
同外一件(松本忠助君紹介)(第一九三三号)
私学の学費値上げ抑制及び父母負担軽減等に関
する請願(平石磨作太郎君紹介)(第一九三四
号)
私学の学費値上げ抑制及び国庫助成増額に関す
る請願(西田八郎君紹介)(第一九三五号)
同外三件(多賀谷真稔君外一名紹介)(第一九
三六号)
同月十四日
私学助成に関する請願(安藤巖君紹介)(第一
九六六号)
同(荒木宏君紹介)(第一九六七号)
同(田中美智子君紹介)(第一九六八号)
同(東中光雄君紹介)(第一九六九号)
同(正森成二君紹介)(第一九七〇号)
同(岡田哲児君紹介)(第二〇五四号)
同(沖本泰幸君紹介)(第二〇五五号)
同外十件(加藤清二君紹介)(第二〇五六号)
同外十一件(佐藤観樹君紹介)(第二〇五七
号)
同外三件(加藤清二君紹介)(第二〇八一号)
昭和五十三年度国立大学学費の値上げ中止等に
関する請願(有島重武君紹介)(第一九七一
号)
私学の国庫助成に関する請願(浦井洋君紹介)
(第一九七二号)
同外五件(土井たか子君紹介)(第二〇六一
号)
同外四件(伊賀定盛君紹介)(第二〇七七号)
私学に対する国庫助成増額に関する請願外一件
(斎藤実君紹介)(第一九七三号)
同(津川武一君紹介)(第一九七四号)
同(安田純治君紹介)(第一九七五号)
同外二件(沖本泰幸君紹介)(第二〇五二号)
同外五件(楯兼次郎君紹介)(第二〇五三号)
同(小川仁一君紹介)(第二一〇五号)
同外九件(斎藤実君紹介)(第二一〇六号)
同(武田一夫君紹介)(第二一〇七号)
同外二件(横路孝弘君紹介)(第二一〇八号)
同(安藤巖君紹介)(第二一〇九号)
同(荒木宏君紹介)(第二一一〇号)
同(浦井洋君紹介)(第二一一一号)
同(工藤晃君(共)紹介)(第二一一二号)
同(小林政子君紹介)(第二一一三号)
同(柴田睦夫君紹介)(第二一一四号)
同(瀬崎博義君紹介)(第二一一五号)
同(瀬長亀次郎君紹介)(第二一一六号)
同(田中美智子君紹介)(第二一一七号)
同(津川武一君紹介)(第二一一八号)
同(寺前巖君紹介)(第二一一九号)
同(東中光雄君紹介)(第二一二〇号)
同(不破哲三君紹介)(第二一二一号)
同(藤原ひろ子君紹介)(第二一二二号)
同(正森成二君紹介)(第二一二三号)
同(松本善明君紹介)(第二一二四号)
同(三谷秀治君紹介)(第二一二五号)
同(安田純治君紹介)(第二一二六号)
同(山原健二郎君紹介)(第二一二七号)
私学の助成に関する請願(瀬野栄次郎君紹介)
(第一九七六号)
同(安宅常彦君紹介)(第二〇四七号)
同(石野久男君紹介)(第二〇四八号)
同(小川省吾君紹介)(第二〇四九号)
同(板川正吾君紹介)(第二〇七八号)
同(枝村要作君紹介)(第二〇七九号)
同(小川仁一君紹介)(第二〇八〇号)
私学の学費値上げ抑制及び国庫助成増額に関す
る請願(寺前巖君紹介)(第一九七七号)
同(木原実君紹介)(第二〇八二号)
同外二件(新村勝雄君紹介)(第二〇八三号)
同(玉置一徳君紹介)(第二〇八四号)
学校災害に対する補償制度創設に関する請願外
一件(大島弘君紹介)(第二〇五〇号)
同外一件(嶋崎譲君紹介)(第二〇五一号)
大幅私学助成等に関する請願外十件(清水勇君
紹介)(第二〇五八号)
同(武田一夫君紹介)(第二〇五九号)
同(安藤巖君紹介)(第二〇八六号)
同(荒木宏君紹介)(第二〇八七号)
同(浦井洋君紹介)(第二〇八八号)
同(工藤晃君(共)紹介)(第二〇八九号)
同(小林政子君紹介)(第二〇九〇号)
同(柴田睦夫君紹介)(第二〇九一号)
同(瀬崎博義君紹介)(第二〇九二号)
同(瀬長亀次郎君紹介)(第二〇九三号)
同(田中美智子君紹介)(第二〇九四号)
同(津川武一君紹介)(第二〇九五号)
同(寺前巖君紹介)(第二〇九六号)
同(東中光雄君紹介)(第二〇九七号)
同(不破哲三君紹介)(第二〇九八号)
同(藤原ひろ子君紹介)(第二〇九九号)
同(正森成二君紹介)(第二一〇〇号)
同(松本善明君紹介)(第二一〇一号)
同(三谷秀治君紹介)(第二一〇二号)
同(安田純治君紹介)(第二一〇三号)
同(山原健二郎君紹介)(第二一〇四号)
私学の学費値上げ抑制及び教育・研究条件の充
実等に関する請願外四件(武田一夫君紹介)(
第二〇六〇号)
同(松本善明君紹介)(第二〇八五号)
同月十六日
私学に対する国庫助成増額に関する請願(浅井
美幸君紹介)(第二一七一号)
同(新井彬之君紹介)(第二一七二号)
同(飯田忠雄君紹介)(第二一七三号)
同外一件(池田克也君紹介)(第二一七四号)
同(石田幸四郎君紹介)(第二一七五号)
同外一件(市川雄一君紹介)(第二一七六号)
同(小川新一郎君紹介)(第二一七七号)
同(大久保直彦君紹介)(第二一七八号)
同(大野潔君紹介)(第二一七九号)
同(大橋敏雄君紹介)(第二一八〇号)
同(近江巳記夫君紹介)(第二一八一号)
同(岡本富夫君紹介)(第二一八二号)
同(沖本泰幸君紹介)(第二一八三号)
同(長田武士君紹介)(第二一八四号)
同(鍛冶清君紹介)(第二一八五号)
同(貝沼次郎君紹介)(第二一八六号)
同(北側義一君紹介)(第二一八七号)
同(草川昭三君紹介)(第二一八八号)
同(草野威君紹介)(第二一八九号)
同外五件(古寺宏君紹介)(第二一九〇号)
同(池田克也君紹介)(第二二〇四号)
同外七件(鍛冶清君紹介)(第二二〇五号)
同外二件(木原実君紹介)(第二二〇六号)
同外三件(新村勝雄君紹介)(第二二〇七号)
同外一件(中西積介君紹介)(第二二〇八号)
同(春田重昭君紹介)(第二二〇九号)
同外二件(湯山勇君紹介)(第二二一〇号)
同外二件(米田東吾君紹介)(第二二一一号)
同外十三件(古寺宏君紹介)(第二二五六号)
同(高橋高望君紹介)(第二二五七号)
同外一件(伏屋修治君紹介)(第二二五八号)
同外一件(木原実君紹介)(第二二八五号)
同外一件(権藤恒夫君紹介)(第二二八六号)
同外八件(新村勝雄君紹介)(第二二八七号)
同(野村光雄君紹介)(第二二八八号)
同外五件(薮仲義彦君紹介)(第二二八九号)
同外一件(横路孝弘君紹介)(第二二九〇号)
私学助成に関する請願外一件(草川昭三君紹
介)(第二一九一号)
同(正木良明君紹介)(第二一九二号)
同(井上一成君紹介)(第二二一二号)
同(加藤清二君紹介)(第二二一三号)
同(草川昭三君紹介)(第二二一四号)
同外八件(佐藤観樹君紹介)(第二二一五号)
同(北側義一君紹介)(第二二五四号)
伺(草川昭三君紹介)(第二二五五号)
同外二件(太田一夫君紹介)(第二二八一号)
同(草川昭三君紹介)(第二二八二号)
私学の助成に関する請願(瀬野栄次郎君紹介)
(第二一九三号)
同(伊賀定盛君紹介)(第二二一六号)
同(井上一成君紹介)(第二二一七号)
同(小川国彦君紹介)(第二二一八号)
同(瀬野栄次郎君紹介)(第二二一九号)
同(井上普方君紹介)(第二二七九号)
同(瀬野栄次郎君紹介)(第二二八〇号)
私学の学費値上げ抑制及び国庫助成増額に関す
る請願外三件(竹内勝彦君紹介)(第二一九四
号)
私学の父母負担軽減及び危機打開に関する請願
(鍛冶清君紹介)(第二二二〇号)
同外一件(楢崎弥之助君紹介)(第二二二一
号)
同外一件(権藤恒夫君紹介)(第二二九一号)
私学の国庫助成に関する請願外七件(小林正巳
君紹介)(第二二二二号)
同外九件(岡本富夫君紹介)(第二二八三号)
同外八件(土井たか子君紹介)(第二二八四
号)
学校災害に対する補償制度創設に関する請願(
嶋崎譲君紹介)(第二二二三号)
同(千葉千代世君紹介)(第二二二四号)
同外三件(嶋崎譲君紹介)(第二二九二号)
教育条件の整備充実等に関する請願(近江巳記
夫君紹介)(第二二五三号)
私学に対する助成増額等に関する請願(森喜朗
君紹介)(第二二五九号)
は本委員会に付託された。
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三月十三日
岡山大学に歯学部設置に関する陳情書
(第一三七号)
宮崎大学に畜産獣医学部設置に関する陳情書
(第一三八号)
鳴門市に教員大学院大学設置に関する陳情書
(第一三九号)
私学助成の充実強化に関する陳情書外二件
(第一四〇号)
日本教育憲章制定に関する陳情書
(第一四一号)
公立高等学校新増設に対する国庫補助制度拡充
に関する陳情書外一件
(第一四
二
号)
公立義務教育諸学校の教職員定数最低保障制度
の継続に関する陳情書
(第一四三号)
公立義務教育諸学校等教職員定数の改善計画実
施に関する陳情書
(第一四四号)
義務教育諸学校の教科用図書無償配布の存続に
関する陳情書外十三件
(第一四五号)
幼稚園施設費等の国庫負担に関する陳情書
(第一四六号)
心身障害児教育の充実に関する陳情書外一件
(第一四七号)
女子学校事務職員の産休補助職員確保に関する
陳情書(第一四八
号)
学校災害補償法の制定に関する陳情書外六件
(第一四九
号)
埋蔵文化財の発掘調査に対する財政援助等に関
する陳情書
(第一五〇号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
する法律案(内閣提出第二三号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/0
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001・菅波茂
○菅波委員長 これより会議を開きます。
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。千葉千代世君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/1
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002・千葉千代世
○千葉委員 この義務教育諸学校施設費の国庫負担法一部改正、これは五年間、大体これこれの成果があった、一定の成果があった、そういう点はどういうところであるか。もう一つは、これからも続いてやっていかなければならない点を重点的に挙げてもらいたい。最後に、また五年後に同じような法律を出していかなければならないような情勢になるかどうか、こういう見通し、展望についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/2
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003・砂田重民
○砂田国務大臣 御審議をいただきます負担法の中で重点的に取り組まなければなりませんことは、やはり急増市町村におきまして校舎その他の施設そのものの円滑な整備を図るという基本的な問題が一つでございます。それからもう一つ大事なことは、危険建物、危険校舎というものがただいままで余り減ってきておりません。これは教育環境の改善という点からも見逃すわけにまいらないことでございますので、これの改築を促進いたしますこと、さらにまた、もう御承知のように昭和五十四年度から養護学校の義務制が実施されますので、それに必要な施設の整備をいたしますこと、こういうことがその重点になっているところでございます。
このために国といたしましては、第一に急増対策といたしまして、昭和四十六年、学校用地の取得の補助制度を新設いたしまして、毎年それの補助の充実に努めてまいったところでございますが、四十八年度から小・中学校の校舎に対します補助率を三分の二という特例を設ける、こういうことにいたしたわけでございます。しかし、小・中学校の児童、生徒のこれからの伸びを特に過密地帯で考えますと、やはり五年間でこれが終わったとは決して申せないこれからの見通しがあるものでございますから、さらにこれを継続をして五年間の延長を考えたい。かような意味からこの負担法改正の御審議をお願いいたしたわけでございます。
このほかに、急増地域におきます事業の補助採択を十分に行いますために事業量の拡大を図ってまいりまして、さらに危険校舎の改築の促進のためには、五十二年十二月に現存をいたします改築を要するものの面積のうちで、当面、小・中学校の設置者であります市町村が改築計画を持っておりますのを三年間で解消してしまおう。従来は実は五年計画をやってきたのですが、これでは追いつかないものでございますから、三年計画なら追いついていけるという計算が立ちますので、三カ年計画で市町村が持っておりますその初年度分を全部引き受けていこう、こういうことにいたしたわけでございまして、昭和五十二年度の第二次の補正予算と五十三年度予算と合わせましての、いわゆる十五カ月予算の中で二百三十五万平米を改築いたすことにいたしまして、このペースで三年間まいりますと完全に追いついていくことになるものでございますから、一つの非常に大きな前進ができたと考えております。
第三番目には養護学校についてでございますが、五十四年度義務制施行ということでございますので、これに必要な校舎の整備を進めますために、五十三年度予算におきましては五十二年度予算に比べまして七〇%余りの予算を増額をいたしました。二十八万六千平米をこれのために計上をいたしまして、都道府県の建築計画に支障を来さないように配慮をいたしておるところでございます。
六年目からどうなるかということでございますが、まだ大分先のことでございますけれども、児童、生徒の増、大体これからの五年ぐらいに集中して百二、三十万人の小・中学校の生徒がふえる、そのような見通しを立てております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/3
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004・千葉千代世
○千葉委員 六年後のことで、かなり先のことですけれども、実際的にいま実施していく中で一つ一つ解決していかないと、五年たってまた五年延びる、こういうふうになっていくわけですから、いまの、大臣がおっしゃいました六年後についてははっきり出ておりませんですけれども、この点、もう少し詳しくおっしゃっていただきたいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/4
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005・砂田重民
○砂田国務大臣 五十七年、八年あたりがピークになろうかと思いますが、もう率直にお答えいたしますけれども、私はこういう計画は大体五年計画でいくのがいいと思うのです。十年計画では長過ぎます。三年計画では少し短過ぎますし、中に補助率等いろいろ規定をしてまいりますので、五年先にはまた改善できることもあろうではないか、そうも考えますから、従来五年でやってまいりましたものをさらに本年から五年間延ばしたい、こういう気持ちでありますことを御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/5
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006・千葉千代世
○千葉委員 これは定数の関係がかなりありますので、戦争直後に生まれた人たちの子供が今度入ってずっといくわけですから、五年ではまだ解消できそうもないような気がいたします。そうしていきますと、過密地帯の問題がいま話し合いの材料になりますけれども、そうではなくて、過疎地の中の過密部分とか、そういうものが複合してくると思うのです。ですから、やはりこの点についても実施していく中で考えながら進めていっていただきたいということを申し上げておきます。
そこで、補助基準の問題でお聞きしたいのですが、三分の二で十分と思っていらっしゃるでしょうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/6
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007・砂田重民
○砂田国務大臣 いま先生御指摘の過疎県の中の過密市町村、小・中学校の場合は過疎県の中の過密市町村につきましても市町村の児童、生徒で見当をつけてまいりますから、それには対応できることになっております。この法律自体が対応できることになっておりますので、その点は御懸念がないかと思います。
それから、お尋ねの三分の二で十分かということでございましたけれども、予算措置というものを十分でございますとなかなか言いにくいわけでございます。文部大臣としてもいろいろ欲が、もっともっとと思う気持ちがありますことは変わりございませんけれども、やはり小・中学校の校舎の新増築にかかわります補助率は原則が二分の一になっておりますのを、急増市町村についてはやはり市町村財政が大変圧迫を受ける、こういう実情から考えまして四十八年度に特例措置の三分の二を設けたわけでございまして、市町村の財政負担の軽減に対応していこうということでございます。また、これらの小・中学校施設整備にかかわります地方負担分につきましては、一部地方交付税で措置をいたしておりますのと、残りました部分は、五十二年度から全額を政府資金での起債を充当することにいたしておりまして、また、この政府資金によります地方債を市町村が後年度において償還をいたしていきます場合にまたその元利償還について一部地方交付税で措置をしていく、こういう仕組みをつくってございますので、国の補助金、そして市町村に対します交付税、さらにいま御説明申し上げましたような性格を持った政府資金による起債、こういうものを合わせた措置によりまして、小・中学校の円滑な整備が十分できていくように努力をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/7
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008・千葉千代世
○千葉委員 実際校舎を建てていく場合にいろいろ標準がある。俗に言われております三つの要素、たとえば単価差の問題でありますとか、あるいは数量差の面積の問題でありますとか、対象差の問題などありますね。この中で対象の問題なんですけれども、たとえば渡り廊下であるとか、へいであるとか、そういうふうな問題について配慮が少し足りないように思うのですけれども、いかがでしょうか。具体的には、たとえば渡り廊下は認められておっても、このごろ学校の敷地面積が狭くなってきたのです。それで建てていく場合に、渡り廊下は、校舎をこう建てますというと、こちらができるとこちらにもやらなければならない、幾つも必要だということと、基準が狭いから、少し広くとっていくとなると、これまたお金を地方が出さなければならないわけですね。そういうふうな大変細かい問題ですけれども、実際的に地方自治体の方ではそういうものをうんとかぶせられるわけなんですね。そういう実態についてはどのように配慮していらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/8
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009・砂田重民
○砂田国務大臣 従来、門とか、さくとか渡り廊下とか、こういった工作物にかかわる経費は地方債だけでしか措置ができていなかったのです。それを昨五十二年度から、こういったものについて付帯工事の一部として補助対象に始めたわけでございます。五十二年度の申請状況を見ますと、補助金ベースで約十億円のお申し出がございまして、これをすべて採択をしたところでございますが、渡り廊下の幅だとか寸法だとか、そういうことを管理局長からお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/9
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010・三角哲生
○三角政府委員 私どもも必ずしも、全国のそういう渡り廊下とか門とか、いわゆる付帯的なものについての非常に精密なデータを持っているわけではございませんが、たとえば同じつなぎの廊下でございましても、全部壁がございまして建物のようになっておりますものは、従来の校舎の補助金の中に組み入れて措置をいたしております。いわば吹き抜けと申しますか、そういう通常言う渡り廊下については、ただいま大臣から御説明申し上げましたように五十二年度から措置をすることにいたしたわけでございますが、ただいままでのところは大体市町村当局が御計画になる部分を受けとめることができる形で対応いたしておりまして、幅でございますとか、そういう規格については、市町村がそれぞれの学校の敷地の状況やあるいは校舎のむねとむねの間の大きさの関係等でそれぞれ自主的にお決めになるものでございますので、私どもはできるだけそれを受けとめるという形で対応していきたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/10
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011・千葉千代世
○千葉委員 やはり対象差がかなり大きな問題になっているように私は見受けました。というのは、東京都だけではなくて近県の二、三市のを、ここに資料がございますけれども、拝見しました中で、先ほど大臣は十億円とおっしゃいましたが、昨年から補助金を出されているけれども、実際的にはそれで処理できない。やはり市町村がうんとかぶるわけですね。そしてずっとやっていきますと、校舎の建築費用の中に、たとえば教室なりその他の中に繰り込むようにしてあるかもしれませんけれども、それではやはりだめなんだそうです。実際に建築をしていきます中で、渡り廊下なら渡り廊下あるいはへいであるとか、いろいろ問題が出てきますね。そういう点なんかもきちっとここらで取り上げていかなければならないのじゃないかということを聞いたのです。私もそう思います。いま補助金を出した、だからこのまま進めていくというだけでは解決されないように思いますので、その点、もう少し詳しく述べていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/11
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012・三角哲生
○三角政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもその実情については必ずしも全国的な精密な調査ができているとは言いかねる面がございますので、先生おっしゃいましたような状況については、なお今後ともよく当該市町村なりあるいはそれを管轄します府県にも連絡をしまして、十分実態を調べてみたいと思います。私ども現在では、一応建設省の官庁営繕の単価とかその他を基準にして予算の積算を行い、そういった標準に基づいて措置をいたしておりますが、十分実情を調べました上で、なお改善すべき点がございますれば関係当局とも協議の上で努力をしてまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/12
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013・千葉千代世
○千葉委員 五十三年度の小・中校舎の補助基準の面積が引き上げられるように聞いておりますけれども、実際どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/13
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014・砂田重民
○砂田国務大臣 そのことをお答えいたします前に、先ほどの先生の御指摘の点、五十二年度から初めてやった、補助を広げたわけですが、初めてのことでございますので、実態を調べまして、前向きに検討させていただきたいと思います。
それから、ただいま御質問の五十三年度の補助基準面積のことでございますが、従来、特別教室だとか付属室の教室部分等を改善をしてまいりましたけれども、まだ実施面積と国庫補助面積との間に若干の差がありますことは事実でございますので、今回は、これまで改善が十分でございませんでした保健室などの管理諸室、そしてその通路部分、そういうところに重点を置いて改善を図ることにいたしました。数字で申し上げますと約一六%増の国庫補助基準面積の改定を行いました。相当円滑な学校運営がこれで確保できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/14
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015・千葉千代世
○千葉委員 一六%引き上げられていくというと、かなり広くなるわけなんですね。だから大変いいと思います。けれども、小規模学校についてはかなり不利じゃないかと思うのですけれども、どうなんでしょう。パーセンテージ一六掛けたものですと、その点なんかどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/15
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016・三角哲生
○三角政府委員 ただいま一六%と申しましたのは、まさに先生御指摘のように全体の平均値が一六%でございます。おっしゃいますように、小規模学校の場合には、何と申しますか、やはり一つの学校単位としては、小さかろうが大きい学校であろうが必要な部分というのはあるわけでございますので、そういうことでこの一六%がどういうぐあいに規模別に分かれるかという一種の配分曲線みたいなのがあるわけで、それを御説明すると非常に細かいことになるわけでございますが、簡単に申しますと、いわゆる六クラス程度の小規模学校の場合には一七%ぐらいの配当になっておりますので、小規模学校の方が少し厚目、そういう種類の曲線になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/16
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017・千葉千代世
○千葉委員 一六%大体として引き上げる、ただし小規模学校については一七%ぐらいになるという、こういう幅があるというわけなんですね。そうすると、一七%といっても大してそう広くはないと思うのです。やはりこれは一九%ぐらいの幅で伸ばしていくことが大事ではないかということを私は計算してみて思ったのですが、それでは少し多いでしょうか。小規模学校の場合ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/17
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018・三角哲生
○三角政府委員 今回の改定の内容につきましては、先ほど大臣から保健室その他というぐあいに御説明申し上げたわけでございますが、内容をちょっと補足して御説明申し上げます。
小学校の、ただいま十八クラス規模のものでちょっと例をとって申し上げさせていただきますが、理科教室、十七平方メートル増をしております。それから保健室につきまして、先ほど大臣が申し上げましたが、四十二平方メートル。それから職員室等のいわゆる管理諸室、職員専用のトイレット、更衣室といったようなものを含めまして八十三平方メートル。それからトイレ、洗面所につきまして三十七平方メートル。それから、次のものが一番分量的に多いのでございますが、廊下、階段等につきまして、従来は部屋部分の面積も三三%とっておりましたものを四四%に引き上げまして、これが三百七十三平方メートルというようなことで、小学校の場合が約一六%弱、中学校の場合もほぼこれに見合った数字になっておるわけでございます。
先生御指摘の小規模学校について、一七では少ない、一九ぐらいが適当ではないかという御指摘でございますが、小規模学校につきましても、まあこれまでも小規模学校は小規模学校なりに一つの独立の単位として必要な部分を算入した数値がございまして、その上に乗せるのが今回の数値なものでございますから、これまでもいわゆる若干上薄下厚的な数値になっておりますので、その上にさらに一七を乗せるということでございますので、必ずしも、今回その基準をアップしたのが一%しか幅がないからといって小規模学校が非常に困るとか、あるいは小規模学校が非常に窮屈であるという、そういう状況にはなっていないというふうに私どもは判断しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/18
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019・千葉千代世
○千葉委員 いまのお話の中に更衣室の点が抜けておったのですけれども、それは項目にございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/19
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020・三角哲生
○三角政府委員 更衣室等を今回設けられるようにいたしたわけでございまして、先ほど申し上げました八十三平方メートルの中に更衣室とか、それから職員専用のトイレットとか、そういうものを今回新たに算入するようにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/20
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021・千葉千代世
○千葉委員 ここ一年ぐらいは大変不況で、そして単価割れの現象が起きているということを聞いているのですが、そういう点についてどのようにしていらっしゃるかということと、それから出血サービスにつながっているのではないかということがあるわけです。たとえば下請機関や何かがそういう点をかなり出しておりますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/21
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022・三角哲生
○三角政府委員 御指摘のように、最近の経済の状況によりまして、補助申請を行ってまいります建設事業の中には、私どもの補助単価、これは地域によって若干補正をしておりますが、それを下回る金額での計画が出されてきておるものが相当あることは事実でございます。ただ、それを見まして、余り無理な工事が行われたり、あるいは業者ないしはその下請が非常に圧迫をこうむるということがございませんように、私どもとしては審査をする場合には計画の内容を一々注意して見るようにいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/22
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023・千葉千代世
○千葉委員 万博とかオリンピックのありました時分ですと、労力とか材料とかは向こうに行きますから、こういう地味な学校建築とか公会堂とかはかなり手抜きがあったわけですね。だから、いまはその時分よりはずっといいものが建ちかけているという現状です。ただ、こういう不況の時代ですから、やはりつないでおかなければならないという業者が、たとえば下請業者ですが、そういうところでかなりあるわけです。これは御承知のように、一つの市が学校を建てる、そうすると、市が直接やるわけではないようなんです。開発公社であるとか公団であるとか、そこにやらせるわけですね。そして補助金のついた順に市が買い取っていく。こういう現状の中でやはり見落としてはならないのは、そういう開発公社や何かの下請が、ここで手離れしてしまってはあと困るので、とにかくつないでいこう、こういうふうなことが実際行われているわけなんですけれども、その点についてどのように考えていらっしゃいますか。要するに補助基準の面積をもっと上げてくれということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/23
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024・三角哲生
○三角政府委員 千葉先生ただいま御指摘になりましたような具体の事案について私ども正確な知識をちょっと持ち合わせておりませんので、必ずしも直接対応する御答弁ができるかどうか自信はないのでございますけれども、一般的に申しますと、いま御指摘になりましたような事柄につきましては、政府の仕組みといたしましては、建設省の方でいろいろと地方公共団体なりに対する指導を行っておりまして、そしてそれに基づいて市町村から私どもの方に学校につきまして補助の申請がございますれば、私どもとしてはそれに対してできるだけ時期的にマッチするように、タイミングが合いますように対応するように努めてきておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/24
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025・千葉千代世
○千葉委員 これは近県の四十万人ぐらいの都市の例なんですけれども、そういう中でずっと見ていきますと、そういう点がかなり詳しいんですね。これは公団施行の場合なんですけれども、そういう点なんかについても、ここに数的に述べてありますが、読みませんけれども、問題がかなり多いんですね。協会と公団が大体半々ぐらいになっているんです。
それで、いま申し上げたのは補助の問題ですけれども、と同時に、やはり補助金が三年ぐらいにわたって行くわけですね。一遍に補助金が行かないんですね。たとえば開発公社なら公社が引き受ける。そうすると、三回にわたって行くとなると、一回補助金が行った、一回分はまず市が買い取ります。一つの公社の中でですよ。二年目に補助金が行った、それをまた買い取る。三年目にまた行って買い取る、こういう現状なんです。三年目になって初めて市がそれを全部利子補給をやっています。だから利子ごと買い上げるという、これが実情のようなんです。そうしていきますと、その中で、開発協会なり公団なりが、いずれ利子は一緒にもらうにしても後にもらうわけなんでしょう。その間かなりあるわけですね。そういう点なんかについては、文部省の方ではどんなようにこれを察知していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/25
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026・三角哲生
○三角政府委員 先生の御指摘の問題は、いわゆる立てかえ施行の問題かと存じます。これはおっしゃいますように三年と申しますか、やり方としては、一年据え置きで、その後で二年分割買収という形に現在なっておるわけでございます。これは昭和四十二年でございますが、建設、大蔵、文部、厚生、自治の各事務次官名義のいわゆる五省協定というものがございまして、これで、宅地開発等の施工者が施設の建設を行った場合においては、当該施設の建設後、原則として三年以内に地方公共団体より当該施設の建設に要した費用の支払いを受けるものとするというふうにされておりまして、学校施設の場合もこれを受けまして、先ほど申し上げましたように一年据え置き二年分割買収で計三年というふうにいたしておるわけでございます。
これは立てかえ施行でございますので、そうでなくてもより緊急に整備を必要とする学校等との関係からこういう仕組みをつくっておるわけでございまして、もし一年据え置きということをやめるとすれば、立てかえ施行という形でいわゆる前向き整備を行う利点がなくなるわけでございまして、そういう意味で、三年ということが非常に不合理ないしは不利益な状況の場合には、通常の仕方で補助の申請をしていただきますれば、三年ということでなくて国からの補助金なり何なりの手当てが参るわけでございます。ですから、そのどちらをお選びになるかは、宅地開発等が相当規模で行われる、その状況なり何なりにつきましての当該市町村の判断があるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/26
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027・千葉千代世
○千葉委員 これは大変問題が複雑なんですよ。たとえば、いま管理局長がおっしゃったように市町村でやりましたね。そしてそれについては、申請の仕方によってまたやる方法もあるようなことをおっしゃったんですが、ここに出ておりますが、申請が大変だということがあるんですね。大変な書類を出してしなければならないというのです。ちょっと変えたにしたって容易でないというのですが、もう少し手続が簡便になるような方法がないだろうかということが言われているんです。そうすると、余り簡便にしてしまうと会計検査院その他でいろいろ問題もあるからというようなことも言われるらしいし、とにかく微に入り細をうがって、四方八方から攻め立てられてもいいようなことを出させるわけですから、やる方は大変だそうです。こういう点についてやはり要点を得てきちっとしていく。申請手続の方法なんかについてももう少し文部省の方で考えてあげなければならないのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。できれば申請の手続の仕方をちょっと言ってくださいませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/27
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028・三角哲生
○三角政府委員 先生御指摘のように、国庫補助金、公立文教施設整備費補助の補助金の手続についてはいろいろ段階がございまして、これはやはり基本的には国民の税金をもとにいたします補助金の執行でございますので、その補助金の執行の適正化のために、関係の法令に基づいてどうしても踏んでいかなければならないそういう手続なり手順があるわけでございます。
概要について申し上げますと、まず、市町村が学校をどういうぐあいにしてどういうふうにお建てになるかということは、当然市町村内部でいろいろ関係者が集まって御協議になりまして建築計画というものをお立てになるわけでございますが、その上でその建築計画がまとまりました段階で文部省に出てくるわけでございます。それを、いわば認定申請というものを出していただくことになっております。これを文部省といたしましては審査をいたしまして認定ということをいたします。従来この認定申請の前に設計審査というものをやっておりましたのですが、これは五十年度から手続簡素化のためにそういう手順は廃止いたしております。それで認定を受けました後で改めて交付の申請をしていただく。そしてこの交付の申請に対して交付決定を行うという順序になっております。なお、認定と交付申請との間で、認定申請を行った内容をまたいろいろ市町村で事情が変わりましたり御議論があったりして変えたいというときには、それを変えるという連絡をしていただくというような手順が、これは特別のケースでございますが、あるわけです。そして交付決定後は、途中で一遍状況報告というもので、契約がどのように成り立ったか、それから支出の状況がどうであるかというような報告を中間でしていただくことになっております。なお、交付決定後にやはりいろいろ内容が変更することも、これは世の中のことでございますからあり得ますので、それまた御連絡をいただいてその承認をとっていただくという手順がございます。一応そこまでで交付は決まるわけでございますが、あとはお金の出し入れの関係が出てまいりまして、その後で概算請求を出していただきまして概算交付をする。一応事業が完了いたしましたら実績報告というのを出していただいて、その実績報告をチェックをいたしました上で額の確定をし、さらにその後で最終的に補助金の精算交付をするという手順でございまして、いずれをとりましても、これは補助金である関係上どうしても必要な部分というものがほとんどでございます。
ただ、この公立文教施設につきましてちょっと特別に私どもが従来いたしておりますやり方に、最初に申し上げました認定申請というのがあるのです。なぜこの認定申請というのをやっておるかと申しますと、学校建物の建設の金額などがどういうぐあいになるかという、この金額等はやはり契約をすることによって確定するわけでございますので、それ以前の段階では多くの場合に、一体学校建築に幾らかかって、それに対してどの程度の補助金が来るかはなかなか確定することはできないというのが事実でございます。したがって、その辺が確定するのは市町村の学校建設の契約後になって初めて確定するわけでございます。そういうことから公立文教の交付決定は市町村の契約後に交付決定をせざるを得ないというのが実情なんでございますが、しかし、市町村の側から見ますと、一体国の補助金が来るかどうかということがある程度はっきりいたしませんと、その年度に契約に踏み切るかどうかということは議会等との関係もありなかなか踏み切りにくい、そういう市町村側の必要と申しますか、状況があるかと存じます。したがいまして、さっき御説明申し上げました事前の認定の制度というものをつくりまして、これによりまして、国の側から見ますと、大体その認定をした状況を全部見ればその年度の補助面積なり補助金額のおおよそを把握することができますとともに、市町村の側から見ますと、こういった、私どもが責任を持って認定をして一種のゴーサインを出しますものでございますから、これは大体少なくとも幾らぐらいの補助金が受けられるということが明確になるわけでございますから契約に踏み切ることができる、そういう仕組みでございます。これはほかにも例があるかと存じますけれども、学校の補助申請に当たっては特別にそういう段階を設けておるという事項でございます。
ただ、そのような事項は、おおむねこれまで簡素化できるものは大分簡素化をしてまいっておりますが、今後若干、添付資料みたいなものについて簡略化、簡素化できるものがないかどうか。それから先生御指摘のように、これは会計検査院その他関係する機関もございますので、そういうところとの御相談も必要でございますが、そういった御相談もして、そういう資料の簡素化等検討いたしてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/28
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029・千葉千代世
○千葉委員 簡素化の検討をおっしゃっていただいて大変結構だと思いますけれども、いまお述べになったように、承認をとるためだとか、それから実績を報告する、これはお金の面に関係しますからそういう面だとか、確定申請あるいは市町村の契約とかと、ずっとこう私は書類をこのぐらい見せていただいたんですけれども、大変なことだと思ったのです。私自身もいままでそういうふうな書類は余り見ませんでしたから、もっと簡単に建つと思っておったのです。見ていくうちに、二重三重になる部分が確かにあるわけなんですね。だからそういう点をもう少し御配慮いただきたい。文部省が申請や何かについての権限といいますか、かぎといいますか、それを握っていらっしゃるわけでしょう。地方は申請してくるわけですから、補助金であるから、国のお金がつくから、これは大変な申請用紙がたまるわけなんです。ですからここらをもう少しとれたら書類は三分の一くらいでいいんじゃないかと、私は全くの素人ですから思ったのです。そういう点で市の方々にもよく聞いてみたら、ぼくらもそう思うのですけれども、いままでとにかくこうしてやってきたんだからやはりやらなければならないと思ってやっているけれども、よくよく考えてみれば、むだ骨とは言わないけれども大変な骨が折れるというわけです。ですから、必要なものはもちろん出さなければなりませんけれども、いま管理局長がお述べになったように、ここはどうしても抜かせられないところはきちっとして、そして要所要所をきちっと押さえながらやっていったらもう少し簡便に能率的にいくんじゃないかと思うのですけれども、それは希望として申し添えておきます。
時間がございますので次に進ませていただきますけれども、学校教育法を見ていきますと設置基準のことが書かれているわけなんですね。小学校の場合ですと学校教育法の施行規則第十六条に「小学校の設置基準は、別にこれを定める。」と定めていますね。中学校は五十一条で「別にこれを定める。」とあるわけなんですけれども、設置基準がまだできていないと聞いたのですが、どうなっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/29
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030・砂田重民
○砂田国務大臣 学校教育法とその施行規則で大綱が決められておりまして、さらに義務教育諸学校の大部分を占めます公立の義務教育諸学校につきましては、財政措置を伴いました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律や、ただいま御審議いただいておりますこの負担法、ここに定めます基準が実質的に設置基準の役割りを果たしているわけでございます。ただ、先生御指摘のように、設置基準そのものが決まっていないとおっしゃればまさにそのとおりでございまして、安全会法を前回の当委員会で御審議いただいたときもそのことが問題になりました。大変複雑で大変むずかしいことではございますけれども、検討はさせていただくことにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/30
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031・千葉千代世
○千葉委員 私がいま申し上げたのは施行規則十六条を言いましたが、その本法がまだあるわけですね。これは御承知のように学校教育法三条に「設置基準に従い、これを設置しなければならない。」これによって施行規則ができているわけなんです。いま文部大臣がおっしゃったように、もうしばらく考えるというような御答弁であったわけですが、これはかなり前から文部省の態度はそのようになっているようなんですけれども、これは大蔵省との話し合いか何かなさったのでしょうか、どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/31
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032・三角哲生
○三角政府委員 本件に関します状況はただいま大臣からお述べになりましたとおりでございまして、私ども具体的にこの件につきまして大蔵省等に相談をしたり協議をしたりということはまだいたしておらないのでございます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/32
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033・千葉千代世
○千葉委員 大蔵省と何も話をしてないのですか。お金をもらうについては、ただ、これこれだから、面積や何かこういう実態で、定数がこういうふうだからお金をくれということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/33
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034・三角哲生
○三角政府委員 先ほど大臣から申し上げましたように、定数等の問題につきましては公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、これとの関連におきまして大蔵省と協議いたしておりますし、それから今回御審議をいただいております義務教育施設費国庫負担法、これの関連で、たとえばただいま御審議いただいております高率補助の継続でございますとか、それから先ほど御説明申し上げました義務教育諸学校の基準面積の増、そういうふうな問題につきましては個別具体に大蔵省と丹念に協議をし、御相談を申し上げておるわけでございますが、先生最初の御指摘の、小・中学校のいわば、何と申しますか、オールラウンドと申しますか、すべてを包括する設置基準を決めるか決めないか、その内容をどうするかといったような問題につきましては、文部省の内部でも非常にこれは複雑困難な問題でございますのでいろいろ考えてはおりますけれども、まだほかの省とこれをそういうものとして御相談するということにはいたしておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/34
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035・千葉千代世
○千葉委員 この学校教育法三条というのはもうできてからずいぶん古いですね。そうすると、文部省ではずっとそういう考えでやってきた。当面の予算をとるには現実に即して大蔵省と話し合って、要るだけのお金はもらってきた、一応この設置基準がなくてもやれる、こういう態度で文部省はやってきておる。設置基準は要るのですか、要らないのですか。この法律は要るのですか、要らないのですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/35
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036・三角哲生
○三角政府委員 実態は、ちょっとくどくなりますが、先ほど大臣から申し上げましたように、各種の予算関係の法律がございまして、それが実質的には設置基準をカバーする状況が大部分であるということでございますが、物事すべてすみからすみまで整備をしなければならないというような立場に立ちますと、確かに学校教育法三条というものがございますから、これに基づいて何らかの設置基準を決めることが当然望ましいことであろうかと存じます。ただ、設置基準と申します場合にも、たとえば、先生御承知のことでございますが、大学の設置基準のように最低の基準を定めるという基準もございますれば、そこへ望ましい標準と申しますか、そういうものを組み込んだ形の基準を定めるという意味合いの基準もございまして、そこのあたりも実際に取り組むとなるとなかなかむずかしい点なわけでございます。それで、小学校、中学校について申し上げましても、たとえば最低の基準ということで定めたといたしましても、たとえば今回御審議いただいておりますように、明年度の予算で先ほど申し上げました一六%のアップをするというようにそっちの方でかなり進んできている面もございまして、ではそれをどのあたりで押さえるかというふうになると、これはいろいろな議論があり得るわけでございます。ですから、これにつきましては非常に慎重に研究し、検討しないと非常にむずかしい問題であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/36
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037・千葉千代世
○千葉委員 これはいつまで話してもそういう御答弁では話は進まないわけです。大蔵省で反対しているというのですか。大蔵省の方はきょう来ていらっしゃいますか。——これについて文部省といままでどういう話をしておったか。全然なかったのか。あなたの方で反対しておったということを聞いたのですが、どういう理由で反対しておったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/37
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038・的場順三
○的場説明員 御指摘の点につきましては実はいま初めて伺うようなことでございまして、個別の予算の話としてはそれぞれ実態に即して御相談はしておりますが、設置基準を設けるかどうかという御相談は受けたことがございません。したがいまして、反対とか賛成とかの意見を表明したこともございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/38
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039・千葉千代世
○千葉委員 あなたはどういう立場の方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/39
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040・的場順三
○的場説明員 主計官でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/40
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041・千葉千代世
○千葉委員 何という方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/41
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042・的場順三
○的場説明員 的場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/42
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043・千葉千代世
○千葉委員 大変話が簡単ですけれども、これはきのうきょうの問題じゃないのですね。ずいぶん古い話で、そう簡単ではないです。文部省の方では大蔵省と話をする、予算をとりに行く、そうすると大体の話が、ことしはこのくらいだからよかろうと話がつくわけです。だけれども、本当に今度は予算をきちっとやっていくには法律に基づいてやらなければならない。そうすると、法律ができていればそれだけきちっと大蔵省は出さなければならないのですよ。ことしはこのくらいだではなくて、もとがぴしっとやはりあるわけですからね。それだから大蔵省はなかなかこれについてはいい返事をしないのだというのです。本当だか知らないですよ。あなたはまだ若いからね、わからないけれども、よく聞いてみてください。役人の人、年じゅうかわるからね、よく聞いてくださいね。
これは、私は法律だから何でもじゃないけれども、法律にあるのです。学校教育法三条にきちっと、「設置基準に従い、これを設置しなければならない。」とあるわけです。おまけにまた学校教育法施行規則、これは文部省の方でつくっているのですが、第十六条の中に「小学校の設置基準は、別にこれを定める。」とまたあるのですね。中学校の方は五十一条に同じように「別にこれを定める。」ということがある。だけれども、設置基準がこの法律どおり決まっていないのですから、幾ら「定める。」とあったってどうしようもないのですよ。全然これは使っていないわけなんです。使っていないけれども内容的には、予算をとる場合には、さっきから申し上げているように、これこれこれで必要だ、大蔵省の方はああそうか、これで実際もらっている、定員がいままでは大した不合理もなく進んできたからそれでいいように思うけれども、法律がここにあるものならば、これはやはり設置基準をつくった方がいいのです。だから、管理局長は何かいまにもやりそうなような気配もあるし、そうでもないような、ちょっとはっきりいたしませんけれども、ちょうど大臣いらっしゃるから、あなたはこれをすぐつくるつもりですか、そうでないですか、それだけでこれはやめますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/43
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044・砂田重民
○砂田国務大臣 千葉先生、大蔵省をお責めになるのは御勘弁いただきたいと思います。文部省の責任でございます。いままで、学級編制なり教職員定数の標準に関する法律なり、あるいはいま御審議いただいておりますこの負担法なり、こういうところで毎年毎年の補助のことについて、金目のことを大蔵省と相談をしながら一つ一つ積み上げてまいりましたことは、これも先生いま御理解のある御発言でございました、そのとおりでございます。そのことが設置基準というものの役割りを実質的にいままでは果たしてきておったものでございますから、何とはなしになれがございましたのか、学校教育法並びにそれの省令で決まっておりますのに小・中学校についての設置基準というものがまだ決められていなかった、こういうことでございまして、小・中学校の学校教育法とその省令に書かれております設置基準をつくりたいからといって大蔵省と相談をしてみる準備がまだ文部省でできていなかった、この事実関係はひとつ御理解をいただきたいと思うのであります。
ただ、先ほど私も申し上げましたように、先般学校安全会の法律を御審議いただきましたときにも、児童、生徒たちの安全を守るその基準すらないではないかという御指摘がございました。お説のとおりでございますが、これは非常にむずかしい問題でございます。いますぐつくるかどうかという御指摘でございましたけれども、いますぐにつくれるほど簡単なものではないのでございまして、いろいろなところに波及もしていくことでございますし、先ほど管理局長がお答えいたしましたように、大学の設置基準のように最低を決めていくのか、あるいは標準的なもので決めていくのか、そのこともその選択が非常にむずかしい点でございます。ただ、いままで決まっていなかったことは、それはおかしいとおっしゃるのは私もそのとおりであると思いますので、積極的にひとつこれは検討させていただきたい、こういうことで御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/44
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045・千葉千代世
○千葉委員 それから、ゆとりのある学級編制と申しますか、さっきちょっと触れましたけれども、児童数、生徒数がふえていく、ここしばらくまだふえるのじゃないかという情勢を考えるわけなんですね。そうした場合に、いままで四十五名で、私たちは四十名を一生懸命ここで主張しております。そうすると、四十六名になった、四十七名になったという場合には、それでは一々学級をふやしてもなんだからまずプレハブを建てようじゃないか、こう言って進める市町村があるわけなのです。それが積もり積もっていきますと、そうするとゆとりのある学級編制というのではなくなるわけなのです。それで私が一番心配するのは、地方財政が大変逼迫してきます。先生を頼むにもふやすにも金が要ります。学校を建てるにも要ります。そういう面で、これが何かしらなおざりにされていくように思うわけなんですけれども、それについて文部省はどのように考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/45
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046・砂田重民
○砂田国務大臣 ただいまの四十五人を四十名にという御意見を、当文教委員会の附帯決議においても決議をされておりますことを承知をいたしております。ただ、率直に申し上げますと、これからまだ、特に過密地帯に集中して百二、三十万の児童、生徒が数年間にふえていく、それに対応をしなければならない、ちょうどそういう時期にぶつかってもいるわけでございます。なお、これは校舎その他の施設だけのことではございませんで、先生方、教員の定数の問題も当然絡んでくるわけでございます。教員の定数の問題につきまして長期計画で取り組んでまいりましたが、第四次も五十三年度で、法律に基づきますもの、児童数の増に基づきますもの、一万七千八百程度でございましたか、長期計画を全部完遂をいたしますので、いま先生御指摘の四十七人になるじゃないかという、そういった過密地帯の状態、なお過疎地帯が全く逆な現象もあるわけでございますので、四十五名を四十名にという当委員会の御決議のことも踏まえながら、できるだけ早く全国の悉皆調査をやりまして、それを検討の材料にさせていただきたい、かように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/46
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047・千葉千代世
○千葉委員 それからもう一つ、ちょっとさっき落としましたのですけれども、用地の補助単価ですね、これは全国的に大体どうなっていますのでしょうか。たとえば公示単価で買えるところと買えないところがどんな分布になっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/47
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048・三角哲生
○三角政府委員 用地の予算単価でございますが、これは五十三年度予算では五十二年度と同額の二万八千五百円、一平方メートル当たり、これをお願いしているわけでありますが、これが実施に当たりましては、これは建築費と違いまして地域差が非常に多いわけでございますから、いま先生ちょっとおっしゃいましたように、地価公示法に基づくやり方をとっております。学校用地など公共の用地を市町村が買う場合には、地価公示法の第九条に公示価格を規準として買収価格を定めなければならないという規定がございますので、学校用地の買収費の補助につきましてもこの規定を尊重いたしまして補助単価の算定がされるように考慮をしておるわけでございます。
その結果、いろいろなやり方がございますが、まず第一の方法といたしましては、買収価格というものと、それから先ほど申し上げました公示価格あるいは国土利用計画法に基づきます標準価格というものもございまして、これを規準として市町村の不動産評価委員会というもので価格を決めていただきます。それと先ほど申しました買収価格とのどちらかやはり低い価格をもって補助対象経費を算定する、そういう算定の仕方をいたしております。なお、公示価格や標準価格が具体的に近くにないといいますか、これによることが非常に困難な事例の場合におきましては、市町村の不動産評価委員会等が評価した価格または不動産鑑定士といった専門家の鑑定評価額を買収価格と比べまして、それのどちらか低い方でもって補助対象経費というふうにする方式をとっておるわけでございますが、これはやはり公示価格を規準とするという、規準でございますので、やはり若干その公示価格を中心として幅が当然予想されますが、その幅の判断にやはり公正を期するために、不動産評価委員会でございますとか不動産鑑定士による評価を私どもとしては求めておるのでございます。
それで御質問の点でございますが、昭和五十年度の事業について見ますと、補助申請のありました学校のうち約八三%の学校については、申請額をそのまま補助対象経費と認めまして補助を行っておるという状況でございます。それから補助の実績の単価の全体の平均をとりますと、五十二年度は二万九千八百円程度でございまして、予算単価との差が約四・六%、実績の方が多いということでございますので、大体予算単価で実情に見合っておるのではないかというふうに私どもは受けとめておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/48
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049・千葉千代世
○千葉委員 さっきおっしゃったここ二、三年ですね、五十二年、五十三年の予算単価二万八千五百円、こういうふうにおっしゃいましたね。いま五十二年の二万九千八百円、そうすると四・六%、これは幅が多くなったということですね。そうすると、この多くなった分はだれが見るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/49
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050・三角哲生
○三角政府委員 それは当該事業者である市町村の負担でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/50
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051・千葉千代世
○千葉委員 そこで当該市町村では、価格によってずいぶん市町村の超過負担という問題に重なってくるわけなんです。ですから用地の取得については、政府の方で、公示単価を上げるというのもおかしい、不動産屋に上げるというのも変ですけれども、どちらにしても正当な公示単価をはじき出して、それに沿って市町村が見ていけばそれ以上、また四・六%、五・何%とかとあると思うのですよ、それをしょい込まないような方法というものは、これはないものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/51
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052・三角哲生
○三角政府委員 補助の執行につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、一応公示価格というものをベースにして、鑑定士等の鑑定を経て、それの方が低ければ鑑定士の評価でいたしますし、それから買う方のお金が鑑定士の鑑定より低ければ買う方のお金を対象にいたしますから、先生がおっしゃいますほどの負担の超過というふうには私ども受け取っておらないわけでございます。ただ、市町村の方の財政上制約があります場合には、たとえば十なら十の物を買おうという御計画があった場合もそれを若干縮めなければならないとか、そういう具体的ないろいろな状況は出てまいっておるかというふうに考えますけれども、国の立場としましては、不動産でございますので、その値段の決め方についてはやはりあるけじめで決めて、そしてそのけじめに従って対応せざるを得ないという面があるというふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/52
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053・千葉千代世
○千葉委員 この用地の問題はなかなかむずかしいのですね、幅がうんとあるようで。実際的には、学校を建てるんだ、だから篤志家はもちろんですけれども、そうでない地方の人たちもかなり協力しているわけなんです。協力し抜いているくらい。ところが実際的にやっていく場合には、土地を持っている人が一人や二人じゃなくて、一つの校舎を建てる場合に、八人なり九人なりが畑なら畑を持っているとします。そうしますとなかなかこの値もむずかしいわけなんです。ですから、いま局長がおっしゃったようにそう簡単には私はいかないと思います。だからこの差額がふえていって市町村の超過負担がどんどんふやされていくという、これがやっぱり現実にはある。特に、大きいところ、大きい市町村といいますか、大きいところですというとわりあいに規制が厳しいのですよ。ところが過疎県の中の過密、たとえば徳島県の徳島市、徳島県という過疎県の徳島市、その周辺にいった場合とか、こういうようなところ、数えていきますというとかなり問題があると思うのです。ですから、そういう点を総合的に含めて御検討いただく、こういうことで私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/53
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054・菅波茂
○菅波委員長 鍛冶清君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/54
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055・鍛冶清
○鍛冶委員 私は、提案されておりますこの法案について若干の質問と、関連をいたしまして幾つかの点について御質問申し上げたいと思います。いま千葉先生御質問ございましたので、多少重複する点があるかもわかりませんが、その点はひとつ簡単明瞭にお答えをいただきたいと思います。
最初に、この法案については、急増地域にある小・中学校の校舎の新増築費に係る国の負担割合の特例の期限を五年延長する、こういうことでございますが、この件について、生徒急増地域の指定基準というものはどういうふうに定められておるのか、最初にお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/55
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056・三角哲生
○三角政府委員 児童・生徒急増市町村の指定要件は、昭和四十八年度、前回にお願いいたしました四十八年度当時の義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正の際に定められたものでございまして、その際には、急増市町村としての指定を行いますその年度の前三カ年間の児童または生徒の増加数と増加の率を基準として定めてございまして、小学校について申し上げますと、三カ年間の児童の増加数が五百人以上かつ増加率一〇%以上、または増加数千人以上かつ増加率五%以上、中学校につきまして申しますと、生徒の増加数二百五十人以上かつ増加率一〇%以上、または生徒増加数五百人以上かつ増加率五%以上ということであったわけでございますが、その後、児童、生徒の急増の現象と申しますか、状況が、全体の人口数がそうは多くないところの大都市周辺の市町村、大都市周辺の人口が比較的少ない市町村にも及んでまいりました結果、児童・生徒数の増加は、数の増加は少ないけれども率としては非常に高いという市町村においても小・中学校の新増設に追われるような状況が見られるようになったわけでございます。そこで昭和五十二年度に特例の指定要件の緩和を図りまして、児童・生徒数の増加は少ないが増加率が高いという状況に対応いたしますために、小学校で申しますと増加数三百人以上という場合でかつ増加率が一五%以上、中学校で申し上げますと増加数が百五十人以上でかつ増加率が一五%以上というものに対しましてもこの財政援助の特例措置が適用されますように指定をするということで、いわゆる指定要件の緩和を行ったわけでございます。五十二年度で申し上げますと、この緩和の措置によって指定をされました市町村数が、小学校につきましては六十三市町村、中学校につきましては五十市町村という状況になっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/56
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057・鍛冶清
○鍛冶委員 いまお答えいただいた中の五十二年度に新規に指定した要綱というものは、これはたしか予算補助の形で措置をなさっていらっしゃると思いますが、それに間違いございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/57
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058・三角哲生
○三角政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/58
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059・鍛冶清
○鍛冶委員 われわれといたしますと、これは必要があったからこういうふうに五十二年度に新たに指定要件として入れられたと思います。ところが、今回こうやってせっかく五年間延長ということを御提案なさっていらっしゃるわけですから、私ども、子供の立場、親の立場から考えますと、こういう補助というものはやはりはっきりと明確に、しかも不安のない形で補助をしてもらいたいという希望があります。ところが、このままでまいりますと、本法案の施行令附則第三項の中にはどうも組み込まれてないようで、予算措置として、いわゆる予算補助として措置をされる、継続されるように思うわけでございます。そうしますと、都合によってはいつこれを打ち切るということが出てくるかもわからない、こういう不安があるわけですが、こういう点についてはっきり、そういうことなくきちっとこの附則第三項の中へ入れて措置すべきではないか、こう思いますが、この点についてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/59
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060・三角哲生
○三角政府委員 御指摘のような御意見、ごもっともであるとは存じますけれども、私ども、ただいまのところこのやり方で、そうして御心配のないようなふうに努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/60
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061・鍛冶清
○鍛冶委員 私の言ったことはごもっともだというふうにおっしゃるのであれば、ぜひそういうふうにやるのが当然だろうと思いますが、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/61
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062・三角哲生
○三角政府委員 若干経緯を申し上げますと、五十二年度にこの緩和をいたしました時点におきましては、そもそもこの児童・生徒急増市町村の特例措置を国会でお認めいただきましてやっております五年が、その五十二年度いっぱいで切れるという状況にありましたためにとりあえず予算措置でこういった手当てをしたという、そういう経緯でございます。でございますから、さらに五年間の延長を今回御承認いただきました場合には、これも政令上入れるかどうかにつきましては関係当局とも十分協議して努力をしてみたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/62
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063・鍛冶清
○鍛冶委員 いまの方向でぜひおやり願いたいと思います。
引き続いて、急増地域の公立小・中学校用地の取得費ですね。これは、第七十一国会で「児童生徒急増市町村の学校用地の取得費に対する助成の拡充を図ること。」ということで附帯決議がなされているわけですが、補助率については四十六年以降依然として変わっていないという事実があるわけですけれども、これは上げるべきではないか。さらに、それに対して交付率というものがまた網がかぶさっておりまして、現行七〇%というところまで改善はされてきておりますが、事実上は三割は足切りだという形になっておると思います。この足切りは全廃すべきだろうと思うのですが、この件についてお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/63
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064・三角哲生
○三角政府委員 用地の補助率につきましては、従来学校用地につきましては設置者たる地方公共団体の負担ということでずっとまいってきたわけでございますが、今回の法案御提案の趣旨にもございますように、児童、生徒の急増市町村におきましては非常に財政負担が重くて、いろいろな困難な状況がございますことから、いわば非常に臨時的な、特例的な措置として補助を始めたわけでございます。申すまでもなく土地というものはその公共団体の財産になるものでございますから、したがいまして従来当該市町村の負担ということでいたしておりましたけれども、特別に三分の一補助ということにいたしたわけでございます。なお、御承知であろうかと存じますが、その余の部分につきましては、一部地方交付税で措置をいたしますと同時に地方債で措置をいたしまして、当該地方債の元利償還につきましては、後年度約六五%をまた交付税に算入するということで、実際上の負担は結果的には非常に低いという手当てになっておりますので、この三分の一ということで続けてまいっておる次第でございます。
なお、交付率につきましては、これはもういわゆる急増市町村ではないところの一般市町村におきましても学校新設につきまして用地を購入しなければならないという実態があるわけでございまして、それを全国的に両方比べますと、急増市町村の方がどうしても負担がよけいにかぶっている比率が七割ちょっとでございますので、七〇%という交付率を現在も維持せざるを得ない、こういう状況なわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/64
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065・鍛冶清
○鍛冶委員 交付税その他の関係というのは、ほかの補助率との関係もございますし、それはまた後で議論をいたしたいと思いますけれども、とにかく地元の市町村、それから住民の皆さんの要望というものは、交付率というのはよろしくない、足切りだ、だから全廃してくれ、そういう意向が理屈抜きに強いわけです。だから、そういう形で裏でいろいろやっているからと言いながら、そういう要望が強く出てくるというところに大変な意味があるわけであって、これはぜひその方向で考えていただくべきだと思いますけれども、再度この点でお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/65
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066・砂田重民
○砂田国務大臣 私は御趣旨はよくわかるのです。私も人口急増地域でございますから。ただ、そうではない地域の用地取得といまのやり方とのバランスもまた考えなければなりません。学校用地の問題は市町村にいたしますと非常に大きな頭の痛い問題でございますけれども、いま管理局長がお答えをいたしましたような観点から、現在のところはこの手法でいましばらくは続けさせていただきたい、かように考えるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/66
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067・鍛冶清
○鍛冶委員 いま、とにかく補助率を決めておきながら交付率というものをかぶせてくるというやり方ですね。千葉先生もさっきおっしゃっておられましたが、私ども、こういう行政のいろいろな事務的なことに対しては全く素人でございますけれども、若干首を突っ込んでみますと、特に他の省庁と比べて文部省の補助金等の申請に関してのいろいろな手続については、通達その他で出してきておりますけれども、大変めんどうだという感じがしますね。これなんかも補助率で出ているのだからそれでばんときたらいいと思うのだけれども、わざわざ交付率をかぶせるのなら、これは初めから三分の一掛ける〇・七の補助率にしたらいいんじゃないかと私たちは単純に思うのです。これは一つのあらわれでございますが、こういう形で文部行政の中での補助金行政のいろいろな仕組みが非常に複雑になり過ぎているのではないか。これは簡略に明快にやるべきではなかろうか。これは大蔵省も関係が出てくるのかもわかりませんが、そういう点についての御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/67
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068・砂田重民
○砂田国務大臣 手続が大変複雑でありますことはもうおっしゃるとおりでございますが、やはり国民の血税である補助金を支出をいたします手続といたしましては現在のような仕組みが最低限度ではないか。あと考えられますことは、いろいろな添付書類等をもう少し簡素化ができないかという問題がございます。これは実はいま検討いたしておるところでございますけれども、また市町村の側におきましても、学校の最終的な設計をお決めになりますまでにずいぶん変わってくる事情もございます。そういったことから、大変煩瑣な手続で市町村に事務的な重荷を背負わせるようなことになっておりますけれども、私ども、添付書類等の簡素化については積極的に検討をさせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/68
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069・鍛冶清
○鍛冶委員 その問題に入ってきましたので若干申し上げてみますと、とにかく添付書類だけではなくて、根本的に義務教育施設に対する整備費関係の補助金のあり方、行政というものの見直しを文部行政の中でぜひやるべきときではないか、私はこう思うのです。
私も、北九州の出身ですから、あちらの方の市町村をずいぶんとあちこち行って、直接担当しておる方々にも御意見を伺ってきました。そうしましたら、まず教育委員会関係で施設関係の担当のところにいる職員の方は、この補助金を文部省からもらうについていろいろ細かいことがあるものだから、一年、二年、三年ぐらいではそれに精通して自由自在に使いこなすまでに至らない、こういうふうな切実な悲鳴みたいな言葉が出てくるわけです。やはり五年、六年、七年といないとベテラン級になれない。だから、文部省に行って何とか補助金をたくさん取ってこようと思って丁丁発止と渡り合うためには、あの手この手で考えて非常な労力と莫大な時間を使ってやるのだ、こういうお話があるわけです。ほかの省庁に参りますと、補助金の書類を出しましても、担当の方と係長さんかごく一、二の方がちょっとチェックすれば通るものが、文部省に限っては非常に丁寧におやりになる。もう四人も五人も、担当の方から係長、その上その上ということでチェックがなされていって、ようやくそれでいいか悪いかということになる。非常にその点の過重負担というものがかかっておるようであります。こういう点について考えますと、文部省の役所の職員の方々はほかの省庁の方よりは頭の非常に鋭いすばらしい方がいらっしゃるから、わざとむずかしくむずかしくお考えになって仕事をおつくりになっているのではないだろうかと、変な意味で勘ぐりたくなるほどやっていらっしゃるようです。これはぜひとも簡略化し、しかも国民の皆さんにとってわかりやすい形で、またわれわれ議員としても見てわかりやすい形にやっていくことが行政の簡素化につながるし、また国費の冗費を省くことにもなりますし、ひいてはそれが学校をつくることにも、金をそちらに振り向けていくということにもつながるのではないか、こういうふうに思うわけですが、その点についてのお答えをもう一度お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/69
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070・砂田重民
○砂田国務大臣 御承知のように、小・中学校を建設いたします設置者である市町村も、それぞれの小学校あるいはそれぞれの中学校、その都度その都度全く違う態様の御要望をお持ちになるわけでございます。面積等についても各種各様の非常に細かい、それぞれ異なった御要望をお持ちになる。それに対応いたさなければならないという点もまた、同情の方もひとついただきたいと思うのです。文部省で非常にまじめにそれに対応しよう、できるだけ御期待に沿っていこうということもまた非常に複雑化をしてしまっている一つの原因だろうと思うのです。まじめに取り組んでおります文部省の人たちにいいかげんにせいと言うわけにはもちろんまいりませんけれども、他省で取り組んでおります補助金行政と比べて、特段文部省の補助金の手続その他が複雑であるという御指摘でもございますので、ひとつ勉強させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/70
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071・鍛冶清
○鍛冶委員 勉強だけじゃなくて、ひとつぜひやっていただきたい。何も文部省の方々をいじめるとか、そういう考え方は毛頭ございませんけれども、いまおっしゃった態様が多いということは、やはり現地でいろいろな事態が起こるから、現地の地方公共団体のその担当にいる方々も住民の皆さんの要望において、やむを得ずそういうことをやって御相談に来ていると思うのです。何も文部省へわかりにくいやつを持っていって何とかしてやろうとかいう意地の悪いことじゃないと思います。教育はあくまでも子供をどう育てていくかという、一番根本の原点を踏まえながらそういう対応というものは真剣にいただいて、その中で何とか簡素化する工夫はできないかという形は、勉強どころではなくて、文部省は総力を挙げてぜひともおやりいただきたい、これもお願いしたいわけです。もし余りなさらないようなら、文教委員会の中で各党とも御相談申し上げて、委員会の中に小委員会でも設置して全部一遍洗い直しちゃうというくらいのことをやらないといけないのじゃないかという、実は私個人の気持ちがあるわけです。これをやると案外文部省も大変に涼しい風が吹いてくる、すかっとするのじゃなかろうか。それで、大蔵省主計官もいらっしゃっておりますが、大蔵省の方も大変喜ばれるのではなかろうか、こういうふうに思っているわけでございますが、せっかく主計官がおいででございますし、大臣、主計官にそういう点に関連して再度御答弁をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/71
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072・的場順三
○的場説明員 文部大臣から御答弁があったとおりだと思いますが、法令の範囲内でできるだけ簡素化する方向で御相談があれば、われわれとしてもそれに対応するようなことで考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/72
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073・三角哲生
○三角政府委員 ただいまの御質問について若干補足をさせていただきたいと存じますが、私ども、補助件数が大体年間六千件程度でございます。それを三十名足らずの課員で事務処理を行っておりますので、文部省の中でも非常に多忙な課でございます。でございますから、一番問題意識を持つべきのは、言ってみれば私とか当該の課長でございまして、先生の御指摘もございましたが、その御指摘を待つまでもなく、できるものはできるだけ簡素化いたしたい。ただ、先ほど大臣がちょっと申されましたが、途中でいろいろな意味の事業の中身の変更等がございますと、それによりまして補助金額が当初予定したよりも余ってきたりする場合もあるわけでございますので、かなり膨大な予算でございますから、そういう小さなかたまりも寄せ集めますとかなりの金額になるというような状況もございまして、そういう場合にはやはり新たな採択をして差しあげるとか、それから必要な単価の上積みをして手直しをして差しあげるとか、そういう対応も必要なものでございますから、そういう意味合いでの手続というものもございますので、そういった全体の状況も御理解いただきたいと存じますが、十分勘案いたしまして鋭意検討いたしたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/73
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074・鍛冶清
○鍛冶委員 いま主計官の方からも大変理解あるお答えでございました。もしそういうようなことになりますと、私ども素人考えですが、補助率等についても若干いじらなければならぬというようなことが出てくるだろうと思います。そういうことも含めて対応してくださるという御答弁だと私は受けとめますが、それでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/74
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075・的場順三
○的場説明員 補助率の話につきましては、これは御承知のような財政状況でございますから、どういう文部省からの御要求か、それから出てまいりましたときに全体の財政状況がどうなっているか等、諸般の情勢を考える必要があるかと思います。したがいまして、補助率を直ちにどうこうするということは現段階では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/75
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076・鍛冶清
○鍛冶委員 いまのままでしたらそういうことだと思いますが、そういう簡素化、それから大蔵省から予算が余り来ないようにするという意味になるかもわかりませんから、そういう意味で扱った場合には、これは補助率等でもって多少内容を変える場合に、手直ししなければならぬという場合には、その財源等の問題もあるとは言われておりましたけれども、そこを勘案しながらというようなお話もございましたので、そこらあたりをひとつ拡大して対処をお願いしたい。何か私が言うとおかしいですが、ぜひそうありたいというふうに、これは文部省の方でもひとつ簡素化という方向でわかりやすく、しかも明快な形で効率的に事務が行われるようにぜひお願いいたしたい。それが、くどいようでございますが、勉強する程度でいつまでもほっておかれるということであれば、これはわれわれも立法府としてじっとしておれませんので、これはやはり何とかしなければいかぬだろう、先ほど申し上げたようなことでもやってやるかという御相談も、これはちょっと私が行き過ぎた議論になるかもわかりませんが、皆さんにしながら進めなければならぬということにもなるのじゃないかとまで思っておりますし、その点はぜひ誠意を持ってお進めいただきたい、こう思います。
あと、急増地域の問題で二、三追加してお尋ねをしたいのですが、屋体の問題です。これは二分の一のままで置かれているわけですが、ぜひ三分の二補助ということに引き上げていただきたい、こういうふうに思うわけですが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/76
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077・三角哲生
○三角政府委員 校舎の方が三分の二になっておるわけでございますが、この校舎につきましての高率補助は、先ほども申し上げましたように、児童・生徒急増市町村の財政負担が非常に困難であるという状況に対応するために法律で規定していただいた、いわば臨時の特別の措置なわけでございますが、急増市町村の実情から判断いたしましても、何よりもまず増加してまいります児童、生徒を収容する校舎を整備するというのがやはり実態から申しまして最も緊要な点でございまして、また財政負担の面から見ましても校舎の整備というのがやはり非常に多額の金がかかるわけでございます。そういうことで従来校舎に限定して高率補助の特例というものを設けているわけでございます。また、屋内運動場について申し上げますと、この保有率で見ますと、むしろ急増以外の一般地域よりも急増地域の方が若干保有率が高い、そういう状況にございます。したがいまして、やはり屋内運動場につきましては一般地域についても急増地域と同様に整備を進めるということが大事な課題でございますので、急増地域に限ってこの屋体を校舎並みに三分の二に引き上げるということもいかがか。それから状況から見ましても非常に困難であるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/77
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078・鍛冶清
○鍛冶委員 四十八年の三月二十八日の文教委員会で文部省側の御答弁の中に、「屋体と校舎はいずれも教育上必須の施設でございますので、その間に差別があるということば必ずしも適当なことではないと思います。」中間ちょっと抜けまして、「今後急増地域の屋体の補助率の引き上げの問題について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。」こういうふうに御答弁なさっているんですね。これは四十八年です。それからもうすでに五年たっているわけです。どういうふうに検討されたのか、そこもお聞かせ願いたいと思うのですが、屋体と校舎とはいずれも必須の施設で一体だというお考えが底流におありのようなんですね。そうしますと、急増地域は本校舎の方が補助率三分の二ということになっておりますので、屋体も御答弁の趣旨に従ってなさるのが当然であろう、こう思うのですが、再度その点お伺いをしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/78
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079・砂田重民
○砂田国務大臣 文部省といたしましても検討をしてまいったところでございますし、校舎と屋体、やはり教育の大事な施設としては同じ意義を持つものであることは、四十八年当時の文部省からお答えをいたしましたそのことに変わりは毛頭ございません。ただ、依然として地域的に急増地域が続いていく。むしろその状態が加速的にすらなっている。また過密の状態も、いろんな変わった様相も出てまいりまして、五年間さらにこの法律の御延長をお願いをいたしまして、限られた財政の中でまず校舎を確保することが先決問題である。屋体は次の課題である。率直に申し上げまして、財政事情の中でどういう順序で取り組んでいくかということからこのような、補助率については据え置きという決断をせざるを得なかったと御理解をいただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/79
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080・鍛冶清
○鍛冶委員 私は気持ちはわかるのですが、余り理解できないと思います。最初申し上げたように、施設をつくるについても、子供の教育のためにというのが文部行政の中で大前提、原点として常に踏まえておかなければならないと思うのです。そういう意味からいって、確かにプレハブの多い大阪周辺とか、いろいろお聞きしております。まず校舎をという切実な御要望も私耳にしておりますので、御答弁の趣旨がわからないでもないのですけれども、同時に、全国的に見てまいりますと、屋体も早く同時に建てていくという考え方がどうしても必要じゃないか。また急増地域であればあるほどこれは同時に進行していく。これはちょっと急増地域外の問題にも触れてまいりますが、屋体というものをいまおっしゃったように教育上一緒につくって、そして現在講堂のないときですから講堂のかわりに使用するだとか、それから、これはいろいろ文教委員会でも議論されておりますように、地域の方々がいまああいう校庭やら屋体を非常に使われているわけです。そういう意味で、単なる学校という域から枠をはみ出て、大変重要な地域の拠点になってきつつある。そういうことを考えますと、同時にやるべきだろう。やはり子供というのは両方設備の整ったところで教育していくことでりっぱになっていくのであって、それをせせこましいところでやるということは問題である。
たとえば、例を挙げて恐縮ですが、私、市会におりましたので、市営住宅をずいぶん見てまいりました。戦後、いまの教室と同じように、核家族化してきて、どうしても家が欲しいという方が大変多くなったので、まずつくれ。つくるためには、数をこなさなければならぬからなるべく狭く狭くしてつくっていこう。だから昔の六畳が四畳半ぐらい、京間はさらに小さくなり小さくなりということで御承知のようにつくられてきました。現今はこれはどうでしょうか。いま日本というのはこういうふうに大変に狭いところにたくさんの人がいます。外に出ますと、車から家から、いっぱいごちゃごちゃしている。家に帰ってさましたら、狭いところでがちゃがちゃ人が住んでいらっしゃる。そういう形の中で、教育のいわゆる荒廃といいますか、また子供の非行化の一つの原因にもなっておるのではなかろうかという気がするわけです。結局、現在はどうかというと、なるべくゆとりのある広い住まいに公営住宅も変えるべきであるということに変わってきているわけです。これは方向は違いますけれども、教育という大きな分野から見ると、そういう市営住宅なり公営住宅の中でそういう苦い経験というものがあるわけです。
だから、確かに早くつくらなければなりませんけれども、同時に、やはりそろえるべきものはそろえて、子供のためには何とかしてあげる。急増地域であるからなおさらそういう形で、財政で方向づけをやり、補助金で方向づけをやって、どんどん並列で建てさせていくという方向がなければいかぬのじゃないか。これは急増地域のほかのところでも、たしか、同時に着工して屋体と校舎の方をやると屋体の方に補助金が出ないというような形がとられていると思います。翌年になって建てるとやる。それはさっきおっしゃった、まず校舎、次に屋体という考え方となっていく。その次に、この次に御質問申し上げます危険校舎だというふうな序列をつけていらっしゃるけれども、財政的な角度から教育を押さえていく、その面で心というものがどうしても忘れられてくる。私は、そういうお金、制度、建物という中で教育を押さえていかなければならぬ行政のつらさはわかりますけれども、だからこそ私は、心がつながっていくような配慮というものを根底にしながらこういうものをやはり措置していくべきではないか。そうなれば、学校と同時に屋体も着工し、補助金もりっぱにつけて差し上げて、どうぞおつくりください、教育を十分おやりください、こういう形のものをやる方向にお考えになるべきではなかろうか、こう思うのですが、この点についての御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/80
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081・砂田重民
○砂田国務大臣 御指摘の御趣旨は一〇〇%そのとおりでございます。私も同じ考えを持つものでございますけれども、屋体の補助率、屋体の着工の時期の問題、双方とも現実問題といたしましては、国の限られた財政の中でどういう順序でやらなければならないかという決断に迫られました場合は、やはり校舎を優先せざるを得ない。次の課題として屋体を考える、こういう決断をせざるを得ないわけでございまして、御発言の御趣旨には私は全く同感の気持ちを持つのでございますけれども、現実問題としての決断をせざるを得なかった事態については御理解をいただきたいと思うものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/81
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082・鍛冶清
○鍛冶委員 節約すべきはし、簡素化すべきところはしながら、そういうところに予算はぜひともこれはつぎ込んでいくべきであるし、私の申し上げたことに幸いに大臣は一〇〇%賛成だとおっしゃいました。これは主計官もいらっしゃいますから、ぜひ大蔵省の方でもお聞き取りを願っておいて、そういう教育というものは、これは理想論かもわかりませんが、景気、不景気に関係なく大幅に、やはりりっぱに子供が育つように、そういう前提で予算というものは十分に、いわゆる校舎も屋体も同時着工ができて、しかも需要にこたえられるというくらいの予算というものを注ぎ込んでいきながら教育はやっていかなければならぬと私は思います。そういう面でなお一層特段の努力と、また大蔵省にはそういう理解をお願いいたしたいということをこの件については御要望申し上げておきます。
それではもう一つ、急増地域の問題で、私、これは高校との関連性で、地元で起こった問題で大変恐縮でございますが、ちょっとお聞きをいたしておきたいのです。
高校に対しても急増地域に対する補助金を出そうというお考え、これは幸い文部省、大蔵省も御理解いただいて五十一年度からやっていただいておるようです。ところが、それがやはり発足いたしてみますと、これはもう少し前進した形でやった方がいいんではないかという状況が起きてきたのです。
具体的に申し上げますと、北九州市に小倉南区というのが、最初お尋ねいたしました小・中学校のいわゆる急増地域という立場からいきますと指定の中に入っているわけです。当然、そういうところは小・中学校と同時に高校を建ててほしいという要望が大きいわけです。何年来の地元の要望が実りまして実は高校が建つようになりました。ところが、これはいろいろ調べてみましたら、文部省から補助金が一つも出ていない。自前であるというわけなんですね。これは、高校関係の補助金は総枠が決められているようですから十分にいかないのかもわかりませんけれども、少しでも補助金が欲しいというのが切実な要望ですから、そういう中で私は、はてなと思ったんですね。急増地域の指定というものは、小・中学校の段階では指定された区域が小さく指定されておりますけれども、そこへ建つものであるならば、なぜ補助金も出すという対象にお加えにならなかったんだろうかという素朴な疑問が出てくるわけですね。調べてみますと、正式には文部省が責任がないということではありましょうけれども、五十一年度からの要綱発足に従って、公立高校の場合には県単位に急増地域というものをいろいろな条件を勘案してお決めになっていらっしゃるようです。それはそれでわかりますけれども、そこらあたりに全部お金が行っちゃってほかのところは全くなし。その中で、いわゆる急増地域として小・中学校の建設であるならば当然適用されている地域がいわゆるオールナッシングということでやられているという状況なんですね。これはやはりいささか公平を欠くのではないか。こういう点でも、高校の補助金というものはやはり額が少なかろうともちゃんとやるべきではなかろうか。もう一歩進んで、高校を建てるということについては、ある程度傾斜はあるにしても、全般的に補助というものはつける方向で考えるべきではなかろうか、こういうふうに思うわけですが、この点についてお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/82
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083・三角哲生
○三角政府委員 先生御指摘のように、高校新増設に対する、特に急増の状況に対応するために始めました補助の制度は、昭和五十一年度から特別に始めた制度でございまして、従来とも高校につきましては、義務教育の施設と異なりまして、それぞれ県なり設置者の責任において、国の財源措置といたしましては地方債なり交付税なりでやってまいってきたものでございます。五十一年度から、いわば特に緊急を要する都道府県について五カ年間の一種の緊急対策として新たに補助を行うことにいたしたわけでございまして、したがいまして、一定の要件というものを定めておるわけでございます。
要件につきましては、こういう際でございますのでやはり進学率というものを一つとらまえておりまして、これについて一定の調整を行うことにいたしておるわけでございます。ただいまのところは、昭和五十年度の進学率が全国平均以上の県にありましては、その進学率を、生徒が急増した場合でも維持できるようにいたしたい。それから全国平均未満の県につきましては、全国平均に到達できるように進学率を調整して補助金を積算するという形をとっております。それから要件の第二といたしましては、公・私立高校におきますあき定員の活用を図るということをお願いしておりまして、これも全日制の普通科のあき定員でございますが、これのうちの一定割合を活用していただいて、それを前提として補助金を積算するということにいたしております。それからさらにもう一つは、都道府県の財政運営の努力を若干反映いたしたい。たとえば地方交付税積算の基準額に満たない授業料のところにつきましては、それだけ財政力も全般的に見てあるのではないかということで、そうではない都道府県とのバランスも考えまして調整をいたしておるわけでございます。このために先生御指摘のように、こういった調整をいたしておりますが、県内の一部の地域で急増の現象がございましても県全体として生徒の増が見られない県については、これは補助対象とならないものもあり得るわけでございます。
それから、高等学校につきまして若干むずかしい問題は、小・中学校の場合と異なりまして、いわゆる急増市町村に建設されます場合でも、必ずしも通学区域というものと市町村の区域というものとが一致しないということもあるわけでございます。そこで、この決め方が非常にむずかしいのでございますが、こういった実情にできるだけ対応いたしますために、急増現象とそれから過疎現象が相当規模に同時に見られますような府県につきましては別途所要の調整を行うことにしておりまして、五十三年度予算でもそういうふうにいたしたいと思っておりますが、それは、急増地域におきます増数と過疎地域の減数というものがともに三年間で九百四十五人——九百四十五人と申しますのは二十一学級相当の人数でありますが、これになります都道府県につきましては、さっき申しましたあき定員の活用を通常の場合の二分の一に減らして計算をして差し上げる、こういうようなことで対応してまいりたいと思っておるものでございます。
結果的に、全国的に見ますとやはり、かなりたくさんの高校をつくらなければならない都道府県にはそれなりに補助金が渡る。一、二校程度の場合には、そちらの方にはどうしても渡っていかないという状況が見られるのでございますが、なお実態を十分に調査研究をいたしまして、私どもとしては、何らかの改善措置が必要な場合にはそれについて検討いたしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/83
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084・鍛冶清
○鍛冶委員 とにかく急増地域に入らないところはオールなしということになりますし、最初の大臣の御答弁の中にも、対応地域から上がってくるものは多様化で大変だというお話もございましたけれども、そういう小・中学校段階で指定されているとどうしてもそこにかぶさってくるのは当然だというふうな気も率直にしますし、内容は違うわけですけれども、その点等も勘案しながらぜひひとつ対処をお願いいたしたい。これは御要望を申し上げておきます。
さらに、これから危険校舎の問題をちょっとお尋ねをしたいのですが、いま御答弁にもございました、全体の中でこっちは過疎であいている、こっちは急増でふえている、それであいているところがあるからそのバランスをとりながらという考え方というものは、全体的に見ればなるほどそうかなと私も一応は思いますけれども、やはり教育という立場から見てみると、ちょっとそこらあたりの思い切りをよくしていただく時期がきているのじゃないかというふうな気がしているわけです。これはあらゆる面にもそういう考え方が文部省の方で出てまいりますけれども、危険校舎の御質問の中でそれにまた再度触れながらお考えをお聞きしたいと思っております。
この危険校舎改築については補助金が三分の一で、端的に申し上げていまだに据え置かれております。この義務教育負担法の立場からいきますと、これはいわば国と地方とが負担を折半するという形が正しいのだろうと思いますけれども、どういうわけか、危険校舎改築というものが、新造の場合とかは二分の一というふうにずっと押さえられてきておるのに三分の一の補助で抑えられている。どういうわけでこれがいまだに据え置かれておるのか。特に、これは昭和三十三年にこの補助金制度が発足したかのように聞いておりますけれども、第六十八国会、七十一国会等々で、危険校舎の補助率を三分の一から二分の一に引き上げるべきだという強い要望が何回も附帯決議として上げられてきておる。そのたびに当局はこれは必ず努力しますという御答弁をなさっていらっしゃるようですが、そういう強い要望があるにもかかわらずなぜ二十年間にもわたっていまだに措置がなされてないのか。これについてはちゃんと大蔵省とはやりますというような御答弁もなさっていらっしゃるようですけれども、そういう要望等、大蔵省との交渉等、この二十年の間にどれぐらいおやりになったのか、これをひとつ承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/84
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085・三角哲生
○三角政府委員 危険校舎の補助率につきましては、やはり当該学校のございますところの自然的な条件でございますとか、それから当該学校を設置いたします市町村の財政事情、そういったものを配慮いたしまして、そして先生御指摘にございました四十八年度の際にも附帯決議をちょうだいしておったわけでございますが、いま申しましたような自然的条件、財政事情等にかんがみまして特に必要度の高いような、たとえば特別豪雪地帯でございますとか過疎地域でございますとか振興山村地域等につきましては、四十八年度以来逐次三分の二の補助率を適用するような改善は、これを図ってきてまいったのでございます。
ただ、一般地域につきましては、校舎の改築事業というものは、全く新たに生徒増等に対応して校舎を新設するためのいわゆる新増築事業の場合と若干事情が異なると申しますか、校舎がだんだんに老朽してまいるということはかなり以前からわかっておるわけでございますし、いわば一種の減価償却的な考え方も当該設置者としてはとってまいらなければならない事柄でもございますので、これは必ずしも全くの新築とは取り扱いを同一にしがたいのではないかというふうな考えもございます。それからまた一方におきまして、これは先ほど大臣から申し上げました財政全体の関連もございますが、老朽校舎の面積がまだかなり残っておるわけでございまして、これをできるだけ早く解消を図ってまいりたいという要請もあるわけでございます。それと同時に、これは当然のことで、時間がたちますれば木造校舎の老朽化、新たにまたそういうものが逐年生じてまいりまして、いわゆる要改築の状況に落ち込んでくると申しますか、そういうことも予想されておりますので、現在のところは、補助率の引き上げと申しますよりは、事業をできるだけ進めてまいりたいという立場をとらざるを得ないのが実情でございます。
それから、補助裏の地方負担につきましては、先ほど用地の関連で申し上げましたと同様な措置が行われておるわけでございまして、地方の実質負担はかなり低く抑えることができるような全体の仕組みになっておることは、先生御承知のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/85
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086・鍛冶清
○鍛冶委員 いま管理局長さんから御答弁いただいたのは、四十八年の四月四日に奥野文部大臣が議会で御答弁いただいているのと若干違う気がするのですね。そのときに大臣は答弁の中で、「義務教育施設につきましては、国と地方が折半するのだというほうが筋が通っているのじゃないか。もうそういう時代に来ているのではないかと私は考えておるのでございます。」こういうふうに言われているわけですよ。管理局長はいまそうじゃないみたいな御答弁です。大体、大臣がおかわりになると考え方というのは変わってくるのか。そこらあたり、ひとつお聞かせ願いたいと思いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/86
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087・砂田重民
○砂田国務大臣 確かに危険校舎の補助率の問題が非常に重要な問題としてございます。ただ、私が昨年の十一月に文部大臣に就任をいたしまして危険校舎のことを検討いたしましたときに、従来、危険校舎と取り組みます計画を五年計画で文部省はやっておりました。五年計画では減っていかないのです。私は、ちょうど予算全体が公共事業に重点を置くような予算を組む、そういう時期に、道路がよくなり橋がきれいになり、そのそばで危険校舎がいつまでも残っているという状態は許されるべきではない、かように考えたものでございますから、三年でこれを解消したい。現在ございます危険校舎を三年間で改築をやり遂げてしまいたい。年間に新しく出てくると予想されます木造の危険校舎が七十万平米ないし八十万平米でございます。五年では追いつかないということはすぐ計算ができるわけであります。三年でやってしまうという計画が立ちましたならば、これは追いつくことができるわけでございますので、ともかく危険校舎がなくなることに専念をしようという、そこへ重点を置いたわけでございまして、十五カ月予算で二百三十数万平米と取り組むことにいたしますと、五十四年、五十五年で二百万平米をちょっと上回る程度のものを続けてまいりましたならば現存する危険校舎がこれで解消できる、かような考えに重点を置いて、先ほどもちょっと触れましたけれども、全体的な財政の規模の中で、危険校舎を解消するということに重点を置いた計画を立てて予算措置を講じましたので、補助率のアップまでは手が届かなかった、これが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/87
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088・鍛冶清
○鍛冶委員 財政の仕組みの中で、地方債における元利償還とか、それから地方交付税の中で自治省あたりが配慮しているという関係は十分承知の上で申し上げているわけです。そういう仕組みの中で超過負担の問題はこれまた当然一番問題にしなければならぬ問題ではありますけれども、そういう仕組みの中であえて言わしていただきますと、地方はどうしても補助率を上げてくれというのが切実な要望です。現実に投資的経費を予算に組む中で、やっていく中で、補助率が上がってくるということはやはり大変なプラス要素が出てきていると思うのですね。現にやはり校舎の統廃合について、たしか、何年か前に、統廃合する場合には補助率を三分の一だったのを二分の一にしましたのですか、ちょっと間違っておるかもわかりませんが、間違っておりましたら御勘弁願いたいのですけれども、とにかく補助率をアップした。統合を進めるならばやりますという形で補助率をアップしたら、全国でわっとこれに飛びついてきてしまった。そうして下の方に行きますと、住民の皆さんのところへは、私もある町に行って実際話し合ったことがあるからわかりますけれども、これは教育のことですし、補助率がそうなったから建てるという言い方では言えないものだから、下の方には何と言うかというと、そういうふうに至上命令でなったのだという言い方で住民の皆さん、下には来ているわけです。そうしてわっさもっさやって、校区問題や何かで住民反対の中をそれでもなおかつやって、その弊害が逆に相当出てきて、住民運動等もあって、文部省の方でもそれに対する通達を出して、むちゃくちゃにやってはいかぬというみたいなことをお出しになったといういきさつもあるようです。
これ一例を見てもわかるように、またもう一つ、これは五十一年度の会計検査院の決算検査報告を見てみましても、この中の文部省の不当事項の中で、補助金の使い方について幾つか、公立文教施設の整備費の中で不当事項として指摘を受けている事実がありますね。これは、私は内容的に読んでみますと、地方の方々の苦労がわかるような気がするのです。確かに法には触れているかもわからぬけれども、たとえば急増地域で三分の二補助があるから、危険校舎もひっくるめてしまって、それで何かインチキしたかどうかわかりませんけれども、補助金をたくさん、三分の二を全部にもらって建ててしまった。これは不当事項だ。確かに法的にはそうです。だけれども心情としては、なぜそうやって補助率の多いものにひっかけてやりたがるかという、ここをやはりお考えいただきたい。またあるところは普通校舎の新築になぞらえて、危険校舎の補助金三分の一、それを二分の一でいった方がいいからというのでそれに網をかけてしまって、それはけしからぬという指摘を受けている。確かに悪いことではありますけれども、状況としては地方ではもう背に腹はかえられぬ。
危険校舎というものは、どうも先ほどから聞くと、校舎が足りぬところを建てるのの次の次ぐらい、屋体の次ぐらいに位置づけを、いまの大臣のお考えを聞くとそうでもないかもわかりませんけれども、新しく、足りないところに校舎を建てるというよりも、危険校舎の方がどうも順位を一歩下に回ったような印象でいままで予算措置もされておられる。これは補助率がそうだと思う。やはり財政でそういう形で主導しながら危険校舎をなくしていきませんと、今度私実際に何カ所か見てまいりましたけれども、危険だから入っちゃいかぬと言って教育委員会が指定している建物がある。予算的措置ができないからやむを得ず置いておるのです。もう一年ぐらいがんばって置いておいてくれ。もう壊れかかって危ないのですよ。ところが、建っておれば、便利だからといって子供は入っていく、それから学校でもついついいろいろなことに使っているというようなことで、事故がいつ起こるかわからないのですよ。これは新しく学校のないところに建てるのと同じ、あるいはそれ以上、以上と言っては悪いかもわかりませんが、同じ比重で考えないと、もしこれによって一人でもけがをしたり、事故が起こって亡くなる人が出てきたらどうやって責任をとるのか。
しかも、これは三十三年から二十年にわたって、議会では、そういうことがあってはいかぬと言って附帯決議をつけて皆さん方にお願いしておるのですよ。恐らく、先輩の方々が何回もこういうたびに附帯決議をつけられたということは、行政は何やっているんだ、大蔵省は何をやっているんだ、こういう気持ちはおありだったかもわからぬと思うのです。だけれども、やはり子供のために、危険をなくするためには何とかお願いしなければいかぬということで、かっかとなるのを抑えて、附帯決議で今日まで要望をし、たびあるごとに御注文をつけてきたのではないかと思うのですよ。それがいまだにこういう補助率。いわゆる国庫負担という立場から見ると、フィフティー・フィフティーが負担ということの考え方だろう。これは大臣も御答弁なさっておられる、その考え方は正しいと私は思う。これすら本当は超過負担をかぶせてくると二分の一にはならないわけでしょう。だけれどもそれはまあおいておくと一応やってみても、危険校舎についてなぜ早く建て直しがつくように文部省はもっと真剣におやりにならなかったのか。先輩の方々が議会でこういう附帯決議までつけて何回も何回もお願いしておるのを、なぜあなた方はおやりにならなかったのか。最近五、六年間に、予算の概算要求の中でこの三分の一を二分の一にしてくれと大蔵省に頼んだことがあるのかどうか、その点も含めてお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/88
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089・砂田重民
○砂田国務大臣 危険校舎の問題、先ほどお答えをいたしましたとおりに、もちろん先生の御指摘の補助率のことも重要な問題でございます。そしてまた、危険校舎がどのように計画的な解消を進めていけるか、全体の危険校舎の量のあり方もまた重要な問題でございます。そこの点は、ただいま先生が御指摘になりました児童、生徒たちの安全という立場から考えれば、私どもも当然真剣に取り組まなければならない問題でございます。そこで私といたしましては、一体いままでやってきた五年の計画で危険校舎というもののあり方、量そのものを減らしていけるかということを検討いたしました結果、五カ年計画ではだめだ、子供たちの安全が守れない、そういうことから三年の計画というものを思い切って打ち出したわけでございます。財政当局もそのことを理解をしてくれたわけでございますけれども、先ほども御答弁をいたしましたが、三年計画を立てますのに、本年の十五カ月予算の中の五十二年度の第二次の補正予算で、全国の県を通じまして市町村に対して、いま抱えておられる危険校舎の改築に御一緒に取り組みましょう、申し出ていただきたいということを申し上げましたときに、やはり率直に申し上げまして、補助率が三分の一で財政的にきついからという声がございました。ありましたけれども、それよりも大きな声は、四千五百点にまだ達しておりません、危険校舎を認定をいたしますあの危険点数の四千五百点にもうちょっと達していない、待たざるを得ないという声が非常に多かったわけでございます。そしてまたその補助裏のことも明確でないというふうな御意見が非常に多かったわけでございまして、むしろ、私どもが期待をいたしましただけの量が出てこなかった。私どもからお願いをして、どうぞこれだけはひとつ危険校舎解消のために取り組んでいただきたいということをお願いをしたわけでございますけれども、意思の疎通を図っております段階で、文部省といたしましても危険校舎と認定をする四千五百点も点数を上げます。緩和をいたします。三年間でやるという初めてのことを打ち出します。そこで各市町村におかれても三年計画をお立てください、かようにお願いをしたわけでございます。先ほども承知の上だとおっしゃいましたけれども、それに基づきます政府資金の地方債の枠も増大をさせなければなりませんので、自治省とも接触をいたしまして、自治省にもこの政府資金による地方債というもののカバーをしてもらいまして、そういう手だてを尽くして三年計画でやってしまおう。やはりこの際は、全体の限られた財政の中で量を減らすことをまず決断せざるを得ない、かような私自身の決断で取り計らったことでございまして、補助率のことがまだ解決されておりませんことは私も残念でございますけれども、まず三カ年計画でこれの解消の道を真実進める。五年間では減っていかないのでございますから、その改善の道を新たに踏み出したことを、どうぞそのことも踏まえて御理解をいただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/89
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090・鍛冶清
○鍛冶委員 私も現場の危ない校舎を実は見てきて、子供に事故があったらどうするかという思いにしきりに駆られてきましたので、ついつい大きな声になって、大変申しわけなかったのです。これはお許し願いたいのですが、本当にその点はお考えいただきたいのですよ。
そうして、現実にやっていく場合に、危険校舎というものの実情を見てみると、地方公共団体の方では補助率が三分の一だから後回しにしてしまうのですね。同時に、たとえば地域によっては、人口がふえてきた、少し建て増さなければならない。建て増した。ところが若干また減ってきた、そういう中で危険校舎が一部出てきた。それではそれを建て直すにはどうするかというと、撤去の費用だってばかにならない。そうして建てかえられる補助のつくのは、十教室ぐらいやるとしても一教室か二教室分しかこないというふうなことになりますと二の足を踏むわけですね。だから結局補助率の多い、さっき言いましたように会計検査院から指摘されるようなことを、悪いと思いながらもあえてそういうことをやって、補助率の多いものに引っかけてやろうという、その心情ですね。だから、確かに三カ年計画というのは、また木造校舎についての四千五百点を、これは臨時措置のようでありますけれども、五千五百点までお上げいただいたということはそれなりに効果があると思いますけれども、千点上げていいのは、むしろ先行的に危険校舎をある程度やっているところで、危ないから官費で自分のところで建てようとしている財政力のある、そういう地方自治体の要望が私は恐らく強かったと思いますよ。ところが実態は、本当に建て直さなければならない危険校舎というのはそういう予算措置の中で後へ後へと押しやられている傾向があるのです。だからなおさら子供に危険があったときには大変じゃないかということを申し上げている。
だから、三カ年計画も確かに私は前進だと思いますし、これはぜひおやりいただきたいと思いますけれども、本当に地方団体がこれをやろうという場合には、補助率をぱっと上げることによって、先ほど申し上げた統廃合のときにやりましたような形をやりますと、財政主導型にはなるかもわからないけれども、そういうものはわりと早く解消していくという過去における実績がそれを証明しているわけです。そういう意味で私は申し上げているわけで、全体の仕組みの中で、交付税とか、地方債の元利償還についての手当てがあるということについては、この基準の額の枠内であるということは万々承知の上で私は申し上げているわけで、その実情の上に立って、主計官もおいでいただいておりますが、これは大臣でないのが非常に残念でございますけれども、きょうは代理でいらっしゃっておる、こういうふうに理解いたしまして、ぜひともこういう空気というものを大蔵省へお伝え願って、文部省のそういう危険校舎についての補助率の引き上げということについての御理解と、引き上げについての対応をひとつ御検討願いたい、こう思うわけですが、そういったことも含めて主計官にも一言お願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/90
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091・的場順三
○的場説明員 危険校舎の改築が大変重要であることは御指摘のとおりだと思います。ただ、四十八年のオイルショック以来、国の財政がどういう状況になっているかということは御承知のとおりでございまして、まさに特例公債に依存するという非常に脆弱な体質になっております。したがいまして、五十三年度予算におきましては、補助率の改定、引き上げという要求がいろいろな施策についてございましたけれども、全部お断りをしたというような実情もございます。将来どういうことになるかということになりますと、これは文部省のお考えも十分に拝聴する必要がございますし、それから、そのときの財政状況が全体として、国と地方、どういう状況になっているかということを考える必要があるかと思いますが、なかなか困難ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/91
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092・鍛冶清
○鍛冶委員 立法関係の方、各党の方、御意見を聞いてみても、私のお会いした方は、これは上げるべきだという御意見がもう全部です。一〇〇%と言ってよかったと思います。そういった実情を踏まえて、これは財政的な見地でおっしゃっておられるんだと思いますが、ぜひ御検討をお願いをしたい、こう思うわけですね。
この危険校舎についてはさらに、木造関係で、こういうことで五千五百点まで引き上げということになっているわけでありますが、これはひとつ五十三年度限りでなくて、ずっと措置をしていただきたい、こういうふうに思いますが、その点をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/92
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093・砂田重民
○砂田国務大臣 財政当局から将来の約束を取りつけることは、率直に申し上げましてなかなか困難でございます。しかし、私が三カ年計画でやる、各市町村にも三カ年の計画を立てていただいたわけでございますし、私の次の文部大臣がだれになりますか、そんな意気地のない男が来るわけではないと思いますし、私もそちら側にまた座ることでございますから、がんばり続けてまいる決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/93
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094・鍛冶清
○鍛冶委員 五千五百点のことはちょっとお話がなかったので、再度お答え願いたいのですが、もう一つ私がちょっと心配しておりますのは、鉄筋で建てた危険校舎であります。現実に北九州にも大正年代に建てたのを使っているところがあるのです。それから、いろいろ調べてみますと、神戸とか横浜とか、いわゆる外人なんかが早くから住まわれて交流のあった地域というのは比較的鉄筋の校舎で、古くからある分がいまだにそのまま使われているか、ないしは危険だということで一部使わずに放置されているかという形が残っているようです。ところがこの危険校舎の措置については、木造と違うものですからはっきりとした形でない。これはどうも補助金も出てない。補助金は出ているのかな、そこらあたりはまだはっきりあれしておりませんが、いわゆる「公立文教施設整備費国庫補助要項」「文部大臣裁定」という中の(3)の項目ですか、「旧軍施設の建物その他の教育を行うのに著しく不適当な建物で特別な事情のあるものの改築に要する経費」という形で、この「その他」の中に鉄筋校舎を含めていらっしゃるということのようです。木造校舎のようなはっきりとした形じゃありません。ですから、当然いまおっしゃった大臣の三カ年計画の中にこれは入っておりません。ところが現実にこれはあいたままで、さっき申し上げた危険なところがあります。実際見てきました。じゃどうするかというと、そういうふうに県で査定してもらうというわけにもいかないようですから、結局いまのところは地域の大学に委託をして、そしてその診断結果を文部省に出してそれで裁定をしてもらうというような手続のようです。しかし、それも大変めんどうなことですし、費用がかかるものですから、どうもおくれがちで、ほっぽりほっぽりで、ついついほかの方の施設の整備に手を出してしまうという形で危険なものが残ってきているわけですね。同時に、戦後、木造からどんどん鉄筋校舎に変わっておりますので、これはそろそろ正規の措置の対象として扱っておかないと、そういう鉄筋のどうにもならないものがぼつぼつ全国的にも出始めるというようなことでもあろうと思うのです。そういう意味を含めて、これの措置についてきちっとした形でやっていただきたいと思うのですが、お答えをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/94
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095・砂田重民
○砂田国務大臣 おっしゃるとおりに、横浜、神戸に多いわけでございます。神戸は私の出身地でもございます。横浜は大震災の後、鉄筋の小・中学校をふやしました。私のところの神戸っ子というのはわりにおっちょこちょいなものですから、もっと早い時期から小学校を鉄筋の校舎を建てて、私の出ました小学校も大正十一年に鉄筋でできまして、まだきわめてがんじょうなりっぱな校舎のまま残っております。
従来、御指摘のように、大学の工学部等で危険だということの調査をしてもらった結果のお墨つきがなければ取り上げないということにしておりましたのですが、この調査だけで八十万ないし百万ぐらいのお金がかかるわけなんです。こういうむだな金を使うのはやめようということにいたしまして、五十三年度からは、五十年たちましたものはその調査なしで採択をすることにいたしました。古い鉄筋校舎は大変な堅牢度で、差が五十年たちますと出てまいっておりまして、大正十一年に建てました私の卒業いたしました小学校はまことに頑強のままりっぱな学校で残っておりましたけれども、大正十四、五年にできたものの方が傷みははるかにひどい。大変な差が五十年たちますと出てきておりますので、五十年たったものは、先ほども申し上げましたが、大学の工学部等のお墨つきなしでも採択をいたします。そういうふうに五十三年度から改めることにいたしました。全国の小・中学校を見ますと、もうすでに七割ぐらいが鉄筋校舎になってきておるわけでございますから、将来はこういうことが法制化されるべき筋合いのものと考えます。しかし、いまはまだちょっとそれには手が届きかねておりますことを御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/95
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096・鍛冶清
○鍛冶委員 方向としてはそういう努力をしていただいたということについては大変私たちもうれしいんでありますが、実際問題として、行ってまいりますと、さっき申しましたように、危険ですからもうそこに入れてないところがあります。昭和の初期に建てたのもあるわけですね。ちょうど、五十年といいますとかれこれ入るのは入るんでしょうけれども、同時に、おっしゃったように堅牢ではありますけれども、現在の教育環境の中で校舎として、いまの子供さんないしは教育をするのに、全然違った形の考え方で建てておるという向きもありまして、場合によったら窓もない、つけるにもちょっとやると大変な費用もかかるし、そうなると強度の点でわからないとか、日も当たらないとかいうふうな具体的ないろいろな問題というのはやはりあるようです。そういうことで、最初大臣のお答えになったたくさんな態様が出てくるという意味では、義務教育の中ですから大変な数の中でこれは大変なことだと思いますけれども、そういう実態もあるということを御認識いただいて、そして危険で、本当にもし事故があったらと、もうぞっとするような思いでございますので、五十年たつ以前でも内容の調査によってはやり直すように、建物の建て方によってはそういう危険に実はなっているところ、五十年たってないところでも早くしなければならぬというところがいま大臣おっしゃったようにあるようですから、そこらあたりの対応もぜひ幅をもってしていただきたいと思うのですが、その点について再度お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/96
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097・砂田重民
○砂田国務大臣 御指摘の方向で取り組む考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/97
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098・鍛冶清
○鍛冶委員 それから、超過負担の問題に若干触れてみたいと思うのですが、今回は数量差というものについては、先ほどの千葉先生の御質問の中で、約一六%ぐらいふやして五十三年度からは対応していくという、いわゆる基準面積の問題の御答弁がございました。それで対応としてはある程度は消化されていくのかもわかりませんけれども、ここでひとつ問題として私が現地で感じてきましたのは、分離する学校の問題があるんですね。人数がふえてきた、やむを得ないから校舎を増築してきた、そしていよいよぐんばいだから、やむを得ないからプレハブまで建ててしまった。ところがもう限度だから、敷地面積も大変だし、いよいよ分離をして校舎を建てる、こういうことになって建てますと、最悪の条件のときには、この超過負担といいますか、対数量差というものの関係から全然補助の対象にならないという場合もあり得るわけですね。それはもとの学校が基準になりますので、そこでいわゆる生徒、児童の数に応じてクラス数が決められ、基準面積というものがはかられて、そしてそれが分離する新設校にも及んでいるということですね。ですからあき部屋が当然出てくるわけですが、仮にそういうあいたものが出てくると、三年ぐらいたって埋まればそれは外すというふうな御見解も文部省の方ではお持ちのようですが、現実に分離してごうごうと設定しますと、その中でそうそう急にふえてこないという場合もある。そうしますと、あいた部屋は一たん補助金を出しているのだから新しいところへ建てる場合でも補助金の対象から外します。われわれは、新しくできる場合には、やはり校舎の超過負担が当然入ってきますけれども、それは国、地方で含めて措置できる内容の中で、いわゆる二分の一は当然補助としてくっついてくるものだ、単純にこう考えておったのですね。ところが、前の校舎がふくれてくる、分離した、前のがあいちゃった、あいた校舎について補助金を出しているからここの適用から外しますということで、補助の対象になるクラスというものの数、面積が非常に少なくなってきた。もとのと合わせたら確かに基準面積の中での措置ということになっているのですが、そういうようなかっこうになっているようです。これはさっきちょっとお話がありましたが、要するに思い切りというものをすべきじゃないかという気がするのですね。危険校舎の場合もそうですか、それを全部建て直しても補助がつかない、わずか一、二教室しかだめだという場合がある。これは基準面積の関係、対数量差の問題になってくると思うのですが、そういう形で、壊す方にお金がかかっちゃって大変だという場合がある。ほうっておいたら維持管理にかかるという場合があるのですね。こういう分離した学校の場合に、そういう補助というものの率が二分の一と書いてあるものだから、われわれはそのままうっかりうのみにするのですけれども、それがなされない、こういう変な状況があるわけです。あいた部屋なんというのはこれはしようがない。それから全般的に見て、過疎のところは人数が減るから教室が余る、急増のところはふえるから、全体のバランスで見るという考え方も、文部省、大蔵省の考え方の底流にあるのかもしれませんけれども、一遍補助したものは、使わないようになって要らなくなっても、それはあくまでも補助したのだから新規につくるときにはそちらの方は差し引くという考え方、これは考え方としては国は改めていただいた方がいいんじゃないかと私は思う。減っているところかまたふえるということはよくよくのことじゃないとないのでしょうから、それはそれで切っちゃう。ゼロから出発して、新設校については全部補助の対象にするということが私は本当ではないだろうかという気がしているわけですが、その点についてお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/98
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099・砂田重民
○砂田国務大臣 私から原則的なことをお答えした後、管理局長に補足をさせますが、やはり母体校に遊休面積が生じないということを原則にしているわけでございます。しかし、分離というのはなかなか設置者にしても大変なことでございまして、父母の皆さんの御意向もございましょうし、大変むずかしい仕事でありますだけに、学校の分離が初めの計画どおりにいかない場合がよくあるわけでございます。そのことを実はしんしゃくをいたしまして、五年の間に母体校の遊休面積が解消されるとか、あるいは遊休面積が母体校の必要面積の一割程度の場合は補助の対象にするとか、そういう緩和措置がとってございます。ただ、それからもさらにこぼれてしまう学校があることを御指摘なんだと思いますが、ちなみに五十二年度の実績で申しますと、分離新設校の補助の実態は、母体校五百一校ございました。その中の新設校が三百九十五校でございますが、そのうち、遊休面積が生じまして補助が減りました学校が二十八校あったわけでございます。しかし、そのような、五年間に遊休問題が解決された場合であるとか、一割程度のところのことはというふうなことで緩和措置は講じてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/99
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100・鍛冶清
○鍛冶委員 少なくてもあるということは大変だと思いますし、考え方から言えば、あき面積が出たときは五年間で埋まればという前提とかいうものはなしに、はっきりとつけるという考え方に立たないといかぬのじゃないか、私はそういうふうに思うのですよ。だから、何か一見補助しているようだが、危険校舎でも点数がある、これはやむを得ぬことでしょうけれども、なかなか補助の対象にならない、いろいろなことでならないというものが積み重なっていくような気がするのです。これは、そういう考え方は非常にわかりにくいわけで、財政的立場から見るとそうなのかもわかりませんが、すぱっとした形にすべきじゃなかろうか、こう思います。枠を広げてこれも考えたいというふうな大臣の御答弁でもございましたので、私はそういう私の意見も申し添えて、ひとつ弾力的に対応していただいたらいいんじゃないか、こういうふうに思います。
最後になりますが、超過負担の解消については、まず単価差、それから数量差については相当に力を入れておやりいただいているというふうには思うのですけれども、対象差になると若干問題が出てきている。さっき言いました危険校舎を引き倒す場合、特に鉄筋校舎なんかを引き倒す場合、基礎ががっちりしているものですからずいぶんかかるというようなことがあるのですね。こういうものを含めて、超過負担の解消にはさらに努力していくべきだと思うのです。その点について、特に単価差なんかは明白に出てくることでもありますからこの努力をぜひしていただきたいと思いますが、そういう点についてのお考えを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/100
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101・三角哲生
○三角政府委員 単価差の問題でございますが、ただいま御審議をお願いしております五十三年度予算案におきましては、前年度に比べまして六・三%の増を図っておる次第でございまして、これは例年実態を十分に調査いたしまして、できるだけそれにフォローできるような努力をしてきておるわけでございます。なお、ただいまお話のございましたような個々の状況についてでございますが、これは補助事業の実施に当たりまして、地域の建築単価の実情を反映した補助単価を設定いたしまして、できるだけ、そのばらつきなり、個々の単価面での超過負担の多い学校、少ない学校、ない学校というふうな、そういう意味の不均衡がないような配慮をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/101
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102・鍛冶清
○鍛冶委員 いよいよ最後になりますが、いろいろ補助金のことで率を上げることを申し上げてまいりました。いろいろ申し上げましたが、結局は、早く子供さん方がりっぱな環境の中で教育を受けてほしいし、それに使えなければならぬという立場で申し上げましたので、それは御理解をいただきたいわけです。これは全く私見になりますけれども、本来から言えば、どうして補助金行政があるのだろうかというのは私の素朴な疑問です。地方に十年おりましたので、むしろ補助金なんかなくしてしまった方がいいんではないか、そして全部交付金として地方に渡して、その中で住民の皆さんの要望に応じて自由に仕事をやっていただく、こういうあり方が本来から言えば本当ではないんだろうか。こういう議論をしておりましても、正直言って、交付税があります。それから地方債の元利償還の問題があります。そういうのを含めて、超過負担分は別ですけれども、どうも同じ枠内でぐるぐるしているという関係みたいな気がするわけです。その中で特に、繰り返すようですが、地方が、補助率を上げればすぐそこに飛びついてどんどんそれが進むという現実の姿の上から、これはいろいろなことで先ほどから御質問もし、お願いもしてきたわけですけれども、本来から言えばそういうものをなくしてしまって、自由裁量でやった方がいいんじゃないか、こういうような気がしているわけですが、そこらあたりの大臣の御意見はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/102
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103・砂田重民
○砂田国務大臣 国の財政と地方財政の根幹に触れる重要な御発言でございます。文部大臣の立場でどうもお答えしにくいわけでございますが、私も地方行政を少し勉強したことがございますので、地方交付税でこう措置がしてありますと国は言う。しかし、地方交付税というものは国が措置するものではなくて、本来地方自治体の固有の財源であるという意見もまたあるわけでございます。大変貴重な御意見として、真剣に拝聴させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/103
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104・鍛冶清
○鍛冶委員 いろいろ申し上げましたが、ひとつ意図するところをおくみいただいて、これは子供の願いであり、親の願いでもございますから、ぜひともいろいろな面についての解消を図って、住みやすい環境をおつくりいただきたいとお願いをする次第です。
大変長い時間、どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/104
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105・菅波茂
○菅波委員長 次回は、来る二十二日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108405077X00619780317/105
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