1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年三月二十八日(火曜日)
午前十時三十二分開会
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委員の異動
三月二十三日
辞任 補欠選任
赤桐 操君 茜ケ久保重光君
渡辺 武君 内藤 功君
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出席者は左のとおり。
委員長 内田 善利君
理 事
安田 隆明君
山崎 竜男君
青木 薪次君
三木 忠雄君
委 員
井上 吉夫君
伊江 朝雄君
石破 二朗君
佐藤 信二君
高平 公友君
平井 卓志君
茜ケ久保重光君
瀬谷 英行君
目黒今朝次郎君
田代富士男君
内藤 功君
柳澤 錬造君
山田 勇君
国務大臣
運 輸 大 臣 福永 健司君
政府委員
運輸省鉄道監督
局長 住田 正二君
運輸省航空局長 高橋 寿夫君
運輸省航空局次
長 松本 操君
事務局側
常任委員会専門
員 村上 登君
説明員
警察庁警備局公
安第三課長 福井 与明君
防衛庁防衛局運
用課長 児玉 良雄君
防衛施設庁施設
部施設企画課長 近藤 孝治君
外務省情報文化
局報道課長 小原 武君
参考人
新東京国際空港
公団総裁 大塚 茂君
新東京国際空港
公団理事 角坂 仁忠君
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本日の会議に付した案件
○特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案(第
八十二回国会内閣提出、第八十四回国会衆議院
送付)
○連合審査会に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/0
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001・内田善利
○委員長(内田善利君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十三日渡辺武君及び赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として内藤功君及び茜ケ久保重光君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/1
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002・内田善利
○委員長(内田善利君) 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/2
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003・田代富士男
○田代富士男君 最初に、運輸大臣も御承知のとおりに、成田空港の管制塔が壊されました事件につきまして、けさ閣議が行われたということを聞いておりますが、けさの閣議におきまして、三十日開港というこの時期を控えました成田新空港に対して、どのような閣議決定がなされたのか。最初に詳しく具体的に御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/3
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004・福永健司
○国務大臣(福永健司君) まず、このたびの事件につきましては、皆様に大変御心配を煩わしまして恐縮に存じます。まず衷心から、そういう点について私から皆様にお礼を申し上げ、恐縮の意を表したいと存ずる次第でございます。
この事件の詳細等につきましては、これは時間も大変かかりますので、私は、初めから逐次申し上げることはこれを避けることにいたしますが、いずれにいたしましても、あの事件発生以来、政府、特に運輸省といたしましては、連日、夜を徹して、この後どうすべきかということに対しまして対策を着々講じておるわけでございますが、何しろ御承知のような事態でございますので、いろいろ専門技術的な点も考慮いたしまして、今後どうするかということ、たくさんございますが、なかんずくすぐ後に迫っております開港あるいはそれに続いての諸般の手順等につきまして、できるだけ早く決定をしなければならない、こういう観点から、昨日も、また本日の朝も関係閣僚会議も開催いたしまして、それぞれその日その日に必要な決定等もしてきたわけでございます。さらに、きょうは関係閣僚会議の後、いまお話しの閣議における措置もとってきた次第でございます。
まずその点から申し上げますが、新東京国際空港の開港期日は、諸般の情勢にかんがみ、一時延期する。新たな開港期日については、改めて新東京国際空港関係閣僚会議を開催し、速やかに決定する。こういうことでございますが、これだけでございますと、もう少し具体的中身が明らかにされねばならぬとおっしゃると思います。閣議等におきましても、私は若干触れておきました。器材の復旧というような、私ども運輸省の関係の側における問題の中心等を考えますと、こういう点からだけでございますと、月半ばくらいにやってやれないことはない、開港式等をやって諸般のそれからの後のことを進めるということは、やってやれないことはないと思います。思いますが、いろいろ皆さんからも前々から御注意等もいただいておりますし、事この新空港の開港ということは、運輸省の関係のことのみではございません。問題を大きくとらえて、今後に対処せしめなければならないと、こういうことを考えますと、何としても、安全確保を第一に考えつつ、急ぐ余りの拙速主義というようなことになってはならぬと思います。そこで私は閣議等におきましてもその種の主張をいたしまして、さらにもう一度関係閣僚の会議も行い、また、閣議等の検討も経て次に前進したいということでございますが、また、これとてもぐずぐずしておったんではこれは話になりませんので、実は、私は、次の閣議——金曜日の閣議には、具体的に、それでは何日ごろに開港式をやって後の手順はこうということにしたいというのが私の気持ちでございます。でございますが、その次の閣議にという、そういう希望は、その直後にいろいろ手順を進めてという意味ではございません。そういうように、関係方面が世界じゅう広いのでございますから、早く決めることは必要でございますが、その後さらに若干日諸般の手順を進めて、万遺憾なきを期して今後に対処したい、こういう所存でございます。
いろいろ具体的なことはございますが、大まかにそういうようなことで、本日ただいまの時点までにこういうように進めたいということで進行されてまいった次第でございます。何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/4
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005・田代富士男
○田代富士男君 ただいま政府声明が行われれた内容につきまして運輸大臣から御説明をお聞きいたしましたが、私はこの政府声明の声明書を読みました。この成田空港の開港ということは福田内閣の大きな本年度における公約の一つではなかったかと思うわけなんです。今国会の当初においても明確に公約として発表されております。いま運輸大臣は諸般の情勢によって一時延期と申されたけれども、諸般の情勢がいかんであろうとも公約は破られた。この責任というものは大きいと思うんですけれども、福田内閣の公約としての責任は、本来ならば総理大臣においでいただいて質問すべきところでありますが、きょうは御出席いただいておりませんし、担当の運輸大臣として、福田内閣の閣僚としていかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/5
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006・福永健司
○国務大臣(福永健司君) いま公約という御表現がございました。公約につきましては、今度の事態と関連いたしまして私どもが関係しておりまするこの部分と違った表現がある程度ございます。御承知であろうと思いますが、私はあえて今度の事件についてのいろいろのことを、私の所管でもございませんし、申し上げませんでしたが、こういう事態に対処して、この種の暴挙に対してどう対処するかというような意味における政府の所信が明らかにされておりますが、これはそれぞれの担当大臣の所管でございますから、私はあえて触れなかったわけでございますが、いずれにいたしましても、内閣は三月三十日に開港するということでまいったのが、そういうわけにいかなくなったということは、公約とは違ったことになると言えばそのとおりでございますが、私どもといたしますと、その点についての責任はもとより私は痛感をいたしておりますが、いろいろのことが、三月三十日といったその日に間に合うように進行してきておったのが、もう少しというところでこういうことになったことについては、私は残念きわまりない心境でございます。だからといって、そういかなかったことについては私らの責任でないなどとは断じて申しません。断じて申しませんのでございますが、こういうように進んできたのも思うようにいかなかったという事態、それ自体は私は非常に深刻なものであり、これを政治をやる者の責任において的確にとらえて今後に対処する必要があろうと、こう思うわけでございまして、このことは、内閣としてはいつまでに開くべきであったという方針でまいったという意味においての責任もさることながら、こういうことが起こった今後においてどうあるべきかということは、またそれなりの責任があろうと思うわけでございまして、責任の重大性を認識するがゆえに政府は政府で声明を行ったと、こういうことではございますが、声明を行ったからそれで責任は済んだなどと私は決して申し上げているのではなくて、今後の事態の処理等を含めて国民各位の納得をしていただけるような方途が種々講ぜられなければならない、こういうように存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/6
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007・田代富士男
○田代富士男君 じゃあ大臣ですね、いまさっきこの閣議決定の内容とともにお話しになった中に、専門的技術面からこれを見ていった場合には、月半ばぐらいには何とか使用できる見通しではないかと思う、しかし余り急いでこの根本であるところの安全確保という面が損なわれるようなことがあるならば、また諸般のいろいろな手続等の状況もあるんだから、そういうことをもう一度関係閣僚会議を開いて検討したい、そしてその後に金曜日に行われる閣議において今後の方針を決定したいという、こういう大臣のお気持ちをいまお聞きいたしました。大臣としては三十日開港予定でありましたし、一日も早くというお気持ちに変わりはないと思いますが、被害の状況等をつぶさに報告を受け、今後の対策を考えられた上にこういう機械関係では月半ばという見通しが立っていらっしゃる。あえてそういういろいろな諸般の手続等をやるならば、いつまでも延ばすというわけにはいきませんけれども、四月いっぱいかかったとしても、五月には——四月末か五月の初めぐらいには閣議決定で最終的に結論は出されるにしましても、運輸大臣として三月三十日に開港予定であったその気持ちも含んで、その見込みはあると思われていらっしゃるのかどうか、少なくとも機械関係の面では四月半ばまでの見通しは立っているということでございますから、そこらあたりはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/7
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008・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 私といたしまして、ないし運輸関係の者といたしましては、先刻も申し上げましたように、四月半ばにはということを考えておりますし、それは根拠ある次第でございますが、いろいろこういうことに立ち至ったことをよく考えてみますと、私どもの見るその考え方だけでこの事態に対処して何日ごろにはどうということだけではいけない。第一に、お話のございました安全の確保というようなことについても念を入れるということもございますが、私は念にはさらに念を入れて対処していくと。ことにこの種の問題は、世界各国が本当に大丈夫かというような不安を持っているというようなことではいけませんので、そういうことを払拭できるようなことにしなければならぬとこう思っておりますが、純運輸省的なその考え方のほかに、今度の事件はいろんな示唆があると私は思うわけでございます。この点につきましては、必ずしもそういう点についてまで私はそういう観点から、さらに何日を要すべきものだとこれは言うことは遠慮しなければなりませんけれども、こういうこともいろいろ——特にいろいろと申し上げたい——いろいろあわせ考えて対処することが必要であろうとこういうように存じます。
そこで、そういうことからただいまは四月中か五月の初めにはできそうな、いまの話ではできそうなものだが、運輸大臣はどう考えるかというお話でございますが、私の考えとしては、先ほども申し上げましたように、純運輸省的なセンスから申しますならば、四月半ばにもというところまで考えておりますから、その他のことについては、これは私はその他のことはどのぐらいでよかろうということはこの場合ちょっと遠慮したいと思いますが、いずれにしてもそういうことにも念を入れるべきである。こういうことから、もう少しというわけでございますので、早ければ四月の半ば過ぎにでもと思わぬではございませんが、それは私どもの考え方だけでございまして、それだけではいかないと思いますから、そこから後の方は、ちょっと私、閣議が来るのを待たないで何日ごろがよかろうということは申し上げかねますが、いま申しましたようなわけで、私としてはなるべく早い方がいいと思います。いいと思いますが、同時に、私はその他の点について念には念を入れた措置を講じてその後の措置を行っていきたい、こう存じますので、大変急いで、運輸省的センスから言えばということでの初めの時期については言えますが、あとはもう少し——だけれども、これもまた、そういつまでもかかっているような話では、ただいまおっしゃったようなところ、これすぐそうするとまた大体いつごろになったというのは何ですが、私ども何にも言わぬうちにけさあたりの新聞等にもいろいろ出ておりまして、私はどうも多少不本意なところがあるんでございますが、いずれにいたしましても、そういうようなことであることを御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/8
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009・田代富士男
○田代富士男君 大塚総裁、事件が起きました後で総裁として、あの空港の管理者といたしまして一応状況報告をお受けになられたと思いますが、その状況報告をお受けになられた上に、三十日開港、四月二日から運航されることになっておることはもう十二分に御承知のはすでありましたが、応急措置をして何とか間に合うというようなことを総裁がお述べになっていらっしゃるわけなんですが、いまの大臣のお話をお聞きいたしますと、かなりの開きがありますけれども、あの時点で総裁はそのように理解されたのであって、現時点においても四月二日までにやろうとすればできるとお考えになっていらっしゃるのでしょうか、それともそのような発言をされたことは現状掌握の間違いであったと、このようにお認めになっていらっしゃるのか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/9
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010・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 当日、私、実は成田空港におりまして状況をつぶさにこの目で見ておりました。そうした後、記者会見がございまして、どうするのかというような御質問がありましたが、その当時はまだどの程度の被害があるのか、それに対しての復旧にどれぐらいの日時を要するのかというようなことが全然まだわかっておらない段階でございましたので、私としましては、できることなら予定どおり進めたいという希望を申し上げました。しかし、その後いろいろ実情調査いたしまして、ただいま運輸大臣からお話がございましたように、施設の復旧だけでも約半月かかるということがはっきりいたしてまいりましたので、したがって、当然それはやらなければいけない。しかし、それだけでなしに、私どもとしては十分な安全対策を講じてきたつもりであり、また治安当局でもそうしていただいておったというふうに私どもは思うんでありますけれども、いずれにしてもこういう事件が起こったということはどこかにやはり足りないところ、欠陥があったということを私どもは反省をしなければいかぬというふうに思います。そういう見地から、さらに先ほどの運輸大臣のように念には念を入れた安全対策というものを講じまして、エアラインの方にも、旅客その他の利用者の方々にも安心して成田空港に来ていただけるようにしなきゃいかぬということは、これまた当然だと思います。そういうふうな考え方から、これを延期することは当然であり、そうした技術面の施設復旧と安全対策、この二つについてはっきりした見通しを立てた上で今後の開港日を決めるべきだということに私も賛成であり、むしろ当然そうすべきものだというふうに現在考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/10
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011・田代富士男
○田代富士男君 この問題につきましては、去る昨年の十二月の三日発行のNOTAMにも世界各国に対して開港を宣言をしているわけなんです。また、日米航空交渉の席上でも、増便の件については成田空港ができたならばと、外国の各航空会社にはその増便できない原因の一つとして成田空港が取り上げられておりまして、世界各国の航空会社、各国は成田というものに対して注目をしていたことは事実であります。また、その準備ももう進めておりました。ところが、この時点で延期ということになりました。これに対する、外国の日本に対する不信感というものは、これはぬぐい去ることができないと思いますけれども、こういう面に対しまして、これはどのように今後対処をされていかれるのか、御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/11
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012・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 専門的な点につきましては航空局長以下に答弁させることにいたしますが、まず私から申し上げたいと存じます。
NOTAMどおりにいかずにこういうことになったということは、まことに遺憾でございますが、誠意を尽くして関係諸外国、世界に向かってこの事態を理解していただけるように直ちに手配もすでにいたしておりますが、各方面にその措置をとって、できるだけ理解をしていただくようにしなければなりません。しかし、いずれにしても、こういう事態が起こったということについては、いろんな意味で努力しても、なおかつ、まだいろいろ外国から見るとそれでいいのかというところもあろうかと思います。そういうことについては、このたびも一生懸命にその措置を講じ誠意を尽くすということでございますが、それのみをもって足れりとするのでなくして、今日以後長くこの不信をぬぐい去ることにあらゆる努力をしなければならぬと、こういうように存じます。
世界各国との間で成田ができたらという期待がいろいろございます。こういう点につきましては、実は私、本委員会等でもいろいろお話も伺っておりますし、私は私なりに考えまして、各国の関係大臣とかあるいは大使とかいうような人たちが大ぜい参りましたときに、国によりましては私申しておきました。向こうで言うのは、成田が開港したら増便はしてくれるんだろうなとか、これは聞いてくれるんだろうなどという大きな具体的な期待、これがかなり表明されたのでございますが、そのうちのごく若干については航空協定を結ぶなどの措置によって成田開港後の取り決め等もされておりますが、おおむねのところは目下折衝中でありとか、あるいは近く折衝ということの問題が多いのでございますが、それに先んじて私にいろいろ申し入れ等があったのに対しましては、私は率直にそう申しておきました。いままで私が就任する前に成田開港後ということで話があったことについては、皆さんの方では成田が開港すればすぐにそういうことになるのであるというようにとっておられる向きもあるようではあるが、成田が開港になったからってすぐ直ちにいろんなことができるというようなものではない、先ほども申し上げましたが、念には念を入れて新しい空港になったらなったでいろいろ気をつけていかなければならぬという観点からいたしますと、成田開港後にという話をあなたたちが聞いておられるのは、ある程度成田開港後適当な時期にと、こういうように理解してもらわなければ困る、こういうようなことを私申しました。中には、どうもそれじゃ弱ったな、というような顔つきをしている人もありましたが、そういやそうだなと言った人もあります。いずれにいたしましてもそういうことであった。そこに、かてて加えて、いまのような事件が起こりましたことは、さらに一層その種のことに影響を及ぼすということではございますが、まあそういうことについてはよく理解を求めるとともに、鋭意努力をいたしまして、なるたけ影響が少ないように今後対処していけるように措置をとっていきたいと存じる次第でございます。
あとのことにつきましては事務当局から説明をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/12
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013・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 特別につけ加えることはございませんけれども、手続関係では、開港の日を定めた告示等がございます。これは国内的なものでございますが、それとあわせまして、いま先生御指摘の、十二月三日に民間航空条約加盟各国へ出したNOTAMといわれるものがございます。大臣が先ほどお話し申し上げましたように、次の金曜の閣議のときに具体的にいつからということが決まるとすれば、その確定日を待って告示とかNOTAMの改正はすべきだと思いますが、とりあえず、一時延期ということにつきましては、きょう直ちに在京の各国エアラインに話をして、無用の混乱が起こらないように措置をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/13
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014・田代富士男
○田代富士男君 外務省の方見えてますか。——外務省として今回のこういうような事件を受けとめて対策を講じられるかと思いますけれども、外務省としてどのように対策を講じられる御予定でございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/14
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015・小原武
○説明員(小原武君) 私は報道課でございまして、ただいまの御質問に対してはお答えする立場にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/15
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016・田代富士男
○田代富士男君 じゃあ結構です、時間がありませんから。
時間がありませんから次に進みますが、当運輸委員会といたしまして去る二月二十三日、成田空港を視察いたしました。その折に私たちは、あの管制塔も、実地にエレベーターに乗りましてあの管制塔の現場もこの足で、この目で現場確認をしてきております。そこで私はあのときに、大塚総裁も一緒にいらっしゃったかと思いますが、一番の心配点は、過激派がこの管制塔に上ってきた場合、成田の機能は麻痺してしまうのではないかということで、あのエレベーターの中から上がる、一番上に上がってからも、ここへは過激派は絶対入れませんかと、たびたび質問をいたしました。
そのときに、あの途中からエレベーターに乗りかえるところでしばらく待っているときにも、このように過激派を防止するためにエレベーターは乗りかえるんです、そういうことで、われわれはいきなり上へ上がりたいと思っていたけれども、おろされました。ここでこういうふうに防止をいたしますと。そして、最上段階へ上がりまして、そこが管制塔になっているかと思いましたら、そこは管制塔になっておりません。それからまたらせん階段を上がりまして管制塔へ入ったわけなんです。だから、過激派が攻めてきてもここは守れますか——ドアは開きませんし、絶対に守れます、という太鼓判を押されました。われわれは初めての視察でありましたし、エレベーターを乗りかえてらせん階段で、そのとびらは外からは絶対にあきませんと、ははあ、ここまでやられているならば大丈夫だな、私自身太鼓判を押されましたからそういう気持ちで帰ったんですけれども、その太鼓判が太鼓判にならなかった。われわれの運輸委員会の視察の折に確認をしたにもかかわらずそういうふうになってしまったというのは、何が抜けていたか、そこらあたりちょっと明確にしていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/16
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017・福永健司
○国務大臣(福永健司君) いまお話しの点、実は私も向こうへ予告なしに参りまして、いまお話しのようなところへも私参りました。私もやや同じ質問もいたしましたものでございますが、すっと上がらずにエレベーターを乗りかえたりなんかして、それからいろんな入り方については念の入った話でした。それがいまおっしゃったようなことにもつながって、かなりの防衛警戒的な措置にもなるように私は私なりに見てきたのでございますが、まあ大塚君に後からお聞きをいただいて御理解をいただきたいと思いますが、恐らく私、あのときに思ったことと、それから現に事件が起こってそう思いましたが、外から窓を割ってああいう入り方をするというようなことは、視察したときも私はそんなことまで起こるということは夢思っておりませんでしたが、しかし現にそういうことが起こっているのであります。そういうことでありとするならば、かなり念を入れたいろんな措置は講じられているが、その程度では足りないんだという認識のもとに、今後さらにいろいろのことをしなければならぬ——もうかがっていると思いますが、ああいうことではいけなかったという事情にかんがみて今後に対する措置は講ずべきであるということを私も当然に考えておるわけでございます。恐らく現地の責任者として公団総裁等もその点については考えているかと思うのでございますが、まあ普通の常識で考えた程度ではそれではとうてい十分ではないということ、そういうことを幾多今度はある意味においてわれわれは示唆を受けたということでございます。現地の諸君としてはより一層そうであってもらいたいというように思いますし、そういうことについて配意するように、あの事件後にも私からも申している次第でございます。
あとは大塚君の方からお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/17
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018・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 実は管制塔は航空局の財産でございまして、公団の財産ではないのでございますが、便宜私から御説明を申し上げますと、十四階に非常口がございまして、非常の場合にそこからベランダに出て、ダストシュートですか、それで地上に逃がれられるという、これは消防法上からそういう避難口をどうしてもつくらにゃいかぬ、そしてその避難口にはかぎをかけておいてはいかぬという規定になっておるそうでございまして、結局十六階のあのドアは中からロックをしまして侵入者は侵入できなかったのでございますが、その十四階の非常口からベランダのところへ出まして、そこからその上にあったパラボラアンテナを壁に取りつけてあります鉄材をよじ登って、そこから十五階のベランダ、といっても何か六十センチばかりの下のすいたベランダでございますが、それに出て、そこで十六階のガラスを打ち破って入った、こういうことでございまして、その十四階の非常口の今後の取り扱い、消防法との関係その他をさらに私どもとしては検討して、十分な対策を講じなければいかぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/18
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019・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 若干補足させていただきます。
事実関係はいま総裁がお話し申し上げたとおりでございますが、今後は、非常口から外へ出られるということが困るわけでございますので、窓から入ってくるということを予想いたしまして、非常口の手前のところにもう一つ鉄のとびらなどをつくりまして内側からロックするというようなことを早速検討をいま始めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/19
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020・田代富士男
○田代富士男君 こういう、いま事実関係をお話しいただきましたが、ここに非常口が十四階にあるという、まあ見学の場合も十四階までは上げないと思うんです。私たちは視察に行った。運輸委員の視察であったから管制塔へも入れていただいたと思うんです。少なくとも、私も初めて行きまして、エレベーターを途中で乗りかえて、ここに非常口がある、そこまで知るには外部の者には容易なことではないと思うんです。そうした場合に、初めて行って、非常口があった。そこから、非常口というものは、上に通ずべきような非常口ではないはずなんでしょう。そこがいま申されるとおりに、ベランダへ出て、パラボラアンテナのところからよじ登って上に上がった。これは地上にある、その辺に肉眼で見れる場所じゃないですよ、肉眼で。そうでしょう。あれは高さは何メーターと言われましたかね、数十メーターの高いところです、それに特定な人のみが入室を許されるべき場所の非常口から出たということは、外部の者にこれは知らされてない、その場所が知らされたということは、これは大きな問題点があると思うんですが、大臣どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/20
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021・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 私はそういう点等につきまして、どういうわけで過激派なるものが、今度のような措置に出るには相当いろんな研究をしてないといけないわけだが、いかにしてそういう知識を持ち、こういうことをあえてしたかということについては、これは深く考え、そして対処する方途を講じなきゃならぬわけでございまして、現実にこういうことが起こったことを大変残念に思います。まあ、それと関連して思いますことは、そういうことがどうして彼らの知るところになったかということについては、これは単に後の祭りというようなことでなくて、今後に対することも多うございますから、大いに検討していかなければならぬし、単に空港関係者のみならず、工事をしたころからいろんなことを、対策を講じ、機密の保持ということが行われてないと大変なことになるということを、私は私なりにしみじみと感じているところでございます。今後どうするということになると、それもばれてしまうことになりますので、(笑声)今後のことにつきましては、大分考えておるところもございます。やっぱり、このことに示唆を得て、今後にそれを生かしていくということでありたいと、私は強く感じておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/21
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022・田代富士男
○田代富士男君 それで、今回のこの管制塔の襲撃事件は、いま福永大臣もそんなことは起こるべきことではない、夢にも思わなかった、というようなことが行われているわけなんです。これはいま私は高いところの話をしました、そんなことは起こるべきはずがないという、これがどこから来たと思います。あんな高いところで事件をやったのが、地上からでなくして、マンホールの地下から来たじゃないですか。目に見えない高いところで事件があった、夢にも思わなかったです。——これは目に見えないマンホールから上がってきたじゃないですか。これはどのように受けとめていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/22
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023・福永健司
○国務大臣(福永健司君) その点につきましては、私、マンホールなんというようなことも、後から考えりゃそんなことに気がついて——気がついている者はあったかもしれませんが、まさかということであったかもしれませんが、これはまあ私どものこともさることながら、警察関係の警備と関係することでございますけれども、どうもああいうことが起こっていること自体、後から考えれば、ずいぶん妙なことであります。どうもいまから考えますと、当然にそういうところにはいろいろの配意が行われていなければならなかったんじゃないかという感じが私もいたしておるわけでございます。まあ現実に起こったことに対して、それが無理もないんだというようなことは、私はあえて申しません。そういうことでなくて、現実にそういうことが起こっているのでありますから、深くこれを心して、過去にあったそういうことを教訓として、教訓って、ありがたくないない教訓でございますけれども、今後に生かさなければならない、切にそういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/23
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024・田代富士男
○田代富士男君 そこで、いま私はマンホールの話をいたしましたが、こういうマンホールから攻撃をされるというようなことは、事前にいろいろ対策を請じられる席上において話が出たのか、またそういうようなことが、成田空港を守るという立場からそういう資料を集めて検討されたことがあるのか、警察庁の方、見えていましょうか、御説明願いたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/24
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025・福井与明
○説明員(福井与明君) 実はことしの二月二十六日に、過激派が空港のフェンスの下にありますU字溝から侵入した事犯がございます。そこで、そういう仕方の侵入ということについては、実は警察の方では検討しておりました。今回のマンホールにつきましても、あの場所にマンホールのいわゆる出口と申しますか、穴があることは実査で承知をしておったわけでございますけれども、この点大変反省をしておりますが、ただその穴がどこに通じておるかということを、実は地図の上で調べまして、一応公団の地図に出ておりますマンホールの出口についてはそれなりの申し入れをして、公団側でもそこからは容易には侵入できないような鉄の棒を立てるという措置にはなっておったわけでございますけれども、残念ながら今回の場所につきましては、非常に新しい工事のようでございまして、地図にもあの先の侵入口は出ておりません。事犯が発生した後に、出の方はわかりますけれども、入りの方を調べるために地図でやってみて、さらに地図の先からずうっと実査をしてやっと突きとめたという状況がございます。そういうことで、もう少しマンホールそのものを地図だけに頼らずに、足で実査をしておれば突きとめ得たと、こういうことでその点は十分反省をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/25
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026・田代富士男
○田代富士男君 いま空港の地図の中に、そのマンホールの場所は明記されているけれども、どこから来ているということが明記されてないということでございましたけれども、だから、この地図を作成されたのは、公団側ですか、そういう大事なことをこれはどうしてお抜かしになったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/26
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027・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 私も実際に警備当局と打ち合わしたときに、どういう図面を差し上げ、あるいはお見せをしてやったかということまで実はまだ確かめておりませんが、うちの図面には大体マンホールのあれが入っておるんですが、先ほどもちょっとお話が出ましたように、今度彼らが入ったと思われますのは、二期工事の目下工事中の排水幹線のようでございます。一期工事の方はちゃんと経路も入っておりますし、その出口もさくでふさがれておりまして、これが破壊されたという跡は、調べましたが、ございません。結局入ったとすれば、それにつながっている二期工事の目下工事中の排水幹線ということで、これはまだ工事中でございまして、でき上がってないからあるいは図面にやっぱり入れてなかったんじゃないかというふうに私も考えておりまして、そういう面において、われわれの方の警備当局への連絡が不十分であったというふうに、私も反省をいたしておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/27
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028・田代富士男
○田代富士男君 いま警察庁の方から二月の二十六日にU字溝から侵入をした、そういう事件があったということをお聞きしまして、その検討をされた。それであるならば、今日まで約一カ月間あるわけなんです。その間には関係者が集まっていろいろ検討をされた時点で、U字溝のこういう事件があったというときに、じゃこのマンホールはどこへ行っているのかという、そこまで一歩確認しておれば今回の事件というものは、結果論でありますけれども、未然に防ぐことができていたのではないかと思うんですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/28
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029・福井与明
○説明員(福井与明君) 委員御指摘のとおりございまして、もし、その際に一つ一つ実際にマンホールの中に入って実査をしておりますならば、当然気づくことでございました。したがいまして、マンホールの出口のふたを何か一時遮蔽をするなり、マンホールの出口の方を何かもっと強力に遮蔽をする方途はあったわけでございますから、その点については十分反省をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/29
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030・田代富士男
○田代富士男君 そこで、今回の成田の事件というものは、ただ単にその辺のゲートの近くの金網を破って数名が侵入して火炎びんを投げたという、こういうなまやさしいものでなくして、私が質問している最中にも大臣はまことに妙な話であると、予想だにしなかったことが起きているということですけれども、予想だにしなかったことを、相手の過激派はお互いの攻撃目標というものをそれぞれ決め、そしてそれを横に連動した、そういう闘いをやってきているのではないでしょうか。まして今回の問題というものは、正面ゲートが完全に打ち破られて乱入されたということは、これは無防備の状態で少人数であったということであるならば、これは理解できますけれども、開港を控えまして全国からの警察官の動員を図って守っていたにもかかわらず正面ゲートが破られたということは、これは大きな問題点ではないかと思うんですけれども、この点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/30
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031・福井与明
○説明員(福井与明君) 今回管理棟に侵入しようとしたグループは三グループあるわけでございますが、一つは零時五十分ころに、京成新空港駅傍らのマンホールから出てまいりました二十人のメンバーでございます。その中の十五人が同棟に侵入したわけでございますが、これについては残念ながら管制塔なりマイクロ通信室に入られて事後検挙したという状況でございます。この点については大変遺憾であるというふうに考えておりますが、あとの二つのグループ、一時十五分ごろに九ゲートから入ってまいりました車二台による九人のグループ、それから一時四十五分に八の二ゲートから車二台を先頭にしまして、その後に約三百人くらいの者が追随して入ってきたグループでございますが、これについてはそれぞれ全員逮捕するなり規制するなりしております。逮捕するなり規制した時点が空港内ではないかという点がございますが、それはまあ、ございますけれども、逮捕なり規制をしているということで一応ぎりぎりの警備の目的は達しているというふうに考えております。ただ、一番当初の二十人については、管理棟に実際に侵入されたということで大変申しわけないと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/31
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032・田代富士男
○田代富士男君 そこで、いま時間をずっとお述べになりましたが、零時五十分が第一グループ、第二グループが一時十五分、第三グループが一時四十五分と、このような過激派の動きを見ますと、これはすべて連動した行動であると見るのが正しいのではないかと思うんです、あくまでこれは結果の上から申し上げるわけでございますが。この空港開港に備えまして、警察といたしましては、事前に過激派のそういう拠点というものを検問するなり、いろいろ捜索をして万全を期していた、にもかかわらずこれだけの大量の火炎びんというものが用いられたということは、一般の市民からするならば意外という以外にないわけなんです。あれだけ検索をしたにもかかわらずまだこれだけの火炎びんが残っていたのかという、これは事前のそういうような検閲においては確認できなかったものであるか、不可能なことであったのかどうかということですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/32
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033・福井与明
○説明員(福井与明君) 彼らは機関紙等で今回は組織を挙げて取り組む、しかも正規戦とゲリラ戦を併用して取り組むという趣旨のことをそれぞれのセクトが申しております。したがいまして、それに備えてのこちらの警備方針を立てて取り組んだわけでございます。空港の施設等に集団で、あるいはゲリラで侵入してくる、あるいは関係の施設、これは空港の内あるいは空港の外にもございますが、空港あるいは公団あるいは警察の施設等を包囲をしてくる、あるいは東関道等の主要な道路に何か輸送を妨害するようなことをやる、あるいは団結小屋から出ていきましてさまざまな不法事犯を敢行するということを考えまして、多面的な、しかも広域的な警備方針を立てて実際に警備に取り組んでおったわけでございますが、したがいまして、ゲリラ等に備えて事前の検索、捜索等もいたしましたけれども、残念ながら恐らく事件に直近した時点で、どこか現場から比較的離れてない時点で、車のガソリン等を抜いて火炎びんを製造しておるのだと思いますが、検索、捜索等を事犯の前々日等にまでわたってやった時点ではある程度の発見はしておりますが、今回使われたものについては発見できなかったというのが実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/33
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034・田代富士男
○田代富士男君 そこで、今回の襲撃事件において、残念にも管制塔の侵入を許してしまったということは遺憾であるということでございますが、やはり空港の機能の一番の心臓と言うべきものは管制塔ではないでしょうか。私たちがいまさっき申しました二月二十三日視察に参りました折にも、一番最初に管制塔を視察いたしました。心臓部であります。そういう意味から、管制塔に乱入されるということは、事前の打ち合わせ等においても予期されて計画を立てられたことがあるのでしょうか。それとも管制塔侵入ということは絶対あり得ないという前提のもとであったのか。そこらはいかがでございましょう。
これは当然警察側でもそうですけれども、大塚総裁の立場として、過激派が毎日のようにあれだけの騒ぎをしておりますが、管制塔に侵入されるということは絶対あり得ないと確信なさっていらっしゃったのか、あり得ると思っていらっしゃったのか、あり得るならばどういう対策を講じようと公団自身として関係者と打ち合わせされたのか、両方からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/34
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035・福井与明
○説明員(福井与明君) 実は管制塔の構造について、大臣その他運輸省、公団の方からさっき御説明ございましたが、警察の方でも事前の実査をしております。その際にやはり電子ロックというものを確かに私の方でも過信した点がございます。そこで、十六階部分には、内側からあけない限りは入れないということを前提にして警備をさした点は確かに反省をしております。十四階のキャッツ・オフと称する非常口があって、しかもそこが施錠されてないということを突きとめておりますればということは大変残念に思っておりますが、そこで、実査をした際に内側からしかあかない。そこで外側からあけるように言ってきた際にその人物を内側から確認できるような装置をされたらどうですかと、そういうアドバイスはしているわけでございます。そこで、内側からしか絶対にあかないということを前提にして、管制塔の警備については、いわゆるあの区域を担当しておる機動隊の配備はもちろんございましたけれども、管制塔そのものを防護しておるのは空港署の部隊であって、管制塔だけを専門に持っておる状態の配備をしてなかった、その区域を管制塔を含めて配備しておった状態はございますけれども、そういう点では配備が十分でなかったと、こういう点は反省をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/35
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036・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 管制塔は、おっしゃられますように、空港の中枢神経と申しますか、というような存在でございますので、過激派に当然ねらわれるということは私どもも考えておりました。それがゆえに、先ほど申し上げましたような、いろいろ建築上、構造上の対策も講じてあったというわけでございます。また、われわれの方としては、玄関口にも管理棟の入口にも同じようなロックをつけておりまして、ガードマンも配置してありましたし、御承知のように空港警察署と廊下は通じているというような、まあ管制塔は正確に言えば管理棟の上にそびえておるわけですが、ほとんどその管理棟と警察署の間にそびえている、上に立っておるというような位置でもございますし、まずこれに侵入されることはなかろうというふうに考えておったということは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/36
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037・田代富士男
○田代富士男君 いま総裁おっしゃいましたとおり、私も現地視察をいたしまして、場所がどこにあるかということは承知しておりますが、まず侵入されることはあり得ないと思われた。そこのすきに現実にはこういう事件が起きたわけなんです。だから、ここらの問題点について、いま警察庁の方から管制塔のとびらについても、内から外の人を確認できるような装置をつけたらどうですかとアドバイスをされておるわけなんです。だから、こういう点についてもいま一度これは、もう過ぎたことは仕方がないにしても、徹底的にじゃ検討しようとした場合には、いまさっきも申し上げました非常口の問題もここにあるけれどもどうだろうかというようなことも出てきていたんじゃないかと思いますけれども、こういうところは、まあ総裁の立場としては、そこまでの行き届きはないかと思いますけれども、やはりこれは運輸省といたしまして、こういうところの目に見えないところの指導監督をやっていかなくてはならない。そういう点の、いまだに侵入されるという、そういう心構えで臨んでいたならば、何らかの形で防げたであろう。侵入されるはずはないという体制であったために許されたと思うんですが、大臣どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/37
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038・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 普通の常識では考えられないことをやるような人たちがいるわけでございますから、したがって、いまいろいろ話が出ましたような、こういうことを再び繰り返さないということの措置これはもう当然必要でございます。そういうようにさせるようにいたさなければならぬと思います。と同時に、そこまでやったが、まだもう一つその上をいくようなことがあったらということになりますから、私は、いま段々御注意をいただいているようなことに対する万般の措置を講ずるとともに、なおそれ以上のことも考えて今後に対処することをよく考えていかなきゃならない、こういうように思います。そういうことの措置のためには、政府としてはいかなる措置もとらなきゃいかぬと、こういうように私は考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/38
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039・田代富士男
○田代富士男君 そこで、心配なことは、警察庁といたしましても三月三十日の開港まで何とか無事にということで、全国から動員されていたと思います。千葉県警の警察官といいましても限度がありまして、一万数千名の人を全国から動員するということは、これは並大抵のことではない。いろいろな御苦労もあるかと思います。また、徹夜で警備に当たる現場の警察官の人というものは、われわれが知る以上の困難なこともあると思うんです。私は何もそういう警備をやっている皆さん方がすべてが悪いと言っているのではありません、われわれの想像以上の御苦労をして守っていただいていることは、これは私は是といたしますが、これは今後、いま大臣も申されるとおりに、われわれの常識で考えられないようなことをやる、今回の場合は、まさしく目に見えない地下と空中においての、これは点と点を結んだところの事故なんです。地下と空中の点と点を結んだ事故、ここに完全に振り回されたという形ではないでしょうか。そういう意味で、いま万全の警備体制を整えていらっしゃると思いますけれども、何しろ連合軍というものは、世間でもよく言われるとおりに弱いものです。そういう意味で、今後の警備体制というものに対して、これはいまも、対策を講じてきたけれども盲点があったと言われるとおりに、現在の警備体制でこれでよいのか、それとももう一度、いま申したとおりに非常口の問題、マンホールの問題、これは一つの事例にすぎませんが、まだわれわれが掌握してないそういう心配な点が多々あると思います。そういうことも勘案いたしまして、そういう警備陣の体制の再検討というものを早急にやるべきではないかと思いますし、これは短期的な体制で終わらず、これは長期的な体制を組む段階ではないかと思うわけなんです。非常に大変な立場だと思いますけれども、そういう点に対して警察庁としてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/39
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040・福井与明
○説明員(福井与明君) 今回実施いたしました警備実施につきましては詳細に検討いたしまして、足らざる点については率直に反省をして、今後の警備に生かしていきたい、こういうふうに考えております。そうしまして、確かに限りある警察力でございますが、部隊のきめ細やかな配置、運用、装備、資器材の効率的な活用によって万全な警備をやっていきたい、こういうように考えております。
若干内容に触れさせていただきますと、それに加えまして施設の問題がございますが、たとえば今回、鉄パイプに有刺鉄線を巻きつけた三角形の車どめを用いたわけでございますけれども、車をとめるには軽過ぎるといった問題がございます。こういうものは物で解決できるわけでありますから、そういう物で解決することによって部隊の配置を節約できる点も確かにございます。
それから、公団の方にもできるだけの自主警備をお願いして、たとえば今回のような事犯の際にも警報装置を使って、できるだけ早くこれを警察がキャッチできるような、そういう物理的な装置をしていただくといった問題もございますが、警察としてやるべきことはもちろん自分でやって、しかも関係の運輸省、公団等とは十分連絡をとりながら万全な警備をやっていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/40
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041・田代富士男
○田代富士男君 過激派の闘争というものは、ただ単なる空港反対の闘争というのじゃなくして、いまでは一つの戦争のような感じも一般の人からするならば受けられるのだという、そういう声も私は聞きまして、これはこのまま放置するわけにはいかないですから、過激派に対する対策というものを、これも法制面からこの対策を講ずべきではないかと思うわけなんです。このままの対策で臨むべきではないと思いますが、警察庁としてはそういう点の検討はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/41
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042・福井与明
○説明員(福井与明君) とりあえず現状では、現行の法令の諸条項を十分に活用いたしまして、ゲリラ等の事犯にも対処していきたいと、こういうふうに考えております。ただ、より以上有効な過激派の規制について立法措置の必要性の有無についても、関係省庁と十分連絡をとりながら検討を進めてまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/42
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043・田代富士男
○田代富士男君 そこで大臣、これは私は法案の質問の時間もありますものですから終わりたいと思いますけれども、いま一つの事件を取り上げて私は申し上げましたけれども、この成田の問題というものは、いろいろ根深い問題があると思うんです。
まず第一点は、地元対策の問題。すなわち、地元が反対した、それに強制的に、これを何が何でもという、そういうこと、長い間の闘いでありますけれども、こういう問題だとか、あるいは交通手段の問題、これもまだ未解決の——解決したということでございますが、未解決です。私たちが、二月二十三日に視察に参りました。箱崎から出発したのが十時三十分でございまして、約六十五分でバスは着きました、高速道路もちろん入りましたけれども。タクシーの運転手さんに聞きましたら、何時ごろ出発したんですかと聞かれまして、まあ十時半ごろです、それはすいてますよ、すいてる時間にあなたたちは、運輸委員の皆さんは乗せられたんですよと、私はこういうふうに言われまして、こういう問題も未解決であるし、あるいは燃料輸送の問題、これもきょうは時間がありませんから割愛をいたしますけれども、こういう問題も未解決、また、騒音の問題も未解決。こういうようなもの、対策というものが後手後手に回って、地元の不信というものを強め、反対運動を巻き起こしてきた、そういうものの一つの縮図というものが、今回の管制塔の襲撃事件ではあるんじゃないかと思うわけなんです。そのときに当たりまして、きょうの政府声明を、これを見ますれば、政府の立場はきわめて遺憾であるという一言です、これは。もっと——こういう政府のとってきた対策というものが遺憾という二字だけで示すことができるのか、私はこれは大いに反省をしていかねばならないと思うんです。
それと同時に、心配することは、いま成田で起きておりますが、これが羽田で起きないということは信じられませんよ。たとえば、いま空港総裁も、まさか管制塔に入るとは私は思いませんでしたと、まあマンホールから来るということは思いませんでしたと。これが羽田空港で、まあ陽動作戦として全部の目が成田成田へいっている、いま羽田空港で起きたとするならば、羽田空港の警備というものはいまの状態でよいでしょうか。私は一瞬、成田空港のあれを見たときに、これが羽田でやられたならばどうなるだろうと。こういうこともお考えになったこと、大臣ありますか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/43
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044・福永健司
○国務大臣(福永健司君) いろいろお話がございました。関係者は、反省すべき点は大いに反省して対処しなければならないことは当然でございます。この問題は、根深いという御指摘もございました。と同時に、いろんなことがいろんなことに、何というか、利用されている事実も多くあるわけでございます。総合的に対処しなければなりません。
いま、羽田であったらどうするかと、成田で起こったようなことがそこであったらどうするかということで、考えたかと、こういうことでございますが、私もその種の心配もしております。のみならず、羽田とかなんとかという航空関係ばっかりじゃなくて、いまの日本はもっと広い範囲にわたっていま御指摘のようなことについていろいろ気をつけなければならぬことがあるということも、これも忘れてはならぬと私は思うのでございまして、そこに政治のむずかしさはあるが、このむずかしいことをうまく処理していかなきゃならないという責任を私は強く感じております一人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/44
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045・田代富士男
○田代富士男君 じゃあ、成田問題はこの程度にして、法案の質問に入りたいと思います。
特定空港周辺航空機騒音対策の特別法が出されておりますが、いま、日本の主な空港周辺で環境整備対策事業が実施されていると思いますけれども、まず、すべての空港というわけにまいりませんから、東京、大阪、福岡、三カ所ぐらいの事業実績について御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/45
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046・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 騒音防止法によりまして、東京、大阪、福岡、このまあ騒音関係で代表的な三空港につきましてとっております措置の概要を申し上げます。
予算の金額をまず申し上げますと、中身として、教育施設の防音工事、あるいは民家防音工事、移転補償、それから緩衝緑地の造成、それから大阪等につきましては航空機騒音防止対策事業の資金の貸し付けあるいは周辺整備機構の出資金等々ございます。これら全体を通じまして、東京空港につきましては、昭和四十二年度から五十一年度まで約十年間の実績でございますが、東京につきましては約四十六億円でございます。それから大阪空港は非常に多いわけでありますが、六百八十五億円、福岡空港につきまして九十億円でございます。で、これらのうち一番やはりお金を食いますものは防音工事の関係でございまして、たとえば大阪空港の周辺では、教育施設あるいは病院等についての防音工事に二百三十億円、民家の防音工事に百三十億円。それから次に大きいのは移転補償の仕事でございまして、これは騒音の激甚地区から移転をなさる方に対しまして補償をお払いするという金額でございまして、これも大阪空港が飛び外れて大きゅうございまして、二百七十億円というふうな金額になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/46
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047・田代富士男
○田代富士男君 次に御質問したいことは、航空機騒音防止法によるところの騒音区域の設置基準と、公害対策基本法によります航空機騒音に係る環境基準というものが決められておりますけれども、両者の関係性について簡単に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/47
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048・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 御指摘のように、環境庁の告示によりまして、公害対策基本法に基づきます航空機騒音に係る環境基準というのが昭和四十八年十二月に出ております。これは飛行場の種別ごとに、あるいは飛んでおります飛行機の種別ごとに、それぞれの実情に応じまして一定のWECPNLという数値によりまして告示をいたしておりますが、この告示が私ども騒音防止対策を講じていく場合の目安でございます。そして、この目安を達成するための手法といたしまして、御案内のような騒音防止法がございまして、この騒音防止法によりまして各種の手法を講じまして環境基準の達成を図っている。したがいまして、告示の環境基準は目標でございまして、それを達成するための手法が騒音防止法に基づく各種の手段である、こう御理解いただくのがいいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/48
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049・田代富士男
○田代富士男君 次に、いま御説明いただきました環境基準の問題でございますけれども、この最終目標というのは、御承知のとおりに昭和五十八年までに達成を要請されておるわけなんです。それは、七五WECPNLに合わしてこういうような最終目標のコンターを引き直すべきではないかというようなことでございますけれども、その理由というのは広島空港とそれから高知空港に対しましては、五十二年度から第一種区域設置基準というものをいま申し上げました七五WECPNL以上の地域とされているわけなんですが、そういうことから考えますと、この二つの空港だけでなくしてすべての空港を、このように特定空港もすべて七五WECPNL以上を民間防音工事助成の対象となる第一種区域にすべきであると思うんですけれども、この点に対するお考えはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/49
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050・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) ただいま広島と高知の空港はYS11というプロペラ機しか飛んでいないわけでございます。したがいまして、この環境基準によりましてもプロペラ機の場合には五年以内に環境基準達成、つまり七五というところまで持っていかなきゃいけないということになるわけでございますが、その他の空港につきまして——その他と申しますのはジェット機の飛んでおります空港は、ジェット機というものの物理的な性格からして、なかなか速やかに五年以内に七五というふうなことは無理であるというところから、この基準上十年以内に七五にしなさい、つまり五十八年までにしなさいということにしておりまして、しかしながら、中間的に五十三年の暮れまでに八玉にまでしなさい、こういうふうにしているわけであります。したがいまして、現時点で考えますならば、プロペラ機の就航している空港は七五の目標に向かってやっておりますし、ジェット機の就航しております空港は八五の目標に向かってやっているということでございます。広島、高知につきましてもジェット化の準備が進められているわけでございます。したがいまして、ジェット空港になればこれはジェット空港としての基準の方に置き変わるというふうな関係になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/50
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051・田代富士男
○田代富士男君 いままでいろいろ空港周辺の立地規制を検討され、法制化なんか図っておいでになりましたけれども、そのときに主に出てきた問題点となるものはどういうものがあったでしょうか、簡単に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/51
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052・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもも諸外国の立法例等を勉強いたしましていろいろ考えたわけでございますが、一番私たちが気がかりになりましたのは、戦後のわが国の立法の思想と申しますか、法制的な思想では、自分はこの土地がどんなにうるさくてももうここに家を建てて住むんだという方に対しまして、住んじゃ困りますと、家をつくっては困りますということを法律をもって禁止ができない。これは戦後といいますか、近代法の基本理念だと思いますけれども、自殺を禁止している法律がないように、みずから被害を甘んじるという場合に対して、国家権力でそれを禁止するということができないという関係がありまして、非常に苦慮いたしました。しかしながら、この法律案をつくりますときには、一つよりどころができましたのは、都市計画法の体系を用いまするならば、そういったことがその町づくりということの全体の総合的な見地からある一定の受忍義務を課することができるということを発見いたしまして、この法律案では都市計画の手法を使ったわけでございます。似たような立法例はフランス、イギリス等にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/52
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053・田代富士男
○田代富士男君 いまも局長申されましたが、都市計画法の問題ですけれども、法案の第四条に規定されているように、都市計画区域内の地域におきましては、都市計画に特別地区を定めることができる。もし特別地区を定めた場合には、法律第五条第二項の規定によりまして、原則的には建築物の建築を禁止されることになるわけなんですが、しかしこのことは憲法の上から考えまして、憲法が認める私権を不当に侵害することになるのではないかと思うわけなんです。いまも局長がお話しになりましたが、そのような建築を一律に禁止することになるわけなんですが、そこまでの強制力というものを持たせることは果たして合理的であるかどうかという問題ですけれども、もう一度この点について御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/53
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054・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもは、もちろん個人の所有権というものに対しては何よりも尊重しなければならないという点につきましては、異論はないわけでございますけれども、翻ってその土地を含むその町全体のこと、特に航空機騒音というふうなものからその町全体の方々をどうやって守っていくのかということを考えますと、特定の個人が自分はがまんをするということをもってそういう規制をしないことによりまして、その地域全体が航空機騒音にさらされるということになったのでは、やはりその住民全体の健康にして文化的生活を維持するという公共目的から照らして問題があるんではなかろうかというふうに考えたわけでございます。したがいまして、都市計画の手法を用いまして、都市計画手法は御存じのように、都市の中をいろいろ地域、地区に分けまして、われわれはやはり自分の土地を持っておりましても自由に家がつくれないというふうなことがございますが、その手法の考え方を援用いたしまして立案をしたわけでございます。ところがこれは、私ども現在そこに住んでおられる方を追い出そうとかいうことを目的としたわけではもちろんございませんで、一番心配いたしましたのは、新しい空港ができます。空港の周辺は確かに音はいたしますけれども、交通等は非常に便利になります。したがいまして、宅造業者などが目をつけまして、空港周辺に新しい住宅団地をつくる例がたくさんございます。現に大阪空港周辺、あれだけ訴訟問題にまでなっている空港周辺ですらなお建て売り住宅ができております。こういったことをやはり何らかの方法で禁止をしなければ、依然としてそこの地域に住む人は、いわば悪徳建築業者の口車に乗っかって永劫に騒音の被害を免れないということはいかがであろうかという観点から、都市計画の手法を使いまして必要やむを得ざる規制をしたわけでございます。しかしながら、規制するだけではやはりいけませんので、その規制措置とバランスのとれるような各種の措置、すなわち損害補償とかあるいは土地の買い上げ等の規定を盛り込みましてバランスをとることにしたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/54
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055・田代富士男
○田代富士男君 この都市計画法を用いて対処をしたというお話がるるございましたけれども、都市計画法の改正がありました折にも述べられておりますけれども、それには地域住民の意思を大きく反映した都市計画の策定ができるようにしなくちゃならないということが明記されてあるわけなんですが、今回は私はそういう点はどうであろうかと思うわけなんです。事実、いま午前中も質問をしたとおりに、成田周辺の問題にはいろいろな重なった問題が起きておりますし、これだけのやぱっし地域住民の声というものは反映させなくちゃならないとなっておりますけれども、これはちょっとその点が明確ではないかと思うんですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/55
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056・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 実は、この法律案につきまして、地元の地権者の方々等には若干誤解もあったようでございます。追い出し法案ではないかというふうなことについての誤解があったようでございますが、私ども特に周辺の成田市、芝山町の方々にはるる御説明を申し上げまして、最終的には成田市、芝山町ともこの法案に対して御賛成いただいたという経緯がございます。特にまたそれらを含みますところの千葉県におかれましては、千葉県知事が昨年の秋、空港開港のための三条件ということの中に、道路関係二つと並びまして、この法案の開港前成立ということを強く言われたわけであります。私どもは地域社会を全体を代表しておられる知事さんもそういうことを条件だとすらおっしゃっているわけでございますので、その点につきましては、むしろこの法律をつくる義務があるというふうに感じました。しかしながら、現実に個々の住民の方の中にまだこの法案の趣旨につきまして危惧の念を持っていらっしゃる方があることも事実でございましょうから、それらにつきましては十分御説明をいたしまして、御理解いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/56
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057・田代富士男
○田代富士男君 いまお話ありましたけれども、今回のこの特定空港の法案というものの立地規制というものは、言うなれば、国家的見地からこれを設置しようという公共施設のための立地規制ではないかと思いますけれども、都市計画の町づくりの場合に関しますと、これは地域住民の合意を反映した立地規制でなくてはならないわけなんです。そうした場合に、ちょっといま知事の協力があったとかそういうことありますけれども、ちょっとここらあたりが納得できない点もあるんですけれども、もう一度ここらあたり御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/57
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058・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもは、たとえば大規模空港でございますとか新幹線でございますとか、各種の国家的プロジェクトを進めているわけでございますが、私どもはそれらのプロジェクトを進めるに当たりましては、やはりそのプロジェクトの存在する地域社会の各種の問題との調和ということは基本であると思います。したがいまして、幸い都市計画の体系を用いまするならば、都道府県知事がまずその主管者になりまして地域の各種の事情を十分聞いた上で地域、地区の設定をするということができますので、都市計画手法を使うことが逆に一番地域に密着した国家プロジェクトを進めることができるんじゃないかというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/58
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059・田代富士男
○田代富士男君 次に、航空機騒音防止法によるところの騒音区域の設定基準となる騒音値と、二番目には今回の法案によるところの防音構造の義務づけがされる防止地区、また住宅等の建築禁止の基礎となる特別地区の設置基準となる騒音値、それから四十八年末の航空機騒音に係る環境庁から告示されました環境基準、この三つの関係というものは整合性がとれていないような感じがしてなりませんけれども、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/59
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060・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) まず、先ほど申し上げましたように、すべての法律によって仕事をしていく場合の全体の目標を決めたものがこの環境庁の環境基準でございまして、この環境基準を守るべくそれぞれの法律の目的に従って手法を講じていくわけでございます。
そこで、騒音防止法と今回の法案との関係でございますが、騒音防止法は、現に空港がありまして、現にそこで被害を受けておられる住民の方々に対しまして、この環境基準を達成するためにどうしたらいいかということのために、民家防音工事とか移転補償というふうな制度を盛り込んだものでございます。
それから、今度の法案はむしろ将来的な問題としてとらまえまして、十年後にどういう状況になるかという点をつかまえまして、十年後の状況から手前へ戻って考えてきて、いまから各種の措置をした方がいいという場合に、必要最小限度の規制をするということでございます。それで、それではどちらか片一方でいいのか、特にこの本法案さえあれば騒音防止法は要らないのかと、こうなりますと、やはりそうはいきません。本法案だけでは必ずしも環境基準を満たすことができない部分も残ってまいりますので、私どもは、むしろ先ほど申し上げましたように、将来に向かって空港周辺が密集住宅化するということを防ぎながら、一方におきまして、騒音防止法の規定によりましてきめの細かい民家防音工事等の方策を講じまして、両々相まってその環境基準の達成を図るというふうな関係を考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/60
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061・田代富士男
○田代富士男君 十年先をめどにということで規制をするかわりに、それだけのめんどうも見てまいりますということでございますが、この規制と助成とがどのように関連して防音装置に生かしていこうとしていらっしゃるのか、ここらあたりをもうちょっと詳しく説明していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/61
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062・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) この法案ではWECPNLの強さによりまして二つの地区に分けることにいたしておりますが、まだその数値は現在決めておりませんが、おおむね七五WECPNL以上の地域、これは十年後ですね——を騒音防止地区というふうにいたしました。さらにうるさい八〇というものを超える地域を特別地区と、こういうふうに分けて規制をすることをまず枠組みといたしております。そして前者の防止地区につきまして、新しく家をお建てになる方は、防音構造にしなければならないという義務づけを課しております。それから後者の、よりうるさい特別地区に新しく家をつくろうということは原則として禁止をする、その禁止に伴いまして必要な補償あるいは土地の買い入れ等の要求に応ずると、こういう立て方にしているわけでございますが、これはあくまでもこの法案の規制の方法でございます。で、別途たとえば成田に例をとりましても、この法案がそういった形で適用になりましても、すでに成田空港は騒音防止法の適用対象空港でもございますので、騒音防止法の体系の中に入りますところの民家防音工事、移転補償等の仕事は、騒音防止法の体系によりまして今後も同じように続けていくと、こういう形になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/62
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063・田代富士男
○田代富士男君 そういたしますと、この法案の特定空港の指定というものは、当面、成田空港でありますけれども、将来、成田空港以外の空港についても特定空港の指定をされる方針であるかどうか、その点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/63
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064・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 当面、成田空港を考えておりますけれども、この法律は一般法でございまして、ほかの空港でも空港周辺になお宅地化可能な土地がたくさん残っておりまして、将来ほうっておきますと騒音被害の大きい宅地ができ上がるというおそれのあるところは適用対象になり得ると思います。しかしながら、やはりこれは天下りにやるわけにいきませんので、十分その地域の方々の御意見を聞きまして、適用すべきかどうかにつきましても判断をしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/64
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065・田代富士男
○田代富士男君 そういたしますと、まあ将来これは検討されることでありますが、特定空港の指定につきましては、第二条に規定されておりますところにも明らかなように、その空港の十年後におきます航空機騒音の程度及びその騒音の及ぶ地域が正確に予測されなくてはならないわけなんですが、これが非常にむずかしいことではないかと思うわけなんですね。たとえば、いろいろな問題がまつわりますけれども、十年後騒音の発生源である航空機の対策がどの程度進むのか。また、もし仮に相当に技術の進歩があるものと予測いたしまして、防止地区やあるいは特別地域を狭く抑えたところが騒音源対策が進まなかった場合にはどうなるのか。騒音被害の及ぶ範囲が結果的には広がることになるじゃないか。また、技術的に予想以上に対策が行われることになった場合には、今度は反対に周辺地域を大きく立地規制することによりまして、まあもちろんこれは補償はありますけれども、私権の制限の範囲を広げたりあるいは財政上の問題も起きてくるんではないかと、まあこういうようなことが考えられるわけなんです。だから技術的にも騒音源をどこまで抑えることができるかという限界があるわけなんです。こういう意味から考えた場合、運輸省といたしまして、成田空港その他わが国の主要空港において運輸省自身が正確な予想をされていると思いますけれども、これが間違えばいま言うとおり大変なことになりますが、それぞれの将来十年先のことを考えまして、こういうような予想のデータというものを現時点においてお持ちであるのかどうかということを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/65
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066・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 御指摘のように、大変慎重を要すべき問題でございまして、どちらに傾いてもそれなりの混乱が起こるわけでございます。現在世界の航空機技術は、スピード化よりもむしろ燃料消費の少ない、いわゆるエネルギー節約型、あるいは低騒音型、あるいは低排気ガス型、こういうことに向かってエンジンの技術者は一生懸命知恵をしぼっているわけでございまして、御承知のように、最近のジャンボ機等についておりますエンジンは、大型ファンジェットというエンジンでございまして、昔のジェット機のように、あの高温、高圧のガスをもろに吹きつけるんではなくて、その外側を大きな空気の層で包みまして、高温、高圧ガスによる騒音が外に漏れないように、なるべく包み込んでいくというふうな構造のものもございますし、またジェット機の内側に吸音材を張りつけまして、なるべく音を吸収するというふうなことでございますとか、さらには運航技術の面でなるべく地上に騒音が及ばないように早く上昇をする、そういうふうなことも考えましていろいろやっております。また航空機が大型化いたしまするならば、それだけ便数は減りますので、そういった面からも騒音低減効果がございますけれども、一方におきまして、航空機を利用する人たちの数もふえてまいりまするならば、航空機の離着陸する数はふえます。そこで機材の改良による音の低減の傾向と、それから将来のその空港を使うお客さんの伸びと、この両方から考えまして、十年後の予測値を出すわけでございます。これらにつきましては、世界各国ともそれぞれ開発された手法がございます。私どもこの法律案の施行に当たりましては、最も最新の手法を使いまして慎重に検討をいたしたいと思っております。
ただ、どんなに慎重に検討いたしたものでございましても、時の変化によりまして、見直しをする必要がある場合が出てくると思います。したがいまして、この法律によりましては、五年ごとに見直せという規定がございまして、五年ごとに必要があれば見直しをしていくと、そういうことでございまして、まず何よりも、当初の設定のときに、慎重な科学的データによって設定をするということを心がけたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/66
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067・田代富士男
○田代富士男君 この法案の第三条に規定してあります「航空機騒音対策基本方針」の案の作成に当たってはということで、いまも御説明されましたその基礎となる十年後の航空機騒音予想の算出根拠と同時に、五年ごとに行う見直し調査の内容を地域住民に公表しなくちゃならない、そして地域住民の十分な理解のもとにこれを進められるべきである、こういうふうに規定されたことだと思いますが、私はこれは非常に大事なことだと思います。
いまいろいろな法案がありますが、恐らく法案の中に案という、こういうものを取り入れられたということは、これは画期的なことではないかと思うわけなんです。そういう意味から、この航空機騒音対策基本方針は知事が策定することになっておるわけなんですが、この場合に、いま申すとおりに、地域住民の意向というものを十分反映さしていかなくてはならないわけなんです。それと同時に意見書を提出することができるとなっております、知事の作成した案に対して、これは二週間以内にと。このように住民の意見をくむような規定を盛られた法律というものは、これはいろいろ検討されてつくられたと思いますが、これ以外にどのような法律があるのか、簡単に御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/67
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068・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) この法律より大分前にできておる法律でございますが、首都圏整備法というのがございまして、首都圏整備法の規定によりまして、首都圏を各種の地域に分けまして、それぞれの助成なり規制をいたしておりますが、こういったものにつきましても、十分事前に住民の意向を徴するという仕組みになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/68
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069・田代富士男
○田代富士男君 それで、この首都圏整備法のこれも、地域住民の意見を聞くということになっておるわけなんです。この法案、今回の基本方針の内容というものを見てみた場合に、法案第三条第四項では意見書の提出をすることはできますけれども、その意見書が具体的な基本方針にどのように生かされていくのかという保証が与えられてないのであります。そうしますと、私はいまさき、これは航空機騒音対策基本方針の案の作成に当たっては、地域住民の意向が反映されるような内容になっていると言いましたけれども、保証はされてない。そうすると、この精神をくむということになりますと、運輸省は、運用面において、こういう面の配慮をしていってこの趣旨にこたえるべきだと思いますけれども、この点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/69
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070・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 法律案の上では、「意見書を提出することができる。」と書いているだけでございますけれども、何によりましても、この法案の施行に伴いまして、地域社会の意向をくみ上げるということは一番基本でございますので、一つはここにございますように、意見書の提出ということを決めてございます。
もう一つは、関係市町村の意見を聞くという規定が第五項にございまして、関係市町村長は当然その地域社会の住民のすみずみまで知っていらっしゃる方でございますから、市町村長の意見によりまして十分地域社会の意見が反映されることを期待しております。
さらに、都道府県知事がこの方針を決めようとするときには、運輸大臣、建設大臣の同意を必要といたします。私どもは、この法律案立案の趣旨及びこの法律案の審議の過程におきまして各委員の方々から寄せられました御意見を忠実に果たすために、この運輸大臣の同意をいたしますときには、都道府県知事に対しまして、地域の意見を聞いたのかということにつきましては、十分そこは詰めるつもりでございますし、仮にも地域住民の意向を無視いたしましてこの基本方針の設定を強行するというふうな事態は、ないと思いますけれども、そういうふうなことに対しましては、同意を与えないということで十分行政指導をしてまいりたい。もちろん、この辺のことは、この法律が施行になりますれば、施行に関する通達の中で十分地方の方々を御指導してまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/70
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071・田代富士男
○田代富士男君 法案の第五条第二項の運用の基本的態度についてちょっと御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/71
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072・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 第五条第二項は、航空機騒音の激しい被害が及ぶおそれのある特別地区内においての制限の規定でございます。こういった場所につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、そこが新しく宅地——宅地と申しますか、新しく住宅地になることが困るという観点から、学校、病院、住宅、これらの建築を禁止いたしております。しかしながら、ただし書きにございますように、都道府県知事が「公益上やむを得ない」と認める場合には許可をして認める、あるいはこの土地以外に建築をすることが困難かまたは大変不適当であるという場合にも許可をすると、こうなっております。
そこで、このただし書きの例外規定でございますが、たとえば「公益上やむを得ない」ものと言いますものは、交番とか郵便局とかありまして、その後ろにまあ義務宿舎的なものがあるというような場合には、「公益上やむを得ない」ものとして許可をすることになるだろうと思います。それから既設の小学校の改築、これらも小学校をかえるということは、やはり学童等にとっても大変な負担が起きますので、これもやむを得ないこととして許可をすることになるでありましょう。またそれ以外に、ほかの地域に行くことが困難かまたは大変不適当だというふうな場合には、この法律は、先ほどからお話ししておりますように、新しくそこの土地に外から住んできて住宅地をつくるということを防ぐということでございまして、その地域にずっと住んでいらっしゃる方を追い出すつもりはありませんし、またそういった既存の住民の方々が相変わらず住みたいという場合に増改築をしようじゃないかというようなこととか、あるいはたとえば農家の次男、三男の方が庭にもう一軒うちを建てようと、嫁をとるために、というふうな場合、これらにつきましてはやはりただし書きによりまして許可をいたしていきまして、地域の実情との間の調和をただし書きの運用によりまして配慮をいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/72
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073・田代富士男
○田代富士男君 いま、実施される場合についてのいろいろなことを申されましたけれども、その実施に当たりましては、法の趣旨を崩すことのないように運用していただきたいことを希望として述べておきたいと思います。
それから、この法案第五条の中にあります「防音上有効な構造」というものは、政令でどのように定められるのか、また必要な経費はどの程度と予定されているのか、簡単に御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/73
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074・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) この政令の中身はこれからつくるわけでございますが、効果といたしまして、WECPNLの値で約五、数値で五ぐらいの数値が下がるようなものを考えていく必要があると思います。具体的には、アルミサッシの窓枠というものを規定すれば、ほぼそれで五ぐらいは下がるという実験結果もございますので、おおむねそういう内容になると思います。アルミサッシは——御承知のように、最近は木の枠の窓は、木が高いとか大工さんの工賃が高いとかということでむしろきらわれまして、われわれ庶民の家でも、新築する場合には九九%近くアルミサッシになっているということでございまして、アルミサッシもかなり安くなっておりまして——具体的に一平米幾らかということは、数字を持っておりませんが、現在私どもが一般家庭で使っておりますアルミサッシと同等、または若干毛がはえた程度のもので十分間に合うというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/74
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075・田代富士男
○田代富士男君 いまの経費の問題につきまして、航空審議会の答申ではこのように言われておりますね。財産権の本質的な価値を低下させるような制限ではないと考えられるので、これに対する損失の補償は要しないと考える——つまり不要論を答申されておりますが、一方、既存の住宅に対しましては国が補助金を出しまして防音工事を助成することになっておりますが、この二つのことを比較した場合に、これで地域住民が納得できるかどうかということですね。いまさっきから、地域住民の声を反映しなくちゃならないと申しますけれども、こういうところはちょっと理解しにくい面があると思うんです。よほどのことがない限り、地域住民に理解さすことはできないと思いますけれども、これは運輸大臣、どうでしょうかね、この相反する二つのあれがありますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/75
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076・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) ちょっと私から先にお答え申し上げますが、航空審議会の答申は確かにお読みいただいたように書いてあるわけでございます。で、私ども考えますのに、新しくそこに家を建てるという方につきましては、いわばそのことを、こういう規制のある区域だということを当然御承知になってお建てになるわけでありますし、それから中身につきましても、先ほどお話し申し上げましたように、ほうっておいても普通アルミサッシ構造にするわけでございますから、格別の新しい負担をというわけにはほとんど考えられないというところから助成なしということで割り切ったわけでございますけれども、御承知かと存じますが、衆議院運輸委員会の論議の過程におきまして、新しくつくるやつはそれでがまんさせるとしても、前から住んでいる住民に対してどうなんだろう、こういうお話もございました。なるほど、前から住んでいらっしゃる方は、こういった防止地区だということを知らないで住んでいるうちに防止地区になったということもございますので、衆議院の運輸委員会の附帯決議では、前から住んでいらっしゃる方がその後建てかえ、あるいは増築等をなさる場合には、アルミサッシ構造にするための超過負担分につきましては何らかの助成をせよという御趣旨の附帯決議がございました。私ども、それを受けまして、この法律案の施行の面でそういったことを配意しながら実施をしていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/76
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077・福永健司
○国務大臣(福永健司君) いま、私からも考え方をというお話でございますが、ただいま局長がお答えいたしましたような考え方を私自身も持っております。国会等でいろいろお考えをいただいて、こうすべきであるというような御意見のことにつきましては、行政運用上よく意を用いて対処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/77
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078・田代富士男
○田代富士男君 航空機騒音防止法によります面から防音助成が行われておりますが、いま既存の建物に対してはこれはやっていきますということですが、それも一部屋か二部屋なんですね、これが行われているわけなんですが、私は、この法律が成立して施行されたならば、これを機会に全部の部屋までこれをやるように改善したらどうだろうかと思いますけれども、それと同時に有効な防音構造の技術開発というものもあわせてこれを図るべきだと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/78
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079・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 第一点の全室防音の関係につきましては、特にこの法律案が当初考えております成田空港の周辺は、御承知のように農家でございまして、多くが農家でございまして、農家は部屋というのがあるのかないのか、家全体が部屋のような感じのものでございますので、従来の考え方の部屋に対する防音工事ということではなかなかうまくいかない。そこで、成田周辺では、庭先に防音室というのを、特別の部屋をつくって、養蚕の作業室みたいな感じなんでありますが、それもなかなかやはり、飛行機が飛んできたらそこへかけ込むのかというようなことを言われているようなちょっと評判の悪いものでございまして、かねてから全戸防音をせよという声が非常に強いわけであります。
そこで、開港によりまして、千葉県知事にもお約束いたしましたんでございますが、五十三年度におきまして成田周辺につきましては全戸防音のまずテストをやる——試行と言っておりますが、テストをやりまして、その実施結果を踏まえまして引き続き全戸防音工事に踏み切るという姿勢にいたしております。
問題は、他の空港への波及でございまして、成田の周辺は幸いにして民家の数も数百軒でございますから、金の負担も二、三百億か四、五百億で済むわけでございますが、大阪空港周辺のように何万世帯というところに対しまして全室防音をやりますと、これだけで五、六千億の負担になるということもございまして、昨年の秋、ずいぶん頭を悩ましましたけれども、私どもの考えといたしましては、やはり今後航空機文明というものと、それから空港周辺の住民の方の生活というものは調和をしていくべきであるという観点から、これはやはり前向きに取り組むべきであるというふうに考えまして、もちろん一年でやるととても大変な負担になりますが、何年か計画で合理的なことをやっていこうと。合理的なと申しますのは、これを全室とか全戸と申しますと、たとえば大阪周辺でも、大変豪邸に住んでいらっしゃる方もいますし、二間、三間の人もおります。そこで、その辺の公平問題もございますので、私どもはやはり住んでいらっしゃる家族などの状況によりまして、いわば全居室防音——居間、茶の間、寝室というところを中心といたしまして全居室防音ということで考えていきたい。平均的に通常の空港周辺の状態では、われわれの住みかも同じでございますが、居室といいますれば三室前後、どんなに多くても四室ぐらいやれば、ほぼその住民の方々の生活を音から守るに足りるというふうに考えておりますので、いわばそういうふうな方向で、すでに五十二年度予算で一億円調査費を計上いたしまして、いま先生の御指摘の技術調査をいたしまして、最も効果のある防音工事はどんなものかということを調査をいたしまして、来年度以降逐次その方向で進めていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/79
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080・田代富士男
○田代富士男君 法案の第七条では、特別地区内の土地について第五条第二項による通常生ずる損失の補償を行うということになっておりますけれども、いかなる基準でこれは補償されるのか。
また、法案の第六条では、この法律による建築規則に違反して建てられた住宅については、知事は改善命令を出すことができることになっております。また、第十二条によりまして罰則も科せられておりますけれども、ところが違法建築であることを知らずに、御本人は善意の立場といいますか、何も知らずに住宅を購入した。それで、現に居住している人に対して、このような不当な負担をかけるようなことのないように、この点は十分配慮をしていただきたいと思いますし、根本的にはこの法律に違反した住宅を善良な人々に販売する悪徳不動産業者に対する監視の目というものを厳重にしていかなくちゃならないと思いますけれども、この点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/80
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081・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) この法律は、住宅を建築することを禁止いたしておりますので、当然いまのような場合には、悪徳業者に対してこの法律の罰則が及ぶわけでございます。不幸にして、そういった手続の済まないうちに善良な第三者がお買いになってしまったという場合に、そういった方にこの法律の罰則を適用することは、これは正義ではございませんので、その点につきましては十分配慮をいたしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/81
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082・田代富士男
○田代富士男君 最後にいま申し上げました、そういう不動産業者の監視と同時に、まず建築確認のときに十二分にチェックすることが肝心ではないかと、同時に、空港周辺の土地はできるだけ公用地にしていくことが今後の方針ではないかと思うわけなんです。そういう意味におきまして、大臣の今後の決意をお聞きいたしまして私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/82
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083・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 段々御指摘のように、問題点はたくさんございます。これらの点につきまして、できるだけ納得のいくような措置が講ぜられていくように今後とも努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/83
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084・内田善利
○委員長(内田善利君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
午後零時三十二分休憩
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午後一時三十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/84
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085・内田善利
○委員長(内田善利君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/85
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086・内藤功
○内藤功君 三月二十六日の白昼に起きた成田空港の事件につきましては、これは私どもは非常に重大な暴力事犯だと思います。その根源は、やはりいままで多くの国民から警告、指摘されておったにかかわらず、多くの警察官は動員しながら、効果的な的確な対処というものにおいて非常に欠けるところがあった。また、今度の事態は非常な重大な失態である。そして私は、こういう重大な失態は、単に政府当局者が今後繰り返さないように反省するというそれだけで済む問題ではなくて、やはりいままでの政府の一貫した態度の中にこういう過激派暴力集団——私どもはこれをにせの左翼だと言っております。政府の言葉で言う過激派暴力集団に対する一つの非常に甘やかした政策、それからこれをある政治的な意図のもとに野放しにしていたんじゃないかという批判さえ出てくるようなこういう政策が、私は今日の重大な事態を引き起こした原因である。単に警察の失態だけということ以上の問題があるのではないか、こういうふうに考えているわけなんであります。しかし事実関係について、私どもなお警察当局、運輸当局に聞いておきたい点がありますので、若干の質問を行いたいと思います。
まず警察庁にお伺いをいたしますが、昨日実は予算委員会の緊急質問で、私、ごく短時間の質問でありましたが、警備局長にお尋ねしたのですが、その御答弁だと、成田周辺に居住しているこういう暴力集団の数はどのくらいかという点について、三十三の宿舎というか、拠点がある、そして約百六十人の常駐者がおる、したがっていわゆるセクトというのも三十三セクトである、こういう警備局長の答弁をきのう得たわけなんでありますが、まずこの数字は間違いないかとあなたに聞くのも聞きにくいのだけれども、この数字は確認してようございますね、議論の出発点として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/86
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087・福井与明
○説明員(福井与明君) これは成田におります極左のつかみ方というのは、なかなかむずかしいわけでございますけれども、まず三十三のいわゆる団結小屋と申しますか、拠点ということでございますが、これは現在彼らが使っておるということで申し上げますと、そのとおりでございます。いわゆる彼らの団結小屋であって、現地闘争のときだけに宿舎として使うといったものも若干ございますけれども、現にいま使っておるということで申し上げますと、三十三の団結小屋、こういうことで理解しております。
それから百六十人の常駐という点も、これは若干増減がございますけれども、常駐者ということで申し上げますと、その程度の者がおると、こういうことでございます。
それからセクトでございますが、これは局長は三十三の団結小屋ということに合わせてそれと同じくらいのという分類で申し上げたようでございますけれども、これをもう少し整理いたしますと、十数のセクトに分かれようかと、こういうことに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/87
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088・内藤功
○内藤功君 そうすると、セクトは三十三というのは正確じゃなくて、十数個に分かれると、こういうことですか。その名称はどういうような名称でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/88
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089・福井与明
○説明員(福井与明君) 名称でございますが、一つはいわゆる中核派でございます。それからもう一つは、いわゆる第四インター日本支部でございますが、それから革労協も持っておりますし、それからブント系もそれぞれ持っております。革マル派を除きます極左が共同で持っておるのもございますけれども、大体この地域に大なり小なりそういうものを持っておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/89
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090・内藤功
○内藤功君 今度の二十六日の空港突入事件では、これらのセクトのうちの主力になったのはどれというふうに警察は判断してますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/90
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091・福井与明
○説明員(福井与明君) これはまだ自供いたしませんので確認というわけにはまいりませんけれども、かぶっておりましたヘルメットその他諸般の状況から判断いたしまして、主力は第四インター日本支部と、こういうふうに現在では判断をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/91
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092・内藤功
○内藤功君 百六十人の常駐者ということなんですが、この常駐者の職業なり年齢なり、あるいはそのいわゆる職業的なこういう活動をしておる人たちなのか、そこらあたりはどう把握しておりますか、百六十人の大きな内訳としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/92
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093・福井与明
○説明員(福井与明君) これはまことに実態をつかむことはむずかしいわけでございますが、いわゆる援農と称して、あそこで事実上自分たちで農業の手伝いをやっておる者もございますし、あるいは一週間のうちの若干の日数をいわゆる都会へ出てほかのアルバイトをやると申しますか、そういうことをやっておる者もあるようでございますが、ただ農業の手伝いをやっておると申しましても、あくまでもあそこでずっと反対をやってきております農民の人たちと彼らとは、空港建設に反対という点が一致するだけで、実態は、彼らは三里塚闘争の核心は、日帝国家権力との非和解的な実力闘争ということで申しておりますから、彼らは彼らなりに自分たちの主張に基づいた暴力革命を実践するつもりでやっておるわけでございますから、形は農民に近い形をとっておりましてあくまでも極左は極左と、地元の農民の人たちは農民と、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/93
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094・内藤功
○内藤功君 この百六十人の常駐者のいわゆる資金源、活動資金というものについてはどういうふうに把握してますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/94
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095・福井与明
○説明員(福井与明君) これは資金についてもなかなかむずかしいわけでございますが、援農をやりまして、いわゆる金という形でなくて、いわゆる物の形で報酬を得るということがあるようでございます。それから極左の場合、最近では学生よりもむしろ反戦系労働者と申しますか、いずれかに働いて職を得ている者が全体としては多いわけでございますから、そういう者からカンパという形で資金を得て活動を続けておるという実態もあると、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/95
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096・内藤功
○内藤功君 公団総裁に伺いますが、いまお聞きになっておって、成田の空港の周辺にこういうような——繰り返しませんが——状況であるということは認識しておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/96
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097・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 私どもも主として情報は警察の方面から得ております。そのほか現地で私どもの職員が得た情報というものもあわせておりますが、ただいまお話がありましたような大体状況というふうに私どもも認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/97
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098・内藤功
○内藤功君 運輸大臣にお伺いしますが、いまのような成田空港周辺の暴力集団の状況ですね、これはちゃんと把握しておられましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/98
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099・福永健司
○国務大臣(福永健司君) ちゃんと把握しているかというお話でございますが、率直に申しまして、十分正確に把握しているというところまでは私は自信を持って言い切れないのです。その種の者が相当程度いるということについては認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/99
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100・内藤功
○内藤功君 航空局長に伺いますが、きのうも実は別のところで大臣にはお聞きしたのですが、世界の国際空港数多しといえど、このようにいわばハイジャックの予備軍とも言うべき人たちが、ぐるっと空港の至近距離に拠点を置いて囲んでいる、こういう国際空港はちょっとほかに例がないだろうと思いますが、これに似たような状況にある空港を御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/100
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101・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 私も新聞程度の知識しかありませんけれども、そういうものはほかには余りないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/101
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102・内藤功
○内藤功君 警察と公団に伺いますが、この空港予定地の南部、空港の南部の騒音規制区域に位置する約二百七十ヘクタールの公団買収済み農地のうち約八十六・九ヘクタールと言われる公団及び県の所有地があります。暴力集団に占拠されて数年間ここが畑、耕作地になっていて、そこで野菜をつくって売っている。それが一つの食糧基地の体をなしている。こういうことが言われておりますが、この事実はお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/102
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103・角坂仁忠
○参考人(角坂仁忠君) 不法占拠と不法耕作でございますが、お答えいたします。
不法占拠は、いま現在で三百六十四平米四筆が不法占拠されております。それから不法耕作でございますが、いま御指摘ございました二百七十ヘクタールは、騒音地区の買収でございますが、事業用地内及び騒音規制区域を合わせまして八十六・九、約八十七ヘクタールの土地が不法耕作されておるわけでございます。このうちはっきり学生とわかりますものは全部で約五町歩でございますが、そのほかいわゆる反対同盟と申しますか、学生以外の反対農民、これには先ほどお話ございました、学生が援農しておるだろうと思われるものが約二十五ヘクタールございます。そのほかに一般農民と申しますか、よくわからないわけでございますが、旧地主さんでまだ移らないでつくっているというものを合わせまして約八十七ヘクタール、こういうふうに私ども調査いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/103
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104・福井与明
○説明員(福井与明君) 八十六・九ヘクタールの耕作者の実態については、ただいま公団の方から御答弁があったとおりというふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/104
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105・内藤功
○内藤功君 そうすると、もう一遍警察と公団に伺いますが、こういう公団なり県なりの所有地に権利なく、権限なく耕作をしてきたという事実はお認めになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/105
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106・角坂仁忠
○参考人(角坂仁忠君) 認めざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/106
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107・内藤功
○内藤功君 警察もよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/107
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108・福井与明
○説明員(福井与明君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/108
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109・内藤功
○内藤功君 そうすると、公団に伺いますが、これに対する刑事告訴、これはやられたことがありますか。あるとすれば、いつごろやりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/109
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110・角坂仁忠
○参考人(角坂仁忠君) 不法占拠につきましては二件ばかりございますが、不法占拠の排除ということで告訴いたしております。
不法耕作につきましては、いろいろ御指摘もあることでございますが、八十六・七ヘクタールといいますのは、いわゆる五月、六月の最盛期の面積でございまして、現在ですと、そういう意味の不法耕作と言われておりますようなものはほとんどございません。しかし、またそういう時期になりますとされるだろうというようなことは考えられるわけでございますが、不法耕作につきましては、そういう意味の排除を委託したことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/110
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111・内藤功
○内藤功君 公団と警察に伺いますが、こういう不法耕作、そのほかに不法建築というものもありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/111
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112・角坂仁忠
○参考人(角坂仁忠君) 先ほどの不法占拠と申しますものは建築物でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/112
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113・内藤功
○内藤功君 そうすると、これも公団と警察に伺いますが、その不法建築あるいは不法占拠、不法耕作という行為に対して告訴があった。警察の方のお取り扱い状況はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/113
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114・福井与明
○説明員(福井与明君) これは岩山地区にあります、彼らが野戦病院と称している建物でございますが、現在も不動産侵奪の容疑で捜査を続けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/114
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115・内藤功
○内藤功君 これ告訴してから大分日がたっておるようですが、ずいぶん長くかかっているようですが、何か事情がありますか。私の調べでは三年ぐらいかかっていると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/115
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116・福井与明
○説明員(福井与明君) 侵奪されております土地の区域がまだ十分特定されておりませんことと、関係者からの事情聴取がなかなか進んでおらない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/116
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117・内藤功
○内藤功君 占拠の区域の確定と参考人の事情聴取が進んでいない。参考人は、被害者側の事情聴取はやれるはずだと思うし、それから地域の確定も不可能なことじゃないと思うんですが、何か処理としては非常におくれておって、常識的に、三年というのはちょっと理解ができないんですがね。どういうような事情でしょうか、さらに伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/117
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118・福井与明
○説明員(福井与明君) 要するに、関係者からの事情聴取等はほぼ九割方は終わっておるわけでございますが、まだ若干事情を聞かなければならない相手でなかなか応じないということで進んでおらない点があるわけでございますが、鋭意捜査を進めたいと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/118
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119・内藤功
○内藤功君 この点は、これで捜査はもうできないから最後の捜査のとりでというか、最後の相手方の何というか、中心的な人物が来ないから、もうこれは進められないというような状況なのか、あるいはさらにあらゆる法的手段を尽くして捜査を前向きに進めて完結するという考え方なのか、その点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/119
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120・福井与明
○説明員(福井与明君) 前向きに捜査を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/120
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121・内藤功
○内藤功君 次に、ちょっと話が変わりますが、いままで成田周辺でいろんな暴力事件が起きましてから動員された警察官の数ですね、これは大ざっぱな数でよろしゅうございますけれども、どのくらい出たのか。私はけたを知りたいわけなんです。あなた方のいま手持ちの数字で答えられるのがあったら出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/121
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122・福井与明
○説明員(福井与明君) ごくごく大ざっぱな数字でございますが、約九十万。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/122
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123・内藤功
○内藤功君 延べの数だと、こういうふうに理解していいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/123
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124・福井与明
○説明員(福井与明君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/124
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125・内藤功
○内藤功君 そうしますと、これもそれに照応する程度の大づかみなけたを私は知りたいわけです。細かい何円何銭までは要求しませんが、大きな数字としてこの九十万を現地に動員するに要した経費ですね、これはどのくらいかかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/125
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126・福井与明
○説明員(福井与明君) これはいずれも国費でございますが、たとえば現在一万三千の警察官、そのうちの一万は千葉県以外の他県からの応援でございますが、こういう者もまだ警備中でございますし、これだけを、九十万を取り出して幾ら経費がかかっておるかということについては、それだけを取り出した計数というものは、そういう計算をしておりませんし、手元に持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/126
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127・内藤功
○内藤功君 それではこう聞きましょう。制服の警察官一人を派遣するのに一日どのくらいの経費を要しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/127
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128・福井与明
○説明員(福井与明君) 数字を手元に持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/128
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129・内藤功
○内藤功君 これは国の大事な予算を使って、成田の施設もそうですし、それから警備に要する警察官も、みんなわれわれ国民の税金から出ているわけなんですから、こういった点をわれわれ知りたいと思うんですね。そこで、資料を調べていただいて報告していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/129
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130・福井与明
○説明員(福井与明君) 実は、いわゆる予算の費目と申しますのが委員御指摘のような形で独立して仕分けがされておるわけでございませんので、それだけを取り出して費用幾らというふうにはちょっと計算できないと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/130
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131・内藤功
○内藤功君 いろんな予算の費目があるのはわかりますけれども、大体常識的に警察官一人を派遣するのに幾らかかるか、一日幾らかかるか、そういう質問ですがね、ごくわかりやすい質問ですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/131
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132・福井与明
○説明員(福井与明君) できるかできないかにつきまして検討をしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/132
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133・内藤功
○内藤功君 ひとつ、なるべく正確に出していただきたいということを要望しまして次の質問ですが、いままでこの成田空港に関連をして過激派暴力集団グループに対する刑事事件がずいぶん立件されたと思うんですが、いままでの逮捕された人の数、総数、送件された者の数、これは大体二千六百人と私聞いておるんですが、それで間違いないかどうか。もし間違いないとすれば、二千六百人について所属のセクト別に分類して、大体どのセクトに属する者が多いという資料をあなた方は持っているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/133
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134・福井与明
○説明員(福井与明君) 丸い数字では四十一年以来二千四百人というふうに理解しております。所属のセクト別の数字は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/134
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135・内藤功
○内藤功君 セクト別に分類するという作業は警察ではやっておらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/135
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136・福井与明
○説明員(福井与明君) ある時点でごく特定の事件について、いわゆるどのセクトが中心ということはわかる場合がございますけれども、セクト別の分類というのはやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/136
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137・内藤功
○内藤功君 それでは、二千四百人の罪名別の分類はやっていると思うんですが、どういう罪名が多いか。その二千四百人の中の罪名はどういう罪名が多いか、これはおわかりになるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/137
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138・福井与明
○説明員(福井与明君) これはもう事犯の性質上当然でございますが、凶器準備集合、傷害、公務執行妨害、火炎びんの使用等の処罰に関する法律、暴力行為等の処罰に関する法律の事犯が主たるものである、こういうふうに理解しております。罪名ごとの計数は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/138
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139・内藤功
○内藤功君 千葉県当局が、非常に警備関係の費用についての負担が深刻で重大である、空港が国家的事業であるのに、しかもその警備は国の公安に関するものという法律の条文にも当たるのに、千葉県は最近約五億円の負担をしている、国か公団で負担をせよと、こういう要求を出されたようですが、公団総裁、こういう要請は受けましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/139
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140・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 新聞ではちょっと拝見しましたが、私どもの方に正式な要請とか申し入れはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/140
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141・内藤功
○内藤功君 次に問題を進めます。
私は、警察の運用というのは、特にこういう日本の歴史の中でもまれに見る大規模な、また狂暴な集団に対しては、情報のキャッチというか、情報の収集が、まず事の解決を半分決めるんじゃないかと思うんですね。それで、警察に伺いたいのは、この過激派暴力集団の動き、これは成田に一応特定しますが、情報は、どのような方法でこの人たちの動きを事前にキャッチしているのか、そういうことをまず概括的に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/141
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142・福井与明
○説明員(福井与明君) まず、彼らの機関紙と称するものがございます。今回の事件に関して申し上げますと、三月十三日付の「前進」でございますけれども、われわれはこの三月の三里塚決戦において、二つの十一月をも乗り越える大決戦に打って出たと、こういう記載がございます。これからもいろいろなことが判断できるわけでございますが、二つの十一月と申しますのは、四十四年の十一月の十七日から二十六日にかけましての佐藤総理が訪米なされた際の反対闘争が一つ。それから、四十六年の十一月十四日の例の渋谷暴動と称する事犯、それから同じ年の十一月十九日の日比谷の松本楼の焼き打ち事件。この四十四年と四十六年の十一月の闘争を指しているわけでございます。彼らとしては大変に組織をかけて盛り上がった闘争ということを言っておるようでございます。ですから、二つの十一月を乗り越える、ということは、今回の闘争について彼らとしてはまさに組織を挙げて取り組むということを一つ言っているわけでございます。それからもう一つは、五十年の九月に陛下が御訪米になりましたが、そのころから出ているわけでありますけれども、四十四年、四十六年当時は街頭ゲバをやっておったわけですが、このころから街頭ゲバとゲリラの組み合わせということをやっております。二つの十一月を乗り越える、というのは、やはり、そういうかつての四十四年、四十六年当時を戦術的にも乗り越えるということを言っておるというふうにとるわけでございます。
そういうことで、非常に彼らとしては組織を挙げての、しかも彼らの言う正面作戦と申しますか、それとゲリラ戦との組み合わせでくると、こういうことがこの機関紙の文句からも読みとれるわけでございます。
それからまたその中に、ずっと読んでいきますと、機動隊を非常に向こうの正規戦と申しますか多くの数で攻めるというくだりがございますし、関連施設を攻撃するというくだりもございます。それからジェット燃料輸送の列車を実力でとめるというくだりもございます。ですから、こういうことが現地あるいは現地周辺では大きな彼らの戦術の柱であろうということがこれで読み取れますし、それからわれわれは戦場を選ばない、文字どおり無制限であるということを言っておりますから、現地だけでなしに、現地の闘争に呼応して首都圏等で、あるいは公団の施設とか警察の施設に対する攻撃をかけるかもしれない、さらに首都圏以外でもそういうことがあり得る、こういうことをこれで読むわけでございます。そのほかにも、現地の彼らの動きを実際に警察官が足を使って見るということはもちろんやっておりますけれども、そういうものをあわせまして彼らの出方を把握して警備方針を立てていっておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/142
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143・内藤功
○内藤功君 いまの「前進」というのは、さっきのお話の第四インターの機関紙ですか、違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/143
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144・福井与明
○説明員(福井与明君) これは中核派の機関紙でございます。第四インターは二月二十七日に「世界革命」という彼らの機関紙で、やはり三月二十六日から四月二日にかけてはいわゆる彼らの力を挙げて取り組むという趣旨のことを言っておりますし、それからもう一つの三里塚での主要セクトであります革労協も二月十五日付の彼らの機関紙の「解放」で、中核なり第四インターとほぼ同趣旨のことを言っておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/144
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145・内藤功
○内藤功君 そういうふうに各派の機関紙を入手しておられるようですが、これらの機関紙は大体その機関紙の日付のころに入手したものですね。また、どういう方法で入手をするのか、差し支えなければお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/145
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146・福井与明
○説明員(福井与明君) これはいわゆる極左と申しますか新左翼と申しますか、そういうものの書籍とか機関紙等を売っておる本屋というものがございますから、そういうところから入手をしてくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/146
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147・内藤功
○内藤功君 いまの話だと、大体機関紙を入手したり警察官が足で歩いて情報を集めてきているということが伺えたわけなんですが、具体的に今度のおとといの三月二十六日の行動、特に三月二十六日にはそういう集団がどういう動きをするであろうか、どういうふうな具体的な動員をし、どういう行動をするであろうかということも、それだけの情報収集能力がおありですから、当然相当事前に察知、予想されたと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/147
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148・福井与明
○説明員(福井与明君) いろいろ総合しまして警備方針をつくったわけでございますけれども、午前中も御答弁申し上げましたように、一つは空港の施設等に対する彼ら集団で、あるいはゲリラで侵入をしてきて事犯を敢行するということ、それからもう一つは空港の内外の関連施設そのものに対するやはり攻撃、それから東関道等の自動車道等に対して何か交通を妨害するような事犯を敢行するおそれがある、あるいは団結小屋と称する彼らの拠点から出まして、さまざまな不当行為を敢行することがある、こういうことを現地では主要な事犯敢行の事態ということで想定をしまして、所要の警備方針を組んでおったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/148
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149・内藤功
○内藤功君 主要な攻撃目標を管制塔——コントロールタワーにおいて、そしてほかの勢力でいわゆる陽動という行動を行って、そこに警察の機動隊の部隊を引きつけておいて、みずから所期する方向の管制塔に突入して破壊をすると、こういうこの間彼らがやった行動、これは一つの可能性として予想しておったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/149
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150・福井与明
○説明員(福井与明君) 一番機を飛ばさない、ということはございましたので、それはいろいろな可能性は考えておりました。コントロールタワーはもちろんでございますが、たとえば滑走路等に侵入をして何かをやればこれはやはりもう飛ばないわけでございますし、もちろんターミナルビル等についても、これは直接旅客が利用する場所でございますから、いろいろな可能性を考えて、いわゆる非常に広い地域でございますが、しかも彼らは多面的な戦術をとっておるということで、それに対する手だてを考えた警備の手の打ち方をやっておったと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/150
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151・内藤功
○内藤功君 「戦旗」という機関紙は、これはどういうセクトの機関紙ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/151
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152・福井与明
○説明員(福井与明君) これはまあ二つございますが、いわゆるブント系の「戦旗」の、いわゆる通称われわれは荒派と称しておりますが、それから両川派と称する、いずれも「戦旗」です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/152
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153・内藤功
○内藤功君 この「戦旗」の三月の二十日の号に「空港包囲・突入・占拠の一大戦闘体制をうち固めた」という言葉が出てきているんですね。これはごらんになったことがあると思うんですけれども、私の入手したのはごく一部でありますけれども、こういうふうに具体的に空港を目指した突入の態勢というものをしいているということがもう三月の二十日、つまり事件の六日前に、六日前の日付でまかれているんですね。それから私の方でも事件直後まだ、事前にこういう具体的な動きがどのようにあったかということを調べ切っておりませんけれども、私どもの方で調べたところでは、これは付近の農民の方、それから当日目撃していた人から幾つか聞き取りをやったわけです。たくさんありますが、端的なものを二つ、三つ言っておきますから、これに対する評価と御判断を伺いたいと思います。
一つは、事件当日の一カ月ぐらい前から芝山町を中心に、一カ月前からですよ、空港に突入すると、機動隊を鉄塔に引きつけて突入すると、機動隊を鉄塔の方に引きつけて空港に突入するということを農民の間に暴力集団の分子が口頭で宣伝していた、これが一つ。
それから二番目の情報、二十五日と二十六日のあの日の午前中に第二要塞に機動隊を引きつけるというビラをまきながら宣伝した、このビラが出ているらしいんですが、私は入手していないんですが、警察はこれを知っているかどうか、知っていたかどうか。
三つ目の情報、トロツキストが空港に——これそのまま言います。トロツキストが空港に突入したら、管理棟を攻めると言っていた、ということが農民の間で話されていた。つまり、彼らが空港に突入したら管理棟を攻めるということがうわさされていた。
まだいろいろありますけれども、いま非常にはっきりした情報としてこの三つです。一カ月前から、さらにその突入の前日、口頭それから一部ビラで鉄塔、いわゆる要塞と称する方に機動隊を引きつけておいて空港に突入するということが言われていた。これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/153
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154・福井与明
○説明員(福井与明君) ただいま委員がお示しになりましたビラは、残念ながら入手をしておりません。ただ、この内容でございますが、鉄塔に引きつけて突入という部分でございますけれども、これは私の方も読みはしておりました。ただ、横堀のあの彼らの第二要塞と称するものの上に鉄塔を建てまして、航空法違反の現行犯の状態が出ますと、これを放置するわけにはまいりません。したがいまして、当日はこのいわゆる一万三千の体制のうち二千を横堀の航空法違反の状態を除去をして、いわゆる犯人を検挙すると、そういう活動に当たらしておったわけでございますが、空港の警備につきましては、これはまあ彼らは正規戦とゲリラとの組み合わせを言っているわけでございますから、ある一点に非常にまたこちらがこだわりますと当然またほかの攻め方をしたと思いますが、さっき申し上げましたように、管理棟も滑走路もその他の重要な施設もいずれも彼らのゲリラ等の目標にはなり得たものであろうと。ですから、彼らはもう非常に特定的にどうということではなくて、幾つかの目標を掲げながら最も彼らとして効果的と思われる時点に効果的な目標を攻撃するということであったろうと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/154
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155・内藤功
○内藤功君 いずれにしても彼らがまいた事前の情報、あるいは農民の間にまき散らしたこういう攻め方をするぞという情報は、そのままやることもあるし、またあなたが言うようにその逆手をとっていく手もありますがね、本当にやることもあり得るわけですね。したがって、向こうが言っている情報をキャッチしたとしたならば、本命のこの空港管制塔、この管制塔にはどうしても警備を強めると。
私はまず空港公団総裁に伺いたいんですが、あのコントロールタワーのビルですね、あれを二十六日に警備しておった人員は何名ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/155
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156・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 直接玄関で公団関係で警備をしておりましたのはガードマン五人でございます。ただ、警備本部を管理棟の中に公団として設けまして、まあこれは直接その警備というか、侵入者に相対するということではないんですが、警備本部で働いておりました公団役職員は百十名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/156
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157・内藤功
○内藤功君 その百十名の人は、そういう非常事態、緊急事態があって暴徒が侵入してきた場合には直ちにしかるべき物を持って抵抗をする、警備に当たるという訓練は受けている人ですか、全然受けておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/157
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158・大塚茂
○参考人(大塚茂君) この百十名といいますのは、大体警察方面との連絡とか、いろいろ補給関係とか情報の伝達とか、まあいろいろどちらかというと指揮系統といいますか、事務系統の仕事をやっておりまして、直接侵入者に相対するという訓練ももちろん受けておりませんし、また職責も持っていないという者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/158
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159・内藤功
○内藤功君 警察に伺いますが、当日三月二十六日の日にコントロールタワーの建物の周辺の警備を増強して、そしてその機動隊を一個中隊ぐらいでも派遣をするという判断はしなかったらしいんだが、それはどうしてなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/159
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160・福井与明
○説明員(福井与明君) 当日は、横堀の警備とそれから三里塚の第一公園に極左四千五百を含めます八千くらいの人数が集まっての集会、その後大清水コースと岩山コースに分かれてのデモがございました。これの警備とそれと空港の警備とその他と大きく分けますと四つに分かれますが、空港につきましては、空港の外周と空港の中を含めまして二千の部隊で警備に当たっておりました。
さらにこの管理棟の付近について申し上げますと、一個大隊二百二十人の部隊をいわゆる二交代制で警備に当たらせておったわけでございます。そのほかに空港管理棟そのものにつきましては、空港署の警察官四十五人で警備に当たっているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/160
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161・内藤功
○内藤功君 しかしこの四十五人は、マンホールから出てきた十数名の暴力集団に対しては、対抗して防護措置を講ずることができないままに終わってしまったわけですね。この四十五人というのは一体どこにいたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/161
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162・福井与明
○説明員(福井与明君) 零時五十分ころに、京成の新空港駅の傍らのマンホールから出たと思われる二十人のグループが出現するわけでございますが、これについては、出現したほぼそのころの時点に、周辺を警戒しておりました空港署員四人がこれを制止しようとしておるわけでございますが、一瞬彼らもひるんで、二十人のうち五人はそこからすぐに逃走をしております。残りの十五人がこの警察官に火炎びんを投てきして、さらに管理棟そのものの警戒に当たっておったガードマンに火炎んびを投てきして中に侵入したと、これが実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/162
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163・内藤功
○内藤功君 次に伺いたいのは、いわゆる地下道を掘ったり、それからマンホールを利用したり、つまり地面の表面より下の方で移動をしたり行動するということは、これは成田闘争でも昔からよく使われた戦術だと思うし、警察は当然この地下道あるいはマンホールというものを常時警戒して、特に出口入り口というものを警戒して、ときには中を検索するということをやっておくべきだったのに、現場から約八百メートルしか離れていないマンホールから突入を許してしまった、この点、私は非常な手抜かりだし、それからこれはちょっとわれわれにとって理解のできない重大なやはり手抜かりだと思うんですね。前にも、午前中にも御質問がありましたけれども、常時こういうことをやっていなかったのかと、あるいは特にこの二十六日前後にほかの大集会へ手が割かれちゃって、こっちまで手が回らなかったのか、そこの点の詳しい状況をお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/163
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164・福井与明
○説明員(福井与明君) 空港には、マンホールの入り口が四百カ所以上あるようでございますけれども、空港外に出ておりますのは七カ所でございます。そのうちの六カ所につきましては、これは公団側ともよく相談をしまして、容易には破壊できない、非常に丈夫な、二センチくらいの直径を持っておる鉄の棒の格子状のものでいわゆる防護をしておるわけでございますが、今回入られました一カ所につきましては、午前中御答弁申し上げましたように、この点は私の方も遺憾であると思っておりますけれども、実際に実査をしなかったということで、地図の上で押さえておったものですから、六カ所については押さえをしたわけでございますけれども、この一カ所だけは観音開きのままになっておって、そこから入られたと、現在ではすでに溶接をしてふさいでおりますけれども、そういう状態であったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/164
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165・内藤功
○内藤功君 こればっかりは現在でやったんではどうしようもないんですね。どうしてなんですか、くどいようですが。なぜ六カ所はやって一カ所はやらなかったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/165
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166・福井与明
○説明員(福井与明君) 午前中も申し上げましたように、六カ所は地図の上にマンホールの通路がずっと出ておりまして、ですから管理棟に比較的近いマンホール口から通じておる状況がこの地図上明らかなわけでございます。したがいまして、入り口を実査をして確認をして、この入り口から通じる通路ということで、その通路の出口は全部ふたをしたつもりだったわけでございますけれども、新しい工事のために地図に出ておらなかった一カ所について、こちらの把握ができなかったと、したがいましてただいま御答弁申し上げましたように、観音開きのままであったと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/166
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167・内藤功
○内藤功君 警察はそうすると、マンホールというものを確認するには書いた図面で確認するんでありますか。現物で確認をしないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/167
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168・福井与明
○説明員(福井与明君) マンホールの口については実際に実査をして確認をしておるわけでございますけれども、これの通路については、これはマンホールを実際におりて行って、通って行きますと、これは当然わかったわけでございますが、その点の実査が不十分であった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/168
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169・内藤功
○内藤功君 重大な失態だと私は言わざるを得ないと思います。
次に、エレベーターですが、午前中もこれも御質問がありましたが、私、なお聞きたいのは、たしかエレベーターは七階行きと十二階行きと二つありますね、総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/169
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170・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 七階行きと十三階行きでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/170
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171・内藤功
○内藤功君 重ねて聞きますが、七階行きと十三階行きと二つあるのはどういうわけですか。警備上の理由があるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/171
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172・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 警備上の理由でございまして、真っすぐ十三階まで行けないように配慮したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/172
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173・内藤功
○内藤功君 警察に伺いますが、この突入した暴力集団の連中はどっちのエレベーターに乗ったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/173
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174・福井与明
○説明員(福井与明君) これは彼らは全然いまのところ自供をしませんので、判断による以外ないわけでございますが、確認というわけにはまいりませんけれども、七階行きのエレベーターに乗ったと、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/174
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175・内藤功
○内藤功君 これもあなたの判断で結構ですが、七階行きのに乗って、それから階段を上がったという判断ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/175
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176・福井与明
○説明員(福井与明君) これは十三階行きのエレベーターに乗りかえたか、階段で上がったかは残念ながらつまびらかにしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/176
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177・内藤功
○内藤功君 ここらあたり重大な問題ですが、今度は窓から表に出て、そして管制室、管制盤の置いてある管制室に入る、その途中の何といいますか、上り方は通常の人間で可能ですか。特殊な素養というとおかしいが、特殊な技能、訓練あるいは身のこなしを持った人間でなければ、あれは六十メートルぐらいですな、そして風も強いですわね。それから足場だって下見て普通の人だったらすくんじゃいますよ。ああいうところを上がって行けるというのは、あなた、警察のプロでいらっしゃるが、どういう人間にでもできるということではないと、私は素人ながら思いますですよ。捜査の専門家としていかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/177
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178・福井与明
○説明員(福井与明君) これはどの警察官にできて、どの警察官にできないということはなかなかむずかしいことでございますけれども、実際に検挙活動に当たりましたのは、要するに、ああいう高所でも活動をやっております警視庁の機動隊の中のそういう部隊要員であるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/178
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179・内藤功
○内藤功君 私は聞き方が悪かったかもしれぬが、警察官のことを聞いているんじゃない。警察官のことを聞いているんじゃなくて、警察官の前に上がって行った人たちのことを聞いている。彼ら——暴力集団ですね。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/179
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180・福井与明
○説明員(福井与明君) それは私も現場を事後に見てまいりましたけれども、物理的には無理をすれば手の届くところにございますので、非常に身の軽い者であれば上れる場所であろうというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/180
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181・内藤功
○内藤功君 失礼ですが、課長、あなただったら上がれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/181
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182・福井与明
○説明員(福井与明君) 警視庁の実際に検挙に当たりました部隊を指揮した隊長が、実際に無事で隊員が十六階にとっついて安全に検挙活動を終わってくれればいいがということを心配した状況でございますから、確かに委員御指摘のように、ごく普通の人であればなかなかむずかしいと申しますか、かなりはらはらする状況ではあると、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/182
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183・内藤功
○内藤功君 こういった彼らがどういう意図で、どういうつながりがあって、どういうふだんから一種の訓練などをやっているのかということも厳しく捜査をして、こういうものの再発を防ぐという努力を要求したいと思うんです。
次に聞きたいのは、非常に遺憾な言葉だと思うが、こういう運動をやっている指導者の一人は、ある新聞の記者会見のときでこう言っておるんです。近代的、科学的な兵器が開発されつつあり、飛行妨害用に使われるだろう。——彼らの側ですね。彼らの側で、近代的、科学的な兵器が開発されつつあり、飛行妨害用に使われるだろうという発言を私はある新聞で見て驚いたわけなんですが、警察はこれをどういうふうに理解をしておるのか。いまでも大変なのに、近代的、科学的な兵器を開発して飛行妨害に使うということについてはどういう認識でおるのか。また、何を意味していると判断をしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/183
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184・福井与明
○説明員(福井与明君) それは、まあこれだけの情報で判断をしろとおっしゃいましてもなかなかむずかしい点でございますけれども、飛行妨害ということで申しますと、たとえばラジコン式の飛行機を飛ばすとかあるいは妨害電波を流すといったふうなことが当然考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/184
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185・内藤功
○内藤功君 次に、私はまあテレビを見ておって一番不思議に思ったことの一つは、ラッセル車のようなこういう大きな出っ張ったものをトラックの前部にくっつけて、そのトラックの荷台の方に彼らが乗りまして、そして火炎びんを投げながら車が疾走すると。その車は、警察のジープですな、ジープの後をずうっと追うようにして空港の近くまで突入していくと、この場面ですよ。で、テレビの説明だと、ジープの中からは空に向けてピストルの威嚇射撃を何発か行ったと、こういうことですが、こういう暴力集団に対する警察官の対応としてはこれでいいのかと、つまり結果的には、ジープが先導車の形をなして彼ら集団のトラックをば空港にこう誘導していった形に、われわれ一般国民、聴視者から見ればそういうふうに見えるわけですよ。私はそうは思わないけれども、私の周辺の人間の中では、同じピストルを撃つならば、あのタイヤを撃って、とめて、そこで検挙にかかると、あるいはタイヤを撃ってとめて、自分はどこかへ連絡に行ってこちらの機動部隊を誘導するというふうなことが当然じゃないかということを言う人もいるわけですね。国民はいろいろあれについては疑問を持っていて、警察の車に誘導された形になっているような印象を受ける人もいると思うんです。これをどう判断なさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/185
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186・福井与明
○説明員(福井与明君) 一時十五分に第九ゲートから彼らのトラックが二台入ってきたときの状況でございますけれども、警察のパトカーがあの辺の警戒を終わって帰ろうとした際に、猛烈なスピードで追ってきまして、火炎びんを車に向かって投てきをするという状況が出たわけでございます。それで、警察のパトカーは九ゲートをあけるようにそこの配置の警察官に手振りで示して、あそこから入ったわけでございますけれども、警察官としては一たんあけて、さらにそれを閉める努力をしたわけでございます。そのために、もう閉める直前に犯人らの車に、いわゆるドアに衝突をされて警察官四人がそのためにはね飛ばされて負傷をしておる状況がございます。決して先導して入れたわけではございません。
それからさらに空港の敷地内に入ってきて、もうこのパトカーを追ってきたわけでございますが、そうしてパトカーの後部に火炎びんが実際に当たるという状況があったわけでございます。そこで、いわゆる車そのものが焼かれると、中に乗っておる警察官の生命身体に危険が及ぶと、こういう状況だったものでございますから、マイクで警告をした上で、彼らの車の上方へ向けて威嚇射撃をしたと、こういう状況でございます。いわゆる拳銃を発射するということは、警職法の七条で要件が定められておるわけでございますが、やはりそういう武器を持っておるだけに、警察官自身一人一人が非常に慎重な行動をとることは事実でございまして、この場合も、最初二発いわゆる上方へ向けて発射をして、さらにそのあと一発発射をして、それでも追ってきた車で、しかもその車からいわゆる管理棟なり空港署の方に向かって多量の火炎びんが投げられるわけでございますが、その状態になってタイヤへ向けて一発発射をしておると、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/186
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187・内藤功
○内藤功君 なお、これは私、新聞の報道で見たんですが、その車ですね、いまの問題のトラックは、警察の車をつけていくかなり前から付近を動き回っていたと、検問もなしに動き回っていたということが記載されておりますが、この車を発見したのは何時ごろなのかと、それに対して直ちに規制をするのでなくて、おくれたという点はないのかと、この点を伺いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/187
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188・福井与明
○説明員(福井与明君) いわゆる彼らの車が入った時点が午後一時十五分でございますが、それの数分前というふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/188
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189・内藤功
○内藤功君 数分前に何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/189
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190・福井与明
○説明員(福井与明君) 数分前に、いわゆる彼らのトラックがパトカーを猛烈なスピードで追ってきて、火炎びんを投げるという状況で入場したと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/190
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191・内藤功
○内藤功君 事実関係についていろいろお伺いしたわけでありますけれども、私はやはり全体として異常な暴力行動が行われると、しかも暴力行動の指向する方向は、機動隊を要塞の方に引きつけておいて、そうして空港に突入するということが情報で少なくとも入っていたわけですから、彼らは裏をかくことがあるかもしれないというけれども、そのとおり来ることもあり得るわけなんだから、一番防護しなきゃならないところはどこかと、まあ三十日開港ということを言っておられたわけですから、三十日開港に最も大事な、ここは守らなければいけないというところは、やはりコントロールタワーだと思いますね。これはレーダーもあり、灯火施設もあり、入間川との連絡施設もあり、百里基地との通信施設もあるというところをまず確保すると。大部隊を持ってくることはないんです。それからマンホールの事前の調査などなど、一つ一つ挙げてくると、余りにも過失というにしては重大な過失が私はあるように思います。これはやはり厳しい対処が足りなかったということを断定せざるを得ないと思うんですね。しかも結果が余りにも重大な結果でありますから、これはどうしても警察当局の重大な責任は私は免がれないと思うのですよ。
私はいままで、運輸大臣は、警察当局には信頼をして情報を得、また警備を依頼してきたと思いますけれども、運輸大臣、この警察の、私はあえて失態と言いますが、これについてはどういうふうに事件発生以来今日までお考えでございますか。またあなたも内閣に列しておられる有力閣僚の一員として、内閣の責任というものを端的にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/191
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192・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 警察の今日までの御努力に対しては、私は運輸大臣たる立場において敬意を表しきたったところであります。今度のことについてもずいぶん御苦労願っている次第でございますが、今度のことについていかに評価するかということにつきましては、これはいろいろ考えるべきことがたくさんありまするし、率直に申しまして、ただいまいろんなことを拝聴しながら、そんなこともあったのかというような気もする部分もあるわけでございますが、いま聞いていたこと等を中心として、それをもって直ちにいま警察の今次の事件に対する措置等について簡単に評価すべきものではないと思います。確かに私は警察に対しては敬意も表し、しているのでございますが、しかし現実にこういうことが起こったということにつきましては、警察のみならず私自身みずからについても大いに考えなければならぬということでございます。いずれにしても、今後こういうことがあっては絶対にならないし、また、将来を考えますと、同じようなことばっかりでなくて、さらにまた新しい事態が起こらぬとも限らないのでございます。重々気をつけていかなきゃならない。
内閣の一員としてどうかというお話に対しましては、内閣全体もこういうことを含め、すべての事態に対して大いに今後気をつけなければならぬし、今度のことに対する深い反省も必要である、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/192
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193・福井与明
○説明員(福井与明君) 警察の責任ということでございますが、とにかく管理棟に十五人の者に侵入をされて、重要な施設を破壊された、この点については率直に申しまして反省をしております。管理棟そのものの配置が午前中申し上げましたように、管理棟の区域を管理棟を含めて警戒をしておる部隊はあったわけでございますけれども、管理棟だけを専門に守っておるのは空港署の署員だと、この点についてはさらに機動隊等の配置を厚くすべきだったろうと、こういうふうに反省しておりますし、マンホールの実査が不十分であったという点についても反省をしております。ただ、一時十五分の九ゲートからの侵入と一時四十五分の八の二ゲートからの侵入者につきましては、敷地内に入られましたけれども、警備の警察官が身を挺していずれも検挙をするかあるいは排除をしております。この点については、警備のいわゆるぎりぎりの一番重要な点については何とか守りを通したというふうに考えております。それから、全体の警備部隊の配置と申しますか、横堀、集会デモと空港警備についてそれを配置したわけでございますが、それぞれの事案を予想してやった警備方針そのものについては、いわゆる原則的には間違った点はなかったと、こういうふうに感じております。あくまでも、しかし管理棟に十五人に侵入をされた、この点については重々反省をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/193
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194・内藤功
○内藤功君 いまの警察の話ですが、たとえが悪いかもしれませんが、将棋にたとえると王様を取られたようなものなんです、管制塔に入られて壊されたということは。王様は取られました、これは残念でありますが、こちらの方では向こうの角を取りました、こちらは飛車を取りました、しかし王様を取られたことは重々残念だった、こういうふうなものに似ておるのでありまして、私はこれはいけない、これではやっぱりだめだ、王様を取られたんですから。これはもうそういう言いわけは私は残念ながら認めるわけにいかない気がするんですね。
それで、私は大臣にお伺いしたいのですが、これは結局いままでのこういう過激派暴力集団、私どもはこれは極左の「左」という字をつけるだけでも必要ないと実は思うのです。これは左翼とは縁もゆかりもない、にせの左翼暴力集団だと私は言っています。それはともかくとして、この過激派の暴力集団、これに対する非常に甘い気持ちが、これはあなたの内閣だけじゃなくて、その前の特に昭和四十年代に入ってからの自由民主党歴代内閣に一貫して貫かれているんじゃないかと思うんですよ、甘いところが。それはどうして甘いか。私はやっぱり一つは、これを何か利用の価値がないかということをもし考えておって、そして徹底的にこれを規制するということをしなかったとすればこれは重大だと思う。そういうことを、私はないと、あなたは否定するだろうけれども、私どもはこういう捜査の経過を——この事件だけではないですよ、ほかのいろいろな過激派暴力集団の事件のときに国会なりあるいはほかの場で質問しみて、いつも感じておる。反省すると、福永大臣は言われたが、反省するとすれば、この姿勢をいま根本的に変えないと、日本の議会制民主主議というものは大変な危機に陥るだろうと思いますね。私は、いま大臣の中のある人が、法秩序破壊、民主主義の破壊だと言うことを聞くと、いまになって何だと、前に言っていることをなぜ早くやっておかなかったかということを私は実は思うわけなんです。大臣がいま反省ということを言われたので、反省というのはそこの反省が一番大事だと私は思うんですがね。どういう反省をなさっているのか。いま私が言ったようなことについては率直にどうお考えになるか。甘く見ていたところはないのか。それから警察のやり方、さっき私はたとえを言って失礼だったかもしれないが、一番肝心なところが抜けているとき、人は過失と見る人もいますが、わざとやったんじゃないのかと、やらせたんじゃないのか、何か意図があって。その意図はよくわかりませんが。こう見る人も世の中にはいるわけです。どういうふうにお考えになるか、大臣にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/194
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195・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 過激派暴力集団の今次の動きについて、いま御批判がございました。ことに共産党さんからそういうお話を伺って、私はいろいろ特に考えさせられておる次第でございます。共産党さんというと、決して失礼な意味で申し上げるわけではなくて、与党でない政党からもそうした言葉で表現されるということについては、私はますますもって強く感じさせられるものがあり、また、反省させられるところもあるわけでございます。ああいう過激派暴力集団等を、いまお使いになったお言葉を拝借して言うならば、わざと利用して、何かほかに思惑があってああいうのさばらせ方をしているのじゃないかということでございますが、そういうことはもちろんございません。ございませんが、それだけに現実にああいうことが起こったということを考えれば、従来のこれに対する対処が言うなれば甘かったと、こういう反省は当然あるべきだと。しかりとするならば、今後にどうあるべきかということは、これはあえて申し上げるまでもございません。まあ一つの非常に大きな警鐘的な事態を今度経験したわけでございます。それだけに、これに対するより適切な措置、さらに言うならば、さらに徹底した処置、これが当然必要であると考える次第でございます。警察を担当する閣僚たるとしからざるを問わず、こういうことが起こるようなときに政治の責任者である者がいかに心がけていかなければならぬかということについて、強く強く私どもはいま感じもし、反省もいたしておる。したがって、それなりの決意を持って臨まなければならぬということを強く感じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/195
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196・内藤功
○内藤功君 こういうときにどうあらねばならぬか。私は、まずそれは、こういう自分の政治的目的、一定の党派的目的を暴力、しかも高度の暴力で実現しようという、そういう一部暴力集団に対しては、現在の現行法と現行制度の枠内で可能な方法をフルに行使して、有効に行使して当たるべきだと、これに尽きると思うんです。と同時に、心がけるべきことは、空港反対を唱えているのは、こういう暴力集団、これは一部なんですね。暴力集団だけじゃない、いまのままの空港の見切り発車に反対している人はかなり多いわけです。これは地元の人もいます。これは騒音の問題、あるいは航空自衛隊との競合の問題もある。それから、空港職員の中でもいまのままじゃいかぬと言ってる人がいる。こういう暴力集団でない一般の国民、勤労者、農民の人たちとは、いままでの反省の上に立って話し合い、納得ずくと、こういう航空行政をやっていく、この二つを徹することが大事だ。暴力集団に対する現行法の規制、そして一般の、それについて自分の利害から、あるいは自分の利益から、生活から反対をする人に対しては、やっぱり納得ずくで話をしていくという、この二つを、むずかしいかもしれないが、政治というものは使い分けないと、この空港問題は日本の政治、日本の経済にえらい汚点を残すことになるだろうと私は思うんであります。いわんや一部に伝えられる、現行の立法は足りないと称して特別の新立法をつくるとか、新取り締まり立法をつくるとか、あるいは破防法を適用するとかいうことは、私はこれはいかぬと思います、この事件では。この点についての大臣のお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/196
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197・福永健司
○国務大臣(福永健司君) まあ、今度ああいうことをしでかしました暴力集団に対してどう対処すべきかということについては、いろんな点から考えなければなりませんが、いずれにしてもより徹底した、より適当な対策が講じられていかなければならぬことは当然でございます。まあ地元の人々とか、農民の方々に対して、いまお話等もございました。私は私なりに、こういう人々のできるだけの納得等を得つつ事を進めたいというのが、もとより私の本旨でございます。と同時に、私は今度こういうようなことがございましたので、こんなことをしでかすような連中がこういうことをすれば、国で大事なことが行われないというような日本にしておいては断じてならぬと私は思います。私は——声を大きくして大変恐縮ですが、内藤さんに別に声を大きくしてるのじゃございません。(笑声)こういうことではいかぬというので、私はそれなりの気持ちが、つい、声をして大きくせしめたということでございます。いまもいろいろお話を伺いつつ、私はこの気持ちをいよいよ強くするわけでございます。
まあその新立法とか、あるいは破防法の適用とかというようなことにつきましては、それではいかぬという意味における御発言がございました。私はその方の係ではございませんので、まあそのことにつきましては特に私がそういうことを言ってるわけじゃございませんけれども、その点について新聞紙等に若干活字化されているものもございますが、この事態に対してどうあるべきかということにつきましては、ようく考えて対処しなければならぬと、その気持ちを率直に申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/197
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198・福井与明
○説明員(福井与明君) 当面、現行法の諸規定を十分活用して事態に対処すべきであるという委員の御指摘でございますが、その点については警察としてもそのように考えております。ただ、それに加えて、極左暴力集団のより一層有効な取り締まりのための立法措置の必要性の有無について、関係当局と緊密に連絡をとりながら検討をしてまいりたい、一こういうふうに考えております。
それから、一つ御理解いただきたいわけでございますが、四十三年から今日までに、極左暴力集団の取り締まりで十人の警察官が殉職をしておりますが、その中の四人——神奈川県の警察官三人と千葉県の警察官一人は、三里塚関係での殉職でございます。そのほかに、この四十三年以来極左暴力集団取り締まりで一万九千人の警察官が負傷してるわけでございますけれども、この一事をとりましても、警察が極左暴力集団に何かやらしておるというようなことは決してございません。違法行為は看過しない、いかなる主義主張に基づくものであれ違法行為は看過しないという警察の基本方針は堅持しておる点は、ただいまの殉職者や負傷者の実態からも御理解いただけると思います。今回の警備の実態を詳しく検討しまして、足らざる点は率直に反省をしつつ、今後の警備の万全を期してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/198
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199・内藤功
○内藤功君 時間がなくなりましたので、最後に一問だけお許し願いたいと思います。防衛庁と防衛施設庁に一緒にお伺いいたします。
それは、今度の飛行コースの変更が生じたと思うんですね。この飛行コースの変更は、百里基地に着陸する航空自衛隊の戦闘機その他の航空機であります。時間がないので、どう変わったかというのは私、ここで省略しますが、この地元関係の自治体、それから地元の住民などに対して、飛行コースが変更したと。つまり、いままで入ってくる経路よりもずっと北寄りになって、それから降下する角度がずっと急になったということだと思います。で、その際、特に新コース下の騒音問題についてはどのように地元に説明をしておりますか、今後の騒音対策についてはどう取り組むお考えか、これらの点について防衛庁と施設庁にお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/199
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200・児玉良雄
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。
新たな進入経路の変更につきましては、昨年の十二月に茨城県当局に御説明をしております。また、ことしに入りましてからも、周辺十六関係市町村の当事者に対しまして、空域の変更あるいは飛行コースの変更等について御説明をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/200
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201・近藤孝治
○説明員(近藤孝治君) 百里基地の飛行コースの変更に伴います騒音対策につきましては、ただいま御説明いたしました地元への飛行コースの変更の説明の際に、騒音対策についても説明をいたしております。従来のコトスで騒音対策を実施しておりました地域についての変更が基本になりますので、そういう地域から前々から種々の対策の要望をいただいております。そういうことを十分勘案しながら、また飛行コースの変更に伴います騒音の実態を調査しまして騒音対策を実施してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/201
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202・内藤功
○内藤功君 成田空港のこの事件がありましたので、その質問に時間を使いましたので、なお法案について若干聞きたい点が残りますが、きょうのお約束の時間が来ましたので、本日の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/202
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203・柳澤錬造
○柳澤錬造君 私は、きょうの主題の特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案からお聞きしてまいりますが、運輸省にお聞きをするんですが、この法案を提出したのはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/203
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204・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 昨年の秋の臨時国会冒頭でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/204
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205・柳澤錬造
○柳澤錬造君 なぜそれまでほうっておいたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/205
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206・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもは、数年前に航空機騒音防止法の御審議の際に、当運輸委員会で御決議いただきました中に、この種の予防措置を講ぜよという御指摘がございまして、自来いろいろ外国の立法例あるいは国内的にも法制局その他と検討を重ねてまいりましたわけでございますが、午前中にも田代先生の御質問にお答えして御説明申し上げたわけでございますが、日本の立法思想としてなかなか、みずから騒音の激しいところに承知で住むのだからいいという人に対して、いや建築をしてはいけませんということを法で強制することのむずかしさというのがございまして、法制局でも最高顧問会議まで開いて検討してもらったんですが、どうしても結論が出ないという経緯がございました。一方、成田開港のためにはどうしてもこの法案がないと千葉県知事としては責任持って運営できないということもございまして、ぎりぎり迫られまして、昨年の一月から、建設省との間で都市計画の手法によってこれを立案しようではないかという基本的な話し合いがまとまりまして、昨年一月から鋭意立法化努力をいたしましたけれども、通常国会に上程できず、夏の間に法案を仕上げまして臨時国会に出したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/206
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207・柳澤錬造
○柳澤錬造君 その事情は私もわかっているんですけれども、私が言いたいのは、少なくとも一つの国家的な行事だと思うんですね。滑走路ができたのはもうたしか五年ぐらい前になるわけです。滑走路ができれば、それに伴って今度線を引いたようなものというのは自然にできてくるわけなんです。いろいろ法制局でやってもどうしてもできなかったからといって、ここの土壇場まで来て、そして千葉県知事から開港までに間に合わしてくれと言われながら、この運輸委員会がけったたかれながら審議するような、この辺は私は運輸省の方がいささか怠慢だと思うんですよ。ですから、そのことについてそれ以上は申しませんけれども、いささか本末転倒だと思うんです。
で、内容に入って若干お聞きするんですけれども、この指定された地域内に人家というのはどのぐらいあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/207
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208・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) これはまだ施行になっておりませんので、指定の詳細もはっきりわかりませんけれども、私ども、現在すでに騒音防止法によりまして成田空港周辺には第一種地域、第二種地域という騒音防止のための地域が指定されておりますが、そのおおむね第一種地域、WECPNLで八五以上という地域がございますが、その広さと、今回のこの法案で建築禁止しようとしております特別地域というのが大体見合うように考えます。そういうふうに仮定いたしますと、その広さは約二千六百ヘクタール。そういたしますと中にあります住宅は約八百戸でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/208
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209・柳澤錬造
○柳澤錬造君 その八百戸の人たちと相当お話合いをしたはずなんですが、十分な話し合いはなされたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/209
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210・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) この法律案は、当初地元の地権者の方々の中で、先住民族の追い出し法案ではないかというふうないろいろ誤解もございまして、私ども、そういったものではございませんと、決していままでいらっしゃる方を追い出そうというわけじゃなくて、いままでいらっしゃる方については既存の騒音防止法によっていろんな手当てをしておりますと、この法律案の目的は、宅造業者等が空港周辺の土地をねらって新しく団地をつくる、そしてよその土地からどんどん人が入ってきて、そしてそこのところが騒音の激しい劣悪な住宅地域になるということを何としてでも防ぎたいということでやっておりますのでというお話を申し上げまして、最終的には成田市及び芝山町の両市、町の御了解は得たわけでございますが、なおしかしながら、個々の地権者の方に対しましては、この法案が成立いたしますれば施行の間にはまた十分御説明をしてまいりたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/210
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211・柳澤錬造
○柳澤錬造君 公団総裁の方にお聞きするんですが、公団としてもいろいろお話し合いをなさったと思うんです。私どもが現地の方から聞いているのでは、余り公団の人たちは誠意がない、特に三月三十日から開港というふうに決まってからいろいろお話をするときには、かなり高飛車に出てきて、なかなか住民の言うことなんか聞いてもらえないというふうなことを耳にしているんですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/211
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212・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 現在の騒音区域内の方々に対しましては、開港までにぜひひとつ防音工事をやるし、また移転をしていただきたい方には移転をしていただきたいということで、何遍も文書でもお願いをするし、また戸別訪問も何遍かうちの担当者がいたしましてお勧めもし、お話し合いをいたしてきております。しかしいろいろ御事情がございまして、騒音を聞いてみてから考えるんだとか、集落が一致して防音工事をやるというふうになればやるけれども、自分のところだけではやらないとか、あるいは現在の防音工事のやり方には、一室とか二室だけを防音工事するというようなやり方には反対だ、家全体を防音工事にするという方式、あるいはその経費の負担につきましても、従来の家屋を防音に改造するのは全額公団負担でございますが、新しく別むねに防音室をつくるという場合には自己負担がどうしてもありますので、そういう負担をするやり方ではやらないというようなこととか、いろいろの御理由がございまして、やらない方がまだ二百九十戸ぐらい残る状況でございます。しかし、そういう方々が、先生のおっしゃいますように、もう開港してしまったなら公団は高飛車に出て、もう話もしないんじゃないかという懸念を持つといけないということで、実は、きょうかあすあたりに私の丁寧な手紙をもちまして、どうしても羽田空港等の事情から開港を急がなければならぬために、皆さんが防音工事を済まさない前に開港ということになったけれどもひとつ御了承をいただきたい、決して開港したからといって、あとは何にも顧みないというようなことはしないので、今後もわれわれとしてはぜひ防音工事をやっていただきたいと思いますが、もしそういう御意向になったら直ちに工事を実施をいたしますから、というようなことを丁寧な手紙にしたためまして、実は職員があしたあたり全部持って回るという予定になっておったわけでございますが、けさ開港延期ということになりましたので、次の開港日が決まった段階でそうした措置をとりたいということで見合わせたというような事情にもなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/212
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213・柳澤錬造
○柳澤錬造君 総裁、私がさっき言ったのは、三月三十日に開港しちゃったら聞いてくれないんではなくて、三月三十日が開港だということの決まった後が、どうも公団の人たちはお話をしても高飛車でもって、もう上から抑えつけることしかしなかったという言い方なんですよ。
それから、私、いま最後に総裁が言われました、結局そうやって書類も持って回ろうとしていた、できるだけ説得してわかってもらおう、あと二百九十戸いまやらないと言う人ががんばっているって、それが、まあ確かにこういう事態が起きたんだけれども、こういう形でもって開港が延びたから、じゃ、そういうことも延ばすという、そういう態度を私はとるべきでないと思うのです。その辺はやっぱり改めていただかなければ、それじゃこの委員会もきょうこんなことをしてこの問題審議をする必要ないんで、政府が今度いつ開港するか決まってからやればいいじゃないかになってしまうんです。だから、あの事件は事件であって、その事件にどうするかは、これはもちろんいろいろやらないといけないけれども、少なくとももう真近に来ているこの騒音の特別措置法に基づいて、事はちゃんとやっていただけるように進めてもらわなきゃ困ると思うんです。
それで、現地に騒音対策の委員会というのが設けられたと思うのですけれども、それはどういうメンバーの人たちをお集めになって、それでいままでどんなことをおやりになったか、ごくかいつまんで要点だけ聞かしてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/213
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214・大塚茂
○参考人(大塚茂君) ただいまの、私の手紙を一応見合わしたといいますか、あれしたということは、その文面の中に三月三十日に開港することになりましたという文句があったものですから、それを書きかえなきゃならぬ、どう書きかえていいかがまだ決まってないからちょっと待つことにしたと、こういう意味でございますので、決して取りやめたということではございませんので御了承いただきたいと思います。
それから、おっしゃられますように、騒音区域の方々を対象にした騒音対策委員会というものを、空港公団としては、昭和四十六年以来設置をいたしております。その委員は地元の住民の方、それから関係の県及び市町村、それから運輸省、航空会社及び公団というメンバーから構成されておりまして、現在、委員数は五十七名でございます。現在までに七回ですか、その騒音対策委員会を開催をいたしまして、構成員の間の意思の疎通を図りまして、また地元の意見を聞き、実情を十分認識して、適切な騒音対策を実施できるようにというふうに配慮をしてまいったわけでございます。十分、そうして地元の意見も聞きながら騒音対策を進めるということには、この委員会が相当私は寄与してまいったというふうに考えております。さらに、その騒音対策委員会の中に市町村単位に地区部会というのを設けられております。これは五つございますが、この地区部会におきましても頻繁に会合いたしまして、昨年におきましても総計十四回地区部会が開催されまして、相当私は活用されておったというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/214
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215・柳澤錬造
○柳澤錬造君 わかりました。
それから、これも公団総裁の方に申し上げておきたいんですけれども、成田に空港ができることによっていろいろと騒音公害だ、やれ何だと言って、そのデメリットの面ばかりが強調されているんですね。メリットもあると思うんですよ。それでやっぱり一つの都市開発がされていくとか、いろいろのもので。そういうメリットがあることが余り——強調されているんだけれども、一般に出ていかないのかどうなのか。ですから、これはいまもうここへ来てしまって、もう大詰めの段階ですけれども、もう少しそういうこともちゃんとおやりになって、確かにこういうデメリットもあるけれども、こういうメリットもあるんですと、そして将来になったらこれだけここが開発されていくんですという、やっぱり将来展望なんかについても十分にお話をするようにしていただきたいと思うんです。そして理解をしていただくということが大事なことだと思うんです。
それはそういう希望を申し上げて、次には、きょうずっとどっちかと言うと二十六日の事件の問題が言われているんで、そちらの方に入って私お聞きしたいんですが、あのような事件が起きて——三月三十日の開港を目指して公団でもいろいろ準備をなさったと思うんですけれども、警備体制については公団としてはもう手抜かりはなかったんですか。手抜かりなかったという聞き方はおかしいですけれども、一応万全なそういう体制をとっていたのかどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/215
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216・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 三月二十六日の警備ということは、御承知のように、非常に大規模なものでございますので、公団の自主的な警備だけではとうてい足りないということはもう御承知のとおりでございますので、私どもとしては警察当局に対しまして警備の要請をいたしました。他方、公団自身といたしましても警備実施本部というものをつくりまして、副総裁を本部長にいたしまして、今度は相当長期にわたりますので、交代してひとつその警備実施本部の仕事をやろうということで、二十六日は百十名がこの警備実施本部で働いておりました。しかし、実際に体を張って警備に当たるというのは、率直に申しまして公団職員はいたしませんで、ガードマンをほかに百六十一名雇っておりまして、この百六十一名のガードマンをゲートとかその他の施設に配備をいたしまして、警察官の方の補助的と申しますか、という実情でございますけれども、そういうふうな警備に当たったというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/216
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217・柳澤錬造
○柳澤錬造君 総裁、三月二十四日の日に成田空港対策労働組合連絡会と航空産業労働組合総同盟から総裁のところに申し入れを持って会談なさったのは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/217
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218・大塚茂
○参考人(大塚茂君) はい。申入書が来ておりますことは承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/218
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219・柳澤錬造
○柳澤錬造君 そのときは、少なくとも公団に、いろいろみんな関係者があそこへ入って、ああいう過激派がもう前から騒いでいるわけなんで、そういう形でやっぱり何と言うんですか、過激派のテロ行為対策をきちんとしてもらわなくちゃならないといった申し入れをしているわけなんですね。そのときに公団の方が、総裁はいらっしゃらなかったらしいんだけれども、応対をされた幹部は何と言っているかと言えば、私は成田に十年来いるけれども、身の危険を感じたことはありませんと、それは何か心配のし過ぎじゃないんですか、という答えなんですね。あの事件の二日前なんですよ。労働組合の人たちがそういう点をやはりきちんとしてもらわなければ困ると言って、公団に申し入れをし、会談までしたときの御返事がそういう御返事なんです。その辺は総裁どうお考えになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/219
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220・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 私、その席に実は出ておりませんので、どういう表現を使ったか実ははっきりわかりませんが、おっしゃられるようなふうにとられたとすれば、恐らくこれは航空関係の労働組合の方々ですから、こういう方々に成田空港は危険だという印象を公団自身の役職員が言うとか、そういう印象を与えるということはやっぱり慎むべきであるという考えが恐らく先に立ったと思います。開港間近でございますので、公団の役員がみずから危険だと言ったということになりますと、これは成田への移転は自分たちとしてはできないとかいうような問題に発展するというようなことも考えて、そういう表現をあるいはいたしたかと思うんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/220
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221・柳澤錬造
○柳澤錬造君 総裁、それは善意にそういうことを言われると思うんです。ですから、今度は違った角度で聞くんだけれど、あの公団の中で働いている人たち、言うならばやっぱり自分たちの職場なわけなんですね。自分たちの職場は自分たちの手で守るんだという、そういうことの、何というのですか、労働組合サイドとお話し合いをされたり、そして組合側の意見も聞いたりしてお互いに——事賃金や何かになったらそれはいろいろと対立するだろうけれども、この成田空港を守るということについては、われわれ公団幹部の側も組合の君らも一緒になってやろうじゃないか、いろいろ周辺がこれだけ、ああいう状態のことはもう見ればわかるんですから。そういうことについてどの程度のお話し合いをし、それでどの辺までそういうことについてはお話が詰められたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/221
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222・大塚茂
○参考人(大塚茂君) その点について、私、詳しい報告は実は受けておりませんので何とも申し上げかねますが、もちろん公団の役職員としては、自分の空港といいますか、自分たちの空港でございますから、これを自分たちが守らにゃならぬ、それにはやはり関係の方々の御協力を得なきゃいかぬという考えは私は徹底しているはずだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/222
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223・柳澤錬造
○柳澤錬造君 総裁、そこのところが徹底しているというふうにお感じになっているところに——私どもが運輸委員会でもって成田の視察に行ったのは二月のことです。総裁もお会いになった。だから御存じのとおり。あのときに私が感じた二つの点は、一つは、いかに公団の労使関係が悪いか、それはもう帰って来てからも、ですからある関係者にはそのことを言ったんです。何だかんだと言ってああいう高度のかなりの質の高い仕事をやらにゃいけないのだから、労使関係というものはいかに大事か、最優先して考えなかったら、しかも周りがああいう状態だから大変なことになる。それから、この間やられちゃったところは、私らもあのとおりあそこを視察をしたときにも、エレベーターからおりて階段を三階上を歩かされた。そのときも私はあそこでも言ったはずですけれども、むしろこの方がいいんですと、エレベーターで上までさっと行くようなことになったら、過激派が来た、ぱあっと来てやられて全部壊されたらえらいことになるんで、あの一人ずつしか上がれないような階段にしておくことによって、そういう過激派なんかのそういうものを防ぐことができるからかえっていいんじゃないんですかということまで言ってきたほどなんです。ですから、私どもそういう点から考えて、やっぱり総裁自身が率先して労働組合の幹部ともお会いになって、組合側の考えということも聞く、また公団の皆さん方が考えていることも言う。そうしてさっきも言うとおり賃金交渉と違うんですから、こういうふうに事件が起きてしまえば国際的な信用も落とすわけでしょう。反省をしたって間に合わないわけなんですから、そういう点からいくならば、もうあらゆることをやって、そしてそこで働いている人たちの協力も得て、みんなが挙げてあすこのところを守り抜くというそういう体制をつくらなけりゃ、こんなものは今度、先ほど午前は大臣は来週の金曜日ですか、閣議で決めると言うんだけれども、決めたって、いまのようなことならまたやられますよ。その辺のところを私は公団総裁も政府の側も不退転の決意を持ってほしいと思うんですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/223
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224・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 私も組合の諸君、まあ諸君と言っても組合の役員の諸君ですが——に会いまして、これから頻繁にひとつ話し合いをしようじゃないかということになっておるんですが、まあなかなかお互いに忙しいといいますか、そういう機会が最近はございませんことは、なかったことは確かでございます。しかし、労務担当の役員その他もございますし、しょっちゅう団体交渉その他の話し合いをいたしておりますし、私の意を体して十分組合の諸君ともそういう点についての話し合いをし、認識も私は一致をしておるものというふうに考えておったわけでございますが、ただいまのお言葉もございましたし、今後私自身やはり直接ひとつできるだけ話をするようにいたしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/224
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225・柳澤錬造
○柳澤錬造君 今度は警察庁の方に少し聞くんですけれども、時間もあんまりないんだけれども、私はあの種の事件を見ておって、警察官はむしろある意味においては被害者だと思うんですよ。ですから、そういう面においては好意的と言っちゃいかぬけども、見て大変だったなあと思っているんだけれど、午前からもいろいろありましたんで、そう詳しく——またダブらないように私も聞いていきたいんだけれども、あの成田空港の警備体制というものは万全であったんですかどうですか。私はあれは突発事故だとは見ないんです。もし突発事故だったんだと言って、そして何かそこに不可抗力だというようなことを言われると、先ほどから好意的になって見たくなくなってしまうんだけれども、その辺をどうお考えになっているのか、まずそこからお聞きしていきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/225
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226・福井与明
○説明員(福井与明君) 警備の幾つかの柱の一つにと申しますか、ある意味では柱のトップに、空港の中への極左暴力集団の集団あるいはゲリラによる侵入、それに対する対処というものを入れておったわけでございます。それにもかかわらず一番大事な管理棟の中へ入られたということにつきましては重々反省をしております。マンホールの実査の点について確かに不十分な点がございましたし、それから管理棟に対する警備配置についてももっと厚くすべきであったと、こういう点については十分反省をしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/226
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227・柳澤錬造
○柳澤錬造君 もう少しはっきり答弁してくださいよ。まあそこはそれでいいけれど、あの過激派集団のああいう行為は、法秩序の枠内の行為として受けとめているんですか、それとも民主主義体制を破壊するという、そういう行為なんだというふうに受けとめているんですか、どちらなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/227
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228・福井与明
○説明員(福井与明君) これはもう自己の主張を暴力によって達成しようとするわけでございますから、民主主義体制とは縁もゆかりもない、これを放置しておればこれに対するきわめて憂慮すべき脅威になる性質のものであると、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/228
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229・柳澤錬造
○柳澤錬造君 民主主義体制と縁もゆかりもないきわめて憂慮するものなんだという御判断なんですから、そうしたならば、あの数年間、成田空港目がけてあの周辺であれだけのことをしてきたわけなんですね。そのこと自体が民主主義体制破壊のためにあの人たちはやってきたことだと思う。何でそれを手をこまねいて見ていたんですか。
〔委員長退席、理事三木忠雄君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/229
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230・福井与明
○説明員(福井与明君) 実は手をこまねいて見ておったわけではございません。彼らが地元の人たちの一部の主張に空港建設反対ということで同調する形で入り込んできたわけでございますが、これについては鋭意取り締まりをいたしまして、これまでに二千四百人の者を検挙しておるわけでございます。こちらの方は、さっきちょっと触れましたように、これで四人の殉職者を出している状況でございますから、決して手をこまねいている状況ではございませんが、残念ながら、百数十人の者が現地に常駐をして援農等の形でふだんいついて、ああいう闘争の際には先頭に立って過激な行動に出る、こういう実態がある、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/230
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231・柳澤錬造
○柳澤錬造君 手をこまねいていたわけではないんだと言うんだけれども、あのコンクリートのところに大きな鉄塔を建てられて、そして去年のいつですか、秋、たくさんの機動隊を持っていってあれを取り壊した。大変な犠牲を払われたと思うのです。そして、今度また開港間際になったらまたあすこにおっ建てられたわけです。建てられなければ手を出さないというのは、これはどういうことですか。だから、私がさっき、法秩序の枠内なんですかと言って聞いているのもそこなんです。そうしたら、いま課長は、民主主義体制と縁もゆかりもないと言われた。明らかにいまの民主主義体制を破壊しようとした活動をしているわけでしょう。そうしたならば、具体的な行動を起こそうが起こすまいが、あの種の人たちのやっているということについては、そこに何らかの手を打つべきことがあったはずだと思うんですよ。それをおやりにならないでいるところにああいう事件が起きてしまうという、そういう見方は成り立たないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/231
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232・福井与明
○説明員(福井与明君) これは、実は警察としてこういうものに対処する手だてとしましては、あくまでも法にのっとってやるという制約がございます。したがいまして、彼らは、建てなければ何でやれないのかという御指摘でございますが、現在の横堀に建てておりますのも、あのコンクリートの建物の状態では違法の事態が発生いたしません。あの上に鉄塔を建てて初めて航空法違反の事態ができて、そこでそういう現行犯の事態を制圧するという形で警察措置を講じている、こういう実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/232
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233・柳澤錬造
○柳澤錬造君 その辺のところを基本的に、物の判断でもってもう少し突っ込んでお聞きしたいけれども、時間がないからやめますので、ただ、今後の警備体制、先ほど大臣の方は、この次の金曜日に閣議で開港日をお決めになるということなんですから、いつになるか決まるわけなんですけれども、それに向けてどういう警備体制がとられるのか、その警備をするについての自信と見通しをお持ちなのか、これは警察庁の方と公団総裁の方と両方からお聞きしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/233
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234・福井与明
○説明員(福井与明君) 現在一万三千人の警察官を動員しまして警備に当たっているわけでございます。そのうちの一万人は応援の部隊でございます。現在の警察の体制では数的にはほぼこれが限界でございます。しかも、長期化いたしますとこの体制をずっと維持するということも実態としまして言うべくしてなかなか困難な問題がございます。したがいまして、いわゆる物等で代替できると申しますか、そういう施設の面で警備をカバーできる面はできるだけそういうものでカバーをして、なおかつ情勢において必要な部隊を確保して、いわゆるきめの細かい部隊運用と装備資器材の有効適切な活用を図ってあくまでも自信のある警備をしなきゃなりませんし、自信のある警備ができる、こういうふうに判断をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/234
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235・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 公団といたしましては、とにかく、大丈夫と思ったやつがああいう突発的な、私どもから見ると突発的、彼らの声明を聞きますと、前から相当な計画を練りに練ってやったということでございますが、それだのに、なおその後開港までの警備について自信があるかと言われると、率直に言ってどうももう絶対大丈夫だというような自信はちょっとございません。しかし、できるだけのことはやらなければならぬということで、早速二十六日に現地の警備当局に対しまして重点的に警備を強化していく点を何カ所かお願いをいたしまして、早速警備の機動隊員を増派をしていただいております。その後いろいろゲートの、門の改造とか、そのほかガラス窓のところに金網を外側から張るということとか、いろいろのことを公団なりにいま考えましてそういう施設面の強化といいますか、に着手いたしております。
なお、本日延期になりまして、その延期になった理由の一つは、結局、空港に対しての警備の根本的な対策をやるのに期間が多少要るから、それができるめどがつき、あるいはできた段階で今度こそ決定的な開港をやるという御趣旨が非常に強く含まれておるというふうにわれわれも考えておりますので、そういう線に沿って警備の強化を公団としても図っていきたいし、また警備当局にもいろいろお願い申してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/235
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236・柳澤錬造
○柳澤錬造君 時間もう過ぎましたので、課長ね、私、文句を言っているんじゃないんですよ。それであなたのお話を、さっきのを聞いていても、最後に自信のある警備をしなければならないと言うけれども、初めから言っている言葉を全部何すると、総合的には自信がないということになっちゃう。いまの公団の総裁の方は正直に、ちょっとこう自信が持てないと言って、それはあんなことをやられたらだれだって自信がありますなんて言い切れないと思うんですよ。どんなことになるかわからない。ただ、私が言いたいのは、ああいうことになっちゃってからああだったこうだった、マンホールは知りませんでしたと言っていたってしょうがないのだから、もう事前にいろいろ自分たちで手が足りない、どうもここは心配だと思ったら、政府に言うなり、あるいは公団の方なら警察の方に言うなりして、あらゆるものがあらゆる力、手を使って、そうして二度とああいう事態が起きないようにしてほしいと思う。それでそういうことについては、特に私は政府を代表して運輸大臣の方にお願いをして、私は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/236
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237・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 終わりますとおっしゃいましたが、いろいろ有益なお話等を伺いました。私どもの方では、なかなか突発的なことに対しては、関係者の諸君も必ずしも十分の自信を持ちがたいような心境とも察せられるのでございますが、そういう諸君も、何これならやれるという気持ちになっていただけるように私どもはあらゆる対策を講じてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/237
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238・山田勇
○山田勇君 成田空港の開港を目の前に控えて、警備陣の虚をつくような形で、過激派による管制塔内の破壊により開港がおくれるということになりました。これだけの大きな国家的なプロジェクトが、本来ならこれはもう国民、国を挙げて喜ばなければいけないようなことが、現実としてはこういう形になってしまったわけですが、まあ当初五カ年ぐらいの建設予定でこれは着工に入ったと思いますが、実際には倍以上の十二年ほどかかったわけですが、大臣ね、この当初五カ年計画というのが十二年になった一番大きな要因、原因というのは何にあったと大臣はお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/238
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239・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 十二年にもなったということについては、私も非常に残念に思います。私自身、空港をどこに置くかというようなことの時代に党の責任者の一人でもございました。この問題にもしたがってかかわり合いを持ってきた一員でありますだけに、非常にこの十二年ということについては感懐も深いし、また、たまたま私がこういう責任者になりましたことについて、何か一種の宿縁のようなものを感じておるわけでございますが、いま御質問の何が原因でこういうことになったかということでございます。大変たくさんございますが、やっぱり人間の心全体、多くの者の考え方がぴたっといかなかった、いきにくかった、それがむずかしかったということでこういうことになった——まあ、これは考え方はいろいろあるのでございますが、私はそれが最大の原因であろうというような気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/239
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240・山田勇
○山田勇君 警察の方にお尋ねいたしますが、先ほど警備配置一万三千人と言いましたが、一万三千人、間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/240
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241・福井与明
○説明員(福井与明君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/241
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242・山田勇
○山田勇君 それはきょう現在、あの事故発生後の配置が一万三千人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/242
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243・福井与明
○説明員(福井与明君) 今回の警備につきましては、事件発生以前の二十二日に空港警察署に千葉県本部長を本部長とします警備本部を置いております。二十四、五日の時点から前段ゲリラと申しますか、かなり注意を要する事態になるという判断がございましたので、さらにそれに若干先立って二十二日に本部を発足したわけでございますが、そうしましてだんだん体制をふやしまして、二十六日のあの時点では一万三千人でございますが、それ以後、ずっと一万三千人の状態できております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/243
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244・山田勇
○山田勇君 いや、これはなぜ聞いたかといいますと、きのう予算委員会の集中審議の緊急質問の中で、三井警備局長は確かに配置警備員一万二千人とお答えになっていたんで、その辺はちょっと確認しておきたかったわけですが、この一万二千人——きのうのその質疑の中で警察官一人を配置することによって日帰りですとお金に直しますと千円、泊まりますとぐっと上がりまして三千五、六百円かかるということ、これはもうきのうも大臣おられましたから御承知のとおりだと思うんですが、この財源について自治体に負担をさしちゃいかぬというような質疑応答の中で、このままでいきますとこの一万三千人という、その警備配置というのはいつまで警察当局としてはこの配置を続けていくつもりなのか、その辺の見通しをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/244
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245・福井与明
○説明員(福井与明君) これは情勢の推移と申しますか、それをどう読むかということを絡みますのでなかなか断定的にはむずかしいわけでございますが、一応のめどといたしましては、当初は三十日開港、四月の二日に一番機が到着して、三日には今度は一番機が出発すると、こういう読みでおりましたので、その時点では少なくとも四月の上旬にはこれほどの体制は次第に解除していけるだろう、こういう読みでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/245
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246・山田勇
○山田勇君 そうすると段階的に、まあ、その辺の対応を見ながら人員は減らしていくということですが、いまくぎづけになっているといいますか、配置されている一万三千人の隊員の疲労度というのはもう極に達していると私思うのですがね。それに対する交代配置の要請といいますか、そういうようなことは考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/246
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247・福井与明
○説明員(福井与明君) 一人一人の隊員の招集の期間で申し上げますと、一応のめどでありますが、二週間から三週間ということで大体組んでおります。したがいまして、それよりも若干の点はともかく、相当長引きますとこれはやはり当然交代なり、事態によっては体制を縮小すると、こういうことを考えなければならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/247
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248・山田勇
○山田勇君 ぜひそうしてあげてください。
それと新聞によりますと、反対同盟の委員長は広範なゲリラ闘争で廃港に追い込むというふうなことを新聞で堂々と発表しているということですが、これはもうぼくは第一波だと思うのです、ある意味でこういう過激派の行動というのは。第二波、第三波というようなことは当然考えているだろうと思います。その中で、これは素人考えでしようが、次にねらうのは何と言ってもジェット燃料の輸送機関だろうというふうなことが言われている。言われているのですが、このジェット燃料の輸送というものに対する警備ということについて、いまどのような形で配置なさっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/248
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249・福井与明
○説明員(福井与明君) 現在は実は二十六日の事態を予想しまして一時輸送を中断をしております。したがいまして、土屋ヤード等にそれなりの部隊を置いておりますけれども、パイプラインの要衝をむしろ守るということで、燃料関係については警備を進めておりますが、いわゆる列車による輸送が再開されますと、これは情勢にもよりますけれども、情勢に応じた、かなりきちんとしたと申しますか、輸送に当たっておる乗務員等に危害が及んではこれは決してなりませんので、それに見合う十分な警備をしなくちゃならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/249
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250・山田勇
○山田勇君 空港周辺になお過激派グループが三十三セクトいると、大なり小なりそういう形でいる中で、この警察当局としてはこの過激派グループの資金源というようなことをお考えになったことありますか。どこからこれだけの資金がくるのか。あの鉄塔一つにしても、先ほど柳澤委員がおっしゃったとおり、運び込むまでにぼくは警備の体制が緩かったんじゃないか、建つまで知らなかったんでは——ちょっと事前に阻止ができなかったのかとかいろいろ思うのですが、あれだけのものを買うのには千円や二千円で買えるものではないので、その資金源を断つというふうな物の考え方で捜査を進められたことがあるかどうかをお知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/250
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251・福井与明
○説明員(福井与明君) 極左暴力集団の資金源でございますが、これは機関紙を出しておりますので、それの収入といったようなものもございますが、一番大きな収入は、これはもう判断でございますけれども、現在極左暴力集団、学生の比率がもう半分以下に落ちておりまして、六割近い者が実はどこかで職を得ている労働者でございますので、したがいまして、その職を持っておる者たちから月々の月給からも吸い上げているようでございますけれども、ボーナス等はかなりの率吸い上げているようでございます。ですから、これが一番大きな資金源と、こういうふうに見ております。
〔理事三木忠雄君退席、委員長着席〕
もちろん三里塚につきましては援農という形で、若干のいわゆる物の形で、生活に必要な物を援農の代償として得るということでやっておる分もございますけれども、一番大きなものは、ただいま申し上げましたように、労働者部分からのカンパという名称による吸い上げと、こういうように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/251
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252・山田勇
○山田勇君 そこで、航空局長にお尋ねしますが、これは開港前のこういうふうな事故発生だったんですが、これはぼくは考えてみますと、不幸中の幸いだと思うんです。これが開港されて、飛行機が運航されてからこういう管制塔に仮になだれ込んだ場合、これはもう大惨事につながる大きな問題だろうと思うんです。ですから、きのう私の友人のパイロットの人に電話をかけて聞いてみたんですが、実際一番大切なコントロールタワー、あれをやられると、もう飛行機自体をコントロールすることができない、あれだけ破壊されると。そうすると、何番滑走路におりるのかどうなるのか、もう全然わからなくなるだろうというふうに言って、そら恐ろしいことだということを言っておられましたが、だからこれは不幸中の幸いとして受けとめて、今後建設をしていくコントロールタワー、あの管制塔というものの建設についてどのような、警備もさりながら、ほとんど絶対に入れないということがまず第一条件であの建設を見直さないと、大臣、次の金曜日の閣僚会議で大体次の見通し立てると言うけれども、もう一度あの建物を抜本的に考えていかないと、ぼくは大きな問題になると思うんです。
それと、空港要員は五名ほどいたそうですが、屋上へ逃げて、ヘリコプターで助けられたといいますが、どんな警備をしても、どんな形で——仮に侵入してきて、あの空港要員五人が生命の危険を感じて逃げるということ、これは開港前だからそういう気持ちになられたと思うんですが、仮に飛行機をどんどんおろして、コントロールタワーから何番滑走路に何々がウエーティングなんてかけているときにどっとなだれ込んで、ハンマーでがんがんつぶされたら、あの要員の生命、飛行機に乗っている何千何百人の生命を守る者が過激派に対して何の抵抗もできない。向こうは鉄パイプを持っている。だから、新しい何かの許可を得て、拳銃を持っているとか、あのコントロールタワーの中にそういう拳銃を携帯さしているとか、何かそういうことを考えられませんか。だから、コントロールタワーそのものの構造と、それから要員に持たす警備の何かということ、その二点で、航空局長と、警備の方ですから警察関係の御答弁いただいても結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/252
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253・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) まず私の方から申し上げますと、まず一つは、建物の防備をさらに完全にすることを考えたいと思います。火災などのときの緊急脱出という問題があるものですから、消防法等の定めによりまして非常口をあけておくというふうなこともあるわけでございますが、これは消防法の問題を超えた危険がありますので、その辺は消防法の担当者に目をつぶってもらいまして、もう何よりもかによりも施設面で一〇〇%の防備をするということを考えたいと思います。
それから、外から入ってきたなんということに対しましても、外から絶対入れないようなことをしなきゃなりません。それから、もちろん人間によるガードも必要でございますので、警察にお願いいたしまして——幸い空港署が隣にございますので、空港署の警察官の方に心臓部につきましてはひとつ守っていただくということをさらにお願いいたしたいと思います。もちろん民間のガードマン等の増強もいたしますが、何分にもやはり鉄パイプを持ってヘルメットをかぶった人間に対しましては、丸腰のガードマンというのは情報連絡にしか役立ちません。そういった点から有効な警備体制をこれからとりたいと思っております。
御指摘の管制官の武装問題につきましては、これはハイジャックのときに航空保安官を乗せたらという話があったときとやはり似たような危険もございまして、私たちとしては管制官に武装させるということについては消極的でございますが、むしろ管制室は絶対入れないようにしておくと同時に、管制室の外側に立つガードマンなりあるいは警察官に完全武装をしていただくということで防備を固めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/253
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254・福井与明
○説明員(福井与明君) 警察としましては、たとえば今回の事案の際に、管制塔と空港署なり警備本部の間にホットラインのようなものがあれば——それはもう、それがあったが、それでもなおかつということはあったかもしれませんですけれども、少しでもお互いに事態を同じ認識でキャッチすると申しますか、そういうことが早いであろうと、こういうふうに思います。物理的にどういうことが可能かということはよく御相談しなきゃなりませんですが、少しでも事態を早くキャッチできるような、そういうお互いの連絡通報体制についても大いに意を用いてまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/254
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255・山田勇
○山田勇君 今回のこの事件で、外国系の航空会社から運輸省の方に何らかの表明が出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/255
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256・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 航空会社から私どもには直接ございませんけれども、テレビ記者に対するインタビューその他で、外国の航空会社の東京支社長等が、こういう危険な状態ではとても安心して運航させられないというふうなことを言っていることは、報道等を通じて知っております。このことは私どもも重々心すべきことであると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/256
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257・山田勇
○山田勇君 まあそういうことで、今度の開港は、大臣、多少おくれても本当に大臣がおっしゃっている安全ということから考えていきますと、国家のメンツいろいろあると思いますが、もう十分に安全性を確認した上で開港する方がかえって対外的にも信用を高めることになると思いますんで、その辺を御配慮いただきまして今後の問題に取り組んでいただきたいと思います。
ここで、この法案について若干お尋ねをいたします。重複を避けたいと思いますんで、端的に聞いていきます。
騒音は機種によって大きな差があるようですが、現在使用されている航空機の中での騒音の高いもの、低いものの機種はどうなっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/257
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258・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 現在、たくさん使用されておりますけれども、騒音が高くて空港周辺の住民から悪名の高い機種は、たとえばDC8とかボーイング707という航空機が騒音が高いと言われております。騒音の低い機材では、ボーイング727、これは中型機でございますが、騒音が低い。これは恐らく一番低い方のグループに入ると思います。それから、一般的に言われております、エアバスと言われておりますところのB747ジャンボ、あるいはトライスターと言われておりますL一〇一一、さらにはDC10、この辺は大型でございますけれども、ファンジェットというエンジンを使っておりますので、かなり大きいわりには騒音は低うございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/258
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259・山田勇
○山田勇君 騒音の高い機種は低い機種にかえていかなければいけませんが、これは簡単にいかないと思うんですが、何か運輸省の航空局の方からそういう会社に対して、こういう機種をなるべく使ってほしいというようなことは、行政指導の一環としてなさっておられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/259
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260・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 航空機騒音を規制する方法といたしまして、私ども五十年十月に騒音基準適合証明制度というのを、航空法に基づきまして規則を発効さしたわけでございます。これは国際民間航空条約などに技術的な根拠を持ったやり方でございますけれども、ある一定の音以下にしなければ民間航空に使ってはならないということを決めまして、それに合格したものについて証明を出す、証明を持っていないものは使っちゃいけない、こういたしましたけれども、ただ、これを形式的に強行いたしますと、たとえばDC8とか707のような、いまの技術ではどうにも改良の余地がないというものにつきましては、しばらくの間これを除外例といたしております。しかしながら、それ以外の機材につきましては、たとえば727が非常にいいと申しましたけれども、これなどはジェットエンジンの内側に吸音材をつけまして音を低くする、そういうふうな可能な改良はできる限りさせる。どうしても改良不可能なものはやむを得ず使わしていますけれども、これらにつきましても、できるだけ早く低騒音機材にリプレースをするように指導をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/260
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261・山田勇
○山田勇君 今度は成田が開港しますと、午後十一時以降の例外発着は認めないという運輸省の方針は、これは絶対に守ることができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/261
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262・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) このことは成田が内陸空港でございますのと、それから、いままで何しろヒバリと夜はミミズしか鳴かないところへ、猛烈な音をする飛行機が飛んでくるわけでございますので、いわゆる環境庁の環境基準の数字に合っている合ってないという問題は抜きにいたしまして、とても大変な問題だと。特に夜の十一時以後に発着するということは絶対にあってはならない。これがありますと、また成田から出て行けというふうな運動が起こらないとも限らないということから、もちろん地元の関係市町村から、あるいは知事からも要望が強うございますので、航空会社に対しまして厳重に指導いたしました。先ごろ提出されているスケジュールのダイヤでは絶対にそうならないようなダイヤにしてございます。ただ、問題は相手方の空港の事情があったり、あるいは途中で安全上の問題等があったりして遅延する場合もあります。これらは到着の遅延につきましては、安全上その他どうしてもやむを得ない気象条件とか、油がもう危ないとかいうこと以外の場合には絶対に着陸は認めないということを強く指導いたしております。いわんや出発便はこちらでコントロールできますので、もうこの時間以降に出発すれば当然地域上空を十一時以降に飛ぶという場合には出発を抑え込むということにいたしておりまして、これにつきましてはかなり外国エアライン等も抵抗いたしましたけれども、事情を説明をいたしまして、全エアラインが承知をいたしました。協力することになっておりますが、なお開港後も十分監督いたしまして、地域住民から不信の声を立てられないように注意をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/262
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263・山田勇
○山田勇君 局長も御承知のとおり、滑走路一本ですから、もし何かそこに大きな事故があれば、これは若干そういう例外というふうなことは出てくると思います。その例外の問題ですが、ここに衆議院委員会の附帯決議がついております。その中で「特定空港周辺の関係地方公共団体、住民代表等の関係者により航空機騒音対策等のための協議会を設置すること。」これは附帯決議案に出ておりますが、柳澤委員もそういうふうな委員会みたいなものをつくったらどうかというようなことですが、こういうものをこれから地元の皆さんとお話しし合ってつくっていくことを考えておられますか、いやこれは考えてないとおっしゃいますか、どちらでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/263
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264・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) これは、この法律が成立いたしましたらぜひ一日も早くつくりまして、さまざまの問題について地元の方の意見を十分にお聞きし、そしてまたこちらの考え方も御説明する、そういう協議の場を一日も早くつくるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/264
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265・山田勇
○山田勇君 西ドイツの空港の周辺にはこういう、正式な協会の名前はわかりませんが、航空関係者サイド、空港関係者サイド、住民代表者サイドというふうな形でそういう協会をつくって、仮にこの上空で旋回をして騒音がかなり大きかったらその場ですぐ手紙とか電話で受け付けて、それを懇切丁寧に処理をしているという協会があるわけなんですが、だから、そういうものをぜひ私も局長さんに頼んでつくっていただきたいと思います。最初は大変だろうと思いますが、案外そういうことが反対地域住民の気持ちを緩和させる大きな要因になってくると思います。
それと、ついでにと言っては何ですが、先日の運輸委員会の中で電波障害の問題が出ておりました。放送部長ですか、来られていろいろ言っておられましたが、まだ考えていない、五千世帯を対象に云々と言いますが、ぼくも実は豊中ですから電波障害を受けていたのです。それでずいぶん地元の反対もありましたし、団体でいろいろ行動したこともあるんです。しかし、一世帯二千円ずつ出してくれ、あとは地元で負担するということで共同アンテナをつくって、それで千二百世常は反対をする一つのきっかけも何も失う、と言えば変ですが、失ってしまうということで、そういうふうにしてその反対地域住民のパワーといいますか、そういうものを徐々に緩和さしていく。それがそういうふうに二千円出してもらったらあとは全部やりますということで電波障害がなくなった。しかし、この間の御答弁を聞ておりますと、ひどいところだけやっていこうとかいうふうなことじゃなく、思い切って大きな共同アンテナをつくる。ああいう過激派でもあの鉄塔を一日か二日で建てるんですからね。ひとつ予算を何としても、これは総裁サイドの方の問題にもからむと思いますが、そういうものを建てて電波障害などを前もってなくすんだというふうなひとつ航空局長の姿勢をぜひいただきたいと思うのですが、その辺いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/265
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266・福永健司
○国務大臣(福永健司君) いま山田さんのお話のような着想は大変大事だと思います。よくこういう点について関係者に協議させまして、これに私も対処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/266
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267・山田勇
○山田勇君 これは、政府は成田空港で米軍の郵便物の取り扱いを含めて軍事的利用は認めないと繰り返して公約をしてきたそうですが、一転して受け入れに変わった事情というのはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/267
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268・福永健司
○国務大臣(福永健司君) いま御質問では一転して受け入れに変わったとおっしゃいましたが、さようなことはさせておりませんが、しかしどうあろうと、その点についてはどっちから御質問なさろうと、これはいずれにしてもお答えしなきゃならないのでお答えをいたしますが、四十六年ごろ成田の非軍事空港化という観点から大変議論がございまして、そのころからのいきさつでいろいろ文書等も取り交わされたりしているようなことがございます。それで米軍の方からは、羽田でもその種のことをやっておったんだからということで確かに要求がございました。この郵便物は民間機が民間の定期便で運んでくる通常の郵便物でございますから、別に軍事的なものをどうこうということではございませんけれども、やはりいろいろ考えなきゃならない問題があるわけでございます。私といたしましては、関係者がそういう文書を取り交わしてきたと、したがって市によっては市議会で議決しているとかいろいろな事情があるようでございます。そこで関係者でそういういきさつもあるのでということを重々頭に置いて対処するようにいまさせているわけでございます。なかなか実はやっかいな問題なんでございますが、私は何とかしたいといま努力をいたしている最中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/268
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269・山田勇
○山田勇君 羽田沖空港の拡張の問題が新聞だとか週刊誌等でよくこのごろ報じられているのですが、この真相というのは一体どうなっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/269
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270・福永健司
○国務大臣(福永健司君) この点につきましては、私のところへ都であるとかあるいはその区の関係の人々とかいろいろな話等もございます。これはいずれ成田へ引っ越しをして、そしてその後の羽田をどうするかということと関連いたしまして、相当ひまもかかる問題ではございますが、そうした機会にぜひ羽田もいいところにするということは望ましいことでございまして、都の方の希望としては、いまの滑走路等をもっと海の方へ出して、そしていままでのところを公園なんかにするというようなそれは構想の一部でございますが、そういうようなことも含まれております。東京都知事とも私ある程度話し合ったところでございますが、まだ本格的にどうということはございませんが、いま申し上げました関係者間でよく相談をいたしまして、前進する方向へ持って行きたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/270
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271・山田勇
○山田勇君 もう最後ですが、こういう不慮の事故が起きましたのですが、総裁に最後に御決意のほどをいただきたいと思います。
ここへ来るまでいろんな御苦労があったとは思います。しかし、これを一つの契機として、もう一度原点に戻るというつもりで、地域住民との話し合いを根強く重ねていっていただきたいと思います。それが何といっても開港の大きな一つの力となってくると思うんです。それはもちろん過激派そのものには、農民が同じような行動をとってないと思います。しかしいろいろな形で、お握りをつくって渡すだとか、農作物を与えるだとか、耕作用地を提供するだとかいう、目に見えないものの大きな力も過激派に力を与えていることも事実です。そういう人たちが、やはりいまの政府のやり方についての不満、不平というのがそういう形で出てくるかもわかりませんので、その点をもう一度踏んまえて、原点に戻って、何としても国民の総意が喜んであけられるような空港をつくっていただきたいと思います。今井さんのように幻の空港公団総裁にならぬように、ひとつがんばっていただきたいと思います。御答弁、御決意のほどだけいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/271
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272・大塚茂
○参考人(大塚茂君) この成田空港に対します反対運動は、最初は確かに私は純粋な、土地を取り上げられることについての反対と、従来のような農業的な生活を続けたいという点から出発をいたしたと思うんでありますが、それが次第に過激派に利用されると申しますか——ようになり、また農民の方もだんだんその反対同盟の加盟者が減るに従って過激派に頼るというような形になってきた。そこにはやはり私どもとしては公団のやり方のまずさということも私はやっぱり率直に反省をしなければいかぬというふうに考えておりますので、そういうおっしゃられますような原点に戻りましてひとつ、過激派はもうとてもわれわれ話をしても問題になりません。農民とは十分話し合いをしまして、ともに喜ぶ空港というふうな方向へぜひ持って行きたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/272
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273・青木薪次
○青木薪次君 大臣にお伺いいたしたいと思いますが、私どもは本当にこの開港が予定どおりできるだろうかということについて非常に心配いたしておりましたし、また全国の国民もひとしくかたずをのんでこの開港、運航開始というものについて注目をいたしておったと思うのであります。私たちのこの不安が実は現実のものになりまして、非常に残念に思っているわけでございますけれども、この開港ということが現実問題として表に出てきたということについて、大臣はゲリラ活動だけの対策でいいと思っていらっしゃるかどうか、いまの大塚公団総裁の言葉とも関連いたしまして、その辺どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/273
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274・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 青木さんの前々から成田開港について御心配をなさっていろいろ御発言をなさっていらっしゃることについては、私も深く敬意を表しつつ耳を傾けてまいった次第でございますが、まことに残念なことでこういうような事態に立ち至りました。そこで、まあいままでのことについて反省し、今後にどう対処するかという観点からいろんなことを考えてまいらなければなりませんが、確かに今度はああしたゲリラ活動、暴挙等がございましたが、この問題全体はかなり大きな問題であり、また根は深いということでございまして、単にこのゲリラ活動だけを考え、これに対処するということだけではこれはもちろん足りないと考えておりまして、問題全体をうまく処理するためには広範な配意が必要である、それを強く感じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/274
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275・青木薪次
○青木薪次君 私どもの党の皆さんが、過般賛成派に回った農民の皆さん、現在まだ反対していらっしゃる農民の皆さんのアンケートを実施したそうであります。そのときに賛成に回った皆さんも、どうせやられるんだったらいまのうちに賛成をしておかないといろんな条件がとれない、したがって、私は反対だけれども賛成に回らざるを得なかったんだと言われたと。で、片方の農民は、約束を公団は守らないということを盛んに言っておるようであります。私は先ほど副議長の加瀬先生とも話をしたんでありますけれども、加瀬先生も言われるには、神社仏閣を含めまして部落全体が一つの市町村に移転できるようにしようじゃないか。農耕地については現在の収益を下回ることのないような面積や、あるいはまたその実収等についても十分補償しましょうということを、数年前に、当時の知事であった友納さんと今井前公団総裁が約束をしたそうであります。これが全く今日に至っても空手形になっているというようなことが、これが非常に大きな問題だと言われているわけであります。で、きのうですか、きのうの予算委員会で、同僚の赤桐議員がこの地権の問題その他を含めて質問したはずでありますけれども、大塚公団総裁はこの辺をどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/275
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276・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 先ほども申し上げましたように、長くその地にあって農業を営んでおられる方がそこを離れたくないという気持ち、それから離れることについての何とない不安というものはこれはもう当然だと思います。しかしそれを公共的な理由からがまんをしていただくということでございますので、なるべくやはり同じ不安を持つにしてもその集落の方々が一団になって移ると、それだけでも多少心強いというふうなお気持ちもよくわかりますので、私どももぜひできることならそうしたいということで代替地等を探す場合にそういう心がけでやっておりますが、何しろ集落——まあこれはこの間岩山部落では十二人の方がそういう形で集落移転をいたしたわけでございますが、まとまった代替地を求めるということがきわめて困難でございます。困難でございますが、しかしやらなければいけない。まあ結局話し合いをいたしまして、農地が少し離れたところに、大部分は——大部分といいますか、半分以上ぐらいはまとまったところにあり、家もそれぞれまとまったところにつくりましたが、耕す農地は相当離れたところにも持っていただいてがまんをしていただくというような話し合いを実はいたしまして、十二軒が一団となって移転をしたという事例もございますが、できるだけそういうふうに持っていきたいというふうに考えております。
それから、約束を守らないというようなことを言われると、私自身もそういうことを耳にいたしております。そういうふうな事柄について、私もどういうところから来ているのかということを私なりにいろいろ調査もいたしてみたんでございますが、どうも率直に申し上げまして今日の事態になった一つの原因、いろいろ原因は、先ほど運輸大臣が申し上げましたようにございますが、その中で公団が反省しなければならぬことに、最初なれない公団の役職員が四十六年四月までに開港というような、客観的に見てこれだけの大きなプロジェクトとしてはだれが見ても無理だという、五年足らずの期間のうちに完成させて開港するんだという目標を課せられまして、なれない人たちが焦った、焦った結果が結局そういうふうな不信を私は招いた一番大きな原因じゃなかろうかと、まあ、ほかにもいろいろ原因があると思いますが、そういうふうな感じ方をいたしておりまして、やはりじっくり腰を落ちつけて話し合いをする、時間をかけるということがやはりこういう話し合いの問題については非常に大切であるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/276
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277・青木薪次
○青木薪次君 私も、農民が土地を取られるということは、私どもが選挙区の選挙民を取られてしまうのと同じだ。これを今度は他の個所へ移転するについても、まあゲリマンダーということもあるけれども、三つの飛び地でしかも余り支持者のないようなところをあてがわれても、それを開拓するには大変なことですよね。そういうように、政治家にとっては選挙区は命である、農民にとっては農地は命であるということになると、そのためには先祖伝来の農地に対する執着は執念のようになっているということを皆さんはもっともっと真剣に考えなきゃいけない。過激派がこれらの地域の皆さんに精神的にも支援を受けるようなことがかりそめにもあるとするならば、私は将来にとっては重大な問題だと言わなきゃならぬと思うんです。
そこで、そういう問題について、実は昨年千葉県選出の国会議員の皆さんが大塚総裁と、強制収用等に対する前によく話し合いをしますということを約束したと言うんでありますけれども、その約束されたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/277
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278・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 私、話し合いの際に十分話し合って、合意の上で譲っていただくというのがあくまで公団の方針でありますということをはっきり申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/278
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279・青木薪次
○青木薪次君 結果として賛成者にはプレミアムを出した、反対者に対しては結果として弾圧で臨んだというようなふうに理解をされているわけであります。たとえば最高一反十万円の土地を百四十万で賛成者から買い取って、そうして農家経営を主張する地権者については一反の代替地も与えていないというような問題がいまいろいろと言われているわけでありますが、そういうようなことが今日まで結局は強制収用にかけりゃいいんじゃないかというようなふうに公団当局が思ってきたとするならば、これは全く時代錯誤もはなはだしいと思うんでありますけれども、こういう点についてどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/279
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280・大塚茂
○参考人(大塚茂君) 公団が急ぎます余りに、強権的に土地を収用するというようなことをいかにもやったというふうによく言われるんでございますが、実績を見ますと、土地収用法を適用しまして代執行で強制的に取り上げたといいますか、収用した土地というのはいままで〇・六ヘクタールだけでございます。結局いままで団結小屋とか、一坪共有地としてどうしても譲らないというところだけでございまして、そのほか途中まで土地収用法の手続等やったことは確かでございますが、全部そのほかは合意の上で買収をしたというのがいままでの実績でございます。私どもは、ただその点に先ほども申し上げましたが、焦る余り多少のあれがあったというようなことは言えるかと思います。
それから、その土地の面積につきまして基準配分というのを最初やりまして、あれは同面積を差し上げないということがございます。たとえば、二町歩提供された方に七反五畝用地を差し上げる、そのほかはお金で差し上げる、お払いするというようなやり方を当初やりました。これは、結局成田市とか富里とか、将来都市化が予想されるような土地に代替地を希望する者が非常に殺到した。だから、その部分の配分の場合に、これ全部一対一で差し上げるわけには物理的な面積が足りないということから、二町歩に対して七反五畝、そのほかの分についてはどうぞひとつお金で差し上げますからどこかほかの土地を御自分でお探しをくださいと、まあ端的に言いますとそういうやり方をとりました。それらが面積を一対一でやらなかったじゃないかという一つの非難になっておりますが、しかしお金でいただいた方はほかにその土地を買いまして——買った人もあるし買わない人もあるんですが、買った方は、それが非常に今日値上がりをいたしておるという方も相当ございます。金で使ってしまったという方も実際にございます。そういうふうなことで、特殊な希望者が殺到した地域の代替地については、面積を十分差し上げなかったという事例が確かにございますが、先ほども申し上げましたように、最近私どもがやりました岩山部落の十二軒等につきましては、これも提供された面積に対して一対一ではございません。少し減歩を——五%程度減歩をいたしております。これは、やっぱり移転先の土地の値段が御提供いただいたところよりも高いものですから、やはり私どもも会計検査院等の監督を受けておりますので、その辺の均衡というものを、それから従来早期に——岩山部落の方々は非常な反対同盟の先鋭分子だった方々でございます。そういう人たちに最初に賛成をされた方々よりも有利な条件になるというようなことになりますと、非常なまた問題も起こりますので、その辺との均衡も考えながら、五%程度の減歩を行って代替地を差し上げた、こういうふうな事情になっておるわけでございまして、われわれとしては、あくまで原則としては一対一の面積で差し上げるようにしたい。ただ、どうしても値段の点で会計検査院、大蔵省等の承認を受けられないようなものについては多少減歩をしていただいて、値段的なバランスというものを考えざるを得ない、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/280
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281・青木薪次
○青木薪次君 私は、千葉県の北総台地が一段と成田空港周辺に向かって険悪になっていくことを実は恐れているわけであります。そういうことであるならば、これは大臣にお伺いしたいと思いますけれども、政府においても、この農民の土地の問題だけはこれはもう今後誠意を持って、開港後の警備の問題とは別に話し合っていくと、そうして問題点を一つずつ解決するというようなことでやっていくべきだと考えますけれども、その点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/281
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282・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 先ほどから青木さんお話しの点については、よく拝聴いたしておった次第でございますが、農民の土地に対する愛着というものが、これはもう実に切実なものがあることは、これは私もよく理解できるところでございまして、その解決のためにいろいろのことが行われなければなりませんが、政府としてもできるだけのことは配意すべきものだと、こう思います。現実的にどうするかということ等につきましては、まあ関係者ともよく協議をいたしたいと思いますが、いまいろいろお話を伺ったこと等も頭に置いて対処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/282
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283・青木薪次
○青木薪次君 開港後の警備についても私たちは非常に憂慮いたしておりましたけれども、開港の大体日程が管制塔の中の器材の修復が四月の半ばに行われましても、その後、先ほど運輸大臣の言われましたように、諸種の条件整備のために直ちに開港というわけにはまいらぬだろうということになりますと、この周辺整備、成田空港の警備について警察庁としては一万三千の警備体制を徐々に減らしていくということのようでありますけれども、今日あのような事態が起きたということになりますと、過激派の先鋭化というものは必至だと実は思っているわけであります。そういう中で、実は成田空港の警備体制がこれは完璧になれば、今度はその力をよそに配分するというようなことは考えられておられるかどうか、警察庁にお伺いしたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/283
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284・福井与明
○説明員(福井与明君) 実は、委員御指摘のような事情は現在でもあるわけでございまして、彼らとしましては、どこをいつまでに絶対に攻撃しなきゃならぬということはございません。こちらの警備が厚ければ目標をいかようにも彼らは変えることができるわけでございますから、現に三里塚闘争に取り組んでおりますセクトの非常に大きなものの中には、成田の現地だけに限らずに、首都圏の公団関係の施設、場合によっては人についても十分の警戒をこちらはしておりますけれども、状況があればそういうものも目標にしたいということを情報的には言っているのがございますので、委員御指摘のように、そういう周辺の警備も含めて警察としては問題をとらえていかなくちゃならないと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/284
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285・青木薪次
○青木薪次君 成田の開港阻止ということを戦略目標に掲げるとすれば、成田空港の管理棟を含む空港それ自体の開港阻止のためのいまいろんな抵抗運動が行われているわけでありますけれども、そのほかに、先ほど山田委員が言われましたように、ジェット燃料の輸送という問題等に目をつけてくることは必至ではないか。それからアクセスの問題が非常に問題になっておりますけれども、箱崎のターミナル等についての大体警備の関係等についてはどう考えていらっしゃるのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/285
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286・福井与明
○説明員(福井与明君) 実は、今回一万三千の部隊を成田に集結させます際にも、同時に全国に指示をいたしましたのは、集結した間隙を向こうとしてはねらえるということを考えますと、委員御指摘のように、成田以外の地域の施設等を攻撃するということが十分考えられますし、実はある程度そういう情報もあったわけでございますが、ですから、その点の警備について怠りのないようにということをあわせて指示をしております。今後もそういう点については十分配意をしながら警備をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/286
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287・青木薪次
○青木薪次君 いまジェット燃料の輸送のルートについては千葉ルートと鹿島ルートとあるわけでありますけれども、千葉ルートの輸送と鹿島ルートの輸送について大体どれぐらいの比率でお考えになっていらっしゃるか、航空局長にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/287
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288・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) 千葉ルートからは一日十二両編成二列車、鹿島ルートからは十八両編成二列車と十四両編成三列車、合計五列車ということで予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/288
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289・青木薪次
○青木薪次君 燃料関係の輸送の列車やあるいはまたタンク等がねらわれたら、これはもう大変な事態だと思うんでありますけれども、御承知のように、非常に線路は長いわけであります。今日の事態でこういうものに対してねらわれるという事態になれば、私はきわめてもろいと思うんでありますけれども、この点警察庁はどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/289
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290・福井与明
○説明員(福井与明君) 実は、鹿島からの第一列車の阻止というのが中核派等の一つの戦略目標と申しますか、目標でございまして、したがいまして、これにつきましてはこの部分をやられると非常に輸送に困難が生ずると申しますか、トンネルとか、橋梁とか、そういうところには所要の警察官を固定配置をするなり、それからある区間を遊動配置をするということで警備をしたわけでございますが、それともう一つは、列車の乗務員そのものに危害が及ぶと、もうこれは大変なことでございますので、これにつきましても、場合によってはヘリコプター等も併用しながら警備をしてまいっておる、こういう状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/290
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291・青木薪次
○青木薪次君 それはあなた、そういう目に見えるところの警備というのはいいんですよ。たとえば第二要塞でも横穴を掘って、調べてみたら三十五人も待機しておったというように、私はやっぱりベトナム戦争じゃないけれども、やろうと思えばそれは相当な力が人間だから出るもんですよ。だから問題は、そういう過激なゲリラ行動を起こさせないという体制が必要だ。その体制を強化するというのには、私はやっぱりこういうような事態を発生する要因を除去していくというために努力せなきゃいかぬ。それにはやっぱり政治の点というのはきわめて私は重大であり、すべてだと思うんであります。いまも警察庁からもお話のありましたように、ずっと要所要所に警察官を四六時中配備する、あるいはまた成田空港には配備する、あるいは箱崎にも配備する、あるいはまたハイウエーにも配備しておくということになったら、これはもう警察官何人あっても足らないじゃないかというように私たちは心配しているわけでございます。そういう点から、問題点についてはこの際、政府としては決意を持って問題の除去に当たるために、いわゆる善良な市民が非常に不満を持っているという問題等については、これは空港職員の問題といい、あるいはまた農地を買収させられた農民の問題と、あるいはまたこれに携わる国鉄の労働者と、あらゆる人について問題を解決するということを、安全のための警備の体制の強化とあわせて行っていくべきだというように考えておりますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/291
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292・福永健司
○国務大臣(福永健司君) この大事業を達成するということのためには、いまいろいろお話のございましたあらゆる関係者に、ないし圧倒的多数の関係者に心からなる御協力をいただくということは全く望ましいところでございまして、従来いろいろ御指摘のあるようなこと等も大いにわれわれとしては、そういうことがあったということ、ないしあったとするならばこれから対処してまいらなければなりません。私どもといたしますと、このたびのことは大変不幸なことであったし、残念に存じますが、いまとなってはぜひこうしたことを、将来にとうとい体験として生かすということでありたいと思います。できるだけ多数の方に心からなる御協力が得られるように努力してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/292
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293・青木薪次
○青木薪次君 まだ細かな点をたくさん聞いていきたいわけでありますけれども、午前中からの論議を私も聞いておりまして、大体私の言わんとしたような点についても相当数触れられておりますので——ただ一つ、私どもの社会党は国際空港はぜひ必要である。それから内陸空港については、今日の事態ではこれは反対である。こういう問題が必ず起きてくるということから、かつて運輸委員会で長崎新空港を視察いたしましたけれども、これは知事の英断もありましたけれども、いずれにしても非常に公害、環境等の問題について地元と調和がとれた空港となっているわけであります。成田の問題等についてはこの点を私たちが危惧し、問題化してまいりましたけれども、そのことが非常に大きく当たっていることについて実は非常に驚いているくらいなんでありまして、この点についてはもう内陸空港については問題がある。先ほど大臣の言われたように、羽田空港等については、現在のところを公園にして沖合い空港をつくっていこうじゃないか、これも非常に構想としては私は正しいと思います。そういう点から、もう今後においてこのような、成田のような空港というものについては私は困難である、つくってはいけないというように思っておりますけれども、大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/293
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294・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 非常に大きな観点から、いろいろ御説がございました。国際空港は必要である、したがって適当なところにつくるんならいいという意味のお話を伺ったのでございますが、内陸空港については反対だというお話でございますが、これ全部が全部というわけにもいかぬと思います。思いますが、私も実はこういうことになりますずっと前には、あそこへ空港を置くかどうかというような話、さらにそれより前の話等のときには、当の責任者の一人といたしまして、多少違った考えを実は持っておったんでございます。だからしたがって、いまでもその考えで青木さんと同じように内陸空港をやめにすりゃいいじゃないかと、こういうことにはこれはまたこれで簡単にそうつながらないのでございまして、ここまで来たのにはそれなりの理由があったわけでございます。そこで、私は全く成田につきましては、どうぞひとつ、ここまで来たのに、福永健司のときに大方でき上がったものをこれをやめにするということは、率直な話御勘弁を願いたいし、するのでありますが、青木さんがいまいろいろおっしゃったように、内陸空港なるがゆえにごうごうといういろんな欠点等も御指摘がございました。できるだけ私は成田にしていまここまで来たものを変えることができないとするならば、せめてその御指摘のような点、またその他いろいろございましょうが、こういう点にいろいろ留意して、その欠点をできるだけ少なくするようにと、こういうように努めたいと存じます。
それから、実はその他の空港等につきましては、現在あるところと、これから生まれるところと、構想がある程度進行中のところと、いろいろございますが、ただいまの御説等をよく伺いつつ、今後に対処すべきものであると思います。現に私も、実は青木さんによく似たようなことを、若干の空港について私みずからそういうことを言っている事情等もございますが、この上とも御高説を拝聴しつつ善処してまいりたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/294
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295・青木薪次
○青木薪次君 大臣、私もかつて三年ぐらい前から、私ども静岡県のいまの内陸空港について、海の上へ滑走路を出して、そしてこれを設置したらいいということを私どもは提案したこともあるのです。それくらい、地元の皆さんいろんな条件等を考えてやれば、それはやっぱり地元のコンセンサスということが得られれば、それは成田のような問題は発生しない場合だってこれはあり得るわけですからね。原則として内陸空港はこれからは無理だということを実は私は申し上げているわけであります。ですから、何でも反対というんじゃなくて、その地元の皆さんのやはり理解と協力ということについて得られないままに、今回の成田のように強行突破を図るというような問題等については、将来とも問題が起こるだろうということでありまして、この問題をいい反省の材料として今後に処してもらう必要があるんじゃないかというように考えます。
それから、成田の空港については、航空局も公団も全く完璧なような飛行条件を、航空条件を有しているというように言われておりますけれども、この点はいかがですか。気流の点については、いろいろ新聞等に載りまして、慣熟飛行に参加されたパイロットの皆さんの意見も聞いております。それからもやが非常にある、突風がある、雷が非常に落ちる、それから交通アクセスが非常に問題である、燃料輸送に困難である、それから横風用の滑走路もないというようなことは、総じて私は欠陥空港じゃないかというように考えておりますけれども、その点、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/295
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296・高橋寿夫
○政府委員(高橋寿夫君) アクセスその他の問題はおきまして、一応気象条件等の関係で私の理解している限りのことを御説明申し上げたいと思います。
一つは、乱気流問題でございますが、気象庁の予報官が個人的に勉強したデータ等も私も見ているわけでございますけれども、これは内陸空港の特有、通有性といたしまして、どうしても丘あり谷ありというところに空港をつくります。成田の周辺もごらんのように丘陵とそれから谷地と言われる谷の部分が交錯いたしております。したがって、地表面がでこぼこしているわけです。——大きなでこぼこじゃありませんけれども。そこへ風が吹きますと、地上の風はその地面のでこぼこに従って、風がこううねるわけであります。この風が弱いときですと何ということないんですけれども、風が強いときにはそのうねりがやはり強くなって、空港の滑走路面に近い、非常に低い空、低空部分についてそういううねりが出ることがある。で、飛行機は離着陸のときにちょうど滑走路に近い低空部分の空気の層を通過するわけでございますので、日によりましてそういう状況のときには機体が揺れることがあるということが言われておりますが、これはもうもちろん愉快な揺れ方じゃございませんけれども、しかしながら、その継続時間もごく短い時間でございますし、航行の安全に支障があるような問題では絶対ない。ただ、なれないパイロットが来て、不愉快な感じを持つといけませんので、十分そういったことはあり得るということを内外の操縦者には周知をさせることにいたしております。航行の安全にはこれは関係ありません。乱気流といいますと、大分前に富士山ろくに墜落いたしましたBOACの晴天乱流問題、あれがすぐ頭にございますので、私どもは乱気流というと、すぐ機体がばらばらになっちゃうようなものかと予想しがちでございますが、ああいうクリア・エア・タービュランスというようなものとは全く空気の構造の違うものでございまして、内陸空港は大なり小なりどこでもあるということを聞いております。パイロットでも、日本航空のパイロットの方は比較的大都市空港とか、外国のいい空港に離着陸するものですから、成田みたいな内陸空港を余り使っていませんので、大分印象が強かったようでございますが、同じ慣熟飛行でも、全日空のパイロットがやりましたが、あんないい空港はないと言っている人もいるわけでありまして、もちろん日によっても違いますけれども、このことは安全に支障ございませんが、十分そういう気象のこともあり得るということは周知をいたします。
それから霧でございますが、これも気象庁の調べでございますと、確かに夜間は、風がない日は霧が夜中から明け方にかけておりることがあります。これはちょうど昼間の大気、地上が、大地が暖められて、上昇気流が上へ上がりますですね。そしてそれが、大地が冷えますと、地表にその水蒸気が水になって停滞すると、風がないとそれが霧になるということが普通の気象現象でございますけれども、これも日が出ますと、すっと温度が高くなると消えるということでございますし、風があればもちろん問題ないということでございまして、航空機の運用を開始する昼間の時間帯あるいは夜でも、夜中から朝に霧が発生しやすいわけでありまして、十一時までというような時間帯でございますと、その危険性は少ないということを気象の専門家は言っておりますから、これもまず大丈夫だと思いますが、もちろん航空の規則には視程何キロという規則がございますから、その視程を超えるような場合には当然発着を控えさせますので、そういった点については万々遺憾なきを期したいと思います。
それから横風の問題でございますが、これも成田空港は滑走路一本しかない片肺空港であるということが言われております。もちろん私どもも二本あった方がいいと思います。二本ありますれば、たとえば不幸にして一本が何かの事情で滑走路閉鎖になりましても、横風用滑走路があればそちらへシフトできますので、二本、横風用と普通の滑走路、両方ございますれば、いわゆる一本半といいますか、そういう運用ができます。現に羽田でもそうやっておりますので、ベターでございますけれども、ただ横風用滑走路がないと危険かという点のぎりぎりの判断になりますと、これは危険ではございません。これもいまから二、三年前に、三年間の毎日観測をいたしました。一日二十四回ですから一時間に一遍ずつ、二、三日前壊されました管理棟のところにちゃんと気象の器械をつけまして、それで観測いたしました。三年間やりました。その平均をとりましたところが、いま日本航空なんかでは、飛行機が横から二十ノット以上の横風を受けるという場合には危険だから飛んではいけない、こういう規程になっております。そこで二十ノット以上の横風が吹く日が何日あるかということを三年間のデータでとりますと、〇・一%しかない、千分の一でございます。したがいまして、千分の一というきわめて小さい確率でございますから、そのために飛行機は飛べないということはあり得ないということになっているわけであります。これを強調いたしますと、横風用滑走路不要論になりますので、非常にここのところがむずかしいんでございますけれども、私どもは、それは二十ノットを超える横風の比率が〇・一%と言っているわけでありまして、もちろん横風が二十ノット以下でも横風用滑走路があればそちらを使うにこしたことはないわけでございまして、二本あれば非常にそういった意味でも都合がいいし、また安全に資することはもちろんでございますので、ぜひ横風用滑走路もつくらしていただきたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/296
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297・福永健司
○国務大臣(福永健司君) ただいま青木さんはたくさんの事例をお挙げになりまして、そういう意味で欠陥空港ではないかということでございます。若干の事例につきましては、専門家の方の局長がお答えをいたしましたのでございますが、私はまあ言うなれば素人といたしまして、先ほどいろいろお挙げになりましたのを全部が全部について局長のような意味における答弁をするのじゃございませんが、すでにできております日本の空港等については、ある程度空港によって欠陥ないしそれに近いものというような事情もあると思いますが、私はたとえばお挙げになりました乱気流の点等につきましては、香港やロンドンのヒースロー等につきましては、これははるかに成田よりもまだ気をつけなければならぬという事情があるようでございますが、この両港ともそういうことがあるんだということを頭に置いて、ずいぶんそれに対する対策をしているようでございます。また、羽田よりもっと遠い、都心から離れておりますサンパウロはサンパウロなりに欠陥といえば欠陥に近いような事情を持っており、リオデジャネイロあたりも霧等についていろんな事情があるようでございますが、まあそういうところは、その他いろいろございますが、その欠点を補うためにずいぶん苦労をして、これに対処しているようでございまして、その他いろんなところで、それぞれこの空港は特にこういうことに気をつけなけりゃならないんだという措置をしているようでございますので、私は日本は島国でございますが、島国なるがゆえにそれなりの気をつけなければならぬようなこと等もございます。いまいろいろお話を伺いましたので、すべての空港について多少ともそういう心配があるところはみずからの、そういう意味における足らざるところを心してこれを補う措置を十分講じさせるように、よく調査をいたしまして、まあ欠陥というのか、まあ欠陥とまでいかなくてもそういう傾向のあるところに対しましては、それぞれ気をつけさせるように、必要な措置を講じていきたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/297
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298・青木薪次
○青木薪次君 まだいろいろと質問したい点がたくさんございますけれども、後でもまだいろいろ行事もあるようでありますので、これで私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/298
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299・内田善利
○委員長(内田善利君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/299
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300・内田善利
○委員長(内田善利君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案について、公害対策及び環境保全特別委員会並びに建設委員会から連合審査会開会の申し入れがございますので、これを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/300
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301・内田善利
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/301
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302・内田善利
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108413830X00419780328/302
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