1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年三月三十一日(金曜日)
午前十時二十一分開会
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委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
広田 幸一君 川村 清一君
坂倉 藤吾君 志苫 裕君
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出席者は左のとおり。
委員長 田中寿美子君
理 事
久次米健太郎君
原 文兵衛君
矢田部 理君
小平 芳平君
委 員
佐々木 満君
菅野 儀作君
田代由紀男君
林 寛子君
三善 信二君
森下 泰君
山内 一郎君
粕谷 照美君
川村 清一君
志苫 裕君
内田 善利君
中野 明君
沓脱タケ子君
柳澤 錬造君
国務大臣
国 務 大 臣
(環境庁長官) 山田 久就君
政府委員
環境庁長官官房
長 金子 太郎君
環境庁長官官房
審議官 石渡 鷹雄君
環境庁企画調整
局長 信澤 清君
環境庁企画調整
局環境保健部長 山本 宜正君
環境庁水質保全
局長 二瓶 博君
事務局側
常任委員会専門
員 今藤 省三君
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本日の会議に付した案件
○公害健康被害補償法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/0
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001・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
本日、坂倉藤吾君、広田幸一君が委員を辞任され、その補欠として川村清一君、志苫裕君がそれぞれ選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/1
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002・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 次に、公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、前回の二十九日の委員会で質疑を終局いたしております。
これより討論に入るわけでありますが、委員長の手元に修正案が提出されています。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
この際、討論に先立ち、本修正案を議題とし、沓脱君から修正案の趣旨説明を求めます。沓脱君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/2
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003・沓脱タケ子
○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、公害健康被害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由とその概要の説明を行います。
政府案は、補償費等の一部に充てるため、自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を交付するという四十九年度以来の臨時措置を、五十一年に続き再び二年間延長するというものであります。
日本共産党は、この臨時措置を決めた四十九年、五十一年の過去二回の審議におきまして、この自動車重量税収の一部引き当て措置は、自動車メーカーを免罪し、ユーザーに責任を転嫁するものであること、また、この措置は一般会計から支出される国費でもって補償費を負担することであることを指摘し、これに強く反対し、修正案を提出いたしました。しかしながら、政府が国会における本委員会の附帯決議さえ二度にわたって無視し、再びこの臨時措置の延長を行おうとするのはきわめて遺憾であります。
さらに、今回のこの臨時措置の無原則的な延長は、本補償制度の持つ矛盾、すなわち窒素酸化物の排出を根拠に自動車の補償費負担を決めながら、この窒素酸化物を地域指定の要件としないという矛盾を固定化するものであります。このため、一方で窒素酸化物を地域指定要件としないことによって多くの公害患者を切り捨てており、他方では自動車からの窒素酸化物の排出を理由にして、補償費の二割が自動車重量税から支出され、汚染原因者負担の原則に反し公害の原因企業を二重に利する結果となっております。
以上の理由から、本制度発足以来の問題である公害保健福祉事業等にある公費負担の解消を含め、窒素酸化物を地域指定の要件とし、公害患者の不当な切り捨てをなくし、また、自動車メーカーの補償責任を明確にする修正案を提出する次第であります。
次に、修正案の概要を御説明いたします。
第一は、補償費等の一部に充てるため、五十三年度、五十四年度の臨時措置として、輸入業者を含む自動車製造業者から賦課金を正当に徴収することとし、その賦課金額は、自動車の種別、総排気量、汚染物質の排出量等を勘案して政令で定める金額に出荷台数を乗じて算定することといたしております。
第二は、ばい煙発生施設等の設置者に対する汚染負荷量賦課金の賦課対象物質に、現行の硫黄酸化物とともに新たに窒素酸化物を法定することにより、窒素酸化物が被害発生の原因物質であることを明確にし、これを地域指定の要件とすることといたしております。
第三は、公害保健福祉事業費、地方公共団体の補償給付支給事務費及び公害健康被害補償協会の事務費にある公費負担を全廃し、これを企業負担とすることといたしております。
以上の点を十分御理解いただき、慎重に御審議の上、速やかに可決されるようお願いいたしまして、わが党を代表しての修正案の提案理由とその概要の説明を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/3
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004・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 以上で趣旨説明が終わりました。
別に御発言もないようですので、原案並びに修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、討論はないものと認め、これより採決に入ります。
まず、沓脱君提出の修正案を問題に供します。
沓脱君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/4
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005・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 少数と認めます。よって、沓脱君提出の修正案は否決されました。
次に、公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/5
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006・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと任じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/6
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007・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
矢田部君から発言を求められておりますので、これを許します。矢田部君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/7
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008・矢田部理
○矢田部理君 私は、ただいま可決されました公害健康被害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
公害健康被害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たって、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
1 公害による健康その他の被害を未然に防止するため、発生源対策の強化を図ること。
2 昭和五十五年度以降における費用徴収方法については、汚染の原因者負担の原則にのっとるとともに、発生源の公害防除の努力が十分反映されることを重点においた基本的方策の確立に努めること。
3 第一種地域における費用負担と補償給付等の地域別収支について、著しい不均衡を生じている地域があるので、費用負担が公平に行われるよう汚染負荷量賦課金の賦課料率を決定すること。
4 公害健康被害者に対する補償給付の改善を行うとともに、転地療養事業等の公害保健福祉事業の充実、強化を図ること。
5 幹線道路周辺における大気汚染状況を改善するため、バス、トラック等の排出ガス規制をさらに一層強化するよう努めるとともに、自動車交通に関する総合的な対策の推進を図ること。
6 工場等固定発生源から排出される窒素酸化物の規制については、排出基準を一層強化するとともに、脱硝技術の開発の促進等により、総量規制方式の早期確立を図ること。
7 最近における都市型複合汚染に対処するため、窒素酸化物等についても、健康被害との因果関係を究明し、その結果に基づいて地域指定の見直しを行うこと。
8 著しい大気汚染の影響による疾病については、現に指定されたもののほか、目、鼻、咽喉等の被害及びその因果関係についても調査を実施し、その結果に基づき、指定疾病に加えること。
9 本制度の対象となっていない騒音、振動等による健康被害及び財産被害についても、その実態の把握に努め、被害者の補償措置を早急に確立するよう検討すること。
右決議する。
以上でございます。
委員各位の御賛同のほど、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/8
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009・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) ただいま矢田部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/9
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010・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 全会一致と認めます。よって、矢田部君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、山田環境庁長官から発言を求められておりますので、この際これを許します。山田長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/10
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011・山田久就
○国務大臣(山田久就君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体しまして努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108414205X00819780331/11
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012・田中寿美子
○委員長(田中寿美子君) 以上をもちまして、本日の委員会はこれにて散会いたします。
午前十時三十二分散会
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