1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年四月二十七日(木曜日)
午後三時三分開会
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委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
市川 正一君 河田 賢治君
四月二十七日
辞任 補欠選任
降矢 敬雄君 園田 清充君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 省吾君
理 事
青井 政美君
山内 一郎君
川村 清一君
相沢 武彦君
委 員
片山 正英君
北 修二君
久次米健太郎君
小林 国司君
坂元 親男君
田代由紀男君
田原 武雄君
野呂田芳成君
降矢 敬雄君
坂倉 藤吾君
村沢 牧君
原田 立君
藤原 房雄君
河田 賢治君
下田 京子君
三治 重信君
国務大臣
農 林 大 臣 中川 一郎君
政府委員
農林政務次官 初村滝一郎君
農林省農林経済
局長 今村 宣夫君
事務局側
常任委員会専門
員 竹中 譲君
説明員
農林省農林経済
局保険管理課長 船曳 哲郎君
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本日の会議に付した案件
○農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/0
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001・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいま農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨二十六日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として河田賢治君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/1
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002・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は去る二十日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/2
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003・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 私は、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案、これを具体的に審議をしていく前提として、まず基本的な課題について一、二お尋ねをしておきたいというふうに思います。
これからの農業に要請をされます社会的な使命、あるいは同時に農業の将来展望、これについて省の分析と指導の方針、一応白書の中で五十二年度——これはおおむね五十一年度までの資料を中心にいたしました動向に関する年次報告、あるいは五十三年度の農業施策についてすでに配付を受けましたので、中身は検討さしていただいておるわけでありますが、それらを踏まえて、もう少し具体的に省のそれらの分析と方針について、お伺いをしておきたいというふうに思うのであります。
なお、災害補償制度、共済制度、このあり方につきまして、あわせて長期的な基本構想といいますか、将来、この制度そのものについてどういうふうにしていけば大体まあまあの形になるのかといったような構想がおありであろうというふうに思うわけでありますので、それらを踏まえてひとつ基本の立場で、これは考え方はひとつ大臣の方からびしっとお出しをいただいて、あと具体的に少し説明をいただきたいと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/3
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004・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 政府は、さきに今後のわが国農業の姿を明らかにするものといたしまして、昭和六十年度を目標年次とする「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを策定いたしまして、さらに昨年の十一月、これに即応して農業生産の地域指標を明らかにしております。
これらにおいては、わが国農業の生産体制を整備して、国内で生産可能なものは極力国内で賄うということを基本といたしまして、食糧自給力の維持向上を図ることを旨としてございます。
具体的に申し上げますと、米は国民食糧の基本でありますから、需要に児合った生産を確保する。同時に、麦、大麦、大豆、飼料作物等の不足しておりますものについては、極力その生産の増大に努めることによりまして、食糧自給力の向上を図ることとしております。これによりまして、総合食糧自給率は六十年において七五%とすることを目標としております。今後とも、このような将来の姿を実現するよう努力してまいるつもりでございますが、これに必要な生産基盤の整備、生産の担い手対策の樹立、構造政策、価格政策等、各般の施策を講じてまいりたいと存じます。また、災害補償制度についても、以上のような農業の長期展望を踏まえまして、農政の方向に即して施策の推進を図り、農業経営の安定と農業者の福祉の向上に寄与してまいりたいと存じます。
まず、農業災害補償制度につきましては、制度創設以来農業事情の変化に対応して対象範囲を拡大するとともに、補償内容を充実する等、逐次制度の充実強化を図ってきております。そして、農業経営の安定のために多大の寄与をしてまいったことは、御承知のとおりでございます。最近においても、一昨年の七十七国会において補償内容の充実等の観点から、米に限らず、広く制度全般にわたり大幅な改正を行ったところでございます。また、今回は、畑作振興の重要性等にかんがみまして、畑作物共済及び園芸施設共済の本格実施のための改正を行うこととした次第でございます。
農業災害補償制度は、災害対策として農政における重要な柱でありますので、今後ともその的確な運用に努めることはもちろんでありますが、事業実施等を踏まえつつ、農業事情の変化に対応して、制度の一層の拡充強化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/4
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005・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 おおむねこの五十三年度施策の言うならば七ページ、八ページ、九ページあたりを、いまそれなりに御説明があったというふうに思うんですが、問題は、私ども今日段階として必ずしも賛成をする立場ではありませんが、昨年から問題になっております米の生産調整、したがってこのことは、具体的に畑作を中心にいたしました転換を誘っているわけですね、一面では。そうしますと、今回畑作物共済が本格実施になる。いままで試験実施をしていたものが具体的に来年度から本格実施になっていく、こういう運びになっいてくわけでありますが、この生産調整との絡みの中で転換をしていく畑作物というのは、今回本格実施をしていこうという種類とのかかわりの中で、相当具体的には大きな差があると思います。したがって、そうした問題が、これからの社会的ないわゆる要求をされる立場で見まして、現実に本格実施に出発をしようとすることとちょっと現実に合わない、こういう問題が相当数出てくるんです。したがって、そうした物の考え方というのは一体どうなんだろうか。
今日段階、私どもがながめましたときに、たとえば対象になっております四十万ヘクタールの問題にいたしましても、では、この四十万ヘクタールはどういう形におおむね転作の作物を選択をしていくんだろうかといったような展望、あるいは政府が誘導していこうとするいわゆる目標量、こうしたものとのかかわりということになりますと、まだ率直に言って何もつかんでいないというのが実態じゃないんだろうかというふうな感じがするんです。しかし、つかんではいないけれども、誘導していこうとする目標その他は一体どうなっているか。状況からいけば、省として四十万というのは一つの目標として掲げられている。それは具体的に各県に割り当てをされて、割り当てをした段階からは県の責任だと、こうなっている。これが現実です。そうしますと、今回の畑作物共済を本格実施をしていこうという立場とは、一体そうした問題はどうなるんだろうかということが、基本的な立場としてきわめて気になるわけです。その辺はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/5
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006・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、総合農政といいますか、総合食糧政策というのが当面する課題でございます。簡単に言いますと、過剰上傾向にございます米を不足ぎみな、すなわち麦、大豆あるいは飼料作物、甘味資源作物、こういったものを中心にして四十万町歩の作付転換を行う、そして長期的な食糧自給度を向上するというのが、当面する課題でございます。
その場合、米と転換作物との間にいろんな差がある。たとえば価格の面において、やはり米が収益性が高い。このアンバランスをだんだん埋めていかなければならない。あるいは土地改良等においても畑作の方がおくれておる、こういう問題もありますので、畑作の作物自体の土地改良、あるいは農業構造改善事業等もやっていかなければならない、あるいは農業金融等においても立ちおくれておる、こういった種々の施策がありますが、私も痛切に感じるのは、北海道などでは米が有利性があるというのは、共済制度があるからである。言ってみれば、一番災害に弱いはずの米が、寒冷地で言えば一番被害率の多い米が、実際問題に当たりますと収入の面では一番冷害に強い作物である。冷害の年に税金を納めた農家がたくさんあるというような異常な事態でございます。ところが、わりあい冷害に強い、災害に強い畑作物においては、実質そういった災害制度がないものですから借金借金と、ある程度の金融措置はありますけれども、それが非常に畑作農家を不安に陥れておった。そこで、何とか長い間のうちに、この畑作共済というものをつくりたいというのが、畑作農業にとってのもう宿願とも言うべきことだったと思うのでございます。
これが、実験共済からいよいよ本格共済ということになりまして、一年はおくれますけれども、この総合食糧政策の転換という時期に間に合うということは非常に意義あることである、こう思って成案を急ぎ御提案をした次第でございまして、まさに総合食糧政策の目玉政策とも言うべき価値あるものと、こう評価しておる次第でございまして、御理解いただきたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/6
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007・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 いま大臣が指摘をされておりますように、たとえば寒冷地、あるいはむしろ南の方は、具体的に実施六品目の中にサトウキビその他の形で完全に盛り込まれるわけでありますから、その点は私どもも評価をするわけです。ところが、その他の作目になってまいりますと、これはまだ実施に至らぬわけですね。ところが、本州中心にいたしまして温暖地域、ここでは相田範囲の広い種目が具体的に実は取り入れられておる。言うならば、総合的にそれらの畑作物の共済等が行われていきませんと、実際の効果というものについてはきわめて不十分じゃないのかという気がするわけでありますが、その辺が一つだと思います。
それからもう一つ、基本に触れる部分でありますが、転作の指導によって稲作が減っていくことになりますね。そうすると、農作物共済の中の中心をなしておりましたいわゆる水稲の関係について、結果的に共済に加入をするのが数的に少なくなってくる。これは当然な話ですね。したがって、数的に少なくなってきたときに、共済組合の制度に及ぼす影響といいますか、そのままで果たして成り立っていけるという展望になっておるのかどうか、こうした観点を少し具体的に説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/7
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008・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 今回、共済の対象となります作物は、バレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜そしてサトウキビということになっておりますが、その他は政令指定ということになっております。とりあえずやりますものは、保険設計といいますか問題がない、本格実施をしてもまずまずやっていけるだろうといったようなものを取り上げたわけでございますが、そのほかの作物につきましても、そういった保険設計というものをやりましてなじむであろうというものは、鋭意これから努力をいたしまして追加をして、保険としてなじむか、あるいは仕組んでも大丈夫かというようなことを工夫しながら、これに取り入れるように努力をしていきたいと存じます。
米の方の共済のことにつきましては、局長から答弁をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/8
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009・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 稲作転換によって共済組合などにはどういう影響を及ぼすかという問題でございますが、五十三年度におきます水田利用の再編対策の実施によりましてまず考えられますことは、農業共済団体の事務費負担金の減収が生ずるということでございます。
そこで、大体私の方で賦課金収入の減はどの程度になるかということを考えてみますと、約五億円でございます。五億円足らずでございますが、これに対する対応といたしましては、五十三年度予算におきまして事務費国庫負担の特に大幅な増額を図っておるわけでございます。金額で申し上げますと、ベースアップ所要見込み額が約二十億円ございますほかに、十二億円の事務費の増額を図っております。これは前年は約五億の増額でございますから、その意味におきましては二・五倍弱の増額を図っておるところでございます。そういうふうなことで対応をしていきますと同時に、地域によって転作の状況が違いますから、そういうふうな状況も十分織り込んで、きめ細かくその事務費負担金の増額を配分をいたすことによって対応してまいりたいと考えております。
御存じのように、国は共済団体等の運営に必要な事務費に対して毎年国庫負担をいたしておりますが、この負担を予鎌に計上するに当たりましては引き受け面積を基準にしておりませんので、転作により負担金の予算額が減少するということはございません。したがいまして、私たちといたしましては、今後共済組合の事務の円滑な遂行に必要な事務費の国庫補助の増額につきましては、十分留意して努めてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/9
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010・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 具体的な内容等についてはまた後ほど触れますけれども、問題は、今回の制度を全般的にながめてみまして、今日まで試験実施等を踏まえて今回の制度で明確なもので見ますと、全体としては六種類、言うなら農作物共済それから春繭あるいは冬繭の関係ですね、いわゆる蚕糸の関係、繭の関係、それから家畜共済、果樹共済、畑作物共済、園芸施設共済、こういうふうにそろうわけですね。そろうことはいいんですが、問題は、この制度全体をながめてみたときに、やっぱりこれを運営をしていくということになりますと、私は相当な作業といいますか、事務量といいますか、大変なことだろうと思うんですね。しかも、法案の中身にぼちぼち触れていきますけれども、大変むずかしい評価基準その他計算の方法が当然加わってきておるわけです。
要は、これを進めていくのに、やっぱりそれにふさわしいような人の問題等が当然出てまいりますね。そうすると、今日この共済に携わっておる人たちのいわゆる処遇の問題その他をながめてみましたときに、私は、同じような担当をしておりながら、自分の所属の違いによって処遇の仕方についてのきわめて大きな格差がある、こういうことになると思うんですね。こうした問題等も、こうした法案を整理をして運営をしていくに当たって、当然私は明確に配慮されていると思いますので、そうした観点についてまた触れていきますけれども、ぜひひとつ心しておいてもらいたいと思います。
そこで、中身の問題に入っていくわけでありますが、ひとつ整理をする意味でお聞きをしておきたいことは、改正条文をながめていきますと、「相当する金額」あるいは「相当する数」、さらには「相当する」という「相当」という文字を使った「金額」、「額」、「数」、こうした表現が各所に出てくるわけであります。別に暇で数えてみたわけじゃありませんけれども、「相当する金額」というのは、この改正条文だけながめてみましても二十二カ所。「相当する額」というのは一カ所。「相当する数」というのは六カ所。これは全部条文を申し上げてもいいわけですが、これだけ掲載をされている。この「相当する」というのは、もともとの法案の中にも「相当する」という形は入ってはおりますけれども、これだけ多く使われておるというのは、今回の改正条文、旧法の方よりも、数を見ていきますと圧倒的に多い。この「相当する」ということについて、字句上の特段の意味があるのかどうか。
私は、この「相当する」というのは、数字的ないろんな問題あるいは言うてみますと、共済と言いながら保険の制度でありますから、権利義務その他の関係で、たとえば訴訟行為等に発展をしたときにきちっとしていないと問題があるだろうということで、正確に使おうとしてかえって文章の解釈をややこしくしているんじゃないのかというふうなことを感ずるわけですが、特に意味があれば、その辺について解説をしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/10
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011・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農業災害補償法上、「相当する金額」でありますとか、あるいは「相当する数」という表現を多く使っております。
この「相当する」ということは何であるかということでございますが、「相当する」という言葉は、一般の用語と異なる特殊な意味を持つ法令用語ではございませんで、一般的に言われれば、匹敵するとかつり合うとかいう意味を持つものでございます。
百二十条の十四第一項第一号を例にとって申し上げますならば、「当該農業共済組合の組合員又は畑作物共済資格者の当該畑作物共済の共済目的の種類等に係る基準収穫量の合計の百分の八十に相当する数」という条文におきます「相当する」ということは、言葉で言いますと名数、すなわち単位の名称、ここではキログラムでございますが、それのついた数を、無名数、すなわち単位の名称のつかない普通の数に切りかえるための役割りを果たすわけでございます。たとえて言いますと、キログラム当たり単位円掛けるキログラムということではございませんで、単位当たりのキログラム当たりの単価の円に掛けることの数、すなわち三・一五なら三・一五というその数でありますよということを言っておる意味でございます。
それからもう一つ、十三条の四で、「当該組合員等に係る共済金額に、その者の住所の存する第百二十条の十五第一項の区域又は地域の属する危険階級の畑作物基準共済掛金率を乗じて得た金額の五分の三に相当する金額」という条文におきます「相当する」という言葉は、文章上一定の算定方式などの修飾がついている金額を、その算定方法等とは無関係に単なる金銭の額に切りかえるという役割りを果たしているわけでございまして、こういう計算をして百円ということになりますよというそういう百円ではございませんで、ただ単に裸の百円ですよという、そういう表現の役割りを果たしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/11
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012・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 大変な御説明をいただいたのですが、いただきました何を意味するかというその大体のことはわかるんですよ。ところが、その言葉をつけておるがゆえに、かえってぱっと見て、この条文は一体何なのかということがきわめてむずかしくなっているんですね。たとえば百二十条の十六、この後段を見てくださいよ。この最後の方ですが、この後段の方、いま私が言うのとここの表現と何がどう変わるのかといったら、先ほど言われましたような単位の問題しかないと思うんです。たとえば後段を「単位当たり共済金額に、その超えた部分の数量を乗じて得た金額」——仮にこういうふうにしたときに、具体的に支給される、あるいは算出をされた金額というのは異なるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/12
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013・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農業災害補償制度におきましては、いろいろな改正を重ねてきましたものですから、制度は精微なものになると同時に、お説のとおりに非常に複雑なものになっておることは確かでございます。しかし、制度を仕組みます際に、できるだけ表現も理解のしやすいような平明、わかりやすい表現をとることはきわめて重要でございますが、やはりその表現の正確性ということを確保するといいますか、そういうことを期するために、先ほど私が申し上げたような、そういう法律上の表現とは若干違いますけれども、申し上げましたような表現をとってきておるわけでございまして、できるだけ今後もわかりやすい表現をとると同時に、理解につきましては十分努力をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/13
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014・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 結局、この補償法の目的は何をするかといったら、こうこうこういう計算で被害をこれだけ受けたときはこれだけ出しますよという、結果的に補償の金額を間違いなくどう算出するかということが、これは目標としてはっきりしているわけですね。それに対しまして、算式ではこう出てきたものを、その数字が動かないのに、わざわざそれを「相当する金額」だとか、「相当する額」だとか、こういう形というのは、これはむしろその法律を一般の人々から疎外をしてしまう作用になっていって、親しみにくい難解なものにすることになる。しょっちゅう法律をいらっている人は、それはそれなりに私はなれがあると思うのですっと見れると思うんですね。しかし、一般の人がながめたときに、法律が見近なものになるのか縁遠いものになるのかというのは、やっぱりそこにあると思う。その辺は、ぜひ法制の段階で、具体的にもう少し見近になるように、文章表現等についてはなるべく簡明に、しかも一般の用語が、なるほどこれなんだなあというふうにわかるように、ぜひともひとつ御努力をいただいておきたいと私は思うんです。
次に移りますが、畑作物共済につきまして先ほども少し触れましたが、本格実施になりますのはバレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲン、サトウキビの六作物、こうなります。ところが、先ほども述べましたように、今日の畑作物の傾向というのは非常に広範囲になっている。広種類になっている。政府の水田利用の再編強化指導、この指導にも絡んで、ますますそれが急激にふくらんでくるという傾向にある。したがって、その形をいま具体的にとらえてみますと、この農災法の第一条の趣旨というのは、こういうふうになると思うんですね。農業経営の安定と生産力の発展のために、いわゆる不慮の事故による損失というものを補てんをすると、こういう立場になりますから、そのことはすべての農産物、これを具体的に当てはめていくべき一つの方向性というものをこの一条は示しておるんではないだろうか、こういうふうに考えるわけですね。
したがって、先ほども基本的な課題で質問をいたしましたけれども、その辺は将来、方向として、大臣の答弁によれば、逐次取り入れていくというお話はありましたけれども、全部の畑作物あるいは広範囲にとらえて農作物と言った方がいいんでしょうか、それは全部将来においては共済対象にしていくという前提に立って、今回出発に当たっては六つの作物だけだというふうに受けとめて間違いないでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/14
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015・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 今回の共済対象につきましては、対象作物として、試験実施において取り上げられた六品目につきましてこれを法定をいたしまして、その後これら以外の畑作物については、準備の整ったものから逐次政令で追加指定をする方針でございます。
政令で指定するに当たりまして、どういうふうな要素を勘案するかということでございますが、一つは、政策的必要性という問題のほかに、やはり保険でございますから、畑作物について保険設計が仕組めるかどうかという具体的な検討を要するわけでございます。保険設計として仕組みます場合には、やはり全国的な危険分散がどのように図られるであろうかという問題が第一点でございます。それから、共済需要がないものを無理無理に対象といたしましても、これは長続きしないわけでございますから、共済需要が果たしてあるのかどうかという問題が第二点でございます。それから第三番目は、料率設定が可能であるかどうか。要するに危険度はどの程度であって、料率はどの程度と決めれば保険として成り立っていくであろうかどうか。それから第四番目に、引き受けと損害評価の具体的な方法をどうやったらいいだろうかということが、保険設計を仕組みます場合の基本的な検討課題であるわけでございます。
そこで私たちといたしましては、御指摘のように、あるいは地域農産物があり、またあるいは露地野菜があり、その他の作物もあるわけでございますが、これらにつきましては、先ほど大臣が申し上げましたように、それぞれの調査をいたしておるところでございます。したがいまして、これらの作物につきましてそういう調査を積み重ね、問題点を解明し次第、できるだけこれを速やかに実行に移すように努めてまいりたいというのが方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/15
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016・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 ちょっとすっきりしないのですがね。ふやしていこうということは、なるほどわかります。いま政府の方が引き続き調査をしているたとえば対象というのは、お茶がありますね。それからホップ、あるいはたばこ、イグサ、こうしたものが挙げられておるというふうに私は承っておるわけです。あるいは露地野菜。ところが、この露地野菜ということになってまいりますと、たとえばキャベツがある、白菜がある、レタスがある、ホーレンソーがあると、こういう幾つかこれまたそれぞれの品種がたくさんあります。一つ一つそれを調査をして、それがこの共済とのかかわりで、まあ言うてみると独立採算的に相なるのかどうか、こうなっていきますと、いま世の中にあるありとあらゆるものを一つずつ種類的に分けてみまして、そうして対象資格に適合するかどうかというふうなやり方をしておったのでは、私はとてもじゃないけれども、これはそれこそ農林省が百年かかってもなかなかむずかしかろうと思う。そうしますと、ある程度総合的なものといいますか、それをトータル的に考えていくような制度その他がやっぱり検討されていかないと、いま農家が要求するような形のものに応じ切れないのではないのだろうかというふうな感じがするわけです。
それから、いま御答弁いただきました内容を考えてみたときに、たとえば保険だと言い切っておるわけですね。そうしますと、いわゆる共済という仕組みと保険の制度とは一体どうなるんでしょう。これは私は、根本的にはやはり違うと思うのですね。その性格の相違というものをやっぱり明確に見きわめて、そうして共済、保険、これは一体どちらを選択をしていくのがいいのだろうかというようなことも含めて方針が提起をされてきませんと、私は現場段階では迷っていくんではないだろうか、こういうふうに思うのです。たとえばこれはまた後に触れますけれども、施設園芸等の方につきまして、建物その他についてはこれはもう明らかな保険でしょう、構造物その他についてのこの施設となりますとね。ところが、つくるその中の作物については、これはやっぱり生き物ですから、一たん認定をしてそれ、がいつまでも引き続くという話のものでもないと思うのですが、そういう特徴を明確にしつつ、私はやっぱり共済のいい部分、保険のいい部分、これの選択を明確にしながらそれぞれの農家に指導していかないと、私は混乱をしていくんではないのかという気がするのですが、その辺はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/16
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017・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) まあ品目別の共済制度ではなくって、農家ごとの総合的な共済制度、いわば経営共済というふうな総合的な共済制度は、私は一つの理想的な姿であるとは思います。思いますが、しかしこれを制度として仕組むということになりますと、問題点を挙げて恐縮でございますが、損害を決定しますための共通の指標として冬作物の価格を織り込んだものとせざるを得ないと思うのですが、価格の動向等は、御存じのように、全国的に同一の傾向を示すわけでございますから、地域的な危険分散ということが非常に困難でありまするし、また価格の形成には社会経済的な複雑な要因が働きますから、保険制度に必要な蓋然性の把握という問題はきわめて困難でございます。
それからもう一つの問題は、総合的な共済制度を仕組みますためには、農家の栽培する作物を一体としました料率の設定が必要ではなかろうかと思います。しかし、栽培します作物の種類、作物ごとの作付比率というのは農家ごとに異なりまするし、また同一農家でも年次によって動くわけでございますので、各農家の作付の実態に応じた適正な料率というものはどういうふうに設定をするかという問題がございます。それから同時に、農家ごとに栽培します作物のすべてについてその販売額を的確に把握する必要がございますが、これはなかなか全体の農家につきましてその販売額を的確に把握するということもまた非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、そういう総合的にとらえて一遍にぱっと解決をするという制度を仕組むことは、実はきわめてむずかしい問題であろうかと考えております。
したがいまして、私たちとしましては、現在の調査中のそれぞれの品目につきましてできるだけ調査を急ぎまして、でき得るものから逐次これを政令に追加しこの制度に乗せていくという、そういう具体的な方法によって措置をしてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/17
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018・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 現状のむずかしさというのはよくわかるんですけれども、一つは最低の補償のとり方の問題ですが、全体としては総合的なものが一つの最低補償になり、それから作目によって、あるいはこれは政策的にこれをもう少し自給率を上げなきゃならぬとか、そうした政策も絡んでそういう作物についてさらに上乗せをしていくような制度、この総合的な形というものが私は検討されていいんじゃないのだろうかという気がするわけであります。それらは、これからの検討課題の中に私はやっぱり入れていってもらいたいというふうに思います。
いま、特に畑作物の中で、先ほども言いますように多種多様なものが栽培をされている、これはもう否定ができないと思うんですね。たとえば、最近の農家の方は、どうすれば経営の維持ができていくんだろうかということで、日本の国内だけの問題じゃなくて諸外国の野菜、しかも日本の食生活の変化等の中で、中国料理、フランス料理、いろいろ野菜を使うそれらの諸外国の料理等も踏まえて、そしてそれに見合ったようなものが具体的に日本の国内でできないんだろうかといったようなところまで検討されて、今日農家が営々として努力をされているわけです。そういうものにどうこたえていくかということが、これは大臣言われましたように、この共済制度というものは農業の中の大変基本部分でありますから、今日の状況に踏まえてそれに見合ったような制度づくり、こうしたものを将来加味をしていけるような検討課題についてぜひとも私はお願いをしておきたいというふうに思うんですが、その辺どうでしょうか。取り入れてもらうわけにいかないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/18
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019・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 先生の御指摘は私は非常な一つのすぐれたお考えかと思いますが、たとえば例をとってみますと、制度を仕組みます場合に、たばこの制度がございます。これは専売公社が金を出して、農家は掛金を負担をいたしておりません。したがいまして、たばこにつきましてこの共済制度を乗せるといたしますと、現在の専売公社の制度の上に共済需要を求めてこの制度を乗っけるというかっこうになります。したがいまして、あるベースまではこれを、何といいますか、専売公社のたばこのような制度に組みかえて、そのときにそれは全部国が持つか、あるいは大部分は国が持ち少数の額を農家が持ってもらうか、その負担関係は別にいたしまして、そういう制度を乗せまして、上に今度さらに現在のようなこの制度を乗っけていくというふうな形になろうかと思いますが、そうなってまいりますと、現在のこの共済制度を全面的に組みかえなければならないということに相なるかと思います。
したがいまして、そういう問題につきましては、これは何十年もやってまいりました制度全体の問題でございますから、これはなかなか容易なことではございませんし、また慎重な検討を要する問題であろうというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/19
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020・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 容易な問題でないことははっきりしているんです。ところが、農家の人にとってみなさいよ、いま米の転作問題なんか、とてもじゃないけれども容易なことじゃないんですよ、これは。その容易じゃないことを農家には押しつけておいて、容易なことじゃないからということでその検討もできないのじゃ、これはお話にならぬと思うんですね。農業を取り巻く時代の流れというのは刻々変化をしている。しかも、この白書でも言われていますように、相当厳しい条件なんです。その厳しい条件の中で農業の経営が成り立っていくにはどうするかというのが、一つの柱の問題としてこれが出てきているんですから、その期待に即応のできるような制度については絶えず検討を加えながら、抜本的に改定が必要ならしていくという姿勢を、私は農林省としてはきちっとすべきだと思うんです。この辺はぜひもう少し、いままである制度だからその骨をとっていかなきゃならぬというのじゃなくて、いまの状況に見合っていくのかどうなのかという立場で私は常に検討が行われていかなきゃならぬ、こういうふうに御指摘を申し上げておきたいというふうに思います。いいですか、同じ回答ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/20
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021・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) これは、お話のような制度を仕組むといたしますと、現在の農災制度とは全然別の制度として仕組む私は必要があると思います。といいますことは、保険という手法を用いて現有の制度はでき上がっておるわけでございますから、その手法を捨ててでも、あるいは捨てて組み立てなければ、恐らく私は制度は組み立てられないだろうと思います。現在の共済制度は、掛金を農家で掛けていただきまして、それの六割あるいは五割を国が国庫補助をするという、そういう制度として仕組まれておるわけでございます。もちろん、農家は掛金を掛けるけれども共済費はもらえないと。したがって、掛け捨てであるということも、不満もございます。ございますが、一度大きな災害が出ましたときには、相当の共済金額が出かけていくという仕組みに相なっております。この前の冷害のときにおきましては、千七百億の共済金を支払ったわけでございまして、やはりそういうふうな全国的な危険の分散を図りながら災害に備えるという制度でございまして、そういう制度ではなしに、非常に農家の負担を軽くしながら、しかし財政負担をふやしながら、そして保険設計という分散を図らないで制度を仕組むということになりますれば、これは理想的な制度かと思いますが、現在の法律、制度としてこれが仕組めるかどうかということにつきましては、非常な問題点があるというふうに私は考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/21
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022・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 問題点があるのは、先ほども言っているようにわかっているんですよ。だから、そういう形、発想を変えて検討する余地があるかどうかと、こういうことを尋ねているんですが、検討するという答えはないわけで、改めてまたやらなきゃならぬ。
ただ、現行の制度でも、言うならば加入資格の問題について言いますと、一定の量の土地がなければ加入資格がないわけでしょう。そういうふうな形で幾つかばらついてはおっても、私は最低の補償ということになれば、ある程度の手は打てると思うんです。しかも、いま農林省は一体何を指導しているかといったら、いわゆる集団栽培方式等を農家の方には指導しているんじゃないですか。大体必要なものを計画的にどう供給をしていこうかといえば、当然そういうような集団的な栽培の方式というのはやっぱり採用されて結構だと思う。そういう傾向がふえていけばいくほど、私は最低の補償というものは当然必要になってくるんじゃないかと、またそれが可能になってくるんじゃないかと、こういう立場を申し上げておるわけでして、それらの流れをきちっと踏まえて検討すべきところはひとつ検討をするように、余り頭をかたくしないで、いまの流れに沿って、ぜひとも私は指摘をしておかなきゃならぬと、こういうふうに思います。
次の問題に入りますが、今度の制度の中でいわゆる試験実施の経過からこう見ていきますと、いわゆる本格実施に当たっていままで委託調査等を進めてきた内容等も踏まえながら見たときに、いわゆる試験実施を行ってきた品目が今度の実施から除外をされているものがありますね。この除外をした理由というのは一体何なんだろうと、いわゆるデータが集まらなかったとか、あるいは共済としての経営の見込みがないとか、幾つか理由があるからだろうというふうに思いますが、それらを少し整理をしてもらいたいというふうに思いますし、二点目の問題は、先ほどもちょっと出ましたけれども、いわゆる国庫負担割合の問題につきまして、たとえば畑作物については六割、それから園芸施設については五割、いままでのいわゆる農作物共済とはその辺の国庫負担割合が異なっているわけですね。異なっているのがいいのか悪いのかというんじゃなくて、その辺の差をつけた根拠というのは一体何から出ておるんだろうか、その数的な問題を含めましてひとつ具体的に説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/22
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023・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) まず前段のお話でございますが、現在私たちは地域特産物としまして茶、ホップ、たばこ、イグサにつきまして被害状況等の調査を主産県において行っておるところでございます。また露地野菜のうちキャベツ、レタス、白菜につきまして昭和五十二年度から保険設計に必要なデータ収集のための調査を主産県において開始しております。さらに、その他の畑作物であります飼料用作物、なたね、ソバ、落花生、カンショにつきましては、昭和五十三年度から保険需要等の調査を主産県において行うことといたしております。
これらの作物につきましては、それぞれ作物ごとの問題を詰めまして畑作物共済の本格実施のできる段階になりますれば、速やかにこれに移していきたいということは前に申し上げたとおりでございますが、畑作物共済の試験実施に入る前までに農林省の委託調査費によって調査研究を行ってきた作物につきましては、試験実施の対象作物に取り上げられました品目のほかに、実はなたね、ハッカ、亜麻、それから除虫菊の四作物がございましたが、この四作物については、現在、試験実施を行いますときに試験実施の対象から除外をいたしております。これは、一つはそれらの品目につきましては作付面積は非常に少ないと、それからまた委託調査を通じて共済需要を探ってみましたけれども、それはほとんどないような状態にございました。また、関係都道府県や関係団体等の意見も徴したわけでございますが、共済対象に取り上げてもらいたいという要望もなかったというふうな状態で、これらの四品目については試験実施の対象から除外をいたしたわけでございます。
それから第二点の掛金の割合につきまして、一方は六割であり一方は五割である理由は何かというお尋ねでございますが、畑作物共済を六割にいたしました理由は、申し上げるまでもなく、畑作物共済は農作物共済と最も類似性が商いわけでございまして、その仕組みにつきましても農作物共済に準拠したものとすることにいたしております。したがいまして、共済掛金の国庫負担割合につきましても、農作物共済との均衡を図るということが適当であると考えられるわけでございます。もとより、転作ということによる畑作物の重要性ということを認識をいたしておることも当然のことでございます。それからもう一つは、畑作物が一般に果樹なんかに比べまして収益性が低く、したがって、農家の掛金負担力も弱いということも考慮をいたしたわけでございます。
施設園芸共済につきましては、資産共済でございますとともに、施設内の農作物も対象とする点で収穫共済に類似するところを持っておりますので、資産共済あるいは収穫共済の双方を内容とします果樹共済との類似性が強いと考えられるわけでございまして、国庫負担につきましても、この均衡を図るという観点から五割といたしたわけであります。
大体、その五割、六割を定めました理由は、いま申し上げたようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/23
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024・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 いま果樹共済の問題も出ましたけれども、たとえば果樹共済は今日大体百五億ばかり不足になっていますね。そういう不足金が出来をするという状況等は、これは今度の本格実施に対して、たとえば取り入れ方についてどのような配慮が行われておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/24
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025・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 果樹共済は、確かに国の特別会計の赤字は非常に増大をいたしております。にもかかわりませず、その加入率は非常に低うございまして、収穫共済で大体二二・四%ぐらいでございますし、樹体共済で八・二%程度で非常に低位にとどまっております。四十八年の本格実施以来例年災害を受けたということもございまして、累積不足金は再保険段階で百五億円になっておるわけでございます。私たちは、果樹共済実施後まだ日が浅いこともございまするし、また加入の伸び率としては相当程度の伸び率を示しておるということで、ただ単に再保険段階で赤字がたまっておるということのみをもって直ちに現在の果樹共済制度を云々するつもりはないわけでございますが、同時にまた、そういう果樹共済の加入率が低位にとどまるということは、この共済そのものにやはりどこか制度的にも、また事業実施上にも問題があるということは十分認識をいたしております。
したがいまして、農業共済団体とも連絡をとりながら、果樹共済の問題点の所在につきまして十分これを究明をいたしまして、運営上改善し得る点は積極的に改善をいたしますと同時に、制度上の仕組みにつきましても、今後真剣にこれを検討してまいりたいというふうに考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/25
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026・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として園田清充君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/26
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027・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 結局、いまも加入が少ないことについて問題があり、問題があるからどこがその問題点なのかこれから検討していくと、こういうお話ですね。ですから、それは大いに結構です。しかし、それは早く進めてもらわなきゃならぬ。先ほど来から私が質問を繰り返しやっておりますのは、いわゆる共済のたてまえということになりますと、これはやっぱりその中身がどれだけ魅力があるかということに率直に言えば落ちつくわけですね。魅力がなければ、これは加入をしませんよ。すると、どういう形で魅力を持たせるか、しかもその魅力とは一体何か、こういうことになれば、掛金が低くって、補償額が高くって、いざというときに自分の災害によって受けた被害の相当額がやっぱりそれで補償されるという、こういう立場がなければこれはだめなんですよね。しかも、いま問題になっておりますのは、先ほど少し出ましたけれども、災害を受けなかった場合に掛けた金が少しでも戻らないのか、いわゆる掛金率が下がっていかないのか、こういう問題等も提起をされておるはずであります。
そうしたことが組み合わさって、この共済制度のいわゆる加入が促進をされていくという、こういう状況になるわけでありますから、そうなってまいりますと、先ほど私がお尋ねをしましたように、たとえばものによって国庫負担率が五割であったり、あるいは六割であったり、あるいはいままでのやつが三分の一であったり、五分の三であったりというふうに幾つかに分かれているわけでありまして、その辺は一つのどこでいわゆる魅力との調和をしていくのか、それから経営の立場との調和をどこに求めていくのかということが追求をされて、それが制度上明確になってこないと私はこれは伸びていかない、そういうふうに考えるんですね。せっかくいい制度をつくりながら、そういうところで戸惑いをしていますと私は大変なことになりますから、将来の展望からいけば私はやはりそれぞれの、冒頭申し上げましたように、総合的にある程度の国家の負担率というものについては統一をしていくという、一つの展望というものが出てきていいのじゃないんだろうか、いま直ちにとは申し上げませんけれどもね。そういう立場を踏まえて検討されていくようにお願いをしておきたいと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/27
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028・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農家の方々から見ますれば、最も魅力ある共済制度というのは、掛金はできるだけ低く、災害が起きましたときには満度に共済金がもらえるということでございますが、やはりこれは私は国庫負担の問題と農家負担の問題と、それからお話がございましたように共済金額の問題と、その三つの問題の調和というものをどこに求めるかという問題であろうかと思います。
たとえば、足切り割合を一割低めるといたしますと、農家の負担は、現状の制度を前提といたします限り、水稲で見まして大体一・七倍ぐらいに掛金が相なります。もちろん国の国庫負担金もふえますし、そういうことでありますと、今度また農家が魅力を失ってくるという要因もそこにあるわけでございますので、私たちとしましては、国の負担はできるだけこれは上げるように努力をいたしてまいったわけでございまして、現に御存じのとおり、先般の改正におきましては相当国庫負担を上げてまいったわけでございまして、現在、水稲それから麦につきましては大体六割、今回の畑作につきましても掛金国庫補助は六割でございますから、通常の共済の国庫負担としては私は相当高いところへいっているのじゃないかと思いますが、たとえば馬の国庫負担をとりますと、必ずしもそれじゃ全体の家畜とバランスがとれているかどうかということになりますと、これは問題なしとしないわけでございます。
したがいまして、御指摘のように、全体的な共済のいまの問題の調和点をどこに求めるかという点につきましては、これは私たちとしましても常日ごろから真剣に検討いたしておるところでございますし、今後も検討を続けてまいりたいと思いますが、作物だから一律にたとえば六割にすべきものであるというふうにはなかなかまいらないので、そこはやはり従来の実績その他作物の重要度とか、あるいは資産的な問題であるとか、あるいは生産費でございますとか、そういうもろもろの要素を総合に勘案して、最も妥当な水準にこれを落ちつけるような努力を重ねていくべきものだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/28
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029・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 その努力を重ねていくという立場でありますから、それはそれとして私も一応了解をしておきたいというふうに思いますので、ここだけの話じゃなくて、ぜひともこれからの検討を加えていってもらいたいというふうに思います。いま指摘のありました家畜共済等も、たとえば牛の場合と種豚の場合と肉豚の場合と、明らかに同じ家畜共済の中でも相違がつくわけですね。そうした問題について、現実問題としては合理的であるようでありながら実は不合理性を多く伴っていると、こういう現状でありますから、ぜひともひとつ理解をした上に立って検討を深めていってもらいたいと思います。
それからもう一つは、畑作物共済の加入資格の関係について、これの上限の問題が規定をされておるわけであります。共済目的作物を裁培をする農業者は原則としてこれは任意が原則で、それから共済組合が全裁培農業者の加入を決議をしたときにそこで初めて強制力が加わる、こういう立場の規定があるわけでありますが、その場合に組合員の資格者、いわゆる第十五条の関係でありますが、この資格者とのかかわりというのは、強制加入決議の場合とどういうふうに関連をするんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/29
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030・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 今回、畑作物共済と園芸施設共済において導入することといたしております義務加入制は、家畜共済や果樹共済の場合と同様に、組合の総会、または市町村誉の場合におきましては市町村の議会においてその旨の議決がありましたときには、組合員等のうち原則として農作物共済または蚕繭共済の加入者で、畑作物共済にありましては当該組合等が現に行っております畑作物共済の対象となっております農作物を栽培する者、それから園芸施設共済にありましては特定園芸施設を所有する者に、畑作物共済あるいはまた園芸施設共済についての加入の義務が発注するという、そういう制度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/30
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031・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 制度はわかっているんです。そのときに対象になります組合員、いわゆる決議によって強制をされる組合員、いままで入ってない分野と入る分野というのは、どういうふうに相違が出てくるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/31
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032・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 現在、御存じのとおり、米、麦、それから蚕繭は当然加入ということで当然に加入をいたしておりますが、そこで、米をつくっておる農家で畑作物あるいは施設園芸共済をやっておる人がおりますれば、米、麦それから蚕繭をやっております方々は当然これは組合の組合員でございますから、そういう者で構成をされております総会で議決を受けますれば、仮に私が米をつくっておりましてそれから畑作物をやっておるといたしますと、総会の議決がございますれば、私は畑作物について共済に加入しなきゃいかぬという関係が発生するわけでございます。裏返しに言いますれば、家畜共済に私が入っておりまして、組合員でありますけれども、畑作物を持っておるといいます場合には、これは義務加入が発生をしないという、そういう関係に相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/32
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033・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 どうも説明を聞いておりましてもよくわからぬのですが、組合員が集まって総会で決議をして、決議をした効力がどう波及するのか、その波及効果が余り明確でないものを共済の義務規定をしていることについて、何の意義があるのだろうかという疑問を、率直に言って私は持つんです。そうしますと、いま農作物共済、それから繭の方の共済、それから家畜共済、それから果樹共済、畑作物、それから園芸と、こういうふうにあるわけですね、種類が。その中のどれか一つに加入をしておれば、それはまあ組合員資格なんだと。しかし、一つには加入したけれどもほかのものは加入をしてないからという場合にこれは強制力は働くと、こう言うんですが、その地域の中で強制加入をうたう、こういう立場のものは、そこの地域の中で相当広範囲にそのことによって影響力を持つ一つの作目、こう私は判断をしますね。そうしますと、そこで強制加入を決議をして、言うならどれだけの効果というものがその中で測定をされるのか。これは実際として、今日まで具体例としてどういう形になっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/33
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034・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) これは果樹共済、家畜共済の場合も同様でございますが、たとえば果樹共済に入っておりまして家畜を持っておる者につきまして、組合で議決があったからといって、今度家畜の部分について当然義務加入が発生するという仕組みにはなっておりません。これはいろいろ問題もございますが、いま果樹とか家畜共済だとか、そして今回の畑作物共済もそうでございますが、任意加入制をとっておるわけでございます。任意加入制をベースにいたしておりますから、余りそういう強制を加えますと、任意加入でございますから、よほどの地域の連帯性があるということでございませんと、抜けていくという危険性を持っておるわけでございます。したがいまして、いま申し上げたように、当然加入の共済関係のある者が今度総会で議決がありましたときには畑作物にも及ぶという、そういう制度の仕組みをとっておるわけでございます。
そこで、御指摘のように、そういうまどろっこしいことじゃしょうがないじゃないかと、義務加入者の範囲を、組合員のすべてに加入するというような仕組みを導入できないのかという御指摘でございますれば、先ほど申し上げました、一つは、農作物共済とか蚕繭共済以外の加入者は任意加入であって、これらの者に他の共済への加入義務を課するということは、いま申し上げたようなことで必ずしもいかがなものであろうかということでございます。またさらに地域をとらえまして、たとえば一定の市町村の区域内の一定の基準以上の農家の多数が加入に同意したような場合には、その地域内の資格ある農家がすべて加入義務を発生するという仕組みも考えられるわけでございますが、これにつきましても、一つは地縁的な共同体の連帯性という問題が一つございます。畑作だとか施設園芸関係には、それだけの地域的な連帯性というものがあるかどうかということになりますと、そこにはおのずから制約が一つある。それからもう一つは、そういう加入区域内の畑作物共済資格者あるいは園芸施設共済資格者というのは、これは施設園芸はちょっと別かもしれませんが、畑作物などになりますと、たとえば面積が相当動くわけでございまして、面積の伸び縮み等も考えますと、そういう資格者の流動的な面があるということもございまして難点がありますので、この法制化も必ずしも適当とはされなかったわけでございます。
しかしながら、いずれにしましても、家畜共済とか果樹共済のいずれの場合におきましても、加入義務を課されておりますような農家は、加入義務を課されていない農家に比べまして高い加入率を示しておるわけでございまして、そういう実態から見て、現行の義務加入制でも相当な効果があるのではないかというふうに私たちは見ておるわけでございます。また、調査結果等から見ましても、畑作農家、施設園芸農家についても一般に稲作との関係が高い、しかもその大部分がすでに農作物共済で組合員になっておるということを見ますれば、大きな効果がある、相当程度の効果が期待できるのではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/34
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035・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 ちょっと問題があり過ぎるんですけれども、やり合っていますとこれだけで時間を食ってしまいます。正直申し上げて、議決して強制加入を促進をしていく立場の効果というものについては、この法案の中身からいきますと私は余り効果は期待できない、こういうふうに考えます。それはなぜかと言うと、ダブっているからです。その辺は、また時間があれば論議をすることにしたいと思います。
次に、百二十条の十二、これは共済資格除外規定ですが、「定款等で定める基準に達しない農作物」、こういうふうにあるわけであります。これは加入資格条件の一つの規制だというふうに思いますが、この「定款等」の「等」というのは、定款以外の何らかの形が具体的に存在をするのかどうか。
それから、この「基準に達しない」という「基準」というのは、一体これは何なんだろうか。これが二つ目の問題。
それから、試験実施の中での、たとえばバレイショなど裁培の面積が一ヘクタール以上だとか、あるいはサトウキビが二十アール以上だとか、こういう形があるんですが、これは本格実施の段階でもこの試験実施のものが継続をされていくのかどうか、その辺ひとつお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/35
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036・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 畑作物共済の共済関係は、共済目的の種類ごと及び共済の年産ごとに成立するわけでございますが、御指摘のように、百二十条の十二におきまして、一定の面積基準に達しない農作物あるいはまた一定の事由に該当する農作物につきましては引き受けから除外をするということを書いてございます。この一定の面積に達しない農作物を除外することとしましたのは、畑作物共済の共済金額の設定でありますとか、損害評価の単位が共済目的の種類等でありますことから、共済目的の種類等ごとに見まして、余り零細な規模のものまで加入させますことは制度の効率的運用から見ていかがであろうかと、こういう考え方でございます。この面積基準は、地域の経営実態に合わせた弾力的な取り扱いができますように、共済目的の種数等ごとに、省令で定めます一定の範囲内で定款で定めることといたしておりますが、その省令におきましては、試験実施のときよりもずっと引き下げまして、内地につきましては十アールから三十アール、北海道におきましては三十アールから一ヘクタールということにいたしまして、この範囲内で定款で決めてもらうという扱いにいたしたいと思っております。
それから、定款等と申し上げましたが、市町村営の場合は、これは条例で決めてもらうことに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/36
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037・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 次に、定款で定める基準、こういうふうに見ますと、これはそれぞれの単位共済組合の、いま省の指導ということが出ましたけれども、その範囲内でそれぞれ定めることができる、こういう弾力条項ですね、弾力的にそういうふうにそれぞれの単位共済組合で決めるということになったときに、たとえば各共済組合の地域的なものが、それがたとえば隣り合わせでここの共済組合の範囲と、ここの違う方の共済組合の範囲との境目あたりでは問題が出てくるんじゃないのか、こういう心配があるわけでありますが、そうした不均等を防止をしていくという、そういう措置はこれは考えられておるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/37
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038・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のございますように、経営の実態が同等と思われますような組合間において、不均衡が生ずるようなことがあってはいけないじゃないかということでございますが、確かにそれは望ましくないことでございます。私たちとしましては、そのようなことのないよう十分指導してまいりたいと考えております。また同時に、引き受け不適格農作物ということにつきましても、運用が適正に行われますように、指導基準を示して農業共済団体の指導を徹底してまいりたいと思っており致す。
具体的には、都道府県知事が組合等の定款等の変更の認可に際しまして、経営の実態が同等と認められる地域につきましては同水準の面積基準になるように指導をすることにいたしまして、農林省としましては、ブロック会議等を通じて、組合員等の一戸当たり平均裁培面積が同等な組合等は同一の基準面積とするように指導基準を知事に示しまして、不均等が生ずることのないように十分指導してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/38
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039・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 そうしますと、その辺の調整は行政指導といいますか、そういう形でやっていこうとされるんですが、それは省がたとえば画一的に決めますと問題が発生するんでしょうか、逆な面で。なぜこの制度について、たとえば省令なら省令でこうあるべきだというふうにできないのか、そのできない理由は一体何があるのか、その辺の説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/39
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040・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 一つは、共済制度につきましては、できるだけ幅広く農家の方に加入をしていただくということが一つと、同町にまた、農家の方々がつくりました共済組合につきましては、その共済組合のできるだけ自主性を尊重するということと、両方のたてまえから国が一定の基準を示しまして、その範囲内で組合におきまして決めてもらうというたてまえを、これは農作物につきましてもずっとそういう扱いをいたしておるわけでございまして、御指摘のような点につきましては、十分指導を徹底することによりまして、自主性を尊重しながら適切に対応してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/40
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041・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 具体的には私もそれは賛成なんです。賛成なんですが、農林省の指導ということになりますと、今日農林省と農家との関係というのはきわめて私は人間的にうまくいってない、いわゆる不信感が非常に強いんですね。そうした形の中で、この問題でということじゃありませんよ、しかし農林省がこうだというと、意地に絡むようなところも中にはやっぱりあるわけでありまして、そうした問題を考えていきますと、これは指導指導といいますが、十分その辺を納得がいき、そして不均衡が発生をして、農家同上で、あそこはいいけれどもここが悪いというようなことの余りないように、ぜひひとつここでは留意をしながら私は指導に当たってもらいたいと思います。
次は、第八十四条の第一項第六号、ここにも除外についての「省令で定める品種」、それから「裁培方法」というのがある。この「品種」とは一体何で、「裁培方法」というのはどういうことを指しているのか。
それから、これは普通ならこういう法案審議のときに、大体どういうふうな形の省令が準備をされておりますよという構想が明らかになるんですが、今回は省令の構想が全然明らかにされてないままにこの法案審議と、こういうことになっておるものですから、少しその辺に触れて説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/41
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042・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 畑作物裁培におきまして、広く一般的に裁培されていない品種あるいは特定の栽培方法によるものにつきましては、作付面積が少のうございまして、また同時に共済需要に乏しいもの、あるいは裁陪の態様を異にして損害評価に難点があるもの等がございまして、これらについては共済対象から除外をすることが適当ではないかというふうに考えられますので、お話の法第八十四条第一項第六号の、省令で共済目的から除外する品種と裁培方法を規定することにいたしておるわけでございます。
具体的な内容につきましては今後さらに詰めていかなければなりませんが、現段階におきましては、大体省令で定める特定の品種といたしましては、いわゆる高級インゲンでございますが、インゲンにありましては、手亡類キントキ類及びウズラ類以外のものの品種、それからてん菜にありましては飼料用または食用の品種を決める予定でございます。
それから、省令で定めます特定の栽培方法としては、施設園芸用施設を用いて裁増する方法を定めるということで、施設園芸用施設を用いまして栽培する方法は、これは当分の間施設園芸共済の方によって対処をするということでございますから、畑作の方からこれを除くということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/42
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043・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 栽培方法はわかりました。そうすると、それは施設園芸に限ってというふうに受けとめていいわけですね。そのほかの裁培方法、これは全然問題じゃないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/43
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044・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) お話のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/44
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045・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 そうしますと、たとえば品種の問題ですけれど、いま説明がありましたけれども、品種等の関係についてこれは省令で定めるということと、先ほどの論議じゃありませんが、むしろその地域の共済組合あたりが具体的に判断のできるような余地にした方がいいんじゃないかというふうに思われますが、その辺はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/45
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046・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) そこのところは、料率その他に関係する問題でございますので、組合でやる、やらぬということ、一つの枠の中でやる、やらぬということはいいのですけれども、そういうことの、いま申し上げました特定の品種につきましてどうこうということになりますと、やはりぐあいが悪うございますので、インゲンなどを除外いたしましたのは、御存じのように、大別してインゲンなどは手亡類の品種、キントキ類の品種、ウズラ類の品種、いわゆる一般インゲンと、白花豆というこういう高級インゲンに分けられるわけでございますが、高級インゲンにつきましては、作付面積も比較的小さく共済需要もございませんし、また裁培の態様を異にしまして損害評価が非常に未確定でございますので、試験実施の場合と同様にこれを除外をいたしたわけでございますが、将来、これを畑作物共済の対象とすることにつきましては、共済需要の今後の動向でございますとか、実施態勢の整備状況を見ながら考えていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/46
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047・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 次に、共済金額の引受割合についてお尋ねをしますが、対象作物によって、先ほども少し足切りの問題が出ておりましたけれども、八割と七割に区分した理論的根拠、それから農作物共済との相違点、こうしたことを少し明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/47
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048・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 引受割合、足切り割合を具体的に幾らにするかということは、被害率の態様、これは被害率が高いか低いかということでございますが、一つは被害率の態様の問題であり、それから政策保険としての損害てん補の限度、これは具体的に申し上げますと、生産比率が高いか低いかというような観点から、総合的に検討、決定せられるべきものであるというふうに考えられるわけでございます。引受割合、足切り割合を農作物共済におきます麦と同様に全相殺では九割・一割、半相殺では八割・二割とすることにつきましては、試験実施において経験したことのない割合を導入するということになかなか自信が持てない。
それから、これらの割合を麦の農家単位方式並みにしますと、共済掛金負担が二・二倍から一・五倍ぐらいにふえまして、これはなかなか容易なことではないということと、それから引き受け及び損害評価の手法等が、実は農作物共済におきますほど成熟していないわけでございます。また、本格実施に当たりまして、スタートするに当たっていろいろ関係者から意見を徴したわけでございますが、そういう意見も出なかったということも含めまして、今後におきます畑作物共済の着実な発展を期して、現在のところ、引受割合、足切り割合を全相殺では八割・二割、半相殺では七割・三割としたわけでございます。
作物別に、被害率でありますとか生産比率を見ますと、バレイショ、大豆、てん菜及びサトウキビは、生産比率は相対的に向うございます。しかし反面、被害率が相対的に低いというグループを形成をいたしております。それから小豆、インゲンは、生産比率は相対的に低うございますけれども、被害率が相対的に高いというグループを形成しておるわけでございます。したがいまして、前者のグループは後者のグループに比しまして、引受割合を高くしまして足切り割合を低くすることが適当であろうと思います。その具体的割合につきましては、試験実施の実績でございますとか、関係者の意見、関係団体の要望、掛金率水準等も勘案しまして、バレイショ、大豆、てん菜、サトウキビは引受割合を八割、足切り割合二割、小豆、インゲンは引受割合七割、足切り割合三割にすることが適当であるということに決定をいたしたわけでございます。
引受割合、足切り割合の水準につきましては、今後本格実施におきます事事の実績、それから引受損害評価技術の蓄積を見た上で、十分検討を加えて慎重に判断をしてまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/48
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049・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 これからの実績を見ながらデータを集めてやっていこうということですから、それは私も賛成であります。
ただ、今日までの状況から見ますと、この試験実施の場合等、これは先ほども試験実施に絡んでそれぞれの委託実施の場合等も踏まえまして各県等十分にやっている、こういうお話でありましたが、たとえば私どもの三重の場合は、この実施をやってまいりましたのがたとえば六組合、農家戸数にして大体五百というふうな数字の中で、しかもこれは県がサボっておったのかどうか、そんなことは余り言いたくありませんけれども、余り農家の意見等について具体的に意見反映を見ていない、こういう事情等があります。データはデータなりに出ているんでしょうけれども、そうした状況では、これからの本格実施の中でデータを集めるにいたしましても、これは農林省が単独でという話になりませんし、いずれにしても、共済組合あるいは県、市町村に相当の部分についてのデータ提供等を求めていかざるを得ない。その辺の姿勢の問題はぜひともきちっとしていただいて、これからそのデーたの積み重ねを十分にしていただきたいというふうに要望をしておかなければならぬと思います。
次に、単位当たり共済金額でありますが、この単位当たり共済金額について、これを算定するに当たりまして、結果的には行政価格というものがこれが基準になってくるだろうというふうに判断をいたします。そうしますと、生産振興奨励補助金というのがありますね。これはいつも問題になるわけであります。この補助金の算出に当たっていろいろ問題が指摘をされますが、それはさておきまして、現に生産振興の奨励補助金が出ておるわけであります。この出ておる部分について、行政価格が基準になるという前提に立ちながらこれを考えていきましたときに、当然奨励補助金が加味をされる、含まれてくるというふうに判断をいたしますが、その辺はそれでいいんでしょうか。
さらにまた、基準収穫量というのがありますが、この基準収穫量のいわゆるとり方、これは一体どうなるのでしょうか。その辺、ひとつ説明をいただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/49
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050・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 畑作物共済の対象作物の単位当たり共済金額のとり方は、これは御指摘のとおり、非常に重要な問題でございます。共済目的の種類等ごとの過去におきます農家手取り価格、庭先価格でございますが、それを基礎といたしまして、都道府県の区域ごと、または都道府県の区域によって価格の差が著しい場合には、その地域ごとに単位当たり価格を上限としまして国が五種類程度の金額を決めまして、このうちから組合等が一つの金額を選択するようにしたいと考えております。これは農家の掛金負担力等、地域の実態に合わして組合で弾力的に選択できるようにするということのためでございます。
そこで、畑作物の価格の問題でございますが、御指摘のとおり、畑作物の共済目的の種類によりまして、行政価格のあります物、それから行政価格のない物の別がございます。また、行政価格のある物のうちにも、たとえば加工バレイショやてん菜、サトウキビのように最低価格保証機能を持っております物と、それから大豆のように不足払い機能花持っております物と、いろいろの別がございます。したがいまして、これらの実態に着目して、慎重に検討して単位あたり共済金を設定する必要があると考えておるわけでございます。
この場合、農家手取り価格というのをどこで考えるかという問題でございますが、私たちとしましては、いろいろ農林省の下にございます検討会でも、あるいはまた関係方面の御指摘もございますので、行政価格のあります物についての単位当たり共済金の最同額は、農家の手取り価格をも勘案をいたしまして決めるように配慮をするという指摘かと思いますが、そういう御指摘に沿ってひとつ努力をしていきたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/50
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051・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 ちょっとその辺は歯切れよくやってくれませんか、歯切れよく。思いますじゃなしに、こうしますという、この辺だけはきっちりしておいてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/51
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052・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のような方向で努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/52
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053・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 結局、努力は、努力をしてみたけれどもだめだったんではこれは何にもならぬのです、どれだけ努力してもらいましてもね。努力をした実績が上がらないとこれはかなわないわけですね、顕著にあらわれてこないと。こういう公式の場でそれを求める方がおまえさん無理だというふうな顔をしていますけれども、そうじゃなくって、われわれからいきますと、それを明確にしてもらいたい。もう一遍ひとつ御答弁いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/53
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054・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 努力しますと思いますということではなくて、努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/54
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055・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/55
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056・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、きちっと農産物価格と決まった分と、奨励金というのは臨時的なものの性格もありますから、これをきちっとこう入れろと言いましても、もうちょっと時間をかしてください。これはやっぱり相手も、大蔵省もあることですから、財政当局もありますから、できるだけ努力をして——というのは、やはり先ほども申し上げましたように、米との相対的なことにおいて、やはり他のビートとか大豆というようなものは奨励金がついておりますので、これはサトウキビもそうですが、そういうものが有利になるように本当にまじめに努力をして、いい方向で研究したいと思いますが、もうちょっと待っていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/56
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057・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 言われている趣旨はよくわかりますんで、時間をおかしをすればいい結論が出ると、こういうふうに理解をさしていただいてよろしゅうございますね。結局、ソビエトとの交渉で漁師の方でちょっと悪いんで農家の方もがまんしろでは、これはちょっとぐあい悪いのでして、ぜひともこれは明確にひとつ努力の成果を期待をしたいと思いますが、よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/57
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058・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 最善の努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/58
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059・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 それから次に、これからの課題になると思うんですが、同じ畑作物で、種をまきますね。種をまいて、特に春先あたりに遅がけのいわゆる霜による害あるいはいわゆる春先の春何番という一番から数えて何回かのいわゆる強い風、こういうのがあるわけですし、さらにまた、私どもの地方でも伊賀の方の盆地の方の関係でいきますと、よくひょうが降るんですね。ひょう害というこうした関係で、たとえば共済に入って、そうして一時そういう被害を受けて、そしてその被害の措置が行われて、そうして再度もう一遍やろうということで種まきをしたと、あるいは少し育ってきて二度目の災害を受けた、あるいは三度目の災害を受けた、こういう形の場合に、これは今度の制度の中で救済をされる道というのはあるんでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/59
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060・船曳哲郎
○説明員(船曳哲郎君) いまの御指摘は、再播費用等のかかり増し経費を共済金の支払いの対象にできないかといったようなことであろうと理解いたしましたが、この問題につきましては、現に北海道の一部の地域でてん菜の風害問題が指摘されておるところでございます。そして、この具体的な問題につきましては、試験実施の実績等踏まえまして私ども何とか制度化いたしたいと、このように考えておりますが、類似の問題につきましては、具体的な実態をよく勉強させていただきまして検討をさせていただきたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/60
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061・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 すると、いまのこの制度の中にはこれはないわけですね。ずっと見せていただきましたが、ありません。実はこれは私のところの方でも——これはいまは対象になっていませんから困るんですけれども、「春キャベツも大打撃「冬」に続きダブルパンチ」、これキャベツなんです。一たん冬キャベツが被害に遭って、春先はよかろうということで鋭意取り組んでまいりましたが、今度は少し暖か過ぎて全然巻かないんですね、ふわっと散らばって。こういう形で、二回引き続きこれは問題が提起をされている。いわゆる畑作物については、そうした課題が相当数いままでにもあるはずなんです。したがって、それらのデータは、これからも調査をされていくということも結構ですけれども、少なくとも今日までの各地の状況等は県段階でも私はすぐまとめ切れると思うんです。
したがって、なるべくこれは、たとえばこの本格実施が来年の四月からですから、これから一年間いろんな政令その他も含めて準備をされていこう、また現地との関係もやっていこうと、こういう努力過程にあるわけですから、できれば私は、そういうふうに今日段階で予測をされる明確な一つの問題なものですから、ぜひともこれを取り入れてもらいたいし、この法案はここで打ち上げてしまうことになりますから、だからこれは条文の中にいま入れろという話にもなかなかならないと思うんですね。したがって、暫定的に何らかの形の中でこれは見ていくんなら見ていくというような形の取り上げ方もぜひひとつ検討してもらいたいと思うんですが、その辺はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/61
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062・船曳哲郎
○説明員(船曳哲郎君) 法律案は、いままさに御審議をお願いしておるわけでございますが、法律が公布になりました後には、私どもといたしましては相当多数の政省令事項、告示事項等々いろいろ詰めてまいらなければならない点があるわけでございます。そのような段階におきましても、法案の取りまとめの段階と同様に、それ以上に現地の方々の御意見を十分拝聴して作業を進めてまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/62
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063・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 大体趣旨合いはよくわかっていると思うんですが、取り扱いの問題としまして、この法案はなぶれないと、法案をなぶれないということになりますと、行政指導にいたしましても、たとえば行政指導の場合は少し範囲が広がるかもわかりませんけれども、当てはめようとしても当てはめる条文が私ないと思うんです、今日のこの提起をされておる段階で。そうなりますと、当てはめる条文がないのにそれを適用するということになると、これは大変な問題が出てくることになります。したがって、具体的にやろうとしてもそれはやれないということに、逆に言いかえればなるわけですね。したがって、取り上げようとすれば、それらの問題はどういうふうな取り扱いをしていけばいま私が言ったような趣旨合いに、たとえば出発点にある程度そういうことがもう想定をされているわけですから乗ることになるのか、ちょっと教えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/63
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064・船曳哲郎
○説明員(船曳哲郎君) いま御審議をお願いしております法律案の百二十条の十六に、共済金の支払いの規定がございます。ここでは、共済目的の減収量を基礎にいたしまして共済金を支払うということになっておるわけでございますが、この共済目的の減収量の計算の仕方につきましてこの法案は触れておるわけでございまして、一定の場合には数量を調整するということに相なっておるわけでございます。そして、この一定の場合は、省令にゆだねられているわけでございます。したがいまして、この百二十条の十六の運用で、いま御指摘のあった点は取り上げていくことができるのではないか、このように考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、具体的な現地の事情なり御意見なりを十分拝聴いたしまして、政省令等この法律制定後いろいろ作業があるわけでございますから、その段階で措置してまいりたい、このように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/64
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065・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 わかりました。それ以上詰めますと、かえってできにくくなるようですから。
次に、園芸施設共済を重点にした御質問になろうと思いますが、特定園芸施設にあわせまして共済目的とすることのできる、いわゆる省令で定める施設園芸用施設について、その省令の内容ですね、これについて構想がありましたら、ひとつお聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/65
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066・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 施設園芸共済の本来の共済目的であります特定園芸施設といたしましては、「施設園芸の用に供する施設のうち温室その他のその内部で農作物を栽培するための施設」でありまして、「これに付属する設備を含むものとし、省令で定める簡易なものを除く。」というふうに規定をしてございますが、その除かれます簡易なものといたしましては、育苗用のフレーム、それから露地栽培で早期収穫のために用いますトンネル等の被覆物を移動し、または除去しなければ通常の栽培作業を行うことができないものというふうなものを除外をするつもりでございます。
このように育苗用のフレーム、トンネル等の簡易な施設を共済目的から除外することといたしましたのは、一つは育苗用のフレームにつきましては、施設の形態から見まして被害を受けにくいわけでございますし、また被害が発生しましても修復が容易に、またそれほどお金がかからなくても行えるということから資産共済の対象とするにふさわしくないこと、また共済の対象にどうしてもしてくれという、そういう共済需要も非常に少ないということが第一点でございます。
それから第二のいわゆるトンネルにつきましては、園芸施設共済の対象であります特定園芸施設に比較しまして価格がきわめて安い消耗品でございまして、資産価値に乏しくて被覆期間も作物の生育の初期の一、二カ月程度にすぎないということでございますので、これを対象とするにふさわしくないということが、その理由として考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/66
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067・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 そうしますと、永続性の問題、それから金額の少し高額なものというのが対象で、それ以外のものはなるべく外しておきたい、こういうお考えというふうに聞いて間違いありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/67
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068・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) トンネルでありますとか、育苗用のフレームなどにつきましては、これはよく御存じのように、価格も安いということもさることながら、これを資産であるというふうにはちょっと認識しがたいということで、対象から外したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/68
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069・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 中身はよくわかりましたが、余り安い安いは困るんですよ。いまたとえばビニールはどれだけするか知っていますか。大変な額なんですよ、実は。その辺もひとつ認識しておいてくださいよ。
次に、園芸施設共済の場合、たとえば一つは園芸施設そのもの、それから二つ目には付帯施設、それから三つ目には施設内の農作物、この三つに対象が区分をされるわけですが、その三つのうちのたとえば園芸施設そのものだけ、そうして付帯施設それから中の農作物は私はよろしいと、こういうことだとか、あるいは逆に、施設内の農作物はひとつ入りたいんだけれども施設や付帯施設はまあどうでもいいんだと、こういう選択ですが、これは一つの例なんですが、そういう選択というものはこの法案から見るとどうもすっきりしないんですけれども、許されるんでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/69
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070・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 園芸施設共済に付することができます共済目的の組み合わせでございますが、これは特定園芸施設だけはもちろんでございます。それから、特定園芸施設と付帯施設とそれから施設内の農作物、これは全部一緒、これもできるわけでございます。それから、特定園芸施設とそれに付帯した付設施設というこの組み合わせもあるわけでございます。それから、特定園芸施設と施設内の農作物という組み合わせもございます。そこで、特定園芸施設と分離して、施設内の農作物だけ単独で入るという道はこれはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/70
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071・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 いや、それでその道がないというんですが、道がないというやつは、これはどこの規定になるんですか。ちょっとよくわからぬものですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/71
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072・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 八十四条の三項で「次に掲げる物は、定款の定めるところにより、特定園芸施設に併せて園芸施設共済の共済目的とすることができる。」ということで、「省令で定める施設園芸用施設であって、特定園芸施設とともに次号に掲げる農作物の栽培の用に供されるもの」それから「特定園芸施設の内部で栽培される農作物」、こういうことで、あわせて施設園芸共済の共済目的にできるということでございますから、農作物だけを取り上げてこの対象にするということはできないことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/72
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073・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 あわせてできるということは、部分的にできないというその理解がちょっとむずかしいんですが、もう一遍説明してくれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/73
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074・船曳哲郎
○説明員(船曳哲郎君) 先生御承知の、八十四条に共済事業の種類別に共済目的と共済事故を列挙したところがございます。そして、いまお話のございます園芸施設共済につきましては新たに七号を追加いたしまして、園芸施設共済の共済目的と共済事故を定めようとしておるわけでございます。そして、この共済目的は、先ほど来御指摘ございますように、ビニールハウスとかガラス室という、いわゆる特定園芸施設だけになっておるわけでございます。ここでは、付帯施設とか施設内農作物は共済目的にされていないわけでございます。
ところで、いま局長が御説明申し上げましたように、いま申し上げました八十四条の一項の後に第三項を追加いたしまして、第三項の一号でございます付帯施設と二号でございます施設内農作物を、八十四条の一項の七号にうたっております特定園芸施設とあわせて園芸施設共済の共済目的とすることができるということになっておりますので、あわせた場合にのみプラスすることができる、このように私ども理解しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/74
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075・坂倉藤吾
○坂倉藤吾君 まだ予定しております質問事項が大分ありますが、きょうはおおむね時間が来たようでありますから終わりたいと思いますが、最後に、園芸施設のうち、先ほどもお話がありましたように、簡易なトンネルフレーム、これの今日段階で利用をしております面積、それから、そういうものを利用した農作物のいわゆる収穫量、これについて、それと類似の、同じものの全体の量に占める割合といいますか、これがわかっておりましたら、ひとつ数字をお聞かせをいただきたいと思います。それをお聞かせいただいて、きょうは終わらしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/75
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076・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 野菜の生産出荷統計、これは昭和五十年度の生産出荷統計でございますが、それによります、いわゆる施設内で栽培されている野菜の収穫量につきましては、その全量で二百十九万五千トンでございます。そのうち、トンネルによって生産されております量は百六万二千トンでございまして、全施設生産量に対するトンネルによる生産量の割合は四八%になっております。また、面積について見ますと、全施設作付面積では五万四千九百ヘクタールでございまして、そのうち、トンネルによる作付面積は三万一千九百ヘクタールでございまして、全施設作付面積に対するトンネルの作付面積の割合は五八%となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/76
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077・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後五時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01219780427/77
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