1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年五月三十日(火曜日)
午前十時十四分開会
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委員の異動
五月二十六日
辞任 補欠選任
衛藤征士郎君 北 修二君
金丸 三郎君 坂元 親男君
福間 知之君 村沢 牧君
片山 甚市君 丸谷 金保君
五月三十日
辞任 補欠選任
降矢 敬雄君 鈴木 正一君
坂元 親男君 成相 善十君
田原 武雄君 降矢 敬義君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 省吾君
理 事
青井 政美君
大島 友治君
山内 一郎君
川村 清一君
相沢 武彦君
委 員
片山 正英君
北 修二君
久次米健太郎君
小林 国司君
鈴木 正一君
成相 善十君
野呂田芳成君
降矢 敬義君
坂倉 藤吾君
丸谷 金保君
村沢 牧君
吉田 正雄君
原田 立君
藤原 房雄君
河田 賢治君
下田 京子君
三治 重信君
政府委員
社会保障制度審
議会事務局長 竹内 嘉巳君
農林政務次官 初村滝一郎君
農林大臣官房長 松本 作衛君
農林省農林経済
局長 今村 宣夫君
事務局側
常任委員会専門
員 竹中 譲君
説明員
大蔵省主計局主
計官 窪田 弘君
厚生省年金局企
画課長 山本 純男君
農林省農林経済
局農業協同組合
課長 三井 嗣郎君
労働省婦人少年
局庶務課長 甘粕 啓介君
労働省婦人少年
局婦人労働課長 高橋 久子君
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本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/0
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001・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正一君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/1
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002・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は先般聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/2
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003・村沢牧
○村沢牧君 私は、ただいま議題になりました農林年金の一部改正法律案について質問いたしますが、最初に、農林年金の現状について若干お聞きをしてまいります。
農林省の資料によれば、農林年金加入団体は五十二年十二月で一万三千四百四十一、三十四年度の発足当時から比べますと千九百四十八の減となっております。また、組合員数は四十五万九千四百五十二人で、三十四年度末に比べますと十九万九千八百六十五人の増となっておるわけであります。つまり団体数は年々減少いたしておりますが、組合員数は年々増加をいたしておるわけであります。今後においてもこうした傾向が続いていく見通しであるかどうかをまずお尋ねするとともに、加入団体の組合員数の割合と、その増減の傾向についてもお聞きをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/3
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004・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金の対象団体の数及び組合員の数の動向でございますが、お話のとおり、農林年金の対象団体数は発足当初が大体二万五千三百八十九団体でございましたのが、五十一年度末現在では一万三千五百団体と約半分になっておるわけでございます。最近五カ年間におきましても、年間約四百団体程度減少をしておるのが見られますが、これはやはり農協合併等によります減少が主な原因でございます。
他方、組合員数について見ますれば、昭和三十四年の制度発足当初二十九万六千人でありましたものが、五十一年度末現在におきまして四十五万人と、約五割ふえておるわけでございます。最近五年間におきましても、年間約七千人程度増加をいたしておる実情にございます。
これらの将来の見通しでございますが、団体の数は今後なおしばらく減少傾向をたどるのではないかと思われますが、その後はおおむね大体横ばいに推移するというふうに推定がされるわけでございます。また、組合員数につきましては、近年の趨勢等から見まして、今後はその伸びは鈍化をいたしますが、なお数年は伸びていくと思いますけれども、数年後は大体横ばいというふうな形になるのではないかというふうに見通しておるわけでございます。
なおまた、お尋ねの加入団体別の組合員数がどういうふうになっておるのかと、またその今後の見通しはどうかというお話でございますが、対象団体の種別による推移は、制度発足当初と五十一年度末現在で比較してみますと、総合農協につきましては、一万二千七百七十八団体が五千四百六十二団体になっております。大体四三%という程度に相なっておるわけでございます。漁協につきましては二千六百五十四団体が二千二百三十三団体、これは余り減ってはおりません。それから森林組合につきましては、二千四百六十三団体が二千四百十七団体、大体五八%程度に相なっておるわけでございます。これらの減少は、先ほど申し上げましたように、組合の合併等による減少が大きなウェートを占めておると見られるわけでございます。
また、組合員数について見ますと、総合農協では制度発足当時二十二万一千三百三十人でございましたのが、五十一年度末に三十七万四千六百三十一人になっております。大体六九%ふえておるわけでございます。漁協につきましては二万七百十人が三万一千八百二十一人、大体五四%ぐらいふえているわけでございます。森林組合につきましては九千三百十六人が一万一千五百三十人、大体二四%増と、それぞれ増加をいたしております。
将来の見通しでございますが、団体数につきましては先ほど申し上げましたように、各団体とも今後とも減少するものと予想されるわけでございますが、組合員につきましては総合農協等を中心として今後もある程度増加をするものと考えられますが、増加傾向はいままでのような形ではなくして、数年後には大体横ばいの動きを示すのではないかというふうに予想いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/4
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005・村沢牧
○村沢牧君 次に、給与の状況についてお聞きをいたします。
最近年度における農林年金組合員の平均給与は幾らになっておるかということと、その給与の標準給与表における組合員の分布状況、つまり、給与表のどの部分に組合員が一番多いのか、さらにはまたこの給与の平均額未満の組合員の割合はどんなようになっておるか、そのことと、その月額は他の共済組合員の給与と比較してどのような状況になっているか、あわせて説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/5
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006・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金の組合員の標準給与の月額の平均額は、五十一年度末で見まして十二万五千百四十円に相なっております。これを標準給与表の分布状況で見ますと、標準給与の下限に当たります——第一級と言っていますが、これが大体五万八千円でございますけれども、その下限該当者は八千九百三十人で全組合員の二%でございます。他方、上限に当たります——第三十六級と言っていますが、これが三十四万円でございますが、この該当者は四千三百九十二人で全組合員の一%でございます。
そこで、どの辺にモードがあるかと見ますと、大体十三級、十一万円でございますが、それから十五級、これは十三万円でございまして、その十三級から十五級までの該当人員がそれぞれ三万人前後ございまして、これを中心にいたしまして緩い山型の分布になっておるわけでございます。
農林年金の給与と他の共済組合と比較した場合、どういう実態になっておるかというお話でございますが、農林年金が十二万五千百四十円でありますのに対しまして、国家公務員共済で見ますとこれが十五万二千百五十五円でございます。それから、地方公務員共済では十六万三千九百四十四円でございます。私学共済では十四万八千三百十三円となっておるわけでございます。
農林年金の場合と他のいずれの共済の場合と見ましても農林年金が低うございますけれども、その原因としてはいろいろございますけれども、一つは、国家公務員共済組合あるいは地方公務員共済組合と農林年金を比較しますと、平均組合員期間が農林年金の方は短うございます。また、平均年齢も低いという、そういう組合員期間あるいは平均年齢という問題が一つございます。それから私学共済と農林年金の場合の要素を考えてみますと、私学共済は平均年齢が高いということと、それから農林漁業団体の職員の約八〇%は単位団体の職員でございまして、その単位団体は、御存じのように、所在地が大部分が農山漁村にございますが、私学の場合はその所在地の過半数が六大都市に集中しておるというふうな、そういう状況に基づくものであろうと思われます。
それから第三番目に、男女の構成なり学歴なり職種等の相違ということが影響をしておるのではないかというふうに考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/6
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007・村沢牧
○村沢牧君 次は、年金受給者の推移と年金額についてお聞きをいたします。
最近年度における退職年金者の増加と組合員の増加との関係、先ほどの説明で組合員の増加も鈍化をしておるわけでございますけれども、この関係はどのような推移を示しておるかということと、さらに退職年金でありますけれども、これまた最近年度における一件当たりの退職年金の平均額を既裁定分と新規裁定分、この両方についてお聞きをいたしたいと思います。さらにまた、その退職年金該当者の退職時における平均給与、平均年齢、平均組合員期間、これらについて説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/7
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008・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) まず第一点の退職年金者の数でございますが、過去五年間におきまして年間約四千五百人程度増加をいたしております。これは、今後さらに増加していくものというふうに予想をいたしております。それから他方農林年金の組合員数につきましては、過去五年間におきまして年間約五千人程度ふえておりますが、数年後には、農林漁業団体の雇用の状況によりますけれども、大体この増加というのはだんだん停滞していくのではないかというふうに予想いたしておるわけでございます。
組合員に対します退職年金者の割合でございますが、この割合を見ますと、昭和四十四年度には二十八人のうち一人、それから四十九年度では十三人で一人、五十一年度では十一人で一人と次第に組合員の負担が重くなっておるわけでございます。今後長期的にどうなるのかということはなかなか予測はむずかしいことでございますが、いま申し上げましたように、退職年金者一人を負担する組合員数が年々減少していくということを私たちなりにその傾向で一応推計をいたしますと、今後三十年後には退職年金者一人を組合員二・四人程度で負担するというふうな形になることが見込まれるわけでございます。
それから、最近におきます退職年金者の平均年金額、それから平均標準給与、平均年齢、平均組合員期間はどうなっているかということでございますが、農林年金の五十一年度末現在におきます退職年金受給権者の平均の年金額を見ますと七十八万五千五百五十三円でございます。その平均標準給与月額は十二万七千八百二円ということになっております。また、退職年金の受給権者の平均年齢は六十一歳でございまして、これを男女別に見ますと、男子が六十一・七歳、女子が五十六・二歳というふうになっています。それからまた、平均組合員の期間は二十二・五年で、これを男女別に見ますと、男子が二十二・六年、女子は二十一・八年というふうになっているわけでございます。
それで、五十一年度の新発のいま申し上げましたこれに見合います数字でございますが、まず退職年金受給権者の新発着の年金額で見ますと、先ほど申し上げました七十八万五千五百五十三円に見合いますのが九十七万八百四十三円でございます。それから平均標準給与月額の十二万七千八百二円に見合いますのは、残念ながらちょっとその数字を得ることができないので、コンピューターから引っ張り出さにゃいけませんものですから、ちょっとその数字を現段階で得ることはできないわけでございます。それから、退職年金受給者の平均年齢の六十歳に見合いますものが新発者では五十六・〇九歳、男子は五十七・〇五歳、女子が五十三・〇三歳でございます。それから、平均組合員期間の二十二・五年に見合います新発着のは二十四・〇九年で、男子は二十五・一一、女子が二十三・〇三と、かようになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/8
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009・村沢牧
○村沢牧君 いま退職年金の平均額は七十八万五千五百五十三円という説明があったわけでありますけれども、その中で最高の年金あるいは最低はどのような数字になっているかということと、さらに平均額以上に占める率はどのくらいか、以下の率はどのくらいか。あるいはいろんな分類の方法があるというように思いますけれども、たとえば八十万以上の人はどうだとか、八十万から五十万はどうだとか、いろいろな率の出し方があるというふうに思いますけれども、この平均年金額の内容について若干説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/9
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010・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) いまちょっと計算さしていますので、ちょっとお時間をいただきたいと思います。——申しわけございませんが、ちょっと時間がかかるようでございますので、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/10
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011・村沢牧
○村沢牧君 それでは、それは後ほど示してください。
時間の関係で次に伺ってまいりますけれども、この法案の改正によって退職年金はどのように変わってくるのかということですね。いまお話しのあった年金はどのようにアップされてくるのか。その年金は他の共済組合の年金と比較をするとどのような状況になっておるのか、その点についてお聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/11
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012・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金の退職年金の受給権者は通年方式該当者がございますし、また共済方式該当者あるいは最低保障該当者がございまして、今回の改正によりまして、これらの者全体の平均年金額はどの程度アップするかを計算することはなかなかむずかしいのでございます。
そこで、たとえば農林年金におきまして年金額が初めて改定されることになりました年、これが四十四年でございますが、その年に退職いたしました者で平均的な組合員期間及び平均的な年金額を有する者というものをモデルにいたしまして退職年金を試算をいたしてみますと、改定前の年金額は八十五万三千五百円でございますが、この者が通算退職年金方式の該当者でありますので、今回の法改正によって五十三年四月分以降これが八十八万三千二百円、三・五%の増加となるわけでございます。さらに、この者につきまして、五十三年六月分から物価上昇率を基準といたしまして政令による改正が実施される。政令によって六・七%上がるわけでございますので、これが実施されるといたしますと、これによって九十一万二千二百円の年金額になりまして、改定前の年金額に比較しまして六・九%の増加になるというふうに見込まれるわけでございます。
それで、もう一つの御質問の年金の給付水準を厚生年金と比較した場合にどうなるのかということでございますが、現在におきます両年金につきまして比較してみますと、両年金の具体的な給付水準を五十一年度の新規発生者の退職年金について比較をいたしますと、組合員期間は両年金ともほぼ同様でございますが、年金額におきましては農林年金が九十七万八百四十三円であるのに対しまして厚生年金は八十三万九百九十五円ということで、農林年金が約十四万ほど上回っておるわけでございます。
なお、農林年金における退職年金のモデルの計算をいたしまして、これは農林漁業団体に通常勤務した者の平均的な退職年金のそういうモデルをとりまして計算をしまして、その者が厚生年金の給付を受けると仮定いたした場合にその差を比較いたしますと、農林年金の一〇〇に対しまして厚生年金は八一から八六程度ということに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/12
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013・村沢牧
○村沢牧君 きょうは大臣おらなくて残念ですが、政務次官にお聞きいたしますが、農林年金の現状についていま説明があったわけであります。昭和三十四年この農林年金が厚生年金から分離独立して以来、関係者の努力もありまして、維持改善を図ってきたことは認めるものでありますけれども、しかし、農林年金はまだ基盤が非常に弱くて、他の年金と比較しても不備な点があり、内容の充実や財政の健全化などが課題となっているというように思います。と同時に、農林団体の関係者がなぜ厚生年金から分離をして農林年金という組合化の道をたどったかということを、いま私は振り返ってやっぱり考えてみる必要があるというふうに思うんです。そして、農林年金がこれからどのような独自性を充実していくかという方向を、その中から導いていかなければならないというふうにも思うんであります。
農林年金を独立さした目的は、大きく言って三点あるというふうに言われております。一つは協同組合精神のもとに農林漁業事務担当者の団結を図ること、一つは厚生年金よりも高い年金給付、高福祉を希望したことであります。そして三つ目には積立金の自主運用を実現をしていく、こういう目的と希望を持って農林年金を分離したわけでありますが、このことが当時の目標でもあり、また現在においてもその精神は私は変わりはないというふうに思うんです。この農林年金制度が発足してから約二十年になろうとしているわけでありますけれども、こうした目的や精神が現状の年金の中で生かされているかどうか、政務次官の見解をひとつお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/13
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014・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 先生おっしゃるとおりに、この農林年金制度は厚生年金に当初加入しておったのだけれども、ここに厚生年金よりも歩率が悪い、そういうような関係から、農林漁業団体の職員が加入しておった厚生年金から、昭和三十四年ですか分離したわけなんです。その目的は、大体いま先生がおっしゃるとおりに、農林漁業団体に優秀な人材が得られる必要がありはしないかと、あるいはまた有利な給付内容をもらいたいというような考え方、さらにはまた、積立金の自主運用を図ることなどをねらって分離したことは間違いありません。そこで、こういうような農林年金制度の創設の趣旨に沿って制度、内容面では現在他の共済制度と同一レベルに到達しておるのじゃなかろうかということで、発足当時の目標が達成されておると私どももまた考えておるわけであります。
そこで、前に申し上げました積立金の自主運用についても高率運用で年金財政への寄与が図られており、さらに福祉事業等においても市町村の役場に対するものと同等な内容になっておると、したがって当初の精神は貫かれておりますので、今後さらに一層これを前向きでいいものに仕立て上げていきたいと、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/14
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015・村沢牧
○村沢牧君 いま政務次官は、農林年金の現状は発足当時の精神、目的を達成されておるというような御答弁があったわけでありますけれども、おるかおらないかにつきましては、これから以下だんだん質問して明らかにしてまいりたいというふうに思いますが、その前にもう一点お聞きをしておきたいことは、農林年金は公務員の共済年金にならった形でつくられたもんでありますが、現在では社会保障年金としての厚生年金を代行している部分もあれば、さらに職域年金的な面と、この二つの面を私は兼ねておるというように思うんであります。国民皆保険が唱えられ、加えて高齢者社会を迎えている今日におきまして、諸外国と比べてはるかにおくれているわが国の社会保障、特に年金の現状から、農林年金も社会保障の一環として位置づけ、より内容を充実し発展をさしていかねばならないというように思うんでありますけれども、この農林年金の位置づけについて、政務次官に重ねてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/15
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016・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 農林年金制度は、御承知のとおりに、三十四年の一月一日に厚生年金保険から分離して発足したことはこれはもう間違いありません。この背景には、農林漁業団体の大部分が、農林水産業の生産力の増進を図り、あわせて国民経済の発展に寄与するという重要な役割りを担っている点に着目して、特定の職域を対象とする職域年金として厚生年金から分離した地方公務員共済組合等の給付水準に均衡する目的で設立されたという経緯があるわけであります。そういうような意味で、農林年金制度は職域年金の一種であると、こういうふうに解釈しておるわけであります。また、他方農林年金は、国家公務員共済組合等の共済年金グループに属しているが、共済組合の性格が次第に社会保険制度的性格を帯びつつある面もまた考慮をされますので、御指摘のとおりに、農林年金も社会保障的性格を有してきているのではなかろうか、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/16
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017・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 先般の御質問につきまして調べた結果を申し上げたいと思いますが、退職年金につきまして最高額、最低額は新発者について幾らかということでございますが、新発者五十一年度について見ますと最高が二百三十五万円、それから最低が四十四万一千八百円でございます。平均額は九十七万八百四十三円でございますが、それより下回っておる者の割合は、四万八百人のうちで二万四千七百人ございますから、下回っている者の割合は六〇%ということに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/17
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018・村沢牧
○村沢牧君 今回の法律改正は、例年にならって国家公務員の給与の上昇あるいは他の共済組合制度との均衡、横並び、また標準給与のアップから当然改善しなければならない点について若干の手直しをしたにすぎない、毎年同じことをやっているにすぎないというふうに私は思うんですけれども、したがって農林漁業団体や、あるいは共済組合組合員の要求にこたえておらない、このように判断するわけでありますけれども、この法律改正の中において特に重点を置いた点は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/18
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019・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 今回の改正は、給付に関しまして、恩給制度なり国家公務員共済制度その他の共済制度の改善に準じて改善を図るものでございますが、骨子といたしましては、既裁定年金額の引き上げ、それから退職年金等の最低保障額の引き上げ、それから掛金及び給付の額の算定の基礎となります標準給与の月額の下限及び上限の引き上げ等を内容としておるものでございます。
その意味では、例年と同様の改正を行っているということになるわけでございますが、このような改正によりまして年金給付が年々改善されてきておることは御高承のとおりでございまして、本年は特に、六十歳以上または遺族である子がいます六十歳未満の妻でありまして組合員期間二十年以上の者に係ります遺族年金の最低保障額を四月及び六月の二度にわたって引き上げますと同時に、六十歳以上の妻または遺族である子がいる六十歳未満の妻に係ります遺族年金に加算されますいわゆる寡婦加算の額を、六月から年額一万二千円引き上げるということにいたしておるわけでございます。したがいまして、このような逐年の改善を見ながら逐次その制度の内容の充実を図ってきている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/19
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020・村沢牧
○村沢牧君 社会保障制度審議会は、ことしの二月年金改正に関する答申を行っているわけでありますけれども、その中で特に恩給法の改正に当たって共済年金との関係、共済組合制度間における国庫負担の差異、こうしたことの検討を意見として申し入れているわけでありますけれども、今回の農林年金の一部改正に当たってはこのような審議会の意見、答申をどのように検討してこられたのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/20
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021・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 社会保障制度審議会の答申がことしの二月にあったわけであります。その答申によりますと、「例年と変るところがない。これに対する本審議会の意見は、これまで繰り返し述べてきたところにより承知されたい。」とうようなものであったわけであります。しからば、その趣旨はどういうことかと言うと、それは今回の制度改正をおおむね了承するけれども、共済組合の年金制度のあり方、特に恩給を連動させることについて問題があるので、しかるべき委員会等において検討し結論を得るよう要望するというようなものであると理解しておるわけであります。
社会保障制度審議会は、五十三年の二月に内閣総理大臣あてに「共済組合制度に関する意見」を提出しております。この中で、恩給法の改正が他共済等に影響を与えているので、この改正に当たっては関係機関による吟味が必要であろう。また、保険財政について不安の見受けられる組合もある。これらに対処するための改正に当たっては、同審議会の建議「皆年金下の新年金体系」の提言の阻害要因とならないように、共済組合全体を通ずる責任ある組織を設けることを考慮ありたいとしているわけであります。そうして、これらの問題については、今後国家公務員共済制度など他の共済制度の検討状況を踏まえつつ、関係各省とも協議し、さらに検討してまいる考えであるというような結論になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/21
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022・村沢牧
○村沢牧君 政務次官のいまの答弁ですけれども、その答申の内容は私は承知しているんですよ。また、政務次官が後段言われた点については、これは保険制度全体に関する問題でありますから、私も後ほどこれは質問いたしたいというふうに思いますが、特に農林年金について例年そういうことを社会保障制度審議会としても答申をし検討しと言っているが、さらに改善に努力をしようと言ったことが特に意見として本年度言われたことがあるわけですね。それについて、農林省がどのようにこれを前向きに検討したかどうかということなんです。そのことを聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/22
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023・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 一つは年金制度につきまして、農林年金におきましてどういう改正を行うかということでございますが、これは農林年金につきましても、共済制度の一つの年金制度でございますので、これについてどのような改正をするかということは、それぞれ各省におきまして十分協議をいたしまして、国家公務員共済、地方公務員共済等とも均衡をとりながら現在のような改正を御提案いたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/23
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024・村沢牧
○村沢牧君 その問題についても国庫補助等の関係もありますから、後ほどさらに掘り下げて聞きたいというふうに思います。
次に移ってまいりますが、今度の改正法案は、既裁定年金については国家公務員の給与の改善内容に準じて増加することになっておりますけれども、確認をしておきたいのですが、新規裁定年金については例年どおり厚生年金に準じて物価スライド方式で改定をされるというふうに思うんですが、そのことを確認をしておくとともに、それは何月から改定をするのか、同時にどのくらいこのアップを見込んでおるのか、このようにして既裁定の年金は国家公務員に準ずる、新規裁定は厚生年金に準ずるという、こういう方針が農林年金の場合今後ずっと永続的にこういう方向で持っていこうとされますか、その辺についてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/24
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025・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金につきまして通算方式をとっておりますところは、これは厚生年金に準じた算定方式を持っておりますから、そこの物価スライドのことはお話のようにいたす次第でございます。
それから、年金改正におきまして自動スライド制の問題でございますが、これは先生よく御存じのとおり、農林年金におきましては、農林年金法の第一条の二の規定によりまして、「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」としておるわけでございまして、これは人事院の給与に係る政府勧告に準拠した国家公務員の平均給与改善率を基準といたしまして、四十四年度以降毎年法律によって改正を行っているわけでございます。したがって、この法律によります改定は毎年そのようなことでずっと定着をしてやってきておるわけでございまして、年金額の引き上げにつきましては、事実上自動スライドと同様の効果を発揮をいたしておるわけでございます。
で、農林年金の年金改定につきまして自動スライド制をどのように導入するかということにつきましては、自動スライドの基準を物価、賃金等どこに置くかという問題が一つございます。したがいまして、これにつきましては年金制度全般としてなおいろいろ議論が存するところでございまして、種々検討を要する問題があると思われるわけでございますので、私たちといたしましても共済制度共通の問題として、関係各省とも十分協議しつつ今後検討をいたしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/25
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026・村沢牧
○村沢牧君 国家公務員給与に一部は準ずる、それからまた、あるいは厚生年金に準じて物価スライド制をとっている、この二通りの上昇するという理由は何ですか。これはそうすることによってどういうメリットがあるんですか。法の規定は別として、その理由について説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/26
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027・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金は、御存じのとおり、共済方式とそれから通年方式をとっておるわけでございます。これは、共済方式と申しますのは、平均標準給与の年額に百分の四十を掛けて、さらに一・〇七一を掛けましてやっていくという法律の方式でございます。それから、通算方式は厚生年金に準じました形式でございまして、定額部分と報酬比例部分とがございまして、それぞれにつきまして一定の定められた比率を掛けてスライドをしていくと、そしてさらに報酬比例部分をつけ加えていくという形で、これは政令で規定をいたしておるわけでございます。これは、農林年金につきましては、共済方式を採用する方が有利な場合とそれから通年方式を採用する方が有利な場合とか、いろいろのケースがございますので、農林年金としましてはその有利な方を採用して年金の支給ができるようにという形で、そのような両方式を併用いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/27
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028・村沢牧
○村沢牧君 両方式を採用する方が有利であるという話があったわけですけれども、そのことはここではあんまり議論をするつもりはありませんけれども、国家公務員の給与の上昇率に準じて年々法律改正でもってこの改定をしていく、こういうことが行われているわけでありますけれども、法律改正を一々やらなくても公務員の給与の引き上げに対応して自動的にスライドさしていく、しかも格差をなくしていく、こういう方法がこの農林年金の場合にはとられないのかどうかということですね。また、こういう方法をとっては不利になるのかどうかということなんです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/28
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029・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) お説のように、いまの法律制度で一々毎年法律を出さないで、一定の要件に該当いたします場合にはそれにスライドをすることによって、毎年法律を御審議いただくというふうなことのないように処理をするということは、確かに御指摘のように一つの方法であろうかと思っています。
ただ、それをやりますにつきましては、先ほど申し上げましたように、一体それでは何にスライドしてどうしていくのかという基本的な問題がございます。言葉をかえて申し上げますれば、先ほどの御質問の自動スライド制導入を検討すべきであるという御説に基づくものかと思いますが、先ほど申し上げましたように、その基準を物価に置くのか、あるいは賃金に置くのか、これはなかなか全体として議論があるところでございまして、私たちといたしましてはこれは今後の問題として、いまお話しのような法制化につきましても今後の問題として検討してまいりたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/29
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030・村沢牧
○村沢牧君 そのことの検討は進められるでありましょうけれども、局長にお伺いしますけれども、いまのような方式をとっていた方が農林年金の受給者にとって有利であるかどうか、物価の上昇や公務員の賃金の上昇と、いろいろによって違うでしょうけれども、その辺は過去の経過から見てどのように判断をいたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/30
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031・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 一つは、物価と賃金とどちらをとっておることが有利であるかということが一つ言えると思うわけでございますが、これにつきましては、従来の上昇率を見ますと賃金の方が物価より高いわけでございます。四十二年度におきましても、途中までは物価の方が高いのではないかと言われたわけですけれども、結果的に見てみますと、やはり賃金の方が高かったというふうな経緯もございます。
今後の推移はどういうふうになっていくかは、これはなかなか予断を許さないところでございますが、従来はそういう傾向にございまして、国家公務員の賃金上昇率にスライドするということについてその有利性を疑わなかったわけでございますが、今後どういうふうになっていくかということは、これはなかなか予断を許さないところでございます。ただ、制度として、従来賃金が有利であったから国家公務員の賃金上昇率にスライドして法律改正をやっておったけれども、今後、物価の方が有利であるからまた物価に乗りかえるということもこれいかがなものであろうかということも言えるわけでございます。したがいまして、この辺のところは、先ほど申し上げましたように、ほかの制度全体との絡みも十分考えながら今後の課題として検討してまいらなければならないと思っておるわけでございます。
それから、いまの両方式併用の方式は、現段階におきましては私は両方の特色を生かすという意味においてはこれは農林年金にとりまして有利に働いていると思いますが、全体的な制度の成り立ち方につきましては、先ほど申し上げましたように、全体の年金制度がどうなるかということとの関連において十分検討されるべき問題であるというふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/31
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032・村沢牧
○村沢牧君 この農林年金は、共済制度といっても先ほど政務次官の答弁にもありましたように、社会保障的な性格も強めているわけであります。また、そうならなければならないというふうに思うんであります。ところが、現行のこの年金制度を見てみますると、保険方式ですから高い賃金の者は高い年金、低い賃金の者は低い給付しか受けられない仕組みになっているわけであります。しかし、高齢者になって一人一人の生活の上に必要な費用というのは、勤めておるときに高い賃金であっても低い賃金であっても大した変わりはないわけです。したがって、なるべく平等に人間らしく生きることを保障することが社会保障の原則であるというふうに思うんです。
先ほど私の質問に対しまして、現行年金を分析してみると、平均は九十七万というふうに言っていますけれども、答弁にありましたように、最高は二百三十五万だと、それから最低は四十四万一千円、この平均額を下回っている者は六〇%だということにお話があったわけなんです。つまり、なるほどたくさんもらう人は、これも決して満足だとは私は言いませんけれども、いいとは言いませんけれども、ありますけれども、平均額を下回っている人が六〇%もあるような年金の現状なんです。
ある組合員は私に、農林年金は大手町年金なんということを言われたのです。私はどういうことかわからないので聞いてみたら、幹部職員にとっては非常にいい年金だけれども、低所得者層にとっては決していい年金とは言えないということを言ったわけです。つまり、職場の格差が老後までずっと続いているわけなんです。したがって、私は農林年金は給付はできるだけ公平にするような、あるいは低い所得であった人も年金額を厚くするように内容を改善することこそ必要ではないかというふうに思うんです。五十一年度から一定率にプラスして定額方式をとりまして、下に厚くするようなこういう傾斜方式が採用されておることは前進でありますけれども、しかし、まだまだ不十分だというふうに思いますけれども、つまり下の額を高めていく、こういうためにどのような配慮をされておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/32
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033・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) いまの御指摘はいろいろな問題を含んでおると思われるわけでございますが、まず、べースには給与格差がございますが、それの年金改定に当たってはできるだけ低水準に手厚くすべきものではないかというお話に関連いたしまして、毎年年金の改定に当たりましては国家公務員の賃金上昇率をとってきておるわけでございますが、その国家公務員の給与改善の考え方といいますのは、上薄下厚の方式をとられておるというふうに思うわけでございます。程度は不十分であるという御指摘は確かにそうかと思いますが、そういう上薄下厚の程度の改善に応じて年金の方も改善されてくるということになるわけでございます。本年度におきましても率と額を両方もちまして改定をいたしておりますので、前年度に比べますと若干改定部分のウエートが低くなっておりますが、農林年金におきましてはそういう国家公務員の給与改善を反映するという形をとっておるわけでございます。
それからもう一つの問題は、賃金格差の問題がございます。これは農業団体の賃金格差が年金給付額に反映いたしますものですから、これにつきましてはそのベースをどのように今後上げていくか、あるいはまたその賃金格差をどのように縮めていくかという問題に起因するかと思います。
それから第三番目は、この前申し上げましたように、社会保障的性格として、やはり最低保障額の引き上げでございますとか、あるいは寡婦加算の増額でございますとか、そういう要素を取り込みながら機能の整備拡充を図っておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/33
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034・村沢牧
○村沢牧君 現状は承知をいたしておりますが、やはりいま局長から答弁ありましたように、上に薄く下に厚いというように年金の内容を改善をしていく、その配慮を常に保っていかなければならないというふうに思うんです。公務員の給与のアップ率にプラス定額、この一定額は昨年は二千三百円であったわけでありますけれども、本年の改定では千三百円になっているわけであります。この二千三百円だとか千三百円というのは何を基準にしてこういう定額をつくるのですか。これは政策目標ですか、それとも何か基準があるんですか。格差をなくすると言いながら、昨年のプラスの金額よりもことしが下回ったということは、これは口では言っているけれども現実はそういうふうになっておらないんです。この辺についてどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/34
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035・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 私が先ほど御答弁申し上げましたように、現状でありますと申し上げたわけでございますが、もちろん私たちといたしましてもそういう上薄下厚方式をできる限り採用すると、給与賃金格差につきましての改善を行っていくということの努力は続けてまいらなければならないし、また、いままでも続けてきたつもりでありますが、今後さらにそのような方向において努力をしていく必要があるということを、十分認識をいたしているわけでございます。
それからもう一つ、年金額の改定につきましての率と額とのお話でございますが、今年は率の方は七・〇%、額の方は千三百円による改定を行っております。前年は率としましては六・七%であり、額としては二千三百円でございまして、額は下がっておるではないかということでございますが、これは年金額としてどのような率と額とを採用するかということは、国家公務員の給与改善の動向に即しまして、この率と額とをどの程度に定めるのが国家公務員の給与改善の動向に一番即応するかというところで、各年金制度共通の問題として議論をされ決定をされてきたわけでございまして、上薄下厚の程度は前年に比して減少いたしておりますが、そういう方向を毎年たどりながら改善が行われてきておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/35
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036・村沢牧
○村沢牧君 国家公務員の給与のアップは、これは率は決まっているわけですね。昨年は給与の率が、アップが少なかったから農林年金も昨年の給与のアップは少なくなってきている。しかし、額はいま局長が言われるように上薄下厚を目的としたものであるならば、昨年と同様あるいはそれ以上につけることが上薄下厚の目的に沿うものだというふうに思うんですね。ただ、財政状況なり他の年金との比較の上においてだけこういうことをするから、いつまでたっても内容がよくならない。なぜ昨年よりもこの額を下げたのか。その辺についてもう一度答弁をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/36
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037・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 国家公務員の給与は、先生御存じのように、平均的には七・一%の上昇でございますが、等級別に見ますと、その等級ごとにその上昇率は異なっておるわけでございます。したがいまして、その等級ごとのその差異と申しますか、上昇の動向といいますか、そういうふうなものを踏まえまして、そういう改定の動向を年金にどういうふうに反映させるかということで検討いたしました結果が、いま先ほど申し上げましたような率と額に相なったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/37
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038・村沢牧
○村沢牧君 率はわかっていますが、額についてはこれは政策的に判断するのですか。何かやっぱり基準があって、こういう千三百円だとか二千三百円だという額を出すんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/38
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039・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 先ほど申し上げましたように、国家公務員の給与改善の動向に即応しまして、率を七%といたしました場合にあっては額は千三百円ということで、それが国家公務員の改善の動向とバランスした年金、給与の改善であるということを、年金全体として検討の上決定をいたした金額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/39
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040・村沢牧
○村沢牧君 次に進みますが、農林年金には、申すまでもありませんが、旧法と新法にいろいろ適用上の違いがあるわけであります。たとえば年金額算定に用いられる通算退職年金方式の計算式だとか、あるいは遺族年金の扶養加算だとか、平均標準給与算定の基礎期間、これらは新法年金には適用されるけれども旧法年金には適用されておらない。このように新法と旧法の格差がある。この理由は何ですか。旧法、新法と区分をこれは撤廃をして格差を解消すべきであるというふうに思うのですけれども、それができない理由は何でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/40
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041・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 新旧格差の発生でございますが、農林年金は昭和三十四年に厚生年金から分離発足をいたしましたが、昭和三十九年に大幅な制度改正を行いまして、その改正前を旧法、改正後を新法と呼んでおるわけでございます。
この改正によりまして、改正前に年金を受けた者と、それ以後の者との間に給付内容において格差が生じることになったわけでございまして、特に現在問題となっておりますのは、新法の最低保障と旧法のいわゆる絶対最低保障との間にかなりの格差が存在していることでございます。この格差は、農林年金だけではございませんで、共済グループ全体について、旧法の絶対最低保障が恩給との均衡から設けられていることに伴って発生をいたしておるものでございます。
これを解消すべきではないかというお尋ねでございますが、この問題につきましては、共済制度共通の原則といたしまして、年金額の算定はその給付事由が生じた時点によるべきものであるということになっておるわけでございます。給付事由が生じた時点によって年金額を算定するという、そういう基本的な原則がございまして、旧法年金に対しまして制度的に新法水準を保障するということはなかなか困難な問題でございます。また、農林年金だけそれではそれをやったらいいじゃないかというお話があるかと思いますが、農林年金は共済グループに入っておりますので、農林年金だけ取り出してこれを行うということもまたなかなか困難な問題でございまして、やはり恩給制度、国家公務員共済、地方公務員共済の取り扱いと並んで扱われるべき問題であると思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/41
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042・村沢牧
○村沢牧君 年金制度の改定についても、他の年金との横並び、他の年金をにらみ合わせてすべて改定していますから、こういうことがいつまでたっても解消できないというふうに思うのです。
いま答弁のありました退職年金の最低保障額についてもさらに重ねてお聞きをいたしますが、この最低保障額は厚生年金の最低保障額を基準として定められておるわけでありますけれども、通算退職年金の年金額は、厚生年金法によって算出される年金額以下のものがあるわけです。この現実はどう見ているのか。
それから、いまお話がありましたように、農林年金本則の最低保障額は新法年金者についてのみ適用される。最低保障額に該当するようなものは低額な年金でありますから、厚生年金の最低額を基準として定めておる本法本則の最低保障額に統一してもいいんではないか、統一すべきではないかというふうに思いますけれども、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/42
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043・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 最低保障額の旧法、新法の比較でございますが、これは御指摘のとおり、新法でいきますと、たとえば六十歳以上の退職年金につきましては、新法では六十一万八千百三十二円に最低保障がなっております。六十五歳以上でございますと六十二万二千円でございますからこれは問題ないのでございますが、六十五歳未満に相なりますと、旧法の絶対最低保障額は四十六万六千五百円ということで、新法よりも相当低くなっておるわけでございます。厚生年金の場合におきましては六十一万八千百三十二円が適用に相なるわけでございますから、その点におきましては、国家公務員共済、農林年金ともにその点は不利でございます。
したがって、旧法者に対しても新法最低保障を適用すべきではないかというお尋ねにつきましては、いま先ほど申し上げましたように農林年金だけを取り出してこれを実施できればいいのでございますけれども、国家公務員共済、地方公務員共済等と制度的にそのグループに入ってそういう制度の適用を受けておるということでございますから、またその制度に入りますときが、厚生年金から分離独立してさらに有利なる年金を確立するということでそういう対応をいたしたわけでございますから、この点は今後の問題として全体的に検討せられるべき問題であって、農林年金だけを取り出してこの新旧格差を是正するということはきわめて困難な事情にあるわけでございます。
そこで、そういう困難がございますが、今後とも絶対最低保障額の引き上げ等に努めることによりまして、旧法年金者の最低水準の改善を図ってまいるということの必要性は自然でございますし、またそのような努力を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/43
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044・村沢牧
○村沢牧君 どうもその辺は、矛盾をする現実は認めつつなかなか改善ができない、踏み切れないところに私は問題があるというふうに思うんですけれども、重ねてお伺いしますけれども、退職年金について、いわゆる旧法適用者は何名くらいおって、その年金者について新法と同じように適用したら一体財源負担はどのくらいになるんですか。私の判断では、該当者もそんなに多くはなくて、財政上も耐えられないというものではないと思うんですね。農林年金発足の目標と精神は、先ほど私が指摘をいたしましたように、厚生年金よりもよくなろう、あるいはは官民格差もなくしていこう、そういうところから農林年金が発足したんですよ。局長の答弁を聞いていると、国家公務員年金に横並びだと、それより出てはいけない、そういう答弁ばかりはね返ってくるわけでありますけれども、別に他の共済年金から農林年金に対して財政負担をしているわけじゃない。このくらいのことがなぜできないんですか。もう一度答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/44
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045・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金におきます旧法年金者と新法年金者の割合でございますが、五十一年度でお尋ねの退職年金について見ますと、旧法者が百八十八人で、新法者が四万六百十五人でございますから、その比率は〇・五%でございます。障害年金で見ますと一五・三%、遺族年金で見ますと一四・三%でございまして、全体をとらえてみますと、旧法者が千八百七十九人で新法者が五万六百二十七人でございまして、その比率は三・六%でございます。
それを格差解消いたしますために、どれだけの所要財源を要するかということを計算をいたしますと、農林年金の財政だけの財政所要額は六千五百万円程度でございます。したがいまして、農林年金の新旧格差を是正するという観点からの財政負担は、大したものでございません。しかし、財政的にこれを考えますと、共済グループ全体に影響をするとして、仮に国家公務員共済等も改善をいたしますということになりますと、恩給は御存じのように文官、軍人を合わせまして二百五十万人おるわけでございまして、またその給付財源を全額国庫負担をしておるということからしまして、相当な財源負担に相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/45
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046・村沢牧
○村沢牧君 局長は、この農林年金を担当する局長ですね。あなたが厚生大臣や大蔵大臣のようなことまで言わなくたっていいと思うんですよ。だから、農林年金は、旧法との格差を是正しても三・五%、わずかなものですよ。いま局長言ったように、金額にしても大したことはないんだと。ただ、国家公務員年金と比べて困るんだというようなことですね。あなたとしては、解消する気持ちがあるんですか、したいんですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/46
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047・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 私の気持ちとして申し
上げれば、それは新旧格差がないことが好ましいと思っております。しかし、制度を発足いたしましたときに、厚生年金から分離をいたしまして、共済グループに入って厚生年金よりもいい年金制度を仕組もうということで始まって、現在そういう制度に相なっておるわけでございます。したがいまして、いいとこずくめということにはなかなかこれはいかないのでございまして、私としましては、ないことが望ましいと思っておりますけれども、その解消は、先ほど申し上げたようにきわめてむずかしい状況にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/47
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048・村沢牧
○村沢牧君 ことしの改定はもう法律が出てしまったから、とやかく言っても始まらないことですけれども、担当する局長として、農林省として、そういう気持ちを持っているとするならば、来年の改定に向けてひとつ真剣に取り組んでみる、そういう決意がおありですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/48
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049・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 私としては、新旧格差を是正するための努力をいたすことにおいてやぶさかではございません。したがいまして、そういう努力をすることといたしますが、しかし、事態はなかなかむずかしいということもあわせて申し上げておかなければ、努力が足りないからその制度改正はできないというおしかりを後々受けましても、なかなかそう簡単にできる問題ではないということを、どうか御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/49
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050・村沢牧
○村沢牧君 次は、遺族年金についてお聞きをするんですけれども、法の改正では寡婦加算額を六月から年額一万二千円引き上げるということになっておりますけれども、これは引き上げても遺族年金の算定基礎及び絶対保障額は低過ぎるというふうに思うんです。長年低賃金で農林団体のために働き、不幸にして死亡した人の遺族に対して、もっと手厚い対策を講じてもいいんじゃないかというふうに思うんです。一々数字を申し上げませんが、この資料によっても、今回改定をしたといっても、二十年以上勤務した者の遺族で、六十歳以上の者及び六十歳未満で子がいる者の妻の絶対保障額は六月から三十六万円、これは余りに低過ぎるというふうに思うんですね。遺族年金は、少なくとも退職年金の七〇%程度、それ以上にするように絶対保障額も引き上げるべきだと思うんです。遺族年金だってそんなに該当者がたくさんあるわけじゃないから、これは上げたってそんなに大きくこれまた響く問題ではないというふうに思うんですけれども、これもやっぱり国家公務員なり他の共済組合との関係でだめなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/50
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051・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 遺族年金につきましては、御存じのとおり、絶対最低保障額を毎年引き上げますと同時に、遺族たる寡婦の年齢、子供の有無等により保障の度合いの必要性等も違うということの側面もあることを考慮いたしまして、一律に支給率を上げるということではなくて、扶養加算でありますとか寡婦加算制度を創設いたしまして、その改善に努めておるところでございます。
五十三年度改正におきましては、絶対最低保障額を昨年度に準じまして四月から引き上げますと同時に、六十歳以上であります者、または子供があります寡婦につきましてはこれをさらに六月から引き上げ、また寡婦加算額につきましても六月から一万二千円を増額することによりましてその改善を図っているところでございます。したがいまして、支給率から言いますと、たとえば子供一人を有する寡婦につきまして六月に二段ばねで金額を上げますと、大体その支給率は六六%ぐらいに相なるわけでございます。子供を二人有します寡婦につきまして言いますと、大体六九%ぐらい、それから六十歳以上の寡婦につきまして見ますと六四%ぐらいに相なります。したがいまして、そういうふうな形で、お話しの点の遺族の方々に対します年金の整備改善を図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/51
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052・村沢牧
○村沢牧君 法改正に関連をしていままでその内容について幾つか指摘をし、お聞きをしてまいりましたが、内容を聞いておりましても、当初に私が質問したような農林年金が発足した当時の目標なり精神が必ずしもこれは生かされておらない。農林年金は他の年金の横並びにすぎない、あるいは厚生年金に追いつけというようなことでやっているにすぎないという感じを受けるのです。
そこで、今回の改正についても特に重点を置いた点はないかという質問をいたしましても例年と大した変わりはないわけでありますが、こういうまだまだ不備な点を持っている農林年金の中において、その最たるものが国庫補助金であるというふうに私は思うんです。
わが国の公的年金は四つぐらいの種類に分類をされておりまして、それぞれ独自性を持っておるとは言え、農林年金制度は他の制度よりもよくしようということで飛び出したわけでありますから、さらに内容を充実していかなければならないわけです。厚生年金との比較がたびたびされますけれども、厚生年金は時代の要請によって昭和五十一年度ですか、かなり財政的、制度的にもてこ入れを行った結果、このことは当然の措置でありますけれども、厚生年金よりもよくなろうとした農林年金と比べてみると、むしろ厚生年金の方がいいというのが現状なんです。
この国庫補助金ですけれども、厚生年金の国庫補助金は二〇%、農林年金は一八%、しかも四十七年度で一六%から一八%補助になった。それが今日までずっと来ているわけですね。農林年金の国庫補助金を厚生年金並みに引き上げよ、こういう要求が農林団体なり組合員からもう十年以上も続いている。特に、この衆参両院の委員会においても、この年金法を審議する都度附帯決議としてこのことが出されておるわけであります。しかし、本年も結局は見送られておるわけです。農林年金は他の制度に比べて成熟度も早いし、財政の健全化は本制度にとっても最大の課題であるというふうに思うんですけれども、この農林年金について国庫補助金を上げる、そのことについて、まず農林省はどういう要求を毎年大蔵省にしているか、そのことを大蔵省の方からもあわせて答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/52
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053・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) まず、農林年金は共済年金と横並びであり、厚生年金に追いつけというようなことでいいところは一つもないじゃないかというお話がございましたので、ちょっと私から御説明をさしていただきたいと思うのでございますが、国庫補助率は厚生年金が二〇%であり、農林、私学は一八%であるということで御指摘のとおり補助率は少のうございますが、年金の内容を見てみますと、年金額算定の基礎給与をとってみましても、厚生年金は全加入期間の平均でございますが、共済制度は退職時の一年前の給与の平均でございますから、これは年金算定の基礎給与といたしましてはうんと違うわけでございます。同時にまた、年金の給付開始年齢を見ますと、厚生年金は六十歳でございますが、共済制度におきましては五十五歳でございます。
したがいまして、そういうことを反映いたしまして、給付水準を見てみますれば、先ほどお話し申し上げましたように、農林年金を一〇〇といたしまして厚生年金が八六と、こういうことに相なっておるわけでございます。もちろん、現在の制度で農林年金はいいとは思っておりません。これの改善につきましては、今後さらに努力をいたしたいと思いますが、厚生年金よりも劣るとかいうことでは私はないのではないかと思っておるわけでございます。
それから、国庫補助のことにつきまして申し上げますると、農林省は、五十三年度につきまして国庫補助の一八%を二〇%にしてもらうように要求をいたしました。同時に、御存じのように、財源調整費というのが現在一・七七%ついております。したがいまして、一八%と二〇%を比較しますと二%の差があるわけでございますが、この財源調整費を考えますならば、農林年金の場合は一九・七七%に相なるわけでございまして、厚生年金の二〇%と相当格差が縮まるわけでございます。あわせて、この問題とはちょっと違いますけれども、新たに最近相互扶助事業というものを起こしまして、一億五千万の予算も計上をいたしておるところでございます。
そのような意味合いからいたしまして、国庫補助率は形式的には低うございますが、実質的には相当接近をしておるということが言えるのではないかと思うわけでございます。
なかなかこの補助率の引き上げにつきましてはいろいろむずかしい点でございますけれども、今後、他制度との均衡も踏まえつつ、私たちとしてはさらに検討、努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/53
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054・窪田弘
○説明員(窪田弘君) 先ほど村沢先生からも御指摘がございましたように、農林年金は職域年金であると同時に、日本の社会保障制度の重要な一環をなしているわけでございます。私どももそういう認識を持っております。
昭和三十六年度に国民皆年金が実現をいたしまして、現在五千八百万人の方がいろいろな年金に入っておられます。一番最大のグループは国民年金でございまして、二千七百万人の方が入っておられます。厚生年金が二千五百万人、いろいろな共済グループが六百万人、こういう大きな三つのグループになるわけでございます。農林共済の加入者は四十六万人でございますが、その共済グループの一面をなしているわけでございます。従来の御質疑にもたびたびございましたように、私どもが考えます場合には、どうしてもこの年金全体を頭に入れて考えないわけにはまいらないわけでございます。
国庫負担の率を、これは御承知のことでございますが、一般の国民の方が入っております国民年金については三三・三%、三分の一の負担をさしていただいていますし、厚生年金は二〇%、共済グループは原則は一五%でございますが、農林年金と私学共済につきましては特に一八%という補助率を適用しているわけでございます。これは支給開始年齢等の支給要件とか、あるいは保険グループの負担力、そういうものを考慮いたしましてこういうバランスで定着をしているわけでございまして私どもとしてはこれを変える考えは全く持っておりません。ただ、ただいま農林省からも御説明がございましたように、財政調整費を加えまして二〇%にきわめて近い率になっているということで、現在各種年金相互間においてバランスがとれている、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/54
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055・村沢牧
○村沢牧君 農林省の答弁を聞いておりますと、どうも農林年金をよくしていくという意欲が本当に見られないですね。なるほど国庫補助金率も二〇%に上げてくれという要求はしたと、要求はしたと言うけれども、その返ってくる答弁は大蔵省の主計官が言っているような内容と同じことなんです。そんな考え方でもって、これを上げるなんていうことはできないと思うんです。
それじゃお聞きしますが、他の年金とのバランスをとっていくためにもなかなか上げることができないというような主計官の答弁があったわけでございますけれども、国が出す金は、多い少ないは別として、農林年金と他の年金との違うところは何か。なるほどある面においては、年金の開始年齢が五十五歳だと。五十五歳といったって、さっきお話があったように、六十一歳平均だと言っていますね。調整費が一・七七%ついておると。だからこれはバランスがとれているというようなお話だったんですけれども、私が指摘をしたいことは、農林年金の掛金は国鉄を除いては他の年金よりも最も高いわけですね。しかし、給付内容は必ずしもよくない。次に、第一次産業に働く農林年金組合員、これは御承知のように、また説明がありましたように、給与も低く、それから第一次産業としてかなり社会的にもいろんな面で負担をし奉仕をしているわけです。したがって、こういういまの第一次産業の置かれている職員の地位なり職員の労働条件を見れば、厚生年金並み、それ以上の国庫負担が私は当然のことだというふうに思うんです。
それから、農林年金の財政事情については後ほど聞いてまいりますけれども、農林年金の現状の中からこのまま推移すれば、次回の再改定のときにはもっと掛金を上げなければならない、そのようになることが予測をされるんです。現在でも九十八という最高の保険料、それに比べての給付はよくない。他の共済とのバランスを強調するならば、バランスをとるためにも国庫補助率を高めるべきだ、そのように思いますけれども、これまた農林省と大蔵省両方から答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/55
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056・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金につきましては、御指摘のとおり、国鉄に次いで掛金は高うございます。これは掛金をただ単に高くしたということではございませんで、御存じのように、逐年農林年金につきまして改善を図ってきたところによりまして、前回の掛金の改定期におきまして引き上げを行ったところでございます。この場合におきましても、御存じのように、後年度に負担を後送りにしましてあの程度の掛金にとどめたわけでございますから、もし後年度負担を見込まないといたしますならば、もっと掛金は上がったことは御指摘のとおりでございます。そのような観点からいきまして、掛金の国庫補助は、私たちとしてはできるだけ高い方がいいわけでございまして、そういう努力につきましては、今後努力を重ねてまいりたいと思っておるわけでございます。
将来の掛金の見込みがどうなるのかということでございますが、今後の見込みにつきましては、給付費用が受給権者が大幅にふえますので相当増高することが見込まれていくわけでございます。片や掛金収入の方は、組合員数の伸びが停滞をいたしますから、これを反映してその掛金収入の増加が給付費用の増高をかなり下回るものと見込まれますので、近い将来を見通しますと、給付金と掛金収入が大体同じ水準になっていき、それ以後におきましては積立金が減少するという状況になることが予想されるわけでございます。したがいまして、国庫負担の問題もございますが、同時に御指摘のように、今後の掛金負担をどのようにするかということは、今後の問題として重要な問題になっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/56
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057・窪田弘
○説明員(窪田弘君) ただいま農林省から御説明があったほかに補足をいたしますと、年金財政はどの年金でも将来非常に心配なわけでございます。厚生省が先般はじかれました計算でも、昭和七十五年とか今世紀の末になりますと、保険料率は二〇%ぐらいに高めないととても収支が合わない、こういうことになっております。確かにお話しのありましたような事情で、現在すでに農林年金の掛金率は高うございますが、私どもとしてはこれをまだまだ高めていっていただかないと、年金財政は収支が合わないと思います。
年金は、これは釈迦に説法でございますが、本質はやはり世代順送りと申しますか、若いときに拠出をしておいて年をとってそれをもらうという仕組みでございますから、やはり相互扶助の原則で考えていただきませんと成り立たないわけでございます。そういう点から、最近年金論議が非常に高まってまいりまして、給付をよくすれば負担もそれに伴ってどうしてもふえていかざるを得ないということはだんだん認識されてきているように思いますが、現在農林年金の負担が高いということは確かにそうでございますが、しかし、それだから補助の増額というふうにはならないように私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/57
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058・村沢牧
○村沢牧君 いまの主計官の答弁についても私は不満でありますし、さらにまた内容を掘り下げてまいりますが、そのためにも農林年金のこの財政状況についてお聞きをし、また後で大蔵省にもお聞きをしたいと思うんです。
そこで、農林年金を今後さらに充実をしていくことができるかどうかという基本となるものは、申すまでもなく年金財政がどうなっていくかということであるというふうに思います。答弁にもありましたように、農林団体職員の伸びは年々鈍化をするけれども、年金を受ける人たちは多くなってくるという、こういう傾向にあります。そうしますと、年金者一人に対する組合員の割合が低くなってくれば、掛金と給付金の比率にもまた当然そのまま影響してくるわけであります。この掛金と給付金の現状はどうなっておるのか。掛金と給付金とのバランスが著しく崩れるようになれば、国庫補助金やあるいは積立金の利益、さらには積立金もこの給付の中から食わなければならないということになりかねないと思うのでありますけれども、その見通しについてお尋ねをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/58
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059・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金におきます昭和五十一年度における掛金は六百二十九億円でございます。これに対しまして給付金は三百六十八億円で、給付金の掛金に対します割合は五八・五%に相なっております。この給付金の掛金に対する割合は昭和五十年度には五〇・七%であったのでございますが、五十一年度におきましては五八・五%、五十二年度には六四・二%になるものと見込まれます。さらに予算上の数字でございますが、これが五十三年度には大体七三%ぐらいに達するのではないかというふうに見込まれます。
今後の見込みでございますが、先生御指摘のとおり、給付費用が受給権者の大幅な増によりまして相当ふえていく。一方掛金収入は、現在のままでございますれば組合員数の伸びの停滞を反映してその増加はそんなに多くないということに相なりますと、近い将来におきまして給付金と掛金収入が大体同じ水準になり、それ以後積立金が減少に向かっていくという状況になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/59
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060・村沢牧
○村沢牧君 いま将来の傾向についてもお聞きをしたんですが、掛金と給付金のバランスが悪くなるからといって掛金率を高くすることに短絡することはできないし、私はそうあってはならないというふうに思うんです。現在でもたびたび言われておりますように、農林年金の掛金率は九十八、他の年金制度と比較してきわめて高い率なんです。したがって、次回の再計算をするときには、すなわち第四回の再計算も近く来るわけでありますけれども、掛金率をこれ以上余り極端に高めないように、こういう配慮をいまからしていかねばならないというふうに思うんですが、大蔵省ではもっと上げてもらわなければならないというようないま答弁もあったわけですけれども、農林省としてはどのような配慮をしておるのか、していくのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/60
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061・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 先ほど御指摘のように、農林年金の掛金率は五十一年度から千分の九十八になっておりまして、公的年金制度におきましては、現行では国鉄共済に次いで高い水準になっておるわけでございます。その理由は、申し上げるまでもなく、農林年金制度が昭和三十四年に厚生年金から分離独立しましてから累年にわたって給付内容等の相当大幅な改善を行ってきたところによるものでございます。しかし、前回の財源率の再計算に際しましては、掛金率の大幅な引き上げを避けますために、修正積立方式によって掛金負担の上で二二・五%を後世代の負担に後送りされておるわけでございます。また、一年平均の給与をとっておる、あるいは通算年金方式を導入しておるというふうな改善が行われておることとか、あるいは十カ年間掛金をずっと据え置き同様にしてきておるということを考えますと、必ずしも私は一概に、給与水準やこれを反映した財源率から見て掛金は高いとは言えないのではないかというふうに思うわけでございます。
今後、先ほど申し上げましたような人口の老齢化でありますとか、年金制度におきます加入組合員に対する年金受給者比率の増大がますます進展する中で年金の給付額も急速な増大をしていくわけでございますが、このような状況のもとでは、現行と同様の給付水準を前提といたしましても、前回の財源率再計算において後世代の負担に後送りされたものを含めまして、将来大幅な掛金引き上げを迫られるということは十分予想されるわけでございます。
したがいまして、世代間の均衡を保つという見地をも十分考えまして、次期計算期が五十四年度末を基準として五十五年度に検討がなされるわけでございますが、次期再計算期を控えまして、この掛金問題につきましては今後十分な検討を必要とするというふうに考えておるわでけございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/61
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062・村沢牧
○村沢牧君 将来掛金の大幅な上昇を迫られる、そういう答弁があったわけでありますけれども、大幅上昇にならないようにいまからこの制度の内容なり、あるいは国庫補助金なりいろいろ検討し対策を立てるべきだというふうに思いますが、大幅上昇はやむを得ないという形でいま進められていくんですか、それとも掛金は余り上がらないように、そういう努力をしていきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/62
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063・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 給付内容の改善をしながら、しかも掛金を余り上げないで国庫負担を大幅に増額することによって対処ができれば、これは一番望ましいことでございます。しかしながら、農林年金につきましても共済年金の一つのグループの中におきます年金でございますから、みんなの年金の一番いいところばかりとった形の年金制度をつくり上げるということは、これはなかなかむずかしい話でございます。したがいまして、今後どのように制度の内容を改善していくべきか、あるいは国庫負担につきましてその増額についてどのような努力を積み重ねていくか、さらにまた、年金加入者の皆様方におきましても、自分たちの年金を発展させていくためにはどのような掛金の負担をすべきか、また後世代に送りますならば年金世代間の不均衡という問題も起きますから、後へ送るということもこれはまた必ずしも適当なことではございませんで、その辺の点をどのように考えるかということにつきましては、今後十分に検討してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/63
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064・村沢牧
○村沢牧君 農林年金の掛金率が高いということについて局長から説明があったわけでありますけれども、局長の言われたのも一つの理由ではありますが、私はそのほかに農林年金の掛金が高いということは、一つには、他の職域と比べて農林漁業団体の職員の賃金水準が低いために、最低保障や通算年金方式などの底上げ措置の適用者が多くなって、そして財源が多く必要になってきた、これも一つの大きな原因だというふうに思うのです。さらには、厚生年金を引き継いだときのいわゆる債務、あるいはインフレによって生じた不足財源が掛金に織り込まれている、このことも大きな原因だというふうに思うのです。公務員の共済といろいろ比較されますけれども、公務員の共済はどうなっているのか、これらの公務員の共済年金は新しい共済制度の発足の際に、恩給や厚生年金を引き継いだときの不足財源はすべて使用者である国なり地方自治体なり公共企業体が負担をして、掛金の対象になっておらないのです。
農林年金は、本来国だとか団体が負担すべきものまで掛金にかぶせているからこういうふうに高くなっているのです。掛金率を大幅に高めねばならないということが言われておりますけれども、掛金率を高める前に国や団体の負担が現状のままでいいのか、改めてやっぱり分析しなければならないというふうに思うのです。つまり、厚生年金の引き継ぎによって生じた初期債務並びにこの間における政府の施策によって、インフレによって生じた不足財源をこれを掛金率に織り込まない、他の年金と同じように国並びに団体の負担とすべきである。こういう不公平な負担関係を変えていくことこそ、いまの農林年金の財政にとって一番重要なことではないかというふうに思うのですけれども、この辺の基本的な見解はどうですか。これは政務次官、答弁いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/64
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065・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 掛金を安くしてその効率が上がるようにというお話であるようでありますけれども、いま事務的に答弁をしているとおりに、共済制度のグループの中にあるので、この農林年金だけが先駆けてそういう有利な点に立つということはなかなかむずかしいというような答弁を局長はしておるようであります。しかしながら、私ども農林省といたしましては、あくまでも農林年金者のためを思うてやらねばならないというふうに考えておりますので、大蔵省あたりともよく連携をとって、幾らかでも前向きになるように努力する覚悟でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/65
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066・村沢牧
○村沢牧君 局長の方なり他の方から初期債務、あるいは不足財源ですね、この関係についてもう少し詳細に答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/66
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067・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のとおり、公務員関係の共済組合におきましては初期債務を事業主が負担をしているわけでございますが、農林年金におきましては、これを現在の組合員、それから事業主としての農林漁業団体及び国の三者で負担をしておるところでございまして、その点は違っております。これは一つは、公務員関係は恩給を引き継いでこれを代行するということであったために、恩給期間に対応する部分の相当額については、毎年度国が予算化して負担することになったわけでございまして、恩給制度を引き継いだという特殊的な理由に基づくものであろうかと思います。農林年金におきましてはその点三者で負担をしておるところでございますので、この方式はすでに相当定着を見てきておるところでございまして、恩給部分に相当する部分を国が負担するということについては、いろいろ検討せられるべき問題があるように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/67
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068・村沢牧
○村沢牧君 局長、その現実については私は承知をしているんです。だから、そういう現実であるから矛盾があるということを私は指摘をしている。したがって、このことを改善をしていくというそういう検討なり努力をされないのかどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/68
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069・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) もとより、初期過去債務を全額国で負担ができますことは農林年金の改善に役立つわけでございますから、そのようになることは私も望ましいし、またそのような努力をいたしますけれども、先ほど申し上げましたようななかなかむずかしい点があることも、御了承をいただきたいと思うところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/69
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070・村沢牧
○村沢牧君 それでは、掛金率の負担割合についての指導性についてお聞きをしたいんです。掛金は現在事業主と組合員が折半をしておるのでありますけれども、これは私は将来絶対的に変わらない不変の制度ではないというように思うんです。今後とも掛金率が上昇するようなことが続いてくるならば、組合員の年齢構成の現状から見て、また農林年金に対する組合員の理解度から見て、大変掛金率の折半負担ということが問題になってくるし、改めなければならないことになってくるのではないかというように思うんです。つまり、農林団体職員は自分たちが高い負担をしても最終的には厚生年金と余り変わりがない、こういうことになっておる、また将来もなるでありましょう農林年金では、農林年金の独立のメリットもなくなってくるわけです。こうしたことから、事業主の負担割合を高めて組合員の負担を軽減をしていく、こういうことも考えなければならないわけでありますけれども、掛金の負担割合についての見解はどうですか。
なるほど、農林年金法五十五条一項、これは他の年金にも関係するわけでありますけれども、健康保険法七十二条あるいは厚生年金法の八十二条は掛金の二分の一負担ということを決めておるわけでありますけれども、この規定は労働者に掛金の二分の一以上を負担をさしてはならない、このことは強制規定であるけれども、労働者の負担を軽減させることについては強制規定ではない。たとえば二分の一ずつのものを、七対三にしても六対四にしてもこれは決律違反ではない、そのように理解をいたしますけれども、これについては農林省としてはどういうふうに理解をし、あるいはまたそういう現実があった場合にはどういうように指導していくのか、その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/70
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071・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 掛金率は現在労使で折半負担になっておりますが、これは先生のおっしゃるように、どうしても折半負担しなければ法律違反ということではございませんで、先生のお話のように解釈をしてしかるべきであるというふうに思っております。
それから、今後農林団体につきましてどのように考えるかという問題でございますが、現に農業団体の場合の掛金負担に関する調査結果で見ましても、事業主が五〇%を超えて負担をしておる農協あるいは農協連あるいは全国連に、比率は少のうございますが、これはございます。ただ、一方では、赤字決算を行っています対象団体もあるわけでございまして、団体負担を増加するかどうかは、団体経営に及ぼします影響もいろいろ考える必要があるというふうに思っております。そういう状況でございますから、折半負担に関する問題はこれは団体側の合意を要するわけでございまして、一律に農林省として、これを幾らまでどういうふうに負担することが適当であるかということを言うことはなかなか困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/71
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072・村沢牧
○村沢牧君 なるべく組合員の掛金率を低くしていくことは望ましい姿でありますが、農林省として積極的に法改正までしてそのようなことをする見通しは現在ないにしても、関係団体において労使の交渉によって負担率を変えた場合においても、保険料が納入されればいいと、そういう判断でもって今後とも対処していきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/72
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073・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) その負担問題につきましては、私は団体間の合意ができればそれはそれとしていいことでありますから、そのことを合意してはいけないとか何とかというふうなことは毛頭考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/73
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074・村沢牧
○村沢牧君 それでは次に、年金財政についてもう少しお伺いしてまいりますけれども、農林年金の給付財源は組合員の掛金あるいは積立金、運用金、あるいは国庫補助金などで構成されておるわけでありますけれども、給付財源の中で占めるそれぞれの額とか比率はどんないま現状ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/74
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075・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金の責任準備金でございますが、この責任準備金は、将来の給付費用に充てるために現在保有していなければならない準備金でございますが、その額は五十一年度末で一兆七千二百七十四億円でございます。五十二年度の額は約一七%増の二兆二百九十六億円になるというふうに見込まれております。他方、五十一年度末に保有いたしております積立金は三千六百六十三億円でございまして、五十二年度の額は約これの一七%増しの四千三百億円になる見通しでございます。責任準備金の額は給付内容の改善、年金受給資格者の増加等を反映して増大に向かっておりますので、この趨勢は今後とも続いていくものと考えております。一方、積立金の方でございますが、これは掛金収入の増加に比べまして給付費の増加が多いことでございますので、この増加は鈍化をしていくというふうに見込まれます。
このような積立金なり責任準備金の推移につきましては、農林年金の財政の健全性を保つ見地から農林年金当局に、常にその検証を行いまして財政問題の適切な把握、運営が図れるように努めていくことが必要でありますと同時に、私たちとしましても、この趣旨で指導を行ってまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/75
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076・村沢牧
○村沢牧君 責任準備金はだんだん増加の現象にある、積立金の伸びは鈍化である、こういう答弁でありますけれども、そういう形になってまいりますと、あるいはその傾向が悪くなればこの不足分は財源率に織り込まれていく、ひいては掛金にも影響してくるようなことが予測されますけれども、そういう心配はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/76
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077・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) そのような心配はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/77
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078・村沢牧
○村沢牧君 そのように、農林年金を取り巻く財政も決して容易でないわけであります。そこで、いま財政検証という話も出たわけでありますけれども、農林年金が財政的にどんな状況にあるか、今後健全な運営ができるかどうかということについては、いろいろな分析方法があろうというふうに思うのであります。同時に、農林年金が他の共済組合の年金制度と比べてどんな位置に財政的にはあるのか、こうした財政指標から見た農林年金、この位置づけについてお聞きをしたいんです。
検証方法にはいろいろあろうというふうに思います。たとえば成熟率だとか、あるいは給付効率だとか、お話があった積立比率、いろいろな方法がありますけれども、各種の財政指標から見て農林年金を総括的に評価すれば、どんなことが言え、また農林年金の財政を強化するためにはどんな方法を今後講じなければならないのか、その点について説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/78
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079・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 五十年の数値で各制度を比較をいたしますと、退職年金者一人を何人の組合員で負担をしておるかということを見てみますと、農林年金は十二人で年金者一人を賄っておるということに相なります。厚生年金は二十三人で老齢年金者一人、それから私学共済は四十五人で年金者一人の負担となっておるわけでございます。したがいまして、農林年金の掛金がこれらに比べまして相対的に重くなっております。制度の発足が早い国共済は六人で年金者を一人賄っておる、地共済は八人で年金者一人、公共企業体共済は四人で年金者一人ということの負担に相なっておるわけでございます。
それから、給付金の支出が掛金収入の何割を占めているかということを見ますと、農林年金が五一%、厚生年金が四三%、私学共済が三六%というふうになっております。
それから、将来の給付に対する支払い準備金であります積立金を組合員一人当たりに換算をいたしてみますと、農林年金が六十九万一千円、私学共済が五十九万三千円、厚生年金が五十二万円というふうになっておるわけでございます。
こういうことから見ますと、共済年金グループにおきまして制度的に最も類似をいたしております私学共済、あるいはまた分離発足する前の母体であります厚生年金との比較では、負担度合い、掛金収入に対します給付金の割合から見た財源の健全性といいますか、そういうものにおきましては農林年金が最もマイナスでございますが、一人当たりの積立金では若干高くなっておるということでございます。したがいまして、今後の問題といたしましては、先ほど申し上げましたような掛金国庫負担の問題なり、あるいは掛金率を今後どのようにしていくかという問題につきまして、十分財政上より慎重に検討が必要であるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/79
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080・村沢牧
○村沢牧君 農林年金の財政状態も決して容易でないわけでありますが、お聞きをしておると、それが多かれ少なかれ掛金にまた影響してくるということが予測をされるわけなんです。先ほども掛金率を余り高めないようにという要請もしたわけでありますけれども、それに関連して、もう一点だけ掛金率の問題についてお聞きをしておきますけれども、先ほど申し上げました厚生年金から引き継いだ初期債務、これに相当する整理財源は、私が指摘をいたしましたように、国及び団体側が負担すべきものである、したがってこの初期債務を控除した、差し引いた残りのものについて保険料を労使で定めた率によって負担をしていく、これも一つの掛金率を高めない方法であるというふうに思いますけれども、せめてこのくらいのことはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/80
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081・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 初期債務の問題は、先ほど申し上げましたようないろいろな経緯に基づきましてできておるわけでございますから、いまこの場で、初期債務を全額国庫負担にしてこれをどうする、こうするということを申し上げる段階ではございませんが、私たちといたしましては今後の問題として国庫負担をどうするか、初期債務問題をどうするか、さらにはまた、制度の改善という点についてどのように考えていくのか、またこれらに伴いまして掛金率をどのように定めることが最も適正であるかということにつきまして、今後十分検討してまいりたいと考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/81
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082・村沢牧
○村沢牧君 次は、年金の開始年ですね、開始する年と雇用制度について見解を聞いてみたいというふうに思いますけれども、農林年金開始年五十五歳を、これを引き下げて六十歳あるいは六十五歳にするというようなことも一部言われている面もあるわけでございますが、これは農林団体職員の定年制の状況だとか、あるいは雇用関係から判断をしないと、簡単に論ずべき問題ではないというふうに思うんです。農林団体職員は、大体五十五歳定年が多いわけであります。仮に五十五歳以上の人がいても、その多くは一たん退職をして再雇用をしておる人たちも多いわけです。
五十五歳のこの年金開始の年を改めようとするならば、その場合にやらなければならないことがあるんです。それは定年制を延長して働く能力のある間は働いて掛金を負担をする、それから雇用対策を拡大して高齢者社会に対応する、こういう措置をする、こうすれば農林年金の財政面にもプラスになるし、それからまた職員の労働条件にもプラスになるわけですけれども、この辺の見解と指導性はどのように持っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/82
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083・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 定年制問題は、最近いろいろやかましく論議をされておるところでございまして、農業団体におきます定年制問題も、私はその議論の対象外ではないと思っております。したがいまして、定年制問題は、全体的に社会全体の高齢化社会への移行なり平均寿命の高まり等の傾向の中でどうするかという問題として、総合的に検討せらるべき性格のものであると思います。
農業団体につきまして定年制を現在とっておりますのは、単位団体で七〇%強が定年制を採用をいたしておりまして、また、採用しておる団体におきましても、男女それぞれ違っておりますが、定年制の延長なり雇用の確保を図ることを指導していくべきではないかということの一般的なお話といたしましては、私は先ほど申し上げましたような社会全体の高齢化社会への移行なり平均寿命の高まり等の中でどのように考えていくべき問題であるかという、一般的な世の中の動向に即して考えていく必要があると思っておりますが、支給開始年の問題とこの確保問題とは直ちに結びつくかどうかにつきましては、なお検討を要すべき問題があると思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/83
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084・村沢牧
○村沢牧君 同じくこの労働条件の関係ですけれども、農林年金が他の年金制度と比較して給付内容が低いということも、あるいは年金財政が必ずしもよくないということも、その最大の原因は農林団体職員の給与が低いということにあると思うわけですが、農林団体の職員は、申すまでもありませんけれども、第一次産業に働いて国民の食糧を確保する、あるいは国民生活の安定のために重要な仕事、任務を背負っているわけであります。農林省は、この農林漁業団体の職員の給与の実態ですね、先ほども平均給与の説明もあったわけですけれども、どのように把握して、あるいはその待遇改善のためにどういうような指導性を発揮しているのか。個々の給与の上昇について指導性はないとしても、その農林漁業団体を強化していくということも一つの方法になろうというふうに思うんですけれども、この給与の改善についてどのような指導性を発揮されておりますか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/84
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085・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林漁業団体の給与でございますが、これを地方公共団体と五十一年一月の給与につきまして比較をして調査をいたしたわけでございますが、本俸で見ますと、市職員の本給は平均的に見まして十三万六千円でございますが、同じ所在地におきます農林漁業団体の本給は十二万六千円でございます。町の場合でいきますと、これが十一万四千円でありますのに対し、農業団体は十万四千円であります。村の場合におきましては十一万一千円が、農業団体におきましては十万円でございまして、本給では劣っております。ただ、勤続年限を比較をいたしますと、市が十三・四、町が十三・五、村が十二・六ということに対しまして、農業団体全体として市町村段階で見ますと、大体勤続年限が九・六ということに相なっております。
これは本俸比較でございますから、ボーナスが入っていないわけでございます。ボーナスにつきましても、これは市町村によっていろいろ違うかと思いますので一律には論議ができないわけでございますが、仮に国家公務員と同じボーナスが出ておると、同じ月数だけ出ておるというふうにして計算をいたしますと、農林漁業団体にもボーナスに違いがございますが、大体平均的なボーナスを見ますと、大体一・四カ月分ぐらい多いということに相なります。したがいまして、それを加味しますと、私は、言われているほど両者間に賃金の格差はないようにも見られるわけでございます。勤務の状況、どちらが重要であるかということの議論を内容にまで立ち至っていたしますと、これはなかなかむずかしい問題がございますが、私たちが五十一年につきまして調べました実情は、以上のような状況でございます。
しかしながら、農業団体職員の給与水準が上がっていくことは、これはこれらの職員の方々の生活の向上に必須のことでございますから、もとより望ましいことであります。しかし、給与改善の問題は、第一にはやはり各団体の自主的な努力に待つべきものであると思いますが、農林省といたしましても、農協合併の推進でありますとか、あるいは農協の役職員の研修に対する助成でありますとか、あるいは農協検査等を通じての農協経営の改善、合理化を図りながら経営基盤の強化を図っていくということにつきましては、従来から努力をいたしておるところでございまして、このような努力を積み重ねることによりまして、これが給与改善にも資していくということにつきまして努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
なおまた、農林漁業団体のそれぞれの全国段階の団体といたしましては、指導機関としての立場から給与等についての適正化の指導を行っておるわけでございまして、全国農協中央会、都道府県農協中央会等は給与規程の設定でありますとか、給与水準の調査とその結果資料の取りまとめ、提供、あるいはブロック研修会等の開催を通じまして傘下団体の給与水準の改善整備に努めておるところでございまして、私たちとしましては、これらの事業をさらに進展いたしますように、その指導に努めてまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/85
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086・村沢牧
○村沢牧君 主計官、いままで私は、この農林年金を取り巻く現状や財政状況についてもお聞きをしてまいりました。お聞きのとおりであります。共済制度の健全財政を図ることは言うまでもありませんが、さりとてあなたが言われますように、掛金率を極端に高めたり、あるいは年金開始年齢を引き下げ、そうすることによって切り抜けようとするならば、これは年金の給付水準を下げることになりますね。福祉の後退であります。お聞きのとおり、農林年金にはまだまだ改善をしなければならない問題がたくさんあります。指摘をいたしましたように、旧法、新法とのこの違い、あるいは掛金率が非常に高いということ、あるいはまた、旧債務をそのまま引き継いでおるということ、さらにまた、積立金や準備金の関係、さらには、農林漁業団体職員の給与が低いということ、いろいろたくさんの問題を財政的にも抱えておるわけであります。
したがって、これを改善していくためには、この焦点は共済制度に対する政府の財政支出である、国がどれだけ財源を裏づけするかということによって決まってくるわけなんです。特にこの農林年金だけでなくて年金全部につながる問題でありますけれども、GNPに占めるわが国の社会保障支出額は先進諸国に比べてもきわめて低いわけなんです。その中において農林年金はこういう現状でありますから、やはり大蔵省が、政府が一八%を二〇%に上げていく、これは当然のことだというふうに思いますが、もう一度大蔵省のひとつ見解をただしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/86
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087・窪田弘
○説明員(窪田弘君) 国の財政は、先生御承知のような非常に苦しい状況にございますので、私としても余り楽観的なことは申し上げられないことはまことに申しわけないわけでございますが、ただ、いまの国民所得に対する社会保障の比率、これはことしで約一〇%でございますが、これは一番大きな原因は、やはりまだ老齢人口が日本の場合少ないということでございまして、いまの年金制度のままで老齢人口が西欧並みになった場合、昭和七十五年に大体一三、四%になりますが、その場合に、全然いまのままで年金給付の水準を改善しなくてもこの比率は一九%になるわけでございます。西ドイツが一八%程度でございますから、制度としては西欧諸国並み以上のすでに仕組みはできているわけでございます。
そういう中でございますが、年金を初めとする社会保障の仕組みを充実していくということにおいては、私どもも全く御指摘のとおりの考え方を持っておりますが、ただ、財政事情非常に苦しい中でございますので、御要望の点、なかなか行き届かない点もあろうかと思います。農林年金につきましては、五十三年度も二五・八%という伸びの予算を計上さしていただいておりますが、今後この充実につきましては、農林省とよく相談をしてまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/87
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088・村沢牧
○村沢牧君 政務次官、いま大蔵省からの答弁もあったわけですけれども、いままで指摘したような問題について、明年の改定において、ことしの改定と同じように従来と同じような形でいくんじゃなくて、たとえば国庫負担の問題にしても、私が先ほど指摘したような問題についても前向きに取り組むと、もっと前進をさせると、そういう決意がおありですか。あるというふうに思うんですけれども、一言その決意をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/88
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089・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 今後いろいろな、さっきも申し上げたとおりに、共済グループに入っておる関係もありますけれども、先生おっしゃるとおりに、前向きで検討するということを御答弁申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/89
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090・村沢牧
○村沢牧君 福祉事業について一、二聞いておきたいというふうに思います。
農林年金が福祉事業を行っていることも、一つの特色であります。農林漁業団体職員の福利厚生事業が他の産業と比べて低い中にあって、農林年金が福祉事業を行っているということは大変にいいことであり、もっと拡大すべきことだというふうに思うんです。ところが、この年金財政が余り苦しくなってまいりますと、福祉へ資金を回すよりも他の方面で運用した方が財政的にはいいんではないかというようなことも、ちょいちょい私どもの耳に入ってくるわけでありますけれども、これであってはいけないというふうに思います。こうした福祉事業の充実について、どうしても財源が不足するならば、これはむしろ福祉掛金というか、これは従業員の福祉のために使用主は取り組むのが当然ですから、そういう団体に負担をさしても決して悪いことではないというふうに思うんですけれども、農林年金における福祉事業の前進とその財源なんかについて、農林省はどういう見解を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/90
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091・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金におきましては、一般貸し付け、住宅貸し付け、災害貸し付け、あるいは育英貸し付け等の福祉事業を行っておるわけでございます。これらの事業は逐年拡大を見てきておるわけでございますが、この中でも特に住宅貸し付けについての要望が非常に強いわけでございまして、この住宅貸し付けの貸付金額は、非常に最近において増大をいたしておるわけでございます。
福祉貸し付けを今後とも拡大していくことは非常に望ましいことであると思いますが、先ほど申し上げましたような資産残高に対します低利還元資金の比重の増大ということにつきましては、準備金あるいは積立金の健全かつ効率的な運用の確保ということも、十分念頭に置いてやっていかなければいけないことでございますので、今後福祉貸し付けをどのように拡充整備していくかということにつきましては、組合員の意向も十分反映をしながら、しかも長期的な観点もそこに織り込んで、十分検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/91
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092・村沢牧
○村沢牧君 財政事情が苦しくなってくると、どうしてもこういう福祉に回る金がだんだん制限をされてくるような心配をしているわけでありますから、もしそういうことになるとするならば、また別な角度でこの福祉に対する負担、このことも検討しなければならないときが来るというふうに思うんです。それについてはぜひ前向きに検討してもらいたいということと、いまお話のあった事業の中で特に貸付事業ですね、これについても、やっぱり農林省として指導性を発揮してもらいたいものがたくさんあるわけです。
たとえば、貸付限度額をもっと高めなければいけないし、住宅の場合、新築と増築の重複貸し付けを現在認めておらぬけれども認めるようにしようとか、あるいは償還方法の改善だとか、育英資金の増額だとか、災害資金の限度額の引き上げ等々、組合員としてみれば大変に要望が強いわけでございますけれども、これに対してどのように取り扱っていくか、指導性を発揮していくか、そのことについて一点だけお聞きをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/92
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093・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 重複貸し付けでございますが、一般貸し付けにおきましては重複貸し付けをいたさないという扱いになっております。それから住宅貸し付けは、これは当然敷地の購入をした場合、あるいは新築した場合に貸し付けるわけでございますから一回限り、災害貸し付けにつきましては、限度額の範囲内で重複貸し付けをいたすわけでございますし、育英資金につきましては、高校貸付者に対しては、短大または大学に進んだときは重複貸し付けをするということでございまして、資金の種類によりましていろいろその扱いが違っておるわけでございます。貸し付けを受けている者に対して同種の貸し付けについては、できるだけ多くの人に貸し付けるという観点も考えなければいけませんし、また育英資金のように、そういう貸し付けの種類によりましては重複貸し付けを当然行っていかなければならない。災害についても同様でございます。
したがいまして、そういう資金の種類におきまして重複貸し付けをやるのがベターであるかベターでないか、あるいはまた限度額につきましても、今後どういうふうにするかということは十分検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/93
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094・村沢牧
○村沢牧君 特に、この貸付事業については要望も強いですから、前向きにひとつ検討して要望にこたえるようにしてください。
時間も迫ってまいっておりますし、厚生省からもお見えになっていただいておりますから、次に年金制度の改革案について厚生省に一、二点お伺いしたいんですけれども、最近、年金制度基本構想懇談会は中間意見を出し、あるいは社会保障制度審議会は建議を発表しておるわけであります。この中で基本構想懇談会は基礎年金とそれから制度間の財政調整の考え方を示しておる、あるいは社会保障制度審議会は年金税による基本年金の創設を基本にし、農林年金などは社会保障年金として基本年金の上積み年金に切りかえるというような抜本的な改革を建議しているというふうに聞いておるわけであります。こうした中間意見や建議に対して厚生省としてはどのように評価し、また年金改革についてはどのように取り組んでいるか、その現状についてここでお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/94
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095・山本純男
○説明員(山本純男君) いま御指摘のとおり、報告書あるいは建議をいただいたわけでございまして、私どもが現在当面しております年金制度全体としてこれからどういう方向に、望ましい形に持っていくかという課題を負っている折からでございますので、いずれも大変貴重な御意見であるというふうに受け取っておるわけでございます。
また、それを受けとめまして、行政当局としてこれからどのように対応していくかという点では、大臣の方からおおよそ一年程度の間にひとつ厚生省としての考えは少なくともまとめるようにという御指示を私どももいただいておりますし、また先ほど御指摘の懇談会では、引き続きまた具体的な制度のあり方についてなお審議を続けていただくということにもなっておりますので、先生方の御意見も伺いながら私どもとして、またこれは全体の問題になりますと厚生省だけにとどまらない問題でございますので、関係の各省庁とも十分に意見を交換しながら検討を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/95
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096・村沢牧
○村沢牧君 厚生省はこれから積極的に検討していくようでありますが、農林省に最後にお尋ねいたしますが、いま厚生省から説明がありましたように、農林年金も将来言われるような制度改革案の方向に進むとするならば、いわゆる農林年金の独自性もなくなってくるというおそれもある。さらに、他の共済制度と比較して過去における積立金を初め財政基盤の弱い農林年金共済は、給付水準が低くなるのではないかという心配も一部にはされておるわけであります。こうしたいまの建議なり意見に対して、農林年金としてはどうあるべきだというふうに思いますか。その辺について政務次官、ひとつ答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/96
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097・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) いま厚生省からの考え方も答弁があったわけでありますけれども、近年、共済制度のあり方について、わが国の社会保障制度としての年金制度のあり方が各方面から意見が出されておるわけです。特に、去年の十二月には社会保障制度審議会から建議が行われている。さらにまた、年金制度基本構想懇談会の中間報告も行われておるというのが実情であります。
そこで、農林省としても、これらの意見を参考としながら他の制度における検討状況、考え方等も踏まえて、今後農林年金制度のあり方については十分検討していく必要がありはしないかというふうに考えております。
なお、農林年金においても、五十三年度の事業方針において、相互扶助意識を高めるとともに、農林年金の運営あるいは制度の仕組み等について組合員の理解を深めることを目的として、職域の連絡協調の緊密化を図ることを事業実施の重点項目にしております。この事業の中で、御指摘の問題についても十分論議がなされることと考えますので、前向きで検討いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/97
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098・村沢牧
○村沢牧君 時間ですから終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/98
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099・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五十分再開することとし、休憩いたします。
午後零時四十二分休憩
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午後一時五十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/99
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100・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、坂元親男君、田原武雄君が委員を辞任され、その補欠として成相善十君、降矢敬義君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/100
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101・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 休憩前に引き続き、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/101
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102・原田立
○原田立君 既裁定年金の額の改定についてお伺いします。
年金額の改定は、「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」との規定が各年金制度に設けられておりますが、厚生年金では政令で物価の上昇率に自動スライドさせる方式をとり、農林年金等については、毎年法律で国家公務員給与の上昇率に合わせた改正が行われてまいりました。将来の方向としては、どちらの方法で進む考えであるのかお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/102
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103・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金におきましては、御指摘のように、農林年金法の第一条の二の規定によりまして、「給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」ということで、その指標といたしまして人事院の給与に係ります政府勧告に準拠した国家公務員の平均給与改善率を基礎としまして、四十四年度以降、毎年法律によって改定を行っているわけでございます。したがいまして、毎年法律によって改定はいたしますが、年金額の引き上げについては、事実上自動スライドと同様の効果を発揮いたしておるわけでございます。
今後、農林年金の年金改定について自動スライド制を導入することにつきましては、自動スライドの基準を物価、賃金等どこに置くかについて、年金制度全体としましてなお論議が存する等いろいろ検討を要する問題がございますので、今後とも共済制度共通の問題として関係各省とも協議しながら検討してまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/103
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104・原田立
○原田立君 まだ検討しなければならない事項というのは、それは内容はどういうことなんですか。厚生年金では、実際問題自動スライド制は導入されているわけなんです。当然農林年金なども、どういう内容があるのかまだ説明してもらわなければわからないけれども、それは多分にその障壁は除去されているんじゃないでしょうか。というのは、何でも初めてやるのであればそれは問題があるだろうと思いますけれども、一つ厚生年金の場合には自動スライド制が導入されておるわけなんですから、だから今度の農林年金等について導入するのは、そんなにむずかしいことではないと私は思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/104
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105・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 厚生年金におきましては、消費者物価指数が五%を超えて変動した場合にはその率を基準として年金額を政令で改定することに相なっておりますが、農林年金におきましても厚生年金に準ずる計算式で計算されます定額分については、四十九年に厚生年金に準じて政令で自動スライドできる措置を講じてきたところでございます。先般も内閣総理大臣の官房審議室等におきまして、各種公的の年金制度のスライド制に関する検討をいろいろ行ってきたわけでございますが、その審議の検討の過程におきましても、たとえば公務員グループ、これは国家公務員共済組合でありますとか地方公務員等の共済組合、それから公共企業体の職員等の共済組合の問題につきまして、厚生年金と同様に公務員年金制度にもスライド制を導入すべきであるという意見もあるが、従来から共済年金の改定の経緯等にかんがみて物価スライド制の導入を急ぐべきではないとの意見もあり、また公務員グループの共済年金は、その性質上恩給によって規制される面を持つと同時に、社会保険としての一般的な面も持つという事実があり、結論を得るに至らなかったということに相なっておるわけでございます。
それで、私学、農林グループ等につきましては、従来の経緯から公務員の共済制度に準ずることとしているので、スライド制の導入については公務員グループにおける論議を参考としつつ検討を進めてまいったわけでございますが、これにつきましてもなお結論を得るに至らなかったという経緯でございます。
したがいまして、自動スライドいたします場合に、共済グループとして物価をとるのか、それとも公務員給与の上昇率を採用するかにつきまして、いまだ結論を得ていない状況にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/105
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106・原田立
○原田立君 農林年金など各共済では、毎年法律によって国家公務員給与の上昇率に合わせて年金の改定が行われて慣習化されております。すでに定着化が進んでいることゆえ、政令による自動改定の措置をとれるよう法的整備をしてはどうだというような声も非常に強いわけでありますけれども、この点に対する今後の方向性、見通しはどのように検討しておられるか。法的整備をしてはとの声もあるけれども、これに対しての意見。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/106
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107・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金が国家公務員の平均給与改善率を基礎として年金額の改定を行ってきておりますのは、御高承のとおり、共済制度におきまして国家公務員共済が給付内容の面で基準的な位置づけにありますことから、現職の国家公務員の給与改善に関しまして人事院が行います政府に対する勧告に係ります上昇率を年金改定の指標にすることが、世代間の公平なり均衡を保つ意味で最も適切であるというふうに考えられておると思うわけでございます。
そこで、基準をとるということになりますと、一つは現在の国家公務員の給与の上昇率であり、もう一つは物価の上昇率であろうかと思いますが、従来は公務員給与の上昇率はずっと物価の上昇率よりも高かったわけでございます。たとえば四十九年で見てみますと、公務員の給与率が二九・三%でありましたのに対して物価が二一・八、五十年度は余り相違がございませんで、公務員給与が一〇・七、物価が一〇・四、それから五十一年度は公務員給与が七・〇で物価が九・四、五十二年度を見てみますと、公務員給与が七・一で物価が六・七と、こういう形になっておるわけでございます。年によりまして賃金なり物価なりいずれか商い方を指標にするというふうにまいりませんで、スライド制をとるということになりますればやはりどちらかをとるという形になるわけでございますので、これらの点につきましては、なお検討を要することであるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/107
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108・原田立
○原田立君 この年金額の改定については、昨年の衆議院の法改定における附帯決議に、「既裁定年金の改定については、公務員給与の引き上げに対応した自動スライド制の導入を検討すること。」とした一項目があります。この問題に対する政府の方針はどうか、こういうことをお聞きしたいわけでありますが、先ほどから聞いていると、大事なところはみんな検討検討で検討で逃げているけれども、そんなんじゃなしに、もう少しはっきりとした御答弁をいただきたいと思う。局長の答弁と、それから政務次官、附帯決議は尊重するのでしょう。いつも大臣は紙切れ一枚持って尊重すると言って返事しているのですから、去年ちゃんと決めているそういう附帯決議が出ているのですから、当然尊重されるべき方向に向いていかなければいけないと思う。局長並びに政務次官から御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/108
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109・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) ただいま御答弁申し上げましたように、この基準は実はいずれをとるべきかということにつきましては政府内部にもいろいろ議論がございます。また、いずれをとったら有利であるかということにつきましても、いろいろ物の見方があると思われるわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、これらの問題について十分検討いたしておりますが、いまだ結論を得るに至っていない状況でございます。したがいまして、今後とも共済制度、共通の問題でございますから、関係各省とも十分協議しつつ検討してまいりたい。決してその御趣旨を尊重してないということではございませんので、この点はひとつ御了承を賜りたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/109
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110・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 皆様方に附帯決議を付されて、それを検討いたします、真剣に前向きに検討いたしますとそれぞれの大臣が言われるわけでありますが、私はやっぱりそうして皆様方の決議にこたえた発言をしておる以上は、前向きに検討する必要があるということでございますので、極力そういうふうに進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/110
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111・原田立
○原田立君 わかったようなわからないような答弁なんだけれども、要するにこの附帯決議の中で「既裁定年金の改定については、公務員給与の引き上げに対応した自動スライド制の導入を検討すること。」と、こういうふうな附帯決議があるわけです。先ほど局長は、物価の方の上昇率と二つ合わせてどっちか高い方をとるかというその基本的な問題もまだ未定なんだというようなことなんだけれども、農林省当局としては、この公務員給与の引き上げに対応してやるその方法ないしは物価上昇率の問題と、こう二つ合わした場合、どっちをとられる考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/111
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112・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) これは非常にむずかしい問題でございまして、いままでは少なくとも国家公務員給与の引き上げ幅の方が全体的に見て高かったことは事実でございます。したがいまして、今後これをとって、仮にでございますが、もし物価上昇率の方が高いというふうな事態になりますと、恐らくその時点ではまた物価上昇率をとるべきであるという議論が出てくると思われます。したがいまして、そこのところはこれはどちらかに割り切ればいいのだ、割り切って、高いときもあり低いときもあるのだから、そこは割り切りだというふうに思ってしまいますとそのとおりなのでございますが、なかなかそういうふうな割り切りもできませんものですから、なおよくこれらの点につきましては検討をさしていただきたいというのが、偽らざる気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/112
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113・原田立
○原田立君 それでは、検討も結構でしょう。じゃ、いつごろどういうふうなめどで進められる考えなのですか。今後五年も十年も検討検討でこう進んでいくのか、それとも近いうちに結論づけられるのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/113
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114・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) これは農林省だけで割り切るということにもなかなかまいらない問題でございまして、総理府の社会保障制度審議会等におきましても、各種公的年金の給付額の調整等につきましては、いろいろ検討がなされまして内閣総理大臣にも答申をされたところでございますし、またこれらを受けまして、先ほど申し上げましたように、内閣総理大臣官房におきまして、各省と協議する取りまとめを行っておるというふうな経緯もございますので、農林省だけでこの制度をいつまで割り切ってどうするということにはまいりません。したがいまして、私たちといたしましては、この問題につきまして、今後とも関係各省とも十分協議しながら検討を進めてまいる必要があるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/114
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115・原田立
○原田立君 農林漁業団体職員、こういうこれらの方々の位置づけ、これはどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/115
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116・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農業団体の職員の方々は、申し上げるまでもなしに、農業という部門においてそれぞれきわめて重要な働きをしておられるわけでございますから、私たちとしましては、それは公的な団体ではございませんで、公的な団体に属する法律に定められてそれによってつくられておる機関なり団体もございますけれども、農協なりその他の団体といたしまして、大部分は農家の意思によって自主的に設立された団体でございますけれども、それらの職場において働いておる方々の仕事につきましては、その重要性について十分認識をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/116
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117・原田立
○原田立君 要するに、準公務員的な重要な性格を持っている、こういうふうな理解の仕方でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/117
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118・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 準公務員ということの表現の内容でございますが、私たちといたしましては、農林漁業の分野における重要な職責を担当していただいておる分野の方々であるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/118
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119・原田立
○原田立君 そうならば、そういう人たちが何か差別されて一番低い支給額だなんていうようなことは当然直さなきゃいけないし、やっぱりこういう人たちが働いて有利な立場に立つようにしてあげるのが当局の姿勢ではないかと思うんです。そういうような面でもっとその立場を重要視して、そしてまた、この附帯決議にあるようなこういうような決議にもこたえるようにして、そして地位向上を当然図るべきである、こういうふうに私は思うんですけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/119
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120・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) そういうふうな重要な分野に属する方々でございますから、農林年金という特別な年金制度をつくりまして、国家公務員、地方公務員の共済グループの扱いをいたしておるわけでございますから、私は自動スライド制を採用していないから不利な扱いを受けておるというふうには考えられないのでございまして、公務員も地方公務員につきましても、同様の扱いをいたしておるわけでございますから、自動スライド制をとらないから優遇してないのだというふうには理解ができないのではないかというふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/120
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121・原田立
○原田立君 局長、そう言うけれど、現場においては自動スライド制等を当然やってくれという、そういう強い要請があるわけです。それにやっぱり耳をかす、そういう姿勢が当局としてはあってしかるべきではないでしょうか。また、何度も何度も言うようですけれども、附帯決議でこうやって決められている、政府も尊重すると、こう言っているんですから、何らかのものがなされなければならないと思うんです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/121
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122・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 私たちはもちろん、その年金グループに属します職員の方々の希望をくみ取って、そういう御希望に沿うように年金制度を改善していくつもりでございますが、しかし、その自動スライド制を採用することが直ちに年金制度を最もりっぱにするものであるかどうかということにつきましては、これはなかなか異論、議論のあるところであると思います。
国家公務員の上昇率に準じまして、私たちとしましては毎年法律を御審議をいただきましていろいろと御叱責を賜りながらやってきておるわけでございまして、決してその部分につきまして自動スライド制をとってないから農業団体の職員の方々の御趣旨に沿ってないということではなくて、とってはおりませんけれども、法律に基づきまして御審議をいただいて同様の措置を講じてきておるわけでございますから、それをいま現段階で物価なり賃金なりに割り切りまして、もし仮に物価の方がいいのだということで物価をとりましてスライド制を設けまして、後、賃金の方が上昇率が多かったときには、その法律はおかしいというまた御叱責を受けるわけでございますから、これらの点につきましては、基準となるところでございますから十分慎重に見きわめる必要があるというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/122
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123・原田立
○原田立君 幾ら言ってもどうも話は平行線のようだから、まあいずれにしても、次官、附帯決議を尊重するというそのことだけははっきりしておいてくださいよ。局長も頼みますよ。そこのところは。余り尊重してないような御返答なんで非常に不満なんです。まあ余りあれですから次に進みましょう。
改定方法の中身の問題として、五十一年度から上薄下厚の傾斜方式、つまり一定率プラス定額方式を採用し、昨年度は平均アップ率を約七%、改定率を六・七%プラス定額二千三百円。今年度は平均アップ率を約七・一%、改定率を七%プラス定額千三百円とした上薄下厚方式、つまり低額年金者に対する給付改善のねらいを持った方式は今後とも継続するつもりなのかどうか。継続するとしたならば、どの程度の見通しを検討しているのか。また、来年度は何かこういうようなことはやめるようなそういううわさ話も聞いていますけれども、そんなことはないんだろうとは思うけれども、その点の見解はどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/123
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124・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金におきましては、御指摘のように、四十四年度以降国家公務員の平均給与改善率を基礎として年金額の改定を行ってきておるわけでございますが、五十年度以降の国家公務員の給与の改善の内容が、給与水準が低い者に対してはその率が高いように、給与水準が高い者に対してはその率が低いという内容となってきておるわけでございます。したがいまして、農林年金の年金改定におきましてもこれに準じまして、五十一年度以降いわゆる上薄下厚方式によって年金額の改定を行ってきておるわけでございます。今回の改正におきましても、御指摘のとおり、前回の改定の方式に準じまして改定を上薄下厚方式を採用して行っているところでございます。
来年度以降につきましては、国家公務員の給与改善の内容とも密接に関連するわけでございますが、国家公務員の給与改善におきましてもこれらの点は十分に配慮せられるでありましょうから、私たちといたしましても、その線に沿って年金につきましても対処してまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/124
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125・原田立
○原田立君 政府の基本的見解として、最低保障の性格をどう理解しているのか。また、その額の水準を他の公的年金の水準と比較しどのように判断しているのか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/125
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126・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) お尋ねは、最低保障ということにつきましてどういうふうに考えて対処をしていくのかということでございますが、これは基本的に申しますと、新旧格差の問題に関連をいたすわけでございますが、これらの最低保障の問題につきましては、新法水準を直ちに旧法に適用することはなかなかむずかしゅうございますけれども、旧法に適用されるいわゆるその絶対最低保障額につきましては、従来からその引き上げにつきましていろいろと対処してまいったところでございますけれども、今後におきましてもその引き上げに努めまして、旧法年金者の最低水準の改善につきましてはさらに努力を重ねてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/126
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127・原田立
○原田立君 要するに、最低保障の性格をどう理解しているかというのは、私が聞きたいのは、遺族等の生活保障であるとか、あるいはまた老後の保障であるとか、そういうような問題でどういうふうにとらえているかということを聞きたいんです、それが一つ。
それから、その額の水準を他の公的年金の水準と比較しどのように判断しているか、この質問に対しては、他の公的年金よりも高いように努力するとか、あるいは現行は低いけれども何とか同一にしていくとか、そこいら辺の姿勢はいかがですかということを聞いているわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/127
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128・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御質問の御趣旨を十分理解しないでお答え申し上げて恐縮なのでございますが、最低保障という問題を、あるいは先生、最低な社会保障といいますか、生活保障として御質問いただいておるのかと思うわけでございまして、そういう観点からでございますと、たとえば退職年金でありますとか、あるいは遺族年金でありますとか、その他につきまして現在の水準で足りると思っておるのかというお尋ねに相なるのではないかと思いますので、その点につきましてお答えを申し上げますが、私たちといたしましては、退職年金の絶対最低保障額につきまして、既裁定年金の改定とあわせましてこれを増額すると、たとえば退職年金者で六十五歳以上の者は現行の五十八万九千円から六十二万二千円というふうに最低額を引き上げる、それから寡婦加算その他につきましても逐年この改正を行いまして、最低保障額の水準といいますか、その引き上げに努めてきておるところでございます。
ただ、よく御存じのとおり、年金制度が即生活保障というふうな水準になってないことは、これはあるいはまあ年金額の高低の問題としていろいろな議論があるところではないかと思いますが、私たちといたしましては、そういう年金額の水準の問題につきまして今後ともその引き上げについて努力をいたしたいと、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/128
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129・原田立
○原田立君 あと半分。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/129
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130・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) もう一点、農林年金は年金額が非常に低いと、その改善をどのように図るつもりかという御質問でございますが、御指摘のとおり、五十一年度末におきます退職年金受給者全体の年金額を平均的に他の制度と比較して見ますと、農林年金の年金額は低い水準にございます。その原因でございますが、原因がいろいろございますけれども、一つは、国家公務員共済なり地方公務員共済と比較をいたしますと、退職年金者の平均組合員期間が農林年金の場合よりも公務員等が約七年間長いわけでございます。それから私学共済等と比較いたしますと、これは団体の賃金格差の問題であろうかと思います。で、農業団体の場合におきますと、その大部分の所在が農山漁村であるのに比較いたしまして、私学の場合はその所在地の半数以上は六大都市に集中しておるということでありまして、地域による賃金格差という問題がその根っこにありまして、これが原因になっておると思います。
平均的に見ますとそうでございますが、最近におきます状況を見てみますと、五十一年度の新規裁定者の平均退職年金額について見ますと、農林年金の方が厚生年金に比較して十四万ぐらい、約一七%ぐらい高いのでございます。これは、最近におきまして農業団体の方の給与改善等も図られてきたということを反映をいたしまして、新規裁定者の退職年金の平均額はいま申し上げたようなことになっておるわけで、現行給付水準は次第に改善をされておるとは言え、全体的に見ますとなお私が申し上げたようなことでございますから、これにつきましては、農業団体の処遇改善というそちらの面によって、基本的な問題を解決していくように努力すべき事柄ではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/130
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131・原田立
○原田立君 退職年金、遺族年金などの最低保障額は、その性格からも老後あるいは遺族等の生活保障とも考えられるわけであります。で、他の公的年金との比較からも明らかに低い、たとえば五十一年度の退職年金では、厚生年金の約八十二万六千円、私学共済では約九十一万八千円、これに比べ農林年金の場合は約七十七万六千円と、かなりの差があるのであります。確かに条件の違い等はあるにせよ、やはり給付水準の引き上げは必要だと、こう思うわけでありますけれども、どういうふうに判断なさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/131
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132・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、農林年金につきましての退職年金につきまして申し上げますと、農林年金を一〇〇にいたしまして私学共済などは一三三と、こういうことで一番低うございます。国家公務員等と比べましても低うございますが、それは一つは平均組合員期間の問題があり、一つはベースになります賃金の問題があるわけでございまして、これらの点につきましては、同じ組合員期間であって同じ号俸を、俸給を得たとしまして退職年金の計算をいたしますと、これは本農林制度の方がモデル計算をすると高いわけでございますから、制度そのものとしては私は厚生年金と比較して劣っておるというふうには思わないわけでございます。ただ、現在の水準として低うございますのは、先ほど申し上げたような要素、勤務年数でありますとか、あるいは賃金による地域間の格差でありますとかという問題が出てきておるわけでございまして、制度そのものによっては私はそう見劣りがするものではないと思っておりますが、問題は、そういうふうな現在あります処遇の問題に問題が存する。
したがいまして、これらの改善について今後さらに努力を重ねていく必要があるのではないか、そのように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/132
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133・原田立
○原田立君 確かに条件の違い等はあるにせよ、やはり給付水準の引き上げは必要だと思いませんか。それとも、もう七年間、あなたが言われるようにいろいろな計算の基盤が違うから低いのはやむを得ないんだと、こういうふうに是認するしか手はないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/133
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134・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 給付内容の改善につきましては、これはもちろん、努力を重ねていかなければならないところでございますが、その給付内容の違いが出てきます大きな要因が私がいま申し上げたようなことでございまして、もちろん給付内容の改善に努力をいたすことはこれは当然のことでございまして、今後その点についてはさらに努力をいたしたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/134
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135・原田立
○原田立君 先ほどの例で申し上げたように、退職年金は五十一年度で、厚生年金で約八十二万六千円、私学共済では九十一万八千円、これに比べ農林年金の場合は七十七万六千円と、明らかに低いでしょう、局長。余り条件ばかり言って、だから低いのはあたりまえだなどと言うんじゃなくて、やっぱり先ほどもお話ししたように、生活保障とも考えられるそういう内容の性格のものなんだから、もっと引き上げを図るのは当然である、こうしなきゃいけないんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/135
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136・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 制度として見ます限りにおきましては、制度として国家公務員共済なり地方公務員共済なりと同様の制度をとっておるわけでございますから、したがって年金額が低いということは、私がいま申し上げたような平均組合員期間でございますとか、あるいはまた賃金の地域格差があるという、そういう要素から出てきておるわけでございますから、年金額そのものを比較をいたしまして、国家公務員よりも低いからそこのところを特別な何らかの手当てをいたしまして国家公務員と同様に直すということになりますと、組合員期間を、たとえば組合に一年勤めた者を、国家公務員であればそれを一年半勤めたことにするということでありますとか、あるいはまた、現実の賃金格差を是正した年金計算をするとかいうことをやりませんとここが埋まらないわけでございますから、私たちといたしましては、先ほど申し上げましたような諸点についての改善案を加えることによってこれを是正していくということ以外に、特別な手当てを仮に農林年金だけについてする、あるいは国家公務員共済よりもさらに一歩も二歩も前進したことによってこのギャップを埋めるということになりますと、これはなかなかむずかしい問題を含んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/136
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137・原田立
○原田立君 どうも議論が平行線をたどることばっかりなんで非常に不満でありますけれども、時間が余りありませんから進みます。
農林年金については逐次改善しておるということ、それは私も認めるところであります。ただし、新旧間の給付内容には依然としてかなりの格差があるわけであります。先ほどもちょっと局長が触れられたわけでありますけれども、最低保障の面に大きな格差が見られることは給付上の性格から考えても改善を急ぐべきだと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/137
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138・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御承知のように、農林年金は厚生年金から分離独立をいたしまして国家公務員等の共済グループに入るといいますか、そういう制度をとったわけでございます。したがいまして、新旧格差の問題は、国家公務員なり地方公務員なり等々の関係で農林年金がことさらに冷遇を受けているということではございません。ただ、厚生年金と比較してみますと、厚生年金は新旧格差がございませんから、そういう意味で厚生年金と比較して言えば、これは農林年金のみならず、国家公務員共済であれ地方公務員共済であれ、皆新旧格差があるわけでございます。
したがいまして、その新旧格差を埋めるということになりますと、農林年金だけ取り出してその格差を埋めるということは、これはなかなかまたむずかしい問題でございます。こういう新旧格差があるということは、私たちとしましてはこれを改善したいのは山々でございますが、そのようなことでございますので、本件はなかなかむずかしい問題を含んでおるわけでございます。そういうことでございますので、いわゆるそれの改善案と申しますか、それを少しでも穴を埋めていくという、そういう趣旨におきまして絶対最低保障額の引き上げ等を行ってきたわけでございまして、今後とも旧法年金者の最低水準の改善につきましては特に努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/138
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139・原田立
○原田立君 新法、旧法そんなに差別はない、高下はない、だけれども何とか努力をしたい、よくなるようにしたい、局長の答弁をそういうふうな答弁の内容だというふうに理解してよろしいですか。というのは、それを非常に不当な考え方だとぼくは指摘したいんです。というのは、たとえば遺族年金、五十二年六月実施見込みとして四十六万九千二百円、これは旧法では六十五歳以上の者で二十年以上、この人は二十九万四千五百円、それから九年以上二十年未満の人は二十二万九百円、妻、子、孫、これは十四万七千三百円、全然違うですよ。あなた同じだなんと言ったけれども、同じじゃありませんよ。全然こういう格差があることについて、どう説明なさるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/139
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140・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 私は、旧法、新法の間に格差がないと申し上げておるわけではございません。それは格差はございます。ただ、それは厚生年金と農林年金とを比較した場合に格差はあるので、農林年金と国家公務員共済との間において新法、旧法の格差はあるかというと、これはないということを申し上げたのでございまして、厚生年金と農林年金、あるいは厚生年金と国家公務員共済とを比較をいたしますれば、新法、旧法の間に格差ははっきりございます。たとえば退職年金で、新法でございますと六十一万八千円、旧法の六十歳以上では六十二万二千円ですけれども、これが六十五歳未満になりますと四十六万六千五百円、こういうふうにして六十五歳未満の人は明らかに格差がございます。また同様に障害年金につきまして見ましても、遺族年金につきまして見ましても、新法、旧法の間に格差はございます。
したがいまして、その格差を埋めるということについてどのような努力をしていくかという問題になるわけでございます。その場合に、これを一挙に農林年金のみを取り出して、農林年金だけでこの格差を一遍に埋めてしまうということはきわめてむずかしい問題であるということを申し上げておるわけでございまして、そういうことから、共済グループ全体としましては、絶対最低保障額の引き上げを行うことによって現在までその穴を埋める努力をしてきておるし、またそういう方向での穴埋めの努力をしなければいけないということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/140
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141・原田立
○原田立君 遺族年金の給付内容については、特に改善を図る必要があるのではないでしょうか。ただいまも数字をもって挙げて申し上げたわけでありますが、今日まで扶養加算あるいは寡婦加算等の導入により若干の改善は図られたものの、遺族の人たちの立場から考えれば、生活の基礎でもあり最も重要な意味を持つものである。その上、現在の支給率は退職年金の五〇%となっているわけでありますが、遺族年金の性格の重要性から考えても支給率の大幅引き上げが必要であると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/141
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142・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 遺族年金につきましては、従来毎年絶対最低保障額を引き上げますと同時に、遺族年金は遺族であります寡婦の年齢、子供の有無等によって保障の度合いの必要性も違っておるという側面もあることを考えまして、一律に支給率を引き上げるということではなくして、扶養加算でありますとか寡婦加算制度を設けるとかいたしまして、その改善の措置を講じてきたところでございます。五十三年度改正におきましては、絶対最低保障額を昨年度に準じまして四月から引き上げると同時に、六十歳以上である者または子供があります寡婦につきましてはこれをさらに六月から引き上げ、また寡婦加算につきましても六月から一万二千円増額するというふうな措置を講じてその改善を図っているところでございます。
したがいまして、六月改正を行いました段階でその支給率はどの程度になるかということを見てみますと、子供一人を有する寡婦でございますと六六%、子供二人を有します寡婦でございますと六九%、六十歳以上の寡婦でありますと六四%というふうに支給率は上がってくるわけでございまして、このような措置を講ずることによりまして、遺族年金につきましてはその給付内容の改善を図っていっておるわけでございますし、また今後もそういう改善の努力を続けていく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/142
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143・原田立
○原田立君 標準給与の引き上げについてお伺いいたしますが、農林年金の場合標準給与制が採用され、退職年金等の支給額はこの標準給与を基礎として算定されているわけでありますが、農林年金組合員の標準給与は他の制度と比較した場合かなり低いのが実情であります。農林年金の十二万五千百四十円に対して地方公務員は十六万四千百十円、国家公務員は十五万二千百五十五円、厚生年金は十四万二千九百四十四円、私学共済は十四万八千三百十三円、このように他制度から見ても低い位置にあることが明確であります。低額年金の改善、老後保障の充実を図るためにも農林年金関係職員の給与等の待遇改善には特に努力すべきだと、こう思うんでありますけれども、どのように対処される考えなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/143
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144・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林漁業団体職員の給与でございますが、私たちはまず地方公共団体との本給比較を五十一年の一月についてやったわけでございます。これで見ますと、地方公共団体の方はもちろん高うございます。市の場合でいきますと、本給が地方公共団体が十三万六千円でありますのに対しまして、同じ所在地にあります農林団体職員の本給は十二万六千円でございます。それから町を見てみますと、地方公共団体が十一万四千円であるのに比べまして農業団体の方は十万四千円。それから村の場合でいきますと、十一万一千円に対しまして十万円であるということでございます。さらに立ち入りまして勤続年数がどうなっておるかということを考えてみますと、農業団体の場合では平均市町村段階で勤続年数が九・六年、約十年ということでございます。で、地方公共団体の場合は、市の場合は十三・四年、町の場合十三・五年、村の場合十二・六年ということでございまして、勤続年数は市町村の職員の方が長うございます。それから臨時給与でございますが、これは市町村の場合はいろいろ臨時給与の違いがございますので、仮に国家公務員と同じ臨時給与を受けておる者であるとして、農林漁業団体の臨時給与と比較をいたしますと、大体農業団体の方が約一・四ヵ月分ぐらい多いということが見られます。
したがいまして、臨時給与を含めれば大体いいところにいっておるのではあるまいかというふうに見られますが、しかし、本俸は確かに御指摘のとおり低いのは確かでございます。さらに、これを私学等と比べますともっと開きが出てくるわけでございますが、私学につきましては大体勤続年数が相当高うございますので、これらの点を勘案してどうだということはこれはなかなかむずかしゅうございますけれども、農林年金を私学と比べますと、月額で農林年金が十二万五千円に対しまして私学が十四万八千円ぐらいに相なっております。最近におきます農業団体の職員の給与につきましても、逐年これが改善が図られてきておるところでございますが、これらの職員の方々の処遇の改善につきましては、私たちとしましても農業団体を指導し、また私たちでできます経営改善指導等を通じまして、組合の職員の給与改善の基盤であります団体の経営改善につきまして、さらに今後特段の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/144
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145・原田立
○原田立君 農林年金の所要財源率は、四十九年度末の基準で調査した結果千分の百三十三・五九と、再計算前の千分の九十九・五三を大幅に上回った数字が出たのでありますが、年金財政の健全化は農林年金だけでなく各制度とも共通の悩みでありますが、社会保障制度審議会の答申ではどのような指摘がなされているのか、その点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/145
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146・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) 社会保障制度審議会におきましては、各種公的年金の調整ということを今後配慮しつつ、今後の国家公務員共済等の制度改善に準じて所要の改善措置を講ずるということでございますので、そういったバランスにおきまして検討していくべきものとされております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/146
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147・原田立
○原田立君 審議会では、私が聞きたかったのは、財政基盤に問題があり将来の財政に確たる見通しを立ててこれに応ずる計画を策定せよと、これが基本的な指摘を受けている点でしょう。だから、財政基盤あるいは将来の見通しに対して、農林省としてはこの答申をどのように受けとめ対処するつもりなのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/147
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148・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 今後の農林年金の財政基盤の把握につきましては、私たちはそのときどきに応じまして十分把握をいたしておるつもりであります。特に年金団体に対しましては、その財政状況の把握に遺憾なきを期するという点につきまして、十分指導をいたしておるつもりでございます。
しからば、今後農林年金の財政はどういうふうになるのかということでございますが、これは将来的な展望をいたしますれば、今後人口は老齢化をしていくわけでございますから、年金制度におきます加入組合員に対する年金受給者は比率は増大していくわけでありまして、そうなりますと、年金の給付額も今後急速に増大していくというふうに考えなければならないわけでございます。そうなりますというと、将来三十年先には三人弱ぐらいな程度で一人のOBを賄っていかなければならないという形に現在のままでいきますとなるわけでございますから、これはなかなか容易ならざるものがあるわけでございます。
これは、ひとり農林年金のみならず、年金全体に課せられた今後の課題でございますが、私たちとしましてはこの財政の健全化の問題につきましては、一つは、国庫補助をどのように考えていくのかという問題でございます。それから第二は、給付内容の改善を今後どのように考えていくのか、これは内容の改善を図りますればどうしても掛金が上がっていくわけでございますから、そういう給付内容の改善をどのように考えていくかという問題でございます。それから第三点は、やはり適正な掛金というものをどういうふうに考えていくかというそういう問題でございます。
したがいまして、私たちは今後この制度全体の財政問題につきましては検討会を設けまして、財源再計算期も控えておるわけでございますから、これらの諸問題を含めて十分検討をしてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/148
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149・原田立
○原田立君 いまも補助の問題等もお話がありましたけれども、農林年金の場合財政基盤の弱いこと、あるいは職員の低給与、低給付など他制度と比較しても改善の必要性は明確だろうと思うのであります。それで、国庫からの給付費の補助率及び財源調整費補助を改善、引き上げて当然だと私は思うのであります。当委員会でもこの点附帯決議にも盛り込んであり、何らかの改善策があってもよいと、こう思うのであります。ただいまの局長の答弁では、何か委員会を局内に開いて、省内においてこれから検討するというような話でありますけれども、もう一つ突っ込んだところの御意見をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/149
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150・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林省といたしましては国庫補助率の引き上げ、それから財源調整費の増額につきまして予算編成の際にこれを大臣折衝まで上げまして、できるだけの努力をしてきたところでございますが、財政当局との話になりますと、各公的な年金制度間におきます均衡問題ということが財政当局としてはどうしてもあるものでございますから、この実現を見ておらないことはまことに残念でございます。財政当局の言い分といたしましては、公的年金給付に対します国庫補助につきましては、各年金制度の制度の仕組みなり、それから給付内容に応じて全体として均衡がとれておると、こういうことを言うのでございます。したがって、農林年金だけを引き上げるというとその均衡が破れると、こういうふうな話をよくやるのでございますが、私たちとしては国庫補助の引き上げをやってもらいたいということを強く主張をいたしてきておるところでございますし、今後ともそのような努力を重ねてまいりたいと思っておるところでございます。
ただ、最近におきまして財源調整費等を加えますれば、農林、私学は給付費の補助率としては一八%でございますが、そのほかの財源調整一・七七を加えますれば、厚生年金の国庫補助率二〇%に相当近いところへいっておるということもございます。それからまた、別途の相互扶助事業等も新たに仕組んで、そういう点の実質的な改善といいますか、そういう点につきましては私たちも努力をし、それなりの成果もあったというふうに思っておるわけでございますが、今後の問題といたしましては、御指摘のような点につきましてさらに一層の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/150
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151・原田立
○原田立君 厚生省来ていますか。——大変遅くなって申しわけないのでありますが、年金制度基本構想懇談会から答申がなされているやに聞いておりますけれども、その点はいかがですか、御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/151
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152・山本純男
○説明員(山本純男君) 一昨年の五月に厚生大臣の私的諮問機関という性格のものといたしまして、有沢広巳先生を初め先生方にお集まりをいただきまして年金制度基本構想懇談会という機構を設けて、年金制度の望ましいあり方についての御審議をいただいてきたわけでございますが、昨年の十二月の九日に中間的な意見のまとめを報告書としていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/152
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153・原田立
○原田立君 その中身、特に農林年金等に関係する問題点があったら説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/153
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154・山本純男
○説明員(山本純男君) 広い意味で申しますと、報告の全文がかかわりのあることかと思いますけれども、特にかかわりの深い部分ということでございますと、一つは、年金の給付水準の上での最低限の確保と公平性の確保ということに触れておられまして、最低限の確保という問題については、具体的などういう水準をというところまではまだ御審議が進んでおりませんけれども、やはり公的な年金制度としてぜひ確保すべきであるという水準を明らかにするようにすることが必要ではないか、こういう御指摘をいただいております。また、公平性の確保の問題では、いろいろな年金の制度間の格差の問題その他の状況についていろいろ分析をいただきまして、そういうもろもろの開きの中にはいろいろな対象者の状況、実情その他から言いましてむしろ適切と言えるものもあるかもしれないけれども、合理的でない差もあるのではないか。そういう合理的でないものについては是正をする方向で考えるべきだ、こういう御意見がございます。
それから、財政の面につきましては、これから人口の老齢化が進みますし、また制度が次第にでき上がってまいります過程で、財政問題というものが大変重要な局面を迎えるということを御指摘いただきまして、そういう状況の中で健全な財政を維持していくためには、関係者の負担の区分の問題あるいは負担のあり方の問題、そういうものについて検討を深める必要があるという御指摘をいただいております。
その他、年金の支給開始年齢の面では、現在の各制度の支給開始年齢がやや年齢から見て若いということが、やはり将来の財政の健全化という見地からも問題があるので、これについては年齢を高くする方向で検討することが必要ではないかという御意見をいただいております。
それからあとは、まあ大体共通問題が多いかと思います。特に関係のあるところだけを申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/154
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155・原田立
○原田立君 総理府来ていますか。——社会保障制度審議会での答申内容を簡単で結構ですから、特に農林年金に対する指摘ですね、これに関係するものがあれば御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/155
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156・竹内嘉巳
○政府委員(竹内嘉巳君) お答えいたします。
昨年の十二月十九日に社会保障制度審議会で「皆年金下の新年金体系」という建議を内閣総理大臣に提出したわけでございます。
で、その制度審議会それ自体といたしましては、わが国の公的年金制度の総合的な立場で今後の行く末をながめるということで包括的な意見を出したわけでございまして、それぞれ個別の制度について具体的に指摘したわけではございません。ただ、御指摘のように、農林漁業共済に関連する部分、特に関連の多い点ということになりますと、ただいま厚生省の方から年金懇の中間意見についてお話がありました点とかなり重複をしてまいるわけでございます。
関連のある部分だけきわめて簡潔に要点だけを申しますと、まず第一点は、「皆年金下の新年金体系」として提示した中身というのは、基本年金というものを中心にした構想でございますけれども、その将来方向としては、昭和六十五年を中間目標として進めるべきだという点がまず第一点。
それから、その昭和六十五年を中間目標として進める際に、基本的なあり方として、新しい年金体系というものの基盤として、現在の各公的年金制度とは別個に基本年金という制度をつくりなさいと。これは全額国庫負担で、国民であればすべて六十五歳から一律に受給できる年金制度をつくれということを、まず基本年金として提案をいたしました。
その際の財源につきましては、純粋な形の所得型の付加価値税を年金税のような形でこれを充当することが必要であろうということを中心にいたしております。かつ、その結果、現在の個々の公的年金制度、これはまあ農林漁業共済も含めますけれども、これらについては現行の国庫負担というのは一応廃止をして、それぞれの公的年金制度は国庫負担部分によって賄おうとしている基本的な部分というのは、先ほど申しました基本年金ですべて一括をしていく。したがって、個々の共済年金等につきましては、掛金に対応する給付という形で改めて保険収支を勘案して自主的に再編成されるべきだと、こういう提案をいたしておるわけであります。
なお、その際に、基本年金としては六十五歳からでございますけれども、個々の公的年金については、将来は六十五歳にそろえることが望ましいけれども、受給開始年齢の平仄をそろえるということについては、十年なり二十年なり相当の期間が必要であろうということから、その中間的な方式としては有期の退職年金その他の方法論もあるであろうというようなことが「皆年金下の新年金体系」のきわめて粗筋でございますと同時に、共済年金絡みの関連する部分というのはいま申し上げたような点ではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/156
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157・原田立
○原田立君 政務次官、いろいろといままで約一時間にわたって質問してきたわけでありますが、いろいろ不満の点の多い現行法なんですね。だから、これは一々いろいろと指摘した点を勘案して、もっと前進せしめるように、よくなるようにしっかり御努力願わなければならないと思うんです。
先ほどから、一つの結論を出すのに検討はしなきゃいけないけれども、最初から検討検討で検討ばかりの言葉が出たんで、いささかげんなりした気分でいるわけなんですけれども、そういうような意味でなしに、もっと内容をよくするためにひとつ御決意のほどをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/157
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158・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) ただいま御意見のありましたとおりに、皆さん方の御意見を参考に十分私はすべきである。そうして他の制度におけるいろいろな状況等を考えて、それらの問題点を踏まえて、今後の農林年金制度のあり方には十分前向きで進むべきである。検討という言葉を使いませんけれども、大いに前向きで処理すべきである、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/158
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159・下田京子
○下田京子君 農林年金制度の一部改正に伴う問題で、最初に幾つか今後の改善点も含めて御質問申し上げます。
他の委員から総合的な問題についてはすでに御質問がございました。二、三重複する点もあるかと思うんですけれども、
〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕
まず第一に、農林年金の加入団体であります農林漁業団体職員共済組合の皆さん方が、他の共済組合の皆さんに比べてまず賃金において最も低いということについては、これはお認めだと思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/159
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160・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林漁業団体の職員の皆さん方の給与の問題でございますが、私は御指摘のとおり低いと思いますけれども、しかし、最近におきます調査等によりましていろいろ見てみますれば、俸給額は低うございますけれども、ボーナスその他を入れて考えますと、私は相当最近はいいところまで来つつあるのではないかというふうに思うわけでございます。賃金の高低というのは一概に平均的な数字だけで比較もできない要素がありまして、たとえば勤続年数がどうなっておるとか、あるいは学歴がどうでありますとか、それからまた男女間の構成がどうなっておるとか、あるいはまた職種がどうであるかとかいうふうないろいろな要素があるわけでございまして、一概にその金額だけを比較することはいろいろ問題もあろうかと思いますが、平均的に見てみますと、月額で申し上げますと低うございますけれども、最近におきましては、ボーナスを入れて考えますれば相当改善はされてきたというふうに思います。
しかし、これでもちろん足れりとするものではございませんで、農林漁業団体職員の給与改善については、今後さらに一層努力をしていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/160
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161・下田京子
○下田京子君 低いと思うけれども最近ではかなり変わってきている。まあ勤務年数や男女間、学歴、職種などを挙げられましたが、政府の資料をいただいている中にも、先ほど来からの御答弁の中にも、一人当たりの平均報酬月額にすれば、これは国家公務員共済組合の方が十三万九千九百十二円、それに対して農林漁業団体職員の共済組合が十二万五千百四十円と、これは五十一年度現在で私どもの方に資料が届いているわけなんですけれども、よくなってきているということで、最近の新しい数字がございましたら、ひとつこの並びでお知らせいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/161
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162・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 給与月額の実態の比較でございますが、農林年金が十二万五千百四十円であるのに対しまして、国家公務員共済が十五万二千百五十五円、地方公務員共済が十六万三千九百四十四円、私学共済が十四万八千三百十四円ということに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/162
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163・下田京子
○下田京子君 現在お読みになった数字は何年度のものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/163
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164・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 五十一年度末の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/164
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165・下田京子
○下田京子君 局長、私は五十一年度末のことでは、先ほど来その数字から見て農林漁業の関係の皆さん一番低いと、こう言ったわけなんですよ。その並びでまた同じようなことを言われたんでは、最近どういうふうによくなっているかということの御答弁にはなってないんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/165
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166・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 地方公共団体との本給比較を、五十一年一月の給与につきまして私たちは調べてみたわけでございます。それによりますれば、地方公共団体の市の場合におきまして本給が十三万六千円……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/166
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167・下田京子
○下田京子君 答弁途中ですけれども、私が尋ねているのは、政府からいただいた資料で五十一年度末のことはつかんでいます。そのことをもってみて、農林漁業団体職員共済組合が一人当たりの平均報酬月額で一番低いと、これはお認めなんですよ。もういいんですよ。その上で、先ほど局長さんの答弁では、それは低いと思うけれども最近大分よくなってきておりますと言いましたものですから、最近、新たな数字がございますかと尋ねている。また五十一年のことを言われたんでは、繰り返し、同じじゃありませんか。要は、この農林漁業団体職員共済組合の皆さん方が、他の並びの共済組合の皆さん方と比べて単純に見て低い。それはいろいろあります。おっしゃるように、勤務年数、これはあたりまえなんですけれども、平均報酬月額が単純比較で低い、これはお認めですねということを当初聞いているわけですから。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/167
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168・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 給与月額から申し上げますならばいまの御指摘のようなことでございますから、これは私はそのとおりであると申し上げておるわけでございます。ただし、給与の格差といいました場合には、月額のみで比較をできないので、やはりボーナスその他も含めて考えてみれば、国家公務員のボーナスよりも農業団体のボーナスはおおむね一・四カ月ぐらい、これはいろいろ平均的に見ましてですけれども、多うございますから、そういう点におきますれば、ボーナス等を含めて考えますれば、最近において逐次改善されておるのではないかということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/168
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169・下田京子
○下田京子君 ですから、最近において逐次改善という、最近逐次改善された数字を見せてくださいと言っている。五十一年から前進してないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/169
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170・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 五十一年度末からの月額そのものの数字はございませんけれども、最近改善されておるということが、改善されているならその数字を話せというお話でありましたけれども、たとえば新規に今度年金を支給します、その年金額をとってみますと、これは上昇いたしておるわけでございます。といいますことは、その根っこにあります給与が改善されておるということは少なくとも言えるのではないかと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/170
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171・下田京子
○下田京子君 質問に答えてくだされば結構なので、ひとつ的確に質問に答えてください。まず、それを御要望しておきます。
繰り返しておりますと時間もありませんから、いまの答弁の中で、いろいろあるけれども、ボーナスだとか新規の採用での改善がある、こうお話しですが、具体的な数字はまだお示しいただいておりませんけれども、ただ単純に月額報酬で見ると低いと、これはお認めのようですので、問題は、私この標準給与の平均月額そのもの、この改善を根本に今後年金改善の絡みで検討していくことが必要ではないかということをお考えいただく上でこの話を出しているわけなんです。特に、同じ農林漁業団体職員共済組合の加入団体別の平均月額ですか、これなんかも見ますと、やはり五十一年度で、おたくからいただいた資料ですが、農業法人になりますと九万二千八百四十九円、一番高いところで農業共済で平均十五万三千三百六十五円、それから専門農協ですと、十一万五千二十五円、こういうふうになっているわけでして、非常にやっぱり現在の状況の中で給料そのものの低さ、この改善というものが今後必要ではないか。この点での御認識なんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/171
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172・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のとおり、給与改善を行うことは必要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/172
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173・下田京子
○下田京子君 続いて農林年金の掛金の問題なんですけれども、この掛金が非常に高いというのは、公共企業体の職員等共済組合の国鉄、それから船員保険、こうしたものに準じて農林漁業団体の職員共済組合の掛金が非常に高いかと思うんですが、この点はそのとおりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/173
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174・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 国鉄に次いで高うございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/174
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175・下田京子
○下田京子君 この農林年金の掛金が高いという理由は、どういう点にその原因がおありだと御認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/175
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176・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林漁業団体共済年金制度は、厚生年金から分離独立をいたしまして以来、逐年制度の改善を行ってきたことによるものであると理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/176
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177・下田京子
○下田京子君 どうして農林年金の掛金が高いとお思いですか、その原因、理由はどこにあると御認識でしょうかという質問をしているわけですから、それなりの理由としては、一つには、先ほどの話の中身でもありますが、お給料そのものが低いというふうなところにも大きな原因があるかと思うんですね。そのほか、まだ原因があると思うんですが、その辺をどういうふうに御認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/177
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178・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 何といいますか、掛金の俸給に占める比率は、これは俸給が低うございますと高くなりますが、掛金が高いということにおきましては、それはこの農林年金制度が昭和三十四年に厚生年金から分離独立いたしまして以来、制度内容の改善を図りましたことによってその掛金が高くなっていったということであると理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/178
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179・下田京子
○下田京子君 非常に御認識が、何といいますでしょう、こう言っては失礼ですけれども、どうして高いかという原因が明確でないというところに、今後どういうふうにして改善なさるおつもりでしょうか。私が賃金の水準と掛金の関係で申し上げたのはなぜかと言えば、厚生年金から移行の過程云々というのがあります。その移行の過程で、最低保障であるとか、あるいは通算年金方式などでもって底上げ措置というものが大きくかかわってきたと思うんですよ。そのために財源が必要だと思うんです。だから、一つには、賃金が安いということも掛金アップの理由の原因になっているんじゃないか、こう言っているわけなんです。それはもうどなたもお認めのところだと思いますよ。
それから第二番目には、定年制がしかれているというふうな状況の中で、年金の支給開始が非常に早いかと思います。そのための財源もこれまた大きくかかわっているんじゃないか。
さらには、局長さんいま答弁の中でありましたように、厚生年金の引き継ぎのとき、いわゆる整理資源が非常に足りないといいますか、不足財源というもの、これを補うためにこういったものを掛金の中に織り込んできて、そういう経過が非常に掛金アップにつながってきている原因ではないかと思うわけなんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/179
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180・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 恐らく掛金が高いということは、御指摘のように国庫補助の問題もございますし、それから整理資源の問題もございますし、それから給与が低いという問題もございましょう。しかし、同時に、制度改善を行ったということにつきまして掛金が上がったということも、私は要素としてあると思うわけでございます。したがいまして、それらの問題をどのように解決していくかということは、これはいつも御審議、御指摘を受けておるところでございまして、整理資源の問題なり、あるいは国庫補助の問題なり、あるいは給与水準の改善の問題なりにつきまして、それぞれの問題ごとにどのような対策を今後講じ、どのような努力を積み重ねていくべきかということにつきましては、私たちとしても十分認識し、努力をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/180
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181・下田京子
○下田京子君 今度はよくわかりました。
それでお願いしたいことなんですが、いまの御認識のように、国庫補助率の問題もありましたので、さっそくお尋ねしたいんですが、国庫補助率のアップの問題では、今国会中におきましても衆議院では修正案等も出されましたし、また附帯決議等でもずいぶん出されました。現在一八%ですが、二〇%国庫補助を実施した場合にその財源はどのくらいになるものでしょうか。試算しておりましたらばお知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/181
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182・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 二〇%に引き上げますに要する財源は、十一億六千六百万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/182
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183・下田京子
○下田京子君 この問題については財政当局との絡みもあるでしょうけれども、今後改善も必要だということはいままでの御答弁の中にもありましたが、十一億六千万円、これら今後改善のために予算要求も含めて具体的に対策を進められるお気持ちでありましょうか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/183
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184・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 国庫補助率の引き上げにつきましては、私たちは財政当局との折衝におきましては最後まで大臣折衝事項としてこれを交渉をいたしておるわけでございまして、その引き上げにつきまして努力は今後とも続けていくわけでございます。金額として言いますと十一億六千六百万はそれほど大きな金額ではないと思いますが、なかなか財政当局の壁を破ることが非常に困難な状況にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/184
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185・下田京子
○下田京子君 ぜひ、財政当局との兼ね合いがあるわけですけれども、先ほど言った農林年金の掛金がなぜ高いかという、そこのところをきっちり押さえて、そして交渉なさっていただかないと、なかなかこれは実現を見ないと思いますので、よろしくお願いしたいわけですが、そのことについて政務次官の方からの決意をひとつお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/185
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186・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 何回も午前中からお話しがあったわけでありますけれども、農林年金が共済制度の仕組みというのですか、他の共済制度というものがあるためになかなかスムーズにはいかないと思いますけれども、いま局長が答弁したとおりに、大臣折衝等において毎年交渉しておりますので、その趣旨に沿ってできるだけお力添えをいたしたいという決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/186
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187・下田京子
○下田京子君 どうぞよろしくお願いいたします。
さらに、具体的なことになりますけれども、職務上の廃疾ですね、また死亡に対する補償責任の問題なんですけれども、本農林年金の場合ですと、この際も労使折半負担ということが現況かと思うんですが、これについての改善はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/187
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188・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいまお尋ねのございました職務上の障害等につきましては、現在制度といたしまして農林年金、私学共済などにおきましては御指摘のとおり折半負担でございます。これにつきまして他制度、たとえば国家公務員共済におきまして職務上のものにつきまして国が一応全部のめんどうを見ているというような状態のあることは事実でございますけれども、それぞれの制度の沿革などございまして、農林年金の場合は私学と共通の扱いということで、ただいまそれぞれの労使負担ということになっているところでございまして、これらの今後のあり方ということにつきましては、いろいろ慎重な検討が必要であろうかと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/188
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189・下田京子
○下田京子君 ぜひ検討いただきたいと思います。その検討というのも、やるかやらないかではなくて、やる方向での検討ということで私は御理解したいし、御努力いただきたいと思うわけですが、特に数字的に申し上げれば、御承知だと思うんですけれども、五十一年度障害年金受給者全体で千四百一人、うち職務上ということでは六十八人受けられていると、それから遺族年金に関しては一万三百二人、うち職務上が三百四十六人というふうになっておるわけで、これがまた労使折半負担ではなくて、一〇〇%使用者負担というふうなかっこうになっていけば、また掛金のアップということを抑えていく上に大きな効果があるんじゃないかというふうに思いますので、ぜひ具体的な対応をお願いしたいと思います。
次に、これもいろいろと御質問があるところですけれども、積立資産の組合員の貸し付けの制度のことでございます。これは、現在他の並びでもってそれぞれの実績がどの程度かということを、事務当局からでも結構でございますが、まずお教えいただければと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/189
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190・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) 積立資産の運用につきましてただいまのお尋ねにつきましては、福祉貸し付けというものをいたしておりますが、この実績といたしましては、五十一年度におきましては福祉貸し付けそのものは四百二十九億六千三百万円行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/190
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191・下田京子
○下田京子君 具体的にお尋ねしますけれども、たとえば住宅貸し付けだとか、あるいは災害貸し付けだとかいろいろ枠がございまして、住宅貸し付けの場合ですと農林年金の場合は現在最高限度額が五百万円ですね。希望としては八百万円にしてほしいという意見をお聞きだと思いますし、災害貸し付けの場合ですと現在五十万円、それを百万円にしてほしいという希望であるかと思うのです。それは他の比較のことなんですけれども、全体的な資産の中での貸し付けの割合ですね、これが一体どうなっているかということです。五十年度現時点では二、三聞いているのです。国公の場合ですと三二%だ、それから地方公務員共済の場合ですと四五・五%になっている。それから、農林の場合ですと九・九%になっているというふうなことなんですが、これは五十一年の場合に他の比較でどうなっているかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/191
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192・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいまのお尋ねにつきましては、福祉貸し付けの資産総額に対する比率で見ますと、五十一度年におきましては一一・七%でございます。なお、五十二年、五十三年と逐次増加をいたしまして、五十三年には見込みといたしましては一四%程度になろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/192
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193・下田京子
○下田京子君 他の共済との比較はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/193
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194・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) 他共済との比較につきましては、詳しい数字をただいま持ち合わせませんが、御指摘のございました先ほどの国家公務員共済などにつきまして具体的な数値は存じませんが、農林年金より高い比率であろうかと聞き及んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/194
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195・下田京子
○下田京子君 農林共済の場合の五十一年のその割合が一一・七%だということですが、枠全体は二〇%あるかと思うのですね。そういう点で、まだまだそうなりますと現時点では枠があるんで、引き上げという点での御努力、御検討いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/195
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196・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) お尋ねの点につきましては、福祉貸し付けの中の非常に大きなウエートを占めておりますものが農林年金の場合住宅貸し付けでございまして、九八%までがこの種の貸し付けになっているところでございます。この年金財政につきましては、今後年金財政収支につきましてきわめて厳しい状況も予見されるところでございまして、そういった中で、かなり長期にわたりまして固定されるこういった福祉貨し付けにつきましては、この比率がふえていくこと自身につきましてもかなり慎重な配慮が必要であろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/196
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197・下田京子
○下田京子君 年金財政そのものの厳しさということは私どもも承知しておりますが、現在の中で確かに長期的なものであるけれども、また慎重を期すことが必要であるけれども、実効あるものとしてのその住宅貸し付けの改善ということで、現在の五百万ではとてもだめだ、八百万まで上げてもらえないかという点でのその御検討はいかがでしょうかということなんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/197
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198・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいま貸し付けの限度額につきましては、他共済におきましても五百万円を限度とするというような扱いに原則として立っているところでございまして、やはりこの種の制度の扱いにつきましては、今後五百万円限度額を引き上げるにつきましては、共済グループなど他の共済制度の扱いなども重要な判断指標になろうかと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/198
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199・下田京子
○下田京子君 他の共済のあれで限度額が五百万というのは私は初めて聞いたんですが、間違いございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/199
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200・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいま厳密にすべてにつきまして数字を持ち合わせませんが、住宅貸し付けが一番この種の中心でございまして、これにつきましてはおしなべて五百万円であるというふうに理解しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/200
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201・下田京子
○下田京子君 それは御認識間違いですね。私は、現地の共済組合に電話をして聞きました。そうしましたら、これは地方公務員の共済の方ですが、国公立学校です。限度額七百万円です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/201
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202・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいま御指摘のございましたこの災害につきましてそういう例のあることは私も聞き及んでいるところでございますが、やはり災害といった特殊な状況のものにつきまして設けられているところでございまして、他の諸制度におきましては全般といたしましては五百万円という限度で進めているところでございまして、御指摘のような点もございますけれども、農林年金の年金財政事情なども勘案し、かつただいまの諸制度の一般的状況などを十分勘案して今後考えていくべきものかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/202
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203・下田京子
○下田京子君 大変苦しい御答弁だと思います。私は、現実はやっぱり最初の御答弁ではもう五百万が限度だとおっしゃいましたよね、違うということはお認めでしょう。となれば、それはやっぱり正しく御答弁をいただいて、なおかつその上で、こういう問題はこのように解決の方向でというならわかるわけなんです。ですから、やっぱり他の共済とのかみ合い、財政的なことがあるのは私も承知しておりますけれども、やっぱり全体として正しい認識の上に立って検討をいただきたいということを、重ねて御要望しておきます。
さらに、いま大きな問題になっている財政の問題との絡みなんですけれども、確かに午前中からの御質問の中でも局長さんの方から答弁ありました。その資料もいただきましたが、農林年金の場合ですと、現在十二人で一人の方を養うと言っては変ですけれども、そういうかっこうになっているし、私学共済の場合には四十五人に一人の年金を支払う、また国家公務員の方ですか、これは六人に一人、厚生年金が二十三人に一人というふうな数字でございますし、さらには今後組合員数全体の状況を見れば横ばい状況になる見込みと、そういうことも申しておりますし、三十年後のことを考えると、一人を二・四人程度で負担するようなかっこうになる、そんなこともお話になりました。確かにこれからの年金のあり方、そしてその財源はどうかということについて、非常に大きな問題になるかと思うわけなんです。
その点で、これまた他の委員の皆さんから御指摘がございました点でございますが、いわゆる総理大臣の諮問機関あるいは厚生大臣の諮問機関、それぞれ建議書並びに中間報告という形で今後の年金制度のあり方についての御提言があるわけですけれども、これらについての問題点なんですが、まず第一には、各種公的年金を統合しよう、こういうふうな内容かと思うわけです。また第二番目には、国庫負担による基本年金とさらにプラスして社会保険年金の二階建て年金にしよう、それから三番目には、その財源については基本年金は付加価値税の導入によって得たいとか、そういう年金税の創設問題をお出しになっているかと思う。そして四番目には、年金支給は六十五歳からと、こういうふうなお話かと思うんですが、その内容といまの指摘の点でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/203
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204・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) 社会保障制度審議会から昨年十二月にございました建議におきまして、ただいまございましたようなことが建議されていることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/204
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205・下田京子
○下田京子君 各種公的年金の統合も含めて、全体的なことについていま全般的にどうかということでは私ども申し上げられませんけれども、ただ幾つかの問題点がすでに各関係者の方々から問題点として出されております。その一つは、現在の定年制がしかれている中で、年金の支給の年齢を六十五歳にするということについてどうなんだろうという問題が一つ、さらにはその年金税の創設ということについてはわかるわけです。しかし、それを付加価値税の導入によって行うということについては、大変大きな問題があると思います。私ども共産党におきましては、すでに御承知かと思いますけれども、「日本経済の提言」等でも年金問題についてもいろいろ指摘しております。その中で特に年金税の創設ということでは、大企業あるいは大所得者層から特別に年金税とした目的税をいただくというふうなかっこうでの提言はしておるわけですけれども、それを国民全般からおしなべて付加価値税導入というふうなかっこうになるということについては、非常な大きな問題点があると思うわけでございます。その問題の指摘をしておきたいと思うわけです。
同時に、私どもが提言しておることも含めて、本当に各関係者の皆さん等の意見も十分に聞いた上で、今後の年金のあり方について慎重に、それこそ慎重に御検討をいただきたいというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/205
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206・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいまの御指摘の点につきましては、農林省ばかりでなく厚生省その他広く年金制度につきますかかわりの関係省庁におきまして、今後慎重に検討を進めていく必要のある事柄でございまして、農林省といたしましてはそうした全般の検討の中の一環といたしまして、今後諸般の検討を進めていくことが必要であろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/206
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207・下田京子
○下田京子君 ひとつ慎重に検討をお願いいたします。
次に、農林年金とのかかわりで質問したいわけなんですが、特に農業協同組合に働く職員の皆さんの実態等を踏まえて、具体的な指導改善等もお願いしながら質問したいと思います。
その第一なんですけれども、定年制と男女差別問題です。これは具体的な事例でございますので、農林省とそれから労働省の方と両方にお尋ねをしていきたいわけですが、まず秋田県の事例です。昭和五十一年九月二十九日に、秋田地裁で杉本和子さんという方が男女の定年差別問題で訴えられて、全面勝訴したことを御承知でしょうか。
内容は、簡単に申しますと、これは秋田県の男鹿市農協に勤めている方でして、最初は事務職員で就職をしました。後ほど生活指導員として、それこそ農村の婦人の暮らしにかかわる問題、営農指導も含めて勤務されていた方です。ところが、ここは男子が五十六歳、女子が四十六歳というふうな状況で定年制がしかれておりました。この全面勝訴する過程でもって、杉本和子さん御自身がこんなことを話しているわけなんですが、
男五十六歳、女四十六歳。女であるというだけで、なぜ十歳も早く定年を迎えなければならないのか。働き続けたい希望を持ちながら、五十年に二人の女性がやめて行き、今度は自分、ということになった時、「差別」への割り切れなさはいよいよ鋭くなっていた——農協で三十年以上働いていた経験から、力仕事を別にすれば、男の人にやれて女にやれない仕事はない、と断言できます。それに私、どうしても、もつと働きたかったんです。平均寿命が延びてる時ですし、四十六というのは働き盛りじゃないんでしょうか
というふうなお話をしまして、まああと細かい経過は別としますが、全面勝訴して労働能力差なしという判決が下っていること、農林省の方では御承知でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/207
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208・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいまの御指摘の点につきましては、詳細についてはまだ掌握いたしておりませんが、そのようなことがあったことについては承っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/208
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209・下田京子
○下田京子君 労働省の方ではいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/209
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210・高橋久子
○説明員(高橋久子君) 承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/210
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211・下田京子
○下田京子君 次に、さらに具体的なことでお聞きしたいのですが、特に農林省の方でいま詳細についてはわからないということだったんで、今度はぜひ詳細に調べていただきたいと思うわけなんですが、その絡みで去年同じく秋田県ですけれども、四月二十六日秋田地裁に現在提訴中のものですが、秋田県の厚生連由利組合の総合病院給食係をしている清野イネさんのことでございます。ここは現在どうなっているかと言いますと、現在は男子が五十八歳、女子が五十三歳で定年に差別があるわけです。この清野イネさんの場合ですと、いろいろと詳しいことはありますけれども、時間の関係で省きますが、この事情についてまず農林省さん御承知でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/211
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212・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいま御指摘のございました点につきましては、まだ、承知をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/212
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213・下田京子
○下田京子君 労働省いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/213
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214・高橋久子
○説明員(高橋久子君) 婦人少年室からの情報によりまして、提訴されましてただいま係争中であるということを承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/214
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215・下田京子
○下田京子君 やはり労働省の方がこういったことはお詳しいかと思うんですが、農林省の方にお願いをします。まず、こういったたぐいのことが、秋田県のみならず他の道府県等にもあると思うわけです。この実態、私どもの方でいただいた資料でちょっとお知らせ申し上げますと、これは全国農協労連という労働組合の側でことしの三月十日に賃金調査として調査された資料ですけれども、それによりますと、これは全国で七単協で四十職場の集約結果だけなんですが、いまの秋田県だけでも西目町というところでは男子が五十六、女子が四十六、平鹿町では男子が五十七、女子が四十七です。三重県ではこれは大変差がありまして、辰水農協だと思うのですが、男子が五十五歳、女子が三十三歳という状況であります。こういう状況でありますので、就業規則等を含めて、まずこうした全国の男女差別の定年制の実態を調査いただきたい。
第二番目には、それに基づいて速やかに行政指導をしていただきたい。で、それは特に労働基準法上の問題にも抵触することですし、ILO百条との絡みでも大きな国際的な問題になると思うので、その点についての農林省の決意、これは政務次官にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/215
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216・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) いま先生からいろいろな農協の実態のお話があったわけでありますが、男女の差が大体十歳前後のようであります。これはやはりその単協、単協のいろいろな内規というのですか、そういうものがあろうかと思いますが、実態調査をし、さらに行政指導をせよということでありますれば、よく省においてその点を研究して、期待に沿うように努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/216
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217・下田京子
○下田京子君 期待に沿うようにというところで、御期待申し上げたいわけですが、さらにその際に押えていただきたいこととして、昨年の四月六日の参議院の予算委員会の中で、当時の石田労働大臣もこのことについてははっきり、労働基準法四条違反、ILO百条問題からいって、これは検討、改善しなければならないとはっきり答弁しておりますので、それが一点。それから、ことしの二月二十二日、やはり衆議院の予算委員会で共産党・革新共同の安田純治代議士の質問に対して、現藤井労働大臣がこう言っていますから含んでいてください。「女子なるがゆえに不利な扱いをするというこの線は改めなければなりません。改まるように行政指導をしなければなりません。もし改まらない場合、具体的なケースケースによって行政指導を一層強めていきたい、」と、こう明確な答弁が出ております。
ですから、事農林年金との絡みで、特に女子が定年制がこんなふうな形で差があるということ、実際に大きな問題が幾つもあるわけです。第一は、二十年以上云々ということで年金権だって確保できないでしょう。しかも、こういう若年でもって定年、首切られたということになったら、その後の暮らしはどうしますか。仮に二十年以上ということになっても、今度は年金額そのものが低くなるではありませんか。しかも、憲法にも保障されるような暮らしの問題にかかわることになるわけです。重要な内容を含んでいるものですから、これは特に農林省のサイドでもって、労働省でははっきりとした見解をお示しですから、特に婦人少年局などとの対応も含めて改善をいただきたいということを再度要望いたします。いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/217
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218・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) いずれにしましても、この不当な男女間の格差のあるということはけしからないと私も思います。したがって、今後ともそういうような事態が生じないように指導いたしていくつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/218
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219・下田京子
○下田京子君 さらにその中身ですが、くどいようですけれども、これは福島県内のある農協ですが、男女とも定年は五十五歳というわけです。ところが、実際は四十九歳になると女子に対して退職強要がされております。しかも、組合長から直接家族に、御親戚に、農協の職員になるときの保証人に、あるいは同僚に、そういうふうなかっこうで、もう職場にいたたまれないような状況がつくり出されているということが訴えられております。このことにつきましては、農林省ももちろんですけれども、労働省の方でも、現在こうした総理府の婦人の現状と施策ということでもって、当初五年間で現況調査というふうなことも打ち出しておりますので、これらのことも踏まえてさらに具体的な調査をいただきたいと思うわけなんですが、その点労働省の方で調査をしていく上での人的な配置だとか、あるいは十分にその対応できるような、何といいますでしょう、いま状況にあるかどうか、その点も含めてちょっとお尋ねしたいわけですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/219
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220・高橋久子
○説明員(高橋久子君) ただいま先生から、男女別の定年の問題がいろいろ御指摘がございました。確かに先生がおっしゃいますように、現在職場におきましては、定年の年齢に男女で差があるという職場が大変多くございまして、私どもは雇用における男女平等の中でもこの問題をまず真っ先に手をつけて解消を図りたいということから、昨年若年定年制、結婚退職制等改善年次計画というものを策定いたしまして、その第一年度でございます五十二年度には精力的に実態把握を行いました。そして、五十三年度と五十四年度の両年度におきまして、四十歳未満の男女別定年年齢と、それから結婚・妊娠・出産退職制を解消する、それから、次の二年間におきまして五十五歳未満の男女別定年年齢を解消する、こういった計画でいま精力的に指導を進めているところでございます。
このための人員配置につきましては、庶務課長の方からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/220
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221・甘粕啓介
○説明員(甘粕啓介君) 先生御承知のように、各都道府県に置かれております婦人少年室、これは人数は非常に少のうございます。ただ、これを補完するものといたしましていわゆる特別協助員制度というふうなものがございまして、これが全国に約百四十人程度ございます。それから、またこういう男女平等ということに関連いたしまして、五十二年度に雇用コンサルタントという制度を各都道府県に設置したところでございます。こういうふうな諸制度を活用いたしまして、こういう問題に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/221
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222・下田京子
○下田京子君 庶務課長さんの御答弁との絡みでなんですが、それから婦人少年室の方からの御答弁も絡みなんですが、今後年次的に解消していくということで御答弁いただきましたが、私が考えるに、年次的にということについては、やはりその人的な確保という点が伴わないと調査が進まないというところが大きな私はネックだと思うんです。で、現在四十七の婦人少年室があって、人員はまあ先ほどの答弁では百四十人云々だということですが、私どもの方で聞きましたところでは現在百七十五名ということですが、これじゃとても足りるわけないんです。そこのところをしっかり押さえてもっと人員確保のためにやらないと、これは問題が解決できないと思います。ぜひその点で人員確保、そして本当にそれがこういったりっぱなものをつくるだけじゃなくて、具体的に対応できるように、これは農林省絡みでも各担当するところが一体になって予算要求もしていただきたい、こう思います。
で、その点から、さらに今度は母性保護に関する件で御質問するわけですが、これは具体的なやはり事例で岩手県の岩手町農協の場合なんですが、ここは組合員全体が二千三百三十戸あります。職員が八十三名、うち男子が五十八名、女子二十五名です。この農協の川口支所の場合ですけれども、五十一年にこの支所で七名の女子のうち、驚いたことに、たった一年間の間に七名のうち四名が出産というふうになったということも、これはいろいろなことでありましょうが、しかしその四名全員が異常出産だったわけです。一名が流産、二名が死産、そしてもう一名が母子とも死亡しております。この母子とも死亡しているということを私は聞いたときに、本当にこうつらい思いで胸がいっぱいになりました。この女子職員の場合には勤務は事務、そしてまた店舗に勤務しております。
この状況を言いますと、生体がほとんどとられていない。さらに今度産休についてはどうかといえば、五十一年までは産前産後ともボーナスについては産休で一日休めば二十五分の一カットするというような状況であって、低い賃金ですからボーナスに期待をかけているというふうな状況、
〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
あるいはこういう形で、心理的な抑圧というふうなかっこうでなかなか生理休暇どころじゃない、産休もとれないというふうな状況になっているわけでして、現在聞けば、五十二年から産前の場合には六週間の二分の一についてはボーナスのカットの対象にはしないということですけれども、まだそれらが残っているというふうなことであります。この実態についてはどうでしょう、聞いておりますでしょうか、農林省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/222
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223・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) まだ具体的なことにつきましては、十分掌握をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/223
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224・下田京子
○下田京子君 具体的なことについて、それではここの場合には重大な特殊的な問題でもあると思いますんで、実態調査をして、それに合った形での指導をお願いしたいというふうに思います。この点明確な答弁をお願いしたいんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/224
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225・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) まだ事務的にも聞いておらないという表現であったようでありますが、よく調査して、その上で善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/225
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226・下田京子
○下田京子君 ぜひ改善のために善処いただきたいと思います。
これは労働省の方にお尋ねしたいんですけれども、労働省婦人少年局で五十一年、「女子保護の概況」ということで出されておりますその数字的な確認をお願いしたいんですが、まず第一に、一人平均、産前休業日数の場合ですが、産業全体の計算でいきますと三十六・四日、ところが、協同組合の場合には、これはいろんな協同組合を指していると思うんですが二十三・五日、特にそれが三十人から九十九人の規模の事業所になると、産業計でいけば三十三・一日、協同組合計でいくと十七・九日という数字なんですが、そのとおりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/226
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227・高橋久子
○説明員(高橋久子君) 先生のおっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/227
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228・下田京子
○下田京子君 その次に、生理休暇の請求状況といいますか割合ですが、これも同じく御質問したいんですが、生理休暇を請求した事業所の割合ですね。産業全体でいけば三三・七%、協同組合でいけば一八・八%、ところが、規模三十人から九十九人になると、産業全体で二五・五、ところが、協同組合では一四・八ということですが、これもページで言えば五十七ページあたりのあれかと思うんですが、これも間違いないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/228
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229・高橋久子
○説明員(高橋久子君) 規模計につきましては、請求のあった事業所が全産業で三三・七、協同組合が一八・八でございます。そして、規模三十人から九十九人では請求のあった事業所が産業計では二五・五、協同組合計では一四・八、こういう数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/229
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230・下田京子
○下田京子君 いまお聞きのとおり、農林省の方でも御認識を新たにいただきたいわけなんですが、その点で、かつて昭和五十年二月二十日に農林省農林経済局長名で農協における職員の労務管理の適正化ということでの通達をお出しになっていると思うんです。その後一体どうなっているかということが一つ。
それから、さらに、五十二年の五月二十一日に農協制度問題研究会報告書ということでもって研究会がお出しになったものがあると思うんです。それを受けて、五十二年の十二月一日に各道府県知事あてにやはり農林省の農林経済局長名で、特に農業協同組合及び農業協同組合連合会に対する当面の指導方針ということでもっていわゆる事業のあり方、あるいは融資に当たっての不正融資を抑えるようにとか、こういった点での改善指導がされていると思うんですけれども、こういった通達に基づいてその後どういうふうになったかという、その後の状況をつかんでおりますでしょうか。つかんでいるか、つかんでいないかだけで結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/230
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231・三井嗣郎
○説明員(三井嗣郎君) ただいまの御指摘のような通達を出しておるところございますが、この種の一般的指導につきまして、その後の状況としては、前の方の農協職員の労務管理につきましては、たとえば全国農協中央会がその後この種の通達を受けまして研究会を設け、労使関係のあり方を検討しておるなどのことにつきましては掌握をいたしております。
いま一つの通達の方につきましては、一般的な指導として行ったところでございまして、その結果を全般としてつかむといった段階には至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/231
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232・下田京子
○下田京子君 そこで最後に、いまのような状況であるならば、具体的にお願いしたいわけですが、それに当たりまして参考意見をお伝えしたいと思うんです。
これは、全国農協中央会で出されている「農業協同組合」という雑誌でございますが、昨年四月に出されている中で、やはり岩手県の農協労組の金田一さんという方がこういうことを言っております。
「新緑の候、益々御健勝の事と御喜び申上げます。さて、農協も新体制になって以来二年目をむかえ…(中略)…職員も二〇〇余名となり人事管理に慎重を期しておりますが、このなかには未婚者も多く関係機関の強い指導もあり職員の職場内結婚については、甚だ好ましくないと判断されるので、未婚者の今後の結婚は経営上認めない方針を樹てて居りますので、身元保証人である御貴殿にも、御理解と御協力を得たく御願い申上げます。」
ということを五十一年五月二十五日付でこれは出しているわけですね。
これはけしからぬということでもって、このことについてはすでに労働省は御承知だと思うのですが、すぐ改善通知等は出されたのですが、ただここでこれはもう大変時代錯誤だと思うのですが、経営者がこう答えているのですよ。「不当かどうかはしらないが、当農協理事会できめたことであり、撤回できない」などという答弁もしているわけです。これは当時のことですけれども、こういう経営者もおる。しかし、また一方で別の経営者もおります。
これは、ことしの四月の同じ雑誌ですけれども、山梨県の白根農協組合長さんがこう言っております。農協というのは営農主体の本来のいわゆる経営、農協本来の姿に返れというふうなことで御指摘されております。たとえば申し上げますと、営農指導重点で、それでいろんな座談会をやるときにもまず営農指導ということを先にやって、その次に販売だとか代金の精算の話だとか、そういうことをやった上で、いろいろと信用等々の事業なんかについての赤字問題も触れている、こういうわけなんです。
こういう点での農林省農林経済局長の通達も出しているわけですから、農協が本来の農家の経営と暮らしを守る、そういう立場からの事業がなされるように営農指導員の国庫補助をもっとつけるとか、そういう立場でもって本当に経営者も職員も、何よりも農家の皆さん方が、本当に私たちの農協なんだと安心した形で指導がされるよう、それらと相まった形での今回の法の絡みでの年金制度の抜本的な改善ということにも取り組んでいただきたい、こう思うわけなんですが、その点の決意のほどを政務次官にお尋ねをしまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/232
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233・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 下田先生からいまいろいろと例を挙げてお話があったのでございますが、私は、やはり農協の指導をするに当たっては、職員をまず大事にしなければならない。職員の身分の保障その他ができて初めて、自分を犠牲にしてでも農協の指導に十分当たれるというような仕組みになっていこうかと思うわけであります。したがって、私どももそういう面の予算その他については十分できるだけ獲得するように努力をし、一層本事業があらゆる面において、全般にわたって農協そのもののプラスになるよう努力をいたしたい考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/233
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234・三治重信
○三治重信君 農林漁業団体職員の共済組合法の改正の問題でございますが、やはりこういう老齢退職金の問題は、いまや各種共済組合、あるいは厚生年金の老齢年金等の問題と非常に共通性を持ち、またこれからこういう改正についても非常に、何というんですか、統一的に政府の中で行われることになるんではないかと思うのです。また事実、最近におけるこういう年金の改正の問題はほとんど統一的に扱われている。こういう問題は、どうなんですか、ひとつ政府で、厚生省なり内閣なりで、こういう共済年金や老齢年金の一般的な共通的な改正というものは一本の法律で政府でやったらどうかと思うのですけれども、そういう問題についての話はまだ一つも出ていないのですか。また、そういう問題について農林省の態度はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/234
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235・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) お話しのような点につきましては、いろいろ先ほど来一般的な事項につきましての審議会の答申その他がございますけれども、御指摘のように、共済制度の改正を統一化するという話を具体的に各省でやっておる段階ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/235
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236・三治重信
○三治重信君 説明を聞きますと、たしか共済組合においても、それから国家公務員の共済組合の改正においても、一つが改正するとみんなほかのやつも、改正の法律がずっと並んで出てくるようになってきているわけですね。だから農林省は、おれの方はこういう老齢年金の問題についてはそれほど主力じゃないんだから、別におれの方からどうのこうのという筋ではないと、こういうふうにお考えかもわかりませんが、こういう職員に対する待遇を法律でやる場合には、だんだんほとんど統一化されると思うのです。こういう問題について、そういうことで、できるだけ各省、何と申しますか、一つの主導的な省でまとめてやるようなこともひとつぜひ考えてほしいと思うのです。そうすることの方が国会における審議も能率化され、またこういう制度的な問題をそう特殊事情、特殊事情といって別々に体制を整える、こういうことは非常に非能率的でもあり、またいろいろのいざこざを起こす。わずかの差が非常に差別的な取り扱いのような感じを受けて、そこからつまらぬ議論を起こすもとになる。こういうことを考えますので、ことに今度のこういうような改善で、ほかのこういう共済組合、老齢年金の改正が、政府機関並びに法律でもって規定するこういう老齢年金の問題がほとんど統一的に行われているということから、特に意見として要望をしておきます。
それで、ことに農林漁業団体の職員の問題について余り議論をするときがないからここで一遍——現在農林漁業団体の職員というものは、この資料で見ますと全国で約四十六万人に数えられ、そして団体数一万三千四百四十一、一万数千の団体に雇われている。雇用関係は、実際団体の性格は同じでも、雇用主は全然別である、こういうことであります。そして、もちろん、こういう組合が雇っているのは、いわゆる労使関係あるいは雇用契約、そういうものの、直接といいますか、労働法規によって規律されているわけですが、労働省も、一般の民間団体の企業、いわゆる民間企業の雇用、労使関係、それから労務管理、こういうもので、どっちかといえば手いっぱいで、なかなかこういう農業団体の雇用関係、給与関係、労使関係、こういう一般の労働問題については、一般的に余り重点的に手を回していないと思う。
それで、ひとつ特に農林省の方も、実際農林行政をやっていかれる場合のこの職員団体の機能というものが非常に強い現実ですね、農林行政のほとんどがと言っては語弊があるかもしれぬけれども、大半がこういう各種農業団体を通じて農林行政が行われている。そうすると、この中に従事している職員の勤務状態あるいはその質というものが、農林行政を本出にスムーズに効率的に行われるか行われないかの非常に優劣を左右することになろうかと思うわけなんです。そういうことからいって、きょうの問題は農林年金の問題になっていますけれども、こういう各種の農林漁業団体の職員問題について現在農林省が問題とされている点、あるいは現在、いままでもそういうものは各団体にみんな任してあって、農林省は一般的な指導とかまた、そういうものに余り関心は持っていないのだと——持っているとすれば、どういうところにこういう農業団体の職員問題を考えておられるか一般的な説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/236
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237・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、農林行政は農業団体を通じて行われる色彩が非常に強うございまして、したがいまして、各団体の職員の資質というものにつきましては、これは非常に重要な問題であるというふうに認識をいたしています。優秀な人たちを農業関係団体に就職しそこで働いていただきますためには、何と申しましても、やはり処遇改善ということが非常に重要な問題になるかと思います。したがいまして、私たちとしましては、農林年金の退職団体の職員の給与につきましては、いろいろとこれを調査をいたしておるわけでございますが、先ほども議論が出ましたように、市町村の職員その他と比較しまして、月額で見ますと必ずしもこれに匹敵するには至っていないという状況でございます。
したがいまして、その給与改善につきましては、私たちといたしましてできますことは、一つは、農協の役職員の研修問題でありますとか、あるいは経営指導を通じます農協の経営の改善でありますとかでございますが、同時に中央会等を通じまして給与改善についてそれぞれ所要の指導を行いまして、その給与の改善に今後も努めていく必要があるというふうに基本的には考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/237
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238・三治重信
○三治重信君 そうすると、給与の実態は、たくさん挙げられているこの職員団体の数がありますわな。こういう中でも給与の差が相当あるのか、大体において同じようになっているのか、団体種別または県別、いわゆる農業県と非農業県とかいうものをピックアップしてどういうふうな段階か、また単位農協、県段階、それから中央の全国団体というのがどういう各団体種別の平均賃金の程度か、一遍資料を説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/238
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239・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農林年金の五十一年度末におきます平均標準給与を団体別に見てみますと、総合農協が十二万六千円でございます。それから土地改良が十一万七千円、森林組合が十万八千円というふうな形になっておるわけでございます。
それから都道府県別に見ますと、大阪府などは一番高うございますが、十四万八百七十七円、それから神奈川県が十三万九千円、東京都で見ますと十三万七千八百円、広島県で十三万五千円、これが高いランクのものでございます。それからずっとありまして、下のランクにいきますと、鳥取県が十万七千円、熊本県が十万八千六百六十六円。それから青森県が十一万一千円、高知県が十一万四千五百円というふうに、どうしても都市近郊が高うございまして農村地帯が非常に低うございます。
それから、これを単位団体と県段階と全国段階の各段階別に見てみますと、単位団体が十一万八千円、県段階が十四万七千円、全国段階にいきますと十八万八千円というふうに、やはり全国段階が一番高く、末端にいきますと低いという形になっております。
なお、ちなみに男女別の給与比較をいたしますと、男子が一〇〇に対しまして女子が六六というふうな割合に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/239
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240・三治重信
○三治重信君 それから、よく田舎といいますか、市町村へ行くと、市町村の職員の給与との比較がよくなされるわけですが、その中で、農協関係その他市町村の職員よりか給与が低いとかよく言われますが、それは平均賃金であるのか、本当の年齢別あるいは勤続年数、男女別のそういう個人別の比較で見ても低いのか。結局、農協の職員のいわゆる勤続年数、それから職員の構成で年齢構成というものが非常に違えば、これはその間に当然上下があってしかるべきなんですが、その点はどういうふうになっておるのか。同じ年齢、同じ十年の勤務年限、こういうのでもやはり市町村の職員から見ると低いのか。また、低いとすると、その原因は何かということを御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/240
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241・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 地方公共団体との給与の比較でございますが、まず本給で比較しますと、たとえば市の場合ですと十三万六千円で同じ地域にございます農業団体でございますと十二万六千円でございます。約一万円違うわけでございます。それから町村の場合におきましても、その差は大体一万円程度地方公共団体の方は高くなっております。
それで、勤続年数を見てみますと、市の場合でいきますと勤続年数が十三・四年でございますが、平均的に見まして農業団体のものの方は九一六年でございますから、約四年程度市町村の方がそれぞれ高くなっておるわけでございます。
本俸はそのような状況でございますが、臨時給与がどうなっておるかということを、農協の方はこれは私の方が調べられるわけでございますが、実は市町村の方はこれを把握することがなかなかむずかしゅうございまして、自治省あたりは国家公務員に準じてということでございますので、一応国家公務員の臨時給与を入れまして比較いたしますと、農業団体の方が臨時給与が約一・四カ月分ぐらい多いということに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/241
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242・三治重信
○三治重信君 最近、ことに高度成長時代から、末端といいますか、市町村の財政状態が急速に伸びたことから、職員の給与が非常に伸びて、それになかなか農協が追いついていけないというところかとも思います。それで、そういう問題がやはり常に職員の勤務状態、働く意欲に影響をいたしますから、いわゆる標準的というんですか、この目標となる市町村の職員の給与の動き、こういうものと農協の職員の給与の動きというものをやはり農林省の方としても注意して見ていっていただき、それでそれとの比較で、職員、農協の経営というものの指導の態度をいろいろ研究していっていただきたいと思うわけです。
それで、先ほども下田委員から女子の定年退職の問題で御質疑がありましたが、いま一般的に農協関係は、国家公務員や地方公務員は定年制をしいていないわけですね。定年制をしいていないわけなんだが、民間はほとんど定年制をしいている。農協の各種団体は、末端、県、中央、定年制をどのように決めておるか、調査がありましたら御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/242
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243・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 全国の農業協同組合中央会が五十二年の八月に農林年金の対象全団体について調査した結果によりますと、定年制を採用しています団体は全体の七三・四%ということになっています。この場合、全国段階では九二・一%で、ほとんどの団体は定年制を採用いたしております。県段階では八九・七%、単位団体では七二・四%が定年制を採用いたしております。
定年制の内容について見ますと、平均の定年の年齢は男子が五十七・六歳、女子が五十六・五歳となっておるわけでございます。団体の段階別に見まして、ほとんど差がないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/243
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244・三治重信
○三治重信君 これは、民間の企業にも定年制といわゆる老齢年金、共済年金の支給開始とのギャップがこれからだんだん労働者の老齢化とともに大きな問題になってくるわけですが、このギャップを埋めるのを制度的にどういうふうに考えておられるか。それは全体の民間企業のそういう定年制と厚生年金の動きの違い、あるいはまた、こういうのは労働行政だからそちらの方の指導で各農業団体がそれぞれやってもらうよりかしようがないというふうに考えられておるのか。それとも、こういう問題について具体的に何かするように考えておられるのか。こういう農林省が農業団体の共済組合の老齢年金を所管するという立場から、特別こういう定年制の年齢と共済組合の老齢年金の支給開始時のギャップをどういうふうに考えられておられるか。
ここにこう見ると、国家公務員や何かの老齢年金のやっと同じように減額退職年金というやつがあるんですが、これはやはり国家公務員と同じように五十四、五歴からですか。先に退職年金をほしいという者には、減額をして支給するというやつの規定が導入されていることなんですか。これによって定年制と退職年金とのギャップをこの職員団体としては埋めているんだというふうな解釈でいくのか、またこういう問題について、共済組合のこの法律の運用上何か特別考えておられることがあったら御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/244
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245・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) まず、最後の減額退職年金でございますが、これにつきましては、農林年金におきましても国家公務員と同様に減額退職年金の制度がございます。実績として見ますれば、減額退職を受けておる人は現在二百五十八人ございまして、平均年金額は六十七万四千八百六十九円ということになります。これは新規裁定者が二百五十八人で、現に受給権者は千七百七十二人、こういう形になっておるわけでございます。
それから、定年制の問題でございますが、定年制の問題は、何といいましてもこれは農林団体の大部分が自主的な団体でございますから、定年制については、まず第一には団体内部で十分検討せらるべき問題でございますが、だんだん傾向としては定年延長を考えていくように相なっていくのではないかと思います。現に、一六%ぐらいの団体が、定年年齢の延長を考えておる状況でございます。それから、農林年金の場合の受給資格者は五十五歳でございますから、そういう意味合いにおきまして、その点は厚生年金の六十歳等と比べまして有利になっておるわけでございます。
将来この有利性をどうするかという問題は、これは共済グループ全体の扱いの問題であると同時に、それぞれの年金制度の持っておる特色を今後どういうふうに生かしていくのかという、そういう基本的な問題にも関連する問題だというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/245
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246・三治重信
○三治重信君 次に、一般の老齢年金が発達していけば退職金問題はそれに吸収さるべきだというのが一般的な理論だと思うんですが、しかし現実は、退職金もなかなか労働者並びに労働組合にとっては非常に重要な問題としてクローズアップされていることは御承知のとおりでございますが、こういうのを、退職金はきちんとした支給規程を定めて大部分支給されていると思うんですが、これの支給状況は、やはり国家公務員や一般の民間の支給状況と比較して、大体標準的な退職金が支給されておりますか。県段階ぐらいまではあるけれども、単位農協になってくると、これはまあないところはほとんどないと思うんですが、非常に悪いところも相当あるのかどうか。そういうことについてお伺いしたい。
なお、この中で、最近都会の大きな市の退職金の問題で非常に問題になってきているわけなんですが、一般の退職金規程の、たとえば十年勤めると十二九月分出すとか、そういう規定のほかに、勤務成績が優秀な場合には一〇%加算するとか、また特別勧奨の場合にはその何%加算するとか、いわゆるプラスアルファの制度、それを理事者裁定、裁量というような、いわゆるプラスアルファというような退職金をやる例が地方公共団体なんかでは相当あるわけなんですが、そういう問題が、もちろん退職する人にとっては一般の退職金支給規程よりか、その理事者の、組合長なりの裁量で、これも勤務が優秀だからプラスアルファだ、勧奨退職だからプラスアルファだと、こういうふうな規定によって相当厚遇しているものかどうか、その退職金の問題について御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/246
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247・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 全国の農協中央会が昭和五十二年八月に農林年金の対象の全団体につきまして調査した結果によりますと、退職金の支給規程を定めております団体は、回答総数で九千四百四十五団体であますが、そのうち八千八百五十七団体、全体の九三%ということになっておるわけでございます。したがって、大部分のものは退職金の支給規程を制定をいたしておるわけでございますが、支給基準はどうなっているかということを見てみますと、本給月額に対します支給率で見ますと、勤続年数五年で五・五カ月、十五年で二十一・二カ月、二十五年で三十九・五カ月ということに相なっております。
団体別に見ますと、勤続年数十五年で比較しますと、やはり総合農協が一番高うございまして二十一・三カ月、それから次に共済組合土地改良区が二十・三カ月、森林組合が十八・九、漁協が二十一・九と、こういうようになっています。
さらに、これを段階別の勤続年数十五年の場合について見ますと、全国団体が二十六・六カ月で最も高うございまして、県連段階が二十二・九カ月、単位団体が二十一カ月ということになっております。
そのレベルは、地方公共団体等と直に比較をした数字は持ち合わせておりませんが、レベルとしてはまあまあのところではないかというふうに推定はいたされるわけでございますが、御指摘のプラスアルファのものにつきましては、実は私たちはまだ調査をいたしておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/247
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248・三治重信
○三治重信君 ごくラフに農林漁業団体の職員の労働条件について御質問したわけなんですが、こういうふうに待遇されている職員のいわゆる人件費が占める割合について若干御質問したいわけなんですが、この中でいわゆる政府や地方公共団体から人件費の補助を受けている団体と、補助を受けなくて農協みたいに自分の自前でこの人件費を払っている、そういうような団体にこの人件費割合の差があるのか。
常識的からいくというと、人件費の補助を受けている団体がまあいわゆる運営費の中で人件費の占める割合がどうしても高くなるのは当然かと思うわけなんですが、またこういうだんだん不景気になってきたときに、人件費が高くなるとその運営が非常にむずかしくなると申しますか、人件費を払うための組合事業になってしまって、農民なり漁民なり林業者のための団体ではなくして、職員に人件費を払うための活動になってしまうおそれがある。この人件費の割合をやはり最低限五、六〇%にするのが常識だと思うわけなんですが、これは団体によって、非常に事業活動の内容によって割合が違って当然なんですが、いまのいわゆるこの農林漁業団体全体を見て、大体人件費の割合がどの程度になっておるか、現在といままでの推移というのですか、割合が多くなっているのか、少なくなっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/248
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249・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 農協等の人件費の管理費中に占める状況はどうなっているかという御質問でございますが、農協等の人件費につきましても、一般社会の賃金水準の上昇を反映しまして、逐年かなりの上昇を示しておりますので、事業管理費の中に占める人件費のウエートも高まってきております。
具体的に申し上げまけと、総合農協の場合で、四十五年において一組合当たりの人件費が大体事業管理費の中に占めます割合が七〇%であったのでございますが、五十一年度には、人件費が管理費に占める割合が七五%まで上がっております。大体、このような状況は、農協以外の他の団体においても同様でございまして、たとえば漁連では、四十五年に人件費の割合五三・五%でありましたのが、五十一年には六〇・九%まで上昇をいたしております。経済が安定成長への移行に伴いまして、事業費の伸びもまた停滞傾向を示すわけでございますが、いろいろ経営合理化等も行われておるわけでございまして、事業管理費に占めます人件費の割合は、最近ではそれほど大きな上昇を示しておらないのが現状でございます。
それから、農林漁業団体の対象団体のうち、どのような団体について国庫補助がなされておるかということでございますが、人件費を国庫が負担または補助しておりますのは、都道府県農業会議、それから農業共済団体、漁業共済団体及び漁船保険組合でございます。都道府県農業会議につきましては、御承知のとおり、農地法によりまして、その所掌に属せられた事項を処理するということが法律に書いてございます。それから、共済事業は御存じのように、農業共済保険を担当をいたしておるわけでございます。それから、漁業共済団体も同様に漁業共済保険を行っておりますので、それぞれ事務費という形で職員の補助をいたしております。それから、漁船保険組合につきましても、同様に保険の事務費の一部につきまして、事務費の一部ということで職員給与の補助を行っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/249
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250・三治重信
○三治重信君 ごく一般的な状況について資料的に御説明願ったわけなんですが、今後いわゆる減速経済とか安定成長とか言われる場合に、やはり民間企業も一番この不況に追い込まれたのは人件費であるわけであります。そうして民間企業の中で工場をつぶしたり、あるいは人員整理、個々の希望退職を募ったり、あるいはひどいところはつぶれると、こういうのが過去四年間の不況の中で非常に強烈に不況産業は襲われているわけなんです。農林関係は、この団体も農林の保護行政の結果、それほど今度の不景気の影響は受けていないと思うのですが、それでもいま御説明のような、人件費の割合の増高は否めないことになっているわけです。今後とも私は、農林漁業団体の職員の労務管理並びに給与、こういうものの管理を農林省としても各地方団体と相当連絡を密にされて、またさらには労働行政の力をかりるといいますか、それとの意見も十分交わされて、この職員団体の給与、労働条件、それから労務管理等に少し意を用いていただきたいと思います。
最後でございますが、先ほど農林省としては、こういう職員団体の資質の向上に対しては研修に意を用いていくと、こういうことを占われたわけなんですが、これは農林漁業団体職員の共済組合に加盟している全団体について、一定の比率で研修をやっておられるか、それを最後にお聞きして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/250
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251・今村宣夫
○政府委員(今村宣夫君) 私たちといたしましては、共済対象団体の職員につきまして、それを全員について、新たに相互扶助事業の一環といたしまして所要の予算を計上いたしておるところでございます。行っておるところでございます。なおまた、それと別個に合併農協の経営管理、運営につきましても、農協に所要の補助をいたしまして研修会を開催をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/251
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252・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/252
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253・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
相沢君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。相沢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/253
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254・相沢武彦
○相沢武彦君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、農林漁業団体の実情を踏まえ、職員の身分の安定、老後保障に資するため、団体職員の待遇改善が図られるよう配慮するとともに、本制度については、給付内容の充実、国の財政援助の強化等が促進されるよう、次の事項を検討し、その達成に努めるべきである。
一、年金財政の健全性を確保するため、給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げ、さらに財源調整費補助及び事務費を増額すること。
二、年金給付の実情に照らし、最低保障額の引上げを図るとともに、特に旧法年金の給付改善については、最低保障額につき新法の水準を考慮する等、新法年金との格差是正に努めること。
三、遺族の生活保障を増進する観点に立ち、遺族年金の給付水準の一層の引上げに努めること。
四、既裁定年金については、公務員給与の上昇に対応した年金自動スライド制による改定を検討すること。
五、今後の本制度の成熟化の進展に対処し、長期的な見地に立ち、年金の給付内容の改善と財政の安定等が期せられるよう、制度の研究・検討を一段と進めること。
右決議する。
以上でございます。
委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/254
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255・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいま相沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/255
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256・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 全会一致と認めます。よって、相沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、初村農林政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。初村農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/256
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257・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処すよう努力いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/257
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258・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/258
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259・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/259
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260・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 次に、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。初村農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/260
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261・初村滝一郎
○政府委員(初村滝一郎君) 農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
わが国の農林漁業は、国民の食糧を安定的に供給するという使命とともに、健全な地域社会の維持形成と国土及び自然環境の保全という重要な役割りを担っており、その体質の改善強化を進めるためには、農林漁業に対し強力な施策を展開することが必要であります。そのための施策の重要な一環として、政府は、従来から農林漁業金融公庫を通じ、または農業近代化資金制度、漁業近代化資金制度等により農林漁業の生産性の向上と体質の改善強化のために必要な長期かつ低利な資金の融通の円滑化に努めているところであります。
ところで、現在、わが国経済は、大きな転換期を迎えており、長期にわたる景気の停滞を乗り越えて安定成長への円滑な移行を達成することが大きな課題となっおります。
このような状況の中で、先般、景気対策の一環として、公定歩合の引き下げを初めとし、預貯金金利等の引き下げが行われ、わが国の金利水準は、終戦直後の混乱期を除き戦後最低の水準を呈するに至っているのであります。このような一連の金利引き下げに関連しまして、財政投融資資金の金利の引き下げが行われ、これに対応して政府関係金融機関の貸付金の利率につきましても、その多くはすでに引き下げられております。農林漁業金融公庫の貸付金のうちその利率の引き下げにつき法律の改正を必要としないものの一部につきましても、すでにその貸し付けの利率の引き下げを行ったところでありますが、農林漁業の経営構造の改善のための資金等政策性の特に強い資金でその貸し付けの利率が法律で固定されているもののうち一部のものにつきましても、他の制度金融における貸し付けの利率との均衡に配慮しながら、その貸し付けの利率を弾力的に引き下げる必要があります。
この法律案は、このような事情にかんがみ、農林漁業金融公庫等の貸付金のうちその貸し付けの利率が法律で固定されているものの一部につき、当分の間、その利率を当該法律で定める利率の範囲内で政令で定めることとするものであります。
以上がこの法律案の提案の理由及び内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/261
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262・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 本案に対する質疑は次回に行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X01719780530/262
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