1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年六月十六日(金曜日)
午前十一時十五分開会
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委員の異動
六月十六日
辞任 補欠選任
久次米健太郎君 増田 盛君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 省吾君
理 事
青井 政美君
大島 友治君
山内 一郎君
川村 清一君
相沢 武彦君
委 員
片山 正英君
北 修二君
小林 国司君
坂元 親男君
田代由紀男君
田原 武雄君
野呂田芳成君
降矢 敬雄君
増田 盛君
坂倉 藤吾君
丸谷 金保君
村沢 牧君
吉田 正雄君
原田 立君
藤原 房雄君
河田 賢治君
下田 京子君
三治 重信君
国務大臣
農 林 大 臣 中川 一郎君
政府委員
内閣法制局第四
部長 別府 正夫君
農林政務次官 初村滝一郎君
農林大臣官房長 松本 作衛君
農林省農蚕園芸
局長 野崎 博之君
農林水産技術会
議事務局長 堀川 春彦君
特許庁長官 熊谷 善二君
事務局側
常任委員会専門
員 竹中 譲君
説明員
外務省国際連合
局経済課長 八木 真幸君
農林大臣官房審
議官 小島 和義君
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本日の会議に付した案件
○農産種苗法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○農畜産物の輸入抑制等に関する請願(第四七
号)
○水田利用再編対策に関する請願(第一〇五号)
○米の生産調整に関する請願(第二一八号)
○農畜産物の貿易自由化等に関する請願(第二五
七号)
○米国材等外材の適正輸入に関する請願(第二五
八号)
○米の需給均衡化対策に関する請願(第三六六
号)
○農林年金制度に必要な国庫補助予算の確保に関
する請願(第三九七号)
○国民のための国有林経営に関する請願(第五一
八号外四七七件)
○米の第二次生産調整反対等に関する請願(第一
七九一号)
○米の生産調整改善等に関する請願(第一七九二
号)
○国有林労働者の身分安定に関する請願(第一八
〇二号外二件)
○国有林労働者の退職特別給の制度化に関する請
願(第一八〇三号外三件)
○不良造林地の改善に関する請願(第一八〇五号
外三件)
○国有林労働者の振動病予防に関する請願(第一
八〇六号外二件)
○営林署の担当区・事業所の統廃合に関する請願
(第一八〇七号外二件)
○米の生産調整反対・抜本的農業政策の確立に関
する請願(第一九〇五号)
○小麦粉に米粉源泉混入反対に関する請願(第一
九二〇号外一件)
○おつとせい群の海上猟獲に関する請願(第二〇
〇〇号)
○米の生産調整に関する請願(第二一二八号)
○米の生産調整反対等に関する請願(第三二二四
号外三件)
○太平洋沿岸における日本漁船の安全操業に関す
る請願(第三三五〇号)
○農畜産物の輸入自由化・輸入わく拡大阻止等に
関する請願(第三三五一号外三件)
○日ソ漁業協力協定の締結促進等に関する請願
(第三四五三号)
○農畜産物輸入調整等に関する請願(第三四五四
号)
○昭和五十三年度畜産物価格対策並びに畜産経営
安定の基本政策の確立等に関する請願(第三四
五五号)
○昭和五十三年度加工用原料乳保証価格の引上げ
等に関する請願(第四一三九号)
○日ソ漁業協定の締結促進に関する請願(第四一
四〇号)
○畑地に係る土地改良事業に対する国庫補助率の
引上げに関する請願(第四一四一号)
○昭和五十三年度肉畜価格の引上げ及び流通機構
等の改善に関する請願(第四一四二号)
○米の転作強制反対等に関する請願(第四二二〇
号)
○韓国漁船操業規制及び外国漁船による被害救済
に関する請願(第四二二三号)
○日ソ漁業交渉の促進に関する請願(第四二二四
号)
○米の需給均衡対策に関する請願(第四五三三
号)
○「釣り人課」(仮称)新設に関する請願(第四
五五八号外二三件)
○米の需給均衡化の対策に関する請願(第四八八
七号外一件)
○養蚕の振興に関する請願(第四八八八号外一
件)
○農業経営発展の基本施策確立に関する請願(第
四八八九号外一件)
○水田利用の再編対策に関する請願(第四八九〇
号外一件)
○畜産農家の経営安定に関する請願(第四八九一
号外一件)
○国有林野事業の改善に関する請願(第四八九二
号外一件)
○木材の需給及び価格安定に関する請願(第四八
九三号外一件)
○林道舗装事業の促進に関する請願(第四八九四
号外一件)
○林業の早期振興に関する請願(第五二七七号)
○鶏卵の生産調整強化及び養鶏の経営安定に関す
る請願(第五四八七号外五件)
○震ケ浦総合開発卒業に伴う水産加工業者に対す
る補償に関する請願(第六一一九号)
○国有林の不成績造林地の改善に関する請願(第
六八一八号外一件)
○国有林の苗畑専業の拡充に関する請願(第六八
一九号外一件)
○国有林の崩壊箇所の復…に関する請願(第六八
二〇号外一件)
○農業発展のための米の生産調整に関する請願
(第六八八八号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/0
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001・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
農産種苗法の一部を改正する法律案を議題といたします。
昨日に引き続き質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/1
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002・丸谷金保
○丸谷金保君 昨日、指摘いたしましたUPOVのフランス文正本からの外務省の正式の翻訳、できましたらひとつ——できませんでしたら、その間に次のやつを先にやります。
昨日の答弁の中で小島審議官が、国際条約の訳文をつくった時点では、植物については特許法は適用除外にすることになっていましたので条約に矛盾することとはなりませんでしたと、こういう答弁をしております。ところが、その後種苗法の方の案文が、前々回から指摘しているように変わりました。したがって、昨日、私が指摘いたしましたように、条約正文によりますと、日本はこの条約をそのまま読む限りでは加入できないことになるわけでございます。しかしながら、私の調べたところによりますと、UPOVというのは、日本はヨーロッパにあれば何でも大したものだと思うけれども、実態は職員が七人くらいしかいない、部屋を一つ借りているというだけの事務所でございまして、財政的にも非常に困っているから、いわゆる特例を設けて、できるだけたくさんの国に入ってもらおうとする空気もあります。
したがって、多少無理をすれば何とかなるんじゃないかという面もあるかと思いますが、ここで私は大臣にひとつ特に聞いていただきたいんですが、問題の一番大事なところは、アメリカはそうしたUPOV自体の脆弱さ、UPOVの条約の脆弱さ、こういうものを直さなければおれの方は入らない。なぜなら、アメリカの植物特許及び新種保護法は、有性植物と無性植物を分けて、特許法と植物種苗の種の保護法とに分けております。非常にりっぱな法体系になっておりますので、アメリカはUPOVの条約を直してくれば、そしてわれわれが入れるようなものに直しなさいと言って入らないでいるんです。しかし、いま日本の態度は、そういうUPOVのまだ脆弱な条約に対してさえも、ひとつ特例を設けて入れてくれという、こういう立場になるわけです。ずいぶんそういう点で、これに加盟をしようというアメリカと日本との対応の仕方が違うと、昨日参考人として沢登先生が恥ずかしいと、世界の名だたる育種者に対してこういう法律で恥ずかしいと言ったのは、そのことなんです。この点について、ひとつ御見解をお願いいたしたいと思います。そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/2
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003・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) この点につきましては、衆議院におきます農水委員会におきましても、附帯決議として第三項に「種苗の国際交流の円滑化を図るため、本法施行後「植物の新品種の保護に関する国際条約」に」UPOVになるわけですが、「わが国の意見を反映させつつ、加盟実現に努めること。」と、こうなっておりますので、いまのまま加盟するというのではなく、わが国にはわが国の考え方、いろいろありますが、これらについてはさらに検討を深めまして、わが国の意見を反映させつつ加入する、こういう態度で、何でもかんでもいまの体制で入ると、こういう姿勢ではない。御指摘もございますので、その趣旨に沿って加盟を実現いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/3
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004・丸谷金保
○丸谷金保君 それから、昨日大臣は、下田委員の質問に対してだと思いますが、特許法で今後とも受けますと、しかしいままで特許されたものがありません、今後もないでしょうと答弁されております。特許されたものがありません、それから今後もないでしょう、と。これは、特許法に対して重大なる侵害発言だと思います。現に、特許庁に出願されて、これから審査をするものが十三件あるんです。それなのに、いままで特許されたものがないから今後もないでしょうと。特許庁が植物特許をPRし出したのは、五十年に入ってからです。ですから、まだ申請が出だしたばっかりなんです。そして、物それ自体はまだ審査してないから、特許されたものはないんです。方法特許は三十年時代もありますけれども、審査してないからないのがあたりまえなんで、それを今後も特許されるものはないでしょうと言うことは、これは特許の審査権の侵害です。このことについて、ひとつ大臣の所信をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/4
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005・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) この点につきましては、残念ながら特許庁との間において、合意書において、これは出してありますように、「種苗法案に関する話し合い事項の要旨」にも書いてございますように、「植物新品種それ自体の発明があったときには、特許される可能性は理論的には否定しえないが、農林水産植物については工業製品と比べて特殊性を有すること、品種登録制度では、登録要件が緩和されるため、大部分が品種登録の出願によるものと予想されること等により新品種それ自体を対象とする特許発明は、従来もなく、今後も事実上まれであろう」というところは、ないであろうということを表現しておりますが、「まれであろうと考えられること。」、これは特許庁とも話し合いまして、進歩性とか新規性からいって特許されるようなものではない、こういう判断からまずまずないであろう、こういうことを想定し、これは特許庁とも話し合いの上でやったことであって、裏文書があるとか何とか言っておりますが、裏文書もなんにも違ったものはない、そういう見解でございます。
もう一つ、農林省の方の立場から言いますと、確かに作成者といいますか、新品種をつくった人人を保護しなければなりませんが、これはまた農業の立場から言いますと、もし特許法によってこれが許可になりますと、製造段階ですべて特許料がかかる特許法の仕組みになりますと、農家のつくった物もすべて、農家の生産した物も、農家の食べた物も、農家が楽しんだ物も、農家が次の年に種として売っておった物も、すべて許諾料が取られると、こういう仕組みになります非常に微妙な問題でございます。
そこで、この問題を特許法でやるがいいか種苗法でやるがいいか、いろいろ議論のあるところではございますが、われわれとしては、種苗法でやることが農村のためを考え、また新種をつくられました方のことも考えて、一番しかるべきではないか、こういう判断もありまして特許庁と詰めましたが、理論上はあり得るし、やってできないことはない。特許庁もせっかく五十年にやる基準を決めて意欲的にやっているところですから、その座敷は侵すものではないけれども、われわれとしては、種苗法によってやることが農村のためにも、またこれをつくった人の権利保護の両面を考えていい方法である、こういうことでやったことであります。したがいまして、答弁でどうこうではありますが、まずまず新規性、進歩性からいってあり得ないし、むしろ、この座敷はわが農林省の方でやることが、農村を守る立場の農林省としては、期待を込めての気持ちもあってそういう発言をした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/5
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006・丸谷金保
○丸谷金保君 期待を込めてはいいですが、断定的に言っているんです。これはいま長々と答弁しましたけれども、私はそういうことでなくて、すでに出願されたものがあって、これは特許庁の長官と農林省の間でもってどういう合意メモがあっても、そのことにとらわれないで審査官が審査する権限を持っているんです。審査官の審査権限の中で、その合意メモは関係ないですよ。そういうものにとらわれないんです。とらわれるとしたら、特許法違反ですよ。特許法に対する重大な侵害になるんです。ですから、すでに出願されているもの十三件、しかもきのうの答弁では、いいですか、まだ審査してないと言っているんです。そうすると、これから審査するものについて、もうそんな特許になるものありませんと、大臣が言える何の資格があるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/6
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007・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 私が答弁したのは、そこで審査するのがおかしいとか、許可するのがいけないと言ったのではなくて、ないはずでありますという私の希望といいますか、観測を申し上げたので、あなたにしかられる理由は毛頭ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/7
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008・丸谷金保
○丸谷金保君 あなたは、希望や観測を言ったんじゃなくて、今後もないでしょうと言っているんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/8
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009・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) ないでしょうというのは、希望です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/9
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010・丸谷金保
○丸谷金保君 そうでないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/10
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011・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 見通しです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/11
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012・丸谷金保
○丸谷金保君 断定しているじゃないですか。
それでは、特許庁長官、これは明らかに、昨日から否定しておるように、あなたの権限でなくて、審査官の権限に属することですわね。そうすると、あなたが合意メモしたことが審査官を拘束しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/12
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013・熊谷善二
○政府委員(熊谷善二君) 審査官の審査に対する判断は、独立をもって行うわけでございます。その点は間違いございません。両省庁の間で打ち合わせをいたしまして合意メモをいたしましたが、これはお手元にお配りしておりますものそのままでございまして、いままでもいわゆる植物それ自体についての特許は実績がございません。で、今後につきましては、先ほど大臣からもお話ございましたように、植物についての特殊性という問題もあり、第二には、今回の農産種苗法に基づきます要件緩和されました要件での登録制が新しく創設されますれば、そちらの方で登録を受けるケースが多くなるであろうということもございまして、今後は、理論的にはあり得るといたしましても、実際はまれであろうという見通しを持って、私どもは、今後両法の運用を図ってまいるつもりで、このメモに合意したわけでございます。
これは、今後の問題につきましては、私どもとしては、審査は審査権に基づきまして行うわけでございまして、審査権を放棄するつもりではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/13
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014・丸谷金保
○丸谷金保君 大臣、あなたはその合意メモの抄訳を読み上げましたけれども、それは審査官は拘束できないんですよ。だから、農林省と特許庁長官の間でどんな合意メモをしても、現に審査官の手元でこれから審査をするという届け出のあるもの、これについては、ほかの人がこれは特許になるであろうとか、ならないであろうとかという希望的観測を言うことすらおかしくないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/14
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015・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) ですから、昨日申し上げましたように、特許庁の権限をいささかも侵しておりませんと。申請もできますし、審査官が審査できますし、審査官の独自でこれを許可することもできますと。ですから、秘密文書もありませんし、そういう権限を侵すようなことは書いてございません。書いてあっても拘束することができませんからと、はっきり申し上げたのです。
それから、いま申し上げましたように、私は審査官の権限を侵す資格は毛頭ありません。でありますから、ないでしょうという観測を申し上げてあなたにおしかりをこうむる理由は毛頭ありません。私の観測まであなたに拘束される理由は毛頭ないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/15
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016・丸谷金保
○丸谷金保君 非常に重要な位置にある大臣がないでしょうということを言いますと、特許を出願している人たちは非常に不安になるんですよ。その点については、お考えになりませんか。あなたがそういうことを言われて、私の観測だと、それで済む個人的な立場でない場所であなたはそういう答弁をしているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/16
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017・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 私は農村を守る大臣でございますから、農村は特許庁でやってもらうことを期待いたしておりません。したがって、ないことを期待して、農林大臣として期待を込めて申し上げたことは、先ほど答弁をしたとおりであって、私が期待を込めて希望的観測を持つことによって審査官が左右されるわけもありませんし、また、種苗業者がそれによって権利を侵害されるほど特許庁がおかしくなっておらないと私は信頼いたしておりますから、私がそういう観測を申し上げることについては、いささかも変更する意思はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/17
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018・丸谷金保
○丸谷金保君 合意メモの抄訳を読まれて、今後、特許庁の方でなくて農林省の方に来るから、特許庁の方ではこれからはないだろうというような希望的観測ということをおっしゃいましたけれども、長官、パリ条約の中で第一条の三項「工業所有権の語は、最も広義に解釈するものとし、本来の工業及び商業のみならず、農業及び採取産業の分野並びに製造した又は天然のすべての産品(例えば、ぶどう酒、穀物、たばこの葉、果実、家畜、鉱物、鉱水、ビール、花、穀粉)についても用いられる。」というふうにあります。この条約に日本は加盟しておるんでしょう。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/18
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019・熊谷善二
○政府委員(熊谷善二君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/19
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020・丸谷金保
○丸谷金保君 そうしますと、この条約に加盟していながら、いま農林大臣の言われたように、特許法に基づくところの問題もこれからは全部あれですか、その合意メモによってまず植物特許をすることはなくて——大臣がないでしょうと言われる。これは大臣が言ったんですから、国民はないだろうと思います。ないということになりますか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/20
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021・熊谷善二
○政府委員(熊谷善二君) 先ほど大臣もおっしゃっておられますように、特許庁の審査官の審査権を侵すものではないというふうにはっきりおっしゃっておられますように、私どもは審査に当たりましては、植物につきましても基準を設けまして審査をするという体制は引き続きとっていくわけでございまして、審査を行っていくことについては間違いございません。
ただ、植物それ自体の特殊性等がございますので、実際の見通しといたしましては、じゃんじゃん出てくるというふうなものではないであろうと、こういうふうな見通しは持っておりますが、これはしかし、実際の今後の行われます審査をそれによって拘束するものではございません。物それ自体の特殊性から、あとまた、先ほど申しましたように、今回新たに農産種苗法の一部改正がこういう形で成立をいたしますれば、そちらの方に多くの申請が参るわけでございますので、実際問題としてはほとんどまれということになるのではないかと、こういう見通しを持って両省今後運用していこうという申し合わせのものになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/21
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022・丸谷金保
○丸谷金保君 非常にあいまいな言葉で、実際問題としてはまれでしょうと、しかし、ないとは言っていませんね。あった場合には審査するんでしょう。そして、審査の結果は審査官の権限に属するから、長官はこれに口出しはしませんわね。そうすると、今後もないでしょうというふうな見通しを長官も持てますか、特許することはないでしょうというふうな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/22
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023・熊谷善二
○政府委員(熊谷善二君) 両省庁の合意メモにございますように、まれであるというふうに考えております。絶対ないということは、私どもの立場からは申し上げることはできないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/23
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024・丸谷金保
○丸谷金保君 あなたは、絶対ないということはないし、まれであってもあり得ることはあると。そうすると、農林大臣は今後もないでしょうと言っているんですよ。ないでしょうというのは、私の希望的観測だと大臣は言っています。しかし、日本語でもう一回読んでみますか。今後もないでしょう。これで特許庁の方はいいんですか。農林大臣がこう言っているんです。今後もないでしょうと言っているんです、希望的観測だと。そういう特許庁に出願されたものに対して、農林大臣が今後も特許になるものはないでしょうという希望的観測を下されて、あなたら黙っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/24
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025・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) ないでしょうというのは、日本語の話をよくあれしてもらえばいい。「ない」というのと、「ないでしょう」というのは大変違うのです。あり得るから「しょう」という言葉がつくのです、それは。「ないでしょう」というのは、あり得ることもあるから「しょう」と言うので、ない場合は「ない」のです。まれにあるという場合とないでしょうという場合は、日本語では同じことであって、絶対ないとは私は言ってないのですから、どうぞひとつ、その点は言葉じりにはとらわれないようにお願いを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/25
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026・丸谷金保
○丸谷金保君 外務省、訳できましたか。——ちょっと確認したいんですが、これは外務省の正式な訳文として受け取ってよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/26
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027・八木真幸
○説明員(八木真幸君) お答え申し上げます。
外務省は、本件に関しまして、正式な協議を本日現在まで受けておりません。したがいまして、外務省の内部におきましてたとえ仮訳といえども現段階において作成するということに関しましては、省内全体としての意思統一を待たなければ、私限りでは何とも申し上げられない次第でございますので、現在の段階では外務省限りの仮訳を提出することに関しては差し控えたいと、こう考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/27
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028・丸谷金保
○丸谷金保君 そうすると、日本国としてこれが条約の日本語に直した場合の決定版だというのは、要するに農林省なり特許庁から依頼を受けて正式の機関にかけてからでなければ決定できないと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/28
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029・八木真幸
○説明員(八木真幸君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/29
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030・丸谷金保
○丸谷金保君 大臣にお願いいたしますが、以上のようなことでございます。大変重要な条約上の訳文について、フランス語の本文で否定形になっておるのが、英訳から肯定形の形で日本訳に農林省は訳して、それを説明をいたしております。われわれやはりこういう問題を明らかにするためには、ひとつ農林省から今度加盟しようとするUPOVの条約の全文を——もっともそのことについては別に訳するところがあるのかもしれませんが、私たちはやはりそういう条約文は最終的には外務省が訳したのが最高の権威だと思いますので、依頼をして訳した上で、できるだけ早い機会にわれわれにも配付をしていただきたいと思いますが、それをお願いできましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/30
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031・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 国際条約でございますから、それをフランス語から、あるいは英語から取ることによって意味を違えておったら大変でございますから、慎重の上にも慎重に、何度も訳し直して一番正しいものをつくり上げ、そしてお配り申し上げたいと存じます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/31
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032・丸谷金保
○丸谷金保君 国際法の上で、異なった国の言葉の訳がそれぞれ違った表現にされた場合には、正本をもって正とするという決まりもございます。その点では、フランスの法律なり条約というのは、ローマ法の系統を引いておりまして非常にわかりやすいというか、間違いの余りないような形で書かれるので、大体条約文の正本というのはフランス語というのがおおむね常職になっております。英語の場合には、どちらかというとコモンローの系統ですから、どうしても常識的な日常の問題が中心になってきます。したがって、そういう点で、この条約についても正本はフランス語だということになっていますから、あっちこっち言わないで、こういうまぎらわしい場合には正本から翻訳をさせますと、お約束をひとついただきたいと思います。もう一度ひとつ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/32
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033・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 現在、訳しておりますのは、まだ正式に加盟するということを決めたわけでもありません段階で訳したものでありますから、もちろん正式に加盟するとすれば、その実態がどうであるかということは、正確の上にも正確を期さなければなりませんので、正文から正しく訳してこれに対処したいと、こう存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/33
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034・丸谷金保
○丸谷金保君 訳して対処しますということでございますが、これだけこの委員会で問題になったのですから、訳した段階でこの委員会に資料として提出していただくことをお願いいたしますが、お約束できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/34
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035・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) 結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/35
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036・丸谷金保
○丸谷金保君 昭和三十五年の以前には植物の育成方法についての特許権がなかったのですが、それでも現行種苗法の第十条には、育成方法についての特許権が規定されております。というのは、その先にできた種苗法には、将来特許法において方法特許が規定の中に入ってきたことを想定して、特許権について現行種苗法は規定を設けております。第十条、ちょっとごらんになってください。改正法案にもそれを受けて、育成方法についての特許権は、方法特許についての特許権は規定されております。それを受けております。そして、その後、方法特許については昭和三十年代に相当数出てきております。そして、この改正法の第十二条の五の第二項の第五号、ここに種苗法の特許の条文を受けた——これは提案理由の中でも、質問に対する答えにも出ておりますが、方法についての特許はここで受けております。しかし、物についての特許については、昭和五十年に特許庁がPRをするまで出ておりませんから、なかったわけです。
しかし、昭和五十年以降は、いまも十三件出ておるから出ておるわけです。ですから、本来なら当然予測されることです。前の種苗法にも、そのときにはなかった、それから十何年もなかった植物方法特許の規定が載っていたんですから、そして、今度それを受けて十二条の五で特許権についての調整規定が載っております。そうしますと、昭和五十年から物の方の特許を特許庁が受け付けているのに、なぜ物の特許についての調整規定をここに載せないのか。これからはもう特許はないだろうと、いみじくも大臣がそういうふうな、ないでしょうという願望を込めた答弁だと言っておりますが、これは特許権の方ではあり得るんです。可能性はあるんですから、そういう可能性がある場合には、前には入れておいてそれをこっちへ持ってきたんだという答弁をしている以上、今度はそういう可能性が出てきたら、ここにはそれを入れておかなければ法の不備になりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/36
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037・小島和義
○説明員(小島和義君) 御指摘のありました改正は、昭和三十四年の特許法の全面改正に伴いまして、育成方法の特許との間の調整規定ということでその時点で挿入を見たものございます。その時点におきましても、今日の時点におきましても、特許法の法律自体の構成というのは大きく変わっていないわけでございますが、当時におきましても方法特許とのかち合いというものはあり得るという想定をいたしておりましたが、物の特許との重複ということは事実上あり得ないという想定で、物の特許についての調整規定を置いてなかったものでございますから、今後、その部分につきましての法律自体が特許法の世界におきましても何ら変わっていないという状態のもとにおきましては、あえて法律上には調整規定を置く必要はない、こういうふうに判断をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/37
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038・丸谷金保
○丸谷金保君 パリ条約にも明らかなとおり、それから特許庁が植物特許を引き受けておるそういう状況から見ても、ないということはあり得ないんです。長官も言っているんですから、これはあなたたちが何ぼないないと言っても、長官はあり得る場合もあると言っているんですから、あなたたちがないと言うことはちょっと越権だと思うんですよ。長官がないと言い切るならいいけれども、長官の方は、ある場合もあると言っているんです。そういう場合を想定したら、法律というのはそういう予測されるべき調整規定というのは入れておかなければならない。前にもあったように今度はそれもあり得るんだから、すでに十三件出ているんだから、当然ここには入れておかなければならないんじゃないですか。もしもそういう問題が出てきたときに、法の不備になりますよ。ということは、いまはないからないだろうというような時代じゃないんです。
たとえば、民法を制定したときに、相続の場合に同時死亡の規定なんというのはなくてもよかったんです、民法三十二条の。そんなことはあり得ないだろうと、相続の場合の同時死亡なんて。同じ時間の同じときに承継相続人二人が一緒に死ぬということはあり得ないけれども、もしあったら困るといって民法に入っているんです。それが、この前の飛行機事故であったんです。それで、七十年ぶりに法律が生きたんですよ。法律というものはそういうものなんです。いいですか。そうすれば、一方の決定する権限を持つ特許庁の長官が、ある場合もあると言っているのに、この法律にその分野調整の規定が入っていないということは、明らかな法の不備なんです。これはひとつ速やかに入れる方向で検討していただかなければならぬと思いますが、この点について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/38
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039・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、久次米健太郎君が委員を辞任され、その補欠として増田盛君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/39
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040・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) この問題もなかなかむずかしい問題でございまして、特許の方とこっちの方とどっちを優先するかということのようでございますが、私専門的によくわかりませんが、その場合、特許の方を優先すればこれは育成者が喜ぶでありましょうが、先ほども指摘申し上げたように、農村の方が非常に迷惑をこうむることになるわけで、生産された人はみんな許諾料をとられるということになってまいりますし、その辺のところをどっちを優先するかは、今後慎重にいろんな条件を研究しながらどう対処していくかはこれからの大きな課題であると、こういうことだろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/40
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041・丸谷金保
○丸谷金保君 ちょっと大臣は全然質問に答えてないんで、農村のことはよくわかるんです。そのことを言っているんじゃなくて、特許庁の長官は、特許出願があった場合には審査権限のある審査官が審査して特許する場合もあり得ると言っているんだ。それが農村のためにいいとか悪いとかの問題を私質問しているんじゃないんで、あり得ると言っているんです。そうすると、法律の体系としてその調整規定を入れておかなければ法の不備になりますよ。民法の場合に、七十年ぶりに予測が生きた場合もあるんですから。これは明らかに不備なんです。これは事務局で答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/41
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042・小島和義
○説明員(小島和義君) 確かに、調整規定の書き方としては二通りあり得るわけでございます。一つは、御承知のように、いまの方法特許のように物の特許を得た者がある場合には、その人については新品種保護の登録の効果は及ばないといういまの方法特許のようなかっこうの調整規定が一つと、逆に植物の新品種それ自体につきましては物の特許は適用しないという調整規定と、両方の書き方があり得るわけでございます。どちらの調整規定を選ぶべきかということについては、長い間時間をかけまして特許庁とずいぶん議論をしたところでございます。確かに理論的には、そういう重複というものがあり得るということを全く否定するものではございませんが、事実上の問題として、そういう重複が起こり得るということも余りありそうもないことでありますし、また、従来の農産種苗法とこの特許法との関係においても、そういう調整規定を置いてないという従来の法体系もございますから、それを踏襲いたしまして、こういう形に整理をいたしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/42
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043・丸谷金保
○丸谷金保君 そうすると、法の不備は認めるんですか、法の体系として。法制局、来ていますか。——法制局、これでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/43
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044・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。
ただいま丸谷委員から御質問のございました特許法と今度の農産種苗法を改正されました改正後の法律との関係でございますが、先ほど丸谷委員の方からお読み上げになりましたように、第十二条の五第二項第五号には、「登録品種の育成をする方法についての特許権を有する者」云々ということで、特許法上の方法特許とこちらの品種登録との調整の規定はございます。
ところで、われわれの方で審査をしました際に考えましたことは、先ほど来農林大臣あるいは特許庁長官の方から答弁いたしましたように、実際に物の特許、植物それ自身の特許が行われることは実態からいってきわめてまれであろうという、その点はそういうふうに御答弁したはずでありますが、まれであろうという前提のもとに法案をつくったわけでございまして、そういう点から考えますと、この法律で方法特許についてさえこのような調整規定を明文では置いているところから言いますと、いわゆる法律解釈上のもちろん解釈と申しますか、より保護をすべきものと申しますか、物の特許が行われた際には、その物の特許についてこれと同じような意味で、植物体の全部又は一部を生産する場合には、十二条の五の二項の五号に準じて外れるという解釈をとることが妥当であろうということにすれば、先ほど農林大臣から答弁いたしましたように、農業生産それ自身に対する影響だけは外れるというような解釈をとれるだろうということを、同法で考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/44
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045・丸谷金保
○丸谷金保君 ちょっとなかなか問題が多くて大変なんだけれども、法制局に伺いますが、まれだろう、しかし、同時死亡のようにまれなこと、もう本当に七十年間そのころは考えつかなかったけれど、ひょっとしてあるかもしらぬということを全部想定してつくるのが法律でしょう。まして種苗法というのは、前の種苗法に方法特許の調整規定があった。いいですか。しかし、そのときには——いまは、十三件物の特許が出願されているでしょう。二十年代には、植物の方法特許の出願が一件もなかったのですよ。
そのときですら、方法特許の規定をなぜ入れたのです、それじゃ。まれどころか、そのころには出願もなかったやつさえも入れているのに、今度は出願が十三件あって、特許庁長官は許可することを認めることはあり得ると言っているのですよ。そしてあなたも、まれだけれどもあるかもしらぬと思っているのでしょう。そして前には、全然なかったときにでさえも入れているのです。いいですか。方法特許が現実の問題になってきたのは、昭和三十年代なんです、昭和三十五、六年。資料もありますけれども、一々読み上げません。そうするとあなた、法制局としてそれでいいのですか。問題が起きてきたらどうするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/45
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046・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。
ただいまの民法の三十二条の二でございますが、同時死亡の推定については、民法制定時ではなくて昭和三十七年に追加されたというふうに私理解しておりますのですが、これは問題自身が違いますので。
ただいまの農産種苗法の改正自体について申し上げますと、農産種苗法の改正につきましては、先ほども御答弁いたしましたとおり、実態がきわめてまれであるということであることと、なお重ねまして小島審議官からも答弁いたしましたように、まるまる適用除外するというようなことが、農業政策と、いわば工業所有権と申しますか、工業所有権関係の政策との調整がかえってむずかしくなるというような政策的な配慮もいたしました上で、先ほど申し上げましたように、解釈上方法特許についてさえこの規定があることであるから、物の特許については、当然この規定に準じて考えることが可能であるという調整の仕方をすることが一番現実的であろうという考え方をとったわけでございまして、なお、今後農産種苗法の改正が施行されまして、先ほど来お話のありますように、条約加盟その他いろいろ具体的な問題が出てきました際に、法律改正の必要があるということになりました場合には、どのような調整をするかということ、政策的な配属も十分聞きました上、制度として弁理的な方法をとるということを考えたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/46
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047・丸谷金保
○丸谷金保君 そうすると、さしあたってはもちろん解釈でいくということに理解してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/47
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048・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/48
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049・丸谷金保
○丸谷金保君 非常にもう予測できないような学問の進歩によって、そういう想定され得るものを先に入れておかないと大変なことも起こる危険性が私あると思うのです。これはつい最近の六月十二日の毎日新聞の中で、大腸菌の遺伝子を操作してインシュリンを大量に生産する、これは糖尿病の薬です。世の中こういう時代になって、遺伝子さえも変えていくというのですよ。そうすると、植物の特許なり、それから植物の品種の改良なりというものも、メンデルの法則でなくて、遺伝子を変えて行えるような時代にいまや突入しようとしているのです。
そのときに予測される問題を、現状ではそれは十三件だし、ないだろうと言っていても、そんな時代じゃないことがすぐもう目の前まで来ているのです、この十二日の新聞見ても。そのときにもちろん解釈でいくという苦しまぎれの御答弁、まあいいでしょう。しかし、あなた自身の良心の中で、これはやっぱり入れておけばよかったなときっと思っているのだと私思いますけれども、こういう時代になっているということ。
そうしますと、想定されないことでさえどんどん起こってくる時代なんだから、予測されることがあれば、やはりそれは法令の中へきちんと入れておかなきゃいけないんじゃないですか。法制局の態度としてどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/49
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050・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。
ただいま御指摘ございました遺伝子の改変その他につきましては、技術進歩の先端的な問題かと思いますので、そういう問題を含めて検討するということが適当かどうか。法制局はしばしばきわめて保守的だという御批判を受けるわけでございますが、法律制度として実際に実施をいたします際には、一番先端的な事実あるいは一件、二件あるかもしれないということを考慮して法律を立案するよりも、むしろ大部分の事態に対処し得るような法制をつくることが合理的であろうということと、それからなお先ほどもちょっと御答弁いたしましたように、ある法制をつくることによって、それ以外のところにきわめて影響が大きく出てくるということを考慮いたしました際には、その影響の出方についてはっきりした見通しのないうちに法律制度とすることについてはできるだけ保守的と申しますか、消極的な態度をとらざるを得ないというのが、従来の法制局の考え方でございますので、丸谷委員の御指摘は十分当方としても考える必要があるとは思いますが、いま現在そうしなければならないということは、当方、現在の段階では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/50
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051・丸谷金保
○丸谷金保君 そんなことを言うと、私はやっぱりこの問題最高裁まで争わなきゃならなくなる、あなたのところでいまのところこれでいいと言うなら。たとえば選挙法を改正したときに、法制局が改正し忘れて、在宅投票ができなくなった人がいるでしょう、この間。北海道で起きたことなんです。そして、これに対して判例は、この選挙法は憲法違反であると。しかし、被告の請求は却下する。なぜならば、損害賠償の請求をしたけれども、損害の額の判定ができないから損害賠償の請求は却下するけれども、法令自体は憲法違反だと。したがって、こういうものを決定した国会に対しては厳重注意をするということで、国会が最高裁から注意されている事実を知っているでしょう。あなた方覚えているでしょう。あなたたちの言うとおりに改正したやつが、やっぱり間違ってたって最高裁でやられて、しかもあなたたちがやられるのじゃないんだ。そのときにやられるのは、議決したわれわれがやられるんだ。
そうすると、これだって、そういう事態が起きたときに争いになって、明定規定がないと、そういう問題が起きてから入れますじゃ、在宅投票のこういう問題と同じで、やはり問題が起きてくるんです。ですから、これはやはり不備だと、不備だからできるだけ早く直させるように努力するくらいのことが言えないの。そうじゃなかったら、この問題をあんたとやらなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/51
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052・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。
事実が起きて、問題が起きてから改正を考えるということは私も申し上げたつもりございませんので、もしそういうふうにお取りになりましたら、私の答弁の仕方が悪かったということでおわびいたしますが、いま御指摘の点も考慮に入れまして、法律はもちろん改正すべきものはできるだけ早い機会に改正する必要があると思いますので、いまのような問題を検討しました上で、改正する必要があるという判断を原省がいたしました際には、当方もその旨を丸谷委員御指摘の点も考慮に入れて検討したいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/52
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053・丸谷金保
○丸谷金保君 それは、そうするとあれですか、原局が判断しなければ法制局としては意見を言わないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/53
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054・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。
一昨昨日、私の方から御答弁いたしましたように、法制局は自分みずから法律案の立案ということをするたてまえをとっておりませんので、ただいま申し上げましたように、原名、この法律で言いましたらば農林省の方からそのような案が来ました際に、審査の際、いま丸谷委員御指摘の点も十分考慮に入れ検討いたしたいというふうに申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/54
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055・丸谷金保
○丸谷金保君 そうすると、委員会において委員が指摘したことは法制局の検討の対象にならぬということですか、原局からでなければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/55
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056・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。
国会は国権の最高機関でございますから、当然考慮しなければなりませんが、委員会で委員が御指摘になりましたことをすぐ法律改正案という形で……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/56
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057・丸谷金保
○丸谷金保君 いや、そんなことを言っているわけではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/57
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058・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) 政府側が準備するということは、いままでのしきたりとは違うのではなかろうかということを申し上げただけでございまして、別に異論を唱えたわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/58
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059・丸谷金保
○丸谷金保君 そうすりかえてしまったら困るんで、こういう論議がなされたということで検討の対象にならないかと言っているんで、法律案として改正せいとかなんとか言っているんじゃないんだよ。どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/59
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060・別府正夫
○政府委員(別府正夫君) 十分検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/60
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061・丸谷金保
○丸谷金保君 それを早く言ってくれればいい。一分で済むやつを、あんたたちがそういう持って回った答弁するから時間が延びるんだよ。われわれやっぱり責任があるんだよ、これを議決したら。だから、問題点をはっきりしてとっておかなければ、憲法違反わからないでやってしまって、最高裁から国会何だと言っておしかりを受けることになるんです、みんなが。いいですか。だから、やっぱりそういうつもりでまじめに——まあまじめにやっているんだろうけれども、ちゃんと質問に答えてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/61
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062・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) ちょっとそれについて、大事なところですから。
これは大事なところでして、法制局が検討すると言われても、まれにあり得ると言ったって、まずまず想像できないことなんですね。同じものを二人の人が発見して、そして特許庁に一方は出したと、一方は種苗法に基づいて登録をお願いしたと。そうしたところが、同時に両方許可になっちゃって、どっちが先になるかという御指摘だろうと思う。大体特許の方ではまれにしかないと、まずないでしょうという。しかも、種苗法のそういうものと特許庁で扱うようなものが、同時にできて同時期に許可になったと。どっちを優先するのかと。そのときのことまで心配しておけと。そして、どっちが優先するのだ、けんけんがくがくやれなんと言われても、私どもはとてもとても、それほどあり得ないようなもの、もう全くこれはないでしょう、まず。そういうものについてまで検討しろ検討しろといって時間をかけられても、私どもとしては検討する気持ちは毛頭持っていないことを、はっきり申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/62
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063・丸谷金保
○丸谷金保君 それ、何か予想答弁か何かでやったのだろうと思うんだけれども、私のいま聞いているのはそんなことを聞いているのじゃないんです。現に十三件出ているんだから、そしてそれについて特許庁長官は、特許することがあり得ると言っているんですから、いま言ったように、何十年後に起きるか起きないかの問題を対象にして私いま質問しているのじゃないんです。想定質問集でもっていま答弁なさったんだろうけれども、私はそんなこと何も質問していませんよ。特許庁の長官の答弁を中心にして法制局に聞いているんで、現に十三件あるんだから。これからも、両方に同時でなくて、特許庁だけに申請だってできるんですよ。そして、これは要件を備えれば特許庁としては種苗法に関係なく特許しなきゃならないんですよ、植物特許もまだ生きているんですから。そんな同時出願、同時許可、そういう問題を私質問しているんじゃないのに、大臣、あなたそれを……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/63
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064・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) それを、許可したものを私たちはそれを否定してないんです。同時許可といって、種苗法で向こうに十三件出ているんなら、こっちにも同じものが出ておって、同じに許可になった場合はどうするか、どっちが優先するかという御質問だから、そう向こうの十三件の中でも許可になるものはないだろうし、ましてや、それに見合ってこっちも許可になるものが一致してあり得ることはまずまずないという認識で申し上げたのであって、十三の中のものを、あり得たものについてこっちがクレームをつけるなんということを言っているのじゃなくて、それはあり得ることかもしれないし、ないでしょうということも言える。そっちのことを否定しているのじゃなくて、同時になった場合どうするかと言うから、十三のことでもないでしょうから、同時になることはまずまずないでしょう。そのことにどうしろこうしろと言われてもちょっと困りますと、こういうことを申し上げているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/64
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065・丸谷金保
○丸谷金保君 あなた、同時、同時と言うけれども、私、同時になった場合どうするなんという質問は一遍もしてないんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/65
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066・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) さっき同時死亡とか、同時死亡と言ったでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/66
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067・丸谷金保
○丸谷金保君 だから、同時死亡と言っただけで、同時許可なんてこと何も言っていませんよ。同時死亡と言ったの。そういう事実があるんだから、民法の規定による。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/67
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068・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) それは大事なところですから。向こうの、じゃ許可になったことについて、こっちがどういうことが不備だと言うのですか。同時になったから問題があるのでしょう。それに備えなさいという質問じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/68
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069・丸谷金保
○丸谷金保君 違うんです。そうでない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/69
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070・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) じゃ、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/70
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071・丸谷金保
○丸谷金保君 特許庁の長官は、いま十三件になっていてまだ審査してないと、これは絶対にならないとは言い得ないんです。いいですか。それから、これからも出てくる可能性はあるんです。そうすると、これも絶対ということは言えないから、もしかしたらあるかもしらぬと言っているんですよ。それは種苗法の方に出さないで、特許庁の方にだけ出したっていいんですから。そうしますと、これらの法律とは別に、ここにあるように特許権を有するものが出てくるんですよ、これからも。ですから、それを考えているから、方法特許をここに入れているんですよ。方法特許と同時に物の特許も入れなければ不備ですよということを、私法制局に聞いているんで、法制局は当分もちろん解釈でいくと言うから、もちろん解釈でいくということになれば、やはりそれはできるだけ速やかに検討しなきゃならないでしょうと言ったら、検討すると言っているんです。だから、それで済んでいる話なんです。これはよく後で御研究いただけば、そういうことについてはあり得る。
それから、もう一つ申し上げておきますが、不備なんですよ、これはそういう点で。あんたらいろいろ言うけれど、頭の中じゃもうわかっているでしょう、しまったというような顔をして。
それから、きのうのやはり同じような答弁の中で大臣が、百本買ってその百本しか売れないんだからふえることないと、こういう答弁をしております。しかし、この法律は、種苗として買い受けた者が有償で譲渡した場合の規定なんです。もちろん、ですから無償はいいですわね、無償は。それと同時に、一本買って、それで売らないで自分のところでふやすやつはいいんです、この規定ですと。自分のところでふやすやつを譲渡しないで貸したら、何万本でもふえるというざる法なんです。そのことを私たちは心配しているんです。したがって、十二条の五の第二項第八号については、そういうような問題もありますので乱用されるおそれがある、これでは育成者の権利が守れない結果となるのでないかということを心配しておりますので、この点についての大臣の明確な御答弁をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/71
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072・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) この点につきましては、いろいろ御指摘もありましたので、今後誠意を持って、そういったことの起こらないように速やかに検討いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/72
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073・丸谷金保
○丸谷金保君 そういうふうにさっと言ってくれれば、これでもうきょう傍聴している育成者の人たちは一安心するんですよ。みんなほっとした顔をしています。
私の質問は、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/73
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074・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/74
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075・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
農産種苗法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/75
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076・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
川村君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/76
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077・川村清一
○川村清一君 私は、ただいま可決されました農産種苗法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
農産種苗法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、農林水産業の基礎的な資材である種苗の適正かつ円滑な生産流通を図り、優良な種苗の供給を確保するため、本制度の実施等にあたつては、農政諸施策との関連を考慮しつつ、育種の振興と種苗の品質向上が期せられるよう、実効ある措置を講ずることとし、次の事項の実現に努めるべきである。
一、農業生産等の多様化に対応し、種苗の円滑な国際交流を進めるため、すみやかに国内の体制を確立し、植物新品種保護条約への加盟実現に努力すること。
二、農業等の生産増強のためには品種の優秀性が重要であることにかんがみ、制度改正後の運用においてもその趣旨を徹底せしめるとともに、品種の特性等に着目して、必要に応じ優秀な新品種の開発。育成及び普及奨励のための措置を積極的に講ずること。
三、育種の振興等に資する観点から、新品種の保護については、品種登録の要件、品種登録の効力等制度内容に即し、適切かつ公正な運用を図るとともに、育成者の保護の強化に伴い、許諾料及び種苗費が不当に値上がりすることがないよう指導すること。
四、品種登録有効期間の長期化に伴い、登録品種の特性の保持の検証に必要な登録品種の種苗等の提出及び調査、品種登録の取消し制度の適正な運用を図ること。
五、国等が行う公共育種については、農作物等の種類の実態を踏まえ、品種改良に関する試験研究体制の整備充実、予算の確保を図り、さらに新品種育成者に対し報奨等による優遇措置を講ずること。
六、本制度が民間育種の振興に寄与する役割の重要性を十分に評価し、個人の育種を助長するよう配慮するとともに、職務育成品種の出頭、登録については、従業者等の地位が不当に侵害されないための指導に努めること。
七、無性繁殖等の新品種については、品種登録者の許諾が行われずに増殖譲渡されることがないよう、品種登録の効果の適正な確保・運用に努めること。
八、出願品種の審査については、合理的な審査基準の設定を行い、実情に即応し、正当にして迅速な審査・登録の実施がなされるよう、早急な業務執行体制の整備、予算措置を講ずること。
また、農業資材審議会の適正な運営を確保するため、その委員構成等について十分配慮すること。
九、種苗の流通の適正化を図るため、指定種苗の表示の励行及び種苗検査の厳正な実施、並びに種苗業者等が遵守すべき基準の適用及び勧告・公表の適正な運営を確保すること。
また、優良な種苗の生産を図るため、願種及び採種事業の育成整備に努めること。
右決議する。
以上でございます。
委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/77
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078・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいま川村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/78
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079・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 全会一致と認めます。よって、川村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、中川農林大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川農林大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/79
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080・中川一郎
○国務大臣(中川一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/80
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081・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/81
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082・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします
午後二時再開することとし、休憩いたします。
午後零時十九分休憩
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午後二時二十六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/82
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083・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
これより請願の審査を行います。
第四七号農畜産物の輸入抑制等に関する請願外五百八十三件を議題といたします。
理事会におきまして協議いたしました結果について、専門員から簡単に報告をいたさせます。竹中専門員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/83
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084・竹中譲
○専門員(竹中譲君) 御報告申し上げます。
採択になりました番号だけを申し上げます。ですから、その他は保留でございます。
第四七号、第一〇五号、第二一八号、第二五七号、第二五八号、それからずっと飛びまして、真ん中辺でございますが第一八〇五号、第一八〇六号、それからちょっと飛びまして第二一二八号、その次は一つ飛びまして第三三五〇号、二つ飛びまして第三四五四号、それから一番最後の第四一四一号、一枚めくっていただきまして、これも四つ飛びまして五つ目でございますが第四五三三号、三つ飛びまして第四八八九号、その隣の第四八九〇号、二つ飛びまして第四八九三号、その隣の第四八九四号、その隣の第五二七七号、その隣の第五四八七号、一つ飛びまして第六八一八号、一つ飛びまして第六八二〇号。
当委員会に付託されました請願は全部で五百八十四件、項目といたしましては四十九項目でございます。ただいま読み上げましたのは、そのうち二十項目、三十六件でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/84
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085・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) それでは、理事会で協議いたしましたとおり、農畜産物の輸入抑制等に関する請願外三十五件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、米の需給均衡化対策に関する請願外五百四十七件は、保留と決定することに……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/85
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086・原田立
○原田立君 委員長、宣言する前に、ちょっと意見があるんですけれど、いいですか。——二枚目の、四五五八号の釣り人課新設に関する請願というのが不採択になっておりますけれども、これは、ぜひ採択でお願いしたいと思うんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/86
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087・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) それでは、ただいま原田委員から御発言の件でございますけれども、専門員をして説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/87
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088・竹中譲
○専門員(竹中譲君) 御報告を申し上げます。
理事会で、実は大分御議論が出た問題でございます。実は、賛否両論ございました。結局、保留になりました理由は、釣り人課を水産庁に設けていいのか、文部省に設けていいのかという問題もあるし、それから何よりも、釣り人課というようなものを設けるのであれば、その他の水産行政についていろいろ重要な問題があるのでほかの課を設ける方が妥当である、そういう御意見が大勢を占めまして、その結果、保留になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/88
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089・原田立
○原田立君 どうも、いまの専門員の説明では理解しがたいです。それで、ぜひお取り上げ願いたいと思うんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/89
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090・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいま原田君の御意見でございますが、いかがいたしましょうか。——実は、慣例から言っても、全会一致でないと理事会は採択をいたしておりませんので、一部反対がありましたので保留になっておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/90
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091・吉田正雄
○吉田正雄君 せっかくそういう意見が提供されましたから、再度理事会を開いて協議されたらどうですか。この場でわあわあやるのじゃなくて、もう一回理事会を開かれて、そして提案者の方からも説明を受けて、再度議論をされたらいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/91
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092・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/92
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093・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) それでは速記を起こしてください。
暫時休憩いたします。
午後二時三十五分休憩
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午後三時四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/93
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094・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、請願の審査を行います。
第四十七号農畜産物の輸入抑制等に関する請願外五百八十三件を議題といたします。
理事会で再度協議いたしました結果、農畜産物の輸入抑制等に関する請願外三十五件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、米の需給均衡化対策に関する請願外五百四十七件は、保留とすることに意見が一致しました。
以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/94
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095・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/95
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096・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/96
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097・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/97
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098・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/98
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099・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/99
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100・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/100
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101・鈴木省吾
○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415007X02319780616/101
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