1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十三年三月一日(水曜日)
午後零時三分開議
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○議事日程 第八号
昭和五十三年三月一日
正午開議
第一 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、新議員の紹介
一、永年在職議員表彰の件
一、原子力衛星の規制に関する決議案(木村睦
男君外八名発議)(委員会審査省略要求事件)
以下 議事日程のとおり
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001・安井謙
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
議席第六十二番、地方選出議員、和歌山県選出、前田勲男君。
〔前田勲男君起立、拍手〕
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002・安井謙
○議長(安井謙君) 議長は、本院規則第三十条により、前田勲男君を逓信委員に指名いたします。
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003・安井謙
○議長(安井謙君) この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
議員秋山長造君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
つきましては、院議をもって同君の永年の功労を表彰することとし、その表彰文は議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/3
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004・安井謙
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
議長において起草いたしました表彰文を朗読いたします。
〔秋山長造君起立〕
議員秋山長造君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもつて表彰します
〔拍手〕
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表彰状の贈呈方は、議長において取り計らいます。
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005・安井謙
○議長(安井謙君) 徳永正利君から発言を求められております。発言を許します。徳永正利君。
〔徳永正利君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/5
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006・徳永正利
○徳永正利君 私は、本院議員を代表いたしまして、ただいま永年在職のゆえをもって表彰されました秋山長造君に対し、一言お祝いの言葉を申し上げます。
秋山長造君は、昭和二十八年第三回参議院通常選挙に当選され、自来今日まで二十五年の長きにわたり、本院議員として御活躍をされました。一口に二十五年と申しましても、戦後間もなくから今日まで、政治、経済、社会、国際関係など幾多の変遷を顧みますとき、この四半世紀の間には、容易に語り尽くせない風雪の歴史があります。その激流の中にあって、五回に及ぶ通常選挙と、さらに知事選挙に出馬のため一たん議員を辞任され、再び補欠選挙で返り咲かれるなど、厳しい選挙を戦い抜かれ、国会議員として長年在職されました歳月の重みは、秋山君御自身がひしひしと、かみしめておられることと思います。
この間、同君は、文教委員長、科学技術振興対策特別委員長、災害対策特別委員長を歴任され、一方、党内におかれましては、日本社会党の政策審議会副会長、国会対策副委員長などを歴任、現在、参議院議員会長の要職にあります。このように、同君は、すぐれた豊かな人格と識見により、わが国民主政治の発展と本院の使命達成のために指導的役割りを果たしてこられたのであります。
ここに、われわれ一同は、同君の二十五年にわたる御功績に対し深甚なる敬意を表しますとともに、本日栄誉ある表彰を受けられましたことにつきまして心からの祝意を表する次第であります。
現下わが国内外の諸情勢はまことに多事多難であり、本院に対する国民の期待もまた大なるものがあります。どうか、秋山君におかれましては、健康に留意され、今後とも本院の使命達成と議会民主政治の発展のために一層の御尽力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
簡単でございますが、お祝いの言葉といたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/6
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007・安井謙
○議長(安井謙君) ただいま表彰を受けられました秋山長造君から発言を求められております。発言を許します。秋山長造君。
〔秋山長造君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/7
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008・秋山長造
○秋山長造君 ただいまは院議をもって御表彰をいただき、また、身に余る御祝辞を賜りまして、まことにありがとうございました。皆様の温かき御厚情に対しまして、謹んで心の底から厚く厚くお礼を申し上げる次第でございます。(拍手)
昭和二十八年春、最年少議員の一人として本院に出てまいりましてから六十歳の今日まで、この二十五年間にはずいぶんいろいろなことがございました。まさに激動の四半世紀と言えるかもしれません。しかしまた、長い歴史の上から見ますれば、ほんの一瞬間、あっと言う間に過ぎ去ったことのような気もいたします。いずれにいたしましても、この際いたずらに、過去の思い出をなつかしみますよりも、将来に向かってさらに前進をいたさなければなりません。いわんや、内外情勢のきわめて重大な今日のことでございます。はなはだ微力かつ不敏、不明の身ではございますが、初心に返り、決意を新たにして、国家国民のため、また議会政治発展のため、皆様の驥尾に付して、さらに全力を尽くしたいと存じます。
どうぞ、この上とも変わらざる御交誼、御指導を賜りますように心からお願いを申し上げまして、簡単ながら、ごあいさつといたします。
本当にありがとうございました。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/8
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009・安井謙
○議長(安井謙君) この際、お諮りいたします。
木村睦男君外八名発議に係る原子力衛星の規制に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/9
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010・安井謙
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、本決議案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。木村睦男君。
〔木村睦男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/10
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011・木村睦男
○木村睦男君 ただいま議題となりました、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の共同提案に係る原子力衛星の規制に関する決議案について、発議者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
原子力衛星の規制に関する決議案
ソ連の原子炉積載コスモス衛星が、去る一月二十四日カナダ北部に墜落し、我が国民に強い衝撃を与えた。この事件は、あらためて、宇宙の軍事利用競争の防止と、すべての人工衛星の安全管理に、万全を期せざる限り、人類の生存と世界の平和にとつて、きわめて重大な脅威となり得ることを明らかにした。かかる事故の再発により、人類が放射能汚染の被害を蒙ることは、あらゆる手段により防止されなければならない。
よつて、政府は速やかに関係諸国と協議し、次の措置を講ずべきである。
一、原子力衛星に関しては、新たな打上げ禁止の検討を含め、安全確保に万全を期するため、厳しい規制措置が国際的に講ぜられるようはかる。
二、周回中の原子力衛星に関する資料の公表を国際的に働きかけるとともに、その監視及び安全確保を目的とする国際協力体制の強化をはかる。
三、宇宙関係三条約を我が国が速やかに批准するようその準備を促進する。
右決議する。
以上であります。
次に、決議案の趣旨について申し上げます。
宇宙条約にもうたわれておりますように、宇宙空間は、すべての国が、いかなる種類の差別もなく、平等かつ国際法に従って自由に探査し、利用することができるものではありますが、同時に、その探査、利用活動は、国際の平和と安全の維持のためになされなければならないものであります。
しかるに、宇宙空間での最近における米ソの衛星打ち上げ競争はますます激しさを増しつつあり、それにつれて、平和利用と軍事利用との境界がきわめてあいまいとなってきており、また、宇宙空間での原子力の使用も増大してきております。
こうした状況の中で、去る一月二十四日には、ソ連の原子力衛星が落下し、人類を放射能汚染の恐怖に陥れたのであります。
今回の落下事件で明らかになりましたように、原子力衛星には落下するおそれがあり、その結果人間環境が著しく汚染される危険があることについて、われわれは強い懸念を表明せざるを得ないのであります。したがって、今日、まず何よりも重要なことは、人類が原子力衛星によって放射能汚染の被害を受けることがないよう、あらゆる手段を講じなければならないことであります。そのためには、あらゆる原子力衛星に対し、新たな打ち上げ禁止の検討を含めた厳しい規制措置を速やかに講ずることが緊要であります。
政府は、本決議案の趣旨を体し、関係国と協議の上、適切な国際的措置が講ぜられるよう最善の努力を払うべきであり、唯一の被爆国であるわが国には、その責務があると思うのであります。
以上が本決議案の趣旨でありますが、何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/11
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012・安井謙
○議長(安井謙君) これより本案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/12
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013・安井謙
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
ただいまの決議に対し、外務大臣から発言を求められました。園田外務大臣。
〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/13
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014・園田直
○国務大臣(園田直君) 原子力衛星の規制に関する決議に対しまして、政府の所信を申し述べます。
政府といたしましては、ただいま採択されました本決議の趣旨を体し、原子力衛星に関し、わが国民、ひいては全人類の安全確保に万全を期するため、引き続き関係各国とも協議しつつ、実効ある施策を講ずるよう最大限の努力をいたす所存であります。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/14
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015・安井謙
○議長(安井謙君) 日程第一 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長嶋崎均君。
〔嶋崎均君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/15
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016・嶋崎均
○嶋崎均君 ただいま議題となりました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
本案は、最近における内外の経済情勢の変化に対応し、関税率等について所要の改正を行おうとするものであります。
その第一は、東京ラウンドの妥結促進等に資するため、いわゆる関税の前倒し引き下げとして、乗用自動車等百二十四品目について関税率の引き下げを行うこととし、同時に、この引き下げ措置により不測の影響が出た場合には、政令で貨物を指定し、この引き下げ措置を停止することができることとしております。
なお、これらの改正事項の施行期日は、他の改正事項に先立ち、改正法の公布の日から施行することとしております。
第二は、原重油関税の改正であります。
政府が別途提案しております石油税法案により石油税を創設することに伴い、原油関税についてその税率を現行の一キロリットル当たり七百五十円から六百四十円に引き下げることとし、重油関税等についても所要の改正を行うこととしております。
第三は、最近における産業の状況等を勘案して、麦芽、アルミニウムの関税割り当て制度について所要の調整を行うほか、鉛の塊について、その無税点の引き上げを図ることとしております。
第四は、昭和五十三年三月三十一日に期限の到来する大豆等七百六十六品目の暫定税率の適用期限を一年間延長するとともに、給食用脱脂粉乳の免税等、各種の減免税制度について、その適用期限をさらに三年間延長する等、所要の改正を行うこととしております。
以上のほか、入国者が携帯輸入するアルコール飲料に対する簡易税率表についても、所要の改正を行うこととしております。
また、品目分類の国際的基準が改正されたことに伴い、関税率表についても所要の調整を行うこととしております。
委員会におきましては、関税前倒し引き下げの効果と諸外国の評価、東京ラウンドの交渉妥結の見通し、原重油関税に対する政府の考え方、開発原油の引き取りの現状と対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/16
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017・安井謙
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/17
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018・安井謙
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/108415254X00819780301/18
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