1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和五十七年十二月二十八日)(
火曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
委員長 青木 正久君
理事 石橋 一弥君 理事 狩野 明男君
理事 中村 靖君 理事 船田 元君
理事 佐藤 誼君 理事 長谷川正三君
理事 鍛冶 清君 理事 三浦 隆君
赤城 宗徳君 臼井日出男君
浦野 烋興君 久保田円次君
高村 正彦君 坂田 道太君
坂本三十次君 櫻内 義雄君
西岡 武夫君 葉梨 信行君
三塚 博君 渡辺 栄一君
嶋崎 譲君 中西 績介君
山口 鶴男君 湯山 勇君
有島 重武君 佐々木良作君
栗田 翠君 山原健二郎君
河野 洋平君
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昭和五十七年十二月二十八日
青木正久君委員長辞任につき、その補欠として
葉梨信行君が議院において、委員長に選任され
た。
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昭和五十八年二月二十三日(水曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長 葉梨 信行君
理事 石橋 一弥君 理事 狩野 明男君
理事 中村 靖君 理事 船田 元君
理事 佐藤 誼君 理事 馬場 昇君
理事 長谷川正三君 理事 鍛冶 清君
理事 三浦 隆君
臼井日出男君 浦野 烋興君
高村 正彦君 坂田 道太君
坂本三十次君 西岡 武夫君
三塚 博君 渡辺 栄一君
伊賀 定盛君 中西 績介君
湯山 勇君 有島 重武君
栗田 翠君 山原健二郎君
河野 洋平君
出席国務大臣
文 部 大 臣 瀬戸山三男君
出席政府委員
文部政務次官 大塚 雄司君
文部大臣官房長 高石 邦男君
文部大臣官房審
議官 齊藤 尚夫君
文部大臣官房会
計課長 國分 正明君
文部省初等中等
教育局長 鈴木 勲君
文部省大学局長 宮地 貫一君
文部省学術国際
局長 大崎 仁君
文部省社会教育
局長 宮野 禮一君
文部省体育局長 西﨑 清久君
文部省管理局長 阿部 充夫君
文化庁次長 浦山 太郎君
委員外の出席者
文教委員会調査
室長 中嶋 米夫君
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委員の異動
昭和五十七年十二月二十八日
辞任 補欠選任
櫻内 義雄君 野上 徹君
嶋崎 譲君 伊賀 定盛君
山口 鶴男君 馬場 昇君
昭和五十八年二月九日
辞任 補欠選任
有島 重武君 矢野 絢也君
同月二十二日
辞任 補欠選任
矢野 絢也君 有島 重武君
同月二十三日
理事長谷川正三君同日理事辞任につき、その補
欠として馬場昇君が理事に当選した。
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昭和五十七年十二月二十八日
児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法案(長谷川正三君外三名提出、第九十三回国会衆法第一号)
学校教育法等の一部を改正する法律案(中西績介君外四名提出、第九十四回国会衆法第二号)
学校教育法の一部を改正する法律案(中西績介君外四名提出、第九十四回国会衆法第七号)
公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案(馬場昇君外四名提出、第九十四回国会衆法第一一号)
公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案(中西績介君外三名提出、第九十六回国会衆法第六号)
商業用レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する法律案(石橋一弥君外三名提出、第九十六回国会衆法第三七号)
昭和五十八年二月一日
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
同月七日
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
一月二十七日
教育条件の整備充実等に関する請願(井上一成君紹介)(第六三号)
同(中野寛成君紹介)(第一六五号)
教科書無償制度の継続等に関する請願(井上一成君紹介)(第六四号)
私学に対する助成に関する請願(安藤巖君紹介)(第六五号)
同(岩佐恵美君紹介)(第六六号)
同(浦井洋君紹介)(第六七号)
同(小沢和秋君紹介)(第六八号)
同(金子満広君紹介)(第六九号)
同(栗田翠君紹介)(第七〇号)
同(小林政子君紹介)(第七一号)
同(榊利夫君紹介)(第七二号)
同(瀬崎博義君紹介)(第七三号)
同(瀬長亀次郎君紹介)(第七四号)
同(辻第一君紹介)(第七五号)
同(寺前巖君紹介)(第七六号)
同(中路雅弘君紹介)(第七七号)
同(中島武敏君紹介)(第七八号)
同(野間友一君紹介)(第七九号)
同(林百郎君紹介)(第八〇号)
同(東中光雄君紹介)(第八一号)
同(不破哲三君紹介)(第八二号)
同(藤田スミ君紹介)(第八三号)
同(藤原ひろ子君紹介)(第八四号)
同(正森成二君紹介)(第八五号)
同(松本善明君紹介)(第八六号)
同(三浦久君紹介)(第八七号)
同(三谷秀治君紹介)(第八八号)
同(蓑輪幸代君紹介)(第八九号)
同(村上弘君紹介)(第九〇号)
同(山原健二郎君紹介)(第九一号)
同(四ッ谷光子君紹介)(第九二号)
同(渡辺貢君紹介)(第九三号)
高校新増設費国庫補助増額等に関する請願(小杉隆君紹介)(第九四号)
同(飛鳥田一雄君紹介)(第一六六号)
学費の父母負担軽減等のため私学助成の増額に関する請願(藤原ひろ子君紹介)(第一〇九号)
同(玉置一弥君紹介)(第一六七号)
私学助成の増額に関する請願(渡辺貢君紹介)(第一一〇号)
同外十八件(戸田菊雄君紹介)(第一一四号)
同(上坂昇君紹介)(第一六八号)
同(佐藤誼君紹介)(第一六九号)
同(関晴正君紹介)(第一七〇号)
同外四件(日野市朗君紹介)(第一七一号)
同(八木昇君紹介)(第一七二号)
公立大学・公立短期大学に対する国庫助成制度等に関する請願(加藤万吉君紹介)(第一二六号)
教科書の統制反対等に関する請願(中路雅弘君紹介)(第一二七号)
私学に対する公費助成の増額等に関する請願(玉置一弥君紹介)(第一六四号)
二月五日
私学の学費値上げ抑制、父母負担の軽減等に関する請願外一件(水田稔君紹介)(第二一六号)
同外一件(矢山有作君紹介)(第二一七号)
同外一件(水田稔君紹介)(第二七八号)
同(矢山有作君紹介)(第二七九号)
同(矢山有作君紹介)(第三四七号)
教育条件の整備充実等に関する請願(村上弘君紹介)(第二一八号)
教科書無償制度の継続等に関する請願(村上弘君紹介)(第二一九号)
高校新増設費国庫補助増額等に関する請願(飛鳥田一雄君紹介)(第二二〇号)
私学助成の増額に関する請願(関晴正君紹介)(第二七四号)
同外五件(戸田菊雄君紹介)(第二七五号)
同外四件(日野市朗君紹介)(第二七六号)
同(森井忠良君紹介)(第二七七号)
同(佐藤誼君紹介)(第三一三号)
同(福岡義登君紹介)(第三一四号)
同(下平正一君紹介)(第三四四号)
同(戸田菊雄君紹介)(第三四五号)
同外一件(日野市朗君紹介)(第三四六号)
私学助成の増額等に関する請願(井上一成君紹介)(第三四〇号)
私学の学費値上げ抑制、父母負担軽減及び教育・研究の発展に関する請願外一件(城地豊司君紹介)(第三四一号)
同(竹内猛君紹介)(第三四二号)
大学院生・研究生の学術研究条件改善等に関する請願(長谷川正三君紹介)(第三四三号)
同月九日
教科書の統制反対等に関する請願(中路雅弘君紹介)(第三九九号)
私学の学費値上げ抑制、父母負担の軽減等に関する請願外三件(水田稔君紹介)(第四〇〇号)
同外五件(水田稔君紹介)(第四七六号)
同外二件(水田稔君紹介)(第五二〇号)
私学助成の増額に関する請願(岩垂寿喜男君紹介)(第四五六号)
同(小沢貞孝君紹介)(第四五七号)
同月十六日
私学の学費値上げ抑制、父母負担の軽減等に関する請願(矢山有作君紹介)(第五三五号)
同外一件(水田稔君紹介)(第五五五号)
同外一件(水田稔君紹介)(第六一三号)
同(矢山有作君紹介)(第六一四号)
同外一件(矢山有作君紹介)(第六五八号)
国立大学の授業料、入学金引き上げ反対等に関する請願(安藤巖君紹介)(第六〇一号)
国立大学の学費値上げ反対等に関する請願(安藤巖君紹介)(第六〇二号)
同(野間友一君紹介)(第六五九号)
義務教育諸学校の教科用図書無償給与制度の存続に関する請願(小沢一郎君紹介)(第六〇三号)
高校新増設費国庫補助増額等に関する請願(上田哲君紹介)(第六〇四号)
同(高沢寅男君紹介)(第六〇五号)
同(長谷川正三君紹介)(第六〇六号)
同(山花貞夫君紹介)(第六〇七号)
同(山本政弘君紹介)(第六〇八号)
私学助成の増額に関する請願(小川国彦君紹介)(第六〇九号)
同(新村勝雄君紹介)(第六一〇号)
同(武田一夫君紹介)(第六一一号)
同(森中守義君紹介)(第六一二号)
同外二件(戸田菊雄君紹介)(第六五六号)
同(日野市朗君紹介)(第六五七号)
同月十八日
学生寮の充実、発展等に関する請願(湯山勇君紹介)(第八二九号)
私学助成の増額に関する請願(大原亨君紹介)(第八三〇号)
同月二十一日
学校事務職員の待遇等に関する請願(鈴木強君紹介)(第八六七号)
私学に対する公費助成制度確立等に関する請願(中村重光君紹介)(第八六八号)
私学助成の増額に関する請願(蓑輪幸代君紹介)(第八六九号)
私学助成の増額等に関する請願外二件(井岡大治君紹介)(第九三九号)
私学の学費値上げ抑制、父母負担の軽減等に関する請願外一件(水田稔君紹介)(第九六四号)
は本委員会に付託された。
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二月十七日
過疎地における教育の充実発展に関する陳情書(第三〇号)
公立文教施設整備に関する陳情書外一件(第三一号)
義務教育諸学校の教科用図書無償給与制度存続に関する陳情書(第三二号)
体育・スポーツ施設の整備充実に関する陳情書(第三三号)
文教施策充実に関する陳情書(第三四号)
私学振興に関する陳情書外二件(第三五号)
日本育英会奨学資金貸与の有利子化反対に関する陳情書外一件(第三六号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
国政調査承認要求に関する件
小委員会設置に関する件
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
文教行政の基本施策に関する件
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/0
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001・葉梨信行
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
この際、一言ごあいさつ申し上げます。
先般、私は、当文教委員会の委員長に就任いたしました。まことに身に余る光栄と存じます。
国政の基本である教育並びに学術文化を所管する当委員会の使命は重大であり、自己の職責の重さを痛感しております。
委員会の運営に当たりましては、その権威を保持するとともに、常に公正、円滑を旨とし、誠心誠意努力いたす所存でありますので、委員各位の御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/1
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002・葉梨信行
○葉梨委員長 まず、理事の辞任の件についてお諮りいたします。
理事長谷川正三君から、理事を辞任したいとの申し出があります。この際、これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/2
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003・葉梨信行
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
引き続き、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/3
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004・葉梨信行
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
それでは理事に馬場昇君を指名いたします。(拍手)
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/4
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005・葉梨信行
○葉梨委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
すなわち
文教行政の基本施策に関する事項
学校教育に関する事項
社会教育に関する事項
体育に関する事項
学術研究及び宗教に関する事項
国際文化交流に関する事項
文化財保護に関する事項
以上の各事項につきまして、本会期中、国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/5
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006・葉梨信行
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/6
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007・葉梨信行
○葉梨委員長 次に、文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
文教行政の基本施策に関し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。瀬戸山文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/7
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008・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 第九十八回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
今日のわが国は、引き続き、かつてない厳しい財政状況下にあって、いかにして活力ある文化国家を築いていくか、また、相互依存の度合いをますます深めつつある国際社会の中で、いかにして国際協力と国際協調を進めていくかを、国政の基本課題として考えていかなければなりません。
私は、国政の課題であるこの国づくりの基礎となる人づくりを、あらゆる場を通じて進めなければならないものと考えており、そのためには、学校、家庭、社会のそれぞれの教育機能を充実強化し、一方でわが国の未来を担う健全な青少年の育成を目指すとともに、他方では、国民が、複雑に変化する社会環境の中で、生涯にわたってその個性、能力を伸ばし、自己の啓発向上を図り、生きがいのある充実した生活を送ることができるよう、また、国民が、進展する国際社会の中で信頼と尊敬を得て活躍できるよう図っていくことが文教行政の基本であると考えております。さらに、わが国のみならず、世界の発展に貢献し得る独創的、先駆的な学術研究を振興するとともに、わが国のすぐれた伝統文化の継承と新しい文化の創造に努めていくことも文教行政の重要な課題と考えております。
私は、このような認識の上に立って、長期的な展望のもとに、以下の施策を総合的に進めてまいる所存であります。
第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。
初等中等教育の教育内容については、ゆとりのあるしかも充実した学校生活を通じて、人間性豊かな児童生徒を育成することを目指した新しい教育課程が小中高等学校において実施されているところでありますが、今後ともその一層の定着に向かって努力するとともに、昭和五十五年度から発足した小中学校における四十人学級の実現を含む学級編制と教職員定数の改善計画についても、児童生徒一人一人の能力と適性に応じたよりきめ細かな教育を行い得るよう財政事情を考慮しつつ、その改善に努めてまいります。
また、学校教育の成否は、実際に教育に携わる教員の資質と指導力にかかっているものであり、教員が自らの行いをもって全身で教育を行うことにより真の成果が期待できるものであります。このため、教員の資質向上を図ることはきわめて重要な課題であり、教員が教育者としての使命を自覚し、その職務を遂行するよう、教員養成及び教員の現職教育の充実に意を用いてまいる所存であります。
教科書制度については、義務教育教科書の無償給与制度を引き続き存続させることとしたほか、教科書の検定について、今後ともその記述が教育的に適切なものとなるよう最善の努力を払ってまいりたいと考えております。
なお、初等中等教育については、社会の進展や過去の経験等に照らし検討を加え改善してまいりましたが、今後予想される時代の変化や児童生徒の能力、適性等が多様化している実態に対応するため、昭和五十六年十一月以来、中央教育審議会において、「時代の変化に対応する初等中等教育の教育内容などの基本的な在り方について」幅広い視野から長期的展望のもとに御審議いただいているところであります。
また、希望するすべての幼児が幼稚園に就園できるよう、幼稚園教育の整備充実に努め、心身に障害を持つ児童生徒に対する特殊教育の一層の振興充実を図るとともに、児童生徒の健康の保持増進と体力の向上を図るため、学校体育、学校保健、学校安全の充実、豊かで魅力ある学校給食の推進に努めてまいります。
公立学校の施設の整備については、児童生徒急増地域の小中学校校舎新増築費に対する国庫負担割合の特例措置を延長するほか、大規模改修費及び中高等学校セミナーハウス整備費に対し新たに補助を行う等、学校施設の整備を促進するための施策を講じてまいります。
次に、青少年の非行や校内暴力等の問題についてでありますが、こうした問題がなかなか後を絶たず、依然として大きな社会問題の一つともなっているということは、まことに憂慮にたえないところであります。非行や校内暴力の背景には、物質的な豊かさの中で心の大切さが見失われがちな社会の風潮、家庭におけるしつけ、学校における教育指導のあり方等、さまざまな要因が考えられますが、この問題に対しては、単に非行の防止等に終始することなく、長期的視野に立って青少年の健全育成の実を上げるための総合的な対策をとることが肝要であり、そのためには、学校、家庭、社会がそれぞれの教育的役割りを十分に発揮しながら、その連携を強め、一体となって積極的に青少年の人格形成を図っていくことが大切であると考えます。
文部省といたしましては、来るべき二十一世紀のわが国を担う健全な青少年の育成が国民的課題であるとの観点に立ち、昭和五十七年度から、全省を挙げて青少年の豊かな心を育てる施策を総合的に推進し、この問題の解決に力を尽くしてまいったところでありますが、今後ともこれを一層推進すると同時に、学校教育においては、学校の指導体制の充実、教育相談活動の充実などにも積極的に取り組んでまいる所存であります。
第二は、高等教育の整備充実についてであります。
高等教育につきましては、社会や国民の多様な要請に適切にこたえるため、それぞれの高等教育機関の特色ある発展を図るとともに、高等教育を国民により一層開かれたものとしていくことが重要な課題であります。
昭和五十八年度においては、国立大学について高岡短期大学を創設し、三重大学に人文学部を設置する等の整備充実に力を注ぐとともに、公私立大学について引き続き所要の助成を図ることといたしております。
さらに、近年急速に高まりつつある生涯教育への要求にこたえ、放送を効果的に利用した新しい教育システムの設立を目指して、本年四月に放送大学を設置し、昭和六十年四月の学生受け入れに向けての準備を推進してまいる所存であります。
大学入試については、入学者選抜方法の改善工夫にさらに努めるよう各大学の留意を促し、学歴偏重の社会的風潮の是正や国公私立の各大学の整備充実等の施策とも相まって改善の実を上げてまいりたいと存じます。共通第一次学力試験を取り入れた新しい入学者選抜方法については、これまでの実施の経験をもとに、さらに適正な運営を期してまいる所存であります。
また、育英奨学事業については、引き続き充実を図るとともに、そのあり方について調査研究をさらに進めることといたしております。
なお、わが国の将来についての長期的な展望に立った高等教育の計画的整備のあり方につきましては、昭和五十八年度においても引き続き大学設置審議会に御審議いただくことといたしております。
第三は、私学の振興についてであります。
私立学校は、大学から幼稚園に至るまでそれぞれの学校段階において建学の精神に基づいた特色ある教育を行うことにより、わが国の学校教育の普及と発展に多大の貢献をいたしてきております。今日、私学に寄せられる国民の期待はますます大きくなってきており、私学においてもその社会的責任を自覚して国民の信頼にこたえていく必要があります。私立学校がその使命を達成できるよう引き続き私学助成の推進を図り、特に、わが国の高等教育において約八割を占める私立大学の質的向上に配慮する等、私立学校の教育研究条件の維持向上等に努めてまいりたいと考えております。
また、専修学校についても、その特色を生かした適切な振興方策について配慮してまいりたいと存じます。
第四は、学術研究の振興についてであります。
大学を中心とする学術研究の発展は、わが国の学問的基盤の確保と水準の維持向上を図る上で重要欠くべからざるものであり、したがってその振興を図ることは、国家社会のあらゆる分野の発展の基盤を形成するものとしてきわめて重要な課題であります。特に、近年社会的に重要な課題となっている資源エネルギー問題等の解決のためにも、独創的、先駆的な学術研究の一層の振興が強く要請されているところであります。
このような大学における学術研究の推進の重要性を踏まえ、科学研究費の充実等、研究基盤の整備に努めるとともに、エネルギー関連科学、加速器科学、宇宙科学、生命科学等の重要基礎研究の推進を図り、あわせて国内外における学術交流及び学術協力体制の整備を進める等、学術研究の一層の振興のために努力してまいる所存であります。
第五は、社会教育及び体育、スポーツの振興についてであります。
科学技術の進歩や情報化社会の進展、核家族化の進行、人口構成の高齢化、自由時間の増大といった社会的諸条件の激変に対応し、国民は、今日、生涯を通じて新しい知識、技術を身につけるとともに、生きがいのある健康で心豊かな生活を送ることを求めております。この国民的要請にこたえるためには、生涯教育の観点から、学校、家庭、地域社会を通じて国民の生涯の各時期に応じた各種の教育機会を充実していくことが必要であります。このため、まず、社会教育においては、国公立社会教育施設の整備充実、社会教育指導者の養成確保、地方公共団体等の行う社会教育事業の奨励普及等に努めてまいるとともに、青少年に対する教育に意を用いて、青少年の社会参加、団体活動の促進、青少年教育施設の整備、家庭教育の充実等の諸施策を進めてまいる所存であります。
また、体育、スポーツについては、近年、青少年を初めとする国民各層において健康の増進や体力の向上等への願いが著しく高まっていることにかんがみ、生涯スポーツ振興の観点から、体育、スポーツ施設の整備、スポーツ指導者の養成確保、生涯スポーツ推進事業の拡充等の施策を一層進めることにより、たくましい青少年の育成と国民スポーツの振興に努めてまいりたいと考えております。さらには、国際競技力の向上やスポーツの国際交流の推進のための施策の充実にも力を入れてまいる所存であります。
第六は、文化の振興についてであります。
古来わが国は、進んで諸外国の文化を摂取する一方、固有の文化との調和を図りながら独自のすぐれた文化を築いてまいりました。私は、このような民族の歴史的蓄積である伝統文化の継承と新たな文化の創造は、私どもの重要な責務であると考えております。特に、近年、国民の間には、心の豊かさを求めて、文化的、芸術的活動に参加し、高度な芸術を鑑賞しようとする機運が高まっております。
このような状況に適切に対処するため、昭和五十八年度においては、国立能楽堂、国立文楽劇場を開場することとしているほか、第二国立劇場の設立準備、すぐれた芸術文化活動の奨励援助を引き続き行うとともに、文化財の保存整備の推進についても諸般の施策を講ずることとしております。
最後に、教育、学術、文化の国際交流及び国際協力の推進についてであります。
教育、学術、文化の国際交流及び国際協力の促進は、わが国の教育、学術、文化の発展向上に寄与することはもとより、わが国が国際社会の一員として人類の福祉と繁栄に積極的に貢献し、諸国民との相互理解を深め、真の友好関係を築いていくためにもきわめて重要であります。
このような観点から、留学生の受け入れの拡充等、留学生事業の充実に引き続き努めるとともに、諸外国との学術交流及び学術協力、ユネスコを通じての協力等、関連する諸施策の充実を図ってまいる所存であります。また、海外子女教育の振興と帰国子女の受け入れ体制の整備にも格段の努力を払う考えであります。
以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べました。文教委員各位の一層の御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/8
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009・葉梨信行
○葉梨委員長 次に、昭和五十八年度文部省所管予算の概要につきまして説明を聴取いたします。大塚文部政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/9
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010・大塚雄司
○大塚(雄)政府委員 昭和五十八年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
昭和五十八年度の文部省所管予算につきましては、財政再建という厳しい財政状況のもと、臨時行政調査会の答申の趣旨をも踏まえつつ編成いたしたところでありますが、文教は国政の基本であるとの認識に立ち、教育、学術、文化の諸施策について予算の確保に努めたところであります。
文部省所管の一般会計予算額は四兆五千三百三十七億五千三百万円、国立学校特別会計予算額は一兆五千百五十九億一千二百万円でありまして、その純計額は五兆三百二十三億六千六百万円となっております。
この純計額を昭和五十七年度の当初予算額と比較いたしますと、百三億二千二百万円の増額となり、その増加率は〇・二%となっております。また、文部省所管の一般会計予算額は一・一%の減少、国立学校特別会計予算額は二・八%の増加となっております。
以下、昭和五十八年度予算における主要な事項について御説明申し上げます。
第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。
まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数につきましては、昭和五十五年度から第五次改善計画が発足したところでありますが、昭和五十八年度におきましては、昭和五十七年度に行った五百人の定数縮減措置の復元を図るとともに、教職員定数の改善増につきましては、いわゆる行革関連特例法の趣旨を踏まえて、改善計画の第四年次分として九百三十人の増員を行うことといたしております。
また、教職員の資質の向上を図るため、新規採用教員等研修、免許外教科担任教員研修、教員の海外派遣、教育研究グループ補助、教育研究団体への助成など、各種研修を引き続き実施することといたしております。
次に、小学校及び中学校における新教育課程の実施状況について、昭和五十六年度を初年度として四カ年にわたり総合的に調査研究を行い、将来の教育課程や学習指導方法の改善に資することといたしておりますが、昭和五十八年度は第三年次として引き続き調査研究を進めることといたしております。
生徒指導の充実強化につきましては、新たに教育相談活動推進事業を実施し、児童生徒の教育に関しさまざまな悩みを持つ学校の教員や父母の相談に応じ適切な助言を行うこととしたほか、引き続き生徒指導推進体制の強化を図るための中学校生徒指導推進会議等の開催、生徒指導担当教員の研修、生徒指導推進校の指定等を実施するとともに、人間性豊かな児童生徒の育成に資するため、勤労生産学習研究推進校の事業を行うことといたしております。
義務教育教科書の無償給与につきましては、引き続きこれを推進することとし、定価の改定など所要の経費を計上いたしております。
幼児教育につきましては、特に私立幼稚園園児の保護者の経済的な負担の軽減を図るため、幼稚園就園奨励費補助について、保育料等の減免限度額を引き上げることとしたほか、引き続き幼稚園施設の整備を図ることといたしております。
特殊教育につきましては、重度・重複障害児のための介助職員の増員を図るとともに、心身障害児の適正就学の推進等を行うことといたしております。
学校給食につきましては、豊かで魅力ある学校給食を目指して、学校給食施設設備の整備を図ることといたしております。
また、児童生徒等の健康の保持増進に係る事業の推進に努めるとともに、日本学校健康会の業務についても充実を図ることといたしております。
次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について、必要な事業量の確保と補助単価の引き上げを図るとともに、児童生徒急増地域における小中学校校舎の新増築に対する国庫負担割合の特例措置の延長、危険建物改築補助基準の千点引き上げ措置の継続、非木造建物の耐力度測定方法の定式化を行うほか、新たに大規模改修費に対する補助及び中高等学校セミナーハウス整備費に対する補助を創設することとし、これらに要する経費として四千四百八十億円を計上いたしております。
以上のほか、要保護・準要保護児童生徒援助の充実、地域改善対策としての教育の振興、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の充実、英語教育の振興など、各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。
まず、放送大学につきましては、一昨年七月、その設置主体となる放送大学学園を設立いたしたところでありますが、昭和五十八年度は、四月に大学を設置するほか、昭和五十九年十二月放送局開局、昭和六十年四月の学生受け入れに向けて諸準備を進め、広く国公私立大学との連携協力のもとに、放送を効果的に活用した大学教育の実施を推進することといたしております。
次に、国立大学の整備につきましては、高岡短期大学を富山県高岡市に創設するとともに、三重大学に人文学部を設置することといたしております。
また、地方における国立大学を中心に教育研究上緊急なものについて学科等の整備充実を図ることとし、大学学部及び短期大学の学生入学定員を三百九十人増員することといたしております。
大学院につきましては、奈良教育大学及び福岡教育大学に新たに大学院を設置するほか、研究科、専攻の新設等により、三百五十三人の入学定員増を行うことといたしております。
また、附属病院につきましては、新たに福井医科大学、山梨医科大学及び香川医科大学の医学部に病院を創設するほか、既設の附属病院についても救急部の新設など、その充実を図ることといたしております。
なお、国立大学の入学料、検定料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、昭和五十八年度にこれを改定することといたしております。
次に、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助等について、引き続き所要の助成を図ることといたしております。
さらに、育英奨学事業につきましては、日本育英会の学資貸与について、政府貸付金八百六十八億円と返還金とを合わせて千百十八億円の学資貸与事業を行うことといたしております。
第三は、学術の振興に関する経費であります。
まず、科学研究費補助金につきましては、独創的、先駆的な研究を推進し、わが国の学術研究を格段に発展させるため引き続き拡充を図ることとし、昭和五十七年度に対して十五億円増の三百九十五億円を計上いたしております。
次に、重要基礎研究につきましては、エネルギー関連科学を初め加速器科学、生命科学等の研究を引き続き推進することといたしております。なお、新観測船「しらせ」の就航に伴い、南極地域観測事業の充実について配慮することとし、これら重要基礎研究に要する経費として四百九十六億円を計上いたしております。
なお、学術情報等の学術研究基盤の整備及び国の内外を通ずる学術交流、協力につきましても各般の施策を進めることといたしております。
第四は、私学助成に関する経費であります。
まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、臨時行政調査会の第三次答申もあり、二千七百七十億円を計上いたしておりますが、新たに私立大学等の研究装置等整備の補助として二十五億円を計上いたしております。
また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、基本的には昭和五十七年度と同額を確保しておりますが、高校生徒急減対策分については、生徒数の変動に伴う調整を行い、七百九十五億五千万円を計上いたしております。
日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金十億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金四百六十六億円を計上し、自己調達資金と合わせて昭和五十七年度と同額の八百五億円の貸付額を予定いたしております。
また、専修学校につきましては、教員の研修事業等に対する補助、生徒に対する奨学金の貸与、国費外国人留学生の受け入れ等の事業を引き続き行うほか、新たに大型の教育装置の補助を行うこととし、専修学校教育の一層の振興を図ることといたしております。
第五は、社会教育の振興に関する経費であります。
まず、地域における社会教育活動の拠点となる公立社会教育施設につきましては、引き続きその整備を促進することとし、これらの施策に要する経費として百五十四億円を計上いたしております。
また、社会教育活動の振興を図るため、社会教育主事、社会教育指導員等の社会教育指導者層の充実に努めるとともに、青少年、成人、婦人、高齢者など各層に対して学習機会を提供し、地域連帯意識を醸成するための地域活動を促進するなど、社会教育の幅広い展開を図ることとして所要の経費を計上いたしております。
さらに、青少年の健全育成に資するため、新たに青少年社会参加促進事業を実施するほか、計画的な設置を進めております国立少年自然の家につきまして、富山県立山町に第八番目の少年自然の家を設置することとし、所要の経費を計上いたしております。
第六は、体育、スポーツの振興に関する経費であります。
国民の体力づくりとスポーツの普及振興につきましては、広く体育、スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設について、その整備に要する経費として二百十四億円を計上いたしております。
また、学校体育につきましては、学校体育実技指導者の資質向上に努め、格技指導推進校の拡充を図るほか、学校体育大会の補助についても引き続き所要の経費を計上いたしております。
さらに、生涯スポーツ推進事業について一層の拡充を図るなど家庭、学校、地域における体力づくり事業の充実を図り、たくましい青少年の育成と明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。
以上のほか、日本体育協会の行う選手強化事業や国際交流事業等に対して引き続き補助を行うとともに、国民体育大会の助成など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。
まず、地域社会における文化の振興につきましては、こども芸術劇場、青少年芸術劇場、移動芸術祭など各般の施策について、引き続き所要の経費を計上してその促進を図ることといたしております。
また、芸術文化創造の援助等につきましては、芸術関係団体の創作活動に対する補助、芸術家研修、芸術祭について引き続き所要の経費を計上するとともに、中国引き揚げ者に対する日本語教材を作成するための経費を計上いたしております。
次に、文化財保護につきましては、国民の貴重な文化遺産の保存、活用を図るため、国宝、重要文化財等の保存整備、埋蔵文化財の発掘調査、史跡の整備・公有化を進め、また、天然記念物の保護及び食害対策を充実するとともに、伝統芸能等の保存伝承を図ることといたしております。特に、能楽及び文楽の公開、伝承のため、国立能楽堂及び国立文楽劇場の施設を完成し、それぞれ昭和五十八年九月及び昭和五十九年三月に開場することといたしております。
また、文化施設の整備につきましては、地域社会における文化振興の拠点となる文化会館、歴史民俗資料館等の地方文化施設の整備を引き続き行うとともに、国立文化施設については、第二国立劇場の環境整備に要する経費を計上するなど、その設立準備を推進することといたしております。
第八は、教育、学術、文化の国際交流、協力の推進に関する経費であります。
まず、主として発展途上国への協力を促進するため、国費留学生の新規受け入れを引き続き拡充するとともに、外国政府がわが国に派遣する留学生のための予備教育への協力を積極的に進めるなど、留学生に関する事業を積極的に推進することといたしております。さらに、ユネスコを通じた教育協力等についてもその充実を図ることといたしております。
また、海外子女教育につきましては、日本人学校の増設等にも対応し派遣教員の増員等を行うとともに、新たに帰国子女教育受け入れ推進地域の指定を行うなど、帰国子女受け入れ体制の整備を図ることといたしております。
次に、学術の国際交流・協力を推進するため、二国間、多国間にわたる各種の国際共同研究を引き続き推進するとともに、拠点大学方式による発展途上国との学術交流事業、先進諸国等との研究者交流事業など日本学術振興会が行う学術交流事業の充実を図ることといたしております。
以上、昭和五十八年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/10
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011・葉梨信行
○葉梨委員長 以上で説明は終わりました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/11
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012・葉梨信行
○葉梨委員長 次に、内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案及び義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。瀬戸山文部大臣。
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国立学校設置法の一部を改正する法律案
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/12
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013・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 このたび政府から提案いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、昭和五十八年度における国立大学の学部及び大学院の設置、国立短期大学の新設等について規定しているものであります。
まず第一は、三重大学の人文学部の設置についてであります。
これは、この地方における高等教育整備の必要性も勘案し、かねてから調査検討を進めてきたものであり、今回これを設置し、教育研究体制の充実等の社会的要請に対応しようとするものであります。
第二は、奈良教育大学及び福岡教育大学の大学院の設置についてであります。
初等中等教育においては、より高度の専門性を有する教員の養成が求められているところでありますが、これは、既存の教員養成系大学のうち諸準備の整った両大学に教育学の修士課程の大学院を置き、こうした要求にこたえるとともに、学校教育に関する総合的な教育研究の充実を期するものであります。
第三は、高岡短期大学の新設等についてであります。
これは、地域の多様な要請に積極的にこたえ、広く地域社会に対して開かれた特色ある短期大学として、富山県に高岡短期大学を設置し、今後の短期大学の運営及び教育研究の改善に資しようとするものであります。
また、山形大学に併設されている山形大学工業短期大学部については、これを廃止し、同大学工学部に統合することといたしております。
なお、高岡短期大学は本年十月に開学し、学生の入学は昭和六十一年度からとするものであり、山形大学工業短期大学部は昭和五十八年度から学生募集を停止し、五十九年度限りで廃止を予定するものであります。
以上のほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る職員の定員を改めるとともに、その他筑波大学に係る規定等について、所要の改正を行うことといたしております。
以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
次に、このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
義務教育諸学校施設費国庫負担法は、公立義務教育諸学校施設の整備に対する国の負担制度について定めているものであり、政府は、昭和三十三年制定以来、この制度のもとに鋭意公立義務教育諸学校施設の整備に努めてまいりました。
昭和四十八年度には、大都市周辺地域等における児童生徒の急増にかんがみ、児童または生徒が急増している地域にある公立の小学校または中学校の校舎の新築または増築に要する経費について国の負担割合を三分の二に引き上げ、昭和五十七年度まで、これらの学校の整備を促進するとともに、関連市町村の財政負担の軽減にも資することとしてきたところであります。しかしながら、昭和五十八年度以降においても、なお児童生徒の急増現象が続くものと予想されますので、今回所要の改正を行い、もって児童または生徒が急増している地域にある公立の小学校または中学校の施設整備を円滑に進めようとするものであります。
次に、法律案の内容について御説明いたします。
まず第一に、児童または生徒が急増している地域にある公立の小学校または中学校の施設の整備を促進するため、引き続き昭和六十二年度まで、これらの学校の校舎の新築または増築に要する経費に係る国の負担割合を三分の二に引き上げる措置を講ずることといたしております。ただし、政令で定める市町村の設置する学校にあっては七分の四とすることといたしております。
第二に、この法律の施行期日を昭和五十八年四月一日からとし、昭和五十七年度以前の予算に係る国庫負担金については、なお従前の例によることといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/13
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014・葉梨信行
○葉梨委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/14
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015・葉梨信行
○葉梨委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。
義務教育諸学校等における育児休業をめぐる諸問題について調査検討するため小委員十六名からなる義務教育諸学校等における育児休業に関する小委員会及び幼児教育をめぐる諸問題について調査検討するため小委員十六名からなる幼児教育に関する小委員会をそれぞれ設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/15
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016・葉梨信行
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/16
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017・葉梨信行
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
小委員及び小委員長は、委員長が追って指名し、公報をもってお知らせいたします。
なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/17
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018・葉梨信行
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109805077X00119830223/18
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