1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十八年五月二十五日(水曜日)
午後二時三分開会
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委員の異動
五月十一日
辞任 補欠選任
成相 善十君 藤田 正明君
太田 淳夫君 馬場 富君
山中 郁子君 小笠原貞子君
五月十二日
辞任 補欠選任
長谷川 信君 安田 隆明君
福間 知之君 穐山 篤君
片山 甚市君 丸谷 金保君
馬場 富君 多田 省吾君
小笠原貞子君 山中 郁子君
五月十三日
辞任 補欠選任
藤田 正明君 成相 善十君
安田 隆明君 長谷川 信君
穐山 篤君 福間 知之君
丸谷 金保君 片山 甚市君
五月十六日
辞任 補欠選任
多田 省吾君 馬場 富君
五月十八日
辞任 補欠選任
馬場 富君 和泉 照雄君
五月二十三日
辞任 補欠選任
和泉 照雄君 太田 淳夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 八百板 正君
理 事
長田 裕二君
高橋 圭三君
成相 善十君
大森 昭君
委 員
小澤 太郎君
志村 愛子君
西村 尚治君
片山 甚市君
福間 知之君
太田 淳夫君
白木義一郎君
山中 郁子君
中村 鋭一君
青島 幸男君
衆議院議員
逓信委員長 左藤 恵君
逓信委員長代理 竹内 勝彦君
国務大臣
郵 政 大 臣 桧垣徳太郎君
政府委員
郵政大臣官房長 澤田 茂生君
郵政省電波監理
局長 田中眞三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 酒井 繁次君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○信越郵政局、信越電波監理局、信越郵政監察局及び長野地方貯金局の存置に関する請願(第二〇一号)
○身体障害者に対する郵政行政改善に関する請願(第一八六一号外二五件)
○電電公社分割、民営化反対に関する請願(第二一七三号)
○継続調査要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/0
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001・八百板正
○委員長(八百板正君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/1
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002・八百板正
○委員長(八百板正君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に成相善十君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/2
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003・八百板正
○委員長(八百板正君) 有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提出者衆議院逓信委員長左藤恵君から趣旨説明を聴取いたします。左藤恵君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/3
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004・左藤恵
○衆議院議員(左藤恵君) ただいま議題となりました有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
近年、有線ラジオ放送事業及び有線テレビジョン放送事業が活発化しておりますが、これら事業者の中には、自己の市場を拡大するため、道路法による許可を受けないで道路を占用するなど、法令に違反し、あるいは電柱所有者の承諾を得ないで電柱への添架を行うなど、他人の財産権を侵害してその設備を設置する者があり、このように違法な手段によって設置される設備が増加する状況にありますので、この際、有線ラジオ放送及び有線テレビジョン放送の秩序を確保するため、このように違法に設置された設備を使用して有線ラジオ放送または有線テレビジョン放送を行うことを禁止しようとするものであります。
その内容の第一は、有線ラジオ放送または有線テレビジョン放送の業務を行う者は、道路法の許可その他法令に基づく許可などを受けないで設置されている設備または所有者等の承諾を得ないで他人の電柱等に設置されている設備によって有線放送をしてはならないこととしております。
第二に、この禁止規定に違反する行為は業務停止処分の対象となるものでありますが、特に道路法違反に係るものについて処分を行うに当たっては、郵政大臣は、あらかじめその旨を建設大臣に通知するものとし、建設大臣は当該道路法違反に関する意見を郵政大臣に述べることができることとしております。
第三に、郵政大臣は、違法に設置されている設備の設置状況等について、道路管理者その他の関係行政機関及びその他の関係者から資料の提供その他の協力を求めることができることとしております。
第四に、この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。
以上が本案の提案理由及び内容であります。
本案は、衆議院逓信委員会において、全会一致をもって、委員会提出として提案することに決したものであります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださる
よう御願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/4
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005・八百板正
○委員長(八百板正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
この際、理事会の申し合わせに基づきまして、本案に関し、当委員会を代表して私が質疑を行います。
一つ、有線ラジオ放送法は届け出制であるが、今回の法改正により、違反した者は業務停止、さらには懲役六カ月以下の体刑を含む刑罰を科することができるようになっております。
念のためお尋ねしますが、今回の法改正で許可制をとれなかったのか、その理由は何か、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/5
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006・竹内勝彦
○衆議院議員(竹内勝彦君) ただいま衆議院の逓信委員長から説明がございましたように、この法案改正に当たりましての経緯といたしまして、理事会あるいは委員会におきまして、衆議院におきまして相当もんでまいりました。その直接の当事者として答弁をさしていただきたいと思います。
確かにいま御質問がございましたように、届け出制ということで今回なっておりますけれども、当初からも、この改正に当たっては何とか許可制にならないものかということで、その方が有効じゃないかということで、相当論議があったことは確かでございます。そういう中からいろいろと専門の法制局の皆様方とも何回も協議を行ってきた次第でございます。
その結果、この許可制につきましては、言論、表現の自由を保障している憲法第二十一条、それから営業の自由を保障しております憲法第二十二条との関係から、その合憲性を維持するのは困難ではないか、こういうことで結論に達したわけでございます。
そんなことからも、しかし今回のこの法案を見ていただければわかっていただきますとおり、郵政大臣によって業務停止三カ月以内、また、それによっていままでのものが六カ月以下の懲役、五万円以下の罰金というものがこういう形でしっかりとこれが施行されていくようになりますればほぼ許可制に近いものである、こう理解して、衆議院におきまして、全会一致でこういう形で通った次第でございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/6
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007・八百板正
○委員長(八百板正君) 次にお尋ねいたします。
有線電気通信法の妨害等の防止に関する事項に特例を設け、有線等の設備を他人の工作物に取りつけ、不法に、あるいは無断で設置された場合には、その工作物の所有者または占有者はみずから撤去することができるという自力救済の規定を設けるべきとの意見もあったが、この方法をとらなかった理由は何か、お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/7
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008・竹内勝彦
○衆議院議員(竹内勝彦君) この問題に関しましてもやはり一番論議になった問題でございまして、むしろいままでからいろいろと違法でやってきておるというのは、違法で張られたのを自分で取り外すことができないというところに非常にまだるっこい状況で、またそれが最終的に結果が出たとしても、またすぐに違法で張ってしまうというようなイタチごっこの状況から、自力救済ということに関してもこれが何とか出てこないものかということでも論議が相当ありました。しかし、この自力救済につきましても今日の判例、学説の見解からいたしまして、きわめて限定された条件のもとにおいてしか自力救済が認められておりません。公共性の観点から強い要請がある場合は別といたしまして、これを軽々に認めることにはこれは法治国家のあり方として問題があるのではないか、こういう結論になり断念した次第でございますけれども、たとえば憲法第三十一条の規定の趣旨から言っても、原則的にはこれはちょっと認めるべきものではない。そして、みだりに自力救済というものを認めれば、無法、無秩序状態、こういうものが起こってきて社会不安をかき立てるというような結果になってはならないというような見地からも、今回こういう形の方がよいのではないかということで結論に達した次第でございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/8
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009・八百板正
○委員長(八百板正君) それから、電柱所有者が有線音楽放送業者のケーブルの添架承諾に際し、いわゆる一柱一条主義をとっており、これが業界の正常化にブレーキになっていたと聞くが、郵政省当局は今後電柱所有者にどのような指導を行う方針か、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/9
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010・田中眞三郎
○政府委員(田中眞三郎君) 郵政省といたしましては、有線音楽放送の健全な発展のためには適正な競争が必要であるという立場からいたしまして、電柱管理上支障がない場合には二条以上の添架が可能となりますように、一柱一条主義の方針の見直しを要請もしてまいったところでございますけれども、実情は余りにも無秩序であったということもありまして、電柱所有者といたしましても一柱一条主義の方針の見直しに踏み切れない事情にあった、そのように理解しているわけでございます。今回法改正が行われますならば、それを踏まえまして一柱一条主義の見直しを行い、適正な競争ができるように、改めて検討を要請してまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/10
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011・八百板正
○委員長(八百板正君) 次に、今後郵政大臣は、道路を不法占用しているなど違法施設により有線放送業務を行った者に対し、業務停止などの行政処分を行い得ることになるが、この場合、一の者が多数の施設を所有しているときの処分はどうなるのか。つまり違法施設のみを対象とするのか、それとも適法の施設にも及ぼし得るのか、その運用方針を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/11
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012・田中眞三郎
○政府委員(田中眞三郎君) お答え申し上げます。
業務開始の届け出でございますが、それは事業者ごとにではございませんで、放送区域ごとと申しますか、施設ごとに行うこととされておりまして、また今回の法改正によりまして禁止されますのは、違法に設置されました施設によって有線放送を行った場合にということでございますので、業務停止処分というものは違法施設ごとに把握いたしまして行うというのが妥当だと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/12
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013・八百板正
○委員長(八百板正君) 以上で質疑は終局いたしたものと認めます。
これより討論に入ります。
賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/13
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014・八百板正
○委員長(八百板正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/14
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015・八百板正
○委員長(八百板正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/15
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016・八百板正
○委員長(八百板正君) 請願の審査を行います。
第二〇一号信越郵政局、信越電波監理局、信越郵政監察局及び長野地方貯金局の存置に関する請願外二十七件を議題といたします。
請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知を願いたいと存じます。
これらの請願につきましては、先ほどの理事会において慎重に検討いたしました結果、第一八六一号身体障害者に対する郵政行政改善に関する請願外二十五件につきましては、願意のうち一の「重度身体障害者の電話料金を五割引にすること。」はなお検討を要するので、同項を除く旨の意見書案を審査報告書に付して議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二〇一号信越郵政局、信越電波監理局、信越郵政監察局及び長野地方貯金局の存置に関する請願外一件は保留とすることに意見が一致いたしました。
以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/16
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017・八百板正
○委員長(八百板正君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/17
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018・八百板正
○委員長(八百板正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/18
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019・八百板正
○委員長(八百板正君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/19
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020・八百板正
○委員長(八百板正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/20
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021・八百板正
○委員長(八百板正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109814816X00719830525/21
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