1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十八年三月三十日(水曜日)
午前十時三分開会
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委員の異動
三月二十六日
辞任 補欠選任
堀江 正夫君 秦野 章君
三月三十日
辞任 補欠選任
秦野 章君 福田 宏一君
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出席者は左のとおり。
委員長 堀内 俊夫君
理 事
片山 正英君
田沢 智治君
粕谷 照美君
佐藤 昭夫君
委 員
井上 裕君
山東 昭子君
杉山 令肇君
内藤誉三郎君
中西 一郎君
仲川 幸男君
福田 宏一君
宮之原貞光君
柏原 ヤス君
高木健太郎君
小西 博行君
前島英三郎君
国務大臣
文 部 大 臣 瀬戸山三男君
政府委員
人事院事務総局
給与局長 斧 誠之助君
文部大臣官房長 高石 邦男君
文部大臣官房審
議官 齊藤 尚夫君
文部大臣官房会
計課長 國分 正明君
文部省初等中等
教育局長 鈴木 勲君
文部省大学局長 宮地 貫一君
文部省学術国際
局長 大崎 仁君
文部省管理局長 阿部 充夫君
事務局側
常任委員会専門
員 瀧 嘉衛君
説明員
文部大臣官房人
事課長 大門 隆君
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本日の会議に付した案件
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/0
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001・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
国立学校設置法の一部を改正する法律案及び義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
国立学校設置法の一部を改正する法律案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。瀬戸山文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/1
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002・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
義務教育諸学校施設費国庫負担法は、公立義務教育諸学校施設の整備に対する国の負担制度について定めているものであり、政府は、昭和三十三年制定以来、この制度のもとに鋭意公立義務教育諸学校施設の整備に努めてまいりました。
昭和四十八年度には、大都市周辺地域等における児童生徒の急増にかんがみ、児童または生徒が急増している地域にある公立の小学校または中学校の校舎の新築または増築に要する経費について国の負担割合を三分の二に引き上げ、昭和五十七年度までこれらの学校の整備を促進するとともに、関連市町村の財政負担の軽減にも資することとしてきたところであります。しかしながら、昭和五十八年度以降においても、なお児童生徒の急増現象が続くものと予想されますので、今回所要の改正を行い、もって児童または生徒が急増している地域にある公立の小学校または中学校の施設整備を円滑に進めようとするものであります。
次に、法律案の内容について御説明いたします。
まず第一に、児童または生徒が急増している地域にある公立の小学校または中学校の施設の整備を促進するため、引き続き昭和六十二年度まで、これらの学校の校舎の新築または増築に要する経費に係る国の負担割合を三分の二に引き上げる措置を講ずることといたしております。ただし、政令で定める市町村の設置する学校にあっては七分の四とすることといたしております。
第二に、この法律の施行期日を昭和五十八年四月一日からとし、昭和五十七年度以前の予算に係る国庫負担金については、なお従前の例によることといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/2
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003・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより両案を一括して質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/3
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004・粕谷照美
○粕谷照美君 最初に、国立学校設置法の一部改正案について質問をいたします。
この法案は、三重大学の人文学部の創設などにかかわるものでありますけれども、衆議院の方でもわが党が問題にいたしましたのは、筑波大学に国際関係学類を設置することに関して本当に閣内で意思統一ができたのかどうなのかという問題点と、それから国際関係学群構想の中に軍事研究を行うのではないかという疑問点が出されて論議されているわけで、そのことはもう大臣も十分御承知のことというふうに思います。その点についての参議院においての明確な答弁をひとつお願いをしたい。
もう一つは、高岡に設置される短期大学の問題ですが、文教委員会としても、当時吉田実文教委員長の時代にここへ調査に行きまして、非常に地元から短期大学構想についての要望が出されていたことを私は改めて思い出しているわけでありますけれども、この短期大学をつくるということと、いまこの法律の中に単位の互換制が専修学校との間に入っておりますけれども、このことが大学というものを専修学校並みにレベルを下げるのではないか、こういう心配がありますけれども、その点についてはどうか。
第三点目は、三重大学人文学部創設、これは大変いいことだというふうに思うわけですけれども、これによって定員がふえていないのではないか。学部が増設されて人間がふえないというのは一体どういうことなのか。この三点を御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/4
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005・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 筑波大学の国際関係学類を今度新設するということになっておるわけでございますが、これについては、筑波大学の方から正規の手続を経られて、文部省にその要求が出されておるわけでございます。聞きますと、何かややその後学内に意見の違う人があるということを聞いておりますけれども、先ほど申し上げましたように、文部省に対しては学内の正規の手続を経て持ってこられた、こういうことになっております。
それから国際関係学類を新設することについて、軍事研究の問題が衆議院でもいろいろ御意見がありました。これは、いわゆる国際関係時代でございますから、国際関係をいろいろ、政治、経済、社会をいろいろ研究してもらって有能な国際人を養成する、こういうのがねらいでありますが、その中に特に軍事研究するのではないかという御指摘、御意見があるわけでございますけれども、国際関係については、国際間の軍事情勢がどうなっておる、あるいは世界の平和の関係がどういうふうになっておるということを研究するのは、これは国際関係を研究するときには当然といいましょうか、あるわけでございますけれども、言われますように軍事技術の研究であるとか兵器の研究であるとか、自衛隊でやっておるようなことをやるということはこれは絶対ないわけでございまして、そういうことはあってはならないし、そういうことを目標にしておるわけではございません。
そのほかの問題については、細かい具体的な問題になりますので、局長から御答弁させることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/5
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006・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 大臣の御答弁を補足いたしましてお答えいたします。
ただいま筑波大学の関係については大臣からお答えがあったとおりでございまして、たとえば具体的には安全保障研究というようなことはございますけれども、これは既存のたとえば東京大学の教養学部の場合でも、国際関係論についてはそのような研究は行っておるわけでございます。筑波大学の場合も、ほかの大学で行っていること以外のようなことをやることは、これはあり得ないことだと思っております。
それからお尋ねの第二点の、高岡の短期大学の関係について、特に単位互換を積極的にやることについて、たとえば専修学校との間で互換を考えるということではレベルを下げることになるのではないかというお尋ねがあったわけでございますけれども、高岡の短期大学の設置の趣旨は、地域の多様な要請に積極的にこたえていく短期大学をつくっていくわけでございます。そこで、具体的な中身といたしまして、私ども従来から大学なり短期大学については制度を弾力化しまして、たとえば大学と短期大学の間でも単位の互換ということが認められるような形とか、そういうことは進めてきているわけでございます。
たとえば専修学校における学習を単位として認める問題のことでございますが、専修学校におきましても、たとえばコンピューターを使った実習でございますとか、あるいは芸術分野における特別の手法の実習等、専修学校の専門課程においても十分内容的にすぐれたものが行われていることはあるわけでございまして、そういうようなものについて、短期大学にとっても有意義なものを積極的に取り入れていくということは私どもとしても考えていきたいと思っております。
もちろん、具体的な実施に当たりましては短期大学、専修学校両面から十分な検討を行う必要がありますし、そのことにつきましては現在設置審議会の短期大学基準分科会でも議論はされているわけでございます。そういうことでございますので、互換そのものによって短期大学のレベルを下げることには必ずしも当たらないというぐあいに私ども理解をいたしております。
それから、お尋ねの第三点にございましたのは、三重大学の人文学部について、新設に当たりまして、学部がふえましても事務職員がふえていないという点についての御指摘であったかと思いますが、この人文学部の創設に伴いましては、五十八年度の教職員定員増といたしましては、一般教育担当の教官分として九人を予定しているところでございます。事務職員の増は初年度には予定をしていないわけでございますが、これは全体的に大変定員についても厳しい情勢下にあったわけでございまして、具体的には全学的な定員の再配置ということで協力体制を整えて対応をしていくというぐあいに初年度は考えているわけでございます。
もちろん、後年度を含めました全体計画といたしましては、教育研究業務の増大に伴いまして、教官以外のその他職員についてもこれは所要の増員ということを予定はいたしておるわけでございます。当面、学部の事務体制については、臨調答申等の問題もございまして、既存の教育学部と一体的な事務組織を置いて教育研究の支援に支障を来たさないよう配慮をしながら、ただいま申しましたような厳しい定員事情のもとでの定員需要に対応することにいたしております。
なお、事務組織として一元的な事務組織を置きますことは、たとえば三重大学の場合は、従来一般教育を教育学部のみで行っておりましたところ、今回の人文学部創設後は人文学部と教育学部で一般教育を行うというような事情もあるわけでございまして、事務組織を一体的に行いますことが円滑な運営も確保できるという面もあるわけでございます。
既存のほかの大学におきましても、事務組織の合理化という観点で、たとえば医学部、歯学部と附属病院の事務処理体制を一元化しておりますものでございますとか、あるいは、研究所が移転された場合に複数の研究所の事務処理体制を一貫して行うケースでございますとか、国立大学の既存のほかの大学におきましても、合理化し、省力化できる点は積極的に取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/6
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007・粕谷照美
○粕谷照美君 定員が厳しいからそういう状況になるのも、枠が決まっているわけですから、やむを得ない部分があるかと思いますけれども、しかし、教官だけが九人増員をされまして、職員についてはゼロというのは、幾らなんでも、合理化をするといっても厳し過ぎるのではないか。これできちんと大学教育が進められていくのかどうか、こういう不安を持つのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/7
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008・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) その点は、ただいま御説明をしたわけでございますが、五十八年度としては、おっしゃるように事務職員についての措置が残念ながらできなかったということは遺憾でございますけれども、先ほども申しましたように、全学的な協力体制を組んで取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
そのことによりまして教育研究体制が十分行えるのかというお尋ねでございますが、初年度は通例、一般教育の教官について配置をされるわけでございまして、先ほども申しましたような事務体制としては、人文学部・教育学部の事務部という形になるわけでございます。したがいまして、五十八年度は大変厳しい情勢でございますが、その後は私どもとしても、学年進行に伴いまして、実務の増大に伴って必要な事務職員についてはもちろん増員を図らなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/8
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009・粕谷照美
○粕谷照美君 その後はという——先ほどの説明では、後年度はと、こういうふうにおっしゃったものですから、後年というのは一体何年先になるのかという疑問が出たわけです。五十九年度、来年度はそういうことをもう考えなければならないというふうに判断をしてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/9
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010・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 五十九年度から順次学年進行で整備をしなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/10
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011・粕谷照美
○粕谷照美君 いまの職員の問題についてこれから集中的に質問をしていきたいと思うんですけれども、まず、国立大学には、教官以外のさまざまな職務に従事をしている事務職員などが置かれているわけであります。昭和五十八年度予算を見てみますと、国立大の全職員が十三万二千百五十人のうち、行政職俸給表(一)の適用者が三万八千四百九人、(二)の適用者が九千五百七十人、合わせて四万七千九百七十九人、非常に大勢おるわけでありますが、国立大学が教育研究という本質的な役割りを十分に果たすためには、こういう教育研究に直接かかわる事務職員、それから教務職員、技術職員、図書館職員などの一般職員が車の両輪として一致協力して運営がなされていくということが非常に大事だというふうに思いますけれども、この点についてのお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/11
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012・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 全般的なお尋ねでございましたが、もちろん国立大学の教育研究を円滑に遂行するために、事務職員がその支えとなることはもとよりでございまして、おっしゃるようにその点は車の両輪のごとくに両々相まって大学の教育研究体制というものが遂行されるものと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/12
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013・粕谷照美
○粕谷照美君 その車の両輪なんですけれども、どうも片輪が大きくて片輪が小さいのではないかという気がしてならないわけであります。職員というものが意欲を持って働き、十分な役割りを果たすためには、その身分とか職務というものが確立されると同時に、給与やその他の処遇がやはり適切に行われる必要があるというふうに思うんですが、しかしこの職員の処遇がきわめて悪いということが前々から指摘をされております。
たとえば、五十七年度予算を見てみたのですけれども、級別定数を国立学校と他の省庁の出先機関と比較してみますと、一等級から五等級までの上位等級の定数が、財務局ですと六六・五%、通産局ですと七〇・六%、食糧事務所が八一・八%、地方医務局八四・七%などに比べまして、国立学校においては三八・五%と、きわめて悪いわけであります。さらに、それより上の等級を比較しますと、一層大きな格差が出てまいります。もとより給与などを適正に比較するためには、職員の年齢構成や勤続年数、学歴や職務の内容などを十分に考慮しなければならないと思いますけれども、それにしても大きな格差があるということは非常に不審でなりません。
そこで、こういう実態を文部省としてはどのように認識をして、このような処遇が悪い業務をどのように把握をしていらっしゃるか、その改善のためにこれからどのようにされようとしていらっしゃるか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/13
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014・高石邦男
○政府委員(高石邦男君) まず一つは、年齢構成が、他省庁に比べまして国立大学の場合は若いわけでございます。
ちなみに申し上げますと、四十歳未満の省庁別の平均でございますと四九・七%、国立学校の場合は六一・三%、一〇%余り若い人が多い。逆に四十歳以上になりますと、省庁別で言いますと五〇・三%、国立大学の場合は三八・七%、年齢構成の若さというのが一つの原因だと思います。
それから、等級の格づけについては、それぞれ職務の内容、ポストに応じて決めているわけでございます。国立大学の場合に、係長とか課長とか課長補佐、そういう役職的なポストというのが他の省庁に比較して非常に少ないというようなこと。そういうものが重なり合って、全体的に等級別で見ますと、いま御指摘のございましたように非常に低い状況にあるというのが実態でございます。
それで、こういう実態でございますので、ただ、等級別定数につきましてはポストの絡みがありますので、定員のようにふやしていくというのには一定の限界があります。しかし、その隘路を打開するために、たとえば主任の制度をもう少しふやしていくということによって上級の等級へ上げることができるような対応を考える、ないしは非常に組織が肥大化していく場合については適正なポストを整備していく、こういうような両面からその改善のための努力をしていかなければならない、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/14
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015・粕谷照美
○粕谷照美君 ポストを整備したいという考え方については私は了解をいたしました。
人事院来ておられますか。——八五年の公務員の給与、任用制度、これについて見直しをするという人事院の素案が出されるというふうに聞いておりますが、この辺についてはいまどういう実態になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/15
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016・斧誠之助
○政府委員(斧誠之助君) お答えいたします。
作業状況の現状をまず御説明いたしますと、いま先生おっしゃいましたように、大体定年制が実施されますのが昭和六十年の三月三十一日でございますので、そういう新たな制度の発足に合わせて総合的な見直しも発足したいということでいま作業を進めております。これにつきましては、各省人事当局でありますとか、あるいは各職員団体、そういう関係者の御意見を十分承る手順が必要でございますので、まずその方面に御説明して意見を承りながらと、こう考えておるわけでございますが、その各省あるいは職員団体にお示しする案がほぼ大詰めのところを迎えております。期日は定かには申し上げられませんが、ごく近い機会に両者に案をお示しして御意見をお伺いしたいと思っております。
内容的には、採用制度、昇進制度、給与制度、研修制度、そういうものについて考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/16
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017・粕谷照美
○粕谷照美君 そうしますと、これ初め二月ごろに出るという見通しだったというふうに思いますけれども、ずいぶんおくれ込んでいるような感じですね。当然大学問題もその中に含まれていくように思いますけれども、大学関係の昇格が大変悪いと、こういうふうに言われておりますけれども、人事院としてはそのことをお認めになられますか、どうですか。
それから、その理由が、等級別定数が他省庁に比較して非常に悪いからだと、こういうように言われておりますけれども、どのように判断をされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/17
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018・斧誠之助
○政府委員(斧誠之助君) 人事院としましては、毎年定数につきまして各省の御意見も伺いながらその配分を行っておるわけですが、特に文部省について不利な扱いをしているということはさらさらございません。
確かに先ほど先生おっしゃいましたように、管区機関と大学の関係を比較しますと、六等級以下のところで全国的に見ますと、他の省庁の管区機関の場合は四〇%ぐらいの在職率、文部省の場合は六〇%を超える在職率と、そういうふうになっております。そういう面では、数字的に不利なような印象になるわけですが、その主たる原因は、先ほど文部省からもお答えいたしましたように、年齢構成が非常に若いということがあると思います。
で、私たちの定数の作業は、先ほども先生からおっしゃっていただきましたが、組織の状況、それから職務の内容、それが基本になりまして作業が行われますが、もちろんその組織ごとにおける年齢構成でありますとか、あるいは学歴構成、そういうものについてしんしゃくするということは当然でございます。
それで、個人個人の任用がどうなっているかという点で見ますと、これはまた新陳代謝の状況とか、あるいは異動の可能性とか、そういうものも非常に影響してくるわけでして、人事配置なんかの面からもいろいろお考えをいただきたい点もあるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/18
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019・粕谷照美
○粕谷照美君 私もまだ勤務年数などについての調査が十分行き届いておるわけではありませんからいまお伺いをしたわけでして、これから人事院案が出ましたら、またこちらでも十分に研究をして質問をしていきたいと思います。
しかし、国立大学の職員の人たちが非常に不満に思っているのは、他省庁では専門職員の定数があるけれども国立学校にはそれがないではないかということだと思うわけです。たとえば財務局の行(一)等級別、識別予算の定数の実調を見ますと、部長、次長、課長、課長補佐、係長、主任などのほかに監理官、監察官、検査官、考査官など多くの専門官がいるわけですね。陸運局なども専門職の定数があるわけです。しかし国立学校ではこういう専門職というものは全然認められていないので、これがやはり国立学校における昇格を不利にしている要因ではないかというふうに思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/19
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020・斧誠之助
○政府委員(斧誠之助君) 専門職につきましては行政の需要の変化もございます、あるいは複雑多様化もございます。そういうことでそれぞれ専門に独立して仕事をした方が能率が上がるというような職務については専門職として処遇する道を開くということで、ここのところずっといろいろな専門職を認めてきております。
大学につきましては、図書館職員、それから教室系の技術職員、そういう職員につきましては専門職としての定数を配置してございます。大学の事務局におります事務職員につきましていろいろな専門職を設置する可能性というものにつきましては、文部省から一昨年来いろいろ御要望を承っております。それをいまいろいろな角度から実は研究をさしていただいておるところでございまして、これからもひとつ文部省の御相談に応じて善処してまいりたいと、そう考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/20
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021・粕谷照美
○粕谷照美君 人事院結構でございます。ありがとうございました。
それでは、いま人事院で文部省からいろいろ要望をもらっている、相談をいただいている、こういうふうに話がありましたけれども、具体的にはどういうことを文部省としては考えているのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/21
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022・高石邦男
○政府委員(高石邦男君) まず一つは、基本的に組織につきまして、適正な組織をつくってしかるべきポストをつくっていくということが一つであります。
第二番目に、そういう給与について一定の頭打ちの状況に来ている人で、なおその資質、能力が上位の専門的な仕事をするにふさわしいという人については、先ほど来論議がありましたような専門職員であるとか主任制度の活用ということを考えていかなければならないと思っております。
昭和四十八年と昭和五十七年度の比較で申し上げますと、主任につきましては約二・六五倍のポストがふえております。係長で言いますと、これは一・二四倍というような形でありまして、どうしても組織をいろいろ拡大していくというか、課をつくるとか係をつくるというのにも一定の限界があるので、主として主任の問題ないしは専門職員の設置というような面で対応を考えていかなければならないであろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/22
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023・粕谷照美
○粕谷照美君 国立大学人事担当部課長会議で、大学の事務専門職員をつくってもらいたい、そのためにわれわれはこういうことを意見として出したいという書類が出ていますね。たとえば「専門職制を置くことを適当とする業務例」の中に、「法規、訟務業務」というんですか、大変むずかしい業務のようですが、「年金、災害補償業務」「留学生、外国人研究員、渉外等関連業務」あるいは「入試調査業務」、こういろいろありますけれども、この辺のところは、一体具体的に検討をしている内容がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/23
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024・大門隆
○説明員(大門隆君) お答えいたします。
国立大学の人事担当部課長会議でいま先生のおっしゃいましたようなことが検討されまして、要望が出されておるわけでございますが、文部省としましてもその要望を受けまして、いまのいろんな訴訟業務あるいは医事関係の業務、あるいは最近かなり国際交流が活発になってまいりまして、留学生だとか外国人研究者の受け入れ等が多くなってまいりましたので、その渉外関連業務等々につきまして専門職制度を設けよう。それで具体的には五十七年度に計画を立てまして、約二千人の計画を立てて、そのうちの約四百人ほどを要求いたしておるわけでございますが、先ほど人事院の方からもお話がございましたように、なおその職務の内容等専門性の度合いなどについて検討する必要があるということで検討されておられるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/24
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025・粕谷照美
○粕谷照美君 あわせまして、国大協でやっぱり研究技術専門官制度の新設に関する要望書などというものも出ています。この辺のところはどういうふうにいま考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/25
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026・大門隆
○説明員(大門隆君) 先ほど人事院の局長から御答弁ありましたように、現在人事院で検討されておられるわけですが、その中でいまの国大協の要望も検討していただいておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/26
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027・粕谷照美
○粕谷照美君 私は一般会計というのを予算書を見てみましたけれども、本省だとか文化庁、あるいは研究所、博物館などというのは予算定数というものがはっきりと出されているわけですね。つまり私どもから見ると公開をされているという感じになっています。しかし、国立学校の特別会計というものを見ますと、確かに国立学校、附属病院、研究所、三分して予算定数が出ておりますけれども、しかし各大学ごとに級別の定数が示されているかということを調べてみますと、どうも予算配分が明確になっていないような感じがしてなりません。大学の職員組合などに言わせると、こういうのをどんぶり勘定と、こう言っているそうですけれども、この辺のことについてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/27
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028・高石邦男
○政府委員(高石邦男君) これは各大学にそういうポストを区分けしてその大学限りで使うというような使い方もございましょうけれども、それぞれのポストが有効適切に効率的にロスのない使い方をしていくという場合には、それを総合して使うというのが一つのメリットのある効率的な使い方であろうと思うんです。したがいまして、基本的には課長であるとか係長であるというポストがそれぞれの大学で決まっておりますので、それに応ずる処遇はもちろん図っていく。それ以外に主任の問題であるとか専門職員というようなものについてはできるだけそれを有効適切に総合的に使うというような運用も考えていかなければならないという意味から、各大学ごとに級別定数を何ぼですというふうに明確に示してないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/28
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029・粕谷照美
○粕谷照美君 有効であるとか適切であるとかという判断を一体だれがやるかという問題があろうかと思いますね。
私ども大学などへ行きまして、要覧というんですか、一覧表を見ますと、なかなか定数のところに数字が入っていないという感じがしてならないわけでありますけれども、やっぱりこの辺のところを大学内でもコンセンサスを得るような体制ですね、たとえば先ほど人事院がおっしゃった一つの素案をつくって、そして各関係のところにそれを提示して意見を吸い上げていく、こういうものがあると思いますけれども、その辺のところはこれが有効なんですよというような押しつけたようなやり方になっているのではないかという感じがしますけれども、その辺はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/29
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030・高石邦男
○政府委員(高石邦男君) たとえば同じ課長でも、二等級の課長、三等級の課長といろいろあるわけでございます。したがいまして課長の等級、三等級でこの学校は何ぼというような形で運用するよりも、二等級の課長にも上がり得るというようなポストにつきましては、やっぱりそこは弾力的に運用していかなければならないので、最初からおたくの大学は三等級の課長が何ぼで二等級の課長が何ぼだということになりますと、大学ごとの格差が逆に生じてくるということで、そこは総合的に運用した方が適切であろうというような意味合いもございまして、先ほど来申し上げているような運用をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/30
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031・粕谷照美
○粕谷照美君 それから、問題点がたくさんあるわけですけれど、事務局長初め課長以上の高級職員というところには、常に文部省の人事の一環として位置づけられて天下り的におりてくるわけですね。二年あるいは三年たちますとその人はまた本省へ戻ってくるとか、あるいは格が高いとか低いとかと言うと問題がありますけれども、やはり給料が上がるように他の大学に移っていくというような制度がありまして、生え抜きというのはもう何か等閑視されているような感じがしてならないわけですけれども、その辺についての考え方、救済策というようなものをどうやって考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/31
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032・高石邦男
○政府委員(高石邦男君) 基本的に各大学における事務局の管理職につきましては、適材を適所にという姿勢で人事をやるわけでございます。しかし、一般的な傾向としては、本省から出かけて各大学の管理職につく率が多いわけでございまして、その事実を否定するわけにはいかないわけであります。ただ、それぞれの大学で、この人は大学の課長にできる能力があるというような人もなかなかその土地から離れられないというようなことで、せっかくのチャンスを保証しようとしても、転勤そのものについて、家があるから土地があるからというようなことでなかなか移動をしたがらないという実態もあるわけでございます。したがいまして、理念としては平等に課長以上の昇進についてのポストを保証しようと考えておりましても、現実的には生え抜きでその学校から離れられないという人がかなりいるというところに一つの問題点があるわけであります。しかし、そういう人を救済するために俸級表とか級別定数というものの仕組みを合わせるわけにいかない。あくまで合理的なポストに応じて、能力に応じた処遇というような形になりますので、級別定数の純理論的な観点での格づけと、そして現実的な人事の絡みというのが複雑になっておりますので、勢いそういう傾向が示されているというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/32
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033・粕谷照美
○粕谷照美君 生え抜きを決して等閑視をしているわけではないという考え方はわかりました。
それでは、その次に移りますけれども、大学の事務職員等において女性の占める割合というものが、係長、課長補佐、課長等の役職について一体どんなふうになっているのか、御調査ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/33
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034・大門隆
○説明員(大門隆君) お答えいたします。
これは五十八年一月の調査でございまして、大学の課長補佐、事務長補佐、それから係長、主任について申し上げます。
課長補佐につきましては、女性は現在五名でございます。それから事務長補佐が一名、係長が五十八人、主任が八百四十五人となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/34
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035・粕谷照美
○粕谷照美君 私が問題にしたいのは、「国連婦人の十年」が始まって以来、男女差別が大変大きいのではないか、こういう意見がずうっとここのところ続いてきているわけであります。文部省において、その数字を見て一体どういうふうにお考えですか。やはりまだ女性を採用していくという点については足りないものがあるというふうにお考えでしょうか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/35
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036・高石邦男
○政府委員(高石邦男君) 女性の管理職への登用の状況というのは男子に比べて低いということは現実にございます。で、能力があれば女性についてもひとしくそのチャンスを与えていくという基本的な姿勢は持っているわけでございますが、なかなかそこの各個人の評価になりますと、全く男と同じというような形で管理職へのポストの昇進ができにくいという実態でございます。しかしながら、基本的に平等な立場で対応していかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/36
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037・粕谷照美
○粕谷照美君 私も、幾つかの大学の五等級以下の中に男が幾ら、女が幾らというのを黒丸、白丸でもって図示したのをいただいているわけなんですけれども、本当に女の人ばっかりかたまっているわけですね。そういう意味では、私は女性の能力というものを正しく見ていくという姿勢が大学には欠けているのではないかというふうに思うわけです。それとあわせまして、長いこと本当に専門的な仕事をしていらっしゃる方がいるのに、そういう専門職という制度がないためにいつまでもそこのところにとどまっているという実態があろうかというふうに思いますので、ぜひこのことについては考えていただきたい。
で、文部大臣、国立大学における女子職員の能力を開発していく、正しく認めていくということについて、いかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/37
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038・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 細かい実態は承知しておりませんが、一般論として男女の差をつけるという考え方はこれはとらないわけでございます。ただ、平等と言いましても、その部署、仕事等によってやっぱり能力といいますか、それが作用しますから、全部同じようにというわけにはまいらないと思いますけれども、原則はもちろん能力に応じて同じように扱う、こういうのが当然であろうと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/38
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039・粕谷照美
○粕谷照美君 ぜひ、そういう大臣のお考えのような実態ができるように内部で努力をしていただきたいとお願いをいたします。
では、設置法の問題はこれで終わりまして、次、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正法の方に移ります。
私は、手元に大阪府都市教育長協議会の小中学校の、三十市なんですけれども、五十七年七月の実態調査表を持っております。
その内容は、児童生徒急増に伴う教育費等実態調査と、こういうものですけれども、五十四年に比べて小学生が減っている。中学生は大幅に伸びている。しかし、小学校で減っていても三十市のうち十三市では増加をしている。中学校では五市でもう三〇%を超すほど増加をして、平均しても二〇%を超している。こういうことが明らかになっているわけであります。
小中学生の増加率の実態と、この急増地域というものは全国的に見ましてどのくらいの存在をしているものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/39
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040・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 児童生徒の急増の状況等についてでございますが、子供の数で申しますと、小学校につきましては、先生御案内だと思いますが昭和五十六年が小学校生徒数のピークでございまして、全国で総計一千百八十一万九千人というのがピークになっておりまして、以後五十七年、五十八年と逐次減りつつあるという状況にあるわけでございます。
他方、中学校の方につきましては、昭和六十一年がピークということで、五百八十九万四千人というのが六十一年の数値として予測されておるわけでございますが、これは現在、昭和五十七年の五百四十三万人というものに比べますと四十四、五万人ほどふえるというような状況にあるわけでございまして、小中合わせますと昭和五十七年が一千七百万ということでピークになっておりますので、全体としては本年度がピークで若干減りぎみになっている。その中で、小学校についてはすでにピークを越して減ってきているが、中学校はこれからであるという状況にあるわけでございます。
急増関係のこういった実態等を踏まえまして、急増の市町村の指定というのを行っておるわけでございまして、その指定にはそれぞれ要件がございますけれども、その指定を受けております市町村の数は、昭和五十七年度、本年度現在で申し上げますと、小学校で四百三十五市町村でございます。それから中学校で六百三十七市町村ということで、合計いたしますと千七十二市町村ということになるわけでございます。ただいま申し上げました数字は、小中ダブってカウントされているケースがございますので、両方の指定を受けているというものの重複を除いて計算をいたしますと、急増指定市町村というのは昭和五十七年度で六百七十一市町村、全国の市町村の数が三千二百五十五でございますので、その約二〇%というような数値になっておるわけでございます。
ちなみにこの急増関係の指定の関係での最近の状況、あるいは今後の推移等について申し上げておきますと、この指定の関係につきましては、さっきの児童生徒数のピークとは若干ずれて指定が行われるわけでございまして、小学校の場合には昭和五十五年度五百三十七市町村というのがピークでございました。その後現在までずっと減ってきているという状況にございます。
他方、中学校の場合には五十八年度、来年度が、これは推定でございますけれども七百十六程度の市町村が指定されるであろうということで、五十八年度がピークになって、その後また減る状況になっていく、そんなような傾向にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/40
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041・粕谷照美
○粕谷照美君 この大阪の統計から見ますと、各衛星都市の五十六年度一般会計決算額に対して教育費の占める率というのは、三〇・五%の摂津市を初めとして相当に高いわけですね。教育費のうちでまた最も比率が高いのは学校建築費、市で言えば河内長野市が七三・七%、茨木が六一・七%、豊中が五六・二%、こう挙げられるわけですけれども、教育費の中で学校建設にこれだけのものを取られるということになりますとほかのことは何にもできないというような実態になるのではないか、こう思いますけれども、各人口急増地域が大変教育費で苦しめられているという実態を大臣は御存じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/41
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042・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 詳細個別に承知しておるわけではございませんが、一般的に市町村教育費は非常にウエートは大きいと、こういうことは案じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/42
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043・粕谷照美
○粕谷照美君 大臣、案じてばかりいては困るのでありまして、その案じている部分にどうやって対策を講じていくかということが非常に大事なんで、これは文部省としての役割りは非常に大きいというふうに思いますけれども、公立小中学校の不足教室数というのは、現在どのくらいになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/43
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044・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 公立の小中学校の普通教室につきましての不足数でございますけれども、昭和五十七年の五月一日現在で申し上げますと、小学校で四千九百五教室、中学校で二千九百三十六教室ということで、全体を足しますと約八千程度というような数字になるわけでございます。この数値も昭和五十三年が不足数としては最高のピークでございまして、以後、逐次減少してここまできたわけでございますが、これも先ほど申し上げましたことと同様に、内訳を見てみますと、小学校については相当減ってきておりますが、中学校はこれから急増を迎えるということでもございますので、中学校の方はなお若干増加の気味があるというような状況にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/44
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045・粕谷照美
○粕谷照美君 大分減ってきていると言いながら八千教室も足りないというのはこれは大変なことですね、授業をやっている人たちあるいは授業を受けている児童生徒にとってみれば。予算委員会で文部省の出された資料を見てみますと、教室が不足していませんよ、足りていますよという県は全然ないんですね。すべての県が教室が足りない。小学校も足りません、中学校も足りません。これは実態ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/45
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046・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘のようにそれぞれの県、それぞれの事情があるかとも思いますけれども、不足教室を抱えておるわけでございます。なお、つけ加えて申しますと、この不足教室というのは、生徒が、もちろん青空でやっているというわけではございませんで、その間仮設のプレハブ教室を利用したり、あるいは特別教室を転用してそこで授業を行っているというようなケースであるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/46
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047・粕谷照美
○粕谷照美君 管理局長、プレハブの教室へ入っていらっしゃったことありますか。冬の寒いときとか、あるいは夏のかんかんと日の照るようなときに、どういう実態のもとで授業が行われているかなんていうことを経験なさったことありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/47
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048・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 一般的にプレハブの教室に入ったことはございますけれども、寒さ暑さ等全体を調べたという体験は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/48
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049・粕谷照美
○粕谷照美君 私は新潟地震のときに、建てたばかりの学校が斜めに一メートルも土の中にめり込んでしまって、授業もできなくなって、そしてプレハブの教室の中で生徒も教師も大変苦労して二年余りを過ごしたという実態をよく知っているわけでありまして、その子供にとってはその一年間は二度と返ってこない一年間なんですから。実態調査やられているわけですからね、プレハブ教室がありますよなんてことを黙っているわけにはいかないと思うんです。
大坂では枚方市は五十八教室、寝屋川で三十六、堺市で二十五など、二十三市だけでもう二百十教室が足りないと、こういうふうになっているわけですね。文部省の調査によると大阪全体で二百二十八ですから、その三十都市だけでもう二百十というと大半を占める状況になっているというふうに思います。このプレハブが出てくる理由というものは、一体なぜこんなふうにしてプレハブ教室が出てくるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/49
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050・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) プレハブ教室ができる事情でございますけれども、御案内のように、教室が足りないという場合に、それを建てるにいたしましても、足りない数が非常に少なくて一棟をつくるほどではないというような場合でございますとか、そのためにもう少しふえてから建物を建てようというようなケースもございますし、あるいは学校を分離新設をするという予定が立っている、そのために若干その期間待ちたいというようなケースでございますとか、いろいろあるわけでございます。あるいは新増設の工事を学校の中で行っております際に、その建物が建ち上がるまでの間ということでプレハブを使っているというようなケースもございますので、事柄としてはやむを得ない事情のものが大半と申しますか、ほとんど全部であろうと思うわけでございます。
もちろん、先生から御指摘がございましたように、その中で子供が一年間という時間は過ごさなければならないということにもなるわけでございますので、私どもといたしましては、各市町村で学校の整備計画を十分配慮してやってほしいということと同時に、特にこのプレハブ教室の解消につきましては、原則として翌年度に解消してほしい、それがだめな場合にも少なくとも三年間の間にその解消を図ってほしいという方向で指導を行っておるわけでございまして、現実に解消の状況等見てみますと、大体ほとんど九割近くがその三年間の間では解消されるということにはなっておるわけでございますが、それにいたしましても、先ほど申し上げたような事情で出てまいるプレハブ教室でございますので、その後の事情によってさらにプレハブ教室ができるというようなことで、ぐるぐる回転をするような性格がこの問題についてはあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/50
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051・粕谷照美
○粕谷照美君 この辺のところはどうなるんですか、新増築に係る場合の現行法規は、その年度の児童生徒の確定をした後に国庫補助の認定が行われて、それから行動開始が始まる、改めてその完成までの間はプレハブや特別教室の転用などによって急場しのぎの授業が行われる、この辺に原因がありませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/51
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052・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 毎年五月一日現在で児童生徒が確定いたしまして、以後それによってどれだけ必要だということがはっきりしてくる、それによって補助が定められるということになってくるのが原則ではございますけれども、あらかじめ前年度あるいは前々年度に整備をするというようなことも認めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/52
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053・粕谷照美
○粕谷照美君 決算の会計検査院の報告書を見ますと、こういうところで生徒の見込み違いがあった、それなのにそのまま学校を建てた、不当事項であると厳しい指摘を受けて、お金を返しなさいと、こういうふうにやられているわけです。この辺のところにそれは原因があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/53
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054・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 若干の見込み違いのケース等はあろうかと思いますが、一人二人の違いというようなことは当然のことでございますのでどうということではないと思いますけれども、相当数見込みが違った場合でございますとか、あるいは計算の方法等につきましていろいろ市町村の側が勘違いをして計算をしたために結果がこうなったというようなたぐいで検査院の指摘を受けるケースはあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/54
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055・粕谷照美
○粕谷照美君 学校の方ではそういう見込みで報告書を出したとしても、また後で教育委員会が学区変更などをやりまして、来るはずだった子供が来なくなったとか、あるいは家を建てていて、いろいろな都合でその家に期日までに入ることができなくなったとか、いろいろ具体的な条件がありまして、その辺のところは私は差が出てくるというのは当然なんだというふうに思うんです。余り細かいことでやられますと、非常に市町村もおじけづいてきて、やっぱりプレハブで糊塗しておいた方が安全だというようなことになりはしないか、この辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/55
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056・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) その点はまことに御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても会計検査院とも御相談をいたしまして、たまたま推計が狂ったというようなケースについては、これはやむを得ないものということで理解をしていただいておるわけでございます。ただ、そもそも推計のやり方等にいろいろ問題があって、そこのところが方法手段の方からして間違っていたというようなケースについてはやむを得ないので、指摘をされ、返還等を命ずるということになるわけでございますが、したがいまして何人かの人数の数が狂ったという程度のことは認めてもらうということにいたしておるわけでございます。今後ともその辺のところは実態をよく見ながら配慮してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/56
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057・粕谷照美
○粕谷照美君 予算委員会に対する事前の文部省の資料を見てみますと、実勢単価、実勢面積についてというのが出ております。これ、ちょっと説明してくださいますか。——私が言いましょうか。
昭和五十六年度の小中学校校舎建物(鉄筋コンクリート造)に係る実勢単価は、一平米当たり十二万二千四百六十二円で、標準的な校舎建設にあっては、国の補助単価は、おおむね実状に見合っていると考えている。
なお、補助単価は、毎年物価上昇に見合う単価改定を行うとともに、小中学校の屋内運動場については、物価上昇分以外に昭和五十七年度に五%、昭和五十八年度に三・五%の単価改定を図る等、実施単価との差が生じないよう配慮している。
これは非常にうれしいことでありますけれども、しかし大阪のこの表を見てみますと、なかなかそんな実勢に合っている補助だというふうには判断できないんですけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/57
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058・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 国が補助等行っております額の基礎になる額と、実際に学校が建設される場合との差というのはある程度出てきていることは事実でございます。その点はいわば国が定めております標準的な単価あるいは標準的な数量、面積等でございますとか、あるいは国の補助の、そういう点でそれを上回るようなことを各市町村が計画をしてやっていく、あるいは国の補助の対象となっていないものを取り上げてそれを整備していくというようなケースもございますので、非常に、言葉が適切かどうかはわかりませんけれども、国の予定しておるものよりデラックスなものをつくるというような場合には、その部分の差額というのが出てくるのはやむを得ないことであろうと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/58
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059・粕谷照美
○粕谷照美君 しかし、ここの堺市あたりの状況を見ますと、超過負担が十二億六千三百万円にも上っています。豊中では四億八千四百万円、吹田では四億七千万円、三十市で六十三億四千三百万円という非常に膨大な額になっているわけでして、文部省が考えているよりデラックスな学校をつくるからそういうふうになるんだということでは、これは市町村はたまったものじゃないというふうに思うんです。
私も一年間に大体三百ぐらいの学校をずっと見て回りますけれども、そんなにデラックスなんというものではありません。高等学校なんかに比べれば、もう平米当たりの単価は実に安いのではないかという感じがいたしますし、職員室などにいたしましても大変粗末なものが多いわけでありまして、これは私は補助の、文部省自体の設定する単価がやっぱり安いんだ、低いんだというふうに思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/59
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060・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 若干詳しく御説明させていただきますと、いわゆる地方の超過負担の問題でございますけれども、これは単価差の問題と数量差の問題と、それから対象差の問題と、三つの問題が含まれておるわけでございます。
単価差について申し上げますと、校舎等の建築費の単価につきましては、昭和四十年代でございますけれども、三回にわたりまして、文部省、大蔵省、自治省、三省共同して、いわゆる地方超過負担問題解決のための実態調査を行いました。その結果、設定をいたしました単価につきまして、以後毎年度の物価上昇等を見込みながら、各省庁の建物の建築費のアップ等とバランスをとりながらその引き上げを図ってきておるということでございます。
また、特に昭和五十七年度、昨年は、先ほども先生もお触れになりましたように、やはり三省におきまして屋内体育館についての実態調査をいたしまして、その結果、五十八年度の予算におきましては、一般の校舎等の単価アップ〇・七%という平均的なアップに加えまして、屋内体育館につきましては三・五%の超過負担解消分ということで上積みをいたしまして、屋内体育館は四・二%のアップということになるわけでございますけれども、そういうような措置も講じてきておるわけでございますので、基本的にはそういうことで、標準的な建物についての単価というのはほどほどの線には来ているだろうと思っているわけでございます。
また、補助金の具体の執行に当たりましては、その単価を全国一律に適用するのではなくて、全国を五ブロックほどに分けまして、非常に建築費の高いと思われる地方には実行上高い単価を当てはめるということで、五段階ほどに分けた単価で設定をし、その補助を行っておるわけでございますので、できるだけ地域の実態を見ながら補助金の執行をしたいということで行っておるわけでございます。
それから数量差の問題、あるいは対象差の問題等につきましては、学校設置者によりましてかなり具体につくっておる建物が違ってくるという点もございますので、一律にいわゆる超過負担と言い切れるかどうかという問題があるわけでございますが、数量差関係につきましては、要すれば基準面積を引き上げていくということが必要でございますので、実態等を見ながら、特に五十年代に入りましてからも、小中学校の校舎でございますとか、屋体でございますとか、毎年毎年とまで、あるいは抜けた年もあろうかと思いますけれども、逐次引き上げを図ってきておるわけでございます。
ごく最近のことだけで申し上げますと、昭和五十五年度には、小学校の屋体につきまして一七%基準のアップを図りましたし、それから五十六年度には、五十七年度までまたがってでございますけれども、高校の校舎の基準アップを一六%したとか、また五十七年度には積雪寒冷地の屋体を二七%アップするというような形で、逐次その実態等を見ながら、必要に応じてその基準面積の引き上げを行っておるわけでございます。
また、補助の対象範囲につきましても、地方公共団体の御要望等を十分承りながら、必要度の高いものについて逐次整備を図ってきておるわけでございまして、たとえば門とか塀とか、さく、フェンスといったたぐいは、あるいは吹き抜けの渡り廊下というようなたぐいのものにつきましては、昭和五十年代に入りましてから新たに対象に加えたわけでございますし、また最近の状況等見まして、昭和五十七年度からは非木造建物、鉄筋建物の改築関係での解体撤去費というようなものもこれも対象に加えるというようなことで、逐次実態に合ったものにするように努力をしてきているところでございます。
私どもといたしましては、全国的な状況を見まして、これが必要になってきた、これが当然全体としてあってしかるべきだというようなものにつきましては逐次対象に加える、あるいは補助基準をアップするというようなことで努力を重ねておるわけでございまして、今後とも単価の問題まで含めまして、実態を十分見ながらその問題の対応に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/60
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061・粕谷照美
○粕谷照美君 単価差の問題と同時に数量差の問題が指摘をされましたけれども、数量差については設置基準との関連などもありまして、私後で質問をしていきたいというふうに思いますが、文部省自身の努力も、いただいた資料によれば私は数字として見られますけれども、しかし、それにしても問題なのは建築と同時にやはり土地の実勢だというふうに思うんですね。いま補助単価どのように見ておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/61
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062・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 昭和五十七年度現在で平米当たり三万一千三百円という単価になっておりますが、これは、昭和五十八年度予算におきましては三・二%ほど引き上げまして三万二千三百円平米当たりという単価にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/62
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063・粕谷照美
○粕谷照美君 そうすると、坪数に直すと十万円足らずと、こういう計算になりますね。十万円足らずで大体どのくらいの土地が買えるんでしょうね、常識的に言いますと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/63
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064・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 土地につきましては、場所によって大変値段の違うものでございますので、その点についてはそれぞれの地域によって大変差が出てくると思いますので、一概に言えないと思うわけでございますが、ただいま申し上げました単価は、これまでの買収の実績等を見ながら実態になるべく合うような形でセットをしたつもりでございます。
現実に補助をいたします場合のやり方は、この単価によって全国一律にやっておるわけではございませんで、実際に買収した金額、もしくは鑑定を受けた適正なと認められる金額、そのいずれか要すれば安い方ということで、実態とほとんど違わない金額で補助をしておるわけでございます。その点を申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/64
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065・粕谷照美
○粕谷照美君 私もきのうある田舎へ行きましてね、新潟市の郊外ですけれども、自分のうちのたんぼを四反歩出したという人に会いました、中学校を建てるために。このもし最高をもらったとしても坪九万七千円、一反歩というのは大体三百坪ですから、幾らになるか、もう実勢の大体十分の一ぐらいですね。大変安いんですよ。まあそれは鑑定ということになればもっとうんと違ってくると思いますけれどもね。そんな値段で買いなさいなんて言う方が無理なんじゃないんですか、売る人いないわけです。だから、そういう意味ではもっとこの辺を実勢に合わせるところまでいかなければならないというふうに思っております。
この大阪の資料を見ますと、最高が平米当たり十八万一千四百六十二円、茨木市で十五万八千百円、寝屋川で十五万三千四百円になっているわけですね。土地の値段が上がらないというのではなくて、上がっているということ自体は文部省も認めているからこそこの補助単価を上げているというふうにも思いますけれども、これ、どこから基準持ってくるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/65
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066・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 先ほどもお答えしたところでございますけれども、現実に各市町村が小中学校の用地を購入いたしております実績の平均的な単価をとるようにしておるわけでございまして、先ほど先生大阪の実例をお挙げいただきましたけれども、私ども昭和五十六年度の実際の補助の状況で申し上げますと、一番最高が東京の板橋区の例でございまして、平米当たり二十七万五千円という金額で補助をいたしております。
〔委員長退席、理事片山正英君着席〕
また、安いところは、北海道の方で平米当たり七百円という価格で補助をしたところもございます。実態に合わせて補助をするという方向で現在措置をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/66
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067・粕谷照美
○粕谷照美君 私はそうすると考え違いをしていたわけですね。板橋で平米二十七万五千円、実態に合わせてこの補助をしましたと。そうすると、これ、予算というふうに理解をしてよろしいんですか。平米当たりの三万二千三百円というのは予算である、その予算を実態に合わせて配分をするんだと、こういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/67
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068・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) おっしゃるとおりでございまして、三万一千三百円あるいは三万二千三百円と申しますのは、予算を積算していく際の単価でございますので、実行の場合には、先ほど申し上げましたように鑑定の価格かあるいは実際に買った価格のどちらか低い方を基準にして、その三分の一の補助をするという措置をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/68
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069・粕谷照美
○粕谷照美君 それから、児童生徒の急増地域に限りませんけれども、この文教委員会でも非行問題が非常に討議をされてきたときに、マンモス校のことが大きく取り上げられてきました。で、何人からマンモス校と言うのかというのについては、いろいろ議論のあるところだというふうに思いますけれども、この大阪の資料を見ますと、大体千五百人以上を過密過大校だというふうに言ってるようであります。文部大臣の言う適正規模からいうともう倍ぐらいの数になって初めて過密過大だというふうに判断してるようでありますが、そういう学校が堺で二十七、寝屋川で八、東大阪で七、枚方で六、その他合わせて七十四、こういう数字が出ております。
忠生中学校を抱えていたあの町田市もやっぱり同じ条件になっているんですね。この町田の超過負担の問題については、すでに私もいままで二度ほど文教委員会や予算委員会で具体例を挙げて質問をいたしましたのできょうは取り上げませんけれども、こういう学校を何とか適正規模にしたいという、その文部省の指導方向、自分たち自身の要求があって努力をしているわけですが、これ、分離をするという場合に特別な措置というものがないんでしょうか。統合するときには特別の措置がありますね。分離をするときに何かありませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/69
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070・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 分離をいたします場合につきましては、統合いたす場合と同様に、校舎の建築についての補助がもちろん出るわけでございますし、
〔理事片山正英君退席、委員長着席〕
それから急増地域の場合には土地の、用地費についての補助も制度としてあるわけでございますので、そういう意味では特に大きく違うことはないと思っておるわけでございます。
さらに私どもの方といたしましては、毎年各地方の施設主管課長会議等におきまして、管理局長名の文書を渡しまして、その中で、こういうものについては優先的に採用するからぜひその方向に進めるようにということを文書でも指導し、口頭でも指導しておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/70
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071・粕谷照美
○粕谷照美君 意味がはっきりしなかったと思いましてもう一遍質問し直しますけれども、急増指定地域でなくてマンモス校を抱えている、そういうところが分離をするときに、確かに補助は出るでありましょうが、いわゆる急増地並みの三分の二の補助というようなものが出ないかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/71
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072・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) その点は御指摘のとおりでございまして、学校を新増築をする場合の国の負担につきましては、この法律によりまして二分の一ということになっておりますので、急増指定を受けて三分の二にかさ上げがされていない地域につきましては、二分の一の補助になるというわけでございます。
なお、その場合の用地費の手当てにつきましても、用地費の補助はないわけでございますが、その用地費のうちの九〇%につきましては地方債の起債の枠を認めるという措置が行われておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/72
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073・粕谷照美
○粕谷照美君 地方債の起債の枠があっても、これはやっぱりお返ししなきゃならないものですからね。統合するときには特別の対策がある、分離して適切ないい学校にしていくというときにもやはり特別の対策というものが必要だというふうに思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/73
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074・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 統合いたします場合も、先ほどのお答えにちょっとつけ加えさせていただきますが、同様に急増地域でないところはやはり二分の一補助だということについては全く同じわけでございます。
なお、こういった、何と申しますか過大校のほとんど大部分、九〇%以上は急増地域でもございますので、そういった意味での大体の対応はできていると思うわけでございますが、あとその後の問題につきましては、やはり当該市町村で十分御努力を願わなければならないことであろうと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/74
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075・粕谷照美
○粕谷照美君 当該市町村で十分御努力といいましても、市町村がおいでくださいといって人口がふえたり、児童生徒がふえるわけではありませんで、町田が、たとえば地域の学校に障害児入れましょうという、こういう福祉政策をとると、あああそこへ行けばうちの子供がということでずうっとなだれ込んでくるという実態が出てくる。そうすると、その人たちをさらに受け入れなければならないという町の責任感というか使命というものが出てくるということでは、私は市町村に御努力を願わなければならないということではなしに、やはりこういう問題点を取り上げて積極的に努力をするということが大変大事なことなんではないか、こういうふうに考えているところであります。
さらに、この超過負担の原因になるのに補助対象以外のものがたくさんあるというふうに判断するんです。さっき御説明がありましたように、塀も入れました、あるいは門も入れましたというふうになっていますけれども、まだちょっと抜けているものはありませんですか。どんなようなものを補助対象項目に入れてくれと、各市町村から言ってきてますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/75
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076・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 私としては、最近特に強い御要望を、これとこれをという話を伺った経験はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/76
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077・粕谷照美
○粕谷照美君 この大阪のを見てみますと、通学路をめんどう見てもらいたい、補助対象ということでなくても起債を認めてもらえないかというようなことが出ております。下流の排水対策などというものも、これも起債が必要だというふうに言っているわけでありますけれども、その辺のところはどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/77
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078・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 学校の施設費補助でございますので、学校の施設費についての補助をしているということでございます。したがいまして、通学用の道路も、その学校のための専用の道路であって、その土地が学校のものであり、その後の維持管理も学校が行っていくというようないわゆる専用道路については、学校用地の一部として補助をしておるわけでございますので、それ以外に普通の学校のところを通る道路というようなたぐいのものにつきましては、やはりその地域全体の開発の一環として市町村道というようなことでの整備が行われるべき性格のことであろうと思います。
その点につきましては、具体には御承知のとおり、市町村道の場合には国庫補助が別途建設省の経費等であるわけでございます。そういった形で整備をされるべき性格のものであるということで、私どもの方といたしましては、繰り返しになりますが、公の道路から学校へ入ってくる専用道路の部分については、それが専用であるということがはっきりしているものについての補助は行うということにいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/78
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079・粕谷照美
○粕谷照美君 その辺のところが苦しいから、もっとめんどうを見てくれと、こういう要望だというふうに私は考えているところです。
さらに、函館あたりへ行きましても、あそこも人口急増地域というのができまして、次から次へと学校対策に困っている。町の真ん中へ行きますと、昔の有名校というんですか、そういう学校が実にぼろぼろなんですね。鉄の窓枠なんかさびついちゃって窓もあかないような実態になっている。もうがたぴしがたぴししている。市としては、これはお金がなくてとてもそっちの方まで手がいかないんだというふうに思うわけですけれどもね。さらに木造を鉄筋化していかなければ、同じ市の中で新しく建った学校はすばらしいけれども、古い学校はもうおんぼろだと、こういうような実態もありますし、体育館の建てかえ要求などというものも非常に住民の中には強いものがあるわけですけれども、こういう予算要求というものは多いのではないかというふうに思いますけれども、その辺はもう落ちついて大丈夫だと、こういう観点に立っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/79
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080・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 木造などの危険建物の改築に絡むお話だと思って伺ったわけでございますけれども、こういうたぐいの事柄につきましては、事の性格上、私ども非常に大事なことだというふうに考えて、積極的に対応してまいったつもりでございまして、最近十年間で申しますと、こういう木造建物の比率が、十年前は四六%占めておったわけでございますが、現在では一三%というようなことで、十年間に三十数%も改築が行われたというような状況になっておるわけでございます。
こういった中におきまして、御指摘がございました函館のように、児童生徒が急増しておるというような地域の場合には、どちらかといいますと、やはり現実に入ってくる子供の建物をまずつくるという方に力が入ってしまうというようなことから、こういう危険建物の改築、木造改築といったような問題が若干後回しにされてきたという傾向はあるように思うわけでございます。しかしながら、もう大体五十六年度で小学校のピークも過ぎるわけでございますし、これから各市町村がこういう危険改築の方に本腰を入れてきていただける時期に入ってきたと思います。私どもの方も、来年度予算におきましては、こういう厳しい予算の中ではございましたけれども、危険改築関係の経費は一四%の金額のアップをいたしまして、各市町村からの御要望にこたえられるようにということで、対応を考えておるところでございます。
それから、お話の中に出てまいりました、非常に腐ってきたとか窓枠がひどいとかいったようなたぐいのものにつきましても、これも新年度予算におきまして、これは従来なかったことでございますけれども、全く新たに大規模改修関係の経費というものを計上いたすことにいたしまして、まあ十五年に一回、十年に一回といったような程度で、大規模に床の全体を張りかえをする、屋根を全体取りかえるとか、窓枠を取りかえるとかいったような、二千万を超えるような金額のものについてはこれを補助の対象にするというようなこともいたしておるわけでございまして、そういったこと全体の政策を含めまして各市町村を指導し、その実現に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/80
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081・粕谷照美
○粕谷照美君 私もその大規模修理に対する補助というのは非常にいい制度で、もう本当に各自治体は喜んでいると思います。ぜひこの辺のところについては胸を張ってそれぞれお話していただいて、みんながやっぱり平等にいい校舎の中で教育を受けられるような条件をつくってもらいたいと、こう思っているわけです。
そういう意味で今回の法律を見てみますと、期限が来たけれどもやっぱりこの制度は維持しなければならないと、こういう立場に立っているわけです。私どもは維持しなければならないのであれば、やっぱりいままでどおりの法律で出していかなければならない、あるいはそれ以上によくしていくという基本的な姿勢が必要だというふうに思いますけれども、わずかでありますけれども、しかし、それでも市町村にとってみれば大きな額になりますこの七分の四にしてしまったということについて、文部大臣はどういうことをお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/81
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082・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) おっしゃるお気持ちはよくわかるのでございますが、やはりこういう非常に国家財政、国家財政というのはやっぱり国民の負担でございますからやるべきことはたくさんある、その中でやはり財政事情が比較的いいところは多少は遠慮してもらわないと、財政事情の悪いところにどうしてもやらなきゃならぬ、こういうことから来ておるわけでございまして、喜んでやるわけではございませんけれども、やむを得ない措置であるというふうに御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/82
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083・粕谷照美
○粕谷照美君 なかなか了解をしたくないところなんですね、これは。やっぱりいままでどおりの法律で続けていってもらいたいということで、大変不満であります。不満でありますが、この法律がなければ困るという点ではわれわれとしてはもう認めざるを得ないのではないかというふうに考えるわけですけれども、この法律はさておきまして、学校を建てるというときに、私たちはやっぱりもっと基本的な問題があるというふうに思うんですね。設置基準が小中学校にないのではないか。
それじゃ一体校舎とは何なんだろうか、校地とは何なんだろうか、補助の対象になっていくそういう問題を考えるときにやっぱりこのことを考えてみなければならないというふうに思うんです。じゃ、校舎とは、一体どういうものを校舎と言うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/83
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084・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 校舎の定義でございますけれども、義務教育諸学校施設費国庫負担法、この法律には校舎の定義というのは書かれてないわけでございますが、私どもが各市町村等に対しまして補助をいたします場合の必要性に基づきまして運用細目というのを定めてお配りをしているわけでございますが、その中で用語の定義をいたしておりまして、校舎というのは、ちょっと長くなりますが読み上げさせていただきますと、「学習および学校の管理運営を行なうための中心的施設であり、普通教室、特別教室、図書室、専用講堂、遊戯室等の保育、遊戯、授業、学習、実験実習、視聴覚教育、特別活動等を行なう室、校長室、職員室、保健衛生室、給食室、用務員室、便所等の管理関係室、理科付属室、物置等の付属室および上記各室に付随する玄関、昇降口、階段、渡り廊下」云々というような形で具体に校舎の中身に相当する部分を書き上げて、こういうものを含んだ施設を校舎と言うと、それを補助しているんだということを明確にしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/84
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085・粕谷照美
○粕谷照美君 しかし、なぜそういう形で明確にするかということについての疑問が出てくるわけですね。高等学校についてはきちんと学校設置基準というものがある。なぜ小中学校にはその基準なるものがなくてそういう形のものが出てくるのだろうか。逆を言いますと、そういうものが設置されなくても明記されていないわけですから文句が言えないという実態が出てきているのじゃないか。さらに面積も不明であるというふうに考えているところです。
それで、同じような意味になりますけれども、それじゃ校地というのは一体どういうものを指すのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/85
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086・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 校地でございますけれども、これは法令上は校地という用語が出てまいらないわけでございまして、私どもの先ほど申し上げました運用細目では土地という言い方をしておりますが、学校のための土地という意味でございますけれども、「建物等の敷地、運動場、実験実習地その他学校の用に供する土地」を言うということで、「これに付随するよう壁、護岸、排水路、はり芝、すじ芝等の土地造成施設を含む。」というようなことを言っておりまして、いわば学校施設、校舎の敷地と運動場と実験実習地というのがいわゆる校地の概念をなすものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/86
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087・粕谷照美
○粕谷照美君 そういうものを見ればわかるということになりますけれども、しかしまた、校地面積の標準を織り込んだ設置基準がやっぱり私は小中学校に必要じゃないかと先ほどと同じような意味で考えているんですけれども、たとえば高等学校でしたら、設置基準で普通科を置く高校は生徒一人七十平米、農、水、工に関する学科を置く高校は百十平米、これは実習地を含まないというようなことが明確に書いてありますし、商、家庭科に関する学科を置く高校は七十平米とあるわけですね。小中については法令の規定がない、法令ですよ、そう思いますけれども、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/87
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088・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 設置基準の問題でございますけれども、小中学校につきましては、先生御案内のように義務教育であるということがございまして、子供の数に応じてすべてそれを受け入れていかなければならないという定めになっておるわけでございます。
それを実行していきます場合に、具体のやり方として現在までやってまいりました方式が、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律というような法律によりましてある目標値を決めて、それに向かって整備充実を図っていく。それから施設費国庫負担法につきましても、補助基準というかっこうではございますけれども、そちらに向かって全体を誘導していくという方式でこの問題に対応してきているわけでございまして、現実に他の義務教育でない施設の場合と同じように最低基準というものを固定的に定めまして、それより下がってはいけない、しかしながら、上へ上がる方についての保証がそれほどないというような形のものよりは、むしろこういう形の方が義務教育語学校を整備していくためにはプラスであろうという考え方に基づいているものと思うわけでございます。
現実に、補助基準ではございますけれども、土地についての補助の基準を示し、あるいは建物について、ただいままで申し上げておきましたような補助の基準を示すということによって、各市町村がそれを目標に整備を図ってくれるという意味では有効に働いているというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/88
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089・粕谷照美
○粕谷照美君 その補助基準というのは財政のための補助基準であって、教育をこのようによくしていかなければならないという観点が先に立った補助基準ではないのではないか。その辺はどうですか。財政というのはやっぱりいい教育をやるための基準なんだという考え方もあろうかと思いますけれども、しかし、大ぜいになったらやっぱりこれは基準に合わないんだから学校をあげなければなりませんよというような、これにはなってないんですね。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/89
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090・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) もちろん補助基準でございますので、財政の問題というものとの関連というのは抜きがたい点があるわけでございますけれども、私どもの気持ちといたしましては、学校の教育水準、教育環境というものをよくしていきたい、そのために一歩でも二歩でも高いものを教育的な見地から目指し、それに向けて財政の許す限りの高い水準をつくっていただくということで努力をしてきておるわけでございまして、そういう意味におきまして、教育的な見地を貫いていく上での一つの基準だという意味も十分含まれていると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/90
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091・粕谷照美
○粕谷照美君 いま管理局長からいろいろ御説明がありましたけれども、財政の補助基準そのものをもう少し今度はよく手直しをしていけば、こういう問題点もだんだんに解除されていくものだ、充足をされていくものだというふうに考えておりますので、管理局においては十分な御討議をさらにお願いをしたい、努力をお願いしたいというふうに思っております。
ところで、私は先ほど七分の四に対する考え方を申し上げましたけれども、三分の二から七分の四にするということで財政上は一体どのくらい浮くというんですか。文部大臣のおっしゃるように、あるところからないところに回すんだと言われますけれども、そんなにあるものでもないのを回すわけですから大変なことだと思いますが、どれくらいなものになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/91
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092・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 正確ではございませんけれども、単年度、五十八年度分でどれぐらいになるかという試算をいたしたことがございますが、約三十億の余裕が生ずるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/92
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093・粕谷照美
○粕谷照美君 この問題が全部片がつくという時代ですね、五十八年で中学校の生徒がピークになる、それでずうっとおりていくわけですけれども、一切片がつくというときはいつになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/93
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094・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 各市町村からいろいろ計画をいただいているところによりますと、昭和六十二年までというところについての計画をいただいておるわけでございますが、その計画では、今後の五年間に、これまで五年ずつ急増の時限立法をやっていただいてまいりましたが、それぞれの年の新設校数が大体五年間で、五年ごとに千五百校程度であったわけでございますけれども、今回の昭和五十八年から六十二年までという五年間につきましても約千五百校程度のものが、毎年にいたしまして三百校ぐらいというものが建設を予定されておるわけでございますが、状況を見ますと、最終年度である六十二年度あたりはかなり数字が減ってきているという状況にございます。しかしながら、それ以後の数値については、現在各市町村の状況等を調査をいたしておりませんのでわからないわけでございますけれども、六十二年でぱたりと切れるというふうにはなかなかまいらないだろうと思いますので、それ以後にどういう状況になってくるか、その点はもう少し先の段階で調査をし、また対策等も考えなければならない、こんなふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/94
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095・粕谷照美
○粕谷照美君 児童生徒の数が落ちついてきて、一応市町村あるいは県段階の教育に出すお金、財政というものが落ちついてくる、まあ無理やりやらなくてもいいという状況がつくられてくるということになりますと、いままでは量的な拡大というものが非常に大きかったというふうに思います。今度は質的な問題だというふうに思うんですね。この五カ年間の間に小中学校の財政補助基準、高校で言えば設置基準などというものをきちんと改めて見直しをして、そしてさらに条件をよくしていかなければならないという努力が私は文部省にかけられているというふうに思います。当然市町村、地方自治体も努力をしなければならないし、また親たちも一生懸命に地域の人間としてこの辺についての理解を深めていかなければならないというふうに思います。その御決意を文部大臣にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/95
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096・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) やや余談になりますが、私は昭和二十二年当時、短い期間でありましたが、地方の市長をやっておったことがございます。その当時、それからいわゆる六・三・三制に変わりまして、私の十二、三万の都市でも一挙に六つの中学校を新しくつくらなければならない。ああいう貧乏のどん底にあるときに、それこそ占領軍の命令でそうなったんですが、先ほどプレハブ校舎なんかのお話がありましたが、まさに古材あるいは生木を使っていわゆるバラック建ての校舎を建てる。それから、旧来のいわゆる尋常小学校、その当時は国民学校と言っておりましたが、これは明治百年以来の古い校舎ばかりがほとんど全国にある。その後三十数年たっておるわけでございますが、もう地方によってはほとんどすばらしい鉄筋校舎になっておる。
その内容、いい悪いは問題がありますけれども、いずれにしてもこの間の、これは学校だけではありませんけれども、日本のすばらしい国民のエネルギーがここまで来ておる。先ほど説明がありましたように、まだまだプレハブがあったり、あるいは危険校舎もある程度残っておるし、鉄筋コンクリートの建造物というものはどのくらいもつかということは、歴史的にはまだ人類には経験がないわけでありまして、百年もつのか五十年もつのか、大体六、七十年と想定しておりますが、そういう時期が来ればまた補修、改造の時代が来ると思いますけれども、もうしばらくするとまさに校舎の新築なんかは余りなくなってくる。
これはほかの道路その他も同じでございますけれども、その時分になりますと——その時分になってからという意味じゃありませんが、いよいよ本当に質の改良、もっとそれこそゆとりのある教育場というものをつくる段階に入らなきゃならない。まあ学校の校舎ばかりではありませんが、日本の国民の生活状態というものはそういう時代に入ってくると思いますが、当然に一番基本的な教育場はそういう頭でやらなきゃならない。いままでは校舎を、とにかく入れ物を早くつくらなきゃならないと、住宅も同じでございますが、もうそういう時代は過ぎたのであります。現在も校舎の設備については、もう少し環境を十分によくするという方針でこのごろ進めておるわけでございますから、いま粕谷さんのおっしゃったとおりに将来は考えていかなければならぬと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/96
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097・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午前十一時四十七分休憩
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午後一時八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/97
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098・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、国立学校設置法の一部を改正する法律案及び義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/98
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099・高木健太郎
○高木健太郎君 まず最初に、奈良教育大学及び福岡教育大学に大学院を設置されるということでございますが、国立大学の中で、特に人文系あるいは社会学系におきまして大学院の置かれていない大学というところがかなりあると聞いております。しかも、これ長い間このような要求が当該大学から出ておるわけでございますが、その点はどのようになっておりましょうか、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/99
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100・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 大学院についてのお尋ねでございますが、国立大学の人文系の学部は全体で三十四学部あるわけでございますが、大学院を置いていないものが九学部でございまして、率から申しますと二六%ということになっております。
従来、文部省といたしましては修士課程の新設拡充につきましては、その設置が当該大学の教育研究水準の向上に資することが大きいこと、第二点として、終了者が社会の諸分野で高度の専門性を備えた人材として進出することが期待できることなど、各大学の何と申しますか、熟度といいますか、構想が十分練られているということや、あるいは社会的要請を考えながら、教員組織その他の条件が整ってまいっておりますものについて順次設置をしてきているわけでございます。他方、博士課程の新設拡充につきましては、わが国の学術研究水準の維持向上の観点や、修了者の進路、いわゆるオーバードクターの問題もあるわけでございますが、それらを勘案しまして、全般的に慎重に対応しているところでございます。
基本的には今後ともこういう考え方で対応したいと思っておるわけでございますが、大学院問題そのものが、これはわが国の高等教育全体にとって大変大事な問題でございまして、ただいま文部省に大学関係者や学識経験者によります調査会議を設けまして、御検討をいただいているわけでございます。その状況を踏まえまして、教育研究水準の向上なり学術の振興という観点から、今後とも整備を図ってまいりたいと思っております。
なお、お話で、教員養成の場合の御指摘がございましたが、教員養成の場合には、国立大学は学部で五十でございますが、大学院を置かないものが三十九で、教員養成の場合には修士課程の大学院の設置というのが大変率直に申しましておくれているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/100
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101・高木健太郎
○高木健太郎君 ずいぶん前々から、各国立大学、まだ置かれていない国立大学から要望があると思いますので、条件が整い次第ぜひその大学院を置かれること、教授のスタッフもそろっておるし、設備も十分あるというのに置かれないということに対して、非常に疑義を持っている人たちもおられますので、その点をぜひ御検討願いたいと思います。
いま、教員養成というお話がございましたので、ちょっとお聞きしたいと思いますが、教育学部のできました当初には、現場の経験のある教師もずいぶんおられたわけでございますけれども、おいおいとそういう人たちも少なくなりまして、現在の教員養成ができる大学では、現場のことを余り知らない教授が任官しておられると思うわけです。主としてアカデミックな教育学というものをやっておられまして、養成をする場合にその点が非常に不都合があるのではないかということが考えられます。
この点は、ほかの学部についても言えることでございますが、今度の高岡の短期大学にも教員養成の課程を設けられるのかもしれませんが、それは後でまたお聞きいたしますが、今後教育大学に大学院を置かれるということは結構でございますが、教員養成の課程を置かれるということであれば、そのような教員の現場もよく知っておられる教官というものの配置をぜひ考えていただいた方がいいのではないかと、こう思います。これは私からの注文でございまして、とかくそういう傾向にあるということでございます。
これは医学部にとりましても同じことでございまして、教官の選考が、その人の研究業績が主体になっておりまして、教育業績というものが、疎んぜられるということではありませんけれども、ほとんど顧みられていないことが多いわけでございまして、その人たちが、ある業績の数あるいは内容もあるでしょうが、非常に狭い専門の分野で研究をされた方が教官になりました場合に、その教官が果たして大学の教育に対して適当であるかどうかということは、今後、私非常に大きな問題だと思うわけです。
こういう面も含めまして、教育大学に大学院を置かれるということにつきましても、ぜひ教育の現場を御存じの教官を何とかして配置するような工夫を大学側に対しても、注文をつけるというのはおかしいですけれども、そういうものをひとつ考慮していただくように私からお願いしたいと思います。
次に、高岡の短期大学でございますが、短期大学はある専門のものをやるということがこれには書いてございます。専門教育を授ける官制教育機関、他方四年制大学と連携の役割りを持っているというふうに書いてございますが、この高岡短期大学というのはどのような専門でおやりになるのか、それをひとつお聞きしたい。それと同時に、これはどのような教員養成機関を兼ね備えておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/101
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102・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 高岡短期大学の趣旨は、地域の多様な要請に積極的にこたえていく短期大学として置かれるわけでございます。
あと、具体的な専門教育の中身についてのお尋ねでございますけれども、構成といたしましては、産業工芸学科と産業情報学科の二学科で構成をいたしております。産業工芸学科は金属工芸、漆工芸、木材工芸、産業デザインというようなそれぞれ専攻を考えているところでございます。産業情報学科では、経営実務、情報処理、ビジネス外語というような専攻を考えておるわけでございます。
なお、具体的な教育課程の点でございますけれども、ただいまのところ一般教育、保健体育、外国語、専門教育科目ということで、専門教育科目については、産業工芸学科では五十五単位以上、産業情報学科では五十二単位以上というようなことで考えておりまして、実際的、実務的な能力の育成を重視するというような観点から専門教育科目を重視をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/102
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103・高木健太郎
○高木健太郎君 この教員課程につきましては実習等が必要でございましょうし、あるいは実地研修というようなものも必要であろうと思います。また、これははなはだ言いにくいことでございますけれども、よく言われることとしてお聞き取り願いたいんですけれども、これは薬学もそうでございますが、短期大学には非常に女性が多い。それは、専門学校に入るのではなくて、短期大学というところに入れば後の嫁入りというようなことに対しても非常に都合がよいということで入る人が多いのではないかということを聞いておるわけです。そういう意味では、せっかくそのような課程を設けられましても、後々までもそれが役に立たないということであれば大変私は惜しいことであると思います。その意味では、この実施をどうやっておやりになるのか。それから、卒業後どれくらいの方々が実際に就職されるのか、短大全体として。それから教員として。また、就職されてから大体どれぐらいを勤められるのか、もしわかれば男女の差もお聞かせ願いたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/103
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104・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 短期大学は、全体的に申せば非常に女子の学生が多いわけでございます。入学に当たりまして、短期大学としての教育を十分履修し得る能力ということをもちろん条件とするわけでございます。
なお、高岡短期大学の場合には、先ほど申しましたような学科を置きまして、特に産業工芸学科というようなものについては、地域の要請と申しますか、高岡の場合には、そういう伝統工芸の従来から大変盛んなところでございまして、実習をいたします際などに、もちろん大学以外の外部のいろんなたとえば県の施設でございますとか、そういうところで具体的な実習を重視をしていくというようなことを基本的には考えているわけでございます。
なお、短大の卒業者の就職状況について、一般的なお尋ねというような感じで伺ったわけでございますが、短期大学の卒業者は、たとえば具体的には五十七年の場合で申し上げますと、卒業者が全体で十六万七千余りでございまして、男女の別で申しますと、男が約一万二千七百余り、女が十五万四千四百人程度でございます。この中で全体的に就職をいたしております者は十三万百人ということになっておりまして、男が約九千五百、女が約十二万六百というような数字になっております。就職率で申し上げますと、全体的には七七・八%、男が七四・二、女が七八・一というような就職率になっておるわけでございます。就職率について申せば、大体ほぼ昨年並みというような状況になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/104
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105・高木健太郎
○高木健太郎君 就職はされると思いますが、その継続というか、就労の年数が女性の方が短いのではないかと思うわけですが、その点はいかがなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/105
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106・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 就職の年数については、ただいま手元に資料を持ち合わせていないわけでございますが、お尋ねのございましたように、女子の場合の就職の年数と申しますか、一般的に結婚その他いろんな条件もあるわけでございますが、通例比較的短い場合が多いというぐあいに言われております。ただ、最近のいろんな就職状況の変化と申しますか、そういうようなことも見られるわけでございまして、女性の就職者が比較的長く就職するという傾向も順次出てきているのではないかというぐあいに感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/106
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107・高木健太郎
○高木健太郎君 私の調べたところでは、女性が、高専も含めまして、平均の勤続年数は女子が四・二年、男子が九・五年ということになっておりまして、約半分でございます。最近は、この高岡短期大学におけますように産業情報科というのがありまして、いろいろなコンピューターその他が非常に使用される、OAなんかが使用されているわけでございまして、その点では女性の方が非常にそういう仕事には向いているというふうに私は思うわけです。それが結婚その他で継続できないということに対しては、これは文部省の責任ではございませんが、それが働けるようにする場をつくっていくということが今後は大事なことであるし、またしなければならぬことであろうと、こう思います。
これは短大だけでなく薬学部もそうでございまして、私のおりました名古屋市立大学の薬学部でも女が八〇%ぐらいおりまして、それがせっかく修業しましても、大学を出ましても、ほとんど社会的に働く場がない、働く環境にないと、こういうことはまことに私残念なことと思います。大学をお建てになるのは結構でございますが、そしてまたそういう一般教養もございますから、そのような人間形成の上で大いに役立つということも結構でございますが、せっかくこのような専門課程もお持ちになるのならば、これが長く役立つようなそういう環境づくりを他省ともひとつ話し合いになりまして、有為な人材を失わないように、そのような考え方が大切であろうかと思います。それをまず申し上げておきます。
その次は、この短期大学をおつくりになるというときに、施設設備及び研究費でございますが、どうも短大の、しかも研究もやらなければいけない、それに対する最小限の設備あるいは施設は備えなければいけない。最小限というのは私もよくわかりませんが、そういうところへ赴任をした教官はほとんど研究らしい研究ができない。そういう意味では、せっかく研究ということがある以上、有為な人たちがそこで研究ができるように、ある程度の私、施設設備あるいは科学研究費の補助等も与えるべきではないかと、こういうように思います。その点についてはどのぐらいの研究費なんかが与えられているのか。大学のいわゆる大学院を持った講座と比べてどの程度になるのか、その点もひとつお聞きしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/107
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108・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 短期大学の場合の研究費についてのお尋ねでございますが、もちろん一般的には、基準的経費といたしまして教官当たり積算校費、教官研究旅費、あるいは学生当たり積算校費というようなことで措置をされているわけでございます。短期大学の場合、これは高専の場合もそうでございますが、大学の学科目制と比較をいたしますれば、ほとんど差のない金額になっているわけでございます。たとえば大学の学科目制と短期大学を比較してみますと、教授一人当たりの実験の場合は、五十八年度では百九十三万二千円、非実験で五十六万六千円というような数字になっております。学生当たりの積算校費も大学と短期大学では、理科の場合で例を挙げますと、学生一人当たりで理科で五十八年度では五万三千三百円というような積算で同一の単価になっているわけでございます。旅費については若干差がございますが、順次その差を縮小する方向で整備をいたしておるわけでございます。
ただ、教官当たり積算校費の場合で申しますと、いわゆる講座制のところと比較いたしますと、実質的にはやはり相当差があるというのが現状であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/108
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109・高木健太郎
○高木健太郎君 高等専門学校はかなりはっきりと将来の見通しがついているわけですけれども、短期大学というのは一般教養もあり、研究もありというような中で、どうも中途半端な形のように見えるわけです。そのために、短期大学に赴任した教官は二年や三年ぐらいの短大じゃとても満足できないということで、みんな四年制にしてくれというようなことの希望が多いわけですね。だから、将来許せば短期大学というのはもう大学にしちゃって、そして高等専門学校と大学というふうにはっきりした方がいいんじゃないかと思いますが、局長、どんなふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/109
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110・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 大学、短期大学、それぞれ本来の目的なり使命に応じて制度として置かれているわけでございます。もちろん短期大学の制度も、学校教育法上いわば恒久的な制度ということで置かれているわけでございまして、それぞれやはり本来の目的に対応して学校制度としての意味を果たしているというぐあいに理解をいたしております。たとえば今回御提案申し上げております高岡の短期大学の場合も、先ほど申しましたような地域の実態と対応した短期大学として、やはり四年制の大学ではない、むしろ短期大学として機能を果たした方がより望ましいのではないかというようなことで私ども御提案を申し上げているわけでございます。
先生御指摘の、たとえば教官には教育と同時に研究の使命があるわけでございまして、そういう観点から四年制を志向する教官の方々がおられるということも確かに事実かと思いますけれども、やはり社会の要請にこたえる教育制度としては、私は短期大学は十分機能を果たしているものだというぐあいに理解をしております。
なお、高等教育全体の制度面から申し上げれば、高等教育の制度全体について多様化を図り弾力化を図っていくということが要請されているわけでございます。たとえば、専修学校の専門課程というようなものも大変最近伸びてきておる。全体の在学数で言えば、短期大学と専修学校の専門課程が、数からすれば三十六万前後で、ほぼ匹敵するぐらいの数字になってきておるわけでございます。そういう意味では、高等教育機関としては、四年制の大学、それから短期大学、二年ないし、三年でございますが短期大学、それからさらにレベルから申せば専修学校の専門課程というような、それぞれの社会的な需要に対応するものが、それぞれ機能をお互いに補い合う形でわが国の高等教育機関として機能しているものだと考えているわけでございます。
もちろん先生御指摘の短期大学がやや中途半端で、教官の特に研究面での意欲に十分こたえていない点があるんではないかという御指摘でございますが、そういうふうな点はもちろん短期大学側も、研究面の向上のためにいろいろ施策を講ずべき点はもとより今後とも充実を図っていかなければならぬ点でございますが、私は制度の仕組みとしては十分機能しているものというぐあいに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/110
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111・高木健太郎
○高木健太郎君 確かにそういうこともあろうかと思いますが、どうも、研究もできない、助手もなくてもよいなんというようなことも書いてございます。そういうところへ優秀な人は行かない。先生が優秀でなければ教えられる生徒もりっぱになるわけがないので、ぜひ短期大学というものを中途半端にしないで、研究ということが銘打ってある以上、その点も十分今後考慮して、教官もよかった、生徒もよかったというように、あるいは花嫁学校と言われないように、十分な設備と教官をそろえていただきたい、これが私の注文でございます。
もう一つ、これは短期大学と限ったことはございませんが、大学全般におきまして図書館の意義は非常に大きいわけです。それは自発的に研修をするという意味で、大学にはなくてはならない一つの施設であろうと思うわけです。ところが、図書館を利用しようとしましても、ちょうど館員の勤務時間とオーバーラップをいたしまして、学生の授業が終わるときに図書館に行きましても図書館員がいないということで、図書館の利用が非常に阻まれている。私立大学ではいろいろの方法で夜間まで開館しておられるということも聞いておりますが、国公立の場合には地方公務員あるいは国家公務員でございまして、他の公務員との間に差別をつけるというようなことが困難であるところから各大学で非常に苦労をしておられるわけです。
アメリカの図書館なんかに行ってみましても、ほとんどいつでも行ける、こういう形になっておりますし、この間おつくりになりました岡崎の基礎生物学研究所ですか、ああいう機構の図書館も、これは、一昼夜いつでも見られるということでございます。大学の図書館も理想的にはそうあるべきだと思いますし、図書館というのは学生にとって一番楽しい場でなくてはならない、それが時間でしばられて十分な利用ができないというのはまことに私はもったいない話だと、こう思うわけです。この点については、特別に何か文部省としては、それではこういうふうな人員配置をしましょう、あるいは、こういうような給与体系を考えましょうということがあってもよいと私は思うのですが、この点についてはどのようにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/111
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112・大崎仁
○政府委員(大崎仁君) 先生御指摘のように、時間外における図書館の開館活用ということは、学生の教育あるいは先生方の研究の上で非常に有効でございますが、この点につきまして、私どもといたしましてもかねてから夜間開館の奨励をいたしておるところでございます。大体、現在の時点では国公私立含めましてほぼ半数の大学が何らかの形で夜間開館を行っておるという状況でございますが、国立大学について見ますと、約八〇%の大学で三時間程度、八時ごろまでは開いておるという状況に現在なっております。そのための措置といたしまして、当面パートタイムの雇用経費というようなものも若干の予算措置をいたしておるわけでございますが、なおまだ未実施のところもございますし、また八時まででいいかどうかという問題もございますので、今後ともさらにその方向で努力をいたしたいと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/112
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113・高木健太郎
○高木健太郎君 学校当局は、これについては大変苦労しているわけですね。組合側との折衝とかその他で苦労している。だから何らかの特例を設けないとちょっと動きがとれない。パートなんかではどうもまずいと言うんですね。それで、せっかく開いている時間にはほとんど利用者がない、こういうことでは何にもならぬのじゃないかという気持ちがするわけです。
それからもう一つは、これは開かれた大学で、大学として開放講座を設けているところが最近非常にふえておりまして、これは非常にいい指導であったと私は思いますが、図書館の開放という面、それから図書館と一番市民が利用したいと思うのはグラウンドなんですけれども、何といいますか、体育館、グラウンド、図書館というようなものが一般にはどのように公開されているものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/113
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114・大崎仁
○政府委員(大崎仁君) 大学図書館につきましては、研究所の必要性等もございまして、一般に公開するということにつきまして反面問題もあるわけでございますが、大学の職員、学生のみに限りませず、他の利用も認めるという大学もだんだんふえてまいっておりまして、私どもといたしましては、本来の教育研究に支障がないという形での利用が促進できれば、その方向でまた関係者と御相談をし、働きかけてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/114
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115・高木健太郎
○高木健太郎君 そうですね、これはぜひ積極的におやりいただきたい。何か問題が起こるから問題が起こることの方を先に考えて、それでやらないというからいつまででも閉鎖的になるわけです。ある程度、問題が起こればそのときに考えるというぐらいの勇断がなければ、この点は進展はしない。物がなくなった、破損をしたということのための罰則をこわがって、それで大学側が積極的に動かないということは、結局地域の住民の方々と大学との間の接触が、コミットメントが足りない、そういうことになりまして、国立というものが国民から浮いている、こういううわさも立てられるということになるんじゃないかと思いますので、ぜひこの点、思い切って積極的にそのような措置をお考えいただきたいと、こう思うわけでございます。
ここに私持ってきましたのは、兵庫県から出ている国立健康科学大学の創設の申請書でございましょう。これは昭和五十二年からこういうものが出ているわけでございますが、これは修士課程だけの大学かどうか中身は知りませんけれども、いわゆる初中の教師の再研修の場としてこれが役立てばいいじゃないかというのが主な趣旨のようでございますが、この点に関しましては、文部省としてはどのようにお考えでございますか。これは非常に教育実習の場に力を入れているし、大学を出て研修をしたいという人は修士課程に入れるし、短大卒の人はもう一年やってから修士課程に入れるというので、より高い研修の場が持てるという機会を与えると思いますので、ユニークな考えだと思いますが、どのようにこれについてはお考えか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/115
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116・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 兵庫県で構想しております健康科学大学で、教員の再教育を行うことを目指しているという御指摘でございますが、私ども、現職教員について大学院などで高度な研究なり研さんの機会を希望する者が多いということは十分承知をしておるわけでございまして、かねて御案内のとおり、兵庫教育大学、上越教育大学及び鳴門教育大学という三つの新しい教育大学をつくりまして、主として現職教員を大学院修士課程に受け入れまして、その資質向上を図るという観点から、特に兵庫教育大学の場合にはすでに五十五年度から受け入れて具体的に動いているわけでございます。
〔委員長退席、理事片山正英君着席〕
そのほか、大学院の整備については順次対応をしておりますが、ただいま御指摘の健康科学大学の構想につきましては、基本的にはその健康科学大学が目的とするところの、どういう学問分野を主として対応するのかとか、あるいは卒業生の社会的処遇というようなことなど、検討課題がなお残されておりまして、今後十分慎重に検討を要するというぐあいに理解をしております。
ただ、今日の財政状況を踏まえまして、全体的に、臨調の答申でも指摘されている点でございますが、国立大学としての学部とか学科については真に必要なものにしぼって対応をするということが基本的に言われているわけでございまして、具体的な構想の点でなお必ずしも私ども十分把握していないことでございますとか、あるいは考えておられるのは、設置者についてはいわゆる第三セクター方式というようなことも考えておられるようでございますけれども、それを具体的にどのようにするのかというようなことについては、なおまだ十分明確でないというようなこともございまして、今後やはり慎重な検討をせなければならぬ課題ではないかというぐあいに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/116
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117・高木健太郎
○高木健太郎君 この方面のことも、教員養成ということが非常に重要な時期でございますので、いろいろな案が出た場合に、その案のいいところをとって伸ばしていくという積極的な姿勢を文部省にお願いしたい、こう思います。
次にお聞きしたいのは、医科大学というのは現在八十校ぐらいでございますか、私正確な数は知りませんが、そうして年間約七千五百名ぐらいの医師が生まれているわけでございます。こうしていきますと、最初の医科大学の設置の目的でありました人口十万人に対して百五十人と、欧米並みの数にするというようなことはもう間もなく達成できるでありましょうし、ある府県におきましてはもうとっくに二百人を超しているわけでございまして、医師過剰時代が言われております。
京都なんかでは非常に、二百名を超しておりますけれども、京都府は何とかいままでやってきているわけです。その何とかやってきた原因を探ってみますと、その一つには、ここに私ちょっとグラフを書いてきましたが、昭和三十年に九万四千五百六十三人であった医師が、現在、昭和五十六年には十六万二千八百八十人、こういうふうにふえている、これはしかも特に四十五年以降急激な増加を示しているというわけです。
〔理事片山正英君退席、委員長着席〕
この医者が、昔はほとんど大部分は一般開業医として町に散っていったわけでございますが、昭和四十五年以降、そのような医院の開設者というのは急にこういうふうに減ってまいりまして、そして病院であるとか医育機関に勤務する勤務医と称するものがずっとこういうふうにふえてきているわけです。この医育機関に、あるいは病院に勤務する勤務医が、京都のように病院や医育機関が多いところでももうほとんど飽和しているわけです。そして一般医院開設者は、病院を一つつくる、医院をつくるということが非常に経済的な負担が大きいものですから、若い人たち、四十以下の人たちではほとんどありません。いま現在四十から六十ぐらいの人が開設者でございまして、若い人たちが新たに開設するということはきわめて少ないわけで、ここにそういう数字もございます。
こういうことを見ていきますと、このままで進みましても、勤務医としてそれを収容できる間は問題は起こりませんが、ある線を超しますというと途端にまた失業というような問題も起こってくる。また医師会なんかの方からは、収入が減るんじゃないかと、まあふえぬのはしようがないといたしましても、大変医師の諸君はそれを心配をしているわけです。
きょうの朝日新聞を見ましても、診療所の平均所得が、五十六年には年収に換算して約二千万円ぐらい、一般サラリーマンが平均年収が三百三十万円ですから、約六・五倍の診療所の収入があった。ところが、五十一年の場合にはサラリーマンの収入が二百四十万、そして診療所の方は一千九百四十万で、そのときには八倍であった。それがいまはもう六・五倍になった。これがさらに進むというともっと下がっていくんだ、しかも診療費その他の締めつけが、あるいは薬価基準等の締めつけがございまして収入が非常に減ってきた。こういうことから、お聞き及びだと思いますけれども、医科大学をつくり過ぎたんではないかという、そういう非難といいますかね、批評があるわけですね。
それからもう一つは、それではこれからどうするのか、野方図にふやしていっていいのかということです。恐らく悪い医科大学は廃止されるんじゃないか、あるいはどこかと統合させられるのではないかという心配をしている人たちが、学長さんやその他の経営者の中にもあるわけです。そういううわさを、あるいは話をお聞きになりましたかどうか。また、こういうように医師過剰時代にこのままほうっておかれるのかどうか、その点のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/117
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118・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 医師の養成の問題につきまして、ただいまお尋ねのような議論はすでに国会でも何度か取り上げられておるわけでございます。
昭和六十年までに人口十万人に対して百五十人を確保するということで養成を行ってきたわけでございまして、厚生省の推計でも本年じゅうにはこの目標が達成されるであろうというぐあいに言われておるわけでございます。
ただ、従来の目標を達成することが確実にはなってきておりますけれども、なお医師確保の困難を、これは地域的な偏在でございますとかいろんな問題があるわけでございますが、そういうようなことからしますと、現時点では直ちに医師が過剰であるというぐあいには言えないのではないかと私どもは判断をいたしております。
また、医療需要そのものも今後ふえることが予想されますし、従来の目標値でございます人口十万人に対して百五十人という目標値そのものについてもやはり検討を要する問題ではないかと思います。
確かに全体の医師の、医学部で申しますと入学定員が昭和四十五年が四千三百八十でございましたものが五十六年では八千二百六十ということで、ほぼ間口で倍増に近い数字になっているわけでございまして、その観点からその点は確かに問題点ではあろうかと思いますが、ただ、医師養成の規模の問題は、先ほども申しましたように医療の動向でございますとか、あるいはこれからさらに高齢化社会を迎えてくるというような社会全体の変化と申しますか、そういうようなことを総合的に判断する必要があるのではないかと思っております。
なお、医師養成の問題については、臨時行政調査会等においてもいろいろと議論されている点でもありますし、文部省と厚生省との間で検討会を設けまして、将来の適正な数をどのようなところに考えるかというようなことで事務的な検討はすでに始めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/118
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119・高木健太郎
○高木健太郎君 この問題はなかなか要因がたくさんございまして、いまここで決めるというわけにいきませんでしょうが、もう京都なんかすでに二百人を超しておるわけですね。都会では大体二百人を超している。平均百五十人であってもすでに密集地では非常にふえているというわけです。それが何となくやっていけているというのは、私がここに言いましたように大病院なんかにプールされているということなんですね。ところがそれがいっぱいになったときに一遍に噴き出しますよということを私は申し上げているわけです。その点をぜひお考えに入れないと、百五十人がどうだというようなその数だけではうまくいかないのではないか。
もう一つは、医師が、大学では非常に専門医をつくっておられるような形になっておって、いわゆるゼネラルフィジシャンというようなものを現在の世の中では求めているわけですね。私はここが悪いと言うと、おれは心臓は知らないからあっちへ行け、向こうへ行くというと、おれは神経しか知らないから消化器の方へ行けというようなことではうまくいかない。外国のドイツでもアメリカでもそういうことを非常に考えて、日本の医療界でもそういうゼネラルフィジシャンとかあるいはファミリードクターであるとか、そういうふうに一般医としてどの患者でも診て、それを専門医に回すというのならいいんですけれども、そういうシステムが少し変わりつつある。だから単にいままでのとおりに医学教育をやっているということだけでは私は社会の要請に応じられないのではないか、こういうことも考えて将来の医学教育というものをひとつやっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
時間がございませんので、いずれお考えでございましょうけれども、いまのようなことも考えに入れて、医学教育というものを単にずるずるべったにやらないで、もう少し文部省としてしっかり方針をお立てになることを私は強く要望しておきます。
もう一つは、科学研究費だとかあるいは講座費等で買われるいろいろの機器がございますが、これは非常に最近高額になってきまして、科学研究費なんかでも非常に増額されておってもなかなか買えないというものもあるわけでございます。ところが、それが、これは大まかなことですけれども、大体五年たちますと買った機器というのはもう研究に役立たなくなります。陳腐化するわけですね。それでどこに行くかといいますと、大体しばらくは部屋の中へ押し込んであるわけです。あるいは廊下に並べてある。そうしてそのあげくはこれを廃棄処分にするということになっているわけです。私これ非常にもったいない話じゃないか。何とかこれを有効に利用する方法をひとつお考え願えたらどうか、そのように思いますが、これについてのお考えをぜひ聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/119
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120・大崎仁
○政府委員(大崎仁君) 先生御指摘のように、研究用機器が日進月歩であるというようなこともございまして、非常に最先端の研究を行っておりますところで、購入された機器がさらにいいものができたというために、その研究者のもとでは使わないものが出ておるわけでございますが、他の研究者にとっては非常に有用である、あるいは学生の教育用にとって非常に有用であるという場合があるわけでございます。昨年行政管理庁からその点についての御勧告というのもいただいておりまして、いろいろ検討いたしておるところでございますが、とりあえず明年度の予算でその管理がえのいわば運賃のための経費を明年度の予算案に一千八百万円ほど新たに計上をいたしております。
こういうような経費を使いまして、近々各大学に対して高額の機械で転換可能なものについての調査をお願いをいたしまして、管理がえ等につきまして積極的に働きかけをいたすという方向で作業を現在進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/120
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121・高木健太郎
○高木健太郎君 特にこういう高額機器とか研究機器というのはその研究者にとっては非常に貴重なものですけれども、ほかの研究者にとっては全く猫に小判でありまして、役に立たない。その教官が、研究者がどっかへ赴任する、転勤しますと、その機械はそこへ残ってそれはお蔵入りするということになるわけです。こういう意味では、国立と国立の間では科学研究費による機器は保管転換できると思うんですが、講座費で買ったものは保管転換できないわけでしょう。いわゆる大学のものだと考えておるんじゃないかと思うんですね。それも保管転換できるようにできるかどうか。さらに進んで国公立の間でもできないか、また国公私立の間のそういう融通ができないかということです。
もっと進んで言いますというと、中小高校には非常に有用な器械がたくさんある。たとえば顕微鏡がもとは一つでのぞいておったものが、最近は大学はみんな複眼で見ておるわけですね、双眼で見ておる。片目で見るのは十分余っているわけです。それがどこかへお蔵入りしてしまっている。こういうのはどこかほかのところで使えないだろうか。
さらに進んで言いますと、いわゆる発展途上国でそういう学生さんなり、そういうものにも使えるのではないか。要するにエネルギーを使ってそういうものを仕上げて、お金も使って、それがそのまま利用されないというのは、私、これは地球全体から考えて非常にもったいない話だ、こういうことを進んで文部省でお考えいただきたいと思うんですが、大臣にも何かお考えがありましたら、ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/121
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122・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど来その道に造詣の深い高木さんからいろいろお話を伺いまして、確かに現場でいろいろ直接タッチされて、先ほど教育者の話もありましたが、確かに現場をよく知った人でなきゃいかぬということはもう本当にそうだと思います。ただ、理論だけではなかなか教育というものはだめになってしまう。いまおっしゃったようなこと、十分皆聞いておりますから、心して今後むだのないように進めたい、かように考えております。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/122
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123・國分正明
○政府委員(國分正明君) ただいまの国立大学等におきまして、研究の発展あるいは機器の革新などによりまして使用頻度が低くなってきたり、あるいは不用になったりするものが御指摘のとおりあるわけでございます。これにつきましては、先ほど学術国際局長がお答え申し上げましたように、積極的に管理がえをするという方向で新規に予算等も計上したわけでございますが、制度的に申しますと、ある国立大学で不用になった場合に、まず当該大学の中の他の部局で使えるかどうかということで、使えるということになれば供用がえあるいは管理がえというような手続が可能でございます。あるいはまた、それは他の部局ということでなくて、附属の小中高等学校の場合につきましても、管理がえあるいは供用がえということも可能でございます。あるいはまた、他の大学、国立大学でございますが、他の国立大学においてそれが必要だというような場合につきましては、それも制度的に可能ということになっておりますので、私ども積極的にそういう面について指導をこれからもしてまいりたいと思っております。
ただ、私立大学等、国立以外のたとえば学校等に対しましては、これは国の財産でございまして、財政法あるいは物品管理法等々の制約があるわけでございますが、不用になったものにつきまして、なかなか希望の手を挙げるというのを発見するのはむずかしゅうございますが、そういう実際問題はございますけれども、制度的にはお譲りするということは可能になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/123
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124・高木健太郎
○高木健太郎君 ぜひその点をお考えいただきたい。たとえば私立の方から呼びに来て、ぜひ赴任してくれと言っても、機械が行かないものだから私は行きたくないという研究者もおるわけですね。もう一つは、人間がこっちからこっちに移る場合に、国立から公立へは、あるいは公立から国立へはいわゆる通算ができる大学もこのごろ大分ふえているようですけれども、私立と国立との間にはないわけですね、それが。すると、そこで切れちゃうということから嫌がって行かない人もあるわけです。だから、もっと学問というのは広く考えて、人物の交流、機械の交流というようなものをもっと広げてお考えになっていただきたい。これ非常に会計の方から言うとめんどうなことだと思いますが、めんどうだからやらないというのじゃなくて、やろうと思えばやれるんじゃないかというふうに思いますので、ひとつぜひ御考慮をお願いしたいというふうに思います。
それから、もうどうしても使い物にならないというものだけれども、歴史上非常に有名な機械もあるわけです。そうしたら鉄道博物館のような、機関車ばかりじゃなくて、そういう機械も並べるような博物館をひとつおつくりになったらいかがかと、これも私から御注文をしておくわけですが、文部大臣にもひとつその点もお考えいただきたい、こう思います。
最後に、もう時間もございませんので、私立大学でいろいろ不正事件が起こりまして、九州産大なんかが問題になりました。ところが九州産大、こう見てみますと、一番授業料あるいは学費が少ないわけなんですね。これ見てみますとそういうのが出ております。
いま医科大学なんか特に、この前も田沢さんがお聞きになりましたけれども、非常に授業料というのが高いわけなんですが、アメリカから比べましても欧米から比べても高いんじゃないかと、こう思います。それを五十六年の何月か知りませんが、規制をされているわけですね、あんまり取るなという。ところが、病院がそのころはまだ僕は黒字だったと思うんですが、最近は病院経営というものは赤字になってきているわけです。それから医療というものが非常に規制が強くなってきました。あるいは特殊ベッドといいますか、そういうベッドもやめろというような指導も厚生省からいっているわけです。薬価基準も下げろと、いろんな意味で病院経営というのは非常に困難になっておりまして、国立病院というのは大体のところは赤字でございます。国立大学の附属病院も大体赤字でございます。それで私立大学の病院だけが黒字であるというのは大体おかしいわけなんです。
そうでありますから、一人の学生にいま四千五百万か五千万は医科系を通るとかかると思うんですが、どこからその金を持ってくるのだろうかと思うわけです。そうすると、経営が苦しいから何か悪いことをするんじゃないか。法律というものは悪いのを罰することはわかるのですが、悪いことをさせるような法律では私はいけない、こう思うわけです。
だから、あんまり極端に言うと怒られますけれども、私は、出して入りたいという者からは取ってもいいんじゃないかなという気さえするわけです。あんまり悪い学生は入れちゃいけませんが、ある程度の成績があれば入れるということも私は可能だと。
私がお聞きしたいのは、私立大学経営というものをよくお考えいただきまして、そうして今度は二・五%補助を削られましたけれども、余りに外から締められますとどこへ行くだろうかということを私心配しているわけでございますので、よく私立大学の経営、特に医科系の経営ということを十分お調べいただきまして、間違いを起こさせないような指導をされることを切にお願いしておきたいと思うわけですが、これについてもひとつ大臣の御所見を承りたい。あるいは局長からでも結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/124
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125・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 医科大学を例に挙げてのお話でございましたが、先生御案内のように、昭和五十二年に医科大学の入学をめぐりましていろいろ、寄附金の額によってすべてが決まるとかといったような問題が出てまいったわけでございますので、当時各大学に対して指導いたしました際には、全体としてそれほど多額でないことが望ましいのはもちろんであるけれども、どうしても必要な経費については正規の学納金として取るべきであって、それを寄附金というような名称であいまいなかっこうで取っていくというのが入試についての公正を欠く問題とも絡んでくるというようなことで、全体の金額はできるだけ抑制することが望ましいということと、必要な経費は正式に堂々と取るべきだという指導をいたしたわけでございます。
それが昭和五十二年度でございますが、その結果、昭和五十三年度からは、それまで五十二年度の平均で申しますと、寄附金で千八百万ぐらい一人の学生から取っておった。そのかわり授業料等の初年度の正規の納付金は百八十万円だというような状況でありましたものが、翌昭和五十三年度には授業料として正規に取るものが七百万円、そして寄附金等で取るものが四百万円弱というようなかっこうで、取るものはちゃんと取る、しかし、入試に絡ませるような寄附金はやらないというようなかっこうでだんだん整理ができてきたわけでございます。その後、全体としてかなり体制が整備されてきておるわけでございます。
もちろん事柄といたしましては、私立学校での経営に必要な経費というのは私学自身がみずからの判断で決めるというのが中心でございますが、先ほど来申し上げましたように、やはり学生の教育の機会均等の問題等考えますと、できるだけ多額にはならないことが望ましいということと、寄附金等について強制にわたらないようにという二点は確保しなければならないことだろうと思っておるわけでございます。そういったような点で特に寄附金について申し上げますれば、入学者選抜に絡むというようなことは困るし、それから強制するというようなことは困る。しかし、任意の寄附金等をできるだけ確保するというようなことは私学としては当然考えていただくべきことであろうと思いますし、そういう御努力はぜひお願いをしたいと思っておるわけでございます。
なお、最近の状況といたしまして、厳しい財政事情になってまいりました関係上、そういう中で私学助成の予算を確保するのはなかなかむずかしいわけでございますが、そういった中でも必要最小限のものの確保には最大限努力をしておるわけでございますが、それぞれの私学におかれましても、従来以上に一層の諸経費の、これは教育研究条件に響くようなことであっては困りますけれども、それ以外の分野でいろいろ節約できる部分もあるのではないか。そういった面での合理化でございますとか、あるいは任意の篤志家からの寄附金を集めるといったようなたぐいの自主財源の確保と申しますか、そういった面での御努力はぜひお願いをしたいと思っておるわけでございます。
なお、最近の授業料の状況を若干御報告申し上げておきますと、授業料のアップ率は昭和五十年代初めのころは二けたを超え、極端な年には三〇%も授業料がアップするという時期があったわけでございますが、ここ三、四年の間は各私学の御努力の結果であろうかと思いますけれども、一けた台に落ちてまいりまして、昭和五十八年度につきましては六%を割るというところまで、従来では一番低い率という状況のところまで来ておりますので、そういう点では各私学の御努力の結果があらわれているというふうに見ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/125
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126・高木健太郎
○高木健太郎君 それでは最後に。
大変御努力いただきまして、必要なものはとってもいいが、その経理ははっきりしておく、それからまたそれを不正には使わないというような指導をしていただいて、要るものはとるようにしておかないと、余りに外からだけ締めるというようなことをすると悪い方へ追いやってしまう、これが一番私悪いことだと思います。そういう意味では適切なひとつ御指導をお願いしたい、こう思っております。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/126
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127・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 本改正案には幾つかの大学の学部、大学院等の新設が一括提案をされているわけでありますが、筑波大学の部分について見逃すことのできない問題がありますので、まずその点から質問をいたします。
文部省は、筑波大学において今回の国際関係学類の設置の問題、これが全学的な合意に達しているというふうに考えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/127
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128・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 私ども大学の概算要求を受けまして予算要求を出しておるわけでございますが、この筑波大学の国際関係学類の要求につきましては、大学の内部で正規の手続は経て出されてきたものというぐあいに承知をしております。ただ、第一学群の一部の方々にこのことについて意見があるというようなことについては承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/128
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129・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 正規の手続を経て出されてきたものと理解をしておると言われても、いまも局長自身も触れられておるように、社会学類、社会学系、その分野の教官の皆さん方からいまもなおこうした形での設置について批判意見が出されておる。概算要求が出されて、その後九月の十六日、形の上では評議会で事後承認という形になっているわけですけれども、その後十月の二十日、いまのこの社会学類、社会学系両教官会議が全会一致で今回の国際関係学類の設置については、五十八年度開設、学生募集の再検討を求める、この計画を関係学系、学類を中心とした全学的な協議に付すことを要望しておる、そういう声明といいますか、決議、これが取りまとめられているということはよくよく文部省としても御存じですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/129
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130・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 若干、従来の要求の経過について御説明を申し上げたいと思いますけれども、この国際関係学類の新設に関しまして、御指摘のように大学の一部社会科学系の教員会議でございますとか、あるいは社会学類の教員会議の方から、その設置に反対するものではないとしながらも、検討の経過等について要望が出されているということは承知をしているわけでございます。
この経過でございますけれども、この学類の新設要求に当たりましては、これらの部局の教官も含めまして、関係専門分野の教官の参画のもとに、従来大学の内部では多年にわたって検討が続けられてきたものでございまして、先ほども申しましたように、大学の評議会の議を経て出されておりますので、手続的に、なお正確に申せばいろいろ夏季休業の間というようなこともあって、なお詳しく説明しろということでございましたら申し上げますけれども、そういう点はございましたが、私どもとしては正規の手続は経て出されているということで受け取って要求をしておるわけでございます。
ただ、大学の中で、やはり学内全体が意思疎通を図りまして、全学的な協力関係を確保して、大学運営なり教育研究の遂行に適切を期するようなことはこれはもとより望まれるところでございまして、私ども大学の内部においてはそのような努力がされているものというぐあいに期待をいたしております。
たとえば要求時点から今日までの中で、当初の概算要求では九月の時点では、私どもこの国際関係学類は現行法の中で読めるものというぐあいの理解で、法律の条項についてはいじることは要らないということで進んでまいったわけでございますけれども、具体的には社会工学の分野に含まれるということで進めてまいったわけでございますが、ただいま申しましたような問題提起のあったようなことも受けまして、特に今回の改正法案ではその部分を法律上も明確にするという形で、その点の疑義は全くないように改正案としてもお願いをしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/130
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131・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 筑波大学における一部の教官の反対があるという、一部という形でとらえておられるわけですけれども、もしも国際関係学類を設置をするとすれば、そこの教育研究に非常に大きなかかわりを持つその分野の実はほかならぬ教官会議が、こういった一方的な形で事が進むことについての批判的声明を、決議を行っているわけですね。ですから、単に一部の教官の反対だということであしらうと、こういう形で果たして事がうまく進んでいくのかという問題が依然としてあるわけです。
もう一つ聞きますが、八月の三十一日概算要求が出された。実はここに至る間、よくよく文部省としても御存じのはずですが、六月の十七日の大学の評議会、ここでは国際関係学群創設準備というこのことを決めている。ところが、その後七月の段階になってそれが文部省に学類として要求する方向にすりかわる、正規の機関の確認もないまま。そして八月三十一日、概算要求が出されてくるわけですけれども。ですから学類という形での概算要求はこれは筑波大学における正規の機関、ここで確認をされた要求ではないということを知りつつそれを受け取ったのか、あるいはその受け取った八月三十一日時点では、当然正規の機関で決められたものという理解で受け取って、後からそうではなかったというふうに知ったのか、どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/131
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132・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 経過についてのお尋ねでございましたので御説明申し上げたいと思います。
まず第一点は、五十七年六月十七日開催の評議会におきましては、先生御指摘のように国際関係学群の創設準備という要求の原案でございましたが、その際にも予算全体が大変緊縮といいますか非常に厳しい情勢下にあるというようなことも受けまして、要求の内容については変わることがあり得るという留保をつけて評議会では承認されたというぐあいに私ども承知をしているわけでございます。
その後、評議会から具体的に検討をゆだねられております国際関係学群設置準備委員会におきまして、ただいま申しましたような財政状況等も踏まえて、学群ではなくて国際関係学類の設置要求が適当であるという結論を得て、大学としてはそれに基づいて、七月九日付で文部省に対してその学類の設置を含みます概算要求資料を出したというぐあいに聞いているわけでございます。
そして、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、その後夏季休業というような事情にもありましたわけで、八月末から九月にかけまして、具体的には八月二十七日開催の第三学群教員会議における学類設置の発議決定、第二番目に八月三十日第三学群長から教育審議会への発議、第三番目に九月一日教育審議会で受け付け、第四番目に九月十四日開催の教育審議会における承認を経まして、九月十六日開催の評議会において了承されたというような事情になっているわけでございます。
したがいまして、最初の六月十七日の評議会での了承の際に、事柄として今後なお特に厳しい予算編成の状況下にありまして変更があり得るという旨で基本的に了承をいただいておったわけでございまして、その後の経過はただいま申し上げましたようなことを経ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/132
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133・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 いまの説明は、後から取りつくろうためにつくられた説明じゃないんですか。大体、大学が八月の末に概算要求をするその際に、学部学科というか、筑波大学で言えば学群、学類、こういうものを新増設をすると、こういう要求を含む概算要求のときには、当然それが大学の機関できちっと議論をされて決められた要求かどうかというここを見届けて、文部省がその概算要求を受けとめるという、これが本来の筋ですわね。ところがいまあなたも言われるように、評議会として正式に確認されるのはほかならぬ九月十六日だと、こういうことですから、非常に事の処理にそういう点で手抜かりがあったということはもう疑うべくもないんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/133
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134・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 先ほども申し上げたわけでございますけれども、特に非常に厳しい財政状況下における概算要求ということになったわけでございまして、初めの学群ということになりますと、これはそのこと自体が、いわば筑波大学は新しい構想の学群、学系という方式でございますので、ぴったり整合性というわけにはまいらぬかと思いますが、一つの独立した新しい学部の要求という形になるわけでございます。
ところが非常に厳しい情勢下で、学部としての要求ということは、事柄として非常にむずかしいという判断も大学自体においても働き、また私どもとしましても、やはりそういう学部レベルの、学群としての要求については非常に困難性も伴うということは申し上げたわけでございます。そういう点を受けまして、いわば学群の中の学類という形で、そういう意味では学群から一ランク落としたと申しますか、学類という形での要求に——大学としてもこの国際関係の分野について充実を要するということは、これはすでに数年前から筑波大学内部でも十分議論はされてきておった問題でございますので、いわば、そういう厳しい情勢下の要求の手だてとして第三学群の中の学類として要求をするということになったわけでございまして、それらの点は最初に申しましたような審議経過を経ております。
そして、先ほども御説明したような経過を経ておるわけでございますが、いずれにいたしましても、これらの点については、私どもそれぞれ大学として正規の処理をされた要求というぐあいに理解をしているわけでございまして、たとえば各大学から、学部の要求というのはこれは七月段階でいろいろ出ておるわけでございますけれども、私どもとしてはこういう厳しい情勢を受けて、ただいま御提案申し上げておりますように、学部については三重大学の人文学部一つにしぼった要求にしておるわけでございます。
そういうようなこともございまして、実際に大学が検討を重ねておりましたものが、概算要求でまとめる段階においてやはり圧縮をするということは、実際問題としてはほかの大学の場合にも起こり得る事柄でございまして、もちろん私どもそれらについて十分大学側の御判断を、正規の判断をいただいた上で取りまとめを進めるわけでございますが、そういう事柄としては、もちろん筑波大学以外の場合にも起こり得ることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/134
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135・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 最近の財政的厳しさということもありながらということではありますが、しかし文部省として、大学側の当初の学群という、この要求の方向を、文部省からもサジェストをして学類ということに変わってきたというふうに受け取れるようないまの説明でありますけれども、問題はそれがそういうサジェストを仮にしても、それがきちっと大学の自治の原則に基づいて、大学の正規の機関での議論、討議を基礎にしてそれがそういうふうに練り上げられてきたものかどうか、ここが問題であるわけです。
もう少し角度を変えて聞きましょう。いずれにしたって、学類を新設をするというわけでありますから、当然その設置の要求に当たって授業科目、カリキュラム、それから教官、学生定員、予算、こういったものについて参考資料といいますか、附属資料、これが出されて要求をされてきているということだろうと思うんですが、その内容はどういう内容になっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/135
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136・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 筑波大学からのこの要求についての具体的な中身でございますが、具体的には文部省といたしまして、いわゆる学科の新設要求等に関しましてはその要求の事由、各年度別の学科及び講座、学科目名、要求人員、学生定員、施設設備等の特別要求額の内訳などについて説明を求めることにしておるわけでございまして、その個々の説明内容につきましては、それぞれ大学によって異なるわけでございます。
筑波大学の場合に学群、学系、その他ほかの大学と異なる教官組織となっておりますけれども、事柄としては、ほかのいわゆる学科の新設要求の場合に説明を求めるような、先ほど申し上げましたような事項について資料の提出を求め、説明を受けたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/136
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137・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 もう一つ聞いておきますが、いずれにしても先ほどからずっとお聞きをしているごとく、文部省当局も確認をされるように、学類という要求に変わるそのことが大学の機関として正式に確認されたのは九月の十四日だと、それに先立って概算要求という形で学長を初めとする執行部、どうもそれに文部省がサジェストという形でそこに加わってきたいきさつがありありと感じられるわけでありますけれども、従来の大学の議論をしてきたその方向がすりかわっていく、そして、今日教官から依然として強い批判意見が出ている、こういう姿になっているということでありますが、この国際関係学類、これの将来の方向ですね、これは学群、大学院、ここまで認めていこうというそういうことが念頭にはあるんですか、将来方向について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/137
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138・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 経過は先ほど来御説明している点に尽きるわけでございまして、基本的には、なおちょっと補足をして申し上げますれば、六月十七日の評議会で留保がついて承認をされている事柄でございまして、その後の手続は先ほど申し上げたような手続を経たということでございます。
それから、将来の姿といいますか、たとえばいまお尋ねは、国際関係の大学院もつくるのかというような御趣旨のお尋ねであったように承ったわけでございますが、その点に関して申し上げれば、ただいまのところは白紙でございまして、これは将来大学から設置要求が出された場合には、具体的な必要性でございますとか、あるいは学内の検討状況、そしてまたその中身は、先ほどほかの委員の御質問で、大学院の際にお答えをしたとおりでございまして、要求の中身の熟度といいますか、検討段階が十分練り上がったものになってまいりますれば、それらを総合的に勘案して対応する事柄というぐあいに考えておりまして、ただいまのところは白紙でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/138
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139・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 それで、これは五十七年の三月段階の筑波大学国際関係学群設置準備委員会、この三月段階の報告でありますけれども、当然この時期は学群という要求でありますから、タイトルは学群及び関連大学院についてと、こういうタイトルで、その中で検討されている方向としてこれこれのいろんな講座、カリキュラム、これをつくっていくんだということが検討されているわけでありますけれども、その中で、軍事研究のおそれありということでいろいろ議論を醸しておる分野があるわけですね。たとえば国際政治専攻コース、ここの部分で軍備管理論演習、政策決定論演習、国際緊張・冷戦論演習、国際安全保障論演習と、こういうものが出てくるということでいろいろと議論を呼んでいるわけですけれども、文部省としては、この大学で新しく学類がつくられる、これが将来どうなっていくかという問題もあるわけですけれども、軍事研究、こういうものは一切ないというふうにここで断言ができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/139
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140・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 軍事研究なり、軍事教育をやるというようなことは一切あり得ないというぐあいに申し上げます。
御質問の国際関係学類のいわばねらいでございますけれども、あらゆる分野での国際交流というものが活発になってきておりまして、国際関係も複雑化、多様化しているというような、そういう背景を受けて、そういう問題に適切に対応できる国際人の養成を目的としているわけでございます。
その教育課程の特徴を二、三申し上げますと、世界各地域の歴史的、社会的背景等についての理解を深め、さらに英語による授業を大幅に取り入れるというようなこと。それから、社会工学的な手法を導入しながら、国際法でございますとか国際政治、国際経済等、国際関係に関する諸分野の総合的多角的な教育を行って、国際的諸問題に関しての科学的分析能力や政策立案、問題解決等の応用的能力を培うということが基本的なねらいでございます。
なお、従来検討されてきた中に、いま先生御指摘のような事柄があるといわれておりますが、私ども概算要求を正規に大学側から受けとめておりますものには、お話のようなものは入っておりません。たとえば東京大学など既存の教養学部などでも、国際政治学の授業内容としては、一般的に安全保障というようなことについては理解を深める教育もなされているわけでございまして、筑波大学の新しい学類においても、国際関係の組織ということで、従来既存の大学においても行われているような事柄は行われることはあるわけでございますが、そのことが軍事研究なり軍事教育に結びつくというようなものではこれは毛頭ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/140
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141・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そのように説明をされても、私はその危惧はなくなりませんね。そして、私がいま引用したこの部分はもうなくなったと、廃棄をされたというふうには私は聞いておりません。依然としてこの検討の俎上に上っているということで、そういった疑問はいまの説明では依然として残るわけであります。
時間が非常に制約をされておりますので、きわめて断片的なはしょった質問にならざるを得ないんですが、高岡短期大学の関係で一、二しぼってお尋ねをしておきますが、何か衆議院の委員会での議論で、この短期大学と専修学校との間で単位互換をするという答弁が文部省側からあった模様でありますけれども、専修学校は高等教育機関というそういう位置づけを、認定を一体どこでやったのかという問題。それから、副学長を置くという構想だというんですが、そもそも副学長という考え方が歴史的に出てきた経緯は、大学の規模が相当大きい、管理運営の範囲が相当多岐にわたる、そういう場合ということでかつて議論に上ったことがあるわけですけれども、短期大学程度の規模の大学に果たしてそのことが妥当するのかという、この二つについてまずお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/141
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142・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 単位互換の問題に関連してのお尋ねが第一にございましたが、基本的には短期大学についても、大学制度としては弾力化を図っていくというのが一つの方向であろうかと思っております。
たとえば、大学と短期大学の間においても単位の互換を認めるという仕組みをすでに制度として設けているわけでございます。御指摘の専修学校の専門課程において履修した課目を高岡短期大学の場合にも単位として認定するということについては、ただいまのところ設置審議会の短期大学基準分科会においていろいろと御検討をいただいているところでございます。短期大学の教育課程を内容的に豊かなものにするというような考え方から、先ほど申しましたような単位互換というようなこともすでに取り上げておるわけでございまして、特定の分野においてすぐれた実績を上げたものがあるとすれば、それを短期大学の教育に活用するということ自身は、私は意義のあることではないかというぐあいに考えております。
具体的な専修学校の単位の認定をするに当たりましては、その実施方法等については、その専修学校の中身の実態ももちろん十分踏まえて、短期大学において具体的な検討がなされることではないかというぐあいに理解をしております。
それからお尋ねの第二点は、副学長について、相当大きいものについて置くという考えが基本的に必要ではないかというお尋ねでございましたが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/142
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143・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 という説明をかつてしていたんじゃないかと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/143
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144・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 副学長について、この高岡短期大学というのは全く新しい構想のものとして今回御提案を申し上げているわけでございまして、一番基本的には、地域の要請に十分こたえるような形での短期大学として運用をするというのが大きな目的、ねらいでございます。こういう地域社会に対して開かれた特色ある短期大学ということで設けているわけでございまして、地域社会との連携の役割りを果たすものとして、私どもとしては、単に規模の大小だけで副学長の設置を、比較的に申せば、もちろん大きい規模のものについて副学長を置き、学長を補佐させる、考え方としては基本的にそういうことは言えるわけでございますが、この短期大学のねらいとしている点として、地域社会との連携を深めるような形で、そういう意味で副学長が置かれることが望ましいと私どもは考えております。
なお、予算要求としては、五十八年度要求の内容としては計上されておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/144
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145・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 後段の、短大における副学長制の問題も審議会で検討しているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/145
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146・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 副学長の問題そのものについては基準分科会では検討をいただいておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/146
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147・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 この単位互換の問題については審議会で検討しているということでありますけれども、これは単にそういうことで、便利だからということだけでは通らない、一定の法的整備も必要な問題じゃないかというふうに私は思うんです。
その副学長制の問題について言えば、これは歴史的に筑波大学あるいは放送大学のあの審議の際にそもそも私どもとしては副学長制自体について異論を出してきた。これが行政的判断だけでやられていくということについては私は反対せざるを得ない。この短大の審議会にもかけぬ、こういうことについてはにわかには同意はできない、こういうふうに思いますので、そのことを強く申し上げておきたいと思います。
時間がありませんのでもう一つの法案の方の質問をさせていただきます。
この国庫負担法改正案の内容にかかわって、児童、生徒急増地域が抱える問題の重要な一つにプレハブ教室解消問題があると思うんですが、昭和五十二年三月二十九日の参議院予算委員会で、わが党の上田耕一郎議員の質問に答えて当時の海部文部大臣がこういう答弁をしたわけです。プレハブ教室の解消は非常に重要な政策であって、三年以内になくすとの目標で取り組んでおり、地方にも指導をしております。ところが、この三年間で、実際はプレハブ教室は二五%しか減ってないというふうに承知をしているんですが、なぜこのように減少が遅々として進まぬのか、まずその点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/147
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148・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) プレハブ教室の解消の問題につきましては、ただいま海部大臣の御答弁の御紹介があったわけでございますけれども、文部省といたしましても従来から取り組んできたことではございますが、特に、昭和五十一年からこの問題に鋭意取り組みをいたしまして、五十一年に各市町村等のプレハブ教室の実態を調査をし、解消の可能性その他、解消できない理由等々、いろいろ調査をいたしました。その際にも、プレハブ教室については翌年度には解消するというのを原則にし、そして、どうしてもそれが無理な場合にも、少なくとも三年間で解消するという方向を文書によって示したわけでございまして、以来、それにのっとって鋭意その解消に努めてきておるところでございます。
その結果、具体に解消された状況から見ますと、おおむね毎年九〇%程度、つまり現在あるもの、その時点で存在しているプレハブ教室は、三年間で九〇%ぐらいずつ解消されておる。四年間でほとんど一〇〇%解消されておるという状況にあるわけでございますが、先生のお話にただいま出てまいりましたように、その後に新たにまたプレハブ教室が発生をするということがあるために、全体としてプレハブ教室の数は減少はしてきておりますけれども、なお皆無になる段階まで至っていないというところでございます。
そのプレハブ教室が発生する原因というのは、これは御案内のことでございますけれども、現実に児童、生徒の数がふえてまいりました場合に、一棟の新しい正規の校舎を建設するには余りにも規模が小さ過ぎるという程度しか教室増がないというようなケースについて、一、二年、その全体の教室数がふえるまでの間少し待つというようなかっこうでできるケースもございます。また分離新設、大規模校を分離をするというようなケースの場合に、その分離の条件が整うまで若干待つというようなケース等もございます。いろいろなケースがあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、子供の数がふえてくることに伴いまして暫定的にあるいは経過的に必要なケースというのがあり得るわけでございまして、そういう関係上、急増関係が現在なお継続している地域におきましては、新たに毎年若干ずつは発生してきているという状況にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/148
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149・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 いずれにしても逐一数字を挙げれば明瞭でありますけれども、ちょっと時間の制約がありますから。とにかくイタチの追いかけごっこのような形で、解消はするわ、新たにプレハブがふえるわ、こういう悪循環になっている、いまあなたも言われるとおりでありますけれども。
そこでプレハブ教室というのがいかに非教育的かということは、これはもういろいろ大臣もよくお聞きになっておることと思いますが、夏は蒸しぶろのごとく、冬は特に教室内の気温が低下をして氷が張るという、こういう状況にまでなる。おまけに騒音、それから窓をあげれば砂ぼこりということで、本当に子供にとって苦痛な教室になっている。そういう点でぜひとも、教育的に見てこのプレハブ教室というのは、早期に解消を図る必要があるわけでありますけれども、結局どうなんですか、今後も見通しながら、プレハブ教室を極力速度を速めて解消をする、いまの段階でこの具体的方針、計画はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/149
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150・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 文部省といたしましては、先ほど来申し上げましたように、すでに存在するものにつきましては少なくとも三年以内に解消ということを基本的に掲げまして、毎年各都道府県に対しまして出しております補助事業関係の通知におきましても、プレハブ校舎の措置をとっている学校の関係の整備については、補助採択に当たりましてこれを優先的に配慮をするということを明示しておるわけでございます。
それからまた、今後発生するプレハブ教室につきましては、できるだけ各地区の学校の新増設の計画を事前から綿密に立てていただいて、プレハブをつくらないでも済むような方向で努力をしてほしい、この二点において各市町村を指導をし、プレハブ教室の減少に努めていっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/150
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151・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そこで、プレハブ教室解消の問題は、実はマンモス校分離の問題と表裏一体だということは明らかでありますけれども、マンモス校分離促進の障害の一つが用地難だということになっているわけですね。したがってこの用地難をどのように打開をするか、これがいま国としても地方自治体としてもお互いに力を合わせて解決をしなくちゃならぬ課題である。
そこで、先日の三月二十八日の参議院の予算委員会で、わが党の下田議員の質問に対して瀬戸山文部大臣は、児童生徒急増指定地域外でも、マンモス校を分離し新設校をつくる場合、校地取得費補助を検討したいということを最終的に答弁をされているわけでありますけれども、この方向に沿って、来年度概算要求に向けて具体的にマンモス校解消、分離のための校地取得費補助、こういったものを来年度概算要求に向けて文部省としては具体的に検討をするということで、やっていただけるということですね。ちょっと念のためにもう一遍確認をしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/151
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152・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘のケースでございますけれども、大規模校の解消に当たりまして、こういった大規模校の約九〇%が急増地域にあるわけでございますので、その関係の措置については相当の措置がとられておるわけでございますが、御指摘の場合は恐らく急増を外れた非常に若干の地域のお話であろうかと思うわけでございます。
こういった急増地域でない地域につきましての用地費の補助という問題は、用地費ということの性格の問題もございますし、あるいは目下の厳しい財政事情というようなこともございますので、非常にむずかしい問題であるということは事実でございますが、しかし、いずれにいたしましても、過大校の現状を解消していくという問題も大事な問題であると考えておるわけでございますので、そのそれぞれの過大校の実態等を十分調査をいたしまして、その対応についてはまた慎重に検討していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/152
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153・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 文部大臣、ちょっとお尋ねをしますけれども、事務当局はいまのような説明でありますけれども、マンモス校が教育的にどういう弊害があるか、大体、いわゆる校内暴力発生の一つの共通的要因としてマンモス校問題というのもいろいろ言われておる、こういう時期でもあり、この人口急増地域、それに限らず教育的にマンモス校を解消しなくちゃならぬ、そういうことが急務だということで、来年度の概算要求に向けて何と、か用地取得補助の問題について、大臣としては、ひとつ文部省の先頭に立って、こういう方向で事が進行をするよう努力していくということでやっていただきたいと思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/153
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154・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 児童生徒の非行が全部マンモス校に原因があるとは考えられませんけれども、やはり一部は原因があると見てもいいと思います。学校教育の環境は可能な限りいいものにしなければならない、これは原則だと思いますが、いま局長からお話し申し上げましたように、財政事情がこういう状況ですから、そういう気持ちがありましても、直ちに補助金として要求ができるかどうか、これは検討の要があるということです。しかし、起債その他の問題で何とかこういう問題を一日も早く解決ができる方法はどうすべきかということを検討を進めたい、積極的に検討を進めたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/154
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155・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 最後に法案との関係でちょっと聞いておきますが、今回、この法案で政令都市、不交付団体、この関係について特例措置を外す、こういう形にするというわけでありますけれども、その考え方は、こう比較をしてみれば、政令都市や不交付団体、これは豊かな団体だと、こういう考え方がある模様でありますけれども、しかし例の昭和五十六年の行政改革一括処理法、それによって特例措置によるかさ上げ補助額の六分の一、これはひとしく削減をされているわけであります。こうした点で、一般の自治体と区別をして、これらの団体というのは豊かな自治体だから、したがって特例措置を外してもいいんだ、こういう考え方というのは私は当たらないだろうというふうに思うわけですし、しかも、財源とすれば、さっき答弁に出ていましたように、私どもの修正案にも付記をしていますけれども、五十八年度について約三十億というわずかな金だというふうに思うわけですけれども、この点についてまずちょっと当局の見解を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/155
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156・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 今回、特例措置の時限切れということを迎えるに当たりまして、私どもの方といたしましては、なお急増状況が中学校を中心に継続をしている、そのための校舎整備等は、教育上どうしても対応しなければならない事柄であるという基本的認識に立ってその対応をしたわけでございますが、他方、御案内のように、国家財政が非常に緊迫をした状況になっておりますし、さらにまた、行政改革という観点からも、第二次臨時行政調査会から、こういった補助負担率の地域特例については、終期到来時には廃止を含めて抜本的な見直しを行えというような御指摘もいただいたわけでございます。
こういったことと私どもの教育的観点との調和を求め、調整を図っていったという結果が、ただいま御提案申し上げておりますような、政令で定めるいわゆる政令指定都市とそれから不交付団体、この二つについては七分の四という段階でいわばがまんをしていただくというような措置をとったわけでございます。
この二つのものにつきましてこういう措置をとりましたのは、財政的に余裕があるとまで申し上げるつもりはないわけでございますけれども、一般の急増市町村と、それから、たとえばここで言う政令指定都市というようなものを比較をいたしました場合には、やはり何と申しましてもいろいろな運営等の面で財政的に弾力的な対応が可能であるという面もございます。あるいはまた、児童生徒の急増現象の程度につきましても、政令市の場合にはほかよりもずっと緩やかであるというような実態等もあるわけでございますので、そういった諸般の状況を総合的に勘案をいたしましてこういった措置をとらせていただいたわけでございます。
以上のようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/156
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157・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 最後に一つ。
いまの説明ではまだ納得はできません。それで、最後に大臣にお尋ねをいたしますけれども、つまるところ、こういう形によってせいぜい節約するといったって約三十億。三十億のお金があれば、この地方自治体あるいは関係者のそういう切望にもこたえていくことができるという、この問題でありますし、国の予算全体を見れば、私どもの党としては軍事費ということを言うわけでありますけれども、幾らでも三十億程度の削り得る不要不急経費というのはあるんじゃないか。そういうことで、軍事費を初めとするそういう不要不急経費を削ってこの制度こそ残すということで、文部大臣としてはがんばってもらう必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、ひとつ所見を最後にお尋ねをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/157
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158・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど局長からもお答えいたしましたが、国全体の財政事情は御承知のとおりであります。すべて国民の負担にかかっておるわけでございますが、そういう意味で、行政改革問題もありますし、財政の見直しというものもあるということで、臨調方面からは、この問題だけでなしに、この種の臨時措置、あるいは時限的に特別な補助率をかさ上げしておるものは一応廃止を含めて見直す必要がある、こういう指摘がなされておるわけでございます。
私どもとしては、そういうものもあるかもしれないけれども、この教育の問題はそう簡単にはさようでございますかと言うわけにはまいらない。そこで、また五年の延長をどうしてもということで努力したつもりでありますが、その中でもある程度のしんぼうは、これはお互いにしなければならない。まあ、わずか三十億とおっしゃいますけれども、そういうものを、いろいろなものを多少ずつでも積み重ねて、この財政の窮屈なところに対応をしなければならぬ。その間においてそれこそ先ほど局長も言いましたけれども、そこは非常に余裕があるという考えはありませんが、申しわけないけれどもこういう状態だから少しずつしんぼうをしていただけませんかというのが不交付団体等の、まあ他に比較するとやや財政の余裕があると見られるところをこういうふうに取り扱った。たびたび申し上げますけれども、喜んでやっているわけじゃありませんからひとつ御理解をいただきたいと、かようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/158
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159・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 時間です。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/159
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160・小西博行
○小西博行君 まず三重大学の件で質問さしていただきます。
三重大学の人文学部の設置についてなのですけれども、人文学部というのは一体どういう学部なのか、それを特に三重大学に設置しなければいけないという理由、この点をあわせてお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/160
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161・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 三重大学の人文学部でございますが、文化学科と社会科学科から成り立っておるわけでございまして、言うならば人文科学と社会科学の分野における総合的応用的能力を有する人材養成を目的としているわけでございます。
国立大学の整備充実につきましては、各大学における教育、研究を充実して特色ある発展を図るということで高等教育の計画的整備の観点からも、地域間の収容力格差でございますとか、あるいは専門分野構成の不均衡を是正するということで、特に地方における国立大学を中心に人文系の分野の整備充実を図るということが指摘をされていたわけでございます。
いわばそういうようなことを受けまして、三重大学では五十三年度から大学改革等調査経費という経費を配り、また五十六年度からは創設準備経費を措置して順次検討を進めてきておりましたものでございまして、全体の構想が熟し、かつ教官の確保についての準備も整ったというようなところで今回学部の設置をお願いをしているものでございます。
なお、具体的な中身をもう少し御説明申し上げますと、特に三重大学に人文学部を設置する必要性といいますか、そういう観点から見ますと、先ほどのような地方の国立大学の整備という観点がございます。それから若干細かくなりますけれども、東海地域の高等教育の現状という観点から見ますと、進学者の収容力指数といたしましては〇・七九ということで、これは関東甲信越が一・三二、北陸近畿が一・〇六というような数字から見ましても大変低いわけでございます。
それから、大学の人文社会系分野の構成も、東海地域が四七・六%、これは関東甲信越が五七・八%、北陸近畿が六一・七%というところから見てもやはり低い。したがって、そういう地域的な配置から見ても三重の人文学部の設置については十分必要性が御理解いただけるところかと思います。
また、三重県自体におきましては進学率が三三%でございまして、全国平均の三六・三%よりはやや低いのですけれどもほぼ平均でございますが、県内の大学進学者に対する進学者収容力指数という点で申しますと〇・三九ということで、全国の都道府県中四十一位ということで大変低いところにございます。また、人文社会系分野の構成も三〇・三%ということで全国平均の四七・六%よりも低いというようなことが言えるわけでございます。
以上のようなことでございますが、さらに一般的な点で申せば、三重大学の学部構成という観点から見ましても、理工系分野にウエートがかかっておるわけでございまして、人文社会系分野が欠落しているというようなこともあります。
東海道ベルト地帯の将来の十八歳人口の増ということも勘案いたしまして、大学の大都市集中抑制というようなことも踏まえて、この三重大学の整備については、臨調その他いろいろ基本的には抑制ということは指摘をされておるわけでございますけれども、私ども真に必要なものについては、国立大学の整備ということについては、しぼって厳選した形で整備はお願いをしたいということで御提案を申し上げているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/161
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162・小西博行
○小西博行君 文学部とか社会科学科ですか、こういうものがない大学って、国立大学ですけれども、どのくらいあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/162
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163・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 国立大学全体で九十五校あるわけでございますが、この中で文学ないし社会科学系の学部を置かない大学は全体で五十二校でございます。ただし、この中にはたとえば医科系の単科大学が十一校ございますとか、あるいは教員養成系の単科大学、北海道教育大学とか東京学芸とか、そういうふうなものが十一大学、それから工学系の単科大学で室蘭工業大学でございますとか、名古屋工業大学というようなものでございますが、そういうものが七大学、そのほか図書館情報大学でございますとか、鹿屋体育大学、そういうような単科大学が七大学あるわけでございまして、複数の学部を有する大学でかつないものということになれば十六大学というぐあいに御理解をいただければ結構かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/163
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164・小西博行
○小西博行君 では、その残りの十六大学は徐々に予算の関係で設置していく、そういう考え方でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/164
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165・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 私どもとしては残りについてすべてに人文系の学部を設置するとまでは考えていないわけでございます。基本的には、大学学部の増設についてはそれぞれ地域からも御要望もいただいておりますけれども、先ほど御説明したようないろんな観点から十分全体を勘案いたしまして、必要な分野、必要な地に設けるということが必要でございます。もちろん大学にとりましては、人文系の学部もぜひほしいという強い希望はあるわけでございますけれども、必ずしもすべてに置くという考えではございません。若干の大学については、創設準備経費とか調査経費等を配分して検討もしていただいている大学もあるわけでございますが、全体的には非常に厳しい状況下でございますので、先ほど申し上げましたようなきわめてしぼった形でお願いをしておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/165
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166・小西博行
○小西博行君 それでは三重大学は、この法案が通過されますと人文学部というのがつくられるわけですね。その際に、いわゆる入試ですね、ことしから、四月からですか入るわけですから、共通一次というのはこの学生たちはもちろん受けていないわけですね。その辺の入試の関係についてちょっとお伺いしたいと思います。どういう処置になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/166
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167・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 入試の関係でございますが、法案成立後募集をすることになるわけでございます。したがって、共通一次については要しないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/167
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168・小西博行
○小西博行君 そうすると、共通一次でなくていわゆる二次試験を最初からやるという感じになるわけですか、学校単位において。そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/168
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169・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 三重大学自体での選抜になるわけでございまして、考え方によっては二次試験そのもので選考をするということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/169
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170・小西博行
○小西博行君 それでは物すごく試験がむずかしくなる可能性もあるわけですね。一次を受けないで二次に集中するということも考えられるわけですから、非常に競争率が高くて大変程度の高い大学になるというふうに考えてもいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/170
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171・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 過去の経験におきましても、大体新しい学部をつくりましてそういう形で募集をするという場合には、通例初年度は大変競争率の高い大学になるというような経験を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/171
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172・小西博行
○小西博行君 私はそういう意味では、新しく人文学部ができて、そして非常に競争率が激しい、そして非常にいい学生が入るということになりますと、当然教官がやっぱりすばらしい、先ほど高木先生の方もいろいろおっしゃっていましたけれども、すばらしい教官陣容でもってやっていただくというのが、将来に非常に効果をいい方向で残すかどうかという非常に大切な問題につながってくると思うので、その辺のところ、特に力を入れて考えていただきたい。そうしないと、せっかく設けても余り効果がないということになりますとちょっと困ると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは次の、高岡短期大学の新設について二、三点質問させていただきたいと思います。
国立大学として単独の短期大学は高岡短期大学が初めてであるように思います。その理由は一体なぜでしょうか。なぜその国立短期大学というものをわざわざつくらなければならないんだろうか。何か特殊な事情があるのかどうか、その辺をお聞きしたい。同時に、内容的に特に従来の大学とは違うんだという特徴があったら、ぜひ教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/172
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173・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 高岡短期大学、御指摘のように、こういう国立の単独の短期大学としては初めて御提案を申し上げるわけでございます。基本的には地域の多様な要請に積極的にこたえる、広く地域社会に対して開かれた特色ある短期大学として創設をしていくという考え方でございまして、今後の短期大学の運営なり教育改善にも資することになるということで、今回御提案を申し上げておるわけでございます。
具体的な中身は、先ほどもお尋ねに答えたわけでございますが、産業工芸学科及び産業情報学科という二学科の構成で考えております。高岡という土地柄を考えまして、伝統的な工芸品産業の発展に寄与する、そういう工芸技術でございますとか、あるいは実務的な経理なり経営あるいは情報処理、さらに外国及び国際問題等の分野における職業に必要な実際的な能力の育成ということにねらいを置いているわけでございます。
特に具体的には、特色としては先ほどもちょっとお尋ねがあって申し上げたわけでございますが、具体的に、たとえば実習その他につきましても、積極的に地元の施設と連携関係をとりまして、たとえば県立の施設が隣にできますれば、実習関係についてはそういうところで行う実習をもって大学の単位とするというような形で、地域と非常に密接な連携がとれるというような形でやりたいというようなことでございます。
そのほか、あるいはまた社会人の受け入れを積極的に行うこと。それから単位の履修方法についても弾力化を図ってまいる。教官組織にいたしましても、単に研究業績のみではなくて、たとえば先ほどのような産業工芸科というような学科で考えますれば、すぐれた実務家といいますか、実際に技術を持っているような方々も積極的に教官組織の中に加わっていただくというようなことも考えているわけでございます。
そういう何といいますか、地域的な要請にこたえる地域カレッジといいますか、コミュニティーカレッジと申しますか、そういう形での短期大学を一つ国立でつくることによりまして、従来、必ずしも十分地域の要請にこたえられていなかったようなものをこの大学で積極的にこたえるような形で運営を図っていこうということでございまして、こういうものを国立で次々につくるという考えを持っているわけではございません。
私どもとしては、一つのこういう新しい構想のものをやることによりまして、さらに将来必要があれば、いわゆる地域の要請にこたえるようなコミュニティーカレッジと申しますか、そういうようなものの模範になるような形のものを一つつくりまして、将来はそれぞれの自治体でございますとか、あるいはいわゆる第三セクターというようなことも言われておるわけでございますが、そういうような運営で、地方の要請にこたえるものとしてはそういう形のものが望ましいんではないかと思っております。そういう場合のいわば国立として一つこういうものをつくることによりまして、具体的な実践例をこれからつくり上げてまいろうというようなところにねらいを込めているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/173
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174・小西博行
○小西博行君 ちょっと、私はこの法案にもちろん賛成しているわけなんですけれども、ただ、いまのお話ですと、産業工芸だとか産業情報という、恐らく産業情報というのはコンピューターシステムだとか、そういうものも同時に入るんではないかと思うのですね。まさにこれは専修学校と、非常にぴったり専修学校とくるんじゃないかなと。少なくとも短期大学となりますと、大学と名前がつくと、これは一般教養の中で当然英語だとかドイツ語だとか、こういうのが入ってくると思いますね、基礎的な数学だとか。そういうようなことで、私はむしろ専門学校的な、高専といいますか、高専はちょっと違いましょうか、専修学校の色彩が非常に強いものをやった方がいろいろな意味で応用ができるのじゃないか、やりやすいのじゃないかと。学ぶ人も、先ほど局長の言われた目的からすればぴったりじゃないか、こういうような感じが実はするんですが、どうもその辺はちょっと中身的には違うものを期待されているんでしょうか、お聞きしたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/174
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175・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 短期大学の場合は、もちろん御案内のとおり、深く専門の学芸を教授、研究し、その上で職業または実際生活に必要な能力を育成するということを目的にしているわけでございまして、教育、研究と、さらにいわば実生活に必要な能力の養成というようなことを考えているわけでございます。
この高岡は、お話のようにねらいとしては、相当実務者の訓練といいますか、そういうことをねらっているわけでございまして、御指摘は専修学校の専門課程というようなことで対応できるんではないかという御指摘でございましたが、その点に関しましては、若干従来の経緯もあるわけでございまして、高岡には現在は富山大学の工学部が置かれているわけでございます。その工学部の移転問題は、これはかねて従来から検討課題になっておりましたものでございまして、富山大学を一団地にまとめるというような形で、すでにもうその計画が進んでおるわけでございますが、なかなか地元との間でいろいろその点の調整ということが大変今日まで長引いてきておるというのが、正直申しまして本件の実態でございます。
そういう地域の要請にこたえるというような形で短期大学としてこの新しい構想を打ち出し、地域の要請にこたえる姿をやるという形で一つの新しい試みをし、かつ、従来からの懸案でございました富山大学の工学部の移転問題の処理も、今回この高岡短期大学の設置にあわせて懸案の処理をするというような事柄もあるわけでございまして、そういう全体的な構想の中で、短期大学としての考え方で私どもお願いをしているわけでございます。先生御指摘の、専修学校と非常に近いんではないかという御指摘も確かにわかるわけでございますが、しかし、基本的には短期大学の仕組みの中で私どもとしては推進をいたしたい。
短期大学と専修学校の専門課程と、先ほども申し上げましたように、現在ではほぼ三十六万程度で専修学校の専門課程というのは大変率が伸びてきておりまして、実際、いわば短期大学とほぼ肩を並べるぐらいのウエートを持ってきて、それが大変具体的には多様な要請、社会の要請に非常に即応し得る体制で教育が行われるということが専修学校の専門課程が伸びてきた一つの原因であろうかと思いますが、他面、今後短期大学がやはり短期大学としての使命を果たし、さらに社会的な要請を十分受け入れた形にしていくという意味では、ある意味では短期大学の一つのあり方というものを、そういう実生活に対応するような形で弾力化を図っていくということも必要な一面があるわけでございます。
私ども、この高岡の短期大学ではいわばそういうようなこれからの短期大学が生き延びていくといいますか、発展していくための一つの支えになるものとして運用をしてまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/175
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176・小西博行
○小西博行君 それなら特に申し上げておきたいんですけれども、実際にたとえば私なんかは経営工学というものをずっとやっておったわけですね。そうしますと、経営工学の中には、たとえば現場の改善という、目に映ったものを改善していって合理化していくという分野と、今度は経営のシステムの設計をするという非常に高度な分野も同時に入ってくるわけです。
その大学の焦点をどこに置くかということが、将来の、たとえば学生がどういうところへ就職しているかということをよっぽど調べておかないと、非常に高度な理論ばっかり、たとえばオペレーションズリサーチみたいな高度なやつをぱっとやっても、実際は研究者になる学生というのはほとんどいないとか、そういうものでずいぶん悩むわけです。先生方は、当然自分のベストで教えたいという気持ちはあるわけですね、自分の専門を力いっぱいやると。ところが、実際受ける方の学生というのはほとんど理解せずに卒業してしまうというこのギャップがいつもあるわけです。
ですから、いま局長がおっしゃったように、地元のそういう工芸産業の中でどう生きていくとか、あるいはその中でできるだけ合理化してシステム的に、大企業まで行かなくても将来の経営にプラスになるような、そういうシステム設計が多少でもできる、こういうことですと、私はかえって思い切って、一般教養的なものはむしろ割愛しながら、さっき申し上げました専修学校的な、すぐ具体的に現地の問題点を対応できるような教育をしてあげないと、わずか二年間というのはあっという間に終わります。恐らくこの一般教養というのが何十単位かひょっとして入るんじゃないかと思うんですが、そうなりますと私はなかなかむつかしいんじゃないかという感じが実はあるものですから、短期大学の将来の新しい方向としてこれから考えていかれるのだということだったら結構なんですけれども、そうは言ってもやはり短期大学の形を整えなきゃいかぬという面があるんじゃないかと思いまして、その応用の動作の仕方もかなり制約をされてくるんじゃないかなという感じがするものですから、ぜひとも私は思い切った方向で、とれるのならそれでもいいんですけれども、なかなかとれにくいんではないか。その点はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/176
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177・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) この教育課程でございますが、従来準備会議で検討されてきたものについて申し上げますと、一般教育科目が八単位、外国語単位が二単位、保健体育が二単位、専門教育課目については先ほども申し上げましたが、産業工芸学科では五十五単位、産業情報学科では五十二単位というようなことでございまして、どちらかといえば専門教育課目を重視する考え方をとっているものでございます。先生御指摘のような、単に理論の修得ということではなくて、むしろ実務家の養成というということに重点を置いているわけでございまして、教育課程についてもそういう方針で今後さらに創設準備室が中心になって検討を行っていくことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/177
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178・小西博行
○小西博行君 それでは、次へ移ります。
いろんな事情があろうかと思います。次は、日切れ法案という問題なんですが、これは私はまだ新人なものですからよくわからないので、ぜひともこれ教えていただきたいんですけれども、今回のこの二つの法案も日切れ法案ということで、何としてもきょうじゅうに採決まで持ち込まなきゃいかぬという形をとられるわけなんですけれども、この種の法案というのは、ずいぶん前からいろいろ検討されながら、どなたが提案して今日までやってきたのかなということを、これはほかの法案も当然同じだと思いますけれども、ちょっと不可思議に思うわけです。
前々からいろいろ議論しながら今日まできたというんだったらよくわかるんですけれども、何となく目の前に来てどうしてもという感じになっておるんですが、あっちこっち余り言いません。その問題についてこれ一問だけ教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/178
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179・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) この改正案では、五十八年度に三重大学人文学部、奈良教育大学及び福岡教育大学の大学院の設置という点を改正としてお願いをしているわけでございます。そして、年度内に成立しなかった場合には、これらの学部なり大学院における学生の受け入れがおくれるというような点が出てくるわけでございまして、私どもとしては速やかな成立をぜひともお願いをしたいと、かように考えておるわけでございます。
なお、たとえばこの高岡の短期大学の場合で申し上げますと、これは新しい大学の設置でございまして、この場合には具体的には十月に開学をいたしまして、学生受け入れはさらにそれから二年半後ということで、その間に法律で御審議いただいた上で、具体的な施設の整備でございますとか、教官組織の整備でございますとか、そういうようなことに十分準備期間をとった形で御審議をお願いしているわけでございます。
それで、通例は新しい大学をつくります際などは、特に従来無医大県解消ということで医科大学の設置を順次お願いをしてきたわけでございますが、たしかその審議の際に、やはり年度を越えた——医科大学の設置についても、従来は新年度からの予算をお願いして、新年度から直ちに学生受け入れということで医科大学等の場合にやったわけでございますが、その際に、新設の医科大学ではその点が大変無理が出てくるというようなことがございまして、事前に法律で御審議をいただいて、さらに施設の整備その他は引き続きやるというような形で設置をお願いしておりますが、学部段階のものについてはこういう形で御審議をお願いしているのが従来の前例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/179
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180・小西博行
○小西博行君 先輩の先生方によく教えていただきたいというふうに思いますが、しかし、何か突然出てきたような実は感じがいたしますから、できれば早い段階でいろいろ審議をする機会をぜひとも設けていただきたいというふうに考えます。
さて、時間も余りございませんので、総定員法の関係を少し質問さしていただきます。
実は、臨調答申では、昭和四十八年度以降設置された新構想大学及び医科大学の教職員の定数は総定員法の枠外とされてきたのを改めて、これも総定員法の中に含めるというふうに述べておられます。文部省はこの答申をどのように受けとめて今回対応しているのか、あるいは今後対応していくのか、この点をまずお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/180
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181・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 御案内のとおり、昭和四十八年度以降に設置されました新しい構想によります大学や、あるいは無医大県解消ということでお願いをしてまいりました国立医科大学等につきましては、総定員法が制定されました当時予想されていなかった大規模なプロジェクトであるわけでございますので、その大幅な定員需要に対して、総定員法の最高限度の枠内で規定の定員の再配置によってだけではすべてが賄えないというような、すべて対処するということも必ずしも適切でないというようなこともございまして、昭和五十二年度以降、当分の間の措置として、国立学校設置法附則第三項の特例によりまして対処できるようにしてまいってきておるわけでございます。特例措置ではございますが、総定員法の枠外ではございますけれども、そういうことで定員管理そのものが緩められているというふうなことはもとよりないわけでございまして、この総定員法の枠の中であると外であるとを問わず、定員管理としては大変厳しい定員管理がなされているところでございます。
そこで、今後のこのプロジェクトにかかわる定員の取り扱いの問題でございますが、御指摘のように、臨時行政調査会の答申でも指摘されているわけでございますが、この特例措置を廃止して総定員法に一元化するということも考えられるわけでございますが、しかしながらこれは公務員制度全体のあり方の問題でございますとか、あるいは国立学校の教職員について全体的な定員管理のあり方をどうするかというような基本的な問題もあるわけでございます。私どもとしては、関係省庁とも十分連絡をとりながらそれらの点について適切に対応してまいりたいというぐあいに考えております。
なお、ちなみに今回お願いしております定員のほとんどは、特に三医科大学の病院の開設というような中身が入っているわけでございますが、この病院の整備につきましてもなお今後それぞれ年次を追って整備を進めてまいらなきゃならぬ点がございますので、私どもとしては、なお今後、五十九年以降およそ昭和六十三年ごろまでは、この無医大県解消ということで整備を進めてまいっております医科大学の定員については、順次計画に沿って整備を図ってまいらなければならない問題を抱えているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/181
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182・小西博行
○小西博行君 最後に施設の問題を幾つかやりたかったんですが、一点だけ質問をして終わりたいと思います。
教育施設というのは、これはもう大変大きな問題だというふうに私は考えているわけです。確かに教育の内容についてはいろいろ議論されているわけなんですけれども、やっぱり施設という問題も、いい教育をしようと思ったら当然それは考えておかなければいけないし、早く整備しなければいけない、そういう問題だと思いますので、これは最後で結構ですから、大臣のそれに対する認識、これをひとつお願いしたいと思います。
同時に、今回のこの法案、五年間延長ということになっておるわけですが、果たして五年間延長で十分なのかどうなのか。たとえば沖縄振興開発特別措置法というのがございますし、それから豪雪地帯対策特別措置法、それから離島振興法、こういうようなものは全部十年単位で考えておりますね。五年間で十分なのかどうなのか。私は十年ぐらいの単位で考えていかなければまた五年間延長というかっこうをとらなきゃいかぬようになるんじゃないかという感じがしておるものですから、その辺は局長にお願いするとして、この二点をお答えいただいて私の質問終わりたいと思いますが、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/182
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183・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) おっしゃるとおりに、学校の教育の内容もそうでございますが、やっぱり学校教育上の施設が非常に大事でございます。たびたび申し上げておりますように、やはり環境を整備していい教育ができるようにすることが一番大切でございますが、なお先ほど来プレハブの問題があって、あるいは急増地域のマンモス化があったり、あるいはまだまだ相当戦後努力してきておりますけれども、耐用年数が来た木造なんかもありますので、今後やはりこれを重点的に整備を進めていかなければならないと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/183
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184・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) なぜ五年間延長するのかという御質問でございますけれども、この点につきましては、一つには、この制度を初めつくりましたのは昭和四十八年度でございますけれども、以来、当時五年間の時限措置ということでセットをいたしました。その後昭和五十三年に延長いたしました際に五年間ということで延長をしてまいったというような経緯等もございます。
そういう点から見て、今回も五年間の延長ということが、一つは従来の経緯ということでございますが、そのほかに児童生徒数の変化の状況等を見ておりますと、先ほど来、午前中の御質問でもお答え申し上げましたように、小学校につきましてはすでにピークを過ぎておるということがございます。中学校につきましては昭和六十一年がピークで、そこから後は減少に向かうというような状況にもございますので、もちろん急増のための施設の整備というのはその児童数とぴったり一致するものではなくて、その前からあるいはその後まで後遺症というようなかっこうで残ってくるというようなこともございますので、そういった点はあるわけでございますが、六十年、六十一年あるいは六十二年あたりというところがひとつ将来を占うめどにもなっているというようなこともあるわけでございますので、その後の問題につきましてはその辺の時点に行ってからの検討にゆだねさしていただきたいということで、従来の経緯等も踏まえまして、とりあえず五年間の延長をお願いしたという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/184
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185・小西博行
○小西博行君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/185
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186・前島英三郎
○前島英三郎君 最後の質問になりますけれども、きょうは二つの法案で、まだ私は採決の判断をしかねているわけでございますので、これから幾つかお伺いをしてまいりたいと思います。
いま国立の短期大学、高岡短期大学の問題が同僚委員からいろいろ質疑されておりますけれども、大学局長のお話によりますと、コミュニティーカレッジ、地域の産業振興という部分にも大変寄与する形の新しい一つの大学のあり方ということで大変注目はしたいと思うんです。今後、そういう点では短期大学のニーズというものも多く持ち上がってくるのではないかというような気がするんですけれども、その辺の見通しはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/186
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187・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど来御説明をしておりますように、高岡の短期大学はいわばそういう新しい形で地域の多様な要請にこたえる形で対応をしてまいるものとしてつくっているわけでございます。
基本的に申し上げますと高等教育の計画的整備ということが言われておるわけでございますけれども、従来高等教育機関がどうしても大都市に集中しておる。たとえば関東とか近畿、そういう地域に集中をしておりまして、地域的にばらつきがある。そういう地方の高等教育機関の整備を積極的に進めていかなければならないということが言われておるわけでございまして、地方の高等教育機関の場合にどうしても私立大学等では経営その他の問題もあって、なかなか直接にはむずかしいというような問題がございます。そこで、従来は地方の国立大学の整備ということを積極的に進めてまいりまして、地域的な格差を順次縮めていくというようなことで対応してきたわけでございます。
しかしながら、一面大変こういう厳しい財政状況でもございまして、国立大学の整備そのものもなかなかむずかしい問題がある。しかし他面、地域でのそういう実際的な要請にこたえることも必要であるというようなことで、今回新しい試みとして、この高岡の短期大学を打ち出していったわけでございます。
先ほども申し上げましたように、こういう一つの新しい試みも国自身がまずやりまして、地方の高等教育機関の要請というものはそれぞれ私は今後ともあるのではないかというぐあいに考えております。そういう際に、いわゆるコミュニティーカレッジというような形で、単に国立ばかりで考えるのではなくて、地方公共団体が中心になりますとか、あるいは場合によりましては、地方公共団体と学校法人とが第三セクター方式といいますか、そういうような方式でつくるというようなことも考えられるかと思います。いわば今後の地域からの要請ということは、私はなおいろいろ将来出てくる問題であろうと思っておりますし、そういう際に対応する対応の仕方としてこういう短期大学方式を考えるということも私は有意義なことであり、かつその際に国立ばかりで臨むという考え方ではなくて、いま申し上げましたような対応で考えていくことも必要ではないかというぐあいに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/187
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188・前島英三郎
○前島英三郎君 そういう点では、新しい試みという部分では大変評価できると思います。第三セクター方式、これは障害者の一つの雇用の状況の中にも、単に雇用率を高めるという部分ではなくて、地域の自治体とあるいは地域に誘致されている企業とが、あるいは国とが第三セクター方式というようなもので、たとえば岡山県の吉備高原にあります松下電器のああした第三セクター方式がいい一つの成功例だと思うんですね。
〔委員長退席、理事片山正英君着席〕
この部分が教育の中にも生かされていくという方向は大変いいと思うんですけれども、そこで、障害を持つ人たちにとりましても今後大変、高等教育の中には重点課題としてやはり大学局でも取り組んでいただきたいと思うんですが、これは六十一年の十月開校ということでございますが、この開校に際しては、障害者の一つの高等教育志願に対する者の受け入れ体制というものはどのようになっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/188
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189・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 障害者に対する大学の受け入れ状況については、前に先生からもお尋ねがありまして、
〔理事片山正英君退席、委員長着席〕
一般大学においてももちろん積極的な受け入れ体制というものを考えていく。そしてまたもう一面、いわゆる障害者のための高等教育機関の設置ということで、すでに準備にとりかかっているものもございますが、それと両面、いわゆる一般大学の受け入れと身体障害者の高等教育機関としての筑波で構想しておりますそういうものと両々相まって私ども対応していかなきゃならない事柄であろうかと思います。
高岡の短期大学のケースについては、今後さらに開学いたしました後、学生受け入れまでは二年半の準備期間を設けているわけでございまして、ただいまお尋ねはそういうことも積極的に配慮すべきでないかというようなことでございます。私どもとしても具体的な準備の段階で十分検討さしていただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/189
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190・前島英三郎
○前島英三郎君 そういう点でも、設計する段階に、世の中歩ける人と歩けない人しかおりませんし、目の見える人と見えない人しかいないわけですから、いままでともすれば歩ける人を標準にした公共施設であり、目の見える人を標準にしたそうした公共施設であった部分を逆転することによって、目の見える人も歩ける人にも何ら不便はないということを考えますと、いま非常に障害者の受け入れが私学の部分では積極的に行われておりますけれども、国公立の場合には設備が整っていないために断念せざるを得ない。そういう部分では、今後、この短期大学というニーズに呼応しながら、新しくつくられていくそうしたものに対しては、すべての学生が就学できる、あるいは登校できるというような施設改善にもぜひとも積極的な対応をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/190
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191・宮地貫一
○政府委員(宮地貫一君) 従来の受け入れの状況について若干数字で申し上げますと、国立大学におきます身体障害者の受け入れのための配慮といたしましては、四十九年度から入学試験経費及び学生当たり積算校費について予算措置を講じております。さらに、五十一年度から身体障害者用の学生用設備についても特別の予算措置を講ずるということで配慮をしてきておるわけでございます。そういうような状況を受けまして、施設設備の整備状況でございますが、五十七年度当初現在で、国立で六十八大学、公立十九大学、私立九十二大学でエレベーター、トイレ、点字図書等、身障者のための設備の整備が行われているというような状況になっております。
なお、入学者の状況でございますけれども、国公私立大学全体で五十七年度は八百二名でございますが、ここ数年はほぼ千人前後が入学しているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/191
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192・前島英三郎
○前島英三郎君 高等教育に対する障害者の希望というのも、非常に年々アップされていると思いますので、そういう意味での今後の御努力を心からお願いをしたいと思います。
それでは、続きまして義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正案につきまして、幾つか質問をしてまいりたいと思っております。
まず、教育施設整備費の予算額についてなんですけれども、昭和五十五年をピークにいたしまして、その後三年連続して大幅にダウンをしております。特に、五十八年度予算案を見ますと、学校施設のみならず、文化、体育関係の施設整備費も軒並みダウンをしているという状況のようでございます。行財政改革のしわ寄せが福祉と教育を圧迫しているという一例がここにもあらわれているようにも思います。
わが国の児童生徒数の増加はそろそろ天井に達しているとはいいましても、中学、高校はこれからがピークを迎える時期であろう、このようにも思います。さらに、過密、過疎の地域的なアンバランスにこれからも対応していかなければならないと思います。また、巨大なマンモス校の問題、これらの分割をしていく等、新しいニーズも今後生まれてくると思います。四十人学級への備えもしていかなければならない。学校施設整備の需要が減少していくとはとうてい考えられないわけなんですけれども、このような予算減で十分な施設整備が本当にちゃんとやれるのかどうか、危惧する声もあるわけですけれども、その辺はどう文部省は考えておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/192
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193・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) ただいま先生から御指摘がございましたように、ここ三年ほど公立学校の施設整備費予算が減少してまいっておるわけでございますが、この主な理由は先生のお話にも出てまいったわけでございますが、公立学校の施設整備に一番大きな影響をこれまで持っておりましたのが小学校の児童数がどうなるかということでございまして、これが昭和五十六年度をピークにいたしまして減少に転じておるわけでございますが、そういったことから各市町村が持っております施設の整備の計画自体がかなり減少してきているということによるものでございます。
そういった関係から、昭和五十八年度の予算につきましては、各市町村の計画事業量を聴取をいたしまして、それに対応する事業量を確保するという方向で予算措置を行ったわけでございますので、その結果、これだけの減少になっておりますが、私どもといたしましては、予定しておる計画事業量をこなせるだけの予算措置はしたというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/193
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194・前島英三郎
○前島英三郎君 そういうニーズにはちゃんとこたえておるということですね。
学校施設整備の中でも緊急性が高いのはやっぱり危険校舎の改築ではなかろうか、こう思うんです。児童生徒の安全にかかわる問題でもありますし、これはおくらせるわけにはいかないだろうというふうに思います。
文部省が予算委員会に提出した資料によりますと、五十八年度予算案では五十七年度よりやや増加しているけれども、それでも五十五年度までの水準をかなり下回っているように思うんです。改装面積で言えば、五十六年度にも及んでいないという状況だと思うんです。この部分で一〇〇%危険校舎がなくなるとはとうてい思えませんし、どうやってこの危険校舎の改築を促進するか、その辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/194
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195・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 午前中の御質問にも出たわけでございますが、危険改築というのは、先生のお話にもございますように、子供の安全の問題にかかわるということで、私どもとしても非常に重要なことだと考えておるわけでございます。そういう意味で、危険改築については従来から非常に力を入れてまいったつもりでございまして、この最近十年間を見ましても、木造のいわゆる危険建物の比率というのが四六%から一三%というところまで木造が少なくなっているというようなことで、間もなく一けた台に落ちるであろうというところまで整備をしてまいったわけでございまして、そういう意味では危険建物の解消はかなり促進はされてきておるわけでございます。
しかし、近年、厳しい財政事情その他の状況等もございまして、特に五十七年度は若干予算が少なかったというふうに考えておるわけでございますけれども、来年度、昭和五十八年度の予算におきましては、こういった全体で予算削減といった厳しい状況の中でございましたけれども、この危険改築には特に力を入れまして、その予算の確保に努めました結果、前年度に比べまして一四%増の金額を確保することができたということでございます。この点につきましても、各市町村の事業量等を聞いておりますが、これで現在の予定しております事業量はおおむね対応できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
なお、そのほか従来から問題になっておりました、いわゆる耐力度点数四千五百点以下のものを原則として改築の対象にする、しかしながら、それはさらに五千五百点以下というところまで範囲を広げて改築の対象にするという措置を暫定的に講じてきたわけでございますけれども、この点につきましても、五十八年度についてもその千点緩和という措置を引き続きとるというようなことで、この問題につきましては今後とも努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/195
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196・前島英三郎
○前島英三郎君 いま、一三%ぐらいである、やがては一けた台になっていくだろうという見通しがあったんですけれども、数字でちょっと伺いたいと思うんですが、木造校舎の場合、一万点満点で点数を計算して、四千五百点以下のものを危険校舎としておった、それを五十二年度からいまお述べになりましたように五千五百点以下まで拡大して改築を促進してきた、こういうことですね。
現在、その四千五百点以下、五千五百点以下の学校施設というのはどのくらい残っているものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/196
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197・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) ただいま手元に点数の数字を持っておりませんので、木造建物の総面積で申し上げさせていただきますが、千七百八十二万平方メートルでございまして、先ほど申し上げました建物全保有面積の一三・一%というようなことでございます。五十八年度予算では、その約一割に当たります百四十三万平米ほどを解消するという予算措置を講じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/197
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198・前島英三郎
○前島英三郎君 そうすると、危険校舎、木造校舎の改築の問題、これは、大体一〇%ずついきますと向こう十年かかるという、これは短絡な計算のし過ぎですかね、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/198
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199・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 現有の木造校舎と申しますものの中には、たとえば、近く統合するためにこの校舎はもう使わなくなるとか、それからあるいはそもそも倉庫とかいうようなかっこうで、鉄筋に改築をする必要がないものでございますとか、いろいろなケースのものがあるわけでございますので、この全部が完全になくなることを目指しているわけでは必ずしもないわけでございます。それぞれの学校の実態あるいは市町村の判断によりまして、残しておくべきもの、あるいは純粋に壊しちゃうだけでいいもの等もあるわけでございますが、そういうようなこと等を考えますと、まあ先ほどの単純計算で申しますと十年程度ということになりますが、それよりは数年早く解消ができるのではないかと思っておりますし、そういう方向でこれからも努力をしてまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/199
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200・前島英三郎
○前島英三郎君 そういうあいまいとしたものではなくて、たとえば四千五百点以下のものはあと二年以内にするとか、あるいは五千五百点以下については四年以内にすべて改築するといった具体的な目標をはっきり示して、私は木造に関してはこの際全部やってしまうべきではないかというような気がするんですね。
で、私の子供が通っております学校は、全クラスじゅうたんが張りめぐらされていまして、——この辺もどうかと思いますけどね、ちょっとやり過ぎるんじゃないかというような気がしないでもありませんけれども、そういう学校があるかと思いますと、依然としてプレハブ的な木造的な部分のアンバランスというようなものも大変多い。そういう点では、そろそろ年度を切って、二年以内あるいは四年以内というようなそういう段階ではなかろうかという気がするんですけれども、その辺は御検討いかがなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/200
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201・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘の点につきましては、御趣旨としては大変ごもっともなことであると思うわけでございますが、ただ、現実に各市町村の段階になりまして計画を立ててまいります場合には、それぞれの市町村で、たとえば当面急増のためにどうしても子供を受け入れる部分を先に建てなきゃならないといったようなケースもございましたり、いろいろなケースがあるわけでございますので、数字的に切ってこれだけはいつまでにというふうにもなかなかまいらない面もあろうかと思いますが、御趣旨は十分体して指導をし、その予算の確保等には努めてまいりたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/201
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202・前島英三郎
○前島英三郎君 ある程度の子供の状況というのは、いま就学している子供たちで状況を把握できるわけでありますから、日本列島三千二百の市町村が、一気にそんなに毎日のように人口が移動しているケースでもなかろうと思いますし、そういう点ではある程度目標も私は立てられるんじゃないかというような気がしますので、その辺も大いに検討していただきたいと思います。
さらに言いますと、危険校舎のチェックは、もう鉄筋あるいは鉄骨校舎にもっと目を向けなくてはならない時期に来ているというふうにも思うんですね。この点についての一つの建物のあり方、校舎のあり方という点での具体策みたいなものは文部省にあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/202
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203・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) まことに御指摘のとおりでございまして、木造関係は、先ほど来申し上げておりますように一〇%前後というところまで改築が進んでまいったわけでございますが、この時期になりますと、鉄筋で建てたものにつきまして、そろそろ古いものについての改築という問題が出てまいっておるわけでございまして、まさにこれから鉄筋の、いわゆる非木造建物の改築問題というのに本格的に取り組んでいかなければならない時期になりつつあると考えておるわけでございます。
そういう点から、私ども現在二つの対策を考え、実施をしつつあるわけでございますが、一つは、従来木造の建物につきましては、その危険度の判断が点数制で明確になっておりまして、一定の点数以上のものはこれを改築することが、予算上の補助等もございまして可能ということがはっきりしておるわけでございますが、鉄筋の建物につきましては、そういう言うなれば基準が明確になっていなかったという点がございまして、そのために、実際に鉄筋の建物を改築いたします場合には、学者、専門家等に特別に鑑定を依頼いたしまして、その鑑定の結果によってこれは危険であるかどうかと、それをまたこちらで受け取りまして、それを認めるか認めないかというような、非常に繁雑な手続と、それからそのためには経費も要するというようなことがあったわけでございます。
そこで、これから鉄筋建物の改築を進めていくためには、木造の場合と同様に、比較的簡単に点数等によって危険度が判定できるというような方式を取り入れるべきであろうということで、今年度実は関係の機関にお願いをいたしまして、研究を進めていただいておったわけでございますけれども、来年度からその結果に基づきまして新しい調査表を定めまして、その調査によって本造の建物と同様に点数制で判断できるということで、比較的容易にこれに手がつけられるような仕組みをつくっていこうとしているのが一点でございます。
それからもう一点は、昭和五十七年度からやったものでございますけれども、非木造建物、鉄筋建物の解体の場合、改築をいたします場合の古い建物の解体撤去費について、これはそれまで補助の対象となっていなかったわけでございますが、これを補助対象に加えるということをいたしました。そういう形によりまして、この鉄筋建物の改築問題もこれから取り進めていきたい、こういう状況になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/203
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204・前島英三郎
○前島英三郎君 そういう点でも、これからだんだん校舎も新しくつくられていく、またそういう見通しもいろんな計画があるということでありますけれども、そういう中においても、これからつくられる校舎についてはもうあらかじめ、健康な子供もいつ障害を持つかわからない、そういう配慮のもとに、安全性という部分を考えますと、やっぱり環境が整った中での教育というものはとっても大切なような気がしますので、そういう部分にも配慮を心からお願いをしたいと思っております。
次に、いま議題となっております義務教育諸学校施設費国庫負担法は、小中学校と聾学校、盲学校がその対象となっているんですね。それでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/204
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205・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/205
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206・前島英三郎
○前島英三郎君 ところが、同じ義務教育でありましても養護学校につきましては公立養護学校整備特別措置法という、まあ別の法律でやっているということになっております。養護学校の義務化がおくれたという歴史的な背景もありまして別建てとなったのかもしれませんけれども、現時点で考えますといかにもばらばら、複雑という印象をぬぐうことができないんです。二本立てになっている何か積極的な理由というのはあるんでしょうか、いかがですか、その辺は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/206
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207・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 公立養護学校整備特別措置法でございますが、これは昭和三十一年につくられた法律でございますけれども、当時は御案内のように養護学校のいわゆる義務化が行われておらなかったという事情があるわけでございまして、そういった事情の中で養護学校の整備に特に力を入れたいということから設けられた法律でございます。
そういった関係上、現在では普通の小中学校の場合の国庫負担法と二つ並んでいるというかっこうで、あるいは奇異にお感じいただくかもしれませんけれども、内容的には養護学校のこの整備特別措置法の方がより手厚い保護が、保護と申しますか、助成の方策がとられておるわけでございまして、たとえば国庫負担率につきましても、一般の小中学校の場合には原則が二分の一で、それから急増地域については三分の二ということになっておるわけでございますが、この公立養護学校の整備の関係につきましては、そういったことに関係なく三分の二に引き上げ措置がとられているといったような形で、そのために、この整備を促進するために非常に力が入れられている法律であるというふうに解釈をしておるわけでございます。
そういった観点から現在の養護学校教育の施設整備の状況を見ますと、それにしてもなおかつまだ不足してる建物も相当ございますので、より一層これからも力を入れていかなければならない分野だと考えておりますので、そういう段階におきましては、これを統一してしまうというのは、どちらかといえばむしろ補助率等を同じようにしろというような議論すら出てきかねないかもしれないというようなこともございますので、相当程度までその養護学校の整備が進むまでは、むしろ二本立ての方が養護学校の整備のためにはきわめてプラスであるというふうに私どもは判断しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/207
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208・前島英三郎
○前島英三郎君 養護学校建設については、いわば安心して三分の二の国庫補助が得られるというメリットも確かにあるかもしれません。しかし、これとて当分の間ですから、いつカットされるかわからないということも側面としてあるんじゃないかというような気がするんですね。やっぱりその辺は文部省はしっかり守ってもらわなければ困るような気がするんです。しかし、本来の法体系のあり方としては、負担法の中に養護学校もきちんと位置づけられているのが自然な形であると私は思っております。
そこで、その養護学校に関連して二、三点質問しておきたいわけなんですが、まず養護学校の今後の整備方針について伺いたいと思います。
養護学校は、昨年五月一日現在で七百校に達しているという面で、数の面ではかなりのものになってきているんじゃないかと思います。各地の要望を聞いてみますと、高等部やあるいは幼稚部の設置を望む声が大変多いわけなんですが、文部省としては今後学校数よりも、こうした点に、高等部、幼稚部、こういう部分に力点を置くべきだというように思うんですが、その辺はおつもりあるかどうか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/208
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209・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 養護学校につきましては、ただいまお話がございましたように、全体の学校数等については相当整備をされてまいりましたので、これからそういう御指摘のような幼稚部、高等部の充実という問題が出てきているというふうに理解をしております。私ども施設整備という面から申しますれば、各都道府県からの御要望等によりまして、それに最大限対応をして整備を図っていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/209
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210・前島英三郎
○前島英三郎君 養護学校は数がふえたといたしましても、全体としてはごく少数でございます、まだ七百ですからね。そこに通う子供にとっては、自分の家から遠いことは、これはもう間違いないんです。健康な子供は校区の近い学校に行けるのに、障害を持つ子が大体遠くまで通うということ自体が何となく僕は理解ができないんですけれども、そこで、なるべくそういう負担をかけないように、これからは小規模化を図って、しかも普通学校に近いところ、あるいは同じ敷地に設置するといった形も考えていくべきではないかというふうにも思うんです。その方が児童生徒の負担も減ってまいりましょうし、あるいは普通学校との交流も緊密にできるという教育面での大変なメリットもあるんじゃないかというような気がするんですけれども、そういう点、検討するお考えが文部省にありや否や。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/210
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211・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 養護学校の生徒は心身に障害を持っているわけでございますから、教育上非常にそのための手厚い配慮というものは必要であるというふうに考えております。そういった面につきましては、各都道府県におきまして適切な環境づくりというような点でいろいろ御配慮をいただいており、それに基づいて整備計画がつくられておるわけでございまして、それぞれ各地の事情等もいろいろあろうかと思いますけれども、文部省といたしましては、御指摘にございましたように余り巨大なものであることは適切でないだろうというような点等も十分踏まえまして、各都道府県からの整備計画等に対応して必要な予算措置等はやってまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/211
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212・前島英三郎
○前島英三郎君 先日の委員会でも触れましたけれども、普通学校でも障害を持った児童生徒に対する配慮は必要でしょうし、設計指針の中にもその辺はうたわれているんですけれども、これもすべて自治体負担というような形になる。中には、使えないトイレはひとつボランティアで大工さんたちが改造しましょうみたいな、そういうようなこともあったりするんで、やはり何らかの財政的な裏づけとか、あるいは手当てをしてやらなければ自治体がしり込みするおそれというのも大変あるんじゃないかというような気がするんですね。
ですから、私はこれからの整備の中には、ひょっとしたら障害を持つ子供たちがいま健康な子供たちの中にいっぱいいるわけですから、障害を持った、はいあなたはこの学校からさよならしなさいというのは、余りにも教育的な配慮がなさ過ぎる状況だというふうに思いますので、これからつくられる新しい校舎については、洋式便所を何%とか、あるいはエレベーターの設置の問題、鉄筋の校舎になれば、当然そういうことも配慮されるでしょうし、あるいは避難路の安全性の問題なんかも、そういう面での配慮を今後とも積極的にやってもらいたいと思うんですが、その辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/212
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213・阿部充夫
○政府委員(阿部充夫君) 学校新増設等をいたします場合には、お話にもございましたように学校施設設計指針というものを定めておりまして、それによって身体に障害を持っている児童生徒等のために洋式便器をつくるとか、あるいは手すりをつけるといったようなことが望ましいことということで指導をしておるわけでございまして、この関係につきましては、学校を建てる場合の中の金額としてはほとんど普通の単価の中で処置ができる程度のものでございますので、問題ないと考えておるわけでございます。
それからまた、お話に出てまいりましたエレベーター等でございますけれども、これも全校必置というわけにはなかなかそれはまいらないかと思いますが、これについてもそれぞれの学校でそういう計画がある場合には、補助単価の上乗せをしまして文部省としては対応いたしておりますので、これも御希望には十分沿える体制をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/213
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214・前島英三郎
○前島英三郎君 ですから、障害を持った子供が学校設備の不備の面だけであるいは就学が拒否されるというようなケースもなきにしもあらずでありますので、そういう部分はなるべくそれぞれの自治体に文部省から何らかの通知をしていただくぐらいの配慮が大切ではなかろうかというような気がいたします。
養護学校について言えば、文部省が直面する課題の内容がいまや量から質に変わってきているということと同時に、障害児教育は養護学校というこの感覚ではだめでございまして、普通学校でどのように受けとめるかということを真剣に考えなければならないことがもう明らかになってきているような気がするんです。普通学級の中にも相当数の障害児が在籍しているほか、二万学級に上る特殊学級もございますし、交流教育が普通校の子供たちにとっても大切であるということは、文部省も認めていることだろうと思うんです。
現在の障害児教育のあり方、特に養護学校の義務制の実施、養護学校の整備促進等については、昭和四十六年の中教審答申に負うところが大きいと思うんですけれども、その当時の見通しや考え方にのっとったこれまでの施策が進められてきたとはいえ、一面では養護学校の学校数など、当時与えられた課題を一応達成したと言うこともできるんじゃないかと思うんです。しかし、もう一面では、たとえば当時計画の基礎数字となった障害児の発生率の考え方及びその数字が、今日から見れば適当でないということが明らかになってきておりますし、当然見直しの必要があるということはもうはっきりしていると思うんです。
そこで、さきに触れた負担法と特別措置法との二本立ての問題にも関連するわけなんですけれども、養護学校義務化実施から五十八年度で五年になるのを機会に、障害児者の教育について、義務教育段階から高校、大学、さらに社会教育、職業教育まで含めて総合的に再検討してみる必要があるのではなかろうかという気がいたします。その中で法体系のあり方も考えていただきたいというふうにも思います。そのために、障害児教育の改善委員会のようなものを文部省内に設置して検討していただければ大変ありがたいと思うんですけれども、これは私の個人的な意見でありますが。
最後に、時間になりましてもう大方の議員の皆さんがお席へ着かれましたから、私は最後になりますが、大臣並びに官房審議官の答弁を伺って、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/214
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215・齊藤尚夫
○政府委員(齊藤尚夫君) 今後におきます障害児に対する教育のあり方につきましての御提案でございますが、このことにつきましては、昨年の三月に、総理府の国際障害者年推進本部が障害者対策に関する長期計画、およそのめど十カ年ということで、この一環として教育の理念あるいはその具体的な施策の方向について、かなり詳細に提案をいたしておるわけでございます。文部省といたしましては、この趣旨に沿って今後の施策を当面進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/215
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216・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 前島さんからいろいろ障害児教育について熱心に意見を聞かしてもらったことについて、ありがとうございました。
四十六年、中教審の答申を得て、五十三年ですか四年からこれを義務化に移しておる、こういう過程を経ていま申し上げましたような計画で進めておるわけでございますから、いまのところ新たに特別なまた委員会をつくるということは現在考えておりませんが、御趣旨はよく体して進めたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/216
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217・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/217
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218・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、秦野章君が委員を辞任され、その補欠として福田宏一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/218
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219・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案の修正について佐藤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/219
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220・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題の国立学校設置法の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。
その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
これよりその趣旨について御説明申し上げます。
修正案の内容は、改正案中第七条の二第二項、すなわち筑波大学に関する項の改正規定を削除するというものであります。
すでに本委員会の審議を通じて明らかなように、この筑波大学の国際関係学類の設置に至る経過はきわめて謀略的であるとともに、重大な大学自治原則のじゅうりんが行われているということであり、このような国際関係学類の設置を認めることは、学内世論を無視してでも、政府と一部大学当局者の結託によって学部、学科等の創設が行えるというファッショ的な前例を残すことになります。
しかも、その教育、研究の内容たるや軍事色の疑いが強く、真理と平和を希求する人間の育成を期するとした教育基本法の精神と全く相入れないものとなっているのであります。
かかる法改正を本委員会が認めることになれば、今後の日本の教育において重大な禍根を残すことは明らかであります。
一方、三重大学の人文学部、奈良教育大及び福岡教育大の大学院の設置、高岡短大の新設、山形大工業短期大学部の廃止などについては基本的に賛成できるものであり、学生募集などの関係から筑波大学問題の審議によって成立をおくらせることは適切でないと考えるものであります。
以上のような理由から、筑波大学に関する部分を分離させることが必要と考え、関係規定を削除する修正案を提出するということにいたしました。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/220
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221・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより国立学校設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、佐藤君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/221
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222・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 少数と認めます。よって、佐藤君提出の修正案は否決されました。
それでは次に、原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/222
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223・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/223
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224・片山正英
○片山正英君 私は、ただいま可決されました国立学校設置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、無党派クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び関係者は、左記事項の実現に特段の配慮を行うべきである。
一、我が国高等教育の一層の振興を図るため、財政事情並びに私学の果たす役割に配慮しつつ、地方国立大学の整備充実に努めること。
二、教員の資質向上のため、教員養成に当たる大学、大学院においては教育内容の充実及び現職教員の積極的受入れに努めること。
三、高岡短期大学については、地域の要請にこたえた特色ある高等教育機関として整備充実すること。
四、筑波大学の「国際関係学類」においては、平和な国際社会の進展に貢献し得る人材の養成に努めること。
五、国公立大学の共通一次試験の改善については、可及的速やかに関係者の合意を得るよう努めるとともに、二次試験についても、各大学における自主的な改善工夫を促進すること。
右決議する。
以上でございます。
委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/224
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225・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/225
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226・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、瀬戸山文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。瀬戸山文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/226
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227・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして対処していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/227
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228・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 次に、義務教育語学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の修正について佐藤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/228
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229・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。
その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございますが、これよりその趣旨について御説明申し上げます。
修正案の内容は、児童生徒急増指定市区町村に対する小中学校校舎建設費国庫負担率三分の二という特例措置を、政令指定都市及び不交付団体についても例外扱いとせず適用できるように改めるというものであります。
その理由は、児童生徒急増地域の大半は政令指定都市とその周辺部に集中し、マンモス校分離も含めて校舎建設費負担は大きくなっていること、とりわけ政令指定都市の場合は、昭和五十六年のいわゆる行政改革一括処理法によって特例措置によるかさ上げ補助額の六分の一が削減されていることなどを考えるならば、財政力があるということで一般の自治体と区別する根拠は成り立たないと言わなければならないからであります。むしろ、これまでの長年にわたる小中学校建設費の超過負担の累積や用地難、加えて自治体財政の逼迫状況を勘案するならば、現行の延長でさえ最低限のものと言わざるを得ません。
いま求められているのは、特例措置の本旨、すなわち義務教育を保障するために児童生徒急増自治体の財政負担の軽減を図って学校施設整備を円滑に進めるという立場に立ち返ることであります。いま提出の修正案によって必要となる経費は、昭和五十八年度約三十億円であり、軍事費を初め不要不急経費を削ればその財源は優に得られるのであり、このことこそが関係自治体や国民の期待にこたえる道であると確信いたします。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/229
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230・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) ただいまの佐藤君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。瀬戸山文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/230
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231・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、佐藤委員のせっかくの御提案でありますけれども、政府としては反対でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/231
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232・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、佐藤君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/232
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233・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 少数と認めます。よって、佐藤君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/233
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234・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/234
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235・粕谷照美
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、無党派クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読します。
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
義務教育諸学校施設の重要性とその整備の現状にかんがみ、政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一、児童生徒急増市町村における学校施設の整備が円滑に実施されるよう、必要な事業量とその財源の確保等に努めること。
二、学校の施設設備については、安全性に留意するとともに情操豊かでたくましい児童生徒の育成に配慮した整備を図ること。
三、学校規模の適正化を図るため、過大規模校の分離の促進に努めること。
右決議する。
以上でございます。
委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/235
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236・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/236
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237・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 全会一致と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、瀬戸山文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。瀬戸山文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/237
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238・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 義務教育諸学校施設についてのただいまの御決議につきましては、御趣旨に留意し、今後十分検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/238
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239・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/239
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240・堀内俊夫
○委員長(堀内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815077X00519830330/240
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