1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十八年五月十三日(金曜日)
午前十時二分開議
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○議事日程 第十四号
昭和五十八年五月十三日
午前十時開議
第一 宇宙飛行士の救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第三 宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第四 建物の区分所有等に関する法律及び不動産登記法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第六 電源開発促進税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第七 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第八 建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第九 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一〇 酪農振興法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一一 家畜改良増殖法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一二 日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案(第九十七回国会内閣提出、第九十八回国会衆議院送付)
第一三 日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/0
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001・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより会議を開きます。
日程第一 宇宙飛行士の救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定の締結について承認を求めるの件
日程第二 宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約の締結について承認を求めるの件
日程第三 宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約の締結について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上三件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外務委員長増田盛君。
〔増田盛君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/1
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002・増田盛
○増田盛君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
これらの条約は、いずれも宇宙活動に関する基本的な条約であるいわゆる宇宙条約の内容を一層具体化したものでありまして、まず、宇宙飛行士の救助及び送還並びに宇宙物体の返還に関する協定は、宇宙飛行士が事故等により着陸した場合の宇宙飛行士の救助と打ち上げ国への送還、宇宙物体の回収と打ち上げ国への返還等について定めたものであります。
次に、宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約は、宇宙物体によって引き起こされる損害について、打ち上げ国の責任、損害賠償請求の手続、賠償額算定の基準等を定めたものであります。
最後に、宇宙物体の登録に関する条約は、打ち上げた宇宙物体についての国内登録制度の実施と国連事務総長への情報の提供、宇宙物体の識別に関する国際協力等について定めたものであります。
委員会におきましては、わが国の宇宙開発の基本姿勢と国内の開発体制、条約加入に伴う立法措置、原子力衛星の規制、宇宙軍縮等の諸問題につき質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
昨十二日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/2
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003・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより三件を一括して採決いたします。
三件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/3
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004・徳永正利
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
よって、三件は全会一致をもって承認することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/4
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005・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第四 建物の区分所有等に関する法律及び不動産登記法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鈴木一弘君。
〔鈴木一弘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/5
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006・鈴木一弘
○鈴木一弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
本法律案は、最近における区分所有建物に関する管理及び登記等の実情はかんがみ、区分所有建物に関する管理の充実及び登記の合理化を図るため、二法律を改正しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
まず、建物の区分所有等に関する法律につきましては、第一に専有部分と敷地利用権とは原則として分離して処分することができないものとする
こと、第二に共用部分の変更及び規約の設定、変更または廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によってすること、第三に区分所有者は、全員で、区分所有建物等の管理を行うための団体を構成するものとし、区分所有者の数が三十人以上であるときは、その団体は法人となることができること、第四に区分所有者が共同の利益に反する行為をした場合にその者の専有部分の使用禁止または区分所有権の競売を請求できること等義務違反行為者に対する措置を定めること、第五に建物の老朽化等により建てかえを相当とするに至ったときは、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数による集会の決議に基づき、建てかえを実現することができることとするための措置を講ずることであります。
次に、不動産登記法につきましては、専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができない場合には、専有部分の登記用紙に敷地利用権の表示を登記することとした上で、専有部分及び敷地利用権についてされた処分に関する登記は、この登記用紙にすれば足りるものとすること等登記手続に所要の改正を行うことであります。
委員会におきましては、専有部分と敷地利用権の一体性の趣旨と登記手続の改正、区分所有者の団体の構成、管理者の地位と権限、管理組合の法人化の利点と要件、義務違反行為者に対する措置、建てかえ決議反対者の保護等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終わり、安武委員より、建てかえの決議の要件を改める等の修正案が提出されました。
原案及び修正案について別に討論もなく、次いで修正案及び原案についてそれぞれ採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、原案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/6
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007・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/7
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008・徳永正利
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/8
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009・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第五 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案
日程第六 電源開発促進税法の一部を改正する法律案
日程第七 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上三案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長戸塚進也君。
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昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案
昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、昭和五十八年度における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、同年度の財政運営に必要な財源を確保し、もつて国民生活と国民経済の安定に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるとともに、同年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する措置及び自動車損害賠償責任再保険特別会計からの繰入れその他の歳入(租税及び印紙収入、専売納付金並びに公債に係る収入を除く。)の増加を図るための特別措置を定めるものとする。
(特例公債の発行等)
第二条 政府は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書の規定により発行する公債のほか、昭和五十八年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもつて国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
2 前項の規定による公債の発行は、昭和五十九年六月三十日までの間、行うことができる。この場合において、同年四月一日以後発行される同項の公債に係る収入は、昭和五十八年度所属の歳入とする。
3 政府は、第一項の議決を経ようとするときは、同項の公債の償還の計画を国会に提出しなければならない。
4 第一項の規定により発行する公債については、国債整理基金特別会計法(明治三十九年法律第六号)第五条の規定による償還のための起債は、行わないものとする。
(一般会計からの国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例)
第三条 昭和五十八年度において、国債整理基金特別会計法第二条第一項の規定により一般会計から繰り入れるべき金額のうち国債の元金の償還に充てるべき金額については、同条第二項及び同法第二条ノ二第一項の規定は、適用しない。
(自動車損害賠償責任再保険特別会計からの一般会計への繰入れ)
第四条 政府は、昭和五十八年度において、自動車損害賠償責任再保険特別会計の保険勘定から二千五百億円、同特別会計の保障勘定から六十億円を限り、それぞれ一般会計に繰り入れることができる。
2 政府は、前項の規定による自動車損害賠償責任再保険特別会計の保険勘定又は保障勘定からの繰入金については、後日、それぞれその繰入金に相当する金額に達するまでの金額を、予算の定めるところにより、一般会計から同特別会計の保険勘定又は保障勘定に繰り入れなければならない。
3 第一項の規定による自動車損害賠償責任再保険特別会計の保険勘定又は保障勘定からの繰入金は、それぞれ同特別会計の保険勘定又は保障勘定の歳出とし、前項の規定による一般会計からの同特別会計の保険勘定又は保障勘定への繰入金は、それぞれ同特別会計の保険勘定又は保障勘定の歳入とする。
(あへん特別会計からの一般会計への繰入れ)
第五条 政府は、昭和五十八年度において、あへん特別会計から、十三億円を限り、一般会計に繰り入れることができる。
2 前項の規定による繰入金に相当する金額は、あへん特別会計法(昭和三十年法律第三十一号)第八条第一項の規定による積立金の額から減額して整理するものとし、当該繰入金は、あへん特別会計の歳出とする。
(造幣局特別会計からの一般会計への繰入れ)
第六条 政府は、昭和五十八年度において、造幣局特別会計から、四億円を限り、一般会計に繰り入れることができる。
2 前項の規定による繰入金に相当する金額は、造幣局特別会計法(昭和二十五年法律第六十三号)第二十七条の規定による繰越利益金の額から減額して整理するものとする。
(日本電信電話公社の臨時国庫納付金の納付の特例)
第七条 日本電信電話公社は、昭和五十八事業年度において、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律(昭和五十六年法律第三十九号。次項において「昭和五十六年法」という。)第四条第一項の規定により同事業年度に係る同項に規定する臨時国庫納付金額を納付するほか、同項の規定にかかわらず、昭和五十九事業年度に係る同項に規定する臨時国庫納付金額を昭和五十八事業年度末までに国庫に納付しなければならない。
2 昭和五十六年法第四条第二項の規定は、前項の規定により納付される昭和五十九事業年度に係る臨時国庫納付金額について準用する。
(日本中央競馬会の国庫納付金の納付の特例)
第八条 日本中央競馬会は、昭和五十八事業年度については、日本中央競馬会法(昭和二十九年法律第二百五号)第二十七条の規定による国庫への納付をするほか、当該事業年度分として同条第二項の規定により国庫に納付すべき金額が五百億円に満たない場合においては、同法第二十九条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の規定による特別積立金のうち五百億円と当該事業年度分として同法第二十七条第二項の規定により国庫に納付すべき金額との差額に相当する金額(次項において「特別国庫納付金額」という。)を昭和五十九年三月三十一日までに国庫に納付しなければならない。
2 特別国庫納付金額は、日本中央競馬会法第二十九条第一項の規定による特別積立金の額から減額して整理するものとする。
附 則
この法律は、昭和五十八年四月一日から施行する。
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電源開発促進税法の一部を改正する法律案
電源開発促進税法の一部を改正する法律電源開発促進税法(昭和四十九年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。
第六条中「三百円」を「四百四十五円」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和五十八年九月一日から施行する。
2 改正後の第六条の規定は、昭和五十八年十月一日以後に料金の支払を受ける権利が確定される電源開発促進税法第七条第一項第一号に規定する販売電気及び同日以後に同条第二項の計量がされる同条第一項第二号に規定する電気に対する電源開発促進税について適用し、同日前に料金の支払を受ける権利が確定される同項第一号に規定する販売電気及び同日前に同条第二項の計量がされる同条第一項第二号に規定する電気に対する電源開発促進税については、なお従前の例による。
3 この法律の施行前にした行為及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる電源開発促進税に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
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国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案
国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れについて、その額が当面減少し、その後においては増加して推移することが見込まれることにかんがみ、その繰入れの平準化を図るため、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの間における同特別会計への一般会計からする国庫負担金の繰入れの特例に関する措置その他これに伴う必要な措置を定めるものとする。
(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの特例)
第二条 政府は、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの各年度に係る国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第八十五条第一項及び第二項の規定による国庫負担については、昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度にあつては、当該各年度に係るこれらの規定による国庫負担金の額の合算額から、別表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額を控除して得た額に相当する金額を、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの各年度にあつては、当該各年度に係るこれらの規定による国庫負担金の額の合算額に同表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額を加算して得た額に相当する金額を一般会計から国民年金特別会計に繰り入れるものとする。
2 前項の規定による繰入れをする国民年金特別会計の勘定は、次の各号に掲げる勘定とし、当該勘定に繰り入れる金額は、当該各号に定める金額とする。
一 国民年金勘定 前項の規定による各年度における繰入金の額(次号において「各年度繰入額」という。)から当該各年度に係る国民年金法第八十五条第二項の規定による国庫負担金の額を控除して得た額に相当する金額
二 福祉年金勘定 各年度繰入額から当該各年度に係る前号に定める金額を控除して得た額に相当する金額
(国庫負担金の繰入れの特例に係る控除額及び加算額の改定等)
第三条 昭和五十八年度から昭和六十三年度までの間において国民年金法による年金たる給付の額を改定する措置が講ぜられた場合には、当該措置が講ぜられた年度以降昭和六十三年度までの別表の上欄に掲げる各年度に応ずる同表の下欄に定める金額(当該金額がこの項の規定に基づく政令により改定されている場合にあつては、当該政令による改定後の金額)については、当該措置により同法第八十五条第一項及び第二項の規定による国庫負担金の額の合算額が増加し、又は減少する割合を勘案して、政令で、これを改定するものとする。
2 前項の政令により昭和五十八年度から昭和六十三年度までの別表の上欄に掲げる各年度に応ずる同表の下欄に定める金額が改定された場合には、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの同表の上欄に掲げる各年度に応ずる同表の下欄に定める金額については、当該金額に、当該政令による昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度に応ずる同表の下欄に定める金額の改定後の金額(当該各年度のうち当該政令により同表の下欄に定める金額が改定されていない年度がある場合にあつては、当該年度については、同表の上欄に掲げる当該年度に応ずる同表の下欄に定める金額)の合計額(以下この頃において「昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度に応ずる改定後の金額の合計額」という。)を一兆二千二百九十億円で除して得た割合な乗じて得た額を基準として、政令で、これを改定するものとする。この場合において、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの各年度に応ずる改定後の金額の合計額は、昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度に応ずる改定後の金額の合計額に等しくなるようにするものとする。
3 前二項の政令により別表の下欄に定める金額が改定された場合における前条の規定の適用については、同条第一項中「別表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額」とあるのは「次条第一項の政令による当該各年度に応ずる別表の下欄に定める金額の改定後の金額」と、「同表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額」とあるのは「同条第二項の政令による当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額の改定後の金額」とする。
(国民年金特別会計への運用収入相当額の繰入れ)
第四条 政府は、第二条の規定による国庫負担金の繰入れの平準化のための措置がとられたことにより国民年金特別会計において生じないこととなつたと見込まれる運用収入に相当する金額を、昭和七十二年度以降において、当該措置に係る平準化の趣旨にのつとり、予算の定めるところにより、一般会計から同特別会計に繰り入れるものとする。
2 前項の規定による一般会計からの繰入金は、国民年金特別会計国民年金勘定の歳入とする。
(国民年金特別会計法の規定の読替え)
第五条 国民年金特別会計の国民年金勘定又は福祉年金勘定において次の表の上欄に掲げる各年度に一般会計から受け入れた金額に係る国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)第十六条第一項の規定の適用については、同欄に掲げる年度の区分に応じ、同項の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
2 前項の規定により国民年金特別会計法第十六条第一項の規定が読み替えられた場合における同法第十二条第一項の規定の適用については、同項中「第十六条第一項第一号」とあるのは、「国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第 号)第五条第一項において読み替えて適用する第十六条第一項第一号」とする。
附 則
この法律は、昭和五十八年四月一日から施行する。
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〔戸塚進也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/9
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010・戸塚進也
○戸塚進也君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について申し上げます。
本法律案は、昭和五十八年度における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、同年度の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるとともに、同年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰り入れの特例に関する措置及び自動車損害賠償責任再保険特別会計からの繰り入れ等の特別措置を定めようとするものであります。
なお、本法律案による昭和五十八年度の財源調達見込み額は、八兆七千八百五十億円であります。
委員会におきましては、財政再建に対する政府の基本的考え方、五十九年度予算編成の基本方針、今後における減債基金制度のあり方、収支均衡化のための税外収入増収策の可否、所得税減税の必要性と実施のための財源確保策等の質疑が行われ、さらに参考人として、草場全国銀行協会連合会会長、植谷日本証券業協会会長、水野名古屋大学教授より意見聴取を行いましたが、その間の詳細は会議録に譲ります。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して赤桐操委員より反対、自由民主党・自由国民会議を代表して増岡康治委員より賛成、公明党・国民会議を代表して塩出啓典委員より反対、日本共産党を代表して近藤忠孝委員より反対、民社党・国民連合を代表して柄谷道一委員より反対する旨の意見が、それぞれ述べられました。
討論を終わり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本案に対し、財政再建に対する具体的方策に関する考え方を明らかにすること等の附帯決議を付しております。
次に、電源開発促進税法改正案以下二法律案について申し上げます。
電源開発促進税法の一部を改正する法律案は、電源立地対策及び電源多様化対策に要する費用に充てるため、電源開発促進税の税率、千キロワット時につき現行の三百円を四百四十五円に引き上げようとするものであります。
国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案は、国民年金特別会計への国庫負担金の繰り入れについて、老齢福祉年金及び拠出制国民年金の受給者数の推移等から、その額が当面減少し、その後においては増加して推移することが見込まれることにかんがみ、その繰り入れの平準化を図るため、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの間における同特別会計への一般会計からする国庫負担金の繰り入れの特例に関する措置等を定めようとするものであります。
委員会におきましては、以上二案を一括して質疑を行い、電源開発促進税の性格と税収の使途、原子力発電所設置促進のための環境整備のあり方、今後の公的年金財政に対する政府の対応策、年金積立金の自主運用の可否等の質疑が行われましたが、その間の詳細は会議録に譲ります。
質疑を終了し、討論なく、順次採決の結果、両案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/10
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011・徳永正利
○議長(徳永正利君) 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。鈴木和美君。
〔鈴木和美君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/11
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012・鈴木和美
○鈴木和美君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
政府は、民主的財政運営の基本法としての財政法が厳しく禁じている赤字公債の発行を、臨時異例の単年度の特例措置であるとの言い逃れを繰り返しながら、昭和五十年度以来延々と今日に至るまで一回も休むことなく発行し続けてまいりました。
この間、国民経済が低経済成長に移行するに伴い、企業は産業構造激変の荒波にもまれながら、みずから減量経営や冗費の徹底した圧縮への努力を続け、個人は実質所得の低下を家計のやりくりで切り抜け、なかんずく福祉水準の切り下げに加えて、六年続きの所得税減税の見送りにも耐え忍んできたのであります。このような国民の努力や忍耐がこれまで持続したのは、経営や家計の苦しみも、財政再建のめどがつくまでとの一縷の望みがあったからにほかなりません。
ところが、鈴木前内閣がそれまで公約として掲げてきた五十九年度に赤字財政から脱却するという財政再建計画は、財政経済の見通しの甘さと運営の失敗によって、私どもが指摘してきましたとおり、あえなく雲散霧消して、これが内閣退陣の最大のきっかけにもなったのであります。したがいまして、これを受けた中曽根新内閣の財政再建計画やいかにと、国民は少なからぬ期待をさえ抱いていたのであります。
しかしながら現実は、五十八年度予算が成立してすでに一カ月余りを経た今日に至ってもなお、新たな財政再建の基本方針をすら明示し得ない状況にあります。したがって、当然のこととして本年度予算は、財政再建計画未策定の状態のもとで編成された財政再建とはおよそ無縁の予算であります。しかも歳出面では、防衛関係費、対外経済協力費などの国家安全保障関連費が突出して増加している反面、社会保障、文教などの国民生活関連費の大幅な後退が目立つ内容となっております。
そして、これを賄うべき歳入について見ますと、公債の発行額は十三兆三千四百五十億円で、昨年度の当初予算に比べ二兆九千五十億円増発するなど、財政再建どころか、後年度負担をますます増加させる内容となっております。
後年度負担の増加は、巨額の公債発行だけではありません。自賠責特別会計からの一般会計への繰り入れ及び電電公社からの納付金の特例など税外収入の増収策にしてしかり、別途大蔵委員会で可決に至りました国民年金特別会計への繰入金の削減措置にしてもしかり、いずれも借り入れたり削減した分を将来返済しなければならないものや、来年度の財源を先食いするものなど、目先の収支じり合わせのためのものであって、まさに財政再建に逆行するものであると言わなければなりません。
本年度末における赤字国債の累積残高は四十七兆六千億円に上り、建設公債を含めた公債全体では実に百十兆円にも及ぶ残高を抱え、公債の利払い費のみで本年度は七兆五千億円を超えるという破局的状態にありながら、一方で不公平税制を温存し、他方で後年度負担を増加させるなど、中曽根内閣には財政再建の意欲のかけらさえないのではないかと疑わざるを得ないのであります。
このことは、五十八年度予算の歳入の授権法案の提案のあり方にもあらわれております。すなわち、財政法の特例法としての赤字国債発行の法律案は、事の重大性にかんがみ、昭和五十三年度と五十六年度を除いていずれも単独の法律案として国会に提案されてまいりましたが、今回は赤字国債の発行に加えて全く異質の脱外収入の増収策を図る措置を盛り込み、さらに歳出に関する国債費定率繰り入れの停止措置までを歳入に関する措置と一括して提案しているのであります。これは、大量の赤字国債発行の重要性を隠蔽しようとする意図のあらわれとしか言いようがありません。
本法律案に盛られている国債費定率繰り入れを停止する措置は五十七年度に引き続いての措置であり、これによりわが国の減債基金制度は両三年のうちに事実上崩壊して、その機能は完全に喪失してしまうのでありますが、今後、政府は、どのようにして国債に対する国民の理解と信頼を確保していこうというのでありましょうか。不幸にして、質疑を通じて納得のいく答弁は何一つ得られなかったのであります。
昭和六十一年度に底をつく国債整理基金の償還財源を今後どのようにして調達していこうとするのか、政府は何らの方針すら示し得ない状態で本年度もまた十三兆円余の国債を発行しようというのであります。国債の償還費に利払い費を加えると、両三年後に十六兆円から二十兆円のまさに後ろ向きの借金返済のための経費が、直接一般会計から単なるトンネル機関化した国債整理基金を通じて支払われることになるのであります。借金返済のための借金としての国債発行が現実となるわけであります。
自動車損害賠償責任再保険、あへん、造幣局の各特別会計からの繰入金、電電公社、中央競馬会からの納付金をかき集めることによる脱外収入の増収策は、いずれも財源あさり以外の何物でもなく、これによって得られた金額はその金額相当分だけ歳出削減の努力を怠ったことにほかなりません。
それだけではありません。今回の措置は、臨調の答申が指摘した特別会計並びに特殊法人についての抜本的見直しを経た上での一般会計への繰り入れや納付の措置ではなく、受益者への還元策も何一つ考慮が払われていないではありませんか。
しかも、さきの行革国会での厚生保険特別会計並びに今回の国民年金特別会計との間では、その貸し借りについて利息をつけ、自賠責再保険特別会計との間では無利子とするなど、特別会計と一般会計との間の貸借に当たっての付利についての原則すらあいまいなまま、その場しのぎのやりくりに追われているのが実態であります。電電公社からの臨時納付金の先食い並びに中央競馬会からの五十六年度に続いての特別納付金の納付も、特殊法人の存立の基盤である独立採算制を根底から否定する措置であると言わざるを得ません。
いまこそ特別会計制度、特殊法人全般にわたって、そのあり方や経営に関して抜本的に見直すときであるにもかかわらず、それを放置したまま、余裕ありと見られる特別会計、特殊法人をねらい撃ちにするがごとき措置に対し、断固として反対するものであります。
以上、本法律案に対する反対理由を述べてまいりましたが、本会議並びに大蔵委員会での質疑を通じて明らかになったことは、財政再建に対する政府の姿勢は、依然として安易かつ消極的であるということであります。このまま推移するならば、国民の負担のみが過重となるだけでなく、負担の不公平はますます増大し、財政再建はおろか重大な局面を迎えるに至るであろうことをここに強く警告して、本法律案に対する私の反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/12
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013・徳永正利
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/13
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014・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
まず、昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案及び国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案を一括して採決いたします。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/14
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015・徳永正利
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
よって、両案は可決されました。
次に、電源開発促進税法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/15
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016・徳永正利
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/16
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017・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第八 建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。建設委員長片岡勝治君。
〔片岡勝治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/17
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018・片岡勝治
○片岡勝治君 ただいま議題となりました建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、建築物の設計及び工事監理の適正化を図るため木造建築士資格の創設その他建築士制度の改善整備を行うとともに、建築行政に関する事務の簡素合理化を図るため建築士試験の実施体制の整備並びに特定建築物の確認及び検査に係る対象法令の範囲の限定等を行おうとするものであります。
委員会におきましては、住宅建設の促進と景気対策、木造建築士の業務範囲の拡大、建築確認・検査制度の合理化及び違反建築物に対する指導監督の強化等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、茜ケ久保理事より、五項目にわたる自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各会派共同提案の附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/18
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019・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/19
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020・徳永正利
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/20
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021・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第九 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長宮田輝君。
〔宮田輝君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/21
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022・宮田輝
○宮田輝君 ただいま議題となりました法律案は、昭和五十八年度分の地方交付税の総額について特例措置を講じ、借入金の増額等により所要額を確保すること、当該借入金の償還に当たり、一般会計より臨時地方特例交付金を繰り入れるよう措置すること、地方債振替後の投資的経費、老人保健制度の実施等に伴う経常経費にかかる単位費用を改めること、交通安全対策特別交付金を基準財政収入額に算入するとともにその使途を拡大し、交通安全施設の維持管理費に使用できるものとすること、交付税等の特別会計制度について関係規定を改正すること等を主な内容とするものであります。
委員会におきましては、歳出抑制基調における財源不足、借金依存体質の深刻化、交付税借入金利子の地方負担、税源配分の見直し等の諸問題について熱心な質疑が行われました。
質疑を終局し、次いで日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合共同提案による地方交付税率の引き上げ等を内容とする修正案について、志苫委員より趣旨説明が行われました。本修正案に対しては、自治大臣から、政府としては賛成いたしかねるとの意見が述べられました。
討論に入りましたところ、日本社会党を代表して佐藤委員、公明党・国民会議を代表して大川委員、日本共産党を代表して神谷委員、民社党・国民連合を代表して田渕委員より、修正案に賛成、原案に反対の意見が、また、自由民主党・自由国民会議を代表して松浦委員より修正案に反対、原案に賛成の意見が述べられました。
討論を終わり、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/22
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023・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/23
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024・徳永正利
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/24
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025・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第一〇 酪農振興法の一部を改正する法律案
日程第一一 家畜改良増殖法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長下条進一郎君。
〔下条進一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/25
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026・下条進一郎
○下条進一郎君 ただいま議題となりました二法案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
まず、両案の内容を申し上げます。
酪農振興法改正案は、酪農及び肉用牛生産の健全な発達と牛肉の安定的な供給を図るため、法律の題名を改め、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律とするとともに、酪農及び肉用牛生産の近代化を総合的かつ計画的に推進するための措置、肉用子牛の価格安定を図るための措置等を講じようとするものであります。
また、家畜改良増殖法改正案は、家畜の改良増殖を一層促進するため、家畜受精卵移植に関する規制について定めるとともに、輸入された家畜人工授精用精液の利用、家畜人工授精師制度の改善等に関する措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、両案を一括議題とし、家畜改良増殖法改正案については、参考人の出席を求めて審査を行いました。
質疑の主な内容は、酪農振興法改正案に関しては、酪農・肉用牛近代化計画制度の運用、肉専用種経営の近代化指標の内容、牛肉の輸入自由化・枠拡大要請への対応、酪農の現状と乳肉複合経営の可能性、牛肉の需給と価格政策、粗飼料給与率の向上対策、酪農経営の負債問題等について、また、家畜改良増殖法改正案に関しては、受精卵移植技術の現状と見通し、人工授精用精液の輸入問題等についてであります。
質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、両案を順次採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両案に対し、それぞれ全会一致をもって附帯決議を行いました。
以上御報告いたします。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/26
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027・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより両案を一括して採決いたします。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/27
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028・徳永正利
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
よって、両案は全会一致をもって可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/28
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029・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第一二 日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案(第九十七回国会内閣提出、第九十八回国会衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長矢追秀彦君。
〔矢追秀彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/29
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030・矢追秀彦
○矢追秀彦君 ただいま議題となりました日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
本法律案は、日本国有鉄道の経営の現状にかんがみ、昭和五十七年七月三十日に行われた臨時行政調査会の第三次答申を受けて、国鉄の事業再建推進のための体制を整備しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、国は臨時行政調査会の答申を尊重して、国鉄の経営する事業の適切かつ健全な運営を実現するための体制を整備することにより当該事業の再建を推進することを基本方針とするとともに、この体制整備のために必要な効率的な経営形態の確立等及びその実施の円滑化のための長期債務の償還等に関する施策を講ずることとしております。
第二に、国及び国鉄は、国鉄の事業運営の改善のために緊急に措置を構ずべき事項に関し、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法に基づく措置その他必要な措置を講ずることとしております。
第三に、国の施策の策定及びその計画的かつ円滑な実施に資するため、総理府に日本国有鉄道再建監理委員会を置くこととし、同委員会は、基本方針に従い、効率的な経営形態の確立等及びその実施の円滑化のために必要な重要事項について、みずから企画、審議、決定し、内閣総理大臣に意見を述べること及び緊急に構ずべき措置の基本的な実施方針について内閣総理大臣に意見を述べることができること並びに同委員会からこれらの意見が出されたときは、内閣総理大臣は、これを尊重しなければならないこととしております。
また、日本国有鉄道再建監理委員会は、五人の委員により組織することとするほか、国の施策等について内閣総理大臣等に勧告することができること並びに関係行政機関の長及び国鉄総裁に対し、資料の提出その他の必要な協力を求めることができること等としております。
第四に、国鉄の経営する事業の適切かつ健全な運営を実現するための体制整備を図るための施策は、昭和六十二年七月三十一日までに講ぜられることとしております。
第五に、運輸大臣は、国鉄の経営改善計画の変更の承認または指示をしようとするとき及び国鉄の予算の調整を開始しようとするときは、日本国有鉄道再建監理委員会の意見を聞かなければならないこととしております。
委員会におきましては、委員派遣による地方公聴会の開会及び現地調査、社会労働委員会との連合審査会、参考人よりの意見聴取等きわめて熱心かつ慎重な審議が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党青木理事より反対、自由民主党・自由国民会議江島理事より賛成、日本共産党立木委員より反対、公明党・国民会議黒柳理事及び民社党・国民連合伊藤委員よりそれぞれ賛成する旨の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し、青木理事より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案に係る日本国有鉄道再建監理委員会の人選等六項目を内容とする附帯決議が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/30
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031・徳永正利
○議長(徳永正利君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。青木薪次君。
〔青木薪次君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/31
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032・青木薪次
○青木薪次君 私は、日本社会党を代表いたしまして、日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案に対しまして、反対の討論を行うものであります。
本法案は、第一条に明記されているように、分割民営化を内容とする臨調の答申を尊重して国鉄の経営する事業の再建を図ろうとするものであり、国鉄の分割民営化を前提としていることは、政府がいかなる答弁を行おうとも明白であります。わが国の基幹的な交通機関として全国的なネットワークを形成している国鉄を分断いたしまして、地域分割をするような無謀な臨調の答申は、いかなる理由があろうとも国民の足を守る立場から絶対に認めるわけにはいかないわけであります。
臨調の答申の不当性は、二年数カ月という短期間に、関係者の意見も十分聴取することなく、国民の目の届かない密室で、長年にわたる国会の論議や各党の合意事項を無視して、一方的に分割民営化という結論を出していることからも明らかであります。わが党は、本法案の審議の過程で臨調の議事録の提出を求めたにもかかわらず、政府はこれに応じようとしないのであります。作成過程の論議が国民の前に明らかにされないような臨調の答申は、国民的合意を得られるようなものでなく、国権の最高機関たる国会はこのような答申に拘束されないのであります。
現在、国鉄は、国鉄経営再建促進特別措置法に基づいて六十年を目標とした経営改善計画を実施中でありますが、後がないと言われたこの計画も、政府の甘い見通しや無策により今日すでに破綻を来しており、政府の責任は重大と言わなければなりません。ところが、臨調の答申が出されるや、この計画の実施の責任を放棄し、交通政策を実行する立場から答申の内容を十分吟味することなく、最大限尊重するとの方針を決定しているのであります。このような政府の無責任な態度は、真剣に国鉄再建に取り組んでいる国鉄職員を裏切るものであり、許されないのであります。
長期債務の処理、通学や身体障害者に対する公共割引、共済年金負担、特定人件費負担、青函トンネル等の国家的事業から生ずる負担等の構造的な問題は、政府自身の責任において処理されるべきであり、政府が政治的決断をすれば直ちに実行可能な問題であるにもかかわらず、すべてを国鉄再建監理委員会の検討にゆだねるとの態度をとっているのであります。これは明らかに政府の責任逃れであり、許すことはできないのであります。現行体制のもとで必要な財源対策を講じ、早急に構造的問題の処理に当たるべきであります。
この法律で国鉄再建監理委員会の業務内容とされているものの中で、国鉄の経営形態の変更を除けば、国鉄再建監理委員会を煩わすまでもなく、政府自身で解決できるものばかりであり、国鉄再建監理委員会の任務は、国鉄再建でなく、国鉄を地域分割し解体する国鉄解体委員会とも言うべきものであります。行政の簡素化という時代の要請に反し、屋上屋を重ねる国鉄再建監理委員会の設置を認めることはできないのであります。
わが党は、国民の足として国鉄に課せられた公共的使命を十分に果たせるよう公的な負担のルールを明確にするとともに、国鉄当局に大幅な経営権限を付与し、当事者能力を与え、責任体制を明確にし、管理機構の地方分権化を促進していくことで、国民の期待にこたえた国鉄再建を実現していくことを表明し、国鉄の分割民営化を前提とした本法案の反対討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/32
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033・徳永正利
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/33
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034・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/34
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035・徳永正利
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/35
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036・徳永正利
○議長(徳永正利君) 日程第一三 日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。文教委員長堀内俊夫君。
〔堀内俊夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/36
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037・堀内俊夫
○堀内俊夫君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、日本学術会議会員の選出方法について、選挙制を改め、日本学術会議に登録された科学者の団体を基礎とする研究連絡委員会ごとの推薦制にするとともに、登録学術研究団体及び研究連絡委員会の組織を明確化するほか、会員の在任期間を通算九年に制限するなど所要の改正を図ろうとするものであります。
委員会におきましては、内閣総理大臣の出席をも求め、慎重な審査を行いましたが、その質疑の主なるものは、本改正案提出に至る経緯と手続、内閣総理大臣による会員任命の是非、推薦制の実施に伴い予想される問題点とその解決策、日本学術会議の勧告、答申等に対する政府の対処の仕方、幅広い分野から適切な会員が確保されるような方策、科学技術会議や学術審議会など学術関係機関との連携協力のあり方、本会議が目的、職務を果たせるよう十分な経費確保の必要性等について熱心な質疑が行われました。また、日本学術会議会長ほか三名の参考人を招き意見の聴取及び質疑も行いましたが、これらの詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑終局について委員長が諮りましたところ、日本共産党の佐藤委員より異議申し立ての発言がありましたので、採決の結果、多数をもって質疑は終局したものと決しました。
次いで討論に入りましたところ、日本社会党を代表して粕谷委員より反対、自由民主党・自由国民会議を代表して片山委員より賛成、日本共産党を代表して佐藤委員より反対の討論が、それぞれ行われました。
討論を終わり、本案について採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、高木健太郎委員より、日本学術会議の自主性を尊重して政令を定めることなどを内容とする附帯決議案が、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び無党派クラブから共同提案され、多数をもってこれを委員会の決議とすることに決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/37
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038・徳永正利
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/38
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039・徳永正利
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/109815254X01419830513/39
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