1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年四月十三日(金曜日)
午前十時五分開議
出席委員
委員長 福家 俊一君
理事 鹿野 道彦君 理事 久間 章生君
理事 浜野 剛君 理事 三塚 博君
理事 小林 恒人君 理事 吉原 米治君
理事 近江巳記夫君 理事 中村 正雄君
加藤 六月君 小山 長規君
田中 直紀君 近岡理一郎君
中馬 弘毅君 中山 正暉君
林 大幹君 増岡 博之君
若林 正俊君 兒玉 末男君
左近 正男君 関山 信之君
田並 胤明君 富塚 三夫君
西中 清君 正木 良明君
森田 景一君 河村 勝君
梅田 勝君 辻 第一君
藤田 スミ君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 細田 吉藏君
出席政府委員
運輸政務次官 津島 雄二君
運輸省鉄道監督
局長 永光 洋一君
運輸省航空局長 山本 長君
委員外の出席者
警察庁警備局公
安第三課長 鏡山 昭典君
環境庁企画調整
局環境影響審査
課長 加治 隆君
国土庁大都市圏
整備局整備課長 立石 眞君
公安調査庁総務
部審理課長 堀内 國宏君
大蔵省主計局主
計官 涌井 洋治君
大蔵省理財局資
金第二課長 谷口 米生君
運輸省航空局飛
行場部関西国際
空港計画室長 小坂 英治君
運輸省航空局管
制保安部長 平井磨磋夫君
海上保安庁警備
救難監 森 孝顕君
建設省計画局地
域計画官 光岡 毅君
自治省財政局交
付税課長 遠藤 安彦君
自治省財政局調
整室長 前川 尚美君
運輸委員会調査
室長 荻生 敬一君
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委員の異動
四月十三日
辞任 補欠選任
西中 清君 正木 良明君
梅田 勝君 藤田 スミ君
同日
辞任 補欠選任
正木 良明君 西中 清君
藤田 スミ君 梅田 勝君
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四月十二日
軽車両等運送事業者の荷主添乗禁止の立法化反
対に関する請願(菅直人君紹介)(第二六六九
号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
関西国際空港株式会社法案(内閣提出第三五号
)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/0
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001・福家俊一
○福家委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、関西国際空港株式会社法案を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山正暉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/1
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002・中山正暉
○中山委員 ことしの桜は大分遅いようでございまして、遅咲きの桜がきょう咲こうとしておりますときに、私ども長い間待望をいたしておりました関西国際空港株式会社法案が政府提出でこの百一回の国会に提出をされました。ちょうど大阪は昨年が太閤秀吉の築城四百年、それからあと九年いたしますと、五百九十三年聖徳太子が大阪に四天王寺を建立されて千四百年という大変意義深いときを迎えるわけでございます。そのときに、大阪城は二年で建っております。これから空港は八年ばかりかかるわけでございますが、一番機が飛ぶ翌年にはこの聖徳太子四天王寺建立千四百年記念の年を迎えるということで、浪花にとりましてはこの新関西国際空港というものが大変待望されていたと同時に、今日本は三月末で国債、公債の発行が百十兆円、それから補助金が五十九年度十四兆五千億でございますか、いわば二つの竹馬、国債、公債という竹馬と補助金という竹馬に乗って諸外国の上に頭を出しているという、言ってみれば異常な状態であるわけでございます。
そのときに、今日本の航空事情というのは、これだけの経済大国でありながら、二十四時間空港が全く存在しない。夜の九時で大阪の伊丹空港は発着を禁止されている。成田は十一時で終わる。真夜中は全く鎖国の状態であると同時に、この間中国へ行ってきた方が、飛行機の発進がおくれたので聞いてみると、それは伊丹空港が夜の九時で終わるので、それ以後大阪の方へ向かっていけないのだと言われたという話がございます。そのときに二十四時間で、公害のない、特に新東京国際空港の法案との差でございますが、この関西国際空港法案の中には公害に対応するような条文が入っていないということを見てみましても、オーバル型、卵型の形をした大阪湾の中で離発着が全部可能であるという世界に冠たる空港になるであろうという予測がされるわけでございます。
特に航空審の答申の中にも、弓なりになった日本列島の真ん中に空港が要る。特に日本の英雄の中でも織田信長、太閤秀吉、徳川家康も皆これ大阪に拠点を置いております。今はやりの言葉でゲオポリティーク、地政学的に言うならば、都がかつてなぜ大阪にあったかという、日本列島の地域として非常に重要な地域である部分の伊丹空港の乗客の乗降のシェアが今一六%に落ちております。これを何とか埋め合わせようというので、この関西国際空港株式会社法案をおつくりになっていただいた政府の知恵、かなり今までに日数がたち過ぎておりますこともございますが、細田運輸大臣、そしてまた、この決定を下すときの時の総理大臣、中曽根康弘総理大臣に対しまして敬意を表すると同時に、なぜ今国でできないのか。先ほどから私が申しました自問自答のように形になってしまいますが、この空港が株式会社方式という新しい形でつくらなければならないという、その辺の理由をひとつ大臣からお聞かせをいただきたいと思います。
特に、私自身といたしましては、日本は体制国家といいますか、自由主義のいいところと社会主義のいいところを折衷をした新しい経済学の実験国家としての日本の象徴であるようなこの関西国際空港株式会社法案に対しまして心から歓迎をいたしておりますので、その意味での大臣のこの新しい形の法律に対します御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/2
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003・細田吉藏
○細田国務大臣 お答えいたします。
国際航空の発展というものは目まぐるしいといいましょうか、大変なスピードで発展してまいっておるのでございます。日本の国際空港に対する備えというものは、今御質問の中にもございましたが、全体といたしまして大変な立ちおくれをいたしておるのでございます。それの一番端的なあらわれは、現在三十数カ国から日本に対して航空路を開設したい、また日本の航空機も飛んできてもらいたい、こういう相互に空路を開設したいという要望があるにもかかわらず、空港が能力がいっぱいであるためにこれを受け入れることができないということだけから見ましても、いかにこの問題が大きいかということがわかると思うのでございます。
国全体として国際空港が足りない。その上にもう一つ加えまして、今中山委員から御質問の中にございましたが、関西はその中でも特に国際、国内両方にまたがりまして非常な窮屈な状態になっておること、御案内のとおりでございます。こういった意味で、御質問の中にもございましたが、これは本当は一日もゆるがせにできない、もっと早くやっておかなければならなかった仕事かと存じておるのでございます。
今回の関西国際空港につきましては、申し上げるまでもなく、空港整備法の第一種空港の性格を持つべきものであることは言うまでもないところでございます。空港整備法の建前といたしましては、第一種空港については国がつくるという性格を基本的に持っておるのでございますけれども、新東京国際空港については、御案内のように、空港公団というものを新設いたしまして、いろいろな事情から公団にこの建設、管理をやらせることにいたしたのでございます。
関西新空港についていかがいたすかということにつきましては、当初の私ども運輸省の考え方、政府の考え方といたしましては、基本的な設備の建設、こういうものについては公団でやる、そして附帯的な部分については第三セクターでやらせてはどうかという考え方で一時進めておったのでございますが、その後いろいろな事情を勘案いたしまして、特殊法人である株式会社一本やりで、一つの企業体としてやることにいたしたということでございます。
どうしてそういうふうにしたかということでございますが、資金が相当にかかります。さなきだにおくれておる今日でございます。また財政事情も非常に窮屈な中でございます。したがって、資金調達を多様化するということが一つの大きな目的でございます。民間活力の有効利用ということも第二臨調の答申にもございますし、現下非常に言われておるところでございますが、急いでつくるためには、少しでも早めるためには、民間活力を乙の空港建設に使うということが大切であるという考え方、そういう考え方、いろいろな点を総合いたしまして特殊会社ということにいたした次第でございます。
いろいろな事情について詳しく申し上げると長くなりますので、要点だけについて申し上げます。
なぜ関西空港を株式会社にしたかという点につきましては、私どもがしなければならないという。ことではなくて、関西空港株式会社にすることの方が、より飛行場が早くできる。それから、できた後のいろいろな点についてもこの方が非常にいいのではないか。空港整備法の規定はありまするけれども、これを一部改正をいたしまして、こういう形にすることが現在の段階では一番ふさわしい方法である、全体から見て有利な方法である、かように考えたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/3
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004・中山正暉
○中山委員 先ほど申しましたように、日本列島の中央にありますので、セントラルエアポートとか中央空港と言ったらいいんじゃないかという気もするのでございますが、関西という名前がついております。関西という名前のついているものをちょっと調べてみましたら、関西汽船というのが阪神と瀬戸内海、別府まで行っております。それから関西電力というのが近畿二府四県、それから三重、岐阜、福井の一部、そして関西本線という国鉄の路線があります。それは名古屋から四日市を経まして亀山、それから奈良、湊町、こう入っております。
関西というのは、伺うところによりますと、鈴鹿峠の関所から西という意味らしい。関所の西と書いて関西。この関西の範囲と申しますのは——今資金調達の関係もあるわけでございますが、特に財界それから地方公共団体、いわゆる地元方式にするか、和歌山県それから兵庫県、大阪府、それから大阪市という指定都市、そういう地元型にするのか、それともオール近畿、オール関西という形で協力を求めるとか。前例が万博にあると思いますので、どなたかお願いしてございますが、万博のときの前例と、そして今私が申し上げました関西というものをどう認識しておられるか、それをお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/4
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005・前川尚美
○前川説明員 お答えを申し上げます。
まず、御質問の中の万博の場合の例でございます。私ども当時の記録等に当たりまして精査いたしたわけでありますが、万博の場合には会場地が大阪府下ということでもございまして、大阪府、市等地元の地方公共団体を中心にいたしまして、万博に関係があると思われる府県からそれぞれ意見を聞きまして、地元の関係地方公共団体とでもいいましょうか、意見を尊重する中で二府六県、三指定市ということで万博に協力をする地方団体の範囲というのが決まった経緯がございます。
おっしゃいましたとおり、関西とは何かというのはいろいろな考え方がありますし、いろいろな視点視点でその範囲というものも変わってくるのだろうと思いますが、今回の関西国際空港につきまして関係する地方公共団体、私ども自治省でございますので地方公共団体の面を申し上げたいと存じますが、地方公共団体はどういう範囲になるかということでございます。これも関西国際空港のあり方なり機能なりということを念頭に置きましていろいろな考え方があり得ると思うわけでございます。既に大阪府等が中心になりまして今日まで推進をしてこられた経緯もございますので、私ども地元の地方公共団体等の意見も十分にお伺いをしながら、この関西国際空港に関連をする地方公共団体の範囲というものを詰めてまいりたい。今の段階では具体的にこれこれというところまで決まっておるわけではございません。しかし、そういう考え方でこれからひとつ運輸省の方とも御相談をしながら調整をさせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/5
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006・細田吉藏
○細田国務大臣 今、関西という字句について自治省の方からお話がありましたが、私が先ほどお答え申した中にもございまするように、この空港は名前は関西という名前でございますが、関西の空港であると同時に国の国際空港であるという二つの性格をあわせ持っておると思っております。
航空審の答申、これは政府が尊重することにいたしておりますが、後ほどいろいろ御質疑も出ると思いまするけれども、現在の関西空港の廃止を前提としてということで航空審議会がこれの設立を答申いたしておるという事情もございますので、これは明瞭に関西の空港であるという性格と両方持っておると思っております。したがって、私は第一段の日本全体の二十四時間使える初めての空港であるという見地から考えまして、資金面その他いろいろな面でも関西だけに限ってこれを集めるという考え方ではないのでございまして、広く日本じゅうのいろいろな方面の御協力を資金的にも仰ぐ、関西の財界の皆さん方もそのような意向もございまするので、そのような考え方で進めてまいりたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/6
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007・中山正暉
○中山委員 私が申し上げようと思っておったことを先に大臣が読んでくださったのでありがたいのでございますが、これも質問の中で申しましたように中央空港というような意味合いを込めての関西空港の御認識をいただいておるということは大変ありがたい限りでございます。
特に最近、大阪財界が中心になってのことでございますが、東京の稲山さんが資金を調達する促進委員会の委員長におなりいただき、日向方斉関経連会長それから古川大阪商工会議所会頭がその資金をお集めになるために全国の五十一の経済団体に共通のテーマで働きかけるという方針を打ち出しておられます。出資促進委員会というのが民間の中にできておるわけで、これはもうオールジャパン型といいますか、オール日本型で考えていただいているということが、二十四時間空港というものをつくろうという日本全体の意欲。
特に日本の航空行政というのは私は長い間いびつであったと思います。運輸省の中を見ましても、港湾局、船舶用、船員局、それからもう一つ海運用、海の方には四つも局がありますけれども、悲しいことに航空局というのはたった一つでございます。これは船員局というのがあるならば、乗員局というのをつくっておけば、「機長、何をなさるのですか」なんというのはなかったと思いますが、どうも今の運輸省の航空問題に対する対応の仕方というのは、占領行政のままだれかに空を支配されているという状況が続いているのじゃないだろうかと私は心配をいたしております。
特にブロック代表という人が、この間牛肉とオレンジで日本に大変な圧力をかけてきた。百万円の自動車を売ったら百億円の飛行機を買っている日本でございますけれども、五十八年の七月二日でございましたか、日本がもし航空界に出てくると、将来アメリカの大変な脅威になるということをおっしゃっているようでございます。そんな中でのこの空港。例えばオランダのスキポールという空港は、スキポールというのはオランダ語で船の墓場という意味だそうでございます。オランダの海岸を古い船で埋め立ててそしてそこへスキポールという空の港をつくったということだそうでございます。
これからの運輸省の航空行政の中で、先ほど申しました財界に対して全日本的に語りかけられる大臣のお言葉というのは、ここでお聞かせが願えるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/7
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008・細田吉藏
○細田国務大臣 航空局というのは大変大きな局でございまして、四百人を超える局員を本省だけで擁しておるわけでございます。そのほか、地方に航空局またそれぞれの空港に職員を持っておる。統計局のようなああいう特別なところを別にしますと、政府の中でこれだけ大きな局というのはないと私は承知いたしております。たしか昭和二十七、八年までは航空庁であったわけでございます。運輸省航空庁という省外部局であったわけでございます。それが航空局に格下げになっておる、こういうのが歴史でございます。
なぜなっておるのか。これは行政機構改革というようなことが今日ほど騒がれておるわけではないのですけれども、やはり機構改革の一種としてやられたと思いますが、そこには占領されておる日本、日本の空が日本の空でなかった、こういうところから戦後の航空が発足をいたしておるわけでございまして、そういう関係がやはり航空庁が航空局になった最大の原因ではなかろうか。日本の空が非常な窮屈な状態になっておった、そういうことであろうと私ども考えておるわけでございます。今こういう行革の時代でございますので、私ども役所の機構をわざわざ大きな省外部局にするというようなことは申し上げる時代ではないと思っておりますが、しかし実質的には定員がほかの局で減をする場合でも、航空局はどうしても増をしなければならないというような状況になっておるというようなことでございます。
先ほどもお答え申し上げたように、関西新空港は全日本の挙げての空港である、日本でいまだかつてない二十四時間使用の世界に開かれた空港として、そういった意気込みで資金を集めたりいろいろ経営をしたりしなければならぬ、私はかように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/8
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009・中山正暉
○中山委員 大臣のお考えのとおり、行政改革、財政再建の折でございますから、小さな政府という中で、最近のジャンボジェット機のように大勢を乗せて機動性を持って航空局に御活動を願うように、大臣とともに祈念をいたしておきたいと思います。
今、民間の活力を取り入れるというこの新会社方式でございますが、その公共性と企業性の関係について運輸省がどのような認識をなさっておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
と申しますのは、国がつくる第一種空港、それから公団方式、第三セクター、だんだん変わってきまして、この出資金を見ましても一二%でございますが、新東京国際空港の方は二〇%出資をしておられるようでございます。もしこの形で資金を調達してまいりまして、先ほど申しましたように四天王寺の建立の前にこの空港が完成をいたしますれば、資金計画その他方遺漏なくいくと思いますが、もしちょっととんざをいたすようなことがございますと、一二%の出資でおとの計画に支障がないだろうかという率直な心配をいたしております。新東京国際空港といろいろな面で一番大きな差があるのがこの点ではないかと思いますので、その点いかがお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/9
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010・山本長
○山本(長)政府委員 まず事務的なと申しますか、出資の問題についてお答え申し上げます。
御質問のとおり、全事業費に対しまして資本金比率は一二という一応資金計画になっておるのが事実でございます。その中で国が八、民間、地方二、二、合計一二ということになっておるわけでございますが、第一期計画の事業費全体が約一兆円でございますが、この中の資金調達の方法といたしまして、出資金がどれだけの規模であるのが一番いいだろうかということについては随分検討、考えた結果でございまして、一つの観点からこの事業主体が採算ベースに乗せて、かつ将来は配当していくという必要がございます。そういう意味で資金コストというものを、特に金利コストというものは下げていかなければならないという面がございます。そういう面から見まして、全体の資金計画の中でいわゆる無利子の資金といいますか利子のつかない金というものが、これはいろんな前提の結果でございますけれども約三〇%あればこの会社はうまくいく、こういうことでございます。
その中で、資本金というのは必ずしも無利子の金じゃございません。配当があるという意味では無利子の金じゃございませんが、しかしそういう採算ベースに乗るまでは利子がつかない金、こういう意味で、出資金を含めた三〇%という意味でございますが、その中で一二%を出資金にしたわけでございます。残りは一八%残っております。これにつきましては、資金計画の中では政府から無利子の金を融資をする。これは全体の一二%程度を考えております。それから地方公共団体、民間からの債券の引き受けなりの資金融通の形でもって、その利子を低利のものでなるべく引き受けていただくことについて協力をしていただくということでもって実質三〇%の無利子資金の確保を図っていこう、こういう意味でございます。そういう意味におきまして、成田はその対比する数字は二〇%でございますが、この会社は三〇になっておるわけでございます。その中で政府が果たすべき役割と申しますか、出資金で八%、無利子資金でもって一二%ということで、二〇%というものを政府が無利子資金として供給していこう、こういう考え方でございます。
それでは資本金を三〇%にすればいいではないかという議論もございますけれども、これはやはり公団等と違いまして配当をしていかなければならぬということもあり、余りにも資本金の比率が高いということは、後で配当負担というものが非常に重くかかってくるということもございます。したがいまして、政府が出資を八%、一二%は無利子資金といたしましたならば、無利子資金というものはそういう意味で政府のひとつの助成といいましょうか、この会社に対する援助という形で支出していく、こういうものでございます。資本金の考え方はそういうことでございます。
それから企業性と公共性の問題でございますが、乙の空港が第一種空港として空港整備法上は位置づけられるべきものでございますけれども、大臣から、諸般の事情がございましたけれどもこういう株式会社でやるのが一番いいということで御提案申し上げておる次第でございますけれども、事業の内容それ自身は非常に公共性の高い事業でございまして、事業そのものは公共的な精神にのっとって運営していかなければならぬ問題でございます。そういった意味から、この会社に対しては企業性といいますか、収支採算というものがとれるように政府からのいろいろな税制面、財政面なりの特別の手当てはしつつも、監督については必要な監督はしていくという態勢をとっておるわけでございます。
その監督につきましても、従来の公団とは若干色合いが違っておりまして、企業の自主的な経営、効率的な運営というものをなるべく阻害しない形ではありますけれども、しかし最後の公共性を確保するための政府の監督措置というものは確保してございます。そういう意味で助成あるいは企業の運営態勢という面から、企業性というものを発揮していただくと同時に、会社に対する諸般の規制を通じまして公共性というものを確保していく、こういう考えで法案ができ上がっておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/10
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011・中山正暉
○中山委員 空港周辺整備機構なんというのは三年の据え置き、二十年の返済期間ということになっておるようでございます。特にこの間から、後でまたお伺いをいたしますが、過激派の事件なんか、どうやら西の三里塚という傾向になりつつあると言われておりますときに、大変な問題を含んでおるのではないだろうか。成田が七千五百億、十三年かかっております。こんなむだなことはないわけでございます。その中で特に財界から、民間からの出資というもののほかに社債をまた引き受けさせられるという二重の苦しみが、民間から金を出す人たちの上にかぶさってくるわけでございますが、私不思議に思いますのは、通行税の問題でございます。
これは、一般会計から空港整備特別会計へ繰り入れられていない分が五十八年度でも二百億円以上あります。これを返してもらってきてこういう関西新空港に投入してもらう。空港整備特会へ繰り入れて出資金の増額をしていただくとか、今お話は伺いましたけれども、重ねてお伺いしておきたいと思いますのは、出資金の増額とかあるいは利子補給とか、原資等に充てるというような考えは——もともと飛行機のものです。もともと飛行機のものをどこかへ持っていかれておるというのですから、これを取り返したらいかがですか。私ども素人でございますから、なぜ飛行機のものが持っていかれておるのだろうか、そして後では国庫納付金という形で納めるわけでございますから、それならうんと使わしていただこうではないか、そんな気持ちがするのでございますが、おかしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/11
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012・山本長
○山本(長)政府委員 通行税の性格につきましていろいろな議論があるのでございますが、私たちの認識といたしましては、これは航空の利用者の負担でございますから、これが空港の整備等の面に還元されてしかるべきだ、こういう基本的な考えを前から持っておるわけでございます。こういう考え方につきましては、財政当局もこの厳しい予算の——ゼロシーリング予算というものがたしか五十六年度でありましたか、ちょっと一年違っておるかもしれませんが、公共事業費のゼロシーリング予算編成が始まりました以前につきましてはそういう考え方でもって予算が組まれてきておったという実績がございます。少なくとも通行税相当額につきましては空整特会に一般会計からの繰り入れという形でもって繰り入れていく、年度によって若干の差はございますけれども。
そういう考え方できておったわけでございますが、先生おっしゃるような、最近におきましては確かに二百億円程度であったと思いますが、繰り入れられてないという計算になるわけでございますが、ゼロシーリング予算でもちまして、一般会計予算の空港整備への繰り入れというものが、そういう大きな政府の方針のもとに予算編成がなされております関係上、先生がおっしゃるような結果に現在なっておる、こういうことでございます。
これは政府全体の予算編成の問題でございまして、今後このゼロシーリング編成というものがどうなっていくか、これはまた国の財政全体との関連がございますけれども、私たちとしては基本的には先生の御指摘のように、通行税というのは利用者負担の一形態なのであるから空港整備という形に還元されてしかるべきだ、いつかの時期にはそういうふうな形になってしかるべきだというふうな考え方を前から持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/12
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013・中山正暉
○中山委員 この不自由なときにあっちこっちで引っ張り合いをするのはいかぬとは思いますが、運輸省に、日本のプロジェクトとしてこの空港ができれば、民間の機関では一兆八千億円の波及効果、それからまた七十六万人の新しい働く場所ができるという試算を聞いたことがございますので、この空港を早期に完成することは、大臣のお話の中にもありました、いわゆる外交摩擦にまでなっております三十二カ国の外国の待っている航空会社が日本に入ってくるというような国家的な利益もあるわけでございますので、大蔵省と話をされるときにひとつ大きな勇気と申しますかそういうものを持って、そもそもの通行税というものの性格を私は全うをしていただきたい。卵が先か鶏が先かみたいな話になりまして恐縮には存じますけれども、そう思っております。
それからまた、先ほどの心配の発祥でございます四月四日にこの法案が国会にかかるといううわさが出ましたら、我々民間の者ではとても想像ができないような、空港関連の役所その他事務所に爆弾が仕掛けられるという事件がございました。公安調査庁、おられましたら、ひとつその事件について御報告願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/13
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014・鏡山昭典
○鏡山説明員 警察庁でございますけれども、警察庁からお答えいたします。
御指摘のように、四月四日の午前十一時半ごろ、大阪市の東区にございます大阪府庁の四階、それと同じ時刻でございますけれども、やはり大阪の西区にございます財団法人の大阪科学技術センタービルの三階におきまして時限式可燃物が発火いたしました。府庁の方は早期に消火ができましたので大きな問題になりませんでしたけれども、科学技術センタービルにおきましては火災になりまして、民間の三人の方が一酸化炭素申請になられる、さらに五人の方が現場で救急隊の応急処置をお受けになるというようなことがございました。さらに、建物の三階部分でございますけれども、六百六十平方メートルを焼いてしまうというような被害が発生しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/14
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015・中山正暉
○中山委員 かつて成田闘争のときにも戸村一作という人物がおりました。明治四十二年九月二十九日千葉県成田の生まれで、成田中学在学中にマルクス主義に染まる。軍事教練「否」という集団に入りまして、第二次大戦中は非戦活動、昭和十八年陸軍召集、反戦歴のために即日帰郷、昭和二十七年破防法闘争に参加、昭和三十五年安保闘争に参加、昭和三十八年キリスト者空港設置反対同盟、宗教家が不思議なことをなさるものでございますが、富里闘争を展開されまして、昭和四十年三里塚空港反対同盟、委員長就任の後、芝山反対同盟と合同してその委員長となる。警官が四人殺されております。昭和四十二年、反対同盟の推薦で成田市議選立候補、三十名中三位で当選、昭和四十九年六月、二期当選、昭和四十七年から四十八年、中国、ソ連—中国ではどういうわけか勲章をもらっております。チェコ、それから東独を歴訪して三里塚闘争を訴えました。アメリカで空港阻止宣言をしているのも非常に異常な行動でございます。
昭和四十八年十一月、三里塚闘争の戸村一作氏に連帯する会を結成いたしまして、羽仁五郎、荒畑寒村、小田実、水戸厳、それから松岡洋子、末川博、こういう方々、大阪にも府会議員になっておられる方でこの末川さんのまな弟子でベ平連の事務局長をされておられた方がおられます。昭和四十九年参議院全国区に立候補されました。この戸村一作でございますが、二十三万票で落選。その後パレスチナを訪問。アメリカ、そして中国で勲章をもらった、パレスチナを訪問する、世界的な連携を図っている背景が見えますが、日本に軍事空港をつくらせるな、これが大阪でも軍事空港反対という形で過激活動になったわけでございます。
公安調整庁に伺いたいのですが、日本には破壊活動防止法という法律があります。これは公共の安寧秩序に影響を与えた場合、第七条ですが、「公安審査委員会は、左に掲げる団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があり、且つ、第五条第一項の処分によっては、」——というのは警告とかそんなものでございますが、「そのおそれを有効に除去することができないと認められるときは、当該団体に対して、解散の指定を行うことができる。」と書いております。これは日本の財政、そして日本の治安、それを堂々と宣言をして破壊活動をするわけでございますから、破壊活動防止法を適用して当然だと思いますが、国務大臣としての細田大臣、いかがお考えでございましょうか。公安調査庁から前に御答弁いただいても結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/15
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016・堀内國宏
○堀内説明員 御説明いたします。
公安調査庁は暴力主義的破壊活動によって我が国の憲法秩序が破壊されることがないように、今先生がおっしゃいましたように、常に規制請求を目的とした調査を推進しておりまして、今回の先生御指摘の新関西国際空港建設に反対する一部過激派の犯行と見られる事件につきましても、現在鋭意調査を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/16
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017・細田吉藏
○細田国務大臣 関西新空港に関連して先般起こった事件はまことに遺憾なことでございますが、と同時に、非常に注目を要する、今後よほど注意をいたさなければならぬ大きな問題だと思っております。御案内のように、成田の反対闘争というものがございまして、一種の無法状態が成田空港の周辺にあるというまことに遺憾な状態、日本の他の地域には見られない状況がございます。空港公団が既に買収した土地を無断で耕して、そこから資金を得ておるというような状況もございまして、これに対しては大変遺憾なことでございますし、現在いろいろ対策を練っておるところでございますが、関西空港につきましてそういった無法な状況がいろいろな形で出てまいらないように関係各省十分連絡をとりながら対処してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/17
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018・中山正暉
○中山委員 世の中を治めるものは政治家の議論でも学者の学説でもない、最後に世の中を支配するものは恐怖と暴力であるという言葉があります。その恐怖と暴力は、この議会政治で多数の皆さんの賛成を得てなし遂げようとすることに対する一部の者の破壊活動は、厳に取り締まる方向で考えていただきたい。私は大学紛争以来、なぜあの過激集団が一破壊活動防止法というのを六法会苦の間に挟んでおくだけの法律にしてあるのか不思議でならなかったところでございます。時間がございませんので多くを語れませんが、特に、先ほど公害の規定がこの法律の中には入ってないということは、逆に言えば周りに人がいないということでございます。周りに人がいないということは、海上にボート一隻で、フランスの空港で事件が起こったとうわさのあります、上昇していくところを簡単なミサイルで撃ち落とすという事件が過激派によって考えられている、日本の過激派はまだミサイルを使うところまでいきませんけれども。海上保安庁、この空港が完成したときの周辺警備はどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/18
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019・森孝顕
○森説明員 お答えいたします。
関西国際空港の建設に伴いまして、空港周辺海域の海上警備につきましては、海上保安庁としましては万全の構えのもとに責任を持って対処するという基本方針のもとにこれまでも警備態勢の整備に努めてまいりましたし、また各種の訓練を行ってきておるところでございます。
このたび過激派による爆弾事件が発生したということから、今後海工作業の実施に伴いまして過激派の勢力が海上にも出てくるということも我々十分予想されるということで、空港周辺海域における警備を担当いたします神戸にございます第五管区海上保安本部におきましては、管内の各海上保安部署の協力体制を整えましてパトロールを強化いたしますとともに、漁協とかマリーナとかあるいは遊漁船、こういった方々の各種の海事団体に対しまして、船舶の盗難防止とかあるいは不審事実発見の際の速報、こういったことについても指導を強化いたしまして、警備対策の一層の充実強化を図っておるところでございます。
また一方、事業主体に対しましては、建設中の作業船の安全確保とかあるいは不審船等に対する警戒、監視等につきましても強力に指導を行うということにいたしております。
なおまた、当該海域は船舶が大変ふくそうする海域でございますので、警備対策のほかに航行安全対策とか海難に際しての救難対策につきましても、先ほど申し述べました第五管区海上保安本部におきます関西国際空港海上安全委員会を中心に検討を進めていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/19
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020・中山正暉
○中山委員 時間がだんだん迫ってまいりますので先を急がなければなりませんが、安全を確保していただく、今から十分に御協議、対策をお練りいただきたい、かようにお願いをしておきたいと思います。
先ほど大臣から、現空港、伊丹空港でございます、伊丹空港の例の廃止を前提としてというお話がございましたが、あの答申を見てみますと、第二十七回の関西空港部会、総務小委員会で言われておりますのは、最後の結論として現空港の廃止をもっと明確に打ち出すべきであるという意見が一人、それから現空港の廃止を基本方針とするという人が一人、廃止しないで補助空港とするという人が一人、それから、諮問内容から見て検討外である、新しい空港のことについて問われているのに伊丹空港のことについて語る必要がないという見方でございます。今の伊丹空港にかわるべき空港となるならば、現空港を廃止するということではないだろうか。大臣のこの間の本会議での御答弁でも、私はそうは解釈をしていないのでございますが、五億六千万立米で完成した千二百ヘクタールの空港ではないわけでございます。ですから、不完全なというと語弊がありますが、第一期としてできるわけでございますので、現空港はお残しをいただきたい。
私は、地元の人間としてあれだけの投資をした、そしてあの空港周辺にも三千七百四十二億円という巨額の民防工事、その他大阪府費が百七十四億円入っております。その防音工事は申請見込み数の九三%を完成しておりまして、三万一千九百十件施行しております。これだけの金をかけた金の塊のような空港であれほど便利なもの——また坂井兵庫県知事はコミューター空港というものを但馬につくりたいとおっしゃっておられます。但馬、それから神戸沖に地域空港をつくって、そして海上直線コースをたどりますと、大阪市は都心から三十五キロでございますが、神戸は三十キロでございますからホバークラフトでもヘリコプターでも大変早く行けるわけでございますが、もし何ならば但馬から伊丹に入るラインもつくっていいということを坂井知事がおっしゃっているわけでございます。その辺の御答弁を、時間がございませんので簡単で結構でございますから……。現空港を存続していただきたい、これは陳情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/20
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021・山本長
○山本(長)政府委員 その廃止を前提としてという答申の言葉がよく問題になるわけでございます。大臣も廃止を前提としてという答申があるということを申されましたけれども、その答申は廃止すべきであるという意見を運輸大臣に具申をした、こういうものではないというふうに理解をいたしております。これは新空港の計画につきまして、伊丹空港の廃止ということがあったとしてもそれを受け入れるだけの十分な空港、こういう意味でございます。
それから、その伊丹空港の問題につきましては、これは先生も御承知でございますが、いろいろ経緯がございます。この存廃問題についての手続といいますか、今後の手続についても地元との約束事もございます。我々といたしましては、その約束事はやはり誠意を持って守っていかなければならぬ立場でございます。したがいまして、早急に諸般の調査を実施し、結論を得るという方針で対処していきたいと考えておる次第でございます。
それから神戸沖あるいは但馬のというお話も出ましたけれども、そういったところからヘリコプターであるとかで結ぶべきだというようなローカル輸送と申しますか構想があることは事実でございます。これにつまましては、ことしの予算編成の直前に大臣と知事との会談がございまして、この問題につきまして兵庫県は諸般の調査を今後やっていきたいというふうな意見の表明があったのに対しまして、運輸大臣から、調査を地元がやられる場合において協力することについてやぶさかでない、こういうふうなお話がございまして、それが両者の一つの合意になっておるわけでございます。この問題はなお今後の課題でございまして、十分に検討していかなければならない問題だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/21
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022・中山正暉
○中山委員 都市人口百万に対しましてロンドンとパリは滑走路の長さ二千二百メートルから二千三百メートル持っておりますが、東京は三百四十メートルでございます。大阪は二百五十メートルでございます。ニューヨークは千六百六十メートル、百万人人口対比の滑走路の長さを持っておりますから、我々は国も小さいですけれども、滑走路もいかに小さいか。そこで小さい空港をたくさんつくればいいと思うのです。ヘリコプターです。
私も、この間ある機会に和歌山までヘリコプターに乗りまして、そのときは奈良の上を越えて新宮までわずか四十分でございます。陸路を行く鉄道に乗れば五時間かかりますところがわずか四十分で行きました。帰りは天気が悪かったものですから白浜の上へ出て、和歌山の上へ出て、ちょうどうまいぐあいに泉南空港の上を飛んでもらいました。大変いい、沖の方にうんと遠くに白く、今調査をしていらっしゃるタワー、はるかにその海上で作業をしていらっしゃる方々に敬意を表して大津まで、琵琶湖のところまで、京都の上を一回りしてもらって、桂離宮を上から見学して琵琶湖へ行きました。一時間半でございました。なぜ日本はヘリコプターが使えない国なんだろうか、私は不思議でなりません。
大津におりたときにはまるで道路みたいなところにおりました。格納庫の前の、本当に上から見てもどこに飛行場があるんだろうかというような感じでございました。アメリカには一九八二年末に二千七百十二カ所のヘリポートがあります。日本は幾らおるかというと二十一カ所しかありません。うち公共用のものが三カ所、残り十八カ所のうち五カ所は県や市など地方自治体が持っているもの、それから残月の十三カ所はヘリコプター会社と電力会社と新聞社だけです。あんな便利なものを私はもっと使わなきゃだめだという気がします。
それに関連して、もう時間がございませんので。地方のために役に立っていただくというのは、例えば大阪を中心にした阪奈和にもうんと役に立つ空港であっていただきたいと同時に、泉南隣接地域に対する地域整備の問題というのはどんなふうに考えておられますか。時間がございませんので雑駁な質問になりますが、地域整備全体、特に第二阪和、それから湾岸道路、これもちょっとまだ先行きが、見通しが憩いような気がしますし、それから土取りの場合には、それを土取りをいたしますと更地ができますから、またいろいろな問題が起こってまいります。大臣も汚職事件とつながらないように、それがいろいろな問題で、変な問題でつながらないようにということをよくおっしゃっておられますが、それならほかに事業主体をつくるのか。それから南の方へ走る線路はありますが、連絡橋を渡って空港に入る主体がまだ決まっておりません。いろいろその辺の問題があると思いますので、ひとつ地域整備についてお答えをいただきたいと同時に、その地方財源に対しまして、自治体に、大阪市なんかに出資をさせる場合には財源の起債に対して交付税算入で財源対策をやってやっていただきたい。一遍に何もかも申して恐縮でございますが、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/22
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023・山本長
○山本(長)政府委員 一言に地域整備と申しましてもいろいろな事業がございます。例を挙げられましたいわゆる地域の根幹交通にもなると同時にこの空港のアクセスにも必要だ、こういうものの整備が一つございます。これにつきましては地域の根幹交通の施設でございますから、従来から国あるいは公団等において主体的に整備をしていっているということでございます。しかしながら、この整備につきましてもやはり関係の地方公共団体と十分協議をしながら進めなければならぬ問題でございます。
一方、今度はその空港があそこに立地することに伴いまして、あの地域は今でもそうでなくても都市化が進んでおる地域でございます。それが加速されるということに伴いまして、今都市化に伴うところの関連の公共施設の整備という意味における地域整備の問題がございます。この問題につきましては、地域の創意工夫に基づくところの町づくり計画というものを基本にいたしまして、そしてそれを地域相互間及び国との間の調整を図って実現をさせていく、こういうことでございます。
これにつきましては、園の方からできる限りの協力をしていく、こういう姿勢で取り組んでいくべきものであろうというふうに考えております。他省庁に非常にまたがるものでございますので、運輸省の所管でない事業が相当といいますか、まあ多うございます。これにつきましては、運輸省はこのプロジェクトの推進役でございますので、いろいろなそういった御要望につきましては運輸省といたしまして関係省庁に対しまして御要望申し上げるとか働きかけるとかというふうな方法でもって、政府として全体としてまとまりを持って地域整備というものが進むように私たちとしても努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/23
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024・中山正暉
○中山委員 国土庁の関係でも「すばるプラン」——これは特にあそこから紀淡海峡に今度はトンネルを掘って淡路島へ渡って、淡路島から鳴門大橋がもうかかっております。それから委員長の選挙区を通りまして、そして今治へ出て、今治から三原へ渡って、三原から瀬戸内海の縁を渡って大阪へ戻ってくるという、瀬戸内環状道路ができる可能性というものが大変多いわけでございます。国土庁で、泉州・紀北地域総合整備計画調査というのもやっておられます。それから「すばるプラン」というのもあります。時間がありませんので細かく御答弁をいただくわけにいきません。
それから運輸大臣にお願いをいたしておきたいと思いますのは、国鉄には直接予算の面で関係をされておられますが、工事の内容は、工事に関しては別だと思うのでございますが、東京は国鉄の投資が大阪の十三倍になっております。二眼レフ論、立体レンズ論なんて言いながら、東京と大阪が余りにもバランスが狂い過ぎております。そこで外環状線、片福線、これは五十六年の四月十六日に事業認可が運輸大臣からなされておりまして、外環状線は千百五十億、それから片福線が千八百八十億、こういう事業計画が決定をいたしております。それから今大阪のロイヤルホテルとプラザホテルの間に阪神電車が通っておりまして踏切がありますが、その踏切が一日に八・八時間閉まっております。そこでこれを地下化いたしまして、国鉄の片福線とともに一局線の共同溝の中に入るという計画もございます。何とかそれを、ただドッグレースのえさのように目の前にぶら下げることのないように、大臣から国鉄に、ひとつ日本が東京に全部何もかも集まってしまうことがないようにしていただきたい。大阪の二百六十数万を超える人口と同じものが昼間に東京に流入人口として入ってくるということでございますのでやむを得ない点もありますが、大阪はじっと我慢の子で待っておりました。空港に対しても道がなければ、これは「トク」がありません。心にも道がつけば道徳と申します。しんにゅうがなくなれば、道という字は首になります。ひとつ首がちょん切れないように、このアクセスとしての道路計画、それから鉄道計画その他お願いを申し上げ、時間が参りました。
最初にも申しましたように、ちょうど桜の季節でございます。一休和尚が、「年ごとに咲くや吉野の桜花 木を切りてみよ花のありかは」と申しております。時が来て咲いてこそ桜だ、それが人の心だ、こう言っております。ひとつここで一致結束、この空港という日本の新しい花が立派に開花しますように、今日まで十数年の間黙々と御苦労いただきました皆様方に敬意を表すると同時に、大阪の労働団体四団体も、大いにやっていただきたいと五十七年七月一日、「空港整備促進に関する要望書」というのを出された。大阪総評議長の中江平次郎、大阪同盟会長片岡馨、大阪中立労働組合協議会議長高畑敬一、新産別大阪地方連絡協議会代表幹事藤原当道、この方々から実に心温まる、資本家のいなくなった、みんなが中産階級になった国家だなという感じがしみじみといたします労働組合の要望書も出ております。大臣以下皆様方の御健闘を祈りまして、委員長には時間をいただきましたことを心から感謝を申し上げ、委員長ともどもひとつこの委員会が一致結束、早期にこの法案が可決されますこと、そして国会を通過いたしますことを祈念いたしまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/24
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025・細田吉藏
○細田国務大臣 一言だけ、関西の鉄道投資について私の意見を申し上げたいと思います。
戦後、関西の鉄道投資というのはほとんどないに近い状況ではなかろうか。大阪の市並びに神戸市における地下鉄、これは広い意味で鉄道投資でございます。それから内環状線がつながった。それぐらいで、戦前から比べまして目ぼしい大きな投資というものはほとんどないわけでございます。大都市周辺の交通の問題というものは、依然として鉄道がしょわなければならぬ非常に重大な仕事の分野なんでございます。こういう点につきまして、先ほどお話がありましたような諸点も十分考えまして、関西のおくれておる鉄道投資というものについて、これは国有鉄道だけの責任に負わせることはできませんで、国としてもっと考えていかなければならぬと思っておりますが、十分配慮したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/25
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026・中山正暉
○中山委員 一日五十六億円の赤字を出して、再建をされております国鉄に必ずもうかる仕事になりますので、よろしくお願いしたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/26
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027・福家俊一
○福家委員長 大変うんちくのあるよい質疑でした。今後も運輸委員会はこういう質問を続けてほしいと思います。
次に、左近正男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/27
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028・左近正男
○左近委員 今度新しくできる関西新空港の問題について、私、過日本会議でも質問をさしていただきましたが、なお若干の問題について大臣からも詳しく見解の表明を承りたいと思います。
私は、この関西の新しくできる空港について、なぜ株式会社方式にしなければならないのか、どうしてもこれは理解できないわけであります。運輸省自身も五十八年七月八日、先ほども御答弁されましたように、公団と第三セクターの二本立て方式を地元に具体的に提示をされ、なおかつ、五十九年度の予算要求についてもその立場でやられたわけです。それが一挙にして事業主体問題について変更になった。なぜなのか。その間、中曽根総理の利益配当制限条項をめぐるいろいろな問題がありました。何かどこかから強い圧力がかかって運輸省の考え方がねじ曲げられた、負けてしまった。すばらしい大臣がおられるわけですが、なぜそういう指導性のないことになってしまったのか。
今日まで大阪府を中心にしてこの空港問題については大変長い討議の経過がございます。岸知事も大変努力もされておるわけであります。今日では、周辺の自治体なり地域住民については、株式会社でなければ賛成だというようなコンセンサスを得つつあるわけであります。先ほど中山先生が御指摘の労働四団体についても、二十四時間運航可能な国際空港の必要性については認めております。しかし、その労働四団体は、今回の株式会社方式についてはこぞって反対をしているわけです。遺憾であるという立場を表明しているわけです。
空港というのは、地域住民の調和と理解がなければ成り立たない国の基礎的な施設だと私は思うのです。こういう長い経過のある問題について一夜にして方向が変更になる、このことに対して私はどうしても理解ができません。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/28
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029・細田吉藏
○細田国務大臣 お答えいたします。
第一種空港をどういう形でやるかということについて、絶対的なこれでなければならないというようなものはないと私は思います。いずれにいたせ国が責任を持てる体制でなければならぬということだけは確かなことであろうと思っております。
そこで、概算要求の段階と決定の段階で違ってきたのは一夜にしてというお話がございましたが、そう一夜にして変わったわけではございませんで、慎重に種々検討いたしました結果、株式会社方式による特殊会社、これがいいんだということに考え方を変えたわけでございます。どこかから特に圧力がかかってどうこうということではございません。
これは当初は、御案内のように、基本的な部分については公団、そして附属的なものについては第三セクター、第三セクターということは結局特殊会社、株式会社ということになるんでございましょう、そういうつもりでいたわけでございますが、もちろん財政的な事情もございます。一日も早くこれを完成しなければならぬ、そのためには資金を集めなければならぬ。国家の資金ももちろん投入するわけですけれども、地方公共団体あるいは民間、こういうところから資金を導入して、少しでも早く完成をさせるというような考え方。また、特に附帯事業については第三セクターを考えておったわけですが、空港の状況を見ますと、民間活力を利用いたしまするとかなり経営が成り立っていくということが、東京の事情や大阪の現在の空港の事情やいろいろな事情から総合勘案しますと出てまいっておる。こういうわけでございますので、特殊会社にいたしたわけでございます。
しかしながら、それぞれの御意見があることは私ども承知いたしておりまして、絶対にこうでなければならぬということではないわけでございまするけれども、私どもとしましては、現段階においてはこの形態でやることが一番望ましいのではないか、少しでも早く空港ができるということにつながる、また地元との関係も非常にうまくいくのではないか、かように考えて変更をいたした、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/29
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030・左近正男
○左近委員 私は、空港という国の基本的な施設を商売的な観点から大臣にとらえてもらったら困ると思うのです。空港の絶対条件はやはり公共性と安全性の確保だ、この立場をきっちりと踏まえて判断をなさっていただきたい。
私が少し気になっておることは、航空審議会の委員をされておる先生方の中でも、具体的な名前を申し上げませんが、事業主体が株式会社になることで国の責任があいまいになるというような主張をなさっておられる委員もおられるわけであります。このことについて大臣としての基本的な見解をどうお持ちなのか、御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/30
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031・細田吉藏
○細田国務大臣 第一種空港でございますから、いかなる形態であろうとも安全並びに公共性が第一義的になることはもう異論のないところでございます。そのために、特殊会社でございまして、特別な政府からの助成をいたすと同時に、その反面、厳重な監督をいたすということにいたしておるわけでございますし、一定の程度において、もちろん国が半分以上は関与するというような形のものになっておるわけでございます。そういう点で御心配はないのではないか。企業性を発揮するというのは、そういう公共性や安全を犠牲にする範囲でなくて、それ以外のところにおいて企業性を発揮していただく、こういうことでございます。
ですから、これは必ず、調和がとれなくて商売一本に走るというようなことはいたさせませんし、またそうなるはずもない、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/31
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032・左近正男
○左近委員 改めて申し上げますが、やはりこの事業主体については運輸省としても長く検討された当初の案に私は引き戻していただきたい。特に空港整備法では第一種空港については国が設置し管理する。これのやや変形が新東京国際空港であろうと思うのです。この公団方式の空港すら今日現場の運営の中では、空港の運用については公団、管制については国、こういう二元性から安全面にいろいろと問題が出ておるということも聞いております。しかし、私どもは今日の日本経済の現状なり財政状況から見て、公団方式、ここまではやむを得ないだろうというような割り切りもしておるわけであります。この点について、今大臣は国として責任を持っていろいろ財政的な手だてもしておる。そうであるならば、なぜ公団でだめなのか。私はその点について大変疑問に感じます。
また、法律の目的について、「設置及び管理を効率的に行うこと等を目的とする株式会社とする。」。今度できる新関西空港は管制室を国が間借りをされると思いますが、そういう間借り管制で果たして効率的な空港運営あるいは安全の面において国民に向かってあるいは世界じゅうの人々に向かって本当に責任を持って宣言できるのかどうか、この辺が大変不安であろう、私はこのように思うのです。あの将来計画を見てみますと、新関西空港は三分に一機離発着をする、本当にそういうような過密空港になってくるわけです。運用については民間だ、管制については国だというような違った事業体では大変な問題が起こるであろう、私はこのように心配をしております。
大臣は民間にしたら国や公団よりも効率的なんだとおっしゃいますが、それでは具体的にどういう面が効率的なのか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/32
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033・細田吉藏
○細田国務大臣 株式会社という名前でございますと純民間のものを想像されるわけでございますけれども、この株式会社は三分の二を国が出資をするという会社なんでございます。まだほとんど公団並みといってもいいような税制上その他の特典を与えております。それから監督も厳重にいたしております。したがって、御意見としては当然公団にすべきだという御意見もあるでしょう。またそういう考え方もあるので絶対的なものはないと思うのでございますが、株式会社になったら途端にこれが非常に公共性や安全の問題に心配があるというふうには私ども考えておりませんし、そのような運営は絶対にいたさないつもりでございます。
また、企業性を発揮する云々ということにつきまして今回一つの新しい試みをやるわけでございますが、私の見ておりますところ、成田の空港あるいは羽田の空港あるいは大阪の現在の空港、こういったものの附帯的な仕事の関係から見ますと、先般も若干東京の羽田の問題についてはいろいろ新聞紙上をにぎわしたようなこともございますが、随分といろいろな附帯の仕事をしておる会社があるわけでございますが、これらはかなり好成績、一口にいいまして成績が上がっておるのでございます。そういう上がっておるような、要するに開発利益じゃありませんが、空港に附帯するいろいろな利益が上がるものならば、これは空港本体の方へすぐ持ってくるということが可能になるような仕掛けの方がよろしいのじゃなかろうか、そういう意味で大いに企業性を発揮してもらう価値があるのではないか、こういうふうに実は考えておるわけでございます。ですから、空港の本体については国なり公団並みの扱いである、そういう附帯的な仕事についてむしろ企業性を大いに発揮してもらう、こういう格好ではなかろうか、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/33
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034・左近正男
○左近委員 平行線をたどるようであります。やはり空港というのは人命を預かる施設だ、私はこういう認識を持っておるわけであります。その点、今の大臣の答弁は少し商売が勝ち過ぎておるのじゃないか、こういう判断をせざるを得ないわけです。これは平行線です。質問を保留していつかの機会にまたやらせていただきたいと思います。
そこで、私は少し勉強不足ですので教えていただきたいのですが、運輸白書に出ております「世界の主要空港の概要」というのがございます。先ほど中山先生も御指摘の空港もあるわけですが、アムステルダムのスキポール空港、これは空港株式会社、それとフランクフルトのマイン空港、これも空港株式会社、こういうような報告になっております。私、ほかの資料を調べましたら、すべてこれも公団という名前が使われておるのですが、運輸省の資料では株式会社という名前が使われております。そこで諸外国の場合、国際空港で民間資本が出資をする事業主体というのがあるのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/34
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035・山本長
○山本(長)政府委員 空港の建設管理のやり方というのは、各国において非常に異なっております。例に出されましたあのドイツ、オランダの空港においてはこれはゲゼルシャフトと言っておりまして、株式会社という意味でございます。公団というふうな名前もあるけれどもとおっしゃいましたけれども、これはゲゼルシャフトというふうな名前でございまして、会社ということでございます。株式を保有する会社ということでございます。しかし、このドイツ、オランダにつきましては主として州といいますかあるいは市というものが比較的主体になっておりまして、それに政府が出資をして政府、地方公共団体共同体としての会社というものでございます。
そのほか、いわゆる公団と日本語で呼んでおりますところの組織がございます。例えばフランスのパリ空港公団あるいはイギリスの空港公団というのもございますが、しかしこれも日本語では公団と言っておりますけれども、日本の公団とはやはり若干の意味合いが違っておるようでございます。これには政府が出資をいたしておりますが、日本の公団におきましては政府の出資に対する配当というふうなものはございませんけれども、この英国、フランスにおける公団というものは政府の出資に対しては資本のリターンをその公団がやらなければならぬ。こういうふうな、公団とは言いながら日本の公団とは相当違った公団でございます。
それからさらに、私もすべての空港について存じているわけではございませんけれども、先ほど非常にいろいろなバラエティーがあると申し上げました中に、例えばフランスのパリにつきましてはパリ空港公団でございますけれども、いろいろな資料によりますと、フランスの空港の中には会社が管理をしている空港あるいは商工会議所が管理をしている空港等ございます。そういった意味におきまして、たくさんの種類がありというか、いろんなバラエティーに富んでいるという意味におきまして、日本の今度のような、私たちここで御提案をいたしておるような形態の空港の管理主体というものは、何かを前例としてやったものではございませんで、一つの新しい方式だということが言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/35
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036・左近正男
○左近委員 航空局長は今の私の質問をちょっとはき違えをされておると思うのですが、民間資本が出資をする事業主体というのは、主な先進国の国際空港ではないんじゃないかというふうに思うわけですね。だからこれは大臣、世界で初めての形態の空港でございますね。そういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/36
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037・細田吉藏
○細田国務大臣 民間活力を大いに利用しよう、世界に冠たる日本の民間の経済界の実力でございますので、これを活用することは世界に先駆けてやって決して差し支えない、かように存じております。それが企業性に走って公共性が失われる、安全が失われるということになったら、これは大変なことであるから厳重な監督をいたす、このような考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/37
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038・左近正男
○左近委員 私は今大臣の後段の御答弁の点が非常に気になっているわけです。したがって、その点について強く申し上げさしていただいて、先へ進めさしていただきたいと思います。
次に、空港の位置の問題について明確にしていただきたいのです。
法律では、「大阪府の地先水面で政令で定める位置に設置する」こういうことになっておるわけですが、参考資料では「大阪湾南東部の泉州沖の海上(陸岸からの距離約五キロメートルの沖合)とする。」。新空港は泉州沖五キロメートルの沖合の海上。この五キロということについては絶対に変わらないということで、大臣よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/38
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039・山本長
○山本(長)政府委員 この空港の位置につきましては、航空審議会の答申に基づくものでございまして、この位置において空港を建設するということで諸般の計画を策定し、そしてこれについて計画面それから環境面、いろんな面について調査をし、そして地域との話し合いも進め、今日に至っておるものでございます。この位置というものは運輸省の計画面あるいは地元の理解、地元との間の関係の基本になっておるものでございます。私たちはこの航空審議会の答申というものを今後とも尊重していく、これを変えない、位置についてはこの位置でやっていくという方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/39
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040・左近正男
○左近委員 絶対に変えないということで結構だと思います。
そこで、場所は法律上は政令になっておるんですが、政令の文案について本委員会に提出をしていただきたいと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/40
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041・山本長
○山本(長)政府委員 この政令は法律の公布後速やかに制定をいたしたいというふうに現在考えております。通常、この位置というものは市町村の名称でもって表示されるものでございますが、いわゆる泉州沖五キロの地域というものについて現段階では市町村名をもって表示するというところまで、あの海域を地方公共団体でどこに記録するかということについての問題が大きな問題として残っております。ただ、しかしその問題はその問題といたしまして、場所については変わりはないわけでございますので、私たちはその問題が公布のときにはっきりと決定しないならば、これは私たちが府県に示しておりますところで明らかにしておるのでございますけれども、北緯、東経、これを細かく末端の数字まで書き添えましてきちっとわかるというふうな形でもって政令をつくる。いずれの方法になるかわかりませんけれども、はっきりさせたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/41
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042・左近正男
○左近委員 その政令を本委員会に出していただけないかということなんですが、どうですか、出せるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/42
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043・山本長
○山本(長)政府委員 先ほど、二つの方式があり、どの方式をとるかは今のところ決めてない、しかしはっきりさせると申し上げましたが、一番はっきりいたしますのは先ほど申し上げました北緯何度、東経何度という点でございます。この点につきましては既にもう明らかにオープンにしておりますことでございますので、御提出申し上げます。それから先ほど申し上げました、それが市町村名という形になるかどうか、まだ変化があり得るということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/43
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044・左近正男
○左近委員 原案を出していただくということでございますので、それで了解をいたします。
次に、関西の、国際空港の第一期工事は、六十七年開港するわけですが、先ほど中山先生の御質問に対して航空局長は航空審の答申を非常にねじ曲げた解釈をされておるように思えてならないわけです。「本審議会は、大阪国際空港の廃止を前提として、関西国際空港の規模及び位置を」考えていくということにはっきりなっておるわけであります。
そこで、私は御質問をしたいわけですが、例えば地元、今現在の大阪国際空港の地元と言えばこれは騒音問題を中心にしておる十一市協、大阪国際空港騒音対策協議会、この地元が廃止することで意思の統一なり決議がされたときには、国としては現大阪空港を廃止することについてやぶさかでないかどうか。地元の意見が廃止ということでまとまれば国はその方向で従っていくかどうか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/44
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045・山本長
○山本(長)政府委員 現大阪国際空港のいわゆる存廃問題につきましては一つの約束事というものがございます。これはこの空港を廃止すべきであるというふうな強い意見が昭和四十年代に出されたことがございます。そういった時代の動きを受けまして、公害等調整委員会に対しまして伊丹周辺住民の方々が中心でございますけれども、廃止せよという調停申請がありましたときに対しまして、調停条項といたしまして、運輸省は、関西国際空港の建設が決定された後速やかに諸般の調査を行い、その調査結果を開示し、かつ地方公共団体等の意見も十分聴取してこの空港の存廃問題を決めるべきである、こういう約束事がございます。これは地元の方々もいわば判をついた約束事でございます。私たちといたしましてはこの方針に従って存廃問題について対処をしていく、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/45
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046・左近正男
○左近委員 今の局長の答弁では、存廃の結論というか方向については、国としては開港後に出されるのか、あるいはいつの時期に、今五十九年ですから六十七年までの間のいつの時期にその結論を出されるのか、それを明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/46
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047・山本長
○山本(長)政府委員 先ほどその点は申し落としまして申しわけございませんでしたが、これは新空港の開港までに決める、こういう約束事になっております。
ただ、運輸省としましてはこの存廃問題というのは非常に重要な問題であり、また地域の将来にもかかわる重要な問題でございますので、この存廃問題についての決定というものは開港までに出せばいい、こういうふうな考え方で対処をいたしておるのではございませんで、これにつきましては非常に重要な問題であり関心の高い問題でございますから、できるだけ早くこの結論は出すべきであるというふうな考え方から、既に昨年の後半からこの調停条項に基づく調査につきまして着手をしている、こういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/47
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048・左近正男
○左近委員 早く出すという運輸省の見解は、一年以内ぐらいをめどにされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/48
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049・山本長
○山本(長)政府委員 これは、諸般の調査を行い、開示し、ということになっておりまして、諸般の調査というものの中には、現空港の地域社会に現在与えておるメリット、デメリット、それから現空港を存続する場合にはどういうふうな将来像になっていくであろうか、あるいは廃止する場合にはとういうふうなインパクトが、あるいはデメリットを地域に与えるであろうかというふうな点を含めて調査をし、それを皆様方に開示するということでございまして、我々その調査の計画について先ほど着手をいたしましたと申し上げましたけれども、この調査の内容につきましても、やはり関係の地方公共団体とも協議をし、確定し、調査に取りかかるという方針でございます。
さらにまた、その調査の中におきまして、この存廃問題というものはもともと地方から廃止しろ、こういうふうな意見が出てきたことを契機といたしておりますものでございますし、調停条項にもあることでございますが、やはり現段階において地域の方々がどういう考え方を持っておられるか、これは狭い範囲の地域、広い範囲の地域、それぞれ意見を聞きましてそれらを総合し、そしてその総合の判断というものはやはり全体的な立場からこれをしなければならない、こういうふうに考えておるものでございます。相当広範な調査になるものと考えておりますので、一年、二年というふうに年限を切って今お答えするという段階ではございませんので、御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/49
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050・左近正男
○左近委員 今、航空局長はそういう観点からの存廃問題について論議をしていくということですが、そういうことは架空の論議になるのじゃないかという気がするわけです。例えば今の大阪空港の年間離発着能力回数は一日三百七十回、このうちジェットは二百回に規制をされております。
〔委員長退席、鹿野委員長代理着席〕
そこで、新しくできる関西国際空港は年間十万ないしは十三万、そういうような点を物理的に考えて、空港廃止問題について航行回数の物理的な側面から一定の方向が自然と出ていくような形になってしまうのじゃないかという感じが私はするわけですが、その点が第一点です。
もう一点は、今度の新しい空港は三千三百メートルの滑走路一本でございます。第一次の航空審議会の答申でも、「横風用の滑走路一本を加えたものとすべきであると判断した。」。また、航空について大変詳しい操縦経験のある方は、あの海上空港では横風用の補助滑走路が絶対に欠かせない条件だ、こういうことを提起されておられる方がおられます。例えば、関西新空港が完成の暁に私は年間どれくらいの日数−横風によって使用不能な日数が出てくるのではないかと思いますが、その辺今日までのアセスの状況から見てどういうようなデータを掌握しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/50
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051・山本長
○山本(長)政府委員 二つ御質問があったと理解いたしますが、一つの問題の空港の能力面について御説明申し上げます。
現在、伊丹の発着回数は年間約十三万回、うちジェット機が約七万回でございます。これは先生がおっしゃいました二百回、三百七十回に対応する数字でございます。一方、新しい関西新空港の能力は、先ほど先生が十万回あるいは十三万回というふうにおっしゃったと思いますけれども、当初の発着回数というものについては十万回程度というふうに予想いたしておりますが、新しい空港の能力と申しますか、第一期計画の能力という点を申し上げますと、アッパーリミットが十六万回という計画でございます。先生はこの数字でもって何か方向が決まったかのような御質問があったかと思うのですけれども、伊丹空港の存廃問題は未決着でございますが、伊丹空港の能力を超えた計画になっているという御説明をまず第一点として御説明申し上げたいと思います。
それから、横風の問題でございますが、これは横風用滑走路を持たない状態でオープンするという計画でございます。これは横風用は要らないという意味ではございません。早くオープンをする、伊丹の対応のためにも早く始めるということでございます。その一本によりまして何日間ぐらいが飛べないのかということでございますが、これは一日の中でも非常に風の変化がございますから、これを日数でもって私、御答弁することは難しいのでございますが、一つの比率といいますか、運用、利用率でもって申し上げますと、滑走路面が乾いているか湿っているかというような摩擦の問題、それから風の強さの問題等を加味いたしまして現段階において航空会社が運用いたしております運用基準というものをもとにはじきますと、年間の利用率はこの一本でもっても約九九%までいけるであろうという計算でございます。これは実際の風を前提とした計算でございます。それから、横風が非常に強い一月でございますが、この時期におきましては利用率が若干下がりまして九八%程度になる、こういう状態でございます。そのほかに、横風のみでもちまして二〇ノットが限界であったらどうか、二五ノットであったらどうかというようないろいろな計算がございますけれども、現実に航空会社が運用いたしております基準によって計算をすれば今のような数字になるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/51
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052・左近正男
○左近委員 私は二つの質問をしたわけですが、一つはこの伊丹空港の存廃についてはやはり今後、あの地域に百五十万人からの方が居住しておられみわけでありまして、そういう地元の方々の意向を十分踏まえて精力的に検討していただきたいと思います。また、横風問題については、これは操縦された航空の専門家が言っておられるわけでありまして、私は専門家でございませんから、そういうデータを示されれば反論のしょうがないわけですが、これはまた私自身も勉強していきたいと思っております。
そこで、この空域と飛行経路の問題について少し教えていただきたいのですが、関西新空港ができても当分の間現大阪空港は存続をすると仮定した場合、併存する場合、大阪湾と瀬戸内海で空域あるいは飛行経路が重複、交差するのではないか。それともう一つ、新空港の東側に御案内のとおり小型機専用の八尾空港という空港がございます。この管制はどうなっているか、小型機はしょっちゅう非常に自由に飛んでおると思いますが。そういうような地理的条件の中で、現大阪空港と関西空港が併存する場合、安全上の問題で障害が起こるのじゃないかという点が指摘されておりますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/52
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053・平井磨磋夫
○平井説明員 お答え申し上げます。
関西国際空港につきましては、空域の経路の問題に関しては八尾空港の存在というものにも十分配慮をいたしまして、かつ現大阪国際空港の存廃のいずれの場合にも対処できるということを目途として計画をしておるわけでございます。現大阪国際空港が存続される場合におきましては、同空港の飛行経路は関西国際空港の飛行経路の計画との関係から、現在の飛行経路の若干変更を行うということにいたしております。そういたしまして、両空港を使いますと一部の経路におきまして確かに交差を生ずるわけでございますが、この部分につきましては、十分な垂直間隔を設けるということで、空域全体として航空の安全性が十分確保されるように計画をいたしておるということでございまして、両空港が併存される場合の安全性についても問題が起こらないというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/53
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054・左近正男
○左近委員 次に、収支採算性の問題についてお伺いをいたしますが、運輸省から出ておる資料では、まず、この採算性の将来計画について余り先のことまで指摘はいたしませんが、当面、六十八年度開港当初の問題についてお伺いをいたします。
国際旅客が九百万人、国内旅客が一千百万人。非常に過大な運輸需要というか航空需要の見積もりではないか、これこそかさ上げではないか。そこで、現在の伊丹の空港は国際旅客が三百二万人、国内旅客が一千二百三十一万人でございます。したがって、六十八年度開港当初、伊丹空港の国際旅客、国内旅客、これをどれぐらい見込まれておるのか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/54
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055・山本長
○山本(長)政府委員 まず関西地区全体の航空需要予測でございます。六十八年度開港当初の時点におきまして関西地区全体といたしましては、国際旅客が九百万人、国内旅客が二千五百万人、国際貨物が五十八万トン、国内貨物が五十四万トン、そのうち関西国際空港で発着する旅客の数等でございますが、国際旅客が九百万人、国内旅客が千百万人、国際貨物が五十八万トン、国内貨物が二十四万トンという推計になっております。先生申しわけございませんが、その伊丹のというのがこの差になっておるわけでございます。
ただ、私たちは、需要推計と申しますのは収支計算の前提としてのものでございますので、収支計算上の前提として、この場合は伊丹を一応の存続という仮定の上に立って計算をしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/55
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056・左近正男
○左近委員 関西新空港ができれば国際旅客については、現大阪空港、伊丹空港ではなしに関西の新空港の方へ全部移す。そして国内旅客については二千五百万人ですから関西の新しい空港に千百万人、あと千四百万人については伊丹で利用させるというような数字だと理解をしていいかどうか、その場合、伊丹の年間の飛行回数をどれぐらい見込んでおるのか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/56
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057・山本長
○山本(長)政府委員 順序不同でございますけれども、収支計算の前提となっております伊丹の着陸回数と申しますか発着回数というものについては、現在二百便がジェット機でございますから、この規模を前提といたしております。したがいまして、年間約七万回ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/57
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058・左近正男
○左近委員 国内の方の伊丹の利用率は、私が言った数字で間違いございませんね。
それでは、この収支採算性の問題では、運輸省としては新空港開港後も伊丹の空港を併用利用する、併存させていくというような仮定を立てておる、これは廃止するかもわからぬけれども、そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/58
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059・山本長
○山本(長)政府委員 これは、収支計算というものはできるだけかた目に見ると申しますか危険を考えて安全サイドで検討するというのが原則だろうと思うのでございます。伊丹の存廃問題について、先ほど御説明申し上げましたように、いろいろな意見がございますけれども、現段階においては決着はついてない状態でございます。しかしながら、この伊丹空港が例えば存続する場合におきましては、関西国際空港の収支計算上は収支計算が悪いというふうに響きますし、伊丹が廃止されるという場合におきましては、関西国際空港に発着する航空機がふえるわけでございますから収支採算上はプラスといいますか、いい面に働くわけでございますから、いずれを関西国際空港を建設する場合の判断の前提として考えておくべきかという点につきましては、やはりかた目に、収支採算が悪い結果になった場合においても収支採算がとれるかどうかということがこの判断のポイントになるわけでございまして、そういう意味において今のような仮定をとったということでございます。先生おっしゃるのはその仮定が既にもう結論であるかのごとき印象を私受けたのでございますけれども、そうではございませんということを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/59
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060・左近正男
○左近委員 私は冒頭に申しましたように、この収支の見込み、特に航空輸送需要を大変過大に見積もっておるんじゃないか。今局長の方は安全側の見積もりだということを言っておられますが、果たしてこの時期に、関西エリアにおいて国際旅客が一挙に三倍もふえ、国内旅客が二倍半近くふえる、そういうことは今の航空輸送需要全体が若干減少傾向にある中で、私は少し考えられないわけです。したがって、この点についてやはりさらに詳しい予測資料というか、バック資料、こういうものを提出をいただきたいと思います。全体的な長期の計画も含めて資料提出をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/60
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061・山本長
○山本(長)政府委員 計算には複雑な前提を置いております。成長率がどうであるとか弾性値がどうであるかとか、その辺について資料を提出させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/61
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062・左近正男
○左近委員 そこで資料が提出されてからまた論議をさせていただくとして、この建設段階において一兆円の事業規模、これは海底二十メートルのところです。かなりボーリングもされて地盤の状況についても掌握をされておると思いますが、もし仮に財政計画の見通しが狂った場合、今後さらに地方自治体に対して出資、これが二百億円、また長期の低利の融資、これが三百億円ですが、これ以上のものを政府としては求めていく場合があり得るのかどうか。あと、工事が延びたりいろいろアクシデントがあって費用がかさむ、その場合については、国の責任で後の面倒は見るというようなお考えなのか、また、地方に対して負担せいということになるのか、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/62
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063・山本長
○山本(長)政府委員 関西国際空港の建設費用等につきましては、相当精査をいたしまして私たちはじいているところでございますが、これは不測の事態ということもないわけではないと考えます。したがいまして、そういった面が生じます場合には、この会社の収支採算が悪くなる、償還が遅延するというふうなことになるわけでございますが、この面につきましてはやはり会社が経営努力をいたしましてその適切な対応を図っていくということが必要であるというふうに考えます。まず会社がその対応を図るべきだ、対応の努力をするべきだと思います。ただ、国といたしましてもこの会社の設立、運営に大きな役割を果たしておる立場にございます。したがいまして、会社の財務内容の改善等につきましては、状況によりまして地方公共団体や民間といった出資者の方々とも協議をして対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
先生お尋ねの地方公共団体などに対して要請をするのか、しないのかということでございますが、その辺につきましてはこの空港の設立、運営に国が大きな役割を果たしておるということを踏まえまして、我々はその時点において協議をし、かつ適切な対応を図ってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/63
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064・左近正男
○左近委員 今回の空港建設は大変大きなプロジェクトであります。また一方では自然相手であります。したがって、やはり地方自治体に対しても一定の歯どめをしなければならぬのじゃないかと私は思う。今おっしゃるように第一義的にはそれは会社の問題だ。だから会社が金が足らなかったらまた自治体に対して出資してくれ、あるいは株を買うてくれとか、起債をしてくれ、いろいろ借金をさせてくれとか、こういうような無原則なことであっては大変なことになると私は思うのです。この点について、もしこの会社法案が決まった場合でも、やはりこれ以上の地方公共団体に対する財政負担はさせないという歯どめを私は明確にやっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/64
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065・山本長
○山本(長)政府委員 会社の建設、運営においていろいろな事態が発生すると思います。そういった事態に対応する会社の対応の仕方というものが極めて重要でございますが、この会社は国、地方公共団体、民間が一体となった会社でございます。この会社の運営面におきまして、国も地方公共団体も民間もその不測の事態に対応するために適切な措置をとる、最善の方法をとるという意味において、これは会社といいましても三者一体の協力態勢のもとにおける会社でございますから、三者が一体となってやはりこの会社を支援していく必要がございます。
ただ、先生がおっしゃる地方自治体の財政問題というものも確かにございます。したがいまして、私たちといたしましては地方公共団体とも十分そういった事態に対処するためには相談をしていきたいと申し上げておる次第でございますけれども、その際に国が極めて重要な役割をこの会社の設立、運営に果たしているというこの状態を十分認識し、配慮いたしまして対処をいたしていきたいというふうに考えておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/65
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066・左近正男
○左近委員 少しこの機会に自治省の見解をお聞きをいたしますが、私先ほどから何回も申し上げておりますように、この国際空港という当然国としてやらなければならない基礎的な施設に対し、地方自治体に財源を負担をさせるということは、私は地方財政法の「地方財政運営の基本」、すなわち第二条違反ではないか、このように思いますが、自治省の見解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/66
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067・前川尚美
○前川説明員 お答えをいたします。
先ほど来運輸大臣の方からの御答弁にもございましたように、今回のこの会社が設置、管理しようとしております空港にはいろいろな側面があると見ております。
一つは、おっしゃいましたとおり従来国が全責任を持って設置してまいりましたいわば空港の本体施設部分というのがございますし、それにあわせましてその他の利便施設といいましょうか、空港ビルとかなんとかいったようなそういうものもあわせて事業の内容とするという会社と理解をいたしております。そうであってみれば、地方公共団体がそういった事業面に着目をして自主的に出資をしたいということであるならば、私どもは財政法との関係から言いましても、これは可能な話であるというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/67
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068・左近正男
○左近委員 財政法の二条の二項に、国は「地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」ということを言っておるのですが、今言われた点については地方財政法の第何条に基づいてこれが許されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/68
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069・前川尚美
○前川説明員 私どもも一番の論点の一つとして検討いたしましたのが、今御指摘の点でございます。従来国際空港につきまして国が行ってきておりましたもの、国が負担してきたものを地方公共団体に何らかの形で転嫁をするというようなことがあってはならないということは、常々頭に置いて運輸省当局にも要請をいたしてまいっておったわけでございます。
その場合に、それでは何が従来国が全額負担をして対応してきた分野かということになりますと、これはもう先生も御承知のとおり、空港のいわば基本的な施設の部分でございます。そのほかの利便的な施設の部分につきましては、既に現存する各地の空港におきましても地方公共団体が出資をして法人を設立し、その管理運営に当たるという実例があるわけでございますし、これは地方団体の自治権の裁量の範囲内だというふうに理解をいたしております。
〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/69
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070・左近正男
○左近委員 地方財政法の基本のとらえ方が私は違うと思いますが、いろいろな項目を質問したいわけですから、次へ行かしていただきます。
先ほど中山先生の御指摘、御質問にもあったわけですが、原則として出資団体について、自治省は、とことこ出資しなさいというような行政指導はそれでは全くしない、もう自主的にその自治体が財政的に余裕があって手を挙げるのを待って調整をしていくのか。あるいは先ほど中山先生が御指摘のように、オール近畿の府県と政令都市なのか、あるいは三点セットのときにもいろいろと回答で聞いた大阪、和歌山あるいは兵庫と政令都市なのか。そういうような一定の基準、枠組みを設けるのか、もう手を挙げなかったら出資する必要はないんだというような形でいくのか、その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/70
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071・前川尚美
○前川説明員 先ほどもお答えを申し上げたところでございますが、出資団体の範囲の問題につきましては、私ども今具体的にかくあるべしという構想を決めている段階ではございません。基本的なスタンスとして御理解を賜りたいと思っておりますのは、先ほどの先生の御答弁でも申しましたけれども、地方公共団体の出資というのは、あくまでも地方公共団体がいわば任意に自発的に自主的に行われるべき筋合いのものであるということではなかろうかと理解をいたしております。したがいまして、ちょっと表現は悪うございますが、上意下達的に、これこれの地方公共団体出資すべしという格好で自治省の方から地方公共団体に働きかけるという立場に自治省自体が立つべきものではないというふうに考えております。むしろ地方公共団体の意見を聞き、その自主性を尊重する中で、出資可能な地方公共団体の範囲というものが固まってくるというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/71
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072・左近正男
○左近委員 それでは、一応手を挙げたところに限定するということで、それは全く地方自治体の独自判断だということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/72
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073・前川尚美
○前川説明員 手を挙げたところ、それでは逆に言えば手を挙げたところすべてがその出資の承認を受けることができる団体であるかどうかという問題になりますと、これはやはり当該団体の事情というものをいろいろ検討しなければいけませんから、挙げた団体イコール出資団体というふうには今の段階で私ども明確に申し上げることはできないわけでございますけれども、出資団体の範囲を決めるに当たっての基本的な考え方といいますと、やはり当該団体の自主的な意思というものを尊重する中で、空港の機能なりあり方なりあるいは地域に対するいろんなかかわりなり、これらについて総合的に意見を聞く中で勘案をしながら判断をさるべきものではないかというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/73
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074・左近正男
○左近委員 おたくの方では手を挙げるのが物すごいようけあるような形だけれども、挙げる挙げぬは全くの自由だ、地方自治体の自由だ、裁量だ、僕はこういう理解をしていますが、よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/74
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075・前川尚美
○前川説明員 事柄が株式会社に対する出資でございますから、その法人に出資をするかどうかということは、基本的に当該自治体がみずからの責任でまず判断をすべき事柄であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/75
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076・左近正男
○左近委員 この地域整備の問題について、空港の機能を維持していくために大変な地域整備の資金が必要ではないかと私は思うのです。湾岸道路の問題なり、前島か沖出しになるのかは別として、そういう埋め立ての問題も計画がされておりますし、下水道の問題あるいは河川の改修の問題等々入れれば二兆円近い財源が必要になるんじゃないかというような予測もされております。また、その中で大阪府として負担しなければならない財源についても四千億近いお金が必要ではないかというような推計もされておるわけです。国はこれらについて地方債というか起債の認可をしていくだろうと思いますが、これは長期にかなりの財源負担になります。
そこで、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律、成田のときにこういうかさ上げ法案ができたわけですが、そういう成田財特法同様のかさ上げ法案はぜひとも必要だと私は思うのです。大阪なり近畿圏が空港をつくってほしい、つくってほしいというような請願的な立場をとっておるのでは絶対にないと思うのです。これは国の大きな政策としてやられるわけですから、その点、成田でやったあの財特法の形をやはり関西新空港についても適用をしていくべきだ、私はこのように思いますが、きょう大蔵省の方、来ておられますか、ひとつ御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/76
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077・涌井洋治
○涌井説明員 お答えいたします。
公共事業のかさ上げの問題でございますけれども、かさ上げにつきましては、厳しい財政事情の中で、臨時行政調査会の方からも、補助率の地域特例については、終期到来時には廃止を含め抜本的な見直しを行え、現にあるものについても抜本的な見直しを行えという御答申をいただいております。御承知のように非常に厳しい財政事情の中でございますので、関西空港について特別措置を導入することは現在のところ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/77
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078・左近正男
○左近委員 中山先生がこれは関西というよりも国を挙げての空港であると言われましたが、そういう認識が政府として、特に大蔵省は欠けておるんじゃないか。あの地域で空港をつくって、それを二十四時間運航可能な国際空港としてやっていくためには、どうしても地域整備をしていかざるを得ないわけですよ。この点について全く財政上の配慮をしないというのは、成田と比較してこれは大変片手落ちではないかと思うのです。もう一度答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/78
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079・涌井洋治
○涌井説明員 かさ上げにつきましては、むしろ既存のかさ上げについても見直しをしろということを臨調から厳しく言われておる中でございます。もちろん、関西空港の関連の公共施設の整備につきましては進めていかなければいかぬということは先生のおっしゃるとおりだと考えます。ただ、こういう厳しい財政事情の中で事業量も確保しなければいかぬというわけですから、かさ上げをしますと逆に事業ができなくなってしまうという問題もあるわけでございます。そういう意味でも、臨調からむしろそういうかさ上げ補助率を下げろ、やめろという提言があるのだと思います。そういう事情でございますので、関西空港について特別措置を導入することは難しいのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/79
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080・左近正男
○左近委員 政府の上に臨調があるのですか。行政というのはそういうものではないと思うのです。運輸大臣、この関西新空港の地域整備のために成田でやったようなかさ上げ、これはどうしても必要だと思いますが、運輸大臣としてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/80
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081・細田吉藏
○細田国務大臣 地域整備の点から考えると、やりやすいようにすることが必要だと思いますけれども、現在の状況としては、この緊迫した財政下でございまして、かさ上げの新設というものはやらないという政府の基本的な方針があるものでございますから、それとぶつかり合っておるわけでございます。ただ、私どもは地域整備についてはいろいろ近畿圏整備の関係の法律が適用できるというふうに考えて、これを活用することは十分考えていかなければならぬ、かように思っておるわけでございます。
臨調が政府の上にあるかのごときというようなことでございますが、御案内のように臨時行政調査会の答申については最大限にこれを尊重するという中曽根内閣の方針、政府の方針をとっておりますのでそういう格好になっております。その点は、私どももおっしゃるお気持ちも十分よくわかりますけれども、今の状態ではどうにもならないというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/81
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082・左近正男
○左近委員 大臣、この件についではさらにいろいろと努力をしていただくようにお願いしたいと思います。
そこで、この空港をつくるに当たって空港本体計画、環境影響評価、それと地域整備、この三つが並んだものである、今までもこれは三点セットということで地域にも各自治体にも説明がされておったのです。ところが、空港本体の問題だけがばっと明らかになって地域整備の問題については全く置き去りにされているわけです。空港周辺の市なり地域住民の方では、空港ができることによってやはり地域もどんどん発達していく、いろいろな公共施設もつくっていく、住みやすい町づくりにしていくというような期待が非常に強いわけです。私はやはりこのことができて初めて空港が調和のとれた運営ができるのじゃないか、このように思うのですが、この地域整備が全く置き去りにされておる現状に対して政府としてどういうような認識を持っておられるか。またそれでは、これは大阪府ともあるいは関係市とも相談しなければならないことかもわかりませんが、今後国として具体的にいつごろまでに地域整備についてはきちんとまとめますというような答弁をぜひともいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/82
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083・山本長
○山本(長)政府委員 この問題につきましては、ことしの二月に関西国際空港関係閣僚会議が開かれました際に、関西国際空港の立地に伴う関連の施設整備の進め方についての考え方といたしまして「空港のアクセスとして根幹となる交通施設については、国が地方公共団体等の協力を得て計画面の調整を行い、国を含む懐係の機関及び地方公共団体等が相互に協力して整備を行う」、また「空港の立地に伴い必要となる関連公共施設に関する計画の策定及び推進については、今後、国と地方公共団体との間で協議・調整を図っていく」という基本的な考え方が了承されたのでございます。こういった基本的な考え方に基づきまして、関係機関の間で協議、調整を図りつつ具体策を検討してまいりたいというふうに運輸省として考えておる次第でございます。
具体的なスケジュールという点についてのお尋ねでございますが、個々の計画についてその熟度あるいは緊要性等も勘案の上、関係省庁協議をして必要な措置を講じていくということになるものでございますが、運輸省といたしましても、この問題につきまして関係省庁に対し積極的に働きかけて実現に向けて努力をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/83
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084・左近正男
○左近委員 これは非常に抽象的なんですね。だから急ぐ地域整備、若干年次がかかるいろいろな整備、たくさんありますよ。けれども、運輸省として関係省庁ともいろいろと協議をされて、大体いつの時点で——この空港に土を掘っていろいろやっている段階で、具体的な工事開始をされた段階で、地域整備のマスタープランがまだ全くないということでは、空港建設は私はスムーズにいかないと思うのですよ。だからいつの時点までに一応すべての地域整備の具体的な構想、それと年次的な実施計画、こういうものを明らかにされるのか、これを私は聞いているのですよ。お答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/84
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085・山本長
○山本(長)政府委員 この問題についてやはり二つの問題があろうかと思うのでございます。
一つは、空港のアクセスとして機能いたしますと同時に、地域の根幹交通施設になる輸送施設の整備という問題がございます。これにつきましては、先ほど私、関係閣僚会議の了承を読み上げましたけれども、ああいった考え方でもって整備をしていくということでございます。なおしかし、その間におきまして、関係機関、地方公共団体の調整を図りつつということでございますけれども、むしろ国が主体的な立場においてやっていく、こういう考え方でございます。
一方、空港の立地に伴い都市化が促進される。そこに伴っていろいろな関連の公共施設の計画を策定し、推進したいという地域の要望が強うございます。これも十分承知をいたしております。これにつきましては、やはり地域の都市づくりの問題でございます。地方公共団体がその地域における創意工夫あるいは地域なりの都市づくりの計画というものを基本に置いて、それを関係者間で協議し、また国におきましては財政の面もございますけれども、できる限りこれに対して協力をしていく、こういう姿勢でもってやっていくべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
先ほど、計画の策定で緊要性、熟度を勘案の上と申し上げましたけれども、そういった緊要度の高いものあるいは熟度の高いものというものについては、早目にこれを具体化を図っていくというふうな緩急を得た施策が必要ではないかと考えております。この点につきましては、先生のお考えのように、全体計画というものをまず示してというお考えもあろうかと思いますけれども、私申し上げましたようなこういう考え方が関係閣僚会議において了承されており、その線に沿って各省庁が協力をしていこう、こういうふうなことになっておるのでございますので、計画の熟度、緊要性というものを勘案しながら調整を進め、具体化を図っていくという考え方で進めてまいりたい、運輸省としてはそういう考え方に基づきまして関係各省に対しても具体化について協力を要請してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/85
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086・左近正男
○左近委員 いずれにしても、地域整備が置き去りにされておるという認識を地元では強く持っております。この点を十分踏まえていただいて、できるだけ早くひとつ地域整備計画を地元の意見も十分聞きながら調整をし、実施をしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。
次に、空港の建設時における一番大きな公害問題というのは、これは何といっても一億五千万立方メートルの土取りの問題。この士取りは例えば大阪の場合、大量の発破を使用しなければならない。これは大変なことだと思うのですね。日本じゅうの発破を全部集めてこなければいかぬのじゃないかというような大変な量の発破をお使いになる。それとまた五百ヘクタールという海面の埋め立てによる汚濁、これは一部学者では、非常に海を汚して、汚す範囲が非常に広範囲になって、大阪湾が死の海になるんじゃないかというようなことが言われておるわけです。
そこで、五十五年の九月一日に第二次の航空審議会では、工事方法の問題について幾つかの検討がされて、埋立工法が適切であるというような判断がされたわけですが、それから五年近くなるわけでございまして、今日の土木技術の進歩というのは大変長足の進歩をしておるわけであります。そこで、私が今申し上げた公害問題の土取り問題あるいは海面埋め立て、こういう大きな公害要素を除去していくために、航空審議会でも討議をされた浮体工法、この問題について今日時点をお技術的に全く不可能なのかどうか、その点についてひとつ御意見なり御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/86
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087・山本長
○山本(長)政府委員 この建設工法の問題というものは空港計画の基礎でございまして、これが決まらなければ空港計画は決まらない、そういう基礎の問題でございます。したがいまして、この問題につきましては当初第一次、四十九年答申の際には埋立工法を主体とすることが適当であるというふうに答申されていたのでありますが、その後浮体工法の可能性についても検討すべきである、こういうふうな意見を踏まえまして、第二次答申になったわけでございますけれども、審議会におきましてこの問題をむしろ中心として慎重に審議がなされたのでございます。
この埋立工法と浮体工法につきまして、建設の技術の面から、難易度、空港の機能に与える影響、それから両工法の経済性の比較、それから先生のおっしゃる環境に与える影響ということも踏まえ、また地元経済社会に対する貢献度、それから工期、こういった見地から総合的に比較、検討を、そして評価を行いました結果、結論的には埋立工法が適当であるというふうな結論がなされたのでございます。この議論の際にも、記録として残っておりますが、浮体工法というものにつきましては、今後とも将来性のないものであるとは考えられないけれども、やはり空港というものに採用しようとする場合にはなお十分時間をかけた研究あるいは開発というものが必要だというような結論でもって、工法については決まった、こういう経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/87
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088・左近正男
○左近委員 現時点では、科学の粋を集めても無理だということのようでございますから……。
それでは、土取り問題について、大阪府としては土取り場所については公有地に限定するという見解の表明がされているわけです。四月五日の本会議における運輸大臣の答弁は、すべて公有地では貯えないので、民有地も入れざるを得ないような答弁でございましたが、一億五千万立方メートルも取れる公有地が、あの泉佐野の一番近いというか一番効果的なところから取れる公有地面積があるんじゃないかという判断をしておりますが、その点、本会議での大臣答弁では物理的に民有地を入れざるを得ないのだというような見解のように聞いたわけですが、その点いかがでしょう、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/88
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089・山本長
○山本(長)政府委員 あの際、大臣も御答弁されたことでございますけれども、土砂採取につきましては、現在なおその候補地を選定するための諸般のデータを得るための調査をやっておる段階でございまして、候補地をどこに絞るかということを決めておるわけではございません。この土砂採取につきましては、やはりそういった調査を終えた結果の上で関係者と十分協議して決めるべきことでございますけれども、用地確保の困難性あるいは容易性、それから土地騰貴の防止あるいは跡地利用の公共性の担保といった観点から、これは先生おっしゃるように公有地であることは望ましいことは一言うまでもございません。
しかし、この土砂採取に伴います防災面あるいは経済性ということを無視するわけにはまいりません。また、環境に与える影響の度合い等について十分配慮して総合判断をすべきものであるというふうに考えておりまして、大臣も必ず私有地が入るのだというふうな意味で申されたのではございませんで、一〇〇%公有地であるべきであるという先生の御指摘に対しまして、一〇〇%というわけにはいかない場合があろう、一〇〇%というのは困難であろう、こういうふうに申されたのでございます。これは一〇〇%になるか、私有地がやむを得ず入ってくるかということについては、諸般の観点から考えまして候補地を選ぶ。結果として一〇〇%になるのか、あるいは私有地が若干入ってくるかということについては、今の段階においてはっきりさせるというわけにはまいらないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/89
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090・左近正男
○左近委員 今、土取り問題についてボーリング等が行われておりますが、具体的にどういう個所で何本ボーリングをやられておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/90
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091・小坂英治
○小坂説明員 お答えします。
五十八年度からこの関係の調査をやっておりまして、五十八年度にやりました地区は五地区ございます。その中で十八本のボーリングをやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/91
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092・左近正男
○左近委員 地域別に言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/92
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093・小坂英治
○小坂説明員 五地区と申し上げましたけれども、一つは和歌山市、それから大阪府の岬町、こういうところでございますが、ボーリングを九本やっております。さらに大阪府の阪南町でございますが、三本やっております。それからさらに泉南市、和歌山県の岩出町、六本やっております用地区の考え方が少しまとめた考え方をしておりますので、市であるとか町をまとめた言い方をしておりますが、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/93
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094・左近正男
○左近委員 今言われた地域はすべて公有地ですか、民有地、その割合はどうなっていますか、具体的な場所を挙げて言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/94
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095・小坂英治
○小坂説明員 土取りの問題につきましては、和歌山県の北、それから大阪府の南、この地区の葛城山系ですか、このあたりを広域的にやっておりまして、まず技術的にどういう格好で取れるか、経済的にどこまで取れるかというようなことを調査をやっているところでございます。その土地利用がどういう格好になっているとか所有者がどうなっておるかとかいう問題については、今後その結果を見ながら詰めていく。その段階で、地元市町村とも相談しながらさらに社会的な問題を詰めていきたい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/95
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096・左近正男
○左近委員 それはそれでいいんですよ。私が聞いているのは、今ボーリングをやっているところの民有地と公有地の振り分けを教えてほしいと言っているのです。民有地であれば黙って振れないでしょう。国が勝手に人の土地をボーリングできるのですか。その振り分けを教えてほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/96
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097・小坂英治
○小坂説明員 土地所有の問題につきましては、掘る場所そのものも相当広範囲に考えておりまして、何%というような格好のものはまだわかりません。今後詰めて調べていく予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/97
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098・左近正男
○左近委員 実際ボーリングは入札をして、かなり大手のメーカーが大量に入札に参加をしたとかいうようなことを聞いておるわけですが、そこまで事務手続をずっとやって、そのボーリングした土地のどこの場所が民有地か公有地か、この振り分けができないというのはおかしいじゃないですか。それでは、具体的にそこで決定する場合は今御答弁あったとおりで結構ですよ。だけれども、今日の調査段階で、ボーリングをやったところについて民有地であるか公有地であるかの振り分けができないというのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/98
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099・小坂英治
○小坂説明員 ボーリングをやりました地区そのものの地点の土地所有の形がどうなっているかということは当然わかるかと思いますが、今資料を持っておりませんので後ほど報告させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/99
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100・左近正男
○左近委員 それでは、後ほど資料の提出を求めます。
そこで、先ほど航空局長から御答弁があったのですが、大阪と和歌山、それと淡路島からも士を持ってくるのじゃないかというようなことが言われております。私は、この際大臣として若干の障害があろうとも一〇〇%公有地に限定すべきだ、そのように強く思うわけです。民有地を加えることによって土を取った跡地について地主の関係なりいろいろな問題が出てくるのではないかと私は思うのです。この点、大臣、今回の空港建設についてはすべて公有地でやっていくのだという見解を明らかにしていただきたいと思いますが、ぜひともひとつ答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/100
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101・細田吉藏
○細田国務大臣 先般の本会議でも御答弁の中で申し上げたつもりですが、公有地の方が望ましいということなんでございます。しかし、絶対にこれ以外にしないかどうかということについては、ただいまいろいろな情勢を調査しておるさなかでございますので、ここではっきり申し上げることはできない。この土取りの問題についていろいろな厄介な問題が起こるというのは一番避けなければならぬということは当然でございますので、御意見は御意見として承りまして十分尊重させていただく、こういうことでございます。そこまでしかきょうはお答えできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/101
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102・左近正男
○左近委員 それでは、ひとつ大臣の今の御決意を具体的に実践をしていただくように強く要請をしておきたいと思います。
次に、環境影響評価の問題についで少しお尋ねをしたいと思います。
空港の計画段階における環境影響評価については、これは十二項目にわたって多面的に実施されておるわけですが、私は、工事段階における総合的な環境影響調査について今後具体的にどのように実施をされるのか、この点を非常に心配をしております。例えば、三点セットの段階でのアセスでは土砂の採取は環境影響評価の中に入れておらないのではないか、一番大きな公害の発生源、根本の問題について計画段階の環境影響評価には入っておらない、これが非常に大きな問題だろうと私は思います。
そこで、私気になりますのは、三点セットが提示された段階で、運輸省は事業主体が具体的な実施計画に基づいて関係法規に従って環境影響評価を含む所要の手続を行う、こういうような方針を出されておるやに聞いておりますが、そういうことであれば、これは株式会社が第一義的にすべて調査をやって、工事段階の調査をやっていくというようなことになるわけでありまして、このような大きなプロジェクトに対して株式会社にすべて責任を持たすことに対して大変な地元での不安が出ておるわけであります。したがって、私は総合的なこれからの工事段階における環境影響調査を、例えば瀬戸内海環境保全特別措置法あるいは公有水面埋立法に基づいてただ単に環境庁がアセスをしたものをイエス、ノーと言うのではなしに、主体的な形で総合的な調査をすべきである、こういうように考えますが、環境庁の見解をお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/102
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103・加治隆
○加治説明員 お答えいたします。
環境影響アセスメントを行っていく上での調査につきましては、事業者がこれを実施するということが基本であります。環境庁といたしましては、公有水面埋立法の手続等に基づきまして事業者が作成いたしました環境アセスメントにつきまして所要の審査をしてまいる、そのようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/103
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104・左近正男
○左近委員 私はそんな型どおりの答弁を求めたのではないわけでして、これだけの大きな工事の場合、そういう事務的な形でいいのかどうか、環境庁としてもっと主体性を発揮すべきじゃないかと思うのですね。だから、今何か環境行政がなきに等しい。行政改革であれば一番先に環境庁が切られるのじゃないか。あなた方はもっとしっかりしなければ、こういうことになりますよ。こんな大きな海面埋め立ての問題について環境庁としてもっと主体的な調査をみずからやる必要があるんじゃないか。株式会社がやったものをイエス、ノーと言うだけの機能では大変なことになると私は思うのです。その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/104
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105・加治隆
○加治説明員 環境庁といたしましては、事業者が作成いたしました環境アセスメントを審査していく際に、必要があれば審査のために関係方面からのヒアリング等を実施して適正を期していくということはやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/105
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106・左近正男
○左近委員 どうも環境問題に対する認識が環境庁として非常にぬるいと思うのですね。
それでは、環境庁として、大阪湾地域の整備構想にかかわる環境調査を日本環境協会へ委嘱調査を依頼しておるということを承っておりますが、これはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/106
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107・加治隆
○加治説明員 お答えいたします。
環境庁といたしましては、各地域の環境の状況について総合的に、また体系的に把握することは重要でございまして、環境保全のための各種の施策を推進するように努力をしておるところでございます。
ただいま御指摘の調査の件でございますが、その調査は、こういうような観点から実施しておるものでございまして、関西国際空港建設による環境影響を評価するための具体的なアセスメント調査というものではございません。この調査は、大阪周辺における各般の環境保全対策に資するものとして、大気汚染、自然環境条件等地域の環境の現況に関するデータの収集、解析等を行っているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/107
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108・左近正男
○左近委員 それでは、環境庁としては、今度の空港建設、具体的な工事がこれから行われる。もろもろの土取り問題なり海面埋め立ての問題なり、大変な問題が出てくるわけですね。それらについてはすべて株式会社にやらして、自前のデータを、あなた方は見るだけだということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/108
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109・加治隆
○加治説明員 先ほど答弁いたしましたとおり、環境アセスメントにつきましては事業者がこれを実施することになっております。その実施された結果について環境庁は適正に審査をいたすということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/109
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110・左近正男
○左近委員 だから、事業者、株式会社が調査して環境庁が判断するに当たって、環境庁としての一定のデータがなければ判断できないんじゃないですか。その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/110
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111・加治隆
○加治説明員 アセスメントの判断等につきましては、現在までの知見、それから過去の事例、そういったものについて環境庁としてはその蓄積がございますので、それらの知見等を踏まえて、その環境アセスメントの内容を判断していくものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/111
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112・左近正男
○左近委員 どうも総合的な環境影響問題について、環境庁としては手ぬるいんじゃないか。もう時間が迫ってまいりましたからこれ以上追及しませんが、海面を五百ヘクタール埋め立てるというのは日本では今までで一番大きな区域になっているんじゃないですか。これ以上のものがありましたか、どうですか。それで、将来千二百ヘクタールですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/112
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113・山本長
○山本(長)政府委員 運輸省でのこの問題についての考え方をちょっと御説明申し上げます。これは環境調査に対する御答弁にかわるかどうか私わかりませんけれども、ちょっと御意見を申し上げたいと存じます。
確かに環境アセスメントと申しますものは具体的な事業に即しまして、この事業をこの地区において行った場合においてどういうふうな環境に与える影響があるか、それを評価して、それをできるだけ悪い影響がないように措置していくという手続でございますので、環境庁が申しましたように、今までも具体の事業を行う者がアセスメントを実施するという体系になっているものと私どもも理解をいたしております。
それで、私たち運輸省におきまして関西国際空港について広範な環境影響評価を行いまして、これは運輸省はまだ事業者ではございませんでしたけれども、この計画の推進者という意味におきまして、その計画を推進するに当たってこの計画を推進していった場合にという前提でアセスメントを実施したわけでございます。そういう意味におきまして、これは計画アセスメントと俗称言っております。したがいまして、この事業主体ができまして実際に本格の具体の事業に取りかかります場合には、運輸省が計画アセスメントとして行いましたそのいろいろなデータをこの会社に引き継ぎますけれども、それをもとにいたしましてさらに具体の計画に即したアセスメントをこの会社がやっていく、またやっていくべきものだというふうに考えておる次第でございます。
その中で、先生御指摘の土取りというものに関連するアセスメントが運輸省の公表したものから抜けていたということは事実でございます。どういう手法でアセスメントをしていく考えであるということは方針を考えておりましたけれども、アセスメント自身はやっておりません。これは計画面におきましてもどこから士を取るか、どういう経路で搬出するかというところのものが決められない状態のもとにおきましてそのアセスメントを行うことが不可能だというところから出していなかったものでございます。
今私どもの課長から申し上げましたけれども、その土取り地を決めるための諸般のデータを得るための調査をやっておるわけでございます。その中には将来の環境影響評価にも役立つデータが得られるものと思いますけれども、そういったものもこの会社に引き継ぎまして、具体の土取り地をここにしたいということを決めまして、計画いたしまして、その計画を実施する場合に環境への影響はどうなるかということを評価してまいる、こういうことになっていくものでございまして、我々といたしましてもその士取りに伴う環境影響評価というものはやっていくべきものであるし、この会社が実施をしていくべきものであるという考え方から会社を指導してまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/113
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114・左近正男
○左近委員 いずれにしても三点セット段階での環境影響評価については、建設段階の公害の一番本元である土取り問題を抜きにした環境影響評価であるということで、私はこれは大変なことだと思います。今局長から答弁もありましたように、これは国としても責任を持って総合的な環境影響評価を今後やっていただきたい、私はこのことを強く申し上げておきたいと思います。
次に、漁業補償の問題が非常に大きなこれからの問題になる。泉南沖五キロというのは入会漁業区でございまして、大阪、兵庫という漁業組合にまたがる問題でございます。そこで、第一点として、この漁業補償についての基本的な考え方を明らかにしていただきたい。
最近、ある大手の会社が紀伊半島に島をつくりまして漁業補償がされているわけですが、大体これらが一定の基準になるのかどうか、政府として新たな観点から物を考えておられるのか、ひとつ基本的な考え方を聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/114
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115・山本長
○山本(長)政府委員 漁業補償の問題は、この空港の事業をやっていきます場合にまず最初の極めて重要な問題でございます。この問題を解決をしなければ前へ進めないという重要な問題でございます。この漁業補償につきましては、空港建設の当事者となります会社が漁業者と交渉していくことになるわけでございますが、この場合、空港島をつくるということに伴って海域が減少するということに伴う消滅の補償でございますとか、工事に伴う影響の補償でございますとか、あるいは漁業が一時的に制限されることに伴う制限補償というものなどが主な内容になってくるのではないかというふうに考えております。
ただ、この漁業補償を折衝いたしていきます場合の基本的な考え方は、公共用地の取得に伴う損失補償基準というものが政府部内、これは運輸省も建設省も農林省もそうでございますけれども、この基準に従って交渉を行い補償を決めていくという考え方にのっとっているのでございまして、先ほど申し上げました補償の種類が考えられますけれども、いずれにしてもこの補償基準に照らし、交渉をしていくということになるものと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/115
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116・左近正男
○左近委員 その補償基準をひとつ提出をしていただけませんか。よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/116
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117・山本長
○山本(長)政府委員 提出させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/117
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118・左近正男
○左近委員 この漁業補償は、今局長直言われましたように大変大きな問題であり、なおかつこの近くにいろいろやられた民間の例があるわけですね。それと非常に格差が出るようなことでは、地元は非常におさまらぬだろうと思います。したがって、その辺については十分これから慎重に対応をしていただきたい。強く要望しておきたいと思います。
そこで、本会議において大臣からも一定の答弁をいただいておるわけですが、これから空港をつくり、飛ばしていくという場合、つくる段階における公害の問題もありますし、まあいろいろともろもろの住民の意見が出てくるだろうと思います。したがって、大阪府もこれらのことをおもんぱかって環境の監視体制、こういうものを独立した機関としてきっちりと地域の住民なり周辺自治体も入れてつくってもらいたい。また空港は、これは第一義的に株式会社がすべて責任を持つということは、法的にはそういうような法律になっておりますけれども、やはり円滑に空港運営をさしていくためには空港の運営委員会的なもの、自治体も入れ地元の人たちも入れて、そういう公的な機関をぜひとも設けてもらいたい、このように思っておりますが、この件について大臣からひとつ御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/118
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119・細田吉藏
○細田国務大臣 おっしゃる点は本会議でも申し上げましたが非常に重要な問題でございますので、いかなる形式にいたすかということについては今後研究をいたしますが、何らかの形において意見が十分に反映するようなことに考えなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/119
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120・左近正男
○左近委員 よろしくお願いをいたします。
そこで、少し会社の——株式会社は我々は反対なんですが、新聞ではどんどんいろいろなことが書かれておるわけでありまして、株式会社の組織について運輸省としては原案なるものか、第二次案なるものか、これは新聞に出ておるわけですが、そういうような具体的な考え方をまとめておられるのか。例えば社長大事について、社長と監査役は運輸大臣の任命ですが、これは大臣の意向によるのか、もう一つ上の方の意向によるのか。上の方でころころ変わっておりますので、もう今度は大臣の意向でやられるのか。私は、四月十一日のある新聞のコラム欄を見て、天下りの問題、これはまた大臣も一遍目を通しておいていただいたらいいと思いますが、やはりこの会社に対する官僚OBの天下り的な発想ではこれはだめだと思うのです。その点について社長が決まれば——社長、監査役は運輸大臣が決めるわけですが、大体大臣の腹の内はどういう考え方なのか、一遍ひとつ端的にお伺いをしますし、この官僚の天下り問題について私どもは非常に厳しく批判をしておりますので、まあ運輸省の関係もいろいろと出てきております、その点ひとつ十分注意をしていただくとともに、今後の人事構想についてどういうお考えなのかお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/120
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121・細田吉藏
○細田国務大臣 法律上は、ごらんになりますとおわかりになりますとおり、代表取締役、会社の代表者については会社が決めて運輸大臣の認可ということになっておるわけでございます。これは形式はこうなっておりますが、実質的には国は大きな出資者でもありますので、大臣が発言権があるというふうに上ないかと言われれば、あると言わざるを得ないと思っております。したがって私ども公正な立場でいろいろ考えていかなければならぬと思っておりますが、天下りといって役人的感覚でこの空港をやることは、これは無理ではないかというふうに私は思っております。今具体的にだれをどうするというようなことについては、文字どおり全然何も考えておりません。一部いろいろ新聞に騒がれたりいろいろなこともありますけれども、何も考えておりませんが、今後の問題でございます。
なお、天下りで、何かの都合で人をやったからといってこの仕事ができるというふうには考えておりません。それほど甘いものではないのです。補償の問題一つとっても、環境整備の問題をとっても、これは大変難しい仕事なんです。ですから、そういう意味でいわゆる天下り、とにかくやめたからどこかに入れようというような考え方でこの空港の人事をやったんじゃ、これは話にならぬ、かように思っておるのでございまして、それこそ適材適所、そして少数精鋭主義でやる。しかし役所の者は入れないというわけにはいかない。空港の専門家というのは役所におるわけですし、航空の専門家も相当おりますから、こういうものについて本当に力のある人はその力を発揮できる場所へ入れなければならぬということは、これは認めざるを得ない、かように思っておる次第でございます。
いずれにしましても、今後の問題でございますので、御趣旨のあるところは十分わかりますので、そういった線に沿って考えてまいりたい、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/121
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122・左近正男
○左近委員 もう時間がございませんのであれですが、WECPNL、この航空機騒音コンターの問題について、抜かしておりましたので、少し御質問をしたい。
年間離着陸回数を十六万回に想定して騒音コンターをとられて、WECPNL、これはうるささ指数ですが、七十の地域は海域内にとどまる、こういう報告がされておるわけですが、これは夜間飛行もやっていない。夜間飛行は物理的に無理だということなんでしょうが、それとトライアルは五十四年の五月、五十四年の十月、五十七年の三月、三回の調査で確信を持ってそういうことが言えるのかどうか。普通、海上空港の場合、風によるコースずれが非常に多いのではないかということが懸念がされます。成田のような空港でも、飛行コースの外れが非常に多いということを聞いておりますが、その辺の状況を含めて、時間がありませんので、ひとつ短く頼みます。
それと、大阪空港における午後九時までの時間の制限について本会議で大臣が答弁されたことについて、私は高く評価します。そこで、これは外国の航空会社には十時までということになっておるんじゃないか。外国の航空会社に対しても午後九時以降は絶対だめですよということになっているのかどうか、そこを一遍厳格に御答弁願いたいと思うのですよ。外国の航空会社が門限破りが非常に多いわけですが、その辺の状況と、外国の各航空会社に対しても九時以降の離発着については絶対だめだということをきっちり運輸省として航空会社に通達を出しておられるかどうか、その辺をお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/122
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123・山本長
○山本(長)政府委員 三つの事項の御質問でございまして、若干順序どおりではございませんが、まず、九時以降の問題についてでございますけれども、近年、九時以降の離着陸というものにつきましては年々減少してきておったわけでございますけれども、本年に入りましてふえている、こういう実態でございます。そして、ふえている会社については、会社名は遠慮させていただきますけれども、割合に特定をしているというふうな状況でございます。
この九時以降の離発着につきましては、万々やむを得ない若干のものはいたし方ありませんけれども、しかし私たちといたしましては、原則としてこれは認めないということで厳しい態度で臨んできておるわけでございまして、これは通達はもう何遍も出しておりますし、それからその都度その都度注意を与えておるという状態でございます。本年においてそんな事態が発生をいたしましたので、ある特定の会社を我が方が呼びまして、厳重に注意をいたしました。この会社におきましては改善の措置を講ずるというふうに申しておりますので、その措置を現在注目しておるところでございます。
それから、コースのぶれの問題でございます。新東京について御質問がございましたけれども、航空機は計器をたどって航行するものではございますけれども、風等の影響によりましてぶれというものが絶対ないわけではございません。しかし、このぶれというものを見ますと、航空機が進入をいたしますときには、通過地点の航空保安施設それから着陸の空港の航空保安施設というものを結んで航行いたしておりますので、着陸におきましてのぶれというものはほとんどないと言っていいと思いますが、離陸時においてぶれが若干生ずるという実態でございます。
そこで、この関西国際空港のWECPNL七十との関連でございますが、御説明いたしましたように、風の影響等によりコースの一時的なぶれというものを生ずるということを否定するものではございませんけれども、計器によって常に軌道を修正しながら飛行しておるのでございますので、大きく外れて飛行するということはあり得ないと考えております。ただ、飛行コースの多少のぶれというものを考慮に入れましても、航空機騒音にかかわるWECPNL七十のコンターというものが海域におさまるということは変わらないというふうに考えておる次第でございます。
それから、回数が少ない、それをデータとしてそう言えるのか、こういうふうな御質問でございますけれども、確かに回数は十分でないのかもしれません。また、夜間飛行というものが物理的にできないということもございまして、御要望に十分には沿いかねている点もございますけれども、航空機の騒音につきましては、機種別に国際的にも国内的にも多数のデータの蓄積がございます。こういったものを基本にいたしまして、かつまた、実機飛行の結果と突き合わせながらそのWECPNLのコンターを評価をしておるのでございまして、私たちといたしましては、相当長い間の精密な計算の結果でございますので、このWECPNLの七十が海域におさまるということについては確信を持って言えるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/123
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124・左近正男
○左近委員 時間が来ましたので、これで終わらしていただきます。委員長、どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/124
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125・福家俊一
○福家委員長 御苦労さまでした。
次に、正木良明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/125
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126・正木良明
○正木委員 委員外でございますが、きょうは差しかえで質問のチャンスを与えていただきましてありがとうございました。
さて、二月の十六日に衆議院の予算委員会で、この関西国際空港問題について数点の質問をいたしましたが、時間に制約がございまして、そのときにできなかった質問を、きょうは補足的にかつ重点的に数点にわたってお尋ねをしたいと思います。
まず大臣に伺いますが、この前の質問のときに、これだけの大きなプロジェクトを実行されるに当たっては、恐らく地元においてもいろんな面で想像以上に不満が発生するおそれがある、そういう苦情を集約的に処理をしてもらう機関をつくってもらう必要があるんじゃないか、このことを質問をいたしました。そのためには地元の自治体であるとか地元の住民の代表であるとか、そういう人たちを加えた形の協議会的なものがどうしても必要であるということを申し上げたわけでありますが、これに対して大臣は、それも一つの方法である、苦情をどこに持っていっていいかわからないことのないように「何かの方法を考えたい、」というふうに答弁をなさっているのですが、この「何かの方法」についてお考え方は進んでいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/126
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127・細田吉藏
○細田国務大臣 お答え申し上げます。
実は主体がこれから決まるわけでございますので、まだ具体的にはっきりしたものではございませんが、私どもの方でいろいろ内々の相談をいたしておりますところによりますると、会社の執行機関の諮問機関として地元の方が入られた協議会というものを、何らかの恒久的なものをつくることが適当ではないかという中間的な結論を得ております。しかし、これはでき上がった会社とよく相談をし、地元ともまたよく相談をしなければならないことでございますが、そういう形の方がよろしいのではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/127
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128・正木良明
○正木委員 事業運営の主体が新しい株式会社になるわけでありますから、恐らくそういう形にならざるを得ないだろうと思いますが、これはむしろ会社ができてから会社で考えさせるということよりも、会社の設立に際してこういうものはぜひ設けるべきであるという条件はおつけになっていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/128
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129・細田吉藏
○細田国務大臣 株式会社でございますので、やはり自主性を尊重いたさなければならぬということも考えておりまして、そういうふうにお答えを申し上げておるわけでございますが、御趣旨は十分体してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/129
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130・正木良明
○正木委員 続いて、新国際空港に乗降客を運ぶアクセス、このアクセスについて伺いたいと思うのです。
御承知のとおり国際空港は、大阪の中心部から直線で約三十五キロメートルのところに位置をいたしておるわけであります。そこでこの空港利用者の利便と地域社会に交通公害をもたらさないというようなことを考えますと、アクセス施設についてはその整備に万全を期さなければならぬ。この重要な道路整備計画がどのように検討されているか。これは建設省にお願いしたいと思います。
それから、特に今予想されているのは、湾岸道路をそのまま延ばしていく、近畿自動車道和歌山線の問題、国道百七十号線、それから空港の連絡橋の問題等アクセス道路網というのが考えられるわけでありますが、この道路整備について三月九日の運輸委員会において我が党の近江委員が質問をいたしましたが、建設省の答弁は非常に不透明な答弁でございまして、空港が開港のときまでにこの道路のアクセスがうまくできるのかどうか見通しがつかぬというようないいかげんな答弁をしておるわけだけれども、この点はどうでしょうか。
特にこの湾岸道路につきまして、泉大津市から先はいつまでに、空港開設時までに完全にでき上がるかどうか見通しを持たないという答弁をしている。正直と言っては正直だが、無責任と言えば無責任なんで、空港ができてもそこへたどり着くためのアクセスが完備できないというのは問題でありまして、湾岸道路は、神戸市から国際空港に至る臨海工業地帯を直接結んでいく動脈でありまして、物流を円滑にするばかりでなく、空港機能の円滑化に重要な役割を果たす基幹道路であるはずでございますから、この湾岸道路の開設は空港の開設までに間に合うのかどうか、もし間に合わないとすれば、何が隘路なのか、これを明確にしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/130
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131・光岡毅
○光岡説明員 お答えいたします。
まず最初の関西空港のアクセス道路についてはどのように考えておるかということでございますが、建設省としては、これから空港計画の進捗に合わせて空港のアクセスとなる道路の整備については十分な検討を進めていこうと考えております。
特に、この地域の交通の一番重要な交通として近畿自動車道を考えております。それは大阪府の東大阪市まではできておりますが、それから阪南町に至る約六十キロが今できておりません。この間について現在事業中でございます。ただし、これについては埋蔵文化財が相当ございます。したがって、これの発掘調査に大阪府の方で頑張っていただいております。それから先ほど御指摘のございました湾岸道路、それからその他幹線道路、百七十号線も含めた幹線道路についても、これから空港の進捗にあわせて関係地方公共団体とともにその整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
先ほどの湾岸道路でございますが、大阪港区の港晴—三宝の約八キロの間、これはもう既に供用されております。これから泉大津までの間、これは現在事業化されておりまして工事をやっております。それから先ほどの御指摘のございました泉大津市から南については現在路線計画を策定するための調査を実施しておるところでございますが、先ほど御指摘がございましたようにどんな問題があるかということでございます。まず阪南港の港湾計画の調整、それから二色ケ浜の環境整備事業との調整、あるいはここに埋め立てを現在考えておられるわけでございますが、それとの調整、それらを調整しつつルートを決定していかなければいけないわけでございます。そういったことで現在進めておるところでございますが、このルートの沿線上には工場群の大きなものが相当ございます。そういったところから申し上げまして、これについては地元との調整をうまく図りつつ都市計画決定を進めなければいけない。そういったもろもろの手続等たくさん残っております。したがって、そういった意味で先日の答弁の中にございましたように、いついつまでにつくるというようなことについての明確なお答えというのは現在不可能であるというふうなことでございます。それでそういうふうに申し上げたところでございます。
それから百七十号線その他の道路につきましては、建設省内に関西国際空港の関連公共事業等の連絡会議というのをつい最近つくりまして、これの中でどの道路が重要であるかということをこれから検討してまいりたいというふうに考えております。特に地方公共団体とも十分この辺については意見を交換しつつ、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/131
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132・正木良明
○正木委員 見通しがつかぬというのは、空港の開港に間に合わないかもしれないということが含まれているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/132
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133・光岡毅
○光岡説明員 空港の開設時に実際に通ります交通量、それを見てみますと、近畿自動車道で一応交通量がさばき切れるというふうな計算にはなっておるわけでございます。したがって、湾岸道路がなくとも交通量としては十分こなせるわけでございますが、いずれにせよ道路網としてはこれは非常に重要な道路でございまして、もちみん大阪市内から最短距離で結べる道路でございます。したがって、湾岸道路については鋭意整備を進めていきたいというふうに考えておるわけでございますが、いろいろ手続等がございまして、これは通常のペースから見ますと空港開設時までには必ずしも間に合うところまではいかないのだろう、そういう見通してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/133
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134・正木良明
○正木委員 その裏に何かあるのじゃないですか。片方はいろいろ工場群があったり湾岸を通っていくのだから、埋め立ての問題等があって手続上の問題がいろいろ隘路があるという話がある。片方の近畿自動車道の方は埋蔵文化財がたくさん出てくるからということで問題がある。どちらにも問題があることは事実なのであって、しかし片方は空港の開設時に間に合うけれども、湾岸道路は間に合わぬというような意味の中には、これはげすの勘ぐりと言われればそれまでかもわからぬが、近畿自動車道は日本道路公団がやっている仕事であって、湾岸道路は阪神高速道路公団がやっている仕事であるから、阪神高速道路公団には建設省の天下りが行ってないから、どうしても建設省は阪神高速道路公団に対しては冷たい。地元はそういううふうな見方をしているんですが、どうですか。そうだとは言えぬだろうけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/134
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135・光岡毅
○光岡説明員 近畿自動車道の方につきましては既に事業化されておりまして、用地買収も相当進んでおるわけでございます。湾岸線の泉大津市から南についてはまだ事業に着手していないものですから、やはり用地買収それからもちろんその前に行わなければいけない各種調整というのは御案内のとおり非常に時間がかかるわけでございます。そういう差があるというふうなことでございまして、先生のおっしゃるようなことというのは恐らくないのではないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/135
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136・正木良明
○正木委員 いや、湾岸道路は私にとっては不満がありまして、要するに湾岸道路をせっかくつくるなら少なくとも片側三車線の道路をつくるべきであるということは前から主張していたのだけれども、結局二車線になってしまった。これは三車線にしないと、空港へ行く人の自動車だけが乗っかるわけじゃありませんから、ほかの物流関係もこの湾岸道路を利用するわけだから、やがては今堺から行っている阪神高速道路、これだっていつも停滞、停滞、停滞だ。高速道路というのは要するに自由が拘束される拘束道路と言われているぐらい車が走らない道路なんだけれども、そういうふうになってしまうおそれがあるという不満があったんだけれども、それはそれとして、大臣どうですか。空港はできた、しかしそれを運ぶ道路が建設省の方じゃ間に合わないかもしれないなんて、どうするんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/136
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137・細田吉藏
○細田国務大臣 御承知と思いますけれども、この関西空港関係については関係閣僚協議会を設けております。また事務的には連絡協議会を設けております。湾岸道路の必要性については私ども十分承知いたしておりますので、いろいろな困難があるということでございますが、この閣僚級の連絡機関において強く主張いたし、建設大臣も非常に空港については特別な理解を示しておられる方でございますので、私どもよく相談をいたして、どこまで進めるか、できるだけのことを早くからやってまいりたいというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/137
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138・正木良明
○正木委員 それでは建設大臣や国土庁長官にはよく言っておいてください。お願いします。
そこで、そうやって道路ができても、今度は連絡橋の問題ですが、このことについてちょっとお聞きしておきたいのだけれども、要するに空港と内陸を結ぶ連絡橋について、この連絡橋の位置は、大阪の関西国際空港計画推進本部が昨年の十二月に当面北ルートの整備計画を進めるという方針を明らかにしておりますけれども、これは運輸省としてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/138
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139・山本長
○山本(長)政府委員 いろいろな議論もございましたし、また現在もあるとは思いますけれども、地元におきまして、長期的な観点からは複数ルートの整備が必要と考えられるが、空港利用者の利便等を考慮し、当面北ルートが適切であると考えるという旨の見解を運輸省に表明されてまいりました。
運輸省としても、北ルートに支障があるというふうには考えておりません。計画を検討するに当たりましてはこの見解を尊重してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/139
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140・正木良明
○正木委員 空港への交通手段として鉄道と道路と両方で結ぶのがいいということ、これまたこの委員会で三月九日近江質問の答弁で答えられておりますが、鉄道と道路の両方で結ぶということについては、運輸大臣、再確認しておきますが、これでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/140
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141・細田吉藏
○細田国務大臣 前にもお答えしたことがどこかの委員会でございますけれども、鉄道、道路、道路の方が優先でしょうが、道路、鉄道、両方の橋梁を、アクセスをつくる必要がある、かような考え方に変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/141
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142・正木良明
○正木委員 確かにそうでございまして、輸送手段としては道路だけでは不十分だと思うのです。当然アクセスの中には鉄道のアクセスというものも考えなければならぬわけでありますが、そうなってくると、現在鉄道として存在している南海本線だとか、国鉄の阪和線、こういう既設の鉄道を利用するということを当面考えなければいかぬだろうと私は思うのですが、これはどうなんでしょうか。空港と結ぶ連絡鉄道というのは開港までに間に合いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/142
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143・細田吉藏
○細田国務大臣 御案内のように、南海鉄道とそれから国鉄の阪和線が近くまで二本並行してまいっておるわけでございます。二本鉄橋をかけて鉄道が通るというばかなことはやる必要がない。一本かければ、今のところ隧道は可能性は非常に少ないと思っておるのでございますが、鉄道の橋梁ということで一本かけるということだと思います。したがって、これをどういう形でどこにやらせるかということについては相手方もある話でありますし、国鉄は御承知のように財政難の問題もございます。そういうことで私なりの考え方は持っておりますけれども、まだこれについて申し上げるのは少し早いのではないか。どちらにしても早くできるという形で関係の機関と相談をして一本鉄橋をかける、結ぶ。それが両方で使えるという形にすることが望ましいのではなかろうか、このように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/143
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144・正木良明
○正木委員 そうすると、今の御答弁からこういうふうに解釈していいですか。一つは、連絡橋は道路、鉄道の併用橋になるということ。隆道案というものも一部に存在するようであるけれども、これは極めて可能性が低い。国鉄の阪和線を利用するか、私鉄の南海本線を利用するかということについては、これは両方使用するにしても連絡橋は鉄道としては一本でまとめていきたい、こういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/144
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145・山本長
○山本(長)政府委員 現在の連絡橋の考え方は、道路と鉄道の併用橋という構想で諸計画を立てておるわけでございます。トンネル案というのもそういう意見が、意見といいますかそういう構想が聞かれることも事実でございます。まだそこについては十分な検討を私たちはいたしておりません。そういうことが世上言われておるということを耳にしておるということでございます。必ずしもそれを完全に否定する必要もないかと思っておりますけれども、現在我々の計画としては併用橋ということで計画を詰めつつある、こういうことでございます。
それから、南海本線と国鉄阪和線につきましては、軌道の幅、それから電圧が同じでございます。そういう意味におきましても、一つのレールあるいは電気施設を共用できるという利点がございます。私たちといたしましては、大臣先ほど申されましたように、両線を空港に結ぶということが望ましいというふうに考えております。ただ、開港時までに大丈夫かというふうな質問がその前にあったかと思いますけれども、国鉄の諸般の情勢もございまして、国鉄につきましては若干の不安を持っていることも事実でございます。しかしながら、南海本線との連絡というものについては開港時までには少なくとも間に合わせたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/145
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146・正木良明
○正木委員 では、ぜひよろしくお願いします。
それで、こうなると当然、前島計画というのがここへ出てくるわけです。要するに、内陸部はもう住宅密集地帯でございますし、これはどうしても埋め立てをして前島をつくる。地先の持ち出しのような形になる場合もあると思いますけれども、ここらに、前島に設置される施設というのはいわば空港の機能を支援する種々の機能を持つ施設、これが置かれるわけですね。例えば道路のジャンクションや下水処理施設などがつくられると思いますが、こうした前島におけるところの施設、これらは新しい関西国際空港株式会社が行う事業ということとは関連がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/146
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147・山本長
○山本(長)政府委員 先生がおっしゃいます。その道路のジャンクションというものがこの地区に設置されて、そして道路と連絡橋というところが結びつくというふうな場所としてその前島構想が実現できれば、機能するであろうということが容易に想像されます。そういった意味あるいは空港の機能といたしまして必要な施設については一応空港の中に設置できる計画にしておりますけれども、前島構想が実現される段階におきまして前島においてそれを行うということが適切であるとか、あるいは例えばこの空港に働く方々が新たにふえるわけでございますから、その住宅用地というふうなものについて前島に確保ができるというふうなことになるということも予想されないわけではないとか、そういった意味におきまして、前島構想というものはまだ計画段階ではございますけれども、それが実現されることによりまして空港の機能というものを支援する、助けるという働きをすることも事実でございますし、さらには空港の事業の目的達成のための一つの事業というものが前島において行われる可能性もあるのではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/147
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148・正木良明
○正木委員 私がお尋ねしているのは、空港と前島というのは密接不可分の状況というか位置づけがなされるべき性質のものである、内陸部にそれを設置しようとしても恐らく設置はできないのではないか、前島でなければ処理できないのではないかというふうな気がするわけですね。私はそうでなければならぬというふうに考えているわけでございます。同時にまた、これは地域整備の核にもなるべき性質のものでございますので、国としても積極的な支援措置をとるようにしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。事業主体は大阪府がやるわけでございますが、国としてそれを積極的に支援する立場をおとりいただきたいというふうに考えるわけでございますが、大臣、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/148
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149・山本長
○山本(長)政府委員 私から御答弁申し上げます。もしも不足でございますれば、大臣ということで……。
前島構想というのは現在では府レベルの調査の段階であると聞いておりますが、先ほど申し上げましたように、その構想が実現されますと空港の機能を支援するという面が確かにあると思います。また、前島というものが空港の機能を維持する上において有効に役立つという面が十分出てくるというふうに私たち考えております。現段階において、まだ計画段階でございますので具体的にどうということも申し上げかねるわけでございますけれども、この前島構想の推進というものにつきましては、私たち大阪府とも連絡調整を図ってきておるところでございます。今後ともよく連絡調整を図りまして、運輸省としてもできる限りの協力を行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/149
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150・正木良明
○正木委員 そこで、ちょっと環境庁にお尋ねしたいのですが、この間のこの法律案の趣旨説明が行われた本会議で、左近さんが質問していることに環境庁長官が答えていますね。この中で、やはり空港等については環境庁は認めていくという方針をはっきりと述べておられるわけです。一部を読んでみますと、「本計画は、埋め立てを厳に抑制すべきものとされております瀬戸内海におきます大規模な埋め立てを伴う計画でありますが、また一方考えますと、大阪国際空港、現在使われております伊丹空港の騒音問題、やはりこれの緩和になり解決を図るということになるものでございますので、そういうこと等を考慮いたしまして、環境庁としてはやむを得ないものと判断をいたしました。」。
これは前島問題という新しい埋め立ての問題が起こってくるのですが、既に要するに空港本体については環境庁はそういう認め方をしているのだが、この空港本体とは密接不可分の関係にある前島問題についてもこれと同様な対処の仕方を環境庁としてしてもらえるものであるのかどうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/150
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151・加治隆
○加治説明員 お答えいたします。
ただいま御指摘のありました埋立計画につきましては、その計画について聞いておりませんので環境庁としての考え方を述べることはできませんので、御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/151
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152・正木良明
○正木委員 これは大臣が答弁しているのだから、空港本体についてはやむを得ないものとして認めるということについては大丈夫ですね。それを再確認しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/152
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153・加治隆
○加治説明員 お答えいたします。
先般本会議の席上で環境庁長官が答弁いたしましたのは、関西国際空港本体計画についてやむを得ないものと判断したものであるということでございました。当該計画につきましては、関西国際空港計画を政府として検討しております、検討する場であります関西国際空港関係閣僚会議においても議題にされたことはございません。関西国際空港計画のみが審議されている状態でございます。したがいまして、現時点におきまして、環境庁として、御指摘の埋立計画についてコメントすることはできない、こういうふうに申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/153
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154・正木良明
○正木委員 だから、それはわかったんだ。この大臣の答弁は確認できますね。この空港の本体と密接不可分の関係にある前島なんだから、空港本体と同じような考え方をしてもらわなければならぬということを要望しておきます。
そこで、国土庁、お願いします。
この空港建設を進めるに当たっていわゆる三点セット、これについての地元合意というのが前提になっておりますね。実は今後の問題は、この三点セットの中の地域整備がどのように行われていくか、その計画内容がどのようなものになるか、これが非常に重要なものとなってくるわけであります。そのためにも、国土庁の泉州・紀北地域総合整備計画調査、これが非常に注目されるわけでありますが、この調査の今後の見通し、それから、この調査結果がどのように地域整備の中で生かされてくるか、国土庁からお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/154
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155・立石眞
○立石説明員 お答えいたします。
泉州・紀北地域総合整備計画調査につきましては、関西国際空港が建設されるに伴いまして、その波及効果を有効に生かして、かつ調和ある地域の開発整備を図ろうということを目的といたしまして、国土庁を含む六省庁で昭和五十八年度から二カ年の予定で実施しているところでございます。
昨年度は地域整備の基本的な方向、また都市基盤施設の整備のあり方、あるいは交通体系、産業振興、森林保全等について基本方針を検討したところでございます。五十九年度は、前年度の調査結果を踏まえまして、当地域の総合的な地域整備計画について検討してまいりたいと考えておるところでございます。
また、この調査の活用の仕方についてでございますが、この調査は関西国際空港の立地に伴い、必要となる関連公共施設の整備について検討いたしますとともに、長期的あるいは広域的な観点から、関西国際空港あるいは近畿自動車道等の大規模なプロジェクトが設置されるのに伴いまして、これらを有効に生かした地域整備について検討しているところでございまして、これらの調査結果につきましては、今後本地域の整備に関する計画を策定し、あるいは推進するに当たりまして国と地方公共団体との十分な協議、調整を図ることになると思うわけでございますが、それに当たりまして、有効に活用してまいりたいという考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/155
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156・正木良明
○正木委員 これは運輸省ですが、この三点セットの中で地域整備の問題については、具体的な案というものはまだ地元に提示されてないわけですね、非常に抽象的な総括的なものは提示されているけれども。この地域の各地方自治体はそれぞれに計画を策定しているわけでございますけれども、これはこれらのそれぞれの計画を生かしながらも、やはり国の地域整備計画というものの調整をしていかなければならぬだろうと思うわけでありますが、この地域の総合的な整備発展のための計画の提出時期、また、地域の都市計画の調整について運輸省はどのように考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/156
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157・山本長
○山本(長)政府委員 地域整備の問題につきましては、いわゆる三点セットの中で示しましたものにつきましては、具体性、詳細性に欠けているという御指摘があることについては私たち十分承知をいたしております。この問題につきましては、運輸省の守備範囲でない部分が多うございますし、運輸省としてなかなかまとめ切れないというところもございまして、運輸省の考え方として提出した三点セットの中に盛り込んだものでございます。
そこで、この関西国際空港の計画も政府部内で理解が得られる段階になり、関係閣僚会議が開催されるという段階に昨年の五月になったわけでございます。ことしの二月に開催されました閣僚会議におきまして、この地域整備の考え方につきましては、「空港のアクセスとして根幹となる交通施設については、国が地方公共団体等の協力を得て計画面の調整を行い、国を含む関係の機関及び地方公共団体等が相互に協力して整備を行う」、また「空港の立地に伴い必要となる関連公共施設に関する計画の策定及び推進については、今後、国と地方公共団体との間で協議・調整を図っていく」こういう基本的な考え方が了承されたのでございます。私たちといたしましては、この基。本的な考え方に基づきまして関係機関の間で協議、調整を図りつつ計画の具体化を図ってまいりたい、また、これについて運輸省の守備範囲でないものが相当ございますので、運輸省としてこの面について関係省庁に努力をお願いするというような努力をいたしたいと考えております。
ただ、先生のお尋ねの具体的なスケジュールの問題でございますけれども、この地域整備の中で、特に地域と関連の深い、一口に言えば都市づくりという問題につきましては、地域の創意工夫というものがそこに生かされ、地域の中からの発意が源泉になって、そこで新しい町づくりというものが行われるのが一番自然ないい形ではないかと考えておる次第でございます。それが一つの都市計画との調整ということにもなるのではないかと思いますけれども、そういった計画につきまして、これは地方公共団体レベルでの調整もございましょうけれども、また国の調整もございましょうけれども、その調整を図りながら、国としてはできる限りこれについて協力、支援をしていくというふうな考え方で進めていくべきものではないかと考えております。
具体的なスケジュールにつきましては、個々の計画につきまして緊要度、熟度等を勘案の上必要な措置がとられていく、また具体化がされていくと考えておる次第でございますけれども、運輸省といたしましては関係省庁に対しまして積極的に働きかけてまいる考えでございます。また関係閣僚会議の場におきましても、この計画の具体化が円滑に進められるよう運輸省として十分に努力をしてまいりたい、そういう考え方でおるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/157
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158・正木良明
○正木委員 これは三点セットの中で、どれが重要でどれが重要でないというのがありませんけれども、地元の関心は何といっても地域整備いかんにかかっているわけでございますから、その点は運輸省がリーダーシップをとって、あなた方の守備範囲以外のものについても地元の考え方、要望というものが実現できるようによろしくお願いしたいと思うのです。同時に、これは要望でございますが、そういうハードの施設等の問題だけではなくて、そのほかに雇用の問題であるとか地場産業の問題であるとか教育の問題、健康の問題等のソフト面というものがあるわけで、これも総合的に関係各省に計画の中で配慮していただけるようによろしくお願いしたいと思います。これは要望ですから答弁は結構です。
そこで、立体交差事業というのがあるわけですね。これは地元の市町村がこれに地元負担を出さなければいかぬわけでございますが、特にこの連絡橋がつくであろうと思われているのが泉佐野市という市でございますが、ここは財政力が非常に弱い市でございまして、ここで行われる立体交差事業というものに対して少なくとも約七%、多ければ一〇%ぐらいの地元負担をしなければならない。これに対して、全部国でやってくれとは言わぬ、地元も負担してもよろしいけれども、一時的にはどうしても金を出すことができない。要するに財政負担にたえられない。したがって、恐らくこれで固定資産税、半分になっておりますけれども、幾らか入ってくるわけだから、将来返す見込みがあるからこれを起債の対象にしてもらえないかということを言っているのですが、自治省と大蔵省と、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/158
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159・遠藤安彦
○遠藤説明員 お答えを申し上げます。
立体交差事業に対する地方団体の負担問題でございますが、地方団体が施行する分につきましては、いわゆる都市計画事業として施行する立体交差事業があるわけでございますが、これにつきましては一般公共事業債の起債対象として財源措置をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/159
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160・谷口米生
○谷口説明員 ただいま自治省さんからも御答弁ございましたけれども、都市計画事業の一般公共事業で補助採択されました地方負担、いわゆる裏負担の部分につきましては適債性ありという考え方でございます。したがいまして、地方団体の方からしかるべき起債要望等がございましたら、自治省さんとも協議をいたしまして検討してまいりたい、かように思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/160
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161・正木良明
○正木委員 空港が来なければこんな財政負担は要らぬのですよ、自治体としては。だから、それは特別に配慮をしてやってもらいたいということをお願いをしているわけです。本当を言えば、国で全部金を持ってくれというのが通常の要求なんだけれども、そんなこと言ったって国に金がないからとても出し切れないだろうから、しかし借金ぐらいはちゃんとやらしてくれ、こういう要望ですから、これは聞いてやってもらいたいと思うのです。
それから、先ほども御質問がございましたが、新しい会社の人事、これはどうも新聞紙上では虚実取りまぜていろいろな説が流されておりまして、これは会社の役員人事等を決めるために、例えばこの会社の設立準備の委員会みたいなものはつくるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/161
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162・山本長
○山本(長)政府委員 法律の附則に規定されておるのでございますけれども、設立委員というものが運輸大臣から任命されまして、その設立委員が設立のための準備作業を行う、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/162
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163・正木良明
○正木委員 その構成はどういうふうにするのですか。大体考えられていることを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/163
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164・山本長
○山本(長)政府委員 まだこの法案がこういう御審議の状態の段階でございますので、私たちといたしましてはこの設立委員の人選のための事務作業というものの具体的な詰めまでいっていない状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/164
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165・正木良明
○正木委員 だって附則に書いてあるのでしょう。この法律案に賛成するか反対するかということで審議しているのだから。そうすると、余りこの法律案は早く成立しない方がいいということですか。まだ具体的に準備も何もしていないというのだから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/165
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166・山本長
○山本(長)政府委員 従来この特殊会社の設立されました経緯なども調べておるところでございますが、その場合ほぼ、ほぼといいますか、全くと言ってもいい同じような手続がとられておるわけでございます。今回のこの法案と同じような手続がとられているわけでございます。その際に設立委員として任命されました方々は、関係の省庁の事務次官クラスというものが入っておられます。それから地方公共団体からの出資がある企業につきましては、地方公共団体の代表者が入っておられます。それからやはり民間からの出資がある企業につきましては、民間からの代表者が入っておられます。それから公団等につきましては、民間出資がないものにつきましても、民間といいますか、民間団体の長といいましょうか、資金供給者というふうな意味での代表者という方々が入っておられます。
こういった前例がございますけれども、先ほど申し上げましたように、私たちまだ詰め切ってはおりませんけれども、国の関係機関のどこどこにするかはともかくといたしまして、関係機関の事務次官クラス及び地方公共団体の代表者、単数とは限らないと思いますけれども、代表者、それから民間からの有識者、代表者といったもので構成するのが適当ではないかな、事務的な考え方でございますが、そんな考え方を持っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/166
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167・正木良明
○正木委員 割合は、千二百億の八、二、二ですね。その割合で出てきますか。要するに官と自治体と民間と……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/167
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168・山本長
○山本(長)政府委員 大臣にもまだ御相談しておらないことでございますけれども、必ずしもその設立委員の数が出資の比率に応ずる必然性はないものと思っております。先ほどちょっと前例のことを申し上げましたけれども、前例においてもそういう必然性というものを持たせていないように見受けられるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/168
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169・正木良明
○正木委員 私はその比率で出せということを言っているわけじゃないのですよ。そういう比率にこだわらない方がいいということですから、あなたの今の答弁の方がいいと思います。聞き方によれば、もうその比率で出せというふうにとられてはいかぬから、念のため申し上げておきます。
やはりここで恐らく役員が選考されるだろうというふうに思うのですが、それが恐らく大臣のところへ来ると認可されるかどうかということが決まるわけなのでありますが、もう巷間個人の名前が出ておるのですよ。私はここで個人の名前は言いませんけれども、もう関西の新聞社なんというのはそれをスクープするのに一生懸命になっておる。元運輸事務次官の名前が一番有力な形で出ておる。元航空会社の社長の名前が出ておる。いずれにせよ、日向さんが、新聞で拝見いたしますと、そんなのは一番銭を出した国から出すのは当たり前だなんというようなとんでもない話をしておりますけれども、これはどうしても民間活力を導入して新しい第三セクターで新しい空港の株式会社をつくっていこうというわけですから、やはりどうしても民間活力を生かしていくためには、僕は民間出身の人がいいんじゃないか。そして効率的に能率的にこの運営をやっていかなければ、これはもうどうにもならないだろうと思うのです。
採算性についても、非常に希望的な観測ばかりの数字がはじかれておりますけれども、これは必ずしも絶対もうかる会社とは言いがたい点がいろいろあるわけですから、よほど効率的な運営をしていかなければならぬ。そのためにはやはり民間からの起用というのが一番大事だと思うし、でき得れば、でき得ればというよりも一〇〇%やはり地元の事情ということにも明るい人でなければならないだろうというふうに私は考えておるわけでございます。これはここでだれにするんだというようなことを議論したって出てくる話ではないでありましょうから、私はそれはあえてお伺いはいたしませんけれども、こういう点についてよほど配慮をしていただくということが必要だ、このように思うわけです。恐らく運輸大臣のところへは、自薦他薦、さばき切れないくらい大変だろうと思うのですが、私の今言ったことを御理解いただけるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/169
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170・細田吉藏
○細田国務大臣 この会社は、午前中からいろいろ御答弁申し上げておりますように、初めての試みと言っていいような会社でございますので、この経営者の最高責任者というものは当を得ておらなければやっていけない、こういうことだと思います。そういった意味で、特にまた関西地方というところに立地し、いろいろ地元との関係があるわけでございますから、地元との関係を最重要な問題の一つとして、条件の一つとして考えていかなければならぬことではなかろうかというふうには考えております。まだ実際の具体的な人選については何ら相談もいたしておりませんし、進めておらないという実情でございます。
いずれにしましても、いろいろ御質問の中にありましたような点は十分配意をしなければならぬと思っております。ただ、私どもがこの方が最善だなと思って持っていっても、場合によっては断られるかもしらぬ。これはそう簡単なことじゃありません。非常に難しい問題がたくさん控えておりますから、そういう点も考えながら、決まりましたら——余り持って回ったような大事になったら大変だと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/170
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171・正木良明
○正木委員 それはそうかもしれませんよ。大体なりたいやつにはろくな者がありませんで、そんなことを言うとおれも議員にしてくれと頼みに回った方ですが、いずれにせよ、この法律案の十五条には「国及び地方公共団体の配慮」というものがございまして、「国及び地方公共団体は、会社の事業の円滑かつ効率的な遂行を図るため、適当と認める人的及び技術的援助について必要な配慮を加えるものとする。」というふうになっているわけです。これは読み方によっては、だから天下りを認めた法律だというふうに考える人もあるだろうと思うけれども、私はむしろ反対であって、会社の事業が円滑に効率的に運んでいくためには、人的な配慮、技術的な配慮というものについてはむしろ経験豊富な民間人を起用する方がいいというふうなことをここで言っているんだというふうに考えておるわけなんです。これは見解が違うかもわかりません。違うかもわかりませんが、こういう点については非常に国民が注目をしているということであります。そういう点よろしくお願いを申し上げたいと思います。
もう余り時間がありませんので、最後の質問というか意見になりますが、私、調べてみましたけれども、空港ができたから地元が繁栄した例というのは余り世界にありませんな。私の地元では、空港ができたら明くる日から金の雨が降ってくるような話をする人があるけれども、私は排気ガスが降ってくるだけの話だと思っているのです。それに反して、鉄道の駅ができると付近は繁栄するわ。今度関西新空港ができたからといって、空港がぽつんとできただけじゃ恐らくどうしようもないだろうと思うのです。この空港は無公審の空港だなんと言うけれども、無公審の空港が存在するなんというのは考えられないことで、地元は何らかの影響は受けるわけです。そうすると、それに関連して、地域整備がどれだけ充実されてくるかということが地元の地場産業にとっても地元の住民の福祉の向上にとっても重要な問題になってくるわけなのであります。したがって、運輸省の仕事は空港さえつくればいい、建設省は道さえつくればいい、国鉄は電車を動かせばいいということだけではなくて、それに総合された形で、南大阪地域がこの空港によってより繁栄できるような措置というものは十二分に配慮していただかなければならないと思うのです。そういう点が大きな意味を持っているわけでありますから、その意味を壊さないように特別な配慮を運輸大臣を中心として各大臣にお願いを申し上げたいと思うわけであります。
大阪で万国博が開かれたときに、どんどん公共投資が入りましたから、確かにあれで大阪の北部というのは非常によくなったんだけれども、向こうで全国から技術者、労務者が集められて、にわかに労務者の賃金が上がってしまいまして、むしろマイナスの効果を受けた建設業者は地元に山ほどあるのです。だから、万博以上の賃金をもらわなければおれは仕事に行かぬぞという職人が山ほどふえたわけですよ。今度の場合、こういうことが起こる可能性は、こういう形でストレートに起こるかどうかわかりませんが、何らかの形でマイナス効果もあわせて出てくるだろうと思うのですから、それを相殺し、なおかつプラスの効果があらわれるようにするためにはよほどの配慮をしていただかなければならないだろうというふうに考えているわけでございます。
そういう意味で、関西空港が国の責任において、全額国の出資で行われることが望ましいことであろうと思いますけれども、そんなことを言っていればいつになったらできるかわからぬということでありますから、やむを得ず私たちも第三セクター方式というものを認めるにやぶさかではありませんけれども、どうかそういう点で、おくれおくれている、日本でだった一つの二十四時間開港のこの新国際空港を立派なものにしてもらえるように、しかもともに地元も共存共栄という形で、プラスの効果が出るようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/171
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172・福家俊一
○福家委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後二時十八分休憩
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午後三時五十四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/172
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173・鹿野道彦
○鹿野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。中村正雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/173
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174・中村正雄
○中村(正雄)委員 長い間懸案でありました関西国際空港が事業主体の設立という一つの案件で着工の運びに至ったということは、地元の関係者の一人としては御同慶にたえないと思います。ただ、空港は、飛行場をつくるというだけでなくして、飛行場と、これに関連いたしまする連絡の問題、地域の整備の度、これが一体となって完成しなければ、飛行場の用はなさないわけでございます。飛行場については、事業主体の今度の法案で一応規模その他は決まっておりますけれども、アクセスの問題や地域整備の問題は大綱さえまだ決まっておらない、見通しもついておらない、こういう状態でございます。諸般の情勢から今の段階においてはやむを得ないと思いますけれども、しかし、開港までにはすべての問題が解決をし、完成しなければ、飛行場の効果は発揮できないわけでございますから、それまでにはぜひとも解決を願いたいということをまずもって要望しておきたいと思います。
私の質問いたしますことは、主として政治的な質問が多いと思いますので、大臣からひとつ、特に御答弁をお願いいたしたいと思います。
この法案を見てまいりましても、飛行場の建設、飛行場がオープンする時期は六十八年三月、こうなっております。言いかえれば、九年先でございます。こういう計画はおくれることはあっても早くなることは、大体今までの経験からないわけでございますから、したがって、少なくとも飛行場ができ、オープンされることは大体十年後と、一つの目安を置いて考えても間違いないと思います。そうしますると、過去十年間の航空に関しまする情勢の変化、それから、これから十年後におきまする航空事情の変化というものは、恐らく過去十年の変化、進歩よりも数倍する変化、進歩があると思います。したがって、今の計画でそのまま対応できるかどうかということは非常に疑問だと思います。しかも、それぞれ数字を挙げて事務当局は説明されておると思いますけれども、今から予見できる情勢を基礎にして考えられておると思いますけれども、私は、今後十年間、技術の進歩等から考えて予見できないような急激な進歩を考えなければいけないと思います。
そういう意味から、第一に質問いたしたいと思います点は、飛行場の建設を一応事業主体である、法案の特殊法人によって施工さすということが一つの内容になっておりますが、したがって、私は、飛行場が建設される、オープンされますまでの十カ年間ということを限度にして質問いたしたいと思います。オープン後の情勢についていろいろと収益がどう、利用がどうと議論してみても私はナンセンスだと思いますので、飛行場の建設が完成するまでの十年間、こういう一つの時点で質問いたしたいと思いますし、また、今まで同僚議員がそれぞれ質問されておりますので、できるだけ重複を避けて質問いたしたいと思います。
第一の大臣に質問いたしたい点は、一応一兆円規模によります飛行場の建設、こうなっておりますが、そして本年度は出資金も含めまして百七十一億という予算が盛られておりますが、一応完成までの年度計画の資金計画はどうなっておるのか。これは関係閣僚会議等ですべておやりになっていると思いますが、その点の見通しについて大臣から最初にお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/174
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175・細田吉藏
○細田国務大臣 中村先生のお話の十年という話は、私どもそのままちょうだいするわけにはまいらない、何としても大変おくれておりますので、六十七年度末までには是が非でも完成させたい、こういう気構え、つもりでおるわけでございます。この点だけはとりあえず申し上げておきますが、年次別にどうするかという点につきましては、今数字的に航空局長からお答えさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/175
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176・山本長
○山本(長)政府委員 総額一兆円の第一期計画の年度別の工事費あるいは財源手当てというものについては、我々持っておりますが、非常に細かい数字でございます。六十年度から本格着工、こういう構想でございます。五十九年に事業主体を設立いたしまして、六十年から着工いたしたい、こういうつもりでございますので、六十一年度から。約一千億台の事業規模になってまいりまして、平均いたしまして一千四百億円程度の規模が続きます。一番ピークが年間千七百億円程度の事業規模になるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/176
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177・中村正雄
○中村(正雄)委員 一兆円規模ということで計画されておるわけでありますが、出資金が千二百億となっております。会社で言えば資本金だと思いますが、国が八百億、地方自治体が二百億、民間が二百億、こういうことで、初年度、国は三十四億円出しでことしじゅうに発足さす、こうなっておるわけでございますが、出資金について、国の方であれば一応の目安はつくと思いますが、地方自治体なり民間の出資について、今後千二百億に達するまでの計画はどういうふうになっておるか、わかればお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/177
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178・山本長
○山本(長)政府委員 国以外の出資者についての年度別の出資の割合というものにつきましては、先ほど、私、細かい資料でということで省略いたしましたけれども、年度別の事業規模というものに対応するところの財源措置という形で必要になってくるわけでございます。
全体的な出資の負担につきましては、この法案に盛られております特殊会社構想、それからそれの資金計画について、全体計画につきまして、出資の中心的な役割を果たすであろう自治体、それからその中心的な働きをなすであろう民間の経済界等とも、この構想を固めますまでに協議、調整をいたしたわけでございまして、その全体構想につきまして、地方公共団体それから経済界、協力をして、この会社の事業の実現に向けて協力をいたしましょう、こういうふうな合意、同意を得まして、発足させていただきたい、こういう段階に来たわけでございます。したがいまして、年次別の割り振りというところまでは至っておりませんけれども、全体的な資金計画につきまして、関係者の合意が得られておる、こういう段階というところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/178
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179・中村正雄
○中村(正雄)委員 一兆円規模のこの建設については、千二百億という出資金もそのうちに入っているわけでありますが、したがって、建設が完了するといいますか、オープンするまでには千二百億の資本金は、国であろうと、自治体であろうと、民間であろうと、決められました比率において全部払い込みされる、このように考えていいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/179
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180・山本長
○山本(長)政府委員 私たちといたしまして、現段階ではそういう考え方でございます。
なお、これは会社発足後、いろいろ協議、調整をしていかなければならないと思いますけれども、大筋において、この計画は達成されるというふうに我々は考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/180
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181・中村正雄
○中村(正雄)委員 そうしますと、千二百億の資本金が、完成時においては完全に払い込みが終わらないと、別な資金計画によって、あるいは別な資金面によって飛行場の建設がなされるという場合もあり得るわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/181
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182・山本長
○山本(長)政府委員 私たちといたしまして、相当詳細な検討の上での計画でございますけれども、将来の問題といたしまして、予測ができないような事態の発生、あるいは建設費の面につきましても、あるいはその他予測できないようなものの発生はあり得ないということは言えないと思います。
したがいまして、それによりまして、例えば建設費がふえるというふうな場合における対処の仕方というものは、その時点でまた考えなければならないわけでございますけれども、やはりそういった予測しがたい、これはいい面に働けばいいわけですけれども、憩い面に働く場合におきましては、コストの上昇とか、建設費の上昇とかいうものに対応する会社の措置につきましては、会社がまず第一義的に、十分な、適切な対応をとることが必要でございますけれども、やはりこれを支援をいたしております国、地方公共団体、いわゆる出資者、中でも国は、この資金計画におきましては、三分の二を出資をする、こういう計画でございます。非常に大きな役割を果たしておるわけでございますので、そういった役割に応じまして、我々国としても、その会社の適切な措置というものを支援をしていくという必要があると考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/182
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183・中村正雄
○中村(正雄)委員 私が非常に心配いたします点は、今度の飛行場の建設について、成田の問題の反省等に立ってこういう形態がとられたと思います。したがって、国が直営でやるか、公団方式でやるか、民間の活力、資力等も導入したこのような特殊法人でやるか、いろいろと考え方はありますけれども、今回は民間の活力を導入する、特に地元の協力を要請するという立場から、このような特殊法人の形がとられたと思います。そうなりましても、これから出資するとすれば、この法案によりましても、実際、予定どおり飛行場が運営されるとしても、利益の配当等は十数年後になるわけでございます。言いかえれば、投資することについて民間人にどれだけの利益があるか、直接の利益は薄いわけでございます。そういう関係でもありますし、また地方の自治体にいたしましても、今の財政難のときにこれだけ完全に消化できるかどうか、私はいろいろ疑問もあると思いますので、一応計画としてお聞きいたしたわけでございます。
次に、これに関連いたしまして、先ほども御質問がありましたけれども、この会社ができ上がりますると、建設までは、すべて飛行場の建設に関しては、この会社が当面の当事者となってやっていかなければなりません。しかし、実際飛行場を建設するとなれば、いろいろな問題ができますが、先ほど大臣が答弁されておりましたように、地域の人たちの何らかの機関を設けてそこで協議していきたいというお話がございました。これはもっともだと思いますが、その点について、地域、地域と一般に言われておりますけれども、この飛行場の建設を対象にし、これから飛行場の運営を対象にいたしまする地域というのは、どの範囲をお考えになっておるのか、これは大まかで結構でございますから、大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/183
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184・細田吉藏
○細田国務大臣 特に大阪府、それから兵庫県、和歌山県、この三県の範囲内だと思います。
そして、この点について市町村別に、今具体的にどうということははっきりいたしておりませんが、それはどういうことかというと、いわゆる周辺整備というものをどれだけのものを考えていくかということに関係するわけでございます。一番先に考えなければならぬことは、そのものが出るところ、それから土砂をとるところ、それから今度はそれの通路、アクセスの関係で道路、鉄道、あるいは新設すべき道路、そういったようなもののところはもちろん出てくるわけでございます。それから、今回の空港につきましては、成田やほかの地域にあるような騒音公害とかいうようなものは一応ない建前で計画をされておるわけでございますから、その関係はございませんが、今申し上げたような諸点、それからこれらに関連いたしまして地域のいろいろな整備計画というものが出てまいると思います。これは地方からはかなり大幅な御希望が出るのじゃないでしょうか。これも入れろ、これもやれというような御希望が出るんじゃないでしょうか。
そういうところをどの辺までを取り込んでいくかということについては、それぞれ今度の新しい主体も考えますし、政府としても考えていかなければならぬのじゃないか。無限に広げていくわけにはまいらない、非常に密接な関係のある地域というものを選定してまいらなければならない、こういうことでございますので、ただいまの時点でどこの市とどこの市が入る、どこの町が入るというところまではまいらない。抽象的に申し上げると、今私が申し上げたようにことでおのずから決まってまいるものであると考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/184
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185・中村正雄
○中村(正雄)委員 飛行場ができるとなりますと、これに関連しまする地域は、今おっしゃいました府県以外にも例えば奈良県も京都府も滋賀県もそれぞれ関係するかと思いますが、飛行場を建設するということについて、いろいろな問題の処理等で地域関係の人と協議しなくちゃいけないという地域は、今のところ大まかに考えて大阪、兵庫、和歌山、この三府県と大臣はお考えになっておると了解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/185
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186・細田吉藏
○細田国務大臣 はっきり断言的に申し上げるわけにはいきませんけれども、常識的に考えましても、通常の飛行場建設を考えまして、この三県が主たるものであることには間違いがないと思います。しかし、その他の県からいろいろ問題が出されてまいる可能性が全然ないわけではございません。出てくる可能性があると思います。それをどう取捨するかという問題は考えていかなきゃならぬ問題だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/186
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187・中村正雄
○中村(正雄)委員 次に、地域に関連しての問題でございますが、地方自治体が出資に応ずる、こういうふうになって、一応原案では最終的には二百億、こうなっておりますが、この出資いたしまする地方自治体は府県単位としてお考えになっておるのか、関係市町村まで考えておられるのか、この点大臣からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/187
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188・山本長
○山本(長)政府委員 法律を御承認願えた後で設立委員が任命され、設立準備行為をいたすわけでございます。その中で協議がなされるわけでございますけれども、しかし、その前のいろいろな準備があると思います。
現段階におきまして、先生が御質問なさっておられますように、具体的にどの範囲までである、あるいは自治体の種別と申しますか、どこまでである、あるいはそれを限定的に考えるかどうかということについて決めたものはございません。ただ、考え方といたしまして、出資をしようという意思のある向きについて、この空港の建設あるいは運営につきましては広く理解、協力、支援を求めつつ建設、運営をしていくというのが望ましいと考える次第でございます。したがいまして、今の段階で限定的に考える必要はないのじゃなかろうかと考えております。
ただ、この辺につきましては、先ほど大臣も主たるものは三府県であろうと申されましたけれども、この空港計画自身、十何年進めております中でいろいろな面につきまして協議、調整をその三府県と図ってきたわけでございます。やはり今までの経緯から見ましても、先生の御質問の出資についてどういう考え方で進んでいくのが一番いいのであろうかということにつきましても三府県によく諮りまして、私が申し上げましたような運輸省のそういう意思も伝え、その中で協議をし、合意に沿ったところで進めていくというのがいいのではなかろうかと考えておる次第でございまして、まだ決めたものはございませんが、今のところそんな考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/188
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189・中村正雄
○中村(正雄)委員 もちろんこれから法案の附則にありまする設立委員ですか、会社法で言いまする発起人でございますが、これを運輸大臣が指名をされて、そこで決めると思うわけでありますけれども、年末までに会社が発足する場合は、五十一億円の出資金は納入するわけでしょう。そのうち国は三十四億円一応予算に計上されておりますが、それ以外、地方自治体あるいは民間も何らかの出資をしなければ会社は設立てきないだろうと思います。したがって、もちろん具体的には設立委員会でそれぞれどこの自治体にお願いする、こうなるかもわかりませんけれども、自治体が出資するとなれば自治省の認可が必要だと思います。そういう関係から、一応今の段階で運輸省としてもこの辺の枠で出資を願うという構想がないと設立までに間に合わないのじゃないか。
地元でいろいろと言われておりますのは、一応三府県と政令都市でありまする大阪市、この程度は出資しなくてはいけないのではないか、こういうことは言われておりますが、あるいは衛星都市にまで、関係市町村まで出資となれば非常に問題が起きるのではないかということを懸念いたしておる関係から大臣に特に質問したわけでございますが、これに関連して大臣、何かお考えがあれば御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/189
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190・細田吉藏
○細田国務大臣 出資の計画は、地方公共団体は今年度が八億、来年が十三億というふうにやって、だんだん大きくなっていくわけでございます。そう非常に長期にわたって出資金ということでなくて、できるならば六年間ぐらいで出資をしてもらってというふうに今一応考えておりますが、これは御相談をしなければいかぬわけでございます。
それで、今まで相談をしておりますお相手というのは、今おっしゃったように大阪府、大阪市が一番中心でございます。それに兵庫県と和歌山県をつけ加えておるわけでございますが、主たるお話のお相手をお願いしておるのは大阪府並びに大阪市でございます。これをどのように各府県で割り当てるかというような点、それから府県が、府で持つという場合に、それをさらに市町村まで持たせられるかどうか、町村というのはないのでしょうが、市に持たせるかどうかといったような問題はまだはっきりしておりません。しかし、例えば大阪府について言うならば、大阪府として一応とにかく責任を持とう、こういう話になっておるわけでございます。恐らく初年度は、これから関係の各市にお話をしながら、出させるというような話にはならないのじゃないか。今後、出資金がだんだんふえていく過程において、そういう話が出るとすれば出るかもしれないというふうに率直に言いまして考えておる次第でございます。初めに間に合わないということじゃ困りますので、そういう点は、最初は出資金も少ないわけでございますから、これは大阪府なり大阪市なり、そして和歌山県、兵庫県というようなところで持っていただくという形になるのではなかろうか、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/190
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191・中村正雄
○中村(正雄)委員 そうしますと、最初の出資の地方自治体だけが最後まで出資するのでなくして、その都度、自治体の出資の数はふえる可能性がある、こういうふうに理解していいわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/191
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192・細田吉藏
○細田国務大臣 実は、その辺まで細かく話し合っておるわけではございません。ただ、代表としての、例えば大阪について言えば大阪府とお話し合いをしておるわけでございまして、大阪府のお考えがここでどうなるか。府の金だけじゃなくて、関係の市にも出させた方がいい、大阪市は別ですが、他の政令指定都市以外の市はどうかというような考えがあるとすれば、そういうふうに変化してまいる場合は可能性としてあり得る。どういうふうにするかは、これからの府のお考え方それから県の考え方、それと主体、そして政府というようなものが相談をしてまいる、かようなことになると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/192
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193・中村正雄
○中村(正雄)委員 それに関連いたしまして、これは民間の出資なわけでございますが、見方によれば、出資者が非常に多くなるという見方もあれば、これは資本金でありますから余りもうけにならない、出資はしたくないという見通しもあると思うわけですが、民間の出資について、この法律によりますると一応設立委員会の方で公募するようになっておりますが、民間の出資については大体どういう形で出資されるようにお考えになっておるのか、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/193
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194・細田吉藏
○細田国務大臣 先ほどの御質問の中にちょっとあったかと思いまするけれども、十年はともかくとしまして相当長期にわたって配当がされない、出資をしっ放しということになる性格を持っておるわけでございます。したがいまして、まず常識的に考え得ることは、民間の御出資を願うことはかなりな困難性がある。これまでのいろいろな経済団体との折衝の過程等から考えましてもなかなか容易でない、非常に難しいということは言えると思うのでございます。ところが一部には、いろいろ私どもにも声が入ってくるわけでございますが、いや、これは将来性があるんじゃないか、殊にこういういろいろ附帯業務をすることにいたしたものでございますから、将来性があって、堅実な財産株になるんじゃないかというようなことを考えられる向きもかなり出てきたような話も実は承っておるわけでございます。
そういうことで、余り楽観しちゃいけないわけだと私は思っております。やはり民間の資金を集めるのはかなり困難だ、その困難な中でどうするかということを考えていかなければならないと思っておるわけでございまして、これまでいろいろ折衝しておりました経済団体の皆さん方が中心になってお引き受けをいただかなければならないのじゃないか、このように考えております。これに対して一部の方々が、いや、そういう大きな企業に引き受けさせるのはけしからぬじゃないか、もっと大衆的な投資の対象にすべきじゃないかというような御意見があるいは今後出てくるかもしれません。出てくれば、私どもも大変結構なことだ、かように存じておりますが、どちらかと言えば、やはり難しいと考える方が通常の常識ではなかろうか。でございまするので、経済団体等を中心に御尽力をいただいて、二の割合の出資金を確保していただくように御努力を願わなければならぬのじゃなかろうか、かように存じております。したがって、お答えにならぬかもしれませんが、この株に対する見方、これは非常に影響を持ってくる問題ではなかろうか、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/194
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195・中村正雄
○中村(正雄)委員 いや、この株に対する見方の評価よりも、民間の出資を求めるというときにどのような人が株主になるか。もちろん、全体の資本構成からいけば微々たるものですけれども、やはり民間の活力を導入するということで民間からの資金も導入するわけでありますが、しかし、これをどういう形で民間からの資金を集めるかということは、やはりでき上がった後の飛行場の運営ということについて大きな影響を与えるということを心配するわけなんです。したがって、これはすべて設立委員会で今後おやりになると思いますけれども、申し込みがあっても出資を認めるかどうかという権限は設立委員会にあるわけでございますか、それとも出資したいという民間人であればだれにでも出資してもらうというふうに大臣はお考えになっておるのか、どちらでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/195
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196・細田吉藏
○細田国務大臣 これは設立委員会でいろいろな角度から考えていただかなければならないと思います。出資の希望が幸いにして非常に多いというようになった場合に、何を目当てにして出資をしようとされるかというようなことについてはよほど考えてまいらなければなりませんので、来る者はだれでも拒まないというようなわけにもまいらないんじゃなかろうか。といって、株主がふえるということは、協力していただくという意味では非常に結構なことであるし、大切なことだと思うのですが、何かその裏があるような場合もないことはないと思われるので、そういう場合には相当警戒をしていかなければならないのではないでしょうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/196
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197・中村正雄
○中村(正雄)委員 そうしますと、重ねて確認しておきたいわけですが、民間の出資について引き受けしてもらうかどうかということの権限は設立委員会が持っておる。したがって、こういう人が出資したいと言っても拒否する権限は設立委員会にある、このように理解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/197
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198・細田吉藏
○細田国務大臣 さように御理解いただいて結構でございます。また、その間に政府の考え方でこういうことはどうであるというようなことを言うような場合もあり得るかもしれません。しかしながら、権限としては設立準備委員会の方で持ってもらうということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/198
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199・中村正雄
○中村(正雄)委員 会社の設立に関しまして大体のアウトラインがわかったわけでございます。いずれにいたしましても、国が三分の二に近いものを出資する、あとの三分の一を公共団体と民間から出資願う、こうなっておりますが、公共団体といっても恐らく大阪を中心としての地方自治体だろうと思いますし、民間といいましても恐らくやはり関西を中心の出資にならざるを得ないだろうと思います。そうなりますと、今後の会社の運営というものが、どうしてもやはり地域を無視しては飛行場の建設もできないし、運営もできないだろうと思います。そういうことで、今地元でやかましく言っておりまする適地性の確保といいますか、現地性を尊重してもらいたいという言葉がよく使われておるわけでございますが、そういう立場から、やはり会社である限りにおいては本籍地が必要なわけでございますが、新しくできまするこの会社の本社はどこに置く、このように大臣はお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/199
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200・細田吉藏
○細田国務大臣 これは大阪地区に置くことが常識的であり、普通の考え方であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/200
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201・中村正雄
○中村(正雄)委員 大臣は、予定どおりやる。予定どおりやられましてもこれから十年近く、完成しますのは九年先でございます。したがって、九年か十年の間に完成させなければならないわけでございますが、先ほど言いましたように、今度の飛行場の事業主体は国の国営でなくして、国と地元と民間と、この三者構成によって民間の活力を導入しようということでこういう事業主体の方法がとられたと御説明になっております。言いかえれば、長所ばかりを何とか糾合してよりよいものにしようというお考えでこうできたわけでございます。ところが、今までの公団にいたしましてもその他にいたしましても、国が直営するよりもやはりそれ以外の分野の長所を取り入れた運営がいいということで、いろいろな形態が今日本の国内の企業なりその他にはございますけれども、それぞれの長所を取り上げてよりよき運営をやろうという理想とは裏腹に、短所ばかりが糾合されてうまくいっておらないというのが今までの、国が考えましたこういう形態の実情ではないか。
例えば、その最たる例が日本国有鉄道だと思います。やはり企業性を重視しなければいけないということで、公共企業体という、国の直轄事業から別なものをつくったわけでありますけれども、やはり公共性も企業性もどちらも発揮できずに今の国鉄のような状態になっておる。また、これに似たような会社で日本航空という会社がございます。これは民間の資金も導入してやっておるわけでありますけれども、一般の民間会社に比べ、あれだけの国の保護と利権を与えておっても非常に経営が困難だというのが、日本の国内におきまする企業体の実情ではないか。したがって、私は、この三者構成によりまする今度の新しい事業主体というものがそれぞれの長所を発揮できるような運営にしなければいけない、こういうふうに考えるわけでございます。
したがって、そうなりますと、何といっても企業なり事業主体はやはり人でございます。先ほどもちょっと御質問があって大臣も答えられておりましたけれども、設立委員が、どういう人たちがどうなるか、役所関係は大体見当はつくわけでありますけれども、民間人からどういう人が入ってくるか、そうして設立されました以後の役員にどういう民間人が入るか、そして責任を持って建設をやっていくかということが、今後の、事業主体の運営はもちろんのこと、飛行場を建設するということについても一番大きな問題になると思うわけでございます。本案の内容によりましても、六十七年度末、これが完成の時期か目標でございますから、したがって、そうなりますると、お年寄りを持ってきて、それまで寿命があるかないかわからない、こういう人を持ってきたのではやっていけない。例えば成田を見ましても、今まだ成田は半分しかでき上がっておりませんけれども、今まで公団の総裁が何人がわっておるかということを見てまいりましても、本腰を入れてこの飛行場の建設に取りかかるとしますならば、やはり建設が完了するまでは一人の責任者でやっていけるというような人を選ばなければ、責任逃れになってしまうと私は思うわけでございます。
そういう人選については、今後の問題だと思いますけれども、大店、十分お考えになりまして、本当に民間の活力を導入でき、責任を十分感じられ、そうしてやはり一日分が生命をかけてでも完成さそうというぐらいの適材の人を選んでもらいたいということを、僕は要望しておきたいと思うわけでございます。
次にアクセスの問題でございますが、先ほどからもいろいろと各議員から質問がありましたけれども、私は、やはりこのアクセスの問題につきましても飛行場の規模その他が影響するわけでございまして、例えば今地元の大阪では、前島といいますか出島といいますか、今計画されておりまするこれだけでの飛行場の用地内だけでは、直接飛行機の離発着あるいは飛行場利用についての設備には不足はないと思いますけれども、付随いたしまする関連の企業等を、やはりこの川地内には収容できないと思います。芹、うなりますと、どういたしましてもやはり別な埋立地をつくって関連企業をそこに持ってこなければ私はできないと思います。これが今大阪で府の方が中心になって検討いたしておりまする前島の問題でございますが、これはこの新しくできまする事業主体とは全然無関係なものでございますが、これは大阪府自体が責任を持ってこの問題をやるのかあるいは国と共同してやるのか、こういう点について運輸大臣、何かお考えがあればひとつお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/201
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202・山本長
○山本(長)政府委員 いわゆる前島構想というものにつきまして私たちも聞いておるところでございますが、今の段階では計画の具体化という面ではいま少しという感じのものではないか。今おっしゃいましたように、鳥にするという構想が今度出島というふうなものになるというふうな話も聞いておりますし、そういった意味におきまして、計画と申しますのか、あるいは構想という段階であるのかもしれないという感じを持っておるのでございます。しかしながら、空港機能を維持するための直接の必要な諸施設については空港島で収容するという計画でございますが、先生おっしゃるように、直接ということでなくてもやはり空港の機能を増進させるように役立つようないろいろな企業、あるいはけさほどの議論でもございましたけれども交通のための一つの用地になるという意味におきまして、そういうふうな状態になれば、これはもう空港へのいろいろな支援施設の役割を果たすわけでございます。
そういうふうな意味におきまして、空港とこの前島というものの関係につきましては今のところまだはっきりしない点がありますけれども、やはり非常に相関連をし、空港を支援する機能を持つに至る、そういう地域に相なるであろうというふうに考えておる次第でございます。そういった意味におきまして私たち、いろいろこれは問題もあろうと思いますし、さらに検討もされるのでございましょうけれども、この構想の実現というものについては、運輸省といたしましてどういう点でどうすればいいかということについてはまだよく具体的に詰めておりませんけれども、支援をする、協力をする姿勢でいかなければならないというふうな考えでおるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/202
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203・中村正雄
○中村(正雄)委員 冒頭申し上げましたように、飛行場の問題は大体方向が決まっておりますけれども、連絡の問題や地域整備の問題はまだ決まっておらないわけですが、例えば連絡の問題にいたしましても、今言いましたような前島をつくるかどうかによっては連絡橋のあり方も変わってくると思いますし、また鉄道との連絡も変わってくると思うわけです。したがって、そういうことについてはある程度早急に方針を立てないと地域整備の問題やアクセスの問題が解決できない、こう私は思うわけでございます。飛行場はでき上がったけれども使い物にならない、こういうふうなぐあいにならないとも限らないわけでありますし、特にあの沿岸の地域を見てみましてもほとんどもう住宅地が密集いたしております。したがって、関連の施設をつくると言ってみても、恐らく今の沿岸地域では非箱に困難だと思います。どうしてもやはり海面を埋め立てしなければできないと私は思います。そういう関係からも、この出島の問題、前島の問題をどうするかということは、やはり大阪府だけの計画でなくして、空港全体の計画として早急に方針を決めなければならない問題だと私は考えるわけでございます。
また、これに関連いたしまして先ほど近畿自動車道あるいは湾岸道路の問題等もありましたが、大臣にお尋ねしたいわけでありますけれども、これはそれぞれ運輸省自体でやれる問題でもございません。建設省も関係すれば、国土庁も関係するわけでありますが、今政府につくられておりまする関係閣僚会議、これは中曽根内閣だけでなくして、この飛行場が完成するまで歴代の内閣でこれらの問題の閣僚会議は存続させる、こういう方向でつくられたものだと私は理解するわけでございますが、そのように理解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/203
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204・細田吉藏
○細田国務大臣 関係閣僚協につきましては、中曽根内閣だけでなくて、内閣の継続性といいましょうか、空港ができ上がるまでは少なくとも続けてやるという考えでできたものだと了承しております。
なお、前島計画につきましていろいろ御意見がございましたが、大変ごもっともだと思います。したがって、これらの計画を政府がするわけではございませんが、政府のいろいろな施設また空港の島自体とも非常に密接不可分な関係のあるものでございますから、そう長くこれが構想であるとか何だかよくまとまっていないというわけにはまいらない問題だと思います。いずれにしましても、なるべく早い時期に考え方を固めなければならない、いろいろな計画が立たないという問題になると思いますので、これはそうゆっくりするわけにはまいらない、なるべく早く決まった方がよろしいというふうに思っておりますが、何しろ今日のような、ただいまのような状態なものでございますから、はっきりした御返事ができないことは大変残念でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/204
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205・中村正雄
○中村(正雄)委員 一応今日までは運輸省が中心になって推進してこられたわけでございますが、一応この法案が成立をいたしますると運輸省がつくった計画に従って事業主体が建設に取りかかるわけでございまして、したがってこれからの問題は、アクセスの問題と環境の問題なりあるいは地域整備の問題が一番大きな政治問題になってくると思います。したがって、運輸省というよりも、ほかの省の方の仕事が多くなってくると思います。特に道路の問題につきましては、これから通行人員をどの程度予測いたしておるかわかりませんけれども、今の成田の状況を考えてみましても、例えば先般も韓国の要人が会いに参りまして、ソウルから成田に来るまでの時間よりも成田から都心に来るまでに二倍も三倍も時間がかかった、このように混雑いたしておる状態でございます。したがってやはり一番大事なことは、連絡ということが一番大きな問題になってくるだろう。こうなってまいりますと、やはり建設省、国土庁の仕事になってまいるわけでございますから、そういう点についてはやはり閣僚会議が中心となって進めてまいらなければ所期の目的を達成することはできないと私は思います。
しかし、そういう問題についての推進役はやはり運輸省がやらなければならないだろうと思います。一応特殊法人である事業主体ができましても、この事業主体自身が当面の折衝相手として政府と折衝することは無理だと思いますので、やはり運輸省が中心になって政府全体として飛行場の完成のための設備についての努力をしなければならないと考えるわけでございます。したがって私は、こういう計画はおくれることはあっても早くなることはないと今までの経験から申し上げましたけれども、六十七年度末にオープンする、これが一年でも早くオープンできるようにひとつ運輸大臣の努力を要望いたしまして、私の質問を一応終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/205
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206・鹿野道彦
○鹿野委員長代理 辻第一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/206
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207・辻第一
○辻(第)委員 私は、今度の関西国際空港株式会社法案について、この法案が大きな問題を持っている、航空政策や国民生活への影響、公共事業のあり方でも新しい問題を引き起こすものであるというふうに考えるものであります。空港整備法の中で国が設置、管理するという第一種空港を民間の資本を入れた株式会社方式で設置をし管理をする、世界で初めての方式をとるということであります。臨調路線の公共事業第一号であります。本来国が直接責任を持たなければならない国際空港の設置、運営を大規模の営利追求を前提とする特殊会社に任せることを意味する内容であります。このような国際空港を設置し管理する場合には、だれの手で、どのように建設をし、どのように運営するのかという問題が極めて重大な問題であります。関西新空港の構想が打ち出されてから既に十五年の年月が経過し、この間地元大阪府民の皆さんを初め関係者でこの問題がいろいろと検討されてまいりました。さらにわが党も国会の場で二十数回にわたってこの問題を取り上げ、国民の望む空港を国民の手で民主的につくり出すために取り組んできたところでございます。
さて、地元住民、関係者の合意や納得が極めて大切なこと、それがなければ計画も建設もあり得ないということは言うまでもないと思います。そこで、まず関西国際空港株式会社は、立地など本計画について地元住民、関係者との合意の手続は、航空法での手続などを含めてどのように行われるのか、御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/207
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208・山本長
○山本(長)政府委員 会社が設立されましで、その前の準備がございますけれども、そういった法的手続に入っていくわけでございます。こういった法的手続に入る前に、この空港計画について地域社会の理解と協力を得る必要があるという観点から、これは先生も御存じだと思いますが、運輸省は過去長きにわたりまして空港計画あるいはアセスメント案等を地元にお示しし、地元説明会も私たち運輸省が出かけていきましたものだけでも二十六回というふうな回数に上っておりますし、またその基礎資料になりました各般の調査資料を公開するというふうなことも行い、また地元からこれを府県が集約をされましていろいろな疑問点を出されましたが、これに対する文書による質疑応答というものを行うというふうな形で意見交換を進めてきたわけでございます。
お尋ねの手続につきましては、さらになお若干の準備が必要でございますけれども、この法的な面について申し上げますと、まず公有水面埋立法によりましてこの埋め立ての免許をこの事業主体が得なければ埋立事業が開始できないということでございますので、この埋立法におきましては、埋立実施権者が知事に埋め立ての出願を行う必要がございます。知事がその申請書を告示、縦覧をいたしまして、さらに地元市町村長等の意見を徴し、知事が主務大臣に認可を申請し、主務大臣が環境保全上の観点からする環境庁長官の意見を求めた上でこの申請を認可し、それを受けて知事が埋め立ての免許を行う、こういう手続になるのでございます。
航空法の手続につきましては、この会社が空港の計画を固めまして運輸大臣に対して飛行場の設置の許可を申請をいたします。運輸大臣が申請があった旨並びに所定の事項を告示をいたしまして、現地においてそれを掲示をいたし、公聴会を開き、利害関係者に意見を述べる機会を与えなければならぬことになっております。そして審査の上設置の許可をし、その旨を告示をする、そしてそれを現地に掲示をするという手続になっていくわけでございます。こういった利害関係者の意見提出、聴取ということを通じまして地元の意見の反映がなされていく、こういうふうに考えておるものでございます。しかし、こういった法的手続というものは一つの手続でございまして、これも重要でございますけれども、常日ごろの理解、協力を得ていく努力というものがそれにも増して必要だろうというふうに私たちは考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/208
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209・辻第一
○辻(第)委員 地元関係者の十分な合意がいかに重要かということを重ねて強調する次第でございます。
次に、大臣にお尋ねしたいのですが、本年四月、ある新聞のインタビューで、ある民間航空会社の社長が、航空会社は安全がすべてです、安全は私のほかパイロットから整備に至るまで一万人の職員の責任です、私は社長になって毎日安全を神に祈るような気持ちです、こういうふうに言っておられるわけです。航空の安全は、航空会社はもとより管制官や航空関係者の最優先の課題であり願いであると思います。航空行政の最高責任者であります大臣も航空会社の社長さん以上に安全を重視しておられると思いますが、いかがでしょうか。航空の最大の課題、第一の問題が安全性の確保だと考えますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/209
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210・細田吉藏
○細田国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、私は、大臣に就任いたしました際にも、単に航空に限らず運輸の関係で一番大事なものは何だといったら安全の問題だ、ところが安全の問題は往々にして当たり前のこととして忘れられがちである、こういうふうなことを申し上げたのでございます。一たび安全が破壊されますと大騒ぎになる、そのくせに平素は余りこれに注意をされない、こういう弊害があります。そういう点から、特に航空については、事故が起こった場合の損害というのは陸上の場合に比べて比較にならないほど重大な結果をもたらすものでございますから、おっしゃるとおり、何をさておいても安全第一ということだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/210
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211・辻第一
○辻(第)委員 その安全の確保に関して、空港株式会社の業務と国の管制業務の関連でお尋ねをいたしたいと思います。
国の管制業務は安全を確保することが最優先いたします。ところが、空港株式会社は、株式会社としての営業方針、営業政策からいえば、できるだけ多くの飛行機の発着をと考えるわけであります。ここには矛盾としてあらわれてくるわけでございます。成田の場合でも、公団の行うランプコントロールが管制官の意向を無視したために飛行機の出発が大幅におくれたなどの問題点も生じております。国際空港の安全性、公共性の問題と空港会社の営業政策との矛盾は避けがたいものがある、このように考えます。安全性を確保する上で重要なことは余裕を持たせることだ、このように現場の管制宮の皆さんが言っているのです。この余裕を持たせるということは、会社側の人たちの目から見ますと非効率というふうに映る場合があると思います。
本来、公共機能、そして利潤機能、こういうものに分けられると思うのですが、公共機能も利潤の対象にすることの矛盾、本来公共財として担保しなければならない基礎施設を株式会社として利潤の対象にする、このことの矛盾が出てくるということだと思うわけでございます。国際空港の安全性、公共性という面からも、株式会社で運営するのは問題があると言わざるを得ないことであります。これまでどおり国営でやることが安全性、公共性を守り切れると考えるのですが、大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/211
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212・山本長
○山本(長)政府委員 空港の建設、管理という事業は極めて公共性の高い事業でございます。もちろん安全性の確保というものにつきましては、これは何をさておいても最優先に考えなければならない事業であるというふうに考えます。
この会社は、会社の事業運営の効率化あるいは民間資金を導入する、効率的な経営を行うというふうな目的を実現するという見地から株式会社方式をとっておるわけでございますけれども、しかしながら、これは特殊会社たる株式会社でございます。空港事業というものの特性がございますので、政府のこれに対する助成等の特例措置を講じますとともに、その公共性の事業というものを確保するために所要の監督措置を講じております。また空港の管理、運営については運輸大臣が定める基本計画に沿ってやらなければならないというふうなことをも担保いたしております。また必要な運輸大臣からの監督命令も出すというふうな制度をとっておるのでございます。そういった意味におきまして、民間活力をこの会社の中に入れていくとかあるいは効率的経営というふうなものを実現させつつも、先生のおっしゃられる安全性というものを最優先に考えた公共的な事業運営というものがなされるようにするために、会社ではございますけれども、特殊会社という形をとっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/212
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213・辻第一
○辻(第)委員 第一次航空審答申以来、運輸省は空整法に基づき国営または準国営の公団方式でこの新空港計画案を進めてきました。それが昨年の夏に、空港本体は公団方式とし、附帯施設については特殊会社とする方式に後退をし、さらに総理の意向で全面的に事業主体を株式会社方式とし、思い切った規制緩和による民間主導の公共事業実施第一号と位置づけられたものであります。民間活力導入の名のもとに、本来の国の責任を捨てて、大企業の営利追求を前提とする特殊会社に任せるものであります。国際空港としての特別の性格と使命、すなわち安全性を含め公共性、環境保全、地域整備、そして世界の人々が利用する利便性よりも、効率性という名で大企業の意向を優先させる考え方で事業主体を株式会社方式に決めたと言わざるを得ない内容ではないか、このように考えるものであります。私は、国が責任を持って国営また国営に準ずる方法でなければならぬと強調するものであります。
次に、法案の第十一条で、当初要綱に入っておりました一〇%から一二%の数字が削られて、この株式会社の利益配当制限をただ政令で定める必要な金額としたのはなぜなのか、また政府はその政令で定める必要な金額をどの程度と考えておられるのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/213
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214・山本長
○山本(長)政府委員 法案が閣議決定される以前の過程におきまして、先生御質問の利益配当の特例に関する、現在の十一条になっておるわけでございますけれども、年百分の十以上百分の十二以下の範囲内で政令で定める割合というふうに規定をしていた案があったことは事実でございますけれども、これにつきましては、将来の長きにわたる期間における事情の変化というものに対応するためには、こういった数字でもって法律で書くということよりは、むしろ時代の変化に対応し得る規定の書き方の方が適切なのではないか、いま少し慎重な検討をしてはどうかというふうな御指摘があったのでございまして、しかしこれは、利益の配当というものを適正な範囲内にとどめるべきである、こういう思想については同じ思想なのでございます。こういった趣旨に沿いまして、十、十二というふうな数字が、現在のお手元に行っております法案のごとく、「企業一般の配当の動向その他の経済事情及び会社の行う事業の公共性を考慮して政令で定める割合」というふうになったわけでございます。前の十、十二の場合も、十、十二の範囲内で政令で定める割合ということでございまして、定量的な規定の仕方を、定性的と申しますか、それでもってその思想の背景になっているものを規定化した、こういうことでございます。
この政令については、利益の発生が見込まれるその段階までには決めなければいけませんが、その段階における企業の配当の動向、経済情勢等をも勘案して割合を定めていくというふうにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/214
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215・辻第一
○辻(第)委員 成田の公団法、港湾法、日航法などで、役員は認可条件とされております。役員の欠格条項が設けられ、兼業禁止や受注企業など利害関係人の役員禁止をしてあります。ところが、この法案の第十六条では、会社の代表取締役の選定及び解職並びに監査役の選任及び解任の運輸大臣の認可だけで、役員の選任について国の認可条件を外してあります。その理由はなぜでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/215
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216・山本長
○山本(長)政府委員 この会社につきましては、役員についての政府の監督という点につきましては、総会でもって選任されました取締役のうち代表取締役の選出につきましては運輸大臣の認可を受けなければならない、それから監査役につきましても同様になっておるのでございます。
一方、公団の例でございますと、一番ヘッドの理事長なり総裁なりを大臣が任命をいたしまして、理事につきましてはその総裁が任命するものをさらに認可をする、こういう形をとっております。日本航空などにおきましても、これは総会で選出されることについては同じでございますけれども、役員については大臣が認可をする。代表だけではなくて、認可をするということになっております。
この代表権を持つ方というのが会社のヘッドでございまして、この方の経営能力、経営手腕というものが極めて重要なものでございます。その経営手腕、経営能力というものの中には、やはり適材を適所に配置をいたし、そして事業を適切に運営するということも含まれるわけでございます。この適材を適所に配置して事業を運営する、この代表取締役の非常に重要な仕事というものについて、その代表取締役だけではなく、さらにその人をチェックするという必要はない。むしろそれは十分に力を振るっていただくべきである。しかしながら大事なところの最後の監督権というものについては運輸大臣が持っておるわけでございますから、そこでもって担保ができるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/216
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217・辻第一
○辻(第)委員 時間が短いので十分討議することができないんですが、今役員の問題、その前には利益配当制限の問題がありました。さらに利便施設の問題でも認可条件から外れているということがあります。このほか税制の問題、準備金、融資、債務、後記、このような問題でも大臣が投資意欲をそそる会社と言っておられるように大企業の利益を守る措置がとられているというふうに私どもは考えるわけであります。
次に、羽田空港の沖合展開について、総事業費五千億円の予定で既に五十九年一月に着工に入っていますが、この羽田の事業も株式会社方式でやられるつもりなのかどうか、簡明にお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/217
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218・山本長
○山本(長)政府委員 簡明にと申されますので。これは現在のところ今後の問題については決めておりません。検討事項であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/218
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219・辻第一
○辻(第)委員 次に、日本プロジェクト産業協議会、いわゆるJAPICの斎藤英四郎会長は、機関誌「JAPIC」ナンバー2、昨年の十一月の発行でありますが、そこで次のように語っております。「今世紀申に、一〜二兆円規模のプロジェクトを十件は緒につかせたいというのが念願なんです。年平均一兆円としても、鉄鋼業界だけでこれまで年間一兆円規模の設備投資をやってきたわけで、驚くほどのスケールじゃないんですね。」このように言っています。ここで斎藤氏の言っていることは、自分たちの計画を国や地方自治体の計画として取り上げさせ、鉄鋼、建設など大企業の仕事を大いに活発にしようという考え方ではないでしょうか。国民にとって、我が国社会にとって当面必要であるか不要であるか、このような点よりも、鉄鋼や建設などの大企業の企業活動拡大にとって必要であるかどうかを優先させて、それをプロジェクトとして打ち出し、国や地方自治体の事業として押しつけようとする考え方であります。JAPICのプロジェクトとされているテーマには鉄道用地活用や沖合人工島など運輸省と関係深いプロジェクトもあります。
運輸大臣にお伺いをいたしますが、このようなJAPICの考え方を関西新空港計画に取り入れられたのではないか、このように思うのですが、御所見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/219
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220・細田吉藏
○細田国務大臣 そのような計画を取り入れたというようなことはございません。大企業の利益を擁護するために関西空港をつくるんだというようなお説であるとすれば、それは御訂正をいただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/220
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221・辻第一
○辻(第)委員 大臣も企業の投資に魅力ある会社にする、このようにもおっしゃっておるわけであります。民間が研究し、計画をし、立案した巨大プロジェクトを政府や自治体の公共事業として財界主導で実行するというのがJAPICの考え方でありますし、今の関西新空港計画の中にこの考え方が取り入れられていると私どもは考えざるを得ないわけであります。
次に、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律、いわゆる官公需法によれば、新東京国際空港公団を初め七十三特殊法人を政令で指定し、官公需法の対象として中小企業向け発注を増大するよう求めております。中小企業の状態は、もう御存じのように極めて深刻な状態であります。国の政策として中小企業向け官公需をふやすことは現在とりわけ重要な問題であろうかと思います。政府としては国際空港という公共事業である以上、当然官公需法の適用を受けるようにすべきだ、このように考えますが、この点の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/221
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222・山本長
○山本(長)政府委員 この法律の所管及び施行は通産省においてやっておられるところでございますが、この法律によりまして、事業主体指定というふうな制度がございますが、この中におきまして、特殊会社について現在は指定はされていないところでございます。運輸省といたしましては、そういった法律についての適用の問題でございますけれども、これは私たち運輸省だけで答えるわけにはまいりません。むしろ通産省の御意見の方が政府の意思ということでございましょうが、運輸省といたしましては、この会社が事業の契約をし、発注を行っておるということに際しましては、公正競争また公平な取り扱いの確保ということでなければならないと考えております。
また、先生のおっしゃる中小企業の活用という観点からは、事業の規模あるいは技術のレベルというふうな問題もございますけれども、共同請負制の採用だとかそういういろいろな方法もございますが、要するに空港と地域社会が調和を図るといった諸点を勘案しつつ会社を指導していく必要があるのではないかというふうに考えております。法律の適用というよりは、そういった中小企業の参画について配慮をしていくべきだという法律もあるわけでございますから、そういった思想を考慮に入れて会社の運営というものがなされていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/222
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223・辻第一
○辻(第)委員 通産省と話し合って官公需法の適用が受けられるように御努力をいただきたい、中小企業向けの発注を十分やっていただくように御努力をいただきたい、重ねて要望しておきます。
最後に、昭和五十六年五月の運輸省計画案によりますと、第一期から第五期完成までに用地造成一兆一千九百億円、空港施設五千二百億円、連絡橋一千二百億円、合計一兆八千三百億円の建設費見積もり、五十六年度の想定価格ですが、このように示されております。私がおよその数値で試算をしてみますと、この大プロジェクトでは百三十三万トン以上の鋼材、五百三十万トン以上のセメントが使われ、鉄鋼メーカーは千二百億円以上の売り上げ、セメントメーカーは七百四十億円以上の売り上げが見込まれます。売上高営業利益率を一〇%といたしますと、この二業界だけで百九十五億円以上の営業利益が見込まれます。建設業界についても、売上高営業利益率を五%として試算をいたしますと、九百億円以上の営業利益を見込むことができます。鋼材需要の五〇%は建設投資向けであり、新日鉄の会長がJAPICの会長となり、住友金属の副社長がその関西プロジェクト委員長となって活発に動いていらっしゃる理由もそこにあると思うのです。
そこで、問題は、国際空港という公共事業を実施する場合、大企業の営利活動と国民の監視の関係を明確にしなければならない問題だ、このように考えます。さて、この法案では大企業活動に対する有効な規制が見当たらない。国民を納得させる仕組みにはなっていないと思います。国営方式で国民のための国際空港をつくろうとする立場に立ては、大企業にはそれにふさわしい役割を果たさせることができるはずであります。この空港建設でも莫大な利益を上げ、鉄鋼、セメント、建設など大企業等に、負担金とでも協力金とでも、形式はともかく建設資金の一部を負担させることもできるわけであります。資金難を理由に民営化を目指す考え方は国民の理解を得られない問題だ、このように考えます。
最後に大臣、国営方式で大企業の営利活動を民主的に規制する考え方で国際空港をつくられるべきではないか、このように考えるわけですが、御所見を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/223
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224・細田吉藏
○細田国務大臣 大企業から負担金や協力金を取ったらどうかというお話でございますが、これはある意味では非常に危険だと思います。危ない話だと思います。というのは、協力金や負担金を出した分だけ高く買わされればこれは大変なことになるわけでございます。むしろ今、鉄鋼が幾ら、セメントが幾らというお話がございました。間接的に我が国の鉄鋼業なりセメント業にこれが寄与することは事実でございましょうが、これが収益をどういうふうに上げていくか、税金をどう納めておるか、労働者の待遇をどうしておるか、利潤はどの程度であるかということこそが問題なのでありまして、これを取ったりしましたらそういうことに対していろいろ物が言えなくなるということになりますので、賛成いたしかねるのでございます。
例えば、土建業者が直接に寄附金をする、だから私に仕事をくれ、一番端的なものはこういうことになるといたしますと、これは大変危ない話なわけなんでございます。ですから私どもは、むしろできるだけこういうものが安くできるような方向で努力すべきではないでしょうか、このように考えておる次第でございますので、協力金、負担金の話はちょっと御免願いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/224
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225・辻第一
○辻(第)委員 民主的にそういう方向ができる可能性があると私どもは考えております。
これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/225
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226・鹿野道彦
○鹿野委員長代理 関連して、藤田スミ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/226
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227・藤田スミ
○藤田(ス)委員 私は、関西新空港の建設が予定されております大阪泉州を地元とする議員といたしまして、この問題には今日まで一方ならぬ関心を持ってまいりました。国会の場でも機会あるごとに採算性の問題、環境問題、土取り問題、現空港問題、そして、とりわけ地元では関心の深い地域整備の問題などを取り上げて、政府の見解をただしてまいりました。しかし、今日に至るまで何一つ満足のいく回答のないままにこの新空港の建設が、あえてこういう言葉を使いますが、強行されようとしている。私は、そのことは大変遺憾に思わざるを得ないわけであります。
そして、最大の問題は、現空港の公害を解決するのだ、こういってにしきの御旗にされていた現空港問題、伊丹空港問題はもうどこかに行ってしまったような形になっている。大変あいまいにされてしまっている。しかも、未曾有の財政危機の中で、将来大きな赤字を生みかねないこの新空港に一兆円もの大金をつぎ込もうとしている点であります。
あわせて言えば、この新空港をつくる地元には、こうした問題に輪をかける形で地元負担の問題があります。二百億円の出資、三百億円の無利子融資相当の低利融資。しかし、これだけで地元負担がとどまるということになるでしょうか。空港ができれば必然的に多くの公共事業が必要になってまいります。既に地元でも、鉄道の立体化の問題、もうここにも地元負担の問題が現実の問題として出てきています。水道の布設の問題、アクセス道路をつくるのだといっても、これにつながる生活道路の整備の問題、こうなってまいりますと、もう大変深刻な地元負担の問題が出てくるわけであります。
しかし、政府はこうした問題については特別の措置はとらないというふうに言ってこられました。私は、これでは環境問題も含めて地元はもう二重三重の被害をこうむる乙とになるのではないかというふうに考えますが、この点大臣の御見解をお伺いをしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/227
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228・細田吉藏
○細田国務大臣 お答え申し上げます。
今御質問の中に、現在の関西空港の公害問題はどこかへ行ってしまったのではないかというようなお話がございましたが、この間、御案内のように第四次、第五次訴訟につきまして強制和解の勧告が出ました。これをいち早く政府としてはのんで補償金の支払いその他をやったわけでございます。なお、ひっかかっております一万数千人を相手の調停の問題につきましても、今解決をしようということで調停委員会の場を用いまして解決の方に進んでおるわけでございまして、ほかの公害訴訟などと違って非常に進捗しておるというふうにお褒めをいただかなければならぬのじゃないだろうかな、かように思っておる次第でございます。
それから、財政危機の中で関西空港をつくるのがどうかという基本的な問題になりますと、お考え方の相違という以外はございません。私どもは、一般には関西空港をつくれ、つくるべし、つくらなければならないというのが国民の大多数の方々、特に関西地域の方々のコンセンサスであるというふうに理解しておりますが、もし、いや、そうすべきでないのだ、財政も助かるじゃないかというお話が大多数の皆さん方の御意見であれば、これは非常に楽になるわけでございますが、そういうことではないように私どもは受け取っております。私どもは間違っておるかどうか、新聞にも関西空港をつくるべきでない、やめるべしという御意見は余り見ないように思うのでございますけれども、大体根本的な点につきまして私はそういう考え方を持っております。
それからおっしゃっている中で、住民の生活に直接結びつくようないろいろなことをやらないじゃないか、こういうような点、アクセスの問題や関係施設の整備をやらないじゃないかという御批判につきましては、これはちょうだいすることはできます。これにつきましては、もちろんこういう問題について十分な配慮をいたさなければならない、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/228
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229・藤田スミ
○藤田(ス)委員 現空港の和解の問題は、あれは被害を受けた人たちに対する補償の問題でして、今日ただいまでも被害を受けているわけです。そのことだけははっきり申し上げておきたいと思います。国史の声、世論調査をいたしましたら、必ずしも地元ではそうなっていないという点ではぜひ御勉強をいただきたい、このことを二つ目に申し上げます。そして、地域整備の問題ですが、これからというのが大変問題なわけであります。
もう一つお伺いをいたします。成田のときにはかさ上げ法などの措置がございました。十分とは言いませんが、少なくともこういう法案が出るときに抱き合わせで出てまいりました。しかし今度のこの法案提出によって、そういう担保は全くございません。地元は、これから一体どこまでも地元負担がふえていくのだろうかという点を大変心配しているわけであります。どうでしょうか大臣、地元負担の問題、もう一度明快にお答えをいただいて、次に進みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/229
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230・山本長
○山本(長)政府委員 いわゆる地域の整備の問題というのは非常に多岐にわたりますが、地域が都市化されていくことに伴っていろいろな道路あるいは公園等々が必要になってきます。空港が設置されればそれが加速される、こういうふうなことに伴う地域整備の問題が関西国際空港を取りまく地域整備として議論されておるというふうに理解をいたしております。これにつきまして財政上の新しい特別措置というものを講ずべきであるという要望があることは承知をいたしておるところでございます。しかしながら、現在の財政事情から見まして新しい特例措置を講ずるということは極めて困難な情勢下にあるというふうに理解をいたしております。
現在の近畿圏の近郊におきましても、都市化が促進されることに伴う財政上の負担というものに対しまして、首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律という一種のかさ上げ法がございます。近畿圏基本整備計画に取り入れられていく項目についてはこういったものについての特例措置があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/230
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231・藤田スミ
○藤田(ス)委員 結局、考えていないということじゃないですか。財政難を理由にしてそういうものは特別に考えられない、こういうことであります。
さらにもう一つ、地元出身の議員として私がどうしても我慢がならないのは土取りの問題であります。
今度のこの縮小された計画でも約一億五千万立米、そういう土砂が必要とされているわけなんですが、大変海と出とに恵まれた美しい泉州の山々が大企業のもうけの舞台として荒らされていこうとしていることに私は大変大きな怒りを覚えております。しかもこの土取りの問題も再三私は国会の場で取り上げてきました。しかし、結局土取り地は明らかにされなかったわけであります。もちろんアセスメントもされておりません。この新空港の建設が決定された後から幾らアセスメントをするんだと言っても、これは本当のアセスメントの意味をなさないわけでして、アセスメントだ、私はそういうふうに言いたいわけです。
そこで私は、この土取り問題についてこれから幾つか聞いていきたいわけですが、この土取りについては長期間いろいろな調査が行なわれてきました。そしてその過程でこうした調査が国民には一切伏せられているにもかかわらず、我々国会議員にも言ってもらえないにもかかわらず、財界の方には筒抜けになっているではないか、こうしたことを我が党は参議院でも沓脱タケ子前参議院議員が指摘いたしました。まさに土取りが利権の対象になっている、こういうことを指摘してまいりました。
お尋ねをいたしますが、ようやくこの土取りに関する調査も最終段階に来ていると思います。五十八年度予算で行われた土砂採取、それから運搬施工計画調査、この調査の目的をお伺いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/231
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232・小坂英治
○小坂説明員 お答えいたします。
五十八年度実施した土砂採取・運搬施工計画調査の内容ということでございますが、本調査は、大阪府南部から和歌山県北部にかけての丘陵地を調査対象地域として土取り地選定のための基礎資料を得るため、五十八年から実施している調査の一環として実施したものでございます。埋立土砂を経済的かつ安定的に確保する方策を検討するための基礎資料を得るため、調査対象地区内の数地区を対象に複数の採取土量を与件としまして、土砂の採取及び運搬工事の実施状況を想定し、地形・地質条件に適合しました施工機械の選定、工事費等について技術的に検討したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/232
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233・藤田スミ
○藤田(ス)委員 わかりました。それでいいですよ。よくわかりました。安定的に土砂が採取できるか、そしてその経済性ということでしたからわかったわけです。
そういうことになりますと、もう最終段階に来ていると思うわけですが、この土砂採取・運搬施工計画調査は当然土取り地及びそこでの採取量を想定して行われていると思うわけです。その土取り地の採取量の想定の中身をお伺いをしたいと思います。できるだけ簡単に御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/233
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234・小坂英治
○小坂説明員 今回の計画で滑走路一本及びそれに付随する施設でもってつくります第一期計画でございますが、それに要します土砂量は約一億五千万立米でございます。その土砂をこの地域で確保しようということで、その基礎的なデータを得るための調査をやっているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/234
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235・藤田スミ
○藤田(ス)委員 それは五カ所で、そしてそれぞれ五千万立米、一億立米、その二通りでやっている、こういうことはもう新聞でも報道されていることですが、確認をしたいのです。あわせて、どこにそれを請け負わせたかということを御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/235
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236・小坂英治
○小坂説明員 この調査をやっております和泉葛城山系、この中で土砂を大量に取りますということは、技術的に大変難しいものがございます。防災面にも気をつけなくてはいけませんし、環境面にも気をつけなくてはいけません。したがって、この地域でどのくらい取れるかというのは、それぞれ場所によって違うわけでございます。したがって、先ほど要件を二つつけてと申しましたけれども、そういう固定した格好でこの箇所から何億立米取れるとか、そういう格好で決めつけないで、どのくらい取れるかということを複数ケースで答えを求めようとしているものでございます。
それから、この調査をどこに請け負わせたかという御質問でございましたけれども、今答えを持っておりますけれども、残念ながら私どもの関係につきまして、接近大変困ったこともございましたので、資料はお渡ししますけれども、特にここでお答えすることは避けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/236
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237・藤田スミ
○藤田(ス)委員 それじゃ、こっちから言いますから。
大阪科学技術センター、この間焼き討ちに遭ったところですが、ここが発行しております五十八年十二月の「新空港レビュー」、この中にその場所は、和歌山市加太地区は鹿島建設、大阪府岬町多奈川地区は熊谷組、そして阪南町箱作地区は大林組、泉南市金熊寺・楠畑地区は青木建設、和歌山県岩出町地区は大成建設、こうなっておりますが、間違っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/237
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238・小坂英治
○小坂説明員 資料を先生にお渡しするつもりでございましたけれども、先生の方から言われましたので、加太については鹿島、岬町は熊谷、阪南は大林、泉南市は青木建設、岩出町は大成建設、これらの建設会社が請け負って調査をしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/238
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239・藤田スミ
○藤田(ス)委員 私はこの問題で大きな疑問を感じているわけなんです。
一つの疑問は、これまでコンサルタントに依頼していたものをもろに建設業者にやらせているという点なんですが、もちろんそういうふうに言えば、こういう中身の調査はコンサルタントでは無理なのでというような御答弁があるかもしれません。しかし、何も一カ所一社で、すなわち五カ所だから五社でというような、そういう必要がどこにあるのかな。こういうやり方になりますと、土砂の単価計算でも積算でも、ばらつきが出てまいります。そして、ほとんどデスクワークであるこの調査は、何も五社に振り割ってする必然性というのは全くないと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/239
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240・小坂英治
○小坂説明員 この泉州沖の大規模な埋め立て、この工事につきましては、海上の大水深の地区での埋め立てという大きな難しさと、それから大量の土砂を短期間で得なくてはいけない、この大きな二つの問題があります。
その中で後で言いました、この地区で大量の土砂を短期間に安定的に得るという技術問題、これは環境も含めまして、安全も含めましての問題でございますけれども、大変に難しい問題であり、この空港建設の工事費に対して非常に大きな意味を持ってまいります。そのために私どもは、単にコンサルタントにさっと計算をやってもらうというよりも、実際に大規模な土砂を山から取り出したことの経験のある、実績のある会社を選びまして、その会社に対して、これは二十一社ございましたけれども競争をさせたわけでございます。それぞれ各社、得意な面があろうかと思いますが、十分に勉強させまして、その出た結果をもちましてどこに決まるかというのは、今度会社ができてから会社が決めることになりますけれども、その単価がどうのこうのというごとではなくて、その各社から出た技術をそれぞれ集約しまして、新たに会社のもとで集約して、すべてのまとめた形のものでやっていきたい。それによって我が国の一番すぐれた技術というものが取り出せるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/240
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241・藤田スミ
○藤田(ス)委員 余り説得力があるとは思えませんよ。だけれども私の疑問に思うのは、この五社は、青木建設を除けば、建設業界の売り上げのベストファイブにランクされているところばかりがずらっと並んでいるわけです。しかも、こうした請負会社の選定は、土地の所有の絡み、こういう問題もあるんじゃないでしょうか。
例えば阪南町の場合です。南海電鉄が土取りの予定地と思われるところに二百六十ヘクタールの土地を持っております。ここの調査を請け負ったのは、先ほど御確認をいただきましたが大林組であります。大林組というのは南海電鉄と同じ三和グループ関西新空港連絡会に所属する。こういう点を見ても私は、この土砂採取・運搬施工計画調査には大変強い疑念を感ぜざるを得ないわけですが、いかがでしょうか。
簡単にお願いしますね。時間がなくなってきているから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/241
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242・小坂英治
○小坂説明員 お答えします。
この請け負った五社のうちの四社、これが大規模な建設業者だとおっしゃいましたけれども、これだけの規模の調査ができる会社というのはそれなりの実績を持っているということからも、大規模な会社に限られる、結果的にそうなっているわけでございます。
それから、すべて競争入札をしておりますので、意識的にどうこう、どこを選んだというようなことはやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/242
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243・藤田スミ
○藤田(ス)委員 まあ、おたくの立場からしたらそういうふうに言わんならんやろなというふうに思います。
先ほどの大阪・岬町のもう一つの点なんですが、大阪・岬町の調査は熊谷組がやった。そのこともまた確認をしていただいたわけですが、この熊谷組がそのために作成をいたしました資料がここに一部ございます。これを見ていただけますか。(藤田(ス)委員、資料を示す)ローマ字でKUMAGAIGUMIと書いた、わかりますか。これは確かに運輸省から熊谷組が受注した調査だと思いますが、どうなんでしょう。
時間がありませんので早う答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/243
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244・小坂英治
○小坂説明員 今ここに出ました資料、「岬町地域整備構想」というふうに一つは書いてございます。住友グループというのがありますが、これは私どもとは関係ございません。(藤田(ス)委員「それと違いますよ」と呼ぶ)それから、「区域の概要」ということで表がございますが、これは私どもの調査の中身を書いているものかどうか、ここでは定かにわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/244
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245・藤田スミ
○藤田(ス)委員 定かにわからないということですが、そうじゃないという否定はされておられません。先ほど五千万立米、一億立米ということで調査が複数で進められている、こういうことも確認をいたしました。その五千万立米、これが上の乙区の概要の表であります。その下に、「参考一億立米」の表がここに書いてあります。そしてここの岬町の場合は、具体的に言いましたら、百七十一・五ヘクタールの掘削で一億六百三十万立米の土砂採取が可能だとしているわけです。これは外に全く出ていない数字なんですが、驚くべきことに、もう一つ、「岬町地域整備構想」という資料を今渡しましたね。この資料は住友グループがつくったものであります。この中に同じ数字が出てまいります。
この岬町では、昨年の春からことしの初めにかけて各企業グループが競って岬町の地域整備構想を発表するという、ほかの地域では見られない大変異常な事態が起きてきているわけです。昨年十一月には住友グループが岬町にこれを出しました。年が明けて一月には第一勧銀グループが「岬サンシティー建設構想」、二月には三菱グループが「岬町丘陵部開発整備構想」、東急グループが「豊かな未来を開く“みさき”プラン」、こういうふうに次々と打ち出してきて、町に売り込みにかかってきているわけです。そのトップを切って昨年の十一月に出されましたのが、住友グループの今お示しをしておりますこの「岬町地域整備構想」なんです。
ここをあけていただきますとはっきりいたしますが、この小さな手書きの数字を見てください。表としてありますね。ここには「土地利用面積表」として、「道路」「先端産業地」「リサイクル農業地」「住宅地」それぞれ区割りをしまして、合計百七十一ヘクタール、こういうふうにあるわけです。その下の文字を見ますと、「この面積は土取範囲に限定したもので」、こういうふうに、土取り範囲に限定したということも書いております。これはまさにさっき否定されなかったこの熊谷組の調査に出てくる掘削面積百七十一・五ヘクタールという数字とぴったり合ってくるわけです。同じ数字になってきております。これは昨年の十一月ですね。十一月といえば、先ほどの御答弁でもその前から各社に調査をさせていたということですが、ちょうどその調査が始まったころ、時を同じくしてこの数字がいち早く熊谷組からこの地域整備構想をつくった住友グループに流された、こういうふうに考えても決して勝手な判断というふうには私思いません。そしてまたまさに、熊谷組というのは住友グループがつくる住友関西新空港協議会の一員でもあるわけであります。
大臣、私たち共産党は、これまで国民には全く非公開のものが大企業に筒抜けになっているという事実をたびたび具体なものを取り上げて指摘をしてまいりました。にもかかわらず、極めて利権の絡みやすいこの土取り問題が最終段階になっているにもかかわらず、その体質は全く改まっておりません。まさに、調査を請け負った熊谷組がその資料を横流しにして、そして所属する住友グループと一体になって岬町を土取り地にせよと運動しているということではないでしょうか。大臣はどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/245
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246・細田吉藏
○細田国務大臣 今のお話を聞いただけでは、そして資料を見ただけでは何とも言えませんけれども、とにかく関西空港というようなものができるというので、これは金もうけの場だというので一生懸命あっちこっちでやり始めておる、大変不愉快なことでございます。しかしながら、仕事をする方の側から言えば一生懸命やっておるのだろうと思うのでございまして、我々としては結局高い仕事をやらせては何にもならない、こういうことでございまして、選んだのも入札をして選んでおるということなんですから、これは間違いがないようにしなければいかぬと思っております。資料が漏れたのか、あるいはどういうふうに流したのかというようなことについては、調べてみないと何とも言えません。しかし、こういう動きがいろいろ言われることは、私どもは十分戒心を要することである、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/246
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247・小坂英治
○小坂説明員 今先生がおっしゃった中で一つ気になったところがございます。私どもがこの調査を発注しましたのは五十八年の末でございます。それに対しまして、岬町の地域整備構想、住友グループが勉強したという資料も日付がここにありますけれども、五十八年の十一月になっております。したがいまして、こういう資料が出ているということで、これを熊谷組が、発注したところが土取りの切り方ということで利用したということは考えられますが、時間的にも私どもが調査を発注しましたそのものが漏れてこういう報告になったものとはとても考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/247
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248・藤田スミ
○藤田(ス)委員 それは私、きっとそう言いはるやろなと初めからちゃんと思っていたのです。だから、この調査の契約を結ばれるときに、これは確かに結ばれた時期は十二月ですよ。だけれども、先ほど御自身がみずから言われたじゃありませんか。仕様書をつくって入札をして、その時間的な経緯をこうずっとさかのぼっていけば、これはもう駆け込みでこういうふうな作業が行われたということははっきりしているのです。先ほど言いました阪南町では大林組と南海が、これは三和グループに所属をしています。岬町の熊谷組と整備構想を出した住友グループ、これは住友関西新空港協議会というものに所属をしています。まさに一体になって運動をしているということは明らかであります。こういうふうな利権争いの対象になっている。私はこんな形で新空港の建設が強行されていくということに改めて強い怒りを感ぜざるを得ないわけであります。金もうけの場とする。仕事をすることは大変いいことだ、こんな御答弁はとんでもないわけでして、私の地元ではもうみんなこういう問題について大きな疑念を持っています、新空港を予定されている泉州地元の皆さんに、大臣、もう一度最後に御答弁をいただいて、私は終わりたいと思います。納得のいくように御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/248
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249・細田吉藏
○細田国務大臣 先ほどもお答えいたしましたが、いろいろな動きがある、変な動きは全く遺憾でございます。あるというようなうわさも私どもも聞かないわけではございません。しかし、これは厳正にやるということだと思っております。
それから、地元の皆さんがこれを挙げて反対なすっておるというのはちょっといただけないのでございますが、さらに調査してもよろしいのですけれども、私どもへ見えまするのはみんな一日も早くつくってくれという陳情ばかり、府県知事、市町村長あるいは議会の皆さん、野党の議会の皆さんもおいでになって、やってくれというようなお話に承っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/249
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250・藤田スミ
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/250
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251・鹿野道彦
○鹿野委員長代理 次回は、来る十七日午前十一時十五分理事会、午前十一時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時五十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103830X00419840413/251
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