1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年四月二十七日(金曜日)
午前十一時四分開議
出席委員
運輸委員会
委員長 福家 俊一君
理事 鹿野 道彦君 理事 久間 章生君
理事 浜野 剛君 理事 三塚 博君
理事 小林 恒人君 理事 吉原 米治君
理事 近江巳記夫粛 理事 中村 正雄君
小山 長規君 佐藤 文生君
田中 直紀君 近岡理一郎君
中馬 弘毅君 中山 正暉君
林 大幹君 増岡 博之君
若林 正俊君 兒玉 末男君
左近 正男君 関山 信之君
田並 胤明君 高塚 三大君
森田 景一君 梅田 勝君
辻 第一君
地方行政委員会
委員長 大石 千八君
理事 臼井日出男碧 理事 小澤 潔君
理事 西田 司君 理事 小川 省吾君
平林 鴻三君 古屋 亨君
細谷 治嘉君 安田 修三君
山下八洲夫君 岡本 富夫君
藤原哲太郎君
建設委員会
委員長 浜田 幸一君
理事 中島 衛君 理事 井上 泉君
理事 木間 章君 理事 新井 彬之君
理事 小沢 貞孝君
金子原二郎君 唐沢俊二郎君
國場 幸昌君 野中 広務君
東 力君 松野 幸泰君
上野 建一君 関 晴正君
竹内 猛君 前川 旦君
山中 末治君
環境委員会
委員長 竹内 黎一君
理事 國場 幸昌君 理事 畑 英次郎君
理事 福島 譲二君 理事 岩垂寿喜男君
理事 中村 茂君 理事 春田 重昭君
理事 中井 洽君
金子原二郎君 中村正三郎君
和田 貞夫君 藤田 スミ君
交通安全対策特別委員会
委員長 坂井 弘一君
理事 浜野 剛君 理事 竹内 猛君
理事 木内 良明君
臼井日出男君 太田 誠一君
林 大幹君 関山 信之君
辻 第一君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 細田 吉藏君
建 設 大 臣 水野 清君
自 治 大 臣 田川 誠一君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 上田 稔君
出席政府委員
環境庁企画調整
局長 正田 泰央君
環境庁大気保全
局長 林部 弘君
環境庁水質保全
局長 佐竹 五六君
運輸省鉄道監督
局長 永光 洋一君
運輸省航空局長 山本 長君
建設省計画局長 台 健君
建設省河川局長 井上 章平君
自治大臣官房審
議官 田井 順之君
自治大臣官房審
議官 津田 正君
自治大臣官房審
議官 吉住 俊彦君
委員外の出席者
警察庁交通局交
通規制課長 矢部 昭治君
運輸省航空飛
行場部長 松村 義弘君
建設省道路次
長 梶原 拓君
特別委員会第一
調査室長 長崎 寛君
運輸委員会調査
室長 荻生 敬一君
建設委員会調査
室長 升本 達夫君
環境委員会調査
室長 綿貫 敏行君
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本日の会議に付した案件
関西国際空港株式会社法案(内閣提出第三五号
)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/0
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001・福家俊一
○福家委員長 これより運輸委員会地方行政委員会建設委員会環境委員会交通安全対策特別委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
内閣提出、関西国際空港株式会社法案を議題といたします。
関西国際空港株式会社法案
〔本号末尾に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/1
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002・福家俊一
○福家委員長 本案についての趣旨の説明は、お手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田貞夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/2
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003・和田貞夫
○和田(貞)委員 けさの読売新聞の朝刊に、環境庁が十年がかりで運輸省に対して空港の騒音防止の要請をやってまいったが、一応基準を達成しておるのが釧路と熊本だけであって、特に羽田、大阪、福岡についてはいまだに基準に達成しておらない、防音装置も遅々として進んでおらない、こういうことでございますが、羽田、大阪、福岡のこの三空港についての騒音防止の施策、大体いつぐらいの時期までに達成されようとしておるのか、ひとつお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/3
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004・松村義弘
○松村説明員 お尋ねの大阪国際空港、福岡空港、名古屋空港の民家防音工事の達成状況でございますけれども、鋭意民家防音工事を進めまして、六十年度中には達成させたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/4
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005・和田貞夫
○和田(貞)委員 ひとつ、できるだけ早く達成するように努力してもらいたいと思います。
空港というのは、それほど公害のない空港ということは考えられないわけでございまして、空港の周辺の住民にとっては非常に大変なものであります。四十九年の八月十三日に航空審議会から大阪空港の問題に係る答申がされておるわけでございますが、いわば現在の大阪国際空港というのは、表現を変えますと、扇風機が非常に古くなった、そこで新しく関西国際空港というクーラーにかえてはどうだということでなかろうかと思うのです。
そこで、今回法案が提案され、第一期工事の内容が明らかにされておるわけでございますが、約十年の間、地元の自治体やあるいは住民団体との間にいろいろと紆余曲折があり、意見が取り入れられた部分あるいは取り入れられておらない部分があるわけでございますが、今のその大阪国際空港という扇風機を関西国際空港というクーラー、しかも三基を買いかえなさいというのが答申の内容であると思うのです。しかし、扇風機がクーラーということになり、しかもクーラーが三基備えつけられるということになりますと、ただ空港を利用する人たちだけが涼しい目を受けるのではなくて、その周辺の多くの住民もそのクーラーの恩恵が受けられるような施策が必要だというのが、いわゆる地域社会との共存共栄ということをあなた方はうたわれておるわけでございますが、地元自治体がやかましく、国の責任で空港の本体もつくりそして国の責任で地域整備も十分にやってほしいと言う内容であろうと思うのです。
しかも、クーラーが備えつけられるということになりますと、中は涼しいわけでありますけれども、外気がかえって熱くなりますし、あるいはモーターの音がやかましくなるというようなこと、空港の設置に伴うところの多岐にわたる公害問題が生じてくるので、これを何とか住民が安心できるような対策を講じるべきである、こういうように私は言いかえて表現しておるわけでございますが、まず第一点としてお伺い申し上げたいのは、空港整備法によりましても、第一種空港である限りにおきましては国が責任を持ち、国自体が事業主体となってこれを実施していくということになるのが本来の姿でございますが。中曽根行革のあおりといいますか、その路線の中で、今回株式会社方式で空港の建設に取りかかるということが提案されておるわけでございますが、そこで私たちが危惧する点を申し上げたいわけであります。
株式会社構想を立てて、事業主体が特殊法人といえども株式会社ということになりますと、その事業主体によって今後事業が進められる中で、かつて運輸省が地元に提示されました三点セットの中での特に環境影響評価案なるもの、これからそれぞれ工事が進展する過程の中でその調査の追跡をやってもらって、そしてその実施段階においてその都度その都度の環境影響評価の作業を進めてもらわなければならぬということを地元の自治体も言っておるわけでございますが、この株式会社でそのことが責任を持ってやってもらえるのかどうかということをまず第一点としてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/5
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006・細田吉藏
○細田国務大臣 お答えいたします。
環境対策は非常に重要な問題でございまして、この新空港自体ができ上がりますと、今の大阪空港の状況等にもかんがみまして、環境上の問題は最も少ない、そういうことで航空審議会から答申もいただき、計画も進めるものでございます。
もっとも、建設の途中では随分といろいろな環境問題が起こってまいる。また、そうは申しましても、でき上がった後も環境の問題はいろいろあることと思います。そこで、御案内のように株式会社方式にいたしたのでございまするので、第一次的には会社が責任を持つということになるわけでございますけれども、この会社は三分の二を政府が出資をしております。またいろんな点で政府がこれを援助をしておる、普通の株式会社ではない、いわば公団に準ずると言っては少し言い過ぎかもしれませんが、そのような、政府が面倒を特別に見る会社という姿になっておるわけでございます。
これまでの環境影響評価、いろいろ関係の地方公共団体あるいは地元の皆さん方と相談しながらやってまいったわけでございますが、これはもちろん国がやってまいったわけでございまして、これの実施の段階における最終的な責任はやはり国が負わなければならない、私はかように思っております。第一種空港であるということもその理由であります。形式的、第一次的には関西空港株式会社が持つ、これはできれば会社の段階で済ませてもらえれば一番ありがたいし、またそういう指導をいたしたい。しかしながら、最終的には国がやはりこの問題については責任を持たなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/6
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007・和田貞夫
○和田(貞)委員 当面の責任は会社であるが、最終的な責任は国が持つというように受けとめていいですね。
そこで、これに関連して、大阪府が構想しております前島構想、それから空港本体に連結するところの連絡橋、あるいは埋め立てのためのいわゆる土砂取り、その土砂の運搬、これらにつきましては、まだ環境影響評価の作業ができておらないわけでありますが、これは一体どうされるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/7
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008・山本長
○山本(長)政府委員 関西国際空港計画につきましては、この空港の整備に伴って生ずるであろう環境への影響といたしまして、騒音でございますとか大気、水質、海域生物といったものについてアセスメントをやったわけでございますが、計画アセスメントと申しておりますが、実施アセスメントはまた実施段階でやる計画でございます。
その中で、先生おっしゃいましたように、土取りに伴うもの、それから連絡橋に伴うものについてはアセスメントをやっておらないという状況です。アセスメントというものはやはり計画を前提といたしましてそれの環境に与える影響というものを評価をしていくものでございますから、この土取りの問題、連絡橋の問題、いずれもこれは地元と非常に深いかかわり合いのある問題でございますし、また地域のいろいろな問題と非常に絡み合うものでございますし、この問題は慎重にやらなければいかぬということで、その計画自身については大きな問題として残されておるわけでございます。早急に決めていかなければならぬわけでございますが、そういう意味で、具体的な計画について詰まり切っていないということは事実でございます。会社ができ上がりまして、私たちの調査検討のあれを会社に引き継ぎまして、会社が具体案を考えていく、計画を立てていくわけでございますけれども、その計画の実施に伴う環境への影響、いわゆるアセスメントというものは会社において実施をしていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。運輸省といたしましても、そえいう考え方で会社に対して対処をいたしたいと考えておる次第でございます。
もう一つ、前島の問題でございますが、前島の問題は、先生御郷里でございましてこれもよく御存じだと思いますが、大阪府におきましていろいろな調査をやられておる段階でございまして、これもまた計画自身として詰まり切ったという段階ではないように理解をいたしております。しかし、いろいろな調査をやられております。この前島自身の建設につきましては府がおやりになるというふうに伺っておりますので、したがってその計画に即してアセスメントをやはり実施していただかなければならぬ、そういう意味において府がおやりになる必要があるのではなかろうかというふうに考えております。ただ、我々といたしましても、そういう段階におきましてこれについて十分協力をしてまいる必要があろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/8
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009・和田貞夫
○和田(貞)委員 ひとつ、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
建設省に来てもらっておりますが、国道二十六号線のバイパスとして、第二阪和道路が阪和自動車道までつないでおるわけです。ところが、それから以降は旧国道二十六号線しかない。その国道二十六号線というのは、幅員も非常に狭いわけでありまして、地元の泉南郡阪南町、泉南郡岬町の全く生活道路になっておるのです。現在もレジャー等で日曜日あるいは祭日、休日にその道路を利用するときには、地元のお米屋さんやあるいは燃料屋さんが商売することもできぬというような状況であるわけです。そのままに放置いたしますと、空港の建設過程において、あるいは空港の完成後において、今のような状態の道路が、さらに和歌山側の方から空港に向かって用件を満たす車がふえてくるということになりますとどうにもこうにもならないわけでありまして、道路公害という域を超えた状態になることが予想されるし、今もそのような状態であるわけです。これと関連して第二阪和道路というものをやはり岬町まで延長してもらわなければどうにもならぬという状況であるわけですが、この点について建設省の方、ひとつお考えを述べてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/9
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010・梶原拓
○梶原説明員 御指摘のとおり、第二阪和国道につきましては、大阪府の堺市から阪南町まで三十三キロ、昨年末全線供用したところでございますが、その先につきましては現在調査中でございます。五十三年度から調査をいたしておりますが、五十八年度から路線検討調査に入っておるところでございます。先生御指摘のとおり、関西新空港と密接に関係のあるルートでございますので、今後地元とルートの調整その他交通事情の予測等々詰めまして、さらに事業化について検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/10
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011・和田貞夫
○和田(貞)委員 この点はまた別の場で意見を述べさせてもらいたいと思いますので、時間の関係でこの辺でとめさせてもらいたいと思うのです。
そこで、先ほど大臣の方から最終的には国の責任だということを言われましたが、環境の問題とあわせて、事業主体の工事の問題ですが、やはりどんな工事でも予想以上の工事費がかさむということが考えられるわけですね。そういう場合に、自治体に経費を押しつけて国が食い逃げをするということにはならないかという危惧をするわけなんですが、その場合もやはり国が最終的な責任を持ってしりふきをするのだということを考えておられるかどうかということが一つ。
それから、時間がありませんのであわせて申し上げますが、環境の問題につきましても、やはり工事過程の中で、地元の自治体やあるいは地元の住民が参加する中で、監視体制、監視組織というものを常時つくっていくというようなことが考えられておるかどうか。あるいは、この株式会社の運営、経営について、これまた地元の自治体が何らかの意見を反映できるような措置というものが考えられておるかどうか。あるいは、この会社自体が高級官僚の天下り的な場所になってしまうのじゃなくて、この会社の運営については、やはり役員の選任等については地元に十分理解のある者を役員に送り込もうというような考え方を持っておられるかどうか。あるいは、工事の過程におきまして、大型の工事でございますから大きな建設業者が仕事を独占するということではなくて、地元の建設業者等が何らかの形で工事に参加できるような、そういう現地性を確保するような方策を考えられておるのかどうか、こういうことにつきましてあわせてお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/11
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012・細田吉藏
○細田国務大臣 お答えいたします。
第一点は、工事費が今後ふえたような場合どうするかということなんですが、これは、第一次的には会社の中で相談をしてどう対処するかということですが、ただいまのところその点については実は予想をいたしておりません。かなり物騰も考えた工事費で組んでございます。
しかし、そうなった場合どうするかということなんでございますが、これは、実は公共団体の御協力あるいは民間の御協力もただいまの時点で考えますと予想以上に強いものがございまして、何とも言えない。ですから、御相談しなければいけませんけれども、これまた、最終的には国が完成をしなければならぬということについてはもう間違いがない。ですから、第一次的にはいろいろこの会社が、こういった政府とそれから地方公共団体と、また地方の皆さん方が主として参加なされる民間と御相談ということでございます。しかしながら、政府として完成する責任を持っておる、こうお答えする以外にないと思います。
それから、公害の問題その他についての監視体制の問題。これは何らかの形でつくっていかなければならないと考えております。その目的を十分達成するように何らかの機構をつくる必要があると考えておる次第でございます。
それから人事の問題では、天下りというお話がございましたが、天下りをさせる考えはありません。しかし、航空の専門家というのは主として運輸省におるのでございまして、余り人を出したくはないのですけれども、出さざるを得ないのではないかというふうに思っておるわけでございます。これは、つくる方なら港湾局、運用する方なら航空局、よそには専門家はおりませんので、それは割愛をしなければならぬのじゃないか、天下りという言葉ではなくて、割愛をしなければならぬのではないか、優秀な者を出さなければいかぬのじゃないかと思っておるところなんでございます。そういうふうに御理解をいただきたいのであります。てんで縁もゆかりもない運輸省の者を天下りをさせる、そういう考えは毛頭ございません。航空に縁もゆかりもないような者を天下りという形にやる意思はございません。さように御理解をいただきたいと思います。
なお、地方の問題が大変大切でございますから、地方の方々にいろいろな形でこの会社に参画していただくことはもう当然のことだと考えております。また、工事の面におきましては、地元の中小企業が潤いますように、これは十分考えてまいらなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/12
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013・和田貞夫
○和田(貞)委員 時間が参りましたので終わりますが、採算性を重視する余り、公共性、安全性を軽視することのないように、そして地元のことを考えていただきまして、今申し上げましたように、地域性というものもぜひとも重視をしていただきまして運営をしていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/13
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014・福家俊一
○福家委員長 井上泉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/14
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015・井上泉
○井上(泉)委員 運輸大臣の名演説で時間をとられると、わずか二十五分しかないので、頭のいい運輸大臣、要約した答弁をお願いしたいと思うわけであります。
それで、環境庁の長官、今、和田議員から環境の問題についていろいろ質問されたわけでありますけれども、この連合審査という大事な委員会に環境庁の長官が、要請があるかないかは別としても、どういう問題が提起されるかわからぬのに出席をしていないというのは非常に不思議に、不審に思うわけですけれども、軽視をしておるのじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、委員長、これはどうですか、軽視じゃないですか、環境庁の長官が出席していないということは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/15
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016・福家俊一
○福家委員長 今言っております。今注意をしております。——環境庁長官お呼びしなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/16
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017・井上泉
○井上(泉)委員 大体この航空事業というようなものを株式会社、形はどうあろうとも内容は株式会社であり、そのことは利潤を追求し、そして大口の株主あるいは役員、それらがいわば利益を得るような仕組みに会社が運営されることは当然だと思うわけです。私どもは、関西空港の必要性は認め、そうして関西空港の建設というものについてはどこに決まるだろう、こういうふうに深い関心を持っておったわけですが、その関心にこたえて泉州沖ということになった。泉州沖になったということはいいとしても、これを何で株式会社としてやるのか。公団でやるのと株式会社でやるのとどう違うのか。運輸大臣、その点ひとつ明快にお答え願いたい。——大臣が言わなきゃいかぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/17
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018・福家俊一
○福家委員長 大臣でなければいけません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/18
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019・細田吉藏
○細田国務大臣 簡単に申し上げます。
概算要求の段階で、基本的な施設については公団、附帯的な設備については第三セクターという考え方で一応運輸省は当初はおりました。しかし、その後臨調の答申の方向、民間活力の利用、こういうような見地から、特殊法人である株式会社ということの方が、資金を集める面から、建設の段階それから運営の段階から地元の御協力も得やすい、こういうことがございます。
それから、いろいろ附帯事業などではかなりいい商売になるという面もございまして、このいい商売が、今の空港を直接政府がやっておるところや公団でやっておるところでは他の方に吸い取られておる。これを株式会社としてやることができるならば借金を返すのにも早く返せる、率直なところを}し上げてそういうことで、特殊法人である株式会社、法律による株式会社ということにいたして、公共性はこの条文の中で十分保てるようにいたした、かようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/19
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020・井上泉
○井上(泉)委員 株式会社でやるということについては非常に問題があるし、むしろ国のやるべき仕事をどんどん民間へ移していくというようなやり方というものは間違っておる、私はそういう考え方に立っておるわけでありますが、しかし、この問題を論議しますと二十五分が経過しますので、言わないわけであります。
空港の図面から見ましても、この空港の予定地の周辺、いわゆる海岸線、陸には非常に漁港がたくさんあるわけです。漁港がたくさんあるということと、今日この空港への道路、これについても相当過密な状態にあるわけです。そういうような中で一兆円という空港建設の概算の中に周辺の道路整備とかいうようなものは含まれておるのかどうか、これはひとつその担当者の方で御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/20
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021・山本長
○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。
事業費一兆円というものの中に入っているものといたしましては、空港の島づくり、空港の島の上に上物としてつくります諸施設、それから空港と陸岸とを結びます連絡施設が入っております。
お尋ねの海岸におけるもろもろの道路の整備等々につきましては、一兆円の範囲の外でございます。中には入っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/21
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022・井上泉
○井上(泉)委員 これは漁港があるから漁業組合がたくさんあるわけです。ということは、この大阪湾はかなりな漁場である、こう思うわけです。その漁場がこの空港建設によって機能が非常に損われるわけです。これは環境が汚染をされる、そういうことについての環境調査とかあるいは漁業に対する補償とかいうようなものは検討されておるのかどうか、これからの課題がどうか、その点、簡単にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/22
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023・山本長
○山本(長)政府委員 漁場が消滅するあるいは建設中において漁業が制限されるということに伴う当然の損失補償というものについては、私たちは、この一兆円の中に含めておるわけでございます。先生がおっしゃる漁港をどうする、あるいは漁業の振興策をどうするかということにつきましては、一兆円の外でございます。
補償の問題につきましては、政府におきまして関係各省共通の公共用地に関する補償基準というものがございまして、この中に漁業権あるいは漁業に与える影響について補償する場合の基準というものを統一的に作成し、各省がその基準によって関係者と折衝し、解決をしているというものがございますので、そういった基準にのっとり本件につきましては処理をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
〔福家委員長退席、鹿野委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/23
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024・井上泉
○井上(泉)委員 漁業の問題とかあるいは漁業に及ぼす海の汚染とか、これは環境に関する問題ですが、こういうような問題、今言われたのは運輸省の航空局長ですか、あなたが幾らそんなことをそういうふうに言われても、これはなかなかうまいぐあいにいかぬと私は思うのですよ。やはりそれはそれぞれの所管の省の担当者が積極的に乗り出すことが必要ではないか。つまり環境問題については環境庁、これが精力的にこれに取り組んでやるということが、国策としてこの関西新空港を立派に建設するところの道だと思うわけです。そういう点について、運輸省がやっておるからおれの方は知らないということでは、トラブルが起こってなかなか前へ進まない、かように思うわけなので、その点を指摘をしておくわけであります。
そこで、この関西空港、予想される数字によると、大体一日二十万の人がこれを利用するようなことになるというようなことがPRの図面には載っておるわけです。そこで、そういう人を輸送させるのに海を利用するのがよくはないか。つまり淡路から、淡路の鳴戸大橋もできたわけですから、鳴戸大橋を通って、このままそこから船で空港へ来る、あるいは瀬戸内海の神戸にしても、あるいはまた香川県にしてもあるいは高知県にしても、せっかくつくる空港である以上は、そういう旅客船が接岸のできるような施設を空港内なりあるいは空港の接続する陸地等につくるということは当然考えておると私は思うわけですけれども、その点運輸大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/24
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025・細田吉藏
○細田国務大臣 船によるアクセスは当然考えるべきことだと思っております。そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/25
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026・井上泉
○井上(泉)委員 そこで、船によるそうしたことを考えておられるということですから、それが具体的にどういうふうに出てくるのか、これは私ども推移を見守っていきたいと思うわけですが、本四架橋つまり明石・鳴門あるいは坂出・児島ルート、今それぞれやっておるわけですが、一番関係の深い明石・鳴門、この橋は道路橋であるのかあるいは併用橘であるのか、建設の見込みがあるのかないのか、その点について運輸省としてはどういうふうにこの明石・鳴門の連絡橋を考えておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/26
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027・永光洋一
○永光政府委員 鳴門大橋につきましても、明石大橋につきましても、いずれも基本計画では新幹線規格ということで計画がつくられておりまして、鳴門大橋につきましては一応新幹線規格で通れる基礎的な構造を含みながら建設が完成も間近になっておると聞いております。さらに明石太橋につきましては、これは建設省の方が主管でございますが、現段階においては建設はまだと聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/27
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028・井上泉
○井上(泉)委員 明石・鳴門の大橋については、明確に聞こえなかったのですけれども、道路橋として考えておられるのか、鉄道橋として考えておられるのか、それだけ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/28
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029・永光洋一
○永光政府委員 計画としましては併用橋で現在考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/29
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030・井上泉
○井上(泉)委員 そこで、着工の見込みというのはいつごろをめどにしておいでですか。——あなたは鉄監局長ですか。それは、あなたが着工のめどをいつだとかいうようなことはとてもよう言わぬでしょう。あなたが答えるから、私はあなたに問わなければいかぬようになるわけだ。見通し、あるのですか。
それから、あわせて質問するわけですけれども、併用橋となったらどこから線を引くのか。いつ着工して、どこから新幹線を引き入れるのか。鳴門大橋は併用橋で新幹線を通すという計画になっておるなら、その辺を明確に答えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/30
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031・永光洋一
○永光政府委員 現段階としましては、昭和四十八年の九月に基本計画の工事の指示を行っておりまして、新幹線規格として、神戸垂水区を起点としまして終点を鳴門市とするところの基本計画が決められておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/31
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032・井上泉
○井上(泉)委員 基本計画は決めておっても、その基本計画を実施に移すということは、明石・鳴門大橋の場合はなかなか困難でしょう。これは今の技術だからできないということはない、今の日本の経済力をもってすればできないということはないかもしれぬけれども、私は大変だと思うよ。現在、鳴門大橋が併舟橋で既に完成が近づいておる。そうなると、それと結ぶ鉄道というものは運輸省としては当然考えておると思うわけですが、どういうふうに考えておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/32
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033・永光洋一
○永光政府委員 現実的に考えられますことは、新幹線の基本計画で四国新幹線の計画がございまして、大阪から徳島付近を経、松山を経て大分市付近に至る線というのが計画で決まっております。したがいまして本州から四国に至る道の一環として考えられるということを我々としては事実上想定しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/33
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034・井上泉
○井上(泉)委員 これだけの大きな仕事で、そして将来展望のあることについては、やはり政治的ないわゆる政策の面における決定というものが大事なわけでありまするから、私は、鉄監局長が今まで決めたとおりのことを幾ら言われても、実際これは実現は不可能だと思うわけです。
そこで、運輸に関するベテランの運輸大臣に私はお尋ねするわけですけれども、この鳴門大橋をかける段階においてこれを併用橋にするかどうかというようなときに、淡路と和歌山とを結ぶ紀淡海峡のトンネルということが問題になって、これは非常にいいことじゃないか、新幹線をあの線から通したらどうだというような意見も出たことを私は承知をしておるわけですが、今度のこの関西の新空港の建設と歩調を合わせて、こうしたことについての構想というものは後退さすべきでなしに前進をさすべきだ、こう私は思うわけですけれども、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/34
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035・細田吉藏
○細田国務大臣 今、鉄監局長からお答えしましたのは筋道の議論でございまして、今お尋ねになっておるのは、具体的にじゃどうするかということで、あるいは私がお答えをいたすということよりは、これは建設省の問題にもなろうかと思いますが、私どもの承知しておるところでは、明石海峡についてはおっしゃったように併用橋については相当問題があるのじゃないかというふうに聞いております。そこで、むしろ紀淡海峡の問題については、その技術的な可能性について昭和五十八年度から日本鉄道建設公団において実は調査をいたしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/35
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036・井上泉
○井上(泉)委員 この明石・鳴門の大橋、これは四国ですから、私自身が四国、高知県ですから、この橋の行方については私は非常に関心を持っておるわけなので、児島・坂出の橋が六十二年度に仕上がるということになり、明石・鳴門の方はまだなかなか実際的な工事に入るのもほど遠い、そういう中で、聞くところによれば、この路線は非常に困難である、それから新幹線を通すのにも無理があるというようなことも聞くわけでありますので、今大臣が言われたように五十八年から調査を進めておるということでありまするから、これは勢い結論も出されると思うわけです。
当初一兆円と言いますけれども、この関西の新空港には飛行場だけで一兆円ですから、関連の道路経費とかあるいはまた漁業関係、そういうようなものでいきますと、これはだんだん膨らんで恐らく二兆円近くになりはせぬか、こういうふうに思うわけで、これを効果的に利用するためには、やはり大事ななにでありますから陸路を行けるようになるのが一番いいけれども、それまでの段階としては、先ほど私が指摘いたしました船による交通ということはどうしても考えなければいかぬ。そうなれば勢い港というものが必要になる。港を空港内にやるのか、あるいは空港へ渡る接岸地点につくるのかということに問題が分かれるわけです。この点については当然検討される、こう言っておりましたが、これはかなり確度の高いなにで検討されて進められるのでしょうか。もう一回、これは運輸大臣に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/36
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037・山本長
○山本(長)政府委員 海上アクセスの確保は、先生おっしゃるとおりこれは整備していかなければならぬ問題でございます。空港の中にというか、空港島の中におきましてアクセスのための接岸の施設をつくる計画でございます。具外的には、その位置につきまして波当たりがどうだとか風向きがどうかというふうなことにつきましてなお検討をいたしておるところでございまして、この場所というところまでは決まっておりませんが、空港の島に接岸施設をつくるという計画で進めたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/37
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038・井上泉
○井上(泉)委員 建設省は建設大臣、河川局長、道路局長、計画局長と幹部が出席されておるわけですが、ここで私は、実務的なことでありますので梶原道路局次長にお尋ねします。
運輸省の話の中では、これに関連する道路等については予算を入れてないということでありますが、この国際空港を本当に機動的に活用のできるような、いわゆる渋滞で困るようなことのないようにするためには、概算として道路関係ではどれぐらいの投資をしなければいかぬか、その辺も検討されておると思うので、御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/38
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039・梶原拓
○梶原説明員 先生がおっしゃいました空港に関連いたします道路計画がどこまで及ぶかということもございまして、その関連道路の全体投資規模がどうなるかということは今後空港計画の進展とともに検討させていただきたいと思っておりますが、具体的にただいまお話が出ましたので申し上げますと、最も関連の深い近畿自動車道につきましては、東大阪市から阪南町まで延長約六十キロでございますが、今全線につきまして事業中でございます。ただ、沿線地域にたくさんの埋蔵文化財がございまして、その調査にかなり手間取っております。そういう状況でございますが、鋭意事業を進めておるところでございます。
それから次に、密接に関連いたします大阪湾岸道路でございますが、これにつきましても逐次事業を進めております。ただいま堺市三宝から泉大津市臨海町に至る延長約十一キロメートルを阪神高速道路大阪湾岸線として事業中でございます。かつまた、泉大津市臨海町以南につきましても路線計画を策定するための調査を実施しておるところでございます。
なお、先ほどお話が出ました明石海峡大橋につきましては、既定計画はございますが、別途、五十六年六月に建設省といたしましては国土庁、運輸省と協議いたしまして、当時の社会経済情勢あるいは国鉄の財政事情等を勘案いたしまして、道路単独橘の可能性についても所要の調査検討を行うよう本四公団に調査を命じたところでございまして、現在、本四公団がその調査結果を取りまとめておるところでございます。近々、正式にその報告を受けまして、建設省としての態度を関係省庁と協議して決めてまいりたいというような状況にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/39
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040・井上泉
○井上(泉)委員 時間が参りましたので、残念ながら質問を終わらざるを得ないわけですが、運輸のベテランの細田運輸大臣のときにこれが法案として出されて関西空港が日の目を見るようなことになったわけなので、そういう点からも運輸大臣としては歴史に残る立派な空港として建設を進めてもらいたい。しかし、それが株式会社で、運輸大臣をやめてから、あるいはまた代議士をやめてからまさか社長としていくということはないだろうけれども、今和田君が質疑をされたように、有能な人材が行くことは結構だと私は思うわけだが、ただ、鉄建公団の理事をそのままこの会社の理事、取締役に持ってくるとかいうような機械的な人事操作がないように、その点は厳重に申し上げて、私は質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/40
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041・鹿野道彦
○鹿野委員長代理 安田修三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/41
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042・安田修三
○安田委員 私は、今度設立されようとする会社の資金計画等を中心にして少しお聞きしたいと思います。
まず、地方公共団体の出資金ですが、全体の二%、約二百億円というものが地方公共団体の負担、出資予定ということにされておるわけでありますが、この地方公共団体の範囲、どの程度まで皆さん方の方で予定しておられるか、これをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/42
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043・山本長
○山本(長)政府委員 地方公共団体の積極的な参画を期待しておるわけでございまして、また、この点につきましては、地方公共団体とこの構想をまとめるときにいろいろ相談をいたしてきているところでございます。基本的にはこの構想に賛成するという意向を受けましてこの構想ができ上がったものでございます。
お尋ねの二百億円というふうに資金計画上いたしておりますが、それの具体的な割り振りあるいは範囲につきましては、私たちといたしましては、この空港ができるだけ地域、地方公共団体の参画を得た形で運営されることが望ましいと考えております。が、どこまでか、あるいはどこまで限るべきかという限定をつけるというふうな考え方で進む必要はないのじゃなかろうかと考えております。
しかしながら、空港の建設、運営というものが地方公共団体に与える影響というのは非常に濃淡がございますので、おのずから関係の深い地方公共団体というふうになってくるものと思います。この点につきましては、この空港計画自身、三府県と十年来協議をしつつ進めてきたものでございますので、こういうところと十分協議しながら決めてまいりたい、決めてまいりたいというよりはそういう相談をしながら決めるというふうな方途をとってまいりたい、また、この点につきましては、地方公共団体の財政に非常に影響のあることでございますので、自治省とも十分相談しながら進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/43
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044・安田修三
○安田委員 一応想定されるのは、今のお話からでも、三点セットについて了承を得た三府県、それに、政令都市は当然でしょうが、それらの周辺都市ということなんでしょうが、何かかなり幅のあるような今のお話です。しかし、皆さん方としては、まさかかなり離れたところから私のところも参加したいと言っても、それは後々の仕事の関係でそうはいかないのでしょうから、大体どの程度まで呼びかけるということはこの時点ででき上がっておるのじゃないですか、その点はどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/44
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045・細田吉藏
○細田国務大臣 お答えいたします。
この呼びかけをするということは、新しい会社ができますともう準備の段階に入ります。それから、出資をどういうふうに割り振るかというようなことについてはもうぼつぼつ相談が始まっております。結局、大阪府、市、そして兵庫県、和歌山県、この三県が中心になられまして、この四団体はもとよりでございますが、その他の関係の市町村に、村はあるかどうかわかりませんが、市町に話をかけるというのが常識的な線だと思っております。
ただ、最近の話では、私どもがいろいろ聞いておりますところでは、その他でも御希望というか何か多少あるような話もございます。
ですから、特に積極的に呼びかける範囲はそんなところだろうと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/45
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046・安田修三
○安田委員 それでは、府県が大体どの程度の割合を持っていただきたいと皆さんの方では考えておられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/46
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047・細田吉藏
○細田国務大臣 私どもが話の相手方として今まで話し合っておりますのは、さっき申し上げた三府県と特別市である大阪市なんでございます。そこで、これをどういうふうにするかというのは、むしろそれぞれの中でお考えいただくということなので、最悪の場合といいましょうか、場合によってはその四つでということも十分あり得ることではないか。これはむしろそれらの地方公共団体の中で御相談になることだと思いますし、あるいは場合によっては自治省と御相談になるというようなことになるかもしれない、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/47
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048・安田修三
○安田委員 おおよそ概観は、要するにその三府県と大阪市が、場合によったらそれだけでも持つということは考えられるということのようでありますが、そこで自治大臣、地方行政の方が並行しておりますので、自治省関係の方をなるべく先にできるだけ集中しておきたいと思います。
実は出資金の財源問題ですが、財源は今の地方公共団体の場合に一体どういう調達をされるのかということ、これはむしろ運輸大臣の方に、そこら辺はどういう当てをしておられるのか。そこで自治省の方では、その場合に、中期の地方財政計画について先般地行でも説明をいただいたばかりです。
さて、自治大臣の承認を受けて出資するということが今度の法案の場合に出てまいるわけでありますが、その場合に、出資額について交付税の基準財政需要額に算入されていくのかどうか。そこで、先ほどの財源問題についての対策、運輸省の方ではどういうお考えか。それについて自治省の方ではそれを受けてどうするか。例えば一般財源でとてもじゃないが処理できるものではない。幾ら富裕団体であってもできるものではなかろうと私は思います。その際に、起債等について自治省はどういう対応をするのか。さらに、将来の問題として交付税の基準財政需要額に算入していくのかどうか。この点、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/48
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049・細田吉藏
○細田国務大臣 私どもの方の考える希望はございますが、これは自治省からお答えいただく方が妥当だと思いますので、自治省の方からお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/49
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050・田川誠一
○田川国務大臣 株式会社への出資の財源は、本来、地方公共団体が自分の責任で調達すべきものでありますけれども、今度の関西国際空港については、利便施設など空港整備が地方の振興に資する面もございますから、もし地方公共団体の要請がありますれば地方債の措置を講ずるということを考えております。
ただ、先ほど御指摘の基準財政需要額に入れるということは、これは普通的な問題ではありませんで、一地域、ある特定の地域の問題でございますから、これはなかなか困難ではないか、こういうふうに考えております。
あと、審議官から補足があれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/50
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051・津田正
○津田政府委員 大筋、大臣から御答弁いただきましたが、いずれにしましても出資団体の範囲、また出資額を各団体にどういうような割り振りをするか、こういう問題がございまして、これにつきましては先ほど運輸省からも御答弁がございましたが、まず地方団体が自主的に皆さんで相談していただくというのが、関西新空港というものの趣旨からいってもよろしいのではないかと思います。必要に応じては私ども調整はしたい、かように考えております。
それから財源につきましては、いわば個々の団体の事情に基づきまして判断して出資等を考えていただくわけでございまして、こちらから、要するに国から割りつけるというような性格のものでもないと思いますので、その財源の責任につきましても、本来的には地方団体の責任と思います。ただ、資金繰り等で財政事情によっては、地方債の措置を申し出てまいれば私ども十分検討したい、かように考えております。
交付税につきましては、性格からしまして、こういうような事業を基準財政需要額に入れるというような性格のものとは考えていない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/51
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052・安田修三
○安田委員 地方債を認めた場合も、皆さんの方でことし提案のように政府資金は非常に詰まってきているわけです。そこで、さてその場合に、政府資金で全部地方債を充当するのか、あるいはまた縁故債等認めながら利子の補償をするということも考えられるのですが、大体今の場合は、これは後で関連するわけですけれども、自治省の方を先に回しますが、自治体からも長期低利資金を確保するとあるわけですね。国からは無利子の資金、自治体及び民間からは長期低利の融資の確保、こうなりますと、さてこの金利は自治体の場合はどの程度になるのか、量としてはどの程度になるのか。その場合に、起債等は園の方でどういう手当てをするか。出資金の問題と関連しまして、早速、事業資金の中にこれが出てまいるわけです。
それとの関係で、今おっしゃった点、今になりますと皆さんの方で大体それぐらい想定しないと話が進まないわけです。ましてや中期の財政計画について先般説明を受けたわけですね。皆さんの方でAB二つの想定が出されて、後の方で予備費支出をした場合にはどうということで、いろいろな財政計画に敷衍した話があったわけですから、ここら辺の構想がどうなっているかということは、自治省としては既に考えられての手当てというものがなければ、私はこの計画はなかなか進まないものと思います。そういう点でお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/52
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053・津田正
○津田政府委員 地方債を措置した場合にどのような資金配分を行うか、なるべく低利で長期的な資金というようなお話でございますが、御承知のとおり、現在の政府資金の事情というものはなかなか窮迫しておる状況でございます。そういう意味におきまして、私ども一般的には、都道府県と指定都市につきましてはそれぞれの民間債等を活用願いまして、一般市町村に対して政府資金を重点配分したい、こういう基本原則を持っております。
考えられます出資団体としましては、そのような一般市町村を入れるのかどうか、これはまず出資団体の範囲としてひとつ議論があるかと思います。やはり都道府県それから指定都市というものが中心ではないか。そういう意味におきましては、そのような団体の資金調達能力というものは、公募地方債を発行しておる団体が多いわけでございまして、かなりあるかと思います。しかし、具体的な事情、事業の進捗によって各年度の資金事情等も異なるわけでございますので、十分配意してまいる所存でございますが、現段階としましては、原則的に申しますと、そういうような政府資金等は一般市町村に充てられるべきもの、かように考えております。
なお、本四公団の出資金につきまして関係団体も出しておるわけでございますが、ここいらは全部民間資金で賄ってきているような実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/53
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054・安田修三
○安田委員 自治省の方だけ先にもう二点ほど早めます。
後から運輸大臣に聞くわけでありますが、自治体の財政需要、特に周辺の整備事業、それらの関連地域の単独事業、こういうような問題につきまして財源措置は、今のものとも関連するわけでありますが、この点とういうぐあいに考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/54
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055・津田正
○津田政府委員 新空港建設に伴います各種関連事業が出てくるかと思います。この関連事業をどの程度まで計画的にやるかということにつきましては、運輸省が中心になっていただきまして、建設省等も入って、また、地方団体の財政事情等もございますので私どもも入って、今後適切に進めてまいりたい。その際には、関係団体の意向というものを十分考え、そしてまた、私どもとしましては、その関係団体の財政事情を十分考慮してやってまいりたいと思います。
ただ、一般的に申しますと、現在のような国の財政事情等からいたしますと、既存の各種の制度や財源措置というものをフルに活用する、この範囲内で対処するというようなことになるかと思います。しかし、個々の地方団体の財政事情につきましては、自治省としましても十分配慮してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/55
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056・安田修三
○安田委員 この関係のことは、あとは運輸省の方で聞きます。
そこでもう一つ、自治省の方で不動産取得税それから固定資産税の特例措置につきまして、これはずっとこの会社が存続する間この特例でいってしまうのか、あるいはどこかの時点で見直しをして一遍区切りをつけるのか、この点お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/56
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057・吉住俊彦
○吉住政府委員 不動産取得税と固定資産税の特例措置でございますが、結論から申し上げますと、今回の改正案は期限をつけることにはなっていないわけでございます。その理由といたしましては、今回の国際空港株式会社の保有いたしますところの空港施設、これは、例えば成田空港のような場合との均衡を考えますと、やはり固定資産税については二分の一の特例、不動産取得税につきましては非課税、こういう措置が適当であろうというふうに判断しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/57
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058・安田修三
○安田委員 自治大臣の方はこれで結構です。
それでは、引き続いて運輸省の方にお聞きします。
またもとに戻りますが、まず、この会社の役員の数は大体どの程度を予定しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/58
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059・山本長
○山本(長)政府委員 役員の数につきましては、本法案が成立いたしましてから運輸大臣が任命をいたします設立委員によりまして諸準備がなされるわけでございまして、その中で、定款というものの作成もございますが、やはり関係者がこの会社の組織の基本でございますから、相談しながら決めていただくということが一番いいのじゃないかと思っております。現時点におきまして、何人というところまで私たちの方といたしましては決め切っておりません。相談をして決めるべきことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/59
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060・安田修三
○安田委員 それは、ちょっと私はそういう話はなかろうと思うのですよ。これだけ出資金が決まり、事業費が、第一期工事の一兆円の事業内容が決まってきて、それから皆さんの方では公団理事長を運輸省OBから出そうかとか、関西の方からは、それはだめだ、民間活力の利用ということであれば民間から出してもらいたいとか、いろいろな注文がついておるときに、これだけの規模の会社で役員の数がどの程度か全然白紙の状態ということはあり得ないと思いますよ。ですから、最終のきちっとした役員の枠がどうなるか、それは皆さんの相談でしょうが、おおよそ、民間からはどの程度、自治体からはどの程度あるいは国の方からどの程度というような枠組みは既にあるものと私は思いますよ。
したがって、それはもう一遍答えてもらいたいし、特に関心のあるのは、それでは関係自治体からは役員は入るのか入らないのか、入ればどの程度の数が、その割合は、こういう点はやはり将来の運営に注文がついているわけですから、あるはずですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/60
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061・細田吉藏
○細田国務大臣 会社のことでございますから航空局長がああいうふうにお答えしたと思うのでございます。会社の設立準備会で決めるのですから。しかし、二十人も三十人も重役を置いたりするようなことはないわけでございます。また、三人や四人でやれる会社でもないということなんだと思うのでございます。ですから、その辺のところはやはり常識的に考えて、何と言いましょうか、私もよくわかりませんけれども、十人の前後がどうなるのかというようなところが常識的なところじゃございませんでしょうか。ただ、私どもがここで今決めてしまうというのはちょっと不当であると思います。しかし、簡素にして強力なる、抽象的に言うとそういうことになると思います。それから、地方の方に重役に入っていただくことは当然のことであると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/61
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062・安田修三
○安田委員 これは大臣、さきの質問の答弁でもお答えがあったように、特殊会社で最後は国が責任を持つんだという会社ですからね、おおよその枠というのは皆さんであるわけですよね。私、何もきっちり、それが十五人あるいは十人、そういうことを聞いておるのでなくして、大体どの程度になるのかを聞いているのですよ。
そこで、この会社、民間は当然入りますが、自治体、地方公共団体から役員が入るとすればどの程度の割合か。それから株主総会、取締役会の議事録をこの会社の性格からして公開される考えはないだろうか。私は当然公開されてしかるべきでないか、こう思うのですが、その点もう一遍、さきの問題と今のことを聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/62
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063・山本長
○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。
第一の、地方自治体からどの程度の役員を占めることになるであろうか、こういう御質問でございますが、これも先ほど私が申し上げましたように、何人というところまで申し上げられる段階にはございません。ただ、この会社が地域と非常に密着した仕事をやるわけでございますので、やはり地方公共団体等の意見がここへ十分反映できるというふうな点を十分考えながら役員の中に入っていただくという考え方で進めていかなきゃならぬと考えております。
それから、議事録の公開問題でございますが、総会の議事録あるいは取締役会の議事録というものにつきましては商法におきましてそれなりの制度がございます。ただ、それを超えてどこまでオープンにすべきかは非常に難しい問題であろうと思います。会社の性格上非常に公益的な仕事をやるわけでございますから、会社の経営はオープンにしていくという思想でやっていくべきだろうと思いますけれども、しかしながら取締役会で決議をいたすことになりますと、いろいろな契約をどうするか、相手方をどういう基準で選んでいくか、あるいはどういう資産を処分するかなど、なかなか公開しにくい問題もあろうかと思います。したがいましてこの点は、会社の事業運営をできるだけわかりやすくして地域の方々に知っていただくというやり方は必要だと思いますが、先生おっしゃるようにすべて公開というふうなところまで踏み切れるかどうか、これは非常に重要でございますが慎重に検討しなければならぬ問題であろうと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/63
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064・安田修三
○安田委員 それでは、周辺整備の問題について聞いておきますが、周辺整備事業を行う場合に一体周辺とは大体どの程度の範囲まで皆さんで想定されていくのか。これはアクセスの関係等もございましていろいろと注目されるところでありますが、その点。それからもう一つ、その周辺整備事業をされる場合に、この立案、着手というのは当然空港島建設と同時に行われなければならぬわけでありますが、皆さんの方ではどの時点から行われようとするのか。ここの二点をお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/64
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065・山本長
○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。
周辺整備事業の対象範囲といいますか、地域としての範囲についてのお尋ねでございますが、これは事業の種類がなかなか多様でございますし、さらにまた、地域において自分たちの町づくりをしたい、こういうふうなところが根にあるわけでございますから、実施対象地域はここまでだというふうな限定はなかなか難しかろうと思います。
ただ、空港ができますことによりましてそこにインパクトが働き、いろいろな公共施設なり都市施設が必要になってくる地域が生じてくるわけでございます。そういったインパクトを受けて、地域からの一つの動きを政府が受けて対処しなければならぬという問題でございますから、おのずから空港に近いところはウエートが大きくなるというふうなことであろうと思いますけれども、しかしながら、それは泉州地域に限るだとかあるいはここに限るというふうな問題ではなく、地域の計画というものにつきまして政府が、これは運輸省だけではございませんで、政府全体といたしましてそれについてサポートしていくという過程の中で、その地域というものもおのずから決まっていくというふうに考える次第でございます。
それから、時期についてでございますけれども、この地域の計画につきましてやはり熟度、それから緊要度というものがあると思います。これにつきましては、例えば府下でございますれば、大阪府において各市町の意見も聞いて、そして地域の将来計画というものを立てて、そして国と調整、折衝しつつ進めていきたい、その中で国の役割も果たしてもらいたい、こういうふうな要望も受けている次第でございます。したがいまして、その事業の緊要度、熟度というものも考えながら、同時に、この空港事業について地域の御協力を得るという観点から、遅きに失しないように進めていくという態度で私たちも対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/65
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066・安田修三
○安田委員 時間が来ましたので、終わります。
〔鹿野委員長代理退席、福家委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/66
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067・福家俊一
○福家委員長 新井彬之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/67
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068・新井彬之
○新井委員 非常に時間が短いわけでございますので、なるたけ簡単明瞭なる答弁をよろしくお願いしたいと思います。
初めに基本的な問題で、いろいろ出たと思いますが、航空審議会の答申が四十九年八月に出されまして、それ以後現在に至っているわけでございますが、その中で「関西国際空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、一こういうぐあいになっております。また、「新しい空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、同空港の機能を代わって受け持つ」、こういうことで、当然今の大阪空港は廃止される、こういうような認識を持っておったわけでございますが、昨日、鈴木専門官あるいは唯野専門官からいろいろ聞きましたところ、これはまだ決まったわけではないんだ、こういうことでございます。
関西といいましても非常に欠きゅうございまして、航空需要も非常に大変なことでございます。したがって、本来二つ、三つというくらい空港があってもしかるべきじゃないかと思うのでございますが、現在のところは大阪国際空港という、時間的な制限もありますし、いろいろな問題で制約をされた空港しかない、こういうことです。今回、また新しく空港ができるわけでございますが、その場合に、大きさにおいても、あるいはまた利用する人たちの利便性から考えましても、存続きすかどうかということは非常に大きな問題になろうかと思います。そういうことで、その点についての御見解をまずお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/68
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069・細田吉藏
○細田国務大臣 今御質問にございましたように、航空審の答申では、「廃止を前提としてこというふうになっておるわけでございますが、とにかく十年前の答申でございます。増勢も非常に変わってまいっております。そこで、簡単に結論だけ申し上げますと、現在の大阪空港についてはいかがいたすかということをなるべく早い時期に決めたいと考えておる次第でございます。いろいろな状況を勘案して決めるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/69
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070・新井彬之
○新井委員 確かに環境整備も大分整ってきた、あるいはまた時間的な規制もある、あるいはまたたくさんの方々がそこで仕事をされている、そういうようないろいろな問題がございまして、存廃については地元からも御意見等が多々あろうかと思います。そういうことで、一つの手順として、いろいろ意見を聞いたりして、一体どういうような形でどこから決めていくのか、あるいはまたいつごろをめどに大体決定したと思っているのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/70
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071・山本長
○山本(長)政府委員 この存廃問題の手順でございますけれども、これは一つの約束事が既にございます。昭和五十五年に、総理府にあります公害等調整委員会の調停がございまして、その調停の中で、運輸省は、関西国際空港の建設が決定された時点から、可及的速やかにこの存廃を決定するために必要な諸般の調査を行い、関係地方公共団体の意見を十分聴取した上で、関西国際空港の開港時までに存廃について結論を出す、こういうふうなことになっております。この約束事に従いまして、大臣も今言われましたが、なるべく早く結論を出すべきだというところから、私たちといたしましては現空港の存廃によりまして、プラス、マイナス両面どういうふうな面があるかということにつきまして既に調査を開始しておるところでございます。その調査結果は適時開示いたしまして、時期を見て、地方公共団体等からの意見も聞いて決定してまいりたいというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/71
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072・新井彬之
○新井委員 今まで道路とかあるいは鉄道、そういうものがどんどん発達をいたしまして、総合交通体系の中で今後いろいろな問題を考えていかなければいけない、そういう中で、今後航空需要というのは非常に重大な役割をしていくのではないか。ちょうど今から十年、二十年前を考えますと、高速道路がこんなにできて、あるいはまたそれが交通渋滞で走れないというようなことは考えられないことであったわけでございますが、これからの需要を考えますときに、航空需要というものは非常に大事である、こういうぐあいに考えるわけでございます。
ただ、そでで問題になりますのは、やはり環境問題といいますか、地域住民のそういう環境との調和をどうとるか、そういうことでございますから、その飛行場をつくる場合に、日本の国というのは七〇%が森林地帯でございます。したがって、逆に言えば、周りを海に囲まれているわけでございますから、やはり海を利用するということは、これまたほかの国にない利点があるわけでございます。
そういうことで、近畿圏としては、人口が二千三十万人、GNPにいたしましても五十兆円を超えている。これはカナダ、スペイン、ブラジル、東独、こういうような諸国等にも匹敵するような実績を持っておりますし、そういう中で国際空港が一つしかなかった、あるいはローカル空港は全然ない、こういうようなことでは、今後の交通体系を考える上においては、やはりもう一歩進んで考えなければいけないのじゃないか。飛行機の発達から考えましても、だれも空を飛べるなんということは考えたことはなかったのですけれども、こういう変遷を経て空を飛び、ジェット機になり、そしてまた非常に小型で性能のいい飛行機もできている。イギリスのサッチャー首相訪日の際にもデモフライトを行ったBAe146というのは、滑走路が千百メートル程度、客席数約九十、航続距離が千三百五十キロ、こういうような飛行機もできてきているわけでございます。
そういう中で、例えて言うと、兵庫県なら兵庫県をひとつ考えましたときも、豊岡へ行くにはちようど新幹線で東京に来るくらいの時間がかかる。そういうわけで、国内にありましても過疎過密がありますけれども、県内にありましても過疎過密がある。そういうことで、先端産業の一つの工場が行きましても、高速道路もない、今までの汽車で行くと時間がかかる、そういうときに地方空港等もありまして、そして国際空港にそれを持ってくる、そしてそれが外国に輸出をされる、こういうことにならないと今後いろいろな地域の発展にはならないのではないか。こういうことで、兵庫県といたしましては、技術革新による最新鋭のコミューター機、これは滑走路が千メートル、客席数が四十、運航距離が百から二百キロメートル、こういうようなものを導入して県内の地域の航空輸送システムを検討して、そういうものをいかに県民のためあるいは国民のために役立たせたらいいのかということを今検討しているところでございます。そういう中で、神戸沖の地方空港というのが兵庫県としては中心に考えられるわけでございますが、これは、このシステムと全国の主要都市とを結ぶために欠くことのできない一つの母港といいますか、そういうものをつくらなければいけない、こういうようなことを今一生懸命に検討しているところでございます。
それからもう一つ、昭和五十六年七月の運輸政策審議会の「長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方向」、この参考資料によりますと、高速道路がこれからもできる、あるいはまた新幹線が通る、それで汽車も行っている、いろいろあるわけでございますが、そういうところから外れる地域というのが全部で二十四地域に及ぶものと見込まれる、今後の見通してございますが、したがって、地域航空システムを導入することによってその経済的、社会的テークオフを図るということをしなければいけない、こういうことが運輸政策審議会の中でも出ているわけでございます。そういうことで、こういう関西国際空港あるいは大阪国際空港、そしてまた地方の一つのローカルの飛行場というものをそういう交通総合体系の中で運輸省としては今後一体どのように検討されているのか、それをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/72
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073・山本長
○山本(長)政府委員 国内航空輸送というものは、主として東京なり大阪なりを中心としていわゆるビームラインという形で発展をしてきたわけでございますが、今日に至りますと、先生おっしゃるようにそれだけではなく、需要等から見ればさして大きくはないけれども小型の飛行機を運航して、そしてそういった拠点空港でなくても、ある地域のジェット機空港というものとを結びつけることによって一つの高速交通体系の中に地域を取り込んでいきたい、こういうふうな考えが強くなってきたことは事実でございます。
そういった意味から、ただいまの御質問の中の例も一つでございますが、その他の地域におきましても、コミューター構造と言ったりいたしておりますけれども、そういった構想の実現を求める声が最近強くなってまいりました。これは航空の発展の一つの転機であろうと考えられます。この問題は、空港をつくっていくということと同時に、割合に輸送単位が小さいものですから、コストというものがどうしても高くなってくるというところから、路線の維持という経済的な面についてどう解決していくかというふうな問題が大きな問題だと思います。この辺につきまして、こういった地方の要望が強くなってまいりましたので、現在第四次空港整備五カ年計画期間中でございますが、第五次の計画の中でこれをどういうふうに政策として対処していったらいいかというふうなことについて私たち現在研究をいたしており、また五次の段階で有識者の意見も聞いてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/73
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074・新井彬之
○新井委員 昨日、鈴木専門官それから唯野専門官に非常にいいお話をお伺いしましたけれども、立派な識見をお持ちでございます。そういう中で航空行政のことについては専門分野として一生懸命考えている。本当に感銘したわけでございます。
私は今姫路に住んでおりますが、姫路に帰るときに飛行機を使おうと思うのですけれども、飛行機を使うとどうしても羽田まで行かなければいけない。それから今度伊丹へ行きまして、伊丹からまた戻って新大阪で新幹線に乗っていきますと大体時間が同じということになるわけでございます。だから、さあどっちにしようかなと思うのですけれども、もう少し利便性、そういうようなことから考えまして、極端に言えば、姫路沖にも空港があればぱっと行けるのじゃないかなと思ったりもするわけでございます。
安全性、それからまた、さっきも言いましたように経済性、そしてまた利便性、そういうようなものがやはり非常に大事でございます。それからやはり飛行機そのものもこれから技術開発がどんどんされてこようかと思いますし、やはり必要というのは、例えて言いますと、さっき直言いました豊岡から神戸あるいは大阪、こういうところは仕事の都合で再三にわたって行かなければいけない人もたくさんいるわけでございます。ところが、では豊岡から宮崎に行くかというと、なかなかそんな用事はない。遊びに行くときぐらいしかないかもわかりません。そういうわけで、やはり経済の中心たる大阪、また兵庫で言えば神戸、こういうところにそういう一つの地域性のものが必要である。
これは、だれが行って乗るわけでもありません。やはりそこに住む県民、国民の皆さんがいろいろのことで要望して、それを県知事なり市長なりが一生懸命にこういう方向で行くのがいいのではないかと検討するわけでございますから、担当の所管の運輸省といたしましては、大臣を初め皆さん方が、あっ、これはこういうところがうまくいかないのじゃないか、これは採算性に合わないのじゃないかとか、いろいろな面にわたって今後ともひとつよく打ち合わせをされ、御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いをいたしておくわけでございます。
そういうことで、ひとつそういうことにつきましてお話があるときには、予算は、確かに今国家財政もあれでございます。したがいまして公団ができ、株式会社ができ、そしてまた次にまた何か新しい手法というものをつくることも可能かもわかりません。やはり日進月歩でございますので、そういう意味におきましてもできる限りみんなの合意を得てやっていただきますようにひとつお願いをしておきたいと思います。
最後に、何といいましても関西国際空港というのは大阪湾に面しているわけでございますので、交通アクセスといいましても、新大阪駅からどういうぐあいに電車に乗って、どういう高速道路に乗っていったらいいかということでいろいろと考えておられると思いますけれども、交通渋滞等によりまして、これは大変な問題が起こるのじゃないか。そういうことで、海上輸送というものは関西国際空港に与えられた特権でございます。今高速艇なんかで非常に速い船が出ておりますから、神戸あるいは西宮あるいはまた大阪からも当然船の方が早いということも考えられますので、これは利用者の便ということでひとつお考えをいただきたい。さっきも、それはやるというあれでございましたが、ひとつ関係の幅広いところから御意見を聴取していただいて、そして決めていただきたい、このように思うわけでございます。
神戸市では現在シティー・エアターミナル、エアカーゴ・ターミナルの計画を進めておるわけでございますが、これも非常に大事な問題であろうと思います。空港に行って長いことかかるというよりも、成田空港にもそういうものがちゃんとあるわけでございまして、当然そういう中で早く手続をして安心して行かれる、行っていただく、こういうようなことも大事だと思いますので、その面についてもひとつお願いをしたいと思います。
何しろ時間がありませんので、何十項目も言いたいのですけれども、一方的なお願いになりますが、その件について答弁を聞いて質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/74
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075・福家俊一
○福家委員長 大変建設的なよい質問だと思いますので、この際、特に運輸大臣から御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/75
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076・細田吉藏
○細田国務大臣 航空の将来というのは、私どもが現在考えている以上のテンポで進むと思っております用地方の空港の陳情、要求というものは大変な数のものでございます。その中にはコミューター空港でいいというものもあると思います。これについては、今おっしゃったように、新しい角度からいろいろ考えていかなければならぬ。航空機そのものも発達いたします。それから、ヘリコプターもどれだけ利用できるかという問題も近距離については多くあります。そういう点から、新しい日本における航空のネットワークといいましょうか航空網というものを考えていかなければならない、かように思っております。
神戸は特に大きな問題を抱えておるわけでございまして、先般、兵庫県知事と私との話し合いの中で、神戸の空港新設について、兵庫県として、また神戸市と一緒になって調査をしたいということでございまして、私の方では全面的に御協力を申し上げる、かようなことにいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/76
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077・新井彬之
○新井委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/77
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078・福家俊一
○福家委員長 木内良明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/78
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079・木内良明
○木内委員 本来の交通安全対策特別委員会の趣旨から申しますと、陸上交通輸送はもとより、海上輸送並びに航空における安全輸送の問題等、重大な決意と対応をこの関西国際空港に対しましては持っているわけでありまして、るる質疑を行いたいわけであります。きょうは連合審査ということですが、甚だ時間が限定されておりますので、この点遺憾でありますけれども、数点に絞ってお聞きしてみたい、このように思います。
まず初めに、この国際空港に至るアクセス交通の問題であります。
私は実は東京の方でありますが、現在の新東京国際空港に対しましては道路並びに鉄道機能等があるわけでありますが、仮に道路一つとってみましても、大変な慢性的な渋滞という現状になっているわけであります。何といいましても安全、かつ快適な交通アクセスというものが新関西国際空港については樹立をされなければならないと思うわけでありますけれども、かつての東京国際空港のアクセスとの比較の中で、これを教訓として、いかなる具体的な形で今回の計画に当たって採用され、またそれがどのような効果を生み出すということが期待されているのか、この点、まずお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/79
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080・山本長
○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。
空港が空港としての機能を十分発揮いたしますためには、空港施設だけでは不十分であり、アクセスが整備されなければならないという点は、全くそのとおりであると存じます。私たち、この関西国際空港計画を進める場合に、そのアクセスにつきまして各般の調査検討を加え、また関係のところにもお願いをしてまいってきておるところでございますけれども、一つは、先ほどからございますように海上アクセスというものを大阪湾内の各市と結び得るように整備するということが一つございます。
それから道路アクセスといたしましては、現在のところあの地域におきましては阪和国道及び第二阪和というのがあるのみでございますが、現在、建設省、道路公団におきまして近畿自動車道和歌山線というものの整備が行われておるところでございます。この近畿自動車道和歌山線というものと空港とを結ぶ連絡道路によりまして道路アクセスというものをつくっていくという必要があろうと考えております。
また湾岸道路につきましては、いろいろまた事情があるようでございますけれども、これはやはり空港の機能を維持するためにおきましてもぜひ不可欠のものであろうと考えておりまして、早期の実現に向けまして整備に努力していただくよう、我々といたしまして建設省にもお願いをしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
鉄道につきましては、あの地域におきまして二つの既存鉄道がございます。阪和線及び南海本線が入っておりますが、この両鉄道はいずれも軌道幅、電圧等が共通でございますので、将来的にはこの二つを空港に結びつけるということが望ましいと考えております。これにつきましても、鉄道側でいろいろな事情があるようでございますが、空港計画といたしましては、将来の需要を考えれば鉄道を空港と結びつけるということはぜひとも必要であろうと考えておりまして、関係機関と今後精力的に協議、調整を進めながら実現に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/80
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081・木内良明
○木内委員 民間のグループで組織しておりますFKC空港対策連絡会において、関西新空港と現空港との間に大型ヘリコプターを投入して旅客輸送を事業化しようという計画があるように聞いておりますけれども、こうした民間のアクセス計画についてどう考えでおられるか、また、この安全対策にどういう認識を持っておられるか、お聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/81
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082・山本長
○山本(長)政府委員 ヘリコプターによる関西国際空港へのアクセス計画というものは、現在のところ具体的なものとしてはございませんけれども、そういうふうなアクセスを考えるべきだという意見があることは事実でございます。私たちこの空港計画を考えますときに、やはり将来にわたるアクセスというものを多様化していくという観点からも、ヘリコプターアクセスというものを空港に受け入れる必要があるというふうに考えておりまして、あの空港計画の中におきまして、ヘリアクセスの受け入れというものも計画の中に織り込んで検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/82
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083・木内良明
○木内委員 空港アクセスにおける旅客輸送の交通安全対策というものについては、かなり細密な総合計画というものが行われなければならない、このように訴えるものであります。特に各省庁間における連絡協議体制というものが整っていなくてはならない、これも当然の理でありまして、きょうは警察庁の方から交通規制課長が見えておられるようでありますけれども、今申し上げました点につきまして、総合的な協議体制の中に一枚入っておられて検討されておられるのかどうか、また、この対策についてはどのように考えておられるのか、お答えをいただきまして質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/83
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084・矢部昭治
○矢部説明員 この空港へのアクセスの問題は極めて重要な問題でございます。したがいまして、中央におきましては五十八年五月十三日に関西国際空港関係閣僚会議が発足いたしましたが、国家公安委員長、幹事会には警察庁長官がメンバーに入っております。なお、地元大阪におきましては関西国際空港計画推進本部が五十八年五月十七日に設置をされておりまして、推進本部長に警察本部長が加わっております。さらにその下部の組織といたしまして、幹事会に参事官が、さらに交通都市施設専門部会というのがございまして、ここに規制課長が加わりまして、空港へのアクセスに関することを関係方面と詰めてまいる、こういうことで現に進めております。
いずれにいたしましても、空港へのアクセス交通の整備充実につきましては、今後関係方面へ積極的に提言を行ってまいるとともに、望ましい交通流を形成させ得る総合的な交通管理を推進させるためにさらに関係機関との連携を緊密にいたしてまいりたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/84
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085・木内良明
○木内委員 以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/85
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086・福家俊一
○福家委員長 春田重昭君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/86
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087・春田重昭
○春田委員 運輸省が五十六年の五月に三点セットとして提出した中の一つで環境アセスメントがございます。このアセスメントにつきましては、大阪府が翌年の七月、和歌山県が八月、おおむね妥当という回答をしているわけでございます。ところが、国として環境保全に一番関心を持たなければならない環境庁がいかなる関与をしてきたかという問題でございます。
いろいろ運輸省との話し合いはされてきたと思いますが、正式なコメントといいますか回答は、ことしの二月十日、第二回の閣僚会議の中で長官からやむを得ないというコメントつきの建設ゴーサインが出されたわけでありまして、環境問題につきまして非常に後ろ向きではないかという声があるわけでございます。なぜならば、今回のアセスメントにつきましては、計画段階でございますから主務庁の運輸省が独自でつくったと思いますが、そのアセスメントにつきましては環境庁が十分チェック機能を果たさなければならないわけですね。それが、意見が余り反映されてないような感じを持つわけでございます。
例えば、環境庁は過去大規模な開発事業、本四架橋、またむつ小川原のそうした大規模な開発につきましては、環境アセスメントにつきましてはガイドラインというものを示しまして、環境について十分な監視を図ってきた経緯があるわけです。しかるに、この関西新国際空港につきましては、そういった面で現在の環境庁は余り積極的な姿勢がとられていない。これは運輸省の独自の案で、独走といいますかそれに歯どめをかけるのが環境庁でありまして、ちょっと言い方が悪いかもしれませんけれども、そういった環境につきましては環境庁がもっと積極的に、前向きに出ていくべきじゃないかと私は思うのですが、環境庁としてはどうお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/87
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088・上田稔
○上田国務大臣 お答えを申し上げます。
関西国際空港の計画案、いわゆる三点セットでございますが、今先生の御指摘のとおり、五十六年の五月だったと思いますが、運輸省の方から御相談が環境庁にかかってまいりまして、そして意見交換をやらせていただいたものでございます。そうして、その中の環境アセスメントにつきましても十分に意見交換をして審査を行わせていただいたものでございます。
それから第二番目に、環境庁はなぜむつ小川原や本四架橋のときのように指針を示さなかったという御質問でございますが、この点につきましては、国の機関である運輸省がアセスメントの今までの実績を踏まえて所要のアセスメントを行われたものでございますが、実は国におきましては、四十七年の六月に環境アセスメントの実施につきまして閣議了解を行いまして、共通の認識に立って公共事業等を実施してきたところでございまして、本計画に係る環境アセスメントにつきましても、閣僚会議、閣議の了解以降に知見の集積等を行いまし、そして運輸省の責任において実施されてきたものでございます。
以上のようなことでざいますので、環境庁としては、運輸省の環境アセスメントによって私どもの意見を言わしていただくようにいたしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/88
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089・春田重昭
○春田委員 長官の今の答弁を見ても、どうも余り前向きじゃないのですよ。意見交換されてきたと思いますけれども、そんな陰でごそごそやらないで、大阪や和歌山などはちゃんと書類で発表しているわけですから、そういった面で私は公表すべきじゃないかと思うのですよ。
いずれにいたしましても、計画段階のアセスメントにつきましては環境庁の関与は非常に後ろ向きである。そういった面で、今回の建設、着工された段階では十分な環境アセスメントにつきましては前向きに取り組んでいただきたい。ましてこの事業主体が株式会社なんですよ。そういった面で、国としてはかなりの出資をしていますから、その辺の指導監視は怠っていないと思いますけれども、事業主体が会社である以上利益優先といいますか、建設優先になっちゃうわけですから、環境は第二になっちゃうわけですから、そういった面では国の十分な指導監視体制を積極的にとっていただきたい、私はこう要望しておきます。
さらに、瀬戸内海環境保全特別措置法というのがあります。この法の第十二条第一項の埋め立てについての基本方針には、瀬戸内におきましては埋め立ては厳に抑制すべきである、この法の中ではうたわれているわけでございますが、この法の精神に反して今回着工されるわけですよ。もし、この法の中にありますように、埋め立てによる汚濁負荷量が目標値を上回った場合、また水産資源である例えば魚とか貝類のそうした影響が出た場合、環境庁としては改善命令とか勧告とか出す意思があるのかどうか、お答えいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/89
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090・上田稔
○上田国務大臣 お答えを申し上げます。
ただいまの先生の御質問は、工事中にそういう埋め立て等によって汚濁がひどくなるというようなことが起こった場合にどうするか、こういう御質問だと思うのでございますが、実はこの三点セットにつきましては計画といいますか構想、そういう段階においての飛行場の位置、形状、そういうものについての環境アセスメントについてお答えを申し上げたのでございまして、埋め立てを実施をされますときにはさらにまた埋め立てについての工事中の、今先生の御心配のことなどについてアセスをやらしていただく、こういうことになろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/90
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091・春田重昭
○春田委員 だから、埋め立てによる海洋汚染については環境庁としてはどういう態度をとっていくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/91
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092・上田稔
○上田国務大臣 その工事のやり方等につきまして、埋め立てについてのアセスには詳細に出てまいりますので、それをよく検討をさせていただいて、そしてやらしていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/92
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093・春田重昭
○春田委員 だから、工法についてもそういう汚染がないような工法をとっていくと思うのですけれども、もし着工して建設されて現実にそういった問題が起こってきた場合には、環境庁として改善命令や勧告を出すのかどうかということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/93
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094・上田稔
○上田国務大臣 そういうことが起こらないようなことを私どもはやらしていただく、その点を十分注意をしてやらしていただくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/94
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095・春田重昭
○春田委員 それは当然ですよ。起こらないようにするのが当然ですけれども、起こった場合どうするのかと聞いているのですよ。それは答弁にならないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/95
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096・正田泰央
○正田政府委員 大臣の御答弁を若干敷衍させていただきますが、公害問題が起きた場合といたしましては、先生御案内のように事業者等が十分な環境監視を行うことはもちろんでございますが、あわせて地元を含めた関係機関が濃密に指導していくということになりますし、またそういったことがないように私どもの方で指導したい。またさらに、今監視の問題に若干お触れになりましたが、私ども、都道府県知事等と会社が十分連絡をとってもらいたい、またさらに、その上に立ちまして都道府県から十分な環境監視をやっていただく、さらに環境庁としての立場でございますが、大気汚染防止法とか水濁法に基づいた指導をきちんと地元の府県を通じてやってまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/96
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097・春田重昭
○春田委員 ということは、当然改善命令や勧告は出す、こう受け取っていいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/97
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098・上田稔
○上田国務大臣 ただいま先生御指摘のとおり、もちろん私どもの方も十分に監視をさせていただいてそういうことの起こらないように、起こったときにはまたそれに対しての対策を考えていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/98
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099・春田重昭
○春田委員 時間がないので最後に土取りの問題でございますが、この土取りの場所や量はどれくらいなのか、また運搬法はどういう方法でやっていくのか。また土砂採取、運搬につきましては、先日のある報道では第三セクターで行うのではないかという見方もあるわけでございますが、この問題につきましては運輸省の方から御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/99
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100・山本長
○山本(長)政府委員 必要な土量でございますけれども、一兆円によって第一期計画を遂行する、そして埋立地をつくるための必要な土量は約一億四千万立米でございます。それから運搬方法でございますけれども、大量のものを道路輸送するというふうなことは公害問題からいかがなものかというところから、大型のベルトコンベヤー、シェルター式で騒音あるいは振動というものを外部に極力出さないような構造のベルトコンベヤーというもの、これまた調査段階でいろいろ実験をしておりますし、また開発をしております。できるだけそういったベルトコンベヤーというものを採用して運搬をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
それから土取りの主体の問題でございますけれども、これは土を必要とする企業体、会社が第一義的にその主体であるということは当然だと思います。ただ、新聞記事のことも先生ちょっとお触れになりましたけれども、土を取るということは地域等にとって非常に密接なかかわり合いがございますし、取った跡というものを都市施設なりの土地として使っていきたいという御希望もあるようでございますし、これはまだ構想段階でございますが、大阪府などは前島の土というものを確保していかなければならぬということで、空港だけでなく土の需要というものも他にあるというふうな観点を考えれば、地方公共団体それからこの会社というものが主体となった土取りの第三セクターたる主体というものも考えられるのではないか、こういうふうな議論があるわけでございます。しかしこの点は決まったものではございません。非常に重要な問題でございますので、関係の方々と相談をいたしまして一番いい方法をとっていくということで対処いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/100
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101・春田重昭
○春田委員 いずれにいたしましても第二の大阪空港にならないように、建設優先、環境第二義という考え方にならないように十分に地元の府県また住民の理解を得た上で着工を進めていただきたい、このように要望して終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/101
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102・福家俊一
○福家委員長 中井洽君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/102
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103・中井洽
○中井委員 時間がありませんので、簡単に環境問題に限ってお尋ねをいたします。
まず最初に運輸大臣にお尋ねをいたしますが、今回の新空港の計画、これは現在使われておる大阪国際空港が環境面で大変な悪状態にあって、四十二年から四千数百億のお金をかけて騒音対策等をやっているけれども、空港そのものの使用が非常に限られた範囲に制限されておる、したがって環境面を打破するためにどうしても新しい空港が要る、そうしてその中で近畿地域、関西地域の経済的な向上、こういったものを図っていく、あるいは係国際化に備えていく、こういうことでつくられる。すなわち、いろいろあるけれども発端は環境面であって、逆の意味でいえば環境問題が新しい空港をつくる場合の一番大きな要素になっている、このように私は認識をいたしているわけでありますが、大臣はどのようにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/103
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104・細田吉藏
○細田国務大臣 もうおっしゃるとおりでございまして、大阪の現在の国際空港が累次の訴訟が起こりましたりいろいろな問題が起こっていることは御承知のとおりでございます。現在でも午後九時以降は飛行場の使用を禁止しておる、こういう状態でございます。したがって、航空審議会で特に環境問題、建設途中の環境の問題は別でございますが、でき上がった後の環境問題を第一義的に考えてここの場所を選定した、かようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/104
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105・中井洽
○中井委員 第一義的にお考えをいただいてこの場所を設定していただいた、こういうことでありますが、いわゆる環境アセスメント、影響評価案、こういったものを見さしていただきますと、まあとにかくここへこういう形の空港をつくれば騒音から大気汚染から海流からすべてオーケーだ、影響なしだ、実にすばらしくいいように書かれているわけですが、つくってみて飛行機が年間十何万回二十何万回と最終飛ぶようになったときに本当に、今の環境評価案どおり何も環境に悪影響を与えないで運営がされるのだろうか、私は大変疑問に思うわけであります。この近所の地域には大気汚染地域指定をされているところもありますし、空港がつくられて地域が開発をされたらいろいろな形での複合汚染というのも考えられるわけであります。そういった意味で、何か環境影響評価案づくりというもの、あるいはそれの審査というものが、少し、空港をつくらなければならない、ならないということだけで急がれた、ずさんであったんじゃないか、こういう感を正直に抱かざるを得ないわけでございます。
例えば、先ほど春田議員の方から、指針等環境庁との連携がほとんどないじゃないか、あるいは環境庁自身が指針を打ち出していないじゃないか、こういう御指摘もございました。また、私どもから見させていただきますと、このつくられた環境影響評価案を地域で説明をする説明会をたった二カ所でおやりになっただけ。しかも、運輸省がやったのでもなければ今度新しくやる会社がおやりになるのでもない、句か非常に変わった、大阪府が主体でおやりになった。その間にはいろいろな地域対策もあったのでありましょうが、例えば環境庁が数年前に苦労なすって国会に出されましたアセスメント法案の中に書かれております環境影響評価づくりのプロセスと、この新空港の環境影響評価のプロセスは全く違ったものである。非常に危惧を抱かざるを得ないのでありますが、この点、運輸省はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/105
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106・山本長
○山本(長)政府委員 運輸省が長年また多額の費用を投じてこの調査を実施してまいりましたけれども、その中心は何といっても環境アセスメントにあったわけでございます。先生の御批判もございますけれども、運輸省といたしましてはアセスメントとしては使い得る最高の知識と申しましょうか、そういうもの、あるいは知識をお持ちの方々をもお集まりを願って、そして環境影響評価というのは各般にまたがりますから、各分野からの専門家にお集まり願って、運輸省の独断ということを排しまして、むしろ専門家にやっていただいたという形をとってまとめたものでございます。
もちろん、環境庁長官もちょっと申されましたけれども、運輸省がやりましたアセスメントというのは俗にいわゆる計画アセスメントというものでございます。事業の計画がより具体化されますと、それに応じたアセスメントというものが、例えば公有水面埋立法なら埋立法の手続に従ったアセスメントなりがまた必要になってくるわけでございます。こういった面については、やはり環境庁の御審査を経なければならぬというふうな手続があるわけでございます。私たちといたしましては、従来もできるだけ公平な観点からのアセスメントを実施したつもりでございますし、今後も所要の手続がございますから、その面を通じて地元の御理解を得、また所管の環境庁の御審査も経て事業を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/106
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107・中井洽
○中井委員 運輸省が公正であった、不公正であった、こういうことを申し上げているわけじゃありません。運輸省の役人さんは優秀でおありであろうし、また付託をされて指針づくりをなすった、あるいはこの影響評価案をおつくりになった学者さんも公平な立場でおやりをいただいたのだろうと私は信じます。
しかし、環境問題ということに関しては環境庁というのがあって、しかもアセスメント法というものまで準備をして、こういう形でやりましょう、その中には埋立法、埋め立てもちゃんと入っているわけでございます。年代的なずれもあることはあるでしょうが、そういった意味で環境庁が関与していない、あるいはまた地域住民に対する説明というのが環境影響評価では一番大事な要素でありますが、それが大阪府の主催で行われて運輸省等が、関与はされているのでしょうけれども主催をされていない。こういったところが、何か環境問題を大事な問題としてつくった空港であると言いながらなおざりにしているような感を少し抱かざるを得ない。そして、お答えを聞いていると、つくるときに環境庁にこれからいろいろと相談をするから計画のときはいいじゃないですかというような空気まであるわけであります。
そういうことでつくられたこの環境影響評価について、上田環境庁長官は関係閣僚会議でやむを得ない、こういう評価をされたと私どもは承っておりますが、このやむを得ないということは、要するにそういう形で環境庁が少し置いておかれたというか、そでにされたというのはちょっと言い過きですが、外に置かれてやられたけれども、現在の大阪国際空港の環境あるいは騒音、こういったものを考えると次善の策として、次善のよりよい環境を求めるものとしてやむを得ないと考える、こういうふうに言われたと私どもは判断をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/107
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108・上田稔
○上田国務大臣 お答えを申し上げます。
先生の御指摘のとおり、伊丹空港の公害問題、騒音問題につきましては、これはもうほっておくことができませんので、いろいろ対策を立てさせていただいておるのでございますけれども、大阪の将来を考えての、運輸省のこれから先の航空のさうに発展ということを考え、また大阪の発展をお考えをいただきますと、もうこれ以上私どもとしては騒音を防止するというようなことがなかなかできない。それをどうしても環境基準のものになるべく早くしていただきたい、こういうことを考えまして、次善の策としてやはり飛行場を一つつくっていただくということを考えていかなくてはいけない。それがために私どもの環境の面からもいろいろと検討をさせていただいたのでございますが、そういうことで関係閣僚会議の席上においてお答えを申し上げましたような発言をさせていただいたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/108
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109・中井洽
○中井委員 そういうことであるならば大体私どもも了解をするわけでありますが、それならば、今まで影響評価ということに関して計画の段階で少し関与はできなかったけれども、これから計画実施の段階で、特に埋め立ての段階で、どのように環境庁としては関与されていくのか、こういった面で幾つかお尋ねをしたいわけであります。
私はこの計画の中で運輸省の方に申し上げたいのは、一番残念なことは、環境を大事にすると言いながら埋め立てというものが、しかもかつてないほど大変広い面積の埋め立て、そして沖合五キロメートル、水深二十メートルのところでやるという、これまた初めてと言えるような埋め立てであるにもかかわらず、しかもその埋め立てが行われるところが特別法律までつくってございます瀬戸内海であるということにもかかわらず、他の工法と環境面での比較影響評価がなされることなしに、埋め立てが最善、経済的である、あるいは地域の経済に貢献をする、こういったところからとられた、このことを非常に残念に思うわけであります。
本来、おっしゃるように、計画面で環境問題は十分配慮しました、これから実施の面についてはさらに細かく配慮をするということであるなら、実施段階で、埋め立てと例えば浮体工法とばどうだ、環境面で、特に瀬戸内海においてこういうのをつくるわけですから、瀬戸内海の海を汚さないためにはどっちがよりよいのだ、こういう検討をきちっとなすって、そして瀬戸内海の関係府県というのは十一あるわけでありますが、そこら辺の知事さんの御意見でも聞く、こういった配慮が必要であったのではないかと思います。
ところが、残念なことに、いろいろ五つか六つか七つの要素の中で環境面は一つの要素であって、その中で埋め立てが一番なじみが深い、あるいは経済的だ、こういうことで埋め立てに決まった。このことは、私は環境の面からいったら大変寂しいことだと言わざるを得ないと思うのです。運輸省はこれについてどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/109
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110・山本長
○山本(長)政府委員 この建設工法問題というのは空港計画の基本でございまして、これが決まらなければ計画は前へ進まないというものでございます。おっしゃるように浮体工法問題と埋立工法問題と、いずれを採用するかということが大きな問題でございました。これにつきましては、第一次答申におきましても埋立工法がよいという答申であったわけでございますけれども、さらにその後のいろいろな議論を踏まえ、また造船技術というものの進歩もあるというふうなことで、その後さらにこの浮体工法問題を審議会にかけまして審議をしていただいたのでございます。
その場合に、両工法を比較いたしまして、建設技術の問題、それから違った工法によってでき上がったところの空港の機能に与える影響だとか、もちろん経済的な面、また地元の経済社会に対する貢献度、それから工期、それから環境に与える影響、これも先生は一つの項目と申されましたけれども、もちろん大きな項目として比較の対象になったわけでございます。結論的に埋立工法を採用するのがいいという結論になったわけでございますが、環境という面について特に海を一汚さない、あるいは山の土を取らなくて済むというふうなところから浮体工法問題を検討してはどうかというふうな発想が原点でございました。したがって、その浮体工法問題というのは環境問題というものを根にして出てきた問題でございます。しかし、やはりこういったいろいろな面から判断をいたしまして、浮体工法についてはなお不安があると申しますか、まだ未解明な点が多いというところから埋め立てということになったのでございまして、環境面につきましても、これは一つの大きな要素といたしまして判断の材料になったことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/110
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111・中井洽
○中井委員 埋め立てにつきましては、これは建設省の許可が必要であろう、そしてこの許可を出す場合には瀬戸内の特別法によりまして環境庁長官が意見を言う、こういうことになっていると私は記憶をいたしております。特にこの法案を議員立法から政府提案の法案に五十年でしたか五十一年でしたか、しかえますときにも、この瀬戸内の埋め立て問題について委員会で大変議論が行われました。附帯決議をつけるにつきましても一言一句政府・自民党さんと私どもとの間でいろいろな意見の交換が行われましたし、委員会そのものも何回も何回も瀬戸内海に視察に行ったのを記憶をいたしているわけでございます。
運輸省のおっしゃる経済性あるいはいろいろな面を私は十分承知をいたしております。しかし、環境ということに関しては、人間の命あるいは後世へ残していく大事な人類共通の財産、こういったことを考えると、環境面というのはもっともっと優遇をされなければならない。特に瀬戸内海はそのために特別立法をつくってあるわけであります。そういう法の精神からいくと、大変広い埋め立てである、またこの埋め立てだけではなしに、承れば前島の構想であるとかいろいろな埋め立て等が大阪の南部の開発に伴って出されてくるような形勢であります。そういう埋め立ての許可に関して環境庁長官としてはどういう対応で臨まれるか、従来みたいな影響評価案づくりのときのようなことでは大変心配だと私は思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/111
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112・正田泰央
○正田政府委員 計画段階のアセスメントにつきまして、私ども、運輸省からお話のございました三点セットのアセスメント案につきまして、二年間ほど、相当な時間をかけて検討いたしたものでございます。また、先ほどちょっとお触れになりましたそれに関連する指針の問題でございますが、四十七年からの公共事業の閣議了解に基づいて、運輸省におかれましても十年間以上この種の事業についてのアセスメントをやってきていただいておりまして、その過程において環境庁もその都度その都度いろいろなことを申し上げておった次第でございます。したがいまして、会社及び事業団などと違いまして、運輸省は国家機関といたしまして相当な知見の集積をいただいたということで、実は環境庁長官から本プロジェクトについては指針をお流ししなかったわけでございます。
また、さらに現在のアセスメントにつきましては、先ほど申し上げましたように二年間相当な角度から検討いたしました。また、瀬戸内海については先生の御指摘のように日本の国民にとっても最大の問題の一つでございますが、本プロジェクトが国民的規模と申しますか、あるいは国際的なスケールにおいて最大の公益に関する一つであるということと、御案内のように陸地においては代替地が求められない、海洋以外にないというようなこと、さらには伊丹空港の騒音問題に将来資し得るという観点から行ったわけでございまして、これからは実施段階のアセスメントをきちんと見させていただくということで全力を挙げて取り組む所存でございますので、御理解賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/112
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113・中井洽
○中井委員 その実施段階におけるいろいろな環境庁の判断の中には、土取りをする地域の決定あるいはそれを運ぶルート、そういったこともその対象になるのですか。それともそういうのはもう運輸省の管轄あるいは新しい会社の決定事項であって、埋め立てそのものだけは環境庁の実施に対するいろいろな物言いになるのですか。どちらでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/113
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114・正田泰央
○正田政府委員 私どもの役所の仕事の中身といたしまして、自然保護あるいは環境保全というものが最大のテーマの一つでございまして、過去の事例にかんがみて土取りの場所、土取りの仕方及び土取り後の後始末、そういったものについては重要な関心を持っておるわけでございまして、本件につきましても、運輸省及び事業体がいろいろな環境問題を頭に置いていろいろなことに取り組まれると思いますが、その過程において私どもの方も十分承知して中身についていろいろ見させていただく、そして必要なものは意見を言わしていただく、こういう形になると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/114
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115・中井洽
○中井委員 細心の注意を払っておつくりをいただくように、私どもは重ねて注文をつけておきます。
最後に、先ほど環境庁長官あるいは運輸大臣からお答えをいただきましたように、現在の大阪国際空港の騒音対策としていろいろなことが行われておりますが、現在、これが着々と進んでおって、あと二、三年で防音工事等が終わる、こういうことを聞かしていただいております。飛行場そのものは新しい空港ができるまで存続して、新しい空港ができる過程の中で存廃が決まる、そのように御答弁をされていることを承知をいたしておりますが、この大阪国際空港にあります。辺整備公団というんですか、これが防音工事等が終われば役目は終わるわけであります。そのときにこの公団そのものをどのようにされるおつもりなのか、行政改革の点を含めてお考えをいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/115
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116・山本長
○山本(長)政府委員 空港周辺対策事業も、相当に力を入れてまいりましたこともございまして、事業の量と申しますかあるいは予算の額と申しましょうか、ピークを過ぎたということが言えると思います。それからその一番大きなウエートを占めておりました民家防音工事というものも、大阪空港につきましては希望者に対しましては六十年度には完成をさせたいというふうな計画で進めておる。したがいまして、それを過ぎれば仕事の量自身が、全体としてマクロで見た仕事の量というのは減ってくると思います。ただ、しかしながら、言うならば緑地というふうなものを空港の周辺にふやしていくべきだ、それのための具体的手法としてかくかくしかじかのことをやっていったらどうだというようないろいろな構想がございます。そういった事業もやはりやっていかなければならぬというふうに考えております。
しかし、いずれにしても、全体的に見まして仕事の量が今までに比べまして小さくなっていくということはやむを得ないことだと思います。そういった意味におきまして、空港周辺整備機構の将来のあり方というものはこの際真剣に検討しなければならぬ問題だと思います。しかし、その検討の中におきましても必要なことはやっていかなければいかぬわけでございますから、実質的に施策の後退というふうなことがないように配慮しながらやっていかなければならぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/116
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117・中井洽
○中井委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/117
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118・福家俊一
○福家委員長 藤田スミ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/118
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119・藤田スミ
○藤田(ス)委員 まず最初に、環境庁長官にお伺いをしたいわけです。
私も特に地元の議員として環境問題というのは切実であります。大気汚染の問題、自然破壊の問題、水質汚濁、騒音、漁業に対する影響、それはまさにここに住む人々にとっては暮らしそのものの問題なんです。しかし、きょうは時間がございませんので特に水質問題についてしかお伺いできませんが、まず最初にお伺いしたいのは、この関西新空港計画について環境庁は関係閣僚会議で了承したわけですが、長官、瀬戸内海の埋め立てに関する基本方針、この基本方針に照らしてどういう理由で了承されたのか、簡潔にお答えを願いたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/119
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120・上田稔
○上田国務大臣 お答えを申し上げます。
ただいまの伊丹空港でございますが、先ほどもお答えを申し上げましたように、伊丹空港の騒音問題というのは大変な問題でございまして、これを解決するために運輸省の方におかれましても懸命になってその対策をお立ていただいて、今も進行中でございますけれども、近くの御住民の方の建物の改造というようなことについては相当進んできておりますけれども、全体の問題になってくるとなかなか大変でございますし、これから大阪の発展を考えますと、これがさらに大きな問題になり得るわけでございます。したがいまして、そういったようなことを考えますと、どうしてもそういう騒音の問題を緩和していただくような、あるいはなくしていただく、環境基準に合うようにしていただくというようなことを考えますと、これは運輸省が立案をされました、このたび御提出をしております関西国際空港というものをつくっていかなければならない、こういうことになる。そうしますと、それを前提にして、騒音という問題から考えていって、環境庁といたしまして、この運輸省のお考えをまた環境上から見ていろいろと検討をいたしますとやむを得ないものであるということを感じまして、関係閣僚会議において発言をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/120
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121・藤田スミ
○藤田(ス)委員 そうすると、前提には伊丹の空港の公害問題を抜本的に解決をするということがあるわけです。しかしながら、運輸省の考え方としては少なくとも現空港は存続をしていく、今のところは態度があいまいだ、それは開港時に決めると言っておりますけれども、しかしそういう姿勢が十分考えられるわけです。新空湾の建設は現空港の公害対策にほとんど役に立つものではない、そういう可能性が十分あるということを私は指摘しておきたいわけです。
しかも、特にこの埋め立てられる地域につきましては極力埋め立てを抑制すべきである、そういうふうにされてまいりました。そして現にこの十年間、この地域は相当の抑制がされてきたわけです。そこに大きな空港をつくるということで、この流れが大きく変わろうという点で大変重大だし、私はそういう一挙に大規模な埋め立てを認めていこうという態度には納得できないわけであります。
これ以上この問題について議論できませんが、この空港島以上に、あるいは合わせてというんでしょうか、問題だと思いますのは、今大阪府が言っておりますいわゆる前島構想であります。これも第一次空港島の計画とほとんど同規模の埋め立てを考えているわけでありますけれども、まず運輸省にお伺いいたします。この前島構想について運輸省の立場と見解をお示し願いたいわけです。できるだけ簡単に御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/121
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122・山本長
○山本(長)政府委員 大阪府が前島構想を持っておられるということは承知しております。そして、この前島構想につきまして諸般の調査を進められつつある段階であるというふうに聞いております。
前島構想と空港とのかかわり合いというものにつきましては、構想自身がまだはっきりいたしませんので何とも申し上げかねますけれども、いろいろな交通支援施設の用地になるとか、あるいは空港関連のものがここに立地し得るというふうなことになりますれば、やはり空港への支援施設というふうな性格を持ってくるのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、計画というものがもう少しはっきりいたしまして私たちとしても態度を決めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/122
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123・藤田スミ
○藤田(ス)委員 新空港にとって有用だという御趣旨の御答弁でありましたけれども、この埋め立てについては三点セットということでは全くないわけでして、また空港島と同じ理由、つまり現空港の対策に役立つものというような理由も全く当てはまらないわけです。
環境庁も、当然この前島構想についてはお聞き及びのことだと思いますけれども、大阪府はこの前島に空港関連施設、利便施設、そして文化・レクリェーション用地、こういうものも構想の中に加えているわけであります。この付近は大阪府下でももう本当に数のない海水浴場として残されている一つの地域です。そして同時に、漁場としても大変貴重な地域になっています。こうした計画は、先ほど申しました基本計画や、またこれまでの海域でやむを得ずということで、公害対策だということで埋め立てられてきた、そういう認められてきた埋め立てと比べてみましても、絶対に認められるものではないというふうに思いますが、この前島構想についてということで御答弁をいただくと、また大変やりにくかろうと思いますので、一般論としてお聞きいたします。
こういう海域、極力埋め立てを抑制するべきだと言っているこの海域で、文化・レクリエーション施設あるいはそういう利便施設などを理由として埋め立てをするということになれば、一般論として認められるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/123
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124・佐竹五六
○佐竹政府委員 私どもは、瀬戸内海環境保全特別措置法十三条に基づきまして、その埋め立てに関して承認をする場合の運用の基本方針について御答申をいただいておるわけでございますので、そば答申に従って適正な処理を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
なお、同基本方針におきましては、できるだけ埋め立てを避けるべき海域については、公害等の防止、あるいは汚濁負荷のないもの、そういうものについては埋め立てを認めても差し支えない、こういうふうな運用方針をいただいておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/124
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125・福家俊一
○福家委員長 藤田委員に申し上げます。
質問時間は二時まででございますが、五分ぐらい余裕がありますから、最後の質問です、地元ですから、落ちついておやりなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/125
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126・藤田スミ
○藤田(ス)委員 ありがとうございます。委員長の温かい御配慮をいただいて、質問を続けます。
浦西良介さん、御存じでしょうか。かつて大阪府の理事であり、企画室長を務めておられた方です。現在、大阪府企業局長を務めておられ、この関西新国際空港、大阪府が担当する最も重要な職務についておられる方です。
ところで、この人がこの前島構想についてことしの一月三十日に講演をやって、次のように言っております。少し読み上げます。長くなりますが、よく聞いておいてください。
瀬戸内海の水質汚濁については臨時の措置法が出来ておりまして「環境改善にプラスするもの以外は埋め立てをしてはいかん」ということになっておりますから、前島をどういう理屈で認めてもらうように持っていけるか、これが非常に大きな問題であります。
いまのところ、前島には下水の処理場、空港連絡の道路・鉄道のジャンクション、あるいはインターチェンジのようなもの、その他空港の関連施設あるいは緑地等を考えております。下水の処理場とかジャンクション等については「内陸部につくると環境が悪くなる」というような説明がつきますが、空港関連の施設、特にたとえば見本市会場であるとか国際的な会議場、研究施設、そういうものになってまいりますと環境庁をクリアすることがなかなか難しいという制約があります。
要するに、浦西企業局長は、初めに前島ありき、こういうことなんです。そして、これに理屈をつけるのが非常に難しいと言っているわけです。環境行政を預かる環境庁として、こんな発言は到底認めるわけにはいかないと私は思いますが、どう思われましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/126
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127・正田泰央
○正田政府委員 前島の件で今お尋ねがございましたのでお答えを申し上げますが、私ども、前島の件につきましては耳にすることもございますし、若干の報道で目にすることもございますが、閣僚会議及び運輸省の方面から一度も話を聞いたことがございませんので、前島という構想についての御答弁は差し控えたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/127
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128・藤田スミ
○藤田(ス)委員 私は、前島についてということで今聞いているのと違うのです。こういうふうに言っておりますが、どう思われますか。下水処理場とかジャンクション、そういうものについては環境対策として説明がつくのだ——説明がつくということでこの海域での埋め立てが認められるというようなことがあってもいいのか。どうしても公害対策上やむを得ない、埋め立てをやらざるを得ないという場合やむなく埋め立てを認めるというのが基本方針の精神じゃないか。しかも、後から理屈をつけるのが非常に難しい部分、その方が面積でいったらずっと大きいわけですが、そういうものを持っていって、どう理屈をつけようか、こういうふうに言っているところに対して聞いているわけです。
先ほどから、環境庁の態度というのは消極的じゃないかという意見があります。私もまことにそのとおりだと思います。そういう埋め立てをやらざるを得ない場合やむなく埋め立てを認めるというのが基本方針の精神ではないかという基本方針の精神に照らして、こういうふうな、説明がつくという言い方で埋め立てを認められるようなことがあるのかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/128
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129・上田稔
○上田国務大臣 お答えを申し上げます。
瀬戸内は今先生お話しの御趣旨のとおり、埋め立てをやらないという方針で進んでいくわけでございますが、今話が出ておりますような下水処理、あそこの場所は非常に山が迫ってきておる、ピンターランドがそう大きいところではございませんので、下水処理などをやろうといたしますと勢い埋め立てということがあるいは出てくるかもしれないとは私も思いますが、まだ具体的に何も話がないわけでございますので、それはどうだということについては、今ちょっと申し上げることができない状態でございます。先生のお話のように、埋め立てを前提にしてということでございますが、埋め立てるとすればというようなことでお考えになられたのではなかろうかと思います。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/129
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130・藤田スミ
○藤田(ス)委員 大臣、日ごろのお気持ちの優しいのはよくわかるのですが、事は環境問題で、一番責任を持っておられる方ですから、こうした問題はもっと厳しい姿勢で臨んでいただきたい。
先ほど私が長々と読み上げまして、長官、どういうふうに思われましたでしょうか。とにかく私は環境庁をばかにしているというふうに読みました。初めに計画ありき、初めに前島ありき、後からどう理屈をつけようか、しかも、これとこれは理屈が立つがあとの大半は理屈にならない、それをどう環境庁を丸め込もうかという話を、堂々と公の場でやっておられるのです。私はそんなに環境庁がなめられていることを、長官以上に腹が立っていますよ。そして、そういう姿勢があるからこういう空港計画に対して、しかも民間でやるようなことになるに及んでは、なおさら大きな不安を抱かざるを得ないわけです。
もう一度、私は長官に重ねてお伺いをいたします。こうした発想に基づいて、初めに前島ありき、環境庁どう丸めたろうかというような発想に基づいた埋め立てについては、厳しく臨む必要があると思いますが、長官のきっぱりとした御答弁をお願いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/130
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131・上田稔
○上田国務大臣 環境庁に対しまして御支援をちょうだいをいたしまして大変ありがたいと思うのでございます。仕事のやりやすいように先生の方からいろいろ御意見をいただきましてありがとうございました。ただ、環境庁といたしましては、これは科学的にと申しますか、いろいろ計画が出てまいりましたときには、府と科学的に検討をさせていただいて、そうしてこれがどうであるかということの判断をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
その方がどういう気持ちを持っておられたかということについては、これは今までそういう対象にはいたしておりませんので、そういうことでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/131
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132・藤田スミ
○藤田(ス)委員 最後に運輸大臣、私が心配していることをある程度わかっていただいたと思うのです。先ほどから環境庁は、運輸省を大変信頼して事を今日まで進めてきたということであります。それならば、私はなおさら、運輸省がこの計画を考えられ今日まで進めてこられて、これから民間でやっていこう、こういうことでありますけれども、環境問題については大きな責任を担っていかざるを得ない立場、それは当然のことだと思います。そういう立場に立って、運輸大臣としてお立場は違うでしょうが、環境問題、特に厳に埋め立てを戒めなければならないと言われている地域での革め立ての環境問題に対して、大臣の今後の責任ある姿勢をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/132
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133・細田吉藏
○細田国務大臣 先ほども御答弁申し上げたのでございますが、今度の新空港をつくろうというのは、現大阪空港の環境の問題が出発点であり、それが計画を立てられたもとなんでございまして、環境の問題を極めて重視しておるところに新空港の設置というものが起こってきておるということでございます。全般として、あなたがおっしゃっております環境の問題に十分に注意をしなければならぬということは当然のことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/133
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134・藤田スミ
○藤田(ス)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/134
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135・福家俊一
○福家委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。
本連合委員会に各委員の御熱心な御協力、運輸委員長として深く感謝の意をささげます。ありがとうございました。
これにて散会いたします。
午後一時五十分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110103869X00119840427/135
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