1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年四月五日(木曜日)
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議事日程 第十三号
昭和五十九年四月五日
正午開議
第一 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改
正する法律案(内閣提出)
第二 機械類信用保険法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
第三 所得に対する租税に関する二重課税の回
避及び脱税の防止のための日本国政府と
中華人民共和国政府との間の協定の締結
について承認を求めるの件
第四 航空業務に関する日本国政府とスリ・ラ
ンカ民主社会主義共和国政府との間の協
定の締結について承認を求めるの件
第五 国立学校設置法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
永年在職の議員鈴木強君に対し、院議をもって
功労を表彰することとし、表彰文は議長に一
任するの件(議長発議)
日程第一 繊維工業構造改善臨時措置法の一部
を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 機械類信用保険法の一部を改正する
法律案(内閣提出)
日程第三 所得に対する租税に関する二重課税
の回避及び脱税の防止のための日本国政府と
中華人民共和国政府との間の協定の締結につ
いて承認を求めるの件
日程第四 航空業務に関する日本国政府とス
リ・ランカ民主社会主義共和国政府との間の
協定の締結について承認を求めるの件
日程第五 国立学校設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
関西国際空港株式会社法案(内閣提出)の趣旨
説明及び質疑
午後零時十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/0
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001・福永健司
○議長(福永健司君) これより会議を開きます。
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永年在職議員の表彰の件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/1
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002・福永健司
○議長(福永健司君) お諮りいたします。
国会議員として在職二十五年に達せられました鈴木強君に対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。表彰文は議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/2
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003・福永健司
○議長(福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
表彰文を朗読いたします。
議員鈴木強君は国会議員として在職すること二
十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸
張に努められた
よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院
議をもってこれを表彰する
〔拍手〕
この贈呈方は議長において取り計らいます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/3
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004・福永健司
○議長(福永健司君) この際、鈴木強君から発言を求められております。これを許します。鈴木強君。
〔鈴木強君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/4
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005・鈴木強
○鈴木強君 ただいま、私が国会議員として在職二十五年に及びましたことに対し、御丁重なる表彰の御決議を賜りましたことは、まことに身に余る光栄でございまして、ただただ感謝と感激にたえません。(拍手)議長並びに先輩同僚議員各位の御厚情に対し、謹んで厚くお礼申し上げます。(拍手)
私は、昭和三十一年七月の参議院議員選挙で初当選以来、昭和四十九年七月まで十八年余を参議院議員として、さらに、昭和五十一年十二月より本院議員として、ここに在職二十五年を迎えることができたのでありますが、顧みて感慨無量なものがございます。
私の栄誉は、ひとえに先輩同僚議員各位の温かい御指導と御鞭撻のおかげでございます。同時に、全国の有権者と私の郷土山梨の選挙区の皆さん、特に私の母体である全電通、準母体である全逓、後援会の強親会を初め、多くの支持団体の皆さんの終始変わらざる力強い御支援と御協力のたまものでございます。今日に至るまでの長い年月、苦しいときにはともに苦しみ、悲しいときにはともに泣き、うれしいときにはともに喜び合いながら私とともに歩み続けてくだすった皆さんにこうべを垂れて厚く感謝を申し上げ、この喜びをともに分かち合いたいのでございます。(拍手)
私は、現行平和憲法をしっかり守り、地球上から戦争と貧乏と不平等をなくし、我が国民の平和と安全、福祉と繁栄を念願し、その実現のため命をささげようと決意して政治の道に入りました。そのためには、政権交代のできる二大政党の誕生の必要性を痛感し、また、政治は国民を幸せにするためにのみ存在するものであることを認識し、国民に奉仕する心を忘れてはならないと自分に言い聞かせてまいりました。
このような政治理念を基調にし、平和憲法の精神が政治の中に生かされるよう、私は私なりに終始一貫、自己の信念と信条を曲げることなく、全力を尽くして頑張り続けてまいったつもりでございます。しかし今、しみじみと二十五年間を振り返ってみるときに、私の目指す政治への道のりは余りにも遠く、私に寄せられた国民の期待に十分おこたえできなかったことを残念に、かつ申しわけなく恥じ入るばかりでございます。
今や、我が国を取り巻く内外の諸情勢は余りにも激しく、全く予断を許さないものがございます。私は、今ほど政治に対する失われた国民の信頼を取り戻し、国会議員に課せられた重大な任務達成のため奮起しなければならないときはないと痛感せずにはいられません。
私は、きょう与えられました栄誉に一層心を引き締め、自粛自戒、国民より負託された責務を果たすべく最善の努力をいたす覚悟でございます。
終わりに臨み、先輩同僚議員よりいただきました長年の御指導に改めて感謝を申し上げ、今後とも変わらざる御厚情を賜りたくお願い申し上げて、感謝の言葉といたします。
ありがとうございました。(拍手)
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日程第一 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 機械類信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/5
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006・福永健司
○議長(福永健司君) 日程第一、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第二、機械類信用保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。商工委員長梶山静六君。
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繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する
法律案及び同報告書
機械類信用保険法の一部を改正する法律案及び
同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔梶山静六君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/6
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007・梶山静六
○梶山静六君 ただいま議題となりました両案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
繊維工業につきましては、現在、その知識集約化を図るため、異業種間の連携を軸とした構造改善事業が推進されておりますが、本案は、最近における発展途上国の追い上げの進展、需要構造の高度化、いわゆる多品種少量短サイクル化等に適切に対応していくため、繊維工業の一層の構造改善を図ろうとするものであります。
その主な内容は、
第一に、法律の廃止期限を昭和六十四年六月三十日まで五年間延長すること、
第二に、繊維工業構造改善事業協会の業務に、繊維事業者に対し技術指導を行う者の養成、新技術の開発及び導入に係る調査研究等の業務を追加すること等であります。
本案は、去る二月二十九日当委員会に付託され、三月二十七日小此木通商産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、参考人の意見を聞くなど審査を重ね、四月三日質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
次に、機械類信用保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、機械類信用保険事業の業務量の増大が見込まれる現状にかんがみ、これに適確に対処し得る体制を整備しようとするものであります。
その主な内容は、
第一に、政府がみずから行っている機械類信用保険の業務を、昭和五十九年十月一日から中小企業信用保険公庫に移管すること、
第二に、中小企業信用保険公庫に機械類信用保険運営基金を設けるとともに、機械類信用保険業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理をしなければならないこと、
第三に、機械類信用保険特別会計法を廃止し、機械類信用保険業務に関し国が有する権利及び義務は、中小企業信用保険公庫が承継すること等であります。
本案は、去る三月一日当委員会に付託され、四月三日小此木通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、四月四日質疑を行い、同日質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/7
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008・福永健司
○議長(福永健司君) 両案を一括して採決いたします。
両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/8
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009・福永健司
○議長(福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第三 所得に対する租税に関する二重課
税の回避及び脱税の防止のための日本国政
府と中華人民共和国政府との間の協定の締
結について承認を求めるの件
日程第四 航空業務に関する日本国政府とス
リ・ランカ民主社会主義共和国政府との間
の協定の締結について承認を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/9
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010・福永健司
○議長(福永健司君) 日程第三、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための同本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第四、航空業務に関する日本国政府とスリ・ランカ民主社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。外務委員長中島源太郎君。
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所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国政府と中華人民共
和国政府との間の協定の締結について承認を
求めるの件及び同報告書
航空業務に関する日本国政府とスリ・ランカ民
主社会主義共和国政府との間の協定の締結に
ついて承認を求めるの件及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔中島源太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/10
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011・中島源太郎
○中島源太郎君 ただいま議題となりました二件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、中国との租税協定について申し上げます。
本協定は、両国政府間で数次にわたる交渉を経て、昭和五十八年九月六日北京において署名されたものでありまして、協定の対象となる租税、企業の利得に対する課税、船舶または航空機の運用によって生ずる所得に対する租税の免除、投資所得に対する源泉地国の税率の制限及び両国の二重課税の排除方法等について規定をいたしております。
次に、スリランカとの航空協定について申し上げます。
スリランカとの定期航空業務開設に関しましては、昭和四十一年以来、スリランカ側より種々の機会に希望が表明されてまいりましたため、昭和五十八年九月に協定締結交渉を行い、合意に達しましたので、本年二月二十二日コロンボにおいて本協定の署名が行われました。
本協定は、両国間の定期航空業務を開設し、かつ運営することを目的としておりまして、協定業務開始のための手続及び条件、相手国の空港その他の使用料についての最恵国待遇及び内国民待遇、燃料等に対する関税等の免除、運賃の決定手続、ハイジャック等の防止のための協力について規定するとともに、付表において、両国の指定航空企業が運営する路線を定めております。
以上二件は、三月三十日政府から提案理由の説明を聴取し、昨四月四日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/11
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012・福永健司
○議長(福永健司君) 両件を一括して採決いたします。
両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/12
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013・福永健司
○議長(福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
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日程第五 国立学校一設置法の一部を改正する
法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/13
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014・福永健司
○議長(福永健司君) 日程第五、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。文教委員長愛野興一郎君。
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国立学校設置法の一部を改正する法律案及び同
報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔愛野興一郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/14
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015・愛野興一郎
○愛野興一郎君 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、昭和五十九年度における国立大学の大学院の設置、短期大学部の併設及び附置研究所の廃止、国立大学共同利用機関の設置等を行おうとするものであります。
その内容は、
第一に、北見工業大学及び図書館情報大学に修士課程の大学院を、高知医科大学、佐賀医科大学及び大分医科大学に博士課程の大学院をそれぞれ新たに設置すること、
第一に、長崎大学に医療技術短期大学部を新たに併設すること、
第三に、熊本大学附置の体質医学研究所については、これを廃止し、同大学医学部附属の遺伝医学研究施設等とすること、
第四に、文部省の所轄研究所である国立遺伝学研究所を改組転換し、国立大学共同利用機関として設置すること、
第五に、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る職員の定員を改めること等であります。
本案は、去る二月二十一日に付託され、三月二十三日森文部大臣から提案理由の説明を聴取し、また同月三十日には、昭和五十九年度の暫定予算との関係で、国立遺伝学研究所の債務の負担または支出等について所要の措置を講じ、また施行期日を公布の日に改める等の内閣修正について、森文部大臣から説明を聴取いたしました。
次いで、四月四日質疑を行った後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたした次第であります。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/15
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016・福永健司
○議長(福永健司君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/16
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017・福永健司
○議長(福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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関西国際空港株式会社法案(内閣提出)の趣旨
説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/17
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018・福永健司
○議長(福永健司君) この際、内閣提出、関西国際空港株式会社法案について、趣旨の説明を求めます。運輸大臣細田吉藏君。
〔議長退席、副議長着席〕
〔国務大臣細田吉藏君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/18
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019・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 関西国際空港株式会社法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
我が国が将来にわたって国際化社会における重要な責務を果たし、経済の発展と豊かな国民生活の実現を図っていくために、航空輸送はますます必要不可欠なものとなり、国際空港はそのかなめとしての重要な役割を担っていかなければならないところであります。
現在、首都圏と並び我が国経済、文化等の中心である近畿圏にあって、大阪国際空港は国際及び国内の航空輸送網の二大拠点の一つを形成しておりますが、同空港は、環境対策上厳しい運用制限を余儀なくされているため、国際航空路線の開設、地方空港からのジェット機の乗り入れ等の内外からの要望を受け入れることができない現状にあります。
このような状況にかんがみ、大阪国際空港の環境問題と航空輸送需要の増大に適切に対応するため、関西国際空港を環境保全に十分配慮して、地域社会と調和のとれた、かつ機能的にもすぐれた二十四時間運用可能な空港としてぜひとも早急に整備する必要があるところであります。
関西国際空港の整備は、大規模かつ緊急を要する事業であり、資金調達の多様化、事業の効率的な運営等の観点から、新しい組織体を設立してこれを行う必要がありますが、その具体的な事業主体につきましては、民間活力の導入を提言した臨時行政調査会答申の趣旨等にかんがみ、国、地方公共団体及び民間が一体となった協力責任体制のもとに弾力的、効率的な企業的経営を可能とする特殊法人たる株式会社方式により空港の建設、運営を一元的に行っていくことが適切であると思料し、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、関西国際空港株式会社は、航空輸送の円滑化を図り、もって航空の総合的な発達に資するため、関西国際空港の設置及び管理を効率的に行うこと等を目的とする株式会社とすることとしております。
第二に、関西国際空港は、国際航空路線に必要な公共用飛行場として、大阪府の地先水面に設置するとともに、空港及び空港に必要な航空保安施設の設置及び管理は、運輸大臣が定める基本計画に適合するものでなければならないこととしております。
第三に、政府は、会社の発行済み総株式の二分。の一以上の株式を保有するとともに、地方公共団体は、自治大臣の承認を受けて、会社に対して出資することができることとしております。
第四に、会社は、第一の目的を達成するため、関西国際空港及び空港に必要な航空保安施設の設置及び管理を行うほか、空港の機能を確保し、及び利用者の利便に資するための空港ターミナル施設等の諸施設、空港と陸岸との間の連絡橋等の建設及び管理等を行うこととしております。
第五に、政府は、国際空港の整備という会社の行う事業の公共性にかんがみ、会社に対する無利子貸し付け、債務保証、税制特例等の助成措置を講ずることとしております。
その他、利益配当の特例、国庫納付金、会社に対する監督、会社の設立手続等について所要の規定を設けるとともに、関西国際空港を空港整備法の第一種空港とする等関係法律の規定の整備を行うこととしております。
以上が関西国際空港株式会社法案の趣旨でございます。(拍手)
―――――・―――――
関西国際空港株式会社法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/19
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020・勝間田清一
○副議長(勝間田清一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。左近正男君。
〔左近正男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/20
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021・左近正男
○左近正男君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました関西国際空港株式会社法案について、総理並びに関係大臣に御質問いたします。
まず、質問に入る前に、私の総理に対する率直な印象を申し上げます。
いつか週刊誌で拝見いたしました総理の水泳の姿はまさにたくましく、若々しいものでありました。歴代の総理の中でも一番かっこいいのではないかと思います。こんな総理が、どこかから強い圧力とか力が加わると、その方向になびかれるように思えてなりません。防衛問題についても、すべての国民は自分の国は好きであるし、平和をこよなく求めています。しかし、異常な軍事費の突出はアメリカの意向によることは明らかです。多くの国民は、日本が軍事大国になることを求めていません。このことが、政治倫理の確立とともに昨年末の総選挙における国民の審判であったと確信します。
総理は、総選挙の結果について厳粛に受けとめ、反省しているやに伺いますが、新自由クラブの応援をいただいて大変お元気になられたように思えます。そして「増税なき財政再建」を今ではお蔵に入れて、増収であるとかでこぼこ調整であるとかの言葉をお使いになって、庶民にしわ寄せになる増税をしているではありませんか。私は、とてもかっこいい総理にしては、なさっていることは国民にそっぽを向いた政治ではないかと思えてならないのです。
本法案の閣議決定に当たっても、総理は、利益配当制限条項をめぐって前代未聞の横やりを入れたと言われております。財界の御機嫌をとるための指揮権発動ではないかと、うがった見方もされています。この際、総理の所信を明らかにしていただきたいものであります。
さて、私はなぜこのような総理の所信をお伺いするかと申しますと、本関西国際空港問題についても民間の活力を導入するとの美名を使って、総理の財界に対する配慮ではないかと思われてなりません。総理、いかがでしょうか。
それでは、本法案に関連する若干の質問をさせていただきます。
まず、基本的な事項として、空港整備法では、第一種空港は国が設置し管理するとなっており、そして新東京国際空港は新東京国際空港公団が設置し管理するとなっています。この二つの方式があるにもかかわらず、空港という公共性と安全が絶対条件である施設と管理について、多くの法律の適用除外を設けてまでなぜ株式会社にしなければならないのか理解できません。特に第一種空港という国としての基礎的施設に対し、行政改革、臨調に名をかりて株式会社方式を導入することは責任回避と言わざるを得ません。本空港は、我が国初めての二十四時間運航可能な国際空港であります。諸外国との国際的窓口として信頼を得るためにも、国の責任において設置し管理すべきであります。総理の御所見をお尋ねします。
第二に、関西国際空港問題については、本法案として提議されるまで十七年余にわたる経過を有するものであります。特にその経過の中で、昭和四十九年八月十三日航空審議会は、大阪国際空港騒音問題の抜本的解決を図るため、大阪国際空港の廃止を前提とし、新空港の建設を答申しています。この航空審議会答申の基本を踏まえ、今後対処されるべきであると思いますが、運輸大臣の明確な答弁を求めるものであります。
第三に、新空港建設に当たっては、かねてから空港本体の計画と環境影響評価及び地域整備について一体のものであるとの立場で、三点セットとして取り扱われてきました。しかし、環境影響評価と地域整備について何ら具体的にされておりません。
そこで、環境庁長官にお尋ねします。本空港は、大阪湾南東部の泉州沖約五キロメートルに、第一期計画として約五百ヘクタール、全体計画として千二百ヘクタールの海上島の設置構想であります。瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、今後具体的にどうされるのか、明らかにしていただきたいものであります。特に、大量の土砂採取、公有水面の埋め立て、大気汚染、騒音、水質変化、土取り周辺の自然破壊などに対し、総合的環境影響について徹底した調査を行うべきです。
また、地域整備について何ら具体化されないことについて、地域住民と周辺自治体は失望しています。空港の円滑な運営にとって何よりも大切なことは周辺地域との調和であります。空港が設置されることにより、どう発展し整備されるかについて重大な関心を持っています。建設大臣は今後具体的にどう対処されるのかお尋ねします。
そして、本法案は地方自治体に空港本体にまで過度の財源負担を求めています。それのみか、地域整備や交通アクセスに多くの資金が必要です。これらの財源負担を地方自治体に求めることは地方財政を圧迫し、極めて遺憾なことであります。また、関西新空港の建設に当たり、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律に準じた財政的措置をすべきであると考えますが、総理の御所見を求めるものであります。
第四に、本空港は昭和六十七年開港を目標にし、開港後五年で単年度黒字となり、九年目で配当可能とされています。この試算の詳細について国民に明らかにすべきであります。また、建設途上において予定外の財源が必要となり、これらの試算が狂ったとき、どのように対処されようとするのか、運輸大臣にお尋ねします。特に地元自治体に対し過度の財政負担は絶対に求めないことを明らかにすべきであります。
第五に、本法案は空港建設に当たり解決しなければならない漁業補償、土取りなど環境破壊による公害問題などについて、すべて株式会社の責任において処理しなければならないことに、地域住民は大きな不安を抱いております。住民の苦情、異議申し立てを受けとめる窓口と責任体制の確立を国及び自治体の責任において対処しない限り、円滑な事業の遂行は不可能です。そして、地元住民及び自治体が参加する公害監視システムと空港運営委員会的なものを設置することが必要です。
また、空港建設に当たり、第一期工事においても一億五千万立方メートルの土砂採取が行われます。大阪府はこの土取り場所について公有地に限定するとの見解を示していますが、大阪府以外の場所より採取する場合においても公有地に限定すべきであります。これらのことについて運輸大臣の御所見を伺うものであります。
第六に、本法案による特殊法人設立に伴い、日本自動車ターミナル株式会社の民間移管と大阪国際空港周辺整備機構について他の法人との統合を図る方針が示されていますが、これらはその必要性により設置されたものであり、国民の求める行政改革は法人の数字合わせではありません。高級官僚の天下りや高額退職金の国民的非難、利権の伴わない公団、特殊法人の運営こそ真の行政改革であると信じます。公団、特殊法人、それらの子会社を含め、今日のあり方について正すべきだと思いますが、総理の御見解を伺うものであります。
第七に、十四年余の長きにわたる大阪国際空港公害訴訟について和解が成立しましたが、その前提は、さらに一層の周辺対策の強化とともに、午後九時以降のダイヤは認めないとの大阪国際空港騒音対策協議会に対する運輸省の文書での見解表明があったことです。このことについて、改めて運輸大臣の明確な答弁を求めるものであります。また、現在公害等調整委員会に調停を申し立てている大阪空港騒音調停問題に対し速やかに解決を図るべきだと考えますが、運輸大臣の御見解を求めるものであります。
第八に、新空港の交通アクセスに関する事項として、大阪府・市は、都市交通審議会答申第十三号に基づく緊急整備区間について昭和六十年にはほぼ達成されるのを受け、今後の鉄道網の整備のあり方として、大阪、京都、神戸を中心にほぼ五十キロ圏を対象とする鉄道網整備構想が検討されていますが、このことについて運輸大臣として積極的に取り組んでいただきたいと存じますが、明確な答弁を求めるものであります。
最後に、関西国際空港の必要性は、現大阪国際空港の騒音問題の解決、航空需要の増加等を考えるとき否定するものではありません。改めて、国の責任において設置し管理することを強く求め、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/21
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022・中曽根康弘
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 左近議員にお答えをいたします。
私の水泳に大きな関心を寄せていただきまして、まことにありがとうございます。大いにスポーツを振興したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
さて、本案の法案作成の過程におきまして、特別の指示や横やりを入れたのではないかという御質問でございますが、この点につきましては、法案作成の過程におきまして、官房長官から問題点を指摘して検討をお願いしたことはございます。
その理由は、この株式会社の配当につきまして、配当の基準を数字で法律事項としている点がございました。何割とか何割とかという法律で決めるようにしておる点があったのでございます。しかし、戦時中におきましても、あの戦時統制経済のもとにおいてすらも、配当を法律で数字で決めるというようなことはごくまれにしかなかったことでございまして、いわんや今日の自由主義経済のもとにおいて、それはなじまない。また、最も大事な点はやはり民間の活力を大いに増大させようという趣旨で、株式会社というような点もあるし、さらに、将来経済の変動を考えてみますと、いかなることが将来起こるかわかりません。そういうような場合に、ほかの会社との配当の横並びのバランス等々も考えてみる必要も出てまいります。そういう面から見ますと、今あらかじめ配当を数字で決めておくということは適切でない、それらは政令以下の事項に任せて弾力的に考うべきである、そういう考えに立ちまして、官房長官が指摘をしたという次第がございます。
次に、この事業主体についての御質問でございますが、これは空港整備法上の第一種の空港、国際空港として非常に重要な意味を持つ空港でございます。そして大規模かつ緊急を要する施設であり、資金調達につきましても、これを効率化し事業の運営も能率化させる、そういう考えから新しい組織体を考えたわけであります。
公団をつくれという御主張もございましたけれども、行政改革をやって公団を整理している過程において公団の増設ということは、これは適切でない、そういうような考えの上に、民間活力の積極的な導入という臨調答申の趣旨を踏まえ、かつ、地域との調和を図るという意味におきましても、国と府県、市町村との連合の協力体をつくろうという考えに立ちまして、このような体系をつくりました。特に、地元の発言権を確保しておくということも重要視した点でございます。以上のような点で新しい事業体をつくりましたので、御了承願いたいと思う次第でございます。
また、これは地方財政を圧迫することになりはしないかという御質問でございますが、これは地域の発展に寄与するという大きな目的を持っておりまして、その福祉が地域に還元する面もかなりあると思っており、かつまた、地域の意向を反映させるという意味からも、建設や運営に関して地域にも役割の分担をお願いをいたしました。そして地方公共団体につきましても出資をお願いをいたしまして、了承していただいたものでございます。この構想につきましては、大阪府・市あるいは和歌山県当局、地方の公共団体におきましても積極的な御協力をいただきまして、出資等につきましても積極的な御快諾をいただいております。今後とも地方財政を圧迫しないように努力してまいるつもりであります。
次に、公団等の特殊法人のあり方についての御質問でございます。
これにつきましては、臨調答申の指摘もありまして、社会経済情勢の変化に応じて不断の見直しが必要であると考えております。政府は、臨調答申を受けまして、五十九年度の行政改革大綱におきましてもこれらの特殊法人の見直しを行っております。その一環として、今回の国会におきましても特殊法人関係の行政改革関連法案五件を提出して御審議を願っておるところでございます。今後も、この五十九年度の行革大綱に沿いまして着実に特殊法人の改革を推進してまいる所存でございます。
残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
〔国務大臣細田吉藏君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/22
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023・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 左近議員の御質問にお答えいたしますが、初めにお断りを申し上げたいのは、御質問の順序と多少違うかもしれませんが、その点は、非常に速かったものでございますから、前後することはお許しを願いたいと存じます。
最初に、一番最後に聞かれたことでございますが、現在の大阪国際空港をどうするかということでございます。
これは、航空審議会におきましては大阪国際空港の廃止を前提として新空港をつくるということになっておりまして、新空港の着手と同時に検討を始めて竣工までの間に廃止かどうかを決める、これは運輸省の責任において決めるということになっておるのでございます。もちろん新しい空港は、今あるものの能力も十分含めたものでつくるということにはいたしておりますが、しかし現在伊丹にありますあの空港は、やはり非常に大きな役割をいたしております。環境の問題、公害の問題等ございますけれども、これは直ちにやめることがいいのかどうか、非常に重大な問題があろうかと思うのでございまして、なるべく早い時期にこの存廃について決定をいたしたいということで、調査を開始しておる次第でございます。
それから収支採算でございますが、収支採算はいろいろな条件がございます。今後の航空需要の見通しもございますし、一般の景気動向、いろいろな点がございますが、私ども慎重に検討いたしました結果、事業費の三〇%の無利息資金というものが調達できるという前提におきまして、開港後おおむね五年程度で損益計算上の利益が大体出る。また、おおむね九年程度で利益配当が可能になる。また、二十三年程度で有利子の借入金の償還が可能になると見込んでおる次第でございます。
なお、大幅ないろいろな建設費の増加が生じた場合に、会社にしょわせたり自治体にしょわせたりすることについては問題があるではないか、こういうことでございますが、実は二分の一以上は国がこれは負担いたしておりまするし、またこの会社をつくるに当たりまして、十分に地方団体また地方の皆様方と御相談を申し上げておりますので、これらの点につきましては、その時点において善処をいたすわけでございますが、第一種空港でございますから、国がこの会社のできた事情等を考えて十分善処してまいるという考え方でございまして、莫大な負担を地方にかけるというようなことはないようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
次に、漁業補償、公害問題等について株式会社ではどうかということでございますが、これまた公団に非常に近いような程度の、政府の出資も先ほど申し上げたように大幅なものでございますし、税制面とかその他のいろいろな面で国が非常に力を特別にこの特殊法人、株式会社に与えておるわけでございまするので、これらの問題は特に重要でございますので、会社の責任において処理するということには間違いございませんけれども、国が会社に勝手にやれというようなわけにはまいらないものと考えておりまして、十分善処したいと思っておりますし、また御提案のございました何らか地方の声を聞くような機関をつくってはどうか、こういうような点につきましても、十分前向きで検討をさせていただきたいと考えておる次第でございます。
次に、土砂の採取地、これも大問題でございまして、おっしゃるように公有地からとることが可能であれば、これはその方がよかろうかと思っておるのでございますが、これはこれからの計画を立ててみなければなりません。もう既にある程度の調査はいたしておりますが、どうも公有地だけで全部の土砂をとるということはできないのではなかろうか、かように考えております。御趣旨のあるところはわかるわけでございますが、この跡地の問題あるいは土砂をとることによる環境問題その他については、十分配慮してまいりたいと考えておる次第でございます。
次に、公害訴訟の和解の前提である現在の大阪空港の問題でございますが、午後九時以降のダイヤは認めないということをはっきりしろ、こういうお話でございますが、私は、これははっきりここで、当面午後九時以降にこれを運航するということは考えておりません。
それから次に、先般公害の関係で和解がなされまして、私どもこれを受け入れたわけでございます。それで残された問題は、調整委員会にかかっております調停の問題だけでございます。しかしながら私どもは、基本原則が、裁判所の意向も大体わかっておりますし、調整委員会におきまして調停がもう出ておりますので、なるべく早い時期にこれは調停を、この調整委員会の場をかりて、何しろ相手が一万三千人余おられますので、それだけの時間がかかりますけれども、できるだけ早くこの問題を片づけてまいりたい、できるだけの努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
最後に、大阪府、大阪市が大阪を中心にした鉄道網、交通網の総合対策、二十一世紀に向かっての大きな計画を、委員会をつくってつくられたことを私ども承知いたしております。しかし、正式に私どもの方へ要請があったり報告があったりしたものではございませんが、私ども承知しております。東京、大阪、こういったような大都市の都市交通というものは、私は、このモータリゼーションの時代でも、何としても鉄道が重要な役割を果たすということだと思います。そういった意味で、今後この関西新空港のアクセスの問題も含めまして、大阪付近を中心にした通勤輸送その他の鉄道綱の充実ということ、これは他の鉄道にも増して特に重点を置いていかなければならない、かように考えておる次第でございます。ただ、大変な金がかかる問題でございますので、この点はいろいろ今後考えていかなければならないと思っております。
答弁漏れがありましたら、お答えをいたします。(拍手)
〔国務大臣水野清君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/23
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024・水野清
○国務大臣(水野清君) 関西国際空港の建設に伴って、地域整備については建設省はどのような対応をするかという御質問でございますが、関西国際空港については、本年二月十日の第二回関係閣僚会議におきまして、空港の立地に伴う関連施設整備の進め方について、空港のアクセスとして根幹となる交通施設については、国が地方公共団体などの協力を得て計画面の調整を行い、国を含む関係の機関及び地方公共団体などが相互に協力をして整備を行う、空港の立地に伴い必要となる関連公共施設に関する計画の策定及び推進については、今後国と地方公共団体との間で協議、調整を図っていくというような基本的な考え方について了解をされたところでございます。
建設省としては、空港を支えるアクセス道路の整備を初め関連する公共施設の整備など、関西国際空港の建設は建設行政にとっても重要な課題であると考えております。建設省としては、関係閣僚会議の趣旨を踏まえまして、空港の立地に伴う関連施設の整備について、空港計画の進捗に合わせ、関係地方公共団体とともに所要の検討を進めてまいる所存でございます。(拍手)
〔国務大臣上田稔君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/24
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025・上田稔
○国務大臣(上田稔君) 左近先生の御質問にお答えを申し上げます。
先生の御質問は、関西国際空港計画、これが瀬戸内海に大規模な埋め立てを伴うものであるので、瀬戸内海環境保全特別措置法の観点から見て、環境庁として今後どう対処するのか、特に公有水面埋め立て、大量の土砂採取等に対して、総合的環境影響について調査を行うべきものであると考えるけれども、環境庁長官の考えはどうだ、こういう御質問でございます。
御指摘のとおり、本計画は、埋め立てを厳に抑制すべきものとされております瀬戸内海におきます大規模な埋め立てを伴う計画でありますが、また一方考えますと、大阪国際空港、現在使われております伊丹空港の騒音問題、やはりこれの緩和になり解決を図るということになるものでございますので、そういうこと等を考慮いたしまして、環境庁としてはやむを得ないものと判断をいたしました。
本計画は、瀬戸内海の中でも最も水質の悪い大阪湾海域に位置するものであることにかんがみまして、瀬戸内海環境保全特別措置法の趣旨にのっとりまして、同海域の水質改善のために、関係閣僚会議の席上におきまして関係省庁に対しましても格別の御協力をお願いしたところであり、当庁といたしまして今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
また、本計画が実施に移されるに当たりましては、その事業の実施に伴いまして環境保全上問題が生ずることのないように、十分に配慮される必要がございます。このために、空港本体はもちろんのこと、土石採取、運搬、アクセス交通、関連施設の整備事業等につきましても、適切な環境アセスメントの実施が十分図られることが肝要であると考えております。環境庁としても懸命にやらせていただきます。
以上でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/25
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026・勝間田清一
○副議長(勝間田清一君) これにて質疑は終了いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/26
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027・勝間田清一
○副議長(勝間田清一君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時九分散会
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110105254X01519840405/27
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