1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年六月十九日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
山田 勇君 伊藤 郁男君
六月十八日
辞任 補欠選任
桑名 義治君 峯山 昭範君
六月十九日
辞任 補欠選任
峯山 昭範君 桑名 義治君
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出席者は左のとおり。
委員長 矢原 秀男君
理 事
梶原 清君
下条進一郎君
瀬谷 英行君
桑名 義治君
委 員
江島 淳君
小島 静馬君
小林 国司君
内藤 健君
藤田 栄君
安田 隆明君
山崎 竜男君
吉村 真事君
小柳 勇君
目黒今朝次郎君
峯山 昭範君
小笠原貞子君
伊藤 郁男君
山田耕三郎君
国務大臣
運 輸 大 臣 細田 吉藏君
政府委員
運輸省航空局長 山本 長君
事務局側
常任委員会専門
員 村上 登君
説明員
国土庁大都市圏
整備局整備課長 立石 眞君
運輸省航空局飛
行場部長 松村 義弘君
建設省道路局道
路経済調査室長 藤井 治芳君
日本国有鉄道総
裁 仁杉 巖君
日本国有鉄道常
務理事 岩崎 雄一君
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本日の会議に付した案件
○関西国際空港株式会社法案(内閣提出、衆議院
送付)
○理事補欠選任の件
○連合審査会に関する件
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001・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
関西国際空港株式会社法案を議題といたします。
前回に引き続き、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/1
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002・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 私、きのうちょっと九州に行っておったもので、理事会の決定等の連絡が若干おくれたために、ゆうべ五時ちょっと過ぎ、私は博多できょうの質問のあれがわかったものですから、本来なら関係機関、漁業関係あるいは公害関係、国有林関係、国鉄関係、関係者を皆呼んで質問したいわけだったんですが、連絡が間に合いませんでした。したがって、質問も少し当たりばったりになるかもしれません。
航空局の方は、一応この資料を見ますと、三点セットをつくるに当たって、漁業問題にしても土取りの問題にしても、航空局は一通り当たっておると。これを見ますとね。大分類、小分類、調査目的、調査内容、五十一年から今日まで一通り当たっておるようでありますから、わかっている範囲で航空局あるいは運輸省に答弁願って、それで関連してわからないところはこの次の委員会あたりに関係各省に連絡願って答弁願いたいと、こういうように冒頭要請しておきます。
それで、五月十五日の委員会においての、いわゆる大阪、和歌山、兵庫三県の二百億に対する分担金について、五月十七日の会議冒頭、運輸大臣から表明がありました。私は、やっぱり関西国際新空港といっても、大臣も忙しいかもしれぬけれども、大臣の認識と航空局の認識というのは大事な金の問題をめぐってもこんなに行ったり来たりするのかなと思って残念に思いましたが、一応意思統一されてこういう文書で回答されましたから、こんな問題でやっておってもしようがありませんから、これはこれなりに私は認めます。
しかし、兵庫県の確答というのは、航空局の感触ではいつごろまでに確答がもらえる見通しなのか。その見通しぐらいはやっぱりせめて、これは自民党さん、理事さん、一生懸命法案の成立を急いでおるようでありますが、法案の成立を急ぐのも結構でありますけれども、肝心かなめの銭の問題が話がつかないうちに会社が発足するわけにはまいらぬと思うんですよ。ですから、この前の五月十七日の時点ではこれで了解をしますけれども、兵庫県の確約といいますか、文書によって回答される見通しはどの辺ぐらいがぎりぎりなのか。
これは無制限にいつまでもというわけにいかぬと思うんですよ。例えばあなた方が七月一日この会社の発足を考えているというならば、六月三十日までにはきちっとした文書でもらう、あるいは大阪とか神戸も含めてもらうというぐらいのやっぱり一定の見通しがあってしかるべきだと、こう思うんですが、この辺はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/2
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003・山本長
○政府委員(山本長君) 三府県の事業主体に対する考え方あるいは出資の問題については、五月十七日、大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、その後の進展について御説明あるいは御報告申し上げたいと思います。
大臣の御答弁の中にも、三府県に対しては出資を含めて協力を要請しているというふうに申し上げましたが、その後私たち、関係府県、それから自治省が関係をしてまいりますので自治省ともいろいろ連絡をとってまいったわけでございますが、去る六月十六日、先週の土曜日でございますけれども、近畿ブロック知事会議が大阪市内で開かれまして、近畿圏内の八府県、大阪府、兵庫県、和歌山県、京都府、奈良県、滋賀県、三重県、それから福井県が入っておりますけれども、の知事さんが集まられまして協議の結果、近畿圏内八府県全体が出資をするということで合意を見、またこの出資の割合と申しましょうか、につきましては自治省に調整を依頼する、こういうことに意思統一されたという報告を受けております。
自治省に対しましては、関係地方公共団体の出資について要請があれば調整に応じてくれということを、運輸省からお願いをしておったのでございます。こういうふうな近畿ブロック知事会議におきまして今のような合意を見ましたので、この自治省の調整ということが今後始まるものと思っております。
先生おっしゃるように、いつまでという日にちについて今この時点で申し上げるわけにはまいりませんけれども、こういった地方自治体の動きがございまして、動きというより合意がございまして、今後この出資をするという前提で、金額を幾らにするか、二百億円のうちの幾らに割り振るか、初年度幾らにするかという具体的な詰めの段階に入りつつあるということでございまして、法案が通りますればすぐに設立段階に移るわけでございますので、こういった関係府県との話し合い、自治省との調整を急ぎまして、地方公共団体の出資について額を確定してまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/3
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004・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 私は第二番目に今、新聞で見ましたから、八府県の関係のやつを聞こうと思っていたんですが、そうすると、そこで調整を依頼する、そうするとだめ押しになるけれども、今まではこの関西新空港株式会社の出資は大阪、和歌山、兵庫、あるいは大阪市あるいは神戸市、こういうふうに考えておったんですが、今言われた八府県ね、これから出てくる奈良とか福井とか滋賀とか、従来の大阪、兵庫、和歌山以外かもも、出資の申し出があれば出資を受けるつもりなのか。その際に、二百億という枠はそのままにしておいて、内部配分で奈良とか福井とか滋賀というところから受ける用意があるのか、その辺の十六日の決定と従来の関連性はどうなるのか。
これは私、質問の二番目に聞こうと思っていたんですよ。この辺もひとつお考えを開かせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/4
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005・山本長
○政府委員(山本長君) 運輸省といたしまして、この関西国際空港計画は従来長い経緯がございますけれども、大阪府、兵庫県、和歌山県という三府県が一番関係の深い府県だということで、関係地方公共団体三府県ということで対処といいますか、をしてまいったわけでございます。
近畿全体の意向といたしまして、関西国際空港問題は、この三府県の問題だけに限らず他の府県の地方行政に影響があるというところから、非常に関心を持たれまして、八府県、これは額の差はあろうかと思いますけれども、そろってこれに出資をして参画しよう、こういうふうな意思で合意されたということは、私たちこの関西国際空港を今まで進めてまいってきております者としては、非常に喜ばしいことであるというふうに考えております。この出資の範囲が拡大されたということにつきましては、これは運輸省といたしましては、喜ぶべき方向であり、これを受け入れていくという方向で対処いたしたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/5
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006・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 八府県が今まで近畿開発の一体となってきたという新聞の報道ですが、結論は、八府県から、額の多少の差はあっても、申し入れがあれば受ける、こういう基本的に考えだということでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/6
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007・山本長
○政府委員(山本長君) そのように御理解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/7
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008・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 その際、二百億という額は、この額の枠内なのか、あるいは二百億プラスアルファ、こういうふうになるのか。二百億はあくまでも大阪を主体にした兵庫、和歌山で調達をして、他の協力するところは、額は多少を問わず、二百億プラスアルファ、こういう格好になるのか、二百億の枠内か、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/8
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009・山本長
○政府委員(山本長君) 答弁漏れでございまして、失礼いたしました。
地方公共団体出資二百億というのは、全体の資金計画の中で現段階ではその方針でやってきておるものでございますから、二百億の配分の問題として考えてまいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/9
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010・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 二百億の枠内で配分の問題と、当分はね。そういうことで、じゃ確認します。
それから、自治省が調整する、こういうことでありますが、私はやっぱり金の問題でありますから、早目に決めてもらいたい、こういうふうにお願いをしておきます。
それからもう一つは、これは大臣、この前、関西新空港に入る前にいろいろ人事の問題については、法案が審議中の段階で会長制を設けるとか社長を置くとか、こういうことは好ましくないということを大臣の見解としてこの委員会で表明しているんですが、私は社会党としてはそのとおりだと思ってそう見詰めておったんですが、新聞というのはどんどんどんどん先行しておってね、私もきのう急遽、二、三そんな記事があったなと思ってこう見てみました。五十九年の五月の二十六日の新聞に、この前参考人としていらっしゃった関西財界の日向さんが軸になって会長人事をやっているとか、あるいは六月七日には、元港湾局長が、何でこれは港湾が航空になるかわかりませんが、まあ航空局長のOBがなるんならまだ話がわかりますが、これはフェニックスでも関係があるのかなと思って別な面で見ているんですが、後で質問しますが、竹内氏が出てみたり、あるいは運輸省のOBが社長になるんだとか、随分人事問題が、いや中曽根総理がサミットから帰ってから決断を下すとか下さないとかって、いろいろマスコミに載っている人事というのは、一体これは運輸省もかんでいるんですか、あるいは運輸省はOBも含めてかんでいる大事なんですか。
こんなことをやられては、私はもう嫌気が差して、今から質問する気になれませんよ。こんな、法案も通らない前にああでもないこうでもないって、こんなばかなことがあるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/10
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011・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 法案の御審議中でございまして、その間に人事をどうこうするということは絶対に慎むべきであるということで終始一貫いたしております。特に、総理大臣も、法案がまだ見通しも立たないのに相談はしないと、こういうふうにはっきり申しておるのでございます。
新聞の方は、これはもう非常に御熱心でございまして、何かいろいろ各新聞によって中身も違うのでございますが、どこからどういうふうに出るものかわからないのでございますけれども、少なくとも私ども運輸省の方では中身についてまだ最終的にといいましょうか、相談をいたしておりません。例えば、会長制を置くかどうかということさえもまだはっきりいたしておるわけではございませんので、新聞に出ておるのは私どもどうも責任をとるわけにはまいりません。
さように御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/11
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012・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そうすると、この新聞、五月三十一日の毎日新聞、六月七日の読売新聞、六月八日の日経、こういうのはあれですか、ここにもブン屋の皆さんが一生懸命記事をとっているんですが、こういう日本でいう六大新聞、大手新聞ですね、この方々が取材していることは勝手なひとり歩きであって、運輸大臣なりあるいは運輸大臣の人事問題をやられる配下にある者とは一切無関係だと、こういうふうに断言できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/12
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013・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 断言できます。いたします。
それから、各紙に出ておりますのは、これは私が申し上げるまでもありませんけれども、一紙に出ますと他の紙も追っかけてお書きになるというようなのが新聞のこの種の大事に対する予想記事のようでございまして、これはどこからどういうふうに御取材になったかということは私ども承知いたしておりません。しかし、私どもの方から出たものでは絶対にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/13
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014・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そうすると、逆に聞きますが、巷間言われておる、例えば竹内御大とか芦原さんとか日向さんとか、あるいは運輸省は社長制をとって社長に運輸省のOBを入れるとか、こういう構想それ自体も全部否定しますか。
まだそこまであなた自身が、会長制をとるかどうかそれ自体もまだ固まっていないというふうに今言われましたけれども、そういうふうでありますと、なぜこれらの方々が出てくるのか。私はこの前言った。いわゆる土取り問題、その他の企業の発注の問題、いろんな問題が絡んでいる。これは財界の陣取り合戦じゃないですか。財界の陣取り合戦、関西財界の陣取り合戦が全部こういう大事に表現されてくる。
例えば、日向さんが社長になるとなかなかあくが強いから、やっぱり運輸省の機嫌をとるために運輸省のOBを社長に持ってきて、関西財界は会長という立場で全体のコントロールを図った方が財界のやり方が非常にいいとかと、そういう極めて親切なこれは解説記事だ、解説記事。全部利権とつながっている、利権と。この問題は中曽根さんが判断しなければだめだとかと。そういう、あなた方は知らない知らないってコップの中にいますけれども、あなた方を取り巻く全体は、やっぱり利権との兼ね合い、政治権力との兼ね合い、人事分布の兼ね合いというところで、この関西新空港を私物化している。国民の共通の財産にしようという公共性を失って、私物化している、関西財界の。そういうふうに言われたってこれは答弁のしようがありますか。
あなたは知らないと言う。こっちに並んでいる日本の六大新聞は皆書いている。中身を見ると皆利権に絡まっている。利権に絡まった人事をするということですよ、これは。これはどっちが本当なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/14
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015・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 法案を通していただきたいと私たちは思っておるわけでございまして、法案の通るのに邪魔になるようなことを——私も国会に長年おりましてよく承知しておるんです。ですから、そういうことをとやかく言うはずがないというふうに御理解を賜りたいと思います。
いろんな方がいろいろおっしゃるということは私どもあるいはあるかもしれませんが、それは私どもの責任では絶対にございません。また、そのように決まったものでもなければ何でもございません。さように白紙の状態であるとお考えいただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/15
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016・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 しつこいようですが、今の段階では、そういうことから言えば会長制、社長制という首脳部人事のあり方、それから個人的な名前、これについては一切運輸省は関知しない、関知していない、関係がない、法案審議中であるから関係ない、そういうふうに大臣の言葉として言い切れますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/16
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017・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 会社の大事につきましてはさように御理解いただいて結構でございます。
私どもは、そういった御議論が出ることは、当然私は出る。それは国権の最高機関である国会で審議をしている最中に、社長をだれにするとかなんとかということを私どもが決めるというわけはない。これは私は一番初めから言っておることでありますし、それは非常に厳重に私ども守っておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/17
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018・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 まあこれ、この段階で責めてもしようがありませんから、それは大臣の言葉を信じましょう。法案を一生懸命やっているときに、その法案にブレーキをかけるようなことは自民党もやってもらいたくないですね、これ、法案を本当に通したかったら。
それからもう一つ。時間の都合がありますから、一つだけ関連しないと質問に入れませんから。
関西新空港の交通のアクセスですね、この関係でよく、阪和線を使うとか、あるいは大阪環状線を一部修正して使うとかという交通問題が出てくるんですが、例えば阪和線あるいは大阪の環状線を一部つくるとか、あるいは貨物ヤードの跡を一部改良して使うとかということがいろいろ出ているんですが、この関係はどこで決めるんですか。これは国鉄と合意してからそれが実るのか、今もう合意されているのか、あるいはいつごろこの問題、交通アクセス、国鉄の関係についてお話しになるのか、これをひとつお答え願いたい、阪和線。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/18
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019・山本長
○政府委員(山本長君) 阪和線の問題も含めまして、南海の問題もございます。道路の問題もございます。いわゆる関西国際空港のアクセスとなり、かつ地域の根幹交通となる交通施設の整備につきましては、本年の二月に関係閣僚会議が開かれまして、この関西国際空港の立地に伴う関連施設整備の進め方については、「空港のアクセスとして根幹となる交通施設については、国が地方公共団体等の協力を得て計画面の調整を行い、国を含む関係の機関及び地方公共団体等が相互に協力して整備を行う」、また、「空港の立地に伴い必要となる関連公共施設に関する計画の策定及び推進については、今後、国と地方公共団体との間で協議・調整を図っていく」という考え方が了承されておるところでございます。この考え方に従いまして、関係機関の間で協議、調整を図りつつ具体策を検討してまいる、こういうことになっておるのでございます。
そこで、先生がお尋ねの阪和線の問題でございますけれども、阪和線につきましては、南海とともに空港の鉄道アクセスとして空港への乗り入れといいますか、というものを計画をしたいというふうに空港サイドからは考えておる次第でございます。こういうことで南海、それから鉄道監督局、国鉄などとの調整を進めつつある段階でございます。
最終的には、この鉄道問題、それから道路の問題、それからそのほかに海上アクセスの問題がございますけれども、こういった空港アクセス問題につきまして、関西国際空港関係閣僚会議がございますので、この場において調整を図り、方針を決めていく、こういうふうになるものと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/19
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020・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そういう漠然としたことはわかりますが、例えば今国鉄は赤字で、地方ローカル線であるとか、貨物合理化とか、余剰人員とか、大変あくせくしているわけですよ。そういうあくせくしている国鉄に、例えば阪和線の問題についてこうせいとか言っても、今の阪和線などはもう本当にのらり——のらりくらりとはおれも鉄道人で申しわけないけれども、路盤が十分でないからスピードアップも十分でない。例えば関西新空港時代に時速六十キロや七十キロで走る阪和線じゃどうにもならぬから、せめて時速百四十とか百五十の快速特急電車を走らすとなれば、路盤全体を直す、保安設備全般を直す、車両を投入する。そうするとこれは、それ相当の莫大な金がかかると思うんですよ。
基本的に、今局長が言った、政府関係と地方団体が協議することになっていますが、その財源措置は、この関西新空港の関連事業というところで、国なりあるいは会社が資金繰りをするのか。おのおのの関係者、地方自治体は地方自治体の一定の分担金、国鉄は国鉄の分担金、あるいは建設省は建設省の分担金、そういうおのおのの機関に分担させる基本的な考えなのか。国が全体として関連事業として必要な、最も基本的な交通アクセスをしていくのか。あるいは、陸から島に行く連絡橋ですね、こういう連絡橋なども含めて、附帯事業は一体どこで金を見るのか。
これは私は、全部国で見るというんなら、これ以上質問をやる必要がない。いや国鉄で見てもらうんだとなればこれはまた大変なことになりますから、その点、基本的な附帯事業の資金繰りはどこが見るのかというところまで突っ込んで検討されているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/20
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021・山本長
○政府委員(山本長君) 地域整備に関する一つの財源問題というのは、既存の制度だけを見ましても非常に多岐に分かれます、事業主体によりまして。補助金制度あるいは起債制度あるいは財政投融資制度、いろいろございます。先生おっしゃいます、特に交通施設のうちの鉄道施設につきましては、国鉄が非常にこういう状態であるということ、それからさらに、南海につきましてもやはり、財源的にこれが大丈夫なのかというふうな議論のあることも事実でございます。
先生、附帯事業とおっしゃいましたけれども、鉄道建設事業につきましては、私たちは鉄道事業サイドで整備をしていただきたいという考え方でございます。しかしながら、現在の鉄道事業財政というものを見ましたときに、これが果たしてそのままで赴いて整備ができるのかどうかというものについて、問題があるように考えております。
現在私たちは、空港のアクセスとして鉄道の整備をぜひともやっていただくという観点から、阪和線あるいは南海線から分かれて空港の連絡橋に至るまでの鉄道建設、連絡橋はこの会社が行うということでございますので、それまでの建設、それから橋から中に入っていきます場合においては、何といいますかその路盤、路盤というか線路敷、電気施設といったものについては鉄道側の事業になるわけでございますが、こういう事業につきましては、現在地方公共団体等におきまして、鉄道事業者と第三セクター方式によりましていわゆる鉄道敷設事業といいましょうか、を計画し、建設し、そこに既存の鉄道が乗り入れるという例もございます。したがいまして、鉄道財政の事情によりましては、関西国際空港会社、地方公共団体、それから鉄道企業というものによる鉄道建設事業というものを第三セクター方式でやるというふうなことも、やはり財源的な面から見まして考えざるを得ないんじゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
この点につきましては、鉄道事業者の財政状況等もよく聞きまして、最もいい具体案を考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/21
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022・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 これは私は国鉄と正式に話したわけじゃありませんが、大阪環状線に手をつけるとか、大阪環状線に手をつけなければ意味がないのでね、大阪環状線に手をつけるとか、あるいは新幹線の接合の関係を考えるとか、あるいは貨物ヤードの跡地利用の関係で線路を引くとか、いろいろ考えられますけれども、阪和線を含めて。やはり成田空港の二の舞だけは踏んではならない。成田空港の、成田新幹線どうなっていますか、今。
それから京成、あれだけ欲張って京成がやりましたけれども、京成が土地を買い占めて、そのあおりが全部労働組合の合理化とか賃下げに来て、毎年毎年春闘のたびに京成の労使が悪化するでしょう。そういうふうに、選択を誤ったら大変な後遺症を残しますからね。
私はやっぱり最も基本的な問題で言えば、お客さんを運ぶ、荷物を運ぶ道路と鉄道網と連絡橋の関係とか、その点をやはりもう少し軽はずみに見ないで、きちっと掘り下げて資金の分担、配分はどうなのかと。私が六兆円、六兆円と言ってあなたの前の航空局長は、私が六兆円という数字を出すと、いやそんなことは言いません言いませんと逃げられましたけれども、やはり今言った鉄道問題一つとっても、考えますと六兆円ぐらいかかってくるでしょう、附帯事業。水の問題、汚水の問題、廃棄物の問題、これどうするんだ、こうやってくると、みんなこれ絡んでくるでしょう。何も空港ができて、あと全部うまくいくわけじゃありませんから。そういう附帯事業を考えますと、最も基本的な、運ぶものと、食べるものと、食べたものを処理する問題と、それから水を飲みますからね、これは。一体水はどうするか。こういう基本的な、空港機能を発揮するための基本的な附帯事業ぐらいはやっぱり国が予算を計上して、あるいは会社が予算を計上してきちっとして、財投なら財投から借りて、この株式会社が見るなら見るというふうに、きちっと私はしてもらいたい。いやこれは国鉄が、いやこれは南海が、いやこれは水道事業であるから、あるいはこれは清掃事業であるからと言って、おのおの違う形態だけでばらばらにやっておったら私は大変なことになってしまう。
だから、鉄道問題を含めて、最も基本的な、まあお土産を売るとかたばこを買うところなんていうのは要りませんがね、空港機能として最も基本的な附帯事業は、やっぱり国の責任できちっとしてやるという基本線で私は取り組んでもらいたい。そうしないと、これは赤字国鉄の大阪環状線とか阪和線等でやれったって、これはむしろつないでもらったってスピードが負けたんではお客は乗らない。スピードの速い方にお客さんが乗る。こんなの当たり前ですからね。そういう私はアクセスについても基本的にやっぱり考えてもらいたいなと。この計画のどこを見てもそういうのがないんです、遺憾ながら。だから私は聞いたんです。国鉄もわからない、聞かれたって。運輸省もわからない、鉄監局ですか。ですからこの点はこれは大臣、どうですかな、航空局だけでは無理でしょう。こういう空港の機能としても最も基本的な必要なものについて、やっぱり附帯事業の中にきちっと入れて、国なり、あるいは新しくできる会社なりがきちっと面倒を見る、財源の裏づけを含めて。そういうふうにこの計画を並行的にやってもらいたい。
この二月に行われた閣僚会議は結構ですから、そういう方向で取り組んでもらいたいなと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/22
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023・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 非常にごもっともな御意見でございまして、特に成田の場合など、鉄道のアクセスについては、まあ大変みっともない格好になっておるということはもう御指摘のとおりだと思います。
関西の場合に、そういう形でなくちゃんとしたものにしたらどうかと、こういうことはもうそのとおりでございまして、私ども関係閣僚会議でこういう点については十分相談いたしまして、どういう形がいいのかと。また、国鉄の例が出されましたが、国鉄はアクセスとしてどういう形であるべきか、あるいは新幹線と結ぶとか結ばぬとかというような話もいろいろ話が出ておりますが、あるいは環状線をどう使うとか、そういうことも含めまして、国鉄の財政のことも考えながら、やはりきちっとしたものにしなきゃならぬと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/23
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024・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 国鉄ももうかるとなれば、例えば北海道の千歳空港の千歳駅ね、あれなどはもう本当に当たりまして、私も同じ世話になったハイタクとかバスの皆さんから、おまえは国鉄だから千歳駅やってやって、大分ハイタク減って困っちゃったので何とかせいなんというようにね、まあこれは相互競争の原則だから。そういう国鉄としてもアイデアなり条件が整備すれば、むしろ積極的に投資をして増収を上げるという面もあると思うんですよ。それはどういう形でどういう結び方をするかということでありますから、国鉄側もその点はひとつ十分検討してもらうということを要望しておきます。
それで、ここでちょっとだけ、委員長にお願いして、これは委員会の運営にもかかわりあることですから、委員長お願いします。
私は、四月十九日の当運輸委員会におきまして、特定ローカル線の問題に対する北海道の勤労の提案、あるいは高崎における勤労の提案などについてこの委員会で提起を申し上げて、運輸大臣、それから岩崎常務、国鉄総裁から一定の回答を受けました。私は、もう時間がありませんから、本来ならきょう総裁来てくれと言ったんですが、関西空港の法案を審議する委員会に総裁はおこがましくて出れないと。立派な総裁だと思うんですがね。私は緊急問題でやると言ったら、総裁は出てこない。出てこないことはそれは国鉄側がそういう責任があるんだから結構ですが、岩崎常務ね、あなたは、四月十九日の議事録の二ページから三ページ、この問題については十分にお読みになって、私がどういう質問をし、大臣がどういう答えを出し、あなたがどういう答えをし、総裁が最後の締めくくりでどういう答えをしたと、こういうことを全部お読みの上できょうは御出席になりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/24
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025・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 当日も出ておりますし、きょうも議事録を読み返して参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/25
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026・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そうすると、きょうは総裁の代行ということで御答弁できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/26
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027・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) そのつもりで出席をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/27
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028・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 大体国鉄は、国会でいろんな行政の問題、運営の問題について我々が事実を指摘した際に、それを是正いたします、直します、あるいは指導しますと、こう答えをするわけですが、それを総裁は各管理局長、各地方機関の長にどういうルールで一体徹底しておるんですか。書面ですか。口頭ですか。電話ですか。ここで答弁したものには責任を持ってもらう。私も答弁したものはあくまでも追求する、追跡調査する。決算委員会でもどこの委員会でも、国会で答弁したことがその場限りだと思ったら大間違いだ。
だから、私は逆に聞きます。この四月十九日、総裁は「今、先生の御指摘がございましたとおり、いろいろ組合の方から御提案をいただくということは画期的なことであるというふうに思っておりまして、できるだけ正面から取り組むように指導をいたすつもりでございます。」、こういうふうに答弁しています。どういう指導をしたんですか、この時点で。何月何日、書面なら書面の番号、総裁達何号。電話連絡ならば、何月何日、業務連絡、メモ、電話連絡。あるいは管理局長会議で出たなら、管理局長会議でだれがどういうことを言ったか。この問題をどういう伝達をしたか、伝達の方法についてまず教えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/28
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029・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 一般的には、総裁が地方機関に指示を流すのは、例えば管理局長会議とか、あるいは先生今おっしゃったように通達というような方法があるわけでありますが、多分、本件についての御質問でありますので、この問題につきましては、国鉄本社に地方交通線対策室というのがございますので、そういう機関を通じて地方に伝達をしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/29
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030・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 少なくとも総裁がここで言明したことを、本社内の一機関の地方交通線対策室長を通じて連絡しています。じゃ、その地方交通線対策室長がどんな指示を何月何日、文書ですか、どういう指示を、どんな指示を流しました。指示を言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/30
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031・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) ちょっと伝達の手段まで聞いておりませんが、そういう趣旨を地方に伝えたことは間違いがございません。どういう内容であったかというのは、当然この委員会におけるやりとりを踏まえてのことでありますが、あらましを申し上げますと……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/31
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032・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 何月何日ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/32
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033・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 委員会の行われた直後だというように記憶をしておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/33
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034・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そんなね、結局、そんなあいまいだから、——私が言ったじゃないですか。前、北海道問題でも北海道の管理局、足尾線の問題でも高崎の管理局、局長自体が門前払いを食わせている問題だと。門前払いをさせている、門前払い。問題を申し入れても交渉にものせようとしない、お話を聞こうともしない。玄関払い、俗に言う玄関払い。この前、総裁はそこで、私に玄関払いと言われたら、突然びっくりして後ろを向いていたじゃありませんか。そんな玄関払いなんか食わせませんと。管理局長が玄関払いを食わせている問題をここで質問されて、あなたも答弁して、あなたのややこしい答弁では、そんな国鉄は今救えないと。総裁腹切ってでもいいから答弁せいと言って、総裁が立ってきちっと、目黒提案を受けて正面から指導いたしますと総裁が言明したじゃありませんか。
その総裁答弁を、それは立派な人かもしれませんが、地方交通線対策室長、電話でやりました、その直後だと思いますと。だから、電話でやった場合に、何かこういう模範解答、地方ローカル線の問題について何月何日国会においてしかじかの質問をされて総裁はこう答弁したから日後取り扱いについてはしかじかにせいというぐらいのメモを書いて、それでファックスで全部コピーを送るというぐらいの親切さがあってもいいじゃないですか。
私はこの前、六月十四日、盛岡に行きました。ここに来ておった関地元代議士と二人で。これはもう大臣、あんたは専門家だから見てください、これをちょっと。(資料を手渡す)青森県の大畑線で、そこに働く勤労の皆さんなり、あるいは国労の皆さんも説得して、国労、勤労が一緒に、なって、そして大畑線のあの原っぱを毎日毎日歩いて、どうすれば国鉄を利用してもらえるか、国鉄を利用しないのにはどういう不満があるのか、不満をどういうふうに吸い上げれば国鉄を利用してもらえるのか、政令である二千名以上、二千名以上乗るためにどうすれば乗れるのかと、本当に明け番を返上して歩いてつくったのがそのダイヤですよ。
これは今どき、今の若い人はなかなか立派な人もいるけれども、我々専門家でダイヤを引けるなんていうのは余りいないです、今のところね。それをダイヤ、箱ダイヤ、乗務員運行、気動車運用、停車場の位置、ちゃんと時刻表までつくったじゃないですか。時刻表までつくって、それで部落の真ん中に仮停留所をつくってほしいと。仮停留所は、もう国鉄に負担をかけないで、部落の皆さんが金を出し合って仮停留所をつくって、そこから乗りおりいたしましょう。そして部落の皆さんは、みんな国鉄を利用するようにしましょうと。そこまで約半年、かれこれ勤労は十カ月かかりましたが、住民は六カ月。
それだけやったものについて、私は行った、開国会議員と二人で。何ぼ押しても、管理局長と運転部長、それからあなたの言うその地方交通線対策部長、何ぼ押しても話を聞いてくれようとしない。私は専門家だから言った、運転部長に。ちょっとこれ大臣聞いてくださいよ、あなたは専門家だから。
そのダイヤ表の作成は管理局長権限でできるんじゃないかと私は質問した。そうしたら運転部長は、できます、管理局長権限で。しかし目黒先生、「はつかり」とか本線上の問題は本社の関係だと。ああそれはおれも専門家だからわかると。そんな「はつかり」とか特急までおまえさんたちに面倒かけないと。いわゆる大畑線に絡む問題については管理局長権限でできますということをはっきり、権限上の問題、それは運転部長立派だ、私は。そこで、そこまで言っているならば、このダイヤが実際上に運行可能かどうか運転保安上点検をしてみいと。そうしたら、点検は管理局長の許可がなければできませんと。そうしたら隣におった佐藤とかという地方交通線部長は、何ぼ目黒先生言われたって、本社からやってはいかぬというきつい命令がありますから、そのきつい命令をパアにしてやったら私の首が飛びますと。これは私とこの人だけじゃないんだから。各市町村の議員さん、竹長さんみんな聞いているんだから。特定、第一、第二を含めて。
そうすると、あなたは、地方交通室長を通じてこのやりとりを勘案してやりましたと言っておるんですが、下部の地方交通線の対策部長は、絶対やってはだめだ、こう言われているから目黒先生勘弁してくださいと、あんたも専門家だからって。そうすると管理局長は、地方交通線対策部長が言うんだから目黒先生勘弁してくださいと。運転部長は運転部長で、局権限でやれますけれども、ありませんから勘弁してくださいと。何とかかんとか言った、ぶつぶつ。四回やったとか五回やったとか。
そんなことはこっちは百も承知の上でやっているんだ。そういう門前払いを食わせておいて何事だというんだ。総裁答弁と、現地の管理局長の国会議員の門前払いとは何事だ、一体。どういうことなんだ、一体。だから、ここで答弁することは、その場限りの答弁なのか、本当に行政に責任を持った答弁なのか、その点をまず聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/34
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035・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 総裁が委員会で答弁しておりますように、この種の提案を真剣に受けとめておるという点については変わりはございません。先生は門前払いとおっしゃるんですけれども、それはお話し合いをした上で意見がなかなか一致しなかった、先生方がおっしゃるような御要請におこたえできなかったと、こういうことかと思います。門前払いでお会いしなかったということでないことはひとつ御理解をいただきたいというように思います。
それから、どういうような指導をしておるかということでございますが、これらの提案を真剣に受けとめるという基本的な態度については総裁の申し上げたとおりでありますけれども、一般的にはいダイヤ改善をすればそれだけ利用しやすくなるというのは確かでございますけれども、それによるやはり経営改善効果について総合的に検討する必要がある、こういうことでございます。例えば、増発する場合には当然コストがかかるわけでありますから、それによって得られる収入との関連についてはやはり十分に検討をしなければならない、これはやはり基本的な国鉄の態度でございます。
そのうち、特に特定地交線については、御承知のようにその転換の手続を今進めておるわけでありますが、先生も御承知のように、その四十線のうち今二十線が転換済みまたは転換決定をしているというように、協議が具体的にかなり進んでおるというのが現状でございます。そういう意味で、今までの協議の経緯というものを尊重して対処する必要がある。一方で協議をしながら、全く別の場所で当該線区の取り扱いについて議論をされ、それに対処されるということはいかがなものかと、こういうような感じがしておるわけであります。
それから二次地交線についても、前回の勤労の提案はほとんどが二次地交線の問題でありますが、これはまだ承認を受けておりませんので何とも申し上げられないんですが、仮に承認があれば、協議会の会議を開始して、必要があればその席でまたこの問題について協議すべきものだと、このように考え、大臣、総裁の答弁もそういう趣旨であったというふうに考えておりますので、そういう趣旨に基づき地方を指導したわけであります。
なお、具体的に大畑線の問題について言えば、おっしゃいましたように既に五回の経緯を経ております。間もなく二年の期間が経過をしようとしておる、そういう段階に来ておるわけでありまして、第五回目の協議会の会議では、国鉄以外の運営主体でこれを運営しよう、鉄道として運営していこうと、こういうことがほぼ方向づけはされたと聞いております。その五回に及ぶ経緯を振り返ってみると、例えば第二回目に地元から今の問題について、増発をしない、ダイヤがよくないから乗れないんだ、そのことについて考え直して一回やってみるべきじゃないか、こういうお話が出て、いろいろ議論した末、結局大畑線の現状からいってダイヤの手直しをしてもなかなか二千人を超えるというようなところに到達することは難しいと、そういうような一定の理解のもとにこれを中止をした、実施に移さなかった、こういうような経緯もございますので、それを無視して今の段階で、お話があったから、じゃやってみようかということはなかなか国鉄としてはやりにくいと、そういうことを踏まえての現地の対応ではなかったかというように理解をしております。
先生方が行かれて意見が最終的に合わず失礼な面があったかと思いますが、その点をひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/35
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036・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そんなあんた、国鉄の調子のいい一方的なことはやめなさい。我々は現に、行って二人で聞いているんだから、一問一答で。第一次線、第二次線については一切話を聞いてはならないと、はっきり言っているんです。そういう本社の指示です。第一次線、第二次線については絶対話し合いに応じてはなりません。それ以外のことは幾らでもお話を聞きますと、明確に言っているんだから、明確に。みんないる前で。
私は、こう質問しているんじゃありませんか。協議会がある、それは私もわかっています。しかし協議会といってもそれは表向きはわかりますが、その中身を濃いものにするにはその専門家の労使が、あるいは沿線の皆さんがどういうふうに詰めるかということがやっぱり中身じゃありませんか。その詰める中身の一つの材料に、勤労が提案し、あるいは今大臣に、やったそういうものについてもう一回——今までの労働条件を少しは切り下げてもいいと。いいですか、ここが大事なんですよ、あんた。ワンマン化でいいから、車掌は乗らなくともいい、国労はこれで了解します。運転士は車内の清掃もします、車両の清掃もします。したがって今外記で一両幾ら、外記でやっているやつは運転士が掃除します、清掃もしますと。全然発想が違うじゃありませんか。そこまでして大畑線を残そうと。したがって人も減る、車両も減る、外託費も減る。収入の方は、部落が協力して仮停車場もつくりましょう、部落みんな鉄道を利用しましょう、それでやってみましょうと。
あなたは、二回目にやったと。この二回目というのは聞きました。国鉄は沿線住民に鉄道債券を負担してくれと。金を、銭こを負担してくれ、銭こを負担すれば何とか面倒を見てやると。それは銭こを負担させるのはちょっと虫がいいんじゃありませんかといって、関係市町村は反対した。それからあなたは、ある民間に固まっているという。固まっている段階ならなぜ、沿線のむつ市の市長さん初めみんな判こを押して、全部、関係市町村皆協力します、勤労、国労の提案に協力します、だからもう一回国鉄考えてくれと。関係市町村全部連名で出しているではありませんか。これも局長に出しました。
そこまで義理を尽くして説明しているのに、絶対だめだと。何が原因だ。本社が第一次、第二次絶対にお話を承ってはまかりならぬ、それ一点張りの通達だと。ではその証拠物件を見せると言ったら、証拠物件はありませんと。何だい、それは。室長からの電話ですと。ではおまえこういう議事録見たのか、あるいは勤労が出しているこの議事録の抜粋、それを見たのか。まだ見たことありませんと。見たことありませんで、今までの百八十度転換することができますか。今までの取り組みを百八十度なり九十度転換させるにはやっぱり、本社のきちっとした文書指導が必要じゃありませんか。
したがって私は、国鉄側がそんなでたらめな指導をやったら、今後びりびりやりますからね。きちっと総裁が答弁したやつは総裁通達で出してもらう、各管理局長に。そのくらいきちっとしないと、ここで我々が走り歩いていろんなネタを持ってきて委員会で取り上げて議論して、その議論したあげくがすいすいと会議録を変えられたのでは、何のための立法機関かわからない、我々は。だから、この問題については本命でありませんが、そういうことをやっていると、国鉄を何ぼよくするよくすると言ったってよくならない、こういうふうになるんじゃありませんか。
だから、総裁がこういうふうに答弁し国会で約束したことは、原則として総裁達で出してもらう。今回のこの地方ローカル線の問題についても、協議会の関係、労使の関係、この関係を答弁どおり通達に出して関係局長を指導してもらうということで、約束できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/36
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037・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) どういう指導をしたかという点については、先ほど申し上げたとおりでありますが、基本的に今回の提案の中身は、確かに先生おっしゃるように合理化あるいは効率化というようなものを踏まえた上での具体的な中身でありますので、それを評価しておることは大臣、総裁も申し上げたとおりでございます。
ただ、基本はそれを真剣に受けとめ検討いたしますが、やはりそれによる経営改善効果が期待できるかどうかということが極めて重要なわけでありまして、そういうことを含めて検討をさせていただく、こういうふうに申し上げておるわけであります。ただ、特定地交線についてはそういう場が設けられておるわけでありますから、今までの経緯をぜひ尊重しながら対処したい、こういうことを申し上げたわけでございますので、先生のおっしゃることを正面から否定しているわけではございませんので御理解をいただきたいと思いますが、今申し上げたような趣旨について不徹底な面があるいはあったかと思いますので、もう一回よく地方機関にその趣旨を教え、指導いたしたい、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/37
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038・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そんなあいまいな答弁では引っ込みませんよ。
ここでのやりとり、大臣が言ったね、そうは言っても目黒君、現在法律にあって協議会とあるのだから協議会を無視してはできないと。それは大臣そのとおりだと。だから協議会ということを肯定しながら、この協議会と労使の話し合い、あるいは関係市町村の話し合いということをどういうように有機的に結びつけるかという中身についても私触れているんです、中身についても、質問は。
だからあなたたち、もう一回この議事録を読んで、そして総裁が最後に、三ページの下段、今目黒さんが御指摘でございましたとおり、いろいろ組合の方の提案もいただくということは画期的なことであると思っておりますから、できるだけ正面から取り組むよう指導いたしますと、こう言い切っているんだから、この趣旨に従って総裁達を出してくださいよ、各管理局長に。そうしないと、北海道が急に上がっているよ、今。それからきのう、おととい、九州もやった。足尾線まで出てくる、全国皆出てきますよ。七月五日には勤労の組合員四千名ぐらい集まって、みんな集団行動かけますよ、そんなちゃらんぽらんなことを言っているんなら。いつまでもいつまでもおとなしい、おとなしいと思ったら大間違いだ。それだけ真剣にレールを守ろうと組合がやっているのに、それを門前払いを食わせてやるなんてのはもってのほかだ。だから門前払いを食わせないように、具体的に労使の関係がかみ合う、協議会の関係をルー小に乗せるためにはどういう創意工夫があるかということを含めて、あなた方はやっぱり総裁達を出してもらいたい。
住民が言っているじゃないですか大臣、こういうのがあるでしょう。私はこれは涙が出てきた。これを一回一カ月やってもらって、どうしても二千名に達しなかったら喜んで撤退いたします、それは男らしく撤退します。最後の願いですから聞いてくださいと。そこまで礼を尽くして頭下げているのに、そんな、協議会五回やって、南部鉄道がやるからできません、できません、できません、こういう一点張りでは、何のための国会の議論なんですか。
だから、あなたがここで言ってください。これを総裁達で出すか出さないか、文書であなたが答弁できないんなら、この質問が終わるまでに総裁を連れてこい。そうしなかったら一切地方線には協力しない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/38
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039・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 先ほど申し上げましたような趣旨で地方を指導いたしたい、その方法については総裁達ということになるか、いろんな手段がございますので必ず趣旨を徹底させるようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/39
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040・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 承知しません、そんな答弁では。総裁達で各管理局長にきちっとやってください、総裁達で。そんな無責任なことでここで引っ込むと思ってるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/40
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041・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 今申し上げましたように、申しわけございませんが、いろんな手段がありますのでちょっと検討させていただいて、後ほど御返事するということで御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/41
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042・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 御返事じゃない、総裁出てきて答弁せい。総裁呼んでこいよ、何考えてるんだ。総裁の答弁について責任を追及するんだから、総裁出てこい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/42
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043・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) きょう申し上げたような国鉄としては基本的な考え方を持っておりますし、総裁も前に答弁いたしましたと同じ考えを持っているわけでございますから、その趣旨がよく地方機関に伝わるように必ず措置をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/43
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044・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 あなた、質問者が納得しないんだからね。そんな、国会であなたが代理答弁しないで、総裁がきちっときょうじゅうに来て、まだ一時間半あるから総裁が来て、あなたでは答弁がだめだから、質問者が納得しないから、委員長お願いします。これは運輸委員会の運営にかかわることですからね。
総裁がここで答弁したものを、今言ったように、地方管理局長が全然、百八十度違った、地方ローカル線については一切やってはなりませんなんていうことを、本社の直属が指令している。ここでは、指導しますと。そんなね、委員会の運営にかかわることですからね、立法府があんなに行政機関になめられたんでは立法府は成り立ちません。したがって私は、岩崎常務がいい悪いは別にして、やっぱり本件問題は当事者である総裁がきょうじゅうに出てきて、そしてきちっと総裁の責任においてこの問題を処理するということを明確にしないうちは質問者は納得しませんから、委員長から国鉄側に特に注意してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/44
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045・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 私もちょっと専門家でありませんので、総裁達というのはどういう趣旨の場合に、どういう場合に出すのかというようなことをよく存じないものですから。ただ、先生がおっしゃるような趣旨が、総裁の指示として地方機関に必ず伝わるように措置をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/45
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046・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 現実に物を見せられないうちは納得しません、ばかになりましたから。こんなにあなた私も国会議員をやっていて恥をかいたことはないし、勤労の委員長、勤労の書記長をやって、何年もやってきてこんな恥をかいたことは初めてなんだ。この関先生だって初めてだ。
そんな恥かかせられて、はいそうですかと引っ込むわけにいきますか、あんた。だから私は、総裁が出てきてきちっとこの問題については、悪かったら悪かった、手落ちがあったら手落ちがあった、直ちにこういう指導をしますということをきちっとね。むしろ、でたらめな連絡をした、連絡したのか連絡させたのかわかりませんが、人事問題まで、この際は人事問題までやれと言っています。でも私はまだ今後の問題もあることだから人事問題まで言いませんが、やっぱり総裁がきちっと来てその責任を明確にして、今後こうします、直ちにこういう通達を出しますと。それが総裁達になるのか、あるいは営業局長通達になるのか知りませんが、こういう通達を出しますということで、管理局長が言うことを聞くような通達を出してくださいよ。そんな、ローカル線の課長に言われて局長がどうなんていう、運転部長までパアになるような、そんな電話連絡がありますか。
だから、それをきちっと、十二時半までですから、責任者が出てきてきちっとやってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/46
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047・岩崎雄一
○説明員(岩崎雄一君) 今先生もおっしゃったように、通達とか達とかいろいろございますので、先生のおっしゃる趣旨に沿って総裁の意思が地方機関に伝わり、それが実行されるように措置をいたしますので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/47
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048・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 総裁が出てきてやってくださいと言っているんだよ。総裁出てきなさい。だめだ、そんな無責任なことでは……。
それは質問を保留します。だから、総裁出てきてやってください、それが質問者の趣旨です。十二時半までまだ一時間半ありますから。雲隠れしない限りは東京におるんでしょうから。
じゃ、質問を続行します。
関西新空港に戻ります。
それで、この前の質問の続きですが、関西新空港の滑走路、これが主滑走路二本、補助一本、合計三本、こういうことに計画がずっと進んできたわけでありますが、今回の計画を見ますと、滑走路一本で始まる、こういうことになっているんですが、滑走路一本ということについては、三百六十五日、風雪もあり、あるいは成田の経過もあり、そう考えますと、滑走路一本というのはどういう役割になるのか。言ってみれば、滑走路一本で使用を開始するけれども、状況によっては伊丹空港を常に使う、併用するとか、そういう暫定運用をやって、逐次主滑走路二本、補助滑走路一本というふうに整備していくんだという構想で話されているのか。予算がつかなければ、しばらくの間主滑走路一本でいくのか。その際、風の向きその他の場合はどういう措置をするのか。この辺が非常にあいまいなんで、予算の都合で主滑走路一本とだけになっているんですが、この辺は一体どういう格好になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/48
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049・山本長
○政府委員(山本長君) 答申で盛られております主滑走路が二本、それに補助滑走路一本というこの構想は、特に先生の御指摘から見れば、そこの補助滑走路というところに意味がございまして、現地におきましては、西風が冬場は非常に強いという気象条件でございますので、西風が一定限度以上になりますと、滑走路におりられないという現象が生ずるのでございます。これは、空港の滑走路が一本でございますと、その程度の差はありますけれども、どの空港にもあるところでございます。それを補うために複数の滑走路でしかも方向を変えるということによって補うというのが、主要空港といいますか、基幹空港においては重要なことでございます。
この関西国際空港の計画は、特に二次答申で示されました滑走路二本、補助滑走路一本という構想を、我々その構想を変えたものではございません。基本的にはこういった形の空港に整備をするということが必要であるというふうに考えておる次第でございます。ただ、空港をつくってまいりますときに、全体をすべて完備してそして供用を開始するというのが、時間的にもそれが短時間でいくとき、あるいは建設費の面から見てそれが調達できるという状態でありますときには、これはそうであることが望ましいことは申すまでもございません。先生御存じのように、伊丹の空港がああいう状態でございまして、一刻も早く新しい空港の供用開始というのが望まれておる状態でございますし、また国の財政から見ましても、やはり短期間に大きなものを、最終的なものをつくってしまうということにつきましては、財政面から見てもやはり制約がございますし、また投資効果という点から見ましても、やはりそこに投資の過大な面が相当長く続くというふうな経済性の面からの難点がございます。
いろいろそういった観点から、先ほど申し上げましたように、最終的な望ましい姿といいますか、一番いい姿というものを目指して建設を進めるわけでございますけれども、できるだけ早く供用を開始するという観点から、それを主眼といたしまして、いわゆる段階施工と申しておりますけれども、第一期計画におきましては比較的に小さい規模でもちまして供用を開始いたしまして、逐次最終の姿に持っていく、こういう計画にいたしたのでございます。これが趣旨でございます。
もう一つ、先生おっしゃる、それならばおりられない場合があるではないかという点でございますが、今、いわゆるこれは就航率という計算がございまして、年間にどの程度就航できなくなる可能性があるか、これを気象条件によって計算をいたします。滑走路一本でもって、ちょっと数字があれですが、冬場の西風が強いときが一番問題でございます。このときにおきます、現在航空機を運用いたしております運用条件というものを基準にいたしまして、その冬場における就航率が幾らになるかということを専門家が計算いたしましたところ、九八%という数字になっております。九八%ということは、二%というものが一〇〇%に欠けるということでございまして、その点から見まして、航空機が他の空港におりざるを得ないという状態が生ずるわけでございます。
これについては、何らかの方法によって補っていかなければなりません。特に、昼間だけ供用しておる、昼間だけしかおろさせないことにしておる空港でございますると、ほかの日本の各地の空港でそれを補うことができますけれども、二十四時間空港ということになりますと、二十四時間空港は日本にはございません。この空港で初めて試みるということでございます。したがいまして、夜、夜中、あるいは朝早く、非常に回数は一年間に見てみますれば非常に少のうございますけれども、それをどこがでおろさなければならないという手段も講じなきゃなりません。
この点につきましては、日本の各地方空港におきまして、かつ相当長い滑走路を持ちまして、また環境上も非常に恵まれた立地条件にある空港がございます。せんだっても、先生ではございませんでしたが御質問がございました。私は、そのときに、例えば長崎空港あるいは大分空港、これは海上空港でございます、滑走路の長さ、これは長崎は三千ございますし、大分は今三千に延長中でございます。こういった空港におきましてはこの空港を補うだけの機能を持っておるし、また地元におきましても、特に地方公共団体におきましても、将来この空港を二十四時間空港にしてもらいたいという希望も出ておるのでございます。この関西国際空港が供用を開始するまでに、そういった代替空港を少なくとも一カ所は整備しなきゃならないと思っております。ただ、整備と申し上げましても、空港の面はその時点においては整備されておりますから、管制官でございますとか、そういった運用の要員を張りつける、こういうふうなことになるわけでございます。この点については供用の開始までに措置をいたしたいし、具体的な空港もそれまでに決めてまいりたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/49
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050・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 滑走路一本、まあ段階的にということはそれなりにわからないわけじゃありませんが、航空審議会の方針といいますか、航空審議会の答申、これ私もちょっとわかりかねるんです。
例えば第一次答申が一九七四年の八月、空港の広さが千百ヘクタール、滑走路二水、補助を一本ね。この年間発着回数がこの段階では十六万回。それで第二次答申、一九八〇年の九月、この発着回数が年間二十六万回。もう十万回もふえているわけですな。確かに、供用開始が前段が一九八五年、後段が一九九〇年、まあ五年のずれがありますから、この五年分の伸びを想定しても、同じ空港需要、空港の問題を議論するのに、五年のずれで十万回も落差があるというのは一体どういうことなんだろうか。
私もいろいろとあちこち本を広げて読んでみたけれども、十六万回と二十六万回のこの十万回の落差を解明した参考資料は、遺憾ながら見つかりませんでした。十万回というと相当大きな飛行場ですな、率直に言って。今羽田は、何回ですかな。ですから、十万回の落差というのは相当大きな需要の予測のずれがあるわけでありますが、これはどこから出てきているのか、この際ここで説明してもらいたいなあ、こう思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/50
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051・山本長
○政府委員(山本長君) その点につきましては、実は三点セットの中で説明をしてございますのでございますけれども、要約して申し上げますと、第一次答申の場合に、能力十六万回というふうに答申で述べられております。それから、御指摘のように、第二次答申は二十六万回、そして滑走路の数はやはり依然として三本であるという御議論でございますが、これは、例の第一次答申におきましては横風滑走路と申しております、これの活用の仕方に関する考え方の変化でございます、結論的には。
と申しますのは、この滑走路の長さが実は第一次答申の場合には三千二百メートルでございました。それから、第二次答申の場合は三千四百メートルでございました。わずか二百メートルの差でございますけれども、ここに考え方の差が出ておりまして、第一次答申の考え方と申しますのは、二本の主滑走路を原則として使う。そして、横風で主滑走路におりられない場合、横風限界を超える運用条件になった場合に、その横風滑走路、三千二百メートルの滑走路を使う、こういう前提で実は滑走路の能力を計算いたしておるのでございます。
〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
第二次答申の場合におきましては、この横風滑走路というものを横風限界を超えるような運用条件になったときだけに使うという考え方ではなくて、主滑走路を使いつつ補助滑走路をさらに使うと。具体的に申し上げますと、一方を着陸用に使いつつ一方を離陸用に使うというふうな運用の仕方が十分可能であると。その場合に、横風滑走路として滑走路を整備するか、いわゆる補助滑走路、今の場合は三千四百メートルの滑走路は補助滑走路と言っておりますが、いわゆる補助滑走路として主滑走路と一体的に運用するという方法をとるか、この二つの差でございます。後者の、つまり主滑走路を使いつつこの斜めに伸びております以前の横風滑走路というものを補助として使うという考え方に立ちますれば、一方を使いつつ一方も使うという使い方をいたしますれば、二十六万回の運用まで可能であると、こういう考え方でございます。
その考え方の差が実はこの滑走路の二百メートルに出ておるわけでございまして、ICAOの基準によりまして、滑走路を横風用として使う場合には主滑走路の七〇%以上の長さであることが望ましいというICAOの基準がございます。この三千二百メートルというのは、四千メートルの八〇%になっております。それから、主滑走路と一体となって使う補助滑走路につきましては、主滑走路の八五%以上の長さであることが望ましいというICAOの基準になっております。八五%というのは三千四百メートルでございます。
この二百メートルの差にその思想が出ておるのでございますけれども、単に数字だけを見ますればわかりませんが、その思想の変化と申しますか、差というものがそういうところにございまして、十六万回と二十六万回の差になっている、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/51
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052・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 言わんとするところはわかった。言わんとする、補助滑走路と横風滑走路の機能というか、発着陸における機能というのはわかりました。その長さの制限を若干二百メートル延ばしたと。そうすると、この十六万回と二十六万回というのは、需要があるから、何といいますか、需要を満たすために十六万回とか二十六万回というふうにしたんではなくて、そういう主滑走路あるいは補助滑走路あるいは横風滑走路、そういうのを組み合わせた飛行場の能力そのものとして二十六万回あるいは十六万回ということで、必ずしも需要とイコールということでやったのではない。どうせ——どうせというのは変な言葉ですが、どうせつくるのであるから、そういうこの機能を考えれば、十六万回にもう少し加えれば二十六万回の機能を持つ空港ができる、そういう視点でやったのであって、需要とは必ずしもイコールではない、この段階でイコールではないというふうに理解していいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/52
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053・山本長
○政府委員(山本長君) 全くそのとおりでございます。滑走路の能力として、補助として使うという整備の仕方をした方が長く将来にわたってよいと、こういう判断による変化でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/53
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054・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そうしますと、この運輸省縮小案で、今回の関西新空港の第一次工事では、四千メートルの主滑走路一本、それで能力が開港時点で十三万回、発着がね。それで第二次の仕上がりの時点で先ほど言った二十六万回ということを想定しているということなんですが、十三万回というこの規定から見ると、おたくのこの需要の伸びで、一体昭和何年ころまでになれば満杯になる数字なのか。
逆に言えば、滑走路一本で使って九八%の計算をすると一体どの辺まで、今昭和五十九年ですから、これは開港時は何年ですか、一九九〇年ですね、九〇年に開港して五年とか十年とか十五年とか何年程度消化可能なのか。逆に言えば、その時点から逆算して、少なくともそこから二期工事を始めないと空港機能が満杯になってしまうということにもなりかねないので、この十三万回というのは何年くらいまで消化可能なのかひとつ教えてもらいたい、こう思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/54
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055・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 滑走路一本で十六万回処理する能力がございます。もちろん開港当初はターミナル地区が多少狭いものですから十三万回がアッパーリミットになっておりますけれども、ターミナル地区の拡張を行いますと十六万回まで処理できます。十六万回処理できる能力を持った場合に何年度までもつかということでございますけれども、今現在我々が行っております需要想定によりますれば、昭和八十三年半ばぐらいまでもっと考えられております。したがいまして、そのことから逆算しまして、二期工事と申しますか、滑走路の増強工事に着手する必要は昭和七十年代の後半に起きると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/55
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056・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そうすると、一部修正では十六万回、これは八十三年の中期。すると二期工事は、少なくとも昭和七十年あたりから滑走路の増設ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/56
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057・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 七十年代の後半でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/57
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058・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 そうすると、政府の方針としては、この滑走路が完成した後、二期工事は少なくとも七十年後半から工事を始めないとこの飛行場は満杯になっちゃう。こういう形で、目安としては七十年後半にぜひ二期工事の着工ができるようにということはやっぱりこの展望との関係できちっとしておかないといろいろ困りますから、それはそういう認識でいいわけですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/58
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059・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 先生御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/59
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060・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 我々も、何か三治先生が、議事録を見ますと輸送需要予測の関係でいろいろお話が奉ったことを覚えているんですが、私はもう時間を国鉄問題で食ったからそこはやりませんが、成田なら成田空港でいいですから、成田空港を建設する際の航空審議会の需要の見通しね、これこれであるから成田空港をつくるんだという答申で、当時の運輸委員会でも議論されたと思うんですが、当時、成田空港をつくるというその需要予測の問題と、実際の需要の実績、これをひとつ参考までにもらいたいなと、これは資料をつくるように言ってあったんですが、ここで要請したいと思います。
それはなぜかというと、これはちょっと失礼かもしれませんが、この航空審議会のやり方についていろんな批判をしている方がいるんです。だれだれとは言いませんが、航空審議会というのは、開かれると、大体四分の三ぐらいは航空局からのいろんな資料をもらって資料の説明、それからまあ勉強会と言うと語弊がありますが、それに大部分が費やされて、あと先生方の御意見はと、この御意見はという時間になるとなかなか時間がなくて大体航空局の資料どおりあるいは御提案どおりだと、そういうのが往々にして、これは失礼になりますから、往々にして多いという批判をしておる社説も一部にあるわけであります。
ですから、実際この航空の需要予測という点は、航空審議会でもその問題は難しいから、これはやっぱり航空局でやれというような答申があったのがありましたね、どこだか。この答申を見ますと。航空需要の予測という問題と実績という問題は、名目上は航空審議会の答申となっておりますが、実際は航空局のやっている行政のことが一番的確だろうと、私はそう思いたいわけです。ですから、航空審議会というトンネルを通ることは必要でありますが、必ずしもトンネルを通らなくてもいいから、行政の方で、今私の言った予測と実績というのがどういう因果関係、傾向値になっているかということを勉強する意味も含めて、成田空港の問題、それからできれば今新空港をつくっている千歳ね、北海道。成田と千歳ぐらいは、十年間ぐらいの予測の見通しと実績をぜひ教えてもらいたいし、その落差があったら、その落差の一体原因は何なのかということを解説つきで出してもらえれば、非常に我々も今後の航空政策に勉強になるという点で、今回のこの関西新空港の予測の問題についてはこれ以上触れませんが、そういう点でひとつ資料の提示をお願いしたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/60
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061・山本長
○政府委員(山本長君) 先生おっしゃることに沿いましてひとまず、成田、それから千歳の空港計画を考えましたのは相当古いことでございますが、当時の資料に基づきまして当時どういう予測をしていたかということと、実績はこれはもう既にございますから、それを対比いたしまして、どの程度分析できますか、その当時の予測というものが恐らく若干か相当か違うだろうと思いますけれども、なぜであろうかというところの分析がどこまでできますかわかりませんが、やってみて御提出いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/61
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062・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 よろしくお願いします。
それから、これとの関連で伊丹空港の問題です。これも同僚から何回かされておるんですが、私もこの伊丹空港の関連をずっとこう歴史的に拾ってみたんですが、航空審議会の第一次答申の段階では、一つは、「関西国際空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、その位置を大阪湾南東部の泉州沖の海上とし、」云々、こういう言葉がこの答申の中にあります。また、答申の「理由」のところに、「大阪国際空港の騒音問題の抜本的な解決を図ることが緊急な課題であり、したがって、新しい空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、同空港の機能を代わって受け持つ能力のあるものとしなければならない」というふうにうたってあります。もう一カ所、「本審議会は、大阪国際空港の廃止を前提として、関西国際空港の規模及び位置を以下のように考える。」と。
「大阪国際空港の廃止」という言葉が、第一次答申には三回も出ているんですよ。
ところが、我々の調べでは、この審議会には伊丹空港の存廃については諮問をしていなかったというふうに聞いておるんですが、諮問をしていない事項を、三回も、大阪空港の廃止を前提としてという固有名詞を使っているというこの辺が、どうも我々理解できないんですが、この第一次答申の際には、航空局は伊丹空港の取り扱いについて諮問をしたのかしなかったのか、まずここから聞きましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/62
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063・山本長
○政府委員(山本長君) この諮問書がございますけれども、四十六年十月十三日、当時の大臣から諮問をしておりますが、「下記の事項について諮問する。 記 一、「関西国際空港の規模及び位置」」でございます。そのほかに「第二次空港整備五か年計画」というもの、二つの問題について諮問いたしております。規模及び位置について諮問したと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/63
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064・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 結局私も、それを見ますと、伊丹空港の取り扱いについて云々という諮問事項はなかった、関西新空港の問題については諮問はありましたけれども。したがって、大体審議会としては諮問された事項を審議して答申するのが建前なんですが、なぜ第一回航空審議会が、諮問もされなかった伊丹空港の問題に触れざるを得なかったのか、また触れることがどうしても当時の客観情勢上必要だったのか、この辺をどうも私は疑問に思うんです。しかし、伊丹空港廃止を前提としてということで関西新空港の問題の議論がされたと、航空審議会で。これはやっぱり厳然たる事実として受けとめなきゃならぬ、こう思うんですが、この伊丹空港の位置づけについて、第一次答申の際の認識については、私は伊丹空港は廃止が前提ということについてはやはり確認してしかるべきだと、こう思うんですが、いかがでしょうか。この答申の時点ですよ、答申の時点で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/64
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065・山本長
○政府委員(山本長君) 後でいろいろこの文言は議論になっておるところでございますが、この答申を出す時点においてこの文言というものをどう考えていたかということについては、現時点では、その記録をたどること、それから関係者から話を聞くこと以外にございませんけれども、その記録をたどり、それから直接この答申を担当された方々からの話を聞きますと、この「廃止を前提として、」という意味は、大阪国際空港が廃止されたとしてもその役割を十分果たし得るという意味であるということで一致をいたしております。
また、この答申書自身には出ておりませんけれども、この答申をまとめたときに、関西国際空港部会総務小委員会というものができまして、そこでこの答申を起草しておるわけでございます。この記述に見ましても、先生御指摘のとおり、これは現大阪国際空港の取り扱いが世間においては非常に大きな問題になっておった現実でございますけれども、その取り扱いについては諮問の内容に限定する限り議論の範囲外と言えると、こういうことを言っております。そして、小委員会の委員の間でも、大阪国際空港の廃止を明確に打ち出すべきであるという議論、それから大阪国際空港の廃止を基本方針とすべきであるという議論、それから大阪国際空港を廃止しないで存続させるべきだという議論、それから諮問を受けた内容から見て検討外であるという意見があったと。こういった意見の幅を総合し、大阪国際空港の廃止を前提として新空港がその役割を十分果たし得るという条件を置き新空港の建設を推進すべきであるということでようやく合意に達し取りまとめた、こういう記録がございます。
さらに、一つの客観的な事実といたしまして、この答申が出ましたのが四十九年の八月でございますけれども、答申は答申でございますが、その前に運輸省は、現大阪国際空港に関する存廃問題についての方針を対外的に明らかにしております。これは四十八年、ちょっと突然でございまして手持ちはございませんが、四十八年でございまして、地元の地方公共団体等から廃止すべきであるという強い意見を受けまして、当時の航空局長が伊丹空港周辺の地方公共団体の長に対しまして、これはいわゆる十一市協と言っておりますが、の代表者に対しまして、文言はちょっと読むものがございませんが、私の記憶でございますけれども、伊丹空港の存廃問題については新空港が建設された以降において廃止することをも含めて検討をする、こういうふうに言っております。そして、その存廃問題については関係の地方公共団体等の意見を十分聞いて決めるんだということを、方針として明らかにいたしております。
こういったところから見まして、答申はその運輸省の方針が出されました以後でございますが、運輸省の考え方といたしましては、この廃止ということを明確に行政方針として持っていたものではなくて、廃止という可能性もある、しかしながらそれは、十分検討したことの上で結論を出すべきものであり、かつそれは、新空港との絡みとそれから地元の周辺の市町村、地方公共団体等の意向等をも十分参酌して決める、こういう方針であったということが言えるかと思います。
廃止を前提とするということは、いわゆる廃止をするんだというはっきりした意思を明示したものではない。非常に幅のある、廃止ということもあり得るし、それから存続ということもあり得ると。しかし新空港というものは、廃止されたとしても、その機能をかわって受け持つというだけのものでなければならない、こういう思想で答申されたということが、今の時点においてその当時の記録などをたどってみまして、それが正しいのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/65
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066・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 だから、非常に今局長が言った関係市町村、十一市協の皆さんにいろいろ、今局長の、口頭でなくてこれは文書で出しているんだよね。この文書が、どの文書が本当の意味なのか。
例えば、これ古い話だけれども、七二年十二月付で航空局の隅健三飛行場部長が十一市協に出した「関西新国際空港建設後の大阪国際空港の航空機発着回数の規制等について」というこういう文書で、「長期的にみて関西地域に二つ以上の空港の必要性が高いので、関西新空港開港時点では」、ここからなんです、「とりあえず国際線の全部とその時点での国内線の約半分を新空港で処理する計画であるので、現大阪国際空港で処理する便数は七−八万回となる」と、こう相当具体的に出しているわけですね。
これを出しているかと思うと、今局長が言ったように、これは七二年の六月四日付、やっぱり同じ十一市協に運輸省の当時の内村航空局長名で、「現大阪国際空港の将来のあり方については、新関西国際空港との関連において十分検討を要するものであるが、その開港時点にこれを撤去することをも含めて可及的速やかに検討するものとし、その検討に際しては地元公共団体の意志を十分尊重するものとする。」、こういう文書を出しているわけですね。
だから、伊丹空港が一体どうなるのかという関係を、余り歯に衣を着せてきれいごとを言っておってもしようがないんじゃないかと、こう思うんですよ。この前の騒音公害訴訟の経過から見ると、これは廃止、特に兵庫県側は絶対残すなんということは納得するわけにいかぬと。この点では大阪方——大阪方というのは変でありますが、大阪方と兵庫側についてはやっぱり伊丹空港の騒音問題の受けとめ方にずれがあるし、労働組合から協力をもらっているといっても、労働組合側も、同盟関係はやむを得ない、総評関係は絶対反対だと、こういう二つの考えがある。
ですから、この問題について、伊丹空港について一体どういうふうになるのか。先ほど私心配しておった滑走路一本の心配が九八%と言っていますから、そっちの方の心配はないなと、こう思ってきたんですが、やはり関西新空港ができれば国際線はもちろん二十四時間で新空港、国内線も、騒音公害の高いジェット、ジャンボなどは関西新空港の泉州沖に行って、ある程度騒音問題で解決可能なところは制限をして伊丹空港に残すと、こういうことなのか。
その点のやつをやっぱり早目に明確にやらないといろんな意味で混乱が生ずるんじゃないか、こう思うんですが、この辺のタイミングといいますか、交通整理といいますか、この点はどういうふうになるんだろうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/66
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067・山本長
○政府委員(山本長君) 現大阪国際空港の存廃問題、これは非常に重要な問題でございまして、これは航空行政側からだけではなく、地域の経済の、あるいは経済生活等から見ても非常に重要な問題でございます。この存廃問題につきましては、五十五年の六月にいわゆる調停が成立いたしております。これは、いわゆる総理府の公害等調整委員会に対しまして、公害問題について調停を申請し得ることになっております。特に伊丹の周辺住民の方々が中心になりまして、約二万名でございますけれども、伊丹空港を廃止する調停の申請を出しまして、これについて調停作業が行われまして、今申し上げました五十五年六月三十日に調停が成立いたしておるのでございます。
その要約を申し上げますと、被申請人と申しますか、これは国側です、国側は大阪国際空港の存廃を決定するために必要な諸般の調査をすること、ということが一つでございます。もう一つは、その調査、研究を関西国際空港つまり新空港の建設が決定された時点から可及的速やかに行い、その結果を、申請人ですから調停申請者ですね、申請人ら及び関係地方公共団体等に適宜開示して、その意見を十分聴取すること。本件空港の存廃については、国はその責任において関西国際空港開港時までにこれを決定すること。こういう調停ができておりまして、これがいわゆる存廃問題についての約束事になっておるわけでございます。これに従って手続を進めるということでございます。ここに今要約でございますが申し上げましたように、新空港の建設が決定された時点から調査、研究を行って、開港時までに結論を得る、こういうことになっておるわけでございます。
しかしながら、私たちといたしましては、この問題はやはり、一番最初に申し上げましたように、航空行政上から見ましても非常に重要な問題であるだけでなく、地域の問題としても非常に重要な問題でございますので、できるだけ早く結論を得るのが望ましいというふうに考えております。
関西国際空港の建設が決定されたという時点ではなく、さかのぼって昨年度五十八年度中に実はその調査、研究のための諸準備をもういたしておりまして、その調査、研究のためのプランニングというものもつくりまして、現在、こういうような調査内容、こういう段階で進めるということについて関係地方公共団体と協議をしているということでございます。それが固まりますれば、速やかに本格的な調査に入りまして、結論は調査の進行度合い及び周辺の地方公共団体等の意見聴取もございますので、その意見聴取を終える必要がございますけれども、私たちといたしましては、関西国際空港の開港時までにというのは、開港時という目途ではなく、できるだけ早く結論を得るということでもって進むのが適当であるという考え方でもって、作業を進めておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/67
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068・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 これ私はまだ確認はしてないんですが、聞くところによると、もう全日空が伊丹空港内に二十三億円かけてジャンボ機を収容する工事をやっているとかという話も聞くんですが、こういうのを聞けば、残せという方はうれしいかもしれぬけれども、廃止せいという方は、どんどんどんどんもう金を投資して既成事実をつくっていくんじゃないかという反発もあるわけです。
それから、大阪の事業計画を見ますと、大阪は同空港までにモノレールを建設する、伊丹空港にね。モノレールをつくると。モノレールをつくれば、廃止も含めて検討すると言っているのに、モノレールをつくると、ますますこれは残すということになっていくんじゃないかという、そういうだんだんだんだん時間とともにおかしな関係の利害関係が出てくる。こういうことが心配されるわけです。
それから、大臣はこの前兵庫に行って、神戸空港の問題について、調査には協力するという御発言があったということを聞くんですが、兵庫県の側から言いますと、これは党派を超越して、騒音公害でもう伊丹空港なんというのはあり得ない、新空港ができればあれで終わりだ、次は神戸空港の番だと。こういうふうに騒音問題と神戸空港をセットにして考えているわけですね。そういうことから見るとやっぱり、今航空局長が言っておることについてはわからないわけじゃありませんが、そういう例えばモノレールの建設の認可申請があった際に、その点は少しこの問題の結論が出るまではちょっと時期を待ってほしいとか、これはモノレールは建設省ですかな、認可は。運輸省じゃありませんな、これは、モノレールは。——運輸省ですか。運輸と建設の共管ですか。そういう際にはその辺もやっぱり頭に置いてやってやらないと、この問題についてはむしろ時間がたつに従って利害関係がエキサイトして、変な格好になってしまうということを非常に心配するものであります。
したがって、そういう絡み合いでこの伊丹の問題については、行政側でチェックをしながら円満な解決をできるようにやってもらいたいなと、こんなことを思うんですが、大臣、神戸空港の問題の際にそういう話がなかったかどうか、それを聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/68
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069・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 現在の伊丹空港の取り扱いについては、今あなたが御心配になるように、おっしゃるとおりだと思います。
〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
これは長い時期で見ますと、意見がいろいろ違ってきておるわけでございまして、これはもう一日も早くとにかく何とかほかに空港をつくって行ってくれといったような時代があったり、それから最近はまたいろいろ情勢が変わってきておる。それから、主張をなさっておるのも、それぞれの立場の方がいろいろございます。もうおっしゃるとおりでございまして、やっぱりやめるべきだ、こうおっしゃっている方もある。いやこれはやめたら大変だ、そういうふうにおっしゃっている方もある。こういうことでございますので、今航空局長が申し上げたように、できるだけ早くコンセンサスを得て、どうするかを決めなきゃいかぬ、かように思います。
モノレールの話も、私どもも聞かないわけではございません。しかし、関西空港の取り扱いが決まる前にこれがどんどんどんどん進められていくということはこれは十分考慮しなければならぬ、あなたのおっしゃるとおりだと思っております。
それからいろいろの今施設をして云々という話もございましたが、そういう点につきましても、永久的な建物を建てたり云々というようなことについては、やはり決まった後にお願いしないと誤解を招くんじゃないか、かように思っております。いずれにせよ、早く決定を、そういうこともあるので早く決定をしなきゃならぬのじゃないかと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/69
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070・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、伊丹の問題が出てきた際に。
航空局長、四月の二十六日、環境庁が昭和四十八年に告示したいわゆる航空騒音の問題に対する達成基準の状態に対し、運輸省に申し入れをしているわけですね。この数字を見ると、やっぱり大阪は七十五の上限に対して九十四の七十二と、依然としてこれは高いことを示している。全国の空港で調査した結果、全体の調査のうちたった二カ所、釧路空港と熊本空港だけがこの基準について達成できていて、あとの空港はほとんど未達成だ、こういうことを言っておるわけですね。
したがって騒音問題というのは、この前我々が関西空港の現地調査に行った際もあそこの担当官が、この騒音問題で一番苦労していると。しかも金も莫大に投入しているということから考えますと、やっぱり騒音対策という別な視点からこの伊丹空港の問題も、何といいますかな、行政側が問われる大きなポイントだと言っても私は言い過ぎではない、こう思うんですが、環境庁から提示された、運輸省と防衛庁に提示されておるわけでありますが、運輸省としてこの航空機騒音対策について今後どういうふうに対応していこうとしているのか、その取り組みをぜひ聞かせてもらいたい、こう思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/70
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071・山本長
○政府委員(山本長君) 空港周辺の騒音対策につきましては、環境庁が指摘しておる、これは今回もそうでございますし以前からもそうでございますけれども、二つの問題がございます。
一つは、いわゆる音源対策ということでございまして、航空機自身から発する騒音を低くする、あるいは航空機から発する騒音を地上に達するときに低くなるように飛行機を運用するという、要するに地上に及ぼす騒音量自身を少なくしていくというのを音源対策と言っておりますが、これをやはり今後とも強力に推進していかなきゃならないと思っております。
これは、今までも、一番やかましいと言われたDC8という飛行機がもう既に国内線からは全部撤退しておりまして、現在はその次の飛行機でございますいわゆるジャンボでございますとかDC10というふうな飛行機に置きかわり、さらに最近におきましてはB767というふうな、ジェット機でございますけれどもさらに騒音の低い飛行機に逐次置きかわりつつあるという状態でございます。こういった面につきましては航空会社の投資計画でございますけれども、こういった面につきまして行政側からも、できるだけ早期にこの音源対策として効果のあるような機種変更が促進されるというふうに、これは行政指導と申しますか、こういった面から取り組んでまいらなければならないというふうに考えております。
それからもう一つは、いわゆる周辺対策でございます。非常に今まで大阪周辺におきましても多額の金額を投入してきたわけでございますけれども、その大部分はいわゆる民家防音工事でございます。この民家防音工事につきましては、全国的に今七十五WECPNLの範囲につきまして、希望者につきましては防音工事を完了するということで進めておるところでございますが、大阪国際空港は非常に世帯数も多くて、ほかの空港から比べておくれていることは事実でございます。私たちの計画では、六十年度におきましては希望者についてこの民家防音工事が達成できるようにという方針でもちまして毎年度の予算を組んでおるのでございます。来年度の予算編成にまた差しかかるわけでございますけれども、その方針でもちまして周辺対策というものに取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/71
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072・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 やっぱりこの騒音対策は、運輸省がどう言おうと自衛隊がどう言おうと、監督官庁は環境庁ですから、環境庁が指摘する問題については、財政上の問題もあろうけれどもやっぱり率直に受けとめて、やはりこの十年間の猶予期間を待ってやったのにこのとおりだということは、環境庁のサイドから見ると、住民に約束しているという点から見ると余りいいものではない。したがって、予算上の問題があれば大蔵省も入れて、やっぱり運輸省と大蔵省と環境庁というところでこの問題についてはきちっと努力してもらいたい。
特に家屋は、この環境庁のによりますと一般空港で六四・一%、自衛隊と米軍は四四%、全体の約半分ぐらいですね。十年かかって半分ということは、あとやるのに、局長は六十年だと言うが、今五十九年ですからね、ここ一、二年でできれば一番いいことですけれども、そうは言っても大蔵省はなかなか厳しいのじゃないか。しかしこの騒音の問題についてはぜひそういうことでやってもらいたいなと、こう思います。それでやってください。
それからもう一つ。新聞などを見ますと、今度の四五・四七対策で、何か日本航空、全日空、東亜国内航空の関係について運輸省が決定した、こういうことが載っておるんですが、これはどんなことなんでしょう。私が聞こうと思うのは、時間がないから言ってしまうと、ずっと各社の新聞論説を見ておったら、日経新聞の六月十五日の社説「その場しのぎ的航空政策は許されぬ」という中で、運輸当局、航空当局は、「基本政策の見直しは、関西新空港、羽田空港の沖合展開、成田空港の第二期工事完成などを待たねばならず、そうでなければ現行権益の「むしり合い」になるだけ」だと、こういうような談話を航空局が言っているというふうにこの社説はとらえているんですよ。
だから、そうしますと、四五・四七の問題については、この前の国際航空の貨物の問題の際にも私はこの委員会で大分やりましたが、今回も何か全日空のハワイの問題、あるいは日航の札幌−沖縄間の問題、あるいはフィルアップライトの問題などについていろいろありましたけれども、フィルアップの問題は今後検討するとして、このハワイの問題と札幌−沖縄とこう出てきたんですが、こういう弾力運用、弾力運用といってずっとやってこられますが、弾力運用を言い始めると何もかにもこれは弾力運用になってしまうんです。
ですから、基本的に、この関西新空港、あるいは羽田の沖合展開、あるいは成田の第二期工事完成、この際に四五・四七関係について全般的に見直すんだと、そういう姿勢をとっておられるのか。あるいは今回やられたように、この前ならこの前は貨物、今回は全日空のハワイ、その次何が出てくるか知りませんが、今度はもうそういうことを含めて、いろいろ言われておりますが、基本的に関西新空港が開業するまでは現在の四五・四七体制は動かさないという基本的考えを持っているのかどうか。その辺あたりを、新聞論説ですからどこまであれかわかりませんが、新関西国際空港の関連において航空局の見解を聞かしてもらいたいなと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/72
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073・山本長
○政府委員(山本長君) 航空企業の運営体制と申しますか、航空事業の分野調整と申しますか、そういった問題の御質問でございますが、そういった社説が出ましたのは、先生御指摘の、いわゆるハワイまで全日空がチャーターをしたいという前からの希望、要望といいますか、に対して、これを制約を設けつつ認めるということを方針として決めたわけでございますが、その際に日本航空が年来要望いたしておりました事柄につきましても、やはり許容できるものはこれを認めていく、こういう思想から、日本航空の要望についても、これこれにつきましては認めます、結構でございますと、こういうことを通知をしたということが一つございました。
先生は、その問題よりはむしろもっと基本にある四五・四七という、いわゆる航空企業の運営体制を決めております閣議了解でございますとか大臣通達についての御質問でございますが、この点につきましては、各社のいろんな要望を調整をいたすという場合に、国際問題、国内問題やはりひっくるめて考えていかなければなりません。国際問題だけ、あるいは国内問題だけを取り上げて解決するということはなかなか困難な背景がございます。
その場合に、その新聞記事にもちょっと出ておるところでございますけれども、羽田空港なり大阪の空港というものが現在、言うならば増便が不可能だという状態であります中におきましてこの輸送体系を見直していくということになりますと、全体の便数がふえない中で各社の輸送の体制が変わっていくということを実現するということは、言いかえれば、一つの企業がやっておりますことを他に移す、便を削って便をつけるというふうな、こういった非常にトラスチックなことにならざるを得ないような空港事情があるわけでございます。それは権益の配分というふうな一つの非常にドラスチックなことでございまして、全体の伸びる中において全体が調和のとれたようにしていくということは行政として比較的容易でございますけれども、全体のパイがふえない中で一方をふやし一方は削るというふうなことはなかなかやりづらいという気持ちを持っていることも事実でございます。その辺の私たちの、それは別にレクしたわけじゃございませんけれども、そういった思想が社説にも出ておるんだと思います。
しかし、先生おっしゃるように、この問題は四十五年、四十七年に決められた問題でございまして、もう十四年もたっておる問題でございまして、その間において航空輸送の伸びというものは、旅客、貨物において違いますけれども、三倍以上に伸びております。そういった時代の変化というものも十分生じておるものでございまして、私たち、先生おっしゃるように、いつまではこれは見直す必要がないというふうなところまで考えておるものではございません。諸外国の航空行政につきましてもいろんな変化が見られておりますし、先ほど申し上げましたように、国内の輸送体制の中においても大きな変化がございます。こういった見直しというものをやるかやらないか、やるとすればいつやるかということについては、非常に企業体制の中に大きな影響を持つものでありますので、私たち今、それを検討いたしますというふうなことを、方針を決めておるわけでもございません。慎重に考えなきゃいかぬ問題であるというふうに考えております。
この問題については絶えず行政側において研究を重ね、勉強をしておくという必要があるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/73
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074・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 これも日本航空法の改正の際にも言ったことだし、あるいはこの前の貨物の問題のときもしつこいくらい言った問題だし、それからフィルアップライトの問題についても、前の局長さんのときも、何も空気を運ぶ必要はないんじゃないかと。空気を運ぶ必要はないということであれば、これは空気を運ぶのは国鉄も飛行機も同じことで、空席があれば有効にお客さんの便利を考えてやればいいじゃないか、こういうことでも提案したこともありますから、そういう問題も含めて御検討を願うと同時に、やっぱり今局長が言ったとおり、軽々しく四五・四七の問題に手をつけないように要望しておきます。
それから、時間、十二分まで——。総裁ね、岩崎常務からお話があったと思いますから経過については申しません、もう。少なくとも私は、意地悪質問などをしないで、できれば気がついた点は気がついた点として国鉄の皆さんなり常務の皆さんなりに、よっぽど社会的な批判を浴びる運転事故であればいざ知らず、我々もやっぱり運転屋の一人ですから、それなりにいろいろ行政を通じて私はやってきたつもりです。
しかし、今回勤労の組織が骨身を削って、何とか国鉄を守っていこう、レールを守っていこう、レールを取っ外したらもう再び敷くことは大変なことだと。私も鉄道時代に大分苦労していますから知っています。そういう気持ちで、大分もう若い青年部も年配もOBも家族も含めてやってきておるこの運動に対して、この前随分私は礼を尽くして、協議会も否定しないし、協議会の活用についても、あるいは団体交渉という問題じゃなくてもいい、やはり職員の苦労したことを聞け、聞いてくれと。そして、いろんなルートがある、協議会に諮るなりあるいは国鉄の労使みずからが改善するなりあるいは協議会に提言するなりいろんな方法があるじゃないかといって御提示申し上げて、総裁に前向きに検討してみましょうという御答弁をもらって、うちの組織も大変喜んで、一生懸命元気をつけながら、とにかく何とか国鉄を守らない限りは、仕事がない限りは困るんだということで、余剰人員の問題についてもそういう意味では前向きに取り組んでいこうということで、組織の中が腹をくくってやろうというときに、ですから盛岡にも、百聞は一見にしかず、私が打って直接、交渉であろうとなかろうとそれは構わない、だけど局長一回聞いてくれということを私は言ったんですよ。
私だけじゃ大変だから、地元の国会議員を呼んで、それから地元の市長さんとか村長さんとか議会の関係者とか、そういう方々も行ってお話ししたら、結局、結論から言うと、いわゆる本社側の指示で、第一次、第二次を含めて一切お話を承るわけにはまいりませんという話だったんです。それで私は、なお下がって、では局長、関係市町村から同じ申し入れを、むつの市長さんとかどこどこの村長さんとか、そういう対策協議会のメンバーの方々からこれを提案しますという形にして、何とか協議会の議題になるように、労使が話し合いをしやすいように、そういう環境づくりについても私は頭を下げて、村長さんとか市長さんとか町長さんにお願いするけれどもそういう方法もいかがでしょうかというところまで、私は礼を尽くして言ったつもりです。
ところが、本社の指導で絶対だめですと。まあ門前払いではないといえば門前払いではありませんが、中身は門前払いなんです。
そういうことがありましたんで、ひとつ私は、もう時間がありませんから、ここで再びこの議事録を確認いたしません。もう天下の総裁ですからそんなことはいいと思うんです。ただ、ここでお約束したことは、あなたの名前か、あるいは部門別によって運転局長の場合もあるだろうしあるいは営業局長の場合、貨物局長の場合もいろいろありますが、少なくともここで答弁したことが全国の管理局長にきちっと伝わるように私は責任を持ってもらいたい。そうしないと、何のためにここで議論するかわからない。我々の親心があだになって返ってくる。そんなことでは私は、勤労としても納得できないし、あるいは社会党だって簡単に納得するわけにいかぬ。こう思って、この問題は大事だからというんで小柳先輩とそれを話して、やっぱり運輸委員会の答弁と行政の責任ということをきちっとすべきだ、国鉄問題が厳しくなればなるほどそういうけじめは大事だという点でお話しして、最初岩崎さんが、簡単に今言ったんですけれども、大分盛岡の方ばかり向いて答弁するものだから、こっちを向いて答弁しないものだからやっぱりあなたに来てもらったんです。
そういう点で、総裁の責任でもう一度我々の提案に対する御見解と、あなたの指導の責任、そういうことをきちっとしてもらいたい。私は、それさえ明確になれば、もう人事の問題はこれ以上追及しません。どうぞ総裁の見解を聞かせてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/74
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075・仁杉巖
○説明員(仁杉巖君) 今西黒先生から御指摘がございましたが、これらの問題に関しましての私の考え方は、既に先生御指摘のように四月十九日の委員会において申し上げているとおりでございまして、何ら変わるところではございません。今回、盛岡の大畑線の件につきまして、現地の対応におきまして目黒先生初め関係の方々に大変御迷惑をかけたように聞いております。まことに申しわけなく思っておりまして、おわびを申し上げる次第でございます。
今先生から御指摘のように、いろいろ労組等から御陳情もある場合もございますが、そういう場合には前向きに取り組むようにという趣旨を御答弁してございますが、こういう趣旨につきまして十分徹底を欠いたようでございます。もちろん先生も御指摘のように、協議会等を通じて議論を進めてまいるわけでございますが、それらにつきまして、私の趣旨と違ったような対応を現地の局がいたしたようでございます。趣旨が不徹底であった点につきましても、おわび申し上げる次第でございます。
今後のことにつきましては、これらの点につきまして、私みずから関係部署を通しまして十分各管理局長に徹底するように指導をしてまいりたいと思いますので、御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/75
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076・目黒今朝次郎
○目黒今朝次郎君 じゃそれ以上細々言いませんから、総裁のひとつ誠意を信じて、よろしく今後ともうまくいくようにお願いします。どうも岩崎さんも余り怒らないでね。(笑声)よろしくお願いします。
じゃ質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/76
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077・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十二分休憩
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午後一時十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/77
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078・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
休憩前に、引き続き、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/78
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079・梶原清
○梶原清君 関西国際空港問題と現在の大阪国際空港問題とは密接な関連があるわけでございますので、本日は、現在の大阪国際空港に関連する若干の点について御質問をしたいと思います。
まず第一点は、午前中の質疑で先輩の目黒委員から御指摘のあった点でございまして、大阪国際空港の存廃問題についてお尋ねをしたいと存じます。
今さら指摘するまでもございませんけれども、この問題につきましては、四十八年七月の大阪国際空港の将来のあり方に関するいわゆる内村書簡、四十九年八月の関西国際空港の規模と位置に関する航空審議会の答申、次いで、五十五年六月の公害等調整委員会の調停事項等々の経緯があるわけでありまして、これを踏まえまして航空当局において目下調査検討を進められているのではないか、このように思うわけであります。
私は、先般来の神戸沖地方空港の問題もありますが、これを一応さておきまして、大阪地区の空港のあり方というものについて私の考え方を申し上げますと、あの関西地区といいますのは、欧州一国に匹敵するような人口と、そして経済規模を持った地域であります。その地域では、どうしても、一つは現在の大阪国際空港、それから、これから建設しようとしておりますところの、公害のない二十四時間運用の関西国際空港、そしてもう一つは、小型機、低速機のいわゆる使用事業用の八尾空港、この三つが一体となって機能しなければいけないんではないだろうか、このように思っておる一人でございます。
この大阪国際空港は、御案内のとおりいろいろと問題があろうかと思いますけれども、大阪、神戸、京都などから非常に利用しやすい地点にあるわけでございますし、近畿圏であのような便利な空港を再び得ようとしましても絶対に得られない空港であります。そして、現在そこに生活をしておるといいましょうか、職場を持っておられるのが百数十社、約一万数千人の人が職場を持っておられるという飛行場でもあるわけであります。この周辺の方々との接触をした過程におきましては、表面的には空港をどかせ、このような声があるわけではございますけれども、その存続を望む根強い幅広い声が、声なき声があるということ、これはまた事実であります。等々を考えてみますと、私は、大阪国際空港を存続するのだということを早く決心をして、そしてしかるべきいろいろの対策を講じていくということが極めて賢明な策ではないだろうか、このように思うわけであります。
この委員会でもしばしば指摘をしておるわけでございますけれども、今まで膨大な資金量を投じて騒音対策をやってきております。主として航空局の手でやってきておりますけれども、あのように広域的な基幹交通施設、これは絶対に関西では大切な施設でございますけれども、現在はその施設が住民の方々からしますと音がやかましいとか出て行けということでございますが、絶対に存続をしなければいけない空港であるとするならば、国の関係省庁、政府関係機関、地方公共団体が一体となって周辺対策を進めていく、空港と周辺との調和を図っていくということを積極的に進めていく、そういう姿勢を早くとることが私は大切ではなかろうかと思っておる一人であります。
この点につきまして、午前中目黒委員にお答えがありましたけれども、改めて御質問をいたしたいと存ずるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/79
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080・山本長
○政府委員(山本長君) 先生御指摘のように、大阪国際空港の立地を考えますと、大阪、京都、神戸という大都市から極めて至便の地にあり、利用の面から見れば非常に便利な空港であるということが言えると思いますが、反面、それの裏返しの問題といたしまして、周辺が非常に都市化されて先生御指摘の騒音問題が非常に大きい空港でございます。昭和四十五年、万博でございますけれども、ころ以来、いわゆるあの公害問題が非常に発生いたしまして、大阪国際空港の存廃問題というものがクローズアップしたのでございます。
その後の運輸省の考え方などにつきましては、先生御指摘のいわゆる内村書簡、航空審議会の答申あるいは調停というふうなところで、一つの区切り区切りとしての見解というものが示されておるわけでございます。この問題につきましては、大きな世論の流れといたしまして四十年代の後半非常に大きな流れが、現在におきましてはまだ混沌といたしておるとは思いますけれども、いろんな意見がこの存廃問題について出ていることも事実でございます。先生のおっしゃる、やはり将来を見て存続すべきであるというふうな意見も聞かれることも、もちろん事実でございます。
しかし、先生が御指摘になりましたように、公害等調整委員会での調停というものがございまして、これが一番新しい運輸当局と周辺の方々との約束事、一番新しい約束事がその調停という形ででき上がっておるわけでございます。この調停条項に従って運輸省としてはこの大阪国際空港の存廃問題というものについて手続を進めていくという義務があると考えておる次第でございます。手順を踏んでこの問題について処理をしていきたいと考えておるのでございますが、午前中目黒委員の御質問がありそれにお答えしたところでございますけれども、調停条項に言うところの日限というものにこだわらないで、早くこの問題について結論を得るというのが賢明な策であるというふうに考えており、そのための調査に着手をしておるというところでございまして、調査を進め、周辺の市町村の意見も聞き、できるだけ速やかに結論を得るようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
ただ、騒音対策につきましては、あの空港というものを使っております限り、これについてはやはり被害の実態があり、そこに被害によって影響を受ける方々がおられる限りは、これは充実した対策ということを進めていかなければならないということは当然でございますが、周辺対策につきましても、空港の将来のあり方というものも周辺対策のあり方とも関連を持ってくるというふうに考える次第でございますので、御指摘の点十分頭に置きまして、この存廃問題について早く結論を得るように対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/80
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081・梶原清
○梶原清君 大阪国際空港の騒音対策の実施部隊でございます大阪国際空港周辺整備機構の問題につきまして一、二御質問をいたします。
ことしの一月二十五日の閣議で、「関西国際空港株式会社を特殊法人として設立することに伴い、」「大阪国際空港周辺整備機構と他との統合等を図り、昭和六十年九月末までに一法人を減ずる。」旨の決定がなされておるわけであります。この閣議決定を受けまして、航空当局では空港周辺整備機構の将来のあり方について検討委員会を設けて御検討されているようでございますけれども、その進捗状況がどうなっておるのか、この点についてまずお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/81
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082・山本長
○政府委員(山本長君) 一月二十五日の「行政改革に関する当面の実施方針について」という閣議決定の中で御指摘の決定がなされておりますので、私たちといたしましてもその検討をいたさなければならないということで、この大阪空港周辺整備機構の将来のあり方という範囲に限定をしないで、むしろ空港周辺対策を受け持っております空港周辺整備機構の仕事そのものというものも、やはり空港周辺整備事業も相当に変わってきておりますし、今後も変わっていくことが予想されます。具体的に申し上げますと、一番大きな事業でございます民家防音工事というものも、私たちの方針といたしましては、六十年度末までには、現在やっております七十五W対策というものについては終了させるという方針で進んでおります。こういうふうな大きな今までの仕事というものが、今度は質的に転換をしていくというふうに考えております。むしろ、空港周辺において緑地を整備するとか、空港周辺の居住環境というものをやはり空港と両立し得るような形でもって整備をしていくという方向に向かっていく必要があるように考えます。そういった機構自身の将来のあり方というものについて、今この時点で検討する必要があるという観点からでございます。
このために、本年五月十一日に学識経験者、関係地方公共団体の職員等をメンバーとする懇談会を開催いたしまして、さらにその作業部会というものを五月末及び六月中旬に各一回開催をいたしまして、引き続き意見交換を行うこととしておる次第でございます。予定につきましてははっきり言える段階ではございませんけれども、できれば本年の十一月末ごろまでには一応の取りまとめといいましょうか、結論というものを得たいというふうな目途でもって作業を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/82
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083・梶原清
○梶原清君 今御答弁をいただきましたように、大阪国際空港周辺整備機構の組織形態が今後どのように改編されるのか、これはこれからの検討にまたなければならないわけでございますけれども、大阪国際空港の環境対策事業、周辺整備事業が極めて重要でございますし、事業量も今後においても相当量予想されるわけでございますので、適切かつ十分な組織体制を絶対に維持存続をしていただくようにお願いをいたしたいわけでございまして、この点についての運輸省の御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/83
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084・山本長
○政府委員(山本長君) この組織についての検討ということを現在やっておるわけでございますけれども、しかしそれは、将来の周辺対策というものをやはり充実し維持していくという考え方においては変わりはございません。組織問題は行政改革という面からの検討でございまして、その機構が現在行っております仕事そのものにつきましては、むしろ現在の仕事というものの転換といいますか、というものを図っていく必要があるという観点からも検討をする必要があると思います。
仕事の面の将来の変化とそれに対応する組織のあり方という面からの検討でございまして、仕事そのものにつきまして周辺対策を後退させるというふうな考え方は一片たりともないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/84
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085・梶原清
○梶原清君 よくわかりました。
次は、去る六月十日に大阪国際空港に近い伊丹市立池尻小学校のポンプ室屋根に大韓航空機のエンジンの排気マフラーが落下する事件が発生したことを新聞で見たわけでございますが、これはエンジン故障が発生しまして部品が吹っ飛ぶという、極めてまれな事故のようでございます。また、今回の場合は幸いけが人等が全くなかったようでございますけれども、大阪国際空港の周囲の状況から考えまして、このような事故は極めて重大な事故でございます。
絶対に二度とこのような事故を繰り返してはならない、このように考えるわけであります。大阪国際空港問題に長くかかわってまいりました私自身、神に祈るような気持ちでおるわけでございますけれども、この事故の状況と、今後の運輸省の対策についてお話を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/85
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086・山本長
○政府委員(山本長君) 去る六月の十日、大韓航空六〇四便大阪発ソウル行きのエアバス式A300型機は、乗員、機長以下十五名、旅客二百九名が搭乗して、同日の十六時〇九分大阪国際空港を離陸いたしましたが、十六時十六分ごろ左側のエンジンに振動が生じたため、同エンジンを停止し、十六時二十九分、大阪空港に引き返し、着陸をいたしました。
十七時十分ごろ、伊丹警察署から、航空機からの落下物と見られる物体について照会がございました。
その後の調査によりまして、これが、大韓航空六〇四便の左側エンジンの部品、テールコーンと呼ばれておる部品でございますが、その部品であることが判明をいたしました。落下地点は伊丹市の池尻小学校というところでございまして、伊丹空港の西の方にございます。そのポンプ小屋に落下をいたしまして、死傷者は幸いにしてなかったということでございます。同機の旅客は、この日の二十時四十分、代替機によりソウルに出発をいたしております。
本件については、全くあってはならない事件でございます。また、周辺住民に与えた不安感は極めて大きいものがございます。特に、大阪国際空港が置かれております状況を考えますれば、本件が空港運用に及ぼす影響は重大なものがあると考えております。
この観点に立ちまして、六月十二日、大韓航空の日本地区の本部長を本省に呼びまして、整備点検をさらに一層強化し、このような事態を再度再発させないよう必要な処置をとることを、文書により申し入れました。かつ、その文書におきまして、その原因及び今後の対策について報告を求めております。
また、大阪国際空港に乗り入れておる各社に対しまして、空港長から、運航の安全確保につき最大の努力を尽くすよう注意を喚起したところでございます。
また、同型機を使用しております東亜国内航空株式会社に対しましても、大韓航空の事例につき通知をいたしまして、同種のふぐあいが発生しないよう指導し、同社において自主的に全機に対し特別点検をいたしました。そして異常がないということを確認をいたしております。
原因につきましては、目下調査中でございまして、その結果については現在のところ報告を受けるまでに至っておりませんけれども、現地における状況調査、外見調査の所見といたしましては、そのテールコーンの取りつけのふぐあいによるものではなく、エンジンの内部損傷により発生したものではないかという推測をしておるところでございます。
このように、とりあえず、かかる事態が発生しないように。大韓航空に対しては厳重な注意を行い、かつ原因の究明と対策についての報告を求めている。さらに、大阪国際空港に乗り入れておる航空各社に対しましては厳重な注意を喚起したという点が第二点。第三点といたしまして、同型機を使用しておる国内会社に対して点検を求め、これは異常がないということを確認しておる。三つの措置をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/86
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087・梶原清
○梶原清君 ありがとうございました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/87
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088・峯山昭範
○峯山昭範君 私は、先日の内閣委員会におきまして随分質問いたしておりますので、きょうは特に地域整備の問題に焦点を絞って質問をしたいと思います。もし時間がありましたら、そのほかの問題にも質問を広げたいと思っております。
まず、運輸省から提出されました三点セットの中の、地域整備計画についての考え方というのを私も何回も読ませていただいているわけでございますが、地元としましては、この地域整備計画をどういうふうに進めるかというのが特に重大な関心事になっているわけでございますし、この地域整備に対して国がどう応援をするかというのが大変重要な問題であります。そこで私は、この地域整備の基本的な考え方を、初めに、これは国土庁とそれから運輸省両方に、基本的に地域整備について国としての考え方はどういうふうに考えているか、この点をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/88
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089・山本長
○政府委員(山本長君) 先生の御質問の中にございました、いわゆる三点セットの中にございます地域整備についての考え方と申しますのは、運輸省の責任において取りまとめ、運輸省の見解といたしまして三府県に提示したものでございます。
その後、関西国際空港の計画に関する諸般の調査も進み、さらにまた政府部内における検討調整の体制というものも進みまして、昨年の五月に関西国際空港関係閣僚会議というものができたわけでございます。その関西国際空港関係閣僚会議の本年二月の会議におきまして、関西国際空港の立地に伴う関連施設整備の進め方ということで、一つは、「空港のアクセスとして根幹となる交通施設については、国が地方公共団体等の協力を得て計画面の調整を行い、国を含む関係の機関及び地方公共団体等が相互に協力して整備を行う」、二番目といたしまして、「空港の立地に伴い必要となる関連公共施設に関する計画の策定及び推進については、今後、国と地方公共団体との間で協議・調整を図っていく」という基本的な考え方が了承されているところでございます。この考え方に基づきまして、関係機関の間で協議、調整を図りつつ、地域整備についての具体策を検討し推進してまいりたい、こういう考え方で進んでおるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/89
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090・立石眞
○説明員(立石眞君) 地域整備に関します国土庁の基本的な考え方につきましてお答えいたします。
関西国際空港の建設は近畿圏にとりまして重要なプロジェクトであると考えておりまして、これを契機として周辺地域さらには近畿圏全域の整備を積極的に推進する必要があると考えているところでございます。国土庁といたしましては、空港周辺の地域整備が、その事業の範囲が広範囲かつ多方面にわたることから、近畿圏整備という広域的な観点から、関係省庁及び関係地方公共団体と協力しつつその推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/90
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091・峯山昭範
○峯山昭範君 航空局長、先ほどの答弁で、関係閣僚会議で相談したことの御答弁がございましたが、やっぱり、地域整備の基本的な考え方といいましょうか、整備大綱みたいなものですね、これは私は、国がきちっと、こういう方針で行く、こういう方向でどうかという、その基本的な路線は国の方である程度考え方を明示していただきたい、こういうふうに思うんですがね。きょうは国土庁は課長さんしかお見えになっておりませんが、今の関係閣僚会議でのいわゆるこういう地域整備を推進するための中心の大臣はどなたかということと、それからもう一つは、こういう問題について国としてやっぱりきちっと大綱を決めて、こういう方向でというのをある程度大枠を示していただきたいと私は思うんですが、この点についてのお考えをお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/91
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092・山本長
○政府委員(山本長君) 関係閣僚会議の中心の大臣はどなたであるかという御質問でございますが、この会議の進行役と申しますか座長と申しますか、をされておりますのは官房長官でございます。
それから、地域整備についての枠組みと申しますか、を早く示すべきだという御質問でございますが、これについては全く、やはりそういったことが早期に行われるということの必要性は私たちも痛感をいたしておるところでございます。
地域整備につきましては、先ほど私が読み上げました文章にも二つに分かれておりまして、一つは、空港のアクセスとして必要な鉄道でございますとか道路でございますとかといった、地域の根幹交通施設の整備というものが一つあると思います。この問題は、やはりその文章の中にも示されておるのでございますが、国及び国の機関がやはり主体的な立場においてその計画を立案し、そして関係地方公共団体ともよく調整の上プランを立て、実施に移すということが必要であると思います。
この点につきましては道路及び鉄道それから海上アクセスがございますけれども、この点についての主管省庁でございます、運輸省も一つでございます、建設省も一つでございます、また取りまとめとして国土庁もそうでございますが、こういった国の省庁及び国の機関がございますが、これがやはり主体的に協議、調整を行ってプランづくりをして、それを推進していくという体制が必要であると考えておりまして、この点についての協議体制というものを確立していかなければならないと考えております。
もう一つのいわば町づくりとでも申しますか、この空港立地を機会に地域の都市施設、各種の都市施設を整備して地域の発展を図りたい、また、生活環境というものも向上させていきたいというふうな大きな希望があることも十分承知をいたしておるのでございます。こういった面についての町づくりの計画というものはやはり地方公共団体というものが中心になられて、それが地域に合った都市づくりというもののプランづくりをされ、そして推進されていくということが望ましいと考えております。その際に、国としてもこの地方公共団体が計画され推進される町づくりの諸施策についてできる限りの協力をしていくというやり方が適切であるというふうに考えております。
この点につきましては計画の熟度、詰まりぐあい、あるいは緊要度というものもございますし、さらに、例えば大阪府下でございますれば、大阪府におきまして泉州のあの地域における町づくりと申しますか、のプランというものを現在検討されておる段階でございます。そういった計画づくりというものを受けまして、それの推進の方策といたしまして国がどこまで協力できるかということを今後詰めていく、そして方向といたしましては、できるだけの協力をして実現を図っていくという方向で作業を進めていかなきゃならぬというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/92
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093・峯山昭範
○峯山昭範君 まあ余りしつこいようでも困るんですけれども、この地域整備計画の大綱というのですね、これを、いわゆる三点セットのときに発表されたものから、もう一歩具体性を帯びたものにしてほしいというふうに私たち考えているわけです。それで今局長の方からも、こういうことはやっぱり国の方として大綱としてはつくることが望ましいというお話がございましたが、法案がどんどんどんどん通ってしまって、それで空港の方がどんどんスタートを始めてしまいますと、地域整備計画というのはだんだん置き去りになってしまって、もうだれも見向きもしないようになってしまうというんでは困るわけでございまして、そういうふうな意味で、この大綱をつくるということについてのお考え、これはどうかということが一つ。これはやっぱり早急にやってもらいたいというふうに私たちは考えているわけです。
それから、三点セットのときに示されたこの考え方を一歩進めて、もう少し具体性のあるもの、これは国、これは例えば地方公共団体で考えろというふうな、もう少し区分したものを国として示すわけにはいかないか。具体的には、例えば大阪市にしましても大阪府にしましても、相当具体的なものが検討されてでき上がっているわけです。そういうような意味で、もう一歩前進した考え方ができないか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/93
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094・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 今峯山先生がおっしゃった御趣旨については、もうそのとおりだと思います。さらに前進させなきゃいかぬ。今お言葉の中にございましたが、地域整備が置き去りになって空港だけがという、そういうことは実際はあり得ない、できないんです。やっぱり地域整術をちゃんとやらぬと進まないんですよ。ですから、当然、もっと実のあるものにしなくちゃいかぬ。具体的にどこをどうするということをやっていかなきゃいかぬ。ところが、三点セットを決める時代、それから現在のところも、まだその詰まるところまでいっていないもんで、それぞれの地域地域においていろいろ御計画をなすっておるという段階でございますので、私どもの閣僚協でこれはおっしゃるようになるべく早い時期に、まあ時期に応じて具体性がどんどん固まっていくと思いますが、具体的なものにしてまいらなければならない、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/94
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095・峯山昭範
○峯山昭範君 ぜひ大臣、よろしくお願いします。
そこで、この地域整備の問題でいつもテーマになりますのが、ハードの面だけなんですね。そこでこのハードの面だけではなくて、いわゆる産業とか雇用、物価、そういうふうないろんな面に及んでくるわけでありますが、そういうような意味で、ソフトの面についてもこれは幅広く総合的に研究する必要がある、検討する必要がある、こういうふうに私たちは考えているわけでございますが、国の一体的な取り組みの体制というのがこのソフトの面でもやっぱり必要じゃないか。そこら辺の研究体制、そこら辺の問題については国としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、これもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/95
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096・山本長
○政府委員(山本長君) ハードな面として道路でございますとか鉄道でございますとかあるいは各種都市施設というものが論じられるわけでございますが、空港が立地いたしますことによりましてそこが都市化されていくということが一つ。それからさらに、現地におけるいわゆる地場産業というものが産業構造的に変化をしていくということ。さらにまた、それに応じまして雇用の面で問題が出てくる、あるいは場合によりましては職業の転換というふうなことが必要になってくるというふうな面があろうかと思います。そういった、地域の変化に対応したソフト面における将来への対応というものがやはり必要になってくると考えるのでございますが、この点についてはいま少しその地域の変化ということを見きわめて対応を考えていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
今、具体的に先生のおっしゃるソフト面という言葉が私がお答えいたしました面と合致しているのかどうか、ちょっと自信がございませんけれども、そういった面でのソフト面への対応というものは、地域社会の変化というものをいま少し見きわめつつ、それに応じた対策というものを関係省庁、関係機関の間で協議し、手を打っていくという必要があると思っておりますし、その面につきまして、運輸省としてもこの空港の計画を進めております立場から、適切な対応が関係各省でとられるように我々としても働きかけてまいりたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/96
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097・峯山昭範
○峯山昭範君 ぜひそういうところにも目を向けてほしいということを申し上げておきたいわけです。特に、先ほど関係閣僚会議での二つの問題について御答弁がございました。一つはアクセスの問題、一つは町づくりの問題ですね。その町づくりの問題の中の例えば都市整備、生活環境という話がございましたが、そういうところの考え方としてあるいはソフトの面についての考え方が含まれているのかもわかりませんが、そういう点も含めて、そういう点にも配慮しながらいわゆる計画を立案していただきたいし、今後進めていただきたいと考えているわけです。
そこで、これは衆議院の運輸委員会のときにも出たそうでございますが、この地域整備の問題について中間実務者レベルの省庁間の連絡会議を設けたいというふうな御答弁が、これは航空局長さんの方からあったそうでありますが、この点について、これは非常に大事な問題だろうと思います。実際問題として、大阪府にしましても市にしましても、それぞれの地方自治体にしましては直接御相談ができるところでございますし、そういうふうな意味で非常に大事なこれはあれだと思うんですが、こういうふうな実際問題として連絡会議が設置されているのかどうか。
設置されているとすれば、どこの省庁とどこの省庁が集まってつくっておられるのか。そして、最近大分煮詰まってきつつあるわけでありますが、この話し合いが具体的にどういうふうに進んでいるのか、そういう点もあわせてお考えをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/97
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098・山本長
○政府委員(山本長君) 私が御答弁申し上げましたのは、各省の連絡調整体制といたしまして関係省庁八省庁による課長レベルの連絡調整会議というものがございまして、国土庁が中心になりましてやっていただいておるわけでございます。もちろんこれは、関西空港を中心とするものでございます。一方、閣僚会議というものがございまして、そこでの調整というものが行われる仕組みになっておるわけでございますが、この中間実務者レベルと私が御答弁申し上げましたのは、今の課長レベルでの連絡調整の体制というものでは不十分であり、また、閣僚会議という場に至らない段階における各省間の実務的な調整というものが必要であり、また、それを行うことによって先生が先ほど御指摘になりましたいわゆる地域整備についての大綱というものができ上がっていくためにも、そういった実務者の一番中心になって役割を果たしておるレベルという意味で、部長あるいは局長レベルの各省連絡会議というものをやはり設けまして、そこで連絡、意見交換が図られ、計画が煮詰められていく必要があるという意味で申し上げたのでございます。
現在、この地域整備という面で中心的な役割を担うというふうに考えられます国土庁、それから建設省との間におきまして、この問題について相談をいたしておるところでございます。
もちろんこの会議づくりというものとは別個に今までの体制の中で連絡調整は行っておるわけでございますけれども、そういった会議づくりを通じまして、より積極的に推進してまいりたいと考えておる次第でございます。法案成立後にできるだけ早く具体化を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/98
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099・峯山昭範
○峯山昭範君 今の問題、国土庁がお見えになっていますね。その問題、非常に大事な問題でありますし、実際上どうなっているか、これも聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/99
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100・立石眞
○説明員(立石眞君) 今運輸省の局長さんの方からお答えがありましたわけでございますが、運輸省、それから国土庁、建設省でどういうような会議を設け、あるいはどういうような形のことを検討すればいいかということについて検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/100
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101・峯山昭範
○峯山昭範君 これは国土庁、やるからには実効のあるような、やっぱり課長さんレベルのいわゆるこういう連絡会議というのは非常に大事だと私は思います。そういうような意味では、自信を持ってやってくださいよ。それで、やっぱり本当に地元のいろんな意見を十分吸収して、そういう話し合いができるような、きちっとした会議であってもらいたいと思います。これは要望しておきます。
それから次の問題に移りますが、交通アクセスの問題になります。
これはもう私は、私の持論として、空港は都心に近い方がいいに決まっているわけであります。しかしながら、今回の空港は直線で約三十五キロぐらいですかね。そういうような意味では、利用者の便というものを考えますと、アクセスをどうするかというのが非常に重要な問題になってまいります。
そこで、これは昭和五十六年のいわゆる三点セットの地域整備の中にも出てまいりますが、特に道路の整備ですね。道路の整備の状況は現在どういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/101
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102・藤井治芳
○説明員(藤井治芳君) お答えいたします。
関西空港との関連で問題になっております道路は、御承知のように近畿自動車道和歌山線、それから大阪湾岸線、それから第二阪和国道、こういう三本が主たるアクセスとして話題になっております。
このうち一番メーンになりますのは近畿自動車道和歌山線でございますが、これは現在御承知のように阪南インターチェンジから海南インターチェンジの和歌山県に至る間二十七キロが供用されているわけでございますが、松原南インターチェンジから阪南インターチェンジ間の四十六キロ、これは現在工事中でございます。ただ問題は、沿線地域に旧石器時代から室町時代に至る埋蔵文化財が数多くございまして、用地買収を進めながら、現在、買収の終わったところから発掘調査を進めております。これは非常に困難な問題ではございますけれども、何しろこれを片づけませんとどうしようもありませんので、重点的にこの建設に取り組んでいるところでございます。開港までに供舟できるよう努力してまいる所存でございます。
またもう一つ、大阪湾岸道路につきましては、これも御承知のように現在は、大阪市の港区港晴から堺市の三宝間の約八キロが供用してございます。この三宝から出島西町という区間四キロにつきまして六十二年を目途に現在工事をやっておりますけれども、さらにこの出島西町から泉大津の臨海町までの区間七キロについては、昨年、五十八年度に事業を着手してございます。
問題の臨海町から泉佐野に至る区間につきましてでございますが、これは五十四年度より調査を着手してございまして、現在ここには阪南港の港湾計画というのがございます。これとの調整とか、この大阪府下では非常に貴重な海水浴場でございます二色の浜公園というものがございまして、この環境整備事業との調整などいろいろな問題を抱えてございますが、これらとの調整を図りながら路線計画を策定するための調査を、路線の検討であるとか、構造物の検討であるとか、いろんなものを現在やっております。
いずれにいたしましても、この関西新空港の整備計画の具体的な内容に合わせまして調整を進めながらできるだけ早く路線計画を確定いたしまして、都市計画決定を行って事業化へと取り組んでまいりたいと、このように考えている次第でございます。
第二阪和国道につきましては、既に供用をしてございまして、以後、この延伸計画について今現在調査をしている、このような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/102
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103・峯山昭範
○峯山昭範君 これはやっぱり一番の大きな問題は、湾岸道路だろうと思うんですね。大阪市内の人、並びに神戸にしましても尼崎にしましても、あちらの方から来る人は、やっぱり湾岸道路が一番いいわけですよね、実際問題として。そういうふうな意味では、いろんな問題もたくさんあろうと思いますが、泉大津それから空港間の大体十九キロぐらいですかね。これがやっぱり一番大きな問題になってくると私は思いますね。
したがってこれは、空港が開港するまでに何とかこれを完成してもらいたいというのが地元の大きな希望になっているわけです。特にこれをちゃんとしないと、自動車の渋滞というのは大変なことになる可能性があります。これはいろんな角度から検討しましても、道路網、第二阪和あるいは近畿自動車道の和歌山線を見ましても、大阪市内から行く場合は非常に便利じゃないわけです、実際問題ね。例えば今のこの近畿自動車道の和歌山線、これで行くにしても、神戸から来た場合は市内の循環道路を通っていかないと行けませんし、そうしますと市内の今の循環道路が大変な混雑を来しますし、湾岸道路がどうできるかというのは、これは大阪市内の交通の渋滞やいろんな問題から考えますと重大な問題になってくるわけであります。そういうような意味で、これは早いこと、この泉大津−空港間の調査を終わっていただいて取り組んでいただきたいと思うんですが、この点について再度一遍御答弁いただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/103
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104・藤井治芳
○説明員(藤井治芳君) お答えいたします。
先ほども申し上げましたけれども、この間につきまして私ども非常に重要な区間で何とかしなければいけないという認識は持っております。
そこで、先ほども申し上げましたように、この間におきましては二色の浜環境整備事業とか、阪南港の港湾計画とか、あるいは忠岡、岸和田の木材コンビナートであるとか、鉄工団地との関係であるとか、いろいろな問題がこの中間にございまして、これを府や地元の市町村の御協力を得ながら御一緒に今一つ一つ調整をさせていただいている最中でございます。これが何しろ終わりませんと、本当の地域整備との一体化した湾岸道路もできないわけでございますから、そういう意味で努力はしている次第でございます。そういう意味で、できるだけ現実的に対応してまいるよう考えておりますので、ひとつ今後とも温かく見守っていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/104
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105・峯山昭範
○峯山昭範君 温かく見守ってくれと言われればそれは……。私たちは大阪市内が混雑しないで空港がちゃんとできるように一生懸命応援したいと思っているわけでございまして、ぜひお願いしたいと思います。
大阪府や市も、また地元の市町村につきましても、そういうふうな目的のためにはやっぱり皆さんの調査にも御協力はいたしますし、何とかちゃんとしたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、鉄軌道の問題です。これは特に三点セットのときにもうたわれているわけでありますが、「鉄道の整備」ということでこれは運輸省の昭和五十六年の四月の資料の中にもありますが、「空港と南海本線及び国鉄阪和線を結ぶ鉄道については、空港の開港時までに完成を図るべく計画及び整備を進める。」というのがあります。
これは非常に大事な問題でありまして、これは阪和線、南海本線からターミナルに直結する連絡鉄道というのが実際問題として必要であります。しかしながら、現在のこの国鉄の状況やいろいろな情勢から見ますと非常に厳しい問題もあるわけでありまして、そこら辺のところも十分承知をしながら言っているわけでありますが、これは連絡鉄道の例えば事業主体をどうするかという問題とか、あるいは第三セクターにするという問題もありましょうし、そういう問題も含めましてこの鉄軌道のそこら辺のところについてはどういうふうにお考えか、これもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/105
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106・山本長
○政府委員(山本長君) 従来、空港のアクセスというものは、日本の空港を見ましても、やはり道路が中心でございまして、鉄道との結びつきというものについての配慮が欠けていたというふうに反省をいたしておるわけでございます。
そういった意味におきまして、この関西国際空港につきましては、対岸部に走っております南海本線、対岸部の若干山手側を走っております阪和線というものからそれぞれ分岐をいたしまして、そして空港対岸部に近いところで一本になって、空港の事業主体がつくります連絡橋、道路橋と鉄道橋を併設橋として計画しておるわけでございますが、それを経て空港に入っていくということを計画しておるわけでございます。
先生の御指摘のように、鉄道事業者でございます国鉄それから南海鉄道、それぞれ財政的にいろいろな問題を抱えておられるように聞いております。空港サイドの計画としては、先生今お読みになりました三点セットの考え方で進んでいきたいというふうに考えておるわけでございますが、そういった鉄道事業者サイドの財政的な面というものもやはり考えなきゃならぬというふうに考えます。一義的には、既存鉄道の事業者によってその鉄道の整備を図ってもらいたいというふうに考えておるわけでございますけれども、今までいろいろ話を聞き調整をいたしております過程の中におきましては、それもなかなか難しい面もあるというふうなことでございまして、しかしながら、やはり空港に鉄道を乗り入れるという計画につきましては、空港の開港までにはぜひとも実現をしたいというふうに考えておる次第でございます。
したがいまして、その事業主体問題といたしまして、関西国際空港株式会社それから地方公共団体であります大阪府それから鉄道事業者等が出資をした第三セクターによりまして鉄道の建設を行い、そこにそれぞれが乗り入れるという形をとるというふうなことも、考え方として出てきておるわけでございます。この形は新しいものではございませんで、既存のものにおいてもあるわけでございます。そういった形でもって整備しつつ、鉄道事業者がそれを利用しつつ、利用料を払いながら長期にわたってこの資金が回収できていくというふうな方法というものが一つの現実的な解決策ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
この考え方につきましてはなお調整をする必要がございまして、詰まり切っておるというところまでには至っていないのでございますけれども、ぜひともこの開港時までに乗り入れるということを実現するために、こういった方法を講ずることによって実現させていきたいというふうに考えておる次第でございます。なお、詳細なルート等につきましては、なお調整を図りつつ具体策を詰めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/106
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107・峯山昭範
○峯山昭範君 大臣、アクセスの問題でこれは大臣にもぜひ御尽力いただきたいと思うんですが、先ほどの湾岸道路の問題と、それから今連絡鉄道の問題、事業主体については煮詰まってはいないけれども、第三セクターでというふうな局長のお話がございましたが、この点について大臣のお考えもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/107
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108・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) ただいまおっしゃいましたアクセスの問題では、湾岸道路と鉄道が二つの最も重要な要点だろうと思います。お説のとおりに考えます。
湾岸道路につきましても、先ほど建設省からもお話がございましたが、若干のいろいろな障害になっておるような点があるようでございます。これらも連絡を十分に閣僚会議等でとりまして、促進をしたいと思っております。
鉄道につきましては、第三セクターで今連絡を考えておりますが、成田で鉄道のアクセスというものは失敗をしておるわけでございます。この失敗を繰り返したくないと考えておるわけでございまして、いろんな角度からこれを見ていかなきゃならぬ。やはり問題は、南海よりも国有鉄道の方に問題があると私は思っております。飛行場に入るところも問題でございますけれども、国有鉄道の阪和線を一体どうするか、環状線なりあるいは新幹線とどう結ぶかといったような問題があります。そうなりますと、かなり大きな投資が要ることになるわけでございます。これを現状のままでやるということになると、国鉄のアクセスとしては一応の役割は果たすけれども、本格的な役割を果たすわけにはいかない。ある程度の資本をかけて立派なものにしなきゃならぬという問題が残されておると思っております。これはよほど工夫をいたしませんと、現在の国有鉄道の工事経費の状況ではかなりな困難があるんじゃないか。ここらのことをどうするか。これは特別の知恵を出さないとできないんじゃなかろうか、かように実は思っておる次第でございまして、特に力を入れてまいりたい、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/108
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109・峯山昭範
○峯山昭範君 確かに大臣がおっしゃるとおりでございまして、鉄軌道は非常に大変な問題だろうと思います。
そこで、もう一点だけこの問題でお伺いしておきたいのは、やっぱり新大阪駅からできたら直行で空港まで行く、これが一番いいわけですね。この問題については、これは大阪市の方もいろいろお考えになっておりますし、技術的には、市の地下鉄とかいろんな問題との関連もありますし、南海との問題もありますし、いろいろありますが、やっぱりそこら辺のところも考えなくちゃいけないという問題が一つあるということ。
それからもう一つ、これは大臣にもちょっとお伺いしておきたいんですが、先日、参議院の本会議で新幹線の話が出ましたが、新幹線までいけるかどうか私はわかりませんが、大臣の御答弁ですと、技術的には可能であるというふうな御答弁がありましたんですが、いわゆる新大阪駅あるいは大阪駅と空港とを結ぶ直結したルート、そういう問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この点ももう一回お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/109
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110・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 国有鉄道のアクセスとしては、今私が申し上げたのはその意味なんですが、やはり新幹線大阪駅と結ぶということでなければ本格的なアクセスの役割は果たさないだろう、こう思います。ですから、何とかして新大阪駅と結びたいものだ、かように考えるわけでございますが、この結ぶ方法にはいろんな方法が考えられております。一部環状線を使うということも投資の関係から考えられると思います。どういう方法がいいのか、単独で結ぶという方法がいいのかどうか、恐らく私は、資金面から現在の線を最小限度の費用でとにかく結びつけるということになるのではなかろうかと思っておりますけれども、これらの点はいろいろ専門家に十分検討してもらわなきゃならぬ、かように思っておりますが、いずれにいたしましても、結論的に言いますると、今御質問にもございましたように、新幹線と新空港を結ぶということが絶対に望ましいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/110
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111・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは次に、土砂の採取の問題についてお伺いしておきたいと思います。
この問題も随分議論がされているわけでございますが、一億五千万立方メートルという大変な土砂が必要になってくるわけでございますが、この土砂の採取につきましては、これは今回新しくできます関西国際空港株式会社が直接その事業を行うのか、それとも、あるいは第三セクターか何か事業主体を考えていらっしゃるのか、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/111
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112・山本長
○政府委員(山本長君) 新しく土砂を採取するという事業を行います事業主体につきましては、私ども、現段階におきましては、この関西国際空港株式会社が担当するという計画でございます。
しかしながら、土砂の採取と申しますのは、空港の島づくりという観点からいえばまさに土砂採取でございますけれども、土砂をとる地域から見れば、ある意味において土地の造成という性格をも持つわけでございます。したがいまして、この土砂採取地をどこにするかということにつきましては、単にとりやすいところからという観点からではなく、そのとった後できる用地というものをどういうふうに活用していくかという、いわば地域整備と申しますか、という観点からも考えていかなきゃならないところでございまして、私たち土砂採取地というものをまだ決めておらない段階でございますけれども、決める際にはこういった観点をも十分加味して決めなきゃならぬというふうに考えております。そういった性格が土砂採取にはあるということでございます。
それからもう一つは、空港島に土砂が必要だということだけではなく、現在なお計画段階でございますけれども、大阪府におきまして空港と対岸都との間に前島というものをつくりたいという構想がございます。そこにも土砂が必要でございます。したがいまして、一つの土砂採取を行います場合に、空港島にも供給する土砂採取であるし、またその前島にも供給する土砂である、こういう性格をまた持つわけでございます。
したがいまして、この土砂採取というものを、単に空港島の造成のためにだけとるという考え方から、空港のこの会社が行うという考え方にこだわらないで、そういった地域整備という観点、それから土砂採取、運搬の、何と申しますか、目的の多様化に対応すると申しますか、という観点から、この関西国際空港株式会社と、それから地域の整備というものについて非常に関心を持っておられる地方公共団体というものがお互い協力し合って設立される、第三セクターといった主体によってこの土砂採取、運搬を行うという考え方が最近出てきておりまして、私どもといたしましても合理的な考え方ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
この事業主体問題につきましては、さして古い問題じゃございませんので、最近のそういった考え方でございますので、なお詰まり切ってはおりませんけれども、先ほど申し上げましたように、大きな課題であると同時に、一つの合理的な考え方であるというふうに考えておりますので、そのあり方につきまして今後関係府県と協議、調整を図って具体策を考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/112
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113・峯山昭範
○峯山昭範君 時間がなくなってまいりましたので端的にお答えいただいて結構なんですが、結局は関西国際空港株式会社と関係府県と相談をして、それで第三セクターでやるという方向みたいな話ですね、今の話ですとね。
そこで、これは先日の私、委員会でもお伺いしましたが、いわゆるこの採取地の選定の問題ですね。これはずっと調査を進めていらっしゃるらしいんですが、当然、決定に当たりましては、コストの問題とか環境の問題とか、あるいは跡地利期の問題とか、いろいろとこれは絡んでくるとは思うんですが、いつごろまでにその採取地を最終的に決めるのかという問題と、それからもう一つはどのような手続でその候補地を絞り込んでいくのかという、この二つの問題があるわけですが、この問題についてのお考えをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/113
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114・山本長
○政府委員(山本長君) 土砂採取地を決めますための諸般の調査というものを五十八年度から実施しておりまして、現在もなお続けておるところでございまして、会社が設立されて後も引き続き調査が行われることになると考えておる次第でございますが、私ども、空港の建設というものを諸般の情勢から見てやはり急がなければならないというふうに考えておりまして、
〔委員長退席、理事梶原清君着席〕
空港の現地での具体的な着工といいますか、具体的な工事の着手というものを六十年度末にはいたしたいというふうに考えておる次第でございます。そういった観点から考えますと、土砂採取地の決定の時期につきましては、六十年度の前半までには結論を出す必要があるというふうに考えておる次第でございます。時期的には若干余裕のない期間でございますけれども、私どもの考えでおります工程上からは、六十年度前半までにはぜひとも結論を得たいというふうに考えておる次第でございます。
なお、この候補地を絞り込むための手続と申しますか、につきましては、先ほど申し上げましたような諸般の調査を実施しておりますので、そういった調査の結果を見ると同時に、これも先ほど申し上げましたが、跡地利用の計画等とのやはり整合を図る必要がございますし、もちろん経済面だけではなくて環境影響面等への配慮も必要でございますので、関係の地方公共団体等と十分協議を尽くし、後々問題が生じないような手順を踏んだ調整を行った上、決定しなければならないというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/114
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115・峯山昭範
○峯山昭範君 そうしますと、いわゆるこの土砂採取地の決定は運輸省でやるということですな、今の御答弁ですと。それはそれでよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/115
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116・山本長
○政府委員(山本長君) ちょっと舌足らずでございました。土砂採取地につきましては、どこに土砂採取地を決めるかということにつきましては、私たちが行っております調査を引き続き会社が行い、それで会社が、調査結果及び地方公共団体等と十分調整をして、会社が決めるということでございます。ただし、空港の運営につきまして大きなかかわり合いを今まで持ってまいりましたし、また会社ができてからは会社に対して大きなかかわり合いを持っております運輸省といたしましても、この点につきまして会社の十分な配慮がなされるように、会社に対して私たちも指導していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/116
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117・峯山昭範
○峯山昭範君 候補地を絞り込むに当たっては、結局地方自治体と協議をする、この点はそれでいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/117
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118・山本長
○政府委員(山本長君) ぜひともそうしなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/118
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119・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは次に、前島の問題についてお伺いをしておきたいと思います。
これは先ほど局長の方から御答弁がございましたが、今回の空港建設に当たりまして、大阪府が中心になってこの空港前島の建設を今計画をしているわけであります。この前島というのは、御存じのとおり空港の立地あるいはいろんな面から見て、これは都市整備を行う上からも、あるいは空港に関連するいろんな諸施設を置く上からも、どうしても必要なものであると私たちは理解をしているわけでございますが、国としてもこれはやっぱり前島はぜひつくっていただきたいというふうにお考えになっていらっしゃると私は思うのですが、この点についてのお考えをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/119
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120・山本長
○政府委員(山本長君) 前島は現在大阪府におきまして諸般の調査検討を行っておられるところでございまして、大阪府が主体となって行われる事業であるというふうに理解をいたしております。一方、前島が整備されることによりまして、空港アクセスやそれから空港の機能の支援という面から見て、空港にとって極めて有効、有用な活用が期待できるのではないかというふうに考えております。私どもといたしましても、今までもそうでございますけれども、今後とも大阪府とも連絡調整を図りながら運輸省としての協力を行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/120
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121・峯山昭範
○峯山昭範君 それではあともう一点、時間がなくなってまいりましたのでお伺いして終わりたいと思います。
地域整備を進めるに当たりましては、地元の自治体の財政の健全性の確保という問題が大変重要であります。そこで国は、成田の場合にはかさ上げ法を制定しまして随分やったわけでありますが、今回はそういう考えではいないということであります。
そこで、地元の自治体の財政負担を軽減する措置について、これは運輸省としてもあるいは航空局としても今後十分検討を加えるべきであると、こういうふうに私は考えているわけでございますが、この点についてのお考えをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/121
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122・山本長
○政府委員(山本長君) 現在の財政事情のもとにおきまして、また行政改革を推進しております政府の立場におきまして、新しいいわゆるかさ上げ法といわれる財政関連措置を、新たなものをつくるということが困難な情勢でございます。政府といたしましても、こういった新しいかさ上げ的な措置は行わないということになっております関係上、本件に関する地域整備につきまして特別のかさ上げ法を制定するということは困難であるというふうに考えておる次第でございます。
しかしながら、地域整備を進めるに当たりまして、既存の財政上の諸措置がございます。公共的な施設についての補助制度、それから補助裏と申します地方公共団体の負担についての起債の制度等、既存の各種制度を活用することによって対応していかざるを得ないというふうに考えておる次第でございます。
私たち運輸省といたしましては、この面につきまして、地方の財政というものの状況というものも相談に乗りながら、先生のおっしゃる財政負担というものが将来過重にならないようにしていくという点については十分配慮していかなきゃならぬというふうに考えておりまして、この点につきまして、現在の財政事情もございますけれども、いかなる方法があるか、どういう措置が一番いいか、自治省等とも今後調整、協議をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/122
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123・峯山昭範
○峯山昭範君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/123
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124・小笠原貞子
○小笠原貞子君 航空輸送の需要予測という問題について、きょうはお伺いしたいと思います。
航空の需要予測というものは、関西新空港の必要性と現空港存置というものを裏づける、そういう理論的根拠となっていると思うんです。ところが、この大事な航空輸送の需要見通しというものを調べてまいりますと、非常にあいまいな点があって、実はびっくりしたわけでございます。
そこで、まず最初にお伺いしたいと思います。運輸省は、関西国際空港における旅客の需要予測についてどのように推測されていますか。六十八年、七十年そして七十五年度について国際旅客、国内旅客の数字をお述べいただきたい。そして、その数字がどういう根拠で出てきたのか、その計算方法、難しいかとも思いますけれども、わかりやすくお教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/124
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125・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 現在我々が需要想定をしておりますのは、六十八年度開港当初、国際旅客、九百万人、七十年九百万人、七十五年千二百万人。国内旅客につきまして、同じように六十八年一千百万人、七十年一千三百万人、七十五年一千四百万人の旅客を想定しております。なお、これは現在考えております収支採算の基礎になっている需要想定でございます。
この需要想定をどういうふうにして計算したかということでございますが、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」、これは五十八年の八月に閣議決定されたものでございますけれども、それをもとにしまして、GNPの六十五年度までの平均伸び率を年四%と想定して、昭和四十九年度以降の航空輸送需要とGNPの実績から推定されます弾性値方式、全輸送需要について航空輸送実績とGNPの実績から推定される弾性値方式を使っております。それによって全国の輸送需要を計算しまして、さらにそれを総合交通モデル等から推計されます関西地区のシェアでもって、関西地区のシェアを計算するわけでございます。あと、関西地区のシェアがわかりました時点で、国際線はすべて関西新空港に、国内線につきましては一日二百便のジェット機の就航を大阪国際空港に予定しまして、それ以外のすべてを関西国際空港に移してございます。そういったような手法を使っております。
なお、六十五年度が計算されまして、それから先の六十八、七十、七十五の推計の方法につきましては、超長期の航空輸送伸び率、年々これは低下してございますけれども、これによりまして五年目ごとの節目の輸送需要を想定します。それで七十年、七十五年の旅客輸送の需要を想定している、こういう手法を使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/125
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126・小笠原貞子
○小笠原貞子君 わかりました。
今のどれくらいの需要見込みかという数字は、五十九年度予算決定、だから五十八年度末における予測の数でございますね、今おっしゃいましたのは。
それじゃ、その前に、概算要求のときに予測されたその需要数というのがございますね。それを、済みません、また今と同じように数で教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/126
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127・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 五十九年度の概算要求時点におきまして収支採算の基礎にしました我々の航空輸送需要を申し上げます。
国際旅客につきまして六十八年度千三百万人、七十年度千五百万人、七十五年度二千万人、国内旅客につきまして六十八年度千三百万人、七十年度千四百万人、七十五年度千七百万人を想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/127
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128・小笠原貞子
○小笠原貞子君 そこで私はびっくりしちゃったわけなんですよね。
つまり、五十九年度予算の概算のときにお出しになった数字と、五十九年度の予算が決定される時期というのは一年ないですね、半年くらいでございますね。そのたった半年の間に、先ほどと今おっしゃいましたように、大変な数の違いが出てきているわけですね。それが私がびっくりしたことなんです。
つまり、国際線では、半年前の概算予算のときにお出しになった数は、千三百万人が使うであろうと需要予測なすった。それが、半年たった予算決定の時期には九百万人と、実に四百万人の見積もりというのが減っているわけですね。それから国内線では、千三百万人の予測と言っていたのが、半年後の予算決定のときには一千百万。ここでも二百万人が減っているわけでございます、これは六十八年度の予測で。
七十五年度の予測を見ますと、ここでは国際線が二千万人と見積もられていたのが千二百万人、わずか半年足らずの間に八百万人も予測が減っちゃった。同じく国内線では、千七百万人と予測していたのが、千四百万人、ここでも三百万人の予測が減っちゃった。十万、二十万減るんじゃなくて三百万、四百万の数がわずか半年の間に減っちゃったというこの数字はどういうことを示しているんでしょうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/128
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129・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 予想が大きく変わっておりますのは、二つの要因が大きく作用していると考えております。
まず第一の要因は、概算要求時点に用いました予測式は、国民総生産と旅客輸送の相関式を用いて計算しております。予算編成時におきまして予測しました方式は、先ほど申しましたように、GNP弾性値方式を用いております。
この二つがなぜ違ってきたかと申しますと、五十九年度概算要求時に使いました手法を用いた場合には、五十五年度、五十六、五十七というふうに伸び率が鈍った時点において、その伸び率の鈍りが十分反映されていない予測式になります。ところが、弾性値方式に入りますと、非常に伸び率が鈍った五十七年度から、そこを出発点にして次の予測がなされるというふうになります。この予測式の違いがまず第一の原因でございます。
第二の原因は、五十九年度概算要求時点におきまして相関式を計算いたします過去の実績ベースが、昭和四十年から五十六年まで相当長期間の期間に基づいて各数値を計算しておりますけれども、この中に高度成長期における旅客輸送の伸びがもろに反映されております。しかし、予算編成時におきます弾性値方式の基礎になりましたデータは、四十九年から五十七年までというふうになっております。この時期では伸び率が鈍った期間が相当のウエートを占めておりますので、全体的に低目に予測される結果になります。
この二つの結果によって、予測値が変わったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/129
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130・小笠原貞子
○小笠原貞子君 じゃ続いて。
その前に三点セットの中に書かれておりますね、予測数字。その点について伺いたいわけです。それと七十年、七十五年の需要予測数値の比較をちょっと教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/130
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131・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 三点セット時点で輸送需要想定をいたしました数字は、国際旅客につきまして、七十年度千六百万人、七十五年度千九百万人、国内旅客につきまして、七十年度二千百万人、七十五年度三千万人の想定をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/131
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132・小笠原貞子
○小笠原貞子君 そうしますと、またここでも今と同じように大きく数字が変わってきますね。三点セットのときに出された数字と五十九年度予算決定のときの需要予測というものを比較しますと、国際線では約七百万人が減っている。国内線では千六百万人もの差が出てきている。予測より半分以下になってしまう。これはいずれも、五十六年当時の数字が大きく予測されていて、そして五十九年度の決定のときにはもう半分以下になっちゃうという数字になってきちゃっているわけでございますけれども、これとの関係も、原因は同じなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/132
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133・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 三点セットの需要を想定しましたときの式は、基本的には五十九年度の概算要求のときに用いた手法を用いております。しかしながら、そのベースになりましたGNPの平均伸び率が大きく違っております。三点セット当時に用いました日本のGNP年平均伸び率は、昭和五十年から六十年までが六・〇%、六十年から六十五年までを四・九%と想定しております。しかしながら、五十九年度概算要求時点で用いました日本のGNP平均伸び率は、六十五年度まで一律に四%と想定しました。GNPと輸送需要との相関式におきますGNPの平均伸び率が違うために、三点セットと概算要求の差が出たわけでございます。
三点セット時代と予算編成当時の差は、手法の差、これは相関式方式をとった場合と弾性値方式をとった場合の差、及びGNPの平均伸び率の差、この二つが出ております。
なお、予算編成時に用いました日本のGNP平均伸び率は、五十九年度概算要求時点と同じく年四%で用いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/133
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134・小笠原貞子
○小笠原貞子君 大変専門的な計算のやり方で、難しいなあということだけ今わかったんです。それで、ちょっと聞いてわかるようなものじゃありません。だけど、ここに私は興味がありますので、後できちっとわかるように教えていただけますか、教えていただきたいんですわ。済みません、よく教えていただきたいと思います。また、そのとき、数字で計算の仕方なんかちょっと書いて教えてくださいね、言われるとこっちから聞いてこっちへ抜けちゃいますから。よろしくお願いします。
それで、今の段階で私がどうしても不思議なのは、いろいろとやり方が違うとおっしゃいましたね、予測のやり方が違うとか、それから基礎の成長率とかなんとかというのが違うというようないろんな条件があったと思うけれども、私が一番どうしてもわからないのは、一年、二年、三年の予測が違うというんだったらあるいは違うかもしれないと思うんですよね。だけど、極端に言えば五十九年の概算時と決定時といえば半年くらいでしょう。半年くらいの違いであるというそこのところで、成長率が半年くらいの間にばあっと前ふえたわけじゃない。成長率が高くなったのは、半年前のことだからそれは変わりはないだろうと。そうすると、その半年の間に変わったというのは、やっぱり何というんですか、やり方を、何とおっしゃいましたっけ、予測式とおっしゃったのね、予測式を変えたと、こうおっしゃいましたね。私の今の考えでは、予測式を変えだというのが基本的には非常に大きな要因になっているんじゃないか。そう理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/134
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135・松村義弘
○説明員(松村義弘君) 五十九年度概算要求時点と予算編成時の差は二つの要因でございまして、予測式の変更、それから予測式に盛り込みます各数値の基礎になります期間を四十年度から五十六年度までとったのが概算要求でございますけれども、予算編成時は四十九年度から五十七年度までとった、この期間の差によりまして高度成長期のウエートが増減したということによって、二つの要因に絡んで出てきていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/135
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136・小笠原貞子
○小笠原貞子君 だから、その二つの要因で変わったよとおっしゃるわけだけれども、それは半年の間に変わったわけじゃないでしょう。やり方を、とり方を変えたから変わったんでしょう。経済状態、半年の間に変わっても、予測するときにはその半年前のここを基点とすれば、そうしたら結局やり方とその数値のとり方によって変わったと、半年の間に。そう見なきゃならないわけでしょう。それでいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/136
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137・松村義弘
○説明員(松村義弘君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/137
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138・小笠原貞子
○小笠原貞子君 それじゃ、半年のうちにとり方やなんかを変えたというのはどういう理由なんですか、変えたのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/138
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139・松村義弘
○説明員(松村義弘君) GNPと航空輸送需要との相関式を用いて予測するという手法は、従来から運輸省が行ってきた予測方式でございます。高度成長期におきましては割合よく将来予測は当たったものでございます。しかしながら、昭和五十五年度以降大きく航空輸送が伸び悩んでおります。その結果、従来の方式では将来の予測として高目に出るという結果が出てきております。そこで予算編成時におきましては、その五十五年度以降輸送需要が伸び悩んだその結果を素直に反映できる予想式に変えたわけでございます。
それからさらに申しますと、その予想式に盛り込みます各数値を計算するベースになる期間も、高度成長期のウエートを低め安定成長期の期間を大きく反映させるように、四十九年度から五十七年度までというふうにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/139
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140・小笠原貞子
○小笠原貞子君 わかりました。つまり、私の理解が間違ってないかどうか再確認して聞くんだけれども、大臣わかりますか、今のお話。難しいですね、一緒に考えてくださいよ。
従来から運輸省がやってきたやり方だと今まで当たりがよかったんだよと。しかし航空需要の伸び悩みなどがあるから、だから今までやってきたやり方ではまずいから取りかえたんだと、こういうことですね、わかりやすく理解するのには。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/140
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141・松村義弘
○説明員(松村義弘君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/141
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142・小笠原貞子
○小笠原貞子君 それじゃ、そんなことが半年の間に違うというのは、そもそも大臣おかしいじゃないですか。半年前にはそれが正しいと思って従来のやり方でやっていました、半年たったらこれは間違いでありましたなんと言って、最後にいみじくも言われたけれども、素直に正しい数値が出るように変えました、こうおっしゃった。だから、前は素直じゃなかったね。非常に過大な伸びを出すようなやり方だったから、半年目には素直に実際の数を出そうということで変えたから、何百万、八百万も変わっちゃってるというような大変な需要の減を出さざるを得ませんでした、こういうことで、やっと大まかなところ、そして大事なところがわかったわけです。
ここでちょっと大臣に伺いたいんだけれども、十万、二十万じゃないってさっき言いましたよね。八百万からの需要予測が減っちゃうというとこれは大変な数ですよね。それがたった半年くらいの間に、素直であったかなかったかというところで、八百万人からの予測が減ってくるというのは、ちょっとこれは専門家の立場で、こういう大きな問題を抱えているときの予測の立て方として半年でがたっとこんなに減るというのは、どう考えても私はずさんだというふうに思うんですけれども、大臣、今のを聞いていて御所見はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/142
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143・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 疑問に思われる方がもつ上もて、私もこの数字を見て驚いておるわけでございます。これは今詳しくは飛行場部長がまた御説明をすると申しておりますが、これまでの予測の立て方というものが、何といいましょうか、間違ってというよりも、高度経済成長時代のやり方で安易にできておった。これが概算要求のところに出ておる。ところが、現実の問題として、会社の採算性とかいろんなことを詰めていかなきゃならない。そうすると、これは今までのやり方じゃいかぬぞ、これでは実際の役には立たなくなるぞということで見直した。これは、毎年毎年こんな格好になっておったら大変なことだろうと思うんです。ですから私は、在来の見方をそのまま、まあ無責任といえば無責任ですが、とっておったものと。それをさらに実際に合わせなければこれから現実の問題になってくるからというところで、精査をしていくとこの低い数字しか出ない、こういうふうに理解を私はいたします。
御指摘のように、確かにおかしいんですが、それは私は、前の方がそういう慣行といいましょうか、前のやり方でやったということだと、こう理解いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/143
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144・小笠原貞子
○小笠原貞子君 数字が減ったということは、私は、現実に近いということであれば大変結構なことですよね。前みたいに莫大なというような数字を簡単に出されては困ると思いました。大蔵省、来てらっしゃいますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/144
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145・梶原清
○理事(梶原清君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/145
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146・梶原清
○理事(梶原清君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/146
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147・小笠原貞子
○小笠原貞子君 大蔵省に伺おうと思ったんですが、お見えになっていません。
大蔵省にお聞きしたかったことは、この予算を決定するときに、五十九年度。これは新聞報道だったものですから、大蔵省来てもらおうと思ったんです。新聞報道によると、抜本的な見直しを要求した、こう書かれている。そして、いろいろ具外的に主張、指示されている中で、特に採算面について、関西国際空港の必要性を認めるけれども、運輸省案は将来の旅客需要見通しが非常に大きい、過大だというふうに指摘されているわけなんですね。
だから、私がさっきからその需要見通しを言ったのは、これはただお客さんが減ったよでは済まないわけですね。お客さんが減れば収入も減ってくるし、もしもこれがうまく経営がいかなかったら、赤字になって、これはだれって、みんなにしわ寄せがいってしまうんだから、だからこれ私はちょっと難しいのを教えていただきたいと言ったのはそこなんです。で、大蔵省に五十九年度の予算のときにこれ指摘をされて、そういう指摘でもって、このやり方では、従来のではまずいなというふうに、見積もりが過大だったということで手直しをされたということに、なるわけですよね。そうすると、やっぱりそのところ、もしも大蔵省が言わなかったら、そのままで押し通しちゃうというような、この物すごい誤差をですね。このことを私は大臣としても、これは計算が難しいんだよというんじゃなくて、やっぱりさっきおっしゃったように、大蔵省に言われて初めて素直に現実性に合うような数字を出した、こうおっしゃったわけですよ。
そうすると、申し上げたいことは、いろいろ弁解されているけれども、運輸省は何としてもこの関西新空港を早期につくりたい、そのためには、こんなに需要がたくさんあるんですよという、過大な宣伝といいましょうか、そういうふうなことでもって運動を早く進めたいというその結果、こういう数字が出てきちゃった。それで、大蔵省に言われたら、今度は素直に認めて、がらっと半年で変えちゃったということになるわけですよね。その辺については私は、仕方がないというんじゃなくて、運輸省として、大臣として、率直にそれは間違いでありました、そして申しわけなかったという一言くらいは言っていただきたいんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/147
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148・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) どうもそこまでおっしゃっていただくと大変まあなにですが、非常に誇大にわざわざやって、これを早くつくろうというようなことで誇大にしてあって、そして大蔵省が言ったからこれを下げたということではないと思うんです。
〔理事梶原清君退席、委員長着席〕
そうじゃなくて、やはりそういう点について十分な検討がなされていなかったという点についてはおわびを申し上げるということです。わざと誇大宣伝みたいにしてわざと大きくしておってそれで——もっとかたく組んでみなきゃいかぬじゃないかということで議論をいろいろして、そして下がったということなんでございまして、これは非常に悪意、悪意といいましょうか、故意にそういうふうにしたというふうにおとりいただくことはちょっと私どもいかがかと思うのでございます。ただ、もっともっと細かく検討しておらなければならなかったではないかということについては、おっしゃるとおりだと思って、申しわけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/148
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149・小笠原貞子
○小笠原貞子君 最後の質問、これで終わりますけれども、今、日本全体で航空輸送の現状はどうなっているか。
昭和五十四年と五十七年を比較すると、国内線は四千百三十六万人から四千四十八万人と減少しておりますね、日本全体では。国際線では千二百万から千四百万と、ちょっと二百万、少しふえているんです、日本全体では。それから、関西地域において見ますと、国内線は千四百万人から千二百万人と、二百万人が減っているんです。国際線は二百五十万から三百万と微増、五十万微増ということの数字が出てまいりました。
先ほどから言っているように、この航空需要の見通しというのは単に需要の人間の数というんじゃなくて、それが非常に影響するところが多いわけですよね。環境から大気、水道といった環境アセスに対する影響というのも、この数が何百万と違ったら随分違って出てくるだろう。それから各種のアクセス、交通量なんかを見ても、これは何百万違えばもう当然違ってくるのではないか。そして、空港の収支予測というものに対してもこれは大きな影響が出てくる。だから、非常にこういう影響を及ぼす大きな要素になっているんだから、正確なものでなければならぬ、こう私が強調するわけなんです。大臣は、誇大宣伝じゃなくて十分検討した結果というふうにおっしゃいましたから、まあ私も善意でそれを承ろうと思いますけれども、だけれども、十分に検討して何年もかかって今まで準備していて、十分検討して、くるっと半年でひっくり返ったというところがどうも私は、まだそのとおりとお受けするわけにはいかないわけですよね。
だから、私がここで最後に申し上げたいことは、まだまだ十分と言えない検討段階ではないかと。需要見通しが今度のこれは大丈夫ですとおっしゃれるかどうか。私はやっぱりここのところでもう一つ、半年でくるっと検討が変わるようなそんな検討ではなくて、本当の検討をしっかりやっていただきたい。根本的に需要見通しというものをもう一洗いして見直していただきたいということを、私は最後にお願いをしたい。そして、大臣としての御所見も承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/149
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150・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) お答えを申し上げる前にちょっと申し上げますが、最初の概算のときに出たのが十分検討して出たというふうに私はお答えしておらないのでございまして、在来のやり方のままで出したからずさんなものになったんだと。そこで、御注意が大蔵省からあったり、それから計算をやっぱりかたく組んではっきりしたものにしなきゃならぬということで再検討した結果が、予算編成のときの数字に低くなって出たと、こういうふうに申し上げたので、前の方は、検討して出したと言っておるわけじゃございませんから。
それから、御指摘のとおりだと思います。鉄道なんかでも、実を言いますと予測がなかなか、次の年の予測がもう難しいようなものなんでございます。航空につきましては、何しろ今までの増加の状況というものが、いわば想像を絶するような増加の状況を来してまいっておるわけでございまして、非常に現実にはなかなか難しいと思うんです。しかし、おっしゃるように、これはむしろ収支採算の面から見たりいろいろな面からは、かた目に組んでおかなくちゃいかぬと。しかし、設備をする方の側から見ると、今度はある程度ゆとりがなければ窮屈になってまいりますから、だから、収支の面その他から見ればこれは厳重に見ていかなければならない。いずれにしても、もっと慎重にこの需要予測につきましてはやらなければならぬということは、もうお説のとおりだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/150
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151・小笠原貞子
○小笠原貞子君 はい、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/151
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152・伊藤郁男
○伊藤郁男君 最初に、運輸省は去る十三日、全日空から出ておりましたハワイ向けチャーター便を条件つきで認める、こういう方針を決めたようでございますけれども、これに関連をいたしまして数点お伺いをしたと思います。
第一点は、どういう条件で認めたのか、その条件をまずお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/152
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153・山本長
○政府委員(山本長君) 去る六月十三日に運輸省の考え方を会社に示したわけでございますが、従来から全日空が要望いたしておりましたハワイヘ向けてのチャーター便の運航につきましては、次の条件のもとに認めることといたしたのでございます。
一つは、日米暫定取り決め期間中は年二十便以内とすると。二十便というのは、片道が一と数えての二十便ですから、往復で数えれば十往復、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
それから、包括旅行チャーターというチャーターの一形態がございますが、の実施は東京、大阪以外を発着地とするという条件でございます。
それから、実施時期は五十九年九月以降とするという条件でございます。
それから、これは条件でもございませんが、付言をいたしまして、全日空のアメリカ領土内向けチャーターの仕向け地には米大陸——アラスカを含む——を含まないものとする、こういうことにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/153
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154・伊藤郁男
○伊藤郁男君 いわば三条件ですね。その三条件につきましては、需要動向といいますか、いわゆる条件が変化しても当分これは変えないものであるのかどうか、この点、第二点、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/154
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155・山本長
○政府委員(山本長君) 日米間のチャーターにつきましては、一昨年の九月に日米間で取り交わされました暫定取り決めがございまして、日米双方とも総枠三百便以内において実施するということになっております。この総枠と申しますのは、この暫定取り決め期間、原則三年でございますが、もしもその間における本格交渉の結果、本格交渉がまとまれば三年で切れますし、まとまらずしてまたお互いに延ばそうという合意ができればまた延びると、こういう性格の暫定取り決め期間でございますから、その期間中は需要の増減というものに関係なく、双方三百便ということになっております。
また、包括チャーターについては空港を制限いたしておりますけれども、この問題はハワイに限らず、従来から空港の制約条件、それから定期便との関係等から発着地を東京、大阪以外に限っておるという政策をとっております。
こういった前提条件がございますので、そういう前提条件が変わらなければこの条件は変わらないし、変わればまたその時点で検討しなければならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/155
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156・伊藤郁男
○伊藤郁男君 この全日空のハワイ向けチャーターを認めるかわりに日航に対しては、まあ羽田発着枠の増加などを含めまして新たなものを認める、こういうことになったわけでありますけれども、具体的にその日航に対する条件というものはどういうものなのか、この点をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/156
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157・山本長
○政府委員(山本長君) 御質問のお言葉の中に、全日空に認めるかわりにというお言葉がございましたけれども、私たちといたしましては、基本的にはそういう思想ではございませんで、全日本空輸からハワイ向けのチャーター便を運航したいという希望が従来からあったということが一つ。この問題についてどう対処するかという問題が従来からの懸案事項であった。それから、日本航空からはやはり各種の要望が従来から出ておったと。この要望についてもやはり何らかの処理をしなきゃならぬ。こういう問題があったということでございまして、時期的に双方が同時期になったということはございますけれども、一方を認めるかわりにこっちをこう認めるというふうな、権益の何といいますかバランスといいますか、交換みたいなそういった思想でもって方針を決めたものではないということは、御理解願いたいと思います。
そこで御質問の点でございますが、従来から日本航空が要望しておりました羽田の発着枠の問題でございますが、他社に比べまして羽田の発着枠が日本航空が窮屈であるという事情があることは事実でございます。将来需要減により羽田関係路線の減便が行われる場合、その時点で日本航空の要望も十分考慮して配分を決定するということ。それから、羽田における日本航空の発着枠に関する季節的な制限を七月から廃止するということにいたしました。それから札幌−沖縄線、これは那覇でございますが、札幌−那覇線につきまして、当面日本航空による単独の季節運航を認める方針で処理する、こういうことを日本航空に伝えたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/157
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158・伊藤郁男
○伊藤郁男君 東亜国内航空ですね、これも路線構成の改革などの主張を今までしてきたわけですが、これが今回の場合には全く度外視されたといいますか、除外されたといいますか、問題にされなかった、こういうことのようでありますけれども、その理由はどこにあるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/158
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159・山本長
○政府委員(山本長君) 東亜国内航空も従来から、路線構成の改善と申しますか、幹線、ローカル線における羽田または大阪からの増便の要望が出てきておったわけでございます。最近におきましては、具体的には東京から大阪、大阪から鹿児島につきまして東亜国内としては増便を実施したいのでこれが満たされるように配慮を願いたい、こういうふうな要望が出てきておったのでございますが、東京−大阪間につきましても、大阪−鹿児島間につきましても、大阪の空港の発着制限といいますか、発着枠がいっぱいでございまして、現在それにこたえるだけの余裕がございません。東亜国内の全般的な路線構成の改善、それから東亜国内が累積赤字を抱えておりますのでその体質の改善というものについての要望につきましては、従来から東京を中心とする幹線の増便とかいう形でもって、それから一部東京、大阪の乗り入れあるいは増便ということも実施いたしましたけれども、できる条件が整いましたときにその時点で東亜国内の要望を逐次実施してきておるというふうな経緯もございます。
今回この方針を決めましたのは、現時点におきましてできるものについては実施したいと、こういう観点から実施してきたものでございまして、東亜国内について、これも先生のお言葉の退けたというふうなことではございませんで、なお検討事項として残っておるというふうに御理解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/159
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160・伊藤郁男
○伊藤郁男君 新聞の伝えるところによりますと、十三日のこの運輸省の決定に対しまして、この決定は収益面では日航が得になるんだと、こういうことが報道されているわけでありますが、今のお話を聞きますと、全日空の要望を認めたそのかわりに日航の要望を見返りとして決めたのではない、こう言われますけれども、結果として日航が有利なんだと、こういうようなことが言われているわけでございますけれども、運輸省としてはこの点についてどのように判断をされておるのか、この点をお伺いしておきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/160
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161・山本長
○政府委員(山本長君) 一番最初に申し上げましたように、権益バランスというふうな観点からの処理ではないという考え方でございまして、私どもといたしまして、この両社に対する私たちの考え方、方針と申しますかによりまして、両社がどちらが有利であったか不利であったかということについて精細に考えたことはございません。まあいろんな試算と申しますか、それによって得られる収益というものを計算してみれば、一つの数値が出てくるかもしれません。その数値を計算すれば、あるいは先生のおっしゃるような結果かもしれませんけれども、私たちといたしましては、そういった計算というものが判断の基礎にあったのではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/161
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162・伊藤郁男
○伊藤郁男君 しかし私は、航空政策上、今回の決定に当たってはやっぱり双方のバランスをとって運輸省としては慎重に検討をして決定したものではないかと、こういうようにも判断をしているわけですが、新聞によりますと日航が有利だ何だというさまざまな憶測も生まれてくる、こういう状況ですから、できればこの決定によって結果として大体こうなるんだというようなものを資料として提出していただければありがたいなと思っているんですが、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/162
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163・山本長
○政府委員(山本長君) 最初に申し上げました私たちの考えを御理解願った上で、一つの試算といいましょうか、これは運航してみた結果どんな利用率になるのかということもこれは一つの推計をせざるを得ないようなものでございまして、決して正確なものではないと思いますけれども、そういう前提というものも一つの前提だというふうに御理解願った上での数字と御理解願えれば、そういう前提のもとで試算をお届けいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/163
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164・伊藤郁男
○伊藤郁男君 その点はひとつよろしくお願いをしたいと思うんです。
ところで、この問題に対しまして最後に大臣の御見解を私お聞きをしておきたいんですが、この運輸省の今回の決定に対しまして、航空三社はそれぞれにそれぞれの立場から不当性を訴えている。一体なぜなんだろうかということなんですが、それはやはり結論的に言えば、時代の変化に対しまして航空政策そのものがついていけない、時代おくれになってしまっているということではないか。したがって、航空政策そのものがその場しのぎのものになってしまっている。そのために、それぞれの航空会社がそれぞれに不満を述べている、不当性を明らかにしている、こういう結果ではないか。新聞の論調もそういうところにあるようであります。したがって、時代に合うように航空政策そのものをこの際やはり変えていくべきではないか、大胆に変更していくべきではないか、こういうように新聞論調その他が出されているわけでありますが、この点について大臣の御見解をお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/164
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165・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 日本の航空政策の基本は、昭和四十五年の閣議決定と四十七年の大臣通達によって決まっております。もう十四年あるいは十二年たっておるわけでございますし、その間の航空の状況の変化というものは先ほども申し上げましたが大変なものでございます。私は、今やもうこの閣議決定なりそれから通達については再検討を要する時期に来ておると、かように考えております。しかし問題は、非常に困難だ、新しいものを生み出すのは困難だということで、いろいろな方面で変えてもらいたいということがあると同時に、ちゅうちょもあります、正直のところ。ちゅうちょもあるわけでございます。ですから、総論的に言いますると、よほど慎重にこの問題は取り組む必要がある。客観的に見ますと、私はもう再検討の時期が来ておる。しかし、その中身については十分慎重にやっていかなければならない問題だと、こう思っております。
四十七年の通達のときにも事件が起こったりなどしておるわけでございまして、御承知と思うのでございますが、よほど気をつけてやりませんといけませんのと、それからもう一つは、飛行場が、関西空港を今御審議いただいておるように、ほとんど行き詰まっておる。成田の二期工事も行き詰まっておる、羽田の沖合展開も今始まったばかりというところでございますし、関西はこれから六十七年完成ということでございますので、こういう何といいましょうか、ハードの面が片づかないと、いろいろ考えましても、変えようもなかなか難しいという点もあると思います。しかし、だからといってこの問題を私どもいつまでも逃げ回ったりいろいろしておるという、回避したりしてはいけないと。したがって、そういう点もみんな含めまして慎重に考えていきたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/165
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166・伊藤郁男
○伊藤郁男君 今の法律の建前からいきますと、航空政策は行政が何としても主体になってくるわけですから、そういう面で、慎重を期すのは結構でありますけれども、やっぱり大胆に見直しを図っていく、こういうことが必要ではないかと、こういうことに思いますので、その点の検討をしかるべくよろしくお願いを申し上げたいと思います。
そこで、新空港の問題に移りますけれども、きょうも午前中出ておりましたけれども、関西新空港株式会社の人事の問題なんですが、大臣は、新聞が書くのはもうこれはしようがない、とめようがないんだ、こうおっしゃるんですが、しかし、中曽根総理から関西経済連合会会長に、社長という名前になるのか会長という名前になるかわかりませんが、新会社のトップになってほしいというそういう要請が行われたごとき報道があり、そしてそのトップはその要請を断ったというような話も伝わっているわけでありますが、この点につきまして、そういう報道がなされているということはやはりそれなりきの動きもあると、こういうように思うんですが、その点はどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/166
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167・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) 大事につきましてはけさほど申し上げたとおりでございます。
ただ、日向関経連の会長が一部新聞に語られたということを私も新聞で承知をいたしました。これは中曽根総理が要請されたとかいうような段階でもないし、そういうことはないということでございます。ただ、いろいろ考えておいてもらいたいというような話はあるいはあったのではないか、かように私は存じておるのでございます。それは関西も、民間も入られますしいろいろ資金も出されるわけでございますから、いろいろお考えはいただかなきゃいかぬ。ただ、総理がいつも私に言っておりますことは、法案が通過のめども立たないし、まだ国会審議中に人事の話はお断りだよ、こう言っておりますところからもそういうことはない、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/167
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168・伊藤郁男
○伊藤郁男君 その言葉はそのまま受け取らせていただきたいと思います。
ところで、これはやっぱり大事に関連をしましてあと二点ばかりお伺いをしておかなきゃならぬわけですが、その一つは、この新会社は取締役が何名になるかは未決定のようですが、しかし今度はやっぱり政府側としては出資側の立場から運輸省も建設省も大蔵も自治も関係をしてくる。経済界はこれまた出資の関係で、役員に対して、おれを入れてくれというような要望が出てくるかもしれない。地方自治体も同じような立場で、おれもということで出てくる。そうなりますと、今度の新会社の役員ポストをめぐりまして獲得争いが起こるのではないかというような危惧もあるわけでありますが、そういうことのないようにしていかなきゃならぬわけですけれども、そこをどのようにさばいていくのか、その辺のところが大変難しいのではないか。やはり今度は第三セクターですから、そういう意味で人事構成というものは私はかなりのウエートを占めてくる、この会社の持つ性格からいきまして。したがって重要であるというように思うんですが、最初からポスト争いが起こって役員人事がなかなか決まらぬというような状況が起こってはこれまた困るわけでありますが、その点についてどのように対処されていくのか、大臣の御見解をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/168
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169・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) おっしゃる点、私も実に心配をいたしております。船頭ばっかり多くても船が山へ上がってしまいます。やはりできる限りは少数精鋭主義で本当に仕事のやれる重役さんたちで構成していただかなきゃならぬ、かように思っております。原則論はそういうことでございまして、まだ何人になるとかどうするというようなことは、けさほども申しましたが、会長制を置くとか置かぬとかというような点まで含めましてこれから御相談を、この法案が通った後で、直後に御相談をいろいろ各方面といたしたい。御趣旨は、非常に膨大な組織をつくってそれがむだになったり動かなくなったりしないようにという御趣旨だと思いますが、その点については全く同感でございます。むしろ私非常に気にいたしておりますし、心配いたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/169
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170・伊藤郁男
○伊藤郁男君 その点はうまくさばいていただかなきゃならぬと思うんです。
もう一点この人事の問題に関連をしてお伺いをしておかなきゃならぬ問題は、今まで第三セクターというのはどうしても官主導型というんですかね、そういうことになりがちなんですが、したがって民間の活力が十分に生かされない、こういう弊害も生じてくる。そこで、今までの特殊会社の例を見ておりますと、やっぱり官僚の天下り、しかもその天下りの巣になっている。そういうところは大体、事業をやるにしてもなかなか新しい考えが浮かばない、創造性が発揮できない。天下っていった者が主要なポストを占めますと、やっぱりこれは第二の人生の場だというだけでとどまってしまっておる、こういうことが今まで多過ぎたわけでありますが、今度の新会社が高級官僚の天下りの巣になってしまってはこれまたいかぬと思うんですが、そういうことをできるだけ排除していく。特に今回の場合はまさしく民間の活力を最大限に活用しなけりゃならぬ会社だと思いますので、そういう天下りの巣にならないように配慮をすべきではないか、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、この点についての大臣の御見解もお伺いをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/170
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171・細田吉藏
○国務大臣(細田吉藏君) もうおっしゃいます御趣旨については全く同感でございます。
ただ問題は、今回の仕事は、当委員会でもいろいろ質疑等が出ておりまするように、官庁それから地方公共団体が受け持たなければならぬ仕事がかなり重要なものがあるわけでございます。例えば、その中でも一番大きい問題は環境整備の問題であり、アクセスの問題である、こういうことになります。工事自体もさようでございますが。
そういうことになりますと、やはりある程度は官庁からも入らなければ実際の仕事が円滑にいかないという面もございます。で、天下りというお言葉がございましたが、ここにポストがある、仕事には関係がないような人をどこかから持ってきて据えるというようなことは絶対にお断りを申し上げたい、かように思っております。本当に仕事ができる人、アクセスならアクセスについての専門家、環境整備についての専門家というようなもの、そういう格好のものにしなければならない。そういった意味で、御趣旨はおっしゃるとおりで、できるだけ民間の有能な方を活用するということも考えなくちゃならぬ、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/171
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172・伊藤郁男
○伊藤郁男君 時間がだんだん迫ってまいりましたので、もう一つ。
この交通アクセスとなる鉄道、道路あるいは関連施設、下水道、こういうものの地域整備が極めて重要である。これは特に地元の地域と共存共栄の空港つくりという観点からいくと、まさしくこの地域整備の重要性というものがわかるわけです。
そこで、具体的にお伺いをしたいんですが、この地域関連整備の事業費はどのくらいのものになるのか、どのくらいのものが推定できるのか。あるいは、この地域関連整備によってその波及効果はどういうようになっていくだろうか、あるいはどのくらいの雇用拡大が見込まれるのであろうか。やはりある程度の推定はなされていると思うんですが、その点についての推定がおわかりならばお教えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/172
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173・山本長
○政府委員(山本長君) 地域整備と言われる概念の中に、大きく分けて二つのものがあると思うのでございます。
一つは、先生もおっしゃいました道路、鉄道といった、空港にとってアクセスとなる、同時に地域にとっても地域のために有用になる根幹交通施設の整備というものが一つあると思います。これについては、国なりあるいは国の関係機関なりが地方公共団体とも十分協議しながら、回あるいは国の機関が最後は主体となって整備を進めていくというふうな性格のものでございます。
具体的に計画としてといいますか、検討として挙がっておりますのが、道路といたしましては近畿自動車道和歌山線、湾岸道路あるいは第二阪和国道の南伸、それから空港への連絡道路。鉄道につきましては、既存の南海鉄道あるいは阪和線の空港への乗り入れ等々でございます。こういったものについて金額が幾らになるかということについて、なかなか私たちも専門家でございませんので、金額的に私今ここで申し上げられるわけではございませんが、事業としてはそういった事業をやっていかなきゃならぬというふうに考えております。
地域整備のもう一つの問題は、先生も一つの例として言われました下水道の整備でございますとか、それから道路にいたしましても、街路の整備でございますとか、公園の整備でございますとか、そういったいわゆる町づくりというものの推進でございます。これにつきましては、胴が主体的な立場でこれをプランづくりをし推進するというものではなくて、地方公共団体が、その地域に最も適した、また地域の創意を生かした町づくりというものを進めていかれるべきものだと思います。そういったプランづくりというものはやはり地方公共団体が中心となられて、そしてそれに対して国が協力をしていく、こういうことで進んでいくべきものだと思います。
これにつきましても、計画の熟度と申しますか、それから緊要度というものによっていろいろ分かれてまいるものと思っておりますし、現在大阪のあの地域でございますれば、大阪府が関係地方公共団体の意見を聞きながら地域整備のプランというものを考えられているところでございます。したがって、これにつきましても、金額的に幾らになるということをこのあれで試算をするということはなかなか困難でございます。
しかしながら、こういった関西国際空港の建設というものによりましてどの程度の雇用効果があるかというふうなことを、試算をした一つの研究というものは確かにございます。雇用効果といたしましては、七十万人程度の雇用創出効果が生ずるというふうな推定がなされておる研究成果もございますけれども、これにいたしましても、今申し上げました地域整備の範囲というものについて、あくまでも一定の仮定の上に立ってなされているものでございます。したがいまして、先生の御質問であります、この空港の建設、運用に伴う経済効果というものを定量的に把握するということは、前提条件がいろいろございましてなかなか難しいと思いますが、定性的に言えることは幾らか言えると思います。
それはやはり、空港の建設に伴いまして生じます投資の波及効果、消費効果、それから雇用効果というものが生じてまいります。また、空港を運用いたしますと、そこにいろいろな企業活動が生じますので、これに伴う経済的なもろもろの効果が生じてくるということが言えると思います。それから、空港を利用する人がそこに集まってくるということに伴いまして、そこで消費が行われます。その消費に伴う雇用の効果、それから消費物に対する生産効果というものが波及効果として出てくると思います。こういったものが、直接的な経済効果として定性的には言えるかと思います。
そのほか、間接的な効果といたしまして、空港が立地したことに伴う地域が発展するというふうな効果。これは、アクセスが整備されたというのは、空港のアクセスということだけではなくて、地域の交通手段になるわけでございますから、そういった面での地域発展の寄与効果というものが生じてくると思うのでございます。また、国際あるいは国内の航空交通の円滑化に伴います、これはその泉州地域だけではない、全国的に波及してくるといいますか、あの大阪地区と東北地区、北海道地区というものが円滑に結ばれることによって、北海道なり、東北なり、九州方面への経済効果というものがやっぱり間接効果として出てくる。これが今大阪現空港に入らないことで不便だ不便だ、連絡が悪い、こういうふうなことの苦情となっているものでございますけれども、そういったものが解消されることによってやはり相当離れた地域に対する波及効果、いい経済効果というものが生まれてくると思うのでございます。
定性的にはそういうことが言えるかと思いますが、なかなか定量的に把握するということは難しいわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/173
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174・伊藤郁男
○伊藤郁男君 時間が来ましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/174
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175・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/175
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176・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/176
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177・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に桑名義治君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/177
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178・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
関西国際空港株式会社法案について、本日、地方行政委員会から連合審査会開会の申し入れがありましたので、これを受諾することとし、また建設委員会、環境特別委員会から、本法案について連合審査会開会の申し入れがありました場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/178
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179・矢原秀男
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会は、来る二十一日午前十時から開会いたしたいと存じます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110113830X00819840619/179
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