1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年五月十五日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十四日
辞任 補欠選任
青木 茂君 木本平八郎君
出席者は左のとおり。
委員長 伊江 朝雄君
理 事
岩崎 純三君
大坪健一郎君
藤井 孝男君
竹田 四郎君
塩出 啓典君
委 員
梶木 又三君
河本嘉久蔵君
倉田 寛之君
中村 太郎君
福岡日出麿君
藤井 裕久君
藤野 賢二君
矢野俊比古君
吉川 博君
赤桐 操君
鈴木 和美君
丸谷 金保君
近藤 忠孝君
栗林 卓司君
木本平八郎君
野末 陳平君
国務大臣
大 蔵 大 臣 竹下 登君
政府委員
大蔵政務次官 井上 裕君
大蔵大臣官房日
本専売公社監理
官 小野 博義君
大蔵大臣官房審
議官 行天 豊雄君
大蔵省主計局次
長 平澤 貞昭君
大蔵省主税局長 梅澤 節男君
大蔵省理財局長 西垣 昭君
大蔵省理財局次
長 吉居 時哉君
大蔵省理財局次
長 志賀 正典君
事務局側
常任委員会専門
員 河内 裕君
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本日の会議に付した案件
○昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保
を図るための特別措置等に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/0
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001・伊江朝雄
○委員長(伊江朝雄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日、青木茂君が委員を辞任され、その補欠として木本平八郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/1
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002・伊江朝雄
○委員長(伊江朝雄君) 前回に引き続き、昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/2
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003・赤桐操
○赤桐操君 私は、前回の委員会におきまして、今回提案されておりまする財確法案について約二時間にわたって御質問をいたしました。この二時間にわたる御答弁を伺っておりまして、最終的に、私はいろいろ伺ってみたが、今回の財確法案の提案については間違っているのではないだろうか、こういう感を深くいたしまして、締めくくりとして、この法案については二つに分けて再提案することを重ねて提案いたしたわけでございます。その結果について、御検討いただいたと思いますのでお答えをまずいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/3
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004・竹下登
○国務大臣(竹下登君) 御指摘のとおり、昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律案、御審議いただいておる法案は、五十九年度の財政運営に必要な財源を確保するための特例公債の発行などの特別措置を定めるとともに、同年度以前の各年度において発行した特例公債について償還のための起債の特例を定める法案としていわば構成されておるものであります。
この点について赤桐委員と問答をたびたび繰り返してまいりました。したがって、整理をいたしてまいりましたので、正確を期するためにこれを読み上げてみます。
まず、本法律案を国会に提出するに際しまして、内閣法制局を含め政府部内で十分検討を行ってまいりましたが、前回五月十日の当委員会における赤桐委員の御指摘を受けていま一度慎重に検討を行ってまいりました。
そこで、本法律案については、過去、特例公債法として提案してきた経緯もありますように、その財源確保の大宗はいわゆる特例公債に関する規定であります。
それから、この特例公債については、従来各年度において財源確保を目的として発行根拠規定を定めるのと同じ法律の中で借りかえを行わないという借りかえ禁止規定を同時に定めてきておりましたが、今回、五十九年度の特例公債の授権をいただく法案を提出するに際し、従来規定してきた借りかえ禁止規定の取り扱いをどうするかにつきまして、まずいろいろ議論しましたが、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」、これを踏まえながら、一方財政審の御議論をもとに慎重に検討を重ねてまいりました。
その結果、結論的には、今後の厳しい財政事情等にかんがみれば、今後公債発行の多様化が想定されることや、また十年後において多額に上る要償還額を借換債の発行によらずに全額現金償還をすると現段階で約束することは極めて困難である。しかし、長年にわたる国会の御議論を真摯に受けとめる必要があるとの考え方から、従来の禁止規定にかえて、今回努力規定を特例公債に関する規定として置かせていただくこととしたものであります。
そこで、次は過去の特例公債についての取り扱いでありますが、その際、五十八年度以前に発行した特例公債についての取り扱いをどうするかについても政府部内で慎重かつ十分な検討を行いました。これについては御指摘のような考え方も一つの考え方としてないわけではないが、次に述べるような理由から過去の特例公債についても本法案において一括して努力規定に改めさせていただくことをお願いすることとしました。
すなわち、一つには、五十九年度特例公債よりも前に、つまりより財政事情が厳しいと見込まれる時期に償還期の到来する過去の特例公債について財政運営上借換債の発行は行わないとすることはできず、したがって借りかえ禁止規定を存置したままにしておくことは不自然であって、特例公債について方針変更を行う以上は何らかの手当てをせざるを得ない。
そこで、二つ目には、特例公債は財政節度を守る歯どめの一つとして毎年度特例法の形で授権をいただいてきましたが、財政の経常収支差を補てんするという点でこれらの特例公債は同一の性格を有するものであり、五十九年度の特例公債について努力規定とする以上、すでに発行した特例公債についても軌を一にする必要があり、この場合、同一の趣旨、目的である以上、同一の法案で取り扱うことがむしろ適切であること。
三番目、今回の政策変更は、特例公債一般の償還に係るものであり、この重要な政策変更を、転換期としての五十九年度の特例公債法である本法案において、五十年度から五十九年度を通じて同一法案の中で明らかにした方が適当であること。
四番目、過去においても法案の趣旨、目的が同一であると認められ、内容として法案の条項が相互に関連していて一つの体系を形づくっていると認められる場合においては、一本の法案として国会へ提出してきている経緯があり、今回も内閣法制局を含め十分検討をしたが、一本化することには問題がなく、また法律間の整合性を保つ上からむしろ適当であると考えたものである。
以上、先般の赤桐委員の御指摘に対して検討したものを、正確を期するために、やや言葉は文章調でございましたが、読み上げさせていただいた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/4
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005・赤桐操
○赤桐操君 今のお話は、結局、十日の委員会で御答弁をいただいた内容そのままだろうと私は承っておったわけでありますが、私どもがこの問題で提案をしてきている考え方の基本は、そうした政府の考え方で提案されているにもかかわらず、実際にこの中を検討してみれば、全くこれは一つにして論議すべき内容ではない、どうしても私たちはそうならざるを得ないわけであります。
要するに、五十九年度の財源不足を補うために赤字国債を出すんだと、これはわかりますよ。予算関連の法案としてこの根拠法規を速やかに制定してもらいたいということはわかる。したがって、これは私たちも審議に応ずるということについては当然だろうと思いますが、過去に発行した国債の発行当時の借りかえなしの現金償還の規定を改めるということと、これはどう考えても一つにはなりませんよ。大蔵大臣が幾ら御説明を繰り返されても、これは私は国民の皆さんが聞いておって納得できないと思うんですよ。全くこの二つのものは別個だろうと私は思う。そういう意味合いからいたしまして、今の御答弁では残念ながら私は納得できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/5
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006・竹下登
○国務大臣(竹下登君) 私は、今の赤桐委員の御議論が出るであろうことを十分承知をいたして、したがって部内でむしろ私からの問題提起で何度か議論をしてきたわけでございます。
まず五十九年度、いわゆる収支差額を補てんするということでそれはわかるにしても、まずそれが既に償還期を迎える十年後に現金償還をきちんといたしますということをお約束する状態にない。されば、この五十九年発行分から借りかえ禁止規定を置かない、こういうことにいたします。そうすると、今までのいわゆる既発債はそれ以上に苦しい時期に償還期がやってまいりますので、そのままにしておくということが国会に対してむしろ正直でない、こういう立論が一つ成り立つと思うわけであります。そうして、それは一つの便法として、償還期限が到来するごとに逐次借りかえ禁止規定を削除していくという考え方にも立ってみたわけであります。しかし、そのことは、これから借りかえということを前提にしながら、その借りかえの方途等を借換懇等々で御審議も一方でいただかなければならないということになりますと、政策の転換ということをあらかじめ明らかにして初めて借りかえの方途等について御協議ができるではないか、これが一つあったわけでございます。
したがって、この問題についてはそういう二つの要件から、この際、政策の変更であるから、既発債についても借りかえ禁止規定を外さしていただき、新発債と同じ努力義務規定というものによってこれを正直に立法府に対して明らかにすを姿勢が適当であろうと、たび重なる論議の中でその方針を確定いたしたわけであります。したがって、私どもといたしましては、今赤桐委員の御指摘の問題が国会の議論の中心になるであろうという前提の上に立って議論をし、ここに御提案を申し上げておるものでございますので、そのような形で御理解を賜りたいということを重ねて申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/6
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007・赤桐操
○赤桐操君 まあ大蔵大臣は大体同じようなことを繰り返しておられると思いますが、今まで五十年以降発行してまいりました既発債の方については、これは私は余りいろいろの論議をしなくても明確だと思うんですよ。毎年発行されて、その都度大蔵委員会でも論議される、その前後の予算委員会でも論議される、そうした中で、これに対して厳しい姿勢をとりながらこれを発行していくんだということを、歴代大蔵大臣がこれを述べながら国民の了解を得て一つ一つ成立した問題。
大平蔵相のころにこういう答弁をしておられますよ。「われわれの努力の跡を国会の御提案に明らかに記録として出したい、そして国会もそれを評価していただくというような意味におきまして毎年毎年こういう御審議をいただくことに私は意味があるのではないかと思うのでございまして」、「毎年毎年こういう特例公債論議というものは真剣な国会の論議を経て、そして緊張した財政運営に資するということが行政府のあり方として正しいのではないかと考えております。」。これは大蔵大臣の答弁の記録です、大平さんですよ。
この姿勢が私は過去の既発債の中で貫かれてきた姿勢だったと思う。歯どめをつけながらそういう姿勢でいくことが少なくとも特例公債発行の基本方針だということは、歴代内閣、歴代蔵相の態度であったと私は考える。これを了承して、国民も国会も既発債に対するその年度年度の賛意を表してきたわけであります。したがって償還年次が六十年に来る、これも明らかであります。だから、六十年以降の既発債に対する償還についての論議をすることは当然だろうと思います。そのことも否定はいたしません。それはこれからの返済に対する論議であって、五十九年度の当面のこの発行の問題とは違うわけです。五十九年度は五十九年度としての立場に立って提案をされておるはずであります。過去のものは過去のものとして歴代大臣が、歴代政府が申し述べてきたような姿勢で出してきているわけであります。それを今ここで一遍に一つにまとめて、束に丸めてこれを処理しようということ自体、これは国会軽視も甚だしいのではないか。財政民主主義の原則に反するのではないか。このことが少なくとも通るというならば、恐らく将来この委員会自体が、この国会自体が国民やあるいはこれからの将来の国会審議の中で厳しい批判を受けるだろう、こう私は考えるんですよ。あなたお一人が批判を受けるだけではない。我々含めて批判を受けるだろうと思うから私はくどく申し上げているわけなんです。いかがですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/7
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008・竹下登
○国務大臣(竹下登君) 今の御議論も、例えばの話でございますが、本格的な償還が来るのは六十年ではないか。したがって、五十九年の発行のものもいわば今までどおりの借りかえ禁止規定で収支差額を補てんする財源としての御理解を得て、そしてまさに償還期の到来する六十年度予算審議に際する予算関係法律案として御審議をいただくべきではないか。この議論もいたしました。しかしながら、現実五十九年債というものが借りかえ禁止規定を自信のないままに御審議をいただくという現実問題になる。そうすれば借りかえ禁止規定を取らなければならない。さようしからば、それ以上に財政事情の困難なときに償還期限の到来する既発債についてそのまま借りかえ禁止規定を置くことには整合性に欠けるではないか。だから、財政民主主義でありますだけに、今日までの政策転換であるということを明確に申し上げて、この際五十九年度新発債に借りかえ禁止規定を書かない、その時期に御審議をいただくのが正直である、この議論が一つございます。
それからいま一つは、六十年度から大量償還が行われるということになりますならば、まさに具体的な借換債の発行方法等について検討をしていかなきゃならぬ、五十九年度から。そういたしますと、行政府がいまだ法律のもとにおいて借りかえ禁止規定があるにもかかわらず、政策転換を明示しないままで借換債の発行方法等の検討を行うということ自体が、行政府としては、立法府に対する姿勢としてむしろ問題ではないか。立法府に対しては借りかえ禁止規定でお願いしつつも、既に借換懇等々と協議をしながら借換債の発行方法等について議論をしていただくということ自身が、立法府に対する、立法府の権威に対して私どもの立場からとるべき姿ではない。政策転換をしましたことをあからさまに申し上げ、御理解を得た上で、借換債の発行方法等について協議するということが現実的ではないか、こういう考え方に立ったわけであります。
で、各年度ごとに成立をお願いしながら借換債の発行をやるということになりますと、機動的、弾力的な国債管理政策というものも損なうことになりはしないか。だから、これは何度か申し上げましたが、私どもも十分議論して苦心のあるところでございます。いろいろな説明を考えてみましたが、政策転換をせざるを得ませんでしたということを明らかにして、財政民主主義の中で政策転換自身を認めてもらって初めて、六十年度に対するもろもろの行政上の研究とか検討とか、あるいは御議論をお願いするという正式な立場にも立ち得るではないかというような考え方に立ったわけでございますから、この議論はあるいはエンドレスに続く議論かなあということも承知の上で、真っ正面から政策転換としてこれをお認めいただくようにお願いをしておるというのが現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/8
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009・赤桐操
○赤桐操君 過日の委員会でも私は繰り返して申し上げておきましたけれども、今も申し上げてきたような歴史的な経過を経ながら毎年毎年発行されてきたところの既発債であります。それにはそれぞれの討論が重ねられ、そして法律ができ上がってきている。したがって、私はこの償還期が来たならば、これに対するところの趣旨に従ってできる限り政府はこれに対する返済の努力をしていく。不足の分については借りかえについての提案もされるとすることについては、これは当然だろう。しかし頭から過去のものを全部取り払ってしまって、これから一つにまとめていくんだということについては、これはおよそ今日までの経過を無視するものではないかと、こういうことを主張してきたつもりでおります。したがって、大平蔵相も言っておられまするけれども、毎年毎年こういう審議をしながら、そして努力を重ねながら返せる部分は返しながら、返せない部分についての借りかえをしていく。これが少なくとも今日まで提案されてきた考え方の延長線上で取り扱っていくべき姿勢だと私思うんですよ。
そうでなければ今日まで歴代政府が答弁したこととはつじつまが合わなくなってくる。情勢の変化に対応できないということはあり得ないはずです。五十九年いっぱいでめどをつけて六十年に返済をするということについては、これはできなかったことはわかりますよ。しかし、六十五年度を目標にしてまた努力をしていく、これも結構な話だと思うんですよ。そういう中で一つ一つ返せるものは返しながら、経済情勢のまた上向きの時期も来るわけでありまするから、その情勢に対応しながら処置をしていくということは当然のあり方ではないんですか。何で整合性もヘチマもありますか。私は今日までの経過を全部取り払うための詭弁にすぎないと思うんですよ、そんなことは。
まとめて申し上げたいと思うんですが、この法案の第三章以下というものは、これはもう一言で申し上げますが、六十年度以降にこれは成立して処置を行うようにできればよろしいものであります。したがって、財政運営上何らただいま現在支障がない。逆に、これを急ぐことによって、今日まで築かれてきたところの経過というものを、全部歯どめを外して野放しにしてしまうことになるわけでありまして、これはまさに歯どめを放棄するということに相なろうと思います。将来の国民の皆さん方に対してまことに申しわけないことになるのでありまして、これは行政当局、大蔵省はもちろんでありましょうけれども、国会そのものもその無責任さを追及されることになるだろう、追及されてもやむを得ない、こういうふうに私は考えます。赤字国債の歯どめをなくするということは、これは財政運営の節度を失うことになるのでありまして、これはまさにこの運営上の節度を完全に取り払ってしまうことになるわけであります。よって、私は、赤字国債十年返済の原則を厳守することを基本とした立場に立ちまして法案の再提出を求めるものであります。
それから第一章と第二章の関係でありますが、これは新発債の問題になると思いますが、五十九年度の予算運営に関係する項目でございまするから、これについては予算の執行に影響を及ぼすものであるといたしまして、これは審議に対して協力をしなきゃならない、このことは当初から申し上げたとおりでございます。しかし、この法案には期日を限ってしなければならないという性格のものではないと私は思うんですよ。これは四月一日なら四月一日をもって実施しなければどうにもならなくなるものではない。ただ、特例公債六兆円余の発行というものをするについては、なるほどこれは大蔵当局が言われるとおり考えておられると思いますが、発行の時期、金繰りの問題、こうした金融全体の情勢というものが絡まってくることになるでありましょうから、当然大蔵省の立場にしてみれば早くこれもひとつ成立をさせて手早いところで段取りをとりたい、この気持ちはわかりまするけれども、政府の責任を棚上げにして国債消化の点だけを我々国会に対して求めてきてもこれはいただくことができない、こういう基本的な態度を申し上げておきたいと思います。
私の考えは以上でございまして、大臣とのこの討論は平行線をたどっておるように思います。このままの状態では審議に応じてこれから続けていくことができない、私はこう思いますので、再検討願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/9
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010・竹下登
○国務大臣(竹下登君) まず、新規の特例公債の発行に係る授権につきましては従来どおり毎年度最大限努力を尽くして、やむを得ない場合に授権の立法をお願いするという考えてあります。これは今回においても五十九年度単年度の授権をいただく法案を提出したところでありまして、将来にわたっても同一の方針でいかなきゃならぬ。この限りにおいては私は特例公債を発行するということを授権していただくわけでございますから、大平大蔵大臣のこの答弁にあらわれております財政の節度と、まさに行政府の自己責任を単年度ごとに授権していただくことによって、より厳しく認識するという意味においては、その形は今後ともとり続けていくわけであります。その五十九年に授権していただきたい新発債が借りかえ禁止規定を外さしていただくわけでございますから、そうなると、より厳しいときに償還期限の来る既発債の借りかえ禁止規定を残したままにおいてその都度年度ごとにこれを御議論していただくということを随分議論しました。が、それは法律の整合性からして、この際政策転換として新しく御理解をしていただくしか他に方法はないではないか、こういう考え方に立ちましてこの一本の法律としてお願いすることにしたわけであります。
今赤桐委員もおっしゃいましたように、きょう赤桐さんと私との問答というのは、その限りにおいてはある意味における、平行線というお言葉をお使いになりましたが、私はそういう経過もたどるであろうということを十分理解した上で部内の議論を詰めて御提案をしておるわけでございますので、この提案の法律案を政府側が下げまして新しく提案していくという考え方にはなり得ませんので、一層の御理解をお願いしたい、このように申し上げておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/10
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011・赤桐操
○赤桐操君 私は、繰り返して申し上げますが、こういう性格の異なるものを一つにまとめて、詭弁とも受けとめられるような物の言い方をしながら国会にこれを押しつけるというこの姿勢については、遺憾ながらいただくことができません。私の考えといたしましては、これ以上審議に協力することはできません。検討を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/11
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012・伊江朝雄
○委員長(伊江朝雄君) ちょっと速記をとめて。
〔午前十時三十二分速記中止〕
〔午前十一時四十七分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/12
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013・伊江朝雄
○委員長(伊江朝雄君) 速記を起こして。
この際、十二時四十五分まで休憩いたします。
午前十一時四十八分休憩
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午後四時五十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/13
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014・伊江朝雄
○委員長(伊江朝雄君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律案を議題といたします。
先刻、理事会において、
一、政策転換の具体的内容とは何か。二、六十九年に全面償還できない理由は何か。三、六十五年に特例債の新規発行をゼロにすると言うが、六十五年前と後でどう異なるのか。四、法案を二つに分けることのできない理由は何か。五、歯どめの具体的な方策。六、中期試算、展望など仮定計算というものを発表するが、こうした仮想的計算というものではなくて、これ以外にはないという計画を出してこないと審議は再開できない。この六項目の問題提起がありました。
これに関し、大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。竹下大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/14
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015・竹下登
○国務大臣(竹下登君) ただいま承りました六項目につきましては、政府として次の委員会の質疑の際、誠意をもって御答弁申し上げる所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114629X01719840515/15
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016・伊江朝雄
○委員長(伊江朝雄君) 本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十四分散会
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