1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年七月二十六日(木曜日)
午前十時十二分開会
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委員の異動
七月二十四日
辞任 補欠選任
秋山 長造君 高杉 廸忠君
寺田 熊雄君 小山 一平君
七月二十五日
辞任 補欠選任
刈田 貞子君 三木 忠雄君
七月二十六日
辞任 補欠選任
三木 忠雄君 刈田 貞子君
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出席者は左のとおり。
委員長 大河原太一郎君
理 事
岩上 二郎君
真鍋 賢二君
志苫 裕君
三治 重信君
委 員
井上 孝君
加藤 武徳君
上條 勝久君
古賀雷四郎君
出口 廣光君
松浦 功君
吉川 芳男君
佐藤 三吾君
高杉 廸忠君
刈田 貞子君
原田 立君
神谷信之助君
国務大臣
自 治 大 臣
国 務 大 臣
(国家公安委員
会委員長) 田川 誠一君
政府委員
警察庁長官 三井 脩君
警察庁長官官房
長 太田 壽郎君
警察庁刑事局保
安部長 鈴木 良一君
事務局側
常任委員会専門
員 高池 忠和君
説明員
警察庁刑事局保
安部防犯課長 古山 剛君
警察庁刑事局保
安部少年課長 山田 晋作君
環境庁大気保全
局特殊公害課長 山浦 時生君
外務省国際連合
局婦人差別撤廃
条約批准準備室
長 高木南海雄君
通商産業省産業
政策局物価対策
課長 綾部 正美君
労働省労働基準
局監督課長 野崎 和昭君
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本日の会議に付した案件
○風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/0
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001・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る七月二十四日、秋山長造君及び寺田熊雄君が委員を辞任され、その補欠として高杉廸忠君及び小山一平君が選任されました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/1
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002・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/2
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003・三治重信
○三治重信君 きのうに引き続いて御質問いたしますが、まず細かいことから入りますが、従業者名簿、これは基準法でも労働者名簿をつくるように各事業所に義務づけているわけなんだが、おたくの方と労働省との関係は別個だということになると、業者は同じものを別々につくるのか。別個だと言いながら、警察庁の方としては従業者名簿は労働基準法で命ぜられている労働者名簿で代用できるのか、また、どういうふうに違うということか。実際上代用できるということでやっていけるのか。どうしてもここが違うから従業者名簿は業者に基準法による労働者名簿と別々につくらせなくちゃならぬ、こういうことになるのか、ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/3
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004・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 今お尋ねの従業者名簿の備えつけでございますが、これは改正法案では風俗営業、風俗関連営業、深夜における飲食店営業の営業所につきまして、当該営業に係る業務に従事する者について行われるということになっておるわけでございます。
労働基準法の労働者名簿は、同法の適用を受ける事業または事務所におきまして、各労働者について調製されるものでございまして、必ずしも両者は対象を同じくするものではないというふうに考えられます。
また、目的でございますけれども、労働者名簿の方は、労働者の労働条件の最低基準の確保に必要な資料を備えることを目的としておる。風営法の方の従業者名簿は、営業者に関して善良の風俗の保持、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するという観点から従業の実態を把握しようというものでございまして、目的といいますか、趣旨というものが異なると思います。
ただ、使用者に過度の負担を強いることは適当でないというふうに考えておりますので、労働者名簿が作成されております営業所につきましては、これを風営法上の従業者名簿とみなしまして、新たに従業者名簿を作成することを要しないという取り扱いをしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/4
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005・三治重信
○三治重信君 ひとつそういう気持ちで、代用できるものはしてやってもらいたいと思う。
風俗営業というのは、実際の各事業やなんかについて法律が二つも三つも重なって適用になっていくわけなんで、その一つずつ目的に照らして必要なものをつくれと、こういうふうにやると、重複するが、大部分が一緒になるわけなんです。むしろ基準法の労働者名簿というのはいわば形式的な名簿で、そう監督署がこういう風俗営業所の方へ回るようなことは監督官としてほとんど余りないわけです。むしろ従業員の管理というようなのは治安上の方でいろいろ、これは何か聞くところによると、従業員が非常に出入りが激しいですよね。そしてまたここには、そう言っちゃなんだけれども、いわゆる親戚縁者とかで身分証則書みたいなのも要らない、いわゆる事業主としてきちんとした採用基準を持たない業者が多いと思う。来てくれればだれでもいい。だから、そうなると警察の方では従業員名簿が非常に必要だと、こういうことで、むしろ基準法の方の監督官の方は、従業員名簿というのは、そういう人がかわろうが何しようがとにかく賃金の支払われている数がどれだけあるか、賃金台帳と従業員名簿とが合うか合わぬかという点検だけですから、その点はおたくの方が従業員名簿についての利用率は高いと思うわけです。しかし、その法の規制の仕方は僕は同じだと思うのです。だから、ひとつそこは共通名簿でやっていただくようにお願いをしたいと思います。
それから、少年指導委員はこの間の佐藤さんの質問で大体わかりましたが、あのときの質問で、委嘱する指導委員の数が全然わからぬような、これから慎重に対処して見つけますというようなことで、もう法案をつくってから随分たったし、青少年の指導について非常に意欲を持っているのに、都道府県でどれぐらいのものを第一次的には任命する予定だぐらいのことはなければおかしいと思うんだが、そういうようなのは法案の準備としてでも、僕はあれを聞いて非常におかしいと思うのだけれども、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/5
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006・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 少年指導委員につきましてはいろいろな条件があるわけでございまして、こういう方々がどのくらい要るかということも必ずしも完全に把握するということは現時点では困難な面があるわけでございますが、私どもといたしましては、この少年指導委員という方に御期待をする仕事の内容から見まして、一遍に充足するということにはなかなかいかぬと思います。ある程度年数がかかると思いますけれども、やはり数千人の規模では充足してまいりたいと、かように考えておるところでございます。数千人といいますか、そういうふうな形で全国的には充足してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/6
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007・三治重信
○三治重信君 その次に管理者の問題なんですが、ここの管理者の規定が非常に精細をきわめている。これも引用して悪いのですけれども、労働基準法の言う安全管理者、それから衛生管理者、その他通産省の方でも保安の管理者と、いろいろ全部各法律でいろいろその条ごとに各事業所に専門の管理者というものを置けというのが非常に新しい傾向で、この風営法の方もそういう法律に倣ってこういう規定になってきたのだろうと思うんです。
この風営法の方で言う管理者というのはちょっとほかの方で言う管理者と私は非常に性格が違うと思う。それから、業者の方もこれについて非常に文句を言ってくる、余り厳しいと。それは警察が指導しやすいように専門の管理者を指導し養成するという意図はいいにしても、その管理者と経営者とが利害が一致しない部面が非常に多く出てくる。そうすると、この管理者が警察をバックにして経営者を揺すぶる。こんなことをするならば警察がこう言っているんだからと、いわゆる内部告発をやって経営者を揺すぶる。そうすると、経営者は管理者に対してまあまあと、こういうことになってくるとそこにやみ給与なり管理者のいろいろなわがままを許すことになる。むしろそうすると労務規律が非常にまずくなる。これは端的に言って、余りにも経営者の指導よりか管理者の指導でそこへ警察の方が風俗営業の関係のやつを各営業所でしぼっていくというと、結局経営者が浮いてしまう。経営者が浮くということは、すなわちその管理者が専横権を持つ。そうすると、経営者の方としてみれば、そこまでやらぬでもいいじゃないかと、こういうことについて利害が衝突すると、結局経営者側の方が管理者を言うことを聞かせようとするというと、それは物的な待遇なり何なりで管理者に言うことを聞かす。経営者が上なのか管理者が上なのかというようなことで、風俗営業の取り締まりの方ではいいかもしらぬが、風俗営業の営業そのものについての管理者ということになってくると非常に利害が衝突することもあるべし、こういうことです。
また、おたくの方が管理者の解任を命ずることができるというようなことまで書いてあったやつを修正させたのだけれども、これでもなお「勧告する」というのは強過ぎるというような意見がまだ来ているわけなんだけれども、ここはひとつ法文上しゃ出せぬけれども、管理者に対する取り扱いというものを、やはり経営者に従属していて、そうしてその風俗営業の管理について警察なりに協力をする。非常に表現はうまくないかもしれぬけれども、その点をしっかり管理者について警察の方で、管理者を置いてあるけれども、それは経営者を無視して営業について指図するものではないということをはっきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/7
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008・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) この管理者の制度は、風俗営業というものの重要性というものにかんがみまして、やはり自主的に営業の健全化を図っていただこうと、こういう趣旨で設けたものでございまして、管理者の行います業務の観点も、あくまでも善良の風俗の保持あるいは清浄な風俗環境の保持、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するという観点から必要最小限度の形で行われるものというふうに考えておるわけでございます。
したがいまして、利害が一致しないということは余り考えられないと、こう思っておるわけでございますけれども、私どもは当然のことながら経営者と管理者の立場というのは、管理者の方は使われておる立場でございますから、当然経営者の経営方針に従ってやっていく。その際に、今申しましたような観点からいろいろ助言を申し上げるということが望ましいのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございまして、決して警察がそういうふうな営業の中にまで関与してどうのこうのというようなことは一切考えてない。あくまでもそれぞれの経営者が自主的にやっていただくということを私どもは期待をしておるものでございます。
したがいまして、今御指摘のような問題につきましては、運用上十分配慮してまいりたい、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/8
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009・三治重信
○三治重信君 それから、これも各質問者で問題にしているところでございますが、いわゆる風俗環境浄化協会、今までの質問で、大体どうも我々は行政改革推進の立場からいくというと、こういう団体をつくることについては非常に反対で、これは削除すべしという主張なんですけれども、警察の方がどうしても必要だという理由は、佐藤さんとの質疑の中で、おたくの方がこの風俗営業法を施行していく上において定員の増も要求しない、予算も要求しないと。そうしてここが非常に権限が拡大するというのはおかしいなと思ったら、その警察の人員の不足、それから予算のやつを補うのが結局風俗浄化協会じゃないかと、こういうふうに推定されるわけです。
この風俗営業法を施行する上において、人も要求しません、予算も要求しませんと、こういうことになっていくと、この法を施行していくためにはどういう手だてがあるかと思うと、そこに結局風俗環境浄化協会というものを通じて、その各業者、業界との接触をやる人または金も持って、そうして風俗営業法の施行をやっていこうと、こういう魂胆だろうと思うんですが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/9
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010・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 先生のあれが、警察はそういう魂胆じゃないかと、こういうお話でございますが、決してそのようなことを考えているものではないわけでございます。
これは、こういう活動と申しますのは、警察の活動というものにはやはり当然のことながら一定の限度があるわけでございまして、こういう一種の地域の浄化活動というようなものは、警察が行いますよりも民間の方々がそういう地域の実情に応じてやっていただくということがやっぱり一番望ましいことであると、そういうふうな活動とあわせて私どもが一緒にやっていくということが本当の効果を上げることができるだろうと、こういう考え方で設けているものでございまして、警察の人員だとか予算の不足を補うというようなことでは決してございません。今申しましたような、そういうふうにやることが本当に地域の風俗の浄化というものにやはり非常に大きな力を持ってあろうというふうに考えてこういう制度をやっていきたいと、こういうふうにしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/10
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011・三治重信
○三治重信君 それでいいんですが、もう一つは、そうすると、同じ団体でも浄化協会というものとこの四十四条の風俗営業者の団体と実際上は行うことにおいて競合するというか、ダブル格好
にならないか。こういう風俗営業者の団体というのは、国家公安委員会または公安委員会に、名称、事務所の所在地、その他総理府令で定める事項を届け出る。これは飲食業界だったら飲食業界で、もう既存にできていますね。それから、トルコぶろの協会があるかどうか知らぬけれども、それからパチンコならパチンコ展で協会があるのですね。結局そういう今既存のものも全部これまた風俗業者の団体として総理府令で再登録するということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/11
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012・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) こういう団体を届けていただくという趣旨は、これはやはり団体におかれても、自主的にこういうふうな風俗の浄化、善良の風俗の保持というようなことをやっていただくことが望ましい。そういうことで相携えてやってまいりましょうという形で考えておるものでございます。したがいまして、従来も幾つか実際に届け出てもらっておるというものもあるわけでございまして、そういうことから実際に届け出ていただいて、そして一緒に相携えてやっていこうと、こういうふうな趣旨で設けたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/12
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013・三治重信
○三治重信君 それで、衆議院の修正の問題についての質疑が各委員から出て大体川らかになったんですが、さらにひとつ同僚議員と同じように確認をしておきたいと思います。
今までは取り締まりの関係では第六条で「立入」の規定があったのを、今度は三十七条で「立入検査等」と、こういうふうにして、どちらかといえば非常に権限を広げたのを修正したと思うわけなんですが、従来の「立入」の六条を修正前の三十七条に切り変えたときの立案者の気持ち、なぜゆえに従来の六条の「立入」だけではいかぬということで新しい三十七条の「立入検査等」にしたかという立法のときの趣旨を一遍御説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/13
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014・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) この立法をしました、政府原案をつくりましたときの趣旨でございますけれども、何せ二十三年に現行法の「立入」という規定ができたわけでございます。必ずしも当時の関係で十分整理ができておるというものではない。その後いろいろ立法的な技術も進んでまいりまして、そうして必要なものは明確にしていくということが望ましいのではないかというようなこともございまして、それで、できる限り法文上も必要なことは明らかにしていくことが国民の権利保護に一層資するであろうと、こういうふうに考えて整理をしたものでございます。
例えば現行法でまいりますと、「この法律又はこの法律に基く都道府県の条例の実施について必要があるときは」と、こういう書き方をしておりますけれども、「必要があるときは」というよりも、やはり公益上必要な限度においてとどまるべきことが法文上明らかにした方が望ましいではないかということでございまして、そういうことで改正案におきましては「必要な限度において」ということに限定をしていこうと、こういうようなことが一つございます。
それから「営業所に立ち入ることができる。」ということでございますけれども、今度の改正では特にモーテル、ラブホテル等の規制の規定も整備するというふうな事情もございまして、やはり国民のプライバシーの保護をより明らかにしていくということが望ましいと、こう考えまして、単に立ち入りすることができるというのじゃなくて、客が在室する個室を除くという趣旨を明らかにしてまいろう、それが一層国民のプライバシーの保護に資するものであると、かように考えた点がございます。
それから、立ち入りの規定と申しますのは、法文上当然のことながら、犯罪捜査のために認められたものでない、そしてこの法律の目的を確保するための行政上の指導のために行われるということを法文上則らかにすることが望ましいと、こういうふうに考えられるわけでございまして、現行法ではそういう旨の規定はございませんけれども、そういうものを明らかにして明示をしていくということが望ましいと、こういうふうに考えて、その点の第三項を入れたものでございます。
それから、従来立ち入りますときには警察官の身分を示す証明書の提示があるわけでございますが、これは従来は「関係人の請求があったときは、これを呈示しなければならない。」と、こういうふうになっておるわけでございますけれども、やはりその請求の有無にかかわらず行う方が無用のトラブルを防止できるだろう、こういうことで、今回の改正法案の第二項では、請求の有無にかかわらず「警察職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。」ということを明らかにしようと、こういうふうにしたわけでございます。
さらに、現行の立ち入りの規定というのは「警察官」ということになっておりますけれども、やはり大変いろんな形で技術が進んでまいりまして、高度の専門的知識を持っておる者でございませんとなかなかその実態がわからないという問題もございます。そういう意味で、この法律の目的を確保する職務についている専門的知識を有する職員についても立ち入りができることにさしていただきたいということで、「警察官」を「警察職員」に改めたと、こういうことがございます。
それから、先ほど申しましたように、二十三年当時は大体こういう書き方をしておるわけでございます。近時の立法例では、やはり立入検査のほかに報告徴収の規定を設けるというのが通例となっておる。それからこの趣旨は、やはり直接営業活動に影響を与える可能性のある立ち入りを行う必要がない場合には、より穏やかな、営業者にとりまして負担の少ない手段によって法律の規制等を担保していこうと、こういう考え方でそういう形のものを入れたものでございます。
それからまた、同じように近時の立法例を踏まえまして、従来は立ち入りすることができるという中に必要な、もちろんこの法律の施行に関するものに限られるわけでございますけれども、帳簿、書類その他の物件の検査というものができると解釈をされておりますが、近時の立法例に考え方を合わせまして、この点を明確にするというふうな形にしようということで立ち入りの規定全般を整備しようと、こういう考え方で原案を提出したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/14
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015・三治重信
○三治重信君 確かに立ち入りの規定の表現として、「実施について必要がある」というのと「施行に必要な限度において」というので範囲が非常に厳しくなると、こういう御説明や、「警察官」というのが専門職も入れた「警察職員」と、こういうような改善というか、やり方というのはこれは非常に認められるわけなんですが、そういうことで立入検査について非常に詳細に規定した。詳細に規定したから、そこで業者の方が非常に気を使って、またさらに厳しくなるのじゃないかと、こういうようなことが非常にあって修正をしたわけなんですけれども、さらに、どうも立入検査という問題について従来と何か変わって厳しくなるのじゃないかと、こういう気持ちが非常に業界に強いわけなんです。
端的に聞くんですが、従来の風俗営業者については、この規定によって新しく立ち入りが立入検査となったからといって厳しく取り締まるというようなことはない。従来と実質上そう変わらないのだということは言えるのか。いやそうじゃなくて、従来の立入検査よりさらに厳しく取り締まるというのですか、そういうことが必要なのだというのか、どちらなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/15
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016・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 現在の運用を変えるつもりは全くございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/16
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017・三治重信
○三治重信君 その点、出だしが非常に必要なことなんで、文章が変わると、業界の方とすると、非常に今まで立ち入りしてこられた経験がある。しかし今度、僕たちはそう思わぬのだけれども、この報告、資料というのは立ち入りより、前提としてやった方が業界にとっていいのじゃないかと思うのだけれども、いや報告、資料の提出というのは罰則がついている、今までの検査というのはそこでしかられれば済んだけれども、今度はもう罰則がついているのだ、もう資料によって返り討ちに遭うようなこともなきにしもあらずというような、非常な揣摩憶測というのか、善意に解釈すればそういうことなんです。民主国家でそんなことで黙って泣き入りさせられるような、何でそんな変に卑屈な気になるんだと言うと、いやそこが警察の支配下に入ると、とやかく言うと何かいわゆる刑余者のお礼参りみたいに来て――警察官がお礼参りというのは表現が悪いのだけれども、結局何か警察署がやることについて上のところ、警察署だとその警察の本部とかそういうところへ直接行ったりなんかして、陳情して、直してほしいと、こう言うと、あいつ何で風営法に不満があるんだ、けしからぬと、こういうことでねらい撃ちを食らう。
ねらい撃ちを食らうときにその資料の提出、こういうものをさっと要求されて、いやここは違っているじゃないかと、こうやられると、そこまで業者は心配しているんですよ。言えば笑い話みたいなことかもしれないけれども、業者にしてみると、非常に法律そのものを見ながら、こんなことがあるということで心配をしておられる。
それで私は、衆議院の方で改正した問題について参議院の方で同じことをまたさらにとやかく言うことはできぬ、したがって質問でしっかりするからと、こういうふうにして言ってあるわけなんだが、とにかく従来の風俗営業者についての取り締まりというのか、立入検査というものについてやっていることを、こういう法律を変えたからといって新しく立入検査が難しくなるということではないというふうに一遍ここで言ってもらうと業界が安心するのじゃないかと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/17
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018・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 現行法の運用を変えるなんということは毛頭考えていないわけでございますけれども、むしろ衆議院で修正をいただきまして政府原案が変わりました。その中の一つは、この報告と資料の提出の問題どこの立ち入りの規定とが分離されたわけでございまして、この分離されたという趣旨、それから附帯決議をちょうだいをいたしておりまして、できる限りその報告、資料の徴収によることとするというふうな附帯決議もちょうだいをしておる。したがいまして、立ち入りという方法は最小限度に限っていくべきだというふうな趣旨を明らかにされたというふうに私どもも受けとめておりまして、そういうことから、さらに立ち入りのやり方につきましては慎重な運用に努めてまいりたい、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/18
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019・三治重信
○三治重信君 公安委員長、それから長官、いろいろ具体的なことだから御両者には質問しなかったけれども、これは最後です。
具体的な問題を掘り下げていくと業者は非常に心配が絶えない、こういうことなんです。
それで、今度の改正の主なものは、都道府県の条例でやっていることをできるだけ全国統一的にするために法律にしたのだという説明があったわけなんですが、そういうことになれば各業界も、風営法で法律になったけれども、それは各都道府県の条例で今までずっと業界の指導、監督をやられておったそれと余り変わらないのだということがこの風営法の改正で言えるかどうか。
それから、こういう風営法の改正によって、時代の景気の変動によって業界の経営の好不況はあるのだろうけれども、結局風俗営業の方は警察の取り締まりによって生活権の首根っこを握られているのだ、こういう業者の観念が非常に強いわけですね。この風営法の改正によって首根っこの、結局おまんまが食えぬような、ずっと真綿で首を締めるようなことをされると、不平不満なり何なりを持っていくところがない。持っていけばこれは返り血を浴びることも覚悟してやらんならぬ。こういうことなんで、ひとつぜひ施行に当たっては各第一線の、こうやっていろいろな法律や規則やなんか新しく変えられるのでしょうけれども、変えられる中で一つ一つこれは激変を避ける、こういうようなことを指導してもらいたいと思うのですが、ひとつその点について御両者の御回答をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/19
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020・三井脩
○政府委員(三井脩君) 今回の改正は、現下の情勢にかんがみまして、現行法を整備するというねらいでございまして、現行法の運用の基本を特に変える、こういうものではないわけでございます。現行法の運用にいたしましても、いろいろ御指摘のように、その運用を我々は誤ってはならない。また、法の整備のための改正ということが行われるわけでありますから、その運用についていろいろ御心配をいただくということにつきましては、第一線に十分改正の趣旨を徹底いたしまして、その運用に間違いのないように努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/20
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021・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 権限を持っている者は絶えず自粛自戒して、法の運営に当たっていかなければならないと思います。そういう意味で、監督下にある業者に対しては十分慎重に対処するように公安委員会としても警察を指導してまいるつもりでございます。やはり、権限を持っておる立場からしまして、どうしても第一線に徹底ができない面がありますと、そういうことがいろいろ指摘をされるのではないかと思います。そういう意味で、十分徹底できるように、私の方からも慎重に対処できるような指導をしてまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/21
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022・刈田貞子
○刈田貞子君 当委員会では初めて質問さしていただきます刈田でございます。よろしくお願いいたします。
私は、この風俗営業法改正に当たって、この法案の中に種々問題があることを感じておりますけれども、きょうはその中身に立ち入る前にその沿岸の問題と申しましょうか、あるいはまた基本になる問題と申しましょうか、持に女性の立場から気になる課題等をお伺いいたしたく思いまして、あえて質問さしていただきます。
当法案の提案理由の中に、「最近、同法の対象となっている営業のほかに、あからさまに性を売り物にした産業等善良の風俗及び少年の健全な育成の上から問題の多い営業が増加しており、現行法上このような営業が野放しとなっていることが、風俗環境を害しているだけでなく、少年非行が昭和五十五年以来四年連続戦後最悪の記録を更新している大きな要因の一つとなっている」云々というところがございますわけで、まず最初に、この問題の多い営業が増加しておる状況、このことについてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/22
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023・古山剛
○説明員(古山剛君) まず風俗営業の許可業者でございますけれども、ダンスホールがディスコ等の増加に伴いまして、またパチンコ屋がフィーバータイプ遊技機の人気の影響などがございまして、ダンスホールあるいはパチンコ屋が増加傾向を示しておりますが、それ以外の風俗営業につきましては全体的に減少傾向を示しておりまして、許可営業だけを考えてみますと、必ずしもすべて発展しているとは言えない、増加しているとは言えない、そういう状況でございます。
それから、深夜飲食店営業でございますけれども、スナックなど風俗営業に類似いたしました業態を中心に増加を続けております。これは、風俗営業などの許可を取らないで、飲食店営業の許可だけで手軽に営業できるためではないかというふうに見ているところでございます。
それから、被害者と見られておりました売春婦などのイメージが、最近は営業者と共存関係に変わっているというようなことで、せつな主義的な考え方の台頭といいますか、そういったことで性を売り物にする風俗関連営業というものが出てまいったというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/23
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024・刈田貞子
○刈田貞子君 その状況をもうちょっと数字では出ませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/24
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025・古山剛
○説明員(古山剛君) 最近五年間、五十四年から五十八年までの状況でございますけれども、キャバレーなどの一号営業につきましては、五十四年が三千八百六十二軒ございましたのが五十八年には三千二百九軒ということで、二割余り減っております。それから、料理店とかカフェーとか、いわゆる接待を伴う二号営業でございますが、これが五十四年には十万八千軒程度でございましたのが五十八年には九万五千軒程度ということで、これも一割以上減少いたしております。それから、ナイトクラブでございますけれども、これは五十四年が九百九十六軒ございましたのが五十八年には九百六十四軒ということで、これも若干減少いたしております。
それから、ダンスホールでございますが、増加しているというふうに申し上げましたが、五十四年には九百一軒でございましたのが五十八年には千三十六軒ということで、これは一割以上増加いたしているという状況でございます。
それから、低照度飲食店、区画席飲食店につきましては、これはもともと数が少のうございますが、これは若干減少しているという状況でございます。それから、七号営業のマージャン、パチンコ屋等につきましては、五十四年が四万八千軒程度でございましたのが五十八年には四万六千軒ということで、これも若干減少している、そういう状況でございます。
それから、風俗関連営業といいます最近の問題の営業でございますけれども、トルコぶろでございますが、昭和五十四年には千四百八十六軒であったものが五十八年には千七百一軒ということで、かなりの増加をいたしております。
それから、ストリップ劇場でございますが、これは五十四年には三百十三軒でございましたのが五十八年には二百九十九軒ということで、これは若干減少しているということでございます。それから、ヌードスタジオでございますけれども、これは五十四年には百六十軒でございましたのが昭和五十八年には八十七軒と、これはかなり減少いたしております。
最近の新しいものといたしまして、のぞき劇場というのがございますけれども、これは五十六年までは私どもの方でも全く把握しておらなかったわけでございまして、あるいは多少あったのかもわかりませんが、五十七年にのぞき劇場が五十二軒、五十八年には八十七軒と、これは数はまだこの程度でございますけれども、新しいものとして最近出てきているということでございます。
それから、アダルトショップでございますけれども、これが五十四年には八百七十一軒ございましたのが五十八年には千五百軒近くということで相当増加している、そういう状況でございます。
それから、深夜飲食店でございますけれども、これはいろんな形態がございますけれども、全体として見まして、五十四年には二十七万軒ございましたのが五十八年には三十五万軒ということでかなり増加している、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/25
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026・刈田貞子
○刈田貞子君 そういたしますと、やはり基本的には問題の多い営業が増加しておりますということについては、業種及び数ともにふえているというふうに了解してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/26
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027・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 今御説明いたしましたように、いわゆるトルコぶろであるとか、それから、のぞき劇場とか個室マッサージとか、そういうようなものは私どもがまだ把握できていないものもかなりあるわけでございまして、先ほど課長が申しましたのは、ある意味では一部であろうと思います。そういうものが実はふえていく、あるいはアダルトショップもふえていくというような形でございまして、こういうものは増加傾向にある。ただ、ストリップ劇場みたいなものはやや下向きになっておるというような傾向にあるわけでございます。しかし、おしなべてこういうものはふえる傾向にあるということが言える、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/27
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028・刈田貞子
○刈田貞子君 つい先ごろ私伺いましたことでございますけれども、警視庁で風俗環境浄化本部を設置して、百九十人の専従捜査員によって歌舞俵町を中心として、一帯の実態調査をなさっているということを伺っておりますが、ここで得た種々の結果、そしてこれが今回の改正に何か反映されている事柄があるのかないのか、この辺についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/28
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029・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 警視庁は今お尋ねのような形で風俗環境浄化本部というのを本年の二月に設置をいたしまして、そして本部の部隊あるいは署の警察官と一体となりまして、連日百九十人の体制をもって歌舞伎町あるいは赤坂方面、そういうふうなところでもって取り締まりをしてきたわけでございます。
この二月一日から七月の二十四日までの取り締まり検挙の総数は、大体昨年の同期のほぼ二倍の四百三十三件、六百十七人を検挙しておる、こういう状況でございます。これは特にやはりセックス産業に重点を置いて、売春防止法あるいはわいせつ違反、あるいは少年の福祉を害する犯罪の問題の、児童福祉法とかあるいは職業安定法とかそういうふうな法律違反、あるいは外国人女性を使った売春接待違反、こういうものを中心に取り締まりをしてきたわけでございます。
確かにこういうふうな形でもって取り締まり件数は昨年の倍になりましたけれども、実は幾ら取り締まりましてもすぐ別の者が営業を続けていく、あるいは別の形態のこういうふうな店に転換していくというようなことでございまして、こういう取り締まりをやりましても、こういう営業を減少させるという形にはなかなか至らないという状況でございます。
そういうようなことでございまして、これは警視庁は実はことしだけでなくて、先ほど言いましたように、昨年もやりというようなことでもって、毎年そういうふうな形でもってやっておるのですけれども、それがちょっと一息つきますと、もうすぐにぶり返すというような実態でございまして、大変頭が痛い問題であるというふうに考えておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/29
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030・刈田貞子
○刈田貞子君 ところで、このたび届け出制とはいいながら、風俗関連営業に関して規制対象に加えたということについては、私どもは婦人問題関係者の中で大変問題にしているところの一点でございます。
それはつまり性産業の公認の道につながるのではないかという問題。そして、さらにこの種の業種を拡大していくことにつながっていくのではないかということで、非常に心配の節があるところでございます。そして、こうしたこの種の性産業については、つまり既存の現行法と、そしてあと売春防止法あるいは児童福祉法あるいは職業安定法等々、既存の法律でこれが取り締まりないしは抑制することができるのではないかという意見が非常に高いわけでございますけれども、この辺についての見解を伺わしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/30
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031・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 現行法でもってなぜできないかというお尋ねであろうと思います。私どもも売春防止法初め、先ほどのような児童福祉法、職業安定法、労働基準法違反、そういうふうな子供の福祉を害する犯罪、大人が子供を食い物にする犯罪というものを何とか検挙しようということで、大変な努力をしているつもりでございます。
しかしながら、最近の例えば売春防止法というものを例にとりますと、なかなか管理売春という形と今の売春形態がだんだん変わってきているといいますか、そういう問題があるわけでございます。要するに、昔のような典型的な形で女性を支配下に置いて管理をして、そうして売春をさせるというような形はだんだん少なくなってまいりまして、むしろ女性の方がお金が欲しいというような形で、実はこういうふうな売春あるいは売春類似の営業形態に入っていくという例が大変多くなってきておるわけでございます。言葉は適当でないかもしれませんが、営業者と、それからそういうふうな従事する女性等が、ある意味では利害が反しない形になりつつある。お互いにある意味で共存の関係みたいなものになってきておる。そのためになかなか管理売春ということの立証がだんだん難しくなってくるという実態がございます。
そういうことで、あらゆる方法を使ってそういうものを偽装する、あくまでも営業者は知らない、個人の自由意思でやっているのだというような形態をとりながら一単純売春は御存じのとおり処罰されないわけでございますから、そういう形をとりながら逃げていくというのが大変多くなっている。そこに一つの大変難渋をきわめている問題があるわけでございます。
それから、こういう営業形態はある意味では短期間に荒稼ぎをしょうということがございます。したがいまして、先ほど言いましたように、非常に捜査が困難になりつつありますので、どうしても捜査が長期化する傾向がある。長期化をして、仮に検挙ができたというふうになりましても、ある意味では罰金を納めればおしまいである。その間にうんともうけてしまう。そうすると、罰金を納めても痛くないといいますか、そういうことでそう痛痒を感じないというようなことが実は出てくるということでございます。要するに、短期間の間にうんと稼げれば後は仮に警察の取り締まりを受けても、それはそれを上回る利益が上がるといいますか、そういうことでいけるという考え方が悪質な業者の中には大変あるという実態でございます。
それから、児童福祉法というような法律、これもできる限り我々も活用をしていくということでございますけれども、例えば児童福祉法という法律を例にとりますと、子供たちを自己の支配下に置くという状況が必要になるわけです。そういう自己の支配下に置くというような形態で使うということがだんだんある意味では少なくなってくる。そういうものももちろんございます。そういうものに対しては当然できますけれども、そうでなくて、子供たちがそういう営業でもって小遣い稼ぎをしようかというふうな形にいきますと、自己の支配下などということがなかなか立証できないということになってくるわけです。同じことが職業安定法みたいなものにも言えまして、要するに雇用されているかどうかという問題が立証できないと職業安定法の問題になってこないとか、そういうふうな法律の中の要件を満たすということが、必ずしも十分現在の既存の法律で実態が賄える状況にないというとこるがあるわけでございます。
そういうことで、私どもといたしましては、現行法をできる限り駆使をしながらやっておるところでございますけれども、先ほど言いましたような現行法のもとでの取り締まりの困難性があるということは事実でございます。
それから、先ほど言いましたように、そういうふうな営業をやっておりましても一番そういう悪質業者に打撃を与えることができますのは、その店に対する営業停止みたいなものが一番大きいのだと思うのですが、現在そういうふうなことが一部はかかるものもございますけれども、大部分のものほかからないということになりますと、極端なことを言えば、罰金を納めればおしまいというようなことにもなりかねないことでございまして、その間に稼ぐだけ稼ぐというふうなことになりますと、どうしてもこういうふうな営業というものをきちっと規制していくといいますか、そういうことができない。そういう意味で、現行法で我々も努力はいたしておりますけれども、どうしてもそういうふうないろいろな隘路がありまして、こういうふうな形である程度規制を強めていくということをいたしませんと、実際の所期の目的は上がらない、こういうことになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/31
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032・刈田貞子
○刈田貞子君 現行法との関係はまだこの後すぐに伺いますけれども、今回の改正のものに関連して、今の問題の後に関連してちょっと伺いたいのは、マントル、ホテトルあるいは愛人バンク、これを今回の規制の対象から外している理由は何なのでしょうか。このことが非常に気になるものの一つでございます。
それから、もしこれが外されているとすれば、この外されている方の部分はどういうふうに取り締まっていかれるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/32
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033・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 今度風俗関連営業という形でもってとらえましたものは、もちろん問題のある営業であることは十分承知をいたしておりますけれども、すべてが違法だというふうには言えないものであろう、こういうふうに思います。そういう意味で、違法をさせないような形でもって規制をしていくということが風俗関連営業には出てくるということだと思います。
ところが、今お話しのようなマントルとかホテトルとか愛人バンクとかというのは、これはいわゆる売春を行わせる業、売春をあっせんするような業でございまして、これは法律上明らかに違法になるというふうに考えられるわけでございまして、これはどうしても現行の法律で取り締まっていく以外に手はないというふうに考えられるわけでございます。私どもはこういうものに対しましては売春防止法等の法律の運用、これを徹底いたしまして対処していきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/33
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034・刈田貞子
○刈田貞子君 ただいまのお答えにもちょっと異論があるのですけれども、これは後でまとめて伺います。
ところで、先ほどの現行法ではなかなかできる部分とできない部分があるようなお話の中の、個室付浴場業、トルコぶろについて、私はこれの一つ例を挙げまして具体的に本論に入ってみたいと思います。
このいわゆる通称トルコぶろと言われるものの問題でございますけれども、私、この問題についてもかねがね各方面どお話し合いをしたことがございますが、これは非常に取り締まりが難しいということで、先ほどもお話の中にその難しさ等のお話がございましたけれども、売春防止法の問題でまいりますと五条、勧誘罪に当たる五条ですね。それから六条の周旋、それから十一条の場所提供、あるいはまた一番問題になる十二条、そして十三条、この辺の問題でございますけれども、これはどの辺の部分の条文が適用しにくいか。先ほど非常に取り締まりしにくいとおっしゃっておられましたけれども、どの条文が当てにくい部分になるのか、ちょっと伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/34
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035・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 一番難しいのは、やはり売春というものを立証するということが非常に難しいわけでございまして、これは先生御存じのとおり、対価を受け、またはこれを受ける約束で不特定の相手方と性交することをいうと、こういうふうになっておりますが、この対価を受け、受ける約束で、しかも不特定の相手方と性交する、そういうところを立証していくというところがその一番難しいものでございまして、今お話しのように、すべてのものが基本はこの売春ということに係るわけでございますけれども、これが立証できないことにはほかの周辺のものはできないということでございます。それがやはりもとの管理売春という問題につながり、それからその管理売春の周辺にありますそれぞれのこういうふうな規定でございますね、それの難しさにつながっておると、こういうふうなことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/35
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036・刈田貞子
○刈田貞子君 私ここに、これは五十六年の白書だと思うのですけれども、警察白書をちょっと調べてみますと、五条の違反が件数で八百八十五、それから六条違反が件数で千八百八十七、それから十一条違反が四百十八、それから十二条は何と九十三なんですね。これは件数でございますが、九十三件です。人員にして二百でございます。その他違反、七条、八条、九条、十条、十三条でしょうか、そこで千百三十六と、こういう数字を私見るにつけても、この十二条がいかに適用が難しいかということはよくわかるわけでございますが、実はこのあたりの部分、十二条あたりの部分を運用方でしっかりとしていただかないと、雄琴のようなああいう場がいつまでもあったり、あるいはまた吉原が日本一を誇る状況になっていったりするというふうに思うのですけれども、この十二条についでもう一度御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/36
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037・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) この十二条が先ほど申しました形の説明とつながるわけなんでございますけれども、要するに昔のような典型的な形の、「自己の占有し、若しくは管理する場所」であるとか「自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせる」というような形態が、これがなかなか実態がかなり変わってきておるというところが難しさであろうと思います。そういう、どちらかというとやや昔の売春宿のような形のものでなくなってきておる、そういう形態のものがなかなか実態として違ってきておるというところが大変難しいということを先ほども申し上げたわけでございます。
トルコぶろのお話が出ましたが、これも先ほど言いましたように、こういうふうな十二条の要件に。当てはまるような形でやっておるという立証が、これが大変難しいということでございます。
しかし、例えばトルコぶろに勤める女性等はこういうふうな形で直に管理されて働かされるというのじゃなくて、あたかも自由意思のような形でそこへ行く。そうして、いろいろな向こうから給料をもらうというような形をとらない、要するに従業員みたいな形をとらないような偽装工作をするとか、そういうようなもろもろの偽装工作が出てしまうわけでございます。そういうことで、しかもそういう営業者とトルコ嬢とが口裏を合わせるといいますか、そういう形でもって、警察からいろいろ調べられたときにはこう言おうというようなことまで全部できまして、そうしてそういう形で臨むというようなこと。これは私どもは捜査のテクニックとして何とかそこを解明しなければいかぬわけでございますけれども、それが先ほど言いましたように被害者的な立場に立っておりますと、それはそれなりに非常に捜査もやりやすい面も場合によるとあるわけでございますけれども、先ほど言いましたように、利害がある意味で一致しちゃう、そこでもって勤めることがそういう女性にとって利益である、だから働きたいから働いておると、こういうような形をある意味でとる。一方では、業者の方は働いてもらえば非常にもうかる、こういう形になるわけでございます。そうすると、今言ったようにお互いが口裏を合わせてしまうということになると、これがなかなか立証が困難になってくる、こういう事情はおわかりいただけるのではないかと、こういうふうに思います。
しかし、私どもはそれをやっていくのが我々の務めだと思いますから、懸命にやっているわけでございまして、この十二条の関係でも、件数は必ずしも多くございませんけれども、昨年は百十七件この売春、十二条関係でもってやっておりまして、前年に比べまして八八%ばかりふえておるというようなことで、懸命に努力しているという点はおわかりいただきたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/37
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038・刈田貞子
○刈田貞子君 次に、十三条の件でございますけれども、資金等の提供、この問題ですけれども、私どもはこの十三条適用というのはむしろ皆無であるというふうに伺っているような状況があるというふうに私聞いているのです。
それで、私ちょっとこれお伺いしたいのでございますけれども、これは少し古いデータで大変恐縮なんですが、私どもが手に入れられるのはこの種のものしかございませんので、これは五十四年のデータで、雄琴という一地域の例でございますけれども、五十四年十二月現在ということだから、過去からずっとさかのぼっての話だろうと思うのですが、市中銀行五件が十七億八千万、それから信用金庫が二件で二億四千万、それから信用組合が十五件で二十七億四百万、そしてその他の融資五億三千二百二十八万、計五十二億五千六百二十八万というような数字が、これがいわゆる金融機関からこの種の業界に融資されているという数字を、私はこれをちょっと持っておるわけでございます。
それからまた、これはこの種のトルコぶろ業界が非常に伸びているところとしての沖縄の例がございますが、沖縄で四十七年に三億一千六百七十万円であった金融機関からの融資が、これも大変古くて恐縮なんですけれども、五十三年で十二億八千百四十六万というふうな形で大幅に伸びておる。
私は、こういう事実がありながら十三条適用が全く皆無であるということは、これはどういうふうに考えればよろしいのか、この辺を伺わしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/38
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039・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) ちょっと古いデータは持ち合わせてないのでございますけれども、昨年の十三条関係を申しますと二十九件ございます。前年に比べまして一六%ふえておるという形でございまして、大変難しい条文のあれでございますけれども、懸命の努力をしているということでございます。
特に難しいのは、先ほども言いましたように、トルコ自体が売春と決めつけ得るかどうかという問題が一つございますのと、さらにこの十三条は、「情を知って」という問題がございます。これを立証することが非常に困難を極めるということでございますが、そこら辺のところを克服しながら、昨年は先ほど言いましたような数の検挙をしておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/39
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040・刈田貞子
○刈田貞子君 それで、今度この風営法でこれが対象に入ってくるわけですね。そうすると、今までよりはもっと十二条、十三条に値するような種類のものが取り締まることができるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/40
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041・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 実は、トルコぶろの関係は現在でも対象に入っているわけでございます。そうして、現在やっておりますのはいわゆる地域禁止規制というものと、そこで違反があれば行政処分をかけられるという規定が現在もあるわけでございます。今度はどういうものが加わるかといいますと、年少者保護の規定、そういうものを加える。さらに、地域禁止の規制は従来と原則的には同じでございますけれども、その禁止区域内で違反があった場合は、従来は営業停止まででございましたけれども、今度は営業の廃止を含む廃止命令までかけられるというところが大きな違いではないかというふうに思います。そういうような形でトルコぶろに対しまして現行よりも厳しい形で臨んでいこうというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/41
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042・刈田貞子
○刈田貞子君 措置の問題については厳しくしていただくということ、これは大変ありがたいことなんでございますけれども、その立証について、しやすくなるのかならないのかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/42
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043・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これは、我々がやりますのはあくまでも行政的な措置でございますから、そういうふうな形で行き過ぎのないように行政指導をしていくということでございまして、犯罪捜査の立証というものは、これはやはり別に考えなければいけない、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/43
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044・刈田貞子
○刈田貞子君 私どもはこの種の営業が野放しになっているというふうに理解をいたしておりまして、こういう問題についてずっと廃止方を進めているグループがたくさんあることを御存じだろうと思いますけれども、いかんせん法があっていて、なおかつ先ほどの数字を伺いますと、どんどん業界が太り、ふえていっているという状況があるわけですね。これはどう考えたらよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/44
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045・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これはやはり現在の規定が不十分な状況に置かれているということが多分に影響しておるだろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/45
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046・刈田貞子
○刈田貞子君 浴場法の問題についてはお触れになる気はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/46
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047・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これは厚生省が所管しておりますので、私の方から申し上げる立場にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/47
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048・刈田貞子
○刈田貞子君 それでも全然関係のない問題じゃないわけですよ。やっぱり横の連携をおとりいただいて、その辺とのかみ合いを考えていただくというのが、私は筋じゃないかと思うのですけれども、これいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/48
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049・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) この法律をつくりますときに、公衆浴場法との関係をどういうふうにするかということを厚生省の方とも十分打ち合わせをしたわけでございます。
現在、公衆浴場法というものが現にあるわけでございますから、そうして、その中でごく一部ではございますが、風紀的な面の関係もやっておられるわけでございます。それはやはり公衆浴場法にお任せするところであろう。我々はそこでできない部分につきまして、風営法の範疇で従来から取り上げられておる問題、そういう問題を主体に整備をしていこう、かように厚生省と話し合いをしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/49
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050・刈田貞子
○刈田貞子君 その辺ぜひお話し合いを重ねていただきたいと思います。
次に外務省お見えになっておりますか。
私は、国連婦人の十年を来年に控えて、婦人に関するあらゆる差別撤廃条約の批准、これに向けて今国内は動いておるわけでございますが、既に署名済みのこの差別撤廃条約についてお伺いをいたします。
差別撤廃条約の二条及び六条、この問題についてお伺いをしたいのですけれども、今種々お話を伺っていらしてお感じになられていると思いますけれども、法はある、しかし日本の国にはどうしても抑えることのできない売春のような行為が潜在的にある、こういう問題を考えていく中で、まず先に六条の方から伺いますが、六条は「締約国は、あらゆる形態の婦人の売買及び婦人の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置をとる。」、この六条でございますけれども、これと今の現状、これどうお考えになられますか。
〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/50
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051・高木南海雄
○説明員(高木南海雄君) 条約は「あらゆる形態の婦人の売買及び婦人の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置をとる。」ということを規定しておりますが、我が国においては売春防止法というのがございまして、それは売春それ自体を処罰するものではありませんけれども、売春の周旋、売春を行う場所の提供等、その周辺の行為を処罰することが売春自体の防止に有効であるとの観点に立って制定されているものと外務省としては承知をしておりまして、条約の要請する法的枠組みとしては十分ではないか、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/51
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052・刈田貞子
○刈田貞子君 それは大変なお答えをちょうだいしたことになります。
私ども婦人の議員の中で話し合いをいたしましたのは、いわゆる国内法の改正云々というようなことは全く関係がないのだけれども、現実に即したときに一番問題になるのはこの六条の条項ではないかというふうに私たちは大変危惧し、そして実は恥ずかしく、世界に対して恥ずかしい思いを持っているのはこの六条なわけなんです。売春防止法があって、そしてその周辺は規制されておるのだから、枠組みとしては、形としてはこれで通るのだというふうに今おっしゃるわけでございますけれども、私どもは非常にそういうお答えは残念でございますね。これは婦人の立場だからそういう話が私から出てくるのであろうというふうにお思いになっておられるかもしれませんけれども、非常に残念なものでございます。
現に、性産業という言葉が日本にある。そして、先ほどから聞いておられるように、この性産業なるものがどんどんふえていっているという、こういう実情の中で、来年批准に向けて動いてよろしいものでしょうか。もう一度伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/52
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053・高木南海雄
○説明員(高木南海雄君) 今お答えを申し上げましたのは、法的枠組みとしては十分であって、それの運用と申しますか、その法的枠組みを使って売春自体を防止する、そういうような二つの私は側面があると思いますけれども、私が最初に申し上げましたのは、法的枠組みとしては十分であるけれども、それを十分に活用できたのかできなかったのか、そこら辺については主管官庁として十分にいろいろな配慮を持ってやられているものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/53
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054・刈田貞子
○刈田貞子君 それはいろんな配慮を持ってやられているのは、先ほどから伺っているのでございますけれども、現実があるということをやはり私たちは大変に残念に思っている。
〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕
外国の方が日本に来るガイドブックの中にトルコぶろが堂々と載っていて、日本とはこういうところであって、こういうふうに行けば性が買えるというようなガイドブックスができていることを考えるとき、私はこの現状でこの六条をのんでいいのかどうかという問題が非常に気になります。
大臣お伺いいたします。大変恐縮でございますけれども、警察の方ではこれどういうふうにお考えになるか。そして、大臣も婦人問題企画推進本部の構成員のお一人であるわけでございますから、来年この批准に向けて大きな役を果たしていただくわけです。いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/54
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055・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 売春が公然と行われているこういうような状態は、立証できればどんどん取り締まっているのが現状でございますけれども、今刈田さんがおっしゃったような、何といいますか、売春が隠れて行われているということは大変恥ずかしいことでございまして、こうした条約がやがて批准になる、こういうようなときを迎えて、なお一層こうした売春に対する取り締まりは厳重にやっていかなければならない、このように思っております。
今度の風営法の改正は、もちろん売春もありますけれども、少年を有害環境から守っていこうということも大きな目的であるわけでございまして、先ほど保安部長からも説明がありましたように、年少者の立ち入りを禁止するとか届け出制を拡大するとか、こういうことで実情を把握して、そして悪質な売春営業者、そういうものがわかれば、これは断固として廃業処分にするとか、非常に厳しい処分をするように今回なったわけでございます。そういう意味で、私どもは心を新たにしてやっていかなければならないわけでございます。
ただ、先ほど来説明がありましたように、なかなか売春を、何が売春だという売春取り締まりの立証というのが非常にこれは難しい。それから、トルコふろはトルコぶろの営業として営業の自由ということももちろんございますから、そういう面でなかなか困難な事情がありますけれども、私どもとしては、こうした恥ずかしい問題を少しでも少なくしていくために、厳重な取り締まりを今後も続けていかなければならない、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/55
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056・刈田貞子
○刈田貞子君 外務省にもう一度お伺いいたしますけれども、二条関係の方ですけれども、ここでいわゆる性差別の問題ですけれども、先ほどからのお話の中に、男女ともに等価値を得ているとか、あるいはまた共存であるとかいうような言葉が出てくるわけですよ。そうしますと、この二条、私は二条にも現状は抵触するというふうに思っておったわけでございますけれども、等価値を得ているとか、あるいは男女ともに、買う方、買われる方ともに共存しているような、そういう見解が出てくると、二条は問題じゃなくなるのかというふうな考え方も成り立つわけです。これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/56
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057・高木南海雄
○説明員(高木南海雄君) 今の質問の御趣旨がよく把握できなかったんですけれども、二条(b)項におきましては、「婦人に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置をとること。」ということが実は規定してありまして、差別が存在する場合にはそれを禁止する適当な立法またはその他の措置、必ずしも立法でなくてもそういうような差別がなくなるような措置をとることというようなことを規定してありまして、先生のおっしゃったその等価値とか共存というような、そこら辺ちょっと、どういうことでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/57
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058・刈田貞子
○刈田貞子君 それでは売春防止法の中に不平等な取り扱いがあるというのは御存じでしょう。十七条一項の方です。補導処分、こういう問題は、私も時間がないので大変汚い言葉で申し上げますけれども、要するに買った方には問題がなくて、そして売った方にだけ補導処分がある、こういうことが売春防止法の十七条にあるわけです。これが差別のその一。それからもう一つは、私がここで申し上げたいのは、人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約、これが一九四九年国連で採択されておりますね。この条約に対して日本も一九五八年に批准をしている。この条約、今ちょっと持っていないからわかりませんけれども、条約の一条の二項あるいは二条の一項、こういうものに私は現状が抵触をすると思う。したがって、先ほどの話に戻りますと、この六条はどうしてものめないという、それから、さきの売防法十七条の一項と二項で、この差別撤廃条約の二条は私はのめない、こういうふうに思うのですけれども、これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/58
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059・高木南海雄
○説明員(高木南海雄君) 先ほど御指摘のありました補導処分について、女子のみを対象としているということにつきましては、補導処分は売春に陥りがちな女子が自力更生の力に乏しい現状を踏まえて、生活指導、職業指導を施して社会復帰を促進させるものでありまして、男子にはその必要性が乏しくて、処遇内容も全く異なるというような点を考慮して、女子のみを対象としたものであって、条約上は問題はないと思います。
それと、売春について売った方のみを取り締まるというようなことにつきましては、これは性別を差別してやっているわけではありませんで、男子が売る側に立った場合にも女子と同じように取り締まるということですから、条約上の観点からすれば問題はないと、そういうふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/59
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060・刈田貞子
○刈田貞子君 私、時間が来ましたので、大変恐縮なんですけれども、こういう問題になりますと、私も熱が入りまして、もっと真剣にやりたくなるのでございますけれども、やめておきます。そのかわり、また機会を得てやらせていただきたいと思います。
それで、最後に私、これは外務省さんじゃなくて、そちらにちょっと伺いたいのですけれども、これは私の感想と申しましょうか、女性の立場から言う言い分と申しましょうか、言いたい。
例えば売春を行った女性が、一歩下がって、自分も同じ利益を得たと考えたとしても、やっぱり女性の立場からいえば、売春行為を利用されて高い利益を得ている人がいることには間違いないわけです。だから、雄琴があんなに太り、そして吉原が発達していくわけです。これは私は搾取に当たると思います。そのほかにストリップ劇場とか、のぞき劇場とか大変新しい形態のものがさらにさらに出てきて、そして先ほどおっしゃられたように、これは今回の対象から外された部分のものですね。あれが私は大変不満なんです。商品化された女性の性というものが商業ベースに乗っていることには間違いないわけです。
私は、風営法というのがそういう女性の基本的な人権にかかわっていることに何にも触れられていないことを女性の立場から大変不満を持ちます。法の性格が違うからとおっしゃられるに違いない。違いないけれども、私はその辺のところに非常に矛盾を感じます。だから一番最初の風営法の目的であるところの「善良の風俗と清浄な風俗環境」、こういうことが目的になっていくわけです。その中には女性の基本的人権というような問題、このことは一つもうたわれていない。これはいわゆるピンク本の論議をした場所においても、あるいはまた、わいせつ罪等の条文の中にもこういうふうに女性の立場から見た基本的な人権、女性の人権というようなもの、こういう立場に立って論議されていることがないわけです。
もちろん青少年の健全育成ということは私ども大賛成でございますけれども、そのもう一つ手前に、女性といえども人間です。その持っている性が商品化されているということに対してどこでも論議されていないという問題に私どもは非常に矛盾を感じ、怒りを覚えております。そして、風営法がそういう問題を扱わない法であることもわかっているのだけれども、その中に一語一行も入っていないことを私は大変憂えるものでございます。この辺のところの御所見を伺って質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/60
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061・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) おっしゃるとおり、本来、例えば売春の問題にすれば共存的な形になるといっても、悪い者はやっぱり経営者であり管理者であると私どもは考えておるわけです。したがいまして、そういうものを厳しく規制していくという思想を十分織り込んでこの法案の作成に当たってきたというつもりでございます。
それから、またもう一つ私どもが大変大きなねらいにしておりますのは、大人が子供を食い物にするという問題でございます。この中で特に少女が食い物にされておるということが大変多いわけでございます。この点をやっぱり何とかしなければいけないということがこの法律のまたもう一つのねらいでもあるわけでございまして、そういうことから女性の立場というものを十分踏まえて私どもは作成したつもりでございますし、今後もそういう立場でこの法の運用に当たってまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/61
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062・原田立
○原田立君 風俗営業法は昭和二十二年に制定され、以来数回にわたり改正が行われてきたのでありますが、今回改正に当たり、今まで従来八条であったのが五十一条になる。この前句か鈴本部長は、十八条から五十一条になったなんというように言っていましたけれども、法文では八条です。内容別にも風俗営業、風俗関連営業ともかなりの新規対象を加えたものになっておりますが、改正に伴う提案理由の説明にもありますが、あからさまに性を売り物にしたセックス産業の乱れあるいは賭博行為的なものが少年非行の増大の大きな要因になっている点は同感ですが、だからといってこのような大幅な改正を行うことで実効が上がるか。
各方面からは、警察権限の拡大であるとか国民の自由と権利を脅かしかねないとか、少年法改正の先取りなどとの批判もあるわけでありますが、目的では善良の風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止、こういうふうになっているわけですけれども、今も刈田委員から質問がありましたが、現行法の刑法、売春防止法、児童福祉法等々で十分対応できるのではないか。何ゆえに多くの批判を抑えて改正をする必要があるのか。必要だというような意味のお話がるるあったけれども、なおもう一遍お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/62
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063・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) これまでも触れたと思いますけれども、最近少年非行が非常に激増してまいりましで、五十五年以来、四年連続して記録を出しているような状態でございます。そういうような傾向を見まして、これはもうあらゆる角度から、あらゆる方面から非行に対する対策を打ち立てていかなければならない。
原田さんおっしゃったように、取締規制だけで解決できる問題じゃない。家庭の教育も大事であり、学校教育も大事でございますし、地域の社会教育も重要なことであり、かつまた我々大人が模範を示していくようなことをしていかなければならない。子供は大人のまねをしますから、そういう意味で大人社会がもう一度子供の問題を考えていかなきゃならぬ。そういうもろもろのことが今問題になっている。その一環として善良な風俗環境、これを保持していく、そういうような立場にある私ども警察もその一翼を担ってやらなければいかぬ。
ほかの面で一生懸命やろうとしても、子供が悪い環境の中に平気で入っていける、こういう状態をそのまま放置していっていいかどうか。子供が打っちゃいかぬようなところも行けるような状態に自由になっている。そういうところはやはり立ち入りをさせないようにしていく必要があるのじゃないか。また、子供の目に堂々と触れてよくないこういうようなものがあからさまに、学校の近所にもポスターや裸の写真、男女の抱き合った写真が堂々と飾られている、こういうような状態が今日まで続けられてきたわけでございまして、ただそれだけで私どもがこうした風営法の改正に踏み切ったわけでもございませんで、付近の住民の方々あるいは地方自治体の方々、あるいはお父さんお母さん方から、このままで一体いいのかどうかというような声が随分最近起こってまいりました。
そういう面で、警察としては警察の立場からやるべきことはやらなければならない、こういうことでこの法案の改正案を出すような次第になったわけでございますが、これだけですべて目的を達するということではなく、一翼を担ってやるべきことをやっていきたい、こういうことでございますので、ひとつ御理解をいただきたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/63
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064・原田立
○原田立君 過日の本会議で、私は国家公安委員長に御質問をしたのでありますけれども、総理府令、国家公安委員会規則等々に七十七項目にわたって委任事項がある、一部白紙委任ではないかという議論があるわけですよ。それで、そういうような非難をなくすためにも、国民の権利義務に直接かかわるものだから、政令等の制定及び運用に当たっては、いわゆる学識経験者、地方団体及び関係者などから成る審議会を設置して、そして法の適正な運用を図ることにすべきだと、実はこういう質問をしたわけだけれども、田川国家公安委員長は余りそれに賛同なさらなかった。だけれども、いろいろ各省庁に審議会をつくってそこの答申を得て、そして実現化していくというのが大体のルールになっています。今度はこの法案には七十七項目もあるわけですよ。これは当然、ただ警察だけで、国家公安委員会があるからいいじゃないかということで済ますのじゃなくて、やっぱり第三者機関等も入れて行き過ぎのないように、また行きつかないことのないようにきちっとしていくべきではないんですか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/64
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065・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 立案に当たりましては、私も原田さんと大体考え方は大して変わらないように思うのですが、各界のあるいは学識経験者、関係省庁、こういうような方々と十分話し合いをしていくべきであると、こういうことを警察当局にも指示したことを覚えておりますけれども、立案の段階におきましては学識経験者と言われるような方々とも相談をいたし、意見交換もいたしましたし、各省庁とも実質的に、原田さんが御指摘になりましたように、話し合いを何回も重ねてこの立案に当たったと、このように私は見ているのでございまして、ただ警察だけで一方的に立案をして国会にお願いをしたと、こういうことではないと思っているわけでございまして、相当立案に当たっては各方面の御意見を聴取しつつやったと、このように見ているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/65
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066・原田立
○原田立君 そうすると、私がお伺いした審議会というような性格のものはつくる必要はないと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/66
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067・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) ちょっと質問の趣旨がよくわからないのですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/67
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068・原田立
○原田立君 私の本会議での質問は、七十七項目からなる委任事項があるから、審議会をつくってそこで検討したらいいでしょうという話をしたわけです。今のお話は、懇談会か何かつくってあるから、そこの意見も聞いているからその点は心配ありませんというだけで、審議会設置についての話は一言も触れていないわけなんです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/68
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069・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 今後の運用に当たりましては、先生御指摘のような研究会と申しますか、懇談会というようなものを設けまして、各方面の御意見を十分承りまして慎重に運用してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/69
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070・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) ちょっと私は誤解をしておりまして、立案の段階に話し合いをしなかったのじゃないかというようにとれましたので、先ほど申したような答弁をしたわけでございます。
これからのことにつきましては、今保安部長が申したとおり、慎重にやっていかなければならない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/70
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071・原田立
○原田立君 慎重にしてもらわなければいけないのですよ。それははっきりしているのですよ。
ところで、三月五日ですか、風俗問題懇談会というのが警察庁で開かれておりますね。具体的に言うと、こういう方々によって内容を詰めていく、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/71
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072・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) ああいう懇談会の方々を主体にいたしまして、さらに、今度技術的な専門的な問題もかなりあると思いますので、そういう意味で専門的な御意見もお伺いをし、また業者の方々の御意見もそういうものに反映さしていくというふうな形で運用してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/72
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073・原田立
○原田立君 衆議院で修正になった十八条、それから二十二条四項、それから三十二条三項、この深夜に、要するに午後十時まで少年、未成年の者が入れるという条項を修正しました。そしてここに括弧書きの中に、「(同号の規定に基づく都道府の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者につき、午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時以後の時間において立ち入ってはならない旨)」を、これは国家公安委員長ですか、各地方団体に提示するわけですね。
そこで聞きたいのは、「十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者」というのは、例えば小学生か中学生か高校生か、そこら辺のところはどうなのか。それから、「午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時以後の時間において立ち入ってはならない」、例えば夕方であるとか明るいうちであるとかないとか、こうなってくるわけですけれども、ここら辺は田川自治大臣の方で出されるのだろうと思うから、自治大臣としてここのところはいかが取り扱いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/73
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074・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 衆議院におきまして御修正をいただいたわけでございますが、そのときにいろいろ出ておりました御意見を踏まえて、私どもはやっていかなきゃならぬと思います。
もちろん参議院におきます御審議を十分参酌しながら、これをどういうふうに運用すべきかということも、いろいろそういう面の御意見等をちょうだいしながら決めていく内容ではないか、こういうふうに思っておりますけれども、衆議院におきます御意見では、例えば小中学生のような子供たちはもっと早い時間帯に引き上げるべきではなかろうか、ゲームセンターには立ち入らないようにすべきではなかろうか、こういう御趣旨で入ったものというふうに理解をいたしておるわけでございます。その入る時間帯につきましては、衆議院で出ておりました御意見では、例えば、県によりましては、夕方になりますと「夕焼け小焼け」のような音楽を流して、子供たちはその時間帯が来れば帰るというようなことをやっている県もある。
そういうようなことから、何時というお話は必ずしも出ておりませんでしたけれども、例えば日没というようなものが一つの目安になって、そういうものを頭に置きながら時間――これも小学生と中学生で違うのかもしれませんし、そういうことは国会での御論議をちょうだいし、また、これをつくる場合について、いろいろ御意見等も各界からちょうだいいたしまして、そしてどこら辺の年齢がいいのか、何時ごろがいいのか、それも段階を設けてやるのかというようなことを検討してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/74
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075・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 政府案で十時というふうに規定をいたしましたのは、夜学に行っている子供のことも考えていかなきゃならぬ、こういうようなことで十時というふうにしたわけでございますけれども、衆議院の審議の段階で、青少年を十時まで許すような結果になったのじゃおかしいじゃないかというようなことでいろいろ御論議があって、今保安部長が説明したようなことになったわけでございまして、この時間の問題は各府県の条例でこれができるようになった、こういうふうなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/75
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076・原田立
○原田立君 各県でやるということはわかっているのですよ、書いてあるのですから。だから、各県でやりますだなんというのは答弁にならないのですよ。自治大臣としてはこの点についてどういうふうに取り扱っていくのですか、指示していくのですかと聞いているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/76
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077・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これはいろいろ国家公安委員会で御検討をいただくことになろうと思います。それは規則で出すようになるかあるいは通達等でもって出すようになるか、この点はその物の考え方をきちっと第一線の方には示してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/77
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078・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午後零時四分休憩
―――――・―――――
午後一時五十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/78
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079・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
たばこ事業法案、日本たばこ産業株式会社法案、塩専売法案、たばこ事業法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及びたばこ消費税法案について大蔵委員会に対し、健康保険法等の一部を改正する法律案について社会労働委員会に対し、日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について逓信委員会に対し、それぞれ連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/79
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080・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/80
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081・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/81
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082・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/82
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083・原田立
○原田立君 午前中にも質問したのでありますけれども、年少者の立入禁止の第十八条ですね。先ほど「同母の規定に基づく都道府県の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者」というそれは一体どういうふうなことで決めるのか。それから、「午後十時前の時を定めたときは、」というのは一体どういうふうな時間を定めるのか。「その者についてはその時以後の時間において立ち入ってはならない」、これは各都道府県の条例でと言うのですけれども、先ほど自治大臣としてどうかと聞いたらば、これは各都道府県でやるのだから、自治大臣としてはなかなか言いにくいというふうな話があったのだけれども、では国家公安委員長としてこの問題の取り扱いをどうするのか。
すなわち、各都道府県条例は一律にするのか、それともばらばらになるのか、あるいは年齢は十八歳以下の段階的にするのか、あるいは一切をばさっと十八歳以下はだめだと、こういうふうにするのか。そこら辺をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/83
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084・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これは衆議院におきまして修正で加わったものでございまして、御趣旨は先ほど申し上げたようなことというふうに理解をしたわけでございます。これの具体的な年齢の定め方あるいは時間の定め方と申しますのは、衆議院での修正の御趣旨、また参議院での御審議の関係を踏まえまして一線に連絡をすることになろうと思いますけれども、こういう問題はもともと条例で決めるわけでございますから、一律にこういうふうにすべきであるということを私の方から都道府県の方に連絡するのは適当でないというふうに考えます。
したがいまして、年齢につきましてもあるいは時間につきましてもいろいろのパターンができてくるのではなかろうかというふうに感じます。恐らくいろいろ国家公安委員会での御指示等のある場合でも、そういうふうな地域の実情というものを加味して、そうして国会での御審議等を踏まえて、そうして地域の実情に合わせてやっていくというふうな形で一線の方に連絡をすることになるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/84
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085・原田立
○原田立君 第二条三項の「接待」の問題でありますけれども、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」、こういうふうな条文でありますが、当委員会においても種々議論のあった条項でございますが、再度お伺いするのですが、ここまでは接待で、この場合は接待にならないというふうな明確な線引きというのはできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/85
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086・古山剛
○説明員(古山剛君) 接待と申しますのは、一口で言いますと、店の従業員あるいは接客婦等、原則として異性との間での雰囲気を楽しむために、異性との会話あるいは異性から受けるサービスを期待して来るお客さんに対しまして、その気持ちに応じて相手を特定したサービスを行うことであるというふうに理解をいたしておるわけでございまして、接待の定義につきましては、二条の第三項で「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」としておりますけれども、これは従来の接待についての解釈を変更するものではないわけでございます。
接待に含まれるものといたしましては、例えば客とともに歌や踊りに興ずる行為、客の傍らにあって引き続き酒類の酌をし、または談笑の相手となる行為や積極的に客が歌うことの取り持ちをしたり褒めそやす行為など、その場の雰囲気を盛り上げる行為が当たるというふうに考えているわけでございます。
それからまた、逆に接待に当たらないものといたしましては、ウエートレスなどが客の注文した酒食を客席に運搬する行為、これは単なる給仕行為であるわけでございます。また、運搬するに際しまして、客席にはべることなくコップに酒類等をつぐ行為も、コップに入った酒類等を運搬する行為と同じく給仕行為に含まれるというふうに考えているわけでございます。このときに社会儀礼的なあいさつを交わす程度では接待に当たらないというふうに考えているわけでございます。また、客を特定しないでショーなどを見せる行為も接待に当たらないというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/86
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087・原田立
○原田立君 対象となる業種、営業所はどんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/87
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088・古山剛
○説明員(古山剛君) 接待行為を行うことがメルクマールになりまして認められております営業といたしましては、キャバレーなど一号営業。キャバレーの場合にはそのほかにダンスなどもございます。それから二号営業のカフェーとか料理店、そういったものが接待をすることが認められている許可営業でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/88
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089・原田立
○原田立君 スナックはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/89
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090・古山剛
○説明員(古山剛君) スナックというのはいろいろあろうかと思うわけでございますけれども、一般的には酒類を中心に提供する店というふうに考えております。そういう飲食店であるというふうに考えているわけでございまして、そういう飲食店、食品衛生法の許可を得て飲食店を営まれるところにありましては接待というものは認められないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/90
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091・原田立
○原田立君 そうなると、現在全国でスナックは何か二十五万ぐらいあるというようなことを聞いていますけれども、それは掌握していますか。それが一つ。
それから、この法が決まった場合には一体どのくらい届け出をしなければならない対象の数になるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/91
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092・古山剛
○説明員(古山剛君) 深夜飲食店にはいろいろございますけれども、酒を中心に出される唐といたしましては、バーなどが三万余り、それから酒場等が五万余り、それからスナック、サパークラブの類に入りますのが十二万四千程度、それからコンパというふうに言われておりますようなのが二千余りございまして、合わせまして二十万をちょっと超えるというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/92
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093・原田立
○原田立君 それで数はわかりました。じゃ、この全部が今度は届け出の対象になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/93
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094・古山剛
○説明員(古山剛君) これらの店が今後とも引き続き午前零時以降、酒類を中心にして提供する営業を営まれるとするならば、こういったところが届け出を出していただくということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/94
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095・原田立
○原田立君 従来は、これはどうだったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/95
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096・古山剛
○説明員(古山剛君) 従来は各県の条例におきまして、主として酒を提供する店というものについては営業ができないということに一応なっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/96
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097・原田立
○原田立君 第三条第二項に「公安委員会は、」とあって、ずっとその次の行に「必要があると認めるときは、その必要の限度において、前項の許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。」と、こういうふうな表現なんですけれども、読んでいてさっぱりわからないのですけれども、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/97
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098・古山剛
○説明員(古山剛君) 「必要があると認めるときは、その必要の限度において、」というふうに書いてあるわけでございますけれども、それを具体的に御説明申し上げますと、改正風営法案におきましては、善良の風俗と清浄な風俗環境の保持、それから少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するというこの法律の目的を達成するために必要な最小限度の条件を付することとしているわけでございまして、条件といたしましては、例えば旅館に対しまして二条一項第二号の料理店の許可を与える場合に、その接待は宴会場で行って客室では接待をしないこととか、それから宴会場と客室とは明確に区分された構造とするというような内容のものなどが考えられるわけでございます。
それからまた、条件の付加、変更でございますけれども、許可後に客観的条件に変化があった場合に、法の目的を達成するために必要最小限度の措置として規定しているものでございまして、例えば八号の今度新たに許可対象になりますゲームセンターについてちょっと例を引いて申し上げますと、ゲームセンターなどの許可をした後に当該ゲームセンターの近くに学校ができたという場合に、窓ガラスをすりガラスにするなどによりまして、外部から営業所の内部を見通すことができないようにするというような内容の条件を新たに加えるといったことが考えられるわけでございまして、もちろん条件を付したり変更あるいは付加する場合にありましては、営業の遂行に重大な支障を及ぼしたり、あるいは膨大な費用を要すというような、そういう条件を付するというようなことはもとより考えてはいないわけでございまして、必要最小限度でなければならないというふうに考えているわけでございます。
なお、条件の変更といいますのは、周囲の状況が変わったということでその程度が緩和されるというようなことも当然あるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/98
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099・原田立
○原田立君 第三条二項の「善良の風俗」あるいは「清浄な風俗環境」、「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為」、こういうようなことが明文化されておりますが、聞いていてわからないことはないのですけれども、判断基準がはっきり明示されていない。その上に、許可の条件をつけたり変更すると言っているのでありますけれども、そうなるとやっぱり判断基準がもっとしっかりしていないとならないのじゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/99
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100・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 「善良の風俗」あるいは「清浄な風俗環境」あるいは「少年の健全な育成に与える影響」、あるいはそういうものに「障害を及ぼす行為を防止する」というような言葉は、これは私どもは明確であるというふうに考えておるわけでございます。既に現在もそういう形で使っておるものが多いわけでございますが、まず善良の風俗と申しますものでございますけれども、広く言いますと、いろいろな人情なり流行に関する生活関係、あるいは世に古くから行われている生活上のさまざまのならわしというようなものが一つの風俗である。それを善良に維持するのだと、こういうような解釈が広く言えばあるわけでございますが、この風営法はあくまでもこういうふうな風俗という観点からいくわけでございまして、したがいましてこの法律の規制する目的は、いわゆる飲む打つ買うという言葉に代表されますような人間の欲望についての生活関係を律する法律である。
そこで、そういうものに照らし合わせますと、善良の風俗というのは、そういう生活関係が国民の健全な道義的な観念によって支えられている状態、これが善良の風俗であるというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、善良の風俗を害するということになりますと、具体的には売春であるとか、わいせつであるとか賭博であるとか、こういうふうに、またはこういう行為に通常結びつきやすい蓋然性の高い行為、こういうものが善良の風俗を害するという言葉に引用をされるものであると、こういうふうに考えておるわけでございます。
同じように、清浄な風俗環境と申しますのも、そういうふうな善良の風俗の保持を妨げるおそれのないような状態で維持されているそういう一つの風俗環境。言いかえてみますと、風俗の観点からいたします地域社会の状況、そういうものが風俗環境というふうなものであると思います。したがいまして、そういうふうな清浄な風俗環境を害する行為というのはどういうものかと、こういうことになりますと、客引きとか卑わいな看板であるとか、あるいは騒音であるとかというような、そういうようなものが該当してくるということになるわけでございます。
それから、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為というのも、やはり少年の心身に有害な影響を与え、その健全な育成に障害を及ぼす行為を防止すること、これが障害を及ぼす行為を防止することということであると考えられます。
したがいまして、具体的に子供にとって非常に有害な違反、例えば児童福祉法違反であるとか職安法違反であるとか、あるいは子供に非常に害を与えるもの、覚せい剤の関係であるとかそういうようなもの、そういうものがやはり害する行為ということになってくるわけでございまして、そういう意味で、先ほど申しました私どもがこういう言葉を解する場合には、そういうものになるかならないかということを十分限定的に判断をしながら、そうして先ほど言いましたように、必要の限度において許可の条件を付し変更する。もちろんこれは営業者にとって過大の負担にならないように、先ほど言いました趣旨を踏まえて運用をしてまいりたい、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/100
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101・原田立
○原田立君 第四条許可の基準の第二号に、「一年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ」、あと以下ずっと例示されておって、そして「その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者」、すなわち五年間はこの一年以上の懲役もしくは禁錮の刑に処せられた者等はこの仕事ができないと、こういうことになっているのですが、ほかの法律違反を見てみますと、大体三年になっているのですね。これは五年というのはいささか厳し過ぎるのじゃないかと、こう思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/101
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102・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 他の法律との兼ね合いでございますけれども、私どもは、この風俗営業というものは非常に適正に行われれば、それは国民に慰安と娯楽を与えるものであるというふうに認識をしておりますが、一たび不健全な形で行われますと、それは大変やはり国民にとって問題になるということであるというふうに考えておるわけでございます。
現に私どもが大変いろいろ心配をいたしておりますのは、風俗営業者の中に例えば覚せい剤の中毒者であるとかという者がまじっていく、あるいは御記憶にあったかと思いますけれども、新宿のキャッチバーみたいなところでもって不当に料金を請求する、そうして逮捕監禁するような格好にして、そこでお客さんが逃げられないような状況になって、窓からでございましたか飛びおりて、そういうことで亡くなったというようなケースもある。そういうような不法な形で行われる営業というものがあってはならない、かように考えてこういうふうな資格条件というものを考えてみたわけでございます。
いろいろ他の法律もございますけれども、私どもいろいろ見てみますと、例えば旅行業法であるとか宅地建物取引業法であるとか、そういうふうな、あるいは質屋営業法であるとか……、ちょっと旅行業法と宅建業法は間違いございませんが、五年になっておるわけでございまして、そういうことで、そういう営業とやはり風俗営業というのは匹敵するのではなかろうか、こう考えて五年にしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/102
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103・原田立
○原田立君 今は車時代ですね、カー時代。たまたま運転し損なって人をけがさせた。それで懲役一年とがあるいは禁錮一年以上とか、こういうふうになった者なんかはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/103
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104・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 一年以上の懲役、禁錮ということにいたしておるわけでございますけれども、交通事故で業務上過失致死傷になりまして有罪とされた者のうちに、一年以上の懲役または禁錮となるのは一%にも満たないと思います。大変悪質なものでないとそういうふうな一年以上の懲役または禁錮になるというような例はまずないわけで、ある意味では、故意に近いような、非常に重大な過失になる交通事故であろうというふうに推測できるわけでございまして、そういうふうな場合には、やはり他の法律と兼ね合い等も考えまして、一年以上の懲役または禁錮が適当ではないか、こう考えたわけでございます。
この点につきましては、いろいろ他の立法例もあるわけでございますが、他の法律の中では単に禁錮以上というふうになっておるものもかなりあるわけでございます。先ほど例に出しました旅行業法であるとか宅建業法であるとかというのは単に禁錮以上というふうになっておるわけでございますけれども、この点につきましては、いろいろ業界からの御要望等もありまして調整をいたしまして、私の方は、それじゃ一年以上の懲役、禁錮という形にしましょうということで調整して、そういうふうにしたものでございまして、他の立法例と比べて決して厳しいものではない、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/104
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105・原田立
○原田立君 同じ第四条の一項三号、四号なんですけれども、三号は「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で」云々と、こうなっております。それはもうこういう厳しいことで規制しなきゃいかぬだろうと僕は思う。それから「精神病者又はアルコール、麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者」、これなんかも厳しい態度が必要だろうと思うのですが、今現実に行っているものでこういう関係者はこれから調べられるのか、あるいは調べてあるのかあれですけれど、いますかいませんか。それからいた場合にはどうするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/105
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106・古山剛
○説明員(古山剛君) 現在の現行法のもとでは暴力団員とかあるいは麻薬、アヘン、覚せい剤中毒者といえども条例で定める一定の刑に処せられて欠格期間内にある者でなければ、人的許可基準に抵触するものとして排除の対象とすることはできないことになっているわけでございます。したがいまして、現実には現行条例の人的許可基準に該当しない暴力団とかあるいは覚せい剤中毒者などが風俗営業に携わって、いろいろ問題が生じやすいこの種営業の責任のある立場にあるということは極めて好ましくないわけでございます。しかしながら、そういうことも排除することができない、そういう状況にあるわけでございます。
こうした人たちにつきましての実態調査をいたしましたが、昨年の十月末現在、暴力団員の経営する営業所が約三百カ所ございます。それから、覚せい剤中毒者等につきましては、昨年中に覚せい刑事犯で検挙いたしました者、これは暴力団関係者を除きまして、検挙いたしました者の約一一%に当たる千四百人が風俗営業等の接客関係業者であるというふうに把握いたしているわけでございます。で、こういった人たちについては、これはやっぱり厳格にきちっと確認をしなければならないわけでございますけれども、そういうことでこういう人的許可基準に触れるということになれば、やはりこれは許可をしない、あるいは許可をして既に営んでいる方についてはやめていただくというようなことにいたしたいというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/106
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107・原田立
○原田立君 この風俗営業法の第七条で「相続」というところがありますね。それから第二十八条では「風俗関連営業の禁止区域」というのが定められておりますけれども、一般の旅館業の場合は相続は認めていない、それから公的施設から百メートル以内、それから十八歳未満でも自由に宿泊できる。これに対して風俗営業法の場合は第七条で相続権は認める、それから第二十八条では二百メートル以上離れたところ、第三十七条では十八歳未満の営業所の立ち入りは禁止である。こう対照的に見ますと、旅館業法と風営法とは相対的にちょっと矛盾をしているわけです。ここら辺は手直しするのですかしないのですか、あるいはどちらが基本になるのか。合いわゆる一般の旅館業あるいはホテル、どこでも変なことやっているんじゃないか、何で我々だけこういうふうな差別をするのかと、こういうふうな議論もあります。どこもかしこもみんなおかしなことやっているぞというようなこともあります。そうすると、今の私が三点挙げたこの差についてどういうふうな御見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/107
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108・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 相続の問題は風俗関連営業には適用がございません。これはいわゆる風俗営業だけに認めようとするものでございます。やはり本来健全化を図るべきもので、たまたま営業者が死亡したというような格別の事情がある場合に、いきなりそれが全く許可が白紙になるというのは酷ではないかというようなこともございまして相続を認めたものでございまして、風俗関連営業には認めてないわけでございます。
なお、お話の特定施設からの距離の制限であるとか、それから十八歳未満の立ち入り等で規制が異なるということがあるわけでございますけれども、これはそれぞれ法律の別の目的から必要な規制を加えておるわけでございますから、やはりこういうふうに両方の法律に関連をするという場合には両方の法律の要件を満たす必要があるということになるわけでございます。そういうようなことで、両方の規定を適用しなきゃならぬものはそれぞれの目的から規制を受けるということになろうかと思います。
ただ、一般の旅館とラブホテルというものにつきましては、その構造、設備の観点から両者を明確に区分しているということにいたしておりますので、一般旅館であるものがこの風営法の対象になるというふうなことはあり得ないと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/108
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109・原田立
○原田立君 それで、一般の旅館業のところでたまたまそういうようなわいせつ行為的なものがあったとわかれば、もちろん摘発されるだろうと思うのですね。そうすると、それらは旅館業法からいくと、公共施設から百メートル以上離れていなければいけないが、百メートル以内のところにあるわけだ。それから十八歳未満の人でも自由に宿泊することができる。こうなると、正規の旅館業をやっているのは結構なんですよ。だけども、変な目で見るのはおかしな話ですけれども、いろいろ風評があります。そうなると、この旅館業法の場合には、旅館業法第八条の二号に、風俗営業等取締法に規定する罪になった者はその資格を取り消されるという項目があるわけです。それで心配して、ぜひこれは確かめてくれという要望があった。それでお聞きするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/109
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110・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 旅館業法の八条の二号の「風俗営業等取締法に規定する罪」というのは、今度は題名が変わりますから、この風俗営業等取締法の題名は附則で変わりまして、これはそのまま現在もあるわけでございますが、この改正後も続いていくということになるわけでございます。現在もこういうふうなものに当たる場合には営業の許可は取り消しと、それから営業の停止でございますか、そういうふうなことになるという規定になっておりますけれども、そういうふうな許可取り消しあるいは営業の停止を命ずることができることになっておりますけれども、この形は現行法と同じように改正後も続いていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/110
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111・原田立
○原田立君 第十三条二項に、営業時間の制限で「前項の規定によるほか、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、風俗営業の営業時間を制限することができる。」と、非常に抽象的なんですね。いかなる場合に、どこの地域で、どのような風俗営業がこの条項の対象となるのか、具体的にお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/111
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112・古山剛
○説明員(古山剛君) 今回の改正案では、風俗営業につきまして、国民の生活様式が多様化したあるいは生活時間が変化したというような状況にかんがみまして、現行では終わる時間が原則として午後十一時までであったわけでございますけれども、その営業時間を午前零時まで延長したわけでございますが、都市部と農村部で生活の時間帯が異なるとか、いろいろと地域によって差があるわけでございます。したがいまして、その辺も考えまして、この十三条の二項では条例による上乗せ規制ができるということにして、政令でその基準を定めることによって一定の歯どめをかけることにしたということでございます。
それで、この政令でございますが、何を決めるかということでございますけれども、現在の営業時間の規制が大体午後十一時ということが原則になっておりますので、午後十一時から午前零時までの時間について条例で制限ができるというような、そういう基準を定めたいというふうに考えているわけでございまして、具体的には各都道府県の条例でその地域の生活時間帯等を考慮して決められるのではないかというふうに考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/112
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113・原田立
○原田立君 課長、もうちょっと大きい声で言ってください。
それで、第十六条に「営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で」とありますけれども、具体的にいかなるものか。これは広告及び宣伝の規制の問題です。周辺環境に応じて幾らでも自由に広告及び宣伝ができる場合も考えられるが、具体的には一体どういうことになるんですか、歓楽街での場合あるいは地方での場合と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/113
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114・古山剛
○説明員(古山剛君) 十六条の規定によります風俗営業の広告宣伝の規制につきましては、大体次のようなことを考えておるわけでございます。
清浄な風俗環境を害するおそれがあるか否かということは一般の通常人を基準とした客観的竹判断に基づき決まるものではないか。単に風俗営業の営業所名とかあるいは基本料金を表示する、そういうものでは害するおそれがあるとは当然言えないだろう。ヌード女性のポスターとかあるいは卑わいな形状の看板を掲示するなど、広告、宣伝の内容あるいは形というものが著しく卑わいである、社会常識に照らして著しく節度を欠くというような場合には、害するおそれがあるということになるというふうに思うわけでございます。
歓楽街と地方のパチンコ屋で異なるかというような問題につきましては、この改正法に言う広告、宣伝の規制は、善良の風俗あるいは清浄な風俗環境の保持の観点から行う必要最小限度のものであるというふうに考えておりまして、営業所の所在する場所によって変わらないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/114
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115・原田立
○原田立君 二十八条の六項では、風俗関連営業の禁止区域を決めているわけでありますが、十六条の方は「営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある」云々と、こういうふうになっているのですが、こっちの二十八条六項では「「営業所周辺における清浄な」とあるのは、「清浄な」と読み替えるもの」であると、こういうふうになっているのですけれども、「営業所周辺における」というのをとって、それで要するに「清浄な」と同じだと、こういうふうなのはちょっと何か意味があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/115
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116・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 風俗営業の方は「営業所周辺」というのがかかっておるわけでございます。風俗関連営業は御指摘のとおり「営業所周辺」という言葉がとれておるわけでございます。これは、風俗営業の方はいわゆる許可営業でございますから、やはり本来なら健全に行われれば国民に憩いと娯楽を与えるものだと、したがってそういうふうな広告、宣伝の影響というものも、それは一定限度に当然のことながら絞るべきであるというふうに考えておるわけでございます。
ただ、風俗関連営業になりますと、これは言うまでもなく専ら性を売り物とする営業でございまして、非常にいろいろな風俗環境に与える影響が大変著しいということでございます。現実にはそういうこともございまして、厳しい地域禁止規制をかけると同時に広告、宣伝規制についてもやはり厳しくいくべきではないか。現に例えば大変遠くの方に卑わいなポスター等をべたべた張っておるというような例が大変あるわけでございまして、そういうようなものをやはり規制していく必要があるだろうということで風俗営業よりもより厳しい規制を加えたいと、こういうことでその部分を読みかえておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/116
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117・原田立
○原田立君 そうすると、風俗関連営業は厳しくするために前の文章をとったと、こういうわけですか。そういうことならばそれで理解するわけでありますけれども、住宅街に本屋さんがあって、たまたまそこに性雑誌、要するにエロ本の自販機が置いてある、そういうのはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/117
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118・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 自販機の問題は、やはりこの法律の対象とするのはふさわしくないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
この法律は、物品の販売ということ自体をとらえて規制をしようというものではないわけでございまして、そういう問題は営業の自由の問題、その他表現の自由の問題、いろいろな兼ね合いがあるわけでございます。そうして、そういうものは現にほとんどの県で青少年保護育成条例等で自販機の方の規制というものが行われておるという実情もございます。それからまた、先ほど言いましたような表現や営業の自由というものとの兼ね合いにおいて、そういうものを担保していくための仕組みも必要であろうということで、青少年保護育成条例ではそういういろいろな仕組みも考えてやっておるわけでございまして、この自販機問題はそういうことでこの風営法で取り扱っていくにはふさわしくないと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/118
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119・原田立
○原田立君 第二十四条、「営業所の管理者」の項でありますけれども、第四項で、営業者または代理人は管理者の指導に従わなければならない、こういうふうなことになっているわけです。管理者といえども一使用人にすぎない。そうしますと、経営者が使用人の指導に従うと、こういうことになるわけですね。その管理者は公安委員会で訓練を受けてくる、指導を受けてくる、それでやるものだから、物を言うものだから非常に権限が強いというか、営業者または代理人は非常に弱い立場に立たされる。警察でぐっと後押ししているものだから、従業員に経営者は聞かざるを得ない、こういうことになるのですけれども、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/119
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120・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 御指摘の点でございますけれども、実は政府原案におきましては、ここにありますように、「風俗営業者又はその代理人等は、管理者が前項に規定する業務として行う助言を尊重し、又はその業務として行う指導に従わなければならない。」、こう書いておったわけでございます。
私どもは、あくまでも風俗営業者または代理人というふうな人たちには管理者は助言をするのである、それから従業者等に対しましてはこれは指導をするのだ、こういうふうに読み分けて書いておるのですと、こういうふうに御説明をしたわけでございますが、そういうことならもうちょっと明確に書いた方がいいではないかという御指摘がございまして、この部分は衆議院で修正を受けたわけでございまして、「風俗営業者又はその代理人は、管理者が前項に規定する業務として行う助言を尊重しなければならず、風俗営業者の使用人その他の従業者は、管理者がその業務として行う指導に従わなければならない。」というふうに衆議院で修正を受けたわけでございます。したがいまして、最初いろいろそういう面での御懸念があったということでございましたけれども、明確にこの表現が直されたという経過がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/120
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121・原田立
○原田立君 管理者として不適当であると、こう認めたときは経営者に対して管理者の解任を勧告することができるとしてありますが、条文は「勧告」でも、実際は解任を命ずるのと同じじゃないですか。これが一つです。
それから、解任された者はまた心を入れかえてしっかりまじめにやるというようなことになると、その救済は一体どうなるのか。人権問題にも発展するおそれがあると思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/121
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122・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) この点は衆議院で修正を受けたわけでございまして、「解任を命ずる」ということが「解任を勧告する」というふうに直ったのは先生御指摘のとおりでございます。今度勧告になったわけでございまして、営業者は管理者を解任しなくとも何ら処分を受けないこととなっておるわけでございまして、そういう意味で、警察といたしましても、解任勧告の運用に当たりましては営業者の自主性を最大限尊重した運用に努めてまいりたい、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/122
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123・原田立
○原田立君 部長はそう言われますけれども、現場で警察署の署長から、課長からぐっと押された場合に、はいそうですかと木で鼻をくくったみたいに、勧告だから解任しなくてもいいのですよなんて、そうは言えますまい、現場においては。相当な力がありますよ、この勧告ということは。ここら辺をもう少し修正する考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/123
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124・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これは、現場でもってこういうふうなことをやろうということは一切考えていないわけでございます。やはり公安委員会が慎重に判断した上で行うべきものというふうに考えておるわけでございまして、しかもこの「解任を勧告することができる。」というのは、やはりここにありますように、「管理者が第二項第二号に該当すると認めたとき、又はその者がその職務に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合」でございます。しかも、その情状が重いときに、管理者として不適当である、そういう判断があったときに初めて解任を勧告するわけでございまして、これは非常に慎重な手続を踏みながら、十分そういうことを考えながらやってまいりたいということでございまして、現場において恣意的な判断でそういうことをやろうという考え方は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/124
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125・原田立
○原田立君 それと同じようなことですけれども、第二十五条の「指示」、それから第二十六条の「営業の停止等」、それから第三十七条の「報告及び立入り」等々の規制について、今部長は恣意的なことでやらせないように厳重にするという御答弁だけれども、また蒸し返すようですけれども、この解釈は末端の警察官の恣意的解釈により自由に裁量を認めることになり、極めてあいまいと言わざるを得ない。だから、この取り扱いを明確にしない限りトラブルが多発することが十分に予測される。この条項について、それぞれ明確なる判断、解釈を明示してほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/125
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126・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) まず二十五条でございますけれども、これは現行法におきましても第四条で、取り消し処分、停止処分のほかに、その他の処分を行うことができるということとされておりまして、これを今回、指示処分として明定をしたというにすぎないものでございます。できる限り、悪質な違法行為であるとかあるいはこの法律の規定による指示に従わない場合を除きまして、この指示によって是正を図っていきたい。それがやはり風俗営業の業務の健全化、適正化を図るゆえんであるというふうに考えておるわけでございます。
指示の条件でございますが、これは実は非常に厳しくきちっと書いてあるわけでございまして、まず一つは、「風俗営業者又はその代理人等が、当該営業に関し、法令又はこの法律に基づく条例の規定に違反した」という条件がまず一つある。したがいまして、この営業に関しまして、風営法のほかに刑罰法令あるいは労働基準法あるいは児童福祉法等々の違反があった場合、そういうふうなものを言うことになるわけでございます。しかも、それだけではない。その先に指示の要件として挙げられますのは、そういうふうな違反があって、かつ善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害し、それから少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがある、やはりこれからもそういうおそれがある、現在そういうふうな害している違法状態が続いておるとか、あるいはその原因となった事由が将来にわたっても繰り返されるおそれがある場合に指示をしようというふうにしておるわけでございまして、この条件は明確であると私どもは考えておるわけでございます。
そうして、先ほども申しましたように、善良の風俗、清浄な風俗環境あるいは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為というのは、これは先ほども御説明申しましたように、限定的に解釈して運用すべきである、かように考えておるわけでございまして、この点は明確になっておるものというふうに考えておるわけでございます。
二十六条の営業の停止につきましても、やはり同じようなことが言えるわけでございまして、要件は、一つは先ほど言いましたように、法令またはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合で、今度はもう一つ絞りがかかりまして、「著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は風俗営業者がこの法律に基づく処分若しくは第三条第二項の規定に基づき付された条件に違反したとき」というような形で条件を二重に絞っておるわけです。
そういうような形で書いてあるものでございまして、これは明確である、こう考えておりますけれども、しかしながら、この点につきましては、一線の公安委員会で行うに際しまして、私どもはこういうもののそれぞれのやり方、基準、方法というものを十分適正に行われるように指導をしてまいりたい、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/126
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127・原田立
○原田立君 第三十三条の「バー、酒場その他客に酒類を提供して営む飲食店営業を深夜において営もうとする者」は、届出書を提出しなければならない。こういうふうにあるわけですけれども、都の風俗営業等取締法施行条例、ここには、第二十九条に「法第四条の二第一項に規定する営業で、酒場等主として酒類を客に提供するもの」は云々と、こういうふうになっているわけですけれども、この今回の改正法ではその「主として」というのが抜けているわけです。それで大変業者の人たちが心配して、どうして「主として」という意味のものが抜けたのだろうか。これはひとつまたばっと大きく網をかぶせられて、警察の権限のもとにかっちり押さえ込まれてしまうのじゃないかというような心配をいたしておるんです。
先ほどスナックやパブなんかについての数を聞いたら約二十万ぐらいということであるのですけれども、そこら辺と見合わせにして、「主として」というのをどうして抜いたのか。また、十二時までやろうとするものは厚生省の許可だけでいいわけでしょう。ところが、それを過ぎると今度は警察の許可が必要だと、こうなってくるわけですね。そこら辺、あわせて御返事いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/127
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128・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 実は深夜飲食店に対しますとらえ方が今回はちょと変わったわけでございまして、実は従来は、主として酒類を客に提供するというふうなものは午前零時以降は営業してはならないという形で規定をされておったものでございます。今回は、酒類を提供するものにつきましては午前零時までと言わないで、一応深夜もできるようにいたしましょうというような形で、この点を営業といたしましては緩和をした形になっておるわけでございます。そういうことで、実は「主として」というとらえ方でなくてとらえて、その酒類提供というものは一応原則としては深夜でもできるという形にしたということに基づきまして「主として」という文言がとれた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/128
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129・原田立
○原田立君 そうすると、先ほどの課長の答弁の中に、いわゆるスナックとかパブ、そういうようなものが約二十万、大体あらかたひっかかるだろうというふうな見解だったけれども、それは本当ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/129
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130・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 深夜という概念をちょっとここで明確にしておきますが、一応現在は午後十一時から深夜ということになっておりまして、そしてこういう「主として」というものが午前零時からということ、ちょっとややこしゅうございますけれども、そういう点ちょっと補足をいたしておきます。
そこで、先ほど課長が言いました店がどうなるかという問題は、これはなかなか現状を調べていきませんとわからないわけでございますけれども、先ほどのように、ああいう店は本来は十二時までしか営業ができなかったものが、今回は酒類提供店ということで、一応接待等が伴わなければそれは深夜飲食店として深夜もできる、こういうことになるというふうに考えておるわけでございます。そして、届け出がどうなるかというお尋ねかと、こういうふうに考えておりますけれども、従来そういうふうな主として酒類を提供している店、これは先ほど言いましたように、十二時までしかできないわけでございますけれども、今度は大体そういう店は深夜もできるようになって、届け出をしていただく対象になるものが多いのではないかと、こういうふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/130
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131・原田立
○原田立君 第三十七条の「報告及び立入り」について一項、二項と、こういうふうに修正案でされたわけでありますけれども、どうですか、三十七条の一項の方の「公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、風俗営業者等に対し、その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。」とありますね。旧法では「風俗営業の営業所に立ち入ることができる。」という言葉でしか入ってないのですけれども、前に他の委員の質問で、これは「営業所に立ち入ることができる。」というのは、「その業務に関し報告又は資料の提出を求めること」を含んでいるのだ、だから書いておかないと混乱するから書いたのだというふうな答弁があったと記憶しております。だけど、これは非常に過重な負担をかけるように私は思うのです。第一項は削除したらいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/131
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132・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 衆議院でこういう形でもって御修正をいただいたわけでございますけれども、これは要するに、こういう調査権を二つに分けまして、一つは報告、資料の徴収というふうなもの、一つはこの法律施行の目的のための立ち入りというものが二項に書かれたということでございます。そしてこれは、こういうふうに分けられたことによりまして、法律施行目的のための行政調査権の行使についてはできる限り報告、資料の徴収によることとして、そして立ち入りによる方法というのは最小限度に限っていくべきだという趣旨が明らかにされたというふうに私どもも理解をしておるわけでございます。この考え方はさらに附帯決議におきましてもそういうことが表明されておるわけでございまして、したがいまして私どもは、できる範囲で資料の徴収あるいは報告で済ませるものはそれで済ましていく、それがむしろ業者にとりましても負担を軽減するやり方ではないか、かように考えておるわけでございまして、この点につきましては、やはりこれを落とすということはできないと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/132
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133・原田立
○原田立君 何ができない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/133
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134・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 落とすことはできないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/134
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135・原田立
○原田立君 それでは、衆議院の地行で附帯決議がついておりますね。第十項に「都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。」とあって、そして、報告または資料の提出については必要最小限のものに限定する。それから、本法の指導に当たる旨を明示する特別の証明書を出す。それから、本法の運用に関係のない経理帳簿等を提出させ、または見ることのないようにする。それから、立ち入りの行使は個人の恣意的判断によることがあってはならず、その結果は必ず上司に報告してその判断を仰ぐべきものであることと、こういうような附帯決議がついておりますね。
それから、この二項に、警察職員は営業所に立ち入ることができる云々と、こうありますけれども、要するに、ぱっと行って混乱させるような、あるいは何かそこへ黙って行って違反を見つけたといって摘発するだけの問題じゃなくて、やっぱり警察は犯人を製造するところじゃないのですから、もっとよくしていくという立場があるわけですから、例えば前もって電話しておいて、事前にかけておいて、それから行くとかというような、そういうことが配慮されてしかるべきだと思います。先に申し上げた附帯決議の問題と、僕の今最後に申し上げた点とを御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/135
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136・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 立ち入りの運用に当たりましては、営業者の皆さんになるべく負担が少なくなるということが望ましいわけでございまして、私どもも十分配慮をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。なるべく営業者の皆さんに御負担にならないように運用をしてまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/136
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137・原田立
○原田立君 負担にならないように運用をしていきたいと、こういうことですが、これはこれでひとつ確認しておきます。
それから三十七条「立入検査等」の規定について衆議院において修正されたのでありますが、原案と修正案では権限の範囲に違いはあるのかという質問に対して、これは原案と余りそんなに変わりありませんというふうな答弁があったように聞いておるのです。ところで、私一日委員会を休みましたものですから、そのときの答弁じゃないかと思うのですが、もし権限が同じであるとの答弁であれば修正の意味をなさない、こう思うのです。修正の理由は一定の歯どめを加えることが目的であるのですから、その修正の意思が伝わっていないことになる、そういうおそれがありますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/137
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138・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 政府原案では、公安委員会は警察職員に風俗営業者等の事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、または質問させることができるとなっていたわけでございますけれども、このような規定の仕方では現行法の立ち入りに比べてその範囲が拡大するのではないかという疑念が衆議院でございました。
そこで、そういうふうな疑念を解消する目的で、現行法の立ち入りの規定に即して修正がなされたというものであるということでございます。その結果、いわゆる経理状態の把握の目的からする会計帳簿であるとかあるいは経理帳簿等の検査だとか、あるいは風営以外の例えば保健衛生上の見地からする調理場への検査だとか、そういうものが本法の立ち入りに含まれないということが明確になったというふうに考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/138
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139・原田立
○原田立君 三十七条一項に「公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において」、こういう表現がありますが、この「必要な限度」とは一体どういうことですか。
また、「その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。」と、こうなっておりますけれども、現行法では、簡単に「立ち入ることができる」と、これだけなんですね。再度御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/139
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140・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) この法律の「必要な限度において」というのは、あくまでもこの法律の目的以外のことをやってはならないということは当然でございますが、その手段も必要な限度にとどめるべきである、こういう考え方であるわけでございまして、したがいまして、先ほど申しましたように、関係のない経理関係の帳簿であるとかいうようなものを見るとか、あるいは衛生目的で調理場に立ち入るなどということは、この法律の施行に必要な限度を超えておるわけでございまして、そういうことは許されないということが明確になったというふうに考えられるわけでございます。
さらに、資料の提出、報告の問題につきましては、これは先ほども申しましたように、衆議院で修正をされまして、一項、二項というふうに分けられたわけでございまして、そこで附帯決議もいただいておるわけでございまして、それはやはりできる限り資料の提出、報告というもので賄えるものは賄っていく、そして立ち入りというものを慎重にやると、こういう形で修正をいただいたものと、かように理解をしているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/140
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141・原田立
○原田立君 「その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。」と、これは「報告及び立ち入り」のところであるのですから、警官が立ち入りしてこういうものを見ることができると、こう理解するのか、あるいはまた、ちょっとおまえさんところのこれ見たいからちょっと持ってきてくれと、こう言って昼間持っていって、それで見てもらうというようにするのか、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/141
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142・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 報告または資料の提出というのは、これは立ち入りをしてやるというようなことはあり得ないわけでございまして、当然別途こういう形でもって必要なものを出してほしいというふうな形で御連絡をして出していただくということになると思います。
もう一つの方は、立ち入りでございましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/142
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143・原田立
○原田立君 いや、それでいいです。
まだあと少年指導委員の問題も聞きたいのですが、都道府県風俗環境浄化協会等もありますが、時間の制約もありますもので、ずっと飛ばして、ゲーム機に関してお聞きしたいと思います。
改正案の第二条第一項では、スロットマシン、テレビゲーム機を新たに風俗営業に加えることにしておりますが、その点について御質問をしたい。
具体的指摘の前に、今回いわゆる八号営業として「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊戯設備」と、こういうのが入っているのですけれども、どうしてこれを入れたのか御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/143
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144・古山剛
○説明員(古山剛君) ゲームセンターなどにつきましては、現在は全く法的な規制が行われていないわけでございまして、新聞等で御承知と存じますけれども、遊技機を悪用した賭博事犯が非常に多数発生いたしておりまして、昭和五十八年中には千六百七十一件、八千四百八十二人が検挙されておりまして、全賭博事犯の五六%をゲーム関係で占めるという、そういう大変異常な状態になっておるわけでございます。それからまた、少年のたまり場になっているゲームセンターの数も大変比率が高いというようなことでございますし、それから暴力団員等が経営するなど、暴力団の関与している営業所もゲームセッターの全体の一〇%にも上っているというようなことがございます。また、営業活動に伴って騒音とか振動の苦情なども大変に多いというふうな、そういう状況にあるわけでございます。
本来、ゲームセンターといいますのは国民に健全な娯楽の機会を与える、そういう営業でございますけれども、いろいろと賭博とかそういう問題があるというような状況にかんがみまして、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持する、それから、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するために、ある程度の規制が必要ではないかというようなことを考えたわけでございますが、こういった営業につきましては健全化を図る必要が極めて高い、それと同時にまた、健全化を図ることによって、いわば国民に健全な娯楽の機会を与える営業として今後とも発展する、そういう余地もあるのではないかというようなことで風俗営業として許可対象にするということを考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/144
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145・原田立
○原田立君 警察庁は五十六年版まではその白書の中で、スロットマシン、ルーレット等はいわゆるギャンブルマシンとして明確に決めておりましたね。これが五十六年に外れたが、なぜ外れたのか。また今回入れたが、なぜ入れたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/145
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146・古山剛
○説明員(古山剛君) 私どもの出した資料の中でギャンブルマシンという用語を使っていたわけでございますけれども、これは遊技賭博に使用されておりましたスロットマシン等につきまして、マスコミ用にわかりやすくまとめたものにすぎないわけでございまして、厳密に賭博専用機であるというようなそういうことで分類したわけではございません。現金を投入して現金が出てくるというような、そういう本来の用途が賭博にあるというような機械は、これはもう当然許可対象のゲームセンターなどでも認めるわけにいかないわけでございますけれども、通常のスロットマシンあるいはルーレットなどはメダルを投入してゲームをさせるだけというのが本来の用法ではないかというふうに思うわけでございまして、許可の対象として、射幸心をそそるというようなことがないように規制して指導していくということで健全な営業に十分なり得るのではないかというふうに思いまして、許可対象に加えることにいたしたわけでございます。
さらに、ゲームの結果に応じて賞品を提供しているものではないわけでございまして、そういう意味でパチンコ屋とも違うわけでございますけれども、本来の用途として行われる限りにおいては健全化を図れる。しかしながら、現状は大変問題があるというようなことで、そういう賭博専用機のようなものは別といたしまして、本来の用途以外の用途としてそういう射幸心をそそるおそれのある遊技機については、これは許可対象として規制をする必要があるというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/146
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147・原田立
○原田立君 要するに、元ギャンブルマシンであったことは間違いないのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/147
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148・古山剛
○説明員(古山剛君) 私どもいろいろと遊技機の賭博事犯を取り締まりをやりまして、そうすると、そういった中にポーカー型のテレビゲーム機でございますとかスロットマシン等が割合多かったというようなことで、わかりやすくギャンブルマシンというふうに言ったわけでございますけれども、そういった中には現金を投入して現金が出てくるというような、賭博以外には使いようがないというのもございましたし、また、そうでなくて、普通にメダルを投入してゲームを楽しむことができるようなものでありますけれども、それを賭博に用いたというようなことで、賭博専用機でないようなものも両方含めて、実はわかりやすくその中ではギャンブルマシンという言葉を使っただけのことでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/148
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149・原田立
○原田立君 僕も三、四日前、新宿の歌舞伎町へ行ってやってみたんです。スロットマシン、十台ぐらい並んでいたんだけれども、八台ぐらいみんな封印していましたよ。二台ぐらいしか使えない。で、そのコイン買いまして、やってみたけれどもちっとも合いませんわ。結局むだ金使ってきたのだけれども、余りおもしろくもないですね。だけれども、あれが本当にお金が出るようにザクザク入ってくるとなると、立派に賭博機械になるのだなという、そういう感じを持ってきましたよ。そういうような機械がいわゆるゲームセンターの中に置いてあるのだから、ほかのもたくさんあるのだから、それ一つを取り上げてどうのこうのと言うわけにはいかないと言えばそれっ切りなんですけれども、そういう賭博的利用が濃厚なものがあるということ自身が問題じゃないかと思うのですね。
それからまた、風俗関連営業がここで届け出制というだけになった、午後十時までは未成年者も入れる、スロットマシンを使える、もちろんテレビゲーム機も使えるとちょっと怖いなというような感じがしたのです。ただ単に届け出だけでいいというような問題じゃないのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/149
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150・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) やはり先生お話しのように、もともと現金を入れて現金が出るような機械はこれは論外でございますけれども、そうでないゲーム機というのもやっぱり現金だとかあるいは商品と結びつくので大変問題になるわけでございます。それ自体で遊んでいる場合には、それはそれほど問題ではない、こういうふうに感ぜられるわけでございます。それが一たびそういうふうなものを使って営業者の姿勢が悪いと、今申しましたような機械、それは何もスロットマシンだけじゃございませんで、結果が定量的にあらわれるものあるいは勝負の勝敗の結果が決し得るものというようなものにつきましては、やはり同じように営業者の姿勢が悪いと賭博、射幸心をそそるおそれのある遊技に用いられる、賭博的な使われ方をするということになるわけでございます。
〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕
そういうことで、やはりこれはゲームの内容ではなくて、そういう用いられ方によりまして射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることのできるものを対象に考えていかなければならないだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。しかもそれは、そういういろいろ賭博の問題あるいは子供のたまり場等の問題もございますので、これは風俗営業の八号営業として許可対象としてまいりたい、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/150
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151・原田立
○原田立君 八号営業「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で」云々と、こうありますけれども、その他の遊技設備とはどういうようなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/151
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152・古山剛
○説明員(古山剛君) ゲーム機にはいろいろございまして、今お話しのテレビゲーム機、スロットマシンのほかにフリッパーとか、それからアーケードゲームとか、あるいはプライスマシンとか、いろいろゲーム機あるわけでございますけれども、そういった中で私どもとして考えておりますのは、やはり遊技の結果が出るとかあるいは勝敗が明らかになるというようなものを国家公安委員会規則で定めていきたいというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/152
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153・原田立
○原田立君 明らかに健全な遊技機が現実にあるとすれば、それは当然規制の対象外となると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/153
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154・古山剛
○説明員(古山剛君) 例えば定置式の乗り物の機械というふうに、勝敗の結果が出ないとかあるいは定量的に得点が点数になって出てこないというようなそういうものは、賭博に転用されるという危険性もございませんので、そういったものは対象に加えるつもりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/154
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155・原田立
○原田立君 この前見たのはスロットマシンも見ましたけれども、テレビゲーム機を見たときに、ボクシングとかゴルフとかサッカーなどスポーツに関するものが非常に多く、健全なものが多いように見受けたのでありますけれども、このようなテレビゲーム機まで営業の対象に加える必要があるのだろうかというふうなことを思って見てきました。料金は入れなければなりませんから、その機械を使って遊ぶのですから料金は入れるでしょう。だけれども、それでおもしろおかしく遊技をするのを八号営業の中に入れるというのはちょっと余りにもきついのじゃないだろうかなというふうな感じを実は持っている。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/155
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156・古山剛
○説明員(古山剛君) スポーツ物で反射神経を養うとか、そういったものにつきましてはある意味では健全であるかもわかりませんが、私どもはそういう健全、不健全という問題ではございませんで、要するに賭博に使われるおそれがあるかどうかということで考えているわけでございまして、たとえスポーツ物でございましてもやはり勝敗の結果が出るとか点数が出てくるというような、そういう賭博に使われる可能性のあるものについては入れる必要があるというふうに思っているわけでございます。現に、そういうスポーツ物につきましても、それで賭博をやったとかいうような、いろいろそういうケースもあるわけでございますし、また、そういうようなものを用いて営業しているゲームセンターで少年のたまり場になっているというふうなところも大変多いわけでございまして、そういうことでスポーツ物と、それから偶然性だけといいますか、スロットマシンのようなものとの区別というものはちょっとつけられないのではないかというふうに考えているわけでございます。
また、テレビゲーム機にはいろいろございますけれども、その中で確かにスポーツ物というものもあるわけでございます。それから、ポーカーというふうに偶然性だけのものもあるわけでございますけれども、ソフトを入れかえるだけで簡単に、機械は同じでございまして、ただカセットを入れかえるとか、あるいは基板を取りかえるとか、あるいはROMを取りかえるというだけで簡単にゲームの種類が変わってしまうわけでございまして、そういう意味からもやっぱり区分けはできないものというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/156
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157・原田立
○原田立君 私はある人に聞いたのですよ。テレビゲーム機、簡単に機械の差し入れして、そうして健康的な遊技に使うあるいはまた賭博的に使う、それは簡単に操作できるのかと不思議に思って聞いてみたのですけれども、そんなことをやったら一遍に機械がぶっ壊れてしまいますと、こういう意見だった。だから、たまたま調べに警官が来るということを知って泡を食って直したなんといったら、一遍に機械はぶっ壊れてしまうということを言っておりました。
〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕
この委員会が終わった後また現場へ現物を見に行きますけれども、部長や課長が言うように、簡単にすぐ改造ができるのだ、そういうことは言っておりませんでしたよ。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/157
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158・古山剛
○説明員(古山剛君) 最近のゲーム機に関する技術の発達というものは大変著しいわけでございまして、私どもの方もいろいろ研究したわけでございますけれども、研究すればするほど実は技術が大変すばらしいということで驚くばかりでございます。カセットを、小さなカセットでございますけれども、それを入れかえたらゲームの種類がまるで違ったものになる、あるいは小さなROMを取り外して交換するだけで全く違ったゲームになるというのが最近常態のようでございまして、一台当たりのテレビゲーム機などは数十万円もするわけでございますけれども、最近非常に景気が悪いということで、業者の方もそういうものを機械ごとそっくり入れかえるということはやっておりませんで、ソフトを入れかえるということにすれば全く違ったゲーム機になるわけでございますから、大変安い金額で変わったものになるというようなことで、最近はむしろそういうようなことが多いということで、ソフトを入れかえるだけで違ったゲーム機になるというのがだんだんと普及してきておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/158
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159・原田立
○原田立君 とにかくこの委員会が終わった後見に行って、よくあなたの説明を聞きましょう。
私は、同じテレビゲームでも健全なものと完全に賭博として使用できるものと、こういうのを明確にして、スポーツを中心にしたもの等は、明らかに健全なゲーム機は風俗営業にはなじまないと、こういうふうにしなければならないと思うのですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/159
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160・古山剛
○説明員(古山剛君) 私どもの方といたしましては、先ほども申し上げましたように、賭博に使われる可能性があるという点から規制する必要があるというふうに考えているわけでございまして、そういう意味からいたしますと、やはりスポーツ物でございましても現に賭博にも使われているケースがいろいろあるわけでございますし、先ほど申しましたように、機械の本体は変わらないで簡単にゲームの内容が変わるというものでございますので、その辺の区別もできないし、これはやっぱり点数があらわれるとかあるいは勝敗が決するというような、そういうものにつきましては、これはやっぱりその中では区別はできないだろうというふうに考えております。
それから、賭博専門の機械というようなものは、それはもう私どもの方といたしましては許可対象の営業としても認められないものでございまして、そういうものは八号営業として許可し、あるいはいろいろと指導していきます際にそういうものは設備構造の基準の中で認めていかない。あくまでもその八号営業というのは、賭博に転用されるということを未然に防止し、また少年のたまり場になるということを未然に防止して健全にやっていただくということが私どもの考えでございまして、賭博機そのものを認める、賭博を認めるというものではないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/160
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161・原田立
○原田立君 それは賭博なんか認めないでしょうよ。
五十八年の警察白書によると、警察が補導した不良行為少年の数は百三十四万一千百三十七人と、こうなっていますけれども、一体この中でゲームセンターにおいて補導した数はどの程度なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/161
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162・山田晋作
○説明員(山田晋作君) 五十八年の警察白書の中に入っておりますもので私どもが五十七年に特に調査したデータでございますけれども、これを見ますと、不良行為少年として補導した人員が百三十四万人でございます。そのうち、営業所関係、いろんな営業所ございますが、営業所関係で補導した者が約十二万四千人、そして、営業所関係の中でゲームセンター関係が四万二千人近うございます。したがいまして、営業所関係の中にゲームセンターの占める割合が約三分の一ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/162
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163・原田立
○原田立君 四万二千人で三分の一というわけですね。まだそのほかの補導をした数は多いわけでありますけれども、まあまあこんなものかなと私思うのですよ、数としては。
それで一方、業界も組織をつくって、自主規制は当然のこと、関係省庁に誓約もする、これだけの条件が付されたわけだが、具体的にいかなる対応というか、条件が整った場合に対象外と認めるのか。今後の努力目標を考えているのだったらば明示してほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/163
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164・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 業界の皆様方がいろいろの形でもって自主規制に努力をされているということは私どもも承知をいたしておりまして、その点は大変結構なことだというふうに考えておるわけでございます。ただ、これはやっぱり自主規制というもので問題がほとんどなくなるかどうかという問題との兼ね合いだろうという感じがするわけでございます。
ゲームセンターの場合には業界がいろいろございますけれども、実際の業界の組織率というのはまだまだ低うございます。現実にも非常に賭博事犯が多数発生しておる、少年のたまり場にもなっておるというような実態がある。あるいは暴力団等の関与というものがありまして、果たしてどこまで自主規制ができるかという疑問もある。そういうようなことでございまして、いろいろ御努力をされていることは私どもも歩といたしておりますけれども、現時点で自主規制が徹底いたしまして、それでそういう賭博問題、少年問題が解消されるという時点には達してないのではないか、かように考えられるわけでございまして、そういうものが自主規制で担保できるかどうか、一つの条件というお話でございますが、そこがもし条件だということになれば、今申しましたように、賭博だとかあるいは少年問題であるとか、あるいは暴力団の介入の関係だとか、あるいは各種騒音等でいろいろ苦情もございますが、そういう問題がほぼいろいろの面で解決できるということが一つの条件ではないか、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/164
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165・原田立
○原田立君 私の住んでいる福岡県の場合、業者の自主努力で福岡県健全娯楽業協会というものをつくり、健全な娯楽を目指して努力をしているわけでありますが、会員証もつくり、営業所に掲示しています。
実は私が党の矢追秀彦代議士を通じて児玉会長にお聞きしたところ、現在八〇%の業者が加入しているということであります。このように健全娯楽に努める一方、関係省庁への誓約まで実施する、こういうことになっても、何が何でも対象から外すことはだめだなんというふうに言うとは、そんな血も涙もない警察庁ではないと私は考えるのですが、今後御検討いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/165
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166・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 今先生お話の福岡県の協会の設立は五十七年六月ごろと承っております。そして、非常に努力をされていることも私どもも承知をいたしておりますけれども、例えば福岡県での五十八年でのゲーム機による賭博事犯というのは二十件、百四十四人、二十営業所ある。そこでの補導人員が約千二百七十人ばかりあるというような実態でございまして、現時点でこの問題が解消されたというふうに見るのは難しいのではなかろうかという感じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/166
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167・原田立
○原田立君 次に環境問題並びに騒音問題でちょっとお聞きするのですが、最近カラオケを中心とした騒音の苦情が増加しているとのことですが、近年における増加傾向について御報告されたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/167
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168・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 最近の五カ年間で警察が受理いたしました騒音苦情は五十四年に三万三千五百件余り、それから五十五年が三万八千三百件余り、それから五十六年が四万一千件余り、五十七年が四万二千六百件余り、五十八年が四万三千五百件余りということで年々増加をいたしております。したがいまして、五十八年は五十四年に比べまして約三〇%ふえておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/168
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169・原田立
○原田立君 環境庁来てますか。
環境庁にお伺いしますけれども、最近の騒音公害の実態、そのうちカラオケによる騒音苦情の実態について具体的調査資料がおありですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/169
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170・山浦時生
○説明員(山浦時生君) 地方公共団体の公害部局の方に騒音に係る苦情が寄せられているわけでございますが、その件数は年間大体二万二千件程度でございます。ここ十年横ばい。
騒音につきましての苦情といいますのはいろいろございまして、その内訳は、騒音発生源別に見ますと、従来から大きな騒音発生源とされております工場とか事業場、建設作業騒音、こういったものにつきましてはだんだん減少しておりまして、現在で大体五割ぐらいでございます。これに対しまして、深夜営業等に伴ういわゆるカラオケでございますが、近年金国の都市部において問題になっております。これらの苦情につきましては年々増加しているということでございます。最近三カ年間の深夜営業騒音に係る苦情件数を見ますと、昭和五十五年度は四千五百三十四件、昭和五十六年度四千二百六十七件、昭和五十七年度五千八十七件となっております。五十八年度につきましては現在集計中でございます。
なお、ここで苦情件数と申しますのは苦情対象となった営業所数を集計したものでございまして、一つの営業所に対して二人の方が苦情を申したというケースにつきましては、これは一件というふうに数えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/170
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171・原田立
○原田立君 そういう騒音苦情の増大の原因、カラオケが多い、深夜営業が多いという話があったけれども、騒音苦情の増大の原因はどこにあると考えているか。法的規制が弱いのか、行政上に問題があるのか、その点はいかがですか。これは環境庁と警察と両方お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/171
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172・山浦時生
○説明員(山浦時生君) 最近カラオケ等による騒音が多くなっている原因といたしましては、カラオケ装置等の音響機器が非常に普及してきたということ。それから第二点といたしましては、住宅地に対して深夜営業、いわゆるスナック等の深夜営業が大分進出してきておるということ。それから第三点につきましては、住民の方々のいわゆる環境の質に対する要求度といいますか、音に対する感受性といいますものが大分変わってきておる。それ以外にもいろいろ原因があると思いますけれども、騒音という立場から見ますとその三つぐらいに分けられると思います。
それで、騒音規制法の第二十八条で、地方公共団体はその地域の実情に応じて必要な場合には条例等の改正によってしかるべき措置をするように。というふうになっております。環境庁といたしましては、昭和五十五年十月に、都道府県に対して条例等の改正によってしかるべく措置をとるようにという要請を出したわけでございますが、その結果、現在三十一都道府県におきましてそういった深夜営業等に係る騒音の規制の措置がとられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/172
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173・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 騒音苦情の増大の原因でございますけれども、いろいろあると思いますけれども、やはり都市化の進展によります生活様式が大変変化した、あるいは深夜飲食店、娯楽施設等が大変増加をしてきた、あるいは音響機器が大変普及をしてきて各種の騒音源というものが増加してきた、そういうような問題、あるいはまた深夜飲食店等が住居地域等に混在をいたしておりまして、そういうものが必ずしも十分な防音装置を設けないままで深夜までカラオケ装置等を使用しているというようなことも一つの原因ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
法的な問題でございますが、今環境庁からもお話がありましたように、地方公共団体の条例が整備されつつあるというふうに承知をいたしておりますけれども、やはり警察に対する苦情、特に夜間が大変多いわけでございますが、その理由は、警察の方は夜間全部起きて態勢をとっておりますけれども、地方公共団体では必ずしも夜間の態勢というものが十分とれていない、そういうところにもってきて、先ほど言ったようなもろもろの騒音というものが発生してくる、そこで警察の方に騒音苦情がもたらされておるのではないか、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/173
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174・原田立
○原田立君 第十五条に騒音及び振動の規制があるわけですが、「風俗営業者は、営業所周辺において、政令で定めるところにより、都道府県の条例で定める数値以上の騒音又は振動が生じないように、その営業を営まなければならない。」、こうなっておるのですが、警察庁からもらったいわゆる下位法令の解釈が非常に不明確なんですけれども、この辺どうですか、明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/174
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175・古山剛
○説明員(古山剛君) 十五条の政令で何を決めるか、こういうことでございますけれども、騒音や振動の測定方法、それから数値を定めたいというふうに思っているわけでございます……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/175
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176・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 答弁者に申し上げます。少し声を大きくしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/176
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177・古山剛
○説明員(古山剛君) 失礼しました。
十五条の政令では騒音、振動の測定方法とかあるいは数値を定めたいというふうに考えております。
まず、測定方法でございますけれども、これはどういうところで測定するかという測定の位置とかあるいは測定する条件、そういったものを定めたいというふうに考えております。
それから数値でございますけれども、住居地域とか、それから専ら商業の用に供される地域など、地域ごとにいろいろとこれは異なる数値を定めなければならないというふうに考えておるわけでございますけれども、具体的な数値につきましては、営業の実態とかあるいは営業者等の要望等も踏まえて今後慎重に定めてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/177
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178・原田立
○原田立君 みんな慎重に検討して行いますということで信用せざるを得ないということだけなんですけれども、もう少しはっきりしてもらいたいと思います。
この前、他の委員からも発言がありましたけれども、第三十九条に都道府県風俗環境浄化協会、それから第四十条に全国風俗環境浄化協会、こういう規定があるわけでありますけれども、先ほどの委員とのやりとりを聞いていますと、いわゆる防犯協会にまた看板を掲げてそれでやるのだというような答弁だった。その防犯協会なるものが各県で一体どのくらいの予算化されているかというと、係員は四人ないし五人いるけれども、その予算については四百万とか三百万とか五百万とか、そういう金額の少ない予算で運営されている、そういうふうなことを聞いておるわけですけれども、防犯協会でできないのかどうか。新たにどうしてこういう風俗環境浄化協会というものをつくらなければならないのかというのはちょっとよくわからない。また、つくるからには国家公安委員長の任命というようなことになっていくのだろうと思うのです。どういう人格的な人で、どういう予算で、どういう組織でつくられていくのか。それは全国よりもまず都道府県風俗環境浄化協会、こっちの方の全体の組織的な運営、予算等々お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/178
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179・古山剛
○説明員(古山剛君) 先生からもお話が出ましたけれども、環境浄化協会として指定する団体といたしましては、防犯協会というものが既にいろいろ防犯活動の一つとして地域の風俗環境の浄化等についても現在いろいろと行っているわけでございます。そういう点からいたしまして、防犯協会をもって充てることが一番適当ではないかというふうに考えているわけでございます。その場合、役職員については既存の防犯協会の役職員が当たる。また人員等につきましては、地域の実情等を踏まえたものになるわけでございますけれども、これは県によって大きい小さい等いろいろございますけれども、大体数人程度になるのじゃないかというふうに考えているわけでございます。
それから、予算につきましても、これもまた各県の状況によっていろいろ変わっておりますので一概に申し上げられませんけれども、現在の防犯協会の予算あるいは経費のほかに、会の基金として広く浄財を集め、その集まった浄財やあるいはその果実とか、あるいは環境浄化協会の目的に賛同して入会されます会員の会費とか、あるいは各種事業の収益、委託費等をもって充てるということになるだろうというふうに思いますが、ちょっと具体的な金額等については、いろいろと県によって状況も変わるだろうと思いますし、ちょっと今ここで申し上げる自信がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/179
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180・原田立
○原田立君 要するに、この前これは佐藤委員から提起されたのですけれども、各県で年間三百万とか四百万、五百万というふうなわずかな金額であるというその防犯協会に上乗せするだけのようなもので、こんな膨大な大切な事業ができるのかどうかちょっと疑問に思う。
それで、これで質問を大体終わりにしたいと思うのでありますけれども、これは警察庁長官、それから自治大臣並びに公安委員長という立場でお伺いするのですけれども、いろいろ中身からいいますと住民の生活に密着した問題がたくさんあるわけです。また、それが政令にゆだねられているのが七十七項目もあって、僕ら読んだってさっぱり意味がわからないのが幾らもありますよ。一週間ぐらいかけてよく見ないとわからない。で、現場第一線の警察官の皆さんに周知徹底することが、この今回法改正する上に当たってこれが成功するのかしないのかという基点になると僕は思うのです。そこいら辺のところを含めて御決意をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/180
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181・三井脩
○政府委員(三井脩君) 本法の運用につきましては、警察庁はもちろんでありますが、府県におきましても、府県の公安委員会並びに府県警察本部がその運用について明確な指針、また十分な指導を行わなければなりませんが、同時に第一線で個々の警察官が業者その他に接するという面が大変大切でございます。したがいまして、この点につきましても間違いのないように十分指導を徹底してまいりたいというように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/181
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182・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 法の運用に当たりましては、第一線で直接仕事をする警察官に行き過ぎのないように、いたずらに権力を振り回すような態度がないように、これはもう努めて、徹底して努力をしていかなければならないことであると思います。公安委員会といたしましても、そのことを頭に置いて今後も徹底をさしていくように努力をいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/182
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183・原田立
○原田立君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/183
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184・高杉廸忠
○高杉廸忠君 私は、本法案の改正に当たりまして、風俗環境浄化協会、あるいは本法案の作成過程におきましての各省庁、特に私は長く社会労働委員会、商工委員会にかかわってまいりましたから、労働省、通産省、厚生省、それぞれの省庁にわたる了解事項について以下ただしたいと思いますが、本日限られた時間でありますから、まず環境浄化協会、今また原田委員からの御指摘もありましたから、引き続き順次お尋ねをいたしたいと考えております。
まず風俗環境浄化協会についてお尋ねをいたしますけれども、都道府県風俗環境浄化協会の指定については、一昨日の本委員会において佐藤委員からも質問がありました。衆議院でも既に相当論議されています。今また原田委員からの御指摘もありました。しかし、論議の跡を振り返ってみますと、どうもいま一つすっきりしない、はっきりしない、こういうのが率直な感じです。
したがって、まず明らかにしていただきたいのは、現在都道府県防犯協会連合会及び各警察署ごとにある防犯協会、それから警察署のない町村等の防犯協会、こういうものの現状をひとつ御説明をいただきたい。
そして、あわせまして、これは委員長にお願いでありますが、佐藤委員からも資料の要求がありました。私も資料の要求をいたしましたが、残念ながら十分な資料をいただけないので、東京都、そして東京都にある麹町、この二つだけの資料をいただいているというようなことでありますから、ぜひ本委員会においても、これらにわたる資料については御提出いただけるようにお取り計らいをいただきたい。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/184
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185・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 高杉君に申し上げます。
資料の取り扱いにつきましては、理事会で協議をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/185
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186・古山剛
○説明員(古山剛君) 防犯協会の現況について申し上げたいと思います。
まず都道府県防犯協会連合会でございますけれども、これは都道府県の区域ごとに設立されておりまして、その組織はおのおの異なっておりますけれども、平均的な組織は、県下に設けられたおおむね警察署単位の地域防犯団体、それから職域防犯団体をもって組織いたしておりまして、自主的な防犯活動を強力に推進することにより、犯罪のない明るい社会の建設のためにいろいろな事業を行っております。
その事業の内容といたしましては、防犯対策の調査研究でございますとか、あるいは防犯広報の推進でございますとか、あるいは防犯施設の整備拡充、防犯功労者の表彰、それから各種犯罪の予防・検挙活動に対する協力援助とか、あるいは少年の不良防止・補導活動に対する協力援助、環境の浄化活動に対する協力援助、そういった活動を行っているわけであります。
なお、活動に要する経費といたしましては、会費とかあるいは補助金等によって賄っております。
それから、各警察署の区域ごとにある地区防犯協会でございますけれども、会員につきましてはそれぞれの会則で定められておりまして、一律ではございませんけれども、地域内の居住者とかあるいは事業所等のうち防犯協会の活動目的に賛同された方々で構成されております。
それから防犯活動でございますけれども、それぞれの警察署単位の防犯協会は、県の防犯協会と相互にいろいろと連絡、協力いたしまして、そして県の防犯協会連合会と同様、いろいろな事業を行っております。
それから、活動に要する経費は、市町村の補助金でございますとか、あるいはいろいろな分担金でございますとか、あるいは自治会費等で賄っているところでございます。
それから、警察署のない町村でございますけれども、警察署単位の地区の防犯協会の組織に入っている場合、それから地区の防犯協会の支部組織となっている場合とがございます。また、これとは別に、県によりましては市町村単位の防犯協会が組織されておって、下部組織として地区防犯協会がある場合もある。大体防犯協会の現況は以上のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/186
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187・高杉廸忠
○高杉廸忠君 衆議院における本法案の審議の会議録を見ましても、また本委員会における佐藤委員を初めとする質疑に対しての御答弁でも同様であったと思うのですけれども、風俗環境浄化協会の指定について原則的に都道府県防犯協会連合会を指定するという考えのようですけれども、この際、確認の意味も含めまして、重ねてひとつその点を伺いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/187
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188・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 環境浄化協会としてどれを指定するかという問題でございますけれども、私どもは、現在、防犯協会が環境浄化協会の目的であります地域の風俗環境の浄化等についても現に取り組んでおるというような実情を踏まえまして、防犯協会をもって充てるのが適当ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。しかしながら、あくまでも指定に際しましては、この法律で定める要件を充足をしなければ指定にならないわけでございます。そういう意味で、防犯協会が今後こういう形で指定が受けられるように努力していただくのが大変ありがたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/188
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189・高杉廸忠
○高杉廸忠君 部長、衆議院においてのあなたの答弁を議事録で拝見しますと、同じような質問のところで、こういうふうに述べているのですね。つまり、浄化協会をどういう組織でやっていくのかまだ詰めていない。二つ目として、職務遂行能力があるという場合は防犯協会を指定する。これを裏から言えば、能力のない場合は指定しない、こういうふうにとれるわけですね。それから三つ目として、全般的に見て職務遂行能力があると認めれば指定したい。
これらの答弁を見ると、防犯協会を指定するとは限りません、言うならば新しい組織をつくるんだと、こう言っているようにも見えるのです。また一方、今までも話がありましたように、通産との了解事項では、原則として防犯協会を指定すると言っているのですね。こういう関係というのはどうなっているのか。この際、整理をして、わかりやすくひとつ御答弁いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/189
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190・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 環境浄化協会に指定をする場合には、先生御案内のように、この改正法案の三十九条二項におきまして、こういう事業を都道府県の協会は行う、そしてこういうふうな事業を行うのに、善良の風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成を図ることを目的として設立された民法第三十四条の法人であって、そして第二項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを指定していく、こういう考え方をとっておるわけでございます。
したがいまして私どもは、繰り返すようでございますが、防犯協会を指定をいたしたい、こう思っておりますけれども、こういう要件に、こういう事業を適正かつ確実に行うことができるかどうかという認定を、当然のことながら公安委員会でもって行われなければならないということがあるわけでございまして、そういうことで、実際にそれぞれの府県の防犯協会にいろいろ御尽力いただいて、そしてこういう資格といいますか、こういう事業を適正かつ確実に行うことができるようになるかならないかということが一つの要件でございますので、それで私どもは指定はいたしたいけれども、すぐに指定できるものではない、こういうことを申し上げているにすぎないわけでございまして、ほかの協会を指定していくという考え方は今のところないわけでございます。何とかその府県の防犯協会がこういう事業を適正かつ確実に行うことができるような形で御尽力いただいて、そうして私どもは、そういうものを都道府県の公安委員会が指定することができるような形にいってもらうのが望ましい、かように考えておるわけでございます。
通産省との覚書の問題もお話が出ましたけれども、今申しましたように、防犯協会を指定したいという気持ちを述べたにとどまるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/190
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191・高杉廸忠
○高杉廸忠君 一昨日の佐藤委員の質疑の際に、岩手県などの一部の防犯協会について指摘があったわけです。先ほども資料としてお願いをしました都道府県にある防犯協会連合会、これの組織というものをこの際ひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
同時に、資料の中身でありますけれども、当然、先ほど説明があったように、資料としては各都道府県の防犯協会連合会の役員とかあるいは職員の数とか、その基本金だとか収入とか、そこにおける会員とか、こういうものがその資料として含まれていないと意味ありませんから、それはひとつ御承知おき願いたいと思います。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/191
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192・古山剛
○説明員(古山剛君) 各都道府県にございます防犯協会連合会の組織の概況でございますけれども、先ほども申し上げましたように、都道府県の防犯協会連合会というものがございまして、その下におおむね警察署の区域ごとに地区の防犯協会あるいは市町村の防犯協会が置かれておりまして、地域の防犯活動を行っているわけでございますけれども、その組織構成を県別に見てみますと、警察署を単位とする地区防犯協会をもって組織しておりますのは東京のほか三十八ございます。それから、市町村の防犯協会と警察署単位の防犯協会との二者で組織されているのが三つ、それから市町村の防犯団体をもって組織されているのが一つ、それから、そのほか各種の防犯組合等をもって組織されているのが三つと、そういうような内訳になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/192
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193・佐藤三吾
○佐藤三吾君 ちょっと関連してお尋ねしますが、例えば通産省との覚書の中に、防犯協会を充てると、こういう覚書がある。で、衆議院のやりとりを見ると、やっぱり一応防犯協会という名前が挙がっている。ただ、今あなたの答弁を聞きますと、これこれの条件を備えておるかどうか、それを見て指定するのだとおっしゃる。ところが、防犯協会の現状についてあなたの方は把握していますね。把握しておるから私のところへも資料が出ておるわけですよ。この現状から見て、今あなたがおっしゃったような指定に足り得る都道府県の防犯協会、それは幾つありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/193
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194・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これはやはりこれからの推移を見なければならないものでございまして、現状でもって判断をするということは非常に難しかろうと思います。
と申しますのは、やはりこういうふうな事業をやるということになりますれば、それなりの体制をとらなければならないこともあろうかと思います。事業の内容にもよりますけれども、何をやるかということにもなりますが、今それぞれの防犯協会はそれぞれの目的のもとに精いっぱいの仕事をしておるということでございましょうから、そういう防犯協会が新しい仕事をしていく上に当たっては、それなりのやっぱり体制等をとっていかなければならないということであろうと思います。したがいまして、現時点で府県の防犯協会を指定できるかどうかということは、現時点で申し上げるわけにはいかない。かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/194
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195・佐藤三吾
○佐藤三吾君 しかし、少なくとも通産省との協定の中に防犯協会という名前が出てきておる以上は、これをできれば充てたいという気持ちが私はあったと思うんですね。そうしなければ環境衛生協会であるとかいろいろありますから、そういう名前で出てくるはずだよ。ところが、そうではなくて防犯協会という言葉が出てきておることは、やはりこれを充てたいという気持ちが私はあると思うのですよ。ところが、現状の防犯協会の中でそれにこたえ得るような防犯協会が都道府県にどこどこありますかと聞いておるわけです。それはわかるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/195
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196・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) それも答弁を繰り返すようになりますけれども、こういう防犯協会がこの新しい事業をやる体制がとれるかとれないかということにかかわるわけでございまして、現状でもって判断をしろというのはいささか無理ではないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/196
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197・佐藤三吾
○佐藤三吾君 それなら、なぜ防犯協会という名前が出てくるんです、逆に言うならば。現状でそういう判断ができないのになぜ防犯協会という固有名詞が出てくるんです。おかしいじゃないですか。だから、私はやっぱりそこにこの浄化協会というんですか、それのあなたたちが描いておる姿が浮き彫りになってくるのじゃないかと思うんですよ。もっと言うなら、一番しっかりしておるのは、厚生省所管の環境衛生の協会だって立派な体制にある。むしろ厚生省所管にした方がいいかもしれぬ、あなたが言う目的を推進するためには。そういったものを例えば厚生省との間には、この防犯協会という考えじゃなくて、浄化協会については、今あるあれは何と言うんですか、厚生省の所管の環境衛生協会ですか、同業組合ですか、これについては十分ひとつ協議するというようなことも言ってましょう。それならそれで、なぜそういうふうに防犯協会かもしくは環境衛生の方か、いずれかを含めて協議しましょうとかいう字句にならないのですか。本当のところを言ってくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/197
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198・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 厚生省所管の環境衛生関係のセンターございますけれども、これはやっぱり環境衛生という観点から関係の業者の健全化、適正化というような目的を持って運用をされておるというふうに承っておるわけでございまして、これはやはり風俗の問題でございますから、したがいまして厚生省所管のセンターではやっぱり難しいのではないかというふうな感じがあるわけでございます。そういうことで、それを風俗関係という形でとらえていくとすれば、これはやっぱり厚生省所管のセンターでは難しいのではないか、こういうことでその名前が挙がってないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/198
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199・高杉廸忠
○高杉廸忠君 それじゃ部長、具体的に伺いますが、これはいただいた資料の中にありますね、各都道府県。細かいことよりも都道府県で聞いてみましょう。
東京都の場合、この資料を見ても、役員、それから金の面でいう予算、東京都の場合には一億一千五百万、これと比べて福井の場合二百万ですね。それと鳥取の場合二百万。それで職員の数を見ますと、二百万のところでいずれも四人か五人、こういうことなんですれ。そうすると、先ほども払お尋ねしたときに、防犯協会そのものをすべてあなたの方では浄化協会にするのじゃないんだと。そうすると、今の防犯協会でもそういう意味では、職務遂行能力があるかどうか、その辺の判断になるわけでしょう。これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/199
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200・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 各府県の防犯協会にぱらつきのありますのは先生おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、私ども現時点で、今のままでこういうふうな浄化協会ということで指定できるかどうかというのは疑問のところのあるのもまた事実だと思います。また、もともとその仕事の中身を付加するわけでございますから、仮に体制が整っておるところでもそのまま指定をするということはまたできないわけでございまして、それなりのこの事業を遂行するに足るだけの体制をとってもらわなければ指定もできないということも事実でございます。
そういうようなことでございまして、現状から、先ほど言いましたように、それぞれの防犯協会が御尽力いただいて、そしてそういうふうな資格をつけてもらう、力をつけてもらうということを我々は期待をしておると、こういうふうに申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/200
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201・高杉廸忠
○高杉廸忠君 いただいた資料の東京都の防犯協会連合会、これを見ますと、理事が十人、常任理事が十人、会長、副会長、こういうものを入れますと三十人、そして基本金が八百万円、収入が一億一千五百万円、こうなっているわけです。恐らくこの役員と言われる方々は警察署や市町村にある防犯協会の会長クラスの人ではないか、こういうふうに思うのですが、これはどういう人がなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/201
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202・古山剛
○説明員(古山剛君) 役員の方々につきましては、地区の防犯協会の代表者の方がなっておられるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/202
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203・高杉廸忠
○高杉廸忠君 この事務局に職員の方もいるわけですね。この職員の人たちというのは警察の経験のある人もいるのだろうと思うんですが、もちろん若い人もいると思うんですが、それはどういうふうになっていますか、職員の方。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/203
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204・古山剛
○説明員(古山剛君) ただいま先生御指摘のように、警察のOBの方もおられるというふうに聞いております。また、若い人もいるというふうに聞いているわけでございますけれども、具体的にこういった方々の経歴まで実は私ども現在把握いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/204
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205・高杉廸忠
○高杉廸忠君 さらにその防犯協会について確認の意味も含めてお尋ねをします。
そうしますと、この仕事、財政的にもいろいろ規模が違いますから、大きな府県、それから中ぐらいの県、その他の県、そういうふうに分けますと、大体その仕事の内容から見て、少なくともあなたの方で出された資料のこういうことをやっていくということになれば、府県単位でもかなりのお金がかかると思うのですが、どのくらい予算的なものがなければだめだというような目安とか、いろんなものを含めて一体どのように考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/205
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206・古山剛
○説明員(古山剛君) 防犯協会の予算でございますけれども、会員からの会費とかあるいは県からの補助金等から成っておりますが、その額は、会員の数とか補助金の額等によって、各県で額は異なっているわけでございます。調査いたしましたところ、東京では一億一千万余りと、こういうことでございますが、そのほかに一千万円以上のところが十三、それから五百万円以上一千万円までのところが十六、五百万円未満のところが十七と、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/206
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207・高杉廸忠
○高杉廸忠君 御説明いただいたのですが、どうもわかりにくいんです。
今の防犯協会もかなり職員を抱えているわけですが、そういう面で見ると、現在の防犯協会の仕事をやるだけでも手いっぱいだというふうにどうも見えるのです。とても浄化協会の仕事もこれから一緒にやっていけるのだというようなことにはどうも思えないのです、金の面も含めてですね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/207
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208・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 防犯協会にもいろいろございまして、事業でこういうふうな環境浄化的な活動をやっているところもあるわけでございます。そういうところは、そういうものが母体になりまして、現在もある程度のスタッフを抱え、やっているということでございまして、そういうものを強化するというような形でやっていくということも可能だと思います。それから今度は、そうでなくて、余りそういうふうな浄化活動というものが必ずしも十分活発でないというところもあろうと思います。そういうところはそれなりに、会員と費用の点も含めて、やはり体制をとってもらわないといけないのではないか、こういうふうな感じがするわけでございまして、したがいまして現時点でできるところもあるし、今そのままではなかなかできにくいというところもあると思います。
ただ、浄化協会としてこういう形で指定を受けるということになりますれば、そういう趣旨に賛同していただくということも今度はまた逆にできてくるわけでございます。そういうふうなこと、あるいは新たな事業の関係というものもある、場合によれば委託ということで委託費もあるというようなこともあり得るわけでございまして、そういうことに関連して人員が整備されるということもあり得るだろうと思います。いろいろそういうもろもろの条件というものをやはり見据えながら、今後そういうふうに各県の防犯協会が努力していただくということを我々は期待をしておると、こういうふうなところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/208
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209・高杉廸忠
○高杉廸忠君 期待はわかるのですけれども、現実はそうでないところに問題があるのでお尋ねをしているわけですね。今回つくろうとしている浄化協会の業務内容、それから防犯協会を指定する場合の業務及び事務局の業務遂行能力との関係、今までの御答弁を聞いていても、どうも業務遂行能力ということを重視しているように聞こえるのです。そうだとすると、今聞いたところの御答弁では、どうも現在の防犯協会には少し能力がないのじゃないかと、こういうふうに私は感じるのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/209
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210・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 繰り返すようになるわけでございますが、体制のある程度充足しているところと弱いところとあると思います。それから、こういうふうな仕事をやっていくということになりますと、県の単位だけではないかもしれぬのでございます。それはやはり先ほどお話がありました各支部等の協力を受ける、一緒になってやっていくということも、当然のことながらあり得るだろうということでございまして、今お手元に提出いたしました防犯協会の体制なり予算というのはまちまちでございますけれども、やはりそういう支部との関連においても検討をしていかなければならない問題があるだろうと、こういうふうに考えられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/210
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211・高杉廸忠
○高杉廸忠君 通産省との二十項目にわたる了解事項については、きょうはお聞きできるかどうかわかりませんが、まず今までの確認で私ちょっと通産省に伺うのですが、今まで答弁を聞いていたと思うのですね。部長、課長の答弁で通産省との了解事項で防犯協会、これはどういうように通産省では了解したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/211
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212・綾部正美
○説明員(綾部正美君) お答えいたします。警察庁と当方との了解事項の内容でございますけれども、その点につきましては、風俗環境浄化協会というものは原則として防犯協会が指定されることというのが第一点でございます。
それから第二点としまして、その事業としましては、業界団体の経営指導等と重複しないようにし、経費は業界に過度の負担とならないようにすると、この二点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/212
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213・高杉廸忠
○高杉廸忠君 部長、通産省ではそういう了解で、原則として今ある防犯協会を指定すると、こういうことですね。だから、原則ですから例外も出てくる。それならば、具体的に何県は指定する能力がある、何県の防犯協会はないと、こういうやっぱり選別が必要なんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/213
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214・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) これは私はこれからの問題であるというふうに考えておるわけでございまして、法律施行までにも間があるわけでございますし、また法律が施行後そういうふうな体制がとれれば、それはその時点で指定をしていくということも可能なわけでございますから、最初から全部が全部一律に指定をするということができれば、それは望ましいことではございますけれども、そういう形でもって無理してやるべきものでもないと思います。そういうことで、それぞれの防犯協会が今後の努力によりましてこういうふうな体制なりというものを整備するということは当然可能だと思いますし、そういうことを私どもは期待をしておると、こう申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/214
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215・高杉廸忠
○高杉廸忠君 そうすると部長、原則として今の防犯協会で浄化協会の業務遂行能力があるところは指定をすると、指定しない防犯協会も出てくるわけですね。そうすると、それは新しい浄化協会という組織をつくるのですね。どうも原則的にその辺がすっきりしないというのはそこを言うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/215
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216・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 私どもは、全国が一律に指定できるということになれば、これが一番望ましいということは間違いないわけでございます。しかしながら、先ほど言いましたように、いろいろな諸条件があるわけでございます。その諸条件を満たすか満たさないかというのは、やはりこれから法律施行ないしその後におきましても、その推移を見なければならぬところもどうしても出てくるだろう。したがいまして、それじゃそういうふうな指定しないところは新しくつくるのかということでございますが、これはあくまでも従来ここにあります民法法人でこういう事業ができるものを指定していくという制度でございますから、浄化協会というものを新しくつくるというような考え方は持ってないと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/216
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217・佐藤三吾
○佐藤三吾君 関連。
通産省、今部長のを聞いておると、防犯協会というのは業界とは何ら関係ない種類のものですよ。指定するというのが、それが何で通産省との覚書の中に入ってきたんですか。あなた方が何を心配しておるのか、心配してこれに入れたのか。それから、業者の負担金を軽減することとかいろんな文句を言っていますね。これはあらかじめやっぱり取るという前提だからそういう軽減という言葉を言っておるのでしょう。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/217
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218・綾部正美
○説明員(綾部正美君) お答えいたします。
我々が折衝の過程で一番考えましたことは、一つは業界団体の行います通常の経営の改善等の経営指導、こういったものと重複するかしないかといったところが第一点の懸念事項でございます。
それから第二点は、先生おっしゃいましたように、経費の問題でございまして、折衝の過程では、警察庁の方からのお話としまして、できるだけ浄財を集めるといったような表現でお答えいただいておりますけれども、了解事項としましては、業界に過度の負担とならないようにということで、必ずしも経費を取るか取らないかというところの確たるお話は伺ってはいないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/218
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219・佐藤三吾
○佐藤三吾君 やはり負担ということを前提として、その場合に過度にならないようにということを入れたわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/219
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220・綾部正美
○説明員(綾部正美君) そういうこともあるべしという前提で了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/220
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221・佐藤三吾
○佐藤三吾君 だから鈴木さん、余りこれからの問題ということでごまかさずに、そこら辺の浄化協会のつくり方の問題がいかにも条文を見ても、あなたの答弁でも、今からこれこれの条件を備えたものをつくっていくという前提に書いていますけれども、中身はもう防犯協会ということを前提に置いて、そしてそのことについて通産省も心配をしたから、ちょっと覚書を交わしてもらわぬと困るということで覚書を交わしたという経緯もあって今ここに出てきておるわけです。ですから、そこら辺をすっきりどういう構成にして、そしていわゆる経費は過度にならないようにという心配の部分はどの程度考えておるのか、そうしてその中における中心はどういうふうになるのか、もっと具体的に示してもらいたい。
私は先ほど言ったように、全国の防犯協会の実態見ると、とてもじゃないけれどもこの法案に言うような浄化協会になり得るものではない。しかし、あえてなぜ警察がこの防犯協会にこだわるかといえば、私は、警察官の天下り先をこの浄化協会で確保して、充実していこうというねらいがこの中に貫かれているのじゃないかと、そう言っておるわけで、それならそれですぱっと言えばいい。そうしなきゃ、どう考えてもこれに罰則規定をつけて、守秘義務をつけて、そうして公務員とみなすみたいないろいろな条件ついていますけれども、こういう持って回った仕組みが理解できない。そこをきちっと言わぬからいつまでたってもこの問題が解明できないのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/221
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222・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 私どもは別に他意があって今のような形でお話のことを考えておるわけではないわけでございます。
通産省との覚書の関係、これは一般論で申しますと、法案を提出した方と、それからそれを受けて合い議をされる方では、懸念がある問題というのは、実際にあるかないかはわからないけれども、やはりそこのところは一応、何といいますか、懸念の点は払拭しておこうというのが、私どもも各省といろいろお話し合いをして了解をするときに、そういうことをすることというのはあり得るだろうと思うのです。
したがいまして、今通産省からのお話もありましたように、業界から経費を取るか取らないかわからぬけれども、過度の負担にならないようにということだけは念のために入れておこうと、こういう御趣旨ではなかったかと私どもも理解をして了解をしたということであるわけでございます。そういうようなことは、これは役所同士の了解には往々にしてあるのではないか。それがさっきのように過度と言っているから、大変何というか、ほかに思惑があるのじゃないかと、こういうお感じ方が私どもはちょっと理解しがたい面があるのではないかというふうに思うわけでございます。
そういうことで、あくまでも私どもは、経費につきまして強制的に徴収するなんということはあり得るわけはございませんし、私どもはこういうふうな風俗環境浄化ということを目指して、そうしてやはり民間の方々にいろいろ御協力を願うということは可能であろうというふうに考えておるわけでございます。そういうときに決して無理をしてはいけないという御趣旨は十分わかりますので、そういう点を考えてこういうふうな形で了解をしたと、こういうことであろうと思います。したがいまして、何かほかに他意があるのじゃないかというようなことでいろいろお話をされましても、ちょっと非常にお答えをしにくいわけでございまして、それは私どもが今申しましたようなことで了解をしておるということでございまして、実際にそういうことを考えてないからでございます。
それから、天下り先ではないかと、こういうお話がございました。天下りというのがどういうものだかよく私もわかりませんけれども、現在既に防犯協会というものがあるわけでございます。それにはそれなりの人たちが入っておる、もちろんその体制をとるということはあり得ると思います。そこに経験者が入ってくるということが私どもはないとは言えないと思いますけれども、そういうことをねらってつくったものでも何でもない、現在あるものを指定していこうということでございますから、もし本当に天下りということでいくならば、それは新しくつくるということの方が本来の天下り的な――それは天下りというのはどういう意味がということはなかなか難しいわけでございますけれども、そういうようなことになるではないかと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/222
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223・佐藤三吾
○佐藤三吾君 鈴木さんもしゃべっているうちに本意がどんどん出てきた。その本意が聞きたいのだ、本当は。なぜ私が言うかというと、例えば今の防犯協会の職員、この役職員に守秘義務を課し、違反したら罰金刑、懲役刑を付するという罰則をつける、そうしていますか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/223
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224・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 現在の防犯協会はそういう法的な性格を持っておるわけじゃございませんから、そういうものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/224
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225・佐藤三吾
○佐藤三吾君 だから、私はやっぱりここはすっきりさせていかなきゃいかぬと思うので、ここら辺をどういう職員もしくは役員にしようとし、どういう組織にしようかということをきちっとしていくことが大事だと私は思うのですよ。あなたはやっぱり本心はちゃんと持っていますね、さっき最後に出てきたけれども。それをやはりつくっていくというところに、私は非常にこの協会のあいまいさの中に危険を感じますね。そういう意味では、私としてはなかなかこれは承服できかねるものだと思うので、ひとつその点だけは強調しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/225
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226・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 当然のことながら、本心は持っておりますが、不純なものは持っておりません。あくまでも私どもは、民間のそういうふうな浄化活動というものと一緒にやっていきたいということで出しておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/226
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227・高杉廸忠
○高杉廸忠君 部長、やはり本法案の審議として大事なところですから、これからあなたが考えているような浄化委員会というものの全容をきちっとしないと、全体先生方もわからないと思うのですよ。審議のしようがないじゃないですか。だから、その辺をきちっと整理をしてわかりやすくしてもらわなきゃ、我々がわからなきゃ国民なおわからないじゃないですか。だから、それを言っているのですから、整理をして、私が具体的にお尋ねをしたことについて具体的にすっきりするようにはっきり答えていただきたい。これがお願いです。
それから、行政改革が叫ばれている中で新しい組織をつくるということは世論が許さないと、こう思うんです。そこで大臣、大臣も大変熱心に行革を進めようとする内閣のお一人です。で、既存の民間組織をそのまま指定するような説明なんですが、この説明を聞いていますと、仮に既存のものを指定したとしても、今のお話を聞いても、どうも新しい組織をつくると同じだし、また新しい組織をつくることを否認してはいないように思うのです。大臣としてどういうふうに感じられました、今の点。
それから、ついでですから、さらに大臣に、公安委員長と自治大臣という大変重要な要職にあられるから、両方兼ねているので申しわけないのですけれども、認可の法人、浄化協会を指定と言っていますが、この種のものをなるべくつくらない。現在あるものを減らしていくというのが、私はそれこそ熱心な行革の精神じゃないかと思うのですよ。大臣、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/227
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228・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 浄化協会を先ほど鈴本部長が説明した趣旨というのも、やはり今の中央、地方を通ずる行政改革を推進していく一つの方法である、そういうことも考慮に入れた考え方であると私は見ているわけです。
説明を聞いていて御不審の点もいろいろおありだと思いますけれども、予算の面あるいは屋上屋を重ねない、こういう配慮のもとにこうした協会をつくっていく。また、協会の必要性というのはこれまでも説明がありましたとおりでございまして、そういう意味でこのような趣旨のものになり、またこうした説明になっているわけでございます。
行政改革はあくまで貫いていかなければなりませんし、そういう精神のもとに今後もやっていかなければならないと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/228
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229・高杉廸忠
○高杉廸忠君 それじゃ、さらに進めますけれど、先ほどもちょっと補助金その他の費用のことでお話がありましたように、浄化協会の活動費の財源、これは補助金その他、今また大臣からの答弁だと、どうも警察の下請のような感じになるわけですね。
それで、具体的に東京都の場合の防犯協会で見ますと、協会の財源の場合に、いただいた資料を見ますと出資額が四百万、それから年間の予算が一億一千五百万、こうなっているのですね。防犯協会の現在のそれらの費用についてはだれが負担してきたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/229
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230・古山剛
○説明員(古山剛君) 基本金につきましては現在八百万円になっております。それから、その四百万円から八百万円に増額した分につきましては、協会の剰余金をもって充てたというふうに聞いております。年間の予算でございますけれども、東京都からの補助金、それから会員からの会費の収入、それから事業収益、基本財産の果実で運営しているというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/230
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231・高杉廸忠
○高杉廸忠君 その財源その他で見ても、現在の防犯協会、これは御説明があったように法律に基づく制度でないので、答弁や資料を私見ても、そう防犯協会は大きな役割というのを果たしているようには思えないのですね。しかも、東京都の場合でも年間一億一千五百万、小さな県では、さっき申し上げましたが、二百万というような県もあるのですね。ところが、浄化協会はこれはこの法律に基づくのでしょう。そういうことになると、新たに事務局の人や人数をふやしていく必要、あるいはまた警察の経験者の方がその浄化協会に行くのだというようなことになると思うのですね。そういうようなことで見ますと、この浄化協会の経費、予算、これらを見ると大変だと思うのです。それはどういうふうに今後の予算とか経費というのは考えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/231
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232・古山剛
○説明員(古山剛君) まず、現在の防犯協会はそう大きな役割を果たしていないのではないかというお話でございますけれども、都道府県の防犯協会連合会は地区防犯協会を含めたいろいろな組織、それから各種民間団体との緊密な連携、長年にわたる防犯活動の実績等から、地域社会における民間防犯活動の中核として大きな役割を果たしているというふうに考えております。したがいまして、組織としての活動実績から見まして、最小限の要員を確保することによって十分対応できるのではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/232
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233・高杉廸忠
○高杉廸忠君 東京都に例をとってお尋ねをしますけれども、東京都における現在の風俗営業の許可件数などから、これからどの程度の浄化協会の予算的な経費ですか、おおよそ予測をしていると思うのですけれども、それはどういうふうにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/233
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234・古山剛
○説明員(古山剛君) 東京の場合でございますけれども、具体的にどの範囲までの調査を委託するとか、あるいは講習の内容とか、そういったものをこれからいろいろと検討していかなければならないわけでございまして、したがいまして具体的にどのくらいの経費とか、そういうようなことにつきましてはまだちょっとお答えできる段階ではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/234
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235・高杉廸忠
○高杉廸忠君 そういうやっぱり法律に基づく浄化協会をつくってお仕事をやろうというのでしょう。そうすれば、それに対する予算とか経費、そういうある程度のものをきちんとしていかなければ計画できないのじゃないですか。それから、浄化協会ともなれば相当の経費が必要だというふうにどうも感じるのですよ。だから申し上げているわけなんですね。今までの部長、課長の答弁を見ても、財源は浄財、協会の事業収益、基本財産の運用益、委託費、こういうようなものが入っているのですね。基本財産の運用益といっても、都の場合、どのぐらいになるのか、四百万ぐらいなことだろうと思うのです。結局は浄財、委託費というふうになると思うのですが、どのようにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/235
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236・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 浄財もありますでしょうし、委託費もありますでしょうし、あるいは事業収益というようなものもあり得るのではないか、こういうように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/236
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237・高杉廸忠
○高杉廸忠君 よほどその運営を合理的にやらないと、結局はその住民の方々の寄附とか、委託費ですね、つまり手数料が引き上げられる、こういうふうに考えるのですね。そうすると、先ほども通産省との了解事項で過度の負担にならないというようなお話もあったから、考えられることは業界の負担が増大するだろうというようなことも予測するわけです。そういうことをやっぱり各省とも了解事項をつくる上には心配があったと思うのです。そういうことを詰めていかなければ、浄化協会のやっぱり全容が明らかにならないし、我々もどうも理解ができないのです。
そこで大臣、こういうことになりますと、浄化協会がつくられたときに都道府県の補助金というものも私は増加してくると思うのですね。今の財政状況からいって、これは立場をかえれば自治大臣ですから、都道府県の負担も増大することが予測されることをどういうふうに大臣としてはお考えになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/237
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238・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 国の施策による負担を地方にできるだけかけないというのが今の地方行財政に対する一つの姿勢でございまして、行政改革についてもそういうような配慮をしていかなければならないというのが私どもの精神でございます。この協会をつくるに当たりましても、できるだけ地方団体にも負担をかけない、経費もできるだけかけないようにしていこうという精神のもとにこういう案ができたわけでございます。
ただ、風俗環境をよくしていこうということは、これはもう政府や地方公共団体ばかりでなく付近の住民、国民の皆さんの多くもそれを願っているわけでございます。先ほど来いろいろ申し上げました環境の悪化というものをみんなでなくしていこうと、そういう気持ちを持っている方が自発的に浄財を寄附してくださる、こういうようなことは、これは私どもも喜んでちょうだいをしてこういうような経費に充てていってもいい、こういう考えでいるわけでございまして、地方公共団体に先ほど来お話のありました負担をかけるというようなことはできるだけ避けていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/238
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239・高杉廸忠
○高杉廸忠君 大臣の精神というのは生かしていかなきゃならないと思いますが、しかしどうも今までの答弁はそうでないから私も重ねてお伺いをしたわけなんです。
それから、今まで大臣のお話のように特殊法人や許認可法人を減らす、新しくつくらない、こういうのが大臣が言われた行革の精神、こういうふうに理解したのです。
それで、風俗環境浄化協会、これをつくらなくては環境の浄化が本当にできないだろうか、私はちょっと疑問に思っているのです。警察も仕事が多くて大変だろうと思うのです。しかし、そこを頑張ってやってもらうのが行革なんですから、そうでなければ今までやってきた仕事をそっくり民間に委託する、そうなればその分だけ人を減らす、そういうのが話の筋になるのだが、そういうことになるとまた別の問題になります。しかし、現に地方公務員も国家公務員に準じて定員の削減をずっとやってきているのですね、大臣も御承知のとおりに。ただ、警察官についてはともかく増員措置、これが講じられている。そういうことになると、今までの論議を聞き、そして振り返ってみても、今論議をしていることも含めて、公安委員長、警察自体の行革ということについてはどうも熱心でないように私は思うのです。大臣どうですか、思い切ってあなた自身の足元から行革をやるのが中曽根内閣の行革じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/239
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240・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 日本の警察が世界の各国に比べて非常な成績を上げているというその陰には、やはり警察と国民との協力というものが非常に大きな成果を果たす要因になっていると思うのです。そういう意味で、防犯協会――私も詳しくは知りませんけれども、私の狭い範囲の防犯協会の活動を見ておりまして、やっぱり防犯協会なんというものができていることは一つの防犯に対する成果を上げているのじゃないかと思うのですよ。ですから、そういう意味で日本の警察制度と国民との、一般住民との協力関係というものはこれは大事にとっておかなければならないと私は思います。それから、警察に対する行車でございますけれども、警察といえども行政改革の聖地であってはいけない、これはもう私もそういうふうに思っております。
ただ、昨今の犯罪の増加あるいは高速道路がどんどんできているその交通の取り締まり、それから都市化、そういうようなことを考えますと、警察官の増員をしてはいけないということを私は申し上げるわけにはいかない。やはり必要なところには警察官の増員もしなきゃならぬ。その反面、やっぱり事務管理的な仕事というのは、これはもう極力減らしていく。
高杉さん御承知のように、日本の人口当たりの警察官の数なんというのは、世界に比べて非常に少ない警官の数でやっているわけなんですよ。それに加えて装備の面も、私も国家公安委員長になって聞いて驚くほど装備がおくれている。車両なんかの質も、犯人を追っかけられないような車もいまだにあるのです。通信設備なんかも非常におくれている。電波の妨害を食っちゃうとそのままになっちゃうというような古い装備でこれだけのことをやっているわけです。ですから、行政改革は警察も例外であってはいけないけれども、今そうした非常に乏しい資材と少ない人数で治安に当たっているということをひとつ御理解をしていっていただきたいのでございます。
そういう面で、この浄化協会を原則として防犯協会で何とかやっていこう、こういうことであるわけでございまして、どうかこの点はひとつ十分御理解のほどをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/240
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241・高杉廸忠
○高杉廸忠君 確認ですが、自治省の方は大臣、ひとつ統括者としてお願いしたいのですが、自治省との了解事項、この中に「都道府県の事務量の増加、職員の増員をもたらさないようにする。」、これが第一。第二は、「政令等で定める手数料の額は、適宜見直しを行う。」、こういうのが警察庁との、今次この浄化協会に対する了解事項になっていますね。これは自治省に確認しているのですが、部長からコメントがあればやっていただいて、大臣に私確認したいんと思うんですが、間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/241
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242・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 自治省との了解事項の中で、「都道府県の事務量の増加、職員の増員をもたらさないようにする。」というのはおっしゃるとおりでございまして、私どもといたしましても、何とか内部努力でもってやってまいりたい、かように考えておるわけでございますが、手数料の方のお話は、これは何も浄化協会の関係で手数料ということを言っているわけではございません。
この法律の中にいろいろな形の手数料があるわけでございますが、その手数料はやはりときどきの物価というものを反映しなければならない、物価の情勢等、そういう諸般の情勢を反映しなければならないということもあるのだと思います。そういうことで、必要に応じて見直しをするということがあるわけでございまして、これは浄化協会だけに限って、ここのところでもって改定を要請した場合には速やかに検討を行うというようなことを考えて、浄化協会に限って言われているものではないわけでございます。
なお、先ほどちょっとその手数料のお話で、申しわけございませんが、手数料なりあるいは委託料みたいなものが、費用が少なくなるとそういうものをどんどん上げていくのじゃないかというようなお話がございましたけれども、これはあくまでも実際に委託に要する事業の中身、そういう事務量、そういう事業の中身をよく見ながら適正な算定をすべきものでございまして、これは手数料もそうだと思います。そういう個々の協会の都合で、予算が少ないから上げていくというようなものでないのは御了解を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/242
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243・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 地方公共団体が自主的に行政改革を行っていこうという障害の中には、国の施策によって、やろうと思ってもなかなかできない、そういう面が非常にあるわけです。ですから、単にこれは自治省が警察だけに要請している問題ではなくて、この間も私は閣議で各省に対して協力を申し入れた。そういうことでございまして、その一環でこのような自治省との了解事項になったと解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/243
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244・高杉廸忠
○高杉廸忠君 通産省、大変御苦労さんでした。ただ、後日、二十項目にわたっては、多分三十一日ということを聞いておりますから、三十一日にまた改めて御質問します。
次いで労働省、これまた、まず確認ですけれども、労働省と警察庁との了解事項の中に「本法の従業者名簿と労働基準法の労働者名簿とは」とありますが、確認の意味で、これについての説明をひとついただきたい。
同時に、けさほど労働者名簿との関係がありましたから、重ねて恐縮でありますが、まず了解事項について御説明をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/244
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245・野崎和昭
○説明員(野崎和昭君) 先生御指摘のとおり、本法案につきまして新たに従業者名簿の規定が設けられます関係上、私どもの所管しております労働基準法におきましては、適用事業場すべてについて労働者名簿の作成を義務づけているわけでございます。したがいまして、この両者の関係がどうなるかということにつきまして警察庁と検討協議いたしました結果、両者はそれぞれ制度の趣旨、目的を異にするという了解に達しましたので、その旨の覚書を結んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/245
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246・高杉廸忠
○高杉廸忠君 そこで、警察庁の方に伺うのですけれども、改正案第三十六条には、新たに従業者名簿の規定が設けられているわけですね。これまで各都道府県の条例にゆだねられていた従業者名簿については今回これを法律事項に改める、こういうふうにした理由、これは何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/246
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247・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) 条例事項を法律事項にしたということでございますが、これは従来からのいきさつもございまして、本来、風俗営業等取締法は二十二年にできたわけでございますけれども、やはり条例へほとんどのものがゆだねられておる。しかし、だんだん全国的な面で斉一をとらなければならない部分もあるではないか。しかし、また地域の実情に任しておくということがあってもいいわけでございまして、そういうものをやはり調和をとっていくべきであるということがあったのだと思います。
そういうことで、特に三十九年の風俗営業等取締法の改正、これは深夜飲食店の改正でございますけれども、そのときに、どうも風俗営業法の法体系が少し斉一を欠いておるというようなことの御指摘がありまして、特に附帯決議等で全会一致をもって、やはりこの法制度のあり方を見直すべきだという附帯決議をちょうだいしておるわけでございます。これは、やはり全国的に統一がとれておる方が望ましいという事項は法律事項に上げていくべきではないかということであろうと思います。特に、今回そういうことで条文の数も多くなったわけでございますけれども、例えば許可の条件みたいなものが、川一つ隔てて隣の県とこっちの県で条件が違うのだというのも大変国民にも御迷惑だということもありまして、そういうようなものはやはり統一をとるべきではないか、しかし、やはり地方の実情に任じておくべきもの、例えば場所の問題あるいは時間の問題、そういうふうな問題で地域の実情というものを加味していくべきものというものは条例に戻すべきではないか、こういうスタンスで今度の改正作業をやったわけでございます。
そういうことで、この従業者名簿というものも全国的にやはり統一して規律すべき事項ではないかという形で法律事項にした、こういうものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/247
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248・高杉廸忠
○高杉廸忠君 労働省に確認の意味でのお尋ねをしますけれども、労働基準法第百七条には労働者名簿についての規定があるわけです。使用主は、各労働者につき、氏名、生年月日、略歴等を記載した名簿を調製することを義務づけられているわけですね。間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/248
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249・野崎和昭
○説明員(野崎和昭君) 先生御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/249
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250・高杉廸忠
○高杉廸忠君 それで、警察庁に伺うのですが、従業者名簿と労働者名簿の違いというのは、具体的にはどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/250
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251・古山剛
○説明員(古山剛君) 風営法による従業者名簿の備えつけでございますけれども、風俗営業、風俗関連営業、それから深夜における飲食店営業の営業者において、当該営業に係る業務に従事する者について行われるものでございます。それに対しまして、労働基準法の労働者名簿は、ただいまの御説明にもございましたように、同法の適用を受ける事業または事務所において各労働者について調製されるものでございまして、両者は必ずしも対象を同じくしていないわけでございます。
それからまた、その労働者名簿は、労働者の労働条件の最低基準の確保に必要な資料を備えることを目的としているというふうに理解しているわけでございますが、風営法の従業者名簿は、営業に関して、善良の風俗の保持及び少年の健全な育成という観点から、従業の実態を把握することを目的としているものでございまして、制度の趣旨も異なっているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/251
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252・高杉廸忠
○高杉廸忠君 具体的に氏名、年齢、経歴、性別、そういうものは、私は具体的にお聞きするんですが、どこがどういうふうに違うのか。それじゃ、従業者名簿には何を書こうというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/252
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253・古山剛
○説明員(古山剛君) この法律の三十六条には氏名、住所が出ておりますけれども、そのほかに性別、生年月日、そういったものを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/253
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254・高杉廸忠
○高杉廸忠君 労働省、その労働者名簿のほかに賃金台帳とか出勤簿、こういうものも備えつけになっていると思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/254
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255・野崎和昭
○説明員(野崎和昭君) 労働基準法におきましては、労働者名簿とそれから賃金台帳の作成が義務づけられております。これらは労働基準監督官が臨検、監督をいたしました場合に、その事業場に労働者が何名いるか、女子がいるか、年少者がいるか、あるいは賃金等が適正に支払われているかということを確認するためにぜひとも必要なものてございますので、この二つは法律で義務づけられているわけでございます。
なお、出勤簿につきましては、これは使用者の出勤管理の一つの方法でございまして、それは義務づけられておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/255
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256・高杉廸忠
○高杉廸忠君 それは三年間保存ということを義務づけられていますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/256
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257・野崎和昭
○説明員(野崎和昭君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/257
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258・高杉廸忠
○高杉廸忠君 そこで、これまで従業者名簿については、警察庁から昭和三十九年に示された風俗営業等取締法施行条例基準、この第二十二条によって、一定の労働者については、「労働者名簿をもって従業者名簿に代えることができる」とされていた経過があるのですね。ところが、いただきました資料を見ますと、東京都と滋賀県の条例を見ると、滋賀県の条例には労働者名簿で代位をできる旨の規定が入っているのです。東京都の条例にはこの規定が入ってないのですね。どういうふうに違いがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/258
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259・古山剛
○説明員(古山剛君) 現行法では、労働者名簿についての定めは各県の条例にゆだねられているわけでございまして、先生のお話のように、各県の風営法施行条例でいろいろと書いているわけでございます。
私どもといたしましては、施行条例の基準を示して、いろいろと指導いたしておるわけでございますけれども、各都道府県におきましては、それぞれの必要性を判断して条例を制定しているわけでございますから、各都道府県によって差異が出てきているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/259
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260・高杉廸忠
○高杉廸忠君 御説明のように、東京都の場合、営業者は労働者名簿と重複をして従業者名簿を作成しなければならないということになるわけですね。業者の事務量の負担が増すわけなんです。労働者名簿によってその代位を認めている県もある、認めていない県もある、こういう態様で、現在はばらばらですね。
そこで、委員長にこれまたお願いなんですが、労働者名簿に代位を認めている都道府県と認めていない都道府県の数、こういうものの資料もぜひひとつ本委員会に御提出をいただきたい。
それから、そのばらばらになっている現状はどうなっていますか、ちょっと御説明してください。資料は後で御提出をいただきたい。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/260
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261・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/261
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262・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 速記起こして。
高杉委員の御要求の資料については、警察庁から早急に提出を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/262
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263・古山剛
○説明員(古山剛君) 労働者名簿による代位を認めている府県の数でございますけれども、十九府県でございます。それから代位を認めていないところが二十八府県でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/263
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264・高杉廸忠
○高杉廸忠君 この配付されました資料、これを見ますと、「風営法改正案における下位法令の規定見込事項」の第三十六条関係には、労働者名簿をもって従業者名簿にかえることができる旨の記載がないのですね。これはどういう理由なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/264
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265・古山剛
○説明員(古山剛君) 改正法におきましては、現行法の条例基準のように、労働者名簿をもってかえ得ることを明文で定めることはしないわけでございますけれども、使用者に過度の負担を強いることは適当ではございませんので、労働者名簿が作成されている営業所につきましては、これを風営法上の従業者名簿と見なして、新たに従業者名簿を作成させることを要しないように取り扱いをしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/265
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266・高杉廸忠
○高杉廸忠君 警察庁が従来条例基準によって都道府県を指導してきた方針どおり、この改正案においても労働者名簿による代位を認めて、民間業者の負担を軽減し、簡素化する、これは大臣、さっきいろいろな行革の話も出たけれども、そういう簡素化をするということなんですよ。せっかく今まで認めていたのだから、今後も引き続き運用の面で認めたらいいじゃないかと、こう思うのです。大臣、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/266
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267・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) できるだけその方向に持っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/267
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268・高杉廸忠
○高杉廸忠君 この第三十七条の警察職員の立入検査について伺いたいと思うんです。
衆議院で修正されました、警察職員が、帳簿、書類等を検査し、もしくは関係者に質問できる、この旨の条項は削除されたのですけれども、実際上は警察職員の立ち入りが行われた場合には、帳簿といいますか、こういうものは閲覧するということは当然起こり得ることが予想できるのです。警察職員が立ち入りが認められるのは、本法施行に必要な限度においてと、こう限定されているのです。そうすると、閲覧を受ける帳簿、書類等ももちろんその範囲に限られたことになる、こういうふうに思うのですけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/268
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269・古山剛
○説明員(古山剛君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/269
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270・高杉廸忠
○高杉廸忠君 そのとおりですね、確認します。
そこで伺いますが、この風俗営業の営業所には多くの種類の帳簿が備えつけられていると思うのです。警察職員の方の検査の対象となる帳簿と対象外の帳簿には、それぞれどのようなものが想定をされるのか。具体的に例えばパチンコ店とかゲームセンターによって、パチンコ店にはどの帳簿、こういうものであなたの方で予想されるもので、対象となる帳簿と対象外の帳簿というのを具体的に説明していただきたいと思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/270
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271・古山剛
○説明員(古山剛君) 風俗営業に関しまして、特にどのような帳簿を作成すべきかということを法定しておりませんので、帳簿の種類は営業所によっていろいろまちまちでございます。具体的にどの帳簿が検査の対象となるかどうかということを申し上げるのはちょっと難しいと思うわけでございます。
したがいまして、一般論として申し上げるほかはないわけでございますが、年少者の従業の状況を見るために従業状況を記載した帳簿を見たり、あるいは管理者の指導の状況を見るために、それに関連する事項を記載した帳簿を検査する場合などがございます。
逆に、本法の運用に関係のない経理帳簿は見るようなことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/271
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272・高杉廸忠
○高杉廸忠君 いろいろな帳簿があるし、それはおのずから限定されてくると思うんですね。
そこで、衆議院の審議の際には、速記録を見ますと、警察はいつから税務署の下請機関になったのかというようなやりとりもあったことが速記録に載っております。そういう質疑も行われておるようであります。
そこで、本法に基づく警察官の立ち入り権が乱用されたり、徴税や犯罪捜査等の、他の目的のためにまで行使されることがあってはならない、こう思うのです。その歯どめは、大臣からもこれはお答えいただきたいのですが、それぞれ立場があるでしょうから、その歯どめ、それはあるのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/272
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273・鈴木良一
○政府委員(鈴木良一君) もう先生おっしゃるとおり、そういう徴税の関係だとか何とかの、この法律に関係のないことを見ていくということが絶対あってはならないと、かように考えておるわけです。したがいまして、この規定の運用に当たりましては、衆議院でも附帯決議もちょうだいをいたしております。十分第一線まで運用の仕方というものを、国会の御審議あるいは附帯決議等を踏まえまして、決して目的から逸脱することのないように第一線に徹底してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/273
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274・高杉廸忠
○高杉廸忠君 大臣、歯どめ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/274
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275・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 衆議院における附帯決議におきましても、警察職員の立ち入りに当たりましては、いやしくも職権の乱用や正当に営業している者に無用の負担をかけることのないよう適正に運用すべきであり、この旨を第一線の警察官に周知徹底させるということのほかに、いろいろ具体的に挙げられておりますが、本法の運用に関係のない経理帳簿等を提出させ、または見ることのないようにすることも含まれておるわけでございまして、こうしたことは第一線に周知徹底させてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/275
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276・高杉廸忠
○高杉廸忠君 当初申し上げましたとおりに、限られたきょうの質疑の時間でありますから、私の予定しました通産省との了解事項における二十項目、厚生省との風俗営業関係に対する了解事項等については後日十分質疑を行いたい、このように思っております。
せっかく長官もおられて、一言の御答弁もいただかなかったので大変恐縮でありますが、大臣、長官にきょうの締めくくりとして一言所見をいただきたいのです。
私は幾つかの提言もいたしました。そして、本法施行については浄化協会等も含めて、言うならば新しい環境浄化に向けて意欲的に取り組もう、こういうような筋でありますから、それならばその浄化委員会なるものをこういうふうにきちっとしていくというような立場で、少なくとも私は本法審議について明確にお示しいただきたい、これが主であります。でなければ本法の審議についても支障が起きる、こういうふうに私は感じまして、そのつど申し上げてきたところであります。
そこで、長官並びに大臣からの御見解をいただくのですが、提言も含め、今後のそうした浄化協会についての一層の内容の充実のためにも、長官並びに自治大臣の御見解をひとつお聞かせいただいて、私の質問をきょうは終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/276
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277・三井脩
○政府委員(三井脩君) 現下の少年非行問題等を踏まえまして、今回のこの改正案を御提案申し上げるということになったわけでございますが、その中で、ただいま特に御指摘のございました風俗環境浄化協会の問題につきましては、先ほど大臣からもお話がございましたが、治安を維持するために警察と国民とが一体となって、警察の立場から言いますと、国民の協力をいただきながらこの問題に取り組むという観点でございます。環境浄化協会の中身の充実につきましては、そういったような観点から十分に間違いないように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/277
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278・田川誠一
○国務大臣(田川誠一君) 浄化協会につきましては、少しでも疑念のないようにすっきりした形で充実をし、効果のある団体にしていかなければならないと、このように努力をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/278
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279・大河原太一郎
○委員長(大河原太一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、次回の委員会を七月三十一印午前十時に開会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114720X02019840726/279
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